職業がデザイナーだという男性は個性的な人が多いイメージ。そんな彼らは好みの女性像も一般の職業の人とは違っているのかも!?気になる彼がデザイナーなら参考にしたい、彼らの好みの女性のタイプをご紹介します。自分のセンスを理解してくれる女性職業がデザイナーというクリエイティブな男性にとって、自分のセンスや考えを理解してくれる人は仕事でもプライベートでも大切にするでしょう。特に恋人となる女性に対しては自分のセンスや考えを受け入れてくれることを望んでいる人が多いのです。男性側も女性側のセンスや考えを理解して受け入れてくれることが多く、お互いを理解し合える関係を望んでいるでしょう。精神的に強い女性デザイナーの仕事は常に忙しく、約束をしていたとしても突然キャンセルや変更をせざるを得ないことも。彼女が仕事のために我慢しなくてはならないことは多くなるでしょう。だからちょっとしたことで慌てたり怒ってしまう女性よりも、強くどっしりと構えている強い女性や、自分の時間を大切にしていて男性に依存しないような女性が好かれる傾向にあるようです。2人きりの時は癒しになってくれる女性ほかにも職業デザイナーの男性が好む女性像として挙げられるのが、極力仕事の話をせずに癒しになってくれる女性です。職業デザイナーの男性は仕事の時間はもちろん、プライベートの時間でも仕事に振り回されてしまうことが多く、恋人と2人の時間では仕事のことはすっかり忘れて癒されたいと考える人が多いのです。仕事やプライベートの愚痴ばかりの女性よりも、明るく時間を過ごしてくれる女性なら彼の心をつかむことができるでしょう。
2020年04月30日今、ものづくりの現場で注目を集める“デザインエンジニア”。製品の仕組みを作るエンジニアと、ビジュアルを設計するデザイナーを兼ね備える存在だ。その第一線で活躍する田川欣哉氏がディレクターを務める本展『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』では、プロダクト、グラフィック、建築などの分野で日本を代表するデザイナーたちの“原画”が並ぶ。鉛筆書きのレタリングや、写生したように細密なスケッチ。木やプラスチックなどで試作したものもあれば、原稿用紙に書かれた草稿もまた“原画”として展示されている。今やこれらの原画はとても貴重なもの。というのも、デジタル上の制作がメインの現在では、デザイナーのアトリエといえども、手書きの“原画”に触れる機会は滅多にないからだとか。20代の頃の経験を振り返りつつ、氏は言う。「このようなプロセスを垣間見ることは『つくる人』を目指す当時の私には宝物のような体験でした。良質なインスピレーションを絶えず浴びたことで、今の自分が成立していると思います」デザイナーの卵たちにこの“宝物”を譲り渡すために、本展は企画された。原画からはデザイナーたちの試行錯誤や、最高のクオリティに研ぎ澄まされていくまでのプロセスが読み取れる。何気なく馴染んでいる美しさや使いやすさの秘密を、原画の向こう側にいるデザイナーがそっと教えてくれる。そんな特別な機会になりそうだ。佐藤 卓 スケッチ柏木 博 草稿原 研哉 スケッチ小泉 誠 試作田川欣哉さんデザインエンジニア。テクノロジーとデザインに精通、プロダクトサービスからブランディングまで幅広く手がける。英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート名誉フェロー。『マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画』21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2東京都港区赤坂9‐7‐6東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン開催中~2020年3月8日(日)10時~19時(入場は閉館の30分前まで)火曜、年末年始休(12/24、2/11は開館)一般1200円ほかTEL:03・3475・2121※『anan』2019年12月11日号より。文・松本あかね(by anan編集部)
2019年12月05日モデルで女優の水原希子が、世界一周旅行に出かけるHuluオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~」の配信が決定した。本作は、旅作家・歩りえこの著書「ブラを捨て旅に出よう」を原案に据えた“半分ドラマ、半分ドキュメンタリー”という新ジャンルの作品。原案エッセイの実話エピソードをベースとしたストーリー展開は予定されているものの、いざ現地へ赴けば、あとは水原さんにおまかせ。想定している旅から180度変わる可能性を大いに秘めた“水原希子の瑞々しい感性&力強い生命力が炸裂するドキュメンタリー”の一部始終を、カメラがとらえ配信していくのだという。「今年も仕事とプライベート合わせて32都市に行ったほど、私は旅が好き!」と話す水原さんは、「この作品は本当に特殊!セリフを丸暗記して臨むのは違う気がするし、自分でもどう消化して表現していけばいいか、まるで想像がつかないというのが正直な気持ちです。でも、カジュアルに旅をしている感覚で、自分が見たいものや行きたい場所はフレキシブルに取り入れていきたい。どう転んでも“私自身の旅”になるのは間違いないので、楽しみです!」と今回の企画について語る。さらに、自身は「海外へ旅に出ると、強くなるタイプ」「不測の事態にも強くて、特に言葉が通じず“会話ができない”みたいなシチュエーションが好きなんですよ」と、知らない土地での旅への強みを明かした水原さん。「中国で仕事をし始めた時も、全然言葉は通じないけど、中国人の友達をいっぱい作って、みんなで遊びに行ったりしてたんです。言葉が通じないからこそ、人としての度量が試される…じゃないけど(笑)、その時に起こる化学反応やムード自体がすごく好きで…。何でも面白いと思うと、乗り切れちゃうんですよね。今回も本当に“答えのない実験的なプロジェクト”なので、とにかく果敢に挑んでいきたいです」と意気込んだ。また行ってみたい場所は「中国の成都」だと言い、「以前、中国でカモの血をゼリー状に固めた『鴨血』にチャレンジしたら、見た目に反して本当に美味しくてハマったことがあるんですけど、今回はぜひ大好きな四川料理を本場で堪能したいです。成都は若者の活気に満ちているらしいので、その雰囲気も絶対に味わいたいですね」とコメント。そして「世界はすべて繋がっていて、境界もないということを感じていただきたいですし、言葉が通じなくても同じ人間同士であって、パッションや想いなど、色んな側面で伝わり合うことができるということ、そしてお互いのカルチャーをシェアしたり、学んだり、受け入れ合うという事の喜びや、美しさを知っていただきたいです。私自身もこの作品ですべてを解放して、オープンな気持ちでいろんなものを吸収したいと思いますので、少しでも皆さんにポジティブなメッセージを受け取ってもらえたら嬉しいです」とメッセージを寄せている。Huluオリジナルドラマ「ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~」は2020年1月より毎週1話ずつHuluにて独占配信(全6話予定)。(cinemacafe.net)
2019年10月28日北海道最大級の滞在型リゾート〔星野リゾートトマム〕から、鮭尽くしの宿泊プラン「鮭旅(しゃけたび)」が登場!お部屋からお料理、アクティビティなど「鮭旅」でしか味わえない特別なプランは必見です。2019年9月1日(日)〜10月31日(木)までの期間限定ですよ!鮭の魅力を存分に堪能できる「鮭旅」〔星野リゾートトマム〕から期間限定で登場する、宿泊プラン「鮭旅」。北海道は、国内有数の漁獲量を誇る鮭の産地。そんな北海道で、鮭の魅力を感じて欲しいという思いから実現した特別なプランです。鮭になった気分を味わえる(⁉︎)特別な体験が用意されていますよ。さっそく、「鮭旅」ならではの注目ポイントを詳しく見ていきましょう!鮭がたっぷり「鮭ルーム」宿泊するお部屋は、鮭の姿や切り身をモチーフとしたインテリアがたくさん設えられている「鮭ルーム」!ベッドルームは、さながら鮭の川流れ。ブルーのカーペットで川を泳ぐ鮭が表現されています。そして、ベッドボードには、鮭を狙うクマの姿も!鮭になった気分を味わえるこだわりがいっぱいの空間です。お部屋の中にはマグカップやバスタオルなど、かわいらしい鮭グッズがたくさん!オレンジ色のパジャマを着て、鮭になった気分でゆったり過ごせます。そしてご覧ください、このお風呂場!鮭ルームに設置されたバスルームでは、いくら丼をイメージしたお風呂を楽しめるのです。用意された入浴剤を入れると泡が立ち、ご飯のような見た目になるのだそう。プチプチのいくらを模したボールがところ狭しと浮かんでいる様子は、「鮭旅」ならでは。至る所に鮭、そして鮭。極上の「鮭体験」があなたを待っています……!ごはんもやっぱり鮭・鮭・鮭!鮭の豪華ディナーメニューメインの「鮭フィレの塩釜焼」朝食「究極の鮭茶漬け」気になるご飯もやっぱり鮭尽くし!鮭のさまざまな部位を使ったコース料理や、こだわりの食材を堪能できる朝食など、旬の鮭をたっぷり満喫できるぜいたくなお料理ばかりです。これぞ「鮭旅」!特別なアクティビティ体験も♪「鮭旅」でしか体験できないアクティビティもご紹介。リゾート内のプール「ミナミナビーチ」では、鮭がデザインされたボードで水上スポーツを楽しめます。鮭が川を遡上するような気分を味わえるかも……⁉︎また、オプションですが、鮭の燻製作りができる体験など、トマムの大自然を感じられるアクティビティも魅力的です。「鮭旅」で鮭を満喫しよう♪今回は、〔星野リゾートトマム〕の期間限定プラン「鮭旅」をご紹介しました。鮭を存分に感じ、滞在を満喫できる特別な体験は「鮭旅」ならではですね!詳細は、公式サイトをぜひチェックしてみてくださいね♪施設名:星野リゾートトマム住所:北海道勇払郡占冠村中トマム期間:2019年9月1日(日)〜10月31日(木)チェックインまで料金:1泊39,100円(税別)〜※2名1室利用時、1名あたり。夕朝食付。定員:1日1組限定(1組は2名まで)※掲載している情報は2019年8月時点のものです。〔星野リゾート トマム〕の詳細はこちらから♪
2019年09月06日スマホでなりたいヘアスタイルが試せるアプリらしさ・ドット・コムは8月21日、ヘアスタイルがシミュレーションできるアプリ「らしさ ヘアスタイルデザイナー」のAndroid版をリリースした。「らしさ ヘアスタイルデザイナー」は2018年9月にiOS版がリリースされ、2019年7月24日現在、50万ダウンロードを突破する人気のアプリである。2019年6月には海外向けに英語版のiOSも配信を開始。そして今回、待望のAndroid版が登場した。「らしさ ヘアスタイルデザイナー」の最大の特徴は、ヘアスタイルを合成した後にも、自由に髪型のデザインが変えられること。簡単な操作で本格的なヘアスタイルがシミュレーションできる。好きなヘアスタイルを選んで自撮りするだけの簡単操作「らしさ ヘアスタイルデザイナー」の使い方は、とてもシンプル。なりたいヘアスタイルを選んで、スマホで自撮りするだけでOKだ。ディープラーニングを利用した顔認識機能で、顔型や髪型を自動で判別し、素早くシミュレートしてくれる。なりたいヘアスタイルをシミュレーションした後でも、前髪の長さや、サイドのボリュームをなどをドラッグやフリップ操作で自由に変えられる。ヘアカラーのを試してみることも可能だ。試せる髪型は、有名美容室と協力して撮影した、おしゃれなスタイルばかり。さらに提供されるヘアスタイルは、毎月更新される。もちろんシミュレートした姿は、画像で保存できる。(画像はプレスリリースより)【参考】※らしさ・ドット・コム株式会社のプレスリリース※らしさ ヘアスタイルデザイナーのサポートサイト
2019年08月28日お土産のお菓子を選ぶ時に「美味しい」ことはもちろんですが、さらに「素敵なパッケージ」であることを気にされる方も多いのではないでしょうか。つい取っておきたくなる箱やパッケージが日本のお土産にはたくさんあります。今回は奈良から、思わず誰かに贈りたくなる「レトロかわいい」パッケージの和菓子をご紹介します。 奈良県大和郡山市は金魚で有名な街。この街に老舗和菓子店「本家菊屋(ほんけきくや)」の本店があります。豊臣秀吉や千利休の時代、天正13年(1585年)創業。400年を越える歴史を持つ奈良県最古の和菓子屋です。代表作である「鹿もなか」と「菊之寿(きくのことぶき)」のパッケージは色鮮やかなグリーンや赤の色使いが印象的で「レトロかわいい」デザイン。和菓子のパッケージデザインといえばシンプルで渋いものが多いのですが「鹿もなか」と「菊之寿」は鹿や鳥、花の模様が描かれています。これはシルクロードから運ばれた正倉院宝物の模様がモチーフとなっているそう。 本店に到着すると、まずはそのたたずまいに驚きます。老舗の風格と品格が遠目からも感じられ、400年前にタイムスリップしたかのような気分に。天井には長年使用されてきたお菓子の木型がぎっしりと敷き詰められています。建物だけでなく、年季の入った家具や、大切に使い続けている昔ながらの小物などからも「本家菊屋」が歩んできた歴史の重みを感じることができます。その昔、豊臣秀吉をもてなすためのお茶会に献上した餅菓子が絶賛されたことがきっかけで、地元や奈良県の人々からずっと愛され続け「本家菊屋」の家系は26代も続いているのだそう。 オススメ土産の「鹿もなか」は、あっさりとした上品な甘さに練り上げたこし餡がたっぷり詰まっている昔ながらの最中。皮はサックリとした食感で餅米がふわっと香ばしく香り、餡は北海道十勝産や丹波産の厳選した小豆を使用し、滑らかな餡が口いっぱいに広がります。食べやすく品のある厚さもオススメのポイントです。 「菊之寿」は、50年以上販売し続けている代表的な商品とのこと。練乳を含ませた洋風生地をわざと割れやすく作り、餡には上生菓子に使われる白小豆に希少な福白金時豆をブレンド。しっとりとした食感が楽しめるケーキのような「菊之寿」は、上品で贅沢な逸品。緑茶はもちろん、コーヒーとの相性も抜群なのです。 大きな時代の変化や災害など様々な苦難があったであろう400年を超える長い歴史の中で、一途にお菓子を作り続けることは容易ではなかったと思います。素材にこだわり、素朴だけれど美味しさと品格を保ち続けている「本家菊屋」の魅力はこれからも変わらず続いていくのでしょう。奈良が好き、昔ながらの「レトロかわいい」デザインが好き、という方にぜひオススメしたいお土産です。 その「本家菊屋」の本店から少し南下した場所、奈良県天理市にあるJR・近鉄天理駅の駅前に「コフフン」という広場があります。コフフンはまちの元気をつなぐ、にぎわいづくりの拠点です。広場は天理市の「歴史」「地理」「文化」という3つの要素を凝縮したデザインとするため、市内に約1600基も点在しながら日常生活に美しく溶け込んでいる「古墳」をアイコンとしているそう。