人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編を、主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子を迎えて『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督がメガホンを取り実写映画化する『横道世之介』。このほど新たに、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派俳優3人の本作への出演が明らかとなった。『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作にもつ本作。1980年代を舞台に、上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描く。今回出演が決定したのは、いまがまさに“旬”の3人。世之介の大学の友達・倉持一平を、『ラスト サムライ』でハリウッド・デビューも果たした池松壮亮、世之介が憧れる年上女性・片春千春を、『ソラニン』や『GANTZ』など話題作への出演が相次ぐ伊藤歩が演じる。そして女性に興味がない世之介の同級生・加藤雄介を、現在放送中のNHK連続ドラマ小説「カーネーション」での活躍で脚光を浴びている綾野剛が演じる。徐々に明らかにされていく映画『横道世之介』の世界。心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描くことに定評のある沖田監督の指揮のもと、若手実力派俳優たちがどのような化学反応を起こしてくれるのか、公開を楽しみに待ちたい。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化
2012年03月15日人里離れた山村を舞台に、そこに暮らす無骨な木こりの男と、映画の撮影のためにやって来た新人監督の交流を描く、心温まるヒューマン・ストーリー『キツツキと雨』。『南極料理人』の沖田修一監督が描き出す異色な2人のふれあいは、ホロリとした空気感を生み出し、心地よい笑いを提供するのだが、実際に本作を鑑賞した人々からは「仕事を頑張ろうと思った」、「仕事って色々あるんだなと思った」と、同じ“働く者”としての共感の声が集まっている。シネマカフェで公開に先立ち行った試写会で寄せられたコメントを参考に、本作がもたらす“癒し”効果について検証!妻に先立たれ、息子と2人で暮らす60歳の木こり・克彦(役所広司)と、自信が持てずいまにも撮影現場から逃げ出したい25歳の映画監督の幸一(小栗旬)。ひょんな成り行きで、克彦はゾンビのエキストラとして映画に出演する羽目になる。やがて一緒に時を過ごしていくうちに、幸一は克彦に父親のような安心感をおぼえ、少しずつ一体感が生まれていく――。本作を鑑賞した人に「どのキャラクターに一番共感したか?」という質問をしたところ、最も多くの共感を集めたのが克彦。親目線で、または子供から見た父親への想いに共感する部分が多かったようで、「子供のように純粋なところ。子を思う親の優しさ、人に対する温かさを感じた」(30代・女性)、「息子とうまくいかない寂しさと、それを埋める新たな喜びを感じられた」(20代・女性)という声があり、同年代の女性からは「人生の中で非日常や非現実に憧れを持ちつつ、日常をこなしていく実感を撮影にのめり込む克彦の中に見た」という共感の声も。一方、僅差で票を集めた幸一に対しては、働く中での苦労や悩みへの共感が多く、「自分に自信がないけど、いいものは作りたい…。目上の役者にダメ出しするシーンは、自分と重ねて『頑張れ』と言いたくなった」(20代・女性)、「仕事に対する不安や投げ出したくなる気持ちに共感できた。でも必死にやり遂げようとするところがすごくかっこいいと思った」(20代・女性)という前向きな意見も。また、幸一と同率で共感を集めたのは、高良健吾が演じる克彦の息子・浩一だ。その共感ポイントは「親に反抗する気持ち」。それでも切れることのない父親との繋がりを感じさせる姿は、観る者の心をとらえる。全体を通して本作を観終わっての気持ちを表してもらったところ、「ほっこり」「前向きな気持ちになれた」という感想が圧倒的に多かったが、その温かい気持ちは「日常の中にある何気ない喜びや繋がり」からもたらされるのだろう。「悩みながらも頑張ろうという気持ちになった」(20代・女性)、「気づいていないだけで、人と人との繋がりが作り出す偶然の連続はきっと自分の周りにもたくさんあるんだろうなと感じた」(20代・女性)、「人の悩みは深いけれど、ちょっとしたことがきっかけで解決することもあると思った」(20代・女性)といった感想が寄せられた。では、この心温まる映画をどんな人にオススメする?と最後に尋ねたところ、「仕事で日々、追われている人」、「進路で迷ってる人」という声が多く集まった。ひょんな出会いがきっかけで、自分の仕事に自信を取り戻していく幸一の姿は、働く人々、さらにこれから社会に出て働く人へのエールとなるに違いない。ちょっぴりお疲れだという方はぜひ、この映画が贈る幸せなひとときで癒されてみては?『キツツキと雨』は全国にて公開中。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:『キツツキと雨』主演の役所広司、同日公開の『はやぶさ』が気になる…!?役所広司×小栗旬インタビューふたりだから語れる、「映画を撮り続ける」ワケ『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待
2012年02月20日公開中の映画『キツツキと雨』の撮影現場をおさめた特別映像が公開された。『キツツキと雨』特別動画『キツツキと雨』は、無骨な木こりの克彦(役所広司)と、ゾンビ映画の撮影のために山村にやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗旬)が偶然に出会い、奇妙な友情が生まれる過程をコミカルに描いた作品。このほど公開されたのは、森の中で木こりの克彦がロープを用いて木に登る場面と、克彦がチェーンソーで木を伐採した後に古舘寛治演じる助監督と少し間の抜けたやりとりを展開する場面を、完成した映画とは異なるアングルから捉えたメイキング映像。カメラが回る前後の役所の姿や、森の傾斜にカメラを設置し撮影に臨む沖田修一監督らスタッフ陣の動き、そして劇中で展開されている独特の会話の妙を短い映像ながら楽しむことができる。本作は、映画の撮影現場という少し特殊な環境で生まれた友情や人間関係を描いた作品だけに、その作品の撮影風景をおさめた本映像は、貴重なものといえる。『キツツキと雨』公開中(C)2012「キツツキと雨」製作委員会
2012年02月20日役所広司と小栗旬の初共演が話題を集める『キツツキと雨』の初日舞台挨拶が2月11日(土)、東京・角川シネマ新宿で行われた。『南極料理人』が多くの支持を集めた沖田監督の最新作。ある村にクルーを率いてゾンビ映画の撮影に訪れた気弱な映画監督(小栗さん)と村の武骨な木こり(役所さん)の交流をユーモアたっぷりに描き出す。昨年の第24回東京国際映画祭で、日本映画として唯一、コンペティション部門に出品され、見事審査員特別賞を受賞。さらに、第8回ドバイ国際映画祭で最優秀男優賞・脚本賞・編集賞を受賞し、早くも国際的な評価を得ている本作。この日は両映画祭で獲得した4つのトロフィーが勢ぞろいし、役所さんらは喜びを再確認。台湾での公開が決定し、韓国からの配給オファーも舞い込むなど、さらなる世界進出を予感させるニュースも発表され、「国境を越えて、多くの方が観てくださった。みんなでいただいたもの(賞)ですから、お祝いをしたいですね」と役所さんもニッコリ。そんな役所さんは「今日は『キツツキ』とか『はやぶさ』が公開ですね…。キツツキは小ぶりですけど、記事は大きくして下さい(笑)」と取材陣にアピール。同じ“鳥”がタイトルになっているためか、同日公開された渡辺謙主演の『はやぶさ遥かなる帰還』が気にかかる様子だ。役所さんにとって、木こり役は初めての体験だったが「チェーンソーを使うのは結構得意ですなんですよ(笑)。ゾンビメイクも楽しかった」とふり返る。一方、小栗さんは『シュアリー・サムデイ』(’10)で監督経験があり、「今回、新人監督役を演じたのは不思議な感覚」。1月に行われた本作の完成披露試写会、そして出演作『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』の先行上映会に続き、この日は今年3度目となる和装姿。小栗さん自身が掲げた「今年は『あいつ、舞台挨拶ではいつも着物を着てくる』って言われる俳優になろうと思う」という年頭の誓いが、今後いつまで実行されるかも注目したいところだ。ちなみに、この日は『キツツキと雨』というタイトルにちなんで、キツツキをかたどった飴(あめ)細工が3人にプレゼントされ、一足早いバレンタイン気分も味わっていた。『キツツキと雨』は角川シネマ有楽町ほか全国にて公開中。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:役所広司×小栗旬インタビューふたりだから語れる、「映画を撮り続ける」ワケ『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待小栗旬、心境の変化?凛々しい和装姿も「若だんな」と呼ばれる…
