第93回アカデミー賞授賞式が4月26日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターとユニオン駅の2つの会場で開催され、作品賞にクロエ・ジャオ監督の『ノマドランド』が輝いた。第77回(2020年)ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる金獅子賞を皮切りに、第45回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞、第78回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞。第74回英国アカデミー賞でも、作品賞をはじめ最多4部門に輝いていた。オスカー前哨戦で圧倒的な存在感を示した“大本命”が、今年のアカデミー賞でも順当に作品賞を手にし、コロナ禍に揺れた映画賞レースにおいて有終の美を飾った。なお、女性監督の作品がアカデミー賞の作品賞に輝くのは、キャスリン・ビグロー監督の『ハート・ロッカー』(第82回)以来2度目となる。ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション「ノマド漂流する高齢労働者たち」を映画化したロードムービー。リーマンショックの影響で、長年住み慣れた家を失った60代の女性が“現代のノマド(遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩く姿を、アメリカ西部の雄大な自然を背景に描いた。誇りを胸に、自由に生きる主人公には、コロナ禍に苦悩する世界中の観客から強い共感が寄せられていた。受賞コメントクロエ・ジャオ監督プロデューサー陣、フランシス・マクドーマンドを代表してご挨拶します。他の候補者の皆さんにもお礼を申し上げます。フォックス・サーチライト・ピクチャーズ、原作者のジェシカ・ブルーダー、そしてノマドの皆さん。多くの人たちのおかげで、この作品が完成しました。皆さんは真実の優しさを示してくれました。プロデューサーも務める主演のフランシス・マクドーマンドぜひ、大きなスクリーンで見てください。仲間を連れて映画館に行き、隣にも観客がいる状況で。ウルフにこの映画を捧げます(オオカミの鳴き声をまねて、雄たけび)(text:cinemacafe.net)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月26日’64年のドラマ版『愛と死をみつめて』(TBS系)に始まり、数々の名作ドラマを残して、この世を去った脚本家の橋田壽賀子さん(享年95)。生涯“女性”を描き続けた姿を本誌秘蔵写真で振り返るーー。【’68年】朝ドラ初のカラー作品『あしたこそ』主演の藤田弓子と43歳の橋田さん。【’81年】大河ドラマ『おんな太閤記』放送を機に、橋田さんを本誌が密着取材。【’83年】国民的ドラマ『おしん』はアニメ版も制作。泉ピン子、小林綾子と。【’84年】『大家族』(TBS系)では3世代で同居する家族の嫁姑問題を描いた。【’85年】大河ドラマ『いのち』の制作発表会で主演の三田佳子と仲よく歩く姿。【’88年】大河ドラマ『春日局』の撮影現場で佐久間良子と語らう橋田さん。【’90年】この年から始まった『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)は’19年まで新作を放送。【’93年】『渡る世間は鬼ばかり』のメンバーで「橋田ファミリーの会」を開催。【’93年】第1回橋田賞の受賞パーティで“両手に少年隊”の橋田さん。【’10年】『渡る世間は鬼ばかり』の最終シリーズの制作発表会。【’18年】第26回橋田賞の授賞式にて。新人賞の有村架純、竹内涼真の姿も。「『なんで“うちの家”のことをそんなによく知っているんですか?』と、(視聴者から)よく言われるの」と、テレビ番組のインタビューで語っていた橋田さん。「それはひとえに、ご自身の日常や経験、思いをドラマに込められてきたからでしょう。毎朝、新聞の投稿欄をじっくり読み、庶民の暮らしを脚本に生かすことでも知られていました。有名な長ゼリフは、家事に勤しむ女性たちにも、ドラマを耳で理解してもらうため。『二流で結構!』との自負もおありだったと聞きます」そう、ドラマウオッチャーの田幸和歌子さんは語る。社会情勢をドラマに反映しながら、その時代時代を生きる女性のリアルな姿を描いてきた。「女性脚本家の先駆者である橋田さんが、草分けとなったことも多いんです。たとえば大河ドラマ『おんな太閤記』では、戦国ものを女性、庶民の視点で描き“戦国ホームドラマ”と呼ばれました。“嫁姑問題”や“夫がマザコン”という設定を取り入れたのも橋田さんが元祖。そこには“妻”としての経験が投影されています。『おしん』の嫁いびりは、おのおのの世代の正義と正義の衝突として、また『渡る世間は鬼ばかり』では、岡倉家の5人の女性を通して、家庭の崩壊や、さまざまな結婚のあり方が、描かれました。つねに、命の尊さと、女性の強さ、自立を描いてきた橋田さんは、まさに日本のドラマの母といえます」コロナ禍の今を生きる女性たちを、橋田さんなら、どのように描いたであろう。「女性自身」2021年4月27日号 掲載
2021年04月16日「橋田さんの納骨式は4月9日に、愛媛県今治市内のお寺で執り行われました。このお寺には彼女のご両親も眠っています。遺骨は熱海の自宅からバスで現地に向かったのです。橋田文化財団のスタッフ、地元で交流のあった人たち、そして泉ピン子らが付き添いました……」そう語るのは、テレビプロデューサーの石井ふく子さん(94)。石井さんは4月4日に急性リンパ腫で逝去した橋田壽賀子さん(享年95)とは、公私にわたり親しく交流してきた“盟友”だ。橋田さんの逝去は多くの人々に衝撃を与えた。彼女を“ママ”と慕い続けた泉ピン子(73)は本誌にこう語っている。「ママはたった一人の恩師であり、泉ピン子を見いだしてくれた恩人です。いまは何だか夢の中にいるみたいです。気も張っていて、ママがいなくなったなんて思えない。しばらくは何げなく電話をかけようとして、ふといないことに気づく、そんな日々が続くと思います」石井ふく子さんも毎日1時間以上、橋田さんと電話をするのが日課になっていたという。「秋には『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の新作も放送予定で、7月には稽古に入ることになっていました。病院にお見舞いに行ったときや電話で、橋田さんは新作の構想を話してくれました。コロナ禍のためにストレスがたまった家族たちの物語です。軋轢がありながらも、『結末はハッピーエンドになる構成にしましょう』と、橋田さんは言っていたのです。最後の電話でも『渡鬼(の脚本)は大丈夫だから』と……」■「不倫と殺しだけは書くな」生涯守った夫の教え70年以上に及ぶ脚本家生活の中で多くの名作を遺した橋田さん。石井さんは、そのなかでも“最高傑作”は、’79年に放送されたスペシャルドラマ『女たちの忠臣蔵「いのち燃ゆる時」』(TBS系)だと考えている。「TBSから『戦争ドラマを作ってほしい』という依頼があったのですが、私も橋田さんも戦争を体験しているので、『戦争をテーマにしたドラマを作るのは耐えられない』と、お断りし、その代わりのように2人で作ったのが『女たちの忠臣蔵』です。赤穂四十七士の討ち入りの陰には、女性たちの犠牲があったことを描いています。当時の資料も乏しいなか、橋田さんはそれぞれ境遇や家庭環境が異なる女性たちの視点からなるドラマを書き上げたのです」戦国時代が舞台となったNHK大河ドラマ『おんな太閤記』でさえ、合戦シーンを脚本に書こうとしなかったという橋田さん。ホームドラマ一筋を通した理由については、インタビューでこう語っている。《亡くなった夫(元TBSプロデューサーの岩崎嘉一氏)にも、「不倫と殺しだけは書くな」と言われていたんです。それで仕事ができなくなったら脚本家を辞めろとまで。現代のドラマは、不倫と人殺しを封じられたら、なかなか書けませんよね。でも、夫の遺言だからしょうがないんです(笑)》(『家の光』’15年5月号)橋田さんは「松竹」社員時代の習慣で、いつもできあがった脚本に赤いリボンを巻いて愛用のデスクの上に置いていた。毎回締切りに遅れたことがなかったが、石井さんによれば、たった一度だけ弱音をもらしたという。それは夫となった岩崎嘉一さんへの“恋煩い”だったのだ。「『私、シナリオが書けなくなった。まだ一行も書いていない』と、言うのです。理由を尋ねると、『好きな人ができて、その人のことが頭にチラチラして、書くことに身が入らない』と……。相手を尋ねると、私の(TBSでの)同僚の岩崎さんでした。仲を取り持ってあげたいと考え、岩崎さんに『橋田壽賀子というシナリオライターのこと知ってる?』と、聞くと、『そういえば、そんな名前聞いたことあるなぁ』と言うので、橋田さんの気持ちと電話番号を伝えたのです。後日、交際がスタートしたと聞いたときは、うれしかったですね」(石井さん)橋田さんは両親を早く亡くし、兄弟姉妹もおらず、家族というものに憧れていたという。だが、新婚生活はけっして甘いものではなかったようだ。橋田さんは当時の思い出を本誌に冗談交じりにこう語っていた。《結婚してお姑さんや小姑たち――“家族”ができたときに、つくづく「家族というのは気を使わなければいけないし大変だ」と思いました。