2月に長野・まつもと市民芸術館小ホールと東京・東京芸術劇場シアターウエストで上演される舞台『博士の愛した数式』より、脚本・演出の加藤拓也と「博士」役・串田和美のオフィシャルインタビューが到着した。湖に手を入れたら毒がついていた。そんな美しさがある舞台『博士の愛した数式』が上演される。原作は、第1回本屋大賞を受賞した小川洋子のミリオンセラー小説。脚本・演出は、気鋭の演出家として高い評価を受ける劇団た組の加藤拓也が務め、事故によって80分しか記憶が持続しない「博士」を串田和美が演じる。51歳差の2人の演劇人が名作にどう挑むのか。稽古に入る前の胸の内を語ってもらった。――加藤さんと串田さんは劇団た組の『今日もわからないうちに』(2019年)で初めてご一緒されました。そのときに印象的だったことはなんですか。串田僕にはないものをいっぱい持っていて、それが興味深く感じられましたね。たとえば、加藤くんの作品は、ごく普通に日常にあるものを淡々と描いているようで、そこからだんだんありえない世界が生まれてくる。僕はどちらかと言うと、途方のないものを描いているようで、よく見たらこれって誰もが知っているものだったというタイプなので。自分とまったく違うところがとても面白かったです。加藤串田さんが自分の台詞を全部書かれていて。そうやって覚えるんだっていうのが印象的でした。串田それは作家の書いた言葉を自分のものにしたいからなんですね。自分で書いた台詞は、自分の思考を通って出てきたものだからすっと出てくるんですよ。でも他人が書いた言葉はそうじゃない。自分ではこう言わないというような台詞がたくさんあるわけ。そういうものを、さも自分が思いついた言葉のように思い込もうとするために書くんです。――それで言うと、加藤拓也という作家の言葉はいかがでしたか。串田自分からは距離のあるものでした。でもそれが面白いんですよね。自分から遠い言葉がすっと出る人になろうとする努力が役者の楽しみだから。そういう意味でもとても楽しい公演でした。――そんな加藤さんにとって、小川洋子さんという作家の文体や言葉はどう映りましたか。加藤惚れ惚れしますよね。文章のリズムとか、言葉のチョイスとか、僕にはないものがたくさんあって、そこに非常に魅力を感じながら上演台本にさせていただきました。まるで湖の中にそっと手を入れてみて、水面が揺れないようにゆっくりと手を抜くと、手のあたりに毒がついちゃっていたような、そういう美しさを小川洋子さんの文章には感じます。――湖、というのは今回の演出を語る上でキーになるフレーズでしょうか。加藤なるかもしれないですね。僕は小川洋子さんの小説の美しさを人に説明するとき、常に湖と毒というワードを使っています。そういうイメージが僕の中にはありますね。――では、上演台本にするにあたって、そこに自分のカラーを注入したいという気持ちは。加藤まったくなかったです。結局演劇として構成していくときに、僕が演出をするので僕の主観が入るし、俳優の主観、美術や音響、照明みんなの主観が入ってくるから、やっぱり別の形になるんですね。だから、無理に自分の色を出そうとか、そういうことは一切考えていないです。いかに庭の石のようにそこにいられるか――音楽は、これまで加藤さんが何度も組んできた谷川正憲さんが務めます。谷川さんのギターの生演奏は、加藤さんの演出の特徴の一つです。加藤谷川さんは空気に敏感な人です。今まではずっと俳優から受け取ったものを谷川さんが音にして出すというつくり方をしてきました。でも今回はその逆をやろうと。お芝居をつくる段階から谷川さんに入ってもらって。たとえば、読み合わせからちょっと音を鳴らしてもらったり。そういう遊びを交えてつくりたいなと考えています。――それはなぜそうしたいと思ったんですか。加藤どうなるかわからないからです。俳優の感情がまだ何もできてないときに音が入ると、それに引っ張られることもあると思うんですけど、それが全部ダメなわけではないかなと。今回はもっと自由にアクティングを立ち上げたいなという気持ちがありますね。串田じゃあ稽古だから流す音楽もあるということ?加藤そうですね。本番は流さないということもあります。もちろんぐちゃぐちゃになるかもしれない。でも、俳優だけではなく、みんながこの原作に持っているイメージを1回見てみたいんですよね。『博士の愛した数式』ビジュアル――最後に、お2人はこの作品の中で描かれる「博士」と「私」と「ルート」の関係性についてどんなことをお感じになりますか。加藤すごく不思議な関係ですよね。家族という関係でもなければ、職業的な関係でもないし、非常に美しい関係だなと思います。野生の動物だと、子どもを自立するまで育てる動物もいれば、産んだらぽいってしちゃう動物もいるじゃないですか。じゃあ、どこからが家族なんだろうと考えると、結構不思議で曖昧です。人間のルールだなっていう感じがしますね、家族って。3人は、そこにとらわれてないところが美しいなと思います。串田このお話は、「私」が感じ取らなければ何も起こらなかった。彼女の感性がとても素晴らしいんですよね。特別な人でもなんでもない彼女が、「博士」という人を受け止めたから関係が動いていく。そして、「ルート」はそんな彼女を母親に持ったからこういう子どもになったんだなと頷ける瑞々しい感性の持ち主。逆に言うと、「博士」は何も動かないんです。ただ庭の石のようにじっとしているだけ。そんな「博士」を見て「私」が動くお話です。だから、僕としてはいかに庭の石のようにそこにいられるかが今回のテーマですね。文=横川良明<公演情報>『博士の愛した数式』原作:小川洋子『博士の愛した数式』(新潮文庫刊)脚本・演出:加藤拓也音楽・演奏:谷川正憲(UNCHAIN)出演:串田和美/安藤聖/井上小百合/近藤隼/草光純太/増子倭文江 【松本】日程:2023年2月11日(土)~16日(木)場所:まつもと市民芸術館小ホール【東京】日程:2023年2月19日(日)~26日(日)場所:東京芸術劇場シアターウエスト問合せ:まつもと市民芸術館チケットセンター(10:00~18:00)TEL 0263-33-2200FAX 0263-33-3830公式サイト:
2023年01月28日新国立劇場2022/2023シーズン演劇『夜明けの寄り鯨』が12月1日から18日に東京・新国立劇場 小劇場で上演される。『夜明けの寄り鯨』は、2022/2023シーズン中に日本の劇作家の新作をお届けするシリーズ企画「未来につなぐもの」の第2弾で、劇作家・横山拓也による新作演劇。和歌山県の港町を舞台に、25年前に自分が傷つけたかもしれない男性の面影を追う、ひとりの女性のこころの物語となっている。出演者は、小島聖、池岡亮介、小久保寿人、森川由樹、岡崎さつき、阿岐之将一、楠見薫、荒谷清水の8名。演出は、新国立劇場では「こつこつプロジェクト」第一期として『スペインの戯曲』を手がけた若手演出家・大澤遊が務める。チケットは、10月29日10時より一般発売がスタートする。■作・横山拓也 コメント年に何回か、鯨が岸に打ち上げられるニュースを見て、小さく興奮する自分がいます。大型哺乳類の命の消失に触れてショックを受けると同時に、あの大きな躯体がいつのまにか砂浜に辿り着いたという事象に、ミステリとロマンを感じてしまうのです。鯨の座礁は、海洋汚染などの環境問題や船舶の騒音による影響が原因とも言われますが、最近では「ソナー(音波探知)の錯乱」による例がもっとも多いと報告されています。鯨やイルカは、音波を出してその跳ね返りで自分の位置を把握するという話を耳にしたことがあると思います。その能力が地磁気の等高線と遠浅の直行線とが交差するところで錯乱が起きて座礁する例が多いそうです。説明を聞いてもよくわかりません。この座礁した鯨のことを「寄り鯨」と呼ぶことを知りました。日本ではその昔「鯨一頭で七浦が潤う」といって、浅瀬に上がった寄り鯨を捕らえて、その恩恵をみんなで分け合う地域もあったそうです。今回はじめてご一緒する大澤さんと「どんな作品にしましょうか」とやりとりする中で、座礁鯨のモチーフを提案したところ面白がってくれたので、「迷う」「探す」「地図」などの要素をもって書くことにしました。楽しみしかなくて気持ちが逸りますが、筆が座礁しないように、慎重に執筆に取り組みたいと思います。■演出:大澤遊 コメント既成の台本をもとに創作することの多かった僕が、新作の演出のチャンスをいただけた、まず素直に嬉しいです。さらに様々な劇場でお名前をよく目にする横山拓也さんの新作。楽しみで仕方ありません。横山さんとざっくばらんにお話ししている中から、いくつかのイメージが生まれて来ました。それがこの創作の始まりです。いま横山さんがセリフを紡いでくれているところです。以前、恩師である宮田慶子さんに作家が机に向かっている姿を後ろから見たときに、声を掛けられなかったと伺ったことがあります。作家がセリフを紡ぐ作業、物語と向き合う作業は、大袈裟にいうと命を削る作業なのかもしれません。いま僕にできることは作家さんと並走すること。ただ見守ることしかできないかもしれませんが。横山作品の魅力のひとつは、どの登場人物もしっかりと生きている、もしくは生きていたこと。書き上がった物語を、一緒に向き合う仲間たちと丁寧に立ち上げていきたいと思います。地図を頼りに「生きている」ということを大事にして。余談ですが、保育園で僕のものだとわかるように貼られていたシールが鯨だったことをふと思い出しました。小さい頃から鯨と縁があるようです。<公演情報>新国立劇場2022/2023シーズン演劇『夜明けの寄り鯨』12月1日(木)~18日(日) 東京・新国立劇場 小劇場作:横山拓也演出:大澤遊【キャスト】小島聖池岡亮介小久保寿人森川由樹岡崎さつき阿岐之将一楠見薫荒谷清水チケット料金:A席7,700円B席3,300円一般発売日:10月29日(土) 10:00~購入リンク:【チケットに関するお問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス:03-5352-9999(10:00~18:00)詳細はこちら:
2022年09月23日増元拓也・長谷川芳明 漫談ライブショー「ピーチクパーチク」Vol.2が、10月29日(土)に高田馬場 BSホールで開催される。『アイドルマスター SideM』信玄誠司役や『VAZZROCK THE ANIMATION』大黒岳役などに出演してきた増元、『カードファイト!! ヴァンガードG』江西サトル役や『ハンドレッド』如月ハヤト役などでおなじみの長谷川。「ピーチクパーチク」は、ふたりの人気声優が何にも縛られず「好きにしゃべらせて!」という想いのもと、とにかく、ただひたすら今しゃべりたいことをしゃべっていく企画だ。芝居という手段だけではなく、ファンの皆様の笑顔や笑い声と直接触れ合いたいと立ち上げられたという。過去に行われた「Vol.0」と「Vol.0.5」は配信のみで開催され、普段のイベントや配信番組、ラジオでは話せないこと、プライベートでの話などを秘蔵写真や動画とともに届けた。そして、2021年12月に念願の有観客での開催となった「Vol.1」は坂泰斗がゲストとして登場。ここでしか聞けない話が満載のひと時となった。今回の「Vol.2」では菊池幸利をゲストに迎え、さらにパワーアップした内容が期待されている。約10カ月ぶりの開催にふたりはどんなトークを繰り広げるのだろうか。■イベント情報2022年10月29日(土)第1部:開場13:30/開演14:00第2部:開場17:30/開演18:00会場:高田馬場 BSホール出演:増元拓也・長谷川芳明ゲスト:菊池幸利 ※第1部のみ出演チケット:全席指定 5,500円(税込)<チケット受付>先行抽選:9月11日(日)10:00~9月25日(日)23:59まで一般販売:10月8日(土)10:00~10月29日(土)各公演1時間前まで
