■更年期になると、しっかり睡眠をとることが難しくなりやすい「しっかり寝たのに、眠気が強い」「疲れているはずなのに、これまでのように寝付けられない」睡眠不足だと、仕事をしているときや家事をしているときなどあらゆる場面で、心身に不調を感じることを想像することができますよね?睡眠は、日中の眠気やだるさなど身体の不調だけでなく、仕事の効率やモチベーションといった気持ちの不調や風邪を予防するための免疫、ダイエットや美容にも大きく影響しています。ですが、更年期女性の多くの方が睡眠障害を感じると言われています。これをきっかけに、睡眠へのこだわりが強くなったり、眠れないことが不安に感じてさらに悪化してしまうこともあるようです。更年期には女性ホルモンが激減するだけでなく、子どもの独立や身体の衰えなど多くのストレスに直面し、さまざまな更年期症状が出現する中で、睡眠をしっかりとることがより難しくなっている状況がみられるようです。■どうして更年期になると寝不足を感じやすいのか ?更年期の時期に寝不足を感じやすくなる原因としては、「更年期障害によるもの」と「加齢に伴うもの」の大きくふたつがあります。原因その1.更年期障害によるもの女性の身体は「月経」「妊娠・出産」「閉経」を通して、大きなホルモン変化があり、それに伴い睡眠も変調をきたしやすいです。ご自身でも振り返って考えてみたとき、これまで生理のリズムと眠気が連動していると感じてきた方も多いのではないでしょうか ? 更年期の時期になると、のぼせ・発汗・動悸・イライラなどの症状がきっかけとなり、睡眠の不調を引き起こす場合があります。また、更年期の時期に女性ホルモンの影響を受ける変化のひとつに「自律神経系の乱れ」があります。交感神経は、仕事をバリバリこなしているときや運動しているときなどに、優位になります。リラックスしているときやまったりしているときなどには副交感神経が優位になります。これらがバランスを保つことで、元気に頑張れたり、ゆっくり休息をとることができるのですが、更年期の時期は、このバランスが乱れやすくなります。・交感神経が勝手に優位になってしまう「夜眠りたいのに眠れない」「深夜のホットフラッシュで目が覚めてしまう」・副交感神経が勝手に優位になってしまう「日中なのに強烈に眠い」「朝起きたいのに起きられない」という状態になりやすくなり、より寝不足を感じやすくなるのです。原因その2.加齢に伴うもの加齢に伴い、夜中に目覚めてしまったり、熟睡感が減ることは自然なことです。睡眠には、レム睡眠・ノンレム睡眠のふたつがあります。・レム睡眠身体を休める眠り(浅い眠り)・ノンレム睡眠脳を休める眠り(深い眠り)一晩寝ている時間に、このふたつが交互に4〜5回繰り返されるのですが、加齢によってノンレム睡眠の最も深い部分が少なくなっていきます。また、年齢を重ねるごとに、レム睡眠・ノンレム睡眠のサイクルが不安定になっていき、「ぐっすり眠れた」と感じる「熟睡感」を低下させます。更年期障害の症状が出ていないのに、睡眠の不調がある場合は、加齢によるノンレム睡眠(深い眠り)の減少が原因のひとつかもしれません。■生活の中でできること厚生労働省が睡眠障害対処のために出している指針があります。ぜひこの機会に、日々の生活の中で当てはまるものがないかチェックして、今日から実践してみませんか ?1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法を取り入れる3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない4.同じ時刻に毎日起床5.光の利用でよい睡眠6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣7.昼寝をするなら、15時前の20~30分8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全■睡眠薬って怖い ?日々の生活を見直しても、忙しいときはどうしても睡眠時間を確保することが難しかったり、なかなかすぐに改善できないときもありますよね。そんなとき、睡眠障害について、次の選択肢となるのは「睡眠薬」です。でも「なんとなく飲みたくないな……」と感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。癖づいてしまうなどの怖いイメージをもっている方もおられるかもしれませんが、また違った一面もあるようですよ。まず、実際に更年期障害と診断をされた女性のうち、どのくらいの方が睡眠薬を処方されていると思いますか ? 実は、40〜60代まで、おおよそ20%の方は睡眠薬を処方されています。5人にひとりの方に処方されているということを考えると、頻度は多いように思えるかもしれませんが、更年期女性の約半数が不眠といわれていることを考えると、更年期で不眠症状があっても、睡眠薬を飲まない選択肢を選ばれる方も多いようです。現在の不眠治療は、睡眠薬を用いた薬物療法が中心です。睡眠薬は一度使い始めると手放せなくなり、次第に量が増えていくので副作用が怖い。そう思い込んでいる方もいるかもしれませんが、最近の睡眠薬はそういう心配はありません。かつて用いられていた睡眠薬は効果が強力な反面、副作用も強く安全性に問題がありましたが、現在広く使われている睡眠薬は不安や緊張・興奮をやわらげて眠りに導くので自然に近い眠りが得られ、副作用も少なく安心して使えます。ただし長期にわたって漫然と使い続けるのはよくありません! 医師の指導の元に適切に使用することが大事です。また、ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬も売られていますが、あくまでも短期間の使用に限られています。不眠症に対する治療効果は確認されていないので、自己管理で長期間飲み続けることはおすすめできません。主治医の先生の元、適切なお薬で調整してあげてください。■病院に行くとしたら ?病院で睡眠障害について相談すると、基本的に不眠のタイプに応じた「睡眠薬」を使うことが多いです。また、更年期女性の不眠はうつ・不安との関係が強いため、併せて治療をおこなうことが重要です。不安やうつ傾向などがある場合には、「抗不安薬」や「抗うつ薬」を併用します。そして、のぼせなど血管運動神経症状が眠りを妨げている場合には、「ホルモン補充療法(HRT)」が有効といわれています。適切な処方と管理が必要ですので、婦人科医に相談しましょう。睡眠と関係のあるホルモンを調べた研究によると、更年期障害で行われるホルモン補充療法(HRT)により女性ホルモンのエストロゲンの投与をした人は、睡眠の質がよくなったという結果もあります。以前のようにぐっすり眠りたい……。そう感じたときは、日々の食事や運動、生活習慣を見直すチャンスかもしれません。その中で、睡眠薬を使って寝不足を解消することは、安心して使うことができる選択肢のひとつです。また、不安な気持ちがあなたの睡眠に影響を与えている可能性もあります。もし睡眠障害で悩んでいたら、まず最初にこれまでのご自分の様子を振り返り、医師に相談してみるのがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年11月29日更年期障害といえば40代から50代の女性に起こるものだと思われがちですが、20代から30代に症状が表れる若年性更年期障害もあります。今回は若年性更年期障害について解説しますので、自分の症状に不安を感じている方はぜひ参考にしてみてください。若年性更年期障害とはどんな症状?若年性更年期障害の症状は、40代から50代で起こる更年期の症状とほぼ同じで、ほてりや頭痛、イライラ、肩こりなどがあります。さらに症状が悪化することで骨粗しょう症、膣の乾燥や委縮、無月経症などの症状が出る可能性も。「忙しかったから体調不良になったのだろう」と安易に自己診断はせず、不安要素がある人は医師の診察を受けましょう。若年性更年期障害の原因は?若年性更年期障害は過剰なストレスや無理なダイエット、睡眠不足、食生活の偏りからくる自律神経の乱れによって、若いうちから卵巣機能の低下を引き起こすことが原因だと考えられています。過剰なストレスの背景には働く女性が増え、仕事でのストレスを抱えやすくなったことも要因かもしれません。若年性更年期障害の治療法は?もしかして若年性更年期障害かもしれないと思ったら、まずは婦人科でホルモン値を検査してもらいましょう。漢方薬やホルモン療法でホルモンのバランスを正常にする方法があります。そしてなにより大切なことは普段の生活習慣を見直すことです。生活習慣を変え自律神経を整える自律神経を整えるためには、普段の生活習慣を変えることが大切です。朝起きたら日光を浴びるようにしましょう。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が高まり、精神を安定させてくれます。お風呂はシャワーで済ますのではなく、ゆっくりと湯船に浸かるようにしましょう。また、良質な睡眠をとるためにも、眠る前はスマートフォンなどを見るのは避け、睡眠をきちんととる習慣を身に付けてください。ストレスをためないようにするストレスは卵巣の機能に影響を与えます。ストレスをためすぎないためにも、ストレスを解消する方法を見つけましょう。軽い運動をしてみたり、趣味を見つけたり、美味しいものを食べたりするのもおすすめです。ストレスの緩和をおこない、ストレスホルモンを減らし、女性ホルモンの分泌を増やしましょう。男性にも若年性更年期障害がある?更年期障害といえば女性に起こるイメージですが、男性に起こる可能性もあります。男性の更年期障害は、環境変化や過度なストレスにより男性ホルモンが急激に減少することで起こるのです。30代後半から50代という働き盛りの男性にも起こり、精力が落ちたり動いていないのに発汗したりと、さまざまな不調が表れます。男性が不調を感じたら泌尿器科を受診し相談してみましょう。不安な方はセルフチェックをしてみようもしかして若年性更年期障害かもしれないと思っても、婦人科へ行くのをためらっていませんか。まずは自己診断ができるセルフチェックを試してみましょう。現在の自分の症状を把握して、生活習慣を見直したり婦人科に診察に行ったりして症状が改善できるよう努めてください。
2020年11月27日女性であれば誰もが経験するといわれている更年期。年齢が上がっていくにつれ、どのような症状があるのか不安になりますよね。更年期が始まる前に症状や対策を知っておけば、更年期を迎えたときに戸惑うことが少なくなり、上手に付き合えることでしょう。これから更年期を迎える方はぜひ参考にしてください。更年期の主な症状は?更年期の症状は重い方もいれば軽い方もいます。実際はどのような症状があるのでしょうか。主な症状を紹介します。ホットフラッシュや動悸血管運動神経系の症状としてあげられるのが、ホットフラッシュや動悸、発汗などです。ホットフラッシュとは突然体が熱くなる症状で、顔のほてりから始まり、頭や上半身にまで広がり、大汗をかくことも。顔だけという人もいますが、女性の6割程度が経験する典型的な更年期症状として知られています。動悸は激しい運動をしたわけではないのに胸がどきどきしたり、夜寝ているときに急にどきどきしたりすることもあります。肩こりや腰痛運動器の症状として肩こりや腰痛、関節痛などがあげられます。肩だけでなく首から背中にかけて傷んだりだるくなったりする人が多いようです。女性は肩や腰周りの筋肉が男性よりも弱いため症状が出やすく、特に更年期以降は老化の影響もあって、肩こりなどが増加するといわれています。イライラや不眠精神神経系の症状として知られているのが、イライラや不眠、情緒不安定などでしょう。以前は気にしなかったことにイライラしてしまったり、ささいなことに怒ったり、突然の焦燥感にかられたり。感情のコントロールが難しくなる女性が多いようです。更年期は女性ホルモンに関係?年齢を重ねると女性ホルモンが減少すると耳にしますが、更年期とどのような関係があるのでしょうか。卵巣の衰えによる自律神経の乱れ加齢とともに卵巣が衰え、卵子のもとである卵胞の減少や卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が減少します。女性ホルモンの分泌は脳でコントロールされているのですが、卵巣機能の低下によって脳がうまくコントロールできなくなってしまうのです。そのため自律神経の働きが乱れ、更年期の症状を引き起こします。月経不順は更年期のサイン卵子のもとである卵胞の数が減少すると、月経周期は短くなります。また、月経の日数が短くなったり、月経量が増えたり減ったりするなどの月経不順が出ることも。これらの症状が出始めたら、更年期の始まるサインと捉えてもいいでしょう。更年期の症状を軽減させる対策は?多くの女性が「更年期のつらい症状を少しでも軽減したい」と思っているでしょう。更年期症状は卵巣の衰えから女性ホルモンが低下したことで引き起こされるため、ホルモンを補充することで症状を軽減することができます。ホルモン補充には、飲み薬や貼り薬、塗り薬などがありますので、自分に合ったものを医師と相談して選択しましょう。更年期の症状によっては、漢方薬や向精神薬を処方してもらうことを検討してもいいかもしれません。また、栄養バランスのとれた食事やウォーキングなどの有酸素運動は、更年期の症状軽減に有効ですので試してみてください。更年期が心配な人はセルフチェックしてみよう自分の症状が更年期に当てはまるのかどうかの判断は難しいものです。そんな方には、医療機関や製薬会社がHPに掲載しているセルフチェックをおすすめします。更年期は女性の誰もが経験するものです。ひとりで悩まず、まずはセルフチェックをしてみましょう。やはり更年期症状だと判明したら、医師に相談したり、日常生活を改善したりしてうまく更年期を乗り越えていきましょう。
2020年11月26日更年期症状は誰にでも起こるもので、症状の程度はさまざま。軽く済む人もいれば、日常生活もままならない状態に陥る人も。症状がつらく日常生活に支障を来すのなら、それは更年期障害です。我慢しないで医師の診察を受けましょう。ただ、更年期障害の症状はさまざまで、何科にかかればいいのかわからないということも。受診の目安や何科を受診すればいいのかを産婦人科医の粒来 拓先生に聞いてみました。更年期障害に我慢は無用。受診の目安は?更年期障害はさまざまなので、日常生活に支障が出るくらいひどいようなら我慢せずに医師の診察を考えましょう。まずは、更年期障害の全体的な不安を相談するという目的で、婦人科で相談してみてください。子宮がんや子宮筋腫、卵巣嚢腫など婦人科の病気の有無を確認し、月経の状態やホルモン値の結果などから更年期障害なのかを判断してもらいます。更年期には、実は更年期障害が原因ではなく、ほかの病気が隠れているケースもあるので、本当に更年期から来るものなのかをきちんと調べることも大切です。例えば、動悸・息切れは本当は心臓の病気かもしれません。めまいは耳鼻科疾患や脳梗塞のサインなんてことも。婦人科から症状に合ったほかの科での詳しい検査をするよう紹介される場合も多くあります。更年期障害は多岐にわたるので複数の科との連携で診察していくものなのです。自分と相性の良いクリニックの見つけよう更年期障害で複数の科を受診するようになったとしても、とりあえずなんでも相談しやすいホームドクターがいると心強いものです。それは婦人科に限らず、どんな科の医師でも自分との相性の良さを優先し決めましょう。つらい本音を話しやすく、何科で診てもらうべきか相談できるような医師を見つけられるといいですね。日本女性医学学会(旧日本更年期医学会)のホームページで、産婦人科の中でも特にホルモン関連に伴う不調を専門とした女性ヘルスケア認定医を検索できるので、それを利用してみるのもおすすめです。※日本女性医学学会まとめ更年期障害は程度の差こそあれ何年か続くケースもあるので、我慢しないで早めに受診を考えることは大切です。自分と相性の良い医師を見つけ更年期障害とうまく付き合っていくことができれば、ひとりでつらい思いをしなくても済みますね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月25日更年期症状がひどくなり、更年期障害となる原因はあるのでしょうか? 実は更年期障害は、環境の変化や加齢などさまざまな要因が重なって起こるものだそうです。そこで更年期障害の原因を産婦人科医の粒来 拓先生に聞きました。更年期症状が現れる仕組み卵巣の寿命は50年前後といわれます。卵巣ホルモン(エストロゲン)の分泌は、脳にある視床下部と下垂体が卵巣を刺激するホルモンを使ってうまく調整されています。しかし、卵巣の機能が弱ってくると、エストロゲンの分泌量が不安定になり、脳からの刺激がうまく機能しません。そのゆらぎの結果、自律神経が乱れ体にさまざまな不調が現れるようになります。それが更年期症状です。更年期障害になりやすい人や環境要因はあるの?更年期症状は、程度の差や出る症状の違いはありますが、つらいと思わずにうまく付き合っていける人もいます。その症状がひどくなり更年期障害になってしまう場合、エストロゲンの分泌量の減少が第一の原因ではありますが、なりやすいタイプや社会的環境も影響しているといわれています。特に更年期障害になりやすいタイプは、“まじめ”“完璧主義”“神経質”な人が多いとされます。一方、なんでも「ま、いいか~」「なるようになる」などとおおらかに考えられる人は軽く済む傾向があるとされます。社会的環境の要因としては、育児、家事、仕事、親の介護など、自分の生活に大きな変化があり、それらのストレスが重なると症状をひどくする原因になります。症状を悪化させ更年期障害までいかないようにするためには、ひとりで問題を抱え込まず、できるだけ周りの人に相談したり、協力を得られるようにすることが大切です。