令和6年7月歌舞伎座公演『七月大歌舞伎』夜の部において、『裏表太閤記』の上演が発表された。昭和56(1981)年に初演された『裏表太閤記』は、二世市川猿翁(当時:三代目猿之助)が手がけた作品。二世猿翁とともに多くの作品を創り出した奈河彰輔の脚本、二世藤間勘祖(六世勘十郎)の演出・振付で上演され、宙乗りや早替り、立廻りなど派手な演出が盛り込まれた。『太閤記』から天下人・豊臣秀吉の活躍が光る“表”の物語と、その輝かしい光の陰にある秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇的な“裏”の物語を巧みに織り交ぜて構成。昼夜1日かけて上演された壮大な物語で、明治座での初演以来、これまで一度も再演されてこなかった。43年ぶりの上演となる今回は、三代目猿之助の精神を受け継ぎながら、歌舞伎の魅力が凝縮された熱い舞台が繰り広げられる。出演は、松本幸四郎をはじめ市川中車、尾上松也に、坂東巳之助、尾上右近、市川染五郎という若手に加え、松本白鸚が名を連ねており、高麗屋三代が揃うことも話題のひとつ。演出・振付は、六世勘十郎を祖父に持つ八世藤間勘十郎が手がける。<公演情報>歌舞伎座『七月大歌舞伎』公演日程:2024年7月1日(月)~24日(水)休演:7月10日(水)・16日(火)会場:東京・歌舞伎座夜の部『千成瓢薫風聚光 裏表太閤記』出演:松本幸四郎、市川中車、尾上松也、坂東巳之助、尾上右近、市川染五郎/松本白鸚詳細はこちら:
2024年04月09日東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」(7月1日~25日)夜の部で、『裏表太閤記(うらおもてたいこうき)』が、43年ぶりに上演されることが9日、発表された。松本幸四郎、市川中車、尾上松也、坂東巳之助、尾上右近、市川染五郎、そして松本白鸚が出演する。三世市川猿翁さんが生み出した伝説作に高麗屋三代がそろい、澤瀉屋の中車も名を連ねた。豊臣秀吉の出世物語である「太閤記」は、現在でも新たな芝居やドラマ、小説や漫画が制作されるほど高い人気を誇る。江戸時代以降、歌舞伎においても同作を基にした多くの作品が生まれ、愛されてきた。1981年に明治座で初演された『裏表太閤記』は、古典の復活と再創造を標榜し、現代の観客の心を打つ歌舞伎の魅力を生み出した二世市川猿翁(当時・三代目猿之助)さんが手掛けた作品。猿翁さんと共に多くの作品を創り出した奈河彰輔さん脚本、二世藤間勘祖(当時・六世勘十郎)さん演出・振付で上演され、宙乗りや早替り、立廻りなど派手な演出が盛り込まれた。「太閤記」から秀吉の活躍が光る“表”の物語と、その輝かしい光の陰にある秀吉のライバル・明智光秀らの悲劇的な“裏”の物語を巧みに織り交ぜて構成。昼夜一日かけて上演された壮大な物語で、その後一度も再演されず、伝説とされてきた。実に43年ぶりの上演となる今回は、新たな構想での幕開き。猿翁さんの精神を受け継ぎながら、歌舞伎の魅力が凝縮された熱い舞台が繰り広げられる。
2024年04月09日4月16日より、東京・上野の東京国立博物館で特別展「法然と極楽浄土」がはじまります。本展の音声ガイドを務めるのは、歌舞伎俳優の松本幸四郎さんと市川染五郎さん。今回、ガイドの収録を終えたお二人に展覧会の見どころなどを語っていただきました。松本幸四郎さんと市川染五郎さんが音声ガイドを担当!左:市川染五郎さん、右:松本幸四郎さん【女子的アートナビ】vol. 329特別展「法然と極楽浄土」は、鎌倉初期時代に活躍した法然(法然房源空、ほうねんぼうげんくう、1133~1212)にスポットを当て、彼が開いた浄土宗が発展していく歴史を貴重な名宝でたどることができる展覧会です。戦乱や天災、疫病、貧困などに人々が苦しんだ平安末期に生まれた法然は、比叡山で修業を積み、1175年に浄土宗を開きました。「南無阿弥陀仏」ととなえれば救われる、という教えは貴族から庶民まで幅広く支持され、信者が増加。一時は既存の勢力から迫害を受け、讃岐国(香川県)に流されましたが、その後許されて帰京し、80歳で生涯を閉じました。本展は、2024年に浄土宗開宗850年を迎えることを機に開催。教科書で見たことがある有名な国宝《阿弥陀二十五菩薩来迎図(早来迎)(あみだにじゅうごぼさつらいごうずはやらいごう)》をはじめ、国宝や重要文化財に指定されている多くの文化財が集結します。今回、本展の音声ガイドを務める松本幸四郎さんと市川染五郎さんに、展覧会への期待や見どころなどについてお聞きしました。早く見たくてワクワクしています!――まず、本展では、どのようなところが見どころだと思われますか。幸四郎さんこの展覧会では、日本の歴史や過去の作品が発表されていますが、ただ過去のものを見るというより、今でも生き続けている「存在感」を感じられるのではないかと思います。歴史があるからこそ素敵だということもありますが、それ以上に現代にも生きていることが感じられそうです。染五郎さん見どころ、というお話ではないかもしれませんが、自分が早く見たいです(笑)。とにかく早く見たくて、ワクワクしています。五百羅漢図(ごひゃくらかんず)より、左:第24幅 六道 地獄 【4/16(火)~5/12(日)展示】 、右:第57幅 神通 【5/14(火)~6/9(日)展示】狩野一信筆江戸時代・19世紀東京・増上寺蔵――では、特に楽しみにしている作品を教えていだたけますか?幸四郎さん《五百羅漢図》(狩野一信筆)は、時間をかけて隅から隅まで見たいと思っています。自分は何かを表現するという商売をしているので、どうしても作品の表情や色合いなどが気になります。この作品は、現世の人々にお見せしてお伝えするものという思いで描かれていると思うので、そこに表現されている素敵さや、今にも生きている部分をじっくり見てみたいです。染五郎さん気になる作品は、《仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)》です。特に、2メートルを超える寝釈迦(ねしゃか)を見てみたいです。また、《阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)》も気になります。この作者は、特定はされていないけど慶派の仏師がつくったと考えられる、と解説にありました。自分は運慶や快慶が好きなので、生でその独特な空気をまとっている仏像を体感してみたいです。仏涅槃群像(ぶつねはんぐんぞう)江戸時代・17世紀香川・法然寺蔵――染五郎さんは大の仏像好きと伺っています。どんなところに魅力を感じられますか?染五郎さんそもそも仏像が好きな理由は、動きやポーズが好きだからです。そしてそれら一個一個に意味があるということなので、その部分に魅力を感じています。――若い世代や子どもたちは、日本美術など縁遠く感じる傾向にありますが、ご家庭でどのように促されると、染五郎さんのように仏像好きの若者に成長されるのでしょうか。幸四郎さん彼の生まれ年の守り神が不動明王なのですが、とある場所でその仏像が飾ってあるのを見たとき、そのことを彼に伝えると、「自分の守り神だ」と感じた出来事があったかと思います。本当に、ちょっとしたきっかけでした。ただ、子どもが興味を持つものは見落とさず、それを膨らませてあげたいという思いはずっとありました。優しいけれど強い意思を持たれた方――今回の音声ガイドの収録で、特に意識されたことなどはありますか?染五郎さん展示の魅力をお客様に伝えないといけないものだと考えて臨みました。ふだん舞台や映像でお芝居するときも同じですが、どれだけ気持ちが入っていようがセリフを理解していようが、お客様に伝わらないと意味がないと思っております。基本的なことですけど、一言一句伝わるように意識して収録させていただきました。――音声ガイドで、幸四郎さんは法然上人のセリフを話される場面もありました。法然上人について、どのように感じられましたか。幸四郎さんしっかりと修業をされてきて、それまでなかったものをつくられた方でもあります。反発も相当あったと解説にも書かれていました。でも、けっして反抗するという意識はなかったと思います。素直に思われたことをみなさんと共有しましょうという感じで行動された方で、優しいけれど強い意思を持たれた方という感じがしました。――法然は、分け隔てなく万人を救うことを目指しました。庶民のよりどころであったという点で、仏教と歌舞伎に共通点もあるように思いますが、その点について、どのように感じられていますか。染五郎さん普遍的な教えは、今を生きる人たちにも響くものだと思いました。歌舞伎も、今の方々には難しそうと思われがちですが、意外に柔軟性があります。その時代のはやりだったり、価値観だったりを柔軟に取り入れている演劇だと思うので、楽しんでほしいと思いますし、法然さんの「南無阿弥陀仏ととなえれば誰でも極楽浄土に行ける」という教えも柔軟性があり、歌舞伎とも共通してつながるところだと思いました。他には代えられないこと――日本美術と同じく、歌舞伎も若い人に伝えるという点で難しさを感じられることもあるかと思います。どのように伝えていきたいと思われますか。幸四郎さんまずは今の方に感動していただくこと、ですよね。自分は先人に憧れて歌舞伎を受け継いできましたが、先人がつくられたすごいものを紹介する役目ではないのです。役者なので、今の方々に感動していただくものとして存在し続けるのが大事だと思います。とはいえ、歌舞伎は現代語でもないし、時代も違うし、わかりにくいものではあると思います。今は家から出なくても、YouTubeや配信などの映像を自分の生活に合わせて楽しめます。でも、だから逆に歌舞伎は珍しいでしょ、ということにもなります。舞台を見に行くというのは、その日、その時間に合わせなければなりません。でも、舞台を見て、銀座を楽しんで、時間を贅沢に使う一日があってもいいんじゃないですか、という感じで、時代に逆行する珍しいものを武器としてメッセージを出していくのが大事かなと思います。――美術館や博物館も、同じようなことが言えそうですね。幸四郎さん確かに、鮮明に作品が印刷されたチラシなどがあれば、それを見ればいいということにもなり、わざわざお寺から博物館まで仏像や作品を運んでくる必要がなくなりそうです。でも、遠くから博物館まで運び込まれた作品をその場で見るということは、その作品をそれまで大事に保存し保管してきたお寺さんや多くの方々がいて、長い年数がかかっていて、どれだけ多くの人々の想いが加わっているのか、という部分も感じていただけるのです。だからこそ、実際に来て見ていただくというのは、他には代えられないことですよね。父とは通じ合うものが…――2024年は時代劇『鬼平犯科帳』での親子共演も話題になりました。今回、音声ガイドのご共演で何か感じられることはありましたか。染五郎さん父とは舞台でいろいろ共演させてもらい、舞台のことやセリフも父から教わってきましたので、セリフ回しは父と似ているなと思うことがあります。言葉で説明するのは難しいですけど、父とは親子だからこそ、言葉でなくても通じ合うものがあると思います。音声ガイドの声だけでも、そのつながりを感じていただけるのではないかと思います。――染五郎さんのお父様への想いについて、幸四郎さんはどのように感じられましたか。幸四郎さんそれはもう、ありがたいですね。ふだんは、こういう話はあまりしないですしね(笑)。芝居に出たり、稽古したり、それにまつわることを話すのが日常ですから。――お稽古場では師匠となり、家では父親となり、接し方など切り替えていらっしゃるのでしょうか。幸四郎さんよくそう言われますけど、僕は無理なんですよ。どこに行っても親子は親子。どうしようもないので、変えるのは無理なんです。教える立場ですから、セリフ回しなど似てくる部分もあるでしょうし、彼が自分で膨らませることもあるでしょう。でも今回のように、歌舞伎以外での共演はあまり機会がないですよね。――いろいろお話いただき、ありがとうございました。最後に、展覧会をご覧になる方にメッセージをお願いいたします。幸四郎さん展覧会では、歴史をキーワードに考えていただく時間があるといいなと思います。過去の情報を得られるだけでなく、脈々と今に生きているものも感じていただきたいです。音声ガイドなど、わかりやすい説明もたくさんあります。ナビされていない部分でも、何かご自分にしか感じられない唯一のものもあるかと思いますので、五分でも十分でも長く中にいて、感じる時間を過ごしていただきたいです。――ありがとうございました。お得な音声ガイドセット券も販売中!お二人のお話、いかがでしたか。ぜひ、幸四郎さんと染五郎さんが作品の魅力を紹介してくれる音声ガイドを聴きながら、展覧会を楽しんでみてくださいね。会場でのガイド機貸出料金は1台¥650(税込)、アプリ版は¥800(税込)。現在、お得な音声ガイドセット前売券¥2,400(税込)も販売中です!(前売券の販売は4月15日まで)Information会期:2024年4月16日(火)~6月9日(日)開館時間:9時30分~17時00分(入館は閉館の30分前まで)本展は事前予約不要です。休館日:休館日月曜日、5月7日(火)※ただし、4月29日(月・祝)、5月6日(月・休)は開館会場:東京国立博物館平成館(上野公園)観覧料:一般 ¥2,100(一般前売¥1,900)、大学生 ¥1,300(大学生前売¥1,100)、高校生 ¥900(高校生前売¥700)
