常に時代の先端を走り続けてきた前衛作曲家にして、古典から現代までを横断するピアニスト。さらには、日本におけるジョン・ケージの紹介者にして、さまざまな企画を手掛けるオーガナイザーとしても名を馳せる一柳慧。その一柳の「神奈川芸術文化財団」芸術総監督就任20年を記念した画期的なプロジェクトが始動する(1月17日、2月13日、3月20日)。神奈川県民ホールにおける管弦楽撰集(2月13日)では、鈴木優人の新作ファンファーレが冒頭を飾り、一柳の代表作が披露される。「ビトゥイーン・スペース・アンド・タイム」と、新進気鋭のヴァイオリニスト成田達輝が独奏を務める「循環する風景」に、東日本大震災と並行して書かれた「交響曲第8番 リヴェレーション2011」の3曲は聴き応え十分。一方、神奈川県立音楽堂では、「エクストリーム LOVE」と題された3部構成のコンサートが開催される(3月 20 日)。第1部では、一柳自身がピアノを担当するベートーヴェン「クロイツェル・ソナタ」や、武満徹「一柳慧のためのブルーオーロラ」などなど、一柳慧にまつわる様々な要素が並べられる。第2部では、三味線の本條秀慈郎ほか邦楽界の若手をフィーチャー。邦楽器と一柳の蜜月ぶりを体験する。そして第3部では、1959年から61年にかけて作曲された「ピアノ音楽1~7」をパフォーマーとしても多角的に活躍するピアニスト河合拓始が披露する。上記2公演に先駆けて神奈川県民ホールギャラリーで開催される、チェンバロと笙による「音幻」公演(1月17日)では、一柳慧監修のもと、大山エンリコイサムのインスタレーションと、気鋭の音楽家、流尾真衣(チェンバロ)&三浦礼美(笙)の奏でる音楽が交錯するなど見どころ聴きどころ満載だ。20世紀から21世紀にかけて進化し続ける音楽シーンの中に存在し続ける一柳慧。戦火の東京でピアノを弾いていた少年は戦後、世界のアートの最先端、NYにわたり、美術、舞踊、建築、文学など、あらゆるジャンルの芸術シーンに影響を与えてきた。今回遭遇する「Toshi伝説」は、今も息づく一柳慧のスピリットを一気に体験する絶好のチェンスだ。●公演詳細:
2020年12月23日日本ギター界の大御所、荘村清志が、デビュー50周年を記念して、自らの音楽人生を振り返るエッセイを出版した。そのタイトル「弾いて飲んで酔いしれて」は、親交の深い詩人 谷川俊太郎氏からのプレゼントだという。荘村がギターとともに歩んだ50年は、日本ギター界の歴史と言っても過言ではない。前述の谷川俊太郎を始め、日本を代表する大作曲家 武満徹との交流や、スペイン武者修行と巨匠イエペスとの出会いなどが、貴重な写真とともに綴られる。これはまさに、荘村清志の人生と音楽への想いを凝縮した1冊に違いない。そして今なお現役バリバリのギタリストの言葉だけに説得力がある。なぜ荘村清志のギターの音色が人々の心を癒やすのか。なぜ人は荘村清志のプレイを愛すのか。その答えがこの素敵なエッセイの中に込められている。『荘村清志弾いて飲んで酔いしれてギターとともに50年』吉田純子(編著)/アルテスパブリッシング定価2,000円(税別)発売日:2020年12月14日
2020年12月01日俳優の小池徹平がYouTube公式チャンネル「小池さん家の『てっちゃんねる』」を開設し、11日より配信を開始した。普段から趣味で動画を撮っている小池が、プライベートの遊びから、世の中の気になること、YouTubeでしか出来ないことを配信していく。小池は、「今回、自粛期間で自分と向き合う時間をしっかりととることができ、今何ができるのだろう? と考えた結果、この度、新たな試みとしてYouTubeチャンネルを開設させて頂くことにしました」ときっかけを明かし、「テレビや舞台では普段観られないような一面や、チャレンジしていきたいこと、また世の中事として僕が発信していきたい情報など、様々な動画をどんどん公開していきたい」と意気込みを語った。12日現在、チャンネル開設を報告した「#0 小池徹平より皆様にご報告があります。」と、思い出の地で弾き語りを披露する「#1 小池徹平 ここから始まるYOUTUBE 路上ライブ」の2本が配信され、公式Twitterアカウントも開設されている。
2020年11月12日『COCOONMovie!!』初日舞台挨拶が6日にBunkamuraシアターコクーンで行われ、松尾スズキ、大竹しのぶ、宮沢りえ、小池徹平、中井美穂(MC)が登場した。同企画はシアターコクーン過去作品の収録映像蔵出し上映会となっており、芸術監督の松尾がこの20年間シアターコクーンで上演した作品の中から3作品(『女教師は二度抱かれた』『キレイ-神様と待ち合わせした女-』『ゴーゴーボーイズ ゴーゴーヘブン』)、初代・芸術監督である串田和美作品(『もっと泣いてよフラッパー』)、二代目・芸術監督である蜷川幸雄作品(『下谷万年町物語』)、松尾が“演劇を始めたころの素朴な喜び”を求めプロデュースした二人芝居『命、ギガ長ス』と、その創作過程を追った WOWOWオリジナル・ドキュメンタリー『ノンフィクションW 松尾スズキ 人生、まだ途中也』を上映する。演劇の配信なども増えているものの、松尾は今回の試みについて「大きなところでやったものは大きなところで見たいんじゃないか。どうせならコクーンという劇場が空いてる時間を使って、過去のものいっぱいありますから、上映できる機会があれば」と意図を明かす。大竹は「自分の出てる劇場中継とか見ること自体があまり好きじゃなくて。『アップになるな~!』みたいな」と苦笑。「あとは全体を見てお芝居なので……というのがあったんですけど、松尾さんのお話を聞いて、今だからこそできることだし、劇場の空気を味わいたいと思ってこの企画を考えてくれたことが素敵だなと思います」と称賛した。ラインナップの中でも、蜷川幸雄演出の『下谷万年町物語』に出演していた宮沢は「それまでも何度かご一緒できる機会があったんですけど、何せ弱虫な私はとけこむことができなくて。『下谷万年町物語』で改めて『ここで飛び込まなきゃ私はダメになると思ったところがあった」と振り返る。「本当にもう希望と絶望のシーソーに乗っているような。毎日稽古で叱咤を受け、死に物狂いでやってて、本番も暗転前にヒロポンを持って踊るシーンがあるんですけど、終わった直後にもう立てなくて。これ以上できないという限界を毎日超えていた」と語った。『キレイ-神様と待ち合わせした女-』に出演した小池は、「松尾さんが『歌を聞かせてくれ』というので、アカペラでWaTの『僕のキモチ』を1人で歌ったのを覚えています」と明かす。松尾は「小池君はコクーンのデビューが『キレイ』だったんだよね。すごく力が入ってます。力が入った小池君を見てください」と紹介し、小池は「ありがとうございます」と苦笑していた。
2020年10月06日TVアニメ『ONE PIECE』の主題歌も好評な5人組ダンス&ボーカルグループDa-iCE。グループのパフォーマーで、俳優としても活躍中の岩岡 徹さんが、グループやメンバーの魅力について語ります。自分にとってDa-iCEは奇跡みたいなもの。好奇心旺盛で、熱しやすく冷めやすいタイプ。僕自身は、自分の性格をそう分析しています。興味を持ったものにはすぐにのめり込むけれど、どれも半年も続いたことがない(笑)。大学を卒業してせっかく就職した会社も、パフォーマーになるという夢を追うために1か月で辞めてしまいましたし…。だからこそ、僕にとって9年も続いているDa-iCEって奇跡みたいなものなんです。このグループの魅力は、なんといってもボーカル二人の化学反応感にあると思います。個性のまったく違う二人なので、その実力は本当に胸を張れる部分で。僕自身のダンスについては、まだまだ努力が必要ですが、なるべく一曲一曲の世界観を大事にしたいとは思っています。曲によって“別人が踊っている”と受け手の方に捉えていただけたら、ダンサー冥利に尽きますね。ただライブの時は、会場の空気感だったり、その瞬間の感情に任せたいと思っているので、あまり頭で深く考えないようにしています。なので正直、同じパフォーマンスはできないし、同じ日は二度と来ない。そういう信念みたいなものは自分自身の中に常にある気がします。Da-iCEとして活動していて、僕がいちばん楽しいと感じるのはライブをしている時ですし、毎回ツアーの初日はワクワクが止まらないのですが、今年はそのライブがグループ結成以来はじめて中止になってしまったので、改めて考えさせられることが多かったです。自粛期間中は踊ることから一切離れていたので、ブランクも大きくて。曲の振付をリモートで知る、というのもはじめての経験でした。そんな状況の中で新曲をリリースできるのは本当にありがたいこと。表題曲の「DREAMIN’ON」はTVアニメ『ONE PIECE』の主題歌でもあり、聴いた人が元気になれる曲に仕上がっているので、気持ちが落ちがちな日々にもこの曲を聴いて、みんなが少しでも顔を上げてくれたら嬉しいですね。1987年6月6日生まれ、千葉県出身。パフォーマー。俳優としても活動し、今年公開された映画『居る場所』では主演を務めた。シャツ¥34,000(08sircus/08book TEL:03・5329・0801)パンツ¥43,000(UMBER/STUDIO FABWORK)その他はスタイリスト私物ダイス2011年に結成、’14年にメジャーデビュー。高音ボイスが魅力のツインボーカルとパフォーマー3人による5人組ダンス&ボーカルグループ。フジテレビ系アニメ『ONE PIECE』の主題歌にもなっているニューシングル『DREAMIN’ ON』が発売中。※『anan』2020年9月2日号より。写真・的場 亮スタイリスト・塚本隆文ヘア&メイク・宮川 幸望月 光取材、文・保手濱奈美瀬尾麻美小泉咲子撮影協力・STUDIO BASTILLE(by anan編集部)
