亀梨和也主演、三池崇史監督作『怪物の木こり』より、60秒予告と場面写真が解禁された。「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した倉井眉介の同名小説を映画化した本作は、凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人鬼と、その次のターゲットとして狙われたサイコパスな弁護士・二宮(亀梨和也)が攻防を繰り広げる、予測不能のサスペンス。この度解禁された映像は、山道で激しく横転し大破する車を映し出す大迫力のカーアクションから始まる。 この大破した車に追われていた二宮は、救急車を呼んでほしいと懇願する運転手に冷たい目で歩み寄ると、一瞬の躊躇もなく割れたガラスの破片を運転手の首元へ…という衝撃のシーンで物語は幕を開ける。“絵本「怪物の木こり」”の面を被り、凶器の斧で人を襲い脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生する中、二宮は突然現れた犯人に襲われる。弁護士として高く評価されながらも、本性は他者への共感能力が欠如したサイコパス・二宮。犯人の新たなターゲットとなった二宮は、この謎に包まれたシリアルキラー“怪物の木こり”に復讐を強く誓う。そして、二宮をマークする警視庁の天才プロファイラー戸城(菜々緒)をはじめ、二宮の婚約者の映美(吉岡里帆)、二宮の協力者であるサイコパス外科医・杉谷(染谷将太)、過去の殺人事件の容疑者・剣持(中村獅童)らの思惑が複雑に絡み合っていく…。映像の最後には、二宮が婚約者である映美にナイフを突き立て「愛する人に殺されるなんて、ロマンチックじゃないか」と、衝撃の一言を放つ場面も映し出され、予測不可能な物語を予感させる。併せて、大破した車を背に狂気に満ちた表情を浮かべるサイコパス弁護士・二宮を捉えた場面写真も解禁。これまでの自身のイメージを打ち破る難役を怪演し、激しいアクションにも果敢に挑戦した亀梨さん。バイオレンスの巨匠・三池監督の最強タッグと豪華キャストの競演にも期待が高まる。『怪物の木こり』は12月1日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物の木こり 2023年12月1日より公開©2023「怪物の木こり」製作委員会
2023年09月12日是枝裕和監督の最新映画『怪物』に出演し、第76回カンヌ国際映画祭に参加。ガラスのように繊細な少年を熱演し世界の注目を集めた黒川想矢さん。国際的にも評価の高い是枝組の撮影から若き俳優が感じたこととは…?演技に悩み、考え、作っていく。新鮮な経験の連続でした。少年と青年の間を行き交うように、夏の太陽の下で一瞬ごとに違う表情を見せてくれた黒川想矢さん。是枝裕和監督の最新作『怪物』で主人公・麦野湊を演じ、世界から脚光を浴びる13歳。そのきっかけは2年前の夏のこと。「それまでも子役をしていたんですが、一度お仕事に区切りをつけようと思ったタイミングにこのオーディションの話が来て『湊の役をやってみたい』と思ったんです。オーディションは全部で4回あって、結果が出るまでものすごく長くて…(笑)。その間、お正月に『是枝組に受かりますように』ってお参りした記憶があります」是枝組には“是枝イズム”ともいわれる独自の手法があるという。幼い俳優には台本を渡さず口頭でセリフを伝えるのもその一つ。「でも今回は監督から『台本はあったほうがいい?』と聞いてもらったので、僕と(同級生役の)柊木陽太くん…僕は役名で依里くんて呼ぶんですけど、二人で『あったほうがいいです!』ってお願いして。まずは自分で台本を読んで、どこで自分の心が動くかを感じてみたいと思ったんです」一方でクランクイン直後は演技で壁にぶつかったことも。そこで手を差し伸べてくれたのは担任教師役の永山瑛太さんだった。「ある日瑛太先生がジンギスカンに誘ってくれたんです。そこで『俳優は監督の脳みそにあるものを表現するんだよ』って言われて、すごく腑に落ちました。それからは考えすぎず、迷ったら監督に質問して。そういうとき監督は『こうしたらいいんじゃない?』ってヒントをくれました。印象的だったのは『感情を体の感覚に変えて演技してみたらどうですか』という言葉。例えばうれしいときは寒い日でもお腹の中がぽかぽかする、とか。それからは全身の感覚も使って演技ができてきたのかな」そして湊と依里。少年二人の無垢な絆は、迷宮のような物語の中で希望を感じさせてくれる。「依里くんとは、役作りと親交を深めるために、ロケ地近くの古い民家で生活を共にすることから始めました。オムライスを作ったり、一緒にお風呂に入ったり、喧嘩したり。依里くんは可愛いんですよ。LINEでスタンプを連続で送ってきたり悪ふざけをして、弟みたいに甘えてくる(笑)。ずっと一緒に過ごすうち、何でも言い合える親友になれました」少しずつ関係性を紡いで、感じたことを全身でカメラの前に表して。そうして生まれた映画はカンヌ映画祭の正式招待作品に。「飛行機も海外も初めて。タキシードを着て会場に行く車の中から見たカンヌの海の景色は、一生の思い出です。レッドカーペットの上ではみんなで喜び合って、一つの家族になれた気がしました。でも何よりうれしかったのは、完成披露舞台挨拶で母親役の安藤サクラさんが抱きしめてくれたこと。この作品に出られてよかったと心から思いました。実はサクラさんとは撮影中何か噛み合わなくて…(笑)。でも当時は“噛み合わない親子”の空気を作ってくれていたんだって、そのときちょっとわかりました。僕の中で作品が完結した瞬間だったかもしれません」『怪物』出演と時を同じくして変化したことがもう一つ。ドラマで共演した舘ひろしさんに憧れ「舘プロ」の一員になったのだ。「誰にもやさしく接する舘さんみたいな人になりたいです。舘さんとは二人きりでお寿司を食べたり…。約60歳差?そっか。でも一緒にいるだけで楽しいんです。いまは『あぶない刑事』を観た影響で、刑事役をやってみたいです。バイクから銃を撃つ場面、かっこよかった!ずいぶん撃つな~ってびっくりもしたけど(笑)」シャイな笑顔で13歳の素顔をのぞかせる。そしていつかは人を喜ばせる俳優になるのが夢。「僕のばあばが『怪物』を観て『私の楽しみはあなたたちよ』と言ったんです。誰かが喜んでくれるってなんかいい。その先にまた世界が待っていたらうれしいです」『怪物』稀代のクリエイターが集いカンヌを沸かせた話題作。それはよくある子供同士の喧嘩に見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込んでいく。母と息子、小学校の教師や友人の歯車を狂わせる“怪物”とは…。メガホンをとるのは是枝裕和監督。家族や学校の狭いコミュニティでの人間関係の歪さを巧みに描く。第76回カンヌ国際映画祭では脚本を担当した坂元裕二さんが脚本賞を、そしてLGBTやクィアを扱う映画に与えられるクィア・パルム賞も受賞。また坂本龍一さん最後の映画音楽作品になった。©2023「怪物」製作委員会くろかわ・そうや2009年12月5日生まれ、埼玉県出身。5歳から芸能活動を開始し、NHK BS時代劇での舘ひろしさんとの共演を機に舘プロに加入。趣味は一眼レフカメラ。「カンヌでは是枝監督に被写体になってもらいました!」シャツ¥20,900(マスターキー/ティーニー ランチ TEL:03・6812・9341)※『anan』2023年8月30日号より。写真・高橋マナミスタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・岩淵賀世取材、文・大澤千穂(by anan編集部)
2023年08月26日映画『ゴーストランドの惨劇』が、本日8月11日(金)22時30分より、ライブ配信プラットフォーム「ツイキャス」にて無料放送される。ツイキャスでは「ツイキャス×松竹 ホラーの日」と銘打ち、2023年の毎月第2金曜日に松竹配給のホラー作品を無料放送。8月は『マーターズ』を手がけたフランスの鬼才パスカル・ロジェ監督によるホラー『ゴーストランドの惨劇』が放送される。本作は、人里離れた叔母の家に引っ越した母と双子の姉妹が暴漢に襲われる惨劇から始まり、その16年後衝撃の事実が明らかになる物語。「惨劇」とタイトルにある通り凄惨な描写も多く、公開時は「映画史上最も不快なトラウマ映画」といったキャッチコピーが付けられた。また、仕込まれたトリックや張り巡らされた伏線が秀逸なことから、「2度と見たくないけれど視聴後もう一度観たくなる」といった感想も多く寄せられている。ユーザーはコメントと一緒に映画を視聴することで、ホラーが苦手な方も気軽に楽しめると好評な本シリーズ。また、『ゴーストランドの惨劇』は、8月18日(金) 23:59まではアーカイブが残され、見逃してしまったという方も視聴することができる。〈作品情報〉『ゴーストランドの惨劇』2018年製作/フランス・カナダ合作/約91分英題『GHOSTLAND』監督・脚本:パスカル・ロジェ出演:クリスタル・リード、アナスタシア・フィリップス、エミリア・ジョーンズ、テイラー・ヒックソン、ロブ・アーチャー、ミレーヌ・ファルメール(C)2017-5656FILMS-INCIDENT PRODUCTIONS-MARS FILMS-LOGICAL PICTURES『ゴーストランドの惨劇』 特設ページ()8月11日(金) 22:30分より「ツイキャス」にて放送開始※8月18日(金) 23:59まで見逃しアーカイブ視聴可能。放送視聴ページは こちら()シアターパーティについては こちら()シアターパーティの再生方法については こちら()
2023年08月11日是枝裕和監督×脚本・坂元裕二×音楽・坂本龍一による映画『怪物』の興行収入が20億円を突破したことが25日、明らかになった。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。6月2日より全国341館で公開した同作は、7月24日に興行収入20億を突破(動員:1,455,470人 興行収入:2,000,920,610円)。是枝裕和監督作品で興行収入20億を超えたのは、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞した『そして父になる』(13/福山雅治主演)、第71回カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドール受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞ノミネートも果たした『万引き家族』(18/リリー・フランキー、安藤サクラ主演)に続き3本目となる。公開後は40~50代の映画ファンや20代カップルを中心に幅広い層の観客が劇場を訪れ、映画レビューサイトでも高評価が続くなど好評を得ている。2度3度と鑑賞するリピーター客も多くみられ、鑑賞後に感想や見解について語り合いたい、確かめ合いたいという声も多く届き、各地で計12回実施しているティーチイン付き上映も、活況を呈しているという。すでに公開を迎えたアジア各国の成績も好調で、香港ではすでに『万引き家族』の最終成績を塗り替えるなど、世界的にも話題を呼んでいる。現地時間9月7日 ~ 9月17日の期間で開催される第48回トロント国際映画祭スペシャルプレゼンテーション部門への出品も決定し、北米プレミアを迎える。是枝監督作品のトロント国際映画祭への出品は、2019年の『真実』、22年の『ベイビー・ブローカー』での同部門出品に続くものとなり、最高賞にあたる観客賞の選考対象となる。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年07月25日フロリダのユニバーサル・スタジオに、新しくドリームワークスランドがオープンすると発表された。ドリームワークス・アニメーションのテーマパークで、『シュレック』『カンフーパンダ』『トロールズ』などのアトラクションができるようだ。グランドオープニングは来年ということだが、正確な時期は明らかにされていない。ドリームワークス・アニメーションは1994年に創設。2016年にユニバーサル・ピクチャーズが買収した。これまでに44本の劇場用映画を公開している。文=猿渡由紀
2023年07月21日映画『怪物』(公開中)の大ヒット御礼舞台挨拶が19日に都内で行われ、安藤サクラ、永山瑛太、是枝裕和監督が登壇した。同作は是枝監督と脚本家・坂元裕二氏によるオリジナル作で、第76回カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。今週末にも観客動員数100万人を突破する勢いの同作。集まった観客の中には5回以上観たという人もいたことから、安藤は「えぇ~!」と驚きのリアクションを見せる。日々、影響力の大きさを感じているようで、「聴いているラジオで次々に『怪物』の話をされるので、すごいんだなと……だんだん私よりもご覧になった皆さんの方が細かいことをご存じなんじゃないかと思い始めていて、しゃべるのが怖い気持ちになってます」と予想外の反響に戸惑いも。瑛太のもとにも感想が届いているようで、「2回以上観たという方々はこの映画の感想のニュアンスが違ってくるなという印象を受けました。いちばん多いのは、『言葉にならない』と(いう感想)。会って話がしたいと、連絡が来たり」と話す。「(この作品を)どういう風に語っていいか、わからなくなった。サクラがおっしゃっていたように、お客様の方がこの映画のことを理解しているような気がして。僕自身も言葉にできない」と現在の心境を明かした。また、同作が190以上の国と地域で展開されることについて、安藤は「国内でも様々な角度からの感想があるというのを公開されて感じたので、文化が違う中で、この映画が(世界に)広がったら、またその角度が増えるんだろうな。おもしろいんだろうなと思います!」と笑顔を見せ、瑛太も「想像できないですけど、すごいこと。カンヌ以外の方々の感想も聞いてみたいですね」と語った。一方、是枝監督は「すごい……すごいですね。190も国があるんだと最初に驚きますけど(笑)。カンヌにそれだけの国・地域の方がいたわけではないと思いますが、カンヌでも街を歩いでいると声をかけてくれて。あんな風にいろんな国でこの映画について、会話がつながっていくといいなと思います」とカンヌ滞在中のエピソードを披露しつつ、世界中でのさらなる広がりにも期待を寄せていた。なお、瑛太にとってこの日は、弟で俳優の永山絢斗が16日に大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されて以降、初の公の場。逮捕当日、マスコミの直撃取材を受けて「俺は許さない」などとコメントしていたが、イベントでは弟の事件について触れることはなかった。