2012年02月12日役所広司、小栗旬出演の映画『キツツキと雨』が11日(土)から公開されるのを前に、役所と小栗のふたりがインタビューに応じ、映画の撮影現場を舞台にした本作ならではのエピソードを語ってくれた。その他の写真『キツツキと雨』は、無骨な木こりの克彦(役所)と、ゾンビ映画撮影のために山村にやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗)が偶然出会い、奇妙な友情が生まれる過程をコミカルに描いたヒューマン・ドラマだ。本作を手がけたのは『南極料理人』が話題を呼んだ新鋭・沖田修一監督。鋭い人物描写と、俳優の魅力を見事に引き出す演出が魅力の新鋭監督だが、役所は沖田監督を“懐かしいスタイルの映画監督”と評する。「沖田さんは現場でテストをして、“どうやって撮っていくか?”についてスタッフたちが監督を囲んで相談していくんです。とにかくたくさん“映像素材”を撮って、どのテイクが本番だったのかわからない撮影現場が主流になる中で、沖田監督は、ほしいカットとほしいお芝居のために時間を費やす。『こうやってしっかりと映画を撮っていこうとする人がまだいるんだ』と思いましたね」。さらに役所は「沖田監督は“わからない”ことは“わからない”と言うんです。それが沖田さんの正直で男らしいところ」という。映画監督は撮影現場の統括者。彼の下にスタッフとキャストが集い、監督の指示ひとつで動く。ちなみに本作の新人監督・幸一は、多くのキャスト・スタッフを前に“わからない”と言えずに悩む男だ。小栗は「僕も自分で監督したときに“わからない”って言えなくて苦しかったので、沖田さんが“わからない”と言い、悩んで撮影が止まっても『すいません』と言いながら自分を通そうとする姿はスゴいと思いましたね」と振り返り、「でも、監督がそう言えば言うほど、僕らは『監督のために何をすればいいんだろう?』と思いますし、役者もスタッフもいろんなことを試して映画が出来上がっていくので、役所さんが前におっしゃいましたけど、いい意味での “自主製作感”がある作品でした」と笑顔を見せる。映画はそこに関わる俳優やスタッフが1カットずつ悩んだり、試行錯誤しながら撮影されていく。本作に登場する新人監督の幸一も、いつの間にか映画の現場に巻き込まれてしまった木こりの克彦も、悩んだり立ち止まったりしながら“映画をつくる”行為を通して、友情を育み、自らを見つめなおしていく。ふたりが「撮影現場の空気感が作品に出ていた」と語る本作。そこにはこれまでの友情ドラマにはない“映画の撮影現場を舞台にした作品ならでは”の、人間ドラマが描かれているのではないだろうか。『キツツキと雨』2月11日(土) 角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2012年02月10日「メガホンを握る」という言葉で表現される映画監督の仕事だが、どうやらメガホンよりも頭を抱えている時間の方が長そうだ。この2人はどうだったのだろうか?『南極料理人』の沖田修一監督が、ある地方の村を舞台に映画作りの現場のドタバタを描いた最新作『キツツキと雨』。映画のことなど何も知らないままに映画作りを手伝うことになる武骨なきこりを役所広司が、そしてゾンビ映画を撮影する気弱な映画監督を小栗旬が演じる。ご存知の通り、2人は映画監督の経験アリ。さてさて、役所さんと小栗さんの目に沖田組の現場はどのように映ったのか?この2人だから語れる(?)映画監督とは――?まずは役柄について話を聞こう。役所さん演じる克彦は、半生を山で過ごしてきた生粋のきこり。なぜか自分でも分からぬままに、映画作りに入れ込み、定職につかない息子(高良健吾)とはろくにコミュニケーションが取れないのに、小栗さん扮する頼りない新人監督・幸一に対してはなにくれとなく世話を焼く。年齢も育ってきた環境も異なる2人の噛み合ってるんだかないんだかというやり取りが何ともユーモラスで魅力的だが、役所さんは、克彦の胸中をこう分析する。「息子との関係…実の息子に対して愛情表現がうまくできない部分で悔いがあるんでしょうね。逆に幸一に対しては、血は繋がっていないけどストレートにそういう気持ちを出せる。『何かしたい』という気持ちが働いて、この2人の関係性が出来ていったんだなと思います。息子の方は自分の未来がなかなか見えなくて、何をしたらいいか分からない。幸一が好きなことをできているというところに『うちの息子もそうなれば…』という思いはあるんでしょうね」。一方で、幸一にとって克彦は「よく分からないおじさんですよね(笑)」と小栗さん。幸一の視点で受け止めた克彦との関係は?「何だかよく分からないけど時々、現場にやって来て、なぜか絡んでくる(笑)。彼にとってそれがいいものだという認識すらしてないけど、徐々にちょっとしたオアシスのようになっていき、なじんでくる。映画の現場と離れたところにいる人だからこそ、肩ひじ張らずにいられるのかな」。映画監督の幸一と息子の浩一。「やりたいことが見当たらない…」「年の離れた“大人”とどう接していいのか分からない」などなど、いわゆる“イマドキ”の若者の要素を含んでおり、それが克彦をイラつかせることも…。映画作りの現場は、歳の離れた人たちが上司でも部下でもなく、それぞれのプロの領域をもって仕事をする場である。「僕の場合はもうほとんどが自分より若い世代との仕事になりますからね」――。そう言って小栗さんを見る役所さんの目は、なんとも優しい。「みんなしっかりしてるなと思いますよ。小栗くんの場合は舞台から始めてるから、役者としての基礎がしっかりしてますよね。キャリアも長いし、悩みつつもしっかりと考えて役をつかんでいくのは立派だと思う。僕が小栗くんくらいの年には何やってたっけ?って思いますよ(笑)。同世代で競い合う仲間もいるし、相乗効果でやっていけるんじゃないかな」。1977年生まれの沖田監督も当然、役所さんにとっては若い世代の人間だが、そんな監督の現場でそれこそ、監督がまだ小さな子供だった頃から現場を経験してきた役所さんが感じたのはある種の“懐かしさ”だったというから面白い。「最近の映画の作り方として、たくさん素材を撮って、どれが本番だったのか分からないような撮り方が主流になってきているのは感じます。俳優から見て、どう撮っていくのかというのが見えずに流れていくんですね。沖田さんの場合はまずテストをしてみて、そこで修正して、じゃあどう撮るのかとスタッフが監督を囲んで相談するんです。自分が欲しいカットとお芝居のために時間を費やしていく。そうやって成立させようというビジョンを持っている気がする。それは実は、映画監督の中でどんどん少なくなっている部類だと思います。そういったところで『まだこうやって映画を撮っていこうとする人もいるんだな』と思いましたね」。沖田監督も決してビシバシと決断していくタイプではない。劇中の幸一の優柔不断な様子は、沖田監督そのものと言えるかもしれない。だが「違う」と思えば決して安易にOKを出さずに、分からないものが何なのかを突き詰めていく。「不思議な方ですよね」という小栗さんの言葉に頷きつつ、役所さんが続ける。「彼が『分からない』と言うのは、本当に分からないんだと思います。そこでやって試していく。そこは男らしいところですよ。やってみないと分からないのは当然だし、自分がいいと思っても、それが映画としていいかどうかは分からないというのは、正直なところだと思います」。劇中の幸一はその『分からない』という言葉が現場で言えずに苦しむ。「どうですか、監督?」という言葉に対して「分かりません」と言えたらもっと楽なのだろうが…。小栗さんは、そんな幸一に自らを重ねしみじみと言う。「僕も自分が監督したとき、『分からない』って言えずに苦しかったです。沖田さんは『分からない』って言うし、悩み始めたら現場が止まるんですが、『すいません』と言いつつ、それを突き通すのはすごいなと思いました。そういう時間ができると、待っている僕らも監督のためにどうしたらいいんだろう?って考えるんです。