撮影日数のべ3000日、総製作費35億円をかけたBBC史上最大のネイチャードキュメンタリー映画『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』が1日より公開され、週末の興行ランキングで初登場1位を飾った。その他の写真映画『ライフ』は、多様な生き物たちの生態と命の営みを最新技術を駆使して捉えたドキュメンタリー作品で、今月1日から全国310スクリーンで公開がスタート。全国的に台風接近による悪天候の影響で、全国劇場の観客動員が前週から約15%減だったにも関わらず、公開後の週末4日間で興行収入約3億5千万円、観客動員数約30万人を記録。先週のランキングで第1位だった『神様のカルテ』をおさえて週末の興行ランキング首位を獲得した。本作は、日本版の案内人に松本幸四郎と松たか子を、主題歌にMr.Childrenを起用し、公開直前には東京・六本木ヒルズで本物の象を招いた大イベントを開催するなど、幅広い層の観客にアピールする宣伝活動を展開し、作品の存在と、そこで描かれる“動物たちの生きる力”を紹介し続けてきた。その結果、公開後最初の週末にはファミリー層を中心に、都市部の劇場では20代~30代の男女が多く来場。シニア層からの支持も厚いことから平日の動員も好調で、配給側は「9月中下旬のシルバーウィークに向けた追い宣伝で、引き続き多くの来場者が見込める」と話しており、天候に恵まれれば、公開2週目に初週の動員記録を更新することも予想される。『ライフ -いのちをつなぐ物語-』公開中
2011年09月06日トータス松本の故郷・播磨での野外ライブ『歌う! トータス松本烈伝』が8月27日に行われた。今年で2回目の開催となる同イベントは、地元との連携や選曲など、よりトータス松本の強い思いが反映されたものとなった。トータス松本の公演情報オープニングはトータスの出身校である黒田庄中学校吹奏楽部の生徒達による演奏でスタート。同校校歌の歌唱へ。ちなみに、トータスが中学2年でエレキギターを買って、友人たちとバンドの練習をした場所が黒田庄中学校の音楽室だったという。制服を着た吹奏楽部の面々と赤いジャケットを着た派手な衣装のトータスとのコントラストが、時空を超えて交差しているようで、なんだかほほえましい。1曲目は『バンザイ~好きでよかった~』。トータスを含む7人編成のバンドは昨年の『マイウェイ ハイウェイ・ツアー』をベースにしており、アンサンブルには隙がない。そしてメンバーが着ている色とりどりのシャツこそは「播磨織」という西脇市を中心とした地場産業のブランド品だ。このあたりにもトータスの地元愛がにじみ出ている。中盤に差し掛かったあたりで、トータスはセンターステージへ移動。アコギ1本での弾き語りで数曲披露……する予定だった。ところが、1曲目の『借金大王』の途中でゲリラ豪雨に見舞われる。大粒の雫が身体を打ち、目の前の視界もおぼつかないほどの激しい雨に、それでもトータスは歌い続ける。2曲目には予定になかったRCサクセションの『雨上がりの夜空に』をすぶ濡れになりながら熱唱。自身が音楽を始めたきっかけでもある曲に、オーディエンスも大合唱で応える。ライブ終盤には、アカペラ・ツアーを共にしたコーラス隊「ハッピー・アワーズ」から3名が加わり『愛がなくちゃ』『クリア!』『ガッツだぜ!!』などを披露していった。ウルフルズ時代の曲とソロ曲、さらに予定外のRCサクセションのカバー曲と、トータス松本が辿ってきた道のりを凝縮したライブとなった。なお、トータス松本は10月より自身初となる弾き語りツアーを行う。また、11月3日(木・祝)に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールで開催されるぴあ主催の音楽イベント『ぴあ39th FAREWELL〝39-THANK YOU-〟~車輪小僧の大回転~』に出演が決定した。チケットは10月1日(土)より一般発売開始。チケットぴあでは、9月1日~9月8日(木)まで先行抽選(第3次プレリザーブ)を実施している。
