劇団新派文芸部・齋藤雅文(さいとうまさふみ)の声掛けにより、水谷八重子、波乃久里子、河合雪之丞をはじめとした劇団新派の面々が集結した、一夜限りの特別公演「新派な夕べ劇場で会えなかったあなたのために...」が本日11月12日に上演された。この度、130年を超える“新派史上初となるオンライン配信公演”として、11月21日からイープラス「Streaming+」で一週間の期間限定配信を行うことが決定した。1888(明治21)年、文明開化とともに新しい演劇の流れとして起こり、江戸時代から続く歌舞伎を「旧派」とし、日本人の新たな生活に共鳴した「新派」。明治・大正・昭和の日本人を丹念に描き出す新派は、大衆に愛され、これまで多くの名作を生み出してきた。130年を超えるその歴史で生み出された名作の数々は、名優たちにより洗練され、磨き上げられてきた一方で、新派にしか出すことのできない、古き良き日本の情緒や風情、時代の匂いを纏う新作も生み出されている。その新派の話題作を生み出し続けているのが、劇団新派文芸部の齋藤。歌舞伎やミュージカル、大劇場のストレートプレイなど新派以外の舞台にもひっぱりだこの人気劇作家は、新作として次々と話題作を生み出し、三島由紀夫版とは異なる新たな魅力で再演を重ねた『黒蜥蜴』(2017・18・19年)や、映画版のインパクトが強い横溝正史の『犬神家の一族』(2018年)を新派版としてドラマティックに仕上げ、熱狂的な支持を集めた。その完成度の高さを受け、今年2月には横溝正史ミステリー第2弾として新派版『八つ墓村』を上演するも、公演中の2月28日、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止を余儀なくされ、6月に予定していた大阪公演も中止となった。6月は山田洋次演出の『東京物語』再演も中止となるなど、劇団新派は予定していた全ての公演がなくなったという。そんな状況下で新たに上演される「新派な夕べ 劇場で会えなかったあなたのために...」と題された本公演は、齋藤が立ち上げた劇団内ユニット「新派の子」企画として、『八つ墓供養』『湯島の春』という齋藤雅文書き下ろし2作品と、齋藤も「今聴ける最高のもの!」と絶賛する、新派珠玉の名作『明治一代女』を朗読劇として上演する豪華三本立て。新旧の新派名作を取り上げ、新派の魅力をとことん味わうことができるラインナップで、新派を堪能できるだけではなく、新派入門編としても楽しめる内容となっている。齋藤、水谷、波乃、河合のコメント全文は以下の通り。■齋藤雅文コメント春。ぜんぶの小屋が閉鎖された。どんどんどん。ここを開けておくれよ!どんどんどん。もうわがままはいわないから!これじゃまるで家なき子だ。急に家のみんなが恋しくなった。ちっとも帰っちゃいないから。くやしいけど、やっぱりぼくは、新派の子か。■水谷八重子コメント「怖い」の一言です。普段は鬘をかけると勝手に役になれますが、今回は朗読というスタイルですので、鬘や衣裳はありません。芸者の役では、曳いている裾は衣裳ではなく、身体の一部なんです。ですから、鎧を引っぺがされて生身で放り出されたような心持ちです(笑)。秀吉というお役は、哀しい女。新しい女の出現によって捨てられていく女で、決して敵役ではないですが、今回は敢えて敵役に徹していこうかなと思っています。とても気に入っているお役です。じっとしていられない質なので(笑)、今回、齋藤さんから何かやらなくちゃと言われて熱くなってしまいました。配信ではライブをよく観ています。21日に私もヤマハホールでライブをしますが、岩谷時子先生が数ある新派作品から10作品を歌にしてくださった「ATASHI」というアルバムを、久しぶりに歌います。作曲は新派を全くご存じない中村泰二先生。6月の『東京物語』も中止になってしまいましたので、山田洋次先生が作詞された歌も人前で初めてご披露します。そして、毎年暮れに開催している朗読『大つごもり』では、新派4年目の若手二人が主演を勤めます。東京プロジェクト「アートにエールを!」に認めていただき、今年はクリスマスでの開催です。命あるかぎり、お客様とご一緒にいたい私なんです。■波乃久里子コメント今年は、4歳で初舞台を踏んでから芸能生活70年の記念の年でございました。ところが、2月に公演途中で中止となった『八つ墓村』以来、長らく舞台から遠ざかっております。その間、甥の勘九郎に「マロンのお掃除ルーティン」を撮影してもらい、YouTubeで流してもらったところ、現在30万回近くの再生をいただいているそうです。