役所さんが前に仰っていたんですが、いい意味で自主制作映画のようなノリがある、と。そうやって(映画の)空気感が生まれていったんだなと思います。沖田監督には優秀な助監督が2人ついてるんですが、その人たちも『また監督が悩んじゃったよ』とぶつくさ言うんですが、いざ始まるとそこで監督のためにものすごく必死になったりするのが面白かったです」。本作に登場するエピソードもリアルかつ、クスリと笑ってしまうものが多いが、役所さんと小栗さんは自分が監督をした際の、もっと強烈なエピソードを持っているのでは?そう問うと役所さんは「そりゃありますけど…時間がなくなっちゃいますよ?」とニヤリ。小栗さんは苦笑いを浮かべつつ、こんな思い出を明かしてくれた。「『監督、(時間が)おしてます』と言うのはよく言われましたね。僕が一番つらかったのは、照明のアシスタントに『ドラマ撮ってるんじゃねぇんだよ』と言われたことですかね(笑)。確かに、そんなに照明を凝らずに吊るして撮るだけだったんで、照明的にはつまらなかったんでしょうね。その彼とは結果的にすごく仲良くなって、終わり際には『また呼んでください』って言ってもらえたんですけど。ボソッと言われたときは『帰りてぇな』って思いましたよ(笑)」。それでも映画監督は映画を撮り続ける。なぜか?映画の中の小栗さんの姿がその答えを教えてくれる。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待小栗旬、心境の変化?凛々しい和装姿も「若だんな」と呼ばれる…ココロの雨を晴らそう!『キツツキと雨』人生相談試写会に25組50名様ご招待
2012年02月09日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編「横道世之介」(毎日新聞社刊)を『南極料理人』、『キツツキと雨』など心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描いてきた沖田修一監督によって実写映画化されることが決定!主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子が抜擢されたことが明らかとなった。一昨年、国内の映画賞を総なめにした『悪人』や『パレード』などの原作者としても知られるベストセラー作家・吉田修一著で、2010年本屋大賞3位入賞、第23回柴田錬三郎賞を受賞した人気小説を原作にした本作。長崎の港町生まれで大学進学のために上京したばかりの主人公・横道世之介とガールフレンドの与謝野祥子を始め、まわりの人々の青春時代と彼らのその後が描かれる。嫌味のない図々しさが人を呼び、それでいてお人好しの主人公・世之介を演じるのは、『軽蔑』、NHK連続テレビ小説「おひさま」など活躍が目覚しい高良健吾。沖田監督とは『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き、3度目のタッグを果たす。そのお相手、ヒロイン・祥子を演じるのは、今年の公開作だけでも『ロボジー』、『ヒミズ』、『僕等がいた』と飛ぶ鳥を落とす勢いの人気女優、吉高由里子。日本映画・ドラマ界で活躍する若手俳優の中でも頭一つ抜け出た2人だが、『蛇にピアス』で共演済みとあって、まさに磐石の布陣?手渡された今回の脚本を読んで「とにかく面白い!」と絶賛する高良さんは、「沖田監督はいつも一緒に悩んでくれる監督なので、今回も一つ一つ悩みながら、楽しみたいです。緊張もしていますが、沖田監督となら『なんとかなる』と思えます」と沖田監督へ全幅の信頼を寄せる。再共演の吉高さんについても「久しぶりに会う友達みたいに再会できたら嬉しいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場を引っ張ってくれると思います。監督が受け止めてくれて、吉高さんが引っ張ってくれる。だから安心して、僕は前向きな他力本願で頑張ります」と力強い(?)コメント。その吉高さんも「高良さんと共演させていただくのは約5年ぶりで、19歳の頃、ご一緒しました。今回、すごく楽しみでもあり、あの頃から自分が成長してなかったらどうしようと思う不安もあります。高良さんと共演という形で再会するのをとても嬉しく思います。信頼し合えるような関係性を作っていい作品を残したいです」と再会に胸弾ませる。本作のテーマについて、沖田監督は「原作の特徴として、80年代と現代の話が出てきますが、世之介というキャラクターを通していろんな人が過去を思い出したりしています。僕はいま34歳ですが、自分が送ってきた大学生活と彼らの生活はそんなに変わらないと感じています。友達ができて、恋をして、また疎遠になったりして…ということが、どの時代も変わらないんじゃないかな、と思います。そういう“変わらない青春”みたいなものをこの作品で出せたらいいなと思っています」とコメント。これまで映画化されてきた吉田修一作品の持つサスペンスものとはまた一味違う、温かみのある優しい作品が生まれそうだ。撮影は3月下旬にスタートし、長崎でのロケを経て、5月上旬にクランクアップ予定。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会僕等がいた・前篇 2012年3月17日より全国東宝系にて公開© 2012「僕等がいた」製作委員会 &© 2002小畑友紀/小学館横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:役所広司×小栗旬インタビューふたりだから語れる、「映画を撮り続ける」ワケ高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔生田斗真、初共演した吉高由里子の第一印象は「賢い人」役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待ミスチル桜井「真っ直ぐな気持ちで取り組んだ」『僕等がいた』主題歌リリース決定
2012年02月09日『悪人』や『パレード』など映画化作品の多い作家・吉田修一の小説『横道世之介(よこみちよのすけ)』が、高良健吾と吉高由里子をキャストに迎えて映画化されることが決定した。その他の写真『横道世之介』は、1980年代を舞台に、大学進学のために長崎から上京したばかりのお人よしで嫌みのない世之介(高良)と、ガールフレンドの祥子(吉高)や周りを取り囲む若者たちがおくる青春の日々とその後を描いた作品。原作は、毎日新聞の夕刊で2008年から約1年にわたり連載され、単行本が昨年の本屋大賞3位、第23回柴田錬三郎賞を受賞している。お人よしの青年・世之介を演じる高良は脚本を読んで「とにかく面白い! 世之介が大好きになりましたし、なにがなんでも世之介役をやりたいと思いました」とコメント。吉高とは『蛇にピアス』で共演しているが「久しぶりに会う友達みたいに再会できたらうれしいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場をひっぱってくれると思います」と早くも撮影現場での再会を楽しみにしているようだ。また、吉高も高良との共演に「共演という形で再会するのはとてもうれしく思います。信頼しあえるような関係性を作っていい作品を残したいです」と意気込みを語っている。本作の脚本と監督を務めるのは、『南極料理人』『キツツキと雨』など、独特のユーモアと確かな演出力で定評のある沖田修一氏。沖田監督は「世之介を表現するには色んな言葉があると思うのですが、どれもあっているようでどれも違うようで、形容詞をうまくもてなくて、なかなか説明できない」とコメント。そんな世之介を演じる高良とは前2作に続いてのタッグとなるが「本人の感じが世之介に近いなと思っています。これまで一緒に仕事をしているしていないに関らず、高良君がいいいと思っていました」と言い、沖田作品初出演の吉高については「魅力的な女優さんだし、(彼女が演じる)祥子もそんな風に魅力的な人物になったらいいなと思います。まだお会いしていないんで会うのを楽しみにしています」と期待を寄せている。3月下旬から都内や長崎でロケを行い、5月上旬にクランクアップ。2013年の公開を予定している。『横道世之介』2013年、全国ロードショー
