この度、舞台『モノノ怪~座敷童子~』を2024年3月21日(木)から24日(日)までIMM THEATER、3月29日(金)から31日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホール、4月4日(木)から7日(日)までIMM THEATER(東京凱旋)にて上演いたします。コロナ禍で失われた子供たちの文化芸術の鑑賞・体験の機会を回復するための子供文化芸術活動支援事業の取り組みとして舞台『モノノ怪~座敷童子~』に小学生(6歳以上)~18歳のお子様を無料でご招待いたします。HP内の注意事項をよく読みお申し込みください!キービジュアル<詳細・注意事項はHPまで>HP : X(旧twitter): @mononoke_stage【お申込方法】HPの注意事項などをよく読み専用予約フォームより、必要事項をご記入の上、お申込をお願いいたします。(公演概要に関しましては、次ページをご確認くださいませ。)【3月公演専用予約フォームURL】令和6年3月21日(木)~24日(日) 【4月公演専用予約フォームURL】令和6年4月4日(木)~7日(日) キャスト一覧■「モノノ怪」について2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」にて放送された『モノノ怪』は、「ノイタミナ」15周年の企画として行われたファン投票で、数十作品の中で上位となった人気作。また『空中ブランコ』『C』『つり球』『ガッチャマンクラウズ』などの個性的な作品を作り続けてきた中村 健治監督の原点となる作品だ。2022年には、『モノノ怪』の放送から15周年の記念企画のひとつとして、大奥を舞台とした、完全新作の劇場版プロジェクトが発表された。2024年夏、劇場版ならではのスケールで“完全新作”の『モノノ怪』が誕生する。■舞台『モノノ怪~座敷童子~』作品情報【タイトル】舞台『モノノ怪~座敷童子~』(読み ブタイ「モノノケ~ザシキワラシ~」)【原作】モノノ怪「座敷童子」【脚本】高橋 郁子【演出・映像】ヨリコ ジュン【公演日程】東京 :2024年3月21日(木)~24日(日)大阪 :2024年3月29日(金)~31日(日)東京凱旋:2024年4月4日(木)~7日(日)【会場】東京・東京凱旋:IMM THEATER 〒112-0004 東京都文京区後楽1-3-53大阪 :COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール 〒545-0002 大阪府大阪市中央区大阪城3-6【チケット販売】チケット一般発売中(先着)※詳細は申し込み画面にてご確認ください。※申し込みサイトに記載してあります注意事項をよくお読みの上お申し込みください。【チケット料金】全席指定(特典付き)13,000円(税込)、全席指定(特典なし)11,000円(税込)【チケットに関するお問い合わせ】公演事務局 0570-200-114(11:00~18:00※日・祝休業)【主催】舞台『モノノ怪~座敷童子~』製作委員会【制作】Office ENDLESS【公演に関するお問い合わせ】 info@officeendless.com (平日10:00~17:00)※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。なお、内容によってはご回答までに少々お時間をいただく場合もございますので予めご了承いただけますようお願い申し上げます。【公式HP】 【公式X(旧Twitter)】@mononoke_stage ハッシュタグ「#モノノ怪」「#モノステ」【権利表記】(C)舞台『モノノ怪~座敷童子~』製作委員会<舞台『モノノ怪~座敷童子~』あらすじ>「私は、どうしても産みたいんです!」