練馬区立美術館では、2024年3月16日(土)より『生誕150年池上秀畝―高精細画人―』を開催する。明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家、池上秀畝(いけがみ・しゅうほ1874-1944)の生誕150年を記念して、その人生と代表作をたどる展覧会だ。近代の日本画家といえば、横山大観や菱田春草ら、それまでの日本画に新しい風を吹き込んだ「新派」の画家にスポットがあたりがちだが、当然ながら日本には、伝統的な日本画を描く「旧派」の画家も数多く存在した。その「旧派」の流れを汲む池田秀畝は、長野県上伊那群高遠町(現在の伊那市)出身。明治22年(1889)、15歳の時に上京して、日本画家・荒木寛畝の住み込みの弟子となり、大正5年(1916)から3年連続で文展特選を受賞、また帝展で無鑑査、審査員を務めるなど、官展内の旧派を代表する画家として活躍した。同じく長野出身で同年の菱田春草もまた15歳の時に上京している。しかし、この年にできた東京美術学校(現・東京藝術大学)に入学したことで、「新派」の旗手となっていった。徒弟制度と学校制度。それぞれが飛び込んだ制度の違いが、ふたりの道を分けたといえるだろう。タイトルに「高精細画人」とあるように、秀畝の作品は、緻密な写生を礎に描かれている。その上で、画面の大きさと絢爛さが特徴だ。同展では、縦横2mを超える大型の屏風作品を多数紹介。その一部は、ガラス越しではなく、畳に座って間近に鑑賞できる展示が行われるので、ぜひ本来の屏風の姿を味わいたい。さらに、彼が生涯を通じて描きためた、写生帖や画帳の公開も興味深い。完成作では見られないような人物スケッチや西洋画の模写などから、秀畝画の懐の広さや、彼自身の人となりを知ることができるだろう。同展ではゲストスライドトークや美術講座などのイベントが多数予定されている。詳細や申し込み方法は美術館ホームページにて確認を。<開催概要>『生誕150年 池上秀畝―高精細画人―』会期:2024年3月16日(土)~4月21日(日) ※一部展示替えあり会場:練馬区立美術館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館:月曜料金:一般1,000円、大高・65~74歳800円公式サイト:公式サイト:
2024年02月22日すごくかわいく描けたので、見てください!そんなひと言とともに、日本画の作品をX(Twitter)に投稿したのは、大森亜矢子(@_aya_1011_)さん。ある食べ物を描いたところ、そのクオリティに感動や驚きの反応が寄せられました!日本画というと、墨で描かれた水墨画や教科書に載っているような、美人画、風景画などを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。これまでの日本画のイメージを覆す、大森さんの素敵な作品をご覧ください!『いちごサンドひとつ』なんておいしそうな、いちごのサンドウィッチ!雲肌麻紙に岩絵の具を用いて描かれた『いちごサンド』は、食パンの質感や、いちごの瑞々しさが見事に表現されていて、思わず手をのばして食べたくなるほどのリアリティがあります。いちごの果汁が、ホイップクリームにちょっぴり染み出ている感じなど、細かなところまで描き込まれていて、見ていてワクワクするような作品ですね。大森さんは、「写真以上の感動、そのものの手触りみたいなものを表現したくて頑張りました」とつづっていました。投稿には「すごい!パンのもっちり感やフルーツのフレッシュな感じがおいしそう~!」「かわいい。日本画にはこんな表現もあるんですね」「本物みたい。これが絵なんてすごすぎる」などの声があがっています。ほかにも、おにぎりや大福といった、食べ物をモチーフにした日本画の作品を多く制作している、大森さん。気になる人は、ぜひXの投稿などをチェックしてみてください![文・構成/grape編集部]
2024年02月14日展覧会「日本の山海」が、東京・白金台の松岡美術館にて、2024年2月27日(火)から6月2日(日)まで開催される。日本画家がとらえた「日本の山海」四方を海に囲まれ、豊かな山林を有する日本。人々の暮らしに恵をもたらす一方で、時に猛威を振るう自然は、古くから信仰の対象とされてきた。しかし近代化が進むと、信仰や生活のためではなく、調査研究やレジャーとして山に登る人が増加。1894年には志賀重昂(しが しげたか)のベストセラー『日本風景論』が出版され、芸術家を含む日本人の景観意識に大きな影響を与えた。日本風景画&志賀重昂の文章を並べて紹介展覧会「日本の山海」では、「松岡美術館の創設者である松岡清次郎が自然に見出した美しさにも、志賀重昂の影響があるのではないか」という仮説のもと、日本風景画を志賀重昂の流麗な文章とともに紹介。近世以降の日本画家が描いた山や海から、日本の自然美を堪能することができる。9点の“富士の絵”注目は、日本最高峰の名山である“富士山”を捉えた作品たち。志賀重昴は『日本風景論』で「『名山』中の最『名山』を富士山となす」と記している。富士山は明治時代以前にも崇敬をあつめ、名山として認識されており、絵画にあらわされてきたが、「富士山が日本一の名山である」というイメージは明治時代以前にはなかったものだ。展覧会には、狩野常信の《富士三穂図》をはじめ、橋本雅邦の《春景富岳図》や下村観山の《富士》など、江戸時代から昭和時代にかけて描かれた9点の富士の絵が登場。それぞれの時代の日本画家が捉えた富士山を概観できる。竹内栖鳳や寺崎廣業“西の栖鳳、東の廣業”と並び称される、竹内栖鳳(たけうち せいほう)と寺崎廣業(てらさき こうぎょう)の作品も展示。モチーフを切りつめ群青の海を抽象的にとらえた竹内栖鳳の海景画《晴海》や、写生と装飾性が調和した寺崎廣業の風景画《春海雪中松図》などを間近で観ることができる。横山大観《黎明》&山下新太郎の油彩画もさらに、横山大観の手による《黎明》や、山下新太郎の油彩画《黒部峡谷鐘釣附近》、池上秀畝の《巨浪群鵜図》など、日本の山海を描いた多種多様な作品がラインナップする。【展覧会概要】展覧会「日本の山海」会期:2024年2月27日(火)~6月2日(日)[前期]2月27日(火)~4月14日(日) [後期]4月16日(火)~6月2日(日)※絵画作品の一部入れ替えがある。会場:松岡美術館住所:東京都港区白金台5-12-6開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)※毎月第1金曜日は10:00~19:00(入館は18:30まで)休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)入館料:一般 1,200円、25歳以下 500円、高校生以下・障がい者手帳の所持者 無料※会期や開館情報は変更となる場合あり(最新情報については、美術館ホームページなどを要確認)■同時開催「アジアのうつわ」■通年企画「古代エジプトの美術平穏と幸せへの願い」【問い合わせ先】松岡美術館TEL:03-5449-0251
2023年12月30日展覧会「生誕150年池上秀畝─高精細画人─」が、東京の練馬区立美術館にて、2024年3月16日(土)から4月21日(日)まで開催される。その後、5月25日(土)から6月30日(日)まで、長野県立美術館に巡回する。“旧派”の日本画家・池上秀畝池上秀畝(いけがみ しゅうほ)は、明治時代から昭和時代にかけて活躍した日本画家だ。大画面の華麗な花鳥画を得意とした秀畝は、屋敷や御殿を飾る屏風作品や障壁画を数多く手がけている。その作例として、現在のホテル雅叙園東京の「秀畝の間」や百段階段の「静水の間」に描かれた天井絵を挙げることができる。長野に生まれた秀畝は、伝統に基づく「旧派」を代表する画家として、国が主催する官展で活躍した。一般に旧派の作品は、同じく長野出身の菱田春草らが牽引した「新派」の日本画に比べて、現在その知名度は限られている。しかし、旧派は当時の展覧会で評価されるばかりでなく、屏風作品などは装飾美術としても認められていた。さらに、秀畝は、写生を重視した描写に、新派の画家が試みた空気感の表現などを取り入れるなど、伝統にとらわれない表現を追求している。展覧会「生誕150年池上秀畝─高精細画人─」では、秀畝の人生と代表作をたどりつつ、その画歴を紹介。文展や帝展に出品された代表作、大画面の屏風作品などに加えて、初公開となる写生帖を展示するとともに、「旧派」と呼ばれた画家に新たな視点から光をあててゆく。池上秀畝と師・荒木寛畝明治7年(1874年)に生まれ、幼い頃から絵を描いていた秀畝は、明治22年、本格的に絵を学ぶために上京し、絵師の荒木寛畝(あらき かんぽ)に師事。寛畝は、伝統的な書画ばかりでなく、一時期は高橋由一や五姓田義松らと並び称される油彩画の名手であったという。このように写生を重んじる姿勢は、秀畝にも息づくこととなる。本展の序盤では、《日蓮上人避難之図》といった秀畝の初期作を、師・寛畝の作品とともに展示し、秀畝の学習の一端を紹介する。官展の出品作と代表作秀畝は、明治40年(1907年)に文展が始まって以降、意欲的に作品を出品。3回目の出品となる第4回文展で三等賞を受賞し、大正5年(1916年)からは3年連続で文展特選を受賞するなど、画壇を代表する画家となってゆくことになる。会場では、第4回文展の受賞作《初冬》、特選を受賞した《夕月》や《四季花鳥図》など、官展の出品作を一堂に集めるとともに、《松に白鷹・桃に青鸞図》をはじめ、皇族や華族の御殿や屋敷を飾った代表作も紹介する。大画面の屏風作品を体感展覧会への出品作において、会場で存在感を示す大画面の屏風作品は、日本画会場の花形であった。秀畝は、出品作として屏風作品を手がける一方、それ以外でも多くの屏風作品を残している。本展の終盤では、《竹林に鷺図》や《桐鳳凰図》、《翆禽紅珠》などの屏風を紹介。一部の屏風は、畳に座って間近で鑑賞できるよう展示する。展覧会概要展覧会「生誕150年池上秀畝─高精細画人─」会期:2024年3月16日(土)〜4月21日(日) 会期中、4月1日(月)に展示替えあり会場:練馬区立美術館住所:東京都練馬区貫井1-36-16開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日観覧料:一般 1,000円、高校生・大学生・65〜74歳 800円、中学生以下・75歳以上 無料※各種割引制度あり(詳細については美術館ウェブサイトを参照)※初回のチケット半券を受付に提示することで300円割引■巡回情報・長野県立美術館会期:2024年5月25日(土)〜6月30日(日)住所:長野県長野市箱清水1-4-4【問い合わせ先】練馬区立美術館TEL:03-3577-1821
