是枝裕和監督が率いる「分福」の川和田恵真監督による商業映画デビュー作に、嵐莉菜、奥平大兼が出演した『マイスモールランド』。この度、公開2日目となる5月8日(日)に大阪にて舞台挨拶が開催された。大阪の本イベントには、嵐さん演じる主人公サーリャのバイト先のコンビニ店長であり、奥平さん演じる聡太の叔父を演じた藤井隆も登壇。映画の中でサーリャと聡太が「大阪に行きたい」という話をするシーンになぞらえて「サーリャと聡太がついに大阪でたこ焼きを食べました!」と、まずは大阪ならではのトークからスタート。たこ焼きの感想を聞かれ「大阪で食べるたこ焼きは、記憶にある中では初めてで、トロトロで美味しくて、本場はやっぱり違うなと思いました」と嵐さん。奥平さんも「大阪に来ること自体初めてなので、初上陸で。ソースがかかっているものとかかっていないものがあることにびっくりしました」と、2人とも本場の味を堪能したよう。続いて、大阪の美大を目指す、という劇中の聡太の設定に関して聞かれた川和田監督は「大阪芸大卒の映画監督が多くいらっしゃるので憧れていたのと、自分が高校生時代大阪に行きたいと思っていたので、高校生にとって遠出になるということから大阪にしました」と大阪の“美大”の設定には明確な意図があったことを話した。藤井隆、嵐莉菜を絶賛「本番になると一気にサーリャ」本作の舞台挨拶に初参加となった藤井さんは「何でも聞いてください!」と意気込み、さっそく嵐さんとの共演について聞かれると「現場では本番以外の時間はほとんどマスクを着けていたが、楽しそうにころころと変わる表情や愛らしさがマスクをしていても伝わってきたし、一方で本番になると一気にサーリャになるのでこちらが引っ張ってもらえて、すごく素敵な女優さんとお仕事させてもらえているんだなと感じていました」と嵐さんの演技に臨む姿勢に感服したと話す。それを聞いた嵐さんも「藤井さんは本当にやさしくて。さっきも誕生日プレゼントをくれました」と嬉しそうに話すと、すかさず藤井さんは「そんなこと言わんでいいんですよ」と照れた様子で、和気あいあいとした雰囲気。嵐さん、奥平さんと3人のシーンが多かった藤井さんは公開初日(5月7日)になんばパークスシネマで本作を鑑賞したようで、「緊張しながらもしっかりと監督と話し合って、一生懸命楽しみながら撮影に臨んでいて。作品が伝えてくるメッセージは考えさせられるものが多いが、このおふたりだからこそ爽やかな青春のシーンが出来上がっていたと思う」と撮影当時をふり返りながら、初共演の2人に賛辞を贈った。嵐莉菜「サーリャの幸せそうな笑顔のシーンが好き」それぞれの好きなシーンを聞かれると、嵐さんは「つらいシーンも多いけれど、聡太と出かけるシーンなどサーリャの幸せそうな笑顔のシーンが好きです」とはにかみながら語り、奥平さんはサーリャと聡太が橋の看板に手形をつけるシーンを挙げ「(嵐さんと)二人で『冷たい、冷たい!』と言いながら撮影したのをすごく覚えてます」とふり返る。藤井さんは「サーリャとお父さんがサーリャの弟の学校に呼び出された帰り道に、すごく大切な話をしながら歩いている中で石を蹴りながら歩いているシーンが長回しで撮っていてさりげなくすごいなと。石にもお父さんの思いが込められているので素敵なシーンだと思います」と、サーリャの父の強い思いや家族の葛藤が印象的に描かれているシーンを挙げた。最後に嵐さんと奥平さんは「ぜひ周りのいろんな方にこの作品を広めていただけると嬉しい」と力強く呼びかけ、藤井さんも「クルドのことについて僕自身も以前はほとんど知りませんでしたが、少しでも知ったことでニュースなどにも関心が向くようになったので、この映画を一人でも多くの方に観てもらいたい」と思いを込めて締めくくった。『マイスモールランド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年05月09日『万引き家族』と『ドライブ・マイ・カー』のスタッフが手がけた、17歳の在日クルド人・サーリャが理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探していく物語『マイスモールランド』。5月7日(土)、本作の公開記念舞台挨拶が開催され、主演の嵐莉菜、奥平大兼、川和田恵真監督、そして劇中で主人公サーリャの家族を演じ、 嵐さんの実際の家族でもあるアラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデーが勢揃い。また、是枝裕和監督から川和田監督へサプライズの手紙も披露された。自身も5か国のルーツを持ち、「ViVi」専属モデルとして活躍中の現役高校生であり、映画初出演にして初主演でサーリャ役を務め上げた嵐さん。嵐さんと同じくオーディションで選ばれ、劇中でサーリャの家族を演じたのが実際の嵐さんの家族であることに触れられ「信じられない光景というか、私の家族にとって貴重な経験だと思ってます」と感謝を語った。川和田監督も、アムネスティ国際映画賞《特別表彰》に輝いたベルリン国際映画祭に参加した際、「(キャストクレジットの)名前を見て『本当に家族なのか?』という質問や、『この家族は今も暮らせているのか?』など、映画の出来事が現実の物語だと勘違いしているような質問も頂いた」と明かし、本当の家族だからこそ醸し出すことができた“家族の空気”がベルリン国際映画祭の観客に響いていたことをふり返った。奥平さんは、嵐さんの実際の家族が出演するということを事前に聞いてはいたが「監督から『撮影現場で初めて会って欲しい』と言われて。実際の撮影で会うまで一回も会わなかったんです」と明かす。しかし、事前に嵐さんから「弟のリオン君が『すごくかわいい』っていうのをたくさん聞かされていました。『どんなにかわいい子がいるんだ!?』と現場行ったら、こんなかわいい子がいて、これは確かにかわいいと思いました」と言い、嵐さんも「すごく弟のアピールをしていましたね(笑)」と和気あいあいだった撮影現場の様子を語る。一番思い出に残ったのはクライマックスのシーン…監督とハグも一番撮影で思い出に残ったシーンについて問われると、嵐さんは「クライマックスのシーン」と言う。「そのシーンを撮り終わった時に、監督が涙を流してくださって。演技で人を感動させることができるんだと、初めての感情でした」と述べ、そのシーンの後、思わず嵐さんをハグしたという川和田監督も「私もあの時のシーンは印象的でした」と同意。奥平さんは「聡太の家で、サーリャと弟のロビン(演:リオン)と一緒に絵を書くシーン」だと言い、「とても大きな木を描いたんですよ。で、その後に皆で『どの色を追加していくか』って話して、そして、リオン君は“お絵かきしりとり”をやってて、すごく楽しかった」と思い出を語った。監督からは、「私は、オープニングの結婚式のシーンもとても思い出深いです」との言葉も。「難民申請中の方には(出演することで不利益が出る可能性があるので)、メインのキャストとしては出演頂いていないのですが。だけど、この映画のオープニングにはエキストラとして出演していただいていて。私自身も、いくつか(本当のクルドの)結婚式に自分も参加させてもらって、その時に見たことからこのシーンは作っているので。だから、想いが強いです」と付け加えた。是枝裕和監督、同じ「分福」チームの川和田監督へサプライズレターそして、監督やキャストへのサプライズとして、同じ「分福」チームの一員であり、同時に川和田監督の大先輩でもある是枝裕和監督からのサプライズの手紙が。「この映画の企画書を読ませてもらってから、何年経ったのか、もう忘れてしまいましたが、どうしても映画にしたい、しなければならないというあなたの切実さをひしひしと感じたことははっきりと覚えています。あの日、この作品が間違いなくあなたのデビュー作にふさわしいと確信しました。この映画が難民問題を扱いながら、青春映画としても成立していることを僕はとても素晴らしいと思っていますが、それはあなたの<海図なき航海>という、まさに青春そのもののような映画作りという旅に同行してくれた2人がいてくれたからこそだと思います。仲間たちと、今日は作品のお披露目を心から喜んでください。祝ってあげてください。明日からは、あなたにとって、このデビュー作が最大のライバルになります。強敵ですよ。また、長い旅が始まります。頑張ってください」という温かいメッセージが寄せられ、川和田監督が思わず涙ぐむシーンも。「是枝さんの背中を追ってきたので、こういった言葉をもらえると励まされます。やってきてよかったなと。ここで止まらず、この作品を届けていくことが私にとってやらなければならないことだと改めて思います」と語る川和田監督は、「この2人(嵐莉菜、奥平大兼)、そしてその家族の皆さんがいなければこの映画は作れなかったと思うので、出会えたことに感謝してますし、この2人のことはずっと心から離れないですし、ずっと見ています」と感謝。最後に、「この作品を信じて応援してくださったたくさんの皆さん、クルドの皆さんのおかげで、この日を迎えることができました」「少しずつ<知る>という事を重ねることで無関心が関心に変わっていくことで社会が変わっていく、と信じてこの映画を作りました。この映画がその第一歩になれればと心から願っております」という監督の願いとともに舞台挨拶は終了。なお、同日には、映画の舞台となり、クルド人のコミュニティがある埼玉県・川口での舞台挨拶も開催。クルド監修に携わったワッカス・チョーラク氏も登壇し、川和田監督から本作に関わったクルド人の方々への感謝の気持ちを伝えると、そのワッカスさんらクルド人の方々から、川和田監督とキャストに感謝の気持ちを込めて、花束が手渡された。クルド人の方々の想いを受けて、川和田監督が涙で声を詰まらせると、嵐さんも感極まって涙するなど、あたたかい文化交流が行われた。『マイスモールランド』は全国にて開催中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年05月08日ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞・特別表彰の感動作『マイスモールランド』より、本編映像が解禁された。本作は、是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作。在留資格を失い、普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の主人公サーリャが理不尽な社会と向き合いながら、自分の居場所を探し、成長していく姿が描かれる。自身も5か国のルーツを持ち、ViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜がサーリャを演じている。この度解禁されたのは、日本での在留資格を失うことによって、将来の夢や当たり前の日常、その全てを突然奪われたサーリャの、行き場のない怒りを感じさせる本編映像。サーリャは、隣にいる父に「なんで会ったらダメなの?」「なんでこんなことしなきゃいけないの?」と、感情をあらわにする。東京に住む少年・聡太(奥平大兼)と会っていることを父から咎められたことをきっかけに、あらゆる不満が爆発しているのだ。「お前はクルド人なんだ。どこにいても、クルド人だ」「祈りに理由はいらない」と、父はたしなめるが、気持ちがおさまらないサーリャは、初めて父に反抗的な態度を取り、頬を打たれてしまう…。まだ17歳だというのに、突如、社会からの理不尽な現実を突きつけられてしまったサーリャ。そんな彼女のやりきれない思いを表す本編映像となっている。『マイスモールランド』は5月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年05月06日是枝裕和監督が、<赤ちゃんポスト>をきっかけに出会った赤ん坊の母親、ベイビー・ブローカーの男たち、そして彼らを現行犯逮しようと静かに追いかける刑事が繰り広げる、一風変わった旅路を描く『ベイビー・ブローカー』。この度、それぞれのキャラクターを演じる韓国俳優たちの場面写真が解禁となった。本作は韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画。解禁となる場面写真は、赤ん坊を抱いたソン・ガンホ演じるベイビー・ブローカーのサンヒョンと、その相棒のカン・ドンウォン演じるドンスに加え、2人と共に旅をすることになったイ・ジウン(IU)演じる赤ん坊の母親ソヨンが波止場でこっそりと取り引きしているようなカットが…。彼らを検挙しようと尾行を続けるペ・ドゥナ演じる刑事スジンとイ・ジュヨン演じる後輩のイ刑事が車内から様子を伺っているカット。さらには赤ん坊をしっかりと抱き夜の街を歩くサンヒョンとドンスなど劇中の雰囲気が垣間見られるシーンカットが解禁。古びたクリーニング店で年季が入ったミシンで作業をしながら何かを見つめるサンヒョン(ソン・ガンホ)や、自身が育った養護施設の教室に入ってきた様子のドンス(カン・ドンウォン)。トランシーバーを握り物憂げな表情をする刑事スジン(ペ・ドゥナ)、雑然としたワゴンの後部に腰掛け視線は鋭いもののどこか心細げな表情を浮かべるソヨン(イ・ジウン)など、それぞれの役柄が見えてくるようなキャラクターカットになっている。『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年05月06日『マイスモールランド』にて映画デビューとなる嵐莉菜のメイキングショットが公開された。是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の新人監督・川和田恵真による商業映画デビュー作『マイスモールランド』は、日本に住む難民申請中のクルド人家族が在留資格を失い、普通の高校生としての日常が突然奪われてしまった主人公サーリャ(嵐さん)が、理不尽な社会と向き合いながら自分の居場所を探し、成長していく物語。「ViVi」専属モデルとして活動し、今回映画初出演にして初主演を務めた嵐さんは、母親は日本とドイツにルーツを持ち、父親はイラン・イラク・ロシアのミックスで日本国籍を取得と、5か国のルーツを持つ。