韓国を代表する写真家クー・ボンチャンの写真展「白磁:White Vessels」が、4月27日から5月16日まで渋谷ヒカリエ8階の8/ART GALLERY/Tomio Koyama Galleryにて開催される。白磁は、かつて王朝貴族に愛用され、近代では広く庶民にも親しまれてきた朝鮮文化を代表する陶磁。その飾り気のない素朴な陶磁は欧米や日本の民藝運動家たちを魅了し、熱心に収集されてきた。そのため白磁の面影を偲ぶことができるのは、今となっては主に海外における美術館の収蔵品となっている。その経緯を知ったクー・ボンチャンは、海外に散逸してしまった母国の遺産を追い求め、美術館やコレクターのもとに赴いては、白磁の持つきめ細やかな肌合いや表情のひとつひとつを丹念に自身のカメラに収め、写真作品として残してきた。今回開催される写真展では、クー・ボンチャンが日本民藝館の協力を得て、柳宗悦の収集した白磁コレクションを06年に撮り下ろしたシリーズ「White Vessels」の作品を出展。プリント制作会社・アマナサルトがクー・ボンチャンとともに厳選し、15年に新たに制作したプラチナプリント作品13点が展示される。白磁が湛える歳月を経た独特の質感と、素朴でありながらも繊細な美しさを感じ取ることができる作品がそろえられた。【イベント情報】クー・ボンチャン 写真展「白磁」会場:8/ART GALLERY/Tomio Koyama Gallery住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階会期:4月27日~5月16日時間:11:00~20:00会期中無休
2016年04月27日鳥取に日本で最初に出来た民藝店があるのをご存知だろうか。銀座にもその支店がある「鳥取たくみ工芸店」だ。同店を創業した鳥取市出身の吉田璋也は、日本の民藝運動を率いた柳宗悦から直接教えを得た人物。晩年まで、医師として鳥取で務め、一方各地の作り手に民藝運動のプロデューサーとしてアドバイスした吉田の教えは、今もなお鳥取の地に息づいている。吉田の熱心な活動に加え、かつて交通が不便であった鳥取では、自分たちの土地にあるもので必要なものを作るという姿勢が根付いており、今もなおクラフトが盛んな土地柄だ。今回訪ねたのは、1945年に開窯した「因州・中井窯」。そこで、3代目・坂本章さんに窯を案内してもらった。窯では黙々と作業が続けられている中井窯では、緑、白、黒の色使いが印象的なモダンな器を作陶している。深く、しかし澄んだ色合いをみせる釉薬には、なるべく地元の天然素材を使う。例えば、農業を営む家が多い地域性を活かし、稲藁(いなわら)の灰、山林に育った広葉樹木の灰をつかい「白」の釉薬を調合するというように。緑、白、黒の色使いが中井窯の器の特色の一つ「ここの器は、自然にあるものを使って成り立っている焼き物ばかり」だと彼は話す。自然素材から作る釉薬は、気温や湿度などの環境の変化にも敏感だ。そのちょっとした変化が映された器には、どれ一つとして同じものはない。その感覚が、中井窯の器を手に取る人の心を掴むのかもしれない。また、窯の敷地内に2012年にオープンしたギャラリーショップには、手に届く価格で日々の食卓を彩るお皿、湯のみ、徳利、コーヒーカップなど、幅広い世代に愛される器が並ぶ。その中にはミルクピッチャーのように現代の暮らしに応えるような器も見られる。そこで、坂本さんに「どのアイテムが新しい型なのか」と尋ねると「どれが新しい、どれが古典という線は引きがたい。ただ、頭の中にいつも創作のチャネルがあって、ふとした時にそのスイッチが入る感覚で新たな器が生まれるんです」と返ってきた。そして、「いつの時代も、試行錯誤して新しい要素を加えていかなければ、伝統として残れない。諦めないこと、続けること、何か次の一手を打つこと。待っているだけでは、民藝に発展はない」と続ける。この思いが、民藝とデザインを出合わせ、現代の暮らしに寄り添う器を生み出したのだろう。