2023年12月20日12月1日(金) 公開の映画『ナポレオン』の衣装デザイン画と、ナポレオンの妻・ジョゼフィーヌを演じたヴァネッサ・カービーによるコメント映像が公開された。『ナポレオン』は、ホアキン・フェニックスが主演、リドリー・スコットが監督を務めるスペクタクル超大作。18世紀のフランス革命からスタートする物語において、衣装は当時の空気を作り上げる重要な要素で、本作でも緻密な時代考証が行われたという。『グラディエーター』を含め、何作もリドリーと仕事をしてきた衣装デザイナーのジャンティ・イェーツはドレスを担当。キャラクターについてより深く知るためフランスに出向き、プロヴァンス地方アンペリ城にある陸軍博物館、パリの人類博物館、そしてジョゼフィーヌが隠居して晩年を過ごしたマルメゾンを訪れたほか、ナポレオンの図像が多く存在するフォンテーヌブローにも足を運んだ。フランス革命前後は、デザインもそれまでのロココの華やかな色彩のドレスから白基調のハイウエストワンピース型へ、そして素材も絹から綿へと流行は移り変わり、人々のファッションに対する美意識が大きく変化した時代。ジャンティは「革命後のファッションは過激そのもの。全身が透けたメッシュドレスに大胆すぎる胸元。そしてド派手な帽子……」と当時のトレンドを解説し、加えて「ジョゼフィーヌの地位が上がってからは、私たちはシルバーとゴールドにこだわりました。彼女のガウンはシンプルなものから華やかなものになり、多くのジュエリーを身につけるようになりました」と語った。また、ヴァネッサは「衣装の変遷は壮観でした。首の赤いリボンはギロチンの象徴で、当時のトレンドだった。ジョゼフィーヌは時代の最先端であり、ファッションアイコンでした」と、ナポレオンと出会い皇后となるまで、社会的地位の変遷が衣装を通して表現されていることに言及。そしてジャンティのデザインしたドレスについて「ドレスは素晴らしいものでした。ジャンティは天才です!すべてが実際のドレスをもとにジャンティがデザインしたもので、完全に手作り。そしてそれぞれのドレスに施された技巧に驚きました。30秒のシーンでさえ、驚くような衣装が用意されているんです。毎朝、どのドレスを着るかを選ぶのが楽しみでした」と絶賛した。軍服を担当したのが、『プライベート・ライアン』でキャリアをスタートさせ、リドリー監督とは『キングダム・オブ・ヘブン』『アメリカン・ギャングスター』でコラボレートしてきた軍服衣装デザイナーのデビッド・クロスマン。彼は「最初にしたことは、知り合いのコレクターから1790年代当時の本物の衣装を手に入れることでした。目的は当時の衣装の美しさを直に知り、捉えること。取り寄せたのは当時の軍服だけではありません。軍服は民間人の服装やファッションと非常に密にリンクしているので、民間人のファッションを模倣し軍服のデザインに取り入れようと考えたのです。当時の衣装の模様などをコピーしてから、本作用のサンプルを作り始めました」と語っている。ナポレオンといえば帽子が印象的だが、クロスマンは「現存する当時の帽子を徹底的に調べ、すべてが正しい比率になるようサイズをコピーしました。大きな帽子は人に恐怖感を与えるので、他の映画ではとても小さく縮小された帽子が使われていることが多いのですが、本作では正確なサイズとスケールのものを使うようにしました。ホアキンが被っているのは典型的なナポレオン・ハット(二角帽子)です」と、サイズまでもがリアリティを追求して制作されたものだったことを明かしている。また、「1790年代半ばのフランス軍は、フランス革命直後の混乱期。当時のナポレオンはあまり贅沢はできないような役職でした。指揮官としての地位を手に入れた頃には、徐々に刺しゅうが施された軍服を着るようになります。そして1790年代後半のエジプト遠征、そしてマレンゴの戦いでは、全面に刺しゅうが施された2列ボタンの軍服を着ています。この衣装はパリの美術館からお借りして、忠実にコピーしたものです」と、皇帝へと上り詰めていくナポレオンの変遷も衣装で表現することが求められたという。クロスマンは衣装の面から「皇帝になる頃には、よりシンプルな軍服に移行していきます。これは“もっと目立たないようになりたい”、そして“もっと印象を薄くしたい”という彼の思いを強く反映しているのだと思います。ナポレオンには矛盾するさまざまな側面があり、だからこそこんなにも興味深いのだと思います」とナポレオン自身の内面を考察。さらに戦闘シーンで兵士たちが着る膨大な衣装について「レンタルすることもできなかったので、衣装の約95%を作り上げました。すべてを時間内に仕上げようと急ぎ、工場が破綻しそうにもなりました。リドリーの仕事の早さにより、ある週は戴冠式、次の週はワーテルローの撮影……」と恐るべき裏話を明かしている。なんとか締め切りに間に合い、キャスト全員に衣装を着せた後、「リドリーは無線で“ワオ、ワオ、ワオ”と言い続けました。それを聞けてとても嬉しく思いました」という。クロスマンは「映画が完成した今、私たちは一息ついて、実際に自分たちが作り上げたものを見返し、深く誇りに思っています」と振り返った。『ナポレオン』ヴァネッサ・カービーによるコメント映像<作品情報>『ナポレオン』12月1日(金) 公開公式サイト:
2023年11月26日特別展「北斎サムライ画伝」が、2023年12月14日(木)から2024年2月25日(日)まで東京のすみだ北斎美術館にて開催される。北斎の“サムライ画”が集結する特別展平安時代末期の平清盛の政権から江戸幕府が倒れるまで、約700年にわたって日本の政権を握っていた“サムライ”。特別展「北斎サムライ画伝」では、浮世絵師の葛飾北斎とその門人による浮世絵作品から、江戸時代の人々が抱いていた侍のイメージにふれることができる。戦乱の世から日常まで展覧会には、戦乱の世の武力の担い手として活躍する姿から、江戸市中を歩く日常の様子まで、さまざまな角度からサムライを捉えた浮世絵が登場。北斎の手による源頼朝の浮世絵や、すみだ北斎美術館で初公開の《美人と弁慶の耳かき》、江戸時代に起こった事件を伝える《仮名手本忠臣蔵 十一段目》といった作品が紹介される。浮世絵と“刀剣そのもの”の見比べもまた会場では、重要文化財《太刀 銘 信房作》をはじめとする刀剣や鑓も展示。描かれたものと実物を見比べて、イメージを膨らませながら北斎の描写力を感じることができる。さらに、北斎が波を描いた代表作《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》と、同じく波の文様を配した《刀 銘 津田越前守助広/延宝九年八月日》など、共通の主題を持つ品々も見どころのひとつだ。【展覧会概要】特別展「北斎サムライ画伝」会期:2023年12月14日(木)~2024年2月25日(日) ※前後期で一部展示替え予定。[前期 12月14日(木)~1月21日(日) / 後期 1月23日(火)~2月25日(日)]会場:すみだ北斎美術館 3階企画展示室、4階企画展示室住所:東京都墨田区亀沢2-7-2開館時間:9:30〜17:30(入館は17:00まで)休館日:月曜日※開館:1月2日(火)・1月3日(水)・1月8日(月・祝)・2月12日(月)※休館:12月29日(金)~1月1日(月・祝)、1月4日(木)、1月9日(火)、2月13日(火)観覧料:一般 1,200円、高校・大学生 900円、65歳以上 900円、中学生 400円、障がい者 400円、小学生以下無料※観覧日当日に限り、「AURORA(常設展示室)」も観覧可能。※前売券及び当日観覧券の発売日・販売方法や、各種割引の詳細、団体での来館、最新のイベント情報は、すみだ北斎美術館公式ホームページを要確認。【問い合わせ先】すみだ北斎美術館TEL:03-6658-8936 (9:30〜17:30 / 休館日のぞく)
2023年11月24日東京・新宿のSOMPO美術館で、「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」が開かれています。本展では、日本でも人気の高い画家、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた静物画に焦点をあて、国内外から油彩画が集結。彼が影響を受けた画家たちの作品も見ながら、ゴッホの変遷をたどることができる展覧会です。静物画を見なければ、ゴッホは語れない!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示室入り口※本記事の写真は、プレス内覧会で許可を得て撮影しています。【女子的アートナビ】vol. 318本展では、ゴッホの画業のなかでも静物画にフォーカスして、彼の初期作から晩年の大作まで25点の油彩画を紹介。さらに、ヨーロッパにおける静物画の歴史のなかで、ゴッホが影響を受けたドラクロワやマネ、モネなど、著名な画家たちの作品もあわせて展示。出展作品全69点を通して、彼が何をどのように学んでいったのか、画業の変遷をたどることができます。展覧会を担当されたSOMPO美術館上席学芸員の小林晶子さんは、次のように述べています。小林さんゴッホは、当初、人物を描く画家になりたかったので、静物画に対してそれほど興味をもっていませんでした。絵を学ぶ鍛錬のためのものが静物画でした。鍛錬しているうちに自分の芸術を確立し、静物画のなかでも「ひまわり」が自分の代表作であると思うようになりました。本展のキャッチコピーは「静物画を見なければ、ゴッホは語れない」です。ゴッホがどんなふうに鍛錬して、代表作を描くまでに至ったのか、静物画の歴史もあわせてご覧いただけます。ハーグ時代の初期作からスタート!フィンセント・ファン・ゴッホ《麦わら帽のある静物》1881年クレラー=ミュラー美術館蔵、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands最初の章では、まずゴッホが油彩画に取り組み始めたハーグ時代の初期作からスタート。《麦わら帽のある静物》は1881年に描かれたものです。その前年、27歳のときに、ゴッホは画家になることを決意。ブリュッセルの王立美術アカデミーに通い、その後、オランダ南西部のハーグで、画家マウフェから指導を受けました。「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の前半では、17世紀のオランダ絵画もあわせて展示。ヨーロッパ絵画史のなかで、静物画というジャンルが確立したのは17世紀ごろといわれています。当時、市民階級が豊かになったネーデルランド(現在のオランダ)では、身の回りの事物や工芸品などをリアルに描いた小さな静物画が流行。市民たちは、それらを自宅に飾り楽しんでいました。静物画について、はじめは油彩を描くための修業としてとらえていたゴッホは、瓶や壺、鳥の巣など伝統的なモチーフを描いていました。ゴッホ、ドラクロワに学ぶ!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景1章の後半では、19世紀の静物画を展示。ドラクロワやピサロ、ルノワールなどの華やかな作品が並んでいます。ゴッホは、特にドラクロワ作品の色彩に感銘を受け、弟のテオに手紙で作品や制作姿勢について語っています。ドラクロワは、ゴッホの作品に大きな影響を与えた画家のひとり、といわれています。1886年、パリに移住したゴッホは、印象派の明るい作品からも影響を受け、初期のころと比べると、色彩も描き方も大きく変化しました。会場に展示されているパリ初期時代の花作品は、驚くほど色彩が鮮やか。ゴッホの画風の変化がよくわかります。ゴッホ、モンティセリに学ぶ!アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ《花瓶の花》1875年頃 クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー © 2023 Collection Kröller-Müller Museum, Otterlo, the Netherlands2章では、花の静物画に焦点を当てて紹介。ここで注目したいのが、ゴッホと同時代の画家、アドルフ=ジョゼフ・モンティセリ(1824-1886)の作品《花瓶の花》です。彼は、肖像画や静物画などを手がけ、筆跡が残るタッチや絵具を厚塗りする描き方など、当時としては珍しい表現をしていた画家です。