性犯罪は性別や年齢を問わず誰にでも起こりうることで、親しい間柄でも起きることがあります。被害をなくすためにも「性教育」を受け、加害者・被害者にならないよう知識を得ることが大切だと言われています。今回は、累計再生数3,500万回突破したMOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「日本の性教育について、みんなはどう思う?」をご紹介します。※再生回数は2023年6月13日時点の情報です。親友が性被害にあい……性教育は恥ずかしいもの?読者のコメント『子どもがいるので性教育はとても身近な問題だと思い共感すべき事が多くありました』『性教育は自分の身を守ったり相手を気遣ったりするために必要なので、恥ずかしいものではなく避けて通れないものだと感じます』『大人になるまで性教育に関しては恥ずかしいものだと感じていたため、あまり真面目に学んでいなかった』といったように、性教育の必要性を感じる声が多数よせられました。性の知識は恥ずかしくない!性教育の内容は性行為だけでなく、性暴力、セクシュアリティ、身体の健康など多様な問題に触れます。性に対する情報を”恥ずかしいもの”としてとらえるのではなく、自分のからだを守るためにも知識を身につけることが大切です。知っておきたい相談先●性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧「電話番号#8891」内閣府男女共同参画局HPより●各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「#8103(ハートさん)」警察庁HPより※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。また、性被害・セカンドレイプなどは性別に関係なく起こりうることです。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■イラスト/まきうちまきえ(MOREDOOR編集部)
2023年06月18日痴漢の被害を受けていても、「恥ずかしいから」などといった理由から、一人で悩み苦しんでいる方も少なくないでしょう。しかし中には、被害にあう方の”服装”に原因があると思っている方もいるようで……。そこで今回は、累計再生数3,500万回突破したMOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「そんな恰好してるから狙われるんだよ?」をご紹介します。※再生回数は2023年6月9日時点の情報です。「そんな格好してるから!」読者の感想は……『こうやってちゃんと言ってくれる友達ほしい』『小学生の頃スカートが好きだったけど、母から「狙われたら困る」という理由で履かせてもらえなかったな』『この情報みて気持ちが楽になった』『私も父に「そんな格好してるから」って言われたことある』服装のせいじゃない!痴漢は、どんなセクシュアリティ間でも起こりうるものです。もし被害に遭われてしまった場合、「性被害の相談をできる専門的な場所」があることを覚えておきましょう。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?知っておきたい相談先●性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧「電話番号#8891」内閣府男女共同参画局HPより●各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「#8103(ハートさん)」警察庁HPより※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。また、性被害・セカンドレイプなどは性別に関係なく起こりうることです。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■脚本:佐藤ちと■作画:原ぱらこ(MOREDOOR編集部)
2023年06月11日アイドルグループ『嵐』の櫻井翔さんが、2023年6月5日放送の情報番組『news zero』(日本テレビ系)に出演し、株式会社ジャニーズ事務所(以下、ジャニーズ事務所)の前社長であり、創業者でもあるジャニー喜多川さんの性加害問題について言及しました。櫻井翔「自分の言葉でお伝えできれば」ことの発端は、同年3月、イギリスの放送局『BBC』が、ジャニーズ事務所の元所属タレントが、故・ジャニー喜多川さんから性被害を受けていたと番組で放送したことでした。同年5月14日には、ジャニーズ事務所の現社長である、藤島ジュリー景子さんが事務所のウェブサイトに動画と文書を公開する形で見解を公表し、謝罪したものの、同月、立件民主党が被害にあった元所属タレントを、『性被害・児童虐待』に関するヒアリングに招くなど、いまだ騒動は収まりません。『news zero』では、性被害を受けたジャニーズ事務所の元所属タレントら約4万人分の署名が与野党に提出されたことを報じ、櫻井さんは、「この件について、自分の言葉でお伝えできればと思います」とし、時折声をつまらせながらも、自身の心境を明かしました。今回の件ですが、私には2つの側面があると考えています。1つは今、問題の責任が問われている事務所に所属しているということ。そしてもう1つは、大きな意味では、自分は被害者側に見られうる立場に置かれているということです。私にとって、この2つの側面をふまえますと、コメントすることは難しいと考えていました。今もまだどの立場でどうお話できるのか難しいのですが、お伝えしたいことの1つは、臆測で傷付く人たちがいるということです。かつて同じジャニーズJr.として時間をともにしてきた大切な仲間の中には、すでにこの世界とはまったく違うところで新しい人生を歩んでいる人たちもたくさんいます。そういう人たちも含めてあらぬ憶測を呼び、今回の問題の対象となってしまうことは、何よりも避けなくてはいけない。避けたいと。そこを考える中で、私自身、発言すること自体がまた憶測を呼び、広げ、無関係な人々まで傷付けることにつながるのではないかということを恐れています。news zeroーより引用性犯罪の被害者が、周囲からの憶測や心ない言葉で傷付くことを、『セカンドレイプ(二次被害)』と呼びます。櫻井さんには、そうした二次被害からすでに事務所を退所した仲間や、現在も活動を続ける所属タレントたちを守りたいという思いがあるのでしょう。さらに、櫻井さんはこうも続けます。ただです。だからこそ、ジャニーズ事務所は話したくない人の口を無理やり開かせることなく、しっかりとプライバシーを保護した上で、どのようなことが起こっていたのかを調査してほしい。そして被害を訴える方々、並びに本日提出された、署名した皆さんの思いを重く受け止め、二度とこのような不祥事が起こらない体制を整えなければならないと思います。最後にあらゆる性加害は絶対に許してはならないし、絶対に起こしてはならないと考えています。news zeroーより引用これまで、同事務所所属で俳優の東山紀之さん、アイドルグループ『KAT-TUN』の中丸雄一さんらが、今回の一件について、各テレビ番組で言及してきました。現役の所属タレントが何を語るのかは、世間の注目を集めており、櫻井さんが明かした思いもまた、反響を呼んでいます。・苦しい中の発言、ありがとう。精一杯の誠意、みんな、分かっているから大丈夫!・苦渋の思い、本当に語ってくれてありがとう。1人でも多くの人が救われますように。・櫻井くんの立場ではノーコメントを貫くのは当然だと思っていた。きっと、話しにくかっただろうな。何が起きているのかは、当事者しか分かりません。まだ真実が解明されていない中で、第3者の立場にある人間が、憶測を広げ、事実をねじまげるようなウワサを流すことは、『セカンドレイプ』といわれる行為です。ジャニーズ事務所がどのような対応をしていくのか、今後の動向に関心が集まっている今。被害を受けた人はもちろん、関係のない人までもが、さらに傷付くことのないよう、私たち一人ひとりのモラルが問われています。[文・構成/grape編集部]
2023年06月06日性被害のニュースを目にするようになった昨今。このような被害が起きないためにも、「性の教育」がとても大切と言われています。今回は、累計再生数3,500万回突破したMOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「日本の性教育について、みんなはどう思う?」をご紹介します。※再生回数は2023年6月2日時点の情報です。親友が性被害にあい……性教育は恥ずかしいもの?読者の感想は『防犯意識という面においても、性教育は必要であると感じた』『教える側も恥ずかしという気持ちから、教え方が浅くなりがちだけど、これからはしっかり伝える必要があると思った』『学生の頃、きちんと教えてもらったことがないから、こういう部分こそ知っておくべきことだと感じました』といったように、性教育の必要性を感じる声が多数よせられました。知識を身につけて……海外では、幅広い項目で性教育を行っているようです。日本の教育でも「性に対する知識」をより広められるような体制が整うことを願いたいですね。また、“性犯罪被害を相談できる連絡先”があります。もし性に対する違和感を感じたら、相談してみることも大切です。知っておきたい相談先●性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター一覧「電話番号#8891」内閣府男女共同参画局HPより●各都道府県警察の性犯罪被害相談電話につながる全国共通番号「#8103(ハートさん)」警察庁HPより※こちらの記事・漫画は男女の分断を助長するという意図はございません。また、性被害・セカンドレイプなどは性別に関係なく起こりうることです。あくまで一例として、それについて考えるきっかけ作りになればと思います。■イラスト/まきうちまきえ(MOREDOOR編集部)
2023年06月02日■前回のあらすじモリオがフミヤへの意地悪を自白した際、父親には話さないよう懇願されていた担任。そのことを教頭先生から指摘され、公平がどうかも大切だけれど、教師は第一に児童を守ることが大事だと諭されるのでした。■モリオは加害者ではあるけれど…■教頭の的確な回答に…学校側もモリオ家族の事態を深刻に受け止めていたよう。そして教頭先生の言葉に田中先生も納得した様子です。次回に続く「僕は加害者で被害者です」(全71話)は17時更新!
