米サウスカロライナ州で、恋人を絞殺した男が死体で発見された。NBCなどが報じている。エッジフィールド郡のジョディ・ローランド保安官によると、60歳のアンソニー・マッキノンは、自宅の裏庭に大きな穴を掘っていた。マッキノンは隣人に、「新しく水場を作るんだ」と話していたとPEOPLEは伝えている。しかし翌日、穴のそばでうつ伏せになった状態で動かないマッキノンを別の隣人が発見し、911に通報した。捜査官は、すでに死亡していたマッキノンと対面した。外傷はなかったが、同居しているはずの恋人であるパトリシア・ルース・デントさん(65)も見当たらない。デントさんは職場にも出勤しておらず、連絡もつかないことに友人は、「極めて彼女らしくない」と捜査官に話したという。また家の中で血痕が見つかったことから付近を捜索すると、マッキノンが掘った穴の中からゴミ袋に包まれたデントさんの遺体が発見された。彼女には首を絞められた痕があった。当局は、マッキノンがデントさんを殺害し、遺体を穴に埋めている真っ最中に心臓発作を起こして死亡したと結論づけた。
2022年05月12日亡くなったヴォ・ティ・レ・クインさん(フェイスブックより)「2年ほど前にご主人と引っ越してきてね。言葉は交わさんけど、挨拶をすればきちんと会釈してくれる愛想のええ人やったよ……」被害者の自宅近くの住民は言葉を失った。4月3日の午後、大阪府大阪市淀川区の『ほっかほっか亭三津屋店』の店主が、「アルバイトの女性が戻ってこない」と大阪府警に通報をした。店内の防犯カメラには、午前8時35分ごろ、ベトナム国籍でアルバイトのヴォ・ティ・レ・クインさん(31)が、同店の2階に住む男と店を出ていく様子が映っていた。その夜、警察官が男の部屋を訪ねると、その男は刃物で自らの首を切っていて、血まみれで倒れているのを発見。病院に緊急搬送されて、命に別状はなかった。布団圧縮袋に詰められていたヴォさんの遺体「警察は翌日にあらためて男の部屋を調べると、テレビ台の裏に隠された布団圧縮袋を発見。粘着テープで縛られた袋の中からヴォさんの遺体が見つかったのです」(全国紙社会部記者)死因は首を絞められたことによる窒息死だった。2階の男、トラック運転手の山口利家容疑者(59)が逮捕されたのは、事件発覚から2日後の6日。本人の回復を待って、自供を聞いた上での逮捕で、強盗殺人と死体遺棄の疑いだった。警察の取り調べに対して容疑者は、「生活が苦しく、金を奪おうとしたが、大声で騒がれたので首を絞めた」と容疑を認めていて、ヴォさんの手提げカバンなどを盗んでいた。山口容疑者はどんな人物だったのか。「いつも迷彩服の上下を着ている変わった男。階下で営業している同店に“シャッターの開け閉めの音がウルさい”とクレームをつけていたみたいですよ。近隣の人によれば、“事件前日の夜にも、男と外国人女性の怒鳴りあうような声が聞こえた”って」(近所の主婦)ヴォさんが夫に話していた“将来の夢”被害者のヴォさんは、ベトナムの大学で日本語を勉強したのち、6年前に結婚。5年前に夫とともに来日した。同弁当店には1年半ほど前から勤務していたが、「外国人の女性が働いていることは知っていたんやけど、奥のほうで調理していたし、マスクをしているから、顔まではようわからんかったね。でも、テレビで若いころの写真が出とったけど、美人さんやったんやねぇ」(弁当店の常連)同店から2キロメートルほど離れた同市西淀川区の借家に夫とふたりで住んでいたヴォさん。冒頭の近隣住人は、「日本人とのつきあいはほとんどなかったみたい。でも、お宅の前によく自転車が停まっていて、ベトナム人のお友達が遊びに来ていたね」夫婦ともども社交的だったことがうかがえる。ヴォさんの夫の悲しみは、計り知れない。「“日本は安全な国だと思っていたのに……。妻の夢は日本で働くことと、そして将来はベトナムの子どもに日本語を教えることでした。容疑者は厳しく処罰してほしい”と泣きじゃくっていましたね」(前出・社会部記者)捜査関係者はこう話す。「ヴォさんがなぜカバンを持って容疑者の住む2階の部屋へ上がっていったのか。そもそも、容疑者がアルバイトのヴォさんを強盗目的で襲うものなのか……。まだまだ不可解な点が多い」夢を抱いて渡ってきた日本で、無惨にも命を奪われたヴォさん。彼女の無念を少しでも晴らすためにも、真相の解明が待たれる。
2022年04月08日中学時代の橋本志穂容疑者(同級生提供)「容疑者はおとなしい子だったから、今でも信じられない……」(近隣住民)3月24日、栃木県警捜査一課と同県警下野署は、会社員の母親(54)の死体を2月中旬から3月10日にかけて、同県河内郡上三川町にある県営住宅の自宅ベランダに放置し、遺棄したとして、同居していた自称イラストレーターの娘・橋本志穂容疑者(28)を逮捕した。全国紙社会部記者によると、「母親が勤める会社が“2月中旬から無断欠勤していて、本人と連絡がとれない”と下野署に相談。警察官が3月10日、自宅のベランダで布のようなものに包まれた遺体を発見しました。遺体の頭や顔には刃物で切られたり、刺されたりした傷が数十箇所あったようです」実は、志穂容疑者は別の事件ですでに逮捕されていた。遺体で見つかった母親のパスポートでイギリスへ「2月25日、志穂容疑者は亡くなった母親のパスポートを使って、母親になりすまして成田空港からイギリスに渡っていた。だが、イギリスの入国審査でパスポートの虚偽が発覚して3月1日に強制送還。千葉県警に旅券法違反で逮捕されていたのです」(同・社会部記者)栃木県警は母親の死亡にも志穂容疑者が関与した疑いが濃厚として、慎重に捜査を続けている。母娘のあいだにいったい何があったのか……。容疑者の母親は20歳前後で最初の夫と結婚し、5歳ほど上の兄と、志穂容疑者の2子をもうけたが、容疑者が乳幼児の頃に離婚。2人の子どもは母親が引き取って育てることに。その後、母親はトラックの運転手をしながら子育てをしていたが、職場で知り合った同じく運転手の男性Hさんと2度目の結婚をする。彼は先の県営住宅から2.5キロメートルほど離れた下野市の大地主の跡取り息子だったという。「当時、30代後半のHさんは地元の名家の跡継ぎで、初婚でした。だから最初は親も親戚も子連れの相手との結婚に大反対だったけど、ふたりが押し切った。町の食堂を貸し切って、一族や地域の人も招いて盛大な結婚式を挙げたんですよ」(近所の主婦)だが数年後、容疑者の3歳下の弟が生まれた直後に、またしても離婚することに。漫画好きで引きこもりがちだった容疑者「弟は2番目の父親が引き取って、母親は兄と容疑者を連れて、家を出ていきましたね」(同・主婦)再びシングルマザーとなった母親が、子ども2人と今の県営住宅に住むようになったのは、20数年前だった。容疑者の小学校の同級生によると、「確か小学校の低学年のときに転校してきたと思います。授業中に漫画のキャラクターの絵などをノートに描いているような子で、外で遊んでいる姿はほとんど見たことないですね。自宅にこもって漫画をよく読んでいたみたい。眼鏡をかけたおとなしい子なんだけど、かといって勉強も得意じゃなかった。宿題はほとんどやってこなかった記憶がある」中学校の同級生も同じ印象を持っていて、「容疑者は美術部に入っていたと思う。運動や勉強はとくにパッとせず、目立つほうじゃなかったですね。ただこの頃、眼鏡からコンタクトレンズに替えていましたよ」容疑者のことを“覚えていない”“顔も知らない”という同級生が多かった。家族のことをほとんど話さない子高校生になると、近所のコンビニでアルバイトするようになった容疑者。「真面目に働いていましたね。性格は暗くはないんだけど、こちらから話しかけるとしゃべるけれど、向こうからは話しかけてこないタイプ。あと、家族のことはほとんど話さない子でしたね」(アルバイトの先輩)母親は長男と容疑者を女手ひとつで育てるために、必死で働いていたようだ。「県営住宅の入居者は月に1回、みんなで草むしりなどの掃除をするんですが、橋本さんのお宅は1度も来たことなかった。近所づきあいもしない。そんな暇もないくらい、忙しかったのかもね」(県営住宅の住民)容疑者が事件を起こした背景について、Hさんの親族はこう話す。「自分の不幸な生い立ちを恨んだゆえの犯行のように思います。だって、まともに父親がいたときがほとんどないし、そのせいで弟とも別々に暮らすハメに。その原因をすべてお母さんのせいにしてしまったのかもしれない……。それで後先考えずに、自暴自棄になってやってしまったように思えます」Hさんと容疑者の弟が住む自宅を訪ねるも、不在。容疑者も幼い頃、住んでいたであろう場所は雑草が生い茂って廃墟のようになっていた。いったい何があったのだろうか。警察は志穂容疑者の認否を明らかにしておらず、事件の真相の究明が待たれる。
2022年04月02日柿本知香容疑者と亡くなった歩夢くん「この“おかしな家”には、ほかにも不審なことがいくつもあってね。もっととんでもない事件になるんじゃないかと思っているんですよ」(近隣住民)3月5日、埼玉県本庄市にある“おかしな家”の床下から柿本歩夢くん(5)の遺体を発見された。埼玉県警捜査一課と本庄署は、母親で契約社員の柿本知香容疑者(30)と、同居していた無職・丹羽洋樹容疑者(34)、その内縁の妻で無職の石井陽子容疑者(54)の3人を死体遺棄の疑いで逮捕した。容疑者らは「3人で穴を掘って埋めた」と容疑を認めているという。“おかしな家”に集まる異様な人たちおよそ12年前、月の家賃4万円の借家にはある男女が住んでいた。「当時、70歳ぐらいのAさんという男性と、同い年で内縁関係にあるB子さんという女性が住んでいた。Aさんは“彼女は身体が弱いので誰かが面倒みてあげなきゃいけない。だからオレは一緒に住んでいる”と言っていました。でも、住み始めてすぐに“オレも歳だからひとりで面倒見るのは厳しいから若い人を呼ぶ”と漏らしていた」(冒頭の近隣住民)そこで加わったのは、 B子さんの息子で当時40歳前後だったCさんと、その妻。この妻こそが石井陽子容疑者で、Aさんの娘だという。「彼らが言っていたことだから本当なのかはわかんないけどね。ただ陽子さんはヘルパーをしていたことがあったようだから、B子さんの介護には適していた。でも、当時から誰も働いていないの。年寄り2人は年金があったにしても、若い2人も無職だった」(同・住民)さらには、別の住民からはこんな話も。「実はB子さんはとんでもない資産家だったから、みんな働いてなかったんじゃないかな。Aさんはその金を狙って、内縁関係を結んでいたという噂も出たよ」彼らの姿を5年見たことがないそんななか1年後、 Cさんが急死する。救急車で運ばれるようなことが何度もあった Cさんだったが、Aさんは近所に“うちのは酒飲みだから、身体が弱いのよ”と説明していたという。「Aさんに香典を持っていったんだけど、断れられたのよ。“うちはそういうの、受け取っていない”って。あと、“警察が引き取っていて、遺体はうちにない。疑われているみたい……”とも」(同・別の住民)Cさんが亡くなった直後、この家に加わったのが丹羽洋樹容疑者だった。陽子容疑者の内縁の夫であり、彼女よりも20歳若い。近所の主婦によると、「当時、丹羽さんは大学を卒業したばっかりで線の細い、おとなしい青年でしたよ。最初は近所のホームセンターでアルバイトしていたけど、そのホームセンターが移転してからは無職になったみたいですね」さらに不可解な出来事は続く。「B子さんがある日、いきなり私の家に駆け込んできて“丹羽と陽子に殺される!助けてくれ”って。それで警察に通報したんだけど、Aさんが警察に“B子は認知症だから”と説明したみたいです。あの家は当時から雨戸は閉めっぱなしで、室内の明かりがほとんどなかったけど、B子さんは家の中にほぼ監禁状態になっていたのかも」(同・近所の主婦)前出の近隣住民はこう話す。「思い返すと5年ぐらい、Aさんと B子さんの姿を一度も見ていないのよ。亡くなったのか、転居したのか、老人ホームに入ったのか、まったくわからなくてね。Aさんが毎朝、散歩に連れていたミニチュアダックスフンドも全然見ていない」その後、1年前にこの家にやってきたのが、柿本知香容疑者と亡くなった歩夢くんの母子だった。真相を知るべく、都内にある丹羽容疑者の実家マンションを訪ねるも、応答はなかった。事件発覚から6日目を迎える3月9日、現場周辺150メートル四方は規制線が引かれたままだ。そんななか、警察官5、6人が現場となった一軒家の庭をしきりに掘っている姿があった。その理由を聞くべく、埼玉県警本部に連絡するも、「お応えしないことになっております」という返事のみ。“おかしな家”から出てくるものとは……。
2022年03月11日事件現場となった柿本知香容疑者らが住んでいた一軒家「おかしな家でね。二十数年前に持ち主が亡くなってから、ずっと空き家だった。12年ほど前から借家になって、そこへ不思議なお年寄り2人と若い2人が住みつき、以降はいろんな人が入れ替わり立ち替わり住んでいてね。よくわからなかった」事件現場となった一軒家の近隣住民たちは異口同音にそう語った。3月4日から現場周辺150メートル四方にわたって規制線が引かれ、翌日に事件が発覚した。5日、埼玉県警捜査一課と本庄署は、埼玉県本庄市にある一軒家の床下から柿本歩夢くん(5)の遺体を発見。母親で契約社員の柿本知香容疑者(30)と、同居していた無職・丹羽洋樹容疑者(34)、その内縁の妻で無職の石井陽子容疑者(54)の3人を死体遺棄の疑いで逮捕した。容疑者らは、「3人で穴を掘って埋めた」と容疑を認めているという。内縁の夫婦と母子が同居する“おかしな家”事件現場となった“おかしな家”には丹羽容疑者と石井容疑者は以前から住んでいて、去年から柿本容疑者母子が住むようになっていた。「今年1月12日から歩夢くんが保育園に通園しなくなり、柿本容疑者は20日に退園届を提出。“歩夢は大阪府和泉市の実家にいます”と市に説明したのですが、市が和泉市に連絡をとると、柿本容疑者母子がそもそも和泉市から本庄市に転居した実態がないことが3月2日に判明し、市は警察に相談。警察が3人を事情聴取したところ、1月中旬に共謀して歩夢くんの死体を遺棄したことがわかりました」(全国紙社会部記者)市はなぜ柿本容疑者親子に目を光らせるようになったのか。きっかけは、容疑者ら4人が通っていた飲食店で起きたある異様な出来事から始まった。飲食店の店主によると、「去年の夏から、最初は丹羽容疑者と石井容疑者の2人が週に1、2回のペースでうちの店に通ってくれていました。そのうちに柿本容疑者母子も連れてくるように。4人で3回来ています。おばあちゃんと息子夫婦、そのお孫さんに見えました」4人で1度目に来た時から異変はあったという。あの母親は2人の仲のいい友人「ほかのお客さんもいる中で、丹羽容疑者が歩夢くんをグチグチと1、2時間近く説教をしていました。その間、食事はずっとさせてもらえなかったと思う」2回目は座敷席だったのだが、歩夢くんは正座をさせられ、その様子を母親の柿本容疑者がスマホで録画するという異様な光景があった。そこで、3回目に来た際、同店店主は石井容疑者に思い切ってこう声をかけたという。「いつもありがとうございます。お孫さんにちゃんとしつけをされていて、お孫さんもおりこうさんですね」すると、石井容疑者はこう答えた。「“孫じゃないんです。この男性と私が夫婦で、あの母親は2人の仲のいい友人”というんですね。父親じゃない男が、あれだけ長い時間、説教するはおかしい。それで、歩夢くんに話しかけて、名前、年齢、通っている保育園を聞き出したんです」(同・店主、以下同)店主がその保育園にすぐに連絡すると、保育園も“他人である丹羽・石井両容疑者と一緒に住んでいる”“生活環境としては問題のある家庭”だと把握していたようだ。「ほかのお客さんの前でもああだったら、家ではもっとひどいだろうと思って、保育園と相談した上で、市に通報したのです。それ以降、4人は店に来なくなった。そして結局は、あんなとんでもないことになってしまって……。私を含めて近隣の住人、保育園、行政などが協力してなんとかできなかったのか。歩夢くんを助けてあげることができなくて、本当に残念です」冒頭にある通り、近隣住民たちは容疑者らを訝しんでいたが、「あの家は昔から雨戸を閉めっぱなしで、室内の明かりがほとんど見えないし、人の声も聞こえなかったから。でも柿本さんだけは細くて優しそうなお母さんだったけどねぇ」柿本容疑者について、ある捜査関係者はこう話す。「夫のDVで大阪から逃げ出して、埼玉県本庄市に住むママ友のところへ身を寄せていたといいます。ところが、そこも夫に見つかって、今度はそのママ友の知人だった丹羽・石井両容疑者のところへ辿りついた」歩夢くんがなぜ死亡したのかについては、いまだに判明していない。