2012年02月09日役所広司、小栗旬出演の映画『キツツキと雨』が11日(土)から公開される。本作を手がけたのは『南極料理人』で好評を獲得し、本作で第24回東京国際映画祭の審査員特別賞、第8回ドバイ国際映画祭で脚本賞を受賞した沖田修一監督。木こりと若手映画監督の奇妙な友情物語を描くという少し風変わりな本作はどこから生まれたのか?沖田監督に話を聞いた。その他の画像『キツツキと雨』は、無骨な木こりの克彦(役所)と、ゾンビ映画撮影のために山村にやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗)が偶然出会い、奇妙な友情が生まれる過程をコミカルに描いたヒューマン・ドラマだ。しかし、沖田監督は最初に、“映画作りの現場の面白さ”を描こうと脚本に着手したという。「映画の撮影隊が地方ロケに行き、そこで村の人と騒動が起こる、というのが最初の思いつきでした。いい年齢の大人たちが必死になって作り話をつくってるのが面白いし、そこに村の人たちが巻き込まれていくのは面白そうだと。ただ、映画作りの過程だけを見せても、映画の製作現場を知らない人にはよくわからないだろうから、村の代表として克彦を登場させたんです。そしたら、“人と人の付き合い”の話にもなったので、結果的には映画として最初より豊かになりましたね」。確かに過去を振り返っても『アメリカの夜』や『王様の映画』など、“映画の撮影現場”を舞台にした傑作は多い。「撮影現場はいろんな人の欲求がぶつかる場所だからでしょうね。それに、スタッフの人とか基本的に映画が好きで『いい映画を作りたい』という気持ちが常に底辺にある。だからこの映画でも、カメラマンや助監督が『この映画ダメだな』と思いながらも『ここはレールひいて撮った方がいいんじゃない』ってついつい言ってしまう。撮ってる時は必死なんだけど、映画が好きな気持ちがどこかに残ってるんですね」。だからこそ沖田監督は本作を「映画を好きな人に観てほしい」という。「この映画は純粋にオリジナルの企画で、スタッフもキャストも冒険しながら撮影したので、それが画面にしっかりと写ってると思うんです。そういう映画は最近あまり観ないですし、形は悪いかもしれないですけど、その分、気持ちが入ってるものなので、映画が好きな人に観てもらえたらうれしいです」。映画を作る現場は、通常では起こりえないことが起こり、ありえない偶然や奇跡が起こる。そんな場所で、寡黙に生きて来た木こりと、若い映画監督が偶然に出会ったとき、どんなドラマが生まれるのか? 『キツツキと雨』は、普遍的な友情ドラマでありながら、“映画の現場”でしか起こりえない偶然や奇跡を見事に描いている。『キツツキと雨』2月11日(土) 角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2012年02月07日己の身を削り、そこに火を灯すような――。高良健吾が演じるキャラクターからは常にそんな熱さ、鋭さ、生々しさが伝わってくる。『M』に『蛇にピアス』、『軽蔑』など、これまでの出演作には生への葛藤や孤独、人間の弱さを感じさせる作品が並ぶが、そんなフィルモグラフィーの中で明らかに他作品と異なる空気をまとい、全く違う高良さんの一面を見せてくれるのが沖田修一監督による作品だ。久々に田舎に帰省した大学生とでも言おうか…。そもそも演技以前に『南極料理人』(’09)での“兄やん”という役名からして危機感も切迫感も全く感じさせない。前作からおよそ2年の時を経て、沖田監督と再び組んだ最新作『キツツキと雨』でも、同様の“ユルさ”は健在である。昨年は映画のみならず初舞台、NHKの朝の連続テレビ小説にも出演するなど、ますます活躍の場を広げる高良さんだが、ほかとは一線を画した沖田作品の空気感をどのように捉えているのか?そして沖田監督は何を求めて高良さんを起用したのか?いま、最も注目を集める高良健吾の魅力をあえてこの異色作から解き明かす!高良さんと沖田監督の出会いは2008年のドラマ「青梅街道精進旅行」にさかのぼる。当時から現在に至るまで、監督の脳裏に強く残っているのは、現場で悩み続ける高良さんの姿だという。「演じることに悩んで、自問自答しているのを肌で感じることが何度もあったんですが、そういう俳優さんとやるのは楽しいです。高良くんは『どうしたらいいんだろう?』って悩みながらやってる。そこが魅力的ですね」。「青梅街道精進旅行」の撮影時、高良さんは20歳になったばかり。「ちょうど『蛇にピアス』が終わったばかりだったんですが、あの頃は悩んで悩んで…そこから先になかなか進めなかった」とふり返る。「いまはそれが、精一杯やってるからなんだと思えるんですけどね。そんな中で沖田組は、『どんなに悩んでも自分以上のものを見せることはできない』と感じさせてくれる現場なんです。俳優って、どの作品でもみんな不安だと思うんです。ただ沖田監督の現場ではみんなが安心して不安でいられる気がします。立ち止まり、自分のポジションを確かめられる。迷ったり悩むことがネガティブなことに思えて、『それでも、前に進まなきゃ』と行くものだけど、沖田監督はそこで一緒に立ち止まってくれる。だから自分を隠さないでいられるんです」。3度目の沖田作品出演となる本作で高良さんは主人公の武骨なきこり・克彦(役所広司)の反抗的な息子を演じている。沖田監督は「この2人が親子で絡んだらどうなるのか?本気の親子ゲンカのシーンがあるんですが、それをこの2人で見てみたかった」と高良さんの起用の意図を説明する。本作で描かれるのは、奇しくも気弱な映画監督(小栗旬)を中心にした映画作りの現場。監督は物語に自らを重ねつつ、俳優との関係性について語る。「僕自身、脚本を書きながら『こうしたいな』というのがあっても、現場に行って人がいて、モノがあるとまたイメージが変わってくる。そこでどうしたらもっと面白くなるか?と考えたとき、そこでコミュニケーションを取れる俳優さんというのはやはり魅力的なんです」。高良さんは監督の言葉に頷きつつ、こう証言する。「沖田組は脚本の段階よりも話が面白くなるのが作品の魅力。監督は、現場で起きていることを楽しんでるんです。そんな中、現場で一人ひとりのキャラが立っていくのが分かるんです」。そう語る高良さんもまた、沖田監督の現場、そして作品の世界の中に身を置くことを素で楽しんでいるように思える。先ほど「自分を隠さないでいられる」という言葉が出たが、高良さんは実際のエピソードを交えて、沖田監督の現場が持つ“空気感”を説明してくれた。「今回は2日間だけの参加だったのですが、撮影初日に現場へ向かう電車で乗り過ごしてしまったんです。音楽を聴いていて、気づいたら終着駅でした(苦笑)。しかも本数が少ないから(※撮影が行われたのは岐阜県の山奥)折り返しの電車もなかなか来ない。そんな状況なのに、『乗り過ごしちゃったな。じゃあ戻るか…』って(笑)。普通なら気持ちが落ち込むはずなのに、不思議とフワァっとできるというか…うまく言葉で説明できないんですが(苦笑)」。そもそも、一つの役柄に対し、とことん悩み深く掘り下げていく高良さんが、途絶えることなく次々と新たな作品に出演し、全く異なる役柄を演じ分けること自体が驚愕すべきことなのだが…。常々「余計なことをしない」「役の人物となってその場に立つ」と語っている高良さんだが、毎回どのようなアプローチで役に入っていくのだろう?「それは一つ一つで全く違いますね。以前、あるインタビューで『舞台と映画の違いは?』という質問をいただいたのですが、僕にとっては映画でも作品ごとに全然違うものなので『映画だからこう』という感覚はないんです。これは質問の答えになってないかもしれないけど、僕は親が転勤族で、子供の頃から転校が多かったんです。常に行った先で新しい自分を作っていくんです。役を作るのはそれと似た感覚ですね」。一方で、新たな挑戦を続けたこの1年の間に、自らの中に芽生えたある“変化”についても明かしてくれた。「自分の中で振り切れたような瞬間があって、初めて自分の芝居に対して『悔しい』と感じたんです。芝居を始めた頃から常に『何でできないんだ?』という思いは抱いてるんですが、いま感じているのは『絶対にもっとできるはずなのに、何でできないんだ?』という悔しさなんです。これまではただできない自分に苛立っていただけなので、それを感じた瞬間は正直、嬉しさもありました」。そう感じるようになったきっかけを「やはり舞台(「時計じかけのオレンジ」)と朝ドラ(「おひさま」)を経験したことだと思います」と語る高良さん。これらの作品を経ていま、最も求められる若手俳優のひとりになったが、24歳はそんな周囲の喧騒をよそに、静かに己を見つめている。「正直、(周囲が評価する)自分に本当の自分が追いついてないという感じがあります。こんなにも自分が求められることを『怖い』と思うこともあります。いまこうして話をしながらも『あのときの演技はあれで良かったのかな?』って考えちゃう」。そこに“正解”がないことも知っている。だからこそ自分なりの答えを出すプロセスで立ち止まり、一緒に悩み抜いてくれる沖田監督のような存在が大切なのだ。「大丈夫だよ。おれも何も分かってないもん」。そう語る沖田監督の笑顔がふわりと高良さんに伝染する。願わくは、これまで見せたことのないような笑顔や笑いを監督の作品の中で見せてくれる日が来ることを!(photo/text:Naoki Kurozu)スタイリスト:澤田石和寛/衣装:McQ(M inc03-3498-6633)■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待小栗旬、心境の変化?凛々しい和装姿も「若だんな」と呼ばれる…ココロの雨を晴らそう!『キツツキと雨』人生相談試写会に25組50名様ご招待【TIFFレポート】仏『最強のふたり』に栄冠日本『キツツキと雨』は審査員特別賞【TIFFレポート】小栗旬「毎日、逃げ出したいと思ってた」と監督経験を述懐
