夏の疲れが残る中、厳しい残暑が過ぎたと思えば、今度は秋雨が続き、そのうえ台風までくる秋の天気。ジェットコースターのように気温や気圧が安定しないため、心も体もお疲れ気味になる「秋バテ」に要注意。『天気に負けないカラダ大全』を上梓した気象予報士の小越久美さんが、秋の天気の特徴と天気ごとに起こりやすい低気圧不調の症状について解説する。■秋はどんな低気圧不調が出やすい?秋は地面の温度が冷えてくるため大気の状態が安定し、「行楽の秋」「スポーツの秋」の季節でもありますし、気温が下がると交感神経の働きが高くなるため集中力もアップして「読書の秋」にもうってつけです。秋晴れという言葉もある通り、秋の気候は比較的安定していますが、低気圧不調を抱える人にとっては症状を引き起こしやすい天気が続くため、つらい季節と感じる人も多いのではないでしょうか。夏から秋へ、季節の変わり目には短い雨期を挟みます。秋雨前線が降らせる雨を「秋の長雨」「秋霖」などと呼びます。梅雨と比べれば、秋霖はそれほど激しい雨を降らせるものではありません。しかし、秋は台風シーズン。台風に秋雨前線が刺激されると、大雨となることがよくあります。東京の年間降水量を見ると、梅雨時の6月よりも、秋雨+台風の9月や10月の降水量のほうが多いのです。台風は気圧の変化が大きく、頭痛や肩こりなど“痛み系”のウィークポイントを持つ人には、少々つらい時期。また、このころから気分がうつうつとして、何もする気が起こらない、外出が億劫になる、食欲が増す、寝ても寝てもまだ眠いなど、何かとやる気を失う低気圧不調を抱える人が増加傾向に。この症状を「季節性感情障害」や「秋バテ」などといい、秋から冬に襲ってくるうつに似た症状です。その原因ははっきりとは特定されていませんが、男性よりも女性に圧倒的に多く、その割合は1対4ともいわれています。■「秋バテ」を引き起こす秋の天気の特徴とは夏の間、日本列島を覆っていた太平洋高気圧が弱まると、北へと押し上げられていた梅雨前線が南へ下がってきます。これが、秋雨前線です。梅雨前線も秋雨前線も天気図上では同じ「停滞前線」の記号で描かれ、一見すると違いがありません。暑中見舞いのはがきが立秋を過ぎると残暑見舞いに変わるように、梅雨前線も立秋を過ぎると秋雨前線と呼び名が変わります。同じ停滞前線でも呼び方によって季節を感じられるようになりますし、秋雨前線が降らせる雨を「秋の長雨」「秋霖」などと呼ぶと、日本らしい風情が出ますね。しかし、一見同じと言っても梅雨前線と秋雨前線には違いがあります。梅雨はアジア全体の雨季の一部なのに対し、秋雨は日本特有の現象です。秋雨前線は、北から南下することが多いため北日本や東日本などの日本海側に多く雨を降らせるのが特徴です。梅雨の間、どうにも体調がすぐれないという人は、秋も要注意。眠気、やる気減退、便秘などの不定愁訴が再来しやすく、梅雨はどうにか乗り切ったという人でも、秋になると落ち込んだ気分を盛り返すのが難しくなり、秋バテに陥る方も少なくありません。この秋バテは、冬までズルズルと引きずってしまいがちです。対策としては、とにかく秋が近づいてきたら朝から活動的になること。早起きをしたり、朝時間にストレッチをしたり、いつもより早歩きで歩いたりと、動き回ることで交感神経を上げてあげることが重要です。また、食中毒が増えるのは夏より秋に多いといわれているので、衛生面にも注意を向けましょう。■秋台風による気圧変化で自律神経が疲弊夏の終わりから秋は台風シーズンで、大型の台風が多いのが特徴。台風といえば渦を巻き、グルグルとすごい勢いで進んでくるイメージがありますが、実は、台風はほとんど自分で進むことができません。では、どうやって移動するかというと、偏西風にあおられるようにして進みます。この性質が、台風の進路に影響しています。夏台風の場合、偏西風の影響を受けにくく、勢力はそれほど強くないけれど、のんびり進むため台風の影響が長引く場合があります。対する秋台風の場合は勢力が強く、偏西風の影響をもろに受け、自動車並みの速度でグングン進みます。台風は進路が定まりやすい一方、予想より早く、あっという間に通過してしまうこともしばしば。勢力が衰えないまま通過するので、広範囲に暴風をもたらすのが特徴です。このときに秋雨前線を刺激すると、大雨を降らせます。春や秋に偏西風に乗ってやってくる低気圧の場合、気圧は2~3日かけて徐々に下がり、上がっていきます。ところが、台風の気圧変化は急激です。半日から1日の間に、気圧が20~30ヘクトパスカルも下がり上昇に転じる、ということが普通に起こります。30ヘクトパスカルの気圧降下で、海面が30センチほども上昇します。海の水が30センチも上がるのですから、体への負担がどれだけのものか、想像できますよね。実際に、9月、10月は九州から関東にかけて湿布薬の売り上げが年間でピークになるようです。急激な気圧変化から片頭痛の症状も出やすくなります。■秋は晴れた日こそ、羽織りものを持ち歩くさらに秋晴れの日は、朝晩の冷え込みに注意です。雲ひとつない秋晴れは気持ちのいいものですが、上空に雲がないため、日中、太陽によって暖められた地表の熱が、夜になると宇宙空間へと逃げていってしまいます。これが、「放射冷却現象」の仕組みです。浴槽にふたをすればお湯が冷めにくいのと一緒で、上空に雲があれば地表の熱も逃げにくい、ということなんです。では、上空に雲のかかりにくい夏は、放射冷却が起こらないのかと疑問に感じる人もいるでしょう。もちろん、夏でも放射冷却は起きています。でも、夏は空気中の水分が多く、熱が逃げにくいことに加え、地表の空気もたっぷり暖められているので、宇宙空間に熱が逃げていったとしても、涼しく感じるまでにはいたらないのです。秋の放射冷却による寒暖差は、体にとってはかなりの負担になります。前日の日中に20℃を超える暖かさになったかと思えば、翌朝は5℃ぐらいまで冷え込むというケースも。その差15℃以上。こういった日が何日も繰り返されれば、不調にもなるというものです。秋晴れの日は、日中の気温がどれだけ高かったとしても、帰宅が遅くなるとわかっているときは、カーディガンやストールをバッグに入れて出かけましょう。また、昔から喘息発作は秋の晴れた日に起こりやすいといわれていますし、統計でもそれが証明されています。放射冷却により、冷たい空気が沈殿するときに溜まる汚染物質がアレルギー源となって喘息の引き金になっているとも考えられていますので、喘息やアレルギー体質の方はご注意ください。【PROFILE】小越 久美(おこし くみ/Kumi Okoshi)気象予報士、健康気象アドバイザー1978年、岐阜県下呂市生まれ。筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学分野)卒業。2004年から2013年まで日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。その傍ら、民間の気象予報会社(株)ライフビジネスウェザーに所属し、健康気象アドバイザー・データ解析士の資格を取得。スーパーマーケットの売上予測の開発にも携わる。現在は(一財)日本気象協会に所属し、気象データとAIを活用した商品の需要予測事業に携わり、アパレルや飲料メーカーなどへのコンサルティングを行う。著書『かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~』(経済法令研究会)。
