映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念ポスターARが、リリースされた。○■映画『ゴジラ-1.0』、北米邦画実写映画の興行収入記録で歴代1位をマーク第96回アカデミー賞において、アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」を受賞した同作。24日までの公開143日間で観客動員449万人、興行収入68.3億円を突破し、2023年に日本で公開された実写映画ランキングで第1位を記録した。また、北米では現地時間の2月1日までの63日間で上映が終了し、最終興行収入は5641万ドルとなり、北米で公開された邦画実写映画の興行収入記録を大きく塗り替えて歴代1位、北米公開の外国語実写映画の歴代興収でも3位という記録を残した。今回リリースされたのは、スマートフォンでQRコードにアクセスし、『ゴジラ-1.0』上映劇場で掲出中の凱旋上映ポスターを読み込むと、AR上で特別な演出を見ることができる「『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念ポスターAR。ポスターから数々の名場面映像が飛び出し、最後にはゴジラが動き出す? 特別な演出を観ることができる。【編集部MEMO】映画『ゴジラ-1.0』は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介といった、実力派俳優陣が勢揃いした。(C)2023 TOHO CO., LTD.
2024年03月29日2024年1月に開催された第8回韓国ミュージカルアワードで作品賞、脚本賞、音楽賞の主要3部門を総なめにしたミュージカル『ラフヘスト〜残されたもの』の日本初演が決定。7月18日(木) から28日(日) にかけて東京芸術劇場シアターイーストにて上演されることが発表された。本作は、韓国を代表する天才芸術家と称された実在するふたりの男性、鬼才と言われた詩人イ・サンと韓国抽象美術の先駆者キム・ファンギを夫に持ったキム・ヒャガンの人生を史実に基づいて描いたオリジナルミュージカル。ヒャガンは、自身もエッセイストで評論家で西洋画家でもあり、自身の才能だけでなくパートナーたちの才能をも開花、芸術を完成させた稀有な女性として知られる。演出を手掛けるのは、2022年の読売演劇大賞で優秀演出家に選出された稲葉賀恵。本格ミュージカル初演出となり、「私たちが瞬間瞬間を掴んでは選択をした人生の時間はすべからく愛おしい。そんな作品になると思います」と期待を寄せる。主人公のキム・ヒャガン役を演じるのはソニン。今回、俳優としてだけでなく初めて、訳詞にも挑む。本人も本作に向け、「初・韓国ミュージカル、主演、訳詞。初づくしの新たな自分を表現することに、胸が高鳴る。魂に訴えかけるような、観劇後自分を抱きしめたくなるような、美しく暖かく刹那的な感情を「芸術」を通して体験していただきたい」と本作への意欲を露わにした。そして、ヒャガンの夫である キム・ファンギ役にはダンスボーカルユニットLeadの古屋敬多、孤高の詩人でありながら本作ではキュートな一面も見せるイ・サン役を相葉裕樹、イ・サンと恋に落ちる若き日のヒャガンであるピョン・トンリム役を山口乃々華が演じる。古屋は「未経験な故に震えますが、それよりも楽しみな気持ちが大きい」、相葉は「イ・サンの情熱と創造性、そして愛に満ちた旅路を体現できるよう努めてまいります」、山口は「素敵なメロディーと言葉一つひとつしっかり噛み砕いてお届けできるよう努めたい」と、それぞれ本作に向け意気込みを語った。<コメント全文>■ソニン / キム・ヒャガン役初・韓国ミュージカル、主演、訳詞。初づくしの新たな自分を表現することに、胸が高鳴ります。魂に訴えかけるような、観劇後自分を抱きしめたくなるような、美しく暖かく刹那的な感情を「芸術」を通して体験していただきたいです。新しく出会う仲間と濃い芝居を作る事、少人数で近い距離でお届けできる事、楽しみにしております。■古屋敬多(Lead)/ キム・ファンギ役来ていただけるお客様、スタッフさん、そしてキャスト4人と作り上げる作品!未経験な故に震えますが、それよりも楽しみな気持ちが大きいです。待望の「日本初上演」ですので、これからもこの国で長く愛され続ける作品の一助になれればと想っております。ご期待下さい♪■相葉裕樹 / イ・サン役この度、ミュージカル『ラフヘスト』でイ・サン役を演じることになりました。彼の情熱と創造性、そして愛に満ちた旅路を体現できるよう努めてまいります。人は去っても芸術は残る。その輝きを共有し、皆様の心に残るような作品が届けられたらなと思います。■山口乃々華 / ピョン・トンリム役きっと、濃厚な時間になるだろうと、楽しみな気持ちと緊張感が混在しています。素敵なメロディーと言葉一つひとつしっかり噛み砕いてお届けできるよう努めたいと思っております。ご一緒できる方々からたくさん学び、私もついていけるよう頑張ります!■稲葉賀恵(演出)踊ってしまうほど嬉しかったり叫んでしまうほど悲しかったり、人生は必死すぎて振り返る暇もない。でももし自分が死ぬ前に、過去の自分に会いに行くことが出来たら、絶望したあの夜に一緒に歌を歌えたら、親愛を込めて抱きしめることが出来たら。私たちが瞬間瞬間を掴んでは選択をした人生の時間はすべからく愛おしい。そんな作品になると思います。ご期待ください。<公演情報>belle waves #1 ミュージカル『ラフヘスト〜残されたもの』belle waves #1 ミュージカル 『ラフヘスト〜残されたもの』ビジュアル7月18日(木)~7月28日(日) 全15公演会場:東京芸術劇場 シアターイースト演出:稲葉賀恵上演台本:オノマリコ訳詞:オノマリコ、ソニン音楽監督:落合崇史出演:ソニン、古屋敬多(Lead)、相葉裕樹、山口乃々華【チケット料金】(税込)Rシート(グッズ付き):11,800円一般席:9,800円※Rシート(グッズ付き)は、客席前方席&非売品オリジナルグッズ(キャストビジュアルクリアカード&オリジナルクリアマルチケース)付きとなります。グッズは公演当日、会場にてお引換え下さい。公演期間以外のお引渡しはできません。※ご購入後の返金・クレーム及びお席の振替は一切お受けできません。※本公演のチケットは「チケット不正転売禁止法」の対象となる「特定興行入場券」として販売いたします。主催者の同意のない有償譲渡は禁止されています。■先行開始:3月29日(金) 11:00~■一般発売:5月19日(日) 10:00~オフィシャルHP:
2024年03月29日エマ・ストーン2度目のアカデミー賞主演女優賞をはじめ2024年の賞レースを賑わせた『哀れなるものたち』の日本公開から約2か月。ヨルゴス・ランティモス監督とエマの最強タッグ最新作『KINDS OF KINDNESS』が邦題『憐れみの3章』として、2024年に日本公開決定。併せて、再び世界の度肝を抜く問題作となる予感満載の予告編が解禁となった。ランティモス監督とエマは『哀れなるものたち』で、第80回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞し、第81回ゴールデン・グローブ賞では作品賞、主演女優賞を受賞。さらに第96回アカデミー賞では主演女優賞ほか、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞の合計4部門に輝いた。ヨルゴス・ランティモス監督&エマ・ストーン Photo by John Shearer/Getty Images for Critics Choice Association今回もランティモス監督のもとには『哀れなるものたち』で壮麗で芸術的な唯一無二の世界を監督と共に作り上げた、エマ・ストーン、ウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結。マーガレット・クアリー Photo by Theo Wargo/Getty Imagesさらに『哀れなるものたち』とともに今年度の賞レースで熱戦を繰り広げた『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』や、数々の賞を席巻した『パワー・オブ・ザ・ドッグ』をはじめとする話題作に多数出演するジェシー・プレモンス、『ザ・ホエール』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたホン・チャウ、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』や『マイ・エレメント』(声の出演)など多数の大作で活躍するママドゥ・アティエ。ホン・チャウ Photo by Gilbert FloresVariety via Getty Imagesさらに「ユーフォリア/EUPHORIA」、『ハンガー・ゲーム0』で注目を浴びる新鋭ハンター・シェイファーといった、折り紙つきの実力者が勢ぞろいし、共同脚本に『籠の中の乙女』『ロブスター』『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』のエフティミス・フィリップとの最強タッグが復活。ランティモス監督ならではのユーモラスでありながらも、ときに不穏で予想不可能な、独創的世界を描き出す。今回解禁となった予告編には、ランティモス監督の鮮烈で独特な物語をその存在感で彩るキャスト陣が次々に登場。異常なスピードを出すビビッドカラーのスポーツカーや、廊下を引きずられていく脱力した女性は、未体験かつ高濃度のランティモスワールド到来を予感させる。本作はストーリーも、豪華キャスト陣が演じる役柄も全てが異なる三部作で構成されており、信念、強制、そして支配が日常である強烈な物語が息つく間もなく展開されていく。『女王陛下のお気に入り』『哀れなるものたち』と映画界に未知なる衝撃を送り続けるヨルゴス・ランティモス監督と、俳優としての才能を遺憾なく発揮し続けるエマ・ストーンの三度目のタッグは、超豪華キャストとともに映画をさらなる高みへと導くだろう。『憐れみの3章』は2024年、全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:哀れなるものたち 2024年1月26日より全国にて公開©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月29日TBSホールディングスが、世界水準のVFX(視覚効果)制作会社であるMegalis(以下メガリス)に資本参加した。メガリスは、2017年に日本を拠点に発足した、世界水準の人材と技術を有するVFX制作会社。北米やアジアなどから優秀なVFXクリエイターを集めて映画やドラマのVFX制作などを担当しており、東京の他、フランスにも拠点があり、英語にも対応していることや技術の高さから、海外からも映画やドラマのVFX、3DCGアニメーションを受注している。米エミー賞3冠を獲得したNetflixシリーズ『ONI~神々山のおなり』の映像制作を担当し、海外での評価も急速に高まっている注目のVFXスタジオだ。また、TBSグループの海外戦略スタジオであるTHE SEVENも、メガリスと戦略的パートナーシップを締結しており、一連のパートナーシップでVFX分野を強化する。両社はこれまで、THE SEVENが制作協力したNetflixシリーズ『幽☆遊☆白書』や『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』などの作品のVFX制作をメガリスと協業するなど実務面での連携を深めてきたが、この度グローバル戦略実現に向けた体制が整うこととなった。
