元おニャン子クラブのメンバーでタレントの内海和子が26日に自身のアメブロを更新。50本をまとめて注文した100円ショップ『Seria(セリア)』の品を紹介した。この日、内海は「セリアさんでまとめ買いしたハンガー」と『セリア』での購入品を写真とともに紹介。「ブラウスなどは滑らないハンガーにしたり服によって変えています」と明かし「これは、先が少し幅広になっていてスプリングコートや軽量の中綿コート」「ならこれで大丈夫」と説明。「当然ながらニットは滑りやすく不向きです」と補足した。続けて「ハンガーってバラバラだと空間の無駄遣いが大きくて」と述べ「揃えるだけで見た目もスッキリするし収納量も増えます」と説明。「畳まない収納が性に合ってる私には非常に大事なテクニックでした」と明かしつつ「悩みは、重めのコートやスーツ これもまたハンガーを見つけて揃えたい」とコメントした。また「家事室での室内干しにも使うので結局50本、セリアさんでまとめて注文」と報告し「時間のある時にハンガーの整理を続けていますがいつ終わる事やら....」とつづり、ブログを締めくくった。
2024年03月27日ホラー映画の金字塔『オーメン』の前日譚を描く『オーメン:ザ・ファースト』より本予告と本ポスターが解禁された。6月6日午前6時に誕生した悪魔の子・ダミアンと、彼をとりまく人々の戦慄の連続死を描いた『オーメン』(1976)。本作ではダミアン誕生の秘密と、そこに隠された戦慄の真実を描く。物語の舞台となるのは、イタリア・ローマに位置するとある教会。奉仕生活を始めるためにやってきたアメリカ人修練生マーガレット(ネル・タイガー・フリー)が修道院に預けられた少女カルリータ(ニコール・ソラス)と出会い、やがて恐るべき真相に辿り着く…。主役のマーガレットを演じるのは、テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」やM・ナイト・シャマラン製作総指揮のApple TV+のオリジナル作品「サーヴァントターナー家の子守」で注目を集めたネル・タイガー・フリー。大のホラー映画好きでもある彼女は、「この映画は紛れもなく前日譚」とコメントし、「つまり『オーメン』ユニバースの始まりです。だから理論的には一番大切なパートということにもなる。『オーメン』で起こった出来事の前に何があったのか、ダミアンの背後には誰がいたのか、そういう疑問の答えを観客はついに知ることができる」と、全世界に衝撃と興奮を届けてきた「オーメン」シリーズファンには見逃せない一作だと自信をみせる。一方で、本作を手掛けたアルカシャ・スティーブンソン監督は、「だけど私たちは、これ一本だけでも成り立つ物語を創作することを重要視していました。もちろん1976年の『オーメン』も見てほしいですが、私たち独自のメッセージもこの映画で伝えているのです」と、シリーズ初挑戦の人にとっても楽しめる一作なのだとコメントしている。人々の信仰心を取り戻すため手段を選ばない教会側の陰謀に巻き込まれてしまったカルリータやマーガレット。この度解禁された映像では、彼女らの周囲で、おぞましい出来事が次々と起こっていく。中には、初代『オーメン』公開当時全世界に戦慄が走った、何かに取り憑かれたように不穏な笑みを浮かべ、「すべて あなたのためよ」と建物の上から身を投げた乳母を彷彿とさせる修道女の姿や、6月6日午前6時に誕生したダミアンを象徴する悪魔の数字“666”が誰かの頭部に浮かび上がっているのが見て取れる。実はこれらは全て、カルリータらに不吉な出来事が起こる予兆(オーメン)。果たしてこの後彼女らの身に何が起こるのか…。また映像の終盤には、暗い部屋の片隅で「こんな事 ありえないわ…」と頭を抱え蹲るマーガレットの声に、「すべて現実だ」という女性の声が重なる。この声は幻聴なのか?それとも教会の誰かの声なのか?併せて新たに解禁された本ポスターは、赤と黒の2色で描かれた修道女と逆さ十字の影という何かを暗示するようなデザイン。本来は神聖な存在である修道女の影が悪魔崇拝を表す逆さ十字という相反するデザインは、ダミアンを生み出そうとする教会の陰謀を表しているかのようだ。果たしてマーガレットが知ることとなる衝撃の真実とは一体…?期待の高まるビジュアルとなっている。『オーメン:ザ・ファースト』は4月5日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:オーメン:ザ・ファースト 2024年4月5日より全国にて公開© 2024 20th Century Studios. All Rights Reserved.