2011年09月02日ネイチャードキュメンタリー『ライフ −いのちをつなぐ物語−』の“アニマル”プレミアイベントが8月29日(月)、都内で開催され、犬や馬、ヤギなどに加え本物の象が来場!ゲストの土屋アンナと共にグリーンカーペットを歩いた。BBCが撮影日数3,000日、製作費35億円を費やして史上最大規模で製作したドキュメンタリー。動物たちと同じ目線で親から子へ、命を紡いでいく動物たちの姿をカメラにとらえている。この日は動物好き、もしくは動物に関わりの深い著名人がそれぞれ動物たちを連れて来場。中でも山本梓、森泉、プリンセス天功はそれぞれ自宅で飼っている犬、インコ、フクロウを伴って登場した。土屋アンナは映画『星になった少年』でもおなじみの象のランディくんとグリーンカーペットを闊歩。“美女と象”の組み合わせに開場からは大歓声がわき起こった。壇上に上がった土屋さんは「すごくかわいい!目がキレイ」と大興奮。映画についても「動物たちはものすごく考えていて、ものすごく繊細。自然のルールで生きているのだということを考えさせられた」とうなづいた。ほかにアニマル浜口はソフトバンクのCMでおなじみのカイくんの親戚である白い北海道犬を連れ、気合い10連発をお見舞い。まもなく開催のレスリングの世界選手権に向けて劇中の動物たちさながら“親子愛”での飛躍を誓った。元プロ野球選手で“ハマの大魔神”こと佐々木主浩はミニチュアホース、お笑いコンビ「ドランクドラゴン」(鈴木拓、塚地武雅)はヤギ、そして韓流歌手のJUNOはリスザルを同伴。一方、猫ひろしは自ら猫の被り物で登場し、プロレスラーのタイガーマスク&獣神サンダーライガーも壇上へ。東京のど真ん中での動物&人間入り乱れてのプレミアに会場は大きな盛り上がりを見せた。『ライフ −いのちをつなぐ物語−』は9月1日(木)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開。■関連作品:ライフ −いのちをつなぐ物語− 2011年9月1日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© BBC EARTH PRODUCTIONS(LIFE)LIMITED MMXI.ALL RIGHTS RESEVED.■関連記事:なでしこ丸山、動物に例えるなら「監督はゾウ、澤さんはイルカ」最新鋭の技術によって捉えた奇跡の瞬間『ライフ』試写会に10組20名様ご招待松本幸四郎&松たか子による“父娘”ナレーションを監督が絶賛!幸四郎&松たか子が親子でナレーションで共演!娘へのストレートな質問に父、苦笑
2011年08月29日BBCのドキュメンタリー映画『ライフ −いのちをつなぐ物語−』公開を記念して、デザイナーのキム・ジョーンズが発起人となり、人々に生きるエールを贈る“ワンライフ・プロジェクト”が発足。8月8日(月)、英国大使館で行われた発足記念会見に映画のメッセージに賛同したVERBAL(m-flo)と女子サッカー日本代表の丸山桂里奈が出席した。3,000日にわたって全大陸の動物たちの、新たな世代へと命をつないでいく営みを映像に残した本作。世界的なデザイナーとして活躍し、今年3月にはLOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のディレクターに就任したジョーンズが、映画のメッセージに感銘を受けて今回のプロジェクトが発足し映画のオフィシャルTシャツをデザイン。プロジェクトを通じて“生きる力”を伝えることを目的に、このTシャツの販売1枚ごとにスペシャルノートブック1冊が東日本大震災の被災者の子供たちに届けられる。映画に感動したという丸山さんは「私もみなさんにエールを送れたらと思い、こちらにうかがいました」と挨拶。特に劇中のチーターの兄弟の物語が感動したそうで「兄弟3人が自分たちより大きなダチョウを仕留める姿から、ひとりでは勝てなくても力を合わせていく強さを感じました」となでしこジャパンの一員としての激闘に重ね合わせて感じるところがあったよう。ジョーンズの手によるゴリラのTシャツで登場したVERBALも、映画から多くのメッセージを受け取った様子。「失敗を繰り返すことで新しいことが見えてくる。続けていくことが大切。『前を向いて続けていこうよ』というのが僕からのメッセージ」と呼びかけた。自らを動物に例えるなら?という問いに、さすがフォワードだけあって丸山さんは先述のチーターを挙げた。さらに、日本代表の佐々木監督については「(映画の中で)家族愛を見せているので」とゾウに、澤穂希選手については「外見は優しそうだけど闘争心を持っている」とイルカに喩えた。まもなくロンドン五輪のアジア予選が始まるが丸山さんは「ロンドンの金メダルを獲りたい」と再び世界の頂点に立つことを目標に掲げる。一方のVERBALは「新しいアーティストの発掘や今後のニューカマーを世に送り出す手伝いができれば」と今後の目標を明かしてくれた。『ライフ −いのちをつなぐ物語−』は9月1日(木)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。■関連作品:ライフ −いのちをつなぐ物語− 2011年9月1日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© BBC EARTH PRODUCTIONS(LIFE)LIMITED MMXI.ALL RIGHTS RESEVED.■関連記事:最新鋭の技術によって捉えた奇跡の瞬間『ライフ』試写会に10組20名様ご招待松本幸四郎&松たか子による“父娘”ナレーションを監督が絶賛!幸四郎&松たか子が親子でナレーションで共演!娘へのストレートな質問に父、苦笑
