コトリンゴの名盤『ツバメ・ノヴェレッテ』を彼女自身がオーケストラ化、首藤康之のダンスとともに送るコンサートが、2023年11月25日(土)に東京文化会館 大ホールで開催される。これは、2021年12月に岐阜・高山で湯山玲子がプロデュースし、好評を博した伝説のコンサート。一夜限りの公演であった為、音楽ファンの間から再演が望まれており、この度、再演が東京で実現する。コトリンゴは卓越したピアノ演奏と柔らかな歌声で浮遊感に満ちたポップ・ワールドを描く多才なアーティスト。近年では、劇場アニメーション映画「この世界の片隅に」のサントラを手がけ、日本アカデミー賞優秀音楽賞、毎日映画コンクール音楽賞を受賞するなど、映画、アニメーション、ドラマ、CMなどの音楽制作でも活躍。音楽家として国内外を問わず高い評価を受けている。プロデューサーの湯山玲子は『ツバメ・ノヴェレッテ』について、「聴いた途端に心を鷲づかみされた。その音楽は、ロマンチックの大波の中に、悲しさと希望の響きが充満。そして、名曲に不可欠の愛惜やヒューマニティーというものが色濃く存在している。幼いときに読みふけった童話の絵本には、美しさとともに残酷だったり、不条理の毒が潜んでいたが、このアルバムは、そんなツバメの“王国”だったのだ。」と思いを語る。今回の企画はその物語に、様々な才能が花を添える。ツバメ・ダンサー役には、モーリス・ベジャールなど一流の振付家に愛され、映画、演劇から歌舞伎まで、ジャンルを越えた活動を続ける首藤康之。男声のオペラユニットとして挑戦的な活動を続けるTHE LEGENDの選抜メンバー。そして、すべての土台となるオーケストラサウンドを、ヨーロッパの第一線で活躍する指揮者・阿部加奈子と、パシフィックフィルハーモニア東京が創り上げる。ポップス分野の優れたアーティストが、クラシックの交響曲を創るという新しい試み。注目のコンサート『ツバメ・ノヴェレッテ』のチケットは、一般発売に先駆け9月22日(金)より先行販売が開始される。詳細は公式WEBサイト参照。<公演概要>爆クラ presentsツバメ・ノヴェレッテ~ コトリンゴ × 首藤康之 × オーケストラで送る、新時代のダンス交響詩 〜[日時]2023年11月25日(土) 18:00開演(17:00開場)[会場]東京文化会館 大ホール[チケット料金]S席 8,800円/A席 7,700円(全席指定・税込)*3歳未満のお子様は入場をお断りさせていただきます。[チケット先行販売]9/22(金) 12:00〜 チケットぴあにて最速先行販売(抽選) [チケット一般発売]10月5日(木) 10:00〜[出演]作曲・歌・ピアノ:コトリンゴダンス:首藤康之歌唱:THE LEGEND(志村糧一/吉田知明/内田智一)指揮:阿部加奈子演奏:パシフィックフィルハーモニア東京プロデュース・MC:湯山玲子[演奏予定楽曲]ツバメ・ノヴェレッテ/コトリンゴカプリコーン協奏曲 作品21/サミュエル・バーバー小組曲/クロード・ドビュッシー(アンリ・ビュッセル編)ほか*曲目・曲順は変更になる場合があります。[公式WEBサイト] 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2023年09月22日株式会社世界文化社は、ミシュラン一つ星のオーナーシェフ・髙良康之が、フライパンひとつで作る格上げ「おうちフレンチ」レシピを紹介した『フライパンひとつで極みのフレンチ』を9月16日(水)に発売します。「銀座レカン」6代目総料理長として活躍、現在ミシュラン一つ星「レストランラフィナージュ」オーナーシェフとして日本のフレンチ界の次世代の担い手である髙良康之さんが教える「おうちフレンチ」の1冊。しかも本書はフライパンひとつで完成する料理のみ。基本のチキンソテーやポークソテーから、みんなが好きなハンバーグ、ピラフなどの洋食メニュー。さらには本格ビストロ料理のカスレやチキンバスケーズなどの煮込みや、憧れのクレープシュゼットまでオール・フライパンレシピ。