2012年02月04日木こりと新人映画監督の交流をハートウォーミングに描いた話題作『キツツキと雨』の完成披露試写会が1月18日(水)、都内で開催され、主演の役所広司を始め、小栗旬、伊武雅刀、古舘寛治、沖田修一監督が舞台挨拶に出席した。この日、小栗さんは少々時期外れな(!?)和装姿で登場し、「年も明けたことですし、気持ちを一新したくて」。凛々しい立ち姿に女性ファンから歓声があがったが、「何だか気合い入れちゃって、恥ずかしい。(舞台裏では)若だんなと呼ばれるし…」と複雑な表情だった。『南極料理人』が多くの支持を集めた沖田監督の最新作で、ある村にクルーを率いてゾンビ映画の撮影に訪れた気弱な映画監督(小栗さん)と村の武骨な木こり(役所さん)の交流をユーモアたっぷりに描き出す。昨年の第24回東京国際映画祭で、日本映画として唯一、コンペティション部門に出品され、見事審査員特別賞を受賞。さらに第8回ドバイ国際映画祭で最優秀男優賞・脚本賞・編集賞を受賞し、早くも国際的な評価を得ている。この日はそんな作品の“心温かさ”にちなんで、キャスト陣によるお悩み相談会を実施。客席の若い女性が「切ない涙が流せる恋愛がしたい」と難題を持ちかけると、役所さんは「泣きたいなら、ひどい男につかまること」とバッサリ。また、ある中年女性は息子さんの成人式を機に、念願だった弓道を習い始めたいと言い、伊武さんが「迷ってるヒマはない。年を取れば、時間はどんどん早く流れるんだから、やりたいことをやったほうがいい」と心強いエールを送った。最後にお悩みを相談したのは、家庭をもちながら俳優への夢を捨てきれない30代後半のサラリーマン。「家族を路頭に迷わせる覚悟がないとできない仕事。ここ(壇上)にいるのは、仕事がなければ失業者の集団です」(役所さん)、「僕自身は家族を養ったことがないので、やっていけるかどうか。この仕事は本当に『一寸先は闇』なんで」(小栗さん)と現実を知るがゆえの、真摯な回答を示していた。『キツツキと雨』は2月11日(土・祝)より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:ココロの雨を晴らそう!『キツツキと雨』人生相談試写会に25組50名様ご招待【TIFFレポート】仏『最強のふたり』に栄冠日本『キツツキと雨』は審査員特別賞【TIFFレポート】小栗旬「毎日、逃げ出したいと思ってた」と監督経験を述懐【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ“笑い”から読み解く!東京国際映画祭コンペティション部門の楽しみ方
2012年01月18日役所広司、小栗旬出演の映画『キツツキと雨』の予告編がこのほど解禁になり、ゾンビ姿になって海辺をさまよう役所の姿を捉えた映像が公開された。予告編動画はこちら『キツツキと雨』は、無骨な木こりの克彦(役所)と、ゾンビ映画撮影のために山村にやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗)が偶然出会い、奇妙な友情が生まれる過程をコミカルに描いたヒューマン・ドラマ。このほど公開された予告編は、静かな森で木こり仕事をしている克彦に古舘寛治演じる助監督がおとずれる場面に始まり、克彦と幸一の偶然の出会いや、ふたりが少しずつ距離を縮めていく場面の数々が編集されている。注目は、無骨な男・克彦がなぜかゾンビメイクをして映画に出演することになってしまうシーン。地味な作業と渋いルックスの克彦が、グレーのゾンビメイクを施した姿は、恐怖というより“少しマヌケ”。役所は「ゾンビの扮装ができるのを楽しみにしていました。河原や草原にゾンビが出てくるだけで、スクリーンがちょっと魅力的になるんですよね。そういうところが、沖田監督はとても上手いなと思いました」と笑顔でコメントしており、重厚な演技はもちろん、CMなどではコミカルな演技もこなす役所だからこそ実現できたシーンと言えるのではないだろうか。本作を手がけた沖田修一監督は前作『南極料理人』で好評を得た新鋭で、本作も正式出品された第24回東京国際映画祭で審査員特別賞に輝くなど、早くも高い評価を集めている。『キツツキと雨』2012年2月11日(土) 角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
2011年12月13日第24回東京国際映画祭が10月30日、各賞を発表し閉幕。フランス映画『最強のふたり』が最高賞にあたる“東京サクラグランプリ”と最優秀男優賞の2冠を達成したほか、役所広司と小栗旬が初共演した日本映画「キツツキと雨」(沖田修一監督)が審査員特別賞に輝いた。沖田監督は「今回、コンペティション部門で日本映画は一本だけだったので、大きなプレッシャーだった。『頑張って』と言われても、もう映画は作り終わっているし……。お客さんの良い反応を見て、もう十分と思う反面、やはり無心ではいられなかった。地方ロケをお手伝いしていただいた皆さんにお礼が言いたい。また、ここに帰ってこられるように頑張りたい」と受賞の喜びを語った。2部門を制した『最強のふたり』の関係者は来日を果たせなかったが、エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ両監督が「日本公開に合わせて、ぜひ東京にうかがいます。とってもうれしいです。ありがとう東京」とメッセージを寄せた。同作は実話を元に、事故で首から下が麻痺した富豪と、彼の介護をすることになった出所したての黒人青年の衝突と交流を描いたヒューマンコメディ。授賞式終了後には、コンペティション部門の審査員が総評会見を行い、審査委員長のエドワード・R・プレスマンをはじめ、女優のファン・ビンビン、小林政広監督らが出席。「『最強のふたり』『キツツキと雨』『プレイ』の3本が最終候補となり、賞を絞り込むのが大変だった。結果には満足している。」(プレスマン氏)。「私は秘密を保ち続けることが苦手。だからやっと最終日になりホッとしています。受賞結果は、完璧なエンディングを迎えることができた」(ビンビン)と語る一方、小林監督は「芸術性に富んだ刺激的な作品はほとんどなかった」と厳しい意見だ。実際、満場一致だった賞はないといい、プレスマン氏も「どれも水準が高い分、抜きん出た作品がなかったのは確か」と分析。最終的には政治性、作家性、エンターテインメント性といった要素の“バランス”を重要視したと説明した。ちなみにプレスマン氏によると、「素晴らしい作品だが、『キツツキと雨』はグランプリを与えるにはライト過ぎた」とのこと。今年は東日本大震災を受けて「信じよう、映画の力」をテーマに掲げた東京国際映画祭。9日間の会期中、315回の映画上映が行われ、観客動員は4万1648人。TIFFCOMをはじめとする関連イベントに約17万人を動員した。依田巽チェアマンは「来年25回を迎える中で、今年は確実な進化を感じた」と手応え十分。今後も映画祭のテーマである作品力、情報発信力、そして“日本の力”を世界にアピールしたいとし、閉幕を宣言。公式クロージング作品として、ブラッド・ピット主演最新作『マネーボール』(ベネット・ミラー監督)が上映された。