2023年06月19日横浜の商業施設・ランドマークプラザとマークイズみなとみらいの合同セール「ランドマークプラザ×MARK IS みなとみらい W★SALE」が、2023年6月30日(金)から7月20日(木)までの期間で開催される。ランドマークプラザ×マークイズみなとみらいの合同セール毎年季節の節目に合わせて開催される、ランドマークプラザとマークイズみなとみらいの2施設による合同セール。セール期間中は、マークイズみなとみらいの約60店舗、ランドマークプラザの約30店舗が対象店舗に。ファッションはもちろん、雑貨や食物販まで、合計約90店舗が最大80%オフのプライスダウンを実施する。開催概要「ランドマークプラザ×MARK IS みなとみらい W★SALE」開催期間:2023年6月30日(金)~7月20日(木)開催場所:ランドマークプラザ、MARK IS みなとみらい値下げ率:最大80%※店舗により異なる(一部の店舗は対象外)
2023年06月16日監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二、音楽・坂本龍一による映画『怪物』から、坂元作品の常連俳優・永山瑛太が不気味さと親しみやすさの二面性を巧みに表現した“保利先生”の本編映像が到着した。舞台となるのは大きな湖のある郊外の町。シングルマザーの早織(安藤サクラ)は、息子・湊(黒川想矢)の告白により、担任教師である保利(永山瑛太)からモラルハラスメントを受けていることを知り衝撃を受ける。早織は学校に説明を求めるも、学校はまともに真相を確かめようとせず、また保利は「あなたの息子さん、イジメやってますよ」とまで言い放つ。息子を守りたい一心で、懸命に学校に訴え続けるが…。この度解禁となった本編映像で映し出されるのは、永山さん演じる担任教師・保利の登校シーン。桜が舞い散る木漏れ日の中、児童たちと談笑しながら登校する平和な日常が切り取られている。保利が歩いていると、後ろから男子児童が集めた桜の花びらを投げつけるが、保利は花びらにまみれながらも笑顔で応え、子どもたちから親しまれている様子がうかがえる。少し歩くとカバンを道に投げ出し、脱げてしまった靴を履き直す星川依里(柊木陽太)の姿が…。依里を見つけるとすぐに「星川、どうした?」と心配そうに声をかけ、カバンを拾って渡す姿からは“児童思いの教師”の姿が垣間見える。「僕が俳優を続けている限り、一生お付き合いしたい」本作の主人公の1人である保利の不気味さと親しみやすさの両面を見事に表現したのは、本作で脚本を務めた坂元裕二作品に常連といっていいほど数多く出演してきている永山さん。2000年代の連続ドラマ「リモート」、「男湯」シリーズなどをはじめ、主演ドラマ「それでも、生きてゆく」や「最高の離婚」、コロナ禍でリモートでの制作が話題となったドラマ「Living」など、坂元作品には欠かせない存在となっており、本作の保利役は永山さんにあて書きされたことも明かされている。その一方で、是枝作品には初参加。是枝監督は永山さんについて、「以前からご一緒したいと思っていました」と語り、インタビューなどでその表現力を絶賛している。坂元裕二と是枝裕和、2人の巨匠による夢のような座組への参加について永山さんは、完成披露舞台挨拶で「坂元さんとは、二十代の前半からいろいろお付き合いさせてもらい、数々の素晴らしい脚本を書いてもらいました。僕が俳優を続けている限り、一生お付き合いしたいと思っています」とコメント。そして「是枝さんは、僕が俳優をはじめてから、自分なりにこの人が日本映画を変えていくのだろうと感じて、全作品を拝見してきました。そのお二人の座組に自分が入れたことを幸せに感じています」と語り、喜びを露わにしている。『怪物』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会
2023年06月15日ランド オブ トゥモロー(LAND OF TOMORROW)がクリスチャン ワイナンツ(christian wijnants)に別注したコレクションが登場。2023年6月9日(金)から7月2日(日)まで、ランド オブ トゥモロー 丸の内店および心斎橋パルコ店にて予約を受け付ける。クリスチャン ワイナンツに別注したワンピースやブラウスクリスチャン ワイナンツは、同名のベルギー出身デザイナーが創業したブランド。フェミニンなスタイルと、大胆な配色や独創的なプリント使いが特徴だ。そんなクリスチャン ワイナンツに別注した今回のコレクションでは、ロングスリーブのワンピースやキャミソールワンピース、ブラウスがラインナップ。人気のグリーンを基調としたカラーリングや、ウェア全体を覆う大胆な花柄などを採用しつつ、それぞれ一枚でも印象的なデザインに仕上げている。また、ニットにあしらわれた繊細なディテールにも注目だ。【詳細】ランド オブ トゥモロー×クリスチャン ワイナンツ 別注コレクション予約期間:2023年6月9日(金)~7月2日(日)取扱店舗:ランド オブ トゥモロー 丸の内店、心斎橋パルコ店価格帯:80,300~146,300円※納期は、7月下旬~8月上旬を予定。【問い合わせ先】・ランド オブ トゥモロー 丸の内店TEL:03-3217-2855・ランド オブ トゥモロー 心斎橋パルコ店TEL:06-6252-9797
2023年06月12日東京・早稲田大学で10日に行われた授業「マスターズ・オブ・シネマ」で映画『怪物』がテーマとなり、是枝裕和監督、坂元裕二、岡室美奈子教授(聞き手)が登壇した。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。シングルマザー・早織(安藤サクラ)の息子・湊を演じた黒川想矢、同級生・依里を演じた柊木陽太の演技も話題となっている同作。是枝監督作品では、子役が撮影現場で口伝えでセリフを言っていく手法でも知られているが、今回は大人の役者と同じ手法を使ったという。是枝監督は「この2人は圧倒的に読んできた方が上手だったの。それも決め手の一つではありました。マンホールに耳を当てて『さけどころうえだの自販機でコーラ買ったことある?』というやりとりをやってもらって、1カ月くらい過ぎて2回目のオーディションに呼んだ時に、事前に告知せずに『前やったところをもう1回やってもらっていい?』とやってもらったんですけど、柊木くんはほぼ完璧に覚えてたんですよ」と明かす。さらに「『いつも覚えてるの?』と聞いたら、台本をもらったら頭の中で写真に撮るんですって。撮って覚えてるので、それを頭の中で引っ張り出す。『いつもこんなふうに覚えるの?』と聞いたら『すぐ忘れちゃう台本もありますね』と言って、彼の中でも坂元さんの台本は特別だったんだと思うんだけど。時々いるんですよ、ある種の特殊能力を持っている子」と感心。「耳から覚えた方が覚えやすいという子もいて、学校の授業でなかなか教科書が読めないけど、音の理解は早くて的確だったりする。通常のやり方だとそういう子の方が僕の演出に馴染むので。今回は全く違うアプローチの仕方でした」と説明した。
2023年06月12日東京・早稲田大学で10日に行われた授業「マスターズ・オブ・シネマ」で映画『怪物』がテーマとなり、是枝裕和監督、坂元裕二、岡室美奈子教授(聞き手)が登壇した。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。同作で第76回 カンヌ国際映画祭 脚本賞を受賞した坂元だが、「監督が書いたセリフがところどころにあって、それがオセロをひっくり返すように素晴らしい。それがなかったら全然違う印象を受けたんじゃないかというシーンがいくつかあって、中でもジャングルジムに登りながら宇宙が破裂する話をしていて、最後の締めに『じゃあ準備をしなきゃね』というのが後から足したセリフなんですよ。あるかないかで、映画の面白さ全然かわるんですよ」と絶賛。「僕がハッとして、『あのセリフめちゃくちゃすごいですね』という話をしたんですけど、どれだけ違うのか考えてもらえると」と映画の道を志す学生にアドバイスする。さらに坂元は、是枝監督が足したセリフについて「『神崎先生はいい先生でした』というところとか、ないと学校に対する見方も変わる。監督から『足したい』と書かれていて、なんでかなと考えたんだけど、上がってみたもの見ると、『このセリフ大事だったな』とはすごく思いましたね」と感心。是枝監督は「校長室にいる先生たちの中でも濃淡があった方がいいなと思ったんですよ。セリフを足すというよりは目配せだけでお芝居をしてて、神崎先生が褒められている、それを校長先生と教頭はお前だけ褒められやがって的な目で見て、褒められてるのに逆にいたたまれない感じは、台本ではなくて。あの空間の中で台本を触らずにやる演出で、そういうのが好きです」と明かした。坂元は「監督はそんなに注文出されなくて『ここがいいよね』とお手紙をくださるんですけど、意地悪な言い方をすると、手のひらの上に乗せられているというか、『ちょっとここのボタンを押すだけでお前の書いたものは変わるんだぞ』とマジックを見せられたような気分でやっていました。『ここもここも直せ』というのって、誰でもできるじゃない。でも『ちょっとここに塩を入れればいいんだよ』『あ、うまくなってる!』みたいな、そういうのが1番すごい」としみじみ。「是枝さんを語る時に『ドキュメンタリータッチ』とか『即興』ということが言われるんですけど、僕はこんなに日本一脚本がうまい映画監督はいないと思ってて、何冊も台本を読んだことがあるんですよ。ハリウッド脚本術みたいなセットアップがきっちりとあって、教科書的なものが全て網羅されていて、こんなにしっかりとした脚本はないんですよ。現場で作られてるにしても、前もって書いてあるにしてもこんなにも脚本がいい映画はない。それを何もかも現場でアドリブで作ってるドキュメンタリータッチだというのは、ご本人がやって誘導してるのか、世間の誤解なのか僕が思ってる実態とは違うなと思ってる」と主張する。是枝監督は「ありがとうございます」と照れつつ、「たぶん、映画で見て自然だと思われることほど、裏で不自然なことをやらないと自然に感じないんですよ。子供達が自然に見えるのはしっかり演じているから。『好きにしてね』と言って自然に見えるかというと、絶対にそんなことはない」と語った。
2023年06月10日東京・早稲田大学で10日に行われた授業「マスターズ・オブ・シネマ」で映画『怪物』がテーマとなり、是枝裕和監督、坂元裕二、岡室美奈子教授(聞き手)が登壇した。【※この記事は作品の結末についての記述を含みます】同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。これまでの脚本作などについて触れながら今作について話が及ぶと、坂元は「どうすれば自分が加害者になって、お客さんに加害者の主観になって体験してもらうことができるだろうか、そんなことをずっとぼんやりと十何年考えてたんです。どのように落とし込めば、お客さんに体験してもらうことができるるだろうか。その形として、自分が加害者としての主観を持ったものを作りたかったのが、このお話の構造なんです」と明かす。「三部構成がそうなんですが、初めはシングルマザーである安藤サクラさんの早織という役が『自分の息子がいじめられてるんじゃないか』と動き出すんですけど、瑛太くん扮する保利先生からはまた違ったように見えて、それぞれに自分が見えないままで誰かを傷つけていたという物語の構造ということですね」と説明した。「横断歩道で前のトラックが動かないからクラクションを鳴らしたら、実はトラックが車椅子の歩行を待っていた」という経験談も交えながら話す坂元。今作を描くにあたって「勇気がいったのでは」という岡室教授の質問には、「加害者の話も、彼らの話も僕は自分の経験をベースに作っているので、とにかく自分の中にあるものを『この人に届けたい』という1人の人を想定してその人に向かって届ける、それがすべて。自分の中では嘘はついていないし、子供の頃に感じた感情、いくつかの出来事、友達との関係、全て思い返しながら書いたので、勇気というよりは自分のことをいつものように書いていました」と語る。また、是枝監督は「最初にプロットを渡された時に、(坂元作品の)どの系譜に連なるものだろうかとは考えました。僕の中では『わたしたちの教科書』かもしれない。『世界を変えることはできますか』という問いが重要なものとして出てくるでしょう。この映画にはそのセリフは出てこないけど、多分そういう問いかけがあの2人を通してこちら側に投げかけられているんだろうなと考えたんですよ。台本の中にセリフにすることはないけれども、ページを開いたところに『世界が生まれ変われるか』という一文を咥えさせてもらったんです。その一言を、作り手である自分に常に問いかけよう、というのがスタンスの一歩目でした」と振り返った。同作の結末について「子供2人は死んでしまったのではないか」という説があることに対しては、坂元が「これは最終意見じゃなくていちスタッフの意見だけど、全然、一択。彼らはこのまま生きているとしか僕は思えなかったですし、映画を見た時に別の世界に行ったとは受け取らなかった。フジテレビの人からメールが来て『彼らは生きてますよね?』と言われた時に、何を言ってるんだろうと思ったくらい一択でした」と感想を述べる。是枝監督も「彼らが自分たちの生を肯定して終わろうとは、台本の段階から共通認識としてもっていました。