収録レシピは54皿。もちろんすべて極みつきの美味しさです。メイン&副菜は、フライパンだけで大丈夫!ひとつ格上の「おうちフレンチ」“フライパンで作る料理の魅力は一人分、二人分の料理をア・ラ・ミニッツ(ぱぱっと)作れること。でもフライパンは「焼く」ためだけの調理器具ではありません。かたまり肉もオーブンなしでローストすることもできれば、フライパンにぴったり合う蓋さえあれば、エチュベやブレゼなどフランス料理の蒸し煮や蒸し焼きのメソッドをわが家でできる万能な調理道具です。フッ素樹脂加工のフライパンは深めのものが今主流。これなら、軽い煮込みも上手に作れますよ”と髙良シェフ。なぜこのようにするのかなど、丁寧な解説しています。「おうちフレンチ」の3種の神器は、“トマト““マッシュルーム”“にんにく”!!「トマト、マッシュルーム、にんにくは、3種の神器」身近な食材ばかりですが、これが実にいい仕事をしてくれるのですと、髙良しぇ語ります。本書レシピではフランス料理の真髄とされるソースやフォンは基本無くても良いものばかり。その代わり、味の深みを支える旨み素材を上手に活用しています。また、ブイヤベースなども時短で深みのある味わいに仕上がるよう、魚にマリネをしてから煮込むなど、教科書通りではない、オリジナルの工夫も随所に。フライパンで作るアペロなどワインのつまみも収録。「おうちフレンチ」を楽しむレシピが満載です。<書籍に関するイベント>①『フライパンひとつで極みのフレンチ』表紙のフライパンが当る!SNSキャンペーン開催応募期間:2020年9月16日(水)~10月16日(金)詳細はこちら②『フライパンひとつで極みのフレンチ』発売記念「湘南料理塾」(※オンライン限定レッスン)開催日程:2020年10月25日(日)詳細はこちら<著者プロフィール>髙良康之「レストランラフィナージュ」オーナーシェフ1967年、東京都生まれ。ホテルメトロポリタン勤務を経て、1989年渡仏。「ラミロテ」(ロワイヨン)を皮切りに「オーベルジュ・ブレッサン」(ブレス)、「ラ・プティット・クール」(パリ)、「オンブルモン」(サヴォア)、「パン・アデュール・エ・ファンテジ」(ランド)の各地で研鑽を積む。帰国後は、赤坂「ル・マエストロ・ポール・ボキューズ・トーキョー」副料理長、日比谷「南部亭」料理長を歴任し、2002年「ブラッスリー・レカン」オープンに伴い、料理長に就任。「銀座レカン」総料理長を経て、2018年10月、自身の店「レストランラフィナージュ」をオープン。2020年にミシュラン1つ星を獲得。フランス料理有職者の協会「クラブアトラス」会長を務め、料理講習会などプロから愛好家向けまで、精力的に活動している。レストラン ラフィナージュ HPへ<刊行概要>『フライパンひとつで極みのフレンチ』著者:高良康之■刊売:2020年9月16日■定価:1,800円+税■刊行:株式会社世界文化社商品の詳細はこちら※一部書店により発売日が異なります。企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年09月24日小野寺修二と首藤康之が初めてタッグを組んだ『空白に落ちた男』(2008年)から10年目。節目となる今年、6月に第4弾『斜面』が上演される。【そのほかの画像はこちら】その日、稽古場では首藤とろう者の舞踏家・雫境(だけい)とが対峙するシーンが作られていた。小野寺と首藤を中心として、「足を一歩前に踏み出す」「視線を外す」「居住まいを正す」など、細やかな動きひとつひとつに対し、その瞬間の感情についての意見が飛び交う。登場人物はセリフを発しないが、稽古で交わされる言葉は尽きない。稽古を終えたふたりに話を聞いた。首藤は「今日の稽古で腑に落ちたのは、“思わず”動く、その瞬間に真実が見えるということ。小野寺さんの作品は、ストーリーやキャラクターを前面に出すのではなく、真実を追求するものだと思うんです。