新型コロナウイルス感染防止のためたくさんの舞台が中止や延期になっている。『刀ミュ』ことミュージカル『刀剣乱舞』もそのひとつで、最新作ミュージカル『刀剣乱舞』 〜静かの海のパライソ〜は東京公演が途中で中止、兵庫・熊本・宮城公演の全公演が中止になってしまった。5月15日から予定されている東京凱旋公演はいまのところ中止・延期の発表はないが心配なところ。急なお休みを余儀なくされているキャスト、スタッフの想いはいかばかりか。過去の『刀ミュ』を配信(dアニメストア/月額400円で配信のほか、24日20:00からDMM.comにて無料配信)で観てレビューすることで、想いを馳せてみたいと思う。まずはミュージカル『刀剣乱舞』 ~阿津賀志山異聞~のレビューを。なお、お読みになる方にはすでに舞台や配信でご覧になっている方も多いと思うが、刀ミュが気になっているけれど未見の方もいると思うので、基本的な情報は記し、かつネタバレし過ぎないように気をつけて書くのでご了承いただきたい。○■伝説の始まりを感じさせる導入『刀ミュ』とは、名立たる刀剣が戦士へと姿を変えた"刀剣男士"を率い、歴史を守るために戦う刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞』を原作にして制作された2.5次元ミュージカル。まず、2015年にトライアル公演を実施、それをアップデートした作品が16年、ミュージカル『刀剣乱舞』~阿津賀志山異聞~として上演され、以後、シリーズ化されている。第1部・刀剣男士が史実を守るべく闘う物語、第2部・刀剣男士たちが歌い踊り語るショー形式の2部構成がデフォルトである。『刀ミュ』は日本史を知っていると楽しめる。阿津賀志山とは日本史の「阿津賀志山の戦い」の舞台となった、福島と宮城の県境にある場所。鎌倉時代、文治5年(1189年)、源頼朝軍と藤原泰衡軍がそこで闘ったとされる。源頼朝軍と藤原泰衡軍の前に、有名な義経の物語があって、兄・頼朝のために働きながら、反感を買い、悲しき最期を遂げる。そんな彼に忠義を尽くし続けた人物が武蔵坊弁慶である。「阿津賀志山異聞」の冒頭は、鎌倉時代、源義経(荒木健太朗)と武蔵坊弁慶(田中しげ美)の壮絶な戦いの場からはじまる。刀剣男士6振りの登場はその後。6本の刀が大地に刺さり、そこから三日月宗近(黒羽麻璃央)、小狐丸(北園涼)、石切丸(崎山つばさ)、岩融(佐伯大地)、今剣(大平峻也)、加州清光(佐藤流司)が出現し、テーマ曲「刀剣乱舞」をまさに乱舞する。やがて伝説化していく刀ミュのはじまりにふさわしい登場の仕方である。舞台装置は舞台中央奥の大階段が場面に応じて2つに分かれるという、主に2パターンで様々な場面に対応している。大階段上、大人数で刀を振るうアクションは見せ場である。映像もふんだんに使用され、刀の残像が弓なりにしゅっとなる瞬間も鮮やか。刀剣男士はふだん、桑を振るって畑仕事をしているが、歴史修正主義者が暴れると、その時間、その場所へ向かって、史実を守るために闘う。今回は、新選組・沖田総司の刀だった加州清光が、主(声:演出を手掛ける茅野イサム)から隊長に任命され、阿津賀志山へ。メンバーは三日月宗近、小狐丸、石切丸、岩融、今剣だが、三条派と言われる彼らが加州清光には苦手で……。○■個性豊かな刀剣男士たちが登場加州清光は、新選組・沖田総司がもっていた刀で、ほかの5振りは鎌倉時代や平安時代の刀である。加州清光ひとりだけ、生きてきた時代が違うのである。物語は主に、加州清光が無茶な戦いをする新選組と共に生きてきたことと、いま刀剣男士となって感じることとの葛藤と、義経と弁慶を史実どおり死ぬ流れにもっていかなくてはならず苦しむ、今剣と岩融の物語の2本を主軸に進んでいく。三日月、小狐丸、石切丸は少し引いた視点で加州清光や今剣を見つめているふうに描かれている。史実では、義経の死後、頼朝の軍勢が藤原泰衡を滅すことになるが、歴史修正主義者たちによって、死んだはずの義経が生き返ってきた。この間違った流れを阻止することが刀剣男士のミッション。だが、今剣は義経に強い思慕があり、久方ぶりに会った義経を死なせることに迷う。今剣は、6振りの中で最も小柄。血気盛んなリーダー・加州清光、しゅっとして優雅な三日月宗近と小狐丸、戦が嫌いで祈祷師的な独特のスタンスを持つ石切丸、大柄で豪快な岩融の間を、軽快に動きまわり、その無邪気さが、主人への執着を無理もないものに感じさせる。今剣を演じる大平峻也は動きが機敏で、6振りの中のいいアクセントになっている。淋しげに「きらきら」を歌う場面はいじらしく、今剣と彼を支える岩融の関係性も切ない。○■ためらいが描かれた作品今剣の持ち主だった義経と岩融の持ち主だった弁慶は、刀ミュ以前からも人気である。歌舞伎にもなっていて、兄に愛されなかった義経の悲劇と、忠義の人・弁慶は長いこと日本人に支持されてきた。「判官贔屓」という言葉もあるほどである。「阿津賀志山異聞」ではいわゆる弁慶義経の話がたっぷり描かれない分、義経の刀・今剣と、弁慶の薙刀・岩融のブロマンスが描かれ、それによって義経と弁慶の関係もわかるようになっている。逆にその間接的な描写のほうが萌えるといってもいいかもしれない。後半になると、弁慶と岩剣の場面があって、「弁慶の泣きどころ」ネタに笑い、じゃれあうときの弁慶のためらいの間にキュンとなる。そう、「阿津賀志山異聞」には「ためらい」が描かれている。もともと、人を斬る武器として生まれた刀たちが、人間になったことで「心」をもち、人を斬ることにためらいが生まれ、それに悩む。三日月宗近と加州清光が歌う「矛盾という名の蕾」は、武器として生まれてきた最後の世代・加州清光と、もっと長い歴史を知っている三日月宗近が、互いの考えを語り合い、己の宿命を実感していく歌。「命 奪い合う『物』として生きるしかなくて」と言葉を噛み締めながら歌う加州清光、最後に歌を重ねる加州清光と三日月宗近。ふたりのファルセット気味の声の重なりが心に響く。ちなみに、配信版は20分ずつくらいにチャプターを分かれているが、そのたび停止になることはなく、そのまま次のチャプターに続くようになっている。歴史の中で悲劇の死を遂げた義経の気持ちに寄り添い、今剣の気持ちに寄り添い、自分たちの「役割」について想いを馳せながら、最初は苦手だった仲間とも歩み寄っていく加州清光。江戸時代、刀がその役割を終える最後の時代に立ち会った加州清光が、時代のなかで正しく消えていかねばならない生命に立ち合う仕事を行う者たちの隊長であることにも深い意味を感じながら、ラストの「キミの詩」を聞いた。○■舞台の愛おしさを感じるショータイム第2部は、6振りが歌って踊るショータイム。義経、頼朝、泰衡も参加して楽しめ、俳優たちに自然な笑いがこぼれるところも見られる。役と素が混ざった感じが2部の楽しさ。ここでは、客席も映り、観客が掲げたペンライト(推しのシンボルカラーがある)が輝き、俳優たちの一挙手一投足に反応する声も聞こえてくる。こういう映像は『刀ミュ』に限ったものではないが、新型コロナウイルスで無観客公演を配信するという試みも行われたいま、改めて観客ありの映像を見ると、演じる人たちと観客の両方でできている舞台を愛おしく感じる。もちろん、正規の上演ができないなか、無観客配信を行うことで、チケットを買ったにもかかわらず見られなかった人へのフォローになるし、スタッフやキャストの経済的なフォローになるかもしれないし、さらには新しい観客との出会いなど前向きに考えられることもある。だが、それはあくまでも現状の対案であって、観客ありの配信を見ると、観客の反応で同じ内容でもその都度変化がある、まさに“ナマ物”である演劇の尊さを改めて感じて、なんだか涙が出てしまった。いつかまた劇場で出会える日を祈り続ける。
2020年04月24日岡田准一が新選組・副長、土方歳三を演じる映画『燃えよ剣』が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、公開日を延期することを決定した。5月22日(金)より公開予定だった本作は、『関ヶ原』の岡田さんと原田眞人監督が再タッグを組み、司馬遼太郎の同名小説を映画化。ほかにも、近藤勇役で鈴木亮平、沖田総司役で山田涼介、芹沢鴨役で伊藤英明らが参加し、史上最強の剣客集団・新選組と副長・土方歳三を描き切る。なお、新たな公開予定日については、決定し次第、本作の公式サイトにて発表されるようだ。(cinemacafe.net)■関連作品:燃えよ剣 2020年、全国にて公開©2020「燃えよ剣」製作委員会
2020年04月07日岡田准一が主演を務める映画『燃えよ剣』が、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、公開日を延期することが7日、明らかになった。同作の製作委員会は、「この度、2020年5月22日(金)より公開を予定しておりました『燃えよ剣』につきまして、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、公開日を延期することを決定いたしましたことお知らせいたします」と報告。続けて、「作品の公開を楽しみにお待ち頂いていた皆様には誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます」と謝意を示した。今後の公開予定については、「速やかに『燃えよ剣』公式ホームページにてお知らせいたします」としている。同作は岡田演じる土方歳三を主人公に、新選組志士たちの人生と激動の幕末を描く。『関ヶ原』(17)、『日本のいちばん長い日』(15)などで知られる原田眞人監督が、司馬遼太郎の同名小説を原作にメガホンを握り、新選組局長・近藤勇を鈴木亮平、美しき剣士・沖田総司をHey! Say! JUMP・山田涼介が演じる。
2020年04月07日主演の岡田准一が土方歳三、鈴木亮平が近藤勇、山田涼介が沖田総司を演じ新選組を描く映画『燃えよ剣』。この度、凄烈なアクションシーンの裏側を収めたメイキング映像と本ポスタービジュアルが到着した。今回到着したメイキング映像では、新選組が“史上最強の剣客集団”としてその名を世間に知らしめた「池田屋事件」のダイナミックな撮影風景をはじめ、「鳥羽・伏見の戦い」や「五稜郭の戦い」での大規模な撮影シーンも収められている。そんな池田屋で繰り広げられるそれぞれの死闘に迫力とリアリティを持たせるため、現場では鬼の副長・土方を演じる岡田さんを筆頭に、鈴木さん、山田さんが入念に組太刀稽古を行う様子が確認できる。本作で剣技の構築と指導にも携わった岡田さんによる怒涛のアクションは必見だ。また、同時に到着した赤く炎に包まれたポスタービジュアル。名刀・二代目和泉守兼定を構える土方をはじめ、近藤、沖田、お雪(柴咲コウ)、芹沢鴨(伊藤英明)、松平容保(尾上右近)、そして徳川慶喜(山田裕貴)の姿も写し出されている。『燃えよ剣』は5月22日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:燃えよ剣 2020年5月22日より全国にて公開©2020「燃えよ剣」製作委員会