2022年03月10日SNSで話題!まさかの事態?!死体が盗まれた話を紹介!「@azuman_____manga」さんの「【漫画】「友人を返してください!」そう悪徳葬儀屋に叫ぶも返ってきた返答は耳を疑うもので…?!【死体が盗まれた話】<後編>」を紹介します。突然ご遺体がいなくなった…。そこには葬儀屋として働くあずまさんも知らない謎の葬儀屋が関わっていました…。前回、Aさんの友人のご遺体は、身寄りのない方専門の葬儀屋に持っていかれてしまったことがわかりましたね。何度電話しても、その葬儀屋にはつながりませんでした…。すると…葬儀屋の返答は…葬儀屋の範疇を超えている…きっと「葬儀屋」ではなかったのでしょう…結局、友人のご遺体を取り戻すことはできませんでした…。身寄りのない方向けの遺品整理業者などは聞いたことありますが…引き取り手がいるのにご遺体を返してくれず、勝手になにもかもやってしまう葬儀屋なんて聞いたことありません…。これは完全に「葬儀屋」を名乗った悪徳業者ですね…。今回は「【漫画】「友人を返してください!」そう悪徳葬儀屋に叫ぶも返ってきた返答は耳を疑うもので…?!【死体が盗まれた話】<後編>」をご紹介致しました!毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/@azuman_____manga)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年01月10日SNSで話題!まさかの事態?!死体が盗まれた話を紹介!「@azuman_____manga」さんの「【漫画】はぁ?!医者は「故人様は別の方が連れて行った」と言って…【死体が盗まれた話】<中編>」を紹介します。突然ご遺体がいなくなった…。そこには葬儀屋として働くあずまさんも知らない謎の葬儀屋が関わっていました…。前回、故人様の友人だったAさんは、病院にご遺体を引き取りに行きましたね。しかし、担当医師に声を掛けると、もうご遺体は病院にはいないと言われ…?!Aさんパニック…真相は…怒ったAさんは…めちゃくちゃ怪しい葬儀屋じゃないですか…ご遺体を勝手に連れて行くなんて、怪しすぎる…。しかも、電話もつながらないなんて…。ご遺体は一体どこへ行ってしまったのでしょう…?無事Aさんの元に戻ってくるのでしょうか…??今回は「【漫画】はぁ?!医者は「故人様は別の方が連れて行った」と言って…【死体が盗まれた話】<中編>」をご紹介致しました!次回、「友人を返してください!」そう悪徳葬儀屋に叫ぶも返ってきた返答は耳を疑うもので…?!毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/@azuman_____manga)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年01月09日SNSで話題!まさかの事態?!死体が盗まれた話を紹介!「@azuman_____manga」さんの「【漫画】友人だった故人を引き取る事に…しかし病院に向かうと…【死体が盗まれた話】<前編>」を紹介します。突然ご遺体がいなくなった…。そこにはあずまさんも知らない謎の葬儀屋が関わっていました…。聞いた話によると…連絡を受けたAさんは…意味が分からず…なんでご遺体がいなくなっちゃうの…?!身寄りのない方なのに、ご遺体がいなくなるなんてありえないですよね…?!一体誰が…?なんのために…??状況がイマイチよくわかりません…!今回は「【漫画】友人だった故人を引き取る事に…しかし病院に向かうと…【死体が盗まれた話】<前編>」をご紹介致しました!次回、はぁ?!医者は「故人様は別の方が連れて行った」と言って…毎日1日1話更新中♪次回の配信もお楽しみに!(恋愛jp編集部)(イラスト/@azuman_____manga)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2022年01月08日映画『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』が、2022年2月18日(金)より、TOHO シネマズ 日比谷他全国ロードショー。主演はコリン・ファース。大戦下の“実話”に基づくスパイサスペンス映画『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』は、ヒトラーを欺くためにイギリスが実行した荒唐無稽な欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”を描いた作品。『英国王のスピーチ』でアカデミー賞作品賞を受賞したプロデューサーのイアン・カニング、『恋におちたシェイクスピア』で同じくアカデミー賞作品賞に輝いたジョン・マッデン監督らが、第二次世界大戦下で行われた衝撃の実話を、スリリングかつエキサイティングなストーリー展開で、頭脳派スパイサスペンスに昇華した。欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”とは“オペレーション・ミンスミート”とは、大戦下で実行された最も奇想天外で、最も成功した欺瞞作戦でありながら、戦後も長らく極秘とされてきた作戦。1943年、第二次世界大戦下、劣勢強いられる連合国軍。何とかナチスを倒したい英国諜報部(MI5)は、とんでもない奇策をチャーチル首相に提案する。高級将校に仕立て上げた死体にニセの機密文書を持たせ地中海に放出し、ヒトラーを騙そうというのだ。この作戦がMI5の諜報員、ヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込み、各国間の駆け引き、策略、罠、そして裏切り合戦へと発展していく...。主演はコリン・ファース主人公ユーエン・モンタギュー少佐...コリン・ファース元弁護士の英国諜報部員。主演を務めるのは、『英国王のスピーチ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、『キングスマン』などでも知られるコリン・ファース。チャールズ・チャムリー空軍大尉...マシュー・マクファディン主人公の相棒となるMI5のメンバー。演じるのは、『エジソンズ・ゲーム』のマシュー・マクファディン。イアン・フレミング少佐...ジョニー・フリンモンタギュー、チャムリーと共に“オペレーション・ミンスミート”を練り上げる。映画『スターダスト』でデヴィッド・ボウイ役を演じたジョニー・フリンが担当。その他、『ハリー・ポッター』ルシウス・マルフォイ役のジェイソン・アイザックス、「ダウントン・アビー」のペネロープ・ウィルトンら、英国を代表する俳優が集結している。スパイ映画ファン垂涎の小ネタも事実を描いた戦争映画でありながら、スパイ映画ファンにはたまらない小ネタも満載。予告動画では、「007」シリーズの作者であるイアン・フレミングや、“M”“Q支部”の存在も示唆されている。<映画『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』あらすじ>第二次世界大戦時、1943年、イギリスはナチスを倒すため、イタリア・シチリアを攻略する計画を立てていた。だが敵の目にも明らかな戦略目標であるシチリア沿岸はドイツ軍の防備に固められている。状況を打開するため、英国諜報部のモンタギュー少佐、チャムリー大尉、イアン・フレミング少佐らが練り上げたのが、欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”だ。“イギリス軍がギリシャ上陸を計画している”という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーをだまし討ちにするという奇策だ。彼らは秘かに手に入れた死体をビル・マーティン少佐と名付け、100%嘘のプロフィールをでっち上げていく。こうしてヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込む、一大騙し合い作戦が始まるが――。第二次世界大戦の行方を変える決定的な分岐点で秘密裏に実行され、戦後長らく極秘扱いされてきた驚くべき欺瞞作戦の全容がいま明らかになる――。【詳細】映画『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』公開日:2022年2月18日(金)TOHO シネマズ 日比谷他全国ロードショー監督:ジョン・マッデン出演:コリン・ファース、マシュー・マクファディン、ケリー・マクドナルド、ペネロープ・ウィルトン、ジョニー・フリン、ジェイソン・アイザックス配給:ギャガ原作:「ナチを欺いた死体:英国の奇策・ミンスミート作戦の真実」ベン・マッキンタイアー著(中央公論新社刊)原題『Operation Mincemeat』/128分/イギリス/2022年/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:栗原とみ子
2021年12月27日左にあるのが被害者宅、その右隣が容疑者宅「容疑者として逮捕されたのがお隣の山口さんだと聞いて、びっくりしました。耳を疑いましたよ……」ショックを隠せないのは、容疑者と被害者の両方を知る近所の主婦だ──。■隣人の男を容疑者として逮捕10月3日、山梨県警は同県笛吹市の林道脇の草むらから女性の変死体が発見されたことを発表。5日には笛吹署に捜査本部が設置された。「県警が司法解剖しましたが、死因の詳細はまだ特定されていません。ただし全身に擦過傷や激しい打撲痕があったようで、捜査本部は殺人・死体遺棄事件として捜査をしています」(地元紙記者)同日、被害者は現場から10kmほど離れた場所に住む福祉関係の地域相談員・古屋美紀さん(54)であることが判明する。古屋さんは9月29日の夜から行方不明になっていて、家族から捜索願が提出されていた。その後、逮捕監禁の疑いで“ある男性”が容疑者として逮捕された。それはなんと、古屋さん宅の隣に住む会社員・山口正司容疑者(55)だった──。容疑者は車に古屋さんを押し込んで、遺体として発見された場所まで運んでいったという。容疑者は、概ね犯行を認めているが、「車から降りたときはまだ生きていた」などと供述している。ある近所の住民は、次のように証言する。「先月末だったと思うけど、行方不明の古屋さんを捜索していた警察官2人と山口さんが話している姿を見かけました。何くわぬ顔をしていたのを覚えています」前出の地元紙記者は、「古屋さんの家から畑を挟んで50mほどのところにあるお宅に防犯カメラが設置されていて、そこにあった映像が逮捕の決め手になったようです。その中には、古屋さんの叫び声も入っていました。容疑者は殺人をほのめかすような供述をし始めているようです」■容疑者と被害者の家は“ポツンと2軒”お隣さんだった被害者と容疑者の間にいったい何が起きて、こんなむごたらしい事件に至ったのだろうか──。2人の自宅は、桃畑が広がる中に“ポツンと2軒”、並ぶようにして立っている。「昔は、あそこもやっぱり桃畑だったのよ。あるとき、その畑が2つに分けて売りに出された。それでまず、17年ぐらい前に古屋さんが一軒家を建てて引っ越してきてね。山口さんのところは最初、彼の父親が土地を買ってあそこに自動車修理工場を作ったんです。そのあと、息子である正司さんが一軒家を建てました」(別の近所の主婦)引っ越してきた当時、古屋さん一家は、高齢者施設に勤務する夫、娘2人の4人暮らし。山口容疑者は介護士の妻、息子3人の5人暮らしだったという。「古屋さんの長女と、山口さんの長男が、地元の学校の同級生だったようです。特別に親しい付き合いをしているわけではなかったみたいだけど、それなりに良好な関係だったと思いますよ。まあ、両家とも共働きの家族だったから、頻繁に会うこともなかったんだろうね」(同・別の近所の主婦)そんな中、10年くらい前に古屋さん一家を悲しい出来事が襲う。「確か中学生のときだったか、古屋さんの長女が不幸な亡くなり方をしてね……。美紀さんは地元の社会福祉協議会に勤務していたんだけど、ショックで仕事を辞めていた。今は立ち直って、甲州市社会福祉協議会に勤務していました」(古屋さんの知人)被害者となった古屋美紀さんの人柄について、彼女の知人はこう話す。「明るくて、穏やかな人でしたよ。地域の集まりにもきちんと来るし、地域に溶け込んで好かれていましたね」古屋さんの同僚も、好印象だったと口をそろえる。「彼女の担当は、生活困窮者の支援でした。生活保護の相談を受ける際、たとえトラブルが起きても、感情的にならず穏やかに話ができる人」(甲州市社会福祉協議会の職員)一方の山口容疑者は、「観光バスの運転手をしていて、住民が集まる新年会でカラオケを歌ったり、公民館の掃除をやったりと、地域になじんでいましたよ」(前出・近所の住民)だが、2年前に容疑者はこの会社を辞めている。「仕事にあぶれてしまったのか、プラプラしていた時期もあったようです。今はどんな仕事に就いていたのかもわからない」(同・近所の住民)その後、周辺の住民への聞き込みを続けるも、両家がもめているといった話はいっさい出てこなかった。真相は藪の中だが、「あの古屋さんが、ご近所トラブルを起こすとは到底思えません。あくまで個人的な意見ですが、私は容疑者の一方的な犯行だと思っています」(前出・古屋さんの知人)“親ガチャ”という言葉が話題だ。何が出てくるのかは運次第のカプセルトイのように、どんな親や境遇の下に生まれるかは選べないという意味だ。隣人もまた然り。そのご近所さん、凶暴につき──。