2011年08月08日BBC製作のネイチャードキュメンタリー『ライフ −いのちをつなぐ物語−』の完成披露試写会が7月5日(火)、都内劇場で開催。来日中のマイケル・ガントン&マーサ・ホームズ両監督に、日本版でナレーションを務めた松本幸四郎と松たか子が舞台挨拶を行った。製作費35億円、撮影期間3,000日、製作期間6年と、これまでのBBCのドキュメンタリーと比べて随一の時間、費用をかけて動物たちの命の営みを追った本作。この日の完成披露が世界のどこよりも早いプレミア試写となる。ガントン監督は「コンバンハ」と覚えたての日本語で挨拶し「こうして日本で上映できることを嬉しく思います」と語った。震災後の大変な状況の中での来日となったが「日本に来ない理由がありません。迷いは全くありませんでした」と笑顔を見せ、共同監督のマーサも「この大変なときに足を運ぶことができて感じるところがあります」とうなづいた。幸四郎さんは作品について「この映画には人間は出てきませんが、もの言わぬ動物たちの営みの後ろから『これでいいんですか?』という声が響いている」と力強く語る一方、「ゴリラやライオンの父親たちが出てきますが、去っていく父の後ろ姿の寂しさを味わいつつ、ナレーションを入れました」とユーモアたっぷりにアフレコをふり返った。松さんは映画の原題が「ONE LIFE」であることに触れ「深い意味を持っているのではと興味深く感じていました。動物たちは与えられた特性を生かして、生ききっていますが、人間たちは生ききっているのか?考えさせられると思います」としみじみと語った。ちなみに本国イギリスでのオリジナル版では、ダニエル・クレイグがひとりでナレーションを担当しており、父と娘でナレーションを入れているのは日本版のみ。マーサは「生誕から死まで、子にいかに命をつないでいくかがテーマであり、その意味でピッタリでした。勇敢で完璧な試みであり、私は日本語は分かりませんが、我々が考えていた声のトーンで、思いが込められていたと思います」と幸四郎さんと松さんのナレーションを絶賛した。この日は、“スペシャルサポーター”として、本作が撮影で足を踏み入れたのと同じ18の国の子供たちが、動物たちの着ぐるみを被って登場。真ん中に、猫の被り物でほかの子供たちより少しだけ背の高い男性が混じっていたが、その正体は――猫ひろし!映画に感動したという猫さんは監督たちにお礼を言うべく来場し「猫かぶってます(笑)!」と挨拶。猫さんと言えば国籍の変更も視野に入れ、BBCのお膝元のロンドンで開催されるオリンピックへの、マラソンでの出場を目指していることでも話題に。この日も「カンボジア人として走れるように頑張ります!」と力強く決意を語っていた。『ライフ −いのちをつなぐ物語−』は9月1日(木)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。■関連作品:ライフ −いのちをつなぐ物語− 2011年9月1日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© BBC EARTH PRODUCTIONS(LIFE)LIMITED MMXI.ALL RIGHTS RESEVED.■関連記事:幸四郎&松たか子が親子でナレーションで共演!娘へのストレートな質問に父、苦笑
2011年07月05日『さや侍』の公開を控える松本人志の監督デビュー作『大日本人』がハリウッドのメジャースタジオのひとつコロンビア映画によってリメイクされることが発表された。松本監督自ら主演した本作。“6代目大日本人”として防衛庁の依頼を受け日本各地に出没する“獣”と戦うも、世間の厳しい目にさらされる主人公の悲哀を描き、90万人を動員し、興行収入は12億円を突破。既成概念にとらわれないオリジナリティあふれるその手法は大きな話題を呼んだ。松本監督は先日、NHKの番組に出演した際「3日後に重大発表がある」と語っていたが、それがこの『大日本人』ハリウッドリメイク決定の一報であるようだ。