シネマカフェがおすすめするサウンドトラック入門。6回目となる今回は、バラエティ豊かな楽曲が並ぶ豪華な2枚と異色の1枚をご紹介。■『ピッチ・パーフェクト2』全世界で大ヒットを記録し“ピッチ旋風”を巻き起こしたシリーズ2作目『ピッチ・パーフェクト2』のサウンドトラック。1作目のサウンドトラックも大ヒットを記録したが、2作目のサントラは、1作目のファンへのサービスはもちろん、新規ファンも楽しめる豪華な楽曲満載の一枚に仕上がっている。登場人物がアカペラカバーする楽曲群が本シリーズのサントラのなによりの魅力であることはもちろんだが、グラミー賞受賞アーティストや、アメリカンアイドルに代表されるようなオーディション番組からデビューを果たしたシンガーや、最新のR&BシンガーやDJによるヒットチューンも数多く収録されており、アメリカを中心としたポップソングのトレンドを感じることができる点でも、サントラの枠を越えて楽しめる作品に仕上がっている。映画冒頭から“ベラーズ”によって披露されるマイリー・サイラスやJessie Jといった、前作おなじみのアーティストの楽曲はもちろん、ライバルチームとして本作に登場する「Das Sound Machine」が歌う、ベラーズとはまた異なる「MUSE」や「FALL OUT BOY」といったロックバンドのアカペラカバーも聞きごたえ十分。ほかにも、本作のテーマとなる“オリジナリティ”を体現した楽曲として披露される、 『007 スペクター』の主題歌を手がけるサム・スミスが作曲に参加したJesse Jの「Flashlight」や、一大ブームとなった“CUPS”の別バージョンが披露されるのもファンとしては嬉しいところだ。さらに、“CUPS”で話題となった「When I’m Gone」が、もとは「カーター・ファミリー」による30年代のカントリーソングであったこともそうだが、本作の面白いところは、アメリカンポップスの歴史の中でクラシックやオールディーズとして数えられるナンバーが、現代的にカバーされているところだ。ベラーズの合宿シーンでは、1940年代から60年代、90年代、そして2000年代と、年代別にヒットソングが披露される。中でも74年にヒットしたコーラスグループ「Labelle」による「Lady Marmalade」が、ラストのパフォーマンスシーンでは2007年にクリスティーナ・アギレラによってカバーされたバージョンで披露されている。最新のヒットソングからクラシックな名曲まで、アメリカのポップソングの深い鉱脈を感じることができる一枚としても、ぜひおすすめしたい作品だ。■『EDEN/エデン』フランスの新鋭ミア・ハンセン=ラブ監督が、DJとして活動していた実の兄をモデルにフランスのダンスミュージックシーンの興隆を描いた『EDEN/エデン』。1992年から2013年の11年にも渡る物語では、時代とともに移ろいゆくクラブシーンを彩った41もの楽曲が使用されている。主人公ポールが結成するDJユニット「Cheers」が志向していた“ガラージ” というジャンルは、あまり日本においては馴染みのあるものとは言えないが、本作で数多くの楽曲が使用されている「ダフト・パンク」は、日本でもファンの多いアーティストだろう。CMでも使用された「One More Time」はもちろん、『her/世界でひとつの彼女』のスパイク・ジョーンズが監督したMVでも話題を呼んだ「Da Funk」、2013年のグラミー賞を総ナメした傑作「ランダム・アクセス・メモリーズ」収録の「Within」などの楽曲が、本編では実に印象的に使用されている。中でもやはり「ダフト・パンク」のトマとギィが、はじめて「Da Funk」を披露するシーンでは、BPMがぐっと抑えられた圧倒的にシンプルで強度をもつそのサウンドに人々が熱狂する姿が映し出されるのも、本作の見どころのひとつだろう。また、ミアの兄スヴェンが監修していると思われるトラックリストは、当時フロアを確かに賑わせていた楽曲ばかりが続くので必聴!映画のタイトルバックを飾る「Seno Latino(Illusion First Mix)」をはじめ、合唱が沸き起こるシーンが印象的な「Aly-Us」の「Follow Me」、シカゴハウスの創始者フランキー・ナックルズの「The Whistle Song」、おそらくミア自身の体験と思われる、ポールが妹にピアノで弾かせようとする「Liquid」の「Sweet Harmony」など、素晴らしい楽曲が並んでいる。全収録時間は270分にも渡るので、“『EDEN/エデン』ナイト”を企画して一晩中音楽を楽しむのもいいかもしれない。■『合葬』柳楽優弥と瀬戸康史がW主演をつとめ、本年度映画化作品として『百日紅~Miss HOKUSAI~』も公開された杉浦日向子原作の映画化『合葬』。「Asachang & 巡礼」が手がけるサウンドトラックは、今年発売されたサウンドトラックの中でも一際異彩を放っている一枚とも言える。「Asachang & 巡礼」は、最近ではアニメ「惡の華」のエンディングを飾る楽曲「花」でも知られ、映画との関わりとしては、同曲が永瀬正敏主演映画『けものがれ、俺らの猿と』の主題歌に使用されている。ギタリストでありプログラマーの浦山秀彦と、現在数多くのアーティストの作品に参加しているタブラ奏者のU-Zhaanの脱退を経て約6年ぶりのアルバムリリースとなる本作は、新メンバーとしてバイオリン奏者の須原杏とサックス奏者である後関好宏を迎え入れてからはじめての作品となる。ストリングスや太鼓、笛、はたまたエレクトリックギターやロックドラムスなど、さまざまな楽器によって鳴らされた楽曲は、物語全体にただよう“喪”の情景をミステリアスに、そして叙情的に彩っている。ナレーションのカヒミカリィをはじめ、ミュージシャン陣の参加も注目したい本作だが、中でも「Curly Giraffe」による英語詞で披露される楽曲「朝日さす」は、本編でも独自の存在感を放っており、アルバム中でも白眉の一曲。そしてなにより本作は、「Asachang & 巡礼」の他のアルバムでも感じられる、類をみない圧倒的なオリジナリティを十分に感じることができる作品に仕上がっている。これまでにも、時代劇の現代的な解釈によるサウンドトラックが制作されてきてはいるが、本作もそのひとつとして名を連ねられるであろう作品であり、小林監督が「新しい時代劇の、新しい映画音楽をどうぞ」と語るとおり、時代劇と音楽の新しい出会いを感じることができる一枚として、ぜひおすすめしたい。(Text:Toshihiro Horiai)
2015年10月19日故杉浦日向子さんの伝説的な同名コミックを映像化した時代劇映画『合葬』の初日舞台あいさつが9月26日に、東京・新宿ピカデリーで行われ、ダブル主演を果たした柳楽優弥と瀬戸康史をはじめ、岡山天音、オダギリジョー、小林達夫監督が登壇した。『合葬』舞台あいさつ/その他の写真将軍の警護と江戸の治安のため結成された“彰義隊”の若者たちが、幕府解体に反対し、負け戦に身を投じる姿を描いた本作。「カリスマ性を意識した」と振り返る柳楽が、「僕にとって、カリスマといえばオダギリさんだった。現場では刺激を受けながら、しっかり憧れさせていただきました」と敬意を表すと、当のオダギリは「ウソでしょ? 目が泳いでいるよ」と照れ笑いを浮かべた。また、第39回モントリオール映画祭での公式上映に立ち会った瀬戸が、共演者へのお土産としてオダギリに名産のメイプルシロップを渡すと、「甘いもの、苦手なんだよね…」とマイペースを貫き、客席の笑いを誘う場面も。柳楽には絵柄がユニークなエプロン、岡山にはアライグマをモチーフにした帽子がプレゼントされ、こちらは本人たちに好評だった。劇中では彰義隊のリーダー的存在を演じたオダギリだが、「自分にはリーダー的な部分は、かけらもない」と語り、「風邪をひいてしまい、現場で声が出なくなってしまった。その姿から、ここにいる若い皆さんに『役者の仕事は体調管理』と教えることができたかも」とおどけながら猛省。作品については「台本が素晴らしかったが、出来上がった映画は台本以上。時代劇の枠に留まらない、小林監督の挑戦を感じる」と太鼓判を押した。「素晴らしい原作で、初めての時代劇に挑戦させてもらった。皆さんの心に残る印象的なシーンがあれば」(柳楽)、「柳楽くんはボケたがり。かわいらしい一面にキュンとした」(瀬戸)、「殺陣のシーンで、いくつかセットを壊してしまい、現場で“破壊神”とあだ名がついてしまった」(岡山)と彰義隊の若者を演じるキャスト陣も、本作への思いやエピソードを披露した。『合葬』公開中取材・文・写真:内田 涼
2015年09月26日映画『合葬』が9月26日(土)に公開を迎え、主演の柳楽優弥に瀬戸康史、岡山天音、オダギリジョー、小林達夫監督が舞台挨拶に登壇した。没後10年を迎える杉浦日向子の漫画を原作に、慶応から明治へと元号が変わった激動の時期に、江戸の街と最後の将軍・慶喜を守るために結成された彰義隊の面々の姿を描く。監督からカリスマ性を求められたという柳楽さんは「カリスマ性って意識して持てないので…」と困惑。映画を見終わったばかりの観客に「カリスマ性、出てましたか?」と問うと拍手がわき起こり「良かったです」とホッとした表情を見せる。「カリスマ性を持っている人の検索をしたんですが(笑)、そこで出てくる誰一人として意識してカリスマ性を出そうとしている人はいなくて、にじみ出ている感じで…。そこで、僕が高校生の時にカリスマだったのがオダギリジョーさんだったことを思い出しまして、実はすごく近くにいました(笑)!現場でも刺激を受けました」と振り返った。オダギリさんは「知らなかったです」と驚いた様子。映画の中ではリーダー的な立場だったが「僕はリーダー的な部分はかけらも持ち合わせてなくて…。撮影は3~4日だったけど、にもかかわらず風邪をひいてしまい、声が出なくて叫ぶところは全部アフレコになってしまいました。そういう姿から学んでほしいですね。体調管理が役者の仕事なんだと身を持って教えられたと思います(苦笑)」と申し訳なさそうに語り、会場は笑いに包まれた。瀬戸さんは監督と共にモントリオール国際映画祭に参加したが、その際のお土産を共演陣にこの場でプレゼント。オダギリさんには名産のメイプルシロップを渡したが、オダギリさんは満面の笑みで「僕、ホントに甘いものが苦手で…すごく嬉しいです」と語り、会場は再び爆笑!最近、料理にハマっているという柳楽さんにはマッチョな肉体が描かれたエプロンを、さらにこれからの寒くなる季節に備えて、岡山さんにはカナダに住むラクーンという動物をモチーフにしたかわいい帽子をプレゼントしていた。『合葬』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月26日江戸から明治へ、時代の変容の渦に巻き込まれ、儚く散っていった若者たちの青春を描いた時代劇映画『合葬』。将軍と江戸市中を守るために結成された「彰義隊」の一人、秋津極を演じたのが、俳優の柳楽優弥。