映画『流浪の月』(5月13日公開)の完成披露試写会が13日に都内で行われ、広瀬すず、松坂桃李、横浜流星、多部未華子、李相日監督が登場した。同作は凪良ゆうによる、本屋大賞受賞のベストセラー小説の映画化作。雨の夕方の公園で、びしょ濡れの9歳の家内更紗(広瀬)に傘をさしかけてくれたのは19歳の大学生・佐伯文(松坂)。引き取られている伯母の家に帰りたがらない更紗の意を汲み、部屋に入れてくれた文のもとで、更紗はそのまま2カ月を過ごすことになるが、やがて文が更紗の誘拐罪で逮捕されてしまう。それから15年後、「傷物にされた被害女児」とその「加害者」という烙印を背負ったまま、更紗と文は再会する。作品にちなみ、自身の「宿命の存在」について聞かれたキャスト陣。松坂は「樹木希林さん」と回答し、「初めて主演をさせていただいた時に、おばあちゃん役で希林さんが出てくださっていて、お芝居を始めて間もない頃だったので、すごく色々言われたんですよ」と明かす。松坂はさらに「お芝居のことから『人っていうのはね』というところに派生していって。初主演だったので番宣(宣伝)も頑張らなきゃいけないというので、僕1人で……ということだったんですけど、希林さんが『あたしも行くわ』と全部ついてきてくれたんです」とエピソードを披露。「『あんたね、しゃべる前に"ああ"とか"ええ"とか言わないの。あとね、記者の方が同じ質問しても、同じ返しなんかしちゃダメだから。毎回違う答えを出してやらないと、見ようと思ってくれないから』と、お芝居のことから人としてのこと、番宣のことまでスタンスを教えていただいて」と感謝する。今回の作品についても「月日が流れて僕のお母さん役が(樹木さんの娘の内田)也哉子さんと決まった時に、ものすごい縁を感じまして、ちょっとゾクッとしたんですよね」という松坂。「お母さんとのシーンは僕の中でもなんともいえない感情が巻き起こってる瞬間でもあって、一言では言い表せない感情になった」と明かし、「今だったらなんて言うんだろうと思ったりします」と樹木さんに思いを馳せた。
2022年04月13日宗像市内で葬祭業を営む「株式会社森の庵」(本社所在地:福岡県宗像市、代表取締役:田中 勇次)は2022年4月に樹木葬霊園『森の庵の樹木葬』の2拠点目を宗像大社から車で1分の好アクセスの「興聖寺」内に新規オープンいたします。昨年4月オープンの「専修寺霊園」は1年間ですでに70組のお客様にご契約をいただき、新規造設が待ち望まれている中でのオープンとなります。おひとり様やご夫婦のみでも入れる、将来の墓じまい不要、管理費不要の永代供養付き樹木葬です。オープン記念見学会は2022年4月9日(土)・10日(日)に開催予定です。樹木葬■宗像市中心部で展開する「森の庵の樹木葬」全国的にも知名度が高まってきている「樹木葬」。現在、700か所以上あるといわれております。宗像市内でも山間部の霊園にございます。「森の庵の樹木葬」霊園の開園で、おひとり様やご夫婦のみで入るお墓を探されている方、お墓じまいを行い、ご先祖様のお骨もまとめて1か所で納骨したい方など、様々な方のご供養のお悩みを解決できるようになります。「森の庵の樹木葬」の新規拠点オープンを通して、宗像市のより多くのご供養のニーズに応えられる樹木葬を提供し続け、宗像市内のご供養に関わる課題解決に努めてまいります。■多様な「お墓問題」を解決できる「樹木葬」樹木葬が増えている背景には「核家族化」や人口減少により、「お墓の跡継ぎがいない」、「お墓を管理してくれる人がいない」、といった問題を樹木葬が解決できると期待されているからです。「お墓の跡継ぎ不足」や「お墓の管理人不足」といった事態には、「永代供養」付きの墓地に移動していただくことで解決することができます。宗像市で葬祭業を経営する中で、ご葬儀をご依頼される方から「故人様やご自身の入るお墓が見つからない」とお困りの声をいただくことが増えてきておりました。その問題解決のために、「森の庵の樹木葬」を開園する運びとなりました。今後も宗像市内ならびに周辺市区町村のご供養の課題解決に向けて、樹木葬霊園を拡大する予定がございます。■緑豊かな自然の中で眠れる「樹木葬」そもそも樹木葬と何か。樹木葬とは「樹木や芝生、草花を墓標として自然に還る埋葬」のことを言います。また、遺骨は骨壺や麻袋などに入れ、埋葬されます。一言でいうと、「自然に還る供養」と言うことができます。森林浴をすると気持ちよくなるという人が多いかと思いますが、そのように自然の中で安らかに眠ることができる、それが樹木葬です。同時に永代供養がついていること、宗旨宗派が不問であることも特徴です。どんな方でも最後まで安心して眠って頂けるお墓でもあるのです。現在は一般墓に次ぐ人気のあるお墓と呼ばれており、著名人の方の埋葬や、新規霊園の開園がニュースになることも増えてまいりました。■樹木葬が選ばれる3つの理由(1)「子どもに迷惑をかけずに済む」高齢になると、今まで1人でできていたことができなくなることが多くなります。その際に家族の手を借りないといけないことも増えてきます。そうであるにも関わらず、自分が亡くなった後にまで「迷惑をかけてしまうのは嫌だ、迷惑をかけたくない」というニーズが増えているのです。ある全国を対象としたアンケートでは回答者のうち85%は「将来、自分のお墓のことで子や孫に迷惑をかけたくない」、または「自分に子がいないため、お墓の継承者のことで家族に迷惑を掛けたくない」と考えている、といったデータもあります。樹木葬は「永代供養」付きであるため、跡継ぎが不要な上、管理はお寺がしてくれるので亡くなった後に子どもや孫に迷惑をかける心配はありません。(2)「跡継ぎがいなくても安心して供養できる」現在、男性の約20%、女性の約10%が生涯結婚をしません※。また、跡継ぎがいても福岡市内や東京などの大都市に働きに出ていて、地元に帰ってこない方も増えています。そのため従来の先祖代々のお墓を守っていく人がいなくなり、お墓の管理が難しくなっています。樹木葬はそのような方のご不安を解決し、跡継ぎがいなくても安心して供養できるお墓になっています。※内閣府 男女共同参画局 生涯未婚率の推移(男女別)より (3)「宗像市内中心部からアクセス抜群の立地」これまで、宗像市内に樹木葬霊園はありましたが、中心市街地から車で20~30分ほど山道を登った山間部にしかありませんでした。森の庵の樹木葬霊園は、市内中心部からアクセス抜群で、興聖寺霊園もJR東郷駅から車で10分、宗像大社からは車で1分の立地となっております。また、中心街からはフラットアプローチとなっており、霊園内には手すり等が完備しておりますので、お足元の悪い方にも気軽にお越しいただけます。また、駐車場完備のため、お墓参りの際にも便利な霊園となっております。■2022年4月9日(土)・10日(日)に、宗像大社付近の興聖寺にてオープン記念見学会を開催宗像市の興聖寺様の境内にて、「森の庵の樹木葬」第2拠点目のオープン記念見学会を4月9日(土)・10日(日)に開催いたします。「森の庵の樹木葬」の実物をご見学いただくことができ、またご供養いただく寺院様の様子も一緒にご覧いただくことができます。第1拠点目でご契約ができなかった方にも一部ご案内している中で、予約なども既に入っておりますので、当日は多くの来場者が見込まれます。〇森の庵の樹木葬 第2拠点「興聖寺霊園」のオープン記念見学会の概要見学会日程 : 4月9日(土)・10日(日) 10:00~13:00場所 : 興聖寺(福岡県宗像市田島1472)予約専用電話番号: 0120-86-3686ホームページ : ■施設概要販売代理店:株式会社森の庵代表者 :代表取締役 田中 勇次本社所在地:福岡県宗像市池浦41-10経営主体 :宗教法人興聖寺住職 :平賀 游山所在地 :福岡県宗像市田島1472 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年03月29日「裕也さん、1人で座ってバーボンか何かをロックで飲み出したら、トイレに行ったんですよ。でも、全然帰ってこない。それでどうしたのかなぁと思って」こう語ったのは、高橋ジョージ(63)。3月3日に放送された『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、親交の深かった内田裕也さん(享年79)との思い出を語った。裕也さんや安岡力也さん(享年64)ら音楽仲間が集まる店で飲んでいたところ、裕也さんがやってきて「お前ら、酒癖悪いから気をつけて飲めよ」と一喝されたという。すると裕也さんも酒を飲み始めたといい、高橋は冒頭のように述懐。ようやくトイレから戻ってきた裕也さんは、何事もなかったかのように再びグラスを手に。ところが、グラスを持つ手の甲が流血していたというのだ。驚いた高橋が「血が出てますよ」と声をかけると、裕也さんは「今よぅ、トイレ行ったら鏡の中の俺が笑ってたから殴ってやった」と言い酒を飲み続けたという。このエピソードにスタジオは騒然としていた。裕也さんが亡くなってから、3年。終生“ロックンロール”を貫いた破天荒な生き方は、こうして今も伝説として語り継がれるほど人々の記憶に息づいている。そんな裕也さんにとって“唯一無二の存在”だったのは、妻の樹木希林さん(享年75)。’18年9月に希林さんが亡くなると、まるで後を追うようにその半年後に裕也さんはこの世を去った。型破りな夫婦生活ながらも、2人は固い絆で結ばれていた。「2人は結婚後わずか1年半で別居。’81年に裕也さんが離婚届を出すも、希林さんはこれを認めず訴訟に発展しました。女性問題や暴力沙汰もあった裕也さんでしたが、希林さんは決して別れようとはしませんでした。希林さんは生前、裕也さんについて『夫がいることでケンカっ早い私が徐々に修正された。1人の人間の存在が“重し”になっている』と感謝していました。一方で裕也さんも、希林さんには『一生頭が上がらない』と語っています」(芸能関係者)裕也さんと希林さんの新婚当時、本誌は幸せいっぱいの2人をキャッチしていた。大勢のファンも駆けつけた結婚式では、裕也さんは希林さんの手をしっかりと繋いでいた。■昨年は親族一同で3回忌法要へ多くの人々に愛された裕也さんを、残された遺族たちも大切に思い続けているようだ。昨年3月、裕也さんの3回忌法要が東京の光林寺で行われた。本誌は大雨が降りしきるなか、華やかにアレンジメントされた供花を手に現れた本木雅弘(56)を目撃。本木に続いて、妻の内田也哉子(46)、長男の雅樂(25)、次男の玄兎(11)も姿を見せた。正装した家族全員の左襟には、「Rock’n Roll内田裕也」と書かれた白い缶バッジが。さらにこの日は、裕也さんと希林さんへの“近況報告”も兼ねられていたという。2人にとって3番目の孫にあたる玄兎が“作曲家デビュー”していたのだ。「同じ時期にイギリスの人気高級ブランド・ステラマッカートニーと、日本の芸術家・奈良美智のコラボアイテムが発売されました。そのキャンペーンムービーの音楽を、玄兎くんが手がけたのです。提供した曲はピアノを激しく叩くという内容。幼い頃から芸術に興味を示してきた玄兎くんを、也哉子さんはテレビ番組で『すごくフリースピリットというか、もしかしたら裕也的な血がいちばん入っているのかも』と語っていました」(ファッション関係者)裕也さんの“ロックンロール”は、これからも多くの人々の胸の中で鳴り続けることだろう。
2022年03月17日18年9月15日に樹木希林さん(享年75)が亡くなってから今日で3年。もう希林さんが出演する新作を見ることはできないが、泰然自若とした生き方を貫き通した彼女が生前に遺した多くの作品や言葉は今も多くの人々に力を与えている。60年近いキャリアを持つ希林さんだが、本誌は活動初期から何度も取材をともにしてきた。そんな本誌ならではの秘蔵写真やエピソードとともに、希林さんの意外な素顔を改めて、振り返りたいーー。1961年に文学座一期生として演劇研究所に入り、「悠木千帆」として俳優活動を始めた希林さん。杉村春子さん(享年91)の付き人を務めながら、64年には俳優で劇作家の岸田森さん(享年43)と結婚。その結婚生活はわずか4年で幕を閉じたが、本誌が2人を取材した際は屈託のない笑顔を見せていたのが印象的だった。73年10月にはロックシンガー・内田裕也さん(享年79)と結婚。女性問題や暴力沙汰などとにかく破天荒な裕也さんだったが、希林さんも決して負けていない。結婚発表会見では、笑顔をあまり見せることなく、終始クールな受け答え。そして、葉巻をふかしながら記者の質問に応えるその姿に取材陣も惹きつけられた。一人で東京大学の学園祭に現れ、軽音楽サークルのコンサートに出演したことも。74年に国民的ドラマ「寺内貫太郎一家」(TBS系)に出演し、その人気を不動のものに。そうかと思えば77年には芸名の「悠木千帆」をオークションにかけ、たった数万円で売却してしまうなど、常に“先の読めない人”だった。すべての物事に対して超然とした態度を取る希林さんだったが、それは自身の家族にも同じ。76年に一人娘・内田也哉子(45)が誕生するも、希林さんは決して甘やかしたりはしなかった。“やけど”を教えるためにわざと也哉子の手を熱い鍋に近づけたり、余計なものを買い与えず、おもちゃに至っては一つも買ったことがないという。その姿勢は、生まれた孫たちにも不変だった。本木雅弘(55)と也哉子の間には3人の子供が誕生し、2世帯住宅で希林さんも生活をともにしていた。孫に対しても容赦はなく間違っていると思えば、「そんな考え方はおかしい」とぴしゃりと言い放ち、泣かせることもざらにあったようだ。しかし、決して希林さんはただ厳しいわけではなかった。孫の雅樂(24)がモデルデビューするかを迷っていた際は、「人の作った洋服やモノを身につけ、それも輝かせなければならない。それを活かすも殺すもあなた次第」と背中を押すことも。そして、UTAとしてモデルデビューした雅樂は希林さんが生前愛した車「トヨタオリジン」を乗り継ぐなど、その意志は着実に受け継がれている。昨年の希林さんの三回忌に際し、本誌が雅樂に話を聞いた際、彼はこう言っていた。「はい、大好きなおばあちゃんでした。晩年までいろんなことに興味を持っていて。よく言っていた『なんでも面白がりな』という言葉は今でも強く、僕の胸に残っています」今日も希林さんは空から家族の活躍を見守っていることだろうーー。