まとめ更年期症状を更年期障害へと悪化させないためには、周りの人に協力してもらいながら、自分の不調を受け入れ、つらいときはつらいと声に出し、いつかは安定すると信じて過ごすことです。ただ、気軽に話せる人がいないと思うなら、婦人科、心療内科、精神科、内科など更年期の専門家に頼るのが症状軽減の近道です。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月24日誰にでも訪れる更年期。でも、更年期っていったいいつから? どんな症状が更年期症状なの?などよくわからない人も多いのでは。そこで産婦人科医の粒来 拓先生に更年期はいつから始まり、どんな症状が出るのかを聞いてみました。更年期っていつから?卵巣には寿命があり、50歳前後といわれています。その卵巣が弱ってきて、今まで規則的に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の分泌が減少し、その結果、月経が止まることを閉経と言います。この閉経の前5年、後ろ5年の合わせて10年間を“更年期”と呼びます。月経は突然パタッと来なくなる人はまれで、周期が短くなったり、だんだん間隔が空いたり、不順になったと思ったらまた順調に来たり。閉経までの過程はさまざまです。最終的に、最後の月経から1年間出血がなければ閉経と診断されます。日本人の閉経年齢の平均は50.5歳とされますが、実際には45歳から55歳までと幅があり、その人にとっての閉経年齢から前後5年間が更年期となります。ですので、40代に入れば誰しもが更年期である可能性があります。更年期症状ってどんなもの?更年期症状とは、更年期の期間に現れるさまざまな症状のことを言います。更年期に入ると女性ホルモン、特にエストロゲンの分泌量が減っていきます。脳の視床下部は頑張って分泌させようと指令を出し続けますが、それまでのようにはエストロゲンを維持できません。エストロゲンは子宮だけでなく体のさまざまなところに作用しているので、不足すると自律神経失調症に似た症状(のぼせ、ほてり、発汗など)をはじめ、さまざまな体の不調を引き起こします。これが更年期症状です。誰もが迎える更年期ですが、症状が軽く、生活に支障なく過ごせる人も多くいます。自分で心身の変化や状態を受け止めて、医療機関への受診を含め更年期症状とうまく付き合う方法を見つけていくことが大切です。よく現れる更年期症状とは?更年期によく現れる症状は、以下のものがあります。①血管運動神経症状(のぼせ、ほてり、発汗)②精神神経症状(イライラする、憂うつになる、不眠、不安感が強い)③頭の症状(頭痛、頭が重い)④末梢神経系(手足のしびれ、こわばり)⑤運動器系(肩凝り、腰痛、関節痛)⑥生殖・泌尿器系(頻尿、尿漏れ、性交痛)⑦皮膚の症状(乾燥肌、かゆみ)⑧消化器系(のどの違和感、おなかが張る、便秘)⑨循環器系(動悸、息切れ)⑩全身症状やそのほか(だるい、疲れやすい、冷え、めまい、ふらつき、ドライアイ、目の疲れ、においに敏感、物忘れが多い、指が太くなる、太りやすい)多く見られるのは、①血管運動神経症状ののぼせ、ほてり、発汗、次に多いのが②精神神経症状のイライラする、憂うつになる、不眠などです。現れる症状は人によってさまざま。症状に強弱はあるものの、いろいろ重なって現れることが多いとされます。更年期症状と更年期障害との違いひとえに更年期と言いますが、“更年期症状”と“更年期障害”は区別して考えると良いでしょう。更年期症状は、エストロゲンの分泌低下に伴うもので誰しもが通る道です。かといって、過度に不安になる必要はありません。実際に、生活に大きく支障が出ると“更年期障害”と言います。“更年期症状”の範囲内で過ごせるか、“更年期障害”となってつらくなるかは、エストロゲンの分泌低下だけでなく、精神面、環境面の要素が大事であるとされています。一般的には、頑張り過ぎて、更年期に戸惑いを感じている方がなりやすい印象です。残念ながら20代・30代のバリバリ元気な世代とは体が異なります。エストロゲンの分泌量が不安定になり、そのゆらぎが体につらくこたえるのが更年期です。ひとりの社会人であり、妻であり、嫁であり、娘であり、母である。女性を称する言葉はたくさんあります。ひとりでいろいろな役割をこなして休みがない世代と言えるでしょう。更年期とうまく付き合うためには、ほかの誰かのためではなく自分優先、自分のペースを探る必要があります。まとめ更年期は“更新する”時期です。気張らずに自分のペースでうまく付き合う姿勢が良いですね。更年期のどの症状がどの程度強く現れるかは本当にさまざまです。そして、いつか終わりがあるものです。症状がさまざまであれば、治療もさまざま。サプリや漢方薬といった比較的取り組みやすいものから、ホルモン補充療法や安定剤といった治療まであります。「更年期かしら?」と悩んだら、気軽に婦人科で相談をしてくださいね。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年11月23日私たちの体内で日常的にできては溶けている血栓。生活習慣の影響で、それが重篤な病気の原因になることも!さらには、更年期の女性こそ特に注意したい症状なのだーー。コロナ禍で巣ごもり生活の傾向があるなかで、気づいたら暮らしだけでなく「体形までも変わってしまった!」と、嘆く人が増えている。この“コロナ太り”を放っておくと、「生活習慣病を通り越して、『血栓症』のリスクが高まってしまう」と警鐘を鳴らすのは、浜松医科大学医学部の浦野哲盟教授だ。「肥満になるのと比例して血液中に出てくるのが『PAI-1』(パイワン)という物質です。このパイワンは、血管の内側にある血管内皮細胞で作られ、不要な血栓を溶かしてくれる『t-PA』という物質の働きを抑えます。通常、血栓は血管の中で自然にできて溶けることを繰り返していますが、溶けにくくする物質が増えることで、血栓症になるリスクが高くなるのです。血栓症は、血栓で血管が閉塞することにより起こる疾患で、心筋梗塞や脳梗塞、またエコノミークラス症候群といった重篤な病気がその代表例です。深刻な事態になる前に、血液検査の数値を正常な状態に戻しておくことがとても大切です」(浦野教授・以下同)血栓症が起こる原因は主に3つある。1つはコレステロール値が高く、血液がドロドロになることで、体内の水分不足による脱水状態も同様である。もう1つは加齢や動脈硬化で血管がボロボロになること。そして3つ目は身体活動の量が落ちるために血流がゆっくりになること。いずれも、女性ホルモンの減少とともに肥満傾向の人が増えてくる更年期の女性は特に注意が必要だ。できた血栓が心臓の動脈内で詰まると心筋梗塞、脳の動脈で詰まると脳梗塞に見舞われる。下肢の静脈に血栓ができると、痛みや腫れが生じるエコノミークラス症候群になる。さらにはがれた血栓が肺の血管を詰まらせると、胸が痛い、呼吸が苦しいといった症状や突然死を引き起こす肺塞栓症を発症する。症状が重篤化する前に、血栓ができやすい生活を送っていないか次のチェックリストで振り返ってみよう。【こんな人は血栓ができやすい!】□ 脂のこってりした食べ物が大好き□ 体を動かす習慣がない□ コロナ禍で座って過ごす時間が増えた□ トイレが近くなるのが嫌であまり水分は取らない□ 手足のしびれや肩こり、腰痛などがある□ 血液検査でコレステロール値や中性脂肪の数値が高い「脂のこってりした食事や加工食品をよく食べる人はコレステロール値や中性脂肪の数値が高くなります。また、水をあまり飲まない人や、“新しい生活様式”で座る時間が増えたり、体を動かす機会が少なくなったりしていたら要注意です。血流が滞ることで足の冷えやしびれ、肩こり、腰痛などが起こることがあります。気になる症状があれば、血液検査や頸動脈エコーなどの検査を受けて、血液をさらさらにする作用のある薬を飲むなど、早めに対処しましょう」「女性自身」2020年11月24日号 掲載
2020年11月21日それまで順調だった生理の周期が短くなったり、逆に回数が減ったりした経験はありませんか?年齢によっては「更年期なのかな?」と悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、一概には更年期だけのせいだとはいえないようです。生理の周期や経血量に変化があった場合は病気の可能性もあります。更年期の生理について確認しておきましょう。更年期になると生理に変化がある?更年期になると生理周期に変化があります。生理の周期や量が一定ではなくなってきたら更年期のサインかもしれません。生理周期が気になっている方は照らし合わせてみてください。月経周期が短くなる傾向がある日本人の一般的な更年期は40代半ばから50代半ばまでといわれています。40歳を過ぎてからは生理の周期が短くなり、周期が不規則になっていくのです。その後は周期が長くなっていき、50代で生理が止まり閉経を迎えます。生理不順は更年期が原因とは限らない40代で生理不順が起こりやすくなると考えられていますが、必ずしも更年期だけが原因だとは限りません。病気による不正出血の可能性もあります。病気を見落とさないためにも、不正出血に不安を感じたら病院を受診するようにしましょう。更年期の月経過多は病気の可能性も更年期の月経は、月経過多や頻発月経が起きる場合もあります。経血量が多いだけでも貧血の恐れがあるので治療が必要になりますが、それ以外にも病気が隠れている可能性も。月経過多による病気を確認しておきましょう。子宮筋腫子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍のことです。主な症状は、経血量の増加とレバーのような血液の塊が出ます。生理痛や貧血、排尿異常などが起こるケースも。7日以上出血が続いた場合には、子宮筋腫を疑ってみましょう。子宮腺筋症子宮腺筋症は、子宮筋肉層に子宮内膜と似た組織が増殖することで経血量が増える症状です。症状は生理痛が強く、月経終了後まで数日続く場合もあり、月経過多による貧血も起こります。症状が深刻な場合は子宮の全摘出手術となる可能性もあるため、疑いがある場合は早めに受診する方が良いでしょう。子宮内膜ポリープ子宮内膜ポリープは、子宮内膜の細胞が異常増殖してできるのですが、良性のことがほとんどです。しかし、このポリープが原因で経血の量が増え、生理の期間も長引きます。出血量によっては貧血の症状を起こすケースも。一般的には良性腫瘍のことが多いですが、多発していることもあります。思い当たる症状がある人は、一度婦人科を受診してみてください。子宮頸がん子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部に発生するがんで、婦人科健診で発見しやすいと言われていますが、進行すると治療が難しい病気でもあります。主な症状としては、月経以外での不正出血や、茶色い膿のようなおりものの増加です。進行すると下腹部の痛みや排泄時に血液が混じることも。特に早期発見がカギとなる病気なので、気になる症状がある場合にはすぐに病院へ相談しましょう。大量出血や生理痛がひどい場合は受診しよう更年期を迎えると、一般的に生理周期が短くなり、経血量にも乱れが起こります。その中でも月経過多による大量出血が起こったり、生理痛がひどくなったと感じた場合は、病気の可能性を疑って病院を受診したほうがよいかもしれません。更年期の体の変化を知ったうえで、自分の体のことを一番に考えましょう。
2020年11月20日50歳のころ、閉経という人生の境目に近づき、精神的にも落ち込むことが多い時期でした。ただ、それが更年期障害というものなのか実感としてわかなかったことも事実。しかし、月経の大量出血が起き、生活にも支障を来してしまったのです。いつどこで出血が起きてしまうかわからないので、レストランでゆっくり食事もできない状態でした。それではっきりと、もしかしてこれが更年期障害というものなのかと気付きました。そのときにおこなった解決方法などについてお話しします。閉経前の大量出血の原因は?50歳の誕生日を迎えるころから、月経のときの出血に違和感を覚えるようになりました。最初はタンポンから血が漏れていることが多いなと不思議に感じましたが、タンポンの入れ方が悪かったのだろうと気にしないようにしていました。しかし、友人の車に乗せてもらった際に大量出血。これはちょっとおかしいと感じました。そこでネットで月経の出血が増える原因を調べてみたのです。大量出血が起きる可能性を調べると、次のようなことが見つけられました。ホルモンバランスの乱れ子宮筋腫子宮腺筋症子宮内膜ポリープ子宮内膜増殖症病気がある場合は早期発見、早期治療が大切。そこでネットを参考に次のことをチェックしました。また、チェックしておくと婦人科に行って説明がしやすかったこともメリットでした。出血の量血液のかたまりが出る鈍痛月経期間の延長月経ではないときの出血排尿が苦痛腹部のしこり私の場合は、タンポンから漏れるほどの大量出血、レバーのような塊が見られる、月経が少し長いことを伝えました。月経があるときには婦人科に行かないほうが良いと思っていましたが、医師に「必ずしもそうではないよ」と言われました。出血しているときの受診のほうが、医師が判断しやすいこともあるそうです。まず電話で相談して、医師にどのような状態で診察してもらうのが良いのか聞いたほうが良いのだなと思いました。ホルモン補充療法はリングで診断の結果、病気は見つからず更年期障害と診断されました。更年期障害ということで、ホルモンのバランスを整えることになりました。基本的には、年に2回必ず婦人科でチェックをしてもらっているので、病気になることはないと思っていましたが、それでも心配でした。ホルモン補充療法の方法はいろいろありますが、もともと私は避妊のためのリングを使っていたので、更年期用に変えることにしました。更年期用のリングはリングにホルモンが付けられており、少しずつ体内に吸収されていくというものです。大量出血以外にも、疲れやすさや気持ちの落ち込みなどもあったかと思います。忙しくしていたため、自分では気付かなかったのですが。リングを入れたあとの月経ではまったく問題がなくなりました。タンポンから出血が漏れることがなくなり、安心してどこにでも行けるようになりました。若い人たちに混じって大学生をしていて授業中に漏れてしまったらどうしようかと思っていたのでとてもうれしかったです。54歳になってから月経がないので、多分閉経したのだと思います。このまま様子を見て、1年以上月経がない場合はリングを除去するそうです。リングを利用するメリット・デメリット医師によると、リングを使用するメリットは、経口タイプの薬より副作用が少ないこと、飲み忘れがないこと、直接作用するため効果がすぐに期待できることだそうです。ホルモンを定期的に体に補充するために、飲み忘れをしては効果が期待できません。私はほかの薬も忘れがちなタイプなので、子宮内に入れたらそのままという方法がぴったりでした。デメリットは合わない人もいることだそうです。私の場合は41歳の3人目の妊娠で腎臓の機能が低下したため、4人目の妊娠は絶対無理と言われリングを入れました。リングを入れる際に痛みがある人も多いそうですが、私の場合はリングを入れることだけを専門にしている医師に頼んだので痛みはありませんでした。ただし、その後数カ月は違和感があり、数回の受診をしています。なかには痛みや違和感に我慢できず、途中で外してもらう人もいるほど、合わない人は本当に合わないようです。私の場合、半年ほど過ぎたころからまったく違和感がなくなったので、ある程度の時間は必要なのではないかと思います。まとめリングを入れることで大量の出血がなくなり、更年期障害の時期を気持ち良く過ごしました。精神的な問題もなく過ごせたのはリングのおかげだと思います。ちょうどその時期学生だったこともあり、学校を続けていけるのかとても心配でしたが、婦人科医に相談し、面倒なこともなく55歳までとても気持ちよく過ごしています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年11月04日■いよいよ突入した更年期。汗で仕事に取りかかれないことも——更年期を自覚するようになったのはいつごろですか?まず40代後半に、小さな字が見えにくくなり老化現象を自覚しました。そのころから生理周期が乱れてきて、貧血の症状も出てきましたね。「そろそろ更年期に突入なのだろう」と覚悟しましたが、はっきり自覚したのはその後ホットフラッシュの症状が出たときです。もともと汗をあまりかかない体質だったのですが、スタジオに着くと汗が吹き出し、少し時間をおかないと仕事に取りかかれないということもありました。正直に伝えて、汗が引くまで待ってもらっていましたね。また、夜ベッドに入る前に首の後ろがカーッと熱くなるのを感じたこともあります。——ホットフラッシュ以外に悩まされた症状はありましたか?当時は頻繁にパーティーのお誘いがあり、できるだけ出席するようにしていたのですが、メイクもしてドレスに着替え、「さぁ、出かけよう」というときに急に人混みに行くのに気後れがして、ドタキャンなんてこともありました。当時はそうとは思っていませんでしたが、今思うとそんな心のゆらぎも更年期のせいだったかもしれません。あとは、朝起きてベッドから立ち上がるときに、かかとに痛みを感じることも。ドライマウスになって、レコーディングのときにリップノイズが気になるようにもなりました。■心身の不調を支えてくれた「植物療法」と「MY婦人科」——野宮さんは体の不調を改善するにあたって植物療法(フィトテラピー)の勉強を始められたそうですが、どういったものなのでしょうか?フィトテラピーは、植物が持つ薬理効果を利用して、症状を緩和させる療法です。植物のなかには女性ホルモンに似た作用を有するものがあり、更年期の心身の変化を穏やかにしてくれるんです。私はホットフラッシュに悩まされていたころに、ペパーミントのエッセンシャルオイルから手作りしたクールダウン用のスプレーを使ったりしていました。