窯の敷地内にはギャラリーショップもある坂本さんは、「生まれた時からここの器が日常だった。いいも悪いもない」と作陶をはじめたきっかけに話が及んだ時に話してくれた。暮らしの中で、その器を使い、この地の土に触れること。手を通じ、目を通して中井窯の器に触れてきた彼だからこそ、見いだした境地がそこにある。中井窯を語る上で欠かせない緑、白、黒の三色に掛け分けされた丸皿。その皿を手にして「ここにはもう何も足しません。引いて引いて、ここに何もかもがあるから」と語る坂本さん。もし鳥取を訪れたなら、足を伸ばしてもらいたい場所の一つだ。【窯情報】住所:鳥取県鳥取市河原町中井243ー5OPEN:9時~17時(不定休/訪問時は要連絡)URL:
2016年03月21日人気俳優への登竜門といわれるスーパー戦隊シリーズ。柳美稀さんは、2月に始まった『動物戦隊ジュウオウジャー』でヒロインを務める。「モデルとして活動してきたので演技経験が少なく、オーディションの結果を聞いた時はまさかと思いました。クールな役柄だから、この甘さ控えめの顔がよかったのかも(笑)」。公開間近の映画『セーラー服と機関銃―卒業―』では訳ありの少女を熱演。「自分とかけ離れた役を演じるのは面白いです。でも、普通の女の子役もやってみたいな。王道の恋愛モノとか!」◇やなぎ・みき1997年生まれ。2014年にモデルとしてデビュー。映画『セーラー服と機関銃―卒業―』は3月5日公開。◇海に行くのが一番のリフレッシュ法!◇コーディネートが寂しい時の救世主。◇実家で飼っている猫の小太郎♪※『anan』2016年3月9日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・豊田有紗文・間宮寧子
2016年03月05日独特の色彩感覚が魅力のケーキを作り続けるパティシエール岩柳麻子が新店・パティスリィ アサコ イワヤナギ(PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI)を東京・世田谷(東京都世田谷区等々力4-4-5)にオープンした。岩柳は服飾の学校で染色デザインを学んだ後、フランスに赴き独学でケーキの勉強を積んだシェフパティシエ。2005年には、武蔵小山に自身がシェフパティシエとして構える「パティスリィ ドゥ・ボン・クーフゥ(patisserie de bon coeur)」をオープンした。その独特の色彩感覚が注目されており、年に2回の新作コレクションを発表するなど新しいアウトプットにも取り組んでいる。「ケーキづくりで最も大切にしているものはリズム」と言う岩柳。パティスリィ アサコ イワヤナギでは、素材、味覚、食感、配色、構成のリズムによってひとつの物語となるようなケーキづくりを行っていく。旬の果物を用い、季節の移ろいが感じられる四季に根ざしたケーキや、バター香る焼きたての焼き菓子などが展開される。自身の名を冠したショップをオープンするにあたり岩柳は「新たな出会いに心を躍らせ、まだ見ぬケーキに思いを馳せる。その人が求める、その物の魅力を引き出す、ケーキをカタチにしていきたい。それが目の前に現れたときには、思わず食べずにはいられなくなる。そんな誰かが幸せそうに頬張る姿を思い浮かべながら、思い出に残るケーキをお届けできるよう、私にしかつくれないケーキを追求していきます」とコメントしている。
2016年01月26日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ(NADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)です。■『芹沢けい介 文様図譜』芹沢けい介(けいは金偏に圭、以下省略)型絵染(型染)の人間国宝として知られている染色家、芹沢けい介。生涯の師である柳宗悦と沖縄の染物・紅型(びんがた)に出会ったことを契機に、型染めを中心とした染色の道を歩み始める。型染のすべての工程を一貫して手掛け、その仕事を創造的な領域に高めた。