2023年10月22日「頭が痛くなるのは、決まって低気圧の日ばかり」気象病や天気痛が一般的になってきた今、低気圧不調に関するこんな会話もよく聞かれるように。一方で、私たちが悩まされる気圧の変化は、「天気」だけではない。自律神経の名医と気象予報士が天気を味方につける方法を探った『天気に負けないカラダ大全』から一部抜粋、再構成してお届けする。■現代人は、天気だけでなく移動中の気圧変化でも体がボロボロに低気圧がくるのと同じくらい、気圧変化が起きるものがあります。特に、勤務先のオフィスや自宅がビルの高層階にある人や、各地を飛び回っている出張が多い人は要注意。気圧が低くなる分かりやすい例として、山頂でパンパンに膨らむお菓子の袋の話がよく持ち出されます。でも、現代社会では山登りをせずとも、これと同じ現象が日常的に起こっているのです。その代表的なものが「高層ビル」。自宅や会社が高層階にある人は、毎日、エレベーターの昇降による気圧変化にさらされており、一日に何度も行ったり来たりを繰り返していると、じわじわと自律神経を乱す要因になります。高層ビルやタワーマンションに設置された高速エレベーターに乗ると、耳にツンとした痛みを感じる「耳ツン現象」に見舞われたり、耳が詰まったりしますよね。これこそが気圧の変化によるもので、鼓膜の内側と外側の圧力差によって生じます。フロア1階分の高さは、一般的に4メートル程度。気圧は、地上からの高さが10メートル上がるごとに1ヘクトパスカル下降します。単純計算ですが、10階の高さは約40メートルで気圧は4ヘクトパスカル低下します。フロアが10階上がるごとに気圧低下は倍になるので、20階なら8ヘクトパスカル、30階なら12ヘクトパスカルも気圧が低下する計算になります。1ヘクトパスカルの気圧低下で不調を訴える人もいるのに、わずか数秒の間にこれだけ急激に気圧が変化すれば、体調によっては片頭痛が起こる日もあるでしょうし、気圧の低下によって副交感神経が働き、だるさを覚えたり、やる気を奪われたりすることも十分考えられます。エレベーターだけではありません。上下に移動するエレベーターは気圧の変化がイメージしやすかったと思いますが、高速で移動する新幹線などの横移動や縦と横が組み合わさった飛行機、高低差の大きい地下鉄での移動でも気圧の変化を受けることになります。出張などで各地を飛び回っている人もまた、現代ならではの気圧変化にさらされているといえるでしょう。エレベーターと同様に、飛行機の上昇中や下降中、新幹線がトンネルを出入りするときなどに、耳の圧力調整がうまくいかず、耳ツン現象を起こすことがありますよね。乗り物の速度、トンネルの幅なども関係するため気圧変化を数値で示すのは難しいですが、わずか数秒でビルの高層階へ瞬間移動するくらいの負担が体にかかっている、とイメージしてください。乗り物での高速移動は、気圧変化をキャッチするセンサーの役割を持つ内耳を酷使します。このため自律神経の乱れが生じることもありますし、ずっと座ったままの姿勢が血行不良の原因となり、自律神経のバランスを崩してしまうこともあります。また、出張の多い方は、出発地と目的地の天候の違いによる気圧変化や寒暖差に直面することがよくあると思います。移動の車内で気圧変化を調整してきた自律神経は、すでに働きすぎの状態なのに、晴れたエリアから雨のエリアに移動という悪条件が重なれば、自律神経の疲労度はとんでもないことに!移動前と移動後の気温差も自律神経にダメージを与えます。旅行などで移動するのは楽しいものだけれど、半面、自律神経には負担がかかるということを知っておき、自律神経のアンバランスをリセットする行動を心がけることが不調を寄せつけないための心構えになります。【PROFILE】小林 弘幸(こばやし ひろゆき/Hiroyuki Kobayashi)順天堂大学医学部教授1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児科講師・助教授を歴任、現職に至る。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートや文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。また、日本ではじめて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもある。『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム刊)などベストセラー多数。小越 久美(おこし くみ/Kumi Okoshi)気象予報士、健康気象アドバイザー1978年、岐阜県下呂市生まれ。筑波大学第一学群自然学類地球科学専攻(気候学・気象学分野)卒業。2004年から2013年まで日本テレビ「日テレNEWS24」にて気象キャスターを務める。その傍ら、民間の気象予報会社(株)ライフビジネスウェザーに所属し、健康気象アドバイザー・データ解析士の資格を取得。スーパーマーケットの売上予測の開発にも携わる。現在は(一財)日本気象協会に所属し、気象データとAIを活用した商品の需要予測事業に携わり、アパレルや飲料メーカーなどへのコンサルティングを行う。著書『かき氷前線予報します~お天気お姉さんのマーケティング~』(経済法令研究会)。
