京都市西京区に鎮座する松尾大社(まつのおたいしゃ)は、渡来系氏族である秦(はた)氏が創建に関わった神社。平安京遷都以後は、都の守護神のひとつとして崇められると同時に、酒・醸造の神として全国の酒造会社の崇敬も集めてきた。その松尾大社の神宝を紹介する展覧会が、4月27日(土)から6月23日(日)まで、京都市の京都文化博物館で開催される。同展の見どころは、日本最古級の神像彫刻として国の重要文化財に指定されている御神像をはじめ、松尾大社の神宝の数々が初めて大規模に公開されること。初公開となる源頼朝や織田信長などの朱印状をはじめ、歴代の権力者が発した中世の古文書を一挙に公開すると同時に、同大社の歴史や酒造りについての史資料なども展観する。出品作品108件のうち、なんと約9割が初公開となる。源頼朝書状 6月17日 松尾大社蔵とりわけ注目されるのは、平安時代前期の作と考えられる三神像がそろって登場し、御神宝とともに紹介されることだろう。厳しいお顔の老年の男神像は、同社の祭神の1柱である大山咋神(おおやまくいのかみ)に、また壮年の男神像はその御子神に、そして女神像は祭神のもう1柱である市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)に、それぞれ比定されている。重要文化財《女神像》平安時代 9世紀 松尾大社蔵同展では、こうした神々の系譜や縁起を紐解き、長い歴史のなかでどのような神がどのように信仰されてきたのか、また神事がどのように営まれてきたのかなど、様々な面から松尾大社に対する人々の信仰のありかたをたどっていく。大山咋神が醸造の神でもあることから、お酒をはじめ、味噌や醤油など醸造に関わる人々から篤い信仰を受けてきた松尾大社はまた、武家からは武神として敬われ、歴代の将軍家や天下人からも篤い崇敬を受けてきたという。そうした信仰の広がりが、作品や史資料を通じて目の当たりにできるのも興味深いところだ。今回はまた、境内をデータ測量して制作した松尾大社の3D映像も初公開されるほか、小説家・浅葉なつによる注目のシリーズ小説『神様の御用人』とのコラボ企画も予定されており、色々なかたちで松尾大社の魅力にふれられる展覧会となっている。<開催概要>『松尾大社展みやこの西の守護神』会期:2024年4月27日(土)~6月23日(日)会場:京都文化博物館4・3階展示室時間:10:00~18:00、金曜は19:30まで(入場は閉室30分前まで)休館日:月曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)料金:一般1,600円、大高1,000円、中小500円公式サイト:チケット情報:()
2024年04月19日シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキが、就任時から構想していた若手のための学び場COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』がいよいよ始動!新しい年度が始まった4月1日、オーディションを勝ち抜いた18歳から28歳の総勢24名が揃い、第1期生の開講式が行われた。地方から夢を抱いて上京してきた者、小劇場の劇団員、元市役所職員などなど、受講生のバックグラウンドはさまざま。中には三代続く家業の跡取りだった……という男性もいて、人生いろいろ、各々の思いを胸に、全員が初々しく晴れがましい表情を見せていた。これから1年間、シアターコクーンとゆかりの深い演劇人を講師とし、基礎と創作と発表を組み合わせたレッスンに励む。開講式では常任講師一人ひとりから歓迎の温かい言葉が送られ、受講生たちが真剣に聞き入る場面も見られた。講師のコメントは以下。■松尾スズキ(主任/演技基礎)僕がシアターコクーンの芸術監督に就任する条件のひとつとして、「スクールをやらせてほしい」という約束がありました。ただ初年にコロナ禍が始まり、ようやく収まってきたところで劇場自体が休館となり……結果こんなタイミングになりましたが、やっとスタートできます。一言お伝えしておきたいのは、決して劇場が休み中の穴埋め企画ではありません!何年も準備、構想していた企画に一流の講師の方が集まってくださり、1年間通して学べる機会は、とても刺激的で恵まれたことです。皆さんもったいないので、どうぞ休まないでください。■杉原邦生(演技基礎)僕は大学で演劇を始めました。そこには個性の強い演劇人の皆さんが揃っていて、一見全く統一感のない授業を受けて……当時はすごく頭がぐちゃぐちゃになったんです(笑)。でもそうした選択肢の幅が広い環境だったからこそ、自分がやりたいこと、表現したいことを見つけられた気がしています。ですから皆さんもぐちゃぐちゃになりながら、何かを見つける1年にしてください。年度末の卒業公演では演出も手掛けます。なんと松尾スズキさんの書き下ろし新作。僕自身が興奮しています。みんなで頑張りましょう。■オクイシュージ(演技基礎)僕は皆さんに、演劇で使える身体のキレを叩き込みたいと思っています。あと重要なのが、演劇における笑い。ここを正面から教える俳優養成所ってなかなかないんです。自分もかつては養成所に通っていましたが、50人程いた同期で、今も活躍しているのは平田敦子さんぐらい。そのくらい狭い門なんです。俳優は声がかからなかったら無職状態。どうぞ皆さん、たくさんの演出家、制作陣から信頼される、声がかかる俳優になってください。■ノゾエ征爾(演技基礎)僕は大学を卒業後にENBUゼミ第1期「松尾スズキクラス」を受け、松尾さんのもとで1年間学びました。その卒業公演の稽古で松尾さんがボソッと「君たちよりも俺は演劇を愛している」と仰った一言にズンときたんですね。そこから26年を経て、松尾さんが当時仰っていた「愛している」に僕は到達できているんだろうか?こうしてそばにいると、「まだ到底追いつけていないんじゃないか?」と考えたりもします。まだまだ僕も「これから次世代を担いたい」と思っていますので、一緒に頑張りましょう。■藤間貴雅(日本舞踊・所作指導)皆さんと同じ年頃、大学1年の時に下北沢ザ・スズナリで松尾さんの『ふくすけ』と出会い、それ以降大学の先輩たちの芝居が全部つまらなく感じるほどの衝撃を受けました。それから何十年も経て仕事でご一緒した際、松尾さんが「所作って大事だよね」と仰ってくださった嬉しさ!こうしてクラスに組み込んでくださったことを、古典芸能の人間として感謝しております。光を当てていただく貴重な機会をいただくわけですから、その効果を皆さんに実感いただけるアドバイスができればと思っております。■振付稼業air:man(ダンス指導)皆さんみたいに上手にお喋りできないので、一言だけ。こうして皆さんは、チャンスを掴みました。これを生かすも殺すも皆さん次第です。さまざまな講師の皆様がいらっしゃいますし、われわれ「振付稼業air:man」のメンバーもたくさんいます。レッスンのたびに講師が変わります。しかも、あらゆるジャンルの踊りを学んでもらいたいと考えています。どうぞ心して準備しておいてください。■蔵田みどり(発声・歌唱指導)料理の「さしすせそ」のように、皆さんには表現力を豊かにするための「ほかほか」という言葉を心に留めていただきたいです。「ほ=褒める(自分ができたことを褒める)」「か=書く(習ったこと、感じたことを日記のように日々記す)」「ほ=ほかす(こだわり、頑なさ、プライドを捨て、次のステップに進みやすくする)」「か=可愛がる(いい音を聞く、美味しいものを味わうなど五感を可愛がってエネルギーチャージし、直感を得やすくする)」……こうしたことを実践しながら、たくさんの楽しい経験をし、成長したと実感できる1年を過ごしましょう。なお上記の常任講師に加え、ゲスト講師として、井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演技メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣、アクション)といった、演劇界の第一線で活躍する豪華な面々も迎え、各ジャンルの特別ワークショップも開催予定。その他、受講生はコクーンプロデュース公演の制作現場を見学、さらには出演するチャンスが与えられる。1年間の総決算である発表公演(有観客)は2025年3月。松尾が書き下ろす最新作を、杉原邦生が演出。松尾が若者の集団にどんな作品を書くのか、その内容にも注目だ。演劇界の未来を担う新たなスター誕生に、早くも期待が膨らんでいる。文:川添史子撮影:宮川舞子<企画概要>COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』【常任講師】松尾スズキ(主任/演技基礎)杉原邦生(演技基礎)、オクイシュージ(演技基礎)、ノゾエ征爾(演技基礎)藤間貴雅(日本舞踊・所作)、振付稼業air:man(ダンス)、蔵田みどり(発声・歌唱)【ゲスト講師】(五十音順)井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演劇メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣・アクション)【第1期生 活動期間】2024年4月1日~2025年3月31日【発表公演】(タイトル・詳細未定)脚本:松尾スズキ演出:杉原邦生出演:コクーン アクターズ スタジオ第1期生日程:2025年3月中下旬(予定)場所:Bunkamuraシアターコクーン公式サイト:
2024年04月11日バイオリニストでタレントの松尾依里佳(40)が1日、自身のインスタグラムを更新し、4月からホリプロに移籍することを発表した。松尾は「いつも応援してくださっている皆さま」と題し、「ご報告させていただきます。この度、ホリプロに移籍することになりました」とコメント。「これまで私が15年以上、お世話になりましたエクステンションの皆さまには、多くの貴重な経験をさせていただき、心から感謝しております」と述べた。「これからも音楽家として、そして二児の母として、日々成長できますよう精進を続け、ホリプロのみなさまにお支えいただきながら、活動に努めてまいります」とし、「今後とも応援していただけますと大変嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます」と締めくくった。
2024年04月01日●さまざまな問題で大きく揺れたエンタメ業界に危機感エンターテインメントや政治・社会問題などについて自身の考えを述べ、その発言がたびたび注目を集めている音楽プロデューサー・松尾潔氏。2023年、旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団の問題などで大きく揺れたエンタメ業界に危機感を抱き、クリーンな世界に変えていくために今、膿を全部出しきるべきだと考えている。「大好きな音楽の仕事を続けていくためにも、クリーンな世界にしていきたい」。松尾氏に今の思いを聞いた。昨年、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題について、疑惑を放置するべきではないと、いち早く声を上げた松尾氏。今年1月には、日刊ゲンダイでの連載「メロウな木曜日」、RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言に加え、今の自身の思いを書き下ろした著書『おれの歌を止めるなジャニーズ問題とエンターテインメントの未来』を出版。「1冊の本にして世の中に対して提言とか問題提起ができたら」と思いを明かす。昨年はエンタメ業界のさまざまな問題が明るみに。松尾氏は「エンターテインメントの未来を考えるにあたって、2023年はのちのち大きな節目と言われるんじゃないかという実感がありました」と語る。「ジャニーズ、宝塚、歌舞伎など、エンターテインメントの老舗が抱えていた非常に根の深い問題……セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメントが顕在化し、表に出たときにはかなり根腐れを起こしていた。似たようなことがいろんなところで起こっているのではないかと想像するのは自然なことですよね」そして、「ジャニーズも宝塚も歌舞伎も別の話なのでそれぞれ検証しなきゃいけない」とするも、「問題の構図はどこか似ているところがある」と感じているという。「エンターテインメントは文化ですがビジネスでもある。利潤追求を優先するあまり、モラルやマナーをないがしろにしたのではないかなというのが、すべての問題に共通しているように思います。