《ドイツの監督ドリスデリエさん一行皆茅ヶ崎館に想いがあって――しかし保存は至難です――ひたすら願うばかりです》そんな文章の横ではユーモラスな自画像が頭を下げていた。「1年前に樹木さんが、このサインを書いてくれたのですが、一言一言がオツというか味がありますよね」懐かしそうにそう語るのは神奈川県の老舗旅館『茅ヶ崎館』四代目女将・森治子さん(81)。女優・樹木希林さん(享年75)が逝去してから、もうすぐ1年になる。8月16日から映画『命みじかし、恋せよ乙女』が公開されているが、これは希林さんの“遺作”でもある。希林さんが演じたのは、人生を見失ったドイツ人青年を受け入れ、再起を促す旅館の女将。茅ヶ崎館で撮影に臨んだのは、亡くなる2カ月前の昨年7月だった。女将・森さんが希林さんの“最後の演技”について語ってくれた。「この旅館までは、運転手さんが車で連れてきてくださったそうです。樹木さんは杖を使っていましたが、入口の階段も、ご自分で上がってきました。私が手を差し出したのですが、『大丈夫です』と、おっしゃって……」がんで闘病中の希林さんが、この映画に出演した理由の一つが、茅ヶ崎館でロケが行われる予定があったからだという。この旅館は希林さんにとって思い出の場所でもあったからだ。「小津安二郎監督の遺作となった『秋刀魚の味』(’62年公開)は、監督の定宿でもあった茅ヶ崎館で撮影も行われました。映画には希林さんが付き人をしていた故・杉村春子さんも出演しており、希林さんは50年以上前にも訪れていたのです」(映画関係者)森さんは初めて会った希林さんの人柄にたちまち惹かれたという。「大女優なのに、本当に自然体というか、“あれをしてほしい、これをしてほしい”といった注文も全然ない方でした。(和室に)組み立て式の簡易ベッドを運び入れましたが、特に『布団を厚くしてほしい』といったこともおっしゃいませんでした。食事についてお伺いすると、『おそばか、そうめんなら』とのことでしたので、おそばをゆでて差し上げました。あと、ちょうど桃があったので、お召し上がりになりましたね」ひょうひょうとしていた希林さんだったが、撮影は過酷だった。猛暑日で気温は40度を超えていた。しかし撮影スタッフが“静かなシーンを撮りたいから”と、台所の冷房どころか冷蔵庫のスイッチも切ってしまい、室温はなんと50度近くにもなったというのだ。「女将役の樹木さんが、おにぎりを握るシーンでした。私たちも横から拝見していたのですが、何度も何度もNGが出て、もう気の毒なほどでした」全身をがんにむしばまれていた彼女にとって、想像を絶する負担だったと思われるが……。「樹木さんは、“疲れたからちょっと休ませて”なんてこともいっさい言いませんでした。とにかくOKが出るまで、延々とおにぎりを握り続けていたのです」希林さんは、茅ヶ崎館の今後のことまで心配してくれたという。「きっと体のあちこちが痛かったのだと思いますが愚痴一つ言わず、それどころか、この旅館のことまで心配してくださったのです。茅ヶ崎にも、昔は多くの旅館や別荘が立っていました。しかし、みんな売りに出されてしまい、マンションなどになってしまったのです。うちも周囲の方々は、『建物を残してください』と言ってくださるのですが、こういう古い旅館を維持していくのは、本当に大変なことなのです。樹木さんはそういった事情も理解してくださっていました。サインで書いてくださった《保存は至難です――ひたすら願うばかりです》という言葉には、温かな気持ちがこもっていると感じました」『年齢を重ねることは素敵なこと』と、語っていた希林さん。歴史を経た旅館と、自らを重ね合わせていたのかもしれない。
2019年08月23日昨年9月15日、樹木希林さんが惜しまれつつ天国へと旅立ってからまもなく1年。この度、一周忌を間近に控えた9月10日(火)に樹木さんを偲ぶ特別番組「樹木希林さん特別番組 ~おもしろうて、やがて不思議の、樹木希林~」(仮)を放送することが決定した。様々な作品で名演技を見せた唯一無二の存在樹木さん。病におかされながらも、亡くなる直前まで女優として輝き続けた。番組では、生前に樹木さんと親交のあった俳優、芸能人、友人などにインタビュー。その証言と貴重映像を通し、改めて様々な角度から樹木さんに光を当て、彼女の実像、その生き方、謎、人生に迫る。今回樹木さんについて語るのは、黒柳徹子、是枝裕和監督、リリー・フランキー、阿部寛、YOU、岸本加世子など錚々たる顔ぶれ。さらに、娘・内田也哉子にインタビューも。ひとりの人間として、女優として、妻として、母として、希林さんがどんな思いを胸に生きてきたのか。また、病との独特の向き合い方やユニークな死生観までをも、証言者のインタビューや貴重映像を見ながらにぎやかに語らう。そして、母・樹木希林を娘・也哉子さんが改めて確かめたとき、見えてきたのは樹木さんが唯一“やり残したこと”だった――!?そして、樹木さんの生涯を紐解いていくのは、落語家・立川志の輔。樹木さんとは面識はなかったが、常に気になる存在だったという志の輔さんが司会を務める。「樹木希林さん特別番組 ~おもしろうて、やがて不思議の、樹木希林~」(仮)は9月10日(火)19時~テレビ朝日にて放送。(cinemacafe.net)
2019年08月23日昨年9月に75歳で亡くなった女優の樹木希林さん。そのドキュメンタリー映画「樹木希林を生きる」が10月4日から公開されることを、一部スポーツ紙が報じた。希林さんを長期密着取材し、昨年9月26日に「NHKスペシャル・樹木希林を生きる」として放送されたたドキュメンタリーに未公開映像を加えて再編集。希林さんの出演映画で昨年公開された「モリのいる場所」のプロデュースを手がけた吉田憲一氏が上映プロジェクトで動き、全国公開が実現したという。「NHKで放送された際の視聴率は13.9%を記録。視聴者の関心の高さがうかがえました。見逃した希林さんのファンが、劇場に足を運ぶことになりそうです」(芸能記者)希林さんといえば生前のインタビューなどで語った人生観や結婚観、仕事観がまとめられた「一切なりゆき樹木希林のことば」(文芸春秋)が大ヒット。出版取次のトーハンと日本出版販売(日販)が発表した今年の上半期のベストセラーランキングで両社とも1位を獲得した。昨年12月に発売された同書だが、ランキングが発表された時点で発行部数は120万部を突破。また希林さんの関連本では「樹木希林120の遺言死ぬときぐらい好きにさせてよ」(宝島社)が日販で3位、トーハンで5位にランクインしている。「大規模の上映館ではないと思われますが、注目度はケタ違いです。同じ公開規模の映画と比べて異例のヒットを記録するのではとみられています」(映画関係者)希林さんは、多くの国民に愛されていたようだ。
2019年08月20日昨年9月に亡くなった女優・樹木希林さんのドキュメンタリー映画『“樹木希林”を生きる』が10月4日(金)より公開されることが決定。予告編とポスタービジュアルも到着した。2018年9月15日に75歳でこの世を去った樹木さん。1961年に文学座に入り、“悠木千帆”名義で女優活動をスタートさせ、「七人の孫」で一躍人気を博し、「寺内貫太郎一家」「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」『あん』『そして父になる』『万引き家族』など、TV・映画・演劇と様々な作品に出演した唯一無二の女優。現在公開中の『命みじかし、恋せよ乙女』は世界デビュー作であり遺作となった。今回10月に公開が決定したのは、樹木さんに長期密着取材し、大反響を呼んだドキュメンタリー番組に、未公開映像を加えて再編集したもの。初めて許された長期の密着取材から見えてくる、様々な樹木さん。家族との複雑な関係、歯に衣着せぬ物言いと、周りの人々にみせる細やかな気遣い、溢れ出るユーモア。独自のスタイルを持っていた樹木さんの生き様と心に響く言葉には、私たちが生きるヒントが詰まっている。公開決定と同時に到着した予告編では、いきなり“ギャラ”の相談をするシーンからスタート。自ら運転する様子や、「せっかくできたシワだからもったいない」と語る様子など、樹木さんの心に響く言葉と共に密着の様子が映し出される。<あらすじ>死期を覚悟したからなのだろうか。「4本の映画に密着すれば何とかなるわよ」と樹木希林さんへの1年間の長期取材が許された。ルールは一人で取材すること。ディレクターを家まで自家用車で迎えに行き、撮影現場までの間、自ら運転し語り続ける。現場ではスタッフでも、監督でも言いたいことはちゃんと伝え、ひとつひとつの映画と、役柄と向き合っていく。そして、取材も半年が経過し、少しずつ身体に不調がみえてきた頃、「あなたはこれをどうしようと思っているのよ?」と樹木さんはディレクターに問いかけた…。自分らしく、どう人生を終えるのか。誰もが迷うこの問いに、自分にカメラを向けさせながら答えを出そうとしているようにさえ思える。仕事、家族との関係、そして大切にしていた日々の暮らし。“樹木希林”の最後の日々を追う珠玉のドキュメンタリー。映画『“樹木希林”を生きる』は10月4日(金)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2019年08月20日日本映画界が世界に誇る名女優のひとりといえば、昨年惜しまれつつこの世を去った樹木希林さん。映画と人々の心のなかで生き続ける樹木さんが、女優人生の最後に選んだ作品がいよいよ公開を迎えます。それは……。感動に満ちた『命みじかし、恋せよ乙女』!【映画、ときどき私】 vol. 251ドイツのミュンヘンで、仕事も家族も生きる希望さえも失っていたカール。酒に溺れ、どん底だった彼のもとに突然ユウと名乗る風変りな日本人の女性が現れる。彼女と過ごすうちに、カールは人生を見つめ直しはじめ、新たな一歩を踏み出そうとしていた。ところがその矢先、ユウが忽然と姿を消してしまう。そこで、カールはユウを探すため、彼女の故郷である神奈川県の茅ケ崎へと降り立つことに。たどり着いた旅館で年老いた女将と出会い、カールは知られざる真実を知ることとなるのだった……。本作は、樹木さんにとっては遺作であり、世界デビューを果たしたかけがえのない1本。今回は、現場での様子を誰よりも知るこちらの方にお話を伺ってきました。監督・脚本を務めたドーリス・デリエ監督!ドイツでもっとも成功した女性監督のひとりとして名前があがるデリエ監督。これまで日本を舞台にした映画を5作品も制作するなど、日本を愛してやまない監督が本作を通して伝えたいメッセージや樹木さんとの思い出について語ってくれました。―まずは、心に傷を負った人物が再生するという題材を取り上げようと思ったのはなぜですか?監督今回は、主人公のカールが自分のアイデンティティをいかに見つけていくかというストーリー。