古墳を想起する野外ステージや大型遊具、カフェや観光案内などの機能を備え、イベントの開催や観光・ものづくり・農業情報の発信、近隣住民の憩いの場として活用され、周辺地域のにぎわいの循環が生まれています。 地元の食材を使用した日本食や総菜パンを提供する「ネオ和食」をコンセプトにしたカフェレストランもあります。「コフン」の中で天窓から降りそそぐ太陽を感じながら、奈良でとれた新鮮な食材を使った料理を楽しめます。 雑誌などにも多く取り上げられています。 広場にはすべり台やブランコ、トランポリンなど子ども向けの遊具や、大人のための健康遊具がちりばめられています。木の板を傾斜36度の大きなすりばち状に張りめぐらせた壁を底まですべり降りてぐるぐる回って登れるなど、今まで見たことのない遊具もあります。 コフフンは市民はもちろん、観光などで訪れた人々にも楽しんでもらえる広場になっています。この広場をどう使うかは使う人次第。型にはまることなく年齢問わず自由に活用できる、そんな訪れる人々に寄り添った考え方、そしてたくさんの可能性がこの広場にはあるなあと考えさせられました。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年05月11日もうすぐゴールデンウィークが始まります。今年はなんと10連休!こんな時こそなかなか行けない場所に、と色々と予定を立てている方も多いのではないでしょうか。私のゆっくりぶらり旅のおすすめは沖縄本島の離島巡り。石垣島、竹富島、西表島など沖縄には有名な島がたくさん。そんな有名な島も良いのですが、本島付近の離島もとてもおすすめです。観光客も少なく、本当の島時間をじっくり楽しむことができます。 少し前にずっと気になっていた沖縄本島周辺の島巡りに実際に行ってみました。古宇利島、屋我地島、伊計島、宮城島、平安座島、久高島など。中でも久高島は琉球の祖アマミキヨが天から舞い降りてきて、ここから国づくりを始めたという琉球の聖地とのこと。今も島の人々によって神事が行われています。とにかく海がきれい!小さな高速船で久高島まで行きます。 久高島の海はとにかくキレイ!観光客はほとんどいません。 自転車を借りて島内を巡ります。小さな島らしい、かわいい道です。島民の方と出会ったら挨拶をしましょう。 ちょっと砂浜を歩くと、ヤドカリがたくさん足元に。 浅瀬には水族館で会うことができるヒトデの姿も。 こちらは沖縄県立美術館・博物館。遺跡のようなインパクトのある外観に驚きました。 本島の南にあるガンガラーの谷には洞窟の中にあるカフェも利用できます。なんとも不思議な空間!ガンガラーの谷は、数十万年前までは鍾乳洞だった場所が崩れてできた豊かな自然が残る亜熱帯の森。約1万8000年前に生きていた「港川人」の居住区としての可能性も高く、今も発掘調査が行われています。 色々と本島を巡っていると、とても気になるカルタを発見!その名も『沖縄おもしろカルタ』。カルタの作者は、沖縄の琉球張子作家の豊永盛人さん。イラストが独創的で見ているだけで面白いのですが、何よりもっと気になるのが読み札。沖縄の言葉で書かれているので、ほぼ解読不可能。読み札の内容はイラストとのギャップが激しく、シュールな解説にじわじわと面白さを噛みしめることに。豊永さんの感性溢れる表現で綴られた沖縄の方言と沖縄の文化を垣間見ることができ、地元沖縄の人でも思わず笑ってしまうそう。ついつい一つ一つの文章にツッコミを入れたくなり、もうカルタどころではありません。みんなが集まるゴールデンウィークや旅行のお供に大活躍間違いなし。沖縄方言を学びながらカルタを楽しめるので、沖縄土産としてもおすすめです。カルタの外箱は一点一点手作業で色付けされていて、その時々により色合いが異なり、同じものが2つとありません。 歴史を振り返ると沖縄がアメリカから日本に返還されたのは1972年(昭和47年)5月15日。昭和の後半となると、つい最近の事のように感じます。北から南まで、日本は本当に様々な気候と文化の集合体。たくさんの体験と学びを得ることができます。いまこうして同じ日本であることに感謝です。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年04月21日最近カフェオレベースにはまっています。カフェオレベースとは、ドリップコーヒーを濃いめに落としたカフェオレのベースになるもの。ミルクがあれば美味しいカフェオレが自宅で楽しめるのです。ちょっと濃厚なミルクや豆乳で割ったらオシャレなカフェに来たような気分になります。様々なカフェオレベースを飲みましたが、今回ご紹介したいのが栃木県那須にあるSHOZO CAFEのカフェオレベース。パッケージもシンプルで可愛く、お土産やギフトにもピッタリです。 SHOZO CAFEのカフェオレベースは深煎りのコロンビアがベースとのこと。HOTでもICEでもお好みで楽しめます。加糖タイプですがスッキリとした甘さに仕上げてあり、上品でコクのある本格カフェオレを堪能できます。コーヒー好きにも、ブラックが苦手な方にもオススメです。急なお客様にも、取っておきのおもてなしができます! SHOZO CAFEに行った後は、建築家・石上純也氏設計の「水庭」が見たくてアートビオトープ那須に。美しい木々と清らかな水に恵まれた那須山麓・横沢の地には、静かな時間がゆっくりと流れています。アートビオトープはその豊かな自然環境のなかに佇む、カジュアルなステイとアートなアクティビティが楽しめるアートレジデンスです。本格的なガラススタジオではオリジナルの作品作りに挑戦することができます。宿泊だけでなく、明るくナチュラルな雰囲気のカフェ、スタジオのみでも気軽に利用できます。 このアートビオトープに隣接する東京ドームのグラウンドがすっぽり入るほどの敷地に、これまでにないアートと自然が織り成すボタニカルガーデン「水庭」があります。この庭は自然と寄り添い、日々変化し、新しい感性が生み出されていく庭。時間の経過とともに変化する庭は、自然と身体と対話するための特別なメディテーション空間。日頃の喧騒を離れ、心身のあるべき姿を取り戻す場所としてゆっくりと体験することができるそう。 4年の歳月をかけて完成した「水庭」。森と水と苔で作られた「水庭」は元々の周辺環境を生かすことを考え16,000平米の土地に318本の木を移植、160個の池が作られています。どのポイントから見ても重ならないよう樹種や位置を検討し、木も石も苔も、元々この土地にあったものだけを使用。鉄骨のベースを地下に埋め、根こそぎ持ってきた木を一本一本計算して立たせて自立させているそう。すっかり葉も落ちた木々は寂しくも感じましたが、少しゆっくり春を迎えるこの地の季節の変化を、そして池の中のもう一つの世界の変化をも楽しめるのです。池の中もあまりの美しさに、写り込んだ世界に吸い込まれそうになります。池の水は静かに循環されるよう水田の知識が活かされています。 人工的に作られた風景だから不自然なはずなのに、なぜか自然よりも自然に感じてしまう。鳥の鳴き声や水の音、土の匂い、陽の光のあたたかさ、苔の柔らかさなど、五感を働かせて瞑想するように楽しむことができます。どこか知らない物語の中のような、そんな不思議な世界でした。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年04月07日東日本大震災から8年が経ちました。海のキレイな場所が岩手県の三陸海岸にあるということで、震災後の沿岸部の様子を伺いつつ、宮古市にある「浄土ヶ浜」に向かうことにしました。三陸復興国立公園・三陸ジオパークにある浄土ヶ浜は本州最東端の街、宮古市の代表的な景勝地。なんと約5200万年前に形成された火山岩からなる白い岩塊によって穏やかな入江が形成されている美しい場所なのです。今回はそこで出会った、地域の人々に愛され続けている変わった形のかりんとう「田老かりんとう」をご紹介いたします。 この辺りは昭和8年に起きた昭和三陸大地震の津波で甚大な被害を受けたことを教訓にして、当時日本一の高さと言われた10メートルを越える防潮堤を築いて町を守ってきたことでも知られていましたが、東日本大震災の大津波は10メートルを遥かに超えて、防潮堤を一瞬で突破し、再び町を飲み込んでしまったそう。 創業大正12年という老舗の「田中菓子舗」は昭和8年、平成23年の2度の津波で壊滅的被害を受けましたが、その度に苦難を越え復活し、地域の人々に愛され続けてきました。2度目の津波、東日本大震災では愛用してきたミキサーなどの道具や、書きためたレシピ帳など、菓子作りに必要なすべてを失ってしまったそう。 耳のような形と渦巻きが特徴の「田老かりんとう」は生地の仕込みから袋詰めまで全てが手作業。1日500袋しか作れないとか。三陸宮古の塩を練り込んだ生地を1枚1枚切って、国産米胚芽油で揚げ、黒糖蜜をからめています。通常、黒糖のかりんとうは真っ黒に近い色をしていて黒糖の味がしっかりとしていることが多いのですが、「田老かりんとう」の甘さは控えめ。優しく黒糖の香りが広がります。一口かじった時の軽快なパリっとした噛みごたえ、素朴でどこか懐かしい黒糖の味わいが一度食べると忘れられず、何枚でも食べたくなるかりんとうです。ついついリピートしてしまいます。 海が美しい浄土ヶ浜ですが、なんとここにも「青の洞窟」があるというのです。「青の洞窟」といえば、イタリアや沖縄が有名。しかし、日本には他にもたくさんの「青の洞窟」が存在するのです!鹿児島県の加計呂麻島、北海道の小樽、新潟の佐渡島、三重県の熊野、京都府の犬ヶ岬、長崎の華島など。どこもなかなかアクセスが大変そうな場所にありますが、浄土ヶ浜にもそんな「青の洞窟」があるというのですから、ぜひ美しいコバルトブルーを見てみたい!ということで船の乗り場に向かいました。青の洞窟へは、「さっぱ船」で行くことになります。「さっぱ船」とは、漁師が磯場での漁に使う小型の船のこと。この船で、浄土ヶ浜周辺の絶景スポットと、「青の洞窟」の内部を巡る約20分の遊覧ツアーを体験することができるのです。桟橋から船が離れると、すぐにウミネコたちが近くにやってきます。ちょっと目が怖い! 船がスピードを出し始めると、ウミネコたちもバサバサと全力で追いかけてきます!なんだか襲われているような錯覚に!餌をもらいに躊躇なく頭に乗ってくるウミネコたち。船に乗る前にヘルメットの着用は必須と言われた理由がわかりました。ここでは一生分ウミネコと戯れることができます。「青の洞窟」に入るならできるだけ午前中の早い時間のほうが美しい青色と出合える可能性が高いそう。 洞窟の入り口は「え!ここ!?」と、つい言葉に出てしまうほど狭くて暗い穴。 これは美しい!外からでは真っ暗で何も分からなかったのですが、内側から見るとこの青さ!眩しいほどのエメラルドグリーンがひっそりと静かに洞窟内で広がっていたのです。南の島ではないのにこの透き通った美しい青。天気も良く、地球色を堪能することができました。 旅をすると旅先では様々な人に出会います。そして、そこにしかない歴史や人々のストーリーがあります。三陸の美しさ、震災に負けない人々の強さに触れることができました。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年03月23日友人のデザイナーが今回パッケージのデザインをしたという新感覚チョコラスク。もちろんパッケージも可愛いのだけれど、驚いたのがその食感と上品なチョコレートの甘み!元々、福島県会津の代表的なお菓子といえば「みそぱん」。堅めの生地に会津味噌とはちみつを使っていて、直径は4センチ程度のほんのりと味噌の香りと塩気が感じられる昔ながらの素朴な甘いお菓子。パンと名乗っているものの実態はソフトクッキーといった感じのもの。冬の寒さが厳しい会津の保存食としても親しまれてきたそう。 なんとこの新感覚チョコラスク、「みそぱん」を焼いた後に厚めにスライスし、更に焼いた後でしっかりとチョコを染み込ませさらに焼く!という3度の手間がかけられているそう。この工程がエアー感を感じさせる絶妙な新食感のサクサクにつながっているんです!このラスクを作っているのは会津若松市にあるオノギ食品。食べだしたら止まらない、新発売の新感覚チョコラスクはこの春に会津若松周辺のスーパーマーケット、サービスエリア、道の駅などで発売予定です。見つけたらすぐに試していただきたい逸品です。もちろんお土産にもおすすめです。 そんな会津若松に、ぜひ立ち寄っていただきたい不思議な仏堂があるのをご存じでしょうか。その名も「さざえ堂」。もうすぐ春かなと思う時期にも会津若松では大雪が降ることがあります。たまたま訪れた日が雪で、神秘的な「さざえ堂」を見ることができました。 通称「さざえ堂」は、飯盛山「戸ノ口堰洞門」の近くにある1796年に建立された高さ16.5m、六角三層の仏堂です。正式名称は「旧正宗寺円通三匝(さんそう)堂」。この「さざえ堂」、名前の通り中が貝のようになっていて木造建築にも関わらず内部通路がDNAと同様の「2重螺旋」のスロープ構造になっており、摩訶不思議な空間を体感することができるのです。 正面から入ると右廻りにスロープが螺旋状に登っていきます。しかし頂上で橋を渡ると、下りの左回りのスロープに変わり、最後は建物の後ろ側に出ます。螺旋構造な上に一方通行で、登りの人とすれ違うことはないのです。登り降りの坂はやや急で、雪が足の裏に付いていると滑って転びそうになります。大きくはないものの、この不思議な構造は世界中を見渡しても階段状のものは存在するけどスロープ状のものは他にないといいます。16世紀初頭に築城されたフランスの「シャンボール城(世界遺産)」には、レオナルド・ダ・ヴィンチ設計と伝わる「2重螺旋階段」があり、この構想が海を渡って日本に伝わったという説もあるそう。 200年以上前から存在し、世界的にも珍しいと言われている「さざえ堂」。江戸時代にこれだけの木造建築を完成させた職人の技術力が想像を超えていて、ただただ驚くばかりでした。世界中から有名な建築家やデザイナーも訪れるほどだとか。ここには会津の街を見下ろせる展望スポットもあります。なかなか写真と言葉では伝えることができない錯覚のような感覚と、不思議な魅力を春になったらぜひ体感していただきたい。
