こんにちは。3人の子どもを子育て中の小児科医、保田典子です。最近、汗ばむ日も増えてきて、虫刺されの相談も増えてきました。赤ちゃんや子どもは蚊に刺されやすい感じがしますよね。なるべく虫刺されを増やさないために、親がしてあげられることをお伝えできたらと思います。 赤ちゃんは蚊に刺されやすいって本当?蚊は二酸化炭素やにおい、体温を感知して吸血をするとされています。つまり、運動や飲酒によって二酸化炭素を多く吐き出していたり、汗をたくさんかいていたり、体温が高い人が刺されやすいそうです。足の常在菌の種類が多いと刺されやすい、という研究もあります。 赤ちゃんや子どもは体温が高く、汗もよくかくことから、蚊に刺されやすいと考えられます。 感染症による後遺症、死亡例も蚊に刺されるとかゆくなりますよね。かゆいことでQOL(生活の質)が悪くなってしまいます。かきむしると、虫刺されや湿疹などをかきこわし、その傷口に細菌が感染する「とびひ」の原因になることもあります。 特に生まれたばかりの赤ちゃんはあまり症状がひどくならないのですが、幼児期は人生の中で一番かゆみや腫れが強くでやすい時期です。 「蚊アレルギー」と呼ばれますが、少し腫れるだけでは済まず、腕全体がパンパンに腫れてしまったり、水疱ができて痛みを伴ったりしてしまう人もいます。ひどいと発熱してしまう人もまれにいます。こうした症状が見られたら、すぐに受診してください。 さらに怖いのは、かゆみや腫れだけでなく、蚊を介してデング熱やジカ熱、日本脳炎といった感染症に感染してしまうことです。デング熱は高熱や嘔吐などの症状が出るほか、重症化すると死に至ることがあるので、早期受診が必要です(※注1)。 日本脳炎は突然の高熱、頭痛、嘔吐などを引き起こす病気で、発症すると後遺症が残ることもある感染症です(※注2)。対症療法が中心となるため、「蚊に刺されないための対策」と「予防接種」の予防が大切です。まずは蚊に刺されないことが大事!一番確実なのは虫よけを使うことです。虫よけ成分に含まれる「ディート」は、塗っていればほぼ蚊が皮膚に止まるのを予防できます。ただし、小さい赤ちゃんへの使用制限が定められています。 赤ちゃんが小さいためディートを使えない、もしくは使いたくない場合は、赤ちゃん用のハーブなどを使った虫よけや、使用回数などに制限がない「イカリジン」という成分を含んだ虫よけもあります。市販の虫よけ商品を購入する際は、お子さんの月齢などにあわせて、有効成分を確認すると良いでしょう。 他にできることとしては、蚊はボーダーや黒い色に集まってきやすいため、白い長そでの洋服を着ることでもある程度予防になります。ただ、汗をかくと蚊が寄ってきやすいため、薄手のものにしましょう。足の臭いを抑える、菌の繁殖を抑えるという意味では、お風呂で足の裏を石けんなどでしっかり洗うことも予防になるかもしれません。簡単にできるので、ぜひお風呂で楽しみながらやってみてください。蚊に刺されてしまったら子どもが蚊に刺されても、特にかゆがっているなどなければ特に処置をする必要はありません。自然に腫れがひくのを待ちましょう。かゆがっていて、特にお薬などがない場合は、冷やすとかゆみが抑えられるのでやってみてください。 かきむしってしまう場合は市販のお薬でもいいですし、効果が足りないと感じる場合はかかりつけ医に受診しましょう。水疱ができて痛がっている、かいてしまってとびひになりそう、刺されたところ全体が腫れるなどの場合も受診が必要です。 子どもは「かかないで」と言ってもかいてしまうことも多いので、とびひにならないように爪を短く切っておくことも大切です。 今の時期から蚊の対策をしっかりと!まだ本格的に蚊がたくさんいる時期ではありませんが、もう蚊は飛んでいます。蚊に刺されないためにずっと家にいるのは子どもの発達や精神衛生上良くありません。外出する際は、虫よけや服装など対策をしっかりしましょう。 もし、刺されてしまってもかきむしったり、ひどく腫れたりするなどの反応がでなければ、あまり気にしなくて大丈夫。刺されない方法や刺されたときの対処法を事前に知っておくことで、慌てずに対処できます。ぜひ試してみてください。 ※注1:厚生労働省デング熱について※注2:厚生労働省日本脳炎監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