2022年09月08日ピアニスト横山幸雄が2013年にスタートした「ベートーヴェン・プラス」のシリーズ8回目[9月18日(日)東京オペラシティコンサートホール]。ベートーヴェンを軸に、他の作曲家とのさまざまな接点を探る旅だ。午前中から夕方まで続くボリュームたっぷりのコンサート。今回は「変奏曲」をテーマに弾く。「ベートーヴェンのソナタをおおむね時系列に並べて弾いてきました。前回で全32曲を弾き終えて、でもまだ《ディアベリ変奏曲》が残っている。それで今回は変奏曲がテーマというわけです」《ディアベリ変奏曲》とJ.S.バッハの《ゴルトベルク変奏曲》を軸に、ベートーヴェンからは《エロイカ変奏曲》や、ソナタの中に変奏の楽章を持つ第23番《熱情》と第32番、さらにハイドンとモーツァルトの変奏曲を一挙に弾く。「《ディアベリ》と《ゴルトベルク》を組み合わせるのは、プログラムとしてはとてもきれいなのですが、とてつもなく大変で、発表するのをためらったぐらいです」《ディアベリ》と《ゴルトベルク》は変奏曲の歴史の金字塔。そこに《エロイカ変奏曲》も加えて変遷を語る。「《ゴルトベルク》は、バロックの時代にバッハが一人でやり遂げてしまった、芸術的な変奏曲の完成品なんですね。彼の前後にそういう作品はなく、ハイドンやモーツァルトの時代には、即興演奏の一つとして変奏が存在していた。若い頃のベートーヴェンもそういう変奏曲をたくさん作っていますが、ソナタのような真剣勝負の芸術作品としては捉えていなかった。それが《エロイカ変奏曲》で芸術作品としての変奏曲の可能性を切り開いたんです。ベートーヴェンのエネルギーが変奏曲の世界を大きく広げた。そしてあまりにも巨大な《ディアベリ》に到達する。そんな歴史がわかる、非常に良いプログラムだとは思うのですが、弾くのがめちゃくちゃ大変(笑)。これまでのシリーズの中で、間違いなく最も過酷なプログラムです」当初は作曲家生誕250年の2020年で完結予定だったシリーズ。ソナタもディアベリも弾き終え、もしかしてこれで終了?「そういうつもりではないです。終わりにしなくちゃいけない理由もない。ベートーヴェンと何かを関係づける形を見いだしながら、しばらく続けていきたいと思っています」となればゴールは没後200年の2027年か。ともあれ、横山幸雄とともに辿る「ベートーヴェン+音楽史」の旅はまだまだ続く。ご安心を。(宮本明)
2022年08月24日横山だいすけが主演するリーディング舞台『おばけのアッチ リーディングミュージカル~本の世界に飛び込んでアッチと遊ぼう!アッチと歌おう!~』が開かれる。子どものころから原作の絵本を読み、今回は語り部となって舞台を引っ張る横山に話を聞いた。「おばけのアッチ リーディングミュージカル」チケット情報『魔女の宅急便』で知られる角野栄子が文を、佐々木洋子が絵を手掛ける『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズが原作。絵本は1979年に第1作『スパゲッティがたべたいよう』が始まって以来、43年続くロングセラー作品で、世代を超えて多くの人に親しまれてきた。舞台では、第1作のほか、『フルーツポンチ はいできあがり』『おばけのアッチとドララちゃん』を上演。レストランに住んでいる食いしん坊のコックのおばけのアッチと、その友人のおばけやネズミ、人間などを取り巻く物語だ。「小さいころは、アッチのいたずらにただ胸をワクワクさせていたんですが、大人になり、改めて読み返すと新たな視点が見つかるんです」と横山。「例えば『フルーツポンチ はいできあがり』では、アッチは兄弟がいないことに孤独を感じ、自分はどこから来たんだろう、どこで生まれたんだろうと原点を探す旅に出る。こんなに深い物語だったんだと。そして、物語の随所に愛がこもっていて温かい気持ちになれる。絵本が長い間、愛されてきた理由が分かります」。同作では、生演奏のクラシック曲やオリジナル曲に乗せ、出演者が演じたり歌ったりする。横山は歌も歌うが、終始語り部に徹する。「2年前も上演したんですが、読み手の僕がキャラクターみたいに話し、自分の色を出しすぎると、出演者のキャラクターが立たなくなるんです。もっと自分の色をなくしたほうがいいのか、正解はない。今回はそのバランスや、お客さんが物語に入りやすいテンポ感、間を皆と一緒に探っていきたいです」と意欲を燃やす。2017年にNHK Eテレ『おかあさんといっしょ』の11代目歌のお兄さんを卒業後、出演したミュージカルが『魔女の宅急便』だった。「その時から角野先生には『いつかアッチも舞台でやってね』と言われていました。初演では、子どもたちが目をキラキラ輝かせているのを見て、すごく喜んでくださいました」。角野のライフワークとして、アッチのシリーズは毎年新刊が発表されている。「本当にすごいですよね。先生はいつも生命力にあふれ輝いている。僕も先生のように常にフレッシュな気持ちで物事にチャレンジしたい。今回も角野先生から作品をお預かりし、いい舞台を届けるという責任があります。だいすけお兄さんがアッチを読むとどうなるのか。さらに、音楽に乗せると絵本の世界観がどう変わるかを劇場でぜひ、体感してほしいです」。公演は9月23日(金・祝)大阪・松下IMPホール、9月25日(日)東京・ニッショーホール、10月30日(日)兵庫・西神中央ホールにて。チケット発売中。取材・文:米満ゆう子
2022年08月18日8月4日、iaku『あつい胸さわぎ』が初日を迎え、舞台写真と作・演出の横山拓也の開幕コメントが届いた。本作は、2019年の初演時に東京・大阪全23ステージが満員となり、出演者の枝元萌が第27回読売演劇大賞優秀女優賞を受賞するなど各所で話題を呼んだ舞台。再演となる今回は、平山咲彩、枝元萌(ハイリンド)、橋爪未萠里、田中亨、瓜生和成(小松台東)が出演する。■横山拓也 コメント横山拓也暑い夏の物語が、大雨の中で開幕しました。コロナにまつわる様々な苦悩が、この雨で洗い流されれば良いのに。どうにか無事に初日を迎えました。3年ぶりの再演。上演時間が約10分伸びました。台本はほぼ変わっていません。セリフの行間の演技が濃密になり、じっくりと見守り続けたい表情、心情が色濃くなったんだと思います。この生き辛く、見通しの悪い時代に、人の優しさや、応援の気持ちに触れていただければと思います。恥かしいくらいにストレートですが、こんなに誰かの心の支えになれる作品は当分つくれる気がしません。たくさんの方に観ていただきたいです。<公演情報>iaku『あつい胸さわぎ』iaku『あつい胸さわぎ』メインビジュアル【日程】東京:8月4日(木)~14日(日) 下北沢 ザ・スズナリ大阪:8月18日(木)~22日(月) インディペンデントシアター2nd作・演出:横山拓也出演:平山咲彩 / 枝元萌(ハイリンド)/ 橋爪未萠里 / 田中亨 / 瓜生和成(小松台東)【アフタートーク】■東京公演8月5日(金) 18時の回上演後出演者全員 / 横山拓也8月10日(水) 18時の回上演後まつむらしんご監督 / 横山拓也■大阪公演8月19日(金) 19時の回上演後まつむらしんご監督 / 横山拓也公式HP
2022年08月05日元AKB48の横山由依が、26日にABEMAで配信されたバラエティ番組『チャンスの時間』(毎週日曜23:00~)にゲスト出演し、千鳥・大悟に恋愛の悩みを打ち明けた。喫煙所で相談を受けた大悟がどのようなアドバイスをして、その間に何本のタバコを吸うのかを検証するコーナー「大悟の人間性検証ドッキリ!」に登場した横山。大悟に「大恋愛がしてみたい」と切り出し、「考えすぎちゃってご飯に誘うとかもできない」「誘われない。たぶん、グループのときのイメージもあって、総監督とかもやっていたので」「いい人に出会えるのかな」と不安を吐露した。これに大悟は「(いい人は)いるよ」と断言し、「だって今その相談をしてる時点で誰かいるやろ。いるからそういう思いになるわけじゃない?」と指摘。このシーンのVTRをスタジオで改めて見た横山は「これすごいですよね!」と興奮し、相方・ノブを「そういう発想なんや。もう見透かされてるんだ」とうならせた。また、「付き合ったとしても(相手に)気を使いすぎて、自分のペースがめちゃくちゃ崩れるんじゃないかって不安なんです」とも明かした横山に、大悟は「大変やな。12年、表立って恋愛できなかった癖みたいなものがついちゃってるんやな。怖がってるわけやろ? 恋することに。『私のペースじゃなくなるし、好きな男のペースも乱しちゃうかも』みたいな」と寄り添いながらも、「でも、ほんまに好きになったらそんなの考えないよ。仕事なんか全部捨てたってもええわ、全てをなくしてもこいつと、っていう人に会えるらしいよ」と激励。大悟の「頭で考えちゃってる時点で、恋愛しようとしてるだけで恋愛を実はしてない」という分析を、スタジオの横山は「名言ですね」と称える。さらに、「めっちゃくちゃ大きい声で『大悟さん大好きって言って』と言ったらすごい恥ずかしいやろ? でも、言っちゃえばいいのよ。思ったより大きい声が出る。思ってる人に1回、めっちゃ大きい声で言ってしまったら、鍵が外れる。『私ってこんな大きい声が出ちゃうんだ』が最初の気づきというか」と続け、「まぁ、そんなことしたことないけどな」と照れ笑いを浮かべる大悟。「そういう人に出会ってみたい」という横山に「出会えるよ」と優しく返し、「由依ちゃんは失敗とかそっちを気にしすぎてしまってるのかもしれんね。よく言うやん、失敗した方が傷ついた方が意外と楽しいのよ。泣いたり、今日仕事行きたくなくなるくらい、失恋じゃないけど(恋愛を)した方が女の子はきれいになるのよ」「まぁ、でもしてるんでしょう。由依ちゃんがそれだけきれいということはいろいろ恋愛をしたってことよ」とその場を立ち去ると、スタジオからは「かっこいい!」と絶賛の声が上がっていた。