彼はマッチョというわけでも、女っぽい部分があるというわけでもないので、その間にあるアイデンティティを模索している間に、自分の“形”を探していくという物語にしました。―日本に関する作品を撮り続けるだけでなく、監督はこの30数年の間に、30回以上も日本を訪れているそうですが、日本に興味を持つようになったきっかけはありますか?監督まだ映画学校に通っていたとき、小津安二郎監督の作品を授業で見させられていたんですが、当時はまだ20歳くらいだったので、正直に言うと家族の話はつまらないと思っていました。というのもそのくらいの年齢のときは、家族という題材にはなかなか興味を持つことができないものですよね。なので、若いときはどちらかというと、アクションがあってテンポが早い黒澤明監督のほうが好きでした。ただ、母親になってから改めて小津作品を観てみたら、家族がテーマだからこそ、すごく心に響いたんです。そんなふうに、映画を通じて自然と日本への興味を持つようになったのかなと思います。―では、日本の文化から影響を受けたことなどがあれば教えてください。監督この作品で言うなら、日本の「幽霊」をテーマとして入れたこと。西洋の考え方だとあの世とこの世がはっきりとわけられていますが、日本の文化ではその境目があいまいなところがありますよね?現代においては「机は机だし、人は人」といった具合に全部がわけて考えられていますが、世界というのは、本当はお互いに影響し合っていて、すべてのものは繋がっているんだと私は思っています。樹木さんの生き方から学びたいと思ったことは?―監督にとって、樹木さんは長年憧れていた存在でもあったそうですが、一緒にお仕事をされてみて、学んだことはありましたか?監督「私が彼女から学んだこと」と言うのはおこがましいので、「私が彼女から学びたいと思っていること」にしますが、まずは仕事に対する深い献身ぶりと役者として物語を綴っていこうとする思い。あとは、超がつくほどのプロフェッショナルイズム。そして、本当に謙虚な姿勢です。たとえば、アメリカの女優さんのなかには、10人のマネージャーと10人のアシスタント、さらに10人のメイクを引き連れてきたり、食べ物をリクエストしてきたりする人もいますが、樹木さんはそのどれもまったくありませんでした。私たちが「何か特別な食事をご用意しましょうか?」と何度たずねても一切なく、逆に「何を食べているの?私もそれを食べるわ」とおっしゃるほどだったのです。樹木さんはスーパースターなので、いろいろと心の準備をしていましたが、何も要求されることなく、スタッフとキャストに家族の一員が加わったくらいの感覚でした。そんなふうに、何も求めないところや謙虚なところは、尊敬していると同時に学びたいと思っています。―樹木さんが多くの人から尊敬されている理由がわかるようなエピソードですね。そのほかにも、印象に残っている樹木さんの思い出はありますか?監督あとは、すごくいろいろな物がクリアに見えていらっしゃる方だと思いました。病気についてもそうですが、病状についてもオープンで、自分の命が短いということも理解されているようでした。この痛みを抱え、歳を重ねた肉体こそが自分の体であり、アイデンティティだと。だから、「病気に縛られる必要はないんだ」「自由に私自身でいるんだ」という感じでいらっしゃるところもステキだなと思いました。もちろん、痛みを抱えていらっしゃるのは見ていてわかりましたが、それについて何も言わずにいるところも彼女の素晴らしさ。あと、樹木さんといえば、やはり独特のユーモアの持ち主ですよね。多くの人が経験している苦しみを描いている―確かに、樹木さんのユーモアのセンスは魅力のひとつだと思います。また、劇中ではカールが本当の自分へと解放されていく姿も印象的ですが、周囲の期待に応えようとがんばるあまり、自分を見失っていく男性が多いのも事実。今回、そういう男性を主人公に描こうと思った理由は何ですか?監督ユウが重ね着しているさまざまなタイプの服を徐々に脱いでいくシーンで表しているように、女性は服装を変えるだけでもいろいろな女性像になることができますが、それに比べると男性は多くのことが限定されがち。それがこの作品の最初の問いかけになりました。劇中で、カールはサラリーマンという役割を当てられても、家族思いの父親の役割を当てられても居心地が悪くなってしまいますが、その理由は自分で見つけた道ではなく、周りに与えられているものだから。それゆえに、カールは周りから求められる役割が本当の自分とは違うことに苦しみ、不幸せに感じてしまうのですが、こういった気持ちは彼だけではなく、多くの人が経験していることなのではないでしょうか。―そんなふうに、周りから与えられる理想と現実に悩んだ経験は、誰にでもあると思います。監督もそういった葛藤を味わったことがありますか?監督もちろん、私にもそういう経験がありますが、それは34歳で母親になったとき。私の人生のなかでも一番変化したときでもあり、その変化が怖いと思っていた時期でした。というのも、それまでの私はスタッフのなかに女性ひとりでいるような一匹狼タイプ。現場から現場へと移り、世界中の好きなところに行っては自分の好きなことをしていました。それが母親になることによって、「この先の自分はどうなってしまうのか?」と悩むようになったのです。なかでも一番怖かったのは、社会が「映画監督であり作家である自分」と「母であり妻である自分」そのどちらかしか選ばせてくれないのではないかと思ったとき。つまり、これをきっかけに仕事ができなくなる可能性があったらどうしようかと考えてしまったのです。社会が決めた役割をよしとしないことも必要―その恐怖はどのようにして乗り越えていったのでしょうか?同じ悩みを抱えている女性たちに向けて対処法があれば教えてください。監督私の場合、当時は友達がよく居候したりしていたこともあったので、子どももそのうちのひとりだと思えばいいんだと考えるようにしました。そんなふうに「誰かと共同生活するだけ」と思えるようになったことで、そんなに怖くないなと感じるようになったと思います。つまり、社会が「こうあるべき」と決めている役割をよしとするのではなく、ときにはそう思わないことも必要だということです。哀しくもあり、美しくもあるのが人生!人生で繰り返される出会いの喜びや別れの悲しみ、そして理想と現実との葛藤。それでも、人は生きている限り、幸せにならなければならないと感じるはずです。誰の背中も優しく押してくれる樹木さんの心揺さぶるメッセージから、“人生を愛するヒント”を受け取ってみては?心に触れる予告編はこちら!作品情報『命みじかし、恋せよ乙女』8 月 16 日(金)より、 TOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開配給:ギャガ©2019 OLGA FILM GMBH, ROLIZE GMBH & CO. KG
2019年08月15日樹木希林の世界デビュー作にして、女優として遺作となった『命みじかし、恋せよ乙女』が、まもなく8月16日(金)より公開。この度、黒澤明監督『生きる』にも登場する有名な大正歌謡「ゴンドラの唄」を、樹木さんが口ずさむシーンの本編映像が解禁となった。樹木さんが、ドイツから来たカールが訪れる茅ヶ崎館の老女将役を演じる本作。撮影は、2018年4月にドイツで、7月6日~16日に日本で撮影を実施。日本パートのロケは、主に神奈川県茅ケ崎市に実在する有形文化財にも指定された旅館「茅ヶ崎館」で行われた。この度公開された映像は、胸に迫る本編映像。茅ヶ崎館を訪れたカール(ゴロ・オイラー)の様子を見に来た老女将(樹木希林)は、彼が着物の合わせを左右逆に着ていることに気がつく。「これは死んだ人だけ、あなた幽霊じゃないんだから」と伝え、「ゴンドラの唄」を口ずさみながら着物を着付けし直すと、歌を聴いたカールは何かを察したような反応を見せる。また、カールが心に何か傷を抱えていることに気づくと、深く事情は聞かずに、ただ「あなた生きてるんだから、幸せになんなきゃだめね」と、私たちの背中をもそっと押してくれるようなセリフを放ち、部屋から出ていく樹木さんの姿も印象深い。ドーリス・デリエ監督は「樹木さんの歌は、まるで彼女が私たちに遺してくれた最後のメッセージのようでした。樹木さんの存在はとても大きく、どの国の人でも心を揺さぶられる普遍的な存在で、非常に聡明な女性です。このキャラクターもそのように演じられていたと思います」とふり返っている。『命みじかし、恋せよ乙女』は8月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:命みじかし、恋せよ乙女 2019年8月16日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年08月13日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿・外苑前のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介。■『Partners #2』コミュニケーションを特集テーマにした2号目。小さなテーブルをツールに使うベルリンのカップル、救いようがないダメな父親を持つ映像作家の兄弟、一般社会からの疎外感を共有し依存関係にある沖縄のカップル...色々な物を通じて人と人が繋がっている。本書ではこのように、関係性の築き方や他人と向き合う方法を様々な角度から紹介する。(publisher’s description)【書籍情報】『Partners #2』言語:日本語ソフトカバー/204ページ/280×220mm発刊:2019年価格:1,800円■Shelfオフィシャルサイトで『Partners #2』を購入する