こうした思いはすべてドラマになって、しっかり儲けさせていただきました(笑)》(本誌’15年7月7・14日合併号)慣れない人間関係に悩みながらも、家族に尽くそうと努めていた橋田さん。その在りし日の姿について、泉ピン子は次のように語った。「私がママからよく言われたのは『一に家庭、二に仕事』。かいがいしく家事をこなす姿が印象的でした。まだご主人がご存命のとき、自宅に伺うと、『ピン子にうまいものを食わしてやれ』『布団をしいてやれ』……、何を言われても返事は『はい』だけ。それでもいつもママは家庭のことをいちばんに考えていましたね」■死別後は、夫の写真とおしゃべりしていた超売れっ子作家でありながらも“仕事より家族”というモットーを貫いたのは、夫への深い感謝があったからだという。《天涯孤独で家族を知らなかった私がホームドラマ作家といわれる作品を書けるようになったのも、嘉一と結婚したおかげであった。また、嘉一は優秀なテレビ人間で、嘉一のテレビに対する感覚を、私はいつの間にか門前の小僧のように、覚えていった》(自伝『夫婦は一生懸命』光文社)夫が肺がんのために逝去したのは’89年。だがそれから30年余り、嘉一さんは遺された橋田さんの心の支えであり続けたのだ。《私は、よく壁にかけてある嘉一の写真とおしゃべりする。嘉一が気に入らないとわかっているようなことをしてしまった日は、笑顔のはずの嘉一が、ムッとしていたり……(中略)今夜もまたおしゃべりをしよう。嘉一は、ほんとうに、まだ生きているのである。私が生きている限り、私のそばで生き続けてくれるだろう》(『夫婦は一生懸命』)“こういう話を書いたら彼が褒めてくれるかな”、そんな自問は創作意欲の原動力だった。「橋田さんは東京の病院に入院していたときも、ずっと『熱海の家に帰りたい』と、言っていました。きっと岩崎さんとの思い出がたくさん残る場所に早く戻りたかったのでしょう」(石井さん)体調が一時安定し、橋田さんが亡き夫が待つわが家へようやく帰宅できたのは、逝去の前日。脚本家として、そして妻として全力を尽くしきった生涯だった。「女性自身」2021年4月27日号 掲載
2021年04月14日英国アカデミー賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではさらに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞、ジョシュア・ジェームズ・リチャーズが撮影賞を受賞した。主演男優賞は『ファーザー』のアンソニー・ホプキンス。助演男優賞は『Judas and the Black Messiah』のダニエル・カルーヤ、助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジュン。イギリス映画賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』。脚本賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』、脚色賞は『ファーザー』だった。文=猿渡由紀『ノマドランド』公開中
2021年04月12日日曜日(現地時間)、英国アカデミー賞(BAFTA賞)がバーチャル開催された。クロエ・ジャオ監督作の『ノマドランド』が作品賞、監督賞を含む4部門を受賞。ジャオ監督は英国アカデミー賞史上、監督賞を受賞した2人目の女性であり、初の有色人種女性という偉業を達成した。なお、監督賞を受賞した初の女性は、2010年のキャスリン・ビグロー(『ハート・ロッカー』)。ジャオ監督は「この賞を、ノマディックコミュニティの人たちに捧げたいです。彼らは、生活の中に私たちを快く受け入れてくれましたから。夢、葛藤、深い尊厳について共有してくれたのです。年を重ねるということの美しさーー私たちが慈しみ、祝福すべき旅路を教えてくれたことに感謝します」とスピーチした。主演男優賞のアンソニー・ホプキンス(83)は、同賞の史上最年長受賞者となった。「テレグラフ」紙によると、本人は受賞するとは全く予想していなかったそうで、オンラインでの授賞式を見ずにウェールズのホテルで絵を描いていたという。主な受賞者・受賞作品は以下の通り。作品賞『ノマドランド』監督賞クロエ・ジャオ『ノマドランド』主演男優賞アンソニー・ホプキンス『ファーザー』主演女優賞フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』助演男優賞ダニエル・カルーヤ『Judas and the Black Messiah』助演女優賞ユン・ヨジョン『ミナリ』オリジナル脚本賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェンネル英国作品賞『プロミシング・ヤング・ウーマン』(Hiromi Kaku)■関連作品:ノマドランド 2021年3月26日より全国にて公開© 2021 20th Century Studios. All rights reserved.
2021年04月12日「今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました」こうコメントしたのは泉ピン子(73)だ。4月5日、公私共に交流のあった橋田壽賀子さん(享年95)が熱海市内の自宅で死去。冒頭のコメントは橋田さんを追悼するものだ。さらにピン子は「思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました」とも明かしている。’78年のドラマ『夫婦』(NHK総合)で出会い、43年来の仲だった2人。以降’83年の連続テレビ小説『おしん』(NHK総合)や’90年にスタートした『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)など、名作ドラマでタッグを組んできた。「橋田さんの脚本はセリフが長いため、ピン子さんは四苦八苦することもあったそうです。また橋田さんは簡単には褒めません。そのため、緊張が続いたピン子さんは激痩せしたこともあったといいます。しかし’13年に公開された『おしん』の映画版で加賀屋の大奥様役を演じた際、『温かい演技だった』と橋田さんは絶賛。そのことを、ピン子さんはとても喜んでいました」(映画関係者)プライベートでも縁を深め、一緒に何十カ国も旅してきたという2人。そうするうちに、あるターニングポイントがピン子に訪れたようだ。「もともとブランド好きだったピン子さんはサハラ砂漠に行ったり北極でシロクマを見たりと、普段とは違う環境に身を置くことに。そうして『もっと軽やかに生きよう』と考えるようになったそうです。橋田さんの大らかな性格の影響もあったそうで、『先生と出会ったことで人間が変わった』とも話していました」(スポーツ紙記者)ピン子は、橋田さんの影響で熱海へ移住もしている。そんな彼女に、橋田さんも母のように愛を注いだという。「ピン子さんはたとえ監督であっても、ときにはぶつかることがあったそうです。しかし、橋田さんは『あの子のキャラクターだから』とあえて注意しなかったといいます。“彼女の個性を伸ばしてあげたい。それを演技に活かしてほしい”という気持ちだったのでしょう。橋田さんは“女優・泉ピン子”の演技が好きで、あてがきの台本を書くこともあったといいます」(テレビ局関係者)13年4月、本誌で「私にとって『おしん』は、30年前から特別なドラマでした。いまでも当時の撮影のことや、セリフや方言も覚えています」と語っていたピン子。染み付いた“橋田節”はこれからも、彼女の糧となるだろう。
2021年04月06日「橋田さんとは60年のお付き合いです。年中喧嘩したり、相談したり、家族のように付き合ってきました。一日電話しないと『どうしたの?』と心配されることもありました」「思い出がありすぎて何も言えません。こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません」こうコメントを発表したのはTBSのプロデューサー・石井ふく子氏(94)だ。4月5日、脚本家の橋田壽賀子さん(享年95)が亡くなったと発表された。そこで橋田さんと深く親交のあった彼女は、冒頭のようにコメントした。2人は’64年のドラマ『愛と死をみつめて』や’79年の『女たちの忠臣蔵』、そして’90年にスタートした国民的ホームドラマ『渡る世間は鬼ばかり』(すべてTBS系)など数々の名作ドラマを世に送り出してきた。「出会いは橋田さんが34歳で、石井さんが33歳の頃。橋田さんは年下の石井さんに叱られてばかりだったそうですが、その心配りやユニークさに心を許していたといいます。また同年代の女性同士だからこそ、言いたいことも言える仲でした。石井さんは原稿を受け取る際、必ず熱海にある橋田さんの自宅にまで出向いたそうです。橋田さんは原稿を鉛筆で書くのですが、石井さんは『ここで休憩を入れたな』と文字を見てたびたび気づいたといいます。それほど橋田さんのことを理解していました」(スポーツ紙記者)橋田さんは’66年5月、当時TBSのプロデューサーだった岩崎嘉一さんと結婚した。実は、仲人は石井氏だったという。「ある時、橋田さんが『脚本を書けない』というので、石井さんが話を聞くと『好きな人ができた』と。それが岩崎さんでした。