ありがたいことですよね。私はオンライン配信と言われても甥っ子たちにやってもらわないと観ることが叶いませんが、私のような方も、是非この機会にご家族や親戚、知人友人の方と連絡を取ってみられてはいかがでしょうか。そして、新派をみなさんでご覧になりませんか?叶家お梅は、花柳章太郎先生や(初代水谷)八重子先生がなさってらしたお姿が今でも鮮明に残っています。朗読という形ですので、川口松太郎先生が書かれた台詞のひとつひとつをしっかりと、大切にしたい。近松門左衛門や河竹黙阿弥、シェイクスピアの台詞も、役者の肉体を通して放たれることで今日まで繋がってきたように、素敵な新派の世界をお伝えしていきたいですね。一幕目には、私の一番弟子の鴫原桂が『八つ墓村』の後日譚を楽しそうに勤めています。幕見でも、通しでも、新派初のオンライン配信ですので、“初物は縁起がいい!”ということで多くの方に観ていただけますと幸いに存じます。早く皆様と舞台でお会いできる日を楽しみに......それまでは、こちらの配信で新派に触れていただけますと嬉しいです。■河合雪之丞コメント齋藤さんから「新派の子」というネーミングを聞いたとき、すごく腑に落ちたというか、「あっそうだ、私たちは新派の子だ!」と納得をしました。いつになったら皆さんに舞台を見ていただけるのか毎日そのことばかり気になっていたときでした。まだまだ本舞台は無理だとしても、お客様の前に立てること、本当に嬉しく思います。今回、久里子さんと八重子さんとご一緒に『明治一代女』を朗読させていただきます。私が巳之吉!?驚きでしたがなんだかとても楽しみです。新鮮です!!配信も準備しているとのこと......皆様お見逃しのなきよう......。「新派な夕べ 劇場で会えなかったあなたのために...」■公演:11月12日(木)17時開演/品川・六行会ホール(東京都品川区北品川2-32-3)■演目:『八つ墓供養』『湯島の春』『明治一代女』■出演:水谷八重子波乃久里子河合雪之丞/尾上墨雪ほかオンライン配信■配信期間:【一週間限定配信】11月21日(土)12:00~11月27日(金)23:59■配信場所:イープラス「Streaming+」お申込みURL: ■チケット:通し券2,800円幕見券1,000円(税込)※11月21日(土)12:00~11月27日(金)21:00まで販売。期間中は何度でもご視聴いただけます。
2020年11月12日1月2日より東京・三越劇場で開幕した初春新派公演『大つごもり』/『寒菊寒牡丹』。同公演の本番を前に、日本橋三越本館1階中央ホールの特設ステージにて、水谷八重子、波乃久里子、勝野洋、市川月乃助による鏡開きが行なわれた。今回の公演は新派を代表する女方、花柳章太郎の没後五十年を追悼して行われる。『大つごもり』は樋口一葉の短編小説を久保田万太郎が脚色・演出した作品。明治中ごろ、資産家である山村家で働く女中みねが、借金に苦しむ伯父のために、奥様である山村あやに給料の前借りを申し出るが、道楽息子の石之助が久しぶりに家を姿を見せた事をきっかけに、その話は断ち切られてしまい・・・というあらすじ。また『寒菊寒牡丹』は川口松太郎が花柳に当てて書下ろした作品で、若き実業家に正妻として嫁ぐことになった売れっ子芸者の菊葉と、そんな彼女を心配そうに見守る先輩芸者妻吉を軸に、昭和初期、新橋花柳界に生きる人間模様を描いている。両作品とも、亡き名優縁の演目だ。水谷は同公演における自身の役柄についてふれ、「『大つごもり』のあや役は、市川翠扇先生という立派な新派の大物がお得意となさったお役でございます。どこまで気まぐれな女将さんが勤められますかどうか。そして、『寒菊寒牡丹』の妻吉というお役は、時代がすっかり変わって、人情不条理劇に感じられてしまうのではと怖くもありますが、若い3人(菊葉役をトリプルキャストで勤める瀬戸摩純、石原舞子、鴨原桂)の魅力のおかげで、素晴らしい花柳界のように、また、しばし現実を忘れることの出来る作品になると思っております。3人3様違う娘でございますので、どうか3回ご覧になって頂きたいです」と語った。『大つごもり』でおみね役を務める波乃は、鏡開きが行なわれた日本橋三越本館1階にあるまごころ像と呼ばれる天女の像にかけ「おみねは今でいうお手伝いさんで、まごころのある可愛い役でございます。この像のお陰できっと可愛いおみねを演じられると思っております」と話した。新派への出演は初めてという勝野は「水谷八重子さん、波乃久里子さん、市川月乃助さんという素晴らしい方々と出会い、今年はすごく縁起が良いのではないかと思っております」とコメント。また2年ぶりに新派の鏡開きに参加したという月乃助は「清々しい気持ちで新年を迎えさせて頂きました。舞台も清々しく勤めたいとは思っていますが、『大つごもり』で演じる山村石之助という役は多少ひねくれた、複雑な感情のお役でございます。千秋楽まで精一杯勤めたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します」と意気込んだ。初春新派公演『大つごもり』/『寒菊寒牡丹』は1月26日(月)まで、東京・三越劇場で上演。チケットは発売中。