2020年03月13日宝塚歌劇団雪組公演のかんぽ生命 ドリームシアター 幕末ロマン『壬生義士伝』、かんぽ生命 ドリームシアターダイナミック・ショー『Music Revolution!』が5月31日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。宝塚歌劇雪組 かんぽ生命ドリームシアター 幕末ロマン『壬生義士伝』/かんぽ生命ドリームシアター ダイナミック・ショー『Music Revolution!』チケット情報浅田次郎のベストセラー小説を原作に、映画化やドラマ化もされてきた『壬生義士伝』。幕末の動乱期を舞台に、奥州盛岡、南部藩の足軽の子として生まれた下級武士、吉村貫一郎の生き様を描いた物語だ。朴訥な人柄でありながらも北辰一刀流免許皆伝の腕前を持つ貫一郎は、貧困にあえぐ家族を救うため、妻子を盛岡に残して脱藩し、新選組隊士となる。危険な任務もいとわず人を斬り続けるが、新選組は鳥羽伏見の戦いで敗走。深手を負った貫一郎は帰藩を請うべく大坂の南部藩蔵屋敷へと向かうが、そこにいたのは、蔵屋敷差配役となった竹馬の友・大野次郎右衛門だった…。近藤勇、土方歳三、斎藤一、沖田総司ら、新選組の名だたる隊士が一目置いた吉村貫一郎。剣士としての腕はありながらも、彼らのように決して圧倒的な存在感や華があるような人物ではなく、むしろ控え目だ。しかし家族のことを第一に考え、“守銭奴”と言われながらも、妻子に仕送りをするために人を斬り、いつか必ず故郷に帰ろうという思いで生きている真っ直ぐな男。そんな彼の生き様をトップスター望海風斗が抑えた演技で繊細に表現して魅せ、観る者の胸をぐっと締め付ける。トップ娘役・真彩希帆は、盛岡で辛い環境にありながらも子どもたちと共に強く生きる貫一郎の妻しづと、愛らしく、貫一郎に思いを寄せる京の両替商・鍵屋の娘みよの二役を好演。大野次郎右衛門役の彩風咲奈や、土方歳三役の彩凪翔、斎藤一役の朝美絢らも存在感たっぷりに演じている。専科から出演の凪七瑠海は、大日本帝国陸軍・軍医総監の松本良順役。新選組の主治医であったことから、当時の彼らの状況を回想しながら、狂言回しとして落ち着いた演技で舞台の空気を締めている。第2幕のショー『Music Revolution!』は、ロックからはじまり、ジャズ、ラテン、ポップス、クラシックなど、さまざまなジャンルの音楽を使い、ダイナミックに繰り広げられる。男役の黒燕尾の群舞やしっとりとしたデュエットなど、緩急ある展開で楽しませてくれる。公演は7月8日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、7月26日(金)から9月1日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは6月30日(日)一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2019年06月07日“夜神月”や“カイジ”、世間を手玉にとる猟奇犯――。これまで日本映画史に名を残す数々のキャラクターを圧倒的な演技力で演じてきた藤原竜也。5月15日に37歳になった彼は、7月に“育ての親”故・蜷川幸雄氏の長女・蜷川実花監督と初タッグを組んだ主演作『Diner ダイナー』が待機するが、その強烈な言動や豪華キャストの競演、エッジの効いた映像美にはいまから熱い視線が注がれている。蜷川氏演出の舞台「身毒丸」での鮮烈デビューから20年以上が過ぎても、紛うことのない“天才”ぶりに並ぶ者はそうおらず、近年では新境地への挑戦も目覚ましい。全くの演技未経験から蜷川幸雄の秘蔵っ子に!1982年生まれ、埼玉県出身の藤原さん。15歳のとき、池袋に遊びに行った際に所属事務所ホリプロの女性マネージャーにスカウトされ、全くの演技未経験ながら「身毒丸」主役オーディションで見事グランプリを獲得してデビュー。1997年10月、ロンドンの劇場で上演された初舞台は、海外のメディアからも大絶賛を受けた。実はこの裏には、書類選考で3度落とされるも、スカウトした女性がそのたびに藤原さんの応募書類を合格の束に忍び込ませ、その結果、5,000人以上の応募者の中から蜷川氏の目に留まった、という逸話があり、藤原さん自身もテレビのトーク番組などで明かしている。2003年には日本演劇史上最年少の21歳で蜷川演出の「ハムレット」に主演し、「紀伊國屋演劇賞」個人賞や「読売演劇大賞」優秀男優賞・杉村春子賞などを受賞、その後も「ロミオとジュリエット」「オレステス」「ムサシ」など多数の舞台を踏んできた。野田秀樹、いのうえひでのり、栗山民也、長塚圭史など名だたる演出家とも組み、吉田鋼太郎演出・主演の「アテネのタイモン」などにも参加している。蜷川氏がメガホンを取った吉高由里子主演『蛇にピアス』にカメオ出演していた藤原さん。蜷川氏の存在の大きさについて、2008年の映画『カメレオン』のシネマカフェインタビューでこう語っている。「蜷川さんとの仕事って本当に大変なんですよ。蜷川さんに拾っていただけたのは確かに幸運でした。でも、そこからひとつひとつの戯曲と向き合って本当に大変な思いをしてきましたからね。“天才”の2文字で片付けちゃうのは簡単だよな、という思いはありますけど(笑)」。さらに「まだまだこれからやってみたい作品、組んでみたい演出家の方もいます」と言葉を続けていたが、その挑戦が現在でも続いているわけだ。問題作『バトル・ロワイアル』で話題に映像作品では2000年、映画出演2作目となる深作欣二監督作『バトル・ロワイアル』の主役に抜擢され、翌年には「新・星の金貨」で連続ドラマ初主演を果たして知名度を上げていく。「どうしてみんな簡単に殺しちゃうんだよ!」の名セリフを生んだ『バトル・ロワイアル』は中学生同士が互いを殺し合う衝撃的な内容が物議を醸したが、狂気に染まっていく仲間たちに必死に抗う中学生を熱演し、スクリーンでも存在感を見せつけた。前田亜季や柴咲コウ、塚本高史、栗山千明、高岡蒼甫、山本太郎、安藤政信といった現在では実現不可能な(?)当時の新進俳優が勢ぞろいした本作で、ブルーリボン賞新人賞、日本アカデミー賞主演男優賞と新人俳優賞に選ばれている。『バトル・ロワイアル【特別編】』『バトル・ロワイアルII【鎮魂歌】』と続編も製作された。『デスノート』『カイジ』『るろ剣』…代表作を手に入れる三谷幸喜・脚本のNHK大河ドラマ「新選組!」(’04)では沖田総司を演じるなど、映像でも舞台でも精力的に活動を続ける中、2006年、大場つぐみ・小畑健原作の『デスノート』2部作(金子修介監督)で主人公・夜神月に起用される。同作は、いま主流の大ヒット漫画の実写化の走りにして大成功例であり、邦画史上初めて前・後編に分けて連続公開された作品でもあった。“名前を書かれた人間は死ぬ”というデスノートを手にしたエリート大学生・夜神月が、“キラ”として犯罪者に制裁を下しながら正義感を暴走させ、“神”と崇められていく様に、藤原さんのカリスマ性がピタリとハマった。かつては命の重みを叫んでいたはずの彼が、あまりにも簡単に命を奪っていく姿は衝撃を持って迎えられた。もう1人の“天才”・Lを演じた松山ケンイチとともに語り継がれる代名詞を手に入れた藤原さんは、2016年の『デスノート Light up the NEW world』にも出演を果たしている。さらに、福本伸行原作の人気漫画を映画化した佐藤東弥監督『カイジ 人生逆転ゲーム』(’09)、『カイジ2 人生奪回ゲーム』(’11)も大ヒット。こうしたエンターテイメント大作から、行定勲監督×吉田修一原作の群像劇『パレード』(’10)や新興宗教団体の教祖を演じた松田龍平共演『I’M FLASH!』(’12)といった作家性の高い作品に参加しつつ、カンヌ国際映画祭コンペ部門に出品された三池崇史監督『藁の楯わらのたて』(’13)、品川ヒロシ監督『サンブンノイチ』(’14)、山田孝之共演の『MONSTERZ モンスターズ』(’14)、過酷な秘境ロケを行った『探検隊の栄光』(’15)、人気コミックの映画化『僕だけがいない街』(’16)など、実に多彩な作品で観る者が期待する以上の存在感を発揮してきた。とりわけ2014年には、大ヒット作『るろうに剣心』の続編2部作『京都大火編/伝説の最期編』で、佐藤健演じる緋村剣心の宿敵・志々雄真実を全身包帯姿で怪演。「自分も剣心世代」と語る藤原さんが、原作でも人気の高いヴィランを体現してみせた。“素”を見せるドキュメントバラエティーも好評藤原さんの出演作品には続編作が多い。もともと人気が高く、息の長い原作があるためでもあるが、藤原さんが、恐る恐るながらも“もっと観ていたい”と思わせる強烈な個性をキャラクターに吹き込んでくれるからにほかならない。『カイジ2』の完成披露記者会見で、「続編に参加させてもらえるということは前作を多くの人が観てくれたということ。その嬉しさを感じながら撮影に臨みました」と語っていたように、唯一無二の俳優となっても真摯で、謙虚な姿勢は変わらない。ただ、ストイックなまでの役作りやクールといったイメージが強いが、2013年5月に行われた結婚報告会見では、お相手の一般女性の絵を描いてほしいとの要望に「僕が絵のセンスがあまりにないので『事故になるだろう』という結論になったので、控えさせていただきます」と応じて笑いを誘ったことも。また、2度にわたり実現したドキュメントバラエティー「藤原竜也の一回道」、そして「藤原竜也の二回道」で見せた自由すぎる進行や俳優仲間からの愛されぶり、茶目っ気あふれるギャップが好き、という人も多いだろう。『インシテミル 7日間のデス・ゲーム』綾瀬はるか&石原さとみら豪華共演ホリプロ50周年記念作品だけあり、藤原さんに綾瀬はるか、石原さとみ、武田真治、片平なぎさ、北大路欣也など、超豪華キャストが集結した2010年の作品。米澤穂信のミステリーを『リング』『貞子』の中田秀夫が映画化し、閉鎖空間でのパニックホラーに仕上げた。時給11万2,000円(!)