老舗宿に駆け込んだ訳ありの女・志乃は、お腹の赤子のためにどうしても泊めて欲しいと懇願する。根負けした女将・久代に開かずの間に通された志乃は、居合わせた薬売りと共に奇怪な現象に巻き込まれていく。薬売りが斬りに来たと言うモノノ怪の正体と、開かずの間に隠された秘密とは?――。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年03月21日俳優の松田翔太、柄本明、フリーアナウンサーで女優の田中みな実が出演する、オープンハウスの新CM「座敷童子 先輩登場」編、「座敷童子 リモートワーク」編が、7日から放送される。新CMでは、都心に戸建てを持ちたいという夢をもった人の前に現れる座敷童子を松田が演じ、前作で戸建てを購入した田中の自宅に住む先輩座敷童子(柄本)と絶妙なやり取りを繰り広げる。田中の自宅を訪問した座敷童子(松田)が、先輩座敷童子と出会う「座敷童子 先輩登場」編。「いろいろ聞きたくて……」と話しかけると、先輩は威厳たっぷりに「ふむ」と返す。しかし田中が雑誌を読みながら「座敷、お茶」というと、「へい!」と素早い動きでお茶を手渡す。そして何食わぬ顔で「最近の座敷童子は我慢が足りん! 戸建てを立てるコツはドンと構えなさい! ドンと!」と助言するも、再び田中から「座敷、お茶~」と声をかけられると「へ~い!」と勢いよく立ち上がる。「座敷童子 リモートワーク」編では、リモートワークをしようとする田中から「静かにしてね」と釘を刺される座敷童子(松田)と先輩(柄本)。しかしパソコンのカメラに2人が映り込み、相手に驚かれてしまう。2人で映らないように試行錯誤しながら、座敷童子が「なんで見えるんだろう」とつぶやくと「戸建てが欲しい人には見える」と小声で答える先輩だったが、次第に盛り上がり、ついには田中から「オイ!」と怒られてしまう。
2022年01月06日2019年に紀伊國屋演劇賞団体賞を受賞した劇団桟敷童子の作家・東憲司が、3年ぶりにトム・プロジェクトに書き下ろす新作『にんげん日記』が10月27日(水)より紀伊國屋ホールにて開幕する。舞台化、映画化もされ、多数の賞を受賞したテレビドラマ『めんたいぴりり』の脚本家としても知られる東は、凝った舞台美術と社会の底辺で生きる人々を描く骨太で猥雑な群像劇を得意とし、日本の演劇シーンの中で異才を放つ存在。そんな彼が今回手掛けるのは、戦後混乱期を生きた3人の男と2人の女のやりとりを通して、人間の滑稽さや哀しみを描く物語だ。舞台は、昭和24年、老朽化で休業中の銭湯・月乃湯。男はその銭湯で、戦争に行った孫の復員を心待ちにしている。ある日、男の幼馴染ふたりが転がり込んできたことから大騒ぎに。さらに同じ日、孫の許嫁(いいなずけ)だという娘とその母親が現れて……。キャストは、村井國夫、高橋長英、小野武彦の名優が集結。長きに渡りその存在感を放つ3人は、錚々(そうそう)たるスターを輩出した「俳優座 花の15期生」(1963年に養成所に入所)出身として知られるが、揃って同じ舞台で共演するのは今回が初めてだという。ほか、賀来千香子、劇団桟敷童子の若手女優・大手忍が出演。“にんげん”たちの笑いと涙の日記が、騒々しく賑やかに、そして切なく記されてゆく舞台。村井、高橋、小野の熟練3人が、どんな世界を紡ぎ魅せるのかにも注目してほしい舞台だ。文:伊藤由紀子トム・プロジェクト プロデュース『にんげん日記』【東京公演】2021年10月27日(水)~2021年10月31日(日)会場:紀伊國屋ホール【宮城公演】2021年11月12日(金)会場:えずこホール仙南芸術文化センター【福島公演】2021年11月13日(土)会場:白河文化交流館コミネス