岩崎さんはTBSの局員だったため、石井さんは2人の仲を取り持つことに。すると、それから10日後に2人は結婚したのです」(TBS局関係者)スピード婚だったが、橋田さんは89年9月に岩崎さんが亡くなるまで添い遂げた。「橋田さんはその後、自伝的ドラマ『妻が夫をおくるとき』(同局系)を製作しました。岩崎さんとの別れを描いており、石井さんはそのリアリティあふれる脚本に『読むのも辛かった』と話していました」(前出・TBS局関係者)■「夫が亡くなった時も、辛い気持ちを一緒に背負ってくれた」そして、’90年に『渡鬼』がスタートした。ドラマが10周年を迎えた00年10月、本誌に登場した2人。そこでこう語っている。石井「トレンディ・ドラマが隆盛のころでしたから『2人で何か作ってくれ』と言われた時、『家族のドラマしかできないな。それで、もしダメだったら、もうお呼びじゃないということだから“放送界”をやめよう』と言って、スタートしましたね」橋田「『当たらなかったら、老兵は消えてゆくのみだね』と言って(笑)」“去り際も一緒”。そう決意し『渡鬼』に臨んだ2人は、まさに戦友同士だったのだ。「橋田さんは’64年の『袋を渡せば』(同局系)で石井さんに評価してもらったことで、テレビの仕事が舞い込むように。さらに岩崎さんとの仲人を務めてもらっただけでなく、『夫が亡くなった時も、辛い気持ちを一緒に背負ってくれた』とも。そうした友情に感謝していました」(テレビ局関係者)また石井は、橋田さんを尊敬する気持ちも欠かさなかったという。「石井さんは橋田さんの脚本に心底惚れていました。『愛と死を見つめて』の脚本が素晴らしかったものの、当初予定していた1時間では到底収まり切れない。そこで石井さんは『どうしても全部放送したい』と、スポンサーにお願いするため奔走しました。そうして、前後編に分けて2回にわたっての放送が実現したんです。『渡鬼』は新型コロナの影響で製作が延期になったものの、今年撮影に入る予定だったと聞いていました。石井さんは、橋田さんと一緒に完成を見届けたかったでしょうね」(前出・スポーツ紙記者)60年の友情を築いてきた2人。その思い出は永遠だ。
2021年04月06日4月5日、脚本家の橋田壽賀子さんが亡くなったと発表された。95歳だった。各メディアによると急性リンパ腫治療のため、東京都内の病院に入院していた橋田さん。熱海市内の自宅に戻った後、4日に息を引き取ったという。橋田さんは、脚本担当した’83年の連続テレビ小説『おしん』(NHK総合)が最高視聴率62.9%という驚異的な数字を記録。さらに’90年にスタートした人気ドラマシリーズ『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)は、20年にわたってお茶の間で愛される作品となった。15年には文化功労者に選ばれ、昨年には文化勲章を受章している。そんな橋田さんは生前、本誌にたびたび登場していた。’10年10月、『渡鬼』の新シリーズを控えていた橋田さんは当時85歳。「元気でいなきゃいけないから、毎週4日間泳いで、3日間トレーニングジムに通っています」と元気の秘訣を明かし、“まだまだ現役”と奮起していた。しかし、その4年後となる14年6月。ドラマ『なるようになるさ。』(TBS系)の視聴率不振から「絶筆するのでは」との情報が。そこで本誌が取材を申し込んだところ、橋田さんはこう明かした。「引退は、したいですよ。でも、させてもらえないでしょうね。シリーズものはやりたくない?はい、そうですね」そのいっぽうで「『やれ』と言われたら、やりますよ。『渡鬼』スペシャルも年内には仕上げなければなりません」ともコメント。絶筆願望を抱えながらも、“周囲の期待になんとか応えなければ……”という葛藤がうかがえた。さらに’15年7月には、終活を始めたとも明かしていた。’89年に夫と死別して以降、1人で過ごしてきた橋田さん。本を熱海市の図書館に、そして「山のようにあった」というメガネは発展途上国を送る団体に寄付。洋服やアクセサリーもリサイクルショップに持っていったといい、終活ノートをしたためているとも明かした。当時、橋田さんはこれまでの人生を回想し「本当に恵まれていたと思います」と感慨深げ。そして、こう続けていた。「日本がいちばんいい時代にテレビの仕事をさせていただいて、その時代、その時代に自分が書きたいと思ったものを存分に書かせていただきました」「私生活もそれはありがたい人生でした。『あれがあったらよかった』『あの人と結婚すればよかった』ということは皆無です」思う存分生き、この世を去った橋田さん。今は、安らかに眠っていることだろう。
2021年04月05日脚本家・橋田壽賀子さんが、急性リンパ腫のため4日、熱海市内の自宅で亡くなったことが5日、わかった。95歳だった。TBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』でタッグを組んだ石井ふく子プロデューサーがコメントを寄せ、悲痛な思いを明かした。■石井ふく子プロデューサーコメント全文橋田さんとは60年のお付き合いです。年中喧嘩したり、相談したり、家族のように付き合ってきました。一日電話しないと「どうしたの?」と心配されることもありました。思い出がありすぎて何も言えません。こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません。「あなた一人でどこに行ったのよ」という思いでいっぱいです。橋田さんは現在のコロナ禍の状況を見て、そこで感じた家族の形を書きたいとおっしゃっていました。同時に「私はいつも一人だと思っていたけれど、あなたたちがそばにいてくれたのね」とおっしゃって。私は「今更、なにを言ってるのよ」と返しましたけれど。お互いに元気でいようねって話していたところでした。今、私の隣りに笑って私を見ている遺影があります。まだ、橋田さんがこの世からいなくなったなんて考えられません。
2021年04月05日2021年4月4日、脚本家の橋田壽賀子さんが急性リンパ腫のため、亡くなりました。橋田さんが脚本を手掛けたテレビドラマ『おしん』(NHK)、『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)などに出演した、俳優の泉ピン子さんが追悼コメントを発表。昨日意識がなくなったとき、「ママ」って呼ぶ私の声が聞こえたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした。クルーズ旅行に行くとき、お正月に着ていたお気に入りのドレスと、橋田文化財団を設立したときに作った松竹梅の思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました。サンケイスポーツーより引用橋田さんは生前、泉さんに「悲しまなくていい。千の風になっているんだから。あなたの周りにいるから」と語っていたといいます。そのため、最期は『千の風になって』の曲をかけて橋田さんを送り出したそうです。また、泉さんは長年親交の深かった橋田さんへの感謝の想いをつづっています。今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました。私も熱海で暮らすようになって、最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があったと思います。サンケイスポーツーより引用ネット上では「泉さんショックだろうな。ドラマ大好きでした」「2人の掛け合いが見られないと思うとさびしい」などの声が寄せられています。泉さんの橋田さんへの深い尊敬と愛情が込められた追悼文は、きっと天国にも届いていることでしょう。[文・構成/grape編集部]
2021年04月05日脚本家の橋田壽賀子(本名:岩崎壽賀子)さんが2021年4月4日、午前9時13分、急性リンパ腫により亡くなっていたことが分かった。享年95歳。1964年、TBS東芝日曜劇場「袋を渡せば」の脚本でデビューし、以来、今日まで55年以上にわたり、テレビドラマの脚本家として、数々の名作・ヒット作を生み出してきた橋田さん。中でも連続テレビ小説第31作「おしん」は、テレビドラマ史上最高視聴率を記録。また、石井ふく子プロデューサーと共に100作以上を描き上げた東芝日曜劇場で“ホームドラマ”のジャンルを確立し、「ただいま11人」、「つくし誰の子」、「おんなは一生懸命」など多くの連続ドラマを執筆。「渡る世間は鬼ばかり」は1990年のスタートから2011年までの20年に亘り、10シリーズ・511話という歴史に残る連続ドラマとなり、現在もスペシャルドラマとして「家族」の物語が続いている。テレビ文化全般に対する関心も高く、1993年、自身が設立した橋田文化財団による「橋田賞」を創設し、「日本人の心や人の触れ合いを取り上げ、放送文化に大きく貢献した番組や人物」を毎年表彰。また「新人脚本賞」を通じて、新たな才能の発掘にも取り組んできた。そんな一般財団法人橋田文化財団は、「今年2月下旬、都内の病院に入院し、治療に専念してまいりました。3月中旬、熱海市内の病院に転院。4月3日、熱海市内の自宅に戻り、翌4日、静かに息を引き取りました。ここに生前のご厚誼に深く感謝いたしますと共に謹んでご報告申し上げます」と発表。なお、故人の遺志により、お通夜・告別式は執り行わず、本日5日、荼毘に付された。お別れの会等についても遺志により行う予定はないとのこと。今回の訃報を受けて、石井プロデューサーは「橋田さんとは60年のお付き合いです。年中喧嘩したり、相談したり、家族のように付き合ってきました。一日電話しないと『どうしたの?』と心配されることもありました。思い出がありすぎて何も言えません。こんなに急だなんて悔しくて、なんと言っていいかわかりません。『あなた一人でどこに行ったのよ』という思いでいっぱいです」と思いを明かす。「おしん」ではおしんの母・ふじ役、「渡る世間は鬼ばかり」では次女・五月役で出演した泉ピン子は「昨日意識がなくなったとき、『ママ』って呼ぶ私の声が聞こえたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした。クルーズ旅行に行くとき、お正月に着ていたお気に入りのドレスと、橋田文化財団を設立したときに作った松竹梅の思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました」とふり返り、「今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました」とコメントしている。(cinemacafe.net)