2024年03月22日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台挨拶が20日に都内で行われ、神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山崎貴監督が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。第96回アカデミー賞で、アジア映画として初の視覚効果賞を受賞した。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念舞台挨拶舞台挨拶では、キャスト陣もオスカー像を1人ずつ持ってみることに。佐々木は「よく、オスカーを持ってる人は足のところを片手で持ってるからなんでだろうと思っていたら、確かにこう持ちたくなる像だなと思いました。持ってみて、ここが1番持ちやすい。これすごくいいですよ。素晴らしいです」と新たな発見があった様子。続く神木も「あ〜ここだあ!」とフィット。「重い! 重いですね。受賞された方って、こうやって(両手で)持つ方もいらっしゃれば、写真撮る時にはガッと片手で(持つ人も)。本当に重いですね」と重さを実感する。山崎監督は「みんなから『突き出せ』と言われるんですよ。最初はイエーイってやってるんですけど、ほんと重い。辛くなってきちゃう」と苦笑し、神木は「重厚感というか、この中にいろんな想いが詰め込まれてるんだなと思うと恐れ多いです」と噛み締めていた。また、佐々木が「『オスカー取ったら、賞金いくら?』と言うてくるやついるんですよ。ないですよね?」と尋ねると、山崎監督は「取らなかった人は、結構な金額のお土産をもらえるらしいんですよ」と意外な噂を披露。「僕ももらえるかと思ったら『ないです』と。もちろんこっち(オスカー)の方がいいですけど、いろんな協賛スポンサーからけっこうなお土産をもらえるらしいんです。数百万円分くらいのお土産がくるらしい」と驚かせ、「ガセかもしれないですけど」と付け加えていた。
2024年03月21日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台挨拶が20日に都内で行われ、神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山崎貴監督が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。第96回アカデミー賞で、アジア映画として初の視覚効果賞を受賞した。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念舞台挨拶に吉岡秀隆登場受賞の瞬間について聞かれると、吉岡は「僕、知らなくて。『三丁目の夕日』のプロデューサーの奥田(誠治)さんが朝LINEくださって、『山崎さん、やりましたね』と言うから、『ノミネートのことを言ってるのかな?』って」と気づいていなかったそうで、周囲を驚かせる。さらに吉岡は「いつも行くコンビニで、レジのおばさんが『ゴジラやりましたね、オスカー!』と言うから『とったんですか!?』『えー!!』って」と驚きのエピソード。山崎監督からも「だいぶずれたね」とツッコまれた吉岡は「あわてて監督にショートメールを送って、なかなか返ってこないから、『ああ、無視か』って。YouTtubeか何かで会見の動画上がってたところに監督から返ってきたので『見捨てられてなかった、僕』と思った」と振り返り、山崎監督は「飛行機乗ってたから、僕は」と苦笑していた。
2024年03月21日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台挨拶が20日に都内で行われ、神木隆之介、浜辺美波、青木崇高、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山崎貴監督が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。第96回アカデミー賞で、アジア映画として初の視覚効果賞を受賞した。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞受賞記念大ヒット御礼舞台挨拶開催神木は「伝言を預かっています。山田裕貴から。仕事で来れなかったんですけど『すごく行きたかった』と」と、今回舞台挨拶に登壇できなかった山田の言葉を明かす。「『監督と白組の皆さん、本当におめでとうございます。こんなにおめでたくて、皆さんと一緒に喜べる作品に出られて本当に幸せです。イエーイ』と言ってました」と伝え「彼の魂もここに」と空間を示す神木に、「死んでるみたい」とツッコミが入っていた。受賞の瞬間について聞かれると、神木は「役者仲間からも『おめでとう』と来て。でも1番最初に来たの、山田裕貴。と、あとはWOWOWで生放送してくれてた中島健人から、『とったよ!』と。山田裕貴からは『おめでとう! やばいね!』と来て」と振り返る。「みんなから、『おめでとう』『おめでとう』『すごいね』と。『こちらこそおめでとう』『やったね』『おめでとう、すごいね』と連絡して、一気に来まして。家族からもきましたし、会う方会う方おめでとうと言ってくれる。映画を観て『良かったよ、おめでとう』と言っていただけるので、本当に幸せなことだなと思っています」と噛み締めていた。
2024年03月20日今年度の日本アカデミー賞で安藤サクラ(38)が最優秀女優賞&助演女優賞をW受賞。来年度NHK大河ドラマの主役には仲野太賀(31)が選ばれるなど、活躍が目覚ましい二世俳優たち。水谷豊(71)と伊藤蘭(69)の一人娘・趣里(33)もオーディションでNHK連続テレビ小説『ブギウギ』のヒロイン・福来スズ子役を勝ち取るなど、実力派に名を連ねる二世俳優が増えている。一方で、《下積み経験もなく、話題性だけで主演になった》と言われたり、演技が不評の俳優も。そこで本誌は、40歳以下の「演技がイマイチな二世俳優」について、アンケートを行った(~3月15日)。第3位は松田龍平(40)松田優作さん(享年40)と女優・松田美由紀(62)の長男であり、弟も俳優として活躍する松田翔太(38)。芸能一家として有名な松田が3位にランクイン。『舟を編む』『ぼくのおじさん』など多くの映画で主演、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』ではヒロインのマネージャー役を演じた。そんな松田だが、《表情や声色が不自然な気がする》(30代男性/公務員・教職員・非営利団体職員)、《セリフが棒読みだった》(30代女性/専業主婦)と役にハマりきれていないという声が。また、《どの作品を見ても、同じような感じ》(50代女性/派遣社員・契約社員)と演技の幅が狭いと感じる視聴者もいるようだ。第2位は岡田結実(23)父はお笑い芸人のますだおかだ・岡田圭右(55)。岡田結実は2010年から4年間、『天才テレビくん』にてれび戦士として出演。その後雑誌の専属モデルを務めるなどタレントとしてのスタートではあるものの、2023年には映画『26時13分』で単独主演を務めるなど最近では女優業にも力を入れている。《演技が大袈裟》(30代女性/専業主婦)、《表情がいつも同じ》(30代女性/パート・アルバイト)、《感情が伝わらない》(30代女性/専業主婦)と演技力への疑問の声が。ほかには《バラエティで父親のギャグを真似していたときのことを思い出してしまう》(50代男性/会社経営)、《バラエティの方が向いていると思う》(20代女性/パート・アルバイト)と芸人の娘ならではの声も多く寄せられた。第1位はKoki,(21)。木村拓哉(51)と工藤静香(53)の次女で、ファッションモデル・作曲家としても活動している。2022年に『牛首村』で女優デビューしたKoki。映画初出演で初主演ながらも一人二役に挑戦し、見事に演じきった本作。映画作品としてはいまだ『牛首村』に出演したのみだが、ほかにも人気歌手のミュージックビデオにも出演するなど、活躍の幅は多岐にわたっている。《木村拓也の印象が強すぎて、どうしても比べてしまう。顔が似ているので余計そう思う。》(60代女性/無職)、《顔がキムタクすぎてそればかり気になってしまうから》(30代女性/無職)、《演技より顔を見てしまう》(60代女性/専業主婦)と、父親である木村拓哉と顔が似ているゆえに演技が印象に残らないという声が多く寄せられる一方、《演技が自然ではなかった》(40代女性/派遣社員・契約社員)、《抑揚が少ない》(40代男性/会社勤務)、《演技が棒読みで内容が入ってこない》(40代女性/パート・アルバイト)、《顔の表情が固くて上手く伝わらない》(30代女性/専門職)と、まだ演技経験が浅いことに苦言を呈する視聴者も。親の知名度が高いほど比べられる機会は増えてしまう。そんな状況にも負けずにさまざまな場面で活躍していくのはいったい誰か。彼らの今後に期待したい!
2024年03月20日来年度NHK大河ドラマの主演に仲野太賀が抜擢され、今年度の日本アカデミー賞では安藤サクラが最優秀女優賞&助演女優賞をW受賞するなど、最近は二世俳優の活躍が目覚ましい。仲野太賀は、『ゆとりですがなにか』(2016年・日本テレビ系)や『今日から俺は!!』(2018年・日本テレビ系)など人気作に出演し、一躍有名に。そんな仲野は、父親が俳優の中野英雄(59)であることから、二世俳優の印象を与えないようにと「太賀」という芸名で活動していたが、2019年に「仲野太賀」に改名。父親の知名度に頼らず、実力で勝負したいという気持ちがあったのだろう。そこで本誌は、40歳以下の「演技がうまい二世俳優」について、アンケートを行った(~3月15日)。第3位は杏(37)父親で俳優の渡辺謙(64)は、日本アカデミー賞で何度も最優秀主演男優賞を受賞した実力派俳優だ。『ラストサムライ』や『GODZILLAゴジラ』に出演し、世界でも知名度の高い渡辺謙の娘でありながら堂々の3位にランクイン。近年はフランスに拠点を置いているが、『キングダム 運命の炎』や『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』など話題作に出演し、6月には映画『かくしごと』で記憶を失った少年の“母”と嘘をつき生きる女性を演じる。《父親のいい演技を上手く受け継いでいる》(30代男性/専門職)、《親の七光りを感じさせない演技で、『花咲舞が黙ってない』などキャラが際立っています》(40代男性/専門職)、《父親が渡辺謙さんであことを隠してデビューし、朝ドラの主演を見事に演じたり、子どもを抱えながら、一生懸命に生きている様子は、演技の幅を拡げていると思う》(40代女性/専業主婦)と、二世タレントでありながらも親の知名度に頼らずに活躍している姿や、父親譲りの演技力に感嘆の声が多く寄せられた。第2位は長澤まさみ(36)父は元サッカー選手で、日本代表経験もある長澤和明(66)。長澤まさみが主役を演じたドラマ『コンフィデンスマンJP』(2018年・フジテレビ系)は、好評に好評を重ね三度の映画化。2020年には『MOTHER マザー』にて日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。レギュラー出演している映画『キングダム』シリーズは今年7月にも最新作『キングダム 大将軍の帰還』が公開されるなど、ひっぱりだこの売れっ子だ。《華のある存在感を持っていて目が惹かれる。いつもさまざまなキャラクターの演技を使い分けていて印象的》(40代女性/会社勤務)《シリアスな役柄もユニークで笑える役柄もマルチにこなし、唯一無二のタレントだと感じる》(50代女性/パート・アルバイト)と、演技の幅広さに絶賛の声が。さらに《演技が自然。しかも魅力的》(60代男性/会社勤務)、《感情表現に心揺さぶられる》(20代男性/会社勤務)と、その演技力にも心を奪われている視聴者も多くいるようだ。第1位は安藤サクラ(38)俳優の奥田瑛二(73)とタレントの安藤和津(76)の次女で、2012年には柄本明(75)の息子・柄本佑(37)と結婚したことで話題に。今年の日本アカデミー賞では『怪物』で最優秀主演女優賞、『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞をW受賞。最優秀主演女優賞は、『百円の恋』『万引き家族』に続く三度目の受賞となった。さらに『ブラッシュアップライフ』(2023年・フジテレビ系)では転生を繰り返す主人公を熱演。実力派俳優として目覚ましい活躍を見せている。《演技が自然体で、シリアスな演技もコメディな演技も上手いと思う》(20代女性/学生)、《「ブラッシュアップライフ」で、リアリティー溢れる日常の演技や表情がとても自然で惹かれた!》(30代女性/会社勤務)と、演技の幅の広さだけでなく、難しい役でも自然体で演じているというコメントが多く見受けられた。また、《ブラッシュアップライフの演技は本当にすごかった。親もとても有名な俳優さんだが、それに負けず劣らずの演技力を持っていると思う》(20代男性/学生)、《親の七光りを感じさせないところ》(60代女性/無職)と、老若男女から安藤の実力に賞賛の嵐が。自らの実力で人気を勝ち取っている二世タレントたち。彼らの今後に期待したい!