2021年09月15日「死なないで、ね……どうか、生きてください……」亡くなる2週間前にこんな言葉を残したのは、2018年9月に亡くなられた、女優の樹木希林さんです。厚生労働省が発表している「自殺対策白書」によると、9月1日に18歳以下の日別自殺者数が突出して高くなっており、長期休み明けは特に注意が必要だとされています。この事実に対し、樹木さんは、学校に行けなくてつらい思いをしている子どもたちにメッセージを贈っていました。この記事では、樹木希林さんの言葉とともに、不登校新聞の石井編集長がウーマンエキサイトの取材に対し話してくださった内容を振り返ります。全国不登校新聞社提供樹木希林さんが残した言葉の意味は娘である内田也哉子さんは、冒頭で紹介した樹木さんが不登校などについて生前語った言葉を書籍『9月1日 母からのバトン』でこのように綴っています。「死なないで、ね……どうか、生きてください……」去年の9月1日、母は入院していた病室の窓の外に向かって、涙をこらえながら、繰り返し何かに語りかけていました。あまりの突然の出来事に、私は母の気が触れてしまったのかと動揺しました。それから、なぜそんなことをしているのか問いただすと、「今日は、学校に行けない子どもたちが大勢、自殺してしまう日なの」「もったいない、あまりに命がもったいない……」と、ひと言ひと言を絞り出すように教えてくれました。この2週間後に、母は75年の生涯に幕を閉じました。出典: 『9月1日 母からのバトン』 より書籍内で内田也哉子さんとも対談されている不登校新聞の石井志昂(いしい しこう)編集長は、2014年の樹木さん取材時に「毎年9月1日前後に、18歳までの若い人たちがたくさん自殺している現状」を伝えると「自殺するよりはもうちょっと待って、世の中を見ててほしい」と樹木さんは語ったと言います。子どもが学校に行きたくないと言ったらどうしたらいい?書籍には樹木さんが考える「親の価値観」の持ち方についても書かれています。子どもには子どもの社会があるんですよね。大人から見て「そんなの!」って言ったってだめだから。そういうときはもう、寄り添ってやるしかないかなと思っています。(中略)不登校の子どもよりも、私は親の価値観(の問題)なんだと思うんです。もっと、何かと比べるとかはなしでいいじゃないですか。違っててもいい。出典: 『9月1日 母からのバトン』 よりまた、石井編集長は、親が学校に行きたくない原因を特定するために「なぜ行きたくないのか?」ときつく問うと、子どもはますます追い込まれてしまう、とも話しています。当時小学校の内田さんに樹木さんが掛けた言葉小学1年生になると、日本では義務教育が始まり、社会のあたり前のこととして、子どもたちは学校に通います。そんな「あたり前」という風潮がある学校との付き合い方において、樹木さんは彼女ならではの考え方を発揮し、当時小学生だった娘の内田さんはこんな言葉を掛けたと綴られています。東京の公立だったんですけど、そのときはすごく合わなかったですねえ。私という“異物”が突然入ってきたことで、そのクラスにあったコミュニティがざわざわしてしまって。今思えば“いじめ”だったと思うんですけど、お友達ができないまま数か月を過ごして、毎日泣いて家に帰っていました。(中略)ある日、私があんまりつらそうだったからか、「やめれば?」と言ってきたんですよね。「そんなにつらいのに、何をガマンしてるの。やめればいいじゃない」って。私まだ、「やめる」の「や」の字も言ってないのに(笑)。出典: 『9月1日 母からのバトン』 より不登校だからって将来は決まらないそれでは、「学校には行かない」と決めたとして、その後どうすればいいのか。樹木さんは書籍のなかで、このように語っています。不登校でも、ある日ふっと何かのきっかけで、学校はやめるかもしれないけど、もっと自分に合った、っていうと自分中心だけどそうじゃなくて、自分がいることによって、人が、世の中が、ちょっとウキウキするようなものに出会うということが、絶対にあると思うの。出典: 『9月1日 母からのバトン』 よりコロナ禍で2020年の小中高生の自殺者数は過去最多となりました。そして、学校の長期休業明けにかけて増加する傾向があります。今日は9月1日。どうか樹木希林さんの言葉が一人でも多くの人に届いてほしいと願っています。※この記事は、下記の記事を元に編集しています。
2021年09月01日株式会社資生堂(東京都)から2020年6月に誕生した「樹木との共生」がテーマのスキンケアブランド「BAUM(バウム)」。樹木が持つ「貯水」「成長」「環境防御」の3つの力に着目して角層深くまで潤いで満たしながら、乾燥などから肌を守るアイテムを展開している。商品はローション、乳液、クリームといったスキンケア製品だけでなく、ハンドクリームやボディ用乳液といったボディケア製品もラインナップ。今回はその中から、健やかな肌をサポートする『ハイドロ エッセンスローション』や『モイスチャライジング エマルジョン』などBAUM SKINシリーズ4商品をピックアップしておためし!まるで森林浴のような心地良さ! 人にも環境にも優しいスキンケアブランド「BAUM(バウム)」は全商品にパラベンやシリコン、合成着色料を不使用。90%以上自然由来の素材を使っているのが特長だ。香りは樹木由来の天然香料を中心に配合。性別や年齢に関係なく、すべての人の健やかな肌をサポートするというコンセプトになっている。そのこだわりはパッケージにもあり、デザイン性が高いだけでなく、環境にも配慮。樹木資源を未来につなぐ活動として、アップサイクル木材を利用し、サスティナブルな循環を意識しているのも特長だ。そんなこだわりが詰まったBAUMから、今回は以下のSKINシリーズ4商品をピックアップ!・『バウムハイドロ エッセンスローション』・『バウムモイスチャライジング オイル』・『バウムモイスチャライジング エマルジョン』・『バウムモイスチャライジング クリーム』それぞれの特長に詳しく迫りながら、その使用感をレビューしていく。『バウムハイドロ エッセンスローション』まずご紹介するのは、『バウムハイドロ エッセンスローション』(本体150mL・参考小売価格 税込7,150円 ※編集部調べ、レフィル150mL・参考小売価格 税込6,050円 ※編集部調べ・発売中)。生命力が息づき、潤いと透明感の満ちあふれる肌へと導く化粧水だ。ウッドパッケージというのも斬新&おしゃれ! 全ての商品パッケージは家具の製造工程で発生した小さな木材を再利用しているため、一つひとつ木目や色味が異なるというから味わい深い。肌の水分をキープする貯水成分(保湿成分)として、桜葉エキス、セルロース、キシリトールを配合し、肌を整えるコンディショニング成分(整肌成分)としてカシア樹皮エキス、ムクロジ果皮エキス、マンゴスチン樹皮エキスなども配合している。また、肌を様々な環境から守るディフェンス成分(肌保護成分)として、イチョウ葉エキス、キハダ樹皮エキスも成分に含まれている。テクスチャーはとろみが強く、どろっと濃密。この濃密なローションが角層深くまで浸透し、健やかな肌の生まれ変わりをサポートしてくれるという。洗顔後、手のひらに500円硬貨大をとり、顔全体に馴染ませる。とろみのあるローションが滑らかに伸び広がっていき、肌がたっぷりの潤いで満たされていくのを実感。天然樹木などの香料が調香されており、森林浴をしているような心地良い香りに包まれ、心身共にリフレッシュできる。肌馴染みが良く、ベタつきがないため使い心地も良い。肌が内側からたっぷり保湿され、ツヤと透明感がアップしたような、みずみずしい肌に仕上がった。『バウムモイスチャライジング オイル』次にご紹介するのは、『バウムモイスチャライジング オイル』(本体60mL・参考小売価格 税込8,800円 ※編集部調べ、レフィル60mL・参考小売価格 税込7,700円 ※編集部調べ・発売中)。オイル層とエッセンス層の2層タイプのスキンオイルだ。2層のエッセンスが素肌を柔らかくほぐし、さらりと包み込んでくれる。『バウムモイスチャライジング オイル』、『バウムモイスチャライジング エマルジョン』、『バウムモイスチャライジング クリーム』には貯水成分(保湿成分)として桜葉エキスやセルロース、アルガンオイルなどを配合し、コンディショニング成分(整肌成分)としてカシア樹皮エキスやムクロジ果皮エキスなどを配合。また、ディフェンス成分(肌保護成分)としてイチョウ葉エキス、キハダ樹皮エキスを配合しているそう。ボトルをよく振って2層を混ぜ合わせて使用する。テクスチャーは少しとろみのあるオイル状。スーッと伸びて、肌を包み込んでくれる。また、オイル特有のべたつき感はなく、さらりとした使用感が心地良かった。肌を柔らかくほぐし、みずみずしい潤いに満ちたしっとり艶やかな肌に仕上げてくれた。『バウムモイスチャライジング エマルジョン』続いてご紹介するのは、『バウムモイスチャライジング エマルジョン』(本体100mL・参考小売価格 税込8,800円 ※編集部調べ、レフィル100mL・参考小売価格 税込7,700円 ※編集部調べ・発売中)。みずみずしく角層に浸透し、吸いつくようなしっとりした素肌に導く乳液だ。テクスチャーは乳白色でさらりと上質な感触。まろやかに肌に溶け込んで角層へ浸透し、素肌を柔らかくしなやかに、そしてみずみずしく潤してくれるという。化粧水とオイルを馴染ませた後、手のひらに10円硬貨大をとり、顔全体に馴染ませていく。みずみずしく肌に浸透していき、心地良い使用感。香りは化粧水と同様、シダーウッドなどが調香されたウッディな香り。ゆっくり深呼吸したくなるほどリラックスできる香りだ。肌に馴染むと手に吸い付いてくるようなもちもちでしっとりした肌に。水分をしっかり閉じ込め、潤いに満ちた柔らかな肌に整えてくれた。『バウムモイスチャライジング クリーム』最後にご紹介するのは、『バウムモイスチャライジング クリーム』(本体40g・参考小売価格 税込8,800円 ※編集部調べ、レフィル40g・参考小売価格 税込7,700円 ※編集部調べ・発売中)。滑らかに角層に浸透し、潤いたっぷりのふっくらツヤ肌に導くクリームだ。テクスチャーは白色でコクのあるクリーム状。顔に使ってみると滑らかに伸び広がり、とろけるように肌に溶け込んだ。とろけるクリームが素肌と馴染んで包み込み、ハリ感に満ちた潤いのあるつや肌に。肌が一気にもっちりとした質感にかわり、顔全体をしっとりと包み込んでくれる。クリームを顔全体に塗ることで、キメの整ったふっくら艶やかな肌に仕上がった。心地良いスキンケアで健やかな潤い肌に「BAUM」SKINシリーズ4アイテムは、樹木の力が肌を潤いで満たし、乾燥などの外的環境から守ってくれる心地良いスキンケアシリーズ。乾燥に負けない肌を育みたい方、アロマのように心地良い香りに包まれて心身共にリラックスしたい方、角層からしっかり潤う肌を手に入れたい方におすすめ。 それぞれの商品の購入はAmazonなどのオンラインショップや「BAUM」取扱い店舗から。
2021年07月26日作曲家の小林亜星さんが、心不全のため5月30日に亡くなっていたことがわかった。88歳だった。各メディアによると同日、都内の自宅で倒れた小林さんは、病院に搬送されるも帰らぬ人になってしまったという。すでに葬儀などは済んでおり、「お別れ会」は予定していないとも報じられている。「日立の樹」「パッ!とさいでりあ」など一度は耳にしたことのある国民的CMソングを、数多く作曲してきた小林さん。その才能は、アニメソングや歌謡曲まで多岐にわたって発揮された。’74年には『寺内貫太郎一家』(TBS系)で頑固な父親役を演じるなど、俳優としても活躍。2000年代に入ってからも、’02年上半期放送のNHK連続テレビ小説『さくら』で主人公の祖父役を好演し、’08年9月公開の映画『グーグーだって猫である』にも出演した。■「自分の好きなことをやったほうがいい」そんな小林さんは’16年7月、本誌で音楽を始めた頃についてこう振り返っていた。「うちは貧乏だからピアノなんてなくて。中学に入ると、戦時中は娯楽もないからみんなでハーモニカを吹いていましたよ。戦争に負けたら、今度は楽器が高くて買えない。だけどギターくらいなら、と、同い年だった小坂一也(故人)と仲間たちとハワイアンバンドを組んだんですよ」その後、朝鮮戦争が始まってからは、進駐軍に向けたバンド演奏で生計を立てていたという小林さん。しかしジャズが流行らなくなったこともあり、バンドは解散。製紙会社の営業部に就職することに。ところがバンド時代の浪費癖がなおらず、「癖がついてて、給料を1日で使っちゃうからこれはダメだと思って辞めちゃってさ。それで服部正先生の門をたたきました」と音楽を再開。当時、NHKラジオドラマなどを手掛けていた作曲家・服部正さん(享年100)に弟子入りしたのだった。紆余曲折を経て再び音楽の道を選んだ小林さんは、人生観をこう語っていた。「人間、自分の好きなことをやったほうがいいと思う。ダメでも好きなことをやったほうが、成功率が高いね。だって、営業職を好きな人と嫌いな人だったら、好きな人のほうが成績が高いでしょう」■「あの世はない」「死んだらお終い」マルチに活躍した小林さんだが、’19年9月に出演した『ノンストップ!』(フジテレビ系)で’18年に3度も入院したことを明かしていた。その際、「こんなに生きるとは思わなかったんでね。そろそろいいんじゃないかって感じなんですけどね」と語っていた。「’18年に肺炎を患い、心臓手術でペースメーカーを入れるなど健康面での心配事が続きました。ですが小林さんは医学部に進学した経験もあり、通院や検査は苦にはならなかったそうです。むしろ、自分の身体と向き合うことを大切にしていたようです」(芸能関係者)’18年は『寺内貫太郎一家シリーズ』で共演した、左とん平さん(享年80)や西城秀樹さん(享年63)、樹木希林さん(享年75)が先に旅立った年でもあった。盟友たちが相次いで他界したいっぽう、小林さんは潔い“幕引きの美学”を持っていたという。「亜星さんは生前、『あの世はない』と持論を語っていました。きっかけは高校生の時に行方不明になった友人から、『自分が死んで、あの世があったら教える。なかったらあの世はないと思って』という内容の手紙を受け取ったそうです。結局、いつまで経っても連絡は来ず、次第に『あの世はない』と考えるようになったといいます。生きている時間を大切にしていた亜星さんは、遺言や葬儀など死後について考えることは好まなかったそうです。そのため、『死んだらお終い』とも口にしていました」(音楽関係者)日本の音楽史に残る名曲を数多く残した小林さん。その“メロディ”は、いつまでも人々の記憶に残り続けることだろう。
2021年06月15日お笑いコンビ・ピースの又吉直樹が4日、公式YouTubeチャンネル『ピース又吉直樹【渦】公式チャンネル』で、動画「百の三新章スタート! 自分を育ててくれた名言&迷言…天才ボクサーや一流デザイナーの金言も【#28 百の三】」を公開。女優の樹木希林さんから言われ衝撃を受けた言葉を明かした。動画の中で「めちゃくちゃ大事にしている言葉」として、希林さんとの対談を振り返っていく又吉。希林さんから「私の友達が『火花』読んだって言ってたよ。なんかあんまり面白くなかったって言ってたよ」「良かったね。みんなが面白いと思うようなものを作らなくて」と言われたそうで、その言葉に「痺れましたね」と感じ入る。さらに希林さんは「私は面白かったよ」と続けたと言い、又吉は「みんなに喜ばれたいって気持ちが出てくるじゃないですか? それはそれでいいと思うんですけど、こういう覚悟の決まり方をしてる先輩を見ると、物作りの根幹の部分はこういう感覚を持っていないとやっていかれへんなとは思いますね」と持論を述べた。また、希林さんとの初対面の際には「良かったね。辞めてなくて」「あなたみたいな変な人はこの世界向いてないから、辞めちゃうんじゃないかと思ってたんですよ。続けてて良かった良かった」と声をかけられたと回顧。その初対面の前に、希林さんは又吉と作家・せきしろ氏の著書『カキフライが無いなら来なかった』を読んでいたらしく、又吉は「本を読みながら『この感覚やったら辞めるやろな』と思ったんじゃないですか?」「向いてないってことを武器にしながら戦ってるところありますけどね」と笑った。