初主演した映画『誰も知らない』の少年役で世界的に注目された柳楽も、今では25歳の立派な青年に成長し、自身のフィルモグラフィーに多くの出演作を刻んでいる。特に2014年からは破竹の勢いで、宮本亜門演出の舞台「金閣寺」、映画『クローズExplode』『闇金ウシジマくん Part2』『最後の命』、テレビドラマ「アオイホノオ」、現在放送中のNHK朝ドラ「まれ」など堅調な活躍が目立つ。主演も張れて、脇にも徹する事が出来る。最新作『合葬』は自身初となる時代劇で、役者としての幅を広げると共に、引き出しの数を増やすことも出来た。これら活躍は“ブレイク”という言葉で表せそうだが……。ところが本人にぶつけると「今の状況で“ブレイク”と言われてしまうのは悲しい。自分としては“まだまだ”ですよ」と強い眼差しで返って来た。「慢心せずに未来に向かって、いい作品に参加したいという欲がある。“これでいいじゃん”と思ったら終わりだし、そう思ってしまう事が一番怖い。これは10代の時に身を持って知った事です。役者業に対してもっと貪欲でいたい」と説明する。そんな姿勢になれたのも、諦める事無くここまで俳優を続けて来たからこそ。「共演させていただいた先輩方の姿を見ると“凄いな”と思うし、自分が経験して初めて、あんなに軽そうに見えていた事が、こんなにヘビーだったのかと体験する事もある。それによって身が引き締まるし、だからこそ現状に満足するのは危険な事だと思えた。僕は“まだまだ”。役者として生きるのに必死です」と覚悟に似た心境を明かす。国民的ドラマの放送枠ともいえる、朝ドラへの出演も大きな力になっている。それは地方ロケで訪れた港町での出来事。「その町の奥の方に住んでいるカッコいいおじいさんに“いつも観ているよ”と言われたんです。その時に凄く嬉しかった。僕らの仕事は、良くも悪くも観てもらわなければ意味がないし、評価もされないわけですから」。誰かが観てくれている、その実感はモチベーションという活力になる。“初挑戦”も、俳優業に対する貪欲を満たす最高のカンフル剤だ。「初めての時代劇ということで不安もあったけれど、色々な挑戦も出来た。時代劇である一方で、普遍的な青春物語として観る事も出来る。編集も音楽も斬新で、アート寄りの最先端の音楽が合うオシャレな作品。挑戦や新しいものをやるには勇気がいる事だけれど、僕自身もそれに乗っかったという感じ。自信作と言える」と胸を張る。演じた秋津極は、女性たちから熱い視線を集めるモテ男という設定。それも柳楽にとっては初挑戦だった。「いつからこんなにモテる役が演じられるようになったんだ?と思いました。これまでは失恋する役ばかりでしたから」と笑いながら「プライベートでもモテ期ってありませんでした。学生時代もバレンタインチョコを大量にもらう事なんてなかったし。そういった意味では普通のメンズの感覚がわかる」と等身大の役どころにも興味津々。人生でモテ期は3度訪れるというが、俳優としての第2のモテ期が今の柳楽には訪れているのだろう。ヘアメイク:内田香織(Otie)スタイリスト:広沢健太郎(photo/text:Hayato Ishii)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月25日映画『合葬』のヒット祈願イベントが15日、東京・上野の寛永寺で行われ、キャストの柳楽優弥、瀬戸康史、岡山天音、門脇麦と小林達夫監督が出席した。26日から全国公開する本作は、杉浦日向子の同名漫画を実写化した青春時代劇。幕末の動乱期、将軍と江戸市中を守るためにに結成された"彰義隊"の若者たちは、急激な時代の変化に呑み込まれていく――というストーリーで、第39回モントリオール世界映画祭に正式招待された。劇中の衣装で登場したキャスト陣は、彰義隊と新政府軍が衝突した上野戦争の舞台、寛永寺でヒット祈願。撮影前に同所を訪れたという柳楽は、「撮影した後では気持ちが違う」と気を引き締め、瀬戸も、「当時の声が聞こえてきそう」とキリッとした表情。柳楽と瀬戸がW主演を務める本作だが、柳楽は、「瀬戸さんとW主演した作品が世界にいけてうれしい」と海外出品を喜び、「時代劇というより、青春の部分が強い。新しいことにチャレンジできた」と胸を張った。本作の撮影は、真夏の京都で行われ、柳楽が、「京都の街を3人で散歩しました」と楽しげに振り返ると、岡山は、「柳楽くんはイメージと違った。『クールなのかな?』と思ってたけど、ホテルで『やったー! 角部屋だ!』と叫んでた」とお茶目な一面を暴露。また、柳楽は許婚役を演じた門脇と、映画『闇金ウシジマくんPart2』で共演しており、「前回はストーカーしてるんですよ。あっ、余計なこと言っちゃいました?」と笑いを誘いつつ、「今回はしっかり濃い関係だった」と笑顔を見せていた。
2015年09月16日映画『合葬』の舞台となる東京・上野の寛永寺で9月15日(火)、彰義隊の供養およびヒット祈願の祈祷が行われW主演の柳楽優弥と瀬戸康史、岡山天音、門脇麦、小林達夫監督が出席した。杉浦日向子の同名人気漫画の実写化で、慶応から明治へと元号が変わった直後の江戸を舞台に、最後の将軍・慶喜の警護と江戸の町の治安維持のために結成された彰義隊に参加し、寛永寺を中心に展開した上野戦争に身を投じた若者たちの姿を描く。柳楽さん、瀬戸さんらは劇中の衣裳の着物姿で現れ、寛永寺開山堂(両大師)にて行われた彰義隊の鎮魂のための法要、映画のヒット祈願の祈祷に出席した。その後、国の重要文化財にも指定され、上野戦争当時の砲弾による穴がいまでも残ったままの状態の旧本坊表門(黒門)の前で報道陣の取材を受けた。柳楽さんは「僕にとっては初めての時代劇で、いろんなチャレンジができた作品です」と充実した表情。瀬戸さんは、歴史の跡が色濃く黒門を見やり、ここで戦い、力尽きた人々に想いを馳せつつ「“いま”を感じる作品だと思います。僕が演じた役は、志や思いがはっきりせずに迷って、悩み続けます。いまを生きている僕たちに近いと思います」としみじみと語る。門脇さんは、柳楽さんの許嫁という役柄だが、共演シーンはわずか1シーン。全体的にも決して出演シーンが多いとは言えない中で、心情を表現せねばならず、難しさを感じながらの撮影だったよう。「いまを生きている私では、はかり得ない感覚が多すぎて…。それでも同じ人間、16歳を経験した一人の女性として共通する部分は絶対にあるはずと思い、近く感じられる部分を手繰り寄せながら撮影に臨みました」とふり返る。柳楽さんは以前、別の映画で門脇さんのストーカーを演じた“前科”を明かし「今回はしてません!」と語るも、微妙な空気に「余計なこと言っちゃいましたね(苦笑)」と自ら墓穴を掘ってしまったことに後悔した様子で平謝りだった。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月15日柳楽優弥と瀬戸康史をW主演に迎え、杉浦日向子の傑作漫画を実写映画化した『合葬』。激動の時代に翻弄される若者たちの青春を描いた本作は、第39回モントリオール世界映画祭「ワールド・コンペティション部門」にて、9月3日(現地時間)、記者会見とプレミア上映会が行われ、主演の瀬戸さんと小林達夫監督が参加。俳優デビュー10年目に初の海外映画祭となった瀬戸さんは、流暢なフランス語でスピーチを行い、カナダ・モントリオールの観客を沸かせた。幕末、将軍の警護のため有志により結成された「彰義隊」を舞台に、江戸から明治へ、時代に翻弄される若者たちの青春と生きざまを描く全く新しい時代劇として、海外からも熱い注目を集めている本作。モントリオール世界映画祭といえば、過去に、『おくりびと』(’06年/最優秀作品賞)、『わが母の記』(’11年/審査員特別大賞)、昨年は吉永小百合主演『ふしぎな岬の物語』が「審査員特別賞」「エキュメニカル賞」を、呉美保監督・綾野剛主演の『そこのみにて光輝く』が「最優秀監督賞」を受賞するなど、日本作品が高い評価を受けている国際映画祭。公式記者会見には、日本文化に興味を持つ世界各国の報道陣が集まり、小林監督と瀬戸さんが世界各国の記者からの質問に応じた。瀬戸さんは、本作への参加について、「映画での時代劇は初めてでした。『合葬』は日本人から観ても、新しい時代劇作品が出来たなと感じています。一方で、昔からある武士・サムライの精神が、いまを生きる僕たちに伝わる作品だとも思います」とコメント。本作に登場する若い侍については、「柳楽優弥さんが演じた極(きわむ)という人物は、皆が思う“THESAMURAI”で、自分の仕えている人のため、自分の志のために真直ぐに生きている人物。一方、僕が演じた柾之助(まさのすけ)は、現代人に一番近い考えを持っている人物かと思います。自分の居場所を探しながら、日々迷い、悩み…そういうところがいまを生きている僕らとの共通点だと思います」と語った。また、「日本映画の数々の時代劇の名作、なかでも溝口健二や黒沢明監督の作品は、自分が映画を志す上で大変影響を受けました」という小林監督は、「今回描いた、若者たちが知らない間に戦争に巻き込まれるという構図はどの国でもどの時代にも共通するテーマ。現代劇でこのテーマを描くと作家の主義主張やマニフェストとして作品がとらえられがちだが、時代劇で描くことによって世の中に何かを問うというよりも、寓話的、象徴的に見ていただけるのでは…」とその思いを明かした。その日の夜、行われたプレミア上映でも、昨今の日本ブームもあってか本作への注目度は高く、21時半と夜遅い上映時間にもかかわらず、20代の女性グループを含め老若男女たくさんの観客が詰めかけた。上映前、小林監督とともに登壇した瀬戸さんは、美しいグリーン色の着物姿で登場、観客からは大きな歓声がわき起こった。瀬戸さんは、初めて国際映画祭に参加したことへの感謝と、作品に描かれたテーマ“武士道”にからめた熱いメッセージを、完璧なフランス語で「激動の時代に生きた、名もない若い侍達の姿を描いた作品です。映画では侍が世の中から姿を消そうとしている時代に、彼らの日常や、迷い、悩みながらも志のために戦っている姿を描いています」と紹介。「侍は礼儀や作法を大切にし、忠誠心の強い、現代の我々日本の若者にとっても尊敬すべき精神をもっています。侍はいなくなってしまいましたが、現代を生きる僕らにも侍の心、“武士道”が残っています。私に宿っている“武士道”は、役者として、その一瞬一瞬に命をかけるという覚悟です。私にとって『合葬』は1シーン、1シーン、台詞一言、一言に命をかけて作った映画です」と力強く語ると、観客も大いに沸き、その発音は、通訳に「以前、フランス語を勉強していたのですか?」と聞かれるほど素晴らしいものだったという。プレミア上映では、エンドロールに入った途端、観客たちから自然に拍手が湧き起こり、全ての上映が終わった後、再び盛大な拍手に会場が包まれた。観客と一緒に映画を鑑賞していた小林監督と瀬戸さんが客席に向かって一礼し、会場を出ようとすると「素晴らしかった!」と次々に握手を求められ、劇場のロビーでも観客からの感想と質問が殺到。なかなか会場を去れない状態が約40分間続いたという。瀬戸さんは、そんな熱気の中、「映画が終わって拍手をいただけたことがとても嬉しい」と語った。