2021年05月30日こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。夏は外のレジャーも増えて、虫に刺されてしまう機会も増えてくると思います。今回は、特に虫刺されで多い蚊に注目して、虫刺されの予防と対処法についてお話ししていきます。 蚊による虫刺されを予防しよう! 赤ちゃんの皮膚はとてもデリケートです。虫刺されの腫れや痒みでかいてしまって悪化したり、痕が残ったりすることもあります。また、コガタアカイエカという蚊が媒介になって日本脳炎ウィルスに感染することもあります。まずは予防が大切です。服装は、肌の露出を避けるようにしましょう。長袖・長ズボン、首回りも日よけ付きの帽子でガードするのが理想です。しかし、赤ちゃんは体温が高く暑くなってしまうと思いますので、木陰や蚊が多くいそうな場所では、薄手のカーディガンやケープでおおうようにして調整しましょう。汗のにおいで蚊が寄ってくることもあるので、汗をかいたらウエットテッシュや濡れタオルなどでこまめに拭くようにしましょう。お部屋は、ベープやスプレー、吊り下げタイプの虫よけなどで対策をしましょう。 赤ちゃんの虫よけ対策虫よけスプレーは、赤ちゃん用を使用するようにしましょう。最も有効なのは「ディート」を含むものです。しかし、生後6カ月未満の乳児に使用しないことや年齢により使用回数が決まっているので、必ず添付されている注意書きに沿って使ってください。赤ちゃんへの虫よけには、「イカリジン」という成分を含むものが安全です。また、ハーブを使用したものもあります。ハーブは、シトロネラ、レモングラス、ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリーなどが効果的と言われています。虫よけスプレーやジェルは、日焼け止めを塗ったあとにつけるようにしましょう。追加で、虫よけリングやシールを使用したり、衣服にも虫よけスプレーをふきかけたりしましょう。 虫に刺されてしまったら?まずは、刺されたところを水で流すか、ウエットティッシュで拭くようにしましょう。そのあとに冷やします。これだけでも、痒みや腫れを抑えることができます。そのあとは、かかないようにヒスタミン入りの市販のかゆみ止めを塗るか、虫刺され用の皮膚パッチで保護します。パッチは、はがして口に入れてしまうことがあるので、月齢が低いお子さんに使用するときは注意しましょう。掻いてしまうことで水ぶくれになったり、かさぶたになるととびひになることもあります。赤くしこりになったり、水疱ができたりした場合には、皮膚科や小児科を受診するようにしましょう。 虫よけ対策を万全にしても、実際には、虫刺されを完全には防ぐことができないと思います。準備と早めの対応で悪化しないように心がけていきましょう。 ※引用・参考文献 金鳥HP 「イカリジンって何?」国立感染症研究所「日本脳炎とは」厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」独立行政法人 国民生活センター「虫よけ剤-子供への使用について-」 イラスト:(c)chicchimama監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年08月12日赤ちゃんが生後2カ月になると予防接種が始まります。予防接種にも定期接種と任意接種があり、それぞれのワクチンによって接種する年齢や回数などが違うので、スケジュール管理が大変……という方もいらっしゃるでしょう。今年、10月から赤ちゃんが激しい嘔吐や下痢を引き起こすロタウイルス胃腸炎のワクチンが任意接種から定期接種になるということをご存知でしょうか? それに伴い、予防接種のスケージュールについて厚生労働省が見直しをおこないました。 定期接種にロタウイルス胃腸炎のワクチンが追加赤ちゃんの定期接種には、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、DPT-IPV(4種混合)/3種混合・ポリオ、BCG、MR、水ぼうそう、日本脳炎*がありました。これらのワクチンに、ロタウイルスワクチンが2020年10月から加わります。 予防接種の大変なところは、やはりスケージュール管理。それぞれのワクチンによって接種する年齢や回数などが違うため、スケジュール管理をきちんとしないと打ち忘れてしまうおそれも。また、当日に赤ちゃんが体調を崩して予防接種が受けられなかった……ともなれば、スケジュールの変更を余儀なくされます。 *日本脳炎の予防接種は標準的には3歳におこないますが、生後6カ月から接種可能 ロタウイルスワクチンが加わってスケジュールはさらに複雑化!?