俳優の伊勢谷友介が21日、YouTube公式チャンネル「伊勢谷友介のEARTH RADIO」で、自身が所有するトヨタ・ハイエースを公開。急上昇に入り、23日現在で74万再生を突破している。「【伊勢谷のハイエース】車内、大公開!こだわり抜いてカスタムしたハイエースを紹介します!」と題した今回の動画。説明欄に、「僕が熱く語りすぎて、30分くらいの長編動画になってしまいました!(笑)」と書いてある通り、伊勢谷の“ハイエース愛”がほとばしる内容となっている。その冒頭で伊勢谷は、「ハイエースは、僕の人生で重要な役割を果たしています」と打ち明けつつ、「ただ、別に僕は車が趣味じゃないです」と前置きも。「僕の人生でハブになってくれているハイエースがどういう使い方ができるのかを、ご紹介していきます」に続き、「なぜ、ハイエースなのか?」という問いには、「この車格はタクシーと同じくらい。ということは、おそらく大体の都内の細い道も行けるということ。都内の使用に完璧でいながら、ワンボックスなので様々な遊びに展開できる」と汎用性の高さをアピールした。さらに、「みなさんたぶん、月々の予算の中で家賃とかが大部分を占めたりしていると思うんですけど、たとえばその部屋の四畳半分の値段をハイエースにあてることで、ちょっと狭めでもここの四畳半の部屋からあらゆる展開ができる」と語り、「『自分の基地の持ち方』みたいなものを提案できるんじゃないか」と投げ掛ける。その後、こだわりの外装と内装を詳しく紹介しながら、「パーティ仕様」「車中泊仕様」「仕事車仕様」の3つの使い方を解説していった。コメント欄には、「こだわりが桁違い」「他のカスタムと性能面もオシャレさもレベルが全く違います」「社内がお洒落過ぎ」「こんなカッコいいハイエース見たことねぇ」と絶賛の数々。また、「声かっこいい」「声が素敵すぎる」「いい声過ぎて内容が頭に入ってこねぇ」など、伊勢谷の美声に反応する声も相次いでいる。同チャンネルを4月にオープンし、自宅のトレーニングルームやベランダの公開など、話題の動画を次々と上げている伊勢谷。視聴者に向けて、「見たいもの、見たい企画があったら、どんどんコメントよろしくです!ぜんぶ読みます、たくさん送ってくれると嬉しいです!」と呼び掛けている。
2020年05月23日劇作家・演出家として活動を始めて来年10周年の根本宗子さん。演劇界のみならず、ミュージシャンやアイドルなどからも支持される、その創作の泉とは。――演劇を始められたきっかけは、松尾スズキさんの舞台をご覧になったことだそうですね。いまもファンだと公言されています。一般的に、松尾さんのような作品を作りたい、と考えそうな気がしますが、作風は全然違いますね。根本:演劇を始めた最初の理由は、完全に、松尾さんに会ってみたい、話してみたい、松尾さんの芝居に出てみたい、でした。でも、いまさら大人計画に入るのは難しいだろうし、入れたとして、下積みからやるのは性格的に合わない。それなら、別の近道を行こう、と。でも、中学生の時に大怪我をして以来、動きに制限もあるので、役者として使ってもらうのは難しい。消去法で“自分で書く”ってことになったんです。だから最初は、何か訴えたいものがあって書き始めたわけじゃないんです。演劇を始める時、自分の立ち位置みたいなものをすごく考えたんです。当時、しっかりとしたストーリーラインがわかりやすくある芝居を作っている人があまりいなくて、自分が出ていくには、そっちをやった方がいいんだろうなって思ったんです。「若いんだから、好きなものを書け」って言われることが多かったんですが、そういう若手はたくさんいる。敢えてその逆を行った方が、早く上手くいくって信じていました。演劇自体が好きだったので、どんな形でも、自分が演劇をやれていることが楽しかった、というのもあります。いまは、そこはクリアできているんで、自分の芝居に飽きないように、劇団公演ではできるだけ新しいチャレンジをしていこうとしています。――そうなんですね。根本:ただ、演劇を始めた時から、別の選択肢を考えたことはなかったです。怪我をした時点で、モーグルという一番やりたいことは絶たれましたから、さらに新しい道なんて余裕もなかったです。じつは、怪我をして二度と競技には戻れないとわかって、一発目に観たのが松尾さんの『ニンゲン御破産』だったんです。その時、物語は全然理解できなかったけれど、松尾さんが私の気持ちをわかってくれているって、勘違いしちゃったんですよね(笑)。舞台を観に行っているのに、まるでカウンセリングを受けに行くような感覚。それまでも演劇はたくさん観ていたけれど、そんな気持ちになったのは初めてで、演劇は観て楽しむだけじゃなく、人の人生に訴えかけることができるものなんだとも思いました。作品を作る時、つねに考えるのは、あの時の私が客席にいたらどう思うかということ。その感覚は、ずっとなくしたくないなと思っています。――いま演劇をやっているモチベーションは何ですか?根本:自分じゃない話を書くのが楽しくなっている、というのがひとつ。そしてもうひとつは、自分が作ったものに対して、お客さんのリアクションが返ってくるということでしょうか。うちの芝居の最大の面白さは、男女でリアクションが全然違うこと。あるシーンで男性のお客さんが笑っていると、女性のお客さんが「ここは笑うところじゃない」って怒ったり。いまだに私が予想もしない反応がお客さんから返ってくることがあって。――戯曲を書かれる時は、役者さんにアテ書きされるんですか?根本:私のなかで、見た目の説得力ってすごく大事なんですね。昔から、小劇場の舞台で、さほどキレイじゃない人が、すっごいキレイでモテる役を演じていたりするのが嫌で仕方なかったんです(笑)。それは、キレイじゃないといけないということではなく、例えば、周りから可愛いともてはやされているけれど、自分ではそこまで可愛いとは思えなくて、周りの言葉をストレートに受け止められない女性…という役だったら納得できるのに、ということです。――ご自身にもアテ書きですか?根本:小劇場で活躍する女優さんって、ちょっと個性が強いというか、普通の会社員はやってないよな、って思わせる人が多いんです。そのなかで私は、普通に会社員をやっていそうにも見える。一時期は、自分も奇抜な服を着て、個性的なキャラクターに見せていたんですけれどやめました。いまは、この普通の感覚を大事にしていこうと思っています。――来年には30歳を迎えます。この先、人生のステージが変わっていくかもしれませんが、演劇を一生続けると思いますか?根本:続けていくと思います。それは、自分が演劇に救われた経験があるから。あの時の自分が客席にいる限りは、やめないと思います。ねもと・しゅうこ1989年生まれ、東京都出身。‘09年に劇団・月刊「根本宗子」を旗揚げし、すべての公演の作・演出を手がける。女優としても、自作のほか岩松了さんや赤堀雅秋さんの舞台などにも出演。現在、毎週月曜日の深夜にOAされているラジオ『根本宗子と長井短のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)に出演中。月刊「根本宗子」第16号『愛犬ポリーの死、そして家族の話』は、12月20日(木)~31日(月)下北沢・本多劇場にて上演。物語のキーとなる“愛犬ポリー”を演じるのは、大人計画の村杉蝉之介さん。「村杉蝉之介が、犬になるまでの過程」を、気鋭の映像ディレクター・山岸聖太監督が完全密着した映像が公式サイトにて公開中。※『anan』2018年12月26日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2018年12月23日ふいに聞こえてきたセリフから妄想を展開する、劇作家の根本宗子さん。今回の妄想主役は「ギャンギャン犬」です。『愛犬ポリーの死、そして家族の話』絶賛稽古中である。大好きな山岸聖太監督ディレクションによる劇団初の公式ドキュメンタリー「村杉蝉之介が、犬になるまでの過程」がYouTubeで公開されているので、是非是非ご覧いただきたいのだが、今回の芝居、「犬」にまつわるお話なのだ。そのせいか、道を歩いているとやたら散歩中の犬に目がいってしまう。実家でもずっと犬を飼っていたため、動物の中で犬が一番好きな私なのだが、ここまで犬を意識して生活したことは未だかつてないかもしれない。人が犬の役をやるドキュメンタリーを撮ってるくらいだもんなあなどと思いながら自宅から駅に向かって歩いていると、ゆっくり歩くおばあちゃんが連れた小さな活発な犬が私の足元にガーーーッとやってきて、私の服の裾にかぶりついた。で、吠えまくっている。「ギャンギャンギャンギャンギャン!!!!!!!!!」根本、超びびりました。妄想スイッチオン!このギャンギャン犬、今私が「犬」の芝居を作っていると嗅ぎつけ、私に近寄ってきて、「オメーまだまだ犬のことわかってねーんだよ!!」とキレているのだ、きっと。そりゃ服の裾も噛むよなあという話だ。「なに、犬のこと知ったかぶって書いてんだよ!!」とブチギレ中である。と、妄想しながら書いてみて思ったが、いやいや、普通に違うし、他人の服の裾噛んじゃうような暴れん坊を、80歳くらいのおばあちゃん一人に散歩させるのは危険よね。普通に!おばあちゃんが犬に引っ張られて転んじゃう事故とかもあるし、犬の力ってかなり強いからおばあちゃんおじいちゃんの暴れ犬の散歩には、世の中的に何か対策をしたほうがいいと思います、根本は!ちなみに、山岸監督によるドキュメンタリーは、きっと舞台本編とは15パーセントくらいしか関係ありません(笑)。ねもと・しゅうこ1989年、東京都生まれの劇作家。月刊「根本宗子」公演『愛犬ポリーの死、そして家族の話』が、12月20日より下北沢・本多劇場でスタート。※『anan』2018年12月26日号より。(by anan編集部)