2020年08月30日NHK連続テレビ小説『エール』の梶取保役、『親バカ青春白書』(日本テレビ系)の大村教授役など、人気ドラマに引っ張りだこの俳優・野間口徹(46)。その好演から視聴者の間では存在感が高まるいっぽう、8月25日放送の『ノンストップ!』(フジテレビ系)では「存在感が薄い」という悩みを告白した。スタッフに指定された場所で待っていたにもかかわらず、「野間口さんが見当たらないです」と目の前を何度もスタッフが通り過ぎていったというエピソードを披露した野間口。メインゲストとしてドラマ撮影に現場入りした際には、バミられた位置に立っていても「すいません、ご通行の方は…」と、スタッフから立ち去るよう指摘されたこともあったそう。しかしこのエピソードに対し、SNSでは《野間口さんの空気感が好き》《野間口さん、癒されます》という“ラブコール”が多く上がっていた。実はこの“存在感の薄さ”こそが、視聴者に癒しを与え、人気を生んでいるようだ。『エール』本編では、喫茶店「バンブー」において、仲里依紗(30)演じる保の妻・恵とのコミカルなやりとりが人気。保はいつも恵に対して冷静にツッコミを入れるシーンが目立つ。「ここで際立っているのが野間口さんの“引き立て力”。自分を押し出すのではなく、相手を引き立てる姿勢が、視聴者に“受け入れてくれそう”と思わせる。そんな癒しを与える存在になっているんです」とドラマ視聴者も本誌記者に熱弁。主演の窪田正孝(32)も、野間口の人柄について「いつも優しくて、現場を見守ってくれているかのよう」と同番組の公式ホームページ上で語っている。‘17年に本誌がインタビューをおこなった際には、仕事をするうえでのモットーについて《なるべくならばあまり目立たないこと(笑)》とも語っていた野間口。見る人を和ませる彼の演技に、今後も注目が集まる。
2020年08月25日タレントの渡辺徹が21日、オフィシャルブログで、妻でタレント・榊原郁恵の金言を明かした。ファンからは共感や感動の声が多数寄せられている。渡辺は21日、「妻の朝の金言」と題してブログを更新。「仕事に出かける時 毎回おばあちゃん、妻、(愛犬の)ジュガー、コーンが玄関で見送ってくれる」と切り出し、「もう何年もである。そして必ず妻が『ハイ、笑顔、笑顔!』と声をかけて送り出してくれる」と打ち明けた。そんな日常を思い浮かべ、「一度も言葉には出していないが本当にありがたいことだ」と実感。「妻の『ハイ、笑顔!』は魔法の言葉だ!」「少々怠い時でもなんとなくシャキっとなる」とその言葉が支えになっていることを再認識したようだ。「でも毎日のことなのでなんとなく感謝の気持ちを伝えそびれている」と反省した渡辺。ある日の夕食後、リビングで調べ物をしていた妻に意を決して、「いやー、あの『笑顔』の一言は、ありがたいなぁ。というより『笑顔』と心から言えるのは、やっぱり素晴らしい人間だよ」と思いを伝えた。しかし、テレビの音量が大きかったせいか、「えっ!」と聞き返してきた妻・郁恵。渡辺は「妻の眉間にシワが寄っていた」「笑顔には程遠かった…」と述懐し、「(注)妻が忙しい時には語りかけてはいけない」と自らに言い聞かせている。この投稿は、370以上の「いいね」を記録。コメント欄にも、「素晴らしいご夫婦」「理想の夫婦です」「郁恵さんの金言に感動しました」「郁恵ちゃん、ステキです!!」といった絶賛の声が書き込まれている。
2020年08月21日俳優の渡辺徹が23日、自身のブログを更新。同日、新型コロナウイルスによる肺炎のため亡くなった女優の岡江久美子さんを追悼した。渡辺は「岡江久美子さんご逝去。まさかの悲報・・・お嬢さんの大和田美帆さんと、ついこの前まで一緒に芝居づくりをしていて、ゲネプロにもお見えになっていたのに・・・どうして、志村けんさん岡江久美子さんと、愛すべき人ばかりを新型コロナウイルスは奪ってしまうのか憎い・・・」と吐露。そして、「失礼ながら、ご主人の大和田獏さんから頂いたメールの一部を、どうしても皆さんにお伝えしたいです。『このウィルスは怖いです。くれぐれもご用心ください』」と岡江さんの夫で俳優の大和田獏から送られてきたメッセージを紹介し、「この重い言葉を胸に、自分のためそして愛する人のために気をつけましょう」と呼びかけ、「岡江久美子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。合掌」と悼んだ。
2020年04月23日俳優の小池徹平(こいけ・てっぺい)さんが、2020年4月9日に自身のインスタグラムを更新。息子のオムツを替える様子を投稿し、ファンをキュンキュンさせています。小池徹平のイクメンっぷりにファンうっとり小池徹平さんは2018年11月に、3歳年上の女優・永夏子(はる・なつこ)さんと結婚。2019年9月6日には第1子となる男の子が生まれ、多くの祝福の声が寄せられました。小池徹平の妻・永夏子ってどんな人?『大恋愛』での演技や、現在の活躍はそして今回、インスタグラムにアップされた写真には愛する息子のオムツを交換する小池徹平さんの姿が! View this post on Instagram A post shared by Teppei Koike (@teppei.koike_official) on Apr 9, 2020 at 4:44am PDT写真には加工がほどこされていますが、小池徹平さんが育児を頑張っている様子がバッチリ写っています。小池徹平さんは現在、新型コロナウイルス感染症の影響で外出自粛を余儀なくされているそう。それでも「家族で過ごす時間が長いので、息子との絆をさらに深めるチャンスなのです」とポジティブに考えているようです。投稿を見たファンからは「素敵」「かっこいい」といった称賛の声が殺到しました。・パパをしてる徹平くんが新鮮。2人ともイケメンですね。・イクメンすぎる!ほのぼのしました。・今が一番、成長が楽しめる時期ですもんね。徹平パパ、ファイト!2020年4月14日現在、小池徹平さんはドラマ『ギルティ~この恋は罪ですか?~』(日本テレビ系)に出演中です。同作では不倫をする夫役を演じており、今回アップされた写真とのギャップも話題となっています。投稿では「このドラマは息子にはまだ早い」とお茶目につづっている小池徹平さん。これからも家族のために活躍し続けてほしいですね。[文・構成/grape編集部]
2020年04月14日俳優の小池徹平が、ミュージカル『るろうに剣心 京都編』の主演を務めることが13日、明らかになった。脚本・演出を小池修一郎が務める。同作は漫画家・和月伸宏による、累計部数6,000万部を超える人気コミックの舞台化作。2016年に小池修一郎の脚本・演出により宝塚歌劇団が初上演し、2018年には小池の新演出で男女版が上演された。幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心(小池徹平)が、不殺(ころさず)を貫きながら仲間と平和のために戦う姿を描く。小池演出で2度上演された同作だが、今回はファンの間でも熱狂的人気を誇る京都編をミュージカル化。さらに、360°ぐるりとステージが客席を取り囲むIHIステージアラウンド東京で観客を『るろ剣』世界へ誘っていく。公演は2020年秋を予定している。○小池徹平 コメント『るろうに剣心』は、子供の頃ずっと読んでいた作品で、そのキャラクターと同じ格好をさせていただき、演じられることの喜びを感じています。キャラクターの魅力はもちろん、アクションシーンも見どころです。緋村剣心のゆるい部分と、戦っている時の男らしい部分の二面性も出せたらいいなと思っているので、自分の中でメリハリをつけて演じたいです。演出の小池修一郎さんとは今回で2作目なのですが、小池先生からお話をいただいた時に、「体幹を鍛えておいてください!」と言われたので、相当動くハードな舞台になるかもしれません(笑)。今回の劇場となるIHIステージアラウンド東京は、何度も観に行ったことがあり、役者さんが舞台を走りまわっているのを観ていたので、僕自身も舞台に立ちたい、走りたいと思っていました。小池先生が、あの劇場をどう使って演出していくのかも楽しみです。原作ファンのみなさんはもちろん、演劇が好きな方、ミュージカルが好きな方にも楽しんでいただけるよう、ステージをふんだんに使った、新しくて面白いエンターテインメントを皆さんにお届けできればと思っています。僕自身、殺陣など新しいチャレンジに全力でぶつかっていきますので、楽しみにしていてください。劇場でお待ちしています!○小池修一郎 コメント宝塚以外で『るろうに剣心』をやるなら誰? と問われて真っ先に思い浮かんだのは小池徹平である。原画そっくりの顔立ちで、小柄だが敏捷、しなやかだが鋼のように強い。その徹平剣心が、今秋、遂にあのIHIステージアラウンド東京に参上する。物語は多くの方からご要望のあった京都編。剣心と仲間たちが立ち向かう志々雄真実一派、そして四乃森蒼紫……血湧き肉踊る明治剣客活劇浪漫! 乞うご期待!!(C)和月伸宏/集英社photographer LESLIE KEE(SIGNO)