2022年06月28日演劇ユニットiakuを率いる横山拓也の代表作『エダニク』。2009年に発表し、同年に日本劇作家協会新人戯曲賞を受賞、高い評価を得て再演を重ねている作品だ。食肉加工センターの一室を舞台に、取引先の新入社員と加工センターの職人ふたりが何気ない会話の中で食肉解体の仕事や企業間の駆け引きなど、さまざまな価値観をぶつけ合う三人芝居。今回は、心の機微の丁寧な表現に定評がある演劇集団円の内藤裕子が演出を手掛け、横山と初タッグ。主演は多彩な活躍をみせる、ふぉ~ゆ~の辰巳雄大、そして加藤虎ノ介、小日向星一という組み合わせで。大好きな横山作品に初挑戦が叶った辰巳が、その熱い思いを語った。「エダニク」チケット情報「ついに横山さんの本の世界に飛び込めると、お話をいただいた時は心が躍りました。そして、また役者人生の中でたくさんの挑戦ができる作品に巡り合えたと、うれしく思っています」と喜ぶ辰巳。横山作品の魅力を「登場人物の生活感まで感じる脚本に特に魅力を感じています。僕が一番大切にしているのは、その役としてその場所で生きること。その人の人生や生活感を背負って芝居をやりたいと思っているので」。今回演じるのは食肉加工センターの職員で33歳の沢村。妻子がいる役に初挑戦だ。「仕事に誇りを持ち、人付き合いもこなす。こだわりを強く出さず、軸は家族の生活。妻子がある方の空気感を持ってそこにいることができれば」と、信頼する演出の内藤と役の深化を目指す。役づくりへの準備に観た映画で、ナイフの持ち方や働く人たちの体にも注目し「肩や腕の筋肉の付き方が独特だなと思ったので、ジムに行こうかと。できることはすべてやりたいタイプなので、体も説得力を持ってステージに立ちたい。お客様には演劇というよりドキュメンタリーのような作品に映ったらいいなと思うので、しっかり準備したいです」。共演者の小日向を「柔らかい空気の持ち主」、加藤は「存在感やたたずまいにオーラがある」と言い、「3人で信頼感を持って舞台上で生きていきたい」と話す。作品の魅力は「お客様にも3人の部屋の中で一緒に観ていただいているような臨場感が魅力のひとつかと思います。観終わって食へのありがたみや『いただきます』『ごちそうさまでした』という言葉の意味を、皆さんそれぞれの価値観で改めて考える時間になれば素敵ですね」。今回「役者として確実にステップアップしたという作品にしたい」、ふぉ~ゆ~のメンバーにも「いつもの辰巳じゃない芝居をせたい」と強い思いで臨む。コロナ禍で数本の大阪公演の中止を経験し「大阪で上演できる喜びと責任感を改めて感じています。今回、東京で成熟させて、しっかり作品の魅力を届けに行きます!」。公演は6月4日(土)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年05月24日声優の江口拓也が、オールナイトニッポン55周年記念公演 朗読劇『太陽のかわりに音楽を。2022』に参加することが28日に発表された。朗読劇『太陽のかわりに音楽を。2022』は、2017年に上演された舞台『太陽のかわりに音楽を。』の朗読劇版で、深夜ラジオの代名詞『オールナイトニッポン』の制作現場を舞台にしたオリジナル青春群像劇。今回が8回目の開催となり、オールナイトニッポン55周年記念公演として、5月9日〜17日に銀座・博品館劇場で上演する。そしてこの度、劇中でミュージシャン・トロイがパーソナリティを担当する『トロイのオールナイトニッポン0(ZERO)』のディレクター役として、江口が収録音声で参加することが決定。江口がこの朗読劇シリーズに参加するのは、2017年の第2回公演『朗読劇 シンデレラ裁判〜愛は赤い毒〜』以来5年ぶり3回目となる。なおチケットは4月29日10時から、イープラスで一般発売スタート。○■江口拓也コメントラジオの熱い思いを感じる台本でした。本番で、キャストの皆さんにどのような空気感や盛り上げ方を作ってもらえるか、期待しています。
2022年04月28日2022年4月26日、音曲漫才の兄弟トリオ『横山ホットブラザーズ』の次男、横山マコトさんが、亡くなっていたことが分かりました。87歳でした。産経ニュースによると、マコトさんは同月22日、虚血性心疾患により逝去。葬儀と告別式は近親者で行ったとのことです。1952年に結成した『横山ホットブラザーズ』は、創作楽器を駆使した音楽と歌を織り交ぜた芸風で知られ、マコトさんはアコーディオンを担当。「お~ま~え~は~ア~ホ~か~」のリズムに合わせて、ノコギリをバイオリンのように鳴らすギャグなどで一世を風靡しました。マコトさんの訃報に、ネットからは悲しみの声が上がっています。・昔、よくテレビで見ていました。当時小学生の私にも、分かりやすくて面白かったです。楽しい時間をありがとうございました。・ノコギリバイオリンは名人芸でした。『横山ホットブラザーズ』大好きだったなぁ。・お笑いだからあまり注目されていなかったけど、アコーディオンの演奏技術はすごかった。ご冥福をお祈りします。子供にも分かりやすい芸風で、幅広い世代に愛されたマコトさん。これまでの活躍は、多くの人の心に残り続けるでしょう。マコトさんのご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2022年04月26日演劇ユニット「iaku」を率いる劇作家・演出家の横山拓也の代表作『エダニク』が、演劇集団円の精鋭、内藤裕子の演出で5月、新たにお目見えする。物語の舞台となるのはとある食肉加工センター。屠場で起きたある事件をきっかけに、登場人物たちはそれぞれの価値観をぶつけ合い、白熱の議論を展開する。生と死の狭間を扱った職場で働く人々の葛藤、矜恃から浮かび上がる、生の本質とは……。初顔合わせながらすでに意気投合、横山と内藤の軽快なおしゃべりから『エダニク』を楽しむヒントが続出。人間の体温とその心の揺れを丁寧に描き出し、立ち上げて来た同世代のタッグによる、可笑しくも熱い人間ドラマに期待集中だ。共感し、嫉妬し合ってきたふたり――近年、横山さんの戯曲が次々に、さまざまな演出家によって舞台化されていますね。今回、内藤さん演出によって立ち上がるこの『エダニク』もこれまで幾度も上演され、横山さんにとってはとくに思い入れの深い作品と伺っています。横山そうですね、自分のターニングポイントとなった作品です。これを書いたのは2009年で、10年以上経った今、上演してもらえることは本当に奇跡的だなと。内藤さんの演出作品は何度か拝見していまして、とても自分と近しい感覚があるので楽しみですし、すでに信頼を寄せています。内藤本当ですか!? ありがとうございます。今は書き下ろしの公演が多く、そんなにたくさんの人が観ていないのに一度やったらもうやらない、そういう作品が多いですよね。その中で横山さんの戯曲はいろんなカンパニーによって上演されていて、普遍的で色褪せないテーマ、人物造形の妙が見事で、とくにこの『エダニク』は何回読んでも新鮮で面白く、新たな発見があると感じています。ヒリヒリとクスクスが隣り合わせになっている人物たちの絶妙なやりとりを、どう面白く立ち上げられるか、試行錯誤になるかなと。演出させていただくのが楽しみで、嬉しく思います。私もiakuの舞台は拝見していて、いつもチクショー!と嫉妬心が……。横山ハハハ!それはお互い様です。内藤昨秋の公演『フタマツヅキ』も本当に面白くて、打ちのめされて帰りましたよ。毎回、日常性と演劇性と言いますか、繊細さとダイナミック、その両極端をどうやって成立させているんだろうなって。横山それは、自覚がないかもしれないです。自分では、ダイナミックには出来ていないと思っていて。『エダニク』も、この3、4月に上演された『粛々と運針』(演出:ウォーリー木下)にしても狭い空間でやることを意識して書いたもので、狭い空間でやればどうやっても成立しちゃうんですよ。これが広い空間になった時に、「演出家さん、ごめんなさい!」っていつも思う(笑)。――先ほど横山さんが、内藤さんに「近しい感覚がある」とおっしゃっていましたが、おふたりともに作家であり演出家であることのほか、内藤さんの作品『光射ス森』(演劇集団円で20年に上演)では林業を題材とされていて、横山さんも『目頭を押さえた』(12年)で林業を扱っているなどの共通点が思い浮かびました。横山そう、僕も林業の話を書いています。だから『光射ス森』のように、あそこまできちんと取材をなされているものを観ると、恥ずかしいなって(笑)。内藤いえいえ、そんな(笑)。世代も近いんですよね。これまで観てきたものとか、もしかしたら近いのかも。何の責任感もなく「屠場だ」と――『エダニク』はどのようにして、どんな思いを込めて書かれたのか教えていただけますか。横山これを書いたのは……もう14年前ですね。当時、関西の俳優のユニットが依頼してくれたんですよ。それまでは当時の自分の劇団に書き下ろすことがほとんどで、久々の外部公演、しかも男3人芝居ということで、作品の背景にすごく熱量のある場所を持ち込もうと考えたんです。それで、何の責任感もなく「屠場だ」と思ってしまったんですね。内藤え、すごいなあ!横山途中で、エラいもんに手を出してしまったなと(笑)。でも偶然、中学の同級生が屠場で職員をやっていると知り、連絡したんですね。なんとか見学させてもらえないかと。ただ、かなり警戒されて、単なる見学というのは全然受け付けていないんです。「何に使うのか」とすごく聞かれるんですね。やっぱり誹謗中傷が多くて、まず“誹謗中傷コーナー”に連れて行かれました。内藤誹謗中傷コーナーがあるんですね、へえ〜!横山いろんなクレームのハガキとか、心ない中傷をぶつけて来る人がいるんだ、ってことを知るところからスタートして。実際の屠畜の作業はさすがに見学不可でしたが、作業が終わった後のラインのルートを見せてもらったり、今回の舞台設定である別屠室と研磨室を見せてもらったりして。当時あんなにしっかりと現場を取材して取り組んだことがなかったので、戯曲を一本作ることへの心構えが初めてちゃんと備わった、そんな作品でした。2017年までiakuの常任演出家だった上田一軒さんと出会わせてくれたのもこの作品で、自分が書いた、ちょっと軽妙なリズム感のある台詞が、自分が演出するのとは全然違う形で立ち上がったのを目の当たりにして驚いたんですね。だから『エダニク』初演の時は、自分の演劇人生の中で衝撃的なことが多かったです。そういう意味で特別な作品なんですけど、正直、どんなことを思って書いたのかは覚えてないんですよね(笑)。とにかく必死だった、その時の状況はいろいろ思い出せるんですけど……。これは余談ですが、大阪にOMS戯曲賞というのがあって、ちょうど僕が『エダニク』を書いていた時に別の作品でノミネートされたんですね。内藤え〜すごい!横山それが2008年の12月だったんですけど、ふたりの審査員にボロクソに言われたんです(笑)。だいたいひとりがこき下ろしても、もうひとりはフォローしてくれるものなのに…。(一同笑)内藤ホントそうですよ!横山ふたりともボロクソに!僕、大人なのに涙が出て来ました(笑)。もう筆を折ったほうがいいかな…と思うくらいボロボロになった時に『エダニク』を書いていたので、その時のナニクソ!って気持ちもあったかも(笑)。内藤そんな思いをして(笑)。横山だから、内容やテーマについては、質問していただいたら思い出すかもしれません(笑)。偶然の出会いから出来上がった登場人物3人の関係性内藤不思議なのは、展開の仕方がすごく自然なんですよ。まあ横山さんの世界はいつもそうですが、唐突に人物がいなくなったり、唐突に出て来て何かを言っても、その唐突さがあまりに自然なんですよね。で、グイグイ引き込まれているあいだに、いつの間にこんなヒドいことに!?って展開に(笑)。何でこんなに暴力をふるい合ってるんだ!?とか。でも、やっぱり日常ってそういうことだから。そういう展開を目指して書かれているんですか?横山ある程度のプロットとか構成は考えるんですけど、最終的に、うわ〜わかんない、もう書いちゃえ!ってなるんですね。(一同笑)そこに向かって書いているつもりはなくて、あ〜もう無駄話ばかりしている…って思いながら書いていると、だんだん、ちょっとしたボタンのかけ違いみたいなものが発生していって。ただ、「そこに向かって」というのは推敲の段階でそういうふうにしたかもしれないですけど、書いている時は、「そこにたどり着くまで書く」といった意識でいる気がします。内藤なるほど〜。『エダニク』に出て来る屠場の職員である沢村と玄田、畜産農家の伊舞という3人の人物って、同じ精肉業に関わっているけど価値観がバラバラで、全然違うじゃないですか。それは何か、取材をしていく中で出会った人からヒントを得たとか?横山そうです。