芹沢の模様には、文字、植物、人物、風景など日々見たもの、感じたもの、考えたものがそのまま文様になっているようだ。元々画家志望で幼少時より画才が認められる程の腕の持ち主であり、植物や静物の写生は欠かすことなく生涯続けられ、その丁寧な仕事ぶりは文様の形の細部にも見ることができるだろう。本書は、彼の創造性豊かな眼を通して形作られた文様図譜が多数掲載されており、“生活の美”を体現している日々の暮らしも紹介されている。芹沢ほど制作に真摯に向き合い、乱れたものを一切許さなかった人は珍しい。文様の大小を問わず、高い品位と完成度を誇る作家の姿がここにはある。ナディッフ モダンでは、1月31日まで「手仕事フェア」を開催中。“民藝”に関する書籍や、芹沢けい介がデザインした図案を用いた手ぬぐいや風呂敷を紹介している。【書籍情報】『芹沢けい介 文様図譜』著者:芹沢けい介 芹沢けい介美術館(静岡市立) 東北福祉大学芹沢けい介美術工芸館発行:平凡社ソフトカバー/128ページ/B5発刊:2014年9月価格:税込1,728円【イベント情報】「手仕事フェア」会期:12月26日~1月31日会場:ナディッフ モダン(NADiff modern)
2016年01月21日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は愛知・名古屋の支店・ナディッフ愛知(愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター地下2階)です。■「柚木沙弥郎 92年分の色とかたち 」柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)は、1922年生まれ、現役の染色工芸作家。柳宗悦の著書や和紙に大胆な民芸模様を型染めした芹沢けい介のカレンダーとの出会いが転機となり、当時勤めていた岡山・倉敷の大原美術館を退職し、芹沢けい介に師事。20代半ばから染織家としての道を歩み始め、日本における型染の第一人者として評価を得ている。本書は、おおよそ70年に及ぶ創作活動のダイジェストの他、松本や盛岡といった所縁の地も紹介。また、その審美眼で収集した世界中の民芸品が本人のコメントと共に掲載されており、会話を交わしながら目の前でコレクションを一つずつ紹介されているかのような感覚が味わえる。外から与えられた地位やジャンルに捉われず、自身の中で新たな手法や素材を切り拓き、近年では人形などの立体作品も発表する柚木沙弥郎。彼の飽くなき好奇心の源となる日常、またその思考を垣間見ることができ、アーティスト・柚木沙弥郎のエッセンスがコンパクトにまとまった1冊となっている。またナディッフ愛知店内では、6月中旬から7月下旬に「手しごとフェア」を開催予定。同フェアでは、柚木沙弥郎の雑貨を取扱う予定だ。【書籍情報】「柚木沙弥郎 92年分の色とかたち 」編集:柴田隆寛、熱田千鶴写真:木寺紀雄出版社:グラフィック社言語:日本語ハードカバー/160ページ/212×150mm発刊:2014年価格:2,200円
2015年05月28日東京都・駒場の日本民藝館は、思想家・柳宗悦の蒐集した民藝品の中から、「愛らしさ」を感じる品々を展示した「愛される民藝のかたち -館長 深澤直人がえらぶ」を開催している。会期は6月21日まで(月曜休館、但し祝日の場合は開館し翌日休館)。開館時間は10:00~17:00。入場料は大人1,100円、高大生600円、小中生200円。同展は、日本民藝館の収蔵する、1万7,000点あまりの柳宗悦による蒐集品の中から、顕著に「愛らしさ」が滲み出す150点あまりの品を展示するもの。柳宗悦の蒐集品を眺めていると感じられる、人を拒絶しない愛くるしさ、「かわいさ」に焦点を当てた展示となっている。一見軽率な意味に聞こえる「かわいい」であるが、柳氏の説く「平和思想」や「愛」とも密接に関係している言葉だという。同展の開催に際し、日本民藝館五代目館長の深澤直人は次のように語っている。