2024年04月07日2024年に開場25周年を迎える博多座。「二月花形歌舞伎」では、松本幸四郎と市川染五郎が博多座初の親子共演。演目は、江戸川乱歩の「人間豹」を原作にした『江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)』と、歌舞伎初上演となるユーモラスな舞踊劇『鵜の殿様』(うのとのさま)。父子ともに「思い入れが強い」という『江戸宵闇妖鉤爪』の見どころ、注目の親子共演について幸四郎が語った。混沌とした幕末の江戸を舞台に、“人間豹”と呼ばれる半人半獣の殺人鬼・恩田と、明智小五郎の対決を描く『江戸宵闇妖鉤爪』。幸四郎の発案から10年、父・松本白鸚が演出を手掛け、2008年に初演された本作は、妖しくも耽美な世界観で<乱歩歌舞伎>と呼ばれ好評を博し、今回の博多座で3回目の上演。「インテリでモダンな新作歌舞伎を…とたどり着いたのがこの原作。勧善懲悪、絢爛豪華な歌舞伎とはまた違った世界観が特徴です」。白鸚のスケッチから生まれたという人間豹の衣裳や、モノトーンの隈取、小道具、音楽、早替り、フライングなど、大仕掛けから細部にまでこだわった演出が見もの。かつて白鸚が演じた明智小五郎を幸四郎が、幸四郎が演じた人間豹(恩田)と色男・神谷の2役を染五郎が演じる、時代を超えた親子共演も大きな見どころの1つだ。「人間豹は、染五郎が幼いころから憧れていた役。博多座初お目見えで演じられるのは染五郎にも意義深い」と語り、当時使っていた自分のかつらが、染五郎にもぴったりだったというエピソードを披露し、作品との巡り合わせを感じさせた。また舞踊劇の『鵜の殿様』は、幸四郎が日本舞踊の公演で知り、ぜひ歌舞伎で上演したいと思った作品。太郎冠者を幸四郎、大名を染五郎が演じるところも注目だ。「これだけ大名が踊る舞踊は珍しい。<乱歩歌舞伎>とはまた違った親子共演をお楽しみいただきたい」と笑顔を見せる。「母の故郷・博多は、自分にとっても第二の故郷」と語る幸四郎。特別な舞台・博多座で果たす息子・染五郎との共演への意気込みは充分だ。「博多座は客席から見えない部分も広く、劇場としてのポテンシャルも大きい。かつての作品を大切にしつつ、フライングなどあっと驚く仕掛けで博多座でしかできない新しい舞台をお見せしたい」。 “博多座ならでは”のダイナミックな<乱歩歌舞伎>に注目したい。公演は2024年2月3日(土)~18日(日)、博多座にて。チケットは12月9日(土)より一般発売開始。
2023年12月08日歌舞伎俳優の松本幸四郎がこのほど、都内で行われた「堅あげポテト30周年記念 新商品お披露目会」に出席した。2022年より同商品の応援部部長を務め、新商品のキャッチコピーも考案した松本は、冒頭の挨拶で3分半かけて同商品に対する愛を熱弁。また、11月より放映されているCMにも出演しているが「堅あげポテトに会いに行くという気持ちで(撮影現場に)行きましたので、とにかく楽しい現場で、和だったり大人と言いますか、夜のお酒のお供にというイメージもあったりする現場でしたので、また新たな堅あげの世界観が誕生するんだなと感じました」と撮影時を振り返り、CMでは川口春奈と共演しているが、川口とは初共演だったそうで「本当にありがたいことで、歌舞伎の舞台でも女性の役はたくさんありますけど男ですからね(笑)。こういうところで女性と共演できるのは貴重なことだなと思います」と笑顔で語った。また、同商品をいつ食べているかを公演中と休日の1日のスケジュールを見ながら説明する一幕もあり、休日の12時から"稀にスポーツジム"と書いていることを指摘された松本は「本当にごく稀で、最近家から歩いて行けるところにジムができて、これは行くんだという運命を感じたのでうっかり入会してしまいました」と打ち明け、これまでもトレーニングはしてこなかったそうで「過去にも何度かジムに入ったりしたんですけど、時間が合わなかったりして続けられないところがあって、今回は近いところにあるので続けられるのではないかと自分に期待して入りました」と語った。さらに、休日の15時30分から19時まで"妄想"と書いた点については「芝居のことが多いですけど、何か楽しいことはないかなということを考えています」といい、休日はいつ同商品を食べるか追求されると「妄想のお供には確実にありますね。スポーツジムというのも"ちょっと食べ過ぎたかな"という思いでジムに行き、さっぱりしたなという思いで堅あげポテトを食べると。スポーツジムの前後はほぼですね」と言葉に力を込めた。イベントでお披露目された移動式屋台「堅あげ号」を使用し、年間を通して合計30万名に同商品を配布することが発表され、松本は同屋台の壮行のために見得と口上を披露し、イベント後には一般の方へサンプリングも行った。
2023年11月14日松本清張原作のTVドラマシリーズ『松本清張の絢爛たる流離』初のデジタル配信が、本日11月3日(金・祝) よりスタートした。2022年に没後30年を迎えた、日本の誇る推理サスペンス小説界の巨星・松本清張。今昔問わず、一般的に原作小説が映画化・TVドラマ化されることは非常に多いが、こと松本清張の特徴は、映画・TVドラマの両方で(しかも同原作が複数回)映像化されている作品が多いということ。たとえば『点と線』『砂の器』『ゼロの焦点』などの名作が映画化かつTVドラマ化され、劇場ヒット作となり、TV高視聴率を記録している。このことは、松本清張作品の“原作力”の強さを如実に示しており、また、分かり易く親しみやすい作風の証左であると言える。ちなみに、映画化こそされてはいないが、『黒革の手帖』は1982年、1984年、1996年、2004年、2005年、2017年と連続・単発含めて5回TVドラマ化されており、米倉涼子主演の2004年版で知る人が多いかもしれないが、昨年の清張没後30年を機に山本陽子主演&田村正和共演の1984年版が初デジタル配信となり、今秋期間限定でYouTube無料公開されるなど、人気を博している。そして今回配信が開始された『松本清張の絢爛たる流離』は、1987年3月30日から4月2日までテレビ朝日系列にて4夜連続で放映された、単話完結の全4話構成。それぞれ主演は真野響子、小川眞由美、眞野あずさ、和由布子(現五木ひろし夫人)が務め、ダイヤモンドの指環を手にした瞬間から運命を変えられ翻弄されながらも、もがきあがく女たちの姿を通して、女の欲望と情念の深さ、したたかさ、たくましさが描かれている。<作品情報>『松本清張の絢爛たる流離』配信中()第1話「美しい人妻の復讐」『松本清張の絢爛たる流離』第1話「美しい人妻の復讐」恋人との仲を裂かれたことで、男という男はすべて憎んできた妙子。3カラットのダイヤの指輪をもらうことを条件に婿養子をとった妙子は、夫・忠夫を離れに住まわせ、ふたりの男と夜な夜な恋のゲームを楽しんでいた。そんな中、忠夫が死亡し、殺人容疑で妙子が起訴処分へと追い込まれてしまう……。出演:真野響子、江原真二郎、中島久之、綿引勝彦、河原崎建三原作『土俗玩具』脚本:吉田剛監督:真船禎第2話「銀座の女の完全犯罪」『松本清張の絢爛たる流離』第2話「銀座の女の完全犯罪」銀座の一流バーでママを務める佐保子は、パトロンの隆平からある日ダイヤの指輪を贈られる。一方、バーテンの二郎とも関係をもつ佐保子は、「俺を捨てたらふたりを殺す」と脅されるが、そんな中、隆平が二郎の存在を知るとすぐに、二郎が何者かによって殺されてしまい……。出演:小川眞由美、本田博太郎、加藤和夫、小松方正、池部良、日高澄子原作『陰影』脚本:柴英三郎監督:真船禎第3話「離婚した花嫁の殺意」『松本清張の絢爛たる流離』第3話「離婚した花嫁の殺意」OLの澄子は、政治家・粟島重介の仲介で群馬県の豪農・平垣新一と見合いをする。平垣家は、婚約の証として3カラットのダイヤの指輪を粟島に託すと、澄子は妻子ある恋人と別れ平垣の元へと嫁いだ。しかし、その直後、新一のアルコール依存症が発覚すると澄子は一切を捨て逃げ帰るが、実はそれが政治資金を出させるための粟島の企みだったと知り……。出演:眞野あずさ、伊東四朗、五代高之、錦野旦、稲垣昭三原作『夕日の城』脚本:須川栄三監督:真船禎第4話「年上令嬢の危険な誘惑」『松本清張の絢爛たる流離』第4話「年上令嬢の危険な誘惑」登代子(和由布子)は青年実業家の崎川(並木史朗)と婚約中で、幸せな日々を送っていた。ある日、別荘近くの建設現場で働くまじめな少年、次郎(西川弘志)と知り合いになった。別荘に連れて来ては、弟のようにかわいがっていたが、その次郎が登代子に婚約者がいることを知った……。出演:和由布子、西川弘志、並樹史朗、西川のりお原作『消滅』脚本:岩間芳樹監督:真船禎(C)松竹