さらにもっと言うと、その根本にあるこの国の在り方……政治や経済にも目を向けて正すべきところは正していかないといけないと思います」○誰もが自由に意見を言える社会に変わらなければいけないまた、何か疑問を感じたときに誰もが意見を言える社会に変わらなければいけないと、その必要性を強調する。「おかしいと思っても口に出せない空気があるからこそ、何か問題があっても表に出なかったり、なかなか問題が解決できないのではないかなと。我々は今、そういう反省をしなければいけないと思っています」自身も、ゆるくではあるが同調圧力のようなものを感じることがあったという。「『いいエンタメとは、いいショービジネスとはこういうものである』『こういうときはこうするべき。空気を読めよ』というような同調圧力が、ギュッと締め付けるのではなくふわっとした感じで、そういった空気が蔓延している気がします」日本を代表するアーティストの楽曲を手掛けてきた松尾氏だからこそ、関わってきたアーティストへの影響も考えざるを得ない。「2015年の安保法制のときに、デモに参加したミュージシャンの方もいました。僕は日本のエンタメのど真ん中にいる人たちと仕事をしているので、例えば僕がそういったデモに参加したり、業界や社会に関して何かアクションを起こすと、その人たちに迷惑がかかるのではないかと。そういう思いをずっと抱えていました」だが、ジャニー喜多川氏の性加害問題が明るみに出て、「これは声を上げなければいけない」という思いに。「この問題の本質は人権蹂躙であり、被害を受けているのが子供、もしくは、かつて子供だった大人たち。僕は特別正義感が強いわけでもないですが、これはあり得ないと思ったんです」そして、音楽を愛しているからこそ、クリーンな業界にしていきたいという思いがある。「おかしいと思うことを放置し、視界が曇ってしまうのが嫌なので、最初は手動のワイパーかもしれませんが、一生懸命、視界をクリアにしていきたいなと。ハラスメントのない労働環境であるべきだし、人権が尊重されるべき。せっかく楽しいと思える音楽の仕事ができているので、長く続けるためにも健全化させていきたいという思いです」だが一連の発言がきっかけとなって、スマイルカンパニーとの業務委託契約が終了となり、昨年7月に公式Xで「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」と報告した松尾氏。契約終了は全くの想定外だったと振り返る。「ジャニーズ事務所とスマイルカンパニーの関係が近いとはいえ、まさかこの件で契約終了になるとは思ってなかったので本当にびっくりしました。むしろ賛同してくれると思っていて、山下達郎さん(スマイルカンパニー所属)も『よく言った』と言ってくれるかなと。おめでたいんでしょうね、僕は……」●僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答することも2023年をきっかけに声を上げやすい社会に変わっていくことに期待を寄せる松尾氏だが、そう簡単には変わらないということも痛感。「ジャニーズ問題に関して僕は、ジャーナリストという立場ではなく、エンタメ業界の内部から最初に声を上げた人になると思っていました。でも続けて発言される方があまりいなくて」と語る。続けて、「僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答するときもあります」と吐露する松尾氏。「松尾みたいに声を上げるといろんな不利益を被ると感じてしまって、僕が声を上げたばかりに逆にみんなの警戒心を高めることになってしまったのだとしたら、それは全く僕の意図するところではないので。みんなで声を上げようよと言いたいですが、なかなか……。この本を『読みましたよ』と言ってくれる方は業界の内外問わず多いのですが、『僕もSNSで発言します』とおっしゃる方は少なくとも業界内からは出てこないですね。僕のペンの力が弱いのかな」さらに、「皆さん『生活もあるし』と言いますが、本質的な意味での豊かな生活を考えたら発言したほうがいいと思うんです。僕はこの数年、特にこの1年、すごく心豊かに過ごせているので」と力説。想定外の展開にはなったものの、言うべきことを言ったことで「心の豊かさを失わずに済んでいる」と語る。「僕はもともとメロウなR&Bが好きで、柔らかなラブソングをたくさん作ってきました。その柔らかさを守るためにも、言うべきところではハードエッジなことも言わなきゃいけないんだなと感じています」目指すは、純粋に音楽が好きな人たちが、権力などによって嫌な思いをすることなく、好きな音楽を届けられる世界。そして、音楽を生み出す人自身の人権意識も十分でなければ、その音楽も台無しになってしまうと松尾氏は言う。「もちろん、聖人君子であれとまで求めるつもりはありません。ただ、せっかく弱者への眼差しを音楽などで表現しても、その人自身がそういうことを大切にしていなかったら、表現は著しく説得力を欠いてしまう。どんなに生み出しているものが素晴らしくても、その人がそうでなければ響かないというシビアさはあると思います」○「ラブソングを作り続けたい」 音楽プロデューサーのやりがいも語る音楽業界、そしてエンタメの未来を思って行動を起こした松尾氏。「この半年ぐらい『松尾さん出馬するんですか?』とよく聞かれますが、全くそんなこと考えていませんよ」と笑う。「政治や社会について話すと、すぐそういう風に思う方がいますが、皆さん政治や社会というものを神棚に置きすぎだと思います。全部地続きの発言ですよ。エンタメのことも政治のことも同じ口で言っていいじゃないですか」ちなみに、子供の頃から好奇心旺盛だったそうで、「何でも分解したい子供で、父親の腕時計をバラバラにして大目玉を食らったことも(笑)。好奇心や探求心はあるほうだと思うので、いろんなことが気になるというのが根底にあるのかもしれません」と自己分析する。今後について尋ねると「ラブソングを作り続けたい」と願う。「ポップミュージックを大きく2つに分けるならば、ラブソングかライフミュージックだと思っていて、人生の素晴らしさや人の優しさを歌ったものがライフミュージックだとすると、さまざまな恋愛について歌ったものがラブソング。ですが、恋愛はポップミュージックの尺だと2人ないしは3人ぐらいの中での人間関係を濃密に描いたものであり、優れたラブソングはそれ自体がライフミュージックにもなると思っているので、僕はラブソングという多機能性を備えた形態を好んでいるのだと思います」そして、「自分で歌うことに強い興味はなく、優れた歌唱力を持っている歌手、魅力的な声の持ち主に、僕がデッサンした絵を色付けしてもらうという作業が大好きなんです。作ったものがいろんな人の手に渡って価値が高まっていくのもうれしいですし、物語の起点に立って展開を見守ることを楽しんできました」と音楽プロデューサーのやりがいを語る。さらに、「僕には子供がいますが、父親が変な仕事をしていると思われたくないという気持ちもあるんです」と思いを告白。「子供がエンターテインメントの世界を目指したいと言ったときに、『それだけはやめておけ』とは言いたくない。素晴らしいことを仕事に選んでいるのだと、胸を張っていられる世界にしたいと思っているので、そのためにできることをやっていきたいと思います」と力を込めた。■松尾潔1968年1月4日生まれ、福岡県福岡市出身の音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。早稲田大学卒業。SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。その後、プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、東方神起、三代目J SOUL BROTHERS、JUJU等を成功に導く。これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超す。日本レコード大賞「大賞」(EXILE「Ti Amo」)など受賞歴多数。
2024年03月31日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が13日、神奈川・KOSE新横浜スケートセンターで行われた映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(3月29日公開)の極寒レッドカーペットイベントに出席した。『ゴーストバスターズ』シリーズ最新作となる本作の舞台は、太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。すべてを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト“ガラッカ”の襲来で、ニューヨークに史上最大の危機が訪れる。本作の世界観を再現するために、アイススケートリンクという異例の会場でイベントを開催。日本では初の試みとなるスケートリンク上のレッドカーペットが出現し、吹き替え声優を務めた上白石萌歌、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)、本田真凜が出席した。長田はゴーストバスターズ仕様のつなぎ衣装を着用。松尾は『ゴーストバスターズ』シリーズの象徴である“ノーゴースト”マークのコスプレで登場した。松尾は2022年に行われた前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のイベントでも“ノーゴースト”マークのコスプレを披露しており、「まさかもう1回できると思わなかったです。うれしいです」と喜び、「今回は、ばってんのところが凍っています。特別仕様です」と本作バージョンになっていることをアピールした。長田は、ゴースト研究所で働くエリート研究員役を担当。松尾が演じたキャラクターは、劇場公開までシークレットということで、「何の役かはまだ言えないんです。見てからのお楽しみということで」と話していた。
2024年03月13日KADOKAWAは3月14日、俳優の中村倫也さんによる書籍『THE やんごとなき雑炊』を発売します。同書は、料理好きとして知られる人気俳優・中村倫也さんの「初の料理本」。中村さんが「雑炊」を作りながら「雑談」をし、その調理過程からイマジネーションしてショートエッセイを執筆する「雑炊×雑談×俳優」を実現させた雑誌の連載企画「中村倫也のやんごとなき雑炊」を書籍化しました。一般的な「雑炊」の想像をはるかに超えるスペシャルな20の雑炊レシピと、調理中にふいに出てきた中村さんの言葉の数々、その折々に綴ってきたエッセイが楽しめる一冊です。「簡単でおいしい!」に加え、「中村倫也の生き方の工夫や考え方」までも知ることができます。収録している雑炊レシピは、「中国の、田舎町の、怖い先輩雑炊」「あの波に消えた、ビーチボールは。」「泳げ!たまごごい雑炊」など。中村さんは書籍化にあたり、下記のようなコメントを寄せています。「ものづくりをする上で、制約を大切にしている。これは私が定められた枠組みの中で求められる発想力にこそ創造性を感じるタイプだからだ。何でもアリと言われると、逆に物足りない。工夫が必要な環境でこそ「人間」が見えてくる。そんな期待を込めての”雑炊”縛り。なんとも絶妙な枠組みだ。囲いの中で、どんな料理が生み出されるのか。どんな言葉が溢れ出るのか。頭と心だけでなく、舌でも楽しめる書籍。ぜひ手に取っていただければ幸いです」■書誌情報書名:THE やんごとなき雑炊著者:中村倫也監修協力:タカハシユキ定価:1,870円※全国の対象書店、Amazon.co.jp、楽天ブックス、セブンネット、HMV&BOOKS onlineでは、それぞれ購入特典付き(フォルサ)
2024年01月23日アイドルグループ・乃木坂46の阪口珠美、佐藤楓、松尾美佑が、発売中のマンガ誌『週刊ヤングマガジン』(講談社)第2号のグラビアに登場している。阪口は2001年11月10日生まれ、東京都出身。佐藤は1998年3月23日生まれ、愛知県出身。松尾は2004年1月3日生まれ、千葉県出身。阪口と佐藤は乃木坂46の3期生、松尾は4期生として活躍している。グラビアでは、初の組み合わせの3人が姉妹感溢れる仲良しな空気で登場。キュートな撮り下ろしでタンクトップ+ショートパンツなど、ラフな姿も見せた。
