朝夏まなとが主演を務めるミュージカル『モダン・ミリー』の全キャストが発表された。原作は1967年に公開されたミュージカル映画。物語の舞台は1920年代のニューヨークで、「大切なのはロマンスよりも理性!」をモットーに、モダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリー・ディルモントは、下宿先で知り合ったミス・ドロシー・ブラウンや偶然の出会いを繰り返すジミー・スミスと仲良くなったり、玉の輿を狙って就職した会社の社長・トレヴァー・グレイドンに猛アプローチをかけたり、世界的歌手マジーのパーティーに参加したりと、新しい生活を楽しんでいた。そんな中、ドロシーが行方不明になってしまう。下宿先の女主人ミセス・ミアーズが、下宿にきた身寄りのない女性たちを誘拐していると知ったミリーたちは、ドロシー救出作戦を決行する――。2年ぶりの上演となる今回は、ミリー役を既報の通り朝夏が務めるほか、ジミー役で田代万里生、グレイドン役で廣瀬友祐、ドロシー役で夢咲ねね、ミリーの下宿先で働く中国人チン・ホー役で大山真志、マジー役で土居裕子、ミアーズ役で一路真輝が出演する。演出・翻訳は小林香が手がける。ミュージカル『モダン・ミリー』は、2024年7月から8月にかけて東京・大阪・愛知・福岡で上演される。■田代万里生 コメントジミー役として初出演させて頂きます。台本を読み、CDを聴き、ジュリー・アンドリュース主演の原作映画を観ましたが……なんて楽しい作品!!ミュージカルの素晴らしさが全てがここに!劇場でお待ちしております!■廣瀬友祐 コメント再演という事に少々驚いています。そして、間違い無く自分の役者人生にとって忘れられない作品となった今作。再びトレヴァー・グレイドン役として出演できることに感謝すると同時に、少々緊張しております。■夢咲ねね コメント今回の公演でドロシー役を演じます。なんとも愛しいキャラクター達ばかりのハッピーな作品!そして信頼するキャストの皆様とご一緒できることもとてもワクワクしています。是非、皆さま劇場で一緒にハッピーになりましょう♡■大山真志 コメントチン・ホーという中国人の役を演じさせて頂きます。大山真志です。素敵なキャスト、スタッフの皆様と共に観た方全てを元気に、そしてハッピーになれる作品を創りあげたいなという思いで僕自身もとても楽しみにしています。■土居裕子 コメント華やかで、楽しくて、キュンときて、観終わったあと幸せになる。モダンミリーはそんなミュージカルですね。でも今回は、私も出演?!嬉しすぎるけど、とっても緊張しちゃう!お客様に100倍楽しんでいたいただけるよう、私もうんと楽しんで臨みます!■一路真輝 コメント『モダン・ミリー』にまた参加させて頂ける事とても嬉しいです。ミリーのキラキラと前向きに生きる姿はお客様だけでなく、私たち出演者にも沢山の勇気をもらえました。2024年ヴァージョンも沢山の幸せをお届けできますように!<公演情報>シアタークリエ2024年7月公演ミュージカル『モダン・ミリー』演出・翻訳:小林香【出演】朝夏まなと 田代万里生 廣瀬友祐 夢咲ねね 大山真志/土居裕子 一路真輝入絵加奈子 安倍康律砂塚健斗 高木裕和 常住富大 堀江慎也 村上貴亮伊藤かの子 島田彩 橋本由希子 湊陽奈 吉田萌美 玲実くれあ【公演日程】東京公演:2024年7月10日(水)~28日(日) シアタークリエ大阪公演:2024年8月3日(土)・4日(日) 新歌舞伎座愛知公演:2024年8月11日(日・祝) Niterra 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール福岡公演:2024年8月16日(金)~18日(日) 博多座東京凱旋公演:2024年8月24日(土)・25日(日) 昭和女子大学人見記念講堂公式サイト:
2024年02月29日ミュージカル『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』の初日前会見が4日に東京・東急シアターオーブにて行われ、森公美子、朝夏まなと、廣瀬友祐、 梅田彩佳が取材に応じた。同作は大ヒット映画『天使にラブ・ソングを...』のミュージカル化作。破天荒なクラブ歌手デロリス(森公美子/朝夏まなと ※Wキャスト)は、殺人事件を目撃したことでギャングのボスに命を狙われ、警察の指示でカトリック修道院に匿って貰う。規律厳しい修道女たちからは天真爛漫なデロリスは煙たがられてしまうが、聖歌隊の特訓に励むうちに、互いに信頼関係が芽生えていく。主演の森・朝夏に加え、石井一孝/廣瀬友祐(Wキャスト)、大澄賢也、春風ひとみ、梅田彩佳、泉見洋平、KENTARO、林翔太、柳本奈都子、河合篤子、福田えり、太川陽介、鳳蘭らが出演する。○■ミュージカル『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』初日前会見に朝夏まなとが登場4日の公開ゲネプロでは、Wキャストの朝夏、廣瀬が出演。観て欲しいポイントについて聞かれると、朝夏は「今回、シスターたちもまた新しいメンバーが増え、逆に戻ってきたメンバーもいます。シスターに出会ってデロリスが変わっていくストーリーでもあるので、みんなに歌を教えて一緒に盛り上がる1幕のラストのシーンは、やっぱり見どころ」とアピールする。廣瀬は「エディが歌うナンバーは見応えあるナンバーになってるとは思うんですけど、殻を破る瞬間だったり、人を思って一歩踏み出す瞬間の感動が詰まってる作品なので、エディ的には、最後シスターたちを助けに来る、銃を撃つ瞬間」と回答。「シスターたちと被って、こっち側(上手)からは見えない。こっち側(下手)のお客さんにしか見えないんですけど、撃つまでの瞬間はエディの一つの成長でもあるので、そこです」と勧めると、森が「演出じゃないですか? 見えないのが。で、バッとなってエディだ! って」とツッコミ。さらに宣伝サイドから「映像カメラは上手にある」と教えられ、廣瀬は「じゃあ映らないですね、はい」と締めていた。また、梅田は「(自身が演じるシスター・メアリー・)ロバートが、音楽室のところで初めて大きい声が出せるところは見てほしい」と希望。「その時に周りのシスターたちがすごく喜んでくれているのが、とっても愛があって、すごく素敵だなと思うので、そこを見ていただきたいです」と語った。東京公演は東急シアターオーブにて11月5日~29日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて12月6日~10日、静岡公演は静岡市清水文化会館マリナートにて12月23日~24日。
2023年11月04日ミュージカル『天使にラブ・ソングを 〜シスター・アクト〜』の初日前会見が4日に東京・東急シアターオーブにて行われ、森公美子、朝夏まなと、廣瀬友祐、 梅田彩佳が取材に応じた。同作は大ヒット映画『天使にラブ・ソングを...』のミュージカル化作。破天荒なクラブ歌手デロリス(森公美子/朝夏まなと ※Wキャスト)は、殺人事件を目撃したことでギャングのボスに命を狙われ、警察の指示でカトリック修道院に匿って貰う。規律厳しい修道女たちからは天真爛漫なデロリスは煙たがられてしまうが、聖歌隊の特訓に励むうちに、互いに信頼関係が芽生えていく。主演の森・朝夏に加え、石井一孝/廣瀬友祐(Wキャスト)、大澄賢也、春風ひとみ、梅田彩佳、泉見洋平、KENTARO、林翔太、柳本奈都子、河合篤子、福田えり、太川陽介、鳳蘭らが出演する。○■森公美子・朝夏まなと主演ミュージカル『天使にラブ・ソングを 〜シスター・アクト〜』2014年の日本初演より同作の主演を務める森は「去年の11月から今年の1月までやっていたんですけど、急に(再演を)やることになって。私はもう去年で引退だと思ってたんです。でも1年もしないうちに再演と聞いた時に『やるやるやる!』って。やり残したことがたくさんあったので、やらせてくださいという気持ちでいっぱいでした。できることになりまして、まぁちゃん(朝夏)にもお世話になりましたけど、いろいろ教えてもらいながら、舞台に立てるという幸せを、今本当に感じております」と心境を吐露。3度目の主演となる朝夏は「去年の公演が半分以上止まってしまったので、初めてこの作品を観に来たいと言っていた友達もダメになって、今年やっと観に来られることになった。それも含めて去年のリベンジもありますし、こんなに短いスパンで再演させていただくことはなかなかない。『覚えてないかも』と思ったんですけど、実際動いてみると自分のデロリスがまだ残っている感じがして、お稽古しながら発見もあったし、新キャストのお二人にいろんな刺激をもらいながら、また新たなでロリス像が作り上げられてきたんじゃないかな」と自信を見せた。エディ役で新参加となる廣瀬は「学生時代の夢だったアフロになれたことで、僕はもう今、初日を迎える前に大満足をしております」と髪型に感無量の様子で、「自分がこの場所にこの役として出演できるのは、これまで本当にたくさんこの作品を愛して、お客様と共に育んで培ってきてくださった皆さんがいるからだと思っています」と感謝。シスター・メアリー・ロバート役の新キャストである梅田は「実は昔、オーディションを受けて、その時は落ちてしまったんですけど、お声がけいただいて、演じられるのが本当に幸せです。私が生きて来なかった人生を歌わせていただけるのが嬉しいですいし、去年観に来ていたので、このセットに立てるんだ、この衣装を着れるんだ、と感動で初日を迎えられるのが幸せです」と、念願の出演を喜んでいた。「2023年はどんな年だったか」という質問には、梅田が「一つの夢だったロバートが演じられた、本当に幸せな年でした。来年もこんな風に一つ夢が叶うように頑張りたいと思います」と回答。8月に実咲凜音との結婚を発表した廣瀬は「俳優としてというよりは、1人の人間として、男として大きな出来事があった1年になったので、またさらなる覚悟を持って、さらなる成長に繋げたいなと思っています」と抱負を掲げる。朝夏は「21周年ということで、自分のコンサートをさせていただいたんですけど、自分がここまで来られたのには本当にたくさんの方の愛や応援があったからこそだと実感する年になったので、背中を押してもらいました」としみじみ。森は「芸歴が42年ということでございまして、ちょうど倍なんです」と朝夏の言葉を受け、「私事でございますけど、ジャズを歌うようになりました。ジャズ歌手になるのが夢だったんですね。64になるんですけれども、一つずつ夢を叶えさせていただいてきたのかななんて思っておりまして。新しい作品やいろんなものに挑戦していける心を持つような、年の取り方をしたいと思っております。『シスターアクト』という作品に出会えなかったら他の作品にも出会えてないような気がしますので、この作品の素晴らしさ、愛の深さ、シスターの優しさとか、目に見えない神様を信じる熱い気持ちとか、ぜひこの会場で体験していただきたいなと思います。ここではミラクルが起こります」とアピールした。東京公演は東急シアターオーブにて11月5日〜29日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて12月6日〜10日、静岡公演は静岡市清水文化会館マリナートにて12月23日〜24日。