2023年10月21日9月に入ってもまだまだ暑い日が続いていますね。一方で、秋らしく雨や台風も増えてきて、気圧も変わりやすい時期です。こういった季節の変わり目には体調を崩しやすいですよね。美容や健康に関心が高い女性が集まるanan Beauty+ clubのメンバー約100人に、気象病などいまの季節ならではの体調管理についてリサーチしました!この夏の暑さは異常! 過半数が体調を崩したという結果に…※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。まずは、この夏、暑さが原因で体調を崩したかどうか聞いてみたところ、「YES」と回答した人は53%、「NO」と回答した人は47%でした。半数以上の人が、体調を崩していたんですね。そのときのエピソードを教えてもらいました。「だるくて体が動かなくなり、水分補給をして休んだ」(35歳・会社員)「外での仕事で日傘や水分補給などしっかりしていたけれど、長時間だったためか体調を崩し、吐き気、頭痛、めまいなど、さまざまな症状が出た」(37歳・専門職)「暑すぎて普段あまり外に出ていなかったので、散歩くらいしようと外に出たら、2分ほどでダウン。近くにあったカフェに駆け込んだ」(31歳・会社員)頭痛やめまいなど、熱中症で見られるような不調に悩まされたという人がほとんどでした。体調を崩されたみなさん、大変でしたね…。水分補給をすることで回復した人が多かったようです。日中の外出で体調を崩されたという人が多いですが、夜でも油断はできません。「祭りに参加した夜に熱中症で頭痛がひどくなった。冷えピタを貼り、次の日ゆっくり睡眠をとることで回復した」(35歳・専門職)「暑さで眠れず、寝不足になった」(34歳・会社員)夜は少し暑さが和らぐので、つい気も緩んでしまいますよね。私は、体調を崩すまではいかなかったものの、今年の夏は暑さで熟睡できないことが多く、常に寝不足気味でした。【気象病】気圧の変化も不調の原因に気候による体調不良は、暑さだけではありません。ゲリラ豪雨や台風など、低気圧が原因で体調を崩したことがあるか、聞いてみました。「YES」と回答した人は47%、「NO」と回答した人は53%で、半数近くの人は、低気圧による不調を一度は経験したことがあるという結果になりました。みなさんどんな不調に悩まされたのか、教えてもらいました。「低気圧で頭痛になるので、台風が近づくともう大変」(36歳・専門職)「雨が降る前に頭痛がする」(35歳・会社員)「ゲリラ豪雨の日、前夜のうちから頭が痛くて、翌朝はなかなか起きられず、一日中だるさと眠さでダウンしていた」(31歳・専門職)低気圧による不調は、天候が変わる前から感じている人が多いですね。頭痛を感じるという人が大半でしたが、なかには耳が聞こえにくくなる症状が出たという人もいました。私は、痛みを感じるほどではないのですが、雨の日はなんとなく頭が重いような、ボーっとするような感じがすることが多く、これも低気圧のせいなのかなと思っています。こういった不調はどのように予防したり、対応しているのか、みなさんの工夫も聞いてみました。「なるべく家にこもり、ロキソニンを持ち歩いた」(35歳・専門職)「片頭痛には頭を冷やすといいと聞いたので、保冷剤などで冷やしている」(31歳・会社員)「とにかく体を温めて、早く寝る」(27歳・会社員)やはり頭痛薬などを服用しているという人が多いですが、薬を使わない方法もあるようですね。私は、なんとなく薬に頼りたくないと思ってしまう派なので、頭を冷やすことで片頭痛が和らぐのであれば、ぜひ試してみたいと思います。急な寒暖差にも注意今年は残暑が長引きそうですね。また、これから時期は、朝晩の気温がグッと下がるので、気温差にも悩まされそうです。まずは暑さ対策について聞いてみました。「エアコンはケチらず使う。水分補給はこまめにする。涼しい寝具を使う」(37歳・専門職)「エアコンは我慢しない。枕元に水を置いておく。通気性の良い、締めつけの少ない部屋着を着る」(35歳・専門職)9月に入ると、もう秋に入ったと思い、夜はエアコンをつけるのがもったいない気がしてしまいますよね。ただ、今年はまだまだ暑さが続きそうなので、暑さを我慢せず、しばらくはエアコンを使ったり、こまめに水分補給をしたりするのがよさそうです。また、これから始まるであろう朝晩の冷えや乾燥対策についても見てみましょう。「寝るときにドライにすると喉が痛くなるので、マスクをして寝るようにした」(33歳・主婦)「毛布を厚手のものに変えようか検討している」(40歳・自営業)布団に入った瞬間は暑いのに、寝ている間に寒くなってきたということもありますよね。いつでも手に取れる場所に、そろそろ毛布を用意しておくというのもいいですね。私は、夏はタオルケットを使っていますが、秋用の薄手の毛布を持っていないので、代わりにブランケットを重ねています。今年は秋に使える薄手の毛布を買うことも検討してみようと思います。万全な体調管理で季節の変わり目を過ごそう気象による体調管理リサーチ、いかがでしたか? 体調を崩しがちなこの季節、もう要らないかもと思ったエアコンや、まだ早いかなと思った毛布なども、意外に出番があるかもしれません。念には念の対策をすることで、不調を防ぐことができそうです。みなさんの工夫を参考に対策してみてください!(C) AIGen/Adobe Stock文・高橋あやか
2023年09月08日近ごろ、天気や気圧の変化によって頭痛やめまいなどを訴える人が増えています。謎の不調は「天気痛(てんきつう)」もしくは「気象痛」と呼ばれ、女性の患者が多いのも特徴。なぜこんな症状が起こるのでしょうか? メカニズムや対策を耳鼻咽喉科医の高島雅之先生に教えてもらいました。教えてくれたのは……監修/高島雅之先生(たかしま耳鼻咽喉科院長)日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2006年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。『宇都宮睡眠呼吸センター』を併設し睡眠医療にも携わる。★関連記事:雨の日に頭痛がする「天気痛」持ち。医師から教わった頭痛体操で症状軽減を目指す!【体験談】「天気痛」はどうして起こる? 症状は?気圧の変化を内耳がキャッチ。脳が過剰に反応し血流悪化実は天気痛のきっかけとなるのは「耳」。低気圧になると、耳の一番奥にある「内耳」のセンサーが刺激を受けます。すると脳が過剰反応して自律神経のバランスを乱してしまいます。自律神経には、活動的になると優位になる「交感神経」と休息時に優位になる「副交感神経」があります。両者のバランスが崩れ、交感神経が過剰に高まると体は過緊張状態に。血管が収縮して血流が悪くなり、頭痛などの不調を引き起こします。頭痛の他、耳のトラブルや心の不調を引き起こす頭痛がメインですが、天気痛の症状はさまざまです。内耳が刺激を受けるため、低音が聞き取りにくくなる急性低音難聴や耳鳴りなど耳のトラブルも見られます。また副交感神経が過剰になった結果、気分の落ち込みや倦怠感などが表れることも。