2021年04月05日脚本家・橋田壽賀子さんが、急性リンパ腫のため4日、熱海市内の自宅で亡くなったことが5日、わかった。95歳だった。橋田さんが脚本を手掛けたドラマ『渡る世間は鬼ばかり』『おしん』に出演した女優・泉ピン子が追悼コメントを寄せた。■泉ピン子コメント全文昨日意識がなくなったとき、「ママ」って呼ぶ私の声が聞こえたのか、最後に目を見開いたんです。それが最後でした。クルーズ旅行に行くとき、お正月に着ていたお気に入りのドレスと、橋田文化財団を設立したときに作った松竹梅の思い出のドレスを着せて、私がお化粧をしてあげて、旅立ちました。橋田さんは「悲しまなくていい。千の風になっているんだから。あなたの周りにいるから」といつも言っていました。「でも、私が先に逝くとは限らないけど」と茶目っ気たっぷりで付け加えたりして。ですから最後は「千の風になって」をかけて送りました。今の私があるのは橋田先生のおかげです。舞台もドラマもやらせてもらいました。ずいぶん喧嘩もしたし、泣いたこともあったけれど、橋田さんとご主人には本当の娘のようにかわいがっていただきました。私も熱海で暮らすようになって、最後はずっとそばにいられたから熱海に越してきた意味があったと思います。
2021年04月05日TBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』などで知られる脚本家・橋田壽賀子さんが、急性リンパ腫のため4日、熱海市内の自宅で亡くなったことが5日、わかった。95歳だった。橋田文化財団によると、橋田さんは2月下旬、都内の病院に入院し、治療に専念。3月中旬、静岡県熱海市内の病院に転院し、今月3日、熱海市内の自宅に戻り、4日に息を引き取ったという。なお、故人の遺志により、通夜、告別式は執り行わず、本日5日、茶毘(だび)に付された。お別れの会などについても、遺志に従い、行う予定はないとのこと。(C)TBS
2021年04月05日2021年4月5日16時50分、脚本家である橋田壽賀子(はしだ・すがこ)さんが亡くなったことが報じられました。95歳でした。テレビドラマを中心に、『おんな太閤記』『春日局』『渡る世間は鬼ばかり』など、数えきれないほどの名作を生み出してきた橋田さん。その功績を称え、これまで紫綬褒章や文化勲章などを受章し、文化功労者として選定されました。橋田さんの作品には、泉ピン子さんをはじめとするお馴染みの役者が出演することから、通称『橋田ファミリー』と呼ばれています。作品に関わってきた人だけでなく、橋田さんの作品に勇気付けられてきた多くの視聴者から悲しむ声が上がりました。今後も橋田さんの作品は、映像を通して人々に笑顔を与えてくれることでしょう。ご冥福をお祈りいたします。[文・構成/grape編集部]
2021年04月05日『第44回日本アカデミー賞』の優秀賞が27日に明らかになり、授賞式の司会を務める羽鳥慎一、シム・ウンギョンがコメントを寄せた。日本アカデミー賞協会が主催する「第44回日本アカデミー賞」は、昨年度に劇場公開された映画の作品賞や主演男優賞、主演女優賞、新人俳優賞などを表彰するもの。今回は2019年12月16日~2020年12月31日までに公開され選考基準を満たした作品(日本映画154作品、外国映画210作品)に対し、日本アカデミー賞協会会員(3,953名)の投票が行われた。3月19日にグランドプリンスホテル新高輪にて開催される第44回の授賞式に先立ち、正賞15部門各優秀賞、および新人俳優賞が決定。授賞式では、羽鳥慎一(昨年に続き2回目)と、外国人俳優で初の最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョン(『新聞記者』で第43回最優秀主演女優賞受賞)が司会を務め、受賞者を迎える。○羽鳥慎一 コメントこの賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進行役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に立ちあうことができます。普段、集うことができない第一線の俳優さんが一堂に会します。去年、「この方々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。○シム・ウンギョン コメント今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは人生で初めてですので、しっかりと言葉を届けられるように、日本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。○『第44回日本アカデミー賞』の主な受賞作品・受賞者※作品名は対象作品・優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』・優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん 2』・優秀監督賞内田英治『ミッドナイトスワン』河瀨直美『朝が来る』土井裕泰『罪の声』中野量太『浅田家!』若松節朗『Fukushima 50』・優秀主演男優賞小栗旬『罪の声』草なぎ剛『ミッドナイトスワン』佐藤浩市『Fukushima 50』菅田将暉『糸』二宮和也『浅田家!』・優秀主演女優賞小松菜奈『糸』永作博美『朝が来る』長澤まさみ『コンフィデンスマンJP プリンセス編』『MOTHER マザー』倍賞千恵子『男はつらいよ お帰り 寅さん』広瀬すず『一度死んでみた』・優秀助演男優賞宇野祥平『罪の声』妻夫木聡『浅田家!』成田凌『窮鼠はチーズの夢を見る』星野源『罪の声』渡辺謙『Fukushima 50』・優秀助演女優賞江口のりこ『事故物件 恐い間取り』黒木華『浅田家!』後藤久美子『男はつらいよ お帰り 寅さん』桃井かおり『一度も撃ってません』安田成美『Fukushima 50』・新人俳優賞服部樹咲『ミッドナイトスワン』蒔田彩珠『朝が来る』森七菜『ラストレター』岡田健史『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』奥平大兼『MOTHER マザー』永瀬廉『弱虫ペダル』(C)日本アカデミー賞協会
2021年01月27日1月26日、第44回日本アカデミー賞の優秀賞が選ばれ、優秀作品賞に『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』の5作品が選ばれた。コロナ禍による映画館休業などを考慮し、今回は2019年12⽉16⽇(⽉)〜2020年12⽉31⽇(⽊)までに公開され、選考基準を満たした作品(⽇本映画154作品、外国映画210作品)に対し、⽇本アカデミー賞協会会員(3953名)の投票が実施された。今回は⽻⿃慎⼀と、昨年外国⼈俳優で初の最優秀主演⼥優賞を受賞したシム・ウンギョンが司会を務め受賞者を迎える。羽鳥は、「今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです」とコメント。シム・ウンギョンは「司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております」と意気込みを語っている。なお、授賞式は3⽉19⽇(⾦)にグランドプリンスホテル新⾼輪にて開催される。優秀賞受賞者や新⼈俳優賞受賞者が⼀堂に会し、優秀賞の中から最優秀賞が発表される。第44回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『浅田家!』『男はつらいよ お帰り 寅さん』『罪の声』『ミッドナイトスワン』『Fukushima 50』■優秀アニメーション作品賞『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『映画 えんとつ町のプペル』『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』『ジョゼと虎と魚たち』『STAND BY ME ドラえもん2』■優秀監督賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)河瀨直美(『朝が来る』)土井裕泰(『罪の声』)中野量太(『浅田家!』)