2011年10月31日第24回東京国際映画祭のコンペティション部門に唯一出品された日本映画『キツツキと雨』の公式記者会見が23日に東京・六本木ヒルズ内のムービーカフェで行われ、主演を務める役所広司と小栗旬、メガホンを執る沖田修一監督が出席した。その他の情報のどかな山村を舞台に、無骨な木こりの克彦(役所)が、ゾンビ映画撮影のためにやって来た気弱な新人監督・幸一(小栗)と偶然出会い、難航する撮影を手伝わされることから、奇妙な友情が生まれるコメディ仕立てのヒューマンドラマ。高良健吾、伊武雅刀、山崎努らが共演する。「心温まる、ほんわかできる映画」(役所)、「とても面白い映画に仕上がった」(小栗)と来年2月の公開を前に早くも自信満々だ。役所と小栗はともに映画監督の経験を持ち、映画作りがテーマになった本作にも共感しきり。『ガマの油』(2009)で初監督を務めた役所は「多少誇張している部分もあるが、映画に登場する俳優やスタッフたちの姿はかなりリアルに描かれている。『こういう人いるよなあ』って。(映画作りの)裏を知っているだけに、役作りにも役立った」とにんまり。一方、本作で“新人監督”役を演じた小栗は、2010年公開の『シュアリー・サムデイ』で監督デビュー。「幸一が現場から逃げ出したくなる気持ちは、自分にもよくわかる。実際に自分が映画を撮っていたときも毎日感じていた」といい、「明日雨降らないかなあ、とか誰もいない場所に行きたいなんて考えていました」と監督初挑戦の苦悩を振り返った。沖田監督による、つかみどころのないユーモアも見どころのひとつ。中国から来たという記者から「監督のユーモアセンスはどこから来るんですか?」と質問が飛ぶと、「どこから来るんですかね……」と作風同様、飄々とした受け答えだ。それでも「特に笑わせようという意識はなく、必死に生きる人が物語を綴っていくことで、ごくごく自然な人間のおかしさが表現されているのかも」と自己分析。小栗は撮影中、沖田監督から「特に何がダメってわけじゃないけど、もう一回(テイク)いいですか?」と言われたといい、「何か微妙にズレがあったんでしょうね(笑)」と独自な演出法を明かした。「第24回東京国際映画祭」30日(日)まで開催中『キツツキと雨』2012年2月11日、全国公開
2011年10月24日今年の東京国際映画祭で日本から唯一、コンペティション部門に出品されている『キツツキと雨』の公式会見が10月23日(日)に行われ、主演の役所広司に小栗旬、監督の沖田修一が出席した。『南極料理人』が多くの支持を集めた沖田監督の最新作で、ある村にクルーを率いてホラー映画の撮影に訪れた気弱な映画監督と村の武骨なきこりの交流をユーモアたっぷりに描き出す。映画の撮影現場を描いた作品だが、小栗さんは昨年の『シュアリー・サムデイ』で、役所さんは一昨年の『ガマの油』で共に監督デビューを果たしている。監督としての経験が本作でどのように活かされたかと尋ねられ「(自身の作品は)幸一(小栗さん)のクルーよりはまだ予算のある映画でしたが…(笑)」と役所さん。「いろんな現場を見てきたけど、(本作の)スタッフや俳優はかなりリアルに描かれていると思います。『こういうスタッフやキャストいるなぁ』と楽しんでました。現場の裏をよく知っているので、役に立ったことはたくさんあると思います」と笑顔で語った。一方の小栗さんは「映画の中で幸一が一度、逃げ出そうとするシーンがありますが、ああいう気持ちは毎日感じてました(苦笑)。『明日、雨降ればいいのに』とか『逃げ出せないかな』と自分も感じていたのを思い出しました」と自らの役どころに強く共感できたよう。沖田監督は独特のユーモアの発想の源を聞かれて「僕自身もよく分からないですが…」と苦笑しつつ「必死で生きている人たちの物語を作っていくと、自然に人間の持っているおかしみが脚本に乗っていくのかな。それを俳優さんたちが楽しんで演じてくださることでユーモアが生まれるのではないかと思います」と分析した。小栗さんはそんな沖田監督について「『特に何かダメってわけじゃないんですが、もう1回いいですか』とおっしゃることがありました(笑)。きっと監督にしか分からない微妙なズレがあるんだろうと役所さんとも話してました。どうしたら『これはいい』というところに行くのか?と思いつつ、何を変えるでもなくもう1回やってました」と不思議な沖田ワールドを語った。東京国際映画祭は10月30日(日)までの日程で六本木ヒルズほか都内各所で開催中。『キツツキと雨』は2012年2月11日(土・祝)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2011」■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会第24回東京国際映画祭 [映画祭] 2011年10月22日から10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2011 Tokyo International Film Festival All Rights Reserved.■関連記事:【TIFFレポート】山田孝之、司会者に「本当の恋愛って何ですか?」と逆質問【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ“笑い”から読み解く!東京国際映画祭コンペティション部門の楽しみ方第24回TIFF観客賞授賞式&受賞作上映回に15組30名様をご招待北川&芦田が声優で競演『マジック・ツリーハウス』鑑賞券を10組20名様プレゼント
2011年10月23日今年で24回目を迎えるアジア最大の国際映画祭「東京国際映画祭」(TIFF)が10月22日(土)より9日間の日程で開催される。錚々たるゲストの面々が来場し、多くの作品が上映されるが、何と言っても注目は、ハイクオリティーの15作品によって争われるコンペティション部門。果たして「東京 サクラ グランプリ」のゆくえは?今年のコンペ部門を楽しむうえでのキーワードは、ずばり「笑い」。全編が笑いにあふれたコメディから、ヒューマンドラマの中に随所に笑いを挟み込むことで現実の世界で起きている問題を描いたものまで、ユーモアによって時代を切り取った作品が目立つ。「年に一度の映画祭を楽しみたいけど作品がいっぱいあり過ぎて…」という方に、“笑い”という側面からコンペ作品の一部をご紹介!まずは邦画から。コンペ唯一の日本映画として、『雪に願うこと』(第18回/2005年)以来となる邦画の「東京 サクラ グランプリ」受賞の期待を背負うのが役所広司と小栗旬の共演作『キツツキと雨』(上写真)。小さな山村で暮らす武骨なきこりの男と、そこにゾンビ映画の撮影にやってきた撮影隊をまとめる気弱な若手映画監督の2人の交流が描かれる。監督は『南極料理人』で観る者を温かい笑いに包んだ沖田修一。出会うはずのなかった2人が、思いもよらない奇妙なコラボレーションを生み出していく。高良健吾、臼田あさ美、山崎努に伊武雅刀、平田満など脇を固める俳優陣にも豪華な顔ぶれが並んでいる。『別世界からの民族たち』(右上写真)は不法移民の流入に揺れる現代のイタリア、ひいてはヨーロッパ全体の共通の課題と言える「移民問題」を捉えた作品。合法的な移民が多数暮らしているイタリア北東部の美しい街。そこでお気楽な資本家たちは「移民はとっとと自分の国に帰れ!」などというメッセージをこめた、極度に人種差別的な内容を含んだショーを毎日楽しんでいたが、ある日、ショーの世界が現実のものとなり、移民たちがショーと同じように振る舞おうと決めたら…?大胆な発想でシニカルな笑いを散りばめたファンタジーとなっている。メキシコ映画『羅針盤は死者の手に』は異色のロードムービー。違法に国境を越えて兄のいるシカゴを目指すメキシコの13歳の少年の姿を描く。ある老いたラバが引く荷馬車に乗せてもらったかと思えば老人がまもなく息を引き取るなど、牧歌的な描写の中で不条理なユーモアが重なっていく。『『キツツキと雨』同様、めぐりあうはずのない2人の姿を笑いと涙を交えて描いたフランス映画『最強のふたり』は、実話に基づいた作品。事故で首から下が麻痺してしまった白人の大富豪が介護役に抜擢したのは、刑務所から出たばかりの若い黒人の青年。好みから話し方、ファッションまで2人の世界はことごとく衝突するが、やがて互いを受け入れたときにバカバカしくも最強の友情が生まれる。噛み合わない2人が繰り出す笑いにご注目!『ガザを飛ぶブタ』(左上写真)は宗教的な対立を背景に、1匹のブタと彼(?)に振り回される男の姿から平和への祈りを描いたコメディ。パレスチナの貧しい漁師がなぜか、ベトナムのブタを釣り上げてしまったところからすったもんだの騒動が始まる。パレスチナではブタは不浄な生き物とされるため、見つかる前に処分しなくてはならないのだが、一方で上手くこの豚を使えば金儲けするチャンスも。イスラエル占領下におけるガザで、葛藤しつつもたくましく生きる人々の姿を笑いと共に描き出す。ブタであることを隠すために羊のフリをさせたり、不浄な生き物に地面を踏ませないためにブタに靴下を履かせるなどユーモアたっぷり。パレスチナ人の漁師を演じるサッソン・ガーベイは、かつてTIFFでグランプリを獲った『迷子の警察音楽隊』にも出演しているが、彼自身はイスラエル人。逆にユダヤ人役の女性を演じるミリアム・テカイア自身はイスラムと、互いに逆の宗教の人物を演じているのも興味深いところ。映画祭期間中、シルヴァン・エスティバル監督とミリアム・テカイアがゲストとして来日する予定。最後に“笑い”とは別枠でお勧めしたい注目作が文豪ガブリエル・ガルシア=マルケスの息子でコロンビア生まれ、メキシコ育ちのロドリゴ・ガルシア監督の手によるアイルランド映画『アルバート・ノッブス』(写真:右)。