本作のオーディション時、監督の川和田恵真は「自分は何人だと思いますか?」と嵐さんに投げかけ、「自分のことを日本人だと言っていいのか分からないけれど、私は日本人って答えたい。でも、まわりの人はそう思ってくれない」とこれまでに感じてきた葛藤をはっきりと打ち明けたそうで、これがキャスティングの決め手のひとつとなったという。嵐さんも出演が決まった際には「すごく嬉しかったです。私も幼少期には、外見のことで悩んでいたので、この映画の話を聞いたときに、サーリャの気持ちが理解できるんじゃないかなと感じたんです。自然と『この役を演じたい』という強い気持ちでオーディションを受けました」とふり返る。また役作りで、実際に日本で暮らすクルド人家族に会ったそうで「同世代の女の子といろいろな話をし、仲良くなって。その女の子が『ふつうの人になりたいけど、なれない』と言っていたのが、忘れられません」と回顧し、「とても苦しい境遇にいながら、明るく接してくれたのが嬉しかったですし、絶対に幸せになってほしいなと心から思いました。まさにサーリャもそうですよね。すごく苦労して、いろんな壁に当たるけれど、希望を失わず、前に進んでいく姿に胸をうたれました」と監督やスタッフと共に、悩みながらも丁寧に進めてきた役作りの経緯を明かしている。今回到着したのは、サーリャが親友たちと過ごすシーンの撮影風景や、サーリャが心を開く少年・聡太を演じる奥平大兼とふざけ合う姿、長期に渡る撮影が終了し、監督から花束を渡され感極まって涙したクランクアップの写真など、フレッシュな魅力が感じられる写真ばかりだ。『マイスモールランド』は5月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年05月03日「梨泰院クラス」や是枝裕和監督『ベイビー・ブローカー』のイ・ジュヨン主演の2018年の韓国インディーズ映画『なまず』が、7月29日(金)より日本公開されることが決定した。第23回釜山国際映画祭にて4部門受賞、第44回ソウル独立映画祭観客賞受賞をはじめ、日本に初紹介された第14回大阪アジアン映画祭ではグランプリを獲得。第48回ロッテルダム国際映画祭、第37回ミュンヘン国際映画祭、第18回ニューヨークアジア映画祭、第21回台北映画祭など、海外の映画祭でも新しい才能として注目を浴びた本作。信頼と不信という普遍的なテーマを軸に、主人公ユニョンの半径0.5メートルで起こるハプニング、恋愛、決断といった、いくつかのエピソードがテンポ良く繋がり合い、心にぐっと刺さるセリフとカラフルで遊び心いっぱいの映像で紡がれる近距離恋愛群像劇。監督は、いくつかの短編作品を発表し、独自のユーモアとセンス溢れる作風で、インディーズ映画界のニューウェーブとして以前から韓国で注目されていた女性監督イ・オクソプ。本作は彼女の長編監督デビュー作であり、日本でも大ヒットした『はちどり』(18)と並び、韓国内でファングループが誕生するほど多くの共感を呼び、異例のロングランヒットを記録した話題作。主人公ユニョンを演じるのは、本作での演技が高く評価された後に出演した「梨泰院クラス」でブレイクし、日本で6月公開予定の『ベイビー・ブローカー』にも参加するイ・ジュヨン。ユニョンと同棲する彼ソンウォンに扮するのは、映画『新感染半島 ファイナル・ステージ』や「D.P. -脱走兵追跡官-」、7月1日公開の『モガディシュ 脱出までの14日間』にも出演し、本作『なまず』では出演のほかプロデューサー、脚本、編集まで務めている今年ブレイク必至の俳優ク・ギョファン。ユニョンが務める病院の副院長には、主演を務めた『オアシス』での演技が高い評価を受け、その後も数々の映画で活躍、主演作『三姉妹』の日本公開を6月17日に控えるベテラン俳優ムン・ソリ。出演作が立て続けに公開となる、いま最も旬な韓国俳優たちが顔を揃え、さらに『哭声/コクソン』「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」などの人気俳優チョン・ウヒが、なまずの声を務めている点にも注目。なお、本作の公開を記念して、7月29日(金)より映画配信サービス「JAIHO」にてイ・オクソプ監督の短編4本『監督!僕にもDVDをください!』(13)、『四年生ボギョン』(14)、『フライ・トゥ・ザ・スカイ』(15)、『ロミオ』(19)の配信を開始する。『なまず』は7月29日(金)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2022年05月02日先日、第75回カンヌ国際映画祭(5月17日~5月28日開催)のコンペティション部門へ正式出品することが決定した是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』より初の映像素材となる特報が29日、公開された。さらに、日本公開日が6月24日に決定した。カンヌ国際映画祭で是枝監督作品がコンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は、8回目)となるが、今回は韓国映画としての出品となることにも世界的な注目が集まっている。本作は、海外の才能たちと本格的なセッションに踏み出した『真実』に続き、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画だ。主演を務めるのは、2020年アカデミー賞作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ。パルムドール受賞『万引き家族』の是枝裕和監督×アカデミー賞受賞『パラサイト 半地下の家族』のソン・ガンホ主演で贈る『ベイビー・ブローカー』に、早くも期待の声が上がっている。特報映像は、古びたクリーニング店を営みながらも裏で赤ん坊の売買をするベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)の「まあ、一言でいうなら、善意ってことかな。」というセリフとともに、ある雨の日に赤ちゃんポストから連れ去られた小さな赤ん坊の姿が映し出される。まるで家族のように見せかけながら、韓国各地を旅して買い手となる養父母を探すサンヒョンと相棒のドンス(カン・ドンウォン)。ドンスは「赤ちゃんポスト」がある施設で働く児童養護施設出身だ。特報では、成り行きで2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨン(イ・ジウン)の姿も見られ、さらに、彼らを検挙するため尾行を続ける正義感に溢れた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)の2人も後に続く様子が描かれる。赤ちゃんを高く売る、ただそれだけのはずだった…。しかし、彼らの旅は思いもよらない展開と結末に向かっていく。映像は冒頭の軽口で発せられたセリフとは打って変わり、「幸せにしてやるからな」という一見優しく聞こえる言葉と、純粋に旅を楽しんでいるようなサンヒョンたちの姿で締めくくられる。韓国を代表する名優たちが是枝演出によって、韓国作品とは一味違った表情を見せる様子も垣間見え、作品の全貌にますます期待が高まる特報となっている。果たして、「赤ちゃんポスト」で出会った彼らの旅の行方には何が待ち受けているのか…?本特報映像は、本日より公開劇場や作品公式HPなどで流れる予定となっており、これに合わせ本日からムビチケ前売り券の発売も開始となる。
2022年04月29日ソン・ガンホ、カン・ドンウォンをはじめ、豪華韓国キャスト陣が集結した是枝裕和監督の韓国映画『ベイビー・ブローカー』。5月に開催される第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品された本作の初映像が解禁、日本公開日が6月24日(金)に決定した。本作から初の映像となった特報は、古びたクリーニング店を営みながらも裏で赤ん坊の売買をするベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)の「まあ、一言でいうなら、善意ってことかな」というセリフとともに、ある雨の日に赤ちゃんポストから連れ去られた小さな赤ん坊の姿が映し出される。まるで家族のように見せかけながら、韓国各地を旅して買い手となる養父母を探すサンヒョンと相棒のドンス(カン・ドンウォン)。ドンスは赤ちゃんポストがある施設で働く児童養護施設出身だ。映像では、成り行きで2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨン(イ・ジウン)の姿も見られ、さらに、彼らを検挙するため尾行を続ける正義感に溢れた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)の2人も後に続く様子が描かれている。だが、彼らの旅は思いもよらない展開と結末に向かっていくようで…。“K‐POPクイーン”・IUことイ・ジウンや「梨泰院クラス」『野球少女』のイ・ジュヨンも含め、韓国を代表する名優たちが是枝演出によってひと味違った表情を見せる様子も垣間見え、作品の全貌にますます期待が高まる特報となっている。イ・ジウン『ベイビー・ブローカー』は6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年04月29日先日、5月17日(火)~5月28日(土)開催の第75回カンヌ国際映画祭【コンペティション部門】へ正式出品することが決定し話題を呼んだ、是枝裕和監督の最新作『ベイビー・ブローカー』。この度、本作の日本公開日が6月24日(金)に決定し、合わせて初の映像素材となる特報が公開された。カンヌ国際映画祭で是枝監督作品が【コンペティション部門】に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は、8回目)となるが、今回は韓国映画としての出品となることにも世界的な注目が集まっている。本作は、海外の才能たちと本格的なセッションに踏み出した『真実』に続き、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきたオリジナル企画を映画化した是枝監督初の韓国映画だ。主演を務めるのは、2020年アカデミー賞(R)作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ。パルムドール受賞『万引き家族』の是枝監督×アカデミー賞(R)受賞『パラサイト 半地下の家族』のガンホ主演で贈る『ベイビー・ブローカー』に、早くも期待の声が上がっている。特報映像は、古びたクリーニング店を営みながらも裏で赤ん坊の売買をするベイビー・ブローカーのサンヒョン(ソン・ガンホ)の「まあ、一言でいうなら、善意ってことかな。」というセリフとともに、ある雨の日に赤ちゃんポストから連れ去られた小さな赤ん坊の姿が映し出される。まるで家族のように見せかけながら、韓国各地を旅して買い手となる養父母を探すサンヒョンと相棒のドンス(カン・ドンウォン)。ドンスは<赤ちゃんポスト>がある施設で働く児童養護施設出身だ。特報では、成り行きで2人と共に旅をすることになった赤ん坊の母親ソヨン(イ・ジウン)の姿も見られ、さらに、彼らを検挙するため尾行を続ける正義感に溢れた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)の2人も後に続く様子が描かれる。赤ちゃんを高く売る、ただそれだけのはずだったが、彼らの旅は思いもよらない展開と結末に向かっていく。冒頭の軽口で発せられたセリフとは打って変わり、「幸せにしてやるからな」という一見優しく聞こえる言葉と、純粋に旅を楽しんでいるようなサンヒョンたちの姿で締めくくられる本映像。韓国を代表する名優たちが是枝演出によって、韓国作品とは一味違った表情を見せる様子も垣間見え、作品の全貌にますます期待が高まる特報となった。果たして、<赤ちゃんポスト>で出会った彼らの旅の行方には何が待ち受けているのか。本特報映像は、本日より公開劇場や作品公式HPなどで流れる予定となっており、これに合わせ本日からムビチケ前売り券の発売も開始となる。『ベイビー・ブローカー』特報映像『ベイビー・ブローカー』6月24日(金)より公開