まずは屠畜する側の現場から取材したので、初稿はずいぶんそっち側に引っ張られたんですよ。畜産農家のほうの話が疎かになっていたんですけど、たまたま「家が農家」という人に出会えて。「昔、牛を連れていく時に、親にこんなふうに言われた」なんて話を聞いていると、あ、これは伊舞の意識として引っ張っていけるな、と。そんなふうにしてだんだん三角形がうまく出来上がっていったんです。内藤たまたまそういう方に出会えることがすごい!横山ハハハ、伊舞に関しては「このキャラクター、弱いんじゃないか」って指摘があったので、たまたま出会えて本当に良かったです。内藤その指摘は、演出家からですか?横山最初に依頼して来た座組の皆です。俳優もバンバン言う(笑)。内藤恐ろしいですね〜(笑)。横山メチャメチャ恐ろしかったですよ!最初、初稿を現場まで持っていっただけでまず褒めてほしいのに、「さっそくですけど」みたいな感じで。内藤いやだ〜(笑)。横山「ここなんですけど」から始まって、え、こんなに責められる!?って(笑)。役者たちも「もっと面白いものを作りたい!」って意識で立ち上げたユニットだったので、作品への意見も凄くて、皆で切磋琢磨していましたね。僕もそこに揉んでもらえたのはいい経験でした。先日、初演を立ち上げたメンバーで、リモートも含めて皆で会えたんですよ。今回の辰巳雄大さん主演の『エダニク』の話になって。やっぱり、「あの台本はひとつも削るところがない」とか、皆それぞれあの時の熱い思いを喋り出してました(笑)。内藤そうですよね。磨かれているから、これだけ何度も上演されるんだと思う。とてもわかります。横山「いつの間に沢村は、あんな男前がやる役になったんだ?」って文句も出てました(笑)。新たな『エダニク』を立ち上げる魅力的なキャスト陣――3人のキャラクターに扮するキャストも、魅力の面々が揃いました。内藤辰巳さんは前にも一度舞台作りでご一緒したんですが、「横山さんの作品が大好きだ」って聞いて、あ、これはいいなと。ご本人はとても爽やかな方なので、沢村のような、一見好感の持てない感じだけど、すごく人間らしくてチャーミング……という複雑なキャラクターをどう見せてくださるか、楽しみですね。横山そうですね。職場と家族が背中にちゃんと見える……みたいな役って、30代に差し掛かった俳優さんにとっては、やり甲斐があるんじゃないかなと思いますね。伊舞役の小日向星一さんは、先日ちょうど舞台『マーキュリー・ファー』を観て、とてもいい役者さんだなと思ったんです。個性的だし、柔らかさとコミカルさを持ちながら、パッと一瞬、凛としたところが見えた時にゾワッとさせられて、独特な雰囲気を持っていらっしゃいましたね。内藤今回初めてお会いしたんですけど、とても柔らかい雰囲気の方ですよね。でも穏やかそうでいて、独特の芯があるように感じて。伊舞も、一瞬なめられてかかるけど実は……といったキャラクターだから、ぴったりなキャスティングだなと。『エダニク』メインビジュアル。中央)辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、左)小日向星一、右)加藤虎ノ介横山玄田役の加藤虎ノ介さんは、以前、松本祐子さん演出で僕が書き下ろした『ヒトハミナ、ヒトナミノ』(19年)という作品に主演していただいたんです。共に関西小劇場界隈で活動していたのに、意外とニアミスして来て、その時が初めてだったんですよ。チャキチャキの関西人なので、かなり素の部分が玄田に投影できると思います(笑)。内藤加藤さんも私は今回初めてお会いして、たたずまいがもう玄田っぽかった(笑)。もっとシュッとされた方なのかなと思っていたら、わりと日常的な、働いている肉体を感じさせる方ですよね。そういう説得力が必要な役だから、これもぴったりだなと思いました。横山本当に。このお三方のお名前を聞いて、上手いこと当ててくださったなと僕も思いました。――内藤さんの指揮でどんな新しい『エダニク』が立ち上がるのか、とても楽しみです。内藤横山さんはこんなに穏やかないい方なのに、意地悪なくらいに(笑)、“人間の隠したい部分を出さざるを得ない状況”を描いていらっしゃるんですよね。それをちゃんと魅力的に、共感性を持って見せられたらいいなと。隠したいけれど、「そうそう、こんなふうにひよっちゃうんだよな」とか、そういった手触りのある人間たちの物語なので。私たちの日々の暮らしの裏側で、こうした屠畜する人たちや畜産農家の人たちの葛藤があることを感じ、劇場を出る時には価値観が変わるような力を持った作品です。その戯曲の持つエネルギーを伝えられるようにしたいですね。登場人物たちが抱えた恨み辛みを、役者さんたちにも“自分たちの物語”として表現してもらいたい。その悔しい思いを舞台にしっかり乗せたいな、と思っています。横山そうですね、役にどのくらい実感を、温度感を持てるかは、役者さんにとって大変な作業になるでしょうね。楽しみにしています!取材・文:上野紀子撮影:荒川潤舞台『エダニク』2022年5月18日(水)~2022年5月29日(日)会場:東京芸術劇場 シアターウエストほか、6月4日(土)にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて、大阪公演あり
2022年04月20日劇団た組の加藤拓也と、俳優の橋本淳がタッグを組む舞台『もはやしずか』が、4月2日(土)、東京・シアタートラムで幕を開ける。不妊治療の末にやっと子供を授かるも、その子供に障がいがある可能性がわかった康二と麻衣の夫婦。そこからふたりの関係は変化していき……。稽古開始から1週間ほど経過したある日、作演出の加藤と康二役の橋本に、作品にかける想いを訊いた。側だけでなく中身がちゃんと動いている役者――おふたりが組まれるのは今回で3度目ですが(シス・カンパニー公演『たむらさん』を除く)、役者・橋本淳の魅力とは?加藤いろいろな演出家とやられているだけあって、舞台に合わせる能力が高いですし、それこそ演出家が言語化出来ていない段階でも動いてるところを見て言語化のアシストが出来る方だと思います。また側だけでなく、中身の部分で面白い人物像を板の上に乗せることが出来る。僕が書く人物はあまり思っていることを言わず、「察してね」という部分が多いのですが、橋本さんはちゃんと中身の部分が動いているので、お客さんにも絶妙な塩梅で伝わる。そこが僕の作品とマッチしていると思いますし、素敵な役者さんだと思います。――橋本さんが加藤さんの作品に惹かれる理由とは?橋本とても複雑なんですよね、書いているものと求められているものが。脳内と体が乖離していても、伝えたいことと思っていることと言っていることはまた全部違う。だから一瞬でいろんなものが頭の中によぎっていなければ出来ない難しさがあって。演出家としては、僕が知らず知らずのうちに身につけてしまった錆を、きれいにこそぎ落としてくれる人。ちょっとでもわかりやすいリアクションを取ると、「少しトゥーマッチですね」なんて言われるので非常に恥ずかしくて(笑)。本当に信頼していますし、ごまかしが利かない分、とても怖い演出家でもあると思います。演じる康二はすごく愛を求めている人――新作『もはやしずか』ですが、不妊治療や育児を題材に選ばれた経緯は?加藤物語が物語として存在しているだけで、僕としては特に不妊治療や育児を特別な題材にしたつもりはありません。でもひとつ、“答えが出せないこと”という側面はあるのかなと。もしくは“僕たちが普段見ないようにしていることを再確認する”、みたいな作業ではあるのかもしれません。橋本いろんな思いをかき乱してしまう可能性もあり、やることが怖くなるような台本だと思いました。でも最終的には、誰もがいろんな問題を抱えながらも、生きているよねってところに繋がっていく。この作品の持つ力、伝えなきゃいけないものを大事にしつつ、でもあまりビビらず、丁寧にお客さんに投げかけたいなと思います。――稽古が進む中、作品はどんな変化を見せていると思いますか?加藤最初はどの登場人物も僕の主観のみで書かれていたわけですが、稽古が始まり、いろんな人の主観が入ることで、僕の主観からどんどん離れていっている。さらに幕が開き、お客さんそれぞれの主観が入ることで、よりひとりの人間としての存在を感じられるようになるはずで。ひとつの人物像みたいなものに縛られない、もっと多様な面が見えていくと思います。――演じられる康二ですが、橋本さんの主観からは今どういった人物として映っていますか?橋本すごく愛を求めている人ですよね。両親のベクトルが弟ではなく、どうしたら自分に向くかを考えた結果、ある事故を起こしてしまう。それが大きなトラウマになっていて……。親や妻から愛を向けられた時も、それを壊したくないからこそ、逆に相手を傷つけてしまう。そこに気づけない悲しさというのも、彼が愛を求めているがゆえ。康二のそういった部分は大事にしていきたいと思います。複雑なものは複雑なまま咀嚼する大切さ――橋本さん以外にも、黒木華さんや安達祐実さんなど、強力な面々がキャストに名を連ねました。加藤信頼の置ける方ばかりで、複雑なものは複雑なまま咀嚼し、簡単にしない、そういうことが出来る人たちが集まっていると思います。橋本ひとりで考えていた時から、対相手になった瞬間にやっぱり変わるんですよね。しかも加藤くんの台本は、「あっ」というひと言で、思考が二転、三転する。その一瞬での選択が必要になってくるので、本当にチームプレイだなと。とはいえ役者同士で芝居の話もしませんし、逆にそれがとても心地いい。みんな嘘をつきながら、1枚1枚手札を切っていく感じが非常に面白いです。『もはやしずか』メインビジュアル加藤上手な人が集まっているだけに、良くも悪くも物語の生理とは別のところで成立させられちゃう、という危うさはあると思います。それを見逃さないよう、神経を使って注視していくことが大事だなと。橋本演じる僕らはすごい負荷ですけどね(笑)。――非常に注目度の高い作品です。楽しみにされている読者にメッセージをお願いします。橋本コロナ禍でまだまだ予断を許さない状況ではありますが、自分が関わっていなくても、絶対に観るべき作品だと感じています。観た人になにか考えるための種を植えつけられるような作品になると思いますので、ぜひ劇場に足をお運びいただきたいです。加藤とても思い入れのある作品になったので、まずは最後まで公演を全うしたいですね。制作物を僕はメッセージとは捉えていないので、物語は物語であり、それ以上でも以下でもないと思っています。とにかく、複雑なものを複雑な解像度のまま見る。その上で、お客さんには好きなように楽しんでもらいたいと思います。取材・文:野上瑠美子撮影:藤田亜弓『もはやしずか』2022年4月2日(土)~2022年4月17日(日)会場:東京・シアタートラムぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント橋本淳さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