2023年12月15日12月13日、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」が自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿した。そこで、松尾駿(41)が大腸の病気である、大腸憩室炎になったと明かし、話題となっている。冒頭で「いや、ちょっと……。憩室炎っていう、聞いたことないやつになりまして」と切り出した松尾。「何か腹痛くってさ。下っ腹みたいなところが。で、『何だろう』と思って病院に行ったんだけど。近所の。『何かよくわかんないですね。尿管結石ではないです』みたいな。それで家帰って、まだ痛くて。ちょっと大きい病院行ってみようと思って、夜行ってみたら、憩室炎って……」と診断されるまでの経緯を明かした。憩室炎について松尾は「大腸に穴があるんだって。部屋みたいな。で、便とかが詰まったりして、細菌とかが入って、炎症を起こして『イタタタタ』っていう……」と説明。そして、痛み止めの点滴を打ったと語った。すると相方の長田庄平(43)は「40過ぎたらさ、本当に明確な病気が出てくるよね、やっぱり」とコメント。松尾は「本当に言われた。『これは40超えたら急に出てくるやつです』って。それになって。で、今何にも食えない」と嘆くと、長田は笑った。「40過ぎると明確に病気になる」と繰り返す長田に、松尾は「これを機にちゃんとしようと思っている」と宣言。しかし、長田は「って思うじゃん?でも、結局できないんだよ。俺も40を分岐で、やっぱり『ちゃんとしないとな』って思ったけど、結局堕落していっちゃうんだよ。だるいから。しんどいから」と念を押すと、松尾は「けど、俺は今回ちゃんとする」と返答。そして「お菓子とかをなるべく食べないようにする」というと、長田やスタッフから笑い声が漏れた。また松尾が「あと運動不足もあるって言われた。だから、なるべく動く」「本当に何かをちゃんとしないと」と話すと、2人は“食べすぎに注意する”という結論に至った。しかし、「美味しいものが増えるよ、年末」「無理です、この仕事している限りは」と長田が言うと、松尾は「この間、ウンチ漏らしそうになるくらい食っちゃったんだよなぁ」と明かした。動画のコメント欄では《お2人とも身体大事にして下さいね…》《お二人ともお忙しいし、身体にだけは気をつけて!》《チョコプラには元気に長生きしてもらわないと困るよ!!》との声が相次ぐことに。ファンは2人の“健康第一”を願っている。
2023年12月14日松尾スズキ初の個展、生誕60周年記念 art show「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」が開幕し、特別内覧会に宮藤官九郎、阿部サダヲ、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙らが来場した。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で多くの作品を世に送り出してきた松尾スズキが、生誕60年の節目に初の個展を開催する。若いころ絵を学んでいた松尾が、そもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界、ここでしか出会えない松尾の「マンガとアートの間の揺らぎ」を堪能できる。会場内の音声ガイドは、松尾スズキと吉田羊がナビゲートする。また、個展に合わせて豪華イベントも開催。12月11日(月)・12(火) には10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトークを開催。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水)~15日(金) の3日間は「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」と題して、松尾スズキと同い年の片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチを迎えて、お互いの歴史について語り、歌も披露する。ラスト15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩と共に、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る。<ご挨拶>■松尾スズキコロナ禍で描いた作品の個展を開催することになりました。正直死にそうです。大人計画でイベントをやると大概死にそうになるんですが、なぜ同じ轍を踏みたがるのか……大人計画はバカなんだなと思います。(笑)みなさんどうぞ楽しんでください。<コメント>■宮藤官九郎「あきらかに」最初に見た時に気持ち悪くて、こんな絵ばっかりかと思ったら、意外とこれが一番気持ち悪かったので選びました。(個展を見て)松尾さんの作るお芝居の原型というか、今日見た絵のような演技は実際にはできないから松尾さんは絵で表現するんだろうなと。松尾さんの頭の中で思い描いているお芝居の理想型がこれだとしたら俺らは無理だなと思いました。(笑)■阿部サダヲ「矢印小僧」本格的な個展でびっくりしました!ホワイエにある『ツダマンの世界』の時の屏風の絵がけっこう好きで、松尾さんの絵っておもしろいな、と思っていたんです。お気に入りの一枚は「矢印小僧」。赤い矢印のイヤリングと「矢印良品」(笑)センスが流石です。松尾さん、ぜひ原画売って下さい!!■皆川猿時「エイジ」まさか菅原永二だと思わなくてびっくりしました。(笑)外国の俳優みたいで、単純に絵がかっこよくて、松尾さんの詩も面白かったです。松尾さんのことを知っているからか、余計に松尾さんの頭の中がわからなくなってきました。底知れない人だな、自分の中で松尾スズキっていう人は「わからない」で認識されました。■荒川良々「赤ちゃん雲」ちっちゃくてイイなと思って選びました。松尾さんの個展は好きな絵がたくさんあって、すごい才能の塊でした。■宮崎吐夢「あめのりょう」個展を通して、どの絵も素晴らしかったですが、わたしが選んだのはロンドンブーツの亮さんが雨に打たれて土砂降りになっている「あめのりょう」という作品です。自分もいつ何があるかわかりません。土砂降りの雨に降られたりするようなことがあっても、いつか晴れる日をゆめみて生きていかなければなという気持ちになりました。■平岩紙「あきらかに」もし松尾さんに出会わずにこの個展に来ていたら「わたしの好きな芸術家を見つけた!」と思うだろうなと感じました。好きな作品がたくさん出てきたのですが、最終的に私が好きな作品は「あきらかに」です。タイトルと一緒に書かれている詩もすてきですし、作品を見ながら、唇が真っ青というのが自分が小学校の時にプール入っていたときを思い出しました(笑)。<開催情報>個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル12月8日(金)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00【チケット料金】■前売入場券:1,900円音声ガイド付入場券:2,500円未就学児童:無料(日時指定予約必要)■当日入場券:2,000円■音声ガイド松尾スズキ自身がナビゲートいたします。会場料金:700円チケットはこちら:松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:3,800円(全席指定)【トーク出演】松尾スズキ(両日共)司会:上田智子■トークゲスト12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【上映作品】「生きちゃってどうすんだ」(2012年 ザ・スズナリ)作・演出:松尾スズキ、天久聖一出演:松尾スズキ映像出演:宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、阿部サダヲ、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、少路勇介、新井亜樹声の出演:顔田顔彦、宮崎吐夢、星野源「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」12月13日(水)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:7,500円(全席指定)【12月13日(水)】『松尾✕はいり 彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月14日(木)】『松尾✕KERA 電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月15日(金)】『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)特設HP:
2023年12月08日舞台や映画、小説、コントなど、あらゆる分野で独自の世界観を生み出している松尾スズキさん。還暦を機に人生初の個展を開く。その名も「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」。わかりやすいものを描いたら負け(笑)。ポエムも添えました。「コロナ禍で時間が空いてしまった時に、部屋に飾る絵が欲しいなとキャンバスに描き始めたんです」小さい頃から絵が好きで漫画家を目指した時期もあり、美大のデザイン科に進学した。表現のスタートは絵なのだが、演劇の道に進んでから、仕事を離れ、純粋に作品を描いたのは久々の体験だった。「数年前からiPadで描くことを覚えて、連載しているメールマガジンにイラストを発表したりしていました。そして、自分は絵を描くのが好きだったと思い出したんです。ただ、アクリル絵の具で描きだしてからは、デジタルで描こうという気にならなくなってしまって」iPadと、紙やキャンバスに描くのでは肉体的な感覚が全く異なる。「紙の上にペンを走らせる時のカリカリカリというASMR的な気持ちよさ(笑)。はみ出さずに色を塗れた快感や、パレットと紙の上に載せた色が変わって見える驚き。アナログの『失敗できない』という緊張感は、舞台と似ているところがあるのかもしれません」還暦のイベントとして展示するのはどうか、とスタッフの発案で本展の開催が決まった。2年間ひたすら描き続け、大小合わせて約250点以上の作品が展示される。描く中で気づいたのは、背景よりもキャラクターを描きたいということだった。「『シン・ヒョットコ』のフォルムを見つけた時は興奮しました」花瓶のような輪郭の「シン・ヒョットコ」や、ぶ厚い唇の怪獣(?)「トゲくちびる」など、独自のキャラクターがたびたび登場する。「モンスターのモチーフは多いですね。勝手に頭の中で、松尾の中のアベンジャーズがポーズを決めている感じ(笑)。僕自身、俳優としても動いていたいタイプなので、絵の中でも普通には立たせたくないんです」横尾忠則さんや岡本太郎さんの作品に惹かれるという松尾さん。「描かずにいられなかったんだろうと思わせる、己が出ている作品が好きですね。わかりやすいものを描いたら負けだなと思って(笑)」ただ、意識しているのは「どこか可愛げのある絵」。ポップな色調の自画像や屏風のようなものなど、作品もバラエティに富んでいる。また、本展では作品ごとにポエムのような小さな文章を添えるらしい。「読み物としても楽しんでもらえたらと、図録にも全て収録します。めちゃくちゃ大変でしたが、自分はやっぱり言葉の人間でもあるのだなと思いました」豪華ゲストを迎えたトークセッションのほかに、映像や立体作品なども展示する。自ら台本を書き、吉田羊さんとのかけ合いで構成する本人による音声ガイドは必聴だ。タイミングが合えば、会場で松尾さん本人に会えるかも?人を楽しませることにこだわってきた松尾さんらしいart showになる予感。「花とおじさん」アクリル/キャンバスボード 横240mm×縦300mm「トゲくちびる・発射」アクリル/画用紙横242mm×縦350mmまつお・すずき1962年、福岡県生まれ。作家、演出家、俳優。’88年に大人計画を旗揚げ。2020年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督、’23年より京都芸術大学舞台芸術研究センター教授に就任。著書に『人生の謎について』『矢印』『ツダマンの世界』など。「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」絵と作品に添えた文章、音声ガイドの情報から想像を膨らませて、立体的に楽しんでほしい、と松尾さん。作家の脳内探索ができるような展示を目指している。作品の複製画(ジグレー)、銅版画(エッチング)をサイン入りで販売するほか、Tシャツやクリアファイル、豆皿などグッズ展開もある。スパイラルホール(スパイラル3F)東京都港区南青山5‐6‐2312月8日(金)~15日(金)11時~17時(8日は13時~20時、9・10日は11時~20時)。日時指定予約制。前売り1900円ほか。