2022年04月29日是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人・川和田恵真監督による商業映画デビュー作『マイスモールランド』から、<15秒予告ー青春編ー&メイキング>が解禁となった。日本に住む難民申請中のクルド人の家族がある日、在留資格を失い、17歳の主人公サーリャは普通の高校生としての日常が奪われてしまう。主人公サーリャを、自身も5か国のルーツを持ち、「ViVi」専属モデルとして活躍する嵐莉菜が演じた本作は、本年度のベルリン国際映画祭ではアムネスティ国際映画賞特別表彰に輝いた。解禁となった15秒予告は、嵐さん演じるサーリャと奥平大兼演じる聡太の2人が少しずつ心を寄せていく様子が伝わるものになっており、メイキングでは、雨のシーンのために散水を準備するスタッフと一緒におどけるオフショットも。雨の中に身を委ね、くるくる回りながら満開の笑顔を見せる素顔の2人は劇中の姿ともリンク、“青春のきらめき”を映し出した映像となっている。また、漫画家の今日マチ子が手掛けた、“クルドの民族衣装”と“日本の制服”という主人公サーリャの“どちらも本当”である2つの姿を通して、彼女のアイデンティティへの葛藤をイメージするようなイラストも解禁された。さらに、各界の著名人から本作にコメントが寄せられた。映画監督の西川美和は「みずみずしい恋の風景がある。しかしみずみずしい恋だけでは、何も解決し得ない。異邦の少女に惹かれるこの国の心優しい少年は、哀れなほど無力だ。少年の無力は私の無力であり、この映画の中で最も重たい問いかけなのではないかと思う」と語る。俳優の石橋静河は「スクリーンの中の彼女とともに心の底から絶望し、涙することは自分の中に無意識に存在させている『差別』を見つける第一歩だと思った」とコメント。漫画家の今日マチ子は「自由な高校生活から、数々の制限をかけられた生活へ。『ごく普通』が豹変する様子は日本における難民問題を知る一助になるだろう。それでも友情や進路問題、恋がある。青春のきらめきは境遇の苦さに勝るのだ」と、10代の2人のきらめきに触れている。そして、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』で監督を務め、初期の漫画作品「クルドの星」ではクルドをテーマに物語を紡いだ安彦良和からもコメントが到着。「世界で、日本人の対極にいるのがクルド人です。そのクルド人は『可哀想』なのではなく『勁い(つよい)』のです。ラストのサーリャのつよいまなざしは、日本人にも『勁くあれ』と言っているのだと思います」とコメントを寄せている。『マイスモールランド』は5月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年04月25日是枝裕和、諏訪敦彦、岨手由貴子、西川美和、深田晃司、舩橋淳の6人による「映画監督有志の会」が、最近、相次いで明るみになっている性被害をはじめ、あらゆるハラスメントや暴力に関する問題について3月18日に「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。」という声明を発表。さらに3月24日、特にハラスメントの問題について調査、検証する必要性を文化庁に要望した。そして今回、4月13日に一般社団法人 日本映画製作者連盟(以下、映連)への「提言書」とともに参考資料として現場の声を反映した調査結果を提出。その内容が明らかになった。映画業界の包括的な改革を!現場の声を提言書と共に提出「映画監督有志の会」ではこれまで1年以上、映画業界の労働環境改善を含む包括的な改革のために、フランスのCNC(国立映画映像センター)に相当する国内の統括機関の設立を求め、映連と協議を行ってきたという。今回の提言書には、主に1.ハラスメント撲滅に対する声明の発表、2.実態の検証・調査、3.防止対策の具体化、そして4.第三者機関による相談窓口の設置が盛り込まれ、参考資料として提出した「フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート2022」(調査主体:日本芸能従事者協会)「表現の現場ハラスメント白書2021」※「映像」分野のハラスメント抜粋(調査主体:表現の現場調査団)の調査からは撮影現場での実態も浮かび上がっている。フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート 2022(調査主体:日本芸能従事者協会)「表現の現場ハラスメント白書2021」映像分野抜粋には、昨今も報道されているような、弱い立場の俳優らへの<演技指導のため><性的表現を鍛えるため><より美しい表現のため>といった口実がつけられた体験談が数多く寄せられている。また、「フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート2022」(全267回答)によれば、「仕事中にハラスメントを受けたことがありますか」の問いには、回答のあった265件のうち「ある」「見聞きした」という人が72%にも及ぶ。また「仕事が原因でこのままでは生きていけないと思った事はありますか」についても4割近くが「ある」と回答(266件)。フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート 2022(調査主体:日本芸能従事者協会)ハラスメントを含めた安全衛生についての自由回答には、「現場単位でハラスメント講習等を必須にするべき。またもしハラスメントが人知れず起きた時、どこに何をどう言えばいいのかが分かるよう窓口等を明確に設置し周知する必要がある」「カウンセリングや相談窓口が、どこにあるか分からない」といった窓口の設置や周知を求める声ほか、「自分が嫌な気持ちになっても我慢する、やり過ごす事に慣れている。ただ、自分はそうして来たから後輩や友人にも『そうしろ』とは絶対に言わない」「関係者の意識の低さに問題がある」「上の立場の人やクライアントがもっと理解してほしい」とのコメントが見られた。フリーランス芸能従事者の労災と安全衛生に関するアンケート 2022(調査主体:日本芸能従事者協会)更衣室やトイレについても、「女子は途中駅や公園等で着替えている」「とくに女性が着替える場所はなく、考えられてもいない」という声や「更衣室など用意された事はない」との声、「男性と共用のトイレは使うのに躊躇する」「現場に入る前に近隣のトイレの場所をあらかじめ探す」「生理中の辛さをひとりでどうにかしなければならないこと。山の中の撮影は特に大変」などのコメントが上がっている。日本映画製作者連盟へ「映画監督有志の会」が提言提言書提出時には、出席した映画監督有志の会のメンバーがそれぞれ発言し、いま行動していく必要性を訴えた。現在、映連でも鋭意、改善に向けての対応策を協議中だといい、今後の動向が注目される。諏訪監督「現在、労働環境等の改善に向けて映連でも協議中かと思いますが特にハラスメントの問題については、業界でも影響力の強い映連からも、声明でなくても何かしらの指針、方針を打ち出していただいた方が、広く社会に伝わり、具体的な対策実施に向けても強い推進力を得られるのではないでしょうか」。深田監督「表面化してなくても、調査や報告、そして我々に寄せられているメッセージを見ると、事態はかなり深刻です。映画業界は、俳優にかかわらずスタッフも多くはフリーランスの方で支えられてますが、特にそのフリーランスの方が相談できる機関、受け皿がない状況で、今、このタイミングで、スピード感をもって動いていくことが大切」。舩橋監督「明らかな犯罪以外の“グレー”なハラスメントに対する業界内での基準は曖昧というか制度が整備されてないのが実情です。問題の理解・把握の次には自分たちでガイドラインなりを策定することはできないでしょうか」。西川監督「韓国映画界の現場もここ数年で劇的に改善されたと聞きます。各国で急速に措置が取られていて、困ったときに声をあげて連絡できる第三者機関も置かれています。何か施作をすれば、一気に“0”にはならなくとも、確実に変化があるのでは」映連に調査結果の検証、リスペクトトレーニングの実施など提言3月18日に緊急に公表した声明「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。」には、映画業界各所より400通以上の賛同の声が寄せられたといい、「賛同者はプロデューサーから現場スタッフ、俳優まで多岐にわたり、その声のひとつひとつが映画業界の改革を求める切実な声」と提言書では断言。映連および会員各位は、「誰もが気持ちよく働ける映画の労働現場」を目指すために労働環境保全・ハラスメント防止に向けた明確な改善策を打ち出す社会的責務があるとして、以下の4項目について提言した。1.ハラスメントや暴力に関する声明の発表責任ある団体として、映画映像の製作、撮影現場におけるあらゆる暴力ハラスメントに対してこれを容認しない、という基本的な態度を表明してください。2.ハラスメントの実態の調査と検証現状を把握し、改善するそのために、現場を支えるスタッフや俳優たちの声に耳を傾けてください。さらに業界全体で既に行われたヒアリングと調査を検証してください。撮影現場のみならず企画開発からキャスティング、興行に至るまで、映画業界におけるあらゆる労働現場において、スタッフならびに俳優の安全が十分に守られていない現状を、最大限の危機感をもって認識するようお願いします。3.ハラスメント防止のための具体的な施策の実施製作現場の安心安全を守り高めるため、リスペクトトレーニングの実施、ハラスメント防止ガイドラインの作成、キャスト保護のためのインティマシーコーディネーターなど新しい取り組みの導入を検討し、業界全体への普及と浸透に尽力してください。4.第三者機関による相談窓口の設置被害を受けた俳優やスタッフが過大なリスクを負って告発をしないで済むよう、製作過程で起きたあらゆる問題を相談できる窓口としての第三者機関が必要です。その設立に向けて主体的に行動し、全面的に協力してください。末尾には、「残念ながら今の映画業界は、若者が働いてみたいと夢見る世界でもなければ、私たちが胸を張り就職を勧めることができる場所でもありません。この現実を、私たち映画関係者は直視しなければなりません」と厳しい指摘もあり、「安全な環境で映画を制作し、安心して映画ファンに届けられる映画界を未来に継承してゆく責任があります」として、「当事者として反省しつつ、映画製作者連盟とともに継続して業界の改革に力を尽くします」と締めくくられている。(text:cinemacafe.net)
2022年04月22日是枝裕和監督初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』が、「第75回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に正式出品決定。この度、ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、ペ・ドゥナ、イ・ジウン(IU)、そして先日出演が明らかになったイ・ジュヨンという豪華韓国キャスト陣からのコメントが到着。カンヌ版のポスタービジュアルも解禁された。是枝監督作品がカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出されるのは、最高賞パルムドールを受賞した2018年の『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は、8回目)。これまで、2004年『誰も知らない』では主演を務めた柳楽優弥が最優秀男優賞を受賞、2013年『そして父になる』では審査員賞を受賞、そして2018年『万引き家族』でパルムドールに輝いた。さらに、是枝監督は2019年ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門でオープニングを飾った『真実』でも海外の才能たちと組んだが、本作は長年温めてきたオリジナル企画を韓国の製作・俳優陣と映画化した初の韓国映画となる。キャスト陣コメント●ソン・ガンホカンヌ映画祭への参加は、常にワクワクして楽しいことです。何より、是枝裕和監督や出演者の皆さんとこの素晴らしい知らせを共有できることを光栄に思い、感謝しています。●カン・ドンウォン『ベイビー・ブローカー』はみんなで心をこめて作った作品なので、“カンヌ入選”という意味深い知らせを聞いて、とても有難く思います。カンヌ映画祭に続いて劇場公開もされるので、観客の皆さんとのひとときを、これまで以上に楽しみにしています。●ペ・ドゥナ嬉しく、光栄です。『ベイビー・ブローカー』は、是枝裕和監督と『空気人形』以来12年ぶりにご一緒させていただいた2作目ということで、すでに私にとって特別な作品になっています。まだ本編を観られていませんが、カンヌのリュミエールシアターで初めて観られたら、とても嬉しいです。●イ・ジウン(IU)昨年の春、『ベイビー・ブローカー』を撮影している間、沢山のことを教えていただき感謝し魅了されたことを覚えています。この春も、カンヌ映画祭に招待されたことで再び興奮し、昨年の春と同じように魅惑的なものになるような気がしています。●イ・ジュヨン昨年の今頃は全国各地で『ベイビー・ブローカー』の撮影をしていました。そして、再び春が訪れると同時に、このような嬉しい知らせを聞いて感激しています。楽しく撮影させてもらった『ベイビー・ブローカー』が、沢山の方に届くことを願っています。『ベイビー・ブローカー』は6月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年04月15日“赤ちゃんポスト”で出会った人たちの予期せぬ特別な旅を描く、是枝裕和監督初の韓国映画『ベイビー・ブローカー』が、「第75回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に正式出品が決定。日本公開時期も6月になることが分かった。古びたクリーニング店を営みながらも借金に追われるサンヒョン(ソン・ガンホ)と、<赤ちゃんポスト>がある施設で働く児童養護施設出身のドンス(カン・ドンウォン)。ある土砂降りの雨の晩、彼らは若い女ソヨン(イ・ジウン)が<赤ちゃんポスト>に預けた赤ん坊をこっそりと連れ去る。彼らの裏稼業は、ベイビー・ブローカーだ。しかし、翌日思い直して戻ってきたソヨンが、赤ん坊が居ないことに気づき警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく白状する。「赤ちゃんを大切に育ててくれる家族を見つけようとした」という言い訳にあきれるソヨンだが、成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることに。一方、彼らを検挙するためずっと尾行していた刑事スジン(ぺ・ドゥナ)と後輩のイ刑事(イ・ジュヨン)は、決定的な証拠をつかもうと、静かに後を追っていくが…。是枝監督作品がカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に選出されるのは、最高賞のパルムドールを受賞した『万引き家族』から4年ぶり、6回目(カンヌ国際映画祭への出品自体は8回目)。是枝監督は「異国での、言語や文化の違いを超えた今回の共同作業を高く評価して頂けて、僕だけでなくスタッフ、キャスト皆が報われたとホッとしています。4年ぶりのカンヌ参加になりますが、コロナ禍だけではなく、世界が大きく揺れる時代に映画を作り続けること、そして、世界に届けることの意味を考える良い機会にしたいと思います」とコメントを寄せている。また、「梨泰院クラス」にて主人公が経営する居酒屋の料理長マ・ヒョニを演じたイ・ジュヨンが本作に出演していることも分かった。本作では、ペ・ドゥナとコンビを組んでブローカーたちを追うイ刑事に扮している。「第75回カンヌ国際映画祭」は現地時間5月17日(火)~28日(土)開催予定。『ベイビー・ブローカー』は6月、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ベイビー・ブローカー 2022年6月よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開ⓒ 2022 ZIP CINEMA & CJ ENM Co., Ltd., ALL RIGHTS RESERVED