2022年03月25日2022年度のNHK、後期連続テレビ小説『舞い上がれ!』に、アイドルグループ『関ジャニ∞』の横山裕さんの出演が決定し話題を呼んでいます。NHK朝ドラ『舞い上がれ!』主演は福原遥長崎県の五島列島を舞台に、ヒロイン・岩倉舞が、飛行機作りに情熱を燃やす仲間たちとともに、電動小型飛行機を飛ばす夢に向かっていく姿を描いた『舞い上がれ!』。ヒロインの舞を、女優の福原遥さんが演じます。今回、横山さんが演じるのは、舞の3歳年上の兄でプライドが高い野心家という役どころ。NHKの朝ドラ初出演となる横山さんは、「まさか自分がと思いました」と今回の抜擢に驚いたといい、また、意気込みも語っています。僕の周りに連続テレビ小説を見ている人が多く、その話をすることが多かったので、まさか自分がと思いました。本当に嬉(うれ)しいですし、大変光栄です。悠人という人物は自分をしっかり持っていて合理的で、どう演じようか僕自身もワクワクしています。ドラマを通して、悠人と一緒に成長できればと思います。ぜひ皆さん見ていただけると幸いです。NHKドラマーより引用ほかに、舞の父親役に高橋克典さん、母親役には永作博美さん、祖母役に高畑淳子さんと、舞の家族のキャストがそろって発表に。横山さんは、2022年で41歳という年齢ながら、一回り以上も年齢が離れた福原さんと劇中で兄妹役ということもあり、ネット上で話題を呼んでいます。・兄妹役でも違和感がない!・初めてのNHK朝ドラ出演に、期待しかありません。・とても3歳差には見えない。奇跡の40代。アイドルとしてはもちろん、これまでにも俳優として数々のテレビドラマに出演してきた横山さん。NHKの朝ドラという大舞台で、どのような演技を見せてくれるのか、期待がかかります。[文・構成/grape編集部]
2022年02月07日加藤拓也が作・演出を手がける舞台『もはやしずか』の公演スケジュールとビジュアルが公開された。演劇から映像までボーダーレスに活躍する「劇団た組」主宰の加藤と、俳優・橋本淳がタッグを組む本作。共演には、黒木華、安達祐実、平原テツ、藤谷理子、天野はな、上田遥が名を連ねる。康二と麻衣は長い期間の不妊に悩んでいる。やがて治療を経て子供を授かるが、出生前診断によって、生まれてくる子供が障がいを持っている可能性を示される。康二は過去のとある経験から出産に反対するが、その事を知らない麻衣はその反対を押し切り出産を決意し……。公演は4月2日から4月17日まで東京・シアタートラムで行われる。あわせて公開されたビジュアルには、作品世界を踏襲したもので、橋本とともに黒木、安達、平原が静かに並んでいる。【公演概要】『もはやしずか』4月2日(土)~17日(日)東京都 シアタートラム全席指定 7,000円(税込)作・演出:加藤拓也出演:橋本淳、黒木華 / 藤谷理子、天野はな、上田遥 / 平原テツ、安達祐実声の出演:松井周
2022年01月14日NEWSの加藤シゲアキがPARCO PRODUCE『粛々と運針』の主演を務めることが決定した。本作は横山拓也が作・演出を手がけ、2017年に初演した『粛々と運針』を、ウォーリー木下が再演出。次世代を担うことを期待された劇作家と演出家による初タッグとなる。NEWSでの活動のみならず、作家としても数々のヒット作を生み出し続け、2020年に発表した『オルタネート』(新潮社刊)は第164回直木賞、2021年本屋大賞にノミネート。さらには、ドラマ『二月の勝者』(日本テレビ系)に出演するなど、多彩な活躍を見せている加藤は、本年4月に上演されたPARCO PRODUCE『モダンボーイズ』以来の舞台主演となる。描かれるのは、築野家と田熊家という2つの家庭のを舞台にした、小さなドラマに隠れた大きな命の物語。加藤は、母を見舞った病室で「金沢さん」という初対面の初老の紳士を紹介された長男・築野一(はじめ)を演じる。出演者には加藤のほか、須賀健太、徳永えり、多岐川裕美ら、実力派俳優が名を連ねた。『モダンボーイズ』では、葛藤する主人公の心情を繊細に表しながらも熱演した加藤。今回の横山拓也、ウォーリー木下と初顔合わせで、さらに新しい顔を魅せてくれることだろう。作:横山拓也2017年に新宿の小さなギャラリーで生まれた『粛々と運針』が、加藤シゲアキさんを主演にPARCO劇場で上演されることになるなんて、そんなスケールアップのパターンがあるのかと驚いています。加藤さん演じる長男・一(はじめ)という役は、僕自身であり、誰にも思い当たるところがある「情けない自分」です。本作に登場する人物たちは、みんな強さに憧れながら、自身の脆さと戦っています。きっとどこかに皆さん自身を感じるはずです。旧知の中でありながら、劇作家と演出家の関係でガッツリと組むのは初めてのウォーリー木下さんが、どんな手つきで立ち上げてくれるのかも楽しみです。演出:ウォーリー木下初演の『粛々と運針』を見た時のことはよく覚えている。会場は新宿の小さなギャラリーで、道に迷いながら辿り着いた。お客さん同士の肩が当たるくらいの大きさで、その親密性もあいまって、その芝居は「秘密のお茶会」のような緊張と優しさに溢れたものだった。今まで見たどの横山くんの作品とも違っていて驚いたし嬉しかった。その興奮で帰り道もまた迷った。横山くんとは20年以上の付き合いだと思うけど、はじめて彼のホンを演出させてもらう。人物を描きながら世界の歪みと明るさを同時に描ければと。加藤さんをはじめとする一癖も二癖もあるキャスト陣と、濃密で温かな空間を作り出せることを今から楽しみにしている。あの時の僕のように観客の皆さんを帰り道迷わすつもりで。主演:加藤シゲアキ時間は人に寄り添い、しかし無情に、一定のリズムで進んでいく。全ての人はそれに翻弄され、喜劇と悲劇を知らず知らずのうちに生み出している。運命めいたいくつもの時が織りなされて、描かれる家族の物語。演劇でしか表現できないこの『粛々と運針』という戯曲に、ひとつの編針として参加できること、心より光栄に思います。PARCOPRODUCE 『粛々と運針』作:横山拓也演出:ウォーリー木下出演:加藤シゲアキ須賀健太 徳永えり / 多岐川裕美 ほか【東京公演】日程:2022年3月8日(火)~27日(日)会場:PARCO劇場【大阪公演】日程:2022年4月8日(金)~10日(日)会場:森ノ宮ピロティホール
2021年12月20日アイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキが、PARCO PRODUCE『粛々と運針』の主演を務めることが19日、明らかになった。同作は演劇ユニットiakuを主宰する劇作家・横山拓也による会話劇。平凡な生活の内に潜む二つの家の葛藤を、周到な会話で縫い合わせるように描き出す命の物語となり、演出は気鋭の演出家・ウォーリー木下が手がけ初タッグとなる。主演の加藤は築野家の兄・一を演じ、膵臓ガンを告知された母を抱える主人公に。今回は脚本の横山、演出のウォーリー木下と初顔合わせとなる。また築野一の弟、紘(つなぐ)役に須賀健太、さらに徳永えり、多岐川裕美らが出演し実力派俳優が揃った。東京公演はPARCO劇場にて2022年3月8日~27日、大阪公演は森ノ宮ピロティホールにて4月8日~10日。○加藤シゲアキ コメント時間は人に寄り添い、しかし無情に、一定のリズムで進んでいく。全ての人はそれに翻弄され、喜劇と悲劇を知らず知らずのうちに生み出している。運命めいたいくつもの時が織りなされて、描かれる家族の物語。演劇でしか表現できないこの『粛々と運針』という戯曲に、ひとつの編針として参加できること、心より光栄に思います。○横山拓也 コメント2017年に新宿の小さなギャラリーで生まれた『粛々と運針』が、加藤シゲアキさんを主演にPARCO劇場で上演されることになるなんて、そんなスケールアップのパターンがあるのかと驚いています。加藤さん演じる長男・一(はじめ)という役は、僕自身であり、誰にも思い当たるところがある「情けない自分」です。本作に登場する人物たちは、みんな強さに憧れながら、自身の脆さと戦っています。きっとどこかに皆さん自身を感じるはずです。旧知の中でありながら、劇作家と演出家の関係でガッツリと組むのは初めてのウォーリー木下さんが、どんな手つきで立ち上げてくれるのかも楽しみです。○演出:ウォーリー木下 コメント初演の『粛々と運針』を見た時のことはよく覚えている。会場は新宿の小さなギャラリーで、道に迷いながら辿り着いた。お客さん同士の肩が当たるくらいの大きさで、その親密性もあいまって、その芝居は「秘密のお茶会」のような緊張と優しさに溢れたものだった。今まで見たどの横山くんの作品とも違っていて驚いたし嬉しかった。その興奮で帰り道もまた迷った。横山くんとは20年以上の付き合いだと思うけど、はじめて彼のホンを演出させてもらう。人物を描きながら世界の歪みと明るさを同時に描ければと。加藤さんをはじめとする一癖も二癖もあるキャスト陣と、濃密で温かな空間を作り出せることを今から楽しみにしている。あの時の僕のように観客の皆さんを帰り道迷わすつもりで。○あらすじ築野家。一(はじめ)は弟・紘(つなぐ)と二人で母を見舞う。病室で母から紹介されたのは、「金沢さん」という初対面の初老の紳士。父が死んだあと、親しい仲らしい。膵臓ガンを告知された母は、金沢さんと相談の結果、穏やかに最期を迎えることを選んだという。まだ治療の可能性はあるのに。田熊家。平均寿命くらいまで支払いを続けたら自分のものになる小さな一軒家を去年購入した沙都子と應介。その家のどこかで子猫の鳴き声がする。早く助けてあげたいけど、交通事故で頸椎を痛めた應介はケガを理由に探してくれない。そしてお腹に新しい命を宿しているかもしれない沙都子は不思議なことにこの話の切り出し方が分からない…。平凡な生活の内に潜む二つの家の葛藤を、周到な会話で縫い合わせるように描き出す命の物語。
2021年12月19日アイドルグループ・AKB48の横山由依が9日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行い、12年のアイドル人生に幕を閉じた。2009年にAKB48の9期生として加入。2代目AKB48グループ総監督を務め、AKB48を牽引し続けてきた横山。昨日12月8日に29歳の誕生日を迎え、「AKB48劇場 16周年特別記念公演」で組閣による新チームの誕生と第17期生オーディションの開催発表を見守り、9日の卒業公演をもってAKB48を卒業した。「目撃者」「RESET」「シアターの女神」と、横山が劇場で汗を流した思い出の詰まった公演曲でスタート。横山は「横山由依卒業公演 始まりました~! 卒業を発表して、時間ってあっという間に過ぎるんだなと思いました。まだぜんぜん実感が湧かなくて…」と笑顔で挨拶し、岡部麟は「(横山の卒業コンサートの)アンコール曲で横山さんがソロ曲を歌っていた時に裏でモニターを観ていて、みんな お互いの顔を合わせられないくらいボロボロに泣いていました」と、横山の人柄でメンバーのみんなに愛されていたというエピソードを披露した。続いて、派生ユニット「Not yet」の楽曲へ。昨日の組閣発表で新チームKのキャプテンに任命された田口愛佳と小栗有以、下尾みうの3人と「週末Not yet」を、加藤玲奈、宮崎美穂、大家志津香と「波乗りかき氷」を、向井地美音、谷口めぐ、村山彩希とは「ペラペラペラオ」を披露した。もともと部屋にポスターを飾るほど「Not yet」のファンだったと話す谷口は「本当は客席でこのパフォーマンスを見たかったくらいです! 本当に派生ユニットの中でも一番好きなのでこうして一緒にできて嬉しかったです!」とコメントした。自身のソロ曲「月と水鏡」を歌い上げ、共にAKB48を支えてきた柏木由紀とは「友達でいられるなら」をパフォーマンス。「純愛のクレッシェンド」では、岡田奈々とCGM48伊豆田莉奈が登場。横山が「いずりな、本当にありがとう! 