2021年10月12日小森和美容疑者8月31日、都内の私立高校に通う鷲野花夏(わしのかな・18)さんが山梨県内の山小屋で遺体となって見つかった事件。死体遺棄の疑いで群馬県渋川市に住む小森章平(27)、妻の和美(28)の両容疑者が逮捕されていた。『週刊女性』は章平容疑者の同級生に取材を行い、「女児へのストーカー行為」「カッターナイフ振り回し事件」といった過去の変わった行動や、かつて「人を殺すときは残虐なやり方で」と語っていたなどの事実を報じた。さらに取材を進めると、妻である和美容疑者の奇妙な”素顔”が浮かび上がってきた――。「章平容疑者と和美容疑者が結婚したのは今年の5月です。結婚直前まで和美容疑者には別の夫がいましたが、DVが原因で離婚していました。その直後に再婚していたというわけです」(全国紙社会部記者)■近所では不気味がられる存在だった容疑者夫婦が住んでいた渋川市内にある“愛の巣”には元々、和美容疑者と前夫が暮らしていた。離婚後、妻名義で購入された自宅に三重県から引っ越してきた章平容疑者が住み始めた。新婚生活を送っていた2人だが、そこで起きたのが今回の事件だ。「章平容疑者は2年前からツイッターを通じて、今回犠牲になった鷲野さんとやり取りをしていた。和美容疑者がそのことを知ったのは6月頃。夫に鷲野さんとの関係を断つよう求めるもうまくいかず、結果的に最悪の事態に発展してしまいました」(同・全国紙記者)犯行理由について、和美容疑者が鷲野さんに“(夫との男女の関係を疑い)嫉妬していた”などと伝えられている。しかし2年前といえば鷲野さんはまだ16歳。万が一そういった関係があったとしても、責めるべきは夫だ。和美容疑者は理不尽な逆恨みの感情を鷲野さんにぶつけていたことになる。夫婦の近所での評判は良くなかった。「特に奥さんの方は不愛想で、挨拶もまったくしないから近所では不気味がられていましたね。彼女は近所のコンビニでアルバイトをしていたのですが、なぜかネームプレートが『ゆでたまご』になっていた。冗談で“変わった苗字ですね”と声をかけたら、“ウフフ”と笑っていました」(近所の住民) なぜ「ゆでたまご」になのか同じコンビニの従業員に尋ねたが、「回答できない」とのこと。接客態度も良くなかった。「何回か会計をしてもらったことがありますが愛想が悪くて、嫌な感じ。勤務中はいつもパジャマのような服装の上に制服を着ていました。髪もボサボサで不潔感が漂っていました」(別の近隣住民)■かかわってはいけない“変な家”そんな和美容疑者だが、彼女には前夫との間に幼い子どもが3人いる。章平容疑者と暮らすようになってからは近所に住む両親のもとに預けていて、世話はすべて任せていたというが……。実家の近隣住民は、「昔からあの家は家族そろって挨拶もしないし、町内会費も払わない。近所との付き合いをする気がまったくなかった。あまりにも不愛想な家族なので、近所ではかかわってはいけない”変な家”という共通認識がありました」家族仲が悪いのか、家からは1年じゅう、怒鳴り声が近所に響き渡っていたという。娘夫婦が突然逮捕され、取り残された孫と今も暮らしている実家の両親。事件について尋ねるため自宅から出かけるところを直撃したが、顔を引きつらせながら、終始無言を貫き、車に乗って去っていった。別の近隣住民は、「3人のお子さんは母親が再婚して、邪魔になって捨てられたようなものですよ。今はまだ幼くて親が捕まったことも理解できていないでしょうけど、これからのことを思うと不憫でなりません」尊い命が失われた事件。だが、取り残された3人の子どもたちもある意味で被害者と言えるのかもしれない。
2021年09月02日容疑者の自宅「私にとってはおとなしゅうて、かわいい子。昔はここ(母親の実家)によく来てくれた。親の介護でストレスがたまったとやろうねぇ……」そう肩を落とすのは、80代半ばになる容疑者の叔母だ。あまりの衝撃的な出来事に、事件以降は体調がすぐれないという──。■殺害後に、冷蔵庫に遺棄か6月28日の午前中、親族から「連絡がとれない」と相談を受けた福岡県警西署員が福岡市西区にある松本さん宅を訪れた。翌日の午前1時ごろ、業務用冷蔵庫の中から松本博和さん(88)と妻の満喜枝さん(87)の遺体を発見。松本家は20年ほど前まで酒屋を経営していて、業務用冷蔵庫はそのときに使用していたもの。電源は入っておらず、中が見えないように外から粘着テープが巻かれていた。遺体の腐乱が激しかったことから、司法解剖の結果は死因不詳。外部から第三者が侵入した形跡はなかったため、同署は同居していた次男の行方を追うことに。そして7月4日、次男・松本淳二容疑者は、京都市内で死体遺棄の疑いで逮捕された。「冷蔵庫に遺棄したことは間違いない」と容疑を認めていて、2人の殺害についてもほのめかしている。地元メディアの記者は、こう説明する。「犯行後、容疑者は両親の口座から90万円ほどを引き出して、山口、静岡、神奈川、秋田、岩手と電車を利用して転々としていた。毎日、宿泊先を変えていたが、ついに京都で逮捕されました」それにしても子どもが両親を殺して逃亡とは……。松本家にいったい何があったのか。■寡黙だった父親とおとなしかった息子たち「松本さんのお宅は父親が3代目の酒屋さん。土地も貸しとる地元の資産家でね。店はタバコ、駄菓子、アイスクリームなども扱う雑貨屋みたいなところで、“角打ち”といって店内でも酒が飲める場所やった。母親が切り盛りしとったね。商売人らしく、シャキシャキした人。自転車のかごに酒を載せて、配達もしよった。長男もよう手伝っとったよ」(近所の住民)しかし20年ほど前、近所にコンビニやスーパーができた。酒屋の売り上げが徐々に減っていって結局、店を閉めることに。その直後、母親は脳梗塞で倒れてしまう。かたや、父親は酒屋を妻に任せて自宅で土木建築会社を営んでいた。「父親は寡黙な人。従業員が数人おって、道路工事をよくやっとった。長男も手伝っとったけど、20数年前に父親がいい年になったから会社をたたんだとよ」(同・近所の住民)夫妻と長男、次男の4人家族だった松本家。次男の淳二容疑者について、近所の主婦はこう語る。「兄弟そろって、おとなしい子。特に次男には子どもらしい活発さはなかったねぇ」容疑者と小学校・中学校時代に同級生だった男性も、同様の印象だった。「ジュンちゃん(容疑者)が誰かと遊んでいる姿は、ホントに見たことなかですね。内向的であまりしゃべらないやつやった。教室で声をかけても、気分がのらないときは応えてくれない(笑)。事件の数日前も、自転車に乗っている彼に“久しぶり”と声をかけたけど、何も応えずスッと消えていった。でも、昔からそういうやつやったけん」小学校6年生のとき、自分の将来の夢を発表する授業があったが、「ジュンちゃんは順番がきても、ひと言も話さなかったと。あとで、こそっと“ホントはなんになりたかと? ”って聞いたら、“科学者になりたか”と教えてくれた。運動している姿は思い出せんけど、算数や理科の勉強はようできたですけん。高校も進学校に行っとった」(同・同級生)高校卒業後、いったんはとある会社に就職したが、なじめずに短期間で退社。その後はいっさい職に就かなかったという。「長男は家の手伝いはしよったけど、次男は何もせずにずっとひきこもりやった。いわゆる、親のスネかじり。やるのはゴミ出しと、買い物ぐらい」(近所の住民)■幼少期にも“カッとなった”記憶が脳梗塞で倒れた母親の面倒も、父親だけが見ていた。「でも、父親が6月中旬に自転車で転倒して、頭を打ってね。それで要介護になって、母親の介護ができなくなった。だから、次男は2人同時に介護するようになったとです」(同・近所の住民)長男はというと、10年ほど前から自宅にいないという。不在の理由について、前出の叔母は、「長男は昔から精神的な疾患があってね。それで、いまは病院に入っとるから」両親の年金や家の資産をあてにして生きてきた容疑者が直面した両親の介護。その疲れとストレスから父親のたわいない言葉に“カッとなって殺した。それを見られた母親も殺した”と供述しているが、「容疑者が介護していた期間はわずか10日間なんです。介護疲れの果てに起きた悲劇の殺人とは到底いえないですよ」(捜査関係者)ほぼ無職だった容疑者を59年間も養ってくれた両親に対して、あまりにもひどい仕打ちだ。前出の同級生も、容疑者に激高された経験があった。「数10年前なので何を言ったのかは忘れましたが、僕がジュンちゃんをからかったら、彼がすごい顔つきになって、椅子を振り上げて……。周りが止めに入ってくれたので、殴られはせんかったけど」7月2日、両親の遺体は親族による密葬で荼毘に付された。その遺骨は菩提寺に一時的に預けられていて、四十九日が過ぎると、地域の納骨堂に納められるという。堪え性のない“初老ニート”が犯してしまった衝動的な過ちだったのか──。
2021年07月12日殺人と死体遺棄に問われているある男の裁判員裁判が、先週24日から始まった。その男・千葉祐介(37)が殺害したのは、妻・恵さん(当時36)。夫婦には3歳になる長男がおり、しかも恵さんのお腹には新しい命が宿っていた。彼はなぜ、妻に手をかけてしまったのか。本人の口から語られた“悲しい”事件背景とはーー。事件後から加害者家族の支援を続け、被告本人とも面会を重ねてきた阿部恭子さん(NPO法人World Open Heart・理事長)がレポートする。裁判員裁判が開かれた盛岡地方裁判所 岩手妻殺害死体遺棄事件……2019年5月、岩手県一関市で千葉祐介被告が、自宅アパートで妻・恵さんの首を絞めて殺害。クローゼットに遺体を隠し続けたが、死臭が玄関まで漂い、約1か月後に奥州市内の山林に遺棄。その間、恵さんは“行方不明”とされていた。白骨化した遺体が発見されたのは去年4月。そして同10月、夫である祐介被告が逮捕された。■「お嬢様と召使」のような関係「無実を信じています」千葉祐介被告の父親は逮捕直後、自宅に詰めかけた大勢のマスコミを前にそう話していた。家族の誰ひとり、被告を疑ってはいなかった。被告が勤めていた会社の人々も、「まさか彼が人を殺すわけはない。自白を強要されたのでは……」そう話していたという。逮捕直後に被告の家族から連絡を受け、被告の自宅を訪問したときにはすでに本人は容疑を認めており、一家はショックを隠しきれない様子だった。筆者は、これまで数多くの殺人事件の家族を支援しており、その大半が平凡な家庭であったという事実を伝えてきた。その中でも、本件の被告の家族はもっとも犯罪とは縁のない家族に見える。被告に前科・前歴はなく、特別問題を起こしたことはない。暴力を振るったこともなく、怒りを見せることさえ稀だったという。虫も殺さないような男性がなぜ、人を殺めなければならなかったのか。家族に思い当たる節はなかった。「妻と出会ったころに戻れたら」今年4月上旬、警察署の面会室に現れた被告は、やや緊張した面持ちで筆者にそう語っていた。周りの夫婦はなぜ仲がいいのか、不思議に感じていたという。結婚してからの妻と自分はまるで「お嬢様と召使」のような関係だと公判で供述していた。被告は事件の約2年前、突然倒れ、医師の診断により車の運転を止められていた時期があった。妻に運転ができなくなったことを責められ、病人に子どもは預けられないと子どもとの関わりを制限されるようになったという。公判で、被告が運転できなくなったことについて妻が同僚に愚痴っていたこと、「長男は私に似ているから大好き。少しでも夫に似ていたなら育てたくない」「長男のために2人目の子どもは欲しいけど身体の関係は持ちたくない」と話したと同僚が証言しており、夫婦仲が冷え切っていたことは事実のようだ。被告はある日、妻の日記を見てしまう。そこには、「もっと給料が高い男と結婚すればよかった」「この結婚は失敗」と書かれていたという。離婚は考えなかったのかーー。被告は、筆者との面会でも離婚の選択肢はなかったと否定した。理由は、被告の両親と妻の両親は非常に仲がよく、親族の関係を壊したくなかったからだという。息子と会えなくなることも耐えられなかった。自分さえ我慢すればよいと考え、妻を旅行に連れて行ったり、高価なプレゼントを贈ることによってなんとか関係修復を試みた。ところが、一時的に妻の機嫌を取るような場当たり的な行動は、さらに妻の怒りに火をつけた。「サラ金に手をつけるなんて人間のクズ!」被告が旅行のために借金をしていた事実が判明すると妻は激怒した。その後、妻が2人目の子を妊娠したことがわかるが、被告は「人間のクズの子どもにしてしまった」と嬉しさよりも後ろめたさを感じたという。情けない、不甲斐ないという気持ちは誰にも話せず、自殺を考えるようになっていた。そして2019年5月31日、ついに理性が崩壊する。「あんたのせいで私の人生はめちゃくちゃになった」「あんたのせいで恥をかかされている」と妻に責められ、今までの努力はすべて無駄、妻さえいなくなれば……と、絶望と怒りに支配され、被告は延長コードで妻を絞殺してしまう。■「息子のために捕まるわけにはいかない」筆者は公判を被告の家族と共に傍聴していたが、次々と明らかになる事実に家族は打ちのめされていた。被告は妻殺害後、遺体を自宅のクローゼットに1か月にわたって隠し続けていた。周囲の人々は、まさか、被害者が被告に殺害されているなどとは思わず、妻が喧嘩をして出て行ってしまったという被告の言葉を信じて必死に被害者を探し回っていたのである。なぜ、そのような冷酷なことができたのか。「息子のために捕まるわけにはいかない。母親を奪ってしまった分、幸せにしなければ」被告はそう思い、心を鬼にしたという。被告が逮捕される前日、被告の誕生日を祝うために家族が集まっていた。被告の言動を信じて疑わない家族の姿を見て、これ以上、罪から背を向けてはいけないと犯行のすべてを自白する覚悟を決めた。「なんて馬鹿なことをしたのか」情状証人として出廷した被告の兄は、怒りを込める場面もあったが、最後に「どんなことがあってもお前の兄」と力強い言葉で語った。■殺人事件の半数は家族間で起きている不特定多数の人々が犠牲になる通り魔事件や無差別殺傷事件に比べ、本件のような家族間殺人は社会的関心が低く、事件の背景が丁寧に掘り下げられることは少ない。しかし、日本の殺人事件の半数は家族間で起きており、すべての犯人が異常者というわけではないのだ。なぜ被告が妻を殺めるに至ったのか、その背景を分析するうえで被告がどのような問題を抱えていたのかは明らかにしなければならない。被告は妻から「あんたの給料が安いせいで、私が働かなくちゃならない」と甲斐性のなさを指摘され、期待に応えられない自分に後ろめたさを感じていた。さらに、病気で運転もできなくなったことで、「男が稼いで運転する」という、地方でまだ根強いステレオタイプの男性像から離れていく自分に、劣等感を抱くようになっていた。彼の性格について、周囲の人々は口をそろえて、怒った姿は見たことがなく、穏やかだと話す。被告に自分ではどう思うか尋ねたところ、決して怒りを感じないわけではないが、感情を表出することが苦手だという。被告は吃音があり、緊張が高まるとどもってしまう。昔は今より酷かったことから、人知れず劣等感を抱えていたかもしれない。自己肯定感の低い人にとっては、他人が受け流すような言葉さえも人格否定と捉え、傷を深めてしまう傾向がある。傷を放置し続けると自傷では済まなくなり、重大な加害行為に発展するケースは少なくないのである。パートナーからの言動に傷ついて苦しいという場合、DVの相談窓口が存在している。こうした相談窓口では、DVか否かを判定するのではなく、相談者が苦しいと感じたことを聞いてもらえる。しかし、相談者の多くは女性を想定しており、男性が相談しやすい環境にはないのが現状ではないだろうか。被告の周りに同じような悩みを持つ人がいたならば、事件にまで発展しなかったかもしれない。問題のない家庭で育ったからこそ、対処能力も育たなかった。たとえ、妻の言動に問題があったとしても、人を殺めていい理由には到底なり得ない。罪に手を染める前に、被告には弱さを見せる勇気を、社会にはその受け皿が必要だった。検察側は、被告の犯行態様は悪質であり、身勝手で短絡的、強い非難に値する行為として懲役18年を求刑。弁護側は、被告は妻から病気のことなど自分ではどうしようもないことを非難され、精神的に追い込まれており、懲役5年から7年が相当であると主張。判決は6月1日に言い渡される。被告は最後に「私はとても大きな罪を犯してしまいました。刑務所に入ることになりますが、それで終わりだとは思っていません。その先が、償いの始まりだと思っています」と述べた。家族のためにも、この先の彼の償いの人生を見届けたいと思う。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)など。
