小さな町に暮らす市井の人々。そんな普通の人間が内に秘める激情を描いてきた赤堀雅秋さん。その赤堀さんの新作舞台『同じ夢』に、光石研さんが出演する。もともとが映画出身だけに「舞台はいまだアウェイな気持ち」ではあるけれど、「信頼している田中哲司さんが『赤堀さんの作品に合うと思う』と言ってくださったので」と出演を決めたそう。では、何がどう「合う」のだろうか。「市井の人というか、陽の当たらない人たちの話がすごく好きなんです。自分も小学校の近所にキャバレーがあるような九州の小さな繁華街で育っているから、演じる手がかりがいっぱいありますし、もともと僕は、自分の延長線上みたいな役のほうが面白いと思うタチなんです。自分とあまりにかけ離れた役だと、大きく変身することへの快感より、気恥ずかしさを感じてしまうんですよね」その「気恥ずかしさ」こそが、光石さんの魅力。これまで幅広い役を演じながらも、どの作品でも個性を突出させることなく、自身の存在を作品のトーンに溶け込ませる役者だ。「もちろん、かつては変わったことをやって自分をアピールしたいみたいな気持ちもありました。でも、例えばヨーロッパの街を颯爽と歩いていても、ふと目に入った鏡に自分の姿が映って、所詮肉体も精神も東洋人なんだと実感したりするんです。目立ちたいけれど、全校生徒の前では目立ちたくない、そういうところがあるんですよね」光石さんの役は、事故で妻を亡くした肉屋の店主。そこに田中さん扮する文房具屋の店主や、大森南朋さん演じる加害者の男が絡んでいく。「一見何事もないように振る舞っているけれど、ふとした瞬間に本音が出る。そんな人間くさい部分が興味深いし、面白い作品だなと思います」◇みついし・けん高校在学中に映画の主役オーディションに合格しデビュー。近作にドラマ『サイレーン』。映画『森山中教習所』『夏美のホタル』など出演作が待機中。◇information事故で死んだ妻の命日。肉屋を営む昭雄(光石研)の元を、今年も加害者の田所(大森南朋)が訪れる。ケーキを前に当たり障りのない会話を繰り広げる彼らだが…。2月5日(金)~21日(日)三軒茶屋・シア タートラム作・演出・出演/赤堀雅秋出演/光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかり、田中哲司一般6800円(税込み)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)http: //setagaya-pt.jp松本、水戸、名古屋、兵庫、 広島、福岡公演あり。※『anan』2016年2月10日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・佐伯憂香インタビュー、文・望月リサ
2016年02月09日最強の脇役俳優。これは、安田顕さんが主演を務めた映画『俳優 亀岡拓次』の役のこと。お呼びがかかればどんな役でもどんな現場でも駆け付け、どんな監督のどんな要望にもきっちり応える。そんな職人的な姿勢は、どこか安田さん自身にも通じている。記憶に新しいのは、昨年末のドラマ『下町ロケット』の一本気な技術部長役。しかし『問題のあるレストラン』ではゲイ役で女装姿を披露、その美しさと女子度の高さで話題に。一方、ホームグラウンドのTEAM NACSでは脱ぎキャラが定着していたりもする、変幻自在俳優。容姿は間違いなく二枚目。ではその素顔は二枚目?それとも三枚目?――撮影中、シャッターを切る度にシリアスだったりおちゃらけだったり、いろんな表情をしてくださって、サービス精神が旺盛な方なんだなと思いました。安田:人間とは現金なもので、自分が主役となると(プロモーションで)ここまでできるのか、と(笑)。――主演と脇役では、何か違いを感じるものでしょうか。安田:まさにいまのような状況ですよね。プロモーションの出番が多い。現場では、少しでも早く終われるよう、時間のロスを減らせたらいいなとは思っていました。限られた時間のなかでの撮影でしたから、できるだけスタッフさんの傍らで状況を把握して、出番に呼ばれる前に、こちらから「僕は準備できてますよ」って声を掛けるとかね。――安田さんご自身は、そういうスタンスが主演のあるべき姿だと考えていらっしゃるんでしょうか。安田:いや、誰かと比較してではなく、それはあくまで、僕自身がやれることがそれだったっていうだけのこと。言ったことがすべてです。――主演の大変さを感じられる場面はありましたか?たぶん、新入社員よりは課長や部長、そして社長のほうが、会社全体のことを考えているはずなんです。それと同様に、より作品全体のことを考えるのかなとは思いました。役者の仕事を始めた最初の頃は、なぜこんなに時間の押し巻きにこだわるんだろうって思っていたんです。いいものができるのであれば、僕はいくらでも頑張るぞと思っていたんですよね。でも、それは僕が自分のことしか考えていなかったから。あくまでも、今回の僕のスタンスは、ですが、皆がタイトなスケジュールで動いていましたから、少しでも早く終えられるほうがいいんだろうなと。――安田さんは、この亀岡という役をどのように解釈されて演じられたのか伺えますか?安田:いままでトライしてきた役って、声色やセリフが、どこかデフォルメされたものが多かったと思うんです。でも、このキャラクターに大事なのは、何でもない日常をいかに出していくかでした。あまり自分ではやったことのないアプローチだったんで、そこは横浜(聡子)監督に教えていただきました。――具体的に、監督からはどのような指示があったんでしょう。安田:うまく見せないでください、と言われましたねぇ…。――安田さんとしては、その言葉をどう受け止められたんですか。安田:そんなね、考えていないんですよ、普段から。ただ、監督には、声色を使うとか、表情に変化をもたせるとか、目に力を入れるとか、そういうアプローチをすべて排除していただきました。キャラクターを設定する必要がなかったので、どうしゃべろうかより、どうセリフを聞こう、ということは意識していたかな。まあ、できてたらいいな、ってところですけど。◇やすだ・けん‘73年12 月8日生まれ、北海道出身。大学時代の仲間で結成した演劇ユニット・TEAM NACSで活動し、北海道で絶大な人気を得る。現在は活動の幅を広げ、数々の舞台、映画、ドラマに出演。最近の主な出演作に、映画『みんな!エスパーだよ!』、ドラマ『下町ロケット』など。コート¥92,000ベスト¥36,000(共にマンド/マンドLTDTEL:03・5716・6862)シャツ¥14,000パンツ¥13,000(共にステュディオス/ステュディオス 原宿本店TEL:03・5785・1864)靴¥33,000(パドローネ/アドナストTEL:03・5456・5821)◇安田顕さん主演の映画『俳優 亀岡拓次』は、1月23日より北海道先行ロードショー中。全国ロードショーは1月30日より。戌井昭人さんの同名小説を、若くして鬼才と噂される横浜聡子監督が映画化。亀岡が出演する作品は、任侠モノから時代劇までさまざま。それらが劇中劇で展開されるのも見どころ。共演に麻生久美子さんなど。※『anan』2016年2月3日号より。写真・佐山順丸スタイリスト・九(Yolken)ヘア&メイク・西岡達也(ビタミンズ)インタビュー、文・望月リサ
2016年01月27日松たか子さんに瑛太さん、井上真央さん、阿部サダヲさんという豪華キャストが揃うNODA・MAPの新作舞台『逆鱗』。野田秀樹さんの舞台といえば、“キル→着る→KILL(殺す)→生きる”だったり、“オイル→老いる”など、単なるダジャレかと思いきや、そこから思いもよらない壮大な世界を見せてくれる。今回は、水族館に現れた人魚の物語ということだけれど…一体どんな舞台に?そして12年ぶりに野田作品に出演する阿部さんの心境は?***野田:前回、出てもらった『透明人間の蒸気(ゆげ)』から12年も経ってるんだね。まあこの間にも、何回か声は掛けていたんだけれど、台本が気に入らなかったみたいで…(笑)。阿部:いや…単にタイミングが合わなかっただけです。この12年の間にNODA・MAPの舞台も観に行ってますし!野田:そうそう『THE BEE』の時、長野まで観に来てくれたんだった。いつか俺の役をサダヲにやってほしいって言ったんだよね。阿部:(恐縮して)…ああ、はい。野田:僕が阿部さんを初めて認識したのは20年くらい前なんだけれど、その時、こういうすごい人が出てきたんだなって、とても印象に残ったんだ。それで『透明人間~』に出てもらったら、やっぱりすごく上手くて、また絶対にお願いしたいと思っていました。今回久しぶりだったけど、全然落ちぶれてなくて安心した。阿部:よかったです。野田:まあそれは冗談として、今回、阿部さんが出てくれることになって、どんなセリフを書いても、噛み砕いてもっと面白くしてくれるから大丈夫っていう安心感があったのよ。もし他の人だったら、こんなに長々書かないよなっていう昭和ギャグを連発したり…ほんとすみません(笑)。阿部:最初、半分だけいただいた台本では、ガチャガチャしたシーンばっかりで、ここからもっとふざけていくのかと思っていたんですよ。メンバー的にふざける人が多いですし。野田:確かにそうだね(笑)。阿部:でも、後半の台本を読んだらどんどん思いもよらない展開になっていって、読み終わったときには言葉が出なかったです。野田:うん。この作品に限らずだけど、ガチャガチャした芝居だと思って観ていると、いつの間にか引き返せないところにいるというか。知らず知らずのうちに作品の中に引きずり込みたいとは、いつも思ってる。阿部:ただ、台本のト書きに、でっかい水槽が運ばれてくるって書いてあるから期待してたんですけど…。野田:スタッフからも「水を使うんですか?」って聞かれたりしたからね(笑)。ただ、舞台に本物の水槽や水を出すよりも、僕は演劇のアナログ感でできることってあると思ってるからさ。演劇って言ったもん勝ちで、ここは海の底だって言ったら海の底になる。そういうリアリティって演劇ならではで、演劇をやってる身としては、やっぱり演劇でしかできない世界を作りたいし、劇場に来た人にしか感じられない衝撃を見せたいというのはあるかな。阿部:それにしても、文字を使った言葉遊びが出てきますけれど、あんなにたくさん考えるんですね。あまりの数に、じつは野田さん、暇なのかなって(笑)。野田暇なんでしょうね(笑)。◇右/のだ・ひでき劇団「夢の遊眠社」を解散後、‘93年にNODA・MAP設立。『THE BEE』『エッグ』など、国内のみならず海外でも作品を上演し、高い評価を得ている。左/あべ・さだを’92年より大人計画に参加。舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍。バンド“グループ魂”では、ボーカルを務める。映画『殿、利息でござる!』が5/14公開予定。◇1月29日(金)~3月13日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス作・演出・出演/野田秀樹出演/松たか子、瑛太、井上真央、阿部サダヲ、池田成志、満島真之介、銀粉蝶S席9800円A席7800円サイドシート5500円当日券あり。NODA・MAPTEL:03・6802・6681www.nodamap.com大阪、北九州公演あり※『anan』2016年2月3日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年01月27日自らの体験を俯瞰し、シニカルな笑いを交えて描くハイバイ・岩井秀人さんの舞台。新作『夫婦』の題材は、高圧的だった実の父親の死だ。今作では、ドラマ『あさが来た』でおなじみ、山内圭哉さんがハイバイに客演、岩井さんの母親役を演じる。* **岩井:僕は、観客として一方的に山内さんを観ていて、いつか出てもらいたいとずっと思っていたんですよね。何というか…どこか自分と役との間に距離を置いている感じがあって、そこにすごく共感するんです。山内:それは、俺がどこかで「たかが演劇」って思っているからかもしれない。情感たっぷりに朗々としゃべる気恥ずかしさってあるでしょ。岩井:そう。僕もそれ、あるんです。たぶん、演劇を信じすぎてないんじゃないですか。そこが自分とすごく近い気がしていたんです。山内:そうやね。今回の戯曲を読んで、岩井君と自分の面白いと思っているところが近いなって思って、めっちゃ安心したんです。例えば、一緒に電車乗ってて、「あのオッサンの鼻、めっちゃおもんない?」って言った時、一緒におもろがれる人。ただ、その鼻のどこを面白がってるかが違うのが、また楽しいところで。