2020年03月13日開催から50年を迎える日本万国博覧会(大阪万博)を記念した展覧会「大阪万博50周年記念展覧会 Expo 70ʼ 50th Anniversary Exhibition」が、2月15日から24日まで天王洲エリア一帯と渋谷パルコにて開催。当時の貴重な作品や大阪万博に影響を受けたアーティストたちによる新たな作品が展示される。1970年、アジアで初めて開催された日本万国博覧会(大阪万博)は、今年50周年を迎える。77の国と地域が参加し、国内外から6,400万人を超える来場者が訪れ、世界中の人々が交歓する広場となった会場は、その後、太陽の塔などのレガシーを残しつつ、緑に包まれた記念公園として整備され多くの人に愛されている。今回の展覧会では、当時の記憶を紐解くように、岡本太郎らの当時の貴重な作品や資料を始め、大阪万博に影響を受けたアーティストたちによる新たな作品を展示し、レガシーの再現とともに、継承(=バージョンアップ)を試みる。また、万博記念機構が徹底的にアーカイブしてきた資料を5,000点以上展示。特に音の資料に関しては、これまで例がないほどの貴重な展示となる。会場の一つ、T-ART HALLでは、岡本太郎がプロデュースしたテーマ館の地下に若手研究者らが47カの国と地域から収集した仮面とともに展示されていた岡本太郎のマスクを展示。また当時、助手や通訳などサポートをしてくれた人たちへ感謝の気持ちを込めて日本人の名前がつけられたフランソワ・バシェの「勝原フォーン」(修復)も展示する。万博終了後、長い間倉庫に眠っていたままだったこのフォーンは、2017年東京藝術大学バシェ音響彫刻修復プロジェクトとマルティ・ルイツが修復した。また、大阪万博で初来日したバシェによって制作された「音響彫刻」と呼ばれる作品をモチーフに、作曲、パフォーマンス、演奏、録音の手法を使って蓮沼執太が音楽を作り上げる。その音楽は天王洲のリバーサイドにインストールされ街に響き渡り、当時の万博の記憶、現在の天王洲の記憶をバシェによる「音響彫刻」を使って交差させる試みとなる。T-PASSAGEではアーカイブ映像が展示される。天王洲オーシャンスクエアでは、西野達が、アートの持つ常識を揺さぶる力を通し、大阪万博当時のセンセーショナルな体験に思いをめぐらせることに取り組む。西野の手法の「逆転」は、観客の常識やこれまでの経験も凌駕し、また、仮設作品のために展示期間が終わると、跡形もなくなりストーリーだけが残るのも万博的。4つ目の会場となるTERRATORIAでは、宇川直宏による作品が登場。大阪万博の音のアーカイブ(演説や語り)を波形上で間と呼吸を一切カットした完全なノーブレスに編集した音源を、音声とモミ玉がシンクロするマッサージチェアーで再生し、そこに今回発掘された各パビリオンのための現代音楽をオーバーラップさせる。一柳慧「環境音楽」、小杉武久「虹の音楽」「星座の音楽」「広場の幻想」、松下真一「おはようの音楽」のその一部始終が、モミ玉&バイブレーションにシンクロし、観客の全身をマッサージする体験型作品だ。さらに、武満徹を中心に黛敏郎や一柳慧など音楽家の他にも、世界中から音楽界のスターが勢ぞろいした万博の半年間の全貌が今回初めて明らかにされる。2月7日の19時からSUPER DOMMUNE@渋谷パルコにて開催される「EXPOʼ70_50th/大阪万博解体新書」第一夜「万博音楽大百科」―Encyclopedia of EXPO MUSICと、2月16日の14時からT-LOTUSM 東京・天王洲にて開催される第二夜「万博と美術」―Encyclopedia of EXPO ARTSで衝撃の音資料を公開。いずれのイベントも、先着100名が無料で参加できる。また「EXPO70 アーカイブサテライト」では、万博協会が保管している大阪万博関連資料19万点の一部を天王洲に移設し、サテライトアーカイブルームを開設。2月15日にTERRATORIAで開催されるトークイベント「PLAYBACK ARCHIVES EXPO70」では、様々な分野からアーカイブの読み解き手を招き、各自が気になる資料を選んで、現代的な視点から読み解く。【展覧会情報】大阪万博50周年記念展覧会 Expo 70ʼ 50th Anniversary Exhibition会期:2月15日〜2月24日会場:T-ART HALL TERRATORIA、T-PASSAGE、T-LOTUS M、ボンドストリート、天王洲オーシャンスクエア、寺田倉庫など天王洲エリア一帯、渋谷パルコ時間:平日13:00〜19:00、土日祝11:00〜20:00休館日:2月17日入場無料
2020年01月22日日本を代表するチェリスト・長谷川陽子が2020年、精力的に新たな試みにチャレンジする。2月21日(金)に東京オペラシティコンサートホールにて、バンドネオン奏者の三浦一馬、ギタリストの大萩康司とのトリオによる「情熱と哀愁のリベルタンゴ」を開催。それに先立つ1月10日(金)には、同会場のホワイエにて0歳児を育児中の保護者を対象にしたコンサート「0歳児とおでかけ応援プロジェクト」を実施する。【チケット情報はこちら】「情熱と哀愁のリベルタンゴ」は、ピアソラの「リベルタンゴ」、ハチャトゥリアンの「剣の舞」をはじめ「踊りや歌に関する曲を選んだ」と“情熱”を前面に出した曲目になっており「私自身の気質としてもラテンの血わき肉おどるようなノリがあるので(笑)、熱いコンサートになります!」と力強く語る長谷川。三浦、大萩それぞれとの共演経験はあるが、3人が揃うのは初めて。「バンドネオンの特徴は、情感に訴える哀愁を帯びた音色。タンゴのイメージが強いけど、実はオルガンの要素が強いんです。この分厚く奥行きのある音に対し、チェロがどう舞い踊れるのか? 非常にスリリングです」と三浦のバンドネオンとの共演への期待を膨らませる。一方、ギターについては「数年前に福田進一さんとデュオCDを作って以来、ギターに魅了されました。ギターは弓で弾くチェロと違って、弾いた瞬間から音が消えていく儚さと美しさがある」とその魅力を熱く語り「それぞれの楽器によって私もチェロの弾き方、音の立ち上がりを変えていきます。信頼する2人との共演ですが、私にとっても挑戦になると思います!」と未知なるチャレンジへの意気込みを口にする。「0歳児と――」は、授乳やオムツ交換、ベビーカーでの移動などの苦労を懸念し、外出を躊躇してしまいがちな育児中の保護者に本格クラシックを楽しんでもらえるよう、2000円のチケット1枚で“0歳児”と保護者の大人2名が入場できる。託児室に預けるのではなく赤ちゃんと同じ空間でコンサートを楽しめる企画だ。自身も子育て経験があり「子どもが0歳の時はテーブルにマットを敷いて寝かせて練習していた」という長谷川。家族や周囲のサポートを受けながら演奏会も行なっていたと明かし、恩返しの思いも込めて参加を快諾したという。曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲、武満徹の「翼」などで、あくまでも大人向けのクラシック演奏会となっており「赤ちゃんを育てていても、時に自分の時間を楽しんでいいし、明日への糧になれば。子育てを“希望”にしたい」と意気込みを口にした。チケットは両公演とも発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2019年12月06日チェロ・古川展生、ピアノ・妹尾武、尺八・藤原道山のスペシャルユニットKOBUDO-古武道-が、12月24日(火)、新歌舞伎座で古武道忘年会『師走の協奏曲(コンチェルト)』Vol.11~なにわ友あれクリスマス~を開催する。妹尾に新アルバムやコンサートについて話を聞いた。古武道忘年会「師走の協奏曲(コンチェルト)」Vol.11 チケット情報2017年に結成10周年を迎えた古武道。今年10月に通算8枚目となるアルバム『HORIZON』を発表した。今回、楽曲の多くを妹尾が手掛けている。「僕たちはそれぞれソリストとして活動していて、ある程度経験を積んでから出会った。“俺が俺が”と自己主張するのではなく、お互いをソリストとして生かせる曲作りを意識しています」と語る。寿司屋に飾ってあった鳥獣戯画から着想がわいた『踊る鳥獣戯画』は、動物や寿司が今にも踊り出しそうな軽快な曲。「僕の持つ和のイメージを投影したかったのと、古武道にはダンサブルな曲が少ないので、それにチャレンジしたいと思って作りました」。また、妹尾が敬愛するラフマニノフの交響曲第2番第3楽章を元にしたカバー曲『Love’s Journey』は、ジャズが心地よく響く。「僕がビル・エヴァンスなどのジャズが好きで、古武道にジャズを染み込ませたいという思いがある。また、古川はクラシックひと筋で、道山は武満徹などの現代音楽を小学生から聴いていた変わり者。たぶん、彼のような小学生はめったにいないでしょう」と笑う。