2023年11月03日二世中村吉右衛門の三回忌追善と銘打って開催中の歌舞伎座新開場十周年「秀山祭九月大歌舞伎」。甥の松本幸四郎と幸四郎の長男の市川染五郎が吉右衛門を偲び、ゆかりの狂言、ゆかりの役々に挑む。中でも長谷川伸の傑作『一本刀土俵入』では幸四郎が初役で駒形茂兵衛を、染五郎も初役で掘下根吉を勤め、親子で真っ向から対峙する場面も。また『二條城の清正』では染五郎が再び豊臣秀頼を勤める。まっすぐな気持ちのまま渡世人になってしまった茂兵衛と、彼に憧れを抱く根吉。――二世中村吉右衛門さんの当り役のひとつ、『一本刀土俵入』の駒形茂兵衛は初役ですね。相撲取りの茂兵衛は酌婦のお蔦に救ってもらった恩を忘れずにいて、10年後、今度は渡世人となってお蔦の前に現れることになります。幸四郎茂兵衛は初めは、自分も立派な相撲取りに、横綱になりたい、一生懸命やればなれるんだというまっすぐな気持ちを持っていたと思うんです。その純朴なところは後に渡世人になってからも変わっていない。船頭たちや船大工とやり取りする場面で、掘下根吉たちに突然襲われたときにも「船頭さん、大工さんたちがお仕事なさってる。邪魔になるから向こうにいけ」と。そういう場面が設けられている意味があるわけです。見かけは変わってしまったけれど、人として変わっていないところがあるんですよね。第一お蔦を10年ずっと忘れずにいるなんてありえないことですよ。たいていの人は忘れるものじゃないですか。そして茂兵衛をはじめ、このお芝居に出てくる人たちは、皆普通の、決して歴史に名を残したりするような人ではないんです。長谷川伸の傑作で、あらゆる方々が演じ続けて今に至る、その作品の主人公ですから、どうしてもヒーローや特別な人間と思いがちですがそうではない。そこが大事だと思いますし難しいなとも感じます。いわゆる決め台詞、名台詞だとは思わせずに、茂兵衛という男の人生をお客様の心に残せるよう勤められればと思います。上演中の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」夜の部『一本刀土俵入』より、前半の一文無しの取的の駒形茂兵衛=松本幸四郎提供:松竹(株)後半、渡世人となった駒形茂兵衛=松本幸四郎提供:松竹(株)――その茂兵衛の人となりが、波一里儀十の子分の掘下根吉たちに襲われたときに垣間見えます。その根吉を初役で勤められるのが染五郎さん。染五郎渡世人の下っ端で大きな人物でも何でもない男ですが、役としてはいわゆるおいしい役と言いますか。みんなが引っ込んだ後もひとり舞台に残って、ちょっとカッコつけて引っ込むんです。あえて存分にカッコつけてやりたいし、それがこの役の魅力かなと。――この根吉、幸四郎さんもこれまでに二度勤めていらっしゃいます(平成8[1996]年4月御園座、平成20[2008]年5月新橋演舞場)。幸四郎世話物とはまた違って長谷川伸のものですから、台詞の言い方もお芝居も極まりきまりに見えてはいけないですし、生活感がなければいけない。そして染五郎も言いましたが、カッコつけている人を演じるわけです。カッコいい人を見ると「あんなふうになりてえ」と一日中考えている人なんでしょうね。初めてやったときは「ああしてみようこうしてみよう」と、結構はまりましたね。そして茂兵衛に「次第によっちゃ勘弁ならねえ!」「俺たちブ職同士のことだからなあ。ええ?そうでござんしょう。そうだろうが!」と言われると、毎日ビクッとしていました。叔父(二世吉右衛門)の茂兵衛も、父(松本白鸚)の茂兵衛も怖かったです。そして根吉の場合は怖がっていいんです、カッコつけてるけど。茂兵衛が去ってから「てえした男だなあ」ってつい口に出してしまうのも根吉。カッコつけてるくせにね。そんなところに若さが出てしまうんです。『一本刀土俵入』より、左から)堀下根吉=市川染五郎、駒形茂兵衛=松本幸四郎提供:松竹(株)染五郎僕も、渡世人っぽい口調や言い回しなど自然に見えるように、ふだんから言い慣れている感じに見えたらいいなと思います。それと僕は元がすごい色白なので、顔色をもう少し濃くしたくて日焼けさせてみました。焼きすぎてはいけないのですが。幸四郎『一本刀』に初めて出していただき、かつ根吉という大きな役をいただいたので頑張ってほしいし、「じゃあ染五郎であの役も見たいね」と思っていただけるよう、歴代の根吉で最高のものを目指してね。染五郎はい。お客様としては親子であることを役に重ねてみてくださることもあると思うんですが、やる側としてはあくまでも根吉として茂兵衛に向かっていく、根吉としてそこに存在することだけ考えてやろうと思います。『一本刀土俵入』より、堀下根吉=市川染五郎提供:松竹(株)――親子共演が続いていますね。幸四郎七月は『吉原狐』(大阪松竹座)で刀を抜かれるし、八月は『新門辰五郎』(歌舞伎座)で匿ってやっているのに反抗されるし、今月は匕首(あいくち)を持って刺しに来るからね(笑)。「なんてやつだ」という。ちょっと殺気立った関係性ばかりです。染五郎そうですね(笑)。『二條城の清正』の豊臣秀頼。絶体絶命の緊張感が解けた後、どう感情を爆発させるか。――染五郎さんはなんと10歳の時に秀頼を勤められました。(平成28[2016]年1月歌舞伎座)染五郎緊張しましたね。子供の頃勤めたお役の中でやはり一番印象に残っています。それまでは子役としての台詞しか言っていなかったので、台詞を言うこと自体がとにかく難しかったという記憶があります。それと当時祖母から、「踊りみたいな歩き方」だと言われて、同じ歌舞伎の中でもお芝居によって歩き方からまるで違うんだと。――今月は「淀川御座船の場」が上演されますが、これの前の「二條城大広間の場」で徳川家康は秀頼のために酒席を開きます。その秀頼を護るために病を押して清正が付き添います。前回は白鸚さんの清正で、家康が(四世市川)左團次さんでしたね。染五郎家康は怖かったですね。二條城の広間では清正以外はその場にいる人全員が敵ですから。その時の台本には祖父(白鸚)や父から教えてもらった台詞や動きがたくさん書き込んでありますので、その台本をしっかりと読み返しています。そして今回は上演されませんが、二條城の広間の空気、緊迫感、それがあった上での御座船であるということを大事に勤めたいと思います。そして清正は秀頼が物心つく前から当たり前のように傍らにいたわけで、その距離感、空気が出せればいいなと思います。昼の部『二條城の清正』左から)加藤清正役の祖父・松本白鸚と共演する、豊臣秀頼役の市川染五郎提供:松竹(株)『二條城の清正』より、豊臣秀頼=市川染五郎提供:松竹(株)幸四郎秀頼を初めて勤めたのは僕も十代のころでした。とにかく凛としていること。これに尽きます。二條城という敵陣に清正とたったふたりで乗り込んで敵に囲まれた状態で、何が起こっても不思議じゃない、それどころか99%ダメだろうという覚悟でやってきています。そんな中でも感情を見せずに凛としている。――初役のときの家康が(十三世片岡)仁左衛門さん、二度めが(五世中村)富十郎さんでした。幸四郎家康は本当の感情は全く見せないですし、外見はいいおじいちゃんの風情ですから。だからこそ怖かったですね。今月のポスターにもなっていますが、御座船の上では秀頼は私服の姿なんです。清正と二人になり大坂城まであと少し。やっと本当の気持ちが言葉になって出てくる。この時の感情をどう爆発させるかが大事になってきます。情報量がはるかに多い時代。取捨選択しながら、もっともっと「大変になってほしい」。――昨年六月に『信康』で染五郎さんは初めて歌舞伎座で主演を勤められました。幸四郎去年そこからスタートして一年たち、やっと二年目に向かっているということだと思います。今も大変だろうと思うけど、もっともっと大変になってください。って言われても困るよね(笑)。染五郎はい(笑)。作品の真ん中に立たせていただくことは大きな経験でしたが、そのことで舞台への思いが何か大きく変わったということは全くないです。どんな役、どんな舞台でも、役を勤めることに対しての心持ちはその前後で変わらないです。そしてどんな役でもそうですが、過去のいろいろな方々の勤めてこられたときのことを調べて、これは使うべき情報、これはそうではない情報などと見極めて、その都度役と向き合っていきたいですね。幸四郎我々の仕事って、出来ないことを「出来ないもん、できるわけないじゃない?」って言ってしまえばそこまでなんです。出来るようにする、知らないことを知る、わかるようにする、まさに一生それの連続。それに今、難しい時代じゃないですか、っていうと年寄りみたいだけど(笑)。以前より今の方が我々を囲む情報量ははるかに多いし得ることも簡単です。だから自分で苦労しなくても分かってしまうことがたくさんある。でも本当に自分自身で掴んで理解しなければ、出来たことにはならないんですよ。大変ではあるけれど、自分で理解して出来るようにする、ずっとその姿勢で向かっていってほしいと思います。というか私自身もまだまだですからね。傑作を傑作として、叔父の当り役を当り役としてお見せするために、ずっともがいていきたいと思います。取材・文:五十川晶子撮影:石阪大輔ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★松本幸四郎さん&市川染五郎さんのサイン入りポラを抽選で1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら(OnelinkのURLを貼り付け) からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>歌舞伎座新開場十周年「秀山祭九月大歌舞伎」二世中村吉右衛門三回忌追善【昼の部】11:00~一、祇園祭礼信仰記金閣寺二、土蜘三、二條城の清正【夜の部】16:30~一、菅原伝授手習鑑車引二、連獅子三、一本刀土俵入2023年9月2日(土)~9月25日(月)※11日(月)、19日(火)休演会場:東京・歌舞伎座チケット情報公式サイト
2023年09月11日女優の松本まりかが、ミューズを務めるワコールの新WEBコンテンツ「松本まりかのOFFりかた」「OFFるオトナの読み聞かせ」に登場する。○■松本まりか、ワコールWEBコンテンツ「水曜のOFFる夜」に登場ワコールでは、平日の折り返し地点である水曜日の夜を、1週間を乗り切るために特にリラックスして過ごしたいタイミングと位置づけ、快適かつ気分が上がるナイトウェアを着て自分らしく過ごす“上質なナイトタイム”を提案。ここちよいナイトタイムを過ごすヒントとなるような新WEBコンテンツ「水曜のOFFる夜」を、23日より水曜日に3週連続で公開する。「松本まりかのOFFりかた」では、松本がリラックスタイムの過ごし方を紹介する。ドラマや映画に出演し、多忙を極める松本にとって、ナイトタイムは体と心をしっかり休めて自分をいたわるための大切な時間。そんな松本がリラックスモードになる、素の自分に戻る方法を「OFFりかた」と表現し、ワコールのナイトウェアを着用してプライベートで行っているボディケアや映画鑑賞など独自の「OFFりかた」を語る。第一夜(23日)は「ストレッチで疲れをリセット からだが喜ぶOFFタイム」、第二夜(30日)は「ハーブティー片手に 自分と向き合う静かな夜」、第三夜(9月6日)は「知的好奇心を満たす映画鑑賞で 精神的にもリフレッシュ」を届ける。最近ピラティスにハマっていて、日頃からストレッチをこころがけていると話す松本。「お気に入りのナイトウェアに着替えて筋膜リリースをすると心身ともにほぐれていくのを感じます」と自宅での取り入れ方を語る。おやすみ前はハーブティーを楽しみ、日記を書くことが習慣になっているとか。「去年、3年日記が完成したので、今年から5年日記に挑戦中。その日の出来事や感じたことを書きとめます。私にとって日記は、よりよい自分になるためのセラピーのようなものかもしれません」とルーティンを明かした。また、ひとり静かに映画作品と向き合うことも「OFFりかた」の1つだといい、「私にとって映画は知見を広げるだけでなく、自分の感性をリセットしてくれるもの」と映画鑑賞の意義を語っている。「OFFるオトナの読み聞かせ」は、心落ち着く川のせせらぎなど自然の音とともに、松本が癒しボイスで夜にまつわる詩を読み聞かせする音声コンテンツ。第一夜(23日)は『星めぐりの歌』(宮沢賢治)、第二夜(30日)は『月が出る』(小川未明)、第三夜(9月6日)は『湖上』(中原中也)が公開される。
2023年08月23日松本マラソン完走を目指そう「松本マラソン2023」は、長野県松本市にて2023年11月12日(日)に開催します。難コースともいわれる松本マラソンですが、「魅せたい三ガク都がここにある」を大会テーマに、松本の持つ魅力がぎっしり詰まったコースを走り抜けます。晩秋の難コースにチェレンジしてみませんか。開催概要について会場は松本市総合体育館。種目はマラソン(42.195km)、ファンラン(10km)、ファミリーラン(1.8km)の3部門があります。参加費はマラソンが12,000円、ファンランが4,000円(中高生3,000円)、ファミリーランは、大人1名・子供1名の組が3,300円、大人1名・子供2名の組が4,400円です。制限時間はフルマラソンが6時間、ファンランが1時間30分、ファミリーランが20分です。ファンランは計測・表彰はありません。晩秋の松本平を満喫できるコース松本マラソンのコースは「松本城と城下町を感じるエリア」「アップダウンの激しい赤木山エリア」「広大な眺めの信州スカイパークエリア」の3つのエリアに分かれています。前半は、松本のシンボル国宝松本城の天守を眺めながら走り、中盤からはアップダウンを感じる高低差のあるコースになります。後半は、信州スカイパーク内の秋ならではの景色を楽しみながら走ることができます。(画像は公式サイトより)【参考】※「松本マラソン2023」の公式サイト