2024年03月20日第96回アカデミー賞で作品賞・監督賞をはじめ最多7部門を受賞した『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーラン監督と、日本初となる視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の山崎貴監督による対談映像が公開された。3月29日(金) に日本公開を控える『オッペンハイマー』は、第二次世界大戦下、世界の運命を握った天才科学者J・ロバート・オッペンハイマーの栄光と没落の生涯を実話にもとづいて描く作品。2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫るヒットを記録しており、実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。公開された映像は、山崎監督の「知的好奇心を刺激されました」という感想から始まる。「パンドラの箱を開けてしまった人間が、どのような社会的な立ち位置でいたのか。時系列を組み替えながら描いていて、ハードなテーマのエンターテインメントになっている。凄く面白い、素晴らしい作品。オッペンハイマーが残酷な幻影をみるという、栄光と悲惨さが同じ画面に収められている作り方が凄い」と山崎監督が評価。それに対しノーラン監督は「私が物語の中で興味があるのは頭脳明晰な人たちが世界を理解し驚くべき創造性を飛躍させテクノロジーを用いてどのようなことを可能にするのか、そしてその裏に潜む恐ろしい暗示です。そのコントラストを映画に映し出し観客のみなさんに直で感じてもらいたい」と応じ、「開発を進めていく先に待ち受けている恐ろしさの片鱗が既に見えているわけです。しかし時代の状況ゆえに行動するしかなかった。その緊張感を観客のみなさんに体験してほしいと思いました」と述懐した。山崎監督は「悪い人間、素晴らしい人間を決めつけていない、その両方が渾然一体となっている」描写に驚嘆したという。山崎監督の言葉にノーラン監督は「それは物語を伝える上で大切にしたことでオッペンハイマー役のキリアン・マーフィーともよく話し合いました。観客にはオッペンハイマーを裁くのではなく理解してほしかったのです。みなさんにこの人物の両面を体験してもらい、彼がした選択について自分だったらどうするか考えてみてほしかった。自分とは考えや立場が全く違う人の、考えや思いがわかるというところが映画の魅力です」と、どう受けとめるかは観客ひとり一人の判断に委ねることを最優先したとコメントしている。『オッペンハイマー』に触発された山崎監督が「日本が返答の映画を作らねばならない」と宣言すると、ノーラン監督は「アンサー映画を作るのであれば山崎監督以上にふさわしい監督は思い浮かびません。ぜひ実現していただけたらと思います。これからも山崎監督の作品を楽しみにしています」と笑顔で応じた。また映像へのこだわりについて、ノーラン監督は「観客の感覚に訴えかける映画を常に作りたいと思っています。今まで多くの映画をIMAX用の70ミリフィルムで撮影してきました。驚くほど鮮明で色の再現度が高いからです。大きなスクリーンに投影するとスクリーンの枠が消え映画に没入することができます。劇場の様々なサウンドシステム、音響や音楽との融合によって観客を物語に引き込むことができるのです。こういった没入感をこれからも映画製作で大事にしていきたいです」とコメント。それを受けて山崎監督は「すごい伝わってきました。IMAXならではの作品だと思います」と対談を締めくくった。さらに、渡辺謙、白石和彌、樋口真嗣といった著名人からコメントが到着した。クリストファー・ノーラン×山崎貴 対談映像<作品情報>『オッペンハイマー』3月29日(金) 公開公式サイト: Pictures. All Rights Reserved.著名人からのコメント一覧■渡辺謙 コメント「クリス・ノーラン」僕にとってだけでなく、多くの観客の脳内をかきまわす監督である。『メメント』から始まって、『インセプション』、『TENET テネット』と時空を彷徨う人たちが錯綜する話を手掛け、今度は天才物理学者を描いた『オッペンハイマー』、原子爆弾を開発した男だ。日本は被爆国でもあり、この映画が日本で公開されるのか心配していた。かく言う僕も恐る恐る試写の席に着いた。今も、この世界を終わらせてしまうかもしれない爆弾を作った男が、細やかに、エキセントリックに描かれていた。盟友キリアン・マーフィーがそれを丹念に生きていた。だらしなく、誠実で、時代に流されていく男を。彼の幻覚の中にある、被曝の実態を世界はどう見てくれたのか。日本の観客にとっても観ておくべき作品なのだと思った。■山崎貴(映画監督)ノーラン監督の作品には常に知的好奇心を刺激される。パーフェクトに近いスペクタクルを完成させながらも、パンドラの箱を空けてしまったオッペンハイマーという科学者の、善悪が渾然一体となった人間性を浮かび上がらせ、彼の思惑や社会的地位を、時系列を組み替えハードなテーマながらエンターテインメントとして見事に創り上げた。あの時代に何が起こっていたのか目撃して欲しい。■白石和彌(映画監督)凄まじい映画体験。人類が悪魔を生み出す瞬間を全身震えながら目撃する。ノーランの最高傑作であり、正攻法で描く反戦映画。間違いなく今年の見るべき一作です。■樋口真嗣(映画監督)映画の中でいかに物語を伝えるか。数奇な運命に翻弄された実在する人物を紹介するか。善悪のように単純化されることのない複雑な混沌が渦巻く世界がそこにある。かつて体験したことのない人生が体感できる。これこそ、新しい映画なのだ。■原田眞人(映画監督)映画史に燦然と輝く『市民ケーン』に匹敵する偉業をクリストファー・ノーランは成し遂げた。音と光のインパクトでオッペンハイマーの心奥に飛び込む導入部から、核分裂の連鎖反応のようにぶつかり火花を散らす華麗なる演技陣の対決が続く終盤部まで、ノーランの緻密な映画力学に圧倒される。日本の映画人としては、この大傑作に応ずる形で、破壊の雨(レイン・オヴ・ルイン)を浴びた広島・長崎の人々の姿を克明に描く義務を、震えが来るほど強く感じた。■森達也(映画監督、作家)広島・長崎への原爆投下に対する評価。魔女狩りのように吹き荒れた赤狩り。そして最先端科学と軍事の接合(デュアルユース)。アメリカの戦後における3つのダークサイドに、ノーランは正面から切り込んだ。その手法は徹底して映画そのもの。濁流のようにあふれる映像と音。だからこそ透けて見えるオッペンハイマーの苦悩と絶望。断言できる。間違いなくノーランの最高傑作だ。■こうの史代(漫画家『この世界の片隅に』)「核兵器は狂気の天才のしわざ」なんて逃げ道は、この映画にはありませんでした。科学は誰にでも微笑みかけるし、私欲はどこにでも罠をはる。けれど、人はいつでも善意を宿すことができる。この映画に関わるすべての人の善意と勇気に感謝するばかりです。■ロバート キャンベル(日本文学研究者)天才物理学者の一生を彩る才気と驕りと判断ミス、静かな没落。悍ましい兵器の開発をつぶさに描き、主人公の視点から遠く離れないことでむしろ破壊をいまだ正視できないアメリカの矛盾と、本人の呵責を鮮やかに炙り出した力作。■橋本幸士(物理学者)心が深く、えぐられました。物理学が世界を変えていく、それが物理学者の生活感情に深く結合している。僕が漠然と感じてきたことが、非常にリアルな体験へと変換され、一挙に心になだれ込みました。僕は、なすすべがありませんでした。本作は物理学者の心に迫る映画であると同時に、人類に問いかける、傑作です。■朝長万左男(ともながまさお/医師、長崎県被爆者手帳の会友の会 会長)人類史上初の原爆製造の責任者オッペンハイマーの生涯をクリストファー・ノーラン監督が描く。前半は徹底した機密の実験成功までをリアルに描く。成功に沸くなか、オッピーの心の底には「自分は死神」という悩みが始まる。トルーマン大統領に面会すると彼はその悩みを告白する。トルーマンはこんな弱虫は二度と連れてくるなと言い放つ。後半は、原爆から水爆に進もうとする米国の核政策に抗い、国側の政治家たちと核の非人道性を理解する科学者の対決となって、ついには原子力界から追放される。これは核なき世界が遠のきつつある現在の世界の根本問題にもつながる。ここにノーラン監督の政治家の責任を追求する秘めたメッセージが感じられるのである。■堀潤(ジャーナリスト)あれだけの悲劇を経験してもなお私達は手にしていないものがある。目を逸らし、面倒くさがり、遠ざけているもの。それは「政治」への関与だ。馬鹿馬鹿しい政治家の権力闘争は放置され続け、科学を暴力へと貶めていく。日本人だからこそ、この映画を見るべきだ。■芝山幹郎(評論家)『オッペンハイマー』は『アラビアのロレンス』を想起させる。どちらも、明晰で鋭敏で繊細で、しかし評価をめぐって物議を醸した人物の映画だ。謎めいた化学記号のようなその肖像を、クリストファー・ノーランはめざましい手腕で描き上げる。イメージはもちろんのこと、情感やオブセッションを「積み重ねる力」に眼をみはった。■トラウデン直美(モデル、タレント)この映画は衝撃の連続でした。天才の見ている世界はこうなっているのか、と思わせる美しい映像と音楽の世界観に。歴史の大きな波と人々の思惑が重なり合ったストーリーの重厚さに。世界を変える未知の技術への興奮とその影響力への恐れは、開発者の手を離れたが最後、それらの運命を決めることはできないのでしょう。人間は知的好奇心を抑え込むことはできない、そして新たな技術を必ずしも望ましい形で利用できるとは限らない。技術の進歩著しい今に生きる私たちに過去の天才達はどんなメッセージを残すのか想像せずにはいられません。そして、被爆国日本に住む私たちはこの映画から何を感じ、どんなメッセージを世界に伝えられるのでしょうか。■平岡敬(元広島市長)オッペンハイマーは英雄ではなく、矛盾に満ちた人間である。科学者の研究成果が、国家によって殺人兵器に利用されたため、彼は道義的責任に苦しむことになった。彼が感じた世界の破滅への危惧は、いま現実となってわたしたちの世界を覆っている。核の脅威を秘匿する危険性を訴えたために、彼は赤狩りの標的になった。その頃の空気は今の時代にも満ちている。そして足を踏み鳴らして、彼を英雄として迎える研究所員の姿は、民衆が国家にからめとられる状況を暗示しているようだ。それゆえ、もう一度観て、核抑止力を信奉する国家とは何か、を考えたい。■細木信宏(NY在住映画ライター)数奇な理論物理学者ロバート・オッペンンハイマーに聞こえていた発明の漣(さざなみ)は、想像し難い原爆という全てを飲み込む大波となり、歴史という海原を超えて我々の魂にこだまし、放射能という戦争が生んだ深い痕跡を残してゆく。忘れられない傑作。■平井伊都子(LA在住映画ライター)世紀の発見が人類の未来を永遠に変えたばかりか、国にも見放された男の混乱と苦悩をかつてない映画的表現で描き、観客を物語に没入させる。 オッペンハイマーの原爆開発を美化するのではなく、想像の範疇を超えた悲劇と後悔に苛まれた研究者の運命を描く“反戦映画”。■落合陽一(計算機科学者)マンハッタン計画を時系列で捉えると単調な人間讃歌になる。予期はできたが予期せぬ結果、その利用と称賛、自己批判、これは研究者当人以外には理解し難い内的葛藤がある。その内的葛藤に切り込んだストーリーを時系列を絡み合わせて提示することで作品としての旨みが作り込まれている。難解か?そんなことはない。何より単純に原子爆弾の圧倒的エネルギーの暴力性が音と光で満ち溢れ、我々の脳裏に様々なカタルシス、畏怖や悲しみを想起させる。■アーサー・ビナード(詩人、絵本作家)物理学をここまでスリリングに描いた映画は前代未聞だ。しかも極秘の開発プロジェクトの内部を、インサイダーの視点でぼくらに見せてくれる。見事なセリフの刺激は絶えず脳を覚醒する。人類初の核兵器を作ったオッペンハイマーたちこそ、最初のヒバクシャにもなったことが、身にしみる。■笠井信輔(アナウンサー)日本での公開は全世界より大きく遅れた。日本人には過酷過ぎるのか?否!強烈な反戦映画であり、繊細な科学者の葛藤を想像を超えた編集と大迫力の音響で描くIMAXで見るべき伝記映画などこれまで存在しなかった。アカデミー賞7部門受賞は伊達じゃない。戦争におけるアメリカの基本精神は今も変わっていないのだ。日本人こそ見るべき映画だ。■前嶋和弘(政治学者)ナチスよりも先に原爆開発に成功することは、ユダヤ人であるオッペンハイマーにとって差別との戦いでもあった。ただその「大成功」は永続的な苦しみの拡大再生産の始まりだった。そこに至るまでのオッペンハイマーの心の動きを追体験できるのが、この映画だ。■中江有里(女優、作家、歌手)世界を崩壊させるかもしれない、恐ろしく、興奮する場面に居合わせた。映画『オッペンハイマー』は見る芸術じゃなく、体感する芸術だ。■小林エリカ(作家、マンガ家)神の力を手に入れようとする人間、男たちの、情熱と、欲望と、その尊大さと卑小さに戦慄する。その美と恐怖と自己中心的な思考を残酷なまでの緻密さで織りあげ、私たちに体感させる。
2024年03月15日第96回アカデミー賞にて作品賞ほか最多7部門受賞で話題を集めているクリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』の日本公開を記念し、『フォロウィング』25周年/HDレストア版が4月5日(金) より公開されることが決定した。『フォロウィング』は、ロッテルダム映画祭をはじめ数多くの映画祭で賞を受賞し、ノーランの才能を一躍世界に知らしめた記念すべき長編デビュー作。過去から未来、未来から過去へと交差する時間軸で紡がれる本作は、『メメント』『ダークナイト』『インセプション』『TENET テネット』といったこれまでの作品以上に複雑な構成となっている。25周年/HDレストア版の本編は、オリジナルの16mmエレメントを4Kスキャン。最新技術を駆使し、画面上の傷を除去して解像度が上がっている。音響は新たに5.1サウンド・トラックを採用し、ノーラン監督監修のもと調整が行われた。また来場者特典として、先着で「記念ポストカード」の配布も予定されている。『フォロウィング 25周年/HDレストア版』先着来場者特典「記念ポストカード」『フォロウィング 25周年/HDレストア版』予告<作品情報>『フォロウィング 25周年/HDレストア版』4月5日(金) 公開公式サイト: IFC IN THEATERS LLC
