なぜ?夫の浮気心を刺激する可能性がある行動ある日突然、夫の浮気に直面してしまったという女性も少なくないでしょう。この記事では、夫の浮気心を刺激する可能性がある行動を紹介します。夫を褒めすぎる夫を特別視する態度を見せたりすると「浮気くらい許されるだろう」と軽い気持ちを抱きやすいかもしれません。そんな夫は、浮気という行為を自慢の種として話題に出すことで、満足感を得ることがあります。夫を見下すもし、無意識のうちに夫を見下してしまうことがあれば、それが浮気の誘因になることがあります自分を信じてくれない妻より、自分を頼りにしてくれる女性との浮気関係に走るかもしれません。住んでいる場所が異なる「感染症が流行していた当時、対策として私と息子は実家に帰省していました。その間、夫は自宅で一人暮らしをしていたのですが、ある日夫から『カーナビが壊れた』とLINEが来て…。その写真に女性物っぽい鞄が写っていたんです。違和感を持った私は、親に促されて帰宅することにしました…」(30代女性)家族の時間をあまり作れないと、浮気に走る可能性があります。離れて暮らしていても、定期的に連絡を取り合うなど工夫が必要です。浮気はする側が悪い浮気はもちろん“する側”が悪いものですが、浮気心を刺激しないことが一番の予防策かもしれませんね。(愛カツ編集部)
2024年04月14日今年に入って、猛スピードで広がる致死性の強い感染症。聞けば、どこにでもある常在菌が悪さをするという。放置すれば、手や足がどんどん壊死する病気とは――。「発症後の致死率が30%と、きわめて高い“人食いバクテリア”ともいわれる、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の感染が、今年に入って拡大しています。国立感染症研究所によると、1月から3月21日までの11週間の患者報告数が517件となり、過去最多となった昨年同時期に比べて約3倍に増加しているのです。さらに東京都の発表でも、’23年の都内患者報告数141件の半数を超える88人の感染者が、わずか2カ月半ほどの間に報告されていることから、急遽、医療マニュアルの改訂も進められているそうです」(医療ジャーナリスト)命にも関わる人食いバクテリアについて、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんが解説する。「主な原因菌となるのは、A群溶血性レンサ球菌といって、溶連菌の一種です。溶連菌といえば非常にポピュラーな病気で、子供がかかりやすく、咽頭炎を引き起こすことが特徴なんです。しかし大人が感染した場合、ごくまれに、筋肉などに菌が入り込み、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症する可能性があります。しかし、なぜ劇症化するのか、まだそのメカニズムは解明されていません」■発症したら48時間以内に死亡のハイリスク初期症状は、発熱や悪寒、頻脈、下痢、嘔吐など、インフルエンザ症状と似ているが、その後、急激に症状が悪化するという。「はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや赤い発疹がでてきます。そこから急激に病状が進行。手足が腫れ上がり、1時間に1cmというスピードで壊死していきます。壊死した部分から、さらに菌が全身に回り、わずか数時間で重篤化します」(以下、上さん)そして肝臓や腎臓、肺など、多臓器不全状態になり、発症後、半日から48時間ほどで亡くなってしまうという。「仮に一命を取り留めても、壊死してしまった部分は切断するしかありません。私自身も先日、左上腕が腫れて強い痛みを訴える患者の家族の相談に乗りました。救急外来を勧めましたが、後になってご家族に聞くと『あと数時間遅れたら命が危なかった』とのことでした。とにかく症状が出たら、一刻も早く医療機関を受診することが重要です」もっとも気になるのが、’23年、東京都で感染者141人のうち42人が死亡したように、その致死率の高さだ。子供よりも30歳以上の大人のほうが死亡リスクが高いともいわれている。1月に発表された国立感染症研究所のレポートでは、50歳未満の致死率が、’20年は12・8%、’21年は9.1%、’22年は12・1%、’23年1?6月は15・4%だったが、’23年7月以降は30・9%と急上昇している。「同レポートでは、病原性や感染力が高まった株が、国内に流入している可能性を指摘しています。あくまでも単純計算ですが――。現在、昨年の患者報告数の3倍のペースで増加しているので、仮にこのペースが継続すれば、最悪、今年の患者数は約3千人となり、致死率3割で計算すると死亡者が1千人近くになります」流行の要因として考えられるのは、コロナによる感染対策で、免疫力が低下していることだ。「さらに、コロナ感染によっても免疫力が低下するというレポートもあります。アメリカの研究チームが、小児のRSウイルスの感染状況を調査したところ、コロナ既往の小児は、コロナ既往がない小児に比べ感染リスクが1.4倍と高かった。ワシントン大学でも、コロナによる感染リスクについて同様の見解を示す論文を発表しています」 うつらないための感染対策は傷口と飛沫に注意 誰もが感染対策を怠ってはならないのだが、感染経路は不明であることも多い。ある研究調査では、傷口や皮膚からの接触感染が35%、喉や鼻などの粘膜からの飛沫感染が20%で、残りの約半数は感染経路が不明だという結果だった。「飛沫感染対策として、咳エチケット、手洗いやうがいなどは怠らないようにしましょう。傷口から感染する可能性もあるので、足のけがなどには気をつけ、清潔にすること。 また、人食いバクテリアの原因菌である溶連菌に感染した場合も、しっかりと治療することが大事です。通常の感染症なら5日ほどの抗菌剤を処方しますが、溶連菌は体内に残りやすいのが特徴なので、10日ほど処方します。急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症を起こすリスクがあるので、処方された抗菌剤服用を途中でやめず、しっかりと飲み切ってください」コロナやインフルエンザの流行に続き、はしかや人食いバクテリアも急増している今、日々の感染対策が求められている。
2024年04月04日みなさんは、性感染症についてどのくらい知識を持っていますか?不妊症につながる可能性もある性感染症ですが、その多くは感染していても無症状のため、自分で気づくことができないそうです。今回は、はなおかレディースクリニック院長の花岡正智先生に、知っておきたい性感染症の特徴とリスクについて解説していただきます。みなさん、はじめまして。はなおかレディースクリニック院長の花岡正智です。2023年は梅毒をはじめ、さまざまな性感染症が増加しました。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、感染に気づかず時間が経過することで不妊症につながることもあります。そこで、感染者数の多い性感染症や近年注視されている性感染症の特徴や性感染症を治療しないままだと、どのようなリスクがあるかをご紹介したいと思います。■性感染症の症状は?女性は症状が乏しく気づかず放置してしまうことも……性感染症に感染しても特に女性の場合、症状があまり出ないことも珍しくありません。感染者の多い代表的な性感染症の症状や感染によるリスクについてご紹介します。◇なぜ今?コロナの収束と出会いの多様化が性感染症を広げる性感染症は誰でも感染する可能性があります。ただ、昨年あたりから性感染症が広がりを見せている背景には、新型コロナウイルスの収束と風俗産業やパパ活、マッチングアプリなども含め、人の出会いの多様化があると考えられています。感染症が拡大している直接的な原因を特定するのは難しいことですが、例えば歴史的に見ても、人が活発に動くようになると性感染症が拡大する傾向にあります。今回はコロナが収束したことが人の動きを活発にし、性感染症の拡大を後押ししたと言えると思います。性感染症の感染経路は、大部分が性交渉によるものです。コンドームの使用により感染率は低くなりますが、オーラルセックスで感染する性感染症もあります。このため、性交渉を行う以上は常に性感染症に感染するリスクはあると思っていただいた方が良いと思います。◇「梅毒は江戸時代の性病」と思っていたら大間違い!早速ですが、「先天梅毒」という言葉を聞いたことはありますか?「梅毒」という性感染症に感染した妊婦から胎児に母子感染し、生まれた時から梅毒に感染していることを「先天梅毒」と言います。そして2023年は「先天梅毒」の子どもが37人と1999年から今の方法で統計を開始してから最多となりました。この背景には、梅毒感染者数の増加があると考えられます。国立感染症研究所によると、2022年の12,966人に対し、2023年は14,906人と梅毒感染者は増加しています。さらに東京都感染症情報センターによると、2023年の患者報告数は感染症法に基づく調査が始まって以来、最も多い3,701人ということでした。2022年の3,677人と比較すると微増ですが、2021年の2,451人、2020年の1,579人と比較すると明らかに増加傾向にあることがお分かりいただけると思います。梅毒は粘膜や皮膚が梅毒の病変部位と直接接触することで感染します。 つまりキスやオーラルセックスを含む性交渉により感染します。初期は、肛門や性器、口唇等の感染部位に(痛みやかゆみを伴わない)硬いしこりのようなものが出現することがありますが、梅毒は ”The Great Imitator (模倣の名人)” とも呼ばれており、全身に多彩な臨床症状をきたす可能性があります。また症状の出ない人やすぐに症状が消えてしまう人もいます。しかし、その裏で病気が進行していることもあります。梅毒は、一般的に血液検査による梅毒抗体検査によって診断されます。妊婦が感染していると死産や流産につながるリスクがあるほか、母子感染で子どもが先天梅毒になり、皮膚や骨の異常、難聴、視覚障害といった症状が出ることもあります。■梅毒以外にも近年広がりを見せている性感染症とは?梅毒以外にも、2023年5月には尖圭(せんけい)コンジローマとクラミジアという性感染症の感染者数が、ここ10年で最も多くなったことが国立感染症研究所のまとめでわかり、ニュースなどでも報じられていました。それぞれどのような性感染症なのか解説します。◇「尖圭コンジローマ」尖圭コンジローマは、性交渉や性交渉に似た行為で、皮膚や粘膜の微小な傷から侵入して感染します。まれに手指や病変部位に接触する物を経由し感染することもあります。子宮頸がんの原因にもなるHPV(ヒトパピローマウイルス)に感染することで引き起こり、性器の周辺にイボができることもありますが、症状がなく気づかないこともあります。なお、性的接触のある女性であれば50%以上が生涯で一度はHPVに感染するとされています。尖圭コンジローマは、視診やHPV検査によって診察します。◇「クラミジア」クラミジアはオーラルセックスを含む性交渉が主な感染経路です。性器クラミジア感染症は、おりものに異常が出ることが多いですが、半数くらいの方は自覚症状がありません。重症化すると卵管や子宮頸管の炎症や骨盤内炎症性器炎を引き起こすことがあり、着床障害や卵管障害、子宮外妊娠など不妊の原因になることもあります。そのため、多くの不妊治療クリニックでは、初期検査でクラミジア抗体検査を行っています。クラミジアは性感染症の中でも感染者数の報告が多く、女性の場合、20代前半が最も多く次に20代後半と、若い層での感染が多い状況です。さらに「淋菌」という性感染症に感染していることが分かった場合、クラミジアにも感染していると思って対応したほうが良いくらい、他の感染症と一緒に感染していることが多いのも特徴の一つです。クラミジアも淋菌も「遺伝子検査」により感染の有無を調べることができます。遺伝子検査とは、顕微鏡などで直接確認する方法とは異なり、微生物のDNAを増幅させ、微生物の遺伝情報からその存在を特定する方法です。新型コロナウイルスの検査でPCR法という言葉を知った方も多いと思いますが、PCRがまさに遺伝子検査です。女性の場合、子宮頸管擦過物やうがい液などを用い、遺伝子検査を行います。■見えない菌まで調べられるようになり、注視され始めた性感染症も先ほど紹介した遺伝子検査が登場するまでは、患者さんから採取した検体から菌を取り出し、菌を培養することで増やしていき、それを顕微鏡で見るという方法で検査していました。2000年より前は、培養しても増やすことができない、あるいは顕微鏡でも見えない菌は実証できないため、存在しないのではないかと思われることもありました。それが分子生物学という菌の遺伝情報を解析して、菌を特定する方法が生まれたことで、この分野でも革命的なことが起きたのです。つまり見えないものが調べられるようになったのです。そこから調べられるようになったのが、マイコプラズマ(※)やウレアプラズマといった性感染症です。これらは、骨盤内腹膜炎や周産期感染症の原因微生物としても注目を集めています。そして、クラミジア感染症や淋病につづき感染率が高いと言われています。※マイコプラズマ肺炎の原因菌とは異なる◇「ウレアプラズマ」ウレアプラズマの感染経路は、主にオーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。性器の痛みやかゆみ、おりもの異常、のどの痛みや違和感などの症状が出る場合もありますが、自覚症状はあまりないケースが多いとされます。ウレアプラズマにはウレアプラズマ・パルバムとウレアプラズマ・ウレアリチカムの2種があり、2012年から自由診療でのみ検査ができるようになっています。うがいや尿、腟ぬぐいにより、検体を採取し、菌のDNAを調べることで感染の有無を判断できますが、ウレアプラズマの検査や治療は保険適応外であることや、クラミジアと症状が似ていることなどから見落とされてしまうこともあります。ウレアプラズマが悪化してしまうと、子宮頸部の炎症 や 卵巣・子宮などの骨盤内感染を引き起こし不妊症の原因になることもあります。また、早産に影響を及ぼす菌であることも研究で分かってきています。◇「マイコプラズマ」主な感染経路はウレアプラズマ同様、オーラルセックスやディープキスを含む性交渉です。感染するとおりものの異常やデリケートゾーンのかゆみや痛み、のどの違和感などの症状が出ることもありますが、無症状の場合もあります。マイコプラズマにはマイコプラズマ・ホミニスとマイコプラズマ・ジェニタリウムの2種があり、マイコプラズマ・ジェニタリウムは、2022年6月から保険診療でも検査が行えるようになりました。女性は腟分泌液あるいは感染部位が喉の場合はうがい液を採取し検査します。マイコプラズマに感染したまま放置すると細菌性腟症、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、不妊症、妊婦では流早産を起こすこともあり注意が必要です。ウレアプラズマやマイコプラズマは、聞いたことがない方も多いかもしれませんが、これらの性感染症は新たに誕生したわけではなく、今まで証明する術がなかったために、診断も治療もできなかった菌です。それが新たな検査技術の誕生により診断ができるようになり、感染によるリスクや治療法なども分かってきたのです。■見えないものが見える!疑わなくても分かる時代に性感染症をはじめ、菌を調べる検査というのは非常に進化しています。特筆すべきは見えない菌が分かるようになってきた当たりをつけなくても網羅的に調べることができるようになってきたという2点です。先ほどもお伝えしたように、以前は培養できる菌や顕微鏡で見ることのできる菌しか分かりませんでしたが、今では菌の遺伝子を調べる方法で菌を特定できるようになりました。それだけではありません。以前は、症状等からある程度狙いをつけて、それに対応する検査を行っていました(ターゲット検査)。そのため、その検査で陽性にならなければ、その菌はいないという診断にとどまっていました。それが現在は、網羅的に菌を調べることができるようになってきたのです(網羅的検査)。このようにして、狙っていない菌(予測していない菌)の存在も明らかになってきました。