2023年05月22日痴漢に遭ったのは「服装のせいだ」と責められたとき、あなたならどうしますか?多くの女性が痴漢の被害に悩む昨今、その対策として「露出度の高い服装を控えて……」などの声もあるようです。しかし、加害者のために自分の好きな服装をやめるというのは果たして本当に正しいことなのでしょうか?そこで今回は、累計再生数3,500万回突破したMOREDOORの大人気SNSより、オリジナル漫画「そんな恰好してるから狙われるんだよ?」をご紹介します。被害者にも責任があるの……? この投稿をInstagramで見る MOREDOOR|カラダの悩み / 性教育 / LGBTQ+ ...(@moredoor_official)がシェアした投稿この漫画に読者からは様々な意見が『制服を着崩していなくても被害に遭うことが多く、母親に「変な人を引き寄せるあなたが悪い」と言われてきました。改善の仕方もわからず、ずっと自分の性だと思って生きてきたのでこの漫画を見て少し心が救われました。』『痴漢された話を友人に話したら、「そのような格好をしなければいいじゃない」と言われました。好きな格好をしているだけなのになぜか否定されてしまう世の中生きづらいです。』『小学生のころスカートが好きだったけど「危ないから」という理由で母にスカート履かせてもらえませんでした。自分を思ってのことだけどよく考えたら、被害者側が遠慮するっておかしいですよね。』この漫画を読んで、あなたはどう感じましたか?読者の皆様からは性での被害に対する気持ちに、より深い理解を求める声が多く集まりました。皆さんはこの漫画、どう感じましたか?(MOREDOOR編集部)
2023年05月10日『ブラックパンサー』シリーズに出演するミカエラ・コールが、過去に体験したレイプ被害をもとに脚本・監督・主演を務めた「I MAY DESTROY YOU/アイ・メイ・デストロイ・ユー」。長らく日本国内での配信が期待されていた中、5月5日(金)よりU-NEXTにて見放題独占配信が開始された。SNSで同世代から人気を得る新人作家のアラベラは、2冊目の締め切りに追われていたが、友人の誘惑に負けロンドンへ夜遊びに出かける。翌朝目覚めたアラベラだったが、頭には記憶にない傷があり、恐ろしい表情で自分を見下ろす男の顔がフラッシュバックする。あの夜何が起こったのか…?友人を訪ね探るアラベラは、次第に自分が何者かにレイプされたことに気づく。事件をきっかけに、アラベラはこれまで出会った友人や恋人、家族、自分の生き方を見つめ直しはじめるーー。ミカエラ・コールは俳優のみならず、脚本家として『チューインガム』(2015年)などの作品を手掛け注目されるイギリス人クリエイター。自身の実体験を基にした本作は、2020年6月に米国HBOで放送。身近に潜む性被害と“同意”をめぐる問題について、斬新な映像で描いた本作は放送以降、レビューサイト「Rotten Tomatoes」にて評論家の98%が高く評価し、2020年で最も評価の高いテレビドラマとなった。翌年の第73回エミー賞ではリミテッドシリーズ部門で9ノミネート、うち脚本賞ほか2部門を受賞するなど、複数のテレビ賞に輝くだけでなく、ミカエラ自身も2020年の米TIME誌が選ぶ「最も影響力のある100人」に選ばれ、「自分自身と向き合うきっかけになる作品、ただ見るだけでなく体験する作品を見せるクリエイター」と評された。「誰もが加害者になりかねない」―現代社会ならではの“全てが失われる危険性”を描くセンセーショナルなドラマ作品「I May Destroy You(私はあなたを壊すかもしれない)」という印象的なタイトルは、「誰かに自分が破壊される」「自分が誰かを破壊する」「自分が自分を破壊する」などの多様な意味を持つ、とミカエラは語る。自由奔放に生きる主人公アラベラがレイプ被害に遭うことから始まる本作は、彼女がそのトラウマに向き合うだけでなく、自分自身が同じように周りの人々を傷つけていないかを考え直す物語でもあり、誰もが加害者になりかねない、現代社会ならではの“全てが失われる危険性”にも迫っている。ロンドンに暮らす若者のポップでスタイリッシュなルックと音楽を交えながらも、身近に潜む性に関する問題を掘り下げる内容は、「挑戦的なテーマながら大胆な描き方で作られたゲームチェンジャー的なドラマ」「今までに観たことがないオリジナリティ」など、その独自性を評価する声が世界中から多く寄せられている。「I MAY DESTROY YOU/アイ・メイ・デストロイ・ユー」はU-NEXTにて見放題独占配信中(全12話)。(text:cinemacafe.net)
2023年05月05日夏休みや年末年始と並ぶ大型連休である、ゴールデンウイーク。気候がちょうどいい時期ということもあり、家族や友人と賑やかな旅行をしたり、一人旅で羽を伸ばしたりする人は多いでしょう。しかし、楽しい連休の裏では、魔手があなたを狙っているかもしれません。多くの人が数日間家を空けやすいタイミングだからこそ、気を付けてほしいことがあります。ゴールデンウイークは空き巣に注意!前述したように、ゴールデンウイークなどの大型連休は、多くの人が旅行や帰省で数日間、家を空けることがあります。そのため、家主の不在を狙って忍び込み、金目の物を物色する空き巣が増加する傾向にあるのだとか。各都道府県の警察や警備会社は、ウェブサイトなどで毎年のようにゴールデンウイークの空き巣対策を呼び掛けています。※写真はイメージ空き巣から家を守るには、どうすればいい?覚えておきたいポイントさまざまな手口を使い、家への侵入を試みる空き巣。どのようにして、犯罪者から家を守ればいいのでしょうか。ここでは、警察やさまざまな警備会社が推奨している対策方法をご紹介します。出かける際、玄関や窓の施錠をしっかりと確認するのは、大型連休に限らず空き巣を防ぐ方法としては基本中の基本。それに加えて、こういった対策をとってみてはいかがでしょうか。・長期外出中は、郵便物や新聞の一時停止手続きを行うポストに郵便受けが溜まっていると、視覚的に「この家はしばらくの間、人がいない」と空き巣に伝わってしまう可能性が。中でも新聞が溜まっているとマークされやすいため、配達の一時停止などを申し込みましょう。・家を空けていることが外から分からないように工夫をする。夜遅くになっても室内の電気が点かない家は、空き巣のターゲットにされがち。近年は、タイマー付きの電灯も増えているため、夜間は居間の電気を点けるよう設定してみてはいかがでしょうか。・防犯フィルムや補助錠、警報ブザーなどを設置する。窓ガラスが割れにくくなるフィルムや、補助錠や警報ブザーで空き巣が侵入しづらい家造りを。ほか、センサーライトは比較的安価で設置することができるのでオススメです。・SNSへの投稿は、身元が分かりにくいようにする。もしかすると、犯人はSNSであなたの自宅や生活リズムをチェックしているかもしれません。普段から身元の分かりづらい投稿を心掛けるほか、外出中はあまりリアルタイムで情報を発信しないほうがいいでしょう。また、空き巣を防ぐだけでなく、侵入されてしまった最悪のケースを想定するのも大切です。万が一の場合に備えて、空き巣が侵入した際、動線となるであろう場所に防犯カメラを設置しておけば、犯人逮捕が迅速になるかもしれません。防犯カメラは少々値が張りますが、対策していることが視覚的に伝わるため、目立つ場所に設置すれば抑止力にもつながります。ゴールデンウイークに空き巣被害に遭ったら、せっかくの楽しい思い出が悲しい経験で台なしになってしまうでしょう。これを機に、自宅の防犯対策を見直してみてくださいね。[文・構成/grape編集部]
2023年04月30日男女問わず、被害者にも加害者にもなる可能性がある性犯罪。しかしなかには、被害者が「男性」だった場合に、信じてもらえないこともあるようです。そこで今回は、「男女逆だったら『性被害』をもっと真剣に捉えていたと思いますか?」と、50名の男性にアンケートを実施しました。その結果をご紹介します。気になる結果は……それでは、それぞれの回答者さんが「そう思った理由」についてご紹介します!「捉えていた」と答えた方は……「性別関係なく真剣に捉えていた」と答えた方は……「そのほか」と答えた方は……寄り添える社会に男性回答者の半数以上が、「男女逆だったら性被害をもっと真剣にとらえられていたと思う」と答える結果に。被害者が男女どちらであっても、心に傷を負った事実は変わらないと考えられます。性犯罪の被害者が男性であっても女性であっても、区別なく寄り添える社会であってほしいですね。みなさんはこの結果、どう感じましたか……?覚えておきたい連絡先加害者に連絡先や位置情報を把握されていて一人で不安な場合や、どうしたらよいかわからない場合は、警察の性犯罪被害相談電話「#8103(ハートさん)」や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891(はやくワンストップ)」に連絡してください。調査主体:MOREDOOR編集部調査方法:クラウドソーシングサイト「クラウドワークス」によるインターネット上のアンケート調査調査期間:2023年3月23日〜3月28日有効回答数:50名の男性(MOREDOOR編集部)
2023年03月31日■前回のあらすじあらたな被害を告白するモリオに「何も聞いていないよ」と言葉をはさむ担任。さらに状況から判断して、「それってフミヤくんのせいなのかな?」とモリオに問いかけるのでした。■モリオの言い分に担任は…■2人の様子に不穏な空気を感じ…モリオの父親の空気に飲まれまいと誓うフミヤの母親。毅然とした態度を見せるものの、またもや想定外の展開が待ち受けるのでした。次回に続く「僕は加害者で被害者です」(全71話)は17時更新!
2023年03月29日■前回のあらすじ子どもに対して恐怖をあおる言動を繰り返すモリオの父親。その振る舞いに怒りを感じたフミヤの母親は、「頭ごなしに謝れとは言えません」と応酬します。そしてモリオに傷を見せてほしいとお願いするのでした。■傷跡を見せるモリオ、しかし…■違和感を感じるフミヤの母親突然、あらたな被害を告白するモリオ。しかしその話に声を上げたのは…。次回に続く「僕は加害者で被害者です」(全71話)は17時更新!