2024年03月14日第96回米アカデミー賞で、アジア映画初となる視覚効果賞に輝いた映画『ゴジラ-1.0』。本作を手掛けた山崎貴監督(59)らが3月12日夜にロサンゼルスから凱旋帰国し、羽田空港で授賞記念会見を開いた。監督として同賞を受賞したのは、映画『2001年宇宙の旅』(’68年)のスタンリー・キューブリック以来、55年ぶり2人目。会見で歴史的快挙の喜びや授賞式の裏話を語った山崎監督だったが、“ある発言”が波紋を呼んでいる。注目を集めているのは、トロフィーを受け取った時の感想を問われた場面。山崎監督はオスカー像について、「想像をはるかに超える重さでちょっとビックリしました」とコメント。緊張を忘れるほどの重さを感じたといい、「でも『本当に本当に今、オスカー像を持ってるんだ』っていう風に思ってすごく嬉しかったです」と語った。次に『バットマン リターンズ』(’92年)のペンギン役などで知られるダニー・デヴィート(79)から、オスカー像を受け取ったエピソードも披露した山崎監督。プレゼンターにはアーノルド・シュワルツェネッガー(76)もいたことを振り返り、手振りを加えてこう語ったのだった。「ダニー・デヴィートさんとシュワルツェネッガーがいたんですけど、シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど……言っちゃいけないのかな(笑)もちろんダニー・デヴィートさんでも全然嬉しいんですけど、『あ、俺たちこっちなのね』っていう感じでした」続けて「その後、シュワルツェネッガーさんと握手できたので嬉しかったです」と、満足そうな表情を見せていた。いっぽう今回の米アカデミー賞をめぐっては、受賞者のプレゼンターに対する振る舞いが“アジア系差別”だと物議を醸していた。映画『オッペンハイマー』(’23)で助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.(58)は、満面の笑顔で歩み寄るプレゼンターのキー・ホイ・クァン(52)を“スルー”。オスカー像も素っ気なく受け取っており、その振る舞いに批判が集まっていた。こうした出来事も相まって、山崎監督の「こっち」発言に“プレゼンターへの敬意がない”と感じた人も少なくないようだ。SNSでは落胆する声が上がっている。《た…貴… 嘘だよな… ペンギンをこっち呼ばわりだなんて…》《なんだよ「こっち」って。ダニー・デヴィートに失礼じゃないか》《「こっち」とは。山崎貴監督、観客を一斉に裏切る発言。祝った観客はどうしたら良いのか。プレゼンターと目を合わせる合わさないで議論になっているのに、こっちと称するのは何様?がっかり過ぎる》《これはまずい「こっち」は公の場で言ってはいけないセリフ。 失礼過ぎる… 山崎貴監督ちゃんと謝罪した方がよいよなんだかなぁ。RDJしかり厳しいマナーとか作法を求めてる訳じゃないのに、初歩的な相手への思いやりが欠如してる面が多くて、今回のオスカーの情報見てて負担かかったな》
2024年03月13日第96回アカデミー賞にて、主演女優賞受賞、衣装デザイン賞ほか合計4部門を受賞した『哀れなるものたち』より入場者プレゼントの配布が決定した。『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーンが再集結した本作は、3月10日時点で、アート系作品としては異例の世界興行収入1億8400万ドルに到達。7週目にもかかわらず満席回が出続ける日本の興行収入も4億6400万円に達している。先日開催された第96回アカデミー賞ではエマ・ストーンが『ラ・ラ・ランド』に続く2度目の主演女優賞、さらに衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、美術賞の4部門を受賞。この度、オスカー受賞を記念して特製"ヴェネチア・ポストカード"の入場者プレゼントの配布が決定した。3月16日(土)の初回上映から先着1万名様に全国の公開劇場にて配布される(なくなり次第終了)。本プレゼントは、前売特典として3回に分けて展開された10種類のポストカードが海外仕様で1枚綴りとなっており、ヴェネチア国際映画祭でプレスのみに配布された、レアアイテム。前売券未購入の方は勿論のこと、すでに前売券購入済み、鑑賞済みの方も、ベラが経験したヨーロッパ横断の旅を追体験できる代物となっている。『哀れなるものたち』は全国にて公開中。(シネマカフェ編集部)■関連作品:哀れなるものたち 2024年1月26日より全国にて公開©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月13日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念記者会見が12日に東京・羽田空港で行われ、山崎貴監督(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子氏(VFXディレクター)、高橋正紀氏(3DCGディレクター ※高ははしごだか)、野島達司氏(エフェクトアーティスト/コンポジター)、浜辺美波が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介といった、実力派俳優陣が勢揃いし、モノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』も公開された。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞の勝因は第96回アカデミー賞において、アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」を受賞した同作。山崎監督は「日本映画がハリウッドでそれなりの興行成績を上げられて賞を貰えたということは、今後の日本映画の作り方が変わってくる可能性を秘めているなと思いまして。アジアのもの、日本のものが、字幕上映で日本人のキャストしか出てなくても、北米で観られるようになっているという動きは感じたので、そこまで見据えた作品作りになれば、制作費も潤沢にしていけると思いますし、色んな意味で可能性が広がったことはすごく良かったんじゃないかなと思いました」と感想を述べる。「大リーグに野茂選手が意外と行けたじゃんとなった途端に、たくさんの人が大リーグに挑戦できるようになったように、ワールドワイドになった興行を目指した作品を作っていくというのはあるのかなと思います」と今後に期待した。また「アメリカに生まれた人にしか与えられなかったチャンスみたいなものが、ハリウッドはもうちょっと広く受け入れてくれるようになってきたんだなというのは、改めて感じました」と山崎監督。「外国語映画賞とか、最初から海外から来たものじゃなくて、『視覚効果賞』は聖域だったと思うので、その部分を開放してくれたというのは懐の深さ、外にもオープンにしてくれてるんだなという感じを受けましたので、色んなチャンスがこれから芽生えてくるといいなと思います」と展望も。今回の受賞については、「完全にゴジラのおかげですね」ときっぱり。「ゴジラというキャラクターが本当に大スターだったということは改めて思い知らされましたし、アメリカの人たちがいかにゴジラが好きか思い知らされました。僕らが会場に入って行ったら『こいつはなんなんだ』という感じですけど、みんなでゴジラを持って歩いてたので、皆さん『Godzilla!』と言ってくれるんですよ。ゴジラに連れて行ってもらったし、ワールドワイドなものになっているんだということは、想像以上にすごかった。ゴジラのVFXだからあそこに立てたと思わなければならないと思います」と気を引き締める。勝因について聞かれると、渋谷氏は「VFXのショートリストの10本に残った方々とか、ノミネートの方々に言われたのは、皆さんが最初の頃にない知恵を絞ってなんとか作っていこうともがいて作っていた頃を思い出したと。皆さんのあたたかい気持ちみたいなもの、見守っていただけていたということも含めて、そういうところに響いたのかなと思いました」と語る。山崎監督も「少人数、少ない予算で、他の作品が今までのVFXの延長線上にある中で面白がってもらえたんじゃないかなと。あとは、VFXはいかに物語に貢献したかを非常に大事にされるみたいなので、VFXで作り出されたゴジラの恐怖感、絶望感が、お話に貢献している部分を評価されたのかな」と分析する。状況を「真面目に見ちゃうと心がずたずたになるぐらい、他のものが素晴らしいので、『なんでオリンピックに来てるんだ?』というくらいの凄まじい空気のものが続く中で、僕らの面白ビデオを見せるという」と表すが、「そのポンコツチームが頑張ってる感じが、おそらくVFXの初期(を思い起こさせる)。『スター・ウォーズ』は、CGが使えなかった時代にいろんな工夫をしながらなんとか成立させようと思って効果を上げてるんですね。だからそういう部分が、皆さんの琴線に触れたのかなと思うようにしています」と明かした。「日本のVFXは世界と戦えると思いましたか?」という質問に、山崎監督は「全然思わない」と苦笑。「やっぱりかなりまだまだというのは改めて感じましたね。だから本当にラッキーパンチだと思いますし、いろんな条件が重なって、今回こういう賞をいただきましたけど、改めてまだまだいろいろ頑張っていけないなと。中枢に近づいたからこそ思うすごさはありました。でも、ちょっと戦えたんで! 結果は出せたんで、また頑張っていいかなと思っています」と語った。
2024年03月12日映画『ゴジラ-1.0』(公開中)のアカデミー賞受賞記念記者会見が12日に東京・羽田空港で行われ、山崎貴監督(監督・脚本・VFX)、渋谷紀世子氏(VFXディレクター)、高橋正紀氏(3DCGディレクター ※高ははしごだか)、野島達司氏(エフェクトアーティスト/コンポジター)、浜辺美波が登場した。同作は、ゴジラ70周年記念作品であり、日本で製作された実写版ゴジラの30作品目という特別な節目である最新作。監督・脚本・VFXを、自身もゴジラのファンであることを公言する山崎貴が務め、主人公・敷島浩一を神木隆之介、ヒロイン・大石典子を浜辺美波が演じている。さらに山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介といった、実力派俳優陣が勢揃いし、モノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』も公開された。○■映画『ゴジラ-1.0』アカデミー賞の空気を語る山崎監督第96回アカデミー賞において、アジア圏の映画で初めて「視覚効果賞」を受賞した同作。オスカー像を持った山崎監督は「想像をはるかに超える重さでびっくりしました。けっこう緊張してたんですけど、一瞬それを忘れるぐらいの重さで、本当に今オスカー像を持ってるんだと思って、すごく嬉しかったです」と感想を述べる。「ダニー・デヴィートさんと(アーノルド・)シュワルツェネッガーさんがいて、シュワルツェネッガーさんからもらいたかったんですけど」と苦笑。「ダニー・デヴィートさんももちろん嬉しいんですけど、その後シュワルツェネッガーさんと握手ができたのでよかったです」と喜んでいた。渋谷氏は「直前に配られたテキーラもあって、テンションがめちゃめちゃ上がってしまいました」、高橋氏は「『ゴジラ-1.0』と呼ばれて、本当に頭が真っ白というかよくわからなかったです。僕はシュワルツネッガーさんからもらって、目を見ただけでもいい人なのがわかりました」と振り返る。野島氏も「僕もシュワルツネッガーさんからいただきました。手足が痺れて、感じたことのない痺れで、なんだこれはという。で、シュワルツネッガーさんを見て、わけわかんなかったですけど、山崎さんの英語のスピーチをすごくあたたかく見守ってくださってる会場の皆さんの顔が忘れられなくて、本当にいい場所だなと感じました」と感想も。会見では英語のスピーチをいじられていた山崎監督だが、実際の会場の空気については「『頑張れ』という顔で見てくださってて、その空気ってビシバシ伝わってきていましたし、あたたかく見守ってくれているという空気が心地よくて。ものすごい焦ってたんですけど、最高峰の人たちが集まっている素晴らしい場所だなと感じていました」と感謝する。今回の視覚効果賞についても「聖域中の聖域で、ものすごく予算をかけて凝りに凝ったVFXがある中でのベストなので、僕らは挑戦権がなかったんです。夢見ることすら許されてなかった場所だったので、僕ら的にはオスカーとか考えるのもタブーだった」と説明。「門を開いてくれたことはすごく嬉しいことだし、ハリウッドという場所の懐の深さ、力の強さ。僕らがそこで賞を取ったからといって、彼らの映画産業は揺らぎはしないという自信を感じましたし、繰り返しになりますけど、会場の皆さんのあたたかい『頑張れ』という感じが本当にうれしかったので。僕はVFXが1番長いキャリアなので、それをずっとやり続けてきた今にこの場所があったということは本当にうれしいことです」と語った。
2024年03月12日ディズニープラスにて独占配信中の『ラスト・リペア・ショップ』が第96回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞した。本作は、アメリカ最大の都市ロサンゼルスで、1959年から楽器を無料で修理して公立学校の生徒たちに提供している楽器修理職人の様子を描いたドキュメンタリー。アカデミー賞ノミネート経験のあるベン・プラウドフットとクリス・バワーズ、2人の監督が倉庫の隅々まで撮影し、生徒のために8万を超える楽器の修理に情熱をかける職人たちのインタビューで構成されている。プレゼンターであるケイト・マッキノン、アメリカ・フェレーラからオスカー像を受け取った監督/プロデューサーのクリス・バワーズは、「ありがとうございます。アカデミー、これは信じられない光栄です」と、オスカー像を握りしめながら嬉しそうな表情を浮かべ感謝。続けて「(この作品は)学校の英雄たちについてのものであり、彼らは世に知られておらず、感謝されず、見過ごされています。今夜、そんな彼らに光が当たりました」と、影の功労者である職人たちがいかに重要な役割を担っているかを強調した。さらにディズニープラスでは、長編アニメーション映画賞ノミネートの『マイ・エレメント』や、エミー賞にて最多となる10部門に輝いた「一流シェフのファミリーレストラン」など、賞レースを席巻した数々の話題作や、来年度のエミー賞やゴールデングローブ賞といった賞レースの本命作品になるのではないかと早くも期待されている「SHOGUN 将軍」を配信中。過去の話題作から現在の注目作までぜひチェックしてみてほしい。『ラスト・リペア・ショップ』はディズニープラス「スター」にて独占配信中。(シネマカフェ編集部)
