たくさんの困り事スバルは3歳で自閉スペクトラム症と診断されました。スバルは小さなことから大きなことまでたくさんの困り事を抱えていました。なかには成長や経験によって解決することもありました。しかし困り事は次から次へと現れ、なくなることはありませんでした。何度も「『コレ』ができるようになれば世の中で言うところの『普通』に追いつけるのに……」と思っていました。その考えは経験と共にゆっくりと溶けていき「スバルはスバル」と思えるようになるのですが、小さな頃は「追いつかなければ」という焦りが常にあった気がします。悩んだ末、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ幼稚園年長時のスバルの進路をどうするかという時期に、さんざん悩み、納得がいくまで何度も見学し、わが家はスバルの就学先として特別支援学級の自閉症・情緒障害学級を選びました。そして就学相談を経て無事に特別支援学級の自閉症・情緒障害学級への就学が決まりました。この頃のスバルは幼稚園の中で集団への指示が通らなかったり、指先や運動面で先生の補助が必要なほど不器用だったり、ちょっとずれたコミュニケーションを取ってしまったりという困り事を抱えていました。家や公園など少人数で過ごす時と比べて、集団の中に入ると爆発的に困り事が増えるスバルをずっと見てきたので、少人数で過ごせる特別支援学級はスバルに合っていると思いました。ただ自分自身が経験したことがない「特別支援学級」に少なからず不安はありました。その不安を解消するために何度も見学を重ねたのですが、実際に入学して、学校での様子を見ないことには完全に安心することはできませんでした。入学式前日、特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)に入る新1年生のみ体育館へ集合入学式の前日の夕方、特別支援学級に入る新1年生は体育館に集合しました。翌日の入学式のために会場の準備が終わった体育館で、担任の先生から「明日ここで入学式をするんだよ」と説明がありました。「あそこの入り口から入ってきてこの椅子に……」と説明は続きましたが、スバルと新しいクラスメイト達はソワソワして集中していませんでした。我慢できなくなった1人がその場を離れたのを皮切りに、蜘蛛の子を散らすように数人がその場からいなくなりました。彼らが体育館の中で散り散りに何をしていたかというと、会場のチェックです。スバルも今がチャンスとばかりにその場でゆっくりと回転しながら、会場の全体の風景を360度目に焼きつけていました。新しいクラスメイトたちは、体育館の椅子を重点的にチェックする派、ステージのカーテンの裏をチェックする派、体育館をぐるりと一周する派、そしてそんな新しいクラスメイトの動きを観察する派がいるようでした。先生は焦ることなく「こっちにピアノもあるよ」なんて案内をしてくれました。しばらくして先生が声をかけると1人、また1人と戻ってきて説明が再開されました。先ほどの様子とは打って変わって、集中して説明を聞いていました。もしこれが幼稚園の頃で、スバルが私の目の前で会場のチェックを始めたら慌てて止めていたと思います。「みんな座って先生の話を聞いているのに、何で1人回転してんの!」と……。スバルの回転のその先に、安心と集中があるのだとしても、私は1人だけ違う行動をするスバルを止めない訳にはいかない小心者なのです。ずっとそうしてきたのです。新しいクラスメイトの保護者たちはわが子が会場チェックを始めた時、一瞬焦り止めようとしましたが、先生も一緒に会場チェックをし始めたので「おたくも?」「あらおたくも?」と顔を見合わせ、そのまま見守る流れになりました。ほかの保護者が止めていないので、私もスバルを止めることはしませんでした。小心者なので。Upload By 星あかりその後は教室に移動し、自分の教室と自分の席をチェックしました。今度は先生が「先に教室を見て良いよ」と言ったので、それはそれは、くまなくチェックしていました。そして自分の席に着き、先生の話を真剣に聞きました。翌日の入学式で「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」どうしたら良いかの説明がありました。「じっとしていましょう」「座っていましょう」「静かにしてましょう」ではない説明に驚くと共に、心が軽くなりました。先の見通しが立たないと不安になるスバルは、会場のチェックやもしものときの対応法を聞くことで安心を得たと思います。はたから見れば少し変わっている「スバルが安心できる行動」が許される環境に、私は安心しました。小学校の入学式当日そして迎えた入学式当日。スバルも新しいクラスメイトたちも拍子抜けするほど落ち着いて過ごし、無事に入学式は終わりました。入学式の後、保護者は体育館に残り、新1年生は体育館から教室に移動しました。通常学級と特別支援学級は校舎が違うので、それぞれの校舎へとつながる別の扉から退場していきました。Upload By 星あかり大多数の子とは別の扉から、ホッとした表情で退場するスバルの後ろ姿を見ながら「追いつくとか追いつかないとかではなく、そもそも別の道を歩いていたんだな」と妙に納得しました。それは悲観やあきらめではなく、これから始まる新生活への期待と安心でした。面白そうなクラスメイトと理解ある先生と一緒に、私たちが選択した安心できる環境でスバルはスバルの道を歩いていくんだな……と、感じた入学式でした。執筆/星あかり(監修:初川先生より)特別支援学級(自閉症・情緒障害学級)へ入学するスバルくんの、入学式準備・本番のエピソードをありがとうございます。新しい環境だと落ち着かない、不安で(体育館などに)入ることすらできないといったお子さんには、事前に会場や使用するトイレ、靴箱を見せていただいたり、段取りを説明していただいたりすることがよくあります(通常学級に入学する場合も学校によっては対応してくださいますので、お問合せしてみてください)。スバルくんのクラスでは、皆さんまとまって下見・事前説明が行われたのですね。クラスメイトとも顔を合わせる良き機会になったことと思います。新しい場所について、ひとしきり気になるものをチェックすることで、場自体や気になるものが何であるかを探索的に理解することができるので、安心でき、一度その探索を終えていれば本番の式では探索する必要もないので落ち着いて過ごすことができたのでしょう。保護者の方からすると、そうした前日の指導をする先生方の様子を見ることもでき、安心してお任せできそうだと感じられたことと思います。「途中で退出したくなったとき」「式の流れが分からなくなったとき」「じっとしていられなくなったとき」の説明もされたとのこと、何よりです。“礼儀正しくおとなしくしていなければならない”では、不安と緊張でいっぱいの新入生にはとてもつらいですね。そうした困ったときにどう先生にサインを出すか、どうすればいいかの説明があるのはさすがだなと感じました。小学校の入学式は一生に一度のものですし、それまでの園生活よりも児童や保護者、先生方がたくさん集う機会かもしれません。お子さんらもそうした晴れやかな場にわくわくすることもあるでしょうし、保護者の方にとってはいよいよ小学校入学ということで感慨もひとしおかもしれませんね。多少のトラブルがあっても、あとから振り返ればほほえましい思い出になるかもしれませんが、きっとその瞬間はひやひやハラハラされることでしょう。式自体はこのように予習・下見したり説明を受けたりすることで、少し心に余裕をもって臨めるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年04月05日新しい地図と日本財団が共同で運営する「LOVE POCKET FUND」(愛のポケット基金)の「令和6年能登半島地震支援プロジェクト」に関して、新たな支援先およびプロジェクト期間の延長が決定した。今年1月1日、石川県能登地方で発生した令和6年能登半島地震は、強力な揺れとその後の余震により、広範囲にわたる被害をもたらした。家屋の倒壊や道路の損傷、ライフラインの途絶など、被災地域の住民の方々の生活基盤に重大な影響が出た。これを受け、LOVE POCKET FUNDではまず被災者の衛生環境を改善し、感染症などによる二次的な被害を抑えるため、WOTA社の循環式手洗機「WOSH」の配備を実施した。手洗機配備の支援のように、災害直後は命を救う緊急支援が優先されたが、時間の経過と共に、避難所や仮設住宅での新たな生活に直面している被災者への心のケアや生活の質の向上を目指した継続的な支援の重要性が高まっている。これを受け、LOVE POCKET FUNDでは、被災した地域の復興支援の第2弾として3団体3事業へ合計287万5000円の支援を決定し、また2024年3月31日に終了予定だったプロジェクト期間を2024年9月30日まで延長することとした。これによって寄付金の受け入れ期間も同日まで延長される。新たな第2弾の支援においては、被災地域の復旧・復興に向けて、特に影響の大きかった奥能登地域を中心に、避難所生活を送る人々や医療的ケアが必要な障害児者の人々を含む、よりサポートを必要とする層への手厚い支援を目的とした専門組織への資金提供を実施し、地域に寄り添った支援を行っていく。今回支援先に決定した3団体と選定理由は以下の通り。◆(一社)日本災害看護学会:本基金の目的の一つである「生きにくさを抱える方々への支援」として、避難所生活を送る方々の生活環境の改善を図る事業であるため。◆(一社)医療的ケア児等コーディネーター支援協会:本基金の目的の一つである「子どもの支援」として、医療的ケアを必要とする障害児者の皆さんを対象としているため。◆北陸学院大学よりそいの花プロジェクト:本基金の目的の一つである「生きにくさを抱える方々への支援」として、避難所生活を送る方々を元気づける様々なサポートを行う事業であるため。【編集部MEMO】「LOVE POCKET FUND」は、「“あなたのため”が“自分のため”になる」の言葉を胸に、「誰かにやさしくすることで自分も幸せになれる」をコンセプトに2020年4月27日、新しい地図と日本財団により開始された。新型コロナウイルスの感染拡大の中、コロナ対策に取り組むことを決意、第1弾プロジェクトとして「新型コロナプロジェクト」が開始し、2022年3月31日をもって、同プロジェクトについての寄付受付のみ終了。その後も寄付の受付を継続し、ウクライナ避難民支援、各災害被災地への支援などを行うなど寄付を実施している。