ピアノとチェロの壮麗な音に包まれ、藤原の尺八はフルートやビブラフォンのようにも聞こえ、変幻自在だ。「道山は陰で血のにじむような努力をしていると思う。もちろん、僕らもそうですが。道山はいい意味で負けん気が強くて、お茶でも点てそうな姿勢の良さと立ち振る舞いから、僕は“女優”と呼んでいるんです(笑)。僕と古川はそこまで負けん気は強くなく、だらしないところを見せる時もある。でも、道山は隙がないので、その隙を演奏中やオフでつくのが楽しみなんです(笑)」という言葉から、3人の仲の良さがうかがえる。ラストの『夜明けのラプソディー』は、「未来に向かい、お客さんと盛り上がる曲を作りたかった。ゴスペルやクラシックも混じり、古武道のミックスジュース的楽曲ですね」と自信を見せる。珠玉の15曲が揃った。「一番うれしいのは、“演奏が上手ね”という感想ではなく、曲を聴いていると掃除がはかどる、ドライブが楽しい、元気が出た、お通じが良くなった(笑)などと言われること。音楽が生活の中に溶け込めることが作家冥利に尽きるんです」。新歌舞伎座での年末ライブは7回目となり恒例だが、クリスマスイブの夜は初めて。ゲストにミュージカルを中心に活躍する俳優・岡幸二郎を迎える。「クリスマスソングや新作を多めに披露し、岡さんがミュージカルの曲も歌います。音の贈り物で、みなさんが温かくなれる素敵な夜にしますので、ぜひ、来てください!」公演は12月24日(火)大阪・新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:米満ゆうこ
2019年12月04日東京バレエ団が、世界的に活躍する振付家、勅使川原三郎に委嘱した『雲のなごり』を世界初演する。約2週間後に初日を控え、勅使川原によるリハーサルが公開された。この作品には、東京バレエ団から5人のダンサーたちが出演、演出助手で共演もする佐東利穂子とともに、勅使川原との創作に取り組んでいる。リハーサルの冒頭、「いま私たちは、音楽に対しての理解を、誤差のないように、ともに同じ身体言語で捉えようと稽古しています」と語った勅使川原。音楽は、武満徹の『地平線のドーリア』(1966年)と『ノスタルジア-アンドレイ・タルコフスキーの追憶に-』(1987年)、本番ではオーケストラの生演奏が実現する。その独特のサウンドがスタジオに響くと、ダンサーたちはたちまち身体を反応させる。2016年の勅使川原演出のオペラ『魔笛』に出演し、彼の世界は経験済みというダンサーもいるが、皆一様に手探りの状態でのスタート。そんな中にも時折、目を見張るほど美しい瞬間が立ち現れる。創作のプロセスは順調に進んでいるようだ。【チケット情報はこちら】リハーサル後の記者懇親会で、「このような機会をいただき、とても嬉しい。悩むことなく武満さんの音楽でいきたいと思った。『地平線のドーリア』には、独特の、直観的な、身体的な感じを受けていた」と話す勅使川原。藤原定家の歌「夕暮れはいずれの雲のなごりとてはなたちばなに風の吹くらむ」に着想し、「はじまりもおわりもないことがありうるのではないか」と、創作にのぞむ。佐東も、「武満さんの音楽を初めて聴いた瞬間、身体が衝撃を受けたことを思い出します。あらためてこの音楽を捉えなおし、向き合いたい」という。同席した東京バレエ団の斎藤友佳理芸術監督は、「東京バレエ団での新作の初演は、ノイマイヤー振付『時節の色』以来19年ぶり。創立55年でようやく日本人振付家の方に振付をお願いできることになった」と感無量の様子。ダンサーたちも、「どれだけ新しい世界に自分が入ることができるか、挑戦です」(沖香菜子)、「苦戦と模索の日々だが、作品ができる場にいられることは、ダンサーにとっていい経験」(柄本弾)、「稽古場で勅使川原さんが言われる言葉を素直に受け取り、自然と作品になっていくことを目指したい」(秋元康臣)と意欲的。勅使川原も「私が上から色を塗るのではなく、皆の中から何かを引き出すことがこの作品の第一の目的」と、彼らの可能性に賭ける。同時上演は、バランシン振付『セレナーデ』とベジャール振付『春の祭典』。勅使川原の新作とともに、趣の異なる現代の傑作がずらりと並ぶ。公演は10月26日(土)、27日(日)、東京文化会館にて。チケットは発売中。取材・文:加藤智子
2019年10月15日“演劇”とは、何だろう? 岡田利規、そして彼が主宰するチェルフィッチュの作品は、いつもそんな鮮烈な問いを観る者に投げかける。彼らが美術家・金氏徹平とコラボレーションした最新作『消しゴム山』が、10月5(土)、6日(日)に京都・ロームシアター京都 サウスホールで上演される。思えば、岡田利規の作品はいつも、私たちが一般的に持っている“演劇”のイメージを軽々と飛び越えてきた。舞台上でナチュラルに会話を行う「現代口語演劇」のスタイルに観客がすっかり慣れていた2000年代前半、「日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性」と、私たちが日常で使う若者言葉や“整理されていない”言葉をそのまま舞台上で提示するチェルフィッチュの登場は、演劇界に衝撃をもたらした。そして2005年にはコンテンポラリー・ダンスの登竜門『トヨタコレオグラフィーアワード』に出場、最終選考会で大きな議論の的となる。2007年には海外での公演を開始し、アジア、欧州、北米など計70都市で上演を重ねてきた。2017年には自身の代表作『三月の5日間』をキャストを一新するだけでなく、役柄とキャストの“性別”すら超越するという「リクリエーション」版で上演、またもや話題を呼んだ。そんな岡田が手がける今作もまた、観客の予想を遥かに超えたテーマが提示されている。それは「直接の届け先が人間の観客ではない演劇」。「モノのための演劇」であり「モノの演劇」だ。岡田が2017年に陸前高田市を訪れた際、驚異的な速度で人工的に作り変えられる風景を目の当たりにしたことをきっかけに、「人間的尺度」を疑う新作の構想を始めたという。今作で、俳優の演技が向けられる対象は観客ではなく、舞台上のモノや映像上のモノなど。そこでは“モノが人間に従属する”従来の関係性が断ち切られた世界が描かれていく。舞台上に置かれた“モノ”をコラボレーターである美術家・金氏徹平が手がけているという点でも注目だ。また、今作は、岡田が舞台映像デザイナーの山田晋平と共に近年取り組み始めた「映像演劇」の手法も取り入れられる。「映像演劇」とは、岡田によれば「役者の演技を撮影した映像をしかるべき環境のもとで投影するという作法によって上演される演劇」。観客と舞台空間の中に、また新たなレイヤーを提示する存在となる。“演劇”の定義はおろか、“モノ”と私たち“人間”の関係、そして存在すら考え直す……そんな公演になるのではないだろうか。やはり岡田利規、そしてチェルフィッチュは、いつも私たちに新鮮な波紋を投げかけてくれる存在なのだ。文:川口有紀
2019年10月03日俳優の渡辺徹(58)がTwitterアカウント「わたなべとおるかな?」を開設した。ユーザーIDは「@WatanabeThrough」。そのシュールな世界観にネットが沸いている。「わたなべとおるかな?」のプロフィール欄には「この世界のすべては『とおる』か『とおれない』の二種類に分けることが出来ます」「このアカウントでは渡辺徹を使って世の中の“とおる or とおれない”を確かめていきます」とつづられている。9月2日、渡辺は初チャレンジとして浮き輪をチョイス。《まずは「浮き輪」にチャレンジします。「とおる」のか「とおれない」のか》とつづり、30秒ほどの動画をアップ。そこで渡辺は「こんにちは!」と挨拶し、蛍光色の浮き輪を通り抜けられるかをチャレンジ。顔をしかめ息を荒げながらも無事成功と相成った渡辺は「渡辺徹です!」と再び元気よく挨拶した。同ツイートは現在、4,600回以上の“いいね”を記録。さらに動画の再生回数は21万回以上という驚異的な数字を記録している。また3日には《ギリいける気がする》というハシゴの段と段の間をチャレンジした渡辺。頭を突っ込み、次に腕を通したが胴体までは難しかったようだ。踏ん張ったが成功とはならず、「渡辺とおらないです」とカメラ目線で伝えた。「わたなべとおるかな?」は、初投稿から2日で9,000人近いフォロワー数を獲得。その前日は700人強で、約13倍という驚異的な倍増ぶりを見せた。さらにそのチャレンジに《渡辺さん。なんでこんな事はじめたんやろ?細くなったから?面白いから、いろいろ挑戦して下さい!》《最高のアカウントじゃないですか》《ゴールは奈良の大仏の鼻の穴かな?がんばってください》といったエールが。またその独特の世界観にこんな声も上がっている。《深夜のテンションをど真ん中で射抜いてきた、わたなべとおるかな? もう地球ドラマチックは「とおる」と「とおらない」のものさしでしか観られなくなりそう》《渡辺徹は大正漢方胃腸薬とスーパーマリオスタジアムのイメージしかなかったけど、「わたなべとおる/とおらない」を追加してくれたのでインターネットは有益》《わたなべとおらない時のひたすらバタバタしてるの見てて癒やされた》3日、自身のInstagramで《突然ですが、チャレンジ始めました!名付けて「わたなべとおるかな?」》《わたなべチャレンジ!》とつづっている渡辺。次はどんなチャレンジを見せてくれるだろうか?