岩井:いま稽古していて、ある瞬間、お母さんが可哀想で仕方ないと思うのに、ふと、山内さんのすね毛が気になってしまうっていうような、面白い瞬間っていうのがあるんです。それはある意味、僕らはそこまでシリアスにできません、って宣言しているようなものでもあるんですよね。山内:そういう演劇との距離のとり方が似てるんだろと思うわ。岩井:ただ、すっごい深刻な経験を、笑ってもらいたくって芝居を作ってるくせに、笑いが起きると、「こいつらマジかよ」ってめっちゃ腹立つ瞬間っていうのがあるんです。山内:(笑)。それって、岩井君独特の浄化のさせ方なんやろうね。たぶんこの芝居、自分の家族をちょっと俯瞰できる年齢になっている人やったら、めっちゃ面白がれると思う。岩井:どの家族にだって、面倒なところってあると思うんですよ。そこをね、笑ってもらえたらいいですね。◇『夫婦』家族の前で暴君のように振る舞う父親を嫌って、家を離れていた岩井は、突然、父親が危篤という連絡を受け動揺する。病院で久々に会った父親は、まるで別人のような姿で…。1月24日(日)~2月4日(木)池袋・東京芸術劇場 シアターイースト作・演出・出演/岩井秀人出演/山内圭哉、平原テツ、川面千晶、鄭亜美、田村健太郎、高橋周平、猪股俊明、菅原永二前売り3500円当日4000円(共に税込み)ハイバイTEL:080・6562・4520(10:00~20:00)2月13・14日に北九州公演あり。◇やまうち・たかや(左)子役を経て、‘92 年に劇団笑殺軍団リリパットアーミーに入団。その後、舞台を中心にドラマ、映画などにも出演。現在、ドラマ『あさが来た』(NHK)に出演中。いわい・ひでと(右)‘03年に劇団ハイバイを結成。自ら脚本・演出を手がける。‘12年に『生むと生まれるそれからのこと』で向田邦子賞、翌年『ある女』で岸田國士戯曲賞を受賞。※『anan』2016年1月27日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2016年01月21日ファンタジックでシュールなビジュアル世界にユーモアを交えたダンス作品で、日本でも人気を誇るイスラエルのインバル・ピント&アヴシャロム・ポラック ダンス・カンパニー。このカンパニーの‘13年初演の『DUST』が日本で上演される。これは2年前、文化庁文化交流使としてイスラエルに滞在していた森山未來さんが、初演時にクリエイションから参加した作品。なんと今作にダンサーとして出演もする。「イスラエルに着いてすぐ、まだ住む部屋も決まってない、生活にも慣れない状況のなか放り込まれたのがこの作品でした。理由がなくても踊れちゃうのがダンサーで、そこが良くも悪くも彼らのセンスなんですけど、僕にはそれがないんですよね。そんなだから、周りと同じようには動いていけなくて、その時は結構苦しみました。ただ、以前も一緒に舞台を作っているインバルとアヴシャロムが、僕のそういう部分も理解して導いてくれたんです」ふたりと森山さんとの出会いは、佐野洋子さんの絵本を舞台化した『100万回生きたねこ』。彼らが演出を手がけたこの作品は、高い評価を浴び、読売演劇大賞も受賞した。「振付や衣装、美術を手がけているのがインバルなんですが、ビジュアル的なセンスが突出していて、絵を描くように直感的にモノ作りをする人なんです。そこに音をデザインし、言葉を与えてコンセプチュアルなものにしていくのがアヴシャロムの役割。身体的なアプローチと演劇的なアプローチが融合して、そこに複雑性が生まれる。そして素晴らしいのは、ふたりで作品の世界観が完結しているということ。そこが僕は好きで、どうやってあの世界が生まれるのかに興味があり、イスラエルへ渡りました。ふたりのクリエイションをもっと見たかったんです。今回の作品も、ある種日本にはないセンスの作品ですが、日本のお客さんにも楽しんでいただけると思います」とはいえダンス、とくにコンテンポラリーダンスは、古典バレエや演劇のようなストーリーラインもなく、見慣れない人には難解に感じられるかもしれない。「僕は、舞台を観るって、ストーリーを追うことが全てじゃない気がするんですよ。それは演劇でも同じ。もちろんストーリーの面白さで引き込まれる作品もありますけれど、ストーリーをひとつのマテリアルにして、人をどう動かしてどういう美術を使って、どういう世界観を見せるのかっていう演出的な部分の面白さもありますよね。視覚的な部分、音楽的な部分、何かひとつでも、面白いなと思った瞬間があれば、僕は十分そこから何かを受け取れたと思うし、それで満足できる。ダンスも、振付がどうこうではなく、そこに起こっていること、クリエイターの世界観を見るっていう楽しみ方でもいいんじゃないんでしょうか。舞台を体験しながら、そういう瞬間を探す旅に出てもらいたいなと思います」さまざまなクリエイターと組み、精力的にダンス公演をおこなっている。そんな森山さんを通じ、ダンスに触れる層も確実に増えている。「ダンスにとどまらず、僕をきっかけに、いままで触れたことのない世界に興味を持って世界が広がるのは素直にうれしいこと。そこからさらに次に繋げていけるパフォーマンスを提供していけたらと思います」◇『DUST』 1月28日(木)~31日(日)与野本町・彩の国さいたま芸術劇場 大ホールS席6500円A席4500円彩の国さいたま芸術劇場TEL:0570・064・939◇もりやま・みらい幼少期からダンスに親しみ、15歳でデビュー後、テレビや映画、舞台で活躍。近年の舞台作品に『PLUTO』『死刑執行中脱獄進行中』など。※『anan』2016年1月27日号より。写真・中島慶子(森山さん)インタビュー、文・望月リサ
2016年01月21日日本有数のシェイクスピア俳優として舞台好きの間で知られ、ドラマ『花子とアン』をきっかけにテレビで姿を見る機会が急増。そして昨年には、雑誌『GQJAPAN』が選ぶ「今年最も輝いた男性」に表彰されるなど、大人気の吉田鋼太郎さん。連続ドラマでは初の主演となる『東京センチメンタル』がスタート。老舗和菓子屋の職人・久留里卓三を演じている。「光栄だなという気持ちが2割、プレッシャーが8割でしたね。これまで、いろいろな俳優さんが主役を演じて大変そうな姿を目撃していたので、“あれを俺がやるんだ…”と。体力とモチベーションを維持できるか不安で、しばらく深酒はできないな、と思っていました(笑)」卓三は55歳で吉田さんは57歳。年齢以外にも、似たところが多い。「卓三は、僕そのものといっても過言ではないです。2人とも美味しいものを食べるのが好きで、ちょっと情けなかったり恋愛体質なところも一緒(笑)。恋をしても、うまくいかないのも近いですね。でも、自分に似た役は難しい。俳優って、役のなかに自分にない部分を探して作りこんでいくことが仕事なので、キャラが強い役のほうが演じやすいんですよ。だから、逆に卓三のように似ている場合は、素の自分で勝負することになる。それって、ものすごく恥ずかしい。役というベールをかぶらず、そのままでいることを求められる演技形態は難しかったし、これまでにないチャレンジでした。つい、何かしたくなるんですよ」毎回、異なるマドンナが登場し、卓三とのセンチメンタルな恋が繰り広げられるところが魅力のひとつ。「相手のことをよく知らない、恋が始まったばかりの盲目的な頃って、馴染みのある音楽がよく聞こえたりとか、いろいろなことでセンチメンタルになりますよね。それこそ恋愛でいちばん、いい時期なんじゃないかな。卓三はいい人なんです。女性を大事にして、常に彼女たちの身になって考えてしまうから、好きな相手に強く出られない。だから女性は安心して、卓三に相談をもちかけたり、ごはんを食べにいく相手には選ぶけれど、恋の相手にはしないんです。僕も人見知りだから、酒を飲んで酔わないと女性とうまく話せなくて(笑)。そんなおじさんの、情けなくもかわいい部分を見てほしいですね。この年になっても読者の方と同じように、恋をしたいと思っているんだよと。おじさんが恋愛していても、責めたり冷たい目で見ないでもらえるとありがたいです(笑)」◇よしだ・こうたろう‘59年1月14 日生まれ。‘97年に劇団AUN を結成。『MOZU』『花子とアン』など数々のドラマに出演し注目を集める。初となる写真集『吉田鋼太郎写真集』(ホリプロ)が2月3日に発売予定。◇55歳でバツ3の和菓子職人・久留里卓三の前には、いつも美女=マドンナが現れ、東京の街を歩き、食事をし、淡い恋心を募らせる。想いが成就する日は来るのか…?毎週金曜24:12~、テレビ東京系で放映中。※『anan』2016年1月27日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2016年01月20日ここぞという時に、タイミングよく声をかけてくれたり、手を差し伸べてくれる人こそ、男女を問わずモテる人。「でも、私は気が利かないから…」なんて諦めないで。まずは、状況を敏感に察する観察力を身につけましょう。自分は気遣ったつもりでも、相手の資質や周りの状況によって、モテ女どころか「ありがた迷惑な人」になってしまうもの。そこを大きく分けるのが、人の気持ちを汲み取り、場を把握する観察力だ。「それはデキる人に備わった特別なスキルと思われがち。でも実は、少しの心がけで誰でも養えるものなんです」と話すのは、かつてCAとして多くの乗客に接してきた経験を持ち、人材教育講師として活躍する三上ナナエさん。「まず大事なのは、相手に興味を持つこと。興味を持って観察すれば、些細な表情の変化や声のトーン、言葉のニュアンスで、自然と気持ちが汲み取れます。次に、周りの状況を俯瞰して眺め、タイミングを観る力を養うこと。相手が求めていること、自分がするべきことが見えてきます」以下では、具体的なシチュエーションをもとに「観察力」を試す問題を出題。あなたはこんな時、どうする?■Scene1会社のエレベーターで後輩に遭遇すると、どうも元気がないように見えました。さて、あなたはどうする?A. 後輩が自分から話すまでそっとしておく。B. 「何かあったの?」と声をかける。C. 「元気なく見えるけど大丈夫?」と声をかける。◆Scene1answer相手の状況を知るためには、眺めるだけでなく何かしらのコンタクトをとろう。「なので、Aは×。この場合、まず自分から後輩に話しかけること。元気がなさそうに見えても、単なる勘違いかもしれません。声をかければ、その返答の仕方で気持ちや状況を推し量ることができます。相手を知る手がかりは、自分が投げた球の分だけ返ってくるんです」では、どう声をかけるのが正解なのか。「Bの場合、直球すぎて後輩は一から話さなければというプレッシャーに。Cの場合、イエスかノーで返答可能で、話すか話さないかは後輩に委ねられているので、負担が少ない。聞いてほしければ、自然と自分から話してくるはず」■Scene2急な出張が入り、友達と約束していた食事の日程を変更してもらうことになりました。「この日はどう?」と具体的な日を提案すると、「確認の必要があるけど、大丈夫だと思う」と返事があり、しばらくして「大丈夫になった。じゃあこの日にしましょ」と連絡が来て、リスケ決定。さて、このリスケによって影響を受けた人は誰か、思い浮かべてみましょう。◆Scene2 answerこれは、視野を広く持つためのドリル。リスケしてくれた友達以外にも、誰かが影響を受けているかもしれない。その可能性まで想像する習慣を持ちたい。「まず、友達の『確認の必要がある』という口ぶりから、リスケした日には、別の誰かと約束をしていた可能性があります。また、もしもお店を予約していたなら、お店側にも少なからず迷惑をかけていますよね。ひとつの行動が周りにどんな影響を与えるのか、その万が一の可能性を考える癖をつけると、様々なものが見えてくるはず。もし、誰かとの約束を変更してもらっていた場合、その方へのフォローまですれば、あなたも友人の株も上がるかもしれません」◇みかみ・ななえ元CAのキャリアを生かし、人材教育講師として活躍。著書に『「気遣い」のキホン』(すばる舎)。2月に『一生使える「接客サービスの基本」』(大和出版)刊行予定。※『anan』2016年1月20日号より。イラスト・ワキサカコウジ写真・土佐麻理子文・望月リサ(C)caracterdesign
