こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第17回目になりました。前回は布忍神社の恋みくじの話。今回はファッションショーのあり方についてのお話です。 先日、ファッションデザイナーの山本寛斎さんが企画するファッションショー・イベント、「日本元気プロジェクト 2016 スーパーエネルギー!!」を拝見しました。総勢500名の出演者によるダンスや演奏はその名の通り、スーパーエネルギーに満ち溢れたエンターテイメントーショーです。「ファッションを通じて日本を元気に!」というテーマが掲げられ、原宿・代々木第二体育館に熱風を巻き起こしました。世界で活躍するダンスデュオAyaBambiによる和太鼓に合わせた演舞や、コンゴ共和国の“世界一おしゃれな紳士集団”サプールの登場で会場は大盛り上がり。KANSAI YAMAMOTOの衣装を身につけて迫力のダンスを披露したAyaBambi、カラフルなスーツや独特のステップでエレガンスを体現したサプールたちは、それぞれ生きたファッションの力を会場で爆発させてくれました。ランウェイ甲子園私が特に楽しみにしていたのは東京ブランドによるファッションショー。DRESSCAMP や CHRISTIAN DADA、PLASTICTOKYO といった東京コレクション、パリコレクションで活躍するブランドたちによる一夜限りのスペシャルショーです。通常、ファッションショーでは次の季節に売る服を発表するのですが、今回は過去のアーカイブルックでのショー。八王子高等学校吹奏楽部の元気な演奏とともにショーのトップバッターを飾ったのは DRESSCAMP。MBFWT にも参加しているベテランブランドで、毎回目の覚める色彩とパンチの効いたルックでエンターテイメントショーを見に来た気分にさせてくれるのですが、今回はさらにパワーアップ。スイングと掛け声がランウェイミュージックとして流れ、今までのファッションショーとは一線を画す斬新な演出でした。ピアノやバンドの生演奏によるショーは何度か見たことがあったのですが、吹奏楽と掛け声のセッションは初めて!「ニッポン!元気!プ・ロ・ジェ・ク・ト!」「いいぞ!いいぞ!ドーレスキャンプ!」という、まるで甲子園のような掛け声が飛び交う中、それを無視するかのように颯爽と歩くモデルたち。「そうそう、このモデルと音楽の温度感のズレがたまらなくファッションショーなのよ!」と一人で大興奮していました。そのあたりについては『服は何故音楽を必要とするのか?―「ウォーキング・ミュージック」という存在しないジャンルに召還された音楽達について』という菊地成孔さんの著書で服飾史とそれにまつわる音楽の話をお勉強することができるので是非〜。ベテラン DRESSCAMP の次はパリコレへと舞台を移し世界で戦う東京ブランド CHRISTIAN DADA へとバトンタッチ。普段はクールな印象で見る者をその世界観へグイグイ引き込んでいく CHRISTIAN DADA ですが、この日は熱血甲子園モード(?)以前ランウェイで見たルックが再登場していたのですが、不思議と吹奏楽のアゲアゲな演奏とマッチしているのです。まるで内に秘めた情熱が聞こえてきてくるかのような。クールでパンクなブランドだと先入観で決め込んで見ていただけで、音楽が変わると服の見え方も変わってくるのかーと、一人感心していました。加えて驚いたのが、先日パリで開催された VETEMENTS のショーに抜擢され話題となった日本人モデルManami Kinoshitaがトップで登場したこと。単にジェンダーレスで括ることができない雰囲気の彼女、今後引っ張りだこになること間違いなしでしょう。かっこいい〜PLASTICTOKYOの変身さて、この日最も唸ってしまったのがこの中では一番若手のPLASTICTOKYOのショーでした。登場したのはモデルではなくPLASTICTOKYOの衣装を身につけたセネガル出身の音楽グループ「Wagane Ndiaye Rose with sophie ker gi group」のメンバーたち。豪快でフリーダムなアフリカン・パーカッションとダンスパフォーマンスは PLASTICTOKYO のサイケデリックな色彩やトライバルな柄にとてもよく合っていて、以前ショーで拝見した時感じたストリートウェアとしての強さとは違った、より親しみやすくポップな印象を受けました。以下はROBEの兄妹サイトSTYLER MAGで東コレ取材をした時に撮影したものです。昨年10月に開催されたMBFWT(メルセデスベンツファッションウィーク東京。次の10月からはスポンサーが変わりアマゾンファッションウィークになります。)で発表されたランウェイの様子。安全ピンで構築されたマスクを被っていたりバンダナにまみれていたり、ランウェイ用の演出がされてだいぶハードな印象ですよね。それがどうでしょう。多少のヘアメイクはあるものの、過剰に装飾したわけではない彼らが身につけるとそこまでハードなイメージにはなりません。陽気でパワフルな音楽込みで見るとより日常っぽさを感じるのです。もちろんショーで見せるルックはブランドの世界観やそのシーズンのテーマを伝える大事な役割があるので「こんなの着られないよ!」というインパクト大の演出も大事です。それがショーの醍醐味ですから。でも、こうしたブランドの世界から少し飛んだところに落とし込んで表現した時にどう見えるのかという試みも、ブランドの枠やファンを増やすという意味でとても大事な挑戦なのではないかなと思いました。おまけ話で、クスリと笑ってしまったのがデザイナー紹介の時。普通、ランウェイが終わりモデルが全員引っ込むとデザイナーさんが舞台袖からちょこっと出てきて一礼するのですが、この日は客席に座っていたデザイナーさんにスポットライトを当てるという主役級の紹介!これはデザイナーさん達も緊張したのではないでしょうか(笑) 同じ衣装を着ていても、着る人、着るテンション、見る環境によって服の魅力の引き出し方は変わってくるのだなーと再発見できたショーでした。服は人が着て生きるもの。ファッションショーは時代遅れ、ファッションは元気がない、なんて言われ続けているけれど、やっぱりファッション・ショーって楽しい〜!Text : Azu Satoh