フランスでは、街の植物薬局(※1エルボリステリア)でサプリメントが簡単に手に入るので、パリへ行くたびに購入して飲んでいましたね。今では日本でも簡単に手に入れることができますよ。ハーブティーやチンキ剤、アロマなどで取り入れる方法もあります。※1:ヨーロッパの人々の暮らしに根ざしている、ハーブ薬局。身体の不調を感じたとき、相談に行くと植物の知識が豊富な薬剤師が親切丁寧に個人個人に合ったハーブやケアを提案してくれる。——ほかにも症状を改善するために実践していたことがあれば教えてください。エストロゲン(※2)に似た作用のある大豆製品を食べたり、、細胞や血管の若返りのためにオメガ3(青魚、くるみ、亜麻仁油など)、ホルモンを作る材料になるオメガ6(紅花油など)は体内で作り出せないので意識して取るようにしています。それから一番大切なことは、信頼できる「MY婦人科」を持つこと。ホルモン療法や漢方薬を組み合わせたりと、さまざまな提案をしてくれます。私もかかりつけの婦人科に定期的に通い健康管理をしています。婦人科は更年期に限らず、思春期から老年期まで幅広い世代の女性が健やかに幸せに暮らすためのアドバイスをしてくれるところ。思春期の女の子を持つ方はぜひ一緒に行ったり、信頼できる情報をシェアしてあげることをおすすめします。※2:女性ホルモンのひとつ■更年期は、誰にも訪れる「第二の思春期」——更年期障害は、周囲の理解を得ることで避けられる苦しみや悩みがあると思います。野宮さんは、症状の悩みを打ち明けられる相手は身近にいらっしゃいましたか?夫とは一緒にフィトテラピーを学びましたが、同世代の女性同士ではあまり話題にならなかったのが不思議でした。同級生に質問をしても、更年期について話すのはタブーのような雰囲気がありましたね。——今でも更年期にまつわる不調は、話題にしづらい「デリケートなもの」という空気があるように感じます。どうすればもっと気軽にシェアできるのでしょうか。更年期は女性ホルモンが激変するので、第二の思春期とも言われます。心身がゆらぐのは仕方がないこと。思えば、思春期の息子が急に口を聞かなくなったり、イライラしていたときには「これは君のせいじゃないよ。ホルモンのせいだよ」と息子にも自分にも言い聞かせ、その時期が通り過ぎるまではそっとしておきました。更年期もそれと同じ。時期が過ぎれば、さまざまな不調からは開放されます。そのことを周りにも理解してもらうことが大事だと思います。今は、渡辺満里奈さん(50)、松本孝美さん(55)、私(60)という5歳違いの3人で「大人の女史会」を結成して、活動を開始したところです。「ひとりで悩んでいないでみんなで解決!」をモットーに、女性の身体や心のこと、更年期のことなどを、同じ悩みを抱えている女性に発信していけたらと思っています。■女性であることをあきらめないで。ポジティブな更年期を送るための視点——更年期の前後で、大きく変わったと実感されていることがあれば教えてください。更年期とは、生理が止まり子供を産める身体ではなくなるというですから、そういった意味での女性としての寂しさというか、喪失感が私にはありましたね。それはしょうがないことなんです。でもそれは一方で、”子供を産む役割を持った女性の性”から解放されることを意味します。また、来るべき老い、そして死を意識することで、「今を大切にすること」をこれまで以上に学ぶことができました。これまで自分は何を大切にして生きてきたのか、そしてこれから何を目指して生きていくのか。更年期は、それを考えるためのかけがえのない時期だと思います。ほかにもおしゃれの観点からいうと、更年期を過ぎるころにはこれまで難しかった派手なアイテムが似合うようになります。トーンの落ちた髪や肌には、ダイヤモンドや赤い口紅が似合うんですよ! 白いパンツもいつでも着られますし、おしゃれな老眼鏡がファッションアイテムに加わります。そうやって更年期による変化をポジティブな視点で見ていくことが大切ですし、それが女性として成熟するということだと思います。——これから更年期を迎える方、今まさに症状に苦しんでいる方にアドバイスをお願いします。更年期は、「自分の身体がどう変化するのだろう」ととても不安ですよね。でも安心してください。更年期のトンネルを抜けたら、女性ホルモンに左右されず気分が安定し、新たなステージを謳歌できるときが来たと実感できるものです。それまでどうか、ご自身の身体を大切にしてほしいと思います。一番大切なことは「女性であることをあきらめる必要はない」ということです。加齢や老化、更年期に押しつぶされて、“女性”であることの楽しみや喜びをあきらめない。これからも人生はまだまだ続きます。美しく健やかに幸せに生きることを願い、好奇心を持って楽しみながら暮らしていけば、おのずと成熟した素敵な女性になれると信じています。◼︎野宮真貴さんのプロフィール歌手、ミュージシャン。ピチカート・ファイヴの3代目ボーカルとして、90年代の渋谷系ムーブメントを巻き起こす。現在も圧倒的な存在感と歌唱力で、音楽業界に留まらずカルチャーやアート、ファッションなど多方面で活躍中。
2020年10月31日座談会に参加していただいたDRESS会員さまプロフィール白石 美亜 さん10代の頃からプロモデルとして各種スチールやショーで活躍。エステシャンやアロマセラピストとしての経歴もあり、美容家として、最近はインフルエンサーとしても活動の幅を広げている。DRESSの大人のための美容部の部長。プライベートでは男の子3人のママ。鈴木 久美子 さん普段は商社にお勤めのDRESS会員。現在は「DRESS大人のための美容部」に所属し、主に美容系のイベントを中心に参加する。千葉 まお さん外資系ラグジュアリーブランドのファッションアドバイザーとして銀座にて5千人以上の富裕層の接客をし、総合商社の秘書を10年以上務める。現在は30歳以上の女性に向けライフデザインスクールとマナースクールを主宰。プライベートでは2児の母。監修医師プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。■「更年期」はデリケートでネガティブ!?――今回は更年期座談会ということなんですが、そもそも身近な人と更年期の話をすることはありますか?白石さん(以下敬称略):ほとんどないですね。前に40~50代くらいの理不尽に怒る男性が職場にいたとき、女性のあいだで「男性更年期じゃない?」って話をしたことはあるくらいかも。千葉さん(以下敬称略):私の知人にも、急に気持ちが不安定になる方がいて、周りから「更年期みたいだ」と言われていたことがありました。でもそれは本当に更年期による不調のあらわれなのか、その人の性格なのかわからないですし、ホルモンバランスの乱れによるものだったとしたら、その人はすごく苦しかったと思います……。私も上司に冷たくしたら「千葉さんは更年期だから」って陰口言われたんだろうなって思ったりもします。鈴木さん(以下敬称略):私の職場でも、感情の起伏が激しい人がそのくらいの年齢にさしかかっていると、もしかしたらって思いますが、失礼にあたるから言えないし、どうコミュニケーションをとったらいいかわからないんですよね。たとえば「インフルエンザのときは、病院にいってこの薬を飲んで、少なくとも1週間は安静にして……」みたいに、対処法が明確に決まっているじゃなですか。でも更年期障害となると情報が不足していて、どうしようもないと思ってしまうのが現状というか。白石:周りはどうしたらいいかわからないですよね。場合によってはセクハラみたいに受け止められやすいのかなって。南先生からのアドバイスたしかに周りがどうしていいかわからない……というのはありますよね。更年期障害の主な原因は女性ホルモンの急激な低下ですが、それに加え、心的ストレスや職場や家庭における人間関係などさまざまな誘因が関わっているとされています。周囲の人間が正しい知識をもって、サポートできるような環境作りができると理想ですね。■これって更年期? 疲労? PMS? 女性は不調の原因が多すぎ!——更年期について話せる機会って全然ないですね……。実際、更年期ってどういう印象がありますか?鈴木:病気じゃないけど不調が続くって感じですかね。体調不良だったり、感情の起伏だったり。白石:でも自分が怒りっぽくなっているときに、それが更年期なのか、単なる疲れが原因なのか自分ではわからないんですよね。ピキッときて子どもに怒ったときに、これが更年期なのか自分が疲れてイラッとしちゃったのか、それとも生理前のPMSなのかがわからない。千葉:それ、私もあります!「こんなに自分は怒りっぽかったっけ?」と思うときに、果たしてこれはただイライラなのか、それとも更年期の始まりなのかなって。更年期の始まりは個人差があると伺っているので、どうやったら判明するんだろう。白石:しかも対処の仕方もわからないので、自然に治まるまで待つしかないって印象です。前に「更年期にはプラセンタは効く」って聞いて、私も予防的にプラセンタ注射をやっていたときがあったんですよ。でも週1でやらなきゃいけないから面倒臭くなって行かなくなっちゃって(笑)。南先生からのアドバイス40歳を過ぎると、イライラしたり怒りっぽくなったりすることがあると、これって更年期かな? と思われている方も多いかもしれません。そもそも更年期とは、閉経の前後5年間と定義されています。日本人の閉経は平均50.5歳ですので、45~55歳頃に相当します。40代になってすぐ症状を自覚される方もいらっしゃいますが、規則的に月経がある45歳未満の方で更年期症状が起こることはほとんどないとされています。更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。1.ほてりやのぼせなどの血管運動神経症状2.めまいや動悸、冷え、関節痛、肩こり、腰痛などの身体症状3.気分の落ち込み、イライラ、情緒不安定、不眠などの精神症状です。これらの症状を組み合わせた、簡易更年期指数(SMI)という日本で広く使用されている更年期障害のチェックリストがあります。更年期障害は病気ではないと思われている方も多いですが、点数によっては治療が必要な場合もあります。簡単なチェックリストなので、更年期かな? と思った場合はチェックしてみてください。更年期だから仕方ない、とつらい症状を我慢するのではなく、治療すれば良くなる可能性がある病気だと考えて、専門医にご相談されてください。また、プラセンタ注射は更年期障害に対して保険適応でも使用される薬で、更年期症状の改善効果が認められています。注射なのでクリニックに通わなければいけないため、続けるのが難しいこともありますよね。続けやすいという面で考えると、エクオールなどのサプリメントを取り入れると良いと思います。エクオールは大豆イソフラボンが腸内細菌によって代謝されることにより産生される女性ホルモンと似た構造をしている成分です。日本人の場合、エクオールを作る腸内細菌を持っているのは2人に1人とされており、2人に1人は体内でエクオールを作ることができません。エクオールはほてりや肩こりなどの更年期症状に対する効果も認められており、また骨密度減少の抑制や悪玉コレステロールを減少させる効果もあるとされています。ただし、乳癌などの女性ホルモン依存性の疾患のある方には注意が必要ですので、主治医と相談して服用するようにしましょう。食生活や運動など生活習慣の是正は更年期症状の改善において基本です。早いうちからバランスの良い食事を心がけ、有酸素運動を積極的に取り入れるようにしましょう。■更年期=女性の後半?——更年期はほとんどの方にやってくるものだと思うのですが、それに比べるとなかなか話題にしづらいテーマであるなと感じます。鈴木:個人差がありすぎて共感しづらいのもひとつの理由なのかなと思います。40を過ぎたら更年期って大まかには言われていたりするじゃないですか。私もそろそろなんだろうとは思うんですけど、なんとも言えない微妙な感じがあるというか……。千葉:それに自分から更年期の話をするのって、女性としての後半に差し掛かっていることを宣言しているようなイメージがあると思うんです。だから自分からも言いづらくて…。鈴木:たしかに。自分の年齢を公表してしまっているようなものというか。「この人もうこのゾーン以上の年齢なのは確定なんだ」っていう線引きをされそう。白石:おばちゃん認定みたいなね。私も自分からは言いにくいですね。千葉:もし自分が相談したときに、友だちに「私はまだ(更年期障害とか)そんなことないよ」って言われたら、「あ、私の方が先におばさんになったのかな」って気になりそう(笑)。勝手にその友人との間に格差を感じてしまうかもしれません。白石:「え、私だけ?」みたいなね。第一声を言い出しづらいですよね。直接言えないぶん、みんなこっそりネットで調べたりして対策してるのかもしれないです。更年期のことを調べたことはないのですが、たとえば子育てのことでいうと、ほかの方の体験談が読みたくて「子育て 反抗期 イライラ 口が悪い」みたいにめちゃくちゃ単語を組み合わせて近い状況にいる人を探します(笑)。千葉:私もそういう体験談が集まる場所とか覗きそう(笑)。育児中で大変なときも「同じようにつらい人いないかな」って見ていたので。やっぱり同じような悩みがある人がいると自分だけじゃないってホッとするんです。きっと更年期コミュニティがあるとすごく盛り上がる気がします。南先生からのアドバイス更年期や閉経をマイナスのイメージでとらえている方が多いですが、前向きに考えてみることも大切です。50歳をこえてイキイキされている方もたくさんいらっしゃいます。毎月あった生理がなくなると、月経痛や貧血症状などがなくなり体はラクになります。ホルモンの変動がなくなり、不安定だった体が安定すると考えてみると捉え方が変わるかもしれません。正しい知識を積極的に取り入れることも非常に大切ですね。更年期の症状のひとつに動悸がありますが、更年期症状と思っていたけれど実は甲状腺の病気や不整脈だった、ということもあります。つらい症状がある場合は我慢せず、専門医に相談されてください。また、厚生労働省の研究班が作成している「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ」という女性の健康を支援するためのWebサイトもあります。更年期だけでなく、女性の体の悩みについて知ることができるので、活用されても良いと思います。■オープンに話す選択肢がもう少しあってもいいよね千葉:それこそCMで「こういう症状があったら婦人科にいきましょう」「病院に行くことは悪いことではありません」とか更年期について紹介してくれたら、もっと話題になりやすいんじゃないでしょうか。——でも、その方がずっと話題にしやすくなりますよね。千葉:年上のママ友さんに話を訊いてみたい気持ちもあるんですが、デリケートな話題なのでやっぱり訊きづらい。私、出産後にホルモンバランスが崩れて抜け毛や肌荒れを経験したんです。だから更年期にホルモンバランスが崩れたときにはどんな症状がでるのかも気になるんですけど……。体験談をリアルに訊けない不安はありますね。——更年期は必ず終わりがあるし、そのあとには「黄金期」と言われる時期がやってくる人もいると言われています。そういう明るい更年期の話も聞いてみたいです。千葉:えっ、黄金期? そうなんですか?白石:それ聞いたことあります! 私の周りも、それくらいの年齢の方で人生を楽しんでいるマダムたちが多いんですよ。50代後半だけどものすごく元気で楽しそうで。ランチ行ったり海外旅行行ったり、若い人たちよりも一層アクティブな感じ。鈴木:へえ~! そんな時期が待ってるなんて想像もできなかったです。出口が見えないイメージしかなかった!——もっといろんな世代の人たちの更年期トーク、聞いてみたいですよね……! 今日はありがとうございました。南先生からのアドバイス日本人女性の平均寿命は87歳です。閉経するのはまだまだ人生の中間地点です。閉経後の人生を楽しめるかどうかは自分次第です。更年期を期に、食生活を見直し、積極的に有酸素運動を取り入れて、心身ともに健康に黄金期を楽しみましょう。