2016年01月14日京都府・烏丸御池の「京都国際マンガミュージアム」では、漫画家・望月三起也氏の代表作「ワイルド7(セブン)」の原画を展示する「望月三起也漫画家デビュー55周年記念!『ワイルド7』原画展」を開催する。会期は1月14日~2月9日(水曜休館)。開館時間は10:00~18:00(最終入館は17:30)。場所は同ミュージアム 1Fエントランス。観覧料は無料(ただし、マンガミュージアム入場料として大人800円、中高生300円、小学生100円が別途必要)。同展は、巨匠・望月三起也氏の漫画家デビュー55周年を記念して、同氏の代表作である「ワイルド7(セブン)」の「少年キング」連載時および単行本に使用した原画16点が初公開されるほか、「ワイルド7」限定オリジナル複製原画も初展示されるという。また、同館ミュージアムショップでは、「ワイルド7」限定オリジナルプリントシリーズ 全7種複製原画(小全紙サイズ660×505mm、望月三起也氏の直筆サイン入り、専用箱入り)が、各200部ずつ限定販売されるということだ。価格は、作品No.1~5(連載漫画原画および背表紙複製)が額あり:各5万4,000円、額なし:各4万3,200円。作品No.6~7(描き下ろし原画複製)が額あり:各7万5,600円、額なし:各6万4,800円。なお、望月三起也氏は1938年、神奈川県生まれ。1960年「少年クラブ増刊号」にて「特ダネを追え」でデビュー。1964年「少年キング」にて「秘密探偵 JA」を連載。大ヒットとなりその後数多くの作品を少年誌に発表。1969年からは「ワイルド7」を足かけ11年に亘って連載。単行本は増刷を重ね、その合計は800万部を超える。主な著作は「秘密探偵JA」、「最前線」、「ケネディ騎士団」、「狂い犬(マッドドッグ)シリーズ」、「ワイルド7」、「夜明けのマッキー」、「俺の新選組」、「優しい鷲 JJ」、「新ワイルド7」、「続・新ワイルド7」、「飛葉」、「ワイルド7R」など。
2016年01月12日テレビ全盛期を支えたドラマ界の名監督・石橋冠さんが、生涯にたった1本だけと撮影に臨んだ映画『人生の約束』。西田敏行さん、ビートたけしさんなど、石橋監督の名の下に錚々たる俳優陣が揃うこの作品で、主人公を演じたのが竹野内豊さん。「驚くほど豪華ですよね。あらためて観た時、ここに俺いるけど、本当に俺か?と思いましたから」笑いながらも口調は妙に真面目で、そこに竹野内さんの人柄が滲む。演じたのは、会社の拡大にしか興味のないCEOの中原だ。かつての親友の死をきっかけに、彼の故郷・富山の港町を訪れた彼は、そこに暮らす人々と関わっていく。そのなかで、彼らが曳山祭りに懸ける情熱に触れ、少しずつ変化していくのだが、「台本を読んだ時点では、僕にはわからないことだらけでした」と漏らす。「中原も僕も完全にシティボーイで(笑)、祭りを体感したことがないんです。だから、町の人々が自分の命に代えてでも曳山を守りたいとまで思う価値観が掴めなかったんです。曳山を引く意味の“つながる”が、映画のなかでもキーワードになっていますが、文字の響きとして素敵だとは思えても、深い部分までは理解できなくて。それで、撮影前に正直に冠さんにそれを言ったら、『俺にもわからない。だからこそ映画にしたい』とおっしゃったんです。それがとても印象的でした」クライマックスでは中原も共に、最大重量8tの曳山につながる。「セリフにもありますが、つながってみないとわからない感覚はありました。引き手に手をかけて、その重さや大きさを感じて、周りの人と気持ちがひとつになる。そして曳山を通じて、360年受け継いできた過去の人々とか、自分の先祖とか、その周辺一帯のすべてとつながるような。ただ、曳山を引いて坂を上がっていくんですが、途中で片足だけパンパンになって、撮影が終わった瞬間は、そこに気持ちが逸れていて“やりきった”みたいな気持ちにはなれなかったです。まあ、その自信と不安とを行き来してる感じでいいのかなって思ってもいるんですけど」◇たけのうち・ゆたか現在公開中の映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』で、日本語版のヘビ役の声を担当。’16 年夏に公開予定の映画『シン・ゴジラ』への出演も決まっている。◇かつての親友・航平からの着信に胸騒ぎを覚えた中原(竹野内豊)は、彼の故郷に向かう。しかし、航平はすでに亡くなっていて、町は前代未聞の曳山の譲渡に揺れていた。監督/石橋冠脚本/吉本昌弘1月9日全国公開。(C)2016「人生の約束」製作委員会※『anan』2016年1月13日号より。写真・津留崎徹花スタイリスト・壽村太一(SIGNO)ヘア&メイク・佐々木恵枝(シルフ)インタビュー、文・望月リサ
2016年01月06日味わいのある平屋の日本家屋。部屋には、仏壇に重厚感のある座卓、雑然と飾られたお土産の置物の数々。ミムラさんを訪ねたのは、ドラマ『富士ファミリー』のロケ現場。「いまドラマ全体が刺激の強い色調になっている風潮のなかで、すごーく丁寧に薄い色が塗り重ねられているのが木皿さんの作品だと思うんです。普通の人々の日常のなかの、些細だけれどドラマティックな瞬間が抽出されていて、演じながらも、ハッとする瞬間があるんです」脚本を手がけているのは、ドラマ『すいか』や『野ブタ。をプロデュース』の木皿泉さん。富士山麓のコンビニを舞台に、薬師丸ひろ子さん、小泉今日子さん、ミムラさん演じる三姉妹と、それを取り巻く人々のドラマ。「おふたりの妹役だって言うと、皆にうらやましがられるんですよ」と柔らかに笑う。「家族って、踏み込んだり気遣ったり、どちらもしすぎるとおかしなことになる。そういう面倒くささや現実感も見捨てずに描かれていて、単なる家族賛歌の話ではないのが木皿さんらしい。家族に対してどこかドライだったり、ドラマで家族的なポジションを担っているのが血縁じゃない人々なのも面白いんですよね」ミムラさん扮する月美は、早くに結婚して家を離れ、夫と子供と暮らす主婦。ただ、その家庭には「大喧嘩するほどじゃないけれど、お互いあえて口に出さない程度のなんとなくの不和がある」。そんな彼女が、謎の若者と知り合ったことから、閉塞感を覚えていた日常が動きだす。「たぶん毎日のことに追われて、妻でもお母さんでもない、月美個人の幸せの尺度が曖昧になっていたんです。それが、ちょっとした出来事から、ピンボケしていたものがクリアになって、もう一回自分のことを把握し直す。小さなことだけれど、きっと彼女にとっては10年後になっても、そっと取り出しちゃうような大事な出来事なんだと思います」その微妙な変化を表現するためにも、「普通の会話や生活を丁寧に演じることが大切なんです」と話す。「与えられるポジションに比べ自分の足りなさを実感して2年ほど、女優をお休みした時期がありました。その時に木皿さんの『すいか』を観直して、もし役者としてのビジョンを描くなら、こういう作品に出られる自分になりたいと思ったんです。あの時の私も、大切なものを見直して、本来の自分の尺度を取り戻せたんですよね。だからいま、こうして木皿作品に関われていることが本当にうれしいんです」◇ミムラ木皿作品への出演は本作で2作目。‘16年もTBS『ダメな私に恋してください』、NHK BS時代劇『大岡越前3』等出演作が続く。music.jpにて映画コラムを連載中のほか、執筆等も行う。◇年の瀬のある日、死んだナスミの書いたメモをきっかけに騒動が巻き起こる。2016年1月2日21:00~NHK総合で放送作/木皿泉出演/薬師丸ひろ子、小泉今日子、ミムラ、片桐はいり、高橋克実、吉岡秀隆ほか※『anan』2015年12月30日‐2016年1月6日合併号より。写真・内山めぐみインタビュー、文・望月リサ
2016年01月05日ドラマでもお馴染みの大ヒット漫画『花より男子』が初の舞台化。気になるF4のリーダー・道明寺司役には、歌手としての活動と並行して、数々のミュージカルでも活躍しているX4の松下優也さん。花沢類役には、ドラマ『学校のカイダン』などで知られる白洲迅さんが扮する。松下:出演が決まって、こんなに周りにぴったりだって言われる役ないんですよ。僕、自分にはわからない俺様キャラの要素があるみたいで…。白洲:楽屋での佇まいとか、リーダーシップがあるところとか。松下:まあ…ムードメーカーではあるかも?そういう自分も、皆でいる時の感じとか、まんま花沢類だよ。白洲:たしかに、学生時代は目立つグループにはいたけど、どっか一歩引いてた感じはあったから、共通項は多いかな。松下:喜怒哀楽をあまり顔に出さないからクールに見えるけど、じつは話しやすくて優しいのも似てるよね。あと、他の2人も含めて、若手俳優が集まった時の独特のなんかへんな感じがない、のがやりやすくて。白洲:何を考えているかわからない類だけど、じつはめちゃくちゃまっすぐな人でもあるから、そこを舞台でちゃんと見せていけたら。松下:自分としては、道明寺がただつくしを追いかけるだけじゃなくて、言うべきことははっきり言う場面があるんだけど、そこが好きなんだよね。もちろん、これは女子がキュンキュンするだろうシーンもあるし、楽しんでもらえるんじゃないかな。白洲:うん。舞台ならではの生のよさを体感してもらえると思います。松下何より言葉には出せない気持ちも、ミュージカルなら歌に乗せて言えちゃうんで、そこはミュージカル版の強みであり魅力だと思います◇(左)花沢 類・白洲 迅さんドラマ『ごめんね青春!』『学校のカイダン』『仮カレ』などのドラマで活躍する傍ら、舞台『押忍!!ふんどし部!』『ダブリンの鐘つきカビ人間』など数々の舞台にも出演。(右)道明寺 司・松下優也さん(X4)高い歌唱力を生かし、『黒執事』『イン・ザ・ハイツ』などのミュージカルをはじめ、映画やドラマなど幅広く活躍。’14年より、X4のYUYAとしても活躍中。◇セレブ子女が通う英徳学園高等部に通う庶民の牧野つくし(加藤梨里香)。ひょんなことから彼女は学園を支配しているF4と呼ばれる名門の家柄の御曹司たちと対立することになり…。2016年1月5日(火)~24日(日)日比谷 シアタークリエ原作・神尾葉子(集英社マーガレットコミックス刊)脚本・青木豪演出・鈴木裕美出演・松下優也(X4)、白洲迅、真剣佑、上山竜治、加藤梨里香ほかS席1万800円A席8800円B席5000円(すべて税込み)東宝テレザーブTEL:03・3201・7777(9:30~17:30)福岡、名古屋、大阪公演あり。※『anan』2015年12月30日‐2016年1月6日合併号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ
2016年01月05日2016年の年頭にあたり、レッドハットの代表取締役社長を務める望月弘一氏は、以下の年頭所感を発表した。顧客のビジネスイノベーションをオープンソースで実現新年あけましておめでとうございます。旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。2015 年、日本経済は引き続き活発な動きが目立ちました。IT の世界に目を向けると、業界におけるビジネスモデルの大胆な変革やデジタル化の流れとともに、企業の中でIT が担う役割がますます重要になりつつあります。このような状況下で、2015年11月26日、弊社社長に就任し、改めて責任の重さを実感しております。ここ数年の世界の企業の動きを見ると、特にオープンソースが企業のビジネスモデル自体を変革している事例が目立ちます。特に、昨年から今年にかけて日本および世界の国々においてオープンソースがビジネスイノベーションをドライブする傾向が顕著になっています。また、企業におけるオープンソース活用の目的も、これまではコストの最適化、基幹システムの機能補完が中心でしたが、昨今、これらに加えて、その充実した機能や堅牢性、または導入のスピード・容易性などが中心となってきました。オープンソースを長年牽引してきた弊社に対するお客様からのご期待もさらに高まり、我々が活躍できる場はますます大きくなっていると感じています。レッドハットはここ数年間で、Linux 中心から、クラウド、IT マネージメント、アプリケーションプラットフォームにおけるソリューションポートフォリオを拡充し、企業IT で活用いただける分野が飛躍的に広がりました。代表的な例としては、コンテナ技術をサポートするRed Hat Enterprise Linux Atomic Host や、プライベートクラウド構築のためのRed Hat Enterprise Linux OpenStack Platform、企業のアプリケーション基盤であるRed Hat JBoss Middleware、PaaS 基盤としてのOpenShift、モビリティを加速させる、Red HatMobile Application Platform などです。2016 年、レッドハットは”Client as the center of universe”をモットーにお客様第一主義を原点として、こうしたクラウド、IT マネージメント、アプリケーションプラットフォーム分野における新たなソリューションを駆使し、製品の提供のみにとどまらず、企業におけるオープンソース技術を活用したビジネスイノベーションへのご支援をさせていただきます。そのためにも、オンプレミスおよびオープンハイブリッドクラウド分野におけるパートナー企業様とのエコシステム拡張、業種別のお客様支援、サービスメニューの充実を進めてまいります。また、もう一つの注力分野は、働く社員にとってのレッドハットの企業価値を上げていくことです。毎日お客様のために仕事を遂行する社員一人一人が、日々自信を持って仕事ができる環境を準備し、忙しい中にも充実感を感じられることはとても重要です。「社員が誇りを持ち達成感を感じられる」を大切にしていきたいと考えています。レッドハットのミッションはこれまでと同様に、オープンソースによる技術革新を行うお客様、コミュニティー(開発者)、パートナー様の架け橋となることです。オープンソースの活用により、お客様のビジネスイノベーションを実現するための最も重要なパートナーとして、これまで以上にお客様に貢献してまいります。変化の激しい時代だからこそ、これまで培ってきたレッドハットの価値を今まで以上に発揮できるものと確信しています。2016年もレッドハットの活動に是非ご注目ください。本年もより一層のご高配を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