2021年10月26日松田翔太、戸田恵梨香、角田晃広(東京03)がCMキャラクターを務める新CM「座敷童子 登場」篇/「座敷童子 耳打ち」篇が公開された。松田さんが、“都心に戸建てを持ちたい”という夢を持った人の前に現れる幸運のキャラクター・座敷童子を演じる本シリーズ。「座敷童子 登場」篇では、戸建てが欲しくてたまらない妻(戸田さん)と、戸建ての購入が現実的ではないと感じる夫(角田さん)との出会いが。「座敷童子 耳打ち」篇では、座敷童子と妻が就寝中の夫にコミカルかつ大胆に耳打ちして夢の戸建てを現実に近づけていく様子が描かれる。戸建てが欲しい妻は、いつものように夫にねだるも、笑って拒否されてしまう。そこに突然、座敷童子が現れる。彼も広くて新しい家に居付きたいようで、共通の「戸建て」という夢に向かって奇妙な共犯関係が始まる――。寝ている夫の背後で、妻と座敷童子は様々な言い方で「戸建て」を連呼…。そんな戦法で果たして夫の脳に「戸建て」はインストールできるのか――?撮影では、久しぶりの共演となったが松田さんと戸田さんの息はピッタリで、スタッフも驚くほど。そして最初は少し緊張していた角田さんも、撮影中に談笑するなど3人の仲はあっという間に深まり、笑顔の絶えない撮影現場に。また「耳打ち」篇では、照明を暗くしての撮影だったこともあり、睡眠中の夫を演じる角田さんは本当に寝てしまわないよう必死に堪えていたとか。さらに「戸建てが欲しくなる」と耳打ちがエスカレートしていくシーンの撮影でも、2人のコンビネーションはバッチリで、スタッフだけでなく、本人たちも思わず笑ってしまう一幕も。メイキング映像では、そんな撮影の様子を覗くことができる。新CM「座敷童子 登場」篇/「座敷童子 耳打ち」篇は放送中。(cinemacafe.net)
2021年01月08日俳優の松田翔太が、8日から放送されるオープンハウスの新CM「座敷童子 登場」編、「座敷童子 耳打ち」編に出演。CMには、女優の戸田恵梨香、お笑いトリオ・東京03の角田晃広も登場する。「座敷童子 登場」編では、戸田演じる戸建てが欲しい妻と、松田演じる広くて新しい家に居着きたい座敷童子の奇妙な共犯関係が描かれる。「座敷童子 耳打ち」編は、角田演じる夫が寝ている間に、戸田と松田が耳元で「戸建て」を連呼し、2人がラップのようなリズムで息ぴったりに戸建てをアピールするという物語。スタッフも驚くほどのコンビネーションを見せた松田と戸田。最初は少し緊張していた角田も持ち前の明るいキャラクターを見せ、3人の仲はあっという間に深まり、笑顔の絶えない撮影現場となった。「座敷童子 耳打ち」編は照明を暗くしての撮影だったため、本当に寝てしまわないよう角田が必死に堪える場面も。「戸建てが欲しくなる」と耳打ちがエスカレートしていくシーンでは、松田と戸田のコンビネーションがテイクを重ねていく度に磨きがかかってノリノリになっていき、思わず本人たちも笑ってしまう一幕も見られた。
2021年01月07日ダイナミックな芝居づくりで観客を圧倒する劇団桟敷童子の新作『獣唄』が、本日12月3日より開幕する。桟敷童子の舞台の醍醐味を、言葉ひとつで言い切るのは難しい。視界全体をみっちりと埋め尽くす、壮大な舞台セットの上を、縦横無尽に動き回る役者たち。観る者の気持ちをむんずとつかみ、ぐるんぐるんと振り回す物語。感情全開でぶつかり合う熱演につられ、気づけば涙腺も全開になって、幕が下りると半ば呆然としながら、観客たちはふらふらと立ち上がる。根底に流れるのは、失われゆくものへの悔恨と人間の生命力だ。過ぎ去った、幸福だった時代を遠く眺めながら、登場人物たちは今日を生きる。流れる涙が頬を温める。その温もりで、明日を生きる。今年で20周年を迎える彼らのモットーは「劇場を訪れるすべての人々に見え、そしてすべての人々の心に存在すること」。抽象的なセリフや描写で、ふんわりと着地点をぼやかすようなことはしない。徹底的に劇空間にこだわり、一週間から半月ほどの時間を費やして、劇団員が舞台セットを作る。