切迫早産は、早産になりかけている状態を指します。子宮の収縮が頻繁に起きることで子宮口が開きかけ、赤ちゃんの充分な成長を待たずに出産しかけていたり、子宮内で赤ちゃんを包んでいる羊膜が破れる破水が起きてしまったりなど、早い段階で出産につながる可能性がある状態です。早産は妊娠22週0日~36週6日の早産期に出産することを指しますが、切迫早産の場合、早産を引き起こす可能性がある状態であるため、治療によって食い止めることができます。切迫早産と診断された場合、入院または自宅にて安静状態となります。働いているママの場合も同様です。切迫流産とは切迫流産は、流産になりかけている状態を指します。流産は妊娠初期から妊娠22週までに妊娠が継続できなくなることを指しますが、切迫流産の場合、流産を引き起こす可能性がある状態であるため、実際には流産の可能性が低くても、症状が見られれば切迫流産と呼びます。切迫流産と診断された場合、入院または自宅にて安静状態となります。働いているママの場合も同様です。妊娠中期の切迫早産妊娠初期において切迫早産は起きやすく、多くの妊婦さんが経験すると言われています。下腹部の痛みやお腹の張りが見られますが、症状が現れた場合は、安静にして下腹部の痛みや張りが収まるのを待ちましょう。症状がたびたび起こる場合は、妊婦健診時に健診医に相談しましょう。切迫早産と診断された場合、子宮の下部にあって子宮の外側と内側を結ぶ子宮経管が短くなっていることがあります。赤ちゃんは、分娩時に子宮頚管(子宮の下部にある子宮の内側の口と外側の口(内子宮口と外子宮口)を結ぶ管)を通って産まれてきますが、これは産道とも呼ばれます。子宮頚管は、たびたびお腹が張る、つまり子宮が収縮する回数が多いと短くなる傾向があります。通常は臨月に入るころに徐々に短くなりますが、体質的に子宮頚管が短かったり、細菌感染による子宮頚管無力症にかかったりなどして長さが充分ではない場合、まだお産には早い時期にもかかわらず子宮頚管が短くなります。そのほか、多胎妊娠や妊娠中毒症、膣炎を起こしている場合や子宮筋腫などの合併症を起こしている場合にも、子宮頚管が短くなる傾向が高まります。一度短くなった子宮頚管は、元には戻りません。 子宮頚管が短くなるとやがて子宮口が開き、赤ちゃんの成長が充分でなくてもママの体が出産体制に入るため、治療を行います。 子宮頚管無力症の場合、子宮口を縛る手術お行いますが、妊娠中毒症や膣炎、子宮筋腫などの合併症の場合も、治療を行いながら子宮頚管が短くならないよう適切な処置を行います。切迫早産の進行度に応じて、服薬や点滴で子宮収縮抑制剤を使用し、子宮の収縮を抑えることもあります。妊娠初期の切迫流産妊娠初期において切迫流産は起きやすく、多くの妊婦さんが経験すると言われています。下腹部の痛みや出血、お腹の張りが見られますが、症状が現れた場合は、安静にして下腹部の痛みや張りが収まるのを待ちましょう。症状がたびたび起こる場合は、妊婦健診時に健診医に相談しましょう。切迫流産と診断された場合でも、健診医の指導を守ることで、その後の妊娠経過や赤ちゃんの発育も順調となります。切迫流産の進行度に応じて、服薬や点滴で子宮収縮抑制剤を使用したり、止血剤を投与したりして、症状の進行を抑えます。実際に流産となる原因は、主にお腹の赤ちゃんに原因があり、染色体異常や遺伝子病などが発生したため、自然に淘汰されるものであると考えられています。妊娠初期はママの体も赤ちゃんの状態も不安定であり、切迫流産ではない場合でも、不正出血が見られる場合があります。子宮内のトラブルを示すサインである可能性があるため、少量でも自己判断せず、健診医に相談しましょう。切迫流産、切迫早産の薬について切迫流産は病気ではなく、治療を行うものではないため、健診機関や分娩機関を受診しても経過観察になります。同様に切迫早産も病気ではありませんが、赤ちゃんの成長が充分ではないのに子宮口が開くなど出産準備が進むことのないよう、また、子宮頸管の長さに配慮しながら、適切な処置を行います。いずれも服薬や点滴で子宮収縮を抑える子宮収縮抑制剤を用い、子宮の収縮を抑える治療が行われることがあります。切迫流産も切迫早産も、臨月前の過度な子宮の収縮を抑え、安静状態にすることが一番大切な予防法となります。心身にストレスがかかりすぎないよう健やかな妊娠生活を心掛けましょう。
2016年04月04日早産とは赤ちゃんの発育が十分に確認でき、安心してお産できる妊娠37週0日~41週6日にお産することを正期産と呼びます。早産は妊娠22週0日~36週6日の早産期にお産することを指しますが、その期間中での赤ちゃんの発育は十分でないことから、医師の診断により、早産しないよう対処がなされます。早産は、赤ちゃんが先天的および後天的に障がいなどを抱える可能性が高くなり、健康への負担も増すと言われているためです。早産となる主な理由は、早産の危険性がある切迫早産の診断ができなかったり、早産傾向があるにもかかわらず対応が遅れたりしたままお産準備を迎えてしまうことです。以下のような原因で切迫早産と診断された場合は、健診医や分娩医の指示にすみやかに従いましょう。・早産経験がある過去に早産経験があったり、切迫早産の診断を受けたことがある人は、切迫早産になりやすい傾向があります。