松尾スズキさん本人による音声ガイド付き入場券も。当日券あり。大人計画 TEL:03・3327・4312(平日11時~19時)※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年12月03日作家、演出家、俳優、映画監督など、数々の作品でその異才ぶりを存分に発揮してきた松尾スズキ。そんな松尾が、“画家”として初の個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を開催する。かつては漫画家をめざし、イラストレーターとしての顔も持つ松尾が、還暦を迎えて本気で挑むアートの世界。その気になる内容とは? 松尾に話を訊いた。一瞬で「わっ、カオス!」と感じるような物量を「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル――初の個展開催を前にした正直なお気持ちは?正直な気持ちを言うと、(会場の)スパイラルホールのあの空間を埋めるにはまだ作品数が足りず、どんどんどんどん追い込まれていっている状態です(笑)。――(取材時点で)個展初日まで2か月半ほどですが、まだ制作中ということですか?まだまだ描きますね。小さいものを含めるとすでに100点くらいにはなっていますが、やっぱりクオリティが……(苦笑)。プロの画家に比べて若干自信がないので、物量で勝負しようと思っています。もともと自分の作風は“カオス”ってものをどう表現するか、みたいなところにあると思っていて、お客さんが会場に入った瞬間、「わっ、カオス!」と感じるような物量が欲しいなと。つまり全体を通して見るものだと思っているので、一枚一枚じっくりは見て欲しくないです(笑)。――スパイラルホールと言えば、2018年に開催した『30祭(SANJUSSAI)』の会場でもあります。あれは松尾さんと大人計画の30年を振り返る企画展でした。あの時も物量で勝負しましたけど(笑)、今回は単独行動ですからね。本当に戦々恐々っていうのが正直な気持ち。でもひとりの世界でやっていることなので、比較的ストレスは少ないですし、なにより絵を描くこと自体は好きなんです。――もともと漫画家をめざされていた松尾さんですが、改めてキャンバスに絵を描き始めたのはコロナ禍がきっかけだそうですね。濃厚接触者になってしまい、部屋からも出られないような日々が続いたんです。その時に、「自分のリビングはなんて殺風景なんだ」と思って。絵のひとつも飾りたいけれど、その絵を選びに行くことも出来ない。じゃあ自分で描こうと、昔買ってあったキャンバスを引きずり出してきて。そこには別の絵が描いてあったんですが、上から塗りつぶしちゃいました。リビングに飾るにはあまりにも稚拙な絵だったので(笑)。やっぱり自分のリビングに飾ると思うと、自然とハードルは上がりますよね。それで2枚、3枚と描くうちに、まとめて個展をやるのはどうだ? みたいな話になったんです。松尾さんがコロナ禍に最初に描いたという作品――絵の題材はどんなものが多いですか?描きたいのは一貫して“キャラクター”です。背景とか風景にはまったく興味がなくて、自分が書いた物語にまだ登場していないキャラクター、というイメージで描いています。日ごろ俳優を相手にしながら、どういうキャラクターを演じてもらったら面白くなるかってことばかり考えていますからね。もともと漫画家をめざしていたこともあり、僕の書く物語や演劇というのも、キャラクター重視なのだと思います。――1枚描くのにどれくらい時間がかかるものですか?それは作品の複雑さによるとしか言えませんが、最初のころに比べると、だいぶ時間をかけられなくなってきちゃいました。でもこの間、「横尾忠則 寒山百得」展を見に行ったら、横尾さん、2年で102枚描いたそうなんです。しかも100号。87歳でですよ。あれを見ると、僕がこんなことで音を上げている場合じゃないなと思います(苦笑)。濾(こ)しても濾しても残ってしまう部分に、“アート”はある――これまで描いてこられた漫画やイラストと、今回のような“アート”との違いはどんなところにあると思われますか?違いというか、自分が考えるアート的なものと、今まで自分が描いてきた漫画なり、イラストなり、エンターテインメント色の強いもの。その中間くらいにフワッとあるようなものにしたくて、今回『芸術ぽぽぽい』というタイトルをつけました。芸術“っぽい”だけだとちょっと寂しいので、もうふたつ「ぽ」をつけて(笑)。まぁ自分が今まで書いてきた芝居なり、小説なりというのも、完全にエンターテインメントになりきっていない部分があると思うんです。濾(こ)しても濾してもなんか残ってしまう部分に、“アート”っていうのはあるんじゃないかと。だから自分の芝居って、いわゆる明治座とかで観るような芝居に比べたら、分からない分アート系なんじゃないかと思ったりもするんです。それこそギャグはいっぱい入っていますけど。だから小説もギャグを抜いていたら芥川賞もとれたんじゃないか、ギャグが自分の行く手を邪魔しているんじゃないか。そんな自家中毒的な部分もあります(笑)。――ただギャグを抜いてしまったら、松尾さん作品ではなくなってしまいます。そうなんですよね。取ればいいものを足さずにはいられない部分が、アートなのかなって。自分の絵にしたって、やっぱりどこか笑わせようとしていますよね。ただ横尾さんの絵を見ても、結構ふざけているなと思うところはあって、そこがやっぱり素晴らしいと思います。――そういうところに人は惹きつけられるのかもしれませんね。ええ。特に僕の場合、かわいいものも嫌いではないですが、なんかちょっとグロテスクな部分も欲しくて。きっと自分がそういうふうに世の中を見ているんでしょうね。だから技術的にはちょっと足りない部分もあるかもしれませんが、「どういう眼差しで物事を見ているか」というところでは勝負出来るんじゃないかと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代に入って――会場の音声ガイドも松尾さん自ら担当されます。それは見る人を戸惑わせようと思っていて……。――音声ガイドで、見る人を戸惑わせる……?(笑)だって解説するようなことないですもん。見る人の邪魔をすることしか考えていないですし、なんの手助けにもならないと思います(笑)。――それはそれで楽しみですが……。他にも個展をより楽しめるイベントが盛りだくさんですね。初の個展という特別感に、“還暦”というのをつけ足してもいいかなと思って。トークセッションのゲストのおふたり(片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチ※以下KERA)は、ともに還暦。同じ年代を生きている人たちなので、これまでやってきたことを振り返ったり、これからどうしたい?みたいなことを話せたらいいなと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代だと思うので。昔みたいに作品を乱発することも出来ないし、自ずとやりたいことに限りが出てくる。つまり年を重ねるって、方向性がどんどん定まっていくってことなんじゃないかと思います。――KERAさんは同じ作・演出家でもあり、まさに同志のような存在でもあるのでしょうか?それはありますよね。ふたりとも“異端”って物腰で演劇界に入ってきたわけですから。――そんなKERAさんも、2018年には紫綬褒章まで授章されて……。紫綬褒章(笑)。僕がもらえていないってことは、まだ僕は異端なのかもしれません(笑)。――「告白、ハンパしちゃってごめん!」では、皆川猿時さんを司会、池津祥子さん、伊勢志摩さんを立会人に、「劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿」を発表されます。それも戦々恐々なんですよ。本当に空気を読まない人たちなんで(苦笑)。たぶんずーっと僕がフォローする側に回るんじゃないかと思います。若いころのこととかあまり僕は覚えていないんですが、あの人たちはものすごく覚えていて。……とにかく怖いです。――幅広く活躍されている松尾さんですが、還暦で迎えるこの個展を機に、「画家」という肩書が加わることになりそうですね。肩書が増えれば増えるほど、人間として薄まっていくような感じがしますけどね(笑)。でも僕の場合、このまま薄めていく方向でいいんじゃないかと思っています。取材・文:野上瑠美子撮影:You Ishii<公演情報>生誕60周年art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』2023年12月8日(金)〜12月15日(金)会場:東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金)は13:00〜20:00、12月9日(土)・10日(日)は11:00〜20:00※『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』同時開催。詳細は公式サイトにてご確認ください。チケット情報公式サイト
2023年10月06日『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』のゲスト声優が発表され、中村倫也と賀来賢人が映画オリジナルキャラクターを演じることが分かった。10月からはTVアニメSeason2の放送スタートが決定するなど常に盛り上がりを見せる大人気マンガ作品『SPY×FAMILY』(遠藤達哉・著)。そんな原作を映画化した本作は、父・ロイド、超能力者の娘・アーニャ、母・ヨル、未来予知犬・ボンドから成る仮初めの家族・フォージャー家が初めて家族全員で旅行に行くことから物語が動き出す完全新作オリジナルエピソードだ。この度、声の出演が発表された中村倫也と賀来賢人が演じるのは、アーニャの前に立ちはだかる映画オリジナルキャラクター、ドミトリとルカ。東西平和の転覆を目論む軍情報部の特別偵察連隊の一員で、大きな秘密が隠されたチョコレートを食べてしまった アーニャの前に立ちはだかる敵役コンビだ。 中村さん・賀来さんともに原作・アニメのファンだという。ドミトリ小心者で何かと占いに頼りがちなドミトリを演じた中村さんは「お話を頂いたときはとても嬉しかったです。しかし骨格が自分とは全く違うキャラクターだったので『なぜ私に・・・?』とも思いました。役どころが賢人とコンビで、ちょっとコミカルなところもある悪役二人組と聞いて楽しみなりました」とコメント。ルカ恰幅のいい体型でツッコミ担当のルカを演じた賀来さんは「まさか自分にオファーが来るなんて……という思いと同時に、錚々たるキャストの方と共演できる非常に光栄な機会だなと嬉しく感じました」とオファーを受けた時の気持ちを語った。アフレコは実際に2人で掛け合いをしながら行われた。「最後までずっと手探り状態。俳優という仕事を20年近く続けてきて、右も左もわからないという状況はなかなかない事なので、その奮闘がとても楽しく、貴重な経験になりました(中村さん)」、「最後まで不安でいっぱいでした。勉強させていただいたと共に、ベストは尽くさせていただいたつもりです(賀来さん)」と声優業の難しさを感じたとともに、今作への参加から学んだことも多かった様子。実生活でも仲が良い2人の掛け合いはユーモアにあふれていて、スタッフ陣大絶賛のままアフレコは終了。アフレコに同席した遠藤先生も「(中村さんと賀来さんは)仲の良いお二人だそうで、収録中のやりとりもコントみたいでとても楽しかったです。アドリブでの2人の掛け合いも息ぴったりで面白かったし、演技の勢いで台本と違うセリフを言ってしまったシーンも笑えたのでそのままOKになったり。ぼんやりだったルカとドミトリというキャラクターの肉付けをして頂けたなと感じます。お二人とも以前からスパイファミリーを読んでくださっていたそうで、とても嬉しかったです」とコメントを寄せた。■中村倫也 コメント(ドミトリ役)原作もアニメもファンだったので、お話を頂いたときはとても嬉しかったです。しかし骨格が自分とは全く違うキャラクターだったので「なぜ私に…?」とも思いました。役どころが賢人とコンビで、ちょっとコミカルなところもある悪役二人組と聞いて楽しみになりました。アニメのアフレコは、普段自分たちが演じる時とは全くと言っていいくらい違う表現の筋肉を使います。「こういう時はどうしたら良いのか」という方法も分からなかったですし、アイディアが浮かんでやってみたとしても、それがちゃんと出来ているのかも分からない状況だったので、最後までずっと手探り状態でした。俳優という仕事を20年近く続けてきて、右も左もわからないという状況はなかなかない事なので、その奮闘がとても楽しく、貴重な経験になりました。アフレコ中はスタッフさんたちに沢山ほめていただきました(笑)。公開時期が12月末ということで、日本ではちょうどクリスマス時期ですね。お子さんや、『SPY×FAMILY』を好きな方たちが観に来るのにピッタリの作品だと思います。この年末は、この作品が日本中を染め上げてくれると思います。お楽しみに。■賀来賢人 コメント(ルカ役)原作を読んで「こんなに面白い漫画があるんだ!」と思って、読んだ瞬間に色々な友達に薦めるくらい好きな作品だったので、まさか自分にオファーが来るなんて……という思いと同時に、錚々たるキャストの方と共演できる非常に光栄な機会だなと嬉しく感じました。アフレコをしている時、沢山の方に褒めては頂いたのですが、それを鵜呑みにしていいのかどうかわからないくらい最後まで不安でいっぱいでした。勉強させていただいたと共に、ベストは尽くさせていただいたつもりです。台本を読んだ時、世代も年齢も性別も問わない、完璧な台本だと思いました。『SPY×FAMILY』をずっと好きな人が観て楽しんでもらえるのは勿論ですが、初めて観るという方にも楽しんでもらえる内容になっていると思います。映画版ならではのスケール感で、まさに『SPY×FAMILY』全部乗せのような感じなので最高の劇場版が出来ると思います。『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』は12月22日(金)より全国にて公開。(シネマカフェ編集部)■関連作品:劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 2023年12月22日より全国にて公開©2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会©遠藤達哉/集英社