2021年06月09日女優の浅田美代子が、「第30回日本映画批評家大賞」で助演女優賞を受賞し31日、都内で行われた授賞式に出席した。河瀨直美監督が手がけた映画『朝が来る』での演技が評価された浅田。ステージでトロフィーや花束を受け取り、「役者として賞をいただくのは本当に初めてで、めちゃくちゃうれしいです」と涙目で喜びを語った。続けて、河瀬監督とは樹木希林さんを通じて知り合ったと説明し、「そういう縁を作ってくださった希林さんの着物を着てきました」と両手を広げて着物をアピール。会場から温かい拍手が起こった。「日本映画批評家大賞」は、映画批評家たちが選び、作品や俳優、制作陣に贈られる賞。1年を振り返って、功を残した人たち、次の時代に大いなる飛躍を遂げる人たち、さらには、映画界に多大な足跡を刻んだ人たちを表彰する。
2021年05月31日取材現場にて、無造作に配置された椅子を眺め、松坂桃李は「おっ、椅子がたくさんですね~」と微笑んだ。そっと腰をかけた後、カメラマンから「ひとりの時間を感じてください」とリクエストされる。すると松坂さんは了承したような笑みを向けた後、すっと表情を抜いた。表現者の顔になるスイッチの切り替えはごく自然で、ひとりだからこそのけだるいムードが瞬時にあたりに漂った。やがて、どことなく色気も宿した松坂さんが、ファインダー越しに切り取られていく。ごくわずかな時間でも仄見える、「相手の望むことに応えたい」という思いは、スチール撮影であろうと、インタビュー取材であろうと、変わらない。だからこそ、作品に出演する際、その姿勢はより顕著になり、全身全霊を懸けた演技が、私たちの心を感動と衝撃でいつも揺さぶり離さないのだろう。松坂桃李が再会したい俳優は、役所広司、樹木希林、菅田将暉…「挙げるとキリがない!」本人が望むか、望まないかは別として、松坂さんは今や賞レース常連の俳優だ。20代で「がむしゃらに」積み重ねた作品群は、実となり、32歳の自身の背中を押すものとなった。第44回日本アカデミー賞授賞式では新人俳優賞のプレゼンターを務め、「ひとつひとつを積み重ねていくことで、再会も増えてくる仕事。現場での再会を望みます」と、実感がにじむメッセージを伝えていた。そんな松坂さんこそ、今、作品で再会したい人は誰なのか、聞いてみた。「いやあ、いっっっぱいいます!まず、役所(広司)さん。あと、(樹木)希林さんとは、もう1回ご一緒したかったですね。年齢は違いますけど、ほぼ同じ時期に事務所に入った菅田(将暉)とも、『キセキーあの日のソビトー』以来、映画をやってないからまたやりたいですし。同世代で言えば、岡田将生、濱田岳ともやりたいですし、本当にいっぱいいますねえ。もちろん、『いのちの停車場』で関わった俳優部の皆さん、吉永小百合さんをはじめ、またご一緒したいです」ここまで一気にしゃべると、「挙げるとキリがないですよね(笑)」と頭をかく。中でも、最初に名前が挙がった役所さんは、『孤狼の血』におけるバディが記憶に新しい。劇中の継承よろしく、プライベートでもつながっているのかと思いきや、「実は連絡先は知らないんですよ」と松坂さん。「『孤狼の血 LEVEL2』の方言指導の沖原一生さんが、役所さんのお付きをやられている方なので。沖原さんが役所さんとやりとりをしているので、経由で写真を撮って送ったりしまして。“楽しみにしとるけぇ!!”みたいな感じのやりとりは、ありましたね」と、何とも幸せそうに交流を伝えてくれた。充実のキャリアのあとは、こうした何気ない会話の端々からも、うかがえるものだ。30代からのキャリアプラン「役や作品に対しての深掘り、もっとしっかりしてみたい」かつて自身がそうだったように、若い世代の波や勢いといったものを、松坂さんも感じているのだろうか?「いや~、もう、めちゃめちゃ感じます。それこそ、新人賞を受賞された皆さんも、本当に魅力的だし、エネルギッシュだし、透明感もあれば鮮度もあるし、素敵だなあって」と目を細める。「だからこそ、自分も本当にそうした素敵な方々に負けないように…というか、同じ作品で出会ったときに、しっかりとその作品を一緒に作られるだけの実力を、ちゃんと自分も備えていかないといけないと思いましたね」。奢る姿勢が0なのも、まったくもって松坂さんらしい。とりわけ20代後半はチャレンジングな役と作品を選び取っていた松坂さんだが、30代に入った今は、どのような備えをしているのか、していくつもりなのか。未来のプランが気になるところだ。「自分の中で、役や作品に対しての深掘りを、もっとしっかりとして作品に入っていくのを少しずつ増やしていきたいと思っています。だから、時間がかかったりするので、たぶん…本数としては少なくしていくと思うんですね。でも、それは30代のうちにやっておくべきことだと思って。ひとつ、ひとつの作品に対してじっくりと向き合っていくのが、30代の10年の過ごし方ですかね」。これまでも正面から作品に向き合ってきた松坂さんだが、時間をかければ、何かが変わる?もっと、もっと見えるものがある?「どうなんですかねぇ。時間をかけたからいいお芝居につながるかと言うと、100%そうでないかもしれませんけど、試す時期でもあるというか。やってみたら、また違う何かが見えてくるかもしれないですし。向き合う期間があればあるほど、どういう風に自分はこの役に対してアプローチを仕掛けるかとか、物理的な時間を費やしてみたら、選択肢が増えるのかなと思っています」。「何が一番自分にとっての核なのかを見つめ直す瞬間が、大事なんだなと思います」松坂さんの最新出演映画は、吉永さん主演のヒューマン医療巨編『いのちの停車場』。在宅医療を行う「まほろば診療所」に勤める、元大学病院の救命救急医・白石咲和子(吉永さん)を追って、同じ診療所で運転手として働き始める野呂聖二を演じた。「野呂は、咲和子先生がいた病院で迷惑をかけてしまったので、どこかでやっぱり恩を返したい思いもあり、背中を追いかけていくんです。咲和子先生を通して在宅医療を見て、物事に向き合っていきたいと変わっていく…そのグラデーションを丁寧に積み重ねていければいいなぁ、と思いながらやっていました」。大学病院の状況とは異なる在宅医療の現場に、四苦八苦しながらもくらいついていき、患者との心の距離を縮めていく。責任感が芽生えていくその姿は、野呂の成長物語にも映る。中でも、トレーラーでも流れる、末期の膵臓がんを患う元高級官僚の宮嶋一義(柳葉敏郎)とのシーンは印象的だ。松坂さん自身も、感慨深いものがあったと話す。「柳葉さんが僕の手を握るんですけど、急に強く握ったり、弱く握ったり、だんだんだんだん力強く握ったりして…言葉ではないやりとりが、なされていました。そこから、いろいろなプレゼントをもらえた気がしたんです。だから、自分が想像していた以上の、野呂の中で何か感情が沸き上がったのかもしれません。本当に、お芝居ってひとりじゃできないことがたくさんあるし、想像“外”のところで成り立っていく面白さがあるといいますか。対人(たい・ひと)とやることによって、心のやりとりとか、言葉だけじゃないものが人をつなげていく感じが、あのシーンでは起こった気がしましたね」。このように、本作では様々な患者の人生が描かれており、「いのちのしまい方」について思いを馳せるきっかけにもなる。イコール、どうやって生きていきたいか、自身の生き方を今一度考えたくなる映画でもある。本作に携わったことで、松坂さん自身がどのような生き方をしていきたいか、感じたりもしただろうか?「日々当たり前の日常、小さな幸せの積み重ねが、いのちをしまうときに、どれだけたくさんしまえるかどうかを、改めて自分の中で向き合うきっかけになった作品でした。自分が今までしていた当たり前の小さな日常が、やっぱり幸せなことだってちゃんと思える作品ですね。僕にとっての小さな幸せは、本当に、毎日朝を迎えることができる、ごはんを作って食べることができる、眠ることができる、ドライブすることができる、とかですかね(笑)」。健やかな表情で、松坂さんは続けた。「本当に、人間は、ほかの生き物と違っていろいろな感情が芽生えるし、考えることができるし、立ち止まることも、進むこともできる。生きやすいように頑張ってみたものの、結果、生きづらい世の中にしているのも人間だったりしますしね。だから、何が一番自分にとっての核なのかを見つめ直す瞬間が、大事なんだなと思いますね」。(text:赤山恭子/photo:You Ishii)■関連作品:いのちの停車場 2021年5月21日より全国にて公開©2021「いのちの停車場」製作委員会
2021年05月17日オサジ(OSAJI)は2021年夏フレグランスとして、「オサジ オードトワレ」の新作を発売。2021年4月28日(水)より販売する。「オサジ オードトワレ」“樹木”着想の新しい香り「オサジ オードトワレ」は、懐かしい情景や感情を思い起こさせるようなフレグランスシリーズ。植物由来のエタノールに、それぞれの香りに合わせた精油をブレンドし、奥行きのある香りを作り上げている。新作は、樹木をイメージした3種の香り。強い香りが苦手な人でもつけやすいほんのりとした香りで、男女問わずおすすめだ。Hiba〈檜葉〉一日の終わりに向けて、深く意識が落ちていく23時をイメージした香り。清潔感のあるグリーンフローラルノート続き、白樺やゼラニウム、檜葉などが、雨に濡れたようなウッディノートを際立たせ、アンバーやサンダルウッドが落ち着きのある甘さを与える。Jinkou〈沈香〉甘く焦がれるような衝動に身を任せたくなる瞬間を表現。針葉樹のツンとした香りの奥に、沈香、ユリ、スズランの甘さが重なり合うと、ムスクやバニラなどの濃厚なアクセントを添えた、柔らかな香りが漂う。Kuromoji〈黒文字〉静寂に包まれた空気を吸い込みながら歩く、早朝の森でのひとときをイメージ。レモンやクスノキ、黒文字をブレンドした切り立ての薪のようなウッディノートをベースに、ゼラニウムやネロリなどのフローラルノートをプラスし、深呼吸したくなるような香りに仕上げた。スプレータイプのミニボトルも同日には、持ち運びに便利な10mLのスプレータイプ「オサジ オードトワレ ミニボトル」も登場。新3種を加えた全8種の香りを楽しむことができる。【詳細】・オサジ オードトワレ 新3種 50mL 各4,950円(税込)・オサジ オードトワレ ミニボトル 全8種 10mL 各3,080円(税込)発売日:2021年4月28日(水)【問い合わせ先】OSAJITEL:0120-977-948(10:00~12:00/13:00~18:00 土日祝除く)
2021年04月30日大雨が降りしきるなか、華やかにアレンジメントされた供花を手に車から降り立つ男性。漆黒のスーツに身を包んだその主は、本木雅弘(55)。本木に続いて、妻の内田也哉子(45)、長男の雅樂(23)、次男の玄兎(10)も姿を見せた。正装した家族全員の左襟には「Rock’n Roll内田裕也」と書かれた白い缶バッジが光っている――。春の嵐に見舞われた3月中旬の正午過ぎ。東京の光林寺では内田裕也さん(享年79)の三回忌法要が行われていた。「光林寺は内田家の菩提寺で、妻である樹木希林さん(享年75)の葬儀もここで行われました。何があっても裕也さんと離婚はしなかった希林さんは、かねて『死ぬまでこのお墓を守りとおす』と語っていました」(芸能関係者)’18年9月に希林さんが亡くなった半年後の’19年3月に後を追うようにこの世を去った裕也さん。ぜいたくを嫌い、質素な生活を好んだ希林さんと派手な私生活を貫いた裕也さんという対照的な夫婦だった。昨年9月、雅樂は本誌に希林さんの三回忌は家族だけで静かにしのぶことを明かしていたが、本木一家は裕也さんの“遺志”も尊重したようだ。「不倫や逮捕騒動など数々の事件を起こしてきた裕也さんですが、根はさみしがり屋で純粋な人。亡くなった際のお別れ会は青山葬儀所で多数の芸能人を招いて盛大に行われました。しかし、三回忌はコロナ禍ということもあって、密葬に参加した約20人を中心に行うことに決めたといいます。また、本木さんとしては久しぶりに家族そろって希林さんにも顔を見せるいい機会になると考えていたそうです」(裕也さんの知人)■次男の作曲家デビューにファッション業界も騒然30分ほどで本堂での法要を終えた一行は、敷地内にある裕也さんと希林さんがともに眠るお墓へ向かう。気づけば、先ほどまでの大雨がぴたりとやんでいる。まるで2人が喜んで出迎えているかのようだ。お墓に着くと、軽く掃除し、供花を置く本木。裕也さんと親交の深かったロッカーの鮎川誠(72)が先陣を切ると、親族や知人が次々と合掌。そして、最後は本木一家が祈るように墓前に手を合わせていた――。実は今回の三回忌には、本木家から希林さんと裕也さんへの“近況報告”も兼ねられていたという。この数日前、次男の玄兎が“作曲家デビュー”していたのだ。「3月にイギリスの人気高級ブランドであるステラ マッカートニーと日本の芸術家・奈良美智さんによるコラボアイテムが発売されたのですが、そのキャンペーン動画の音楽を玄兎さんが手掛けたのです。すでにファッション業界でも“何者!?”と話題を呼んでいます」(ファッション関係者)’10年には長女・伽羅(21)が女優デビューし、雅樂は’18年にUTAとしてパリコレでモデルデビュー。玄兎も加わり、名実ともに“芸能一家”となった本木家。生前、本誌に雅樂について「タレントとか俳優には全然向いてないね」と語るなど、孫にも容赦のなかった希林さん。だが、その陰で才能豊かな孫たちを優しく見守り続けていた。「突き放した教育方針で知られる希林さんですが、孫にも同じ。ベタベタせず、『そんな考え方おかしい』と批判して、泣かせることもしばしば。雅樂くんたちも小さいときは怖がってあまり寄り付かなかったそうです。しかし、雅樂さんがモデルを始めようか悩んでいるときに、『新しい視点で勉強になるよ』と背中を押すなど、孫たちの才能にずっと注目していました。’15年には伽羅さんに、所有していたマンションの一室を譲り、才能を伸ばす支援もしています。本心ではずっと応援していたのでしょう」(希林さんの知人)■也哉子も次男に太鼓判「裕也の血がいちばん入っている」昨年、本誌は希林さんから受け継いだ愛車を運転する雅樂の姿を目撃。雅樂は希林さんからの“遺産”について、本誌にこう打ち明けている。《よく言っていた『なんでも面白がりな』という言葉は今でも強く、僕の胸に残っています》そして、今回、デビューした玄兎にも希林さんの“遺志”は受け継がれているようだ。「玄兎くんは2歳から5年間ロンドンで生活していたこともあり、自宅の会話はほとんどが英語。幼少期から落ち着いていて、希林さんを自宅で看取る際、慌てている也哉子さんに『体はここからいなくなっても、魂はずっとそばにいるから。マミー、大丈夫だよ』と話しかけたそうです。泰然自若としたところは希林さんそっくりですね」(前出・希林さんの知人)さらに玄兎の中には裕也さんの“ロックな魂”も息づいているという。「玄兎くんが裕也さんと会う機会は少なかったですが、亡くなる数日前には見舞いに訪れていたそうです。小さいころから芸術に興味を示し、今回、提供した曲はピアノを激しく弾くという前衛的な内容でした。