2023年11月04日朝夏まなとのデビュー20+1周年を記念するコンサート『MANA-TRIP』が、10月21日(土) 東京国際フォーラム・ホールCにて開催されることが決定した。2018年『MANA-ism』、2019年『MANA-HOLIC』に続き、第3弾となる今回は「旅行」をテーマに朝夏にゆかりのある名曲を国ごとにカテゴライズし、“お洒落な世界旅行”として構成。構成・演出は野口幸作(宝塚歌劇団)、音楽監督は青木朝子(宝塚歌劇団)が担当。出演者には宝塚歌劇団でトップコンビを組んだ実咲凜音をはじめ、愛月ひかる、風馬翔、伶美うらら、秋音光、華妃まいあ、と朝夏のトップ時代を支えた元宙組のメンバーも集結する。チケットは、7月1日(土) より先行抽選受付がスタート。一般発売は、8月26日(土) から。■朝夏まなと コメントこの度、20th+1stコンサートを開催することになりました。次にコンサートをさせていただけるなら、以前のようにみんなが声が出せるようになって開催したいと思っていましたので、昨年が芸能生活20周年でしたが見送り、今年にできることになり嬉しいです。メンバーには宙組時代を共にした、実咲凜音さん、愛月ひかるさん、風馬翔さん、伶美うららさん、秋音光さん、華妃まいあさん。演出には、一度お仕事してみたかった野口幸作先生、音楽監督には現役時代からお世話になっている青木朝子先生に参加していただきます。懐かしくて豪華で、ワクワクが止まりません。21年間の道のりを一緒にトリップしましょう!!<イベント情報>『MANATO ASAKA 20th+1st Anniversary Concert MANA-TRIP』10月21日(土) 東京国際フォーラム・ホール C13:00 開演/17:00 開演構成・演出:野口幸作(宝塚歌劇団)音楽監督:青木朝子(宝塚歌劇団)出演:朝夏まなと、実咲凜音、愛月ひかる、風馬翔、伶美うらら、秋音光、華妃まいあ【チケット料金】S席:11,000円(税込)A席:8,800円(税込)U-25席:5,500円(税込)※チケットぴあプレリザーブのみ■先行抽選受付7月1日(土) 12:00~7月11日(火) 23:59■一般発売8月26日(土) 10:00チケットはこちら:公式HP:
2023年06月21日シアタークリエ 8・9月公演『SHINE SHOW!』のキャスト・朝夏まなと&中川晃教が、6月2日(金) にフジテレビ系で放送される深夜番組『オールナイトフジコ』に出演することが決定した。『オールナイトフジコ』は、MCの伊藤俊介(オズワルド)、佐久間宣行、森田哲矢(さらば青春の光)と、現役大学生の「フジコーズ」を中心に、生放送の強みを生かしたハプニングだらけの生放送バラエティ。今回は「フジコカラオケパーティー」と題し、カラオケ機材をスタジオに持ち込み、朝夏と中川、フジコーズとMC陣がカラオケに興じる。なお朝夏と中川にとって深夜番組生出演・生歌唱はキャリアにおいて初めてで、中川に至ってはカラオケ歌唱が人生2度目とのことだ。『SHINE SHOW!』は、8月18日(金) から9月4日(日) にシアタークリエで上演。チケットは、6月3日(土) 10時59分まで先行受付を実施中。■朝夏まなと コメント深夜のバラエティ、しかも生放送での出演は初めてで、ドキドキですが、スタジオの皆様と中川さんと、楽しく盛り上がれたらいいな、と思います!■中川晃教 コメント22時を過ぎたら自然と眠くなる、そんなお年頃の僕が、24時55分からの生放送への出演のお話をいただいてしまいました。ありがとうございます。いや、朝夏まなとさんは出演を断らなかったと聞き、僕、断れなくなりました、笑白目を剥きそうな時は朝夏さんに小突いてもらいます、笑おそらく20年以上振りのカラオケと、井上芳雄さんがやられているラジオの生放送(22時〜)振りの夜ふかしになります、笑とても楽しみです。とにかく眠過ぎてしまい、MCの皆さんに指摘されないかなど心配しています。予習を兼ねてTVerで見させていただいたのですが……芸人の森田さんが欠席という回でした。下ネタ系などもちょいちょいあって……。色々と、不安になりましたが、しかし、何事も経験!頑張りたいと思います〜。何かあったらぜんぶ東宝さんのせいです!<番組情報>フジテレビ系『オールナイトフジコ』6月2日(金) 24:55~26:55MC:伊藤俊介(オズワルド)、佐久間宣行・森田哲矢(さらば青春の光)ゲスト:朝夏まなと、中川晃教<公演情報>『SHINE SHOW!』8月18日(金)~9月4日(月) シアタークリエ作:冨坂友(アガリスクエンターテイメント)演出:山田和也出演:朝夏まなと、小越勇輝、花乃まりあ、木内健人、柳美稀、栗原沙也加、西村直人、久ヶ沢徹/中川晃教【チケット料金】全席指定:11,000 円(税込)先行受付:6月3日(土) 10:59まで公式サイト:
2023年05月31日『ローマの休日』(2020年)、『BARNUM』(2021年)と2作のミュージカルで共演した加藤和樹と朝夏まなと。1984年生まれの“同い年コンビ”がオーケストラの演奏とともにそれぞれの音楽のルーツをたどるコンサート『THE Roots 2022』が6月25日、大阪より幕を開けた。「THE Roots 2022」チケット情報指揮は『題名のない音楽会』(テレビ朝日系)などで多くの編曲を手掛けるほか、ミュージカル『太平洋序曲』『スウィーニー・トッド』などで音楽監督を務める山下康介、演奏は本公演のために結成されたTHE Rootsチェンバーオーケストラだ。会場も大阪はクラシック専用の住友生命いずみホールと、最高の音響環境のなかでのコンサートは、想像と期待をはるかに超える充実の内容で楽しませてくれた。披露されたのは時代を彩った邦楽ヒットソングからミュージカルナンバーまで幅広いラインアップ。ふたりが生まれる前の名曲や生まれ年のヒット曲、思い出の曲などなど、思わず口ずさみたくなる数々の邦楽をソロやデュエットで紡いでゆく。デュエットでは加藤のまろやかで深い歌声と朝夏の透明感のあるつややかな歌声が絶妙に重なり合い、オーケストラの音色とともに重層的な広がりを見せた。ふたりの真骨頂ともいえるミュージカルナンバーでは、“和樹の夢叶えたろかスペシャル”もあり、ミュージカルファンおなじみの名曲を加藤発案のオリジナル演出で披露。その驚きの仕掛けに観客もハッと息を飲む。歌唱後に「こんな贅沢なことはない。満足です!!」と加藤、実に嬉しそう。ここでしか観られないスペシャルな体験となった。どの楽曲も異なる表情を浮かべ、歌の世界へといざなうふたり。ひとつの物語を観ているような満足感も得られた。楽曲や舞台にまつわる思いなども語り合う。宝塚歌劇の男役トップスターとして一時代を築いた朝夏は、「いろんな役に挑戦できる今は二倍楽しい」と、男女の役を演じる喜びを語った。加藤のことを終始、「おとうさん」と呼ぶ朝夏。歌ではバッチバチに決める加藤と朝夏だが、トークでは一転、リラックスした表情に。そのギャップもまた魅力的だった。アンコールはまさにふたりの“ルーツ”である渾身の一曲を披露。いそいそと準備をする姿も微笑ましい。最後には「やり切った…!」と満足げな表情を浮かべ、ステージを後にした。7月2日(土)・3日(日)には、東京・紀尾井ホールで開催する。こちらもクラシック専用ホールだけに、上質で贅沢な音のシャワーをぜひ全身で浴びてほしい。また、息ぴったりのトークもお楽しみに。取材・文:岩本
2022年06月27日アーティストデビュー15周年を迎え、ミュージカル界でも活躍中の加藤和樹と、宝塚歌劇団退団後も女優としてさまざまな作品で活躍する朝夏まなとが、ふたりのルーツを辿るオーケストラ・コンサート『THE Roots 2022』を大阪・東京で開催する。「THE Roots 2022」チケット情報ふたりは2020年に上演されたミュージカル『ローマの休日』では恋に落ちるアン王女と新聞記者のジョーを、2021年のミュージカル『BARNUM』ではバーナム夫妻を演じた同い年コンビ。今回のコンサートでは、ふたりが生まれる前の「プレイバックpart2」「ギャランドゥ」といった昭和歌謡から、「涙のリクエスト」「HERO」などのふたりが力をもらった楽曲、互いに歌ってほしい楽曲…と、誰もが知っている名曲をカバーする。さらに「俺は怪物」(ミュージカル『フランケンシュタイン』)、「CONGA」(ミュージカル『オン・ユア・フィート!』)、「ローマの休日」(ミュージカル『ローマの休日』)などのミュージカル曲も披露、ジャンルを問わずさまざまな楽曲をオーケストラにのせてお届けする予定だ。開催に向けて加藤と朝夏がコメントを寄せた。「お互いのrootsに迫るコンサート。2度の共演で絶対的な信頼のある朝夏さんと1984年の名曲や、ふたりだからこそ歌いたいミュージカルソングなど、ここでしか見られないステージをお届けします。リハーサルも順調に進んでいますので、ぜひご期待ください」(加藤)。「音楽で紡ぐ私たちのルーツ。世代を超えた名曲や私自身の思い出の曲を詰め込んだボリュームたっぷりのコンサートになる予感がします!同い年の二人で、楽しい時間を皆様にお届けします。一緒に盛り上がりましょう‼️」(朝夏)加藤和樹、朝夏まなとがオーケストラと織りなす珠玉のハーモニーを、ぜひ会場で感じてほしい。公演は6月25日(土)・26日(日)大阪・住友生命いずみホール、7月2日(土)・3日(日)東京・紀尾井ホールにて。チケット発売中。
2022年06月20日女優の朝夏まなとが主演を務めるミュージカル『モダン・ミリー』が2022年9月に日比谷・シアタークリエてに上演されることが7日、明らかになった。同作は1967年に公開されたジュリー・アンドリュース主演のミュージカル映画『モダン・ミリー』の舞台化作。楽曲をほぼ一新し製作されたブロードウェイ版は歌と踊りに彩られた上質なミュージカルとなり、2002年にトニー賞作品賞や主演女優賞などを受賞、大ヒットした。1920年代のニューヨークを舞台に「大切なのはロマンスよりも理性!」をモットーにモダンガールに憧れて田舎町から出てきたミリーの姿を描く。当初2020年4月に上演を予定していたが、新型コロナウイルス感染症拡大による政府発出の「緊急事態宣言」を受け、残念ながら開幕直前に公演中止となり、今回、満を持しての上演となる。映画ではジュリー・アンドリュース、ブロードウェイ版ではサットン・フォスターが演じた主人公・ミリーを務めるのは、宝塚歌劇団宙組トップスターを務め2017年に退団後、『マイ・フェア・レディ』『Little Women -若草物語-』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』『ローマの休日』など話題作に主演を重ね、2020年に第45回 菊田一夫演劇賞を受賞、演技・歌・ダンス全てで客席を魅了する、朝夏まなと。さらにジミー・スミス役で中河内雅貴、ミス・ドロシー・ブラウン役で実咲凜音、トレヴァー・グレイドン役で廣瀬友祐、マジー・ヴァン・ホスミア役で保坂知寿、ミセス・ミアーズ役で一路真輝が出演する。演出は、『SHOW-ism』シリーズを手掛け、『Little Women -若草物語-』『マドモアゼル・モーツァルト』ほか、本年1月の『リトルプリンス』でも手腕を見せる小林香が務める。○朝夏まなと コメントシアタークリエにセットが組まれてるのを見ながら解散したあの日は、仕方ないと思いつつやるせない気持ちでいっぱいになりました。あれから2年、こうして復活できること、心から嬉しいです!!登場人物がみんな一癖あり、愛すべきキャラクターです。なにが飛び出てくるかわからない面白さがあります。それに歌、ダンス、タップ満載のとにかく明るく元気になれるミュージカルです!生きる希望をお届けします! ぜひ劇場にお越しくださいね。○中河内雅貴 コメント前回の公演中止は本当に悔しかったし寂しかったし今までに経験した事のない感情に襲われましたが、2年という月日を経てまたこの作品に携われてやっとお客様に観劇していただく事が出来るのは心の底から大変嬉しく思います。出演が決まった時、なんか心が解放された様な気持ちになりました。