例えば、私のクリニックでも不妊治療を行っている方に対し、子宮内フローラ検査という検査を行うことがあります。子宮の中の菌環境が妊娠率や出産率に関わることが分かってきているからです。子宮の中の菌環境が乱れていても症状がないことも多いため、狙いをつけるのは難しいのですが、子宮内フローラ検査により子宮の中にいる菌の種類と割合を網羅的に調べることができます。子宮の中に悪玉菌が多いと着床不全などの不妊原因になることがありますし、マイコプラズマやウレアプラズマなど流早産を引き起こす可能性のある菌が検出された場合は治療を行っています。この検査も2017年に誕生しているので、最近できるようになってきたことです。この網羅的検査の良い点は、ほかにもあります。それは、適切な抗菌薬を処方できるということです。どんな菌に感染しているかを確認しないまま、広域性抗菌薬を処方してしまうと良い菌まで排除することになってしまうからです。また、21世紀に入ってから、新たな抗菌薬はほとんど開発されていませんが、既存の抗菌薬に対する薬剤耐性化は進んでおり、今ある抗菌薬を上手く使っていかなくてはいけません。■性感染症の原因菌は排除できても、自然妊娠ができなくなることも梅毒、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマは細菌によって引き起こされるので、適切な抗菌薬の投与により治療することができます。例えば、梅毒には「ペニシリン」、クラミジアには「アジスロマイシン」など、それぞれに対応する抗菌薬があります。しかし、性感染症の感染に気づかず対処が遅れてしまった場合、菌は抗菌薬により排除できても、感染による影響が残ってしまうことがあります。例えば、クラミジア感染の場合、症状が進行すると卵管が癒着して、狭くなってしまう、あるいは閉塞してしまい、排卵された卵子が子宮へ移動できなくなってしまうことがあります。実は、卵管性不妊の60%以上がクラミジア感染による卵管狭窄や卵管癒着が原因とされています。そして、抗菌薬により、クラミジアの原因菌は排除できても、卵管狭窄や卵管癒着は治癒しません。つまり、卵管狭窄や卵管癒着が起きてしまうと自然妊娠のハードルが上がってしまい、体外受精が必要になってくるかもしれません。「性感染症に感染しても、薬で治すことができる」と思われている方もいるかもしれませんが、性感染症を安易に考えてはいけません。性感染症の中には症状に乏しいものもあり、気づかず治療されないことにより将来のライフプランに大きく影響することがあることを知っておいていただきたいと思います。■性感染症との向き合い方性感染症の主な感染経路は性交渉です。そのため、避妊目的だけではなくコンドームの使用が望ましいです。しかし、性感染症は体液が粘膜に接触することで感染するためオーラルセックスでも感染します。性交渉の経験がある方は、少しでもいつもと違う症状があると感じた場合は、性感染症の専門クリニックやレディースクリニックで検査を受けるようにしてください。ただし、今回紹介した梅毒や尖圭コンジローマ、クラミジア、淋病、ウレアプラズマ、マイコプラズマはいずれも女性の場合、症状が出ない場合もあります。パートナーの感染が判明したら、ご自身に症状がなくても検査を受けるようにしましょう。また、妊活をはじめてもなかなか妊娠できないと感じたら、性感染症が不妊の原因になっている可能性を念頭に置き、不妊治療クリニックなどで検査を受けられると良いでしょう。江戸時代にも流行していた梅毒がいまだになくならないように、そして新型コロナウイルスのような新たな感染症が流行するように、人との関わりがある以上、わたしたちは感染症と無縁ではいられません。感染しないことが一番望ましいですが、感染するリスクが常にあること、そして感染を放置してしまうことによるリスクを知っていただくことがご自身を守ることにつながります。このコラムが皆様の健やかな日々に寄与できればと願っています。
2024年03月09日空気が乾燥し、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなどの感染症が流行しています。つらい感染症、かかりたくないですよね。どんな対策をすればより効果的なのでしょうか。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、体の中から体調をコントロールするための食薬習慣と、危険なNG習慣を教えてくれます!感染症対策、しっかりできていますか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 249最近、インフルエンザや新型コロナウイルス、咽頭結膜熱など様々な感染症や体調不良に悩まされる人が増えてきていますよね。乾燥した冷たい空気の中、体調不良が長引きやすい時期だと思います。さらに、忙しく時間を捻出することに集中し、食事の時間や睡眠時間を削った毎日になってはいないでしょうか。感染症が流行る時期だけでも、体を休めることを考えていきましょう。休めるというのは、時間的な問題だけではなく、食事による内臓にかかる負担を軽減するということも一つだと思います。ということで、今週は体の内側から体をいたわり、感染症対策をしていくための食薬習慣を紹介していきます。今週は、感染症対策となる食薬習慣身の回りで体調を崩している人はいないでしょうか?最近、不調の声、増えてきましたよね。ただ、耳にしたときには、可哀そうだな…と思いながらもどこか他人事にしてしまうことが多いと思います。ですが、この乾燥した空気のなか、感染症にかかってしまうことは、誰にでもあり得ることですよね。そして、一度体調を崩すと、喉や胃腸の不調を長期的に引きずり、体調が治りそうだと思った頃に再び違う風邪をひき…と春まで何かしらの体調不良に悩まされる人も少なくありません。どんなに忙しくとも、この時期の体調管理はとても重要です。漢方医学では、防御機能が低下している状態を『衛気』の不足と考え、粘膜が乾燥し炎症を起こしやすい状態を『陰虚』と考えます。そこで、『気陰』を補いバリア機能を強化していくことが必要だと考えられます。さらに、胃腸や血糖コントロールに負担となる食事は『気』を消耗し、夜更かしは『陰』を消耗します。そのため、胃腸や解毒機能である肝臓に優しい食事を腹7~8分目程度に取り入れ、22~24時くらいには眠りにつくような生活をベースとしていくことがおすすめです。今週食べると良い食薬は、【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】です。逆にNGな習慣は、血糖値の乱高下をもたらしたり、腸内にダメージを与える【菓子パン・総菜パン】を食事の代わりにすることです。食薬ごはん【キャベツと鶏ひき肉のジンジャースープ】まず、生姜は生と加熱したもので効能が異なります。加熱すると体を温める働きが高まります。味噌汁や煮物やスープに山盛りに入れても意外とおいしく食べられます。そして、消化を助けたり、腸内環境を整えたり、抗菌作用のあるキャベツと、乾燥してバリア機能が低下しやすい粘膜全般を強化するビタミンAを含む鶏肉と合わせたスープで、体の中から優しく感染症対策を行っていきましょう。<材料>生姜を大量に入れるのがポイントです。ひき肉250g水400ml醤油大さじ1みりん小さじ2生姜4片(みじん切り)キャベツ200gくらい(千切り)塩胡椒お好みで<作り方>良く煮込んだら完成。NG行動【菓子パン・総菜パン】体が弱っている時、忙しい時、疲れている時などには、食べる気力も低迷し、何か作業をしながらでも簡単に食べることができる菓子パンや総菜パンなどに頼る人も多いですよね。ただ、菓子パンや総菜パンは食事の代わりとしては、ちょっと弱い食品です。栄養バランスが悪いだけではなく、バリア機能の強化に欠かせない腸内環境を乱したり、集中力やメンタルのコンディションを乱す血糖値の乱高下を起こすことがあるからです。今は、体調を崩すことができない!と強く願うときには、控えるようにしてみましょう。体調管理が難しい時期です。体調を崩してから、あの時もっと養生しておけば…とならないようにしておきたいですよね。また、養生に関する意識を日ごろから持っておくことで、感染症対策になるだけではなく、日ごろの疲れ対策やメンタルのコントロール、生活習慣病対策などにもつながります。不調を感じる前から行動していきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Dzianis Vasilyeu/Adobe Stock文・大久保愛
2024年01月19日新型コロナウイルスの変異株JN.1による感染急増が懸念されるなか、新型コロナの感染で心不全リスクが高まる可能性を示唆した論文が、昨年12月23日(日本時間)に科学雑誌『iScience』オンライン版に掲載された。研究チームの理化学研究所上級研究員で医師の升本英利さんが、解説する。「新型コロナは、多くの人が肺炎を引き起こす病気として捉えていると思いますが、実はほかの臓器にも影響があると考えられています。なかでも心臓には、新型コロナウイルスの表面にある突起にくっつきやすい、ACE2というタンパク質が多く存在しているのです」そこで研究チームは、iPS細胞でヒトの心臓に近いものを作り、実験を行った。「新型コロナに感染し、回り回ってウイルスが心臓に到達した場合、心臓にも感染し細胞に入り込み、ダメージを与える可能性があることがわかりました」強い感染(高力価感染)を起こした場合、感染からの日数を追うごとに心臓の機能が落ちていった。一方、軽い感染(低力価感染)や中程度の感染(中力価感染)などの場合は、一時的に心臓の機能が落ちたものの、その後、心臓の機能は回復したという。「ところが心臓には増殖可能なコロナウイルスが残ったのです。表面上は元気な心臓ですが、じつはウイルスが潜んでいる持続感染という状態だったのです」こうして持続感染した心臓を低酸素状態にした実験も行ったところ、心臓の細かい血管にダメージを与える結果も得られたという。「この実験で、新型コロナが心臓に持続感染した人が動脈硬化を原因とする狭心症や心筋梗塞を起こした場合、通常では助かるようなレベルの症状であっても、リカバリーできないほど重症化してしまいかねないということがわかりました」■リスクがあることに留意することが重要健康に見える心臓でも、将来的に強いストレスがかかった場合、心不全を起こすなど、心臓病が重症化する可能性があるのだ。「もちろん“新型コロナ感染=心臓に持続感染”というわけではありませんが、心臓に持続感染する可能性が仮に1%の確率としても、その数は少なくありません」新型コロナは、今後も流行を繰り返すと予想される。日本ではすでに4千万人以上が感染していると思われ、そのすべてがリスク対象者となるはずだ。「日常生活のなかで、過度に恐れる必要はありませんが、心臓にリスクがあることに留意することは重要だと考えます。新型コロナに感染したらこじらせないようにする、感染歴がある人で、足がむくんだり息切れするなど心不全の初期症状があれば医療機関を受診するなど、心がけましょう」新型コロナウイルスを甘く見てはいけないのだ。
2024年01月18日「この肺炎は、子供から高齢者まで、幅広い世代に感染します。なかでも5歳から15歳以下の子供に感染しやすく、全体の約5割を占めるともいわれています。ただし、子供からの飛沫や接触によって、家庭内感染で大人にうつるケースも多く、65歳以上の高齢者が感染した場合、重症化しやすいので注意が必要です」こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授。全国でインフルエンザが猛威を振るうなか、さらに別の感染症の危険が日本に迫っている。9月以降、中国で“マイコプラズマ肺炎”による呼吸器疾患の患者が急増し、現在も北京などの大都市の医療機関では、病床が不足する事態が続いているという。世界保健機関(WHO)は中国に対し、感染防止策の徹底を呼びかけているが、すでにお隣の韓国でも、“マイコプラズマ肺炎”による入院患者が、この1カ月で2倍以上に増加するなど、世界的な感染拡大も懸念されている。■2~3週間の長い潜伏期間を経て発症“マイコプラズマ肺炎”とは、一体どのような感染症なのか。「肺炎マイコプラズマという病原体によって引き起こされる感染症です。主な症状は発熱、咳、倦怠感など。風邪のような症状にとどまる人から、気管支炎、そして肺炎になる人まで症状には幅があります。成人の場合、基礎疾患がなくても過剰な免疫反応で重症化することがあるので、特に注意が必要です」(寺嶋教授、以下同)“マイコプラズマ肺炎”は、感染してから2~3週間の潜伏期間があるそう。長い潜伏期間を経て突如襲ってくる。また、発症当初は比較的症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまうことが多いことから、“歩く肺炎”と呼ばれている。国立感染症研究所のデータによると、近年“マイコプラズマ肺炎”の国内患者数は、4年に1回、オリンピックが開催される年に増える傾向にあった(ロンドンの2012年、リオデジャネイロの2016年)。2020年に増えなかったのは、より強い感染力を持った“新型コロナ”のパンデミックの影響だといわれている(グラフ参照)。その4年後が、来年2024年なのだが、すでに予兆はあるという。“インフルエンザ”をはじめとする、感染症の罹患者の多さだ。「いま、子供たちを中心に夏に流行するといわれている、アデノウイルスが引き起こす“咽頭結膜熱(プール熱)”、さらに“溶連菌(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)”の感染者が急増しています。今後、中国や韓国のように“マイコプラズマ肺炎”が日本にも広がると、全国の医療機関にも影響が出てくるでしょう。特に発熱外来や小児科の混乱が予想されます」さまざまな感染症の波が押し寄せてきているのはなぜか。寺嶋教授は、コロナ禍の約3年間で、世界中で防疫措置が取られてきた結果、感染症に対する免疫の蓄積が失われてしまったことが原因ではないかと分析している。もし、免疫のない状態で“マイコプラズマ肺炎”の病原体が国内に大量に持ち込まれたら、中国や韓国のように、一気に感染爆発することもありえるという。■新型コロナと同じ予防対策が有効日本でも流行が広がった場合、最も警戒すべきことは、いま猛威を振るっている“インフルエンザ”との同時感染である。「過去に、同時感染したという報告はいくつもあります。当病院で同時感染された患者さんのケースでは、熱が39~40度まで上昇。呼吸が苦しくなり、酸素吸入が必要な状態まで肺炎が広がりました。つまり同時感染すると症状が重くなるということです。最悪の場合、死に至る可能性もあります。それだけに、早期発見と適切な治療が重要となってきます」さらに、コロナ患者の検査をしたら、“マイコプラズマ肺炎”の病原体も見つかったというケースも報告されており、“新型コロナ”との同時感染もある。寺嶋教授は、流行が重なれば“マイコプラズマ肺炎”と“インフルエンザ”、そして“新型コロナ”の“トリプル感染”の可能性も理論的にはありえるという。「日本ではまだ“マイコプラズマ肺炎”は流行していませんが、これからの年末年始、帰省する人や国内外へと移動する人がかなり増えることが予想されます。年末にも日本に上陸すれば、感染リスクが最も高くなる可能性があります」“マイコプラズマ肺炎”は、高齢者が感染すると重症化しやすいリスクがある。さらに“インフルエンザ”や“新型コロナ”との同時感染で、死に至る危険性もある。そうならないためにも、感染対策がより重要となってくる。コロナと同様に、外出時はマスクを着用、手指の消毒。帰宅後には手洗い、うがい。そしてできるだけ人混みを回避することなどが、基本的な感染対策になるという。「実家に帰省されるご家庭も多いと思いますが、もし自分や子供に軽い咳や微熱の症状があった場合は、帰省を控えたほうがいいでしょう。実家の両親にうつす可能性があります。初期症状の場合は、市販の咳止め薬や解熱剤で和らげることはできますが、治療には抗菌薬が必要です。抗菌薬は、医療機関を受診しないと処方されません」少しでも風邪のような症状が出たら、“マイコプラズマ肺炎”を疑い、できるだけ早く医療機関で受診することをお勧めします!