2019年09月04日10月からの“オトナの土ドラ”は、高岡早紀が主人公を演じるサイコスリラー「リカ」を放送。小池徹平と大谷亮平も出演し、純愛を貫くがゆえに狂気と化してしまう主人公の愛情への渇望を描く2部構成のドラマが展開する。原作は、第2回ホラーサスペンス大賞を受賞したベストセラー、五十嵐貴久の「リカ」シリーズ。今回は「リハーサル」「リカ」の2冊、常軌を逸した女・リカが周囲を破滅に追い込んでいく戦慄のエピソードを2部構成でドラマ化。誰もが陥るかもしれない恐怖体験を描き出す。主人公のリカを演じるのは、近年では「向かいのバズる家族」『雪の華』などに出演した高岡早紀。「女は28歳で結婚し、家庭に入るのが一番幸せ」と永遠の28歳、乙女のような純粋さを持ちながら、愛を求め恐るべき犯罪を遂行する…。「これは相当大変な役」。台本を読んだ感想をこう語った高岡さんは、「嫌われる女性を演じたことは過去にたくさんありましたが、ここまで救いようがなく、嫌われる要素しかない女性を演じた経験はありません。台本を読んでいてもうまく読み進められていないという現状で、単純に恐ろしい女に出会ってしまったと思っています」と印象を明かす。しかし、「彼女のピュアさや、誰かに必要とされたいと思う欲求は、大人になっても誰もが絶対に持っている部分であり、そこに関しては彼女に嘘はなく、私自身も共感していけると思っています」とわずかに共感できる部分も見つけた様子。「まず、自分自身がリカを好きになり、受け入れなくてはいけないので、その要素を台本を読みながら一生懸命拾っているところです。少しでも共感部分を広げることが、このドラマを観たいと思っていただける基盤になると思うので、共感から入って頂いてから、『違う!』とか『怖い!』と感じ、楽しんでいただけたらと思います」とコメントしている。また、病院が舞台の第1部でリカのターゲットになるのは、小池徹平演じる外科医・大矢昌史。婚約者もいて順風満帆な人生だったが、リカの登場で全てが狂ってしまう。そして3年後から始まる第2部では、大谷亮平演じる映画製作プロデューサー・本間隆雄がリカのターゲットに。妻と別居中にマッチングアプリを通じてリカと出会い、破滅の道へ。小池さんは、今回演じる役について「実は特にこういう人間だという飛び抜けたものがなく、普通で真面目な青年という印象が強いです。理由もわからぬまま、病院でリカにストーキングをされて巻き込まれる、とてもかわいそうな人です(苦笑)」と役どころについて説明し、「ただ、普通の人間がストーカーに遭ったとき、どういう思いをしていくのかという感情の流れをしっかり見せていかないと視聴者の皆さんに伝わらないと思っていて、“普通”という役どころは、実はかなり難しいとも思います」と語っている。そして「リカはかなり強烈なキャラクターではありますが、現実に起きてもおかしくないストーリーだと思いました。ストーカーに迫られる役ということもあり、いろいろと考えてしまったというのが正直な感想です」とリアルに感じたという大谷さん。役柄については、こちらも「いたって普通の常識人です」と話し、初共演となる高岡さんについては「大人の女性という印象で、まさにオトナの土ドラの主演にぴったりの方だと思いました。神秘的な部分も感じていて、これからリカとしてどう出てくるのか未知数でとても楽しみです」と共演を楽しみにしている様子だ。また、すでにSNSでは「リカがドラマ化とかヤバ過ぎる」「絶対観る!」「怖そう~」などと期待の声も出はじめている。「リカ」ストーリー●第1部都内にある花山病院に看護師として採用された雨宮リカ。副院長で外科医の大矢昌史は、将来を嘱望される病院のエースで婚約者もいる。しかし、昌史はリカにとっての運命的な出逢いをしてしまう。そう、リカは「運命の相手」として、昌史に目を付けて病院に入り込んだのだった。すると、花山病院で不可解な事件が続く。消えていく患者、看護師、医師たち。そして、昌史の婚約者にもリカの魔の手が伸びる…。●第2部3年後。映画会社のプロデューサー・本間隆雄は、妻の浮気が原因で別居中。ある日、仕事上のリサーチのため「メールで文通ができるマッチングアプリ」に登録する。そこにハンドルネーム<リカ>を名乗る女性からメールが。しばらく文通が続き、本間は仕事目的で<リカ>に会ってみようと提案。これが地獄への入り口、破滅の幕開けだった。以来、本間の携帯にはおびただしい数のメールと着信が。リカの執拗なストーキングが続く。本間の同僚、探偵、刑事、そして妻と娘と周囲を巻き込んだ壮絶なストーリーは、予想外の結末を迎える――。オトナの土ドラ「リカ」は10月5日より毎週土曜日23時40分~東海テレビ・フジテレビ系にて放送。(cinemacafe.net)
2019年08月30日俳優の小池徹平(32)が8日、自身の公式サイトを通じて、女優で心理カウンセラーの永夏子(35)と結婚したことを報告した。小池は「いつも応援してくださっているファンの皆様へ」と書き出し、「この度、3年ほど前から交際しておりました女優の永夏子さんと入籍いたしました。突然の事となってしまい、またこの場でのご報告になってしまった事、申し訳なく思っています」と報告。続けて、「いつも応援してくださっている皆様に、より多くの感謝を伝えられるよう、これからも初心を忘れず、より一層、一つ一つの仕事に誠意を持って邁進していきます」と決意を新たにし、「今後とも、頑張って参りますので、温かく見守って頂ければ幸いです。よろしくお願い申し上げます」と呼びかけた。永も同日、自身のブログで結婚を報告。「未熟者ではありますが結婚という経験を糧に家族と支え合いながら学びながらより豊かな表現者より温かく寄り添える聴き手になれるよう一層精進していく所存です。ゆるやかに見守っていただけたらうれしいです」と思いをつづり、ファンや関係者、家族、友人への感謝を記した。
2018年11月08日6月15日、アークヒルズクラブにて、日本フィルハーモニー交響楽団の記者会見が行われ、首席指揮者ピエタリ・インキネンの契約延長と今後のおもな活動が発表された。【チケット情報はこちら】まず平井俊邦理事長が「2016年9月から2019年8月まで契約を交わしていた首席指揮者インキネンの任期を、2021年8月まで2年間延長する。彼が描いてきた深く重い音色、透明性のある豊かな響き、そして表現力の獲得の集大成を図りながら、新たな展開をしていきたい」と話し、インキネンも「2008年の初共演時から日本フィルとの繋がりに興奮を感じた。その後、シベリウス、マーラーからブルックナー、ワーグナーに進み、今までとは違う音色や、色のパレット、力を求めてきた。その進化のプロセスは今後も続くものであり、幅広いレパートリーを取り上げることで、オーケストラを大きく前進させることができると考えている。すべてを高い水準に持っていきたい」と意気込みを語った。インキネンは2009年9月の首席客演指揮者就任以来、日本フィル向上の功労者ラザレフとは違った形で同楽団の進化に寄与してきた。特にワーグナー作品では新境地ともいえる成果をあげただけに、今後の展開が大いに期待される。また併せて、2019年4月にインキネンの指揮でヨーロッパ公演を行うことが発表された。日本フィルとしては13年ぶり6回目の訪欧。創立指揮者・渡邉曉雄を通してゆかりの深いフィンランドを初めて訪れるほか、ドイツ、オーストリア、イギリスの計10都市を巡る。プログラムは、シベリウスの交響曲第2番、チャイコフスキーの交響曲第4番をメインに据え、ラウタヴァーラ、武満徹というフィンランド、日本両国の作曲家の作品に、ベートーヴェン、エルガーの協奏曲が加わる。フィンランドでは、首都ヘルシンキに加えてインキネンの出身地である小都市コウヴォラも訪問。彼も「町にとって非常にレアなイベント」と期待する。またインキネンは「2019年は特別な年。日本・フィンランド外交関係樹立100周年であり、渡邉曉雄氏の生誕100周年でもあるので祝祭的な1年になる。それにツアーは楽団と私の関係をより深める点で大きな意味がある。長い時間を一緒に過ごすことでひとりひとりとの絆が特別なものになり、今後さらに良い結果が生まれると思っている」と、本ツアーの重要性を語った。2019年4月には「ヨーロッパ公演凱旋コンサート」でツアーの演目、6月には「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念公演」でシベリウスの作品等が披露され、2019/20年シーズンからはベートーヴェン&ドヴォルザークの新シリーズも開始されるとのこと。中でも満を持して挑む王道ベートーヴェンに注目が集まる。なお、当コンビの次回公演は今秋10月の東京定期で、現在チケット発売中。演目はシューベルトの愛らしい交響曲第5番と、インキネンが力を注ぐブルックナーの最期の交響曲第9番。特に後者は崇高かつ感動的な名作ゆえに必聴だ。取材・文:柴田克彦