という高額バイト代目当てに集まった男女10人が、謎の館に籠り死の推理ゲームに挑む中、藤原さんはこの状況に振り回される、ごく普通の感覚を持つ青年に。やはりの命がけの極限ゲームには欠かせない。『パレード』ひと筋縄ではいかない青春群像劇「このメンバーと一番いいタイミングで仕事をさせてもらった」と藤原さん自身が語っていた本作は、行定監督のもと芥川賞作家・吉田修一の同名小説を小出恵介や香里奈、貫地谷しほり、さらに林遣都というキャストで映画化。几帳面で健康オタクの会社員、というイメージどおり(?)の役柄ながら、そこは藤原さんが演じるだけあってひと筋縄ではいかない。公開当時のイベントでは、撮影中に林さんが藤原さんにイカ天ソバをおごったことから、「イカ」呼ばわりされていたというエピソードが度々披露された。『藁の楯 わらのたて』全国民から命を狙われる猟奇殺人犯「この男を殺してください。お礼に10億円差し上げます」という衝撃のビジュアルが、実際に中吊り広告にもなった本作。ただそこにいるだけで心がザワつく、“人間のクズ”こと幼女を狙う殺人鬼・清丸国秀役を演じた。特に終盤、SP役の大沢たかおとの対峙を観れば、藤原さんにしか演じられないことがよく分かる。2002年の『SABU~サブ~』でも組んだ三池監督は、藤原さんの起用理由を「支離滅裂、理不尽、悪の権化、この人しか浮かばなかった」と断言したほど。本作は現在、ハリウッドでのリメイクが動き出している。「ST 赤と白の捜査ファイル」ゴールデン・プライム帯の連ドラ主演は13年ぶり舞台や映画のみならず、TVドラマでも多くの代表作を持つ藤原さん。スペシャルドラマ、連ドラと放送され、劇場版も公開された本作では、殺人犯から一転、変わり者揃いの「ST(科学捜査班)」の中で“天才”分析官・赤城左門を演じた。対人恐怖症ゆえの岡田将生との迷コンビぶり、キャリア組の林さんとのやりとりも見逃せない。当時は、「窪田(正孝)くんが毎回、とんでもない身体能力を見せてくれて、そういうのもいいなと思ってます。派手なアクションやりたい。いつも黒崎(窪田さん)がいいとこを持って行くので(笑)」と武闘派への転身を匂わせたことも。「リバース」“ダサカワイイ”誠実キャラに「夜行観覧車」「Nのために」のチームのもと、藤原さん、玉森裕太(Kis-My-Ft2)、小池徹平、三浦貴大、市原隼人、戸田恵梨香らが集結した渾身のヒューマンミステリーでは、“ダサカワイイ”と話題になったメガネ男子・深瀬を好演。地味で冴えない男ではあるものの、親友・広沢(小池さん)の死の真相にたどりつくため、ときには「これだけは言わせて」と声を荒げることも。ちなみに、撮影現場を訪問した原作の湊かなえは「『ああ!えええ?』というくらい服のセンスも悪いし、背中もなんか丸いし、本当に藤原さんではなく深瀬がそこにいました」と絶賛を贈っていた。『22年目の告白ー私が殺人犯ですー』連続殺人犯再び…世の中を震撼させた連続殺人の犯人が時効を迎えた22年後、殺人の告白本を出版し、大々的に記者会見を行うという前代未聞の展開が話題となった2017年の映画。“美しき殺人犯”といわれ、SNSでもてはやされる曾根崎雅人役を藤原さん、犯人を追い続ける刑事の牧村航を伊藤英明が演じ、2人の鬼気迫る攻防が描かれた。Blu-ray&DVD発売イベントでは、入江悠監督の脚本を最初の頃から読んでいたという藤原さんが「すごく面白かったので、作品のヒットを確信していました。それに(書き直し)37稿ですよ!やはり映画は本ですし、監督の情熱を感じますよね」と手応えを語っていたのが印象的。「新しい王様」TBS×Paraviの新感覚ドラマ香川照之との『カイジ』コンビで、かつてどこかで目にしたような買収劇を背景に、おカネをめぐる物語をシニカルに描く新感覚ドラマ。藤原さんは“カネもうけ”には距離を置き、新しい価値を見つけようとする自由人・アキバという“新しい王様”、香川さんがカネやモノや女へのあくなき欲望をストレートに追求する投資家・越中という“古い王様”に扮する。2人の対照的なキャラと小気味よい会話劇に引き込まれ、脇を固める杉野遥亮、武田玲奈、小関裕太などの若手キャスト陣も奮闘を見せる。7月5日公開『Diner ダイナー』「俺はここの王だ!」解禁されている予告編での“叫び”と、「砂糖の一粒までが俺に従う」という“上から目線”がクセになりそうな殺し屋専用のダイナー(食堂)のオーナー・ボンベロ役に。「いつか竜也と一緒に仕事をするなら、大きな作品で魂をかけた仕事をしたいと思っていました」と言う蜷川実花監督と運命的な初タッグが実現した。とはいえ、窪田さんや斎藤工、小栗旬、土屋アンナら、ダイナーに集まるほかの“殺し屋たち”もかなりクセが強く、「ボンベロが一番普通じゃん!って思いました。それくらい周りのキャラが濃すぎた!」と語る言葉にも納得。2020年、映画とドラマ連動企画『太陽は動かない』もう1本楽しみなのが、『パレード』吉田氏のスパイアクション・エンターテイメント小説を映画化・連続ドラマ化する企画。藤原さんが主人公の産業スパイ・鷹野一彦を演じ、監督は「MOZU」シリーズや『暗殺教室』シリーズを手掛けた羽住英一郎という期待高まる布陣。映画では小説「太陽は動かない」「森は知っている」の2編、連続ドラマでは原作者監修のもとオリジナルストーリーが展開し、おそらく国をまたいだ壮大なロケが行われるはず。ホリプロでは約8年ぶりに大々的なオーディションが行われ、応募者6,468人の中から選ばれた群馬在住の鍛治原日向が本作でデビュー、藤原さんと共演するという。「激しいアクションシーンを要する“スパイ”の役どころになりますので、来年の撮影に向け体の状態を万全に整えて、心して臨みたいと思います」と藤原さん。30代後半で挑む、藤原さんのノンストップ・アクションに圧倒される日を、楽しみにして待ちたい。(text:Reiko Uehara)■関連作品:太陽は動かない 2020年、全国にて公開予定Dinerダイナー 2019年7月5日より全国にて公開©2019 「Dinerダイナー」製作委員会
2019年05月18日岡田准一(38)が映画「燃えよ剣」で主演を務めると2月11日に発表された。20年に公開されるという同作だが、Twitterでは「岡田准一」がトレンド入りするほどの賑わいを見せた。原作は約500万部もの発行部数を誇る、新撰組・土方歳三の生涯を描いた司馬遼太郎さん(享年72)の同名小説。これまでも66年に映画化されるだけでなく、3度のドラマ化がなされている。各メディアによると同作の監督を務めるのは17年の映画「関ヶ原」で岡田を主演に抜擢した原田眞人監督(69)。また近藤勇には鈴木亮平(35)、沖田総司にはHey! Say! JUMPの山田涼介(25)が配役。岡田は「身に余る大役をいただきました」と語り、「変革の時代を演じることは、やりがいのあるタフな作業になりますが、共演者の皆さん、スタッフの皆さんとこの作品を乗り越えていきたいと思います」と意気込んでいるという。大の歴史好きであり、14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK総合)や昨年公開された「散り椿」でも多くの人々を魅了した岡田。そんな岡田がまたもや歴史ものに挑戦するということでネットでは話題を呼んでいる。さらにTwitterでは《司馬遼太郎先生・土方歳三ファンなので言葉にならない喜び 岡田さんの土方役、今から楽しみです》《土方副長が岡田准一さん…殺陣が楽しみですね。半端なく強そう》といった期待の声が上がっている。「土方歳三は、岡田さんが演じたかった人物のひとり。土方に憧れているだけでなく『体格が似てる』とも言われたことがあり、シンパシーを感じているそうです。それだけに、ファンの間でも期待の声が上がっています。またジャニーズ事務所の後輩である山田さんも、岡田さんと同じくストイックな姿勢で仕事に向き合うタイプ。グループのメンバーも『努力家』と口を揃えるほどです。そんな2人が共演することで、良い化学反応を見せてくれそうです」(前出・映画関係者)
2019年02月11日『こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく』(ぶんか社)を8月に刊行した沖田×華さんは、自閉スペクトラム症にADHD、加えて学習障害のある“トリプル発達障害漫画家“。自身も自閉スペクトラム症とADHDがあるライター・鈴木希望が取材した。ハイパーADHDだった小学生時代。「みんなで遊ぶ」の意味がちょっと違ったUpload By 鈴木希望トリプル発達障害があるという漫画家の沖田×華さん。明るさと、人の心に寄り添うやさしさが感じられる漫画で人気の彼女は、いったいどのような少女時代を過ごしていたのだろうか。沖田さん(以下敬称略):「私、子どものころ、むちゃくちゃテンション高かったんですよ、ハイパーADHDで(笑)。『この子、いいかも!』と思ったら、弾丸のように突っ込んで行って、ものすごい勢いでしゃべりまくるという感じでした。」気に入った友達にはとことん話しかけ、自分のペースに巻き込んでがっつり関わるのが好き。その半面、集団行動になるとその関わり方は一変したという。沖田:「”みんなで遊ぼう”というときになると、周りから少し離れたところにポツンといるタイプ。そこの位置が一番楽っていうか、安心して全体図を見られるので。大人数で遊ぶゲームだったりすると、ルールが分からなくてつまらないから、他の人がやっているのを見て、自分もゲームに参加している、一緒に遊んでいるという認識をしていたんです。」だから、「ひとりでいるからといって孤立しているとは限らない」と沖田さんは言う。沖田:「親御さんや周りの大人が”孤立しているのではないか”と心配になってしまう見え方かもしれないけど、子どもの感じ方はまた違っていて、ひとりでいるように見えて、実は空間を楽しんでいる場合もあるんですよね。そういう可能性があると分かれば、見守る側も気が楽になるんじゃないかな。」――周囲と独特の関わり方をしていた沖田さん。長くつき合っている友達には共通点があるのでしょうか。沖田:「お互いにイチャイチャしないというか、必要なときにサクッと会ってサクッと帰るっていう感じ。例えば、「何月何日の何時から何時まで」と時間を決めて、一緒にごはんを食べて、終わったら別れる、というような。」お互いに仕事を持っていて忙しい身の上、とても効率的な交流の仕方だ。そんな沖田さんは、とりとめもなく続くガールズトークや、大人数が集まり、目まぐるしく話題が変わる場が苦手。いわゆる女子会は「さっぱり理解できない」という。沖田:「できれば1対1で会える子がいい。