多様な読みを否定するつもりはないし、そういう悲劇を見たいという人もいるだろうし、見ようとすると光に満ちてることがやや現実から離れて見えるのはわからなくはないので、目くじら立てるつもりはないんだけど」と同意。さらに是枝監督は「最後に光につつまれるものを、もう少しおさえましょうかみたいな意見はなくなかったんですよ。現実だと思われなくなるのではないかと。でも2人の心象風景だと思ったらあそこは嵐の中で光に満ちていた方がいいだろうと僕は考えました」と演出意図を明かす。「坂本龍一さんの『Aqua』という曲を使わせていただいて、火で始まって水で終わる話だと思ってたんですよ。あの曲は映画とは関係ないかもしれないけど、何かを寿いでいる歌で、子供達がもう一度自分たちとして生き始めることを祝福して終わる話だと思った。祝福されてる子供達の世界から、僕らは置いていかれるということだと思ったんです。嵐の中に残されてるけど、子供達は光に包まれたところに走り出したというものにしようかと思ったから、2人にはちゃんと伝えました。とにかく叫んでくれて構わない、喜びで叫んでくれ。でもなかなか叫べない。恥ずかしかったりもするから、『もっとやっていい』『もっと跳ねていい』と言って、結構撮り直していました」と振り返った。一方で、最後の子供達の姿が是枝監督&坂元に重なり「2人で次のステージに行く」姿に見えたという指摘も。2人は照れつつ、坂元は「妻にも言われました」と告白する。大人にも救いがあるかという問いには、坂元が「大人の希望というか、早織という母にも、保利という先生にもどこか罪があって、その罪について気付き考えていく時間がここから生まれるわけなので、それは見た方にも伝わるといいなと思ってるんですけどね」と語った。授業では学生からの質問も飛び出し、「社会的なメッセージのある映画をプロパガンダにしないためにはどうすればいいか」という質問には、是枝監督が「どんな映画も社会的なメッセージを持っていると思う」と回答。「まず作り手が考えて、僕もこの脚本をもらって一緒に考えてみる。この2人の幸せを阻害しているのはなんかのか、作品の世界ときちんと向き合ってみないと。作品の世界と登場人物と向き合う前に、作品が孕んでいるだろう社会的なメッセージを世界に向かって投げかけても、多分届かない。よくない態度かなと思います」と語り、坂元も「まあ社会派ではないんですが、メッセージを生み出していないとも思っていない。作品はメッセージをはらんでしまうんですよ」と頷いていた。
2023年06月10日是枝裕和監督×脚本・坂元裕二×音楽・坂本龍一による映画『怪物』が、2日から公開されている。豪華タッグが実現し、第76回カンヌ国際映画祭でも話題を呼んでいる同作が公開される。大きな湖のある郊外の町に住む、息子を愛するシングルマザー・早織(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師・保利(永山瑛太)、そして早織の息子・湊(黒川想矢)と同級生・依里(柊木陽太)……よくある子供同士のケンカに見えた事件は次第に社会やメディアを巻き込んで大事になり、ある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。今回は、公開後に気になる作品の結末を含む話について、是枝裕和監督にインタビュー。編集で変わったラストシーンや、作品に含まれるテーマ、撮影するための環境づくりについても話が及んだ。【※このインタビューは作品の結末についての記述を含みます】○■「この映画を作りたい」と目指した姿に――改めて作品について、坂元さんとはどのようなことを話し合ったのでしょうか?最後に関しては、編集で「こういう形でどうだろうか」という提案を僕からさせていただきました。ちょっとしたことで、観た後の感じがずいぶん変わってしまうんですよ。言い方が難しいですけども「2人は死んじゃったのかな」という形に見える編集のパターンもある。本当に、途中で一言セリフを足すか削るかで2人のラストの見方が変わってくるような状況だったんです。僕も坂元さんも「2人が死んじゃったようには見せたくない」というのが共通の認識だったから、どういう形で着地させるか、0号から初号の間で、最後の15分の編集をずいぶん変えました。坂元さんにも見ていただいて「こんなに編集で変わるもんなんですね」と言っていただいたので、今の形になりました。最初に「この映画を作りたい」と思ってみんなが目指した後味に、1番近いと思います。――テーマとして、性の揺らぎ、少年たちの同性愛の関係が含まれると思います。作品にするにあたって、どのように臨まれましたか?非常に今日的な題材ですし、繊細な扱い方を求められるテーマなので、LGBTQのこどもたちの支援をしている専門家の人にも脚本を読んでもらって、意見をいただきました。彼らの感情にどう寄り添うのか、2人に対していろいろと専門家の方にレクチャーをしていただいたり、スタッフの勉強会を開いたりしながら、やってみました。ただ今回の湊と依里に関しては自らをゲイだとかクィアというような自認はまだ出来ていないという設定にしました。自らのアイデンティティをそうやって客観的には名付けられないからこそ「怪物」と自ら名付けてしまうという設定です。そのあたりはレクチャーで学んだことを反映させました。自分の中に得体の知れないものを感じる時期ですし、周りの大人たちの“普通”や“男らしく”という言葉が、当人は決してネガティブに使ってないのに、ある種の暴力、ある種の怪物として彼らに迫ってしまうのはあり得ることですし、そこはちゃんと描くべきだと思いました。僕が脚本を読んで最初に感じたのは、「この2人は『銀河鉄道の夜』のジョバンニとカンパネルラだ」ということでした。なので2人にも最初に「読んでほしい」と『銀河鉄道の夜』の話をしたのを覚えています。――だから廃電車が出てくるんですか?それが、電車はプロットの最初からあったんです。坂元さんがどこまで意識してたかはわからないですけど。――これまで、子役には台本を渡さず口伝えの形で撮影をされていましたが、今回は台本も渡しての撮影方法と伺いました。今までは本人のパーソナリティに沿う形で撮ることが多くて、瞬間瞬間をちゃんと生きてくれればいいという感じだったんだけど、今回はやっぱり抱えているものが非常に重く、その場で言ってできるものでもないとは、感じていました。事前に湊が抱えているものを本人も認識して納得した上で、ちゃんと演じてもらう必要があるなと思いました。きっと2人は今後も役者を続けていくと思います。黒川くんは撮影中も、もう僕やサクラさん、瑛太さんに「お芝居ってなんですか?」「気持ちってどうやって作るんですか?」って、それは熱心に聞いてたんです。僕も「気持ちはここ(胸)にあるわけじゃない、頭にもないよ。もっと体のいろんなとこにあるよ」という話をしていました。――そういう問いが出てくる現場ということだったんでしょうか?それはやっぱり、サクラさんや瑛太さんの芝居を間近で見てたら、感じることがあるんだろうと思います。「なんだろう?」と思うんじゃないかな? すごくいい勉強の場だったと思います。■是枝裕和監督1962年6月6日、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。2014年に独立し制作者集団「分福」を立ち上げる。1995年に『幻の光』で監督デビューし、その後も『誰も知らない』(04)、『そして父になる』(13)、『海街diary』(15)等、数々の作品を世に送り出す。2018年の『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート、そのほか多くの映画賞を受賞した。2019年の『真実』は国際共同製作作品として海外の映画人とのセッションを本格化させ、2022年には初の韓国映画となる『ベイビー・ブローカー』で、第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品、エキュメニカル審査員賞を受賞。また主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる最優秀男優賞を受賞した。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年06月10日小説『怪物の木こり』が実写映画化。亀梨和也主演で、2023年12月1日(金)に公開される。監督は三池崇史。「このミス大賞」受賞の超刺激サスペンス小説を実写映画化倉井眉介による原作小説『怪物の木こり』は、2019年第17回「このミステリーがすごい!大賞」の受賞作。ぶっ飛んだ設定と、意表を突くストーリーの展開が続く“超刺激サスペンス”だ。物語は、凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生するところから始まる。事件の次のターゲットとして狙われたのは、弁護士の二宮彰。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく予測不能なストーリーの驚愕の結末とは…?主演・亀梨和也が“狂気のサイコパス”に主人公の二宮彰を演じるのは、亀梨和也。映画『事故物件 恐い間取り』などにも出演してきた亀梨が、本作では目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス役に挑む。また、事件を追う刑事役として菜々緒、二宮の婚約者役として吉岡里帆も出演する。主人公・二宮彰…亀梨和也連続殺人鬼に狙われる弁護士。他者への共感能力が欠如しており、冷血非情なサイコパスの一面を持つ。戸城嵐子(としろらんこ)…菜々緒捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー。荷見映美(はすみえみ)…吉岡里帆父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者。杉谷九郎(すぎたにくろう)…染谷将太二宮の協力者である"真性のサイコパス”脳外科医。剣持武士(けんもちたけし)…中村獅童過去の殺人事件の容疑者。乾登人…渋川清彦正義感が強すぎる刑事。監督は三池崇史監督を務めるのは、『初恋』や『ラプラスの魔女』、『土竜の唄 FINAL』の三池崇史。亀梨和也とタッグを組むのは初となる。撮影前には、三池から亀梨に対し「自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい」と伝えていたという。主題歌はSEKAI NO OWARIの新曲「深海魚」映画『怪物の木こり』の主題歌は、SEKAI NO OWARIの書き下ろしによる新曲「深海魚」。独特の旋律に乗せ、「化け物になれ」「生きるために」「暗闇で灯すんだ」といった“意味深”な歌詞を歌い、ストーリーとシンクロしているかのような世界観を描き出している。映画『怪物の木こり』あらすじ絵本『怪物の木こり』に登場する、連続猟奇殺人事件。次のターゲットに選ばれたのは、弁護士・二宮彰。しかし彼は、犯人をも凌駕するほどの冷血非情なサイコパスだった!警視庁の天才プロファイラー戸城、二宮の婚約者の映見、二宮の協力者であるサイコパス医師・杉谷、過去の殺人事件の容疑者・剣持ほか、様々な人物の思惑が複雑に絡み合い、捜査は混迷を極めていく。犯人はなぜ脳を奪うのか。そして、なぜ二宮が狙われるのか。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される…極限状況に追い込まれた二宮の逆襲が始まる。【作品詳細】映画『怪物の木こり』公開日:2023年12月1日(金)監督:三池崇史脚本:小岩井宏悦音楽:遠藤浩二出演:亀梨和也、菜々緒、吉岡里帆、柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦、染谷将太、中村獅童原作:『怪物の木こり』倉井眉介(宝島社文庫)
2023年06月10日現在公開中の映画『怪物』から、永山瑛太扮する担任教師が安藤サクラ扮する生徒の母親に衝撃的な一言を放つ本編映像の一部が公開された。本作は『万引き家族』の是枝裕和監督、『花束みたいな恋をした』の脚本家・坂元裕二、そして『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞した坂本という3人のコラボレーションで紡がれるヒューマンドラマ。出演者には安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、と豪華キャストが集結。先日開催された第76回カンヌ国際映画祭では坂元が脚本賞を受賞し、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得した。本作の物語の舞台となるのは大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子どもたちが平穏な日常を送っている。ある日、学校でケンカが起きた。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、母親は息子が教師に暴力をふるわれたと訴え、教師はそれを否定する。食い違う両者の主張は次第に周囲やメディアを巻き込んで大事に……。そして嵐の朝、子どもたちが忽然と姿を消すのだった。今回解禁されたのは、麦野早織(安藤サクラ)が、息子の湊(黒川想矢)へ暴力をふるいながらも謝罪しようとしない担任教師の保利(永山瑛太)のもとへ押しかけ、対峙するシーン。怒りが収まらない様子の早織に対して、これ以上の接触は逆効果だと判断し保利を隠そうとする職員たち。自分を追いかけてくる早織を見て、保利は職員の制止を振り切り「どうもすみませんでした」と深いお辞儀とともに謝罪の言葉を述べる。早織は「こんな学校がいる先生に……こんな先生がいる学校に子供預けられないでしょ、この人辞めさせてください」と思わず言い間違えをするほどの怒りを通り越して呆れた様子で訴える。しかし、保利は早織に対して、唐突に不敵な笑みを浮かべる。にわかには信じ難い保利の態度に、更に怒りが沸き上がる早織。「私何か面白いこと言ったかな、私何かおかしいこと言ったかな」と保利に詰め寄る。保利をさらに捲し立てようとしたそのとき、保利は衝撃的な一言を放つ。「あなたの息子さん、いじめやってますよ」。周りの職員は慌てふためく中、火に油を注ぐような発言をした保利を早織が「何言ってんの?何でたらめ言ってんの?」と睨みつける場面で、映像は終わる。ふたりの迫真の演技が印象的なシーンだが、このふたりのキャスティングには是枝裕和と坂元裕二の思いが込められているという。早織を演じる安藤サクラは、『万引き家族』に続き2度目の是枝作品への出演となる。是枝監督は「安藤さんは底知れない女優さんですよね。『万引き家族』のとき、自分はまだこの人のいちばん深いところにタッチできていないと思ったので、もう一度お仕事できるチャンスを狙っていました」と、さほど時間の空かぬうちに再タッグを望んだ経緯を語る。一方、保利を演じる永山瑛太は、『それでも、生きてゆく』『最高の離婚』『anone』等、坂元作品に多数出演してきた。是枝監督は「保利先生は彼に対して当て書きされた役ですが、坂元さんが書いたドラマ『最高の離婚』で彼が演じた役柄もそうだったように、どこか気持ち悪いと思われてしまうあの感じを、きちんと理解したうえで魅力的に表現できる人は、他にいないと思います。坂元さんが書く脚本の理解力がとても高いんですよね」と永山が坂元脚本に愛される所以を明かした。『怪物』本編映像『怪物』公開中(C)2023「怪物」製作委員会