2018年12月19日12月18~30日まで東京・表参道のスパイラルで開催される松尾スズキ+大人計画30周年記念イベント『30祭(SANJUSSAI)』のオープニングセレモニー&内覧会が18日、同所で行われ、松尾スズキ、宮藤官九郎、顔田顔彦、阿部サダヲ、宮崎吐夢、皆川猿時、村杉蝉之介、荒川良々、近藤公園、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、猫背椿、田村たがめ、平岩紙が出席した。1988年に松尾スズキ作、演出の舞台『絶妙な関係』で旗揚げし、その後は宮藤官九郎や阿部サダヲ、荒川良々といった多くの俳優を輩出してきた大人計画。旗揚げから30周年を記念した同イベントは、大人計画の演劇活動30年分の舞台写真や稽古風景写真、衣裳、小道具、松尾がこれまで発表してきた様々なイラストの原画などを展示。松尾が原画展を開催するのは今回が初めてとなる。また、劇団員のトークショーなども行われる予定だ。そんな同イベントのオープニングセレモニーに、松尾スズキら劇団員が勢揃い。松尾は「30周年イベントが開けたことをうれしく思っています」と喜ぶも、多くの報道陣を前にして「ここで何か言うと色んな問題が起きるのでがんじがらめですね(笑)」と苦笑い。「とにかくここにいる全員は見ての通りおじさんとおばさんですが、30年間のイラストやポスターを見てこの人たちにも若い頃があったんだなと感じていただければと思います」と笑いを誘った。来年のNHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』で中村勘三郎とともにダブル主演を務める阿部サダヲは「来年NHKの大河ドラマの主役をいただきます!」と他の劇団員に自慢すると、劇団員たちは「いいな~」と羨望の眼差し。続けて阿部は「こんなイベントができるすごい劇団に入れたことがうれしいし、運が良かったと思っています」と大人計画に感謝しながら「30周年続く劇団って珍しいことらしいんですが、ファン感謝デー的な触れ合うイベントにしてきたいですね」とアピールしていた。
2018年12月18日舞台だけにとどまらずニッポン放送「オールナイトニッポンゼロ」のパーソナリティを務めるなど、若手劇作家として活躍する根本宗子。今年12月の本公演「愛犬ポリーの死、そして家族の話」で出演をオファーしたのが大人計画の村杉蝉之介だ。根本は本作を「ずっとやりたかった作品。新しく家族になる人と、元から家族だった人たちとの家族の話」と話す。ふたりに話を聞いた。【チケット情報はこちら】物語は4姉妹の4女(青山美郷)が溺愛している愛犬ポリー(村杉)が死ぬところから始まる。その後、その4女が親交を深めていくのが村杉だ(犬と2役)。「今回は役の設定ありきでお声がけしたんです。仮に自分が24歳の青山さんの家族だったとして、村杉さんを突然連れてきたら、歳の差もありますし、何だろうな?って思うじゃないですか (笑)。でも、村杉さんって優しそうだし、女性の気持ちもわかってくれそう。物語上もふたりの関係は歳の差以外は理想的で、何も非の打ちどころがないように見せたいなと。でも、姉妹たちから理解されるわけがない。姉妹たちもまたみんな難ありの夫婦ばかりなのに」(根本)。若いながら根本は”対立”を描く名手だ。すでに火種を感じるが「女3人っていう構図が大好きなんです。今回の姉妹も4女を除くと3人。4女に票を入れなきゃいけないときに2:1とかになりますから、絶対にうまくいかないじゃないですか」とさらなる対立のやりとりを期待させる。そんな根本の作風について村杉は「笑いの入り方がすごく好き。いくらでも嫌な展開にもっていけるのに、どろどろしないですし、笑いがちゃんといい具合に入っていてすごいですよね」と評価する。今回のオファーについても「若いひとの作る新しいものに出てみたい気持ちがあったので普通にうれしかったです」と率直に話す。「今回は村杉さんは理想的な優しい男性の役。ある意味私の理想像を描いてる部分があります。ずっと大人計画やグループ魂での村杉さんを拝見してきましたけど、がっつり恋愛ものをやってる村杉さんを観たことがなくて」という根本の言葉に「そうかもしれないですね、いつも変な役が多いので(笑)。こういう普通の役も珍しいですし、今まで観たことがない大人計画とはちがう村杉蝉之介を引き出してもらえるのでは。楽しみだし怖いしいろいろありますが、新しい僕を観てほしい(笑)」と最年長ながら、あくまで謙虚に意気込む。また、ラストにある大きなカタルシスを生む仕掛けも根本作品の醍醐味。「やっぱりエンタメが好きなんです。お客さんには最終的にスカッとして帰ってもらいたい。しかも今回は年末ですし(笑)あー…スカッとするかな…まあそれは観ていただいて(笑)」(根本)とサービス精神旺盛な最後の大仕掛けも楽しみだ。公演は12月20日(木)より東京・本多劇場にて。千秋楽の12月31日(月)は終演後にカウントダウンイベントあり。チケットは発売中。
2018年11月27日古田新太と小池栄子が“案内人”を務める新ドラマ24「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」。この度、7月21日(金)の第1話放送に先駆け、本作のスピンオフとなる“特別編エピソード0”が、テレビ東京YouTube公式チャンネルほかにて期間限定で配信されることが決定した。「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」は、現在小劇場界の最先端で活躍する人気劇作家11人が書き下ろす、小劇場の聖地・下北沢を舞台にした“人生最悪の一日”を、気鋭の映像作家たちが映像化するオムニバスドラマ。古田さんと小池さんが、町のうらぶれたスナックの常連客とお店のママに扮し、2人が下北沢で起きた“人生最悪の一日”を語り始めるところから物語がスタート。毎回設定も登場人物も変わる1話完結型のコメディー・ドラマとなっている。そして今回、本作の第1話放送に先駆け配信される特別編は、古田さんと小池さんはもちろん、蛭子能収、角島美緒らが出演。古田さん演じるジョン幕練が、ある朝ひどい二日酔いで目を覚ますと、自宅の押し入れには何故か縛られた美女が入っていた。だが、ジョンには昨夜の記憶がない。ふと美女の携帯に非通知からの留守電が13件も入っていることに気づいたジョンは、恐る恐る再生してみると、ジョン自身が彼女を脅迫していた…。果たして、この女は誰?一体、ジョンは何をしたのか…というストーリー。プロデューサーは「11分にわたる1シチュエーションが、ほぼ古田新太さんの一人芝居!1日前の古田新太が現在の古田新太を追い詰める、とても斬新な内容になっており、改めて 古田新太という俳優はすごい!と実感しました」とスピンオフについてコメント。なお、脚本は現在人気急上昇中の劇団、玉田企画の玉田真也が書き下ろし、監督は本編の総合演出の関和亮。プロデューサーも「本編に負けない高いクオリティのショートドラマになりました」と自信を見せており、ぜひ本編と併せて楽しんで欲しい。また来週の第1話では、神保悟志、吉沢亮、村杉蝉之介、桜井ユキ、柳ゆり菜、高橋ひとみが出演する「裸で誘拐された男」を放送。SM好きという秘密を持つ、選挙を間近に控えた国会議員・渡部修(神保さん)は、女王様・麗奈(柳さん)に全裸でスーツケースに入れと命令される。そしてそのまま下北沢を歩くというプレイが始まり興奮する修だったが、思わぬ事態が発生。なんと見知らぬ人物にスーツケースを取り間違えられてしまう!しかもその人物(吉沢さん)は誘拐犯で、どうやら身代金を運んでいるつもりらしい。一体、全裸議員が入ったスーツケースはどこへ行ってしまうのか?「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」特別編エピソード0はテレビ東京YouTube公式チャンネル、ひかりTV、GYAOにて無料配信中。ドラマ24「下北沢ダイハード~人生最悪の一日~」は7月21日(金)深夜0時12分よりテレビ東京にて放送開始(テレビ大阪は24日(月)深夜0時12分から)。(cinemacafe.net)