・母体に負担がかかりやすい環境にいる慢性的な疲労がある、常に強いストレスがかかっている、喫煙経験があったり妊娠中でも喫煙している、妊娠中でも長時間働いている、双子など多胎妊娠であるなど。心身に負担がかかりやすい環境にいる人は、切迫早産を引きおこす場合があります。子宮収縮が著しい子宮収縮は、母体にかかる刺激や負担による緊張から起きます。回数や強さなどが著しい場合、早産傾向が強まると言われています。・絨毛膜羊膜炎などの感染症にかかっている赤ちゃんを包む羊膜が感染して発症する病気です。切迫早産を引き起こしやすくなると言われています。・子宮に異常がある子宮頸管無力症や子宮筋腫、子宮奇形など子宮自体に異常が起きている場合、切迫早産を引き起こしやすくなると言われています。早産は、いつからいつまでになりやすいの?妊娠22週~36週末の間のお産を早産と呼びます。例えば妊娠22週の早産で産まれた赤ちゃんの体重は、出生児の平均の1/6程度の約500gで、発育が不十分な状態です。低血糖や無呼吸発作が起きやすく、十分に成長するまでNICU(新生児集中治療室)へ長期間入院することとなります。また胎児成人病発症説によると、小さく産まれた赤ちゃんほど倹約遺伝子の働きで常に飢餓状態であり、摂取した栄養素をすべて蓄える傾向にあるため、将来的に生活習慣病を発症する可能性が高いと言われています。ママの心と体の栄養状態が悪いと、先天的ではなく、後天的に、子どもに症状が出る可能性があるのです。また正常な正期産間近である妊娠34週以降の早産であっても、お産が早まるほどに、呼吸障害などが長期的に残る可能性があります。(※1)早産の症状妊娠22週~36週末の早産期に、お腹が張るような子宮収縮が10~15分間隔以内に起こったり、不正出血や破水(羊水が流れ出ている状態)といった症状が見られるなら早産しかかっている可能性があります。また、安静にしているにも関わらず、下腹部や背中に持続的に強い痛みがある場合、子宮収縮の影響により早産しかかっている可能性があるため注意が必要です。ごくまれに、特に痛みに耐性がある人の場合は、子宮口が開き始めていることに気づかないケースもあります。いつもと違った痛みや症状がある場合は、早めに分娩医に相談しましょう。診断の仕方と、診断後の生活について主に妊婦健康診断時に、子宮口の開きや、破水または不正出血があるかを調べ、健診医及び分娩医が診断します。お腹が張ると子宮頸管がじょじょに短くなるため、長さがどれくらいかを経膣超音波断層法で調べることもあります。早産のリスクが発生した切迫早産と診断された時点で、在胎週数を伸ばすための安静入院または自宅療養が薦められ、お腹の張りを和らげる効果のある薬を処方されることもあります。家事や外出は控え、働いている場合も職場へ相談し、健診医及び分娩医の許可が下りるまではお休みをするなど安静第一に過ごしましょう。健診医及び分娩医からの指導を職場へ伝える方法として、母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)などの利用も検討するとよいでしょう。また万が一のお産リスクに備え、NICUのある総合病院か連携クリニックへの転院をすすめられる場合もあります。普段から注意することとは受動喫煙を含む喫煙を避け、長時間の重労働や移動は避けましょう。ママの心と体に負担をかけないことが一番の早産予防です。健診施設または分娩施設の妊婦健康診断をきちんと受け、早期診断に対処ができる環境を整えておきましょう。 厚生労働省「平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要) P2
2016年04月04日医療用医薬品、栄養剤、医療機器などを扱うアボットジャパンは、11月17日の世界早産児デーに際し、グローバル調査結果を公開した。調査期間は6月5日から6月24日。有効回答数は1,949件。世界19カ国(日本を含む)で実施された同調査によると、早産に関する情報を受けている「早産児の母親」の85%(日本では74%)は、早産に伴う合併症の可能性に関する情報を有益だと考えているという。また、「早産児の母親」の62%(日本では53%)は、早産児の合併症の可能性について「もっと詳しい情報が欲しい」と回答している。呼吸器感染症のリスク因子に関する知識調査では、出産時の在胎齢がリスク因子になり得ることを知っている「早産児の母親」はわずか50%(日本では50%)だった。さらに、就学年齢の兄姉がいることが、呼吸器感染症のリスクになると考えている母親は41%(日本では23%)にすぎないことが判明。家族に4人以上の同居者、または訪問者があると乳児の呼吸器感染症にとってリスクになると考えている母親は26%(日本では17%)にとどまった。これらの結果から同社では、「早産児の母親を対象に、呼吸器のリスク因子に関する意識向上を図る必要がある」と分析している。なお、世界早産児デーは、早産にまつわる健康問題の啓発のため、「March of Dimes」(新生児の健康向上のため、啓発や支援活動を行うアメリカのNPO法人)、新生児ケアのためのヨーロッパ財団(EFCNI)、LittleBigSouls 国際慈善財団、および全豪早産児財団によって定めらたとのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月19日