2024年03月13日「学校が学級閉鎖に!」学校がお休みになると、子どもたちは様々な反応を見せますよね。そこで今回は、学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったエピソードをご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、ご参考にして頂ければ幸いです。45歳会社員、Iさんの場合インフルエンザで次男、三男のクラスが学級閉鎖になりました。学級閉鎖ですが、オンラインでも体調確認や今日の課題の確認があり、授業は今まで通り行われていました。学校から制服で参加するようにとの指示があったのですが……。次男が上半身のみ制服を着て、下半身はパジャマのズボンのままで参加していたので笑ってしまいました。パパのリモート会議中の姿を真似たのかもしれません。(45歳/会社員)51歳主婦、Sさんの場合新学期が始まった頃に長女がインフルエンザにかかり、5日間ほど学校を休むことになりました。停止期間が開けてようやく行けると思い、久々の登校にちょっとドキドキしていましたが、わずか20分足らずで帰宅。運悪く、学級閉鎖になってしまったそうです。そして、3日間の学級閉鎖のあと、今度は学年閉鎖になり、さらに3日間の停止期間なりました。結局、長女には冬休みが訪れたという感じに。「勉強が遅れる」とか優等生的な言い方をしていましたが、顔は思い切り笑顔だったので笑ってしまいました。(51歳/主婦)思わぬところで子どもは親の背中を見て育つということが、思わぬところで垣間見えることも……。少しづつ成長していることが感じられるようですね。みなさんは学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったことはありますか?※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年02月19日「学校が学級閉鎖に!」いつもと違った状況に、元気な方の子どもたちの気持ちはそわそわしがちですよね。そこで今回は、学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったエピソードをご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、ご参考にして頂ければ幸いです。38歳、Sさんの場合学級閉鎖中、オンライン学級会が行われるため、自宅で準備をする娘。するとパソコン画面に映る背景に、部屋に置いてあった夫のお酒が移りこんでいたらしく、娘が絶叫していました。私は気にしすぎだと思いましたが、それ以降万が一にも背景に変なものが映りこまないようにと必死に片づけしている娘の姿に笑えました。娘は学校では真面目系キャラらしく、子どもにもさまざまな顔があるんだなと思いました。(38歳/主婦)36歳、Eさんの場合子どもが年少の頃、インフルエンザで学級閉鎖になりました。一人で静かに遊んでくれていたので、私は昼ごはんの準備をしていました。子どもの様子を見にいくと、本棚から自分の絵本や、夫の漫画などを全部取り出し、綺麗に床一面に並べていました。びっくりしましたが、あまりに綺麗に並べられていたので、写真を撮り……。しばらく片付けたくないとのことで、夜ご飯までそのまま過ごしました。発想の転換や考えの柔軟性がすごいと感じました。今後も柔軟な考え方は持ってほしいです。(36歳/主婦)子どもの意外な一面学級閉鎖中に思わぬところで子どもの成長が垣間見えることも……。普段は学校にいるからこそ大人たちが気づかない成長があるのかもしれませんね。みなさんは学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったことはありますか?※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年02月17日「学校が学級閉鎖に!」いつもと違った状況に、元気な方の子どもたちの気持ちはそわそわしがちですよね。そこで今回は、学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったエピソードをご紹介します。※当事者の声はさまざまです。あくまで一例として、ご参考にして頂ければ幸いです。42歳主婦、Oさんの場合学級閉鎖中でも、子どもたちが出歩いたりしないようにオンラインでも学校の授業が受けられるように。でも、普段慣れないオンライン。いつもと違ったクラスの出席の取り方だったり、雑談があったりなどで、わが子含めクラスの子たちが、やりとりをものすごく楽しんでいました。いつも会っている同じクラスの子たちなのに、オンラインでのやりとりが新鮮だったようです。(42歳/主婦)38歳ライター、Gさんの場合私が友達とのランチで家にいられない日に、3年生の娘が学級閉鎖に。仕事ならまだしも友達との約束で1人留守番をさせるのが申し訳ないと思いながらも「留守番できる?」と聞いたら「できるよ!」と余裕で返事をされて、思わず笑ってしまいました。前なら寂しいと言っていたのに、いつの間にか一丁前になったなと思いました。(38歳/ライター)思わぬところで閉鎖中に思わぬところで子どもの成長が垣間見えることも……。普段は学校にいるからこそ大人たちが気づかない成長があるのかもしれませんね。みなさんは学級閉鎖中の子どもの様子に思わず笑ってしまったことはありますか?※この記事は実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2024年02月07日小学校は通常学級と特別支援学級どちらが良い?特別支援教育を受けるメリットやデメリットは?Q:4歳(年中)の子どもがおり、未診断ですが境界知能で現在療育に通っています。小学校は通常学級と特別支援学級どちらが良いのか迷っています。特別支援教育を受けるメリットやデメリットを教えてください。A:来年度まで情報を集めながら、体験入級などを活用して判断するとよいと思います。通常学級か特別支援学級の二択ではなく、通常学級に在籍して通級指導教室(東京都や一部地域は特別支援教室)を利用する選択肢もあります。Upload By 発達障害のキホンもう一年の猶予があるので、現時点で判断するというよりは情報を集めて来年度本格的に体験入級などしていくことになると思います。通常学級か特別支援学級の二択ではなく、通常学級に籍を置きながら通級指導教室(東京都や一部地域は特別支援教室)を利用することも考えられます。通常学級でも子どもに合わせた合理的配慮を受けることが可能ですが、集団が基本となるので、一対一での指導機会を持つことは物理的に制限されます。特別支援学級の場合は、少人数で学習するので個別的な指導もしやすくなります。しかし、これは通常学級でも同じことが言えますが、少人数の中でも互いの個性や特性が合わないお子さんがいる場合、困難が生じる場合があります。通級指導教室はその中間的な存在ですが、入学時から通級が確約されないこともあります。学級選択は就学前の子どもの親御さんにとって大きな悩みですが、各地域ごとに就学決定のルールが異なっていますので、学校や教育委員会の相談窓口に直接問い合わせることや、体験入級などを活用していくこと、先輩の保護者から情報を得ることなどが大切だと思います。
2024年02月03日子育てをしている親は、さまざまな悩みを抱えています。中でも発達障害や発達特性がある子供を育てる親は、選択と決断の連続でしょう。子供に障がいなどがあり、一般の児童生徒が通う『通常学級(以下、通常級)』で授業を受けることが難しい場合は『特別支援学級(以下、支援級)』に通う選択肢もあります。支援級とは、小・中学校に設置された、障がいなどの困難を抱えた児童生徒を対象にした少人数の学級です。生活上や学習上の課題を克服することを目的とし、自立を促すために必要な教育を受けることができます。支援級に通う息子が放ったひと言子供に障がいがあったり、発達に課題があったりする場合、親は支援級を検討するといいます。現在、支援級に通う息子さんを育てる母親の、むぅ(@mu_san0211)さんも、支援級と通常級の狭間で葛藤していた1人。むぅさんがX(Twitter)に投稿した『心温まるエピソード』が反響を呼んでいます。ある日のこと、家で夕食を食べている時に、家族の1人が息子さんに「通常学級のほうに行きたいだろ?」と尋ねました。すると息子さんは、こんなひと言を発したのです。全然!支援級がいい。だってサイゼリアに行けるなんて最高じゃん。むぅさんは、即答する息子に思わず笑ってしまいました。以前、学校の授業の一環で、ファミリーレストランの『サイゼリヤ(以下、サイゼ)』に訪れていた、息子さん。※写真はイメージ支援級では、校外学習でレストランに行き、メニューの選び方やオーダーの仕方のほか、公共の場での食事のマナーなどを学ぶケースがあります。みんな羨ましいっていうよ。支援級行きたいっていうよ!俺、支援級でラッキーじゃない?目を輝かせながら「支援級でよかった」という息子さんを見て、むぅさんは、思わず胸が熱くなったそうです。息子さんが支援級で楽しく過ごせていると知り、安心するのと同時に嬉しく感じたのでしょう。投稿は拡散され、共感する声が多数寄せられていました。・サイゼに行ける支援級があるなんて!楽しい気持ちになれるし、いい社会経験にもなりますね。・子供が楽しめて、劣等感を抱かせない環境を作ってくれる先生が素晴らしい。・授業でサイゼに行くのってすごい楽しそう!・子供ってたまに、親の心配や不安を見事に吹き飛ばしてくれますよね。子育てをする親が1番に願うことは、子供の幸福でしょう。息子さんの素直な言葉は、当時葛藤し、悩んでいたむぅさんの心を救ったのかもしれませんね。[文・構成/grape編集部]
2024年01月30日お笑いコンビ・ココリコの遠藤章造の妻・まさみさんが25日に自身のアメブロを更新。長男・空楽(そら)くんの通う小学校が学級閉鎖になったことを明かした。この日、まさみさんは自身について「体調も戻ってきて声も少しだけ出せるようになってきた」と明かし「午前中は次男君 幼稚園最後の授業参観その後はママ友たちと卒園式の打ち合わせ」と説明。「午後は長男君の授業参観&保護者会」と述べ「たまたま日程が重なっちゃって パパも仕事だったから私が両方行かないと!!」と慌ただしい様子をつづった。続けて「幼稚園に向かおうとしたその時長男君の小学校から『インフルエンザで欠席が多数の為学級閉鎖になり午前中で帰宅になります』って連絡が」と空楽くんの通う小学校が学級閉鎖になったことを報告。「このタイミングで学級閉鎖」と困惑した様子でつづり「急だったので先生に事情を話して午後まで預かって頂くことに」と明かした。また「幼稚園に向かっていたらなぜか幼稚園から連絡あって」と述べ「次男君38℃の発熱お迎え要請」と次男・歌楽(うた)くんが発熱の症状に見舞われたことを報告。「あと15分で授業参観始まるとこだったのに発熱かーい」とツッコミを入れつつ「最後の授業参観も見れず卒園式の打合せも参加できなくなり悲しさMAXで帰宅」と残念そうにコメントした。さらに、その後の歌楽くんについて「36.8℃に解熱していて」と明かし「幼稚園居たかったーって騒いで元気MAX」と説明。「帰宅後万が一発熱した次男君がインフルだったら困るので子供たち部屋を離してみたんだけど」と述べつつ「私が声が少ししか出ないもんだから2人の場所を行ったり来たり 疲れすぎた」とつづった。最後に「なんとか次男君病院連れて行ったらインフルエンザ、コロナ、溶連菌 全部陰性」と検査結果を明かすも「子供たち2人そして、声が出ない私トリプルパンチ」「運が悪い日ってなんで重なるんだろ」とコメント。「もぅーなんて日だ!」と述べつつ「パパも無事に帰ってきて無事に私の手術週間終了!」とつづり、ブログを締めくくった。この投稿に読者からは「お疲れ様でした」「母強しですね」「休める時は少しでもゆっくりしてください」などのコメントが寄せられている。