2023年09月12日俳優の中村倫也が2日、東京・日本橋の日本橋高島屋で行われた「野生動物と暮らしてみたら展」プレス発表会に出席した。J:COMグループのイベント会社であるエニーとKADOKAWAは、展覧会「野生動物と暮らしてみたら展」を日本橋高島屋(8月2~14日)、柏高島屋(8月16日~9月4日)、京都高島屋(9月14~25日)で開催。従来の動物を題材にしたイベントとは趣を変え、「野生動物と一緒に暮らしている」仮想空間を日常生活の中で体験することで、あらためて野生動物たちの生態や特性、一緒に暮らす難しさなどを学べる展覧会となっている。スペシャルサポーターの中村倫也は無類の動物好きで知られており、展覧会では世界最小の猫・サビイロネコをリクエスト。「小さくて可愛いんですが、めっちゃ狩りが上手いんです。そのギャップにキュンとしますね」とサビイロネコの好きな理由を説明し、「今回は展示がいっぱいありますが、最小の猫が隠れているので、見てくださった方に小さい猫を探して欲しいです。柏や京都では東京と違う場所に隠れているので制覇して欲しいと思います」と随所でサビイロネコが隠れているという。続けて「何も考えなくていいと思いますよ。キャッっと言って楽しんでもらえることが一番です。知ってもらえば興味を持ってもらえると思いますので、そういう契機になればと思います」と気軽に楽しめる展覧会とアピールした。年少の頃から動物が大好きだという中村は、最近も動物の妄想をしているそうで、「ここを見て回りましたが、大きく口の空いたカバに歯磨きをしたいと思いました。カバに歯があるのか分かりませんが、一緒に暮らしたら(歯磨きを)しなければいけないでしょうね」と妄想は膨らむばかり。今一番見てみたい野生動物については「サビイロネコとカモノハシです。カモノハシはオーストラリアでしか見られないという情報があるので、そういうのは見てみたいですね。自分から触れると犯罪になるので向こうから触ってもらうために微妙に位置を変えたりして寄って来て欲しいです。慕ってくる後輩も寄って来て欲しいですね(笑)」と笑いを誘っていた。
2023年08月02日12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催される松尾スズキの生誕60周年を記念した個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』の詳細が発表された。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で才能あふれる多くの作品を世に送り出してきた松尾。初の個展となる今回は、若いころに絵を学んでいた彼がそもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界を堪能することができる。また会場内の音声ガイドは、松尾自身がナビゲートする。さらに、個展に合わせたイベントの開催も決定。12月11日(月)、12日(火)には、10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』の上映とスペシャルトークを実施。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水) から15日(金)の3日間は、『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』と題して、松尾と同い年の片桐はいり(13日(水))、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(14日(木))を迎え、お互いの歴史について語るほか、歌唱を含むトークセッションを繰り広げる。そして15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩とともに、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る企画が実施される予定だ。■松尾スズキ コメントコロナ禍になって暇を持て余していたとき、20年ほど前にキャンバスに描いた中途半端な絵を部屋の隅に見つけ、暇つぶしにそれを完成させようと、ひさしぶりにアクリル絵の具を手にしたら、なぜだろう、止まらなくなって、次から次に絵を描き始めていました。まだ物語を持たない登場人物たちが、躍り出てはポーズを決めるのです。それを筆でなぞっている感覚です。最初は自宅に飾るつもりだったけど、もう、リビングに収まりきりません。だから、いっそ下手なりに、どこか小さなところで展示でもしようかなと思っていたら、なにかの拍子で気を失っている隙に、スパイラルホールでやることになっていました。びびりはしますが、せっかく作ったんだから見せたいという欲望。結局そこに立ち返っていくのだなと、痛感している松尾です。芸術と商売のはざまでのたうち回ってきた松尾の絵は、マンガと美術のはざまで謎のポーズを決めまくっています。<開催情報>個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~<イベント情報>松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00【トーク出演】松尾スズキ(両日共)【トークゲスト】12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【司会】上田智子前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜12月13日(水)~15日(金) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00■12月13日(水) 『松尾✕はいり彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月14日(木) 『松尾✕KERA電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月15日(金) 『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』立会人:池津祥子、伊勢志摩出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~特設サイト:
2023年07月27日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(松尾駿、長田庄平)が15日、全国7都市をめぐる単独ライブ「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023『PLANET TRAIN』」を、東京・博品館劇場からスタートさせた。本ライブは、人気劇団・ヨーロッパ企画の諏訪雅を演出に迎えたコント劇。満員の客席から大きな拍手が起こる中、サラリーマン姿で登場した長田。コント「開かずの踏切」が始まると、仙人のような格好の松尾が登場し「20年踏切が開くのを待っている」と発言する。そこから言葉と動きで魅せるテンポの良いやり取りに、会場は大いに沸く。コントが終わるとアニメーション映像に。「PLANET TRAIN」というツアータイトルにちなんで、未来都市を走る列車の座席に隣同士で座る長田と松尾が、漫才のような掛け合いで次の駅(コント)へと誘導する映像はとてもスタイリッシュだ。お次のコントは「偏食」。長田の家に遊びに来た松尾が「お腹が空いた」ということで、長田が料理を振る舞うことになるが……。続くコントは「ラスボス」。そして「爆弾処理」。どちらも一筋縄ではいかないストーリーラインと、長田、松尾の絶妙な掛け合いと間によって、会場は大盛り上がり。特に30秒で爆弾を処理しなければならないというシチュエーションのなか、タイムリミットをネタにしたストーリーに、大きな笑い声が響き渡った。また松尾が町中華の店主、長田がお笑い芸人の客となったコント「赤字覚悟でやってます」は、テンポの良い会話のやり取りが行われるなか、ラストはまさかの展開。客席からは悲鳴に近いような笑い声が上がっていた。コント「新曲」では、熱血ボーカリストの長田がステージ上でマイクパフォーマンスを見せ、会場を盛り上げる長田に松尾がツッコミ。客席もこの日一番の盛り上がりを見せていた。そして列車が最終駅に向かうなか、ラストはまさに人気劇団・ヨーロッパ企画とタッグを組んだことにふさわしいような、まったく予期せぬ、圧倒的な展開が待ち受ける。ストレートな笑いから、大いなる変化球の笑い、さらには「PLANET TRAIN」というツアータイトルにふさわしい壮大な世界観まで、さまざまなエンターテインメントが詰まったライブ。カーテンコールに登場した長田は「これはかなりしんどい」と苦笑いを浮かべ、松尾も「あっちにいったり、こっちにいったり、かなり大変ですね」と縦横無尽にステージを駆け巡る展開に充実感をにじませ、全国7都市、17公演に渡るツアーへの意気込みを語っていた。同ツアーは今後、8月5日に大阪、8月12日に宮城、8月16日に札幌、9月1日・2日に京都、9月23日に愛知、10月9日に福岡にて開催(京都公演はまだ余裕があり、札幌・宮城公演は残りわずか、ほか地方は完売)。
2023年07月17日中村倫也、ユースケ・サンタマリアが出演、ホテルのスイートルームで繰り広げられる英国発の舞台「OUT OF ORDER」が11月より上演決定。2人と演出のマギーのコメントが到着した。舞台は、ロンドンのウェストミンスター・ホテルのスイートルーム。保守党の副大臣リチャード(ユースケ・サンタマリア)は、緊急事態が起きたと秘書のジョージ(中村倫也)を呼びつける。慌てて駆けつけたジョージにリチャードは言う。「今、政府は存亡の危機にある。お前が問題を解決しろ」ーー。突如、リチャードの無茶ブリに巻き込まれるジョージ。2人の前には、リチャードの不倫相手のジェーン、部屋に転がる謎の死体、ホテルの格式にこだわる支配人、気の利かないウェイター、新人のメイド、リチャードの妻・パメラ、ジェーンの夫・ロニーと、予期せぬ訪問者たちが次々と現れ、事態はさらに悪化していく。果たして、ジョージは加速する危機を解決できるのか?心配性の母と介護士のグラディスが待つ家に帰れるのか?ジョージの奮闘とリチャードのその場しのぎ…この2人から目が離せない。「久しぶりにコメディに出演することをとても楽しみにしています」と中村さんは、「普段はあまり、汗はかかないほうなんですが、今回はかなり汗だくになって、舞台上を動き回っていそうです。ユースケさんはじめ、みなさんとの計算された掛け合いも見ものです」とコメント。「マギーさんの演出作品には、20代前半に出演したことがあるんですが、またこうしてご一緒できることに、ワクワクしています」と期待を寄せる。中村倫也ユースケさんは、「わたし史上、めちゃくちゃしゃべる舞台です。ほんとにこれでもかってくらい!」と話し「中村倫也くんとは、きちんと組むのは初めてなので、とても楽しみ!演出家としてのマギーも初めてですが、これは面白くならないわけがない!と、今はまだ、夢と希望にあふれてます、、、(笑)」と意気込む。ユースケ・サンタマリア演出は、俳優としても映画やドラマに出演、話題作の作・演出など多岐にわたり活躍するマギー。マギーさん本人からも「倫也くん×ユースケさん×英国喜劇×俺、このケミストリーに俺が一番ワクワクしている。皆が真剣で、真剣だから空回って、真剣だから可笑しくて、愛らしい。誰もふざけてないのにずっと笑える、そんなコメディを真剣に創りたい。もちろんこのメンバーだ、稽古場からワチャワチャとみんなで大笑いしながら創るだろう。全てはお客様にガハハと笑ってもらうために」と自信と期待を表現した。そのほかのキャスト、公演日程、劇場、チケットお取り扱いなどの詳細情報については後日発表される。「OUT OF ORDER」は11・12月、東京、鳥栖、兵庫、仙台、愛知、大阪にて上演。(シネマカフェ編集部)