今回も、かつて倉庫だった大きなスタジオを、別世界へと作り変えた。“超悲劇”と銘打つ物語の舞台は昭和初期、戦争の影が忍びよる貧しき山村。高価な珍種の蘭の発見に、村人たちは望みを託す。唯一の蘭採取人である繁蔵には、絶縁状態にある3人の娘たちがいた。しかし長女が父と同じ道を選び、止まっていた父娘の時間が動きだす……。繁蔵を演じるのは、村井國夫。百戦錬磨の大ベテランが、襲い来る悲劇を打ち砕こうと立ち上がる父親像を演じる。せっかく演劇を観るのなら、劇世界に心身まるごと没頭したいあなたに贈りたい一本だ。東京・すみだパークスタジオ倉にて12月15日(日)まで。文:小川志津子
2019年12月03日演劇プロデュースチームLALSTORYによる舞台『さけび』が、本日、新宿サンモールスタジオで初日を迎えた。テネシー・ウィリアムズによる二人芝居だが、日本での上演記録はほとんど無いという稀な作品。演出は東憲司(劇団桟敷童子)。出演は、山路和弘と朴ロ美という、演劇界のみならず声優としても人気を博す、どちらも巧者だ。【チケット情報はこちら】客席へ着くや、まずその舞台美術に圧倒される。小劇場ではしばしば我々観客は、舞台の目に大きく映るものだが、今作のセットの存在感は別格。客席は舞台に支配され、「しっかり見ているからな」と突きつけられる感覚がある。大胆なデザインは「誰も見たことない舞台」と謳うだけのことはある。物語は、山路演じる、劇作家であり俳優のフェリースと、その妹であり女優の、朴演じるクレア、このふたりのもとを、劇団の仲間が「あなたと妹さんは狂っている!」と電報を残し、旅先の劇場から突如去ってしまったところから始まる。公演の中止を訴えるクレア、それに対しフェリースは「ふたりだけの芝居」を上演することで頑なに公演を続けようとするのだ。出番を待つ俳優の舞台裏を描いたように見えるが、いざ「ふたりだけの芝居」が始まると現実なのか虚構なのか、まるで判断のつかない混沌の世界が展開していく。しかしこのふたり、仲間に逃げられたのではあるが、捨てられた、取り残された存在だという印象がない。むしろ自ずと世間から離れたような気高さを覚える冒頭、擦り切れそうな“叫び”をあげ、まるで漂うかのように舞台を操る山路と、張り裂けんばかりの声を轟かせ、登場するや否や発せられるエキセントリックな反応を魅せる朴から目が離せない。何よりも面白いのは、公演を続けるか否かを巡る序盤では、我々は傍観者、いや、ある一種の監視者のようにフェリースとクレアを俯瞰視していたはずが、中盤以降はいつの間にかふたりと同じ視点で社会と体制への不安に共感してしまっていることだ。そして終盤、ずるずると作品に引き込まれ、脳と心を揺さぶられ、魂まで吸い取られた我々の顔を、フェリースとクレアが眺めているのだ。これはもう、本当にずるい。見ているつもりが、見られていたのだ。開演前、客席に着いたときに覚えた感覚が蘇り、ゾクゾクする。山路と朴のひたすら烈しく打ち合うセリフの応酬。朴が発する鋭い言葉をぶっ太い釘と例えるならば、山路は金槌かの如く、その釘をこちらの心臓に打ち付けてくる。「手元が狂った」といわんばかりに金槌が直に胸を打つときもある。本気の言葉のぶつけ合いは、「男女の」と単なる言葉だけでは言い表せないが間違いなくラブストーリーと言えるだろう。衝撃が小空間に詰め込まれた圧巻の作品をぜひご覧頂きたい。公演は10月27日(日)まで、サンモールスタジオにて。チケット発売中。残りわずか!取材・文:山村敬男