2016年01月04日子供の頃から映画が中心の環境に身を置き、ご家族もみな俳優という柄本佑さん。まだ20代とは思えない達観したような雰囲気と映画やドラマでの不思議な存在感は唯一無二。数多くの作品に出演されており、大忙しの柄本さんですが、俳優を仕事としていこうと思ったのは、どうやら最近のようなのです…。* **――14歳で映画でデビューされた時から俳優になろうと思っていらしたんでしょうか?柄本:当時、将来の夢が映画監督だったんです。映画のオーディションの話があった時に言われた、「生で映画監督が見られるよ」って言葉に釣られまして。当時、ちょうど反抗期が始まった頃だったんですが、地方ロケで2か月間ずっと大人の世界に放り込まれて、こんな世界で親父たちはやっているんだってわかって、尊敬する気持ちが芽生えました。ただ、ロケから帰ってきてから、家族で外食に行っても、へんにお会計のこととかを気にする子供になってしまいましたけど(笑)。――そこから俳優になろう、と?柄本:その2か月が本当に刺激的で、普通に学校に行く生活が全然面白くなくなっちゃったんです。周りの同級生が妙に子供に見えたりもして、もう一回、映画をやってみたいと思ってしまったんですよね。ただ、学校を卒業して役者だけってなった時には、やっぱり不安はありました。どこか学生っていう身分が自分を社会につなぎとめてくれていたんです。それが役者だけになった時、それってどんな職業だよ、失業者と何が違うんだって考えてしまった。どうも、この役者っていう仕事がなんだかわからなくなっちゃったんですね。それで、普段の生活と、出勤して労働することのメリハリを意識するようになりました。朝起きて、料理して、朝ごはんを食べて、洗濯して、俺だったら映画をちゃんと観に行くとか、そういう普通の生活を土台にすることを大事にするようになりました。――ご両親が俳優ですし、そんな意識を持っていたとは意外です。柄本:親父とか母ちゃんとかの会話のなかで、耳年増になってわかったつもりになっていましたけれど、体験しないとわからないですね。ようやく俳優が職業だと思えるようになったのは、結婚してからだと思います。自分はこの仕事を続けていくんだなって、客観的に思うようになったというのかな。周りにとっては、大したことじゃないことだけれど、自分にとっては意外と大したことでした。◇えもと・たすく1986年12月16日、東京都生まれ。’01年に映画『美しい夏キリシマ』(’03年公開)の主役オーディションに合格。デビュー後は、映画やドラマ、舞台などで活躍。近作に舞台『桜の園』、映画『ピース オブ ケイク』『GONINサーガ』など。NHKドラマ『あさが来た』に出演中。◇柄本佑さんが出演するドラマ『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』(CX系)は、来年1月4 日午後9 時から放送予定。全3話によるオムニバスで、柄本さんは第2話の三浦しをんさん原作の『炎』で、土屋太鳳さん演じる主人公の担任の社会科教諭・木下を演じる。監督は映画『ヴァイブレータ』の廣木隆一さん。※『anan』2015年12月16日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2015年12月14日長塚圭史さんが約10年ぶりに古田新太さんと組んで舞台『ツインズ』(PARCO PRODUCE)を描く。このコンビといえば、岸田國士戯曲賞候補にもなり、傑作との呼び声の高い舞台『ラストショウ』のタッグ。しかし数年前から、長塚さんはそれまでの作風を封印し、脚本家というより演出を主軸にした舞台作りへとシフトしている。ただ今度の新作は、人間関係はグロテスクで、過激な描写もありながら、どこか哀切さを感じさせる、“長塚節”が発揮された物語になるらしい。脚本家・長塚圭史が帰ってきた!と、思い切って言ってしまおう。古田:そろそろまた一緒にやりたいね、ってとこから始まったんだよね。長塚:うん。その会話のなかで、古田さんから「家族の嫌な話を書いてくれ」という要望が出てきて…。古田:だってオイラ、ほっこりとか、そういういい話に興味ないもん。あと、いちファンとしては、圭史がかつて描いていた“父親ってほんと腹立つ”とか“兄妹って気持ち悪いよな”っていうような感じ悪いものを見たかったってのもある。長塚:(笑)。ここしばらく、芝居の可能性を追っかけたい時期が続いていたんだよね。演劇をやっていくうえで、そこを素通りしては先に進めない気がして。でも、こうやって古田さんにチャンスをもらったことで、この間に培った要素を使って、嫌な話を(笑)、昔とはまた違う形で面白くできるのかなと思って。古田さんから、現代においての家族っていうテーマをふられたので、いまの僕が思う家族のあり方を、どっちかといえば甘くない視点で描いたんです。終末的な世界だけど、非常に日常的なやり取りのなかで人間の怖さを感じさせるような恐怖劇。古田:表層的には不気味な話なんだけど、読了感は意外にも「家族っていいね~」だった(ニヤリ)。長塚:そうなんだよね。互いにいがみ合って、何も和解してなくても食卓を囲むのが家族だから。古田:オイラと(吉田)鋼太郎さんが、めちゃくちゃ仲悪い兄弟だったり、結構バイオレンスな部分もあるんだけど。そういや圭史は、最初の話し合いの段階から、鋼太郎さんを呼びたいって言ってたよな。長塚:古田さんとの2ショットがどうしても見たくて。だって…ふたりが兄弟だったら鬱陶しいじゃない。古田:脂っこいオジさんふたりだからね。鋼太郎さんとは、お酒好きで女好きってところで共通項もあるし(笑)、酒場ではたまに顔を合わせるんだけど、がっつり芝居するのは20年前のラジオドラマ以来。で、今回一緒にやって、鋼太郎さんは剛腕投手だってことがわかった。長塚:そうそう(笑)。古田:すごい変化球を投げるんだけど、じつは本人は全然狙ってないっていう(笑)。でも、それが確実にストライクになる。オイラはキャッチャータイプだから、一緒にやっていて、すっげー面白れぇの。長塚:今回、手練れな役者さんたちばっかりだから、変な機微を端折っても、ちゃんとゴールに辿り着ける安心感がある。極端な飛躍もできるし、試してみたいことが次々と出てきて、僕もすごく楽しいですね。◇information 海辺の大きな家で、その家族は一見穏やかに暮らしているように見えていた。しかし、そこに東京から次男とその娘が帰省してくると、徐々に不穏の色が濃くなっていく―。12月6日(日)~30日(水)渋谷・パルコ劇場作・演出/長塚圭史出演/古田新太、多部未華子、りょう、石橋けい、葉山奨之、中山祐一朗、吉田鋼太郎全席指定9500円U‐25チケット6000円 (観劇時25歳以下対象、要証明書)パルコ劇場 TEL:03・3477・5858www.parco-play.com大阪、北九州、長岡、松本公演もあり◇ながつか・けいし作・演出・出演を担う演劇プロデュースユニット・阿佐ヶ谷スパイダースと、ソロプロジェクト・葛河思潮社を中心に活動。俳優としても、ドラマ、映画などで活躍。◇ふるた・あらた劇団☆新感線所属。来年1月放送のドラマ『坊っちゃん』(CX系)、1月公開映画『信長協奏曲』、2月公開映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』などに出演。※『anan』2015年12月9日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年12月02日まさに、彗星のように現れた、とは彼のような人のことを言うに違いない。藤田貴大さんが、自身で作・演出をつとめる演劇ユニット、マームとジプシーを立ち上げたのは、‘07年のこと。それが瞬く間に話題になり、新聞や雑誌の劇評を賑わすようになった。そして旗揚げから4年目には劇作家にとって最高の栄誉とされる岸田國士戯曲賞を受賞。つねに挑戦的な姿勢と、尖ったセンスで演劇界に新たな潮流をもたらし、いまや現代演劇シーンの中心人物のひとりとなっている。その藤田さんの生み出す舞台は、いわゆる“小劇場”のイメージとは大きくかけ離れている。デザイン性の高いチラシやパンフ。シンプルで美しい舞台装置。そして、いまやマームとジプシーの代名詞のようになっている、同じシーンを何度も繰り返し物語のなかに挿入し、印象を重ねていくリフレインの手法。どれもが圧倒的に洗練されているのだ。anan読者には、この春まで連載していた、女子へのフェチ的な妄想を綴ったエッセイ「おんなのこはもりのなか」でおなじみの人でもある。―――蜷川幸雄さん、野田秀樹さんという演劇界の頂点にいるおふたりがともに、いま、藤田さんのことを新しい才能として高く評価しています。とくに蜷川さんとは、来年上演する、蜷川さん自身の半生を描いた舞台『蜷の綿 -Nina‘s Cotton-』の脚本を手掛けてもいます。そんないまのご自身の状況を、どんなふうに感じているんでしょうか。藤田:確かにお世話になっているし、いろんなことを学ばせてもらってはいるんですよ。でも、これは昔から言ってることだけど、この人たちと同じやり方で頑張れば、同じくらいの成功を収めることはできる可能性はありますけど、超えることはできない、とは思っています。そういうことを僕は直接本人を前に言っちゃうから、かわいがられている一方で、生意気だとも思われているんじゃないかな。―――むしろおふたりは、それを面白がっているのかもしれません。藤田:僕は、昔から彼らにコンプレックスを感じていて、それが作品の原動力になっていたところがあるんです。一回の舞台に使える予算が圧倒的に違うわけですけど、だからクオリティが違うとは絶対に言われたくない。じゃあ、お金もコネもない自分がどう対抗するかを考えて、彼らが美味しいごはんを食べているような時間まで稽古をしたり、寝ている時間にも作品のことを考え続けたりしてやってきたんです。でも、ある時から僕の作品を観てもらえるようになって、話してみると、それまでの印象とは全然違いました。意外と地味だし、湯水のようにお金を使っているわけでもなく、とても謙虚に作品に向き合っているんです。野田さんと僕は少し似ていて、自分の才能を信じている部分があるけれど、蜷川さんは、自分へのコンプレックスが強くて誰よりも謙虚な人。そういうことがわかってよかったですね。―――原動力だったコンプレックスは解消されてしまったわけですが。藤田:それまでの僕は、自分の表現を誰かに評価してもらうにはどうしたらいいかを考えていたんです。でも、26歳の時に岸田賞をもらって、そこは満足できてしまった部分があった。演劇界なんてそもそも小さな業界ですが、そこにおける地位にはこだわってないし、そのなかでの評価を高めていきたいとは、もう思わない。僕が貪欲に求めていきたいのは、作品をつくる環境がどれだけ良くなるかということなんですよね。「お金」というのは、やりたいことを実現できる環境が揃えられるという意味でのたとえなだけで、それ自体が欲しいわけではない。そこへの努力をしているだけなんで、僕、じつは意外に地味だと思いますよ。ただ、周りは僕をそうは見ていないかもしれないですけど。まあ、同世代とか少し上の世代にはウザがられてると思うし。