医師の判断で複数のワクチンを同時接種も可能ですが、別の日に打つ場合、定期接種化されているBCG、MRワクチン、水ぼうそうなどの生ワクチンは接種後27日以上、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなどの不活化ワクチンは接種後6日以上の間隔をおくことになっていました。今回追加されるロタウイルスワクチンは生ワクチンなので、現行のとおりだと接種後27日以上間隔をあける必要があります。 しかし、ロタウイルスワクチンは口から接種するワクチンであるため、スタンプ方式でおこなうBCGや注射でおこなうそのほかの生ワクチンに影響を及ぼさないと考えられ、副反応が上昇するというエビデンスもないことから、欧米での予防接種の運用を参考に接種間隔の見直しがおこなわれました。 2020年10月からワクチンの接種間隔はどう変わる!?その結果、厚生労働省は、異なる種類のワクチンを続けて打つ場合に間隔を数日以上あけるよう定めていた制限を、ロタウイルスワクチンが定期接種に加わる10月から注射するタイプの生ワクチンを続けて接種する場合を除いて撤廃する方針となる予定です。 【予防接種の間隔】・注射でおこなう生ワクチンの次が注射でおこなう生ワクチンの場合は27日以上あける。 ・注射でおこなう生ワクチンの次が口から接種するワクチンや不活化ワクチンは制限なし。 ・口から接種するワクチンや不活化ワクチンは次に接種するワクチンがどのワクチンであっても制限なし。 ※1:特に医師が認めた場合、同時接種がおこなうことができる。※ 小児肺炎球菌やロタワクチンなど同一ワクチンを複数回接種する必要がある場合、接種間隔の制限は添付文書に従うこと。赤ちゃんの予防接種のスケージュール管理に苦慮していた方たちはもちろん、これから予防接種のスケジュールを立てようとしている方にとっても朗報と言えるのではないでしょうか? 予防接種を受けることで、予防できたり罹っても軽症化で済んだりする病気がたくさんあります。費用の面で検討するというご家庭もあるかもしれませんが、ベビーカレンダーでは、定期接種に限らず任意接種も受けることをおすすめしています。 ※2020年4月17日、誤字を修正いたしました。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年04月07日年齢を重ねるごとに減る抗体。風疹は2年から12年で予防接種の効果が下がるそう。子どものころに受けたからといって油断してると、思わぬ感染症にかかるかもしれないーー。「風疹や百日咳は子どもの病気だと思っていませんか。実は大人もかかるんです。原因は小さいころに打ったワクチンの効果が薄れることにあります」こう話すのは、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さん。小学生のころ、はんこ注射などの予防接種を受けた覚えのある人は多いだろう。でも、大人になってもう一度接種した人は少ないのではないだろうか。「平均寿命がまだ短かった昭和の時代なら、子どものときだけでよかったかもしれませんが、長寿社会の現代では通用しません。年齢を重ねるごとに、帯状疱疹(水ぼうそう)や百日咳、破傷風の抗体は減少します。50代以降は感染症の種類によっては、予防接種を受けていない人もいて、より感染リスクは高い。だからこそ“大人の予防接種”が必要なのです」そこで上先生に、50代以上こそワクチンを接種して予防したい感染症を教えてもらった。■破傷風細菌が体内に侵入して毒素をばらまくと、体がしびれたり、筋肉が硬直する破傷風。死亡率は30%で、重症化すると、背筋が極端にこわばり、背骨が折れることもある。「米国と比べると日本の感染症は約10倍で、患者の大部分は55歳以上です。ワクチンは30年程度で効果が薄れるといわれている。また、’67年以前に生まれた人は定期接種制度がなかったため、免疫そのものを持たない人もいます」破傷風菌は土の中にいる菌で、全国どこにでも存在する。「菌は手や足の傷口から侵入します。ガーデニングが趣味の人は要注意。50歳以降は米国と同様に、10年ごとに予防接種を受けることをおすすめします」■日本脳炎感染しても発症するのはわずかだが、死亡率は20〜40%と高く、有効な治療法がない。国立感染症研究所の報告では30代後半から抗体保有率が急激に下がる。「さらに注意したいのは、北海道出身者です。