2019年03月07日母校でもある大阪芸術大学に新しく日本を代表する建築家、妹島和世設計の新建築ができたと聞き大阪に向かいました。2017年4月に誕生したアートサイエンス学科。その新校舎が昨年の11月27日、大学の入り口に竣工したのです。西日本最大規模の総合芸術大学のアートサイエンス学科は「芸術」「情報」「社会」の3領域を横断しながら21世紀型の新たなクリエイターを育成する場所として、MITメディアラボ副所長・石井裕、チームラボ代表・猪子寿之、NAKED Inc.代表・松村亮太郎といった贅沢な方々が客員教授を務めているというので驚きです。 写真では見たことがありましたが、想像以上にくにゃくにゃです!有機的なコンクリートの曲線がもたらすのは、周囲との調和。この新しい校舎は「建てる」というより「降ろす」という想いで丘の上に建てられたとのこと。 屋根かと思いきや地面にも接していて、そこから段を登り中に入ることもできるという3層構造の建物は、あらゆる方向からの出入りが可能となっていて内外のつながりを強く感じられます。また、角度によって様々な表情を見せてくれるのもこの新建築の魅力。何度もぐるぐると歩き回ってみたくなります。 大学の裏手には安藤忠雄設計の「近つ飛鳥博物館」もあります。この辺りの古墳群から出土した古墳時代から飛鳥時代の剣や刀、金具、耳飾り、指輪などが展示されている古墳に関する博物館。「近つ飛鳥風土記の丘」全体を一望できるように設計され、内部は出土品が古墳の中に収められているかのように展示されています。学生時代にはここまで建築に興味がなかったので、改めてこうして来てみると印象の違いに驚きを隠せませんでした。 長く細かい階段が屋上に続きます。とてもキレイで大胆で、大自然の中に潜む要塞のよう。 色々と建築をめぐり、大阪を後にしようとした時に目に飛び込んできたのが「オーバンドキャンディ」と「フエキ練乳みるくプリン」。どちらも誰もが一度はお世話になったことがあるであろう、いわゆる「輪ゴム」と「糊」。しかしよく見ると「キャンディ」と「プリン」と書いてあります!オーバンドは大阪本社「株式会社共和」、フエキ糊も大阪本社「不易糊工業株式会社」の商品。どちらも実は大阪の会社だったのです。輪ゴムのようなパッケージのキャンディと、糊のようなパッケージのミルクプリン!すごいお土産を見つけてしまった!とちょっと興奮気味。 どこをどう見ても輪ゴムなパッケージ!いつも通りに丸い穴を開けてみると中からアメちゃんが!オレンジの懐かしい味が口に広がります。 プリンは優しいミルク風味。ぷるぷるというよりはムースっぽく、食べ応えがある感じです。ただ、どうしてもフエキくんの頭の中身を食べている感じがして、ちょっとシュール。。!!お取り寄せも行なっていないようなので、大阪で見つけたらすぐにゲットしたいお土産の一つ。フエキくんの入れ物は、食べた後は小物入れや貯金箱にできそう。 大阪らしいユーモアたっぷりのお土産。懐かしの文房具好きにはズキュンと来るものがあります。お土産にしたら驚かれること間違いなしです。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年02月22日いま注目度を増している「旅育」とは、「旅を通じておこなう子ども教育」のことです。でも、ただ子どもと旅に出ればいいのでしょうか?旅育初心者のため、その第一人者である旅行ジャーナリスト・村田和子さんが具体的なアドバイスをしてくれました。旅育をするにあたってまず重要となるのは「子どもを子ども扱いしない」ことだそう。そして、「体感をもって学ぶ」ことの重要性に子ども自身に気づかせることだとも。構成/岩川悟(slipstream)取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)「子どもを子ども扱いしない」という姿勢旅育とは「旅を通じておこなう子ども教育」。つまり、旅によって「子どもが大人に向かって成長する」ことが目的です。であれば、まず重要となるのは「子どもを子ども扱いしない」ことではないでしょうか。大人の友人同士で旅行するというときに、行き先を告げないとか相手の希望を聞かないということはあり得ませんよね。でも、家族旅行となると、親はどうしてもそうしてしまいがちです。そこで、子どもを子ども扱いしないために、「旅の計画から子どもと一緒にする」のです。ただ、小学校に上がる前くらいの幼い子どもだと、現実的な旅行プランを出すことは難しいでしょう。それに、せっかく子どもが「あれをしたい」「これをしたい」と言ったのに、現実的に難しいからと却下してしまうと、教育という点から見れば逆効果。自己肯定力を下げることになってしまいます。そこで、夏休みに海に行くのか山に行くのかといった複数の案から選択させるのです。ただ選択するだけですが、それでも子どもにとっては自分が決めた旅になるので、旅に臨むモチベーションがまったくちがってきます。意欲的に旅に出るわけですから、旅がもたらしてくれるさまざまな効果(インタビュー第1回・第2回参照)も格段にアップするというわけです。旅の計画を立てることは頭を使うことだらけもう少し子どもが大きくなったら、計画を立てるときに家族会議をしてください。家族それぞれが行きたい場所を挙げてプレゼンをするのです。どうしてその場所に行きたいのかといった理由を各自が訴え、他の家族はそれをしっかり聞く。すると、子どもは、「パパの案もいいな」と思ったりもします。そして、自分の案とどう折り合いをつければいいのかと考えて答えを導こうとする。こうして、社会に出たときにも重要となるコミュニケーション力や他者理解の力が自然と養われるのです。小学校中学年になれば、旅の計画の一部を思い切って子どもにまかせてみてください。目的地への行き方もひとつではありません。車がいいのか、電車がいいのか、電車でも新幹線を使うほうがいいのかと考えさせてみるのです。旅の計画というのは、本当に頭を使うことが多いものです。宿はどうするのか、観光はどうするのか、さらに予算も絡んでくる。考える要素がたくさんあるうえに、正解もない。それこそ、「正解がない」といわれる時代に必要な「考える力」を育むことになるのです。これにはインターネットの普及が好影響を与えてくれています。インターネットがない時代に、時刻表とにらめっこして予定を組むのは子どもには難しかったことでしょう。しかも、目的地周辺の観光や宿の情報を得る手段も限られていました。でもいまなら検索をすれば複数の経路に宿や観光の情報がすぐに示されます。いまの時代だからこそできるようになった教育だともいえます。身をもって「百聞は一見にしかず」を知るただ、インターネットにはデメリットもある。幼いときからあたりまえのようにインターネットに触れてきたいまの若い世代は、頻繁に旅行をする人とまったくしない人というふうに二極化しています。以前ならなかなか得られなかった情報に触れたからこそ「実際に体験してみたい」と思う人と、「家にいて得られるものになぜ時間やお金をかけるのかわからない」と思う人にわかれているのです。後者には「情報=リアル」という価値観が根底にあるのだと思います。でも、実際に旅先で本物を見ると、思っていたものとちがうということはよくあることですよね。それは、「思っていたよりも良かった」でも「思っていたほど良くなかった」でもいいのです。重要なのは、「情報とリアルはちがう」と体感すること。つまり、身をもって「百聞は一見にしかず」を知ることなのです。わたしの息子が小さいときにはじめて海に行ったときのことです。息子もテレビなどを通じて海も波も知っていて、海が見えてきたときには「わー!海だ!」とはしゃいでいました。ところが、実際にビーチに立ったら、「波が怖い」と言って海に近寄ろうともしなかった。息子はまさに五感で海を体感し、息子なりに海というものを知ったわけです。幼いときから体感をもって学ぶことの大切さを知る。そういう経験があれば、どんな情報化社会になろうとも、本物の重要性を見失うことはないと思うのです。『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』村田和子 著/日本実業出版社(2018)■ 旅行ジャーナリスト・村田和子さん インタビュー一覧第1回:子どもの人生は“旅”で幸せになる。いまの時代こそ親子で旅に出るべき理由第2回:旅先での行動は“親子別々”に。“親の不在”が深める子どもの「自信」第3回:旅の計画には“正解がない”。子どもの「考える力」を育む旅行プランの立て方第4回:忘れてはいけない“旅の記録”。旅先での成功体験を思い出すたび「自己肯定力」が高まる(※近日公開)【プロフィール】村田和子(むらた・かずこ)1969年8月29日生まれ、神奈川県出身。旅行ジャーナリスト。2001年、生活情報サイト「All About」運営スタート時に旅行情報のガイドに就任したことを機に執筆活動を開始。モットーは「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」。現在は家族旅行を応援する旅行情報サイト「家族deたびいく」を運営しながら、消費者視点での旅の魅力や楽しみ方を年間100以上の媒体で紹介する他、旅行に関する講演、旅行サイトや宿泊施設のコンサルティングもおこなう。得意なテーマは旅育、家族旅行、ひとり旅、記念日旅行、ヘルスツーリズムなど。特に旅によって子どもの生きる力を育む旅育を村田式教育メソッドとして著書等を通じて啓蒙を進めている。一児の母。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年02月10日今回ご紹介したいお土産は、雪国を代表する長野県の山菜「根曲がり竹(千島笹)」を使用したサバタケと、小古井菓子店の「おさるの金太郎飴」。ここ北信地方では根曲がり竹とサバの水煮缶詰を入れた味噌汁を食べる風習があります。寒いこの時期にはあたたかいサバタケが体に染み渡ります。 標高1500m前後の志賀高原で採れる天然物の「根曲がり竹」はえぐみがなく食感が絶妙で、とても食べやすい細さ。他の産地にも負けない天下一品の味。食べるときにはネギなどの薬味を加えるなどの一手間を。 小古井菓子店の「おさるの金太郎飴」は、ひとつひとつ表情が違って食べるのがもったいないくらい。近くの地獄谷野猿公苑にちなんだかわいいお土産です。 今回これらのお土産を見つけたのは、世界で唯一温泉に入るニホンザルを間近で見られる場所、長野県の地獄谷野猿公苑近くのお土産屋さん。地獄谷野猿公苑は、「外国人観光客が日本で訪れたい場所」の上位にいつもランクインしている意外な場所。 この公苑は、長野県の北部にある横湯川の渓谷にあります。切り立った崖に囲まれ、源泉が絶えず湯気を上げている光景に、かつて人々はこの地を地獄谷と呼んでいたそう。標高850mに位置する地獄谷の冬は厳しく、1mを越える雪に覆われ、最低気温が-10℃を下回ることもしばしば。山深い場所にあるのと、冬はとても厳しい環境ということもあり、実際に行くのも一苦労です。 サルも厳しい寒さゆえに温泉に入るので、やはり真冬に行かないとサルの入浴シーンは見れないのです。私の周りにも実際に行ったことがある人はほとんどおらず。そんな過酷な場所なら、行ってみるしかない!と真冬の長野に向かいました。 どこまでも続く美しい雪景色を窓に写しながら電車はゆっくりと進んでいきます。あたたかい電車の中から眺める雪景色は贅沢にも感じます。 温泉に入るサルは1970年にアメリカの「LIFE」誌の表紙に掲載され、海外に報道されました。1998年の長野冬季オリンピックの際は選手、大会関係者、報道関係者等、世界中からの人々が大勢訪れ話題となり、広く世界中に知られました。そんな世界中で話題の野猿公苑へは最寄駅の湯田中駅からバスに15分乗り、バス停からさらに山の中を約40分歩きます。湯田中駅周辺にあるゲストハウスやおみやげ屋さんでスノーブーツや防寒コートのレンタルも行なっているのでとても便利です。なかなか準備が必要なサルの楽園。簡単にはたどり着けません。 すぐ左は崖。道から外れないよう気をつけながら雪深い山道を進みます。 なんとこんな車も入ってこれないような場所に旅館が!地獄谷温泉唯一のお宿、1864年創業の「後楽館」では日帰り入浴もでき、寒い日は露天風呂にサルが入ってくることも。世界でただひとつだけ猿と一緒に入浴できる露天風呂なのです!※野生なので近くに来たおサルには触らないよう注意してくださいね 道を歩いていると急に上から雪のカタマリが降ってきました! 見上げると木の上にはサル! よく見るとすぐ近くにもサル! 突然サルたちが目の前に現れはじめます。動きを見ているとかなりすばしっこい様子。木の皮を食べたり葉の先を食べたり、寒いのに小さな子供のようにとっても元気です。 温泉に入るサルを探すと、一番奥に人だかりを発見!いたーーーー!!温泉にサル! さる! 猿!人に慣れていて足元にも来るのでフワフワの毛に触りたくて仕方がないのですが、なんといってもみんな野生のサル。いつ噛まれたり引っかかれてもおかしくありません。ここはぐっと耐えます。 温泉の中ではそれぞれペアになって毛づくろい。 気持ちよさそうに温泉に入っていて、みんな人間のよう。子ザルも多く、温泉に勢いよく飛び込んだり走り回ったり。 さ、触りたい!!! 開苑以来、ニホンザルの興味深い生態を間近で観察できる場所や温泉に入るサルとして広く世界中の人々に愛されている野猿公苑。戦後、サルが食料にしていた山奥の木々が切り倒され、サルは生息地を無くし、山から地獄谷付近まで下りて来るようになったと言います。ところが山を下りたサルの数が多すぎて食料が足らず、更に下流のリンゴ畑が被害を受け、サルが有害獣と認められ50頭の射殺許可が出たところ、餌が足りれば畑の被害は出ないという発想から、リンゴ畑から離れた上流付近にてサルを餌付けし、人間との共生を目指してサルの駆除に反対した初代苑長が行動を起こしたそう。その後、3年がかりで警戒心の強いサルの群れを手なずけ、1964年に地獄谷野猿公苑が開苑となったのです。地獄谷野猿公苑のニホンザルは大人しく、カメラを向けても全く逃げません。しかし、サルたちは森に生息する野生動物であり、様々な背景があったものの地獄谷野猿公苑は、あくまでも自然観察の場という位置づけなのです。 地獄谷野猿公苑は地方創生のアイディアのヒントが詰まっています。そして、かわいいニホンザルの姿の裏にはスタッフ達、地元住民による環境保護へのアイディアと努力が隠されているのです。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年02月07日ファセッタズム(FACETASM)とデンマークのデザイナー・ヴィブ・ファルスロフ(Vibe Harsløf)によるコラボレーションジュエリーが、ファセッタズム 神宮前、表参道などで2019年2月1日(金)より発売される。ファセッタズム2019年春夏コレクションにて、ランウェイを彩ったボリュームのあるアクセサリー。今回のコラボレーションでは、それらを洗練されたデザインにアレンジ。ファセッタズムの遊び心とヴィブ・ファルスロフのエレガンスな要素が合わさった、ブレスレットやピアスなど4種類全8型のアイテムがラインナップする。アクセサリーは、瓶の栓や缶のプルタブなど、日常でよく目にするものをモチーフに採用。病院で処方される薬をアレンジしたネックレスは、薬を取り出した後の“へこみ”までリアルに再現。また、本来薬の名前が記載されている裏側には、コラボレーションの証として両ブランドの名前が刻まれている。【詳細】ファセッタズム×ヴィブ・ファルスロフ発売日:2019年2月1日(金)販売店舗:ファセッタズム 神宮前・表参道、オンラインストア価格:・ブレスレット 62,000円+税・ピアス(3型) 各18,000円+税・キーチェーン 28,000円+税・ネックレス(3型) 各25,000円+税【問い合わせ先】ファセッタズム 神宮前TEL:03-6447-2852