2017年07月14日“悲劇”をテーマとした作品を描く、松尾スズキが作・演出をするプロデュース公演「日本総合悲劇協会」の舞台「業音」が、15年の時を経て再演が決定。この度、15年前の初演舞台の写真が公開され、今回の舞台で主人公役を演じる平岩紙からコメントも到着した。母の介護をネタに、演歌歌手として再起を目指す落ちぶれた元アイドルの女は、借金を返すためにマネージャーと共に自身が運転する車で目的地に向かっていた。途中、自殺願望を持つ夫と夫をこの世につなぎ止める聡明な妻と遭遇し、不注意から妻を車ではねてしまう。妻は脳を損傷し、一生涯植物人間として生きることに。怒り狂った夫は、責任を迫って女を拉致連行し、“有罪婚”と称し2人は結婚。奇妙な共同生活が始まる。芸能界を夢見て東京に出てきたものの、結局体を売ることでしか生きていくことの出来ない堕落した姉弟、年を偽わってまでも孤児院に入ることに執着する屈折したゲイの男、正体不明の老婆らを不幸のループに巻き込み、負の連鎖は更に奇怪にうねってゆく…。やがて、マネージャーとも関係を持つ女は、父親がわからない子を身ごもり出産するのだが、夫との時間に執着し、子どもの命を引き換えにしてまでも、「10か月の夫婦生活の元を取るため」と夫とのわずかな触れ合いを選択するのだった。“それ”をやらなければ物事は上手く運ぶのに、どうしてもやらずには先に進めない各自の“固執”。その“固執”が“業”を生み、空回りするそれぞれのエネルギーは、不協和音のような音楽を響かせてゆく…。“悲劇”をテーマとした作品を描く、松尾さんが作・演出をするプロデュース公演「日本総合悲劇協会」。「業音」は、2002年にその日本総合悲劇協会の3作目として初演。荻野目慶子を主演女優として迎え、人間の業や執念、情念を描き、現代の日本人の生々しい感情をさらけ出した人物造形が当時大きな話題に。そんな本作が、今回15年の時を経て再演。今回の舞台では固有名詞をはずし、より普遍性を高めた物語へ改訂していくという。そして今回、荻野目さんをはじめ片桐はいり、村杉蝉之介、皆川猿時、松尾さん、伊勢志摩らが出演した初演時の舞台写真が公開。この初演では、介護、宗教問題、エイズ…現代社会が抱える問題を余すところなく描き、悲劇性と喜劇性を見事に融合させた松尾さん。今回の再演にあたり松尾さんは、「“わかっちゃいるけどやめられない”という人間の持つ“業”を、悲劇性と喜劇性が一緒くたになったような混沌の世界の中で描きます。“神とは何か”という壮大なテーマになっていきますが、笑いの中でそれをどう見せていくかということにチャレンジしてきます」とこう語っている。また、初演時荻野目さんの体当たりの演技が話題となった主人公役を、再演では初演時には粥役として出演した平岩さんが挑む。初演時、荻野目さんが演じていた役を演じることを現実的に考えられる年齢に自分がやっとなったかなと思うと語る平岩さんは、「役者として重ねてきた年月を経て、ようやく向き合える役だと思います」とコメント。本作については、「松尾さんの作品の中でも、とっても特殊で、特別な作品」と説明し、「私の演じた粥の台詞の中で『いっぱいいっぱいで生きてるし』と言うシーンがありました。当時からこの台詞は自分に響いて、不思議なことに、未だに忘れられません。また、この作品でギターを弾くシーンがありまして、ギターを弾くのは初めてだったので、もの凄く緊張しました」と初演時をふり返った。なお本公演では、松尾さんと平岩さんのほかにも池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、宮崎吐夢、皆川猿時、村杉蝉之介、康本雅子/エリザベス・マリー(ダブルキャスト)が出演。東京公演を皮切りに、パリにて「大人計画」初の海外公演も予定されている。日本総合悲劇協会 vol.6「業音」は8月10日(木)~9月3日(日)東京芸術劇場シアターイーストほか名古屋、福岡、大阪、松本、パリにて上演。(cinemacafe.net)
2017年05月26日「もしも『3月のライオン』が実写化されたら?」。神木隆之介と佐々木蔵之介は、実写映画化が発表される前から、漫画のファンの間で行われてきたそんなアンケートで、主人公・桐山零役、そして島田開八段役で、それぞれ常に1位を獲ってきた。実写化が発表され、神木さん、佐々木さんの出演が発表されると、案の定、原作ファンからは歓喜の声が上がった。近年の人気漫画の実写化のニュースでは珍しいことと言えるが、かといって、演じる側の負担やプレッシャーが減るわけでは決してない。これまでいくつもの人気漫画原作の映画に出演してきた神木さんだが「発表の日は、正直、怖かったです。緊張しましたし、僕も漫画が好きなので(ファンの気持ちが)わかります」と語る。「『合っている』という声をいただけて、とてもありがたかったです。もちろん、まだ不安ですが…」。一方、佐々木さんに関しては、単なる読者アンケートNo.1ではない。原作漫画の島田を見ればわかるが、雰囲気も含めて佐々木さんそっくり…。それもそのはずで原作者の羽海野チカさん自身が「島田開八段のモデルは佐々木蔵之介さんです。漫画を描くときは、蔵之介さんの頭蓋骨を頭の中に思い浮かべて描いています」と明かしている。佐々木さんは島田さながらの落ち着いた口調で語る。「映画化の話が決まる前から、そんな(ファンの)声は何となく聞いていました。『映画化するなら佐々木蔵之介』と。実際にそうなって、ありがたいことこの上ないです。(原作のモデルになったことも)そう描いていただいてありがたいし、裏切らないようにしたいという気持ちでした。まあ、そう仰っていただいたからには、誰にも文句は言わせないぞ!という気持ちですが(笑)。『違う!』って文句言うほうがおかしいですから(笑)」。高校生にしてプロ棋士として活躍し、“未来の名人”と将来を嘱望されるも、幼い頃に事故で家族を失い、さらには引き取られた先の将棋の師匠の家庭を自らの存在のゆえに崩壊させたという心の傷を持つ零。そんな彼が、様々な出会いを通して成長していく姿を描く本作。島田は、零が対局で出会い、原作の表現で言うところの“頭をかち割られ(=なめてかかって惨敗して目を覚まされ)”、その研究会に通うことになるという、零を導く存在である。神木さんは、零と島田の関係性について「零にとって、決して“師匠”ではないんです」と語る。それは、島田が名人に君臨する宗谷(加瀬亮)と対戦するシーンに立ち会う中で、芽生えた感情だという。「島田さんが宗谷と対局していて、それに対する零の感情として、そう思いました。指針を与えてくれる存在ではありますが、自分も、彼らがいる場所(=タイトル戦)へ歩いていかねばならない覚悟、この先、島田とも再び敵同士で戦わなくてはいけないという想い。感謝をしつつも、棋士としての覚悟を教えてくれる存在なんだと思います」。そもそも、原作でも高い人気を誇る島田の魅力はどこにあるのか?神木さんは、佐々木さんと島田を重ね合わせつつ「強さ」と「謙虚さ」を挙げる。「謙虚さゆえの強さ――強いからこその謙虚さ。それは、佐々木さんご本人から対局中も零として感じていました。圧倒的な強さだなと。柔らかい雰囲気で、みんなから慕われていて、でもそこに確固たる強さがある。しかもそれは、積み上げてきた絶対的な、崩れない強さなんです。その大きさを感じました」。佐々木さんは「謙虚さは強さじゃなくて自信のなさや(笑)」と照れくさそうに笑い、さらに「敗者の横顔」こそ島田の人気の秘密ではないかと分析する。「負けた者の横顔って、やはり美しい。『どう負けるか』だと思うんですよね。真正面から向き合って思い切り負ける――下手に負けるんじゃない。そこが美しく、カッコよく、みなが気持ちを寄せるんじゃないかと思います」。そう、将棋の世界は自ら「負けました」と敗戦を認める競技である(しかも、その後には通常、“感想戦”と呼ばれる、勝者と敗者が終わったばかりの戦いを分析し合う時間まである!)。勝ち負けを競う競技の中でも特殊な世界に見えるが、俳優として作品を作り上げていくという仕事に従事する2人の目には、どのように映ったのか?神木さんは、将棋盤を挟んで相対する棋士たちの間にも“盤上のコミュニケーション”があり、それは「心と心の繋がりなんだ」と感じたという。「言葉はなくとも会話をしている、人と人、気持ちと気持ちがきちんとぶつかっている。