「蒐集品を眺めていると人を拒絶しない愛くるしさが滲みでてくるのがわかります。ゆるい、素朴、飾らない、研ぎ澄まされない、暖かい、そして愛くるしい。これらは雅で荘厳な美とは異なります。Cool/かっこいい、に対して、Warm/暖かい、なのです。Cherishということがありますが、これは希望や感情を心に抱く、胸にしまっておく、あるいは人や物を可愛がる、大切にする、愛情をこめて世話をするという能動的で感情的な意味があります。またPreciousという言葉には大切な、希少な、かけがいえのない、宝物、大事な、いとしい、かわいい、あるいは、ぎこちないといった、物から感じ取れる感覚的な意味があります。柳の蒐集熱にはこの三つの言葉、Warm、Cherish、Preciousが当てはまるのではないかと思います。」写真提供:日本民藝館
2015年04月06日柴咲コウさん、柳楽優弥さんと言えば、シリアスなお芝居の似合う美男美女俳優のおふたりですが、そんなイメージを覆すようなTVCMがいま放送中です。柴咲さんが演じているのが「略奪する女」。柳楽さんが演じているのが「略奪される男」。これは、新感覚リアルタイムストラテジーゲーム「クラッシュ・オブ・クラン」のお話です。このゲームでは、自分の村に防衛施設を建設し、ほかのプレイヤーの攻撃から村を守ったり、ほかのプレイヤーの村に攻め込んで資源を奪い、村を強化・拡大していきます。「略奪する女」篇では、イギリスの邸宅で、フランスの街中で、アメリカのオフィスビルで、資源を略奪されて落胆する人々がいる一方、日本にいる柴咲さんは、略奪を成功させ、「いただきました!」「ゲット、ゲット」と大喜び。無邪気に喜ぶ笑顔がとてもかわいい柴咲さんが見られます。「略奪される男」篇では、イタリアのカフェで、タイの屋台で、インドのタージマハール前で、資源の略奪を成功させて喜ぶ人々の姿に反し、略奪されたことに気づきショックで思わず声をあげる柳楽さん。この柳楽さんのショックと驚愕の表情には、見ているこちらがビックリするほど。いつものクールでイケメンの柳楽さんはどこへやら。そんなにショックを受けるほど、のめり込んでしまうゲームのようです。「世界各国篇」では、ドレッシーな衣装をまとった柴咲さんと柳楽さんが登場。ニューヨークの街角やモスクワの赤の広場、ロンドンブリッジ、エジプトのピラミッド前から、スマホを手に日本のみなさんへ語りかけます。「クラッシュ・オブ・クラン」が、世界中のさまざまな人から愛される、名実ともにNo.1ゲームであることが伝わってきますが、実はそれらの各国の背景は、渋谷のスクランブル交差点に設置された描き割りのセットであったというオチが。描き割りであることをまるで感じさせない、おふたりの演技にも注目ですね。これらのCMで共演した感想として、柴咲さんは「(柳楽さんが)久しぶりのCM撮影だったらしく、緊張してるって言ってて。いつもこんな感じだからドラマの撮影の時とそんなに変わらない感じでした」と笑ってコメント。また柳楽さんも、「ガチガチですね。僕もそんな相談するくらいキテたので、(柴咲さんから)勇気を与えられた、という感じです」と笑顔。ゲームの主要キャラクターの好みについての質問になると、柴咲さんは「やっぱり女の子。アーチャー」と回答。柳楽さんからは、「バーバリアン。ムキムキ。強そう。タフ!」という答えが。CMを見て気になった人は、ぜひお気に入りのキャラクターを見つけて、略奪に参加してみては?【アプリ概要】アプリ名:クラッシュ・オブ・クラン価格:無料ダウンロードはこちらから( iOS 、 Android )