思春期の場合、天気痛による倦怠感と「起立性調節障害」との見分けがつきにくいため、判断には注意が必要です。〔天気痛の主な症状〕頭痛めまい急性低音難聴気管支喘息首痛肩凝り関節痛心の不調(気分の落ち込み、倦怠感など)「雨が降ると古傷が痛む」のも天気痛の特徴昔から「雨が降ると古傷が痛む」と言われていますが、これも天気痛の1つ。気圧が低くなると神経伝達物質のヒスタミンの分泌が促されます。ヒスタミンは炎症に作用するため、痛みや腫れが生じてしまうのです。天気痛になりやすいのはどんなタイプ?体質的になりやすく、長く付き合う人も天気痛に悩む人の男女比はおよそ3:7。女性の割合が多いのは、生理や更年期などホルモンバランスが崩れて自律神経が影響を受けやすいためです。おおむね20~30代の女性に多い傾向にありますが、患者は年代問わず、小学生から80代まで幅広くいます。特に気圧の変化に敏感な人は天気痛になりやすく、長く付き合うことになるでしょう。気候変動やストレス社会で近年は増加傾向天気痛に悩む人は増加傾向にあります。地球温暖化による気候変動で気圧の差が大きくなっていることも要因です。その他、長引くコロナの影響やスマホ漬けなどでストレスを抱えていると自律神経が乱れがちになり、天気痛が出ることがあります。「天気痛」の対策は?対策1:不調を繰り返すなら病院へ天気痛による不調が繰り返してつらいのであれば、病院を訪れましょう。耳から始まる不調ですが、受診科は各々の症状に合わせて選んでください。〔主な受診科〕頭痛→内科、頭痛外来吐き気→内科めまい→耳鼻咽喉科耳のトラブル→耳鼻咽喉科気管支喘息→呼吸器内科鼻のトラブル→耳鼻咽喉科首痛、肩凝り、関節痛→整形外科、整骨院心の不調→心療内科更年期症状→婦人科対策2:漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」で水分代謝を調節する天気痛で病院にかかると、「五苓散」を処方されることがよくあります。五苓散は体内の水分代謝を調節し、頭痛、めまい、吐き気などの改善に効果のある漢方薬。ドラッグストアなどで購入できるので、薬剤師に相談をして使用しても良いでしょう。対策3:耳のマッサージ・入浴・運動で血流を促す耳を回したり引っ張ったりすると内耳の血行が良くなり、天気痛の予防・改善に役立ちます。また入浴や運動で血流を促すと頭痛や肩凝りなどの症状が改善することも。対策4:規則正しい生活で自律神経を整える症状の程度にもよりますが、生活習慣を見直して自律神経のバランスを整えることで、ラクになる人もいます。セルフケアとして心がけてみてはいかがでしょうか。まとめ天気痛を訴える人が増えたことで、気圧の変化や天気痛の起こりやすさを教えるアプリなども出ています。寒い時期は耳を温めるイヤーマフなどもおすすめ。じょうずに活用しつつラクになる方法を探ってみてくださいね。取材・文/中澤夕美恵(49歳)出版社、編集プロダクションを経てフリーになって約20年。2021年よりスポーツジム通いに目覚め、せっせと運動に励むものの1年で1kgしか減量しておらず、ズッコケる。いつか痩せると信じて今日もジムへ……。著者/監修/高島雅之先生日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会専門医。金沢医科大学医学部卒業。金沢医科大学耳鼻咽喉科で講師を務めたのち、2006年に開院。「病気の状態や経過について可能な範囲でわかりやすく説明する」ことをモットーに地域医療に従事。『宇都宮睡眠呼吸センター』を併設し睡眠医療にも携わる。
2022年11月05日この季節、気候の変化と同じタイミングで頭痛やめまいなど体の不調を訴える人が増えてくる。「体調不良をもたらす気象の変化には、気圧と湿度、気温の3つがありますが、このうち患者さんの数が最も多いのは『気圧の変化』です。いまの季節は頭痛だけでなく、めまい、全身倦怠感、首・肩こりといったさまざまな症状を訴える人が急増します」そう語るのは、せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長だ。’16年に同クリニック内に「気象病・天気病外来」を開設してから、これまで延べ5千人以上の診察にあたっている。この時季に体調トラブルを訴える人が増加する背景を、久手堅先生は次のように解説する。「不調が出やすいのは、発生した台風が直撃する前と通過した後です。また、天気はよくても、台風が遠くで発生したとき、近づいてくる途中などでも不調を感じる人がいます。人の体の器官のうち、気圧の変化に反応するのは耳。耳の鼓膜の内側にある内耳は、外側からの圧力につぶされないように、内側からも同様の圧力で押し返す働きをしています。内耳で気圧の変化を感じると、脳の中枢に信号が送られ、自律神経を介して体を順応させようとします。このとき、自律神経の乱れがあると、さまざまな不調が出てきやすくなるのです」(久手堅先生・以下同)気象病の症状は人によってさまざまだが、最も多くみられるのは頭痛だという。特に更年期世代の女性は体内のホルモンバランスが崩れているため、気圧の変化によるダメージを受けやすいそうだ。「同時に、悪い姿勢でいたまま骨格がゆがんでいくと、頭部と内耳の位置が安定しにくくなってしまうので、自律神経が乱れやすくなります。ふだんから姿勢に注意して、睡眠時間をしっかりとるなど規則正しい生活を心がけると、気象病の症状を徐々に改善することができます」頭痛や肩こりなどの不調を手軽に改善するために久手堅先生が推奨するのが、タオルで首を伸ばすストレッチ。自律神経の中枢といわれる第1頸椎と第2頸椎のつなぎ目をストレッチすることで、自律神経が整ううえ、頭の位置を正しくリセットできて、首こりや肩こりの症状が軽くなるという。やり方はとっても簡単。用意するものはフェースタオル1枚だけ。細長く4つ折りにしたタオルの両端を持ち、後頭部を斜め上に30秒間引き上げる。次に、斜め下方向に同じく30秒間引っ張ろう。合わせて1分。1日1回、継続して行うとよいそうだ。「起床後など、毎日時間を決めて行うと続けやすいでしょう。また、回数の制限はないので、日中になんだか重だるい、こりがひどい、などと感じたら、そのつど行ってもかまいません。首を痛めないように、角度や強さは無理のない範囲で行うようにしましょう」気象条件の変化からくる不調を吹き飛ばすためにも、1日1分のタオルストレッチを習慣にしよう。