なお、同プレミア上映の前には、瀬戸さんが粋な着物姿でモントリオールの街を散策。街角ではいたるところに、映画祭のバナーがあふれており、街をあげてのお祭りムードに、「昨夜は興奮してなかなか寝付けませんでした」と瀬戸さん。モントリオールを訪れる観光客なら必ず足を運ぶといわれる観光名所・ノートルダム聖堂の前で記念撮影。すると、聖堂の前のプラスダルム広場では、課外授業でモントリオールに訪れていたカナダ人の女子中学生にあっという間に取り囲まれ、写真撮影タイムに。「KIMONOが素敵!」「日本の俳優なの?かっこいい!!」と、瀬戸さんはカナダ人女性にも大人気の様子だったという。第39回モントリオール世界映画祭授賞式は、現地時間9月7日(日本時間8日)に行われる。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月07日柳楽優弥&瀬戸康史がW主演を果たす『合葬』が、第39回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に正式出品されることが、このほど決定した。漫画雑誌「ガロ」に連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子の同名漫画を実写映画化する本作。NHKテレビ小説「まれ」に出演中の柳楽優弥と、今年デビュー10周年を迎えますますの飛躍を見せる瀬戸康史がW主演を果たし、ほかにも若手実力派の岡山天音や、『FOUJITA』の公開を控えるオダギリジョー、柳楽さんと同じく「まれ」出演中の門脇麦、「なぞの転校生」の桜井美南ら個性溢れる共演陣が勢ぞろいし、これまでの“時代劇”とは一線を画すリアルな青春群像を紡ぎ出していく。このほど本作の出品が決定したモントリオール世界映画祭は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ北米最大規模の権威ある映画祭であり、近年立て続けに日本映画が受賞。今年すでに中村倫也主演の『星ガ丘ワンダーランド』の正式招待も決定し、“日本好き”として知られる本映画祭は大きな注目を集めている。そして、今回の正式出品を受けて柳楽さん、瀬戸さん、岡山さん、小林監督からコメントが届いている。■柳楽優弥今回このようなお知らせを聞く事が出来てとても光栄です。僕は舞台の稽古中の為、現地へ伺う事が出来ませんが、『合葬』に込められた想いがモントリオールの方々にどう感じて頂けるのか、とても楽しみです。■瀬戸康史小林監督、スタッフ、共演者の方々と共にリハーサルを重ね、短い期間でしたが昨年の暑い夏、妥協せず闘った作品が評価され、個人としては初の海外映画祭コンペの出品となったことを光栄に思います。まるで自身の目で見て、感じた幕末の人間模様や風俗をそのまま描いた、杉浦日向子さん原作の日本の時代劇映画が世界の沢山の方々に観ていただける機会を与えられて嬉しく思いますし、今作は僕ら日本人が観ても、“新しさ”を感じる時代劇で、海外の方々の反応が今からとても楽しみです。この映画から、亡くなった者、遺された者、それぞれの生き様を見届けてほしいと思います。■岡山天音『合葬』が、モントリオール世界映画祭に出品された事、とても嬉しく思います。日本の幕末という時代を生きた人間たちの、ありのままの生き様に国境を越えて寄り添ってもらえたら最高です。■小林達夫監督『合葬』のWorld Competition部門ノミネート、嬉しく思います。若者の置かれている状況に対する不安や、仲間同士の羨望や嫉妬といった感情から生まれるストーリーは、時代劇という枠にとらわれず普遍的な青春映画のテーマとして海外の方にも共感していただけることを願っています。尚、映画祭には、小林監督と瀬戸さんが出席予定。瀬戸さんの海外映画祭への参加は今回が初となり、海外でどのような注目を集めるのか大いに期待がかかる。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月12日柳楽優弥と瀬戸康史が主演を果たす時代劇『合葬』。原作者・杉浦日向子の命日である本日22日(水)、主演の2人よりコメントが到着した。鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護および江戸市中の治安維持を目的として有志により結成された「彰義隊」。高い志をもって結成され江戸の民衆から慕われながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった彰義隊は、「新撰組」や「白虎隊」に比べると、これまであまり語られることがなかった。将軍に熱い忠誠心を持ち、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽優弥)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸康史)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌二郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命を描く。伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載され日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦氏の同名漫画の実写映画化である本作。杉浦氏は、漫画家や江戸風俗研究家、文筆家、さらにテレビ出演などで活躍し、1984年に「合葬」で日本漫画家協会賞優秀賞、1988年「風流江戸雀」で文藝春秋漫画賞を受賞し、1980年代の「江戸ブーム」を牽引した。また、今年代表作「百日紅」の原恵一監督によるアニメーション映画化『百日紅~Miss HOKUSAI~』が公開され、大きな注目を集めた。7月22日(水)、杉浦さんの没後10年を迎える今日、『合葬』で主演を果たす柳楽さんと瀬戸さんから、杉浦さんの命日にあてたコメントが届いている。<柳楽優弥/極役>初めて杉浦さんの漫画、『合葬』を読んだとき、すごく引き込まれ、切なさや儚さがある中でも親しみやすい作品だと思いました。時代劇であり青春の要素も含まれ、どの世代の方にも共感して頂ける作品になったと思います。僕が演じた極は、悲しいくらいにまっすぐ生きています。その生き方は、とても勇気がいることだと感じました。そんな極にどこまで近づけられるかという事が自分にとっての一つのテーマでした。できることならば、是非杉浦さんに観て頂きたいです。自信をもってお届けできる作品です。<瀬戸康史/柾之助役>杉浦日向子さんの原作を知ったのは、今作の映画『合葬』に関わらさせていただくことになってからで、それから何作か続けて読みました。共通して思うのは、杉浦さんはタイムトラベラーなのではないかということ。そうでなければ、登場人物や風景をあんなに細かく描けないと思う。僕が『合葬』で演じた吉森柾之助もそうです。杉浦さんが自身の目で見て、感じてきたからこそ描けるのではないでしょうか。僕は演じる上で原作の異質な雰囲気は壊したくなかったですし、時代や人を少し違った目線で見ている柾之助を大切に演じました。杉浦さんが今作を見て、最後にはどこか希望を感じられる作品になっていたらと思う。天才漫画家と称され、46歳の若さで惜しまれながらなくなった杉浦日向子。没後10年を迎えて公開される本作で、さらなる注目が集まりそうだ。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月22日NHK朝ドラ「まれ」でも好演を見せる柳楽優弥と、新ドラマ「エイジハラスメント」がまもなくスタートする瀬戸康史がW主演を果たす映画『合葬』。杉浦日向子の同名傑作漫画を実写化した本作から、待望の予告編映像が到着した。伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子による原作が、存在感のある俳優としてますます評価を高める柳楽さん、今年デビュー10周年を迎えた瀬戸さんのW主演で映画化。その2人の幼馴染役に、若手実力派の岡山天音、さらに世界的に活躍する俳優・オダギリジョー、同じく「まれ」などで活躍する最旬女優・門脇麦と、個性豊かな実力派共演陣が集結する。舞台となるのは、幕末、「新撰組」や「白虎隊」に比べ、これまであまり語られることがなかった「彰義隊」。予告映像では、将軍に熱い忠誠心を持ち自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽さん)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸さん)、そして友を止めるため、やむを得ず入隊した幼馴染・悌二郎(岡山さん)の偶然の再会から幕を開ける。その直後、「江戸という時代と彼らの青春の終わり」というカヒミ カリィの独特で印象的なナレーションから音楽が転調、門脇さんやオダギリさんも登場し、また瀬戸さんの力強い言葉や柳楽さんの慟哭とともに、まだ若い彼らが儚く散る運命を切ない映像美で魅せていく。混乱の幕末に翻弄された若者たちの姿を、現代の若者にも通じるリアルな青春群像として紡ぎ出した本作を、まずは、こちらから確かめてみて。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月08日俳優の柳楽優弥と瀬戸康史が主演を務める映画『合葬』(9月26日公開)の予告編が8日、公開された。将軍の警護と治安維持のために結成されながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」の姿を描く本作。将軍への熱い忠誠心から、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命が描かれる。公開された予告編は、柳楽演じる極が「わが命は上様にささげ奉ると決めている」とりりしく宣言する姿から始まる。前半では極、柾之助、悌次郎らの3人が青春を謳歌する姿が描かれるが、後半に入ると一変、「恋も 友情も 志も 儚く散る」というメッセージが暗示するように、3人の運命が暗転していく様子が切なく映し出されている。映画の原作は、漫画雑誌『月刊漫画ガロ』(青林堂)で連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した人気漫画作品。原作者の杉浦日向子氏は1980年代の「江戸ブーム」をけん引し、数々の名作を残した。映画『天然コケッコー』(2007年)や連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)などを手掛けた脚本家・渡辺あやが、映画脚本としては4年ぶりに担当。その渡辺が「新進気鋭の逸材」と評した小林達夫監督がメガホンを取り、共演にはオダギリジョー、門脇麦らが名を連ねている。(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