2023年12月27日RSウイルスとは?症状や完治までの期間などRSウイルス感染症とは、「RSウイルス」による呼吸器の感染症のことです。ほとんどの場合は乳幼児期に発症するといわれており、実際に1歳半までに50%以上、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとされています。RSウイルスに感染した場合、軽い症状の場合は発熱や鼻汁などの風邪と似通ったものから、重い場合は肺炎のような症状が表れることもあります。RSウイルスは何度も感染を繰り返しますが、初回感染時に症状が重い傾向があり、特に生後6ヶ月未満の子どもが感染した場合は細気管支炎、肺炎につながるなど重症化する可能性もあります。また、場合によっては高熱による熱性痙攣を起こす可能性があります。熱性痙攣は、通常、38度以上となる急激な体温上昇時に発生し、意識障害や痙攣を起こします。典型的な症状は全身性で、手足をガタガタさせる間代性痙攣であることが多く、数分ののちに意識が回復するとされています。もし痙攣が長時間続く場合などは、医療機関に相談をするようにしましょう。RSウイルスは主に飛沫に触れることや直接接触することで感染するとされています。感染してから2~8日の潜伏期があり、多くの場合は4~6日頃に発熱や鼻汁などの上気道炎症状が表れてきます。その状態が数日続いた後に下気道症状といわれる、息苦しさや喘鳴(ぜんめい:息を吐く時にゼーゼー音がする) などが表れることもあります。RSウイルス感染症は症状が出てから通常は数日から1週間くらいかけて、徐々に快方に向かっていきます。ただし、重症化のリスクもあり、気管支炎や肺炎などの症状が表れる方や、まれに呼吸困難を起こして入院に至る場合もあります。RSウイルス感染症は基礎疾患があると重症化のリスクも高まります。影響する基礎疾患としては先天性心疾患、ダウン症候群などがあり、ほかにも早産や低出生体重、生後6ヶ月未満の赤ちゃんも重症化のリスクが指摘されています。重症化のリスクが高い子どもにはRSウイルスに対する特異的抗体であるシナジス(一般名:パリビズマブ)接種が行われます。RSウイルス感染症の流行期に1ヶ月に1回筋肉内注射という形で使用することで、感染予防と重症化防止の効果があります。シナジス接種の対象となるのは現在のところ、以下にあてはまる子どもです。・在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児・在胎期間29~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児・過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児・24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児引用:RSウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症とは|国立感染症研究所ウイルス感染症にご注意ください!!|国立成育医療研究センター熱性痙攣|MSDマニュアルプロフェッショナル版RSウイルスに効く薬はある?治療方法などRSウイルスに感染した場合の特効薬などは現在のところありません。治療方法としては、対処療法といって表れている症状に合わせて、内服薬、酸素投与など呼吸管理を行い症状の緩和を目指します。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省子どもがRSウイルスに感染したらRSウイルスに感染しているかは、鼻粘膜を綿棒で擦り、検体を採取し、迅速診断で分かります。症状からRSウイルス感染が疑わしく、重症化のおそれがあり、診断を必要とする場合に検査を行います。RSウイルス感染症は感染症法上で5類感染症に分類されており、決められた医療機関から毎週患者数を保健所に報告する義務があります。RSウイルスの感染は一度だけでなく、生涯にわたって感染を繰り返していきます。子どもが再感染して症状が出ることもありますが、その多くは軽症といわれています。大人に感染することもありますが、発症しても鼻水、咳、だるさなどの風邪と似た症状が表れるだけです。しかし、呼吸器疾患などの基礎疾患がある高齢者が感染すると肺炎につながるリスクも指摘されています。子どもがRSウイルスに感染した場合は、まずは通っている幼稚園や保育園を休み、医療機関を受診するようにしましょう。治療して症状が落ち着いたあとの登園の目安ですが、咳や痰などの呼吸器症状がなくなり、食事がとれて、活気があり、全身状態が良好になってからとされています。RSウイルスの感染を防ぐために、家庭内でできる予防法がいくつかあります。主な予防法として、・日常的に触れるおもちゃや手すりなどはアルコールの消毒薬で消毒する・外出後はせっけんを使って流水で手洗いをする・アルコール製剤を用いて手指の消毒を行う・家族に咳や鼻水など呼吸器症状がある場合はマスクを着用するなどがあります。日常的に予防することも大事ですが、2歳までの子どもが発症する確率がとても高い感染症なので、鼻水、熱に続き、呼吸が苦しそうなど、気になり症状が出たら、 医療機関を受診するようにしましょう。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Respiratory syncytial virus infection|東京都感染症情報センター保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|厚生労働省まとめRSウイルス感染症は呼吸器における感染症のことです。主に発熱や鼻水などの症状が表れ、数日~1週間で症状は治まっていくことが多いといわれています。しかし、初回感染時や生後6ヶ月未満の赤ちゃん、基礎疾患のある子どもなどは重症化する可能性も指摘されています。家庭内で手洗いや消毒など予防することもできますが、感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、治療を行うようにしましょう。
2023年12月25日11月28日、秋田県は県内の高齢者施設でインフルエンザの集団感染が発生し、そののち90代の患者2人が死亡したと発表した。「昨年までコロナの影響で落ち着いていたインフルエンザが、今シーズンは猛威を振るっています。国立感染症研究所が発表している11月29日現在の報告によると、定点当たりの報告数は28.30となり、前週の報告数の21.66よりも増加。この1週間の患者数は約95万人に上ると推測されています」(全国紙記者)全国各地で学級閉鎖を余儀なくされ、医療現場ではインフルエンザ患者が後を絶たないという。こうした流行下で“複数回感染”を懸念する声が上がっている。竹内内科小児科医院(東京都大田区)の院長・五藤良将さんが解説する。「すでにインフルエンザに罹患してしまった患者さんのなかには“免疫があるから、今シーズンは感染しない”“もうワクチン接種の必要はない”と考えている人もいるかと思います。しかし、インフルエンザにはさまざまな型があり、一度感染しても、別のインフルエンザの型に感染することは、例年でもありえること。今年は流行期が長いので特に注意が必要です」たとえば東京都の場合、東京都健康安全研究センターが発表するインフルエンザ情報によると、コロナ禍前の’19年は前年12月から患者が増加を始め、1月に入り急増して中旬ごろにピークを迎え、2月中旬くらいまでに収束している。だが今年は8月中旬から流行が始まり、10月初旬にピークを迎えたものの下降線はなだらかで、11月にもまた上昇線を描き始め、いま全国の保健所管轄区域で警報レベルを超えている区域は249か所(44都道府県)、注意報レベルを超えている区域は250か所(44都道府県)となっている。「複数回感染のリスクが高まっているのは、こうした流行期間が長いことに加え、この数年、インフルエンザが流行しなかったため、免疫力が低下していること、そしてコロナが5類に引き下げられ、感染対策も緩くなってきていることなどが要因です」■A型B型あわせて3回感染する危険性もでは、現在はどのような型が流行しているのだろうか。「季節性インフルエンザといわれるA型が流行していますが、A型H1とA型H3が5:5の割合。それぞれ免疫が異なるため、どちらかに感染しても、もう一方の型に感染する可能性があるのです」専門家のなかには、今年は流行の開始が早かったので、収束も早いという楽観的な見方も。「仮にそうだとしても、例年、A型の流行が収まると、年間を通して散見されるB型が目立ってきます。12月、1月にB型がはやりだすと1シーズンに3回も感染する危険性があるのです」そもそもインフルエンザは、高齢者や子供にとっては高いリスクのある病気だ。「高齢者の場合は、インフルエンザを発症することで体の抵抗力が弱まり、肺炎球菌や黄色ブドウ球菌などによる細菌性肺炎を引き起こしてしまうことがあります」’20年には、アメリカでインフルエンザによる死者は1万人を超えたほど。甘く見るのは危険なのだ。「子供で注意すべきはインフルエンザ脳症です。インフルエンザに罹患して脳が炎症を起こし、けいれん、異常行動、人の名前がわからなくなるなどの意識障害をもたらしてしまいます。死亡率が30%、後遺症が残る可能性が25%と高いため、要注意です」インフルエンザに複数回感染すれば、それだけ肺炎などを起こす可能性は高まる。「また、感染後、抵抗力や免疫力が落ちているときに、連続して別の型のインフルエンザに感染すれば、重症化するリスクは高くなると考えられます」一度、感染したからといって安心できないのが、今シーズンのインフルエンザ。複数回感染を防ぐためにも、予防が求められる。「もっとも重要なのは、ワクチンを接種すること。今年のワクチンは、現在、流行しているA型H1やA型H3、B型など4種類に対応しています。その効果に関して、たとえばアメリカのCDCは、ワクチン接種で医療機関に受診するリスクを40〜80%減少させると報告しています。また’21年に発表された論文でも、ICUの入室リスクを26%、死亡リスクを31%抑制するという結果でした。重症化を防ぐ効果があるのです。ワクチン効果は5カ月ほど続きます。今年はワクチン数が潤沢なので、まだ間に合うはずです」費用はクリニックなどで3千500円から5千円ほど。自治体によって、65歳以上は無料となったり、子供は1千円ほどの補助金が出る場合もある。■予防でタミフルやイナビル服用でウイルスを増やさない「インフルエンザに感染した場合は、早めに医療機関を受診すること。タミフルやイナビルという薬がありますが、基本的にはウイルスを撃退するのではなく、ウイルスの数を増やさない効果があるもの。つまり、ウイルスが増殖する前に治療することが肝心です。しかし、インフルエンザの検査は発症後8時間くらいたたないと陽性反応は出ません。心配な場合は、予防として服用するのも選択肢。ただし、予防の場合は自由診療(10割負担)なので、7千〜1万円と高額になってしまいます」もちろん、コロナ禍と同様、手洗いやマスクなど、日々の感染対策も忘れてはならない。家族に感染者がいれば、床などにウイルスが付着した飛沫が飛んでしまう場合もある。「床に直接座る生活スタイルの人もいるかと思いますので、定期的に床掃除をすることも、感染対策につながるはずです」とくに今冬は、全国的に咳止め薬や痰切りの薬が不足している。「処方箋を書いても薬局から『在庫がありません』と連絡がきます。複数回感染となれば、長期間つらい症状をがまんすることに」新型コロナの時ほどの感染対策を取っていない今、忘年会や帰省など、感染リスクが高まる年末年始に向けて、2度、3度と繰り返し感染し重症化する前に、できる対策を。
2023年12月07日セックスをする以上、誰でもかかる可能性がある“性感染症”。身近な問題なので正しく理解を。性感染症とは、性器同士の接触や挿入、キス、オーラルセックスなどで感染する病気のこと。「よく、“生で挿れなければ感染しないでしょ?”と言う人がいますが、それは間違い。挿入しなくても性器同士が触れ合ったり性器に口で触れたり、なかにはキスでうつる病気もあります。つまり、普通のセックスでうつる病気なんです」と言うのは、性感染症やそれを取り巻く事情に詳しい、産婦人科専門医の川名敬先生。性器で感染する病気という意味では、女性は外側と内側があるので、ある意味、男性よりも感染のリスクは高い、といえるのかも…。「男性側は症状が出ないことも多く、ヘルペスに感染した女性の4分の3は、相手のペニスを見ても感染がわからなかった、というアメリカの調査結果もあります。でも女性側は、妊娠した際に赤ちゃんに感染させる危険があるので、絶対に治療をしてほしい。ほとんどの病気が薬で治るので、少しでも気になったらまず婦人科の病院へ行ってください」(川名先生)【感染する可能性のある行為】性器同士の接触、挿入、オーラルセックス、キス20~30代女性がかかりやすい感染症尖圭コンジローマ【潜伏期間】数週間~3か月【解説・症状】良性のHPV(ヒトパピローマウイルス)によるウイルス感染症。HPVワクチン(4価か9価)の接種で完全に予防できる。[症状]性器周辺にカリフラワー状の尖ったイボができ、痛みやかゆみもある。除去しても再発する可能性が高い。【診察や検査】症状が出たら視診による診断。【治療法】主に塗り薬を塗布。場合によっては外科手術でイボを除去する場合も。早期治療をすれば再発しにくくなる。【口からうつる?】うつる(オーラルセックス)性器クラミジア感染症【潜伏期間】1~3週間【解説・症状】日本で最も感染者が多い性感染症。10~20代に多く、近年女性の感染が急増。性器だけでなく喉に感染する場合も(咽頭クラミジア)。男女ともに半数以上が無症状といわれているが、放置すると不妊の原因や、母子感染を引き起こすこともあるので、早期発見したい。[症状]性交後腟からの出血、おりものの増加、生理痛のような下腹部の痛み。【診察や検査】おりもの検査、尿検査(淋菌と同時に検査可能)。【治療法】抗菌剤を、1~7日間服用。約2週間後の再検査で陰性が確認できれば治療終了。【口からうつる?】うつる(キス、オーラルセックス)淋菌感染症【潜伏期間】2~7日【解説・症状】淋菌による細菌感染症で、1回のセックスで感染する確率は30~50%と非常に高く、喉に感染することも(咽頭淋菌感染症)。女性は自覚症状があまりないので気がつきにくい。[症状]性交後腟からの出血、おりものの増加、濃い黄緑色のおりもの、外陰部のかゆみ、腫れ、膀胱炎的症状。【診察や検査】おりもの検査、尿検査(クラミジアと同時に検査可能)。【治療法】症状に合わせ、1~7週間抗菌剤を注射や点滴する。約1週間後の再検査で陰性が確認できれば治療完了。【口からうつる?】うつる(キス、オーラルセックス)性器ヘルペスウイルス感染症【潜伏期間】3~7日【解説・症状】ヘルペスウイルスによる感染症。感染力が高く、一度感染すると体内にウイルスが棲み着くので、免疫力が落ちると再発しやすくなるのが特徴。感染から数年、数十年を経て症状が出ることも。[症状]性器に小さな水ぶくれやただれができ、かゆみが出る場合も。発熱や、排尿や歩行が困難になるほどの激痛。【診察や検査】症状が出たら視診による診断。検査はあるがあまり用いられない。【治療法】症状に合わせて5~10日間抗ウイルス薬を服用。重症の場合は点滴治療も。早期治療をすれば再発しにくくなる。【口からうつる?】