現在放送中のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(毎週火曜22:00~)の原作者で漫画家の海野つなみが19日、NHK朝の情報番組『あさイチ』(毎週月~金 8:15~)に"顔出しNG"で出演した。この日は、年末SP「オンナ×働く」モヤモヤ大特集として「女性活躍」「輝く女性」と叫ばれる中、女性が仕事を続ける上で現れる様々な壁について闊達な議論を展開。コメンテーターとしてほかに、女優・長野里美、作家・本谷有希子、『日経DUAL』編集長・羽生祥子が出演した。近所に漫画家だと明かしていないという海野は、擦りガラスを前に立てつつも、自由に議論に参加した。職場での独身女性と子育て中女性の助け合いに話が及ぶと、同局 有働由美子アナウンサーが独身女性の立場として「時間あるし、都合つくんだからやったらいいと思うんですけど、結局女同士の中で解決させようとする」と経営側の努力不足を語った。有働アナが「あんまり女が文句を言って『やっぱり男を雇うか』とならないように、女性みんなで頑張ろうぜみたいな」と全体の雰囲気を語ると、その場にいた女性たちも一斉に同意。有働アナは「本当に男女50%50%で雇ってみてほしい」と提案した。海野は「こんなことを言いたくないけど、都合よく使われてしまう人って皆都合よく使われてしまう。だって便利だから」と問題点を指摘。海野は、自分のアシスタントが「スキルがあるので、時給は高いです」と言っていることから「『私はこの安い給料では働きません』言えるのが、搾取されないためには、大事なのかな」と、"使われる側"から抜け出すスキルを磨く必要を説いた。これに対して、Twitterでは「海野さん、本質をついた」「激アツな叫び」「胸が痛い」と様々な反応が。スタジオは同意しつつも、有働アナは「そこにいけるまでね」、井ノ原快彦は「『とりあえず明日を迎えなきゃ』という人には、『何でもやります』ということもあるでしょうね」と構造的な問題に対して理解を示した。
2016年12月19日理想の“大人の女”について考えるとき、著名な女優やタレントが思い浮かぶ人も多いのでは。実はそんな女優やタレントにも、理想の“大人の女”がいる様子。彼女たちに“大人の女”について聞きました。■吉田羊さんは……「自分の哲学を持ち、言葉豊かで、相手の気持ちを慮れる人」すなわち、説得ではなく納得を与えられる人。そんな大人になりたいと、常々思っています。■壇蜜さんは……「大人の女とは。期待も絶望も(あんまり)しない人」ほんのりとしたワクワクやガッカリがあった方が暇じゃなく生きられますが、過度な期待と絶望はかえって疲弊と薄毛のもと…。「もう若くない」って、実は冷静になるための優しい呪文です。■本谷有希子さんは……「悪口の中にも“愛”“品性”“洒脱さ” が備わっていると、同性でもほれぼれします」ずっと聞いていたいと思われるような、美しい悪口を私も言えるようになりたいですね。◇よしだ・よう女優。10月より連続ドラマ2作品に主演。医療ミステリードラマ『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断』(CX系・毎週火曜21時~)は10/11より。10/22からは、世界的人気ドラマの日本版『コールドケース~真実の扉~』(WOWOW・毎週土曜22時~)がスタートする。◇だんみつタレント、女優。1980年生まれ。テレビ、ラジオのレギュラーはじめ、新聞、雑誌の連載も多数。’17年1月スタートの大河ファンタジー『精霊の守り人 シーズン2』(NHK総合)に出演。約4年ぶりのオール撮り下ろしによる写真集『あなたに祈りを』(講談社)が10/28発売に。◇もとや・ゆきこ劇作家、小説家。1979年生まれ。「劇団、本谷有希子」主宰。’07年に『遭難、』で鶴屋南北戯曲賞を史上最年少で受賞。小説家としても、’16年1月『異類婚姻譚』(講談社)で第154回芥川龍之介賞を受賞し、純文学新人賞三冠作家になるなど高い評価を受けている。※『anan』2016年10月5日号より。(C)eternalcreative
2016年09月28日第154回芥川賞を受賞した滝口悠生氏と本谷有希子氏が19日、東京・日比谷の帝国ホテルで会見に臨み、それぞれが出身地に対してクールな思いを語った。滝口氏は『死んでいない者』で2回目の候補にして受賞。埼玉県育ちで、地元テレビ局のテレビ埼玉から「作品を作る上で育った場所が何か影響を与えたということはあるのでしょうか?」と質問が飛んだが、「えーと、あんまりないと思います」とつれない答えで会場の笑いを取った。質問者はさらに「埼玉県への思いを聞かせてもらえますか?」と食い下がるも、滝口氏は「ないですね」とバッサリ。しかし、これで終わってはいけないと思ったのか、「埼玉好きですよ。嫌いな訳ではないです」とフォローを入れていた。一方、『異類婚姻譚』で4回目の候補にして受賞した本谷氏は「頭が真っ白」と感想。石川県出身者で初めての芥川賞受賞となり、地元紙の北國新聞から「石川の生活が今の執筆活動に与えている影響は?」と質問を受けた。滝口氏と同様の質問に、本谷氏はそのやり取りを思い出して苦笑い。「これだ、と言うこともできるんですけど、全部ウソっぽくなる」とけん制しながら、「自分がどういう人たちに囲まれていたかということは、ものの考え方とかにすごく影響してるだろうなと思っています」と難質問を乗り切った。ほかにも、滝口氏は「喜びを誰に伝えたいか?」という質問に「だいたいもう伝わってると思います(笑)」、受賞作に登場する歌手、テレサ・テンが好きなのかを尋ねられると「えっと、そんなに、別に…」とつれない答えで会場を笑わせ続けたが、今回の受賞については「ヤバいと思ってます」と事の大きさを実感している様子。本谷氏は、かつてアニメ『彼氏彼女の事情』で声優を務めたこともあるが、「あまりの棒読み加減に絶望したので、もう(声優をやることは)ないと思います」と断言。また、受賞の電話を受けた時は「(ここでは)言えないような変なことをしていて…」と謎の行動をほのめかしたり、受賞を聞いてから10分後に家を出発したため、「あ、間違った」と気づきながら、左右別の靴下を履いてきてしまったりと、不思議な一面を見せていた。同日に発表された第154回直木賞を受賞したのは『つまをめとらば』の青山文平氏。同氏は会見で、歴代2番目の高齢(67歳)での受賞に触れ、「候補に選んでいただいた時は、ああこれで3年は食えると思いました。3年食えると死ぬ時期も近づいてくるので…」と自虐的に喜びを語りながら、「書く以上は、常に今よりいいものを書きたい」とさらなる意欲を示した。