日本脳炎ウイルスは豚が持ち、蚊が媒介して人に感染しますが、その蚊が北海道には生息していないとの理由で、’15年度まで“予防接種の必要がない地域”とされ、子どもへの定期接種もありませんでした」■肺炎球菌「高齢者の場合、重症化すると死に至ります。とくに患者の70%以上を占める65歳以上の高齢者には、強く接種が求められています」65歳以上は、成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種対象者だ(公費負担、一部自費負担のケースも)。「ところが’14年の調査で、65歳の接種率はわずか約40%です」紹介した感染症の予防接種はすべて成人でも受けられる。しかし、肺炎球菌を除いて、費用は自己負担しなければならない。「米国では成人も保険適用でほとんどのワクチンを接種できますが、日本はまだ、そこまで制度が充実していません。ただ、たとえばインフルエンザと3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンを同時に打っても負担額は1万円程度。これで重篤な感染症を予防できると考えれば、高すぎるものではありません」自分だけではなく、大切な家族への感染を防ぐためにも、予防接種を検討してみよう。「女性自身」2020年2月18日号 掲載
2020年02月06日東京衛生病院小児科の保田典子です。私生活では7歳5歳3歳の子育て中です。夏も本番、本格的な暑さが続いていますね。今でも十分多くいますが、8月後半になるともっと増えてくる「蚊」。子どもは蚊に刺されやすいので、憂うつな季節ですよね。今回は赤ちゃんと虫よけについて解説したいと思います。 虫よけの種類を知りましょう虫よけには大きく分けて3種類あります。 1. ディートディートは昔から使われている虫よけです。蚊が嫌がる成分で、塗ったところに蚊がとまれないので刺すことができません。塗っていないところには蚊がとまれちゃうので、まんべんなく塗るとより高い虫よけ効果が得られます。神経毒性があるため、使うことを躊躇される方も多いですが、昔からさまざまな毒性の研究がされていて、決められた使用法を守れば安全に使えると私は考えています。ディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使用できず、生後6カ月以上でも使用量に気をつけなければいけません。 2. イカリジンイカリジンはここ数年前から日本で使われるようになった虫よけです。新しいイメージですが、ドイツでは20年ほど前から使われています。ディートは虫よけとしてかなり万能な効果がありますが、イカリジンは効果がある虫の種類がディートより少ないですが、イガリジンは使用制限がなく、ディートと同様の効果が得られると研究結果が出ています。 3. ハーブハーブ系の薬は虫が嫌がる匂いのハーブをいくつか組みわせて作ってあります。商品によってハーブの組み合わせが違うので、好きな香りのものを選んで使うというのも良いでしょう。「虫が嫌いな匂い」というものなので、使ったら確実、というほどではないと思っていてください。 赤ちゃんに虫よけを使うときはディートは生後6カ月未満の赤ちゃんには使えませんが、ハーブだからといって赤ちゃんに安全というわけではありません。私はアロマテラピーアドバイザーの資格を取ったことがあるのですが、生後6カ月未満の赤ちゃんはアロマも大人と違う濃度で使用します。イカリジンは生後6カ月未満でも使用可能です。 たとえば、ベビーカーで外出するときは蚊よけカバーをつけたりするなど物理的に防御したり、服の上に虫よけを使うなど工夫しましょう。 また、赤ちゃんに限らず、虫よけはスプレータイプよりもミストタイプがおすすめです。スプレーは口から吸入してしまいやすいので、喘息のある子などは特に避けたほうが良いでしょう。 蚊に刺されると怖いのは"感染症"蚊に刺されることで心配なのは、デング熱や日本脳炎などの感染症になること。デング熱は今のところほとんどが輸入感染症(海外から病原体が持ち込まれる感染症)で、日本脳炎はブタから蚊を介して感染する病気です。どちらも日本で今流行している訳ではないので、過度な心配は無用です。 シーンに合わせた使用方法で、安心の蚊対策を!わが家では、保育園の行き帰りなどはハーブの虫よけを手軽にシュシュッと使っています。週末のお出かけでは自然に触れ合うことが多いこともあり、ディート10-12%の濃度のものを使っています。 虫刺されの薬は、虫刺されを治すものではなく、かゆみを抑えたりするものなので、かゆみが強くなければ基本的には使わなくていいと思っています。子どもたちが薬を塗りたがるときは、かゆみが強そうであれば虫刺されの薬を、そうでないところ(もうそこはずっと前に刺されたやつでしょ、みたいなところ)には保湿剤を塗ってあげています(笑)。虫刺されの薬は市販のもので十分ですよ。 著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生医療法人アドベンチスト会東京衛生病院小児科医師。株式会社メドイース代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。