2023年05月02日松本市浅間温泉エリアの観光活性化を目的として、宿泊施設の運営や観光関連施設の誘致などに取り組む株式会社WAKUWAKU浅間温泉(本社:松本市浅間温泉、代表取締役社長:岡 嘉紀)は、運営する「onsen hotel OMOTO」の屋上を改修し、北アルプスや松本の夜景を見渡す絶景の展望サウナを4月1日(土)にオープンいたします。北アルプスを眺める展望デッキ■北アルプスを見渡す、絶景の展望サウナ当館の中で最も景色の良い場所に、セルフロウリュが可能なフィンランド式サウナと温度管理された水風呂、展望デッキを設置しました。屋上に大きなランドスケープをつくることを目指し、西側に現れる北アルプスの山並みが主役となるような空間となっており、夕暮れの景色や朝日を浴びた山々の風景と共に、他にはないサウナを楽しむことができます。夜のサウナのライトアップ■夜は、松本の夜景を一望日が暮れると、サウナのランドスケープを映し出すようにライトアップされ、松本の夜景が広がり、昼間とは違った雰囲気に包まれます。サウナをご利用されないお客さまも、夜風を浴びる入浴中の休憩や景色を楽しむ展望テラスとしてご利用いただけます。サウナ建屋の中からの北アルプス■景色を楽しむ工夫やヒノキの質感7階の大浴場からつながる屋上のサウナは、外壁の角度などを工夫し、大きな窓を設けることで、サウナの中から北アルプスの山並みを一望することができます。お客さまが触れるサウナの内部、水風呂の縁や外気浴のためのベンチには、質感として暖かみのある天然木のヒノキを使用しています。サウナのドアの押し手には、元々屋上にあった大きな看板の「お」の一部が再現されているなど、当館の記憶や歴史と共にお楽しみいただけます。■「onsen hotel OMOTO」の歩み当館は、創業100年の「ホテルおもと」を引き継いでリニューアルし、2020年7月に開業しました。2020年2月の事業承継から改修工事を開始する時期に新型コロナの感染拡大が始まり、開業後からこれまでは、コロナ禍の影響を大きく受けた営業となりました。その中でも、多くのお客さまにお越しいただけるようになり、3年目となる今年度には、年間約13,000人のお客さまにご宿泊いただき、黒字化も達成する見込みです。当館は、「泊食分離」のサービスのため、年間約13,000人の宿泊客のほとんどが地元で食事をとるなどしており、繁忙期には、近隣の飲食店が不足するほどの地域経済への波及効果をもたらしています。【onsen hotel OMOTO 概要】所在地 : 長野県松本市浅間温泉3丁目13-10アクセス: 松本駅から路線バスで20分程度駐車場 : 有URL : 【株式会社WAKUWAKU浅間温泉 概要】会社名: 株式会社WAKUWAKU浅間温泉代表者: 岡 嘉紀所在地: 長野県松本市浅間温泉三丁目13番10号URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年03月20日映画『レジェンド&バタフライ』(1月27日公開)の「殿!大ヒットおめでとうございます」舞台挨拶が20日に都内で行われ、市川染五郎、音尾琢真、大友啓史監督が登場した。同作は東映70周年を記念する新作オリジナル映画。「大うつけ」と呼ばれていた尾張の織田信長(木村拓哉)と、信長の元に嫁いできた「マムシの娘」と呼ばれる美濃の濃姫(綾瀬はるか)。2人の夫婦生活は最悪の出会いで始まり、互いの寝首をかこうと狙う一触即発な毎日を送るが、次第に強い絆で結ばれ、誰も成し遂げたことのない天下統一という夢に向かっていく。公開24日間で152 万人を動員し、累計興行収入19.7 億円を突破している同作。周りからの反響について聞かれると、染五郎は「周りの友達も見てくれたのですが、自分も3日前に映画館に観に行きました。それまで試写室でしか観ていなかったのですが、実際の大きなスクリーンで観ると迫力が違いました。平日だったのですが、沢山お客さんも入って頂いていて、嬉しかったです」と答える。同じく今日映画館で作品を鑑賞してから舞台挨拶に臨んだという音尾は、「この映画は迫力が凄いですね。音にも相当気を使って作られているので、その効果が発揮されるのがやはり映画館だなと思いました。私も色々な方から観たと言われるのですが『見たよー! 出てたんだね!』と言われるんですよ。あれ、知らないで観てる?という事が多くて。それはそうだよな…ポスター木村さんと綾瀬さんメインだからな、とちょっと寂しい気持ちになりました」と冗談交じりに話すと、すかさず大友監督も「今度ちゃんと大きくいれるよ!(笑)」と返した。さらに音尾より、ご家族が観たかを聞かれた染五郎は、「父はたぶんまだ観ていないですね。観に行きたいとは言っているんですけど。自分が出ているものはあんまり観てほしくはないですね(笑)」と、少し照れながら答えた。本作でもし、別のキャラクターを演じるとしたらどの役がやってみたいか聞かれると、染五郎は「信長という人物はもちろん格好いいなと思います。光秀は前から好きな人で、歌舞伎にも出てきますし、歌舞伎でも歌舞伎じゃないところでもやってみたい役ですね」、音尾は「人には分相応不相応がありますので……僕は蘭丸かな(笑)。絶対できない役です。信長様は恐れ多いですよ。この信長をみてしまったら、中々やりたいですとは言えないです」と答えた。主役として作品を引っ張ってきた殿、木村へのメッセージを求められると、市川は「共演させて頂いて、チームの芯に立つということを間近で勉強させて頂きました。沢山の方にこの作品を観て頂いて、蘭丸として出させて頂いた自分としても嬉しいですし、芯に立たれていた木村さんもその気持ちはとても大きいと思います」と感謝。音尾は「映画の冒頭で櫓を一気に駆け上がるシーンがあるのですが、これ何回やったんだろうと思うんです。映像に若かりし頃の信長を届けたいと思い全力疾走する姿を見ることが出来て、色んな意味で冒頭から感動しました。殿! さすがです! 一生ついていきたいです! と思える魅力がある方です」と、コメントした。(C)2023「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
2023年02月20日3月3日(金) より開幕する、歌舞伎座新開場十周年「三月大歌舞伎」の第一部『花の御所始末』より、松本幸四郎演じる足利義教の撮り下ろしスチール写真が公開された。撮影は、“アラーキー”として有名な写真家・荒木経惟。「問題作は荒木さん!」という幸四郎の強い想いのもと今回の撮影が実現した。ここでは撮影現場のレポートをお届けする。『花の御所始末』足利義教=松本幸四郎撮影:荒木経惟2月某日、都内スタジオ。歌舞伎座新開場十周年「三月大歌舞伎」の第一部を飾る、『花の御所始末』松本幸四郎のスチール撮影が行われた。初めて挑む『花の御所始末』のスチール撮影に際し、幸四郎たっての希望でカメラマンに荒木経惟(アラーキー)を指名。二人は、1998年に発売された写真集『Rainyday 市川染五郎』以来の撮影で、アラーキーはその当時を振り返り「自然体を撮るというコンセプトの写真集で、その撮影初日の朝、ヒゲ剃らないで来てくれたの。最初から惚れ込んだね」と思い出を語った。そもそもアラーキーと高麗屋との繋がりは、電通時代のアラーキーが当時染五郎であった白鸚がプールで泳ぐグラビア写真を撮ったことに始まる。父から子へと被写体が移り、そして写真集を作成するに至った。今回、幸四郎は何故久しぶりの撮影となるアラーキーに依頼したのか……。その理由は、「問題作は荒木さん!」というシンプルにして強い想い。父・白鸚のために書き下ろされ、過去に二度父が演じた限りとなる『花の御所始末』に挑む幸四郎の意気込みにあった。「是非、今回は荒木さんに撮っていただきたいとお願いしました。『花の御所始末』は人間の業と欲望が満載の作品で、どこまでも“悪”の義教を荒木さんに撮っていただきたかった。『問題作は荒木さん!』という想いです。撮影していただいた時間は、とても幸せな時間でした」。撮影前、アラーキーは「今日は幸四郎の顔を撮りに来た!」と言い放ち、「5分で撮影終わると思う」と宣言。「とにかく男前に撮る。男前の悪人にしなくちゃいけない」と、撮影が始まった。将軍の正装である黒い直衣を身に纏った幸四郎、黒い背景に、強烈なライトを当てて撮影するアラーキー。一対一で対峙する二人。シャッター音だけが鳴り響くスタジオに、フィルムで撮影するアラーキーの「もう一回戦!」の声。フィルムでの撮影にこだわるアラーキーは、次々とシャッターを切り、フィルムを交換していく。「もう一回戦!」はその交換の合図。「いいねぇ」「もっと眼を強く」「口許も強く」「その角度で」「その視線で」……そして、「もう一回戦!」。微妙な変化も逃さず、最高の瞬間を求め、「もう一回戦!」「もう一回戦!」の声が響く。その言葉に応え、幸四郎はレンズを睨み続ける。最後の「もう一回戦!」を終え、「よしっ!」という声が響き、「5分で終わると言ってたけど、一時間はレンズ覗いてたんじゃないか?」とアラーキー。「この人は優しい人なんだよな。でも、今日は幸四郎さんの優しさを封印しようと思って。幸四郎が演じる役を撮るんじゃなくて、俺は幸四郎を撮る、演じている役を狙うんじゃなくて、幸四郎の中にある悪を撮る!」と言い放つのだった。撮影を終え、暫しの歓談ののち、幸四郎とアラーキーの二人は固い握手をして別れた。撮影後スタジオにて左より)荒木経惟、松本幸四郎<公演情報>歌舞伎座新開場十周年「三月大歌舞伎」第一部『花の御所始末』2023年3月3日(金)~26日(日) 千穐楽詳細はこちら:
2023年02月12日俳優の神木隆之介、女優の松本穂香が出演する、KDDI「au」の新CM「恋に恋する松本さん」編が9日より放送される。auのCMとしてお馴染みの「意識高すぎ! 高杉くん」シリーズ。今回は、少女漫画のようなシチュエーションに憧れる松本さん(松本穂香)とそれに振り回される高杉くん(神木隆之介)のストーリー。少女漫画の主人公のように食パンをくわえ「ちこくちこくー!」と慌てて登校する松本さん。勢いよく曲がり角に差し掛かると同じく登校中の高杉くんとぶつかってしまうというまさに少女漫画風の展開を迎える。高杉くんは「ごめんなさい……」と松本さんを心配するが、松本さんは「どこ見てんのよこのメガネ!」とわざとらしく言い放つ。高杉くんは「メガネ?」ときょとんとしながら普段とはどこか違う雰囲気の松本さんに違和感を抱く。場面は学校に変わり、高杉くんが扉を開けて教室に入ると、「さっきのメガネ! なんで同じ教室にー?!」と松本さんの声が教室に響き渡ったかと思えば、女子たちと「的な出会い」「あるあるー!」と大盛り上がり。どうやら恋愛作品の話題で盛り上がっている様子で、高杉くんは「何の話……?」とポカン。最後は、窓際で動画を観る松本さんに「何観てるの?」と声をかけてみると、「『初恋』だよ、高杉くん」と振り向きざまに少し照れた表情で答える松本さん。そんな松本さんに高杉くんは胸の高まりが抑えられなくなり、「どぅどぅん」と言ってしまうのだった。