――それは藤田さんがつくる舞台のセンスの良さだったり、その整ったルックスと無関係じゃないように思います。なにも演劇のような時間も手間もかかるジャンルにこだわらなくてもいいじゃないか、と同業者からやっかみが入るのも、少しわかる気がします。藤田:僕自身の見た目のこととかはまったくわからないですけれど、今度演出する寺山(修司)さんの舞台『書を捨てよ町へ出よう』でミナ ペルホネンとコラボするとか、来年、蜷川さんと一緒に舞台をやるとか、何となく派手なことをしているように見えるんでしょうね。でも、じつはそこに辿り着くために、地味な努力を続けてきたんだけど。結果がすべてなんで、そんなことは語ってもしょうがないし、そう思われてても別にいいんですけど。――彼らはもう、眼中にない?藤田:そもそも最初からないです(笑)。でも、どうもこだわっている人がいるとは聞きますよね。ただ、ディスるならもっと面と向かってやれとは思うんですよ。ツイッターのエアリプとかじゃなくて。夜道を歩いていたら刺しにくる、とか。そういうくらいの感じとかないんですかね。――いきなりのバイオレンス!?藤田:いま、寺山さんや蜷川さんのような、‘’60年代、‘70年代に演劇で戦っていた方々の舞台の準備をしている真っ最中だから、思考がどうしても過激な方向にいっちゃうんです(笑)。僕らの時代に置き換えたら、どうなんだろうとか。◇寺山修司作品初演出の舞台『書を捨てよ町へ出よう』は、12月5日より東京芸術劇場にて上演( 東京芸術劇場ボックスオフィスTEL:0570・010・296)。新作『蜷の綿 -Nina‘s Cotton-』は、蜷川幸雄さん演出と藤田さん演出の2バージョンで来年2月に彩の国さいたま芸術劇場にて上演( 彩の国さいたま芸術劇場TEL:0570・064・939)。◇ふじた・たかひろ1985年生まれ、北海道出身。‘07年にマームとジプシーを旗揚げし、ハイペースで新作を発表。‘11年に発表した『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で岸田國士戯曲賞を受賞。‘14年には野田秀樹の戯曲『小指の思い出』を演出し、大きな話題となった。◇演劇界の芥川賞といわれる岸田賞を26歳で受賞。今年、次代を担う人として雑誌の表紙も飾り、ジャンルを超えて注目を集める藤田貴大さん。穏やかな容姿には似合わず発言は意外に過激!?※『anan』2015年12月9日号より。写真・小笠原真紀取材、文・望月リサ
2015年12月02日’04年の初演以来、再演を望む声が高かった舞台、ナイロン100゜C 43rd SESSION『消失』が、初演と同じキャストで再演されることになった。取材の当日は、スタッフ・キャストの顔合わせの日。主宰で作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチさんを筆頭に、大倉孝二さんや三宅弘城さんらナイロン100゜Cの劇団員が顔を揃えるなか、賑やかにしゃべり、場を盛り上げていたのが、客演の八嶋智人さんだった。「僕は、なかなかどうしてテレビとのギャップがない男なんで」と言う口調も、まさにテレビで見たまんま。「まあ、病気なんです。おしゃべり病(笑)。よく、現場のムードメーカーだと言われたりするんですけれど、僕が楽しくいられる条件は皆が楽しい雰囲気でいることなんで、結局は、自分がやりたいだけなんです」初演の時から、当時ナイロン初参加だったのにもかかわらず、誰より劇団員のように馴染んでいたそう。「自分の劇団でもそうですが、僕、世話焼きのお母さんみたいなんですよ。稽古中にみのすけさんがビニール袋をガサガサさせるのをやめさせたり、カーテンコールにふてくされたような顔で出る大倉に注意したり。僕なりに気になることをしつこく言ってました。でも肝心のKERAさんが『ほかの現場じゃダメだよ』って言うだけだから、KERAさんにも僕が注意したりして(笑)」妙に楽しげな稽古場の雰囲気とは一転して、舞台『消失』は終始不穏な空気が漂うディストピアの物語。「初演の時は、稽古が始まってもなかなか台本が上がらなくて、僕の出番が全然来なかったんです。でも、冒頭のシーンを観ているだけで、これは絶対にいい作品になるなという予感はありました。ただ、サブカルチャーのど真ん中を歩いてきたKERAさん独特の…僕からしたら東京的なセリフ回しに体をなじませるのに苦労しましたね。昔は、テンションが上がってしまうと、つい笑いに走ってしまってたんですけれど、今回、KERAさんから『11年経って抑えがきくようになった』と言ってもらえてるんです(笑)。20代前半の頃は、アドリブをバンバン入れて、笑いをいっぱい取ってやったぜって悦に入ってたところがあったんです。でもいま芝居を生業にするということを考えるようになって、自分のこだわりや個性なんて埋没させてもいい、作品に殉じたいと思えるようになっているんですよね。初演の11年前から比べたら、体のキレは落ちてますけど、逆に作品のなかで濃密に生きることができるようになってきているし、初演以上に楽しませられる舞台になっているんじゃないかと思います」◇information 荒廃した世界に身を寄せ合って生きる兄弟(大倉孝二・みのすけ)。彼らとその元を訪れる人々との善意がすれ違い、いつしか大きな悲劇へと変わっていく。12月5日(土)~27日(日) 下北沢・本多劇場 作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ 出演/大倉孝二、みのすけ、犬山イヌコ、三宅弘城、松永玲子、八嶋智人 全席指定6900円(税込み) キューブ TEL:03・5485・2252(月~金曜12:00~18:00) www.sillywalk.com/nylon/◇やしま・のりと ’70年9月27日、奈良県生まれ。主宰の松村武と共に劇団カムカムミニキーナの旗揚げに参加。舞台のほか、ドラマやバラエティなどに多数出演。来年1月3日放送のSPドラマ『坊っちゃん』(CX系)も控えている。※『anan』2015年12月2日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年11月25日北欧の陶芸家リサ・ラーソン(Lisa Larson)による過去最大規模のクリスマス関連グッズショップ「リサ・ラーソンのクリスマス」が、12月2日から7日まで松屋銀座8階のイベントスクエアにオープンする。同ポップアップショップでは、サンタクロースなどのクリスマスグッズを始め、スウェーデンのケラミックスタジオで作られた「まねくねこ」や新作スケッチシリーズのおとなマイキーのポーチ、マスキングテープなどの新アイテムを販売する。また、会場限定品として、ピンク縞マイキーのマグカップの他、スケッチシリーズよりネコがデザインされたステンレス製水筒も登場。その他、干支を象った波佐見焼の酒器やオブジェなど新年にもぴったりの先行販売品などを含めた1,000点以上のアイテムが取りそろえられる。また、会場ではサイやネコなどをモチーフにした入手困難なヴィンテージアイテムを一堂に集めて展示・販売する他、2万円相当のリサ・ラーソングッズが入った1万円の福袋も100個限定で販売される。さらに、福袋の購入者の中から抽選で当たった人には、総額5万円ほどのリサ・ラーソングッズもプレゼントする予定だ。
2015年11月25日相手の会話を受けつつ盛り上げる時。自分の話をより深く相手に理解してほしい時。言いづらい話題の本質に切り込みたい時。さまざまな場面で役立ってくれるのが、たとえ話。センスのいいたとえ話は、場を豊かにすると同時に、相手にも大きなインパクトを残してくれる効果がある。そんなたとえ話のコツを、縦横無尽なたとえ話で爆笑(ときに苦笑)を誘い、場を盛り上げてくれるスピードワゴンの小沢一敬さんが指南。■トレーニング1:先に意外な単語を例に挙げてから思考する。たとえ話は、本題とは一見かけ離れていればいるほど面白いもの。「まず先に、会話の内容から最も遠くにありそうな単語をたとえに挙げちゃうの。たとえば、『取材って、ミカンに似てない?』って。突拍子もない例ほど、聞いてる相手は興味をそそられて耳を傾けるでしょ。そっから共通点をひねり出す。必死に考えれば、ひとつくらいは見つかると思うんだよね」どんなに頭をひねっても、いい共通点が見つからなかったら?「その時は愛嬌でごまかすの。とびきりの笑顔で『ごめん。言ってはみたものの、うまいたとえが出てこなかった』って言えば、相手も笑うしかないからね」■トレーニング2:映画やマンガのセリフを覚えておく。「映画やマンガの登場人物が、たまにすごく素敵なたとえ話をしてることってあるじゃない。いいなと思ったたとえ話があれば、積極的にストックしておくといいかもしれない。自分がキュンとしたフレーズなら、他の誰かもキュンとしてくれるはずだから」もし元ネタが相手にバレたとしても、それはそれで問題なし。「逆に、元ネタの話題で会話が盛り上がるかもしれないからね」■トレーニング3:スポーツや趣味、好きな分野でたとえる。「サッカーや野球のようなスポーツや、趣味の世界など、自分が心から好きなものの話題であれば、誰でも何かは語れるはず」マンガや音楽などひとつの作品のなかでたとえてみるのもあり。「いくらでも語れるくらい好きなものを、自分のなかで増やしていくのがいいんじゃないかな」■ケーススタディ1:悩んでいる人との会話には…ヒーローのたとえを出す。「たまに、悩み相談をされることがあるんだけれど、そういう時は映画やマンガの主人公や、その道で成功を収めている人の話をしてあげることが多いかな。たとえば、仕事のことで悩んでいる後輩に僕の経験談をいくらしゃべっても、身近だからこそ、聞き入れるのは難しいと思うのね。でも、これがダウンタウンの松本さんのような、誰もが憧れるすごい先輩の経験談だったり、マンガ『ONE PIECE』の主人公・ルフィの話なら、素直に耳を傾けられるじゃない。そのほうが、向こうも希望を感じるでしょ」たとえる対象が大きな存在であればあるほど、聞いている側はワクワクできるものなのだ。■ケーススタディ2:誰かを傷つけそうな話題には…欠点がプラスになる例を出す。合コンで後輩が不用意に女性に年齢を尋ねてしまった時、すかさず小沢さんが使うのは「年を聞くのは、ワインだけでよくない?」というフレーズ。「そこで『年齢を聞くのは野暮だろ』って直接言えば、後輩のメンツも潰すし、相手の女の子も気まずくなる。そういう時は、あえて皆が欠点だと思う部分をポジティブに捉えた、たとえ話をするのね」年を重ねることはネガティブに捉えられがちだけれど、ワインであれば芳醇さが増すプラスの意味に。「別のものに置き換えることで欠点が欠点じゃなくなって見えるだけじゃなく、たとえ話に転換することで、誰も傷つけない会話になるんですよね」■ケーススタディ3:ネガティブな話題には…自分の例を出してネタにする。小沢さんの会話のルールは、ネガティブな話題の時ほど弱い立場の人間にたとえた話をしないこと。「それじゃただの悪口で、弱い者いじめになっちゃうでしょ。聞いている全員が、気持ちよくなれなきゃ会話ってダメだと思うのね。失敗談や、ダメな奴の話のような、マイナスな状況でたとえ話をする時は、自分の例を出して小道具にするのが一番。そしたら誰も傷つかないし、皆も安心して笑えるから」それには、自分を俯瞰する視点を持つこと。「僕は、いつもどっかで『小沢』という長編小説を読んでいる感覚で自分を見てるのね。だからどんな最悪な状況も他人事のように話せちゃうのかも」◇おざわ・かずひろスピードワゴンで活動する傍ら、近年は独創的な発言が注目され名言をまとめた『恋ができるなら失恋したってかまわない』(宝島社)出版。※『anan』2015年11月18日号より。写真・小笠原真紀文・望月リサ