2019年08月26日こんにちは、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。夏は外のレジャーも増えて、虫に刺されてしまう機会も増えてくると思います。今回は、特に虫刺されで多い蚊に注目して、虫刺されの予防と対処法についてお話していきます。 蚊による虫刺されを予防しよう!赤ちゃんの皮膚はとてもデリケートです。虫刺されの腫れや痒みでかいてしまって悪化したり、痕が残ったりすることもあります。(また、コガタアカイエカという蚊が媒介になって日本脳炎ウィルスに感染することもあります)まずは予防が大切です。服装は、肌の露出を避けるようにしましょう。長袖・長ズボン、首回りも日よけ付きの帽子でガードするのが理想です。しかし、赤ちゃんは体温が高く暑くなってしまうと思いますので、木陰や蚊が多くいそうな場所では、薄手のカーディガンやケープでおおうようにして調整しましょう。汗の匂いで、蚊が寄ってくることもあるので、汗をかいたらウエットテッシュや濡れタオルなどでこまめに拭くようにしましょう。お部屋は、ベープやスプレー、吊り下げタイプの虫よけなどで対策をしましょう。 赤ちゃんの虫よけ対策虫よけスプレーは、赤ちゃん用を使用するようにしましょう。最も有効なのは「ディート」を含むものです。しかし、6カ月未満の乳児に使用しないことや年齢により使用回数が決まっているので、必ず添付されている注意書きに沿って使ってください。赤ちゃんへの虫よけには、「イカリジン」という成分を含むものが安全です。また、ハーブを使用したものもあります。ハーブは、シトロネラ、レモングラス、ローズマリー、ラベンダー、ティートゥリーなどが効果的といわれています。虫よけスプレーやジェルは、日焼け止めを塗ったあとにつけるようにしましょう。追加で、虫よけリングやシールを使用したり、衣服にも虫よけスプレーをふきかけたりしましょう。 虫に刺されてしまったら?まずは、刺されたところを水で流すか、ウエットティッシュで拭くようにしましょう。その後に冷やします。これだけでも、痒みや腫れを抑えることができます。そのあとは、かかないようにヒスタミン入りの市販のかゆみ止めを塗るか、虫刺され用の皮膚パッチで保護します。パッチは、はがして口に入れてしまうことがあるので、月齢が低いお子さんに使用するときは注意しましょう。掻いてしまうことで、水ぶくれになったり、かさぶたになるととびひになることもあります。赤くしこりになったり、水疱ができたりした場合には、皮膚科や小児科を受診するようにしましょう。 虫よけ対策を万全にしても、実際には、虫刺されを完全には防ぐことができないと思います。準備と早めの対応で悪化しないように心がけていきましょう。 ※引用・参考文献 金鳥HP 「イカリジンって何?」国立感染症研究所「日本脳炎とは」厚生労働省「ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について」独立行政法人 国民生活センター「虫よけ剤-子供への使用について-」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年08月04日生まれてからの怒涛の予防接種期間も過ぎ、しばらくはインフルエンザワクチンぐらいだな~と思っていましたが…。日本脳炎の追加接種をすっかり忘れていました。3歳で1回目、それからすぐの2回目を受けるときはしっかり頭にあったんですが、それから1年後に追加を受けないといけなかったんですよね!ポスターを見なければ全然気づかないままでした。慌てて予約して受けました。長男には次の冬まで注射無いからと言ってしまったので申し訳なかったですね…。打たないとなるかもしれない病気の話をしたら納得はしてくれましたが…。やはりちょくちょく確認しないと駄目ですね!