2019年02月01日「ハマナス」を使ったオーガニックコスメrosa rugosa(ロサ ルゴサ)のデザインのお仕事で、北海道十勝郡浦幌町にやってきました。夏が訪れると浦幌町の海沿いは甘くたおやかな香りを纏った「ハマナス」の鮮やかな紅紫色に染まります。甘く芳しい香りに誘われ、そっと近づいてみると、一面に咲き誇る愛らしい花々の姿が。「ハマナス」と名付けられたこの花は、日本原種のバラ。英名で“Japanese Rose”と呼ばれています。その昔、アイヌの人々は、海辺の砂地に自生する「ハマナス」をさまざまな用途で利用していました。ビタミンCの供給源として花びらを煎じて飲み、気持ちを落ち着かせるハーブとして香気を身につけ、秋に色づく果実を疲労回復に効く食料としていたなど諸説が口承されています。 rosa rugosaは、ハマナスと天然由来成分を原料とした北海道・浦幌町生まれのオーガニックコスメブランド。ビタミンCを豊富に含むハマナスの花びらを水蒸気蒸留法で抽出した蒸留水や、保湿効果の高い北海道原生のトドマツの葉のエキスなど、厳選した天然由来成分を配合しています。乾燥しがちな肌に潤いを与え、バランスを整えながら角質層まで浸透。今の季節にぴったりです。オーガニックのため、大人から子どもまでどなたでもお使いいただけます。 浦幌町では「未来を担う子どもたちが、夢や希望を抱ける町をつくりたい」という理念を掲げ、小中学校・行政・住民が協働した取り組みを続けています。しかし浦幌町には高校がなく、一度町を出ても戻ってきたら就職先がないなど雇用問題をかかえているのが現状です。小・中学生が栽培したハマナスを原料に子どもと大人が一緒になって商品開発に関わり、プロモーションを行っていき、それによって生じる新しい仕事は将来若者の選択肢のひとつとなるはず。今回の商品開発の主役は浦幌町に住む子どもたち。パッケージのイラストは子どもたちに写生大会でハマナスの絵を描いてもらいました。rosa rugosaのパッケージデザインのご依頼をいただいたとき、「このハンドクリームの絵は私が描いたんだよ!」と子どもたちと一緒に商品を作っていきたいと考えたのです。 浦幌町にはハマナス以外にもたくさんの美しい自然と秘密のスポットがたくさん!まずは通称「おっぱい神社」で知られる乳神神社にやってきました。小ぶりでかわいい神社です。 ご祭神は「父授姫大神(ちちさずけひめのおおみかみ)」。子宝、安産、縁結びの守護神として全国に知られています。 本殿右横に祀られているのが「乳石」。自然石でできており、触れると願い事が叶うと言われています。なんとも滑らかでありがたい丸み。。。ついつい触りたくなります。 浦幌炭鉱の跡地には昔の集合住宅の痕跡があります。浦幌炭鉱は明治28年に採掘が始まり昭和29年に閉山。炭住アパートの他、旧病院跡地、鉄道橋脚跡などの遺構が神秘的な森の中に残ります。 青森の青池や長野の大正池よりも圧倒的な密集率の枯れた木々が立ち並ぶ幻想的な池。こんなにたくさんの木が立っている池はなかなかありません。神様が住んでいるような神聖な空気を感じます。 浦幌海岸のすぐ近くにある不思議な鳥居。すっかり背丈よりも大きな草に覆われて、とても入り込めるような様子ではありません。御神体がどこにあるのかもわからず謎は深まるばかりですが、なぜか神秘的で美しい。 浦幌海岸は穏やかで優しいブルー。水平線と空がふわりと溶け込んでいて、高台からいつまでも眺めていたくなってしまいます。 浦幌町はおもしろスポットが多く、子どもも大人も笑顔いっぱいで緑も海も豊かな美しい町です。いろいろな場所におじゃますると、町や住民の為になるようなことをお手伝いしたいなぁと思います。 「デザイン」は使う人と、想いを持って作りたい売りたい、と思っている人たちのためのもの。表現の部分でそのお手伝いができたらとても幸せなことだといつも考えています。 rosa rugosaは浦幌町の道の駅、新千歳空港、十勝ヒルズ、北海道ホテルなど、北海道を中心に販売しています。乾燥しがちなこの季節、お肌に潤いを。Japanese Roseということもあり、海外へのお土産にもおすすめです。【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年01月22日金曜の夜23時新宿発の夜行バスに乗り、朝5時に新潟港に着。6時発の大型フェリーに乗り、土曜の朝の8時半には佐渡島に到着。土曜の夜、島で一泊して日曜夕方に高速船で新潟市内に戻り、新幹線に乗り、21時には東京駅着。都内から実は土日で楽しめる、沖縄の次に大きな島、佐渡島。温泉もたくさんあり、南の島のように海も青く、日本最大級の金銀山の廃墟群もとても美しく、江戸時代に流通していた大判小判はほぼ佐渡島からのものと聞いて驚きました。日本海に浮かぶ島ということもあり、寒さ厳しくどこか物悲しいイメージがありましたが佐渡島のイメージが大きく変わりました。 日本海なのにこのベタ凪!佐渡島では青い海でシーカヤックも楽しめます。 海の見える棚田はあまり日本ではありません。夏にはとても美しい景色が広がります。 かつて東洋一と言われた金銀抽出施設跡。異国の遺跡の一部のような様子。400年の歴史を肌で感じることができます。 大きな大きなシックナー跡。ここで金を撹拌していたそうな。 洞窟、鉱山跡、廃墟好きにはたまらない、この美しさとこの規模!あまりまだ知られていないのか、観光客はほぼいません。 日本海はとくに白身魚が美味しいのだとか。新鮮なお刺身がたくさん盛り付けられているのにとってもお値打ち! 真っ黒の瓦に焦茶色の壁という家々も作りが統一されていて風情があり、街並みも洗練されておりとても美しいのです。魚も佐渡米も佐渡乳業のソフトクリームも美味しい。なんといっても人が明るくてみんな親切。いろいろな島におじゃましていますがこんなにも素晴らしい島が他にもあったなんて!島は島ごとに空気も文化も美しさもそれぞれで、本当に発見が多いのです。 伝統的な家がみっちり敷き詰まってる集落、宿根木。なつかしすぎる風景がここにはあります。 人が一人通れるくらいの道しかない密集した家並みを見ることができる島がありますが、ここもなかなかの密集具合です。 佐渡乳業の直売所。お土産に買いたいと思っていた「佐渡バター」はすでに売り切れていました。 佐渡牛乳もトキのデザインが施されており、店頭に並ぶ様子がとても可愛い! 中でもぜひオススメしたい佐渡島のお土産が、佐渡乳業が作る「佐渡バター」。とにかくどこも売り切れで売っていない!お土産売り場でも棚は空っぽ。大きめのスーパーでも棚は空っぽ。1個(200g)800円ほどする「佐渡バター」は決して安くはないはず。しかし自然豊かな佐渡島で飼育された乳牛のミルクから作られたバターはそこまで量産ができないのか、地元の人にも愛されるなかなか出会えない幻のバターとなっているのです。 実はここ、地元の人に愛される看板のないスーパー!ここでやっと「佐渡バター」を1個ゲットです。 「佐渡バター」は厳選された佐渡産生乳と佐渡海洋深層水で出来た食塩を使用し、風味を醸し出す樽型の木製バターチャーンでチャーニングしています。ミルク感たっぷりのやさしい味わいで、見た目は通常のバターより白く、なんだかクリームチーズのよう。佐渡乳業では樽1台で製造しており、樽(チャーン)はスイスからの輸入品で、いまや製造する職人さんもいなくなり追加製造はできないとか。しかも、定期的に約3週間かけて、チャーンのメンテナンスを行うくらいの徹底した品質管理を行っているそう。「佐渡バター」にもしも出会えたらラッキー!ぜひパン好きには味わっていただきたい逸品です。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2019年01月09日兵庫県明石市にやってまいりました。今回の旅の目当ては「明石焼き」と「明石海峡大橋」です。 普段入ることのできない、明石海峡大橋の高さ300mある主塔まで登ることができるツアーがあるのをご存知でしょうか。ぜひパノラマ絶景を見てみたい!と思い、ツアーに申し込んでみました。 明石海峡大橋は、兵庫県神戸市と淡路島の約4kmを結ぶ大吊橋。明石海峡に立つ2本の主塔と主塔の間の距離が1,991m、橋長3,911mの世界最大の吊り橋なのです!1988年(昭和63年)5月に着工し、およそ10年の歳月をかけて1998年(平成10年)4月に完成。最大水深は約110m、海峡を流れる潮流の速さは最大で毎秒4.5m。明石海峡には1日に1,400隻以上の船舶が航行するといった厳しい自然条件や社会条件の中で建設されたのです。また、風速80m/sの風、直下型大地震にも耐えうるように設計されています。世界中からも注目された、そんな明石海峡大橋の大きさを体感できるツアーがあります。ツアーでは、橋の真ん中を堂々と歩けるだけでなく、高さ約300mの主塔の上まで登ることができるのです。 車が通る橋の下の作業用通路を約1km歩きます。橋をかける業務に関わっていたというスタッフの方は我々を置いてサクサクと進んでいきます。 あまりサクサク進めない理由は足元にあります。通路といっても足元は金網なので、スマートフォンや小さなものは簡単に隙間をすり抜けて落ちてしまいます。ちょっと足がすくみます。 天気も良く海も青く、とてもキレイなのですが、かなり風は強めです! 主塔の下に着きました。約2分間かけて98階の高さまで小さなエレベーターで登ります。 想像以上の大パノラマ!あまりの高さとスケールの大きさに息を飲みます。こちらは神戸側。明石市が一望できます。 こちらは淡路島側。覗き込むとすぐ真下には車が走っています。さすがに高さ300mとなると、トラックもとても小さく見えます! 300mは東京タワーに匹敵する高さ。説明を聞けば聞くほど「すごい」という言葉しか出てこないほど、実際に橋の建設や設計に携わった方々によるお話がとてもリアルで、苦労と技術、造形の美しさに感動の連続でした。(冬季はツアーは行なっておりませんのでご注意ください) そして、明石といえば「明石焼き」!「明石焼き」とは、見た目はたこ焼きですが、表面はふわっふわ、中は歯ごたえのあるタコの絶妙な食感を楽しむことができる玉子焼きのこと。だし汁にしっかり浸して食べるのです。明石市の名物でもあり、明石駅周辺には明石焼きのお店がたくさん!なんとお土産としてテイクアウトすることもできるお店も多いのです。お店によってはお土産用に冷凍されているものもあります。どこのお店も風情があり、むかし懐かしい雰囲気が漂います。 だし汁のいい香りが食欲をそそります! 明石で獲れたタコがシンプルな生地の中にしっかりと入っています。 だし汁の温かさとふわっふわの玉子は、もう毎日でも食べたいくらいの優しさを感じます。行列のお店も多いので時間には余裕を持って訪れてみてください。
2018年12月19日実は鹿児島県は離島大国。各都道府県別での離島市町村数、離島人口、離島面積がなんと全国1位!中でも一番人口の多い奄美大島は沖縄のような文化も感じます。それもそのはず、その昔奄美群島は琉球王国の一部だったのです。400年ほど前に薩摩藩に編入され、明治維新の廃藩置県で鹿児島県となりました。 ある雑誌に奄美大島のソウルフードと言われる鶏飯(けいはん)が掲載されていました。その独特な食べ方やビジュアルの影響で無性に食べたくなり飛行機に飛び乗りました。鶏飯は、ご飯に鶏肉や錦糸卵、海苔などさまざまな具材をのせ、丸鶏を煮込んで作ったダシスープをお茶漬けのように注いで食べる奄美大島のソウルフード。奄美大島では子どもからお年寄りまで多くの人に愛されています。ダシスープのコクと口当たりの優しさに感動! そんな鶏飯をきっかけに奄美大島にやって来たのですが、そこで出会った衝撃のアイテムをご紹介いたします。その名も「ハブ油」!半世紀以上もの歴史を持つ奄美大島産天然ハブ油は、切り傷・ヤケド・水虫・痔・各種かぶれ・手荒れ肌荒れ・赤切れ・洗剤負けなどに効果が見られるそう。まさにこれからの時期にぴったり。奄美では昔、各家庭で自家製のハブ油を作り、お肌のトラブルに広く利用されていたのだとか。現在もなお昔ながらの製法で作られていて、多くの島民に愛されているのです。携帯タイプのハブ油にはキャップを開けるとマニキュアのように「塗りハケ」がついていて、サッと塗ることができます。ちょっと独特な油の香りがしますが、昔ながらのこの懐かしいパッケージの配色、デザインがなんとも気になってついつい購入。ちょっと変わり種お土産を探している方にオススメです。 奄美大島は沖縄に負けないくらい海がキレイ。なんといっても浜辺に人がいない!場所によっては観光客や地元の人にもなかなか出会わないほど。満点の星空のもと貸切の浜辺でハンモックにゆられ、朝から貸切の海でシュノーケルをして熱帯魚とたわむれ、こんなに贅沢に青い海を堪能したのは初めてでした。 東洋のガラパゴスとも言われる手つかずの大自然が残る奄美大島。奄美大島というと海の美しさが有名ですが、森や川などの大自然も魅力のひとつです。奄美特有の植物、野鳥、昆虫などの観察ができる森林浴公園やカヌーでマングローブの原生林を間近に見ることもできます。日本の「天国に一番近い島」とも言われているのです。 奄美海洋展示館では、なんとウミガメに餌をあげることができます!ウミガメさんたちはミネラル豊富なワカメ、、ではなくレタス!が大好物!ものすごい勢いでみんなレタスを食べに近づいて来ます。 かなり年季の入った市場も奄美大島ならではのスタイル。中に入るとリノベーションされた空間に新しいカフェやデザイン雑貨のお店などが!ディープな奄美大島の空気感を味わいながらも、地元の人たちとのコミュニケーションも楽しめます。 これからの時期ですと奄美大島まで、なんと成田空港からLCCで最安値片道2,980円で行くことができます(日や時期によって価格は変動しますので公式サイトでご確認ください)。島の人たちは気さくで明るく、女性のひとり旅にもオススメ。中心街のホテルも良いのですがやっぱりオススメは民宿。地元の料理を楽しめますし民宿のおかみさん、一緒に泊まっている人同士の交流はプライスレス。その瞬間でしか生まれない出会いや会話が旅にはあります。思い出作りだけでなくまた誰かに会いに来たくなる、そんな旅をいつも目指しています。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2018年12月03日昨年から福島県とのお仕事が始まりました。日本全国頻繁にいろいろなところにおじゃましているのですが、福島にしっかり滞在したのは今回のお仕事が始まってから。震災から7年以上が経った福島では避難指示区域の解除が進み、農産物の生産や出荷の制限も大きく緩和されてきました。しかし解除後の地域でも住民の帰還は進まず、高齢化も著しいため、農業の人手や労働力の確保が難しい状態が続いていると言われています。当然ながら基準値を超えた農水産物は市場に出回ることはありません。安全性が確保されているにもかかわらず、お米や果物などの取引価格は震災前に比べると低迷を続けているそう。今、福島がどうなっているのか、どんな暮らしや風景があるのか、それを確かめるためには自分が福島に行くことが一番!と思い、福島のプロジェクトに参加したいと両手をあげました。 桃や柿、お米もお酒ももちろん美味しいのですが、今回お土産にご紹介したいのは福島市にある飯坂温泉の「ラジウム温泉玉子」。日本で初めて「ラジウム」の存在を飯坂温泉で確認され、日本近代科学史の第一歩を刻んだ飯坂温泉ではこれを機に温泉玉子を「ラジウム玉子」として売り出したのだそう。ラジウム玉子は摂氏63℃~70℃の源泉に30分から1時間入れておけばできあがり。実際食べてみると他の温泉玉子より黄身の味が濃厚で弾力もあり、白身がとろけます。ラジウム玉子を牛丼弁当などに乗せたり、白いご飯に乗せてちょっと醤油をかけるだけでなんだか贅沢な気分に。 カラフルな包み紙がレトロでなんとも懐かしく可愛い!ひとつひとつ地元のお母さんが丁寧に包んでいます。常温で約2週間と日持ちもするのでお土産にピッタリです。老若男女問わず喜ばれること間違いなし。 この時期、福島は柿のオレンジに染まります。きれいに吊るされる柿のオレンジは見ているだけで元気になります。 何度かおじゃましてたくさんの方にお会いしましたが、福島は人がとても元気で温かく、ごはんも美味しくて、自然も北欧のように美しい。なんだかイメージと違った部分もありとても驚きました。訪れる度に「ただいま」と言いたくなるような福島。これからお仕事で長い長いお付き合いが始まります。 【過去の「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!はこちら】