うつる(キス、オーラルセックス)腟トリコモナス症【潜伏期間】1~3週間【解説・症状】トリコモナス原虫(目に見えない大きさの微生物)が外性器や内性器に感染することで起こる感染症。感染力が強く、風呂場の椅子など性行為以外での感染もある。自覚症状がないことも多い。[症状]泡状で黄緑色の生臭いおりものが大量に出る。性器にかゆみや痛みが出たり、性交痛や排尿痛も。【診察や検査】症状が出たら視診による診断。【治療法】7~10日抗菌剤を服用(薬によっては1回の場合も)し、治療完了。腟の中に薬を入れることも。次の月経終了時に再検査が理想的。【口からうつる?】うつらない性器のかゆみや出血、おりものの変化は危険信号。上で解説した病気、それぞれに症状はありますが、以下の5つのようなことが体に起きた場合は、一度疑ってみるべき。「よく“おりものに変化が”といわれますが、一番わかりやすいのは腟からの出血。クラミジアと淋病は子宮頸部に感染するので、抜いたペニスに少し血がついていたり、性器を拭いたティッシュにつくということも。“生理が早く来た”、あるいは“排卵の出血かも”と見逃す場合も多いので、要注意」(川名先生)【主な症状】・性器からの出血・外陰部にできものがある・おりものの量やニオイ、色の変化・外陰部がかゆい、痛い・下腹部の痛みほとんど症状がないため、男性はかかっても気がつかない…。女性の場合、上で解説したような兆候があるので、“おや?”と思うタイミングはありますが、男性はほとんどないらしい。「淋菌だけは、排尿時に痛みがあるのでそれで病院に来る人が多いのですが、他は痛みやかゆみはないので、見逃している人が多い。なので正直なところ、男性側の意識はとても低い。“大丈夫”と言われても、予防は必須です」(川名先生)挿入もオーラルも常にコンドーム必須!!誰でもかかる病気なので気軽に受診を。最も手軽にできる予防法は、やはりコンドーム。「互いに検査をしクリーンなことが証明されていて、よほど信頼がある関係性なら別ですが、性感染症予防の観点から考えると、セックスをするときには絶対にコンドームを使ってほしい。100%ではないにしろ、かなり予防率は上がります。挿入だけでなく、オーラルセックスのときも忘れずに」(川名先生)気づかずに見過ごしてしまうと、将来の妊娠や子どもに影響も…。治療をせずに放置すると、女性の場合は不妊症の原因にも。「クラミジアや淋菌は卵管が詰まり子宮外妊娠の原因になることも。また“母子感染”といって、子どもに影響が出ることもあり、尖圭コンジローマは喉に大きなイボができたり、ヘルペスと梅毒は、脳に影響が出たり、難聴や失明、精神発達障害を引き起こす可能性も。妊娠の前に必ず治療を」(川名先生)郵送での検査も可能。治療は薬の服用などで終了。上記で解説しているように、クラミジアと淋菌感染症に関しては、尿検査が可能。自宅から郵送し、検査もできます。「梅毒は血液検査なので、婦人科や性病科といった病院に行きましょう。また梅毒とHIV検査は保健所で匿名・無料で受けられます。治る病気に関してはほとんどが、一定期間の薬の内服や塗布で終了です」(川名先生)川名 敬先生産婦人科専門医。日本大学医学部産婦人科主任教授、日本性感染症学会監事。性感染症学、婦人科のがん治療、HPVワクチンなどのスペシャリスト。近年性感染症に関してNHKの番組などにも出演し、啓発に努めている。※『anan』2023年8月16日‐23日合併号より。イラスト・ながたなつき(by anan編集部)
2023年08月21日「もしかして感染した?」性交渉の後に体調に違和感を覚えると不安になりますよね。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。Dさんの場合……私の場合は、クラミジアにかかりました。性交渉をした結果、2日後に血尿が出て微熱もあったので、会社を早退して病院に行きました。もっと怖い病気だと思っていたので、症状もすぐに落ち着き安心しました。膀胱から尿道にかけて、腫れるような違和感があり居ても立っても居られない感覚でした。どんな治療を受けましたか?内服薬の服用で治療しました。性病の説明と、性交渉をする際はコンドームを利用するようアドバイスをもらいました。産婦人科ということもあり、丁寧に説明をしてもらえてよかったです。少しでも違和感があったら病院で受診してください。※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。読者の感想は……『これは焦りますね。自分の身は自分でしっかりと守らないとと思いました。』(39歳/会社員)『突然血尿や熱などの症状が出たら不安で堪らないだろうなと思いました。』(24歳/フリーランス)『性病に感染するというのは、まだ今でも恥ずかしいことだと思われている方がいます。しかしそのまま放置するよりも、血尿などの異変があったらすぐに医療機関を受診して適切な治療を受けた方がいいと思いました。』(36歳/会社員)と、さまざまなコメントが寄せられました。違和感を覚えたときは婦人科へ性交渉の後の血尿や微熱は、クラミジア感染が原因だったというDさん。皆さんも、体に違和感を覚えたときはすぐに病院で医師に相談してみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年07月31日性感染症のひとつである梅毒。近年は流行が拡大しており、ニュースでもよく耳にしますよね。クイズを通して、梅毒について学びましょう!早速クイズ!解説!粘膜が直接触れることで、小さな傷から細菌が侵入します。そのため、挿入だけでなくオーラルセックスやキスでもリスクがあります。潜伏期間は、約1週間から約14週間。この期間は症状がないので、気づきづらいでしょう。感染後から3週間から3ヶ月の間、性器や肛門や口などにできものやしこりができます。痛みや痒みを伴わないことが多いので、放置してしまう方もいるかもしれません。3ヶ月経つと……感染から3ヶ月以上経つと、全身に症状が出ます。症状は発熱や倦怠感、頭痛、リンパ腺の腫れ、のどの痛みや筋肉痛など。全身に「バラ疹」と呼ばれる湿疹が出るのも特徴のひとつでしょう。完治可能!昔は不治の病とされてきた梅毒ですが、現在は早期発見で完治できる病気です。しっかりと検査をし、完治するまで治療を受けることが大切です。気になる方は婦人科や泌尿器科、性感染症内科、皮膚科へ相談を。監修医ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月07日性感染症のひとつ、尖圭コンジローマを知っていますか?聞きなれない病気ですが、性行為の経験がある人は感染するリスクがあるんです。クイズを通して、この病気について学びましょう!監修医早速クイズ!解説!尖圭コンジローマは、性器周辺にイボができる病気で、症状が落ち着いてもまた再発するリスクがあります。妊婦さんが感染すると、産道で赤ちゃんにウイルスが感染することも。そうすると赤ちゃんも尖圭コンジローマを発症してしまいます。(多発性咽頭乳頭腫という病気を発症することもあります)聞き慣れない上に性行為で感染し、赤ちゃんにまでリスクがあるなんて衝撃ですよね。この尖圭コンジローマは根本的な治療ができません。そのため予防することが大切でしょう。予防するには?予防には、HPVワクチンが有効とされています。HPVワクチンと聞くと、子宮頸がんの予防で有名ですよね。でも実は、さまざまな病気の予防効果があるんです。これから妊娠を考えている若い方は特に、ワクチンも選択肢のひとつとして頭にいれておきましょう。そして気になる症状がある人は、早めに婦人科へ相談に行くことをお忘れなく!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月06日性感染症予防として、コンドーム以外の対策があることをご存知ですか?実は、あるワクチンが性感染症の予防に有効なんです。みなさんの中にも、接種したことがあるかも……?監修医クイズを通して確認しましょう!早速クイズ!解説!“子宮頸がんワクチン”として知られているHPVワクチン。HPVとは、性交渉により感染するウイルスのこと。女性の50~80%が一生に一度は感染すると言われています。このようにHPVはごく身の回りにありふれたウイルスですが、まれに病気に進行することも。HPVが原因で感染する病気は、子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどがあります。尖圭コンジローマって?尖圭コンジローマという名称は、初めて聞く方もいるかもしれません。陰茎や腟や肛門にイボができる病気で、性感染症のひとつです。治療しても根本的に治すことはできないため、予防することが大切でしょう。このように厄介な性感染症ですが、HPVワクチンの接種により予防することが可能です!ただし注意点がHPVワクチンは接種時にすでに感染しているHPVは排除できず、すでに生じているHPV感染症の進行予防効果もありません。そのため、HPVに感染するリスクである性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが望ましいとされています。また、HPVワクチンはすべてのタイプのHPV感染を予防できるわけではないため、HPV接種後も定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。さまざま病気をカバーするHPVワクチンHPVワクチンというと子宮頸がん予防の印象が強いですが、それだけではないんですね。今回は、HPVワクチンは性感染症にも有効です、という話でした。あなたの身体を守るために、しっかりと頭に入れておいてくださいね。もちろん、性感染症予防の基本であるコンドームの着用もお忘れなく。ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月05日性感染症、どうやって予防していますか?コンドームが性感染症に有効なのは、よく知られていることですよね。でも「なぜコンドームが役立つのか」まで知っている人は少ないかも?クイズを通して、確認してみましょう!監修医早速クイズ!ヒント!正解は…解説!性感染症は、病原体(ウイルスや菌)がついているものに触れることで感染します。口や喉についていることもありますが、とくにリスクがあるのは性器です。性器と直接触れるのを防ぐことで、感染予防ができるんです。だからコンドームが役立つんですね。正しい使い方って?ただしコンドームは正しく使わないと、性感染症は予防になりません。正しい使い方は次のとおりです。1:はじめに使用期限やサイズを確認する2:完全に袋を破ってから中身を取り出す3:表裏を確認して装着する4:射精したらすぐに根本を押さえて、精液がこぼれないようにしながら外す。正しくコンドームを使用して、性感染症のリスクを抑えましょう!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月02日性交渉の後に体調に違和感を覚えると、「もしかして性病に感染した?」と不安になりますよね。性病に感染するとさまざまな症状が出ます。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修者:ひなたクリニック院長、三橋 裕一1964年生まれ。福島県会津若松市出身で2007年に札幌でひなたクリニックを開業。産婦人科医の傍ら、総合格闘技のリングドクターとしても活動。新事業の『内診台を使用したVIO脱毛』に日々奮闘中。Dさんの場合……私の場合は、クラミジアにかかりました。不特定の人と性交渉をした結果、2日後に血尿が出て微熱もあったので、会社を早退して病院に行きました。もっと怖い病気だと思っていたので、症状もすぐに落ち着き安心しました。膀胱から尿道にかけて、腫れるような違和感があり居ても立っても居られない感覚でした。どんな治療を受けましたか?内服薬の服用で治療しました。性病の説明と、性交渉をする際はコンドームを利用するようアドバイスをもらいました。産婦人科ということもあり、丁寧に説明をしてもらえてよかったです。世の女性陣へ伝えたいことは?少しでも違和感があったら病院で受診してください。※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。違和感を覚えたときは婦人科へ性交渉の後の血尿や微熱は、クラミジア感染が原因だったというDさん。Dさんは内服薬の服用で症状はすぐに落ち着いたようですね。皆さんも、体に違和感を覚えたときはすぐに病院で医師に相談してみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。※監修医:ひなたクリニック院長、三橋裕一※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年07月01日性感染症について、知っていますか?性感染症は、性生活をしている人なら誰でも感染する可能性があります。知識をつけることは、あなたのためにも大切な人のためにも必要なこと。クイズを通して、しっかりと確認しましょう!監修医早速クイズ!ヒント!正解は…解説!挿入はもちろん、オーラルセックスやキスによっても感染する場合があります。オーラルセックスによる感染はあまり知られていませんよね。コンドームは、性感染症予防の方法として一般的ですが、オーラルセックスをする際に装着しないケースも多いでしょう。そのため知らないうちに感染が拡大していた……なんて場合も。キスで感染ってどういうこと?また可能性は低いですが、キスで性感染症がうつる場合もあります。咽頭や口部がウイルスに感染していれば、触れることでうつるリスクがあるからです。クラミジアや淋菌が喉に感染している場合や、梅毒やヘルペスの症状が口部にある場合は注意しましょう。気をつけなければいけないのはディープキスをするとき。軽いキスの場合、心配する必要はないでしょう。(エイズウイルスであるHIVは軽いキスで感染することはありません)性感染症の検査って?検査方法は3種類。クラミジア、淋菌、カンジダ、トリコモナスは腟や子宮の入り口のおりものを採取して検査するので、痛みはありません。HIV、梅毒、骨盤内クラミジア感染の有無は採血して血液検査をします。性器ヘルペスと尖圭コンジローマは視診だけでわかります。なお、クラミジア、淋菌、HIV、梅毒の検査は結果がわかるまで4~5日かかります。性感染症の検査をしてくれるところは?女性は性病科(性感染症内科)や婦人科、男性は泌尿器科などで検査ができます。さらに全国の保健所でも検査ができますが、指定の日が決まっている場所もあるためお住まいの地域の保健所を調べてみてくださいね。知っておくべき性教育口部に症状がある場合は注意すべきだなんて、あまり教わったことがない知識なので衝撃ですよね。性教育は自分やパートナーを守る大切な知識です。ぜひパートナーともこうした知識を共有して、毎日を安心して過ごせますように!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月01日ananフェムケア連載「Femcare File」。今回のテーマは、性感染症を見逃さないためにできること。性感染症=自分には関係ないことと思っていませんか?そんな思い込みから感染を見逃さないために、知っておきたい基礎知識をご紹介します。性感染症を見逃さないためにできること。近年は国内でも梅毒患者が増えるなど、決して他人事ではない性感染症。そのサインを見逃さないために知っておくべきこととは?元・保健室の先生で、現在は性教育講師として活動する、にじいろさんに伺った。