2021年05月31日今から約20年前、なんの罪もない女児が身勝手な理由から殺され、被害者であるはずの女児の母親が世間から糾弾されるという理不尽な事件が起きた。逮捕された“ママ友”が抱えていた心の闇とはなんだったのか──。女が起こした事件の核心に迫るシリーズ第1弾。(取材・文/水谷竹秀)当時の事件報道■「文京区2歳女児殺害事件」(’99年11月)事件概要’99年11月22日、文京区の幼稚園に来ていた秋本桃香ちゃん(仮名・当時2歳)が行方不明となった。3日後、桃香ちゃんの母親と顔見知りの山川美恵子(仮名・当時35歳)が夫に伴われて警察に出頭し、殺人・死体遺棄の容疑で逮捕された。’02年11月に東京高裁で懲役15年の実刑が下され、刑期を終えた美恵子は出所している。■鮮明に残る20年以上前の記憶その女性は、20年以上前のあの日のことを、胸に棘(とげ)が刺さったような思いで、今も鮮明に覚えている。それは、同じ幼稚園に長男を通わせる山川美恵子(仮名、当時35歳)が、幼稚園の出口付近で自転車にまたがっているときだった。長男と長女を前と後ろに乗せ、黒いバッグを前のかごに置いた。「すると自転車のハンドルが揺れてバランスを崩したんです。山川さんに『大丈夫?』と声をかけると、急いで立ち去っていきました。みんなが(桃香ちゃんを)探している最中に。今思えば、あのバッグの中に……」黒いバッグの中には、2歳8か月になる秋本桃香ちゃん(仮名)の絞殺体が入っていた。事件は1999年11月、文京区内の公衆便所で起きた。美恵子は、桃香ちゃんの首をマフラーで絞めて殺害し、遺体を黒い手提げバッグに入れた。いったん、自宅マンションへ戻った後、電車で静岡県内の実家まで持ち運び、遺体を敷地内に埋めた。美恵子は夫の説得で自首し、殺人・死体遺棄の容疑で逮捕された。自分の子どもと同じ年の子を殺めたその残虐性は、世間を震撼させた。■加害者に同情、被害者叩く《平凡な主婦が迷い込んだ「過熱お受験地域」》《容疑者に母たち同情の声続々》《○○○○子(犯人の名前)を追い詰めたお受験グループ「生々しい会話」》これは当時の週刊誌から抜粋したタイトルの一部だ。それぞれの記事には、加害者に同情の声が寄せられ、被害者側がバッシングされていた様子がわかる。被害者側が加害者を使いパシリにし、いじめていたとする記述までみられ、まるで被害者側に事件の責任があるかのようだ。なぜ加害者が同情され、被害者の母親が叩かれたのか──。当時を取材した週刊誌記者が、記憶を頼りに明かす。「加害者の夫は近くの寺の副住職だったんですが、ここの住職に美恵子の夫がいじめられていたと証言する近隣住民が結構な数いました。そのいじめが、なぜか被害者から加害者へのものだと間違って伝わってしまった」別の週刊誌記者も語る。「幼稚園のママ友の間で犯人が浮いていたなどと積極的に語っていた自称保護者がいたのですが、その人は裁判にも出てこなかったし、今となっては本当に関係者なのか怪しいですね」一方で、裁判で明らかになったのは、被害者の母親、秋本さんに対して一方的に被害妄想と憎悪を募らせている美恵子の姿だった。《(息子が)年中組の三学期になると、秋本さんに対して憎しみのような気持ちが湧いた。いつも特定の人が彼女の近くにいて、2人はべったりしていたから、私だけ差別・疎外されていると思った》これは秋本さんともう1人の母親との関係についての美恵子の供述だが、自分以外の人間の言動に対する曲解だ。そうして秋本さんへのネガティブな感情が募り、ついにはストーカー的行為に走る。《秋本さんのマンションへ行き、1階の自転車置き場を確認するようになった。そこに自転車があれば安心し、なければ心配になり、あちこち探し回った》秋本さんを過度に意識しすぎたゆえの異常ともいえる行動である。これに対し、秋本さんは「私は彼女と特に親しくはありません」と証言している。■摂食障害に自殺未遂そんな美恵子とは一体、どんな人物なのか。美恵子は静岡県に生まれ、地元の高校を卒業した後、看護師を志して埼玉県の短期大学に進学。卒業後は静岡県内の病院で働いたが、1か月で退職し、2年後に別の病院へ転職する。《(最初の病院を)退職したのは、過食症が続いて、精神的に不安定だったからである。その頃、風邪薬を大量に飲み、自殺を図り、失敗に終わっている》(供述書より)これ以外にも自殺未遂を2回ほどしている。転職先の病院で働いていたときに、長野県の寺院で開かれた講習会に参加し、文京区の寺院で副住職をしていた夫と出会う。交際を続け、7年勤めた病院を退職して1993年春に結婚。文京区のマンションへ移り住んだ。ここでも美恵子は人間関係に悩む。■「そもそも2人はママ友なんかじゃなかった」それはマスコミが曲解する原因ともなった、夫への寺院の住職からのいじめだ。毎朝寺院の門を開ける夫の姿を見ていたと、近隣住民の70代女性は今も記憶に留めている。「継ぎ手がいないからと寺に迎え入れられたんです。雪の日には掃除をしてくれ、まじめな方でした。妻(加害者)も掃除のお手伝いに行っていました。でも夫は住職に気に入られず、いじめられていましたね。『叩かれたこともある』と聞きました。かわいそうでした」そんな中で出会ったのが、秋本さんだった。互いの長男を自宅近くの公園で遊ばせていたのがきっかけだ。2日しか誕生日が違わないことがわかって言葉を交わすようになり、それぞれ第2子を妊娠、出産。長男は同じ幼稚園に入園した。そして事件が起きた。直前、美恵子の長女と秋本さんの長女・桃香ちゃんは、国立大付属幼稚園の受験準備を進めていたが、美恵子の長女が抽選で落ち、桃香ちゃんが当たった。この明暗が、お受験と事件の因果関係を指摘する報道につながった。だが、実際はどうだったのだろうか。冒頭に登場した女性は現在、その幼稚園の園長を務め、美恵子、秋本さんとは当時、同じクラスに息子を通わせた保護者同士だ。事件発生以来、沈黙を貫いてきたが、今回、初めてメディアの取材に口を開いた。「お受験に夢中になった親同士がぎくしゃくして、恨みつらみが事件に発展したという報道が多かったですが、お受験と事件は関係ありません。昔も今も、国立幼稚園のお受験では、抽選という努力ではどうにもならない運次第。そもそも2人はママ友なんかじゃありませんでした」美恵子と秋本さんの関係については、幼稚園での互いの長男の様子を思い出しながら、こう説明した。「加害者の長男は静かな子で、絵を描いたりとそれほど外で活発に動く子ではありませんでした。逆に秋本さんの長男は活発で、外で走り回る元気な子でした。子どもたちの遊び場が異なっていましたから、親同士に接点があったようには見えませんでした」幼稚園に入園する前はたまに付き合っていたが、入園後はそれほどでもなかったようだ。秋本さんが、美恵子をいじめていたという報道については、ばっさり否定した。「加害者を弱者に仕立て上げ、被害者の母を悪者にした。秋本さんは娘を失った悲しみだけでなく、取材に怯え、外へ出られませんでした。大切な娘の思いを静かに馳せる時間を奪い去った報道機関の罪は大きいと思います」■懺悔の気持ちで園長に園長は今も、どうしてあんな凄惨な事件が起きたのか、首を傾げ続けている。「裁判も傍聴しましたがいまだにその理由がわからない。寺院や家庭でのご苦労や悩みもあったのでしょうが、いかなる理由があろうとも、人を殺めた人間に同情の余地はありません」園長は当時、大学で教鞭を執っていたが、事件発生を機に幼稚園の仕事に携わり、発生から1年後には副園長に、さらにその2年後には園長になり、現在に至っている。「自分が保護者の代で起きたことへの、懺悔(ざんげ)の気持ちからでした。事件の翌春、募集をかけなかったにもかかわらず入園してくれた子たちを守らなければという責任感も芽生え、幼稚園が元気になるまで見届けようとここまで来ました」美恵子は’01年、一審東京地裁で懲役14年を言い渡され、二審東京高裁で懲役15年が確定した。遺族が起こした民事訴訟では、東京地裁が約6000万円の支払いを美恵子に命じた。法廷では終始、自己弁護を繰り返した美恵子。最終陳述ではこう語っていた。「私ができることは、生きることを許された場所で、心から反省をしながら、償う意味を考えることだと思います」美恵子は刑期を満了し、すでに出所している。関係者によると、遺族への謝罪が行われていないどころか、賠償金も支払われていない。彼女にとって「償う」とは何を意味していたのだろうか。水谷竹秀(みずたに・たけひで)◎ノンフィクションライター。1975年三重県生まれ。上智大学外国語学部卒業。カメラマンや新聞記者を経てフリーに。2011年『日本を捨てた男たちフィリピンに生きる「困窮邦人」』で第9回開高健ノンフィクション賞受賞。近著に『だから、居場所が欲しかった。バンコク、コールセンターで働く日本人』(集英社文庫)など。
2021年05月28日碇利恵容疑者(左)と赤堀恵美子容疑者(右)言葉巧みにママ友を“洗脳”し、子どもを虐待死させた「5歳児餓死事件」が世間に衝撃を与えている。そこで考えさせられた。「女友達」とは何なのかーー。(コラムニスト・吉田潮)■「たったひとりの親友」は危険ネットの見出し「胸腺萎縮」が目を奪った。昨年福岡で起きた5歳児餓死事件だ。5歳の男の子が母親である碇利恵容疑者とそのママ友・赤堀恵美子容疑者から虐待を受けて亡くなったという。事件の経緯が報道され、余計に目が離せなくなった。なぜなら女友達について考えさせる事件だったから。「友達は数多ければいいというものではない。何でも話せる親しい友人がひとりいれば」なんて思っていたけれど、「たったひとりの親友」も危険だと考え直した。保護責任者遺棄致死容疑で逮捕されたのは男児の母親と、そのママ友。母親によれば、そのママ友の指示に逆らえなかったという。子どもの幼稚園で知り合ったふたりは仲よくなるが、ママ友はありもしないトラブルを吹き込んだ。「ママ友があなたの悪口を言っている」「あなたの夫が浮気をしている」信用しきった母親は、裁判費用や浮気調査費用をママ友に託した。その額は1000万以上。さらに夫とも離婚してしまう。その後、母親が受け取る生活保護費や児童手当、児童扶養手当など、毎月約25万円をママ友に搾取されていたという。男児に食事を与えず、餓死させた後も、母親に携帯電話を壊すよう指示したママ友。恐怖による支配のやり口は、尼崎事件(2012年に発覚した連続殺人死体遺棄事件。複数の家族が監禁、虐待され、多くの被害者を出した)の主犯格とされる角田美代子をほうふつとさせる。母親は調べに対し、「洗脳され、ほかに頼れる人がおらず、肉親のように思ってしまった」と供述。たったひとりのママ友に、人生とわが子を奪われた彼女を一概に責めることはできない。言葉巧みに洗脳されたというのもわからんでもない。「仕事がうまくいかない」「夫や恋人とうまくいかない」「子育てに疲れている」など、ちょっと心が弱っているときに、強い口調で周囲を圧倒する女が寄ってきたら「頼もしい人」と勘違いしてしまう。もともとこの母親は人の顔色をうかがい、空気を読んで自己主張をしないタイプだったようだ。一方、ママ友はクレーマーとして有名だったらしい。推測だが、他人に気を遣って同調することを心がけてきた女にとって、がさつで言葉は汚いが、強く自己主張をする女は頼もしく見えたのかもしれない。たとえそれが正しくなくても、自分には到底できないことを堂々とやってのける姿に憧れを抱くという構図もあったのではないか。■どんな女友達でも「真偽の検証」をこの手の話を聞いて「私だけは大丈夫」と思った人がいたら大間違い。闇の深い人物は実に魅力的に見える。見えてしまう。危機感をもって女友達注意報を発令しておく。まず、「ほらふき」と「嘘つき」の違いを見極めることだ。ほらふきはその場を楽しませるためのリップサービスということもある。だいたい話がデカい。主語は自分。自分を大きく見せるためのネタだなと話半分に聞き流すこと。でも、嘘つきは主語が他の人になる。「〇〇さんがこう言ってたよ」「××さんから聞いた話」「みんなそう言ってる」と話す。そして、周囲への不信感を煽り、つながりを断とうとする。福岡の事件のママ友の言葉を改めて見ると、よくわかる。その人の言葉だけを信じていたら、周囲に人がいなくなる。それこそが狙いなのだから。以前、私にも嘘つきの女友達がいた。「〇〇さんがこう言ってたよ」というので、〇〇さん本人に直接確かめたところ、大嘘だった。むしろ逆の発言をしたと言う。もうその時点で縁を切ろうと思った。悪しき人ではなかったが、縁を切って正解だった。その後の報道によると、このママ友が名前や年齢を偽っていたことや、前の夫名義で借金をしてトンズラしていたことがわかった。周囲には「DV夫から逃げてきた」と嘘をついていたともいわれている。彼女の闇が深すぎて恐ろしいのだが、「嘘つきは泥棒の始まり」であり、嘘に嘘を重ねると犯罪はエスカレートするのだと証明したようなものだ。私の身近でも、さらっと学歴や経歴を詐称する人がいたので、なんとなく腑に落ちた。特に海外留学とか外資企業勤務って、簡単には確認できないからよく使われるよね。うしろめたさは人を情熱的な冗舌にする。そして嘘が通用していくと、罪悪感はどんどん薄れていく。人の人権や生活、命を奪っても罪の意識がないモンスターが誕生するのだ。どんな女友達でも「真偽の検証」は必要だと思う。このママ友は「裁判」だの「浮気調査」だのと、手続きが面倒で専門家を必要とする案件を代理で行ったとうそぶいたようだ。「ヤクザに頼む」などの稚拙な作り話も鵜呑みにせず、疑うべきだった。金が絡むのならなおさら、書類を確認して事実関係を把握すべきだった。また、話の中に人名なり会社なりの固有名詞が出てきたら、ネットで検索して、電話をかけて確かめるくらいの慎重さが必要。なんだか詐欺対策みたいになってきたけれど、「女友達」「ママ友」だからといって油断しちゃならねーってことよ。そもそも、まず大前提として「友達で金のやりとり」がおかしい。いくら頼りになる、信用できると思っても、女友達が金と生活を支配する関係はどう考えても異常だ。そこでやはり「複数の女友達」が有効である。男でもいいのだが、ええかっこしいの男性よりも、しょっぱいことを平気で言ってくれる女友達が複数いたほうがいいと思った。たとえ絶大な信頼を寄せる女友達ができても、オンリーワンは危険だ。複数の女友達とほどよい距離感を保ちながら、近況を報告したり相談しあえていれば、真偽の検証もできたのではないか。トラブルがあったにせよ、いろいろな意見や考え方、解決方法があるとわかれば、洗脳されて思考停止状態まではいかなかったはず。母親にはほかに女友達がいなかった。だから悪しきママ友ひとりにたかられ、生活も人生も支配され、正気もわが子も失った。そこが悔やまれる。ちょうど女友達をテーマにしたドラマ『ナイルパーチの女子会』(土曜21時~、BSテレ東)にドハマりしていたところで、この事件を知った。束縛と支配欲が強くて女友達ができないエリート女性が、ずぼら主婦ブロガーの人生を食い荒らしていく物語で、もう少しライトでベクトルの違う話ではあるが、根底には何か通じるモノがある。女友達の関係に「支配」「束縛」「依存」はない。何かの「代行」も頼むべきではない。そして「金のやりとり」もない。もしこれらが発生したら、もう友達ではないと思え。私の周りにも、闇が深い魅力的な女友達に翻弄された友人が数人いるし、自分も案外弱い。すぐ信用しちゃう。友達の境界線は自分なりにきっちり引いておくべし。この事件を特異な洗脳事件と片付けず、他人事と思わないことだ。友達が少ない人は、特に。吉田 潮(よしだ・うしお)1972年生まれ、千葉県船橋市出身。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。『週刊フジテレビ批評』(フジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。また、雑誌や新聞など連載を担当し、著書に『幸せな離婚』(生活文化出版)、『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)、『産まないことは「逃げ」ですか?』『親の介護をしないとダメですか』(KKベストセラーズ)などがある。