2022年12月09日10月4日から歌舞伎座で開幕する「芸術祭十月大歌舞伎」の第二部『祇園恋づくし』(作・小幡欣治、演出・大場正昭)に出演する中村鴈治郎と松本幸四郎が取材に応じた。両名による再演は、7月の大阪松竹座以来、わずか3カ月ぶりという異例の早さ。「まさかこんなに早いとは。歌舞伎座は大きいので、雰囲気の違いに怖さもありますが、やるからには楽しんでもらいたい」(鴈治郎)、「うれしい限りですね。切羽詰まった話ですけど、それが笑えるのが魅力。面白く楽しいお芝居なので、喜んでいただければ」(幸四郎)と意気込みを語った。日本三大祭のひとつ「祇園祭」を背景に、京と江戸の意地と粋が絡み合う恋模様を描く本作。鴈治郎が大津屋次郎八と妻のおつぎ、幸四郎が指物師留五郎と芸妓染香をそれぞれ、二役早替わりで演じる様も見どころになっており、「やっぱり、二役やらないと面白くない。(幸四郎は)気心も知れているし」と鴈治郎。幸四郎は男役の留五郎を演じる際には、白粉を落とす“離れ業”を披露しており、「まさか、落とすとは思わなかった。うそだろって(笑)。あの早変わりはすごいよ」(鴈治郎)、「間に合っちゃったんですよね(笑)」(幸四郎)と丁々発止のやりとりを披露した。『祇園恋づくし』と言えば、次郎八と留五郎が、京と江戸のお国自慢を披露する巧みな台詞のやり取りも見逃せない。鴈治郎は「東男に京女という言葉もあって、このお芝居はその逆ですが、本音がつかみにくくて、裏で何を考えているか分からない京男の“あるある”な部分が描かれている」と語り、「今回はこっちがアウェイで、巨人阪神戦みたいなもの」と歌舞伎座公演に対し、ユーモアあふれる持論を展開。幸四郎も「いわば郷土自慢ですけど、お互いをけなし合う芝居になってしまうと、後味が悪くなってしまうので」と演じる上での意識を明かした。7月松竹座での共演で、すっかり意気投合した様子のふたり。鴈治郎が「僕から逃げようとするシーンがあるんですけど、逃げる前からリードが広いと、捕まえられなくなる。歌舞伎座は広いから」と“注文”を出すと、幸四郎は「僕に対して『何かするんだろ?』って警戒心を感じてらっしゃるみたいで(笑)。逆にこちらも何か思いついたら、躊躇なく投げかけたい。そういう緊張と勇気を与えてくださっている。責任は取らないですけど、上演時間だけは気をつけないと(笑)」と不敵な笑みを浮かべていた。取材・撮影・文=内田涼<公演情報>「芸術祭十月大歌舞伎」2022年10月4日(火)~27日(木) 歌舞伎座【休演】11日(火)、19日(水)第一部:11:00~第二部:14:30~第三部:18:15~
2022年10月01日来年の大河ドラマ「どうする家康」で徳川家康を演じる松本潤が、家康の素顔を求めて旅をする歴史ドキュメントの第2弾「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」が9月10日(土)に放送される。今回のテーマは、「なぜ家康は天下人になれたのか?」。幾度となく襲いかかる人生の危機の中で、家康が熱心に行っていたのは戦や政争ばかりではない。実は、家康が人知れず、日々熱心に取り組んできた「趣味」の中に、家康が危機を乗り越え、天下人にのぼりつめることができた秘密が隠されている。乗馬、たか狩り、聞香など家康が打ち込んだ趣味の数々を松本さんが体を張って実際に体感。さらに、「最も家康に似ている」といわれる普段は非公開の家康・等身大の木像や、徳川宗家・次期当主の徳川家広さんも登場。愛知県、岐阜県、山梨県、京都府をめぐり、教科書には載っていない知られざる徳川家康の人物像に迫る。解説は本郷和人(東京大学史料編纂所教授)、語りはキムラ緑子が務める。【どうするポイント 1】「乗馬」天下人への道は「負けても死なない」こと三方ヶ原の戦いで武田信玄に惨敗し、絶体絶命の危機に陥った若き日の家康。「生きていてこそ次がある!」。どんな状況であっても最後は逃げて命をつなぐために、家康がのめり込んだのが「乗馬」だった。日本伝統の古馬にまたがり、「家康の逃げの乗馬術」に迫る。【どうするポイント2】「たか狩り」天下人への道は「誰よりも長生きする」ことライバルたちが次々と病死する中、家康の秘策は「ライバルたちよりも長生きすること」。健康オタクへの道を邁進する家康がことのほか重視したのは「たか狩り」だった!75歳という驚きの長寿を全うし、天下人レースを逃げ切った家康健康長寿の秘訣に迫る。【どうするポイント 3】「聞香」天下への道は「己に勝つ」こと誰が敵で誰が味方なのか?陰謀渦巻く心理戦を勝ち抜いた家康の強さは、どんな状況下でも冷静さを失わないメンタルの強さでもあった。それを支えていた家康の趣味こそが「香」。家康がのめり込んだ「聞香」とはどんな世界なのか?家康考案のオリジナル香の再現にも挑戦する。■木道壮司チーフ・プロデューサーよりコメント天下人となった徳川家康は、神君・家康公として神格化され、「いかにエラい人か」を伝える記録ばかりが残されています。本当の人間・家康とはどのような人物だったのでしょうか?今回、そんな家康の素顔を探るため、家康がのめり込んでいた「趣味」を、松本さんが家康の気持ちになりきって体当たりで挑戦!そこからどんな家康像を発見することができたのでしょうか?歴史の裏側を松本さんと一緒に探っていけば、2023年の大河ドラマ「どうする家康」がより楽しくなること間違いありません。「どうする松本潤?徳川家康の大冒険2」は9月10日(土)19時30分~NHK BSプレミアム、BS4Kにて放送。(text:cinemacafe.net)
2022年09月06日嵐の松本潤が出演する、日本航空の新WEB動画「櫻井翔・松本潤の行こうぜ! ニッポン! 九州」編 Part1~3が21日、公開された。同WEB動画は、松本と櫻井翔が日本全国に旅に出かけ、各地の魅力を紹介するシリーズの最新作。松本が福岡と佐賀を訪れ、九州の文化・伝統に触れている。佐賀・呼子にある漁協直営の「呼子台場みなとプラザ」を訪れた松本は、名物のイカを自らさばいて食べることに。「イカは暴れるって聞くよ」と墨対策にカッパを着ながら恐る恐るすくい上げ、包丁を入れていくと、見守っていた婦人会から「上手!」と声が上がる。続いて、福岡・八女の「光安青霞園茶舗」で玉露とういろうを堪能し、茶葉の香りや茶器にも興味津々。店主・光安さんのお茶入れを真剣に見つめ、2煎目にはお茶入れにチャレンジし、華麗な所作を披露した。また、最後に訪れた「門田提灯店」では、櫻井へのお土産として提灯の絵付けに挑戦。「櫻井くんといえば迷彩のイメージだけど、時間がかかりそうだな……やっぱり彼の名前を入れるのがいいかな……!」と提灯に“櫻井”の文字を入れることに。“櫻”の字を間違えてしまうハプニングもあり、「(出来上がりが)どうなってもいいや……(笑)」と言いながらも、スタッフが話しかけると「ちょっと静かにしてください」と返し、真剣な様子で書き進めた。旅を終えた松本は、「その土地の文化・食に触れたり、そこに行かないと見られない景色、感じられない空気感を感じることができたので、心が豊かになる気がします。旅に来られてよかったです」と満足気に振り返っていた。
2022年08月22日嵐の松本潤が出演する、リクルート・SUUMOの新CM「松本潤さんのスーモノリスで地図検索」編が、17日より放送される。新CMでは、無機質な白い空間に松本が登場。スマホを模した巨大な石板を前に松本が「住まい探し……」「地図……」と語りかける。するとそこに地図が浮かび上がり、手でなぞりながら物件検索をし、「使いやすい……」とつぶやく。■松本潤インタビュー――今回のCM撮影の感想は?楽しかったです! 実は撮影の方は以前から親交がある方でしたし、監督も僕と同い年で、以前から監督が作る映像が好きで、一緒に仕事してみたいと思っていたんです。今回のCMは結構特殊な設定・空間なので、どうやって演じるか目指す映像の世界観を監督と話し合いながら撮影しました。――今回のCMのみどころは?独特な世界観の中でちょっとクセのある感じを楽しんでいただけたら嬉しいです。「SUUMO」が、「物件数 No.1」であり「いろいろな情報が手軽に手に入る」というサービスのすごさと、近未来的な映像のかっこよさの両方を楽しんでいただけたらと思います。――「なぞって検索」機能で検索して、どんなエリアに住みたいですか?リアルに自分が選ぶとすると、普段行くジムや、よく行く友達がやっている飲食店などは、わりと1カ所に集まっているので、そのエリアを囲むかな。やっぱり近い方が楽なので。これまでいろいろな所に住んできましたが、僕の場合、結局行く所はほとんど変わらないんです。そこから離れたエリアに住んだこともあるのですが、やっぱり近い方が便利だなって(笑)。僕はいろいろ見るのも好きなので、緑の多いエリアや、魚がおいしそうな海沿いなどを検索してみるのも楽しそうですよね。――物件選びで迷うことはありますか?あまり迷わないかな。自分がその家に住んだらどこに何を置いて、玄関や風呂へはどこを通って……などを想像しながら選びます。あとは、日当たりや景観、駅からの時間、近くに自分に必要な場所がいくつあるのかなども考えます。でも最終的には、自分のフィーリングで「あ、ここにしよう」って納得がいくということがいちばん大事なのかなと思います。――最近の自宅でのマイブームは?最近は、帰ってきてリラックスするために、お香やキャンドルをたくことがマイブームで、割と習慣づけていますね。現場にいる時間が長いので、家に帰ってきて、仕事と自分の時間を切り替えるスイッチにしているんです。あとは、最近、撮影で朝が早いことが多いので、毎朝6時くらいには起きるようにしています。朝のうちに運動したり、サウナに入ったりして現場に行っています。――現在の自宅を「今後こうしたい」などのお考えはありますか?僕は現状に満足していますね(笑)。あえて言うと、最近仕事が立て込んでいるので仕事の資料が増えてきたんです。本などを買ったことで本棚が整理しきれなくて。前回のインタビューの際に「物を減らしてシンプルにした」と言ったんですけど、もうちょっと収納を作っておけばよかったな(笑)。
2022年08月16日公開初日を迎えた映画『ぜんぶ、ボクのせい』の初日舞台あいさつが11日、東京・新宿武蔵野館で行われ、白鳥晴都、川島鈴遥、松本まりか、オダギリジョー、松本優作監督が出席した。秋葉原無差別殺傷事件をモチーフにした『Noise ノイズ』(2019年)が国内外の映画祭で話題を呼んだ松本優作監督の最新作となる本作。オーディションで抜てきされた14歳の新人・白鳥晴都が主人公の優太役を、白鳥扮する優太に優しく接する詩織役を川島鈴遥が演じ、力強い語り口と鮮烈な映像で優太と孤独を抱えた人々の交流を描く。優太の母親役を演じた松本は「私は優太くんと監督としか一緒じゃなかったので今日オダギリさんや川島さんとの空気が本当に和やかですごく笑いあっていて、そんな現場だったんだなと思いました。きっと楽しい撮影だったんですね?」と白鳥に問うと、白鳥は「本当にみんな家族じゃないですけど、そんな感じで楽しい撮影でした」と答えた。白鳥は若葉竜也がいる中で母親役の松本に拒絶されるシーンを振り返り、「そのシーンは結構何度も撮らせていただき、その時の松本さんと若葉さんの熱量が凄くて、僕が持っている力以上のお芝居ができたと思います」と隣にいた松本に感謝した。そのシーンはYou Tubeで213万回再生されている予告編でも公開され、映画の公開前から大きな話題に。ネグレクトをする母親役という難しいキャラクターを演じた松本も同シーンに触れて、「(優太に)『帰って!』というところで優太を押し返すんですが、暴力のような暴力じゃないような。その時に優太の身体がすごく柔らかくて小さくて折れそうで、その押し返した手が拒否しているのにすごく悪いことをしているという、感じたことのないような感覚を撮影の時に覚えました」と振り返った。続けて「ネグレクトの母親を報道する時は非難の対象となりますが、母親の感情に寄り添うことをあまりしない社会なのかなと。どうしてこういう母親が生まれてしまったのかということを考えるのも大事だとあのシーンをやって実感しました。社会への問題提起でもある気がします」とネグレクトをする親たちの環境なども報道して欲しいと訴えた。また、MCから仲野太賀とのシーンでアドリブが多かったと紹介されたオダギリジョーは「太賀さんとのシーンでアドリブだったというのを今日初めて知らされました。あまり覚えていなくて」ととぼけ、「現場に猫がいたんですけど、すごく大きなふくよかな猫で僕もそれを押し出そうとしたんですけど、その柔らかな感触が。その時に僕も少し理解できた気がします。そういうアドリブだったかなと思います」の松本を真似たコメントで笑いを誘っていた。