2023年07月16日中村倫也、ユースケ・サンタマリアが出演する舞台『OUT OF ORDER』が、11月より東京、鳥栖、兵庫、仙台、愛知、大阪にて上演されることが決定した。本作は、ロンドンのウェストミンスター・ホテルのスイートルームで保守党の副大臣リチャードと秘書のジョージが、次々と巻き起こるピンチの連続に奮闘する、レイ・クーニーによるコメディだ。演出は、俳優としても映画やドラマに出演、話題作の作・演出など多岐にわたり活躍するマギーが手掛ける。秘書のジョージを演じる中村は、コメントで「普段はあまり、汗はかかないほうなんですが、今回はかなり汗だくになって、舞台上を動き回っていそうです。ユースケさんはじめ、みなさんとの計算された掛け合いも見ものですし、マギーさんの演出作品には、20代前半に出演したことがあるんですが、またこうしてご一緒できることに、ワクワクしています」と期待を寄せる。副大臣リチャードを演じるユースケは、「わたし史上、めちゃくちゃしゃべる舞台です。ほんとにこれでもかってくらい!中村倫也くんとは、きちんと組むのは初めてなので、とても楽しみ!演出家としてのマギーも初めてですが、これは面白くならないわけがない!と、今はまだ、夢と希望にあふれてます……(笑)」と意気込んだ。マギー本人からも「倫也くん×ユースケさん×英国喜劇×俺、このケミストリーに俺が一番ワクワクしている。皆が真剣で、真剣だから空回って、真剣だから可笑しくて、愛らしい。誰もふざけてないのにずっと笑える、そんなコメディを真剣に創りたい。もちろんこのメンバーだ、稽古場からワチャワチャとみんなで大笑いしながら創るだろう。全てはお客様にガハハと笑ってもらうために」と期待を露わにした。その他キャスト、公演日程、劇場、チケットなどの詳細は、後日発表される。<キャスト・スタッフ コメント全文>■ジョージ役:中村倫也久しぶりにコメディに出演することをとても楽しみにしています。普段はあまり、汗はかかないほうなんですが、今回はかなり汗だくになって、舞台上を動き回っていそうです。ユースケさんはじめ、みなさんとの計算された掛け合いも見ものですし、マギーさんの演出作品には、20代前半に出演したことがあるんですが、またこうしてご一緒できることに、ワクワクしています。とにかく、チケット代以上に、楽しんでいただける作品になればいいなと思っています。見終わったあとも、その余韻に浸ってもらえるような……。劇場でお待ちしています。■リチャード役:ユースケ・サンタマリアわたし史上、めちゃくちゃしゃべる舞台です。ほんとにこれでもかってくらい!でもそれが魅力的な作品なんです。実は、共演者の皆さんをあまり知らない状況で、オファーをお受けしまして、いざキャストが出揃ったら、とても魅力的なひとたちが集まっていて、これはいいチームになるなと確信しました。中村倫也くんとは、きちんと組むのは初めてなので、とても楽しみ!演出家としてのマギーも初めてですが、これは面白くならないわけがない!と、今はまだ、夢と希望にあふれてます……(笑)ご期待ください!■演出:マギー倫也くんとは14年前、堤真一さん主演で俺が演出した『バンデラスの憂鬱な珈琲』以来の再会となる。当時、まだ“これからの若手”だった倫也くんが、今や誰もが認める実力と人気を兼ね備えたスターとなり、こうして主演作品で共に創作出来るのは感慨深い。かたやユースケさんとは、お互いがまだ“これからの若手”だった頃からの旧知の仲、同じ舞台に何度も立ったことがあるが、演出家と役者としての創作は初めてだ。倫也くん×ユースケさん×英国喜劇×俺、このケミストリーに俺が一番ワクワクしている。二人の脇を固めるキャストも個性溢れる最強のメンバーが揃った。皆が真剣で、真剣だから空回って、真剣だから可笑しくて、愛らしい。誰もふざけてないのにずっと笑える、そんなコメディを真剣に創りたい。もちろんこのメンバーだ、稽古場からワチャワチャとみんなで大笑いしながら創るだろう。全てはお客様にガハハと笑ってもらうために。<公演情報>『OUT OF ORDER』11月・12月 東京、鳥栖、兵庫、仙台、愛知、大阪で上演原作:レイ・クーニー演出:マギー出演:中村倫也、ユースケ・サンタマリア ほか公式HP:
2023年07月15日2023年3月25日に、水卜麻美(みうら・あさみ)アナウンサーとの結婚を発表した俳優の中村倫也さん。同年5月16日、バラエティ番組『バナナサンド』(TBS系)に出演し、婚姻届にまつわるエピソードを明かしました。登場から「ハッピーな人」と紹介され、共演者から「おめでとう」と祝福された中村さん。番組内で、婚姻届の証人となった人物が明かされ、スタジオでは驚きの声があがりました。中村倫也『婚姻届の証人』をお願いしたのは…?2人の婚姻届の証人となったのは、同日スタジオにもいた、お笑いコンビ『バナナマン』の日村勇紀さん!中村さんは、日村さんに証人をお願いし、署名の前日に「こういうのを書いてもらうので、よろしくお願いします」と婚姻届の写真を送っていたそうです。日村さんからは「OKOK」といわれ、安心していた中村さんですが…。「こういうのを書いてもらうので、よろしくお願いします」って(婚姻届を)写真とって送って、(日村さんが)「OKOK、もう何回目かだから大丈夫だよ」って。で、(当日)いざ行ったら「ごめん本籍が分かんねえ」っていいだして、「前日送ったろうよ!」って。バナナサンドーより引用婚姻届に署名する当日、日村さんは「本籍が分からない」といいだしたのです!中村さんは、当時の様子を振り返り、日村さんに「前日送ったろうよ!」とつっこみを入れ、笑いを誘いました。意外な交友関係とエピソードに、ネットではさまざまなコメントが寄せられています。・日村さんが証人だったんだ!すごいなあ。・素敵なつながり。・仲がよくてうらやましい!妻・水卜アナに向けて…?気持ちを込めて歌う場面も同番組で、ハモリにつられないようにメロディーを歌う『ハモリ我慢ゲーム』に挑戦した中村さん。前回の出演時には失敗したそうで、リベンジとなりました。1曲目に歌った、福山雅治さんの『Squall』のイントロが流れると、共演者から「おめでとう!」「水卜ちゃん、みてるよ!」と祝福されるあたたかい一幕も。2曲目に歌った、斉藤和義さんの『歌うたいのバラッド』で見事成功すると、中村さんは喜びながら「気持ちがこもっていたのかもしれないですね」とコメント。また、曲中の『愛してる』という歌詞について、「水卜ちゃんに対してでしょ」という問いかけには「はい」と答え、幸せそうな笑顔を見せていました。ハモリを我慢しながら、気持ちを込めて歌いあげた中村さん。新婚生活でも、水卜アナと2人で素敵なハーモニーを奏でていくことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年05月22日「ファミリー劇場」が独断と偏見でピックアップした5月の気になる俳優は、高橋一生と中村倫也。今月は、2人が出演したドラマを特集放送する。主演作『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の公開が控える高橋さんのラインアップは、玉木宏主演のサスペンスドラマ「竜の道 二つの顔の復讐者」。双子の兄弟が、両親を死に追いやった男に復讐する物語となっており、高橋さんは双子の弟を演じている。「竜の道 二つの顔の復讐者」同じく、主演作『宇宙人のあいつ』の公開が控える中村さんのラインアップは、菅田将暉主演の青春群像ドラマ「コントが始まる」と、未解決事件の真相を追求していく「特命捜査対策室」の活躍を描く「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」。「コントが始まる」解散を決めたお笑いトリオ「マクベス」と、ワケあり姉妹の人生が交差する「コントが始まる」では、「マクベス」の所属事務所のマネージャー・楠木を演じた。「絶対零度~未解決事件特命捜査~」の続編となる「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」では、事件のカギを握る大学院生役で登場する。「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」「竜の道 二つの顔の復讐者」は5月21日(日)20時45分~、28日(日)22時20分~ファミリー劇場にて放送(一挙放送)。「コントが始まる」は5月7日(日)19時50分~ファミリー劇場にて放送(一挙放送)。「絶対零度~特殊犯罪潜入捜査~」は5月21日(日)11時~ファミリー劇場にて放送(一挙放送)。(cinemacafe.net)
2023年05月02日中村倫也が主演を務める映画『宇宙人のあいつ』の本編映像が公開された。本作で中村が演じるのは、真田家四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた訳アリな宇宙人。そのほかしっかり者の長女・想乃役で伊藤沙莉、真田家の親代わりの長男・夢二役で日村勇紀(バナナマン)、頼りない三男・詩文役で柄本時生が出演する。このたび公開されたのは、宇宙人の日出男が宇宙人パワーを披露する3シーンを収めた本編映像。いずれも日出男の可愛さが詰まった内容となっている。なお伊藤によるVフリコメント映像も収められている。映画『宇宙人のあいつ』本編映像<作品情報>映画『宇宙人のあいつ』5月19日(金) 公開映画『宇宙人のあいつ』メインビジュアル (C)映画「宇宙人のあいつ」製作委員会公式サイト:映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
2023年04月26日主演は中村倫也、それが宇宙人の役。シリアスなSF? とんでもない、日本ではなかなかめずらしいSFコメディ。エイリアン・コメディと配給会社はよんでいる。その名も『宇宙人のあいつ』。決してあなたの人生を変えたりしない、でも理屈ぬきに楽しめる──そんな映画、5月19日(金) に公開です。『宇宙人のあいつ』スーパーマンは惑星クリプトンから、ウルトラマンはM78星雲からやってきた。中村倫也扮する“宇宙人のあいつ”は、そんな無名の星からではない。やってきたのは、ずばり土星。なんというメジャーな星。ありえない、とかありえるという前に、あまりにゆるい設定。そのゆるさがこの映画の魅力である。この宇宙人、空をとんだり、活動が3分間だったり、すごいパワーを持っているわけではない。正義の味方でもない。あ、Wi-Fi機能を持っているというのはメリット大か。あとは、ちょっとイケメンで、つとめている焼肉屋では彼目当てのお客もいる。変わったところでは、写真に写らない、という特性もある。なぜか、という説明は特にない。本当の名前は「トロ・ピカル」(・を入れていいのか、わからないが)という。23年前に地球に来てからは、焼肉屋を営む真田家の次男になりすまし、真田日出男と名乗っている。「YOUは何しに地球へ?」ときけば、地球人の生態を調査しに、だ。植物探査が目的だったE.T.に近い。暴力的でないプレデターというか。実は隠された重要なミッションを持っている。超人的な能力こそ大してないが、いたって好青年(宇宙人にこういっていいのかわからないが)。彼が悩んでいるのは、いよいよ地球を去る日が近づいていること。それは、実の家族のように暮らしてきた兄妹たちとの別れを意味する。しかも、肝心のミッションもまだできていないのだ。残された日数はあと3日──。仲のいい真田家の4兄妹。これが絶妙のキャスティングだ。まず長男・夢二はバナナマンの日村勇紀。両親亡きあと、3人の親代わりとして一家を支えている。目下婚活中。