2019年10月18日スズキ拓朗率いるダンスカンパニー、CHAiroiPLINの公演『AZUKI』が10月17日(木)に開幕する。「おどる童話」というシリーズ名が冠されたこの作品は、宮沢賢治の『ざしき童子のはなし』を原作にしたもので、今回で3度目の上演となる。「元号が変わって、オリンピックもあって、いろんなことが新しくなって未来に向かうという大きな流れがありますよね。もちろんそれもいいことだけれど、同時に忘れたくないものもいっぱいあるなと思ったんです。そこで、この作品をいま再び上演しようと思いました」とスズキ。原作は数ページ程度のごく短いもの。その物語に初めて触れたとき、スズキは自分の家族を重ね合わせたのだという。「僕、3人兄弟なんですけど、じつはもうひとり、生まれて3カ月くらいで亡くなったお姉ちゃんがいたらしいんです。顔も知らなければ記憶もないお姉ちゃんは、ぼくにとっては座敷わらしのような存在なんですよね。会ったことがなくても忘れたくない、確かにいたということをずっと思っていたい。そんなことを考えながら作品をつくっていきました」。CHAiroiPLINはダンスカンパニーでありながら、いわゆる一般的なコンテンポラリーダンスのイメージとは異なる部分がある。たとえば、セリフがふつうにあること。「雑な言い方をしてしまえば、面白ければなんでもいいと思っているんです。喋った方が面白ければしゃべるし、ものを使った方がいいときは使う。僕はもともと俳優からはじまってその後ダンスに出会ったので、ストーリーを伝えるのにセリフを使うのは全然抵抗がないんです」『AZUKI』も例外ではない。しかも同じ単語が繰り返されたり、リズムのいい言葉が続いたりと、聞いているだけで気持ちいい、楽しいセリフがたくさんある。「子供にも楽しんでもらいたいから、0歳児が入れる回をつくりました。それから、昼と夜の公演で演出が変わります」。また、ダンサーではないキャストたちが多数キャスティングされているのもCHAiroiPLINの特徴だ。スズキのキャリアが、蜷川幸雄主宰の「さいたまネクスト・シアター」で俳優としてスタートしたことと無縁でない。「僕の演劇の先生は蜷川さんで、ダンスの先生は、直接お会いしたことはないですけど、ピナ・バウシュだと思っています。だから、ピナのように、踊る技術よりもその人自身の存在を重視したい。今回出演してくれるジョディって、すごく体が大きいので、ジャンプひとつとってもすごく大変そうなんですよ。でも僕はその、必死で舞台に立っている姿が見たい。むしろ踊れない人のほうが好きなんです。まあ、ピナのダンスカンパニーの方はめちゃくちゃ踊れるんですけど、僕はそこをうまいこと履き違えて実践しているんです(笑)」今回も大人計画の宮崎吐夢をはじめとして俳優たちが複数参加している。「吐夢さんはお客さんに近い存在、ツッコミ役を担ってもらいます。吐夢さんは本当にいろんなものを見てらっしゃるので、稽古場でも助かることばかりです。劇団桟敷童子の大手忍さんには、座敷童子をやってもらいます。桟敷童子の役者さんって肌で感じるスピードが速くて、迫力がある。異質感のある役柄が合うんですよ」。セリフ、歌、衣裳、セット。ダンサーとは違う動きのキャストたち。スズキの手がける作品は、ダンスを見慣れていない人も楽しめる要素がふんだんに詰まっている。「コンテンポラリーダンスというジャンルが、このままだとなくなってしまう可能性もある、という危機感は感じています。難しい、独特なその人だけの世界観に入っていけない……。でも僕は、ダンスはいろんなことに展開できるものだと思っているんですよ。発想、表現、コミュニケーションって、すべての仕事に必要なものじゃないですか。だから本当にいろんな人に見に来てほしい」『AZUKI』でも、セットを通じてうれしい出会いがあったという。「舞台に使う畳を借りに、畳屋さんに行ったんです。“ダンスに畳?”って不思議がられたので“蚊帳とかちゃぶ台とかも置いて、日本家屋のような空間で踊るんです”と説明したら畳屋さんが“じゃあ時間あったら観に行くよ”って言ってくれたんですよ」。ダンスを単なるパフォーマンスとしてではなく、あらゆる人に関係する実用的なものとして捉えて広げようとしているスズキ。