他国と比べても女性の家事・育児負担が重い(※画像はイメージです)少し前、国立社会保障・人口問題研究所の「第7回全国家庭動向調査結果」概要が発表されて、ニュースになりました。それによると、妻が60歳未満の夫婦の平日1日の平均の家事時間は、妻が247分、夫は47分でした。夫の家事時間は、毎年微増しているもののまだ少なく、女性が約8割を負担していることになります。一方、同調査で、妻が50歳未満で12歳未満の子供がいる世帯における1日の平均育児時間は、妻は平⽇ 524 分(8 時間 44 分)休⽇ 724 分(12 時間 4 分)で、夫は平⽇ 117 分(1 時間 57 分)休⽇ 423 分(7 時間 3 分)でした。育児も、女性が約7割を負担しています。厚生労働省の「男女共同参画白書」には、6歳未満の子供を持つ夫婦が、家事や育児にどのくらいの時間を使っているのかを国際比較した表があります。日本、アメリカ、ヨーロッパでは1日平均8時間を夫婦で分担しているようです。そんな中、日本だけが妻の家事・育児関連時間が7時間34分と突出して長く、反対に夫の時間は1時間23分とあまりにも短いのがわかります。海外には男女差が3倍を超える国はなかなかなく、日本は他国に比べて突出して女性ばかりが家事と子育てを担っているのです。厚生労働省「男女共同参画白書平成30年度版」より日本の女性は睡眠時間が世界的に見ても短い今では昔と違って共働き率は5割を超え、パートタイムやアルバイトも含めれば外で仕事をしている女性はとても多いといえます。それなのに家事や子育てのほとんどを女性が担っているのは、明らかにアンバランスでしょう。朝早く起きて朝食やお弁当を作ったり、子供の世話をしたり、食器を洗って片付けたりと家事をしてから、子供を送って仕事に出かける。仕事が終わった途端にダッシュで子供を迎えに行き、夕食を作って食べさせ、お風呂に入れて、全身のケアや歯磨きをして寝かしつけてから再び家事、さらにそれが終わったら持ち帰った仕事……と働きづめの女性は少なくありません。だからこそ、日本の女性は世界で一番睡眠時間が短いと言われているのでしょう。実際、OECD(経済協力開発機構)による2021年版の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、33カ国の中で最も短いことがわかっています。さらに厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性が37.5%、女性は40.6%と、女性のほうがより睡眠不足です。もちろん、男性のほうが長時間労働を強いられやすく、育休などを取りづらい現実はあるでしょう。男女とも長時間労働を強いられず、きちんと有給が取れる社会になるようにしなくてはいけません。ただ、同程度の拘束時間の共働きでも、家事や育児をしない男性も少なくありません。また女性が専業主婦で家事をメインの仕事としているケースがあるのもわかります。でも、だからといって全ての家事を女性に丸投げするのはおかしいですし、育児に関しては夫婦2人ともでやるほうが、夫婦関係、親子関係もよくなるでしょう。片方だけが家事や育児を行うことは「リスク」女性だけで家事や育児をすることは、大きなリスクです。まず、寝不足でワンオペばかりしていると、心身の調子を崩してしまうかもしれません。特に産後の女性は出産によるダメージが残っていますし、「産後うつ病」のリスクが高くなります。次に、そうしてお母さんが心身の調子を崩したり、入院などによって家事や育児ができなくなったら、誰がそれらを担当するのでしょうか。お父さんも普段からきちんとやっておけば、いざというときも安心です。また、父親と母親の両方が関わったほうが、子供の発達によいという研究結果も出ています。そもそも、複数人で関わったほうが視点が増えますし、違う価値観に触れさせてあげられるという点でもいいでしょう。ですから、ご夫婦間で家事や育児の時間が違いすぎて大変な場合は、ぜひ話し合いをしてみてください。もちろん、それぞれの仕事の拘束時間、生活習慣、価値観などによって最適な分担割合は違うと思いますが、少なくとも一方だけに押し付けるのはいけません。そして、もしも家事や育児を「手伝う」という意識の人がいたら、その考えを今すぐに変えましょう。当事者だという意識を持ってください。