とても嬉しかったです。『モダン・ミリー』はまず、音楽がとても良いです!耳にも残る良い曲ばかり!上演出来なかったのに2年経った今でもたまに口ずさみ唄いますもん。それくらい心に残り最高です。あとは登場人物の個性豊かなキャラクター達と、実力と華のあるキャスト達! これは必見です!!○実咲凜音 コメント2020年の時は、お稽古も終わり、いざ舞台へというタイミングで中止になってしまったので、今回お客様にやっとお届けできるんだという喜びが大きいです。『モダン・ミリー』は無条件にハッピーになれる作品なので、今の時代に必要な笑顔を沢山受け取れる作品だと思います。客席と一体になってこの作品をお届けしたいです! 乞うご期待!○廣瀬友祐 コメント前回の公演中止はとても残念な運びになってしまいましたが、世界中の誰もがそれぞれの環境で辛い思いをしていたと思います。時を経て再び集結できること、再び上演のチャンスを頂けたこと、そこに自分がいれることに心から感謝しました。今の自分にできる新たな挑戦にしたいと思っています。『モダン・ミリー』は、劇場に来て頂けたら笑顔でお帰りいただける作品です。楽しみにしてくれていた方々と劇場で会いたい。それが全てです。○保坂知寿 コメント劇場入りを目前に、止まってしまった前回の公演。仕込まれても、明かりがあたらずにいた道具や衣裳が輝く時が来る!感慨深いです。もちろん、私達も準備万端で臨みます!楽しい楽曲満載で、前向きになれるミュージカル。時代を感じさせるファッションも見所です!○一路真輝 コメント『モダン・ミリー』は、ブロードウェイミュージカルの醍醐味を堪能出来る本当に素敵な作品です。2020年は初日を目前に悔しい思いをしましたが、こうして皆様に観て頂けることになり、とても嬉しいです。前回築き上げたところから更に上を目指して、怪しいけど(笑) 愛嬌のあるミセス・ミアーズを演じたいと思っています。
2022年01月07日女優の朝夏まなとが、故・神田沙也加さんとWキャストで主演を務めていたミュージカル『マイ・フェア・レディ』の地方公演の全公演に出演することが、21日に東宝演劇部によって明らかになった。神田さんが18日に急死したことを受け、札幌公演を中止していた同作。12月25日から2022年1月28日にかけての山形・静岡・愛知・大阪・福岡公演については、東宝演劇部と各主催者が協議のうえ、全公演、イライザ役・ヒギンズ役・フレディ役の3役を朝夏まなと・別所哲也・寺西拓人の「チームA」にて上演することが決定した。同作はこれまでの公演も朝夏・別所・寺西の「チームA」、神田さん・寺脇康文・前山剛久の「チームK」に分かれて上演を行っていた。東宝演劇部は「広く日本のエンタテインメント界に多大な功績を残された神田沙也加さんに敬意を表し、心からの哀悼の意を捧げます」と追悼の言葉を寄せている。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている同ミュージカルは、ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語。神田さんはイライザ役を務めていた。○朝夏まなと メッセージいつもインタビューで一番好きなミュージカルは『マイ・フェア・レディ』と言っていたさぁちゃん。(神田沙也加さんをこう呼んでおりました)私の宝塚退団後の初ミュージカルが本作品で、さぁちゃんからたくさんのことを教えてもらったり、他愛もない話をしたり、すぐに打ち解けて仲良くなりました。生き生きとイライザを演じるさぁちゃんが眩しくて、歌声も大好きでした。今、思い浮かぶのはさぁちゃんの笑顔です。日本で初めて上演された歴史あるミュージカル『マイ・フェア・レディ』。上演か中止か、どちらの決断が下されてもきっと様々な方々のお気持ちが複雑に交錯することもあるかと思います。けれどこの作品を愛する皆さまの気持ちも一緒にすべてのカンパニーキャスト、スタッフが一丸となり『マイ・フェア・レディ』を続けていくこと、この作品を全国の皆さまにお届けしたい……それがみんなの願いです。カンパニーを代表しまして、心よりご来場をお待ち申し上げます。○寺脇康文 メッセージこの度、『マイ・フェア・レディ』の残りの公演の出演を、キャンセルさせていただくことに致しました。舞台人として、どうあるべきか、本当に悩みました。プロ意識に欠けるのかもしれません。それでも、イライザとヒギンズの二人三脚で作ってきたこの作品をこのまま続けることは今の僕には難しく、東宝さんをはじめとするカンパニーの皆さんもそのわがままを受け入れてくれました。楽しみにしてくださったお客様には大変申し訳ありません。自分にとっても本当に大切なこの作品は、朝夏まなとさん、別所哲也さんコンビが引き受けてくれます。最大の感謝とともに、千穐楽までの完走を祈ります。写真提供/東宝演劇部悩んでいる方の相談窓口があります。下記の公式サイトをご覧ください。・電話:よりそいホットライン・SNS:生きづらびっと・いのちと暮らしの相談ナビ(相談窓口検索サイト)
2021年12月21日2018年に上演され、朝夏まなと&神田沙也加がイライザ役、寺脇康文&別所哲也がヒギンズ役を演じ好評を博した『マイ・フェア・レディ』。オードリー・ヘップバーン主演の映画でも知られる本作は、1963年に日本で初めて上映されたブロードウェイ・ミュージカルとしても名高く、半世紀以上にわたり愛され続けている。朝夏と神田はミュージカル『王家の紋章』でのライバル役競演も記憶に新しいが、舞台を降りると「まぁちゃん(朝夏)」「さーちゃん(神田)」と呼び合う仲。息ぴったりのふたりに公演への意気込みを聴いた。『マイ・フェア・レディ』は、ロンドンの下町で暮らす花売り娘イライザが、言語学者ヒギンズ教授の猛特訓で、上流階級の貴婦人にも引けをとらないレディに変身していくというストーリー。本作が長年愛される理由を、朝夏は「ひとりの女性が夢を持って成長していく普遍的な物語。観て清々しい気分になれる」、神田は「単なるシンデレラストーリーではなく、イライザとヒギンズが対等に学び合い、人間として成長していく、時代を先取りした展開も魅力的」と語り、続けて互いのイライザ役について、「さーちゃんが演じるイライザは、大柄な別所さんに負けないくらいの迫力。持ち前の賢さも投影されていて素敵です」(朝夏)、「まぁちゃんは、可憐な役から怖い役、妖艶な役まで信じられるカメレオンみたいな女優さん。イライザ役は、まぁちゃんの幅広い演技を1作品で楽しめます」(神田)とお互いを見つめながら語ってくれた。今回の新たな見どころの1つは、2018年版の朝夏・寺脇、神田・別所コンビから、朝夏・別所、神田・寺脇コンビへとカップリングが変わること。「コンビの愛称が“てらまぁ”と“べっかん”から“てらかん”と“べつま”になる(笑)」と笑顔を浮かべ、「パートナーが入れ替わっての舞台はどんな化学反応が起こるか楽しみ」と口を揃える。本作は朝夏にとって、宝塚退団後初めて女優として立った舞台。「『階段を降りる時、肩で風を切っているよ』と先輩に言われたりして(笑)。すべてを模索した、女優としての原点ともいえる作品です」。一方、観客として全国遠征もした経験もある神田にとっては「バージョンごとの台詞や歌詞を言えるくらい」一番好きなミュージカル。「別の意味での原点」と言える作品だとか。「あれから3年間、互いにいろいろな舞台を経験したことで、また新たな発見があると思う」(朝夏)。「ダブルキャストでは同じ舞台に立つことができないが、直前の「王家の紋章」でまぁちゃん(朝夏)と舞台に立った経験がいい影響を与えてくれるのでは」(神田)というように、二者二様、それぞれに進化したイライザに出会えるのが楽しみだ。福岡公演は、2022年1月19日(水)~28日(金)博多座にて。チケットは12月4日(土)より発売開始。その他、全国各地で公演あり。
2021年11月24日ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の初日前会見が14日に東京・帝国劇場で行われ、朝夏まなと、神田沙也加、寺脇康文、別所哲也、前山剛久、寺西拓人が取材に応じた。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている同ミュージカルは、ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語。1963年に日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカルで、今回2009年以来12年ぶりにミュージカルの殿堂・帝国劇場にて上演される。ミュージカル『王家の紋章』に出演していた朝夏は「先日までこの帝国劇場でエジプトの世界にいたんですけど、今はもうすっかりイギリスの『マイ・フェア・レディ』の世界になっておりまして、またこの帝国劇場に合わせていただけるのがとても幸せです」と喜びを表す。同じくミュージカル『王家の紋章』に出演していた神田は「帝国劇場には今年2回目で、こうしてまた立たせていただけることもそうですし、前回(『マイ・フェア・レディ』に)参加させていただいた時も、前田美波里さんと『帝国劇場でやりたいね』という話をしていたので、それが叶ってすごく嬉しいです」と喜んだ。寺脇は「僕はG2さんの演出になってから今回4度目の上演なんですが、今回感じている深みが2つありまして、1つはやっぱり、脚本の深み。4回やってもまた気づくところがあって『やっとわかった』いう部分、『ここはこういうことだったのか』という部分があったりする。もう1つは感情の面での発見で、『ここはこういう気持ちになるのか』というのも新たにあって、本当に深みがある作品だと思っております」としみじみ。別所は「僕は、この帝国劇場は『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』という大作に出させていただいて、その作品以来、こうやってまた歴史上に名を刻んでいる『マイ・フェア・レディ』という作品で、再演という形で劇場に戻らせていただいて大変光栄に思っております」と語る。前山&寺西について別所は「横にいるフレディもフレッシュで、20年前だったら、僕はフレディができたかなと思いながら見ています」と見守りつつ、「僕にはフレディのフレッシュさはないかもしれませんが、琥珀色の男を演じられたらと思います」と意気込んだ。今回はチームが分かれており、朝夏が「私たちは『べつまーたく』チーム(朝夏・別所・寺西)と呼ばれておりまして……」と明かすと、神田も「私たちは『かんてらまえ』(神田・寺脇・前山)」と紹介し、キャスト陣からは「バス停みたい」という声も。神田は「不安な状況下ではありますけれども、とにかく1月末までちゃんと完走がテーマ。しっかり自己管理して行きつつ、その自己管理がぎゅっと強力なものとなって、そして協力し合って最後を迎える景色が見られるといいな、と。何より12年ぶりに帝劇で上演されることが、きっと出演していなかったとしてもすごく嬉しくて、お客様としても絶対見に来ていると思う」と思い入れたっぷり。「帝劇にはよく神様がいるなんて言いますけれども、その神様がすごく大変な中、たくさん頑張った演劇人の先輩方だったりを見守って優しく最後まで送り出してくれるといいなと、願ってやみません」と思いを表していた。東京公演は東京・帝国劇場にて14日〜28日、ほか埼玉、岩手、北海道、山形、静岡、愛知、大阪、福岡で1月28日まで公演を行う。写真提供/東宝演劇部