2022年04月14日是枝裕和監督率いる「分福」の川和田恵真が監督を務めた『マイスモールランド』の主題歌、ROTH BART BARONの「New Morning」の新作MVが本日21時よりプレミア公開される。本MVには主演の嵐莉菜も出演している。日本に住む難民申請中のクルド人の家族の過酷な現実を描き、第72回ベルリン国際映画祭/アムネスティ国際映画賞・特別表彰に輝いた本作は、是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作。普通の高校生としての日常が奪われてしまった17歳の主人公サーリャをViVi専属モデルとして活躍する嵐莉菜が演じ、サーリャが心を開く少年・聡太を注目の俳優・奥平大兼が演じている。この度、本作の主題歌を書き下ろしたROTH BART BARONの「New Morning」のミュージックビデオ(MV)が、バンドのオフィシャルYouTubeチャンネルにて初公開される。本MVは、映画本編と同様に、川和田恵真が監督・演出を手掛けており、本編の主人公サーリャの弟・ロビンの目線で描かれる『マイスモールランド』のアナザーストーリー。ロビン役のリオンをはじめ、映画の主人公サーリャを演じた嵐莉菜、妹役のリリが特別出演している。ポカリスエットCMでの「A_o(エーオー)」としての活動や、「ASIAN KUNG-FU GENERATION」最新アルバム「プラネットフォークス」リード曲「You to You(feat.ROTH BART BARON)」が話題のROTH BART BARON。本MVではバンド編成で登場する演奏シーンも必見だ。本楽曲のデジタル配信は本日4月6日(水)よりスタート。『マイスモールランド』は5月6日(金)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年5月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年04月06日男性監督がキャスティングをちらつかせて俳優に性行為の強要などを行った一連のニュースを受け、是枝裕和、諏訪敦彦、岨手由貴子、西川美和、深田晃司、舩橋淳(五十音順)の映画監督が連名で3月18日(金)に「私たちは映画監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対します。」という声明文を発表したが、このほど3月24日(木)、文化庁に「文化芸術分野の適正な契約関係構築」についてハラスメント防止に向けた要望書を提出したことが分かった。是枝監督ら「映画監督有志の会」には発表後数日で300を越える賛同のメッセージが届き、異なった意見や今後の活動への激励、叱咤も含め大きな反響があったという。声明には「何ができるかを考え、改善に向けたアクションを起こしてゆきます」と記されており、声明だけで終わらせず、現状の把握、具体的な改善方法を模索する中での今回の働きかけとなった。是枝裕和監督(C)藤井保文化庁ではフリーランスの俳優やスタッフが安心・安全な環境で働けるよう「文化芸術分野の適正な契約関係の構築」に向けた検討を行い、わかりやすい契約書のひな形が作成されようとしているという。しかし、現状、映画界においては契約の書面化は進んでいない状態であり、そのことがハラスメント、精神的・身体的暴力など様々なトラブルの要因の1つとなっている。そのため、有志メンバーはこの契約書の作成において特にハラスメント防止が重要な検討項目と考え、会議において十分に議論が尽くされておらず、さらなる検討が必要であるとの危機感から要望書を作成し文化庁へ要請した。契約書の締結は、優位的な地位の濫用を抑止し、ハラスメントが起きにくい環境を整える上でも重要な前提となるだろう。そのために、十分な当事者のヒアリングと慎重な議論が必要であり、会に寄せられたメッセージからも、ハラスメント被害の現状は極めて深刻であることも伝え、危機意識を共有したという。写真左が西川美和監督、諏訪敦彦監督この日、文化庁に出向いた諏訪監督は、「文化芸術分野の適正な契約関係構築について検討を始められているということでかなり重要な局面にあると思います。3月18日に出した声明文を出したのですがかなり大きな反響がありまして、実に様々な現場の声が届いています。事態は想像以上に深刻です。そのような状況の中で、ぜひハラスメント防止の観点から幅広い現場の調査と契約書の項目についてもっと十分に時間をかけて検討していただきたい」と語ると、文化庁の寺本恒昌文化経済・国際課長は「この取り組みは始まったばかりで、まずは最初の一歩として踏み出そうとしております。その中でさらに現場の方の声を取込みながら使っていただけるよりいい雛形をまずは作っていきたいと思ってます」と返答。西川監督は、「声明を出してから5日間で300件ものメッセージをいただき、中には痛ましい実情の告白も多数寄せられました。このことは、そういう苦しみの受け皿が映画・映像業界に全く用意されずに来たことの表れでもありますし、また過酷な労働環境の中でスタッフや俳優はプレッシャーを受け続け、傷を負った人が上の立場に立った時には無意識に加害的になっているような連鎖もあります。ハラスメントの問題を重要な課題として捉えていただき、作成中の契約書のひな型のプラス面が将来的には広く当事者に伝わるようにしていただきたいと思います」と切々と伝えた。西川美和監督要望書には、「度を超した長時間撮影の常態化、指導という名のもとに行われる技師から助手、助手から助手への罵倒や暴行、そしてディレクターやプロデューサーによる優越的地位を濫用したスタッフ・俳優へのハラスメント、性的暴行など、撮影準備から撮影、配給から映画館に至るまでそのケースは枚挙にいとまがありませんが、最大の問題はこれらの悪習が当たり前のものとして問題視されず、芸術や教育の美名のもと看過され続けてしまったことです。その被害は誰もが受けることになりますが、そういった環境下で最も傷を負いやすいのは若い俳優やスタッフ、また女性であり、その多くが希望を失い声もなく去っていったことを重く受け止めねばなりません」との実状についての記述もあり、本人からの同意を得て、届けられた当事者からのメールの文面を非公表で提出したという。映画監督有志の会は今後も、省庁に限らず映画業界団体に対してもハラスメント防止に向けた働きかけをしていくという。(text:cinemacafe.net)
2022年03月28日3月13日(日)放送の人物ドキュメンタリー番組「情熱大陸」は、女優の橋本環奈が登場する。1999年、福岡県生まれの橋本さんは、是枝裕和監督の『奇跡』で映画デビューし、映画初主演を務めた『セーラー服と機関銃 -卒業-』で日本アカデミー賞「新人俳優賞」を受賞。『銀魂』『キングダム』シリーズや「今日から俺は!!」など数々の話題作に出演した。今月より、初舞台で初主演となる「千と千尋の神隠し」が公演中の橋本さん。名作アニメーション映画の世界初となる舞台化公演ということで、公演開始前から大きな注目を集めていた。演じるのは、主人公・千尋。上白石萌音とのWキャストでの上演だ。大役にも肩肘を張らず、演出を手掛けるジョン・ケアード(英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)が「環奈は笑い声が大きいから探す手間が省ける(笑)」と話すほど、持ち前の天真爛漫さで周囲を和ませる橋本さん。映画やドラマ、バラエティ番組などに絶えず出演し、多忙を極める23歳の新たな挑戦を追った模様を放送する。「情熱大陸」女優/橋本環奈編は3月13日(日)23時~TBS系にて放送。(cinemacafe.net)
2022年03月05日是枝裕和監督がソン・ガンホ、カン・ドンウォン、さらにペ・ドゥナを迎えた初の韓国映画となる最新作『Broker』(原題)の邦題が『ベイビー・ブローカー』に決定。さらに韓国を代表するシンガーソングライター・IUがイ・ジウンとして出演していることが分かった。これまで、現代社会やそこに生きる人々を鋭い視点と温かい視線で描き上げ、『そして父になる』(13)でカンヌ国際映画祭の審査員賞受賞、さらに『万引き家族』(18)ではカンヌ最高賞であるパルムドールを受賞するという栄誉に輝き、続く『真実』(19)では、カトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークら海外の才能たちとタッグを組んだ是枝監督。世界中の映画人たちとタッグを組み、新作を生み出していく監督が今回手掛けるのは、韓国の製作・俳優陣と長年温めてきた企画である『ベイビー・ブローカー』。子どもを育てられない人が匿名で赤ちゃんを預けていく“ベイビー・ボックス”を巡り、そこで出会っていく人間を描くオリジナルストーリーとなる。すでに、アカデミー賞作品賞受賞作『パラサイト 半地下の家族』でも主演を務めたソン・ガンホ、『MASTER/マスター』のカン・ドンウォン、さらに是枝監督とは『空気人形』でもタッグを組んだペ・ドゥナという、韓国を代表する名優たちがキャストとして発表されている。さらに、今回共演キャストとしてイ・ジウンの出演が決定。アーティスト名“IU”としてソロ活動をするシンガーソングライターで、韓国では老若男女を問わず絶大な知名度と人気を誇る。新譜の度にチャートを席巻し、iTunesソングチャートでは他国でも第1位を獲得、MV再生回数もうなぎ上り。最近では「BTS」SUGAとのコラボ曲「eight」もヒットを記録した。“国民の妹”“K‐POPクイーン”ほか、“CM女王”としても化粧品、アパレル、食品、飲料、ゲームなど起用ブランドの業種は多岐に渡り、「グッチ(GUCCI)」や「ニューバランス(NEW BALANCE)」のアンバサダーに起用されたことでも話題を呼んだ。また、自身が幼くして経験した経済的困難や苦労をふまえ、慈善活動にも積極的で“寄付天使”とも呼ばれている。2019年12月には米誌フォーブスが選んだ「アジア太平洋地域の最も優れた慈善家30人」のリストに名を連ねた。イ・ジウンは、「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」「ホテルデルーナ~月明かりの恋人~」などのドラマほか、いくつかの映像作品に出演しているものの劇場公開長編映画への本格的な出演は本作が1作目となる。今後はパク・ソジュン(「梨泰院クラス」)とのW主演の映画『ドリーム』(仮題)の公開も控えているが、本作では是枝監督が演出する俳優イ・ジウンの新たなる発見も見どころの1つとなる。『ベイビー・ブローカー』は2022年、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2022年03月01日倍賞千恵子が主演を務める映画『PLAN75』が、6月より全国にて公開されることが決定した。本作は、映画監督・是枝裕和が総合監修を務めたオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一篇『PLAN75』を新たに構築、キャストを一新した、早川千絵監督の初長編映画。75歳以上の高齢者に自ら死を選ぶ権利を保障し支援する制度が施行され、その制度に翻弄される人々の姿を描く衝撃作だ。年齢で命が線引きされてしまうことの恐ろしさとそのようなシステムを生み出してしまう社会構造や人々の意識に対し、痛烈な批判を込めて、生きるとは何か?を問いかける。主人公・ミチを演じるのは倍賞千恵子。倍賞さんは脚本を読み、「最初は“酷い話”だと思ったのですが、物語の終盤でミチがある選択をする姿が描かれており、そこにものすごく心打たれ、惹かれて……それだけで出演を即決しました」と、ミチを演じる覚悟を決めたとふり返る。共演には『東京リベンジャーズ』『劇場版きのう何食べた?』などに出演、本年度日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した俳優の磯村勇斗、『燃えよ剣』やNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などで重要な役どころを演じているたかお鷹、『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』で多くの新人賞を獲得している新進女優・河合優実らが顔を揃えている。昨年12月から始まった撮影はこの度、無事クランクアップ。倍賞さんは公開に向けて「『PLAN75』のような社会があってはならないと思うし、決して良いことではありません」「皆さんにもこの映画を観ながら、自分の命や愛、生活などいろんなことを考えていただきたいです。きっとこれからの人生に役立つでしょうし、考えながら最後まで観てもらえると嬉しいです」と期待を寄せる。また倍賞さんと初共演を果たした磯村さんは「目で芝居をすることを意識しました。直近で演技を拝見し、同じ時間を共有させていただけたことは光栄でした」と明かし、河合さんは「ミチとの電話でのやり取りのシーンを本読みした際、倍賞さんの声を聞いて、自分が思っていた以上に心が動きました。言葉で言い表すのがもったいないような、訳もない感動でした。いま倍賞さんに感じさせていただいたことをそのまま大切にして撮影現場に行けば大丈夫だと、心から思えた貴重な時間になりました」とそれぞれが現場で意義のある経験ができたと語っている。『PLAN75』は6月、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:PLAN75 2022年6月17日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2022『PLAN75』製作委員会 / Urban Factory / Fusee