2016年01月20日第154回芥川賞・直木賞が19日に発表され、芥川賞は滝口悠生氏の『死んでいない者』と、本谷有希子氏の『異類婚姻譚』がダブル受賞、直木賞は青山文平氏の『つまをめとらば』が受賞した。芥川賞を受賞した滝口氏は、1982年東京都生まれ。今回、2回目の候補で受賞となった。本谷氏は4回目の候補で受賞。1979年石川県生まれで、同県出身者の芥川賞受賞は、史上初めてとなる。直木賞を受賞した青山氏は、1948年生まれで神奈川・横浜市出身。2度目の候補で受賞となった。この後、東京・帝国ホテルで受賞会見を開催。いずれの賞も、賞金100万円、賞品として時計が贈られ、2月末に都内で贈呈式が行われる。
2016年01月19日本谷有希子が2005年に発表した同名戯曲を読み直す「リーディング公演『乱暴と待機』」が7月10日(金)、赤坂RED/THEATERで開幕。初日に主役を務める久保田秀敏に話を聞いた。リーディング公演『乱暴と待機』チケット情報舞台版『心霊探偵八雲』シリーズで主演するなど、着実に舞台でのキャリアを積んできた久保田。意外にもリーディングは苦手なのだという。「音読が学生時代から苦手だったんです。でも、最近、周りでもリーディング公演が増えてきていて、興味をもちかけたときに、今回のお話を頂きました。俳優として苦手だからと避けていちゃいけな、リーディングを経験することで、自分も変わる部分もあるのではないかと思いました」と今回の舞台に期待を寄せる。作品は2005年に上演後、小説家でもある本谷が2008年に小説版を発表。2010年には浅野忠信の主演で映画化もされている。兄妹をよそおい一緒に暮らす山根英則と緒川奈々瀬の物語。山根はマラソンに出かけるといっては屋根裏に潜み、奈々瀬を覗き見するのだが、山根に負い目を感じている奈々瀬はそれを黙認している。戯曲を読んで久保田は「これまで、経験したことないタイプの作品」と話す。「舞台と映画のDVDを見て、小説も読んだのですが、とにかくまず話自体がすごく面白い。非日常というか、言い方は悪いですがまともじゃない人間たちの絡み合いを描いている。ぼくが舞台でやりたいタイプの作品だなと思いました。ちょっとした人への視点や、緩急のつけ方、表現の幅の出し方がすごくて、演じる側にとっては難しいですね」久保田が演じる山根役は多田直人(演劇集団キャラメルボックス)とのダブルキャスト。「同じ役ですけど、捉え方も表現の仕方も違いますし、ああ、そういう表現もあるんだと、勉強になります。でも、それをまねしても、ダブルキャストの意味はないので、自分なりの山根というキャラクターを、自分をいかしつつ作りたいです」やがて、山根と奈々瀬のもとに山根の同僚・番上と、その恋人・梓が現れると、ふたりの奇妙な関係は微妙に変化していく。「山根は、番上くんや梓ちゃんとは違った世界を生きている人で、そんな世の中の見方があるんだなあと、稽古をしながら山根から発見しています」と手ごたえを話す久保田。「今までやったことない役柄、方法に取り組むことで、自信とか何かが自分の内側からにじみでてきたらと。ぼくは、自分から進んでぐいぐい行くタイプでも、わちゃわちゃ騒ぐタイプでもないのですが、台本さえあれば何でもやれる。やりたいことを貫き通していきたいと思います」と気合を入れた。公演は7月10日(金)から12日(日)まで。久保田の出演は10日(金)の昼夜2ステージ。
2015年07月09日東京都・渋谷のパルコミュージアムにて、清川あさみがファッションの本質を問う新作個展「TOKYOモンスター」を開催している。開催期間は12月15日まで、開場時間は10:00~21:00(入場は閉場30分前まで/最終日は18:00まで)。入場料は一般500円、学生400円、小学生以下は無料。同展は、清川あさみの新作約60点と清川の作品から紡ぎ出された本谷有希子の言葉、デジタルインスタレーション展示などを通じて、90年代の東京のファッションカルチャーを振り返りつつ、ファッションの本質を考えるというもの。1990年代の東京・原宿の奇抜な若者のストリートファッションからインスピレーションを受け、当時のスナップ写真に手を加え、さまよえる若者たちの心情を表現している。また、来場者が参加できるデジタルインタラクティブ作品が展示されているほか、トークイベントも開催。12月5日は雑誌「Numero TOKYO」編集長の田中杏子、12月13日はモデルの栗原類をゲストに迎える。時間や参加方法などはパルコミュージアムのWebページを参照してほしい。
2014年12月03日『桐島、部活やめるってよ』で日本映画界に新たな風を吹きこんだ吉田大八監督が、舞台演出に初挑戦!夏菜と池松壮亮という映像の世界で引っ張りだこの旬な2人を主演に迎え挑む舞台の名は、「ぬるい毒」――その稽古現場に潜入した。原作は吉田監督の長編映画デビュー作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の原作者でもある劇作家・本谷有希子の小説。本谷さん本人が「舞台化不可能」として戯曲ではなく、あくまで小説として発表した作品を“あえて”選び、吉田監督自ら脚本化した。23歳で自分の人生が決すると頑なに信じる自意識過剰の少女・熊田が、彼女に突然、電話をかけてきた向伊という謎めいた男を胡散臭く思いつつも惹かれていく、19歳からの数年間を描き出す。この日、稽古が行われていたのは熊田(夏菜)が彼女に好意を持つ年上男性・原(板橋駿谷)の部屋を訪れるシーン。ミエミエの原の誘いに対し、気のないフリをしつつ乗る熊田。ここで原を相手に人生初のキスを交わすというシーンだが、吉田監督からは時折、もっとぎこちなく、自意識過剰な女子を意識してという意味を込めて「もっと熊田っぽく」という指示が飛ぶ。続いて、東京の大学から帰省した向伊に誘われ、その友人たちも一緒に盛り上がっている居酒屋へと赴くシーン、同じく帰省した向伊と2人きりで心霊スポットである廃墟にドライブに行くシーンの稽古が進められた。ここでも吉田監督は、夏菜さんに対したびたび“熊田らしい”動きや表情、受け答えを要求。稽古を通じて熊田という主人公が形成されていくのが見て取れる。ちなみに、先のキスシーンに続き、この廃墟では熊田がかなり大胆な姿も見せており、夏菜さんの体当たりの演技に注目だ。