2018年11月21日仕事柄、レストランで使用する器やお皿を探すことが多いのですが、最近とくに注目している器があります。デザインもシンプルで使いやすく、丈夫で価格もお手頃なものばかりの波佐見焼。一度、波佐見焼の町を見てみたい!と思い波佐見町にやってまいりました。 波佐見焼の産地、波佐見町とは?長崎県波佐見町は、佐賀と長崎の県境に位置する磁器で有名な焼き物の町です。海に囲まれている長崎県の中で唯一海がない町。江戸時代から400年もの間、大衆向けの食器を巨大な連房式登窯で多量に焼いてきました。1990年代前半には全国の生活雑器のシェアの1/4から1/3を占めたこともあるそう。今でも食器の生産が盛んで町には150件ほどの窯元・商社があり、町の3~4割の人が焼物業の職に付いているとのこと。波佐見町の近くには、有田焼で有名な有田町があったり、伊万里焼の伊万里市、唐津焼の唐津市などがあり、実はこの辺り一帯は有名な陶磁器の産地なのです。のどかで自然豊かな波佐見町は、昔懐かしい風景がたくさん残っています。ふらりと散歩をするだけでもフォトジェニックな場所も多く、波佐見焼が日常生活とともにあることを見て感じることができます。 マルヒロの直営店。床にはビッシリと25,000個の器たち!!本当に踏んでも大丈夫なのかドキドキします。 器にセメントを詰めたブロックは、廃盤品や売ることができないB品を再利用しているとのこと。大胆です! 使いやすそうな素敵なお皿がたくさん! 倉庫の中にネコちゃん発見!網戸越しについつい話しかけてしまいます。 器好きなら行っておきたいのが西の原。旧福幸製陶所の跡地を利用した、カフェやショプなどが集まっている村のような場所です。約1,500坪の敷地内には古い製陶所の建物が点在します。 敷地内にはこんな味のある建物や、波佐見焼の器屋さんなどたくさんのお店が。 すこーーーんと抜けた空間は、なんと図書館!とても居心地のよい空間です。 カフェ「monne legui mooks(モンネ・ルギ・ムック)」は旧事務所を改装して作られています。ここで提供されるメニューの器はもちろん全て波佐見焼。丈夫で割れにくく、厚手で素朴な波佐見焼。磁器碗は高級なもの、庶民には手が届かない、という江戸時代当時の常識を大きく変え、日本の食文化の発展に大きな影響を与えました。価格もお手頃で、良質な食と暮らしを提案するという波佐見焼の姿勢は、400年たった現在も変わることはありません。 レジの釣り銭入れもマグカップやバットを使用。とても年季が入っていますがレトロ感がいい! トイレの手洗い場の受け皿も波佐見焼。町の至る所で波佐見焼を目にします。長い年月をかけて波佐見焼が生活の一部となっているのがよくわかります。 当時のままスローガンが残っています。「親切な仕事」ってなんだろう、と、じっと深く考えてみました。 中善さんで見つけた美しすぎる器。なんとアウトレット品で1枚800えん!気付かないほどの「点」が入ってしまったことによりアウトレット品になっているのだそう。藍色の模様がとても綺麗で、緑色の食材がとても映えそう!これはお土産にも自分用にもピッタリ。ギャラリー荷土(につち)では、中善のアウトレット商品が手頃な値段で購入可能です。 野外博物館「世界の窯広場」では世界の窯の現物を見ることができます。焼き物好きは必見です! 野外博物館の壁の一部。贅沢に波佐見焼のタイルが使われています。同じ模様は1つもなく、とても美しいです。 波佐見町の皆さんはとても親切で、笑顔でいろいろと町を案内してくれたり、急遽特別に窯や作業場を見せていただけたりと、とても観光客に優しい町でした。この地域では子供の頃から当たり前のように波佐見焼の器を使っているとのこと。子供扱いせず、物を大事にすること、器の手触り感を感じることなどを早くから知ることができるのはとてもいい事だと思いました。波佐見焼のメーカーの方とお話をすると、「今の波佐見焼は伝統にとらわれず、窯によって自由に制作を行なっている。」とのこと。変化を苦手とする伝統品が多い中、波佐見焼は時代とともに人々の暮らしにわせて変化してきているのだそう。昨今、デパ地下やスーパーで購入するお惣菜、いわゆる「中食(なかしょく)」が売り上げを伸ばしていますが、そういったところで購入してきたお惣菜を波佐見焼のような器に盛り直すだけでもとても美味しそうに見えます。 職人による波佐見焼の食器作りは、これからも伝統を守りつつ私たちの食文化に新たな彩りを提案し続けてくれるのでしょう。
2018年10月21日デザインを教えてくれた師匠が、とある町をFacebookで投稿していました。その町は京都の伊根。丹後半島にある、舟屋が美しいことで有名な小さな港町です。京都というと、京都市内のイメージが強いのですが、京都府は日本海にも接するかなり長細い形。地図を見直すと驚かれる方もいるのではないでしょうか。さっそく「伊根の舟屋」の美しさに魅せられて行ってまいりました!ここで見つけたオススメのお土産をご紹介します。 「伊根の舟屋」とは周囲5キロメートルの伊根湾に沿って約230軒ある舟屋のことで、1階が舟のガレージ、2階が居間となった独特な建物の事を言います。海辺ぎりぎりに建ち並んでいるので、まるで海に浮かんでいるように見えます。全国的にも珍しい江戸時代からある舟屋が立ち並ぶこの風景は、壮観でとても美しく、今でも大切に残されていて何時間でも眺めていられます。重要伝統的建造物群保存地区選定地でもあります。 初めて来たのにどこか懐かしく、とても美しい風景。日本海なのに波がほとんどないことに驚きました。海の水も透明度が高く、魚影を見ることができます。映画のワンシーンを観ているかのよう。 車庫のように1階に船を停めます。家の1階が海なんて私たちの日常では考えられません。舟屋の内側から見るとなんとも不思議な光景です。海が近い!沈んだりしないのかな、、と不安になるくらい。 あたたかい日の光と、ほんのり潮の香りがする優しい風、水の音がとても心地いい。思わず目を閉じて、猫になったかのような気分に。 船に乗って湾の内側から舟屋を見ることもできます。伊根湾めぐりの遊覧船は、舟屋が立ち並ぶ伊根湾を25分かけて周遊します。湾内から見る舟屋もまた風情がありとても美しいのです。日本にもこんな場所がまだ残っていたなんて、と尊い気持ちに。しかし、餌を持つと鳥たちの襲撃に合い、あまり舟屋に集中できない! スリル満点のクルージングです。地元の船頭さんが自分の船でガイドをしながら湾内を周遊してくれる海上タクシーもあります。 ウミネコが恐れることなく挑発気味に近づいてきます。目がちょっと怖い。 船が出発すると数え切れないほどの鳥の大群が餌を勢いよく食べにきます。なんとこの鳥の群れの半分はトンビ。爪が鋭いので、ある程度俊敏に避ける必要があります! 舟屋の町を歩くとかわいいマンホールに出会います。町全体で舟屋を大事にしていることがこういったところでも感じられます。 この地域では伝統的な保存食でもある、鯖をぬか漬けにした「へしこ」がお土産で人気です。女性の杜氏で有名なこの町唯一の酒屋さん、向井酒造も必見です。古代米で作られた赤い日本酒「伊根満開」はフルーティーでワインのような日本酒。私も憧れてやまない世界的に有名なデンマークのレストラン「ノーマ」が日本に期間限定で出店した時にこの日本酒が選ばれたそう!あまり他の地域では流通しておらず、東京でも買えるのはほんの一部のお店のみ。 創業250年の向井酒造。女性の杜氏によるフルーティーで独創的な日本酒が人気だそう。伊根の舟屋郡を背景にお土産ショット。職業柄ついついこんなことをやってみたくなります。舟屋のイラスト付きの日本酒も可愛くてお土産にぴったりです!道の駅「舟屋の里公園」からの眺めは最高。丸や四角のイケスはブリの養殖のものだそう。 初めてなのにどこか心懐かしく、落ち着く伊根。町の人との会話も楽しく、みなさんこの町を大切にされている様子。時間もゆっくり進み、優しい海の音、鳥の声、潮の香りなど、都会では感じることができないものがここにはたくさんありました。しばらく住んでみたいなぁと思ったほど。なにもかも忘れて肩の力を抜くことができる、とっておきの町です。
2018年10月07日今回の旅先は西粟倉村(にしあわくらそん)。西粟倉村は、岡山県の最北東端に位置し、兵庫県・鳥取県の県境にある村。面積の約95%が山林、約85%を杉や檜などの育成林が占めると言います。人口は現在1422人。主な産業は林業。移住者や村民により木材など山の恵みを活用した約20社の企業が相次いで設立され、「起業家の村」として広く知られて行きました。森林再生支援などを手掛ける企業などの出資により2009年に完成した「西粟倉森の学校」が、間伐材の加工などを展開。これをきっかけに、家具の製造、ゲストハウス運営、なんとこの山の中でウナギの養殖の事業までも立ち上がり、起業家養成講座も開かれているという自然いっぱい元気いっぱいの今まさに注目すべき村なのです。 そこで今回おじゃましたのがここ「YOUBI(ようび)」。前の上司によくこちらのお話は伺っており、西粟倉に行くのであればぜひ立ち寄ったほうがいいと言われていました。社屋とモデルルームはなにやら大掛かりな組み木の集合体のよう。遠くから見ても存在感抜群です。 手作り感のある看板が可愛い!ここでは家具や暮らしの道具を作っています。 育成林は放っておくと成長しすぎて光が地面まで届かなくなります。その結果下草が生えず、深刻な土砂災害を招く原因になります。また、密集しすぎた森林は成長が遅れ細いままのため、木材として1本あたりの材料が少なくなってしまい加工が難しくなってしまいます。今ある木を間伐して使うことで森が綺麗になり、暮らしに循環していくのです。 「やがて風景になるものづくり」を理念に掲げて無垢の素材、伝統的な木組みの技術を活かしたものづくりをしているようび。椅子もテーブルも一つ一つ心を込めて丁寧に作られているそう。 ショールーム全体を囲むように組まれている組み木。木の香りが空間に広がっています。ここではなんと5,500本の木を使用しているとのこと! 北欧のようでもあり、とても美しいです。木とテキスタイルの組み合わせ、なんて相性が良いのでしょう。 なんとこの組み木、65,000箇所の溝を刻んで組んだとのこと。そう、この組み木は全て従業員のDIY! 一体どういうことなのかと話を伺うと、2016年1月23日の午前4時、ようびの工房で火災が発生。真冬の不運な条件で発生した種火はあっという間に工房中を巡り、ようびのすべてを焼き尽くし奪い去ったと言います。『百年の森林構想』という50年かけて育てた森林を50年後の未来へ残すことを決めたこの村の理念に共感し、ようびの代表の大島さんは100年の森林から生まれたひのきで家具をつくる挑戦をはじめたそう。そんな熱い想いからか、全焼という現実を目の前にも大島さんはようびのスタッフに「再起したい」と決意を伝えたと言います。その後、メンバーひとりも欠けることなく全員で立ち上がり、この社屋ができたのです。 火災があっても諦めないというスタッフみんなの執念にも近い熱い想いが今はとても穏やかな景色を切り取ってくれている空間からビリビリと伝わって来ました。自分が今全てを失ったらようびの皆さんのように諦めずに強く前に進むことができるだろうか。きっとこの村の人々、たくさんの豊かな木の存在、そして作りたいという想いが彼らをここまで強くさせたのでしょう。 と、いろいろとお話を伺っていると気になるバードのプロダクトを発見!かわいい!このまま飾ることもできるし、羽から尾の部分に本を置くこともできるのだそう。 「これは東京などでも買えるんですか?」と尋ねると、「木は呼吸する生き物と同じ。できればこの西粟倉に来ていただいて、景色を見てここに訪れて購入してもらえると嬉しい。卸売はやっていないんです。」とデザイナーでもあり広報担当でもある山口さんは言います。確かにせっかく遠出して購入したのに帰ったら東京でも売っていた。なんてことよくありますよね。私はお土産といわれるものはできるだけ現地だけで買えるものであってほしいと思っています。東京でも買えてしまったらそれはお土産ではなく、ただの便利なのではないか。と思ってしまうのです。買い手の便利さを追求することももちろん必要な時もありますが、作り手の背景や環境、想いは現地でなければ目で見て感じ取ることはできません。こういった会話からも得るものは大きいです。 新しい工房の天井にも、迷いのない意志のようにも感じられる組み木が美しく並んでいます。 3面ガラス張りの多目的スペース。3面スクリーンの映画館のように美しい西粟倉村の景色が広がります。 ブックバードは税込15,660円で販売しています。卸売はしていないそうですが、どうしても西粟倉村まで行けない!という方は唯一ようびのwebサイトで購入することができますよ。廃校となった旧影石小学校はベンチャー企業のオフィス、カフェ、ショップで賑わいます。体育館では「森のうなぎ」の養殖が行われていたりと、ようびの他にも西粟倉村では様々なチャレンジが始まっています。 市町村合併せずに村として存続することを決め「百年の森林構想」を掲げ森林と共に循環を始めた西粟倉村。温泉もあり、国民宿舎への宿泊もできます。 共感から人が集まり、好きなことを仕事にし、みんなで継続するから本物になる。都会から離れていても、この考え方、生き方が地域全体、日本全体に広がり注目されつつあります。小さな村の大きな挑戦はこれからも続いて行きます。