2015年07月08日NHK連続テレビ小説「まれ」で、土屋太鳳が演じる主人公・津村希の新しい恋(?)の相手・池畑大輔を好演中の柳楽優弥と、大河ドラマ「花燃ゆ」でも“幕末男子”を熱演中の瀬戸康史がW主演を果たす映画『合葬』。その2人の表情が対照的な、本作の世界観をシンプルかつ力強く表現するポスタービジュアルが完成、いち早くシネマカフェに到着した。「新撰組」や「白虎隊」に比べると、これまであまり語られることがなかった「彰義隊」。鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護および江戸市中の治安維持を目的に結成された彼らは、江戸の民衆から慕われながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった。本作で描かれるのは、将軍に熱い忠誠心を持ち、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽優弥)と、養子先から追い出され、行くあてもなく彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸康史)、彰義隊の存在に異を唱えながらも、そこに加わらざるをえなかった悌二郎(岡山天音)という、時代に翻弄された3人の男の数奇な運命。伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載された杉浦日向子による原作をもとに、脚本を手がけるのは、4年ぶりの映画脚本となる渡辺あや。監督は、その渡辺さんが新進気鋭の逸材と認める小林達夫。共演には、若手実力派の岡山天音、世界的に活躍する俳優・オダギリジョーや「まれ」でも好演を見せる門脇麦など、個性豊かな面々が集結。ナレーションをカヒミ カリィ、音楽を「ASA-CHANG&巡礼」が務めることも話題となっている。到着したポスタービジュアルでは、「腹は決めた。心は迷っていた。」のコピーとともに、彰義隊に自らの意思で入隊した極と、ほかにあてがなく赴くままに入隊した柾之助の「動」と「静」の対比が、2人の表情からくっきりと浮かび上がっている。そして、友を止めるため、やむを得ず入隊した2人の幼なじみ・悌二郎(岡山天音)がその行く末を心配そうに、儚げに見つめている。いま改めて注目を浴びている、激動の時代を生きた“幕末男子”の三者三様の生きざまには、胸キュン必至。これまでの“時代劇”とは一線を画す現代の若者にも通じるリアルな青春群像に、いっそう期待が高まるビジュアルとなっている。『合葬』は9月26日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年06月15日俳優の柳楽優弥と瀬戸康史が主演を務める映画『合葬』(9月26日公開)で、歌手のカヒミ・カリィがナレーション、音楽ユニット・ASA-CHANG&巡礼が劇中曲を手がけることが11日、わかった。ともに映画作品への参加は初となる。将軍の警護と治安維持のために結成されながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」の姿を描く本作。将軍への熱い忠誠心から、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命が描かれる。音楽活動以外にも、NHK FMのパーソナリティー、映画の字幕監修としても活躍するカヒミ。「江戸時代がまるで昨日終わったかのように、若者たちの息使いや笑い声が胸を締め付け、現代があの時代からずっとつながっているという事をリアルに感じました。このような作品に参加する事ができ、本当に光栄です」とコメントを寄せた。トライバル、電子音楽など既存のジャンルにとらわれない音楽で、舞台音楽などでも活躍するASA-CHANG&巡礼は、「『弔いの音楽』という小林監督の意をうけて」、楽曲を制作したことを明かし、「ASA-CHANG&巡礼としての渾身のサウンドトラックが仕上がりました」と自信をのぞかせた。映画『合葬』は、2005年に46歳の若さでこの世を去った漫画家・杉浦日向子さんの同名漫画が原作。『月刊漫画ガロ』(青林堂)で連載され、1984年には日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。脚本は、映画『天然コケッコー』(2007年)やNHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』を手がけた渡辺あや氏が担当し、『少年と町』(2007年)で京都国際学生映画祭グランプリを受賞した小林達夫監督がメガホンをとる。共演として、オダギリジョー、門脇麦らの出演が発表されている。(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
2015年06月11日伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載された、江戸風俗研究家としても知られる天才漫画家・杉浦日向子の傑作を、柳楽優弥&瀬戸康史のW主演で映画化した『合葬』。このほど、本作にオダギリジョー、門脇麦ほか豪華共演者が新たに発表となった。幕末期、鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護および江戸市中の治安維持を目的として有志により結成された「彰義隊」。高い志をもって結成され江戸の民衆からも慕われながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」は、「新撰組」や「白虎隊」に比べると、これまであまり語られることがなかった。本作は、将軍・慶喜に忠誠心を持ち、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽優弥)と、養子先から追い出され、行くあてもなく彰義隊へ入ってしまう柾之助(瀬戸康史)、彰義隊の存在に異を唱えながらも加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)という、若き青年たちの切なく揺れ動く数奇な運命を描き出す。脚本を手がけるのは、映画『天然コケッコー』やNHK連続テレビ小説「カーネーション」などの人気脚本家・渡辺あや。映画脚本を手掛けるのは、4年ぶりとなる。監督には、その渡辺さんが「新進気鋭の逸材」と評する小林達夫。主演を務める柳楽さんは、存在感のある演技で評価が高く、現在、連続テレビ小説「まれ」にも出演中。また、瀬戸さんもデビュー10周年の今年、ドラマ「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」などでますますの飛躍を見せている。そして、若手実力派として注目される岡山天音と、いま最も注目を浴びる20代男優3人に、さらに強力な豪華キャストが加わった。「彰義隊」穏健派の懐刀・森篤之進には、国内外で活躍する実力派のオダギリさん。また、極(柳楽さん)の元・許嫁で、悌二郎(岡山さん)の妹・福原砂世には、「まれ」でも好演を見せる最旬・若手女優、門脇さん。そして、柾之助(瀬戸さん)が想いを募らせ、極が恋心を抱く茶屋の仲居・かなに「なぞの転校生」の桜井美南とフレッシュな演技派を起用。これまでの“時代劇”とは一線を画す、現代の若者にも通じるリアルな青春群像を紡ぎ出していく。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月26日「ぴあ」調査による2015年5月8日、9日のぴあ映画初日満足度ランキングは、浮世絵師・葛飾北斎の娘の人生を描く原恵一監督の最新アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』がトップに輝いた。2位に真木よう子主演のラブ・コメディ『脳内ポイズンベリー』が、3位にマイケル・マン監督によるクライム・サスペンス『ブラックハット』が入った。その他の画像1位の『百日紅…』は、杉浦日向子の人気コミックを原作に、絵に情熱を注ぐ北斎の娘・お栄の日常を描いた作品。観客からは「原監督の人柄を感じるようなほっこりするシーンがある“優しい映画”だった」(25歳)、「お栄の声を演じた杏がとてもうまくて驚いた。主人公が妹を思う場面が見どころ。姉妹の愛の深さに心を打たれた」(35歳)、「江戸時代の様子が生き生きと描かれていて、躍動感のある映像が素晴らしかった」(23歳)、「人間愛の深さ、人間そのものに対する愛情にあふれた作品。北斎の作品や浮世絵、江戸時代の世界を切り取ったような映像もよかった」(35歳)、「原作者のファンなので、どんな作品になるのか期待してきた。すごく丁寧に作られていて、アニメなのに肉質が感じられた」(50歳)、などの感想があがり、20代から40代を中心に支持を集めた。2位の『脳内ポイズンベリー』は、年下の男性に恋をしたアラサー女子の葛藤を、脳内での“会議”を通して描く奇想天外なラブ・コメディ。出口調査では特に10代、20代の女性から好評で「キュンとして私も恋がしたくなった!」「主人公の恋愛が最後までどうなるかわからなくてキュンキュンした」「自分の経験と合わせてグサグサくるところがたくさんあった」「脳内でのやり取りを可視化していておもしろい。誰の頭の中にもあるような身近に感じられるストーリーで楽しめた」「普段、自分が感じている事と似ていて、女性として強く共感した」などの声が寄せられた。(本ランキングは、5月8日(金)、9日(土)に公開された新作映画5本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2015年05月11日アニメーション映画『百日紅(さるすべり)~Miss HOKUSAI~』の初日舞台あいさつが9日、東京・テアトル新宿で行われ、声優キャストの杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音と原恵一監督が出席した。杉浦日向子の同名漫画を映画化した本作は、浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄を中心に、江戸に生きる人々を描いた時代劇。父とともに絵を描いて過ごすお栄(杏)は、家に集う絵師たちや盲目の妹と交流しながら、人生を突き進んでいく――というストーリーで、海外10カ国での配給が決定している。艶やかな着物姿で登場した杏は、原作ファンということもあり、「大好きな作品に関われて光栄です。この日が待ち遠しかった」と感無量の表情で、「知らないけど知っているような景色や江戸の人たちの心意気が詰まった映画になりました」と笑顔でアピール。主題歌には、椎名林檎の「最果てが見たい」が起用され、「小躍りしたいくらいうれしかった。クリエーターの業のような北斎とリンクした曲だと思う」と喜びを語った。一方、お栄の父親でもあり師匠でもある北斎役を演じた松重は、「やり応えのある仕事だと思ったので、気合いを入れて臨んだ」としながら、「アフレコが3時間で終わってしまって……。『もっと色んなパターンでやらせてくれ!』ってお願いしたんですけど」と物足りなさもあった様子。また、立川はオファー時を振り返り、「『原監督から電話です』って言われて、ジャイアンツのかと思って驚いた」とジョークを飛ばして笑いを誘っていた。また、過去に自身が手掛けた『クレヨンしんちゃん』シリーズや『河童のクゥと夏休み』で、杉浦作品に影響を受けたシーンがあるという原監督。「自信を持って見せれる作品」と本作の仕上がりに胸を張りつつ、海外配給決定に、「ヨーロッパの人たちには親しみのある人物だと思うので、興味を持って見ていただけるはず」と期待を寄せていた。