そんな夏菜さん、池松さん、吉田監督が稽古の合間に取材に応じてくれた。本谷作品ではおなじみとも言える“自意識過剰でプライドの高いヒロイン”を演じる夏菜さんだが、「私は『ああいう時期って私にもあったよな』と思うんです」と意外や共感を口にする。具体的には?という問いに「そこ掘り下げますか…」と苦笑しつつ、「若い頃って無駄にプライドが高かったり、それでいて傷つくのも嫌で背伸びしたり、自分の周りを一枚、殻で覆ってみたり、いろんなことをして大人っぽく見せようとするものだと思う。(熊田の持つ)世間に怒っているような感じは、若かりし頃は私にもありましたよ。最近になって消えましたが(笑)」と明かす。一方、池松さんが演じる向伊もなかなかの曲者。この日の居酒屋のシーンでもそうだが、「バカにしてるのか?」と怒りたくなるギリギリ少し手前のラインを絶妙に行き来し、熊田をイラつかせながらもつかず離れずで、心に引っ掻き傷を残すようないやらしさをも感じさせるが、池松さんは決して彼に対して嫌悪感を持っているわけではなさそう。「みんな、こういうところあるんじゃないですか?こっちが意識するでもなくサラッと言ったことがトゲになることってあるでしょ。そういう積み重ねなのかなと」と語る。一方で、熊田の心理についても「ものすごくよく分かる」とのこと。「本谷さんの書く女の人って男の人の方が分かるんじゃないかなと勝手に思ってます。男の方が弱いですから(笑)」。吉田監督は「僕もまだ手探り」と言いつつも、「毎日、更新されていく感じで、それを見るのが楽しくてしょうがない」と映像とはまた違った楽しみを感じているよう。脚本だけ読んでみると、この癖のある熊田と向伊という役になぜ夏菜さんと池松さんを?とも思ってしまうが、吉田さんは「そういう意外な接点を見つけた気になるのがキャスティングの醍醐味」と、してやったりの様子。「いまのところ、キャスティングで失敗した経験はないので大丈夫。絶対にできる!(この役の要素が2人に)あると思うから」と自信を覗かせる。初日まで1か月を切っているが、夏菜さんは「確実にこれまでと違うキャラ。手応えはまだ分からないけどこれから頑張ります」と意気込み。池松さんも手応えは「まだない(笑)」と言い切るも「これだけ準備したんだから、いつも以上のことができるだろうと信じてます。いま、手応えはなくとも、それは稽古前に脚本を読んだときに確実にあったのでそれを信じてやっていきます」と淡々と意気込みを口にした。舞台「ぬるい毒」は9月13日(金)~26日(木)まで紀伊國屋ホールにて上演。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年09月04日河原雅彦が演出、劇団THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が脚本を手がける『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』が9月21日、東京・本多劇場にて開幕した。ふたりがタッグを組むのは今回が初めて。初日にさきがけて、同日昼に公開舞台稽古が行われた。『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』チケット情報植原卓也や橋本淳をはじめとした若手俳優のほか、劇団拙者ムニエルの看板俳優・加藤啓や、映画『SR サイタマノラッパー』で主演を務めた駒木根隆介、劇団、本谷有希子でおなじみの吉本菜穂子、劇団猫のホテルの市川しんぺー、真面目な風貌にユーモアあふれる台詞回しで舞台やTVで活躍する伊藤正之といった、個性豊かなキャストが顔を揃えるのも見どころのひとつ。物語はとある田舎の村が舞台。祖父の代から続く金物屋を継いで暮らしている小峰春彦(橋本)は、わけあって入院している。入院中、春彦は不思議な夢をみるようになる。そんな折、村では連続通り魔事件が発生。ベテラン刑事の高橋国男(市川)は部下の石井秀樹(植原)とともに捜査にあたるが、手がかりといえば現場に残されたネジだけ。なかなか犯人をみつけることができず事件は長期化。そんなある日、万引き常習犯として捕まった池田翼(駒木)は「犯人を知っている」と言いだし、奇妙なことを話し始める。タイトルの『阿呆の鼻毛で蜻蛉をつなぐ』はことわざで「愚か者がだらしなく伸ばしている鼻毛は、トンボを繋ぐことができるほど長く、大変愚かである」という意味。登場人物たちは、普通に生活しているのに全員何かが狂っている。その狂っている様子に一瞬、面食らってしまうものの、どこか共感してしまうのは、その狂気の中に、誰しもがうっすら感じている現代人の習性のようなものが重なって見えるからだろう。正義感はあるが自分の責任には尻込みしてしまう男、前に進むために考えるのを止めた男、思っていることを言えなくてつい変なことを口走ってしまう女、自分の権利を声高に主張する若者。人間のばかばかしくも哀しい業の深さを描き出す、まさに赤堀ワールド全開の一作だ。クロスワードパズルが象徴的に登場するように、さまざまなヒントが見え隠れし、それをつなぎ合わせていくことで全体像が見えてくる。心の深い部分を見せられるがゆえに直視したくはないけれど、見逃してしまったドラマがあったのではと、もう一度、その世界に潜りたくなる。そんな好奇心が駆り立てられる作品に仕上がっている。公演は本多劇場にて9月30日(日)まで。チケット発売中。文:大林計隆
2012年09月24日長澤まさみ、リリー・フランキーらの出演で話題を呼んでいる、本谷有希子の新作舞台『クレイジーハニー』。本日の開幕に先がけ、8月4日、渋谷・PARCO劇場にて公開稽古と長澤、リリー、本谷による会見が行われた。舞台『クレイジーハニー』のチケット情報舞台はケータイ作家・ひろみ結城(長澤)と彼女の悪友でバーのママを務める甘田(かんだ)真貴(リリー・フランキー)の悪趣味なトークショーシーンから始まる。ひろみ結城はかつてピュアな作風で売りだしたが、今は自分の身を切り売りするような実録モノに路線変更して活動中だ。トークショー終了後、ショーの仕掛け人である若手編集者・二見(成河〈ソンハ〉)は集まっていたファンたちへ、彼女の新刊の作品づくりに協力を依頼する。過激な内容に動揺するファンの前に現れたひろみ結城と甘田は、彼らが作品協力の承諾書にサインするよう言葉巧みに誘導して……。あけすけなケータイ作家に扮した長澤は、初舞台と思えない大胆で挑発的な演技を見せた。会見で長澤は自身の役について「あまりにも私にはない感情を持った人。