2021年03月10日遺体が冷凍されていたアパートの一室。容疑者はずっと実家暮らしで、父親の寿司店で働いていた時期も「高校時代の成績はいつも学年トップ。まじめでおとなしい子だったのに……」かつての親友である同級生は、驚きを隠せない。■都営住宅からの退去を恐れ、遺体を隠した東京・葛飾区にある都営アパートの一室で母親の遺体を冷凍庫に遺棄していたとして、無職の吉野由美容疑者(48)が1月29日、逮捕された。「遺体を放置していた理由について容疑者は、“10年ほど前に部屋で母親が亡くなっているのを見つけたが、母親名義の都営住宅から出なければならなくなると思って隠した”と話している」(テレビ局記者)冷凍庫はネットで購入したもので、タテヨコ70センチ、奥行き50センチくらい。「容疑者は家賃を1年以上滞納していたため1月中旬に退去しており、訪れた清掃業者が押し入れの遺体に気づき事件が発覚した」(前出・記者)近隣住民の反応はというと、「母親は病気で施設に入れていると聞きました。異臭もせず、遺体には気づかなかった」部屋には女友達や彼氏のような男性が出入りする姿も目撃されているが、冷凍庫の存在は隠していたのだろうか。保険料は未納で、年金も免除されていたという容疑者だが、部屋に住み続けることはできなかったのか。都営住宅の管理をする東京都住宅供給公社によると、「契約者が亡くなった場合、同居人が60歳以上もしくは配偶者、障害者でない限りは6か月以内をめどに立ち退く必要があります。金銭的な事情は基本的に考慮されません」■母親は精神を患っていた葛飾区で生まれ育った容疑者だが、冒頭の親友によると、「高校では服装の乱れた生徒が多かったけれど、彼女は制服のボタンとネクタイをしっかりしめていた。弁当も毎日、自分で作っていて、手芸好きで、家庭的な子でしたね」人見知りだが、打ち解けると明るい性格だった。しかし、彼女には親友にも言えない“秘密”があった──。長年、アパートに暮らす住人が振り返る。「実は母親は精神を患っていたんです。朝から晩まで部屋の中で奇声をあげていた。窓が開いていて、隣のアパートまで響くほどの大声でした」容疑者はひとりっ子で、寿司職人の父親は、20年ほど前に病死。母親に異変が生じたのは30年以上前だという。「当時は4階に住んでいて、ベランダから風呂の水を流したりむちゃくちゃ。夜遅くまで部屋の前の通路に座って家族の帰りを待っていたので、近所の住人は気味悪がってました」たまりかねた住人が抗議すると静かになり、周囲も施設に入ったと思い込んでいた。容疑者は高校時代、帰宅部だったというが、毎日、母親の世話をしていたのだろうか。■大学進学を志望していたが、諦めて就職前出の親友によると、「うちの高校は進学校ではなかったけど、彼女は大学進学を志望していた。英語や国語など、文系教科が得意だった」しかし、念願は叶わず……。「家庭の事情で(学費の安い)国公立しか考えてなかったようだけど結局、諦めて就職。初めの会社はすぐ辞めてしまい、その後、運送会社に入って大型トラックの免許を取得した。20歳くらいのとき、同僚と交際していて、結婚したいと聞いたのが最後です」最近は近所で“介護士になるため学校に通いたい”と語っていたようだが、一部報道ではソープランドで働いていたという情報もある。家の事情に翻弄され、苦難の人生を歩んできた吉野容疑者。どんな思いで母親と過ごしていたのだろうか。
2021年02月10日小学生時代の佐藤喜人容疑者栃木県那須町の別荘地にある山林から、切断された女性の遺体が見つかった。別荘を所有していたのは、容疑者の親族で──。今年9月、豊島区の会社員・富塚(とみづか)沙織さん(享年35)の遺体を山林に遺棄したとして、保育士の佐藤喜人(よしと)容疑者(29)が12月6日に逮捕された。■殺害後、小学生女子にわいせつ行為も「殺害現場となった富塚さんの自宅アパートから600メートルほど離れた場所に容疑者は住んでいた。2人に面識はなかった」(テレビ局記者)現場付近の防犯カメラでは、殺害直後も顔色ひとつ変えない容疑者の姿が確認されている。「容疑者は富塚さんを殺害した後も、勤務する保育園で働いていた。遺体を運んだ翌日には、友人の結婚式に出席していたことも一部で報道されている。さらに11月には、新宿区内の小学生女子にわいせつ行為をしていた」(前出・記者)マッチングアプリに登録し、逮捕直前まで女性を物色していた痕跡も残っている。取り調べで容疑者は「金銭目的」と供述していたが、富塚さんの遺体が全裸で遺棄されていたことからも、性犯罪目的だったことが疑われる。「富塚さんはいつも笑顔で明るい子。ファッション好きで、よく可愛らしい洋服を着ていましたね」(友人)そんな富塚さんを殺めた容疑者はどんな人物なのか。「60歳くらいの母親とふたり暮らしでしたね。入居のときに菓子折りを持って挨拶にきてくれた」(近隣住民)佐藤容疑者の出身は埼玉県。幼いころから父親がおらず、ひとり親家庭で育ったようだ。小学校時代の同級生が少年時代を回想する。「佐藤くんは暗くて静か。でも慣れてくると、ボソボソと冗談を言うんです」家庭は裕福ではなく、母親の仕事も忙しいため、容疑者はあまり母の愛情に触れる時間がなかったようだ。そのせいか、マザコンの気があったようで……。■母親の実家は資産家だが、住まいは安アパート昨年まで働いていた埼玉県内の介護施設のHPには、〈母親が保育士をしていたことで、福祉に関心を持った〉と綴っていた。また容疑者は若くして離婚歴があり、その後も母親とふたり暮らしで、家事を任せきっていたことからも、母に甘えていたことがうかがえる。母親の実家は、いくつも会社を経営する資産家。遺体遺棄現場となった那須の別荘など不動産も複数所有している。一方、容疑者と母親が暮らしていたのは築50年の安アパート。実家からの援助はなかったのだろうか。母親の実家で容疑者の離婚歴など家庭事情を尋ねると、「(深い付き合いのない)親類だから詳しくは知りませんね。いつ結婚したのかも記憶にありませんねぇ」と親族間の“断絶”をうかがわせた。嫌がらせのように親族の別荘地で遺体を遺棄したことからも、容疑者がよい感情を抱いていなかったことがわかる。これらの心情について新潟青陵大学大学院の碓井真史教授(犯罪心理学)は、「親の実家が裕福なのに家が貧しい状況を容疑者は受け入れられないのでしょう。お金があれば、母親の愛情をもっとたくさん注いでもらえたのにと、実家に対してコンプレックスを抱いたのでは」と分析する。無残な殺人現場の舞台裏に、屈折した親族関係が浮かび上がった。
2020年12月15日昨年11月、当時大学生だった女性が赤ちゃんを土の中に遺棄した東京・港区の公園「乳児遺棄事件」が後を絶たない。生い立ちや友達関係など、彼女たちが赤ちゃんを遺棄した背景にはいったい何があるのだろうか。「加害者」となった本人、そしてその家族が語ったこととはーー。凶悪事件も含め、200件以上の殺人事件などの「加害者家族」を支援してきたNPO法人World Open Heartの理事長・阿部恭子さんが、レポートする。東京港区の公園でうまれたばかりの赤ちゃんの遺体が発見された事件で、先月、23歳の元大学生の女性が逮捕された。女性は地方の大学に在籍しており、就職活動のため上京していた際に羽田空港のトイレで出産。赤ちゃんが泣き止まず、首を絞めたと供述しているという。本件のような乳児遺棄事件は度々起きているが、過去に「加害者」となった女性たちの生育歴から事件の背景に迫ってみたい。■女友達ができなかった会社員の絵美(仮名・19歳)は、勤務先近くの公共トイレで出産し遺体を自宅近くの山林に遺棄して逮捕された。絵美には軽度の知的障がいがあった。学校の成績は常に最下位だったが、特に問題を起こす子どもではなかった。中学卒業後、親族が経営する会社に勤務。絵美の姉は、成績優秀で、地元ではなく私立の学校に通い有名大学を卒業していた。姉は幼い頃から塾や習い事で忙しく、妹と遊んだ記憶はないという。妹について、親の言いつけはきちんと守る子どもだったと話す。露出の多い服装や厚化粧はせず、早めに帰宅して家事手伝いをしていた。そんな絵美は、両親や姉にとって、家庭では「いい子」だった。しかし、地域の人々の印象は違う。「あの子は小さいときからいつも男の子と一緒。どこにでもついていくって、噂でしたよ」絵美は犯行後、妊娠や出産について相談できる人がいなかったのかという質問に、「女の子の友達がいなかった」と話していた。絵美は感情を言語化することが苦手である。ストレートすぎる表現しかできず誤解を生むことも多く、女の子同士の仲間には入ることができなかったという。男性と一緒にいるほうがラクだと感じ、いつの間にかセックスはコミュニケーションのひとつに。妊娠も初めてではない。以前は、相手の男性が中絶費用を負担したという。しかも、今回の妊娠は、父親の可能性がある男性はひとりではなかった。それゆえ、男性に相談することもできなかったのだ。絵美は、会社でも友達はなく孤立していた。妊娠による体形や体調の変化に、同居していた家族は気が付かなかったのか。「ちょうどその頃はお姉ちゃんの結婚が決まったばかりで、お姉ちゃんのほうにばかり気が向いて……」泣きながら後悔する絵美の両親。しかし、親の意識が姉にばかり集中し、絵美に無関心なのは幼い頃からだった。きょうだいに対する家庭での差別的な対応は、少なからず事件に影響を与えている。事件によって、姉の結婚は破談となった。■親に叱られるのが怖かった「まさか、娘があんなことをしたなんて……。今でも信じられません」美奈子(仮名・40代)の娘・奈々(仮名・16歳)は、自宅近くのスーパーのトイレで出産し、遺体をゴミ箱に遺棄した。事件は、加害者は匿名で、大きく報道されることはなかったが、美奈子が生活する地域では大騒ぎとなった。「鬼畜!出ていけ!」事件後すぐに、美奈子の家には嫌がらせの電話が来るようになった。奈々は犯行動機として、「親にバレるのが怖かった」と供述したという。それ以来、美奈子と夫は「虐待親」と呼ばれ、周囲から壮絶なバッシングを受けることになった。奈々には兄がおり、地元の進学校に通っていた。奈々が、兄から性的虐待を受けており、子どもの父親は兄だという噂が流れていた。兄は学校で「レイプ犯」などと罵られ、上履きを隠されたり、同級生から無視をされるようになった。「私たち虐待なんてしていません……」家族には、奈々がこのような事件を起こす心当たりはなかったのだ。奈々は、中学時代からいじめを受けており高校に入っても友達がいなかった。クラスメートから無視をされていたが、暴力や嫌がらせを受けているわけではないという理由で、先生に相談しても対応してはもらえなかった。親に相談したこともあったが、「友達を作るより勉強が大事」と一蹴されてしまう始末。奈々は、SNSの世界にのめり込み、現実の世界の寂しさを紛らわすようになっていく。奈々の悩みをよく聞いてくれる男性と親しくなり、現実でも会うようになった。会うようになると、嫌われるのが怖くて、肉体関係を拒むことができなかった。生理が遅れていることを打ち明けると、彼とは一切連絡が取れなくなってしまった。特に異性との交際に厳しかった母親の美奈子。奈々は、恋愛とは関係なく男の子の友達も欲しかったが、家に電話が来ても取りついてもらえず、高校を卒業するまで交際は厳禁だった。妊娠した事実など、打ち明けられるはずがない。奈々は、ひとりで出産し子どもを処分する覚悟を決めていたという。体形の変化は服装で必死にごまかしていた。「遺体を発見した人は、あまりのショックで寝込んだ」「あのスーパーの近くで事故が起きたのは、死んだ子どもの霊が原因」事件が周囲に与えた衝撃は大きく、一家のもとには言われなき誹謗中傷が続き、転居を余儀なくされた。■孤立が事件を生むふたつの事件の家族は一定の社会的地位を有し、だらしのない家族ではなくむしろ厳格な家庭だった。子どもを厳しく躾けているが、子どもの抱える悩みには無関心。また、家庭で性の話題はタブーとされていた。このような家庭は少なくないかもしれない。思春期の子どもが抱える悩みは複雑で、すべてを家庭で解決することは不可能である。事件を起こした女性たちは会社や学校で孤立しており、頼れる存在が「男性」しかいなかったのだ。ふたつの事件は都市部ではなく人口の少ない地方で起きているが、未婚の女性が産婦人科に行くとすぐ噂になると言われているような地域で、相談できる機関もなく、女性へのサポート体制は脆弱だった。11月は、外国人女性による乳児遺棄事件も続いた。12日、東広島市で技能実習生のベトナム人の女性が生後間もない赤ちゃんを遺棄したとして逮捕された。19日には、熊本県芦北町で働くベトナム人の技能実習生の女性が、新生児2人を自宅に遺棄したとして逮捕されている。適切なサポートに繋がることができなかった結果であることは間違いない。乳児遺棄事件の「加害者」となる女性は、いずれも社会的な差別を受けやすく、周囲のサポートが弱い人々である。事件を起こした女性や家族を追いつめても同様の事件を防ぐことはできない。背景に何があったのか、原因究明が求められる。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)など。
2020年12月03日2020年11月13日、ミステリー作家の北里紗月さんがTwitterを更新。その内容にクスッとする人が相次ぎました。現在新作を執筆中の北里さん。物語に登場する『死体遺棄現場』をGoogleマップで検索したところ、とんでもないことに気付いてしまったといいます。現在書いている小説の死体遺棄現場周辺情報をGoogleマップで確認したところ、目の前が警察署だった。どうしよう。もう遺棄しちゃった。— 北里紗月 (@kitazatosatuki) November 12, 2020 警察署の前で遺棄しちゃった…!北里さんは「知っている場所ならば死体遺棄に最適」と思い、その場所を選んだといいます。地図を見て気付いた時は、とても驚いたそうです。ネット上ではさまざまなコメントが寄せられました。・灯台もと暗しを地で行く大胆な犯人ですね。・まだ間に合いますよ。警察に見つからないように回収しましょう!・大胆不敵!挑戦的でいい展開だと思います。・笑いました。第一発見者を警官にしちゃえばいいかも。「死体遺棄現場の変更、もしくは強行については犯人とよく話し合って決めていきたい」とつづっていた北里さん。相談の結果、どこに死体を遺棄したのか気になってしまいますね。作品の完成が待ち遠しいと多くの人が思ったことでしょう。[文・構成/grape編集部]