2016年07月27日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第16回目になりました。前回はファッションという言葉の意味に感じる違和感のお話。今回も言葉について考えていきます。 駄菓子屋の10円ガム、ガリガリ君、チョコボールなど、小さい頃からアタリ/ハズレがあるものに目がありません。一喜一憂するおみくじも大好きで、神社に行く度に引いています。先日、土日を利用して大阪と兵庫へ行ってきました。阪急梅田のMARNI FLOWER CAFEでひと休憩した後、梅田から御堂筋線、近鉄南大阪線に揺られること40分。向かったのは側に川が流れる小さな神社、布忍神社です。この町に訪れた目的は「イチハラヒロコ恋みくじ」を引くこと。実はこのおみくじ、通常のおみくじとは違い「大吉」「吉」「凶」などが書いてあるわけではありません。半透明の紙に黒々と浮かぶ文字が示すのは、吉凶ではなく、グサリと突き刺さる意味深なフレーズ。「恋みくじと書いてあるけど、仕事運とかも見れますか?」と聞く欲張りな私に対して「仕事も恋のうちでしょう。」と神主さんはにこやかに告げてくれました。その瞬間、恋が芽生えそうになったのはここだけの秘密です。さて、運命のおみくじタイム。ガラガラと筒を降り出てきたのは第十七番。手際よく棚から出してくれた一枚の紙に浮かんでいた文字は「別れそう。」という何やら不吉な言葉。恋人ナシ、問題ナシ、別れるものなど何もナシの私にとって「彼氏と別れる」という選択肢はありえないので、一体この紙が何を示してくれたのかピンときません。持っていないものは手放せないもの。すると、???状態の私に、神主さんが一言。「何から、別れそう?」あぁそうか、と思いました。すっかり「別れる=破局、バッドエンド」と思い込んでいたけれど「誰と?何と?」の部分を変えるだけで意味は正反対になり得るのだなと。例えば仕事に夢中でまさに恋するように仕事をしていたら、このおみくじが示す別れというのはなんでしょうか。「苦手な上司と別れそう。」「満足いかない今のポジションと別れそう。」など、いくらでも自分の状況に合わせて「別れそう。」という言葉を捉えることができます。あれ、気づけば「別れ」がハッピーな意味になっている!私の場合は「(ひとり身の私と)別れそう。」なのです。私が言ったんじゃありません、神主さんとおみくじがそう告げてますから。 そう、このおみくじが伝えたかったことは、吉、凶、という結果だけに満足してその一瞬を楽しむのではなく、真正面から言葉を受け取り、自分が置かれた環境に当てはめてじっくりとその意味を考えるべき、ということ。「みんなおみくじを引いても結果だけ見て中はあまり読まずに忘れていってしまうでしょ?でも、言葉ならば良し悪しではなく、何通りにも捉えることができるんですよ。」おみくじを引き終わった後、神主さんはそう話してくれました。思いが強ければ強いほど、ついつい視野が狭くなってしまって、小さな点だけを見つめて一喜一憂してしまいがち。でも、枠に収められた文字だけではなく、その前後に漂う文字まで想像することができたら、誰だって笑顔になれるのです。おみくじを引いた後は兵庫県・城崎温泉へ。志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台となった温泉地です。昼と夜ではまったく違う顔を見せてくれました。視点を変えれば見える景色は全く異なる。時がゆったりと流れるこの地では、運命の捉え方の鍵は「時間」なのかな、とも思ったり。 運命の捉え方はいつも言葉足らず。枠を飛び出し、ほんの少し言葉を足すだけで、運命が大きく回転することがあるのかもしれない。Text : Azu Satoh
2016年07月20日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第14回目になりました。前回は伝説のストリートフォトグラファー、ビル・カニンガムのお話。今回はゆるーく、七夕に願いを。明日は7月7日。織姫と彦星が一年に一度だけ会うことを許される日です。ベガとアルタイル。七夕のお話って、なんだっけ。織物、農業、それぞれのお仕事ほっぽらかしてラブラブしてた二人を見てパパが激おこ、「仕事せーい!ばかちーん!」と二人を引き離す、二人わんわん泣いて仕事どころじゃない、仕方ないから一年に一度だけ二人が会うのを許す、みたいな、話だったっけ。どうしようもない二人の話だ!☆☆先日、友人と訪れた小さなバーに七夕用の笹が置いてありました。もうそんな季節なのねと話していたところ、気立ての良い女主人に誘われ願い事を書くことに。きっと中学生ぶりの短冊です。しかし、筆が進まない。いざ願い事を書こうと思っても、何も出てこないのです。神社で願い事をするとき頭の中でぼんやりと呟くのとは違って、決められたスペースに収まるよう文章で表現する。改めてその難しさを痛感しました。「瞬時に消える流れ星に願い事を言えるのは、そのことを常に考えているくらい、願い事に対する想いが強いから」隣の人が後でそんなことを言っていてなるほど、と感心。そして少し落胆。流れ星への願い事ではなかったけれど、瞬時に出てこなかった私の願い事は、ふわふわと、どこか不誠実で後ろめたい気持ちを伴っているのだなぁ、と核心をつかれた気がしたんです。織姫と彦星がどうしようもない二人だと笑った冒頭の私こそ、強く思える願いすらないつまらない人間なのではないかと。あれからなんとなく七夕のことが頭から離れない私は、ふと立ち寄った「とらや」さんで七夕限定の『天の川』を買ってしまいました。琥珀羹でできた緑の空に流れるのは煉羊羹の天の川。散らばる星は白いゴマ。モチモチの琥珀羹はじーんと口の中に溶けていく、程よい甘さ。控えめに散りばめられたゴマは、こんなにも弾けるものだったっけ?と驚くほどの存在感を放ちます。星に追いつける願い事って何だろう?普段あまり食べない和菓子を口にしながら、ぼんやりと夏の空に思いを巡らせました。七夕でハッピーな話題を考えようと思ったのに、すべての事柄を重く煮詰めて考えてしまう性格がこうも出るとは、、、、願い事は「適度な軽さを持って生きる」にしようかな。Text : Azu Satoh