2024年03月19日女優の南沙良が主演を務める映画『この子は邪悪』(9月1日公開)の本予告映像と本ビジュアルが8日に公開された。同作はオリジナル作品の企画コンテスト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2017」の準グランプリ作品の映画化作。心理療法室院長・窪司朗(玉木宏)の娘である花(南)はかつて一家で交通事故に遭い、司朗は足に後遺症が残り母(桜井ユキ)は植物状態、妹は顔に重度の火傷を負った。その事故で心に深い傷を抱えていた花のもとに、母の心神喪失の原因を探る高校生・四井純(大西流星)が訪れる。花は純と次第に心を通わせていくが、ある日突然、司朗が5年間の植物状態から目を覚ました母を連れて家に帰ってくる。司朗は「奇跡が起きた」と久しぶりの家族団らんを喜ぶが、花は「この人、お母さんじゃない」と違和感を覚える。本予告は家族4人が不慮の事故に遭うシーンから始まる。心に傷を負った少女・窪花の前に幼馴染の少年・四井純が突然現れ、脚に障害が残った心理療法士の父・司朗が、植物状態から目を覚ました元気な母・繭子を連れて帰って来る。ところが、花は嬉しそうな家族の雰囲気に馴染めず「お母さんが帰ってきた時、何か違和感があったの」と純に打ち明ける。純は繭子について「あの人、お母さんのふりをしているんじゃない?」と疑い、司朗に対しても「退行催眠について調べたんだ。洗脳みたいな事も出来るんじゃないの?」と話す。さらに、純は顔に火傷を負ったマスク姿の妹・月についても「事故の後、月ちゃんの顔をしっかりと見た事ある?」と尋ね、「調べたい事がある。これで5人目。もしかしたら全部繋がっているのかもしれない」と、2人で謎を解いていく様子が収められている。主題歌はゲスの極み乙女が書き下ろした「悪夢のおまけ」に決定。ボーカル/ギターの川谷絵音は、「ゲスの極み乙女では『泣きながら踊る』をテーマに曲を書いてきましたが、今回は『壊れながら踊る』が根本にあります。それは映画を見ればわかります。『どちらも正しくないとしたら壊すしかなくなる』。歌詞の一節。新しい『ゲスの極み乙女』と『この子は邪悪』、期待してください」とコメントを寄せている。(C)2022「この子は邪悪」製作委員会
2022年07月08日■前回のあらすじ小学1年の時、大事な歌の本をなくしてしまい、隣のきみちゃんに見せてもらうことになりました。しかし、きみちゃんが落とした歌の本を代わりに拾おうとしたところ、一瞬自分の名前が書かれていたように見えたのです。 私が小学校1年生だった冬。6年間使う「歌の本」をなくしてしまいました。なくなったと思っていた歌の本。しかし事態はそこから思わぬ方向に展開したのでした。歌の本をいっしょに見せてくれていたきみちゃんは、集会が終わると持っていた本を落としてしまいました。その時パッと本に目をやった瞬間、私の名前が消された跡のようなものが見えたのですが…。落とした歌の本はきみちゃんが慌てて拾い上げたので、私は実際それが本当に自分の名前が消されたものだったのか半信半疑でした。一瞬の出来事だったので、そう見えただけかな? きみちゃんが自分の名前を書き間違えただけだよね。まだ小学1年生だった私はこの時良くも悪くも人を疑うことに関して未熟だったのでそう思ったのでした。今なら「ちょ…!!私の!!?盗られてる!?!?」と疑いますがこの時はそういった考えが全く湧いてきませんでした。その日、家でも探しましたが歌の本は出てこず。そしてその後も数週間、歌の集会ではきみちゃんが歌の本を貸してくれていました。しかしいつまでたっても出てこない歌の本をこれ以上探しても無理だろうと先生から再購入を打診されました。なくしてしまったショックと親に怒られる心配で、ものすごく気持ちが沈んだのを覚えています。しかし…なんと、学校の机から出てきたのです。何度もひっくり返した机の引き出しから。見つけた瞬間、奇跡が起きたと歓喜しました。それも束の間。恐る恐る裏返して見た背表紙には、消された私の名前。と、さらに消されたきみちゃんの名前。その上にまた書かれた私の名前。この時は「盗られた」という事実がまだ受け止めきれていなかった私は、大好きだった母の字が殴り消されていたことの方がショックだったのを今でも覚えています。戻ってきた私の歌の本。なんできみちゃんは私の歌の本を盗ったのか。それがわかるのはもっと時間が経ってからのことでした。つづく
2022年03月30日ゲームがやめられないなど発達障害あるある30事例と解決方法を掲載!ーー『家庭で育てる発達が気になる子の実行機能』本書は、編著者の鴨下賢一さんを中心に、5人の作業療法士が執筆を担当しており、宿題をしない、ゲームをやめられないといった家庭でのお子さんの困った行動に対してアプローチしています。鴨下さんは、実行機能を育てる実践家。児童発達支援や放課後等デイサービスなどの事業を展開し、発達が気になる子どもの家庭への療育指導をしています。また福祉機器の開発も多く手掛けており、そんな著者だからこそ、理論だけでなく、実際にどうしたらいいの?ということが具体的に、わかりやすく書かれています。子どもたちは成長とともに、それほど意識しなくても、スムーズに毎日を過ごす力を身につけていきます。しかし、発達が気になる子どもは、その背景にある機能をちょっと意識して、周囲の大人が手助けする必要があります。ただ適切に手助けすることは容易ではありません。本書は、保護者の方が子どもをどう手助けすればいいんだろうと困ったときに、自身の対応を考え直すサポートをしてくれる一冊です。心理・知能検査の結果の見方・活かし方が分かるーー『子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』本書は、心理検査や知能検査について、「検査とはどんなものか」「なんのために検査を行うのか」「検査結果の難しい内容や専門用語」などについて、分かりやすく解説しています。また検査結果をもとに子どもを理解し、子どもを中心としたチーム支援を行うことの重要性や具体的な方法なども紹介しています。検査を受けるにあたって、検査に出てくる用語やおおよその内容を知っておくことは、不安や緊張感を和らげてくれます。