2018年06月26日日本初上演から約3年の時を経て2019年に再演されることが決定したブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』<日本版>。初演に続き主演を務める小池徹平と三浦春馬のビジュアル撮影現場に潜入した。本作は、経営不振に陥った老舗靴工場の跡取り息子・チャーリー(小池)が、ドラァグクイーンのローラ(三浦)と出会い、差別や偏見を捨て、ドラァグクイーン専門のブーツ工場として再生させるまでを描いたブロードウェイミュージカル。トニー賞では6部門を受賞したヒット作で、日本版上演時にはブロードウェイのオリジナルスタッフが集結。シンディ・ローパーが全曲作詞作曲したキャッチーな音楽、演出、振付はそのままに、演出協力・上演台本を岸谷五朗、訳詞を森雪之丞が手掛け、大好評を博した。ビジュアル撮影はそんな人気作の再始動という待望の瞬間。日本初演のライブ録音盤音源が流れ活気に満ちるスタジオに、チャーリーとローラの姿になったふたりが揃って登場すると、現場のテンションは一気に上昇した。チャーリーはスーツ&トランクス、ローラはド派手で真っ赤な衣装で、共に初演から引き継がれたあのブーツ姿!ふたりとも初演を観た人ならピンとくるスタイルだ。カメラの前に並ぶと、三浦のドラァグクイーン姿はやはりインパクト抜群。ローラこだわりの7&ハーフインチ(10㎝超)のヒールも三浦が履くとさらに迫力が増し、ローラという存在を際立たせる。それに対してチャーリーは、トランクスにピンヒールのブーツというアンバランスな組み合わせで、ローラとは真逆とも言える姿。そうやって全く違う色を持ちながら絶妙なバランスで馴染むふたりに、この作品のストーリーを思わされる。音楽にノッて、時折一緒に歌いながら、時折舞台での振り付けを再現しながら、次々とポーズをつけていくふたり。カメラマンからの「もっとハジけて!」「もっといけるはず!」という熱いリクエストにもどんどん応え、現場の温度を上げていく。「キャー!」と言って笑い合ったり、一緒に片足を上げてみたり、息ピッタリでカメラに向かう様は、再演ならではのコンビネーション。そうやって撮られた写真をモニターで見た三浦は「すげえ!」とカメラマンに拍手。その後もふたりで楽しそうに写真を見る姿から出来栄えが伝わってきた。撮影後、小池は「再演が決まって嬉しかった」と話し、「(この撮影のような)役どころに近づく作業はいつも楽しい」と笑顔。三浦も「久しぶりのブーツは気分を上げてくれた。みんなが本気になってつくり込んでいく感じが楽しかった」とコメントした。これから徐々に公開されていくビジュアルにぜひ期待してほしい!公演は2019年4月から5月まで東京・東急シアターオーブで上演。チケットぴあでは、今後発表されるチケット発売情報をメールで受け取れるお気に入り登録を受付中。取材・文:中川實穗★★以下のリンクより「キンキーブーツ」をお気に入り登録して、情報をゲットしよう!
2018年04月27日ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち-』の初日前会見が8日、東京・帝国劇場で行われ、小池徹平、加藤和樹、神田沙也加、夢咲ねね、龍真咲、凰稀かなめが登場した。同作は2012年にフランスで製作され、2016年に東宝版初演が行われヒットしたフレンチ・ロック・ミュージカル。18世紀末のフランスを舞台に、革命に身を投じる農夫・ロナンと宮廷に仕える侍女・オランプの恋愛や宮廷劇が描かれる。2年ぶりの再演に、「各々2年前にやったものよりもブラッシュアップしている」(小池)、「熱をすごく感じています」(加藤)と、期待をあおる2人。一方で小池は「2年前よりは、体の節々はちょっと痛いかな」と苦笑する。「本当にあるんです。より体のケアを意識して、終わったら冷やしたり、いろいろしないとダメ」と明かし、「肺がね、重いです」と語った。加藤も「初めてダンスナンバーを稽古であたった時に、以外と体が覚えてると思ったけど、結構翌日に来まして……」と稽古を振り返る。「2年という時間を自分の中でしっかり感じながら、徹平ちゃんも言いましたけど、体のケアを気をつけないといけないなと思います」と意気込んだ。女性陣の豪華な衣装も魅力で、夢咲は「こんなに豪華な衣装たちが並んでいるものを見るだけでもテンションが上がります」と喜ぶ。凰稀が「一番豪華なのがマリー・アントワネット。最初にゴンドラで登場する時の衣装が一番重くて、2年ぶりに来ても腰にくる」という一方で、初出演となる龍は「いつも着ておりますので、苦労点などはございません」と澄まして答え、周囲を笑わせていた。帝国劇場と同じく日比谷エリアにある日生劇場では、ウエンツ瑛士が出演するミュージカル『リトル・ナイト・ミュージック』が初日を迎えるが、小池は「僕らも明日初日なんで、構ってられる余裕があまりないんですけど……」と笑顔を見せる。「近いですし、(Wキャストの)和樹が頑張ってる間に観に行こうかと思っています。頑張ってほしいな」とエールを送った。また、4日に第43回菊田一夫演劇賞の受賞が発表された神田は、「本当に恐縮です。個人的に長年一つの目標としていた賞だったので、知らせを聞いた時は泣きましたし嬉しかったです」と心境を吐露。しかし「舞い上がらずに地に足をつけて、自信や誇り、みんなと調和していくパワーに変えて、『1789』に貢献していけたらと思います」と真摯に語った。公演は東京・帝国劇場にて4月9日〜5月12日。
2018年04月08日俳優の小池徹平と三浦春馬が主演を務める舞台『キンキーブーツ』が2019年に再演されることが、3日、明らかになった。同作は、2005年公開のイギリス映画を2013年にミュージカル化した作品。トニー賞最多となる13部門にノミネートされ、作品賞、オリジナル楽曲賞など6部門を受賞した。経営不振の靴工場の息子・チャーリー(小池)が、ドラァグクイーン・ローラ(三浦)のアドバイスを受け、工場を立て直していく。日本では、2016年に小池・三浦による初演を迎えたが、全日即日完売の上、小池はチャーリー・プライス役で第42回菊田一夫演劇賞の演劇賞を受賞。また、三浦はドラァグクイーンのローラ役で第24回読売演劇大賞の杉村春子賞を受賞するなど、高い評価を得た。2019年の再演では、小池・三浦タッグもそのままに、靴工場で働く従業員のローレン役のソニン、 チャーリーのフィアンセのニコラ役の玉置成実、靴工場の現場主任ドン役の勝矢、工場長ジョージ役のひのあらたも続投。また今回公開となったヴィジュアルでは、実際に舞台のクライマックスでの衣裳を着用し、小池&三浦がピンヒールのブーツで決めた姿を、写真家の下村一喜&クリエイティブ・コンサルタントのカワダイソンのタッグで届けた。東京公演は東急シアターオーブにて2019年4〜5月、大阪公演はオリックス劇場にて2019年5月。○小池徹平コメント・初演時の感想は?初演時はとにかく必死でした。チャーリーもローラも別のパワーではありますが、とてもエネルギッシュな役なので。大変な役でしたが、楽しく、そしてやりがいもありました。初演時は、お客様の盛り上がりが素晴らしくて、ラストでは一緒に立って踊ったりしてくださって、今回の再演も同じ景色が見えるのかなと楽しみです。初演が終わってしまう頃から、もし再演があるなら絶対やりたいと思っていましたので、再演をやると聞いたときは嬉しかったです。ヴィジュアル撮影で、久しぶりに春馬くんのローラに会って、ついに帰ってきたなと。 今でも、『キンキーブーツ』のナンバーを聞くと、ひとりでに歌ってしまうし、勝手に体が動いてしまいます(笑)・『キンキーブーツ』の作品としての魅力は?まずは見た目。『キンキーブーツ』は映像で見るのと生で観るのでは、全然違うと思います。 実際にローラがブーツを履いた時のインパクトは、会場でしか味わえないこと。そんなローラの姿は皆、目に焼き付けてほしいので、ぜひ劇場まで観に来てください!○三浦春馬コメント・ヴィジュアル撮影でローラに再び扮した感想は?一言につきます。めちゃくちゃ嬉しい!!・初演時の感想は?ローラは、台風の目にならなきゃいけないと稽古中教えていただき、チャーリーは、この作品の完全なる屋台骨だから、いつでもみんなの中心になり、皆を支え続けなければならない。そういうキャラクターなので、ストーリー上だけでなく、楽屋裏でもそういう関係性は、お互い自然とやろうやろうとしていました。当時、 (小池さんに)たくさん助けられました。・『キンキーブーツ』の作品としての魅力は?『キンキーブーツ』の音楽は、まだ観たことがない方も聞いたことがない方も、絶対刺さるナンバーだし、ストーリーも老若男女絶対に好きになってくれると思います。作品のテーマは、皆、馴染みのあることで、「受け入れることの大切さ」。その奥深さを、すごくストレートに教えてくれる作品です。劇場に来て、観て頂くのが一番伝わると思いますので、ぜひ観て頂きたいですね。