2023年03月27日残念なことに、不特定多数の人が行き交う場では、時に嫌な思いをさせられることもあります。その場のルールを守らない人や、一般的なマナーが身についていない人、他者に加害をする人などに遭遇すると、げんなりとしてしまいますよね。佐々木舞香の遭遇した『高齢男性』に怒りの声2023年2月26日、タレントの指原莉乃さんがプロデュースするアイドルグループ『=LOVE(イコールラブ)』のメンバーである、佐々木舞香さんがTwitterを更新。街を歩いていた際に遭遇した、見知らぬ高齢男性のとった、非常識的な行動に疑問を呈しました。ええ、え、ちょっと今起きたこと言っていいかい?歩いてたら通りすがりのおじいさんに「すげえブッス」って言われたんだけど本当にこういうことする人いるんだ!!??私はおもしろかったけどダメじゃない!!!!?— 佐々木 舞香 (@sasaki_maika) February 26, 2023 通りすがりの高齢男性に、突然「すげえブス」と暴言を吐かれたという、佐々木さん。補足の投稿によると、その時の佐々木さんは帽子を被り、マスクも着用していたため、顔の大半が見えていない状態だったのだとか。きっと、高齢男性は相手の顔をしっかりと見ておらず、ただひたすらに他者を加害することでストレス発散をしていたのでしょう。佐々木さんは受け流すことができたものの、突然他者から容姿を中傷されたら、ほとんどの人は嫌な気持ちになるはず。常識に欠けた高齢男性の失礼極まりない行動に、佐々木さんは疑問を抱かずにはいられなかったようです。同様の被害を受けた人からも共感の声たとえどんな容姿であっても、他者が一方的に評価するのは失礼な行為。加えて、暴言を吐くのはもってのほかでしょう。被害に対し、佐々木さんの心を心配する声や、同様の被害を受けた経験のある人から同情する声が寄せられています。・こういうのって、相手が傷付く反応を見て楽しんでいるんだよね。本当に悪質。・佐々木さんは「面白かった」っていってるけど、絶対にビックリしたと思うし、恐怖も感じたと思う…。・誰にいってもダメだけど、アイドルですらこんなことをいわれるだなんて…。怖すぎる。高齢男性にとって、他者の容姿を中傷するのは、単なる『ストレス発散のための1つの手段』だったのかもしれません。悲しいことに、こういった加害行為は珍しくない模様。その悪質性から、ネットでは『言葉の通り魔』と呼ばれています。身体に傷は付かずとも、時に言葉は人の心に消えない傷を残してしまうということを、認識してほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年02月26日1月24日、自衛隊での性暴力被害を訴えた元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが国と加害者を相手に民事訴訟を起こすことが明らかとなり、注目を集めている。五ノ井さんは、昨年6月から加害者からの直接謝罪を求め、メディアやYouTubeで実名での告発を行ってきた。「’20年に自衛隊に入隊した五ノ井さんは郡山駐屯地に配属されました。配属当初から日常的に男性から体を触られたり、いかがわしい言葉をかけられたりしたそうです。そして’21年の8月の宿泊訓練の夜には、3人の男性隊員からズボン越しに性器を押し付けられる性被害を受けました。この件で被害届を提出するも検察は不起訴としたそうです。このため五ノ井さんは実名での告発に踏み切りました」(全国紙社会部記者)22年8月に五ノ井さんは、10万5296筆の署名と、自衛隊内でのハラスメントについてのアンケートを防衛省に提出。検察も動くこととなり、’22年9月には不起訴処分に対し『不当』の議決が下り、捜査が再開され防衛省と加害者らが性加害を認め謝罪。’22年12月には加害者の5名に懲戒免職処分が下された。「処分が決まった後の記者会見で五ノ井さんは、『世間が注目したから重くしたと思われないよう、今後も厳正に罰してほしい。私の訴えで組織が変わると信じている』と語っていました」(前出・全国紙社会部記者)1月13日には自身のTwitterで、《いつも沢山のご声援本当にありがとうございます。救われています。闘いは続きますが、一生懸命頑張ります。今後も応援の程宜しくお願い致します》と綴っていた五ノ井さん。SNS上では彼女へのエールが多数みられた。《まじで頑張れ五ノ井さん》《五ノ井さんを応援します。》《五ノ井里奈さん、日本を良くするために戦ってくれてありがとうございます》
2023年01月25日バラエティ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に出演し、棋士や投資家として知られる桐谷広人さん。桐谷さんは同番組で、一定数以上の株券を有する株主に株式会社が贈る『株主優待券』を使った生活などを紹介しており、多くの人から注目を集めています。2023年1月7日、桐谷さんはTwitterでのなりすまし被害に悩まされていることをつづりました。桐谷さんを称する偽物のアカウントが、誤った株主優待券の情報だけでなく、本人にとって嫌なことも発信しているというのです。私の偽物がたくさんいて、rikaさん(優待投資家)や『ダイヤモンドザイ』(原稿を書いてる)の人たちが、多くの偽物を説得して、やめていただいたのですが、どうしてもやめない偽物がいて、しかも間違った優待情報をしょっちゅう書いているのです。私にとって、いやなことも繰り返しつぶやくのです。— 桐谷広人・桐谷さん【公式】 (@yuutaihiroto) January 6, 2023 周囲の協力により偽物のアカウントは減りましたが、同日現在も残っているものもあるとのこと。桐谷さんは、TwitterのIDや署名を入れ「ほかは総じて偽物です」と記した色紙をTwitterに投稿するなど、本人のアカウントであることを証明しています。 pic.twitter.com/3Cvst4n54U — 桐谷広人・桐谷さん【公式】 (@yuutaihiroto) June 9, 2022 偽物のアカウントが発する、誤った株主優待券の情報を信じる人がいると、桐谷さん本人への信頼が失われかねません。また、本人にとって嫌な投稿は、桐谷さんが不快になることもあるでしょう。偽物のアカウントに関する、桐谷さんの投稿に、さまざまなコメントが上がっています。・恥ずかしながら、偽物のアカウントを本人のものだと思い込み、だまされていました。この投稿で気付いたので、助かります。・本人になりすまして、フォロワーも増やしているなんて、ひどいですね。・すみません、偽物をフォローしていることにこの投稿で知りました…。偽物のアカウントのフォロワー数が、桐谷さん本人のものと同じくらいあるためか、間違えていた人は少なくない様子。アカウントが本人のものであるかを確認することが、まずは大切ですね。[文・構成/grape編集部]
2023年01月08日■前回のあらすじS太が強子の娘・カナに怪我をさせたと聞き、強子の自宅まで謝罪に出かける若菜と夫。その2週間後、若菜は保育参観で幼稚園を訪れると、所属していたママ友グループから無視されるでした。■明らかに周りの空気が変わり…■S太から事情を聞くと…子どものトラブルをきっかけに、若菜への嫌がらせをますます強めてきた強子。そして強子のみならず、影の敵が存在していたのでした。次回に続く「ようこそママ友グループへ」(全24話)は17時更新!
2023年01月05日お賽銭は、神様へのお供えであり、祈願成就のお礼。しかし、間違った参拝方法をとってしまう人もは少なくないようで、神社に対する迷惑行為として問題になっています。『間違った参拝方法』で深刻な被害を受ける神社世界遺産である、広島県広島県廿日市(はつかいち)市の厳島神社。ここでは「大鳥居の柱に硬貨を刺せば願いが叶う」というウワサが広まってしまい、大鳥居が傷んでしまいました。1875年に建立された歴史ある大鳥居の柱には、無数の硬貨が埋め込まれています。大鳥居に対する根拠のないウワサ話は、たびたび問題が提起されていますが、残念なことに硬貨を刺す人はなかなか減らないといいます。厳島神社側は定期的に硬貨を取り除いているそうですが、すぐに別の参拝者から新たな硬貨が差し込まれてしまい、いたちごっこと化しているようです。2022年11月末に修理工事が完了した、大鳥居。硬貨の一つひとつが柱を傷付け、その寿命を縮めているのかもしれません。出雲大社も、お賽銭による『ウワサ』で被害島根県出雲市にある出雲大社も、根拠のないウワサによって被害を受けた神社の1つ。出雲大社の神楽殿には、長さ13mもの大注連縄(おおしめなわ)があります。しかし、「注連縄にお賽銭が刺さると縁起がいい」というウワサが広まってしまったのです。大注連縄には、無数の硬貨が刺さっています。ウワサを信じた人たちが、硬貨を投げたのでしょう。出雲大社側は、ウェブサイトの『よくある質問』のページでこのウワサについて言及。大注連縄がいかに神聖かを説くと同時に、はっきりと「神様に対して失礼であり、縁起のいい行為ではない」と注意喚起をしています。注連縄は神様がお鎮まりになる御神域を示し結界する神聖なものです。その神聖な注連縄にお賽銭を投げ入れるという行為は、神様に対して失礼にあたることです。従って縁起が良いことではありません。出雲大社ーより引用これらの被害はたびたびネットで話題になり、「多くの人に広まってほしい」という声が上がっています。硬貨を鳥居に刺したり、大注連縄へ投げ入れたりした人たちに、悪気があったわけではないはず。よかれと思ってとった行動が迷惑行為になってしまう上に、神様に祈りが届かないのは、とても悲しいものです。歴史ある神社を守っていくためにも、根拠のないウワサ話が迷惑行為になっていることが多くの人に広まるといいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年01月01日【小学生のときに受けた性的な被害 最終話】現在ベビーカレンダー・ウーマンカレンダーにて“40代熟女”の日常を描いた「熟女系」を連載しているフワリーさん。今回ご紹介するのは、フワリーさんが小学校高学年ときの体験した性的被害のお話です。ある日、フワリーさんがおばあちゃんと自宅で過ごしていると、突然見知らぬ男性が本の販売をしているといって窓から上がりこんできました。男性はおばあちゃんの目を盗み、フワリーさんの胸を触り始めたのです。その後、恐怖で動けなくなってしまったフワリーさんにキスをし、全身を触るなど、男性の行動はエスカレートしていき……。あの事件から…友だちと過ごすうちに、次第に男のことを考えなくなっていったのですが……。 新聞記事を見たとき、心臓がバクバクしました。このマンガを投稿したInstagramのコメント欄やメッセージを見て、私と同じような被害に遭われた方が想像以上に多くいたことに、心が痛みます。皆さん、そのときのことを忘れられず、誰にも話していない、そういう状況なんです。自治体により相談窓口の設置もあるようですが、あまり知られていないのではないでしょうか。誰にも話すことができず、恐怖、トラウマと戦っている方も多くいらっしゃると思います。被害の大小、年齢、性別、時間の経過は関係なく記憶は残ります。この投稿をすることに迷うこともありましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。 他人事ではない、性的被害の問題。フワリーさんのInstagramの投稿には、「現在このことがトラウマになり苦しんでいるということはありませんが、忘れることはできません」と書かれていました。 子どもを守るために、大人たちはどう行動していけばいいのでしょうか。また、あってほしくないですが、もし子どもが被害に遭ったら、親はどう対応すればいいのでいいのでしょうか。万が一に備えて、家族で話し合うことも大切かもしれませんね。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:マンガ家・イラストレーター フワリー会話の中で「あれ、これ、その…」がひどくなった40代熟女。2児の母。
2022年09月23日【小学生のときに受けた性的な被害 第1話】現在ベビーカレンダー・ウーマンカレンダーにて、“40代熟女”の日常を描いた「熟女系」を連載し、Instagramでも、等身大のエピソードで人気を得ているフワリーさん。今回ご紹介するのは、そんなフワリーさんが小学校高学年ときの体験した性的被害のお話です。まさか家の中で起きるなんて…通学中など、家や学校の外では怖い思いをしたことはありませんでした。そう、“外”では……。 学校から帰ると、おばあちゃんが来ていて、2人で穏やかな時間を過ごしていた。 家の前は人通りが少ない、静かな場所。ふと窓の外を見ると、知らない男が手を振っていた。 男性は、20代くらいで東南アジア系の人のよう。おばあちゃんと一緒にいたこともあり、私はつい窓を開けてしまった……。 お母さんから、「知らない人にはついて行かないのよ!」と言われていたフワリーさん。 しかし、家の中でおばあちゃんがそばにいたこともあり、窓を開けて知らない男性に話しかけてしまいました。 男性の目的は謎ですが、窓の外からフワリーさん家の中の様子を見て、小学生であるフワリーさんがいることを確認したのでしょうか……。窓を開けてしまったフワリーさんでしたが、もし、おばあちゃんがおらず、ひとりだったらどうなっていたのでしょうか。考えると、怖いですね。 著者:マンガ家・イラストレーター フワリー会話の中で「あれ、これ、その…」がひどくなった40代熟女。2児の母。
2022年09月19日詐欺被害に遭ったため、捜査してほしいというM美さんに対し、警察官がいくら被害に遭ったのか聞いてきました。約3万だと答えると、「多いんですよ。小額の被害……泣き寝入りを狙ってるんでしょうね」と言われ……「私からしたら大被害なんですけど!? 早く捕まえないと、逃げられちゃうじゃない!」と、取り乱すM美さん。さらに「被害届を出すから早く捜査を……」とM美さんが訴えると、警察官から「あなたは出せませんよ」と言われてしまい……!? 被害届が出せず、弁護士へ相談すると… 「いやいや被害者はカード会社ですよね? お金を払うのはカード会社なんですから。となると、被害届はカード会社が出す必要があるんですよ」 「は? お金を払うのは私なんですけど?」「じゃあどうしたらいいのよ? 警察が役に立つないなら、どうしてやってお金を取り戻したらいいの?」納得できず、騒ぎ立てるM美さん。 「お金を取り戻したいなら、まず弁護士に相談するのも手ですけどね。専門にやってるところもありますから」「もういいわ! じゃぁ弁護士に相談します!!」そう言って警察署を飛び出したM美さん。 しかし、無料法律相談に電話しても、詐欺アカウントは海外のサーバーを経由していることが多く、解決まで時間と費用かかるため、警察に相談した方が良いと言われてしまいました。 カード会社、警察署、無料法律相談にたらい回しにされ、怒りのぶつけどころがないM美さんは……!? 詐欺被害に遭ったのはM美さんでも、お金を払うのはクレジットカード会社のため、被害届は出せないと言われてしまいました。さらに、警察署で「弁護士に相談したら……」と言われてその通りにしたのに、無料法律相談の電話では「まずは警察に……」とたらい回しにされるM美さん。こういった状況は、やり場のない怒りで誰でもイライラしてしまいますよね……。M美さんが冷静に動いて、問題が早期に解決するといいですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。クレジットカードが不正利用された場合や不正利用のおそれがある場合は、ただちにカード会社へ連絡して不正利用された旨を伝え、クレジットカードの停止措置を依頼しましょう。不正利用されてしまった場合のカード会社による補償や盗難保険の適用等については、各カード会社や保険会社にご確認ください。お困りの際は、警察、消費生活センター、弁護士等の専門家にご相談ください。 著者:マンガ家・イラストレーター あこ
2022年08月17日■前回のあらすじ「今だったら」と考えてみる。大人に相談した方が良かったとは思うけれど、その時の大人の対応や姿勢次第で子どもはさらに傷つくことに。子どもの気持ちを救うかどうかは大人にかかっていると思うのでした。我が家では以下のことを心掛け、娘に知ってほしいことを機会があるたびに話すようにしています。・プライベートゾーンについて教え、勝手に「見たり触ったりしてはいけない場所」と伝えること・我が子が相談しやすい環境を作ること・もし触ってくる子どもや大人がいたら「イヤ」と言ってすぐに逃げること・そのときは大人に助けを求めることまだ幼いからといって被害に遭わないとは言い切れません。子どもが被害に遭わないように、また知識がないために知らず知らずのうちに子どもが加害者にならないように…。幼児期から性教育を始めることは決して早すぎず、むしろ推奨されるべきことだと、私は思っています。それに、性教育は性犯罪を防ぐだけでなく、命の尊さを知り、愛する人を大切にする思いやりの心も育むことができると感じています。だからこそ私は、子どもたちに伝えていきたいと思うのです。私のような経験をする子どもがひとりでもいなくなりますように…。切に願います。最後までお付き合いくださり、本当にありがとうございました!