自宅で家事も育児もしないのは、会社に例えたら同僚同士で片方だけが仕事をしないということなので、本来ならいたたまれないはずですよ。参照)国立社会保障・人口問題研究所の「第7回全国家庭動向調査結果」この記事の監修者小児科医森戸やすみ 先生小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。連載◆PRESIDENT Online/小児科医と考える「日本を子育てしやすい国にする方法」◆東京すくすく/森戸やすみのメディカルトーク◆月刊誌・母の友(福音館書店)/子どもの健康Q&A→記事一覧へこの記事の執筆者編集者・ライター大西まお出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。→記事一覧へ
2023年10月16日赤ちゃんは、寝返りができるようになると思いもよらない場所まで動くようになり、びっくりさせられることもしばしば。今回ご紹介する日本育児の「ミュージカルキッズランドDX」は、赤ちゃんが歩くようになってからも使えて便利だったので、ご紹介します。 ベビーサークルを購入したきっかけわが子は生後3カ月ごろからベビーベッドではあまり寝なくなり、日中はリビングの床に寝かせて自由にさせていました。そのうちハイハイで動き出すようになると、リビングを動き回るようになり、スリッパなど手当たり次第に物を舐めるようになりました。 さすがに不衛生ですが、リビングに何も置かないわけにもいかず、子どもがいる場所とそれ以外の場所を分けようとベビーサークルを買うことにしました。 最初に買ったベビーサークルは失敗最初に購入したのは、大きさが固定されている約1平方メートル四方のベビーサークルでした。四面ともメッシュで、出入りする面にはジッパーがついています。その中に子どもを入れてジッパーを閉めてみましたが、いくらメッシュ越しに大人が見えても閉じ込められたのは分かるようで、子どもは泣いて嫌がりました。 結局このベビーサークルはジッパーを開けっ放しにして、中に入ったり出たりするだけのただの遊び場となりました。 ミュージカルキッズランドDXは自由自在 パネルを繋げて子どもを囲うタイプのほうがサイズや置く場所も柔軟に変えられると思い、日本育児の「ミュージカルキッズランドDX」を購入しました。購入価格は12,800円(税込)。子どもだけを囲ってしまうとまた嫌がるので、パネルを一列に並べました。 リビングの半分を子どもと大人が一緒に過ごせる安全なスペースにし、家族みんながパネルの内側で過ごすようにしました。パネルの一部には大人が出入りする扉や、音の出るおもちゃや鏡などがついています。子どもだけを隔離しないので、今度は泣きませんでした。 ベビーサークルがあると子どもの安全が確保でき、大人も安心して生活できます。パネルタイプの「ミュージカルキッズランドDX」は、部屋のレイアウトや子どもの成長に伴って置き方を変えたり、枚数を調整したりと、応用がきいて便利です。著者:佐藤あおい海外在住の一児の母。主に妊娠・出産・海外子育てなどのジャンルで、自身の経験を元にライターとして活動中。 ※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2019年05月13日男性でも育児休暇が取得できるようになったりなど、父親の育児参加の”チャンス”は今後も増えるであろう日本。”イクメン”という言葉を聞くようになって久しいですが、実際のところ、その実態はどうなんでしょうか?今回はパパの育児事情についてのお話です。■ 育児に対する満足度、パパとママの間に大いにギャップあり!Q.育児に積極的に関われていますか?”クラシエフーズ”が実施した、「パパと子どものコミュニケーションに関する意識調査」によると、育児に対して積極的に関わっていると回答した父親は全体の約8割(「積極的」29.0%、「どちらかといえば積極的」50.5%の合計)。何とも素晴らしい結果ですが、母親目線で見てみるとどうでしょうか?Q.父親の育児への関わり方について満足していますか?このアンケートによると全体の56.5%が「満足している」(「満足」20.0%、「まあ満足」36.5%の合計)と回答したようです。母親の半数以上が、満足と回答しているのであれば合格ラインですが、父親のそれとはかなりギャップがあることが判明!