2016年07月06日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第13回目になりました。前回はファッションの考えはどうやって構築されるもの?というお話でした。今回はビル・カニンガムのお話。 ビル・カニンガム。彼は『ニューヨーク・タイムズ』紙でストリートスナップを撮り続けた、伝説的なフォトグラファー。生涯現役を貫き通し、先日87歳でこの世を去りました。2013年に公開された映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」で名前を知った方も多いかもしれません。恥ずかしながら、私もその一人でした。ストリートスナップが盛り上がりをみせ始めた数年前より遥か昔、ファッションはストリートから生まれると最初に気づいた人。カメラ片手にNYの街を自転車で駆け回り、時には世界のファッションウィークへ飛び、40年以上 “ 素晴らしい着こなしの女性 ” を撮り続けてきました。彼がレンズを向けるのはハイブランドに身を包んだファッショニスタでもなければパパラッチが狙いたがるセレブリティでもありません。“I just loved to see wonderfully dressed women, and I still do. That’s all there is to it ”そう語るように、意思のある服を纏い、自分が生きる環境で最大限に魅力を引き出している女性に、心から惹かれ続けていたのでしょう。「ファッションは排除すべき軽薄なものだと思われがちだ。けれど、ファッションは毎日の生活を生き抜くための鎧だ。それは排除するわけにはいかない。文明をなくすのと同じことだからね」映画の中で語られた彼の言葉は、ファッションがお祭り的なイベントになり、もはやカルチャーのメインストリームではなくなってしまった今、まっすぐと心に響いてきます。パリで見た青いジャージ私がパリコレで会場外スナップを撮り始めるようになって4シーズン目の2014年9月、はじめて彼をランウェイで見かけました。朝一番(9時半!!)に開催されるJUNYA WATANABEのショー。ファッションウィーク中の戦闘服に身を包んだ業界人たちが並ぶ中、あの青いジャケットを着たおじいちゃんがフロントローに座っています。ちょうど対岸の右奥に座っていた彼をレンズ越しに見つけ、思わずシャッターを切ってしまいました。誰よりも真剣に楽しそうに服を見つめるその表情は、まるで生まれて初めて見た生き物を観察し愛でる子供のよう。何かのディテールに驚いたのか、口を開けてびっくりしている表情は思わずクスッと笑ってしまうくらい可愛い。そんな彼に、一度だけ写真を撮ってもらったことがあります。どんな写真だったのかは、ついに見ることはなかったけど。どんよりと厚い雲がパリの街を覆った、とても寒い日。日本から持ってきたレモン色のマフラーで顔まで覆ってショー会場の前をキョロキョロしていた時でした。(この写真はビルおじちゃんではなく、友人が撮ってくれたものです。チュイルリーにて不意打ち。)青いジャケットに映える白髪にしわくちゃの笑顔、キラキラと輝く小さな瞳。背の曲がったおじいちゃんが満面の笑みでちょこちょこと近づいてきたと思えば、カメラと人差し指をピンとあげ、1枚いい?とジェスチャー。「あ、ビルおじちゃんだ」突然現れたヒーローに一瞬身構えたけど、彼の笑顔につられてこちらまで口元が緩む。私が巻いていた黄色のマフラー、目がビジューでできたキツネの顔と尻尾がついた愉快なアイテムなのですが、彼はおそらくこれが気に入ったのでしょう。1枚パシャりと撮られると、私もすっかり彼の笑顔に癒されてしまって、顔の横でOKサイン(今思えばなんと馴れなれしいことか!)。そんな小娘の挙動にも同じようにOKサインで返してくれたあの時の笑顔は忘れることができません。「良かった、ちゃんと楽しんで服を着れてたんだ」と、その時ホッとしました。wonderfully dressed women に一歩近づけたの、かも。毎シーズンパリにやってくるわけではないので、一瞬でも同じ空気を同じ地で吸えたこと、まっすぐと目を見つめられたことを本当に嬉しく思います。たった一度しか会ったことはないけど、もう会えないと思うと本当に悲しい。そう思わせるだけのパワーって、単純にあの笑顔なんだと思う。彼のようにファッションと真摯に向き合いながら、カメラで切り撮るとは別の方法で wonderfully dressed women を考えていきたい。私はフォトグラファーではないけれど、ファッションは大好きだから、やっぱり次もオフランウェイに赴かねば。“ I knew from photographing people on the streets that the news was not in the showrooms. It was on the streets. ” − Bill Cunningham Text : Azu Satoh
2016年06月29日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第12回目になりました。前回は似顔絵を描いてもらった話でしたが、今回は少し真面目に、自分が身につける服は何を反映しているんだっけ?というお話。 いまこの文章を書いている私は、光沢のある赤いフレアのロングスカートとベージュのクロシェ編みの長袖を着ています。気温28度。いくらスケスケのクロシェ編みといっても、正直暑いです。なぜ私はこんな格好を選んだのか。それはどうしても「赤のロングスカートとスケスケのベージュ」の合わせにトライしたかったから。コレクショントレンドを追いかけるのが好きな方は、今のGUCCIと聞いたらパッとイメージが浮かぶかもしれません。GUCCI 2015-16AWコレクションのファーストルックを飾ったのが、まさに「赤のロングスカートとスケスケのベージュ」でした。スパンコールで作られたトロンプルイユのリボンタイや顔を半分覆うデコラティブなメガネ、動物や植物をモチーフにした派手な色柄などを用いた装飾満載なルックが多いなか、シンプルなこのルックがとても印象に残ったのです。