昨年、也哉子さんはテレビ番組で『すごくフリースピリットというか、もしかしたら裕也的な血がいちばん入っているのかも』と語っていました」(本木の知人)三回忌後のお墓には裕也さんが好んでいた赤いカーネーションが1輪ずつ供えられていた。その花言葉は「無垢で深い愛」。希林さんと裕也さんは、天国から孫たちの活躍を“深い愛”で見守り続けることだろう――。「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月24日樹木希林さん“ダークホース”創価大学の往路初優勝に名門・駒澤大学の大逆転総合優勝─例年以上に見どころ満載だった今年の箱根駅伝。番組内で手に汗握るドラマが繰り広げられている中、もうひとつ話題になったものがある。冠スポンサー・サッポロビールのCM“大人エレベーター”だ。妻夫木聡がエレベーターでのぼった先に待っていた人生の先達“大人”とビールを傾けながら「幸せとは?」「喜びとは?」などを語り合う─というシリーズCM。これまで故・中村勘三郎さんをはじめ、ビートたけし、坂本龍一、メジャーリーガーの田中将大といった錚々たる顔ぶれが登場した。「そこに今年は樹木希林さんの娘、内田也哉子さんが出演したんです。也哉子さんひとりでの広告出演は20歳のころに出た化粧品のCM以来となります」(スポーツ紙記者)だが、視聴者をザワつかせたのは24年ぶりのCM出演ではなく、内田が母・希林さんに「そっくり!」だったこと。母娘なのだから当然といえば当然なのだが、あまりの“完コピ”っぷりに、SNS上は大盛り上がり。《樹木希林さんそっくりで母娘だなぁ……と感動》《“え?希林さん?”って思っちゃったよ》《遺伝子すげぇ!》■「今回は着物で登場してほしい」もっとも、内田は往年の希林さんを彷彿させるヘアスタイルに、希林さんの遺品だという着物姿。そりゃ希林さんと見間違われてもしかたない……というより、希林さんにわざと“寄せた”ように見えなくもないけれど!?「ヘアスタイルは、偶然そう見えたのだと思いますが、制作側にそのような意図はありません」(“大人エレベーター”制作会社)着物については、内田自身がCMメーキング映像の中でこう語っている。「“今回は着物で登場してほしい”という監督さんからのご要望がありました。(中略)結城紬の“片身替わり”というもので、右身頃が男性の着物、左身頃が女性の着物という、母の斬新なアイデアでアレンジし直したものです。すべて、ひとつひとつ母が身につけていたもので」生前の希林さんと30年来の親友で、いまも内田家と親交のある東京・西麻布でブティック『PRESS601』を経営する遠藤勝義さんは、「希林さんに似せたわけじゃないと思いますよ」と笑う。「希林さんは着物を着るとき、あえて大柄なものを肩を落として“粋に着る”っていうことを大切にしていました。あの着物はサイズも也哉子ちゃんに合いそうだから仕立て直しも必要なかったんじゃないかな。希林さんの着付けを長年やっていた方が、今回の也哉子ちゃんの着付けも担当したんだと思いますよ」その着こなしは、ちゃんと娘に引き継がれていたそう。「その感想をメールで也哉子ちゃんに伝えたら、本人は謙遜していましたけれどね(笑)。それにね、希林さんが生きていたら“わざわざ新しい着物なんて作らないの”“私のものがあるんだから、それを着なさいよ”って、きっと言ったと思いますから」古いものを慈しむ希林さんの“粋な生き方”もまた、しっかりと受け継がれている。
2021年01月26日“BAUM”ってどんなブランド? この投稿をInstagramで見る BAUM(@baum_global)がシェアした投稿 バウムは、資生堂から誕生したスキンケアブランドです。特徴は、「樹木」に着目しているということ。日々のストレスと上手く付き合うことが必要な現代社会では、自然の中、森林の中に足を踏み入れるだけでふぅ~っとリラックスすることができますよね。自然の力、樹木の恵みを取り入れることで肌も心も満たされるような、そんな製品が取り揃えられています。製品はスキンケアだけでなく、ハンドケア・ボディケアなどの全身のお手入れに加え、ルームスプレーやキャンドルなどの癒やしのグッズもあるんです。製品の90%以上が自然由来成分全製品にパラベン、シリコーン、合成着色料を一切使うことなく、90%以上が自然由来の素材でつくられたナチュラルなもの。外部環境の変化を受けても一定の状態に戻ろうとする、人が本来持つ力を信じ、肌本来の可能性をサポートしてくれます。森林浴をしているかのような、身も心も解放される、深いリラックスへと導く香りも魅力の一つです。環境への配慮パッケージに使用されている木製パーツは、家具メーカー“カリモク家具”とのコラボレーションにより、余った端材を再利用。ガラス容器はリサイクルガラスを採用したり、レフィルの購入も可能で、ゴミを減らすことができるのも嬉しいポイントですよね。樹木の循環永続的な自然環境保護に貢献し、売上の一部を森林の保全活動に還元。それを再び消費者へ還元するという循環の取り組みが行われています。製品を使うことで、良い循環が続くことに貢献することができます。“BAUM”の一押し!オススメプロダクト乾燥しやすい時期だから。ハンドケアもこだわりたいアロマティック ハンドウォッシュ〈ハンドソープ〉300ml3,000円(税抜) この投稿をInstagramで見る BAUM(@baum_global)がシェアした投稿 (写真右)樹木由来の桜葉エキス、セルロース、キシリトール(保湿)などの貯水成分が配合されたハンドソープ。アレルギーテスト済みで、ニキビになりにくい処方になっています。森林浴のようなさわやかな香りで、みずみずしく洗い上げることができます。アロマティック ハンドクリームS:75g2,700円(税抜)L:150g5,000円(税抜)Lレフィル:150g4,000円(税抜)(写真左)アルガンオイル・ホホバ種子油などの貯水成分、カシア樹皮エキス・グリセリン(整肌保湿)などのコンディショニング成分、イチョウ葉エキス・キハダ樹皮エキス(肌保護)などのディフェンス成分が配合されています。角質の奥深くまでみずみずしく保湿をし、バリア機能を強化。肌のターンオーバーを促してくれるハンドクリーム。一番小さいSサイズは、持ち運びに便利なチューブタイプとなっています。家事などで手が乾燥するとき、出先で簡単に保湿をしたいときに、一つあると重宝するハンドケアアイテムです。帰ってきたらまずはメイクオフ。みずみずしく汚れを落とすミルククレンジングクレンジング エマルジョン〈メイク落とし〉180ml4,000円(税抜) この投稿をInstagramで見る BAUM(@baum_global)がシェアした投稿 美肌づくりには欠かせないクレンジング。毎日使うものだから、香りやテクスチャーにもこだわりたいですよね。樹木の香りに包まれながら、ミルクのとろける肌触りでリラックスしながらメイクオフ。うるおいを保ちながらメイク汚れ・皮脂汚れを落とします。アルガンオイル・ホホバ種子油などの貯水成分が配合され、お肌の水分を保持します。スキンケアにプラスワンアイテム!肌を柔らかくほぐすオイルモイスチャライジング オイル〈スキンオイル〉本体:60ml8,000円(税抜)レフィル:60ml7,000円(税抜) この投稿をInstagramで見る BAUM(@baum_global)がシェアした投稿 樹木の「貯水」「成長」「環境防御」の3つの働きに着目された、べたつきのないオイル。オイルとエッセンスの2層構造で肌を柔らかくほぐし、保護します。化粧水の後、容器をよく振ってから1円玉くらいの量を手に取り、顔全体になじませます。樹木エッセンスを絶妙に調香したという、香りにも癒やされるアイテムです。オイルのなめらかな肌触りも楽しんで!いつでもどこでも森林浴で、心を整えるオーデコロン60ml10,000円(税抜) この投稿をInstagramで見る BAUM(@baum_global)がシェアした投稿 木でできた蓋が、なんともおしゃれなオーデコロン。森林の中で呼吸するような、穏やかで清々しい香りが、心を0にリセットさせてくれます。仕事の合間や、気が滅入ってしまったときなど、シュッと一吹き。目を閉じれば、高い木々が立ち並ぶ森林の中に行くことができるかもしれません。
2021年01月19日俳優の小沢道成が、作・演出・美術までも手がける演劇プロジェクト「EPOCH MAN」。2019年に好評を博した田中穂先とのふたり芝居『夢ぞろぞろ』が、2021年2月に再演される。そこで小沢と、EPOCH MANのファンだという大人計画の宮崎吐夢に話を聞いた。小劇場に足繁く通い、自ら演劇について語るイベントも開催している宮崎。そんな彼が初めてEPOCH MANを観たというのが、2018年のひとり芝居『Brand new OZAWA mermaid!』だ。本作について宮崎はこう振り返る。「僕はひとり芝居、特に演者が台本も書いているひとり芝居が好きなんです。非常に私小説的というか、書いて演じる人の想いや人となりが、強く伝わってくるので。ただ小沢くんの『~mermaid!』に関しては、ひとり芝居とかそういうことを遥かに超えて圧倒されました」初演の『夢ぞろぞろ』についても、「小沢くんはもちろん、相手役の方もすごくよかった」と語る宮崎。その言葉に「嬉しい」と微笑む小沢に、本作の創作経緯について聞いた。「僕、樹木希林さんが大好きなんです。亡くなられたとニュースで知った時、込み上げてくるなんとも言えない感情が、この作品を作るうえで一番の動機になりました。きっと樹木さんって、『私のことなんていいのよ』と言いつつも、全部自分の話にしてしまうような、面白さと愛おしさのある方だったと思うんです。そういう方をモデルに、さらに駅の売店がクルクル回る美術をやってみたいと思って作ったのが、この『夢ぞろぞろ』なんです」駅の売店で働く60歳の女性を小沢が、突然電車に乗ることが出来なくなった青年を田中が演じる本作。改訂を予定しているかと聞くと、「1文字も変えていません」と小沢は言う。「僕の『鶴かもしれない』という舞台はどんどん練って、変えていく作品だと思うんですが、『夢ぞろぞろ』は変えちゃダメな作品ではないかと思っていて。僕が期待しているのは、2019年とは状況が変わっていることで、お客さん側の捉え方が変わること。今回そこが面白いんじゃないかと思っているんです」取材前に初演の映像を見返してきたという宮崎は、メモをめくりつつ、「こんないいセリフあったっけ?って忘れてたのがいくつもあって。たとえば青年を励ます時の『とりあえずチョコレート食べよう』」。またも「嬉しい」と微笑む小沢の口調からは、そこに至った苦労もにじむ。そして宮崎はこう続ける。「演劇を語る上で『わかりやすい』『間口が広くて誰でも楽しめる』は必ずしも誉め言葉ではないのですが、小沢くんの作品は非常にわかりやすいのに、すぐには言語化できない深い感動もじわじわ味わえる。ボヤボヤしていると伝説の舞台になってしまうかもしれないので、未見の方はお早めに」EPOCH MAN『夢ぞろぞろ』のチケットは12月11日(金)10時よりチケットぴあで先着先行販売。一般発売は2021年1月9日(土)10時より開始。文:野上瑠美子
2020年12月10日「また、お願いしますね!」12月上旬の夕方、都内のセレクトショップで、本木雅弘(54)が男性スタッフと談笑していた。隣には長男でモデルのUTA(23)の姿がーー。「そこは本木さんが結婚以来、20年以上愛用する人気ブランド店なのです。祖母の樹木希林さん(享年75)は彼が使わなくなった服や小物をもらって、着こなしていました。本木家では希林さんの物を孫が愛用したり、質の高い物を買って長く大切に使うことが家訓になっています」(本木家の知人)店を出た2人は歩いて駐車場へ向かいクラシックカーに乗った。運転はUTAで本木は後部座席へ。実はこの日、2人が乗っていたクラシックカーも、希林さんから受け継いだものだ。「クラシックカー好きの希林さんが約770万円で買った『トヨタオリジン』です。亡くなった後も本木さん一家が大事に乗っているんです」(前出の知人)UTAは今年9月、祖母の愛車について本誌にこう語っていた。「父と母が『家にあるこの車を使ったら』と言ってくれて。おばあちゃんが亡くなった後に自分も日本で免許を取って、それで乗り始めました。やっぱりおばあちゃんのぬくもりを感じましたし、とても懐かしい気持ちになりました」希林さんの“遺志”は、UTAだけでなく、当の本木にも色濃く流れていたーー。「埼玉県内にある彼の母校の中学校で先月、創立50周年の記念式典が行われました。彼は在校生458人のために、お祝いと激励のビデオメッセージを送ったのです」(学校関係者)上映された映像で本木は後輩たちにまず、こう語りかけたという。《自分の中学時代はSNSなどもなくのんびりした平和な時代でした。毎日毎日瞬く間に過ぎてはいるけれども、何かに追い立てられる窮屈感はない時代でした》“便利な世の中になり、進化の恩恵を受けた時代になった”と語りながら、本木は真顔で訴えかけた。《今年は誰もが立ち止まらざるをえない、そういう時を過ごしています。とらえ方によっては、生き急ぎすぎた世の中を休ませようとしているのではないか。物事の成り行きやサイクルが忙しすぎたところを、本来の人間らしい緩やかな自然のペースを思い出してほしいと神様が用意してくれた試練だと受け止めようとしています。こんなときこそ、自分や身の回りを見つめ直す、物事の本質について考えてみることが必要なのではないでしょうか。現在、仕事としてお芝居をしている自分は、感じること、考えること、つまり想像力を使うことを大切にしています。中学生の皆さんにとっても、想像力をふくらませる、働かせることが大事なことと考えています》そうすることにより、自分の枠が広がり、相手の気持ちや立場も想像することで理解や信頼が生まれることにつながると熱弁。《こんな不自由な時代となったけれども、想像力だけは自由にたくましく広げていってほしいと思います。いろんな自分の姿を想像してみてください。みんなはまだ何者でもないのですから、そんな時代は想像力を豊かにできるはずです》後輩たちは皆、最後まで本木のスピーチに熱心に耳を傾けていたというーー。今年1月、本木は大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK)の取材会で、希林さんの死後、遺された雑記帳に大きな影響を受けたことを明かしていた。「自分で感じたり、分析したようなことがランダムに綴られている中でお芝居についての文があって、その最後に《『芸を見せる』のではなく、『自分を出す』のではなく、心を込めて『無念の魂を鎮めていただくように』演じる》と書いてあったんです。つまり、《演じるということは鎮魂だ》ということを言っているのだと思います」前出・本木家の知人は言う。「本木さんは、同じ役者として希林さんの“鎮魂の教え”に感銘を受けたそうです。この夏、希林さんも妻・也哉子さんもよく訪れていた伊勢神宮に参拝していました。このご時世ですから、命に寄り添い、祈るような気持ちで真摯に日々向き合うことが大事だと強く思うようになったそうです。それを踏まえ、母校の後輩たちにも、立ち止まったこの時期だからこそ、自分自身と対峙できる意義を伝えたかったのでしょう」希林さんの金言を胸に本木は大河ドラマで斎藤道三を見事に演じ切り、大絶賛を受けた。そんな彼が母校の後輩たちへ贈った希林さん直伝の“鎮魂の教え”は、彼らの想像力を広げ、後世に語り継がれることになるだろう。「女性自身」2020年12月22日号 掲載