2024年01月26日再判定の発達検査は受けなくて良いの!?Upload By カタバミまちゃが特別支援学級の小学2年生の秋、児童相談所から電話が来て「そろそろ療育手帳の更新の時期です。再判定のために来所して発達検査を受けますか?」と聞かれました。今の等級のまま、あまり変動のなさそうなお子さんには検査受診の希望を聞いているとのことでした。更新のためには必ず発達検査が必要だと思っていたので驚いたと私が伝えると「では検査は受けるんですね」と少し素っけなく言われました。(本音を言うと行かないほうが楽なんだけど……)と思いつつ、少し迷いながら再判定の検査を受けることにしました。そして検査が終わった直後、心理士さんからの話では「今回の判定で療育手帳の等級は重度になるかもしれない」と言われました。検査中のまちゃは、テーブルの上に置いてあった物を手で払って落として喜んでいたと伝えられました。正式な判定は会議の結果にて、私たちには数週間後に知らされるとのことでした。療育手帳2度目の更新、判定はUpload By カタバミ発達検査から数週間後、わが家に封書が届いて、等級が「重度」になったと知らされました。その時、私は少しショックを受けました。実はまちゃは1番初めの手帳判定の発達検査の時に、検査直後には「中度」と言われたのに数週間後に「会議の結果、軽度になりました」と電話が来たことがありました。今回も同じように、結果はくつがえって「中度のままになるのではないか」と期待していた自分に気がついたのです。そして、療育手帳の等級が重度になると受けられる支援が増えると聞いていたので、新しい手帳を受け取りに市役所に行った時に、新たに受けられる支援の手続きも一緒に全て行ってきました。聞いていた通り中度から重度になって受けられる支援は増えました。中でも、とても助かるのが雨の日の学校の送迎です。まちゃの通う小学校には車を停車できるスペースはあるのですが、そこは駐車は禁止エリアになっています。ですので、天気が悪い日に車で送っても、まちゃは車から降りて、その停車スペースから1人で昇降口まで行くことができません。今回、療育手帳の等級が重度になったことで、その停車スペースに駐車できるようになりました。これは、大変助かるなと思っています。<参考>駐車禁止等除外標章(身体障害者等用)の申請手続き及び使用方法について(警視庁サイトより)療育手帳が重度判定になり、周りの反応はUpload By カタバミ療育手帳の更新手続きを終えてすぐ、私の姉に電話をしました。「そっか。まちゃは重度になったんだね。でも、まちゃに毎日接している人から見ると、毎日ちゃんと成長してるんだからショックだよね」と姉。「でも客観的に見たらやっぱりできないことだらけなんだよね」と私。忙しいなかでも姉は可能な限りはよく私の電話に付き合ってくれます。「でもさ、望んでも支援に繋がれない人もいることを考えたら、母親のあんたとしては複雑だろうけど、そんなに悪いことだとは言い切れないかもしれないよ」と、姉。姉は、これまで私がまちゃの療育などを頑張ってきたことも知っています。それからしばらくして実家に行くと姉から報告を受けた父から「落ち込むなよ!」と何度も言われて、手づくりだというカチカチになった干柿をたくさん持たされました。母は5年前に他界していますが、私の実家はこれまで障害のある方とほぼ全く接しないで暮らしてきているので、分からないことだらけでみんな困っていると思います。目の前のまちゃだって自分が重度になったことなんて分かっていないと思われます。そして、父から「年末に高級なお節料理を注文したけれどお前にあげるから取りにきなさい」と言われました。甘える相手がいることは本当にありがたいと思っています。手厚い支援を得てUpload By カタバミショックを受けるなら電話だけで更新を済ませて、中度のままでいれば良かったのにと思います。私は重度になって手厚い支援もほしかったのですが、心の奥底では、きちんと再判定の検査を受けて、それで中度という結果で療育手帳を更新したかったんだなと思いました。われながら分かりにくくて面倒臭い気持ちだと思います。まちゃと暮らしていくことは確かに手がかかります。ですので、手厚い支援を受けながら、成長を促して、とても時間がかかったとしてもまちゃのできることを増やして、困ることは減らすようにやっていくしかないと思っています。執筆/カタバミ(監修:新美先生より)療育手帳の再判定に関してお話をお聞かせいただきありがとうございます。療育手帳は主に知的発達症(知的障害)の方に交付される障害者手帳です。自治体により交付基準や等級なども異なるのですが、知能指数(IQ)と日常生活の困難さの基準をもとに交付の有無や等級が判定されます。一度交付されても、年齢によって数年ごとに再判定が定められており、今回お伺いしたような再判定を数年ごとに受けることになります。判定の基準となる知能指数や日常生活の困難さは、年齢相応の平均水準が年齢ごとに上がっていくので、お子さん個人で見れば数年間の間にできることが増えて確実に成長を実感していても、相対的に判定が重いものになることはあるかもしれません。カタバミさんは、お子さんの療育手帳区分が中度から重度になり、受けられる支援サービスが増えるというメリットを知りながらも、心の奥ではショックで切ない気持ちを感じているということを聞かせて下さいました。そんな中で、実家のお姉さんやお父さんがさまざまに気づかいあたたかく見守ってくださっているのは頼もしい支えですね。療育手帳はあくまでも行政上のものですから、まちゃくんがマイペースに着実に日々の生活を重ねていくことの大切さに変わりはないと受け止めて、必要な福祉サービスを使っていけるといいですね。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月14日星河ばよさんの長男・タロくんが3歳だったころのこと。ばよさんは保育園の先生から「療育相談センターに行ってみますか?」と告げられます。保育園でのタロくんは、ほかの園児と同じ行動ができず、自分の興味のあることしかやらない、すぐに自分の世界に浸ってしまい、集中力が続かないというのです。それは暗に、タロくんが発達障害であることを示すような内容でした。戸惑いながらも療育センターで発達検査を受けると、「発達障害の特性をお持ちです」との結果に。その後、年長さんになったタロくんは、小学校入学を見据えた療育教室に通い始めます。そして、卒園を数カ月後に控えた夏。教育委員会との就学面談が行われ、特別支援学級の見学を提案されました。通常学級を望むばよさんの心は揺れ動きますが、その気持ちを諦めきれないまま、就学先を見極めるための就学相談会の日を迎えます。それから1カ月後、教育委員会から届いた報告書に書かれていたのは「特別支援学級への就学が望ましい」という言葉……。ばよさんの心は支援学級に通わせることに傾きつつありましたが、決めきるには至らず、「あと一押しが欲しい」という気持ちを抱えながら、教育委員会の人との面談日を迎えたのです。「特別支援学級への就学が望ましい」という報告を受けてからおこなわれた、教育委員会の人との面談。しかし、息子のタロくんを通常学級に通わせるのか、それとも支援学級に通わせるのか、ばよさんは決めきることができずにいます。 「いかがですか?」と聞かれても… ※訂正:(誤)選択肢なかった→(正)選択しなかった 通常学級か、それとも特別支援学級か——。悩みに悩み、ついに決断できたばよさん。報告を聞いた臨床心理士の先生は、目に涙を浮かべます。その様子に少し戸惑いながらも、これまで見守り続けてくれた先生に、深く、心から感謝するのでした。 ばよさんを決断に導いたのは、悩みに悩んだ先にあった“シンプルな思考”。また、教育委員会の人から伝えられた「12月中旬くらいまでに決めてください」という期限も後押しになったようです。 そして、子ども本人と保護者の意見が最大限に尊重されることを前提に、最終的には各市町村の教育委員会が児童の就学先を決定することになります。これは文部科学省によって定められており、就学する年の1月31日までに、各家庭に最終的な通知がされるそうです。 こうした就学先決定の流れについては、文部科学省のほか、各自治体でも細かに公表されています。気になっている方は、まずは調べてみることから始めても良いかもしれません。 >>次の話 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:マンガ家・イラストレーター 星河ばよ 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
2023年12月22日星河ばよさんの長男・タロくんが3歳だったころのこと。ばよさんは保育園の先生から「療育相談センターに行ってみますか?」と告げられます。保育園でのタロくんは、ほかの園児と同じ行動ができず、自分の興味のあることしかやらない、すぐに自分の世界に浸ってしまい、集中力が続かないというのです。それは暗に、タロくんが発達障害であることを示すような内容でした。戸惑いながらも療育センターで発達検査を受けると、「発達障害の特性をお持ちです」との結果に。その後、年長さんになったタロくんは、小学校入学を見据えた療育教室に通い始めます。そして、卒園を数カ月後に控えた夏。教育委員会との就学面談が行われ、特別支援学級の見学を提案されました。通常学級を望むばよさんの心は揺れ動きます。普段のタロくんの様子を知るために保育園に見学に行ったところ、そこにはひとり絵本を読む息子の姿が……。それでも通常学級への望みを諦めきれないまま、ばよさん親子は子どもの就学先を見極めるための就学相談会の日を迎えます。その1カ月後、教育委員会から届いた報告書には「特別支援学級への就学が望ましい」と書かれていたのです。報告書に書かれた「特別支援学級への就学が望ましい」の一文を読んだ、ばよさん。結果を予想してはいたものの、落胆を隠しきれません。 この結果を予想してはいたけれど… 「あと一押し」——。 タロくんには特別支援学級のほうが合っているとは感じつつも、支援学級の実態が明確にはつかみきれず、ばよさんは誰かに背中を押してもらいたい気持ちになるのでした。 特別支援学級の実態がつかみきれずにいるものの、ばよさんの気持ちを支援学級に傾かせた1つの要因が、見学先の教頭先生の「主に国語と算数は“なないろ”(支援学級)で、それ以外の教科や給食のときは交流級でおこないます」という説明です。 交流級は「交流学級」とも呼ばれ、特別支援学級に在籍しながら一部の教科やホームルーム、給食といった時間に通常学級に参加することを指します。一方、通常学級に在籍しながら子どもの特性に応じた指導を受けられる「通級指導教室(通称・通級)」という教育のかたちもあるようです。 このように、支援や教育のかたちはさまざま。それだけに、かえって実態がつかみづらい側面もあるかもしれませんが、こうした就学に関する予備知識は無駄にはならないはず。また、実際の経験に基づいたばよさんのマンガが、当事者ママやパパの助けになるはずです。 >>次の話 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター 星河ばよ
2023年12月21日星河ばよさんの長男・タロくんが3歳だったころのこと。ばよさんは保育園の先生から「療育相談センターに行ってみますか?」と告げられます。保育園でのタロくんは、ほかの園児と同じ行動ができず、自分の興味のあることしかやらない、すぐに自分の世界に浸ってしまい、集中力が続かないというのです。それは暗に、タロくんが発達障害であることを示すような内容でした。ばよさんはショックを受けますが、保育園の提案を受けてから1カ月が経ち、ついにタロくんを連れて療育センターを訪れます。そして、発達検査の結果は「発達障害の特性をお持ちです」。結果を受け、保育園には加配の先生が配置されることとなり、ばよさん親子は月に1度、療育センターに通い始めます。その後、タロくんは小学校入学を見据えた療育教室に通うようになりますが、ばよさんは同じ教室に通う子どもたちとタロくんのことを比較してしまい、ひどく落ち込んでしまいます。しかし、それから数カ月後……。療育教室の一環として行われた懇談会に参加したばよさんは、同じ教室に通うママさんたちが抱える悩みを知り、「自分はひとりじゃないんだ」と思うことができたのです。前向きな気持ちと不安な気持ち、ばよさんは両方を抱えながら、日々を過ごします。 そして、大事な約束のあったとある日、タロくんの弟が発熱してしまい……。 次男が発熱。でも、市役所に行かなくちゃ… 「この子は何も変わってない……変わらなきゃいけないのは、私だ……」。 ばよさんの気持ちは一進一退。同じ療育教室に通うママたちの悩みを知り、一度は「私はひとりじゃない」と思えたのもつかの間、通常学級か、それとも特別支援学級かの選択に、心が揺れ動きます。 そして、「ママ、大好き」というタロくんの言葉に、息子が発達障害であることに戸惑い続ける自分を恥じ、責めてしまうのでした。 ばよさんが向き合うことになった、通常学級か、特別支援学級かという選択。どちらに進むべきなのか提案されることはあるにせよ、文部科学省は「本人・保護者の意見を最大限尊重し」としています。また、通常学級に入学し、途中から特別支援学級に転籍することも、反対に特別支援学級から通常学級に転籍することも可能な様子。一方、なかには特別支援学級のない学区もあるとか……。 さまざまなケースがあるだけに、かえって戸惑ってしまいますが、ばよさんの経験が描かれたこのマンガをはじめ、先輩ママやパパたちの経験談がきっと参考になることでしょう。子どもが過ごしやすい環境を第一に考えて、じっくり検討したいものですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:マンガ家・イラストレーター 星河ばよ