2015年11月14日「竹中直人さんと芝居がしたい!」という生瀬勝久さんの熱意でスタートした竹生企画。旗揚げ公演となった、マンションに集う人々を描いた群像劇『ヴィラ・グランデ 青山』から4年。久々の第2弾『ブロッケンの妖怪』は、絵本作家と編集者がアイデアを得るために訪れた島が舞台のホラーコメディ。お二人にお話をうかがいました。* **生瀬:正直、この企画は1回だけで終わっちゃうんだと思っていたんです。そしたら今回、竹中さんのほうから、そろそろやりますかって声をかけていただいたんですよね。僕は、それがうれしくって。竹中:本当はもっと早くできたらと思っていましたが、なんだかんだで4年経ってしまって、ここでやらないと次がないだろうと思って。生瀬:4年って、何かあるのかもしれませんね。オリンピックも4年周期だし。前回のことを忘れるのと、新しいことを始める気持ちになるのと、ちょうどいいサイクルなのかも。竹中:そこはやっぱり、前回が楽しかったからだよね。芝居をしていた時間とか、その時に感じていた風とか、なんだかすごく心地よくて。生瀬:それはうれし~なぁ。竹中:その生瀬さんが、どんな芝居にするかは任せますって言うから、前回同様、脚本・演出を倉持裕さんにお願いしたんです。前回の山田優ちゃん、今回の佐々木希ちゃんと、初舞台の女優さんたちを引っ張り込んでいるのも僕だし。生瀬:僕は、竹中さんと芝居がしたいだけなんで、他のことはお任せしています。竹中:あの、倉持君が描く、世界観が好きでね。生瀬:倉持君の作品って、覗き見のような面白さがあるんですよね。例えば、喫茶店で隣のカップルが喧嘩しだした時の、彼らの素性を知らないからこそ面白がれる、あの感じ。ただ、舞台ではいきなりそれが始まるから、観てる人は、会話を通して得られる情報から必死に状況を理解しようとする。その時点で倉持君の罠に引きずり込まれているんだけど。竹中:演じてる僕自身も、分からないまま演じています(笑)。生瀬:僕もそう(笑)。意味を考えてバランスをとっていくのは、作家であり演出家や監督の仕事であって、俳優は、台本どおりにセリフを言えばいいんですよ。そのほうが現場も波風が立たずに進んでいくし。竹中:僕も、言われるがまま。何も考えずやっています。生瀬:僕、竹中さんの、周りに合わそうとしない芝居が好きなんですよ。時々、本当にすっとぼけた顔をする時があって、それが面白くって。竹中:照れるな(笑)。生瀬君とやってると、想像もできない何かが生まれるような気がします。大体、生瀬君って独特の顔してるでしょ。それが本当に凄くて。しかも今回、そこに希ちゃんが参加するのも面白いし。お人形のような美しさがあるんだ。生瀬:生なのにお人形さんみたいって、それだけで凄いですからね。竹中:希ちゃんってすごい独特で、今回声をかけさせていただきました。前回の山田優ちゃんもそうだけど、舞台馴れしてない女優さんを誘うのって、やっぱり覚悟がいるし、責任も感じるからね。でも、その緊張感っていうのもいいんだよね。生瀬:ぶっちゃけて言うと、竹中さんも僕も、この舞台をやらなくったって、生活はしていける。でも、だからこそ純粋に芝居がやりたくてやってるとも言える。大人の俳優さんがやるいい芝居を、多くの人に観ていただきたいんですよ。竹中:今回はホラーコメディなんで、きっと怖くて笑える舞台になっていると思いますよ(笑)。◇なませ・かつひさ’60年、兵庫県生まれ。11月よりスタートする関東ローカルの深夜ドラマ『危篤スルー』(NTV)に主演。スペシャルドラマ『必殺仕事人2015』の放送も控える。たけなか・なおと’56年、神奈川県生まれ。出演ドラマ『海に降る』(WOWOW)が現在放送中。11月には『びったれ!!!』、12月には『海難1890』と出演映画の公開も相次ぐ。◇とある孤島の洋館を訪れた絵本作家と編集者。彼らの目的は、霧の濃い日にだけ海の上に洋館の影が現れるブロッケン現象の取材。そこに島の住人たちの思惑が絡み合っていく。10月30日(金)~11月1日(日)/北千住・シアター101011月12日(木)~29日(日)/日比谷・シアタークリエ作・演出/倉持裕出演/竹中直人、生瀬勝久、佐々木希、大貫勇輔、安藤聖、田口浩正、高橋惠子全席指定9000円(税込み)東宝テレザーブTEL:03・3201・7777(9:30~17:30)広島、大阪、静岡、名古屋、福岡、鹿児島、鳥取、新潟、岩手、栃木公演あり。※『anan』2015年11月4日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・望月リサ
2015年10月28日俳優集団D‐BOYSが演劇作品に挑戦するDステ。イケメン集団ゆえ、つい“アイドル芝居”と括ってしまいそうだけど、これがどうして、かなり本気度の高い舞台を作り続けている。第2回公演で好評を博した『ラストゲーム』は、ドラマ『マッサン』などを手がけている羽原大介さんが脚本を担当。戦中に野球に青春を燃やした高校球児を描いた作品で、映画にもなった秀作だ。その一方で、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』や『十二夜』、スコットランドの人気劇作家の戯曲『淋しいマグネット』など、若い俳優にはハードルの高い翻訳劇にも次々挑戦。かと思えば、THE SHAMPOO HATや演劇集団キャラメルボックスといった人気劇団の作品もあり。その多彩さに、真っ向から演劇に取り組もうとする姿勢が見て取れる。そんなDステの第17回公演は、日本の神話『古事記』を下敷きにした書き下ろし作品『夕陽伝』。王の息子としての運命を背負った兄弟と、ふたりの幼馴染みの娘を軸に若者たちの成長を描いた物語だ。脚本は、第12回公演『TRUMP』を手がけた、関西演劇界の旗手・末満健一さん。ファンタジーの要素の中に人間のリアルを浮かび上がらせる作品で、近年、注目を集めている作家。演出の岡村俊一さんは、多くの若手俳優を舞台の上で輝かせてきたベテランだ。久々のDステ参加となる瀬戸康史さんをはじめ、彼らの本気を楽しみにしたい。◇information 大和朝廷の時代。王の息子に生まれた兄・海里(瀬戸康史)と弟・都月(宮崎秋人)。ある日、彼らが淡い恋心を抱いていた幼馴染みで摂政の娘・陽向(小芝風花)の政略結婚が決まるが、婚礼の日に刺客が現れ…。10月22日(木)~11月1日(日) 池袋・サンシャイン劇場 脚本/末満健一 演出/岡村俊一 出演/瀬戸康史、宮﨑秋人、小芝風花、鈴木裕樹、荒井敦史、池岡亮介、前山剛久、高橋龍輝、中山義紘、三好大貴、遠藤雄弥、山本亨 全席指定7800円(税込み) ワタナベエンターテインメント TEL:03・5410・1885(月~金曜11:00~18:00) 11月21日(土)・22日(日)に大阪公演あり。※『anan』2015年10月21日号より。文・望月リサ
2015年10月20日舞台の真ん中に設置された丸型のガラス窓が、ドラム式洗濯機の丸いガラスの扉や宇宙船のハッチになり、時計に変わる。そして、平面に映し出された映像の階段を、舞台上の俳優が上っていく。いまのCG技術ではどんな壮大な映像にも驚きはないけれど、これが実際に生の舞台の上で繰り広げられているとわかれば、そのすごさは伝わるだろうか。これはどちらも、カナダ人演出家、ロベール・ルパージュの舞台のワンシーン。このルパージュとは、同じケベックで生まれたシルク・ド・ソレイユや、ニューヨークのメトロポリタンオペラなども手掛ける人気演出家。“映像の魔術師”という異名があるとおり、その舞台は映像や照明などを駆使したもの。舞台に映像を使うのは珍しくないけれど、それが単なる風景ではなく、俳優の動きと連動して、不思議な世界を目の前で見せてくれるのだ。そのひとつひとつの場面は美しく、それだけでアートのよう。そんな映像のマジックに驚いているうちに、気づけばルパージュが広げた“想像力”という名前のファンタジックで自由な世界に放り込まれているのだ。そのルパージュの舞台が、4年ぶりに日本で上演される。今回来日する作品『Needles and Opium 針とアヘン~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』は、世界中から上演のオファーが引きも切らない彼の代表作のひとつ。なんと今回は、最新技術を用いた二人芝居として、ルパージュ自身が再構築した完全リニューアル版。このタイトルにある針とは、ヘロイン中毒で苦しんだジャズトランペッター、マイルス・デイヴィスを示唆したもの。そしてアヘンは、一時期アヘン中毒に陥ったことのある詩人で劇作家のジャン・コクトー。失意のどん底でパリを訪れた男が、マイルスの音楽とコクトーの言葉とが行き交う幻惑の世界に誘われていく物語だ。観客はただ、劇場で繰り広げられる世界に身を委ねていればいい。劇場の遥か向こうにあるファンタジーの世界へと自然と導かれていくはずだから。■『Needles and Opium 針とアヘン~マイルス・デイヴィスとジャン・コクトーの幻影~』10月9日(金)~12日(月)三軒茶屋・世田谷パブリックシアター作・演出/ロベール・ルパージュS席7500円SA席7000円SB席7000円A席5500円(すべて税込み)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)※『anan』2015年10月7日号より。文・望月リサ
2015年10月05日映画化もされた伝説的ミュージカル『RENT』が、9月から日本で上演される。アンアンが今年の『RENT』で注目するのは、愛にあふれるドラァグクイーンのエンジェルを演じるWキャストのIVANさんと平間壮一さんの二人。世界中にファンがいる本作のキーパーソンを演じるにあたり、どのようなことを感じているのか。お二人に聞いてみた。IVAN:この役が決まってすぐ、レントファンの知り合いから、エンジェルは裏主役だと言われたんです。物語のキーパーソンになる人物だって。壮ちゃんみたいな役者さんが演じるならまだしも、自分のような人が手を出しちゃいけないんじゃないかって思って、考えましたよね。でも、実際に稽古に入って作品を深く理解するようになって、トランスジェンダーの私にしか伝えられないこともあるのかなと思ったんです。平間:いま稽古場では、IVANさんのエンジェルが、皆から「かわいい」と大評判なんですよ。IVAN:そんなこと言って、稽古の初期段階から役作りもできてたくせに(笑)。壮ちゃんのエンジェルはダンスも歌もクオリティが高いから、観てて気持ちいいの。一緒にいて、勉強になることも多いし。平間:それは僕も同じです。エンジェルは誰にでも愛されるキャラクターで、登場するだけで空気を一変させられる存在。IVANさんも、登場すると稽古場が一気に明るくなって、いるだけで皆のなかに自然とエンジェルに対する気持ちが生まれてくるんです。それって、出そうと思って出せるものじゃないですよね。IVAN:たしかに、エンジェルの内側にあるハッピーさは意識してるかな。あとはあのホスピタリティね。ゲイって、誰もが少なからず孤独感を抱えているんです。しかもエンジェルはHIV感染者で、つねに死を身近に感じている。だからあんなに他人に優しくできると思うんです。私は恵まれているけれど、孤独感の部分は共感するの。平間:僕は昔から人と深く関わるのが怖くて、自分から避けてきたところがあるんです。でもエンジェルを演るには、もっと気持ちをオープンにしないとダメだなと思っています。IVAN:私たち全然違うタイプだから、観る側も面白いんじゃないかしら。ただエンジェルは、いまで言う女装家のオネエなんです。私自身は中身が女の子だし、ストレートの壮ちゃんは壮ちゃんで、どっちもオネエを演じるという課題はあるのね。平間:あざとくならないように、演じている意識を持たないぐらい自然にやれたらとは思っています。中途半端が一番失礼な気がしますから。IVAN:まずは、コリンズ役のふたりに恋することからね。平間:まずはそこからですよね~。IVAN:ふふふ(笑)。■『RENT』ってどんな作品?’05年公開の映画版でご存じの方も多いはず。じつはこの映画で監督を務めたクリス・コロンバスは“レントヘッズ”と呼ばれる作品の熱狂的ファン。それもそのはず。この作品には多くの人を虜にしてしまう、中毒的な魅力がある。そのひとつが、圧倒的な楽曲の素晴らしさ。なかでもゴスペル調の『Seasons of Love』は、傑作中の傑作。ほかにもロック、タンゴ、ディスコなど多彩な音楽をちりばめて楽しませてくれる。また、強いメッセージ性をもってストレートに訴えかける物語の魅力も大きい。しかもこの作品は、7年をかけてようやくこぎつけた開幕プレビュー初日の朝に、作者本人が急死するという悲劇に見舞われている。そこから12年ものロングラン作品へと成長したことも含めて、ブロードウェイでも伝説的なミュージカルになっている。◇information 9月8日(火)~10月9日(金) 日比谷・シアタークリエ 脚本・作詞・作曲/ジョナサン・ラーソン 演出/マイケル・グライフ 出演/村井良大、堂珍嘉邦/ユナク(超新星)、ジェニファー/Sowelu、加藤潤一/TAKE(Skoop On Somebody)、平間壮一/IVAN、上木彩矢/ソニンほか S席1万1300円 A席8800円 エンジェルシート(当日抽選席)5000円 (すべて税込み) 東宝テレザーブ TEL03・3201・7777 com/rent2015/◇アイヴァンモデルとしてパリコレなどにも出演するなど活躍。近年はタレントとして『UTAGE!』などにも出演。今作が初舞台。◇ひらま・そういちダンスの実力に定評があり、舞台を中心に活躍。来年1月上演の地球ゴージャス『The Love Bugs』にも出演予定。※『anan』2015年9月9日号より。写真・Leslie Keeインタビュー、文・望月リサ