2022年10月13日シチズン(CITIZEN)から、「シチズン エコ・ドライブ ワン」ブランド初となる5気圧防水のステンレスモデルが登場。2021年7月15日(木)に発売される。「シチズン エコ・ドライブ ワン」に5気圧防水の新作ステンレスモデル世界で最も薄い1.00mm厚の光発電エコ・ドライブムーブメントを搭載することで、すべてを削ぎ落とした独自の美しさを実現した「エコ・ドライブ ワン」。今回新たにラインナップに加わるのは、一体感のあるケース&バンドやスタイリッシュなベゼルで、スポーティな印象に仕上げたステンレスモデルだ。一体感あるケース&バンドでスポーティな仕上がりにケースとバンドは、繊細な筋目のヘアラインで落ち着きのある佇まいに。一方でベゼル斜面にはザラツ研磨による美しい鏡面加工を施すことで、華美な装飾を削ぎ落したミニマリズムと、ドレスウオッチらしいエレガンスが共存する、洗練されたルックスに仕上げている。機能面では、防水性を高めるため、3.88mm厚(設計値)のケースに裏ぶたのないツーピース(二体)構造を採用。薄型ながら、ケース裏を腕に沿うような形状で装着感も向上させている。従来モデルとは一線を画す仕上がりの新作は、艶のある黑色がシックな印象の「デュラテクト DLC」を採用した「AR5064-57E」と、明るく透き通るような色調の「デュラテクトプラチナ」を採用した「AR5060-58E」の2モデルで展開される。商品情報「シチズン エコ・ドライブ ワン」発売日:2021年7月15日(木)価格:・「AR5064-57E」495,000円・「AR5060-58E」440,000円<仕様>ケース/バンド:「AR5064-57E」ステンレス(デュラテクト DLC)、「AR5060-58E」ステンレス(デュラテクトプラチナ)文字板:サファイアガラスガラス:サファイアガラス(クラリティ・コーティング)ケース径/厚み:径 38.0mm/厚み 3.88mm(設計値)主な機能:Cal. 8826 / 月差±15秒 / 光発電エコ・ドライブ / フル充電時約 12ヵ月可動 / 5気圧防水【問い合わせ先】シチズンお客様時計相談室 フリーダイヤルTEL:0120-78-4807(受付時間 9:30〜17:30 祝日除く月〜金)
2021年06月27日憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「低気圧」です。低気圧が近づくとだるい、眠い、頭が痛いといった不調を訴える人が時々います。こうしたトラブルは「気象病」とも呼ばれ、最近注目されているようですが、中医学的にも気圧の変化は外界からの刺激のひとつ。体調を左右する要因と考えられます。気圧が高いときは体にも圧がかかるため、体はタイトに保たれます。反対に、低気圧が来ると圧が弱くなって、体はゆるむ傾向に。このとき、健康であれば体表にあるエネルギー=気が圧着タイツのように体を守ってくれるので不調は起こりませんが、気が足りないと体が外へと膨らみ、むくみや疲れなどのトラブルを生じます。この体表にある気、「衛気(えき)」が少ない人は、その他の外界の変化にも敏感です。風邪をひきやすい、アレルギー気味である、汗をかくといつまでもダラダラと止まらない。普段からそうした傾向があるようなら、衛気が低下している可能性大です。また、水分を過剰に摂っている人も低気圧の影響を受けやすいようです。体に余分な湿気=湿邪(しつじゃ)が溜まると、体は当然むくみやすくなり、それが重さやだるさなどの不調に。水分の摂りすぎは胃腸にも負担をかけるため、エネルギーを作り出す力が弱くなり、さらなる気虚(ききょ)につながります。餅やおこわ、えのきで、体のバリア力を高める。気圧の変化によって調子が悪くなるという人は、衛気が不足していないか、体の水はけが悪くなっていないか、その2点をチェックしてみてください。その上で、衛気が足りないと感じたらまずはエネルギーを取り込む生活にシフトチェンジ。疲労を払拭するために、少しでも長く眠りましょう。とくに夏は明るくなるのが早いので、睡眠時間を確保するためには早めにベッドへ。そして、餅やおこわ、えのきなどで気を補います。とくに餅は、胃腸に問題がなければ、気を補強する効果が高いのでおすすめです。水分コントロールは、水を飲みすぎないことも大切ですが、水分を発散できているかどうかにも注目を。一日中エアコンが効いた室内にいた日は、お風呂で発汗するようにします。むくみによる冷え解消にももちろん有効です。夏は台風の季節です。最近は大型台風も頻発していますし、油断大敵。気候によるトラブルを抱えている人は、どうぞ体調も早めの備えを。さくらい・だいすけ漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・原田桃子文・新田草子(by anan編集部)
2020年07月15日低気圧とは?出典:byBirth気圧とは「気体による圧力」のこと。簡単にいうと空気の重さのことです。空気に重さはあるの?と不思議に思いますが、空気にも重さはあり、温度や湿度によって変化しています。天気はこの気圧の変化(空気の移動)によって決定しているんです。私たちの体に影響をもたらす低気圧の場合、空気が地上から上空に移動するときに上昇気流というものが発生します。この上昇気流が強ければ強いほど、雲はどんどん発達し激しい雨や台風になるなど天候が良くない状態が起きるのです。低気圧になると、地表面の気圧が小さく(低く)なった状態なので空気の量が少なく、体調に不調を感じてしまう人が多くなります。低気圧と身体の関係性ってなに?出典:byBirth気圧が下がるということは、体が膨張しむくんだ状態になります。むくみは、細胞と細胞の間の水が、異常に増加した状態です。そのむくみがほかの細胞を圧迫して、痛みになることや、体が重くだるく感じられることもあります。このむくみが脳の中で起これば「頭痛」が生じ、血流などに影響してしまうと「めまい」になったりするのです。さらに、同じ姿勢をとり続けることによって全身の血流が低下してしまうことがあります。これは、血液循環が悪くなることにより血管から水分が流れ出てしまうためです。長時間の立ち仕事や同じ姿勢をする人は多いと思いますが、血液の流れをスムーズにしてあげるために肩回しや休憩などをとり、軽くマッサージをすることで血巡り悪化を防ぐことができますよ。おもな原因は自律神経が関係している?出典:byBirth各器官の生命活動を調整するために働く自律神経ですが、自律神経の働きは年をとるほど低下していきます。自律神経には、活動するときに優位に働く「交感神経」と、休むときに優位に働く「副交感神経」があります。低気圧が発生すると、変化に対応するために自律神経が活性化してしまうことがわかっています。例えば、頭痛は交感神経が優位になると、脳の血管が拡張するために起こります。