若松節朗(『Fukushima 50』)■優秀主演男優賞小栗旬(『罪の声』)草彅 剛(『ミッドナイトスワン』)佐藤浩市(『Fukushima 50』)菅田将暉(『糸』)二宮和也(『浅田家!』)■優秀主演女優賞小松菜奈(『糸』)永作博美(『朝が来る』)長澤まさみ(『コンフィデンスマンJP ブリンセス編』)長澤まさみ(『MOTHER マザー』)広瀬すず(『一度死んでみた』)■優秀助演男優賞宇野祥平(『罪の声』)妻夫木 聡(『浅田家!』)成田 凌(『窮鼠はチーズの夢を見る』)星野 源(『罪の声』)渡辺 謙(『Fukushima 50』)■優秀助演女優賞江口のりこ(『事故物件 恐い間取り』)黒木 華(『浅田家!』)後藤久美子(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)桃井かおり(『一度も撃ってません』)安田成美(『Fukushima 50』)■優秀脚本賞内田英治(『ミッドナイトスワン』)中野量太/菅野友恵(『浅田家!』)野木亜紀子(『罪の声』)前川洋一(『Fukushima 50』)山田洋次/朝原雄三(『男はつらいよ お帰り 寅さん』)■新人俳優賞服部樹咲(『ミッドナイトスワン』)蒔田彩珠(『朝が来る』)森 七菜(『ラストレター』)岡田健史(『望み』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『弥生、三月-君を愛した30年-』)奥平大兼(『MOTHER マザー』)永瀬 廉(『弱虫ペダル』)【授賞式司会者からのコメント】<⽻⿃慎⼀(第43回授賞式に続き2回⽬)>「この賞は、映画に関わる今年1年の総決算、1年に1度のお祭りなんだ」と去年お伺いしました。今年もそのお祭りに進⾏役・サポート役として携わらせていただきます。緊張はしますが、晴れの舞台を特等席で観られるという、こんな素晴らしい機会に⽴ちあうことができます。普段、集うことができない第⼀線の俳優さんが⼀堂に会します。去年、「この⽅々はこういう関係性なんだ」と感じることができました。今年も間近ででそれぞれの俳優さんの知られざる関係性を知ることができるのがとても楽しみです。<シム・ウンギョンさん(第43回授賞式にて、『新聞記者』で最優秀主演⼥優賞受賞)今年も素晴らしい作品が多いので、受賞者の皆さんにお会いして、お話をお伺いするのを楽しみにしています。昨年、本当に貴重な賞をいただいて、未だに感謝の気持ちや喜びがあふれています。今年は司会者として授賞式に参加します。司会を務めるのは⼈⽣で初めてですので、しっかりと⾔葉を届けられるように、⽇本語の勉強を頑張っております。よろしくお願いします。【「第44回⽇本アカデミー賞 授賞式」実施概要】実施⽇:3⽉19⽇(⾦)会場:グランドプリンスホテル新⾼輪 国際館パミール司会:⽻⿃慎⼀、シム・ウンギョン副賞協⼒:ブルガリ協賛:サラヤ 横井定
2021年01月27日全米映画批評家協会賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『ノマドランド』。今作ではほかに、クロエ・ジャオが監督賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞を受賞した。主演男優賞は『ザ・ファイブ・ブラッズ』のデルロイ・リンドー。助演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のポール・レイシー、助演女優賞は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』のマリア・バカローヴァ。脚本賞は『First Cow』のイライザ・リットマンだった。文=猿渡由紀『ノマドランド』3月26日(金)公開
2021年01月11日ゴールデングローブ賞を主催するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)が、映画『Minari』を作品賞ではなく外国語映画賞の選考対象とすることを発表。ルル・ワン監督、フィル・ロード監督、ダニエル・デイ・キム、シム・リウなど多くの映画人から批判が上がっている。ゴールデングローブ賞の作品賞の選考対象となるには、全編を通して少なくともセリフの半分以上が英語でなければならないというルールがある。これに則り、HFPAは『Minari』を“外国語映画枠”に当てはめたのだろう。しかし、『Minari』は韓国語を話すキャラクターたちが主役ではあるものの、韓国からアメリカ・アーカンソー州に移民してきた一家を中心に描き、監督はアメリカ人のリー・アイザック・チョンだ。HFPAを批判した1人のワン監督は、「私は今年、『Minari』ほどアメリカらしい映画を観ていません。これは、“アメリカ”を舞台に、移民一家がアメリカン・ドリームを追い求める物語。英語話者であるというだけでアメリカ人だとみなす時代遅れなルールは、本当に変える必要があります」と『Minari』を作品賞の選考対象にするべきだとツイッターで主張している。『シャン・チー』(原題)でMCU初のアジア人ヒーローに抜擢されたシム・リウは、「念のために言っておきますが、『Minari』はアメリカ人のフィルムメーカーが脚本を書き、監督し、アメリカの製作会社がプロデュースしたアメリカ映画で、主役はアメリカ人、舞台はアメリカです」と『Minari』がいかにアメリカらしいアメリカ映画であるかを説いた。(Hiromi Kaku)
2020年12月24日日曜日(現地時間)、第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞が発表された。作品賞を受賞したのは、Amazonのアンソロジー映画『Small Axe』。同協会賞の歴史において、複数の映画で構成されたアンソロジー映画が作品賞を受賞したのは初めて。同作はエミー賞や全米映画俳優組合賞などでは、「リミテッド・シリーズ」部門で選考される模様だ。主演男優賞には、今年8月に結腸がんのため43歳で亡くなったチャドウィック・ボーズマンが選ばれた。遺作である『マ・レイニーのブラックボトム』での好演が話題となっており、これから開催される数々の授賞式でのノミネーションや受賞が予想されている。主な受賞リスト作品賞受賞:『Small Axe』(スティーヴ・マックイーン監督)次点:『ノマドランド』(クロエ・ジャオ監督)監督賞受賞:クロエ・ジャオ監督(『ノマドランド』)次点:スティーヴ・マックイーン監督(『Small Axe』)主演男優賞受賞:チャドウィック・ボーズマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:リズ・アーメッド(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)主演女優賞受賞:キャリー・マリガン(『Promising Young Woman』)次点:ヴィオラ・デイヴィス(『マ・レイニーのブラックボトム』)助演男優賞受賞:グリン・ターマン(『マ・レイニーのブラックボトム』)次点:ポール・レイシー(『サウンド・オブ・メタル-聞こえるということ-』)助演女優賞受賞:ユン・ヨジョン(『Minari』)次点:アマンダ・サイフリッド(『Mank/マンク』)脚本賞受賞:『Promising Young Woman』(エメラルド・フェンネル)次点:『Never Rarely Sometimes Always』(エリザ・ヒットマン)(Hiromi Kaku)
2020年12月21日ヨーロッパ映画賞の作品賞に、デンマークの『Another Round』が選ばれた。今作ではさらにトマス・ヴィンターベアが監督賞と脚本賞(共同脚本家と一緒に受賞)、主演のマッツ・ミケルセンが男優賞を受賞している。この映画はロンドン映画祭、サンセバスチャン映画祭でも受賞しており、次のオスカーでも健闘しそうだ。女優賞は『Undine』のパウラ・ベーア、ドキュメンタリー賞はルーマニアの『Collective』が受賞した。文=猿渡由紀