2020年10月31日■いつも明るく元気な母から、包丁を向けられた日——永田さんのお母さんが更年期に差し掛かったのは、永田さんが中学生のころ。具体的にはどのような症状がみられたのでしょうか?うちの母は「目が乾く」という症状から始まったんです。更年期って「ホットフラッシュ(のぼせやほてり)」のような症状が起こるイメージがあると思うんですけど、母はそうじゃなかった。普通、目が乾いたからって婦人科には行かないじゃないですか。だから眼科に行くわけです。「ではこの目薬とこの飲み薬を飲んでください」と錠剤を処方されて帰ってくるんですけれども、今度はその錠剤が喉にくっついちゃって飲み込めない。これは粘膜の乾燥のせいなんです。で、今度は耳鼻科に行く。そんなことが続いていました。母が本当に行くべきだったのは婦人科で、必要な治療も目薬や大量の飲み薬ではなくホルモン補充療法だったのですが……。ほかにも、うつ症状がありましたね。病院で時間もお金も使うのに、体調も良くならないと気が滅入るじゃないですか。そこに私の父ですよ! 母にとったら夫ですが、理解が全くないわけです。「仕事もしてないのに怠けないで」みたいなことを言われて、症状が悪化していきました。母はいつも真面目で明るく、ギャグばっかり言ってるいわゆる”関西のおばちゃん”だったのに、すっかり変わってしまって。当時、大学生の姉は一人暮らしをしていて、父も単身赴任でほとんど東京にいたから、私と母はふたり暮らしでした。さらに私は反抗期まっさかり。かたや女性ホルモンが上がって不安定だし、かたや下がって不安定。不安定どうしがひとつ屋根の下にいたらもう。——かなりギスギスしますね……。ぶつかりすぎちゃって。母もおかしくなってるから「もうお前を殺して私も死ぬ!」と包丁持ってぶわーっと追いかけてこられちゃったんですよ。うわやばい! と思って友だちの家に避難する大騒動がありました。ずっと「かわいいね!」と言われて育てられてきたのに突然「あんたなんか産まんかったらよかったわ!」と言われて。お母さんは私のことを嫌いになったんだ、もう愛されなくなったんだと、その後もずっと心に引っかかり続けていましたね。もちろん母の行為の原因が、すべて更年期障害にあったとは限りません。女性でなくとも、ホルモンバランスの乱れがなくとも、イライラを募らせて過激な振る舞いをされる方はいます。けれど、もしもあのとき、母にとって適切なケアがなされていれば……とは思うんです。■もしかして、母は更年期障害だった?——10年以上経って、永田さんが更年期の女性をサポートする活動をすることになったのは、どのようなきっかけが?もともと産後ケアの仕事をやっていたんですが、当時住んでいた埼玉県所沢市から「40〜50代の女性向けに健康サポートをしていただけませんか」という依頼をいただいたんです。せっかくの機会なのでお請けすると、みんなものすごく疲れていて「この時期は家族とかにも当たっちゃうのよね!」「気持ちが抑えられなくて、あとで後悔しちゃって……」と(更年期に関する)お話を伺う機会があったんです。そこで私の記憶がつながって「もしかしたら母は私のことが嫌いになったんじゃなくて、更年期のせいで体調が悪かっただけじゃないか?」と思うようになりました。そこから更年期について考えるようになり、更年期のサポートや予防、改善をするため2014年から「ちぇぶら」の活動をスタートしたんです。■更年期を正しく知ることの大切さ——身近な人に更年期障害が起こったとき、私たちにはどんなことができるのでしょうか?更年期障害は、予防も対処も管理もできるもの。出口のないトンネルのように感じるかもしれませんが、必ず終わりがあります。なのでまずは、更年期について知るということが何より大事です。ちぇぶらで全国の女性1014人からアンケートを取ったことで、更年期に本当に必要なものも見えてきました。ひとつは正しく知る機会。もうひとつは運動の機会。体を動かしている人のほうが体調がいいということがアンケートからもわかりましたし、実際、運動は自律神経を整えてあげる効果があります。そしてコミュニティ。「理解してくれる人がひとりでもいたら違った」「夫が話を聞いてくれて楽になった」「お友達と不調自慢したら気持ちが軽くなった」という声が寄せられました。——更年期の苦しみを共有することで、負担を軽くすることができるんですね。ですが、更年期に意識が向いていないとき、特に20代30代のときには「そんなにイライラしちゃって、更年期なんじゃないの〜?」というふうに、人や自分を揶揄するときについ使ってしまう場面も。そうなるとますます話題にしづらくなるのかなと思います。更年期について腫れ物に触るようではなく、もっとフラットに語れるようになっていくといいですよね。たまに、女性社員だけでなく部署全員で更年期研修を受けてくださる企業がありますが「社内で更年期について明るく話題に出せるようになった」という言葉をいただいています。——その職場、すごく働きやすそうです。また、講座ではよく「大事な決断は体調がいいときにしてくださいね」と伝えています。やりがいのある仕事に就いていても、更年期障害による不調が続いて「この体質では周りに迷惑欠けちゃうんじゃないか」と辞められてしまう方がけっこういらっしゃるんです。一時の不調や落ち込んだ感情で決断してしまわないように、周囲で「大事なことは体調がいいときに決めようね」と確認し合うといいですね。■更年期は人生を楽しむ土台作りよく講座のなかで、更年期を過ぎた55歳から65歳のころには黄金期が待っているという話をするんです。シルバーになる前にゴールドがあるんですよ、私たちは!——黄金期!どんな時期なのでしょうか?更年期を過ぎると女性ホルモンはほぼゼロになって、男性ホルモンが優位に立つんです。男性ホルモンは社交性ホルモンとも言われていて、私たちを元気に、活動的にさせてくれます。自分に自信がでるし、いろんなことをチャレンジしたくなるような時期が待っているんですよ。更年期以降もまだまだ人生は続いていきますから。ネガティブなものではなく、一回切りの人生をより楽しむための土台作りの期間なのだと捉えていただければと思います!Text/いつか床子取材協力/永田京子
2020年10月28日50歳のときに「これは更年期である」と自覚してから3年半が経ちました。更年期になった当時に書いたnote「生理よ、さようなら、永遠に。更年期になって、つらいやら苦しいやら。」(※)は読まれ続け、「スキ」(いいね! みたいなもの)されたという知らせが頻繁に届きます。なぜでしょう? それは、多くの女性が経験することなのに、更年期に関する情報は少ないままだからです。そして、いまだに更年期の体験は大きな声では口にできない話題とされています。今も孤独な戦いに立ち向かっている大勢の女性たちのために、そしてこれから訪れる更年期について不安に思っている人のために、少し先に体験した者として「更年期の後にくるもの」について考えてみたいと思います。■ホットフラッシュから始まった更年期症状まず私が体験した更年期症状についてお話ししましょう。50歳になり、月経が止まっていることに気がついて2~3カ月後。繰り返しびっしょりとかく汗とその後に来る寒さを、更年期によるホットフラッシュなのではないかと気がつくまでさらに数か月かかりました。ところ構わず大量の汗をかくので、ビジネスバッグにもハンドタオルを2〜3枚入れておくことが習慣になってきた頃、今度は強烈な気分の乱高下がやってきました。人様や世間に激しく暴力的な態度をとりたくなったかと思えば、次にはすさまじいまでの自己嫌悪がやってくる。ジェットコースターのように急変化する気分にぶんぶんと振り回され、本気で自分の精神が狂ってしまったんじゃないかと苦しみました。このまま私はおかしくなっていってしまうんじゃないか。そういう不安で身も心もすくみ、自分を責めてますます落ち込んでいたある日。カンファレンスの仕事で出かけたラスベガスのストリップで信号待ちをしているとき、急に背中から汗とほてりと悪寒が同時にやってきて、恐怖で叫び出したくなりました。このままでは仕事も生活も成り立たなくなると追い詰められ、初めて病院に行くことを思いつきます。検査してもらったら「女性ホルモンの分泌がほぼなくなっています、更年期ですね」との結果。なるほど、私がおかしくなってしまったのではなく、これは更年期障害なのだ、ホルモンのせいなのだ、とわかったことで、ようやく納得できました。よく、月経が止まると「女じゃなくなる」といった偏った言説にショックを受けるという世間の話を聞いていましたが、不思議にそうは思いませんでした。子どもを産む機会もなく迎えた50歳。ようやく、抱え続けた重い荷物をそっと降ろしてもいいよと言われたような、もう十分だよ、と言われたような。そういう安堵さえ私は覚えたのです。■その苦しさはあなただけのものじゃない医師に診断を受けたことで気持ちが落ち着いた私は、知ることは力になると感じ、更年期に関する情報を探し始めました。しかし、検索してもヒットするのは一般的な症状の説明と標準的な対処法ばかり。いくつか見て、「同じことが書いてあるだけだな」と検索をやめました。そこで始めたのが、自分の体験をオープンにすること。まずは同世代の女友達に話してみたところ「実は私の場合は……」とぽつり、ぽつりと体験や症状を話してくれる人が現れました。わかったことは、更年期の症状や感じ方、治療法は一人ひとりまったく違う、ということでした。そして、苦しんでいる人が私以外にもたくさんいる、という事実。だから、私はまずみなさんに言いたいのです。「あなたのその苦しさは、あなただけのものじゃない」と。孤独な戦いを続けている人は、他にも同じように戦っている人がいると知ることで、もう孤独ではなくなるのです。「私、生理終わっちゃったし、更年期だし」と話すと「そんなこと、人に話すものじゃない」と言う方も少なからずいらっしゃいます。もちろん話したくない人の意思は尊重されるべきです。無理にオープンにする必要もありません。ただ、私が更年期にまつわる体験をオープンにすることで不安やつらさを話すことができる人もきっと出てくる、お互いの対処法について話し合うこともできる。それで楽になれる人がひとりでもいるならと思い、この活動をこれからも私は地道に続けていくつもりです。ちなみに私はホルモン補充療法ではなく、漢方と抗うつ剤による対処法を選びました。サプリメントを飲んでいる人も多くいます。どれが正解ということはありませんので、医師のアドバイスなどに従って、ご自身で納得いくものを選ぶといいと思います。■更年期の後に来るもの一般的には45〜55歳が更年期と言われる期間です。ではその期間が終わったらどうなるのだろう。これについては更年期以上に情報がありません。身近な先輩である母親に聞いてみたのですが、なんと彼女は更年期の症状がほとんどなかったというのです。このように、母と娘でもその体験の仕方が違うということも更年期のやっかいなところ。家族内での知恵の継承ができないのですから。私より上の年代の女性達は更年期の話をタブーとされてきたからか、口が重い傾向にあります。それでもさりげなく話題を向けてみると「必ず抜けるときが来る」と言います。つらい時期はいつの間にか終わっているそうです。「終わった後は天国」と表現した人もいました。私たちは、“女性”であるということで不利を強いられることが多い世界を生きてきました。初潮が始まってからかわれたり。愛や性のなんたるかも知らないうちに性交をして望まぬ妊娠をしたり。性を商品にされたり。「産む機械」と揶揄されたり。つらい不妊治療をしたり。石女と言われたり。私はそんなあれこれから解放されるような感覚が訪れることを期待しています。当然、どう感じるかも一人ひとり違ってくるでしょう。私はその時が来たら、自分が新しい人類に生まれ変わっているのではないかと思うのです。これまで背負ってきた重い荷物をようやく下ろし、つらい通過儀礼を経てたどり着く、まだ見ぬ世界。そこが軽やかで楽しい場所でないはずがないと信じているのです。今から楽しみで仕方ありません。更年期は生理以上に個人差が大きいと聞いたことがあります。ですから、個々の事例を集めることでしか更年期を理解し、乗り切ることはできないような気がしています。今、孤独に苦しんでいる人の助けになれば、そしてこれから更年期を迎える後輩世代たちの道筋を照らすことができれば、と、私は今日も「私、生理終わっちゃったし、更年期だし」と話し続けています。
2020年10月22日■私たちは、そう簡単に老いを受け入れられないあれは、昔からの女友達とランチをしていたときのこと。20代後半で出会った女性社長友達4人は、皆それぞれ40代後半から50代前半になったというのに、会えば仕事の話や美容の話、20年前と変わらない熱量で毎回情報交換が止まらない。その席で誰かが突然つぶやいた。「サザエさんのフネさん、アラフィフだって知ってた?」百物語のようにその場は静まりかえり、フネさんのおばあさん然としたたたずまいを各々が思いめぐらせる。サザエさんが昭和の設定だからとは言え、いまの方が平均寿命が延びているとは言え、あのフネさんの「まるっと老年期を受け入れている姿勢」は現代アラフィフにとってはある種の脅威。カラーリングで白髪を隠し、エステやクリニックに通って肌の老化を多少防ぎ、爪にはネイル、ダイエットサプリで体形を保っている自分の悪あがきぶりが否応なしに露呈してしまうからだ。悪あがきといえば、私たちは「フネさんと同世代」以外にも認めたくないことがある。それは、更年期。閉経前後に訪れる「更年期障害」については、今まで多くの人が悩まされてきたはずなのに語り部は少ない。女性ホルモンが減少することによって引き起こされるそれらは、卵巣の変化も含めて「女性性リタイア?」みたいな印象があるのか、いまだセンシティブな話題ではある。少なくとも、「今日、生理何日目?」と、若い頃友人に聞いた気軽さで、「いつから更年期始まった?」とは聞けない程度には。実際、SNSでの同世代女性の書き込みに、「めまい? 更年期障害ですか?」と聞かれたことに対する相手の非礼さを責め、聞かれた自分を嘆いているものを見つけたことがあって、そのあまりに執拗な長文に、それこそ更年期障害の影響ではないかと勝手に心配したことがある。カジュアルに聞く方も聞く方だが、彼女はもともとこざっぱりとした性格だった故、同世代としては他人事と到底思えなかった。やはり私たちは、美容の側面でも、生物としてのステージ的にも、そう安々と“老い”を受け入れられないのだ。医療やテクノロジーがこれからも発展してゆけば、さらに私たちのような女性が増えてゆくのだろう。■更年期障害、私の場合更年期とは一般的に、閉経の前後10年の期間を言うらしい。私は44歳のときに乳がんが発覚し、右乳房全摘出後にホルモン治療を開始して閉経したので、人よりも少し早く更年期を迎えたことになる。乳がんの顛末を綴った本『我がおっぱいに未練なし』にも書いたが、ホルモン治療を提案されたときには、すぐに閉経するということや、多岐にわたる更年期障害の症状を聞いておののいた。イライラやめまい、突然の発汗、体重増加、髪や肌のパサパサ化、やる気の低下、などなど、全部ごめんこうむりたいラインナップ。中でも「やる気の低下」に至っては、「やる気」だけで生きてきた私としてかなりの致命傷に思われた。しかし、命には代えられないし、更年期障害は放っておいても数年後には経験することだと考えた。そしてなにより、先生の言った「症状が全部出る人もいるし、まったく出ない人もいる」という言葉の「まったく出ない方」に希望を託し、私はホルモン治療かもーん! 更年期ばっちこーい! と閉経したのだった。それから半年が経ち45歳になった私は、正直浮かれていた。あんなに心配した更年期障害は、突然の発汗は多少あるけどそれくらいで、他にはなんの不自由もなかった。「私は“まったく出ない人”だったのね~」と、なにかの賭けに勝ったような高揚感があったし、生理のない人生がこんなに快適だったとは! と驚いていたのだ。あの毎月の腹痛やら倦怠感やら不快感がない世界は本当にハッピーで、こんなことなら若い頃からピルを飲んでいればよかったと後悔しつつも、来月再建する予定の「新しいおっぱい」に気をとられ、終始ワクワクしていた期間だったのをよく覚えている。なんだか最近イライラするなぁ、と感じるようになったのはそれから3年後の48歳、今年の4月のこと。新型コロナウイルスの影響による自粛期間中だったので、原因はコロナのストレスだろうと疑わなかった。6月には露骨な体力の衰えを感じる。これも、続けていた水泳がジムの休業により断たれたせいだと思った。で、7月にはめまいがきて、8月にはだるくてやる気が起きない感じになったのだが、それでも私は今年の猛暑のせいだと思っていた。コロナも猛暑も多少落ち着いた9月になっても症状は続き、私はやっと、自分にとっての不都合な真実に目を向けることとなる。「これ、更年期障害フルコースやん!」と。そうと決まれば話は早く、更年期障害にいいと聞いていた水泳をがっつり再開し、いろいろなサプリを試しまくる。私の場合は友人に紹介してもらった、医者に処方してもらえる漢方が一撃で効いた。ここ半年苦しんでいた症状が一掃されたわけで、生活はバラ色に、仕事も精力的にできるようになったのだ。■まずは「更年期を疑ってみる」選択肢を持って私の愚かすぎる更年期障害エピソードから、40代以降の女性たちにはぜひ、「まずは更年期を疑ってみる」という選択肢を持ってほしい。そして、クリニックなどに気軽に相談するのをおすすめしたい。敵は、「おばさんと認めたらおばさん臭くなる」みたいな精神論で太刀打ちできる相手ではない。思春期にも我々を荒ぶらせ、妊娠時には不安をあおり鬱々とさせたあの「ホルモン様」なのだ。私の場合、「更年期を認めない」と自分につっぱってよかったことはひとつもない。聞くところによると、閉経や更年期という概念が広まったのは19世紀後半以降らしい。そう考えると、更年期もその後の老年期も、現代に生きる人たちへのギフトみたいなものだ。せっかくのギフト期間をよりハッピーに過ごすために、私たちは健康に留意し、医療を頼り、アンチエイジングを楽しんでいいのだ。そして、より幸せでパワフルな更年期人口が増えるように、更年期障害をもっともっと気軽にシェアできる世の中になるといいな、と思っている。