自分の趣味を持っていて、人に依存しないタイプ。そういう合理的な性格の人と気が合うなって思います。」自閉スペクトラム症の当事者である私(鈴木)も、ガールズトークや大人数での集まりが苦手だ。どの話についていけばいいのか分からないし、飛び交う会話に割って入ることができない。結果、”みんなでいるのにひとり”という状況になってしまうので、1対1もしくは少人数で話せる相手を選んでしまう。わが身を振り返ると、”飲み会で話に加わらずはじっこにいる人”というのは、その場の空気をぞんざいに扱っているのではなく、その人なりに人間関係や会話を大切にしてるのではないか、と思えてくる。曖昧な詰問ではなく、具体的な指示が欲しかったUpload By 鈴木希望ASDの特性として、意味や目的を理解しにくい曖昧な表現や指示が苦手、というものがある。沖田さんもこれには学童期から苦しめられてきたようだ。沖田:「答えても答えても『なんで?』ばかり言う先生がいて。例えば宿題を忘れたときに『なんで宿題をしてこなかったの?』って聞いてくるから、私は『忘れました』って返すと『じゃあ、なんで忘れたの?』ってまた聞かれて…忘れたからできなかった、というのが私の答えなので、それ以上返せない。」――「なんで?」と問われるばかりで、先生が求める答えが何か分からなかった…。沖田:「それで、場面緘黙症になってしまいました。どう答えれば良かったのか、大人になってから周りの人に聞いたら、”まず謝るのが先なんじゃないの?”、”忘れてきたことに対して申し訳ないと思わないの?”って…。質問に対して返すべき言葉が間違っていたら、その場で教えてほしかったです。」指示や指導の内容が具体的でないと動けないというのは、発達障害児・者にはよくある話で、沖田さんも例にもれなかった。沖田:「忘れないためにどうしたらいいのか先生に聞くと『自分のことなんだから、自分で考えて気をつけなさい』。気をつけ方が分からないから聞いているのに、おかしいなと。でも、それを親に言えばまた怒られるのが分かるわけです。結局、誰にアドバイスを求めたらいいのか分からなくなっていましたね。」顔が覚えられない!相貌失認の対処法Upload By 鈴木希望人の顔を認識できない、相貌失認という特性を持っている沖田さん。――作品(講談社刊『透明なゆりかご』)がドラマ化され、撮影現場に顔を出すなど、複数の人に接する機会も少なくないと思います。そうした場面ではどのように対処しているのですか?沖田:「『透明なゆりかご』の撮影現場に行ったときは、服装で判断してました。出版社の編集担当と映像会社の方が『あの茶色の服が○○さん、ピンクの服が●●さん』って説明してくださって、挨拶するタイミングも決めていただいて。2人にエスコートしてもらったのでなんとかなりました。」――相貌失認と一口に言っても程度はさまざま。同居されている彼氏など、繰り返し会っている人の場合、沖田さんはすぐ判断できるのでしょうか?沖田:「冬になると分かりづらい。っていうのは、冬になると似通った服装の男の人が増えちゃうんです、黒いダウンにジーパンとか。冬場に彼氏と一緒にスーパーに行ってはぐれたとき、どうにか見つけて”はい、これ買おう!”ってカゴに商品をポイッて入れたら、全然違う人だったり(笑)やっぱり、顔は覚えられないんだなって思いましたね。テレビで見ている方でも、実際お会いしたらずいぶん違う印象になりますし。その点、声は絶対変わらないから、一番の判断材料になりますね。」明るく語る沖田さんだが、ちょっと想像してみてほしい。似たようなお面を装着した人だらけの世の中で、声をかけるべき人を探し出したり、名前を間違わずに挨拶することを。大切な人の顔も、目の前からいなくなってしまった途端に霞がかってしまう悲しみを。私(鈴木)にも相貌失認がある。慣れてしまっているので正直そこまで深刻には考えないが、この特性のために先方を不快な気持ちにしてしまわないかという不安は常につきまとっている。”顔を覚えられない=関心がない”ではないことが、もっと認識されたら良いのだが。他人ごとだと思っていたのに!突然のメルトダウンが襲うUpload By 鈴木希望作品中、最も衝撃的なのが”メルトダウン”の描写。メルトダウンとは、精神的に追い詰められ、ストレスが極限に達した発達障害当事者の身に起こる、強いパニック症状のことだ。自宅マンションに修繕工事が入った際、騒音でストレスを溜め込んだ沖田さんは、人生初のメルトダウンを起こした。――希死念慮が沸き、飛び降り未遂を起こすほどの辛いパニックとは、一体どのような状態なのか…。またどのように対処をしたのでしょう?沖田:「メルトダウンって、いろいろな事が重なって対応できなくなったときに起こすパニックらしくて。お医者さんが言うには、小学校などで耐震修繕工事が始まると、発達障害の子は来られなくなることが多いそうです。授業中なのに、機械の音や作業員の声まで全部耳に入ってきてしまって、頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃう。うちのマンションの工事の時は、私の部屋の前が作業員の溜まり場で。喧嘩している声とかが聞こえてくる。それを2週間ぐらい聞き続けていたら、頭がおかしくなってしまいました。睡眠を取れないのが一番きつかったです。どんなにストレスを溜めないようにと気を使っていても、物理的に騒がしい環境になってしまったら防ぎようがないので…。」――メルトダウンには前兆があるのでしょうか。それはどういうもので、どのように対処していますか?沖田:「メルトダウンの前兆は、私の場合、頭の中がサワサワサワサワって、そよ風が吹くような状態が起こるんです。これを放っておくとメルトダウンになるので、前兆を感じたら仕事をセーブします。本当は仕事が大好きなので、最初は”仕事がなくなっちゃうの嫌だ、迷惑かけちゃう!”とか思ってたんですけど、そんなこと言ってたら死んじゃうので。今は断ることを一所懸命勉強していますね。」――感覚過敏の程度は、メルトダウン中どれだけの変化がありましたか?沖田:「元々蛍光灯の光や、テレビがちょっと苦手なんですけど。この明るさ、この音量だったら大丈夫だっていうレベルがあるんです。それを超えて、ものすごく過敏になりました。すべての刺激が全部ダメになっちゃったんですよ。光が痛い!音が痛い!頭に響いて痛い!って。メルトダウン中って、混迷って言うらしいんですけど、体は寝たきりの状態でも、頭は活動していて、周りのことはすごく分かってるんです。」――つまり、休んでいるように見えても、絶えず刺激を受け続けているということ…。これは相当に辛いでしょう。感覚過敏がある子どもを持つ親にとっても気になるのはそんなときの対応です。周囲の人間はどのように対処したら良いのでしょう?沖田:「私は、暗くて静かなところで一人にしてもらうのが楽でした。カーテンを閉めてもらった部屋のベッドで、一人で何日も過ごして…そうすれば外部からの刺激が入ってこないので、光や音で痛みを感じることはありません。メルトダウンのタイプもさまざまで、子どもの場合はパニックを起こして暴れることも多いそうです。泣き叫んで、吐き出すだけ吐き出したら疲れて落ち着く、という場合もあるらしいです。感情や行動が制御できなくなって、視界も狭くなってしまうので、発作を起こしている人がいたら、周りの人はしつこく話しかけず、静かで安全な場所に連れて行ってあげるのがいいんじゃないかと思います。」初めて薬を服用することで見えた定型脳の世界とイメージの変化Upload By 鈴木希望メルトダウンをきっかけに通院、ストラテラの服用を始めた沖田さん。不安感を取り除き、注意欠如や多動を改善するADHDのための処方薬だが、副作用のひとつに、想像力やアイデアの鎮静がある。――漫画を描くにあたって必要な感覚が服薬によって抑制されることで、不便はなかったのでしょうか?沖田:「何もかもが鎮静されて。体調は良くなったのですが…、『透明なゆりかご』のネームを描くのが遅くなってしまった。それで、集中しやすくなる作用があるエビリファイ3mgを処方してもらって、それを飲んで一気にネームを仕上げるようにしています。それ以外の連載は、エビリファイを飲まなくても描けるようになりました。」服薬により、カクテルパーティ効果(たくさんの人がそれぞれ同時に話しているなか、自分が興味のある人の会話や自分の名前などを自然と聞き取ることができること)など、定型発達者が当たり前に感じている世界を体験するだけでなく、アイデアの浮かべ方までもが変化したと沖田さんは言う。沖田:「私は頭の中のイメージを可視化する癖があって、漫画のネタを考えているときって、ハムスターの回し車のような、回転する円のイメージがあったんですね。これが自分の中のメモリみたいな感じになっていて、これを逆再生して過去のことを思い出して、そこからネタを引っ張りだしてきて描くっていうスタイルだったんです。すごく簡単。調子がいいと色や音もついていて。そのうち周りからボコボコと泡が浮いてきて、それがネタや素晴らしいセリフなので、出てきたセリフを描いていけばよかった…でも、ストラテラを飲んだら、それが全部なくなっちゃったんです。」長年慣れ親しんだ思考と、仕事のスタイルを、メルトダウンによって失ってしまう沖田:「メルトダウン後って、ホワイトアウトするんです。頭の中が全部真っ白で、自分がどこにいるかも分からない、何をしたいのかも分からない。マンションから飛び降りたい気持ちは落ち着いても中身は壊れたまま。そのうち、真っ白な世界の中に、四角い場所が出てきました。最初は冷凍庫の中みたいな所にたたずんでいるばかりで動けなかったんですが、そのうち指示がメモ用紙で出てくるようになりました。『今日はシャワー浴びろ』とか。私はその指示のみ従える状態です。そのうちだんだん霧が晴れてきて、2~3週間経つと、地下駐車場みたいな、コンクリートの固い部屋が出てきて、でも、仕事がどこにもないんです。浮かばないんです、何ひとつ。昔は、床が丸くて柔らかく、音も色も匂いもあったのに、コンクリートの壁しか見えない…。漫画が描けない!って焦ったんですけど、でも一応部屋というものが見えたから、何日もかけてその部屋を探索しました。ある日、部屋の形がまた変わって五角形になりました。そのときに自分のペンを認識したんですよ。今までも、机の上にペンはあったんですけど、自分のペンであることを理解できなかったんです、何のときに使うのかな?って。やっと愛用のペンを認識して安心して、今まで仕事を休んでいたけど、これだったら描けそうかなって、ようやくパッと浮かんできたんです。