2015年05月10日『クレヨンしんちゃん』シリーズや『河童のクゥと夏休み』など“大人が泣けるアニメ”の作り手として人気の原恵一監督の最新作『百日紅~Miss HOKUSAI~』が5月9日(土)に公開。原監督、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音が舞台挨拶に登壇した。舞台挨拶その他の写真若くして亡くなった漫画家で江戸風俗研究家としても知られる杉浦日向子の作品の初のアニメーション化。浮世絵師・葛飾北斎を父に持ち、女性ながらも自らも浮世絵師として活躍するお栄の姿を当時の江戸の暮らしと共に描き出す。杏、松重、清水、立川は作中の雰囲気そのままの和装で登壇したが、濱田だけは和洋折衷のような(?)、なんとも奇抜な衣装で登場。これに対し、立川が開口一番「登壇陣を代表して」ツッコミを入れ、会場は早速笑いに包まれる。杏は元々、杉浦作品の大ファンということもあり、原監督からのオファーに対し「即諾した」と明かす。朝の1回目の上映を前に「願わくば、私も空いている席に座って見たい。何度も見たいと思える作品です」と観客の期待を煽る。椎名林檎を主題歌が担当している点についても「大好きな杉浦さんの作品に出演できることだけでも嬉しいのに、主題歌が大好きな椎名林檎さんということで、小躍りするくらい嬉しい!」と喜びを口にする。『最果てが見たい』という楽曲については「北斎は90近くまで生きて『あと10年、あと5年生きれば本物の絵描きになれるかも…』と言って死んでいったそうですが、本当に最果てが見たいのか? それは芸術家の業なのか?というところは(映画と)リンクする部分があると思います」と語った。3年の歳月をかけて本作を完成させた原監督は「素晴らしい作品ができました。『できたと思います』とは言いません。できました!」と胸を張る。「自信を持って見てもらえる作品になりました。原作者の杉浦さんに誠実に、自分に対しても誠実に作った作品です」と力強く語った。『百日紅~Miss HOKUSAI~』公開中
2015年05月09日“大人が泣けるアニメ”を次々と世に送り出す原恵一監督の最新映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』が5月9日(土)に公開を迎え、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、立川談春、清水詩音が初回上映前の舞台挨拶に登壇した。早逝した漫画家で江戸風俗研究家の杉浦日向子の人気漫画「百日紅」を『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズで知られ、自身も杉浦さんを敬愛する原監督がアニメ化。葛飾北斎の娘で自らも浮世絵師のお栄を中心に当時の江戸の町人の暮らしを生き生きと描き出す。製作に3年を要した作品がついに公開を迎えたが原監督は「素晴らしい作品ができました。『できたと思います』とは言いません。できました!原作者の杉浦さんに対して誠実に、自分に誠実に作った作品です」と自信と手応えを口にする。お栄の声を務めた杏さんは艶やかな着物姿で登壇。「杉浦さんの作品に憧れていた」と語り、今回のオファーに対し「即諾しました」と明かす。記念すべき初回上映を前に「私も願わくば空いている席に座って見たいと思うくらい、何度も見たい作品です」と語った。松重さんは「子どもが見ていた『クレヨンしんちゃん』を親の私が見て、どっぷりハマってすごい監督だと思ってました。まさかアニメーションの仕事が来ると思ってなくて光栄です」と初の声優挑戦が敬愛する原監督作品であることに感慨深げ。「気合いを入れてアフレコに臨んだんですが、2日の予定が一生懸命準備していたのに3時間で終わってしまいました。『もうちょっとやりたい』と思ったけど『帰ってください』と言われて、もっといろいろ試したかったんですが…」と苦笑交じりに語り、笑いを誘っていた。立川さんは原監督からのオファーを受けた時のことを振り返り「原監督から電話だと聞いて何事かと思いました。原監督と言えばジャイアンツだろうと思って…」と“原監督”違いを明かし、会場は再び笑いに包まれた。本作は仏アヌシー国際アニメーション映画祭のコンペティション部門への出品をはじめ、各国での上映、公開が決まっているが、原監督は「北斎の名は海外、特にヨーロッパではなじみのある人物であり、興味を持って見てもらえる自信がある」とうなずく。杏さんは「私が生まれた年は実は江戸時代に生まれた最後の人が亡くなられた年なんです。ここで、時代が途切れないよう、見て、感じて、伸ばしていくのが現代に生きる私たちの使命であり、楽しみだとも思います。知らないけれど知っている、江戸の景色、心意気が詰まっています!」と力強い言葉で作品を送り出した。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年05月09日モデルのキャリアをベースに女優としても映画やドラマで活躍する才色兼備な人、杏さん。「取材で“次は何に挑戦したいですか?”って聞かれると、アニメーションの声の仕事と答えていたんです」という彼女の願いは『百日紅~Miss HOKUSAI~』によって叶った。演じたのは主人公のお栄、23歳。職業は浮世絵師。父はかの有名な葛飾北斎。もともと原作ファンだった杏さんが映画の魅力、江戸に生きた女性・お栄の魅力、日本の美術の魅力を語る。原作は漫画家、江戸風俗研究家、文筆家だった杉浦日向子の「百日紅」(上下巻)。「杉浦さんの作品は以前から読んでいました。おそらく薦められてエッセイを手に取ったのがきっかけだったと思います。杉浦さんが描くものにはリアリティがあって、江戸のことを想像して描くというよりは江戸の風景を見たまま描いているようで。もちろんそれは不可能ではあるんですが、それを感じさせる筆の力が凄いんです」。杉浦日向子の作品の虜になったのは杏さんだけではない。この映画の監督である原恵一氏も「いつかアニメ化したいと思っていた」そうで、「百日紅」の映画化が決まり絵コンテを描く段階で、すでにお栄は杏さんをイメージしていたと言う。どことなくお栄に杏さんの面影を感じるのはそういうわけだ。そして、演じるにあたって大切にしたのは監督からのアドバイス──「重く、低く、強く、ゆっくり」だった。「私が台本から感じたお栄は素朴で強い、真面目で無器用な女性でした。ただ、声のお仕事は今回が初めてだったので、何が正解なのか分からなくて。若い女性キャラクターは比較的、高い声をイメージしがちですが、監督から“重さ”を出して欲しいとアドバイスいただいたことで、お栄らしさを出すことができました。役を演じる毎に自分との共通点を聞かれて考えるんですが…今回は実在する人物なので自分と似ているとはおこがましくてなかなか言えなくて。憧れの方が大きいですね。演じるうえでは、お栄に変身するというよりは役と仲良くなる、友だちが増える感覚。もちろん自分の内なる感情を表現していますが同一ではなく、すごく近い理解者という感じです」。また、お栄としてアニメーションの世界に身を投じ、“江戸に生きる”ことができたと言葉が弾む。「面白かったのは江戸を生きる人になれたことです。アニメーションの面白さは筆で描けるものはなんでも具現化することができること。今はもうなくなってしまったもの、想像上のものであっても、まるでそこにあるかのように描くことができる。声をあてることで、お栄としてそこに存在できたことはとても面白かったです」。映画のなかで描かれる江戸の自然の姿を見ながら想像も膨らんだそう。杏さんが見てみたいと言うその景色は?「もしも江戸に行けるとしたら…空はどんなに澄んでいるのかとか、星空や海や川の美しさを見てみたいですね」。古き日本の美しさを筆で表現した浮世絵。実は杏さん、以前から興味を持っていたそうで「10年くらい前に浮世絵を真似して描いてみたことがあるんです」。しかも経験だけでなく知識も豊かだ。「浮世絵は日本の美術のなかでおそらく群を抜いて注目されている分野ですよね。北斎に関しては、米雑誌『ライフ』の“この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人”に日本人として唯一ランクインしています。浮世絵は歴史のなかにある完成されたもの(美術)という認識ですが、この映画のなかではその浮世絵を実際に描いている姿、何を描いていたのか、北斎やお栄のような浮世絵師の暮らしぶりや喜怒哀楽が描かれています。現代でいうアトリエではなく汚い家で描いていたとか、新しいものが見えてくるんです」。彼女の凛とした“やまとなでしこ”な美しさは、日本の文化、芸術、歴史を知ることで滲み出ているのかもしれない。『百日紅 Miss HOKUSAI』でアニメーションの声を演じるという夢を叶えたわけだが、やっぱり聞きたいのは次なる夢。挑戦したいことは?「私の本業は写真をとってもらうモデル。いつか日本画の中に描いてもらいたいとか、京都の箪笥の奥にしまってあるような歴史ある着物をまとって写真を撮ってみたいとか、そういう願望、興味はあります。女優としての挑戦は、どんな作品であってもいただいた役には自分が超えるべきハードルや壁があると思うんです。もちろん不安もありますが、やってみないと分からないのが女優という職業の面白さ。どんな役でも受け止められるフラットな状態でありたいです」。(text:Rie Shintani/photo:Nahoko Suzuki)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年05月08日浮世絵師・葛飾北斎の娘を主人公にしたアニメーション映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』が5月7日(木)に外国特派員協会(東京・有楽町)にて上映され、原恵一監督が上映後の記者会見に出席した。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』、『河童のクゥと夏休み』など“大人が泣けるアニメ”を次々と世に送り出す原監督が、2005年に早逝した杉浦日向子の漫画作品の初のアニメ化に挑戦。