2022年08月11日歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第二部『安政奇聞佃夜嵐』が8月5日から東京・歌舞伎座で上演されるのに先駆け、物語の主人公となる青木と神谷を演じる松本幸四郎、中村勘九郎のコメントと2ショット写真が到着した。本作は明治の初めに実在した脱獄事件をもとに、大正3(1914)年に古河新水(十二世守田勘弥)が、時代設定を世情不安定な安政期に改め、書き下ろした世話物。人足寄場(監獄)で苦役の日々を過ごす青木と神谷の2人が隅田川を渡る脱獄を計画するところから物語は始まり、2人が隅田川を泳いで脱獄するシーンは、青木と神谷による面白味あふれるやりとりが人気の名場面となっている。本作について幸四郎は「曽祖父の初代吉右衛門と六代目菊五郎で上演しているのに、知っているのは島抜けの泳いでいくところくらいで、そこが昔からすごく気になっていました(笑)。その場面の写真は「菊・吉」といえば必ず出てくるものだったので。勘九郎さんと一緒にやりたいお芝居の最たるもので、その機会がきて本当に良かった!なんでかは分からないけれど(笑)」とコメント。勘九郎は「『島抜け』というワードが出てきた時に、子供の頃に六代目(菊五郎)の曽祖父の写真集で、おじい様の泳いでいる姿と播磨屋さんが水を怖がっている写真を見て、子供心にも面白くて惹かれたのを思い出しました。子別れや敵討ちもありますが、歌舞伎ならではのばかばかしさもあって、『歌舞伎』が詰まった作品ですよね。引いて見るとちょっと間抜けな人たちの話ですが、頑張って生きている人の姿が短いなかに詰まっている気がします。」と語った。(C)松竹また「島抜けの場面の、泳げる青木と泳げない神谷の関係性をどう見せるか。『〇〇島からの脱出!』みたいな壮大な感じではないけど(笑)。やっぱりこの二人ならではの息であったり、お客様がそこで安心する、共感する意味での反応を貰える芝居にしたい。上演をあまりいろんな方でやられていない作品だからこそ、これは二人でしかできないだろというところを目指したいですね。勘九郎さんと僕の二人の芝居で歌舞伎を堪能してもらいたい!季節感をさしおいてでも、今一番そこを楽しんでいただける作品ではないかと思っています。役者が生で、舞台で、お芝居をする、芸をお見せする、それをお客様に堪能していただくというところを目指して選んだ作品です。」(幸四郎)、「幸四郎さんと僕には『かわいらしさ』があると思うんですよね(笑)。悪いやつなんだけど、どこか憎めないチャーミングさが出せたらいいなと。僕が演じる神谷は水がだめなんですが、川を渡る場面で幸四郎さん演じる青木が神谷を『安心させる』とト書きがあるので、今回は青木がいったいどう安心させてくれるのか楽しみにしてます(笑)」(勘九郎)とそれぞれ意気込みを寄せている。(C)松竹<公演情報>歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」第二部『安政奇聞佃夜嵐』8月5日(金) ~30日(火) 東京・歌舞伎座出演:松本幸四郎(青木貞次)、中村勘九郎(神谷玄蔵)ほか歌舞伎座 公式サイト:
2022年08月04日ブルーマングループ公演30周年を記念した世界最新版ワールドツアーが2022年4月、日本を皮切りにスタート。「ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN 2022」と銘打ち、仙台・東京・名古屋・大阪・福岡で全65公演が実施されることになり、2月16日に都内で制作発表会見が行われた。歌舞伎俳優の松本幸四郎が“歌舞伎界のブルーマン”として出席し、「日本をスタートの地に選んでもらえるのが光栄。僕自身、すごく喜びを感じている」と期待を寄せた。音楽、アート、コメディが融合した唯一無二のステージで、現在も進化し続けている「ブルーマングループ」。今回は公演30周年を記念し、ワールドツアー限定で“The Musician”という女性パフォーマーが追加され、力強いドラミングやパーカッションの技術を披露する。会見では海外のクリエイティブチームとリモートで対談する場面もあり、その魅力や歌舞伎との共通点などについて、話に花を咲かせていた。松本がブルーマングループの公演を初めて鑑賞したのは、2011年だといい「あの衝撃的な時間が、ついこの前のよう。興奮しましたし、素直に楽しい気持ちになれた瞬間だった」と今も鮮明な印象が残っている様子。「子どもの頃を懐かしむ感覚もありました。こんなことやってみたい、でもやったら怒られちゃうなということを見せてもらい、それも含めて笑顔になれました」と振り返った。また、「歌舞伎もまた、どれだけお客様を驚かせるか、喜ばせるか、そして感動させられるかという生きたパフォーマンス。“かぶく”という言葉もありますが、パンクに近い刺激と楽しみを感じられるエンターテインメントという点も、歌舞伎とブルーマンは根本的に近い存在だと思う」と親近感を示した。それだけに、歌舞伎ファンにも鑑賞してほしいと語り「歴史ある伝統芸能として存在する歌舞伎ですが、我々は現代のお客様に喜びと驚き、感動を感じていただくことを目指しています。そのために演出、演技、踊りがありますし、そういうエンターテインメントとしての存在感は、ブルーマンにも完全に置き換えられるもの。毎日進化し、同じ精神をもったブルーマンをぜひ見ていただければ」とアピール。会見の締めくくりには、“歌舞伎界のブルーマン認定資格”の認定証を手渡され、喜びを新たにしていた。取材・文・撮影:内田涼ブルーマングループ ワールドツアー IN JAPAN 2022■日程・会場・仙台公演4月2日(土)、4月3日(日)仙台サンプラザホール(全3公演)・東京公演4月6日(水)~5月8日(日)EX THEATER ROPPONGI(全41公演)・名古屋公演5月11日(水)~5月15日(日)愛知県芸術劇場大ホール(全8公演)・大阪公演5月18日(水)~5月22日(日)オリックス劇場(全8公演)・福岡公演5月27日(金)~5月29日(日)福岡サンパレス(全5公演)■チケット情報
2022年02月17日『あいうえおえほん』をはじめとするロングセラー知育絵本、カード、木のおもちゃなどのデザイン・制作で知られる戸田デザイン研究室が運営する「戸田幸四郎絵本美術館」(静岡県・熱海市)。開館から24年を経て、大規模な展示替えを行い、2021年12月25日から新たな展示内容で皆さまをお待ちしております。51歳でデザイナーから絵本作家に転向し、知育絵本の草分けと評されるとだこうしろう(戸田幸四郎 1931-2011)が残した原画や油絵、そして知育や自然に対する考えなど、作家の思いをより深く伝える館へと生まれ変わりました。戸田幸四郎絵本美術館■とだこうしろう(戸田幸四郎 1931-2011)について1931年、山形県尾花沢市に生まれる。農学校で学び、独学で様々なデザインを習得。東京で店舗デザインやグラフィックなど商業デザイナーとして活躍したのち、1982年、51歳で絵本作家に転向。絵はもちろん、ひらがなまでデザインした『あいうえおえほん』を出版しました。「子どもたちの学びには、まず心を動かすことが大切。」と言う信念のもと、その後も知育絵本の世界に高いデザイン性を取り入れた作品を生み出し、1990年に戸田デザイン研究室を設立。80歳で亡くなるまでに42作を発表し、そのどれもがロングセラーとなっています。デビュー作『あいうえおえほん』は今では累計100万部を超え、2019年度にはグッドデザイン賞を受賞しました。他にも宮沢賢治・太宰治などの文に重厚な絵を描いた名作絵本集や環境をテーマにした創作絵本集など出版。日本の知育絵本の草分けと評されています。■戸田幸四郎絵本美術館の誕生戸田幸四郎絵本美術館は1997年11月、静岡県熱海市上多賀の自然郷内に開館しました。1982年に初の絵本『あいうえおえほん』を出版した数年後から、戸田幸四郎は小さなアトリエを熱海に構え、創作活動の拠点とします。10年近い月日が流れた1995年、幸四郎がアトリエの近所を散歩中に見つけたのが現在の絵本美術館となる場所。著名な料理研究家の別荘があったその場所には他にも食材となるような木がたくさん生い茂っており、自然との共生を大切にしていた幸四郎は強く惹かれます。ちょうどそのころ戸田デザイン研究室では、絵本を読んでいただいている方々に原画も見ていただきたい、という思いから“絵本原画館”的な構想を練りはじめていたこともあり、戸田幸四郎絵本美術館の開館計画が急速に動き出します。建築デザインから内装、カフェのメニュー作成まで戸田幸四郎自身が行い、代表作『あいうえおえほん』や名作絵本など13作品の原画・約200点を常設展示する個人美術館として開館しました。■戸田幸四郎絵本美術館のコンセプト戸田幸四郎絵本美術館がまず来館者の皆さまにお伝えしたいのは「原画の力」。印刷には印刷の味わいや魅力がありますが、原画から見える作者の筆づかい、色彩の美しさは格別です。見慣れたはずの絵本のイラストも、原画をご覧いただくことで新しい感動を味わっていただけます。また戸田幸四郎は開館にあたり【生きとし生けるものの共生(自然との共生)】をテーマとしました。故郷・山形県尾花沢市の雄大な自然から、豊かな感受性や色彩感覚、そして生きとし生けるものの命の尊さを学んだ幸四郎が、生涯にわたり追求したテーマのひとつです。子どもから大人まで来館されるお客さまが、光の温かさや緑の眩しさ、草花の美しさ、風の音や雨の音、虫や鳥たちのさえずりを感じる心を大切にしてほしい。そんな願いを込めて幸四郎自身が建築デザインをはじめ、トータルで館全体をデザイン。緑溢れる庭や駿河湾を臨む絶景が楽しめるカフェテリアなど、自然の美しさを最大限に感じられる設計となっています。■開館から24年、初となる大規模な展示替えを実施。1997年の開館以降、ご家族連れのお客さまから美術・デザイン関連の方まで、隠れ家的美術館として多くの支持を集めてきた当館ですが、近年では戸田幸四郎の作品が知育絵本のジャンルを超え、デザインや哲学の側面から再評価いただく機会もより多くなってきました。そこで戸田幸四郎が残した思いやトータルのデザインはそのままに4つのテーマの展示室を設け、より作家性や思想が伝わる館へと大規模な展示替えを実施。キュレーションを担当したのは【デザインで人生を豊かにする】と言う理念のもと、戸田幸四郎作品をはじめとする絵本などをデザインする戸田デザイン研究室です。ご好評いただいている海を臨むカフェやここでしか買えないアイテムも揃うミュージアム・ショップ、貸し出し絵本のサービスも継続して行っています。初めてお越しくださる方はもちろん、今までご来館くださった方にも、新しい発見や感動をお伝えする美術館へと生まれ変わりました。・展示室1---戸田幸四郎について年代ごとの作品やプライベートのスケッチなど、生涯の制作物の数々を展示します。もっとも影響を受けた実兄の洋画家・戸田吉三郎の作品や敬愛するジョルジュ・ルオーの作品も常時ご覧いただけます。・展示室2---知育絵本の原画ロングセラー知育絵本の原画を展示。代表作『あいうえおえほん』は幸四郎デザインのひらがなの貴重な原画も展示します。時代を超えて愛される作品の魅力をより深くお伝えします。・展示室3---環境・昆虫絵本の原画ライフワークとも言える環境問題を絵本化した作品の原画や、写実的な細密画『昆虫とあそぼう』の原画を展示。戸田幸四郎の自然への思いが感じられます。・展示室4---名作絵本の原画知育絵本とはまったく異なるタッチで描かれた名作絵本5冊の原画をご覧いただけます。宮沢賢治『竜のはなし』や太宰治『走れメロス』などの重厚な油絵の迫力は圧巻です。