卒業コンサートで『卒業公演も出たいです!』って直談判されて…センターを務めてもらいました(笑)」と話すと、伊豆田は「(この曲の)センターは新ポジでした! 私もびっくりです!」とコメント。柏木からは「卒業公演、直談判する人いないから! 今日の思い出をタイに持ち帰って!」と突っ込まれ、笑顔が溢れる一幕となった。終盤は「大声ダイヤモンド」「ポニーテールとシュシュ」「重力シンパシー」などを次々と披露。「光と影の日々」で本編を締めくくった。アンコールでは軌跡映像で、正規メンバーへの昇格からNMB48との兼任・チームキャプテンの就任・AKB48グループ総監督の就任など、激動の日々を過ごした12年間のAKB48人生を振り返り、卒業ドレスに身を包んだ横山がステージに登場。自身の卒業曲「君がいなくなる12月」をこれまでの出来事を思い浮かべるように、優しく澄んだ瞳で歌い上げ、柏木・向井地・小栗らメンバー7人と「GIVE ME FIVE」を満面の笑みでパフォーマンス。ひとりひとりのメンバーと見つめ合いながら涙を流すシーンもありました。また、エンディングでは初代AKB48グループ総監督で1期生の高橋みなみ(たかみな)がスペシャルゲストとして登場。「ゆいちゃん、卒業おめでとう~。きれいだねぇ~」と横山に花束を渡すと、感極まって涙し「ご卒業おめでとうございます。本当にすごく綺麗になって、卒業するメンバーの顔になってるなって思いました。AKB48グループ総監督は、ゆいちゃんだからお願いできたな、と思っています。こうしてたくさんの方々に見送られて、先輩後輩問わず愛されている姿を見たら、きっとこれまでの経験を糧に活躍していくんだろうなって思いましたし、卒業して本人はもちろんですけど、グループにとっても変わるタイミングになると思うので、AKB48のこれからと、由依ちゃんのこれからをすごく楽しみにしています。心から卒業おめでとう!」とお祝いの言葉を贈った。横山は「たかみなさんの姿を傍で見てきて支えになりたいなと思って総監督になりました。たかみなさんが言ってくれたように、私もみーおん(向井地)がいたから卒業できましたし、みーおんに繋げられて良かったなと思います」とコメント。続けてファンに「今この景色を目に焼き付けておきたいなと思います。私にもいろんな時期があって、本当にみなさんがいないと乗り越えられなかったと思います。私を見つけてくれて背中を押してくれたみなさんには感謝の気持ちでいっぱいですし、最後にこうやって楽しかったと思えて、メンバーに見送ってもらえてよかったなと思います。AKB48がなかったらどうしてたんだろうと思うし、大切な場所だなと思います。これからは、ひとりの横山由依としてお芝居とか歌とかにしっかり向き合って、みなさんに夢とか希望とか与えて『頑張ろう』って思われる人間になりたいと思うので、元AKB48メンバーとして恥ずかしくない活動をしていきたいと思います」と挨拶。しんみりしたムードで次の曲に行くのかと思いきや「たかみなさんは卒業する実感がありました?」と、突然たかみなに質問。「いきなりきたね! 振り返ると私もそうだったけど、実感はなかなか湧かない。時間をかけて実感すると思うので、最後までAKB48でいてください」と返し、終始マイペースな横山に笑いが起こった。緊張が解けたような温かなムードの中、満面の笑みで「桜の花びらたち」を歌唱。メンバーに向けて「昨日も17期のオーディションが発表になったり、これからどんどん前に進んでいくAKB48が楽しみだし、嫌なことがあったらみんないつでも連絡してください。でも本当に実感がなさすぎて…こんな感じなんやなって思う」と明るくコメントするも、次の瞬間は声を震わせて涙しながら「でもそれくらい私、毎日24時間365日AKB48でいられてたんだなって思うし、私、本当にメンバーのことが好きすぎて… 今日も楽屋で普通にわちゃわちゃしてたけど、それができなくなるのが寂しい。でも前向きな卒業だし、みんなのことも何も心配してないからプライベートで遊んでください!」と声をかけた。向井地が「寂しいな…という気持ちなんですけど、つらいことがたくさんあっても、今日この最後の瞬間に楽しかったと言えることが素敵だな~と横山さんのことを見ていて思ったので、みんなそれぞれ頑張っていきます!」と力強く語ると、横山は「応援しています!」と返し、最後は「本当に12年間ありがとうございました」と挨拶。温かい拍手で包まれる中、AKB48横山由依の卒業公演は幕を下ろした。(C)AKB48
2021年12月10日「ピーチクパーチク」は、増元拓也と長谷川芳明、二人の声優が何にも縛られず「好きにしゃべらせて!」という想いのもと、とにかく、ただひたすら、自分が今しゃべりたいことをしゃべっていくトークイベントだ。昨今の状況もあり、昨年9月に「Vol.0」、今年3月に「Vol.0.5」を配信限定で開催したが、ついに会場に観客を迎え、「Vol.1」として12月18日(土)に浅草の雷5656会館ときわホールにて満を持しての開催となる。元々このイベントは、ファンの皆さまの笑顔や笑い声と直接触れ合うべく企画されたもの。念願叶っての有観客開催で二人はどんなトークを聞かせてくれるのか?そして今回は同イベント初のゲストとして、「Vol.0」&「Vol.0.5」でも話題に出た、二人とも仲良しの声優・坂泰斗が登場。これまでは、二人でも「時間が足りない!」とイベント終盤に嘆き、それでも、しゃべり続けてジワジワと時間を延長してきた増元と長谷川。今回は出演者も増えるが、無事に時間内にしゃべり切ることができるのか……!?さらに、イベント当日は偶然にも坂の20代最後の誕生日!一緒に笑って過ごせる特別な日となりそうだ。チケットは、11月29日(月)10:00から一般発売される。2021年の笑い納めにぜひ会場へ。また、本イベントのライブ配信実施も決定!来場が難しい方も自宅で思い切り笑って参加してほしい。■増元拓也と長谷川芳明のトークライブ「ピーチクパーチクvol.1」開催日時:12月18日(土)第1部 13:00~/第2部 17:00~会場:雷5656会館 ときわホール配信:PIA LIVE STREAM出演:増元拓也、長谷川芳明、坂泰斗(ゲスト)
2021年11月29日27日に神奈川・パシフィコ横浜にて開催されたAKB48・横山由依の卒業コンサート「MXまつり 横山由依卒業コンサート〜深夜バスに乗って〜 supported by 17LIVE」終演後、アフタートークライブがライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」にて配信され、女優の川栄李奈が登場した。2015年にAKB48を卒業した川栄。横山とは「横栄」のコンビ名を自称するなど、グループ時代から親交が深い。同日に開催された横山の卒業コンサートにもサプライズ登場し、「卒業しても月1で会ってるよね。LINEもしている」と現在も変わらず交流が続いていることを明かしていた。公演終了後に配信されたアフタートークライブでは、「ゆいはんがめっちゃ普通に喋っててビックリした」と今回のコンサートの感想を述べる川栄。「『なんやろな〜』って言ってたゆいはんで(自分の中の印象が)止まってるから。饒舌になってるし、すごいビックリした」「ゆいはん、めっちゃ大人になってるなって思った」と、しみじみと語った。それに対し、横山が「年下!」とツッコミを入れると、アフタートークライブの進行を務めた向井地美音、田口愛佳も大笑い。川栄は「2期も下なんですけど」と前置きしながら、「ゆいはん、成長したなあと思っちゃって」「すごい」と、後輩ではあるものの“親友”として、横山の成長ぶりを称賛した。
2021年11月29日元AKB48で女優の大島優子が27日、神奈川・パシフィコ横浜で開催されたAKB48・横山由依の卒業コンサート「MXまつり『横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~』supported by 17LIVE」にゲスト出演。花柄のシースルーワンピース姿で登場した。2009年にAKB48に加入し、2015年12月~2019年3月まで同グループ2代目総監督を務めた横山。12月9日にAKB48劇場で卒業公演を行う。卒業コンサートでは、大島優子、北原里英、指原莉乃がゲスト出演し、派生ユニット・Not yetが再集結。4人で「週末Not yet」「Already」をパフォーマンスすると、一夜限りのレアなNot yetの姿に会場ではどよめきが起こった。大島は「あなたのことは心配していません。これからも輝き続けてください」とメッセージ。また、横山が「みなさんお忙しいのに来てくれてうれしい」と話すと、大島は「来るに決まってるじゃない!」と返した。横山が新婚の大島と北原を「お二人とも、おめでとうございます」と祝福する場面も。2人は「ありがとうございます」は照れ笑いを浮かべていた。撮影:蔦野裕
2021年11月28日アイドルグループ・AKB48の横山由依が27日、神奈川・パシフィコ横浜にて「MXまつり『横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~』supported by 17LIVE」を開催。公演後に報道陣の取材に応じた。横山は「終わったって感じがするんですけど、実感はまだ湧いてなくて、卒業自体は12月9日に最終公演がある。AKB48で12年間やってきたので、12月10日からAKB48じゃなくなるのはまだピンときていない」と率直な心境を告白。「でも、今日のステージがすごく楽しかったので、みんなが私の卒業コンサートの中で涙を流してくれたりいろんな表情を見せてくれたので、もうちょっとで卒業するんだなと、ふんわりとですけど……」と話した。また、今後の活動について「卒業を決意したのがお芝居と向き合いたいと思ったからなので、お芝居をやっていきたい。近年舞台に出させていただいて、丁寧に作っていくやり方がすごく自分に合っているのかなと思ったので舞台に立ちたいですし、ドラマや映画でいろんな役を演じることもやっていきたいです」と述べ、「歌うことが昔から大好きなので歌も何らかの形で続けていけたら。歌もお芝居もとなるとミュージカルだと思うのでミュージカルも挑戦したいです」と目を輝かせた。「AKB48で過ごした日々を漢字一文字で表現するなら?」と聞かれると、「輝」と答え、「私のキャッチフレーズは『金閣寺よりも輝きたい』。これはファンの方がつけてくれたキャッチフレーズで、ステージでも輝けるようにっていうのをモットーにしてので、誰よりも汗をかいてきたと思いますし、輝きが汗の輝きで違うかもしれないですけど(笑)、いろんなステージで輝かせてもらったし、輝けたのかなと思います」と説明。「AKBとは?」という問いには、「私にとっては宝物ですかね」と答え、「すべてが詰まっていると思います。すべての感情も詰まっていますし、先輩がいて後輩がいて、そういうものも全部詰まっている。すごくいろんなことを教えてもらいましたし、宝物です」と語った。そして、「2009年に加入して12年間、AKB48で活動してきたんですけど、今思うのは、すごくたくさんの方に支えてもらったなと感じていて、一人ではできないこともメンバーと一緒ならできたし、スタッフさんと一緒ならできたし、何よりもファンの方がいろんなコンサート会場に連れて行ってくれた感じがするので、“一人じゃない、みんながいた”っていうことが続けられた秘訣だなと思う。夢を追って叶えていくことが楽しいなと思ったので、これからも夢を追い続けていきたい。引き続き応援していただけたらなと思います」とファンに向けてメッセージを送った。2009年にAKB48に加入し、2015年12月~2019年3月まで同グループ2代目総監督を務めた横山。12月9日にAKB48劇場で卒業公演を行う。撮影:蔦野裕