2020年11月13日後を絶たない、新生児遺棄事件。その時、罪に問われるのは、必ずと言っていいほど母親となる女性側。だが、子どもは一人では作れない。当然、父親となる男性にも責任があるはずだが、彼らが逮捕されることはほとんどない。先日公開され、反響を呼んだ記事『新生児遺棄事件、責任を負わない “父親たち” が犯した「罪にならない大罪」』。「こういう記事を待っていた」という傍聴人でフリーライターの高橋ユキさん。数多くの事件を取材してきた高橋さんに、これらニュースへの思いを聞いた。※写真はイメージです「トイレで出産」「逮捕」……こんなワードでネット検索をかけると、いくつものニュース記事がヒットする。それらの多くが、コンビニや自宅、またはバーなどのトイレで出産し、そのまま赤ちゃんを放置して立ち去った女性や、ロッカーに入れて立ち去った女性、あるいは産んだばかりの赤ちゃんを窓から投げた女性たちが、殺人未遂や保護責任者遺棄などの容疑で逮捕された……というものだ。■責任を問われない父親昨年1月に、埼玉県新座市のコンビニの個室トイレで女児を出産し、そのまま立ち去った20代の女性は、同年4月に殺人未遂容疑で逮捕された際「一人では子どもを育てられないし、妊娠したことを親に告げていなかった」と理由を語っていた。また同年10月に殺人容疑で秋田県警に逮捕された当時19歳の少女は、5月に自宅のトイレで出産した男児を、トイレの窓から投げ捨てていた。この少女については「個人の特定につながる」として夫がいたかどうかなど、詳しい事情は明らかになっていない。今年の4月には、神戸市のバーのトイレで女児を出産し、放置したとして26歳の女性が殺人未遂容疑で逮捕された。調べによると、女性はトイレで1時間ほどかけて女児を出産。次にトイレに入った客が、産まれたばかりの女児を見つけたという。「殺すつもりはなかった」と否認している。こうして逮捕された女性たちはのちに起訴され、ときに有罪判決が下される場合もある。子どもを産み、捨てた罪を背負うことになるのだ。しかし子どもは女性一人で作れるものではない。性行為の結果、妊娠に至ったのであるから、子どもの父親となる男性が必ず存在する。しかし、彼らの責任が問われることはない。責任を取り、罪を背負うのは、子どもを産んだ女性だけであり、報道により社会的制裁を受けるのも女性だけだ。父親である男性の存在は報じられない場合も多い。一方、女性側が赤ちゃんを産み捨てて逮捕された際の報道では、その場所や日時などは大まかに明らかになるが、どういった事情から産み捨てることになったのかは、報じられることはほぼない。また、未成年だった場合は氏名も明らかにならないために、後日開かれる公判の予定も把握しづらく、取材することは非常に難しい。そんな事情はあれど、新聞やテレビでの第一報が出れば、近所や友人知人の知るところとなり、匿名掲示板に実名が書き込まれたりもする。それを見つけるやいなや、トレンドブログで記事が量産され、女性の名前や顔、SNSも、憶測で発信される。だがそこにはやはり、赤ちゃんの父親である男性の情報が出ることはない。■ネットでの誹謗中傷は母親へ集中先の新座市のコンビニで女児を産み、放置した女性Aさんに対しては、のちにさいたま地裁で公判が開かれた。Aさんは実家で両親と暮らしながら、金銭を得るためにインターネットで知り合った男性たちと性交渉を重ねていた。そんな生活の果てに妊娠が判明したという。心当たりのある男性は3人いたが、いずれも連絡がつかなかったのだそうだ。中絶費用は一人では捻出できなかった。そんな事情が報じられるやいなや「ネットで知り合って性交渉して妊娠とか頭大丈夫?」「なぜ父親のわからない子どもを産もうと思うんだろう」「中絶費用も用意出来ない人がどうやって子ども育てるの?」「産み棄てた時点で母性本能ない」など、Aさんへの批判がネット上に集中した。ところが不思議なことに、子どもの父親の可能性のある3人の男性について「ネットで知り合って性交渉して妊娠させるとか頭大丈夫?」「連絡つかなくなる時点で責任感ない」という批判は見当たらなかった。出会い系アプリで出会い、その場限りの性交渉ののちの妊娠、または不倫の末の妊娠、結婚など考えていなかった相手との妊娠……結婚相手以外との望まぬ妊娠には、さまざまな事情が横たわる。貧困や知識不足などから手術もできないまま、ときに産婦人科を受診することもないまま、人知れずトイレなどで出産に至ることが実際にある。そんな彼女たちを「母親としての責任がない」と責めるのは簡単だ。しかし、トイレなどでの出産という悲しい結末は、それまで彼女たちが、父親である男性との話し合いもままならず、自分の友人や家族にも打ち明けられない状況にあったということも示してもいる。先述のとおり、子どもは女性一人で作れるものではない。Aさんが仮に3人の男性との性行為の際に避妊をしていようと、妊娠の可能性はある。だが男性たちは“もしも”の場合に備え、Aさんと連絡がつく状態を維持していなかった。産み捨てという結果に至ったことについては、女性のみならず、男性側にも当然、責任がある。たとえその時限りの関係だったとしても、自分の行動には大きな責任が伴うことを自覚してほしい。いまもAさんの妊娠や、自分の子どもかもしれない赤ちゃんがトイレで産まれたことも知らぬまま、Aさんと性交した男性らはどこかで暮らしているのだろう。高橋ユキ(たかはし・ゆき)1974年、福岡県出身。殺人事件の取材や公判傍聴を通して記事を執筆する、傍聴人・フリーライター。著書は『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)、『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)ほか。
2020年10月26日2018年5月、新宿・歌舞伎町のコインロッカーから新生児の遺体が発見。捜査が行われた「逮捕される母親は加害者であり、被害者です」そう訴えるのは、セックスカウンセラーで妊娠・出産・性暴力に関する相談員として活動する竹田淳子さん。「相手の男性がいなければ妊娠はできません。ですから責任は男性にもあります」望まない妊娠。誰にも相談できずに人知れず出産。公園、トイレ、コインロッカーなどから遺棄された赤ちゃんが見つかる事件は後を絶たない。母親は逮捕され、世間からも責められる。だが、『父親』たちが一緒に逮捕されることはほとんどない。■相談できている女性はひと握り母親を追い詰め、そして逃げる『無責任な父親』とはどんな人物なのか─。「本当に好きな相手だから言えないと男性をかばう女子高校生や結婚する予定だったけど、相手がいなくなったという相談もありました」と話すのは匿名で赤ちゃんを預け入れることができる『こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)』を運営する熊本県の慈恵病院の担当者。SNSで知り合った男性、彼氏、夫、妻子持ち、未成年の少女と性的な関係を持ち、逮捕を恐れて逃げた成人……社会的な地位がある人物から未成年まで、逃げる『父親』は多岐にわたる。新型コロナ禍による休校措置で親の目が行き届かない時間が増えた影響もあり、中高生の妊娠が問題になっている。同病院でも4月から相談が増え続け実際、妊娠していた件数も多かった。前出・慈恵病院の担当者は、「相談できている女性はほんのひと握り。1人で悩みを抱えている人はもっといると思います。今後、新生児遺棄が増えるのではと心配です」男性は逃げ、女性は誰にも相談できずに孤立していくことで悲劇が起こる。「未成年の場合、親に心配かけたくない。話したら怒られる、と口をそろえます。親との関係も崩れてしまう、と子どもは恐れるんです。相談窓口や相談できる第三者は必要です」(前出・竹田さん)実父や母親の彼氏から性暴力を受けている被害者たちはさらに過酷だ。「加害男性は誰にも言わない、大騒ぎしないと見越して行為に及んでいます。被害者なのに、お母さんに心配かけたくない、両親の関係が悪くなるのは嫌、と性暴力も妊娠も誰にも相談できずに追い詰められてしまうんです」(同)1人で自宅での出産は赤ちゃんが亡くなる確率も高い。「亡くなれば母親は罪に問われます。母子を守るためにはきちんと相談ができ、安全な場所でお産ができるよう、社会全体で考えなくてはいけません」(前出・担当者)逮捕、起訴されれば母親は法廷でこれまでの人生から家族関係、男性との関係まで洗いざらい、公にされる。「罪の思いに苛まれ続け、女性の将来はめちゃくちゃになってしまいます」(同)■男性は“出したら終わりの生き物”一方の『無責任な父親』たちはのうのうと生き続ける。新潟青陵大学の碓井真史教授(犯罪心理学)は、「男性に罪の意識はないでしょうし、遺棄されたのは自分の子どもとも思っていない。母親に対しても愛した女性という感覚も鈍い。人間の心理は自分に都合よく物事を考えるようになっているので、自分のことは棚に上げ、逮捕された母親に対して、“俺に迷惑かけるな”という意識を持つことが考えられます」竹田さんは以前、19歳の元彼からレイプされ、妊娠した18歳の女性から相談を受けたことがあった。竹田さんが相手の男性と対峙すると、「オレの子じゃない、責任はない、の一点張り。謝罪はおろか、彼女の身体の心配もお腹の子どものことも何も言っていませんでした」女性は当初、妊娠を誰にも相談できず最悪、出産後に遺棄していた可能性も否定できなかったと明かしたという。ではなぜ『無責任な父親』が生まれるのか。「言い方が悪いですが、男性は“出したら終わりの生き物”。身体の関係を持ったら終わりです。でも女性はそこからがスタート。連絡もとって、お付き合いも望みます。妊娠すれば女性は2人の間にできた子だから2人の責任と考えますが、男性はそうは思いません。都合が悪くなると逃げる生き物です」(同)事件が起きれば「父親は誰だ」と世間は注目するが、公にはならない。社会的制裁も受けず、法的責任もないことが無責任さを助長させる。「遺棄の幇助、とまではいかなくても父親になんらかの責任をとらせることができる法整備は必要です」(同)■子育ての負担が母親に集中しすぎ『無責任な父親』とは対極にいる子育て中の父親はどのように考えているのか。父親の育児やシングルファーザーの支援を行う『NPO法人ファザーリング・ジャパン』の徳倉康之理事に聞いた。「無責任な父親は私たちの団体には、まず問い合わせてはきません。生物学的な父親ではなくて、『お父さん』は子どもが生まれ、成長していく過程で芽生えていくんです」妊娠中を含め父親がそばにいなくても子どもは育つ。母子と距離をとる男性は関心ごとからはずれていくという。「もっと言えば無責任な男性はきちんと避妊をしない、お付き合いに関しても手順を踏まないなど、すでに無責任な行動をとっているんです。だからこそ逃げられるのだと思います」(前出・徳倉さん)子育ての第一責任者は母親だという意識も依然として根強いことも起因する。「子育てに関する抜本的な支援の強化も必要です。虐待事件を含め、実母が加害者になることがありますが、そこには子育ての負担が母親に集中している背景があります」と女性支援や性暴力被害の根絶に尽力する日本共産党の本村伸子衆院議員は訴える。「結婚していなくとも父親は父親。養育責任は養育費の支払いも含めてあります。子育ての負担についても、両親のどちらでもシングルで子育てをする可能性はありますから、家族だけに負わせずに、社会全体で子育てをする仕組みをつくることが必要です」しかし、『無責任な父親』の意識を変えることは難しい。法で裁かれなくても『無責任な父親』たちの犯した罪は永遠に許されることはない。
2020年10月03日今年4月、全世界が新型コロナウイルス感染拡大の混乱に飲み込まれる中、米インディアナ州で犬の散歩をしていた女性が腐敗した男性の遺体を発見した。田舎町の側溝に嵌まるように絶命していたその男性は技術コンサルタントのデイヴィッド・ファウトさん(当時50)。身元はすぐに判明したものの捜査は難航し、彼が死に至った経緯は長い間謎のままだった。しかし、発見からおよそ半年経った先週、彼の妻が逮捕された。FOX59が入手した法廷記録によると、ファウトさんの手には切り傷があり、手首と足首にはダクトテープを巻かれた痕跡が残されていた。また、死因の確実な特定には至らなかったが、胃の中に残留していた大量のキノコが毒性を持っていた可能性が指摘されていたという。妻カトリーナ・ファウトの携帯電話からは、致死性のある毒キノコの情報が書かれたウェブページのスクリーンショットが見つかったほか、夫が失踪したにも関わらず、数日間連絡を取ろうとしなかったなど、行動に不審な点もあった。カトリーナは殺人、殺人の共謀、虚偽の報告、死体遺棄の容疑で起訴された。また、ファウト家の友人でもあった元警官テリー・ホプキンスも殺人幇助の容疑で逮捕されている。検察によると、ホプキンスのDNAがファウトさんのシャツから検出されたという。IndyStarによると、ファウトさんはIT系グローバル企業セールスフォースに長年勤め、良好な成績を挙げていたという。私生活では犬を愛し、また熱心なサイクリストだった。カトリーナの連れ子である2人の継娘に手ずから自転車を組み立てるなど愛情深い人物だったようだ。検察は動機については言及していない。
2020年09月24日(写真左から)村上陽都容疑者、母親の淑さん(それぞれ本人のフェイスブックより)《二男です。コロナの影響で、なかなか髪を切れなかったので、かなりスッキリした様です》(原文ママ)7月4日に、愛息の髪をカットしてあげたことを自らのフェイスブックに投稿していた村上淑(しゅく)さん(55)。およそ2週間後、そのヘスタイルは全国の注目の的となる……。■損傷が激しい遺体を自宅にも持ち帰った宮城県警仙台南署は、16日の夜から翌未明にかけて、母親と思われる遺体を名取市まで運んでガソリンをかけて燃やし損壊・遺棄したとして、仙台市内の専門学校生・村上陽都(はると)容疑者(21)を逮捕。20日の送検時には、頭を覆ったコートからアシッド・ベージュの頭髪とメガネがのぞいていた。陽都容疑者は、「家に帰ったら、母親が冷たくなって死んでいた。名取市内まで自家用車で運んで燃やした」と供述している。実際に自宅から約9キロ離れた自然公園にはキャンプ場があり、バーベキュー用のかまどが3つ。そこから損傷が激しく骨に近い遺体が見つかり、自宅にも持ち帰っていたという。遺体を燃やしたかまどは小さく、人を燃やすには身体を折り曲げるかバラバラにするしかなさそうだが、どのような方法をとったのだろうか。容疑者は自宅で母親とふたり暮らし。単身赴任しているという父親の家に長男が同居し、別々の生活をしている状況だった。地元メディアの記者は、こう説明する。「容疑者は当初、父親には“母親がいなくなった”と告げていたため、17日の夜に2人で一緒に仙台南署へ相談に行っており、行方不明届を出そうとしていた。ところが、そのときに容疑者が遺棄について自供したようです」通報や相談をすることなく、わざわざ車で遺体を運び、かまどで燃やしてしまうとは異様だが、容疑者は母親死亡への関与もほのめかしているとも報じられている。そんな陽都容疑者はどんな人物なのか──。*【全文公開】編はYahooニュース内、有料記事にてお読みいただけます。