2015年01月06日12月17日、東京・浅草寺で開催中の羽子板市に、女優の水谷八重子、波乃久里子、瀬戸摩純、石原舞子、鴨原桂、川上彌生が出席。2015年1月2日(金)より東京・三越劇場で開幕する初春新派公演『大つごもり』/『寒菊寒牡丹』をPRした。【チケット情報はこちら】水谷と波乃は自身がモチーフになった羽子板を持って会見に臨んだ。「私より羽子板の方が全然良いでしょう(笑)。これで羽をつくなんてもったいないくらい(笑)」(水谷)。「いただいた羽子板、勘三郎そっくり!やっぱり兄弟ですね(笑)」(波乃)と出来栄えに満足の様子。作品ついて水谷は「私たちは1月2日(金)より三越劇場で新春新派公演に出ます。2日からですよ!お休みは1月1日だけ(笑)。今、一生懸命稽古しています。それもこれも全てお客様のためなので、ぜひぜひ三越劇場にお運びください!」とコメント。また波乃も「1月2日(金)からやる舞台のひとつは『大つごもり』といって、寒くてどうしようもないというお芝居なんですが、今日の寒さはこれからの稽古に役立ちそうです(笑)。あと『寒菊寒牡丹』は菊葉と言う役を瀬戸さん、石原さん、鴨原さんのトリプルキャストで演じるので、3回見に来てくださいね(笑)」とPRした。水谷は2015年のの抱負について「来年は私が初舞台を踏んでから60年になるので、ただただ年を重ねた60年じゃなく、実り多い60年にしたいと考えていますので、皆様の力をお貸しください。また、新派は今年で127年目。新波というのは皆さんの生活とともにあります。生活は変わっていきますが、ここ浅草は新波に出てくる生活を残しています。どうか皆さん、それをなくさないよう、新波をお心の中に、いつもふるさととして据え置いてくださいませ。良いお年を迎えられることを願っております」と語った。初春新派公演『大つごもり』/『寒菊寒牡丹』は2015年1月2日(金)から1月26日(月)まで、東京・三越劇場で上演。チケットは発売中。
2014年12月19日米Beats Electronicsが、ソフトバンクモバイルとの提携を発表し、ソフトバンクショップでBeats by Dr. Dreのヘッドフォンやイヤフォンの取り扱いが始まった。去る4日、これを記念して東京都・港区のアンダーズ東京で「サウンド・シンポジウム」と題したイベントが催された。イベントにはまず、Beatsの代表であるLuke Wood氏が登壇。「今夜は『サウンド』について話したい」と述べ、今回の提携に関し「同じ価値や発想、文化を共有でき、限界に挑戦できるパートナーだ」とソフトバンクを讃えた。また、ソフトバンクショップで限定モデルの販売を行うことについても言及したのち、ソフトバンクモバイルの代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏を紹介。登壇した宮内氏は「われわれソフトバンクは7年前からiPhoneを販売しているが、その実績があったからこそBeatsともパートナーシップを築くことができたのではないか。500店舗以上あるソフトバンクショップでBeats製品の販売が始まることをとても楽しみにしている」と抱負を語った。宮内氏のスピーチの後、Luke氏はサウンドについての持論を展開した。「安価なポータブルオーディオ機器が増えたが、音質についての話題は減っていった。その一方で映像についてはHDがどうだとか爆発的に話題が増えた。その中で『サウンド』は取り残されてきた」と状況を憂いつつ「今夜は何組かアーティストを招いているので、その『サウンド』について語りたいと思う。自分にとって音楽はある種の物語でもある」と続け、ゲストを呼び込んだ。登壇したのは元Deee-LiteのTOWA TEI、元ZOO/EXILEのHIRO、m-floのVERBALの三氏。この三氏にLuke氏を交えて音楽談義がスタートした。