■戸田幸四郎絵本美術館 基本情報・所在地 :静岡県熱海市上多賀1055-30・TEL :0557-67-1107・開館時間:10:00~16:30(最終入館16:00)・休館日 :新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面の間は毎週火・水・木曜が休館(祝日の時は開館)※2021年12月25日(土)~2022年1月10日(月)まで無休で開館。公式ホームページ: ■戸田デザイン研究室とは【デザインで人生を豊かにする】という理念のもと、戸田幸四郎作品をはじめとする絵本・カード・木工玩具などを中心に、幅広くモノやコトをデザインする小さな会社。数々のロングセラーを生みだし、代表作に『あいうえおえほん』『国旗のえほん』『リングカード・シリーズ』などがある。近年では出版・知育の枠を超えたモノづくりやコラボレーションなども行い、大人も魅了するデザインとクオリティーで幅広い支持を集めている。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月24日松本幸四郎と春日太一が出演する『時代劇づくりの裏側』の第3回が本日7月20日20時より、イープラス「Streaming+」で配信される。2020年、コロナ禍により歌舞伎座をはじめ劇場が幕を開けることができない中、舞台とは異なる側面から歌舞伎俳優に迫るオンライン配信企画が誕生。2020年10月には、歌舞伎俳優がこれまでに出演してきた時代劇について、当時の思い出や撮影秘話などを語る『時代劇づくりの裏側』が始まった。本配信は気鋭の時代劇研究家・春日太一が聞き手となり、第1回に中村又五郎、第2回には中村芝翫が出演。往年の時代劇撮影所の様子や共演した名優たちとの思い出、歌舞伎俳優ならではの芸談が織りなす濃密な時間が、視聴者から大きな評判を呼ぶ。この第3回のゲストとして発表されたのが松本幸四郎。彼の役者デビューは、当時「市川染五郎」を名乗っていた父・白鸚が主演を勤め、現在NHK-BSで再放送されている伝説的な大河ドラマ『黄金の日々』(1978年・NHK)なのだ。その最終回に翌年の初舞台を控える5歳の幸四郎は本名「藤間照薫」で出演し、親子共演が話題となった。1991年から2017年まで名乗っていた「市川染五郎」時代には数々の時代劇に出演し、藤沢周平原作の情感豊かな世界で主演した映画『蝉しぐれ』(2005年・東宝)では映画賞を受賞。映画『阿修羅城の瞳』(2005年・松竹)では劇団☆新感線で主演した舞台の映画版で同じ役を、司馬遼太郎原作の『竜馬がゆく』(2004年・テレビ東京)坂本竜馬役、夢枕獏原作の『陰陽師』(2015年・テレビ朝日)安倍晴明役は、歌舞伎と時代劇の両方で同じ役を演じている。さらに『鬼平犯科帳』長谷川平蔵役に抜擢されたことも記憶に新しい。祖父・初代松本白鸚をモデルに池波正太郎が書いた『鬼平犯科帳』には、これまで叔父・中村吉右衛門主演の『鬼平犯科帳』スペシャル版(2008年、13年・フジテレビ)に2度出演。祖父、叔父が勤めてきた長谷川平蔵役を継ぎ、歌舞伎だけにとどまらず、今後の時代劇を担う存在として注目を集めている。聞き手は、ぴあアプリ連載でもお馴染みの春日太一。時代劇への深い造詣と独自の視点で数々の著書を執筆し、2月には『大河ドラマの黄金時代』(NHK 出版新書)を、4月には『時代劇聖地巡礼』(ミシマ社)を刊行。立て続けに時代劇関連の本を執筆し、時代劇のスペシャリストとしてますます円熟味を魅せる春日太一が、松本幸四郎とともに“時代劇づくりの裏側”、そして“時代劇の未来”を語る。■配信情報『時代劇づくりの裏側』第3回7月20日(火)20時開始 ※配信時間は80分程度を予定配信場所:イープラス「Streaming+」チケット:2,000 円(税込) 7月13日(火)午前10時より発売開始。※有料配信チケットは、7月26日(月)20:00まで発売。※配信開始後、配信終了後に購入の方も、7月26日(月)23:59までアーカイブ視聴ができます。購入方法は下記サイトへ。
2021年07月20日東京オリンピックの開催まで1カ月を切った6月28日、上野で開催された日本芸術院賞の授賞式に出席された雅子さま。地紋のある素材でジャケットの裾をアシンメトリーにした新しいスーツは、前を着物の合わせのようにした和を感じるデザインだった。授賞式はコロナ禍の影響で昨年は中止されたため2年ぶりの開催となり、歌舞伎役者の松本幸四郎さんや日本画家の千住博さんら芸術の分野で業績のあった受賞者11人が出席。式後に行われた恩賜賞受賞者4人との懇談では、天皇陛下と雅子さまは作品についての説明を熱心にお聞きになっていた。お帰りの際、日本芸術院会館前に集まった人々からの歓声は自粛されたが、雅子さまは優しい笑顔をお見せになり、不安な日々を過ごす国民を励ますように手を振られていた。
2021年07月12日昨年の南座「吉例顔見世興行」以来、関西で今年初となる大歌舞伎の幕が開いた。大阪松竹座の「七月大歌舞伎」。コロナ禍で「待ってました!」の大向うの掛け声はなくとも、俳優も観客も熱い思いでこの日を迎えた。昼の部は、妖刀をめぐる物語で歌舞伎の様式美にあふれた夏芝居『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』。そして片岡仁左衛門、片岡孝太郎、片岡千之助の松嶋屋三世代がそろう粋で華やかな舞踊『お祭り』。夜の部は、明り取りの天窓の演出が印象に残る、血のつながりを越えた家族の情愛を描く『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』「引窓(ひきまど)」。そして男女の悲恋と親子の情愛を描いた上方和事の代表作『恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)』「新口村(にのくちむら)」。この『伊勢音頭』と『引窓』に、「大阪が好き」と公言する松本幸四郎が東京から出演、意気込みを語った。「七月大歌舞伎」チケット情報「上方のお芝居は僕の好きな人間味あふれるお芝居が多いように思います。客席の反応もストレートで、楽しませてほしいという積極的な気持ちを感じて、とても刺激になります」と、大阪への愛を口にする幸四郎。今回の役を演じるのはどちらも2度目だ。『伊勢音頭』は主人公の侍・福岡貢役で「絵的にとても素敵な芝居で、憧れの役でした。怒りや悲しみ、喜びなどの感情をどれだけドラマチックに動かせるかがテーマです」。『引窓』では追われる身の濡髪長五郎。「大好きなお芝居です。長五郎は強い思いを持ちながらもそれを言わない。自分の気持ちを言うまでの思いを、お客様にどうやって伝えきるかを大切に演じたいです」。ただ、観ていただきたいのは自分の演技以上に、何よりも「歌舞伎です」と強く言う。「上方色のとても強い、歌舞伎を観た実感がある演目です。やっとこの日が来たので、しっかりと歌舞伎をしたい」。現在、他劇場では定員100%で販売する劇場もある中、客席をあえて50%のままに、さらに通常なら昼夜それぞれ三幕構成が多いが、今回は二幕構成にして上演する。また「共演者同士舞台の上でしか会えないんです」。それらはすべて、お客様に安心して劇場に来てもらうため、そして歌舞伎を守っていくための対応と、苦しい中でも劇場は姿勢を崩さない。「お客様も強い思いがあって劇場に足を運んでくださっている。そういう皆さんのお目があったからこそ、初日の幕が開きました。まったく世界が変わった中で、久しぶりに大阪松竹座での歌舞伎。ここから関西でも歌舞伎が開き続けていくと思います。その瞬間を見届けに来ていただきたいです」。公演は7月18日(日)まで、大阪松竹座にて上演中。取材・文:高橋晴代
2021年07月09日時代狂言の傑作『義賢最期』の主人公・木曽先生義賢を、松本幸四郎が八月花形歌舞伎の第三部で初役で務める。人形浄瑠璃『源平布引滝』の二段目にあたる一幕で、同じく人気演目『実盛物語』はこの後に続く幕だ。兄の源義朝が討たれてしまい義賢は平家に降伏するが、病を理由に引きこもっていた。奴の折平が源氏の嫡流多田蔵人行綱であると察した義賢は、行綱に源氏再興を託し、悲劇の最期を遂げるという一幕。『義賢最期』木曽先生義賢=松本幸四郎撮影:加藤孝義賢を当たり役とする片岡仁左衛門からは、様々なことを教わったという。長袴姿で肌脱ぎとなり鎧もつけない激しい立廻り、襖を組んだ上からの戸板倒し、二重の上から前に倒れる仏倒れなど迫力満点の場面の連続だ。「なるほどこういう工夫があるのかと教わって興奮しました。そして後半の立廻りだけではなく、前半では義賢の気持ちが激しく動きます。そこでどれだけ言葉に血を通わせられるか。強い音弱い音、高い音低い音、大きい音小さい音、と本当に細かく教えていただいた。その上でその計算が見えないことが大事と言われました。台詞回しそのものに気がいってしまってはいけない。でもどんなに体の動き、感情が激しいときでも、音としてきれいに聞こえ、どこをどう切り取られても絵として美しい形でなければならないとも。またどんなに嫌な悪人でも、お客様には(善人の方より)こっちを好きになってもらわなきゃいけないと、おじさまはよくおっしゃいますね」本来は昨年四月に「四国こんぴら歌舞伎大芝居」で襲名披露興行として勤める予定だった役だ。「襲名披露に初役を、というのは普通なあまりないことで、今考えれば自分の勇気に呆れているところです。義賢は、何としても源氏を再興するのだという芯の強さがとても問われる役です。義太夫狂言としての力強さを大事に勤めたい」と幸四郎は語る。太郎吉を勤める小川大晴、小川綜真の若いふたりについては、「今のお子さんたちは本当に素直でよく出来たお子さんたちばかり。僕はちょっとなんていうか、違う子供でしたので、彼らを見て自分の子供のころを思い出すということはありませんね(笑)。成駒屋のおじさん(六世中村歌右衛門)にも『変わった子だねえ』と言われたそうです。舞台稽古が終わった後、舞台を横切って花道を通って帰ってしまったりしたので。でも当時の僕からすれば、黒衣で頭巾も下ろしているから自分の姿は見えないはずだ、なぜ叱られなきゃいけないんだと思ったのですけどね(笑)」第三部では息子の市川染五郎も出演、『三社祭』を踊る。「7月は歌舞伎座で『京人形』を踊らせていただきました。僕が17歳で勤めた役ですが、彼は16歳でチャンスをいただけて。大きくなってからの女方は初めてで、僕が勤めたときに使った団扇の髪飾りを使ったようです。『三社祭』は、今(市川)團子君とふたりで絶賛稽古中ですが、團子君は股引を破いてしまうし、染五郎は扇子を破くしと、まだ自分との闘いをしている状態ですね。とにかく稽古して稽古して成果を出してほしい。実は僕がやりたいですけどね、そこは悔しいです(笑)」稽古にたっぷりと時間をとることもできない今、新作歌舞伎の可能性についてはどう考えているのだろう。「実は昨年10月国立劇場で上演した『幸希芝居遊』はほとんど新作のようなものでした。(九世澤村)宗十郎のおじさんがなさっていたやり方をヒントに作ったものです。(役や演技、演目の)引き出しがみんなにこれだけある、いろいろな役のあそこを使う、音楽ならここを使うという”吹き寄せ”なら新作ができないだろうかと。今後は、長い芝居を短くするという方法もあるでしょうし、顔合わせで特徴を出す、若手だけでやる、全員初役など、部ごとにカラーを際立たせてやるなど、興行の方法にもいろいろ可能性があるかもしれません」昨年8月に歌舞伎座が再開され、1年が経つ。「まだまだ振り返る気持ちにはなれないですね。(コロナ禍は)現在進行中なので。そして歌舞伎も元に戻るものではない、変わっていくものだと思っています。時代が変わるとき、元の状態を維持するだけではなく何かを始めないと、常に前進していないと、止まった時点で終わってしまいますから。この1年で、そういう思いがさらに強くなりました」と思いの丈を語った。取材・文:五十川晶子歌舞伎座『八月花形歌舞伎』2021年8月3日(火)~2021年8月28日(土)会場:東京・歌舞伎座