2023年12月16日発達グレーゾーン息子の就学問題。発達検査を受けてみたけれどしのくんは発達障害グレーゾーンの男の子です。現在は年長クラスで、来年から小学生になります。しのくんは言葉が遅く、集団行動が苦手だったこともあり、ことばの教室や療育に通っています。来年小学生になるにあたって、就学先の参考にするために、発達検査を受けることにしました。そして検査の結果……。Upload By keikoUpload By keiko「通常学級でやっていけるのか、それとも特別支援学級のほうが良いのか」については、療育の先生方も判断がつかないようで……。どちらがしのくんにとって良いのかが分からないので、集団生活の様子を一番よく見ている保育園の先生に相談して決めましょう!ということになりました。保育園での面談日。思いがけない先生の言葉に固まってしまい…保育園での面談の日がやってきました。就学先希望の提出期限は7月末、そして面談も7月末……ということで、「いよいよしのくんの就学先が決まる!」と私はドキドキしていました。発達検査の結果を見せて、ことばの教室の先生と療育センターの先生から言われたことを保育園の担任の先生へ伝えました。すると担任の先生から……Upload By keikoUpload By keiko「お母さんはどうしたいですか?」と聞かれ、私は思わず固まってしまいました……。私はその時まで、わが子の進路を親が決めるとは思っていませんでした。先生に特別支援学級と言われたら、その通りにしようと当然のように思っていたのです。私の願いは、しのくんにとって一番良い道に進むことです。だからこそ、専門家に判断してもらいたくて、病院で発達検査したり、療育や保育園の先生に相談したりしていたのですが……急に私の意見を求められて「プロが判断できないことを私が判断できるわけがない」と思ってしまいました。なので、私は正直に「分かりません……。先生の答えに従います!」と担任の先生に丸投げしてしまいました。担任の先生は、そんな私の気持ちを受け取ってくださり、園長先生と話し合って答えを出してみると言ってくれました。面談を終えた日の夜、「ある事実」に気づいた私そして、担任の先生との面談を終えた日の夜、私はふと気づきました。しのくんの就学先について、夫の気持ちを一度も聞いていないということに……!!保育園の先生に決めてもらおうとばかり思っていたので、夫の意見を聞くという発想がなかったのです。Upload By keikoもうすでにウトウトと眠りかけている夫に急いで「通常学級と特別支援学級選べるならどっちを選ぶ!?」と聞いてみると「通常学級」と返事が返ってきました。(その選択の理由については語らないまま、夫は眠りに落ちていきました(笑))そして、ついに就学先決定!翌日、「通常学級が良い」という夫の意見をないがしろにしないためにも、私は朝一番に保育園へ電話しました。すると、もうすでに担任の先生と園長先生との話合いは終わっており、保育園の先生方の意見は「しのくんは通常学級がいいと思います」ということでした。図らずも夫の意見と先生方の意見が一致したので、私の心も決まりました。小学校に入学するまであと数ヶ月あるし、低学年には補助の先生もいるし、まずは通常学級に入ってみて、しんどそうだったら2年生から変更しようということで話がまとまりました!「子どもの就学先」という責任重大な決断をどうするか、とても悩んだ数ヶ月間でしたが、周りの先生方に恵まれたこともあり、また一つ大きな壁を乗り越えることができました!悩みや心配事はつきないけれど、これからも支援者の方々に(そして夫にも……)その都度相談しながら、しのくんにとって一番良いと思える道を進んでいこうと思います。執筆/keiko(監修:新美先生より)就学についてのエピソードをきかせてくださりありがとうございます。検査を受けたり、療育の先生へ相談に行ったりして、就学後の学びの場について検討されたのですね。学びの場については、誰が決めるというのではなく、保護者の方の希望をなにより優先しながら、関わる人たちの意見を参考に総合的に判断されることが多いと思います。とはいえ、いきなり保護者の希望と言われても、未経験なだけに迷ってしまうこともありますよね。お話を伺うと、関わっている先生方も、みんな迷っていたようなので、誰もが迷う微妙なゾーンだったのかもしれません。こうだったらこっちというような、絶対の基準があるわけでもなく、実際先生やクラスメイトの相性などもあり、どっちがいいか迷うことはしばしばあるものです。しのくんについては、ふだんの集団生活を支えて下さっている園の先生のご意見と、お父さんの意見が一致したということもあって、Keikoさんの心も決まったのですね。どちらに決めても、実際入ってみての試行錯誤や先々の変更はあるかもしれませんが、その都度相談しながら進んでいくと決めたKeikoさんとしのくんを、心から応援したい気持ちです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月13日市から母子健康手帳の交付を受けたときに、両親学級の案内が入っていました。私は里帰りの予定もなく、近くに頼れる身内もいませんでした。妊娠が判明したときから、夫しか頼れない状況での子育てになることはわかっていたのですが、少しでも夫に妊婦の大変さや子育てについて理解してほしいと思い、夫を誘って両親学級に参加することに。今回はそのときの体験談を紹介します。 妊婦体験ジャケットで疑似体験夫は約10kgの妊婦体験ジャケットを着て、妊娠中の日常生活における不自由さを体験しました。10kgのジャケットを身につけて寝転がると、寝返りが打てなかったり、起き上がるのもひと苦労だったりすることを身をもって感じた夫。着替えたり靴下を履いたり、日ごろ当たり前にできていることさえも妊婦には大変だということに気付いてくれたようでした。 妊娠中の足元の見えにくさや、体のバランスのとりにくさなどを実感したおかげで、それからは荷物を持ってくれたり、洗濯物を干したりと、率先して手伝ってくれるようになりとても助かりました。 沐浴体験実際の赤ちゃんとほぼ同じ3kgの重さの赤ちゃんの人形を使って、沐浴体験をしました。まずは助産師さんの見本を見て、その後実際にせっけんを使って、頭や体を洗ったり、ガーゼを使って顔を拭いたりと、試行錯誤しながら体験。顔や耳にお湯がかからないように片手で3kgの赤ちゃんを支えるのは思っていた以上に重く、お風呂はパパ担当、着替えはママ担当と、この沐浴体験を機に役割分担が決まりました。 実際の赤ちゃんとほぼ同じ大きさだったので出産後のイメージがつきやすく、いい練習になりました。 着替え・おむつ替え体験わが子は女の子の予定だったので、女の子のおむつ替えの仕方を助産師さんに教えてもらいました。着替えも下着と上着を2枚重ねて先にセットしておくことで、赤ちゃんを待たせずラクになることを学びました。夫にとって女の子は異性であるため、わからないことだらけでどう扱っていいか不安に感じていたようですが、助産師さんが1つひとつ丁寧に教えてくれたので不安が徐々に消えて、自信をもった表情に変わっていました。 はじめは「恥ずかしい……」と乗り気ではなかった夫でしたが、いろいろな疑似体験をすることで、終わったあとは少しパパの顔になっていました。なんとなくしかイメージできていなかったことも疑似体験したことで実感が湧き、わが子の誕生がより楽しみになりました。 実際に子どもが生まれてからも、夫は自らすすんで沐浴をしてくれたり、おむつ替えをしてくれたりと、助かっています。両親学級での体験から夫の意識が変わり、参加してよかったなと心から思いました。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/ねね著者:福山あかね一男一女の母。元幼稚園教諭、元保育園勤務。第二子出産を機に退職。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2023年11月04日930グラムで生まれた早産児の息子の子育てUpload By 鳥野とり子在胎27週930グラムで生まれた息子のねこ太。現在小学校1年生になり、体重は少し軽めだけど身長は平均ど真ん中でスクスク成長中。ADHDグレーゾーンで特別支援学級に在籍していて、週4で放課後等デイサービスも利用しています。年齢を重ねるにつれて大きな困り事は殆どなくなりましたが、小さな困り事がいくつかあるので、学校の先生や療育の先生と相談しながらどうしたらねこ太が過ごしやすくなるのかを模索中です。息子の乳児期、私の中で膨らんでいった違和感Upload By 鳥野とり子赤ちゃんの頃の息子は【寝ない】【飲まない・食べない】子で育児に苦戦する日々でした。それでも目は合っていたし、あやしたら笑うので「これはこの子の性格なのかな?」とそこまで気にすることはなく過ごしていました。でも断乳しても離乳食を食べなかったり、夜泣きが一向に収まらなかったりと、少しずつ私の中で違和感を感じるようになってきました。発達遅滞は早産児あるあるだけど……Upload By 鳥野とり子ねこ太は運動発達が特に遅く、首すわりは生後10ヶ月頃、ハイハイをしたのは1歳を少し過ぎてからでした。出産時のNICUにいた頃から主治医に「ねこ太くんは運動発達が遅いと思う」と言われていたので、この位の発達遅滞は想定の範囲内でした。しかし、1歳3ヶ月でつかまり立ちができるようになった後はいつまで経っても歩く気配がなく、ずっとハイハイのまま。早産児健診のたびに「伝い歩きもしているしもう少し様子を見よう」「そろそろ歩けそうだから……」と様子見を繰り返していましたが、満2歳を迎えた頃ついに主治医から「さすがに遅いので、PT(理学療法)を開始しましょうか」とリハビリを勧められました。2歳2ヶ月でPTリハビリと児童発達支援の利用を開始!Upload By 鳥野とり子発達障害は支援に繋がるまでに時間を要することが多いと聞いていましたが、ねこ太は運良く希望する施設に空きがあり、主治医からのリハビリの提案から2ヶ月後にはPTリハビリを開始することができました。そして運動発達だけでなく、「バイバイの手がぎこちない」「呼んでも振り向かない」など、ほかの発達にも遅滞がありそうだったので、すぐに受給者証の申請をして児童発達施設を調べて見学に行き、4ヶ月後には療育を開始することができたのです。今思うとすごいスピードで動いたなと思います。療育を開始してひと安心かと思いきや、この頃からねこ太の特性がどんどん濃くなり多動が激しくなっていくとは、この時の私は思いもしていなかったのでした……。母も息子も日々アップデートUpload By 鳥野とり子そんな息子も現在小学校1年生。療育やリハビリのおかげで、どんどんできることが増えて毎日楽しく過ごしています。でも特性が消えたわけではないので、何か困り事が出てきたらその都度療育の先生や発達外来の先生に相談しています。初めの頃は特性に対して戸惑うことだらけでしたが、先生方のアドバイスのおかげで息子の個性に寄り添って過ごせるようになりました。それでもまだまだ至らないことだらけで、本を読んだりインターネットで情報収集をして息子と一緒に日々アップデートをしています。