2019年07月06日【宇月田麻裕コラム:宿曜占星術で読む「相性」vol.33】運命的な関係なのか、それとも腐れ縁なのか…。傍目には理解し難いけれど、本人たち的にはその付き合い方が正解らしい、不思議なカップルっていますよね。例えば内田裕也さんと樹木希林さんのような。そういう2人は、何か特別な絆で結ばれているのでしょうか?占いサイト『魔性の宿曜』を監修する宇月田麻裕先生に、特殊な愛を紡ぐ3組のカップルの相性を観ていただきました。■強烈な夫婦!でも相性は抜群内田裕也(1939年11月17日)×樹木希林(1943年1月15日)内田裕也さんは危宿。樹木希林さんは觜宿。この2人の相性は、宿曜占星術ではもっとも相性がいいとされている栄親の中距離です。強烈な個性を持つ2人が、普通では考えられないような破天荒な結婚生活を送りつつも、お互いを認め、最後まで夫婦としてやってこられたのはその相性ゆえでしょう。しかも、2人の旅立ちの時期も同じ「壊」の運気が巡ってきた年。裕也さんは2019年が破壊(壊)の年。希林さんは2018年が破壊(壊)の年でした。それはさておき、裕也さんの宿は危宿。自由を愛し、常に興味が赴くほうに飛んで行きます。付き合う相手が次から次へと変わっていくのも特徴の一つ。ときには「危ない!」と思うような行動や発言もしてしまいます。それでも、この宿の人は憎めないキャラクターでもあるのです。そんな裕也さんのことを自由にさせつつ、懐深く見守ってきた希林さん。觜宿は庶民的な雰囲気を持ちつつも、雄弁さを兼ね備えています。その雄弁さで、いつも彼をフォローしてきたとも言えるでしょう。また、2人でいるときも彼は、彼女のそういった性格に従ってしまうところがあったに違いありません。ただし、觜宿は意外にも、好奇心が強い部分を隠し持っています。そのため、彼の言動を楽しんでいたところもあるようです。一風変わった夫婦関係ですが、実はとても相性がよく、晩年にはお互いになくてはならない存在、信頼し合える関係であったのでしょう。■夫婦、相方…3人のトライアングル太田光(1965年5月13日)×太田光代(1964年7月6日)太田光さんは氐宿。太田光代さんは觜宿。友衰の遠距離になります。この相性は感覚が似ているところがあり、趣味も合うため、友達夫婦として楽しい時間を過ごせる関係になれます。さて、2人の馴れ初めは、彼女の家で同じ事務所の芸人仲間と合同コントの打ち合わせをしたら、それをきっかけに彼が彼女の家にいついてしまったこと…。そして2年後に結婚。彼女が新事務所を立ち上げ、彼はそこで活動するようになります。この友衰の相性は、本来ならば仕事としては成功しにくい関係なのですが、光代さんは光さんの相方の田中裕二さんとも友衰の相性。したがって光代さん、光さん、田中さん、3人とも友衰の相性となります。この、みごとなまでに心地いい関係である友衰のトライアングルが、今の爆笑問題、彼女率いる事務所の成功へとつながっていったに違いありません。そして、2人には常に仕事というものがついて回るため、友衰の相性の中でも遠距離という関係が上手くいっている秘訣と言えます。近距離の場合は夫婦色が強くなったり、多少の不満が出てきたりする場合もあるのです。遠距離ゆえ、社長と所属芸人のほどよい距離を保つことができるのでしょう。そして、仲のよさを表すように、結婚25年目、光さんの栄の運気の年に挙式をすることになりました。これからも、田中さんを含めた3人のトライアングルは永遠に続き、仕事もプライベートも、距離感さえ間違わなければ崩れることはないでしょう。■仕事でもプライベートでも相性◎アレクサンダー(1982年12月3日)×川崎希(1987年8月23日)アレクサンダーさんは鬼宿。川崎希さんは柳宿。2人の相性は、仕事をするにも結婚生活を送る上でも相性がいいとされている、栄親の関係。距離は近距離になります。この栄親の近距離というのは、すぐ隣の宿同士のため、いつもべったりくっついていることが多くなります。ただし、近すぎるため摩擦が生じる場合も。ときに激しいケンカになったり、言い争ったり。また、お互いを束縛する時間が多くなり、窮屈さを感じてしまう場合もあるでしょう。そんなときは要注意。距離感を考える必要があります。さて、希さんは柳宿。生まれながらにして運がいい人が多く、困ったことがあったとしても、周囲からバックアップしてもらえることが多い宿です。また、何かに熱狂的になり、自分の信じたものに関してエネルギーを注いでいくのも、この宿の特徴。つまり彼女は、アレクサンダーさんのことを熱狂的に愛して、自分に与えられた恵まれた環境を生かし、彼をサポートしているのです。一方の彼は鬼宿。パーソナリティーあふれる宿で好奇心も旺盛。そのため、普通の人とは違うキャラクターを演じられます。その結果、彼女の宿性、そして相性のよさにより、自由な発言・行動をすることができるのでしょう。このように相性のいい2人は、彼のキャラクターを存分に生かして仕事で利益を生む関係でいられるのです。ただし、彼の浮気が度重なり、希さんの熱が冷めてしまった場合は注意が必要です。■あなたと彼の相性は?運命的に出会い、強力に引き合う2人の間には、やはり何かしら特別な縁があるようですね。あなたと大切な人の相性は?たとえ喧嘩ばかりでも、或いは一緒にいなくても…そこには切っても切れない深いつながりがあるのかもしれません。どんな関係か気になったら、占いサイト『魔性の宿曜』でチェックしてみてはいかがでしょうか。監修者紹介宇月田麻裕皇室関係の家庭で育つ。学生時代から東洋・西洋の占いに関心を持ち、特に宿曜経の研究を積み重ね、「宿曜占星術」の若き第一人者として知られるようになる。そのプロセスの中で、「自分の存在を、人々の幸せに役だてたい」と願うようになり、ハッピネスファクトリーRを設立。現在、開運研究家、タレント、作家としてマスコミで活躍、読売新聞日曜版連載、TBSテレビ「はやドキ」(ぐでたま占い)を監修中。
2019年06月28日映画『命みじかし、恋せよ乙女』が、2019年8月16日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開される。樹木希林海外デビュー作にして最後の出演作『命みじかし、恋せよ乙女』は、ドイツと日本を舞台に、生きる事の美しさと残酷さを描いた感動ドラマ。物語は、ドイツ・ミュンヘンで、酒に溺れ仕事も家族も失ったカールの元へ、突然ユウと名乗る日本人女性が訪ねてくることから始まる。風変りな彼女と過ごすうちに、人生を見つめ直し始めるカールだったが、その矢先彼女は忽然と姿を消してしまう。ユウを捜し訪れた日本で、カールがユウの祖母から知らされたのは、驚きと悲哀と感動に満ちた物語だった―。カールが日本で訪れる旅館の老女将を務めるのが、2018年9月に死去した女優・樹木希林。日本でのロケが行われたのは2018年7月6日から16日。本作は、樹木にとって初の海外出演作であり、女優として最後の出演作品となった。スクリーンには、観るものの心をぐっとつかんで離さない樹木希林最後の姿が映し出される。主演は日本人舞踏家の入月絢ら主演を務めるのは、第87回アカデミー賞において衣装デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞を受賞したウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』で好演したゴロ・オイラー。酒におぼれ、人生を見失ったカールを演じる。また、突如カールの前に現れる日本人ユウは、日本人舞踏家の入月絢が扮する。監督は、ドイツ人のドーリス・デリエが務める。【詳細】『命みじかし、恋せよ乙女』公開日:2019年8月16日(金)よりTOHO シネマズ シャンテ他にて全国順次公開監督・脚本:ドーリス・デリエ出演:ゴロ・オイラー、入月絢、樹木希林原題:Cherry Blossoms and Demons配給:ギャガ
2019年06月14日「カニや松茸などいただきものがあると、『美代ちゅあん、焼きガニにするとおいしいって』『松茸ピザ作って~』と持ってくるんです。ピザの作り方なんてわからないって言っても、『大丈夫よ』って(笑)」そうほほ笑むのは、今月7日に公開された映画『エリカ38』(東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で上映中)で、主演を務める女優の浅田美代子(63)。デビューとなったドラマ『時間ですよ』(TBS系・’73年)で共演以来、樹木希林さん(享年75)とは、45年の長きにわたり、「ばあば」「美代ちゅあん」と呼び合う仲だった。昨年9月に亡くなった希林さんが人生最初で最後の“企画”を務めた映画『エリカ38』は、’17年4月に投資詐欺で国際手配され、タイで逮捕された女性詐欺師の事件がモチーフだ。日本でだまし取った金を、タイで同棲中の若い男性ホストに貢いでいたこの女性詐欺師。“聖子ちゃんカット”に、生脚&ショートパンツ姿で38歳を自称していたが、じつは62歳だったことで話題を呼んだ。映画では、浅田が女性詐欺師・エリカ役、希林さんがその母親役を演じている。日ごろから浅田の自宅で過ごすことの多かった浅田さんと希林さん。映画にも2人でよく出かけたことを、懐かしむ。「映画は、邦画をよく見に行きました。ばあばがもらった招待券を私にくれて、自分は60歳以上のシニア料金1,000円を払うんです。私がお金を出そうとしても、『(家の)ローンを早く返しなさい』『ローンのある人からお金もらえないわ』って、受け取ってくれないんです」『寺内貫太郎一家』で共演し、’18年5月に亡くなった西城秀樹さんのコンサートに“お忍び”で出かけたこともあった。「闘病中の秀樹が、中野サンプラザのコンサートに出ると知って。でも事務所に頼むと、私たちが見に行くのが秀樹に知られるからと、私がネットで2人分のチケットを取って行ったんです。秀樹の出番が終わり、楽屋に行くと、びっくりしていたけどすごく喜んでくれました。秀樹、加藤治子さん、ばあば……みんな向こうに行っちゃって……向こうのほうがにぎやか。きっと『今も忙しいのよ~』ってばあばが言ってる気がする(笑)」希林さんが日ごろ、大切にしていたのが、孫たちの存在だった。「モデルになった孫のUTAさんの写真を『パリコレ見て見て』『カッコいい』とすごくうれしそうに見せてくれて。お孫さんと家族写真のブックをつくって、すごく大切にしていましたね」’18年の夏に入院してからは、浅田を通じて病室から映画の編集の指示を出していた希林さん。「クレジットの最後に、実際の事件でだまされた人たちの声が入っているんです。それを『入れたほうがリアルよ』というアイデアも、ばあばです。最後まで映画と私のことを気にかけてくれました」亡くなる直前には、毎日のようにお見舞いに行ったという。「ばあばの体の処置をするので、お医者さんが私に『ちょっと外へ出てください』と言うと、筆談で先生に、『この子も役者の端くれなんだから全部見せるの』って書いてくれて。先生も苦笑いしていました」映画のラストについて、「最後の美代ちゃんの顔は“この女、またやるぞ”っていうふうにしてほしい。だって、それが人間ってものなのよ」と語っていた希林さん。「完成したら一緒に映画祭に行こう」という約束はかなわなかった。「ばあばは、最後の完成版を見ていないんです。いつも、身に余るほどの“ギフト”をくれた樹木希林さん……。感謝しきれません」浅田は、今もときどき、留守電に残る希林さんの声に耳を澄ませている。《あっ、美代ちゅあん。ばあばです。用件はありません。私はもう寝ますー》