父親の育児、もしかすると自己満足で完結されている方が多かもしれません。Ushico / PIXTA(ピクスタ)■ どうやればいい?”子どもと遊ぶこと”に困っている父親たち育児に対しての自己評価は高そうな父親たち。しかし、平日は仕事で忙しく、帰宅時間には既に子どもが寝ている……。そんな家庭が多い中で、父親の育児参加は週末が勝負!と言いたいところですが、父親が子どもと遊ぶ上での困りごとは結構深刻。「充分な時間が確保できない」というのはある程度理解できますが、「体力的に辛い」については、母親はたとえ風邪をひいても子どもと遊ぶんだけど……と筆者なら言いたくなります。Satoshi KOHNO / PIXTA(ピクスタ)また「何をすべきか分からない」「自分自身が楽しくない」という回答が挙がることはちょっと残念な印象ともとれます。しかし、女の子のお子さんであれば、”女の子らしい遊び”の経験が少ない父親は困ってしまうかもしれません。実際に筆者の娘はお人形ごっこやお姫様ごっこが大好き。夫はどうすればいいか最初は戸惑っていました。A_Team / PIXTA(ピクスタ)子どもと過ごす時間が父親の倍以上、と言われる母親たちは、父親に対しどんな遊びを期待しているのでしょうか?■ 母親が父親に”子どもと一緒にしてほしいこと”とは?母親に対して、”父親に子どもと一緒にしてほしいこと”を尋ねたところ、一緒に散歩や公園で遊ぶ70.5%スポーツ56.5%旅行など遠出をする55.5%キャンプなどアウトドアをする43.5%遊園地へ出かける43.5%上記のような結果となりました。母親は父親に「スポーツ」や「アウトドア」をしてほしいと感じていることが分かります。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)母親は、父親しかできない体を使う遊びや、家族を巻き込んで遊んでほしいと感じているようです。いかがでしたか?厚生労働省の調査によると、日本人男性の育児時間は欧米と比較すると非常に短く、”子育てと仕事両方を重視したい”という意識はあるものの、現実は仕事を優先しているそう。夫の家事・育児参加の時間が長いほど、第二子以降の出生割合が高いというデータもあります。平日は遊ぶ時間が取れないのは、どの家庭でも珍しくありません。父親との遊びを”楽しい”と評価するのは、子ども。そして遊ぶ時間は、”量より質”。YUJI / PIXTA(ピクスタ)母親たちは子どもとずっと遊んでいるわけではありませんし、手抜きして遊ぶことだってあります。父親の皆さん、まずは子どもの興味に目を向けることから始めてみてはいかがでしょうか?【参考】※クラシエ 子どもとおかしのアンケートVol.6パパと子どものコミュニケーションに関する意識調査※父親も子育てにかかわることができる働き方の実現について-厚生労働省
2018年07月12日フィンランドの“育児パッケージ”を知っていますか? 福祉大国のフィンランドでは、出産を控えた妊婦さんに、赤ちゃんに必要なベビー服や小物、ケア用品などのベビーグッズ1年分が無料で贈られるうれしいシステムがあります。※こちらは「FINNISH BABY BOX」のオリジナル版以前にフィンランド大使館で育児パッケージのお披露目会があり、実物を見てきました。やさしいパステルカラーの北欧デザインのおしゃれなベビー服とグッズがぎっしりと詰まったボックスをもらえるなんて、「うらやましい!」と思ったのを覚えています。妊婦さん、そして家族も嬉しい育児パッケージが日本で買える唯一のオンラインショップが「FINNISH BABY BOX」。育児中のパパ3人がはじめたという「FINNISH BABY BOX」のCEOヘイッキ・ティーッタネンさんと、PR兼通訳のミッコ・コイヴマーさんが来日した際に、話を聞いてきました。※写真左がミッコさん、右がヘイッキさん 育児パッケージが届いたときの感動。親になる実感、育児の楽しみを伝えたいヘイッキさんは、6歳、4歳、2歳の子どものお父さん。初めての出産を控えたときに育児パッケージが届き、その中身に感動。自分がパパになることを改めて実感したと言います。ヘイッキさん自身は3人のお子さんが産まれた後に、それぞれ育児休暇を取得。3人合わせて、合計14カ月間育児休暇を取ったそうです。