CHAiroiPLINの公演をハイペースで行いながら、ダンスカンパニー・コンドルズにも所属。外部の作品に振付家として参加することも多い。「ふつう演出家同士って一緒に仕事することはないじゃないですか。僕、振付家としていろんな演出家の仕事を間近で見られるし、知らなかった俳優さんと出会うこともできる。すごくラッキーだなと思います」さまざまな活動がすべてダンスに還元していくのだという。「何を踊ろうかな、って常に考えています。いまは古事記にも興味があるし、絵も題材にしてみたい。本当になんでもダンスになるんですよ」。CHAiroiPLIN『おどる童話 AZUKI』は、10月17日(木)から20日(日)まで神奈川県立青少年センタースタジオHIKARIにて上演。取材・文:釣木文恵
2019年10月15日今年で旗揚げ20周年を迎えた劇団桟敷童子の新作『堕落ビト』が、8月23日、東京・サンモールスタジオにて開幕する。制作業務を含めた舞台作り全般を劇団員総出で行う桟敷童子の作品は、郷愁とミステリアスな匂いが混在した吸引力あるストーリー、俳優たちが放つ実直なエネルギーなどが熱く支持され、多くのファンを獲得してきた。その魅力の最たるものが舞台美術である。近年の上演拠点は、すみだパークスタジオ倉。活気あふれる劇団員に促されて一歩中に入れば、早くも劇空間に埋もれるがごとく、手作りの大掛かりなセットに圧倒されることになる。今回はその“倉”を離れて、小劇場サンモールスタジオに初登場。さらにこれまで迎えてきた客演を入れず、劇団員のみで立ち上げる舞台と聞いて、20年を振り返る特別な思いが込められていると推察。その胸の内を、劇団代表で作・演出・美術を手がける東憲司に聞いた。「20年ももつとは思わなかったんですけどね(笑)。仲間9人で旗揚げしたんですけど、その時のメンバーで今残っているのは5人だけ。ちょうど3年前くらいに、長く在籍していた中堅の劇団員がバタバタとやめてしまって……。ここ何年かの傾向として、僕は負のエネルギーに支配されているところがあるんですよ。だから暗い話しか思いつかなくて」それでタイトルが『堕落ビト』。「まず題名が暗い。話の内容も暗いんです」と、言葉はどんどん雲行きアヤしくトーンダウンしていきながらも、ご本人は終始、柔和な笑顔だ。そして20周年の喜びはどこへやら、「これからどうなるんだ!?って思うんです。劇団を続けている人は、本当にすごいなあ〜」と率直な不安を繰り返す。劇作に対してとことん誠実で、控えめで、心配性!?な人柄を前に、頬が緩んだ。でも、騙されちゃいけない。この慎ましい人が生み出すドラマチックな物語に、何度胸をエグられてきたことか。「今回の物語は、あまり有名ではないですが本当に起こった事件を下敷きにしているんです。昔、九州大学の学生が起こした“死の堕胎事件”といって……。僕がそれを知ったのは20年も前のことなんですが、なぜかずっと心に残っていて」舞台は、戦後間もない日本。“落ちこぼれ倶楽部”と称して集う3人の大学院生が引き起こした悲劇、そこから新たに大きくうねり出す人間模様が描かれる。「どうして良識のある、エリートと呼ばれる人たちが、こんな愚かなことをやったのか。その事件に対して僕がずっと謎に思っていたことから、このお話が生まれました。大悪党は出てこないけど、小悪な人ばかりが出てくる物語ですね。20周年の今年は新作を3本、春と冬は“倉”でやるので、真ん中の夏公演は少し劇団の原点に戻ると言いますか、アングラっぽいのをやってみようかなと。本当に暗い話ですけど、それでも最後は、このお話なりの希望を見せたいと思っています」その“希望”を視覚化する強力なブレーンが、劇団公演で初めて美術スタッフとして迎え入れる舞台美術家の竹邊奈津子だ。東が昨夏の外部公演『死と乙女』(サンモールスタジオにて上演)で演出を任された際に、美術を担当したのが竹邊だった。