2019年06月13日「今でも、『美代ちゅあん』と、ばあばから電話がかかってくるような気がします。いつもそばにいてくれていると思うんです」そうほほ笑むのは、今月7日に公開された映画『エリカ38』(東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で上映中)で、主演を務める女優の浅田美代子(63)。デビューとなったドラマ『時間ですよ』(TBS系・’73年)で共演以来、樹木希林さん(享年75)とは、45年の長きにわたり、「ばあば」「美代ちゅあん」と呼び合う仲だった。昨年9月に亡くなった希林さんが人生最初で最後の“企画”を務めた映画『エリカ38』は、’17年4月に投資詐欺で国際手配され、タイで逮捕された女性詐欺師の事件がモチーフだ。日本でだまし取った金を、タイで同棲中の若い男性ホストに貢いでいたこの女性詐欺師。“聖子ちゃんカット”に、生脚&ショートパンツ姿で38歳を自称していたが、じつは62歳だったことで話題を呼んだ。映画では、浅田が女性詐欺師・エリカ役、希林さんがその母親役を演じている。“低予算”にもかかわらず、木内みどりや古谷一行といった豪華俳優がそろったのは、希林さんの人脈だった。撮影は、’18年の2月に2週間。タイでも4日間のロケを敢行した。衣装はほとんど私物。それも「扮装から(役に)入りなさい」と、いう希林さんの教えから。「ミニスカートとか、派手な昔の服や、以前使っていたシャネルのバッグや小物を引っ張り出して。ばあばから『散財したかいがあったわね』って言われました(笑)。ばあばの衣装も、もちろん私物でした。お手伝いさん役のしずちゃん(山崎静代)が、『皆さん、自前なんですか?』と驚いていたら、ばあばが、『そうなのよ。でもあなたはいいの。袖が寸足らずの服を着ているのがおもしろいから』って言っていました」心が通い合う“親友”同士、アドリブも自然に生まれた。たとえば、お金を手にして豪邸に暮らすエリカ(浅田)が、老人ホームにいた母(希林さん)を引き取り、出資者たちに紹介するシーンで――。「台本には、“母が『どうも』と、挨拶する”とだけあったんですが、ばあばは突然、『娘がこんなに立派になりまして。皆さんのおかげです。ありがとうございます』と……まるで本当に自分が言われているように感じて、うれしくて胸が熱くなりました」さらに、だまし取ったお金も尽き、出資者も去った家に残ったエリカと母の場面でも――。「“『お母さん、一緒に死のうか』と、私がつぶやく後ろで、ばあばが、童謡の『赤とんぼ』を歌う”という台本だったのに、気がついたら私も一緒に歌を口ずさんでいたんです」出資者を募る詐欺の場面でも、希林さんのアドバイスが役立った。プライベートでは動物愛護の活動をしている浅田に対し、希林さんはこう語ったという。「美代ちゃんは、動物愛護の話になると顔が変わるの。そこにフワッとした美代ちゃんはいないのよね。それを詐欺のシーンでやるといいわよ。真剣に訴えると人は耳を傾けるから」そんなアドバイスが生まれるのも、ふだんから一緒に過ごすことが多かったから。浅田が暮らす現在の低層階のマンションも、不動産に詳しい希林さんが探してきたものだ。「最初、購入する気はなかったんですが、ばあばが『60歳過ぎたら部屋も貸してもらえないわよ』って。それで緑の樹木の見える景色のいい部屋に決めたんです。2人ともタワーマンションには興味がなかった。ばあばも、『大地に足をつけて、普通にちゃんと生きていることが大事。ちゃんと生きていないといろんな役はできない』っていつも言ってました」浅田のマンションに希林さんは食材を持ってしょっちゅう訪れた。「カニや松茸などいただきものがあると、『美代ちゅあん、焼きガニにするとおいしいって』『松茸ピザ作って~』と持ってくるんです。ピザの作り方なんてわからないって言っても、『大丈夫よ』って(笑)」
2019年06月13日年の離れた“親友”が遺してくれたのは45年ぶりの主演映画作品だった。映画『エリカ38』の女詐欺師役で新境地を開いた浅田美代子(63)が、樹木希林さん(享年75)への感謝の思いを明かす――。「今でも、『美代ちゅあん』と、ばあばから電話がかかってくるような気がします。いつもそばにいてくれていると思うんです」そうほほ笑むのは、今月7日に公開された映画『エリカ38』(東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国で上映中)で、主演を務める女優の浅田美代子。デビューとなったドラマ『時間ですよ』(TBS系・’73年)で共演以来、樹木希林さんとは、45年の長きにわたり、「ばあば」「美代ちゅあん」と呼び合う仲だった。昨年9月に亡くなった希林さんが人生最初で最後の“企画”を務めた映画『エリカ38』は、’17年4月に投資詐欺で国際手配され、タイで逮捕された女性詐欺師の事件がモチーフだ。日本でだまし取った金を、タイで同棲中の若い男性ホストに貢いでいたこの女性詐欺師。“聖子ちゃんカット”に、生脚&ショートパンツ姿で38歳を自称していたが、じつは62歳だったことで話題を呼んだ。映画では、浅田が女性詐欺師・エリカ役、希林さんがその母親役を演じている。日ごろから浅田の自宅で過ごすことの多かった浅田さんと希林さん。2人でこの事件を報じるワイドショーを見ながら、希林さんが「美代ちゃんはこういう悪女役をやったらいいのよ」と言ったという。「『やりたいけど、誰も私にこういう役、オファーしないでしょ?』『そうなんだよね、イメージがねぇ……』と話していたんですが、2カ月ほどしてから、『美代ちゃん主演で、監督も決まったから。低予算だけどがんばりなさい』と、ばあばから電話があって。驚きと、あまりのうれしさに涙が出ました」浅田の知らないところで希林さんは、プロデューサーや監督をこう口説いていたという。「あの子には60歳になってもアイドルの色香、艶があるのよ。女性詐欺師の事件、浅田がやったらおもしろいと思わない?」こうして浅田の45年ぶりとなる映画主演が決まったのだ。そんな希林さんも当初、自身が映画に出演することは迷っていた。「ばあばは『“企画”として私の名前がクレジットされるから、出演までするとウチウチの映画っぽく見えちゃう』と渋っていました」マネージャーを付けず、自分で仕事を決めていた希林さん。断るときは、即決だったそう。「すぐに断らないのは迷っているのだろうと思っていました。あるとき、『私が演じると、作品の格が上がるからねえ』と、ばあばが冗談っぽく言い出したんです。私が『そうなんだよね~ばあば』と答えると、『でしょう?じゃあやるよ』って(笑)」
2019年06月13日樹木希林さんの世界デビュー作であり、遺作となったドイツ映画『Cherry Blossoms and Demons』が、『命みじかし、恋せよ乙女』の邦題で8月16日(金)より日本公開されることが決定。予告編とポスタービジュアルが到着した。本作は、ドイツ人俳優ゴロ・オイラーと、日本人舞踏家の入月絢が主演を務め、酒に溺れ人生を見失ったカール(ゴロ)と、かつて彼の父と親交があった日本人女性ユウ(入月さん)が、人生を取り戻すために共に旅をする物語。樹木さんは、カールが訪れる茅ヶ崎館の老女将役を演じている。今回到着した予告編では、日本を訪れたカールを迎える老女将役の樹木さんが、「あなた生きてるんだから、幸せにならなきゃ駄目ね」と、まるでいまを生きる全ての人へ向けたようなセリフが収録。また、酒に溺れるカールや、彼とユウの不思議な出会いが描かれている。そして予告編と併せて、茅ヶ崎館の美しい庭を背景にスノードームを見つめる老女将と、茅ヶ崎の海で抱き合う2人、そしてドイツの森の中で目を閉じるカールの3場面が1枚に合わさたポスタービジュアルも到着した。生きることの美しさと残酷さを描いた感動ドラマの中で、最後の演技となった樹木さんの姿を目に焼きつけて。『命みじかし、恋せよ乙女』は8月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(cinemacafe.net)■関連作品:Cherry Blossoms and Demons(英題) 2019年8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年06月11日家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今回は樹木希林さんの遺作のひとつになった映画『日日是好日』のBlu-ray&DVDをご紹介します。■『日日是好日』(6月4日発売。Blu-ray通常版5,184円、DVD通常版4,212円〔ともに税込み〕。販売元:ハピネット)本作で第42回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を黒木華が、優秀助演女優賞を樹木希林さんが受賞しました。“お茶”の魅力に惹かれていった女性たちの、約20年の人生が描かれます。黒木さん演じる主人公の大学生・典子は、家族からの勧めで樹木さん演じる武田先生の元を訪れるようになり、しだいに武田先生が作り出すお茶の空間に引き込まれていきます。地味な性格で冒険もしない典子の人生には、基本的に大きな動きは見られません。就職の失敗や交際相手の裏切りと、約20年の間にそれなりに波乱も起こりますが、そんな中でも典子はお茶に通い続けます。湯を沸かす、お茶をたてる。目の前のことにしっかりと集中することで、煩雑な気持ちを昇華させていくのです。見どころは、どこを切り取っても趣きがある茶室でのシーン。歴史が感じられる茶器には「素人から見ても価値が高そう」と見惚れ、四季折々の和菓子には「かわいいっ!」と心の中で声をあげてしまいます。そして、風や雨など自然の心地よい音にも、心が癒されるのです。全編にわたって茶道の神髄を体験しているかのようで、観賞後は穏やかな気持ちになっている、ヒーリング効果抜群の作品でした。