2018年09月23日青ヶ島という島の名前を聞いたことはあるでしょうか。初めて聞いた時「鬼ヶ島」のような響きにワクワクしたことを覚えています。青ヶ島は日本で一番たどり着くことが難しいと言われている島。伊豆諸島の最南端に位置する世界的にも珍しい二重カルデラの特徴的な地形の火山島。なんとこの島、東京都なのです! 島のまわりは全て断崖絶壁。もちろん泳げません。島の人口は約168人。東京都でありながら日本一人口の少ない村でもあります。ちょうど黒潮の真ん中に位置するため、大シケになると大変でひどいときは1カ月近く船が出ないことも。今まで20日間帰れなかった旅行者もいたそうな。 そんな選ばれし者だけ上陸できると言われる秘境島への行き方は東京都の八丈島から定員9名のヘリコプターか、就航率約50パーセントの定期船に乗るかしかありません。ヘリは欠航になることは少ないのですが高額な上に予約開始時間からすぐに電話しないとチケットが取れないため、なかなか難易度が高いので有名。私が青ヶ島に渡ろうと思った日はすでにヘリは満席。「でも船で行ったら帰ってこれるかわからない、、!欠航したら月曜日会社に行けない!」と迷いながらも、天気予報と波浪予報と相談し決心をしてあおがしま丸に乗り込みました。 快晴でも海のうねりは関係なく発生します。荒波にもまれること約2時間半。全ての乗客が甲板に出て、幻の秘境島を見つめます。港というより工事現場のような場所に船は着岸。「つ、着いた!!」とドキドキしながら島に上陸。 青ヶ島は小さな島ですが、ほとんどが急な坂道。徒歩では島をまわれない、と事前に情報を得ていた私はレンタカーを借りました。島には1軒だけ商店があります。そこで働いていたお姉さんが、船の出航時には切符売りをしていたり、ヘリポートで整備をしていたお兄さんが、船の出航時にはおまわりさんの制服を着ていたり。島では一人でいろいろなお仕事をこなしていると言います。まさに離島独自の働き方。海が荒れれば船も出ないので物資が届きませんし、みんなで助け合いながら生活をしているのだなと感じました。 島の真ん中あたりにある池之沢地区では、島言葉で「ひんぎゃ」と呼ばれる水蒸気の噴出する穴が無数に見られます。ここでは地熱釜が自由に使えます。とれたての野菜を釜に入れて、すぐ隣にある地熱を利用したサウナに入ると、出た頃にはひんぎゃの熱によってホクホクに蒸された野菜たちが完成!そのまま食べても、ひんぎゃの熱を利用して作られた「ひんぎゃの塩」を少しふりかけても、甘みがありしっとりホクホクで最高です。 青ヶ島は満天の星空が見えることでも有名。運が良かったら丸山の雲海もみられます。 一人で旅をしていると旅仲間同士で声を掛け合うので、自然と旅の仲間が増えることも。青ヶ島牛も有名で、見晴らしの良い場所に小さな牧場があります。牛さんが近いのも島ならでは。 民宿に一泊し、次の日の早朝に船が出航すると島内にアナウンスが流れ、帰れることに!いままで経験のない大冒険。あっという間の滞在でした。朝に選ばれし者だけが乗れる八丈島行きのヘリを見送り、その後に船が出る港に向かいました。 秘境と言われているけど島の皆さんにとってここは日常。島の皆さんはとても元気で明るく温かく、たった1泊という短い滞在でしたが、ひんぎゃの塩を作っているお母さんと仲良くなり、その後なんと青ヶ島マグネットのパッケージデザインや、ひんぎゃの塩のパッケージデザインもやらせていただきました!ひんぎゃの塩は、地熱という地球の恵みをたっぷり受けた幻の塩。地熱で塩を作っているのは世界でここだけだと言います。シンプルにおむすびや、野菜にちょっとかけるだけで、旨味をしっかり感じられる塩です。 青ヶ島のマグネットは青ヶ島をそのまま小さくしたようなリアルなマグネット。世界でも珍しい二重カルデラの島の形は一度見たら忘れられません。両方とも島の商店で販売していますので、運良く島に上陸できた際にはぜひ記念に小さな青ヶ島をお持ち帰りください。
2018年09月05日いつもの旅に少しの工夫を加えることで子どもの成長をうながす「旅育」。 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)の著者で旅行ジャーナリストの村田和子さんに、前回は、旅のプラン作りや準備のコツについてお聞きしました。今回のテーマは、旅先での旅育。持て余しがちな移動時間はどう過ごしたらいいのか、親はどう関わったら良いのか、旅の思い出を定着させるテクニックなどをうかがいました。お話をうかがったのは…村田和子さん旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、1児の母。子どもが生後4カ月の時に家族旅行を開始し、9歳までに47都道府県を制覇。『All About』では2001年からガイドを務めているほか、『週刊文春』では子連れ旅行の連載、JALサイトの『初めての子連れ海外』ページを監修・執筆するなど、家族で旅をする魅力やヒントを多方面で伝え、2013年には子どもの生きる力を育む「家族で旅育メソッド」を発表。子どもが旅育を実践し中学入試で志望校に合格したことを機に『プレジテンドファミリー』『AERA with Kids』『日経DUAL』をはじめ雑誌・新聞・ウェブで注目を集める。 「家族deたびいく」 運営。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。 ・公式ホームページ(トラベルナレッジ) ■話す・遊ぶで“退屈”を吹き飛ばす「移動時間」――子連れにとって、移動時間は大きな課題です。私自身、6歳息子と出かける時は、一緒に遊んであげなきゃと思いつつゲームやタブレットに頼ってしまうことがあります。村田和子さん(以下、村田さん):ゲームをやること自体は悪くないんですよ。大人がスマホをさわっているのに、子どもにだけ「ゲームをしちゃダメ」というのは説得力がないですしね(笑)。事前に「最初の30分は自由時間にしよう。ゲームをしてもいいし、ママもスマホを見るね。でもその後の30分はお話しようね」というように、時間を区切り、ちゃんとできたらほめれば、それも成功体験になります。最初、一緒にルールを決めると、子どもは案外守れるものですよ。一番避けたいのは、子どもが騒いだらゲームを渡す、というやり方。騒げばゲームができるんだとなり、負のスパイラルにはまってしまいます。そもそも、移動中は家族が一緒に過ごせる貴重なチャンスなんです。ふだんは聞けない学校や園での様子も、旅の楽しい雰囲気に押されて話してくれるかもしれません。会話だけではなく、小さなお子さんは簡単なクイズやしりとり、計算ができるお子さんなら車のナンバーで足し算クイズなどをすると、遊びながら自然と学びにつなげられます。■子どもの新しい一面を発見できる「旅の目標」――移動は大変というマイナスイメージを持つよりも、旅育に活用するといいんですね。旅先ではどう過ごすと、より効果的なのでしょうか村田さん:なにか目標を持たせるといいと思います。未就学児なら、「元気にあいさつをする」「自分の荷物は自分で持つ」といった約束をして、ちゃんとできたら具体的にほめてあげる。すると「できた」という成功体験が心に刻まれ、自己肯定力が養われていきます。旅先では親以外にも、仲居さんや施設のスタッフ、通りすがりの人など、いろいろな人がほめてくれる機会も多くあります。それまで気づかなかった子どもの長所をほめてもらえることもあり、親にとっても発見があります。小学校中学年以上なら、会計係を任せる、時刻表を調べてもらうなどの役割をお願いするのも良いでしょう。考える力がついて学習に役立つほか、頼られることで自主性と責任感が身につきます。――親として、何かやるべきことはあるのでしょうか。村田さん:子どもの「なぜ?」「なに?」にはとことん付き合うこと。今はスマホで一緒に調べればすぐにわかりますし、「どうしてだろうね?」と子どもが自ら考える時間を持つ方法もいいでしょう。旅行中は時間に余裕がある分、子どもの小さな疑問や好奇心を見逃さないようにしたいですね。帰宅後にも図鑑で調べたり、博物館に足を運んだりして、学びを深めるのも良いと思います親自身が興味を持って旅を楽しむことも大切です。例えば、めずらしい料理が出てきたら、スタッフの方に「これはなんですか? この土地のものですか?」と聞くのもいいでしょう。子どもは親をよく見ていて、親のマネをします。親のそういった姿に、子どももやる気になるものです。 ■旅の記憶を定着させる旅先からの「絵ハガキ」――旅行中はとても楽しそうだった子どもが、数日後にはすっかり忘れて日常に戻ってしまう。仕方がないのかもしれませんが、もったいなく感じてしまいます。村田さん:子どもの毎日は刺激の連続ですから、放っておくと忘れてしまい、がっかりということもありますよね。私が実践しているのは、旅先から1枚の絵ハガキを送ること。後日届いた絵ハガキを見ながら「これ見たね」「こんなことしたね」と会話をすることで、旅の記憶が定着していきます。絵ハガキは場所を取らないので、保存しやすいのもメリットです。最初はハガキからはみ出しそうな字でひらがなしか書けなかった息子が、だんだんと漢字を交えた長文を書けるようになり、思春期になると面倒がってひとことコメントだけになる(笑)。子どもの成長がダイレクトに残るので、後で見返すと面白いですよ。■中学受験直前まで続けた「週末旅行」――小さな頃から旅育を続けると、家族の思い出も増えていくわけですね。わが家は子どもが小学生になり、旅が難しくなったと感じてします。未就学児のうちに、もっと行っておけばよかったと後悔しています。村田さん:小学生になると、どうしても週末限定になってしまいますよね。わが家の場合、金曜の夕方に出発して日曜に戻ってくる、というパターンが定番でした。学校のスケジュールを見ながら、テストや行事に影響が出ない日程を選ぶので、旅行を決めるのはいつも直前でしたね。それでも、中学入試の直前まで毎月1回のペースで行き続けていました。――入試の直前まで! 試験前は勉強に集中させる家庭が多いなか、変わらずに旅を続けられたんですね。村田さん:私は「旅育からの中学受験」と呼んでいるのですが、息子は小学5年生までは塾に通わず、旅で得た経験をベースに学びを深めていました。小さい頃から地図を見ながら旅をしていたので、日本地図は学校で習う前から頭に入っていましたし、その土地の産業や気候といった知識も体験とひもづけて役立ったようです。小学校中学年からは、教科書に載っている史跡や絵画などを見に行く旅も、子どもの興味に応じてしていました。こうした体験は、単なる暗記ではなく、本質的な学びにつながります。――旅育で育った息子さんは現在17歳。息子さんご自身は、これまでの旅についてどう言っていますか?村田さん:人と出会い、いろいろな体験ができたことがためになったと言っています。特に、素晴らしく美しい料理を作るシェフ、知識豊富で話上手なバスガイドさん、カツオをさばいてタタキにする方法を教えてくれた漁師さんなど、その道のプロフェッショナルとの出会いが印象的だったようです。旅で身につけた力は、子どもにとって一生の財産となります。息子は17歳になり、旅育の経験を生かして、自ら人生を切り開く次のステージになりました。今までの経験から得た旅育の魅力やノウハウを、次世代の親御さんをはじめ多くの方に伝えたいと思い、 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 を執筆しました。多くの方が旅育を実践するきっかけになればうれしいです。また、私も旅育の環境整備など、今後もライフワークとして「旅育」に関わっていきたいと思います。親子で旅をできる時間は案外少ないもの。筆者も荷物運びを手伝ってくれたり、6時間のトレッキングを達成したりと、成長していく息子の姿に旅の力を実感しています。家族それぞれの形で、旅育に挑戦してみてはいかがでしょうか。参考図書: 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)村田和子著 1,512円(税込) 旅を通じて子どもの脳を刺激し、自立心や感受性、行動力、考える力などを育む「旅育」。旅行ジャーナリストの村田和子氏が十数年の親子旅の経験をもとにした旅育の5つの基本メソッドと、実践するための25のヒントを紹介する。47都道府県の親子旅を経験した著者が選ぶおすすめスポットやモデルコースに加え、星野リゾート代表・星野佳路氏に聞いた「子どもにとっての旅の効果・効能」、茂木健一郎先生の旅×脳コラムなども掲載。取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
2018年08月02日旅行って計画や旅支度から楽しいもの。旅はこれまで何度も行っているのに荷物のパッキングの時に、何をどれだけ持っていくか、忘れ物はないか、などなど意外と手間取ってしまいませんか?ちょっとこだわりのトラベルグッズを揃えて、準備からスマートな夏旅をしませんか? 『HIGHTIDE』の衣類圧縮袋衣類圧縮袋って正直どこでも買えます。がしかし、HIGHTIDEの圧縮袋はとにかくオシャレ。注意書き等が英文で書いてあって、なんだかステキ。その上使い方もとっても簡単。折り曲げるだけであっという間に真空状態に。スーツケースを開けた時に衣類がこのオシャレな圧縮袋に入っているだけで、気持ちが高ぶること間違いなし。HIGHTIDEの衣類圧縮袋の記事はこちら 『BEST PACK』のポーチ コスメはこれ、下着はこれ、着替えはこれ・・・etc。旅行の度にいろいろなポーチや風呂敷、ジップ付き保存袋にあーでもない、こーでもないと詰め込んだ経験ありませんか?『BEST PACK』のポーチは旅行者視点で考えられた使いやすい工夫が詰まっています。例えば、スクエアタイプは、メインの収納スペースと、細かく仕分けできるポケットスペースがついた2部屋構造。ファスナーがぐるりとついているので、大きく開閉できて出し入れに便利。このようなちょっとした点が実は非常に使い勝手をよくしているのです。そのほかにも、指を引っ掛けやすいファスナーの引き手や、長く使える軽くて丈夫なナイロン素材など、気の利いた仕掛けがたくさんあります。『BEST PACK』のポーチの記事はこちら 『メルヴィータ』『インフィオレ』のプチサイズコスメ 旅行中だって、いや旅行中だからこそきれいでいたいですよね。だけど、毎日使っているコスメをそのまま持っていくと荷物がかさばってしまう。そんな時に役立つのがプチサイズコスメ。今回リコメンドするこちらのアイテムは保湿効果抜群!乾燥が気になる機内やホテルでの強い味方です。『メルヴィータ』『インフィオレ』のプチサイズコスメの記事はこちら 『プライベート・スプーンズ・クラブ』のトラベルソックス 旅の準備は万端!さあ出発!となったものの、行き先によっては乗り換えがあったり、時差ぼけ何てことも・・・。旅を早く楽しみたいのに、移動だけで疲れてしまった。そんな経験はありませんか?その疲れをすこしでもやわらげるのがこちらのソックス。むくみがちな足にほどよく圧力がかかるようにリブ編みで作られている。膝上まであるので、冷え対策もばっちりです。『プライベート・スプーンズ・クラブ』のトラベルソックスの記事はこちら いかがでしたか?これから夏旅にいく人はもちろん、すぐすぐの旅の予定がなくてもぜひともゲットしてくださいね!