また、検査は受けて終わりではなく、結果をどう受け止め、どう支援に生かしていくかも重要な問題です。本書ではそういった、検査を受ける前にどんなことを知っておくべきかというところから、検査の後に結果をどう活用するべきなのかというところまで詳細に解説しています。子ども・保護者、そして子どもに関わるすべての支援者が、必要な支援を共有し実施するための一助となる1冊です。実行機能、マインドフルネス、ジェンダー...3つのテーマで自分を知るーー『10代の心理をサポートするワークブック』シリーズ本シリーズは、「実行機能トレーニング」「マインドフルネストレーニング」「ジェンダークエストトレーニング」の3冊によって構成されています。10代の人たちが抱えている生きづらさに着目し、具体的にどうしたら「自分らしく」生きていけるようになるのかを細かい段階に分けて理解し、トレーニングできる本です。本を開くと、問題集のように自分で書き込むスペースが用意されています。また、参考書のようにたくさんのコラムがあり、それぞれのテーマをわかりやすくするための考え方、アドバイスや実例エピソードが登場するのでスムーズに学習を進めることができます。「実行機能」「マインドフルネス」「ジェンダークエスト」と、それぞれ全く違うテーマのトレーニングブックですが、3冊に共通している点が2つあります。1つは、「止まる」ことによって自分自身を客観的に見るトレーニングが大切だということ。もう1つは、「正解がない」ということ。そんな、学校では教えてくれないテーマに取り組むワークによって、10代の人が自分らしく生きていくための方法を身につけていけるのが『10代の心理をサポートするワークブックシリーズ』です。障害のある方のケアから誕生した、『おうちでタッチケア ぐるーみん』本書の著者は、整体師でありながら発達障害のある2児の母でもある、三宮華子さん。「ぐるーみん」はそんな三宮さんが独自に考案した、発達障害の子どもの体と心をほぐすプログラムです。これまで整体師として、300人以上の障害のある方の身体にふれた経験を持つ三宮さんは「障害のある方達は心身の緊張が強い傾向にあり、それによって身体の不調が生じている」といいます。本書では、そんな障害のある方たちが抱えやすい身体の不調について詳しく解説し、自宅で行える対処法についても記しています。また保護者が子どもに施術を行うことも想定し、図や写真なども交えながら詳しいやり方も紹介しています。「ぐるーみん」の特徴は誰でも簡単にでき、ケアする側の力をあまり必要としないことです。心身のコンディションを向上させるヒントがたくさん詰まった本書、ぜひ手に取り、親子で実践してみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2020年12月05日アメリカで生まれた『パンツマンたんじょうのひみつ』という本があります。全米でシリーズ5,000万部を突破したメガヒット児童文学で、『スーパーヒーロー・パンツマン』というタイトルで映画化もされました。子どもたちに熱狂的に受け入れられ、世界20言語に翻訳され、シリーズの続編も数多く出ています。イギリスで生まれた『トム・ゲイツ──トホホな毎日』という本もあります。こちらはイギリスの児童文学賞であるロアルド・ダール賞をはじめとするさまざまな賞を受けており、日本国内のインターナショナルスクールの子どもたちが選ぶ児童書としても大賞を取りました。世界41言語で翻訳出版されている世界的ベストセラーシリーズで、子どもたちが続編を常に待っているような作品です。本好きな子はもちろん、本嫌いな子どもにも愛される作品群さて、この2つの大人気シリーズの共通点は何でしょう。まず、どちらも小学生の男の子が主人公で、イラストがふんだんに入っていて、ユーモラスなストーリーが特徴的です。本を読むのが苦手な子どもも「パンツマンだけは好き!」「トム・ゲイツなら読める!」と言うことで定評があります。どちらも対象年齢は小学校中学年ぐらいですが、本が好きな子どもたちはもっと早くに手をのばすことでも知られています。我が家の上の子は、8歳のときにイギリスに来ましたから、来たばかりの頃は英語の読みがほかの子どもよりも遅れていました。ところが『パンツマンたんじょうのひみつ』は手渡されるなり夢中になって読み始め、ものすごい勢いでシリーズを読破したのです。日本語での読書から英語での読書への橋渡しとなった物語として、私にとっても思い出の深い作品です。決して堅苦しい本ではありません。わははと笑いながらページをめくるような本です。ですから、特に『パンツマン』発売当初は「馬鹿馬鹿しい」と評価が分かれたりしました。それでも子どもたちの圧倒的な支持を得て世界的ベストセラーになったのです。成績向上・心の健康にも! 「本好き」のメリット人によっては評価が分かれるような本をなぜわざわざご紹介するのかと、不思議に思われるかもしれませんね。これについては、映画にもなった人気作『ヒックとドラゴン』の著者、クレシッダ・コーウェルが新聞記事の中で見事に説明をしてくれています。小さな子どもにとって、読書を楽しむことは、さまざまなメリットがあるのです。勉強との結びつきはすぐに思いつきますね。実際に読書を「楽しんで」いる子どもの「楽しみ」と成績の関係については多くの研究があります。また最近では、読書を「楽しいと感じている」ことと、メンタルヘルスの関係も指摘されています。本を読むことの喜びを知ることは、学力向上につながるだけでなく、心を守ることにも一役買ってくれるのですね。だからこそ、コーウェルは「本を読みたがらない子どもを念頭に置いて物語を書いている」と語っています。「良い本と出会う」のと同じくらい、「楽しめる本に出会う」ことも大切なのです。学習障害を持つ作者による、全ての子どもに贈る本さて、テレビやゲーム、インターネットの動画など、さまざまな競争相手をおしのけて子どもたちに選ばれるこの2作品。じつはもうひとつ、聞かされてみると、「なるほど」と納得する共通点があります。じつは、『パンツマン』も『トム・ゲイツ』も学習障害を持つ著者によって書かれた作品なのです。