そろそろあの連載に手をつけたほうがいいかなってぼんやり考えていたら、今度は頭の中の部屋の壁が全部引き出しになって。その引き出しを開けたらネタが出てくるようになったんですよ。」――紆余曲折があったものの、沖田さんは新しい仕事のスタイルを手に入れることができたのですね?沖田:「今はまだ整理中で、引き出しにラベルが貼られていないから、開けてみないと何のネタが入っているか分からないんですよ。ネタを探すのに時間がかかってしまうから、仕事のペースはメルトダウン前より3倍くらい遅くなりました。でも、無理はしていない感じがしています。以前は過集中に入って、倒れるまで仕事をしていたので、これはこれでよかったなと思います。」Upload By 鈴木希望カラフル?メロディアス?めくるめく共感覚の世界Upload By 鈴木希望ADHDのある漫画家でありクレパス画家・史群アル仙さんのクレパス画を見た沖田さんは、味や色、音楽を感じたのだそう。その緩やかで美しい移り変わりや共感覚(ある刺激に対して異なる種類の感覚をも生じさせる、特殊な知覚現象)についてのエピソードも本書に収められている。――絵を鑑賞するときなど以外の日常でも、こうした共感覚が生じることはあるのでしょうか?沖田:「私たち発達障害者って、自分や相手が疲れていることに気づきにくいじゃないですか。私の場合、それが、音や音楽のサインで現れるんですよ。担当編集者のIさんは、疲れると声が少し小さくなって、それと同時に、声がガラス玉みたいにバラバラバラバラーッって下に落ちちゃうんです。それで頭に入ってこなくなるんですけど。加えて、ワーグナーのウエディングマーチが流れてくるんです。パーンパカパーン~♪って…おまけに神父様の声まで聞こえてくる。めっちゃ辛いときなのに、『(厳かな声で)健やかなるときも、病めるときも…』って。これが流れてきたらうちらはおしまいだ!って気持ちになって、もう帰りたくて帰りたくて…。何回もIさんに訴えるんですけど、全く理解してもらえない(笑)仕事がうまくいっているときの音楽はマリオカート(ゲーム音楽)です。ピロリロリン♪テテテテ♪みたいな軽快な音楽で。あ、これ私調子いいぞ!って分かったり。」――共感覚に限らず、発達障害があると、疲れのサインなどが定型発達者とは大きく違う場合も。それゆえに誤解されたり、苦労したことはありますか?沖田:「私は発熱する前兆が分かるんです。指を机とかにトントンってタッチして、ビリビリッてしびれると、だいたいその30分後に熱が出るって分かる。学校で先生に『熱が出そうなので帰らせてください』って頼むんですけど、そのときは平熱なので帰してもらえなかったり。何言ってんの?って。で、あとから熱が出ちゃう。」自分の過去を振り返り、かつての子どもとして望むことUpload By 鈴木希望年齢に応じて経験を重ね、自分の特性の取り扱い方なども体得してきた沖田さん。しかし、幼いときは思いをうまく言語化できなかったり、どのように説明をすべきか分からず、辛い思いもしたのだとか。そんな自分の過去を振り返り、かつての子どもとして望むことについて、伺った。沖田:「小学校・中学校のころは分からないことだらけで、叱られて、誰に相談していいか分からなくて…近くの学童(センター)に逃避していましたね。学校では嫌なことがたくさんあったんですけど、学童は私にとって天国でした。そこにはトランポリンがあって…トランポリンでひとしきり飛び跳ねたあと、今度は漫画コーナーに行って漫画を読みまくて、ラミネートを作って遊んで…それが本当に楽しくてたまりませんでしたね。」自閉傾向がある人の行動に”常同行動”というものがある。くるくる回ったり飛び跳ねるなどの反復行動で、ストレスや疲れを和らげるため、安心するために行うのだと言われている。幼いころの沖田さんも、回ったり飛び跳ねるのが大好きだったそう。沖田:「意味もなく跳ぶのって、ほかの人から見たらおかしいじゃないですか。でも、トランポリンがあれば、いくら飛び跳ねてもおかしくない。だから、学童にトランポリンがあったのは、私にとって素敵なことでした。この学童は小学校までしか利用できなかったのですが、年齢を偽って、中学1年まで通いました。中学生には中学生なりの居場所というか、リラックスできるスペースがあればいいのにって思ってました。」――確かに、現状では幼い年齢に関しては、支援は手厚く、居場所も多いけれど、年齢が上がるにつれて、数も種類も減っていくような印象があります。そして、障害の有無が大きな壁となって、それぞれの居場所にも隔たりがあるようにも思えます。沖田:「学童の書籍コーナーに、知的障害があるおじさんが、いつも番頭さんみたいに座ってたんですよ。ニコニコしてて、私たちがいくら騒がしくても何も言わない、気のいいおじさん。そこは知的障害の人も、発達障害の子どもや定型の子どももいて、みんな自然に過ごしてて…。そういうふうに交流できる場所が増えたらなって思っています。」発達障害当事者として、願うことUpload By 鈴木希望取材時、私の目の前にいた沖田さんは、漫画の中の”×華ちゃん”そのもの、表情豊かで繊細、サービス精神旺盛な方だった。今の子どもたちに向ける話になると、大人としてではなく、自分の同志を慮るような口調になり、私たちが笑ったり、「面白かったです」と述べると、心底安心したような表情で「よかった!」と微笑んでいらしたのも印象的だった。大好きなサファイアブルーをそこかしこにあしらった仕事場で微笑む沖田さんは、今そこにはいない読者やファンに視線を向けているようにも見え、私はちょっと涙ぐみそうになっていたことを、ここに告白する。こんなに素敵な同志が漫画を通じてメッセージを送り続けてくれるのならば、大人も子どもも、”×華ちゃん”にはなれなくても、自分が心地よく過ごせる場所や方法を、必ず見つけ出せるのではないか、などと思うし、願ってやまない。Upload By 鈴木希望富山県出身。1979年生まれ。小学生のころにLD(学習障害)とADHD(注意欠如・多動障害)、中学生のころにアスペルガー症候群(現・自閉スペクトラム症)の診断を受ける。看護師、風俗嬢を経て、2008年漫画家デビュー。『透明なゆりかご』(講談社)で第42回講談社漫画賞(少女部門)受賞。TVドラマ化もされた『透明なゆりかご』で大ブレイクを果たした沖田×華さん。しかし、多忙な生活にパンクしてパニック障害を起こし、なんと自殺未遂まで起こしてしまいます。自閉症スペクトラム(アスペルガー)・ADHD(注意欠陥・多動性障害)・LD(学習障害)という3つの発達障害のある沖田さんが、日常生活での自身の「やらかし体験」をセキララに描く、大人気シリーズ第5弾。撮影:鈴木江実子聞き手(取材・文):鈴木希望鈴木 希望さんのページ
2018年09月28日現在、読売テレビ・日本テレビ系にて放送中の人気TVアニメシリーズ「名探偵コナン」が、来年1月5日(土)と12日(土)に1時間のスペシャルを放送することが決定。ファン待望の工藤新一&毛利蘭たちの修学旅行を描く「紅の修学旅行編」を放送する。あらすじ修学旅行で京都にやってきた新一は、清水寺で母・有希子の友人の女優、鞍知景子と出会い、同級生のもとに届いた暗号を解読してほしいと頼まれる。夜に新一が蘭や園子、世良を連れて景子の部屋を訪ねると、そこには公開を目前に控える映画『紅の修羅天狗』の関係者たちが集まっていた。俳優の井隼森也、映画監督の馬山峰人、作曲家の阿賀田力、脚本家の西木太郎は景子の大学の同級生だった。新一は西木に届いた暗号を受け取って景子たちと別れるがその直後、西木が殺害される事件が発生。景子たちは天狗に襲われたと恐れ戦く。天狗は今回の映画の題材になっていて、西木の懐には天狗がよく持っているヤツデの葉と共に新たな暗号が入っていた。そして、この後も映画関係者たちが次々に天狗に襲われて…。連載1000話記念作がアニメ化今回、2週に渡って放送される「紅の修学旅行編」は、青山剛昌の原作で連載1000話を記念し6回に渡って展開された、帝丹高校の京都への修学旅行を描いたシリーズ。連載当時、大反響を巻き起こしたこのシリーズがついにアニメ化。2週連続の1時間スペシャルは、2016年1月9日&16日に放送された「コナンと海老蔵 歌舞伎十八番ミステリー」以来、約3年ぶりだ。新一&蘭の恋の行方は…?コナンは灰原から薬をもらい、一時的に新一の姿に戻り、蘭たちと一緒に古都・京都へ修学旅行にやってくる…という今回の物語。しかし、楽しいはずの修学旅行も思わぬ事件に巻き込まれてしまうのだ。事件の推理や犯人などはもちろんだが、特に気になるのは新一と蘭の恋の行方。ロンドンでは自分の気持ちを蘭に告白した新一だが、蘭はまだ告白の返事をしていない…。今回の決定に併せて公開されたキービジュアルでは、頬を染めた新一と蘭の姿が描かれているが、これが何を意味するのか?この修学旅行中に2人の関係にどのような進展があるのか、大きな見どころだ。服部平次ら人気キャラも登場新一の登場だけでなく、舞台が“京都”ということで、西の高校生探偵・服部平次や遠山和葉、さらには平次を気に入っている大岡紅葉、新一にそっくりな沖田総司、京都府警捜査一課の綾小路文麿警部ら人気のキャラクターたちも登場する。「TVシリーズとして新たな特別な趣向が…」読売テレビの諏訪道彦チーフプロデューサーは、「実は作中に描かれてる映画『紅の修羅天狗』に今回はTVシリーズとして新たな特別な趣向が凝らされていたりしているんですよ」と言い、「お正月の5日に放送される前編ではなぜかあっさりと新一と蘭が登場。紅葉萌える清水寺で、有名な2ショットシーンが園子によって撮影される。のですが、実はここに至るまでがあまりにもいろいろあって(コナンがどうやって新一の姿に戻れたのか…など)ここに至るまでのいっぱいのストーリーも含めて年末年始も『名探偵コナン』と共にお過ごしくださいね」と気になるコメントを寄せている。名探偵コナン「紅の修学旅行編」は2019年1月5日(土)&12日(土)17時30分~読売テレビ・日本テレビ系にて2週連続1時間スペシャルで放送(※一部地域を除く)。(cinemacafe.net)