2020年10月21日10月18日は「世界メノポーズデー(更年期の日)」。1999年に開催された第9回国際閉経学会で、人生100年時代における更年期の健康に関わる情報を発信する日として定められました。更年期と聞くと「まだ私には早いかな」と思う人もいるかもしれません。一方で「急に汗をかくようになったけれど、自分の体質なのか更年期なのか分からない」と困惑している人もいるのではないでしょうか?そこで、女性医学学会専門医で生殖医療専門医の巷岡彩子(つじおか・あやこ)先生に更年期について伺いました。季節によって更年期症状は違うの?——前編では更年期の基本について伺いました。後編では更年期にまつわる疑問について伺いたいです。季節によって更年期の症状の違いはあるのでしょうか?巷岡彩子先生(以下、巷岡):夏は暑いので、汗をかきやすく汗の量も多くなります。ただ、ホットフラッシュは季節に関係なく症状がでますので、通常の汗との違いとして参考になります。逆に冬の場合は、日照時間がだんだんと短くなるためうつ症状がでやすい傾向があります。30代後半から更年期症状を感じる人もいる——30代なのですが更年期はまだ先のことと考えてよいのでしょうか?巷岡:早い場合には30代後半から更年期症状を感じる方もいます。月経の量が減ったり、周期が短くなってくる30代後半に、更年期症状特有のホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)、頭痛、めまい、腰痛、肩こり、疲れなどがひどくなるようであれば、更年期の初期症状と疑ってみてください。また、早発閉経で、20代、30代で月経不順、無月経となる方の中には数は少ないですが、卵巣機能が低下しているために無月経となっている、早発閉経の方もいらっしゃいます。骨密度低下や脂質異常の予防のためにも、ホルモン剤を処方しています。年齢がまだ更年期にさしかかっていないからと自己判断しないで、症状があり気になる方は婦人科を受診しましょう。コロナ禍と更年期の関係は?——コロナ禍で更年期症状が重く感じるということはあるのでしょうか?巷岡:コロナ禍の特徴としては、定期的に運動されていた方がジムに行けない、外出できないという理由から生活習慣病になる方が増えつつあります。手持ち無沙汰で食べてしまう、外出の機会も減り、体重が増える方も多いようです。また、友達に会って相談することができなかったり、気晴らしの機会が減ることで、うつ症状や精神的な症状も増えてきています。コロナ禍では環境の変化が原因となり、更年期の症状にも影響しているようです。更年期は「触れてはいけないこと」ではない——前編で「更年期かな?」と思ったら婦人科を受診しましょうと伺いましたが、躊躇(ちゅうちょ)してしまいます。巷岡:PMS(生理前症候群)や更年期症状の悩みがあっても、ピルやホルモン剤を服用することの不安があったり、婦人科への抵抗があって、躊躇(ちゅうちょ)する方は多いです。でも、つらい症状を我慢するより、薬を摂取したり、定期的な月経周期にするなど、コントロールすると身体が楽になる方もいます。婦人科の医師は更年期の専門家ですので、安心して婦人科に相談してください。更年期症状は軽い方からつらくて重い方まで、人それぞれですが、閉経や更年期は全ての女性が経験します。月経が始まることに関する教育はあるのに、閉経に関しては学ぶことは個人任せ。更年期は病気ではなく、不幸なことでも、触れてはいけないことでもありません。人生100年時代の中の通過点にある、女性の身体の変化です。毎年10月18日の「世界メノポーズデー」などの啓蒙活動を通じて、女性のPMSや更年期を気軽に口に出せる、もっとオープンな社会になり、更年期のつらい症状をひとりで悩む方が少なくなる、そんな社会になることを願っています。
2020年10月19日10月18日は「世界メノポーズデー(更年期の日)」。1999年に開催された第9回国際閉経学会で、人生100年時代における更年期の健康に関わる情報を発信する日として定められました。更年期と聞くと「まだ私には早いかな」と思う人もいるかもしれません。一方で「急に汗をかくようになったけれど、自分の体質なのか更年期なのか分からない」と困惑している人もいるのではないでしょうか?そこで、女性医学学会専門医で生殖医療専門医の巷岡彩子(つじおか・あやこ)先生に更年期について伺いました。前後編。更年期ってどの時期を指すの?——まずは更年期について教えてください。巷岡彩子先生(以下、巷岡):更年期とは、女性ホルモン値が下がることで、肉体的、精神的な不調が起こる時期を指します。女性の平均閉経年齢は50歳で、前後5年間の45~55歳を一般的に更年期と呼びます。女性ホルモンであるエストロゲンは女性の心と身体を守っています。ところが、更年期には、エストロゲンが減ることで、不快な症状がでたり、閉経後には生活習慣病の発生リスクも高くなります。更年期に起こるさまざまな不調を更年期症状、日常生活に支障がある状態を更年期障害といいます。更年期の症状は?——更年期症状とは具体的にどんな症状を指すのでしょうか?巷岡:更年期症状は、ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)、冷え、動悸(どうき)、頭痛、めまい、息切れ、肩こり、腰痛、イライラ、不眠、倦怠(けんたい)感、疲れやすい、うつ、頻尿など多岐にわたります。——かなり多岐にわたっていますね。巷岡:女性ホルモン値が下がる生物学的要因に加えて、仕事の責任が重くなる、家庭環境や介護など大きなライフイベントと重なる環境的な要因、ついつい頑張ってしまう本人の性格的な要因があります。このような要因が合わさって更年期症状に拍車をかけてしまいます。傾向として、閉経前の女性ホルモンの増減が激しいときに、症状が最も重くなる方が多いようです。——更年期のサインはあるのでしょうか?巷岡:自分が更年期かどうか判断するのは、ホットフラッシュの症状。汗がダラダラでる、気温に関係なくほてりやのぼせがあることです。今までにない多量の汗をかく、汗冷えで目が覚めるというのはひとつの目安かもしれません。頭痛、めまい、腰痛、肩こり、疲れなどは、他の病気の症状と同じなので、更年期とは結びつかない場合も。汗をかくのは身体全体のときもありますし、特定の部位ということもあります。また、汗をかく部位が年齢を重ねていくと変化することもあります。他にも、肌のかさつき、ドライアイ、化粧のノリが悪いという症状も含まれます。女性ホルモン値が下がることで、皮膚の萎縮が始まるので、肌が乾燥する症状もみられます。更年期の症状は多岐にわたりますが、もともと頭痛持ちの方の場合、頭痛がでやすくなることはあるかもしれません。40代半ばになって月経の様子が変わってきたこととの併発でしたら、更年期を疑ったほうがいいでしょう。更年期と断定するのは難しいのですが、病院では、ホルモン値の測定、月経不順や不正出血の有無、身体や精神的な不調の3つの要素で診断していきます。更年期の治療は?——更年期の治療について教えてください。巷岡:更年期症状は多岐にわたるので、他の病気が隠れていないかを最初に診察します。更年期症状の治療としては、ホルモン補充療法を行います。医師の指導の下、飲み薬や貼り薬として処方することが多いです。ホルモン剤を補充すると、1カ月くらいで、発汗がなくなった、肩こりが軽くなったなどの改善がみられます。ホルモン補充療法ができない場合は、更年期症状に有効な漢方薬を処方することもあります。他に疲れがひどいときなど、プラセンタ注射をすることもあります。プラセンタはアミノ酸や核酸成分などとても多くの栄養素が含まれており、昔から更年期症状の治療に用いられる治療法で有用といわれています。症状の改善とともに美肌の目的として、プラセンタ注射を希望される方も多くいます。バランスの良い食事、質の良い睡眠、適度な運動が基本——少しでも更年期を快適に過ごすためにできることはありますか?巷岡:更年期症状の予防としては、バランスの良い食事・質の良い睡眠・適度な運動が基本となります。不調だから眠れないのか、眠れないから不調なのか、というのもありますが、ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れると寝付きが良くなります。どうしても眠れないときは、睡眠薬やサプリメントを摂取することも良いでしょう。過剰に摂取したり、薬に常に頼ることがなければ、解決する選択肢のひとつになります。食事はバランス良くとるのがオススメです。女性ホルモン様作用を持つイソフラボンを含んだ大豆食品を積極的にとること。大豆イソフラボンやエクオールなどをインナーケアとして活用するのも良いです。また、気分転換やリラックスする時間をとるのも良いです。お風呂に入ったり、アロマなど香りを利用すること。ラベンダーはリラックスできる香りとされていますが、ご自分の好きな香りを楽しむのが一番です。アルコールを楽しむこともリラックスするには良い方法ですが、飲まないと寝付けないなど頼りすぎるのは良くありません。気軽に婦人科を受診して——更年期かなと思ったら婦人科に行けばよいのでしょうか?巷岡:ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ・発汗)、腰痛や肩こりがひどくなったり、イライラすることが増えるなどの更年期症状があっても、我慢する方が多いです。月経の量や周期に変化を感じているようなら、婦人科に相談しましょう。例えば、生活に支障がでるような、会社を休んだり、痛み止めを飲んでもつらいなどの症状があれば、すぐに婦人科を受診することをオススメします。特に40代後半で疲れやすい、何となく不調が続くつらい時期に、いろいろな診療科を受診しても原因が分からず、不安感が強くなることがあります。そんな時に婦人科を受診し更年期症状と診断されると、それを受け入れることで気が楽になり、適切な治療を受けて改善することも多くあります。腰痛や肩こり、不眠や倦怠(けんたい)感などは更年期症状のひとつです。整形外科や内科と思われるかもしれませんが、更年期に差し掛かる年齢でしたら、婦人科の選択肢も視野にいれてみてください。
2020年10月18日「自分が“更年期”といわれる時期に入ってきて、更年期という言葉に私自身、重苦しい、ネガティブなイメージがありました。でも、ある専門家の方の公演で、更年期のことを英語で“change of life”と言うと聞いて、なんてすてきな言葉なんだろう!って。“人生の転機”という意味で捉えると、とたんにポジティブな印象に変わったんです。だから、みなさんにも知ってほしくて……」そう語るのは、エッセイ本『羽田さんに聞いてみた、小さな幸せの見つけ方』(宝島社)を出版した羽田美智子(52)。本を出そうと思った理由を尋ねると、「52歳になったからです!」と明るくほほ笑んだ。「昔から、52歳は人生の大きな転機だと私は考えてきました。52歳までは先祖から受け継いだ恩恵や天分で生きられるけれど、52歳からは自分の力で歩み出す年齢だと。私もその年齢になって、ひとつお役目が終わったと感じつつ、これからは自分の好きな種をまいて、キレイな花を咲かせたいなあと思っています」本書の中で「日々の生活をいとおしむことで幸せの発見につながる」と語る羽田。本誌の取材では、同年代に力強いエールも送ってくれた。「50代って、けっこう過酷だと思います。自身の体調の変化、親の介護、お子さんのいる人は最高にお金がかかる時期にもなる。でも、私たちの世代って欲張りだから、なんだかんだといっても幸せを求めると思うんですよ、自分を含めて。それに、欲求がダイレクトに脳に伝わるのは50代からだと聞いたことがあります。大義名分とか、人の評価とか、これまで捕らわれていたものから解放され、本当の自分の欲求と向き合える時代に入ってくるそうです。それって、すごくわくわくするし、人生の本当の勝負は案外、50代から始まるのかもしれないなあって。われわれの世代は力を抜くことも知っています。休み休み欲望と向き合って、真の幸せを見つけられたらいいですね」「女性自身」2020年10月27日号 掲載
2020年10月18日更年期に入ってからというもの、白髪や老眼などの老化現象に悩んだり、さまざまな体の不調にさいなまれたりしながら、憂うつな毎日を過ごしてきました。なかでも、最近経験した症状は強烈でした。左肩から腕にかけて原因のわからない激痛に襲われたのです。それは、これまでの人生で経験したことのないほどの痛みでした。私がその痛みに打ち勝つためにおこなったことと、現在の状態についてお話しします。突然の激痛!左肩が動かないいつものようにスーパーで会計を済ませ、買い物袋に品物を詰め終えた直後のことでした。「さあ、帰ろう」と買い物袋を左手で持った途端、左肩に激痛が走ったのです。思わず「痛い!」と大声を上げてしまいました。周りの買い物客が皆私のほうを振り返って見ています。いたたまれなくなった私は、急いで右手に荷物を持ち替え車に向かいました。家に戻り左腕を恐る恐る動かしてみると、自分の物であるはずの左腕が別の独立した物体のように自由に動かせません。これで私のはつらつとした人生は終わってしまうのだろうかと思うと、切なくてショックでした。あまりの痛みと自分の体が思うようにならないもどかしさで涙を流す日々が続きました。整形外科での治療を開始したものの…激痛に涙しながらもなんとか自然に治癒することを期待しているうちに日にちが過ぎていきました。しかし、痛みは一向に引かず、発症後約3カ月たったころ、痛みの原因を突き止め治療をするために整形外科を受診しました。レントゲンや診察の結果、いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)と診断され、痛み止めの服用と、週に1回ずつ理学療法士によるリハビリテーションを受けることをすすめられました。そして、リハビリと服薬による治療が始まったのです。リハビリでは理学療法士の指導のもと、温熱湿布や軽い筋トレをおこないました。そのかいあって約2カ月後には、症状はわずかに緩和されたように思えました。しかしある日、激痛が再発。医師に別の治療を求めたところ「今おこなっている治療のほかは痛み止めの注射しか残されていない」と伝えられました。さらに「このまま放っておくと、関節が硬くなり正常に動かなくなってしまう拘縮(こうしゅく)という状態に陥ってしまうだろう」と付け加えられました。ホットヨガと糖質制限で症状が緩和医師に告げられた拘縮という言葉は、ちょっと前まで体が自由に動いていた私にとって絶望的な響きでした。いてもたってもいられない気持ちになり「自分でできることをしてみよう」と思いました。そして、人生で最高に肥えて重くなってしまった体が少しでもラクに動くように「筋力を付ける努力しよう」と決意し、休会していたホットヨガ教室に再び通い出しました。かつては週に2回ずつ通っていたホットヨガでしたが、再開してからは毎日通うようにして徹底的に自分の体に向き合いました。再開当初はヨガのポーズをまともに取ることもできず悔し涙を流しましたが、筋力を付けるために頑張り続けました。同時に体が軽くなるように糖質制限をおこない、減量につながるような食生活に変えてみました。それから約2カ月が経過した現在、約3kgの減量に成功。また、そのおかげもあるのか体が軽く動かしやすくなって、日常生活に支障がないほどに痛みは軽減され、まったく痛み止めを服用せずに過ごしています。まとめ今は肩の痛みが軽減しただけでなく、筋力が付き体重が減ったことで、体全体が軽く動きやすくなりました。私は今回のできごとを通じて、体が自由に動かせるありがたさをしみじみ感じました。これからも加齢に伴う体の変化に負けずにはつらつと暮らしていけるように、ホットヨガをはじめ、日常生活のなかで体をいたわるためにできることはしていこうと思いました。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年10月06日なぜ体温が上がると太りにくくなるのか?「体温を上げる方法」をお伝えする前に、体温が上がると太りにくくなると言える理由についてお伝えしておきましょう。その理由は、体温が上がると基礎代謝がアップするからです。体温が1℃上昇すると、代謝量は13%アップすると言われています。そのため、体温が上がると、一日の総消費エネルギーの70%を占めている基礎代謝がアップするため、太りにくくなると言えるのです。体温を上げる「3つの方法」それでは体温を上げる方法をお伝えしましょう。体温を上げる方法として、食事を摂ること湯船に浸かること筋肉量を増やすことの3つが挙げられます。方法1:食事を摂ること食事を摂ることで熱が発生し、体温を上げることができます。なんと食事を摂ることは、痩せやすい体になるのです!食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。このように食事を摂ることで発生するエネルギー消費のことを、「食事誘発性熱産生」といいます。食事を摂ると体が温まるのは、この食事誘発性熱産生によるものなのです。そのため食事を摂ることは、熱を発生させ体温を上げることができると言えます。このようなことから、食事を抜くことは体温の低下を招き、却って太りやすい体にしてしまうことがご理解いただけると思います。食事は1日三食、規則正しく摂るようにしましょう。出典:byBirth食事誘発性熱産生を高める3つのポイント食事誘発性熱産生を高めるために、次の3つのポイントを踏まえて食事を摂るとよいでしょう。(1)よく噛んで食べることよく噛んで食べることで、熱産出量を上げることができると言われているからです。また、よく噛んで食べることは、満腹中枢に刺激を与え、食べ過ぎを防ぐことができます。(2)温かいものを摂ること飲み物や食べ物は、できるだけ温かいものを摂るようにしましょう。例えばおそばを食べるならば、冷たいおそばではなく温かいおそばを選ぶようにします。そうすることで体温を高め、基礎代謝アップにつなげることができます。(3)タンパク質の摂取量を増やすこと食事誘発性熱産生で消費されるエネルギーは、他の栄養素と比べてタンパク質が占めている割合が大きいと言われています。そのためタンパク質を意識して摂るようにしましょう。タンパク質の1日の摂取量は、体重1kgにつき1gと言われています。例えば体重が50kgの人であれば、タンパク質の1日の摂取量は50gになります。ちなみにコンビニで販売しているプロテインドリンクは、1本につき15gのタンパク質が含まれています。また、タンパク質も一度にまとめて摂取しても全て吸収されないので、三食に分けて摂るとよいでしょう。方法2:湯船に浸かること湯船に浸かることも体温を上げる有効な方法の一つです。体を温めるには熱めのお湯が良さそうに思ってしまいますが、そうすると体の表面しか温めることができず、体温上昇に至りません。体を芯から温めるには、38~40℃程度のぬるめのお湯に、最低でも10分程度浸かる必要があると言われています。そうすることで体を芯から温め、体温上昇につなげることができます。出典:byBirth方法3:筋肉量を増やすことそして体温を上げるために重要となるのが「筋肉量を増やすこと」です。それではなぜ筋肉量が増えると体温を上げることができるのか?筋肉には「体を動かす」という働きの他にも、「熱を作り出す」というそれがあるからです。体熱の約40%が筋肉で作られていると言われています。そのため筋肉量を増やすことで生み出すことができる熱の量も増え、体温を上げることができると言えるのです。女性に冷え性が多いのも、女性は男性に比べて筋肉量が少ないからであると言われています。以上のことから、体温を上げるためには筋肉量を増やすことが重要と言えます。出典:byBirth筋肉量を増やすには…筋肉量を増やすには「筋トレ」を行うことが必要となりますが、それではどのようにしたら筋トレで筋肉量を増やすことができるのでしょうか?筋肉量を増やすには、「成長ホルモン」を分泌させる必要があります。これは脳下垂体前葉というところから分泌されるホルモンで、筋肉や骨の成長を促す作用があります。成長ホルモンは筋肉中に乳酸が蓄積されると分泌されるので、筋トレで筋肉中に乳酸を蓄積させることが求められます。筋肉中に乳酸を蓄積させるためには、中程度の負荷で筋肉に刺激を与えて、セット間のインタバルを1分程度に留め、セット数を多めに設定します。そうすることで、酸素の供給が回復しないうちに筋肉に刺激を与えることができ、筋肉中に乳酸を雪だるま式に蓄積させることができるからです。具体的には、10回反復可能な強度で1分間の休憩を入れながら、5セット行うようにします。痩せにくいのは「冷え」が原因かも…出典:byBirth今回は「体温を上げる3つの方法」をお伝えしました。この3つをセットにして実践することで、体温を上げて太りにくい体に変えることができます。「思うようになかなか痩せない…」という方、痩せにくいのは体が冷えていることが原因かもしれません。体温を上げる3つの方法を一度実践してみることをお勧めします。