19世紀のダブリンを舞台に、貧しい生活から逃れるために性別を偽り男性の執事・アルバートとして生きる女性の姿を描く。アルバートを演じているのは、5度のアカデミー賞ノミネートを誇る名女優グレン・クローズ。今回のTIFFでの上映が“アジアン・プレミア”となるが、世界各国ですでに絶賛の声が上がっており、彼女を本年度のアカデミー賞主演女優賞の本命に推す声も。さて栄冠はどの作品に?鑑賞券は1作品1,000円(当日学生割引:500円)。来日ゲストによる舞台挨拶やティーチインあり、観客の投票で決まる「観客賞」ありと楽しみ方もいろいろ。この機会に世界中から厳選されたハイクオリティーの作品が映し出す“時代”を感じてみては?東京国際映画祭は10月22日(土)より10月30日(日)まで六本木ヒルズをメイン会場に、都内各地で開催。特集「東京国際映画祭のススメ2011」「第24回東京国際映画祭」公式サイト■関連作品:第24回東京国際映画祭 [映画祭] 2011年10月22日から10月30日まで六本木ヒルズをメイン会場に都内各所にて開催© 2011 Tokyo International Film Festival All Rights Reserved.キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会■関連記事:第24回TIFF観客賞授賞式&受賞作上映回に15組30名様をご招待北川&芦田が声優で競演『マジック・ツリーハウス』鑑賞券を10組20名様プレゼントミラ・ジョヴォヴィッチ×檀れい胸開きドレスと着物でレッドカーペットで競演!いまなお色褪せない伊丹十三監督作『スーパーの女』上映会に10組20名様ご招待東京国際映画祭を若者にアピール!イケメン3人衆「TIFF BOYS」結成
2011年10月20日今年で24回目を迎える東京国際映画祭(TIFF)の開幕を前に、21日に会場となる六本木ヒルズで記者会見が行なわれ、東京国際映画祭チェアマン依田巽、事務局長の都島信成らと、特別ゲストとしてコンペティション部門に選出された『キツツキと雨』の沖田修一監督と主演の役所広司が登壇した。会見のもよう今年の東京国際映画祭は、公式オープニング作品にポール・W・S・アンダーソン監督のアクション超大作『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』と、特別オープニング作品として、来日も予定しているジャッキー・チェンが主演と総監督を務めた『1911』で幕を開ける。映画祭の柱、コンペティション部門はエントリー作品975本の中から選ばれた15作品が最高賞“東京 サクラ グランプリ”などの各賞を決定するほか、日本未公開作品を集めた「特別招待作品」や、アジア圏で製作された「アジアの風」など、さまざまなジャンルの作品を9日間上映。クロージング作品には、ブラッド・ピット主演の『マネーボール』が決定している。今年で就任4年目となる依田チェアマンは、「“信じよう。映画の力。”ということで、映画の力を全面に出し、東日本大震災の被災者の方々も含め日本に多くの勇気と力を届けたい。また作品力、交流力、情報発信力、をテーマに、もっと若い人にも映画祭の魅力をアピールするため、TIFF BOYS(佐藤永典、竹内寿、牧田哲也)を結成しました。ここ数年、東京国際映画祭の個性として打ち出している“グリーン”“エコ”のイメージも継続しつつ、社会的な使命も果たすべくTIFFを成功させたい」と意気込みを語った。役所は「沖田監督の前作『南極料理人』を観てぜひ一緒に仕事をしたいと思った。初めてお会いしたときは学生さんみたいに若くてビックリしたが、現場ではスタッフやキャストをその気にさせる“魔力”を持った素晴らしい人」と話し、沖田監督は「必死でやってるだけ。出来上がったばかりの作品が、コンペティション部門という注目される場で上映していただけるのでとても興奮しています」とコメント。サプライズとして、出演者のひとりである小栗旬から会場に届けられたメッセージ「この作品は映画製作を知らない人に、こんなふうに映画は作っているんだと知ってもらえる作品。まさに映画を作る人たちが集まる映画祭で上映されることはとても意味のあることです」を読み上げた。「第24回東京国際映画祭」期間:10月22日(土)から30日(日)まで会場:六本木ヒルズほか都内各所で開催
2011年09月21日役所広司と小栗旬が、『南極料理人』の沖田修一監督最新作『キツツキと雨』(仮題)で初共演を果たすことが明らかになった。オリジナル脚本による本作の舞台はある山村。ここに突然、映画の撮影隊がやってくる。迷惑を顧みずに我が物顔で撮影を行い、村人を巻き込んでいく撮影隊に村は戸惑い気味…。きこりの克彦は、ひょんなことから無理矢理撮影を手伝わされることに。一方、新人監督の幸一は、気が弱く撮影隊をまとめきれずパニック寸前。そんな中、克彦は徐々に映画の面白さに引きこまれ、生き生きと活躍し始め、幸一は克彦と接する中で成長を遂げていく。60歳のきこりと25歳の新人監督の触れ合いをきっかけに、村と撮影隊の奇妙なコラボレーションを生み出していくのだが…。主人公の克彦を役所さんが、そして気弱な新人監督・幸一に小栗さんが扮する。それぞれの世代を代表する演技派の2人がどのようなコラボレーションを見せるのか?映画の撮影模様が描かれるが、役所さんは一昨年、『ガマの油』で、そして小栗さんは昨年『シュアリー・サムデイ』で、念願の監督デビューを果たしている。特に監督役の小栗さんが実体験をも交えながら(?)どのような監督ぶりを見せてくれるのか、楽しみなところ。今回の発表に際し、役所さんは「大震災の後、日本中が必死になって復興しようとしている中、この映画のスタッフ、キャストはみな、こんなときに映画を作っていてよいのだろうか?という思いでいたと思います。しかし、虚構の世界を作る仕事を持つ我々にできることは、この作品をお客さまに観ていただき、心からこぼれる笑顔を引き出すこと。その日を夢見て沖田監督の下、みなで頑張っています」という力強いメッセージを寄せてくれた。初共演となる小栗さんについては「小栗さんは、キャリアも長いし、舞台でも鍛えた安定感と柔軟性は素晴らしいです。今回は、軟弱な新人監督役をユーモアを交えて演じていてとても魅力的です」と絶賛する。一方の小栗さんは「『南極料理人』がとても好きな作品だったので、その沖田組に参加することができて嬉しいです。素敵な作品をお届けできるよう、スタッフ、キャストと力を合わせて頑張ります」と意気込む。役所さんとの共演については「以前から一度、役所さんのいる現場を見てみたいと思っていましたが、ついに共演することができ、毎日楽しい日々を過ごしています」と喜びを語りつつ、「ですが、自分にとっては新しいチャレンジ、最近いただいていなかったような役なので、毎日試行錯誤の日々です」とも。『南極料理人』で一躍、注目を集めた沖田監督。今回の新作での役所さんの起用については「いつか一緒に仕事をしてみたい俳優さんでしたが、実現したのは夢のようです。武骨な林業家の克彦という役柄に、役所さんはイメージがぴったりだと思います」とコメント。小栗さんについては「映画や舞台、テレビで演技を拝見していて、今回の作品では悩める映画監督という繊細な役柄を演じていただきたいと思った」と起用の理由を語り「役所さんも小栗さんも、映画が大好きなんだな、と感じました。そういう方々と楽しみながら一緒に映画を作っていきたいと思います」と完成に向けて意気込みを語った。共演陣には、『南極料理人』に続いての沖田作品出演となる高良健吾に、臼田あさ美、伊武雅刀、山崎努と個性あふれる面々が名を連ねる。ちなみに、小栗さんと高良さんは、舞台「時計じかけのオレンジ」で共演を果たしたばかり。若き実力派2人のスクリーンでの共演にも期待が集まる。映画の中の“映画”の行方はいかに?3月の終わりに撮影が開始され、岐阜にて撮影中の『キツツキと雨』(仮題)。4月下旬にクランクアップし、7月に完成。年内に全国の劇場にて公開を予定。■関連作品:シュアリー・サムデイ 2010年7月17日より全国にて公開© 2010「シュアリー・サムデイ」製作委員会ガマの油 2009年6月6日より全国にて公開© 2008「ガマの油」製作委員会南極料理人 2009年8月8日よりテアトル新宿にて先行公開、22日より全国にて公開キツツキと雨(仮題) 2011年、全国にて公開予定■関連記事:全国のビデオショップ店員が選ぶ「ビデオ屋さん大賞」創設1位は『サマーウォーズ』堺雅人、未婚にして「家事を積極的に手伝ってくれそう俳優」ランキング1位に君臨!日韓“花沢類”ツーショット実現!小栗旬、韓国でキム・ヒョンジュンと対談小栗旬が初訪韓空港に200人舞台挨拶に650人殺到小出恵介らが突如、“監督”小栗旬を胴上げ!