2018年04月03日独自の世界観で国内外から高く評価を受ける画家、桑久保徹による4年ぶりの個展「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」が、1月20日から2月17日まで東京・六本木の小山登美夫ギャラリーにて開催される。Vincent Willem van Gogh’s Studio2015oil on canvas181.8 × 227.3 cm©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery桑久保徹は"絵を描く"という方法で、現代美術に立ち向かうためのやり方として、自分の中に架空の画家を見いだすという演劇的アプローチで制作活動をスタートした。あえて今や古典的ともいえるゴッホのような油絵具の厚塗り技法を用い、現代的心象風景を物語性豊かに描く世界観で、人を惹きつける作品を生み出し続けている。今回取り組んだのは、尊敬する画家の生涯をひとつのキャンバスに込めて描いた「カレンダーシリーズ」。美術史の中にいる多くの作家から、ピカソ、フェルメール、アンソール、セザンヌ、スーラ、ゴッホの6人を選び、彼らのスタジオを桑久保徹の解釈を交えた空想的、壮大な異次元空間として表現。描く作品を選びながら、何を画家が考えていたのかを追体験する、究極のオマージュだ。Johannes Vermeer’s Studio2016oil on canvas181.8 × 227.3 cm©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery本シリーズは2014年から制作をスタート。1月はピカソ、桜の季節を連想させる4月をアンソール、空に風を感じさせる5月はセザンヌ、爽やかな初夏の7月はスーラ、夏の夜の海を感じさせる8月はゴッホと、自身が好きな描きたい作家と月を合わせていった。12作品で完成するこのシリーズ、ほぼ4年の歳月をかけても、本展ではまだ月もばらばらな6ヶ月分。このカレンダーシリーズ自体が「不規則な時間速度」となっている。本展では、「カレンダーシリーズ」作品ペインティング6点とドローイング6点を展示。ドローイング作品の上部にはレコードが共に額装されており、そのレコードには桑久保徹が友人の音楽家・日高理樹に制作を依頼し、その作家を題材とした音楽を録音した。「レコード」という旧来の記録媒体を使用する彼らしい方法で、美術史の作家をテーマに絵画と音楽で挑むという複合的なアプローチにも挑戦している。桑久保徹の新たな展開が花開いた意欲作を通して、アートの真髄を体験してみては。【展覧会情報】桑久保徹展「A Calendar for Painters Without Time Sense 1. 3. 4. 5. 7. 8」会期:1月20日〜2月17日会場:小山登美夫ギャラリー住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665ビル2F時間:11:00〜19:00休廊日:日曜、月曜、祝日入場無料
2018年01月14日文学座80周年記念文学座公演『鼻』が10月21日(土)から上演される。公演について、出演者で文学座代表の江守徹、渡辺徹、演出を務める鵜山仁、そして脚本の別役実に話を聞いた。文学座公演『鼻』チケット情報本作は、1994年に文学座の俳優・三津田健のために書き下ろされた別役の戯曲。文学座の記念碑的作品でもあるフランスの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』(以下、『シラノ』)で主人公・シラノを演じ続け“シラノ俳優”とも言われた三津田の作品への深い愛がベースになっている。今回が2度目の上演となり、シラノを暗示する“男四”は、1983年と2006年にシラノを演じた江守が務める。久しぶりの『鼻』上演について別役は「嬉しかった。やっぱり文学座には『シラノ』とか『女の一生』とか、文学座にしかできないよというようなニュアンスを持った作品があって。自分たちの主流も自覚していらっしゃいますから。そういう意味で、ほかとはちょっと違った感動があるんです」。そんな本作への出演に江守は「『AとB』(1965年)を観てから、別役さんの作品に出たいなとずっと思ってたんだけど、機会がなくて。それが今回80周年ということで『鼻』をやらないかと話がきて、僕は『シラノ』が芝居の中で一番好きな作品のひとつですし、それはいいや!と今日(稽古初日)を迎えました。別役さんの目の前で読み合わせをしたのは、僕にとっても非常にありがたいことで。今日は記念すべき日ですよ」と特別な想いを語る。渡辺が「別役さんの作品には、“人間は一生懸命でみっともないほど愛らしい”というようなものがいつもどこかにあって。俳優としてそういう芝居をやっていけたらという指針にもなっています。それに笑えるし、面白い。若いときに友達を別役作品に誘うと、深く落ち込んで帰るやつもいれば面白いって笑って帰るやつもいて。そのくらい懐が深いんですよね」と話すと別役も「別役の芝居はね、教訓がないんです(笑)。ただ僕は“笑う”っていうのは演劇鑑賞においてものすごく重要なことだと思う。笑うことによって感性が解放されますからね。芝居で笑わせなくちゃいけないということについては割と使命感を感じております」と明かした。鵜山は、今この座組で『鼻』を上演することについて「僕も文学座には40年いるので、徹くんとも徹さんとも10年、20年というスパンで重なっていて。どこか一緒の船に乗っている感じがあるんですよ。『鼻』は、そういうことが書いてある本のようにも思える。同じ病院(物語の舞台)にずっといるというか、追い出されそこなっているっていう。別役さんはいじわるだからそういうことを書いてらっしゃる気がするんですけど(笑)。ぴったりした関係でぴったりした本でやらせていただける気がします」。『鼻』は10月21日(土)から30日(月)まで 東京・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて上演後、大阪を巡演。
2017年10月20日日本全国のプロ・オーケストラ36団体が加盟する日本オーケストラ連盟が旗振り役となり、アジア太平洋地域のオーケストラを招いて行なわれる、文化庁芸術祭主催の「アジア オーケストラ ウィーク」。2002年にスタートして今年で16回目。これまでに15か国から47のオーケストラが参加しているオーケストラの祭典が、いよいよ開幕する(10月5日(木)~7日(土)・東京オペラシティコンサートホール)。アジア オーケストラ ウィーク 2017 チケット情報来日するのは、上海フィルハーモニック管弦楽団(10月5日(木))とマレーシア・フィルハーモニー管弦楽団(10月6日(金))。日本からは関西フィルハーモニー管弦楽団(10月7日(土))が出演する。上海フィルは、上海映画管弦楽団(1954年創立)と上海放送管弦楽団(1950年創立)が1996年に統合された楽団で、上海市の放送メディアグループが運営し、2004年から現称となっている。今回は首席指揮者リャン・ツァン(1979年生まれ)が率いての来日。芥川也寸志の《トリプティーク》とショパンのピアノ協奏曲第2番、ドヴォルザークの交響曲第8番を演奏する。今シーズン創立20年目を迎えているマレーシア・フィルは、世界有数の企業である国営石油会社ペトロナスが運営する楽団。豊富な資金力に物を言わせて、クアラ・ルンプールのペトロナス・ツインタワー内にある豪華ホール、ペトロナス・フィルハーモニック・ホール(920席)を本拠に、世界20数か国のトップ・プレーヤーたちからなる多国籍軍を構成している。指揮者の古澤直久は1973年生まれ。桐朋学園でコントラバスを学び、ザルツブルク留学を経て、2003年にコントラバス奏者として同楽団に加入、昨年から専任指揮者(レジデント・コンダクター)に就任した。プログラムは武満徹《弦楽のためのレクイエム》と、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》、同楽団の委嘱作品で8月に初演されたヴィヴィアン・チュア《栄光の頂点》。チュアは1974年生まれのマレーシア人作曲家。ホスト・オーケストラ役の関西フィルは音楽監督の名ヴァイオリニスト、オーギュスタン・デュメイの弾き振りで、ショーソン《詩曲》、ラヴェル《ツィガーヌ》、マスネ《タイスの瞑想曲》、ビゼーの交響曲第1番を。西洋のクラシック音楽という同じフィルターを介してなお、アジア各国の多様な文化を感じ取れるのは実に面白い体験だ。文:宮本明
2017年09月12日俳優の小池徹平が24日、東京・渋谷MODIのHMV&BOOKS TOKYOで行われた「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」BEST30お披露目イベントに出席した。若手俳優の登竜門的なコンテストとして1988年にスタートした「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」。過去には武田真治や菅田将暉など数々のスターを世に送り出し、ファンはもちろん芸能関係者からも注目を集めている。11月26日に最終選考が開催される今年は、30回目という節目の大会で、過去最高となる17,293人が応募。段階的に審査を行い、勝ち残った10人のファイナリストが最終選考に駒を進め、グランプリを始め各賞が決定する。この日は2001年に行われた第14回の同コンテストでグランプリに輝いた小池徹平が登壇し、今大会のベスト30と敗者復活となる蘇生組の6人がお披露目。小池は「目がみんな輝いているし、夢を見ている感じですよね。眩しすぎますよ」とフレッシュさに目を丸くしながら、「自分をさらけ出す場はなかなかないので、緊張してもいいから悔いが残らないように頑張ってください」とエールを送った。同コンテストでグランプリを獲得し、その後は芸能界で大活躍の小池。応募のきっかけを「その頃から芸能界に興味があり、親に薦められて自分から応募しました」と明かしつつ、グランプリを獲得した同コンテストは「ほとんど覚えてないぐらい緊張していました。とにかく他の受けているメンバーが格好良く見えて、その場にいるのが信じられないぐらいの気持ちでした」と回顧。今回お披露目された36人の中で、1番若いのが中学1年生の男の子だったが、「親子役はありえますね。そういうお仕事がきたらやりたいですよ。子どもはめちゃ可愛いし、友だちの子どもも抱いていますから、慣れていると思いますよ」とその気だったが、自身の結婚について問われると「今はないですね。(時期については)その時が来たらタイミングだと思うので、細かくは決めてないです」と言葉少なに回答していた。