「育児休暇中は、奥さんは仕事に復帰していて、私が子どもの世話をしていました。育児は大変なことも多いけれど、すてきなこと、楽しいこともたくさんある。それを育児パッケージで伝えていきたい」ヘイッキさんと同じように子どもがいる3人のパパが集まり、2014年夏に「FINNISH BABY BOX」がスタートしました。初めはアメリカ、カナダ、中国など11カ国から注文を受けました。日本での販売が始まったのは、2015年の夏から。今では注文の約4割が日本からという人気ぶりで、世界81カ国から注文を受けているそうです。※こちらは「FINNISH BABY BOX」のムーミン版「FINNISH BABY BOX」は、その国の気候や気温、月齢に合わせて中身をセレクト気になるのが、その中身。フィンランドと日本の気候やライフスタイルは大きく異なるので、どういうふうに中身をセレクトしているのかが気になります。「その国の気候や気温、赤ちゃんが冬を迎える時期に生後何カ月になるか、注文を受けるときに確認して、中身を選んでいます。最初は、フィンランド政府が作ったパッケージをまねていましたが、それではいろいろな国の人のニーズに対応できない。たとえば、冬が寒いフィンランドのアウターは、東京で使うには厚手すぎる。またお客さんからのフィードバックも大事にしています。フィンランドでは、新生児でも上からかぶるタイプの服が多いですが、日本はラップタイプが主流です。またフィンランドでは、足付きロンパースやサスペンダー付きのパンツが一般的ですが、日本ではつま先がないもの、普通のパンツが多い。お客さんのニーズに合わせて、中身もバージョンアップさせています」一番の魅力は、北欧らしいおしゃれでカラフルなテキスタイル。トップスやパンツは、1枚で2〜3通りの組み合わせができるよう、柄物と無地のものがバランス良くセットされています。このとき見せてもらった柄は、スイカと鳥の羽根。他にはない個性的な柄、またビビッドからスモーキーなカラーまで、色のセンスも抜群です。ちなみに、男女両方の赤ちゃんに使えるよう色も偏りなく入っています。オリジナル版に加え、ここでしか買えないアイテムが揃うムーミン版も「FINNISH BABY BOX」では、オリジナル版(5万4000円)に加え、ムーミン版(6万9000円)も販売しています。オリジナル版には、日本にまだ上陸していないブランド「reima」(レイマ)社のアイテムが数多く入っているそう。「reima」は、高品質でプレミアムなブランドとして、フィンランドで人気のブランドです。ムーミン版のアイテムは、ほとんどがオリジナルで、「FINNISH BABY BOX」でしか購入できないものばかり。日本でよく見るムーミンとひと味違い、珍しい柄や個性的な表情のムーミンがなんとも魅力的です。お値段は少々高めですが、46、7点ものグッズが入っていること、質の高いベビーウェアやグッズを厳選している、日本未入荷の服やアイテムが手に入るプレミアム感を考えると、決して高くないように思います。また、育児パッケージ一式が入った箱は、ベビーベッドとして使えます。中にマットレスがついていて、付属のベッドシーツをかければ、そのままベッドに。箱は頑丈な紙でできているので、ベビーベッドとしての役目を終えたら、おもちゃ入れや道具入れ、また処分するのが簡単なのもうれしいポイントです。今後については、「0歳から1歳までのものだけでなく、幼児(1歳~2歳くらい)のボックスも作りたい。また個人の方以外にも、自治体や企業にも出産のギフトとしてぜひ採用してほしい」と話してくれました。出産を控えている人はもちろん、友人同士で合同の出産祝いを考えている人、おじいちゃんおばあちゃんからのギフトとしてもぴったりな育児パッケージ「FINNISH BABY BOX」をぜひチェックしてみてください。「FINNISH BABY BOX」<写真・文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年09月25日「うちの旦那は育児に全然参加してくれなくて…」これはよくある主婦の愚痴ナンバーワンに挙げられる不満であろう。確かに日本の子持ち男性の、家事・家族ケアに当てる時間は先進国の中でも最下位だ。しかし、この不満をすべて旦那さんにぶつけていいわけではない。