感情を表に出し過ぎる人なので、初めはとっつきにくい人と思いきや、本当は可哀想で純粋で、すごく可愛い女の子なんだなと。最初は役に愛着が持てなかったけれど、ひろみ結城は人生の壁を超えて成長するところが魅力的。観終わった後は感動的でスカッとするし、ほんのりと心にも残る」と語った。そんな長澤と相棒のリリー・フランキーを作・演出の本谷は「長澤さんは思っていた以上に自分を抑制させるブレーキのようなものを他の方より持ち合わせていなくて、演技も結構パワフルでガッツがある。暴走する感じが魅力的。リリーさんはご自身と全く違う人間を書いたのに、日に日にこんな風になってしまった(笑)。誰かになりきる力があるというか、もう(役どころの)真貴さんにしか見えない」と称した。ゲイのママ役が堂に入っているリリー・フランキーもこれが初舞台。「この格好でイキイキと演技しているというのは、俺も今まで結婚しなかったのはそっち系だったのかな?と、気がつき始めている。カミングアウトと書いてくださっても結構です」と会場を笑わせた。注目の舞台は、8月5日(金)から28日(日)まで同劇場にて。その後、9月3日(土)・4日(日)に石川・北國新聞赤羽ホール、9月6日(火)・7日(水)に福岡・ももちパレス 大ホール、9月9日(金)から11日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、9月13日(火)・14日(水)には愛知・名鉄ホールと各地を回る。チケットは発売中。東京公演はチケットぴあにて当日券の扱いあり。
2011年08月05日2008年の『幸せ最高ありがとうマジで!』でパルコ劇場初登場を飾った本谷有希子が、3年ぶりに同劇場へと帰ってくる。ヒロインを演じるのは、これが初舞台の長澤まさみ。本谷はこれまで永作博美や小池栄子、りょうなど名立たる女優陣と共に舞台を作り上げてきた。しかも彼女が描くのは、同じ女性から見ても非常に面倒くさい――男性にとっては時に非常に愛おしくもある――女の姿。そんな女を演じた時、すべての女優はこれまでとはまた違う一面を見せる。それだけに長澤まさみという女優にいかなる化学変化が起こるのか。リリー・フランキーに成河(チョウソンハ改めソンハ)、安藤玉恵、吉本菜穂子ら共演者の顔ぶれと共に、非常に期待は高まる。ワークショップオーディションの写真そんな本谷待望の新作舞台『クレイジーハニー(仮題)』だが、実は出演者はこれだけではない。大規模なオーディションを実施し、その応募総数は約1000名。1次審査で200名に、2次審査で24名にまで絞られ、ワークショップオーディションという形でここから約10名が選出されることになったのだ。そのワークショップ最終日。本谷は参加者を前に、自分が惹かれるものについて「人の心が面白い。それが理解出来ないとさらに面白い」と語った。そこで本谷がエチュードのテキストとして選んだのが、怪談『予言猿』。服の裾を掴まれた人は死ぬという猿がおり、飼い主である八百屋夫婦の娘もその予言で死に、最後には主人が猿を洗い殺してしまうという話だ。本谷はその「“猿を洗い殺す”という聞いたことのない状況にワクワクする」と話し、物語ラスト部分を3人ずつ、5組の役者に演じさせた。5組の即興芝居はもちろんそれぞれ違うのだが、やはり“猿を洗い殺す”主人の演技に、最もその特徴が表れたと言える。妙にテンションの高い者がいれば、その逆もおり、笑い、怒り、悲しみなど、人の心の移り変わりが多様な表現で提示される。若い役者が多いため荒削りな部分も多いが、それも含め本谷は楽しんでいたようだ。残りの9人に渡されたのは、ふたりの人物が登場する別のテキスト。役者は約30分のうちにせりふを覚え、即発表しなければならない。役者たちはそれぞれキャラクターを作り、覚えられなかった部分については必死にアドリブを繰り出す。追い詰められた状況下での役者の転がり方が分かり、こちらも非常に面白い。ワークショップは終わり、結果10名が合格、出演が決まった。大規模なオーディションという試みから、本谷はいかなる新しい武器を手に入れたのか?その答えは8月のパルコ劇場で明らかになる。公演チケットは6月発売を予定。取材・文:野上瑠美子
2011年04月27日映画『乱暴と待機』(冨永昌敬監督)の初日舞台挨拶が10月9日(土)、東京・新宿区のテアトル新宿で行われ、主演の浅野忠信がサプライズでアメリカから駆け付けた。次回作の外国映画を海外数か所で撮影中だったが、数日前に急遽、この初日舞台挨拶の出席を決めてアメリカから帰国した。浅野さんが登場すると、先に登壇し、知らされていなかった小池栄子は「ソックリさんかと思った」、山田孝之は「嬉しいです」、美波は「いついらしたんですか?」と素でビックリ。観客は大喜びで「キャー!」と悲鳴が飛び交った。本作は、映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』などで知られる劇作家で作家の本谷有希子による同名舞台の実写化で、平屋建ての住宅を舞台に、2組の男女の愛憎と奇妙に絡み合っていく人間模様を描く人間ドラマ。監督が「全員、1回はみっともないシーンがある」と公言してきたことにちなみ、キャスト陣がこれまでにあった自身のみっともないエピソードを披露。美波さんは「浅野さん、撮影中にお誕生日だったのでワインをプレゼントしたんですけど、車の中に置いておいたら暑い日だったのでワインが汗をかいていた。あれ飲みました?大丈夫だったんですか?」と恐る恐る質問。浅野さんは「飲みました。僕、お酒弱い方でたまにしか飲まないから、ワイン分からないんですけど。酸っぱかったと思います。アツアツでいただきました。汗、ブチュブチュ出ていました」と微妙なワインの味を思い出していた。『乱暴と待機』はテアトル新宿ほか全国にて公開中。(photo/text:Yoko Saito)特集『乱暴と待機』私、メンドクサイ女?■関連作品:乱暴と待機 2010年10月9日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:山田孝之、小池栄子、美波インタビュー翻弄し、翻弄され…男vs女 恋愛本音トークあまのじゃく女はモテるが同性には…『乱暴と待機』の女性心理をディスカッション!あなたはメンドクサイ女?『乱暴と待機』トークショー付試写会15組30名様ご招待山田孝之女性インタビュアーの思いこみ質問にプチ切れ?映画の“その後”描く?『乱暴と待機』主題歌PVの一部映像を先行配信!