2020年10月05日40代で妊娠を希望している場合、生理が来なくなったり体調が悪くなったりすると、妊娠か更年期か迷う方もいるでしょう。実は更年期に起こりやすい症状は、妊娠の諸症状に共通している部分もあるのです。この記事では、間違えやすい更年期と閉経の違いや、生理が止まった時にどのような対応をするのがよいか解説します。更年期とは更年期とは、女性が妊娠可能な体から妊娠不可能な体に移行する時期を意味します。一般的に更年期は閉経を中心とした前後5年ほどの期間です。日本人の場合、平均閉経年齢は50歳前後なので、更年期は大体45~55歳の間と考えられます。閉経との違い閉経と更年期を混同してしまうことがありますが、意味合いが異なります。閉経とは、生理が完全にストップしてしまう現象のことです。1周期生理が来なくても閉経とは言わず、1年以上生理が来ないことを確認してはじめて閉経とされます。更年期に起こる症状とは更年期には、心と体に様々な症状が起こることがあります。これは、卵巣機能が低下することで、卵巣からのエストロゲンなどの女性ホルモンの分泌量が急激に減少してしまうことなどが原因です。具体的には、以下のような症状が起こります。ホットフラッシュ(のぼせ)めまい異常な発汗身体の痛み(腰痛、関節痛)食欲不振、吐き気排尿障害、性交痛情緒不安、イライラ不安感ホルモンバランスの変化の他にも、更年期は女性にとって様々な変化がある時期です。年をとってきたことの自覚や焦り、親の介護、死別などが起こることもあるでしょう。ストレスや喪失感から、鬱のような症状を引き起こすケースもあります。40代で生理が止まった!妊娠か閉経か迷ったら妊娠を希望している40代の方の場合、生理が止まった時、妊娠したのか更年期によるものなのか分からず不安になることもあるでしょう。次に、生理が止まった時の対応を解説します。まずは妊娠検査薬で調べよう妊娠の可能性がある場合、まずは市販の妊娠検査薬で調べてみましょう。妊娠検査薬はドラッグストアなどで購入できます。婦人科を受診しよう更年期世代は、女性ホルモンが減少することで病気のリスクが高くなります。40代になると、大腸がんや乳がん、子宮頸がんなどのリスクが高くなり、更年期を迎えると骨粗しょう症や生活習慣病などの病気も増えてきます。生理が止まり、体調がよくないと感じた時には、早めに婦人科を受診するようにしましょう。更年期の症状で困ったら婦人科を受診しよう更年期のほてりやめまい、吐き気などの症状は、妊娠の症状に似ている部分があります。妊娠の可能性がある方で、生理が止まって体調がよくないと感じたら、妊娠なのか更年期なのか分からないということもあるでしょう。 自己判断をして薬を飲んでしまうのではなく、妊娠検査薬でチェックしたり、婦人科を受診したりすることが大切です。
2020年09月16日産婦人科医と美容家による「閉経」のホント閉経や更年期について、産婦人科医師と美容家が解説している新刊『「閉経」のホントがわかる本』が発売された。著者は産婦人科医師で医学博士、対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座院長、NPO法人女性医療ネットワーク理事長の対馬ルリ子氏と、美容家でオーガニックスペシャリストの吉川千明氏である。四六判256ページ、1,700円(税別)の価格にて集英社より発売中である。キーワード検索や「わたしカルテ」も全ての女性に訪れる更年期。更年期は閉経前の5年間、閉経後5年間の計10年間のことをいい、心身に変調をもたらす。閉経や更年期という言葉は口にしづらく、その時期にある女性でも考えたくないと思ってしまうが、不調に直面し、相談しづらいことから1人で悩むことになってしまう。新刊では貴重な10年間とその後の人生を左右する閉経、更年期、女性ホルモンの正しい情報を紹介。様々な不調に対し、なぜそうなるのか、対処法、相談先などがわかりやすくまとめられている。120以上の用語については、キーワード検索で該当のページを探すことが可能となっている。また、検診データなどを記録できる「わたしカルテ」が収録され、記載のQRコードによりダウンロードも可能。何枚でも継続的に「わたしカルテ」を作ることができる。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※「閉経」のホントがわかる本~更年期の体と心がラクになる!/対馬 ルリ子/吉川 千明 - 集英社の本 公式
2020年09月11日ビールはアルコール飲料の中でも定番と言っていいほど人気のあるお酒ですよね。ビールしか飲まないという人や、ほかのお酒が好きでも「乾杯のときはビール」という人も中にはいるのではないでしょうか。人気の高いビールですが、太りやすいというのもよく耳にすることです。しかし、ビールのカロリーや、太りやすいと言われる原因を詳しく知っている人は少ないことと思います。ビールが好きだからこそ、太りやすい原因を知り、健康面にも気をつけた上で、楽しく長く付きあっていきたいですよね。今回は、ビールに含まれるカロリーや、太りやすいと言われる原因を詳しく解説し、糖質をコントロールできるビールの飲み方までご紹介していきます。ビールが好きな人や、太りやすいから制限しているという人は、ぜひ最後までご覧になってください。■ビールのカロリーと糖質量ビールが太ると言われている原因として、カロリーと糖質が多く含まれているということがあげられます。ここでは、ビールに含まれるカロリーや糖質量を紹介し、炭水化物およびそのほかのアルコール飲料との比較をしていきます。ほかの食べ物やアルコール飲料と比較することで、イメージがつきやすいですよね。ビールの位置づけはどうなのか見ていきましょう。・100mlあたりのカロリーと糖質量アルコール取扱店などの商業施設で売られている、大手ビールメーカーの一般的な成分を見ていきましょう。キリン一番搾り生ビール糖質 2.6g エネルギー 40kcal出典: KIRIN『キリン一番搾り生ビール』 アサヒ スーパードライ糖質 3.0g エネルギー 42kcal出典: Asahi『ビール・発泡酒・新ジャンル 原材料・成分一覧表』 ザ・プレミアム・モルツ糖質 3.6g エネルギー 47kcal出典: SUNTRY『ザ・プレミアム・モルツ』 上記3社のビールをみると100mlあたりに含まれる糖質の平均は3.1g、カロリーの平均は43kcalだということがわかります。缶ビールの場合、350mlおよび500mlのものが多く売られているため、1本飲むとそれぞれ3.5倍または5倍の量を摂取することになります。・他のアルコール飲料との比較ほかのアルコール飲料には、カロリーや糖質がどれくらい入っているのでしょうか。比較してビールの位置づけを見ていきましょう。お酒の中でもメジャーな、焼酎、ウイスキー、ワイン、日本酒と比較していきます。順番に各アルコール飲料の人気商品を例にあげてみていきましょう。宝焼酎35°糖質 0g エネルギー 195kcal出典: 宝酒造『栄養成分』 サントリーウイスキー 響糖質 0g エネルギー 195kcal出典: SUNTRY『栄養成分一覧』 ぶどう酒 白糖質 2.0g エネルギー 73kcal出典: 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』 清酒 吟醸酒糖質 3.6g エネルギー 104kcal出典: 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』 比較しやすいように各アルコール飲料に含まれるカロリーと糖質を下記の通りまとめました。<カロリー(100mlあたり)>・ビール:43kcal・焼酎(甲類):195kcal・ウイスキー:239kcal・白ワイン:73kcal・日本酒(純米):104kcal<糖質(100mlあたり)>・ビール:3.1g・焼酎(甲類):0g・ウイスキー:0g・白ワイン:2.0kcla・日本酒(純米):3.6g100mlで比較すると、ビールはほかのお酒よりもカロリーが低く、糖質もワインや日本酒と同程度となっています。しかし、飲む量で考えてみたとき、缶ビールの場合、1本で少なくとも350mlはあり、中ジョッキだと500mlあります。ビール中ジョッキの場合、カロリーは215kcal、糖質は15.5g摂取することになり、一気にトップクラスとなってしまいますね。また、ビールは1杯にとどまることなく、ごくごくと何杯も飲むケースが多いはず。カロリーおよび糖質の摂取量が大幅に多くなることがわかります。・ごはん・食パンとの比較次にごはんや食パンなどの炭水化物と比較してみましょう。分かりやすいように、ビールは中ジョッキ1杯(500ml)、ごはん1杯(150g)、食パン1枚(60g)で見ていきます。<カロリー>・ビール1杯(500ml):210kcal・ごはん1杯(150g):252kcal・食パン1枚(60g):158kcal<糖質>・ビール1杯(500ml):15.0g・ごはん1杯(150g):55.7g・食パン1枚(60g):28.0g比較してみると、ビールはごはんや食パンよりも、カロリー・糖質ともに低いことがわかりますが、ビールを何杯飲むかによっては、摂取量が上回ることも考えられます。・1日に飲んでも良い量ビールを複数杯飲むことにより他のお酒や、炭水化物よりも太りやすい栄養素を多く摂取してしまうということが分かりましたが、それでもビールを飲みたい人はたくさんいると思います。一体何杯まで飲んでもいいのか気になるところですよね。厚生労働省が定めている健康日本21(アルコール)には下記記載があります。「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度である出典: 『厚生労働省 健康日本21(アルコール)』 純アルコール量の計算式は下記の通りです。アルコール飲料の量(ml) × アルコール度数(%) / 100 × アルコール比重(0.8) = 純アルコール量(g)アルコール度数5%のビール500mlの場合、500 × 5 / 100 × 0.8 = 20gとなるため、1日に飲んでもよいビールの量は500mlの缶ビール1本ということになりますね。ビールをごくごく飲むのではなく、ほかのアルコール飲料のように、1杯を味わうというように日ごろから気をつけてみてはいかがでしょうか。■カロリーだけじゃない!ビールで太る原因ビールで太る原因として、カロリーと糖質に関して説明してきましたが、イメージしていたよりも含まれていないという印象ではないのでしょうか。単純にビールを飲む量を減らせばいいと思いますよね。しかし、ビールが太ると言われている理由には、カロリー以外にも隠されているのです。ここでは、カロリーだけではない、ビールが太ると言われる原因を紹介していきます。・アルコール度数ビールのアルコール度数は5%前後で、ほかのアルコール飲料と比べてもそれほど高いわけではありません。しかし、それが落とし穴となっているのです。アルコールにそれほど強くない人であっても、ビールを中ジョッキ1杯飲んで酔っぱらってしまうということはなく、ごくごくと何杯も飲めてしまいますよね。アルコール度数が強くないということで、何杯も飲むことによって、太る原因となるカロリーや糖質の摂取量が積みかさなってしまうというわけなのです。・プリン体ビールにはプリン体が含まれているため太るということを聞いたことがある人も多くいるのではないでしょうか。しかし、実際にはプリン体自体が原因で太るということはないようです。そもそもプリン体とは、窒素と炭素の化合物で人間の身体にとって大切な物質です。ただ、なにごとにも適量があり、摂取しすぎてしまうと尿酸値が上がり、痛風などの要因となってしまう恐れがあるようです。アルコール飲料の中でもプリン体はビールに多く含まれていて、100mlあたり4.4から6.8mg含まれています。尿酸値に悪影響をおよばさない目安は1日ビール500ml以内と言われています。また、プリン体は日本酒にも含まれています。アルコール飲料以外では、レバー、白子、エビ、イワシ、カツオなどに多く含まれていますが、これらを毎日食べるということはあまりないですよね。対して、ビールは日常的に飲む人もいるでしょう。ビールを毎日飲むという人は尿酸値に影響してしまうため、1日の摂取目安量を守ることをおすすめします。・炭酸などの食欲増進効果飲み会では居酒屋でたくさん飲み食べしたにも関わらず、「締めのラーメン」まで食べるというような普段の食生活では考えられない食べ方をしているなんてこともあるのではないでしょうか。それは、ビールに含まれる炭酸やホップの成分が胃壁を刺激することによって、食欲を増進する効果があるためと言われています。ビールを飲んでいるとついついおつまみも食べ過ぎてしまうというわけなのです。・おつまみの食べ過ぎお酒と言えばおつまみがつきものですよね。しかも、ビールののどごしに合うおつまみと言えば、揚げものをはじめとする味の濃い食べものが多いのではないでしょうか。味の濃いおつまみはカロリーが高い傾向にあるため、ビールとセットで食べることにより、カロリー摂取量が高くなります。ビールに含まれる炭酸やホップによる食欲増進効果により、カロリーの高いおつまみをたくさん食べてしまう。これが、「ビールを飲むと太る」と言われる大きな原因になっているのです。■カロリーが低いビールはあるの?ビールをたくさん飲むことによってカロリーの摂取量が高くなってしまうことは解説してきましたが、それでもやっぱりビールは飲みたいですよね。ごくごく飲んでも太らないビールはないのか気になるところではないでしょうか。実はすでに、通常のビールよりもカロリーが抑えられていて、飲んでも太りにくいビールが出回っているのです。・糖質オフ炭水化物に多く含まれる糖質ですが、ビールを何杯も飲むことで炭水化物以上の糖質を摂取してしまうこともあるのです。そこで、ビールは飲みたいけれど、糖質が気になるという人向けに糖質オフのビールが開発されました。「糖質70%オフ」など、通常のビールよりも大幅に糖質をカットしている商品が多く出回っています。糖質オフのビールなら、複数杯飲んでも炭水化物以上に糖質を摂取することはなかなかないのではないでしょうか。また、糖質オフのビールはカロリーに関しても通常のビールよりも低くなっている傾向があるため、太りにくいビールと言えますね。・糖質ゼロ糖質オフではなく、糖質を限りなく少なくした糖質ゼロのビールもあるのです。糖質ゼロのビールを飲めば、糖質のことはほとんど気にすることがありませんよね。カロリーも低くなっているため、ビールは飲みたいけれど、ダイエットもしたいという人にはぴったりのビールではないでしょうか。以前は、糖質をカットしているビールは通常のビールと比較して味がかなり劣っていると言われていたそうですが、最近では、糖質ゼロのビールでもおいしく飲める商品も開発されているようです。糖質が気になるけれど、おいしいビールも飲みたいという人は、自分好みの糖質ゼロビールを探してみてはいかがでしょうか。・プリン体ゼロ摂取量が多くなると尿酸値が上がり、痛風の原因になってしまう可能性のあるプリン体ですが、プリン体の入っていないビールも存在するのです。ビールと言えばプリン体が入っていて、身体によくないイメージが強く、飲むのをためらっているという人もいるかと思います。そのような人向けにプリン体ゼロのビールが開発され、出回っています。しかし、適量のプリン体はもとも身体に必要な成分であるとともに、うま味成分の中の1つとされています。ほかの添加物でプリン体のうま味を補うことは難しく、プリン体ゼロでビールの味はなかなか再現できないと言われています。ビールと比較すると味は劣ってしまうかもしれませんが、プリン体の摂取量が気になるという人は試してみてはいかがでしょうか。■太りにくくするビールの飲み方太りにくいビールも存在しますが、飲み方に関しても太りにくくする方法があることを知っているでしょうか。ここからは、太りにくいビールの飲み方を紹介していきます。・食事で糖質を摂りすぎないビールには糖質が含まれているため、飲んでいるだけでも摂取量は増えていきます。そのため、おつまみとして食べるものまで、糖質の高い料理だと、糖質の過剰摂取となってしまいます。特に炭水化物には糖質が多く含まれるため、ビールを飲んでいるときは、炭水化物を控えることをおすすめします。・“同量の水”を飲むビールを飲むときは、同量の水を飲むと太りにくいと言われています。ビールに含まれる糖質をエネルギーとして消費するには、水分が必要となるためです。ビールを飲んでいるときに水も飲むのは大変かもしれませんが、太りにくくするためには、水も一緒に飲むことをおすすめします。・飲む前に“乳製品”を摂るビールを飲む前に、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を食べることで胃に膜を張り、アルコールが吸収されにくくなるといわれています。また、胃の負担も軽減してくれるようです。摂取する乳製品に関しても、無糖でカロリーが低く、たんぱく質の豊富なものを選ぶようにしましょう。■太りやすいけどおいしいビール!糖質をコントロールして楽しく飲もう!ビールが太りやすいという原因を詳しく解説してきました。実際にはビール1本でみると太りやすいわけではなく、たくさん飲んでしまうことやおつまみを食べすぎてしまうことに太ってしまう原因があるようですね。疲れていると、ついついたくさん飲みたくなってしまいますが、少ない量を味わって飲むことを心がけてみてください。たくさん飲みたいという人は糖質が少ないビールなどを試してみてはいかがでしょうか。太りやすいと言われるビールですが、健康面にも気をつけることで、長く楽しくつきあっていきましょう!《参考》・ 文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』 ・ 公益財団法人 痛風・尿酸財団