BOOWY、ブルーハーツを学生の頃からこよなく愛している(ちなみに、この映画の主題歌を歌っているのは氣志團!)。日出男の妹、長女・想乃は、ツッコミの演技をさせたらピカいちの伊藤沙莉。産廃処理の仕事をしているが、男女関係である悩みをかかえている。いつもながらのさばけたかわいい芸風というか、ぶっとばされて尻餅ついてオオマタ開きとか、体をはってがんばっている。そして三男・詩文は、柄本時生。このひと、やっぱり末弟を演じると似合っています。ガソリンスタンドで働く、気の弱いおひとよしだが、兄妹思い。たしかにこんな家族がいたら幸せだろうな。監督は『ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜』の飯塚健。脚本は彼のオリジナルだ。妻夫木聡が長男役を演じた、『若者たち2014』という昭和の名作をリブートした5人兄妹のドラマがあった。あれと同様、この映画でも食事のシーンがかなりおかしい。飯塚監督は「大切に描きたいと思ったのは家族がごはんを食べるシーン。 朝ごはんがしっかりしている家はいい家だと思っていて、私自身憧れがあったのも大きな理由です」という。両親の遺影に朝の挨拶をして、どんぶりにいれた納豆を兄妹でまわし、全員に行き渡ったところで、あとは黙々と食べる。食べ方が下手で、がっついて見えるのは末っ子。この朝食中に「真田サミット」とよばれるイベントがある。兄妹の相談ごとや、発表はここで行われるのだ。ある朝の「真田サミット」。日出男がついに、土星人であることをカミングアウトし……。「映画を観ながら、馬鹿じゃないの、とポロっと言っちゃうような(笑)、そして油断しているとときどきホロっとする映画」、飯塚監督はそう語る。今年の米アカデミー賞作品『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』もそうだったけれど、馬鹿じゃないの、といわれそうなことを一所懸命に映画にすること、それから家族の愛がテーマ、というのは時代の雰囲気かもしれない。文=坂口英明(ぴあ編集部)(C)映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
2023年04月24日中村倫也が主演を務める映画『宇宙人のあいつ』のメイキング映像が公開された。本作で中村が演じるのは、真田家四兄妹の次男・日出男として家族になりすましてきた訳アリな宇宙人。そのほかしっかり者の長女・想乃役で伊藤沙莉、真田家の親代わりの長男・夢二役で日村勇紀(バナナマン)、頼りない三男・詩文役で柄本時生が出演する。このたび公開されたのは、4人の仲の良さを感じられる4つのメイキング映像。真田家恒例の朝食シーンでは、撮影スタッフからカメラを向けられるとキャストたちがピースで応えるなど、和気あいあいとした雰囲気が伝わる内容となっている。また真田家4人で出かけた高知城でのシーンは、撮影の合間に集中する中村の横で仲良くダンスする伊藤と柄本、そして日村の姿に注目してほしい。さらに、真面目におバカなノリを楽しんでいる雰囲気が伝わる宇宙人ポーズ誕生の裏側を捉えた場面や、真田家が営んでいる「ヤキニクサナダ」のオリジナルTシャツを着て記念写真を撮影するシーンも見ることができる。映画『宇宙人のあいつ』メイキング映像①映画『宇宙人のあいつ』メイキング映像②映画『宇宙人のあいつ』メイキング映像③映画『宇宙人のあいつ』メイキング映像④<作品情報>映画『宇宙人のあいつ』5月19日(金) 公開映画『宇宙人のあいつ』メインビジュアル (C)映画「宇宙人のあいつ」製作委員会公式サイト:映画「宇宙人のあいつ」製作委員会
2023年04月20日松尾スズキが、生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催することが決定した。1988年に「大人計画」を旗揚げして以降、舞台をはじめ、映画、小説、エッセイ、コントドラマなど数多くのエンターテイメント作品を世に送り出し続ける松尾。少年期は赤塚不二夫の影響を受け漫画家を志し、ギャグ漫画を描き続けた日々。大学時代はデザインを専攻し、さまざまなポップアートに触れ、アート作品制作に没頭するなど、松尾の創作活動は演劇よりも先にアートがあったという。初の個展となる今回は、これまでに松尾が描きためた絵画やイラストのほか、自身が手がけた舞台美術作品を展示。また過去の舞台作品の上映や、ゲストを招いて歌とトークのイベントも開催される予定だ。<イベント情報>生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』ビジュアルお問い合わせ:大人計画TEL:03-3327-4312(平日11:00〜19:00)
2023年03月30日《柄にもなく、少し形式ばった報告となり恥ずかしいのですが、この度、わたくし中村倫也は、水卜麻美さんと結婚いたしました》3月25日、俳優・中村倫也(36)がTwitterを更新し、日本テレビの水卜麻美アナウンサー(35)との電撃結婚を発表した。2人の出会いは4年前だったという。「’19年の4月から5月にかけて行われた日本テレビのキャンペーン『ゴールデンまなびウィーク』で2人は共演しています。翌年の’20年、中村さんは水卜アナの出演していた情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)にゲスト出演。その際にメークルームで見た水卜アナの印象について『すっぴんがけっこうかわいいなって思って』と語っていました」(テレビ局関係者)だが、それ以降も2人の交際はまったく報じられなかった。「同じ事務所に所属している松坂桃李さん(34)や菅田将暉さん(30)が次々に結婚した後、中村さんは友人に『年下の俳優たちに先を越されちゃったから、焦るなぁ』ともらしていたのです。いまとなっては、はたしてその言葉が本音だったかどうかは判断つきかねますね……」(中村を知る芸能関係者)“大食いキャラ”としても知られる水卜アナ。中村は前述の『スッキリ』出演時にこうも語っていた。「いっぱい食べてるの見てみたいです。『次はコレだ。次はコレだ』ってどんどん与えて3倍ぐらいにしたいなって」だが水卜アナの“口”には意外な一面もあるという。彼女の古くからの仕事関係者によれば、「“女子アナ”というと、華やかな生活を送っているイメージがあると思いますが、水卜さんは浮ついたところがなく、仕事へのプロ意識も高いです。もちろんスタッフや共演者とのコミュニケーションは積極的にとっていますが、実は自分のプライベートの話はいっさいしないタイプなのです。口が堅いのを通り越して“鉄壁”という印象で、そういった一面にも中村さんは惹かれたのだと思います」結婚発表翌々日の3月27日、水卜が総合司会を務めている『ZIP!』に中村がサプライズで登場。「いろいろな人がお祝いしてくださって、水卜さんがどれだけの人に愛されてきたのかと実感しました」などと語った。また極楽とんぼの加藤浩次(53)は同日、「スッキリ」で「(交際は)2年くらい前からって言ってたかな。よくバレなかったね」と、2人の結婚を祝福した。“愛されキャラ”でもある水卜アナと交際を始めたころ、中村も自分の性格を振り返るようになったようだ。本誌のインタビューで次のように“変心願望”を明かしていたのだ。《生まれ変わったらなりたいものの1つに、“惚れっぽくなりたい”っていうのがあるんです》(’21年6月15日号)このときの告白には、恋人に対して、もっとストレートに愛情表現ができるようになりたいという気持ちが込められていたのか。カメレオン俳優とも評されている中村。“惚れない男”を陥落させた水卜アナとの結婚で、さらに俳優としての幅が広がっていくことだろう。
2023年03月28日2023年3月25日に結婚を発表し、多くの人を驚かせた、俳優の中村倫也さんとアナウンサーの水卜麻美(みうら・あさみ)さん。この日、同時にSNSを更新した2人は、結婚を報告し「今後もお互いを支え合いながら、仕事を通してたくさんの人に笑顔を届けていきたい」と思いを明かしました。中村さんと水卜さんは、仕事は違えど、穏やかな人柄で親しまれているのは同じ。好感度の高い2人の結婚に、関係者を含む多くの人から祝福の声が上がっています。結婚発表の中村倫也&水卜麻美、番組で突然共演!同月27日、水卜アナが総合司会を務める情報番組『ZIP!』(日本テレビ系)が、結婚報告後初となるオンエア。番組では、水卜アナと中村さんの『歩み』を振り返るVTRを流し、水卜アナは少し恥ずかしそうな様子で共演者から祝福を受けました。そんな中、挨拶のため同番組をスタジオ内で見ていた中村さんが、急きょ番組に出演することに!これには水卜さんも困惑して、スタジオから逃げようとしてしまいました。番組撮影の様子を見て、「水卜さんがどれだけ愛されているかを実感した」と感想を述べた、中村さん。出演者から「水卜さんの好きなところを、改めて教えてください」という質問を受けると、水卜さんにある指示を出しました。あー、じゃあ、ちょっと手を広げてもらっていいですか?この絶妙に短い腕が…。ZIP!ーより引用なんと、中村さんが挙げた『水卜さんの好きなところ』は…絶妙な腕の短さ!突然の指示通りに両腕を広げた水卜さんを見ると、ちょっぴりしみじみとした様子で腕を見て、盛大なボケをかましたのです!きっと、水卜さんは返答に期待をしていたのでしょう。中村さんに手でツッコミを入れると、「なんだよそれ!もっと、いいことをいいなさいよ!」と笑いながら異論を唱えたのでした。番組内で繰り広げられた『初めての夫婦喧嘩』もとい『夫婦漫才』は、朝から多くの視聴者を笑顔にしてくれたようです!・ニッコニコでツッコミを入れる水卜アナがたまらん!・こういう夫婦に憧れる!やり取りがかわいすぎるのよ…。・見事なボケとツッコミだ…!朝からニヤニヤが止まらない。結婚を明かした際、水卜アナについて「生活に彩りと安心をもたらしてくれる、春風のような方」と表した、中村さん。水卜さんにとっての中村さんも、同じような存在なのでしょう。今後も、笑顔の絶えない温かい家庭を築いてほしいですね![文・構成/grape編集部]
2023年03月27日俳優の中村倫也と日本テレビの水卜麻美アナウンサーが25日、結婚したことを発表した。2人は連名で、「突然のご報告となりますが、この度、私たち、中村倫也と水卜麻美は結婚いたしました。未熟な二人ではありますが、皆さまに笑顔になっていただける仕事ができますよう、支え合いながら、地に足をつけ精進して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」とコメントを発表した。中村は公式ホームページでも「この度、わたくし中村倫也は、水卜麻美さんと結婚いたしました」と報告。「生活に彩りと安心をもたらしてくれる、春風のような方です」と紹介した上で、「今後はより一層仕事に集中し、しかし時にはきちんと休みながら、作品を通して皆様の人生に彩りを届けられるよう誠実に努めて参ります。変わらず見守っていただけたら嬉しいです」とメッセージを寄せた。交際のきっかけは、共通の知人を通して中村から水卜アナにアプローチしたという。中村は2020年に情報番組『スッキリ』にVTR出演した際、水卜アナとメイクルームで会ったエピソードを明かし、「すっぴんが結構かわいいなって思って」と話していた。水卜アナは4月から総合司会を務める情報番組『ZIP!』が1時間拡大してリニューアルするタイミングで、私生活も新たなスタートを切ることになった。