2018年02月15日あなたは予防接種を受けているだろうか。または子供に受けさせているだろうか。ワクチンには病原体の感染を防いだり和らげたりする効果があるが、一般的にはあまり知られていない危険性もある。私たちはその危険性と、必要性を踏まえ、ワクチンというものをもう一度考えてみてもいいかもしれない。学校、病院、メディアなどで繰り返し宣伝される「ワクチン神話」(Photo by jacco de boer)日本は予防接種を推奨しているため、学校、病院、メディアでは大々的に予防接種の広告が打ち出されている。私たちは予防接種のメリットについて理解するチャンスは多いが、副作用などのデメリット、必要性などについての情報は自分で調べない限りなかなか手に入らない。予防接種が義務接種だった時代には、反対の市民運動が日本各地で起っていた。その結果、1994年に予防接種法が改定され、義務接種ではなく、全ての予防接種が任意となった。にもかかわらず、現在の分類の仕方は「定期接種」と「任意接種」とに別けられており、あたかも「定期接種」が「任意接種」ではないように見せられている。今もこのように、予防接種は半強制的に行われているのだ。全ての予防接種が任意接種である今の時代の私たちは、どれだけ予防接種の知識があるだろうか。ただ「打つのが当たり前」と思っているなら、一度予防接種について考え直してみた方がいいかもしれない。現代の日本はそんなに病気が蔓延している国?(Photo by David Shackelford)戦後の日本は衛生環境が現代に比べると悪かったため、たくさんの乳幼児が伝染病で命を落としていた。しかし、衛生環境の改善とワクチンの導入で、伝染病は激減。にもかかわらず、今ではほとんど存在しない病気のワクチンが推奨されているのをご存知だろうか。そんな中で私たちは、接種するワクチンが本当に必要なのか見極めなくてはならない。「新・予防接種へ行く前に(ジャパンマシニスト社)」は、予防接種についての本だ。モットーは、広告をとらない、スポンサーをおかない、専門家には平易な言葉と高みにたたない、つねに「弱い」もの・「少数」のものの視点を忘れない。この本には実に詳しく予防接種についての情報があらゆる視点から書かれている。下記は本書の一部。BCG・・・生後半年を過ぎたら必要なしポリオ・・・病気そのものがありません麻疹風疹混合(MR)・・・単独ワクチンという選択もDPT/DT・・・D、DTを選べないのが大問題日本脳炎・・・接種見合わせの間も患者は増えていませんインフルエンザ・・・厚生労働省も乳幼児にすすめていませんおたふくかぜ・・・自然感染の機会を待って水ぼうそう・・・重い病気を持つ子供だけ子宮頸がん・・・ワクチンで防げるのは16型と18型だけこの本を読めば、ポリオの国内の自然感染は30年前に終わっていることや、日本脳炎も現代では感染者は年間一桁程度でそのほとんどが高齢者であり、20歳未満であると0〜2人まで激減していることがわかる。このように、衰退、またはすでに国内ではなくなっている病気もある。それらの病気のための予防接種は本当に必要があるのだろうか。なぜそんなにワクチンの副作用を疑わなければならないのか?(Photo by Carlos Reusser Monsalvez)ワクチンはウイルスや細菌、また菌が作り出す毒素の病原性を弱めて作っている。病原菌を体に接種するのだから、抵抗力が弱っている時などに接種をすることは絶対に避けたい。しかもワクチンはウサギやニワトリやサルなどの動物の内臓の細胞などを使っているため、薬事法上「生物由来製品」であり「劇薬」扱いである。もしワクチンの中にアレルゲンとされるものが入っていた場合は、呼吸困難や失神を起こし、ひどい場合は死亡してしまう可能性もある。また製造される過程でアルミニウムやホルムアルデヒド、水銀などの添加物が使用されていることも副作用をもたらす原因だと考えられる。通常インフルエンザのワクチンでは卵を使い6ヶ月かけて培養するところを、最近は、蛾の幼虫の遺伝子を組み換える方法により、2ヶ月で培養できるようになった。(参照元:Wonderful World)日本ではまだ申請中であるが、アメリカではすでに実用化されている。効率を重視し遺伝子組み換えが行われた製品が、私たちの体にどのような問題を起こすかは分かっていない。それは接種する人の健康を本当に考えて作られているのだろうか。欧米で行われる「水ぼうそうパーティー」(Photo by Brooke Lark)なんと欧米では水ぼうそうになった子供の家に水ぼうそうになってない子供たちを集めて「水ぼうそうパーティ」を行うという。水ぼうそうは小さい頃にかかれば大した病気ではなく、実際にかかってしまえば強い免疫を得られることから、こういったパーティを開くのだとか。