私は息子の発達に対してどうしたら良いのか分からないことだらけで、たくさん悩んでたくさん戸惑いました。そんな時、私はLITALICO発達ナビで知識を得たり、先輩ママさんの体験を読んで気持ちが救われたことが何度もあります。今度は私が同じような境遇の方のお力になれるようなコラムをお届けできればと思います。執筆/鳥野とり子(監修:鈴木先生より)27週930gは週数相当の発達です。決して子宮内での育ちが悪かったわけではありません。ですが、1000g未満で出生したお子さんには発達の遅延がみられる割合が多いとの報告があります。NICU医療の進歩もあり、モニターのアラーム音を下げて保育器内の音環境を整えストレスの少ない状態を保つようにしたり、適切に栄養補充したりすることで、健やかに発達・発育ができるよう試みています。なお、小児科医は発達の観点から新生児の体重よりも脳の発達の指標である頭囲を重要視します。頭囲が週数相当で正常であるかをみています。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年10月30日中学生になった自閉スペクトラム症の太郎自閉スペクトラム症の太郎が通う中学校の特別支援学級では、授業は基本的に交流学級にて行い、小学生の時のような個別の指導がほぼなくなる。Upload By まゆん中学校に進学するにあたって、私はそこに不安を抱いていた。学習面の遅れは元々あり、ギリギリで追いついている感じだった。個別指導だったからこそ追いつけている部分があったと思う。いざ、中学生になり太郎の学習面の遅れは著しかった。テストも個別の部屋ではなく交流学級で受けることになり、ますます点数は下がった。しかし、提出物と宿題だけは放課後等デイサービスや祖母の支えもあり、ほぼクリアできていた。太郎自身は交流学級での生活は楽しんでいる様子であり、特別支援学級での友達関係や担任の先生との関わりも楽しそうだった。しかし、中学校生活が半年も経つ頃には、宿題の多さに不満を漏らすことが増えてきた。ただ、不満を漏らすものの提出期限には間に合わせることができていた。しかし、宿題と提出物でいっぱいいっぱいで、ほかの学習に手をつけることはできなかった。私は、「勉強をするように」というような声かけはしなかった。怠けて勉強をしてないから点数を取れないわけではないと理解していたからだ。太郎は学習したことをすぐに忘れてしまう。指導されたその時は理解したと思っていても時間が経つともう忘れてしまう。そんなところも、今後の生活にどう影響するのかと心配があった。太郎が感情を出せる場所小学生の頃から太郎は、放課後等デイサービスの先生たちに心を開いている。中学校に進学後、太郎は週に4日から5日、放課後等デイサービスへ通っている。私に話さないこと、見せない面を、スタッフの人たちが知っていることもある。特に宿題や学習について不満を漏らすことが多かったようで、「宿題が多すぎる……」とつぶやいていたと先生たちから聞いた。Upload By まゆん太郎は普段1人で行動をすることが少ない。家にいるか、放課後等デイサービスか学校だ。太郎が感情を出せる場所が家庭だけでなくて良かったと思う。放課後等デイサービスという場所があって本当に良かった。Upload By まゆんそう思うと同時に、そろそろ本当に限界なのではないだろうか……そう気づき始めた。私の予感が、その後どうなったかはまた時間を置いてつづりたいと思う。あとがき中学生になり、学習もより複雑になってきました。小学生まではなんとかついていけていましたが、中学生になり周りとの差は明らかなものになっています。お話しがあったのがワーキングメモリー、知的の部分でした。今、かかりつけ医に相談し、より詳しい検査をすすめている段階です。これから高校進学、就労の話も出てくると思うので重要なポイントになると思っています。執筆/まゆん(監修:森先生より)成長するにつれて、保護者の方だけで支えることのできる範囲にも限界が出てきますよね。学校の勉強はどんどん複雑になりますし、提出物や宿題のサポートを受けられると心強いですね。また、思春期に入ったお子さんは保護者の方にはなかなか相談できない部分も出てくるものです。放課後等デイサービスのように、お子さんにとって、学校とも家庭とも違う自分を出せる場所があると、心の平穏につながりますね。保護者には見せられない感情を出してリラックスできる場があると、日常で生じるストレスともうまく付き合えるようになるのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年10月03日卒業組がうらやましすぎる!まったく進まない知的障害がある息子のトイトレ以前、知的障害とダウン症があるわが家の息子きいちゃんの『トイトレにさまざまな方法で挑戦するが、それが逆にトイレ嫌いにさせてしまい、あえなく休戦に入った』というお話を書きました。その後も強引にトイトレを進めては上手く行かず、休戦を2回くらいした頃でしょうか……。私はふとしたことに気づきます。「ちょっと待てよ……?きいちゃんは普段、保育園で過ごす時間のほうが家よりも長いよね。だったら、保育園でもトレーニングパンツで過ごしたらトイトレも早く進むのではないか……?」と。早速、私は保育園の加配の先生にお願いしました。ですが、答えは……「家でトイレがちゃんとできるようになってからじゃないと、保育園では難しいです。定型発達のお子さんでもそうお願いしているので……」とのことでしたーーーー!!!ですよね……(泣)トイトレについては、保育園や幼稚園など園よって対応の違いがあるみたいです。決してきいちゃんが通っている保育園の対応が悪いわけではなく、たくさん園児を預かっているのに、あちこちでお漏らしされたら先生も手が回りません。とはいえ、これまで家でオムツで過ごしていたのに、幼稚園入園と同時にいきなりパンツで登園することになったら、たった3日でオムツが外れたダウン症のあるお友達の話を聞くとうらやましくて仕方なかったです……。ほかにも、トイレやおまるに座らせたら、初めから(もしくは数回で)オシッコするようになったダウン症のある子どもも……。Upload By 星きのこトイトレが上手くいく方法を病院で相談するも……なんで!?なんできいちゃんはトイレでしてくれないの!?そして調べていくと、大きく分けて2つの身体のタイプがあることを知りました。①膀胱部分の感覚が敏感で、排尿の感覚が近いタイプ②膀胱部分の感覚が鈍く、排尿の感覚が長いタイプきいちゃんは紛れもなく②でした!! だから朝起きてもすぐオシッコしないし、濡れても全然お構いなしだし、お腹軽く押してもオシッコ出ないしーーーー!!!!トイレの感覚が5時間くらい空くこともザラです。どんだけオシッコ貯められるねん……。トイトレが順調にいくタイプは①の敏感なタイプだそうです。そうかそうか、じゃあ②のタイプのきいちゃんはしょうがねーな!!……とは思わんわーーーい!!!!じゃあどうすればいいの!?誰か助けてーーーー!!!……と、相談に行った先はいつもお世話になっている子ども病院の遺伝科の先生。「先生ー!!どうやったらトイトレが上手くいくんでしょうかー!!」と泣きついた私に、答えてくださった先生の言葉がこちら。「それが正直言って、よく分からないんです」「キッカケは本当に人それぞれで、こればかりは私たちもよく分からないんですよ……とにかく、気長につき合ってあげてください。」そうか!!先生でも分からないのか!じゃあしょーがねえな!!とは、まったくおもいませんでしたが(泣)、ある意味諦めの境地に至って、気長にやることに決めた私。そう、気長に……………と、本当に気長にしていたら、きいちゃんは、いつの間にか年中の終わりに差し掛かっていましたーーー!!!就学、すぐそこじゃん!!!Upload By 星きのこ就学が迫り……保育園に泣きつく!切羽詰まった私は、また断わられるのを覚悟で、保育園の先生にお願いしました。「先生、お願いします!!難しいのは分かっているんですが、どうか保育園できいちゃんをトレーニングパンツで過ごさせて頂けないでしょうか……!!!」すると、先生もさすがに事情を考慮してくださって、(というか、切羽詰まった私にビビって?)「じゃあ、頑張ってみますか……!」と言って、受け入れて下さいました。神ーーーーーーー!!!!!Upload By 星きのこでも、保育園でトレーニングパンツに変えたからって、急にできるようになるわけはない。これからもゆっくり、家と保育園で時間をかけて……と、思っていたら、なんと保育園でトレーニングパンツに変えた初日にトイレでオシッコ成功したとのこと!!!しかも2回も!!!!それからじょじょにきいちゃんは家でもオシッコ成功するようになりました。「何がキッカケでトイトレ成功するか分からない」子ども病院の先生、本当にその通りでした……!!でも、きっと今までの積み重ね(本読んだり、トイレ連れて行ったり、保育園でお友達のトイレするとこ見たり、身体が成長したり)があって、初めての成功に繋がったんだと思います。うう……母はうれしい……それからじょじょにきいちゃんは家でもオシッコ成功するようになりました。でも、そこからウンチ成功にまたもや長い道のりが待ち受けていることを、この時の私はまだ知らないのでした……。Upload By 星きのこ執筆/星きのこ(監修:鈴木先生より)トイトレに協力してもらえるかどうかは園によって対応が違うかと思いますが、最初に保育園の加配の方に断られたのは残念でしたね。しかしその後、星さんが保育園の保育士にもう一度相談したことで、保育園でトイレを試してくれるきっかけになったのが良かったと思います。今回のケースのように同じ園内でも相談する時や相談相手によって答えが変わってくることもあります。私がクリニックで受けた相談のなかでも、小学校の担任の先生に言っても許可が下りなかったタイピングゲームを、校長先生へ手紙を書いたことで許してくれたという事例もあります。お子さんのトイトレに奮闘されている親御さんは「早くトイレでできるようにならないと」と焦る気持ちもおありでしょう。でも、大人になってからトイレでできない人も、おねしょの人もめったにはいないので、焦らず・怒らず様子を見るしかないのかもしれませんね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年09月29日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。後日、発達検査の結果を聞くため、もっつんさんは小学校を訪れました。 検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、特別支援クラスを検討したりすることを提案されたのです。 スクールカウンセラーの花雲先生から丁寧な説明を受け、担任の先生や支援クラスの先生と面談をしたり、支援クラスの見学をしたりするうちに、理解が深まってきたもっつんさん。「ここならタクも授業に集中できそう」と思えたようです。 夫もスクールカウンセリングに参加してタクくんのことを理解してくれ、支援を受けるために病院で発達障害の診断を受けることを決意しました。花雲先生の紹介状を持って、タクくんと一緒に大きい病院へ行くと……。 高圧的な医師に否定され続け…※「WISC検査」:ウェクスラー式知能検査の1つ。子どもの知能を測定するための検査。 これまで多くの人に関わってもらい、いっぱい泣いて悩んで、ようやく診断を受けるために勇気を出して病院を訪れたのに、そこで待ち受けていたのはとんでもない医師でした。 ちょうどこのころ、いろいろと悩み事が重なり精神的に参っていたもっつんさんにとって、この経験はトラウマになってしまいました。初対面の男性医師に何度も肩を叩かれ、怒鳴られ、否定され……、目の前が真っ白になったそうです。 