2020年12月14日村上春樹の短編小説「ドライブ・マイ・カー」が映画化。同作は第94回アカデミー賞にて日本映画初となる作品賞、脚色賞に加えて監督賞、国際長編映画賞にノミネートされる快挙を達成。そして、2022年3月28日(月)に開催された第94回アカデミー賞 授賞式にて、国際長編映画賞を受賞した。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。村上春樹の短編小説が「ドライブ・マイ・カー」映画化村上春樹が2013年に発表した短編小説「ドライブ・マイ・カー」。舞台俳優の家福(かふく)を主人公に、亡き妻の記憶が呼び起こす深い喪失感と仄かな希望を綴ったこの物語を、『寝ても覚めても』(カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品)、『スパイの妻〈劇場版〉』(ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞)で脚本を担当した気鋭・濱口竜介が映画化する。登場人物/キャストかねてから『ドライブ・マイ・カー』の映画化を切望していたという濱口のもとに集まったのは、実力を備えた豪華キャスト達。『サイレント・トーキョー』『奥様は、取り扱い注意』の西島秀俊を主演に、『ロマンスドール』の三浦透子、『さんかく窓の外側は夜』の岡田将生、『ノルウェイの森』の霧島れいかが、メインキャラクターを演じる。主人公・家福悠介(西島秀俊)舞台俳優・演出家。脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていたが、秘密を残したまま妻は死去。そして、演劇祭で演出のため、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで、寡黙な専属ドライバーみさきに出会う。家福の希望へと一歩踏み出す心の機微を、西島秀俊が繊細に表現する。渡利みさき(三浦透子)主人公・家福の愛車を運転するドライバー。寡黙でありながら、芯のある女性。みさきと過ごすことで、家福は目を背けていたあることに気づかされていく…。⾼槻耕史(岡田将生)家福の妻・音と親密そうな気配を漂わせる 俳優。物語を大きく動かすキーパーソン。家福⾳(霧島れいか)秘密を抱えたままこの世を去った、家福の妻。脚本家。日本映画史上初、第94回アカデミー賞で作品賞&脚色賞にノミネート映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回アカデミー賞にて作品賞・脚色賞・監督賞・国際長編映画賞の全4部門にノミネート。作品賞・脚色賞にノミネートに日本映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙となり、映画史に新たな歴史を刻む作品となった。なお、監督賞ノミネートは1986年の黒澤明監督映画『乱』以来、国際長編映画賞は2019年の是枝裕和監督映画『万引き家族』以来となる。第94回アカデミー賞で国際長編映画賞『おくりびと』以来13年ぶり3月28日(月)開催の第94回アカデミー賞 授賞式で、映画『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞。日本映画が同部門を受賞するのは滝田洋二郎監督の『おくりびと』以来13年ぶりだ。<濱口竜介監督 国際長編映画賞 受賞コメント>Thank you very much. Ohh..You are the Oscar.アカデミーの皆さまへ感謝いたします。ヤヌスフィルムとサイドショウとワーナーメディア150とシネティック、この映画をアメリカに持ってきてくれてありがとう。ここにいる出演者のみなさんに感謝します。⻄島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさんおめでとうございます!また、ここに来れなかった出演者のみなさんにも感謝します。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!みなさん獲りました!第74回カンヌ国際映画祭で脚本賞なお、第74回カンヌ国際映画祭では、日本映画として初となる脚本賞を受賞。また授賞式を前に発表された同映画祭の独立賞である国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI賞)、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も獲得した。国際映画批評家連盟賞を日本映画が受賞するのは黒沢清監督『回路』以来20年ぶり。また、AFCAE賞は、これまでにパルムドール受賞作『パラサイト 半地下の家族』などの受賞歴がある名誉ある賞だ。第79回ゴールデングローブ賞で非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)また第79回ゴールデングローブ賞においては、<非英語映画賞受賞(旧外国語映画賞)>を受賞。日本映画として、同映画賞の外国語映画賞にノミネートされる日本映画は、是枝裕和監督『万引き家族』(2019)以来3年ぶりの出来事であり、受賞は62年ぶりだ。第56回全米批評家協会賞では、作品賞、監督賞(『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』の2作品に対して)、脚本賞、主演男優賞の主要4部門を受賞。第45回日本アカデミー賞8部門で優秀賞第45回日本アカデミー賞では、作品賞を含む最多8部門で最優秀賞を獲得し、賞レースを席巻した。<映画『ドライブ・マイ・カー』あらすじ>舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく…。◆作品詳細映画『ドライブ・マイ・カー』公開日:2021年8月20日(金) TOHO シネマズ日比谷ほか全国ロードショー監督・脚本:濱口竜介出演:西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいか原作:村上春樹「ドライブ・マイ・カー」2013年初出、短編小説集『女のいない男たち』(文春文庫、2014年)所収配給:ビターズ・エンド
2020年11月01日アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、2024年の第96回アカデミー賞から適用する、作品賞についての新しい応募資格を発表した。「Academy Aperture 2025」と銘打った、多様性と包括性を推進する新基準に基づいたものだという。アカデミーの会長デヴィッド・ルービンとCEOのドーン・ハドソンの声明によれば、新基準は「私たちの業界において、長く続く促進剤となり、本質的な変化になるだろう」と自信を見せている。作品賞の応募資格は、大きく分けて4つ(基準A~D)あり、そのうち少なくとも2つをクリアしていなければならない。また、基準A~Dの中にも複数の条件があり、これらの1つないしは全てを網羅しなければならない。たとえば基準A「スクリーン上の表現、テーマ、物語」には、A.1からA.3までの条件があり、そのうち2つを満たしていることが必要だ。A.1は主演または重要な助演俳優の少なくとも1人がアジア人、黒人、ラテン系、その他少数民族であること。A.2は二番手または脇役の少なくとも30パーセントが、「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」の2つを占めていること。A.3はストーリー展開、テーマ、物語が「女性、少数民族、LGBTQ+、障害者」に沿った内容であること。その他、出演者だけでなく、スタッフや見習い生、インターンなどについても条件を明示し、全体的にまさに「多様性と包括性を推進する」内容となっている。(Hiromi Kaku)
2020年09月09日エミー賞を主催する「テレビジョン・アカデミー」が、2021年3月から適用される新しいルールを発表した。先月末に「映画芸術科学アカデミー」がアカデミー賞のルールを変更したことが大きく影響した模様。今年は新型コロナウイルスの影響でほぼ全ての映画館が営業中止になったため、「映画芸術科学アカデミー」は、アカデミー賞のノミネート資格を得るための条件「ロサンゼルス郡で7日間以上上映しなければならない」というルールを一時的に廃止。劇場公開日を設定していた作品なら、デジタル配信のみでの公開でも可能と決定した。「テレビジョン・アカデミー」は声明文の中で、「映画芸術科学アカデミー」が発表したこのルール変更を支持すると表明した上で、「アカデミー賞にノミネートされた作品は、エミー賞では選考対象外とする」というエミー賞側のルール変更も明らかにした。ここ数年、特にドキュメンタリー作品の「映画」と「テレビ」の境界線があいまいとなっており、アカデミー賞とエミー賞のどちらにもノミネートされたり、受賞するという作品が増えている。昨年は「ナショナルジオグラフィック」の長編ドキュメンタリー映画『フリーソロ』がアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を獲得し、エミー賞でも7部門受賞を果たした。(Hiromi Kaku)