2021年11月15日ブロードウェイミュージカル『メリリー・ウィー・ロール・アロング』〜あの頃の僕たち〜が東京・新国立劇場 中劇場で上演中だ。ブロードウェイのショービジネス界が舞台。フランク(平方元基)、メアリー(笹本玲奈)、チャーリー(ウエンツ瑛士)の3人の人生を中心に、現在から過去へと約20年間を“逆再生”で描いていく。『スウィーニー・トッド』などで知られるスティーブン・ソンドハイムが作詞・作曲を手掛け、本作のメアリー役を演じた女優のマリア・フリードマンが演出を担う。日本では8年ぶりの上演だが、今回は「新演出版」という位置づけ。平方、ウエンツ、笹本のほか、昆夏美、今井清隆、朝夏まなとら実力派キャストが顔をそろえている。初日前のゲネプロ(総舞台通し稽古)を見た。恋愛関係にしても、友情にしても、仕事にしても、どうしてこうなったのか、なぜあのときあの道を選んだのかと考えることはきっと誰にでもあるだろう。人生に「正解」も「不正解」もないだろうし、振り返ったとて過去は変えられないのだが、確かにその後を決定づける分岐点はある。そんな人生の切なさと、人間の不器用さやたくましさ、そして人々の絆を思わせる、ちょっぴり大人なミュージカル。ソンドハイムの珠玉の楽曲とともに、存分に味わってほしい。上演時間は2時間50分(休憩20分)。ただし、18時半公演の回は休憩15分。東京公演は31日(月)まで。愛知公演、大阪公演も予定されている。キャストのコメントは以下の通り。■平方元基今までのどの作品よりも大変でした。あまりの大変さに先輩に弱音を吐いたら、「大変な分、いい作品になるさ」。心がスッと明るくなりました。このカンパニーとだから、今日までこれました。どうか皆様、作中、沢山の沢山の小さな大きな発見をしてみてください。それはどれも間違いでなく正解でもなく、あなただけに送られたギフトになると思います。■ウエンツ瑛士まずは、この様な状況下で舞台の幕を開けられる事に心から感謝しています。そしてなによりも足を運んで下さるお客様へ、我々はその気持ちに応えられる作品をご用意しました。お互いの顔もハッキリと認識できずに、リモートでの稽古でどこまで行けるか不安でしたが、胸を張ってお客様をお出迎え出来ます。万全の感染対策をしてお待ちしてます。■笹本玲奈この作品をお客様のいらっしゃる前で生でお届けできる事を信じて、キャストスタッフ一同、厳しい感染対策の中、心を一つにお稽古してまいりました。家族や友人と会えなかったり、お互いの表情を見て会話する事も、お互いに触れる事も許されない今、舞台が大好きなお客様が明日からまた元気に生きていこう!と思って下さる様、最高の舞台をお届けしてまいります。取材・文:五月女菜穂
2021年05月18日撮影:Studio Elenish1992年のウィーン初演以来、世界各国で上演が続けられているミュージカル『エリザベート』。日本では小池修一郎の潤色・演出により1996年に宝塚歌劇で初演、各組でこれまでに10バージョンが上演され、宝塚歌劇の代表作のひとつとして上演のたびに注目を集めてきた。そして日本初演から25周年となる今年、宝塚歌劇版の歴代キャストが集結し、『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』が開催されている。大阪公演を経て、現在は東京・東急シアターオーブにて5月5日(水)まで上演中。オンラインでのライブ配信も行われている。【動画配信】エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート チケット情報メインキャストが役をイメージした衣裳をまとい、コンサート形式で本編を上演する「アニヴァーサリーバージョン」では、歴代出演者が共演する“25周年バージョン”、上演当時のメンバーを中心にお届けする“花・月・雪・星・宙組バージョン”、夢の競演が叶う“スペシャルバージョン”の3パターンでお届け。さらに、出演者全員が各役の扮装をし、コンサート形式で本編を上演する「フルコスチュームバージョン」といった、さまざまな組み合わせで楽しめるのが今回の見どころのひとつだ。大阪公演では、トート役・朝夏まなと、エリザベート役・実咲凛音を中心とした「フルコスチューム’16宙組ver.」と、トート役・明日海りお、エリザベート役・蘭乃はなを中心とした「フルコスチューム’14花組ver.」がライブ配信された。19世紀末に実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后エリザベートの生涯を、黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いた本作。舞台美術や装置はシンプルで、ステージ上にオーケストラを配置。最初に衣裳をまとった暗殺者ルイジ・ルキーニが登場するやいなや、客席は一気に『エリザベート』の世界へといざなわれる。コンサートといえど、ストーリーに沿って役を演じながらシーンが展開するため、ミュージカルの凝縮版として楽しめる。本公演で改めて感じたのは、楽曲の素晴らしさだ。美しい旋律で彩られたナンバーは、どの曲も耳に残るものばかりで、胸に心地よく響く。妖しいオーラを放ち、冷たく、それでいて情熱的にエリザベートへの愛を表現する朝夏トート、美しくも冷酷な表情や視線にゾクッとさせられる明日海トートをはじめ、『エリザベート』の世界を体現する役者たちは、宝塚を卒業後もそれぞれに研鑽を積んできているだけに、より表現に深みが増している。それぞれのパフォーマンスの違いを楽しむことができ、細かな表情や衣裳の細部など、劇場では気付かなかった部分まで堪能できるのはライブ配信ならではだ。東京公演では、4月24日(土)の「フルコスチューム’14花組ver.」、5月1日(土)の「フルコスチューム’16宙組ver.」、5月3日(月・祝)の「アニヴァーサリースペシャルver.」、5月5日(水・祝)「アニヴァーサリースペシャルver.」をライブ配信。ライブ配信のチケットは発売中。
2021年04月23日女優の朝夏まなと&神田沙也加が、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の主演を務めることが28日、明らかになった。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも広く親しまれている『マイ・フェア・レディ』。ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるように麗しい貴婦人に変貌するという物語で、1963年に日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカルとしても記録に残っている。日本初演50年を迎えた2013年には、翻訳・訳詞・演出を手掛けるG2の手により演出等がリニューアルされ、クラシカルな英国の香りと華やかさはそのままに、個性豊かな登場人物たちの生き生きとした情感がより際立つ作品としてリボーン(再誕生)し、日生劇場他で上演され大好評をもって迎えられていた。2018年に朝夏まなと&神田沙也加を主演に迎え、寺脇康文&別所哲也を相手役に東急シアターオーブ他で上演され、時代を超えて愛される不朽の名作として、その人気を証明してみせた同作だが、この度、2009年以来12年ぶりにミュージカルの殿堂・帝国劇場にて上演される。相島一之(ピッカリング大佐役)、今井清隆(ドゥーリトル役)、春風ひとみ(ピアス夫人役)、伊東弘美(アインスフォードヒル夫人役)、前田美波里(ヒギンズの母役)など、2018年公演の続投キャストに加え、フレディ役で前山剛久&寺西拓人が初参加し、作品世界にフレッシュな彩を添える。上演は東京・帝国劇場にて11月を予定している。○朝夏まなと コメント帝劇コンサート(2020年8月上演の『THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』)で、この作品の素晴らしさを改めて痛感し、今回は帝国劇場で上演できる嬉しさに声を上げました。宝塚歌劇団を退団して初めて出演させていただいた作品。あれから3年を経て、どれだけ進化したイライザをお見せできるのか、また新たな挑戦です。皆様に楽しんでいただけるよう精一杯つとめます。是非ご覧ください!○神田沙也加 コメント愛する『マイ・フェア・レディ』で再びイライザ・ドゥーリトル役を演じさせていただくことになりました、神田沙也加です。もう1度イライザになれることはもちろんですが、この名作が12 年ぶりに帝国劇場で上演されることが本当に嬉しいです。沢山のかたに愛され続けてきた作品の歴史を、今回は気負いすぎずに、楽しみながら軽やかに歌い演じられればと思います。ぜひ皆さまお運びください。どうぞ宜しくお願いいたします。○寺脇康文 コメントG2さんとご一緒し、この作品に取り組ませていただいて早、4シーズン目となりました。これまでも素敵なイライザと一緒に、素敵な劇場で演じさせて頂きましたが、今回は帝国劇場です!こちらも素晴らしい劇場なので、今からとてもワクワクしております。今回3年ぶりにヒギンズ教授を演じさせて頂きますが、この3年間で培ったものをもって、また新たな気持ちで挑みます。そして、お相手が前回のペアとシャッフルで、神田沙也加さん。どのような「マイフェア」になるのか、共に化学反応を起こしたいと思っております。エンターテイメントで、皆様に、心の栄養を! 是非是非、劇場にお越しくださいませ!○別所哲也 コメントヒギンズ教授にまた出会い、そして体現できることは光栄の極みです。数多くのミュージカルの中でも語り継がれ歌い継がれる作品は一握り。多くの諸先輩が演じ伝えてきたメッセージを、今の時代に時間を重ねてどのように表現するか。再演による再発見はエキサイティングに違いありません!言葉の持つチカラ、階級社会、本当の成熟した大人への成長、そして、愛の本質。劇場で皆さんと共にマジカルな旅が出来ること願っています。○相島一之 コメント「またピッカリング大佐を演じられる!」この一言に尽きます。『マイ・フェア・レディ』という誰もが知っている物語。前回その物語に参加させてもらい感じたのは、戯曲が抜群によくできていて、全ての登場人物がチャーミングで、一度聴いたら忘れられない程素晴らしいナンバー! だからこそ50年以上愛されているのか! という驚きでした。幕が降りる時に至福感に満たされます。何だか全てが可愛らしい。ピッカリングはそれを優しく見ている。イライザとヒギンズを見守る...幸せです!○今井清隆 コメント日本ミュージカルの金字塔とも言うべきこの作品に、再び出演できる喜びを心から感謝しています!私の役どころは意外に歌って踊りまくる(動きまくる?)シーンが多いので、その為の体力作りは、シッカリしておかなければ成らないと思っております! 前回公演から確実に3年、歳を重ねて居ますので、、、こんな状況の中ですが前回より成長したお芝居をお見せ出来るよう頑張りますので、どうぞ劇場にお運び下さいませ。○前山剛久 コメントこの度、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』にフレディ役で出演致します前山剛久です。まず、率直に今作に参加出来る事が心から嬉しいです!フレディが歌唱する「君が住む街」はボイストレーニングを始めた際、初めに練習した楽曲でした。そんな思い出深い曲を舞台上で歌える日が来るとは、とても感慨深いです! 素晴らしいキャスト・スタッフの方々と共に良い舞台を作れるよう、精一杯努力しようと思います。皆様、是非お楽しみに!○寺西拓人 コメント今回、『マイ・フェア・レディ』に初めて出演させていただきます、寺西拓人です。言わずと知れた名作に自分が出演できることを心から嬉しく思います。こんなに素敵な作品を、素敵なキャストやスタッフの方々と共に作っていくことが、今からとても楽しみです。こんな世の中ですが、少しでも、観てくださったお客様にポジティブな感情を持って帰っていただけるよう真摯に取り組みたいと思っています!○春風ひとみ コメント世界中で愛され続けているミュージカル『マイ・フェア・レディ』。名曲、名シーンの数々にミュージカルっていいなぁ、と心から思える大好きな作品です。この作品に再びピアス夫人役で参加出来る事、とても嬉しく思います。イライザ様、ヒギンズ様そして今回はフレディ様がWキャスト。皆様に振り回される日々が愛おしく待ち遠しくてならないピアスでございます(笑)体力バッチリで挑む覚悟です、よろしくお願い致します。○伊東弘美 コメント震災から10年。この10年、世界はなんと騒がしいことか。演劇の世界にいる者は、あの時も、昨年も今年も、皆「存在理由」を考えさせられている。不要不急と言われたら言葉を失う。反論したいが『命』を前に、軽くは出来ない。考えて考えて、「当たり前が当たり前じゃない」と今さら気付く。毎回フレッシュに感謝できる自分でありたい。そして当たり前に少し肩の力を抜ける日常が来ることを祈りつつ、『マイ・フェア・レディ』の舞台に立つ。○前田美波里 コメントかつてバレリーナであったオードリー・ヘップバーン好きだった私は、『マイ・フェア・レディ』を初めて映画で観た時にそのお転婆ぶりと美しさに圧倒され、これまで何回観た事でしょうか。日本でも舞台上演が決まり、江利チエミさんのイライザも観た覚えがあります。そんな大好きな名作に、“マザコン息子を持つ母”としてまた出演させて頂ける幸せ。イギリス貴族の知的でユーモア溢れる母親を今回も生きたいと胸を膨らませております。