2023年06月08日先ごろ閉幕したカンヌ国際映画祭で脚本賞、クィアパルム賞に輝いた映画『怪物』が公開されている。本作の監督・編集を手がけたのは『万引き家族』『真実』『ベイビー・ブローカー』の是枝裕和監督。本作では長編デビュー作『幻の光』以来、久々に自身ではなく、坂元裕二が書いた脚本で創作にあたった。是枝監督はこれまでに『誰も知らない』『そして父になる』など数々の作品を手がけているが、ある時期から意図的に自身の創作のルーティンを良い意味で壊し、開かれた創作の場をつくることに力を注いできた。時には映画において、画家でいうところの“絵筆”にあたる撮影監督を変え、時には海外に渡るなど、創作の環境が固定化し閉じてしまわないような試みがなされてきた。2018年には初めてタッグを組む撮影監督・近藤龍人、初めて迎えた俳優・安藤サクラをはじめとする俳優陣、スタッフと共に手がけた『万引き家族』がカンヌ映画祭の最高賞パルムドールを受賞。さらに変化し、さらに先へ……そのタイミングで本作の企画が持ち込まれたようだ。「最初にプロデューサーから『坂元裕二さんと進めている企画があるのでプロットを読んでほしい』と言われたのは2018年の暮れでした。僕としてはプロットを読む前からこのオファーを受けると決めていたんです。きっとそういうタイミングなんだろうなと思いましたし、これでまた次の扉が開くと思ったんです」そこから長期間にわたる脚本づくりが始まった。「一緒にキャッチボールをしながら脚本づくりを3年ほどやりました。それが本当にいい時間だったんですよ。そこでかなりの試行錯誤をした上で、撮影に入っているから、いい意味で撮影に入ってからの迷いはなかったです」とは言え、これまでの是枝作品では、是枝監督が撮影されたばかりの素材をすぐに編集し、時には編集されたもの、それまでの撮影で得たものを反映して脚本が繰り返し監督の手で修正・更新されてきた。「そのルーティンについては変わりました。変わったんですけど、そこには違和感は感じませんでしたし、これまでやってきた有機的な感覚もまったく失われずにやれたと思います」さらにいうと、これまで是枝監督は多くの作品で、子どもが出演する際にはあえて台本を渡さず、撮影現場で状況を説明して撮影に臨んできたが、本作では子どもたちにも事前に台本が渡され、リハーサルを行なってから撮影が開始された。「それについても何かに“縛られている”という感覚はまったくなかったです。完成された脚本を渡されて“これで撮ってください”と言われたわけではないですから。ただ、俳優と向き合ってやっていく上では試さないといけないことがあったので、子どもたちには台本を渡して、ちゃんとリハーサルもやって現場に入りました。撮影しながら編集もしていくというスタイルもこれまでと変わらずです。ただ、編集しながら、修正していく量が本当に少なかったんですよ。結果として、子どもたちを観ながら『このシーンは電車の中でやるよりは外で撮った方がいいな』とか『いいロケ地が見つかったからそこで撮ろう』とかアレンジは加えていっているんですけど、セリフ自体を変えたいとは思わなかった」『怪物』の舞台は大きな湖のある町。そこではクリーニング店で働きながら息子を育てるシングルマザーや、生徒想いの教師、子どもたちが暮らしている。しかし、ある日、学校で子どもたちのケンカが起こり、教師が生徒に暴力を振るったのではないかという話が持ち上がる。それぞれの主張は食い違い、小さな出来事は次第に大きくなっていく。本作は可能な限り、事前に情報を入れずに真っさらな気持ちで観た方が楽しめるため、具体的な内容については触れないが、作品は大きく複数のブロックに分かれており、ある一定期間で起こる出来事をそれぞれのブロックで異なる視点、語り口で描いていく構造になっている。興味深いのは、それぞれのブロックで物語を語るリズム、映像のルック、カメラの動きが驚くほど異なっていることだ。(劇中で明示されるわけではないが便宜上、本稿ではこのブロックを一章、二章、それ以降の章を終盤の章と記載する)。「最初に一章と二章の脚本を読んだ時に“これは自分には書けないな”と思ったんです。坂元裕二、恐るべき才能だと思いましたね。何かが起きそう、という不穏な感じがずっと続いていて、それだけで物語が進んでいく」その結果、本作の一章と二章はこれまでの是枝作品にはない語りのリズム、カット数、アングルが選択されている。「たぶん、脚本がそのようなリズムを求めていたんだと思います。だからそこは自分なりの脚本に対するアプローチのしかたで、一章・二章のリズムと終盤の章のリズムを変えるということは意識していました。それに一章と二章はセリフも、キャラクターの輪郭も、際立ち方も自分がこれまでにつくってきたものとはまったく違う。そこは面白かったです。僕は自分自身の作家性というか、そういうものがあまり好きではないので、消せるものなら消したいと思っていますから、そういう意味では一章と二章は自分の作家性とかどうでもよくて、この脚本をどうしたら面白くなるか、その目線で見たときにいろんなことがクリアになった。結果としてこの脚本の良さを自分なりには引き出せたつもりです」そして訪れる終盤の章を是枝監督は「ここは自分にしか撮れないな、と思えた」と語る。「だから、来たるべき終盤の章のことを視野に入れると、一章と二章のもつ特殊性というか、不穏なトーンにあまり乗っかり過ぎてしまうと断絶が起こってしまうので、そこは気をつけました。演出的にはすべての章がシームレスにつながっていないといけないわけで、一章と二章は確かに面白いんだけど、面白がりすぎてはいけない。その“ギリギリ”を攻めたという感じです。章によって視点が違って、キャラクターの見え方が違ってもいいんですけど、それをやりすぎてしまうと映画がバラけてしまう。そこは丁寧にやったつもりです」俳優の“動き/運動”を描き出す先に言っておくと本作は複数のブロックに分かれてはいるが、章が進んでいくことで“提示されていた謎が解ける”わけではないし、“章によってキャラクターの見え方が違う”というほど単純な内容ではない。確かにこれらの章は異なるトーンとリズムで構成されている。物語が進んでいくと新しい情報がもたらされることもある。しかし、これらはひとつの世界で起こっている。むしろ“このような事態が別々ではなく同じ世界で発生していること”が重要なのだ。「撮影監督の近藤(龍人)さんと最初に話したのは“一章、二章、終盤の章の映像のトーンをどれぐらい変えるか?”ということで、カメラワークも含めて章によって変えていこうという話になりました。サイズをシネスコにしたのは近藤さんからの提案です。“視界を狭めたい”という意図でした。全体が見えていない形にしたいのでシネスコでやってみたい、と」さらに本作ではロケ地の選定、登場する部屋の装飾などプロダクションデザインの完成度の高さに驚かされる。本作ではある一定期間の出来事を複数のブロックでそれぞれ描くため、シーンによっては同じ場所が視点を変えて繰り返し描かれることになるが、本作ではそれに耐えうるロケ地、セット、美術が揃った。「この映画は一歩間違うとすごく観念的な話になってしまうので、あの町とそこで暮らす人と風景はちゃんとリアルに描かないといけないと思っていました。あの場所から少年たちがどのように浮上するのか、という話なので。だから、今回の映画で一番最初におさえたスタッフは後藤一郎くんといって『万引き家族』で見えない花火を見上げるシーンを撮った家を見つけてくれた人でした。この映画はロケ場所がすごく大事で、さらにコロナ禍で学校を舞台に撮影するのもかなり難しい。でも、彼が苦労してロケ地を見つけてきてくれて、地域の方々の全面的な協力体制を敷いてくれて、環境を整えてくれたので撮ることができた。そこは一郎くんの力が本当に大きいですし、美術の三ツ松(けいこ氏。日本を代表するプロダクションデザイナーのひとり)さんとチームの力も本当に大きかった。その点ではそれぞれのスタッフが、最高のレベルの仕事をしたなというのが今回の僕の実感です」さらに異なるトーンと語りをもつ複数のブロックをさらにシームレスにつなぐものがある。それは俳優の“動き/運動”だ。本作では、これまでの是枝作品よりもさらに丁寧に俳優の動きが描き出される。俳優の運動によってキャラクターが立ち上がる、確実に“そこにいる”と感じられる。「安藤サクラという役者をどう評価するかは人によっていろいろだと思います。感情の表出のしかたの瞬発力や集中力が高いのは『万引き家族』でも感じたことですが、改めて思ったのは、彼女は身体能力が高い、ということ。綾瀬はるかも高いけど、彼女とは違った身体能力の高さが安藤サクラにはある。そこはこの映画でちゃんと撮ろうと思っていました。そのことで“動かない田中裕子”との対比になる。ふたりが揃うことで対比が生まれ、緊張感のある瞬間が生まれる。動いていたものが止まる瞬間、止まっていたものが動き出す瞬間……そこは撮っていて本当に面白かったですね」それは劇中に登場する子どもたちも同様だ。彼らは大人ほど多くを語れるわけではない。時には想いを秘めている。しかし、彼らが駆け出す、跳ねる、どこかをゆっくりと覗き込む……すべての運動=アクションがどんなセリフよりも雄弁にキャラクターを表現するのだ。「子どもたちを動かすことは徹底的にやろうと思っていました。セリフが魅力的なことはわかっていたし、あのふたり(黒川想矢、柊木陽太)が優れた俳優であることもわかっていたから、リハーサルの段階から動きながらセリフを言ってもらって、どのセリフも”何かの動きのついで”に言ってほしいといいました。劇中のグリコ(じゃんけんグリコ:じゃんけんをして勝った方が階段などを進んでいく遊び)のシーンもリハーサルの段階からやっていたんですけど、最初は本読みをして表に出てやってもらったら、グリコをやり終わってからセリフを言うんです。で、セリフを言い終わったらグリコに戻る(笑)。だから、『いや、そうじゃなくてセリフとグリコは同時にやっていいんだよ』って言ったら、柊くんはその直後からできるようになった。それはすごいことで、大人でもなかなかできなくて、やりたがらない役者もたくさんいるんです。想矢も最初はセリフに集中したいのか、なかなか馴染まなかったけど、柊木くんとリハーサルをやるうちにどんどんほぐれていった。どうやって(意識を)散らしていくのか、ということをリハーサルでやっていったので、結果的にふたりのシーンはとても動的なものになりましたし、撮影ではなるべく座って喋るシーンもなくしたので、撮影の後半ではふたりも楽しそうにしていましたね」信頼できる脚本家と、信頼できるセリフを得た是枝監督は本作で新たな語り口、リズム、映像のルックを得た。そして、これまで以上に俳優の運動を丁寧に描き出している。映画『怪物』は、もしかしたら是枝監督が初めて手がける“アクション映画”なのかもしれない。「近藤さんのカメラと、この脚本をもらって作りながら学べたことがすごく大きかった。これを経験して次に自分が脚本を書く時に俺、変わるぞと思っていますし、変わるだろうなと。それぐらい坂元さんの脚本づくりには影響を受けました。だから次をまた楽しみにしていてください」『怪物』公開中