2011年04月12日ペンギンやアザラシはおろか、ウイルスさえもいない極寒の南極ドームふじ基地で、観測隊員として暮らす男たちと彼らのために料理を作る料理人の姿を描いた『南極料理人』。8月7日(土)に都内で本作の先行公開が始まった。初日舞台挨拶には主演の堺雅人を始め、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、古舘寛治、黒田大輔、小浜正寛、そして沖田修一監督が登壇し、大きな盛り上がりを見せた。この舞台挨拶付きの回の鑑賞券は、発売開始5分で完売したというだけあって、会場は熱気ムンムン。堺さんらが登場すると大歓声がわき起こった。調理担当・西村役の堺さんは「ここにいる9人に加え、スタッフ・キャストいろいろな人の力を借りて、時間をかけて少しずつ作りました」と作品への愛着を語った。また、堺さんは南極での場面に加え、日本での家族とのシーンもあるが、娘の友花を演じた小野花梨ちゃんを絶賛。「(共演して)手の内をコロコロと転がされているようでした。末恐ろしい女優で、自慢の娘です!」と本当の父親のように誇らしげに語った。生瀬さんは雪氷学者の本(もと)さんを演じたが、自身の演技について「僕は魂で演じるというよりも天才肌なんで(笑)」と自賛。そしてこれから映画を観る観客に対し「前の上映のお客さんは、観終わって涙涙で大変なことになってましたので、みなさんもハンカチだけはお忘れなく!」と呼びかけた。タイチョー役のきたろうさんは、そんな生瀬さんに対し「登場のとき、堺くんが出てくると『キャーッ』って言うのに、生瀬くんには何の反応もなかったね」とニヤリ。ドクター役の豊原さんは「(撮影中)みんな、好き勝手で大変でした。これから、世界各国で絶賛浴びたらどうしようかといまから心配してます」と語った。車両担当の主任役の古舘さんは、劇中のあるシーンについて「蟹が大好きなのに、僕だけ食べられなかったんです」と残念そうな表情で語り「どれだけ悔しかったか…映画で観てください!」といまだ消えぬ蟹の恨みを訴えた。雪氷サポートの兄やん(にいやん)に扮した高良さんは、年上の先輩俳優陣との共演について「僕らの世代は『大人になりたくない』って考えてしまうものですが、こういう大人になりたいなって思わせてくれる方々でした」と笑顔で語った。黒田さんは通信担当の盆を演じたが、撮影現場について「和気あいあいと話してました。でも、よく考えると何を話したか覚えてない。ためになることは全く話してないんですね」とほのぼのとした口調でふり返った。これに“タイチョー”きたろうさんは「喋ることないなら喋るなよ!『パス』って言え!!」とツッコミを入れ、会場は笑いに包まれた。小浜さんは、撮影中にお子さんが誕生したそうで「みなさん『生まれた?』、『まだ?』などと気遣ってくださいました。名前も(映画に因んで)“南ちゃん”や“氷河ちゃん”、それからロケ地の近くにうちこ(蟹の卵巣)のおいしいお店があったので“うちこちゃん”などと考えていただいたのですが、却下しました(笑)」と語った。因みに、こうした名前の案を出したのは主に豊原さんだったとか…(豊原さんは『おれじゃねーよ!』と慌てて否定)。沖田監督は「撮影中は夢中でしたが、一歩外に出れば僕はこの8人のファンなんです。幸せな時間でした」と満足そうな表情で語った。そしてこの日は、先ほど堺さんが“天才”と大絶賛した小野花梨ちゃんが来場し、壇上の男たち一人一人に花をプレゼント。これに大喜びのきたろうさんが「恋人はいるの?」と聞くと、花梨ちゃんは満面の笑みで「いません!」と即答。再び会場は笑いに包まれた。『南極料理人』はテアトル新宿にて先行公開中。8月22日(土)より全国にて公開。■関連作品:南極料理人 2009年8月8日よりテアトル新宿にて先行公開、22日より全国にて公開■関連記事:堺雅人らO型キャストに、A型・豊原功補ブチギレ『南極料理人』プレミア舞台挨拶最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント堺雅人も登場!『南極料理人』プレミア試写会に15組30名様をご招待伊坂ワールドで暗躍する“泥棒”堺雅人の映像が解禁『ラッシュライフ』予告編が到着堺雅人が巨大伊勢海老のフライを料理!『南極料理人』撮影現場は高校の部室のよう?
2009年08月10日芥川賞作家・吉田修一の作品の中でも、ファンの間で特に高い人気を誇る「パレード」(幻冬舎文庫刊)が豪華キャストを揃えて映画化される。このたび、本作の画像が初めて公開され、物語の鍵を握る男娼・サトルを演じる林遣都の金髪姿も初めて明らかになった。原作小説は2002年に発表され、第15回山本周五郎賞を受賞。同じ年に発表された「パーク・ライフ」が第127回芥川賞を受賞し、物語性を重視した作品に贈られる山本周五郎賞と純文学に対して贈られる芥川賞のW受賞ということで大いに話題となった。物語は、上辺だけの付き合いを「ちょうどよい」と感じる現代の若者たちが、都内のマンションでルームシェアをする姿を描いた群像劇。決して重くない空気感の裏に隠された人間心理の恐ろしさが映し出される。映画会社に勤務する直輝に藤原竜也、イラストレーターの未来役を香里奈、フリーターの美女・琴美を貫地谷しほり、そして大学生の良介に小出恵介と人気の若手俳優陣が顔を揃えている。“本当の自分”を装った、この4人の優しくも怠惰な共同生活に新たに加わるのが、林遣都が演じる金髪の男娼・サトル。時を同じくして彼らの住む街では連続暴行事件が発生し、彼らの日常に少しずつ波紋が広がり始める…。いずれのキャストも話題を集めそうだが、特にデビュー作『バッテリー』以来、『DIVE!!ダイブ!!』、『風が強く吹いている』など爽やかなスポーツ映画への出演が続いていた林さんが、男娼という難役に挑戦しているのは注目!監督を務めるのは、『GO』や『クローズド・ノート』、『世界の中心で、愛をさけぶ』など原作ものの映画化に定評のある行定勲。以前より吉田さんとは親交が深く、吉田さん自身「多くの映像化の企画があった中で、最終的に最高のスタッフとキャストで動き出した映画『パレード』に力強さを感じています」と期待のコメントを寄せている。果たして彼らにとって、この2LDKはどのような場所なのか――?『パレード』は2010年春、渋やシネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:パレード 2010年春、渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会
2009年08月08日南極観測隊員として厳寒の地で調理を担当していた西村淳が書き下ろしたエッセイ「面白南極料理人」を原作に、温かい食事を通して隊員8人の男たちの生活を描いたヒューマン・コメディ『南極料理人』。8月8日(土)の先行公開に先駆けて、7月27日(月)、本作のプレミア試写会が行われ、沖田修一監督と主演の堺雅人に加え、南極観測隊員役の生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補らキャストが、上映前の舞台挨拶に集結した。女性ファンの大歓声で迎えられた堺さんは「外は蒸し暑いですが、映画の中は涼しく仕上がってます」と涼やかな笑顔で作品を紹介。今回、堺さんは料理人・西村を演じるにあたり料理の練習に挑んそうだが、監督曰く、その腕前は「本当に素晴らしいので、見ているうちにあれもこれもお願いしてしまいました」とのこと。堺さん本人も、「まさか自分が鍋を煽る日が来るとは思わなかったので、うまく煽れたときは感動しました」と練習の成果を語った。さらに、「自分の手がおにぎり向きだということに気づきまして。三角のエッジの利いたあのフォルム、柔らかすぎず固すぎず、ご飯一粒一粒の味がしっかりとした、おいしそうなおにぎりが出来ました」とアピールすると、ファンからは「食べたーい!」との声が挙がり、堺さんはすっかり照れてみせた。「犯人は教えられませんが、スリルとサスペンス、最後の爆発をお楽しみください」と冗談を飛ばすのは、本さん役の生瀬さん。役柄との共通点を尋ねると、「マイペースなところ。好きな人は好きですが、嫌いな人は大っ嫌いですからね。(共演キャストでは)きたろうさん以外は全員好きです」と断言するや、最年長で隊長役のきたろうさんに「しっかりしてくださいよ」との鋭いツッコミ。これにはきたろうさん、「認めてもらえなくても、みんなが隊長なんだなと思うような、そんな隊長いいですよね」と自分で自分をフォロー、2人の夫婦漫才のようなやり取りに会場が沸いた。さらに、きたろうさんは「『南極料理人』、氷の世界ですが、とっても温かいです」としたためた言葉を贈ると、大満足の表情を浮かべた。そんな先輩俳優たちから「本当にいろんなことを教わった」と話すのは、兄やん役の高良さん。具体的に何を教わったかを尋ねると「クイズとか…」と言葉を濁したが、「自分の中で大事に取っときたいので言いたくないです。僕の年代だとまだ大人になりたくないと思うのですが、こんな大人になりたいと思いました」と気を取り直して述べ、先輩を上機嫌にさせた。合宿のような撮影期間を経てすっかり打ち解けた様子のキャスト陣だが、1人浮かない表情を見せるのはドクター役の豊原さん。実は、豊原さん以外の壇上のキャスト陣は全員O型だそうで、1人だけA型の豊原さんは「みんな、ものすごくマイペースで、監督に『僕が一番しっかりしてますよね?』と聞いても『いや…』と言うし。テキトーなんですよ、みんな」と不満をぶつけた。その几帳面な性格は演技にも出ているようで、生瀬さんの証言によれば「熱いものを美味しそうに食べるシーンで、100℃近い熱いものをガブガブ飲むから、水ぶくれが出来てた」とのこと。きたろうさんと揃って「これが役者魂だよね」と豊原さんに称賛を浴びせた。さらに壇上には、ホテル西洋銀座シェフパティシエ・浦野義也の特製による、南極大陸に模した“南極ケーキ”も登場。一同は一口頬張るや舌鼓を打ちながら、夢中でフォークを進めていた。一同の息の合ったゆるい空気感が笑いを誘う、『南極料理人』は8月8日(土)よりテアトル新宿にて先行公開、22日(土)より全国にて公開。■関連作品:南極料理人 2009年8月8日よりテアトル新宿にて先行公開、22日より全国にて公開■関連記事:最も浴衣が似合うと思う俳優は?「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント堺雅人も登場!『南極料理人』プレミア試写会に15組30名様をご招待伊坂ワールドで暗躍する“泥棒”堺雅人の映像が解禁『ラッシュライフ』予告編が到着堺雅人が巨大伊勢海老のフライを料理!『南極料理人』撮影現場は高校の部室のよう?網走より愛を込めて!堺雅人扮する“南極料理人”の共演に西田尚美、生瀬勝久ら決定
2009年07月29日