2020年12月09日チーン…宮崎謙介氏の生前葬イベントにて(2018年8月)「もし万が一、また文春にやられたときに……」その“もし”は起こってしまった。いや、本人が起こしてしまった。元衆議院議員の宮崎謙介の不倫がまたもや発覚。4年ぶり2度目のことだ。「2016年2月に、妻である金子恵美さんの出産入院中の不倫を『週刊文春』にスクープされた宮崎さんが、11月末に再度『文春』に不倫をスクープされました。前回は相手女性との不倫を示すLINEが流出しましたが、今回はインスタグラムのダイレクトメッセージを使っての卑猥なやりとりが晒されてしまいました」(スポーツ紙記者)■僕が妻よりも先に逝ったら『週刊女性』は今から2年前、1度目の不倫から数えて2年後の2018年10月に、宮崎・金子夫妻に、彼らが取り組んでいた“終活”について話を聞く機会があった。そのとき、すでに今回につながる「もしも」を、宮崎は自身で語っていた。宮崎「僕はその瞬間その瞬間、(自分が亡くなったときに見られたら)マズいものはすぐ消してるんで」金子「そのわりには(1度目の不倫のとき)LINEが残ってたじゃん!」宮崎「内田裕也さんが、樹木希林さんの(火葬のときに)お骨をすっとポケットに入れたのがすごくホロっとしたというか、愛があったんだなって。だから俺はエラを取っておくよ」金子「(私が)エラが張ってるからって、すぐそういうこと言うんですよ」宮崎「先に逝ったら先に遊んでるから(笑)。来るまで遊んでる」金子「バカなんじゃないの」今回、先に逝く前から遊んでいたことが発覚したわけだが、妻に対し、不倫をした“加害者”であるわりに終始、おちゃらけた態度だった宮崎。そんな彼は「(女性も含め)最近は人と付き合う回数を減らしている」と話していた。その意味とは……。宮崎「やっぱり家族を大事にしようって思いましたね。友達と家族。議員のときは、どこにチャンスがあるかわからないから、みんなと付き合いをよくしようとしていたんです。でも今は、普段近くで大事にしてくれている人たちとの縁と向き合っていこうって。最近、外の人とのお付き合いはだいぶ減らしたんです」“外の付き合いを減らす”ということは、“『文春』対策”という意味合いもあった。■守ってくれるのは家族だから宮崎「もし万が一、また文春にやられたときに、守ってくれるのは家族だから……。周りの関係が薄い人は守ってくれない。そっちはそっちでバランスよくお付き合いするけど」それを聞いた金子は、「おいおい……(またやる気なの?)」とツッコミながら苦笑していたのだった。11月30日放送の『斉藤一美ニュースワイドSAKIDORI!』(文化放送)に出演した金子は、別れない理由について「私なりの判断基準」としつつも、「ただ、前回と違うのは、実は法的措置を考えて今、弁護士の方と相談しています」と明かした。「誰に対しての法的措置なのかは言及しませんでしたが、おそらく相手女性に対してでしょう。もちろん宮崎さんに非があるのですが、冷たくされたからと言って週刊誌にリークした女性側の態度を金子さんは快く思っていないのでは。報道によれば、相手女性も不倫関係であることは知っていて関係を続けていたようですからね。金子さんがどの程度、本気で弁護士に相談しているのかはわかりませんが、相手女性への牽制の意味は少なからずあると思います」(スポーツ紙記者)“笑い話”にしていたとはいえ、2年前に自らの口で再発防止策を語っていた宮崎。それだけに、今回のスキャンダルが残念でならない……。
2020年12月07日2020年10月28日、朝の情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)で、お笑いコンビ『ハリセンボン』の近藤春菜さんと、エッセイストの内田也哉子さんが対談。その内容が反響を呼んでいます。内田也哉子「夫婦ケンカは隠さない」内田さんは俳優・樹木希林さんと、ロックシンガー・内田裕也さんのひとり娘。夫は俳優の本木雅弘さんで、夫婦の間には2男1女の3人の子供がいます。インタビューで家族や子育てについて語った内田さん。夫の本木さんについては「私よりもはるかに気が利く小姑です」と語っていました。私よりもはるかに本木のほうが気が付くし、お母さんのようなきめ細やかさがある。旦那さんというよりも、小姑。お姉さんがいるという感じがしてします。スッキリーより引用普段、本木さんと衝突することがあるかと尋ねられると「しょっちゅうですね」と回答。夫婦がもめていると、長男が「2人とも悪くないから!」と止めに来ることもあるそうです。しかし、子供の前で夫婦のケンカを隠すようなことはしていないといいます。その理由について内田さんは次のように話していました。子供たちの前ではぴしっとしてて、急に影でっていうのではなくて、常にそれはもうもれてしまっているだけなんですけど、そこの中からもう学んでもらうしかない。こうやって、他人の2人は一生懸命すり合わせながら、家庭を築いていくんだなと。スッキリーより引用「夫婦ゲンカを子供に見せてはいけない」とよくいわれますが、時に意見がぶつかったとしても、それを乗り越えようと試行錯誤する夫婦の姿を見て、子供たちも感じるものがあるのかもしれません。また、子育てでは、子供それぞれの個性を尊重するようにしているといいます。若い時の子育てからいろんな試行錯誤の末、今はやっぱり一人ひとりの『持って生まれたたち』っていうのはあるから、それを見極めて、親のやらせたい方向に閉じ込めるのでなく。世の中に迷惑をかけないというのは大前提ですけど。裕也みたいになったら困っちゃう。スッキリーより引用「結局、自分を育ててるということに返ってくる。この世を去る時に1ミリだけ大人になれたのかなって思う瞬間が来たらいいな」と考えを語っていました。ネット上では、インタビューを見た人からさまざまなコメントが寄せられています。・グッときた。『子育てが、自分育て』という言葉、すごく納得です。・内田也哉子さん、言葉選びがとても素敵。話し方とかすごく好きだ。・親の立場を経験してないけど、「1ミリだけでも成長したかな」と思える生き方をしたいと思いました。・夫婦ケンカは子供に見せちゃだめっていうけど、そういう親の姿から学ぶものもあるよね。2018年に亡くなった母・樹木さんの人柄について「母はどんな状況でも、おかしみを拾う人だった」と表現していた内田さん。物事の『面白い側面』を見て、前向きにとらえる樹木さん流のスピリットが、母から子へ脈々と受け継がれているのでしょう。夫婦関係や子育てにまつわる内田さんの考え方は、多くの人の心に響きました。[文・構成/grape編集部]
2020年10月28日松田聖子今年、芸能生活40周年を迎え、テレビ出演も盛んな松田聖子(58)。その流れで、さまざまな人が自分の聖子評を披露している。■天才的なアイドル・松田聖子例えば、彼女がこれまで理論的なことは意識せずに歌ってきたということについて、古田新太は「長嶋茂雄を感じた」と言った。また、新曲『風に向かう一輪の花』で聖子の詞にメロディーをつけた財津和夫は「風に揺れる、じゃないですもんね。風に向かう、ですから」と、その言葉選びに彼女の生き方があらわれていることを指摘する。たしかに、彼女は一種の天才で、どんな修羅場にも立ち向かえる強さを持つ。それを世に知らしめたのが、あの破局会見だ。1985年1月、彼女は結婚間近といわれた郷ひろみとの破局を発表した。『週刊文春』のインタビューで、別離をにおわせていることがわかり、報道陣が殺到したからだ。その日、彼女は主演映画『カリブ・愛のシンフォニー』の国内初撮影に臨む予定だったが、午前の撮影が中止され、急きょ会見が行われた。そこで彼女は“家庭と仕事““家と家“といった問題に触れつつ、郷との話し合いにより“別れても友達“的な結論に達したと涙ながらに説明。そして、最後に、「もし今度、生まれ変わってきたときには絶対に一緒になろうね」と、嗚咽しながら語ったのである。この会見は多くの人を驚かせたが、実は郷にとっても寝耳に水だった。レコード会社のプロデューサーとして、ジャニー喜多川とともに彼を育てた酒井政利はこんな証言をしている。「ところが郷は、その模様をビックリしながらテレビで見ていたのです。そんなことを話し合ったこともないし、別れたつもりもない」つまり、聖子は独断で破局を決め、会見を開いたわけだ。そして5か月後、前出・映画の共演相手でもある神田正輝と結婚。前年11月には一緒に海外ロケもしていたことから、彼女が乗り換えたような印象を持たれた。ただ、郷のことを嫌いになったわけではない。「生まれ変わって」発言も、彼女の未練と申し訳なさ、そして一種の興奮状態から生まれたのだろう。実際、会見後もスタッフの前で1時間近く、大泣きしたという。それゆえ、午後の撮影も中止になるかと思われたが、彼女は会見と、その後の大泣きで吹っ切れたようで、何事もなかったように撮影をこなした。この切り替えの早さが、どんなスキャンダルにも負けないゆえんだ。一方、すぐには切り替えられなかったのが郷である。それを心配して、以前から仲のよかった樹木希林が助け船を出した。雑誌での対談をセッティングして、そこに『コケにされた男の正しいコケ方』というタイトルをつけたのだ。いわば、いじってやることで前に進ませようとしたわけだ。とはいえ、郷は樹木にさえも心を開かず、対談は難航したらしい。「もう人を信じられなくなったという感じで、よそよそしい」態度だったと、樹木はのちに回想している。ただ、郷の立場を思えば、それも当然だろう。聖子はデビュー前、すでにスターだった自分に憧れていた少女。そんな相手に思いを寄せられ、結婚するつもりでいたら、なんの相談もなく、日本中に破局を告げられたのだ。おまけに、来世のことまで勝手に決められては、たまったものではない──。PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。
2020年10月19日樹木希林さん8月、全国の自殺者数は1849人で、去年の同月より240人以上も増えているという。「もし希林さんが生きていたら……」そう口を開いたのは『不登校新聞』の編集長だ。亡くなる直前まで“子どもの自殺”に心を砕き、涙していた彼女が遺した救済の言葉とは──。■生き続けなきゃ、もったいない「若い人が自ら死を選ぶことを憂いていると思います」そう話すのは’18年に死去した女優の樹木希林さん(享年75)を生前、取材した『不登校新聞』の石井志昂編集長。希林さんは’16年、画家ミレーの作品「オフィーリア」に扮し、自身の“終活宣言”をテーマに『死ぬときぐらい好きにさせてよ』というコピーが入った企業広告が話題に。独自の死生観を持っていたことで知られる。石井さんは「推測ですが」と前置きをしたうえで、「希林さんは物を捨てないことで有名。“物を最後まで、冥利が尽きるまで使う、お役目を全うさせないといけない”という考えでした。それは人間の命も一緒だったのではないかと」(以下、同)’03年に網膜剥離、’05年に乳がんで右乳房全摘出。再発と転移を繰り返し、’13年に「全身がん」と表現するほどの病魔に襲われ、何度も死と向き合ってきた希林さん。それでも一貫して「生き続けなきゃ、もったいない」と語り続けていた。「“がんを患ったことで成熟した”と話していました。死と対峙したことで女優としての演技が深まったこともあったようです。死にたい、苦しい、そんな思いも受け入れつつ“苦しいときほど人を成熟させる”と考えていたのではないでしょうか」だからこそ、彼女は“自分から絶つのは惜しい。命はいつか輝く瞬間がある”という思いを持っていた。■“自分にはお役目がある”と必ず思えることがある2015年に行われた登校拒否や不登校当事者たちの会のゲストとなった際、彼女はある事実を知って愕然とする。「新学期が始まると子どもたちが数多く命を絶っている現実をお伝えすると、非常にショックを受けていました」長期休みのあとは子どもの自殺が増える。中でも夏休み明けの9月1日は自殺者が最も多い日だ。「講演では“若い命が絶たれるということは本当にもったいない。自分にはお役目があると必ず思えることがある”と冷静な口調で、心を砕きながら語りかけていました」以後、生きづらさを抱える子どもたちに思いを寄せ、病気で身体が思うように動かなくなってもなお自殺防止の活動をやめようとしなかった。希林さんが亡くなる3週間前のことだ。「死なないでね。……どうか生きてください……」全身がんで入院し、何度も危篤状態になった彼女は、病室から窓の外に向かって涙をこらえながら繰り返し語りかけていたという。《(母は)「今日、死ぬ子がたくさんいるのよ」って説明してくれたんです。それぞれの魂に向かって話しかけているようでした》(以下、樹木希林・内田也哉子著『9月1日母からのバトン』(ポプラ社))その日はまさに9月1日だった。子どもたちの自殺問題を知った娘の内田也哉子さんはその後、石井さんにこう話した。「がんで死が近くなり、命には限りあることを痛感したんだと思います。だから“自ら命を絶つ。こんなに理不尽な、もったいないことはない”と思っていたのでは、と」■“痛い、苦しい”よりも“希望がない”ことに絶望するコロナ禍が渦巻いた今夏、自ら命を絶つ人が激増。警察庁の統計によると8月の自殺者数は1849人で前年より240人増えており、特に春から夏にかけて女性や40代未満の自殺が目立った。芸能人の自殺も続いた。女子プロレスラーの木村花さん(5月)、俳優の三浦春馬さん(7月)、芦名星さん、竹内結子さん(9月)の若者たちの死は社会に大きな衝撃を与えた。その背景に、新型コロナの影響があることは否めない。石井さんは、「私が取材する若者たちもみんな苦しんでいます。はたから見ると、みんな頑張っているように見えても心の内まではわからない。自殺はこの先も展望がないと思うことでおきます。“痛い、苦しい”よりも“希望がない”ことに絶望して、行動に出てしまう」「突然の自殺の原因は、当人に直接話を聞いた専門家でなければ本当のところはわかりません。憶測で語るのは避けたほうがいいでしょう」と説明するのは、心理カウンセラーで『心理相談室サウダージ』の前田昭典室長。「自殺前に医療やカウンセリングに来てくれていれば、ほとんど何らかの精神疾患の診断がつき、治療をすることで自殺は防げます」(以下、同)特に自殺につながりやすいのが、うつ病とアルコール依存だという。お酒は飲むと気分は一時的には上がるが、アルコールが抜けたときがいちばん危ない。「悩みごとを抱えたままだと、飲んでも飲んでも酔えなくてそのうちに酔いつぶれて眠りから覚めたときに急激なうつ状態に。そして衝動的に行動に出るとみられます。お酒に逃げるのは危険です」追い詰められたときの飲酒は考えの視野を狭める。酩酊状態になれば判断もつかず、恐怖心もなくなるため、衝動性が高くなるという。■無理して、いま死ななくていいじゃない収束が見えないコロナに対する不安や恐怖。外出自粛によるストレスや孤独感。不況による企業の倒産や解雇。若者や女性の自殺者が増えた要因のひとつに、非正規雇用が多いことも関係していると、前出の前田室長は危惧する。それは著名人も同様だ。「映画やドラマの撮影ができない。テレビ出演も減り、家に閉じこもりがちになります。おまけに仕事が減れば、ギャラだって減ってきます」ネット上での匿名の誹謗中傷も追い打ちをかける。芸能人は評価をどうしても気にせざるをえない職業。普段は忙しくて見ないネットの書き込みもコロナ禍で時間があり、見てしまった人もいたのではないだろうか──。「根も葉もない誹謗中傷もたくさんありますが、気にするなと言っても気になるもの。罵詈雑言を浴び、身に覚えのないことを言われたら誰だってつらくなります」前田室長は訴える。「死ななくてもいい方法はいくらでもあります。なんとか思いとどまり、相談してください。オンラインでもいいです。必ず話してください」いのちの電話だけでなく相談先は複数ある。例えばNPO法人ライフリンクはウェブサイト内で支援先を紹介する『いのちと暮らしの相談ナビ※』を展開している。希林さんは講演の最後にはこう締めくくっていた。《自殺するより、もうちょっとだけ待っていてほしいの。そして、世の中をこう、じっと見ててほしいのね。あなたを必要としてくれる人や物が見つかるから。だって、世の中に必要のない人間なんていないんだから。〈中略〉私みたいに歳をとれば、ガンとか脳卒中とか、死ぬ理由はいっぱいあるから。無理して、いま死ななくていいじゃない。だからさ、それまでずっと居てよ。フラフラとさ》希林さんの願いがひとりでも多くの人に届いてほしい。※NPO法人ライフリンク「いのちと暮らしの相談ナビ」心理相談室サウダージ