2015年02月24日伊勢丹新宿店にショップを構える「バジーレヴェントット(BASILE 28 VENTOTTO)」「ベータ(β)」「アルチザン(ARTISAN)」、「ギャバジンK.T(Gabardine K.T)」の4ブランドは、青森の伝統技法「こぎん刺し」を現代のファッションに昇華させたアイテム各種を販売する。販売期間は10月15日から10月21日まで、販売場所は本館4階ステージ#4。この取り組みは、日本の伝統や文化にスポットを当てた「イセタン ジャパンセンセィズ(JAPAN SENSES)」とのプロモーションの一環。「こぎん刺し」は、その昔、青森県津軽地方で、綿の栽培が困難であったことと、「農業倹約分限令」によって農民の衣類に制約があったことにより、農民達が目の粗い麻布でできた着物(こぎん/小布)に麻糸を差し込み、布目を補強して保温性を高める工夫を凝らしたことによって生まれたものだ。やがて明治に入ると、刺繍糸に木綿糸を使用するようになったばかりか、女性達の美意識も高まり、様々な模様が誕生。更に昭和には、柳宗悦らによる民藝運動をきっかけに、色とりどりの糸や布がこぎん刺しに用いられるように、今なお人々を魅了するものへと発展を遂げたのだ。今回のプロモーションでは、胸元に銀糸でこぎんを刺したウール混ワンピース(アルチザン/7万2,000円)、アシンメトリーな布地の切り替えに箔プリーツを施したスカート(アルチザン/4万8,000円)、ダッフルにあえてこぎんを刺したコート(バジーレヴェントット/18万円)など、斬新なアイテムがそろう。中には、異素材ミックスのアイテムもあり、こぎん刺しの新たな魅力が垣間見えるラインアップとなっている。更に、本館4階の「ワイズ(Y’s)」でもこぎん刺しアイテムが披露される。黒の地にあえて白い糸を刺すことで、日本の伝統技法とワイズの感性を巧みに融合させたロングジャケット(16万円)などの粋なアイテムがそろう。ロングジャケットは、地素材が2重(ダブルガーゼ)になっているため、布目を数えながら、こぎんを刺すにはかなり高い技術が要求されるという。高度なテクニックを有した匠の技を、ぜひ店頭で間近にみてほしい。また、ワイズのこぎん刺しアイテムは、ロングジャケット以外のものも含めECでも販売される。
2014年10月06日柳楽優弥主演の舞台『金閣寺』が4月5日(土)、東京・赤坂ACTシアターで開幕する。本番を翌日に控えた4日、柳楽はじめ水橋研二、水田航生、市川由衣らメインキャストと演出の宮本亜門が同劇場で会見を行った。「金閣寺-TheTempleofTheGoldenPavilion-」チケット情報同作は宮本が三島由紀夫の名作を舞台化したもので、2011年にKAAT神奈川芸術劇場で初演。同年にNY公演も行い好評を博している。今回はメインキャストを一新しての上演。生来の吃音から疎外感に苛まれる主人公・溝口役を柳楽優弥、彼をめぐるふたりの友人を水橋研二と水田航生、溝口の初恋の女性と女師匠のふた役を市川由衣が演じる。「当初は吃音症を強く意識した。稽古に入ってからは、溝口の内面や感情を大事にしなければと考え、亜門さんの指導を受けながら役に近づけていきました」と柳楽。宮本を優しい演出家と聞いていたが「(実際は)とても厳しい人でした」と笑った。宮本は「誰に聞いたんだよ」と苦笑いしながらも「柳楽さんの溝口は内面を露骨に出す」と話す。「柳楽さんが生で出す役者さんということもあって、キャスト全員が舞台に生で存在してほしいと考えた。それがエネルギーとして凝縮され大きな竜巻になるように、細かいところを変えたりしてシーンを作っていった。生の役者の汗とにおいが、それぞれの役から香り立つように怒涛の稽古をしてきました」と自信をのぞかせた。一方ふた役の市川は役作りに悩んだという。「特に女師匠はキリッとした女性。演じたことのない役で難しかったが、まさか亜門さんが実際にやってくれるとは思わなかった。それがすごく格好よくて、参考にさせていただきました」と笑顔。宮本も「僕は(稽古場で)全役やってますよね」と笑う。最後に柳楽が「周りのキャストに支えられながら、この舞台を代表作にするという強い気持ちで本番に挑みたい」と気合を入れると「代表作になりますよ」と宮本が太鼓判を押した。公演は4月5日(土)から19日(土)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケットは発売中。