2010年10月09日『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の原作者としても知られる女性作家・本谷有希子の同名小説を映画化。『乱暴と待機』は男女4人の淫靡にして滑稽、奇妙にして危険な関係を見つめた異色ラブストーリーだ。2005年に発表され、その後小説が刊行された本作に、美波、小池栄子、そして山田孝之の豪華実力派が出演。劇中では山田さんと小池さんが夫婦を演じ、彼らが美波さん扮する曰くありげな隣人女性と絡んでいってしまうのだが…。山田孝之「この物語に出てくる人たちは全員動物っぽい」まずは、あずさ役の小池さん。あずさは子供を妊娠中だが、高校時代の同級生の近所に夫婦で引っ越してきたのを機に運命を大きく狂わされてしまう。「あずさは普通の女性が抱く感情の流れに反していないキャラクター。そういった意味では分かりやすく、『素直な子なんだな』と思いましたね。寂しくて孤独なのに、最も関係してほしくないタイプの女性と夫が関係してしまう。そのときに抱く不安や嫉妬、苛立ちは理解できました。感情の示し方がちょっと暴力的過ぎる気はしましたけど(笑)」。その“最も関係してほしくないタイプの女性”こそが、美波さん演じる近所の元同級生・奈々瀬。スウェットの上下に丸眼鏡姿で、どこかおどおどと挙動不審の奈々瀬は、浅野忠信扮する男性・英則に軟禁されている身。何やらワケありの英則と奇妙な同居生活を繰り広げる一方、あずさ夫婦と関わっていくのだが、「最初に台本を読んだとき、すぐに奈々瀬を理解することはできなかったです。喋り口調も妙だし、『何なんだろう?』って…」と美波さんは笑う。「原作を読んだり、撮影を通して徐々に役を固めていった感じですね」。そんな2人の女性を翻弄し、翻弄されるのが山田さん扮する番上。妻のあずさに頼りっぱなしの無職男・番上は、奈々瀬の特異な存在感に興味を示し、やがて彼女を誘惑する。山田さんの意見はこうだ。「番上に限らず、この物語に出てくる人たちは全員動物っぽい。素直に生きていて、いいんじゃないですかね。現実の世の中では、そういった動物っぽさだけでは生きられませんから。それがぐぐっと濃縮して描かれているから特殊に見えるけど、本当は当たり前に起こり得ることをやっているだけの人たちでもあるのかな、と思いました」。英則に軟禁される奈々瀬、奈々瀬に夫を寝取られるあずさ、あずさがいながら奈々瀬を誘惑する番上…。山田さん曰く「動物っぽい」キャラクターたちが織り成す人間模様は、一見複雑怪奇でありながら、実は単純明快でもある。「お互いの間にルールはあるんですよね。例えば、奈々瀬と番上さんの間には“承諾”のルールがある。ひとつの社会がそれぞれの間に出来上がっているんです」と美波さん。それに対し、山田さんは「そういう意味では、僕は番上と英則の関係性が興味深かったですね。すごく近くにいるのに、お互いをどう見ているのか全然分からない(笑)」。「そうね。男性同士って何を考え合っているのか想像がつかないし、気になるな。その点、あずさと奈々瀬は分かりやすいと思うんですよ。男が絡んでゴタゴタするという…」と小池さんも同調した。では、山田さん自身の目に英則はどう映るのか。男性としての意見は?「ウザいし、関わりたくはないですけど面白いんじゃないですか?付き合っている相手を束縛する人は世の中にいるし、それの度が過ぎているだけかも」。さらに、男性の立場で番上も分析していただこう、と山田さん自身と番上の共通点を尋ねると、「その質問、多いですね!」と美波さんから指摘が。これに対し、山田さんは「俺は世間的にイメージがあまりよくないから…」と苦笑するが、もちろんそうではない。共通点を尋ねずにはいられないほど、リアルで説得力ある山田さんの演技が素晴らしいのだ。これには小池さんも賛同。「私も山田くんは天才だと思いました。昔からテレビで見ていてお芝居の上手い方だなあと思っていたけど、その天才ぶりを実感させられた撮影現場でしたね」。ということで、山田さん。番上をどう思いますか?「俺も若い頃は後先考えずに遊んだこともありましたけど、いまはないです。番上は人の気持ちを理解してなさ過ぎですよね。ちょっと酷いです」。すると、「だって、奈々瀬をかばったもんね!」と“妻”の小池さんから鋭い切り込みが。奈々瀬との不倫現場をあずさに押さえられた番上は、驚きの行動に出るのだ。山田さんはこう解説する。「あれはきっと、番上の中で切り替えのスイッチがカチッと入ったんです。『ヤバイ、ヤバイ、どうしよう…。何か言い訳しなきゃ!』と焦っていたのが、『あっ。でも、この人(奈々瀬)はこの人(あずさ)に責められている!助けなきゃ!』とふっと気づく。僕も最初は理解できなかったんですけど、監督からは『番上は考えて何かをするのではなく、自然にやる男』と言われていた。だから、そういった番上らしさが出る場面なんだろうなと考えました」。小池栄子「でき過ぎる男性って苦手なんです」そんな番上のことを「あずさは『悔しいけど、好きだわ』と感じたと思います」と小池さん。「私自身、でき過ぎる男性って苦手なんです。男の人は子供がそのまま大人になった感じで、時には失礼だったり、非情なことをするのもアリなんじゃないかなって」。一方、「私は嫌〜(笑)」と首を振る美波さん。「何か、自分のプラスにならない気がする」とバッサリ斬った。ならば、奈々瀬はどうか。男たちの関心を引き、女たちから疎まれる奈々瀬は典型的な“女の敵”なのだろうか。まずは、演じた美波さん自身が「関わりたくないですね」と笑いながら一言。小池さんが言葉をつないだ。「男が絡んでいなければいいんですけどね。実は、原作者の本谷さんが『奈々瀬は私です』と言っていたんです。本谷さんとはもう付き合いが深いので、私もその主張にはすごく納得させられているんですけど(笑)、それでも私は本谷さんが好きだし、魅力を感じる。ただし、恋愛が絡むと嫌いになるかもしれませんよね」。そして、異性としての奈々瀬について、山田さんに貴重な意見を求めると、「嫌ですよ、うざったい(笑)」と断言。続けて、鋭い見解を示した。「奈々瀬はこちらが球を投げても全部スカッと通り過ぎていくような女性。その点、あずさの方がキャッチボールはできそうですよね。とは言え、どの女性を見ていても、その中にあずさと奈々瀬はいるなと僕は感じています」。ドキリとさせられる一言と共に、“男女談義”終了。男とは?女とは?愛とは?性(さが)とは…?本音トークを繰り広げてくれた3人の意見と共に、『乱暴と待機』の世界をじっくりどっぷり味わってみてほしい。(photo:Yoshio Kumagai/text:Hikaru Watanabe)特集『乱暴と待機』私、メンドクサイ女?■関連作品:乱暴と待機 2010年10月9日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:あまのじゃく女はモテるが同性には…『乱暴と待機』の女性心理をディスカッション!あなたはメンドクサイ女?『乱暴と待機』トークショー付試写会15組30名様ご招待山田孝之女性インタビュアーの思いこみ質問にプチ切れ?映画の“その後”描く?『乱暴と待機』主題歌PVの一部映像を先行配信!下着姿の美波に山田孝之が…衝撃場面がTVに?『乱暴と待機』TVスポット到着