2022年08月07日4月27日に発表した結成の声明が反響を呼んだ『映像業界における性加害・性暴力をなくす会』。会には女性だけでなく、男性の性被害当事者も参加している。それは映画監督の加賀賢三氏だ。加賀氏は自身の出演した’07年のドキュメンタリー映画『童貞。をプロデュース』の撮影中に、同作の監督・松江哲明氏から性行為の強要を受けた。苦痛に感じた加賀氏はブログを通して被害を明かし、映像関係者にも苦しみを伝えてきた。さらに公開から10年後となる’17年8月、10周年記念上映の舞台挨拶に呼ばれた加賀氏は、壇上で松江氏に直接告発した。加賀氏は松江氏ともみ合いとなり、イベントはとりやめに。10周年記念上映もその場で中止となった。その後、松江氏は性行為の強要を否定する声明をプロデューサーと連名で発表した。しかし’19年12月、加賀氏のインタビュー記事がきっかけで問題が再燃。そこで松江氏は’17年の共同声明について「事実と異なる内容を発信してしまっていた」と謝罪。’20年1月には自身のnoteで、こう釈明している。「加賀さんを追い詰めていたことも今では猛省しております」「私はまるで『いじめている自覚のないいじめっ子』だったのか、と気づかされました」『童貞。をプロデュース』の一件は、メディアで取り上げられるなど、決して少なくはない反響を呼んだ。いっぽう、その後も松江氏は’18年10月期のドラマ『このマンガがすごい!』(テレビ東京系)や昨年10月期の連続ドラマ『キン肉マン THE LOST LEGEND』(WOWOW)など、話題作への起用が続いている。『童貞。をプロデュース』が公開されてから15年。なぜこうした問題があった上でもなお、映像業界は、松江氏を起用し続けるのだろう?加賀氏に尋ねると、こう答えた。■よほどのことがない限り、目を瞑る「一緒に仕事をしている人が性加害者だと、その利害関係者が『経歴に汚点を残すことになる』と考えるかもしれません。そこで、性加害が起こったと思いたくない人たちの間で『被害者にも落ち度がある』と内輪でバイアスが働いてしまうのではないでしょうか。そのため映像業界の関係者も『大きな問題になってないからそれでいい』と判断し、起用することに疑問を抱かないのではと思います」『なくす会』のメンバーである脚本家の港岳彦氏も、こう語る。「映画監督の榊英雄氏(52)や園子温氏(60)の報道があった際、業界関係者からは『知っていた』などの声がネットでも現場でも相次いでいました。でも、2人とも映像業界で長らく起用され続けていました。僕自身、『榊氏は女癖が悪い』との噂を聞いていました。しかし、それが監督と女優という力関係が影響している性的強要だったにも関わらず、それを問題だと認識できていませんでした。むしろ『そういうものだろう』と思うことで、業界の空気に加担していたのだと思います」また港氏は「問題のある監督が起用され続けるのは、プロデューサーサイドから見てそれなりの理由があるからでしょうね」と続ける。「例えば榊氏を例に挙げると、彼はもともと俳優なので、横のつながりで著名な俳優を連れてくることができる。プロデューサーサイドとしては、通常であれば予算にははまらないようなキャスティングができるので万々歳なんです。また、低予算で作品をきちんと撮りあげてくる手腕も評価されていたのだと思います。園氏のことはよく存じ上げませんが、一般論として、映画の企画書では監督の名前が非常に重要視されます。無名監督だとスルーされるのに、名前を聞いてわかる監督には『500万出します!』という声がすぐに上がる。映画製作はスポンサー探しから始まるので、ネームバリューのある人は重宝されます。園氏はそもそも国内の人気が高く、海外での受賞歴もあり、名前だけでお金が集まるのは当然です。つまり彼が監督することが決まれば、その映画は非常に製作しやすくなる。これらの理由から監督に問題があっても、よほどのことがない限り目を瞑ってしまうのではないでしょうか」■理解されないという悔しさ男性の性被害者である加賀氏は「必ずしも法律が“被害が実際にあったのかどうか”を判断できるわけではありません」と話す。「刑罰をまぬがれている性暴力に対して『実際に起こったことではない』と判断する人たちがいます。しかし、刑罰をまぬがれているということが『被害はなかった』という証明になるわけではありません」そして松江氏の件について「業界が黙殺している」といい、こう続ける。「加害を黙認しているということは、被害者の立場を貶め、その名誉や尊厳を毀損する行為となり得ると私は思います。そのため加害者との利害関係を継続することが二次加害に繋がり、それ自体が強い加害性をもつ可能性があるとも考えています」加賀氏には、二次被害もあったという。「松江氏を告発したことで、『売名だ。金が欲しいんだろ』と言われることもありました。ですが、彼を告発したところで名前が売れたり金銭的な利益につながったりするはずがありません。むしろ、告発することの精神的なリスクやコストが大きすぎます。また『頭がおかしい』と言われたり。加害者を擁護するTwitterの匿名アカウントが僕を貶めるようなことを書いたり。その投稿に、加害者の関係者が“いいね”したり……」さらに“男性の被害者”だからこそ、こんなエピソードもある。「『男のくせに何言っているの?』『タダで女性と性的なことができてラッキーじゃないか』としょっちゅう言われました。『そういう問題じゃないのに』と思っていましたが、当時は男性が性被害に遭った苦しみを吐露しても、今より真剣に受け止められませんでした。ですから、相手も悪意なく“シモの話”として片付けてしまう……。どれほど言葉を尽くしても、言われたことに反論しても、真剣に話を聞いてもらえないんですよね。弁護士さんに相談した時も同じで“理解されない”という悔しさがありましたし、自分の尊厳が損なわれているような気持ちにもなりました」最後に加賀氏は、なくす会を通して映像業界に求めることを語った。「性暴力と労働問題は密接に関わっています。過酷な労働環境が当たり前の現場も多いです。そういった状況を背景とした性暴力も起きています。そして、加害者が起用され続け、性暴力が黙殺されることもあるんです。業界が混沌としているので、まずルールやガイドラインのようなものが必要だと感じています。それは、被害者の孤立化を防ぐことにも繋がると思います」被害者の思いを汲み、少しでも寄り添いたいーー。「なくす会」のファーストカットは、まだ始まったばかりだ。
2022年06月11日■前回のあらすじ自分のことを被害者だと認識したアオは、モラ子から届いた恐ろしいメッセージの内容をモモに打ち明けることに。それを聞いたモモは、想像を超えたモラ子の行動にドン引きするのでした。これまでの出来事を振り返ってみると、あの時は「何言ってんだ?」とわからなかったことが綺麗にハマっていきました。内容的に下品で申し訳ないです…。ちなみに、被害者なのに160万を請求されたりと散々だったアオくんですが、今ではモラ子を本気で憎みつつも自分の軸を取り戻して、完全復活しています!次回に続く「サレカノ」(全51話)は21時更新!