環境の向上した日本では、子供に多かった麻疹やおたふくかぜといった感染症の流行が少なく、体内で一度作られた免疫機能が、再度抗原に接触することによって、さらに高まる「ブースター効果」が得にくい。それに加えてワクチンで流行を抑えているため、自然感染の機会は減り、強い免疫を持った母親が少なくなってきているのだ。これでは赤ん坊にしっかりとした免疫を譲ることはできない。私たちはウイルスや細菌を恐れ、遠ざけすぎたために、小さな病気にも抵抗力を十分に発揮できなくなっているのだ。私たちは呼吸をしながら生きている。空気中には細菌やウイルスが常にいるため、病気にかからずに生きていくことはできない。しかし病気になることで、免疫がつき、強くなっているということも忘れてはいけない。メリット、デメリット両方を見比べる冒頭でも述べたように、予防注射のメリットの情報というのは私たちのまわりに溢れている。しかしデメリットの情報を踏まえてしっかりと考えることが大切だ。全ての予防接種を「打つ、打たない」と判断するのは私たち国民一人ひとりである。それには「予防接種を受けることが当たり前」「ワクチンは安全」といったワクチンに対しての姿勢を変える必要がある。しかし予防接種の副作用の訴訟問題は全国で起きているのが現状である。ワクチンに副作用の可能性がある以上、予防接種は決して安全なものだとは断言できない。そのリスクを念頭に入れ、たくさんある中のどの予防接種が自分や自分の子供に本当に必要なのかを判断することが大切と言えるだろう。—————Text by バンベニ 桃ーBe inspired!
2017年01月25日【ママからのご相談】生後6か月になる娘がいます。先日小児科で、「日本脳炎の予防接種も打っていいよ」と先生に言われました。しかし予防接種の目安としてはいろいろな資料に3歳と書かれています。どういうことなのでしょうか?●A. 日本脳炎を確実に予防するためには生後6か月からのワクチンを。こんにちは。ご相談ありがとうございます。ママライターのmomoです。時代の変化により、予防接種の数や種類はどんどん変化しています。そして最近気になるのが『日本脳炎』の予防接種。今回は日本脳炎の予防接種について、小児科の先生に最新の情報を聞いてきましたのでご紹介します。●推奨年齢が変わったワケ『日本小児科学会』は2016年2月、日本脳炎流行地域に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に住んでいる小児に対し、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種をはじめる ことを推奨しました。「東京などはブタの抗体保有率が高くないのでは?」と先生に質問したところ、『以前都内の学童に日本脳炎抗体の有無を調べたところ、ワクチンを接種していなくても抗体が検出される場合が多くあったのです。つまり感染した人が運良く脳炎を発症しなかっただけ。東京でも日本脳炎にかかる可能性は十分ある のです』と回答されました。また、『近年日本脳炎を発症した子どもの年齢が3歳未満でも数例あることから、生後6か月から接種したほうがいいのでは、ということになりました』ということです。実際に2009年と2011年に1歳児、2015年に0歳児が発症しています。予防接種を受ける前の3歳未満でも注意が必要ということがわかりますね。●生後6か月で接種しても大丈夫なのかいままで3歳で接種していたものをそんなに早めて大丈夫なのかが心配ですよね。先生によると、『日本脳炎ワクチンを3歳未満で接種する場合、半量の0.25mL を接種します。3歳以上で接種するのと効果、副反応に差がないことは確認されています。余計な追加接種(2期接種の9〜13歳以外)も必要ありません。同時接種もできますのでワクチンスケジュールに影響を与えることもないでしょう』とのことです。ここまで確認されているなら安心ですね。早めに接種するほうがメリットは大きいのでしょう。●3歳未満で接種したい人はどうしたらいいのか現段階では、区や市などの自治体から日本脳炎の予診票が送られてくるのは3歳の誕生日前です。もし早めに接種したい、という人は自治体に電話をして早めに送ってもらう 必要があります。待っているだけでは送られてきませんので、こちらから要望を伝えてくださいね。予防接種を待っている3歳までのあいだに日本脳炎にかかってしまうかもしれないと思うと、恐ろしいですよね。ウイルスを媒介するのは蚊なので、夏は特に注意したい季節。小児科の先生や家族と相談し、接種時期を決めてみてはいかがでしょうか。●ライター/momo(ママライター、元モデル)
2016年07月17日