2018年の最後を締めくくる秋ドラマも中盤に。今期は、働く女性にスポットを当てた“共感型”ドラマが大きな話題を集めています。そこで今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者直伝!忙しない日々を送る皆さんへ――心の栄養剤となるおすすめの3作品を、ピックアップしてご紹介していきましょう。■理性的人間の落とし穴――“SOS”が大の苦手 「獣になれない私たち」社会派作品、取り分け女性の本音に定評のある脚本家・野木亜紀子さんが描くオリジナルラブストーリー「獣になれない私たち」は、仕事帰りのクラフトビールバーで偶然出会った男女――赤の他人だからこそ本音でぶつかり合う2人の姿を、時に笑えるコメディータッチな会話で切なくもリアルに映し出していきます。新垣結衣さん演じる主人公・晶は、常に笑顔で仕事も完璧。誰からも愛されるまさにパーフェクトなキャラクター。しかし、実はその裏で人知れず身を削るような努力をしており、周りが皆当たり前の様に「君なら出来る」と頼みを押し付けてくることに我慢の限界を迎えていました。唯一の味方だと思っていた彼氏さえも、晶の優しさに甘え始め、爆発寸前!懸命に器用を装っているけれど、本当はすごく不器用で上手く“SOS”が出せないそのもどかしさに、世の女性たちからは「わかる!」「彼女のような人が、社会のバランスを保っている」と、共感の声が続々呟かれています。劇中では、晶同様、心に分厚い鎧を着込んだエリート会計士の恒星(松田龍平)との触れ合いが、プラスの化学反応となって進展。「獣になり切れない」理性的な彼らが、行き着く先とは…?成長する姿を見届けながら、共に成長――癒しの時間をお過ごしくださいませ。■懸命に生きているからこそ、“こじらせ”に拍車が 「僕らは奇跡でできている」高橋一生さん演じる、生き物の不思議に目がない風変りな大学講師・一輝と、彼を取り巻く個性的なキャラクターが織り成すハートフルコメディ「僕らは奇跡でできている」。周りの評価は一切気にしない、超マイペース体質の主人公をイソップ物語の亀と称すなら、まさに対照的――1位という評価に向かって猪突猛進に駆け抜ける兎のようなキャラクター、ヒロインの水本育実(榮倉奈々)の生き方にいま、大きな注目が集まっています。容姿端麗、若くして歯科クリニックの院長を務める育実は、一見誰からも羨まれる完璧な人生を送っている風に見えるのですが…正論をかざし過ぎて疎まれてしまうこともしばしば。時に冷ややかな視線を集めてしまう“こじらせ”な一面が、非常にリアルだと話題に。努力のモチベーションとなるゴールへ設定が「他者(社会)からの評価」であるため、思うように賛同を得られないとついヤキモキ。「私は間違っていない」「こんなに頑張っているのに、どうして!?」と、生真面目な性格ゆえ、自らが課した重圧に耐えきれなくなる彼女の悶絶に共感を覚える方も多いのではないでしょうか。そんな時は一度立ち止まり、「周りの評価ではなく、自分が好きな自分でいられるか」主人公・一輝の核心をつく名台詞を思い出してみてはいかがでしょうか。■“あるある”感満載! 疲れた心に染み渡る、美食タイム 「忘却のサチコ」最後がこちら。人気コミック「忘却のサチコ」が連ドラに!ビジュアルを見る限り、一瞬「流行りのグルメドラマか?」と思われがちですが、この作品はもっと奥が深い。美味しいお店の情報を得られるだけでなく、主人公と共に極上の癒しを体験できるからおすすめです。高畑充希さん演じるサチコは、真面目な性格と完璧な仕事ぶりから「鉄の女」と一目置かれる、文芸誌編集者。旅先で出会った運命の相手(早乙女太一)と結婚を約束し、完璧な人生を手に入れるはずだったのですが…式当日、婚約者が突如失踪してしまいます。自分をさらけ出すことが苦手なサチコは、必死で平静を装う毎日。自分でも知らず知らずのうち、心に大きな打撃を受けていた彼女を救ったのが――温かくて美味しい食事。誰しも一度は同じような経験、あるのではないでしょうか。冷たく凍てついてしまった心に染み渡る温もり。そのあまりの美味しさに、悶々としていた悩みを忘却する“あるある”感は、見ているだけでスッキリ!回を追う毎、美食を求めて奔走するサチコの背中に癒されること間違いなしですよ。以上、いかがでしたか?完璧に見える女性ほど、胸の奥に秘めた悩みがあると言えるでしょう。これからは、いままで見えていた景色がほんの少し違って見えて来るかもしれませんね。(text:Yuki Watanabe)