2020年09月04日40代後半から多くの女性たちが、肩こりや頭痛、発汗、動悸、息切れ、倦怠感といった更年期障害の症状に悩まされる。「更年期に現れる症状は人によって違います。40~50代で体の不調を感じると、なんでも『更年期だから』と決めつけてしまいがちですが、更年期とは別の病気が原因で、不調が出ている場合があります。自己判断をしないで病院で診てもらったほうが安心です」そう語るのは、『オトナ女子あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)の著者で、常喜医院の常喜眞理院長。特にコロナ禍の今は、一日のうちに何度も体温を測り、家族の体調の変化にも気を使うので、精神的にも不安定になっている人が多く、強い倦怠感を訴える人が増えているという。「『この症状は更年期?』『コロナうつ?』と思ったら、違う病気の場合もあります」(常喜院長・以下同)女性ホルモンには血管を広げる作用やコレステロールの代謝を改善するといった作用があるが、閉経を迎えると、高血圧症や高コレステロール血症などの生活習慣病にかかりやすくなり、虚血性心疾患など「心臓疾患」のリスクが高まる。「更年期になると胸痛の原因として微小血管狭心症の場合があります。運動をしていないのに急に胸痛やみぞおちの痛みに見舞われるときには、『心臓疾患』を疑います。不規則な生活が続き、心臓に異常がなければ、『自律神経失調症』を疑います」更年期で「めまい」や「ふらつき」の症状を訴える人は多いが、椅子から立ち上がるとめまいが起こるのは「良性発作性頭位めまい症」の可能性も。「耳の中にある三半規管にはがれた耳石が入り込むと、リンパ液の流れが乱れて実際の体の動きと合わなくなり、めまいが起こります。椅子から立ち上がるときや頭を後ろに倒したときに目がまわる場合は、『良性発作性頭位めまい症』かもしれません」季節の変わり目や気温や湿度の差によって、症状が出やすいのが「頭痛」。片頭痛は女性に多い病気だが、ひんぱんに起きる人が鎮痛剤に頼りすぎると、かえって頭痛を慢性化させてしまう「薬物乱用頭痛」になっていることがある。「頭痛持ちの人は、鎮痛剤を予防的に飲んでしまうこともあり危険です。『薬物乱用頭痛』の診断基準は、月15日以上、鎮痛剤を飲んでいる場合となっていますが、実際は月に10日以上飲んでいる場合も注意しましょう」更年期になるとカルシウム不足や筋肉の衰えから節々が痛む「関節痛」が起こりやすくなるが、一日中指のこわばりが取れないときは「関節リウマチ」、脚のしびれや歩くと腰の痛みを感じるときは「脊柱管狭窄症」。階段の上り下りでひざが痛むときは「変形性ひざ関節症」にかかっている恐れもあるので、早めに整形外科で診てもらおう。「ささいな体調の異変から病気を見つけるためにも、40代半ば以降はなんでも相談できるホームドクター“かかりつけ医”を探しておくことをお勧めします。特にコロナ禍の今は、体調が優れないときに無理に通院しなくても電話やオンラインで相談することもできるので安心できますよ」忙しいからといって体調が悪いのをがまんしたり、通院を後回しにしたりせず、自分の体を大切にしよう。「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月02日「やたら汗をかく」「イライラする」など更年期障害と甘く見ていた症状が、実はバセドウ病だった……。そんな事態に陥らないように早期発見&治療のポイントを知っておこうーー。40代後半から多くの女性たちが、肩こりや頭痛、発汗、動悸、息切れ、倦怠感といった更年期障害の症状に悩まされる。「更年期に現れる症状は人によって違います。40~50代で体の不調を感じると、なんでも『更年期だから』と決めつけてしまいがちですが、更年期とは別の病気が原因で、不調が出ている場合があります。自己判断をしないで病院で診てもらったほうが安心です」そう語るのは、『オトナ女子あばれるカラダとのつきあい方』(すばる舎)の著者で、常喜医院の常喜眞理院長。特にコロナ禍の今は、一日のうちに何度も体温を測り、家族の体調の変化にも気を使うので、精神的にも不安定になっている人が多く、強い倦怠感を訴える人が増えているという。「『この症状は更年期?』『コロナうつ?』と思ったら、違う病気の場合もあります。その最たるものが甲状腺の病気です。甲状腺は首の前側中央、喉仏の下あたりにある臓器ですが、ここから分泌される甲状腺ホルモンは体の発育や代謝機能に大きく関わっています。女性の約10人に1人、中年女性に多い『橋本病』は、甲状腺ホルモンの分泌が低下したときに、一日中足がむくんで、声がかすれる、冷え性に便秘、頭がボーッとするといった症状が出ることがあります」(常喜院長・以下同)これとは反対に、甲状腺ホルモンが過剰に出ることで、発汗、動悸、息切れ、イライラする、不眠、疲れやすいなどの症状が出るのは『バセドウ病』。甲状腺機能の異常は血液検査でわかるので、気になったら検査を受けよう。一日中倦怠感があり、意欲が低下するのは「コロナうつ」や更年期ではなく、「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)の恐れがある。「体内にある鉄の60~70%は血液に含まれるヘモグロビン、30~40%は肝臓や脾臓などに貯蔵鉄として蓄えられています。食事などから得る鉄分の量が不足してくると、貯蔵鉄から不足分を補い、『潜在性鉄欠乏症』となってしまいます。血液検査ではフェリチン値をみていきます」常喜院長は、ささいな体調の異変から病気を見つけるためにも、40代半ば以降はなんでも相談できるホームドクター“かかりつけ医”を探しておくことを勧める。「特にコロナ禍の今は、体調が優れないときに無理に通院しなくても電話やオンラインで相談することもできるので安心できますよ」「女性自身」2020年9月8日 掲載
2020年09月02日ここ数年、「夏太り」という言葉をよく聞きますね。ある調査によると30代、40代女性の3人に一人が夏太りを経験しているそうです。著者のエステサロンでも、夏に太る方のほうが「夏痩せ」する方よりも、圧倒的に多くなっています。しかし、夏太りは秋になってからダイエットしても痩せにくいのです。出典:byBirth夏太りは秋にダイエットしても落ちにくい!?なかなか落ちにくいのは、夏に太ってしまった生活習慣に原因があります。夏に太って痩せにくくなる人の共通の生活習慣をチェックしてみましょう日中も夜も冷房で体が冷えている冷房のなかでも薄着で素足のままでいる冷たいものを飲み、アイスなど冷たいスイーツも食べてしまうソーメンや冷パスタ、パンなどのさっぱりしたものを食べることが多い暑いので動かない。外出も控えているシャワーですませてしまう夏だけど汗をかいていない呼吸が浅い3つ以上心当たりのあるかたは要注意です。どうして痩せにくくなるのでしょうか夏は代謝が下がる季節意外なのですが、夏は一年のうちで一番代謝が下がっています。外気温が高いので、体が熱を発する必要がないため、エネルギー代謝が下がり、痩せにくくなります。逆に冬は外気温が低いので、体は寒さから身を守るために熱を発して、代謝が上がりやすくなっています。冷やす生活習慣夏の間に、冷房で身体を、食べ物と飲み物で内臓を冷やす生活習慣により、代謝がさらに下がってしまっています。筋肉が減っている運動不足なので筋肉が減っています。2週間運動をしないと、20代の若者でも筋力の4分の1を失うという研究結果も出ています。筋肉が減ると代謝も減ってしまいます。秋になっても、体が冷えて筋肉が減ったままですので、痩せにくい身体になってしまっているのです。夏太りのダイエットを始めるのは、早いほどいい秋は食欲も出てきますので、ただでさえ太りやすい季節です。8月に太り、秋にも太ると、一年を通じて痩せる時期を逃してしまい、年々太っていく、ということになってしまいます。そのためにも、夏太りをしっかりリセットすることが大切です!出典:byBirth夏に太ったら、すぐに元に戻す太ったら2週間以内にダイエットを始める2週間以上経ってしまったという方も、出来るだけ早く始めましょう!人間の体は恒常性の機能が働いているので、体重の変化に抵抗します。実は増えるときも抵抗してくれているのです。ですから、増えた体重を体が認識する前にダイエットをすると、元に戻りやすいのです。セルライトが大きくなる前に始める夏は体冷えていますので、脂肪がセルライト化しやすくなっています。セルライトとは脂肪細胞が冷えなどで固くなり、皮膚表面が凹凸になった状態です。一度出来ると落としにくくなります。セルライト化する前に、せめて表面の凹凸が小さなうちに落としておきましょう。夏太りリセットは夏の疲れもリセット夏に太る生活習慣は、夏バテの原因にもなっています。正しくダイエットすることにより、夏の疲れもとれやすくなります。体型も体調もすっきりとして秋を迎えましょう。夏太りリセット方法著者のエステサロンのお客様にやっていただいて、効果のあった夏太りリセット方法を紹介します。おすすめの5つの方法1.飲み物は温かいものを選ぶ夏のクセでついつい冷たいもの飲んでしまいます。残暑が厳しくても、常温か温かい飲み物を飲みましょう。カフェでは、ホットコーヒー、ホットティーなどを選びましょう。2.和定食を食べて、バランスのよい食事を麺類やパンなどで食事を済ませてしまうと、糖質中心になってしまいます。肉、魚、卵などのタンパク質を意識して食べるようにします。バランスの良い和定食がおすすめです。肉よりも魚を食べる回数を増やし、お味噌汁も一日2杯以上飲むようにしましょう。糖質制限ダイエットは女性にはおすすめできませんので、お米も食べて、バランスに気をつけましょう。ただし、パンよりお米を選ぶようにしてください。出典:byBirth3.湯船に入り、ふとももの脂肪をつまむセルフマッサージシャワーだけではなく、湯船に入って、ゆっくりと温まりましょう。湯船のなかでは、ふとももの前と裏を軽くつまんでほぐしましょう。セルフマッサージというと大変そうですが、両手または片手でつまむだけです。女性はふとももにセルライトが付きやすいのですが、温めてほぐすと落ちやすくなります。湯船で温まりながら、セルライトケア、一石二鳥の入浴方法です。ちなみに湯上りに顔がほてったら、顔を冷たいタオルで冷やすといいですね。冷蔵庫で冷やしたシートパックもおすすめです。4.スクワット50回以上で筋肉を増やす夏は暑いので運動不足になりがちです。少し大変ですが、毎日時間を決めて、足腰を使う運動をしましょう。太ももの大きな筋肉を鍛えてくれるスクワットがおすすめです。冷房のきいた室内で出来るので、一日50回以上やってみましょう。出典:byBirthスクワットの前後に、ふとももの前と後ろを軽くつまんでほぐすことも加えてください。湯船の中のセルフマッサージと同じです。出典:byBirth5.腹式呼吸をするダイエットで一番大切なことは、自律神経を整えることです。腹式呼吸は地味なのですが、効果は抜群です。ホルモンバランスも整えてくれます。気が付いた時にいつでもどこでも出来るので、一日10セット以上が目標です。【腹式呼吸の方法】椅子にすわっても立ってもいいです。姿勢を正して、10カウントで吸います。お腹をしっかりふくらませます。腰の力を抜いて少し猫背になって、15カウントで吐きます。お腹をしっかりへこませます。吸って吐くを1回として、10回行います。出典:byBirthダイエットを続けるコツダイエットのコツは毎日続けることです。そうはいってもなかなか続きませんね。続けるコツも紹介します。チェックをルーティン化する紹介した1~5までの方法をできたかどうかを毎日振り返ってみる。夜寝る前でもいいですし、朝起きた時や朝の通勤の間にチェックしてもいいですね。チェックすることをルーティン化してくださいね。終わりの日を決めるある程度続けることが必要です。まずは一か月、続けてみてください。一か月後の日付を確認しましょう。9月2日に始めたら、10月1日までです。終わりの日付が決まると、続けるイメージができます。出来ない日もあると思いますが、気にしないで、最終日までがんばりましょう。自分を大切に思う習慣をつける日々の生活習慣が体をつくっていきます。よい習慣は自分のためになります。自分を大切にするために、日々のダイエット続けてみましょう。
2020年09月01日■更年期になると起きる動悸について走った後、久しぶりに身体を動かした後、会議前に緊張しているとき、ホラー映画で恐怖を感じたとき……。誰もが「心臓ドキドキ・脈打つ」感覚を感じます。思い出すことができませんか?これは、心拍が交感神経と副交感神経からなる自律神経によってコントロールされているためです。不安や緊張などを抱えたストレス状態にあるときは、交感神経が活発になり動悸を感じやすく・呼吸は浅くなります。逆にリラックスしているときには、副交感神経が活発になり、動悸はしにくく・呼吸は深くなります。一方で、何も特別なことがないのに「心臓がドキドキする」「心臓が脈打つ」「胸に違和感がある」と感じる症状を「動悸」といいます。つまり、いつもは意識することのない心臓の拍動に違和感をおぼえたり、強く・早く感じたりする症状です。場所やシーンも問わず寝ているときに症状が出るケースも……。■どうして更年期になると動悸が出るようになるの?更年期で動悸が出る原因としてはっきり分かっているわけではありませんが、原因として考えられているものをご紹介します。動悸の原因その1.更年期障害などによるホルモンバランスや自律神経系の乱れ更年期の時期では、卵巣の機能が衰え女性ホルモンの分泌がうまくできなくなります。女性ホルモンは脳の視床下部によってコントロールされています。そのため、いつもより体内の女性ホルモンが減ったとき、視床下部は「女性ホルモンが減った」という情報をもとに女性ホルモンをいつも通りに出させようと信号を送ります。しかし、いくら信号を送っても卵巣からは上手く女性ホルモンを作り出すことができません。この変化に、視床下部はパニックに陥ってしまいます。視床下部は、女性ホルモンだけでなく、自律神経や免疫系の信号も送る仕事があるため、パニックを起こした状態になると、そちらにも影響が出てきます。先ほどのご紹介した通り、自律神経は交感神経と副交感神経のふたつからなり、以下のような影響があります。動悸と感じるのは、交感神経の方に偏ったときです。更年期となったときは、通常は何かあったときに交感神経に偏るものが、何も特別なことがないときに交感神経の方に偏りやすい状態といえます(ストレスや社会的、環境的な要因も関係していると言われています)。そのため「自律神経失調症状」として動悸や息切れなどの症状が引き起こされてしまうのです。動悸の原因その2.不安神経症やうつ病などの精神的な要因精神的なストレスが蓄積されることでストレスホルモンが増加したり、自律神経が乱れて不安に感じたりすると普通に打っているはずの心臓の鼓動を「大きく感じさせてしまう」ことがあります。更年期の時期は仕事や家庭でもストレスを感じやすく、また抑うつ感、いらいら、不安感など精神的な症状を感じる方も多いです。もしも、動悸が起こる場面が、「悩み事をモヤモヤと考えてしまっているとき」「苦手な場所や人間関係の中にいるとき」「緊張する場面にいるとき」などのような場面であったら、それは精神的なものも原因となっているかもしれません。■動悸の予防にできること自分でできることとして、日頃からリラックスしたり、ストレスや疲れを溜めないようにしたりすることが、交感神経ではなく副交感神経に偏らせることとなり、更年期で感じられる動悸の予防につながります。①適度な運動運動によって心臓や肺を健康に保ち、運動不足による動悸や息切れの予防にも繋がります。ストレス解消や質の良い睡眠、脳の活性化など、良い効果がたくさんあります。②健康的な食事もちろん、食事も大切です。バランスよく健康的な食事を心がけたいですね。③質の良い睡眠睡眠も大切に。睡眠時間の確保が難しい場合は、寝る前のストレッチ・スマートフォンは使わないこと・寝る2〜3時間前までの夕食などで、睡眠の質を上げるという方法もあります。④深呼吸・マインドフルネス深呼吸の中でも、「腹式呼吸」にはよりリラックス効果や自律神経を整える効果があることが分かっています。たくさんある呼吸法の中から、「4-7-8呼吸法」をご紹介します。一緒にトライして見ましょう !1:息を完全に吐き切ります。2:鼻から息を吸いながら4つ数えます。3:息を止めて7秒数えます。4:8つ数えながら息をゆっくり吐き出します。これを2〜4回繰り返します。行ってみて、いかがでしたか ?あなたの日々の意識が、感じている症状を楽にしてくれるかもしれません。