2020年07月31日’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです」(湯原先生)いったいどうすれば、最悪の事態を防ぐことができるのだろうか。「まずは介護する人は、自分も支援される立場だということを認識することが大事です。介護者(ケアラー)支援の先進国であるイギリスやオーストラリアではすでに法整備されていて、介護者に対して休暇取得や現金支給、カウンセリングなどのサービスが提供されています。今年3月には埼玉県で、全国初となる『ケアラー支援条例』が施行。介護事業者や医療機関を通じて介護者が抱える課題を聞き取り、具体的な支援につなげることを法制度化しました。この動きが全国に広がっていくことが求められています」(湯原先生)湯原先生は、こんなアドバイスをしてくれた。「たとえば、要介護者の4分の1を占める認知症の場合、家族である介護者は『戸惑い・否定』『混乱・怒り・拒絶』『割り切り・あきらめ』『人間的・人格的理解』という4段階の心理的ステップを必ずたどります。介護殺人は第2段階にとどまっている人が、1人で苦しんだ末に事件を起こしているケースが少なくありません。とくに親など自分が大切な人が、訳のわからない言動をすることで戸惑い、そして混乱や怒りの感情を抱いて『今が最悪』な状況と思ってしまうのです」早く次の「割り切り・あきらめ」の段階に進むことが重要だという。「この段階になれば、さまざまなサポートを受け入れられるようになり、介護者がイライラせずに、肩の力を抜いて穏やかに暮らすことが可能になります。第2段階から第3段階に進むためには、他人の介護の体験談から学ぶことです。多くの体験を聞くことで、自分の状況を相対的に見ることができたり、心構えができたりするのです」(湯原先生)認知症患者とその家族の交流の場「認知症カフェ」を開催している目白MMクリニックの内田暁彦院長が語る。「認知症の症状を止めるのは困難です。私ができるのは、患者と家族が自分らしい生活を続けられるよう寄り添い続けることです。心身の負担が大きい介護者が語り合い、情報交換をする場は、問題を共有することで介護者の気持ちが少し楽になるという効果も。またデイサービスも、患者さんのためだけではなく、介護者にとって自分の時間を作るためにも活用するようにしてください。介護の苦しみは永遠に続くわけではありません。1人で抱え込まずに、仲間を作ることも大切。公的な介護サービスを利用したりして負担を分散することが重要です」もし、自分や周囲の人が介護によって追い詰められる事態になれば、どうすればいいのか?「病院や医師だけでなく、住んでいるところの地域包括支援センターや役所、地域の家族会など、介護の不満やSOSが言える場所をいくつか確保しておくほうがいい。また、社会としても、困難に陥っている介護者を早く見つけ出して、いかに手を差しのべるかが課題なのです」(内田院長)介護殺人を回避するためには、介護者の心の余裕と社会のサポートが欠かせないようだ。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日介護の疲れから、身内の苦痛を見るのがつらくて……親族に手をかけてしまう“介護殺人”は長年の社会問題だ。だが、コロナ禍で起こり方に変化の兆しがあるというーー。’00年に介護保険制度がスタートし、認知症などの高齢者の介護は家庭だけでなく、社会全体で取り組むことになった。ところが介護を理由とした家族間での殺人の件数は減らず、厚生労働省の統計によると年間20〜30件起きている。2週間に1件程度の頻度で、介護殺人が起きている計算だ。同調査によると、加害者の3割から4割が女性で、女性が男性を上回ることは一度もなかった。しかし、「異変が起きている」と語るのは、日本福祉大学社会福祉学部教授で『介護殺人の予防』(クレス出版)の著書がある湯原悦子先生だ。「介護殺人の加害者の男女比率は長年この割合で推移してきましたが、今年1月から7月までを調べてみると、女性が加害者である割合が増加しているんです」次の「2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件」を見てほしい。湯原先生が独自に調べた、今年に入ってから7月21日現在までに起きた15件の介護殺人の内容だ。加害者が女性のケースは9件と、男性を上回っている。■2020年に起きた介護が理由とみられる死亡事件(※年齢は逮捕当時。湯原先生の調査を基に本誌が作成。高齢者に対する介護を原因とした死亡事件に限った)【1月2日・神奈川県相模原市】容疑者/加害者:娘(53)1月6日、85歳の母親の遺体を自宅に放置したとして、死体遺棄の疑いで娘を逮捕した。5日に自ら通報して発覚。娘によると母は2日に亡くなったという。遺体の顔面や上半身に内出血があり、「たたいたことはある」と供述している。【1月7日・静岡県伊豆の国市】容疑者/加害者:息子(54)1月7日、警察が衰弱した母親を自宅で見つけ、病院に搬送されたが、死亡した。81歳の母親は歩行困難だったが、介護をしていた息子は1月5日朝に家出。3月12日に発見され、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。【1月28日・愛知県東海市】容疑者/加害者:夫(79)夫は「妻を刺した」と長男に電話し、長男が通報。駆け付けた警察官が72歳の妻の遺体と意識不明の重体の夫を発見した。夫妻は2人暮らし。夫は周囲に妻の介護に悩んでいると漏らしていたといい、心中を図ったとみられる。【2月3日・宮城県気仙沼市】容疑者/加害者:妻(69)妻が親戚に「夫を殺してしまった」と連絡し、事件が発覚。目が不自由な74歳の夫は日常的に介護が必要だった。妻は「介護に疲れた」と供述し、警察は殺人の容疑で妻を逮捕。近所の人たちの証言によると、2人は仲むつまじい夫婦だったという。【2月4日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:妻(69)、息子(43)2月2日、末期がんで体が不自由な78歳の夫を放置して、妻と長男が外出。3月未明に、妻の通報で救急搬送されたが、4日午前に死亡。妻と長男は保護責任者遺棄容疑で逮捕、送検されたが、3月6日に仙台地検は妻と長男を不起訴とした。【3月2日・兵庫県明石市】容疑者/加害者:息子(41)マンションの一室で72歳の母と息子が倒れていると、親族が通報。母はすでに死亡しており、意識不明だった息子も病院搬送後に死亡が確認された。母は認知症を患い息子が介護していた。無理心中だとみられている。【3月7日・埼玉県羽生市】容疑者/加害者:妻(71)「夫を殺した」と妻が自ら通報。「介護に疲れていた」と供述し、72歳の夫を、首を絞めて殺害した容疑で逮捕された。妻の首や手首には切り傷があり、無理心中を図ったとみられている。【4月7日・東京都杉並区】容疑者/加害者:夫(82)夫は「母さんが死んだ。俺も後を追う」と長女に電話。長女が通報して、事件が発覚した。81歳の妻は要介護3だった。夫は「将来を悲観して一緒に死のうと思ったが、死ねなかった」と供述、殺人容疑で逮捕された。【4月18日・大阪府大阪市】容疑者/加害者:息子(57)特別養護老人ホームに入所した91歳の母を毎日のように見舞っていたが、新型コロナの流行で面会が禁じられ、4月17日に自宅に引き取った。翌日の夜、母を殺害し、自身も自殺。「母に『死にたい』と言われ、糸が切れた」という遺書が残されていた。【4月28日・宮城県仙台市】容疑者/加害者:娘(68)強い足の痛みを抱える94歳の母が「早く逝きたい」と言うように。娘は多量の睡眠薬を混ぜたジュースを飲ませ、座布団で顔を押さえつけて母を窒息死させた。嘱託殺人の罪に問われ、7月15日に検察は懲役3年を求刑。判決は8月19日予定。【5月5日・埼玉県さいたま市】容疑者/加害者:娘(26)60歳の母を殺害し、娘が自ら110番通報した。母と娘の2人暮らしで、「3年ほど前に脳の病気で体が不自由になった母を、自分が介護をしていた」と供述し、「介護に疲れた」と容疑を認めているという。【5月14日・茨城県利根町】容疑者/加害者:妻(73)5月14日、呼び鈴を押しても応答しないことを不審に思ったデイサービス施設の職員が長男を呼び出して確認したところ、死後数日が経過した夫婦の遺体が見つかった。介護が必要だった77歳の夫は首を絞められた痕があり、妻は首をつっていた。【6月5日・神奈川県小田原市】容疑者/加害者:妻(73)83歳の夫と妻、長男次男と4人暮らしだった。5日午前0時ごろ、妻は夫の首を絞めて殺害。妻に起こされて、事情を明かされた長男が通報し、事件が発覚。妻は「夫の介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【6月18日・沖縄県南風原町】容疑者/加害者:妻(72)6月18日夕、同居している家族が帰宅すると、意識不明の76歳の夫と妻を発見。介護が必要な状態だったという夫は搬送先の病院で死亡した。自殺を図ったとみられる妻は、意識が回復後に「介護に疲れた」と供述し、殺人容疑で逮捕された。【7月11日・鹿児島県知名町】容疑者/加害者:息子(70)90歳の母親を複数回殴打した翌日、ぐったりとしているのに気づき、息子自らが通報。息子は寝たきりの母を介護しながら2人暮らしだったが、介護を巡って親子で対立があったと伝えられている。「妻が夫を殺害し、その後、自らも命を絶とうと無理心中を図っても死にきれなかったという事例が増えています。気がかりなのが、加害者となった女性が、一様に『介護に疲れて』と動機を語っていること。これまで『介護に疲れた』という理由で肉親を殺害するケースは比較的男性に多かったのです。男性は認知症になった妻や親の介護を抱えても、周囲に悩みを打ち明けたり、何かに頼ったりしない傾向があります。思いどおりにいかない介護を1人で背負い、あるとき何かがポキンと折れるように事件を起こしてしまうケースが多いのです」(湯原先生・以下同)一方、女性の場合、介護のことを育児と同じように身近な話題として、友人や知人、職場などで愚痴や悩みを共有しやすいという。「女性に多い動機は、夫や親など、介護している対象の『苦しみを終わらせてあげたい』というものが多かった。しかし、ここにきて、介護疲れを理由とした女性の事件が増えているのです」いったい、何が起こっているのだろうか?「『介護に疲れて』という動機は『将来を悲観して』という動機と表裏一体。この先、よくなるとは思えない暗い将来を憂い、介護を続ける気力を失い、“ならば一緒に死んでしまおう”、という発想になってしまう女性が増えているのかもしれません」昨年は「老後資金2,000万円不足問題」など、老後の不安が拡大する話題が多かった。そして、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大。他者との交流がしづらく、悩みを共有する機会を失ったり、将来への不安を深めたりしている人は多い。そんな時代背景が介護している女性を追い込んでいるのかもしれない。「女性自身」2020年8月11日 掲載
2020年07月30日着物姿を披露する容疑者(麻理乃容疑者のブログより)「子どもの遺体を土に埋めるなんて、そんなひどいことは絶対にしそうにないまじめで明るい生徒だったのに……」長野県諏訪郡の自然豊かな土地で育った京田麻理乃容疑者(36)の同級生は、驚いたように声をあげた……。■第4子を第3子の代わりに長年連絡をとらず、名字も変わっていた友人が凄惨な事件で逮捕されたからだ。6月29日の朝、北海道旭川市で靴ははいていたが、パジャマ姿の迷子の女児(5)と男児(3)を警察が保護。自宅から3キロほど離れていた路上で姉弟は、「おじいちゃん家に行くところ」と話したが、自宅へ送り届けると家族構成に不審な点が。この姉弟の下に、2歳近くの次女がいるはずだったが、別の乳児がいて両親は「この子が次女です」と説明。しかし、この子どもは夫婦の第4子にあたる男児で、無戸籍であることが判明した。両親に事情を聞くと、「次女は昨年、死んでしまって、庭の土に埋めている」と供述。自宅の庭の深さ1メートルに満たない穴から、服を着て布にくるまれた状態で乳児の遺体が発見され、父親の陵容疑者(38)とともに、麻理乃容疑者も逮捕された。司法解剖や供述によると、次女は約1年前の夏ごろ、1歳になる前に死亡。頭部には外傷があったため、それが死因かどうかを慎重に捜査している。地元メディアの記者がその間の状況を説明する。「『旭川市子育て支援部』が次女を最終確認したのは、昨年2月。その前の月の4か月健診に来なかったため、自宅を訪問しましたが、そのときには虐待などは認められなかった。今年4月の1年6か月健診にも来ていないので、7月に訪問する予定でした」近所では夫婦が、子どもと一緒に散歩したり、コンビニで買い物をしたりする姿が目撃されているが、こんな出来事を記憶している住民も。乳児が亡くなった約1年前のこと。「家をリフォームして、外壁などをきれいにしたんです。さらについ1、2か月前に、草や木でぼうぼうだった庭をきちんと手入れ。事件の偽装工作だったのか、単なる気分転換だったのか……」■存在感が薄かった学生時代そして、こんな証言も。「夫婦2人とも日中から家にいて、仕事をしている気配がまったくなかったので、不思議でした。子どもさん2人が迷子になったのは実は家出で、虐待や育児放棄があったのかもしれません」(近所の主婦)父親の陵容疑者は30年ほど前に、現在の家に一家4人(両親・兄・本人)で転居。小学校から高校時代までを過ごした。容疑者の父はドラッグストアの役員を務めていたこともあり、兄は医師だという。「とてもおとなしくて、いたかどうかもわからない、存在感のない目立たない生徒でしたね」と中学校の同級生は口をそろえ、高校の同級生も、「僕も卒業アルバムを見て、そういえばいたなぁと思い出したぐらい。部活には入っていなかったと思うが、国公立コースにいて成績はまあまあだったと思います」その結果、国立の茨城大学へ入学し、休学中の’06年に『自分とは何か』という自費出版と思われる著書を発表。「なぜ、原爆によって37万人もの人々が犠牲になったのか」「赤いリンゴを見た人は、なぜそれを赤いと感じるのか」「宗教とは何か」などと前書きには記されているようだ。「以降は職を転々として、神奈川県で新聞配達員をしていた’12年には、高齢者3人が自宅内で倒れているのを通報して表彰されたこともありました」(前出・記者)人生の意義を考えたり、人助けをしたりしながら、なぜ自分の子どもは埋めてしまったのだろうか─。現在、札幌市内で暮らす陵容疑者の母親は「弁護士を通してください」と言うばかり。一部では、容疑者の子どもたちは自宅で水中出産したとか、病院には行かない方針だったとも報じられているが、妻の麻理乃容疑者の影響が強かったのかもしれない。実家がある諏訪郡では、こんな声が聞こえてきた。「絵が上手で、小学校時代に富士山を描いて、町のシンボルの絵として入賞した。中学校でも美術部だったと思う。本当に手先が器用で、裁縫もうまかったですね」(冒頭の同級生)性格も活発だったようで、「社交的だったし、グループのリーダーとまではいえないが、みんなをぐいぐい引っ張っていくタイプでした。そういう女の子は当時の男の子は苦手だったので、モテたとはいえないし、本人も男の子に興味を示してはいませんでした」(同)■自ら《着物アイドルのまりのんです》高校卒業後は、地元で盛んな玄米や菜食を中心とした生活様式・マクロビオティックに目覚めていったようだ。《みーーんなに優しい暮らしをしたら、きっと世界は平和で楽しくなる》と’13年ごろ積極的に更新していたブログには自己紹介。マクロビのほかに、化粧品や日用品は、脱石油100%の製品を使うことを心がけ、次のような持論を。《サリンの元になっているものは化粧品のもとになっているものとほとんどかわらない》《第三、第四石油類等。サリンは他の種類の石油類も混ぜて作られているそう》自然農法や着物にも傾倒し、《着物アイドルのまりのんです》と写真付きで積極的に発信している。プライベートについても饒舌で、陵容疑者と出会う前は、外国人と婚約していたようだ。《わたくし、フランス人のパートナーがおりました。とても縁のある出会い方をして、相性もよくて、幸せだった》その後、陵容疑者もブログに何度か登場。《いよいよ籍を入れるぞというときに、それを覆すような出会いがありました》と劇的ななれそめを紹介している。「麻理乃さんは、反戦平和への思いをブログに書き込んだことがあり、陵さんは著書で原爆の犠牲者への言及もあります。そういう面でもふたりは相通ずる部分があったのかもしれません」(夫婦を知る関係者)そんな2人が取り入れた“あるがまま”の生活様式が今回の悲劇を招いてしまったのだろうか─。《その人と出会ってから、私がどんどん解放されていく》《楽しさも幸せさもぶくぶくふくれあがり》夫との出会いをブロブでそう綴っていた麻理乃容疑者。死なせてしまったわが子を自宅の庭に埋め、どんな気持ちだったのだろうか。無許可の土葬が“自然”な方法だとでも思ったのだろうか。