北斎の娘で父と同じく浮世絵師として生きるお栄の姿を通じて、江戸の庶民の風俗を鮮やかに描き出す。いわゆる「時代劇らしくなさ」が本作の大きな特徴となっているが、日本をよく知る外国人記者たちの目にも新鮮に映ったよう。オープニングからロック調の楽曲が流れる演出について、原監督は「お栄というのがロックな女性であったことと、原作者の杉浦さん自身がロック好きで、江戸を描きながらロックを聴いていた」と理由を説明し「伝統的な時代劇ではない意思表示です」と語った。本作は原監督作品には珍しい女性主人公の作品となったが、強くたくましいお栄という女性について原監督は「杉浦さんが自身を投影したキャラクターだと感じました。杉浦さんは柔らかい日本女性でしたが、作家であるからにはそれだけではない」と指摘。「杉浦さんのある一面が投影された主人公にすべきだと感じました」と語る。江戸の人々の暮らしに関しても「原作を読むと、庶民に関して言えば現代を生きる僕ら以上にのびのびと、のんびりとバカバカしく季節を感じ、楽しく生きている。実は女性が元気で女性が男性を選ぶ自由があったけど、これまでの時代劇はそれを描いてこなかった。杉浦さんが僕らにそれを教えてくれた」と従来の時代劇との違いに言及した。日本のアニメが海外で高く評価される一方で、ある記者からは「欧米ではまだアニメは子どものためのものと考えられている部分がある」という指摘も。本作に関して原監督は「子どもに見せてもいい、小学校の高学年から見てもいい映画だと思います。難しい部分もあり、意味が分からなくても自分なりに何かを判断してくれると思う」と語り、自身のアニメーションに対するスタンスとして「子どものためのものとして、これを見せておけば安心安全というものに興味はない。どこかでお客さんに挑戦し、挑発したい」とお栄さながらに“ロック”な自らの内面をのぞかせる。アニメーションの質の高さに関しても強い自負を持っているようで、劇中のお栄が家から飛び出し、駆け出す数十秒のシーンについて「一人の人間がカメラワークを組み立て作ったシーン。日本のアニメーターにしか描けない、自慢したいカットです。3か月かかりました」と誇らしげに語っていた。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年05月08日話題のアニメ映画や人気俳優主演のアクション大作など、注目作が目白押しの今週末公開の作品の中から、シネマカフェ編集部がピックアップしたオススメの作品をご紹介。今週末、あなたはどの作品を観に行く?■『脳内ポイズンベリー』携帯小説家の櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で一緒になって以来気になっていた年下男子・早乙女(古川雄輝)に、偶然遭遇する。「運命の再会」にときめくいちこのパニック状態の脳内では、5人のメンバー(西島秀俊・神木隆之介・吉田羊・桜田ひより・浅野和之)による脳内会議を繰り広げられていた。限界を迎えた5人のメンバーの元に、いちこと同じ風貌の黒ずくめの女性が現れ、5人は眠らされてしまう。その途端、いちこは大胆にも早乙女をベットに誘い、ベットイン。しかし、自分の軽率な行動を後悔し、いちこは連絡先も残さないままそっと帰宅する。後日、晴れて恋人同士になるも、早乙女の元カノジョの出現や、編集部の越智(成河)からは突如キスされ…!?はたして、いちこと脳内会議のメンバーは、幸せな道を選ぶことができるのか!?いちこ×早乙女×越智の三角関係のゆくえは――!?「失恋ショコラティエ」や「放課後保健室」などで知られる人気漫画家・水城せとな原作の映画化『脳内ポイズンベリー』。主演を務めるのは、昨年の第37回日本アカデミー賞にて、『さよなら渓谷』で「最優秀主演女優賞」、『そして父になる』で「最優秀助演女優賞」のダブル受賞した真木よう子。主人公・いちこの“脳内会議”の面々には、“理性”を担当する吉田役に西島秀俊、“ポジティブ”を担当する石橋役に神木隆之、石橋とよく対立するという“ネガティブ”の池田役に吉田羊、感情に素直な“衝動”ハトコ役に桜田ひより、いちこの歴史を記録する“記憶”の岸さん役に浅野和之と、豪華な面々が集結。監督を務めるのは、『ストロベリーナイト』シリーズや映画『キサラギ』などコメディタッチのドラマでも定評のある佐藤祐市。リアルと脳内世界を行きかう、ポップでキュートな新感覚ラブ・ストーリーをぜひ週末に。『脳内ポイズンベリー』は5月9日(土)より全国東宝系にて公開。■『百日紅~Miss HOKUSAI~』浮世絵師・お栄は、父であり師匠でもある葛飾北斎とともに絵を描いて暮らしている。雑然とした家に集う善次郎や国直と騒いだり、犬と寝転んだり、離れて暮らす妹・お猶と出かけたりしながら絵師としての人生を謳歌している。今日も江戸では、両国橋や吉原、火事、妖怪騒ぎ、など喜怒哀楽に満ちあふれている。恋に不器用なお栄は、絵に色気がないと言われ落ちこむが、絵を描くことはあきらめない。そして、百日紅が咲く季節が再びやってくる、嵐の予感とともに…。2005年に逝去した江戸風俗研究家で文筆家、漫画家・杉浦日向子の傑作を長編アニメ化した『百日紅~Miss HOKUSAI~』。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』『河童のクゥと夏休み』など多くのアニメーション作品で各賞を受賞し、平凡な家族の日常を舞台に老若男女が楽しめる感動作を生み出してきた原恵一監督が、自身が多大な影響を受けたという原作の映像化に挑む。浮世絵師を生業とする主人公・お栄(23歳)を演じるのは、長篇アニメーション作品の声優に初挑戦となる杏。共演にも、杏とは3度目の親子役での共演となり、葛飾北斎を演じる松重豊ほか、濱田岳、高良健吾、麻生久美子など、個性派俳優陣が顔を揃えた。また、『さくらん』以来、8年ぶりの映画主題歌提供となる椎名林檎が歌う「最果てが見たい」にも注目。本作は、フランス、イギリスを始めとした世界での配給が決定し、第39回アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)の長編コンペ部門にも出品。今後大きな話題となるであろう本作をぜひ劇場でチェックしてみて。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より公開。■『ブラックハット』何者かのネットワーク不法侵入によって、香港の原子炉は爆破され、アメリカの金融市場も大打撃を受けるが、アメリカ・中国の合同捜査チームは事件解決の糸口をつかむことができずにいた。一縷の望みを託され、捜査協力を要請されたのは、ハッキングの罪で投獄中の天才プログラマー、ハサウェイ(クリス・ヘムズワース)だった。実は犯人が使用しているシステムは、彼がかつて開発したプログラムを応用したものだったのだ。世界を脅かす凶悪犯の動きを制止するため、ハサウェイは合同捜査チームと共に、シカゴから香港、マレーシア、ジャカルタと、世界を股に掛けた追跡劇が始まる――。『ヒート』『コラテラル』など、スタイリッシュな映像と硬質なアクションの傑作を生み出し続けている巨匠マイケル・マン監督が5年ぶりに手がける最新作『ブラックハット』。主演は、『アベンジャーズ』『マイティ・ソー』で“雷神・ソー”を好演し、アクション俳優としてますます注目を集めるクリス・ヘムズワースが務め、元・天才犯罪者として“頭脳戦”に繰り広げる。マン監督の代名詞でもある激しい銃撃戦や爆破、空撮、ボートやヘリなど様々な乗り物を使用した臨場感ある映像が見どころの本作。週末は、クリス・ヘムズワースの迫力のアクションに魅了されてみては。『ブラックハット』は5月8日(金)よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月07日『河童のクゥと夏休み』『クレヨンしんちゃん』シリーズの原恵一監督最新アニメーション『百日紅~Miss HOKUSAI~』ジャパンプレミアが4月28日(火)に開催され、声優を務めた杏、松重豊、濱田岳、清水詩音、原監督が和装で舞台挨拶に臨んだ。若くしてこの世を去るも、遺した作品はいまなお高い支持を集める杉浦日向子の人気漫画「百日紅」の映画化。天才浮世絵画家・葛飾北斎の娘で、自身も女ながらに絵師として活躍したお栄を中心に、江戸時代に生きる町人の暮らしを瑞々しく描き出す。杏さんは「大好きな杉浦日向子さんの作品に参加することができて本当に嬉しいです」と万感の思い。自身が演じたお栄に対しては「江戸時代に女性が浮世絵師というクリエイティブな仕事で生計を立てていたというのは稀有なことで、唯一無二と言えるかもしれません。共感というよりは憧れや尊敬の念を感じています」と語る。お栄の父・北斎を演じた松重さんは、声優初挑戦となったが「北斎というビッグネームを声で演じるということで大変なプレッシャーもありました。この歳まで声優というものに憧れを持っていて、52歳でやっとデビューできました」としみじみと喜びをかみしめる。濱田さんも本作で声優デビューとなったが「収録の少し前に松重さんと同じ現場があって『どうする?』『どうする?』と言ってました。松重さんが先に収録だったので、偵察に送って(笑)、『声の現場はどういう感じでした?』とLINEで送ってアドバイスをもらって乗り切りました」と語り笑いを誘う。原監督は2011年の企画の始動からここまで長い道のりだったが「やっとここまで来られたというのが正直な感想」と感慨深げ。「杉浦さんの作品が昔から大好きだったので、初の映像化作品の監督になれたことはものすごい誇りです」と喜びを口にする。気になる仕上がりに関しては、これから映画を見る初めての観客を前に「今回はかなり自信があります。(ハードルを)上げてもらっても大丈夫です!」と胸を張った。杏さんはアニメーションとなった本作について「江戸時代は、いまは失ってしまった“闇”――夜の深い闇が存在していた時代で、だからこそようかいや怪奇現象が本当にあったと思えたのだと思います。リアルにアニメのタッチも変わっていきながら表現されていきますが、めまぐるしく変わっていく景色、風景、現象を動く映像で見られて感激しました!」とアニメーションならではの本作の魅力を強調する。松重さんも、北斎の代表作である「富嶽三十六景」のひとつで、大波の向こうに富士を描いた「神奈川沖浪裏」がアニメーションで表現されることに触れ「僕は神奈川県民ですが、こういう波は見たことがない(笑)。北斎はどこを切り取ってどういう富士が描きたかったのか?天才の目線がすごいものを見ていると再確認しました」と語り、これから映画を見る観客の期待を煽った。なお、本作は第39回アヌシー国際アニメーション映画祭(フランス)の長編コンペ部門に出品されることが決定!2600を超える作品の中から、栄えあるコンペ部門への招待となった。