トークでは「HIROさんが『DADA』というテレビ番組に出てた頃、バンドをm-floの☆Takuと始めていたが、同時にダンサーも目指していた(VERBAL)」、「パフォーマンスを披露したり音源を届ける上で、受け手となる人たちがどう感じるとか、どんな風にしたらストレートにメッセージが伝わるのかとか、その人たちに感動を与えるためにはどうしたらいいのかというところに拘りがある(HIRO)」、「EXILEとコラボレーションしてみたいですね、『Choo Choo TRAIN』の再構築とか(TOWA TEI)」など、音楽に対するそれぞれの想いが語られた。トーク終了後は、ピアニストの武村八重子と、ブレイクビーツユニット・HIFANAのセッションによるパフォーマンス、PKCZのDJが続き、イベントを大いに盛り上げた。
2014年12月12日来年1月、東京・三越劇場で行われる初春新派公演。出演者の水谷八重子、波乃久里子らが11月26日、都内で公演に向けて記者懇親会を開催した。初春新派公演 チケット情報新派を代表する女方、花柳章太郎の没後五十年を追悼して行う同公演。亡き名優縁の2演目、樋口一葉の短編小説を久保田万太郎が脚色・演出した『大つごもり』と川口松太郎が花柳に当てて書下ろした『寒菊寒牡丹』を上演する。懇親会で水谷は「花柳章太郎没後五十年ということで、ちょっとぞっとする気もするくらい、ついこの間のことのように覚えております。ひとりでも花柳先生の名演、魅力、日本の香りを大切に演じていきたいと思います。『寒菊寒牡丹』はトリプルキャストの菊葉がどう競って、どういう風に歯向かうか、自分のものにするか、女優の葛藤が間近に見られるのが楽しみです」と期待を寄せた。『寒菊寒牡丹』では、若き実業家に正妻として迎えられる売れっ子芸者、菊葉を瀬戸摩純、石原舞子、鴫原桂の3人が演じ、水谷はその菊葉に特別な思いを抱く姉さん芸者妻吉を演じる。一方、波乃は『大つごもり』で主演。大晦日、恩ある伯父一家のため奉公先の屋敷にあった手文庫の金に手をかけてしまう女中みねを演じる。「昨日新橋演舞場の千穐楽(新派特別公演十七世中村勘三郎十八世中村勘三郎追善)を終えまして、温度が冷め切っていない状態で今日の初春新派の懇親会。盆と正月が一度にきたような気持ちです。この温度が冷めないように皆様、宜しくお願いします。『大つごもり』は一世一代と銘打っておりますが、特別なことではなく、いつも一世一代と思って演じております」と意欲を語った。公演は1月2日(金)から26日(月)まで。チケットの一般発売は11月30日(日)午前10時より。
2014年11月28日12月20日、都内で『新橋演舞場 二月喜劇名作公演』の出演者による記者会見が行われ、水谷八重子、中村梅雀、渋谷天外、藤田朋子、英太郎、山村紅葉が公演に向ける意気込みを語った。演目には、『お種と仙太郎』『大当り高津の富くじ-江戸育ち亀屋伊之助-』『おやじの女』の3つが並ぶ。『お種と仙太郎』は、息子夫婦の仲の良さを妬んで嫁をいびる姑と、じっと耐える妻、そしてそんな関係を見るに見かねた周囲の人情を描いた作品で、今回は、2006年の京都・南座での公演に出演した英と山村が、ふたたび姑と嫁に扮して贈る。そして、「関西弁が苦手なので、どうかと思っていたら、江戸の人間に変えていただくことができた」と梅雀が語るのは、藤山寛美の得意演目を書き直した『大当り高津の富くじ-江戸育ち亀屋伊之助-』。「甘やかされて育った伊之助は、まっすぐで気の良い男。“こういうことがあったらいいな”と観ていながらホロッとくる、ほっこりと心が温まるような舞台にしたい」と抱負を語った。一方、『おやじの女』は、劇団新派と松竹新喜劇の本格的な共演に注目度が高い。死んだ義太夫語りの妻、愛人、弟が繰り広げる新喜劇作品で、波乃久里子、水谷、渋谷がそれぞれの役を演じる。水谷は言う。「“江戸の新派、大阪の新喜劇”というように同じような立場にあるもの同士が一度何かで正式にご一緒できればなと常々思っていました。そこに今度は元前進座の方(梅雀)まで加わって一座ができたのは、楽しみでうれしいこと。それぞれの劇団のカラーが一色に溶け込んだマーブルのような楽しさを出したいと思います」。なお、波乃は、5日に弟の中村勘三郎さんが亡くなったばかりということで記者会見に欠席。「喜劇公演の会見という楽しいお席で悲しい話題が出ましても申し訳ないと存じ、出席をご遠慮させていただくことにいたしました」と書面でメッセージを寄せた。『二月喜劇名作公演』は、東京・新橋演舞場にて2月1日(金)から24日(日)まで上演。チケットは12月25日(火)に一般発売を開始する。
2012年12月21日