2020年07月14日母親の元住まいの公営住宅のポストには「戸田」の名前が貼ったまま……「戸田さんはひとり暮らしでしたが、3年ほど前からお母さんと住んでいたようです。お母さんは最後には車イスを使っていましたが、かいがいしく世話をしていて優しい息子さんに見えました」「息子さんは猫を飼い始めてね。“猫はやはり可愛いですね”と言って、ベランダ伝いに隣の部屋に行かないように柵を作っていました」■母の遺言をかなえようと同じ5階建てのマンションの住人からそんな評判だった東京・足立区の戸田先容疑者が年の瀬の12月30日に逮捕された。「容疑者は“1年以上前に死んだ母と同居をしている”と近くの交番に出頭。警察が自宅マンションに駆けつけると、母親と思われる女性の遺体が、20枚ほどのビニール袋に包まれた状態でマットレスの上に寝かされていたということです。目立った外傷はなく、死体遺棄の容疑での逮捕となりました」(捜査関係者)母・美弥子さんは脳梗塞などを患っていて容疑者が介護をしていたが、2018年1月ごろに死亡。遺体をそのままに容疑者は2年近く暮らしていたようだ。「母親が生前に“息子と猫の3人でずっと暮らしたい”と言っていた遺言をかなえようとした」「少しでも一緒に長く暮らそうと思った」「母親がいなくなると寂しくなってしまう」などと放置していた理由を語っているようだが、容疑者の生活をいぶかしむ住人も。「お母さんは同居しているというより、部屋に訪ねてくるようでした。息子さんはカメラマンをやっているらしいですが、昼間はいつも部屋の中にいて、夜になるとときどき出かける程度。定職についているようには見えなかった。このマンションの家賃は2Kで9万円なんですが、どうやって生活しているのか不思議だった」そんな一家の奇妙な生活の痕跡は、現場から1キロほど離れている公営住宅にもあった─。■全世帯からお金を借りた母団地の住人が話す。「戸田さん一家は約40年前、息子さんが高校生のころにお父さん、お母さんの3人で近隣から引っ越してきました。息子さんは成人したころに独立して、30歳前後で結婚。子どもさんも生まれたようですが、20年前に離婚。九州でカメラマンをやっていたと聞いています」別の住人も一家の生活ぶりを覚えていた。「お父さまは10年近く前に亡くなっていて、それからはずっとお母さまひとり。病気がちで杖もついていて、ハジメ君が大量に紙おむつを買う姿や、一緒にスーパーで買い物している姿を見かけましたよ。いつも黒革のコート、黒いシャツ、黒いズボンで、まるでホストみたいな感じでした。お母さまはよく“友達のところへ行ってきた”などと話していましたが、いま考えると息子さんのところへ行っていたんだと思います」団地の住人が特に美弥子さんのことを鮮明に記憶しているのは、みなが彼女に金を貸したことがあるからだ。母親は同じ棟のほぼ全世帯にあたる30数世帯から金を借りていたという。別の棟の住人も、「ベランダ同士で顔が合って手を振ったら、美弥子さんが金を借りに来たこともあったそうです。1回に3000円から5000円くらいですけど。なかには3万円貸したという人もいますけどね。美弥子さんは“次の年金が下りたときに返すから”が口グセ。貸すと何度も借りに来る。結局、返してもらっていない人もいるので、“あの人に金を貸しちゃダメ”っていうことになっています」戸田家を知る関係者もこうあきれる。「5、6年前に戸田家はある宗教団体から退会しましたが、その後も元の信者たちにも借りに来るんですよ。彼らは金銭の貸し借りは禁止されているので、断ったようですけど。お母さんが昔からパチンコ好きなのは知っていましたけど、何に使うのか気になっていました。収入が少なく年金暮らしでも、公営住宅の家賃は高くても月に2万円くらいです」容疑者の父親が亡くなったときも、困窮ぶりがうかがえたという。「葬儀は大勢呼ぶ予定だったようですが、お金で行き詰まったようで、身内だけの密葬になりました。祭壇も何もなく、お墓の場所も聞いたことがないので、お骨はそのままになっていると思います」(前出・関係者)■二重生活の背景に見えたもの3年ほど前に「公営住宅では猫は飼えないから」「体調もよくないから」と母親は、容疑者のマンションで生活するように。しかし、公営住宅の部屋の契約は、いまも解約されてないという。確かに現在も、ポストと表札には「戸田」の名前がついたままになっている。「なぜ解約しないのか尋ねたら、お母さんも息子さんも“荷物がゴミ屋敷のようにいっぱいだから、そのまま残している”というんです」と話す近所の住人はこう疑いの目を向ける。「でもいま考えると、生活保護や年金の詐取のために、団地に住所を残していたのかもしれませんよね。母親の遺言なんてきれいごとですよ」扶養できる親族がいたり家賃が高い部屋に住んだりすれば、生活保護の受給はできない。だから母親は、息子のもとに通う“二重生活”を送っていたのではという。「お母さんの金は息子さんの家賃と生活費に使っていたのかもしれません。息子さんが若いとき、お父さんに内緒でバイクを買ってあげたこともあるお母さんですから。お父さんも“妻は息子には甘いから”とこぼすほどでした」(同・住人)そして2年前、母親が死亡。そのとき、わが母を手厚く葬ることよりも、容疑者の頭に真っ先に浮かんだのは、これからの生活についてだったのかもしれない。今度は、母親が生きていることを偽装するために容疑者による“二重生活”が始まったようだ。公営住宅の古参の住人がこう証言する。「3年くらい前から息子さんは以前にも増して団地に通いつめていました。たまった郵便物を整理したり、自治会費の納入をしたり。2年前にお母さんが亡くなっていたなんてまったく気づきませんでした……」しかし、昨年11月ごろから母親の所在確認のため、たびたび警察が公営住宅の部屋を訪れるようになった。12月には容疑者のマンションにも捜査の手が─。逮捕後は、「精神的に疲れた……」とも供述しているという容疑者。母親の亡骸と暮らし続けていたことはもちろん、2年前からの偽装工作の疲れや、罪が発覚することへの重圧があったのかもしれない。
2020年01月15日容疑者のテントの中は、カップ麺の食べ残しなどが「実は平松容疑者というホームレスを知ったのは、被害者の小山さんを知ったことがきっかけで、つい最近のことでした。それがこんなことになるとは……」そううなだれるのは、地域のホームレスを支援するボランティア関係者。彼らでさえ把握していなかった2人の事件が発覚したのは、11月24日のことだった。■競輪にハマって現場は、城下町として栄えた神奈川県小田原市を流れる酒匂川が相模湾に注ぐ河口付近。その近くの橋の下で生活していた小山栄一さん(76)が遺体で発見されたのだ。背中には包丁のようなもので刺した傷があり、警察は小山さんのテントの隣に住んでいた平松政男容疑者(43)を25日、死体遺棄の容疑で逮捕した─。近年、格差社会が拡大し貧困層の増加により、ホームレスも増えていると言われている。しかし、人口約19万人の小田原市が把握しているホームレスは今年1月の時点で16人。今回の2人は把握していなかったという。「このマンションは築45年ほどだけど、小山さんは35年前から20年くらい母親と2人だけで住んでいました。気性が荒いところもあったけど、明るくていい人でね」と話すのは、小山さんがテント暮らしをしていたところから100メートルほど離れたマンションの住人。近所の知人などの話をまとめると、小山さんは東京出身で、小田原近隣の町にあるゴム工場に勤務。結婚して、2人の娘に恵まれたという。「でも、競輪にハマってね。ここは小田原、平塚と競輪場があるから。それで消費者金融から借金までして、奥さんと娘さんたちは出ていったみたい。その後、このマンションに移って、母親と2人暮らし。それでも競輪をやめなくて、ウン千万円も借金。定年まで働いて退職金もあったけど、マンションを売って出ていくことに。本人は“でもさ、楽しみがなけりゃ、オレだって生きられないよ”って言ってたね。もう病気、依存症だよ」(近所の知人)一方で、政治運動にも興味があったようだ。日本共産党の党員として、地元選出の市議会議員の応援活動もしていたことがあった。「そこまで熱心というわけではなく、選挙のときに応援するくらいでしたけど。でも10年ほど前、競輪場でケンカになって、相手を殴って警察ざたになったんです。それで党員からは除名されました」(地元の共産党関係者)マンションを出たあとの小山さんは、付近のアパートを転々としていたという。当初は22万円だったという年金は先細りとなったが競輪をやめることはなかった。「母親はマンションを出て数年で亡くなったけど、お金がなくて遺骨を父親の墓に入れてあげられず、ずっとアパートに置いていたくらい。それで生活費が足りなくて、空き缶集めをやってね。アパートの前に山積みにするもんだから、近所から苦情が来たらしい」(前出の知人)ここ1年ほどは、離婚した長女が小山さんのアパートに転がり込んできて、「小山さんの年金が入る預金通帳と印鑑を持ち出したそう。それで家賃が払えなくなって、追い出されたのよ」(同)ついに家を失った小山さんは、近隣の新幹線の高架下で暮らすように。■17万円渡したばかりしかし、ここでも近所から苦情が来たため、10月4日にホームレス支援のボランティアからの要請を受け移動。住み慣れた町を離れたくなかったのか、同20日に現場近くの橋の下にテントを張ることになった。「小山さんが移り住んだのを確認すると、そこには平松容疑者が先に住んでいたようで、“(小山さんの)テントの設営を手伝ってあげたんですよ”と言っていました」(ボランティア関係者)愛知出身の平松容疑者は数年前から橋の下で暮らしていたが、中肉中背の優しく穏やかそうな人物だったという。「容疑者に週に1回、支援用の食べ物の差し入れをしましょうかと提案すると、“僕はときどき仕事をしているので、大丈夫です”って断られました。小山さんには届けていましたけどね」(同・関係者)前出の知人は、11月中旬ごろに小山さんから、ホームレスになったことを聞かされたという。「こんなことになったのは、山ちゃんは酒を飲まないので、相手が飲んでトラブルになったのかも。強情というかクドい性格もあったから、上から目線でものを言って、相手ともめたのかも」と事件となった引き金を想像するが、金銭トラブルが原因の可能性も浮上している。別のボランティアが小山さんの長女から通帳と印鑑を取り戻して、管理するようになったというのだ。「ときどき現金を手渡す形にしたようで、事件前には小山さんに17万円を渡したばかりだったそうです」(同)小山さんに快く寝場所を提供した平松容疑者は、どこで“豹変”したのか。ホームレスになったばかりの小山さんの言動や現金欲しさに短気を起こしてしまったのかもしれない……。橋の下にある2人のテントには、生活用品が雑然と置かれたままになっている。
2019年12月05日堤幸彦が監督を務め、新田真剣佑、高杉真宙、橋本環奈ら注目の若手俳優たちが出演する映画『十二人の死にたい子どもたち』。この度、本作の超重要人物“死体役”をモデルで俳優のとまんが演じていることが明らかになった。注目キャストがずらりと揃う中、今回新たに“十三人目”=死体役に抜擢されたのは、元「XOX」のとまんさん。「精霊の守り人」や“2.5次元舞台”B-PROJECT on STAGE 「OVER the WAVE REMiX」に出演し、今年TVドラマ放送・映画公開予定の「明治東亰恋伽」への出演も決定している。安楽死を求め、廃病院の密室に集まった十二人の未成年たちの前に立ちはだかる、ルール違反の“十三人目”=死体。一体誰なのか、なぜ死んでいるのか、自殺なのか他殺なのか…。彼の存在は「謎」そのものであり、本作の“密室サスペンス”の柱という重要な役割を担っている。なお、とまんさんが登壇する十三人目の死体役“生”実演が、新宿ピカデリーにて開催決定。詳細は公式Twitter等で発表されるという。『十二人の死にたい子どもたち』は1月25日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:十二人の死にたい子どもたち 2019年1月25日より全国にて公開©2019「十二人の死にたい子どもたち」製作委員会
2019年01月11日村上春樹が翻訳して日本に送り出し、今でもカルト的人気を誇る作家・レイモンド・カーヴァーの短編小説が、リーディング公演『レイモンド・カーヴァーの世界』として9月1日(土)、2日(日)に兵庫県立芸術文化センターで上演される。日によって朗読作品と俳優が異なる本公演で、1日に出演する水夏希に話を聞いた。「レイモンド・カーヴァーの世界」チケット情報シンプルで乾いた大地のような力強い文体が特徴のカーヴァーは短編小説の名手として知られ、今年で没後30年を迎える。「私は初めて読んだのですが、描写がワンクッションあってストレートじゃない。文体も変わっていて何回も読み直しました」と話す。水が朗読するのは『足もとに流れる深い川』という短編。アメリカで平凡な生活を送る主婦のクレアは、夫のスチュアートが、ある死体遺棄事件に遭遇したことを知る。そこで取ったスチュアートや友人たちの奇異な行動は、夫婦間に大きな溝を作り出す。「作品の背景は、男性が絶対的な存在で、女性の地位が低かった時代。例えるなら、スチュアートは『欲望という名の電車』に出てくるスタンリーで、田舎のマッチョな労働者というイメージです。クレアは子どももいて家族を大事にするあまり、彼には何も言えない。でも彼のしたことは、彼女にとってどれだけ衝撃的だったか。私だったらはっきり言うんですが(笑)、『言いたいけど、これ言ったら関係が壊れちゃうかな』というクレアの気持ちは分かりますね」。物語が淡々と進み、これといったオチがないのもカーヴァー作品の特徴だ。水も「えっ、これで終わり?と驚きました」と笑う。しかし、読後にはザラリとした感覚が残り、頭から離れない。「『こんなにたくさんの水が流れているんだもの、何も聞こえはしない』という言葉があって、すごく好きです。私はクレアの存在の薄さを表すような言葉なのかなと思います。クレアの不安を、タイトルにもあるように水の音がかき消してくれる。お客さまも自由に発想してもらい、言葉だけで、言葉だけだからこそ、脳を刺激する世界を楽しんでほしいです」。演出は劇作家でもある新進気鋭の谷賢一が手掛ける。谷は「水さんの持つ知性と芯の強さ、たおやかさ。カーヴァーを読みこなすための資質のすべてを彼女は持っています」とコメントを寄せる。「谷さんはロックな作品も書きますが実はマニアックで、オチがなくて話が盛り上がらない作品が好きなのだそうです(笑)。アイデアが泉のように湧き出てくる方なので、楽しみです」と言う。公演後には水と谷、『コンパートメント』を朗読する渡辺いっけいとのアフタートークが行われる。また、9月2日は山路和弘が『愛について語るときに我々の語ること』、手塚とおるが『ダンスしないか?』『もうひとつだけ』を朗読する。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2018年08月08日