『パンツマン』シリーズの作者であるデイヴ・ピルキーは、ディスレクシアとADHDを両方持っています。そんな彼は、小学生のころ、しょっちゅう教室から出されていたのだとか。手に負えない行動をとるので、先生が廊下に出したのです。そこで漫画を描いていた彼に、ひとりの教師は「こんな馬鹿な本ばかり書いて一生暮らしていくわけにいかないでしょう」と言ったといいます。「幸い、僕は人の言うことを聞かない子どもだったのです」とデイブ・ピルキーはのちに語っています。まさに、そういった本ばかりを書いて生活できるようになったわけなので、その先生は間違っていたわけですね。「あんなに問題児だった僕が、たくさん本を出せるんだから、どんな子どもにだって希望はあるんだ」と彼は話します。子どもを引きつけて離さないしかけの秘密『トム・ゲイツ』を書いたリズ・ピーションもまた、ディスレクシアの作家です。子どもの頃の自分の読解力はほかの子たちより1年ほど遅れていたように思う、とどこかで話していましたが、それだけではなく、ピーションはディスレクシアの子どもを持つ母親でもあります。自分が子ども時代に「パッと見てすぐにわかる」物語が好きだったこと。同じくディスレクシアを持つ自分の子どもが、イラストのふんだんに入った『パンツマン』シリーズを楽しんでいたこと。子どもの好奇心はどんどんあちらこちらへと移っていくという実感があること。『トム・ゲイツ』シリーズは、そういった作者の経験が生み出した作品だとも言えます。じっと座って本を読むことが苦手だった作者だからこそ、子どもを引きつけて離さないしかけや工夫をこらした物語を作ることができたのです。本シリーズは、決して学習障害を持った子どもたちをターゲットにした本ではありません。広く一般に児童書として出版されています。そうでありながら、学習障害を持つ子どももそうでない子も、多くの子どもたちが愛し、手に取る作品群に仕上がっています。「ディスレクシアだからといって本を読む楽しみを諦めることはない」と、ピーションは言います。まさに、全ての子どもに贈る、「楽しむこと」を一番の目的に掲げた物語群です。イギリスでは「本なんて嫌い!」とそっぽを向く子どもたちに、まずオススメされる物語でもあります。読書の楽しみは、どんな子どもにも広く開かれているこの2作品の作者が一貫して出しているメッセージは、学習障害を持っているからといって、本を読んだり書いたりできないわけではないということ。そして、物語の持つ豊かな楽しみは、どんな子どもにも広く開かれているということーー今すでに読書が好きな子どもにも、今はまだ読書が苦手な子どもにも。じつは、学習障害を持っていることを明らかにしている作家は、ピルキーやピーションだけではありません。大人向けの小説を書いている人を含めれば人数はずっと増えますし、過去の作家でもたとえば、推理小説家のアガサ・クリスティーのような有名な作家が、ディスレクシアを持っていた可能性が高いと言われています。デイブ・ピルキーは自分の学習障害について、「スーパーパワーだ」と言っています。学習障害があるからこそ、物語を作るときにどうやって表現するべきなのか、とても深く考えることになったのだと。自分のおかれた「人とは違う部分」を強みに変えていく作家たちの子ども向けの作品が、広く子どもに支持されているのは、当然と言えば当然ですが、同時にとても心強くもなるのです。(参考)“Meet Dav Pilkey” Author|Dav PilkeyDav Pilkey (author of “Captain Underpants”) talks about his favorite teacher (Original Version) |Youtube“Dav Pilkey Sees ADHD and Dyslexia as His Superpowers”|UnderstoodAmy Packham “Why Children With Dyslexia And Reluctant Readers Are Inspired By Liz Pichon’s Unique Books”、Huffington Post UK, June 22, 2016|HuffPostCressida Cowell, “If we want our children to thrive, teaching them to read is not enough – they must learn to enjoy it” in Independent, 4 December 2018|The Independent“Mental wellbeing, reading and writing” Added 26 Sep 2018|National Literacy Trustdav pilkey bio.Scholastic UK signs more Tom Gates|The BooksellerCaptain Underpants Saves The Day By Recruiting Top Comedy Talent To Voice New DreamWorks Animation Film|CISION PR Newswire
2020年03月04日マンガ『あした死ぬには、』について、作者の雁 須磨子さんにお話を聞きました。思いもしなかった自分と出会う40代女性の悲喜こもごも。40代の壁、という言葉をご存じだろうか。20代、30代は心も体もノリノリで、ある程度の無理もきく。ところが40代になると、疲れが取れにくくなったり、それまでかかったことのない病気に襲われたり。思わぬところに不調が現れ、見て見ぬふりをしていた老後やお金の不安が、突如実像として目の前に立ちはだかる。本作はそんな40代女性のリアルを描き、当事者はもちろん、未来の40代をざわつかせている。「40代になってから起こった変化に自分でも驚いたことがたくさんあったので、マンガにしたら面白いかな、と思いました。キャラクターに関しては、結婚や出産経験のあるなしなど、境遇が違っても気持ちが重なるところ、共有できるつらさや楽しさみたいなのを目安に描いています。