2018年09月12日●菅田将暉は撮影現場でもツッコミ2017年に公開され、最終興行収入38.4億円、2017年の実写邦画ではNo.1の成績を記録した映画『銀魂』。漫画家・空知英秋による『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載中の同名コミックを原作に、福田雄一監督が実写化のメガホンを取った。舞台となるのは、パラレルワールドの江戸。宇宙からやってきた”天人(あまんと)”と侍・坂田銀時(小栗旬)の間に起こるさまざまな事件を描く同作は、破天荒なギャグと熱いアクション、ほろりとする物語で人気を博している。続編である『銀魂2 掟は破るためにこそある』(8月17日公開)は、原作でも人気の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」のハイブリッド作。伊藤鴨太郎(三浦春馬)により内紛劇に巻き込まれていく真選組の中で、一番隊隊長・沖田総悟を演じるのが吉沢亮だ。前回以上に真選組にフォーカスされた物語の中で、どのような役割を担っていくのか。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへのリレーインタビュー企画「動乱の男達」を実施。今回は沖田役の吉沢に話を聞いていく。○基本的につっこんでる――今回リレーインタビューで、菅田将暉さんからは吉沢さんについて「かっこよすぎて、もはやボケになり得る」ということで、結構現場でも菅田さんがつっこんでいるというお話でした。菅田くんは、新八として原作や映画の中でもそうですけど、彼自身も完全にツッコミ担当で、基本的に他人のボケにつっこんでいる印象があります(笑)。――菅田さんは「みんなボケ散らかしているから、掃除しないと」ともおっしゃってましたが、現場でも新八なんですね。お兄さん的キャラでもあって、自分が面白いことを言うというより、人につっこんでくれるんです。小栗さんや監督との関係性もそうで、監督が言ったことに対して「なんやねん」と言える人です。ずっと頭を回転させているんだろうな、と思っています。●「受け入れられてる」という妄想で演じ切る○真選組の雰囲気もより良く――今回はパート2になりますが、真選組の雰囲気には変化がありましたか?前作で1回やっている分、雰囲気もより良くなっています。柳楽(優弥)さんとは京都のロケで、2人で飲みに行って、夢を語りあいました(笑)。『銀魂』は世界観が強固なので、キャラっぽいお芝居になりそうなところもあるのですが、柳楽さんは完全に土方でありつつも、柳楽さんぽさも出ている気がします。男くささもあって、かっこいいんですよね。みんな前作よりも一つの輪になってる感がより強まっていた気がして、すごく楽しかったです。――柳楽さん、お話すると実はふわっとしてる感じもありますよね。勝手な印象で、クセの強い役者さんかなと思ったんですけど、初めてお会いした時からすごく柔らかくて、大好きになりました。でもお芝居になるとガラッと変わるところがすごいです。万事屋とトッシーの姿はあまり見ていないんですけど、真選組の中で柳楽さんがトッシーになっている姿は、面白すぎて、笑いをこらえるのが大変でした。○見せ場へのプレッシャー――前作では、吉沢さんが「主役級の中で不安だった」とお話されていましたが、あれから1年経って注目度がさらに上がっていると思います。印象はいかがですか?印象は、変わらないです。新しい方たちもすごい人ばかりだし、「大丈夫ですか!?」って感じですけど、そんなことを言ってもしょうがないので。原作ファンの方にも、受け入れていただいているだろうという妄想で演じ切りました。――いや全然、妄想ではないと思います。今回の沖田は前回以上に見せ場が多いのかなと思いました。「真選組動乱篇」だし、沖田の列車の中の見せ場は、原作の沖田史上でも1番かっこいいんじゃないかと思って、ちゃんと見せられないと逆にヤバイというプレッシャーがありました。やっぱり「死んじまいなァ」は、原作の沖田ファンにもたまらないシーンだと思うので、ファンの方の気分を害さないように頑張ったつもりです。他にも「こんな大掛かりなセットがあるんだ?」というところも、見所だと思います。――『銀魂』映画は、ファンにとってはお祭りなのかな、と思うのですが、吉沢さんにとってはどのような作品ですか?僕にとっても、本当に「お祭り」です。豪華なエンターテインメントに「乗っかってください」というお祭りで。舞台挨拶すらも、最高のエンタテインメントという感じでした。●次回登場・勝地涼の前貼りにはある言葉が…○ギャグパートをもっていった勝地涼――リレーインタビュー、最後は将軍役・勝地涼さんの予定です。ぜひ勝地さんの印象や見どころを教えてください。1回、勝地さんと戸塚(純貴)さんと3人で、勝地さんの部屋で飲む会があったんです。5時くらいまで語りながら飲んでいたのですが、すごく兄貴肌で、後輩に慕われる方なんだろうなと思いました。演劇もいろいろ見に行かれていて、「この劇団が面白いよ」と教えていただきました。撮影では、すごかったですよ。勝地さんが全裸になって町を走り回るというシーンで、僕はその後ろをついて行きました。映画に映らないのに前貼りに「足軽」と書いてあって、すごく面白かったです(笑)。勝地さんの床屋の映像が面白すぎて、もうギャグパートは、勝地さんが持って行ったんじゃないですか!? トッシーもやばいと思いますけど、将軍のところもかなり面白いと思います。――前回も今回も裸のシーンに立ち会っていたんですね。前回はアイマスクをしてたので、実は面白いところを見ていなかったんですが(笑)。今回は見れました!■吉沢亮1994年2月1日生まれ、東京都出身。09年に行われた「アミューズ全国オーディション2009 THE PUSH!マン」で特別賞を受賞し、デビュー。『仮面ライダーフォーゼ』シリーズ(11-12)で朔田流星役を演じ注目を浴び、その後数々のテレビドラマ、映画に出演。17年には『銀魂』など5本の映画に出演するなど今最も勢いのある若手俳優である。主な出演作に、『オオカミ少女と黒王子』(16)、『トモダチゲームシリーズ』(17)など。今年の公開作として本作のほかに『悪と仮面のルール』『リバーズ・エッジ』『ママレード・ボーイ』『あのコの、トリコ。』などがある。
2018年08月15日7月7~30日(9・17・23日は休演)に東京・新宿の紀伊國屋ホールで上演されるつかこうへい生誕70年特別公演『「新・幕末純情伝」FAKE NEWS』の制作発表と稽古場公開が10日、都内で行われ、主演の北原里英が、味方良介、小松準弥らとともに登場した。つかこうへい生誕70年年特別公演『「新・幕末純情伝」FAKE NEWS』の制作発表と稽古場公開に出席した北原里英同舞台は、戦後の演劇界で一時代を築いた劇作家・つかこうへいの代表作でもある『幕末純情伝』のリバイバル公演。つかこうへい生誕70年にあたる今年、命日でもある7月10日を挟み、つかこうへいの本拠地でもある紀伊國屋ホールで上演され、10代目の主人公・沖田総司役にAKB48グループを卒業したばかりのNGT48元キャプテン・北原里英が務める。稽古4日目となったこの日は、劇中の1シーンを報道陣の前で披露してから記者会見。本格的な舞台初めてとなる北原は「稽古自体初めてで何からやるのか分からないまま稽古場に入りましたが、皆さん優しいので甘えさせてもらっているし楽しいです」と共演者や演出の河毛俊作に感謝。殺陣も初めてとなるが、「一人で秘密の特訓を2日間やって皆さんと合流しました」と稽古4日目とは思えない殺陣を披露すると、相手役の味方良介から「素晴らしいですね。中々女性ではやらない体勢をされて、それが出来た時の格好良さがすごいですよ。これができるということは、この先が楽しみです」と絶賛される場面も。それに気を良くした北原は「そこを大きく書いてください(笑)」と報道陣におねだりしながら「河毛さんがハードエロティックな部分を出していきたいと仰っていたので、今までの『幕末純情伝』よりも一番抱きたいと思われる沖田総司になれるように頑張っていきたいです」と意欲を見せていた。北原がキャプテンを務めていたNGT48の荻野由佳が、6月16日に名古屋のナゴヤドームで開催されるイベント「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」の速報で1位に。「2年連続で速報1位は実力だと思います。去年はまぐれだとか言われましたが、今年は実力だと思うので、このまま1位を獲ってくれたらうれしいです」とかつての後輩に期待。続けて「個人的にはずっと一緒にやってきた宮崎美穂ちゃんや大家志津香ちゃんも久しぶりのランクインを見たいので、これから投票したいと思います」と語っていた。
2018年06月11日空知英秋による人気コミックを、福田雄一監督が実写化した『銀魂』の続編『銀魂2(仮)』。先日の中村勘九郎続投決定に続き、先ほど同じく“真選組”の沖田総悟役で吉沢亮が続投していることが、公式SNSにて発表された。『ママレード・ボーイ』『あのコの、トリコ。』、2019年連続テレビ小説「なつぞら」へ出演決定しているなど、いま大注目の若手俳優である吉沢さんが演じるのは、前作に引き続き、真選組の一番隊隊長で戦闘力と剣術はピカイチの沖田総悟。一見ナイーブな美少年だが、中身は超絶腹黒の毒舌ドSというキャラクターだ。発表前日のシルエット画像が解禁されると、ファンからは“沖田総悟”や“吉沢亮”を予想する声が。どうやら、今回はファンの期待通りの発表となったようだ。吉沢さんは、「パート1ではカブトムシの着ぐるみ着たり、重いバズーカぶっ放したり、重いもの担当みたいな立ち位置ですごく可哀想な役だったんですが、今回は真選組らしく刀で戦うシーンもあったりして嬉しかったです」と前作をふり返りコメント。また、「パート1を遥かに超える面白さになってると思います。もうなんか、笑いましたもん。新キャストの方々が豪華過ぎて。お楽しみに」とファンの期待を煽った。SNS上では「お亮ーーーーーー!!!!!!!! 待ってたずっと待ってた滝涙」「総悟来たー」「きたああああああああああああああ」と“待ってました”と大きな反響が。さらに、「ほんとにここまで沖田を再現できるのは吉沢さんだけです 沖田尊い吉沢尊い」「朝から国宝級の美しさを拝めていい目覚めです! 沖田ハマりすぎです!」「真顔でピースしちゃうところとか沖田さんにそっくり…!本当に漫画の世界から出てきたみたいです」「無表情の再現度が高い」「真顔ピース… 総悟にしか見えないです」とキャラに寄せた(?)表情に歓喜の声が上がっている。また、今回も次に解禁されるキャストのシルエット画像が公開された。ネット上では「土方さん!!」「柳楽マヨラーだな」「マヨラーの土方さんですねwww」「これはマヨビームの柳楽くんですよね!」などと、“土方十四郎役・柳楽優弥”の続投を予想しているファンが多いようだ。なお、本作ではこれまで主人公・坂田銀時役の小栗旬をはじめ、菅田将暉(志村新八役)、橋本環奈(神楽役)、佐藤二朗(役柄不明)、岡田将生(桂小太郎役)、長澤まさみ(志村妙役)、エリザベス、ムロツヨシ(平賀源外役)、キムラ緑子(お登勢役)、中村勘九郎(近藤勲役)の出演が発表されている。『銀魂2(仮)』は8月17日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:銀魂2(仮) 2018年8月17日より全国にて公開©空知英秋/集英社 ©2018 映画「銀魂2(仮)」製作委員会