これを唐突に思い出して“絶対に”着たくなってしまったのが、今日。たまたま該当アイテムがあったからいいものの、なかったら買いに行っているところでした。思い立ったら絶対にやらないと気がすまない、時には損な性格です。リアリティと理想の境目がわからない先日、あるトークショーでファッションとデザインの話を聞いていたとき、「リアリティ」という言葉がとても頭に残りました。デザインが生活に紐付いている以上、ファッション/ 洋服も自分の生きる環境、自分を構成してきた経験、自分が浸ってきた文化を反映しているはずです。ところが、何を反映すれば良いか分かりづらくなっているのが現代。「自分のリアリティ」を見失ってしまっている人が多いのだそう。リアリティを認識するためには、その輪郭を際立たせるための理想が必要です。越境するにも境目が必要、ということですね。でも自分っぽいもの、近い存在を探しやすい社会になってしまった今では、「現実と理想」の境目があまりにも曖昧。ゆえに自分の「リアリティ」がどこにあるのかわからない。例えばSNSの中という、ある意味「仮想現実世界」で満足してしまっている人は自分の「リアリティ」をそこに置いてけぼりにしてしまっているのでは、と思うのです。憧れの人とすぐに(たとえ一方的でも)繋がることができる、彼/彼女が買った物を身につけて投稿すれば何だか近づけた気がする、など、理想と現実が隣り合わせにある。私のファッションは私のリアリティに基づく話をGUCCIの真似っこコーデに戻しましょう。私がした真似っこはリアリティがあったのかといえば、そこには確かに地に足つく私のリアルがあったと思います。手持ちの服で、日本の街中を歩けるような格好に雰囲気だけ頂戴して落とし込んだ。ルックを完全に真似して乳を出していたわけでもないし(笑)私のリアリティは何処にあるんだろう、と考えた時に、やはり圧倒的にきらびやかな世界への憧れ、そしてそれを蚊帳の外からでも生で見てきた興奮が身に染み付いているのだと思いました。そこでの経験が、ファッションは遊んでもいいんだよということを教えてくれた。着飾る時は思いっきり着飾り、自分を出す時は出して、街に溶け込む時はじんわりと馴染む。この写真は馴染んでいるかわからないけど(笑)azさん(@azunne0217)が投稿した写真 - 2016 3月 10 1:35午前 PST 今年のパリコレ取材の帰り、頑張った自分へのご褒美としてGUCCIのエナメルシューズを買いました。同じようにパリコレでやってきたファッション業界人やセレブ(15足くらい広げてあーだこーだ言ってる)に囲まれながら履いたお店の中では確かに私の足で輝いていたのだけど、いざ持ち帰ってみるとなんだか眩しすぎて未だに一度しか履けていません。ファッションにおいて言うと、自分が囲まれてきた環境、肌で感じてきた文化、見てきたもの=リアリティを纏わずに理想だけすっぽり被っても、肌馴染みが実に悪いみたいです。私にとってGUCCIがリアリティに昇華できるまで、死ねない! Text : Azu Satoh
2016年06月23日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。もはや毎週だけど、気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第11回目。前回はドキドキ初香港紀行をお届けしました。今回は生まれて初めて書いてもらった似顔絵についてのお話。 ROBEの人気コンテンツはイラストコーデ。流行アイテムのコーデ紹介やランウェイトレンド、妄想シチュエーション着こなしなどをイラストで表現しています。写真の方がもちろん鮮明なのですが、ファッションイラストで表現することで「ここはどうなっているんだろう、こうだったら素敵だな」と、見る人が想像して楽しめる“余白”を残せるのがイラストの魅力だと思います。自分の顔を鏡や写真で見ることはあっても、他の表現で見ることはなかなかない。人に撮ってもらった写真や鏡の前ではこうじゃないああじゃないと悩んでしまうし、セルフィーの中ではいつだって現実の私と理想のワタシの間で漂っていられる。じゃあ他人のフィルターで見た私って、どんな感じなんだろう?イラストの記事を担当していたら、自分もイラスト化してもらいたくなってしまいました。イラストの私は清楚だった人気イラストレーター たなかみさき さんに似顔絵を描いてもらえるということで、自由が丘のKIAN ART GALLERYで開催中のアクセサリー展示販売会&イラスト展「AMAGOI DISCO」に行ってきました。Instagramで見かけて気になっていたたなかさんのイラストは、どこか懐かしさと儚さを感じさせる色使いと細い線が特徴。特に彼女が描く男女は胸キュン1000%の甘酸っぱさに潮風が吹いている感じ。初めて見かけた時、「パスワード探偵団」の挿絵を思い出してぐーっと懐かしさがこみ上げてきました。同世代ならわかるかな?人に自分の写真を撮ってもらうと、思いがけない表情をしていることがよくあります。自分が良いと思ってセレクトした写真と他人が良いと思った写真もだいたい異なっていたり。セルフィーの中の“いいね”な自分ではない。ましてやイラストなんて言ったら、他人のフィルター100%で私を描いてもらうわけだから、そこには正真正銘丸裸の私が現れます。そんな怖さも抱えながら、描いてもらった私がこちら。たまご型の輪郭、ニヤリとした口元、長い睫毛など、しっかりと特徴を描いていただきました。やっぱりここが特徴なんだなぁと改めて納得。自分で言うのは恥ずかしいけど。ただし実物より50,000倍清楚に見えるのでこの辺りがフィルター、つまり第一印象なのでしょうか。いや、多分違う、この清潔感はその日着ていたsacaiのシャツ通称LAWSONシャツのおかげ。たなかさん、素敵な似顔絵ありがとうございました!写真とイラストを並べてみた面と向かって似顔絵を描いてもらったことはこれが初めてですが、以前 T magazine でコレクション期間中に連載されている Damien Florébert Cuypers による SNAP SKETCH に登場したことがあります。2015年3月のパリコレでスナップをしていた瞬間。CHANELのショー会場、グランパレの前でした。