「僕も一緒にやるんですが、僕はだいたい物量主義で、どんどんやっちゃえ!ってタイプなんですけど(笑)、彼女は僕と違って、非常に繊細なセンスを持っている方です。竹邊さんと相談して、アッと驚くような、希望の装置を作りたいと思っていますね。非常に楽しみです」よかった。劇場は変わっても、桟敷童子の真骨頂であるクライマックスの、“観客をアッと言わせる大仕掛け”は今回も期待できそうだ。演劇の醍醐味を存分に味わわせてくれる桟敷童子の世界は、20年を経て、またその先へと続いていく。そんな希望を勝手に感じていたところ、また東が頭を抱えてつぶやき始めた。「ああ〜、これからどうなるんだろう、いつまで続けられるんだろう!? って本当に思いますね。“これがいい”と思ってやっていることが、“これでいいや”になったらどうしよう……と思うんです」そこに危機感を持つからこそ、彼の世界観を信じられる。この夏は、桟敷童子の原点を確かめに、地下の小劇場へ降りていこう。取材・文:上野紀子
2019年08月21日舞台『トンマッコルへようこそ』が5月4日、東京のZeppブルーシアター六本木にて開幕した。2002年のソウルで初演、2005年には映画化され韓国で大ヒットとなった本作。今回の上演では劇団桟敷童子・東憲司が演出を手がけ、畑中智行、神永圭佑、平田裕一郎らエネルギ-あふれる若い俳優たちが出演している。初日直前に行なわれたゲネプロを観劇した。舞台『トンマッコルへようこそ』チケット情報物語は、ある作家(山崎彬)が一枚の古い写真を見付けたことから始まる。撮影されたのは朝鮮戦争下の1950年。人里離れた山の中にある村・トンマッコルで撮られたその写真には、連合軍のアメリカ兵、敵対する国防軍と人民軍、そして村人たちが笑顔で写っていた。時は当時に遡る。人々が平和に暮らすトンマッコルに連合軍の飛行機が不時着し、アメリカ人パイロット・スミス(イアン・マーティン)がやってくる。言葉は通じないものの、どうにかしてコミュニケーションを図ろうとする村人たち。そこへ国防軍のヒョンチョル(平田)とサンサン(永嶋柊吾)、人民軍の兵士であるチソン(畑中)、ヨンヒ(筒井俊作)、テッキ(神永)までもが村へやってきて鉢合わせしてしまう。国防軍と人民軍は敵同士。互いに向かって武器を構え一触即発の状態に。だが緊迫した空気を村人たちが解きほぐしていく。トンマッコルとは「子供のように純粋な」という意味。その言葉通り、明るくおおらかに生きてきた村の人々が、戦闘モードだった彼らの心を穏やかにし、いつの間にか心が通い合っていく様は、ユーモアと優しさが溢れていた。人民軍を率いる隊長・チソンを演じる畑中は、戦いに疲れた兵士の哀愁を漂わせながらも、若い兵たちをしっかりと率いる落ち着きぶり。人民軍の兵士・テッキを演じる神永は、恐れを知らない若者らしさと、村の少女・イヨン(木村玲衣)に淡い恋心を抱く柔らかさを真っ直ぐに表現。永嶋が演じる国防軍の軍人・サンサンも年若い兵士。無邪気な笑顔と歌声が清涼剤だ。平田が演じるヒョンチョルは悲惨な過去を抱く軍人。終盤の苦しげな独白が胸を抉る。戦時下で起こった奇跡のような出来事を描いたファンタジー。不穏な今の時代だからこそ、人間が持つ優しさ、平和への希望という、本作に込められた願いがリアルに伝わってきた。公演は5月4日(水)から5月8日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演。取材・文:片桐ユウ