2024年03月12日最新作『オッペンハイマー』でアカデミー賞最多7部門を受賞したクリストファー・ノーラン監督の初の商業映画『メメント』が、4月19日(金)より1週間限定で再上映されることになった。第96回アカデミー賞(2024)をはじめ多数の映画賞でのノミネート、受賞で話題を席巻しているクリストファー・ノーラン監督。監督の長編映画第2作で初の商業映画作品でもある『メメント』は、何者かに妻を惨殺され、自らも記憶障害を患ってしまった主人公・レナード(ガイ・ピアース)が犯人への復讐に突き進む物語。レナードが“10分しか記憶を保てない”なかでポラロイド写真やメモ、体中にタトゥーを彫ることで記憶を残し、時系列を逆行しながら事件の真相に迫っていくという手法が評判となり、全米でロングランヒットを記録。一躍、<監督クリストファー・ノーラン>の名を世に知らしめた作品でもある。後に『インセプション』や『インターステラー』、そして『TENET テネット』など“時間”を題材に、多くの難解で画期的な作品を生み出すノーラン監督のエッセンスを体感できる1作となっている。なお、本企画ではオリジナルの来場者特典の配布も実施予定。詳細は後日発表される。『メメント』は4月19日(金)より新宿ピカデリー、グランドシネマサンシャイン 池袋、シネクイントほか全国66館にて1週間限定上映。『オッペンハイマー』は3月29日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月12日現地時間3月10日に行われたアカデミー賞授賞式で、俳優のロバート・ダウニー・Jr.(58)が自身の初となるオスカー像を手にしたが、その振る舞いが波紋を呼んでいる。『アイアンマン』の主演俳優として知られるダウニーは、『オッペンハイマー』のルイス・ストラウス役で今年のアカデミー賞で、助演男優賞を受賞。助演男優賞のプレゼンターは歴代受賞者のマハーシャラ・アリ、ティム・ロビンス、クリストフ・ヴァルツ、サム・ロックウェルらに加え、昨年の受賞者で80年代に子役として『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』のショート・ラウンド役や『グーニーズ』のデータ役で知られるベトナム系アメリカ人のキー・ホイ・クァン(52)がメインで進行を務めた。クァンはステージ上で、受賞者であるダウニーの名前を興奮気味に発表し、ダウニーがステージに向かう際には、クァンはオスカー像とダウニーの名前が書かれた封筒を手にしていた。通常、受賞者はここで像と手紙を受け取ったうえで、プレゼンターと言葉を交わしたり握手やハグなどが行われるため、クァンもそれを予想していた動きだった。しかし、ステージに上がったダウニーは、満面の笑みで近づくクアンを“スルー”。彼の手からオスカー像を受け取ると、共同司会者ティム・ロビンスと握手し、サム・ロックウェルとグータッチをした後、アカデミー賞の封筒を手渡そうとしたクァンを再び“無視”して、喝采を送る観衆に向き直ると、そのままスピーチを始めてしまった。その後、ダウニーはバックステージでクァンや他のプレゼンターたちとハグをしたり自撮りをする様子が確認されており、本人たちの間に確執は無いよう。しかし、SNS上ではステージ上でのダウニーの振る舞いが“無礼ではないか”と波紋を呼んでしまった。《満面の笑みで祝福を表し発表したキー・ホイ・クァンに対して、ロバート・ダウニー・Jrの態度かなり感じ悪い》《ロバート・ダウニー・Jr、助演男優賞プレゼンターのキー・ホイ・クァンに対して無礼すぎ。よくアカデミー授賞式でこんな態度とれるなあ》《確かにロバート・ダウニー・Jr、ほぼフルシカトで見もしなくて感じ悪いわ。残念だ》《ロバート・ダウニー・Jrが司会者に目を合わせず素通りしたことが物議を醸している件、受賞の喜びに感極まって冷静な対応ができていなっただけだと思いたい》「実は、今年2月のグラミー賞授賞式でも似たようなことが起きています。最優秀アルバム賞のプレゼンターとしてセリーヌ・ディオンがテイラー・スイフトにトロフィーを渡したのですが、4度目の受賞という偉業達成に興奮したのか、テイラーはトロフィーを受けとる際にセリーヌにお礼を言ったりハグをせず、“セリーヌを無視した”と大炎上しました」(海外ゴシップライター)世界的な賞の受賞は大スターでも興奮してしまうのかもしれない。
2024年03月11日東京国際映画祭(TIFF)が香港国際映画祭、釜山国際映画祭とともに共催するアジア全域版アカデミー賞「第17回アジア・フィルム・アワード(以下AFA)」の授賞式が3月10日夜、香港の戯曲センター(Xiqu Centre)Grand Theatreにて開催。日本作品の『悪は存在しない』(濱口竜介監督)が、最優秀作品賞と最優秀音楽賞(石橋英子さん)を受賞したほか、日本映画勢が多数受賞した。『悪は存在しない』の濱口監督と石橋さんは、昨年の『ドライブ・マイ・カー』に続いての最優秀作品賞獲得。また、是枝裕和監督も『怪物』で最優秀監督賞を受賞し、昨年の韓国作品『ベイビー・ブローカー』に続く2年連続の同賞受賞に輝いた。『怪物』是枝裕和監督このほか、第36回TIFFのオープニング作品で、日本アカデミー賞でも最優秀主演男優賞を受賞した『PERFECT DAYS』にて役所広司が最優秀主演男優賞の栄冠を手に。第36回TIFFのクロージング作品で、日本アカデミー賞で最多8冠に輝き、米アカデミー賞の視覚効果賞をアジア初受賞した『ゴジラ-1.0』チームが、視覚効果賞(山崎貴監督、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司)、音響賞(井上奈津子)の2部門を受賞。併せて先の発表のとおり、『エゴイスト』などが話題を集めた俳優・鈴木亮平がアジア映画界・アジア文化における業績と貢献を称える「Excellence in Asian Cinema Award」に、韓国のイ・ヨンエととも授与された。イ・ヨンエ/鈴木亮平大規模で豪華なレッドカーペットの後に開催されたAFAの授賞式では、日本人として初めて審査委員長に就任した黒沢清監督が、世界中の映画人が務める審査員陣と投票メンバーを率いて決定された受賞者が登壇。“Youth Ambassador”の1人として様々なAFAイベントに参加した宮沢氷魚がプレゼンターを務めたほか、特別功労賞を受賞したチャン・イーモウ監督、主演男優賞にノミネートされたトニー・レオン、プレゼンターを務めたファン・ビンビンなど、アジア全域よりスターが集まる華やかな式典となった。第17回 アジア・フィルム・アワード 受賞結果一覧(敬称略)『悪は存在しない』最優秀作品賞『悪は存在しない』(日本)最優秀監督賞是枝裕和 『怪物』(日本)最優秀新人監督賞ニック・チェク 『年少日記』(香港)最優秀主演男優賞役所広司 『PERFECT DAYS』(日本)最優秀主演女優賞ジャン・チンチン 『西湖畔に生きる』(中国)最優秀助演男優賞パク・フン『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀助演女優賞レイチェル・リョン 『白日の下』(香港)最優秀新人俳優賞Tergel Bold-Erdene『City of Wind』(フランス、モンゴル、ポルトガル、オランダ、カタール、ドイツ)最優秀脚本賞ペマ・ツェテン 『雪豹』(中国)最優秀編集賞キム・サンボム『12.12:The Day』(英題/韓国)最優秀撮影賞マティアス・デルボー『雪豹』(中国)最優秀音楽賞石橋英子『悪は存在しない』(日本)最優秀衣装デザイン賞マン・リムチョン『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀美術賞Eric LAM『The Goldfinger』(香港、中国)最優秀視覚効果賞山崎貴、渋谷紀世子、高橋正紀、野島達司 『ゴジラ-1.0』(日本)最優秀音響賞井上奈津子『ゴジラ-1.0』(日本)Excellence in Asian Cinema Award鈴木亮平(日本)、イ・ヨンエ(韓国)特別功労賞 (Lifetime Achievement Award)チャン・イーモウAFA Next Generation Awardチャオ・リーイン(中国)AFA Rising Star Awardメータウィン・オーパッイアムカジョーン(タイ)2023 Highest-Grossing Asian Film Award『満江紅(マンジャンホン)』監督:チャン・イーモウ(中国)受賞者よりコメント<鈴木亮平Excellence in Asian Cinema Award 受賞>(英語で挨拶:和訳)大家好(中国語)。ここに来ることができて本当にうれしいです。とりわけ、著名なイ・ヨンエさんと一緒にここに立つことができて、とても光栄です。偉大な映画監督、偉大な映画プロデューサー、映画製作者、偉大な俳優、アジアの伝説の俳優たち、皆さんの前に立つことができて、本当に光栄に思っています。でも正直なところ、今年は何もノミネートされていないので、とてもリラックスしてここに立っています。もちろん、ノミネートされることは良いことですが、ノミネートされないのも良いことです。なぜなら、何も心配する必要がないからです。ちなみに、昨年は、トニー・レオンさんのせいで私は最優秀主演男優賞を逃しました。(笑)でも、今年再び彼に会えてうれしいです。もちろん、賞を受賞することは非常に重要でワクワクしますが、このイベント、この大きなイベント、AFAの素晴らしいところは、皆さんに出会い、新しい人たちに出会い、アジア各地の映画制作者と出会い、語り合い、学びあうことだと私は考えています。そして願わくは、今後一緒に新しいプロジェクトを始めたい。今日、あるいは今夜が、未来の新しいプロジェクトの始まりになるかもしれません。そして、いつか一緒に映画を作れることを本当に願っています。なぜなら、"私たちは一緒に物語を紡ぐ(※Together we tell story)"からです。ありがとうございました。※「Together We Tell Story」は今年のAFAのテーマ。<『悪は存在しない』最優秀作品賞受賞>※濱口竜介監督が欠席のため、監督に代わり高田聡プロデューサーと石橋英子がコメント。高田聡:私たちの映画にこのような非常に光栄な重みのある賞を頂きまして、代表してまずは感謝を申し上げます。同じくノミネートされた撮影の北川喜雄さん、共同編集の山崎梓さん、またこの映画に関わったすべての皆さん、おめでとうございます。そして、この場に残念ながら来ることができなかった濱口竜介監督、そして濱口監督に一番最初にこの企画の話を持ってきて、素晴らしい音楽で共同制作をされた石橋英子さん、おめでとうございます。石橋英子:本当に濱口監督が来ることができなかったのは残念です。でもこうやって、撮影の北川さんや編集の山崎さん、今もしかしたら日本で見ているかもしれない主演のおおみか(大美賀均)さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当に皆さんの力のおかげでできました。もちろん、ミュージシャンの皆さん、ミックスをしてくださったジム・オルークさん、本当に皆さんのおかげで、今こうやって、私たちはここに来られて、楽しい時間を過ごせていると思っています。ありがとうございました。<是枝裕和監督最優秀監督賞受賞>尊敬する黒沢清監督からこのようなトロフィーを頂くなんて、本当に光栄です。出会う才能ということで言えば、今回は坂元裕二さんという尊敬する脚本家の方の素晴らしい脚本があって、もう20年近く一緒に仕事をしている美術の三ツ松けいこさんが、今日一緒にスタッフを代表してここに来ていただきました。そんなスタッフとキャストと出会えたことが、この賞を頂けた一番大きな僕の才能ではないかと思います。昨年に続いてこの壇上に立たせていただくことができて、本当にうれしいです。来年は、作品はないのですが、ノミネートされていなくても、またこの場で映画を愛する皆さんとこの時間を共有できたらうれしいです。ありがとうございました。<石橋英子最優秀音楽賞>全く期待してなかったので、全然スピーチを考えていなかったです。まずアジア・フィルム・アワードの皆様、審査委員の皆様、本当にありがとうございます。まず濱口監督、長い道のりでしたが、何をつくるのかわからないまま一緒に歩んできた道のりが奇跡のようでした。撮影やその後の編集など、一緒に皆さんが作ってこられた努力にも感謝したいと思います。撮影の北川さん、編集の山崎さん、本当にありがとうございます。皆さんの仕事がなければ、私のこういう音楽もなかったと思います。スタッフとキャストの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。『悪は存在しない』は4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:怪物 2023年6月2日より全国にて公開©2023「怪物」製作委員会ゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.PERFECT DAYS 2023年12月22日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開© 2023 MASTER MIND Ltd.悪は存在しない 2024年4月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国にて公開© 2023 NEOPA / Fictive
2024年03月11日「第96回アカデミー賞」の授賞式が、日本時間3月11日、ドルビー・シアター(アメリカ・ロサンゼルス)にて開催。日本の作品では、『ゴジラ-1.0』と『君たちはどう生きるか』が受賞し、キャストや関係者がお祝いや喜びのメッセージを寄せている。今回、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』は、視覚効果賞を受賞。アジア映画で初の同賞受賞という快挙となった。主演の神木隆之介(敷島浩一役)は「米アカデミー視覚効果賞受賞おめでとうございます!!!!!!!凄すぎます!!!!ゴジラと戦えたこと誇りに思います!!」とコメント。「わーーー!!おめでたいいいいいい!!」(浜辺美波/大石典子役)、「おめでとうございますすげぇ!」(山田裕貴/水島四郎役)、「やばいこれから撮影なのに嗚咽がとまらない、久々に呼吸ヒッヒってなるくらい号泣してる!」(安藤サクラ/太田澄子役)、「山崎貴監督始め白組の皆様!チームゴジラの皆々様!そして阿部秀司様!おめでとうございます!」(佐々木蔵之介/秋津清治役)など、多くの共演者も祝福のコメントを投稿している。一方、スタジオジブリの『君たちはどう生きるか』は、長編アニメ映画賞に輝いた。主題歌「地球儀」を担当した米津玄師は「アカデミー賞、長編アニメーション賞おめでとうございます。偉大な作品に関われたことを誇らしく思います」と今回の受賞への喜びを投稿した。『ゴジラ-1.0』は公開中。『君たちはどう生きるか』英語吹替版(日本語字幕付き)は3月20日(水・祝)より上映。※秋津清治の「清」は旧漢字(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.