2022年06月01日※記事内には、性暴力の被害に関する詳細な描写があります。フラッシュバック等の症状がある方はご注意ください。「何人もの女性たちから『私も榊氏から性暴力を受けた』という声が、私のもとに届いています。それも1件、2件の話ではないんです。未遂を含めなくても、両手では足りないほど。ある女性は『榊英雄が性被害の映画を撮ったことが許せない』と何度も怒りをあらわにしています」そう語るのは、カメラマンの早坂伸氏。早坂氏が撮影を務めた映画『蜜月』の監督であり、俳優の榊英雄氏(51)による複数の女性への性暴力が、『週刊文春』で報じられたのは3月10日のこと。「榊氏の作品やワークショップに参加していた4人の女優たちが被害を告白。映画へのキャスティングを持ちかけられるなどして、性的な行為を強要されたそうです。榊氏はこの報道の多くについて『合意のうえだった』と主張していましたが、その翌週にも4人の女性が新たに被害を告発しています」(芸能関係者)榊氏は、所属事務所・ファミリーツリーの公式サイト上で《今回の記事上で、事実の是非に関わらず渦中の人とされてしまった相手の方々にも、大変申し訳なく思っております》などと謝罪したものの、以後、公の場では沈黙を貫いている。しかし、榊氏の“余罪”はこれだけでなかった。早坂氏は、長年榊氏と作品を作ってきたが、榊氏の行状を知り、厳しく批判。そのため、早坂氏に相談をする女性たちが現れたのだ。今回、本誌は早坂氏を通じて、新たに被害の声を上げた3人から詳細な証言を得た。だが、具体的な時期や被害場所、出演映画については、女性たちの特定を避けるために記載しない。■演技指導を口実に繰り返した卑劣行為「榊氏が講師を務めるワークショップに参加したところ、主催者を通して榊氏の映画の出演者募集があったんです。応募すると出演が決定しました。それで、数日後に衣装合わせのために榊氏の事務所へ行くことになったんです」そう涙ながらに語るのは女優のAさん。衣装合わせのときにはスタッフが同席していたという。「その後、榊氏に演技について相談したいと言われ、事務所の一室で2人きりになったんです。出演する作品には性的なシーンがあったので、私のことを気遣ってくれたのだと思っていました」2人になると、榊氏は参考資料として性的な動画を見せ「このように演技してみて」と指示。「その時点でも、私がそうしたシーンを演じるのが初めてだったので、気を使って練習させてくれるのだと思っていました。でも、しばらくすると、彼の息遣いが荒くなってきて……。演技に合わせるようにして、下半身をあらわにして行為に及んできたんです。もちろん、同意を確認するなんてことはありませんでした」拒絶しようにも、知名度の高い監督と駆け出しの女優には、圧倒的な力の差があった。「すごく嫌で怖かったけれど、業界歴も浅く、映画の撮影についても無知だったので、そのときはどこまでが演技指導なのかわかりませんでした。“こんなこともできないでどうするんだ”と思われたり、拒否して悪い評価がつくことへの恐怖もあったんです」その後も、Aさんのもとには、会いたいということをほのめかすメッセージが来たが、会うことは避けたという。「自分が被害者であることが受け入れがたくて、これまで口を閉ざしてきました。あのときに声を上げていたら、こんなに被害者が増えなかっただろうって……。すごく後悔しています」女優のBさんも、同じように映画への出演を持ちかけられた後、事務所に呼び出された。「どんな役になるかをまだ聞かされておらず、台本を渡すから赤坂の事務所に来るようにいわれたんです。事務所に行くと榊氏以外には誰もいませんでした」Bさんに対し、榊氏は“ヌードシーンがあるから服を脱げ、演技指導をする。男を誘惑するような演技をしろ”と要求したという。「今思えば演技指導とは到底思えないんですけど、当時は“できないと思われるのも悔しい”という思いがあって……。そのまま、性行為を強要されました。逃げたくても、逃げたら役者として終わるのではないかという恐怖で動けなかったんです」その後も、Bさんのもとには「すぐ会いたい」「抱きしめたい」などのメッセージが届いたという。「仕事なので、撮影だけは参加しました。けれど、もう二度とかかわりたくなかったので、舞台挨拶は欠席しました」■いきなり路地に連れ込まれ、抵抗すると「殺すぞ」役者として成功したいという女優たちの情熱につけ込み、“演技指導”の名のもと、性暴力を振るってきた榊氏。しかし、なかには“演技指導”という建て前すらなく、いきなり性暴力を受けたという証言も。女優のCさんは榊氏の映画にオーディションを経て出演。オーディションや現場での榊氏に不審な点はなく、撮影自体は問題なく終了した。「“役者や監督としてアドバイスできると思うから、今度、話を聞くよ”と食事に誘われたときには、撮影中に演技についての助言を受けていたこともあり、学びがあればと思って承諾しました。それで、撮影からしばらくたってから、榊氏が指定した居酒屋で食事をすることに。その最中も、役者や監督としての心構えを話したり、娘さんのことを話題にしたりと、こちらが警戒するような行動は特になかったんです」日曜日で居酒屋の営業時間が短く、それほど遅くない時間帯に店を出た2人。しかし、店が駅から離れていたせいか、通りには人けがなかった。すると榊氏は、突然Cさんの腕をつかみ人一人が通るのもやっとな建物と建物の隙間に押し込んだという。「肩と頭を力いっぱいに抑えられ、跪かされました。いつのまにか彼は男性器を出していて『咥えろ』と。『嫌です』といっても無視され、『咥えろ、咥えろ』と低い声で繰り返し要求してきました。頭をつかまれていて動けないなか、無理やり立ち上がって抵抗しようとしたら『静かにしろ』『殺すぞ』と脅されて……。真っ暗なうえに、彼は道路を背に立っていて逃げられない。本当に殺されるのではないかと思いました。行為後は人が変わったように『大丈夫?』と声をかけてきて、家まで送ろうとしてきた。意味がわからず怖かったです」すきを見て逃げ出したCさん。警察に行くことも頭をよぎったが、被害について細かく説明したり、状況を再現することには精神的に耐えられそうもなかった。「昔痴漢を捕まえたときに、高圧的な事情聴取を受けたことがありました。自分が被害者の状況で、そんなふうに根掘り葉掘り聞かれたら心が壊れると思ったんです」さらにその後、Cさんのもとには榊氏から「また飲みに行こうね」とメッセージが届いた。「気持ちが悪いので、無視していたら、『えっ怒ってる?』と……。自分が何をやったのか理解していないことにぞっとしました」■被害者には向き合わず、自己保身の日々数々の女性から非道な行為を告発された榊氏だが、今は自己保身に走る日々だという。「榊氏は業務提携していた芸能事務所から契約を解除され、妻で歌手の和さん(53)からも離婚を切り出されています。『週刊文春』で最初に4人の女性が被害を告発したときに、榊氏は『妻には謝罪し、許してもらっている』と語っていました。しかし、榊氏の、女性への加害を家庭の問題にすり替えようとする姿勢は世間的にも非難の的に。妻の和さんも《一度も榊を許したことはありません》と公式サイト上で榊氏を痛烈に批判しています。それでもなお、現状では会見などをして被害者に謝罪するつもりはないようです」(前出・芸能関係者)本誌が、榊氏に対し事実の確認を求めたところ、代理人となる弁護士事務所から以下のような回答が返ってきた。「榊氏において、相手方の同意なしに性的行為を行ったり、ましてや性的加害や暴行を行った事実はございません」あくまでも“同意のうえ”と強弁する榊氏。彼女たちの消えない心の傷に、向き合う日は来るのだろうかーー。
2022年04月19日このお話は作者Aiさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。■前回のあらすじさとみに浮気のことを問い詰められたマキは「誘ってきたのはあっち」と嘘をつき、さらには「別れられてよかったね」と開き直ったのでした。■これ以上マキの被害者を出さないために…■さとみの新たな提案は…マキの嘘を暴く事実を、友人に向けて発信!! 周りの反応は…?次回に続く「結婚式直前!ドタキャン騒動」(全19話)は21時更新!
2022年04月06日佐津川愛美主演の映画『蜜月』が、監督・榊英雄氏による性暴力・性被害の告発および報道を受け、公開中止となることが公式SNSにて発表された。『とんび』『宮本から君へ』『MOTHER マザー』で知られる脚本家・港岳彦によるオリジナルストーリーとして、3月25日(金)より公開される予定だった本作。映画『蜜月』製作委員会は文面で、「榊英雄氏が監督した同作品につきまして、関係各所との協議の結果、映画『蜜月』の公開を一旦中止とさせていただきます」と発表。告発報道の内容等については触れることなく、「公開をお待ちいただいておりましたお客様、また関係者の皆様には多大なるご迷惑をお掛けし、深くお詫びを申し上げます」と謝罪した。本作は家庭内で性被害に遭ってきた女性が描かれることから、3月8日の国際女性デーに完成披露上映と女性だけのトークイベントを開催。主演の佐津川さんが「色々と沢山お伝えしたい気持ちもありますが…」と冒頭の挨拶から涙に言葉を詰まらせていた様子が伝えられ、「男性が書かれた物語なので男性目線になるのはわかっていたけれど、現場では女性としてそれはしないと思うことや女性として理解ができないことは、色々と意見させていただきました。できる限りのところで闘いました」とも明かしていた。その後9日に、榊氏により過去に性的行為の強要などがあったという複数の女性の告発を「週刊文春」がオンラインで報道、脚本の港氏もTwitterで「取材を受けました」と投稿し、事実関係についての質問を榊氏や製作委員会にそれぞれ送ったことなどを明らかにしていた。同製作委員会によれば、今後については「すべて未定」だという。(text:Reiko Uehara)
2022年03月10日令和3年5月17日に下されたいわゆる建設アスベスト健康被害集団訴訟最高裁判決を受け、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(所在地:愛知県名古屋市中区、代表:弁護士 渥美 玲子)は、下記日時にて、愛知、岐阜、三重の弁護士(石綿)健康被害についての緊急電話相談会を11月20日(土)に実施いたします。広く報道いただきますようお願いいたします。記受付日時 :令和3年11月20日(土)午前10時~午後4時電話相談番号:052-331-9054(金山総合法律事務所の電話番号です)実施場所 :金山総合法律事務所〒460-0022 名古屋市中区金山1丁目9番17号 金山スズキビル8階主催 :アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(代表者弁護士渥美玲子)概要 :愛知、岐阜、三重の弁護士が無料でアスベスト・じん肺被害の救済制度・救済方法等に関する電話相談に応じます。アスベスト疾患やじん肺に詳しい医師も相談に応じます。秘密厳守。相談は無料です。以下、アスベスト健康被害についての緊急電話相談会の開催趣旨と、電話相談で確認可能な内容等をお伝えいたします。1. 実施の趣旨(1) 令和3年5月17日、最高裁判所は、全国4か所(横浜、東京、京都、大阪)の原告団による建設アスベスト健康被害集団訴訟について統一的な判決を言い渡し、国の責任を認めました。また、最高裁は、民法719条後段の類推適用により、建材の市場占有率(シェア)の大きい建設材料のメーカーの賠償責任についても幅広く認めつつ、高裁でメーカーごとの責任の範囲や賠償額を審理し直すよう命じ、高裁での審理が継続することとなりました。最高裁は、昭和50年10月1日(特定化学物質障害予防規則改正時)から平成16年10月1日(改正労働安全衛生法施行令施行時)の間、国により呼吸用保護具の使用義務付け等に関する適切な規制がなされていなかったとして、同期間内に屋内の建設現場で働いてアスベストにさらされたことにより健康被害に遭われた方に対し、国の責任を認めています。