2019年06月03日明石家さんまが超豪華ゲストとトークを繰り広げる「さんまのまんま」。そのスペシャル番組となる「さんまのまんま35年目突入SP」が5月31日(金)今夜オンエア。今回はゲストに女優の篠原涼子やミュージシャンのMISIA、ムロツヨシ、浜辺美波らを迎える。「アネゴ」「アンフェア」「ハケンの品格」などで姉御肌キャラを確立、近年では『人魚の眠る家』などの演技も話題となった篠原さんはトップバッターとして登場、手料理を披露する。過去にしじみの味噌汁を作ってさんまさんにダメ出しされた篠原さんだが、今回は“リベンジ”なるか!?エプロン姿でのさんまさんとの疑似新婚生活ぶりも盛り上がるなか、そこに女優の浅田美代子と音楽アーティストのMISIAさんが合流。これにMISIAさんの曲をカラオケで歌うほど大ファンだという篠原さんのテンションがMAXに。番組が用意したあるグッズでMISIAになりきる。篠原さんの“なりきりMISIA”は必見。「勇者ヨシヒコ」シリーズから「大恋愛~僕を忘れる君と」『50回目のファーストキス』まで幅広い演技力をみせるムロさんは、今回がさんまさんと初対面。ムロさんはあの人気女優「F」への想いを告白、まさかの結婚宣言も!?独自の笑いの世界を持つ2人の初トークをお楽しみに。番組後半にはいま、さんまさんが最もお気に入りだという浜辺さんが登場。「咲-Saki-」シリーズに主演、その後『君の膵臓をたべたい』で一躍注目されると『亜人』『センセイ君主』など話題作が続く浜辺さんがバラエティでその天然ぶりを炸裂させ、イメージ崩壊の危機に!?粗品のネタに挑戦することになるが、まさかの一言にスタジオ大爆笑の嵐に。霜降り明星も大困惑した浜辺さんの天然トークをお楽しみに。また樹木希林、内田裕也ら永遠のスターたちとの超貴重トークも特別大公開。さんまさんの師匠・笑福亭松之助とのトークなど貴重映像も交えて豪華な布陣でオンエアされる。篠原さんの映画最新作となる『今日も嫌がらせ弁当』は6月28日(金)より全国にて公開。ムロさんの主演する舞台「恋のヴェネチア狂騒曲」は7月5日(金)から新国立劇場 中劇場で上演。浜辺さんがヒロイン役で出演する『アルキメデスの大戦』は7月26日(金)より全国東宝系にて公開。「さんまのまんま35年目突入SP」は5月31日(金)今夜20時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2019年05月31日『あん』の河瀬直美監督最新作が、2020年に公開されることが決定。新作は、作家・辻村深月の「朝が来る」を映画化する。故・樹木希林さんを主演に迎えた『あん』(’15)をはじめ、『光』(’17)、『Vision』(’18)のほか、CM演出、エッセイ執筆などジャンルにこだわらず表現活動を続ける河瀬監督。待望の新作に河瀬監督が選んだのは、「鍵のない夢を見る」で第147回直木三十五賞を受賞し、今年公開された『映画ドラえもんのび太の月面探査記』では自身初となる映画脚本を手掛けたことでも話題となった辻村氏による長編小説「朝が来る」。2016年にはオトナの土ドラ枠第2弾として、安田成美出演でドラマ化もされた。長く辛い不妊治療の末、自分たちの子を産めずに“特別養子縁組”という手段を選んだ夫婦。中学生で妊娠し、断腸の思いで子どもを手放すことになった幼い母――。それぞれの人生を丹念に描き、第13回本屋大賞にて第5位に選出、17万部を超えるベストセラーとなった感動のミステリードラマだ。今回監督兼脚本(共同脚本:高橋泉)も手掛ける河瀬監督は、「原作『朝が来る』をこの世界に誕生させた辻村深月の才能に嫉妬する」と言い、映画化について「その物語を映画化できる喜びに打ち震えている」とその心境を明かす。そして「小説の中で、二人の母をつなぐ子供『朝斗』のまなざしが表現されている部分を読んだとき、ああ、この世界を映像化できれば素晴らしいなと感じた。その『まなざし』が見る未来を美しく描くことができればと願っている」と意気込み。一方、原作者の辻村氏は「『この映画を撮るにあたって、朝斗のまなざしというものは必要不可欠だと思っています』河瀬直美監督と初めてお会いしたホテルのラウンジで、正面に立った監督が開口一番、私をまっすぐに見つめて、そう言った。まだ互いに自己紹介もしていない、目が合った瞬間のことだった」と監督との出会いを明かし、「原作『朝が来る』はよく、産みの母親と育ての母親、『二人の母の物語』だと言われてきた。しかし、河瀬監督はそこに、幼い『朝斗』のまなざしなくしては成立しない世界をはっきり見ておられた。その瞬間、震えるような感謝とともに、この人に、朝斗と二人の母親を、『朝が来る』の世界を託したい、と強く思った」と通ずるものがあったという。そして「映画『朝が来る』。私が見たもの、河瀬監督がその先に見たもの、幼い子ども『朝斗』が見た世界を、できることなら、あなたにもぜひ見てほしい」と力を込めた。なお、本作はすでにクランクインし、東京の湾岸エリア、栃木、奈良、広島、似島(広島市)、横浜と、日本全国6か所での撮影を敢行中で、クランクアップは6月上旬を予定。また、気になるキャスト発表は後日、行われるようだ。『朝が来る』は2020年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2019年05月30日放送中の主演ドラマ「パーフェクトワールド」が話題の俳優・松坂桃李が、明日5月11日(土)放送のトーク番組「サワコの朝」に出演。家族や初恋についてなど、松坂さんの意外な素顔も明かされるようだ。今回のゲスト松坂さんは、「侍戦隊シンケンジャー」で俳優デビューし、今年でデビュー10周年。連続テレビ小説「梅ちゃん先生」、「ゆとりですがなにか」、「この世界の片隅に」、『ツナグ』、『娼年』、日本アカデミー賞「最優秀助演男優賞」を受賞した『孤狼の血』など次々と話題作に出演。今後も『居眠り磐音』『新聞記者』『蜜蜂と遠雷』などと、注目作が待機。30代に突入し、今後の活躍にも期待せずにはいられない。そんな新しい役柄に挑み続ける松坂さんだが、子どもの頃は学芸会で演じたこともないほど演技とは全く縁のない人生だったそう。「漠然とサラリーマンになるのかな」と思っていたと言い、「基本的に流されて、流されて育ってきた」とも。しかしそこから一転、モデルの世界で頭角を表し、戦隊シリーズで主役に抜擢。番組では、「本当にずっと監督から怒られていました」というデビュー当時の失敗談など、俳優としての“原点”が語られる。さらに、「いままで話したことのない」という学生時代の初恋や、強い姉妹に囲まれて育ったという家族の中での様子。同じ事務所の俳優・菅田将暉との“不思議な関係”や、「孫のように接してくれていた」という故・樹木希林さんとの秘話も披露される。「サワコの朝」は毎週土曜日7時30分~MBS/TBS系全国ネットで放送。(cinemacafe.net)
2019年05月10日女優の寺島しのぶが、5日に放送されたトーク番組『密会レストラン』(NHK総合 23時~)で、昨年9月に亡くなった女優・樹木希林さんの言葉を振り返った。同番組は、寺島とKing & Princeの岸優太がゲストを招き、恋愛遍歴を聞くトークバラエティ。その中で、夏木マリと「歳を重ねた夫婦の愛の育み方」のテーマで対談するコーナーがあり、寺島は「結婚って難しい」と吐露しながら、樹木さんとのエピソードを語り始めた。2007年にフランス人と結婚した寺島。発表後に会った樹木さんは、「結婚したんだってね。異国の人だって?」と反応しながら、「しのぶちゃん。これだけは言っておくけど、誰と結婚しても一緒だから」「結婚したからにはその人を極めた方がいい」とアドバイスされたという。寺島は、「違うと思って結婚するのもあるけど、『結局自分は変わらないから一緒だと思うよ』と言ってくださって」と今でも支えとなっている樹木さんの言葉を思い出し、夏木も「名言ですね」と感激していた。
2019年05月06日結婚には夫婦独自のスタイルがあってもいい。そんな結婚観を貫いてきた夫婦の代表といえば、樹木希林さんと内田裕也さんではないでしょうか。ふたりは結婚後40年以上にわたり別居していましたが、つい先日、先に亡くなった樹木さんを追うように、夫の内田さんも旅立ちました。■ちょっと変わったカップルに注目周囲の人から見て「それでいいの?」と思えるような結婚スタイルでも、夫婦が納得していれば問題ないのでしょう。今回は、ちょっと変わった結婚生活を送りながら、円満な関係を築いている夫婦に注目してみます。働き方や暮らし方は人それぞれ。ふたりが納得できる結婚スタイルを探したいものですね。■妻の実家に同居!マスオさん婚言わずと知れた『サザエさん』のマスオさんは、妻のサザエさんの実家である磯野家に同居しています。そのため、夫が妻の実家に同居をしているケースをマスオさん婚と呼ぶこともありますね。義両親と同居している妻の苦労話は筆者の周りでも度々話題に上がりますが、マスオさん婚夫婦の場合、どのような生活をしているのでしょう。その生活を始めて5年目の熟年夫婦にお話を聞いてみました。夫のYさんは会社員、妻のRさんはパート勤めをしていて、共に50代です。◎同居のメリットは?Yさん「定年まで10年を切ったところで、災害で家をダメにしてね。そこから家を建てるのも賃貸住まいをするのも金銭的に不安があった。でも、今回は住む人みんなで費用を出して家を建てたから、それぞれの負担が少なく済んだところがメリットかな」Rさん「同居で得たのは安心ですね。家がなくなったし、親や高齢の祖父母のことが心配だったから、介護も視野に入れて同居することにしました。両親たちを看取ったあとは夫婦の家として暮らす予定です」◎同居のデメリットは?Yさん「年を取ってからだから、妻の親族ともそれなりに馴染んではいたけど、24時間一緒っていうのは少し気を遣うね。だから自分の時間を作りに外に行くことはあるかな」Rさん「同居するにあたって多少、介護や大人数の食事、洗濯などの家事が増えたこと。主人もちょっと気を遣ってるみたい」マスオさん婚も、妻が夫の実家で同居する場合も、それぞれ気を遣うシーンはあるようです。一方で、家賃や建築費用の負担が、多少楽になるというメリットもあるとのこと。円満に同居するためには、世帯ごとにルールを決めておくといいそうですよ。■夫は主夫!子育ても担当結婚後は妻がバリバリ働き、夫は主夫になって家事と子育てを担当する。そんな結婚スタイルだって、ふたりが納得していたらありなんです!妻のOさんは30代の医療研究員。夫のKさんは元販売員で、現在2歳の息子さんと家で過ごしています。Oさんは産休明けすぐに復帰。保育園の入園は地域柄、激戦を極めていたため、出産を機に夫のKさんが退職して、育児を担当することになりました。◎夫が主夫になることのメリットは?Oさん「まず仕事の継続ができたこと。わたしの仕事は長期的な研究データが必要な研究職なので、なるべくキャリアに穴を空けたくなかったんです。幸い、専門職ということでわたしの収入で家計を賄えるため、話し合いの結果、継続することができました。夫に仕事のやりがいや今までの勉学の経緯を尊重してもらえているからありがたいです。子育ても、とても頼もしいし」Kさん「もともときれい好きで、家事も得意だったから、主夫になることに抵抗はありませんでした。子育ては大変だけど、周りのお父さんよりも息子と一緒にいられる時間が多いのが自慢です」◎夫が主夫であることのデメリットは?Oさん「帰宅したとき、夫が疲れていたり、息子が寝てしまっていたりすると、寂しいなとか、負担になってないかなって思います」Kさん「児童館とかに行くと圧倒的にママさんが多いから、ちょっと浮いてるなってくらい」夫婦のどちらが家計を支えるかは、ふたりがしっかりと納得すれば、こだわることではないのではと話していました。まだまだこういった夫婦の形は少数派かもしれませんが、男女の括りなく育児や仕事、社会活動の幅が広がるといいですね。■結婚までの間に恋愛感情はなし結婚=恋愛とは限らない。そんな結婚スタイルもあるようです。協同経営者として一緒に仕事をしているT夫妻は、もともと同じデザイン会社で働いていました。共に独立傾向が強く、起業を目指している者同士、仲良くなったそうです。そのため、社会的な利害関係の一致がパートナーとして歩むきっかけになったとか。妻のAさんは30代。現在の結婚スタイルについてこう話します。「メリットは協同経営者として10年、20年後の未来を考えて仕事ができる。そして仕事を中心にした生活スタイルをふたりで維持できるところです。デメリットは家庭と仕事の線引きがないことかな」まるで“相棒”のような夫婦生活ですが、ふたりは円満に暮らしています。■意思を尊重し合うことが大事ほかにも、著名人の中にはあえて事実婚を選択する夫婦も増えていますよね。最近では有名ブロガーのはあちゅうさんも事実婚を選択しています。はあちゅうさん夫妻の結婚生活の様子は、Instagramなどで知ることができますよ。さまざまな生き方を選べる時代。結婚スタイルも「こうでなくては」という定型に当てはめず、それぞれの意思を尊重し合えるといいですね。