医師は長年の経験をもとに、タクくんともっつんさんの状況について見解を述べたのかもしれません。しかし、高圧的な態度で自分の考えを押し付けるような発言をされては、悩める母親は救われないのではないでしょうか。もっつんさんは心に深い傷を負ってしまいました。 その後、もっつんさんは帰宅してから病院で起きたことのメモを取り、すぐに花雲先生と市役所の社会福祉の窓口に相談に行ったそうです。何かトラブルに巻き込まれてしまったときには、しかるべき場所に相談に行けるよう、記録を残しておくことも大切ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月11日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 慌ただしい日々の中、タクくんが学校で他の生徒にケガをさせてしまうことが立て続けに発生。もっつんさんの負担を減らすために、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方でした。 そんな中、以前に受けた発達検査の結果を聞くため、小学校を訪れたもっつんさん。スクールカウンセラーの花雲先生は、タクくんの発達検査の結果について、数値をもとに理路整然と説明してくれました。 検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、支援クラスを検討したりすることを提案されて……。 難ゲーのほうが楽しいでしょ! ※訂正:(誤)検診→(正)健診 花雲先生は、特別支援クラスの概要やメリット・デメリットを丁寧に説明してくれました。担任の先生や支援クラスの先生と面談をしたり、支援クラスの見学をしたりするうちに理解が深まってきたもっつんさん。「ここならタクも授業に集中できそう」と思えたようです。 夫もスクールカウンセリングに参加してタクくんのことを理解してくれました。自分を責めてしまいがちになるもっさんに、「苦労するのが嫌なら、そもそも一緒になろうと思わない」「もっつんがタクを守り、俺がもっつんとタクを守る」「やんちゃなのは大変だけど、嫌じゃない」と明るく話してくれたのです。 もっつんさんは「夫はポジティブなので、私を無理やり明るいほうへと引っ張っていってくれてます。悩みがちな育児ですが、夫のおかげでなんとかなりました」と振り返ります。 こんなふうにあたたかく、そして安心する言葉をかけてもらえると、これから何があっても夫婦で話し合いながら乗り越えていこうと思えますよね。タクくんへの叱り方が厳しくなってしまいがちだったのも、夫ならではの覚悟の表れだったのかもしれません。一緒に暮らして毎日顔を合わせていても、密にコミュニケーションをとることは大切ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月10日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 慌ただしい日々の中、タクくんが学校で他の生徒にケガをさせてしまうことが立て続けに発生。もっつんさんの負担を減らすために、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方です。 タクくんの他害行為・義実家同居・不妊治療などのストレスが重なり、もっつんさんの心は限界に……。ついに入眠困難に陥ってしまいました。 そんな中、以前に受けた発達検査の結果を聞く日がやってきて……。 学校生活に苦痛を感じていたのかも…※「WISC検査」:ウェクスラー式知能検査の1つ。子どもの知能を測定するための検査。 スクールカウンセラーの花雲先生は、タクくんの発達検査の結果について、数値をもとに理路整然と説明してくれました。検査の結果、的確な指示は理解できるものの、論理的思考が苦手という凸凹があることが明らかに。 タクくんは小学校で大人数で授業を受けるようになり、たくさんのストレスを感じていたのかもしれないと推察できました。そして、タクくんにとってより過ごしやすい環境を整えるためにも、学習補助の支援員をつけたり、支援クラスを検討したりすることを提案されたのです。 花雲先生の話を受けて、「困った子だと思って厳しく接するより、良い行動に誘導するほうが良いと思えた」と言うもっつんさん。特性に対する理解への第一歩になったそう。 もっつんさんのように専門家に相談してみることで、いろいろな選択肢を教えてもらえることも。物事の背景には、目に見えない多くの要因が影響していることもあります。何か悩み事があったときは、思い切って専門家に相談することも重要ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月09日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が他の生徒の顔面にぶつかってしまい、相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。 担任の先生から連絡を受けたもっつんさんが、慌てて職場を飛び出し、小学校に駆けつけると、タクくんはお母さんのお迎えがうれしいからかニコニコして待っていました。 もっつんさんは、タクくんに反省の色が見られず笑っていることに怒りが抑えられず、思わず手が出てしまいました。そして、周囲の視線から逃げるように帰宅し……。 夫に叱ってもらったけれど、後悔… もっつんさんの負担を減らすため、夫もタクくんを叱ってくれるようにはなったものの、叱り方が厳しすぎてもっつんさんの心は疲弊する一方。 タクくんの他害行為・義実家同居・不妊治療などのストレスが重なり、ついに義家族の前でも爆発。そして、このころからもっつんさんの寝つきが悪くなっていきました。 この時期を振り返って、もっつんさんは「ストレスはためすぎちゃダメ。いろいろな人に弱音吐いて、使えるものは何でも使って、つらい時期を乗り越えたほうがいい」と感じたそうです。 子育てや家庭の問題に向き合う中で、自分でも知らず知らずのうちにストレスをため込んでいたり、無意識のうちに強がってしまうこともあるでしょう。自分を守れるのは自分。頑張りすぎないよう、時間を見つけて少しずつでもストレスを発散し、時には自分を甘やかすことが大切なのかもしれませんね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月08日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が他の生徒の顔面にぶつかってしまい、相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。担任の先生から連絡を受けたもっつんさんが、慌てて職場を飛び出し、小学校に駆けつけると、タクくんはお母さんのお迎えがうれしいからかニコニコして待っていました。 もっつんさんは、タクくんに反省の色が見られず笑っていることに、怒りの気持ちが湧いてきて……。 言葉は通じるのに、気持ちが通じない… もっつんさんがタクくんの育児で一番悩んだのは、意図せず加害者側になってしまうことだったそうです。 「本当はもっと優しく、穏やかなお母さんでいたかった。もっとかわいがりたいのに……」と振り返るもっつんさん。 大泣きするタクくんの前でうずくまってしまうもっつんさんの心境を考えるだけで、胸が締め付けられてしまいそうです。 SNSのコメント欄にも、 「なんでわからないの!? なんで私の言葉が響かないの?って、毎日、毎日思います」 「私も『絶対に繰り返さないでほしい』と思うときほど空回りして、叱る時間は長くなるのに、子どもに伝わるようにうまく説明できないです」 など、子どもへのり方に悩んでいる方の声がありました。子育ては一筋縄ではいかないものだと頭ではわかっていても、気持ちがついていかないこともありますよね。子どものことを思うあまり、不安や怒りなどのさまざまな感情に押しつぶされてしまいそうになったときには、ひとりで抱え込まずに、学校の先生やスクールカウンセラー、専門機関などに相談することも一手です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年09月07日障害の診断を受けて一番に考えたこと長女が小学校4年生だったある日、私は担任の先生から呼び出されました。「ゆいさんを見ていると、授業の進度についていくのが少し大変そうに感じます。もしよかったら一度専門の機関で相談してみては……」と先生から薦められました。その後長女は発達に関する検査と診察を受け、軽度の知的障害・ASD・場面緘黙と診断されました。検査の結果を受けて小学校の先生方と話し合い、算数など苦手な教科のときは特別支援教室で授業を受けることにしました。通常学級の授業は長女にとっては進度が早く、苦手な教科はついていくのが難しいので、この取り出しタイプの指導は長女にぴったりだったと思います。(※自治体により制度は異なります)ただ、一つ心配なことがありました。同じクラス中でほかの子どもたちと一人だけ違うことをすることで、友達から違和感を持たれることはないか、友達との関係が変わってしまうのではないかということでした。Upload By 吉田いらこ女子グループの中で浮いてしまうのでは…?長女はおとなしいタイプなので友達と喧嘩をすることはありませんでしたが、人間関係って何がきっかけで変わってしまうか分からないから……と、私は少し不安に感じていました。「もし長女が友達とうまくいかないようなことがあったら、保護者としてはどう対応したらいいのだろうか……」など心配しながら過ごしていました。ある日、長女が学校から帰ってきて「今日友達がうちに遊びに来るよ」と言いました。しかも「一緒に宿題をするんだ」とうれしそうに言うので私はちょっと焦ってしまいました。特別支援教室で出された長女の宿題は、通常学級の宿題とは違い、長女の学力に合わせた易しい内容のものです。一緒に宿題をするって、どうするんだろう……?Upload By 吉田いらこ自分の考えが恥ずかしくなったけれども私の心配は全く無用なものでした。友達数人でわが家に集まり宿題が始まったのですが、皆が長女に勉強を教えてくれるのです。それは子どもたちにとってはとても自然で当たり前のことのようでした。私は、自分が心配をしすぎていたことが恥ずかしくなりました。特別支援教室で授業を受けること、そんなことで友達は態度を変えたりなんてしないし、長女も何も変わりません。私だけが「この子は皆と違う」と枠をつくって囲っていました。障害の診断がついたことで変わったのは大人の私の意識だけ。しかも悪いほうに……。Upload By 吉田いらこ長女に障害の診断がついたことで私自身は変な方向に意識を変えてしまっていたのです。この状態では、私は第三者が掛けてくれる優しい声を、逆にネガティブに受け取ってしまうかもしれません。これからは私が考えを改めないといけないなと痛感した出来事でした。そして、何も変わらない子どもたちに大切なことを教えてもらったありがたい出来事でもありました。成長と同時に長女にはこれからも新たな悩みが出てくるかもしれません。でも、母である私自身がなんでもフラットに受け止められる状態でいられるよう努力していきたいと思っています。執筆/吉田いらこ(監修:藤井先生より)特別支援教室に転籍したらいじめられるのかも、と親御さんが心配されることがあります。今回の吉田いらこさんも、友達関係が変わってしまうのかも、と心配されていたようですが、心配は無用だったようですね。親だからこそ、子供が困らないようにと心配してしまうのは仕方がないのですが、案外平気なこともたくさんあります。今回のように、心配無用だったなということを知り、親自身、大人自身が教えられる場面もたくさんあります。