2015年09月08日ドラマに映画にと引っ張りだこの俳優・田中圭。というのも、実直な青年からチャラい若者、一筋縄ではいかない悪い男など、とにかく役の振り幅が広い。しかも作品の中で、居てほしいと思うところにぴたっとハマる人なのだ。「たしかに、台本をいただいて真っ先に考えるのは、作品の中での自分の役の居方なんですよね。主役に輝いてほしい作品ならば主役をどう引き立てられるかを考えるし、登場人 物たちの繊細な心情を描きたい作品ならば、どれだけそこを表現できるかを考える。自分の芝居がどうこうよりも、出演した作品がよかったと褒められたいんですよね」そんな田中圭さんだから、あちこちからオファーが絶えないのも頷ける。なんと、今回出演する舞台『夜への長い旅路』では、演出の熊林弘高さんと共演の満島真之介さんのふたりから直々に口説かれたのだとか。「完全に、断れないような包囲網を敷かれた感じ(笑)。ただ、熊林さんは一緒に『Tribes』という舞台をやっていた時から、“家族モノの集大成にしたい”とこの作品の話をしていたんですよね。尊敬している演出家が、そこまで言う作品なら、組んでみたいと思うじゃないですか。まあ、いま思えば、あの会話もこの布石だったのかもですが」その舞台とは、アメリカの劇作家、ユージン・オニールの自伝的戯曲。土地に強く執着する俳優の父と麻薬中毒の母、酒浸りの兄と肺結核の弟という、いびつな家族の切なく激し い一日が描かれる。「難しい作品ですよね。この家族は普通じゃないけれど、描かれるのは彼らにとっては、これといった事件もない日常。ただ、表面では何も起こらないけれど、それぞれの心の中は激しく動いていたりもする。面白くなるかならないかは僕ら次第、みたいなところがあるんです」田中さんは兄を、母役を麻実れいさん、父役を益岡徹さん、弟役を満島さんと、芝居巧者たちが演じる。「このメンバーならば、稽古していくうちに、台本に描かれていない家族の過去やこの物語の後の未来が少しずつ見えてくるんじゃないかと思うんです。熊林さんは、登場人物の 心情ひとつひとつを丁寧に表現しようとする演出家だし、それに賛同する役者たちが演じるわけだから、この4人ならではの何かが生まれてきたらいいなと思っています」取材の最後、「どう言ったら本当に観てもらえるんだろう」とぼそり。「重いし暗い作品かもしれないけど、こういう重厚な作品に触れられるのが舞台の面白さでもあると思うんだけど、どう言ったら伝わるかなぁ」◇たなか・けい1984年生まれ、東京都出身。出演ドラマ『HEAT』(CX系)が放送中。11月にはドラマに続き主演を務める『劇場版 びったれ!!!』の公開も決定している。◇information 一度はやめたはずの麻薬に再び手を出したメアリー(麻実)。幻覚に囚われる彼女の口から、夫(益岡)への不満や過去の後悔が語られ、家族の間の深い溝が露呈していく。9月7日(月)~23日(水)三軒茶屋・シアタートラム 原作/ユージン・オニール 翻訳・台本/木内宏昌 演出/熊林弘高 出演 /麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹 全席指定8500円(税込み) 梅田芸術劇場 TEL:0570・077・039 9月26日~29日に大阪公演あり。※『anan』2015年9月9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大橋 覚インタビュー、文・望月リサ
2015年09月08日今年2月に宙組トップスターに就任した朝夏まなとさん。現在、宝塚歌劇団の大作ミュージカル「王家に捧ぐ歌」で、お披露目公演の真っただ中です。宝塚1世紀の品格を胸に、トップに就任した今の心境とは?* **――宝塚の男役って、脚を開いて座っても、男言葉を話してもそこに自然と品格を感じさせる、不思議な存在です。朝夏:私たちが演じているのが、リアルな男性とは少し違い、タカラジェンヌという大前提の上での“男役”だからではないかと思います。――なるほど。ちなみにトップお披露目公演『王家に捧ぐ歌』を終えたいまの心境を伺えますか。朝夏:重い羽根を背負って、トップになったことをあらためて実感しました。でも不思議なことに、フィナーレで大階段を下りる瞬間、身も心もキュッと締まって、重さを感じませんでした。皆さんに迎えていただいていることが嬉しくて、むしろ心地よかったです。――初日は緊張されました?朝夏:ホッとした気持ちの方が大きかったです。とはいえ、再演の作品だったことが、自分でも気づかないうちにプレッシャーになっていたようです。後で初日の映像を観たら、歌い終わってお辞儀をしながら「ハァー」って言っているんです(笑)。安心して心の声が出てしまったのかもしれません。でも楽しかったですし、あの日のことはずっと覚えているんだろうなと思います。――宙組の下級生たちに対する想いも変わりました?朝夏:明らかに前より自分のやるべきことは増えているはずなのに、すごく皆のことを見ちゃうんです。以前より話す時間が少なくなったぶん、顔を合わせたら挨拶だけじゃなく一言でも言葉を交わすようにしています。――素晴らしい心がけですね。朝夏:皆が笑顔だと自分も元気をもらえます。――これからどんなトップスターを目指されるのでしょう。朝夏:この後に控えている作品を含め、ここまでまったく違ったカラーの作品をやらせていただいています。今後も私個人だけでなく宙組として、新たなことに挑戦していけたらいいなと思います。そうやって、皆で成長していけたら嬉しいです。――読者に向けて、宝塚の魅力とは何か教えていただけますか。朝夏:舞台を観ている3時間は、何も考えずに楽しめるはずです。見た目の華やかさもありますが、宝塚はフィナーレで全員が笑顔で舞台に立つんです。笑顔の人を見ると、自然と笑顔になりますよね。宝塚は、そういう心の元気や潤いを届けられる場所だと思っています。◇あさか・まなと’02年に初舞台を踏んだのち、花組に配属。’05年には新人公演初主演、’08年にはバウホール初主演を務めるなど早くから抜擢が続く。’12年に宙組へ組替え。今年2月に宙組トップスターに就任した。◇10月10日より全国ツアー公演『メランコリック・ジゴロ』『シトラスの風3』が開始。本公演『Shakespeare』『HOT EYES!!』は来年1月1日より宝塚大劇場、2月19日より東京宝塚劇場で上演。TEL0570・00・5100※『anan』2015年9月2日号より。写真・中野敬久スタイリスト・重光愛子ヘア&メイク・山本浩未文・望月リサ
2015年08月26日「出演が決まってから、いくつか舞台を観に行ったんですが、皆さんすごくて…自分にできるのかなって思いました。まだわからないことだらけですし。ただ、わからないなりに楽しみだったりします」初舞台を前にしながらも、カラリとした口調でそう話す黒島結菜さん。出演するのは、倉持裕さんが作・演出を手がける『虹とマーブル』。日本の高度経済成長期に社会の底辺から成り上がっていく男と、彼を取り巻く人々との30年にわたる物語。「最初が15歳で、女優になって、結婚して子供ができて…って、波瀾万丈ですよね。男の人たちが頑張って時代を生きているなかで、ところどころに私が絡んでいく感じ。描かれていない時間を私はどう過ごしていたんだろうって考えたりするんですが、それだけでも面白いです」もともとは人前に出るのが苦手だったという黒島さん。それを心配したお母さんが応募したオーディションがもとで、この世界に入った。「新学期が始まると必ず自己紹介ってあるじゃないですか。あれが苦手だったんです。いまも大勢の記者さんに囲まれての取材では、何をしゃべっていいのかわからなくなっちゃうし。今度の舞台でも、カーテンコールが緊張しそうで…」本番は?と尋ねると、あっけらかんと「照明で客席は見えないと聞いたので大丈夫かなって」と笑う。今年4月に大学に入学し、いまがすごく充実しているという。「事務所に入ってからずっと、お芝居が楽しいんです。これまでいっぱいオーディションを受けたし、いっぱい落ちたけれど、それでも落ち込むこともなく、ずっと楽しいまま」仕事を優先するために進学を諦めようと思ったことも。でも両立を決めたいま、迷いはまったくない。「周りのスタッフから進学を勧められた時、『辞めたくなったら途中で辞めてもいいから』と言われたんです。でも行くのであれば途中で辞めたくなかったんですよね。大変ではあるけれど、いまは4年間通うことに決めたので頑張るだけです」じつはかなり肝は太い人のようだ。◇くろしま・ゆいな1997年3月15日生まれ、沖縄県出身。8月22日には『at Home』、11月には『流れ星が消えないうちに』と、出演映画の公開も相次ぐ。◇両親を亡くし極貧の少年時代を過ごした紋次(小出恵介)は、怪しい貿易の仕事で大金を手にする。そんななか蘭(黒島結菜)と出会い惹かれていく。8月22日(土)~9月6日(日)三軒茶屋・世田谷パブリックシアター作・演出/倉持裕出演/小出恵介、黒島結菜、木村了、小松和重、ともさかりえほかS席7500円A席5500円U-25チケット4500円(25歳以下対象、要証明書)すべて税込みM&Oplays TEL:03・6427・9486(月~金曜11:00~18:00)島根、広島、福岡、宮城、大阪、愛知、静岡公演あり。※『anan』2015年8月26日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・伊藤省吾ヘア&メイク・武田尚子(MELANGE)インタビュー、文・望月リサ
2015年08月25日現代アートを代表する画家のひとり、マーク・ロスコが有名レストランから依頼されて制作した30にものぼる連作『シーグラム壁画』。そこから着想を得た戯曲『RED』は、ロスコと彼が雇った助手・ケンとのふたり芝居。時に師弟、時に親子のように意見を戦わせるふたりに田中哲司さんと小栗旬さんが扮する。この舞台のお話を伺いました。* **小栗:この戯曲を読んだ時、ロスコとケンの両方ともに共感する部分が多くて、素直に「こういう役を演じてみたい」と思ったんですよね。田中:確かに舞台の面白さがいっぱい詰まってる脚本だと思いました。しかもケン役が小栗君、演出が小川絵梨子さんだと聞いて、ぜひやらせてくださいとお願いしました。小栗:哲司さんとは、お互いにお互いの作品も観ていて、その後の酒の席で話したりしていたし、芝居に嘘がない人だなと思っていたんです。だから、ロスコ役を哲司さんにオファーしていると聞いて、もし一緒にやれたら自分もステップアップできる気がしてうれしかったです。田中:ふたり芝居だけに、相性って重要ですからね。小栗君は、お酒の席で話していても、演技を見てても、ガッツリ“演劇人”だなって思うことが多かったから、この作品でもうまくやれそうな気がしたんです。小栗:僕は演劇人に憧れてるところがあるんです。ケンに「自分にはルーツがない」っていうセリフがあるんだけど、僕自身もそう感じることが多くて、なんとか演劇に自分の居場所があると思いたいっていうのが正直なところかもしれない。田中:舞台って辛いことだらけだけど、やっぱり自分が帰るところみたいな感覚はあるんです。結局、好きってことなんだろうな。小栗:ただ、稽古が始まってみたら、なかなか気が抜けない作品で…。田中:しかも、演出の小川さんもすごい熱量で稽古に臨まれているでしょ。だから僕らも自然とあの情熱に応えなくてはと気合が入るんです。小栗:たまに迷うんだけれど、それすらさらけ出して向かってこられるから、逃げちゃいけないなって。田中:しっかり自分のなかにビジョンを持っているから、迷うことがあっても安心して委ねられるんだと思う。ただ、ふたり芝居だけに休む場面がなくて集中力を持続するのが…。小栗:ロスコとケンは、つねにお互いの言葉に影響され合っていて、どの場面も気が抜けないですからね。田中:ロスコはずっと葛藤しているんだけど、ケンが時々ズバッと核心を突いてくる。助手である彼から、ロスコが教わることも多いんです。小栗:ケンにとってもロスコは人生の師ともいえる存在。その関係性に自分がどこまで迫れるか楽しみです。田中:僕は絵描きじゃないけれど、モノ作りに携わるひとりとして、この作品には共感する部分が多いです。小栗:わかります。僕自身、自分がやろうとしていることは本当に観客に伝わっているのか、つねに葛藤しています。