2019年04月15日本木雅弘の長男・UTA(うた)が「サントリー天然水」ブランドの新商品「サントリー天然水 GREEN TEA」のメッセンジャーとして起用されることが決定。本木さん、UTAさん父子が初めて並び立つ印象的な写真が公開された。UTAさんといえば、2004年以来15年にわたり「伊右衛門」ブランドの“顔”を務めてきた俳優・本木さんの長男。中学時代から家族と離れて暮らし、現在はアメリカで大学生活を送り、バスケットボールの選手やモデルの仕事の1つ1つに果敢にトライしながら、この先の人生を模索している平成生まれの21歳。先日亡くなった内田裕也さんと昨年9月に亡くなった樹木希林さんの孫にあたる。今回の写真は、4月9日(火)の日本経済新聞朝刊に全面広告として掲載されるもので、UTAさんが父・本木さんの肩を組む、父子が初めて並ぶ“家族写真”が実現。まっすぐに正面を見据える2人の眼差しが印象的だ。この“家族写真”は、2019年正月の帰省時に本木さんやUTAさんの家族によって撮影された。撮影には制作スタッフや広告カメラマンは一切介在せず、アングル、ポーズ、ロケーションなど全てを本木さんたち自身で進められたという。広告の企画意図やコピーに込めた思いを伝えたのみで、父子2人は試行錯誤を重ねながら数日にわたって撮影。撮影されたカットは100枚を超えたという。今回使用された1枚は、ふと日差しがいいと気づいた家族に声をかけられて撮影したものだったとか。制作陣からは写真を見た瞬間、「この写真は自分たちには撮れない」と感嘆の声が上がったという。UTA「一緒に背負っていくんだという緊張感が湧きました」「あえて親子共演するということは、恥ずかしいという思いはありました」と本木さん。心を決めてからは「UTAとセルフィーを試したり、家族にカメラを覗いてもらったりしながら撮り始めた」と話す。また、UTAさんは「幼い頃から父の仕事を見続けてきたので、それを今回一緒に背負っていくんだという緊張感が湧きました」と、父と共演した胸の内を明かした。本木雅弘「肩に手を回された瞬間、私の親としての力みもフッと抑えられて」「今年の1月2日、私の実家の長屋門の前で撮った1枚です」と本木さん。「近所でいくつか撮影しましたが、今ひとつしっくりくるものがなくて、トボトボと実家に帰る途中、家族に『あ、そこの場所、ちょっと光がキレイ!』と促されて撮影しました」と明かす。「最初はいわゆる親子らしい姿をイメージして、私が彼の肩に手を回してみましたが、15センチ以上も身長差があるので、『今度はUTAの方からかけてみて』と」と語り、「UTAから肩に手を回された瞬間、私の親としての力みもフッと抑えられて、ようやく2人とも同じところに立てたという感覚が持てました」と父親らしさを覗かせながら吐露。「結果的に自分たちにとっても、新しい時代に向かう、記念の1枚になった気がします」と語った。普段から細かい父、「だからこそ今回の1枚にたどり着けたのかな」そしてUTAさんも「『この角度はどうかな?』、『あそこは光がよくないな』とか、父が悩みすごく細かいことまで、こだわっていたのを覚えています。普段から父はそうなのですが、だからこそ今回の1枚にたどり着けたのかなと思います」と父・本木さんへの思いを語り、「普段、肩を組むような関係ではないので、それはちょっとだけ違和感というか…。恥ずかしさもあったので『早く撮ってよ!』と思いました」と、若干照れた様子も。さらに、本木さんが「スタートラインに立った気がしました。新しい時代を迎え、新しい可能性に賭けていこうという、どの家族も抱くであろう思いが伝われば嬉しいです」と写真に込めた思いを語ると、UTAさんも「忘れられない1枚になりました」と語った。(text:cinemacafe.net)
2019年04月09日樹木希林さん(享年75)の名言集「一切なりゆき~樹木希林のことば~」の累計発行部数が100万部を突破したと、出版元の文芸春秋が3月27日に発表した。「一切なりゆき」は生前のインタビューから、希林さんの154に及ぶ名言をまとめたもの。昨年12月の発売当初から話題を呼んでいた同書だが、発売3カ月でミリオンセラーとなった。本誌「女性自身」から採用された言葉も同書には収録されているが、名言はまだまだある。そこで今回は本誌が過去に取材した中から、希林さんの“意外な持論”を紹介したい。まずは、娘・也哉子(43)と本木雅弘(53)が結婚した当時のインタビューから。■「今の風潮として、結婚式は挙げなくていい、籍はどうだっていいとなってきて、ひょっとして私はこの時代の先頭を走っていたような気がするんですよ。(中略)だから結婚話が出たとき、ふたりには日本人が昔は当たり前に持っていた“家を繋いでいく”ということからまず始めてみて、その後どうするかは自分たちで選び取ってほしいと思ったんですね」(95年7月18日号)希林さんと内田裕也さん(享年79)は73年10月に結婚。裕也さんのDV騒動や女性問題が明るみになるも、希林さんは“別居しつつも離婚しない”という選択を取ってきた。その夫婦関係は新しい家族像として注目されてきた。だが、娘夫婦には“家を繋いでいく”ということを経験して欲しいと考えていたのだ。その言葉は、身をもって“家族とは繋いでいくこと”だと学んだ希林さんだからこそのメッセージだった――。続いての言葉は、裕也さんから学んだ“父親観”についてだ。■「お父さんがいての子供だから『お父さん』ということをまず大事にする。するとね、お父さんが子供に対して見栄を張るんですよ、いい意味の。子供には自分のいい所をきちっと見せよう、いいものを伝えようとするんですね」(95年7月25日号)裕也さんは、破天荒な父親だった。しかし希林さんは家族を大事にするうえでも、“父を大事にする”ということを第一に考えていたというのだ。「このたびの結婚で誰が一番真剣かと言ったら内田さんなんですよ(笑い)内田さんが微に入り細に入り、鯛の寸法から雨が降った時の蛇の目傘の発注から、それは名簿から段取りからすごいチェックなんですよ。そういうことでいいんだなと思いました。家長としての役目を果たすわ果たすわ。ただ、一方的だからときどきこちらが面食らうだけで」本木夫妻の結婚に際してこう続けていた希林さん。彼女の“父親観”は、裕也さんにも影響を与えていたようだ――。また希林さんは、親子3世代で暮らしていたこともあった。個性的な家族が同じ屋根の下に暮らすことは気苦労も多かったはず。そんななか、希林さんはこんな“教育論”を語っていた。■「ホント、子供にとっても人間が多いほうがいいでしょう。親だけで育てるんじゃなく、違う世代が関わることが大切だと思うの。おじいちゃんがいて、おばあちゃんがいてというのは少なくなったでしょう」(01年9月25日号より)娘夫婦と暮らし始めた希林さんは当時、本誌へこう語っていた。核家族化が進み、家族の形が変わっていく。そんななかでの“あらゆる世代が関わって子育てをしよう”という提言。このとき希林さんは「孫と一緒はくたびれます」とも語っていたが、その姿は嬉しそうだった――。「一切なりゆき」はこの度17刷となったという。希林さんの言葉は、これからの世代にも受け継がれていくだろう。
2019年04月05日内田裕也さん(享年79)のお別れの会「内田裕也Rock’n Roll葬」が4月3日に営まれた。そのなかで喪主を務めた内田さんの長女・也哉子(43)の謝辞が大きな反響を呼んでいる。《私は正直、父をあまりよく知りません。わかり得ないという言葉のほうが正確かもしれません》そんな言葉から始まった也哉子の謝辞。裕也さんについて《いつ噴火するか分からない火山であり、それと同時に溶岩の間でものともせずに咲いた野花のように、すがすがしく無垢な存在でもありました》と表現し、《父が息を引き取り、冷たくなり、棺に入れられ、熱い炎で焼かれ、ひからびた骨と化してもなお、私の心は、涙でにじむことさえ戸惑っていました》と語った。しかし《私が父から教わったことは何だったのか。それはたぶん大げさに言えば、生きとし生けるものへの畏敬の念かもしれません》とする也哉子。《彼は破天荒で、時に手に負えない人だったけど、ズルい奴ではなかったこと。地位も名誉もないけれど、どんな嵐のなかでも駆けつけてくれる友だけはいる。これ以上、生きるうえで何を望むんだ。そう聞こえています》と続けた。《母は晩年、『自分は妻として名ばかりで、夫に何もしてこなかった』と申し訳なさそうにつぶやくことがありました。『こんな自分に捕まっちゃったばかりに……』と、遠い目をして言うのです。そして半世紀近い婚姻関係のなか、折々入れ替わる父の恋人たちにあらゆる形で感謝をしてきました。私はそんなきれいごとを言う母が嫌いでしたが、彼女はとんでもなく本気でした》そう母と父の関係を語り、《2人を取り巻く周囲にこれまで多大な迷惑をかけたことを謝罪しつつ、いまさらですがこの“ある種のカオス”を私は受け入れることにしました》とした也哉子。最後には《彼らしく送りたいと思います》として《Fuckin’ Yuya Uchida, don’t rest in peace. Just Rock’n Roll》と結んだ。そんな謝辞にTwitterでは感動する声が上がっている。《内田裕也さん 樹木希林さん このお2人の娘さんだからこそ伝えられる、伝わってくるんだろう…… 何故かじんわり涙が流れてくる感じだった》《言葉を仕事にする人に読んで欲しい。詩的であり、論理的であり、当事者的であり、第三者的。締めを別次元に飛ばす感性。才能という言葉でしか説明がつかない言葉選びと言葉運びがただ、すごい》《これはちょっと、すさまじいな。名文ではなかろうか、ロックンロールではなかろうか》自らの心の内をすべて赤裸々に明かした也哉子の言葉。きっと、天国の2人も届いていることだろう。