日本の家庭にない「余裕」国際社会調査プログラムが先進38ヶ国に実施した「家族と性役割に関する意識調査」において、日本の男性が育児や家事に参加する割合は、18.3%で最下位であった。(参照元:Newsweek)上位に名を連ねた、スウェーデンやデンマークといった北欧の国の参加率約50パーセントとは対照的だ。ただ、この結果をすべて男性のせいにしてはならない。そもそも、日本には女性にとっても男性にとっても、育児に余裕を持てるような制度が整っていないのである。まず挙げられるのは、教育費の問題だ。OECD加盟国34カ国中、日本の教育機関への公的支出の割合は、ワースト1位。(OECD調べ)さらに国際社会調査プログラムが行った別の調査では、「就学前の子どもの世話はまず誰がするべきか」という設問において、男性の育児参加率が高いスウェーデンやデンマークといった欧米諸国の90パーセント近くが「政府」と答えているのに対し、日本では75パーセントもの人が「家庭」だと答えているのだ。(参照元:Newsweek)このことからも分かるように日本ではまだまだ育児=家庭で行うものという風習がある。すべてを抱えなければならない日本では育児にゆとりがなくなってしまうことは当然だ。“パパ”が集まってつくる「クレヨン」しかし、もし育児に余裕が生まれたら。特に父親の育児参加が増えるとこんな素敵なことが起こるようだ。例えばアメリカでは古いクレヨンを新しく生まれ変わらせて寄付をするアイデアが、パパによって生まれた。
2017年01月29日こんにちは。海外在住プロママライターのさとうあきこです。国会議員の育児休暇取得に関する報道の盛り上がりを機に、育児休暇取得の是非や可不可がよく話題に上っています。法律的にも世間一般でも一応は認められている育児休暇ですが、実際に取得している男性はそれほど多くありません。その原因は、育児休暇取得になんらかのマイナス面があるからだと想像できます。せっかくの制度が十分に運用されないのは何故なのか?育児休暇取得の前に立ちはだかる壁と今後の課題についてまとめてみました。●男性の育児休暇取得を阻止するのは、パタハラと家族からの反対パタハラとは、父性を意味するパタニティにハラスメントをプラスした造語。平たくいうと、上司の理解や同僚の協力を得ることができず、育児休暇を取得できない・しにくい環境が作られている状態をいいます。「男は外で働き、女は内を守る」 という考えがまだ日本社会に根強くはびこっていることを思い出させてくれます。では、“家族からの反対”とは何か?夫が育児休暇を取れば、妻からは「経済的な不安」、親や兄弟といった親族からは「男なのに?」というパタハラと「出世に響くのでは?」という心配の声があがり、育児休暇取得を後押しするどころか、反対される ことも少なくないようです。●女性の育児休暇取得を阻止するのは、“復帰保証”が不十分だから男性の育児休暇が数週間から2、3か月といった短期間であることが多いのに対し、女性の育児休暇は半年から1年以上と長期間になることが多いです。育休を取得させる企業側としてはその間の穴埋め人事が必要となり、取得する本人が戻りづらい状況に陥りやすいという特徴があります。また、育児休暇から職場復帰した後も子どものための“休暇・遅刻・早退”や“時短勤務”が必要となりますが、それを理解してくれる企業は多くはありません。そのため、育休を取りたい人は「取得前と同じポストに戻れるのか?」 「取得前と同じだけの仕事内容をこなせるのか?」と不安を感じて取得を断念する傾向もあります。●パパの90%近くが育児休暇を取得するスウェーデンの例ちなみに、男女ともに育児休暇取得率の高い国スウェーデンでは、育児休暇は「取得するため」の制度として受け入れられているため、国民たちは法律で定められている夫婦で合わせて480日間という育児休暇を、「取らなきゃ損」と考えています。そう、彼らにとって、育児休暇は公的サービスや税金還付のように“当然の権利” なのです。スウェーデン人たちがそう考えるように至った経緯には、政府が“あの手この手”で後押しを続けていることが関係しています。480日間のうち男性だけが取得できる日数を設定することで、男性の取得を進め、取得期間も子どもが8歳になるまでと長期的視野に立っています。このような、政治的な決定という後押しが取得者数を押し上げ、その結果社会全体が「育児休暇を取得すべきだ」という風潮へと流れていく好循環を作りだしているのです。