自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスよく働くことが重要なので、この変化に対応できるようにまずは生活習慣や腸内環境を整えることが大切になってきます。では、日常生活ではどういったことに気をつけていくべきかを次の項目でみていきましょう。気圧が低いときの過ごし方とは?出典:byBirthまずは普段から冷たいものを控えよう温かい飲み物や野菜たっぷりのお味噌汁など、体を温めてくれるものを摂りましょう。体を冷やす食べ物がけして悪いわけではありませんが、冷たいものばかりでは血巡りが悪化するだけではなく、腸内環境の悪化にもつながります。なるべく温かいものを中心に、熱と冷をバランスよく食べることがおすすめです。汗をかく習慣をつけよう体力がある方は、適度な運動をして汗をかくことも大切です。筋肉には多くの血管が通っているため、筋肉を使うことで全身の体温を効率的に上げることができます。汗をかくことで余分な水分を出すことも必要です。調子が悪い人は、しっかり湯船に浸かるようにして体を温めてあげましょう。呼吸をしっかり行い身体を休めよう体の表面は「気」というバリアで覆われています。中医学では、「気」は体のエネルギーとして考えます。この気が弱くなってくると、血を流すためのエネルギーが足りず、さまざまな症状を引き起こしてしまいます。気は、過労や睡眠不足、栄養不足などによって消耗するといわれているので、これらの生活習慣には気をつけましょう。とくに、潤いや栄養をつくるといわれている夜の時間は大切です。毎日23時までには就寝できるような習慣を作りましょう。耳をマッサージしよう鼓膜の奥にある「内耳」は、気圧の変化に敏感です。体の平衡感覚を整える機能があるため、揺れなどを察知すると神経や脳に異変を伝える働きがあります。その場合、自律神経が過剰に活性化してしまうので体調不良を引き起こす原因になると考えられています。内耳の機能を乱さないためには、耳の血流をよくすることが大切です。耳を上下横に引っ張ってみたり、円をかくようにゆっくりと回してみたり、痛くない程度に揉んでみましょう。低気圧の日の食養生出典:byBirth体のエネルギーとなる「気」や細胞に潤いや栄養を与える「血」の巡りを整えましょう。牛肉や鶏肉などの肉類やきのこ類、根菜類、山芋、かぼちゃ、玉ねぎなどがおすすめです。そのほか、にんにくや生姜なども合わせて適量摂ることをおすすめします。とくに、低気圧の症状で多い「頭痛」は、血の不足が考えられるといわれています。血を補うには、「黒」や「赤」の食べ物を普段から摂取する習慣をつけましょう。黒豆納豆やクコの実などはおすすめ食材です。すべてをバランスよく食べていきましょう。まとめ出典:byBirthいかがでしたか?低気圧による不調に対応できるように、普段から心身ともによい状態をつくっておくことが大切です。日頃から生活習慣に気をつけながら、低気圧がきても備えられるようにしましょう。
2020年04月19日時々無性に頭が痛かったり、気分が沈んだり…。もしかしてそれ、天気が崩れる前に起こるのでは?そんな人は“気圧”に注目。そのメカニズムや対策を知って、日頃の不調から解放されましょう!気圧の変化が慢性的な心身の不調を刺激する。そもそも気圧以前に、天気そのものと人間の体調には、深い関係があるという。「天気が悪い日は調子が優れないという経験をしたことがある人もいると思いますが、それは単なる偶然ではありません。天気の影響で体調を崩すことを医療現場では『気象病』といって、昔からよく知られていました。気象病のトリガーは、気温や湿度、気圧の変化など天気に関わること全般。しかし、なかでも私が注目したのが気圧の変化。頭痛など痛みを伴う症状や気分障害には、気圧が大きく関わっていると分かったのです」そう話すのは、気圧と不調の関係を「天気痛」と名付けて近年注目を集めている気圧医学の第一人者、佐藤純先生。天気痛との関連が考えられるのは上記の症状。「まったくなかった不調が気圧の変化によって発症することはなく、気圧に反応するのは慢性的な持病のみ。潜在的にあった症状が現れたり、悪化したりするのです。原因が分からず、時折下記の不調に悩まされている人は、一度気圧との関係を疑ってみてください」【肩こり・腰痛】「肩こり、腰痛のおもな原因は、その周辺の筋の緊張や血流不足。気圧の変化は、それらの症状を悪化させる一因に。天気が悪い日は、デスクワークなどによる慢性的な肩こり、腰痛が重くなる可能性あり」【PMS】「気圧の変化は、ホルモンバランスを乱す一因でもあります。そのため、天気が悪い日と生理前のタイミングが重なると、イライラなどPMSがより強く出るケースが考えられます。気圧の変化で体調が優れないことも、イライラを加速させる要因に」【頭痛】「頭痛にはいくつか種類がありますが、とくにこめかみがドクドク脈打つように痛む片頭痛は、気圧との関連が濃厚。気圧の変化が引き金となり、もともと持っている片頭痛が現れることが多々あります」【古傷の痛み】「骨折など一度大けがをすると、何かのきっかけでその痛みが再現するよう、脳にプログラミングされてしまいます。そのきっかけの一つが気圧の変化。ただ、傷自体は治っているのでそこは心配しないで」【むくみ】「気圧の変動は、血行不良をさらに悪化させるので、むくみも増幅。とくに梅雨時は要注意。体が夏の汗をかきやすい状態になっていないため水分を溜め込みやすく、そのうえ梅雨の気圧の変動が追い打ちに」【めまい】「めまいの原因はいくつか挙げられますが、内耳のむくみや耳まわりの血行不良からくるものが、その一例。気圧の変化はむくみを増幅させるので、めまいを悪化させますし、むくみによって血行がさらに悪くなり、めまいにつながるという悪循環」【気分の落ち込み】「気圧の変化で慢性的な痛みが増すのは、ひとえに自律神経のバランスが崩れてしまうせい。自律神経が乱れれば、自ずと心も不安定に。天気が優れない日に気持ちが沈むのは、むしろ自然な反応です」佐藤 純先生愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。近著は『天気痛つらい痛み・不安の原因と治療方法』(光文社新書)。天気痛の改善を目的とした高気圧・高酸素ルーム「PresShower(プレッシャワー)」の開発にも携わっている。※『anan』2017年7月12日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2018年06月09日俳優の染谷将太(25)が、3月7日放送の『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ)にゲスト出演。