2021年03月28日ミュージカル『BARNUM』の公開ゲネプロが7日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで行われ、キャスト陣がコメントを寄せた。同作は19世紀半ばのアメリカで大きな成功を収めた興行師、P.T.バーナムの半生を描いたブロードウェイ・オリジナルミュージカル。ブロードウェイでの上演後、ロンドンでも上演された人気作で、今回が日本初上演となる。伝統的なミュージカル劇場の雰囲気に、サーカスの光景が重なるゴージャスな作品で、華やかなダンス、歌唱シーンも見所となっている。主役のフィニアス・テイラー・バーナムを加藤和樹、妻のチャイリー・バーナムを朝夏まなとが演じ、トム・サム役、リングマスター役ほかを矢田悠祐、ジェニー・リンド役をフランク莉奈・ 綿引さやか(ダブルキャスト)、エイモス・スカダー役を原嘉孝(ジャニーズJr.)・内海啓貴(ダブルキャスト)、ジョイス・ヘス役とブルースシンガー役の2役を中尾ミエが演じる。日本版演出は、荻田浩一が務め、木下サーカスの特別協力や、シルク・ドゥ・ソレイユ等の出演経歴のあるパフォーマーのフィリップ・エマールとラスベガスのフェスで入賞するなどマルチパフォーマーの石田純一のジャグリング指導、映像出演が作品を盛り上げる。すでにWキャストA(綿引・内海)が初日を迎え、公開ゲネプロにはWキャストB(フランク・原)チームが登場。カーテンコールでは主演の加藤が「緊急事態宣言も一都三県で延長される中で幕を上げたミュージカル『BARNUM』でございます。昨日初日を迎えまして、舞台に立てることが当たり前のことではないんだなと感じております」と挨拶。「今日2組目の初日も迎えますが、初日を迎えるまで正直大変なことがありました。藤岡正明さんが降板されて、それでもなんとか力を合わせてこの作品を上演したいという、キャスト・スタッフひとつの思いをもってこの場に立たせていただいております」と心境を明かす。加藤は「正直、明日明後日がどうなるかわからないという状況の公演ですが、自分たちのやってきたことを信じて、P.T.バーナムのように人に幸せを、喜びを与えられるような作品を千秋楽まで作り続けていきたいと思います」と意気込んだ。東京公演は東京芸術劇場 プレイハウスにて年3月6日~23日、兵庫公演は兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールにて3月26日~28日、神奈川公演は相模女子大学グリーンホールにて4月2日。○朝夏まなと コメントいよいよ開幕です。サーカスというエンタメを実現させるための、くじけない心、それを支える立場。私にも通じるところもあって、みんなのエネルギーも爆発しています! 劇場でお待ちしています。○矢田悠祐 コメント本作はバーナムの人生のアルバムをパラパラとめくり、その中の写真1枚1枚がショーになっているようなミュージカルだと思います。それぞれの曲に、その時代のバーナムのストーリーが込められていて、なおかつ、ハッピーで明るい曲ばかりですので、是非劇場まで足を運んでいただいて、このハッピーなオーラをどんどん持ち帰って頂ければと思います。劇場でお待ちしております。○フランク莉奈 コメントコロナ禍になってから沢山のものが世界から奪われてしまいました。私自身、気力の全てがなくなった日もありました。ですが生涯をかけて夢を追うバーナムの姿をみていると、どんな時でも希望を捨ててはいけないという勇気をもらえます。みなさまに笑顔になっていただける作品になっているので、是非お届けできたら嬉しいです。一緒に夢の世界に行きましょう!○綿引さやか コメント早くお客様とこの舞台の幕を開けたくてワクワクしています!心躍るエネルギーに満ち溢れた音楽、パフォーマンス、そして物語。お客様に笑顔になっていただけること間違いなしの作品です。新しい春の訪れとともに、この作品が皆様の心に沢山の幸せをお届けできるよう、私たちも心を込めて舞台に立たせていただきます!○原嘉孝 コメント個人的には、本格的なミュージカルに挑戦するのは初めてです。稽古中から皆さんの熱量に圧倒され、プレッシャーを感じていますが、同時にワクワクを隠しきれません。ずっと夢見てたミュージカルの舞台。自分も作品の一部となって、キャストの皆さんと歌のパワー、エンタメの素晴らしさを客席に届けられるよう頑張ります!○内海啓貴 コメントコロナ禍でこのミュージカル『BARNUM』をお届けできる事が奇跡だと思っています。夢を追うP.T.バーナムの姿に僕自身何度も勇気づけられて救われました。「どのように人を惹きつけて、楽しませるか。」バーナムが作中ずっと思い続けている事を胸に、千秋楽まで問い続けて、観に来て下さるお客様に夢のようなグレイテストショーをお届けしたいです!○中尾ミ工 コメントこのコロナ禍を吹き飛ばす元気の出るミュージカルです。若さは素晴らしい! 皆さまも元気を吸い取ってお帰りくださいませ!(C)ミュージカル「BARNUM」製作委員会/岡 千里
2021年03月07日ミュージカル『魔女の宅急便』が約3年ぶりに再演される。主人公のキキを演じる井上音生に話を聞いた。ミュージカル『魔女の宅急便』の公演情報はこちら井上は、’16年に第8回「東宝シンデレラ」オーディション特別賞・りぼん賞をW受賞し、’18年に映画『嘘を愛する女』で女優デビュー、’19年に舞台『魍魎の匣』で初舞台を踏んだ16歳。今作が舞台2作目、初主演となるが「出演が決まってうれしかったです。小さい頃からジブリ映画の『魔女の宅急便』を観ていて、私も魔女になりたいとか、魔法を使ってみたいと思っていたので、その頃の夢が叶いました」と軽やかな笑顔を見せる。自身の演じるキキについては「16歳になった今、台本や原作(角野栄子氏の児童書)を読むと、小さい頃に映画で観たキキとは印象が違いました。以前は魔法が使えてかわいい魔女だと思っていたのですが、今は、13歳の普通の女の子なんだなってことに気づきました。同い年の子に嫉妬もするし、ちょっといじわるもしたくなるし、ニキビが気になるところは私と同じで(笑)、親近感が湧きました。私は昨年4月に愛媛から上京したのですが、その時に不安だったことや戸惑ったことは、キキがコリコの町で暮らし始めた時の気持ちと重なると思います。そういう自分との共通点を見つけていって、自分らしいキキをつくっていきたいです」と語る。ミュージカルへの出演は初挑戦だが、小さい頃から観劇をすることは多く、劇団四季の『ライオンキング』や『オペラ座の怪人』、『レ・ミゼラブル』などを観てきたそう。その中でも「一番感動した」と明かすのが、朝夏まなとがアン王女を演じた『ローマの休日』。「アン王女が本当にきれいで、舞台の上でキラキラしていて。それを観て、私もやってみたいと強く思いました」と熱く語る。演出の岸本功喜からは「ミュージカルの歌は台詞なので、台詞として感情を込めて歌ってほしいと言われました」とアドバイスももらったそうで「稽古でも心掛けたい」と意気込む。今は「日々、女優の勉強」だと言い、「愛媛からの上京は、芸能活動にもっと向き合いたくて自分で決めました。自分が決めたからにはがんばらなくちゃいけないと思っています」と語る姿がキキとも重なる井上。フレッシュなキキに期待したい。ミュージカル『魔女の宅急便』は、3月25日(木)から28日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、4月10日(土)から11日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、4月15日(木)から18日(日)まで大阪・メルパルクホール大阪にて上演予定。取材・文中川實穂
2021年03月05日ロングセラー小説「若草物語」をいま人気の俳優陣で爽やかに映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のBlu-ray&DVDが10月14日(水)リリース。本作には、劇場では観られなかった日本語吹き替え版を収録している。本年度アカデミー賞受賞(衣装デザイン賞)、作品賞ほか6部門にノミネートされた本作は、ルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説「若草物語」を、『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督がアレンジして映画化。マーチ家の四姉妹のうち、活発で信念をまげない作家志望の次女ジョーにフォーカスを当て、幼少期からではなく成長し大人になった姿から物語が構成されている。今回ディスクに収録されることが決定した日本語吹き替え版では、シアーシャ・ローナン扮するジョーを、声優初挑戦、舞台版でも同役を演じた朝夏まなと。ジョーのソウルメイトであり彼女に愛を告白する、ティモシー・シャラメ扮するローリーは、これまでも『君の名前で僕を呼んで』などでティモシーの吹き替えの経験がある人気声優の入野自由が担当。朝夏さんは「初めての吹き替えのお仕事が、ジョー役で運命を感じました。舞台にはなかったシーンが描かれていて、またジョーのことがもっと好きになりました」とコメント。入野さんは「自分にとって最良の幸せって何なんだろうか、人生って何なんだろうか。そんな事を強く考えさせられました」と作品の感想を明かし、「理想と現実の間で悩みながら迷いながら、自分の意志を貫く彼女の姿を観ていただきたいです」とメッセージを寄せる。ほかにも、大平あひる(エイミー役)、高島雅羅(マーチ伯母役)、清水理沙(メグ役)、田中有紀(ベス役)、日野由利加(ママ役)、渡部俊樹(フレデリック役)が参加する。さらに今回、日本語吹き替え版の予告編も到着。朝夏さんと入野さんが吹き替えるジョーとローリーのやり取りも収録されている。『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』Blu-ray&DVDは10月14日(水)リリース、9月16日(水)デジタル先行配信。(cinemacafe.net)■関連作品:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語 2020年6月12日より全国順次公開