「anan世代の女性の多くが、自身の学生時代を振り返ると“性教育を十分に受けてこなかった”と感じるのではないでしょうか?セックスの際にコンドームをつけるのは予防の基本。そういった知識はあっても、感染したらどんな症状が出るのかを詳しく習ったという人は少ないはず。かゆみや痛み、周辺にイボができるなどの性器の違和感や、おりものの色やニオイに変化を感じたら“自分は大丈夫”と過信せず、婦人科へ行くことをオススメします」性感染症は性行為の経験があれば誰でもなる可能性があるもの。決して恥ずかしいことではなく、正しく治療することが何よりも大切だという。「性感染症は無症状のことも多く、感染に気づいていない可能性も十分にあります。パートナーが変わったタイミングやコンドームなしでセックスをした時は、症状がなくても検査を受けることを習慣に。その場合は、自宅で行える検査キットが最近は多く出ているので活用するのもいいと思います」また、性感染症など体の異変に気づくために“学ぶこと”は、いくつになっても必要なこと。「大人になると性について学ぶ機会は、なかなかないですよね。でもまずは意識的に、こうやって知識を得ることから!自分の性器に関心を持つことも大事。性器を恥ずかしいものだと捉えずに、大切な体の一部としてケアしてほしいです」こんな症状がある時はすぐに病院へ!・性器の違和感・おりものの変化性器の痛みやかゆみ、性器周辺に水ぶくれやイボができる、おりものが黄緑色になったり腐ったようなニオイがするなどの症状は性感染症のサインかも。「自己判断で薬を塗ったりせず、必ず病院で検査し、治療しましょう」こんな時は症状がなくても自宅検査キットなどを利用して確認を!・パートナーが変わった・コンドームなしでセックスをした無症状でもパートナーが変わったり、コンドームなしでセックスをした際は検査を受ける習慣を。「このような場合であれば、家で検体を採取し、メールなどで結果がわかる自宅検査キットを活用するのも便利。自分とパートナーの体のために、調べることが大切です」自宅検査キットも新サービスが次々にシラベル自宅で専用キットに尿を採取し、ポストに投函すると性器クラミジア・性器淋菌の検査ができる。スマルナに提携する助産師・薬剤師によるオンライン相談も利用可能。1検体¥5,500mederi STD Check kit専用キット内の綿棒を腟内で数回くるくると回すだけで採取はOK。検体を郵送すれば、性器クラミジア、性器淋病感染症、腟トリコモナスの検査が可能。3項目キット¥6,930(送料別途¥550)にじいろさん公立高校などの養護教諭を経て、フリーランスの性教育講師に。講演活動やSNSでの情報発信も行う。著書に『10代の妊娠友だちもネットも教えてくれない性と妊娠のリアル』(合同出版)など。※『anan』2023年5月31日号より。イラスト・REDFISH取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2023年05月26日決して“他人事”ではない!性感染症について産婦人科医・竹元 葉さんと助産師、性教育YouTuber・シオリーヌさんが解説します。性行為の経験があれば誰でも感染の可能性が。自分だけは、性感染症になんてかかるわけがない。そう思い込んでいませんか?実は近年、国内でも梅毒患者が急増するなど、他人事ではない事態になっている。「性感染症は、性交渉などで感染者の粘膜や皮膚に接触することで感染します。無症状のことも多く、気づかないまま人に感染させてしまうことも。一方、銭湯や温泉でうつると思っている人もいますが、清潔な場所であれば心配はありません」(竹元さん)感染を防ぐには、セックスの際にはコンドームの使用が大前提。婦人科を受診することも大事だ。「“性感染症=性に奔放な人がかかる病気”という思い込みから、病院に行く勇気が出ない人もいるかもしれません。しかし性感染症は、性行為の経験があれば誰でも感染する可能性があります。“私には関係ないこと”と思わないことがまず重要。『友達の中でも感染経験がある人なんていない』と思うかもしれませんが、言わないだけで、意外とかかっている人は多いもの。身近な病気だと捉えてほしいです」(シオリーヌさん)anan読者世代がかかりやすい代表的な性感染症クラミジア感染後1~3週間程度で症状が現れる。おりものの異常や下腹部痛などの症状があり、無症状の場合も。不妊の原因になることもある。HPV一度感染しても9割は免疫力で自然に消えるが、長期にわたって持続感染していると子宮頸がんの原因に。ワクチンで予防できる。梅毒(ばいどく)局部のしこりや、全身に赤い発疹が出るなど、進行度に応じてさまざまな症状が。放置すると血管や神経の異常につながるケースも。淋病(りんびょう)おりものが黄緑色になったり、頻尿や膀胱炎のような症状が。放っておくと、淋菌が卵管の周囲に感染し、不妊症の原因になることも。Q1. 性交渉以外でうつることはあるの?A. オーラルセックスでうつることも。性器だけでなく、口の粘膜からも感染するため、オーラルセックスやキスでもうつるリスクが。「性器ヘルペスや尖圭(せんけい)コンジローマのように、性器だけでなく太ももやお尻などにも症状が現れ、患部に触れることで感染することもあります」(シオリーヌさん)Q2. コンドームを使用すれば、感染の心配はなし?A. パートナーが変わったらお互いに検査を。「予防の基本はコンドームを使用することですが、性器以外からも感染するので、コンドームだけでは完璧ではありません。初めての相手と性行為をする前にはお互いに検査を受け、感染している場合にはまず治療をすることが大切です」(シオリーヌさん)Q3. 病院ではどんな治療をするの?A. 陽性の場合は抗菌薬などで治療します。採血やおりものの検査を行い、陽性なら抗菌薬などで治療をする。「パートナーがいる場合は、相手も一緒に治療を受けましょう。症状が治まっても菌が体に残っている可能性があるので、陰性が確認できるまで性交渉は控え、治療が必要です」(竹元さん)おりものに、こんな変化があったら要注意!黄緑がかった色をしているキツいニオイがする量が急激に増えた健康な状態のおりものは、やや酸っぱいようなニオイだが、それが魚が腐ったようなキツいニオイになったら赤信号。また、黄緑がかった色になったり、おりものの量が急激に増えるのも、性感染症のサインの一つ。自宅で性感染症検査ができるキットが「スマルナ」から登場!シラベル自宅で性器クラミジア・性器淋菌の検査ができるほか、提携の助産師・薬剤師によるオンライン相談も。1検体で¥5,500(5月31日までは¥3,960で提供)STEP1、サイトで購入後、自宅に届く。2、尿を採取して、ポストに投函。3、投函後、6~10日待つ。4、結果を専用サイトで確認。竹元 葉さん産婦人科医。女性のすべてのライフステージにおけるかかりつけ医として2019年に女性スタッフのみで診療を行う「sowaka women’s health clinic」を開業。シオリーヌさん助産師、性教育YouTuber。総合病院産婦人科等での勤務を経て性教育動画を配信開始。昨年、株式会社Rineを設立し、性教育の発信活動と産後ケアサービスの提供に邁進中。※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。イラスト・Kanako取材、文・音部美穂(by anan編集部)
2023年05月01日「衰弱したネコを保護しようとして手をかまれた50代の女性が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症して亡くなり、ネコからヒトへ感染する可能性が考えられるようになりました」そう話すのは宮崎大学の岡林環樹教授。SFTSウイルスは、もとはマダニからヒトへ、またはマダニから動物へ感染すると考えられていたが、ペットを介してヒトへ感染する事例が出始めたのだ。国立感染症研究所によると、’17年以降、ウイルス性出血熱であるSFTSを発症したペットの飼い主や、診察した獣医師が感染した事例が、少なくとも10件は確認されている。「感染すると重い症状を引き起こし、ネコの致死率は6割超、イヌは3割とされています。ヒトに感染すると、嘔吐、発熱、下血、意識障害などが起き、致死率は15~25%で、国内における感染症としては非常に高率です。特効薬やワクチンはまだなく、対症療法で治療するほかありません」(岡林教授以下「」内同)SFTSは、’13年に山口県で死亡例が確認されて以来、感染の報告は増加傾向にあり、昨年は過去最多の109人にのぼる。「感染の報告は西日本が中心ですが、明らかに感染の流行が東に延びている傾向があります。背景には、野生動物の生息域の拡大や頭数増加などが考えられています」これからの季節が最も危険だと岡林教授は警鐘を鳴らす。「SFTSのピークは、5~7月になります。春から夏にかけてのリスクが高いと思います。マダニが活発になること、草むらの茂り、アウトドア活動の増加、薄着になることなどの要因が関連していると思います。ただ、街中や冬場でも感染する人やペットがいるので要注意です」では、ペットや自身の感染を防ぐにはどうすればいいのか。「ペットを外に出すのは注意が必要です。ネコなら室内飼いに、イヌの散歩では茂みには近づかず、散歩後には体にマダニが付いていないか確認して、もし付いていたら病院で取ってください。また、血液や排泄物、体液などから感染する恐れもあるので、体調の悪いペットにはなるべく直接触れないようにしてください。もし自身やペットにSFTSの症状や疑いがある場合は、速やかに病院に行き、『ダニにかまれた』『体調不良のイヌネコに触れた』と伝えることが大事です」ペットが感染した場合の問題点も岡林教授は指摘する。「人に感染させるリスクがあるのに、隔離の法的基準がないんです。設備のない動物病院では入院できず、入院できたとしても高い入院費がかかるため、飼い主の元に戻す場合もあります。簡易隔離施設を作るクラウドファンディングを始める予定ですが、行政による補償を伴うルール化が今後の課題だと思います」ペットと自分の命を守るためにも、これからの時季は特に注意が必要だ。
2022年06月06日大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)は、感染症に関する情報発信サイト「+CiDER(プラスサイダー)」と、感染症に関する教育コンテンツ配信サイト「CiDER-EDU(サイダーエデュ)」の2つのサイトを公開しました。「+CiDER」URL 「CiDER-EDU」URL ●サイト概要◆「+CiDER」感染症情報をわかりやすく発信するサイトです。文理融合型総合拠点であることの強みを活かし、研究動向、ワクチン・治療薬等に関する医療情報に加えて、感染防御行動による社会経済や社会心理への影響、感染リスク分析や、数理モデルによるシミュレーションなど、感染症に関する多角的な情報を発信します。科学的エビデンスに基づいた信頼性の高い情報を動画コンテンツなどを用いて、幅広い世代の方々にわかりやすく伝えます。+CiDER(プラスサイダー)◆「CiDER-EDU」感染症に関する情報を幅広く動画形式で提供する教育コンテンツ配信プラットフォームです。感染症診療の最前線で活躍している医師らの手によるコンテンツであり、一般の方々から医療従事者まで、いつでも、どこでも、どなたでも、随時追加されるコンテンツを自由に受講できます。CiDER-EDU(サイダーエデュ)【概要】名称 : 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)拠点長: 松浦 善治創設 : 2021年4月拠点HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月10日現在も薬剤耐性菌が多い犬猫の感染症は将来、さらに耐性化が進み治らなくなるといわれています。新しい感染症治療法であるファージセラピーを、それらに対して実用化する研究について、医療法人社団予防会(本社所在地:東京都新宿区、代表:下村 正美)は、早稲田大学・ハナ動物病院と共に取り組んでいます。2022年4月25日より、この研究の資金を集めるクラウドファンディングを開始しました。クラウドファンディングサイト「READYFOR」: さらに、クラウドファンディングイベントとして、5月24日21時30分より「犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会(ハナ動物病院院長太田先生、犬と猫の皮膚科院長村山先生)」を行います。医療法人社団予防会は、現在、性感染症検査・治療を中心に行っています。予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡は、早稲田大学と協同して、新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。【ファージセラピーについて】現在注力しているのが、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用したファージセラピーという治療法の実用化です。ファージセラピーとは、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を用い、感染症を引き起こしている細菌を死滅させて、感染症を治癒する治療法です。実は、1920年代に実際に使用されていましたが、抗生物質の隆盛により、廃れていました。昨今の薬剤耐性菌の増加に伴い見直され、海外では応用されている国もあります。しかし、海外で使用されている製剤は効果十分とは言えず、また、日本では、臨床試験すら行われていない状態です。理由の1つとしては、ファージセラピーの研究が、理工学的な研究が中心であり、臨床現場のイメージがなく、実用性が不十分であったということが挙げられます。そこで、感染症の現場を知る医師が研究に取り組むことによって、十分な効果を持ち、実用性のある形でファージセラピーを提供できるようにしようとしています。例えば、北岡は今まで感染症流行株の調査に取り組んできたので、実際に感染症現場で流行している株に対応するファージを準備するといった工夫を行い研究しています。ファージセラピー【犬猫の感染症について】様々な検討を重ね、映画「犬部!」のモデルとなったハナ動物病院の太田先生( )のご協力を得て、まずは、犬猫の感染症に対するファージセラピーの実用化を目指すことにしました。犬猫の感染症の原因菌の薬剤耐性化の速度は著しく、例えば、犬の感染症の主要な病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスという細菌の危険な耐性菌(MRSP)は、スタフィロコッカス・シュードインターメディウスの中で67%を占めると報告されています(Kawakami T, Shibata S, Murayama N, Nagata M, Nishifuji K, Iwasaki T, Fukata T. Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. coagulans isolated from dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010 Dec;72(12):1615-9.)。太田先生の実際の診療現場でも、動物病院で使用できる抗生物質が何も効かず、治癒しない感染症があるということです。