でもまったくわかり合えないのも、それはそれで面白いですよね」主人公の本奈多子(ほんなさわこ)は42歳、独身。映画宣伝会社に勤めていて、ただでさえハードワークなのに、できない上司の“お守り”に苛立つ日々。ある晩、動悸が止まらなくなって、更年期障害を疑う。「『気持ちが年齢に追い越されるような気がするけど』の『けど』の先を考えたりしたいです。ついていく必要性があるのかなという疑問と、ついていく楽しさを混ぜつつ」対して、多子と中学の同級生だった小宮塔子は、23歳で結婚して大学生の娘がいる。子育てが一段落して、ファミレスでパートを始めるのだが、おばさん扱いされたり、されなかったりするたびに一喜一憂して、モヤモヤ……。しかしこの物語は、年を取ることをネガティブに捉えているわけでは決してない。多子や塔子が、今までと同じはずなのにどこか違う自分に戸惑いつつ、折り合いをつけようとする様は、世代や性別を問わず共感できるだろう。「年齢を重ねるプラス面は過去がちゃんとあることですかね。過ぎゆかないと過去はできませんもんね。時間は等分で、未来への不安は誰しも変わらないのかなと思います」40代女性の右往左往は、どこへ向かうのか。すこやかに明日を生きていくための必読書だ。雁 須磨子『あした死ぬには、』1バリバリ働いてきた独身の多子と、パートとして久々に働き始めた主婦の塔子。異なる人生を歩んできた40代女性の問題を、コミカルに描くオムニバス。太田出版1200円©雁須磨子/太田出版かり・すまこマンガ家。1994年デビュー。女性誌、青年誌、BLまで幅広く活躍。著書に『どいつもこいつも』『感覚・ソーダファウンテン』『胸にとげさすことばかり』など。※『anan』2019年8月28日号より。写真・中島慶子インタビュー、文・兵藤育子(by anan編集部)
2019年08月22日図書館や本屋にはたくさんの本があふれていますが、子どもにはどんな本をすすめたらよいのでしょうか?物語が好きな子や、図鑑ばかりの子など、子どもの本の好みもさまざまです。『読書力アップ! 学校図書館の本のえらび方』や『今こそ読みたい児童文学100』などの著書がある児童文学評論家の赤木かん子さんに、子どもに適した本の選び方をお聞きしました。編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)乱読で感覚が養われる本には推奨年齢や学年が書いてあります。ですが、子どもによって好みや成長は違います。基本的にはしごくシンプルに、子どもに ”好きな本を” “好きなように”読ませてあげればいいのです。具体的には、公共図書館に連れていって、子どもが持ってきた本は何でも「ああいいよ、いいよ」といって読んであげる……本屋さんに行って、その子が欲しいというものを「ああいいよ、いいよ」といって買い与える……という姿勢です。特に図書館はただなので心置きなく借りられるでしょう。赤ちゃんだって気に入れば最後まで見ているし、嫌だと思えばそっぽを向いたり、手で邪魔をしたりしますよ。その “イヤだ!” という気持ちは大切にしなければなりません。命に別状のないことは、子どもの判断を受け入れたほうがいいのです。そのときに大事なことは、親である自分がその本を好きかどうかは考えないということ。お子さんとあなたは別の人間だし、性別の差も、なん十歳もの年の差もあります。同じ本を楽しいと思うことのほうがまれでしょう。赤ちゃんや幼児が嫌がったら「そうなの~、これは嫌なんだね~」といって本を閉じて、次の本に移ればいいだけ。読んでつまらない本はあるかもしれませんが、読んで害になる本というのは、普通の本屋さんや図書館にはまずないといっていいでしょう。ですから、子どもの「この本が嫌い」というのは好みであって、わがままではありません。普段から公共図書館で「読んで~」と子どもにせがまれるまま本を読んでやっていると、普通の子どもでも3千冊、本が好きな子どもなら1万冊以上の読書をすることになります。そのなかにつまらない本が混じってもいいのです。たくさん読んだなかには、子どもがワンシーンだけ、1ページだけ好きになる本もあれば、1冊丸ごと気に入ってしまうような完成度が高い本もあるでしょう。一方で、全然子どもの気に入らない本があるのも当然のことです。つまらない本を知らないと「この本はおもしろいんだな」ということがわかりません。子どもには膨大な時間がありますから、乱読することで感覚やものを見る目を養わせましょう。小さなお子さんを持つ親から「うちの子は同じ本ばかり破れるまで何度も読みます」という相談を受けることがありますが、それはとても良いことです。大人だって自分が好きで買った音楽のCDは何度も繰り返して聴くでしょう。好きな曲が終わると、わざわざ戻して好きな曲だけもう1回聴いたりするじゃないですか。曲が楽しいと思うのは、何回も聴いて覚え、歌えるようになってから、だと思いませんか?次にこのメロディが来る、この歌詞が来ると知っていて「来る来る来る、来た~!」というのが楽しいし、何度も聞くうちに最初は気がつかなかった細部まで理解が深まります。これは本でも同じこと。子どもたちは誰に教えられなくても、本能的に本の読み方を知っているのだと思います。繰り返し読むことで本を深く読み込むことができ、喜びも深くなることを知っているのです。ですから、そんなふうに何度も読みたい本が見つかったらラッキーですね。もちろんお気に入りができなくても心配はご無用。それは、子どもそれぞれの個性です。低学年で脳をじゅうぶんに耕すこれまでお話ししてきたように、子どもに読み聞かせをするときには、子どもの喜ぶ本を選んであげてほしいと思います。逆にいえば、読み手である親が「必要な本」「良い本」と感じる本は選ばないようにすることです。なぜなら、子どもに本を読んであげる一番大きな目的は「子どもを幸福にすること」、そしてもうひとつの目的は「子どもに本を好きになってもらうこと」だから。楽しくないけど必要な本を読むのは、もっと大きくなって本を好きになってからでもじゅうぶん間に合いますよね?そして、子どもには気がつかない大人の本のなかにも、子どもが喜ぶ本が案外あるものです。たとえばクジラが大好きなら、大人用のクジラの写真集を喜んでくれるでしょう。