ゴッホは、モンティセリの作品を収集し、表現方法や技法も参考にしたといわれています。モンティセリ作品に似たようなゴッホの絵も、近くに展示されています。ゴッホがモンティセリからどう学んだのか、描き方など比べてみるとおもしろいです。ゴッホの代表作が登場!フィンセント・ファン・ゴッホ、左:《アイリス》 1890年 ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)Van Gogh Museum, Amsterdam(Vincent van Gogh Foundation)、右:《ひまわり》 1888年 SOMPO美術館本展のハイライト、ゴッホの代表作《ひまわり》と《アイリス》は2章で登場!さまざまな画家の作品から影響を受け、静物画を通して修業していたゴッホが、いよいよ自身のスタイルを確立。《ひまわり》は1888年、《アイリス》は1890年に描かれています。強烈な色彩、荒々しいタッチ、厚塗りの絵具などは、ゴッホの代名詞ともいえる表現法ですが、本展を見ていくと、彼が独自に生み出したのではなく、さまざまな作品から学んでいたことがわかります。画風を確立したゴッホですが、《ひまわり》を制作した1888年に、画家仲間のゴーギャンと口論して、自分の耳を切り、アルルの病院に入院。その後、サン・レミ・ド・プロヴァンスにある病院で精神科の治療を受けました。《アイリス》を制作した後、1890年の7月に37歳で死去。銃で自らを撃ったと伝わっています。ゴッホに影響を受けた画家たちの作品も!「ゴッホと静物画―伝統から革新へ」展示風景最後の章では、ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなど「ポスト印象派」と呼ばれた画家たちの作品や、ゴッホから影響を受けたモーリス・ド・ヴラマンクの作品などを紹介。新しい静物画のスタイルを切り拓いていった画家たちの、自由で革新的な作品を楽しめます。静物画を通してゴッホの変遷をたどることができる展覧会は、2024年の1月21日まで開催。人気の展覧会なので、ぜひ日時指定予約をしてお出かけください。Information会期:~24年1月21日(日)会場:SOMPO美術館時間:10時~18時(ただし11月17日(金)と12月8日(金)は20時まで)※最終入場は閉館30分前まで休館日:月曜日(ただし1月8日は開館)、年末年始(12月28日~1月3日)観覧料:一般¥2,000(¥1800)、大学生¥1,300(¥1100)※()内は日時指定料金問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2023年11月19日六本木一丁目に位置する泉屋博古館東京では、2023年11月2日(木)より、特別企画展『日本画の棲み家』が開催される。かつては床の間に掛けたり、屏風絵や襖絵として座敷を飾るなど、人々の暮らしの中にあった日本絵画。しかし、明治時代以降、展覧会制度が導入されると、日本画は展覧会の会場に合せてサイズは大きく、画題や色彩も濃厚なものとなり、家の中で楽しむこともままならなくなっていく。以来現在にも続く日本画の「棲み家」の問題や、今後の日本画の鑑賞とあり方などを考える展覧会だ。まず第一章では、住友家第15代住友左衛門友純(1864~1926、号春翠)の、いくつもの邸宅を彩った日本画を展示。床の間を飾った軸、座敷の間仕切りとして使用された屏風や衝立を紹介することにより、家を「棲み家」とした日本画の諸相を紹介する。第二章では、「床の間」と日本画の関係について考える。明治期、庶民の間では接客空間として床の間のある家が普及するが、大正期に入ると空間の合理性という観点から「床の間無用論」が叫ばれるようになる。と同時に、展覧会で展示される革新的な日本絵画を「展覧会(会場)芸術」、床の間を飾るような旧来の日本画を、時代遅れの「床の間芸術」と呼ぶなど、「床の間」の受難が始まった。今でも、床の間がテレビや荷物置き場と化している家を見ることがあるが、第三章では現代における「床の間芸術」を考える。一般的には、日本画を所有し、日常的に楽しむこと自体ハードルの高い習慣に感じてしまうが、コロナ禍の巣ごもり生活で、「おうち時間」の大切さを知った私たちには、まったく理解できないことではないだろう。同展では、日本画の「おうち鑑賞」を目指して、6名の現代作家が新しい「床の間芸術」を発表する。イベントやラーニングプログラムも盛りだくさんなので、興味のある方はホームページで確認を。<開催情報>特別企画展『日本画の棲み家』会期:2023年11月2日(木)〜12月17日(日)会場:泉屋博古館東京時間:11:00~18:00、金曜は19:00まで(入館は閉館30分前まで)休館日:月曜入館料:一般1,000円、高大生600円公式サイト:
2023年10月12日ポスト印象派を代表する画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~1890)。これまでも様々なかたちで紹介されてきたが、なかでも静物画に焦点をあてた展覧会が、代表作のひとつ《ひまわり》を所蔵する東京・新宿のSOMPO美術館で、10月17日(火)から2024年1月21日(日)まで開催される。オランダに生まれ、パリに出て印象派の影響を受けたゴッホは、南仏のアルルで画家仲間との共同生活を目指す。だが、唯一南仏にやってきたゴーギャンとの口論から自身の左耳を切る事件を起こし、サン=レミの病院での療養を経て、転地先で37歳の若さで亡くなった。しかし、短い生涯のなかで静物画、風景画、肖像画など多くの作品を精力的に描き、とりわけ画家が主観で描く要素の強い静物画では革新的な実験を試み、独自のスタイルを確立している。同展は、そのゴッホを西洋美術の静物画の歴史の中に位置づけるものだ。絵画ジャンルとしての静物画は、プロテスタントが台頭した17世紀のオランダで、カトリック教会を装飾する大型の宗教画のかわりに、花や日用品などの現世の事物をリアルに描く小型の絵画が流行したことで成立したという。その後、20世紀に至るまで、静物画がどのように展開してきたかをたどることによって、ゴッホが伝統から何を学び、それをどのように自作に反映させ、そして後世にどのような影響を及ぼしたのかを探るのが同展の試みだ。大きな見どころは、国内外25カ所から出展される全69点のうち、ゴッホ作品が25点に及ぶこと。アルル滞在時にゴーギャンの部屋を飾るために描かれた「ひまわり」連作に関わる《ひまわり》や、サン=レミで描かれた《アイリス》をはじめ、各時代の、そして様々なモチーフの静物画が集結する。ドラクロワやマネ、ゴーギャン、セザンヌ、シャガールらの静物画と比較しつつ鑑賞できるのも興味深い。なお、同展は、2020年の同館移転後の開館特別企画展として予定されつつも、感染症拡大により中止となったもの。開催を心待ちにしていたファンも多いに違いない。ファン・ゴッホを深く知ることのできる待望の展覧会にぜひ足を運びたい。<開催情報>『ゴッホと静物画―伝統から革新へ』会期:2023年10月17日(火)~2024年1月21日(日)会場:SOMPO美術館時間:10:00~18:00、11月17日(金)と12月8日(金)は20:00まで(入場は閉館30分前まで)休館日:月曜(1月8日は開館)、12月28日(木)~1月3日(水)料金:一般2,000円、大学1,300円※日時指定予約制公式サイト:
2023年10月02日インド美術研究家でもある日本画家・畠中光享のコレクションから、インド細密画の優品約120点を紹介する展覧会が、9月16日(土)から11月26日(日)まで、東京の府中市美術館で開催される。日本ではまとまったかたちで見る機会の少なかったインド細密画の魅力をたっぷり味わえる貴重な機会だ。インド絵画の精華とも呼ばれる細密画は、16世紀後半から19世紀半ばにかけて、ムガル帝国やラージプト諸国の宮廷で楽しまれた一辺20センチほどの小さな絵のこと。あえて小さな画面に描くのは、「見る人と絵が一対一で対話をする」という考え方があったからで、絵と対話を重ねることは魂を清める行為でもあったという。同展は、そのインド細密画の独特の魅力と見方を教えてくれる展覧会だ。例えば、感情を直に揺さぶることを大きな目的とするインド芸術では、音楽が重要視されており、そのため、楽曲の旋律の型や音色そのものを絵画化した「ラーガマーラ」と呼ばれる楽曲絵が生まれている。日本にも西洋にも見られないインド独自の伝統である。そのほかの重要な主題としては、古代から愛を描いてきたインド文学の伝統やヒンドゥー教の教えを反映し、人間や神々の「愛」のテーマが存在する。また、世界を維持するヴィシュヌや、破壊と再生を司るシヴァらヒンドゥー教の神々、あるいは古代の叙事詩『ラーマーヤーナ』に登場するラーマ王子やハヌマーンといった英雄たちも重要な存在だ。ちなみに、これらのモチーフは仏教を通じて日本にも伝来し、ヴィシュヌは馬頭観音、シヴァは大黒天となり、また『ラーマーヤーナ』も桃太郎の物語の起源だと言われているのだとか。主題だけでなく、描き方にもインド固有の特色がある。色彩や線描といった造形の美しさが観る者の心に働きかける力を重視したインド絵画は、西洋絵画のようなリアルな描写は追求せず、あえて濃淡や陰影をつけず、色彩の美しさや輝きを生かそうとしたのだ。美しい線と色に彩られた宝石のような絵の中には、人々の自然を崇める心や感性、情熱的な信仰心が込められている。その細密画の美の世界を楽しむことで、インド文化への興味をより深めたい。<開催情報>『インド細密画』会期:2023年9月16日(土)〜11月26日(日)会場:府中市美術館時間:10:00~17:00(入場16:30まで)休館日:月曜(9月18日、10月9日は開館)、9月19日(火)、10月10日(火)料金:一般900円、大高450円、中小200円公式サイト:
2023年09月04日箱根のポーラ美術館では、2023年7月15日(土)より、『シン・ジャパニーズ・ペインティング革新の日本画―横山大観、杉山寧から現代の作家まで』が開催される。現在、普通に使われている「日本画」という言葉は、明治時代に生まれ、社会的に定着した。明治政府のお雇い外国人アーネスト・フェノロサが、当時、日本国内で目にした絵画を総じて言った“JapanesePainting”という表現を、日本人通訳が「日本画」と翻訳したことに始まった。つまり「日本画」とは、日本の伝統的な絵画と西洋画の接触により確立された新しい絵画の形式であり、画家たちは常に、近代とは、西洋とは、国家とは何か、という問いに向き合いながら、「日本画」を発展させてきたと言えるだろう。同展は、横山大観、杉山寧、高山辰雄を初めとした日本画コレクションの名品を中心に、その誕生から現代にいたる「日本画」の展開をダイナミックに紹介。さらに既存の「日本画」を超えたところにある真(シン)の「ジャパニーズ・ペイティング」について考える。その上で、たとえば明治時代、横山大観や菱田春草らが、空気感や光の加減を描くために編み出した「朦朧体」という手法や、彩り豊かな合成顔料や丈夫で発色の良い和紙の開発、また戦後、日展で活躍し「日展三山」と言われた杉山寧、東山魁夷、高山辰雄らが確立した、油彩画を思わせるマティエールや、岩絵具本来の美さを活かした色彩、独自の画面構成などによる、戦後の日本画のスタイルなど、表現手法や画材そのものの革新についても考察する。最終章では、杉本博司、山本基、野口哲哉ら、様々な表現様式によって日本の絵画の革新に挑み続ける現代作家の作品を、新作を含めて多数公開。西洋と東洋という二分化がもはや意味をなさず、主題や形式、画材などが多様化する21世紀紀のアートシーンにおいて、「日本画」にはいかなるポテンシャルを持っているのか?アートファンには、極めて興味深い問題だ。<開催情報>『シン・ジャパニーズ・ペインティング革新の日本画―横山大観、杉山寧から現代の作家まで』会期:2023年7月15日(土)~ 2023年12月3日(日)※会期中無休会場:ポーラ美術館 展示室1,2,3,アトリウム ギャラリー時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)料金:一般1,800円、65歳以上1,500円、大高1,300円公式サイト:
2023年07月12日近代の京都画壇を代表する存在として活躍し、近年再評価が進む日本画家・木島櫻谷(このしま・おうこく、1877-1938)。動物画で名を馳せた櫻谷が生涯にわたり手がけた山水画に着目し、その魅力を紹介する展覧会が、6月3日(土)から7月23日(日)まで、六本木の泉屋博古館東京で開催される。泉屋博古館東京は、2018年に生誕140年記念特別展『木島櫻谷』を開催するなど、櫻谷の再評価を牽引してきた。その際には、様々なジャンルの作品を紹介して櫻谷の全貌を紹介しつつも、2部構成の展覧会の第1部「近代動物画の冒険」で、特に動物画に優れた櫻谷に焦点をあてていた。今回の展覧会は、「山水画」を深掘りすることで、「動物画だけではない」櫻谷の魅力に深くふれる試みとなっている。何よりも写生を重んじていた櫻谷は、大原や貴船など京都近郊に日々足を運び、また毎年の旅行では山海の景勝の写生を重ねた。その成果として生み出されたのが、西洋画の空間感覚も取り入れた近代的で明澄な山水画だった。 一方、幼い頃より漢詩に親しみ、また古画を愛した櫻谷は、中国の文人の理想の世界を日本の風景に移し替えたような、親しみやすい新感覚の山水表現に至ったという。同展では、屏風などの大作から、日々を彩るさりげない掛物まで、多彩な山水画が並ぶ。各地の写生を醸成させて理想の風景のパノラマを表した超大作《万壑烟霧(ばんがくえんむ)》や、モノクロームを主調として雪月夜を鮮烈に描いた《寒月》(展示期間:6月3日-6月18日)、 またこれと対照的な色彩豊かな《駅路之春》といった代表作が登場するほか、34歳の櫻谷が京都東山の南禅寺の塔頭・南陽院の本堂を飾るために手がけた山水の襖絵が東京では初の公開となる。また、数十冊にのぼる写生帖が紹介されるのも、見どころのひとつだ。高い写生技術を誇り、筆も速かったという櫻谷が、刻々と移りゆく旅先の景色をとらえた写生からは、櫻谷の感動の軌跡も追うことができる。なお、同展の充実したラーニング・プログラムでは、トークや講演会のほか、シンポジウムも企画されている。<開催情報>『特別展木島櫻谷― 山水夢中』会期: 2023年6月3日(土)~7月23日(日)会場:泉屋博古館東京時間:11:00~18:00、金曜は19:00まで(入館は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)料金:一般1,200円、大高800円美術館公式サイト:()
2023年05月12日獅子舞競技に魅せられた少年たちをCGアニメーションで描く中国映画『雄獅少年/ライオン少年』より、主人公や獅子舞のキャラクター画、美術設定画が公開された。2022年に日本で限定上映された本作が、今回日本語吹き替え版で全国公開。花江夏樹が声をあてる本作の主人公・チュンは、身体が弱く、友達も少ないが負けず嫌いなキャラクター。そんな性格を表すように、ポケットに手を入れて歩くキャラクター画と、様々な表情の作画が見られる。また、山寺宏一演じる獅子舞の師匠・チアンは、目じりが垂れ下がり、気だるさが表現されている。本作で特に描くのが大変だったというのが獅子舞。プロジェクト始動時、それぞれのチームが獅子舞の訓練受け、動作の基本的な法則をベースに絵コンテ作りを始め、そこに舞踊や武術の動作を組み合わせ、カメラの動きを調整して視覚効果を生み出したという。一番難しかった獅子頭は、型の種類、材料の違いなどについて特に細かく調査。大量の毛がつき、伝統的なものは硬い毛を使い、動くとよく跳ねるのが特徴だが、チュンの持っている新しいタイプの獅子頭は、毛がふわふわしていて動きの演算が非常に多かった。設定画では、2種類の獅子頭を様々な角度から丁寧に描いていることが分かる。ほかにも、獅子舞を披露する競技場やチュンたちが生活する村の設定画も公開された。『雄獅少年/ライオン少年』は5月26日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:雄獅少年/ライオン少年 5月26日(金)全国公開©BEIJING SPLENDID CULTURE & ENTERTAINMENT CO.,LTD ©TIGER PICTURE ENTERTAINMENT LTD. All rights reserved.
2023年05月06日ホテル雅叙園東京から、錦絵ショコラ「日本橋」が登場。2023年4月5日(水)より、PATISSERIE「栞杏1928」にて販売する。“日本画&美術工芸品”着想の錦絵ショコラ「日本橋」錦絵ショコラ「日本橋」は、ホテル雅叙園東京内の正面玄関からレストランや客室、バンケットへと続く回廊を彩る浮世絵をモチーフにした彩色木彫板のひとつ、「日本橋」をフィーチャー。五街道の起点である日本橋を行き交う江戸時代の人々の姿を、3センチ角のチョコレートのキャンバスに生き生きと描いた。フレーバーは、シンプルな味わいの中に奥深さのある「抹茶」、「バニラ」のほか、素材の掛け合わせや食感を楽しめる「シャンパンフレーズ」、「カシスフィグ」、「オレンジアールグレイ」の5種を用意する。フィナンシェやマドレーヌなど、焼き菓子詰め合わせもまた、フィナンシェやマドレーヌなど人気の焼き菓子を詰め合わせた「セレクトボックス」も展開。上質なボックスの蓋の内側には、ホテル内に飾られた日本画や彫刻などの美術工芸品をモチーフにした絵柄をあしらった。小さな美術品となったスイーツやボックスは、自分へのご褒美はもちろん、大切な人への贈り物にもおすすめだ。【詳細】ホテル雅叙園東京 新作スイーツ発売日:2023年4月5日(水)販売場所:ホテル雅叙園東京内 PATISSERIE「栞杏1928」住所: 東京都目黒区下目黒1丁目8−1メニュー:・錦絵ショコラ「日本橋」3,000円フレーバー:オレンジアールグレイ / カシスフィグ / シャンパンフレーズ / 抹茶 / バニラ・「セレクトボックス」5個 2,600円、10個 4,300円、15個 6,000円 / マンディアン 5個 2,900円 / マドレーヌ・フィナンシェ 10個 4,100円【予約・問い合わせ先】PATISSERIE「栞杏 1928」TEL:03-5434-5230(11:00~20:00)
2023年03月12日大阪中之島美術館では、2023年1月21日(土) より、『開館1周年記念特別展 大阪の日本画』を開催する。開館一周年記念展となる同展は、近代大阪の日本画が勢揃いする史上初の展覧会にして、美術館の開館後初の日本画展。大阪で活躍した50名以上の画家たちによる、約150点の作品を展示する。東京とも京都とも違う、大阪ならでは日本画の魅力が浮き彫りになる展覧会だ。6つの章で構成される同展では、まず第一章の「ひとを描く」で、大正時代、妖しく退廃的な画風で「悪魔派」といわれた北野恒富とその弟子たちの作品を紹介。後年、恒富は格調高い美人画を描くようになるが、その画風の変遷にも注目だ。つづく第二章の「⽂化を描く」では、古き良き浪速の風俗を描いて大変な人気を博した菅楯彦と、その女性の弟子の生田花朝の作品を展示する。どんどん漫画のようになっていく菅楯彦のユーモラスな画風には、興味をひかれることだろう。さらに第三章の「新たなる⼭⽔を描く」では、江戸時代以来の文人画に近代的な感覚を取り入れた、矢野橋村「新南画」を、第六章の「新しい表現の探求と⼥性画家の⾶躍」では、他地域より群を抜いて多かった大阪の女性画家たちを紹介する。当時、大阪の裕福な家庭では女子に絵を習わせることが一般的に行われており、そこから力をつけた女性たちが画家となっていったという。そのほか、当時の絵画に対する大阪人の好みが、床の間や座敷に飾って楽しめるあっさりとした絵であったこと、漢詩や漢文をたしなみ高い教養を誇った大阪商人たちの間で、文人画が大変な人気を博したことなど、様々な特徴が見えてくる。武士でもなく、公家でもなく、古くからの町人文化が育んだ、大阪の多様な日本画に、改めて興味が湧くに違いない。中村貞以《失題》大正10年(1921)大阪中之島美術館【展⽰期間:1/21〜3/12】菅楯彦《阪都四つ橋》昭和21年(1946)鳥取県立博物館【前期展⽰:1/21〜2/26】生田花朝《天神祭》昭和10年(1935)頃大阪府立中之島図書館島成園《祭りのよそおい》大正2年(1913)大阪中之島美術館吉岡美枝《店頭の初夏》昭和14年(1939)大阪中之島美術館<開催情報>『開館1周年記念特別展 大阪の日本画』会期:1月21日(土)~4月2日(日)会場:大阪中之島美術館時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)休館日:月曜(3月20日は開館)料金:一般 1,700円、大高 1,000円美術館公式サイト:
2022年12月16日19世紀末のパリで活躍したナビ派の画家フェリックス・ヴァロットンは、黒一色の革新的な木版画で名声を高めた版画家でもあった。その黒と白のみでつくられた木版画の世界に焦点をあてた展覧会が、東京・丸の内の三菱一号館美術館で、10月29日(土)から2023年1月29日(日)まで開催される。三菱一号館美術館は、2014年にヴァロットンの回顧展を開催し、この画家の全貌を日本で初めて紹介した実績がある。その際にも一部の木版画が展示されたが、実は同館は世界有数のヴァロットン版画コレクションを誇る美術館だ。今回は、約180点に及ぶそのコレクションを一挙初公開し、油彩画とはまた違ったヴァロットンの魅力を探求する試みとなる。希少性の高い連作〈アンティミテ〉〈楽器〉〈万国博覧会〉〈これが戦争だ!〉なども含むコレクションはまた、ヴァロットンが生涯に制作した版画の大部分を網羅している。そのため、作品を通じて彼の生涯をたどり、また彼が時代ごとに抱いていた関心の移り変わりを見てとることもできる。たとえば、スイスからパリに出てきた彼が異邦人としてパリを観察した作品では、「群衆」や社会の暗部を露呈するような事件が、皮肉やユーモアを込めて描き出されている。ナビ派の仲間たちと活動した時代には、アール・ヌーヴォーの美学にも似た装飾性豊かな作品が登場。結婚後は、男女関係や結婚生活の不協和音が感じられる作品も見られ、また第一次世界大戦が勃発すると、戦争を主題とした作品もつくられた。テーマや表現は多様だが、一貫しているのは、その独特の視点や、白と黒を効果的に活かした卓越したデザインセンスだ。ときにブラック・ユーモアにあふれるその作品は、観る者を魅了してやまない。なお、今回は、同館と姉妹館提携をしているフランスのトゥールーズ=ロートレック美術館の開館100周年を記念した特別展示もある。ロートレック美術館の協力のもと、ロートレックとヴァロットンの作品を並べて見せる展示室では、同時代のパリでともに女性たちを描いたふたりの画家の個性の違いを見比べる楽しみも待っている。フェリックス・ヴァロットン《ユングフラウ》1892 年三菱一号館美術館フェリックス・ヴァロットン《入浴》1894 年三菱一号館美術館フェリックス・ヴァロットン《フルート(楽器Ⅱ)》1896 年三菱一号館美術館フェリックス・ヴァロットン《嘘(アンティミテⅠ)》1897 年三菱一号館美術館アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック《二人の女友達》1894 年トゥールーズ=ロートレック美術館、アルビ【開催概要】『ヴァロットンー黒と白』会期:2022年10月29日(土)〜 2023年1月29日(日)会場:三菱一号館美術館休館日:月曜(10月31日、11月28日、12月26日、1月2日、1月9日、1月23日は開館)、12月31日、1月1日開館時間:10:00〜18:00、金曜と会期最終週平日、第2水曜日は21:00まで(入館は閉館30分前まで)料金:一般1,900円、大高1,000円公式サイト:
2022年10月20日絶賛公開中の『LAMB/ラム』より、スケッチ画と監督直筆ストーリーボードが解禁。着想や撮影秘話を明かした監督のコメントも到着した。『ミッドサマー』『ヘレディタリー/継承』のA24が北米配給権を獲得したことでも注目が集まっている本作は、公開館数36館にも関わらず、公開3日間で観客動員数2万人、興行収入3千万円を超える大ヒットスタートを切った。SNS上では、「超かわいい」「ぬいぐるみ欲しい」「どうやって撮ってるの?」等、羊から産まれた羊ではない“何か”=“アダ”に夢中になる人が続出している。そんな本作のアイコンとも言える“アダ”はどのようにして誕生したのか?幼少期に祖父母の羊牧場で時間を過ごすことが多かったというヴァルディミール・ヨハンソン監督。羊は身近な存在だったようで「アダのインスピレーションは、祖父母が牧羊をしていたことから来ていると思います」と語っている。そんな気になるアダのビジュアルについては「美しくて、面倒を見たくなる姿を心がけて作りました」とのこと。この度、そんな監督のアイディアが落とし込まれたアダのプロダクションデザインスケッチ3点が初公開された。ヨハンソン監督は物語を作り上げるために、まずは画像や自身のドローイング等を集めたムードボードとグラフィックノベルの制作に取り掛かった。監督にとって"ビジュアル"は映画作りの出発点であり、物語を伝える上で最も重要な要素なのだという。今回は監督が描いた本作のストーリーボードの一部も解禁。それぞれ最終的にどのようなシーンに仕上がったのかは映画本編で確かめてほしい。また、アダの撮影においては、これまで「ゲーム・オブ・スローンズ」シーズン2(12)、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(16)など数々の特殊効果を担当してきた監督の手腕が存分に発揮されている。「現場ではまずパペットで撮影し、次に同じシーンを子供で撮影、最後に羊を入れて撮影しました。なるべく撮影した映像を使って表現したかったので、VFXを使わないように心がけていました。ただし合成した際に、頭が大きく動いてしまっていたところはVFXで羊の頭を作りました。そのように頭と体の連動に気をつけながら撮影しました」と工程を分け、アダの表現に時間と創意工夫が重ねられたという撮影秘話を明かした。アダを描く点で注意したのは「映画を見ている人に『アダの姿をはっきりと見せられないんだな』と思わせないこと」だという。映画では描くことが難しい部分に、そもそもカメラを向けないことで済ますことができるが、本作で監督は妥協をしなかった。目論見通り、アダの衝撃的でありながらリアルな存在感はじわじわと話題を呼んでいる。『LAMB/ラム』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:LAMB/ラム 2022年9月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2021 GO TO SHEEP, BLACK SPARK FILM &TV, MADANTS, FILM I VAST, CHIMNEY, RABBIT HOLE ALICJA GRAWON-JAKSIK, HELGI JÓHANNSSON
2022年10月03日フランス幻想絵画の鬼才 ジェラール・ディマシオによる「世界最大の油彩画」の世界観を表現株式会社 新冠開発共同企業体(本社 北海道新冠町 代表取締役社長 廣島 貴史)は太陽の森 ディマシオ美術館(北海道新冠町字太陽204-5 理事長 谷本 勲)敷地内に常設展示されている「世界最大の油彩画」(横27m、よこ9m)を観たアーティストが幻想絵画の世界観からインスピレーションを受けてディマシオ絵画とのコラボアート作品を制作する企画を考案。その第1回目として北海道札幌を拠点に活動をしているギタリスト 山木 将平(やまき しょうへい)を起用し、「ディマシオ×ソロギター(山木 将平)」を実現させMV(ミュージックビデオ)をリリースいたしました。ギタリスト山木将平背景ディマシオによる幻想絵画は様々な感情や意味が込められており、観る度に捉え方や感じ方が変化いたします。「美しさ」を感じる人、「恐怖」を感じる人、「儚さ」や「人間の愚かさ」を感じる人など千差万別です。弊社ではディマシオの幻想絵画から受ける個人のインスピレーションに着目しそれを豊かに表現出来るアーティストとのコラボ作品を制作する事で、より皆様にディマシオによる幻想世界の面白さをご提供したいと考えました。併設されているグランピング施設「GLAMPING VILLAGE」 ご宿泊者様限定のナイトミュージアムではより幻想的な世界が楽しめます「山木将平」のプロフィール1989年10月3日札幌生まれ。2010年サッポロシティジャズ・パークジャズコンテストにてグランプリを受賞トロントジャズフェスティバル、ジャワジャズフェスティバル、ミラノ万博、ライジングサンロックフェスティバル、中州ジャズなど国内外の音楽フェス、イベントなどへ多数出演。2018年 北海道150周年記念式典にて天皇皇后両陛下の前で単身演奏。2019年 札幌国際映画祭にて楽曲が使用された作品「ODESSEY」で最優秀作曲賞を受賞。本件で山木将平が制作した楽曲の特徴1. Ayers(エアーズ)ギターArers SJ07-C DXE OTS2.0OTS(Over Tone System)搭載の倍音豊かなギターにより鮮やかさと音の太さが増し立体感が生まれ、余韻に違いが出る事でディマシオ幻想絵画の壮大さにマッチさせています。2. 独自のオリジナルチューニング1弦:E2弦:C(半音上げ)3弦:F(1音下げ)4弦:C(1音下げ) 5弦:A6弦:D(1音下げ)444Hz設定という変則チューニングを、ディマシオ幻想絵画から受けたインスピレーションで設定し楽曲を制作。3. 山木将平のインスピレーション「壮大で美しく、哀愁が漂う、滅びた文明だが 希望を感じる。そんなイメージから頭の中で色を固定し世界観を合わせて制作しました」世界最大の油彩画商品概要名称:ディマシオコラボVol.1動画配信日:2022年9月28日撮影地:北海道新冠郡新冠町字太陽204-5 太陽の森 ディマシオ美術館URL : 会社概要商号:株式会社 新冠開発共同企業体代表者:代表取締役廣島貴史所在地:北海道新冠郡新冠町字太陽204-5設立:2022年6月17日URL: お問い合わせ先株式会社 新冠開発共同企業体担当:伊藤電話番号:0146-45-3312音声ガイダンスが流れますので「2」を押して下さいE-mail: zero-one@dimaccio-glamping.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年10月01日胡粉ネイル(Gofunnail)の2022年秋コスメ「胡粉ネイル2022-2023秋冬限定色」が、2022年9月1日(木)より限定発売される。“日本最古”日本画絵具専門店の「胡粉ネイル」に秋冬カラー胡粉ネイルは、“日本最古”の日本画絵具専門店・上羽絵惣が手掛けるネイルカラーだ。ホタテ貝殻の微粉末など天然素材を基にした爪に優しい水溶性ネイルでありながら、 塗りやすさ・仕上がりが良いと人気。“和モダン”を意識した、個性豊かなカラーバリエーションもポイントで、限定色は売り切れになることも。2022年秋冬は、3色の限定色を用意。平安時代より愛された日本の伝統色やニュアンスカラーを揃えて、こっくり秋冬らしいセルフネイルを提案する。黄紅葉(きもみじ):「かさねの色目」のひとつとして、平安時代より愛されてきた日本の伝統色。こっくりとしたミディアムイエローは、どんな色とも合わせやすく、ポイントネイルとしても活躍してくれる。煉瓦色(れんがいろ):深みのある乾いた土を想起させる、つやめく大人の深みカラー。シックでありながら、驚くほど鮮やかで、シンプルなワンカラーネイルにもおすすめだ。加加阿色(かかおいろ):生のカカオを割ったような、香り立つヌーディベージュ。上品なニュアンスカラーは、垢抜けた印象を演出してくれる。【詳細】胡粉ネイル2022-2023秋冬限定色 全3色 各10mL 各1,452円発売期間:2022年9月1日(木)~2023年2月28日(火)※数量限定のため、販売期間中でも商品がなくなり次第終了。販売店舗:上羽絵惣本店(京都府京都市下京区燈籠町579)・公式オンラインショップ、全国の胡粉ネイル取扱店舗(一部除く)カラー:黄紅葉(きもみじ)、煉瓦色(れんがいろ)、加加阿色(かかおいろ)【問い合わせ先】上羽絵惣公式通販TEL:0120-399-520(月~金9:00~17:00)
2022年08月27日Q-pot.(キューポット)から、日本画家・十一(トヲハジム)の作品「あの花の子」をモチーフにしたコラボレーションアクセサリーなどが登場。2022年6月20日(月)より、Q-pot.表参道本店などで販売される。日本画家・十一の描き起こしアートを使用十一は日本画の手法を駆使し、シュールな世界観を持つ作品を創作している日本画家。Q-pot.では、コラボレーションのためだけに十一が描き起こした「あの花の子」を使用したアクセサリー、グッズ、スイーツなどを展開する。マカロンバッグチャームアクセサリーは、Q-pot.を代表する“マカロン”モチーフのバッグチャームに、「あの花の子」の世界観を落とし込んだもの。ダークグレーとスカイブルーの2色を取り揃える。Tシャツやトートバッググッズは、日本画を大胆にプリントしたTシャツ&トートバッグを用意。「あの花の子」をポップにデフォルメした缶バッジもあるので、ウェアやバッグに飾って楽しむことができる。4フレーバーをセットにしたマカロンQ-pot CAFE.の人気スイーツ“プチクリーミーマカロン”も、「あの花の子」バージョンで登場。イラストを描いたマカロンコックで、濃厚なガナッシュクリームをサンドし、宝石のように輝くアラザンをトッピングした。フレーバーは、林檎果肉入りアップルガナッシュクリームの“アップル”、ゼリーを忍ばせたストロベリーガナッシュクリームの“ストロベリー”、メロン果肉入りメロンガナッシュクリームの“メロン”、ほろ苦いスイートチョコレートガナッシュクリームの“チョコレート”の4種がセットになっている。「あの花の子」原画も発売また、Q-pot.表参道本店3Fでは、「あの花の子」の原画も販売。岩絵具や膠(にかわ)、胡粉(ごふん)を用いて描かれた日本画は、人々の内面に語り掛けてくるような存在感を放つ。【詳細】■Q-pot.「あの花の子」コラボレーション アクセサリー&グッズ発売日:2022年6月20日(月)発売場所:Q-pot.表参道本店/Q-pot.公式オンラインショップ(昼12:00~)※商品の仕様や発売日は変更となる場合あり。※新作商品の発売初日の取り置き/取り寄せ/配送依頼不可。※発売初日は1人各1点まで購入可。アイテム例:・あの花の子マカロン バッグチャーム 7,150円・あの花の子 T シャツ M/L 各4,180円・あの花の子 キャンバストートバッグ 3,300円■Q-pot CAFE.「あの花の子」マカロン4個セット発売日:6月20日(月)発売場所:Q-pot CAFE.表参道本店/Q-pot.公式オンラインショップ価格:あの花の子 お取り寄せマカロン 4 個セット 1,836円■十一「あの花の子」原画発売日:6月18日(土)発売場所:Q-pot.表参道本店3F※Q-pot.公式オンラインショップでの取り扱いは無し。価格:大 価格未定(サイズ縦129cm×横 91cm)、中 1,650,000円(サイズ縦29cm×横21cm)、小 660,000円(サイズ 約 縦21cm ×横15cm)※全ての「あの花の子」グッズの売上の一部は国連UNHCR協会を通じて、UNHCRが展開する難民支援活動に活用される。【問い合わせ先】Q-pot.表参道本店TEL:03-6447-1217