そのためには自分をさらけ出す必要があるから勇気も必要だけれど、ぼくはそこに豊かさと楽しさを感じています」と話す。それを受け小野寺は「首藤さんとの企画が立ち上がるときは、必ず僕が変化を求めているときなんです。それは、偶然というにはうまくできすぎているほど(笑)。毎回それぞれ“自分になにができるのか”を考え、新たなチャレンジをしていますが、とくに今回は10年目ということもあって、気持ちも新たに作品に向き合っていますね」と語る。10年の間に作品を重ねたふたりだが、首藤は「最初は小野寺さんの言ってることが全然わからなかった」と笑う。「10年経って、ちょっとだけ小野寺さんの世界の住人になれたかなという嬉しさを感じています」というと、小野寺がこう続ける。「先日の稽古で、首藤さんが雫境くんに“もっときたなくしてみて欲しい”と言っていたんです。それは僕が最初の頃、首藤さんによく話していた言葉。当時は“意味がわからない”と首を傾げていた首藤さんが、今回その言葉を共演者に伝えていたのが印象的でした」。すかさず首藤が「“きたないはきれい”ですからね」と付け加えた。日本を代表するバレエダンサーである首藤と、パントマイムを礎にジャンルを超えた活躍をしている小野寺。ともにベテランといえる立場にありながら、稽古場では何かを発見したかのような「そうか!」という声が度々上がった。ふたりがフレッシュに〈動き〉と向き合っている証左だ。「いまはひとつひとつの動きの意味をじっくり探っている。スタート地点に立つまでの時間を大切にしたぶんだけ、走り出したらすべてが繋がってゆく気がします」という首藤と、「今回、マイムが大好きになりました。マイムの面白さを、首藤さんという表現者を通じて伝えたい。“やっぱりこのふたりでやったら面白いね”といわれるものを見せたいと思っています」という小野寺。このふたりにしかつくりえない舞台が期待できそうだ。NAPPOS PRODUCE『斜面』は6月9日(土)から17日(日)まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて上演。取材・文:釣木文恵
2018年05月21日オリジナルプリントの雨傘を中心に、スカーフなどの小物の制作も手がけるコシラエル(Coci la elle)が、12月23日にコシラエル 神戸店をオープンする。写真:江森康之場所は、神戸の繁華街がある三宮駅から阪急電車に乗って5分足らずの「王子公園駅」を降りて高架下を5分ほど歩いたところ。コシラエル主宰のひがしちかは、2年前に高架下の一角にあるギャラリーで期間限定ショップを行ったときから、街と人の心地が良いこの街にコシラエルがある風景を想像し続けていた。見つけたときには壁がなかった奇抜な物件を唯一無二の傘屋にするべく、この場所にある記憶や魅力、新たに生まれるお店に込める思いなど全部を、設計担当の星佳奈が汲みとって具現化させ、コシラエルの傘と同じように、日常の感情や出来事を拾い上げて繰り広げられる空間となった。神戸店では、星佳奈の引いた図面にひがしちかが言葉をのせた、今では珍しい「青焼き」を表現した限定のハンカチ(2,200円)が登場。オープン初日はひがしちかも在店し、傘またはビジュアルブック『かさ』の購入者を対象に小さなプレゼント(数量限定)も。また、コシラエルでは12月12日より雨傘の新作シリーズ「メラ(Mela)」が発売中。線画から色彩画へのプロセス、馴染みのあるクッキー、水彩に水玉、夢の中のようなコラージュ、ビーズやキッチュな小物でできた柄など、シリーズ全体にコシラエルらしいユーモラスな美しさとカラフルな遊びが行き渡っている。さらに一部の柄限定で、初めてつくったというパゴダ型の雨傘にも注目。変形した岩場や美しい景色に溶け込んだ女優の青柳いづみを被写体に、写真家・江森康之が撮り下ろしたビジュアルを掲載した特設ページ()も同日公開している。【店舗情報】Coci la elle 神戸店住所:兵庫県神戸市灘区城内通5丁目3-2-61・62号営業時間:11:00~19:00年内営業は12月29日まで、新年営業は1月4日から