2021年11月28日アイドルグループ・AKB48の横山由依の卒業コンサート「MXまつり『横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~』supported by 17LIVE」が27日、神奈川・パシフィコ横浜にて開催。卒業生の大島優子、北原里英、指原莉乃がゲスト出演した。2009年にAKB48に加入し、2015年12月~2019年3月まで同グループ2代目総監督を務めた横山。12月9日にAKB48劇場で卒業公演を行う。卒業コンサートで大島、北原、指原がゲスト出演し、派生ユニット・週末Not yetのメンバーが集結。「週末Not yet」を披露した。指原は「卒業おめでとう。感慨深いです」と話し、北原は「いつも由依ちゃんの頑張りを近くで見られてうれしかったです」とにっこり。大島は「あなたのことは心配していません。これからも輝き続けてください」と伝え、3人の登場に横山は涙していた。撮影:蔦野裕
2021年11月27日アイドルグループ・AKB48の横山由依の卒業コンサート「MXまつり『横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~』supported by 17LIVE」が27日、神奈川・パシフィコ横浜にて開催され、卒業生で横山の親友である川栄李奈がサプライズ登場した。「セーラーゾンビ」のパフォーマンスのエンディングで花束を持って登場した川栄。「ゆいはん、おめでとう!」と声をかけると、横山は「ありがとう! AKBのステージで一緒になるのは川栄が卒業して以来」と喜んだ。川栄は「卒業しても月1で会ってるよね。LINEもしている」と親密な関係を明かし、「汗だくで踊っているのを見て、汗かけなくて水道で濡らしたことがフラッシュバックした」と振り返ると、横山は「汗のプレッシャーをかけちゃっていた。懐かしいね」と笑った。また、横山は「お仕事でも一緒になれるように頑張るので、川栄は朝ドラ頑張ってください」とエール。川栄は「素敵な姿を見れてうれしいですし、皆さん楽しんで最高の日にしてください」と語った。2009年にAKB48に加入し、2015年12月~2019年3月まで同グループ2代目総監督を務めた横山。12月9日にAKB48劇場で卒業公演を行う。
2021年11月27日27日に神奈川・パシフィコ横浜で開催されるAKB48・横山由依の卒業公演「MXまつり 横山由依卒業コンサート~深夜バスに乗って~ supported by 17LIVE」が同日(17:00~)、ライブ配信アプリ「17LIVE(ワンセブンライブ)」にて無料独占ライブ配信される。横山、向井地美音、大家志津香、加藤玲奈が4日、17LIVEにて実施された緊急特別ライブ配信に出演。卒業公演の17LIVE無料独占ライブ配信決定に加え、同公演に向けた事前特別ライブ配信とAKB48リレー配信「Everyday ワンセブン配信」が行われることも発表された。事前特別ライブ配信は13日(20:00~)実施予定で、岩立沙穂、村山彩希、福岡聖菜、山内瑞葵が出演。2週間後に迫った卒業コンサートに向けて、横山にまつわるエピソードトークやクイズ企画などを行う。また20日にも同様の事前特別ライブ配信を予定。さらに「Everyday ワンセブン配信」では、本日5日からコンサート前日の26日まで、AKB48メンバーが日替わりで17LIVEにてライブ配信を実施。初日はグループ最年長メンバーであり、横山との関わりも深い柏木由紀が登場する。また、リレー配信ならではの企画として、「横山由依といえば○○」というテーマで「横山由依プラスワンお絵かき」コーナーを毎回実施する。なお配信時間は、毎日21時15分頃スタート予定だが、時間やメンバーは事情により変更となる可能性がある。○■横山由依コメント卒業コンサートまであと1カ月を切り、この12年を振り返ることも増えました。卒業が近づいて寂しい気持ちもありますが、たくさんの思い出を胸に一歩踏み出せることを幸せに思います。そして、このコンサートが、17LIVEで無料生配信されることが決定しました! 会場にお越しになる皆様、画面越しに見守ってくださる皆様と一緒に最高の時間を過ごせたら嬉しいです!(C)17LIVE
2021年11月05日細やかで、リアリティあふれる会話によって市井の人々の等身大の姿を描き出すiaku。主宰の横山拓也が書き下ろす新作が『フタマツヅキ』だ。フタマツヅキ、二間続き。この言葉は、主人公の父子が暮らす市営団地の間取りを言い表している。新しいマンションのようにドアできっちりと区切られているのではなく、開けようと思えばすぐ開けられる、声も、衣擦れの音さえ筒抜けの襖だけで仕切られた部屋。父はおそらくさほど売れもしなかった元噺家で、そんな父に対して嫌悪感を抱く息子――。父を演じるのはモロ師岡。元々コメディアンとしてキャリアをスタートさせた諸岡は、一人コントを落語に仕立てた「サラリーマン落語」もライフワークとして30年近く続けている。そんな彼が噺家くずれを演じるというだけで、期待が高まる。息子役はドラマや映画で活躍しながら今回が初舞台となる杉田雷麟。さらに、横山が幾度か戯曲を書き下ろしている劇団俳優座の清水直子や、名古屋を拠点とする劇団オイスターズの主宰・平塚直隆らも集う。8人の出演者がそれぞれ出自も活動拠点もみごとにバラバラで、だからこそこんなバラバラの彼らがどのようにひとつの世界を立ち上げるのか、興味が増す。横山は関西弁の作品を多く作ってきたが、最近は標準語のものも書いている。今作も標準語で紡がれるらしい。日本各地から集ってきた役者の顔ぶれを見ると、「標準語」という言葉の意味を改めて考えたくなる。今作は東京はシアタートラム、大阪はABCホールで開催される。横山が描く会話のごとく丁寧に一作一作を重ねてきたiaku。初めてのシアタートラムで、「この数年培ってきた中劇場での上演の集大成として取り組みます」と宣言されれば、これは見逃すわけにはいかないだろう。文:釣木文恵iaku『フタマツヅキ』【東京公演】2021年10月28日(木)~2021年11月7日(日)会場:シアタートラム【大阪公演】2021年11月12日(金)~2021年11月14日(日)会場:ABCホール
2021年10月28日先日ついにスタートした、オリジナルTVアニメ『ヴィジュアルプリズン』。ここでは、主要キャストである江口拓也さんと島﨑信長さんにお話を伺いました!孤独を抱える少年・結希アンジュ。故郷を離れ“ハラジュク”を訪れると、ヴィジュアル系ユニット「LOST EDEN(ロストエデン)」「ECLIPSE(イクリプス)」のライブバトルに遭遇する。実は彼らはヴァンパイアで…。アンジュ自身も「OZ(オズ)」を結成し、3ユニットは激しいライブバトルを展開する。“ヴィジュアル系”と“ヴァンパイア”、2つの要素がどう絡むかに注目!LOST EDEN:激しい怒りを、音に乗せて…。独自のダークな世界観を表現。江口拓也 plays サガ・ラトゥール常に怒りを抱えている、破壊的なキャラクター。4人で構成される「LOST EDEN」のメインヴォーカル兼リーダー、サガ。多くの者を惹きつけるカリスマだが、「OZ」のギルとは深い確執がある。「『LOST EDEN』は、3つのユニットの中でメイクもいちばん派手だし、楽曲も荒々しくて、ザ・ヴィジュアル系感が最も強い。サガは、怒りと激情に溢れた人物で、いつも『ぶっ壊してやる!』と言っている、過激な思想の持ち主。その怒りのエネルギーが、そのまま歌声に表れています」(江口さん)message to 島﨑信長信長とは長い付き合い。作品に対する姿勢が常にストイックで、信頼感は絶大。落ち着いたら、また飯行きたいね。えぐち・たくや5月22日生まれ。茨城県出身。『機動戦士ガンダムAGE』『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』『アイドリッシュセブン』など出演作多数。最近観た名作は『羊たちの沈黙』『となりのトトロ』『アイアンマン』。「映画って思い出と紐づいているから、いま欲しい感情から観る作品を選ぶことが多いです」ジャケット¥946,000シャツ¥143,000シューズ¥88,000(以上アクオド バイ チャヌ TEL:03・5776・3679)パンツ¥39,600(キリュウキリュウ/キリュウ TEL:03・5728・4048)ネックレス(短)¥37,400ネックレス(長)[モチーフ]¥53,900[チェーン]¥36,300リング¥38,500(以上ジャスティン デイビス/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム TEL:03・3401・5001)タンクトップはスタイリスト私物島﨑信長 plays ミスト・フレーヴ理屈より感情で動くユニットのナンバー2。LOST EDENの“大番頭”、ミスト・フレーヴを演じる島﨑信長さん。冷静沈着で頭脳明晰といわれるミストだが、島﨑さんから見たミストは「よくプリプリ怒ってる苦労人(笑)。わりとパッションで動く人です。でもミストの心には常にサガがいるので、そんなサガを支えられて幸せなんじゃないかな。カリスマ的存在のサガを中心にミストとエリザベス、ジャックから成るLOST EDENはファミリーであり、お互いを高め合える同志です」(島﨑さん)message to 江口拓也ミストの行動原理の基本はサガですが、僕から拓也に言えることは「頼りにしてます!」に尽きます(笑)しまざき・のぶなが1988年12月6日生まれ。宮城県出身。『Free!』『斉木楠雄のΨ難』『ダイヤのA』など出演作多数。好きな名作は『バタフライ・エフェクト』と『ゲーム』。「前者は後世にも影響を与えたタイムリープ作品の金字塔。後者はどんでん返し作品が好きで見つけたのですが、ラストのいい意味での驚きが印象に残ってます」ブルゾン¥242,000シャツ¥154,000シャツにつけたチェーンネックレス¥6,380パンツ¥88,000(以上アクオド バイ チャヌ)リング¥64,900(ジャスティン デイビス/ジャック・オブ・オール・トレーズ プレスルーム)シューズ¥28,600(ドクターマーチン/ドクターマーチン・エアウエアジャパン TEL:03・6746・4860)タンクトップはスタイリスト私物いま巷で話題となっている、オリジナルTVアニメ『ヴィジュアルプリズン』がついにスタート。“10人のヴァンパイアたちによるライブバトル”という謎めいたストーリーはもちろん、豪華スタッフ&キャスト陣にも注目が集中!原作/上松範康、Afredes、制作/A‐1 Pictures、キャラクター原案/片桐いくみ、放送情報/TOKYO MXなどにて、毎週金曜24:00~放送中。©Noriyasu Agematsu,Afredes/Project VP※『anan』2021年10月20日号より。写真・樽木優美子(TRON)スタイリスト・藤長祥平ヘア&メイク・紀本静香(江口さん)瓜本美鈴(島﨑さん)取材、文・鈴木恵美尹 秀姫(by anan編集部)