2018年11月12日10月期放送の高橋一生主演ドラマ「僕らは奇跡でできている」の新たなキャストとして、榮倉奈々、要潤、児嶋一哉、田中泯、戸田恵子、小林薫の出演が決定。小林さん以外の5人は、高橋さんと初共演となる。本作は、高橋さん演じる生き物のフシギに目がない“変わり者”大学講師・相河一輝の日常を描く、コミカル・ハートフルドラマだ。■榮倉奈々、才色兼備な歯科医師役現在放送中の「この世界の片隅に」に重要な橋渡し役で出演する榮倉さんが演じるのは、一輝が通う歯科クリニックの容姿端麗な院長・水本育実。周りからもうらやましがられるような人生のはずだが、真面目で頑張りすぎてしまうがゆえに正論を言い放ち、周囲からは冷ややかな目で見られてしまう“こじらせ気味”な一面も…。7年ぶりにフジテレビ系連続ドラマにレギュラーで出演する榮倉さんは、今回初めての歯科医師役に挑戦。榮倉さんは、「水本育実は、人からうらやましがられるようなエリートではありますが、人との関係を築くことに不器用に見えました」と演じるキャラクターについて分析。そして、「働く女性が多い現代で、共感してもらえる部分をたくさん持っているようにも思えました。凝り固まった心が高橋一生さん演じる相河一輝によって解かれていく姿を見たい」と物語が進んでいく中での変化に期待している。■要潤「軽くて、ズルくて、嫉妬深いやつ」、野心家准教授役これまで数々の作品でバイプレーヤーとして存在感を遺憾なく発揮してきた要さんが演じるのは、一輝と同じ大学の研究室で働く准教授・樫野木聡。野心家で上昇志向が強く、教授の座を狙おうと論文の作成にいそしみ、教授にこびを売る。また一輝のことは快く思っていないが、不本意ながらマイペースな彼に日々振り回されてしまうのだ。要さんは、「主演が高橋さんということで、今一番輝いている俳優さんだと思うので、共演できる事を嬉しく思います。と同時に、同い年という事で、団結しやすいと思いますし、逆に刺激も与えられやすいと思いますので、今から非常に楽しみです」と撮影が待ち遠しいと話し、演じる役柄については「軽くて、ズルくて、嫉妬深いやつで、とても演じがいがあると感じています」とコメントしている。■児嶋一哉、“アリ”オタクに!一輝の同僚講師で“アリ”を専門に研究する沼袋順平役には、大河ドラマ「龍馬伝」、『散歩する侵略者』など俳優としても活躍する「アンジャッシュ」児嶋さん。研究室で何十匹ものアリを飼育、観察。また全てのアリを識別できるという、まさに“アリオタク”だ。児嶋さんは、「このお話をいただいたとき、“母親が喜ぶぞー”と思いました!僕が演じる沼袋は、“気持ち悪い奴”という印象で、演じるのが楽しみです!」と出演を喜び、「とにかく高橋一生さんが出ているので、間違いないです!みんな見てねー!」と視聴者へ呼びかけている。■田中泯、一輝の“心のよりどころ”に田中さんが演じるのは、一輝の祖父であり陶芸家の相河義高。幼い頃から一輝の面倒を見てきた人物で、一輝にとって一番の理解者。しかし一方で、一輝に“ある事実”を打ち明けられずにいる。■戸田恵子がツッコミ役!? 軽妙な掛け合いに注目戸田さんが演じるのは、一輝の家に住み込みで働く家政婦・山田妙子。好みの味が見つかると同じものを食べ続けたり、部屋の掃除を断固拒否したりする一輝にあきれつつも、温かく見守る役どころ。また、一輝が15歳のときから相河家で働いているため、一輝に歯に衣着せぬツッコミをお見舞いすることも。2人が日々繰り広げる軽妙な掛け合いは、ドラマの見どころのひとつとなりそう。「高橋一生さんとの初共演がとても楽しみ」と語る戸田さんは、「私が演じる山田妙子は、得体のしれない、でもきっと面白くて、良い人」と役柄を説明し、「皆さまに元気になっていただけるような、そして何か新感覚なドラマになる予感がしています」とコメントを寄せている。■小林薫、陽気な性格でユーモアのある一輝の恩師役に動物学の権威で一輝が勤める大学の学部長、一輝が大学時代に師事した恩師・鮫島瞬を演じるのは小林薫。“興味のあることに夢中になれる”一輝の性格を買い、大学卒業後も度々自分のフィールドワークに参加させており、ある思いから、自らが教授として在籍する大学に一輝を講師として迎え入れた。陽気な性格でユーモアがあり、なおかつ探求心に溢れている人物だ。“変わり者”の大学講師と、クセの強いキャラクターたちが織りなす、コミカルかつハートフルな本作。高橋さんとほぼ初共演となる俳優たちがどんな化学反応を起こすのか期待したい。「僕らは奇跡でできている」は10月より毎週火曜日21時~カンテレ・フジテレビ系にて放送予定。(cinemacafe.net)
2018年08月16日