なお、個人事業主として建設業に携わるいわゆる一人親方も救済の対象となっています。また、判決を受け、国が原告に最大1300万円の和解金を支払うとの提案が国から行われ、原告団が了承したほか、訴訟外での被害者救済のための基金制度創設も検討されているとの報道もなされています。(2) そして、上記最高裁判決を受けて、令和3年6月9日に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が成立し、同月16日に公布されました。同法律においては、いわゆる「建設アスベスト給付金制度」の内容が定められています。その概要は、建設業務に従事していた方のうち、昭和47年10月1日から昭和50年9月30日までの間に石綿の吹付け作業を行っていた方及び昭和50年10月日から平成16年9月30日までの間に一定の屋内作業場で行われた作業(詳細は未定)を行っていた方で、アスベストを原因とする一定の健康被害を受けた方を対象に、国から最大で1300万円が支給されるというものです。給付を受けるための手続きの詳細は未定ですが、希望者から厚生労働大臣に対して給付金の請求を行い、請求に基づく審査によって給付を行うかどうかが判断されることになっています。請求の受付けを開始する日は未定ですが、令和3年6月16日から1年以内とされています。(3) 上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、多くの被害者が救済の対象となりうる大きな意義のあるものです。令和3年6月25日に厚生労働省が公表した「令和2年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」図3-1によると、アスベスト疾患による労災認定者のうち建設業の占める割合が54.6%と最も多く(参考URL: )、建設業に従事した方のアスベスト健康被害は多数にのぼっています。これは、建材にアスベストが大量に使われていたこと、国の住宅政策等による建設需要により多くの建設作業従事者が建設作業中にアスベストにさらされたためです。当然、東海3県においても建設アスベストによる被害者が多くおられますが、国や建材メーカーへの損害賠償請求ができることについての周知は不十分な状況です。上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、建設アスベストによる健康被害が広く救済される端緒となるものです。(4) アスベスト健康被害についての国や企業への損害賠償請求については、情報提供が不十分な状況であり、弁護士による支援が不可欠です。また、現在症状がない方でも健康診断を定期的に受けられる制度があり、その時々で適切な救済手段を検討する必要があります。そこで、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団は、東海3県にお住まいの方を対象に緊急の電話相談会を開催することといたしました。当日は、弁護士だけでなくアスベスト疾患に詳しい専門医も電話相談に応じます。2. アスベスト被害救済等についての説明アスベストは戦後の高度経済成長期に大量輸入・大量使用され、建材等のみならず、思いもかけない場面で使用されてきました。誰もがどこかでアスベストにばく露された可能性があり、アスベストにばく露された人は膨大な数にのぼります。また、石綿関連疾患の中皮腫は、潜伏期間が30年あるともいわれ、今後も重篤な被害を受けて救済を必要とされる方の数は増加していきます。救済手段としては、国や建材メーカーへの訴訟提起の他、雇用主への訴訟提起、労災申請(労働者や、特別加入の一人親方)、石綿救済法に基づく救済(アスベスト工場の近隣住民等の労働者以外の方)、健康管理手帳の取得(労働者で健康被害がまだ出ていない方)等があります。アスベストによる健康被害は、(1)肺がん(石綿肺所見等のあるもの)、(2)中皮腫、(3)びまん性胸膜肥厚、(4)良性石綿胸水、(5)石綿肺です。救済を受けるには、アスベストによる健康被害である事を立証する必要があります。病態は様々なためにアスベスト関連疾患の専門医でなければ判断がつかない微妙なケースもありえ、アスベスト疾患の専門医による支援も不可欠です。当弁護団は専門医の協力をえながら、適切な救済を受けられるよう支援を行います。3. 報道機関の皆様へのお願いアスベストの被害を受けているにもかかわらず、補償を受けることができていない労働者の方々が沢山いるはずです。本年6月にも今回と同様の110番を実施しましたが、報道をご覧になった方々から80件もの相談がありました。健康被害を受けた方が適切な救済を受けるきっかけになりえますので、ぜひ、電話相談会(110番)を広く報道してください。事前の告知記事を掲載いただき、電話相談会当日も、是非、金山総合法律事務所に取材にお越しのうえ報道していただければと思います。4. アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団アスベスト・じん肺による健康被害の法的救済を図ることを目的に東海3県を中心とする弁護士によって組織された団体です。2005年の弁護団結成以来,毎年春と秋に110番(電話相談)活動を実施し、年間20件から50件ほどの相談実績があります。弁護団員が関与した国への国家賠償請求訴訟(泉南型・石綿工場等の労働者による訴訟)は現在44件の和解が成立し、ご遺族が賠償金を受け取るお手伝いをしてきました。また、国家賠償請求だけでなく、企業に対する損害賠償訴訟、労災申請、石綿救済法に基づく申請、健康管理手帳の取得支援などの弁護団活動をしています。公表可能なものに限定されますが、直近では、令和3年5月に日本インシュレーション株式会社に対する請求認容判決を獲得し、同年10月に株式会社エム・エム・ケイとの間で、同年10月に富士パーライト株式会社との間で和解をしました。その他、アスベスト・じん肺被害救済を目指す他の団体と共同した取り組みを行い、岐阜県羽島市でニチアス羽島工場の従業員・周辺住民を対象とする相談会を開くなど、ニチアス羽島工場のアスベスト被害問題にも取り組んでいます。弁護団HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月09日2021年10月7日の夜、最大震度5強を観測する、首都圏直下型の強い地震が発生。家具が転倒したり、飾っていたコレクションが落下したりといった、自宅での被害報告を多くの人がネットに投稿しています。たなかわいてぃー(@TanakaYT_)さんも、強い揺れによって被害を受けた1人。その詳細をTwitterに投稿したところ、なぜか笑ってしまう人が続出しました。地震による被害であるにもかかわらず、笑顔になる人が相次いだ理由は…実際の現場をご覧ください。地震のせいでバナナ全部落ちたw pic.twitter.com/cog8wy8yga — たなかわいてぃー (@TanakaYT_) October 7, 2021 投稿者さんが受けた被害。それは、吊るしていたバナナが全部落下してしまったのです…。吊るされているのは、抜け殻のようにぶらりと垂れ下がるバナナの皮と果軸(かへい)のみ。強い揺れによって、食べる部分は独りでにすべて落ちていたのだとか。ある意味『大惨事』といえる被害報告は拡散され、多くの人から反響が上がりました。・甚大な被害ですね…。っていや、こんなん笑うわ。・そもそも、バナナの保管の仕方がシュールで噴き出した。・笑ったし、なんかホッとした!まさに「そんなバナナ」。食べようとしていた投稿者さんからすると、甚大な被害といえる…のかもしれない今回の事故。しかし、この投稿を見て、地震で不安になった心を落ち着かせることができた人も多いようです![文・構成/grape編集部]
2021年10月08日加害者からは「恋愛」だと言われ、親にも誰にも話すことができず、心が凍りついていく。フォトグラファーの石田郁子さん(43)が、信頼する教師から「性暴力」を受け始めたのは、札幌市の中学に通っていた15歳のとき。ずっと「恋愛」だと思い込まされてきて、それが「犯罪」であったと気付いたときは37歳になっていた。児童・生徒への教師による性暴力が後を絶たない現状がある。文部科学省によると、19年度に性暴力やセクハラで処分された公立小中高などの教職員は273人で、過去最多だった前年度とほぼ変わらぬ多い数だった。このうち121人が、性暴力によって懲戒免職となっている。そんななか、21年5月に、教師らによる児童・生徒へのわいせつ行為や性暴力を防止する、いわゆる「教員性暴力対策法」が成立。この新法により、懲戒免職となった教職員が処分歴を隠して再び教壇に立つことなどが極めて困難となった。石田さんが、彼女の尊厳をかけて「実名・顔出し」で取り組んだ教師らを訴えた裁判は、この新法成立に大きく寄与したとされる。自らのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や時効の壁との闘いを経て、現在は性暴力に関する講演や執筆も精力的に行っている。「15歳までは、どこの学校にもいる、絵の好きな普通の女の子でした」■中学三年生のころ、教員から無理やりキスをされた美術科のある高校を目指し、美術教員だった教師Aから絵の指導を受けていた石田さん、中3の卒業式の前日に、その教師Aから突然、『チケットがあるんだ』と、美術館に誘われた。「お世話になった先生の誘いを断れずに美術館へ行き、そこで私は急におなかが痛くなるんです」その教師Aは、体を休ませるためと言って石田さんを一人暮らしの自宅に車で連れ帰った。やがて体調が戻った彼女が画集などを見ていると、「実は好きだったんだ」いったんは拒絶したものの、無理やりキスをされた。「私は頭が真っ白になり、過呼吸のような状態になって、泣きだしてしまいました」母に相談するも叱り飛ばされ、その後誰にも相談する勇気を持てなかった石田さん。戸惑いと恐怖のなかで、関係は大学2年時まで続いた。「教師と生徒。その絶対的な支配関係があって、一緒にいる間は、私は人形のようになっていたと思います。DVの構造に似ているのかもしれません。別れは突然で、大学2年の夏でした。教員に新しい恋人ができたようで、私とは会わなくなりました。彼の相手は、新任でやってきた女性教師だったようです」■施設に通う少女に性暴力を働いた職員の裁判を偶然傍聴して気持ちが固まった教師Aと別れた石田さんは、大学3年生の1年間を休学し、京都でバイトなどをして過ごした。そして大学に戻り、4年生で行った教育実習でのこと。「高校の教壇に立ち、ハッと思うんです。私が22歳で生徒は18歳くらいで年齢差もそれ程なかったんですが、それでも、この子たちを恋愛対象にするのはおかしいと。そもそも教師にとって、子供というのは恋愛対象ではなくケアすべき対象なんだと確信しました」そこへ教師Aから、大学を卒業したタイミングで再び手紙が届き始める。「『交際中の女性と別れるかもしれない』『私は女性を尊敬しているのに、なぜ愛されないのか』などとあり、最初は無視しましたが、2回目の手紙が届くに至って、札幌市の教育委員会に、中学以来の教員との出来事を記して『厳重に処罰してほしい』と要望書を送りました。その後、教育委員会を訪ね、私は先生と生徒が恋愛すること自体がおかしいと主張しました。しかし、元は小学校校長だったという児童相談員の高齢女性は『卒業してからの恋愛は自由だから』といった対応で、『相手の教師にも告げます』とのことでしたが、結局、あとで告げられていなかったこともわかるんです。すべてをうやむやにされたような印象で、人間不信にも陥ってしまいました」その後、もっと美術の勉強をしたいと思った石田さんは、金沢美術工芸大学に入学。