2023年06月07日是枝裕和監督×脚本・坂元裕二×音楽・坂本龍一による映画『怪物』。豪華タッグが実現し、第76回カンヌ国際映画祭では脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に住む、息子を愛するシングルマザー・早織(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師・保利(永山瑛太)、そして早織の息子・湊(黒川想矢)と同級生・依里(柊木陽太)……よくある子供同士のケンカに見えた事件は次第に社会やメディアを巻き込んで大事になり、ある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。今回は是枝監督にインタビュー。脚本を担当した坂元氏とのタッグは前々から熱望していたというが、実際に組んでみてどうだったのか。また、同作に出演する実力派俳優、そしてオーディションで選ばれた子役のすごさについて、話を聞いた。○■カンヌ脚本賞受賞、坂元裕二には「いろいろ勉強になりました」――今回念願の坂元さんとのタッグとのことでしたが、改めてどのような印象でしたか?いろいろ勉強になりました。特に前半40分、描写自体は「何かが起きそうだ」という不穏な感じだけでずっと引っ張る力があるんです。僕は基本的には「スライス・オブ・ライフ」という、人生のある瞬間を切り取って描写していくタイプが好きで、ストーリーがない作品を作っているつもりはないけれども、今回はやっぱり坂元さんの物語の推進力が強い。そこが勉強になりました。――是枝監督でもまだ「勉強になる」ということがあるんですね。話し合いの中で変化していったことはありますか?僕がプロットをいただいた段階で構成自体はもうこの形でした。ただ、校長先生の存在はこんなに大きくなくて、田中裕子さんという名前が挙がった点で膨らんできたし、保利先生もやっぱり瑛太さんに決まってからディテールが書き込まれて、面白かったなあ。「どこまで見せるのか」みたいなことは意見を交換していきました。○■子役を探すのはとても大変――子役のお二人はオーディションとのことで、どのようにして選ばれているんですか?直感なんですよね、キャスティングって。2人はお芝居が抜群だったんです。いろんな組み合わせがあって、時々別の役をやってもらったり逆転させたりと試してみたら、あの2人の依里と湊の組み合わせが一番しっくりきました。柊木くんはほっとくとずっとひとりでお喋りしている子で、直感で役をつかんでしまうタイプ。黒川くんは非常にナイーブで、ひとつひとつ言葉を選んで話すタイプでした。役者としては全く真逆のタイプですけど、そこがまた良かったかもしれないです。――観ていても真逆の雰囲気は感じていました。黒川くんは感情で作っていき、柊木くんは理知的で「はいはいはい、そういうことですね。わかりました〜」って、人生4周目ぐらいかな?(笑) いろんな状況を俯瞰して見てますよね。自分が置かれてるつらい状況も含めて、俯瞰して見られるタイプ。今回の2人を見ると、本当に役とぴったりでした。自分が映画を撮り始めた時と比べて、あの年齢の子供たちの演技力というのは、相対的に上がっていると思います。ただ、男の子は小学校高学年から中学生の年齢層が薄いんですよ。部活が始まってサッカーとか野球がしたくなって一度辞めてしまう。女の子は4〜5歳で「女優さんになる」と言ったらそのまま維持されることが多いんですけど、男の子はいったん減って、高校生くらいで多分戻ってくると思うんです。ですから、探すのがとても大変なんです。――大人の方達もすごい方ばかりでした。監督から見て、安藤さんと永山さんはどのようなところがすごいと思いますか?サクラさんは役に入りながら完全に俯瞰でも作品を見ている、両方の目を持った役者です。コントロールの能力がすごく高い。あと、あんまりそう見えてないかもしれないけど、身体能力が高い方なんです。いろんな意味で筋肉が柔らかくて、軽やかで、女優さんとしての才能だと思います。瞬間瞬間のつかみが素晴らしい方です。それからお二人とも、いろんな意味で脚本の理解力が高いです。特に今回は瑛太さんの坂元脚本に対する理解力の高さを目の当たりにして、「瑛太さんじゃなかったらこのセリフは成立しないかもしれない」というギリギリのところを、坂元さんが攻めてたんじゃないかと思います。例えば母親との面談の途中で飴を食べ始めるようなシーンも「瑛太さんだったら、ここまで書いても成立させるだろう」という気持ちを感じて、おそらくお互いが攻めているんじゃないかと。こういう役者を持った脚本家と、ああいう脚本家持った役者、その中に僕も参加させていただきまして、幸せですよね。――やっぱり演技において、作品を俯瞰で見ることは重要でしょうか?必ずしも全員が俯瞰して見なくてもいいと思います。役者さんによって、設計図を持ってお芝居を組み立ててくる方もいますし、瞬発力がいい方もいますし、色々な方がいて面白いです。■是枝裕和監督1962年6月6日、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、テレビマンユニオンに参加。2014年に独立し制作者集団「分福」を立ち上げる。1995年に『幻の光』で監督デビューし、その後も『誰も知らない』(04)、『そして父になる』(13)、『海街diary』(15)等、数々の作品を世に送り出す。2018年の『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドールを受賞し、第91回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート、そのほか多くの映画賞を受賞した。2019年の『真実』は国際共同製作作品として海外の映画人とのセッションを本格化させ、2022年には初の韓国映画となる『ベイビー・ブローカー』で、第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品、エキュメニカル審査員賞を受賞。また主演のソン・ガンホが韓国人俳優初となる最優秀男優賞を受賞した。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年06月07日亀梨和也(KAT-TUN)、菜々緒、吉岡里帆らが共演する映画『怪物の木こり』がこの冬、公開されることが決定した。絵本「怪物の木こり」に登場する怪物の仮面で顔を隠し、斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件。次のターゲットに選ばれたのは、弁護士・二宮彰。しかし彼は、犯人をも凌駕するほどの冷血非情なサイコパスだった。警視庁の天才プロファイラー戸城、二宮の婚約者の映見、二宮の協力者であるサイコパス医師・杉谷、過去の殺人事件の容疑者・剣持ほか、様々な人物の思惑が複雑に絡み合い、捜査は混迷を極めていく。犯人はなぜ脳を奪うのか。そして、なぜ二宮が狙われるのか。事件の謎を解き、犯人の正体を暴かなければ殺される…極限状況に追い込まれた二宮の逆襲が始まる――。本作は、2019年第17回「このミステリーがすごい!大賞」を受賞した同名小説の実写映画化。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく先読み不可能なストーリー、その驚愕の結末とは?ぶっ飛んだ設定と意表を突く展開が連続する衝撃作が、超刺激サスペンスとして映画化される。連続殺人鬼に狙われる弁護士・二宮彰を演じるのは亀梨和也。目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス役に挑戦した亀梨さんは、役作りについて「監督・プロデューサーさん・スタッフの皆さんと台本についてお話をさせていただく機会があり、今までに無いような表現・キャラクターの特徴をどう出していくか相談させていただき、演じる方向性を決めさせていただきました。『サイコパス』というワードは印象が強いのですが、過度に強い表現をしてしまわないよう、欲望を抑えながら演じました」と語る。捜査本部で孤立しながらも、連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子を演じる菜々緒は、「三池監督からはプロファイラー捜査員として、サイコパスな要素も取り入れて欲しいという要望があったので、現場検証や捜査シーンの時など、事件や証拠に執着する様子を意識しながら演じさせていただきました。原作とは少し違った戸城嵐子になっていると思います」と役柄について説明。父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者・荷見映美を演じる吉岡里帆は、亀梨さんとの初共演について「亀梨さんの演じるサイコパスな二宮は色っぽく、儚さもあり、ただ単に憎むことのできない不思議な魅力があるように感じました。皆様もきっと二宮に翻弄されることかと思います」とコメントしている。目的のためには殺人をもいとわないサイコパス二宮が、連続猟奇殺人犯に襲撃され、復讐を誓うという衝撃的な内容の本作。3者の静かな狂気の表情をとらえたポスタービジュアルも完成した。そのほか、二宮の協力者のサイコパス医師・杉谷九郎役で染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士役で中村獅童。柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦らも出演する。本作の監督は、世界中に熱狂的ファンを持つ三池崇史。亀梨さんとの初タッグについて「『自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい』と伝えました。無垢で繊細な剥き出しの亀梨和也をご賞味ください。きっと、夢に出ますよ」とメッセージを寄せている。『怪物の木こり』12月1日(金)より公開。(cinemacafe.net)■関連作品:怪物の木こり 2023年12月1日より公開©2023「怪物の木こり」製作委員会
2023年06月07日アイドルグループ・KAT-TUNの亀梨和也が、映画『怪物の木こり』(12月1日公開)の主演を務めることが7日、明らかになった。同作は倉井眉介氏による同名小説の実写化作。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生し、次のターゲットとして狙われたのは、弁護士・二宮彰(亀梨和也)。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパスだった。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく先読み不可能なサスペンスとなる。主演の亀梨が演じるのは、連続殺人鬼に狙われる弁護士・二宮彰。目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス役に挑戦した。監督は世界中に熱狂的ファンを持つ鬼才・三池崇史が務める。また本作の登場人物は全員が闇と狂気を抱えるサイコパスで、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子を菜々緒、父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者・荷見映美を吉岡里帆が演じる。さらに二宮の協力者のサイコパス医師・杉谷九郎役の染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士役の中村獅童、そして柚希礼音、みのすけ、堀部圭亮、渋川清彦と豪華キャスト陣が集結した。撮影は2021年春に行われ、現在完成に向けて製作中となっている。○亀梨和也 コメント・役作りについて撮影前に監督・プロデューサーさん・スタッフの皆さんと台本についてお話をさせていただく機会があり、今までに無いような表現・キャラクターの特徴をどう出していくか相談させていただき、演じる方向性を決めさせていただきました。実際に演じる時には、細かい表情や目の使い方を意識しました。サイコパスの二宮のキャラクターを作るうえで、表情や目の表現は重要なのではないかと考えて。「サイコパス」というワードは印象が強いのですが、過度に強い表現をしてしまわないよう、欲望を抑えながら演じました。・三池監督との初タッグについて三池監督のお写真や作品を拝見させていただいている中で、僕自身の勝手なイメージですが、ものすごくストイックで硬派な方なのではという印象を持っていました。顔合わせで初めてお会いする時はものすごく緊張していたのですが、実際にお会いしてお話をさせていただくと、すごく笑顔が素敵な方で、物腰も柔らかく、ふわっとした淡い優しいオーラを監督から感じました。撮影現場は、もちろんシーンによってはストイックに突き詰めていくところもあるのですが、監督をはじめ、スタッフの皆さんの作ってくださった温かみに溢れた愛情ある現場にすごく感動しました。・菜々緒、吉岡との共演について菜々緒さんとは以前も共演させていただいていたので撮影にはすごく入りやすかったです。役柄の関係性としては、緊張感のある設定だったのですが、撮影を楽しみながらあうんの呼吸で素敵な撮影が出来たと思います。吉岡さんとご一緒するのは今回が初めてでした。吉岡さんとは共演初日から凄くヘビーなシーンの撮影だったのですが、本当に全身全霊で作品やキャラクターにエネルギーを向けてくださる方だったので、僕自身も彼女のエネルギーを感じながら、うまく融合して撮影させていただくことができたと思います。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?それぞれのキャラクターを通して、人間の心の美しい部分と、そうではない部分をどちらも映像としても切り取ってもらえていると思います。また、音楽を含めて、三池監督がこの作品をどういう風に仕上げてくださるのか非常に楽しみです。作品のテーマを、映画を見てくださった皆さんに考えていただきつつ、何かを感じてもらいながら、最後にはハッとしていただける結末でもあるので、存分に楽しめる作品になるだろうと、非常に期待しております。○菜々緒 コメント・役作りについて三池監督からはプロファイラー捜査員として、サイコパスな要素も取り入れて欲しいという要望があったので、現場検証や捜査シーンの時など、事件や証拠に執着する様子を意識しながら演じさせていただきました。原作とは少し違った戸城嵐子になっていると思います。・亀梨との共演について亀梨さんの持つ目力と役に入った時の雰囲気が、私が原作を読んだ時の彰そのもので、対面で芝居した時に体が震える感覚があったのを今でも覚えています。セットチェンジなどの待ちの時などには優しく声をかけてくださり、役に入っている時とのギャップに少し怖さも感じたほどでした。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?サイコパス対サイコパスのサイコスリラーというだけではなく、人間とは、人の心とはなんなのかということを考えせられる作品だと感じました。○吉岡里帆 コメント・役作りについて私が演じた映見という女性は、ピュアな想いと、影を背負いながらも前向きに生きていく精神力を持っている善良な人間です。そんな彼女ですが、亀梨さん演じる狂気を孕む男性に恋をしてそれが少しずつ歪んでいく…どんなに美しい精神を持った人でも彼の前では脆く無惨に散っていく、そんな様を意識して演じました。・亀梨和也さんとの初共演について亀梨さんの演じるサイコパスな二宮は色っぽく、儚さもあり、ただ単に憎むことのできない不思議な魅力があるように感じました。皆様もきっと二宮に翻弄されることかと思います。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?人を狂わせていく二宮の危うさと翻弄されていく人達の切なさが三池さんの手によって激しくロマンチックに描かれていくところが見どころの作品になるのかなと思います。ドキドキしながら見て頂けると嬉しいです。○三池崇史監督 コメント法では裁けぬ男と女の物語。あなたはすべての登場人物を赦し、愛することでしょう。これは暴力と癒しの映画です。・この異色の原作を映画化するにあたって、どのようなお気持ちでしたか?リスペクト。原作を愛し、スタッフ、キャストの才能を愛する。そこから生まれるバイオレンスを、心の底から楽しんでいただきたい。そんな思いで撮影に臨みました。・亀梨和也との初タッグについて「自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい」と伝えました。無垢で繊細な剥き出しの亀梨和也をご賞味ください。きっと、夢に出ますよ。(C)2023『怪物の木こり』製作委員会