プロデューサーを務めるのは、映画製作会社「オリジナル・フィルム」の創立者で、世界的なヒット作となった『ワイルド・スピード』シリーズや、『アイ・アム・レジェンド』、『グリーン・ホーネット』などの大作を手がけてきたニール・H・モリッツ。『アイ・アム・レジェンド』、『グリーン・ホーネット』はいずれもリメイク作品であり、また、コロンビア映画もこれまでに、清水崇監督のホラー映画『呪怨』のリメイクにあたる『The Grudge』、続編『The Grudge 2』を製作している。彼の下で『大日本人』がどのような変貌を遂げ、ハリウッド作品として仕上がるのか楽しみなところ。脚本を担当するフィル・ヘイとマット・マンフレディは、2002年にはジョン・キャロル・リンチ出演の映画『バッグ』で数々の映画祭で受賞し、スリラー映画『イーオン・フラックス』、大ヒット映画『タイタンの戦い』の脚本も手がけてきた俊英コンビ。『大日本人』、2作目の『しんぼる』共に海外の映画祭で高い評価を受け、まもなく公開の『さや侍』もロカルノ国際映画祭においてインターナショナルプレミア上映が決定するなど、3作品で世界にその名を轟かせる松本監督。リメイクにあたってはハリウッドスターが主役を張ることになるのか?松本監督自身はどのように関わっていくのか?など大いに気になるところだ。■関連作品:さや侍 2011年6月11日より全国にて公開© 2011「さや侍」製作委員会大日本人 2007年6月1日より東劇、なんばパークスシネマにて先行公開、6月2日より全国松竹系にて公開©YOSHIMOTO KOGYO CO.,LTD.2007■関連記事:“切腹を申し付ける!”『さや侍』音声ストラップを5名様プレゼント松本人志、『さや侍』で「理想の娘」を描くも子役からは主演男優に鋭いダメ出しが…待望の松本人志監督第3弾!!『さや侍』試写会に10組20名様ご招待松本人志監督『さや侍』予告編が到着!りょうや板尾創路らの姿も松本人志監督『さや侍』特報が解禁!メガネの主人公、いきなりふんどしで…
2011年06月06日歌舞伎役者の松本幸四郎とその娘・松たか子が、親子でBBC製作のネイチャー・ドキュメンタリー映画『ライフ -いのちをつなぐ物語-』の日本版ナレーションを務めることが決定。5月28日(土)に都内でアフレコ収録の様子が報道陣に公開され、作品に対する熱い想いや父娘共演について語った。最新のカメラ技術を駆使し、3,000日もの撮影期間を経て、地球上の全大陸の陸海空の生き物たちが自然界を生きていく姿を捉えた本作。幸四郎さんと松さんは、それぞれのパートを分担しつつ、2人で1作の映画のナレーションを務めあげる。幸四郎さんは、今回の仕事を引き受ける上で「まずこの映画が素晴らしかったこと」、「震災のこと」、そして「娘のたか子が『やりましょう』と言ってくれたこと」と3つのポイントがあったことを明かす。特に、映画の中で描かれる、命が繋がれていくさまは、歌舞伎の世界で名を繋いでいく自らと重なるところがあったようで「昔、父に『襲名の“めい”は、“名”ではなく“命”』と教えられたことがあったのを思い出しました」と感慨深げに語った。元々、BBCのドキュメンタリーが大好きだったという松さんは、オファーが届くとすぐに参加を決断したそうで「めったにないこの機会で、父と一緒に作り上げていければ」と笑顔を見せた。原発問題が日々報じられているが、幸四郎さんは「エネルギーの問題についての話題が毎日飛び交っていますが、本当のエネルギーは我々一人一人の心と体にあるもの。それは人間ひとりが生きるに足るエネルギーであると思います」と語る。松さんも「エネルギーを最大限に使いこなしている動物たちが映画の中に出てきます」とうなづく。さらに映画の中の動物たちの姿に、幸四郎さんは“父親”としての自らを重ねた部分もあったようで劇中のゴリラやライオンの例を挙げ「我々の世界も、動物の世界も“父”というのは後ろ姿が寂しいもの。哀愁を感じました」としみじみ。また、“いのちをつなぐ”ということで、松さんには「新しい命は?」という質問も飛んだが「まだ宙に浮いています(笑)。そのときではないんだなと思います」とサラリ。隣の幸四郎さんは「父親には刺激の強すぎる質問で…」と苦笑いを浮かべていた。『ライフ -いのちをつなぐ物語-』は9月1日(木)より全国にて公開。■関連作品:ライフ −いのちをつなぐ物語− 2011年9月1日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© BBC EARTH PRODUCTIONS(LIFE)LIMITED MMXI.ALL RIGHTS RESEVED.