卒業後、29歳のときにフォトグラファーを名乗り、結婚式場の写真撮影などで生計を立てるようになる。さらに1年弱のフィンランド留学を経て、帰国後に上京。35歳になる直前の沖縄旅行で、転機となる出会いがあった。「ある高齢の男性と友人になりましたが、彼が過去に服役経験もある波瀾の人生を送ったと知るんです。えっ、服役って、傷害罪ってどんなことだろうと、そんな単純な疑問が、帰京して裁判傍聴をするきっかけでした」東京地方裁判所に傍聴に出かけたのは、37歳の5月だった。「本当に偶然に、その日、傍聴できたのが児童福祉法違反の裁判でした。被告は20代後半の男性で、被害者は16歳の少女。加害者男性は養護施設の職員で、施設に通う少女に性暴力を働いた罪を問われるんですが、その職員が供述するんです。『恋愛だった。同意があった』。そのとき初めて知るんです。私に起こったのは、裁判になるようなことだったんだ、と」裁判所からの帰り道、涙がポロポロとこぼれ落ちてきた。過去をふり返り、何度も自問自答するなかで気持ちが固まっていく。裁判傍聴から7カ月後、石田さんは札幌に戻り、教師Aを呼び出す。教育委員会への申し立てに先立ち、証拠となる音声データを集めるためだった。■いまもあの教員が学校で生徒に接している。その情景を想像して黙っていられなくなった「先生、覚えてます?」「玄関でキスした。忘れるわけがありません」年末の居酒屋にやってきた教師Aは、石田さんの緊張を笑い飛ばすように饒舌だったという。「いつかあなたが、『私の人生を狂わせた』と言ってくるんじゃないかと思ってました。教育委員会にバレたら、俺は免職、クビだから。『僕はこの人を幸せにするから、この仕事を続けさせてください』と言うつもりだった」石田さんが、その場面を振り返る。「教員は、自分に都合のいいというか、こちらをなめたようなことばかりベラベラと話しました。私は、裁判について調べ始めてすぐに、刑事事件では7年という時効があって難しいけれど、地方公務員の教員の懲戒処分に関しては時効がないことを知り、かつてあった事実を証明するために、教員との会話を録りました」このときの録音記録を持参し、16年2月、石田さんは札幌市の教育委員会へ、教師Aの適切な処分を求めて申し立てを行う。「過去には無視されたりした教育委員会に出向くこと自体、私にはとても勇気のいることでした」ところが市教委の聞き取りで、教師A側は石田さんの訴えをことごとく否定。「市教委側も、『事実認定ができないから』と、加害者である教員をかばうばかりなんだと、大きな絶望感にも襲われました」この市教委訪問のころから、石田さんに、ふとしたときにイヤなことをされた記憶がよみがえるフラッシュバックなどPTSDの症状が出始める。「私の場合、当時着ていたダッフルコートの襟の感覚など、なぜか触覚的なものが多かった。なんて私はばかだったんだと深く落ち込んだりして、38歳の1年間は、人生でいちばんしんどかった」しかし、その後も鬱々とした日々を過ごしながらも、いつも頭のどこかに、諦めてはいけないという気持ちがあった。「うまく言えませんが、私自身、このまま黙って生き続けることはできないという思いです。教師が嘘をつけば懲戒処分を免れるという、加害者に有利な状況はおかしい。今もあの教師が中学校で普通に生徒と接していて、教育委員会も黙認している。その教室の情景を想像して、黙っていられなくなったのが、私が提訴に至ったいちばんの理由です」19年2月、教師Aと札幌市を相手取り、約3千万円の損害賠償を求めて提訴。こうした裁判では珍しく、自身のプライバシーをさらけ出す覚悟も決めていた。「これまで友人や、いわゆる知識人と呼ばれる人にも相談しましたが、9割が『なんでいまさら昔のことを』という対応でした。私自身は、自分は絶対に悪くないという確固とした思いがありましたから、実名・顔出しなら本気で聞いてもらえるのではないかと、迷いはなかったです」8月の一審の東京地裁では、音声データなども提出したが、不法行為から20年が経過して、民法上の損害賠償請求権が認められる期間が過ぎているとの判断で、訴えを退けられる。「一審では、こんなに長い時間が経過してからPTSDになることが本当にあるのかと。また、大学生だった私には性行為の意味を理解できていたはずなど加害者の言い分ばかりを聞き、“石田はおかしい人”と見ているかなり偏った判決で、非常に傷つきました」このまま、また被害者である自分の言い分はまともに聞いてもらえないのかと、半ば諦めとともに迎えた20年12月の東京高裁での二審。控訴は棄却となったが、ついに判決のなかでかつての教師Aによる性暴力行為が認められた。これを受け、21年1月28日、札幌市教育委員会が、教師Aを懲戒免職とする処分を発表。同時に市教委の担当部長が、「寄り添った対応ができなかったことに対して、被害に遭われた女性に心からお詫び申し上げる」と謝罪。石田さんは、「教員が懲戒免職となることを知らせる市教委からのメールを最初に見たときは、長く続いた大嵐が突然やんで、雲の隙間から光が差し込んできたような心境でした。喜びより、安心したというのが素直な気持ちです」15歳の少女が、43歳の女性になっていた。人間不信やPTSDに悩み苦しみ続けた28年もの歳月を経て、彼女は自らの意志で次のステップへと踏み出した。この4カ月後、教師等の性暴力から児童・生徒を守る新法が成立し、記者会見で石田さんは語った。「これまで置き去りにされてきた学校での性暴力の問題について、急に動きだした感じ。自分が訴えてきたことが、生かされたことはうれしいです」現在も発信を続ける彼女は言う。「『加害者にならないための教育』が大事だと思うんです。泥棒や殺人がやってはいけないことと同じように、教師の性暴力も犯罪なのだと社会全体で認識すること。また親御さんに対しては、もしお子さんが被害を受けていても、子供を責めることはしないでほしい。被害の当事者はけっして悪くないと伝えたいです」
2021年09月13日「性犯罪では、被害に遭った人は『一生苦しむ』と言われたり、ときには『魂の殺人』という表現で語られたりします。それは一部事実だけど、本当ではありません。人には、戻る力もあります。私も一時は“先生”や“札幌”という言葉を聞くのもひどく苦痛でしたが、変われました。周囲の支えや法律に守られることによって立ち直れる事実を、私の体験を通じて知ってもらいたいのです」フォトグラファーの石田郁子さん(43)が、信頼する教師から「性暴力」を受け始めたのは、札幌市の中学に通っていた15歳のとき。ずっと「恋愛」だと思い込まされてきて、それが「犯罪」であったと気付いたときは37歳になっていた。児童・生徒への教師による性暴力が後を絶たない現状がある。文部科学省によると、’19年度に性暴力やセクハラで処分された公立小中高などの教職員は273人で、過去最多だった前年度とほぼ変わらぬ多い数だった。このうち121人が、性暴力によって懲戒免職となっている。そんななか、21年5月に、教師らによる児童・生徒へのわいせつ行為や性暴力を防止する、いわゆる「教員性暴力対策法」が成立。この新法により、懲戒免職となった教職員が処分歴を隠して再び教壇に立つことなどが極めて困難となった。石田さんが、彼女の尊厳をかけて「実名・顔出し」で取り組んだ教師らを訴えた裁判は、この新法成立に大きく寄与したとされる。自らのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や時効の壁との闘いを経て、現在は性暴力に関する講演や執筆も精力的に行っている。「15歳までは、どこの学校にもいる、絵の好きな普通の女の子でした」魂の回復までの、四半世紀に及ぶ長い道のりを語り始めた。■「実は好きだったんだ」教師に無理やりキスをされ、頭が真っ白になって……「77年、札幌市の生まれです。両親はいわゆる団塊の世代で、父は公務員、母は専業主婦でした。加害者の教員は、私が中3のときに、通っていた公立中学に赴任してきました。担当は美術で、当時28歳で独身でした。中3の卒業式の前日に、その教員から突然、『チケットがあるんだ』と、美術館に誘われました。私は美術科のある高校を目指していて、絵の指導を受けていました。お世話になった先生の誘いを断れずに美術館へ行き、そこで私は急におなかが痛くなるんです」その教師Aは、体を休ませるためと言って石田さんを一人暮らしの自宅に車で連れ帰った。やがて体調が戻った彼女が画集などを見ていると、「実は好きだったんだ」いったんは拒絶したものの、無理やりキスをされた。「私は頭が真っ白になり、過呼吸のような状態になって、泣きだしてしまいました。その後、春休み中に、言われるがまま3回ほど会いました。同じころ、私の異変を察した母に、『先生にキスされた』と初めて打ち明けました」すると母親(73)は、「15歳なのに早すぎる。そういうことは、好きな人とするもの」娘の気持ちや事情を聞くことはなく、叱りつけてきた。「もともと世間体を何より気にする母でした。その叱責を聞いて、私は子供なのにいやらしいことをしてしまったんだと思うと同時に、親に知られると頭ごなしに怒られるんだと思って、その後、教員とのことは言わなくなるんです。当時の私にとって、性的な犯罪というのは、夜道で怖い人が襲うというイメージでした。でも教員は、『好きだ』と言いながら性的なことをしてくる。彼は私の絵を褒めてくれる人であって、イコール恋愛ではけっしてない。ただ、自分が生徒として好感を持つ先生が好きと言うのなら、私も喜ばなきゃいけないかな、というのが正直な気持ちでした」その特異な関係性に気付くのは、もっとあとになってからだった。「教師と生徒。その絶対的な支配関係があって、一緒にいる間は、私は人形のようになっていたと思います」高校は、進学校として知られる地元の公立校へ。「その後も、海に車で連れていかれて車内で上半身裸にされることがあったりして、私は罪悪感を持って家に帰るんです。誰にも話せず、自分の中に不安がたまっていくだけ。その分、必死で勉強しましたね。性的な被害を受けて精神が揺らいでいたので、確実に結果の出る勉強という安心にすがっていたのだと思います」卒業後には地元の一流大学へ合格でき、美術史を専攻することとなった。しかしそのころ、教師Aとの関係性に一つの大きな変化が。「私が大学生になると、教員から直接の性行為を求められるようになるんです。私自身はずっと感情をなくしている状態ですから、怖くもないし、楽しくもない。ただ、性交がうまくいかないんです。私が受け入れる状態になれない。不感症というものじゃないかと疑ったこともありました。ただ痛いばかりで、『痛い、無理です』となっていました。のちに取材などで、『彼が痛くなくなるような工夫は?』と問われて、初めて気付くんです。向こうには、相手に対する気遣いなど一切なかったということに。その後、別の男性とは互いに思いやる感情も持てましたし、普通にそうした行為もできましたから」別れもまた、一方的だった。「大学2年の夏でした。教員に新しい恋人ができたようで、私とは会わなくなりました。彼の相手は、新任でやってきた女性教師だったようです。私が出した手紙も、開封されずに送り返されてきたりして。これで縁が切れた、と思いました。と同時に、ひどく憂鬱な気分にもなってしまうんです。支配する、されるという異常な環境があまりに長く続いたから、それが激変するのはまた怖いという……。DVの構造に似ているのかもしれません」その後月日がたち、ほかの性被害の事例を知り、裁判傍聴などにいくにつれ、石田さんは「自分のされたことは裁判になるようなことなのだ」と自覚した。そのとき、涙が止まらなかったという。それがきっかけとなり、石田さんは札幌に戻り、教師Aを呼び出す。教育委員会への申し立てに先立ち、証拠となる音声データを集めるためだった。「うまく言えませんが、私自身、このまま黙って生き続けることはできないという思いです。今もあの教師が中学校で普通に生徒と接していて、教育委員会も黙認している。その教室の情景を想像して、黙っていられなくなったのが、私が提訴に至ったいちばんの理由です」長い長い戦いの始まりだった。