2023年06月07日映画『怪物の木こり』が12月1日(金) に公開されることが決定した。『怪物の木こり』は、2019年に『このミステリーがすごい!大賞』を受賞した同名小説の実写映画。凶器の斧で脳を奪い去る連続猟奇殺人事件が発生し、次のターゲットとして弁護士・二宮彰が狙われてしまう。しかし二宮は、犯人をも凌駕する狂気のサイコパス。犯人を追う警察と、返り討ちを狙う二宮。追う者と追われる者がどんどん入れ替わっていく先読み不可能なサスペンス作品となっている。二宮役を演じるのは亀梨和也。目的のためには手段を選ばず、殺人すらいとわない狂気のサイコパス役に挑戦した。亀梨は役作りについて「監督・プロデューサーさん・スタッフの皆さんと台本についてお話をさせていただく機会があり、今までに無いような表現・キャラクターの特徴をどう出していくか相談させていただき、演じる方向性を決めさせていただきました。“サイコパス”というワードは印象が強いのですが、過度に強い表現をしてしまわないよう、欲望を抑えながら演じました」と語る。監督を務めるのは三池崇史。三池監督は撮影前に亀梨に「自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい、とだけ伝えました」という。さらに「無垢で繊細な剥き出しの亀梨和也をご賞味ください。きっと、夢に出ますよ」と亀梨の演技に手ごたえを感じていた。また、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子役を菜々緒、父親の不審死にふさぎ込む二宮の婚約者・荷見映美役を吉岡里帆がそれぞれ演じる。亀梨と菜々緒は2017年4月放送のドラマ『ボク、運命の人です』で共演しており、亀梨は「あうんの呼吸で素敵な撮影が出来たと思います」と信頼を寄せる。また菜々緒も「亀梨さんの持つ目力と役に入った時の雰囲気が、私が原作を読んだ時の彰そのもので、対面で芝居した時に体が震える感覚があったのを今でも覚えています。セットチェンジなどの待ちの時などには優しく声をかけてくださり、役に入っている時とのギャップに少し怖さも感じたほどでした」と語る。一方、今回初共演となる吉岡について亀梨は「全身全霊で作品やキャラクターにエネルギーを向けてくださる方だったので、僕自身も彼女のエネルギーを感じながら、うまく融合して撮影させていただくことができたと思います」とコメント。吉岡も亀梨の演技を「亀梨さんが演じた二宮は色っぽさも儚さもあり、ただ単に憎むことのできない不思議な魅力がありました」と語っている。そのほか、二宮の協力者のサイコパス医師・杉谷九郎役で染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士役で中村獅童が出演する。併せて、狂気に満ちた予告編&ポスタービジュアルが公開された。■亀梨和也 コメント・役作りについて撮影前に監督・プロデューサーさん・スタッフの皆さんと台本についてお話をさせていただく機会があり、今までに無いような表現・キャラクターの特徴をどう出していくか相談させていただき、演じる方向性を決めさせていただきました。実際に演じる時には、細かい表情や目の使い方を意識しました。サイコパスの二宮のキャラクターを作るうえで、表情や目の表現は重要なのではないかと考えて。「サイコパス」というワードは印象が強いのですが、過度に強い表現をしてしまわないよう、欲望を抑えながら演じました。・三池監督との初タッグについて三池監督のお写真や作品を拝見させていただいている中で、僕自身の勝手なイメージですが、ものすごくストイックで硬派な方なのではという印象を持っていました。顔合わせで初めてお会いする時はものすごく緊張していたのですが、実際にお会いしてお話をさせていただくと、すごく笑顔が素敵な方で、物腰も柔らかく、ふわっとした淡い優しいオーラを監督から感じました。撮影現場は、もちろんシーンによってはストイックに突き詰めていくところもあるのですが、監督をはじめ、スタッフの皆さんの作ってくださった温かみに溢れた愛情ある現場にすごく感動しました。・菜々緒さん・吉岡さんとの共演について菜々緒さんとは以前も共演させていただいていたので撮影にはすごく入りやすかったです。役柄の関係性としては、緊張感のある設定だったのですが、撮影を楽しみながらあうんの呼吸で素敵な撮影が出来たと思います。吉岡さんとご一緒するのは今回が初めてでした。吉岡さんとは共演初日から凄くヘビーなシーンの撮影だったのですが、本当に全身全霊で作品やキャラクターにエネルギーを向けてくださる方だったので、僕自身も彼女のエネルギーを感じながら、うまく融合して撮影させていただくことができたと思います。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?それぞれのキャラクターを通して、人間の心の美しい部分と、そうではない部分をどちらも映像としても切り取ってもらえていると思います。また、音楽を含めて、三池監督がこの作品をどういう風に仕上げてくださるのか非常に楽しみです。作品のテーマを、映画を見てくださった皆さんに考えていただきつつ、何かを感じてもらいながら、最後にはハッとしていただける結末でもあるので、存分に楽しめる作品になるだろうと、非常に期待しております。■菜々緒 コメント・役作りについて三池監督からはプロファイラー捜査員として、サイコパスな要素も取り入れて欲しいという要望があったので、現場検証や捜査シーンの時など、事件や証拠に執着する様子を意識しながら演じさせていただきました。原作とは少し違った戸城嵐子になっていると思います。・亀梨和也さんとの共演について亀梨さんの持つ目力と役に入った時の雰囲気が、私が原作を読んだ時の彰そのもので、対面で芝居した時に体が震える感覚があったのを今でも覚えています。セットチェンジなどの待ちの時などには優しく声をかけてくださり、役に入っている時とのギャップに少し怖さも感じたほどでした。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?サイコパス対サイコパスのサイコスリラーというだけではなく、人間とは、人の心とはなんなのかということを考えさせられる作品だと感じました。■吉岡里帆 コメント・役作りについて私が演じた映見という女性は、ピュアな想いと、影を背負いながらも前向きに生きていく精神力を持っている善良な人間です。そんな彼女ですが、亀梨さん演じる狂気を孕む男性に恋をしてそれが少しずつ歪んでいく…どんなに美しい精神を持った人でも彼の前では脆く無惨に散っていく、そんな様を意識して演じました。・亀梨和也さんとの初共演について亀梨さんの演じるサイコパスな二宮は色っぽく、儚さもあり、ただ単に憎むことのできない不思議な魅力があるように感じました。皆様もきっと二宮に翻弄されることかと思います。・映画『怪物の木こり』はどんな作品に?人を狂わせていく二宮の危うさと翻弄されていく人達の切なさが三池さんの手によって激しくロマンチックに描かれていくところが見どころの作品になるのかなと思います。ドキドキしながら見て頂けると嬉しいです。■三池崇史監督 コメント法では裁けぬ男と女の物語。あなたはすべての登場人物を赦し、愛することでしょう。これは暴力と癒しの映画です。・この異色の原作を映画化するにあたって、どのようなお気持ちでしたか?リスペクト。原作を愛し、スタッフ、キャストの才能を愛する。そこから生まれるバイオレンスを、心の底から楽しんでいただきたい。そんな思いで撮影に臨みました。・亀梨和也との初タッグについて「自分の感性の赴くままに自由に演じてほしい」と伝えました。無垢で繊細な剥き出しの亀梨和也をご賞味ください。きっと、夢に出ますよ。映画『怪物の木こり』予告編<作品情報>映画『怪物の木こり』12月1日(金) 公開(C)2023「怪物の木こり」製作委員会関連リンク公式サイト::
2023年06月07日現在公開中の映画『怪物』より、是枝裕和監督から本作の劇伴を担当した坂本龍一への感謝のコメントと制作エピソードが公開された。本作は『万引き家族』の是枝監督、『花束みたいな恋をした』の脚本家・坂元裕二、そして『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞した坂本という3人のコラボレーションで紡がれるヒューマンドラマ。出演者には安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、と豪華キャストが集結。先日開催された第76回カンヌ国際映画祭では坂元が脚本賞を受賞し、独立部門「クィア・パルム賞」と合わせて2冠を獲得した。これまでは脚本を執筆する際に聴いていた音楽をもとに、まず楽器のイメージを固め、それから音楽家に曲を依頼するケースが多かったという是枝監督。以前から坂本に音楽を依頼する機会を伺いながらも具体化することがなかったが、「今回は自分で脚本を書いていないので、その段階では音楽のイメージがなかったんです。ただ撮影中や編集中に、ホテルの部屋で坂本さんのピアノ曲をかけながら作業していたら、これしかないなと思って」と確信し、今作でオファーすることを決意。そして坂本へ音楽を依頼したい旨をしたためた手紙と、坂本の楽曲を仮に当てて編集した映像を送ったところ、「お引き受けしますが、スコア全体を引き受ける体力はない」という回答とともに、「思い浮かんだ曲が1、2曲ある」という返事があったという。最終的に書き下ろしの2曲と、坂本の最新アルバム『12』からの曲、そして過去の曲により、本作の音楽は構成されることになった。是枝監督は「坂本さんに断られていたら、根本から発想を変えるしかなかった。音楽も、それ以外の活動も尊敬している坂本さんに音楽をお願いすることができて、本当に嬉しかったです」と喜びをあらわにした。坂本龍一また、先日開催されたカンヌ国際映画祭の日本用囲み会見で、坂本とのエピソードを聞かれた是枝監督は、「観た直後に音楽室のシーンがすごく好きだと言ってもらい、あのホルンとトロンボーンの音を邪魔しない音楽を作ろうと思った、という意見をもらいました。映画の中から聞こえてくるような曲になったんじゃないかなとおこがましいけれど思いました」と坂本とのやりとりや本作のために書き下ろされた楽曲について振り返った。なお、坂本が音楽を担当した本作のサウンドトラックは現在発売中だ。<リリース情報>サウンドトラック『怪物』■アナログ盤&CD発売中ブックレット:是枝裕和監督コメント掲載■配信リンク:【販売形態】アナログ盤/CDDL ※バンドル配信のみサブスク ※Aquaは除く6曲で配信【収録曲】1. 202202072. Monster 13. hwit4. Monster 25. 202203026. hibari7. Aqua<作品情報>映画『怪物』公開中公式サイト:
2023年06月05日ランド バイ ミルクボーイ(LAND by MILKBOY)の2023年夏コレクションから、『ユニバーサル・モンスターズ』、ホラー映画『チャッキー』とのコラボレーションアイテムが登場。2023年6月上旬よりランド バイ ミルクボーイラフォーレ原宿、札幌などで発売される。『ユニバーサル・モンスターズ』とコラボランド バイ ミルクボーイが今回タッグを組むのは、ユニバーサル・ピクチャーズがこれまで手掛けてきたホラー映画やスリラー映画である『ユニバーサル・モンスターズ』。日本で初となる『ユニバーサル・モンスターズ』とのコラボレーションでは、シャツ・ブラウス・Tシャツを展開する。総柄シャツ&ブラウスシャツとブラウスには、「ドラキュラ」「透明人間」「フランケンシュタインの花嫁」など『ユニバーサル・モンスターズ』のキャラクターが総出演。個性豊かなキャラクターを総柄で表現した。フランケンシュタインに扮した“ランドベア―”Tシャツ一方Tシャツは、フランケンシュタインに扮した“ランドベア―”を主役に。カラーは赤いロゴが映えるホワイト、色鮮やかなブルー、ダークなムードが漂うブラックの3色が揃う。映画『チャッキー』とのコラボもさらに、映画『チャッキー』とコラボレーションした、ちょっぴりホラーなアイテムも登場。血まみれのチャッキーとパートナー・ティファニーのフォトTシャツや、アーティスト・ナオヤ カワカミ(Naoya Kawakami)が描き起こしたグラフィックTシャツ、物語に登場するオリジナルチャッキーの製造元“GOOD GUYS”の立体ロゴ刺繍入りキャップなどがラインナップする。【詳細】ランド バイ ミルクボーイ 2023年夏コレクション新作発売時期:2023年6月上旬※ランド バイ ミルクボーイ原宿では6月2日(金)~一部先行発売。取扱店舗:ランド バイ ミルクボーイ原宿・札幌、Fathom(台場・広島パルコ)、仙台BPM、Deity`s watchdog・Schroding’s Closet、公式オンラインストア、ミルク ZOZOTOWNアイテム:『ユニバーサル・モンスターズ』・「MONSTER」SHIRTS(ユニセックス)17,600円・「MONSTER」 BLOUSE(レディース)14,300円・FRANKEN BEAR TEE(ユニセックス)8,250円『チャッキー』・「CHUCKY」PHOTO TEE(ユニセックス)10,450円・「SEED OF CHUCKY」TEE(ユニセックス)9,460円・「CHILD PLAY TEE」(ユニセックス)9,460円・「GOOD GUYS CAP」(ユニセックス)6,600円【問い合わせ先】ミルクTEL 03-3407-9192Universal Studios Licensing LLC (ユニバーサル・スタジオ・ライセンシング LLC)との商品化契約に基づき、株式会社MILK が企画・制作した商品。