2020年08月28日最高にハッピーなミュージカル『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』が11月15日(金)~12月8日(日)に東急シアターオーブにて上演。とある殺人事件を目撃し、ギャングから身を隠すためにカトリック修道院に行くことになった破天荒な黒人クラブ歌手が、修道女たちを巻き込んで大騒ぎとなる。日本では再々演となり、初演から出演する森公美子とともに朝夏まなとがWキャストで主演する。【チケット情報はこちら】この日は森のステージ。幕が開いた瞬間、デロリスの華やかで力強い声が劇場内に響き渡る。表情、全身、そして高低自在な森の歌声に、リズムに乗って思わず身体を揺らしてしまう。鮮やかな衣装やきらめく照明によるショーに、客席からは手拍子が湧き、歓声も飛ぶ。酒もタバコも暴食も大好きなデロリス。しかし修道院長(鳳蘭)は真面目で厳格で、ちっとも相容れない。しかしその対立すらも楽しいのは、華やかな楽曲と、生き生きとした人物像、鳳のチャーミングさにもよる。修道女たちもまた魅力的だ。全員同じ修道服だが、個性や見せ場がある。なかでも見習いシスター・メアリー・ロバート(屋比久知奈)が変化していく様子が鮮やかに描かれ、まっすぐな歌に胸打たれる。デロリスと、質実でオンチな修道女たちが、一緒に歌うことでのびのびと変化していくようすが1曲のなかでダイナミックに表現される。それはオーケストラの生演奏に引き込まれるように客席で前のめりになってしまうほど力強い。ギャング達も憎めない。ボスのカーティス(今拓哉)は冷酷だが、キザで色気がある。部下たち(泉見洋平、KENTARO、林翔太)もドジだが明るく愛されキャラだ。ほか、デロリスを守る頼りない幼馴染の警官エディ(石井一孝)もまた、全編通して成長していく。下町のレンガの壁や、教会のステンドグラスにも踊っているような人影があり、作品すべてが「歌って踊ろうぜ!」と誘いかける。カーテンコールでは客席も一体になって、歌って踊り、鳴り止まない拍手で劇場は熱気に包まれた。森は「再々演なのにも関わらず思い出せないところもあって(笑)」と言うが、そうは感じさせないパワフルなデロリスで客席を魅了した。一方、朝夏は「不安でいっぱいでした。でも、森さんがタイミングとか全て教えてくださって、そこから『よし、がんばろう』という気持ちになれました」と笑顔で振り返ると、森は「完璧ですよ!」と太鼓判を押した。上演は約3時間。取材・文:河野桃子
2019年11月15日朝夏まなとが主演を務めるミュージカル『Little Women -若草物語-』が9月3日(火)に開幕する。それに先がけ囲み取材と公開ゲネプロが行われ、取材には朝夏まなと、彩乃かなみ、井上小百合(乃木坂46)、下村実生(フェアリーズ)が出席した。【チケット情報はこちら】本作は、名作小説『若草物語』とその続編『続・若草物語』を下敷きに、2005年にブロードウェイで初演されたミュージカル。主人公で次女のジョーを朝夏、長女のメグを彩乃、三女のベスを井上、四女のエイミーを下村が演じるほか、林翔太(ジャニーズJr.)、宮原浩暢(LE VELVETS)、川久保拓司、久野綾希子、村井國夫、香寿たつきが出演する。翻訳は小山ゆうな、演出・訳詞は小林香。取材ではまず朝夏が「いよいよ始まるんだなと実感しています」と笑顔で語り、「家族や姉妹という“絆”が大事な作品ですが、このカンパニーは皆さんが温かく、今すごくいい状態だと思います」と話す。自身の役柄について、朝夏は「ジョーは、女性は結婚して子供を産むことが当たり前な時代に自分の夢を追いかける人です。それも、(自分のためだけでなく)家族のためにそうありたいと思っている。演じていて、強い精神力と挫折しても立ち上がる強さを感じます」、彩乃は「メグは夢見がちでロマンティックなものが好き。唯一、マーチ家が裕福だった時代の記憶があるので、過去と今を比べてしまったりするのですが、ある男性と出会うことで自立していく過程がよく見える人です」、井上は「ベスは三女ということもあってか、真ん中の視点で人をよく見ていて、いろんな人の影響を受けたり与えたりもしている人です。病弱で人見知りですが、私はベスから生きることの強さを学びました」、下村は「エイミーはおしゃまでかわいいものが大好きな女の子です。一幕ではまだまだ子供なのですが、色々な出来事と共に成長していって、二幕では大人の姿になります」とそれぞれ紹介した。ジョーを中心とした四姉妹のエピソードがテンポよく描かれていく本作。有名な小説家になって家族になんでも買ってあげたいと突き進むジョーをはじめ、登場人物それぞれが生き生きと人生を生き、そしてやさしく支え合う姿が数多く観られる作品だ。それぞれの“人との関わり”がそのままのカタチで表現されている楽曲も1曲1曲が印象的。また、10人のキャストだけでつくりあげる舞台は、例えばジョーの書く“流血もの”小説も彼らよって再現されるため「あの人があんな役を!?」と思わず笑ってしまう楽しいシーンとなっていた。細部まで凝ったセットや衣裳もぜひ注目してほしいポイントだ。『Little Women -若草物語-』は9月25日(水)まで東京・シアタークリエにて上演後、愛知、福岡を巡演。
2019年09月03日9月3~25日に東京・日比谷のシアタークリエで公演されるミュージカル『Little Women(リトル・ウィメン)-若草物語-』の囲み取材が2日、同所で行われ、朝夏まなと、彩乃かなみ、井上小百合(乃木坂46)、下村実生(フェアリーズ)が報道陣の取材に応じた。2005年にブロードウェイで初演を行った本作。『若草物語』とその続編『続・若草物語』を下敷きに、慎ましい生活の中にも喜びを見出し、助け合って困難に立ち向かう四姉妹とその母、そして主人公のジョーが小説家になる夢を叶えるまでを、20曲余りのミュージカルナンバーで描く。この日は四姉妹を演じたキャスト陣が登場。四姉妹の次女・ジョーを演じる主演の朝夏は「いよいよ始まるんだなと今実感しております。本当に細部にまで演出の小林香さんはじめ、スタッフの方々が若草物語の世界を表現してくださっているので、その中で役として演じきれたらなと今は思っているので盛り上がっていけたら」と気合十分。初舞台となる下村実生は「すごく大変で難しいと思うことばかりです。歌も普段の歌い方と違って何回も違うと言われ、お芝居も苦戦してますが、お姉さま方々にたくさんアドバイスをいただいています」と共演者に感謝しつつ、「今まで一番お芝居と向き合っていると思います。緊張していますが、ずっと稽古をしてきたので、お稽古の成果をちゃんと出し切れたらと思っています」と意欲を見せた。心優しい三女のベスを演じる井上小百合は、前日に神宮球場で行われた乃木坂46の全国ツアー最終公演のステージに立ったばかり。同公演をもってキャプテンの桜井玲香が卒業したが、「乃木坂46というグループは、ずっと女性の集団で行動しているんですが、その枠から抜けるってすごい覚悟と努力がいることだと思います。それを昨日私は間近で見てきたんですが、胸にくるものがありましたね」と桜井の最後の姿に感動したという。
2019年09月03日ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の公開ゲネプロが9日に東京・日生劇場で行われ、浦井健治、朝夏まなと、夢咲ねね、衛藤美彩が取材に応じた。同作は『レ・ミゼラブル』で知られるヴィクトル・ユゴーが手がけた原作をもとに2018年に世界初演を迎えたミュージカルで、今回が日本初演となる。子供の頃にさらわれ、見世物として口を裂かれ、醜悪な笑みを貼り付けられたグウィンブレン(浦井)の運命と、貴族と貧乏人の世界の対比を交え描いていく。3月いっぱいで乃木坂46を卒業したばかりの衛藤は、朝夏とは「まぁ姉」「みさたん」と呼び合うなど、カンパニーとも和気藹々とした様子を見せる。「稽古中はまだ(乃木坂46に)在籍してたんですけど、4月で卒業して。特に卒業したから大きく変わったとかはないんですけど、気持ちとしては卒業後の1作目で、(『笑う男』が)日本で初ということと重なって、新しいスタートで頑張るぞという気持ちでいっぱいです」と心境を明かした。宝塚歌劇団からの"卒業"を経験している夢咲は、「次の違う世界に飛び立とうとしてる美彩ちゃんを見て、すごく懐かしいというか、『自分もこうだったのかな』とか、あの時の感覚が蘇ったりして、刺激をもらってます」と笑顔に。朝夏も「私も2年ほど前に卒業したんですけど、新しい世界に1歩踏み出す時って、すごくわくわくしてた思い出がある。美彩ちゃんを見ていると、『輝かしい未来へ突き進むぞ』みたいなエネルギーが出てて、私も刺激を受けてます」と語った。衛藤は、「ねねさんが同じデア役ということで、稽古の時から『卒業して自分自身になったら自由だし、今までグループの色とか考えてたかもしれないけど、自分の色をどんどん出してって大丈夫だよ』とアドバイスをいただいて」と振り返る。「朝夏さんもおっしゃってくださったので、エールを受けて、初日は明日になるんですけど、今日初日という気持ちで頑張りたいと思います」と意気込んだ。
2019年04月09日ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の公開ゲネプロが9日に東京・日生劇場で行われ、浦井健治、朝夏まなと、夢咲ねね、衛藤美彩が取材に応じた。同作は『レ・ミゼラブル』で知られるヴィクトル・ユゴーが手がけた原作をもとに2018年に世界初演を迎えたミュージカルで、今回が日本初演となる。子供の頃にさらわれ、見世物として口を裂かれ、醜悪な笑みを貼り付けられたグウィンプレン(浦井)の運命を、貴族と貧乏人の世界の対比を交え描いていく。カンパニーについて、浦井は「和気藹々としております」と仲の良さを明かし、「本当にこのカンパニーはみんなが団結していて、『笑う男』日本版のミュージカルを作ろうとしている」と自信を見せる。稽古の時は"のぶ兄"こと宮原浩暢をいじっているというが、さらに「山口祐一郎さん、石川禅さんという先輩方が『あ〜大丈夫だよ〜』『いいんだよ〜』って言ってくださって、幸せだなと思いました」と、感謝していた。また、作中では朝夏が浦井を誘惑する場面も話題に。朝夏が「2回ほど、誘惑させていただくんですけど、どうですか?」と尋ねると、浦井は「案外、ピュアなんですよ! 男役を卒業されまして、これだけの誘惑の役というのはなかなかのハードルかな? まぁちゃんのファンの方はびっくりする」とニヤリ。浦井は「たまに(『エリザベート』の)トート様に見える。誘われようかなって」と危ない願望も芽生えている様子で、朝夏は「自分はSなのかな? 新たな自分を発見しながらやってるんですけど、健ちゃんが子犬のような目で見てくださるので、余計にグイグイ。お楽しみに」と期待を煽った。さらに浦井は「従順にいきます」と意欲を見せ、夢咲も「むちゃくちゃ色っぽいです。『男役さんだったんですか?』って、何回も聞くくらいに女性の色気をそなえてらっしゃて、本当に素敵だなと思います」と称賛していた。フランク・ワイルドホーンによる楽曲についてきかれると、浦井は「めちゃめちゃ大変です。最後全部ロングトーンみたいなところあります」と苦笑しつつ、「楽曲が粒揃いなので、曲に感情を乗せれば、感情もついてきて役が作られていくみたいな感じはあると思います。デア(夢咲、衛藤)と一緒に歌っていても、互いに感情の揺れる部分はあると思うので、楽しみつつ、千秋楽まで駆け抜けたいなという気持ちでいっぱいです」と意気込みを表した。