2022年01月27日是枝裕和監督が率い、西川美和監督らが所属する映像制作者集団「分福」の新鋭監督・川和田恵真監督の商業映画デビュー作で、 日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアというマルチルーツを持つ嵐莉菜が主演する映画『マイスモールランド』。この度、本作が第72回(2022年)ベルリン国際映画祭で韓国映画『はちどり』の受賞も記憶に新しいジェネレーション部門に正式招待、ワールドプレミア上映されることが決定した。ごく普通の高校生活を送っていた17歳のサーリャ(嵐莉菜)は、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変する。本作では、そんな過酷な環境な中で主人公サーリャが、東京に住む日本人の少年・聡太(奥平大兼)との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤しながらも、成長していく物語が描かれる。メガホンをとる「分福」所属の川和田監督は、是枝監督の『三度目の殺人』(17)で監督助手、西川監督の『すばらしき世界』(21)でメイキングを担当するなど、多くの現場で研鑽を積み、本作で満を持しての商業映画デビュー。今回の招待にあたり、「歴史あるベルリン国際映画祭に『マイスモールランド』をご招待いただいたこと、大変光栄に思います。初監督にもかかわらず作品を信じ参加してくださったキャスト・スタッフの皆さん、そして、不安な状況に置かれながらも温かくご協力をしてくださった在日クルド人の皆さんに、この場を借りてお礼を申し上げます。映画と共に、込めた想いを届けてゆきます」とコメント。本作で映画初出演&主演の大役を務めた嵐莉菜は、「初めて本格的なお芝居に挑戦させて頂いたこの作品が、ベルリン国際映画祭で上映されることが決まり、本当に光栄です! 私自身、ドイツにルーツがあるので、とてもご縁を感じ嬉しいです。大好きな国でこの作品がどのように評価されるのかすごく緊張しますが、それと同じくらいとても楽しみです!」とフレッシュな魅力そのままに喜びを語る。さらに、映画『MOTHERマザー』で演技未経験ながら数百人の応募者の中から長澤まさみの息子役の周平役に抜擢され、多数の新人俳優賞を受賞し注目を集める奥平大兼は、「自分が携わった作品がこのような素晴らしい舞台に行けることがとても嬉しいですし役者としてすごく刺激になる出来事です。ベルリン国際映画祭をきっかけに『マイスモールランド』が世界中のたくさんの人に見てもらえるようになれば良いなと思います」とコメントを寄せている。今回、第2弾ポスタービジュアルも解禁。添えられたキャッチコピー「ここに居たいと願うことは罪ですか?」とともに、 サーリャが真っ直ぐに前を見据える表情を捉え、彼女のささやかな願いさえ脅かす世界に対して、正面から立ち向かっていく決意を示すようなビジュアルとなっている。歴史あるベルリン国際映画祭の中でも1978年から始まったジェネレーション部門は、子どもや青少年の人生と世界を探究する映画が紹介される部門。日本でも昨年スマッシュヒットを記録したキム・ボラ監督の『はちどり』が第69回のジェネレーション14プラス部門で受賞、例年フレッシュな作品が揃う注目の部門である。第72回ベルリン国際映画祭は現地時間2月10日~2月20日まで開催予定で、このジェネレーション部門からもグランプリ作品が選ばれる。また本作は、企画段階のときに、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET (APM)」でアルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた視点で現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが“自分ごと”としてとらえることのできるような普遍的なドラマとして描いている。『マイスモールランド』は5月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マイスモールランド 2022年初夏、全国にて公開予定©2022「マイスモールランド」製作委員会
2022年01月15日是枝裕和監督が手掛ける初のNetflix作品「舞妓さんちのまかないさん」の配信が決定。森七菜、出口夏希、蒔田彩珠、松岡茉優、常盤貴子らの出演も明らかになった。16歳のキヨは、中学卒業後に故郷の青森を離れ、美しい舞妓になることを夢見て、親友のすみれとともに京都へ向かう。しかし舞妓に向いていないと言い渡される。泣く泣く青森に帰ろうとしていたキヨだが、料理の才能を見込まれ、舞妓たちが共同生活を営む「屋形」の料理担当の「まかないさん」として働くことになる。一方、すみれは瞬く間に目を見張るような美しい舞妓に成長し、伝統的な祇園の街で名を馳せるようになっていく。まかないさんと舞妓の、美しく楽しく美味しい毎日が始まる――。本作は、2016年より「週刊少年サンデー」にて連載中の小山愛子による同名人気コミックが原作。京都の花街を舞台に、舞妓さんが共同生活を営む屋形の「まかないさん(=ごはんを作る仕事)」となった主人公が、親友であり舞妓のすみれと共に花街で暮らしていく日常を描く物語。第65回小学館漫画賞少年向け部門を受賞し、累計発行部数は200万部超え。昨年10月からはTVアニメ放送もスタートした。今回そんな人気作品が、是枝監督総合演出のもと、企画:川村元気、各エピソード演出を津野愛(『十年 Ten Years Japan』)、奥山大史(『僕はイエス様が嫌い』)、佐藤快磨(『泣く子はいねぇが』)の次世代を担う監督が担当し、全9話でドラマ化。主人公・キヨ役は、「この恋あたためますか」『ライアー×ライアー』『天気の子』に出演した森七菜。キヨと一緒に青森からやってきて、舞妓として“百年にひとりの逸材”と将来を期待されるすみれを、モデルで女優の出口夏希が演じる。ほかにも、屋形の女将さんの高校生の娘・涼子を蒔田彩珠。屋形の先代の女将さん・千代を松坂慶子。人気No1の芸妓・百子を橋本愛。百子の元同期で出戻りの芸妓・吉乃を松岡茉優。涼子の母で屋形の女将さん・梓を常盤貴子が演じることも決定。さらに配信決定と合わせて、ティザービジュアルも到着。カメラマンは瀧本幹也、デザイナーは大島依提亜を迎え、本作の世界を表現した。▼コメント・原作者小山愛子本当に本当に光栄なことです。ありがとうございます!制作風景を見学させていただいたのですが、強烈でした。監督をはじめ、様々なプロフェッショナルの方々が思いっきり楽しんで作られている世界。隅々まで血が通っているような、そこら中から静かに力が溢れ出ているような雰囲気でした。いち視聴者として、この世界にどっぷり浸かれる幸せを噛み締めようと思います。とても楽しみです。・総合演出是枝裕和川村さんからこのお話を頂き、何度か祇園に足を運びながら、屋形で暮らす人々が、非血縁の共同体であることと、街全体が内線電話で繋がっているひとつの有機体であるということにまず驚きました。そして、これは決して時代に取り残された過去の人々の物語ではなく、もしかするとコロナ以降の私たちが模索するべき新しい生き方のヒントになるかも知れないと、胸を躍らせながら、制作に取り組みました。舞妓さんの役は、キャリアに関係無く、全員横並びで、繰り返しオーディションをさせて頂いて決定しました。種田さんの大がかりな、そして緻密なセット、飯島さんの料理に加えて、舞妓さんたちを取り巻くお母さん、先輩芸妓さんを含めた女優たちが醸し出すアンサンブルの妙が、この作品の最大の魅力だと思います。まだ撮影は残っていますが、僕自身、完成を楽しみにしています。・森七菜一昨年のオーディションで出会ったキヨという役柄として、素敵なキャスト、スタッフの方々とともに、京都で、あの美しい台所で過ごした時間。このドラマが皆さんのもとに届く時、その全てが写っているといいなと思います。美しい京都の街並みと、見惚れてしまうような舞と、ときめく京都弁と、いつものご飯、屋形に響く笑い声。どこを切り取っても煌めく空間は、本物の時間をお届けできると思います。未だ撮影中ですが私自身も完成を楽しみにしています。一緒に楽しんでいただければと思います。・出口夏希戸来すみれ役を演じさせて頂きました出口夏希です。”百年にひとりの逸材”と期待される舞妓役と聞いてどうしようかと思いました。笑でも台本を読ませて頂き、才能というよりも舞妓さんになりたい気持ちがまっすぐで、いつどこにいても、どんな時も舞の事で頭いっぱいで努力の天才だと感じました。自分にないものばかりで沢山悩みましたが、みなさんに支えられて演じる事ができました。人との繋がりや、舞妓さんを支える人達の優しい作品になっていますのでぜひ見ていただきたいです!・蒔田彩珠涼子は、原作にはないキャラで、屋形の中で唯一舞妓じゃない一匹狼のような女の子です。ツンとしているけど、どこか温かい、愛らしい役でした。キヨやすみれ、お母さん、たくさんの人との日常の中で、涼子がどのように成長していくのか、注目していただきたいです。久しぶりの是枝組での撮影、とても楽しかったです。楽しみにしていてください。・松坂慶子『舞妓さんちのまかないさん』という作品を、是枝監督はじめ是枝組のみなさんがお作りになるということで、私も参加させていただけることをとてもうれしく思いました。そして、なんと、祇園の何代も続いている屋形のお母さんということで、緊張します。素晴らしい先生方に教えていただいて、気分としては仕込みさんでした。いろんなお稽古をさせていただいて、そして祇園のみなさんにお話を伺ううちにいろんなことが実感としてわかってきました。良い機会をいただきまして感謝しています。・橋本愛是枝監督とご一緒するのがずっと夢だったので、お話いただいた時はほんの少し泣きました。舞を井上八千代先生からご指導いただき、何よりの財産になりました。月食の神秘的な時、あまりに美しい満月の下で舞った日のことは、生涯忘れません。素敵なものしか映ってないと思います。どうかお楽しみに…!・松岡茉優舞妓役の若手女優の皆さんの瑞々しく清潔でまっすぐなお芝居に触れながら憧れの先輩方とも空間をご一緒させていただきました。私自身まだまだ若手でありますが、狭間のような立ち位置で仕事をさせていただき、こんな大人になりたいなと先輩方を見つめながら、ちょっと前の自分を思い出す、とても得難い時間でした。是枝裕和監督率いる監督陣のまなざしも身が引き締まる経験でした。なかなかふらっと旅行のできない昨今、日本の皆様はもちろん別の国にお住まいの方にも、京都で過ごしているかのような時間をお渡しできるよう努めます。・常盤貴子京都の撮影所に見たこともない巨大なセット、というか、祇園町ができているのを見たときは震えたけれど、その中で自由に、朗らかに撮影が進んでいく日々は、本当に幸せな時間でした。スタッフ・キャスト共に、色々な世代がいたのにも関わらず、こんなに毎日笑っていられたのは、「これが是枝組」だからなんだろうな、と。残すは冬編の撮影のみ。芸舞妓ちゃんたちを見守る「梓さんお母さん」を大切に、きめ細やかに、楽しみたいと思います。Netflixシリーズ「舞妓さんちのまかないさん」は2022年配信予定。(cinemacafe.net)■関連作品:【Netflix映画】ブライト 2017年12月22日よりNetflixにて全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】マッドバウンド 哀しき友情 2017年11月17日よりNetflixにて全世界同時配信【Netflixオリジナルドラマ】オルタード・カーボン 2018年2月2日より全世界同時オンラインストリーミング2月2日(金)より全世界同時オンラインストリーミング【Netflix映画】レボリューション -米国議会に挑んだ女性たち-