2021年10月19日アイドルグループ・モーニング娘。’21の横山玲奈が、三菱重工浦和レッズレディース2021-2022シーズンの応援アンバサダーに就任したことが13日、明らかになった。レッズレディースの活動拠点である埼玉県出身で、日頃から浦和レッズを応援している横山。持ち前の元気と笑顔で、WEリーグ初代チャンピオンを目指すレッズレディースを盛り上げる。横山は「日頃から浦和レッズを応援している身として、今回のアンバサダー就任をとてもうれしく思っています」と喜びをあらわにし、「女子プロサッカー、そしてWEリーグをどんどん盛り上げていきたいです。WEリーグ初代チャンピオン目指して、一緒に応援していきましょう!」と呼びかけた。メインビジュアルは、クリエイティブディレクター岡田喜則氏、ファッションカメラマンの田中丸善治氏が手がけた。応援アンバサダーとしての活動期間は、2021年10月から2022年5月末まで。
2021年10月13日NHKドラマ『きれいのくに』の脚本(一部演出)を手がけ、9・10月上演のシス・カンパニー公演『友達』の演出・上演台本を手がけるなど、注目を集める加藤拓也が脚本・演出を務める「た組」の新作『ぽに』が、KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで今秋上演される。「始まりは近所の銭湯で鬼ごっこが最悪の永久機関ゲームなんだという秘密に気付いてしまったことからでした。つまり鬼ごっこの終わらなさからです。」と加藤が語る今作のテーマは“仕事とお金の責任の範囲”。やりたい事が見つからず、ひとまず海外に行く事を目標として、好意を寄せる誠也(24歳)の家に寝泊まりしながらバイトシッターをしている円佳(23歳)は、最近よく指名をもらっている生意気でシッターを奴隷扱いする男児・れん(5歳)の家で業務中に災害に遭い、ふたりで避難せざるを得なくなる。しかし避難所は定員で入れず彷徨う事に。そんな最中、れんはいつも通り横暴で、限界に達した円佳は彼を置き去りにしてしまう。円佳が誠也の家に帰宅した翌朝、れんは43歳の姿になって訪ねてくる。れんは「ぽに」になってしまったのだ。激怒するれんの両親や業務外の事故として関知しない雇用主、関係性のはっきりしない彼氏、ぽに化が進むれん、円佳の世界の輪郭はどんどん曖昧になっていき……。(c)山崎泰治出演は、「初めて「た組」の作品を観た時の衝撃は忘れられません」と語る松本穂香が円佳役を、円佳が好きな人で家に寝泊まりしに行く間柄ながら、彼氏ともいえない曖昧な関係の誠也を藤原季節が、5歳男児・れんを平原テツが演じるほか、れんの両親に豊田エリーと金子岳憲、円佳の雇用主に津村知与支、さらに秋元龍太朗、安川まりが名を連ねる。「終わらない鬼ごっこ」から連想された今作で観客は何を突き付けられるのか。チケット一般発売は9月11日(土)より。松本穂香・藤原季節・平原テツ・加藤拓也コメント全文松本穂香(c)山崎泰治【松本穂香コメント】初めて「た組」の作品を観た時の衝撃は忘れられません。わたし自身「た組」のファンだったので、今回お声がけ頂いた時は、驚きと共に、大きな責任を感じました。舞台経験はほとんどないので、正直なところ不安もありますが、加藤さんの作り上げる世界を体験出来るということに、今からドキドキしています。素晴らしいキャストの皆さんと共に、最後まで楽しんで作り上げていけたらなと思います。ぜひ、劇場でお待ちしております。【藤原季節コメント】円佳はいつも誠也の家に会いに行きます。歯ブラシもメイク落としも置いてあるのに、ふたりは付き合っていません。大切なことは笑ってごまかします。僕が想像するのは、円佳は誠也のことが好きなんだろうなということです。シンプルなことだけど、お互いの矢印は複雑なバランスですれ違っていて、僕自身は円佳に感情移入するけど誠也の気持ちや生活のこともよくわかるし、脚本を読んでいてなんか辛いです(笑) 僕としてはこの「ぽに」という得体の知れない恐ろしすぎる作品の中で、誠也という役を通して、円佳の"好き"を描くことに身を捧げたいと思っています。【平原テツ コメント】加藤くんの作品はファンタジーでも、そこに生きてる人達のやりとりが凄く生々しいからファンタジー感ゼロになる面白味が堪らないです。そして、毎回、物語の急な展開に「えっ!?」って振り回されます。加藤くんの脳味噌はどうなってんでしょうね…不思議。今回も素晴らしい共演者の方々とクスッとしたりゾッとしたりする生々しい瞬間を創り上げていきたいと思います。【加藤拓也】加藤拓也(c)山崎泰治「ぽに」というものの始まりは近所の銭湯で鬼ごっこが最悪の永久機関ゲームなんだという秘密に気付いてしまったことからでした。つまり鬼ごっこの終わらなさからです。存じない方にも向けて説明しますと鬼ごっこという遊びは鬼役が人間役を追いかけ、タッチする事で永遠に役を押し付け合うというルールのもと、夕方5時に公園で解散したとて遊びは終わらず、鬼役だった人は鬼役のまま翌日の遊び時間まで持ち越し、鬼はまた人間を追いかけて役を押し付け合う出口無しの無限ゲームです。銭湯で交互浴をしながら新しく書く物をぼんやり想像していた途中、そのことに気付いた僕は想像していた話の中に鬼ごっこを混ぜてみようと思い、混ぜてみると「ぽに」が出来上がったという訳なんですね。毎度、銭湯で交互浴をすると色んなものを混ぜる時間になります。そんな「ぽに」には結構前にドラマでご一緒した松本さん始め、何度も劇も他のことも沢山一緒にやってきた藤原さんに、実は色々とお世話になってるテツさんやエリーさん、秋元さん、それから僕が好きでお願いした金子さん、そして嬉しい初顔合わせとなる津村さん、安川さん、音楽は谷川さん! と稽古が楽しみになるチームで挑みます。遊びすぎないよう気を付けなければ。<公演概要>劇団た組『ぽに』作・演出:加藤拓也出演:松本穂香 / 藤原季節平原テツ / 津村知与支 / 豊田エリー / 金子岳憲秋元龍太朗 / 安川まり2021年10月28日(木)~2021年11月7日(日)会場:KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ※撮影者クレジットの「山崎泰治」の崎の正式表記は立つ崎
2021年08月18日日本を代表するピアニスト横山幸雄が、デビュー30周年を迎えたオンライン記者会見を開催した。横山幸雄といえば、今年の秋に開催が予定される世界最難関のコンクール「ショパン国際ピアノコンクール」に歴代の日本人として最年少での入賞(1位なしの3位)を誇る名手だ。1990年の同コンクール入賞を期にデビューを果たした逸材は、今やクラシック界のトップアーティスト。その活動が常に注目を浴びる存在だ。コンクール入賞後に消えてゆく音楽家も多い中、期待通りの活躍を展開する横山幸雄に拍手喝采だ。コロナ禍で迎える30周年においても、旺盛な活動ぶりにはいささかの揺るぎも感じられない。9月に開催される「横山幸雄〈デビュー30周年〉ピアノ・リサイタル ベートーヴェン・プラスVol.7」などを軸に、圧倒的なピアニズムが体験できるに違いない。会見では「ピアニストとしてキャリアの折り返し地点にも達していない」と語るだけに、今後のさらなる“太く長い”活躍に期待したい。健康維持の秘訣は「美味しいワインを飲むこと」というのも“ワイン通”として有名な横山幸雄ならでは。そういえば、横山がショパン国際ピアノコンクール入賞を果たした1990年は、ワインの世界に於いても偉大なヴィンテージイヤーとして記憶される年だ。ワイン同様、30年の歳月を経ていよいよ熟成の時を迎えつつある横山幸雄の芳醇な演奏を味わう喜びに乾杯!●横山幸雄のコンサート情報: 横山幸雄(ピアニスト)1990年ショパン国際ピアノコンクールにおいて歴代の日本人として最年少入賞を果たし、文化庁芸術選奨文部大臣新人賞など数多の賞を受賞。 ポーランド政府より「ショパン・パスポート」を授与。自ら企画する「入魂のショパン」はギネス世界記録に認定され、2019年には3日間でショパンの全作品を演奏しその記録をDVDとしてリリース。継続的に開催される意欲的な企画は常に高く評価される。パリにてラヴェルの全ピアノ独奏曲演奏会、ポーランドリサイタルツアーなど海外にも活躍の場を広げる。これまでリリースされたCDは、文化庁芸術祭レコード部門優秀賞、国際F.リスト賞レコードグランプリ最優秀賞等栄えある賞を受賞。コロナ禍にいち早く取り入れたインターネットライヴ配信「横山幸雄マイハートピアノライヴ」を現在、月に1~2回のペースで開催している。エリザベト音楽大学客員教授、名古屋芸術大学特別客員教授、日本パデレフスキ協会会長。2021年はデビュー30周年の節目を迎える。
2021年04月28日4/14(水)発売のanan2246号『人間関係の強化塾。』の表紙は横山裕さん。表紙撮影のエピソードを紹介します。想いを隠して、伝えて…。エモーショナルなフォトストーリー。今週のanan、「人間関係の強化塾」特集の表紙グラビアを飾ったのは、横山裕さん。舞台、ドラマで幅広い役を演じる俳優として、バラエティ番組やステージでは時にはしゃぎ、時にどっしりと構える関ジャニ∞のメンバーとして、確かな存在感を放ち続けています。様々な関係性の中で培ってきた、横山さんの“コミュニケーション論”に迫りました!今回のグラビアは、“焦がれる”“高まる”…いろいろな“想い”を表現。まずは、オールブラックのコーディネートに身を包み、シャビーなムードの中、“誰かからの手紙”を読みふける…というシーンからスタート。ロッカーの前に座り込み、想いを馳せながら空(くう)を見上げる眼差しにグッと心が掴まれます。また、螺旋階段のカットでは、“想いに囚われたひと”を彷彿とさせる姿を見せてくださいました。ハードなシチュエーションの中に浮かび上がる、横山さんの繊細な表情や指先は必見です。続いては、ゆらゆらと漂うオーガンジーのセットの中で、美しいデコルテが際立つ、深緑のスーツを纏っての撮影です。“想いを隠して”をテーマに、揺れ動く気持ちを表現。ゆらめくセットの中を泳ぐ姿はとてもファンタジック! 現場のスタッフも息を呑む美しさでした。その後で起こった「おぉー!」という歓声にも、ご本人はいたって冷静。深海の住人のような、凛とした姿に目が奪われるはず。最後のカットでは、ドラマ初主演作となる『コタローは1人暮らし』の世界を垣間見るような、ちょっとぶっきらぼうで、時々見せる可愛げにキュンとする…そんなカットを撮影。ずるずるとガウンを引きずったり、ブンブンとガウンを回したり、「わ!」っとやんちゃな表情を見せたり…。まるで5歳児の“コタロー”のような姿にスタッフも思わず笑顔になってしまいました。ヒリヒリする切なさ、惹き込まれる色っぽさ、クールさ、そしてとことんキュートな姿。横山さんの魅力を余すところなく感じられるグラビアをご堪能ください!そして、インタビューでは、初主演作や直近の舞台での人間関係トークをはじめ、俳優としての立ち位置、関ジャニ∞という強固な絆への強い信頼、覚悟、愛情について…、なんと1時間にわたって語ってくださいました! いろいろと話してくださる中で、「グループでいるのが楽しいんですよ」とボソッとこぼした横山さんの表情がとても印象的でした。様々な困難を共に乗り越えた今、静かに、そしてあたたかく重なっていく横山さんの想いを感じられるインタビューをお楽しみください。(KY)
2021年04月13日