●日本の問題は育児休暇取得者例の少なさにあるこのように、日本で育児休暇が取りにくいという問題の根っこにあるのはシンプル極まりない事実、“ 育児休暇取得者数が少ない” ことにありそうです。日本政府もそれなりの後押し政策を考えていますが、スウェーデンに比べるとまだまだです。日本政府には、さらに強力なリーダーシップとパフォーマンスとで、育児休暇取得を盛り上げてもらいたいものです。そして、子どものいる親は育児休暇を取得するのが当然の社会が育てば、上司も同僚も親族も育児休暇を取得する可能性が高く、職場ではお互いに協力して穴埋めをするのが当たり前になってくるはずです。【参考リンク】・男性の育児休暇の取得に関する意識調査結果 | ユーキャン()●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)
2016年05月08日「おむつなし育児」を知っていますか?聞いたことはあるけれど、大変そう?私も第一子の育児中は、「無理!」と決めつけてまったくチャレンジしませんでした。でも、第二子の育児でゆる~くチャレンジ。今思えば、二人目の育児がとても楽だったのは、「なんちゃっておむつなし育児」のおかげかもしれません。「おむつなし育児」ってなに?「おむつなし育児」とは、「なるべくおむつをつけないで排泄させる育児法」です。近年、日本でも「おむつなし育児」が広まりつつあるようです。「おむつなし育児」の本を読むと、「ホーロー容器やおまるを用意しましょう」「排泄のパターンを記録しましょう」「家にいる時はおむつなしで」などと書いてあって、ハードルが高そう。「ただでさえ忙しいのに部屋が汚れそうだし、お出かけもするから無理!」としり込みしてしまいますよね。でも、普通におむつをつけて生活していても、無理なくできる「おむつなし育児」があります。実践!「なんちゃっておむつなし育児」わが家で試したのは、「赤ちゃんが小さいときから、ひんぱんにトイレに座らせる」ということだけ。生後3カ月ごろから、気がついたときに赤ちゃんをヒョイと抱えて、トイレの上に乗せていました。うまくタイミングがあえば、赤ちゃんは気持ちよさそうにおしっこやうんちをしてくれます。当たればラッキー。それだけで、おむつ交換の手間が減ります(おむつはパンツタイプを使用。汚れていなければ、パンツと同じ感覚で同じおむつをはかせても大丈夫です)。だんだん、条件反射のように、座る→出るというパターンができて、成功率も上がりました。ダントツで当たる確率が高いのは、寝起きです。大人も同じですよね。そのほか、授乳前後、お着替え前後、抱っこやおんぶから降ろしたあとも出やすいようです。夜の就寝時は無理をしません。ママも赤ちゃんも、ぐっすり眠ることが大事なので、普通におむつをつけて寝ます。外出するときも、もちろんおむつで。ママがお手洗いに行くときに、ついでに赤ちゃんも座らせてみるだけです。赤ちゃんとのコミュニケーションも「おむつなし育児」は世界的にみても珍しくない育児法です。 私は第一子を中国で育てていたのですが、中国人も、生後2~3カ月の新生児を洗面器の上に座らせて「シーシー」とやっていました。おむつなしで、おしりの上から直接「股割れズボン」をはいている赤ちゃんの姿も珍しくありません。アメリカでは、おむつなし育児はEC(Elimination Communication=排泄コミュニケーション)と呼ばれ、「排泄を通じて赤ちゃんとコミュニケーションをとる手段」とされています。たしかに、成功率を上げたくて、自然に赤ちゃんを観察したり、「出る?」「出ない?」とコミュニケーションを取ったりしていたように思います。私は、赤ちゃんに「おしっこ出たね」「うんち出たね」と話しかける際、おしっこならお腹の下をポンポンと叩く、うんちならおしりをポンポンと叩くサインを見せていました。そうすると、いつの間にか、赤ちゃんが自分でポンポンとジェスチャーしてくれるようになり、とってもかわいかったですよ。成功しました!!「なんちゃっておむつなし育児」さて、「なんちゃっておむつなし育児」の結果、わが子は1歳以降うんちをトイレでできるようになりました。2歳で夜の就寝中を除いておむつがほぼ必要なくなりました。おかげで子育ての負担が随分減ったと思っています。