2011年05月30日何かを頑張るとき、そこにはいつもモチベーションが存在します。そのモチベーションにも、「育ててくれた両親のため」、「日本の未来のため」といった大義名分の通った立派な目的もあれば、「目先のお金のため」、「好きな異性と付き合うため」といった己の欲望を満たすためのよこしまな目的もあるはず。そんなよこしまな目的のために頑張った人たちにお話を聞いてみました。■「大トロが食べたかった少年」(26歳/男性)小学5年生のころ、父とおすし屋へ行きました。初めてのカウンター席で、値段の書かれていないすしを注文するという緊張感を味わいつつも、「たまご」、「いか」といった安いネタを注文。すると、父から「生徒会長に立候補するなら大トロを食べてもいい」という悪魔のような条件を突き付けられました。悩みましたが、どうしても食べてみたかった大トロを食べて、生徒会長に立候補。僕が、突然、生徒会長に立候補した動機が大トロだったことは先生にも言えませんでした。食欲という名のモチベーション。子どもであれば、もっとも強い目的になるのかもしれません。■「好きな女優のために歌舞伎を学んだ青年」(28歳/男性)中学から高校にかけて、女優の松たか子さんのことが大好きでした。当時、好き過ぎて、どうしたら彼女に認めてもらえる男になれるかを考え続けていました。あるとき、彼女の父親が松本幸四郎さんで歌舞伎役者だということを知りました。気付くと、歌舞伎の勉強を始めていました。かなり遠回りかもしれませんが、まずは父親に認めてもらうことを想定した努力だったようです。モチベーションがどうあれ、自ら日本の伝統芸能を学ぶ姿勢は、間違いなく男を上げたのではないでしょうか。■「カクテルを覚え過ぎた女」(23歳/女性)友人とたまたま入ったBARのバーテンダーのことが好きになってしまいました。それ以降、個人的に店を訪れていたのですが、カクテルのことをもっと知っていた方がバーテンダーと話が弾むかもしれないと思うに至りました。本屋でカクテル本を買いあさり、片っぱしからカクテルの種類とウンチクをマスター。結果、カクテルの知識をしゃべりたくなり過ぎてしまい、なんとなく嫌みな客になってしまいました。知識は溜め込むと、放出したい、しゃべりたいという欲望に変ぼうするのかもしれませんね。何事も頑張り過ぎはよくないということでしょうか。■「トレースの技術を高めた男」(22歳/男性)兄貴が部屋に隠し持っているエッチな漫画をどうしても手に入れたかった中学時代。さすがに盗むわけにはいかないので、兄貴の部屋に忍び込んで、トレース(複写)して自分のものにしていました。兄貴が部屋にいない限られた時間の中で、いかに正確なトレース(複写)をするかが、僕なりの闘いでした。おかげさまで、トレースの技術は上がりましたが、それ以降、僕の生活には何も役に立っていません。よこしまな目的として無視できないことの一つに性欲があります。特に男性は、この目的のためであれば、かなり盲目になれる生き物です。■「出来レースを仕組んだ女」(29歳/女性)いつも幹事になって合コンを開催しています。誰もやりたがらない幹事をあえて率先してやるのは、もちろん見返りがあるから。たまに、私の主催した合コンを通じてカレシ持ちになった女性ばかりを集めて合コンを開くことがあります。つまり、「私だけがフリー」という奇跡の布陣で出来レースの合コンに臨むのです。これまでの成功率100%です。たしかに、尽力してくれた方からのお願いを断ることはできません。合コンがうまくいかないと嘆く皆さんは、まずは自分の外堀を埋めるように、周りの友人を幸せにするということから始めてもいいかもしれませんね。皆さんのよこしまな目的とそのための努力を見て来ました。他人から見れば、確かによこしまに映る目的かもしれませんが、本人にとっては、どれも切実な目的のように思えました。頑張る姿は美しいと言います。その姿勢が美しければ、目的までも輝いて見えるものです。美しくありましょう。すべてはそれからです。(フルタジュン/劇団フルタ丸×プレスラボ)【関連リンク】【アンケート】2011年の目標をもうあきらめてしまった人は?【コラム】2010年も半分以上終わりましたが……今年の目標は達成できた?【コラム】渋滞を予測するお仕事、『渋滞予報士』って知ってますか?
2011年05月24日