だから、この作品に強く惹かれたんじゃないのかな。◇(左)たなか・てつし野田秀樹、いのうえひでのり、長塚圭史など数々の演出家の舞台で評価を得、映像作品でも活躍。11 月6 日より舞台『オレアナ』に出演。(右)おぐり・しゅん数々のドラマや映画、舞台に出演。出演映画『ギャラクシー街道』が10月24日公開予定。2016年には劇場版『信長協奏曲』の公開も控えている。◇マンハッタンの有名レストランから大作の依頼を受けたロスコ(田中)は、画家志望のケン(小栗)を助手に雇う。ふたりは互いの芸術論を戦わせながら創作を進めていく。8月21日(金)~10月4日(日)初台・新国立劇場 小劇場作/ジョン・ローガン翻訳、演出/小川絵梨子出演/小栗旬、田中哲司S席8000円バルコニーS席7000円バルコニーA席5000円バルコニーB席4000円(すべて税込み)シス・カンパニーTEL:03・5423・5906www.siscompany.com/red/※『anan』2015年8月26日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2015年08月19日デビュー18年にして初めて深田恭子さんが舞台を踏む。作品は、’77年の出版以来いまもベストセラーの佐野洋子さんの傑作絵本『100万回生きたねこ』を原作にしたミュージカル。イスラエルの演出家ユニット、インバル・ピント&アブシャロム・ポラックが手がけ、2年前の初演時に好評を博した舞台の再演となる。「小さい頃から知っている絵本でしたが、舞台のお話をいただいてあらためて読み直してみたら、昔とは印象が全然違っていて、こんなに深くて心に残る物語だったんだと新鮮な 感動がありました。そして初演の舞台の映像を観たら、繰り返されていく猫の人生と繰り返されるメロディとがすごく印象的で、音楽が加わることでより深く人の心に響く作品に なっている。頭で考えるよりも先に、この世界に入ってみたいと思いましたし、それくらい自分が魅了された作品で初舞台に挑めるなんて、とても幸せなことだなと思いました」セピアがかったファンタジックな衣装や美術は美しく、舞台上で演奏される音楽はノスタルジックに響き、まるで古い仕掛け絵本を見ているかのような気持ちにさせられる。そこ で展開されるのは、ある時は王様の猫に、またある時はひとり暮らしのおばあさんの猫にと、生まれて死んでを100万回繰り返しながらも、これまで飼い主を愛したことがなかったトラ猫の物語。「トラ猫のちょっと屈折した部分って、誰でも身に覚えがあると思うんです。私が最初に共感したのも、けっしてまっすぐじゃないトラ猫だったり、猫ちゃんのことが大好きすぎ て愛情表現を間違ってしまう女の子でした。いろんな失敗や遠回りをしながら、人生のなかで学んでいく大切なことが描かれた作品です」これまでに積み上げたキャリアはいったん置いて「新たな世界に入れてもらう気持ちで臨みたい」と話す。「映像をやってきたからといって、同じようにできるとは思っていません。初心に帰って学びたいし、実際…少しずつ舞台に向けて準備しているいまの感じが、レッスン生の時み たいな感覚なんです(笑)。台本を渡されて数週間後、数日後には撮影というスピードが、ずっと当たり前だったんですよね。だから、ひとつの作品を作るために随分前からワーク ショップをしたり、1か月も稽古をしたりする状態は、本当に新鮮です」初舞台にして主演。もちろんプレッシャーはある。でも、「やるしかないですよね」と笑顔を見せる。「緊張してもしなくても本番は来るものですからね(笑)。プレッシャーだって、自分に何かしら期待してオファーをくださっている方がいるということですし、それが自分の励み にもなっていますから」達観でも諦観でもなく、冷静に自分の足元を見つめている。「13歳でこの世界に入って、ずっと仕事をしてきて、正直、いつ止まっていいんだろうって思うことも時にはあります。でも、このお仕事は周りから望んでいただいてやれるもの。 だから、大きな責任もありがたいと受け止めるようにしています。その方が私も楽しんでやれますから」◇ふかだ・きょうこ1982年、東京都生まれ。近作の映画『ジョーカー・ゲーム』のDVDが8月12日に、ドラマ『セカンド・ラブ』のDVDが9月30日に発売予定。◇information 舞台『100万回生きたねこ』100万回生き、100万回死んだトラ猫(成河)。飼い主は猫が死ぬ度に涙を流すのに、彼自身は何も感じないまま。ある時、ノラ猫に生まれた彼は白い猫(深田)と恋に落ちる。8月15日(土)~30日(日)池袋・東京芸術劇場 プレイハウス原作/佐野洋子演出・振付・美術/インバル・ピント、アブシャロム・ポラック脚本/糸井幸之介、戌井昭人、中屋敷法仁(五十音順)出演/成河、深田恭子、近藤芳正、田口浩正、石井正則、銀粉蝶、藤木孝ほかS席1万800円サイドシート8500円(税込み)ホリプロチケットセンター TEL:03・3490・4949※『anan』2015年8月12日・19日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・岸本佳子ヘア&メイク・村田美代子インタビュー、文・望月リサ
2015年08月08日8月5日(水)より、松屋銀座にて開催される「日本語版刊行15周年 リサとガスパール展」が開幕。一足先に行われたプレス向け内覧会にシネマカフェが潜入!約150に及ぶ原画の数々と、「リサとガスパールカフェ」の限定メニューを堪能した。“うさぎでもない、いぬでもない”女の子のリサと男の子のガスパールを主人公に描く絵本「リサとガスパール」シリーズ。夫婦であるゲオルグ・ハレンスレーベンとアン・グットマンが、それぞれ絵と文を担当し誕生した本シリーズは、1999年フランスにて発表され、翌年には日本語版が刊行。数多くの絵本が出版されている人気シリーズだ。日本語版刊行15周年を記念して開催される今回の展示では、未発表の作品を含む約150点もの原画を展示。物語のあらすじと、それに対応する原画が展示され、まるで絵本を読むように展示を鑑賞することができる。原画が飾られる色とりどりの壁面の所々にはリサとガスパールが登場。キャプションと原画はそれぞれ美しく配置され、子どもはもちろん大人も楽しめる展示になっている。そのほか、リサとガスパール誕生のきっかけとなったという、ゲオルグ氏がイラスト付きでアナさんに贈った「赤い手帳」の展示や、二人の創作についてのインタビュー映像の上映、「ペネロペ」といったほかの絵本作品、さらには新作「ガスパールこいをする」の展示など、見どころ満載。東京駅を背景画に、リサとガスパールとの記念撮影コーナーや、発売中の絵本配置され、子ども連れの鑑賞にもおすすめだ。また、開催期間中は「リサとガスパールカフェ in GINZA」がオープン。「リサとガスパール」にちなんだ限定メニューの食事やスイーツを堪能することができる。グッズ販売コーナーには、展示会限定商品をはじめ300ものアイテムが並ぶ。絵本として装丁されるまでの絵が鑑賞できる本原画展は、絵本とはまた違う「リサとガスパール」の魅力が発見できるはず。絵本好きはもちろん、アートや美術好きもぜひチェックしてみて。(開催中、会場内や作品の撮影不可)「日本語版刊行15周年リサとガスパール展」は、8月5日(水)~8月24日(月)、松屋銀座にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年08月05日バレエの公演というと、興味は合っても敷居が高い、なんて思う人も多いのでは。そんなバレエビギナーにこそオススメしたい、3年に一度の祭典が日本にやって来る!音楽の世界では、アルバムとベスト盤のどちらがいいかという話がよく語られる。ひとりのアーティストの世界を堪能するには、冒頭からすべての流れを考えて、全体をひとつの作品として作り上げたアルバムが一番であることは確か。でも、ヒット曲ばかりで構成されたベスト盤は、誰もが楽しめて、ハズレなしの安定感がある。3年に一度おこなわれる「世界バレエフェスティバル」は、世界の超一流バレエのおいしいところだけを集めた、まさにベスト盤ともいえる公演。バレエには興味があるけれど、どのバレエ団のどんな演目を観ていいのかわからないという人にこそ、ぜひオススメなのだ。出演者に名前を連ねているのは、世界でも屈指のダンサーたち。パリ・オペラ座バレエ団をはじめ、英国ロイヤル・バレエ団、ドイツのハンブルク・バレエ団、アメリカン・バレエ・シアターといった超一流バレエ団で活躍する新旧プリンシパルばかりだといえば、その豪華さは伝わるはず。しかもそのなかには、マニュエル・ルグリやウラジーミル・マラーホフという、いまやレジェンド級の大ベテランも。それがこの日本で一堂に集結するのだからすごい。彼らが踊るのは、『白鳥の湖』や『マノン』といった古典の有名作品から現代バレエまで。オーソドックスなバレエしか知らないと「これもバレエ?」と驚くかも。肉体だけで喜びも悲しみも表現する世界レベルのバレエとはどんなものか、まずはここで堪能してほしい。◇第14回世界バレエフェスティバル8月1日(土)~13日(木)上野・東京文化会館S席2 万6000 円~ E 席8000 円NBS チケットセンターTEL:03・3791・8888www.nbs.or.jp◇技術に裏打ちされた高い表現力で魅了するディアナ・ヴィシニョーワ。◇圧倒的な華を持つダンスール・ノーブル、マチュー・ガニオ。◇パリ・オペラ座を退団したばかりの踊る美神・オレリー・デュポン。◇美しくダイナミックなバレエ界の貴公子・ウラジーミル・マラーホフ。◇圧倒的存在感を放つバレエ界のレジェンド、マニュエル・ルグリ。※『anan』2015年7月29日号より。写真・長谷川清徳文・望月リサ
2015年07月27日ウサギのような犬のような…でもそのどちらでもない、不思議な主人公が活躍する人気絵本シリーズ「リサとガスパール」。幅広い世代に親しまれ、すっかり日本に定着しつつある、“リサガス”も今年は日本語版が刊行されて15周年!そんな記念すべき年に、松屋銀座で大規模な展覧会が開かれることになりました。絵本でおなじみの原画から、日本初公開の彼らの前身ともいえるキャラクターが描かれたヒミツ(!?)の手帳まで。絵本でも背景にパリの街並みや風景がさりげなくもリアルに描かれているように、リサとガスパールはパリ生まれのパリ育ち。パリ在住のアンとゲオルグ夫妻がふたりの生みの親。15周年を迎えたことについて作者二人の感想は?「ただただ、びっくり!こんなに長く続くとは思わなかった」と、絵を担当する夫のゲオルグさん。「15年経ったいまもなお毎回ゲオルグの描く絵に驚かされる。想像を超える絵をいつもゲオルグが上げてくるんだもの」とは、ストーリーを考える妻のアンさん。二人の愛娘・サロメちゃんも15歳。二人にとって、リサとガスパールも子供のような存在?「リサは子供の頃の自分、ガスパールは自分の弟の分身なのかもしれません。いつも自分が子供に戻った気分でストーリーを考えるんです」(アンさん)今回の展示では日本にまつわる作品も多数。過去に2回来日している二人。思い出の場所は?「富士急ハイランド!リサとガスパールのテーマパークができたことがすごくクレイジー!!」(アンさん)「リサとガスパール」に富士急が登場する日も近い!?■Information松屋銀座 8Fイベントスクエア東京都中央区銀座3-6-18月5日~24日10:00~20:00(入場は閉場の30分前まで。24日のみ17:00閉場)会期中無休一般¥1,000(前売り¥700)TEL:03・3567・1211(大代表)◇絵本『リサとガスパールのであい』原画。(C)2015 Anne Gutman&Georg Hallensleben / Hachette Livre◇リサとガスパール誕生のきっかけになった「赤い手帳」が日本初公開!絵を担当するゲオルグさんが妻のアンさんにクリスマスのプレゼントとして贈った手帳。この手帳にリサとガスパールの原型となった、不思議な生き物が描かれていました。◇絵本『リサとガスパール ゆうえんちへいく』原画。シリーズ初期の代表作から、最新作『ガスパール こいをする』まで、原画約150点が一挙公開に!同作家の「ペネロペ」シリーズも同時公開。◇今回の展示のために特別に描き下ろされた作品「リサとガスパール@TOKYO STATION」が初お披露目。東京駅の駅舎をバックになんだか楽しげなリサガス。この先のストーリーも気になるところ!◇作者夫妻。夫のゲオルグさんと妻のアンさん。※『anan』2015年7月29日号より
2015年07月26日