2017年12月19日長塚圭史(作・演出)、近藤良平(振付・音楽)、首藤康之、松たか子の4人が、鏡のあちらとこちらで騒動を繰り広げる『かがみのかなたはたなかのなかに』。2015年の初演で評判をとった舞台が再演されることになり、12月5日(火)に新国立劇場で幕を開ける。2年前から何が進化し、どんな魅力が加わったのか? 開演まで2週間を切った11月下旬、稽古場に足を運んだ。新国立劇場演劇『かがみのかなたはたなかのなチケットかに』チケット情報兵隊の“たなか(首藤)”と鏡の向こうの“かなた(近藤)”。同じく鏡を挟んで向き合う美女“けいこ(松)”と彼女とは全てが正反対の“こいけ(長塚)”。鏡を通してそれぞれの恋心や対抗心が交錯するが……。鏡を挟んで対となるふたり(首藤×近藤/松×長塚)が、ぴったりと同じ動きを見せるのが本作の“肝”となる部分。再演とあって、基本的な動きは既に出来上がってはいるのだが、稽古場ではじっくりと丁寧にその動きの必然性や動機を探り、もう一度、構築し直していく様子が見られた。近藤や首藤の動きに対し、長塚から「そこに行くことが目的になってるのが見えちゃう」との指摘が飛び、ふたりは動きを合わせつつ、自然な動作を探求していく。長塚はこの“再構築”を「前作を踏襲しつつ、再演ではさらにディティールの精度を上げていきたい。初演時に勢いや高揚の中で何となくやっていた部分が気になってくるんですよ。よりロジカルに、そこにあったはずの“動機”をきちんと繋げていく作業が必要になる」と説明する。共に高度な身体性を武器としつつ、筋肉の付き方から発想まで異なる個性を持つ首藤と近藤。見た目からして全く異なる松と長塚。異質な4人が鏡によって“縛り”を受けて動きをシンクロさせていく様子は、セリフなど無くとも、ただ動きを見ているだけで楽しい。中でも、唯一の女性として他の3人とは明らかに違うキャラクター性を発揮しているのが“けいこ”を演じる松だ。“たなか”と“かなた”の両者から熱烈なラブコールを送られ、ふたりの間を行き来する中で、徐々にその奥に隠された恐ろしい一面が見えてくるのだが、松は小悪魔のようにキュートに軽やかに舞台を駆け巡り、明るく怖い悪女を体現! 長塚は「松さんは悪女が合う(笑)。自分がどう見えるのかしっかり研究してますよ。かわいいですね(笑)」と称賛する。この笑いを誘いつつも、ひんやりと背筋が冷たくなるような怖さこそ本作の見どころ。「未来のおとなと、かつての子どもたちへ」と銘打って、大人のみならず子どもにも楽しんでもらうために企画された舞台だが、長塚はわかりやすい“子どもだまし”の作品を作る気は毛頭ない。「劇場ってそれだけでちょっと怖いんですよ。だから面白い。明るくフワフワした優しさと安全に包まれた場所ではなく、ちょっと猥雑で『え? ここ入っていいの?』と思うような場所を作っているつもり」と見世物小屋の主人のような笑みを浮かべる。一流の大人たちが真剣に作り上げたコミカルでゾッとするような世界を楽しんでほしい。公演は東京・新国立劇場にて12月5日(火)より上演。その後全国を巡演。取材・文:黒豆直樹
2017年12月01日一点物の日傘ブランド「コシラエル(Coci la elle)」のビジュアルブック『かさ』が、2017年2月下旬に発売。「コシラエル」は、日傘作家・ひがしちかがによって2010年にスタートした手作り日傘ブランド。風景や、音、そしてふと感じることなど、日常のすべてのものを色彩や絵柄で表現し、一点一点手描きや刺繍を施した日傘を展開する。今回出版されるブランド初ビジュアルブックでは、ブランドスタート以来様々な写真家と作ってきたビジュアルと、本書のために撮り下ろした写真を中心に掲載。そして、これまでに展開してきた傘の製作背景や、ひがし本人のエッセイを収録した。