2023年06月04日映画『怪物』(6月2日公開)の本編映像が1日、公開された。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。本作の脚本を務めた坂元は『東京ラブストーリー』(91年)でトレンディドラマの旗手として脚光を浴び、その後は作風を変化させながら、「Mother」(10年)、『anone』(18年)といった社会派ヒューマンドラマや、『最高の離婚』(13年)、『カルテット』(17年)といった笑って泣ける大人のラブコメなど、一つのジャンルに収まらない世界観を生み出し、ドラマファンからの絶大な人気を誇る。第76回カンヌ国際映画祭では脚本賞受賞に輝き、初のタッグとなる是枝裕和監督演出のもとで綴られる今作の物語にも注目が集まっている。独特な会話劇や数々の名セリフ、細部に遊びのあるやりとりを言葉巧みに描く坂元らしさは今作にも現れている。今回公開されたのは、息子の湊(黒川想矢)が担任教師の保利(永山瑛太)から暴力を受けていることを疑ったシングルマザーの早織(安藤サクラ)が、学校へ説明を求めに行くシーン。校長室に案内された早織の前にぞろぞろと教師陣が入室し、校長の伏見(田中裕子)が担任教師の保利から謝罪をすると切り出し、保利が座ったままか細い声で「え~…」と話し始めると、隣に座っていた教頭の正田(角田晃広)がすかさず「立って」と指摘する。保利は立ち上がりボソボソとしたぎこちない口調かつ、釈然としない態度で謝罪を述べ始め、早織に頭を下げる。すると周りの教師陣もタイミングを見計らったかのように一同に立ち上がり、保利と共に頭を下げて謝罪。その場しのぎの様子が見て取れる学校側の対応に早織は不信感を露わにするも、校長は「指導が適切に伝わらなかったものと考えております」と回答。早織は校長との対話を諦め、当事者の保利を問い詰めるが、目を見て真摯に問いかける早織に対し、保利は俯いたままティッシュを取り出し鼻をかみ始める。校長はまるで心がこもっていない弁明を繰り返しており、シリアスな場面でありながら、役者陣の不自然な言動やしぐさが滑稽にも感じられる一幕となっている。脚本の執筆と登場人物のキャスティングは平行して行われた。配役が決定することによって、坂元による脚本のキャラクターが膨らみ、物語がますますクリアになっていく過程を目の当たりにした是枝監督は「こうやって坂元さんは本を固めていくんだな」と感心したという。また自身の脚本と坂元による今回の脚本の違いについて「今回は構造も含めて、非常にしっかりとした物語ですよね。僕が普段書くものは“スライス・オブ・ライフ”なんです。日常を切り取り、描写して、その前後を想像させるようなものが多いから、それはたぶん物語ではない。今回も描写の力で持たせているシーンは多少あるけど、基本的に言えば劇映画だと思います。物語のラインが非常に強くて、太いんじゃないでしょうか」と考えを明かしている。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年06月01日先日開催された第76回カンヌ国際映画祭にて、坂元裕二が脚本賞に輝き、クィア・パルム賞と合わせて2冠となった是枝裕和監督最新作『怪物』。この度、永山瑛太演じる担任教師が安藤サクラ演じる児童の母に“棒読み”謝罪、“坂元節”の効いた会話劇を捉えた本編映像が解禁となった。「東京ラブストーリー」(91)でトレンディドラマの旗手として脚光を浴び、その後は作風を変化させながら「Mother」「anone」といった社会派ヒューマンドラマや、「最高の離婚」「カルテット」といった大人の恋愛群像劇など、1つのジャンルに収まらない唯一無二の世界観を生み出し、ドラマファンからの絶大な支持を誇る坂元裕二が脚本を務めた本作。第76回カンヌ国際映画祭では自身初の脚本賞を受賞。今回初のタッグとなる是枝監督のもとで描かれる本作の物語にも注目が集まっているが、その絶妙な会話劇や名セリフ、細部に遊びのあるやりとりを言葉巧みに描く坂元脚本らしさは本作でも顕著に表れている。そんな本作から解禁されたのは、息子の湊(黒川想矢)が担任教師の保利(永山瑛太)から暴力を受けていることを疑った早織(安藤サクラ)が、学校へ説明を求めに行くシーン。校長室に案内された早織の前にぞろぞろと教師陣が入室。校長の伏見(田中裕子)が担任教師の保利から謝罪をすると切り出し、保利が座ったままか細い声で「え~」と話し始めると隣に座っていた教頭の正田(角田晃広)がすかさず「立って」と指摘。保利は立ち上がり、ボソボソとぎこちない口調かつ、はっきりしない態度で謝罪を述べ始め、早織に頭を下げる。すると周りの教師陣もタイミングを見計らったかのように一同に立ち上がり、保利と共に頭を下げる。あまりにもその場しのぎの様子が見て取れる学校側の対応に早織は不信感を露わにするも、校長は「指導が適切に伝わらなかったものと考えております」と回答。そんな校長との対話を諦めた早織は、当事者の保利を問い詰めるが、目を見て真摯に問いかける早織に対し、保利は俯いたままティッシュを取り出し鼻を嚙み始める。校長はまるで心がこもっていない弁明を繰り返すのだった…。シリアスな場面でありながら、役者陣の不自然な言動やしぐさが滑稽でさえ感じられる坂元脚本ならではのエッセンスが散りばめられたひと幕である。本作では、坂元さんの脚本執筆と登場人物のキャスティングが並行して行われたという。配役が決定することによって、坂元さんによる脚本のキャラクターが膨らみ、物語がますますクリアになっていく過程を目の当たりにした是枝監督は「こうやって坂元さんは本を固めていくんだな」と感心したという。また、自身の脚本との違いについて「今回は構造も含めて、非常にしっかりとした物語ですよね。僕が普段書くものは“スライス・オブ・ライフ”なんです。日常を切り取り、描写して、その前後を想像させるようなものが多いから、それはたぶん物語ではない。今回も描写の力で持たせているシーンは多少あるけど、基本的に言えば劇映画だと思います。物語のラインが非常に強くて、太いんじゃないでしょうか」と考えを明かしている。『怪物』は6月2日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会
2023年06月01日映画『怪物』の本編映像が公開された。『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝裕和監督と、『花束みたいな恋をした』『大豆田とわ子と三人の元夫』などで知られる脚本家・坂元裕二、そして『ラストエンペラー』で日本人初となるアカデミー賞作曲賞を受賞し、『レヴェナント:蘇えりし者』や『怒り』など国内外を問わず第一線で活躍した坂本龍一という3人のコラボレーションで紡がれる本作。出演者は、安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童といった面々が名を連ねている。このたび公開されたのは、息子の湊(黒川)が担任教師の保利(永山)から暴力を受けていることを疑ったシングルマザーの早織(安藤)が、学校へ説明を求めに行くシーン。校長室に案内された早織の前にぞろぞろと教師陣が入室。校長の伏見(田中)が担任教師の保利から謝罪をすると切り出し、保利が座ったままか細い声で「え~……」と話し始めると隣に座っていた教頭の正田(角田晃広)がすかさず「立って」と指摘する。保利は立ち上がりボソボソとしたぎこちない口調かつ、釈然としない態度で謝罪を述べ始め、早織に頭を下げる。すると周りの教師陣もタイミングを見計らったかのように一同に立ち上がり、保利と共に頭を下げて謝罪。あまりにもその場しのぎの様子が見て取れる学校側の対応に早織は不信感を露わにするも、校長は「指導が適切に伝わらなかったものと考えております」と回答。早織は校長との対話を諦め、当事者の保利を問い詰めるが、目を見て真摯に問いかける早織に対し、保利は俯いたままティッシュを取り出し鼻を嚙み始める。そんな中、校長はまるで心がこもっていない弁明を繰り返す。シリアスな場面でありながら、役者陣の不自然な言動やしぐさが滑稽にさえ感じられる坂元ならではのエッセンスが散りばめられた一幕となっている。脚本の執筆と登場人物のキャスティングは平行して行われたとのこと。配役が決定することによって坂元による脚本のキャラクターが膨らみ、物語がますますクリアになっていく過程を目の当たりにした是枝監督は「こうやって坂元さんは本を固めていくんだな」と感心したという。また、自身の脚本と坂元による今回の脚本の違いについて「今回は構造も含めて、非常にしっかりとした物語ですよね。僕が普段書くものは“スライス・オブ・ライフ”なんです。日常を切り取り、描写して、その前後を想像させるようなものが多いから、それはたぶん物語ではない。今回も描写の力で持たせているシーンは多少あるけど、基本的に言えば劇映画だと思います。物語のラインが非常に強くて、太いんじゃないでしょうか」と考えを明かしている。映画『怪物』本編映像<作品情報>映画『怪物』6月2日(金) 公開公式サイト:「怪物」製作委員会
2023年06月01日第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した映画『怪物』(6月2日公開)のプロデューサー裏話が31日、明らかになった。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。今回、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドールに輝いた是枝監督が、「今一番リスペクトしている」と熱く語る脚本家の坂元とタッグを組むという、監督自身と映画ファンの夢を叶える企画が実現した。坂元は映画『花束みたいな恋をした』やTVドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』などで圧倒的な人気を博す、新作が待ち望まれる脚本家だ。是枝監督が他者に脚本を委ねるのは、デビュー作『幻の光』以来となる。今まで実現してこなかった奇跡のコラボレーションが結実した背景には、山田兼司・川村元気という、2人のプロデューサーの存在があったという。山田プロデューサーはテレビ朝日入社後、報道局を経て、10年以上映画・ドラマプロデューサーとして勤務。以前から坂元とドラマを制作したいと考え、やりとりを続けていたのだが、中々実現しなかった。2018年、連続ドラマ『anone』が最終回を迎え坂元が「これにてちょっと連ドラはお休みします」とInstagramに投稿した頃、山田は東宝に移籍し、映画のプロデュースに軸足を移すことを考えていたこともあり、映画の脚本に興味はないか打診したところ、坂元から前向きな返答があった。坂元と山田プロデューサーによる長編映画の企画開発が始まり、ほどなく監督・脚本家・プロデューサーと多方面で活躍の場を広げる川村プロデューサーがそこに加わり、進んでいくこととなった。その後、3人の総意として、同作を任せたい人に是枝監督の名前が挙がり、川村プロデューサーが是枝監督に企画を持ちかけることに。是枝監督は「坂元さんが書く人間には、僕の書けない人間が何人もいるんですよね。だから話をいただいたとき、すごく嬉しかったです」と振り返り、ロングプロットを読む前から監督を引き受けることを決めていたという。こうして2人のコラボレーションが実現し、盤石の布陣で制作されたという経緯が、今回明かされている。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年05月31日映画『怪物』(6月2日公開)の第76回 カンヌ国際映画祭凱旋記者会見が29日に都内で行われ、是枝裕和監督、脚本家の坂元裕二が登場した。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作で、この度、第76回 カンヌ国際映画祭で脚本賞、クィア・パルム賞を受賞した。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。親、教師、子供と3つの視点からなる構成となっている同作だが、この理由を聞かれた坂元は「私が以前経験したことなんですが、車を運転して赤信号で待っていた時、前にトラックが止まっていて。青になったんですが、そのトラックがなかなか動き出さない。しばらく待っても動かないものですから、前の車がちょっとお休みしてるのかなと思って、クラクションを鳴らしたんですね。それでもトラックが動かなかったので、何をしているんだろうと思っていると、ようやく動き出した後に、横断歩道に車椅子の方がいらっしゃるんです。そのトラックが車椅子の方々れるのを待っていたんですが、トラックの後ろにいた私はそれが見えなかったんです」と、自身の体験談を振り返り始める。坂元は「それ以来、自分がクラクションを鳴らしてしまったことを後悔し続けておりまして、このように世の中には普段生活していて見えないことがある。私自身、自分が被害者だと思うことにとても敏感ですが、自分が加害者だと気付くことはとても難しい。どうすれば、自分が被害者に対してしていることに気づくことができるだろうか。そのことを常にこの10年あまり考え続けてきて、その一つの描き方として、この方法を選びました」と説明した。そういった構成の関係上、宣伝時にはストーリーに踏み込まず、今回クィア・パルム賞を受賞したことで驚かれることともなった。是枝監督は「子供たちが抱えた葛藤を『ネタバレだから言わないでくれ』と言っていると囁かれたりしていると耳にしているんですけど、観た方の感想で『なるべく先入観なく観た方がいい』というのは間違いない。決して彼らが抱えた葛藤をネタとして扱ったつもりはありません」ときっぱり。「構成上、むしろ自分が当事者として子供達と向き合うためには、できるだけ脚本に振り回された方が、観終わった後にどこに着地するのかわからない方がいいのではないのかなと思っておりますので、そこは誤解のないようにと宣伝にも伝えております」と語る坂元は改めて「2010年に『Mother』、2011年に『それでも、生きてゆく』というドラマの脚本を書きました。その時からずっと抱えていた問題が自分の中にあって、加害者というものをどのように書けばいいのか、それが私にとってこの12年間の長い課題というか、考えていきたいテーマだったんです」と明かす。「加害者がどのようにすれば、被害者の存在に気付くことができるか? 被害に対して考えることはよくあるんですが、自分自身の加害という行為に関して考えること、気付くことは難しい。それをどうすればいいんだろうか、ということが長年のテーマだったんですが、加害者が被害者の存在に気づいていく道のりを、自分なりに現状書けるものがこれだったという。これで一つ、自分なりの道筋というものになってるといいなと思うんですが、答えが出るのかどうかわからないのですが、現状、これです」と表した。