このイラストを見つけた時には叫びました。まさかTmagazineに自分が載るなんて夢にも思っていなかった!これがどうやって描かれたのかはわかりません。名前も職業も書いてあるからきっと私が答えたんだろうけど、果たしてそんな瞬間あったのだろうか...?Paris – Champs Elysées Clemenceau. #PFW, #Fashion, #France, #FW15, #Moda, #Mode, #Model, #Paris, #Street, #nofilter #trendfortrend #Week, #Woman, #Women Photo © #WayneTippetts Now live on www.waynetippetts.comWayne Tippettsさん(@waynetippetts)が投稿した写真 - 2015 5月 5 11:24午前 PDTそして実際の写真がこちら。偶然同じタイミングでフォトジャーナリストの Wayne Tippetts さんに撮られていたようです。この日はとても寒く小雨が降っていたので、友人に借りたストールとハットにパリの古着屋で買ったコートという即席スナフキンコーデ。イラストと見比べると、ストールやコートのボリューム感、スニーカーのディテールまでしっかりと再現されています。イラストの方が可愛らしく描かれているのは、きっと私が子供のように見えたからでしょうか。心なしか心配そうな表情の理由は、自分自身でも今では思い出せません。でも、写真が映し出す疲れた表情が彼にとっては悲しそうに写ったのでしょう。 それもそのはずです。この写真を撮られた数分前に階段から落ちて尾てい骨を骨折しています。翌日にはトランジット含め20時間近いフライト。まさに生き地獄。 盛り盛りのセルフィーのように自分を良く見せる写真ばかりではなくて、たまには他人にまるっきり委ねて、私そのものを描いてもらうのも良いなーと、思ったのでした。えぇ、もちろん“アイコン”にします。Text : Azu Satoh
2016年06月14日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》、なんとか4回目に突入です。前回は旬なキーワード《Tacky=悪趣味》な小物たちを題にファッションは自由だ!と叫んでみました。今回は目にも優しいお花のお話。どうぞよろしくお願いします。 「春のトレンド大予想!今年は小花柄がなきゃ始まらない!」みたいなうたい文句、よく雑誌などで見かけます。春といえば花柄、秋といえばチェック。鶴といえば亀、みたいに、二つは切っても切れない関係なのです。今年はというと、例に漏れずどのお店も花柄は置いてあるよう。私はCOACHが発表していた70’sな小花柄のパッチワークが気になってMy Wardrobeを探してみたのですが、なんと花柄が見当たらない。よくわからない宇宙船柄や歪んだギンガムチェックなど、変な柄や摩訶不思議な形の服はたくさん持っているのに、定番モノがほぼ皆無。よくよく考えると花柄は着たいものの、似合わないからあまり買っていないんだった。誰にでも、苦手な柄、形ってありますよね。みんなが着ていて可愛いから無理して買ってみたものの、奇跡的にしっくりこない形や色とか。昭和記念公園で花柄を学ぶ攻略したいならば研究せよ、ということで苦手な花柄を克服すべく向かったのは、立川にある国営昭和記念公園。GWを目前に、ちょうどポピーやチューリップが満開です。白、黄色、オレンジのポピーが一面に揺れる花畑。丸っこい花柄ならガーリーになりすぎず着こなせるかも。でもドット柄も苦手だ...ネモフィラの青、ポピーのオレンジ、リナリアの紫の3色合戦。この配色をそのままもやっとした小花柄ワンピースとかにしたい。そうか、抽象的な花柄ならいけるかもしれない。でもそれってもはや花柄ではないのか...チューリップ畑も満開。赤白黄色に収まらない100種類以上ものチューリップが花の絨毯を作ってます。実物は綺麗だけど、布にチューリップがズラーッと並んだ小花柄は想像しただけでなかなかきつい。紫×新緑の色合いが大人ムードの参考になりそうな彼らの名前は「クイーン オブ ナイト」。高々と咲き誇るその深い紫を見れば納得のネーミングです。他にもムーンウォーカー、ピンクインプレッション、ホワイトハート、レッドリバイバルなど、チューリップは戦隊系もしくは技系の名前が多いようです。クッキーアンドクリームみたいなこちらの花は「ローダンセマム・アフリカンアイズ」という、これまたかっこいい名前。この配色ならポップになりすぎないから着たいかも。どうやら小花柄より大ぶりの方がしっくりきそう。今度は花一つ一つに注目。大ぶりの花を逆さから見るとディズニープリンセスにも対抗できそうなドレスの出来上がり。こちらは目一杯広げた手のひらほど大きいボタンでございます。視点をひっくり返すとウェディングドレスの集団が。このくらいボリューミーなスカートを着こなすにはトップスはどうしようか...お、花柄論から脱線している。花柄とは関係ないですが、花的精神論としてはやはりたんぽぽ推しです。何度踏まれても立ち上がるんだ!頑張れ!哀愁漂うダンデライオン。しっくり花柄は写実的公園を一周りして考察した結果、私の「しっくり花柄」はやはりコレだと確信。今日履いてました!2014年に購入した「AKIRA NAKA」のタイトスカート。柄はインクジェットプリントなので写真のように鮮明。うっすら重ねられたチェックも相まって、花柄にありがちな野暮ったさがないんです。次の秋冬もとんでもなく可愛い花柄を見つけてしまったので、買おうか検討中。どうやら私のしっくり花柄は「大ぶり・リアル」がキーワードらしい。そういえばこの企画で着た私物の花刺繍ガウンも大ぶりでした。帰りにお花を買って帰ろうと思い、表参道ヒルズのDILIGENCE PARLOURに寄ってみました。いろんなブランドさんの展示会などで見かけていて、ずっとお邪魔してみたかったのです。自分用にお花を買うのってドキドキ。公園で見たボタンが綺麗だったので大きなお花を買いたいなーと、芍薬を連れて帰ることに。大きく咲いて、花びらがボトっと落ちる姿も綺麗なんだとか。スカートと同じ、白い花も添えて。定番の柄や形を選ぶときって、選択肢がありすぎて無難なものを選びがち。でも、本当にそれ、しっくりきていますか?Trial & Errorを繰り返して、自分にとってベストなスタンダードを見つけましょう。Text. Azu Satoh