2018年08月02日旅を通じて子どもの心と脳を育てる「旅育」。家族旅行はもちろん、帰省や日帰りのレジャーも、子どもを大きく成長させるチャンスです。特に、言葉を理解し始める3歳頃から基礎的な脳が出来上がる9歳頃までは、旅育のゴールデンエイジだといいます。現在、6歳の息子を持つ筆者も旅育を実践中。そこで、 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)の著者で、旅行ジャーナリストの村田和子さんに旅育についてお話をうかがいました。お話をうかがったのは…村田和子さん旅行ジャーナリスト。1969年生まれ、1児の母。子どもが生後4カ月の時に家族旅行を開始し、9歳までに47都道府県を制覇。『All About』では2001年からガイドを務めているほか、『週刊文春』では子連れ旅行の連載、JALサイトの『初めての子連れ海外』ページを監修・執筆するなど、家族で旅をする魅力やヒントを多方面で伝え、2013年には子どもの生きる力を育む「家族で旅育メソッド」を発表。子どもが旅育を実践し中学入試で志望校に合格したことを機に『プレジテンドファミリー』『AERA with Kids』『日経DUAL』をはじめ雑誌・新聞・ウェブで注目を集める。 「家族deたびいく」 運営。旅行業務取扱管理者・クルーズコンサルタント。 ・公式ホームページ(トラベルナレッジ) ■3歳~9歳が「旅育」のゴールデンエイジ――村田さんは、現在17歳の息子さんが生後4カ月の頃から親子旅を始め、9歳までに47都道府県を制覇されたと聞きました。当初はまだ、子連れ旅行が一般的ではない時代ですよね。村田和子さん(以下、村田さん):「小さな子どもを連れて旅行なんてとんでもない」とよく言われましたし、施設側も子連れを受け入れる体制が整っていませんでした。その点、今は子ども向けの施設やプランが充実した宿がたくさんあり、新幹線や飛行機などのサービスも行き届いています。親子で旅に出るには、絶好の時代だと思いますよ。――確かにそうですね。私は5年前から親子旅を始めたのですが、おいしそうな離乳食やキッズミールがあったり、キッズルームや子ども向けのイベントが用意されていたりと、レベルの高さを感じます。村田さん:それに、子どもにとって旅に出ることの重要性は増していると感じます。昔に比べて、今の子どもたちの世界はかなり狭い。子どもたちがふだんふれあう大人は、親御さん、幼稚園や学校の先生、習い事の先生、友だちのお父さんお母さんくらいではないでしょうか。子どもは自分が知っている世界が社会のすべてだと考えがちなので、日常で自分の居場所が見つけられないと悩んだり、自暴自棄になったりする危険性があります。実際、私の息子も、男の先生にほめられて自信になっていた「朝の元気なあいさつ」を、小3になり先生が変わった途端「そんなに大きな声を出さなくて結構です」と言われたことで混乱。旅先でもあいさつができなくなってしまったことがあるんです。「これまでに、たくさんの人に元気なあいさつをしてきたけれどどうだった? そうだよね? 笑顔で返してくれた人やほめてくれた人が多かったよね? 担任の先生は価値観が違うかもしれないけれど、ママはすてきだと思うよ」と話し合って解決したんですが、子どもにとって学校や先生の影響がいかに大きいかを思い知らされました。――それは辛いですね。でも、息子さんがすぐに納得してくれたのは、やはり旅を通じて多くの人や価値観とふれあった経験が大きいんでしょうか。村田さん:そう思います。息子はいかにも社交的で目立つという感じではないんですが、さまざまな地域で暮らす年代も異なる多様な人々との交流を通じて、懐の深い人間に育っていると感じます。また、旅のトラブルを乗り越えた経験などから、何事にも「手をつくせば、なんとかなる」というタフさや、臨機応変に対応する力は身についたと思います。今の子どもたちが生きてくのは変化の時代ですから、旅育は大いに役立つと考えています。――受験勉強だけできればいい、という時代ではないですものね。子どもたちが成長する頃、「生きる力」がますます重要になっていると実感しています。村田さん:私が提案している「旅育メソッド」では、生きる力を「自己肯定力・コミュニケーション力・知恵を育む力」の3つと定義しています。旅育で一番大切なのは、親子のコミュニケーションです。親のちょっとした心がけや働きかけで、この3つの力はぐんと伸びていきますよ。特に、言葉を理解し始める3歳頃から、基礎的な脳が出来上がる9歳頃までは旅育のゴールデンエイジですから、積極的に旅に出ることをおすすめします。――そうなると、赤ちゃん時代に旅に出ることはあまり意味がないのでしょうか? 確かにうちの息子も、小さい頃の旅はまったく覚えていません。村田さん:旅にはリフレッシュ効果もあります。親御さんが旅でストレスを解消して、ゆとりを持って子育てをできるのは、子どもにとって大きなメリットだと思います。また、小さな頃の旅は忘れてしまうので意味がないのでは? と思いがちですが、本の中で脳科学者の茂木健一郎先生が解説してくださったように、記憶には残らなくても、子どもが成長した時、ものの見方や行動に影響を与えると考えられています。 ■「どこに行くか」より「何をするか」――周囲のママたちに旅育をすすめると、「楽しそうだけどお金がかかりそう」と言われることが多々あります。村田さん:旅というと、どうしてもぜいたくなイメージがあるのかもしれません。でも、近場の日帰りレジャーやイベントに出かけるだけも旅育はできるんですよ。ネットで検索すると、子連れ向けの施設やイベントはたくさん見つかります。肝心なのは「どこに行くか」ではなく「何をするか」。特にお子さんが小さいうちは、無理をして遠出をしなくても大丈夫。日常と違う経験をすることは、それだけで子どもの脳に刺激となります。――小さな子を連れた旅やおでかけでは、公共の乗り物や施設で迷惑をかけないか心配、という声もよく耳にします。村田さん:小さくても旅をする仲間ですから、「どうせわからないだろう」と子ども扱いしないことが大切だと考えます。私は写真や地図を見せて「これからこの場所に行くよ」「電車に◯時間乗るよ」「眠りたい人もいるから、静かにしていようね」などと説明していました。そして、上手にできたら「頑張れたね! えらいね!」と認めてあげると、子どもにとって成功体験となります。「電車に何分乗るから、その間は何をして遊ぼうか」と相談しながら、子ども自身が持ち物を用意するのもおすすめです。――自分で用意をさせると、自主性が身につきそうですね。でも息子が3歳の頃にリュックに入れるおもちゃを選ばせたら「全部持っていく!」と言い張り、荷物がパンパンになってしまった経験があります(笑)。村田さん:3歳くらいだとまだ自分では気がつかないことも多いので、「全部使って遊ぶ時間あるかな?「持てる? ちょっと背負ってみようか。自分でずっと持つんだよ?」と親が助言してあげたほうがいいでしょうね。ただ、可能な限り、最終的には本人の判断に任せるのが良いと思います。自分で言い出したことに責任を持つのも大事ですし、失敗から学ぶことも多いと感じます。■未就学児&低学年「旅育プラン」3つのアイデア旅育のモデルプランは無数にあり、どんなプランがいいのかは子どもの個性や発達によってさまざま。「小学校中学年以上の子どもなら話し合いで決めるのも旅育の一環となりますが、小さいうちは親がナビゲートする必要があります」と村田さん。そこで、プラン作りのヒントとなる3つのアイデアを教えていただきました。1.テーマを決めてとことん追求する!子どもが興味を持っていることをより深めていくことで、探究心や集中力が育ち、自信にもつながります。例えば、電車好きの子どもなら鉄道博物館に行く、ユニークな観光列車に乗ってみる、鉄道会社のスタンプラリーに参加するなどの選択肢があります。食べることが大好きなら、フルーツ狩りや食品メーカーの工場見学もいいでしょう。「これといって興味を持っていることが見当たらない、というお子さんは、親の趣味から子どもの成長に合ったものを選んで、お子さんに提案してもOKです。ただし無理強いは禁物。もし子どもが興味を持てないようなら、違うプランを試しましょう」(村田さん)2.親子でいっしょに「初めて」を体験!人生経験が豊富な親は、つい「上から目線」で子どもに接してしまいがち。「親も子もどちらにとっても初めての体験なら、同じスタート地点に立つことができ、親子の連帯感が育まれます。例えば、見たことがない花や動物を見に行ったり、専門家のもとで簡単なトレッキングやアクティビティに参加してみたりといったプランがおすすめですよ」(村田さん)子どもにとって、初めての体験は深く心に残るもの。小さいうちから親子で、たくさんの“初めて”に挑戦してみましょう。3.家族で別々に過ごす時間を作る!旅行中に親子別々の時間を作ってみましょう。子どもは、ホテルにあるキッズクラブや子ども向けの自然体験教室などに参加。親と離れて何かに挑戦することで子どもは一気に成長し、再会した際には「こんなことをしたんだよ」と家族の会話が広がります。「もし、旅先にキッズクラブや自然体験教室などがなく、子ども1人で参加できる環境が整わないなら、ふだんとは違う家族の組み合わせで行動するのもいいですね。例えば、ママと一緒に過ごすことが多い子どもは、パパやおばあちゃんと一緒、ママはひとりなど、いつもと違う組み合わせで行動すると、意外と発見もあり、うまくいって楽しめることが多いんですよ」(村田さん)自分の子どもはどんなことに興味があり、どんな力を身につけさせたいか。上記を参考に、ぜひプラン作りに挑戦してみましょう。次回は、旅育の実践編として、旅先での過ごし方をお教えします。参考図書: 『家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ 旅育BOOK』 (日本実業出版社)村田和子著 1,512円(税込) 旅を通じて子どもの脳を刺激し、自立心や感受性、行動力、考える力などを育む「旅育」。旅行ジャーナリストの村田和子氏が十数年の親子旅の経験をもとにした旅育の5つの基本メソッドと、実践するための25のヒントを紹介する。47都道府県の親子旅を経験した著者が選ぶおすすめスポットやモデルコースに加え、星野リゾート代表・星野佳路氏に聞いた「子どもにとっての旅の効果・効能」、茂木健一郎先生の旅×脳コラムなども掲載。取材・文/まちとこ出版社 渡辺裕希子
2018年07月26日夏休みに旅行に行く予定がある“旅女”にオススメの「便利グッズ」や、「マストアイテム」、「旅コスメ」などをご紹介します!旅を快適に過ごすために役立ててみてはいかがでしょうか?もうすぐ夏休み旅行。なに持っていこう?夏休みの予定はお決まりですか? 連休がとれたら時間がなければ行けないようなところまで遠出をして羽を伸ばしたいですよね。家族旅行や友人との旅行、ひとり旅など、旅先では非日常な空間で気分も開放的になり、普段よりもじっくり向き合うことができます。そんな特別な時間を過ごす旅先では、おもいっきりおしゃれを楽しみたいですよね。でも荷物は増やしたくない。そんな“旅女”の気持ちに寄り添った旅行の持ちものを提案いたします!1:普段は着られない大胆なファッションアイテムを一点投入!旅行に行く前に、旅を彩るファッションを新調したくなりますよね。そんなときは、ずっと着てみたかったけれどちょっと大胆すぎるかな、と着ることを避けてきたファッションに挑戦してみましょう。旅行では、自分の知らなかった新たな自分を知るチャンス。遊び心のあるファッションも、そのひとつです。ただし、旅先では見知らぬ道をたくさん歩くことになるので、シューズは歩きなれているものがおすすめ。個性的なファッションアイテムを投入して、自分らしい旅行を楽しみましょう。2:旅行にあると便利な「アイディアグッズ」旅先には、なるべく最小限の荷物で行きたいですよね。おきまりのルーティーンをコンパクトにする工夫をこらした、旅先に持っていきたいアイディアグッズをご紹介します。「圧縮ケース」でバッグの中を上手に収納お洋服を圧縮して収納できる圧縮ケースは、掃除機を使用しなくても手の圧迫によって簡単にできるものもあります。洋服やタオルなど、かさばりそうなものは圧縮ケースに入れていきましょう。ジャンルごとに収納できるのでどこに何があるか一目瞭然で、バッグの中もスッキリ。ワンピースは「ハンガーごと」持っていこうしわになりやすいワンピースは、圧縮ケースではなく、ハンガーごと持っていきましょう。ハンガーにかけた状態でキャリーバッグに一番始めに置きます。その上に荷物を収納していき、詰め終わったらスカートの部分をカバーのように荷物にかけて完成。ワンピースが型崩れしにくく、旅先で荷解きしたときに、そのままハンガーに掛けることができるのでおすすめ。「コンタクトのケース」にコスメをイン意外と場所を取るのが化粧ポーチ。なかでも一番場所を取るのがファンデーションや下地などのベースメイクコスメ。コンタクトのケースに下地とファンデーションを入れれば、滞在中に使用する分のベースメイクコスメをコンパクトに収納できます。アクティブに楽しみたい人に「防水スマホケース」旅先でプールや海、部屋についている温泉で音楽やムービーを楽しみたいという人におすすめなのが防水のスマホケース。突然の雨にも対応できます。水だけでなく、スマホを落としてしまったときや、砂や埃からもスマホを守ってくれます。観光名所でも活躍してくれますよ。3:旅行に連れていきたい「コスメ」旅先では、写真を撮る機会がたくさんあります。旅の思い出を美しく残すためにも、いつもよりもメイクに気合いが入りますよね。旅先の美しい景観にしっかりと映える「旅コスメ」をご紹介いたします。かしこく焼かない「UVカットコスメ」夏休みの旅行先は、どこに行っても照りつける日差しが予想されます。日焼けも旅行の思い出となりますが、肌のことを考えればできるだけUVカットしたいですよね。普通の日焼け止めにプラスアルファした、旅先で活躍するUV対策コスメが活躍の予感。チャコット/フィニッシングUVパウダー COOLCHACOTT チャコット フィニッシングUVパウダー COOL UVパウダー 15g パフ付)冷却成分+UV防止効果の、夏にダブルでうれしいフィニッシングパウダーです。汗や皮脂がでると、水分に冷却成分が反応して清涼感を発揮するという優れもの。ビタミンC誘導体が、日焼けで傷んだ肌をケアしてくれます。アジャステ/エアリータッチ UVスプレーアジャステ エアリータッチ UVスプレー [クリーンシャボン] 200g SPF50+ 青SPF50・PA++++のしっかり紫外線ケアできるUVスプレーです。顔、髪の毛、からだに使用できます。メイクやヘアセットのうえからシューッとひと吹きで簡単に紫外線ケアが叶います。汗や水に耐性があるので、旅行でプールや海の予定がある方も安心。爽やかなクリーンシャボンの香りが、涼やかな気分にさせてくれますよ。写真映え抜群の「カラーコスメ」プールサイドや海岸に映えるカラーメイクは、華やかな夏休みの旅行におすすめ。海や空の碧に合わせたブルーや、夏らしいビビッドなイエローやレッドのアイシャドウやアイライナーを使用したヘルシーなアイメイクにしてみましょう。コフレドール/6セレクションアイズコフレドール bijoux collection 6セレクションアイズ 01 サニーブラウン アイシャドウ発色のいいビビッドなイエローやオレンジ、ピンクが入った6色のアイシャドウパレット。アイシャドウのカラーに合わせたトップスやワンピースを着ると、コーディネート全体にまとまりと華やかさをプラスしてくれますよ。夏休みは輝く“旅女”を楽しもう!せっかくの長期休暇で旅行に行くなら、日々頑張っている自分を癒やしたり、高めたりする時間をつくりたいですよね。まだ見ぬ場所や人、自分との出会いを叶える旅行には、女性を輝かせてくれるアイテムを連れていきましょう!