2023年03月25日一昨年、コロナ禍の中、渋谷・シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキさんの総合演出により開催された『シブヤデアイマショウ』。“大人の歌謡祭”と称し、演劇のみならず、歌に踊り、笑いと、さまざまな企画を詰め込んだエンターテインメントショーの第2弾が、長期休館を目前にした同劇場で開催される。歌にダンスに笑いと盛りだくさん。渋谷の劇場で松尾式レビューが開催。「そもそも芸術監督を引き受けるにあたってやりたいと思っていた柱のひとつに、ストーリーを排して純粋に楽しむためのショーができないかというのがありました。以前、公演でパリに行った時に向こうでいくつかのショーを観たんですが、既成の曲にダンスやプロジェクションマッピングと演出だけで魅せていて、こういうものって日本にないなと思ったんですね。すごく洗練されていて、ゴージャス感もあるし。舞台上につねに音楽が鳴っていて、ダンスがあってっていうのは、もともと僕の好みの世界観ではあるんです。今より小さい劇場でやっていた頃から僕の芝居には、急に歌とダンスが始まってレビューみたいになるところがなぜかあって。それは赤塚不二夫さんの漫画を読んで育った、というのがあるのかもしれないんですが。そういう好きな部分だけを抽出して、全部並べてみたらどうか、という実験的な意味合いもあったと思います」「バラエティに富んだものに」とコーナー演出には、歌舞伎を題材とした現代劇の演出を手がけている杉原邦生さんの名前も。また、日替わりゲストには、新妻聖子さんのような本格ミュージカルで活躍する俳優陣がこぞって参加。普段の松尾作品からは異色とも思える顔ぶれが並ぶ。「要素のひとつに“和”を取り入れようと思ったのが杉原くんにお願いした理由です。ミュージカルの方々とはあまりお付き合いがなかったのですが、歌やダンスのスキルというか、クオリティの高さは認めざるをえないんです。これまで、そういうものにわりと反逆的というか、素人の肉体をぶつけることであえて違和感を作り出してきた劇団なわけです。でも続けていると、結局俳優にスキルがないと、100%こちらが思い描いたようにはやれないということが、30年くらいかけてじんわりわかり始めてきた感じです」2年前の公演を経て、アンサンブルと呼ばれるキャストへの信頼が増し、役割の比重が大きくなったとも。「アンサンブルもそれぞれに個性があって、得意分野が違う。今回は、それを生かしたものを作りたいというか、アンサンブルが結構前面に立って頑張っていますから、彼らの公演でもあるといえますね」ただ、詳しい内容は「言いたくても言えない部分が多い」とのこと。「なんで言えないかも言えないんですが(笑)、日頃めったに見られない生のダンスや歌で綴る、面白いショーになるはず。この公演後、劇場が長期休館に入ることもあり、最後を飾るお祭り騒ぎにしたいと思っています。地方出身で30年以上東京に住んでも都会の祭りへの参加の仕方がわからない。なら自分で祭りを作る、みたいなところもあります」ところで、休館中の芸術監督は?「芸術監督を受ける際、演劇の場で活躍できる新人を育てたいという要望も出していました。つまり養成所です。最近、演劇で演出家の名前が入ってくることはあっても、『面白い俳優が出てきた』という話をあまり聞かなくて。それが僕は本当に悔しいんです。今から僕がやってできるかわからないけれど、育てる努力はしたい。なので、その活動をやっていこうと思っています」いまや映像でも活躍し、映画監督も務めたり、作家としても評価されているが、「演劇で認められて演劇に育てられましたから、恩返しのひとつもしたくなります」と話す。「どんな舞台に出ても、作品の世界観や演出を自分の体や声と融合させながら、この人だってわかる痕跡を残せる人。そういう身体性への美学が自分の中にはあるし、結局、そういう俳優が好きなんですよね」第二の阿部サダヲさんや荒川良々さんが見つかる日も近いかも!?COCOON PRODUCTION 2023『シブヤデマタアイマショウ』3月30日(木)~4月9日(日)渋谷・Bunkamuraシアターコクーン総合演出/松尾スズキ構成台本/松尾スズキ、天久聖一コーナー演出/杉原邦生、康本雅子、天久聖一出演/松尾スズキ、多部未華子、猫背椿、村杉蝉之介、近藤公園、後東ようこ、康本雅子、秋山菜津子ほか(日替わりゲストあり)S席1万2500円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)まつお・すずき1962年12月15日生まれ、福岡県出身。WOWOWにて3月25日放送・配信のオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分強の女優』では脚本、演出、出演を務めるほか、出演映画『シン・仮面ライダー』が公開中。スーツ¥127,600(BEAMS F)シャツ¥26,400(GUY ROVER)ネクタイ¥18,700(Holliday&Brown)チーフ¥7,480(PAOLO ALBIZZATI)シューズ¥143,000(Enzo Bonafe) 以上BEAMS TEL:03・3470・9393※『anan』2023年3月29日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・安野ともこヘア&メイク・趙 英インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年03月23日俳優の中村倫也が出演する、ブルボン「ルマンド」の新WEB CM「ひとくちルマンド抹茶ラテ 気になる味」編が10日より公開される。CMでは、新しい「ひとくちルマンド抹茶ラテ」を初めて食べるカフェ・ド・ルマンドのマスター(中村)の様子を描く。ホワイトチョコをイメージさせる白い空間に、抹茶チョコをイメージさせる抹茶カラーの衣装で登場する中村は、気に なる味の新商品を食べて渾身のひと言「ホワイチャ」を発する。2023年冬にスタジオで行われた撮影では、ふんわりとしたライティングの白い空間で抹茶カラーの衣装に身を包んだ中村がカメラの前に立ち、「ホワイチャ」の一言もオリジナリティ溢れる様々なパターンを見せる。音楽は前回のルマンドシリーズのCMに引き続き、注目のピアニスト・角野隼斗さんがルマンドのために書き下ろしたオリジナル楽曲「La valse a tout le monde(愛称:ルマンドワルツ)」を使用。ルマンドシリーズの公式ブランドサイトでは、新Web CMのほか、新ラジオCM、CM撮影の模様やスペシャルインタビューを収録したメイキングムービーなどを公開する。さらに3月14日(火)からは「#ハッピーホワイチャデーキャンペーン」も実施予定。ブルボン(BOURBON)【公式】Twitterアカウント(@Bourbon_JP)をフォローし、もらって嬉しいルマンドシリーズの商品を選んでツイートすると、マスターからのひと言コメント動画が届く。さらに抽選で30名様に「ひとくちルマンド詰合せ」も当たる。○中村倫也 インタビュー・3月14日から「ひとくちルマンド抹茶ラテ」のプレゼントキャンペーンがはじまりますが、今までプレゼントされて嬉しかったものはありますか?最近もらって嬉しかったのは出汁ですね。あれはいくらあっても困らない。それをちょっとしたギフトでいただけたので、大人だなと思って、真似しようと思いました(笑)。大人のプレゼントって出汁なんだなと思いましたね。あと真逆ですけど、自分がもらって嬉しいのが動物とかの置き物。僕の家のトイレに棚があるんですけど、なんか動物園みたいになっているんです。・CMでは新商品の味を印象的なひと言で表現いただきましたが、中村さんご自身のことをひと言で表すとしたら何ですか?「ゴンス」……。やっぱり気づくと語尾に「ゴンス」ってつくじゃないですか。いつからか椅子から立つときに「ヨッコイショ!」って言ってたりとかね。なんか一人でちょっとお鍋を触っちゃうときとか「あっ、あぶね」みたいな。それと一緒で「ゴンス」。たまに出ません?僕出るんですよ。...これでOKで「ゴンス」?・最後に、「ひとくちルマンド抹茶ラテ」のCMをご覧になる皆さまにひと言お願いします!今回「ひとくちルマンド抹茶ラテ」のCMに出演させていただきました。2層のチョコのおいしさを「ホワイチャ」と表現しました。そんなCMでございます。皆さんもぜひ「ホワイチャ」、手にとって食べていただき、夕暮れの街並みで「ホワイチャ」とつぶやいていただければと思います。
2023年03月10日松たか子、長澤まさみが出演する「松尾スズキと30分強の女優」の放送・配信日が3月25日(土)に決定、番組ビジュアルも公開された。本作は、松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコント番組の第3弾。「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、松尾さんが脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマ「松尾スズキと30分の女優」。今回は“強”となってさらにパワーアップ。「松たか子の乱」初回は「松たか子の乱」、続いて「長澤まさみの乱」を放送・配信。なお、吉田羊、多部未華子、松雪泰子、天海祐希らが出演する過去シリーズ(第1・2弾)は、WOWOWオンデマンドにて配信中だ。「長澤まさみの乱」「松尾スズキと30分強の女優」は3月25日(土)WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて放送・配信(「松たか子の乱」21時30分~/「長澤まさみの乱」22時15分~)。(cinemacafe.net)
2023年02月15日シス・カンパニー公演『ケンジトシ』に出演する、中村倫也さんにお話を聞きました。フィクションの中で描かれる新たな宮沢賢治像を築いてゆく。「最初に台本を読んだときは、もうワケわかんなすぎて。それでやろうって思ったんですよ。何も作品の輪郭が見えないし触れない。でも遠くの方に、何かブラックホールのようなちっちゃいものがある気がする。だから稽古が始まるのをずっと楽しみにしてたんです」その作品というのが舞台『ケンジトシ』。いわゆる宮沢賢治とその妹のトシの物語だけれど、中村倫也さんがそんなふうに言うのもごもっとも。二人を題材にしながら、そこに元帝国軍人で満州事変の首謀者であり、賢治と同じ法華経信者でもあった石原莞爾と思しき人物が登場し、その第三者の目線から二人の辿った道や彼らの傾倒した法華経、そして信念が語られていくフィクションだ。「今、稽古に入ってみて、やっぱりブラックホールみたいなものがあるんだなとは思っていて。ただ、それが明確に言葉にできるものではなく、どこか割れないシャボン玉を飛ばしているような感じです。描かれているのが明確なひとつではなくて。宗教観とか死生観みたいなことがベースにありながら、そこに過去と現在、テクノロジーと土着のものから見上げる理想とか、個としてどう生きるかとか、そういった目には見えないいろんなテーマが内包されているんだと思うんです。それって詩と一緒で、すべての意味を理解できなくてもよくて、やっている僕らとか、見ているお客さんの中に何かスッと入ってくるものがある。そういう作品になる気がしています」これまで多くの作品で描かれてきたケンジを演じるにあたっては、「美化されたものじゃない人をやりたいとは思っています」と話す。「言葉を選ばずに言うと、あまりに死後語られすぎている人だけに、面倒くさいです(笑)。ただケンジって、表現者として透明度の高い人ではあるけれど、身近な人からしたらちょっと困った人だったと思うんです。いつまでも親にお金をもらって生活してるわけですし。天才とは違う形で見せられたらいいですね」トシを演じるのは、これまでドラマでも共演経験のある黒木華さん。「怒られてもいいからやっちゃえ、みたいなところがある二人だと思うんですよ。僕なんかは、つねにどこかに遊び心というか、自由さを持ちたいタイプ。若いときは早く安心したくて、製作側の求めるものに合わせていこうとしがちですけど、ある程度までくると、安全パイと、それとは真逆なものとの両方を出したくなるんですよね。どこまで一緒にふざけられるかわからないですけれど、山裾が広い方が山って高くなるわけで、チャレンジして見えてくるものもあるし、その経験から厚みが出たり、より深くなったりもすると思うんです。だから稽古場では、怒られてもいいやっていう精神でいろんなことをやりたいですね」そんな面白がり精神の人だからこそ、「ワケわかんない」から「やろう」の発想に結びついたのだろう。「ある程度経験を積むと、戯曲や台本を読めば、完成の様子が見える度合いって高くなるんです。でもきっとそれだけじゃ退屈なんでしょうね。振り返れば大変な山ばっか登ってんなと思ったりしますけど、結局それが好きなんだと思います」シス・カンパニー公演『ケンジトシ』岩手県花巻を、ある男が調査のために訪れていた。彼がケンジを捜していると声をかけたのは、ケンジ(中村)の妹・トシ(黒木)。その男・イシワラ(山崎)の目的は…。2月7日(火)~28日(火)三軒茶屋・シアタートラム作/北村想演出/栗山民也出演/中村倫也、黒木華、山崎一、田中俊介ほか全席指定9000円ほか(当日券あり)シス・カンパニー TEL:03・5423・5906(平日11:00~19:00)大阪公演あり。なかむら・ともや1986年12月24日生まれ、東京都出身。最近の主な出演作に映画『ハケンアニメ!』、ドラマ『石子と羽男』、ミュージカル『ルードヴィヒ』などがある。続きの本『蓑唄』が発売中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・北澤“momo”寿志(band)ヘア&メイク・Emiyインタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年02月06日