■病院に行くとしたら ?動悸には、更年期だからこその原因の他にも、さまざまなものがあります。ここでは、あなたの「動悸」の原因をはっきり突き止めることはできません。ですので、可能であれば病院に行き、検査を受けていただければと思います。ここでは、病院への行き方についてご紹介していきます。ステップ1心臓や肺など呼吸・循環器系の病気がないか、まずは呼吸・循環器内科を受診して検査をしましょう。甲状腺疾患の可能性もあります。受診された医療機関でご相談ください。ステップ2ステップ1で、心臓や肺など呼吸・循環器系の病気ではないことが分かったら、ストレスの影響や精神疾患などがないか、精神科や心療内科などの医療機関で相談してみましょう。産婦人科外来もしくは更年期専門外来にて対応が可能です。■その他が原因の場合も更年期だけでなく、複数の原因が関係してくることもあるので、ぜひ一緒にチェックしてみてください。その他の原因その1.心臓の拍動の異常によるもの心拍数が急に速くなったり遅くなったりするなど、心臓のリズムが乱れたとき、または心臓の収縮力が強まったときに、動悸として感じられます。心臓の病気(不整脈や心不全など)が隠れていることがありますので、胸の痛みがともなう場合や呼吸困難もしくはふらつきがある際は、医療機関へのご相談を検討してください。その他の原因その2.貧血血液に含まれる赤血球の成分である、ヘモグロビンが不足することで、「動悸」「息切れ」「めまい」などの症状が現れやすくなります。また、その前段階となる「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」でも、身体に必要な鉄分が不足してしまうことで、さまざまな不調を感じることがあります。その他の原因その3.バセドウ病バセドウ病が原因で起こる動悸は、手の震え・体重減少・発汗多量・頻回の便・疲れやすくなる、などの症状 をともないます。その他の原因その4.肺の疾患による酸素不足慢性の肺の病気が進行するにつれて徐々に動悸も現れてくることがあります。他にも、「蜂に刺される」「薬の副作用による急性の重症アレルギー症状」「ぜんそく発作」「食中毒」「熱中症などによるひどい脱水」「急性アルコール中毒」など、動悸の原因は本当にたくさんあります。あなたはどれが当てはまりますか?ひとつだけとは限りません。年齢に合わせた変化以外にも思い当たるものがあったら、それだけ対策できることの幅が広がるということですよね。その中で、背景に重大な病気が隠れている場合があることを忘れてはいけません! もし動悸で悩んでいたら、まず最初に身体の病気について検査をすることがおすすめですよ。医師監修プロフィール院長南 真実子祖父や父が産婦人科医であったことから医師を志し、自身も大阪医科大学医学部へ進学。卒業後、初期研修を経て大阪医科大学産婦人科教室に入局。主に腹腔鏡手術、不妊治療、周産期治療などに従事し、産婦人科専門医を取得。検診業務にも従事し、マンモグラフィー読影認定医を取得。女性がいつまでも健康で美しく輝いていられるよう、さらなる高みを目指して、美容医療、アンチエイジング医療を行う。大手美容クリニックで活躍後、2017年に大阪美容クリニックを開院。婦人科・美容皮膚科を通じて、女性をトータルにサポートできるよう診療を行っている。
2020年09月01日更年期を迎える45~46歳ころから急に抜け毛・薄毛が気になるようになりました。これほど急激に起こるとは予想もしておらず、一時はとても悩みました。しかし私の場合、これらに対するストレスを解消することで薄毛の進行を止めることができたのです。今では髪にボリュームが出てくるまでに改善した体験談を紹介します。恐ろしくなるほどの抜け毛におびえた日々私はもともと髪の毛が太く多いタイプでした。しかし、45~46歳ごろから急激に抜け毛が目立つようになったのです。シャンプ-のときに指に驚くほど抜け毛が絡まったり、普段でも髪をかき上げるとパラパラッと抜け落ちるといった具合でした。その結果、自分でもはっきり確認できるほど短期間に髪のボリュームが減っていきました。髪が長いと抜け毛も多く感じられショックが大きいため、思い切って短めにカットしました。すると髪自体も細くなりコシがなくなってきたので、全体がペッタンとしたイメージに。そして、いつも抜け毛が気になっていたせいか、朝起きると髪がすべて抜けていたという悪夢を何回か見たこともありました。美容師さんにも相談しましたが、やはり更年期に入りエストロゲンが低下することで急激に薄毛になる女性もいるとのこと。そんな状態でなんとかしなければと思うようになったのです。もしかしたらストレスが原因かも?だんだん心が折れそうになり、まず考えたのが髪専門クリニックでの治療でした。しかし、料金が高いというイメージがあり、あまり積極的になれませんでした。そこで敵を倒すにはまず敵を知ることが大切だと考え、ネットや本で原因を調べました。その結果、遺伝、更年期などによる女性ホルモンの低下、シャンプー剤やシャンプーの方法の問題。さらに、食生活、睡眠、血流、ストレスなどさまざまな要素が深くかかわっているようでした。自分なりに改善できることはすべて実践してみようと思いましたが、シャンプー剤をはじめ食生活、睡眠、頭皮マッサージなどは自分なりにどれもこだわって、すでに実行していたことだったのです。遺伝や女性ホルモンの低下などに対しては簡単に自分で改善することはできません。ただ、ストレスという言葉がやけに気になりました。私にとって抜け毛・薄毛の悩みはとても大きなストレスだと感じていたからです。とはいっても心のコントロールは簡単ではありません。しかし、このストレスを解消する努力をしてみようと考えたのです。ストレスの解消は意外なことだったストレス解消のためアロマオイルを利用したりいろいろ試してみましたが、抜け毛・薄毛に対する不安や恐怖は根本的なところを解決しない限り解消されないのだと感じました。そこで自分は何がそんなに不安や恐怖を感じているのかということを自問自答したのです。結局、私の不安や恐怖は髪が薄くなった自分の姿に対してだということに気付きました。そこから発想をガラッと変えて、気に入った部分ウィッグを使ってみようと思ったのです。現在の技術は非常に進んでいるため、とても自然にボリュームアップをすることができました。すると今まで家に閉じこもりがちだった私が、外出したいと思うようになったのです。そして抜け毛・薄毛に対する不安や恐怖はどんどん消えていき、「もし全部抜けたって、どうってことないわ」という気持ちにまでなれました。すると、1カ月ぐらいの短期間で抜け毛が急激に減りました。抜け毛に対するストレスがより抜け毛を加速させていたようです。それから3年ほどたち、現在では抜け毛はまったく気にならないレベルとなり、髪のボリュームも出てきて部分ウィッグが必要なくなってしまいました。まとめ今回のように更年期に起こる女性ホルモンの低下は特に異常なことではないそうです。そして、それに伴ういろいろな症状に対してもあまり不安を持つと、逆にその不安で押しつぶされてしまい、実際に体調の変化も出てしまうことがあると痛感しています。今まで私はストレスというものを「気の持ちよう」と軽視していましたが、今回のことで体にも影響を及ぼすものだということも学びました。そして、ガラッと発想を変えることでストレス解消ができることも知ったのです。これからも更年期でいろいろな変化が出ることもあると思いますが、それは自然の流れと受け止め発想を転換しながらうまく乗り越えていきたいと考えています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月12日私は学生のころからコンタクトを使用していましたが、1年ほど前から使用中の違和感やトラブルが度々起こるようになりました。その原因には、更年期や老化が深くかかわっていると眼科で診断されました。今はさまざまな面から、この状況をうまく乗り越えています。そんな私なりの乗り越え方を紹介します。度重なる目の違和感や痛み私は中学生のときから視力が0.1以下だったこともあり、ハードコンタクトをずっと使用していました。コンタクトを外さずにうっかり寝てしまったときなどは眼球に傷がつき、激痛で病院に飛び込んだことも。また、風の強い日などは細かい砂ぼこりが目に入り、やはり眼球を傷つけてしまうこともありました。しかし、それは多くても年に1回程度で常時起こることではありません。ところが1年ほど前からコンタクトを使用するとゴロゴロしたり違和感があったり、眼球が傷ついたときのような痛みを感じたりするようになったのです。痛みがひどくなって眼科に行くと眼球に傷がついていると言われ、症状が軽いときは処方してもらった抗生剤が入った目薬を差し、痛みが取れるまで数日コンタクトをお休みしていました。しかし、痛みがなくなってコンタクトを使用すると、すぐにまたチクチクと痛くなってしまうということの繰り返し。揚げ句の果てには裸眼のときでも同じような症状が起きるようになったため、何が起こっているのだろうと不安に思い眼科医に相談をしました。医師から出た言葉は更年期と老化!眼科医に相談したところ、カルテに書かれた私の年齢を確認して出た言葉は更年期でした。そして、このような連続的なトラブルの原因はドライアイだろうと診断され、更年期や老化が深くかかわっていると言われたのです。エストロゲンの分泌が低下すると目の粘膜細胞が減少し潤い不足が起こり、それが原因でドライアイになるという説明を医師から受けました。更年期が目にまで影響があるなんて、自分としては初めて聞いたことだったのでとても驚いてしまいました。また、このような医師の話から、更年期であっても老化であっても、40代後半の私がドライアイを発症することはまったく不思議ではないことがわかったのです。そしてこのとき、しっかりと自分の年齢と向き合うことが更年期をうまく乗り越え、年齢を受け入れるために必要なことなのだと考えました。生活習慣の改善と眼鏡にチャレンジ眼科で今の私の状況を診断してもらったことで、これからはできるだけ目をいたわり、この状況をうまく乗り越えようと決心しました。このままコンタクトを続けてもトラブルが起こりやすいため、まずコンタクトをやめて眼鏡にしたのです。今まで人前で眼鏡姿を見せなかった私は、眼鏡をかけることに強い抵抗がありました。しかし、おしゃれなものをいくつか購入し服に合わせて眼鏡を楽しむようにしました。一方で、エストロゲンの分泌を増やす方法の1つであるホルモン治療に関しては、以前子宮筋腫の治療をしたときの副作用がつらかったため積極的になれませんでした。そこで、少しでもエストロゲンを増やすために食生活を見直したりサプリを取り入れるようにしました。ほかにも眼科で注意されたパソコンや携帯の見過ぎにも注意し、もちろん眼科で処方された涙と同様の成分の目薬もきちんと差すようにしています。また、夜は私にとって一番の自由時間なので、つい遅くまで本を読んだりテレビを見たりしていましたが、目の健康のために早めに寝ることも心がけています。このようにできるだけ努力をしたこともあってか、今は以前のような痛みが起こることはなくなりました。時々ゴロゴロした違和感やべたつきを感じたときには、洗眼用洗浄液でパチパチと目を洗っていますが、とてもすっきりして良い気持ちです。まとめ更年期が目にまで影響してドライアイを引き起こすとは思ってもいなかったので、医師から診断されたときはとても驚きました。今回のことで自分の気付かないところで、老化が進んでいることも自覚しました。そこで元気な老後を送るためにも更年期の症状としっかり向き合い、ケアしていこうと決心したことが今の安定した状態につながったのではないかと思っています。今はあれほど嫌いだった眼鏡姿にもだいぶ慣れ、自分なりの眼鏡ファッションを楽しんでいます。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
2020年08月10日プレ更年期や更年期世代はホルモンバランスの変化から血行が悪くなったり、加齢によって筋力が低下したりして、リンパの流れが悪くなったり体にゆがみが出てきたりすることも。そのため水分や老廃物が体内に滞り、太りやすくやせにくい体になることがあります。そこで産婦人科の善方裕美先生に体内環境を整えて、やせやすく太りにくい体につながる巡りの良い体づくりの方法を聞きました。リンパマッサージで巡りを良くするリンパマッサージには代謝の改善、むくみや冷えの解消、老廃物の排出を促す、疲労や凝りの解消などの効果が期待できます。さらに筋肉がほぐれることで正しい姿勢になり代謝がアップします。リンパマッサージは、下の図の矢印の方向に軽く圧をかけながらやさしくさすりましょう。また、内臓の動きも良くなるので太りにくくなるという効果が出ることも。セルフマッサージでも効果が得られるので取り入れてみましょう。ゆがみを正してスリムな体型をキープ加齢や運動不足、筋肉の衰えで、体のゆがみがどんどん出てくることがあります。ゆがみがあると体型が崩れ、姿勢も悪くなり、それが太りやすい原因になります。特に気を付けたいのは上半身と下半身をつなぐ骨盤のゆがみ。骨盤がゆがんでいると下半身がポッコリ出たり、おしりが大きく平たくなりやすくなります。さらに内臓が下がり内臓自体もゆがんでしまうことが。そうなると代謝機能が衰え、脂肪や老廃物をため込んでしまいます。下記のような習慣がある場合は改善しましょう。・足を組んだりあぐらをかくことが多い・ハイヒールで出かけることが多い・バッグなど重い物を片側だけで持つことが多い・うつ伏せで寝ることが多い・体の重心を左右どちらかにかけることが多い体を温めることで代謝機能をup体が冷え、血流が滞った状態では、必要な栄養や酸素が体のすみずみまで届かず、さまざまな機能が低下します。老廃物も排出できず代謝も低下するため、やせにくい体になるのです。代謝を上げるために冷えを予防する食材を積極的に取り入れてみましょう。根菜類、しょうがや唐辛子、鶏肉、かぼちゃ、玉ねぎなどは体を温める食材です。また冷たい飲み物は控え、温かい物か常温の物を飲むようにしましょう。筋肉は熱産生を持っているので、筋肉量を増やすことも体を温めることにつながります。また筋肉には細い血管がたくさん通っているので、運動して筋肉を動かすと血流も良くなります。日常的に服装などで気を付けたいのは、体表近くに動脈が通っている首、手首、足首を冷やさないこと。また、太ももやおしり、二の腕は大きな筋肉が付いているので温めると全身の血流が良くなります。おなかや腰周りも臓器や器官が集中しているので冷やさないようにしましょう。腹巻きなどで保温しておくと内臓の動きが活発になります。まとめプレ更年期、更年期世代は心身ともに体に変化が現れることが多いので、ダイエットのためだけでなく、健やかな体をキープするためにも自分の体や生活習慣を改めて見直すいい機会かもしれません。リンパマッサージで自分の体を触ったり、ゆがみを改善するために足を組むなどのクセをやめる努力をしたり、体を冷やさない生活を実践してみたり。結果的にやせやすく太りにくい体を作るため、できるものからトライしてみませんか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年08月06日「寝ることがダイエットにつながるなら、こんなにラクでうれしいことはない」と思いませんか? 実はプレ更年期、更年期世代は良質な睡眠が取れていなくて、睡眠不足から太りやすい体になっていることも考えられます。では良質な睡眠ってどんな睡眠なのでしょうか? 産婦人科の善方裕美先生にダイエットにもつながる良質な睡眠の取り方を聞きました。睡眠時間が短いと太るの?ただ眠るだけでもカロリーは消費されるものですが、寝ている時間が短いとカロリーがあまり消費されず、そのまま蓄積されていきます。7時間以上の睡眠が適切ですが、プレ更年期、更年期世代以降は量より質ともいわれており、良質な睡眠が求められます。翌朝、すっきりとした熟睡感があり、倦怠感や意欲減退、食欲低下などの不眠症の症状がないようなら良眠と思って良いでしょう。しかし、睡眠不足(4時間未満)の場合、食欲増進のグレリンというホルモンが増え、高カロリーの食べ物を食べたくなる傾向があり太りやすくなることがわかっています。睡眠は体を休めるだけではなく、基礎代謝を高め、心身をリセットし、自律神経のバランスも整えるという働きがあります。このような体の修復がされやすいといわれているのが22時~2時。この時間に眠っているのが理想的です。良質な睡眠でやせやすい体づくり良質な睡眠を得るためには、夕食は消化に時間がかかる脂質や糖質を控えめに、寝る2~3時間前まで済ませましょう。寝る直前に食べると眠っている間も内臓で消化活動がおこなわれるため、眠りの質を下げてしまいます。入浴は寝る30分から1時間前に済ませ体を温めておきます。体が温まった状態からだんだん冷えていくことでスムーズに睡眠モードに入れます。また、寝る直前はスマホやパソコンのブルーライトを浴びるのはNG。光の刺激は体が夜になったことを認識できず目が覚めてしまいます。睡眠前にはストレッチをストレッチは日中の凝り固まった筋肉をほぐし、体をリラックスさせます。寝る前は腕を回したり伸ばしたりする簡単なストレッチを、布団に入ってからは深呼吸をしながら両足首の曲げ伸ばしをおこなってみましょう。副交感神経が優位になり気持ちよく寝られます。まとめ睡眠の質も加齢とともに低下する傾向があります。だからこそ就寝前の生活習慣を見直して、スムーズに入眠し熟睡感がある良質な睡眠を手に入れるのが大切です。毎日のちょっとした心がけで続けられることもあると思いますので、早速実践して、やせやすい体を手に入れませんか。取材・文/アキモトスズ(52歳)「年齢より若いね~」と言われたこともあったけど、今や白髪、老眼、集中力の低下に悩む私はまさに更年期ど真ん中。食事と運動とマッサージを中心に健康と若さのキープ法を日々考え中。
2020年08月05日