2023年05月29日映画『怪物』(6月2日公開)が、第76回カンヌ国際映画祭にて脚本賞を受賞したことが27日(日本時間28日)、明らかになった。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。第76回カンヌ国際映画祭にて、フランス時間5月17日(水)コンペティション部門の公式上映を無事に終え、9分半ものスタンディングオベーションで称えられた『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)。独立部門「クィア・パルム賞」の受賞に続き、現地時間5月27日20時30分(日本時間28日3時30分)から開催された授賞式で、脚本賞を受賞した。授賞式では、審査員長のリューベン・オストルンド監督をはじめ、ジュリア・デュクルノー監督、ポール・ダノ、ブリー・ラーソンらが選ぶ脚本賞を受賞。是枝監督が壇上で「ありがとうございます。一足早く日本に帰った坂元裕二さんに、すぐ報告します。僕がこの脚本の基になったプロットを頂いたのが2018年の12月なので、もう4年半前になります。そこに描かれた2人の少年たちの姿をどのように映像にするか、少年2人を受け入れない世界にいる大人の1人として、自分自身が少年の目に見返される、そういう存在でしかこの作品に関わる誠実なスタンスというのを見つけられませんでした。なので、頂いた脚本の1ページ目に、それだけは僕の言葉なんですけども、『世界は、生まれ変われるか』という1行を書きました。常に、自分にそのことを問いながら、この作品に関わりました。一緒に脚本を開発した川村さん、山田さん、作品に関わっていただいたスタッフ、キャストの皆さん、みんなの力でこの賞を頂けたと思っております。ありがとうございました」とスピーチした。また、現地メディアの中継で是枝監督は、受賞後すぐに坂元に報告したところ、「夢かと思った」と返事が来て、そのあと続けて「たった一人の孤独な人のために書きました。それが評価されて感無量です」と喜びを寄せたことを伝えた。カンヌ国際映画祭において日本映画の脚本賞の受賞は、2021年の第74回カンヌ国際映画祭にて濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が受賞して以来2年振り、是枝監督作品のカンヌ映画祭でのコンペ部門での受賞は2022年の『ベイビー・ブローカー』に続き2年連続となる。授賞式後の日本メディア用囲み取材では、「最初にいただいたプロットからこの三部構成の形でした。読み進めても読み進めても、一体何が起きているのかわからない、という本がとてもわくわくしました。これをどういう風に映像にしていくんだろうというのを、演出を任される前提でプロットを読ませていただいて、相当チャレンジをしている、方法論的にも、題材的にもかなり攻めてるなと感じたので、これはちゃんと色んなものと向き合ってちゃんと勝負しようという風に考えました。それぐらいやっぱり自分には書けない本でしたし、ストーリーテリングというものがとても無駄がなくて、とても面白かったと僕は思いました。カンヌがどう評価したかはわかりません」と脚本についてコメント。受賞後の坂元の「たった一人の孤独な人のために書きました」という言葉については、「今回はそのことについて僕と坂元さんで、これは誰に向かって書いたとかみたいなやりとりとかは一切してないんです。多分、川村さんも山田さんも聞いていなくて。完成披露試写会の舞台挨拶で初めて坂元さんが子供の時に出会った男の子のことを書きましたという話が出て『そうだったんだ』と驚きだったんですけど、僕は僕であまり特定はしたくないんですけど、1人の男の子のためにこれは作ろうと思いました」と明かす。また、映画『PERFECT DAYS』で最優秀男優賞を受賞した役所広司については「本当に嬉しいですよね、役所広司さんが……。もっと早く獲ってても良かった、絶対に」と語る。「もっと世界的な評価があっていい役者さんだと思っていました。それが、ここでこういう形で結実してとても良かったと思います。なんだろうな、ずっと一緒に、日本映画界をどうしていくみたいな話も、とても応援していただいて、会うと大体、本当は次の作品の話がしたいんですけど、『どうなってる?』って心配して声をかけていただいて、少しでも若い役者、若いスタッフがどうやってこの後、日本の映画界でちゃんと映画が撮れるようになるのかというのを気にかけていただいているので、そんな話を裏でして、写真を撮って、西川美和に送りました(笑) 喜んでました」と説明した。受賞した盾を持っての撮影には「僕がもっちゃって……。本当は坂元さんにお渡ししたいですね」と苦笑しつつも、「さっき役所さんがここで評価されてとてもうれしいと言いましたけれど、坂元裕二という名前も、もちろんドラマの作家としては、アジアではもう相当名前は浸透していると思うのですが、映画ファンにはまだ発見されていない脚本家なのではないのかなと思いますので、これを機に彼の書くものとか、彼の過去作とか、いろんな形で注目が集まるといいなと思っています。それは僕が別に企んでいるわけではないですが、いいきっかけになるといいなと思います」と期待を寄せた。(C)2023「怪物」製作委員会
2023年05月28日映画『怪物』(6月2日公開)が、第76回カンヌ国際映画祭にて「クィア・パルム賞」を受賞したことが27日、明らかになった。同作は是枝裕和監督と脚本家・坂元裕二によるオリジナル作。大きな湖のある郊外の町に存在する、息子を愛するシングルマザー(安藤サクラ)、生徒思いの学校教師(永山瑛太)、そして無邪気な子供たち(黒川想矢、柊木陽太)。そこで起こったのはよくある子供同士のケンカに見えたが、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した。今回受賞したのは、主要部門の授賞式前に発表される独立賞の「クィア・パルム賞」。カンヌ国際映画祭の独立賞のひとつで、LGBTやクィアを扱った映画に与えられる賞で、2010年に創設され、第63回カンヌ国際映画祭から授与されている。公式部門とは別に独立した審査員が組織され、映画監督や俳優、ジャーナリストや大学教授、各国のクィア映画祭のプロデューサーなど、毎年5~8人が審査員となる。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門、国際批評家週間、監督週間、ある視点部門に出品されたすべての作品が対象で、日本映画としては初の受賞を果たした。本賞の授与にあたり、審査員長のジョン・キャメロン・ミッチェル(『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』『パーティで女の子に話しかけるには』等監督)は「私たち審査員は、10日間で12本の映画を観ました。1本を選ぶのは大変な作業でしたが、ある作品が満場一致で選ばれました。その物語の中心にいるのは、他の子供たちと同じように振る舞うことができず、またそうしようともしない、とても繊細で、驚くほど強い2人の少年です。世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、馴染むことができない人々、あるいは世界に拒まれている全ての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう。登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝裕和監督の『怪物』に、私たち審査員は満場一致でクィア・パルム賞を授与します」と述べている。それを受け、是枝監督は「ありがとうございます。まずこの作品を満場一致で選んで頂いたジョン・キャメロン・ミッチェルさん、審査員の皆さまありがとうございます。そしてこの喜びをここで分かち合って頂いている皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございます。(ジョン・キャメロン・ミッチェルさんが)お話してくださった映画の紹介の中に、この映画を通して僕が描きたかったことが全て語られていて、ここで僕が何か言葉を重ねることは何も必要ないような気がしています。僕がこの映画のプロットを手にしたのは4年半ほど前なのですけども、その瞬間からこの主人公2人の少年が抱えている葛藤とどういう風に、それを演じる少年と同じように作り手であるプロデューサー、監督、脚本家がその葛藤と向き合うべきなのか、どうしたら向き合えるのかをとてもとても時間をかけてやってきました。映画がすべてを語っていると思うので、監督がここでなにかをいうのは、おまけのような、いらない蛇足なのですが本当に、この映画を愛していただいて感謝いたします。ありがとうございました」と語った。
2023年05月27日監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二、音楽・坂本龍一のタッグによる映画『怪物』(インターナショナルタイトル:MONSTER)が、第76回カンヌ国際映画祭にてLGBTやクィアを扱った映画に与えられる「クィア・パルム賞」を日本映画としては初めて受賞した。フランス時間5月17日(水)にコンペティション部門の公式上映を無事に終え、9分半ものスタンディングオベーションで称えられた本作。同5月27日(土)20時半(日本時間28日午前3時半)から開催される授賞式での主要部門の発表を前に「クィア・パルム賞」の受賞が伝えられた。「クィア・パルム賞」は、カンヌ国際映画祭の独立賞の1つで、2010年に創設され、第63回カンヌ国際映画祭から授与されている。公式部門とは別に独立した審査員が組織され、映画監督や俳優、ジャーナリストや大学教授、各国のクィア映画祭のプロデューサーなど、毎年5~8人が審査員となる。対象となるのは、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門、国際批評家週間、監督週間、ある視点部門に出品されたすべての作品。過去には、『キャロル』(トッド・ヘインズ監督)、『BPMビート・パー・ミニット』(ロバン・カンピヨ監督)、『Girl/ガール』(ルーカス・ドン監督)、『燃ゆる女の肖像』(セリーヌ・シアマ監督)などが受賞してきた。本賞の授与にあたり、審査員長の『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』『パーティで女の子に話しかけるには』で知られるジョン・キャメロン・ミッチェル監督は「私たち審査員は、10日間で12本の映画を観ました。1本を選ぶのは大変な作業でしたが、ある作品が満場一致で選ばれました。その物語の中心にいるのは、他の子どもたちと同じように振る舞うことができず、またそうしようともしない、とても繊細で、驚くほど強い2人の少年です」と紹介。「世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、馴染むことができない人々、あるいは世界に拒まれている全ての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう。登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝裕和監督の『怪物』に、私たち審査員は満場一致でクィア・パルム賞を授与します」と述べた。それを受け、「この作品を満場一致で選んで頂いたジョン・キャメロン・ミッチェルさん、審査員の皆さまありがとうございます。そしてこの喜びをここで分かち合って頂いている皆様にもお礼申し上げます。ありがとうございます」と感謝を述べた是枝監督。「(ジョン・キャメロン・ミッチェルさんが)お話してくださった映画の紹介の中に、この映画を通して僕が描きたかったことが全て語られていて、ここで僕が何か言葉を重ねることは何も必要ないような気がしています。僕がこの映画のプロットを手にしたのは4年半ほど前なのですけども、その瞬間からこの主人公2人の少年が抱えている葛藤とどういう風に、それを演じる少年と同じように作り手であるプロデューサー、監督、脚本家がその葛藤と向き合うべきなのか、どうしたら向き合えるのかをとてもとても時間をかけてやってきました」とコメント、「映画がすべてを語っていると思う」と語った。『怪物』は6月2日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会
2023年05月27日