2016年05月06日舞台『トンマッコルへようこそ』の開幕が近付いている。2005年にヒットした韓国映画が有名だが、2002年にソウルで初演された舞台がもとになっている。今回は劇団桟敷童子・東憲司の演出に若い俳優たちが参加する。4月某日、稽古場を訪れ、出演の畑中智行、神永圭佑、平田裕一郎に意気込みを聞いた。舞台『トンマッコルへようこそ』チケット情報物語は朝鮮戦争下の1950年。人里離れた平和な村・トンマッコルに、連合軍の飛行機が不時着。さらに敵対する国防軍と人民軍の兵士が村で鉢合わせしてしまう……。過酷な戦時下で起こった奇跡のような出会いを描く感動作だ。畑中は「バックボーンは重いですが、とてもキレイで繊細なお話。人は優しい生き物なんだと気付かされます」と語る。平田も「国や人種、偏見。全部の括りを外して触れてみると気付けることがある。絶対に観て後悔しない作品です」とアピール。平田は30歳を迎えて第一作目の舞台。「思い描いていた30歳はもっと大人だったけど、今回こんなに良い脚本で素敵な方々と舞台に立たせて頂ける。そのことに感謝してやっていきたい」と決意を見せた。最年少参加の神永は「どれだけ恥をかいてもいいから、ベテランの方々と一緒にやって教わりたいと思っていたので、今すごく勉強になっています。食らいついていけたら何か扉が開ける気がする」と意気込む。そんなふたりに対し、畑中は「全くスレていないんです。純粋に取り組んでいる姿勢が見ていて気持ち良い」と微笑んだ。稽古場を覗くと、出演者は発声と歌唱練習を1時間かけてたっぷり行っていた。歌唱練習は本作の翻訳も担当している洪明花が主導する。チャンゴ(長鼓)のリズムに合わせ、韓国の民謡「トラジ」を歌いながら一体感を養っていく。劇中で人々が歌い踊る楽曲「シンラ(新羅)の夜」では、ソロパートを歌う永嶋柊悟が美声を響かせた。芝居の稽古では、人民軍の3人、チソン(畑中)、ヨンヒ(筒井俊作)、テッキ(神永)のシーンからスタート。密かに山中を進む3人が、銃がどう火を噴くかも知らない村の娘・イヨン(木村玲衣)と出会う。悲壮感を漂わせていた兵士たちが一変、少女の言動に翻弄されるコミカルなシーンだ。東の演出は細部まで一貫して丁寧。そして怖ろしい程に明瞭。全ての動機付けが作品のリアリティに繋がっていく。東から「良い声が出てきている」と声をかけられる神永。畑中は東に負けない熱意を持って演技プランを提案する。続いて人民軍と国防軍が出会う重要な場面。敵を前に身構えるヒョンチョル(平田)の姿勢に、軍人のプライドと哀しみが滲み出ていた。人と人との歩み寄りが描かれる本作。今、この時代だからこそ、舞台を通して人間の温かみを思い出したい。公演は5月4日(水)から5月8日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演。取材・文:片桐ユウ
2016年04月28日BIGLOBEはこのほど、同社運営の情報サイト「BIGLOBEシーズン」の「全国花火大会2015」にて「首都圏でまだ桟敷席が取れるおすすめ花火大会5選」特集を公開した。「全国花火大会2015」は、全国600スポットの花火大会情報を紹介するコンテンツ。開催日時や場所、アクセス方法など基本情報のほか、打ち上げ数、例年の人出、交通規制、桟敷席の有無、トイレ情報、周辺の宿などを公開している。また、地図やカレンダーから花火大会の情報を確認できる機能や、花火大会周辺の宿や温泉宿、花火プランのある宿も紹介している。このほど公開した同特集では、NPO法人・大曲花火倶楽部が認定する花火鑑賞士が、首都圏開催の桟敷席が取れる花火大会を選定し、開催日、開催時間、打ち上げ数、アクセス、桟敷席の料金目安と合わせて紹介している。選定した花火大会は、冷暖房完備の会場で食事をしながら楽しめる「ツインリンクもてぎ 花火の祭典」(8月14日・栃木県)、全国区の花火師が集結する「常総きぬ川花火大会」(8月29日・茨城県)、世界最大級の4尺玉が上がる「こうのすけ花火大会」(10月10日・埼玉県)など。また、花火大会に行く前に確認したいアイテムを紹介する「花火鑑賞士が選ぶ『花火大会おすすめ持ち物リスト10』」も同時に公開した。
2015年08月05日