2010年10月07日映画『乱暴と待機』(冨永昌敬監督)の女性限定トークショー付き試写会が10月4日(月)、東京・渋谷区のレストラン「COPON NORP」で行われ、本作の宣伝マン&ウーマン3名と観客約30人が恋愛における女性心理についてディスカッションした。映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』などで知られる劇作家で小説家の本谷有希子の同名小説の映画化で、木造平屋建ての市営住宅を舞台に、血のつながりもないのに共同生活を送り、天井から相手の行動を覗き見する男・英則(浅野忠信)と覗かせる女・奈々瀬(美波)という奇妙男女と、近所に越して来た夫婦、無職のダメ夫・番上(山田孝之)と身重ながら夫の代わりに働く妻・あずさ(小池栄子)の愛情と性を滑稽に描き出す物語。トークショーは、本心をはっきり言わず、相手に合わせた言動で男の気を引く“あまのじゃく”なタイプの女・奈々瀬と、感情をストレートに表現し尽くすタイプのあずさについて、それぞれの長所短所を考察。自身はどちらのタイプ?との問いに、観客の7割があずさ、3割が奈々瀬と回答。“あずさ派”では「ダメ男が好きで、ダメであればあるほど『どうにかしなきゃ』と思ってしまう」、「頼られると嬉しい」などの意見が。また、モテるのはどちらのタイプか?の問いには奈々瀬が7割、あずさが3割。反対に、同性として好感が持てるのは?にはあずさが7割、奈々瀬が3割という結果に。宣伝マンのひとりは「男としては付き合うなら奈々瀬、結婚するならあずさ。面倒見てもらいたいと思うから。でも、奈々瀬の部分も持っていてほしくて、合わせてくれたりもしてほしい。ずっとあずさだと、自分がいっぱいいっぱいになって相手の気持ちに答えられないのでキツイ」。別の宣伝ウーマンは「取材で山田孝之さんが『女性は誰でも奈々瀬とあずさの両方の部分を持っていると思う』と言っていて、実際にそうなのではないかと思った。自分は奈々瀬と思った方はあずさ、あずさと思った方は奈々瀬の部分を、自分の中に見つけたら、もっと恋愛の楽しさが広がるのでは」と呼びかけていた。『乱暴と待機』は10月9日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:Yoko Saito)特集『乱暴と待機』私、メンドクサイ女?■関連作品:乱暴と待機 2010年10月9日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:あなたはメンドクサイ女?『乱暴と待機』トークショー付試写会15組30名様ご招待山田孝之女性インタビュアーの思いこみ質問にプチ切れ?映画の“その後”描く?『乱暴と待機』主題歌PVの一部映像を先行配信!下着姿の美波に山田孝之が…衝撃場面がTVに?『乱暴と待機』TVスポット到着美波「お兄ちゃん」連発!小池栄子は突然…過激な『乱暴と待機』予告編独占先行公開
2010年10月05日映画『乱暴と待機』(冨永昌敬監督)の完成披露試写会が9月16日(木)、東京・テアトル新宿で行われ、主演の美波、共演の小池栄子、山田孝之らが出席した。劇作家で小説家の本谷有希子の同名戯曲・小説の実写化で、実の兄妹でもないのに同じ部屋に暮らし、複雑な恋愛感情を抱き合う“覗く男”英則(浅野忠信)と“覗かれる女”奈々瀬(美波さん)が、近所に引っ越してきた夫婦・番上(山田さん)とあずさ(小池さん)の存在に影響され、関係性を変化させていく姿を描く物語。美波さんは、劇中のメガネにスウェット姿という“個性的ファッション”に「心地良かった」と微笑んだが、役作りには「一線を越える、リミットを越える怖さがあった。痛い女の子ですが、痛いモノを演じてはいけない、私が一番の理解者でなくちゃいけないと思って演じました」と苦労をうかがわせた。一方で、内容にちなみ司会者から、この日の出席者の中から覗きたい相手を聞かれると、小池さんは「山田さんです。かなりベールに包まれているので私生活が気になる。あそこまで番上になり切れるのは、番上みたいな部分があるのでは?」と山田さんへ好奇の目線。山田さんは「あ、この間、『乱暴と待機』の取材で女性のインタビュアーから、『山田さんってこういう人だと思った』と言われたので、『役者としてそう言われるのは嬉しいです』と答えた。そしたら、『いや、そういう意味ではなく、こういう人だと思ったんです』と言われたので、コイツ、何が言いたいんだろう?と思った」と嫌な記憶をよみがえらせ、プチ切れモード(?)だった。同じ質問に山田さんは「そりゃ、本谷さんです。こんなヘンタイ的なものを家で書いているんですから。どんなツラして書いているんだろう?と」。本谷さんは「ツラ?」と吹き出しながらも「真剣な顔して書いています。ファミレスとかでも書いていますよ」と答えていた。なお、本日9月16日(木)21:00より、映画の公開を記念して「〜女の子の一人暮らし部屋を覗き見中継!〜」と題してUSTREAMにて特別企画を実施!10月8日(金)までの期間中、“ほぼ連日”、21:00ごろから約10分間だけ、劇中の英則が天井から奈々瀬の部屋を覗いているのと同じ感覚を味わえる、という生中継なのだが…いかに!?『乱暴と待機』は10月9日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(photo/text:Yoko Saito)特別企画 〜女の子の一人暮らし部屋を覗き見中継!〜■関連作品:乱暴と待機 2010年10月9日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:映画の“その後”描く?『乱暴と待機』主題歌PVの一部映像を先行配信!下着姿の美波に山田孝之が…衝撃場面がTVに?『乱暴と待機』TVスポット到着美波「お兄ちゃん」連発!小池栄子は突然…過激な『乱暴と待機』予告編独占先行公開眼鏡&地味なスウェットの美波からなぜか目が離せない!『乱暴と待機』画像が到着浅野忠信がのぞき男に!山田孝之×美波×小池栄子共演で本谷有希子の衝撃作を映画化
2010年09月16日映画『乱暴と待機』の主題歌で、スペシャルユニット“相対性理論と大谷能生”による「乱暴と待機」のPVを映画と同じく冨永昌敬監督が担当!鶴巻和哉の書き下ろしによるジャケット画像と共に、PV映像の一部が到着した。劇作家で小説家の本谷有希子による同名戯曲を映画化した本作。浅野忠信、美波、山田孝之、小池栄子という実力派キャストを揃え、相手を天井裏からのぞく、のぞかせるという歪んだ形で愛情関係を築く男女と、その近所に越してきた夫婦の4人が織りなすドロドロの人間模様を描く。しばらく前より解禁されている本作の予告編でも使用され、物語とは裏腹のポップなメロディと歌声が強い印象を残している同主題歌。冨永監督は、これまでにも相対性理論の「地獄先生」などのPVを担当しているが、今回は映画の舞台と同じロケ地で撮影を敢行!今回到着した映像では、男たちが次々と家の中から荷物を運び出し、まとめている様子が映し出されるが、これは映画で描かれる物語の“その後”を描いているのでは?との声も。こちらのPVは、9月29日(水)発売のCDに付いてくるDVDに、映画予告編と共に収められる。また、アニメーション監督の鶴巻和哉が担当したCDのジャケットも解禁。鶴巻さんは、本作の原作本の装丁、および映画のビジュアルに続いての担当となる。劇中の物語はもちろん、音楽、ビジュアルの部分でも個性豊かな才能が集結。果たしてどのような化学変化をもたらすのか?『乱暴と待機』は10月9日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:乱暴と待機 2010年10月9日よりテアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:下着姿の美波に山田孝之が…衝撃場面がTVに?『乱暴と待機』TVスポット到着美波「お兄ちゃん」連発!小池栄子は突然…過激な『乱暴と待機』予告編独占先行公開眼鏡&地味なスウェットの美波からなぜか目が離せない!『乱暴と待機』画像が到着浅野忠信がのぞき男に!山田孝之×美波×小池栄子共演で本谷有希子の衝撃作を映画化