子どもに本を選ぶときには、「この本を読んでもらいたい」ではなく「これを見せたらあの子がどんなに喜ぶかしら」を基準にしてください。小さな頃は、偏った本の選び方をする子もいます。物語を読むのが嫌いな子どもを持った親御さんから、「うちの子は本を読むのが苦手で……」と相談されることがありますが、そのようなことで頭を抱える必要はありません。そういう子をよく見ると、たいてい図鑑などを好んで見ているもの。前回お話ししたとおり、本は内容で2種類に分かれます。1つは物語などの「空想系」の本、もう1つは現実に起きることが書いてある「リアル系」の本です。政治、芸術、スポーツ、自然科学、歴史、地理、産業など、本のうちの9割はリアル系ということになります。子どもに読書をさせるなら物語を読ませないといけない、と思っている親御さんが多いですが、そんなことはないんですよ。それに、必ずしも小説を好めば頭が良くなるというわけではありません。科学者は頭がいいグループだとは思いますが、彼らのなかには小説を読まない人たちも多くいます。(もちろん例外は常に存在するし、ジャンルによってもかなり違いますが。私の感覚では、物理学者は一番小説を読む人が少ないように感じています)特に、低学年のうちは図鑑が好きな子どもが多いですね。これはとても大切なことです。低学年は脳を耕している時期。いわば、種をまく前の畑の土に栄養をたくさん入れてふかふかにしている時期です。そのためには、何でも屋さんのように手当たり次第に雑学を入れなければならないと本能的に知っているのですね。また、低学年のうちは1つのものに1つの答えがあるものを好みます。答えがないようなもの、範囲の広いものは理解できないのです。図鑑のなかでは、1つの絵に対して1つの名称と解説が記されていて、解決できないことは基本的に載っていません。それから、子どもの知識に関する話題として、最近は知っている言葉の数が極端に少ない子どもが多いという報告があります。たとえば、小学1年生の体育で「足首を掴んで」と指導したら、「足首って、どこ~?」という騒ぎになった、という話がありました。言葉を増やすには、たくさんの言葉を「聞く」必要があります。誰だって、聞いたことのない言葉は覚えられません。ですから、小さいうちから大人がなるべく豊かな語彙力で話しかけてあげましょう。また、普段の生活で「見る」「試してみる」などの経験がなかなかできない自然科学などについては、テレビの科学番組が一番だと思います。ビジュアルを見ながら説明を聞くことができるので、新しい言葉も理解しやすいのです。育児や教育にテレビは害だという意見もありますが、見せたい番組を親が選ぶなど工夫して賢く利用するほうがいいでしょう。高学年になると図鑑は卒業?小学4年生くらいで図鑑に見向きもしなくなる子どもが増えはじめます。その頃になると前頭葉が発達してくるからです。前頭葉は感情をつかさどる部分なので、徐々に人の気持ちがわかるようになり、そちらに関心が向くのです。「自分とは違うけれど、こういう暮らしや生き方をしている人がいる」ということを理解できるようになると、物語や伝記などが読めるようになってきます。そうすると、読む本ややりたいことが変わってくるというわけです。子どもたちは成長の過程で本能的に、「この時期にはこれをして、これを会得しなければならない」と知っているかのように振る舞います。そして能力も変化していきます。赤ちゃんのころの驚異的な記憶力(これがあるから言語を習得できるわけです)や共感能力、耳から聞いたことで理解できるといった能力はだんだんと落ちていき、そのかわりに文字を読んで理解する能力、人の気持ちがわかる能力、客観的に見る能力などに取って代わります。低学年で耕した頭に、高学年から種をまきはじめて、実の収穫ができるようになるのは高校卒業くらいでしょうか。大きな実が収穫できるように、小さな頃に子どもの脳を知識と本でしっかりと耕してあげたいですね。***豊かな読書経験は子どもの将来への糧となることがわかりました。図書館をうまく利用して、日常的に本を手に取るようにしたいですね。子どもの読書量は親の読書量と比例するという調査結果が出ています。ぜひ親子一緒に図書館に出かけてはいかがでしょうか。『改訂版調べ学習の基礎の基礎』赤木かん子 著/ポプラ社(2011)■ 児童文学評論家・赤木かん子さん インタビュー一覧第1回:自由研究のテーマが簡単に見つかる「3つのキーワード」手法~調べ学習のコツ・前編第2回:自由研究の“正しい”調べ方とまとめ方。絶対に守るべき「体裁の基本」~調べ学習のコツ・後編第3回:図書館の本の9割は○○系!子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由第4回:「つまらない本」を知ることも大事。図書館での“3千冊の乱読”から子どもが養う大事なもの【プロフィール】赤木かん子(あかぎ・かんこ)児童文学評論家。長野県松本市生まれ。法政大学英文学科卒業。子どもの頃に読んだけれどタイトルや作者名が分からなくなってしまった本を探し出す「本の探偵」としてデビュー。現在は、児童文学やミステリーの評論、子どもの文化の研究を始め、図書館の改善活動にも積極的に取り組む。主な著書に『改訂版調べ学習の基礎の基礎 (かんたん!たのしい!調べ学習)』『本で調べてほうこくしよう』(ともにポプラ社)、小学校1年生から使える科学のシリーズとして『ヒマワリ』『アサガオ』『タンポポ』『イネ』ほか(新樹社)、『お父さんが教える図書館の使いかた』(自由国民社)など。