そこは(演技の世界と)通ずるところがあるのかも、と思いました。演技は、勝ち負けはハッキリしないので、どうにも言えないところもあって、たまに自分で『悔しい』と思う瞬間はあっても、それは自分のなかのもの。一方で勝ち負けの世界に生きる棋士は孤独だなというのは、演じていても感じました。勝ちたいと思っている者同士が戦い、どれだけのものを背負っているかに関係なく、敗者と勝者が生まれるということは冷酷です。芝居はその点、チームプレイではあるのですが、ただ、どこかで自分と向き合わなければいけない。みんなで頑張りつつ、自分ひとりで、という部分もあり…もちろん、棋士たちの勝負の世界ほどではないですが、そこは少なからず共通点と言えるかもしれません」。佐々木さんも、神木さんの言葉に頷きつつ「対局しているときは、相手とぶつかっているだけでなく、自分とも向き合ってるんだと思います。その指し方、いまの自分の生き方が棋譜に出てくるんでしょうね」と語り、演技の世界との共通点について、こう語る。「役者には勝ち負けはないけど、『自分がどう思うか?』ということなんですよね。『この対局、雰囲気に呑まれた』とか『芝居で雰囲気に呑まれた』ということ――思い通りにできなかったというところは、将棋でも芝居でも、自分の積み重ねが足りなかったというところなんだと思います」。佐々木さんに、撮影現場での神木さん、共演しての印象について尋ねると「ずっと将棋を打って、没入していたよね? そうやって自分を(棋士・桐山零に)持っていってたんやろうな…」と語った。まさに島田と零そのまま、年齢差を超えて、共に過酷な世界で生きる者に対する敬意、シンパシー、そして対峙する覚悟――そんなものを感じさせる口調だった。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:3月のライオン前編 2017年3月18日より全国にて公開(C) 2017 映画「3月のライオン」製作委員会
2017年03月17日入江悠が監督&脚本を務めた映画『SR サイタマノラッパー』。この度、本シリーズ初となる4月スタートの連続ドラマ「SR サイタマノラッパー~マイクの細道~」に、第1弾ゲストとして柳ゆり菜、コトウロレナ、安藤玉恵、村杉蝉之介の出演が決定した。埼玉の片田舎で生まれ育ったヒップホップグループ「SHO-GUNG」の3人。ラップで名声を得たい彼らだが、現実はそう簡単にはいかずグループ結成以来10年の歳月が過ぎていった。そんな折、彼らにクラブイベントのオファーが舞い込んでくる。早速IKKUとTOMは埼玉から離れて暮らすMIGHTYを連れ戻しに青森へ。だがそこでトラブルに巻き込まれ、トラックドライバーに連れられ東北各地を転々とする羽目に…。果たして、無事にMIGHTYを連れ、イベント当日までに戻ってこられるのか――?2009年に1作目の映画が公開され、連日満員で立見を記録するなど話題をさらった『SR サイタマノラッパー』。続く2作目、3作目も数多くの賞を受賞するなど若者を始め多くの観客を魅了。そんな話題映画初のドラマ化となる本作では、「SHO-GUNG」メンバー3人が東北各地を彷徨いながら、ずっと追い続けてきた“諦めきれない夢”、“青春”とケジメをつける姿を描いていく。「SHO-GUNG」のIKKU、TOM、MIGHTYには、映画版から引き続きそれぞれ駒木根隆介、水澤紳吾、奥野瑛太が扮している。そして今回発表されたゲストたちが演じるのは、IKKUのしっかり者の妹・茉美役を「きみはペット」『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』の柳さん、最後のチャンスにかけるTOMを影から応援するTOMの妻・トリーシャ役を「ディアスポリス 異邦警察」に出演したコトウロレナさん、スナックを経営するトーコ(山本舞香)の母・香田咲子役を「深夜食堂」や連続テレビ小説「あまちゃん」の安藤さん、咲子のスナック常連客でトーコの婚約者(!?)のマキノ役を大河ドラマ「平清盛」の村杉さんが演じる。ドラマ25「SR サイタマノラッパー~マイクの細道~」は4月7日(金)より毎週金曜日深夜0時52分~テレビ東京・テレビ大阪ほかにて放送。(cinemacafe.net)
2017年03月15日大人計画主宰・松尾スズキ演出のミュージカル『キャバレー』が、1月11日(水)に開幕。それに先駆け、前日に公開稽古と会見が行われ、松尾をはじめ、長澤まさみ、石丸幹二、小池徹平、小松和重、村杉蝉之介、平岩紙、秋山菜津子が登壇した。ミュージカル『キャバレー』チケット情報本作は、1966年に初演されてから世界中で繰り返し上演されている傑作ミュージカル。日本でもさまざまな演出、さまざまなキャストで上演されているが、松尾演出の『キャバレー』は、2007年以来10年ぶりの再演。舞台は1929年、ナチス台頭前夜のベルリン。キャバレー「キット・カット・クラブ」は、毎夜毎夜、退廃的なショーと刹那的な恋の駆け引きが繰り広げられるバラ色の場所。そこで出会ったショーの花形・歌姫サリー(長澤)と、アメリカからやってきた駆け出しの作家・クリフ(小池)はたちまち恋に落ち、一緒に暮らし始める。個性的な人々との賑やかな毎日の中に、いつしかナチズムの足音が高く聞こえ始め――。公開稽古前の会見で松尾が「こういう会見で演出家が何を言ってもコメントとして使われることはない」と語り始めるとキャスト陣は大笑い。「長澤さんに言ってほしい言葉を言います。“松尾さんの独創的な演出により芸術的かつ娯楽性の高い素晴らしい作品になったと思います”」。それを聞いた長澤が「もう一回言ってもらっていいですか?」と松尾にお願いするなど和やかな雰囲気。その長澤は今作がミュージカル初挑戦だが「ここにいる先輩方に支えられて稽古も今日まで乗り切ってきました。初めてのことなんだけれどすごく楽しく稽古ができていたので、稽古場と同じ気持ちをお客さんに届けられたら」と笑顔を見せた。「キット・カット・クラブ」で妖しい魅力でお客を惹きつけるMC役を演じる石丸は「ご覧の通り普通の人間ではないですが(笑)。こういう役どころですので、日常にない世界に飛び込んで演じてみたいなと思っています」。長澤演じるサリーの恋人・クリフを演じる小池は「すごく空気のいい素敵なカンパニーに入れていただいたなという気持ちでいっぱいです。長澤さんとはべったりしたシーンやドキドキするシーンもあるので、ぜひ早く皆さんに観てほしいです!」。公開されたのは一幕。きらびやかで妖しくゴージャスな「キット・カット・クラブ」のショーでは長澤がセクシーな衣装で華やかなダンス&歌を披露。恋や欲望、情熱、そして喜びが描かれた一幕の終わりに迫るナチスの脅威。二幕で広がる世界はどうなるのか…期待したい。公演は1月22日(日)まで東京・EXシアター六本木にて、その後、横浜、大阪、仙台、愛知、福岡を巡演。撮影・取材・文:中川實穗
2017年01月12日俳優・佐々木蔵之介、伊藤英明、女優・有村架純らが、神木隆之介と大友啓史監督がタッグを組んで人気漫画を実写化する映画『3月のライオン』(2017年春に前後編2部作で公開)に出演することが7日、発表された。原作は、『ハチミツとクローバー』で知られる羽海野チカ氏が漫画誌『ヤングアニマル』(白泉社)で連載している同名コミック。中学生という若さで棋士としてデビューし、東京の下町で一人暮らしをしている桐山零(神木)を主人公とし、将棋や下町の人々との交流を通じて、心のどこかで空虚を抱えている零がさまざまな思いに直面していく様を描く。2016年秋には、『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズの新房昭之監督によって、TVアニメ化も決定している。佐々木、伊藤、有村に加え、発表された新たなキャストは加瀬亮、倉科カナ、清原果耶、新津ちせ、前田吟、豊川悦司の9人。佐々木は零を将棋研究会に誘う努力家のプロ棋士・島田開を、伊藤はかつて幸田八段の弟弟子ですごみを利かせるこわもてな九段の棋士・後藤正宗を、有村は零の義姉でプロ棋士の父の関心を奪っていった零に愛憎入り交じった感情を抱く幸田家の長女・香子を、それぞれ演じる。神木演じる零と同様、実写映画化発表後に原作ファンがネット上でキャスティングを熱望した棋士・島田を演じる佐々木は「ご期待に応えられるのか、島田八段のごとく胃がキリキリ痛んでおります」と早速、原作のキャラクターを意識したコメント。続けて伊藤は、「男と男の勝負の世界にどっぷり浸かっていくのにゾクゾクしました」と現場を楽しんでいる様子を見せる。一方、これまで演じてきた役柄とは異なり、気性の激しい香子に挑戦する有村は「何度も何度もテイクを重ねて作られていくシーンが不思議と心地よくて、まだまだ役を演じていたい思いでした」と新たな手応えを口にする。