2020年10月08日『あん』『光』の河瀬直美監督が「特別養子縁組」について描いた辻村深月のヒューマンミステリーを実力派キャストを揃えて映画化し、カンヌ国際映画祭公式作品【CANNES 2020】に正式に選出された『朝が来る』。10月6日(火)、河瀬監督をはじめ、主演の永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子、朝斗役を演じた佐藤令旺登壇による公開に先駆けた完成報告会見が行われた。まず、『あん』に続いての原作小説の映画化という点に、河瀬監督は「感動しない小説は映画化しません。とても感動しました。その行間から溢れる新しい命の讃歌。その光に到達できるような映画にしたいと思って、辻村深月さんのもとに向かいました」と原作の惹かれた点について回顧。また、本作への手ごたえを聞かれた監督は「最近よく耳にするのは、“河瀬映画の中で、一番のエンターテイメント作品”という感想です。最後の最後まで、決して見飽きることがない映画だと思います」と自信を覗かせた。自身も養女であり、原作を読むまでは特別養子縁組という制度を知らなかったという河瀬監督は「戸籍上、実子として迎えられること。真実告知をすることを明らかにしているので、素晴らしい制度だと思うし、その制度によって、救われる命があるとも思った」と、その意義の大きさを語った。そんな本作で“大切にしたこと”について、永作さんは「佐都子が初めての人生の岐路に出くわして、どう乗り越えていこうと考えるか?というのをよく考えた。そういった、小さなことを逃さないようにすることを大切にしていました」と語る。続けて、井浦さんは「河瀬監督のもとでは、クランクインの数か月前から、特別養子縁組や無精子症についてなどを、しっかりと学んでいく“役積み”の時間をいただける」とコメント。さらに「河瀬組は完全なる順取りで、1シーンを積み重ねながら、目の前で起きていることに素直に心を動かしていくという事を大切にしていった」と永作さん同様に、河瀬組の“役積み”の経緯を大切にしたと明かす。役積みについて、蒔田さんは「劇中の家族と3週間ぐらい、実際に一緒に住んだ。一緒に洗濯したり、先にお風呂に入って怒られたり、そんな生活が映画の中で生きた」とふり返る。永作さんは「二人で温泉に行くシーンがあって、前のシーンが押して温泉につくのが遅くなった。ご飯やお風呂に入っている間、スタッフはどこにもいないし、撮影もしていない。これは泊まらせるための罠か?と、疑心暗鬼になるぐらい、どのシーンにも役積みがあった」と明かす。さらに、浅田さんの起用を“樹木希林さんからの啓示”と監督が話していることに対し、浅田さんは「希林さんが枕元で『美代ちゅわ~ん(モノマネしながら)』って河瀬さんに言ってくれたのかなというタイミングだった。だからこそ裏切っちゃいけないな、ちゃんとしないといけないなという思いが強かった」と回顧した。そして、特別養子縁組によって迎え入れられる男の子・朝斗役を演じた、令旺くんが花かごを持って登壇。『朝が来る』の英語タイトル『True Mothers』にちなみ、母の日にプレゼントするカーネーションを手渡していく。白いカーネーションの花言葉は「純粋な愛」、まさに朝斗に向けられる、佐都子や清和、ひかりに浅見の心情を語ったものでもある。さらに、令旺くんから「『朝が来る』、世界25ヵ国公開決定!」とフランス、スペイン、北欧、ブラジル、中国、韓国など、すでに25の国と地域での公開が決定していることも発表された。最後に、河瀬監督は「(長引くコロナ禍の今)映画によってネガティブな感情をポジティブに変えていけたら、本当に素晴らしいことだと思っています。最後に結んでくれるのは、観客の皆様です。早く劇場で、みなさんに会いたいです」と現在の想いを語っていた。『朝が来る』は10月23日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:朝が来る 2020年10月23日より全国にて公開©2020『朝が来る』Film Partners
2020年10月07日愛する夫が浮気をしたら。愛していれば、愛しているほど許せないかもしれません。では、そんなときどうしたらいいのでしょうか?夫が浮気をしていそうだと感じた場合最近やたら帰りが遅い。1日仕事をしてきた後なのに、お風呂に入ってきたような爽やかさ。1日中携帯を肌身離さず、コソコソしている。男性は、基本的に嘘を隠すのが下手な生き物。夫に恋をしていたら気付かないかもしれない行動も、冷静になればなるほど、怪しい行動に気が付いてしまいます。夫の浮気には気付かない方がいい自分を裏切った!と思うと、それは夫でなくても、親でも友人でも許しづらい関係性になってしまうはずです。だから、あなたの幸せをいちばんに考えるのであれば、夫の浮気には気付かない方が良いといえます。夫の浮気をどう受け止めるかもし、あなた自身があなたのペースで生きていれば、どうでしょうか?あなたは子育てをほぼ夫に任せ、好きな仕事に没頭し続けていた。そうして、自分が浮気をしそうになった(してしまった)。これは極端な例ですが、夫の浮気がわかった時、「ああ、自分もこういうところが悪かったな」そう思えたら、夫の浮気に対しての感じ方、そして未来が大きく変わるのではないでしょうか。夫の浮気を「許す」「許さない」夫が浮気をしたら「許す」「許さない」にテーマがいきがちだと思います。子供がいれば尚更。「許した」と言っても、心が追い付くはとても大変です。でも、あなた自身に軸のある生活を送る、あるいはあなたが夫のため、子供のためでなく、あなたのために生きていたとしたら、浮気をされた時の感じ方もきっと変わるはずです。夫が病気になって、収入ゼロになるよりマシか?あー許せない!だけど離婚だってできない!離婚したとして、慰謝料をもらえたとして、現実的に考えると一人で子育てして生活していく方が難しい方もいらっしゃると思います。そんな時に仮定として想像し、比較してみましょう。夫が浮気をしたとすれば、心は荒れ狂うかもしれませんが、収入は継続。夫が突然病気になり、一生働けないことになったら、自分が働いて家計を支えつつ、子育てしつつ、夫の世話を一生する。どちらが良いでしょうか?夫の浮気をきっかけに、経済的自立をスタートさせるそもそも、経済的に自立していれば夫が浮気をしたときの決断は早くなると思います。経済的な問題ではなく、自分の気持ちの問題だけに集中もできます。でも、経済的に苦しいから、浮気をした夫を許せないけど一緒にいる道を選ぶ。そうすると、きっとあなたも悲しいし、そんなあなたを見ている子供はもっと悲しいかもしれません。夫が浮気をしたあと、しそうな時にやっておきたいことコミュニケーションを増やす夫が帰ってきたい場所にするいつもありがとうと感謝を言葉で伝える女らしさを保つグチを減らす夫のお母さんにならない依存しない夫婦関係に鮮度を保ついろんなことを求めすぎない以上のことを日常でもやっているなら、記念日を大切にしていることをアピールする夫のSNSはフォローし、必ず入るようにする夫の家族との距離を縮め、味方にしておく「もし浮気したら絶対許さない」と言う愛妻弁当を作る夫の職場関係や友人と仲良くなる待ち受け画面を夫婦写真にさせるなど、夫だけでなく周囲への配慮も必要な場合もあるでしょう。まずは自分ができそうなことからやってみて、夫の反応が何で変わるのかを見ていきましょう。生物学的なものだといったん諦めてみる浮気は一度までなら許すけれど…という方もいれば、浮気は絶対に許さない!という方もいます。中には、夫がいつも浮気してて…という方もいらっしゃいます。そう、夫の浮気に対する感じ方、受け止め方は千差万別なのです。その中で、自分がいちばん幸せになれる方法はどれでしょうか?他人であればすぐに離れられるかもしれませんが、夫婦として婚姻関係を結んでいると、そう簡単に離婚することもできません。でも、それくらい気合いを入れて選んだ相手です。もー仕方ないな、この人を選んだのは自分だし。そう思えると、最高に幸せかも、しれませんね。どんなに魅力的でも、どんなに美人でも、浮気をする男は多数存在する昨今止まない不倫報道。その度に十人十色の意見が繰り広げられますが、奥さんとしての立場でどのロールモデルを選びたいか?を考えてみるのもいいかもしれません。別居をしながらの結婚生活を続けた樹木希林さん、理想的ともいえる夫婦に見えた女優でモデルの杏さん、こんなに可愛い年下妻がいながらと話題になった佐々木希さん。どの方も魅力的で、人から認められている才能を持っている方々です。そんな女性を妻にしても、浮気をする男性は相当数存在しているのです。そして、女性側にも、それぞれの選択肢があります。あなたがいちばん幸せになる道は?ハードな試練です。でも、自分自身の助からない病気ではなく、大切な人の死ではなく、夫の浮気をきっかけにブレない自分軸を探すことができたら、その先にも起こるであろうさまざまな出来事が、今よりずっと乗り越えやすくなるかもしれません。結局、夫を選んだのは”私”である私自身は離婚を経験しています。そして思うのは、後悔というより無念です。私の中では、元旦那さんが死んでしまったも同然で、還ってこない人を一人で憎んだり、あの時こうしておけば良かったんじゃないかと妄想したり、とにかく解決策が時の経過のみという状態です。それは、子供がいるから余計に感じます。求められても与えられないものを永遠に一人で対処しなければならない、という思い込みが強いせいかもしれませんが、とかく私の決断により子供に本来あるべき父親という存在を与えられなかった、という無力感はとても大きいです。それでも、私は元旦那さんの幸せはなんだろうか、と考えた時にやっぱり離婚だな、という思いで決意したことなので、その点においては自分にとても満足しています。同時に、子供の幸せを考えた時も、私は両親の喧嘩の中で私には解決できない二人のやり取りの仲介になることが辛かったので、それを見せない選択をできた自分にも、満足しています。でも、やっぱり寂しい(笑)。夫が浮気をしたら……。「怒り」がまず訪れたとしても、その後に来るのは抱え切れないくらいの虚無感。実際に浮気を許さなかったとしてもあなたがどう感じるか、は自分次第ですが、どうか、先を見て、あなた自身が幸せになる未来を描いてください。
2020年09月24日三回忌を迎えた今も日本中から愛され続けている樹木希林さん(享年75)。何事にも動じず、独自の道を歩み続けた希林さんが愛情を注いでいたのが孫の雅樂(22)だ。雅樂がUTAとしてモデルデビューした際、希林さんは本誌にこう語っていた。《おじいちゃん、つまり裕也さんの若いころにソックリですよ。いつも、ああいう不満そうな顔つきをしていましたから。でも性格は正反対。裕也さんと違って孫は温厚だから、人ともめるようなことはないわね》(本誌18年7月17日号)希林さんが最後に購入した愛車も受け継いだという雅樂が、三回忌数日前の9月上旬、本誌の取材に答えてくれた。特に記憶に残っている希林さんとの思い出について聞くと、微笑みながら振り返った。「自分が小さかったとき、2人でカナダのモントリオールに行ったんです。おばあちゃんの出ていた作品がモントリオール映画祭にノミネートされていて」──「あなたも来る?」という感じだったのでしょうか?「はい、変な話ですけど、通訳代わりみたいな。自分はそのときにはもう英語がしゃべれたので。ふたりでいろいろと観光スポットに行ったんですけど、ナイアガラの滝ってあるじゃないですか。その滝に近づく遊覧船があるんです。それに2人で乗って、もう思いっきりびしょびしょになりながら大笑いし合ったこと。それが何より楽しい、おばあちゃんとのいい思い出です」ユニークな秘話も明かしてくれた。「うちの家族は二世帯住宅。僕らが上で、おばあちゃんは1階に住んでいました。すると時々、『内田商会から派遣されてやってきました家政婦の内田と申します』と、言って2階へ上がってきては適当に掃除したり、洗い物をして帰っていくんです」一部報道で、雅樂はじめ本木一家が昨年の一周忌については行わなかったことが報じられていたが、三回忌について尋ねると――。「三回忌って言われて改めて振り返ってみると、本当にあっという間に時間はたっちゃってるんだなという気持ちですね。その日は何かをするわけではなく、もう家族のなかだけで、静かに祖母や祖父(内田裕也さん・享年79)をしのぼうと思っています」雅樂の母・内田也哉子(44)は、生前、希林さんの“遺言”についてこう語っていた。《母はね、「大きな葬儀はやらなくていいよ」と言っていたんです》(『この世を生き切る醍醐味』朝日新書)雅樂のモデルデビューに際して、本誌’18年7月17日号で訪ねたときには、「モデルデビュー決断の経緯?そのへんは全然わかりませんねぇ。いつごろ決めたのでしょう」と、けむに巻いていた希林さん。しかし、実際には希林さんの言葉がモデルを目指す後押しになったと雅樂は明かしてくれた。「亡くなる1年前くらいですね。自分がモデルを始めようか迷ってるとき、おばあちゃんが声をかけてくれたんです。『いいかい、モデルってのは自分を客観的に見る仕事でもあるからね。新しい視点で勉強にもなるし、面白いんじゃないかい?』って。また『人の作った洋服やモノを身につけ、それも輝かせなければならない。それを活かすも殺すもあなた次第』とも言ってくれました。そのおばあちゃんの一言が、心を決めた大きなアドバイスになりました」──素敵なおばあちゃんですね、本当に。「はい、大好きなおばあちゃんでした。晩年までいろんなことに興味を持っていて。よく言っていた『なんでも面白がりな』という言葉は今でも強く、僕の胸に残っています」雅樂の胸に刻まれた希林さんの“3年目の遺言”。最後に天国の希林さんへのメッセージを尋ねると、少しのを経て、雅樂はこう語った。「うーん、それは難しいなあ。もちろん感謝はあります。妹や弟、それに僕にとっては本当に普通の優しいおばあちゃんでしたから。おばあちゃんは家族の誰からも愛されていて……。だから、やっぱり『ありがとう』かなぁ」愛車だけでなく、遺志も受け継いだ孫の活躍を今日も希林さんは笑顔で眺めていることだろう。「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載