2010年09月06日5月25日(火)深夜よりオンエアが開始される、山田孝之と美波のベッドシーンの映像を含んだ、映画『乱暴と待機』TVスポットがシネマカフェに到着した。本作は、本谷有希子による戯曲、および同名の小説を原作にした作品で、血が繋がっているわけでもないのに「お兄ちゃん」と「妹」という関係で、二段ベッドが据えられた部屋で暮らす男女と知人の夫婦の、おどろおどろしいまでの人間ドラマを描いた“ラブファンタジー”。浅野忠信(英則/“お兄ちゃん”)、美波(奈々瀬/“妹”)、山田孝之(番上)、小池栄子(あずさ)が主なキャストだが、わずか15秒のTVスポット中で、奇妙キテレツ、独特の世界観が炸裂!屋根裏から奈々瀬の行状をのぞき続ける英則と、英則の存在に気づきつつ、視線を浴びながら“行為”におよぶ奈々瀬…。今回、到着したTVスポットでは、奈々瀬と番上の不倫シーンの映像も。下着姿の美波さんの尻に山田さんが手を伸ばす、というTVスポットとしてはかなり過激な映像が映し出される。ちなみに浅野さんの「思いついたぞ!」という興奮した口調のセリフは、「奈々瀬に対する究極の“復讐”」を思いついたという意味…。いったい物語はどこへ向かうのか?今後、まだまだ過激なシーンが期待される(?)、『乱暴と待機』は今秋、テアトル新宿ほか全国にて公開。※こちらのTVスポットはMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:乱暴と待機 2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:美波「お兄ちゃん」連発!小池栄子は突然…過激な『乱暴と待機』予告編独占先行公開眼鏡&地味なスウェットの美波からなぜか目が離せない!『乱暴と待機』画像が到着浅野忠信がのぞき男に!山田孝之×美波×小池栄子共演で本谷有希子の衝撃作を映画化
2010年05月26日浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之という豪華キャストで贈る『乱暴と待機』の予告編がいち早くシネマカフェに到着した。劇作家で、小説家としても活躍する本谷有希子が自ら主宰する「劇団、本谷有希子」で2005年に上演し、その後自らの手で小説化した同名作品を実写化。互いに好意を持ちつつ、その関係性を歪んだ形で維持し続ける男と女、そこに巻き込まれていく知り合い夫婦の人間ドラマが展開される。「このブタ!」という過激なセリフで始まるこちらの予告編。続いて、美波さん演じる奈々瀬が「お兄ちゃん…」と甘〜く呼びかける姿が連続して映し出される。“お兄ちゃん”こと浅野さん扮する英則は奈々瀬に対し“復讐”を宣言。一方の奈々瀬は「私のことを憎んでいる限り、“お兄ちゃん”は私と一緒にいてくれる」と語る…など、この短い予告編からだけでも彼らの歪んだ“愛情”がジワジワと伝わってくる。さらにここに、山田さんと小池さん演じる夫婦が濃密に絡んで…。ちなみに、小池さん演じるあずさは、予告編に登場するやいなや、まさかの嘔吐!ここまで見せるか…?という濃厚な予告編となっている。また、本作の主題歌をポップユニットの相対性理論と本作の音楽を手がける大谷能生による特別ユニットその名も“相対性理論と大谷能生”が担当することも決定!元々、本作の冨永昌敬監督は相対性理論の名曲「地獄先生」のプロモーションビデオを手がけており、監督たっての望みでこの特別ユニットによる主題歌が実現した。こちらの主題歌は今回到着した予告編でも聴くことができる。のぞく男と“のぞかせる”女と彼らに巻き込まれていく夫婦のある意味、“ラブファンタジー”『乱暴と待機』。公開は秋、テアトル新宿ほか全国にて。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:乱暴と待機 2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開© 2010『乱暴と待機』製作委員会■関連記事:眼鏡&地味なスウェットの美波からなぜか目が離せない!『乱暴と待機』画像が到着浅野忠信がのぞき男に!山田孝之×美波×小池栄子共演で本谷有希子の衝撃作を映画化
2010年04月27日原作・本谷有希子、監督・冨永昌敬、そしてキャスト陣に浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之という組み合わせで注目を集める映画『乱暴と待機』のメインビジュアルが解禁!本谷さんによる原作小説の装丁を手がけたアニメーション監督・鶴巻和哉のイラストを取り込み、独特の世界観を反映させた1枚が明らかに。自らの名を冠した劇団を率いて公演を行うと共に、「あの子の考えることは変」(講談社刊)で昨年、芥川賞候補に名を連ねるなど、小説家としても注目を集める本谷さんが2005年に発表した戯曲(※小説版は2008年刊行/メディアファクトリー刊)を、『パビリオン山椒魚』や昨年公開の『パンドラの匣』などで高い評価を得る冨永監督が映画化するということで、製作が発表された当初から注目を集めていた本作。血の繋がりがないにもかかわらず、なぜか“お兄ちゃん”と“妹”という関係性の中で、2段ベッドが据えられた狭い部屋に暮らす2人の男女。その近所に引越してきた男と妊娠中のその妻。彼らが乱れ、暴れ、待ち続け、機をうかがい、物語が紡がれていく――。今回解禁となったメインビジュアルのイラストを担当しているのは『ヱヴァンゲリヲン』新劇場版シリーズの監督を始め、数々のアニメーションを手がけてきた鶴巻和哉。鶴巻さんは、本谷さんによる本作の原作小説の装丁も担当しており、原作小説の装丁のビジュアルや2段ベッドという重要な小道具を取り入れ、作品の持つ世界観を表現。その周囲を囲むように、この個性的過ぎる4人のキャラクターを演じた浅野さん、美波さん、小池さん、山田さんの写真が配置されている。また、もう1枚公開されたイラストなしの特別写真では、鶴巻さんのイラストと同じ構図で浅野さんらが写真に収まっている。特に注目すべきは、“妹”こと奈々瀬を演じる美波さん。ウェットに眼鏡という姿でどこか物憂げにこちらを見つめる姿からは、“セクシー”ではないのにどこかエロティックな雰囲気が否応なしに伝わってきて、不思議と目が離せない――。さてさて、映画は一体どのような仕上がりになっているのか?『乱暴と待機』は秋、テアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:乱暴と待機 2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開■関連記事:浅野忠信がのぞき男に!山田孝之×美波×小池栄子共演で本谷有希子の衝撃作を映画化