過去には『紅の豚』(93年度/宮崎駿監督)『平成狸合戦ポンポコ』(95年度/高畑勲監督)が日本映画として同部門最優秀作品賞のクリスタル賞を受賞しているが、日本の文化を描いた本作に海外の観客、批評家がどのような評価・感想を抱くのか、期待が高まる。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年04月28日2005年に逝去した江戸風俗研究家で文筆家、漫画家・杉浦日向子さんの傑作を長編アニメ化した『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』の完成披露試写会が4月17日(金)、都内で行われ、杉浦さんを敬愛しメガホンをとった原恵一監督が作品にこめた思いを語った。本編は完成したばかりで、この日がマスコミに向けた初めてのお披露目。上映が終わり、会場が拍手に包まれると、原監督は「ものすごく手応えを感じています。自信をもってお届けできる作品」と誇らしげだった。浮世絵師・葛飾北斎の娘で、同じく浮世絵師として活躍したお栄が、自由快活にアートの道を突き進む姿を、江戸の四季を通して映し出す。女優の杏が主人公・お栄を演じ、長篇アニメ作品の声優に初挑戦するほか、今作で声優初挑戦となる北斎役の松重豊、濱田岳、高良健吾、美保純、筒井道隆、麻生久美子ら豪華な俳優陣が声優を務めている。「監督にとって、杉浦さんはどんな存在ですか?」と問われると、原監督は「天才ですね」と即答。「20代後半に初めて作品に出会って以来、僕の仕事には杉浦さんの影響が色濃く出ている」と自己分析した。それだけに「一番の問題は、原作を好き過ぎるということ」とふり返り、「絵コンテを切っていても、粗悪なコピーを作っている気分になった。仕事は遅いが、手は止めない自信がある僕でさえ、何も描けなくなる時期があったほど」と完成までの苦労を明かした。この日は杉浦さんの実兄である鈴木雅也さん、鈴木弘子さん夫妻が駆けつけ、原監督に完成祝いの花束を手渡した。「妹に代わって、お礼を申し上げます。もしこの場に彼女がいたら、どれだけ喜んでいたか。文句なく大満足と言ってくれるはず」(雅也さん)、「とても幸せな作品。ぜひ若い人に、日向子さんの作品に触れる機会になれば」(弘子さん)と労をねぎらうと、原監督は、「そうであることを願うばかり。ご本人に見せても、恥ずかしくないものを作った自負はある」と感無量の面持ちだった。『クレヨンしんちゃん』シリーズをはじめ、『河童のクゥと夏休み』『カラフル』など、大人が泣けるアニメーション作家として国内外で高い評価を得ている原監督。先月開催されたアニメーションの振興を目的とする国際映画祭「東京アニメアワードフェスティバル 2015」では、アニメーションと未来を変えるクリエイターに贈られる特別賞「アニメドール」を受賞している。本作ではアニメーション製作スタジオ「Production I.G」 と初タッグを組んだ。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)から全国ロードショー(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年04月18日杏を始め、松重豊、濱田岳、高良健吾、麻生久美子ら豪華声優陣を迎え、江戸風俗研究家で文筆家、2005年に逝去した漫画家・杉浦日向子の初長篇アニメーション化した映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』。この度、本作の主題歌を椎名林檎が担当することが明らかになった。なお、椎名さんは『さくらん』以来、8年ぶりの映画主題歌提供となる。浮世絵師・お栄は、父であり師匠でもある葛飾北斎とともに絵を描いて暮らしている。雑然とした家に集う善次郎や国直と騒いだり、犬と寝転んだり、離れて暮らす妹・お猶と出かけたりしながら絵師としての人生を謳歌している。今日も江戸では、両国橋や吉原、火事、妖怪騒ぎ、など喜怒哀楽に満ちあふれている。恋に不器用なお栄は、絵に色気がないと言われ落ちこむが、絵を描くことはあきらめない。そして、百日紅が咲く季節が再びやってくる、嵐の予感とともに…。『河童のクゥと夏休み』や『クレヨンしんちゃん』シリーズなど、オトナが泣けるアニメーション作家として評価の高い原 恵一監督が、自身が敬愛してやまない杉浦日向子の「百日紅」を初の長篇映画化した本作。今回発表された主題歌は椎名さんの「最果てが見たい」。原作者・杉浦氏が、椎名さんの曲もよく聴いていたという話から、本作の世界観にも通じると考え原監督が主題歌をオファー。椎名さんは以前に石川さゆりに定位供した楽曲「最果てが見たい」を自身がカバーした新録曲を主題歌として原監督に提案したそう。その理由として「この曲は、富士を望む東海道で生まれたナンバーで、大胆かつ繊細な映画のアニメーションを拝見して僭越ながら好相性なのではと感じた次第です」と語る椎名さん。「(杉浦氏が)どこかからか見張ってくださっていると想像しながらもどうしても、生きてご覧いただきたかった…一度でもお会いしてお話させていただきたかった…と感じ淋しさに襲われます」と明かす。「この曲の詞にある、『生命を越えて本当の未踏の地へ』向かうということ。それは、素敵だったどなたかが、もしもいま、まだお元気でいらしたら、何を見て何を思い、何を目指していらっしゃるだろう。それを考え、恥じ、省み、やっぱり生きることなのだと思い至るのでした。出会い、別れ、生きて死ぬ。そんな我々のための映画です。みなさんの人生のどこかにきっと、寄り添ってくれますように」と熱いコメントを寄せた。この楽曲は、5月13日(水)に全世界同時配信リリースが決定。既に映画はフランス、イギリスを始めとした世界での配給が決定。主題歌決定とともに映画もさらに、未だ見ぬ世界への広がりを予感させる。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)よりTOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:百日紅~Miss HOKUSAI~ 2015年5月9日より全国にて公開(C) 2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年04月10日アニメーション映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』のヒット祈願イベントが3月28日(土)、作品ともなじみの深い東京・日本橋にある福徳神社にて開催され、本作で声優に初挑戦した杏と松重豊、原恵一監督が着物姿で出席した。2005年に亡くなった、漫画家・杉浦日向子の連作短編集のアニメーション映画化で、葛飾北斎の娘で自身も浮世絵師であるお栄を通じて、江戸に暮らす人々の姿を描き出す。開催中の「日本橋桜フェスティバル」でライトアップされた仲通りを3人は練り歩き、沿道に集まった人々の歓声を浴びた。杏さんは「北斎さんやお栄さんも歩いたのかな…」と江戸時代に想いを馳せ、「日本の文化、心が根強く残っている場所であり、(居並ぶお店の)一軒、一軒に寄りたいなと思いながら歩いてました」と笑顔を見せる。途中でウナギの串を渡されたという“孤独のグルメ”松重さんは「左手に泡の出るものがほしくなった(笑)」と語っていた。杏さんの起用に関して、原監督は「僕が『杏さんがいい』と言い出した」と明かしたが、この日、沿道の人々の歓声を浴びる姿を見て「みなさんが、杏さんの顔を見ると素敵な笑顔になるんですよ。僕の目に狂いはなかった」と胸を張る。完成間近の作品についても「手応えはものすごくあります。品質保証は間違いない。絶対に観て損はさせないです」と力強く語っていた。杏さんは「声の仕事は前から興味があった」と語り、さらに「何と言っても杉浦先生の大ファンですから」と本作で声優初挑戦を果たせたことの喜びを口にする。実際にお栄の手による絵も目にしたそうで「“絵師”というイメージで画を見ると、西洋画法を取り入れていたり、近代的なイメージで驚きました。高い独創性を持った女性だったのだと感じました」と役を演じる上でも多くのインスピレーションをもらったよう。ちなみに、杏さんと松重さんが親子を演じるのは、つい先日、放送が終わったばかりの月9ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」に続いて実に3度目!松重さんは「ちょうど声を入れるタイミングでドラマがあり、現場で『どうだった?』『難しかった?』と盛り上がってました。杏ちゃんの声が入っている状態だったんですが、聞いている内にお栄になって、絵の中の人物なのか?杏ちゃんなのか分からなくなりました。絵の中に生きている人物に声で寄り添うというのは不思議な経験でした」としみじみとふり返った。杏さんは「路傍の石でさえも意思を持って人の手で描かれています!」と精緻なアニメーションの魅力をアピール。そして「“百日紅”は紅が長く続くことからこの名がついたそうですが、映画も長く鮮やかに咲いて、みなさまの目に留まればと思います」と語った。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月29日5月9日より全国公開されるアニメーション映画『百日紅~Miss HOKUSAI~』の予告編が公開された。公開された予告編では、百日紅(さるすべり)の花を縁側で眺めているお栄が「長い祭りが始まったね」と呟くとともに威勢の良いギターが鳴り響き、美しくも妖しい江戸の世界が動き出していく。妖怪や鬼など、原作を手がけた故・杉浦日向子氏の作品モチーフが次々と映し出され、主人公・お栄や父・葛飾北斎、そして仲間たちの賑やかな日々が描かれている。監督を務めた原恵一氏は本作の映像化にあたり「アニメーションならではの強みで、あらゆる角度から杉浦さんが思い描いた江戸を映し出したい」と語っている。本作で主人公・お栄を演じる女優の杏は、「独り立ちをする女性が少ない中で、絵を描く女性として、自分の意志でものを作り出していく姿がすごく素敵だなと思いました」とお栄の魅力を語りつつも、「アニメーションの声優というのが今まで経験のないことだったので、アプローチ方法も手探りでした」と声優の難しさを吐露。実際のアフレコでは「普段お芝居をしていても、衣装に身を包むことによって声のテンションや気持ちが変わってくるのを感じているので、声のお仕事でもお栄と同じ着物に身を包んで演じた方がもしかしたらいいのかな」と着物姿で臨んでいるという。また「明け方の朝焼けのシーンが好きです。青と白と朱色の空のグラデーションが、まさに浮世絵の背景に描かれている色だなと思いました。アニメーションの中にどんどん浮世絵の色や絵が入ってきているところが好きです」とお気に入りのシーンを解説。そして「私もこれから作品が完成していくのを待っている一番のファンでもあります」と完成を待ちきれない様子で語っていた。本作は、江戸風俗研究家で文筆家、漫画家である故・杉浦日向子氏の漫画『百日紅』を原作とした初の長編アニメ作品。江戸時代を舞台に、浮世絵師・お栄が、父・葛飾北斎や妹、そして仲間たちとともに自由闊達に生きる姿や破天荒な絵師の生き方が、浮世エンターテインメントとして描かれる。監督は、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001年)、『河童のクゥと夏休み』(2007年)、『カラフル』(2010年)などで知られる原恵一氏、アニメーション制作は原監督と初タッグとなるProduction I.Gが担当する。主人公・お栄を杏、北斎を松重豊、ほかにも濱田岳、高良健吾、美保純、清水詩音、筒井道隆、麻生久美子、立川談春など、日本を代表する豪華キャストが結集。早くもフランスやイギリスほか6カ国での海外配給も決定し、話題となっている。(C)2014-2015杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会