2017年08月24日人気急上昇中の新人女優・唐田えりかが、10月14日(土)に神奈川・横浜みなとみらいホール大ホールで行われる、武満徹《系図―若い人たちのための音楽詩―》の朗読者を務める(神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ)。来年公開予定の映画『寝ても覚めても』(原作=柴崎友香)では主演の東出昌大の相手役ヒロインに抜擢されるなど、さらなるブレイクも必至の清純派。神奈川フィル常任指揮者・川瀬賢太郎の熱烈オファーで、オーケストラとの初共演となった。7月、川瀬との初ミーティングを終えた直後の彼女に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「楽譜を見ながら、朗読のタイミングなど細かく教えていただきました。詩が難しくて不安もあったんですけど、川瀬さんから、ありのまま、素直にストレートにやってくださいと言ってもらえたので安心しました。“わからなくていい。わかろうとすることが大事なんです”って」武満徹《系図》(1992)は、谷川俊太郎の詩集『はだか』(1988)からの6篇の詩による、朗読とオーケストラのための作品。詩に描かれているのは、どこにでもありそうな家族の、でも少し苦い日常であり、親から子へ、太古から脈々と連鎖してきた生命への大らかな讃歌でもある。その主役が唐田の朗読だ。オーケストラは彼女の言葉に呼応するように音楽を紡いでゆく。実は彼女、この《系図》を、昨年4月のNHK交響楽団の定期演奏会で聴いているのだそう。もちろん、まだ今回のオファーが届く前の話だ。「同じ事務所の山口まゆちゃんが朗読したので聴きに行きました。余分なものがないというか、いろんな音が混ざってひとつになっていて、鳥肌が立ちました。詩と音楽の一体感もすごくて、まっすぐに伝わってくるものがあって。今度は自分があれをやると聞いて、音感に自信がないし、最初は率直に“マジか”と思っちゃいました(笑)」その心配は杞憂だろう。なぜなら、「わたしもコンサートやフェスに行くと、必ず何かを持ち帰ってくるので、今回も誰かに何かを届けられたらいいなと思っています。たとえばこの詩を通して自分の家族を見つめ直してもらえたりとか、これからのことや過去のことを感じたり考えてもらったりとか」という彼女の作品との向き合い方は、武満が日本初演時のプログラムに寄せた、「人間社会の核になるべき家族の中から外の世界と自由に対話することが可能な、真の自己というものの存在について少しでも考えてもらえたら」というメッセージと、本質的なところで共鳴している。そして武満は言う。「それを可能にするものは愛でしかない」と。オーケストラを通じて、詩人の谷川俊太郎から彼女へのアドヴァイスも届いた。「芝居にならないように淡々と。言葉を大切に美しい日本語で」彼女の名前が広く知られるきっかけになったキーワードのひとつが「TMK(透明感)」。まさにその透明なキャラクターと声とは、詩人の助言にもぴったりだ。わくわく。取材・文:宮本明
2017年08月22日「原作は愛読していて、登場人物の中でL(エル)がいちばん好きですね。出てくるとたちまちヒーローに思えて」(小池徹平・以下同) ’15年にブロードウエーのスタッフとタッグを組んでミュージカル化され、日本・韓国で人気を博した『デスノート THE MUSICAL』が、再演されている。原作コミックは世界中にファンをもち、映画版も大ヒットした。死神と契約を結び、犯罪者のいない理想の世界を目指す高校生・夜神月(やがみライト)と名探偵Lの対決を描く。月と対峙するLを演じるのは、チャーミングなルックスの小池徹平(31)だ。 「ふだんの僕の明るいイメージとはかけ離れていて、面白いと思ったんです。暗くて内面に入り込まなきゃいけない分、演じがいがありそうで」 2年前の出演の動機をこう語った小池。Lの特徴は猫背と鋭い眼光から醸し出される、暗い中にも情熱を秘めた独特な雰囲気。小池は窮屈な姿勢のまま、フランク・ワイルドホーンが書き下ろした楽曲を歌いあげる。 「ストレートプレーだと独白が多いんだろうなと思っていたら、ミュージカル!?と、びっくり。発想が面白いし、楽曲も『ジキル&ハイド』などの名曲を生んだ作曲家の作品で、カッコいい。むしろミュージカルでよかったんです。月との心理戦を言葉をぶつけ合うだけじゃなくて、感情や思考を歌にのせて表現できるから。ゾクゾクする展開や世界観は見事ですよ」 作品が投げかけるのは“正義とは何か”という難しいテーマだがーー。 「国や人、それぞれに定義は違っても、誰もが自分の基準はもっているでしょうね。人間関係でも、ある人にとっては命の恩人でも、別の人にとっては自分を傷つける敵だったりして、複雑になる。人間って感情があるから、同じ価値判断の基準って……ないと思う。だからこそ面白いんじゃないのかな。ん〜、語りきれないよ、深すぎて」 初演時はプレッシャーでげっそり痩せてしまったとか。 「映像と違って舞台って、自分がセンターにいないシーンでもどう見られているかわからない。(Lは)ちょっとした所作がすごく大事な役なんで、頭から爪先までつねに意識しましたから。今回もとても気をつけていますよ」
2017年08月14日俳優の小池徹平が28日、東京・如水会館で行われた第四十二回菊田一夫演劇賞授賞式に出席し、神田沙也加の結婚を祝福した。授賞式には他、麻実れい、中川晃教、新橋耐子、藤田俊太郎、勝柴次朗が出席した。同賞は、演劇界の巨星・菊田一夫氏の名を冠し、大衆演劇の舞台ですぐれた業績を示した芸術家(作家、演出家、俳優、舞台美術家、照明、効果、音楽、振付、その他のスタッフ)を表彰する賞。小池は、ミュージカル『1789 -バスティーユの恋人たち-』『キンキーブーツ』2作での演技が評価され、菊田一夫演劇賞を受賞した。受賞作となった『1789』で恋人役を演じた神田沙也加が26日、俳優・村田充との結婚を発表したが、小池はテレビで知ったという。「びっくりしました。僕、何も知らなかったので。聞いてもなかったので」と驚いた様子を見せた。公私共に交流がある神田に「連絡はさせてもらいました、『おめでとう』と。返事はシンプルに『ありがとう』だけ」と明かし、「『それどころじゃねーんだな』という感じ」と笑顔を見せた。同作は2018年春に再演を控えているが、小池は「恋愛での絡みもあるので、ちょっとやりづらいかな」と苦笑しながら、「そういうのも含めて楽しみにしてますので、本当にお幸せに」と改めて神田に祝福のメッセージを贈った。
2017年04月28日2017年1月24日、上西小百合衆院議員(33)がTwitterを更新し、前大阪市長の橋下徹さんに対し『反知性主義者の橋下徹。本当にクズだな』と批判しました。この発言は、橋下さんがトランプ大統領に対するデモに関して持論を述べたツイートを引用して行われたもので、 その後も、自らの投稿に対するコメントに反論する形で橋下さんや日本維新の会の議員に対する批判を続けました。“浪速のエリカ様”として注目を集めていた上西議員ですが、最近はTwitter上で過激な発言を繰り返し炎上することも少なくありません。今回の発言も不快に感じた人が多いようで、ネット上では上西議員に対するバッシングの声が多数あがっています。●上西議員の過激発言に嫌悪感を持つ人が多数Twitter上で橋下さんを批判した上西議員に対しネット上では、『お前の方が十分クズだけどな』『さっさと議員辞めろよ。いつまでこんなやつを政界に置いとくんだ?』『橋下さんはすでに政治家やめて一般人なんだから、公人のあんたが文句言うのはおかしい』『性格もブスだけど、それが顔にもにじみ出てるよ』『みんなこいつにかまっちゃダメ。無視するのが一番だよ。自分の言葉で語れないから人を批判してるだけ』『人の文句ばっかり言ってないで仕事しろよ!この税金泥棒が!』『この人もう病気としか思えない。治る気配もないけど』『次の選挙では落選確実だろうけど、それを待つのもつらい。一刻も早く消えてほしい』『「みんな私に注目してるでしょ?」っていうタレント気取りなところがムカつく』『目立ちたがりのかまってちゃん。ただただ不快』など、議員としてふさわしくないという批判が多く見られました。橋下さん以外にも、政治家、芸能人などに対し数々の暴言をふりまいてきた上西議員。果たして、上西議員が政治家本来の仕事で結果を出すことはあるのでしょうか。【画像出典元リンク】・上西(うえにし)小百合(@uenishi_sayuri)(Twitter)/●文/ぶるーす(芸能ライター)
2017年01月25日