2022年01月07日Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』が2022年に配信されることが決定した。それに伴い、原作者・小山愛子、是枝裕和監督、キャスト陣からコメントとティザービジュアルが到着した。原作『舞妓さんちのまかないさん』は2016年より「週刊少年サンデー」にて連載中の小山愛子による大人気コミック。京都の花街を舞台に、舞妓さん達が共同生活を営む屋形(やかた)の「まかないさん(=ごはんを作る仕事)」となった主人公・キヨが、青森から一緒にやってきた親友であり舞妓すみれとともに花街で暮らしていく日常を、華やかな芸舞妓の世界と美味しいごはんを通して綴る物語である。同作は第65回小学館漫画賞少年向け部門を受賞し、累計発行部数は200万部を超えるベストセラーとなった。2021年10月からは地上波にてアニメ放送も始まり、幅広い層から支持を集めている。そんな大人気原作を全9話のNetflixシリーズとして、是枝裕和監督が総合演出・監督・脚本を務めドラマ化が実現。是枝裕和監督がNetflix作品を手がけるのは本作が初のこと。さらに企画として川村元気(『告白』『悪人』『モテキ』『君の名は。』)が参加。各エピソード演出を、津野愛(『十年 Ten Years Japan』)、奥山大史(『僕はイエス様が嫌い』)、佐藤快磨(『泣く子はいねぇが』)の次世代を担う注目監督が担当する。W主演として屋形のまかないさんとなるキヨを演じるのは森七菜。もう一方は、キヨと一緒に青森からやってきて、舞妓として“百年にひとりの逸材”と将来を期待されるすみれを出口夏希が務める。さらに屋形の女将さんの高校生の娘・涼子を、蒔田彩珠。屋形の先代の女将さんで、今も屋形の要となる千代を、松坂慶子。人気No1の芸妓である百子を、橋本愛。百子の元同期で出戻りの芸妓・吉乃に、松岡茉優。涼子の母で屋形の女将さん・梓を、常盤貴子。と豪華キャストが集結。ティザービジュアルはカメラマンに瀧本幹也、デザイナーに大島依提亜を迎え本作の世界を表現している。名実ともに日本映画界を代表する映画監督である是枝監督と、世界190以上の国と地域で2億1400万人の有料メンバーが利用する世界最大級の動画配信サービスであるNetflixの初タッグ作品にして、京都を舞台に豪華キャスト陣を起用した本作に、世界的にも大きな注目が集まるのは確実だ。<原作者:小山愛子・コメント>本当に本当に光栄なことです。ありがとうございます!制作風景を見学させていただいたのですが、強烈でした。監督をはじめ、様々なプロフェッショナルの方々が思いっきり楽しんで作られている世界。隅々まで血が通っているような、そこら中から静かに力が溢れ出ているような雰囲気でした。いち視聴者として、この世界にどっぷり浸かれる幸せを噛み締めようと思います。とても楽しみです。<総合演出:是枝裕和・コメント>川村さんからこのお話を頂き、何度か祇園に足を運びながら、屋形で暮らす人々が、非血縁の共同体であることと、街全体が内線電話で繋がっているひとつの有機体であるということにまず驚きました。そして、これは決して時代に取り残された過去の人々の物語ではなく、もしかするとコロナ以降の私たちが模索するべき新しい生き方のヒントになるかも知れないと、胸を躍らせながら、制作に取り組みました。舞妓さんの役は、キャリアに関係無く、全員横並びで、繰り返しオーディションをさせて頂いて決定しました。種田さんの大がかりな、そして緻密なセット、飯島さんの料理に加えて、舞妓さんたちを取り巻くお母さん、先輩芸妓さんを含めた女優たちが醸し出すアンサンブルの妙が、この作品の最大の魅力だと思います。まだ撮影は残っていますが、僕自身、完成を楽しみにしています。<森七菜・コメント>一昨年のオーディションで出会ったキヨという役柄として、素敵なキャスト、スタッフの方々とともに、京都で、あの美しい台所で過ごした時間。このドラマが皆さんのもとに届く時、その全てが写っているといいなと思います。美しい京都の街並みと、見惚れてしまうような舞と、ときめく京都弁と、いつものご飯、屋形に響く笑い声。どこを切り取っても煌めく空間は、本物の時間をお届けできると思います。未だ撮影中ですが私自身も完成を楽しみにしています。一緒に楽しんでいただければと思います。<出口夏希・コメント>戸来すみれ役を演じさせて頂きました出口夏希です。”百年にひとりの逸材”と期待される舞妓役と聞いてどうしようかと思いました。笑でも台本を読ませて頂き、才能というよりも舞妓さんになりたい気持ちがまっすぐで、いつどこにいても、どんな時も舞の事で頭いっぱいで努力の天才だと感じました。自分にないものばかりで沢山悩みましたが、みなさんに支えられて演じる事ができました。人との繋がりや、舞妓さんを支える人達の優しい作品になっていますのでぜひ見ていただきたいです!<蒔田彩珠・コメント>涼子は、原作にはないキャラで、屋形の中で唯一舞妓じゃない一匹狼のような女の子です。ツンとしているけど、どこか温かい、愛らしい役でした。キヨやすみれ、お母さん、たくさんの人との日常の中で、涼子がどのように成長していくのか、注目していただきたいです。久しぶりの是枝組での撮影、とても楽しかったです。楽しみにしていてください。<松坂慶子・コメント>『舞妓さんちのまかないさん』という作品を、是枝監督はじめ是枝組のみなさんがお作りになるということで、私も参加させていただけることをとてもうれしく思いました。そして、なんと、祇園の何代も続いている屋形のお母さんということで、緊張します。素晴らしい先生方に教えていただいて、気分としては仕込みさんでした。いろんなお稽古をさせていただいて、そして祇園のみなさんにお話を伺ううちにいろんなことが実感としてわかってきました。良い機会をいただきまして感謝しています。<橋本愛・コメント>是枝監督とご一緒するのがずっと夢だったので、お話いただいた時はほんの少し泣きました。舞を井上八千代先生からご指導いただき、何よりの財産になりました。月食の神秘的な時、あまりに美しい満月の下で舞った日のことは、生涯忘れません。素敵なものしか映ってないと思います。どうかお楽しみに…!<松岡茉優・コメント>舞妓役の若手女優の皆さんの瑞々しく清潔でまっすぐなお芝居に触れながら憧れの先輩方とも空間をご一緒させていただきました。私自身まだまだ若手でありますが、狭間のような立ち位置で仕事をさせていただき、こんな大人になりたいなと先輩方を見つめながら、ちょっと前の自分を思い出す、とても得難い時間でした。 是枝裕和監督率いる監督陣のまなざしも身が引き締まる経験でした。 なかなかふらっと旅行のできない昨今、日本の皆様はもちろん別の国にお住まいの方にも、京都で過ごしているかのような時間をお渡しできるよう努めます。<常盤貴子・コメント>京都の撮影所に見たこともない巨大なセット、というか、祇園町ができているのを見たときは震えたけれど、その中で自由に、朗らかに撮影が進んでいく日々は、本当に幸せな時間でした。スタッフ・キャスト共に、色々な世代がいたのにも関わらず、こんなに毎日笑っていられたのは、「これが是枝組」だからなんだろうな、と。残すは冬編の撮影のみ。芸舞妓ちゃんたちを見守る「梓さんお母さん」を大切に、きめ細やかに、楽しみたいと思います。<佐藤菜穂美(Netflix コンテンツ部門 マネージャー)・コメント>ショーランナーの是枝監督のもとに、日本最高峰の素晴らしいチームが集結してくださいました。是枝監督の作品や、日本の映像作品を愛してくださる全世界のNetflixメンバーに、この作品をお届けする機会をいただき、大変光栄です。次世代の映像業界を担う津野愛さん、奥山大史さん、佐藤快磨さん、それぞれの映像表現に世界中からどのような反応が生まれるか、今からとても楽しみです。連帯や絆に支えられた素敵な映像をお贈りできることに、これ以上ない喜びを感じます。ありがとうございます。Netflixシリーズ『舞妓さんちのまかないさん』2022年配信予定
2022年01月07日是枝裕和監督率いる映像制作者集団「分福」の気鋭の新人監督・川和田恵真の映画『マイスモールランド』に、『MOTHER マザー』で大きな注目を集めた奥平大兼が出演することが分かった。本作は、川和田監督の商業映画デビュー作で、日本、ドイツ、イラン、イラク、ロシアのミックスという5か国のマルチルーツを持つ主演の嵐莉菜が在日クルド人の女子高生を演じる。演じるのは、クルド人の家族とともに生まれた地を離れ、幼い頃から日本で育った17歳のサーリャ。同世代の日本人と変わらない、ごく普通の高校生活を送っていたが、あるきっかけで在留資格を失い、家族の日常が一変…。約2,000人のクルド人が住む地域で暮らしていたサーリャが、東京に住む日本人の少年・聡太(奥平大兼)との出会いをきっかけにアイデンティティに葛藤し、成長していく物語が描かれる。在日外国人が、在留資格を失うと、働くことができなくなるばかりか、居住している地域を出ることができなくなる。そのため、本作の主人公サーリャは、奥平さんが演じる東京に住む聡太へ会いに行くことができなくなる。今回解禁されたポスタービジュアルは、この日本に居ても立場によって越えられない国境が生まれることを表現し、高校生の淡い恋心が、社会によって分断されることを伝えるもの。ポスターに表記されているテキストは「マイスモールランド」のクルド語表記となっている。『MOTHER マザー』の撮影時は、15歳だった奥平さんは、本作撮影時17歳(現在18歳)の現役高校生。演技未経験ながら、数百人の応募者の中からメインキャストの周平役に抜擢された『MOTHER マザー』で俳優デビューし、今年の第44回日本アカデミー賞新人俳優賞、第94回キネマ旬報ベスト・テン新人男優賞、第63回ブルーリボン賞新人賞、第30回日本映画批評家大賞新人男優賞など多くの新人俳優賞を受賞し注目を集め、その反響から続々とドラマ出演やCMなどに起用されてきた。オーディションで選ばれての参加となった本作では、『MOTHER マザー』撮影時から2年ぶり(公開から1年ぶり)の映画撮影。「(俳優として)映画からはじまったという気持ちはあるので、その現場に2年ぶりに戻ってきたということで新鮮な気持ちになりました。久しぶりの映画の現場で、クランクインの直後は迷いがありました」と吐露する奥平さん。「ドラマなどいろんな現場を経験したことで、自分の中で考え過ぎてしまったところがあって。でも現場で川和田監督とたくさんお話しして、監督が表現したいことをお聞きし理解することができたので、撮影が進んでいく中で、聡太として生きることができたと思います」と言い、「撮影前に監督とお話したことなど、僕の趣味などを脚本に反映していただくこともあって、最後のほうは演じているのかわからなくなる瞬間もありました」とコメント。本作で扱うテーマを「急に身近なこととして考えられるようになりました」とも話している。また、是枝監督の『三度目の殺人』で監督助手、西川監督の『すばらしき世界』でメイキングを担当するなど、多くの現場で研鑽を積み、本作で満を持しての商業長編映画デビューとなった「分福」の新鋭・川和田監督は、奥平さんに対し「お芝居を見させていただき、まだ青年になりきらない、途上にいる姿が今回の聡太という役柄そのものでした」と即決だったことをコメント。「現場でも、とてもひたむきで、いつもお芝居のことを考えていた姿が心に残っています。不器用ながらも真っ直ぐな聡太という人間を、等身大で体現しきってくれたことに、とても救われました。今、この時、奥平くんを撮ることができて大変光栄です」と明かしている。本作は企画段階で、2018年の釜山国際映画祭内にあり、映画の新企画やクリエイターを支援するイベント「ASIAN PROJECT MARKET(APM)」で、アルテ国際賞(ARTE International Prize)を受賞。難民2世という題材をベースに、世界に開かれた新しい視点で、現代日本が抱える社会問題を切り取りながら、誰もが“自分ごと”として受け入れられる普遍的な青春ドラマとして描く。撮影は今年5月18日クランクインし、6月8日クランクアップ。日仏共同制作となり、フランスで最終の仕上げ作業を行っている。『マイスモールランド』は2022年初夏、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)
2021年11月18日フランソワ・オゾン監督の『8人の女たち』『スイミング・プール』、是枝裕和監督『真実』などに出演するリュディヴィーヌ・サニエ主演作『ローラとふたりの兄』から、主人公ローラをめぐる個性的な登場人物たちの場面写真が一挙に解禁となった。本作は、兄と妹の物語であると同時に、三人兄妹それぞれのパートナーや息子、日常で出会う何気ない登場人物たちの存在が、ドラマに深みを与えている。弁護士のローラ(リュディヴィーヌ・サニエ)は、離婚調停の依頼人だったゾエール(ラムジー・ベディア)から食事に誘われ、彼の笑顔と積極的なアプローチにしだいに惹かれていく。ゾエールは、ローラの家族を客観的に見守り支えてくれる頼れる存在。長男ブノワ(ジャン=ポール・ルーヴ)は天真爛漫な妻・サラ(ポーリーヌ・クレマン)と幸せな新婚生活を送っている。サラは、かなり個性的なアクセサリー作家で、飾らない笑顔が周囲を幸せな気分にしてくれる。だが、ある日サラが家を飛び出してしまい、ブノワが追いかけて向かった先は元妻3人による女子会だった!一方、次男ピエール(ジョゼ・ガルシア)は、妻サビーヌ(フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー)と別居中。仕事のトラブルに見舞われるが、なんでも自分で抱え込む性格からサビーヌに助けを求めたときにはすでに2人の心の距離は広がっていて…。サビーヌは、良識的な女性。別居したいまも、思い込みで突っ走るピエールを優しく諭す。そんな一筋縄でいかないフランスの大人たちの複雑な恋愛模様は、本作の見どころの1つ。また、息子・ロミュアルド(ガブリエル・ナカーシュ)は、ケンブリッジ大学に進学を控える心優しき秀才。頭が良すぎるせいか、独特な言葉遣いがチャーミング。父親が仕事でトラブルを抱えていることを知った彼は隠れてある行動を起こすが…。また、ピエールの部下アントワーヌ(フラン・ブリュノー)は、いつもおっとりしていて、一見何も考えていないように見える“ゆとり系”。しかし、ピエールがトラブルで頭に血が上っているときも、いつもゆったりと構えて深呼吸のようなひと言をくれる。この2人の存在は物語の清涼剤的な役割にもなっている。そのほかにも、ローラたちが両親の墓参りにいくたび出会う常連のおじいさんや、団地のおばあさんなど、濃すぎるサブキャラクターたちが与える深みとリアリティにも注目だ。11月14日から27日までは「家族の週間」、11月21日は「家族の日」。本作は、いざというときにそばにいてくれる人の大切さを思うきっかけになりそうだ。『ローラとふたりの兄』は12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ローラとふたりの兄 2021年12月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMA
2021年11月18日『愛しき人生のつくりかた』のジャン=ポール・ルーヴ監督が、『真実』(是枝裕和監督)にも出演したリュディヴィーヌ・サニエを主演に迎えて贈る映画『ローラとふたりの兄』の日本公開が決定。併せてシーン写真も到着した。フランス西部の都市・アングレーム。弁護士のローラには、眼鏡士のブノワと解体業者のピエール、ちょっと変わった2人の兄がいる。三兄弟は、死別した両親の墓参りで毎月一度は集まることが習慣になっている。ある日、ブノワの3度目の結婚式、大遅刻をしてきたピエールの失礼なスピーチが原因で兄弟喧嘩が始まる。そんな中、離婚調停の依頼人だったゾエールと恋をするローラだったが、病院である事実を告げられる。ピエールは深刻な仕事のトラブルを抱え、ブノワは心の準備なしに父親になることに…。ルーヴ監督の4作目となる本作は、家族だからこそぶつかり、分かり合えることがある、そんな世界共通の家族“あるある”を描く、人間同士の付き合いが疎遠になりがちないま、改めて近くにいる人の存在の尊さを感じられる物語。作家であり脚本家のダヴィッド・フェンキノスと再タッグを組み、人々の日常を精妙かつユーモラスに描いて観る者の共感を誘うと同時に、プチ・ブル(中産階級)たちの生活を捉えるカメラは、明確に階層化された皮肉なフランス社会の明暗をも浮き上がらせる。主人公で弁護士のローラを演じるのは、『8人の女たち』『スイミング・プール』などフランソワ・オゾン監督のミューズとして輝かしいキャリアを築いたリュディヴィーヌ・サニエ。個性的な兄たちを母のように世話する、常識人の末っ子を等身大のキュートさで演じている。そんな兄たち、職人気質で不器用な次男・ピエールを、『ボン・ボヤージュ家族旅行は大暴走』『マダム・ハイド』のジョゼ・ガルシア。ロマンチストで神経質な眼鏡士である長男・ブノワは、ルーヴ監督が務め、ほかにも、ローラの恋人役でラムジー・ベディア、ブノワの妻役でポーリーヌ・クレマンらが参加している。『ローラとふたりの兄』は12月10日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:ローラとふたりの兄 2021年12月10日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© 2018 NOLITA CINEMA - LES FILMS DU MONSIEUR - TF1 DROITS AUDIOVISUELS - FRANCE 2 CINEMA
2021年06月16日『万引き家族』『真実』などの映画監督・是枝裕和が競泳・池江璃花子選手の競技復帰までのストーリーを描いた、グローバルスキンケアブランド「SK-II」による「SK-II STUDIO」の1作目“センターレーン”がYouTubeにて公開された。計8作の公開を予定している「SK-II STUDIO」作品の1作目となる本作は、“運命を変える”とはどういうことか、運命がただの偶然ではなく、自らの選択によって切り拓けるものであることを描いていく。競泳・池江選手といえば、2018年のアジア選手権のMVPであり、一昨年2019年2月に白血病と診断。2020年5月、池江選手は競技復帰に向けて前進する中、「SK-II」とのコラボレーションを通してウィッグを外したありのままの姿を公表し、新たな一面を世の中に披露。池江選手の強さと希望に溢れたメッセージは、ソーシャルメディアやトップニュースで取り上げられたほか、28年ぶりに女性アスリートが単独で新聞の一面を飾るなど大きな話題となり、日本中から励ましと応援の声が寄せられた。2021年2月に行われたジャパンオープンでは、50メートル自由形で2位に入賞するなど復帰を果たしており、4月には、日本選手権水泳競技大会に出場する予定となっている。作品のタイトル“センターレーン”とは、プールのセンターレーンに最も速い選手を配置するという実際の競泳のルールがあり、池江選手が練習を再開したころの取材で「やっぱりセンターレーンが好き。自分のためのコース」と語ったことから名付けられた。映像は、競技復帰を目指して練習に励む池江選手の心の中にある思いや葛藤、希望に焦点を当て、また是枝監督は、実写では描き切れない部分にアニメーションを取り入れることでより豊かな表現を目指している。「『SK-II』、そして是枝裕和監督が、私の心の内を作品として伝えてくださり感謝しています」と池江選手。「今は多くの方々が厳しい状況に置かれています。自分に対して否定的な気持ちになったり辛い時があるかもしれませんが、こんな時だからこそ、誰しもが自分の運命を追求することにとても大きな意味があると思っています。過去の自分には戻れないけれど、自分の運命は今この瞬間をどう生きるかによって変えられるものだと思います。辛いことがあっても、乗り越えた先の未来は変わっていくのだと思います」とコメント。是枝監督の作り上げた作品について、「本当の自分の感情があの作品に表れているなと思いました。『過去の自分には戻れないけれど、今の自分が自分だから』ということが伝わってくるなと思います。アニメーションも素敵でした」と感想を語る。是枝監督は「池江選手を取材することができ、競技復帰に向けての彼女の思いや感情を探っていきました。池江選手の人生という名の旅を通して、運命を変えるために必要なことを目の当たりにして感動しました。一見彼女のストーリーは特異に思えますが、この時代を生きる多くの人が共感できるものがたくさんあります。人生ではレーンから脱線することもありますが、そういう局面に立った時にこそ、その人の『真価』と『進化』が見えるのだと思います。この2つの『しんか』に注目しました」と、作品に込めた思いを語っている。なお、「SK-II」は「#CHANGEDESTINY」資金を準備し、本年の拠出額50万ドルを上限として「SK-II STUDIO」の映像1再生につき1ドルを、運命を変えようと踏み出す女性への様々な支援活動に拠出する。SK-II STUDIO 第1作“センターレーン”はSK-II Japan公式YouTubeチャンネルにて公開中。(text:cinemacafe.net)
2021年03月29日毎日緊張感のある生活を強いられていると、映画館でゆっくりと作品の世界観に浸ってぜいたくな時間を過ごしたいと思う人も多いのでは?そこで、そんなときにオススメの映画をご紹介します。それは……。話題作『春江水暖~しゅんこうすいだん』【映画、ときどき私】 vol. 357はるか昔から大河・富春江が流れる杭州市富陽区。ある日、グー家の家長である年老いた母の誕生日を祝うため、4人の兄弟や親戚が一同に顔を揃えていた。ところが、祝宴の最中に母が脳卒中で倒れてしまう。母は介護が必要となるが、4人の息子と孫たちもさまざまな問題を抱えていた。再開発が進み、変わりゆく街のなかで、大家族はそれぞれの人生を歩み始めることに……。2019年に行われた第72回カンヌ国際映画祭で批評家週間のクロージング作品に選出され、主要海外メディアでも高い評価を得ている本作。今回は、こちらの方にお話をうかがってきました。グー・シャオガン監督本作が長編デビューとなるシャオガン監督。国際的に話題となったこともあり、中国映画界の新たな才能として一躍注目を集める存在となっています。そこで、撮影の舞台裏や現代の中国における結婚観の違いなどについて語っていただきました。―本作は2年もの時間をかけて撮影したそうですが、それが作品にどのような影響を与えていると感じていますか?監督この映画はこれだけ長い時間をかけたからこそ、いまの完成度に到達できたんだと思っています。僕にとって時間は、映画のなかでも重要なキャラクターのひとり。時間によって四季や街の様子、そしてキャラクターたちもどんどん変わっていきました。たとえば、劇中に妊娠している女性が登場しますが、それも撮影期間中に彼女が実際に妊娠したので、エピソードして盛り込むことにしたんです。今回の映画は、僕にとっては初の劇映画であり、初めてクルーと一緒に作った映画なので、最初は何もわからないところから始まりました。でも、2年という時間をかけたおかげで監督としてのスキルが上がり、スタッフたちとの連携も研ぎ澄ませることができたと思います。長いマラソンを走っているようでしたが、区間をわけながら自分のペースで走りながら作っているような感覚でした。出演者の親戚に怒られてばかりで、大変なこともあった―もともと撮影は2年かけて行う予定だったのでしょうか?監督実は、最初は1年で撮ろうと思っていました。でも、いま考えれば、それも難しい目標だったかもしれません。というのも、この映画のテーマや出演者が素人であることなど、もろもろの要素が資金集めをするのには向いていない作品だからです。なので、1年目はお金が足りなくなってしまって、知り合いに借金をしながらなんとかしましたが、撮影中はお金が使われるいっぽうですからね。撮りながらお金を集めるという自転車操業のような状況になってしまうこともありました。そこで仕方なく2年目に突入することになったんですが、時間をかけたおかげで台本を修正しながら撮影できたのはいま考えるとよかったことだと思います。―キャストのみなさんは、ほとんどがご自身の親戚や友人だそうですね。見事な演技でしたが、俳優ではない彼らを演出するうえでの苦労もあったのでは?監督素人を演出するときに一番難しいことは、カメラに対する恐怖心を克服させること。僕の親戚も友人も撮影されるのは初めてだったので、最初は数十人に囲まれた状態で演技することがどうしてもできませんでした。コップ1杯の水を飲むことすらできないほど、はじめは緊張していましたから。それも、長い時間をかけて慣れてもらうしかありませんでした。―そのほかにも、忘れられない出来事があれば教えてください。監督本当にいろいろなことがありました。よく見かけたものでおもしろかったのは、最初は緊張していた親戚や友人が慣れてくると、後から入ってくるキャストに対して演出をつけだして、助監督のようなアドバイスをしていたことですね(笑)。あと、おじさんもおばさんも自分たちの仕事をしながらだったので、忙しければ遅れて来たり、気分が悪ければ現場に来なかったりするので、契約書を交わしてもそれ通りにいかないことはたくさんありました。でも、彼らは役者になりたいわけでも、この映画に出て有名になりたいわけでもなく、ただ甥っ子を助ける義理人情だけで出演してくれていましたから。なので、何度か彼らに叱られて大変なこともたくさんありました……。伝統をいかに現代にとどめられるかを探求したかった―ちなみに、どのようなことがあったのでしょうか?監督ひとつは、中秋節という伝統行事のシーンを撮ったときのこと。中国では家族団らんのお祝いごとなので、どういう装飾にしようかとスタッフたちと相談して、いろいろと準備を進めていました。いよいよ撮影の前日というときに、おばさんから僕に電話が入り、怒涛の勢いで罵倒され、何が何だかわからないまま怒られていたんです。理由を聞いたら、あるスタッフが撮影をするおばさんの家に菊の花を置いていたことがわかりました。菊は中国でお葬式のときに使う花ということもあり、「中秋節にはとても縁起が悪い」と気分を害していたのです。ただ、中国のどこかの地方では中秋節に菊の花のお酒を飲む伝統があるらしく、それを聞いたスタッフが飾ろうとしたみたいですが、おばさんはものすごく怒っていましたね。急いで謝りに行き、機嫌を直してもらってなんとか次の日に撮影をしました。そのほかにも、漁師のおじさんの船のライトをスタッフの誰かが壊してしまったときには、僕に電話がかかってきて、また怒られて、謝りに行って、ご機嫌を取るみたいなことを繰り返しましたが、撮影中はそんなことばかりでした(笑)。―大変でしたね。今回は、ご自身の故郷の変化を目の当たりにしたことがきっかけでこの作品が生まれたそうですが、実際に大きな開発が人々にどのような変化を与えているとお感じですか?監督僕がこの映画で目指そうとしていた大きなテーマというのは、「伝統的なものをいかに現代に残すか」ということ。でも、今回の再開発に関して、地元の人や僕は好意的に受けとめています。もちろん名残惜しさもありますが、貴重なものを取り壊したり、無駄に壊したりしているわけではなく、古い街並みをキレイにして、よりよい生活が送れるようにしようというものだからです。ただ、この映画のなかでは、「伝統をいかに現代にとどめられるか」を探求していきたいという思いは、つねにスタッフと共有していた部分です。時代は進まざるを得ないですし、後戻りもできません。それどころかどんどん新しい技術が生まれて、それが未来へと繋がっていきますよね。AIやロボットによって、将来サイバーパンクみたいな世界になるかもしれませんが、そんな未来でもどうやって伝統を残せるかを僕は考えたいと思っています。結婚観がいまでも保守的なことを不思議に感じていた―監督にとって、伝統とは何ですか?監督伝統というのはお寺や古い建物など外側にだけあるものではなく、変わることのない人の心こそが“伝統の核心”だと考えています。たとえば、伝統のある古い建物のなかにいる人がスマホでSNSをやっていたら、それは伝統を体現しているとは言えませんよね?それよりも、人がいかに伝統に想いをはせたり、古いものと自分とのつながりを感じたりする心のほうが大事なんじゃないかなと。社会も街も変化していきますが、人の心というのはそれほど変化しないものだし、いまも昔も変わらないと僕は思っています。―劇中で描かれている世代ごとの結婚観への違いも、非常に興味深かったです。監督僕は映画のなかで3世代の違う結婚観や恋愛観を描きましたが、それがすべての中国人というわけではありません。ただ、典型的な人々を体現しているとは思っています。ちなみに、劇中で家族に反対される孫娘のグーシーの恋愛が出てきますが、あれは実際にグーシーの母親役を演じた僕のおばさんのエピソードを入れました。つまり、僕のいとこのお姉さんが恋人と駆け落ちして何年間も親と不仲だった時期があったということです。いまは和解していますけどね。ただ、僕が生まれ育った杭州は上海から近くて、わりと文化的にも物質的にも豊かな地域なのに、結婚に関してはいまだに親が子どもの結婚をコントロールしようとするところがあると思います。僕がずっと不思議に感じていたのは、中国は経済も発展していますし、どんどん新しくなっている国なのに、その部分だけはどうして古くて伝統的なんだろうかということ。北京に住んでいたときに、アート系のオープンマインドな友人がたくさんできましたが、そういった彼らの家でさえ結婚に関しては保守的な部分があり、疑問を抱いていたので、この映画ではそれを探求したいと思いました。実は、僕自身も恋人や結婚相手に対して、両親から口出しされた経験があるんですよ。世代によって異なる愛を描いてみたかった―親世代と若い世代の考え方の差が生まれる根本には、どのような理由があると感じていますか?現代の中国における若者の結婚に対する考え方についても教えてください。