膿皮症と呼ばれる皮膚の感染症で遭遇することが多く、その場合、犬は痒みが止まらず、夜も十分に寝られず、一日中しょんぼりしているという非常に可哀想な状態になるということでした。このままでは、そのような状況が多発するようになると言われており、そんな未来を防ぐために、ファージセラピーを応用しようとしています。【ファージセラピーの未来】犬猫に限らず、ヒトを含め動物全体の感染症で薬剤耐性菌は深刻であり、2050年には耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想されています(O'Neill, J. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016)。性感染症においても、例えば、淋菌に対する第一選択薬のセフトリアキソンの耐性菌が増加し、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)から、セフトリアキソン単独療法は推奨しないと発表されるに至っています(日本と欧米では用量が異なるため、日本の用量では現在でも単独療法が可能と言われてはいます)(St Cyr S, Barbee L, Workowski KA, Bachmann LH, Pham C, Schlanger K, Torrone E, Weinstock H, Kersh EN, Thorpe P. Update to CDC's Treatment Guidelines for Gonococcal Infection, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Dec 18;69(50):1911-1916.)。このファージセラピーの実現をきっかけとして、ヒトを含めた動物の他の様々な細菌感染症へファージセラピーを実現できれば、将来感染症に多くのヒト・動物が苦しめられるようになる未来を変えることができます。将来の耐性菌感染死亡【クラウドファンディングご支援のお願い】ファージセラピーはすでに海外では研究が進んでおり、このままではファージ製品もコロナワクチンのように海外製に頼ることになってしまいます。なんとか日本発のファージセラピー製品を実現し、科学技術立国としての姿を少しでも取り戻すことに寄与したいと思います。しかし、こういった新しい薬剤の実用化研究には国などからの研究費が充てられづらく、現時点の予防会だけの資金力で研究を進めることが困難となりました。そこで、クラウドファンディングを行うことにしました。現在、開始2日目で6%達成しています。ご協力よろしくお願いします。【クラウドファンディングイベントのお知らせ】今回のクラウドファンディングで研究対象としている犬猫の感染症について、獣医師の太田先生(ハナ動物病院)、村山先生(犬と猫の皮膚科)による、座談会を開催いたします。なかなか、このような感染症についてざっくばらんなお話を伺える機会は少ないです。村山先生は国内で数人しかいないアジア獣医皮膚科専門医でおられ、正しい知識を吸収することができます。また、太田先生による保護犬猫の感染症もお話しいただけます。参加費無料で、コメントに記載いただければ、質疑応答可能です。ぜひご参加ください。【クラウドファンディングの概要】クラウドファンディング名 : 感染症に苦しむ犬猫たちを救うために、感染症治療法の研究をクラウドファンディングURL: 目的 :耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを、実用化する研究を行っています。不足している研究費を獲得するために、クラウドファンディングを開始します。目標金額:150万期間 :2022年4月25日10時-6月17日23時使途 :犬猫の感染症へのファージセラピー研究を進めます。実用化に最適なファージの探索を行い、論文化まで行います。さらに資金が獲得できれば、ファージを実際に実用するために必要な性質の確認(安定性試験など)を行います。SNS : 動画: クラウドファンディング【クラウドファンディングイベントの概要】クラウドファンディング名:犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会クラウドファンディングイベントURL:北岡のYoutubeチャンネル( )を用いてZoomのオンライン配信 URLは配信日が近くなったら上記SNSで告知いたします。内容 :獣医師2人をお迎えして、膿皮症を中心に犬や猫の感染症について、概説、苦労した症例、保護犬猫の感染症などをお話しいただきます。コメントいただければ、そこから質問にもお答えいたします。日時 :2022年5月24日21時30分-22時30分参加費:無料■リターンにつきましてクラウドファンディングの内容が研究費用のご支援となりますので、プロダクトのリターンはございませんが、以下のようなリターンを用意しております。・ファージキャラクターポストカード:本クラウドファンディングのファージキャラクター入りポストカードを送付いたします。・実験体験動画「ファージで犬猫原因菌を倒そう」:本クラウドファンディングにより得た資金によって行う研究の実験の一部を体験できる動画を提供します。ファージによって、犬猫の感染症原因菌を殺菌する様子をお見せします。・愛犬・愛猫動画:本クラウドファンディングのトップ画像の犬猫の散歩などの動画と共にお礼動画を提供します。・早稲田大学研究室ツアー:研究室にご訪問いただき、早稲田大学招聘研究員も務めている北岡よりご案内に加えて研究室メンバーとの懇談会を行います。遠方の方や希望される方には、動画の提供と致します。・ハナ動物病院太田先生と新宿サテライトクリニック北岡との座談会:Zoomを使用した、座談会にご参加いただけます。内容は「犬猫の感染症、保護犬猫について」となります。【会社概要】名称 :医療法人社団予防会代表者:理事長 下村 正美所在地:東京都新宿区北新宿1-13-19 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月28日「自宅療養者が増えることにより、同居する家族も感染してしまうケースが増えています」こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授。日本中で猛威を振るうオミクロン株。感染拡大とともに“自宅療養”を強いられる人が急増している。厚生労働省によると、1月26日時点で全国の自宅療養者数は26万4,859人。コロナの療養者(約41万人)の半数を超える人が、自宅療養を強いられている状況だ。自宅療養期間は、症状のある人の場合は、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過すると解除される。もし、自分や家族の誰かが感染者となり、自宅療養になったらどのような対策をとればいいのか、寺嶋教授に聞いた。【1】隔離部屋を作る感染対策の基本は、自宅内に「隔離部屋を作る」ことで、感染者と非感染者が極力接触しないようにすることだという。「室内には体温計やアルコール消毒液、ゴミ袋、ペットボトル2リットルサイズのミネラルウオーターや食べ物などを多めにストックし、トイレ、入浴以外は部屋から出ないようにします。電気ポットがあれば、お茶や粉末スープ、カップ麺なども部屋で食べられます」【2】家族全員がマスクを着用する「自宅療養期間中は、感染者以外も、『家族全員がマスクを着用する』ことが大切です。そのうえで、ソーシャルディスタンスをとる」【3】すべての部屋を小まめに換気する「すべての部屋を小まめに換気する」必要がある。「部屋に2カ所窓があるのが理想です。窓は30分に1回、5分程度、10センチぐらい開けて空気を入れ替えます。窓が1カ所の場合は、扇風機を回して空気を循環させる。『隔離部屋』だけではなく、非感染者の部屋も同様に換気します」【4】トイレに行くことを感染者は家族に伝える「トイレに行くことを感染者は家族に伝える」ことも大切。「感染者が部屋を出るときは、事前に家族に伝えることが必須です。たとえば、部屋から呼びかける。あるいは携帯で連絡するなど、廊下での鉢合わせを防ぐ。確認後に、感染者はマスクを着け、手の消毒をしてからトイレに行きます」使用後、非感染者はすぐにトイレの中に入らない。「換気扇がある場合は、常時回しておく。そして時間をおいてから感染者が手を触れたトイレのドアノブ、流水レバー、洗面所の蛇口などをアルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウム水溶液を含んだタオルなどで拭き消毒しましょう」【5】入浴の頻度を減らし、翌日にそうじする10日という長丁場となれば、感染者も入浴する必要がある。その場合、「入浴の頻度を減らし、翌日にそうじする」。「感染者の入浴は2〜3日に1回にし、家族の中で最後に入りましょう。浴室の換気扇をずっと回しておくことが望ましいです。換気扇を常時回しておけば、翌日にはウイルスはかなり減っているはずです。翌日に非感染者がお風呂に入る前に浴室内を洗剤で洗い流してください」【6】食事も「隔離部屋」で食べるトイレと入浴以外は、基本的に感染者は隔離部屋で過ごす。「食事も『隔離部屋』で食べる」。「食事は部屋のドア前に置いて、非感染者と接触しないことを確認してから、感染者はドアを開けましょう。洗い物は出さないように、お皿やコップ、お箸などは“使い捨て”のものがおすすめです」自分や家族が感染してしまったときのために、心とモノの準備を忘れずに。
2022年02月04日米軍基地内のクラスターが、全国的な感染爆発につながった可能性が。日本の感染対策を無視してきた米軍。その背景にあるのは、あまりに不公平な日米地位協定だったーー。「今年のはじめごろから、看護師の間でもコロナ陽性になる人や、濃厚接触者になって勤務できない人が増えてきました。うちの病院では、10人近い看護師が休職中で、非番の看護師が休日返上で出勤しています」そう話すのは、沖縄県那覇市の総合病院に勤める看護師のSさん。沖縄県では、今年に入ってオミクロン株が急拡大。1月13日に過去最多となる1,817人の新規感染者が確認され、医療従事者からも、“濃厚接触者”が続出した。これにともない沖縄県内の基幹病院の7割で救急受入れがストップ。一般外来も制限するなど大きな影響が出ているのだ。「うちの病院の救急も受け入れができず、心筋梗塞とか脳卒中など、一刻を争う患者さんは、那覇からクルマで40分ほどかかる中部の病院へ搬送しています。本来は30床くらいまで増やせるコロナ病床も人員不足で現在は10床程度。すでに満床です」(Sさん)首都圏や大都市部からではなく、沖縄県はじめ、広島県、山口県という地方から始まった今回の“第6波”。その発生源は米軍基地にあるとみられている。■フリーパスだった米軍関係者「(米軍基地が)その一つである可能性があると考えています」1月11日の記者会見で、“国内の感染拡大の原因は米軍基地にあるのではないか?”と問われ、松野博一官房長官はこう答えた。政府は昨年末から、“水際対策”を強化し、日本国民であっても、海外からの入国者には72時間以内の陰性証明に加え、空港での検査や2週間の自主隔離を課してきたのだが……。「米軍関係者は、そうした日本の検疫ルールを守る必要はなく、フリーパスだったんです」そう明かすのは、『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)の共著書などがある、沖縄国際大学教授の前泊博盛さん。その原因は、在日米軍の基地使用や行動などについて規定した“日米地位協定”にあるという。「この協定は、アメリカの占領時代が終わっても、在日米軍が日本で自由に行動するために作られたものです。たとえば、在日米軍関係者は、基本的に日本の法律ではなく、アメリカの法律が適用されることになっている。コロナ禍においても、在日米軍関係者は、日本の検疫を免除され、自由に出入国していたのはそのためです」そればかりか、在日米軍は昨年9月以降、日本への入国前後に行っていた検査を、日本に連絡することなく取りやめていた。その結果、全国の米軍基地で大規模なクラスターが頻発。マスクなしに基地外に繰り出す米兵や、基地で働く日本人職員などを通じて、感染が周辺に広がっていったとみられている。日本が行ってきた感染対策を完全に無視した米軍の態度。しかし、同じく米軍が駐留している韓国では対応が大きく異なっている。琉球新報の報道によると、韓国に入る米軍関係者には、出国前の検査に加え、入国後2回の検査が継続的に行われている。うち1回は韓国側が行っているという。この対応の差はなんなのか。「韓国は、平時と有事に分けて駐留米軍に対処しています。今回のような国民の命にかかわる場合は〈検査を受けなければ入国を認めない〉と、主権国家として強く求めることができるのです」米軍が駐留している国はほかにも多数あるが、受入れ国の法律が米軍に適用されない、という屈辱的な対応を受け入れているのは、日本ぐらいなのだ。■米軍の“事故”は裁かれない日米地位協定の矛盾は、感染対策に限ったことではない。「米軍関係者が日本国内で事件を起こしても、“公務中”であれば、アメリカの法で裁かれます。いわば治外法権なのです」たとえば、米軍関係者が事故などを起こしても、米軍側の“公務中”という一方的な主張のみで、刑事責任が問われないという例は多数あった。また、“公務外”で犯罪を起こしても、起訴時までは身柄を引き渡さなくていいという規定のために、十分な捜査ができなかった事例も多い。「じつは、アメリカ自身も、こんな古い考え方は、通用しないと考えている。米国防省のマニュアルにも、〈受入れ国の法規は、国際協定による規定がないかぎり、その国の米軍に適用される〉という趣旨が記されています」しかし、今回のクラスター発生を受けても、米軍側に求めたのは、米兵の“外出制限”程度。「それも“1月10日から14日間”と期間限定です。米軍の管理のずさんさのために、回復傾向にあった経済は破壊されています。『国民は非常に怒っています。日米関係は危機的な状況になっている』と、岸田文雄首相が強く抗議し、米軍に補償を求めるくらいはしないと、今回のようなことは繰り返されるでしょう」これまで、基地周辺に住む人ばかり直面させられてきた日米地位協定の矛盾。今回のコロナ禍で、日本国民全員が当事者になろうとしている。