2019年04月09日『CONGA!』、『1-2-3』など、1980~1990年代にノリの良いラテンサウンドで次々とヒットを飛ばしたグロリア・エステファン&ザ・マイアミ・サウンド・マシーン。そのヴォーカルであり、グラミー賞を7回受賞した歌姫グロリア・エステファンの、栄光と挫折の半生を描いたミュージカル『オン・ユア・フィート!』が待望の日本初演となる。同公演でグロリア役を務める朝夏まなと、夫エミリオ役を務める相葉裕樹が語り合った。【チケット情報はこちら】朝夏は本作をワシントンで観劇、「舞台上から発するエネルギーが素晴らしかったです。ノリノリの曲からバラードまで、名曲揃いで、ラテンダンスも見応えたっぷり。ストーリーもグロリアとエミリオとの出会いから恋愛、結婚、挫折からの復活とドラマチックで、母親とグロリアの確執、キューバ革命など紆余曲折を乗り越え、家族がひとつになる様はジーンときて感動して泣きました」と興奮気味。グロリアの人物像については「意思が強く、自分の道を貫くかっこいい女性。子供の頃はシャイだったのに、エミリオに才能を見い出されて、歌手として成功する。しかし栄光ゆえの影もあって、繊細な心の動きもきちんと表現したい」と、すでにイメージを描いている様子だ。一方、相葉は「これまで、ナヨナヨした役や人生に迷い自分探しをする役が多く、自分がラテン男を演じることが信じられない。まして、有能な音楽プロデューサーなんて、僕で大丈夫かな?」と戸惑いを見せるも、「エミリオは才能に溢れた、行動派。グロリアに心底惚れ込み、自分のバンドに彼女を誘って加入させ、そのうち公私ともに支えるように。魂のこもったエミリオとしてグロリアをきちんと導きたいです」と意気込んだ。朝夏は宝塚時代にショーでラテンの男役を度々演じているため、相葉は「朝夏さんからも習いたい」と、甘えん坊ぶりを発揮。朝夏は「分かった!私もラテンの女性は初めてだから一緒に頑張ろう!」と宣言した。エミリオ役をWキャストで演じる渡辺大輔について、朝夏は「すごく熱い方で、既にラテン男っぽい雰囲気。ふた通りの全く異なるエミリオが楽しめそう」と、ワクワク。2バージョン、どちらも見たくなること請け合いだ。最後に、「皆さんも一緒に楽しんで心をたくさん動かして見ていただけたら、良い時間を共有できると思います。ぜひ劇場に足をお運び下さい」(相葉)。「良曲ばかりで、ダンスも魅力。家族の絆など、前向きなテーマも素敵です。ホリデイシーズンにぴったりな作品なので、平成最後の年末をみんなで一緒に盛り上がりましょう!」(朝夏)と、熱いメッセージを寄せた。寒い季節、このパッションが私たちを温めてくれるに違いない。公演は12月8日(土)から30日(日)まで、東京・シアタークリエにて上演。その後、福岡、愛知、大阪を巡演。取材・文:三浦真紀
2018年10月11日2019年の再演も発表された主演ミュージカル『キューティ・ブロンド』で第43回菊田一夫演劇賞を受賞するなど、年々ミュージカル女優としての存在感が増す神田沙也加。最新出演作は、日本初演から55周年を迎えたミュージカルの金字塔『マイ・フェア・レディ』。昨年宝塚歌劇団を退団した元宙組トップスターで、本作が女優デビュー作となる朝夏まなととのW主演により、今秋全国6都市で上演される。神田は「ターニングポイントと呼べる役にしたい」と意気込んでいる。ミュージカル「マイ・フェア・レディ」チケット情報ロンドンの下町に暮らす花売り娘イライザ(朝夏まなと/神田沙也加)は言語学者のヒギンズ教授(寺脇康文/別所哲也)と出会い、訛りを矯正して淑女になるためのレッスンを始めるが……。オードリー・ヘップバーン主演の映画版でも知られる、胸弾むシンデレラストーリー。イライザ役といえば、神田が敬愛する大地真央の当たり役のひとつでもある。出演が決まり一番に報告すると、大地は泣いて喜んだという。「困った時は何でも相談に乗るけど、『まずは沙也加が思うイライザを』と、背中を押されました」男勝りな性格で毎日を楽しく暮らしながらも、ウィークポイントを突かれた瞬間、内に秘めた上昇志向がマグマのように吹き出す。イライザは「思いが何層にもなっている女性」と見る。「今までの役作りでは、お客様が思い描くイメージに近い優等生的な正解を出そうとしてきましたが、今回は『私はこう思う』とプレゼンテーションする形でもいいのかな。Wキャストの朝夏まなとさんと違って私はどこかの劇団出身だったり、アカデミックに演技を学んだ経験もないので、逆に思い付いたことは何でも試せるフリーダムの強味を活かしたい。朝夏さんとは宝塚の男役と娘役ほどの身長差がありますし、見た目も含めて全然違うイライザになると思います」先日、ひと足先に製作発表で楽曲を披露した。歌稽古では喜びのあまり「鳥肌が止まらなかった」と声を弾ませる。「ひとつひとつのことがすごく嬉しいんですね。ヒギンズ教授から教わって初めて正しく発音出来たときの、雷に打たれる感覚を私も早く経験してみたいですし、お客様が何を望んでいるのか、演劇ファンとしての目線も忘れたくない」。その上で、自信を持って役に挑みたいと力を込める。「10年前の私がそうだったように、2018年版の舞台を観てイライザを演じたいと思う方がいるかもしれない。その責任は絶対に負わないといけないですし、何度も自分を奮い立たせながら、毎回誇りを持って日本の『マイ・フェア・レディ』を提示していきたいと思います」公演は、9月16日(日)から30日(日)まで東京・東急シアターオーブ、10月19日(金)から21日(日)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。その他、地方公演あり。大阪公演は7月14日(土)10:00より発売。取材・文:石橋法子
2018年07月12日9月より上演されるミュージカル『マイ・フェア・レディ』の製作発表記者会見が行われ、Wキャストで主人公・イライザを演じる朝夏まなと・神田沙也加、ヒギンズ教授を演じる寺脇康文・別所哲也のほか、相島一之、今井清隆、平方元基、前田美波里、翻訳・訳詞・演出のG2が登壇した。【チケット情報はこちら】ロンドンの下町の花売り娘・イライザが言語学者ヒギンズ教授のレッスンで麗しい貴婦人に変貌する、オードリー・ヘプバーン主演の映画(1964年)でも知られる本作は、1956年にニューヨークで初演され、日本では “日本人が日本語で上演した初のブロードウェイミュージカル”として1963年に初演され、今年55周年を迎える作品。今回、イライザとヒギンズは、朝夏と寺脇、神田と別所がそれぞれ固定コンビで出演する。冒頭、朝夏と神田が劇中歌を披露。神田が『だったらいいな』、朝夏が『じっとしていられない』を歌い上げ、会場は拍手に包まれた。会見では、2013年、2016年に続き3度目の演出を手掛けるG2が「この仕事をいただいたときに“あと50年、全部で100年続けたい”と言われました。長く続けるためには“今を生きる人の感覚を”と、歌詞、台詞、全てを書き変え、当時はやってなかったシーンを復活させたり構成を変えたりしました」と振り返り、「今回はそれに加え、人間ドラマを深く、ひとりひとりのキャラクターが胸に迫るような演出を加えていきたい」と今作への挑戦を語る。昨年11月に退団した宝塚歌劇団では男役トップスターを務めていた朝夏は「今までとは全く違うことに挑戦していく」と退団後初のミュージカル&女性役への喜びと緊張を明かし、「G2さんと共演者の皆様からたくさん勉強させていただいて、新しい道をしっかりとがんばっていきたい」と意気込みを語る。神田は「イライザを目指してミュージカルを志したところがありますので、決まったときは泣き崩れましたし、大声で叫びました」と出演を喜び、「私であった意味というのをちゃんと見つけたいですし、みなさまにもそれを提示していきたい」と熱くコメント。寺脇は「今回一新されたキャストの中で、僕は3作連続で出演させていただきます。“もういいよ!”と言われないように、新しいヒギンズをつくっていけたら」、別所は「僕にとってミュージカルは表現の場として大切にしてきた世界。『レ・ミゼラブル』で親子役を演じた沙也加さんと新たに共演させていただくことにも喜びを覚えています」と話した。笑いの絶えない会見に「お稽古も刺激がたくさんで笑い声がいっぱいになるんじゃないかな」(神田)と期待も高まる公演は、9月16日(日)から30日(日)の東京・東急シアターオーブでの上演を皮切りに全国を巡演。取材・文・撮影:中川實穂
2018年05月25日宝塚歌劇団星組トップスター・紅ゆずるが、自身初の宝塚大劇場オリジナル主演作に挑む。ミュージカル『ベルリン、わが愛』は、演劇賞を受賞した『For the people ―リンカーン 自由を求めた男―』の原田諒による新作。1920年代から30年代のベルリンを舞台に、ナチスの圧力に抗い映画作りに邁進した人々が描かれる。【チケット情報はこちら】ポスターの扮装でもクラシカルで粋な雰囲気を出していた紅。「私はコスチューム系が多く、スーツものでの主演作はあまりないので、(スーツものならではの)様式美や佇まい、レトロな格好良さを出せたらと思います」と新たな男役像に意気込む。紅が演じるテオ・ヴェーグマンは、のちにヨーロッパ初のトーキ―映画を手掛ける映画監督。陰と陽、両方の面がある大人の男性だという。「“芯”が燃えているからこそ行動に出る情熱的な人。戦争との距離感など役作りは難しいです。ただ最初は戦争の影がないところから始まりますし、決して重たい作品ではありません。色々な困難を乗り越えて彼自身成長していく物語です」映画監督の「こだわりが強いところ」は自身と似ているとも。「稽古をしていて“違う”と思ったら、そのままにせず『もう一度させてください』と先生にお願いします。つかみきれないまま、スーッと流れてしまうのが嫌なんです」と笑う。星組トップスターに就任し約10か月。「組全体をすごく見るようになりました。例えばお稽古場でも『あの早替わりは間に合うのかな』とか、自分の場面だけではなく他の場面も気になります」。その広い視野とモチベーションの高さは今作の役で存分に活かされるだろう。同時上演の『Bouquet de TAKARAZUKA(ブーケ ド タカラヅカ)』は、ベテラン演出家・酒井澄夫が手掛けるレビュー。タカラヅカレビュー90周年を記念し、宝塚の名曲や新しいスパニッシュの場面などでバラエティ豊かに綴る。「最近の宝塚のショーとは一風違う、王道のレビューです。酒井先生は歌や踊りにも“どういう物語を感じるのか”など、内面からのアプローチを要求されるので、お稽古も楽しいです」と充実した笑顔を見せる。今年11月には紅と同期である宙組トップスター・朝夏まなとが退団する。先日朝夏の舞台を観劇した紅は、「(宝塚音楽学校の)予科のときから仲が良かったんです。トップスターとして今すごく輝いていて、『あの時の女の子が、よくぞここまで』と思いました」と嬉しそうに話す。来年は台湾公演も控えている紅。「私も頑張ります!」と明るく言い放つ言葉の裏に、宝塚歌劇団を頼もしく導く覚悟を感じた。公演は兵庫・宝塚大劇場にて9月29日(金)から11月6日(月)まで上演。チケットは発売中。東京宝塚劇場公演は11月24日(金)から12月24日(日)まで。