2019年07月26日子どもが小さいうちは当たり前のように行っていた絵本の読み聞かせも、小学生になり自分で本を読めるようになった頃から行わなくなるというご家庭も多いのではないでしょうか。しかし、小学生以降も継続的に読み聞かせを行っておくことが、将来の子どものためになるのだそう。今回は、長年にわたり“子ども”と“本”に関わってこられた海沼栄造先生に、読み聞かせの大切さを教えていただきました。読み聞かせは、親の愛情を感じる大切な時間――絵本の読み聞かせについて伺います。読み聞かせは子どもが何才ぐらいまで続けるといいのでしょうか?「読み聞かせは、子ども自身が『もういいよ』と拒否するまで、できるだけ長く続ける方がいいと思います。字が読めるようになって、自分で本を読みたいという子どももいるでしょう。もちろん、それはそれで読ませてあげましょう。でも、“子どもが自分で読むと言い始めたからお母さんはもうやらなくていいわ”と思うのではなく、どこかの時間で、『じゃあ、今度はお母さんが読もうか』と声をかけて、膝の上に抱っこしながら読んであげてください。お母さんに抱かれて読み聞かせてもらうのは、子どもがお母さんの愛情を体全体で感じられる時間です。自分で本を読むのは自立につながること、読み聞かせは親の愛情を感じること、その両方が子どもにとって必要なことなのです」――長く読み聞かせを行っていた子とそうでない子では、なにか違いはでてきますか?「私の塾に通ってきている中学生の中に、小学校4年生ぐらいまでお母さんに本を読んでもらっていた子がいます。『大草原の小さな家』などの長いシリーズものを、じっくりお母さんに読んでもらっていました。その後、自分だけで本を読むようになってからも、読書を愉しみながら、じっくりと考え、他者の意見にも熱心に耳を傾ける子に育っています。これはあくまでも私の経験上ですが、本が好きで、たくさん本を読んでいる子は、結果として成績も優秀な子が多いと思います。たぶん、数学以外の科目は、ほとんど心配ないでしょうね。数学的ものの考え方は国語力だけではどうにもならないものがあるのですが、それ以外の科目は基本的に大丈夫です。また、本をずっと読んできた子と、本を読んできていない子では、考える力と書く文章に差がでます。本を読むと、想像力が膨らみ語彙が勝手にたまるので、物語を作ったり批評文を書いたりするときの言葉の使い方が上手になるのです」読み聞かせの継続が、本好きな子を育てる――最近では本離れも進んでいますが、子どもを本好きにさせるにはどうすればいいと思いますか?「今の時代、テレビやゲームなど、本がなくても楽しいと思えるものが山ほどありますが、そこはやはり、親がひと踏ん張りしないといけないところだと思います。子育てにおいて、子どものあるがままにさせるだけが良いとは限らないのです。子どもを本好きにするには、読み聞かせを続けるのが一番良い対策です。小さい頃から読み聞かせが続いている子であれば、本の面白さ、お母さんと本を読む喜びを知っているので、たとえ他のものに夢中なときがあっても、絶対に本に戻ってくると思います。また、お母さんたち親も、少しでいいから自分の好きな本を読む時間を取りましょう。今のお母さんたちもネットの世界で生きているし、忙しくてなかなか時間がとれないかもしれませんが、親が本を読む姿を見せることも大切なのです」――なるほど、親の背中を見せなければいけないのですね。では最後に、おすすめの絵本などがあれば教えてください。「小学校低学年のうちは、絵本をできるだけたくさん読んであげてください。絵本の中の美しい絵を見て楽しむ感覚は、想像力を育むのにとても大事なことです。そういう点では、吉田遠志という絵本作家の『アフリカの動物絵本シリーズ』や、バーバラ・クーニーの『にぐるまひいて』『オーパルひとりぼっち』、ユリー・シュルヴィッツの『よあけ』などは、子どもの美的感性を磨き、心の部屋を膨らませる最高の贈り物だと思います。小学校に入ったからと言って、文字だけの本へ移行しなくてはと急ぐ必要はまったくありません。山ほど絵本を読んで、同時進行で、『くまの子ウーフ』や『エルマーのぼうけん』といった児童書も混ぜていけばいいのです」――大変勉強になりました。引き続き、読み聞かせを行っていこうと思います。この度はありがとうございました。(※ご紹介いただいた絵本の中には絶版になっているものもございます。図書館などで所蔵している可能性もありますので、探してみてください)お話を伺ったのは…海沼 栄造(かいぬまえいぞう)先生【プロフィール】1967年に東京学芸大学入学。1989年~1999年の間、経堂で子どもの本屋「もみの木」を営業。1995年に学習塾「悠愉学舎」を開き、現在に至る。遊びを取り入れながら学ぶことによって五感を通じた学ぶ面白さや、自然・社会の中に潜むたくさんの不思議さに気づいてもらい、自分で考えて判断し行動する人間に育ってほしいという想いで子ども達と一緒に学んでいる。子どもの本(現在は大人の本も)を読む「エヴァの会」を約20年、子どもの教育などの本を読む「樹の会」を約10年、塾の現役・OBのお母さん達、地域の方々と一緒に続けている。【参考】悠愉学舎PHOTO/Fotolia
2018年09月25日超難関中学への合格で世間を驚かせた芦田愛菜ちゃん。その読書量は相当なもので、愛菜ちゃんのお母さんはいつも、図書館からたくさんの本を借りては返してで、とても忙しかったそうです。子どもの語彙力や想像力を豊かにすると言われている読書。子どもにもっと本を読んでもらいたい! というママは多いはず。特に男の子ママからは「うちの子、本があまり好きじゃなくて…」という声をよく耳にします。読書の楽しさを知り、本を好きになってもらうためにはどうすれば? 筆者をはじめ、先輩ママが実践した子どもを読書好きにするひと工夫をご紹介しましょう。■ミッション1 甘えん坊な男子には、「読書の時間」=「幸せな時間」に筆者の経験上、「テレビばっかりみないで本読みなさい!」「ゲームするくらいなら本を読んだら?」と、子どもに読書を強制しても逆効果。まずは、本を読むことへのハードルを下げ、読書への抵抗をなくすことが肝心です。甘えん坊な男子には「一緒に本読もう~」と誘ってひざに乗せたり、一緒にゴロンとしたり、好きなおやつを食べながら…など、読書と楽しいこと・うれしいことをいつもセットにすると、子どもの苦手意識が薄まるでしょう。「本を読む=幸せな時間」というイメージが子どもの中で定着すれば、読書への誘いにもどんどん乗ってくるようになります。■ミッション2 親が読んでほしい本ではなく、子どもが読んでみたい本を読書の途中で飽きる、つまらなさそうにしている…という場合は、その本が、そもそも子どもの興味に合っていないのかもしれません。