2022年01月20日オミクロン株が世界で急速に拡大するなか、最も重要なのは“これまでどおりの感染対策”だ。中国で新型コロナウイルスが発見されてはや2年。これまで提唱されてきた感染対策のなかには間違ったもの、現実にそぐわないものもある。「すべてを完璧にこなそうとすると精神的にも疲弊します。ある程度の“仕分け”をしてもいいかもしれません」そう語るのは、東北大学災害科学国際研究所の医師・児玉栄一さん。では、感染者がある程度、抑制できている現在の日本において、年末年始はどこまで対策すべきなのか。専門家に聞いたーー。■続けるべき対策3密回避、マスク着用、手洗い、ワクチン接種は基本中の基本。「ナビタスクリニック」理事長で内科医の久住英二さんはこう語る。「マスクで50%、手洗いで50%、距離を保つことで25%ほど感染リスクを下げられるといわれます。オミクロン株対策のためにも、3回目のブースター接種はなるべく早くに受けておきましょう」マスクの種類も重要だ。「世界中で、効果的な素材が研究されていますが、どのデータでも一般の人にとって1位となるのは不織布です。しかし、いくら不織布でも鼻を出した状態では無意味。正しく装着しましょう」(児玉さん)■できれば続けるべき対策カラオケの自粛は、もう少し続けたほうがいいかもしれない。「歌う行為で飛沫が飛びます。コーラスで感染が広がったケースもありました。どうしてもカラオケをする場合は、いつも一緒にいるメンバーや家族など限られた人で、広めの部屋を選びましょう」(久住さん)コロナウイルスは便にも混じっているため、トイレを流す際、便座のフタを閉めることが呼びかけられていたが。「ノロウイルスなど、コロナ以外の対策にもなるので、今後も続けていい習慣ですね」(久住さん)■感染者が増えなければ、やめていい対策新規感染者が全国で300人以下に抑えられている現在の感染状況が続けば、’21年末に自粛していた行為をある程度、解禁しても構わない。米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さんはこう語る。「自粛していた忘年会や新年会は、感染状況が落ち着いていれば行ってもいいでしょう。マスク会食は難しい部分もありますが、料理は小分けしてもらう、密にならないようにし、定期的な換気をしてくれる店を選ぶなど、対策を忘れずに」屋外のスポーツ観戦、話さないクラシックコンサートや映画鑑賞なども、基本的な感染対策をすれば、自粛しなくてもよさそう。「初詣でも問題ないでしょう。鈴を鳴らしても、そのあと手洗いすれば安心です。混雑を避けるため、元日にこだわらないほうがいいでしょう」(久住さん)帰省を計画している人は?「新幹線の移動中、到着先でお酒を飲んで騒がない、風邪症状があれば中止しましょう。帰省前に抗原検査をする人もいますが、無症状の場合は約50%も見逃されるので、過信は禁物」(児玉さん)また、うがいによる感染対策も。「口腔内の洗浄には役立ちますが、水が行き届かない喉や鼻の奥で感染しているので、あまり効果は期待できません」(児玉さん)■やめていい対策家庭内マスクは家族に感染者がいなければ、「現実的には無理がある」というのが、専門家の一致した考え。家庭内の感染対策では加湿器の水に次亜塩素酸を混ぜる“空間除菌”を実践した人もいるはず。「濃度が高いと肺へのダメージになるのでやめるべき」(久住さん)「飛沫が発せられて、人の体内に飛び込むまでの一瞬で無害化するのは無理です」(峰さん)マスクにフェースシールドをつけている慎重派の人もいるが。「患者さんに近距離で接する医師や、介護士でなければ、マスクだけで十分です」(児玉さん)最後に久住さんがこうアドバイスする。「年末、仕事や忘年会が立て込み、疲労が原因で正月に風邪をひいてしまう人もいます。睡眠時間をとる、暴飲暴食をしないなどの体調管理も、感染対策です」オミクロン株を含むウイルスの動向に注目しつつ、ストレスをためないシンプルで正しい感染対策で、年末年始を乗り切ろう。
2021年12月29日国内でも感染者が確認されはじめている、新たな変異株。その強い感染力と、既存の変異株では見られなかった広がり方から、「これまでの常識が通用しない」と、医師は警戒を呼び掛けるーー。「オミクロン株は、アフリカ、ヨーロッパを中心に70カ国以上に広がっており、日本国内でも徐々に感染者が見つかっています。オランダでは、11月中旬に採取された検体からオミクロン株が発見されたという報告も。日本でもすでに市中に入り込んでいると考えるのが妥当でしょう」こう警鐘を鳴らすのは、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんだ。オミクロン株は、11月末にWHO(世界保健機関)がVOC(懸念される変異株)に分類した変異株。最初に発見された南アフリカでの1日あたりの新規感染者は2万人に達し、11月下旬と比較すると約6倍以上に増加している。「このまま世界的に感染が拡大していくのか、慎重に経緯を見なければなりません。これまでのコロナウイルスの傾向からすると、イギリスやインドで発見されたアルファ株、デルタ株は主に北半球で流行し、ラムダ株、ベータ株、ガンマ株など南半球で流行した変異株は、北半球で広がりを見せることはありませんでした」(上さん・以下同)つまり、南半球で発見されたオミクロン株は、北半球では流行しないと思いたいところだがーー。「心配なのはアメリカの状況です。アメリカでは、ゲノム解析した新型コロナ患者全体の14%がすでにオミクロン株で、隣国のカナダでも10%と急増しているという報告があります。変異株に対するこれまでの常識は通じないでしょう」すでにデルタ株以上の感染力が確実視されているが、重症度リスクはどうか。南アフリカでは、オミクロン株の拡大以降も、入院患者や死亡者数に大きな変化はないという。「そのため、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ氏は『より正確な解析をするために数週間以上かかる』としながらも、現段階で『デルタ株よりも軽いことはほぼ確実』と述べました」感染力が強くなるものの、弱毒化するのであれば、新型コロナが「普通の風邪」になる1つのステップという見方もあるがーー。「まだオミクロン株の解明が進んでいないなか、けっして安心することはできません。とにかく、今年の冬の流行期を乗り切ることが肝心です。高齢者や基礎疾患のある人たちは、2回目のワクチン接種から約半年がたち、効果が下がっています。私自身、2回目接種から150日後に受けた検査では、抗体がほぼなくなっている状態でした」そのために求められるのが、迅速な“ブースター接種(3回目の接種)”だ。しかし、既存のワクチンでオミクロン株に対する効果は期待できるのだろうか。ワクチンがウイルスを攻撃するための標的となる、“スパイクタンパク質”と呼ばれる部分の変異が、オミクロン株では30カ所以上にものぼる。そのため「ワクチン効果は下がる」と考える専門家は多い。モデルナ社のCEOも「現行のワクチンではオミクロン株への効果は下がる」と言及している。南アフリカの国立感染研究所は、従来型に感染し、免疫を獲得している人が“再感染”するリスクが、デルタ株などに比べ3倍も増していると発表している。■3回目接種で、抗体値を高めるさらにヨーロッパでは、2回のワクチン接種を済ませている人がコロナに感染する“ブレークスルー感染”の頻度が高まるというデータが出ているのだ。「たしかに、ワクチンはウイルスが変異するたびにその効果が下がるものです。しかし、それは感染予防効果であって、重症化予防に関しては、従来型もデルタ株でも大きな差はなかったため、オミクロン株に対しても期待できます」12月9日、ファイザー社は、「オミクロン株へのワクチン効果は、ブースター接種によって25倍になる」と発表している。「現段階において私たちにできることは、可能な人からブースター接種をして、抗体価を高めること。同じm-RNAワクチンであるファイザー社とモデルナ社のワクチンの『交差接種』も、今後は増えていく見込みです。副反応に関しては、現状で2回目接種のときよりひどくなる確率は低いとされています。ブースター接種は、オミクロン株だけでなくデルタ株対策にもなる。イスラエルでは、ブースター接種によって重症化率が20分の1、感染率が10分の1に抑えられると報告されているのです」ワクチン接種に加え、検査体制にも早急に是正すべき点があると上さんはいう。「デルタ株が猛威を振るった首都圏や大阪など、オミクロン株の広がりが想定される地域においては、無症状の人であっても無料のPCR検査を積極的に行って、いち早く感染者を割り出し、感染拡大を食い止めることが必須です」■次のピークは来年の1月下旬〜2月初旬か空港で実施されている抗原検査を用いた検疫体制も、PCR検査に比べ精度が低いと指摘する。「CDC(米疾病予防管理センター)の調査では、PCR検査で発見された“陽性者”のうち、抗原検査では“症状のある陽性者”で8割、“症状のない陽性者”では4割しか割り出せなかったといいます」医療の受入れ体制に関しても、今夏のデルタ株流行の際、コロナ病床として補助金を受け取りながら、患者を受け入れない“幽霊病床”があったことも問題視されたため、不安が残るところだ。「非難の的になった国立病院や、尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構も、これまで以上の数の患者を受け入れざるをえないでしょう。重症者を受け入れ、高度医療ができる病院同士の連携が求められます」現役世代がブースター接種を受けるのは年明け以降になる。この冬は、これまでどおりに密を避け、マスク着用、手洗いなどの徹底した感染対策を続けることが求められる。「昨冬は、1月10〜11日あたりにコロナのピークがきました。オミクロン株の感染力が予想されているレベルであれば、流行期間は長くなり、ピークがやってくるのは1月下旬から2月初旬あたりになるでしょう」“第6波”を大規模なものにさせないためにも、けっして気を緩めてはならないのだ。
2021年12月17日乾燥する季節になり、今年も手荒れが悩ましい季節。その手荒れが、これからも気を付けなくてはいけない感染対策の効果を下げる可能性があるということが最近の検証でわかってきました。手荒れと感染対策にどのような関係があるのでしょうか。また、手荒れはどのようにケアするのが最も効果的なのでしょうか。 野村皮膚科医院院長の野村有子先生に聞きました。「手荒れ=細かな傷」があると洗っても洗い残しが!野村先生によれば、手荒れは手にできる“ 細かな傷 ”だと言います。そして、この傷があると、しっかり手を洗っても汚れが落ちにくいということが、ユースキン製薬が野村先生監修のもとでおこなったモニター試験「手荒れの傷と洗い残しの相関性」でわかりました。モニター試験は、2021年2月、手荒れに悩んでいる方を対象に、手洗い後の汚れの洗い残しについて検証されました。試験方法は、汚れに見立てた蛍光塗料入りの専用ローションを手全体に塗布し、その後、念入りな手洗いを実施。その後にブラックライトを照射し汚れの洗い残し部分を確認する方法です。確認のタイミングは、試験開始前(0日目)と7日間のハンドケア実施後(7日目)の2回。ハンドケアの方法は、指定医薬部外品のビタミン系クリームを使用しました。ここでは 40代で手荒れ中程度(ひび、あかぎれがある状態)の方に注目して紹介します。 指先と爪周りを中心にケアするピンポイントケアに加え、就寝前にハンドマッサージを実施し、就寝時は布手袋を装着しました。ケア前と7日後の結果を比べてみると、7日後は手の傷が改善され、洗い残しもほとんどないことがわかります。 このモニター試験で、手洗いで洗い残した汚れが指の傷に入り込むような形で存在するということが確認されました。丁寧に洗っても、ひびやあかぎれの傷には、汚れが残ってしまう可能性があります。「ちょっとした手荒れでも、手荒れは細かな傷です。実験結果から、手指を衛生的に保つには、手荒れの傷を作らないようにハンドケアをおこなうことがとても重要です」(野村先生)。感染対策は手洗い、消毒、ハンドケアがワンセットひびやあかぎれの傷に洗い残しがあると、どんな影響が考えられるのでしょうか。「手指の傷口についた汚れの中には、菌やウイルスがいるかもしれません。ご存じのことと思いますが、菌やウイルスは指の傷に比べて遙かに小さな存在です。例えば、新型コロナウイルスの大きさは約0.1μm(0.0001mm)とされており、指の傷が1mmであったら、傷に比べて約1万分の1の大きさになります。大きさを比べただけでも、指の傷に付いた汚れが感染のリスクになることは容易にわかります。手に細菌やウイルスが付いていると、その手で顔を触ることによって感染する可能性があります。口、鼻、目などの粘膜は、ウイルスや細菌が侵入する入口です。目がかゆくなったり、顔にかかった髪を直したり、手で顔を触る機会は多いものです。マスクを着用していても、安心はできません。目をこすったり、マスクを外して口を触ってしまうなど、手に付いた細菌やウイルスを体の中へ入れてしまう可能性は十分に考えられます 」(野村先生)。「手洗いやアルコール消毒が日常化するなか、ハンドケアも日常の感染対策として取り入れることの重要性がこのモニター試験で明らかにされました。効果的なハンドケアをおこない、手荒れを改善し、手指を衛生的に保てるようにしましょう」と野村先生は話します。効果的なハンドクリーム選び&ケアそれでは実際にハンドケアをおこなうとき、どんなことに気を付けると良いのでしょうか。まず、ハンドクリームの選び方について野村先生に聞きました。「ハンドクリームにはさまざまな種類がありますが、症状に合わせて選ぶことが重要です。ひびやあかぎれなどの手荒れがあり、冷えを感じる方には、ビタミンE配合のハンドクリームがおすすめです。水分や油分を補給する保湿効果に優れ、血行を改善します」(野村先生)。ハンドクリームの効果的な使い方はあるのでしょうか。「大きく分けてポイントは3つあります。タイミング量ハンドマッサージまず、“タイミング”ですが、おすすめは就寝前のケアです。日中こまめにお手入れができなくても、寝ながら集中ケアができて翌朝しっとり感を実感できます。次に “量” は、両手につき人差し指第一関節分くらいが目安です。症状が気になる部分は重ね付けをします。就寝前には手袋を着用すれば、ベタつきが気にならず浸透も高まります。特に最初の3日は、使う量を意識することが大切です。最後に“ハンドマッサージ”ですが、血行を改善するビタミン系ハンドクリームを使用するとき、同時にマッサージをすることが有効です。マッサージをすることで塗りムラがなくなり、ハンドクリームの効果をより実感できます。末端の血流の改善や、冷えの予防にもつながります」(野村先生)。お休み前に、3分のハンドマッサージ。ハンドクリームをしっかり手になじませます。 まずは5日間続けて効果を実感してみましょう 。まとめいかがでしょうか。手荒れはただの肌荒れと思っていましたが、皮膚科から見ると細かい傷であるということに驚きました。今、もしあなたの手が傷だらけなら、なるべく早くケアしてあげてみてはいかがでしょうか。傷のないきれいな手なら、感染対策はもちろん気持ちのモチベーションも上がりますね♡監修/野村有子先生(野村皮膚科医院)医学博士。慶応義塾大学医学部卒。同大学医学部皮膚科助手を経て、神奈川県警友会けいゆう病院皮膚科勤務。日本皮膚科学会会員。神奈川県皮膚科医会幹事。1998年より横浜市に野村皮膚科医院を開業。アレルギー対応モデルルームの設置や最新の肌診断機械の導入などが評判になる。わかりやすい丁寧な指導が評判の関東屈指の人気皮膚科医。アトピー性皮膚炎や乾燥性湿疹を中心に、男女を問わず幅広い年代の皮膚疾患の診断、治療をおこなっている。取材協力/ユースキン製薬★関連記事:「ただの肩凝りで!?」眠れないほどの肩の激痛と頭痛が改善するまで【体験談】★関連記事:「やっぱり、がんかなぁ?」調べれば調べるほど「がん」が怖くなり… #43歳で腎がんになった話 4★関連記事:「何かの病気なの?」突然、喉が詰まったような違和感を覚えて診察を受けてみると…【体験談】著者/mido(49歳)ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重あごが悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。