2018年05月25日7月に舞台「新・幕末純情伝」FAKE NEWSが上演される。「新・幕末純情伝」は“新撰組の沖田総司が実は女だった”という、つかこうへいのユニークな着想のもと、1989年の初演以来上演され続ける人気作。今回は、つかの生誕70年を記念し、縁の深い紀伊國屋ホールにて上演。命日である7月10日(火)には特別公演も行われる。演出は河毛俊作。広末涼子や石原さとみ、昨年と一昨年には松井玲奈と、錚々たる顔ぶれが演じてきた主人公・沖田総司役に抜擢された北原里英に話を聞いた。4月18日に卒業公演を行ったばかりの元NGT48キャプテン・北原。初の本格舞台出演、そして舞台初主演への挑戦は「今まではAKB48グループが好きな方の前に立つことが多かったので、この舞台で私のことを全く知らない方、舞台が好きな方の目に触れると思うと、やはり緊張はあります」と明かしつつ、「もともとお芝居がしたくてこの世界に入ってきたので、こうやって舞台に挑戦できることが嬉しいです。もちろん不安もありますが、やはり嬉しさのほうが大きい」と笑顔。その作品が「新・幕末純情伝」であることは「最近では(同じAKB48グループ卒業生の)松井玲奈ちゃんが出演していましたし、たくさんの女優さんが出演してこられた作品なので、こういうインタビューでも“負けたくないですか?”とか聞かれるのかなと思っているのですが(笑)、それより自分にしかできない『新・幕末純情伝』ができればいいなと思っています。もちろん今まで続いてきたものも大切にしつつですが、作品ファンの方にも“また違うよさがある”と思ってもらえるように挑戦していきたいです」。ビジュアル撮影では「儚く、強く」をイメージしたといい、「どこか儚さ、切なさもある物語だと感じているので、自分もその世界に入り込んでいけたら」と北原。男として育てられた女性・沖田総司を演じることについては「今までは女性として、特にかわいく生きなければいけない仕事だったので、まず、男として育てられた沖田総司を舞台上で生きられることがすごく楽しみです。難しい感情の多い役なので、本番が始まってからお客さんに気付かされる部分も多いだろうなとも思っています」。共通点は「全然ない」と笑い、「まず何かを背負って生きてきてない。明るく幸せに生きてきたので(笑)。そこは全然違いますよね。ただ、お芝居で別人の人生を歩むのはすごく楽しいです」。北原の初挑戦、どのような姿が観られるのか期待したい。公演は7月7日(土)から30日(月)まで東京・紀伊国屋ホールにて。取材・文:中川實穗
2018年05月09日俳優・池田純矢が企画、脚本、演出する「エン*ゲキ」シリーズの第3弾『ザ・池田屋!』が4月20日、東京・紀伊国屋ホールにて開幕。公演に先立ち、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。エン*ゲキ#03「ザ・池田屋!」チケット情報「エン*ゲキ」シリーズは、「演劇は娯楽であるべきだ」を信条に、すべての世代が楽しめ、笑い、感動できる王道エンタテインメント作品を深く追求するべく立ち上げられた企画。今回は、幕末に京都の旅館で起きた「池田屋事件」を、襲撃された側の尊皇攘夷派志士・吉田稔麿(としまろ)の視点から描く、ハイテンポ・ハイテンション・コメディ。稀代の秀才・稔麿を中心に、史実に基づきながらも新たな解釈のオリジナルストーリーを展開している。囲み取材では池田に加え、鈴木勝吾、松島庄汰、中島早貴、松尾貴史が登壇。まず、作・演出を手がけ、高杉晋作役を務める池田が「すべての役それぞれが魅力的ですが、僕は新撰組隊士に注目してほしい。一瞬だけ出てくるキャラクターにも、それぞれが過ごしてきた人生があるんです。その一瞬の煌きをお見逃しなく!そして「エン*ゲキ」は、どこまでもエンタテインメントでありたいと考え、企画しました。劇場で2時間楽しんでもらい、幸せだったなと感じて劇場を出ていただけたらうれしいです」とコメントし、吉田稔麿役の鈴木は「毎日が初日だと思って、いい緊張感を持って頑張りたいです!僕には長ゼリフがあるのですが、毎回限界までやっています!テーマパークに遊びに来るような気軽な気持ちで劇場にお越しください」と語る。沖田総司役の松島は「笑いからシリアスに、また笑いにと、いい意味で安定していない舞台(笑)。僕は殺陣がほぼ初めてなのですが、役は新撰組最強の剣士。お客さんにパワーをもらいながら頑張ります!」と意気込み、おつね役の中島は「舞台がとても華やかで、熱量がすごくて、魂が吸われてしまいそうになります。実際の私は違いますが、舞台では言葉使いが激しく毒舌なので、初めての方はびっくりしてしまうかも(笑)」と語る。さらに宮部鼎蔵役を務める松尾は「普段、自分が出ていないシーンは休んでいることが多いのですが、この作品はずっと袖で観ていたい作品なんです。隠しテーマを見つける面白さもあるかもしれません。女性2人が、こんなことやるんですか!?というシーンがたくさんあって、精神力がすごいと思いました。ぜひそこにも注目を!」と見どころを語った。東京公演は4月30日(月・祝)まで紀伊国屋ホールにて、大阪公演は5月11日(金)よりABCホールにて開催。チケットぴあでは当日引換券を販売中。文:黒石悦子
2018年04月26日笑福亭鶴瓶と「ViVi」モデル・emmaがMCを担当し、ゲストの友人や関係者への徹底取材からその素顔に迫っていくバラエティー「A-Studio」。その12月1日(金)今夜の放送に俳優の賀来賢人がゲストとして登場する。個性派イケメン俳優の“秘密”が今夜明かされる!?「タンブリング」「Q10」などへの出演を経て連続テレビ小説「花子とアン」や大河ドラマ「花燃ゆ」の沖田総司役で注目された賀来さん。昨年公開された主演作『森山中教習所』での高校を中退しヤクザとなった轟木役をはじめ、そのほかにも「スーパーサラリーマン左江内氏」でのチャラいサラリーマンの池杉役などイケメン俳優としての人気だけでなく演技力にも定評があり、『俺はまだ本気出してないだけ』『斉木楠雄のΨ難』、舞台「ヤングフランケンシュタイン」など注目作、話題作への出演でいま、最も注目される俳優の1人である。そんな賀来さんだが番組ではニュースで「奇行」が報じられたことをトーク。「アドリブをやりすぎて20分オーバーした」などその“奇行”を告白。鶴瓶さんが「イケメンが崩れてきてる」と賀来さんの“イケメン崩壊”を指摘する一幕も。そのトークの全貌はオンエアで確かめて。今夜のゲスト、賀来さんは12月8日(金)より東京・本多劇場にて上演される舞台「流山ブルーバード」に出演。M&Oplaysプロデュースで赤堀雅秋の作・演出による最新作となり、あるさびれた地方都市を舞台に、いまにも社会からこぼれ落ちそうな4人の若者と、そんな彼らを取り巻く冴えない大人たちの青春群像劇が展開。社会からこぼれ落ちそうな若者たちとして賀来さん中心に、「仰げば尊し」「レンタルの恋」などの太賀、「愛してたって、秘密はある。」『聖の青春』の柄本時生、『曇天に笑う』の公開も控える若葉竜也が出演。そこに皆川猿時や小野ゆり子、平田敦子などのキャストが“冴えない大人”として脇を固めていく。人間の根底にある無様さや滑稽さをあぶり出し、残酷さや狂気までも丁寧に描いて独特の世界観で見るものに迫る赤堀氏書き下ろし作品となる「流山ブルーバード」は本多劇場での公演の後、2018年に島根、大阪、広島、静岡、大田区(東京)でも上演される。「A-Studio」は12月1日(金) 23時~TBS系で放送。(笠緒)
2017年12月01日●ドラマ版と映画版、また違った魅力に週刊少年ジャンプにて2003年から連載開始以降、絶大な人気を誇り、累計発行部数5,100万部を超えアニメ化も好調な漫画『銀魂』。パラレルワールドの江戸を舞台に、”天人”と呼ばれる宇宙人が登場し、攘夷戦争の時”白夜叉”と恐れられた 銀時が主人公として活躍する。とにかく「なんでもあり」で、関係者も「こんな漫画はなかなかない」という同作が、最終章に入った今、満を持して公開された。原作の中でも屈指の人気を誇る”真選組”は江戸の治安を守る特殊警察。dTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇-』では、一番隊隊長・沖田総悟の姉、ミツバ(北乃きい)がヒロインとなり、真選組の活躍がメインに描かれる。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへの連続インタビュー企画「男達の銀魂道」を実施し、沖田役の吉沢亮に映画版、dTV版合わせて話を聞いた。○剣道と殺陣は別物だった――今回はdTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇-』も製作されていますが、こちらの撮影はいかがでしたか?本編と同じ時期に撮っていました。原作の中で「ミツバ篇」と呼ばれている、沖田の姉が出てくる話です。映画では色々なキャラクターがいますし、それぞれのキャラクターが全部は描かれないのですが、スピンオフは土方(柳楽優弥)と沖田とミツバの話にもなってくるので、キャラクターをかなり掘り下げていただきました。原作の中でも、ミツバ篇が唯一、沖田の脆い部分が出てくる瞬間が描かれている長編だと思うので、そういう部分を演じることができたのはすごく嬉しかったし、ありがたいなと思いました。より人間ドラマにフォーカスされている話になっていて、映画本編のように馬鹿みたいに笑って熱くなってワクワクして、というのとはまた違った感動があると思います。真選組の関係を映し出されているシーンも多いし、映画とはまた別の見所を楽しんでいただきたいです。――撮影中に印象的だったことなどはありますか?僕、映画ではバズーカばかりで、一切殺陣をしてないんです(笑)。dTVドラマ版で土方さんと稽古するシーンがあり、人生初の殺陣をやらせていただきました。僕自身かなり熱も入りましたし楽しかったので、ぜひそこは注目していただきたいところです。――吉沢さんは剣道が得意と伺ってるんですが、殺陣はいかがでしたか。