2024年03月11日前哨戦の勢いそのまま、『オッペンハイマー』が全7部門を受賞し、賞レースの最後を飾った第96回アカデミー賞。日本映画2品も受賞を果たした今年、レッドカーペットは多様なスタイルのファッションで華やいだ。『哀れなるものたち』で恐れなき熱演で主演女優賞を受賞したエマ・ストーンは、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムドレス。薄いミントグリーンのストラップレス・ドレス。ジャカードの生地にペプラムのディテール以外はシンプルなデザインで、エマはダイヤモンドとサファイアのネックレスを合わせた。エマ・ストーン Photo by John ShearerWireImageストラップレスは今年人気のデザインのようだ。今回は作品賞候補の主演作『バービー』のプロデューサーとして出席したマーゴット・ロビーは、「ヴェルサーチ(Versace)」のシークイン・ドレス。長年携わった『バービー』という作品の締めくくりにチョイスした色は黒だ。先住民族の血を引く俳優として初の主演女優賞候補となったリリー・グラッドストーン(『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』)は、「グッチ(GUCCI)」のサバト・デ・サルノと先住民族のクイルワーク・アーティスト、ジョー・ビッグ・マウンテンとのコラボレーションでミッドナイトブルーのベルベットのドレス。クイルワークの花モチーフで飾られたトレーンがアクセントだ。リリー・グラッドストーンPhoto by Gilbert FloresVariety via Getty Images助演女優賞候補のキャリー・マリガン(『マエストロ:その音楽と愛と』)は、「バレンシアガ(Balenciaga)」の黒のマーメイドスタイルのドレスに白いチュールのスカート。ダニエル・ブルックス(『カラーパープル』)は、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」の黒のサテンのコルセットドレス。左側に深いスリットが入っている。キャリー・マリガン Photo by Jeff KravitzFilmMagic『君たちはどう生きるか』が受賞した長編アニメ映画賞を発表したアニャ・テイラー=ジョイは、「ディオール(Dior)」。1949年発表の傑作「ジュノン」を基に、3,500時間かけて全面にビーズ刺繍をほどこしたシルバーのドレスは、ボッティチェリの絵画「ヴィーナスの誕生」にインスパイアされたデザインだそう。作曲賞と歌曲賞のプレゼンターを務めたアリアナ・グランデは、『バービー』を意識したピンクの「ジャンバティスタ・ヴァリ・オートクチュール(Giambattista Valli HauteCouture)」。ボリュームあるペプラムとトレーンがポイントで、「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。アリアナ・グランデ Photo by Gregg DeGuireWWD via Getty Images助演女優賞を受賞したダヴァイン・ジョイ・ランドルフ(『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のペールブルーのシークインドレス。ホルターネックで袖にチュールのフリルをふんだんにあしらったデザインだ。撮影賞のプレゼンターを務めたゼンデイヤは、「アルマーニ プリヴェ(Armani Prive)」のメタリックピンクとシルバーのワンショルダー。髪は往年のハリウッドスターを思わせるスタイルに仕上げた。ゼンデイヤ Photo by John ShearerWireImage主演女優賞のプレゼンターとして登場したオスカー女優2人も、ワンショルダーのデザインをチョイスした。ジェニファー・ローレンスは、「ディオール・オートクチュール(Dior Haute Couture)」のポルカドット・ドレスに「スワロフスキー(Swarovski)」のダイヤモンドのネックレス。ミシェル・ヨーは、「バレンシアガ(Balenciaga)」のカスタム。シルバーの濃淡のシークインドレスに黒のオペラグローブでシックに決めた。Photo by Al SeibA.M.P.A.S. via Getty Imagesレッドカーペットを賑わせたのは、視覚効果賞を受賞した『ゴジラ-1.0』のチーム。山崎貴監督をはじめ出席者全員が、かかと部分がゴジラの爪をモチーフにした靴で登場し、話題を集めた。主演女優賞候補のザンドラ・ヒュラー(『落下の解剖学』)は、「スキャパレリ(Schiaparelli)」のカスタムでV字型のシャープなデコルテのデザインが際立った。助演女優賞候補だったエミリー・ブラントも、「スキャパレリ」。シャイニーなクリーム色のドレスに「ティファニー(Tiffany & Co.)」のジュエリーを合わせた。助演女優賞候補のアメリカ・フェレーラ(『バービー』)は、作品のテーマカラーであるピンクのシークインドレス。「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のデザインだ。同じく助演女優賞候補のジョディ・フォスター(『ナイアド~その決意は海を越える~』)は、「ロエベ(Loewe)」のミッドナイトブルーのホルターネックのサテン・ドレス。ビリー・アイリッシュ&アメリカ・フェレーラ Photo by Arturo HolmesGetty Imagesパートナーのアルチュール・アラリと脚本賞を受賞し、女性として唯一の監督賞候補でもあったジュスティーヌ・トリエ(『落下の解剖学』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のパンツスーツ。黒にシルバーのピンストライプをきかせ、インナーも黒で締めた。一部ではカジュアル過ぎるという声もあったが、堂々とした本人のキャラクターに合う装いだ。主演女優賞候補のアネット・ベニング(『ナイアド~その決意は海を越える~』)も、ネイビーのジャンプスーツでパンツスタイルをチョイスした。歌曲賞を受賞したビリー・アイリッシュは、「シャネル(Chanel)」。学校の制服を意識した白のボタンダウンシャツに黒のブレザー、黒と白のツイードのひざ丈スカートに白ソッククス、黒のストラップシューズ。スカートの柄にマッチしたバッグを持った。共に受賞した兄のフィニアス・オコネルも胸につけていた赤いピンは、「Artists4Ceasefire」のシンボル。昨年10月に始まったイスラエルとガザの停戦を求める公開書簡をバイデン米大統領に送ったアーティスト団体で、彼らのほかにも助演男優賞候補のマーク・ラファロ、ラファロと『哀れなるものたち』で共演したラミー・ユセフ、長編アニメ映画賞候補の『ニモーナ』に声の出演をしたリズ・アーメッドらもつけていた。フィニアス・オコネル&ビリー・アイリッシュ Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic作品賞と脚本賞候補になった『パスト ライブス/再会』のセリーヌ・ソン監督も、白シャツにダブルの黒ジャケット、ローファーの制服スタイルだが、アシンメトリーなデザインのスカートが華やか。「ロエベ(Loewe)」のデザインで、同作に主演したグレタ・リーも、「ロエベ」の白と黒のドレスで登場した。フローレンス・ピューは、「デルコア(Del Core」)のプランジネックのシルバーのドレス。「ブルガリ(Bulgari)」のネックレスを合わせ、どこか最新出演作の『デューン 砂の惑星PART2』を思わせるスタイルだ。主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィー(『オッペンハイマー』)は、「アトリエ・ヴェルサーチ(Atelier Versace)」のカスタムのタキシードに、香港のブランド「Sauvereign」がオッペンハイマーをイメージして作成した銀のブローチを胸につけた。助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、「サンローラン(Saint Laurent)」の黒のスーツ。今日の装いはよほど気に入ったらしく、受賞スピーチでスタイリストにも感謝を述べた。ロバート・ダウニー・Jr. Photo by Jeff KravitzFilmMagic助演男優賞候補で、歌曲賞候補として「I’m Just Ken」を歌ったライアン・ゴズリング(『バービー』)は、ステージ上では鮮やかなピンクのスーツだったが、レッドカーペットの装いは「グッチ(Gucci)」の黒のスーツ。ノータイで黒いシャツの胸をはだけ、シルバーのシークインのステッチがアクセントになっていた。主演男優賞候補のコールマン・ドミンゴ(『ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男』)は、「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」のカスタムで、クリスタルのボタンを付けたダブルのブラック・タキシードにカウボーイブーツ。「デヴィッド・ヤーマン(David Yurman)」のシルバーのジュエリーと「オメガ(Omega)」の時計を合わせた。レッドカーペットでは『ニモーナ』に声の出演をしているユージン・リー・ヤンも、かつてのビリー・ポーターを彷彿とさせる真紅のロングドレスを姿で注目された。ユージン・リー・ヤン Photo by Sarah MorrisWireImage(冨永由紀)
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『オッペンハイマー』が作品賞をはじめ、7冠に輝いた。また、日本映画の躍進が、日本の映画ファンを喜ばせる授賞式でもあった。『君たちはどう生きるか』『ゴジラ-1.0』がオスカーを受賞この日は、スタジオジブリ製作・宮崎駿(※崎=たつさき)監督作品『君たちはどう生きるか』が下馬評通り、長編アニメ映画賞に輝いた。スタジオジブリの作品が、同賞に輝くのは、第75回アカデミー賞の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目。なお、宮崎監督と、鈴木敏夫プロデューサーは受賞式には出席しなかった。君たちはどう生きるか©2023 Studio Ghibliまた、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』(英題:Godzilla Minus One)が視覚効果賞を受賞。邦画のみならず、アジア映画で初の同賞受賞という快挙を達成した。ハリウッド映画に強い憧れを抱き、映画監督を志した山崎監督にとって、アカデミー賞受賞式は、まさに夢の舞台だったはず。喜びのスピーチでは、日本で活動する映像クリエイターに向けて「ハリウッドが君たちにも挑戦権がある事を証明してくれた」とエールを送る場面もあった。山崎貴監督のスピーチ/第96回アカデミー賞授賞式 Stewart Cook/Disney via Getty Images惜しくもヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』は、国際長編映画賞を逃したが、第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した役所広司の存在、東京の公共トイレを題材にした企画の独自性と、ヴェンダース監督が生み出す化学反応といった日本映画製作の新たなスタイルを提示した点で、非常に意義深いノミネートだった。快挙の一因には、「ジブリ」「ゴジラ」というブランドの強さもあったはずだが、それだけでは突破できない壁の厚さが、アカデミー賞にはある。第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Arturo Holmes/Getty Imagesふり返ると、2年前(第94回)では、濱口竜介監督の『ドライブ・マイ・カー』が、日本映画史上初となる作品賞にノミネートされる快挙を成し遂げたほか、監督賞、脚色賞、国際長編映画賞の4部門で候補となり、見事、国際長編映画賞を受賞したことが記憶に新しい。作品のクオリティはもちろんだが、作品を認知させるマーケティング、セールス、PRといった戦略面が、緻密かつ広角的に展開され、それらが目に見える効果を出しつつあるのは確かだ。今回の快挙によって、日本映画もオスカーに“手が届く”のだと証明されたことは、純粋に喜ばしい出来事だった。戦争に対する“無関心”に警鐘を鳴らす映画たち「和平を構築するためにこの賞を捧げたいです」。受賞スピーチでこう語ったのは、『オッペンハイマー』で主演男優賞に輝いたキリアン・マーフィだった。第96回アカデミー賞授賞式は、各地の戦火が鎮まる気配のない現実を、突きつけるものでもあった。主演男優賞を受賞したキリアン・マーフィ Photo by Kevin Winter/Getty Images原爆の父とされるアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーの半生を描く『オッペンハイマー』はもちろんのこと、国際長編映画賞を受賞した『関心領域』、長編ドキュメンタリー賞に輝いた『実録マリウポリの20日間』など、戦争を題材にした作品が多く名を連ねた。イギリス代表作品『関心領域』は、ホロコーストや強制労働により、ユダヤ人を中心に多くの人々を死に至らしめたアウシュビッツ強制収容所の隣で、平和に暮らす一家の日常を描いた衝撃作だ。受賞スピーチに立ったジョナサン・グレイザー監督は、「今、伝えたいのは、何をしたか、ではなく、これから何ができるかということ。最悪の事態が起きています。ホロコーストが拝借され、罪のない人々が犠牲になっています」と現在の中東情勢を語り、“無関心”に対する警鐘を鳴らした。ジョナサン・グレイザー監督/第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Arturo Holmes/Getty Imagesまた、『実録マリウポリの20日間』は、ロシアによるウクライナ侵攻直後、マリウポリに向かったAP通信取材班が、市内に残る唯一のジャーナリストとして撮影した映像だ。