2021年07月06日新国立劇場バレエ団による『ライモンダ』が6月5日(土)より、新国立劇場オペラパレスで開幕する。また、この度、舞踊芸術監督・吉田都と歌舞伎役者・日本舞踊家の松本幸四郎丈のスペシャル対談が実現した。本作はアレクサンドル・グラズノフの音楽が大変美しい中世十字軍の時代の物語で「プティパ最後の傑作」といわれる古典バレエだ。新国立劇場では、この格調高い古典名作を当時英国ロイヤルバレエで活躍していた吉田都芸術監督らを主演ゲストに招き2004年に初演。牧阿佐美の格調の高い振付と演出、現代的でスピード感あふれるスペクタクルな舞台展開、そしてルイザ・スピナテッリの色彩が印象的な衣裳・舞台美術は大変評判をよび、朝日舞台芸術賞を受賞した。物語は十字軍の遠征に出ているジャン・ド・ブリエンヌと密かに婚約の約束をしているライモンダが主人公。彼との再会を夢に見るほど彼の帰還を待ちわびている。サラセンの王アブデラクマンも、美しいライモンダを憎からず思っていた。ライモンダの叔母である伯爵夫人の館で開かれた宴に招待されたアブデラクマンは宝石や数々のめずらしい踊りで彼女の気を引こうとするが、そこにジャン・ド・ブリエンヌが登場して、彼女をめぐり決闘へ。見どころ幻想的な色彩の美術で描かれる、中世の華やかな歴史絵巻である。第1幕ではクラシック、第2幕ではキャラクター・ダンス、第3幕ではハンガリー風と幕ごとに異なるテイストの踊りを味わえ、スピーディーに展開するドラマと共に、踊りの醍醐味もふんだんに盛り込まれる。恋の三角関係のドラマが運ばれていく前半に対し、特に第3幕では有名な「グラン・パ・クラシック」で8組の男女カップルを従えたライモンダとジャンによる豪華絢爛な踊りは最大の見せ場だ。発表となった対談には吉田芸術監督と、6月に上演される第4回日本舞踊 未来座=祭(SAI)= 『夢追う子』で構成・演出・出演を務めた松本幸四郎丈が登場。それぞれ本番を控えるふたりのスペシャル対談は『ライモンダ』公演リーフレットに掲載される。このリーフレットは『ライモンダ』に来場すると無償で配布予定。ぜひ劇場での観劇と併せて楽しんでほしい。■公演情報新国立劇場バレエ団『ライモンダ』日程:6月5日(土)14:00~6月6日(日)14:00~6月11日(金)14:00~6月12日(土)14:00~6月13日(日)14:00~会場:新国立劇場オペラパレス※ロビー開場は開演60分前、客席開場は開演45分前。開演後は入場制限。※新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、託児サービス、バックステージツアーは当面休止。※6月5日(土)は学校団体が入る予定。
2021年05月26日新国立劇場の吉田都舞踊芸術監督と、歌舞伎俳優、日本舞踊家の松本幸四郎との対談が実現した。吉田は6月5日(土)からの新国立劇場バレエ団『ライモンダ』の公演を、幸四郎は自らが構成・演出、さらに出演も務める第4回日本舞踊未来座の公演=祭(SAI)=『夢追う子』(6月4日(金)〜6日(日)、国立劇場小劇場にて開催、チケットは発売中)を控える。ともに多くのアーティストたちを率いる立場にいる二人だ。まずは日本舞踊の印象について、「踊り方の違いはあるけれど、伝統を大切にするという意味で通じる部分があると感じます」という吉田。幸四郎も「バレエはすごく繊細で、研ぎ澄まされた力強さがあると感じる。でも、古典を進化させ、時代に対応していくという点で共通しているなと思うんです」と、舞踊芸術に携わる者として思いを分かち合う。日本舞踊協会が2017年にスタートさせた未来座の舞台は、「いろんな題材、音楽、演出を取り入れることで、新たな日本舞踊を誕生させようという公演」と幸四郎。「とにかく、日本舞踊を得意技とする舞踊家がひたすら踊る、そのパワー、エネルギーを感じていただきたい」と熱を帯びる。多くの流派から47名もの舞踊家が一堂に会する、まさに“祭り”の舞台。演出を担う者として、「できているわけではないけれど、目指すところは、出演者が『いままででいちばんいい』と言われるような代表作、自信作にする」ことだという。これを受けて吉田も、「私も、皆が気持ちよく舞台に立てるよう環境を整えていきたい」。さらには、「大切にしたいのは、目指すところを明確にすることです。皆が同じ認識でいないと、注意をしても伝わらないと思うんです」と、演出家、指導者ならではの発言が飛び交った。吉田は現役時代、新国立劇場での『ライモンダ』初演(2004年)に主演しているだけに、ダンサーたちに伝えたいことは少なくない。貴族の娘ライモンダと十字軍の騎士ジャン・ド・ブリエンヌの恋物語を描く格調高い古典作品だが、「純粋に踊りを、またストーリー展開も楽しんでいただける。ルイザ(・スピナテッリ)さんの美術、衣裳の美しい色彩感覚が素晴らしく、私自身も観るのが楽しみなんです」とアピール。コロナ禍の中での活動が続くが、幸四郎の「持ち続けていれば夢は叶う!」という力強い声が、強く印象に残った。新国立劇場『ライモンダ』は、6月5日(土)〜13日(日)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2021年05月20日初秋の松本平を満喫できる松本マラソン2021は、2021年10月3日(日)に長野県松本市でマラソンの部(42.195km)、ファミリーランの部(2km)が開催されます。開催概要についてマラソンの部は、参加費:12,000円、参加定員:8,000人、ファミリーの部は、参加費:ファミリー3,300円(子が2人の場合は4,400円)、参加定員:250組です。申し込みは、2021年4月29日10時~6月27日、 先着順なので定員になり次第、受付終了となります。国宝松本城の景観をより楽しめるコースに変更今回のコースは、松本をより一層松本の持つ魅力を堪能できる新たなコースとして大幅に変更されています。松本市総合体育館前をスタートとし、国宝松本城を1周し、中心市街へと向かいます。中盤からは、アップダウンのあるハードで走りごたえのあるコースを走行し、信州スカイパーク陸上競技場をフィニッシュします。制限時間は6時間、日本陸連公認コースです。(画像は公式サイトより)【参考】※松本マラソン2021の公式サイト
2021年04月29日歌舞伎座ではコロナ禍の中、2020年8月に公演再開し、今年1月からは席数50%、三部制の上演が続いている。そんな中、今月も松羽目物、舞踊、時代狂言に生世話物と、見どころの多い狂言建てとなっており、大看板から若手まで、実力、人気ともに備えた俳優たちが元気に顔を揃える。第一部『猿翁十種の内小鍛冶』。能の五番目もの(切能)を舞踊化した演目だ。義太夫節の節も踊りも力強い前後の場に、コミカルな間狂言が挟まり、飽きさせない三場の構成になっている。第一場は稲荷社で、一条院から三条小鍛冶宗近に御剣を打つよう宣旨が下るが、昨刀に欠かせない相槌をつとめる者がいない。その宗近の前に稲荷明神が現れ、古今の名剣について威徳を説く。ふたりの弟子と巫女が現れる間狂言があり、第三場はまさに鍛冶場。宗近と明神がダイナミックに御剣を打ち上げる。市川猿之助の童子実は稲荷明神。もう一本は『歌舞伎十八番の内勧進帳』。安宅関にかけて「またかのせき」と言われるほど上演頻度は高く人気も高い。ドラマチックな展開の面白さと長唄舞踊の要素の両方をあわせもつ、歌舞伎の古典作品の中でも傑作中の傑作。兄頼朝と不和となった源義経。武蔵坊弁慶らは山伏姿となり、義経は強力姿となって、都から奥州へと落ちる。加賀の国安宅関所で関守の富樫左衛門に咎められるのだが……。松本白鸚(A日程)と松本幸四郎(B日程)が日替わりで弁慶を勤めるというかつてない親子競演だ。白鸚はこれまで1150回弁慶をつとめており、史上最年長となる78歳での上演ともなる。第二部は『絵本太功記尼ケ崎閑居の場』。本能寺の変を題材にした全十三段の義太夫狂言の名作だ。光秀が謀反を起こし最期を迎える十三日間を一日一段という形で構成されている。十段目の「尼ケ崎閑居の場」は歌舞伎の代表的な役柄が揃い「太十」という通称で人気だ。実悪の典型となる武智光秀のスケールの大きさ、息子十次郎と許嫁初菊の悲恋、祖母の皐月、母の操という三代の女性の悲しみが描かれる。光秀の竹槍に刺された皐月は、苦しみながらも大罪をおかした息子光秀を諫める。また深傷を負って戻ってきた十次郎の戦物語も心を打つ。真柴久吉(羽柴秀吉)と佐藤正清(加藤清正)が登場し、時代物らしい歌舞伎の様式美も堪能できる。武智光秀を中村芝翫が勤める。もう一本は文楽から歌舞伎に移された竹本の舞踊で『団子売』。年の初めに餅の曲搗きをする夫婦者の団子売がにぎやかに踊る。中村梅玉、片岡孝太郎の夫婦で。第三部は『桜姫東文章』上の巻。『東海道四谷怪談』で知られる四世鶴屋南北の作。建長寺の僧と稚児が心中し、僧ひとりが生き残ってしまうが、稚児は吉田家の息女・桜姫に生まれ変わる。新清水の清玄となった僧が桜姫に再会することからドラマは始まる。剃髪しようとする姫の前に、姫と子までなした男・釣鐘権助が現れ……。大家のお姫様である桜姫が伝法な言葉遣いと姫言葉をない交ぜにする奇抜な趣向や、南北得意の生世話の手法を生かした文化文政時代の歌舞伎の代表作だ。清玄・釣鐘権助に片岡仁左衛門、白菊丸・桜姫に坂東玉三郎。1980年代の清玄桜姫といえば孝玉コンビ。このふたりの顔合わせに、歌舞伎ファン以外にも大勢が熱狂したものだ。2021年の春、ふたりの清玄桜姫に会いに行こう。文:五十川晶子公演情報歌舞伎座『四月大歌舞伎』演目【第一部】11:00開演一、『猿翁十種の内小鍛冶』二、『歌舞伎十八番の内 勧進帳』【第二部】14:45開演一、『絵本太功記尼ヶ崎閑居の場』二、『団子売』【第三部】18:00開演『桜姫東文章』上の巻2021年4月3日(土)~4月28日(水)会場:東京・歌舞伎座
2021年04月03日4月3日(土)より、歌舞伎座にて「四月大歌舞伎(しがつおおかぶき)」が開幕する。この度、公演に先立ち特別ポスター2枚が公開された。「四月大歌舞伎」は三部制(各部総入れ替え、幕間あり)で客席数は50%の904席を維持して上演される。第一部では、歌舞伎十八番の中でも屈指の人気を誇る『勧進帳』を日替りの配役で上演。 特別ボスターには、主役の武蔵坊弁慶を日替りで勤める松本白鸚と松本幸四郎の親子ふたりの臨場感が溢れる写真で、主君・源義経を命懸けで守ろうとする弁慶の鬼気迫る一瞬の表情が映し出された。かつてない親子競演となる交互出演による弁慶について、これまで1150回を演じ、本興行としては今回史上最年長での『勧進帳』弁慶となる白鸚は「覚悟を決めました」と意気込む。幸四郎も「曽祖父(七世幸四郎)、祖父(初世白鸚)、父の弁慶を目指す」と語り、 父から子、白鸚から幸四郎へ受け継がれる“高麗屋の弁慶”をお見逃しなく。もう一枚は、第三部で上演される『桜姫東文章』より、片岡仁左衛門と坂東玉三郎の“復刻版”ボスター。『桜姫東文章』は悪の魅力を放つ仁左衛門の釣鐘権助と、高貴な身分でありながら運命に翻弄されながら流転の人生を歩む玉三郎の桜姫を中心に、始終目の離せない展開が繰り広げられる、四世鶴屋南北の大傑作だ。昭和50年代より「孝・玉コンビ」として一大ムーブメントを巻き起こした仁左衛門(当時:孝夫)と玉三郎の名コンビが、大人気を博した『桜姫東文章』を歌舞伎座で上演することで大きな話題を呼んでいる。物語の前半にあたる「上の巻」上演にあたり、当時撮影されたふたりのスチール写真が特別 ボスターとして復活。ふたりが緻密に織りなす、美しくも恐ろしい人間ドラマが36年の時を経て令和の今に蘇る。なお、撮影は大倉舜二。これらのポスターは、歌舞伎座地下2階の木挽町広場や、1階お土産処「木挽町」、歌舞伎座公式インターネットショップ「かお店」などでも販売される。ぜひこの機会にお買い求めいただきたい。【公演情報】歌舞伎座4月公演「四月大歌舞伎」2021年4月3日(土)~28日(水)
2021年04月02日