このほか、倉科は気立てがよく亡き母に変わって妹たちを支える下町住まいの川本3姉妹の長女・あかり役を、加瀬は史上4人目の中学生プロにして将棋史を覆す天才棋士・宗谷冬司役を、清原は明るく頑張り屋の中学生で内の強さからくる言動が零の心を激しく打つ川本3姉妹の次女・ひなた役を、豊川は零の実父の友人で零を内弟子として引き取った八段のプロ棋士・幸田柾近役を、それぞれ担当。また、新津は川本モモ役を、前田は川本相米二役を務める。佐々木同様に原作ファンから、あかり役として支持を集めていた倉科は「もし演じるなら、いつかは『あかりさん』を演じたいなっと思っていた」と、その胸中を告白。加瀬は「食堂で食券を渡す時に人さし指と中指で挟んで渡してしまうくらい疲れています」と天才棋士の役にのめり込んでいることを明かす。清原は、ひなたを「自分の中に強い芯を持っているけど、どこかはかない」と表現。「私なりに精いっぱい演じたい」と意気込みを語る。そして、『プラチナデータ』(13年)以来の大友組となる豊川は「大友作品に帰ってこれて、とてもうれしく思っています」と喜びを表している。旬の演者から、ベテランの役者まで集まったキャスト陣。これを前に大友監督は、「棋士たちが丸ごと背負った人生の、ゴツゴツと音を立て、神経がささくれ、骨がきしむようなぶつかり合い。そんな棋士たちの世界に近づくために、おのおのが背負った人生が香ってくるような、そしてその人生がまったく違う価値観であることが匂って来るような、多彩なキャスティング」と自信を見せ、「異種格闘技戦の如き、個性豊かなキャストによるぶつかり合いを日々楽しんで撮影しています」と報告した。(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
2016年07月07日稽古場の一角のワクワクさせる2ショットは、大人計画の皆川猿時さんと荒川良々さん。しかも、ふたりが共演する舞台のタイトルが『あぶない刑事にヨロシク』だ。脚本・演出を手掛けるのは「男子はだまってなさいよ!」でバカバカしい笑いを作り続ける細川徹さん。…で、どっちがタカで、どっちがユージなの?共演のお二人にお話を聞きました。***荒川:皆川さんがユージで僕がタカって聞いてたんですが…台本を見たら関係なくなってました(笑)。皆川:まあ、僕の役は『あぶ刑事』に憧れているっていう設定にはなってるんですけど。荒川:逆に僕は『あぶ刑事』を知らないっていう設定で、皆川さんがビデオを貸してくれるっていう。あと、一応、横浜署の刑事ってことにはなってます(笑)。皆川:そんなふたりが、事件を追ううちケンカしたり仲直りしたり(笑)。荒川:ふたりでお茶して終わり、ってことはないと思います。皆川:まあでも、どこまでいまの台本のままいくか、わからないよね。そもそも細川さんの舞台で稽古初日に台本が上がっているってことが珍しいし。荒川:だからか、稽古2日やって、ちょっと違うなって思ったんでしょうね。3日目の稽古は、稽古着のジャージに着替えて皆でただ雑談だけして、私服に着替えて帰りました。皆川:いつもは台本がないから、稽古序盤は雑談だけして帰る!みないな感じだからね。でも、昨日の雑談でお互いにどんな人かよく知っておくのって、本当に大切なんだなって改めて思ったよ。まあ、普通に稽古した後に居酒屋でやれよって話なんだけど(笑)。でもさ、映画を観ると、今回は明らかに人数が足りてないんじゃないかなあ。荒川:あの映画では、敵が嘘みたいに大勢でてきてましたから。皆川:その状況のなかでふたりきりだから“あぶない”わけで(笑)。荒川:そもそも皆川さんの役は、あぶない目に遭いたくない人なのに…。皆川:あぶない目に遭わないようにしているのに、相棒の荒川君のせいでどんどんあぶない目に遭っていく(笑)。しかし…見事に何も残らない舞台だなぁ。荒川:その何も後に残らないのが細川作品の面白さ。何も考えずに笑えるから、子供でも楽しめるし。皆川:だから頭の中だけで作った台本じゃなく、稽古場での雑談から生まれる面白い何かを大事にしてるんだろうね。でも、そういう笑いって、何が面白いのかわかんなくなっちゃうんだよ。松尾(スズキ)さんや宮藤(官九郎)さんの作品は、ある程度お客さんを突き放した笑いだけど、細川さんのホンは、お客さんを巻き込んでいくタイプの作品だから難しいよね。荒川:お客さんが入ってから完成するようなところはあります。皆川:そういう意味でも、荒川君は頼れる相棒です(笑)。荒川:それはお互いさまです。皆川さんなら、どんな球を投げても返してくれる安心感がありますから。◇みながわ・さるとき(写真左)1971年生まれ、福島県出身。’94年より大人計画に参加。グループ魂の港カヲルとしても活躍。出演映画『TOO YOUNG TO DIE!』が6月25日公開。あらかわ・よしよし1974年生まれ、佐賀県出身。’98年より大人計画に参加。現在、連続ドラマ『重版出来!』(TBS系)に出演中。出演映画『TOO YOUNG TO DIE!』は6月25日公開。◇4月14日(木)~24日(日)下北沢・本多劇場作・演出/細川徹出演/皆川猿時、荒川良々、池津祥子、村杉蝉之介、近藤公園、上川周作、早出明弘、本田ひでゆき(本多兄妹)生演奏/TUCKER前売り・当日5800円ヤング券3500円(22歳以下)大人計画TEL:03・3327・4312(月〜金曜11:00~19:00)※ 『anan』2016年4月20日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ
2016年04月18日笑いたっぷりのドラマシーンと、生演奏による豪華な音楽ショーが行ったり来たり…。一世を風靡した『8時だョ!全員集合』をはじめ、かつてお茶の間を賑わせたいわゆる“バラエティショー”にいま改めてチャレンジするのは、「大人計画」主宰の松尾スズキさん。松尾さんといえば、社会のタブーに切り込むブラックな笑いが持ち味ですが…まさか、そのテイストがお茶の間に!?松尾さんと共にこれまで多くの作品を手掛けてきて、今作でも構成を務めた天久聖一さんにお話を伺うと、「たしかに『大人計画』といえばブラックな笑いを想像する人もいると思いますが、今回は安心してください。穿いてますよ(笑)。むしろ、それこそアンアンを読んでいるような女性が、家に帰ってお風呂上がりに、この作品を見て癒されるような…そんな“ハーゲンダッツ”感を目指しました。もちろん、各所にギミックを詰め込んでいたりはしますけど」あらすじは、多部未華子さん演じるコールセンターで働くOL・サチコが、ひょんなことからNHK近くにある「犬ぞり庵」という蕎麦屋の店長になる、というもの。お店の2階は下宿になっていて、一癖も二癖もある住人たちや、訪れるぶっとんだお客と関わりあうなかで、ラストでサチコがあるトラウマを乗り越え報われる「下町シンデレラストーリー」だそう。「お笑い芸人さんを起用せずに、役者たちとともに笑いを作っていきたいというのも趣旨でした。『大人計画』の面々はもちろん、大竹(しのぶ)さん、多部さん、栗原さんなど、松尾さんがこれまで培ってきた人脈も含めた集大成でもあります。それらをもって、NHKに打って出る!と(笑)。松尾さんも最近はテレビというメディアを通して、普段は劇場に来られない、例えば離島に住んでいる人や、お年寄りにも自分の笑いを届けたいと考えるようになったと話していました。そうして広く楽しんでもらえるように、エンタメ感たっぷりの、キラキラした雰囲気が出せていると思います。もともと松尾さんが大切にしている、笑いと音楽も活かしながら。といってもやっぱりおっさん2人が作っているので、古い旅館にある、よく見るとキラキラが混じった土塀のような感じですけどね(笑)。ゲストミュージシャンの、フジファブリックの山内総一郎さんが出てくる場面と、栗原類くんがある女性と何度となくキスするシーンも必見です(笑)」◇『恋は、アナタのおそば』出演者は他に、三宅弘城、池津祥子、皆川猿時、村杉蝉之介、平岩紙が。お茶の間全員が楽しめる、けれど松尾テイストもピリリと利いたコントショー。前日リハーサルのみで行った本番は、一発OKだったそう。3月30日(水)・31日(木)の2夜連続放送。NHK総合22:55~23:20◇あまひさ・まさかず漫画家、作家、アニメーション監督など多岐にわたって活動。『バカドリル』シリーズなど。’12年『生きちゃってどうすんだ』以降、松尾さん作品に多数関わる。※『anan』2016年3月30日号より。