おむつやおしりふきシートの節約にもなりますね。良いことづくめでストレスフリーな「なんちゃっておむつなし育児」、気軽にチャレンジしてみては!?<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年04月28日このところ「おむつなし育児」という育児法が話題になっています。多くのママは、「おむつなし」と聞くと、まった全くおむつをしないの? 床や部屋が汚れはしないのかな? などと疑問に思うかもしれません。そこで今回は話題の育児法、「おむつなし育児」について解説、検証してみます。■「おむつなし育児」は、かつては日本でもやっていた「おむつなし育児」は、決して目新しいものではなく、布おむつも紙おむつもなかった時代、当たり前にやっていた方法です。いつのまにか日本では途切れてしまいましたが、今再び注目されています。簡単に言えば、「おむつの中でおしっこやうんちをすることを当たり前にせず、なるべくおむつの外でさせることで、赤ちゃんのうちに排せつの気持ちよさを伝えてあげる方法」です。言い換えれば、「おむつでうんちやおしっこをすると気持ち悪い」という感覚を当たり前にすることだといえます。■おむつをまったくしないわけではありません「おむつなし」とは言っても、普段はおむつをしています。赤ちゃんをよく観察して、おしっこやうんちが出そうかな? というタイミングでおむつを外し、なるべくおまる・トイレなどでさせてあげるのが、おむつなし育児の基本です。とはいえ、何がなんでもおむつなしで! と気合いを入れ過ぎる必要はありません。家ではおまるでしていても、外出時は紙おむつでしてOK! くらいの緩やかな気持ちで取り組むことがポイントです。「おむつを外す」ことが目的ではなく、赤ちゃんの頃から排せつの仕組みや楽しさを親子で共有することが最も大切な目的。そこが、いわゆるトイレトレーニングとは違うところでもあります。歌を歌ったり、掛け声をかけたり、時には遊んでみたりと、コミュニケーションしながら行うのもおすすめです。■ママにとって子育ての自信につながります! 出産してすぐは、赤ちゃんがどうして泣いているのか、何を求めているのかがわからなくて戸惑うママがほとんどです。でも、時間を重ねて赤ちゃんに向き合っていくうちに、だんだんと赤ちゃんの欲求に気付きやすくなっていきます。これと同じように、おむつなし育児を続けていくと、徐々に子ども自身のサインやタイミングが、自然にわかってくるようになるそうです。しかも赤ちゃんは自分の欲求がすぐに満たされるとご機嫌な時間が長くなります。それは、ママにとって育てやすさを感じることにも繋がります。また、排せつ以外の欲求も気付きやすくなることが多く、結果的に子育ての自信に繋がることにもなります。とある国では、生後数ヵ月間は、家の床に赤ちゃんを置いてはいけないという風習があり、赤ちゃんはずっと、スリングのような布の中でママに抱っこされて過ごすそうです。すると、赤ちゃんとママがずっと密着しているため、五感で感じ合うようになり、排せつのタイミングがわかるようになる、という話を聞いたことがあります。おむつなし育児とは、まさにこうした感覚なのでしょうね。■おむつなし育児を実践しているママに聞いてみました!「いつの間にか子どもの排せつのタイミングがわかるようになって、親として自信が持てたような気がします!」(6ヵ月の子のママ)「ずっと便秘がちでしたが、おむつの外に出すほうがたくさん出るようで、便秘も自然に解消できました!」(7ヵ月の子のママ)「以前は布おむつを使っていましたが、だんだんおしっこの量が増え、洗濯が大変になってきたので、おむつなし育児に切り替えました。今では助かっています」(5ヵ月の子のママ)「オムツ代が節約できます! しかもエコですよね」(8ヵ月の子のママ)「トイレでうんちやおしっこをすることに抵抗を感じることがなかったので、トイレトレーニングに苦労せずに済みました」(1歳6ヵ月の子のママ)おむつオムツなし育児とはつまり、赤ちゃんとじっくり丁寧に向き合うこと、そして、親子のコミュニケーションを豊かにするためのひとつの方法だと感じました。軽い気持ちで構わないので、興味がある人はぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
2014年09月19日