10月22日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年09月25日宙組トップスター・朝夏(あさか)まなとの退団公演『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』『クラシカル・ビジュー』が、8月18日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇宙組ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~/レヴューロマン『クラシカル ビジュー』チケット情報第一幕の『神々の土地』は、帝政末期のロシアが舞台。ロシア最後の皇帝・ニコライ二世の従兄弟で有能な軍人ドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフが主人公で、王朝を救う道を模索する男の葛藤と生き様を描いた物語だ。革命活動家が皇帝ニコライ二世に向けて銃を向けるプロローグ。皇帝をかばったセルゲイ大公が命を落とし、幕開きからピンと張り詰めた空気が流れる。ドミトリーは、伯父であるセルゲイ大公の屋敷に身を寄せ、大公亡き後も大公妃イリナのもとで過ごしてきたが、皇帝一家を護るべく帝都ペトログラードへと転任。そこでは怪僧ラスプーチンが皇帝一家を操っていた…。歴史上の人物やラスプーチン暗殺の史実などに架空のエピソードを加えて、重厚な物語を紡ぎ出している。朝夏が演じるのは、皇帝一家と民衆の間に立ち、平和的な解決策を探るドミトリー。気品があり、真っすぐで、国のことを第一に考えて行動する様はトップとして組を率いてきた朝夏の姿にも重なる。男役の集大成にぴったりの役柄だ。次期トップが発表された真風涼帆(まかぜ・すずほ)は、青年貴族でドミトリーの旧友フェリックス・ユスポフ役。貴族として高いプライドと理想を持つ人物を、クールに表現している。皇帝一家を操るラスプーチンを演じるのは、愛月(あいづき)ひかる。登場するだけで空気が一変するような不気味さを漂わせながら演じている。暗殺シーンも見どころの一つだ。また、冷たい空気が流れるような描写は、ロシアを舞台にした物語ならでは。寒々しい雪原の中、ドミトリーと伶美(れいみ)うらら演じるイリナが踊る場面はため息が漏れるほど美しい。第二幕の『クラシカル・ビジュー』は、宝石をテーマにしたレヴュー。稲葉太地演出によるエネルギッシュなステージだ。宇宙をイメージしたプロローグで、色とりどりの星が浮かぶ。そしてダイヤモンドのように煌めくシルバーの衣裳をまとった朝夏を中心に、総踊りで宙組の圧倒的なパワーを見せつけ、観客をグイグイと惹き込んでいく。朝夏と真風のリフト、朝夏と同時退団する伶美とのデュエット、組子が朝夏を囲むシーン、黒燕尾姿の朝夏がソロで踊るシーンなど、見せ場が満載。朝夏をはじめ、宙組の多彩な色を感じられるステージとなっている。公演は、9月25日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、10月13日(金)から11月19日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは発売中。取材・文:黒石悦子
2017年08月23日宙組トップスター・朝夏(あさか)まなとが、大劇場公演『神々の土地』『クラシカル ビジュー』で宝塚歌劇団を退団する。稽古に励む今、「最後の作品を最高の舞台にしたい、と没頭しています。芝居とレヴュー、それぞれの世界が濃くて切り替えが大変です」と笑顔で語る。宝塚歌劇宙組 チケット情報ミュージカル・プレイ『神々の土地』は、朝夏の主演作『翼ある人びと ―ブラームスとクララ・シューマン―』を手掛けた演出家・上田久美子の書き下ろし。革命の気運が高まるなか、ロマノフ家の一員として王朝を救う道を模索するドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフを演じる。「皇族側と民衆側の両方を客観的に見ながら最良の道を考える人物です。行動力があり、機が熟すまで待つ大人の男性。上田先生には『明るくて聡明な中に少し翳りのあるところが持ち味に合うのでは』と仰っていただきました」。彼の国を想う部分が、組を想うトップという立場と自然に重なると言う。またドミトリーに大きく絡む女性がふたりいることも今作の興味深いところ。伶美(れいみ)うらら演じる大公妃イリナと、星風(ほしかぜ)まどか演じる皇女オリガだ。「愛なのか恋なのか家族愛なのか…はっきり言葉にできない深い想いがイリナに対してあり、オリガにも情愛を抱き、それぞれに軽いうわついたものでない愛情があるところが描かれています」と熱い眼差しで語る。レヴューロマン『クラシカル ビジュー』は、宙組らしく宇宙のプロローグから始まる。「夢の扉が開くようなワクワクする音楽とダンスです」。ダンスの名手でもある朝夏に、黒燕尾でのソロのダンスも用意された。「自分の培ってきたものを下級生に継承する意味でも大切な場面ですし、今できるこれ以上ない表現を追究したいです」。2015年のトップ就任以降、『TOP HAT』『王家に捧ぐ歌』などに主演し様々な魅力を見せてきた。「自分自身ここまで来れると思っていなかった。支えてくれた周りの方々のおかげです。毎公演大きな壁を乗り越える感じでしたが、とても充実していました」。次期宙組トップスターの真風涼帆(まかぜ・すずほ)にも、「彼女がいてくれて作品の幅なども広がり、すごく感謝しています」と言葉を紡ぐ。「今の宙組は一人一人の意識が高く、いい意味でリラックスしていると思う」。そんな宙組での毎日が満たされているからこそ、退団後のことは全く考えが及ばないと明るく言い切る。「今はただ、宝塚で得たものを最後の舞台で表現し尽くしたいという想いです」。公演は兵庫・宝塚大劇場にて8月18日(金)から9月25日(月)まで。チケット発売中。東京宝塚劇場公演は10月13日(金)から11月19日(日)まで。9月10日(日)より一般発売が開始される。取材・文:小野寺亜紀
2017年08月08日宝塚歌劇宙組公演『王妃の館 -Chateau de la Reine-』『VIVA!FESTA!』の制作発表が10月26日、都内にて行われた。今月半ばに大盛況の中、人気作『エリザベート』の千秋楽を迎えたばかりのトップコンビ、朝夏まなと、実咲凜音のほか、『王妃の館』原作者の浅田次郎も登壇。公演への意気込みと期待が語られた。宝塚歌劇宙組『王妃の館』チケット情報『王妃の館』はパリの高級ホテルを舞台に、高額ツアーと格安ツアーそれぞれに同じ客室を使わせるという旅行会社の企みのもと、集まった風変わりな人々が様々な騒動を繰り広げるコメディ。原作の浅田は「これはお笑い小説。徹頭徹尾、おやじギャグを散りばめた不思議な小説です」とキッパリ。その中でトップスター・朝夏まなとが扮するのは、セレブ気取りの恋愛小説家、北白川右京。朝夏も「つい10日前まで(『エリザベート』の主役である)黄泉の帝王として君臨していましたが、10日後にはこのようにショッキングピンクのスーツを着て…。とても緊張しました」と苦笑気味だが、「コメディは、自分の意図したものと反して出たものがお客様のウケが良かったりする。予測できないところが難しくもあり、それが上手くいったときの楽しさ、嬉しさがある。大劇場でコメディ作品に挑戦できるのがとても楽しみ。この素晴らしい小説を皆さまに喜んでいただける舞台としてお届けしたい」と意気込む。その朝夏扮する北白川右京を見た浅田は「私はわりと地味なのですが、作家は本当はこうでなきゃいけない!すごく羨ましい。こういう作家に早いうちになっておけばよかった。デビューした時にカツラを被っておくとか、もっと派手なファッションにするとかすれば、私の方向も違ったのかも」と後悔しきり(?)だったが、「実は宝塚の舞台を観たことがなかった。ミュージカルが好きなので興味があったのですが、どうも男ひとりで行くのが気が引けて…。今回望外なことに『王妃の館』の舞台化ということを訊きまして、躍り上がって喜んだ」とのエピソードも。また作中で弱小旅行代理店の女社長・桜井玲子に扮する実咲は、今回が退団公演となる。「今日このように舞台でパフォーマンスをし、コメディの難しさを感じました。最後の公演となりますが、課題はたくさんある。新しい自分をお見せできるよう頑張りたい」と意気込みを語った。後半のショー『VIVA! FESTA!』は世界各地のFESTAをテーマにしたスーパー・レビュー。日本最初のレビュー『モン・パリ』誕生から90周年の記念すべき年に上演される新作として、こちらも注目されている。公演は2017年2月3日(金)から3月6日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、3月31日(金)から4月30日(日)まで東京宝塚劇場で上演される。
2016年10月27日1996年に宝塚歌劇で初演され、今年で20周年を迎えたミュージカル『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』が、トップスター・朝夏(あさか)まなと率いる宙組により上演。7月22日、兵庫・宝塚大劇場にて幕を開けた。宝塚歌劇宙組『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』チケット情報19世紀末に実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后エリザベートの生涯を、黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いた本作。一度聴くと耳から離れないほどに美しい楽曲の数々で彩られた名作で、歌唱での表現力も重要な要素となる。宝塚版ではトートを主役に置き換えたオリジナルの演出がつけられ、歴代のトップスターが上演のたびに新たなトート像を作り上げてきた。9代目のトートとなる朝夏。手足の長い美しいスタイルの朝夏トートは、艶めかしく冷たいオーラを放ち、それでいて情熱的にエリザベートへの愛を見せる。そのバランスが絶妙で、眼差しや指先の動きも、観る者をゾクッとさせるほどに妖しい。エリザベートを演じるのはトップ娘役・実咲凜音(みさき・りおん)。活発な少女時代では澄んだ歌声で「パパみたいに自由に生きたい」と、無邪気に歌い上げる。一方で、オーストリー=ハンガリー帝国の皇后となった後は、皇太后ゾフィーの厳しい教育に苦悶。孤独に耐えながら精神的な強さを身に着け、「私のためだけに生きる」と決意したときには凛とした目、佇まいで惹きつける。しかし美貌が衰えることへの焦り、皇帝フランツの不貞…と、精神的に追い詰められていく様は、痛々しさを感じるほどだ。さらに真風涼帆(まかぜ・すずほ)が、柔らかな語り口と優しい雰囲気をまとい、皇帝フランツを表現。エリザベートに深い愛を抱く一方で、皇后ゾフィーには逆らえない弱さも。次第にすれ違っていくフランツとエリザベート。想いが届かないもどかしさを丁寧に見せている。そして、狂言回し的な役どころである暗殺者ルイジ・ルキーニを演じるのは、愛月(あいづき)ひかる。鋭い目でルキーニの狂気を表し、軽快なセリフ回しやアドリブで観客の笑いを誘いながら、物語を運ぶ。皇太子ルドルフは澄輝(すみき)さやと、蒼羽(そらはね)りく、桜木みなとの3人が役替わり。この日は桜木みなとが、ルドルフの孤独や寂しさを滲ませながら好演した。それぞれに歌唱力が高く、ソロナンバーはもちろん、ハーモニーも心地良く胸に響く。集団でのコーラスや群舞も迫力があり、20周年の『エリザベート』にふさわしい仕上がりになっている。兵庫・宝塚大劇場公演は8月22日(月)まで。東京宝塚劇場では9月9日(金)から10月16日(日)まで上演される。東京公演は8月7日(日)より一般発売開始。現在先行抽選販売(プレリザーブ)を8月3日(水)11:00まで申し込み受付中。取材・文/黒石悦子
2016年07月28日