2020年05月08日第43回日本アカデミー賞の授賞式が6日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、最優秀主演男優賞を受賞した松坂桃李が登場した。昨年の第42回日本アカデミー賞では、最優秀助演男優賞を受賞した松坂。今年は映画『新聞記者』で最優秀主演男優賞に輝いた。優秀主演男優賞を受賞した菅田将暉と並ぶと、実は連絡先も知らないという2人の関係について「不思議な感覚なんですよね。僕はライバルという風にも思ってますし、同じ事務所の一人として、同志とも思ってますし」とコメントする一幕も最優秀賞の受賞が発表されると、驚いた様子で登壇し、「ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました」とコメントすると、最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンも見守った。『新聞記者』はさらに、作品賞も受賞。松坂は「ここにいないスタッフとも、喜びを分かち合いたい」と喜び、ウンギョンは「計り知れません。本当に光栄です」と笑顔を見せた。○最優秀主演男優賞 松坂桃李 コメントこの作品は僕の知る限りでは実現するまでに二転三転四転、五転くらいおそらく色々なことがあって、それでもこの作品をしっかりと映画を見てくださる方に届けたいという人が一致団結し、藤井監督の舵の元、撮影を終えることができました。僕自身も、10年ちょっと(俳優を)やってきて、ハードルが高い役だなと思いましたが、ウンギョンさんと一緒にお芝居をすることがで きて最後まで駆け抜けることができました。何より、「この作品で頑張ってこい」「行ってこい」と行ってくれた事務所のマネージャーさん、社長含めて後押ししてくれて嬉しい気持ちでいっぱいです。今日という日を糧に、また新たに作品の一部に自分がちゃんとなれるようにいけたらと思っております。今回は本当にありがとうございました。■最優秀賞受賞リスト作品賞…『新聞記者』監督賞…武内英樹(『翔んで埼玉』)主演男優賞…松坂桃李(『新聞記者』)主演女優賞…シム・ウンギョン(『新聞記者』)助演男優賞…吉沢亮(『キングダム』)助演女優賞…長澤まさみ(『キングダム』)アニメーション作品賞…『天気の子』外国作品賞…『JOKER』新人賞…岸井ゆきの、黒島結菜、吉岡里帆、鈴鹿央士、森崎ウィン、横浜流星(C)日本アカデミー賞協会
2020年03月06日インディペンデント・スピリット賞が発表された。作品賞に輝いたのは、『フェアウェル』。この部門のほかの候補作は、『マリッジ・ストーリー』『名もなき生涯』『アンカット・ダイヤモンド』『Clemency』だった。主演男優賞は『アンカット・ダイヤモンド』のアダム・サンドラー、主演女優賞は『ジュディ 虹の彼方に』のレニー・ゼルウィガー。助演男優賞は『ライトハウス』のウィレム・デフォー、助演女優賞は『フェアウェル』のチョウ・シュウチン。監督賞は『アンカット・ダイヤモンド』のベニー&ジョシュ・サフディ、脚本賞は『マリッジ・ストーリー』のノア・バームバック。国際映画賞は『パラサイト/半地下の家族』だった。文=猿渡由紀『フェアウェル』4月10日(金)公開
2020年02月10日アニー賞の結果が発表された。作品賞を受賞したのはNetflixオリジナルの『クロース』。インディーズ作品賞は、Netflixが世界配信権を獲得したフランスの『失くした体』だった。日本からはインディーズ作品部門に『天気の子』『プロメア』『若おかみは小学生!』がノミネートされていた。これら3本はいずれも無冠に終わったが、意外だったのは『トイ・ストーリー4』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』、またゴールデン・グローブを受賞した『Missing Link』も無冠だったこと。『アナと雪の女王2』も、ジョシュ・ギャッドが声優部門を受賞したのにとどまっている。過去にはピクサー、ディズニーが制覇してきたオスカーの長編アニメ部門も、今年は予測が難しくなりそうである。文=猿渡由紀
2020年01月27日日本のみならず世界中で大ヒットした『ジョーカー』をはじめ、今年も話題となっているアカデミー賞。中でも作品賞にノミネートされる映画は毎年良作揃いで、見ごたえのあるものばかり。とりわけ今年は、近年稀に見るほど授賞式以前に劇場で鑑賞できる作品賞ノミネート作が多いことでも注目されている。マット・デイモン&クリスチャン・ベイル主演『フォードvsフェラーリ』公開中マット・デイモンとクリスチャン・ベイル、アカデミー俳優の2人を主演に起用し、歴史上最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった男たちの奇跡のような挑戦の実話を描いた『フォードvsフェラーリ』。舞台は世界が熱狂した1966年のル・マン24時間レース。歴史を変えた、2人の男の熱い友情と、チームの絆、そして不可能に挑戦し続ける姿を描いた奇跡の大逆転の物語には共感する人が続出中。本年度アカデミー賞では作品賞のほか、編集賞、録音賞など4部門にノミネートされ、レースをテーマにした映画としては初めて作品賞にノミネートされた。さらに先日、本国で発表されたように、ディズニーとの合併に伴い「20世紀フォックス」は「20世紀スタジオ」に名称変更されるため、オープニングの「20世紀FOX」のロゴは本作で見納め。映画ファンにとってはその意味でも見逃せない1本となっている。ポン・ジュノ監督&ソン・ガンホ『パラサイト 半地下の家族』公開中カンヌ国際映画祭にて、審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、各国で大ヒットとなっている超話題作。『殺人の追憶』『グエムル漢江の怪物』『スノーピアサー』の監督ポン・ジュノとソン・ガンホが4度目のタッグを組み、本作では、あらゆるジャンルを完璧に融合させながら、いま世界が直面している貧富格差への痛烈な批判をも内包した超一級のエンターテインメントとなっている。本年度アカデミー賞では、韓国映画初となる作品賞、監督賞(ポン・ジュノ)のほかに、国際長編映画賞、脚本賞、編集賞など6部門にノミネート。タイカ・ワイティティ監督、空想上のヒトラーにも『ジョジョ・ラビット』公開中『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が、第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を辛辣なユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞したヒューマン・エンターテイメント作品。本年度アカデミー賞では、作品賞のほかに、助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、脚色賞など6部門にノミネートされている。マーティン・スコセッシ監督&ロバート・デ・ニーロ『アイリッシュマン』Netflix配信中&劇場公開中『タクシードライバー』『レイジング・ブル』など数々の名作を生み出してきた巨匠マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロが、『カジノ』以来22年ぶり9度目のタッグ。裏社会のボスに長年仕えてきた殺し屋(デ・ニーロ)が秘密と暴力にまみれた自らの半生をふり返る。最新VFXで“若返った”ベテラン俳優たちにも注目。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか監督賞(マーティン・スコセッシ)、助演男優賞(アル・パチーノ、ジョー・ぺシ)など、9部門10ノミネートされている。スカーレット・ヨハンソン&アダム・ドライバー主演『マリッジ・ストーリー』Netflix配信中&劇場公開中『イカとクジラ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』のノア・バームバック監督が、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーを主演に迎え、離婚のプロセスに戸惑い、子の親としてのこれからに苦悩する夫婦の姿を、リアルで辛辣ながら思いやり溢れる視点で描いた話題作。本年度アカデミー賞では、作品賞のほか主演男優賞(アダム・ドライバー)、主演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、助演女優賞(ローラ・ダーン)ほか6部門でノミネートされている。そのほか、“全編ワンカット”サム・メンデス監督の『1917 命をかけた伝令』は2月14日(金)から、名作小説「若草物語」をグレタ・ガーウィグ監督が新たな視点で映画化した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は3月27日(金)からと、アカデミー賞の結果が出た後での日本公開作品も。第92回アカデミー賞授賞式は日本時間2月10日(現地時間2月9日)に開催される。(text:cinemacafe.net)■関連作品:フォードvsフェラーリ 2020年1月10日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox Film Corporation【Netflix映画】アイリッシュマン 2019年11月27日よりNetflixにて全世界同時配信開始パラサイト 半地下の家族 2020年1月10日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開© 2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVEDジョジョ・ラビット 2020年1月17日より全国にて公開©2019 Twentieth Century Fox&TSG Entertainment