2021年11月10日※2020年の秋頃のお話です。時期や地域、ウイルスの種類によって対応が異なる場合があり、すべてのケースに当てはまるものではありません。感染した際は各自治体のルールに基づいて行動してください。■前回のあらすじ知らないママさんたちが、うちの幼稚園の話をしているところに遭遇。陰性でも周りの厳しい反応に驚き…。■あなたたちは感染の可能性はゼロなの?■悪いのはコロナなのに…悪いのは感染症なのに…、なぜ園が差別に遭わなければならないのか。腹が立つと同時に、悲しみや虚しさも込み上げ、ブラックツマ子になっていました。まぁでも感じ方は人それぞれ。その感情を否定する気はありません。ただ「聞きたくなかったな」と思いました。次回に続く「幼稚園でコロナ陽性者が出た話」(全16話)は17時更新!※本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。※この体験記の時期とは、ウイルスの種類や感染力も変化している可能性があります。最新のウイルスの情報や、感染予防対策をご確認ください。参考: 新型コロナウイルス感染症について/厚生労働省
2021年10月15日東京都の感染者数がピークを迎えていた8月中旬、筆者は新型コロナウイルス(以下、コロナ)への感染が判明。医者からは診察時に、「デルタ株に感染した可能性がある」と言われました。今回は、そんな東京都内に住む筆者の(20代後半女性・既婚)のリアルな体験談を通して、コロナ感染後に待ち受けていた症状や実態をお伝えします。最初に異変に気付いたキッカケとは8月13日(金)、お盆休み中だった筆者は朝起きると空咳がでるようになっていました。なんとなく喉がイガイガするような感覚があり、念のため体温を測ってみたものの、そのときは36.2℃と平熱だったため、「前日の夜、リビングでそのまま寝てしまったから夏風邪を引いたのかも……」くらいに思っていました。その日は夫と動画鑑賞をするなどして、家でゆったりとした時間を過ごしていたものの、夕方になるにつれて“喉のつかえ”を感じ、軽い胸やけのような症状も出るように。そして、夜になると全身に軽い倦怠感が感じられるようになったので、再度検温。すると、37.4℃まで熱が上がっていたため、買い置きしていた市販の風邪薬を服用し就寝。診察予約がなかなか取れない次の日、朝起きた時点で熱を測ってみると37.2℃と昨晩とほぼ変わっていなかったものの、全身の倦怠感と喉のつかえが増し、新たに吐き気や腹痛、鼻水、鼻づまりといった症状が続出。さらに、“ゴホゴホ”と本格的な咳が止まらない状態に。そこで初めて、「これはただの風邪ではなく、もしかしてコロナかもしれない」と思うようになりました。ただ、この時点では、ネットやニュースでコロナの症状として報道されていた“嗅覚”や“味覚”の異常はありませでした。その後、時間が経つにつれて症状が悪化。お昼ごろには体全体がズキズキと痛み、咳が止まらず、吐き気や喉のつかえもひどくなり、ベッドの上から動けない状態に。そんな筆者を見かねた夫が、8月14日(土)のお昼過ぎに東京都の発熱相談センターに電話。8月中旬頃は東京都のコロナ感染者数がピークに達し、連日5,000人以上の人がコロナ陽性になっていたものの、夫が電話した際には1回目ですんなりと繋がったとのこと。そこで、夫が筆者の症状を伝え、コロナ陽性かどうか検査ができる病院を3つほど紹介してもらいました。その後、夫が教えてもらった病院に電話で診察の予約を取ろうとしたものの、その時点で土曜日の13時過ぎだったこともあり、どの病院も診察時間が終了していました。また、病院に電話をかけても全く繋がらず……。そのため、夫は病院のホームページを調べ、唯一枠が空いていた病院にネットで予約。ただ、お盆休みの期間かつ土日だったため、最短で翌々日の8月16日(月)の午後に診察を受けることになりました。心当たりがあった「感染経路」とは…発症から2日目の時点で症状が悪化していたものの、3日目を迎えたころには38.0℃~38.9℃の間を行き来する状態に。そして、全身の痛みに加えて、止まらない咳により眠ることができず、ただ横になることしかできませんでした。また、2日目のときはかろうじて“おかゆ”などを食べることができていたものの、3日目には喉のつかえや吐き気、腹痛が悪化。唾液を飲み込むのでさえも億劫になっていました。そんな状態だったので、食べ物はおろか水分を取ることも難しい状態に。なお、3日目は発熱相談センターの担当者から「市販の風邪薬とカロナール(解熱剤)は飲んでも大丈夫」というアドバイスをもらい、家にあったカロナールと市販の風邪薬を飲みましたが、一向に熱は下がりませんでした。そうやって症状が重くなるにつれて、「これは本当にコロナかもしれない」「もしコロナだとしたら、どこで感染したのだろう」という不安や疑問が頭を駆け巡るようになり、横になりながらネットなどで平均的なコロナの潜伏期間などを調べていました。すると、国立感染研究所などのデータを見るに、潜伏期間は平均約5日間とのこと。そこで、約5日前の行動を思い返してみたものの、かろうじて心当たりがあったのは2つ。1つ目は、慢性蕁麻疹のため一か月に一度通院している内科併設の皮膚科。2つ目は、美容室でした。どちらも発症から6日前の8月7日(土)に訪れたところですが、それ以外では基本的にテレワークかつ夫以外との接触はなし。直近では地元のスーパーに夫と出かけることが数回あったくらいで、その他では外出もしていなかったため心当たりがありませんでした。もちろん、皮膚科も美容室も換気がされていて、マスクやアルコール消毒、検温といった感染対策も実施済み。ただ、同居している夫が感染していなことを考えると、単独で外出した上記2つの場所くらいしか感染経路として考えられるものがありませんでした。医者から告げられた「デルタ株感染者の傾向」発症から4日目、朝時点では38.4℃と高熱が続いており、3日目ほどではないもののキツイ状態が続いていました。その後、15時過ぎに夫が予約してくれた病院でようやく診察を受けることに。病院で受付をすましたのち、カーテンで仕切られたPCR検査を受ける人専用の待合室に通され、5~10分ほどしたのちに医者のいる診察室に入りました。そこで全身の倦怠感や痛み、咳、鼻水・鼻づまり、吐き気、腹痛、頭痛などの症状を伝えたところ、医者から「腹痛はあるけれど、下痢はしていないのか?」と聞かれました。筆者は吐き気や腹痛はあるものの、一回も下痢などはなかったためその旨を伝えたところ、「症状的にデルタ株っぽいですね」「デルタ株に感染した人の傾向として、下痢がないのに腹痛や吐き気の症状を訴える人が多いんですよね」と言われ、PCR検査を受けることに。医者いわく「おそらく症状的にコロナ陽性と見て間違いなさそうなので、PCR検査を受けてください」「この場合は、PCR検査代は公費になります」とのこと。検査では、鼻の奥に綿棒のようなものを入れられて検体を採取されたほか、血液検査とレントゲン検査を実施。検査結果は後日連絡すると言われ、その日は解熱剤(ロキソプロフェン&カロナール)や咳止め薬などの症状を緩和する薬をもらい、診察代5,000円ほどを支払って帰宅しました。コロナ陽性が確定したものの、その検査結果に驚き…病院からは「検査結果は明日の午前中くらいに伝えられると思います」と言われ、検査結果が出るまでの過ごし方に関する注意書きが書かれた書類をもらいました。そこには、検査結果が判明するまでは基本的に外出してはいけないことや、陽性後のフローなどが記載されていました。そして、病院で検査を受けた3時間後の18時に病院から電話があり、「検査の結果は陽性でした」「この後、遅くとも明日中には保健所から電話があるはずなので、今後の対応などの詳細は保健所に伺ってください」「検査の詳細な結果は、明日再度ご連絡します」と言われました。このとき、筆者は心の片隅で「本当はコロナではないのではないか」という希望を抱いていたので、「陽性」と言われた瞬間にかなりショックを受けたことを覚えています。ちなみに、検査結果の詳細を後日病院より聞きましたが、「コロナ陽性かどうかは分かるが、変異株に感染しているかどうかは検査結果ではわからない」とのことでした。おわりに正直、「まさか自分がコロナ陽性者になるなんて……」と思っていただけに、コロナに感染したときはショックよりも驚きの気持ちの方が強かった筆者。また、「コロナ感染後はどんな風に対応するのだろう」「コロナかもしれないときに、市販の薬を飲んでもいいのだろうか」「コロナの初期症状は風邪の症状と似ているというものの、具体的にどんな症状なのか」など、感染してみないとわからないことがたくさんありました。なお、現段階ではワクチン接種も普及してきているとはいえ、まだまだコロナに感染するリスクはゼロとは言い切れません。だからこそ、今回の筆者のリアルな体験談をお伝えすることが、少しでも読者のみなさんの不安の解消や備えなどをする際の手助けとなれば幸いです。©Teeramet Thanomkiat / EyeEm/gettyimages©Oscar Wong/gettyimages文・とみー
2021年09月25日このたび、日本アビオニクス株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:竹内 正人)は、観光庁の宿泊事業者による感染防止対策等への支援事業*1に伴い、感染拡大防止対策製品として、主力の体表温度測定用サーモグラフィに空気清浄機などをラインアップに加え、さらに、補助金の活用・申請のご相談に関するサポートサービスを組み合わせて、宿泊事業者様向けのソリューション提案を強化して参ります。また、当社が編集委員会に参加して発行された「発熱者スクリーニングサーモグラフィ運用ガイド」*2をご活用いただくことにより、スクリーニングサーモグラフィの正しいご利用にお役立ていただけます。今後、宿泊事業者様や観光事業者様におかれましては、国内外の観光客受け入れの為に、感染防止対策機材等の環境整備が見込まれますが、当社は、こうした事業の一助になることを目指して、安心で安全な社会への貢献を進めて参ります。【宿泊事業者様向け:サーモグラフィによる感染防止対策ソリューション】感染防止対策ソリューション【ホテル施設での使用例】体表温度測定用サーモグラフィ千葉県 ホテル・ザ・マンハッタン様【セミナーのお知らせ】当社と株式会社補助金ポータル、および株式会社DotHomesの3社共催セミナーで、宿泊事業者様向けに補助金・助成金を活用したサーモグラフィ導入に関して紹介します。下記のURLよりお申込み頂けます。 ● 事業再構築補助金を活用した高収益なグランピング事業の始め方と感染症対策セミナー● 日時:2021年10月7日(木) 14:00~15:30● 主催:株式会社補助金ポータル、株式会社DotHomes、日本アビオニクス株式会社● 概要:株式会社補助金ポータルは、株式会社DotHomes、日本アビオニクス株式会社と事業再構築補助金の活用方法や高収益が期待できるグランピング事業のビジネスモデル、withコロナで準備しておきたいサーモグラフィなどを活用した感染症対策、補助金の案内や補助金を活用しての導入方法を解説する無料オンラインセミナーを開催します。Zoomでお気軽にご視聴いただけますので、ぜひご参加ください。*1 宿泊事業者による感染防止対策等への支援事業:観光庁のホームページより引用 *2 「発熱者スクリーニングサーモグラフィ運用ガイド」:一般社団法人日本赤外線サーモグラフィ協会 発行 *本稿に記載されるサーモグラフィは、体温計等の医療機器ではありません。*本製品(サーモグラフィ)で測定されるのは、顔の体表温度であり、実際に体温を計測する装置ではありません。*本製品(サーモグラフィ)の利用により取得される、特定の個人を識別できる情報は“個人情報”に該当します。個人情報は、個人情報保護法その他の関連法令・ガイドラインに従ってご利用ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月22日2回ワクチンを接種したにもかかわらず、新型コロナに感染するブレイクスルー感染。「2回接種して、油断もなかったのに……なぜ」に、専門医が解説ーー!「9月7日に、福井県で報告された病院クラスターでは、感染者10人のうち、7人がワクチン接種を完了していました。札幌の老人ホームでも、入居者25人中24人がワクチン接種を2回済ませていたにもかかわらず、入居者6人の感染が判明したばかりです」(医療ジャーナリスト)新型コロナワクチンを2回接種してから、約2週間で十分な免疫を得られる。だが、それでもコロナに感染する、いわゆる「ブレイクスルー感染」をする人が急増しているという。いったいどんな人が感染するのか、重症化しやすいのか。専門家に聞いた。【Q1】ワクチンの種類、接種時期との関係は?「米国メイヨークリニックがミネソタ州で、デルタ変異ウイルス流行中に行った調査によると、ワクチンの発症予防効果はモデルナ製が86%、ファイザー製は76%あります。別の研究ですが、アストラゼネカ製は67%と少し落ちています。ただ、あくまで発症予防効果であって、重症感染予防効果は高く、3つのワクチンに大きな違いはないと思われます」(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)時間がたつとともにワクチンで得た抗体は減ってしまう。「抗体が減るまでには個人差があるものの、2回接種して半年から8カ月後くらいが目安。そのころからブレイクスルー感染は多くなると考えられています。そのため、検討されているのが3回目接種です。イスラエルでは3回目の接種がすでに始まって2〜3割の人が終わっていますが、86%の感染予防効果があるといわれています」(埼玉医科大学の松井政則さん)ワクチンには感染予防・発症予防・重症感染予防の3つの役割があるというが、抗体が減っても、重症感染予防に関しては一定期間、持続するという。「重症感染予防に重点を置くなら、一般の人への3回目の接種は今は時期尚早です」(峰さん)ちなみに、北海道で医療機関に出入りする80代男性が“免疫が上がるから”と、4月から7月にわたって計4回も不正にワクチン接種したことが報じられたが。「抗体がたくさんあるときにブーストしても、意味はありません」(松井さん)【Q2】新たな変異株でリスクは高くなる?従来株に比べて、変異株にはワクチンが効きにくい。ただし、重症化を防ぐ効果は、現在存在している変異株に対しても期待できるという。しかし、さらに変異を繰り返した場合は危険だ。「デルタ、ラムダ、ミューからさらに進んで、シグマ、オメガまで出現すれば、既存のワクチンでは対応できなくなるでしょう。その場合は、現在のワクチンからマイナーチェンジした新しいワクチンが必要になります。mRNAワクチンは比較的スピーディーに開発でき、かつ大量生産できる特徴があるので、対応は可能でしょう」(ナビタスクリニック理事長・久住英二さん)【Q3】いつまで気を付ければいいの?ワクチンを打っても、ブレイクスルー感染のリスクはある。結局、いつになれば、昔のような生活に戻れるのだろう。「ワクチン接種が進むイスラエルでも感染者が増加傾向にありましたので、当面はワクチン接種を終えていてもマスク、密を避けるなどの感染対策は必要です」(峰さん)コロナとは気長に戦っていくしかない。「ブレイクスルー感染しても、重症化するケースは少ないように、ワクチンの効果はあるので、接種率を高めることは重要です。一方、接種率70%で集団免疫が得られると考えられていましたが、90%以上必要との見方もあります。ワクチン頼みではなく、現在、開発が進んでいる複数の治療薬が待たれるところです。ワクチン・治療薬の両輪が動きだせば、新型コロナが“ただの風邪”になる日も近いと思います」(松井さん)まだしばらくは、マスクが手放せない日々が続きそうだ。
2021年09月16日