そして石田さんの勇気は、冒頭に述べた通り教師Aを懲戒免職へと追いやり、多くの被害者を救う教師等の性暴力から児童・生徒を守る新法設立への大きな後押しへとなったのだ。■実名で顔もさらして戦った石田さんは、被害者の立場で発信を続けている「狭いうえに散らかっていて、ごめんなさい。これでも必死に片づけたんですが(笑)。4年前から、ずっとこの6畳一間で、ご飯も仕事の写真処理も行ってます。さあ、まずは冷たい麦茶でも」都内にある石田さんの自宅兼仕事場を訪れたのは8月の猛暑の日だった。カメラ機材や性暴力に関する書籍などがぎっしり置かれているなかから、記事で使用するアルバムや写真などを探し出してくれる。「中学の卒業アルバムは、ずっと見られなかった。ようやく最近です、見ても平気になったのは。ああ、この人が、その教員です。おかしいと思いませんか、私の写真はいろんなところに出ているのに、加害者であるAの顔は誰にも知られていないというのは」それまでにこやかに対応してくれていた石田さんの表情が一瞬、翳る。教師Aは懲戒免職となった直後、「処分は不当」としてその取り消しを求めている。彼女は言う。「『加害者にならないための教育』が大事だと思うんです。泥棒や殺人がやってはいけないことと同じように、教師の性暴力も犯罪なのだと社会全体で認識すること。また親御さんに対しては、もしお子さんが被害を受けていても、子供を責めることはしないでほしい。被害の当事者はけっして悪くないと伝えたいです」同様に、加害者へのケアが必要と語るのは、石田さんの裁判を担当した小竹広子弁護士。「私は加害者の弁護もしますが、過去に自身も性被害を受けていた男性が意外に多い。暴力の連鎖ですね。また時効の問題も、それを理由に罪に問われないとしたら、加害者が自分の罪に向き合う機会を奪うことになり、社会全体の不幸につながると思います」フォトグラファーとして、最近は中高生のスポーツ大会の撮影の仕事が増えたという石田さん。「サッカーとバスケを撮りました。ふと気付くと、自分が被害に遭ったときと同じ年代の子たちなんですよね。でも写真を撮っていて、純粋に若い子たちのひたむきな姿と出合えてうれしかったんです。今後は、信頼できる友人や、もちろん恋人も欲しい。あと、いずれ絵にも戻りたい。あんなことがあって、遠ざけてしまったから」美術科担当でありながら、絵が好きな少女の夢まで奪ったことを教師Aは自覚しているだろうか。石田さんが、再び絵筆を手にする日が近く訪れることを切に願う。
2021年09月13日「いつかやらなきゃ…」と頭ではわかっているものの、いざとなると構えてしまう性教育。それを、科学的にポジティブに教えてくれるのが 「サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊)」 の著者で、産婦人科医の高橋幸子先生、通称サッコ先生です。 前編 では、自分らしく生きることが本来の性であり、性教育とは自分の体を大切にすることからはじまると教えていただきました。この後編では、幼少期を過ぎてからの性教育や、我が子が性被害にあわないために親ができること、そして、性被害にあってしまったときにとるべき行動について伺いました。高橋幸子先生 プロフィール埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター/産婦人科医。日本家族計画協会クリニック非常勤医師。彩の国思春期教育会西部支部会長。NHK「あさイチ」「ハートネットTV」「夏休み!ラジオ保健室〜10代の性 悩み相談〜」に出演、AbemaTVドラマ「17.3 about a sex」、ピル情報の総合サイト「ピルにゃん」、家庭でできる性教育サイト 「命育」 を監修するなど、性教育の普及や啓発に尽力する。HP: ■日本の性教育は遅れている?—— 著書のなかで、世界では5歳から性教育がはじまっていると紹介されていました。やはり日本は遅れているのでしょうか?世界の性教育の基準は、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」にありますが、性教育に関しては5歳からはじまると書かれています。日本は、国際水準からはまだまだ遠いのが現状で、現在の小学校の学習指導要領(※1)では、5年生の理科で「人は母体内で成長して生まれる」ということは教えますが、受精に至る過程は取り扱わないという歯止め規定があります。しかし、2021年4月から文部科学省が「生命(いのち)の安全教育」という授業を幼稚園から大学まで段階的に導入する予定で、プライベートゾーンやデートDVについてなどが盛り込まれるそうです。性教育は、熱心な家庭とそうでない家庭で差が大きいので、家庭ですり抜けてしまう子をなくすという意味では学校でおこなうことはすごく意味があるし、期待しています。しかし、性教育は早ければ早いほどいいですし、まだ試験的な導入なので、全国に広がるのは数年かかるはず。これを見た方はぜひ今から家庭でできることをやっていただきたいです。※1:文部科学省「小学校学習指導要領」小学五年生理科「B生命・地球」「(2)動物の誕生について」「内容の取扱い」より2020年12月現在)■性教育をはじめるタイミング—— すでに幼少期を過ぎていても遅くはないでしょうか?早ければ早いほどいいというのは、性教育の入り口であるプライベートゾーンを守る=自分の体を大切にするということができないと、自己肯定感がうまく育たないまま大人になってしまうからです。すると、大人になって体を目的に近寄ってきた人に対して自分が求められていると勘違いし、性犯罪に巻き込まれたり性的なことに依存度が高くなることも。いわば性に関する知識はライフスキル、つまり生きていくために必要な知恵ともいえます。また、思春期になって自分の体に変化が起きたときに、自分の体は自分だけの大切なものという認識があれば、他人と比較して落ち込むことも軽減できます。なので、できれば思春期に入る前のタイミングまでにはじめられるといいですね。著書のなかで登場するキャラクターが小学4年生なのもそのため。ちょうど4年生の保健体育で初潮や精通について習うということもあります。—— 幼少期を過ぎて、性について話しづらくなっていたり、きっかけがない場合はどうすればいいでしょう?私の著書のほか、以下のように様々な本があるので、お子さんがひとりで読めるようにトイレや子ども部屋などの個室にそっと置いてみるといいのではないでしょうか。<おすすめの性教育本>・ サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊) ・ 子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める! (集英社刊) ・ おしえて! くもくん(東山書房刊) —— 小学生の子どもがふざけてセックスという言葉を口にしたのですが、どこで知ったのかビックリ! そんなときはどうしたらいいでしょう?どういう経路でその言葉を知ったのかを確認した方がいいですね。というのも、いまはネットでアダルトビデオなどの動画が簡単に見られる時代。歪んだカタチで性の知識を得ている可能性もあるので、責めるのではなく「どこで聞いたの?」と、仕入れ先は探るべきです。きちんと学んで理解していたならそれはそれでいいし、対策が必要なら対策を考えればよし。言葉だけを知っている場合もあるかもしれません。いずれにせよ、性について話すきっかけになります。■プライベートゾーンの知識が性犯罪から守ることにつながる—— SNSやネットをきっかけにした性犯罪が増えていると聞きます。我が子を性被害から守るために親ができることは何でしょう?性被害にあわないための意識を根づかせることが第一。それがまさしく、幼いころからプライベートゾーンを守るという知識をつけること。自分の体は大切だから他人に許可なく見せない、見られたらおかしいという意識があれば、いざというときNOといえます。じつは、性犯罪をおかした小児性愛者に犯行に及んだ理由を聞くと、「相手がイヤだといわなかったから。あのときあの子がNOといってくれたらこんな風にならなかった」と子どものせいにするのだそう。本当に許せない、おかしな話なのですが、子どもにNOといえる力をつけることが何よりなんです。そのために、プライベートゾーンについて早くから知識をもたせることがすべてにつながってきます。—— 我が子が性犯罪の加害者になる可能性もあります。加害者にならないために親が注意すべきことはありますか?これもやはり性教育の原点となる自分の体を大切にすることを幼いうちから伝えること。自分を大切にできれば、相手のことも思いやれるので、加害者となる可能性は圧倒的に軽減できます。また、大人になって性的な逸脱行動をする人の成育歴を見ると、周りから傷つけられてきたという過去がある人が多いそう。親が気づかぬうちに精神的な虐待をするといったことがないよう、子どもに寄り添うことが大事です。それと、地域や社会で性犯罪が起きにくい環境づくりをすることも大切。性犯罪をおかした小児性愛者を多く診察してきた先生によると、小児性愛は生まれつきのものではないそうです。例えば、大人と対等にコミュニケーションを取るのが苦手と感じていたとき、子どもを対象にした性的なビデオを見ることで、自分より力のない子どもなら大丈夫なのだと結びつき、小児性犯罪に走ってしまう。そもそも子どもを性の対象にすること自体がおかしなことで、そういうポルノ商品を世に出すことが犯罪行為。そのビデオに出演させられている子どもたちは完全に被害者です。徹底的に取り締まり、社会全体で許さないという姿勢をみせる必要があります。また、街頭に見守りポスターを1枚貼るだけでも、性犯罪が起きにくい環境づくりができます。地域の大人たちで協力して子どもを守ることが大切。そして、家庭内で性についてなるべくオープンに話せる関係性を築いておけるといいですね。■性被害にあった我が子に一番かけてはいけない言葉—— 万が一、我が子が性被害にあってしまった場合、親としてどのような対応をするのがいいのでしょうか?まず、あなたは何も悪くないと伝えて、寄り添うこと。絶対にいってはいけないのは、「あなたが短いスカートを履いていたから…」など、被害者側にも一因があると諭してしまうことです。いまトラウマインフォームドケアというのが注目されているのですが、子どもの頃のトラウマが後の生きづらさや問題行動に影響するというもの。親が第二の加害者にならないように、とにかく心に寄り添うことが重要です。そして、あなたのせいではないと伝えたあとは、専門家につなぐこと。私がおこなっている思春期外来では性被害にあったかどうかを診察して診断書を書くのですが、心のケアまではなかなか難しい。小児精神科の専門医にみてもらうのがいいのですが、まだ数が少ないのが現状です。専門家につなぐのに時間がかかる場合は、とにかくお子さんにあなたの味方だと伝えて、心に寄り添うようにしてください。 サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊) 小学生が自分で読んで学べる性教育の新しい教科書。サッコ先生がときどき質問を投げかけたりしながら、体のしくみや性について楽しくポイジティブに学べます。ミッションでは、“自分の脈をはかってみよう!”“自分の性器を見て見よう”などチャレンジしながら自分の体を正しく知ることができ、コラムでは“性器の洗い方”など役立つノウハウもわかりやすく解説しています。【お知らせ】サッコ先生と!みんなで学ぼう「性ってなに?」~小学生向け・はじめての性教育ワークショップ~●講師高橋幸子(産婦人科医、『サッコ先生と!からだこころ研究所』著者)●日時2021年5月9日(日) 1回目 11:00~/2回目 13:30~※1回目、2回目は同じ内容です。●会場・お申し込み詳細は リトルモア HP をご覧ください。
2021年04月01日