フィルムの質感やユニークな構図、そして詩情に満ちた世界観は、傘1点1点の持つストーリーと見事に共鳴している。ビジュアルブック『かさ』の出版を記念し、展覧会を2017年2月15日(水)から21日(火)まで、青山のスパイラルガーデンで開催。一点物の日傘約100本を一斉に広げて展示販売するほか、手描きの絵柄をプリントした生地でつくる雨傘の原画と生地、コシラエルの傘の印象を決めるハンドルの数々、本書に収録している写真作品の一部を展示する。コシラエル ビジュアルブック『かさ』も先行発売される。【詳細】コシラエル ビジュアルブック『かさ』発売日:2017年2月下旬価格:4800円+税著者:コシラエル出版元:青幻舎写真:阿部健、在本彌生、一之瀬ちひろ、江森康之、小野田陽一、小浜晴美、坂本光三郎など■ビジュアルブック「かさ」出版記念展 コシラエル開催期間:2月15日(水)~21日(火)場所:スパイラルガーデン住所:東京都港区南青山5-6-23 スパイラル1F※入場無料
2017年02月10日歌手で俳優の星野源の最新著書『いのちの車窓から』(KADOKAWA刊)が、2017年3月30日に発売されることが19日、明らかになった。同書は、雑誌『ダ・ヴィンチ』で2014年12月号よりスタートした星野の自筆連載に加え、新たに書き下ろしも加えたエッセイ集。今夜ついに最終回を迎える話題のTBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の撮影秘話や、念願だった紅白出場、大ヒット曲「SUN」、「恋」ができるまで、さらに、こっそり別人としてツイッターをやっていたエピソード、集団ではいつも一人でいた自分が「自分が人見知りである」と自ら言うことをやめたきっかけなど、約2年間にわたり星野源が見てきたもの、感じてきたことが満載の内容となる。タイトルの『いのちの車窓から』とは、普段かけている度の強い眼鏡のレンズ越しに周囲を見ている自分を、なんとなく"窓の内側"にいるものと感じていることをつづった収録の表題作から。そんな彼の「窓」=「視点」からのぞいたものを丁寧に描写したエッセイは、自分自身がのぞく"窓"次第で変わるであろう生きる楽しさ、人や自分自身を好きでいられることの幸せを、温かく、時にユーモアあふれる言葉で紡いでいる。「人生は旅だというが、確かにそんな気もする。自分の体を機関車に喩えるなら、この車窓は存外面白い。」(収録エッセイ『いのちの車窓から』より)星野は「自分の中で、年々書くことが楽しくなってきていて、その最中に生まれた文章が一冊にまとまると思うと、とてもうれしいです」と単行本化を喜び、「『いのちの車窓から』には、この2年間自分が見つめてきた景色と、それによって心が動いた瞬間の両方が詰まっています」と紹介。「言葉にできない想いを言葉にするために向き合う文筆の作業は、とても面白いです。ぜひ読んでいただきたいです」とコメントしている。なお、きょう12月20日より予約受付開始となる。写真=江森康之
2016年12月20日長塚圭史(作・演出)、首藤康之、近藤良平、松たか子という4人の実力派が“鏡”をテーマに繰り広げる舞台「かがみのかなたはたなかのなかに」が7月6日(月)に新国立劇場にて幕を開ける。初日まで1か月を切った稽古場に潜入。本作の魅力に迫る。舞台『かがみのかなたはたなかのなかに』チケット情報この4人の組み合わせは2012年から13年にかけて上演された「音のいない世界で」に続いて2度目。長塚は「当時から家族的な雰囲気があり、4人で『もう1回やろう』と言っていた」と語るが、それが実現してしまうのは、よほどの手応えと充実感があったからこそ。鏡のこちらと向こうでタナカ(首藤)とカナタ(近藤)、コイケ(長塚)とケイコ(松)が対をなすという物語。カギとなるのは首藤と近藤のふたりのシンクロ率の高さ。