子育て中は、こうなったらどうしようと心配になることもあるかもしれませんが、そうなったらそうなったときに考えれば良い、とどんと構えることも時には必要かと思います。素敵なエピソードの共有をありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年09月07日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校のほか、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲(かうん)先生によるスクールカウンセリングを受ける中で、タクくんは『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことが判明しました。タクくんの発達に違和感を抱えているもっつんさんに、花雲先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。 発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が他の生徒の顔面にぶつかってしまい、相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。 担任の先生からの連絡を受け、慌てて職場を飛び出し、小学校に駆けつけたもっつんさんは……。 息子は職員室の有名人になっていた… ※訂正:(誤)務めた→(正)努めた ※訂正:(誤)わざとやつた→(正)わざとやった 保健室で休んでいるタクくんに会いにいくと、お母さんのお迎えがうれしいからか、ニコニコしているタクくん。相手を傷つけてしまったことと、お母さんが迎えに来てくれたことが結びついていないのかもしれません。もっつんさんは、タクくんに反省の色が見られず笑っていることに、怒りの気持ちが湧いてきます。 「校内でキレるわけにもいかず、怒りを抑えるのに必死でした。子育ては大変なことが多いけど、特に怒りの収め方を教えてほしいです……」と振り返るほど、心の中では激怒していたもっつんさん。 子育ては思い通りにいかないものと言いますが、頭では理解しているつもりでも、怒りの気持ちをコントロールするのが難しいときもありますよね。今回のように、傷つけてしまった相手がいる場合はなおさらです。 怒りの感情をコントロールするためには、深呼吸をしてみたり、その場から離れてみたりする『アンガーマネジメント』が有効だと言われています。子どもに対する怒りが抑えられなくなってしまいそうなときに、まずはひと呼吸置くことを意識して、気持ちを落ち着かせるための方法を試してみるのもいいかもしれませんね。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月13日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校内だけでなく、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、小学校の担任の先生から案内があった、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしているスクールカウンセラーの花雲(かうん)先生のアドバイスにより、改めてタクくんに教室を脱走してしまう理由を聞いてみると、「教室がうるさいから」という思わぬ言葉が返ってきました。タクくんは『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことが判明。 タクくんの発達に違和感を抱えているもっつんさんに、花雲先生は「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。 発達検査を数回に分けておこないながら、タクくんは少しずつ前進。一方でもっつんさん夫婦は不妊治療をステップアップしました。 そんな慌ただしい日々を繰り返していたある日、学校で事件が発生。タクくんが振り回していた水筒が、他の生徒の顔面にぶつかってしまい……。 ストレスと罪悪感で押しつぶされそう…! 小学校からの連絡は、「タクくんが振り回していた水筒が他の子の顔面に当たって、ケガを負わせてしまった」ということでした。相手の子の唇は切れ、歯が欠けてしまったとのこと。そして、やり返されたタクくんも頭をぶつけてしまったそうです。 タクくんの行動の中で、もっつんさんが一番悩んだのは、他害行動。「こういう行動をしたら、こうなる。だから危ない」という一連の流れを想像することが、タクくんには難しく、トラブルがあとを絶ちませんでした。 「わざとではない」と頭ではわかっていても、他の子をケガさせてしまうと、親としては申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいますよね。さらに仕事を急きょ切り上げて、駆けつけなければならない場合は、なおさら罪悪感を抱いてしまうものです。 もっつんさんのようにさまざまな感情が爆発して涙が止まらなくなる気持ち、共感できるという方も多いのではないでしょうか。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月12日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校内だけでなく、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、小学校の担任の先生から案内があった、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしているスクールカウンセラーの花雲(かうん)先生のアドバイスにより、改めてタクくんに教室を脱走してしまう理由を聞いてみると、「教室がうるさいから」という思わぬ言葉が返ってきました。タクくんは『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことが判明。 花雲先生とのカウンセリングを通して、少しずつタクくんの行動は落ち着いてきましたが、それでもまだタクくんの発達に違和感を抱えているもっつんさん。すると花雲先生は、「僕が発達検査して、紹介状を書きます」と提案してくれました。 そんなある日、事件は起きたのです。 これは神様からの警告…?※「WISC検査」:ウェクスラー式知能検査の1つ。子どもの知能を測定するための検査。※訂正:(誤)WISC検査は→(正)WISC検査を タクくんは発達検査を数回に分けておこないながら、少しずつ前進していました。 そんなタクくんに対し、体力と気力の限りを尽くし真剣に向き合いつつも、まだ見ぬ子どもに会うために不妊治療をステップアップしたもっつんさん夫婦。 ところがある日、タクくんは学校で再びトラブルを起こしてしまったのでした。 「この時期は、とにかく学校からの電話が怖くて……。仕事も度々早退し、タクに振り回されている気持ちになってしまっていました。改善する方法もわからず、疲れていました」と振り返るもっつんさん。 SNSのコメント欄にも、 「学校からの電話は怖い……。仕事も早退となると、職場への迷惑とか考えてしまうし。読んでいるだけで、なんだか苦しくなります」 「学校からの電話って、めちゃくちゃ焦りますよね。全然慣れません!」 と、学校からの電話にドキドキしてしまうという共感の声が。 幼稚園や保育園とは違い、担任の先生と顔を合わせる機会が少なくなる小学校。小学校から電話がかかってくると、「何があったの!?」と焦ってしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。 どんなに準備をしていても、保護者の目が届かない学校では、予想外のことが起こる可能性があります。すべてをひとりで抱え込まず、職場の人にも事前に相談しておくなどして、いざというときにサポートしてもらえる環境を作れると安心ですね。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月11日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校内だけでなく、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、小学校の担任の先生から案内があった、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしているスクールカウンセラーの花雲(かうん)先生のアドバイスにより、改めてタクくんに教室を脱走してしまう理由を聞いてみると、「教室がうるさいから」という思わぬ言葉が返ってきました。タクくんは『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことが判明。 そこでもっつんさんは、花雲先生のアドバイスのとおり、宿題をするときには静かな環境にしたり、小さな成功を褒めたりするなど、タクくんが少しでも落ち着いた時間を過ごせるように工夫をします。 少しずつタクくんの行動は落ち着いてきましたが、それでもまだタクくんの発達に違和感を抱えているもっつんさんに、花雲先生は病院の受診を提案しました。 しかし、以前に総合病院へ相談したときには半年待ちだったことを花雲先生に伝えると、「じゃあ、僕が発達検査をして、紹介状を書きます」との返答が!まさかの提案に驚いたもっつんさんは……。 すごい、どんどん話が進んできた…! ※訂正:(誤)WISCVI→(正)WISC-IV(ウィスク・フォー)※訂正:(誤)WISCVI→(正)WISC-IV(ウィスク・フォー)(誤)ウィスクラー式知能検査→(正)ウェクスラー式知能検査(誤)WISCとは→(正)WISC-IV(ウィスク・フォー)とは(誤)4指数→(正)4つの指標 そして、2時間ほどかかる「WISC-IV(ウィスク・フォー)」という知能検査を、担任の先生と相談して時間を作り、実施してもらえることに。 「本当にスクールカウンセリング利用してよかった。どんどん話が進んできた気がする!」と前向きな気持ちになるもっつんさん。タクくんも、「花雲先生と実施する図形なぞなぞ」と聞いて、楽しみにしている様子です。 子どもにとって長い検査にはなりそうですが、何よりもタクくんが楽しみにしているのを見ると安心しますよね。これまでの花雲先生との信頼関係があるからこそ、検査を前向きに捉えることができたのでしょう。タクくんの発達についてずっと悩んできたもっつんさんが、頼れる先生に巡り合うことができて、本当によかったです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月10日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校内だけでなく、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、小学校の担任の先生から案内があった、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしているスクールカウンセラーの花雲(かうん)先生のアドバイスにより、改めてタクくんに教室を脱走してしまう理由を聞いてみると、「教室がうるさいから」という思わぬ言葉が返ってきました。 これまでタクくんの行動にばかり目を向けていたもっつんさんは、タクくんが『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことを知り、「なんであんなふうに怒っちゃったんだろう」と落ち込んでしまいます。 もっつんさんは花雲先生のアドバイスのとおり、宿題をするときには静かな環境にしたり、小さな成功を褒めたりするなど、タクくんが少しでも落ち着いた時間を過ごせるように工夫しました。 