2019年04月04日樹木希林さん(享年75)逝去から約半年後の3月17日に亡くなった、内田裕也さん(享年79)。一人娘の也哉子(43)は、4月3日に行われる裕也さんのお別れの会の喪主を務める。「希林さんの告別式で喪主代理を務めたときもそうでしたが、亡くなられた直後は葬儀やお別れ会の準備などで考える時間がないほどに忙しい。でも、それが一段落したときに喪失感が襲いかかってくるのではないかと心配です。そんななか、お別れの会をめぐって裕也さんのマネージャー女性・Aさんと也哉子さん夫妻の確執トラブルが『女性セブン』で報じられ、也哉子さんはひどく心を痛めています」(前出・知人)3月下旬、本誌は裕也さんの自宅から出てきたAさんを直撃。1週間前の取材には快く答えてくれたAさんだったが、「それ(『女性セブン』の記事)に関してお話することはありません」と足早に去って行った――。前出の知人によると、悲しみに暮れる也哉子を支えているのが、夫の本木雅弘(53)だという。実際、本木は3月22日の会見で妻への思いをこう語っている。「家族のなかではそばにいることしかできないけども、(子どもたちと)『マミーを支えようね』という会話をしています」遺族外来のある「嵯峨嵐山・田中クリニック」の田中啓一院長は、遺族のケアについてこう語る。「遺族はうつ病の発症率や自殺率も高く、薬物治療を行うケースもあります。そうした状態にならないように、家族のサポートは必要不可欠。ただ、焦らせてはいけません。家族は助言も批判もせず、静かに話を聞いてあげることが大事です」希林さんは生前、自分の理想の最期についてこう語っていた。《私の両親はふたりとも70代半ばで、床に伏して1週間ぐらいで逝ったのね。子どもとしては、とてもありがたくて、上出来! と思っていました。私自身も、両親と同じように、最期は娘に上出来! と言ってもらいたい》(文春新書『一切なりゆき』より抜粋)也哉子にもいつか“上出来!”と思える日が来ることだろう。
2019年04月04日内田裕也さん(享年79)の逝去から数日が経った3月中旬。樹木希林さん(享年75)が眠る東京都港区・光林寺の墓前には、鮮やかなピンク色のチューリップが供えられていた。供花には珍しいチューリップは、2人の型破りな夫婦生活をどこか彷彿とさせる――。3月17日、裕也さんが肺炎により都内の病院で息を引きとった。一夜明けた18日、裕也さんの自宅には長女の也哉子(43)や孫の雅樂(22)ら家族たちがせわしなく出入りしていた。そのなかには裕也さんにとって“特別な女性”、Aさんの姿も――。「Aさんは16年前から裕也さんのマネージャーを務めていました。裕也さんは4年ほど前から体調を崩し自宅で療養生活を送っていたのですが、その身の回りの世話をすべて1人でこなしていたのがAさんです。希林さん以上に一緒にいる時間が長かったため、一部では“Aさんは裕也さんの愛人ではないか”と噂されてきました」(Aさんを昔から知る芸能関係者)裕也さんが元交際相手への強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕された11年5月。その釈放直後にも、裕也さんとAさんが東京・銀座のカフェで談笑している現場を本誌は目撃している。ちょうどこのころ、Aさんと裕也さんの不倫疑惑がマスコミの間で話題になっていたのだ。しかし希林さんは当時、そんなAさんを称賛しきっていたという。希林さんの知人はこう明かす。「Aさんが愛人と噂されていたことは希林さんも知っていたのですが、希林さんは『彼女と内田(裕也さん)がもしそういう関係だったとしても、彼女には本当に感謝しているの。私ができないことまで内田のためによくやってくれている方。感謝の気持ちしかありません』と話していました」Aさんに感謝していたのは希林さんだけではない。葬儀・告別式を終えた22日の夕方。義理の息子で俳優の本木雅弘(53)が囲み取材に応じた。「私の妻、也哉子と裕也さんの関係は、微妙なところがありました。極端な話、それは家族全体がそうなんですね。実際、私たち家族は、裕也さんの闘病には深く関わっていないんです。16年来、ずっと付き添ってくれたマネージャーさんを中心に、バンドマンのみなさんがケアをしてくれていました」希林さんと裕也さんの夫婦関係は、他人にはなかなか理解しがたい奇妙なものだった――。2人は73年の結婚後わずか1年半で別居。76年には也哉子が誕生するも、翌76年に裕也さんは大麻取締法違反の疑いで起訴猶予処分に。81年には裕也さんが勝手に離婚届けを提出し、希林さんがこれを認めず訴訟に発展したこともあった。「裕也さんが常連だった店の支払いも、すべて希林さんがしていました。酔っぱらった裕也さんが他の客と揉めることも多く、希林さんが謝りに来ることは日常茶飯事。それでも希林さんは『救われたのは私のほうだ』と言い切り、決して別れようとはしませんでした」(夫妻の知人)希林さんは昨年5月のインタビューで裕也さんへの愛をこう語っている。《私と夫は(中略)四六時中一緒にいるわけではないけれど、本質は変わらないわね。いつも頭のなかに彼のことがありますから》(『婦人公論』18年5月22日号)そんな最愛の夫を残して、自分が先に逝ってしまうかもしれない。そうした不安があったのか、希林さんは亡くなる直前、もっとも信頼できるAさんに裕也さんのことを託していたという。「最後の1年くらいは2人とも満身創痍で、お互いの介護どころか簡単に会うことすらできない状態。そこでAさんは裕也さんの看病だけではなく、希林さんとの連絡係も務めていたそうです。希林さんは昨夏、もう自分が長くないと悟ったときに改めてAさんに『内田をよろしくね』と伝えたといいます」(前出・希林さんの知人)希林さんとの“約束”を守るべく、Aさんは最後の最後まで裕也さんに尽くし続けたのだ。内田家の墓前に手向けられていたチューリップの花言葉は“思いやり”。希林さんと裕也さん、そしてAさんの“常識を超えた三角関係”は、慈愛と思いやりの心で溢れていた――。
2019年03月26日3月17日に肺炎で逝去した内田裕也さん(享年79)の葬儀・告別式が都内で執り行われた。式後、自宅前で義理の息子で俳優の本木雅弘(53)が囲み取材に応じ、義父への思いを涙ながらに語った。内田さんの闘病は約4年前からで、病状が思わしくなかったのがここ1年。自宅で療養生活を送る日々だったという。亡くなったときの様子については「とても静かな微笑でした。笑っている感じです」と語った。内田さんと本木の最後の会話は樹木希林さん(享年75)についての生前のエピソードについての笑い話。本木が「(樹木さんが)口が災いするね。そう自分も戒めていたのに、結局なんだかんだでそれが評価されちゃってるね」と話すと、内田さんは楽しそうに笑っていたという。そんな樹木さんも半年前にこの世を去っている。立て続けに両親を亡くした妻の也哉子(43)については「半年前にも同じ光景がありましたからね、さすがにそれを立て続けて見ることは、戸惑っているだろうな。それは表情からも見てとれました。家族はそばにいることしかできないけど、マミーを支えようねと(子どもたちと)そういう会話はしています」と思いやった。樹木さんは亡くなる前、「自分が亡くなるときに(裕也さんを)連れてゆく」と本木や家族たちに“約束”をしていたという。そのことについて本木は「病と向き合っている裕也さんと私たち家族。それが長患いで疲れないように樹木さんが気を利かせて、ちょっと早めに連れて行ったんじゃないかな?そう思います」と語った。樹木さんの後を追うように天国へ逝った裕也さん。半年ぶりに再会した2人は、どんな様子で過ごしているのだろうか――。
2019年03月22日昨年9月惜しまれつつ亡くなった樹木希林さんの世界デビュー作にして、女優として最後の出演作となったドイツ映画『Cherry Blossoms and Demons』(英題)の日本公開が、8月に決定した。■ストーリードイツ・ミュンヘンで1人暮らしをする男性カール。酒に溺れた彼は、仕事を失い、妻は幼い娘を連れ家を出てしまった。孤独に苦しみ、泥酔の末に「モノノケ」を見るようになるカール。そんなある日、彼の元を日本人女性のユウが訪れる。ユウは10年前に東京を訪れていたカールの父親ルディと親交があり、いまは亡きルディの墓と生前の家を見に来たのだと言う。しぶしぶ彼女に付き合うカールは、次第にユウに惹かれていく。2人は人生を見つめなおすため、ユウの祖母に会いに日本へと向かうが――。■小津安二郎や是枝裕和、そして樹木希林さん自身も縁ある旅館でロケ主演を務めるのは、ドイツ人俳優ゴロ・オイラーと日本人ダンサーの入月絢。この2人が、人生を取り戻すために共に旅をする物語で、樹木さんは2人が訪れる茅ヶ崎館の女将役を演じている。本作は、2018年4月にドイツで撮影がスタートし、7月6日~16日に日本での撮影を敢行。日本パートのロケは、主に神奈川県茅ケ崎市に実在する「茅ヶ崎館」で行われた。もともとは、茅ヶ崎館が1950年代に小津安二郎監督が滞在し、脚本を書いた宿であり、近年では是枝裕和監督も執筆のために宿泊する場所だと知った本作のドーリス・デリエ監督が、彼女の前作『フクシマ・モナムール』(16/桃井かおり出演)のジャパンプレミア上映後に宿泊。高齢の女将に、かつて小津監督が滞在した部屋を案内してもらった際に、本作のインスピレーションを得たという。樹木さんも茅ヶ崎館とは縁があり、訪れたのは小津監督の遺作となった『秋刀魚の味』(62)の撮影時に、女優・杉村春子の付き人として現場に参加して以来のこと。当時、樹木さんが小津監督と一緒に過ごしたまさにその部屋で、今回の撮影は行われた。また、本作のラストには、樹木さんが庭を眺めながら「ゴンドラの唄」を歌うシーンがある。「ゴンドラの唄」といえば、黒澤明監督の『生きる』(52)にも登場する有名な歌で、「いのち短し恋せよ乙女 朱き唇褪せぬ間に 熱き血潮の冷えぬ間に明日の月日はないものを」と歌うこのシーンが、本作撮影から2か月後、9月15日に亡くなった樹木さんの女優としての最後の映画出演シーンとなった。