2020年09月15日「とにかくいろんな話を聞かせてくれたし、知識がものすごくあった人でした。10歳の子たちが聞けないような話をよくしてくれていましたね。それは、おばあちゃんが今やっている映画での出来事の話だとか、それこそ日常のちょっとしたことだとか……」目を細めながら樹木希林さん(享年75)との思い出を振り返るのは孫の雅樂(22)。’18年9月15日に希林さんがこの世を去ってから2年。死後に発売された希林さんの言葉をまとめた書籍が軒並みヒットを記録するなど、その深い人生観はいまも多くの人々に影響を与えている。ぜいたくを嫌い“モノを持たない生活”を貫いた希林さんだったが、数少ない趣味が車だった。長年の知人は言う。「希林さんの車好きは有名で、過去には愛車を紹介する番組に出演したことも。“車は顔”がモットーで、丸目が特徴のクラシックカーを10台以上乗り継いできました。なかでも’01年に購入した『トヨタオリジン』は新車価格で770万円と高い買い物でしたが、希林さんは“最後の愛車”と大切にしていたようです」そんな最愛の車をモデルとしても活躍する孫である雅樂が最近、受け継いだというのだ。「モデル名はUTAで、190cm以上ある身長を生かして’18年のパリコレでデビュー。パリのモデル事務所と契約し、世界中で活躍しています。バスケット選手としても優秀で、高校はアメリカのスポーツ名門校、大学はカリフォルニアのバスケ強豪校に進学しました。彼は12歳のときにスイスに留学したのですが、その際に現地まで希林さんが連れていったそうです」(ファッション関係者)希林さんの三回忌数日前の9月上旬、生前の希林さんも暮らし、今は父・本木雅弘(54)ら家族と住む二世帯住宅から件の愛車に乗って出てくる雅樂の姿が――。車を少し走らせ、トランクから荷物を取り出そうと停車した雅樂に本誌は話を聞いた。──希林さんの愛車を受け継いだとお聞きしまして。お話を伺ってもよろしいでしょうか?「ええ、確かにおばあちゃんが生前から乗っていた車ですが、正式に頂いたわけではないんです。新しい車は買わないので、父と母が『家にあるこの車を使ったら』と言ってくれて。おばあちゃんが亡くなった後に自分も日本で免許を取って、それで乗り始めました」突然の取材にも、希林さん譲りの堂々とした語り口で真摯に応じてくれた雅樂。受け継いだ車には希林さんとの代え難い思い出がたくさん詰まっているようだ。「僕らきょうだいの送り迎えや、一緒にご飯を食べに行くときはおばあちゃんがこの車でよく連れていってくれて。僕はずっと助手席に乗せられていました。(初めてハンドルを握ったときは)やっぱりおばあちゃんのぬくもりを感じましたし、とても懐かしい気持ちになりました」「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載
2020年09月15日樹木希林さん「コロナのせいで会うことはできないけれど、也哉子ちゃんとは連絡をとり合っていて。希林さんの話になると“懐かしいねぇ”って。“もしも今、希林さんが元気だったとしたら、コロナだろうが平気で外に出かけそうだよね”なんて也哉子ちゃん笑っていたけれど、ホントにそうですよ」そう語るのは、東京・西麻布にあるセレクトショップ『PRESS601』のオーナー・遠藤勝義さん。’18年9月15日にこの世を去った女優・樹木希林さんとは、30年来の親交があり、娘の内田也哉子やその夫の本木雅弘ら内田家とは今も親しい間柄だ。希林さんは客として遠藤さんのショップに足を運んでいただけでなく、お互いが、最近見た映画の感想を言い合うためだけに電話をかけるほどの“親友”だった。「そういう人がいなくなってしまって、この2年、ずっと寂しいんですよ。今でも映画を見ていると、ふと“希林さんなら、どんな感想を言うかな”なんて」(遠藤さん)■カンヌから帰ってきたあとに……同じように希林さんが長年にわたって通い続けていたヘアサロン『カットアンドカットヒラタ』。希林さんを担当していた男性従業員も「まだ実感が湧かない」と口にする。「今でもひょっこりお店にやって来そうな気がするんですよ。普段から、とてもお茶目な人でね。希林さんが声優をやっていたジブリの『借りぐらしのアリエッティ』の話をしたら、その場で突然セリフを演ってくれたり。『ユニクロ』で買ったという帽子に、某高級ブランドのタグを自分で縫いつけてきて“コレ、いいでしょ”なんて(笑)」希林さんの生前の面影を求めて、今も全国からファンが訪ねてくるという。「40、50代くらいの女性がウチの店にわざわざ髪を切りに来てくれるんです。中には遠く九州からいらっしゃった方もいてびっくりしたことがあります。みなさん決まって“希林さんと同じ髪型にしてほしい”とおっしゃるんです。実は、希林さんのヘアスタイルはそんなに難しいカットではないので、どのヘアサロンでもやってくれると思うんですが(苦笑)。やっぱり“みんなから愛されていた方なんだなぁ”と改めて感じました」(男性従業員)行きつけの店の中でも、特に希林さんが通い詰めた店がある。神奈川県横浜市内にある地元では名の知れた老舗の居酒屋『叶家』だ。昭和27年に希林さんの両親が創業したという、いわば希林さんの“実家”。希林さんの実兄の妻─義姉がずっと店を守ってきたが、昨年から自宅を離れて介護施設で暮らしているという。その義姉に代わって現在、店を切り盛りしているのが娘の谷川不二映さん。希林さんの姪にあたる不二映さんによれば、希林さんは亡くなる2、3か月前まで店に顔を出していた。「最後に来たのは……カンヌから帰ってきた後だったかな……。ひとりで寄ってくれることもありましたけど、たいてい誰かを連れてきて、そういうときはお連れの方々をテーブル席に座らせて、自分はひとりでカウンター席に座っては、私たちとおしゃべり」(不二映さん、以下同)希林さんは義理の息子である本木雅弘もしばしば連れて来たという。「私、モックンの大ファンで。だから叔母がモックンを連れて来てくれたときは、思わず一緒に写真を撮らせてもらっちゃいました。叔母は、モックンのことをすごく信頼していたんです」“芸能人との遭遇”では、こんなこともあった。「叔母から“あなたに似合いそうだから”と、浅田美代子さんが着ていたという服をもらったこともあるんです。浅田さんにお会いしたことなんて、もちろんないんですけれどね(笑)」■孫のUTAの手を引いて晩年、「全身がんだらけ」と公表していた希林さんだったが、義姉もまた同じ病で闘病生活を続けていたそう。そんな義姉を、希林さんはわが身を差し置いて気にかけた。「叔母が“いい先生がいる”と鹿児島にある治療院を紹介してくれて、連れて行ってくれたんです。そのおかげで、母のがんは手術もせず完治。だから、母は叔母が亡くなったときはガックリと落ち込んでしまってね。“私だけ生き残っちゃった……”って小さな声で寂しそうに。叔母は母のことを“お姉ちゃん!お姉ちゃん!”と慕ってくれていたので……」しかし、希林さんを偲ぶ一周忌の法要は行われなかった。この三回忌も、親族が集まる予定はないという。「それが家族の考え」なのだとか。「一周忌のときは也哉子さんと手紙でやりとりして、ウチからはお線香だけ送りました。三回忌も家族でささやかにやるみたいです。法要のかわりというわけではないんでしょうけれど、春先に也哉子さんから叔母の本が送られてきましたっけ」少しだけ寂しそうに語った不二映さんには、忘れられない思い出の光景がある。「亡くなる1年くらい前でしたか。孫の雅樂くんをこっちに連れて来たときのことで」希林さんにとっての初孫、也哉子と本木夫妻の長男・雅樂。“UTA”名義でモデルとしてパリコレにも出演した身長195センチのイケメンだ。「彼がバスケットボールでひざをケガしたそうで。その治療院を叔母が紹介して、その帰りに私と叔母と雅樂くんの3人で外で食事をしたんです。びっくりしたのは帰り、駅まで見送ったときです。駅前の大通りの横断歩道に差しかかると、スッと雅樂くんが叔母に手を差し出したんですよ」希林さんは差し出された孫の手を握った。「ふたり仲よく手をつないで、横断歩道を渡って電車に乗って帰っていきました。なかなか若い男の子にはできないことだと思うんですけど、すごく自然にね。“普段からこうしてるんだな”って感動しちゃって。このときばかりは、あの叔母もごく普通のおばあちゃんに見えました。叔母の本当に幸せそうな笑顔と、ふたりの後ろ姿が忘れられないんです」店内には希林さんの写真と、彼女が自らしたためた色紙が今も飾られている。「その写真を見るたびに叔母のことを思い出すんです。いつも見守ってくれている気がするの」希林さんは、今も、大切な人たちの心の中に─。
2020年09月11日左から杏、佐々木希、仲間由紀恵、樹木希林夫の不倫が発覚。しかも妻が妊娠中の悪行三昧とくれば、世間は許さない。夫と不倫相手への容赦ないバッシング。女性たちの怒りと恨みは執拗で、犯罪者のように扱い、ときには彼らの仕事と人生を奪う。「世間は許さない」の構図は震えあがるほどすさまじい。しかし、許す・許さないを決めるのは世間ではない。当事者の妻であり、家族だ。芸能人の不倫スキャンダルに見る「不倫夫の懲罰法」について、考えてみる。■離婚して縁を切る「削除法」は懐が深いとにもかくにも視界から消したい。存在そのものを抹消したい。メールボックスでいえば、ゴミ箱マークにぶちこむ「削除法」。夫・東出昌大に対して、杏が選んだのはこの削除法だ。不倫発覚後の東出の素直すぎる記者会見も、火に油を注ぐような文言だったので、怒りを通り越して諦観と覚悟の境地に至ったのかもしれない。俳優という同じ職業で、騒動やスキャンダルは今後一生ついて回る芸能人同士。しかも不倫相手も同じ世界に生きる若手女優。やや時間がかかったものの、杏の決断は万人の賛同を得た。財産分与とか慰謝料とか養育費とか、法的な制裁はもちろんのこと、社会的制裁の部分はかなり大きかった。夫に対しても不倫相手に対しても、社会が、世間が、許さなかった。もちろん、これで溜飲が下がったとは決して思えないが、3人の子どもとの関係は続くにせよ、杏個人との婚姻関係を切ることで、長年抱えてきた苦しみから杏自身も解放される。なんとなく懐が深いなと思ってしまった。イメージ勝負の俳優稼業で、いつまでも騒動を引きずらせるよりもリスタート(再出発)を切らせる。リボーン(生まれ変わる)は無理でも、リスタートを提供。離婚して「不倫俳優の看板を背負って、やれるもんならやってみろ」と突き放すのは、実は愛情の「最後のひとかけら」ではないかと思うのだ。そして、もちろん自分のリスタートでもある。浮気男に苦しめられた自分を断捨離して、前を向く。削除法はお互いにとって、精神衛生上よきことかな、とも思う。当事者全員がリスタートを切る決断を下したのは、杏の「寛容な恩赦」ともいえる。■離婚せずに継続する「保存法」は根が深い一方、不倫が発覚しても離婚はせず、そのまま婚姻関係を続ける人もいる。メールボックスでいえばフラグやスターをつけて、消去しないように保存しておく。これを「保存法」と呼んでみる。保存法をとっている女性は、意外と多い。近々で言えば、夫・アンジャッシュ渡部のトイレ不倫で「男気(ある種のヤンキー魂)を見せた」と高評価の佐々木希。少し前になるが、夫で俳優の田中哲司の不倫騒動にノーコメントを貫き、女優としての幅も格段と広げている仲間由紀恵。さらには、長男を出産した日に夫・宮崎謙介の不倫報道を知らされた元・衆院議員の金子恵美である。夫の不倫の落とし前は三者三様。それでも離婚しない道を選んだ。不倫がバレた夫たちを決して野に放たない。死ぬまで、とは言わないが、婚姻関係を続けることで制裁を加える意味も大きい。「恩赦と減刑ナシの無期懲役」といったところか。おそらく、離婚しないから「許した」わけではないだろう。むしろ「許さない」からこその継続とも言える。一見、夫の不倫に対しては「お灸をすえて許す妻」「懐と情けが深い、寛大な妻」という印象が強くなるけれど、なんだろう、もっと根深い気もする。なぜなら、世間という強くてこうるさい味方をつけ、夫(の下半身)を二度と自由にさせない宣言は、最凶で最高の復讐でもある。そして不倫相手の女性に対しても、「正妻としての制裁」を叩きつける宣戦布告でもあり、果たし状でもある。そして、今後一生頭が上がらないであろう夫に、無言の圧力をかけてじわじわと苦しめることもできる。すごい復讐だと思うんすよ、個人的には。■樹木希林さんは夫からの離婚届を“無効”にもちろん、「結婚はしているけれど、もう自由に生きましょう、お互いに」という決別かもしれない。また、愛情がすっからかんに枯渇したけれど、離婚するメリットよりも継続するメリットのほうが大きいという覚悟かもしれない。現に佐々木はママタレとしての株を上げ、仲間も貫録を身に着けてドラマで大活躍している。仲間の夫の田中哲司も、一時期は自粛していたせいかドラマに出ていなかったが、徐々にドラマ復帰。本来の持ち味である狂気の演技を存分に発揮している。特に、金子恵美はメリットを最大限に生かしていると思われる。議員ではなくなった夫婦は、不倫で話題になったことを機に、テレビに出まくった。タレント活動も展開。10月には不倫夫の顛末を書いた『許すチカラ』(集英社)という本を出版するらしい。離婚しなかったからこそ得られる利ザヤ(※買値と売値の差のこと。買値より売値が高い状態のことをいう)をきちんと計算していて、たくましいというか末恐ろしいというか。いや、賞賛しますよ、マジで。ちょっとだけ読んでみたいと思っている。そういえば、保存法を選んだレジェンドもいた。2018年に他界した樹木希林さんである。1973年にミュージシャンの内田裕也さんと電撃結婚。ところが2年後には別居し、その後、長女を出産。1981年に内田さんは一方的に離婚届を提出するも、樹木さんは無効を主張し、裁判で勝訴している。内田さんの場合は不倫だけに収まらない蛮行が多すぎるのだが、結局このふたりは離婚しなかった。樹木さんが亡くなった半年後に、内田さんも息を引き取った。深い愛憎と呼ぶべきか、最高の復讐と呼ぶべきか。俳優としての功績はもちろんのこと、器のデカさと筋を通した信念は、芸能史だけでなく人々の心に深く刻まれたと思う。別れる美学もあれば、別れない美学もある。決断には計り知れない苦悩もあるだろうし、報道されない真実もある。そこには正解もなければ、模範解答もない。不倫報道に思いを寄せすぎて過熱するのが世の常だが、「妻の決断が最善」と思うことにしている。吉田 潮(よしだ・うしお)1972年生まれ、千葉県船橋市出身。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』(フジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。また、雑誌や新聞など連載を担当し、著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか』(KKベストセラーズ)などがある。