監督のムスティスラフ・チェルノフは、「ウクライナ史上初のアカデミー賞だ」と挨拶し、「ここに立つ監督として、私は『この映画を作ることがなければいいのに…』と初めて願った監督ではないか」と悲痛な思いを語った。また、この1年で世を去った映画人を追悼する「IN MEMORIAM」の冒頭に登場したのは、今年死去した政治活動家のアレクセイ・ナワリヌイ氏。ロシア政府の暗部に切り込んだ映画『ナワリヌイ』は、第95回アカデミー賞の最優秀長編ドキュメンタリー賞を受賞している。ムスティスラフ・チェルノフ監督/第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Rich Polk/Variety via Getty Images授賞式のレッドカーペットでは、ビリー・アイリッシュをはじめ、一部の出席者が付けていた赤いピンバッジに注目が集まった。これは、ガザへの即時停戦や人道支援を訴える「Artists4Ceasefire」のピンバッジだ。現在、アメリカ国内は、ウクライナ支援や中東情勢に対して、世論が大きく分断されており、11月の大統領選の結果いかんでは、さらなる混乱も予想されている。そんななか、今後ハリウッドがどのよう姿勢で、どんなメッセージを発信するのか、注目したい。と同時に、映画ファンにも、『オッペンハイマー』をはじめ、戦争を描く受賞作品にぜひ触れてほしいと願う。第96回アカデミー賞授賞式 Photo by Jeff Kravitz/FilmMagic(Ryo Uchida)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibliゴジラ-1.0 2023年11月3日より全国東宝系にて公開©2023 TOHO CO.,LTD.オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.関心領域 2024年5月24日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Two Wolves Films Limited, Extreme Emotions BIS Limited, Soft Money LLC and Channel Four Television Corporation 2023. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞にて、長編アニメ映画賞を受賞したスタジオジブリ映画『君たちはどう生きるか』。この度、この受賞記念として、“英語吹替版(日本語字幕付き)”の上映が決定した。本作は、宮崎駿監督10年ぶりとなる長編映画最新作。監督が少年時代に感銘を受けた書籍「君たちはどう生きるか」からタイトルを採用し、全く別のオリジナルストーリーとして完成させた冒険活劇ファンタジー。アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された今回のアカデミー賞授賞式。スタジオジブリ作品が同賞に輝くのは、『千と千尋の神隠し』以来、21年ぶり2度目となった。今回上映が決定した英語吹替版(日本語字幕付き)の日本語字幕は、英語セリフを翻訳したセリフではなく、オリジナル台本のセリフを使用。主人公の眞人役を演じるのは「YOU -君がすべて-」シーズン1でパコ役を演じたルカ・パドヴァン。青サギ役にロバート・パティンソン、キリコ役にフローレンス・ピュー、ヒミ役に福原カレン、夏子役にジェンマ・チャン、勝一役にクリスチャン・ベール、大伯父役にマーク・ハミル、老ペリカン役にウィレム・デフォー、インコ大王にデイヴ・バウティスタがキャスティングされている。ファンからは「英語版で見たいと思っていました!嬉しいです~」、「絶対に行きます!」、「英語で違う声優さんでまた楽しめる」、「これはもう一度観にいかないと!!!!」などと上映を喜ぶ声が寄せられている。『君たちはどう生きるか』英語吹替版(日本語字幕付き)は3月20日(水・祝)より上映。(シネマカフェ編集部)■関連作品:君たちはどう生きるか 2023年7月14日より公開©2023 Studio Ghibli
2024年03月11日現地時間10日、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されている「第96回アカデミー賞」授賞式で、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞した。日本映画およびアジア圏の映画で初となる快挙に、主演の神木隆之介ら出演者たちからも、SNSで続々と祝福のコメントが寄せられている。『ゴジラ-1.0』がノミネートされた視覚効果賞は、視覚効果(VFX)を用いた作品に与えられる栄誉で、過去には『スターウォーズ』、『タイタニック』、『アバター』などの映画史を代表する傑作が受賞してきた。山崎貴監督が、映像制作会社「白組」とともにVFXも手掛けており、監督が「視覚効果賞」を受賞したのは、第41回(1969年開催)『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来、55年ぶり、史上2人目の受賞監督となった。受賞のスピーチで山崎監督は、「ハリウッドから遠く離れた所でVFXを志している皆さん!ハリウッドが私たちの作品を見てくれている、誰にでもチャンスがあることを証明してくれたよ!最後にスタッフ・キャストを代表して、昨年12月に亡くなった我々の阿部秀司プロデューサーに『俺たちはやったよ!』と報告をしたいと思います」などと喜びと感謝を伝えていた。以下は、X(旧ツイッター)やインスタグラムに投稿された、キャスト陣のコメント。■神木隆之介(敷島浩一 役)米アカデミー視覚効果賞受賞おめでとうございます!!!!!!!凄すぎます!!!!ゴジラと戦えたこと誇りに思います!!本当に嬉しいです!!山崎貴監督をはじめ白組の皆様、チームゴジラの皆様おめでとうございますっ!!!!!■浜辺美波(大石典子 役)視覚効果賞ーー!!『ゴジラ-1.0』おめでとうございますーー!! わーーー!!おめでたいいいいいい!!■山田裕貴(水島四郎 役)おめでとうございますすげぇ!■安藤サクラ(太田澄子 役)やばいこれから撮影なのに嗚咽がとまらない、久々に呼吸ヒッヒってなるくらい号泣してる!タクシーの運転手さんがなにごとかとゴミ袋くれた。阿部さん!阿部さん!アベサーン!!■佐々木蔵之介(秋津清二 役)「ゴジラ-1.0」第96回アカデミー賞 視覚効果部門受賞山崎貴監督始め白組の皆様!チームゴジラの皆々様!そして阿部秀司様!おめでとうございます!
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画『オッペンハイマー』が作品賞、監督賞(クリストファー・ノーラン)、主演男優賞(キリアン・マーフィ)、助演男優賞(ロバート・ダウニー・Jr.)など7冠に輝いた。下馬評通りの圧勝を収めた『オッペンハイマー』2006年ピュリッツァー賞を受賞したノンフィクション「『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描いた本作。ノーラン監督は、『ダンケルク』に続き2度目のノミネートで、今回が初の受賞。映画表現の可能性を追求し続けてきたノーラン監督が、オッペンハイマーの視点で語られるカラー映像では、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュさせ、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物ルイス・ストローズを中心とするシーンは、モノクロ映像で描き分けた。主演男優賞は、キリアン・マーフィが初受賞。アメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを演じ、世界の運命を握ると同時に、世界を破滅させる危機に直面するという、矛盾を抱える男の数奇な人生を体現した。ノーラン監督とのタッグは6度目。ノーラン作品で初めて主演を務めた。さらに助演男優賞は、メリカ原子力委員会のルイス・ストラウス委員長を演じたロバート・ダウニー・Jr.が手にし、こちらも初受賞を果たした。過去に、チャールズ・チャップリンを演じた『チャーリー』で主演男優賞、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』で助演男優賞にノミネートされており、今回が念願の受賞だ。『哀れなるものたち』主演女優賞はじめ4部門で栄冠『オッペンハイマー』の最大のライバルとして、賞レースをけん引してきた『哀れなるものたち』(ヨルゴス・ランティモス監督)も、主演女優賞をはじめ4部門で栄冠に輝き、存在感を放った。胎児の脳を移植されたヒロインが、「世界を自分の目で見たい」という強い欲望にかられ、大陸横断の旅に出るダークファンタジー。主演女優賞に輝いたエマ・ストーンは、数奇な冒険の果て、時代の偏見から解放され、驚異の成長を見せる主人公のベラ・バクスターを演じ、『ラ・ラ・ランド』以来2度目の同賞受賞を果たした。『哀れなるものたち』(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.また、『哀れなるものたち』は、美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞も受賞。圧巻のビジュアルで世界中を魅了した同作にふさわしい結果を収めている。日本からノミネートされた3作品の結果は?『君たちはどう生きるか』(C)2023 Studio Ghibli注目を集めた長編アニメ映画賞は、スタジオジブリ製作・宮崎駿監督作品『君たちはどう生きるか』が受賞。スタジオジブリの作品が、同賞に輝くのは、第75回アカデミー賞の『千と千尋の神隠し』以来21年ぶり2度目となる(宮崎監督作品のノミネートは4度目)。宮崎監督が長編作品からの引退を撤回し、原作・脚本・監督を手掛けた同作は、少年時代に感銘を受けた同名書籍からタイトルを採用し、自伝的要素を含むオリジナルストーリーとして完成させた冒険ファンタジー。国内外の映画賞を数多く受賞した本作が、米アカデミー賞で有終の美を飾った。また、山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞。邦画のみならず、日本及びアジア映画で初の同賞受賞という快挙を達成した。『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』『ザ・クリエイター 創造者』『ナポレオン』という強力なライバルを蹴散らした。全米では昨年12月、『Godzilla Minus One』のタイトルで封切られており、全米における累計興収が、邦画実写作品として、34年ぶりに記録を塗り替えている。『ゴジラ-1.0』(C)2023 TOHO CO.,LTD.なお、役所広司が主演した『PERFECT DAYS』(ヴィム・ヴェンダース監督)は、国際長編映画賞を逃した。文=内田涼<受賞コメント>■主演女優賞/エマ・ストーン素晴らしい共演者の皆さん、ノミネートされた皆さんと一緒に受賞したと思っています。皆さんから、常に刺激を受けています。この賞は私のためではなく、持てる力以上を発揮してくださり、素晴らしいものを作り上げたチームのためのものです。これこそ、映画製作の醍醐味です。そして映画製作の場に、愛と光、気づかいを注いでくれたすべての人々と、この受賞を分かち合えることができて、とても光栄です。ベラ・バクスターという、一生の贈り物をありがとう。■主演男優賞/キリアン・マーフィ(撮影を通して)ワイルドで創造的な旅路に出ることができました。(家族に対し)本当に愛しています。アイルランド人として誇らしい思いです。和平を構築するためにこの賞を捧げたいです。■助演女優賞/ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ神は素晴らしい。私は、自分がこのようなキャリアを歩むとは想像もしていませんでした。キャリアのスタートは、歌手でした。ある日、母は私に「あの通りの向こうにある劇場に行けば、きっと何かがあるはず」と言ってくれました。母に感謝します。私のそばにいてくれた人たち、導いてくれた人たち、ここにいるすべての美しい人たちに感謝します。長年、私はいつも“自分とは違う何か”になりたいと願っていましたが、今はただ、私らしくいればいいと気づきました。クラスでただひとりの黒人の女の子だった私に、担任の先生は「大丈夫よ、今から自分の道のりを切り開きましょう」と導いてくれました。私のことを見守ってくれて、ありがとう。■助演男優賞/ロバート・ダウニー・Jr.ありがとうございます。悲惨だった幼少期とアカデミー賞、私の獣医、妻のスーザンに感謝します。私はうなり声を出す保護動物みたいでしたが、蘇らせてくれたのです。おかげで、私はここにいるのです。俳優業が私を必要としてくれる以上に、私が俳優業を必要だったんです。クリス(クリストファー・ノーラン)はそれを知っていて、(プロデューサーの)エマ・トーマスが、エミリー・ブラント、キリアン・マーフィ、マット・デイモン……、素晴らしいキャストとスタッフを集めてくれた。そのおかげで、私はより善良な人間として、ここに立っているのです。私たちのやることには意味があり、私たちが作ると決めた作品は大切なのです。■監督賞/クリストファー・ノーランユニバーサル・スタジオ、この作品の可能性に気付いてくれてありがとうございます。原作者にも感謝申し上げます。(関係者に)私を信じてくれて、ありがとうございます。100年以上にわたる映画の歴史には、さまざまなことがありました。このすばらしい旅が、今後どこに導かれるかわかりませんが、その一翼を担えたことに感謝しています。■視覚効果賞/山崎貴監督40年以上前に『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』を見た衝撃から、キャリアをスタートさせた私にとって、ここは想像することさえできない場所です。