この日も、タナカとカナタが初めて顔を合わせる序盤、ヒロインのケイコを巡りふたりが対峙するクライマックスのシーンが重点的に行われたが、セリフおよび動きに関して同じ動きを何度も繰り返し、試行錯誤しながら少しずつシーンを作り上げていく。共に“ダンサー”という原点を持ちつつも、これまで異なる道筋を歩んできた首藤と近藤。当然、個性も違うわけだが長塚は「まずは全く同じ動きを作り上げる。その精度の高いシンクロがあってこそ、(物語が進むにつれ)ずれていく驚きがあり、それぞれの個性が見えて面白い。この最初の動きを合わせるのが非常に重要なんです」と語る。前作に続き、本作は大人も子どもも楽しめる演劇を、と企画された作品だが、子どもたちは言葉以前にまず目で見て、このふたりの身体性の凄まじさを感じるはずだ。そしてこのふたりに、松が演じるヒロインのケイコがどう絡んでくるのかも楽しみなところ。男性陣とはまた異なる魅力と個性を持ったキャラクターであり、鏡を挟んでケイコと対をなすコイケが、彼女とは似ても似つかないという点もまた、その美しさや個性を色濃く浮かび上がらせる要因となっている。単なる美しいヒロインにとどまらぬ、小悪魔的な要素を含め、松が楽しんで演じているのがうかがえる。長塚曰く「チャーミングでありつつ、子供たちが見て何を思うか……(笑)」。こちらも反応が気になる。「鏡」というモチーフを長塚は「子どもに何かを伝えるという上で、想像力を広げる格好の道具」と言う一方で、「稽古場では『これは子どもに理解できるか?』という視点で作ってはいない」と子どもたちの感受性を信頼する。「夏なので、ちょっとヒヤッとするような怖さも味わってもらえると思う」と手応えをうかがわせた。公演は東京・新国立劇場小劇場にて7月6日(月)より26日(日)まで。チケット発売中。取材・文・撮影:黒豆直樹
2015年06月18日首藤康之のダンス公演『DEDICATED 2014 OTHERS』が明日、10月24日(金)よりKAAT 神奈川芸術劇場 ホールで開幕する。2011年にダンサーの首藤がスタートさせたダンスシリーズ『DEDICATED』の第3作。シリーズのテーマは「ダンスを通して自分の思いを捧げること」。今回は、“OTHERS”(他者)と題し、首藤康之ソロ作品『ジキル&ハイド』(構成・演出:小野寺修二)と、首藤康之・中村恩恵のふたりのダンサーに女優のりょうを迎えた『出口なし』(構成・演出:白井晃)の豪華2本立てで上演する。開幕を目前に控えた稽古場を取材した。『DEDICATED 2014 OTHERS』チケット情報『ジキル&ハイド』は、2011年『DEDICATED』立ち上げの公演で、首藤が最も信頼する演出家のひとりである小野寺修二とタッグを組み上演、好評を博した作品。初演時の会場であるKAAT大スタジオから今回はホールに会場を移し、さらにダイナミックかつ緊密な世界を展開する。リハーサルでは、実際の舞台装置になる鏡や小道具を使い、作品の流れの中で動きの動機を探る細かい作業を積み上げ、本番さながらの通し稽古が行われていた。さまざまなイメージを喚起する舞台美術と構成、それらとせめぎ合う首藤康之のダンスに目を奪われる。『出口なし』はサルトルの同名戯曲を題材にして、KAATのアーティスティック・スーパーバイザー白井晃が構成・演出する作品。稽古場の空気は出演者、スタッフ全員が集中し、その密度は高い。ダンス作品演出に初めて挑む白井、ダンサーの首藤と中村、女優のりょうの4名いずれもが「新しい経験」と話すクリエーションは、言葉とダンス、声と身体を交錯させながら、新たなイメージを立ち上げていく。それぞれがこれまでにない挑戦をしながらも、最終的には同じ方向へ向かっていく、そんな不思議な創作のプロセスが垣間見られた。“OTHERS”(他者)と題された今作。他者を通して見えてくるものとは…。自己の中に潜む他者とは…。2作品の連続上演を通し、人間存在について深く考えさせられるような公演になりそうだ。公演は10月24日(金)から26日(日)まで。
2014年10月23日