一方で、もっつんさんの生活は、 ・腰ヘルニアのため転職・本格的な不妊治療の開始・パワハラにより夫が突然の転職 など、さまざま変化が一気に訪れて、いっぱいいっぱいになってしまい……。 ひとりで抱え込み過ぎてキャパオーバー ※訂正:(誤)そだったんですね…→(正)そうだったんですね… なんと、花雲先生が発達検査をして紹介状を書いてくれることに! 「まさか、花雲先生が発達検査までしくれるとは思っていなくて、心底びっくりしました!」ともっつんさん。もっつんさんが調べた病院の中には、半年待ちのところも。学校で実施してもらえることは、とてもありがたいですね。 そして、保護者であるもっつんさんのキャパオーバーにも気づいてくれた花雲先生、すごい……!もっつんさんは、「タクのスクールカウンセリングだったのに、私まで助けられました。本当ありがたかったです」と振り返ります。 SNSのコメント欄にも、 「もっつんさんのキャパオーバーを察知できるのも、発達検査ができて、しかもそれを提案してくれるのも、本当にすごい先生」 「ずっと相談に乗ってくれていた先生に検査してもらえるのは心強いですね!」 「花雲先生の頼もしさと安心感、すごいですね……!」 など、とても頼りになる花雲先生に驚き、安堵する人が続出! 悩みをひとりで抱え込まずに周囲を頼ることで、今まで進展しなかったことが急に良い方向へと進み出すこともあります。まずは、心から信頼できる身近な人に、思い切って悩みを打ち明けてみることで、新たな道が開けるかもしれません。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月09日発達障害があるわが子、大学で受けられる支援とは?発達障害があるお子さんやその保護者のみなさんが進路選択を行う際、中学校や高校、さらにその先の進路についても考えることも多いのではないでしょうか。そうしたとき、・発達障害のある大学生はどのくらいいるのか・大学受験の際に配慮を求められるのか・授業やレポート、試験では、どのような配慮や支援を受けられるのか・国立大学のほうが合理的配慮を受けやすいのかなど、気になることが尽きないかもしれません。今回は、日本学生支援機構学生生活部障害学生支援課の取り組みや調査結果についてインタビューとともにお届けします。――日本学生支援機構の障害学生支援の概要と役割について教えてください。障害学生支援課:日本学生支援機構は、2004年に創設された独立行政法人で、国や大学等の機関と連携して、奨学金事業をはじめとするさまざまな事業を実施しています。その一つとして、大学等が障害のある学生を支援するための教職員向けの研修事業や、各大学等における障害のある学生の修学支援に関する実態を把握するための調査などを行っています。この調査は、2005年度から大学、短期大学、高等専門学校を対象に毎年実施され、調査結果は当機構のホームページで公表しています。また、9大学を拠点校とする「障害学生修学支援ネットワーク」を設け、各拠点校において、全国の大学等から障害のある学生の修学支援に関するさまざまな相談に応じるなどの取り組みを行っています。――教職員のみなさんに向けた支援、研修等も行われているのですよね。障害学生支援課:当機構では、各大学等の障害学生支援の実務担当者を対象とした研修会を例年行っています。2023年度は7月4日、5日の2日間にわたって、障害種別の学生の修学上のニーズや支援方法、障害学生のキャリア・就職支援に関する内容を取り上げ、オンライン形式で行いました。このほかにも、各大学等の教職員を対象に、障害のある学生に対する支援の在り方や、合理的配慮の提供などをテーマとしたオンラインセミナーを行う予定です。――ホームページで公表されている調査結果、特に具体的な支援事例は学校関係者の方はもちろん、保護者の方にとっても参考になりそうです。障害学生支援課:改正障害者差別解消法が2024年4月から施行されることとなり、私立も含めた全ての大学等において、不当な差別的取扱いや合理的配慮の不提供の禁止などが法的義務とされることになりました。当機構では、2016年度から2022年度まで、大学等における不当な差別的取扱いや合理的配慮に関する紛争の防止・解決等の事例を収集し、そのうち、大学等で合理的配慮を行う際などに参考となるものを選定して、ホームページで公表しています。――例えばどのような事例が見られますか。障害学生支援課:2022年度に公表した事例のうち、発達障害に関しては、それぞれの特性に応じた配慮がされた例を公表しています。例えば、手書きが困難である学生に出願書類のパソコンでの作成を認める例や、実験科目においてティーチング・アシスタントが実験の進行に係る補助やアドバイスを行う例などがあります。このほか、学生から申出があった配慮について、大学と学生とが話し合い、大学が提供できる内容で学生も納得して決定した例などを公表しています。――これから障害学生支援で注力されることを教えてください。障害学生支援課:大学等に在籍する障害学生の数は年々増加し、これに伴って障害学生を受け入れる大学等も広がっている傾向にあります。各大学等では、そうした学生が適切な支援を受けて充実した学生生活を享受することができるよう日々尽力しています。当機構としても、引き続き、セミナーの開催や情報発信を通じて、各大学等の取り組みを支援していきます。――ありがとうございました。データで見る!発達障害がある学生への支援日本学生支援機構では、診断書のある発達障害学生だけでなく、診断書はないものの発達障害があることが推察され教育上の配慮を行っている学生についても調査を行っています。2021年度は大学、短期大学、高等専門学校を合わせて1,176校から回答を回収、発達障害の診断の有無にかかわらず支援を受けている学生は、8,622人という調査結果でした。Upload By 発達ナビ編集部日本学生支援機構|令和 3 年度(2021 年度) 大学、短期大学及び高等専門学校における 障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書(P69)次に、主な入学後の支援内容について見てみます。実施している学校数にはばらつきがあるものの、授業支援だけでなく専門家によるカウセリングや自己管理指導、障害学生向け求人情報の提供など授業以外の支援も行われていることが分かります。Upload By 発達ナビ編集部日本学生支援機構|令和 3 年度(2021 年度) 大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書(P72)それでは、インタビュー内でも取り上げた支援事例について、その一部をご紹介します。【受験・入学】ASD(自閉スペクトラム症)のある学生:「試験時の座席について、一番後ろかつ隣は空席を希望(私立短大)」Upload By 発達ナビ編集部日本学生支援機構|「障害者差別解消法」施行に伴う障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集令和4年度収集事例(P54)【授業・研究】ADHD(注意欠如・多動症)のある学生:「障害があることをクラスメートに知られずに配慮を受けたい(国立大学)」Upload By 発達ナビ編集部日本学生支援機構|「障害者差別解消法」施行に伴う障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集令和3年度収集事例(P32)【試験・単位】SLD(限局性学習症)のある学生:「本人はレポート代替を希望していたが、かかりつけ医の所見に従い別室受験とした(私立大学)」Upload By 発達ナビ編集部日本学生支援機構|「障害者差別解消法」施行に伴う障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集令和2年度収集事例(P32)ほかにも、受験時、授業や課題についてなど、さまざまな支援事例が紹介されています。気になる方はぜひチェックしてみてください。日本学生支援機構|障害学生に関する紛争の防止・解決等事例集各校の支援内容を確認し、気になることがあれば早めに相談を今回ご紹介した日本学生支援機構の調査結果から、大学、短期大学、高等専門学校では、受験・入学から卒業までさまざまな障害学生支援を受けられる可能性があることが分かります。希望する支援内容によっては、医師の診断書など必要書類をそろえる必要があり、それをもとに学校関係者と丁寧に合意形成を図ることが重要になります。お子さんが進学先で希望する学びを深めて卒業を目指せるように、早めに各校の支援内容を調べてオープンキャンパスなどで相談しておくと安心です。独立行政法人 日本学生支援機構(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年08月09日もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)をすすめられて移籍するまでのお話です。入学からしばらく経つと、タクくんは「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」などの問題行動が目立つようになりました。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。まるで下宿をしているような環境の中、夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方。学校内だけでなく、学童や登校班でもトラブルを起こすタクくんに頭を悩ませていたもっつんさんは、小学校の担任の先生から案内があった、スクールカウンセラーに相談してみることに。臨床心理士として非常勤大学教授もしているスクールカウンセラーの花雲(かうん)先生のアドバイスにより、改めてタクくんに教室を脱走してしまう理由を聞いてみると、「教室がうるさいから」という思わぬ言葉が返ってきました。 これまでタクくんの行動にばかり目を向けていたもっつんさんは、タクくんが『聴覚過敏』の症状に苦しんでいたかもしれないことを知り、申し訳ない気持ちに。さらに自身の行動を振り返り、「なんであんなふうに怒っちゃったんだろう」と落ち込んでしまいます。 それからスクールカウンセリングを受ける中で、タクくんは“字を書くこと”が苦手であることが明確になってきました。そしてやはり、聴覚過敏の傾向も……。 教室で人一倍疲れを感じていた息子 ※訂正:(誤)落着く→(正)落ち着く 「教室がうるさいから」という理由でタクくんが教室を脱走してしまっていたことも、やはり聴覚過敏が原因だったのかもしれません。タクくんはいろいろな音がする教室で過ごすことに、人一倍疲労を感じてしまっていたのです。 家で宿題をするときにはタクくんが少しでも落ち着くよう、なるべく静かな環境でおこない、小さな成功を積極的に褒めるように意識したもっつんさん。 一方で、もっつんさんの生活は、 ・腰ヘルニアのため転職・本格的な不妊治療を開始・パワハラにより夫が突然の転職 など、さまざまな変化が訪れます。 夫に対していろいろ言いたいことがあっても、まずはお土産のプリンを食べるもっつんさんがかわいらしい♪ 甘いものを食べると、少しホッとしますよね。 もっつんさんは「このころは毎日、無我夢中でした。1日中、何かしらのストレスがあった試練の期間で、自分を甘やかすポイントを作らなきゃ、やっていられませんでした」と振り返ります。 もっつんさんにとって、おいしいスイーツが自分を甘やかすポイントだったのでしょう。皆さんは日常でストレスを感じたときに、自分自身を甘やかすポイントはありますか? ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター もっつん
2023年08月08日