2016年03月25日松尾スズキ×松田龍平という『恋の門』以来のタッグが贈る映画『ジヌよさらば~かむろば村へ~』。松たか子、阿部サダヲ、二階堂ふみ、西田敏行ら豪華キャストにも期待が集まる本作だが、熱烈なファンも多い松尾ワールド全開の愉快でシュールな予告映像が到着した。元銀行員のタケ(松田龍平)はお金恐怖症。都会の生活で、現金に触るだけで失神してしまうという前代未聞の深刻な状態に陥った彼は、仕事を辞め “ジヌ(東北地方の方言でお金のこと)”を一銭も使わない生活を送るため、過疎化が小さな寒村“かむろば村”へやってくる。ところがそこで暮らす村人たちは、村長(阿部サダヲ)以下、ひと癖もふた癖もある、あまりにも濃く不思議な人々ばかり。なんとか村での生活に慣れたその頃、村に怪しい風体の男・多治見(松尾スズキ)がやってきて…。いがらしみきお原作の人気漫画「かむろば村へ」を俳優、演出家として活躍する鬼才・松尾スズキが映画化。主演を務めるのは、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞するなど、人気・実力ともに日本映画界を牽引する存在と言える松田龍平。今回到着した予告編では、お金恐怖症のタケがキャラクターの濃い村人たちに翻弄されながらも、自らの生き方をつかみとろうとする姿が独特のテンポで描かれおり、初解禁となった「OKAMOTO’S」の手掛ける主題歌「ZEROMAN」の疾走感がより一層映像を盛り上げる。90秒強の短い時間の中で、西田敏行、松たか子、二階堂ふみを始め、阿部サダヲ、村杉蝉之介、伊勢志摩、荒川良々、皆川猿時、片桐はいり、オクイシュージなど、個性派俳優たちが入れ代わり立ち代わり顔を見せる様はもう圧巻の一言!舞台・映像作品と幅広いフィールドでカルト的な人気を誇る松尾さんの手腕にぐいぐい引き込まれてしまう。果たしてタケは望みどおりの「なにも売らない、なにも買わない、ただ生きていく」生活を平和に送ることが出来るのか?田舎の現実を織り交ぜながらも、誰も見たことのないあたたかくてシュールな世界を描く本作。混迷する現代に放つ、ちょっと不思議なエンターテインメントとして必見の一本となりそうだ。『ジヌよさらば~かむろば村へ~』は4月4日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月18日映画『マエストロ!』が1月31日(土)に公開。都内劇場にて初回上映後の舞台挨拶が行われ、主演の松坂桃李をはじめ、miwa、西田敏行らが登壇。サプライズで西田さんからは松坂さんに対し、1年8か月におよぶ苦労を労う温かい言葉が掛けられ、会場は感動に包まれた。さそうあきらの人気漫画を映画化。かつての名門ながらも解散の憂き目にあったオーケストラのメンバーが、謎めいた老指揮者によって再結集し、復活コンサートに向けて成長を遂げていくさまが描かれる。この日は、松坂さん、miwaさん、西田さんに加え、楽団のメンバーを演じた古舘寛治、大石吾朗、河井青葉、池田鉄洋、モロ師岡、村杉蝉之介、小林且弥、中村倫也、嶋田久作、そして小林聖太郎監督も登壇。一同、ラストのコンサートシーンの時と同じ正装で登場し、会場は拍手に包まれた。松坂さんは、演奏の手などの動きに関して、一切の吹き替えなしだった点に触れ「全員揃ってないと、監督のOKも音楽(監修)チームのOKも出ないので、何度も繰り返しました」と苦労をふり返る。プライベートでの練習の時間も多く、撮影も緊張感に包まれていたようだが、それでも現場でキャスト陣は和気あいあいと接していたよう。映画初出演となったmiwaさんは「楽屋で、みんなで私の『ヒカリヘ』という曲をセッションしました!」と、それぞれのメンバーたちが楽器を手に“エア”演奏によるセッションを行なったと明かす。小林さんは、その模様をスマホで撮影したそうで「すごく良いですよ。みんな(演奏は)マネですけど(笑)。DVD特典に入れてほしい」と語り、他のメンバーも楽しそうに述懐。これに対し、松坂さんは怪訝な表情で「それは僕と西田さんは撮影している時のことですね…?」と仲間外れになったことに不満そう。西田さんは「いいなぁ、スマホ」とポツリとつぶやき会場は笑いに包まれた。松坂さんは、以前の舞台挨拶で時価数億円のストラディヴァリウスの演奏を披露しているが、この日、正装での舞台挨拶となったことで「いきなり、演奏させられるんじゃないかとビビりました(笑)」とやや疑心暗鬼の様子。そんな松坂さんのためにもちろん、サプライズを用意!原作者のさそうさんが来場し、演奏する松坂さんの姿を描いたイラストをプレゼントした。さらに、“指揮者”西田さんから楽団のメンバー、スタッフにサプライズで労いの言葉が。特に“コンサートマスター”を務めた松坂さんに対し「この映画のコンマスは松坂桃李でした。完成まで1年8か月を要しましたが、素晴らしい努力と情熱と集中力で、片時もバイオリンを離さない姿に胸が締めつけられました。いま26歳ですが、人間の気力と体力のピークは37歳と言われてますからあと10年あります。キャリアを積んで日本映画を牽引するビッグな俳優として成長を続けてほしい」と心のこもったメッセージを送った。いつも、冗談ばかりの西田さんからの温かい言葉に、松坂さんは感激の面持ち。「サプライズと聞いて、楽器が出てきて弾くのかと思ったらまさか西田さんの言葉で…嬉しいです。頑張ります!」と大先輩を前にさらなる飛躍を誓った。最後に改めて「音楽は人間が作り上げた最高の栄養剤であり、エネルギーを与えてくれます。この作品はエネルギーが詰まった純度100%の映画です」と力強くアピールした。『マエストロ!』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マエストロ! 2015年1月31日より全国にて公開(C) 2015『マエストロ!』製作委員会(C) さそうあきら/双葉社
2015年02月01日公開初日を迎えた映画『マエストロ!』の初日舞台あいさつが1月31日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、松坂桃李、miwa、西田敏行、古舘寛治、大石吾朗、河井青葉、池田鉄洋、モロ師岡、村杉蝉之介、小林且弥、中村倫也、嶋田久作、小林聖太郎監督、原作のさそうあきらが出席した。本作は、謎の指揮者と負け組楽団員が巻き起こす笑いと涙の本格的音楽エンタテインメント。この日は、キャスト陣と小林聖太郎監督が劇中で演奏する時に着用した正装姿で登場し、主演の松坂は「いや~、いきなり演奏させられるのかとビビってましたが、何事もなくうれしいです」と安心した表情を見せながら「やはり全員の動きが揃ってないとOKが出ないので、何べんも繰り返しました」と撮影エピソードを披露。本作で演技初挑戦となったmiwaは「今日初めて初日に映画館にお邪魔し、『映画に出たんだな~』と実感しました」と感慨深げ。「楽屋で私の『ヒカリヘ』をみんなでセッションしました。それが一番の思い出です」と振り返った。今回登場したキャスト陣を指揮者として束ねるのが西田敏行。「僕は孤独にみんなと距離を置いてました。みんなも目を合わせてくれないんだもん…」といじけるも、主演の松坂には「素晴らしい努力と情熱、集中力を結集して今日に至るまでに1年8カ月を要したことを申し上げたいです。撮影から離れても、片時もヴァイオリンを離さずに練習している姿を見ると胸が締め付けられました」と大絶賛。さらに「彼は若干26歳。人間の気力と体力は37歳がピークです。それまでいっぱいキャリアを積んでいただいて、日本映画を牽引する俳優として成長して欲しいと心から思います」とエールを送り、大先輩の金言を受けた松坂は「楽器が出てきて弾くのかと思いましたが、西田さんのメッセージはすごくビックリしました。本当に嬉しいです。ありがとうございました」と恐縮しながらも「頑張ります!」と更なる活躍に意欲を見せていた。