まだ、子ども自身で本が選べないようなら、昆虫や乗り物など男の子が好きそうなテーマや物語を選んでみましょう。大ヒットしている「うんこドリル」のように、「うんこ」「おしり」「おなら」などが登場する本は、ママは敬遠しがちかもしれません。でも、これは男子ウケの鉄板ネタ。なぜだか男子は好きで、何度でも繰り返し読みたがる“永遠のテーマ”ですから、そこは目をつむってあえて選ぶのも効果的です。 ■ミッション3 読書を習慣づける部屋づくりだんだん子どもが本に興味を持ち始めたら、週に1回以上、図書館や本屋さんへ連れて行くようにしてみましょう。習慣的に本に触れることで、自然と関心も広がり、本のある生活が当たり前になっていきます。もし、子どもが図書館や本屋さんに行くのをおっくうがるようなら、子どもが興味を持ちそうな本、ママ自身が子どもの頃好きだった本などを図書館から借り、リビングに集めて「家庭内図書館」を常設するのもオススメ。そのとき、子どもに「読みなさい」とノルマを課すようなことは言わず、ただ置いておくだけでOKです。興味がわく本なら、言われなくても手がのびるもの。どんな本を手にとるか、そっと見守ってみましょう。■ミッション4 インプットのあとはアウトプット! 読後の感想で会話が生きる!読みおわったら、「どんなお話だった?」「○○くんだったらどうする?」「この後、主人公はどうなったんだろうね?」など、ママから質問を投げかけてみるのもいいですね。感想を引き出すことで子どもは読書を振り返ることができ、ママ自身の感想を伝えてみると、さらに会話の幅が広がります。人間は、インプットしたあとアウトプットすることで、知識が定着するといわれています。大人からの質問に答えるうちに、自分なりの視点や想像をふくらますいい訓練になります。ゆくゆくは、読書感想文を書く力を養うことにもつながるでしょう。■ミッション5 カエルの子はカエル、まずは親が率先!…と、ここまでいろいろ書きましたが、普段皆さんは読書する姿を子どもに見せていますか?そもそも、ママやパパが本を読んでいないのに、子どもには「本を読みなさい!」と言っても説得力がありません。まずは、親が生活に読書を取り入れることも重要です。本は、知識や世界が大きく広がるすてきなもの。「読書は特別なことではない、生活の一部」ということを、親が率先して示してあげたいですね。そのうえで、上手に環境づくりや習慣化をサポートできれば、本嫌いの男の子でも興味を持ってくれるはず。読書の秋、ぜひ親子で読書を楽しんでくださいね!
2017年09月30日夏休みの小学校の宿題で、もっとも頭を悩ませるのは「読書感想文」、という家庭も多いかもしれません。とくに普段から読書が苦手な子だと、ママもどうやって本を読ませればいいのか困ってしまうのでは。子どもが読書を楽しめるように、上手にサポートしてあげたいですよね。■あえて「課題図書」を選ばない夏休み前になると毎年、各学年に合わせた「課題図書」が発表になりますよね。これは、読書感想文の全国コンクールにおける課題図書の対象となる本として毎年選定されるもので、優れた作品も多いです。ただ、子どもによっては「課題図書」と聞いただけで、「読まなければいけない」と読書を強制されているような気持ちになってしまうことも。夏休みの宿題の読書感想文は、必ずしも課題図書を読まなければいけないわけではありません。子どもがあまり興味を示さない場合は、課題図書にはこだわらず、自由に好きな本を選びましょう。■子どもの興味ある分野の本を探すスポーツや音楽、歴史、動物など、どの子にもきっと興味のあることや好きな分野があるはず。本を選ぶ際には、子ども本人が好きなジャンルのものをチョイスするのもよい方法です。感想文を書くからといって無理に小説や物語を選ぶ必要はなく、絵や写真が多めのものでも問題ナシ。自分が熱中する分野に関する本なら、子どもも楽しく読み進めることができるのではないでしょうか。■映画やコミックのノベライズもOKママたちからよく聞かれるのが「うちの子、マンガは読むのに本は全然読まない」という声。普段あまり本を読まない子にとっては、長い物語はハードルが高いものです。そんなときは、映画やコミックのノベライズ作品をすすめてみてはいかがでしょうか。見たことのある映画や好きなマンガのノベライズなら、登場人物やストーリー展開もスッと頭に入るはず。元作品の「外伝」としてのノベライズもあり、読書に親しむ第一歩としておすすめです。■ママも同じ本を読む「本を読みなさい」「感想文を書きなさい」と言うだけでは、子どももなかなかやる気が出ません。夏休みは、親子で一緒に読書を楽しむチャンス。子どもが読む本をママも読んで、親子で感想を話し合ってみては。でも「読んでどう思ったかママに教えて」と聞くだけでは、子どもは“正解”を探そうとして戸惑ってしまうことが。「ママはあそこがよかったと思うけどどうだった?」「あのストーリーにはビックリしたよね」など、友達と映画の感想を語り合うような感じで話すと、子どもものってきてくれますよ。■感想文をスムーズに書くコツとは?本を読み終わって感想文を書こうとしても、いざ原稿用紙を目の前にすると一文字も書けない…という子も多いです。それは最初からきちんとした“文章”を書こうとしてしまうから。白い原稿用紙をどうやって埋めたらいいか分からず、何もできないまま固まってしまうのです。読書感想文の書き方の本などには、「基本の型を決めるとよい」と書かれています。たとえば「読もうと思ったきっかけ→あらすじ→心に残ったこと→まとめ」というパターン。パターンを決めることでポイントが分かり、子どもにとっても書くハードルが下がりそうです。筆者のおすすめは“感想メモ方式”。本を読みながら、そのとき思ったことを、メモや付箋にどんどん書いていきます。たとえば「面白かった」なら、どこが面白かったかもメモ。そしてそのメモを内容ごとにまとめたり、並べ替えたりすれば、何となく感想文の形が見えてくるはず。あとは文章がつながらない部分を補足して、原稿用紙に清書すればOKです。長い夏休みは、本に親しむよい機会でもあります。読書感想文の宿題をきっかけに、子どもが「本って楽しい」と思えるようになるといいですよね。
2017年08月08日