2022年06月17日リアルな植物画や小花柄、デザインに落とし込んだものなど気分を盛り上げるフラワーモチーフのアイテムを集めました!全身で楽しんだり、小物で一つ加えたり。お気に入りを見つけて。同じ花柄を重ねた上級者セットアップ。ブランドオリジナルの再生繊維セルロース素材の生地に、フローラル柄をハンドプリントしたシャツとパンツ。リラックスしたフォルムながら、柔らかな光沢ととろみが、上品な印象に仕上げてくれる。同柄のハイネックと合わせると、よりモダンに。モノトーンゆえ、他のアイテムとも合わせやすいところもうれしいポイントに。シャツ¥35,200プルオーバー¥20,900パンツ¥31,900(以上ニアー ニッポン/ニアーTEL:0422・72・2279)サンダル¥38,000(ピッピシック TEL:03・6434・0975)美しい草花の絵と色の切り替えにうっとり。ブーゲンビリアとサンニン、サガリバナの水彩画をプリントした巻きスカート。¥53,900(エンリカ/アッシュプラスエリオトローブ)サンダル¥41,800(ペリーコ/アマン TEL:03・6418・5889)ボタニカルプリントにビーズの刺繍が輝く一枚。『ユナイテッドアローズ』主宰の「united LOVE project」のTシャツ。背中には自然を連想するワードをプリント。¥17,600(ミュベール/ユナイテッドアローズ 六本木ヒルズ店 TEL:03・5786・0555)デニムはスタイリスト私物スイムウェアやワンピースに合わせて。オーストラリア発ハットブランドのアイテムは、イエローの小花柄が軽やか。コットン地で、つばが広く、あごで結ぶ紐付き。ハット¥17,050(ラック オブ カラー/ジャック・オブ・オール・トレーズ TEL:03・3401・5001)※『anan』2022年6月8日号より。写真・多田 寛スタイリスト・武政ヘア&メイク・yumi(Three PEACE) モデル・桜庭結衣(LIGHT management)文・重信 綾(by anan編集部)
2022年06月01日全国の建設塗装工事業者で構成される一般社団法人日本塗装工業会(以下、日塗装)では、11月16日の「いいいろ塗装の日」をテーマにデザイン画コンテストを開催します。当コンテストは、日塗装で展開している「いいいろ塗装の日」関連事業のひとつとして実施するもので、日塗装の認知度向上や建設塗装のイメージアップ等を目的としています。近年では主婦や学生などアマチュアの方の受賞も多く初心者でも挑戦しやすいコンテストで、募集期間は2022年5月2日(月)から7月31日(日)までとなります。作品の審査は日塗装で行い、最優秀賞1点と優秀賞4点を選出、最優秀賞の作品は、日塗装(「いいいろ塗装の日」)のキャンペーンに使用されます。また入賞作品は、日塗装のホームページで発表予定です。【「いいいろ塗装の日」とは】日塗装が一般からアイデアを募集し決定、登録された記念日で、毎年、同記念日にちなみ、塗装に関する体験学習や「らくがきなくし隊」による、学校や公園等の公共施設、社会福祉施設等での塗り替えや落書きを消すボランティア塗装活動を全国で実施しています。※以下、画像データが必要な場合は、コンテスト事務局までご一報ください。第23回最優秀賞作品 作者:志田 彩百合さん(主婦/鹿児島県)第22回最優秀賞作品 作者:高畠 輝さん(イラストレーター/兵庫県)【「いいいろ塗装の日」デザイン画コンテスト概要】主催 : 一般社団法人日本塗装工業会(日塗装)名称 : 第24回「いいいろ塗装の日」デザイン画コンテスト募集内容: 日塗装(「いいいろ塗装の日」)のPRキャンペーンに使用する、建設塗装のイメージアップ等に繋がるデザイン画やイラスト応募規定: ■「11月16日 いいいろ塗装の日」の文字をデザインの中に入れる※西暦・年号(2022や令和4年等)、曜日は不要■応募作品は未発表のものに限定 ※応募作品の返却はいたしません■A4判(210×297mm)の用紙を使用すること(縦・横は自由)デジタル作成の場合は、解像度400dpi以上■画材や描き方は自由、デジタル・アナログとも可能素材の切り張りなども可能ですが、目立った凹凸が出るものは審査対象外とします(〇 写真、切絵、スパンコールや糸等× ビーズ、木板、押し花やドライフラワー、折り紙等)応募資格: 不問(プロ・アマ問わず)応募方法: <WEBエントリー> 上記サイトへアクセスし、応募詳細を確認の上、ご応募ください。<郵送の場合>作品の裏に、郵便番号、住所、氏名、年齢、職業、電話番号を記入しご送付ください。〒101-8344 ※以下、所在地なしでも届きます東京都千代田区神田神保町1-22 NTビル2階株式会社フリーマン「いいいろ塗装の日」コンテスト係 宛応募締切: 2022年7月31日(日)(WEBは23:59まで。郵送は当日の消印有効)審査 : 日塗装による審査賞 : 最優秀賞 1作品 10万円分の商品券及び表彰状優秀賞 4作品 3万円分の商品券及び表彰状発表 : 10月以降(予定)に日塗装のホームページで入賞作品を発表します。入賞者には直接ご連絡・通知をいたします。入賞者以外には、結果の通知は行いません。また、審査の状況等に関するお問い合わせには回答いたしません。作権 : 入賞作品に関わる知的財産権(著作権)は、賞の発表をもって主催者(日塗装)に全て譲渡されるものとします。なお、権利の譲渡対価は、当コンテスト規定の入賞賞品をもって充てるものとします。また、入賞作品の発表および展示に関する権利も主催者に帰属します。※個人情報保護についてコンテストの応募作品および応募者の個人情報に関しましては、当コンテストの事務局と広報業務を担当している株式会社フリーマンが責任を持って管理いたします。応募者の個人情報は、入賞者への通知・連絡、賞品の発送等の目的以外には使用いたしません。なお、入賞作品と作者名等は、日塗装のホームページ等にて発表させていただきます。【一般社団法人日本塗装工業会(日塗装)について】会長:北原 正本部:東京都渋谷区鶯谷町19-22 塗装会館建設塗装工事業者約2,300社で構成された唯一の全国団体。建設塗装に関わる技術・技能の向上と経営の進歩改善を図り、建築塗装工事業の健全なる発達と建設文化の向上に寄与することを目的に1948年に設立。全国47都道府県に支部組織を持ち、特化した仕上技術の調査研究、企業経営に資する事業の展開、労働災害の防止と環境保全に関する調査研究、総合仕上のための専門技術と技能の普及及び人材の養成、需要の開発と普及の推進事業等を実施している。2015年5月に、住宅リフォーム事業の健全な発達及び消費者が安心して住宅リフォームを行うことができる環境の整備を図るため国土交通省により創設された「住宅リフォーム事業者団体登録制度」に登録される(日塗装のリフォーム会員は下記のロゴマークを利用規定の範囲内で自由に使用できる)。URL: 住宅リフォーム事業者団体 ロゴマーク【11月16日「いいいろ塗装の日」について】日塗装の設立50周年記念事業の一環として、「塗装」についての記念日を一般から募集し、寄せられた1,781件ものアイデアの中から、11月16日を「いいいろ」と読ませる語呂合わせが、親しみやすくイメージ的にもぴったりということから決定。日本記念日協会に認定・登録される。そして、創立50周年を迎えた1998年から同記念日に絡め、ポスターデザイン画コンテストや全国の日塗装各支部で、塗装に関する講演や体験学習、「らくがきなくし隊」による公園、学校等の公共施設や社会福祉施設等での塗り替えや落書きを消す奉仕塗装活動を実施している。【本件に関するお問い合わせ先】■当コンテスト事務局: 株式会社フリーマン担当 : 井沼TEL : 03-5280-1351e-mail : 1116tosou@freeman-pr.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月02日美人画の大家として、近代日本画の巨匠として、そして人気の挿絵画家として、没後半世紀を経過してもその名を轟かせる画家、鏑木清方。彼の没後50年を記念した回顧展「没後50年 鏑木清方展」が、東京国立近代美術館で3月18日(金)に開幕した。途中、展示替えを挟み5月8日(日)まで開催されている。1878年(明治11年)、東京は神田に生まれた鏑木清方。13歳で水野年方(としかた)に入門し、10代の頃より挿絵画家として頭角を表し、売れっ子画家となっていた。一方で、1907年(明治40年)の文部省美術展覧会の開設を契機に、日本画の制作にも注力。1927年(昭和2年)には第8回帝展に出品し《築地明石町》が帝国美術院賞を受賞する。1972年(昭和47年)に93歳で亡くなるまで、精力的に暮らしや文学、芸能など人を主題にした絵を描き続けた。展覧会エントランスこの展覧会は、清方の日本画のみ110点を紹介。東京展では、人々の生活を生き生きと描いた「生活をえがく」、物語の世界を描いた「物語をえがく」、そして、卓上で鑑賞できるよう作品サイズをあえて小さくした「小さくえがく」の三部で構成されている。展示風景よりそのなかでも第一章「生活をえがく」で紹介される《築地明石町》と、《新富町》、《浜町河岸》の三部作は見どころの一つ。帝国美術院賞を受賞し、記念切手になったものの、44年もの間所在が不明とされていた《築地明石町》と、《新富町》、《浜町河岸》の三部作は、2018年に再発見され、翌年に3点とも東京国立近代美術館のコレクションに加わった。同展では会期の全期間を通して公開される。鏑木清方《築地明石町》1927年 東京国立近代美術館蔵鏑木清方《浜町河岸》1930年東京国立近代美術館蔵鏑木清方《新富町》 1930年東京国立近代美術館蔵《築地明石町》は清方が49歳のときの作品。浅葱色の小紋から、ほんのわずかに赤い羽裏が覗いており、エレガンスな雰囲気をより一層強めている。背景には船が並び、海沿いの街の一場面であることがわかる。絵のなかにわずかに描かれたものから、さまざまな想像を掻き立てられる非常に魅力的な作品だ。「生活をえがく」の章では、このほかにも、庶民の生活や生きる喜びが描かれた作品が紹介される。《明治風俗十二ヶ月》は、昭和の時代に「古き良き時代」であった明治時代の風俗を、清方が振り返って描いた連作だ。