「低気圧に弱い体この体をなんとかしたい」という悩みを相談した。 低気圧の日は「朝起きられない」「頭が痛くてぼーっとする」という染谷。映画撮影にも影響するほど深刻な症状だという。 司会の明石家さんま(62)は「自分で思い込んでるだけかもわからんやろ」と半信半疑の様子。ただ、番組内で印象評論家の重太みゆき(50)が、同じ悩みを抱える”低気圧男子”は20~30代男性の25%、さらに20~30代女性の70%が低気圧による不調を感じていると解説したように、決して珍しい症状ではないようだ。 Twitter上でも、低気圧による不調に悩む人々から共感の声が続出。《めっちゃわかる。あたしも学生の頃から低気圧で頭がかち割れそうになることが多々ある》《低気圧だったり低気圧が近づいたりすると、気持ち悪くてフラフラでなんにもできなくなる》と同様の症状を訴えるツイートが多数投稿されている。 染谷は「周りに共感してくれる人が少ない」と吐露していたが、体調だけでなく、周りの人に理解されないのも大きな悩み。染谷の告白をきっかけに“低気圧男子”“低気圧女子”への目線も変わるだろうか――。
2018年03月08日慢性的な不調を顕在化させるきっかけとなり得る気圧の変化。とはいえ気圧の変化は、体にどんな影響を及ぼして、不調の引き金になるの?そのメカニズムに迫ります。気圧の変化は体にとって大きな負担だった!気圧と不調の関係を「天気痛」と名付けて近年注目を集めている気圧医学の第一人者、佐藤純先生に、気圧と体調のメカニズムについてお話をうかがいました。【原因1:興奮した交感神経が、持病をうずかせる!】気圧の変化によって影響を受ける箇所…それはずばり自律神経。「私たちの体は、寒暖差など外部からの刺激で体調を崩さないよう、自律神経によってコントロールされています。気圧の変化、とくに下がる段階は体にとって大きなストレス。そこでそれを跳ね返そうと、交感神経、副交感神経と2つある自律神経のうち、心身を活動的な方向へ導く交感神経が活性化。この反応が持病を刺激し、悪化させるのです。ただし、気圧の変化で全員が持病を発症するわけではなく、自律神経が乱れやすい人がなるといえます」(佐藤先生)【原因2:内耳が敏感だと気圧に負けるリスク増】交感神経を興奮させる気圧の変化。では自律神経は、その変化をどこから感じ取っているのだろう。「それは“耳”です。耳の奥には聴覚などに関わる内耳という器官があって、そこで気圧の変化を感知し、脳に知らせていると考えられます。そして脳への興奮伝達によって交感神経が優位になり、それまで治まっていた持病がうずきだす。つまり、内耳が敏感で、自律神経のバランスを崩しがちな人ほど、ダブルのダメージで天気痛になりやすい。しかし、内耳が多少敏感でも、自律神経が丈夫であれば、なりにくいでしょう」佐藤 純先生愛知医科大学医学部学際的痛みセンター客員教授。近著は『天気痛つらい痛み・不安の原因と治療方法』(光文社新書)。天気痛の改善を目的とした高気圧・高酸素ルーム「PresShower(プレッシャワー)」の開発にも携わっている。※『anan』2017年7月12日号より。イラスト・小迎裕美子取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
2017年07月09日第一三共ヘルスケアはこのほど、気圧変化の予測から頭痛への警戒度を知らせるサービス「頭痛注意報 by ロキソニンSプレミアム」をロキソニンSのブランドサイトにて開始した。期間は6月30日まで。同サービスは、気圧の変化から頭痛の起こりやすさをエリアごとに「通常・やや注意・注意・警戒・超警戒」の5段階で評価して知らせるWEBコンテンツ。同社によると、頭痛と気圧の関係については科学的に証明されてはいないが、相関の可能性が示唆されているという。キャスター役には、気象予報士であり健康気象アドバイザーの國本未華さんを起用した。画面上では國本さんが、5段階の評価ごとに、頭痛対策のワンポイントアドバイスを行う。エリアを選択すれば、当日から明後日までの頭痛注意報を確認することができる。國本さんによると、急速に発達し中心気圧が1日で24ヘクトパスカル以上も下がる「爆弾低気圧」の予報が出ているときは、頭痛に注意が必要だという。また、梅雨時期の気圧変化も要注意とのこと。「梅雨も含め、今夏は西~東日本で雨の量がやや多くなると予想されており、気圧の低い日が多くなりそうです。体調が悪い所にさらに低気圧がくると頭痛が増悪してしまう可能性もあります」と國本さん。頭痛治療の第一人者である清水俊彦医師は、気圧低下に伴う頭痛のメカニズムについて次のように解説する。気圧が下がると、人間の身体はおさえが弱くなるため微妙にむくむという。脳の血管もむくみ、血管の周囲に張り巡らされた三叉(さんさ)神経を刺激して、頭痛を起こすことが多くなるとのこと。特に女性が気をつけるべき時期は、「月経期間と排卵日前後」と清水医師。女性ホルモンが変動し始め、脳の血管が拡張し片頭痛が起こりやすくなるという。「気圧の変化が激しく、かつ月経もしくは排卵日の2・3日前などは片頭痛を持つ方は警戒が必要です」とアドバイスしている。清水医師は「気圧の変化自体は避けられない事象ですが、そこにさらに変化を加えないことが重要です」と、対処法についても解説。危険因子が重なると片頭痛発作が起きる確率が高くなる。気圧や月経周期の他にも、脳の興奮性を高めるような要因を避けるなど、暮らし方を工夫し、予防や改善を心がけることが大切だという。
2016年06月15日ロームは2月16日、ArduinoやLazurite、mbedなどのオープンプラットフォーム(汎用マイコンボード)で加速度、気圧、地磁気など8種類の情報を測定できるセンサシールド(拡張ボード)「SensorShield-EVK-001」を開発し、インターネットでの販売を開始すると発表した。「SensorShield-EVK-001」は、すでに量産を開始しているロームグループのセンサ8製品をそれぞれ基板実装したものとオープンプラットフォーム接続用ボードをキット化したもの。電子工作分野で広く活用されているArduino Unoなどに接続し、ソフトウェアを組み込むことで、加速度を始めとした情報を測定することが可能となっている。同社は、同製品によりセンサデバイスの簡単評価、簡単導入によりIoT機器の開発工数を大幅に削減し、市場の拡大につなげることができるとしている。なお、「SensorShield-EVK-001」は、2016年2月からチップワンストップ、コアスタッフの2社にて、インターネット販売を開始しているほか、同製品を使ってセンシングを実現するために必要な各種ドキュメント、ソフトウェアをWebサイトからダウンロードすることが可能となっている。