2016年06月10日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載のはずだった《水曜のケセラセラ》、GWも懲りずに続けます。前回はいくらファッション好きでも苦手な色形ってあるよね、という話で無理やり花畑に行きました。今回はファッション業界・デザイン業界を騒がしているあの問題を、幼少期の記憶と絡めて。どうぞよろしくお願いします。 私が小学生だったころ、ジュニアブランドブームが巻き起こりました。ブームを築きあげたのは「メゾピアノ」や「エンジェルブルー」「ポンポネット」など、ナルミヤインターナショナルが展開するブランドたち。他にも「ベティーズブルー」や「3年2組」「ラブラビ」など、たくさんのジュニアブランドが小中学生向けファッション誌とともに勢いをつけていた時代でした。同世代女子はきっと記憶にあるかと思います。(ちなみに一時期勢いを失っていたナルミヤさんですが、今再びECで力を取り戻しているそう。子供は成長が早いからすぐ着られなくなってしまう分購買サイクルが早いので、簡単に購入できるECが伸びているんだとか。あと、返品対応の良さ!)私はというと例に漏れずガーリーな世界観のメゾピアノにどハマりしていた「メゾラー」の一人。もちろん小学生の頃は自分のお小遣いだけでは服を買えず、全国模試でいい点数を取ってご褒美を狙ったり、コツコツお年玉を貯めたりして「憧れのメゾピアノ」を着ていました。 さて、幼少期において社会の闇に直面する瞬間は、突如としてやってくる。「メゾ派」の私がお気に入りのデニムミニスカをプリプリいわせながら、合わせる服を求めに近所のスーパーへ出かけた時のこと。「あれ...見たことあるぞ?」一体のトルソーが着ていたトップスを見た時、衝撃が走りました。「これ、メゾピアノの服と全く同じデザインでは...!!!」趣味といえば雑誌、カタログ(写真は自宅にあったメゾピアノ2003AWのもの。今見ても超可愛い。)、ブランドHPを眺めることだった私は、その「スーパーのトップス」がメゾピアノの新作に酷似していることを一瞬で見破りました。色も柄もシルエットも本当にそっくりそのまま。違うところといえば、ロゴとキャラクターの部分だけです。小学生ながら「これはいけないことだぞ!」と、とても悲しくやるせない気持ちに。自分が大好きなブランドの服、一生懸命頑張ってやっと手に入る服が、1/3の価格で売られてるんですから。デザインがほぼ同じと言えど、これはメゾの服ではない!なぜメゾぶってるんだこいつは!と、怒り心頭。 でも、その時私は思い出したのです。「そういえば、図画工作の授業で隣の子の絵、パクったわ」と。当時はここまでで考えが止まっていたけど、今思い返すと「スーパーのトップス」と「授業で描いた絵」で行われたパクリの違いはなんだろう?と考えさせる出来事でした。メゾのパクリはNGで、絵のパクリはOK?デザインを盗用したことで利益が発生する/しない?他人の目に触れる機会が多い/少ない?NGの境界線ってどこだろうか。街中では有名ブランドのデザインを真似し過ぎている「っぽい服」が平気で並んでいます。「流行」という言葉の力が強い業界なので、NGの境界線が曖昧なのは事実。実際、私が知っている限りでも、売れているデザイナーズブランドのディテールをそっくり真似して、自社のオリジナル商品として半値で売ったりするセレクトショップなどもあります。これって、「いま流行の形だから」では済まないよと思う。様々なブランドのデザイナーと話す機会もあって、生み出す苦労を知っている分、余計腹が立ちます。もし私がパクった絵で市のコンクールに入選していたら、パクられた本人はやりきれない気持ちだったでしょう。彼女にデザイン力はあっても、画力はなかったのだから。(その節はごめんなさい。)同様に、小さなブランドの場合デザイン力はあってもたくさん生産する経済力やビジネス力がないのだから、一度アイデアを取られてしまえば大きな企業に勝てるわけがないのです。この問題は買う方も考えなければいけません。もちろん「可愛いから買う!」でいいのだけど、じゃあそれはどんなイメージで作られたのかな?とか、オリジナルを見つけた時にそのブランドのことを調べるとか、「根っこ」のとこまで考えるべきだなと思う。ちょっと考えるだけでいいんです。それが作り手への敬意であるし、着ているもののルーツを知ることで、それに込められた表現が自分に返ってきやすくなると思うからです。(だいたい、野菜や果物の生産者の名前や生産地にはこだわるのに着てるものに対してはそれがどこ出身かなんて気にしないってのがおかしな話なんだ!と常々思っている。)(ベティーズブルーの雨の日限定ショッパー。当時は斜めがけのビニールバッグがショッパーとして定番でした。ショッパー収集癖があります。)では、よく聞くオマージュとパクリの違いって何なのか。一つは元の作品に対して敬意があるかないか、だと思います。ただ単に「こいつをパクったら売れそうだぞ!」とか、「ギリギリのラインでいい感じに仕上げよう」とか下心がある作品は、なんとなくその汚さが滲み出るんですよね。敬意を表したオマージュの素敵な例が、この前訪れた「旅するルイヴィトン展」で見つけたこちらの作品たち。3つとも、似ていますよね。真ん中の小さなトランクは2015-16秋冬、両端が1930年に作られたトランクです。どれもぱきっと対角線に走る太いラインが印象的。全ての作品が同じルイヴィトンという歴史あるメゾンの中で作られたものなので、そもそもパクリかそうじゃないかという議論ではないんですけど、ここでは違うクリエイターが一つのアイデアを元に作った作品、という意味でオマージュの例としてあげさせていただきます。元となるイメージを今の時代に合うように再解釈して作ったもの、それもオマージュと言える一つのポイントなのかな。それにしても最新作のモダンっぷりったら。このサイズですよサイズ。おにぎり入れたい。こんなことを考えたのも、先日5/1に放送された情熱大陸で話題になった弁護士・水野祐さんの対談(The FLAGより)を拝見したからです。スナイデルなど大人気ブランドを展開するマッシュホールディングス社長・近藤さんとのリアルな事件を絡めたトークは必見。明日から、パクリもんパトロールに出てきます。ではでは、また来週か再来週。Text. Azu Satoh