鏑木清方《明治風俗十二ヶ月》(部分)1935年東京国立近代美術館蔵《弥生の節句》と《端午の節句》は、描表装(通常であれば裂で表装される部分が絵になっている、江戸琳派でよく使われていた表装)の豪華な節句画だ。鏑木清方 左:《弥生の節句》1934年右:《端午の節句》1936年東京国立近代美術館蔵ちなみに、清方は、1918年〜25年のうちに描いた約500点の作品を自己採点していた。この展覧会では、採点されていた作品のうち23点を展示。清方自身が自信作につけた3つ星の《遊女》、《ためさるゝ日》(左幅)などを展示する。《ためさるゝ日》(左幅)が一般公開されるのは30年ぶり、左右合わせての展示は40年振りのこととなる。この、清方の自己評価の星の数もあわせて見ていくと、清方が絵の中でなにを大切にしていたが見えてくるはずだ。鏑木清方《遊女》1918年 横浜美術館蔵鏑木清方《ためさるゝ日》1918年左幅:個人蔵右幅:鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵第2章の「物語をえがく」では、さまざまな物語や芝居を主題とした作品を紹介している。歌舞伎の演目に着想を得た《道成寺 鷺娘》や、泉鏡花の短文に触発されて訪ねた樋口一葉の墓の写生をもとに描いた《一葉女史の墓》、一葉の随筆にインスパイアされて描いた《一葉》など、清方の着想源は幅広い。鏑木清方《道成寺 鷺娘》1929年大谷コレクション鏑木清方左:《一葉女史の墓》1902年鎌倉市鏑木清方記念美術館蔵右:《一葉》1940年東京藝術大学蔵重要文化財に指定されている《三遊亭円朝像》は、新聞社を営む清方の父親のもとを訪れ、新聞連載のために創作人情噺を書き取らせていた円朝の姿を描いたものだ。清方は肖像画に姿や形だけでなく人柄も描きこもうとしていたのかもしれない。重要文化財 鏑木清方《三遊亭円朝像》1930年東京国立近代美術館蔵そして、第3章「ちいさく描く」へ。清方は、大正時代後半から、展覧会場でも床の間でもなく、机の上に広げて、手元でじっくりと鑑賞する「卓上芸術」を提唱し、少画面の画巻や画帖などを描いていた。サイズが小さいため、スピーディに描け、なおかつ複製するのにも適していたため、庶民に芸術を届けたいと考えていた清方は重視していたようだ。鏑木清方《築地川》部分(組立灯篭)1941年上原美術館蔵鏑木清方《『苦楽』表紙原画》左:紅梅屋敷1949年右:王子詣1948年ともに東京国立近代美術館蔵美人画のみならず、さまざまな人々の営みを温かい眼差しで描いていた鏑木清方。彼の作品は、淡い色合いや繊細な筆使いなど、実際に目にしないと実感できない魅力に富んでいる。ぜひ一度、美術館で実際の清方の作品に耽溺しよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『没後50年 鏑木清方展』3月18日(金)~5月8日(日)、東京国立近代美術館にて開催※会期中展示替えあり公式 HP :
2022年03月25日1966年、日本初の日本画専門の美術館として開館。2021年に開館 55 周年を迎え、一年を通じ特別展を開催してきた山種美術館。その最後を飾る展覧会『【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―』が、2月5日(土)より開催される。美人画の名手として知られる女性画家・上村松園(1875-1949)と、その長男で生誕 120 年を迎える上村松篁(1902-2001)。京都で生まれ 育った松園は、早くから頭角を現し、江戸や明治の風俗、和漢の古典に取材した女性像を数多く描いた。文展や帝展など数々の展覧会に出品を重ね、1948 年には女性として初めて文化勲章を受章している。松園の長男である上村松篁も京都で生まれ育ち、官展を中心に出品を重ねたのち、1948 年には創造美術(現・創画会)を結成して活躍。1984年には文化勲章を受章し、写実を基礎とする、洗練された格調高い花鳥の姿を描き続け、京都画壇を牽引した。同館創立者で初代館長の山﨑種二は、松園と親しく交流しながら作品を蒐集。代表作である《砧》《牡丹雪》を含む、計 18 点の松園作品を所蔵しており、屈指の松園コレクションとして知られている。同展では、所蔵する松園の美人画18 点、松篁の花鳥画 9 点を初めて一挙公開するほか、上村家の三代で今も画壇を牽引する淳之の作品も紹介。上村家三代の作品を東京で観られる貴重な機会となる。また、松園と同時代に活躍した鏑木清方や伊東深水の美人画のほか、 同時代に活躍した画家たちによる優品の数々も展観する。美人画と花鳥画が織りなす、華やかで優美な絵画の世界が堪能できる特別展だ。上村松園 《蛍》 1913(大正2)年 山種美術館上村松園 《砧》 1938(昭和13)年 山種美術館上村松篁 《春鳩》 1980(昭和55)年 山種美術館 (c) Atsushi Uemura 2021 /JAA2100291【開催概要】『【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁 ―美人画と花鳥画の世界―』会場:山種美術館会期:2022年2月5日(土)~4月17日(日)時間:10:00~17:00 (入館は16:30まで)休館日:月曜日(3/21は開館)、3月22日(火)料金:一般1300円、大高500円※今後の状況により会期・開館時間等は変更する場合がございます。美術館公式サイト:
2022年01月25日戦死した将校の姿をリアリスティックに描いた異色の戦争画《國之楯》で近年注目されている日本画家、小早川秋聲(こばやかわしゅうせい、1885〜1974)。彼の初となる大規模回顧展『小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌』が東京ステーションギャラリーにて11月28日(日)まで開催されている。戦争画だけにとどまらず、彼の叙情あふれる作品が並ぶ展覧会だ。小早川秋聲は鳥取県生まれ。寺の長男として生まれ、9歳で東本願寺の宗徒として僧籍に入る。その後、画家となることを決心した秋聲は、京都で日本画を学び、緻密な描写を体得していく。4章構成となる本展、第1章「はじまり 京都での修業時代」では、秋聲の京都での修行時代の作品を紹介していく。いずれも小早川秋聲(左)《誉之的》明治末期〜大正期 個人蔵 (右)《楠公父子》(二編)明治末期〜大正期 個人蔵いずれも小早川秋聲(左)《回廊》1914年頃鳥取県立博物館(中央)《清夢》 個人蔵(右)《長江所見》(上部 扇面は橋本関雪)1916年 個人蔵秋聲は無類の旅行好きであった。国内はもちろん、その時代は珍しく複数回、中国に渡航し、1922〜23年にかけてはアジアからインド、エジプト経由でヨーロッパに遊学。また、1926年には北米大陸へわたり、日本美術を紹介してまわった。第2章「旅する画家 異文化との出会い」は、小早川秋聲が旅先で刺激を受け、より明るく華やかな画風に変化を遂げていく作品が並ぶ。いずれも小早川秋聲(奥)《絲綢之路》大正期鳥取県立博物館(手前)《玩具絵巻》1916年鳥取県立博物館第2章展示風景より小早川秋聲による海外の風景いずれも小早川秋聲(左)《五月晴》1931年頃個人蔵(右)《長崎へ航く》1931年個人蔵しかし、時代が進み満州事変が勃発してからは、秋聲も否が応でも戦争に巻き込まれていく。従軍画家として戦地に赴いた秋聲は、自身の従軍経験もあったためか他の画家とは一線を画す叙情的な戦争画を描く。第3章「従軍画家として《國之楯》へと至る道」では代表作ともされる《國之楯》を下絵と並んで紹介する。いずれも小早川秋聲(左)《護国》1934年 個人蔵(右)《御旗》1936年京都霊山護国神社(日南町美術館寄託)いずれも小早川秋聲(左)《國之盾》1944年、1968年改作京都霊山護国神社(日南町美術館寄託)(右)《國之盾(下絵)》 1944年頃 個人蔵《國之楯》は陸軍省の依頼で描かれたものだが、受け取りを拒まれたもの。制作当初は体の上に桜の花が積もるように描かれていたものの、後に黒く塗りつぶされている。戦後は体調を崩したこともあり、大作は制作せず、仏画や小品などを描くようになった。第4章「戦後を生きる静寂の日々」では、戦後から1974年に亡くなるまでの秋聲の作品を紹介する。いずれも小早川秋聲左から《春寒賜浴》1960年頃 個人蔵、《吉羊黄初平》1945〜74年 園重寺、《延年益寿》1945〜74年 個人蔵、《山を出でます聖》1946年個人蔵秋聲の死後、彼の存在や画業はしばらくの間忘れられていた。彼がふたたび注目を浴びるようになったのは、没後約20年後の1995年のこと。美術雑誌『芸術新潮』で《國之盾》が紹介されたことがきっかけとなり、再評価の機運が高まっていった。いずれも小早川秋聲(左)《聖火は走る》1963年 個人蔵(右)《聖母子像》1945〜74年園重寺このような経緯があるため、小早川秋聲は《國之盾》など戦争画のイメージが非常に強い。けれども、日本中、世界中を旅し、叙情に富んだ作品を描き続けた側面も見逃してはならない。さまざまな魅力を見せてくれる小早川秋聲の画業を、この機会に見渡してみよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】『小早川秋聲 旅する画家の鎮魂歌』10月9日(土) ~ 11月28日(日)、東京ステーションギャラリーにて開催
2021年10月26日照明器具を作ったosaka(@osakaplush)さんは、実際に使用した光景を撮影し、Twitterに投稿。元ネタを知っていると笑ってしまうであろうデザインに、多くの人から反響が上がっています。あの『成金栄華時代』を照明器具にしたら…!?osakaさんがモチーフにしたのは、漫画家である和田邦坊さんの『成金栄華時代』という作品。第一次世界大戦による好景気で大きく儲けた人(通称:成金)を描いた風刺画です。描かれているのは、料亭の玄関で「暗くてお靴が分からないわ」という女性と、「どうだ明るくなったろう」といいながら百円札に火を点ける成金男性の姿。日本史の教科書によく掲載されるため、この説明を聞いて実際の絵を思い出す人は多いでしょう。あの有名な風刺画を照明器具にした結果、どのような光景ができたかをご覧ください。どうだ明るくなったろう間接照明を作りました pic.twitter.com/b7pVge4kVB — osaka (@osakaplush) October 15, 2021 明るくてお靴が分かりやすい…!自宅の玄関に置くと、まるで自分が靴を探す女性になったかのように!これなら、玄関が暗くてもすぐに靴を探し当てることができそうですね。微笑みながら百円札で照らしてくれる成金男性が、なんだか愛おしく見えてくるのは気のせいでしょうか…。ユーモアセンスあふれる照明器具は多くの人の心を奪い、11万件を超える『いいね』が寄せられました。・センスの塊かよ。これは玄関に置きたくなる。・最高の発想!点灯したら「どうだ明るくなったろう」って音声が流れてほしい。・この風刺画、懐かしい!成金おじさんがかわいく見えてきた…。ライトで点灯しているため、これなら何度靴を探しても成金男性の懐が痛むことはなさそうです。…とはいえ、何度燃えたとしても成金男性ならまったく気にせず、あの笑みを浮かべ続けることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年10月17日一般社団法人 ARTJAPAN和SOCIETY(所在地:東京都稲城市、理事:長尾まこ)は、コロナ禍の中感染対策を万全に行い、伊東正次の日本画屏風絵と今回のイベントの為に特別に制作した映像と共にキム・シンのシンセサイザー演奏を聴くリアルタイムイベントを埼玉県さいたま市にある埼玉会館で開催いたします。