監督反対されたり、ジャッジの基準となったりするのは、相手の経済的な問題ですね。この映画を撮っていて気がついたのは、親世代と僕ら世代の違いは時代背景に影響されているということ。いまの50~60代の人たちが生まれ育った時代はまだ文化大革命の頃で、毛沢東もいて、全体主義の社会で物質的にとても貧しかったのです。大家族で物質的な豊かさを求めていて、そういうものを手に入れることがステータスでもあり、安心をもたらすものでもあったので、彼らにとっては精神的なものを追求することはそんなに大事ではありませんでした。生きるうえで重要だったのは、物質的なものを手にして、国を立派にすることでしたから。それに比べて、いま若い人たちは、一人っ子政策によって大事に育てられ、豊かに発展した社会のなかで、物質的なものに安心感を求めることなく、精神的な追求のほうが大切になっていますよね。そういった部分がいまの中国における世代間の違いを生んでいる理由だと感じました。だからこそ、世代によって異なる愛を描いてみたいというのも、この映画を作った核になっているとは思います。それは、かつておばあさんが経験した愛、4人兄弟それぞれの家族に対する愛、現代の若い恋人同士の愛とさまざまですが、考え方が違うとよいコミュニケーションが取れないことも今回は描きました。日本には大好きな監督や作品がたくさんいる―なるほど。また、監督は日本映画がお好きだと聞きました。影響を受けている監督や作品についても、教えてください。監督映画を観始めたときに岩井俊二監督の作品でおもしろさを知りましたが、ほかにも是枝裕和、橋口亮輔、藤井道人といったいまの監督から黒澤明、小津安二郎、溝口健二といった巨匠たち、あとは中島哲也やホラーの監督まで好きな日本の監督はたくさんいます。おそらく中国と地理的に近いこともあって、文化や美的感覚にしっくりくるものがあるのかなと。好きな作品もたくさんありますが、僕は家族をテーマにした作品からエネルギーやインスピレーションを受けることが多いですね。昨年末に僕の住んでいる杭州で、山田洋次監督と是枝監督の上映会イベントが開催されていて、足を運んできました。その際、大晦日に改めて是枝監督の『歩いても 歩いても』を拝見しましたが、本当にすばらしくて感動したので、「この映画でパルム・ドールを獲ったほうがよかったんじゃないか」と思ったほど(笑)。それくらい僕の一番好きな作品です。派手なストーリーではありませんが、撮るのが非常に上手でいらっしゃるのに、そういうテクニックを見せないところもすばらしくて尊敬できる監督だと感じました。市井の人がおくる日常をリアルに感じられる絵巻をじっくりと眺めるかのごとく、美しい四季の移り変わりを堪能できる本作。そのなかで必死に生きる人々の姿、そしてさまざまな愛のカタチに静かな感動が心のなかに広がるのを感じられるはずです。取材、文・志村昌美荘厳な予告編はこちら!作品情報『春江水暖~しゅんこうすいだん』2月11日(木・祝)Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開配給:ムヴィオラ©2019 Factory Gate Films All Rights Reserved
2021年02月09日米津玄師と映画監督の是枝裕和氏の対談フル映像がYouTubeでプレミア公開された。先日、米津の最新アルバム『STRAY SHEEP』収録曲「カナリヤ」のMusic Videoを是枝裕和氏が監督したことが発表されると大きな話題に。MV公開後、SNSでは「一本の映画を見たような満足感」「涙が止まらない」などの声が寄せられた。対談は古民家をモチーフにしたスタジオで、穏やかなリラックスした雰囲気でスタート。「カナリヤ」MVが誕生したきっかけや、是枝監督がMVに込めた想い、二人の共通点、コロナ禍で日常生活が激変した2020年が終わろうとしている今を両名の言葉で振り返る、約20分にわたる映像となっている。同曲は、外出のできない時期に米津玄師が、ウイルスによっていろんなものが隔てられている、当たり前にあったものが機能しなくなっていくさまを音楽にしなければならないと考え制作されたという。そこに是枝監督作品『誰も知らない』と親和性を感じ、オファーをした事で両名のタッグが実現した。MVには、是枝作品にも馴染みが深い蒔田彩珠(『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』)や、舞踏家・俳優としても活躍する田中泯などのキャストが出演している。米津玄師×是枝監督 対談米津玄師「カナリヤ」MV【監督】是枝裕和(『万引き家族』『誰も知らない』ほか)【キャスト】蒔田彩珠淵上泰史朝見心本村海倉野章子田中泯関連リンク米津玄師 オフィシャルHP米津玄師 公式twitterリリース情報米津玄師 5th ALBUM『STRAY SHEEP』2020年8月5日(水) 発売『STRAY SHEEP』ジャケット<商品形態>おまもり盤(初回限定):CD+ボックス+キーホルダー / 税抜4,500円アートブック盤(初回限定):CD+Blu-ray+アートブック / 税抜6,800円アートブック盤(初回限定):CD+DVD+アートブック / 税抜6,800円通常盤:CD only / 税抜3,000円<収録内容>【CD】(全形態共通)01. カムパネルラ02. Flamingo(ソニーワイヤレスヘッドホンCM)03. 感電(TBS系金曜ドラマ「MIU404」主題歌)04. PLACEBO + 野田洋次郎(野田洋次郎とのコラボ楽曲)05. パプリカ(Foorin「パプリカ」のセルフカバー)06. 馬と鹿(TBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌)07. 優しい人08. Lemon(TBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」主題歌)09. まちがいさがし(菅田将暉「まちがいさがし」のセルフカバー)10. ひまわり11. 迷える羊(大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)12. Décolleté13. TEENAGE RIOT(ギャツビーCM)14. 海の幽霊(映画「海獣の子供」主題歌)15. カナリヤ【Blu-ray・DVD】(アートブック盤(初回限定)のみに収録)LIVE VIDEO:米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃2019.3.11 幕張メッセ展示ホール01. Flamingo02. LOSER03. 砂の惑星04. 飛燕05. かいじゅうのマーチ06. アイネクライネ07. 春雷08. Moonlight09. fogbound10. amen11. Paper Flower12. Undercover13. 爱丽丝14. ピースサイン15. TEENAGE RIOT16. Nighthawks17. orion18. LemonEN1. ごめんねEN2. クランベリーとパンケーキEN3. 灰色と青MUSIC VIDEO:01. Lemon02. Flamingo03. TEENAGE RIOT04. 海の幽霊05. パプリカ06. 馬と鹿
2020年11月28日8月5日(水)にリリースされ、150万セールスを突破するなど2020年を代表するアルバムとなった米津玄師の最新アルバム「STRAY SHEEP」に収録の楽曲「カナリヤ」。映画監督の是枝裕和が手がける、そのMusic VideoがYouTubeにて公開され話題となっている。『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』、そして第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した『万引き家族』など数多くの名作を世に送りだし、世界的にも高い評価を得る是枝裕和監督。是枝監督がMVを手がけるのは約4年ぶりとなり、米津さんとは初タッグの作品となる。コロナ禍で日常生活が激変する中、制作されたアルバム「STRAY SHEEP」の最後を飾る「カナリヤ」は、いまを生きる人たちを優しく肯定するような楽曲となっており、今回、是枝監督がその世界観を余すことなく映像化。『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』と是枝作品にも馴染みが深く、『朝が来る』などにも出演する蒔田彩珠や、舞踏家・俳優としても活躍する田中泯などのキャストが出演し、3世代に渡る男女の物語が折り合う、短編映画のような見ごたえのある作品に仕上がっている。なお、アルバム「STRAY SHEEP」の収益の一部は、カナリヤ基金を通じコロナ禍で困窮している方々に寄付される。米津玄師 「STRAY SHEEP」は配信中、発売中。(text:cinemacafe.net)
2020年11月19日米津玄師が、今年8月にリリースし150万セールスを突破した最新アルバム『STRAY SHEEP』より、アルバムの最後を飾る楽曲「カナリヤ」のMusic VideoをYouTubeで公開した。今回のMVの監督は『誰も知らない』『そして父になる』『海街diary』、そして第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した『万引き家族』など数多くの名作を世に送り出し、世界的にも高い評価を得る映画監督・是枝裕和氏。是枝監督がMVを手がけるのは約4年ぶりとなり、米津とは初タッグとなる。是枝裕和監督 写真 (c)Laurent Champoussin今作は、今を生きる人たちを優しく肯定するような楽曲の世界観を是枝監督が余すことなく映像化。是枝作品でもお馴染みの蒔田彩珠(『海よりもまだ深く』『三度目の殺人』『万引き家族』)や、舞踏家・俳優としても活躍する田中泯などのキャストが出演し、三世代に渡る男女の物語が折り合う、短編映画のような作品に仕上がっている。なお米津玄師は、アルバム『STRAY SHEEP』の収益の一部を、カナリヤ基金を通じてコロナ禍で困窮している方々に寄付するとのこと。米津玄師「カナリヤ」MV【監督】是枝裕和(『万引き家族』『誰も知らない』ほか)【キャスト】蒔田彩珠淵上泰史朝見心本村海倉野章子田中泯アルバムクロスフェード映像米津玄師 「STRAY SHEEP」配信中リリース情報米津玄師 5th ALBUM『STRAY SHEEP』2020年8月5日(水) 発売<商品形態>おまもり盤(初回限定):CD+ボックス+キーホルダー / 税抜4,500円アートブック盤(初回限定):CD+Blu-ray+アートブック / 税抜6,800円アートブック盤(初回限定):CD+DVD+アートブック / 税抜6,800円通常盤:CD only / 税抜3,000円<収録内容>【CD】(全形態共通)01. カムパネルラ02. Flamingo(ソニーワイヤレスヘッドホンCM)03. 感電(TBS系金曜ドラマ「MIU404」主題歌)04. PLACEBO + 野田洋次郎(野田洋次郎とのコラボ楽曲)05. パプリカ(Foorin「パプリカ」のセルフカバー)06. 馬と鹿(TBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌)07. 優しい人08. Lemon(TBS系金曜ドラマ「アンナチュラル」主題歌)09. まちがいさがし(菅田将暉「まちがいさがし」のセルフカバー)10. ひまわり11. 迷える羊(大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)12. Décolleté13. TEENAGE RIOT(ギャツビーCM)14. 海の幽霊(映画「海獣の子供」主題歌)15. カナリヤ【Blu-ray・DVD】(アートブック盤(初回限定)のみに収録)LIVE VIDEO:米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃2019.3.11 幕張メッセ展示ホール01. Flamingo02. LOSER03. 砂の惑星04. 飛燕05. かいじゅうのマーチ06. アイネクライネ07. 春雷08. Moonlight09. fogbound10. amen11. Paper Flower12. Undercover13. 爱丽丝14. ピースサイン15. TEENAGE RIOT16. Nighthawks17. orion18. LemonEN1. ごめんねEN2. クランベリーとパンケーキEN3. 灰色と青MUSIC VIDEO:01. Lemon02. Flamingo03. TEENAGE RIOT04. 海の幽霊05. パプリカ06. 馬と鹿
2020年11月19日第5回マカオ国際映画祭が、12月3日から8日までバーチャル開催される。このたび公式サイトで、是枝裕和監督が特別賞の「スピリット・オブ・シネマ」賞を受賞することが発表された。これまでの同賞の受賞者にはチェン・カイコー監督、リー・シャオホン監督らがいる。是枝監督は、映画談義コーナー「イン・カンバーセーションズ」に参加することも決まっており、こちらは無料で視聴が可能。是枝監督のほか、ヴィゴ・モーテンセン、ホ・ジノ監督、ドイツ人女優のニーナ・ホス、今年の審査員長を務めるニン・ハオ監督もそれぞれ個別に「イン・カンバーセーションズ」に登場する。日本からは「ワールド・パノラマ」部門に春本雄二郎監督の『由宇子の天秤』、西川美和監督の『すばらしき世界』、「スペシャル・プレゼンテーションズ」部門に二宮健監督の『とんかつDJアゲ太郎』、「ショートフィルム・コンペティション」部門にユー・マン・ライ監督の『The Smoke That Blinds Us』(香港・日本合作)が出品されている。作品はオンラインで24時間~48時間レンタル視聴が可能。視聴チケットは13日に発売開始となる。(Hiromi Kaku)
2020年11月11日