2020年09月10日多部未華子(31)主演のTBS火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん』が好調だ。各メディアによると、初回の世帯平均視聴率は14.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好発進。8月18日に放送された第7話は16.6%と、上昇傾向だ。これまで同枠で放送されたドラマのなかで、最高記録となったようだ。多部演じる相原メイは、製薬会社のMR(営業担当)として働くキャリアウーマン。仕事に打ち込む反面、家事は苦手で部屋も散らかり放題。そこへ大森南朋(48)演じる中年の家政夫が現われ、互いに心を通わせていくストーリーだ。19年7月放送の『これは経費で落ちません!』(NHK総合)では、等身大のアラサー女性をリアルに演じた多部。いっぽう最終回を終えたタイミングの10月1日に、写真家・熊田貴樹氏との結婚を発表した。「熊田さんは、広告や雑誌、著名アーティストのCDジャケットなど幅広く手掛ける写真家。16年に撮影現場で出会ったことを機に、交際に発展したそうです。多部さんは好きなタイプの男性を、『努力しようと思わせてくれる人』と語っていました。『生活=仕事』という考えの多部さんにとって、ご主人の存在はプラスになっているようです」(メディア関係者)そんな『わたナギ』は、多部が結婚して以来初の主演ドラマだ。新婚生活を送りながらも、女優業に邁進する多部。『生活=仕事』というポリシーを持つ彼女の姿勢は、“職人”のようだという。「多部さんは役に入り込む憑依型ではなく、監督や演出家からの要求を忠実に反映するタイプ。引っ込み思案な面もあり、撮影現場では自ら話かけることは少ないといいます。ですが、先輩の仕草や動作をしっかり観察して吸収しているそうです。仕事とプライベートもきっちり分ける方なので、人間関係のトラブルもありません。18年に共演した樹木希林さん(享年75)も、『女優として芯がある』と太鼓判を押していました。多部さんのフラットな姿勢は、制作サイドもオファーしやすいようです」(テレビ局関係者)折り返しとなった『わたナギ』。後半では、どんな演技を見せてくれるだろうか。
2020年08月19日俳優・三浦春馬さん(享年30)出演の新作ドラマ「おカネの切れ目が恋のはじまり」(TBS系)がお蔵入りの危機にあると7月19日に報じられた。松岡茉優(25)主演で、三浦さんは松岡演じる主人公と同居するおもちゃメーカーの御曹司を演じていた。今月14日には三浦さん自身もInstagramでクランクインを明かし、《キャスト、スタッフ一同、テレビの前の皆様に9月から、より笑って頂きたく撮影に励んでおります!》とつづっていた。しかし日刊スポーツでは「TBSはスポンサーも決まっているし代役を立ててもやりたい。ただ、現場は状況が状況なだけに、続けるのは難しいのではないか」との関係者コメントとともに、最悪の場合はドラマ自体がお蔵入りになることもありうると伝えていた。そのため、ドラマの公式Twitterアカウントには放送を願う悲痛な声が続々と集まっている。《このドラマは三浦春馬さんが出演すると知ってずっと楽しみにしていました。お願いです、途中まででいいので放送してください》《最後の最後まで撮影に挑んだ三浦春馬さんの勇姿をTVで見たいのでどうかお蔵入りだけにはしないでください!!》《撮影ができてるところまでは春馬くんのままで放送して欲しいです。もう1話の途中で慶太が変わってもいいから。春馬くんの最期のドラマがこれだから。お蔵入りにしないで…》局側の心配とは裏腹に、これまでも多くの芸能人の遺作は「最後の演技を見届けたい」というファンの熱い思いから注目を集めてきた。3月に亡くなった志村けんさん(享年70)は、朝の連続テレビ小説「エール」(NHK総合)に出演していた。5月に初めて登場したところ、平均視聴率は関東地区で21.2%を記録。これは初回放送と同じポイント数であり、注目度の高さがうかがえた。また樹木希林さん(享年75)が亡くなった直後の18年10月に公開された映画「日々是好日」は、公開1ヵ月ほどで興行収入10億円を突破した。当時の動員数は累計で88万人、公開館数も230館にまで拡大。同年11月に行われた「大ヒット御礼舞台挨拶」で大森立嗣監督(49)は、「こんなにお客さんが入った映画を作ったことがない」と漏らしていた。大杉漣さん(享年66)の最後の主演映画である「教誨師」も18年10月に公開されると、規模を拡大していった。大杉さんが亡くなってからちょうど1年目となる19年2月21日時点で、公開館数は82館。興行収入も6,000万円突破というロングランヒットを記録した。《いろいろ事情はあると思うけど、三浦春馬くんが最後までやっていた仕事はすべて見せてほしいなと思う。春馬くんは最後まで頑張っていたのだから。お蔵入りなんて悲しいよ》Twitterでは、こんな声も上がっていた。「おカネの切れ目が恋のはじまり」は、三浦さんの生きた証を視聴者に届けることができるのだろうか。
2020年07月22日三浦春馬撮影/山田智絵俳優の三浦春馬さんが、30歳という若さで逝去した。所属事務所から詳しい発表はされていないが、報道によると18日午後1時、東京・港区の自宅マンションのクローゼットの中で首を吊り、自殺したとみられている。樹木希林さんの言葉から学んだ「俳優」であること、そして「生きること」を語っていた、週刊女性2020年1月1日号のインタビューを再掲する(以下本文は掲載当時のまま)。◆◆◆’19年は、『罪と罰』とミュージカル『キンキーブーツ』に出演。舞台俳優としても高い評価を受けている三浦春馬さん。2020年3月上演のミュージカル『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド 〜汚れなき瞳〜』で、アンドリュー・ロイド=ウェバー作品に初挑戦する。三浦さんは、無垢な少女にキリストの生まれ変わりと信じ込まれてしまう脱獄犯「男(ザ・マン)」を演じる。新たな役柄と完全なるミュージカルに挑む心境を聞いた。■オファーへの疑問から一転、挑戦の理由「アンドリュー・ロイド=ウェバー作品は『オペラ座の怪人』をロンドンで見たのが最初でした。たしか21歳だったと思いますが、ただただ圧倒されましたね。余すところなくステージはもちろん、客席の真上をうねるように使っていた演出は忘れられないです。でも当時は、ミュージカルにプレーヤーとして出演するなんて想像できなかったですし、自分もやってみたいとは思っていませんでした」三浦ファンには待ち遠しいロイド=ウェバー作品出演だが、今作のオファーを受けた当初は、少し悩んだ部分もあったそうで。「自分が本当にこの役を演じきれるのか、演じるうえで高揚できるのか、最初は疑問だったんです。自分に合っているのかどうかわからなくて正直、悩みました。でも、このザ・マンという男が生田絵梨花さん演じるスワローという純粋な女性の心に触れて、彼が持っている闇であったり、世の中が信じられずに自分の存在にさえも疑心暗鬼になっているようなところが、どう浄化されるのか。その心の浄化のプロセスをいかに観客の心に届く形で演じることができるか、というところに興味を持って手をあげさせていただきました」■内面が見えるような演じ方を目指すセリフを歌にのせて表現する王道のミュージカルというのも新たな挑戦となる。「『キンキーブーツ』もそうですけど、僕は今までナンバーがショーアップされている演目しかやっていないので、この完全なるミュージカルをやることの難しさは感じていますし、うまくお客様に届けられるのか怖い部分ではありますけど、とても楽しみにしているところでもあります」ロイド=ウェバーの美しい音楽は、もちろん今作の最大の魅力。「この独特な作品の世界観が、日本語の歌詞でどう表現されるのかは楽しみですね。今作の楽曲は、飽きさせない転調を多用していたり、バラードにいきなりゴスペルが入ってきたり、魅力的な曲ばかりなので、すごく高揚感を感じていただけるんじゃないかなと思います。それで、今回の出演者の方たちは、本当にすこぶる歌がうまい実力派ぞろいなので期待していただきたいですね。僕個人としては、歌の中で“あ!感情がいま変わった”とか、内面が見えるような演じ方ができることを目指して、たくさん稽古を積まなければと思っています」今回初共演となるヒロイン、スワロー役の生田絵梨花さんの印象を尋ねると、「儚さもありながら、唯一無二の光を放っている存在感のある女優さんだなと思います。ザ・マンの嘘も許すような、おおらかで神秘的なスワローをどう柔らかく演じてくださるのか、とても楽しみですね。絶対、歌声は役にマッチすると思うんですよ」演出の白井晃さんとの初タッグで楽しみにされていることは?「以前、白井さんが演出された高橋一生さん主演の『マーキュリー・ファー』という舞台を見たのですが、それが素晴らしくて。ミュージカルですがストレートプレーを演出してくださるときのような、こまやかな指摘や指導をとことん受けてみたいなと思っています。海外で上演された公演の映像を見たことがあるのですが、わりとシンプルな物語ですし、舞台装置もアメリカ南部の雄大な土地を表現したようなフラットな感じが目立っていたので、白井さんがどういうふうに作り込んでいくのかとても楽しみです。自分も自分なりのアイデアや動きを提案してシェアできたらいいなと思っています」■俳優としてよりよく生きること2019年も、多くの映画、ドラマ、舞台に出演そして主演ドラマ『TWO WEEKS』の主題歌でCDデビューするなど多忙だった三浦さん。1年を振り返って思うことは?「『罪と罰』の舞台から始まり、続いて『キンキーブーツ』の再演があって、板の上に立つということに関しては、すごく動いたし練れた1年だった気がしますね。今はやりたいことがやれているので、充実しています」俳優として今いちばん興味があることは何か聞いてみると、深い言葉が返ってきた。「変に思われるかもしれませんが、よりよく生きること。いろいろな意味でよりよく生きれば、日々のマインドも波風立てられずに、仕事でもしっかり自分の役目を果たせるんじゃないかなと思うから。樹木希林さんの著書に“しっかり人の痛みに触れるとか、誰かの思惑をしっかり考えてあげて、そこに寄り添ってあげるっていうことが役者には必要だ”ということが書かれていて。確かにそうだなと思いますけど、煩わしかったり、自分に自信がなかったりして、なかなか踏み込んでいけないことが多いんですよね。でも仕事を通してだったら、寄り添うことが恥ずかしい気持ちもなくできると思うので、今回の稽古場でも、キャストのみなさんと話し合ってコミュニケーションをとって、役を通して支え合っていけたら、いいものができるんじゃないかなと思います」みうら・はるま1990年4月5日、茨城県出身。2019年も、映画、ドラマ、舞台で幅広く活躍。NHK総合『世界はほしいモノにあふれてる 旅するバイヤー極上リスト』(毎週木曜22時30分~)出演中。2020年1月16日~17日東京国際フォーラムAにて上演の『シンシア・エリヴォ ミュージカルコンサート featuring マシュー・モリソン&三浦春馬』出演。取材・文/井ノ口裕子スタイリスト/TAKAO(D-CORD LIMITED)ヘアメイク/AZUMA(M-rep)
2020年07月18日コロナウイルスにより学校も幼稚園も保育園も休園する緊急事態に。ずーーっと子どもと一緒にいることで、いつもにも増してイライラが募ってしまいそう……。そんなママたちを応援する最新ドキュメンタリー映画『ママをやめてもいいですか!?』が絶賛オンライン上映中です。さらに90万人を動員した『うまれる』『ずっと、いっしょ。』も初オンライン上映がスタート! 傷つき悩みながらも、前向きに歩んでいく家族の絆に笑って泣いて、もう一度泣いて、感動をたっぷり共有してみませんか。 1500名の署名によりオンライン再上映が決定 新型コロナウイルスによる外出自粛で、24時間子どもと一緒。普段なら許せる子どものイヤイヤやいたずらにイライラ、子どもだって外で遊べなくてストレスMAX、在宅勤務だからこそ、ますますすれ違うパパに「コロナ離婚」の5文字がよぎったりして……。 笑ってばかりじゃいられないママ業のしんどさは、多くの人が感じていること。そんな家事や育児に奮闘するママたちの姿を追ったドキュメンタリー映画『ママをやめてもいいですか!?』が、5月31日(金)までオンライン上映されます。 本作品はコロナウイルス感染拡大を防止するため、2月29日の封切りと同時に、2週間の期間限定でオンライン上映することが決定。その後もオンラインでの再上映を望む声が多く寄せられ、あっという間に1500名を越える署名が集まりました。 また外出自粛が長引くことから、累計90万人を動員した感動のドキュメント映画シリーズ『うまれる』『ずっと、いっしょ』もオンラインによる上映がスタート。家族でいる意味とは? 幸せとは? 改めて「家族・命・絆」を感じることのできる作品になっています。 わが身を投影して観る『ママをやめてもいいですか!?』 <ストーリー>「子どもは可愛いんです。大事なんです。愛おしいんです。……でも離れたいんです」。人知れず子育てに悩み、つまずき、それでも子どもを愛して前を向くママとその家族の歩みを綴った物語。産後うつを乗り越えて新たな命の誕生を迎えるママ、産後うつによる母の自死とその傷に向き合うママ、わが子を抱きしめることができないママ。それぞれどんな答えを見つけていくのでしょうか?企画・撮影・監督:豪田トモ/ナレーション:大泉洋92分■ 配信期間:5月31日(金)24時まで(終了日は予定)■ 料金:1500円■ 上映先リンク: ※ ご購入から48時間、視聴することが可能です。■予告編:家族の絆に涙が止まらない『うまれる』『ずっと、いっしょ。』 <ストーリー>出産、死産、不妊、障害、胎内記憶などさまざまな経験をする夫婦や家族の姿から、家族の絆、命の大切さ、人との繋がり、そして「生きる」ことを考えるドキュメンタリー『うまれる』。第2作となる『ずっと、いっしょ。』は、血縁のない家族や愛する妻に先立たれた家族、死と向き合う毎日を生きる家族の姿を、笑いと感動の涙とともに綴っています。企画・撮影・監督:豪田トモ/『うまれる』ナレーション:つるの剛士104分『ずっと、いっしょ』ナレーション:樹木希林119分■ 配信期間:5月31日(金)24時まで(終了日は予定)■ 料金:各800円(特典映像付)■ 上映先リンク: ※ ご購入から48時間、視聴することが可能です。■『うまれる』予告編:■『ずっと、いっしょ』予告編:『ママをやめてもいいですか!?』を観た人からは、「ママだけに偏りがちな育児環境を変えるきっかけになる」との言葉も。感動だけで終わらない視野の広い作品です。当面、DVD化の予定はないそうなので、鑑賞するなら今がチャンス!
2020年05月01日