詳細URL: 回帰■今、日本画を観たい人関心がある人が急増しています。江戸時代の伊藤若冲の「若冲展」では1カ月の会期中約44万人の入場者を記録したのをはじめ最近では映画「HOKUSAI」など多くの話題を集め、日本画に注目が集まっています。また私たちも日本画大和絵師伊東正次(いとうまさつぐ)を中心とするイベントを企画して盛況を博しています。■東日本大震災から10年、そしてコロナ禍で混迷する現在を未来への希望へと繋ぐことをテーマにシンセサイザー奏者であり作曲家であるキム・シンは、NASA 国際宇宙ステーションそして若田光一宇宙飛行士、山崎直子宇宙飛行士などの協力を得て「音楽で地球を包みたい」という壮大な音楽活動を実現しています。コロナ禍で先が見えない不安といつまで続くのかわからない制限された日々。その中でストレスを抱えている多くの人々を映像と日本画屏風絵の組み合わせで私たちの美しい日本、地球そして宇宙へと誘い、壮大で繊細なキム・シンの音楽で開放感と癒しそして未来への希望を見いだしてもらいたいと思っています。■イベント概要名称 :「回帰」日程 :2021年11月16日(火)18:00開場 18:30開演会場 :埼玉会館小ホール所在地 :埼玉県さいたま市浦和区高砂3-1-4参加費 :5,000円(税込み 全席自由)定員 :400名出演 :キム・シン 伊東正次主催 :一般社団法人 ARTJAPAN和SOCIETYチケット発売日:2021年9月25日土曜日チケットのお問合せ:一般社団法人 ARTJAPAN和SOCIETY(090-6933-5838) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月24日フランス・シャンパーニュ地方にあるランス美術館は、ルーヴル美術館に次いでカミーユ・コローの作品を多く所蔵するなど、19世紀の風景画が充実していることで有名。本展『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ』では、このランス美術館のコレクションから厳選した約80点の名作を通して、印象派の中核ともいうべきフランス近代風景画の歴史をたどる。18世紀以前の西洋美術において、風景画は崇高な神話や歴史画の背景にすぎなかった。けれど18世紀末から19世紀初頭にかけて、その風景画に注目が集まり始める。この動きは革命後の社会の変化、新興ブルジョワジーの台頭、産業革命と都市化による田園風景への憧れなど、当時新しく生まれた価値観を受けて引き起こされたもので、画家らはアトリエを出て屋外で風景をスケッチし始めた。そんな風景画家の中でも特に注目を集めたのは「バルビゾン派」と呼ばれる画家たち。彼らはパリ郊外にあるフォンテーヌブローの森に隣接するバルビゾン村に滞在し、大作を生み出してゆく。その写実的な作風がモネやルノワール、シスレーなど19世紀後半に活躍する印象派の画家たちに受け継がれていったのだ。こうしたフランス印象派の成り立ちを余すところなく紹介したのが本展。近代画家の先駆者であるミシャロンやベルタンに始まり、コローやクールベ、ブーダン、さらに印象派のモネやルノワール、ピサロまで、19世紀フランス絵画の巨匠の作品が一堂に会する。会場では時系列に章が展開し、関連する資料も数多く登場。例えばチューブ式絵の具や、エッチング(腐食銅版画)の発明が風景画の発展を加速させたことなど、文明が美術に大きく影響を及ぼしている様子がよくわかる。いま話題となっているデジタルアートも、過去の名作も、技術の発展が新しい芸術を生んでいるという事実は変わらない。心が洗われるような異国の美しい風景画とともに、そんな普遍性にも気づかせてくれる、発見のある内容だ。コンスタン・トロワイヨン《ノルマンディー、牛と羊の群れの帰り道》1856年Inv. 907.19.234ランス美術館©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerジャン=バティスト・カミーユ・コロー《湖畔の木々の下のふたりの姉妹》1865‐70年Inv.887.3.82ランス美術館©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerクロード・モネ《べリールの岩礁》1886年Inv. 907.19.191ランス美術館©MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerピエール=オーギュスト・ルノワール《風景》1890年頃Inv. 949.1.61ランス美術館©MBA Reims 2019/Photo : C.DevleeschauWer『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ』SOMPO美術館東京都新宿区西新宿1‐26‐16月25日(金)~9月12日(日)10時~18時(入館は17時半まで)月曜休(8/9は開館)一般1500円ほかTEL:050・5541・8600(ハローダイヤル)※『anan』2021年6月30日号より。取材、文・山田貴美子(by anan編集部)
2021年06月29日繊細な色使いと卓越した画力で人気を博した日本画家、渡辺省亭。明治時代から大正時代にかけて活躍した省亭の作品は、その色使いや繊細な表現などに注目が集まり、再評価の機運が高まっている。現在、東京芸術大学大学美術館で開催されている『渡辺省亭―欧米を魅了した花鳥画―』も、その動きの一つ。展覧会は5月23日(日)まで開催されている。幕末の江戸に生まれ、生涯を浅草で過ごした渡辺省亭は、16歳で歴史画家・菊池容斎に入門。明治に入りパリ万博に日本画家として派遣され、当地で高い評価を受ける。その卓越した筆さばきは、現地で評判を呼び、印象派の画家たちに感嘆を与えたと言われている。ドガもその一人で、省亭に目の前で描いてもらっていたという。第一会場 展示風景よりしかし、省亭はある時期から中央画壇とは距離を置くようになった。そのため、1918年に彼が亡くなった後は、次第にその活動や名前は忘れられていったという。本展は、没後約100年の間に、知る人ぞ知る作家となってしまった渡辺省亭の業績を改めて振り返る回顧展。これまで知られてこなかった個人コレクションや、アメリカのメトロポリタン美術館などからの作品を元に構成されていく。第一会場で渡辺省亭の生涯についての映像を鑑賞した後、作品のある第二会場へ。まず目に入るのは、迎賓館赤坂離宮の「花鳥の間」のために描かれた七宝額の原画。羽の細部まで描きこまれたカワセミやカモ、色鮮やかなロブスターが会場を飾る。無線七宝の技術を開発した濤川惣助の手によって七宝額絵化され、現在も迎賓館赤坂離宮に欠かせない装飾となっているという。迎賓館赤坂離宮 七宝額原画そして、彼の得意とした花鳥画が展示される。メトロポリタン美術館所蔵の《花鳥魚鰕画冊》は省亭が得意としていた花鳥だけでなく、たゆたう金魚や跳ねるカレイなども描かれており、その表現力の幅広さに驚かされる。《花鳥魚鰕画冊》よりまた、師匠である菊池容斎から学んだ歴史画や風俗画なども、省亭は数多く描いていた。あらゆるものを省亭は巧みに描くことができたのだ。《寿老松竹梅鶴亀図》1908年続いて、会場全体が華やかな雰囲気に満ちた第三会場へ。展覧会のポスターやチラシにも採用されている《牡丹に蝶の図》のほか、繊細な描写を一点ずつじっくりと鑑賞できる、工夫をこらした空間構成となっている。《牡丹に蝶の図》1893年《群猿》展示風景ちなみに、省亭は自ら編集した多色摺木版による雑誌「美術世界」を発行もしていた。江戸時代からの多色摺木版の技術を蘇らせ、北斎などの作品を翻刻掲載していた。その美しさは日本のみならず、海外でも評判を呼び、数多く輸出されていたという。「美術世界」春陽堂刊1890~94年花鳥画はもちろんのこと、あらゆる分野で卓越した技術力、表現力を発揮していた渡辺省亭。この展覧会をきっかけに、多くの人々に注目される存在になることは確実だ。この機会に、彼の名前と作品をしっかりと覚えておこう。取材・文:浦島茂世『渡辺省亭―欧米を魅了した花鳥画―』3月27日(土)~5月27日(日)、東京藝術大学大学美術館にて開催※会期中展示替えあり
2021年04月23日シャンパンの産地として知られる、フランス・シャンパーニュ地方の都市、ランス。その中心に建つランス美術館は、19世紀の風景画コレクションの充実ぶりで知られており、なかでもカミーユ・コローの作品は、ルーヴル美術館に次いで数多く所蔵されている。6月25日(金)より、SOMPO美術館にて開催される『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ』では、ランス美術館のコレクションを中心とした選りすぐりの名品約80点が来日する。神話画や歴史画の背景に過ぎなかった自然が、絵の中心として描かれることで誕生した西洋美術の風景画は、19世紀フランスにおいて、鉄道網の発達、チューブ式絵具の発明、また新興ブルジョワジーの台頭などを背景に、新たな展開を遂げ、戸外制作を積極的に行った画家たちの眼差しを通し、生き生きと表現されるようになった。同展では、こうした新たな流れの先駆者であるミシャロンやベルタンにはじまり、コロー、バルビゾン派、ブーダン、そしてルノワール、モネ、ピサロら印象派の作品を中心に、油彩、版画を紹介。コローやバルビゾン派にはじまり、印象派でひとつの頂点に達するフランス近代風景画の展開を丁寧にたどっていく。ジャン゠バティスト・カミーユ・コロー《湖畔の木々の下のふたりの姉妹》1865–70年Inv.887.3.82ランス美術館 (c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerテオドール・ルソー(1812–1867)《沼》1842–43年Inv. 907.19.227ランス美術館(c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerウジェーヌ・ブーダン《ベルク、出航》1890年Inv. 907.19.34ランス美術館 (c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerカミーユ・ピサロ 《ルーヴル美術館》1902年Inv. 907.19.208ランス美術館 (c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerクロード・モネ《ベリールの岩礁》1886年Inv. 907.19.191ランス美術館 (c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwerピエール゠オーギュスト・ルノワール 《風景》1890年頃Inv. 949.1.61ランス美術館 (c) MBA Reims 2019/Photo : C.Devleeschauwer【開催概要】『ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ』会期:6月25日(金)~9月12日(日)会場:SOMPO美術館開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜(8月9日は開館)SOMPO美術館公式サイト( )
2021年04月07日