2015年02月01日映画『マエストロ!』が1月31日に公開を迎え、主演の松坂桃李、miwa、西田敏行、古舘寛治、大石吾朗、河井青葉、池田鉄洋、モロ師岡、村杉蝉之介、小林且弥、中村倫也、嶋田久作、小林聖太郎監督、そして原作者である漫画家のさそうあきら、総勢14名が登壇しての盛大な舞台あいさつが行われた。『マエストロ!』舞台挨拶その他の写真かつては名門だったが、解散してしまったオーケストラが、謎めいた指揮者の下で復活を遂げていくさまをひとりひとりの人間模様と共に描き出していく。キャスト陣、監督は劇中のコンサートの時と同じ正装で登壇。全くの楽器未経験からバイオリンの練習を重ねてコンサートマスターの役を演じた松坂は、映画の公開に「巣立つ雛を見守る母鳥のような心境で、嬉しい反面、さみしくもあります」と心境を明かす。miwaは演技初挑戦および映画初出演となったが「5年前にシンガーとしてデビューした時、初めてCDショップを回った時にデビューを実感しましたが、今日、映画館に来て『あ、私、映画に出たんだな…』と実感しています」と満面の笑みを浮かべ、喜びをかみしめた。以前、別作品で初日公開のサプライズで“瓦割り”を急遽、披露させられたり、本作の舞台あいさつでも超高額のストラディヴァリウスの演奏をさせられるなど、最近、“ムチャぶり”慣れしつつある松坂は、この日も正装で「演奏させられるのでは?」とヒヤヒヤしていたが、そんな松坂に嬉しいサプライズが! 原作者のさそうが駆けつけ、松坂がバイオリンを演奏する姿を描いたイラストをプレゼントした。さらに、指揮者の西田からはサプライズで松坂に対し「この映画のコンマスは松坂桃李でした。素晴らしい努力、情熱、集中力で、片時もバイオリンを離さずに練習する姿に胸が締め付けられました。いま26歳ですが、人間の気力と体力のピークは37歳と言われてますからあと10年あります。キャリアを積んで、日本映画を牽引するビッグな俳優として成長を続けてほしい」という労いの言葉とエールが送られた。大先輩の言葉に松坂は感激しきり。「サプライズと聞いて楽器が出てきて弾くかと思ったら(笑)、まさか西田さんの言葉を…。ビックリしましたし嬉しいです。頑張ります」と力強く語った。『マエストロ!』公開中
2015年01月31日昨年、国内の映画賞を総なめにした『八日目の蝉』の成島出監督の待望の新作『草原の椅子』がついにクランクイン!主演の佐藤浩市を始めに西村雅彦、吉瀬美智子などを引きつれ、“世界最後の桃源郷”と呼ばれるフンザ(パキスタン・イスラム共和国)での長期ロケに臨むことが明らかとなった。佐藤さんが演じるのは、カメラメーカーに勤める主人公・遠間憲太郎。西村さん扮する取引先の社長・富樫との間に友情が芽生え、互いに本音を語り合う中で、2人はこれからの人生をどう歩んでいくかを模索するようになる。そんな折、2人は何もない草原にただ椅子がぽつんと置かれた写真に出会う。その写真に桃源郷を見つけた2人は、強い衝撃に導かれるようにしてフンザへと旅立つ決意をする――。原作は、人気作家・宮本輝による同名小説。これまで多くの作品が映画化され、是枝裕和監督による『幻の光』ではヴェネチア国際映画祭で金のオゼッラ賞を受賞するなど、類稀なストーリーテラーとして注目を浴び続けてきた奇才である。本作は1995年に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに始めた自身の40日間に及ぶシルクロードでの6,700キロの旅の体験を基に、人知を超えた雄大な自然と一人の小さな人間の生との対比を描き出す。映画化にあたり、舞台は2011年に発生した3.11東日本大震災以後の東京、つまり“現在”へと設定を変え、今後“どう生きて行くべきなのか”を観る者に問いかける。時代劇、現代劇からコミカルな役まで、様々なジャンルに出演し続け、ドラマや映画で圧倒的存在感を放つ佐藤浩市と、舞台を始めテレビ、映画、ラジオなどジャンルを越えて活躍を見せる西村雅彦。2人の男たちに加え、佐藤さん扮する遠間が密かに想いを寄せ、共にフンザへと旅立つことになる器屋オーナー・篠原貴志子役には、『ガール』での演技が記憶に新しい吉瀬美智子が扮する。先日クランクインし、フンザ、カリマバード、スカルドゥといったパキスタン・イスラム共和国での撮影は8月から1か月半にもわたるという。厳しく雄大な自然が残る“世界最後の桃源郷”で、彼らが感じるものとは?そして、人間ドラマの名手・成島監督が彼らの姿を通して呈示するものとは?『草原の椅子』は2013年春、全国にて公開。■関連作品:草原の椅子 2013年春、全国にて公開
2012年07月09日3月2日(金)、第35回日本アカデミー賞の授賞式が行われ、成島出監督の『八日目の蝉』が最優秀作品賞を始め、監督賞、主演・助演女優賞を含む最多10部門を獲得し、圧倒的な強さを見せつけた。角田光代の同名ベストセラー小説を原作に、『ミッドナイト イーグル』や『孤高のメス』など硬派な人間ドラマを得意とする成島出監督がメガホンを取り、映画化した本作。不倫相手の子供を誘拐し育てた女性と、彼女に育てられた女性の壮絶な逃亡劇とその後の運命を描いていく。昨年G.W.に劇場公開されて以来、口コミが口コミを呼び、息の長いヒットを記録した本作だが、その壮絶なドラマを迫真の演技で魅せたのが、共に昨年は映画・TVドラマと飛躍的な活躍を見せた井上真央と永作博美。井上さんは誘拐犯の元で幼少期を過ごし、心に傷を負ったまま不倫相手の子供を宿す女性役で最優秀主演女優賞を獲得、幼い彼女を不倫相手の家庭から連れ去り、育てる女性を見事に演じた永作さんが最優秀助演女優賞を獲得した。永作さんは同役で2011年度ブルーリボン賞主演女優賞にも輝いている。男優部門では、昨年闘病の末逝去された名俳優、原田芳雄(『大鹿村騒動記』)に最優秀主演男優賞が授与された。最優秀助演男優賞には、スマッシュヒットを記録した園子温監督による衝撃作『冷たい熱帯魚』で狂気の演技を見せたでんでんが選ばれた。さらに、最優秀アニメーション作品賞にはスタジオジブリ作品『コクリコ坂から』、最優秀外国作品賞には昨年のアカデミー賞を総なめにし国内でも大ヒットを記録した『英国王のスピーチ』が選ばれた。■最優秀作品賞『八日目の蝉』■最優秀アニメーション作品賞『コクリコ坂から』■最優秀監督賞成島出(『八日目の蝉』)■最優秀主演男優賞原田芳雄(『大鹿村騒動記』)■最優秀主演女優賞井上真央(『八日目の蝉』)■最優秀助演男優賞でんでん(『冷たい熱帯魚』)■最優秀助演女優賞永作博美(『八日目の蝉』)■最優秀外国作品賞『英国王のスピーチ』■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会大鹿村騒動記 2011年7月16日より全国にて公開© 2011「大鹿村騒動記」製作委員会冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSUコクリコ坂から 2011年7月16日より全国東宝系にて公開© 2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDT英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.■関連記事:99歳日本最高齢の現役監督に、永作博美、小池栄子らがスタンディング・オベーション第66回毎日映画コンクール最高賞は『一枚のハガキ』、男優賞に『モテキ』森山未來第35回日本アカデミー賞発表!女優陣の健闘で『八日目の蝉』最多12部門受賞永作博美「報知映画賞」主演女優賞を受賞し号泣「押しつぶされそうだった」ヒロイン役は誰の手に?S・ヨハンソン、T・スウィフトらがヒロイン役候補で競合
2012年03月03日松尾スズキ率いる大人計画の約1年半ぶりの本公演が決定した。タイトルは『ウェルカム・ニッポン』。詳細は後日の発表になるが、松尾のほかに、向田邦子賞を受賞し現在脚本を担当するドラマ『11人もいる!』(テレビ朝日系)が放映中の宮藤官九郎、高視聴率をマークし社会現象にもなったドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系)に主演した阿部サダヲら、劇団メンバーが勢ぞろいする。2010年の『母を逃がす』以来の本公演とあって、演劇ファンの熱い視線が注がれそうだ。出演は阿部サダヲ、宮藤官九郎、伊勢志摩、顔田顔彦、宍戸美和公、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、松尾スズキほか。公演は、東京が2012年3月16日(金)から4月15日(日)に下北沢 本多劇場、大阪が4月18日(水)から22日(日)にシアター・ドラマシティにて。チケットは1月下旬に一般発売を予定している。