ノミネートの瞬間、私たちは、まるでロッキー・バルボアのようでした。偉大なライバルたちを相手に、リングに立てた事が、奇跡でした。しかし、私たちは今この場に立っています。ここから遠く離れた場所でVFXを志す皆さんに伝えたいです。ハリウッドが、誰にでも挑戦権があると証明してくれました。最後に、昨年亡くなった我々のプロデューサーである阿部秀司さんに「やりました!」と言いたいです。ありがとうございました。【第96回アカデミー賞】受賞結果■作品賞『オッペンハイマー』■監督賞クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』■主演男優賞キリアン・マーフィ『オッペンハイマー』■主演女優賞エマ・ストーン『哀れなるものたち』■助演男優賞ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』■助演女優賞ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ置いてけぼりのホリディ』■脚本賞ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ『落下の解剖学』■脚色賞コード・ジェファーソン『アメリカン・フィクション』■視覚効果賞『ゴジラ-1.0』■美術賞『哀れなるものたち』■撮影賞『オッペンハイマー』■衣装デザイン賞『哀れなるものたち』■長編ドキュメンタリー賞『実録マリウポリの20日間』■短編ドキュメンタリー賞『ラスト・リペア・ショップ』■編集賞『オッペンハイマー』■国際長編映画賞『関心領域』(イギリス)■音響賞『関心領域』■メイクアップ&ヘアスタイリング賞『哀れなるものたち』■作曲賞ルドウィグ・ゴランソン『オッペンハイマー』■長編アニメーション賞『君たちはどう生きるか』■短編アニメーション賞『WAR IS OVER! Inspired by the Music of John & Yoko』■主題歌賞ビリー・アイリッシュ“What Was I Made For?”(『バービー』)■短編実写映画賞『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』(ウェス・アンダーソン監督)
2024年03月11日日本時間の2024年3月11日、アカデミー賞の各賞の発表がアメリカ、ロサンゼルスで行われ、日本映画『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞を受賞しました。同賞は、その年の最も優れた視覚効果(以下、VFX)を使った映画に与えられるもので、日本映画が受賞するのは、初となります。授賞式では、俳優のアーノルド・シュワルツェネッガーさんによって受賞の発表がされると、ゴジラの像を抱えた山崎貴監督ら4名の日本人スタッフが壇上に上がり、オスカー像を受け取りました。山崎監督は、用意した原稿を見ながら、英語で次のようにスピーチをしています。40年以上前に『スターウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアを始めました。ハリウッドから遠く離れた私にとって、ここは手に届かない場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアで、強大な敵の前でリングに立たせてもらえたことが、すでに奇跡でした。しかし私たちは今ここにいます。ハリウッドから遠く離れた所にいるVFXアーティストのみなさん!ハリウッドがあなたたちにもチャンスがあることを証明してくれたよ!最後に、『ゴジラ-1.0』に携わった人々を代表して、阿部秀司プロデューサーに報告したいと思います。やったよ!スピーチの最後に、山崎監督は2023年12月に亡くなった映画プロデューサーの阿部秀司さんの名前を挙げ、英語で「やったよ!」と喜びの感情を表現していました。日本映画初の快挙に、ネット上では「やりましたね!日本のゴジラが受賞するなんて、泣ける」「うおーこれはすごい!世界がやっとゴジラに追いついた!」「めっちゃ嬉しい!まだ観てない人もぜひ劇場に足を運んで」などの声が寄せられています。また、出演者も続々と喜びのコメントを発表。主演で俳優の神木隆之介さんはX(Twitter)で「ゴジラと戦えたことを誇りに思います!」と祝福のコメントをつづりました。米アカデミー視覚効果賞受賞おめでとうございます!!!!!!!凄すぎます!!!!ゴジラと戦えたこと誇りに思います!!本当に嬉しいです!!山崎貴監督をはじめ白組の皆様、チームゴジラの皆様おめでとうございますっ!!!!!神木— 神木隆之介 (@kamiki_official) March 11, 2024 日本映画の新たな1ページを刻んだ『ゴジラ-1.0』のアカデミー賞受賞。本当に、おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『オッペンハイマー』が作品賞に輝いた。クリストファー・ノーラン監督が、原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた伝記映画。第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、編集賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、音響賞と同年度最多となる合計13部門にノミネートされ、うち7部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞、作曲賞)を受賞。オスカー前哨戦を振り返ると、第81回ゴールデングローブ賞では、作品賞<ドラマ部門>、監督賞、主演男優賞<ドラマ部門>、助演男優賞、作曲賞の最多5部門を受賞。クリティックス・チョイス・アワード(放送映画批評家協会賞)で作品賞を含む最多8部門、英国アカデミー(BAFTA)賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など7冠、アメリカ製作者組合(PGA)賞映画部門の作品賞、全米俳優組合(SAG)賞で3冠など、他を寄せ付けぬ強さを発揮していた。興行的にも、全世界興行収入9億5000万ドルを超える大ヒットを記録。実在の人物を描いた伝記映画作品として、歴代1位の記録を樹立している。受賞コメント(エマ・トーマス)私もここに立つことを夢を見ていました、それが現実になるなんて…この映画を作ったクリス、素晴らしく優秀な監督。彼と一緒に仕事ができてうれしいです。本当に素晴らしいチームでした、キャスト、クルーのみなさんありがとうございました。IMAXのみなさんにも感謝を示したいと思います。みなさん、ありがとうございます。『オッペンハイマー』は、3月29日(金)から全国公開。全国のIMAX劇場50館で同時公開される。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『哀れなるものたち』で主人公・ベラを演じたエマ・ストーンが見事主演女優賞に輝いた。2017年の『ラ・ラ・ランド』以来、2度目のオスカー主演女優賞獲得となる。『女王陛下のお気に入り』のヨルゴス・ランティモス監督、エマ・ストーンが再集結した本作は、主人公・ベラが辿る数奇な運命と冒険の旅を描く物語。原作は日本でも2008年に翻訳された、スコットランドの作家アラスター・グレイ著の傑作ゴシック奇譚「哀れなるものたち」(早川書房刊)。風変わりな天才外科医ゴドウィン・バクスターの手によって死から蘇った若き女性ベラが、世界を知るために大陸横断の冒険の旅へ出る。時代の偏見から解き放たれたベラは、平等と解放を知り、驚くべき成長を遂げていく…。本作にプロデューサーとしても加わっているエマ。オスカー前哨戦を振り返ると、第81回 ゴールデングローブ賞(ミュージカル/コメディ部門)、英国アカデミー賞(BAFTA)で主演女優賞を受賞している。1月26日から劇場公開された本作は、公開3日間(特別先行含む)の興行収入成績でFOX/Disney配給サーチライト作品として、『ブラック・スワン』(最終興収3.8億)、『シェイプ・オブ・ウォーター』(最終興収8.9億)に次ぐ、史上第3位という輝かしい大ヒットスタートを切った。エマはランティモス監督とタッグを組んだ前作『女王陛下のお気に入り』でもアカデミー賞助演女優賞にノミネート。現在は、ランティモス監督と再タッグを組んだ『Kind of Kindness』が待機している。受賞コメント少し声がかすれていますが、素晴らしい共演者の皆さん、ノミネートされた皆さん(4名の名前を挙げて)と一緒に受賞したと思っています。私は皆さんから、常に刺激を受けています。ご覧の通り、よくあることですが、昨晩はパニックに陥っていました。もしかすると、こんなことが起こるのではと思っていたら、ヨルゴス(ヨルゴス・ランティモス監督)が「自分を客観視しなさい」と言ってくれました。そう、彼は正しかったのです。この賞は私のためではなく、持てる力以上を発揮し、素晴らしいものを作り上げたチームのためのもの。これぞ、映画製作の醍醐味です。そして愛と光、心配りを映画製作に注いでくれたすべての人々と、この受賞を分かち合えることができて、とても光栄です。ベラ・バクスターという、一生のプレゼントをくださって、ありがとう。そして私の娘、3歳になるんです、彼女が私の人生を変えてくれました。本当にありがとうございました。(シネマカフェ編集部)■関連作品:哀れなるものたち 2024年1月26日より全国にて公開©2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月11日映画『君たちはどう生きるか』の「第96回 米アカデミー賞」長編アニメーション映画部門賞ノミネート会見が11日にスタジオジブリで行われ、スタジオジブリ 鈴木敏夫プロデューサーが出席した。○宮崎駿監督、21年ぶり2度目の快挙に喜び「良かったです」宮崎駿監督作品としては、2002年米公開の『千と千尋の神隠し』、2005年米公開の『ハウルの動く城』、2014年米公開の『風立ちぬ』に続く4度目の米アカデミー賞ノミネートになった同作。日本時間きょう早朝に行われた「第96回 米アカデミー賞」で長編アニメーション映画賞を受賞した。受賞発表直後に行われた記者会見に登場した鈴木Pは「オスカー像って1個もらえるじゃないですか? 実は注文してお金を出せば何個も作ってくれるんですね。さっき3個注文しました(笑)。どうもありがとうございました!」と話し、笑顔を見せる。そして「時の運だと思ってますから、こういう賞をいただけたのはやっぱり心の底から嬉しかったですね。もうそれ以上言いようがありません!」と受賞の喜びを語った。また、スタジオジブリ近くのアトリエで受賞式を視聴していたという宮崎監督と受賞後に電話で会話したそうで、「興奮してましたよね。『俺は気にしてないから』と一生懸命自分の気持ちを抑えるようにそういう言い方してましたけど、欲しがらないといいながら欲しいんだなと(笑)。(受賞に関しては)『良かったです』と。僕がつい、おめでとうございますという言い方をしちゃったら『お互い様です』と言っておりました」と宮崎監督の反応を明かした。オスカー像3個を注文した内訳については「いろんな要望が出てくる。『千と千尋の神隠し』のときに当時は1ドルを出すと余分に作ってくれることを知ったので、それで宮崎のところに1個、僕のところに1個、観覧用に1個あると便利かなと思って(笑)」と話し、「今1ドルかどうかわかりませんけど、高くなってたら減らしますね」と笑いを誘った。
2024年03月11日第96回アカデミー賞授賞式が3月11日(日本時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、監督賞に『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーランが輝いた。同賞候補になるのは『ダンケルク』に続き2度目で、今回が初の受賞となる。常に「映画館の大スクリーンで堪能できる作品づくり」を追求し続け、映画表現の地平を塗り替えてきたノーラン監督。『オッペンハイマー』では、さらなる高みを極め、オスカー前哨戦である第81回ゴールデングローブ賞、英国アカデミー(BAFTA)賞、全米監督協会賞(長編映画監督賞)などでも監督賞を受賞していた。今回は、2006年のピュリッツァー賞を受賞した、カイ・バードとマーティン・J・シャーウィンによるノンフィクション「オッペンハイマー:『原爆の父』と呼ばれた男の栄光と悲劇」を下敷きに、オッペンハイマーの視点で語られるシーンを、脚色としては異色の一人称で書き、カラー映像で表現し、感情を揺さぶる抽象的なイメージとモンタージュされている。同時に、第二次世界大戦後のアメリカの原子力政策に大きい影響力を持っていた人物ルイス・ストローズを中心とする場面は、モノクロ映像で描き分けた。また、撮影賞を受賞したホイテ・ヴァン・ホイテマとともに、IMAX65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラを組み合わせた最高解像度の撮影を敢行。本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影も実現させた。受賞コメントありがとうございます。多くの人たちのおかげでここに来れましたユニバーサルスタジオ この作品について、可能性について気づいてくれてありがとうございました。この本の原作者にも感謝を示したいと思います。素晴らしいクルー、スタッフのおかげです。また私を信じてくれて感謝します。映画というものは100年以上の歴史、100年にわたってさまざまなことがありましたがこの素晴らしい旅路はどこへいくのでしょうか。私がその一翼を担えたことに感謝しています。『オッペンハイマー』は、3月29日(金)から全国公開。全国のIMAX劇場50館で同時公開される。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オッペンハイマー 2024年3月29日より全国にて公開© Universal Pictures. All Rights Reserved.
2024年03月11日