2010年04月15日いま、最も人気のある劇作家の1人であると同時に、今年の上半期を含め2度も芥川賞にノミネートされるなど、文壇でも高い注目を集める本谷有希子(「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」)。彼女が主宰する「劇団、本谷有希子」が2005年に上演し圧倒的な支持を集め、自身の手で小説化された「乱暴と待機」が、浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之という豪華キャストを迎え、冨永昌敬監督の下で映画化されることが決まった。天井裏からのぞく男とのぞかせる女――。お互いに激しい好意を持ちつつも、歪んだ形でしか関係を築くことができない2人だったが、彼らの住む家の近所に一組の夫婦が引っ越してきたことでその関係に変化が…。「復讐」、「お兄ちゃん」、「2段ベッド」で構築された世界に、「復讐相手として憎まれている限り、“お兄ちゃん”が私から離れていくことはない」という屈折した愛情――。“恐るべき”本谷有希子の魅力がたっぷりと詰まった舞台に、当時、劇場は連日満員を記録した。今回の映画版で天井裏からのぞく男・山根英則を演じるのは浅野忠信。「(脚本を読んで)英則が誰にも負けない愛を示すまでの話だと感じました。彼の屈折した表現が興味深かったし、(演じる上で)難しいポイントでもあります。“夢中なところ”に期待してください」と意気込みを語る。美波さんは、“のぞかれる”そして“のぞかせる”女、緒川奈々瀬を演じる。「冨永監督、本谷有希子さんとご一緒できることが本当に嬉しかったです。作品へダイブする気持ちで演じたいと思います。(見どころは)とにかくこの世界観、4人のかみ合わないキャラクター、独特のセンス、ユーモア…それから原作にはない、奈々瀬の読経シーンは個人的に好きです」と明かしてくれた。小池さんは自身が演じる奈々瀬の元同級生・番上あずさについて「これまた濃い役だな!とワクワクしました。そしてかわいらしい女性だなと」と語る。そして演じるに当たっては「あずさが感じている苛立ちをお客さんに共感してもらえたら嬉しい」とも。山田さんはあずさの夫・番上貴男に扮するが「とことんダメな男だから演じるのが楽しみで、この『乱暴と待機』という世界観に早く入り込みたいと思った」とノリノリの様子!「(英則と奈々瀬の2人のような人物に)で会う機会はなさそうだし、番上としてそんな2人を感じてみたいと思いました。物語の展開が読みづらい作品だと思いますが、そのあたりが見どころです。あと、セリフが面白い!」とすっかり作品の世界に魅了されているよう。この4人がどのようなドロドロの化学変化をもたらすのか?『パビリヨン山椒魚』で人々を唸らせ、今年に入ってからは『パンドラの匣』で太宰治のサニーサイドを見事に映像化した冨永監督の手腕にも期待がかかる。『乱暴と待機』は2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開。■関連作品:乱暴と待機 2010年秋、テアトル新宿ほか全国にて公開パンドラの匣 2009年10月10日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 「パンドラの匣」製作委員会■関連記事:太宰「人間失格」が「デスノート」漫画家のデザインで映画化!堺雅人もTVに続き参戦【どちらを観る?】太宰のイメージを裏切る二作『ヴィヨンの妻』&『パンドラの匣』『パンドラの匣』仲里依紗インタビュー「時々、自分が分からなくなります(笑)」フルCGのミッキー・カーチスが見どころ?『パンドラの匣』宮城先行公開太宰原作を個性派俳優陣で映画化!『パンドラの匣』試写会に5組10名様ご招待
2009年11月30日『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』では佐藤江梨子の妹役で主役に負けない強烈なキャラクターで強い印象を残し、今年に入って公開された『鈍獣』では腹黒いブリッ子キャラで男たちを翻弄、今年1年で公開作品は6本とめざましい活躍を見せる、佐津川愛美。現在公開中の堀部圭亮監督作『悪夢のエレベーター』では自殺願望を抱えるゴスロリ少女・カオルを熱演している。スクリーンの中での印象が強烈過ぎる彼女だが、その素顔は…。「カオルには青春期特有の迷いや不安を表に見せない強さがある」佐津川さん演じるカオルを含む4人がたまたま乗り合わせたエレベーターが停止することから展開する今回の物語。ひとりひとりの人物が一面的ではなく様々な“顔”を持っていることが作品の大きな魅力となっている。佐津川さんのカオルに対する印象は?「結構、周りからは『怖い』っていう声が多かったんですが、私にはすごく魅力的に映りました。人間誰しも二面性や気持ちの上がり下がりってあるものだと思うんですよ。カオルくらいの年齢の子は、青春期特有の悩みって感じで『どうしたらいいの?』って迷いや不安を表に出すものだけど、カオルはそれをギリギリまで見せない強さがあるな、と」。大ドンデン返しがこれでもかと押し寄せてくる本作。詳細は明かせないが…それにしても佐津川さん、個性的な役柄への出演が続く。「楽しいです(笑)。感情がひとつじゃない、何かを背負ってる子の方がやりがいがありますね」。では、実際の役へのアプローチの方法、役作りはというと…。「いや、あんまりやらないんですよ(笑)、役作り。まず、脚本を最初に読んだときの印象を大事にしてますね。多分、最初のその感情が、お客さんが初めてこの子を見るときの感覚に近いとも思うので。その感じを大切にしようと思ってます」。「“答えがない”ということを楽しみたい」では、そんな個性的な役を演じる佐津川さんの“本性”は?そう尋ねるといたずらっぽい笑みを浮かべ、こんな答えが。「これがわかんないんですねー(笑)、我ながら。すごく波があるんですよ。演じている役柄にものすごく引っ張られることもあるし、そうかと思うと全く影響を受けないときもありますし…」。「最初にこの世界に入ったときは、女優とかモデルとかタレントという区別も分からず、深く考えずにやってた」という佐津川さん。だが、初めて映画の現場に参加したことで“覚悟”が固まったという。「最初に『蝉しぐれ』に出演させていただいて、『映画ってすごい』って衝撃を受けました。監督はすごく厳しかったけど、現場でみんなで作品を作っていくのが楽しくて。出来上がった作品の中の自分を観たときは恥ずかしかったですけど…(苦笑)、でも撮影を終えてから初めて『女優っていいな。本気でお芝居したいな』って思えたんです」。それからの彼女の活躍は見ての通りだが、彼女自身、成長や変化をどのように感じているのだろうか?「自分では見えないし、考えないものですね。いま、舞台に参加してるんですよ(注・本谷有希子演出の「来来来来来」に出演)。舞台は初めてで、自分の出来なさ具合を思い知ってます…。もちろん毎日ベストを尽くしてるんですが、『明日はもっと!』って気持ちになりますね。去年1年間、ずっと映画に携わらせていただいて、すごく楽しかったんですけど、もうちょっと違う角度でって思ってたときにこうやって舞台の話もいただけて、すごくありがたかったです。改めて、自分はまだまだなんだってことを理解しました。でも、何十年やっても悩みは出てくるんでしょうね、答えがない世界だと思います。答えがないからこそ出来ることもあると思いますし、それを楽しみながらやりたいです」。■関連作品:悪夢のエレベーター 2009年10月10日よりシネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋、新宿ミラノほか全国にて公開© 2009「悪夢のエレベーター」製作委員会
2009年10月27日