2011年10月28日角田光代のベストセラー小説を井上真央、永作博美主演で映画化したヒューマンドラマ『八日目の蝉』。先月劇場公開されて1か月、現在本作のFacebook上の公式ファンページでは映画にちなんで「本当に罪深い人は誰なのか?」と題し、投票キャンペーンが実施されている。主人公は不倫相手の赤ん坊を誘拐した希和子(永作さん)。愛情を注ぎ精一杯母親になろうとするものの4年の逃亡の末、逮捕されてしまう。そして誘拐された赤ん坊・恵理菜(井上さん)は生みの親元に戻るものの自分の居場所が見つけられず、心を閉ざしていく。そして、皮肉にも希和子と同様に恵理菜は不倫相手の子供を身籠ってしまい…。映画では愛情を十分に受けることなく育った恵理菜の姿が重点的に描かれているが、この状況を生み出した原因は彼女をとりまく人々にもあるはず。そこで、現在Facebookのファンページでは、「『八日目の蝉』の中で本当に罪深い人は誰なのでしょう?」と銘打って投票企画を開催。彼女と関わりを持つ登場人物たちが対象となるが、今回該当するのは以下の5人である。・野々宮希和子:恵理菜を誘拐し、4年間の逃亡生活で愛情を注ぐ育ての母。・秋山恵津子:恵理菜の生みの母。誘拐を機に母娘の関係をうまく築けず、もがき苦しむ。・秋山丈博:恵津子の夫で、希和子と不倫関係の間柄。・岸田孝史:大人になった恵理菜の不倫相手。・エンゼル:希和子と恵理菜の身をかくまった女性専用駆け込み寺の経営者。ちなみに5月24日(火)時点の中間結果では、1位が秋山丈博で、2位と100票差をつけてトップを爆走中。女性から見ると予想通り(?)の結果かと思うが、この結果を実際に丈博を演じた田中哲司からはこのような返答が返ってきた。「本当に申し訳ありませんでした。諸悪の根源は私にあります。心より反省いたしております」。果たして、あなたが思う“罪深い”人は誰?『八日目の蝉』は全国にて公開中。『八日目の蝉』Facebookファンサイト■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:井上真央、『八日目の蝉』初日にセミの絵のワンピースで登場!小池栄子インタビュー主人公の傍で感じた強き心「愛情によって人は救われる」中島美嘉が復帰後初の歌声披露、井上真央は感激の涙三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待
2011年05月24日映画『八日目の蝉』が公開を迎え、4月29日(金・祝)に都内劇場で行われた舞台挨拶に、井上真央、永作博美、小池栄子、森口瑤子の女優陣と成島出監督が出席した。角田光代のベストセラー映画化した本作。赤ん坊の頃に父親の愛人に誘拐され、4歳になるまで育てられた恵理菜(井上さん)が、大人になって自身も愛人の子を妊娠。複雑な思いを抱えて、誘拐犯で育ての親である希和子(永作さん)が、かつて自分を連れてたどった旅路を歩みながら自分と向き合っていく姿を描く。「真央ちゃん!」という観客からの大歓声に迎えられた井上さんは笑顔で「蝉の絵がついたワンピースです!」とニッコリ。「悩みぬいて、ぶち当たりながら、ひとつの光、違う景色が見られるのを信じてやってきました」と撮影をふり返った。永作さんは、これから映画を観る観客を前に「観終わって感じるもの、付いてくるもの…余韻のようなものが、みなさんにいま必要なものなのではないか、と思っています」と語りかけた。恵理菜の生みの母親を演じた森口さんも、娘との距離を埋められずに悩む母親役にかなり苦戦したようで「悩みに悩み抜いた」と告白。現場での監督との関係を「学校の先生と生徒のようだった」とふり返った。小池さんは、一緒に撮影に臨むことが多かった井上さんを“戦友”として「井上さんがいなかったらやりきることができなかった」と感謝の思いを口にした。井上さんも「同じく(笑)。辛いときも(小池さんが)そっと黙って隣にいてくれました。出会えて良かったです」と語り、深い絆をうかがわせた。永作さんは、幼少時代の恵理菜を演じた子役の渡邉このみとのシーンが多かったが「このみにいっぱい遊んでもらいました。一緒にご飯食べたり、シールを貼ったり(笑)」と楽しそうに述懐。すると、このみちゃんがカーネーションの花束を持って舞台に登場し、一人一人に花を手渡した。このみちゃんの「みなさん、観に来てくれてありがとうございます」と大人顔負けのしっかりした挨拶に客席からは温かい拍手が沸き起こった。『八日目の蝉』は全国にて公開中。■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:小池栄子インタビュー主人公の傍で感じた強き心「愛情によって人は救われる」中島美嘉が復帰後初の歌声披露、井上真央は感激の涙三池崇史監督、永作博美の授乳シーンに思わず興奮!?「オレが演出したかった」井上真央×永作博美 実力派女優が共演『八日目の蟬』試写会に25組50名様ご招待難題や事情を抱えた世の女性たちへ『八日目の蝉』成島出監督が花束のエール!
2011年04月30日耳管開放症を患い、昨年10月より活動を休止していた歌手の中島美嘉が、4月公開の映画『八日目の蝉』の主題歌となる新曲「Dear」で活動を再開することが発表された。中島さんは昨年10月下旬、6作目のアルバム「STAR」のリリース間近に耳管開放症の症状悪化に伴い、制作、プロモーションを含めて全てのアーティスト活動を休止。デビュー10周年を記念して、自身初となる日本武道館、そして大阪城ホールで行われる予定だったライヴも中止が発表された。その際、「ライヴを楽しみにしてくれたファンに対してお詫びしたい」という本人の希望で、武道館、大阪城ホールでは全公演分、中島さん自身が姿を現し、中止の発表にもかかわらずつめかけたファンに向けて、異例のお詫びを行った。その後、治療に専念し順調に快方に向かっていき、このたび、新曲「Dear」で活動を再開することに!今回のリリースは先述の6作目アルバム「STAR」以来、半年ぶり。表題曲「Dear」は、昨年USEN総合チャートで年間1位に輝いた名曲「一番綺麗な私を」と同じく、杉山勝彦の手による“これぞ中島美嘉”といえるバラード曲に仕上がっている。カップリングは先の中止になったライヴの際に、武道館と大阪城ホールで中島さんの挨拶が終わった後に、ファンから合唱が起こった「A MIRACLE FOR YOU」をリアレンジ&再レコーディングして収録している。4月27日(水)のリリースを前に、22日(金)からは、こちらもファン待望の全国ツアー「MIKA NAKASHIMA CONCERT TOUR 2011 【THE ONLY STAR】」がスタートする。初日のサンシティ越谷から7月まで、全国33本に及ぶ大きなツアーとなっており、ここで中島さんの元気な姿を生で見られそうだ。映画は直木賞作家・角田光代の初の長編同名サスペンスが原作。永作博美演じる希和子は、不倫相手の赤ん坊を誘拐し逃亡生活を続け、血の繋がりのない娘に愛情を注ぐが、4年の逃亡の末に逮捕される。このときの赤ん坊・恵理菜は、本当の家庭に戻るも、そこに彼女の居場所はなく、やがて大人になった彼女は皮肉にも不倫相手の子供を身籠ってしまう――。この恵理菜を、これまでのイメージを覆し井上真央が熱演。希和子と恵理菜の“母娘”の姿を通じて女の性(さが)を残酷に、そして力強く描き出す。中島さんは活動再開に際し「昨年、休養発表をした際にファンの方や関係者の方からたくさんの温かい励ましを頂きました。この場を借りて感謝申し上げたいと思います。休養中でも、みなさんのお陰で必ずあの舞台に戻る!という決意が揺らぐことはありませんでした。本当にありがとうございました。4月からの全国ツアーではいつものように毎回激しく緊張するかと思いますが、私にとってライブは感謝を直接伝えられる場所。恩返しのつもりで私のベストを出したいと思います。特に気持ちは100%出し切るつもりで頑張ります。一緒に幸せになれたら最高です!」と力強いコメントを寄せてくれた。映画については「登場する方たちがそれぞれ長い間、秘密を抱えてその痛みが愛に変わってゆく心の深いところでの人と人の繋がりというものを感じられました。そんな素晴らしい映画のお手伝いをさせて頂けることをとても光栄に思い、精一杯がんばらせていただきます」と意気込みを語る。井上さんは「ファンのみなさんと同じく、中島美嘉さんの復帰はとても嬉しいですし、この映画のために素敵な曲を書き下ろして下さったことをとても光栄に思っています。中島さんは以前から好きでよく聴いていましたが、今回のバラード曲も何度もリピートして聞いてしまうほど、とってもいい曲で大好きです。映画と共にみなさんのもとへお届けできる日を私も楽しみにしています」と喜びのコメントを発表。恵理菜の感情がスクリーン一杯に溢れ出すシーンで終わるという本作。「恵理菜の思いをこれ以上ないほどに表現してくれるに違いない、と確信しオファーした」と本作の石田雄治プロデューサーは語る。なお、本作の前売鑑賞券発売が2月11日(金・祝)より全国の劇場窓口にて開始。特典として作品のタイトルにちなんで「セミクリップ」がついてくることに。限られた命しか生きることのできない蝉の鳴き声よりも、強く、切なく――。中島さんの歌声は、映画を観終わった女性たちの心にどのように響きわたるのか?「Dear」は4月27日(水)リリース。『八日目の蝉』は4月29日(金・祝)より全国にて公開。■関連作品:八日目の蟬 2011年4月29日より全国にて公開© 2011「八日目の蟬」製作委員会■関連記事:井上真央の切ない笑顔に引き込まれる!『八日目の蟬』特報が解禁井上真央が不倫相手の子を身籠る妊婦役で新境地!共演に永作博美
2011年02月10日