2015年03月13日杏を始め、松重豊、濱田岳、高良健吾、麻生久美子ら豪華声優陣を迎え、江戸風俗研究家で文筆家、2005年に逝去した漫画家・杉浦日向子の初長篇アニメーション化した映画『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』。このほど杏さんら声優陣の声を宿した予告編映像が解禁。さらに、アフレコを終えた杏さんが意外な役づくりを明かした。本作の主人公は、活気あふれる江戸の街で浮世絵師として活躍する女・お栄(声:杏)。父・葛飾北斎(声:松重豊)や仲間たちとともに自由闊達に生きる姿が、移りゆく江戸の四季を通して描かれる。今回届いた予告編では、冒頭、杏さん演じるお栄が百日紅の花を縁側で眺めながら「長い祭りが始まったね…」とつぶやくと、威勢の良いギターが鳴り響き、美しくも妖しい江戸の世界が動き出す。さらに、妖怪や鬼など杉浦日向子作品のモチーフが次々と映し出され、原監督が本作の映像化にあたり、「アニメーションならではの強みで、あらゆる角度から杉浦さんが思い描いた江戸を映し出したい」という想いが、まさに炸裂する映像に仕上がっている。また杏さんは、「アニメーションの声優というのが今まで経験のないことだったのでアプローチ方法も手探りでした。普段お芝居をしていても、衣装に身を包むことによって声のテンションや気持ちが変わってくるのを感じているので、声のお仕事でもお栄と同じ着物に身を包んで演じた方がもしかしたらいいのかなという想いでアフレコには着物でのぞみました」と見えない部分での役づくりを明かしている。本作は、公開を前に早くもフランス、イギリスほか6か国での海外配給も決定! 世界からも注目を集める、小粋な江戸の街を覗いてみて。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)よりTOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月12日人気バンド「RADWIMPS」の野田洋次郎が主演し、杉咲花、大竹しのぶ、宮沢りえ、リリー・フランキーら豪華キャストが出演する6月公開の映画『トイレのピエタ』。その監督を務める松永大司が、文豪・井上靖の短編小説「死と恋と波と」を、柳楽優弥&瀬戸康史W主演の『合葬』に抜擢された岡山天音、NHKの新・朝ドラ「まれ」に出演する門脇麦という、フレッシュな最旬2人を主演に迎え映像化。日本公開を前にワールドプレミアとして、4月24日より開幕する第32回釜山国際短編映画祭インターナショナル・コンペティション部門に出品されることが決まった。本作は、自殺を考えている1組の男女の葛藤を題材にした井上靖の「死と恋と波と」をもとに、話題作『トイレのピエタ』を手がける松永監督が28分の短編に映像化。愛と死というテーマに対して、叙情的かつヴィヴィッドに、真摯に向き合っていく。主演・杉千之助役を務めるのは、菅田将輝&森川葵共演の『チョコリエッタ』での透明感あふれる演技が記憶に新しく、また、秋には杉浦日向子の傑作漫画を映画化した『合奏』でも確かな存在感を発揮し、“第2の染谷将太”とも目される若手個性派・岡山天音。また、千之助が偶然出会った同じく自殺志願者の女・辻村那美を、『愛の渦』で強烈なインパクトを残し、今後も舞台「KERA・MAP」第6回公演「グッドバイ」やNHK朝ドラ「まれ」など、いま次回作が最も期待される女優の門脇麦が演じ、瑞々しくも説得力のある演技を見せている。釜山国際短編映画祭でのプレミアの後は、夏に日本で特別凱旋上映を行う予定という。◆監督・松永大司コメント原作である「死と恋と波と」を読んだ時、主人公の男の「人間は死さえ選べる」という言葉が印象に残り、そしてその男が見知らずの女との出会いから「生きてみようかな」と思ってしまうところにとても人間味を感じ興味を持った。この原作を岡山天音、門脇麦という魅力的な役者と共に映像化にトライさせてもらったことはとても幸せなことです。◆岡山天音コメントこれまで無意識的に逃げて来たものと向き合わされ、自分の中の指針を作ってもらった作品になりました。◆門脇麦コメント撮影期間は短い作品ですが濃厚な時間でしたし、それは画面にも確実に映っていると思います。そして何より、この作品を通して松永監督と知り合えたことが嬉しいです。短編映画『死と恋と波と』は夏、公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月10日女優の杏や松重豊、濱田岳、高良健吾ら豪華俳優陣が声優を務めることで注目を集める『百日紅~Miss HOKUSAI~』。女浮世絵師・お栄が、父・北斎や仲間たちと自由闊達に生きる姿を江戸の四季を通して描く本作に、入野自由、矢島晶子、藤原啓治ら実力派声優たちが参加することが決定した。活気あふれる江戸の街、両国橋の夏の昼日なたを真っ直ぐ歩いて来る意志の強そうな女、お栄、23歳、浮世絵師。移りゆく四季とともに、父であり師匠の葛飾北斎や仲間たちと浮世絵を描いて暮らす日々。そして、今日もまた浮世の街を歩いていく――。江戸風俗研究家で文筆家、2005年に逝去した漫画家・杉浦日向子の初長篇アニメーション映画化作となる本作でメガホンを取るのは、『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』や『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』『河童のクゥと夏休み』など多くのアニメーション作品で各賞を受賞し、平凡な家族の日常を舞台に老若男女が楽しめる感動作を生み出してきた原恵一監督。今回発表された声優陣には、原監督とは「クレヨンしんちゃん」ファミリーの盟友である矢島さんや藤原さん、そして本作が原監督作品初出演となる入野さんの名前が揃った。美青年・吉弥を演じる入野さんは、『千と千尋の神隠し』ハク役や「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」宿海仁太役で人気を博し、春からは主演を務める「終わりのセラフ」の放送が控えている演技派声優。原監督作品デビューとあって「以前から原監督の作品を拝見していたので、今回参加させていただけて本当に嬉しかったです」と喜びを語り、役作りについても「陰間という存在を、今回初めて知りました。演じるにあたり、色々と調べ、自分なりに役を構築しました」と力を入れて挑んだ様子。そして茶屋の子ども役を演じるのは、日本で一番有名な5歳児、「クレヨンしんちゃん」の野原しんのすけを演じる矢島さん。監督とのタッグは久しぶりとのことだが、監督と作り上げてきた「クレヨンしんちゃん」と本作との違いを聞かれ、「『しんちゃん』のテレビシリーズは30分ものなので、“日々”をコンパクトに表現していますが、劇場版の時にはいつもと違うシチュエーションや時間の流れの中で“野原家の日々”が描かれています。『百日紅』も、主人公・時代は全く違いますが、その時そこに生きた人々の“日々”を丁寧に表現している点は逆に似ているのかも!?」と答え、盟友ならではの着眼点を披露した。さらに、アニメファンが選ぶ2014年「もっともお父さんにしたいキャラクター」第1位に選ばれた「クレヨンしんちゃん」の野原ひろしを演じる藤原さんは、今回のオファーについて「待ってたぜ原さん!と思いました。」と頼もしい発言。さらに本作で一人二役を任されているところからも、原監督との強い絆が垣間見える配役だ。『百日紅~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月05日江戸風俗研究家で文筆家、2005年に逝去した漫画家・杉浦日向子の初長篇アニメーション映画化作品となる『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』。以前、女優の杏が主人公となる葛飾北斎の娘役の声優に抜擢されたが、この度、本作に出演する豪華キャストが発表。松重豊、濱田岳、高良健吾、麻生久美子ら個性派俳優陣が顔を揃えた。活気あふれる江戸の街、両国橋の夏の昼日なたを真っ直ぐ歩いて来る意志の強そうな女・お栄、23歳、浮世絵師。移りゆく四季とともに、父であり師匠の葛飾北斎や仲間たちと浮世絵を描いて暮らす日々。そして、今日もまた浮世の街を歩いていく――。色鮮やかな江戸の街に四季折々の情緒を織り交ぜ、二人の破天荒な絵師の生き方を描くのは、『河童のクゥと夏休み』『カラフル』などで注目を集める俊英・原恵一。デビュー当時から大ファンだったという杉浦作品の映像化にあたり、Production I.G と初のタッグで挑む。お栄と父娘でもあり師弟でもあるという天才浮世絵師・葛飾北斎を演じるのは松重さん。なんとこれで杏さんとは3度目の父娘共演!これに対し松重さんは、「彼女自体が偉大な父親をもっていますし、その父親とは僕は若い頃お芝居を一緒にやっていましたし、何か縁というものをすごく感じます。彼女自体も、実の子とまではいかないですが、どこか親戚の子を見つめるような目線は僕の中にもあり、北斎とそこに立ち向かう娘という関係性を、杏ちゃんと作るというのは非常に楽しい作業でした」とコメント。本作については「限りなく超えられない才能を持った父親の娘の視点から描かれている北斎を、原作の絵にあるような茫洋とした感じで、作りこまずに北斎の大きさみたいなものを表現したいと思い演じました」とアフレコを終えた感想を語った。そのほかのキャストに濱田岳、高良健吾、美保純、清水詩音、筒井道隆、麻生久美子、立川談春が集結。原監督もこの豪華な面々にアフレコを終え「手ごたえを感じている」と自信をのぞかせている。また、早くもフランス・イギリスほか6か国での配給も決定。いまもなお世界を魅了する浮世絵と江戸の美を映し出している作品ということもあり、早期の海外配給が決定したという。『百日紅 ~Miss HOKUSAI~』は5月9日(土)よりTOHOシネマズ日本橋、テアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月27日