2018年07月06日音楽家の椎名林檎、演出振付家のMIKIKO、そして小説家の西加奈子というトップクリエイターの3人が、初めて旅番組に挑戦した「猫にまた旅 ~椎名林檎・MIKIKO・西加奈子 ロシアを行く~」が、6月30日(土)に放送されることが決定した。今年デビュー20周年を迎え、書き下ろしたドラマ「カルテット」の主題歌が話題になったことも記憶に新しい椎名林檎、「Perfume」「BABYMETAL」など様々なアーティストの振付を手掛けるMIKIKO、そして、「まく子」が実写映画化されることも決定している直木賞作家・西加奈子。プライベートでも親交を深める彼女たちが訪れたのは、帝政ロシアの都として栄えたサンクトペテルブルグ。歴史と芸術に彩られた美しい街で、“3人の猫娘たち”が“芸のこやし”をハンティング。クリエイターならではの視点で、古都の魅力を掘り下げていく。番組内では、ロシアの伝統楽器「バラライカ」のバンドアンサンブルを体感したり、世界5大バレエ団として名をはせる「マリインスキー・バレエ団」に潜入したり。またロシアの文豪ドストエフスキーの家の訪問など、3人の創作に通ずるシチュエーションが満載。ほかにも、世界の猫・ロシア編として、ロシアンブルーのブリーダーを訪ね、ロシアの一般家族の夕食に突撃も。もちろん、エルミタージュ美術館をはじめとする名所も周る。「猫にまた旅 ~椎名林檎・MIKIKO・西加奈子 ロシアを行く~」は6月30日(土)23時5分~NHK総合テレビにて放送。(cinemacafe.net)
2018年06月19日デザイナー髙田賢三氏の自伝『夢の回想録』(日本経済新聞出版社)が発売された。デザイナーとしての活動から、私生活、恋愛、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンによる買収劇や「ケンゾー(KENZO)」ブランドからの舞台裏までを明かしたもの。山本耀司氏のインタビューやコシノジュンコ氏との対談なども加えている。4月10日には東京・千代田区のパレスホテル東京で出版を祝う会も開催された。70年代前半から80年代前半までパリコレクションの人気ランキングのトップを守り続け、「ケンゾー」ブランドで生み出したデザインとスタイルが今もファッションに強い影響を与え続けている高田賢三氏。自伝で伝えたかったことや成功の理由、今のファッションとパリコレクション、これからやりたいことなどについて聞いた。FASHION HEADLINE(以下、FH): 自伝『夢の回想録』が日本経済新聞出版社から発売されましたが、自伝を出されたきっかけは?高田賢三氏(以下、高田): 2016年12月に日本経済新聞朝刊で連載された『私の履歴書』がきっかけになりました。FH: 書籍化にあたり、かなり加筆したということですが。髙田: 基本的には『私の履歴書』と同じですが、『私の履歴書』ではファッションの話があまり出ていなかったので、例えば、80年代のファッションについての部分やニューヨーク、ロンドンの話、更に自分のプライベートな話なども加えました。また、『私の履歴書』は新聞の連載で、1回の文字数なども決まっていますから、最初の連載で削除されてしまった人の名前なども追加しています。FH: プライベートな話ということが出ましたが、今回の本では人生の伴侶となる人との出会いと別れ、LVMHによる買収、自己破産など、プライベートな部分についてもかなり率直に書いていますね。髙田: もちろん、100パーセントすべてではありませんが、90パーセントくらいは書いてあります。どこまで言っていいのか、随分迷いました。僕自身、今もあれでよかったのか、よくわかりませんが、もう書いてしまったものですし、自伝であり回想録であるということで覚悟を決めました。FH: 日本経済新聞朝刊の連載は、どちらかと言えば経営者やビジネスマンなど男性の読者が中心になると思いますが、書籍になるとファッションデザイナーや若い女性、学生などたくさんの人が読むことになります。賢三さん自身はどのように読んで欲しいと思っていますか?髙田: 僕がしてしまった失敗を読んでもらうことで同じような失敗をしないようにするなど、読む人のこれからに役立ててもらえれば嬉しいですね。また、僕自身、若いときから夢を持って冒険をしてきたことが今につながっているので、そうしたことも読んで欲しいと思っています。FH: 失敗ということについては、どうすればよかったと思っていますか?髙田: 70年代はビジネスのことはほとんど考えず、ファッションショーや服のデザインのことばかり考えていました。それだけではまずいと思いましたし、共同で経営の部分をやってもらっていた人とも別れてしまいました。それが、80年代に入ると、経営者も変わり、逆にビジネスが中心になってしまいました。僕自身はクリエーションに集中して、経営は人に任せきりにしてしまっていましたが、当時、その先のことや経営のことなどもよく考えて、クリエーションとビジネスを両立することができるような体制の会社にすることができていればよかったと思います。また、持ち株をLVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンにブランドを売ってしまったことも後悔しています。僕自身すごく軽はずみだったと思っています。FH: 『時代の波』というページの部分で1973年春夏コレクションに「ジュルナル・ド・テキスチル」の人気ランキングで首位になり、83年くらいまで上位3位以内に入っていたのが、80年代後半から一気に順位が急落する話が出てきます。髙田: 人気ランキングについては僕自身はほとんど気にしていませんでしたが、1位が2位、3位となってくると気になりはじめますし、会社のみんなも気にしてくる。もちろん、刺激にはなりましたが、やはり83年以降どんどん順位が落ちていくのは厳しかったです。自分自身、コレクションのクリエーションがどんどんなくなり、ビジネスが中心になっていることはわかっていました。70年代にはコレクションだけに集中しすぎて、ショーを見ていいと思った編集者に「この服を撮影で使いたい。どこで買うことができますか」と聞かれても実際には販売していない服も多かったことを批判されていました。それが、80年代にはジャーナリストたちから「ビジネスだけでなく、コレクションでももっとおもしろい服を作って欲しい」と言われていました。FH: 共同経営者との衝突などについても書いていますが、クリエーターが1人でデザインとビジネスを両立させることは難しい。いいパートナーが必要ですね。髙田: デザイナーにとってパートナーはすごく大切です。あの当時はあまり考えていませんでしたが、イヴ・サンローランにピエール・ベルジェがいたことはすごくうらやましいと思います。サンローラン美術館に行くとわかりますが、ベルジェはサンローランの最初のコレクションからほとんどすべての資料を保存しています。経営面だけでなくクリエーションもサポートしてくれるような素晴らしいパートナーがいてくれるというのはすごいことだと思います。以前は僕の所にも資料などもきちんと管理してくれる近藤淳子さんという女性がいました。共同経営者でありクリエーションも管理してくれるパートナーと一緒に仕事をすることはすごく大切なことだと思います。やっぱり、デザイナーが1人でできることは限られていますからね。FH: 一方、ファッションデザイナーとして成功できた理由については?髙田: 高校生の頃から自分のやりたいことがわかっていたので、パリに行くなど、冒険心を持ってやりたいことに邁進してきたことがよかったと思います。-- 次のページは高田賢三が思う、今のケンゾー。そして最近のパリコレクションについて----FH: 若い人たちにとっては当時のケンゾーブランドのコレクションやファッションショーは伝説といえるかもしれません。髙田: 僕のコレクションが「ジュルナル・ド・テキスチル」の人気ランキングで首位になったのは1973年ですから、40年前、いや、もう50年近く前ということになりますからね。FH: 最近、ケンゾーでも山口小夜子さんなどをイメージしたコレクションが出ていますし、コム デ ギャルソンやヨウジヤマモトの80年代のコレクションもヴィンテージや復刻として登場していますし、展覧会やコレクションをまとめたデザイナーの本も出ています。また、ここ数シーズン、そのブランドが発表していたコレクションやアイコンを現代に蘇らせることでよりそのブランドらしさを表現したコレクションも目立ちます。最近のファッションについてはどう見ていますか?髙田: ケンゾーのコレクションは昔のアーカイブだったのでしょう。ファッションは繰り返すものですが、彼らが僕のことを考えてくれたようで嬉しかったです。ただ、ファッションはどんどん進化しています。服はもちろんですが、ファッションビジネスやコレクションを伝えるメディアがすごく進化していますし、時代の展開がすごく早いと思います。そういう意味で、ファッションはすごい仕事だなと改めて感じています。僕たちがコレクションをスタートした70年代にはファッションは遊びのようなものに見られていましたが、今、ファッションはカルチャーであると同時に巨大なビジネスになっています。今後は更にライフスタイルに溶け込んで、生活の大きなポイントになっていくと思っています。FH: 賢三さんがコレクションを発表していた頃はまだインターネットもなく、コレクション情報もコレクションの数ヶ月後に雑誌やテレビで見るという状況でした。その一方で、パリコレクションは夢であり憧れであったような気がします。当時と比べてスペクタクルなショーもなくなりました。発表されるルックの点数やショーの時間も少なくなり、10分で終わるパリコレクションをビジネス拡大のひとつの方法というデザイナーもいます。賢三さんは先日、パリのバレ・ド・トーキョーで行われたジュンコ シマダ2018-19年秋冬のにもいらっしゃいましたし、以前はケンゾーのコレクションなどでもお見かけしましたが、現在のパリコレクションをどう思いますか?髙田: 僕たちの頃と比べると、今のデザイナーは大変だと思います。たくさんのデザイナーやブランドがありますし、コレクションの数も多い。その中でコレクションやクリエーションを評価され、ビジネスでも成功するのは大変なことです。また、服の作り方も変わってしまいましたし、進化もしています。FH: ファッションデザイナーとして成功するために必要なことは何だと思いますか?髙田:デザイナーとしてのある程度の才能と好奇心。そして、「その時代に乗る」ということも大切です。僕はその時代に乗ったと思っています。当時、68年の五月革命でファッションが変わり、パリがロンドンに押されて、パリのコレクションに勢いが無くなる一方で、プレタポルテのドロテビスやソニア リキエルが登場するなど時代が新しいファッションやデザイナーを待っていた。僕はそういう時代に乗ることができました。もしも、パリに行くのが2~3年違っていたら、結果は違うものになっていたかもしれません。僕は日本に帰ってきて着物の生地や平面裁断なども取り入れましたが、当時はそれが新鮮に見え、僕の特徴のひとつになりました。FH: もし今、賢三さんが10代、20代の若者だとしたら、ファッションデザイナーを目指しますか?髙田: もう1度やり直せるとしたら、ということですか。やっぱり、ファッションが好きなのでファッションの仕事をやると思います。やったことはありませんが、建築やインテリアにも憧れます。いずれにしても、絶対に経営や政治の世界には行かないと思いますから、ファッションや建築、インテリアなど、デザインの仕事を目指していると思います。FH: ケンゾーを離れてからも様々な仕事を続けています。2016年にもセブン&アイ・ホールディングスのスペシャルゲストデザイナーとして、期間限定コレクション「セットプルミエ バイ ケンゾー タカダ」を手掛けました。高田: あの仕事は大変でした。素材1つをとっても毎回触って、いろいろなものを見ていなければいけないし、服も毎シーズン作り続けていかないといけないと思いました。実際に仕事に入ってしまってからは、面白かったのですが、ファッションデザイナーという仕事は毎シーズン続けていなければ難しいと改めて感じました。FH: 本の前書きでは、2017年に大病から快復して本格的なビジネスを再開したタイミングも自伝を出そうと思ったきっかけだと書いてありました。今後のデザイナーとしての活動についてはどのように考えていますか。高田: 最近は服やファッションなども含めて仕事を減らすようにしています。ファッションはもちろん大好きですが、年齢などのことを考えても、元気でいられるうちに旅行をしたり絵を描いたり、自分の好きなことに時間を使いたいと考えています。FH: ファッションデザイナーの仕事は減らしていくのですか?髙田: わかりません(笑)。「セットプルミエ バイ ケンゾー タカダ」の仕事をしたときは久しぶりだったので厳しいと思いましたが、昨年、パリ装飾芸術美術館で行われたクリスチャン・ディオールの創業70周年を記念する大回顧展「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展」で、トワルを集めた展示などを見たときにはあまりのすごさに「こんなにすごいアトリエだったら、もう1回やってみたい」と思ってしまいました。もちろん、一瞬だけですが(笑)。これからも自分の好きなこと、そのときにしたいことをしていきたいと思っています。FH: 最近は頻繁に日本に戻られていますね。髙田: 去年は3回。今年は今回で2回目ですが、1ヶ月近く日本にいる予定です。仕事以外ではパリから日本に来た友人と一緒に旅行をしたりしていますが、僕自身日本のことをよく知らないので、旅をして日本の色々なところに行ってみたい。日本をもっと知るということもこれからやりたいことの1つです。<プロフィール>髙田賢三(たかだけんぞう)/デザイナー兵庫県生まれ。1960年第8回装苑賞受賞。1961年文化服装学院デザイン科卒業、 1965年に渡仏。1970年パリ、ギャラリー・ヴィヴィエンヌにブティック「ジャング ル・ジャ ップ」をオープン。初コレクションを発表。パリの伝統的なクチュールに対し、日本人としての感性を駆使した新しい発想のコレクションが評判を呼び、世界的な名声を得る。その後ブランドを「ケンゾー(KENZO)」とし、高い評価を受ける。1984年仏政府より国家功労賞「シュヴァリエ・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル」芸術文化勲章(シュヴァリエ位)受章。1998年仏政府より国家功労賞「コマンドゥール・ド・ロルドル・デザール・エ・レトル」芸術文化勲章最高位の(コマンドゥール位)受賞。1999年2月、ニューヨークで国連平和賞(タイム・ピース・アワード)の 1998年ファッション賞を受賞。10月パリコレクレションを最後にケンゾーブランドを退く。同年紫綬褒章を受章。2004年開催アテネオリンピック日本選手団公式服装をデザイン。パリ市よりパリ市大金賞を受賞。その後、デザイナー活動及び絵画を手掛けている。絵画展は、フランス、モロッコ、アルゼンチン、ウクライナ、ロシアで開催。又、ドイツにて2008年に開催。現在は、クリエーションにおける異業種とのコラボレート事業を展開。その他、世界の伝統文化を継承する為の活動をライフワークの1つともしている。2016年仏政府よりレジオンドヌール勲章「名誉軍団国家勲章」(シュヴァルエ位)を受勲。 同年、8月下旬より限定1年間、日本において、セブン&アイ・ホールディングスの社傘下のそごう・西武及びイトーヨーカドーのPBブランド「セット・プルミエ」を展開。
2018年04月21日アディダス オリジナルス(adidas Originals)から、オランダ人デザイナー「ダニエル・カタリ(Danielle Cathari)」とのコラボレーションコレクション「adidas Originals by Danielle Cathari」が登場。2018年5月5日(土)より、アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウなどで発売される。1990年代や2000年代の大胆さ、勢いから着想を得た今回のコレクションからは、アディダスを象徴するトレフィルロゴ、スリーストライプスのデザインのアイテムを分解し再構築したアイテムが登場。不規則につなぎ合わせたアパレルには、サテン、軽量ウーブンなど、春の装いに適した軽やかな素材のものを使用している。アーカイブのセーターのデザインをカットし再構築したジャケットは、切り取る大きさ、カラー、柄などがランダムにつなぎ合わせられている。さらに、ジャケットとセットアップで着用できる同色のミニスカート、短くカットされた丈のスウェットも展開される。また、女性らしいシルエットのアイテムにも注目。クロップド丈のブラトップ、長めの丈のパラシュートパンツのセットアップは、ブルーとホワイトの2色がラインナップ。特徴的なシルエットに加え、短めにカットされたアディダスのスリーストライプスなど、ディテールにもこだわったアイテムだ。他にも、淡いイエローのニットTシャツ、ショートパンツのセットアップや、斜めに施されたドローコードが印象的なピーチ色のドレスなど、全10種類のアイテムが登場する。【詳細】adidas Originals by Daniëlle Cathari発売日:2018年5月5日(土)販売店舗:アディダス オリジナルス フラッグシップ ストア トウキョウ、アディダス オリジナルスショップ(六本木ヒルズ、ダイバーシティ 東京 プラザ、GINZA SIX、ラゾーナ川崎プラザ、札幌ステラプレイス、福岡、心斎橋、HEP FIVE)、アディダス ブランドコアストア(新宿、渋谷、名古屋)、アディダス オンラインショップ価格:・VINTAGE TRACK TOP 15,000円+税・VINTAGE MINI SKIRT 12,000円+税・VINTAGE SWEATER 13,000円+税・CROP TOP 6,490円+税・TRACK PANT 13,000円+税・BRA TOP 6,490円+税・WINDBREAKER PANTS 12,000円+税・SOCCER TEE 7,490円+税・HOT SHORT 6,490円+税・DRESS 9,490円+税【問い合わせ先】アディダスグループお客様窓口TEL:0570-033-033((土日祝除く、9:30~18:00)
2018年04月15日