2016年02月16日ウェザーニューズは1月29日、同日から1月30日までの雪情報を発表した。同社によれば、1月29日から30日にかけて、南岸低気圧の影響で東日本の内陸を中心に広い範囲で雪となる見込み。甲信~関東北部では10~20cmの積雪となり、関東の平野部でも広範囲で積雪が予想されるとしている。都心では、29日の日付が変わるころに雨が雪に変わり、1~3cm程度の積雪となる可能性がある。また、30日の朝は交通機関が乱れる恐れがあるため注意が必要となる。また、30日の夕方以降も甲信~関東では「芝生にウッスラ」程度ながら、再度積雪の可能性があるため最新の情報を確認するように呼びかけている。同社はスマホアプリ「ウェザーニューズタッチ」で29~30 日の雪情報を伝える「最新雪情報」の配信を開始。「最新雪情報」では、各地の積雪予想マップや雨・雪のピーク時間・積雪情報が確認できる「大雪ピンポイント天気」や、交通気象センターによる航空・鉄道・道路への影響を事前にチェックできる「交通影響予測」を見ることができる。
2016年01月29日東京工業大学は8月5日、3Dプリンタを用いた超小型大気圧低温プラズマジェットの開発に成功したと発表した。同成果は東京工業大学大学院総合理工学研究科の沖野晃俊 准教授と神戸大学大学院医学研究科の東健 教授によるもので、7月31日米国物理学協会の学会誌「AIPアドバンス」で発表された。大気圧低温プラズマは室温~100℃の低温ながら高い活性力を持つ活性種を生成でき、表面親水化による接着性向上、細菌やウイルスなどの殺菌、血液凝固、植物の成長促進などの効果が報告されている。従来は金属や樹脂を旋盤やドリルなどで加工し、プラズマ生成部を作成していたが、小型化や設計の自由道に限界があり、微小かつ高強度なプラズマ装置を製作することは困難だった。これに対し、沖野准教授らは金属3Dプリンタを用いることでこの課題を克服し、直径3.7mm、重さ3.5g、チタン製の大気圧低温プラズマ源の開発に成功した。同グループが開発した大気圧低温プラズマジェットはプラズマ生成部が微小であることから、従来の手法では製作できなかった複雑な構造や屈曲した構造を持つプラズマ装置の開発が可能となる。また、3Dプリンタを用いた今回の手法を用いることで、用途に合わせたプラズマ生成部の構造を短時間かつ安価に設計・作成できるため、産業応用だけでなく医療用機器としての利用も期待できる。
2015年08月06日ロームは7月14日、ウェアラブル機器や活動量計に向けて、気圧情報を検知し、高度や高低差検出に利用できる世界最小(同社調べ)の気圧センサ「BM1385GLV」を開発したと発表した。同製品では、気圧検出用のMEMSと制御回路の小型化に成功し、2.0mm(幅)×2.0mm(奥行き)×1.0mm(高さ)というパッケージサイズを実現。また、高精度な検出用MEMSと低消費電力かつ高精度なA/Dコンバータを搭載し、相対高度精度±20cmを達成した。さらに、高低温まで網羅した独自の補正演算アルゴリズムを組み合わせることで、低温時でも高精度の気圧検出を行うことが可能となった。なお、2015年10月よりサンプル出荷を開始する予定で、サンプル価格は900円/個。2016年4月から月産100万個の体制で量産を開始する計画だ。
2015年07月14日カシオ計算機は28日、アウトドアウオッチ「PRO TREK」(プロトレック)の新製品として、方位・気圧、高度。温度を高精度で計測するシステム「Triple Sensor Ver.3」と、20気圧の防水性能を初めて両立した「PRW-3500」を3モデル発表した。2月20日に発売する。税別価格は、ベゼルカラーがシルバーの「PRW-3500-1」が42,000円、ブルーの「PRW-3500Y-1」が44,000円、オレンジの「PRW-3500Y-4」が44,000円。PRW-3500Y-1とPRW-3500Y-4はIP処理が施されている。PRW-3500は、デジタル表示の「PRW-3000」をベースモデルとして、20気圧防水性能(従来は10気圧)を実現した。これにより、フィッシングやカヤック、ラフティングなど、高い防水性が求められる水回りのアウトドアシーンでも、より安心して使うことができるようになった。加えて、様々なアウトドアシーンでの使用を想定し、グローブの上からでも操作しやすい滑り止め加工を施した大型のボタンや、指のかかりやすい凹凸のあるレジスターリングを採用。加えて、急激な気圧変化を知らせる「気圧傾向インフォメーションアラーム」、わずかな光で充電できる「タフソーラー」、暗所で傾けただけでライトが点灯する「フルオートライト」、世界6局の標準電波を受信する「マルチバンド6」といった機能も搭載している。主な仕様は下図の通り。
2015年01月28日ロームは12月11日、スマートフォンやウェアラブル機器、活動量計などに向けて、高度や高低差検出に利用できる気圧センサ「BM1383GLV」を開発したと発表した。近年、スマートフォンやウェアラブル機器などに向けて、GPSのような平面の位置検知から立体的な位置検知を可能にし、インドアナビ用の高度検出や活動量の高低差検出機能を付加するために、気圧センサの導入が始まっている。気圧センサには、用途が拡がるにつれて、より高精度な気圧検知・高度検出が要求されるようになっている。また、従来の気圧センサは低温時での気圧検出精度を追求することが難しいという課題があった。同製品は、高精度な検出用MEMSと低消費電力かつ高精度なA/Dコンバータ(ADC)を搭載し、業界最高クラスの相対高度精度±20cm(相対気圧精度±0.024hPa)を実現した。また、高低温まで網羅した独自の補正演算アルゴリズムによる温度補正をIC内部で行うことで、低温時にも高精度な気圧検出ができるようにした。これにより、外部のマイコンに温度補正機能を搭載する必要がなくなるため、設計負荷の削減にも貢献するとしている。この他、長年培ってきたセンサ開発のノウハウを駆使して、センシングブロックと演算ブロックを小型化し、温度補正機能内蔵の気圧センサとしては業界最小クラスの2.5mm×2.5mm×0.95mmサイズのパッケージを実現した。なお、サンプル価格は800円(税抜き)。11月よりサンプル出荷を開始しており、2015年4月から当面月産50万個体制で量産を開始する予定。生産拠点は、前工程がローム本社(京都市)、後工程がROHM Electronics Philippinesである。
2014年12月11日