■ドイツ人監督からコメント到着「心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在」愛、喪失、家族、生きることの美しさと残酷さを描いた本作において、この樹木さんの歌は、まるで彼女が私たちに遺してくれた最後のメッセージのようだったと、デリエ監督は思いを寄せる。「私は長年にわたり日本が誇る名女優・樹木希林の演技に魅了されてきました」という監督は、「『歩いても 歩いても』から始まる是枝裕和監督の作品群や、河瀬直美監督の『あん』などの彼女の演技がとても好きです。今回の役に関しては、彼女以外に考えられませんでしたので、彼女が今回の役を受けてくださった時には、深く深く光栄だと思いました。また本作で、最後の演技を見ることは、哀しくもあり、同時にとても美しさに満ちた体験となりました。本作中での樹木希林は、心温かく、オープンで、非常に情に厚い存在であり、それゆえに観客は彼女にぐっと心を掴まれ、強烈な感動を感じるのです」とコメント。さらにデリエ監督の『HANAMI』『フクシマ・モナムール』に出演し、本作でも主演を務める入月さんもまた、「今作中で忘れる事ができないのは言うまでもなく樹木希林さんの存在です。作中での存在感は勿論ですが、惜しくも遺作となってしまった事実、また日本へ紹介される大きな架け橋となって下さったこと、撮影中私達に残して下さったかけがえの無い体験や時間を思うと、感無量で言葉に詰まります。人への愛情、生きること、死ぬこと。人生という旅を深い深い部分で体験させられる映画です」とコメントを寄せている。映画『Cherry Blossoms and Demons』(英題)は8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:Cherry Blossoms and Demons(英題) 2019年8月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開予定©Constantin Film Verleih GmbH/ Mathias Bothor
2019年03月19日内田裕也さんが3月17日、肺炎のため亡くなった。79歳だった。各メディアによると、内田さんの所属事務所は「内田裕也、2019年3月17日、5時33分、肺炎のため、永眠いたしました」と報告。「この数年、闘病の日々でした。それでもユーモア、ウイットを忘れず、時には世の中を憂い、怒り、常に自分の出来る事を模索しておりました」と明かし、「多くの友人知人、家族に支えられて、Rock’n’Roll人生を全うすることが出来ました事をここに心よりお礼申し上げます」とつづったという。「近年は闘病生活を送っていた内田さんですが、昨年9月樹木希林さん(享年75)が亡くなった際も気丈に振る舞っていました。さらに年始に開催された『NEW YEARS WORLD ROCK FESTIVAL』では、久々のステージで大熱唱。そのパフォーマンスは完全復活を期待させるものでした。ですが17日に容態が急変。そのまま静かに亡くなられたそうです」(音楽関係者)その豪快なキャラクターで、注目を集めていた内田さん。昨年「日清焼きそば U.F.O.」のテレビCMにも出演し、幅広い世代に知られることとなった。その訃報は反響を呼び、Twitterでも「内田裕也さん」のほかに「ロッケンロール」「シェケナベイベー」といった内田さんらしいワードがトレンド入り。さらに追悼の声も上がっている。《内田裕也さん、自由な感じで好きだったから寂しい》《破天荒なスタイル凄く好きでした》《ご冥福をお祈り致します。ロケンロー》また《ロックな夫婦だったけど、晩年は穏やかだったし、今頃ふたりでとてもいい会話をしてるような気がする》《やだアナタもう来たの?そんなに早く来なくたってよかったのに とか話してるんだろうな》《希林さんと会えたかなぁ。これからは同居してあげてくださいね》と、樹木さんとの再会を想像する声も上がっている。
2019年03月18日「2月15日に吉村さんは長年所属していた『オフィス作』を電撃退社していますが、実は“素行不良”により解雇されたのだと聞いています」(芸能プロ関係者)主演映画『ハッピーアイランド』が公開されたばかりの、注目の若手俳優・吉村界人(26)。吉村といえば、樹木希林さん(享年75)の“最後の愛弟子”として一躍有名になった。「昨年5月に公開された映画『モリのいる場所』での共演がきっかけで2人は意気投合。大人しい役者が多いなか、いまどき珍しくやんちゃな吉村さんを、樹木さんはいたく気に入ったそうです。樹木さんの前で平然と大あくびをかくなど、大御所に対しても媚びないところが夫の内田裕也さん(79)とも重なったのでしょう」(映画関係者)大御所に目をかけられ、順風満帆に思えた彼に、いったい何があったのか――。「もともとお酒好きで知られる吉村さんですが、このところ酒量が増えていたようで、現場でも心配の声があがっていました。最近もお酒が残っている状態で仕事現場に来たり、飲酒のせいで生活リズムが乱れてしまい、体調にも影響が出ていたといいます。そうした酒癖の悪さも退社の一因となっているのではないでしょうか」(舞台関係者)昨年2月、彼は映画『悪魔』でアルコール依存症に苦しむ大学生役を怪演。当時のインタビューに彼は私生活をこう明かしている。《佐伯(映画の主人公)ほど病的ではなかったですが、自分の部屋にぽつんとひとりでいて酒飲んで、こう俯きながら自分で自分に問いかけて》(『キネマ旬報』18年8月31日号)本誌は『オフィス作』に吉村の退社理由について問い合わせたが「コメントは控えさせていただきます」との回答があった。前出の映画関係者はこう続ける。「役づくりに悩む吉村さんに、樹木さんは『自然体でやんなさい』と優しく助言していました。また、プライベートな相談にも乗ってあげていたそうです。樹木さんがいたら、こんなことには……」孫のように可愛がっていた吉村の“まさかの変転”。天国の樹木さんはさぞ無念だろう――。
2019年03月14日4月18日に開幕される映画の祭典『島ぜんぶでおーきな祭 第11回沖縄国際映画祭』の概要発表会見が4日、東京・新宿の吉本興業東京本部で行われ、浅田美代子、南海キャンディーズの山崎静代、松本穂香、NON STYLEの石田明らが出席した。今年で11回目を迎える同映画祭は、4月18日のオープニングを皮切りに計5日間沖縄の各所で開催。映画にかぎらずお笑いや音楽、スポーツなど様々なイベントが行われる。同映画祭の特別上映作品として上映される映画『エリカ38』に出演した浅田美代子は、劇中で62歳ながらも38歳と偽って男たちを惑わした山辺節子をモチーフにした主人公を熱演している。「ご本人自体も重くない感じがしました。たまたま詐欺になってしまいましたが、好きなように生きていたような気がします。そういう意味では暗い感じではなかったですね」と演じたキャラクターについての感想を語った。浅田と共演した山崎静代は「浅田さんがすごく美しくて、エロいシーンが結構あるんです。熟女好きな方には見ていただきたいですね」と笑いを誘う場面も。本作は昨年死去した樹木希林さんの企画作であり遺作となっている。樹木さんと親交が深かった浅田は「希林さんが動いてくれました。感動というかビックリでしたね」と感謝しつつ、「美代ちゃんは元アイドルでだけど、何か残せる作品を作りたいと仰ってくれて、それが本当にうれしかったですね」と感謝の言葉を述べた。特別招待作品の『おいしい家族』やTV DIRECTOR’S MOVIEとして上映される『酔うと化け物になる父がつらい』に出演した松本穂香。『おいしい家族』で共演した板尾創路と浜野謙太の話題になり、「板尾さんはずっとふざけていて、現場でもすごく楽しかったです。浜野さんも楽しい方なので、本当に楽しかったですね」とロケ中は撮影以外でも楽しんだようで、「新島での撮影だったので、本当の家族みたいな優しい雰囲気で撮影しました。景色がきれいだったり家族の優しい時間、愛の大切を感じさせてくれる映画です」とアピールした。また、同映画祭ではお笑いなどのステージも。ジャルジャルの大ファンだという松本は「是非お笑いの舞台をみたいですね!」と開催が待ち遠しい様子で、隣にいた石田が「ジャルジャルのマネージャー、一緒だから呼んでこようかな」と話していた。
2019年03月05日「第42回日本アカデミー賞授賞式」が3月1日(金)に開催され、『万引き家族』が最優秀作品賞を受賞した。12部門において優秀賞を受賞している『万引き家族』だが、作品賞以外にも、最優秀監督賞、最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞など、最多計8部門で最優秀賞を受賞した。なお、最優秀主演男優賞は『孤狼の血』の役所広司、最優秀助演男優賞は『孤狼の血』の松坂桃李が受賞した。『万引き家族』は、是枝裕和監督が、貧困と幸せ、血縁と心の絆など社会に抱いたある違和感に、10年間描いてきた家族に関するテーマを投入した渾身作。下町の一軒家で、家主である老女(樹木希林)の年金を目当てに暮らす柴田家。足りない生活費を万引きなどで稼いでいた彼らは、冬の日、親から虐待を受ける少女を拾い一緒に暮らし始める。しかし、ある事件をきっかけに家族の秘密は白日の下にさらされる。日本映画の頂点に立ち、抱き合って喜び合った是枝監督、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優などの“家族”たち。是枝監督は「撮影からちょうど1年、長い旅をこの作品と続けてきました。本当にいいラストを迎えることができました」と簡潔ながら気持ちのこもったコメント。優秀主演男優賞を受賞したリリーさんは、「すごく小さく始まった映画でしたけど、知らないうちにお祭りが続いて、1年間いろいろなところに行かせていただきました。つらいこと、人のおわかれもいっぱいありましたが、この映画の魔法にかかって楽しく過ごさせていただきました」と、リリーさんらしい詩的な言葉に思いを乗せた。リリーさんの妻役となった安藤さんは「素敵な時間をありがとうございます!本当にたった1年と思えない1年間でした。(城)桧吏、(佐々木)みゆ、やったね!」とステージの向こうにいるであろう子役たちにも笑顔を投げかける。終始涙をこらえられない様子の松岡さんは、「ものが浮かぶタイプですけど、本当に浮かばない…」とマイクを返す仕草をしたものの「ありがとうございます」と伝え、この日何度目かの涙を流していた。(cinamacafe.net)■関連作品:万引き家族 2018年6月8日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2018フジテレビジョンギャガAOI Pro.
2019年03月01日