2016年06月10日GW中にやる気まで消化した模様。こんにちはROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》ついに第6回目です。前回は90年代生まれにとって懐かしい話題でちょっとしたエモさをお送りしました。今回は美味しいお話です。どうぞ宜しくお願いいたします。 クッキー、大好きなんです。お菓子は全面的に愛しているのですが、とりわけチョコレートとクッキーが大好き。チョコレートに関しては以前ROBEの企画でもチョコレートをカカオ豆から作ろう!ということで、15時間くらいかけて作ったほど。クッキーは素朴なものからリッチなサンド系までなんでもいけます。学生時代は高級洋菓子店でマカロンの使者として地域の皆様にカロリーと笑顔をお届けし、パリ留学時代はクレープアイドルとしてパリ4区でトンボを毎日くるくる回していました。とにかく糖分にまみれた人生。洋服の次(いや同じくらい?)大好きな甘いものたちへの愛が抑えきれず、暇すぎたGW中に唐突に閃き「東京可愛いクッキーの旅」へ。前から気になっていた3店舗を巡ってきたので美味しいをおすそ分けいたします。やきがしやSUSUCRE三軒茶屋にある「やきがしや SUSUCRE」はまるで森のクッキー屋さん。階段を降りると目の前に広がるクッキー畑に思わず顔がほころぶ。さくホロ食感の素朴な味はどこか懐かしさを伴って、口いっぱいに広がります。全ての焼き菓子が保存料不使用な上、種類によっては上新粉を使ったり砂糖不使用など、健康にも優しいクッキー。ハリネズミくんや鯉のぼり、アイスやバラまで、表情豊かなクッキーたちは50種類以上なのでギフト選びにも手こずる嬉しい多さ。SAC about cookies富ヶ谷の住宅街にぴょこんと現れるのは色とりどりのアイシングクッキーが豊富な「SAC about cookies」カリッと固めの生地はザクザクと頰張りたくなる食感。スイートな見た目とは裏腹に、アイシングの甘さは意外にもさっぱりしてるので何枚でもいける。食べるのがもったいない可愛さだけど、すぐ食べちゃうよね、目の前にあると。個人オーダーもできるみたいなので誕生日や記念日に頼んでみようかなと妄想が進みます。Maison romi-unie学芸大学「Maison romi-unie」はクッキーとジャムのお店。お家型のギフトボックスはバターの優しい香りが広がるバターガレット、太陽のように輝くレモンクッキーなど6枚入り。とろりと思わずにやけるような。ひまわりみたいな。サクサクの幸せがぎゅっと詰まっています。自宅用の包装紙も家型で可愛い。商品以外のこうした小さなデザインとかユーモアが心に残っていくんだな、と改めて思いました。人に見せたくなっちゃうしあげたくなっちゃう。 ふと思い立ったGWクッキーの旅。目黒駅から3店舗を回り渋谷駅まで歩くこと約15キロ。ちなみに撮影用にそれぞれギフトボックス入りを購入し、味見用に数枚ずつ購入したところ合計4,000円も使っていた。GWで学んだのは「幸せはお金で買えたけど、歩いてたどり着けば5割増し」ってこと。Text. Azu Satoh
2016年06月10日こんにちは、ROBE編集長のAzuです。気まぐれ連載《水曜のケセラセラ》第9回目になりました。前回は大人の恋の話について。見返すとこっぱずかしい。今回は仕事のパートナーたちをご紹介します。どうぞ宜しくお願いいたします。 ライター / 編集者をしています。時々、カメラマン。主に便利屋。ファッション周辺で動いていると、キラキラした先輩たちを見るたびに「私はこんな所にいていいのだろうか...私みたいなカスが...」と思うのです。そんな場面でも胸を張って頑張る/戦わねばならない自分のお尻を叩いてくれるのは、いつだってテンションを上げてくれる可愛い小物達。改めて見返すと、カバンの中はコーディネートなんて無視した自分ワールド全開になっていました。フロシキシキの名刺入れ働きマンの必須アイテム名刺入れはファーストインプレッションで勝負。PVC素材でできている「フロシキシキ」の名刺入れはその名の通り風呂敷のように包んで収納するのが特徴です。お値段も1000円以下とお安めなのにキャッチーで可愛いので、かれこれ2年ほど愛用。mameのPVCバッグと相性が良いのも選んだポイント!ファッション業界おかぶり率が割と高めのアイテムです。ANNA SUIのステンドグラスミラービューティーケアはANNA SUIのステンドグラスミラーで。今は普通に手に入るけど、高校生の時に必死の電話予約で手に入れた魔法の鏡です。女の子だもん、いつだって可愛くいたいでしょ!と言いたいのだけど、実はそれほど見ません。持っているだけで可愛くなれる気がするので、御守り的に携帯しています。「なれるかも」という気の持ちようは大切ですよね。取材ノートとフリクション取材ノートはライターにとって命の次に大事なもの。気になったことを速記しながら話を聞いたり、とにかくメモを取り続けます。(恐ろしく字が汚いのでたまに解読不能なのが悩み。)いつでも持ち歩けるよう、選ぶのは手のひらサイズ。最近変えたばかりのノートはキレイなミントグリーンの配色がお気に入りです。「I’ll put on PANTS today」という変なセリフも愛おしい。スカート派なんでけどね。ペンはもっぱらフリクション!消したいものは消す。 楽しい仕事をさらに楽しく乗り切るために、身の回りからラブいもので固めていく!精神安定剤のチョコレートも忘れずに。Text. Azu Satoh