2014年04月04日草なぎ剛が、広末涼子、香川照之、チャ・スンウォンら日韓の俳優が出演する舞台『ぼくに炎の戦車を―Bring me my chariot of fire―』に出演することが発表された。本作は、日本と韓国との間に起こった歴史を背景に、国境や身分を越えて築かれた友情と愛情を描いた作品。11月の東京を皮切りに大阪、ソウルでの上演が決定した。作・演出は、2008年に『焼肉ドラゴン』で日本国内の演劇各賞を総なめにした鄭義信(ちょんうぃしん)が手がける。物語の舞台は約100年前の韓国。当時低い評価しかされなかった大衆芸能や民芸白磁といった韓国伝統文化を深く愛し、命をかけて守ろうとした実在の人物、柳宗悦(やなぎ むねよし)と、彼を取り巻く日本と韓国の人々を通して、民族や政治、戦争を超えた人間ドラマを描いていく。草なぎは、柳をモデルとした青年教師・柳原直輝を演じる。柳宗悦同様に、いち早く韓国文化に興味を持ち言語を取得、日韓の交流に大きな影響を与えてきた草なぎはまさに適役。共演は日韓を代表する俳優が集結する。6月に歌舞伎俳優として市川中車を襲名したばかりの演技派・香川照之をはじめ、つかこうへいや野田秀樹の舞台でその存在感をみせた広末涼子、さらに韓国からチャ・スンウォン、ベテランキム・ウンスと幅広いジャンルで活躍する俳優らが顔を揃える。また、野外大衆芸能・男寺党(ナムサダン)のパフォーマンスを舞台上で実際に上演するべく、5名のミュージシャンによる韓国音楽(サムルノリ)の生演奏と、パントマイムと綱渡りの名手・清水恒男による演技も見どころのひとつ。劇作の鄭は本作について「男寺党は簡単に言ってしまえば、放浪芸人の集団であるのだけれど、その芸は農学、皿回し、アクロバット、綱渡り、仮面踊り、人形劇と多岐に渡り、その豊かさに驚かされる。彼らは村々を回り、豊饒を祈ってきた。にもかかわらず、彼らの扱いはひどく、わずかな食料と一夜の宿が提供されるだけであった。彼らのうちの誰かが亡くなったとしても、ただ石を積んで弔うしかなかったという話を聞いた時、不覚にも僕は涙を流してしまった。そして、この見捨てられた人々の物語を誰かに語りたいと思ったのだ。100年も昔の朝鮮の名もなき芸人たちの物語は、日本の観客たちには無縁のものであるかもしれない。それでも、路傍の石のような彼らの魂に、ほんのすこし、ほんのひととき、想いを寄せてくれることを願っている」とコメントを寄せた。出演はほかに高田翔(ジャニーズJr.)、成河、馬渕英俚可、青木崇高、安寿ミラ。公演は11月3日(土)から12月1日(土)まで東京・赤坂ACTシアター、12月8日(土)から11日(火)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演。その後2013年1月下旬から2月上旬に韓国の国立劇場にて上演される。チケットは東京公演が9月29日(土)より、大阪公演が10月20日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは東京と大阪公演のセブンイレブン先行(電話抽選)を9月14日(金)13時から18日(火)18時まで受け付ける。
2012年09月13日10軒もの小鹿田焼の窯元が一堂に会して陶器を販売する「小鹿田焼民陶祭り」が開催される。日時は10月13日(土)、14日(日)の2日間、時間は10:00~16:00までとなる。開催場所は日田市源栄町皿山。小鹿田焼は放射状の線や円形に描かれた繊細で幾何学的な文様が特徴の陶器だ。古くからの製法をよく残しており、国の重要無形文化財に指定されている。その歴史は古く、江戸時代中期に日田の代官が、筑前の国上座郡小石原から陶工を招き始めたのが最初だと言われている。特徴的なのは、「唐臼(からうす)」と呼ばれるくぼみの中に土を入れ、小川の水流を利用し、ししおどしの要領で水を受ける筒が重さで落ち、水が排出される反動で陶土をひく昔ながらの方法。