2020年01月25日2020年の「エランドール賞」各賞が17日に発表され、新人賞に神木隆之介、安藤サクラ、横浜流星、清原果耶、吉沢亮、橋本環奈が選ばれた。授賞式は、2月6日に都内のホテルで行われる。一般社団法人 日本映画テレビプロデューサー協会が主催する「エランドール賞」は、1年を通して優秀な活躍をした俳優や映画・ドラマなどを表彰するもの。その他の賞は、プロデューサー賞に、映画『翔んで埼玉』の若松央樹氏(フジテレビ)、古郡真也氏(FILM)、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の清水拓哉氏(NHK)、家冨未央氏(同)、大越大士氏(テイクファイブ)。プロデューサー奨励賞に、映画『蜜蜂と遠雷』の石黒裕亮氏(東宝)、TBS系ドラマ『凪のお暇』の中井芳彦氏(TBS)を選出。また、特別賞には、映画『新聞記者』製作チームが選ばれた。
2020年01月17日「第43回日本アカデミー賞」の正賞15部門各優秀賞および新人俳優賞・正賞外賞が1月15日(水)に発表された。なお、司会は羽鳥慎一と安藤サクラが務める。優秀作品賞最多12部門は『翔んで埼玉』優秀作品賞に選出されたのは、『キングダム』、『新聞記者』、『翔んで埼玉』、『閉鎖病棟―それぞれの朝―』、『蜜蜂と遠雷』と強力なエンターテインメント作品から社会派作品まで、例年と比較しても実にバラエティに富んだ5本となった。最多12部門を受賞したのは、島谷能成会長が「新しい観客を掘り起こした」と評した『翔んで埼玉』。次いで11部門受賞は『閉鎖病棟―それぞれの朝―』、次に『キングダム』が8部門となっている。なお、第43回日本アカデミー賞は、2018年12月16日~19年12月15日に東京地区の商業映画劇場にて有料で初公開され、1日3回以上、2週間以上継続して上映された40分以上の劇場用劇映画及びアニメーション作品が対象になっている。司会の羽鳥さん&安藤さんが意気込みこれまで授賞式会場でのインタビューやテレビ放送司会の経験はあれど、今回初の司会に抜擢された羽鳥さん。「当日はひとつの作品に多くの方が携わって久々に会う日、同窓会のような場の認識を持ちながら、少しでも授賞式がたくさんの笑顔で包まれるような会になるように、貢献したいという思いで参加します」と神妙な面持ちで語った。しかし、誰にどんな話を聞きたいかという質問が飛ぶと、羽鳥さんは「助演男優賞の岡村隆史の文字を見たとき、すごく安心しました。ひとつ休憩場所にして、あとは緊張感の中、頑張っていきたいと思います」と場内の笑いを誘った。同じく司会を行うのは、第42回同賞で『万引き家族』にて最優秀主演女優賞を受賞した安藤さん。『百円の恋』以来2回目の司会となる安藤さんは、「前回初めてやったとき、なんて特別な時間だろう、特等席だな、とずっと思いながら司会をしていました。2回目だからということで、気が緩まないように、より一層緊張感を持って受賞者の皆さんにとって素敵な時間になることを一番に頑張ってやらせていただきたいです」と笑顔で楽しそうに決意表明していた。主な優秀賞受賞リストは、以下の通り■優秀作品賞『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟-それぞれの朝-』『蜜蜂と遠雷』■優秀アニメーション作品賞『空の青さを知る人よ』『天気の子』『名探偵コナン 紺青の拳』『ルパン三世 THE FIRST』劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』■優秀監督賞佐藤信介『キングダム』周防正行『カツベン !』武内英樹『翔んで埼玉』平山秀幸『閉鎖病棟-それぞれの朝-』藤井道人『新聞記者』■優秀脚本賞片島章三『カツベン !』詩森ろば/高石明彦/藤井道人『新聞記者』徳永友一『翔んで埼玉』平山秀幸『閉鎖病棟―それぞれの朝―』三谷幸喜『記憶にございません!』■優秀主演男優賞笑福亭鶴瓶『閉鎖病棟-それぞれの朝-』菅田将暉『アルキメデスの大戦』中井貴一『記憶にございません!』松坂桃李『新聞記者』GACKT『翔んで埼玉』■優秀主演女優賞シム・ウンギョン『新聞記者』二階堂ふみ『翔んで埼玉』松岡茉優『蜜蜂と遠雷』宮沢りえ『人間失格太宰治と3人の女たち』吉永小百合『最高の人生の見つけ方』■優秀助演男優賞綾野剛『閉鎖病棟-それぞれの朝-』伊勢谷友介『翔んで埼玉』柄本佑『アルキメデスの大戦』岡村隆史『決算!忠臣蔵』佐々木蔵之介『空母いぶき』吉沢亮『キングダム』■優秀助演女優賞天海祐希『最高の人生の見つけ方』小松菜奈『閉鎖病棟-それぞれの朝-』高畑充希『こんな夜更けにバナナかよ愛しき実話』長澤まさみ『キングダム』二階堂ふみ『人間失格太宰治と3人の女たち』■新人俳優賞岸井ゆきの『愛がなんだ』黒島結菜『カツベン !』吉岡里帆『見えない目撃者』『パラレルワールド・ラブストーリー』鈴鹿央士『蜜蜂と遠雷』森崎ウィン『蜜蜂と遠雷』横浜流星『愛唄 -約束のナクヒト-』『いなくなれ、群青』『チア男子!!』授賞式は3月6日(金)にグランドプリンスホテル新高輪の国際館パミールで行われ、各部門の最優秀賞が発表される。(cinamacafe.net)
2020年01月15日1月15日、第43回日本アカデミー賞の優秀賞が発表され、優秀作品賞に『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』の5作品が選ばれた。正賞15部門のなかでは『翔んで埼玉』が最多12部門、『閉鎖病棟—それぞれの朝—』が11部門の優秀賞に輝いた。授賞式で司会を務めるのは、昨年『万引き家族』で最優秀主演女優賞を受賞した安藤サクラと、フリーアナウンサーの羽鳥慎一。羽鳥は、昨年まで6年連続で司会を務めていた西田敏行からバトンを受けるという大役だが「日本テレビに在籍時代、インタビューアとして何度か賞に参加したことはあったのですが、俳優さんに直接お話を聞く機会はなかったので、緊張しますね」と語っていたが「でも映画は大好きなので、機会をいただけて嬉しいです」と笑顔を見せる。さらに羽鳥は「日本アカデミー賞というのは、映画に携わる人が選ぶ大切な賞。作品に参加したスタッフやキャストたちが久々に再会する場でもあるので、たくさんの笑顔を引き出せるように務めたい」と意欲を見せた。一方、2度目の司会となる安藤は「前回『なんて特別な時間なんだ』と感じたことを思い出します。あのときの経験は大きな財産になりました。2回目だからといって気を緩めることなく、より緊張感を持って臨みたいです」と意気込む。また受賞者の一覧を見た安藤は「普段、俳優さんや女優さんにインタビューすることがないので、緊張しますし、先輩にお話を聞くのはおこがましいと思ってしまうかもしれませんが、せっかくのチャンスなので、一視聴者として、素直に聞きたいことをぶつけてみたいです」と抱負を語っていた。今年から日本アカデミー賞協会の会長に就任した島谷能成氏は、昨年まで司会を務めた西田に対して「西田さんの作品への愛や、受賞者への溢れる友情や思いのおかげで、温かい雰囲気の授賞式になりました」と感謝を述べると、興行成績が好調だった2019年の日本映画界を振り返り、「受賞リストを見ると『翔んで埼玉』など、新しい層の鑑賞者を開拓できた年だったなと思います」と総括していた。第43回日本アカデミー賞の主な受賞結果は以下の通り。■優秀作品賞『キングダム』『新聞記者』『翔んで埼玉』『閉鎖病棟—それぞれの朝—』『蜜蜂と遠雷』■優秀アニメーション作品賞『空の青さを知る人よ』『天気の子』『名探偵コナン 紺青の拳』『ルパン三世 THE FIRST』『ONE PIECE STAMPEDE』■優秀監督賞佐藤信介(『キングダム』)周防正行(『カツベン!』)武内英樹(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)藤井道人(『新聞記者』)■優秀主演男優賞笑福亭鶴瓶(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)菅田将暉(『アルキメデスの大戦』)中井貴一(『記憶にございません!』)松坂桃李(『新聞記者』)GACKT(『翔んで埼玉』)■優秀主演女優賞シム・ウンギョン(『新聞記者』)二階堂ふみ(『翔んで埼玉』)松岡茉優(『蜜蜂と遠雷』)宮沢りえ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)吉永小百合(『最高の人生の見つけ方』)■優秀助演男優賞伊勢谷友介(『翔んで埼玉』)柄本佑(『アルキメデスの大戦』)岡村隆史(『決算!忠臣蔵』)佐々木蔵之介(『空母いぶき』)吉沢亮(『キングダム』)■優秀助演女優賞天海祐希(『最高の人生の見つけ方』)小松菜奈(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)高畑充希(『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』)長澤まさみ(『キングダム』)二階堂ふみ(『人間失格 太宰治と3人の女たち』)■優秀脚本賞片島章三(『カツベン!』)詩森ろば/高石明彦/藤井道人(『新聞記者』)徳永友一(『翔んで埼玉』)平山秀幸(『閉鎖病棟—それぞれの朝—』)三谷幸喜(『記憶にございません!』)■新人俳優賞岸井ゆきの(『愛がなんだ』)黒島結菜(『カツベン!』)吉岡里帆(『見えない目撃者』『パラレルワールド・ラブストーリー』)鈴鹿央士(『蜜蜂と遠雷』)森崎ウィン(『蜜蜂と遠雷』)横浜流星(『愛唄—約束のナクビト—』『いなくなれ、群青』『チア男子!!』)取材・文・写真:磯部正和
2020年01月15日