2016年06月10日北海道テレビ放送(HTB)ほかで放送されている人気バラエティー番組『水曜どうでしょう』が、コンビニエンスストアを中心に展開しているハズレなしのキャラクターくじ「一番くじ」に登場し、9月16日より全国のローソン、HTBグッズ取扱店などで販売される(一部店舗を除く、発売時期の異なる店舗あり)。価格は1回620円(税込)。『水曜どうでしょう』の「一番くじ」シリーズ第3弾となる『一番くじ 水曜どうでしょう 対決列島』は、新作DVD発売に合わせて、ファンが選ぶ第2回どうでミー賞 名企画部門第1位の「対決列島」をテーマにしたアイテムA賞~H賞の8等級全21種類+ラストワン賞をラインナップ。A賞は、「対決列島」の名場面や名台詞、場面写真を使いオリジナルカードゲームにした「対決列島カードゲーム」(全1種)。B賞には、名場面や名勝負を収め、名物店やロケ地も紹介した「一番くじ」オリジナル編集の「対決列島ブックレット」(全1種)、C賞は番組ロゴをデザインした、幅約90cmの「ブランケット」(全1種)が用意されている。D賞は、番組中の名(迷)ポーズを、アーミーフィギュア風にデザインした「一番くじ」限定の「迷ポーズフィギュア」(全3種)。E賞は、「藤やん」や「onちゃん」をイメージした「アイマスク」(全3種)、F賞には名ゼリフや「onちゃん」をモチーフにした「スタンプセット」(全3種)。そのほかにも、番組ロゴ、「onちゃん」や「藤やん」、「四国八十八ヵ所」のポーズなどをデザインした「どうでしょうデコシール」(全4種)、番組に登場した名キャラクターたちを"こけし"にした「名キャラこけしコレクション」(全5種、2個セット)などのアイテムがラインナップされている。恒例となったラストワン賞には、「対決列島」の旗をモチーフにした「対決列島クッション」(全1種)。なお、くじの半券を使って応募するダブルチャンスキャンペーンも同時に展開され、「対決列島カードゲーム 特別編」が100名にプレゼントされる。(C)2015 HTB
2015年08月13日俳優・大泉洋の出世作でもあるバラエティ番組『水曜どうでしょう』(HTB)のカメラ担当ディレクター・嬉野雅道氏が、初のエッセイ『ひらあやまり』(KADOKAWA)を、7月17日に発売することが10日、明らかになった。この本は、"うれしー"の愛称で知られる嬉野氏が「しあわせ」とは何かを書いたエッセイ。「人類数十万年の幸福の頂点に立つ」「生きものに慕われる部長なんです」「人生は生きていることが醍醐味ですよ」といった全10編とエピローグで構成され、『水曜どうでしょう』のアフリカロケでの舞台裏で起きた、大泉とのエピソードなども書かれている。さらには、『水どう』のスタイリスト・小松江里子氏に仕立てられた嬉野氏のグラビアも収録。表紙には小松氏の「あれ? うれしー、ちょっとだけ似合うね。着せたの……あたしだけど」というコメントが掲載されている。
2015年07月10日舞台は北海道の名もなき田舎町。そこで便利屋を営む男たちのドラマ、『不便な便利屋』。 脚本&演出は、あの名作バラエティ『水曜どうでしょう』でお馴染みの鈴井貴之さん。ひょんなことからその町に迷い込む主人公を演じるのが、岡田将生さん。鈴井さん曰く、“壊れた岡田くんが見られますよ!”だそうで…!?岡田さん、鈴井さんにお話を聞きました。 *** 岡田:現場で監督(鈴井さん)が僕に、「とにかくオーバーに!オーバーに!」って言うんですよ。正直、こんな大げさな演技は今までやったことがなかったので…。 鈴井:どうやら毎日前の晩に、役者同士、翌日どう演じるか話し合ってたらしいんですよ。だったらその通りにやらせちゃうのは悔しいって思いまして(笑)。もともと僕は、岡田くんが映画などで繊細な青年の役をやっていたのを見て、いい役者だな、と思っていたんです。そのイメージを壊したくて、いろいろやってもらっちゃいました。まぁその根源は、イケメンへの嫉妬ですが(笑)。 岡田:僕だけじゃなく、遠藤憲一さんも相当壊されてましたけど…(笑)。実はこの企画をいただいたときに、資料に“ドキュメンタリータッチで撮影する”と書いてあったので、正直イヤな予感はしていたんです。僕は、『水曜どうでしょう』のファンですから、ねぇ…(笑)。 鈴井:それならイヤな予感しかしないですよね(笑)。 岡田:でも、きっと飛び込んだらおもしろいと思って、雪の北海道で2か月間の撮影に挑んだんです。おかげさまで、毎日笑いっぱなしでした。 鈴井:今回は驚くほど素敵なキャストに参加していただけることになって、せっかくなら皆さんの既存のイメージを、良い意味で裏切るようなものを演じてもらいたいと思ったんです。岡田くんに関しては、今まであまり見たことがない、“ズルい顔”っていうのが、結構ありますよ。 ◇おかだ・まさき俳優。主演映画『ストレイヤーズ・クロニクル』が、6/27より公開予定。また、8/7よりパルコ劇場にて、舞台『ウーマン・イン・ブラック 黒い服の女』に出演。 ◇すずい・たかゆきタレント、映画監督、作家。作家として、そして出演もしているバラエティ『水曜どうでしょうClassic』がHTB水曜24:15~ほかで放送中。 ◇雪に埋もれた田舎町の便利屋に、若き脚本家の竹山(岡田将生)が迷い込む。そこにいたのはおせっかいを絵に描いたような松井(鈴木浩介)と離婚歴3回の梅本(遠藤憲一)。竹山は、おかしな町を脱出しようとするのだが…。毎週金曜24:12~、テレビ東京系で放送中(テレビ大阪は毎週月曜23:58~)。 写真・内山めぐみ(岡田さん、鈴井さんお二人の写真) ※『anan』2015年5月13日号より
2015年05月07日マール社の印刷物向け書体集「デザイン筆文字シリーズ2 酔虎」が、武蔵システムによりフォントデータとして発売された。価格は1ライセンス1万2,000円(税抜)。「デザイン筆文字シリーズ2 酔虎」は、テレビ番組「水曜どうでしょう」のテロップや、ゲーム「戦国BASARA」などで用いられた書体。このたび、武蔵システムにより「酔虎」としてフォント化された。1ライセンス中に、TrueTypeとOpenTypeの両方が含まれている。また、このフォントにはJIS規格第一水準漢字、人名漢字、ひらがな、カタカナ、数字、アルファベットなどが約3,310字が収録されており、書籍に収録されていない半角の数字やアルファベットについては、全角のデータを元に作成している。なお、対応OSはWindows 2000/XP/Vista/7/8/8.1、およびMac OS X 10.3以降となっている。
2013年12月17日