きねが陶土を突くのどかな音は、環境省認定の「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。また、斜面に作られた長く伸びる「登り窯」は、対流効果により窯内の温度を一定に保つよう工夫されたもの。また、窯元がある皿山地区と棚田が広がる池ノ鶴地区は2008年3月に「小鹿田焼きの里」として重要文化的景観に指定されているほど、風土と生活が一体となった景観を見せている。民芸運動の主導者、柳宗悦の日本民藝館設立に協力したことで知られるイギリス人陶芸家、バーナード・リーチが1954年と1964年に小鹿田地区に滞在し、陶芸の研究をしたことが小鹿田焼が全国に知られるきっかけとなった。●アクセス JR日田駅からバスで40分 大分自動車道日田ICから自動車で25分 【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月28日佐藤江梨子と柳楽優弥主演の『すべては海になる』が1月23日(土)に公開初日を迎えた。佐藤さん、柳楽さん、そして山田あかね監督による舞台挨拶が都内劇場で行われ、先日結婚式を挙げたばかりの柳楽さんへの祝福ムードで大きな盛り上がりを見せた。どこかで寂しさを感じている書店員の夏樹(佐藤さん)と崩壊した家庭を一人、立て直そうとする高校生の光治(柳楽さん)の「本」を介してのつながりを描いた本作。佐藤さんは、公開初日を迎えての気持ちを尋ねられ「昨日、生まれて初めて流れ星を見たんですよ!まあ…ただのコバエだったんですけど(苦笑)。そのときに『願いごとしなきゃ!』と思って、『たくさんの人が来てくれますように』とお願いしました」と語り、満席の客席を見て喜びの表情を浮かべた。そして「うちの姉と弟は2人とも書店で働いた経験があって、私も働いてみたかったので、夢がかないました!」とニッコリ。実際の本屋での撮影について「貸し切り状態で、本が読み放題だったので、雑誌から芸能人本まで読みました」と語ったが、司会者からの「じゃあ、撮影中にそこのあった本は全部読んだんですか?」という珍妙な質問に思わず「そりゃ無理だろ!」と怒気を含んだツッコミを入れ、次の瞬間ハッと正気に返って「それはムリでしょう?」と優しい笑顔を浮かべて言い直し、会場は笑いに包まれた。柳楽さんが挨拶しようとすると、すかさず客席から「結婚おめでとう!」という祝福の声が。柳楽さんは「ありがとうございます」と笑顔で返した。今回の役について「僕は本を読まないし、2年ぶりの演技ということで、監督に『本読みをやりたい』とメールしました。でも、監督と2人で本読みをやると、監督が相手役を演じるので僕の芝居を見れないんです(苦笑)。監督はそれに気づいて『助監督呼んでいいですか?』って。それから佐藤さんや白井晃さんとかいろんな人が入ってきて、結果オーライでした」とふり返った。監督は柳楽さんについて、というか柳楽さんの結婚について「ウブな少年の役になりきっていて、ガールフレンドの気配を全く見せなかった」と証言。佐藤さんもこれにすかさず「(事前に何も言わなかったことを)責めてない。責めてないよ。でもびっくり!触ったら壊れそうな少年を演じてたので、少し距離を置いて接してたら…『あれー?』って感じ」とやっぱり責めてる?さらに、この映画をどんな人に観てほしいか?という質問に柳楽さんが「ヨメに…」と答えると、佐藤さんは「オー!!」と歓声を上げ、「私も(柳楽さんの奥さんと同じ)エリーだよ!」と興奮した様子でよく分からないアピール。会場には拍手と笑いがわき起こった。『すべては海になる』は新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開中。■関連作品:すべては海になる 2010年1月23日より新宿バルト9、梅田ブルク7ほか全国にて公開©「すべては海になる」パートナーズ■関連記事:サトエリ&柳楽優弥、カンヌで「運命の出会いをした」『すべては海になる』完成披露世界最大のお化け屋敷“戦慄迷宮”が、清水崇監督&柳楽優弥主演で映画化
2010年01月23日