僕も「剣道をやってたからできるんじゃないか」って勝手に思ってんたですけど、全然違いました。周りの方からも「上手いんじゃないの?」と言われるんですけど、何もかも違うので、正直、そんなことないんです!(笑)しかも、”カキーン、カキーン”という殺陣じゃなくて、”シャシャシャシャシャー”みたいな、結構スピーディーで激しい動きをしていたので、本当に体力勝負でした。でも柳楽さんもすごいお上手でしたし、楽しかったです。●主役・小栗旬のブレなさに驚き○先輩のすごさを見て、いい経験を積んだ――周りの俳優さんもすごい方ばかりですが、映画版、dTVドラマ版含めて、撮影中にこの人のここがすごいと思った点はありますか。小栗(旬)さんも、(中村)勘九郎さんも、柳楽さんも、みなさんすごかったです。芝居を見ていると、やっぱり勘九郎さんはもうセリフ一つひとつがべらぼうにうまいし、「半端じゃない」と思いました。僕は『銀魂』の撮影に入る前から、舞台で勘九郎さんの作品を何回か観せていただいていて、「すっげ~人がいる」と思っていたので、勘九郎さんとやれたというのは役者として貴重な経験でした。小栗さんは見ていて、何ていうんだろう? 何回同じ芝居をしても、同じテンションでできる感じというか。すごくプロだなと思いました。僕は福田さんの現場で2回やらせていただきましたが、福田監督ってあまりカットを割らずに、複数台のカメラを一連で流して撮るというイメージだったんです。でも今回はワンカットワンカット割って、毎回角度を変えたりしながら撮っていて。芝居としては少しずつ進んでいく形になりますし、何回も同じことをやらなければいけない。そういう撮り方の中でも、小栗さんの芝居は本当にブレないし、同じテンションを通して演技をされていたので、やっぱりすごいなと思いました。――小栗さんは現場でもリーダーとして存在してくれる方と伺いました。小栗さん世代の役者さんって、みなさん兄貴肌というか。現場を引っ張るパワーがすごいなと、特に小栗さんを見ていて思います。みんながついて行きたくなる感じ。小栗さんはすごく、真ん中に立つ人だなって思いました。――自分もそういう風になりたいと思われたりしますか?いや~どうですかね! 僕はもう、端っこのところにいるタイプだと思いますよ(笑)。○冷静に見て「すげーな」と思う――ちなみに映画では、なぜか沖田のシャツがはだけてる、ちょっとしたサービスシーンみたいな場面が印象的だったんですが…。ありましたね(笑)。でも、あのシーンは完全に勘九郎さんの全裸が全てを持っていくので! 最高でした。撮影では前貼りも何もしていない、ガチ全裸でした。だいぶ面白いです。――それでは、改めて映画の見所を教えてください。すごく熱いし、これだけ豪華なキャストがどんどんどんどん出てきて、冷静に見たら「すげーな、この映画」と思うんです。なのに、くだらないギャグもやっている。面白いし、ずっと画面が華やかだと思います。原作ファンの方々にも楽しんでいただけるくらい、それぞれのキャラのクオリティも高くて、漫画やアニメの世界観も表現されていて、なのに福田監督らしいところは福田監督らしくて。最高のエンタメ映画になっていると思います。(C)空知英秋/集英社(C)2017映画「銀魂」製作委員会(C)2017dTV※「男達の銀魂道」、次回が最終回。小栗旬さんインタビューを掲載します。
2017年07月23日●ファンの”とてつもなさ”にビビる週刊少年ジャンプにて2003年から連載開始以降、絶大な人気を誇り、累計発行部数5,100万部を超えアニメ化も好調な漫画『銀魂』。パラレルワールドの江戸を舞台に、”天人”と呼ばれる宇宙人が登場し、攘夷戦争の時”白夜叉”と恐れられた 銀時が主人公として活躍する。とにかく「なんでもあり」で、関係者も「こんな漫画はなかなかない」という同作が、最終章に入った今、満を持して公開された。マイナビニュースでは『銀魂』に関わる男性たちへの連続インタビュー企画「男達の銀魂道」を実施。今回は、原作でも人気のキャラクター・沖田総悟を演じた吉沢亮に話を聞いた。キャストが発表されるやいなや「想像以上」と話題になっていた真選組キャラクターだが、吉沢自身はどのように捉えていたのか。○『銀魂』の異質さに特別なものを感じていた――『銀魂』映画化の話が来た時は、率直にどう思われましたか?僕、実は原作を読んでいなかったんです。ジャンプ作品は大好きで、『銀魂』の存在も知っていたんですが、すごく異質だなというイメージがあって、今まで触れていませんでした。沖田をやらせていただくと決まってから読みました。そしたら、すっごい面白くて。小・中学生が好きそうな下ネタもありつつ、パロディみたいなギャグもあり……やっぱり、異質ではありましたけど(笑)。ジャンプ作品の中でも、際どい場所をついているところに爆笑できるし、どの世代の人が読んでも好きになるだろうなと思いました。ただ調べていくとやっぱり、ファンの方がとてつもないですよね。熱狂的で、たくさんいらっしゃるので、ビビりました。――逆に特別な作品だったんですね。異質だなというのは、どこらへんにそう感じたんでしょうか。すごく熱いんだけど、本当に延々とくだらないギャグもやっているところです(笑)。他のラブコメやギャグ作品と比べても、全然違うと思いました。もしかして、空知先生もテンションで描いているのかな? と思う時もあって、それが超おもしろい。本当に、いい意味でくっだらない時もあるし、ギリギリを攻めるパロディもあるし、これを週刊少年ジャンプでやってるのがすごいなと思いました。――今回の沖田役については、もともとインターネットなどで「吉沢さんがいい」という声もあったみたいですね。本当ですか? 嬉しいです。発表された時も、この並々ならぬ有名人の方々と共に、僕がポツンと紹介されてる感じが不安でした……。「大丈夫かよ!」と思いました(笑)。「主役級!」と言われてキャストがバーンと出た時に、1人だけわからない人がいる、みたいな気がして、だいぶ怖かったです。あとは単純に、原作ファンの方にどう思われるのかが、1番気になりました。芝居をやっている時も、ずっと原作ファンに怒られたくないな、喜んでほしいなと思っていました。●少女漫画原作と、少年漫画原作に感じた違い○少年漫画はキャラクターが濃い――この後は同じ福田雄一監督×ジャンプ原作で映画『 斉木楠雄のΨ難』も公開されますし、漫画原作を実写化した映画を演じる機会も多いのかなと思いました。漫画原作、多いですね。最近は少年漫画をやらせていただく機会が多くなりました。それも『銀魂』から始まったんですが、連続して何作品か、少年漫画の実写化に携わることになりまして。今までの漫画原作とは全然違う感覚です。――今までの漫画原作というのは、少女漫画ということでしょうか。そうですね。僕の中では気を使うポイントも違いました。少女漫画原作の作品に出演するときは、原作を読みつつも、あえて意識しすぎずに、台本から感じたことを演技に盛り込んで来ました。それはやっぱり、実写化された時に原作とはまた少し違った世界観になり、ナチュラルさを求められるからです。でも少年漫画は出てくるキャラもすごく濃いし、見た目の部分でこだわるところが本当に多いですよね。これだけ原作を読みこんで、原作に踏み込んでキャラクターにこだわった役づくりをしたのは『銀魂』が初めてなので、いろいろなことを学ばせていただいた作品だと思っています。○この中に入れたのは大きかった――ちなみに演じられた沖田は”ドS”なところが人気のキャラクターでもありますが、吉沢さん自身にドSなところはありますか?僕はやっぱり、どちらかといったらSだと思います。Mではないですね。いじられたりするのが、あんまり好きじゃなくて、どちらかというといじっている方が好きなので(笑)。具体的にどういうところがSかといわれると難しいんですが、話していて「相手はこういう返事を求めているのかな」と思った時に、真逆のこと言ってみることもあります。「こういうことを質問するということは、多分こんな答えを求めているんだろうな」とわかると、全然違うことを言っちゃいたくなるんです。その時の、相手の反応を見たい(笑)。実は結構、あまのじゃくなところがあります。――でもそういうのって、どきっとしちゃいますよね。そうですか。ふふ(笑)――今年は出演作も多く、さらに飛躍をされるのではないかと注目されている吉沢さんですが、『銀魂』はご自身の中でどういう位置付けの作品でしょうか。やっぱり、『銀魂』は大きいです。作品的にもすごく注目されていると思うし、この中に入れたのは僕の中でも大きかったです。ここから何か始まるんじゃないかと、勝手に自分で思っています。相当なお祭り騒ぎになるんじゃないかな。作品も注目されているし、僕自身もたくさん取材していただいたり、興味を持ってもらっているという感覚も、桁違いで、本当にありがたいです。また、ここから少年漫画作品の公開が続き始めるので、楽しみにしていただければと思います。※「男達の銀魂道」、次回は引き続き吉沢亮さんに、dTVドラマ『銀魂 -ミツバ篇』などについてお話を伺います。
2017年07月21日恋愛アドベンチャーゲームが原作の舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGEROUTE 斎藤一」が4月21日に開幕した。舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGEROUTE 斎藤一」 チケット情報原作は、新選組をモチーフにした恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」のスピンオフ作品「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」。2015年に舞台・TVドラマ・劇場版と人気を博したシリーズが今回から新たなキャストを迎え、新シリーズとして始動する。脚本・演出は前シリーズに引き続き菅野臣太朗。今作『斎藤一ルート』は、斎藤一と雪村千鶴の恋を描く完全新作ストーリー。薄桜学園を舞台に、生真面目な性格の風紀委員・斎藤一(宮城紘大)が、学園唯一の女生徒である雪村千鶴(高橋紗妃)と出会い、自らの感情に戸惑いつつも、1年かけてゆっくりと恋を育て気持ちを通わせていく様子が描かれる。原作が“恋愛アドベンチャーゲーム”である本作。ヒロイン・千鶴は学園中の注目の的となっていて、今回のメインである斎藤一以外にも、紳士な土方歳三(山田ジェームス武)や強引な沖田総司(中尾拳也)、明るく元気な藤堂平助(樋口裕太)らが、それぞれのキャラクターらしい胸キュン行動を連発。ほかにも千鶴を「嫁」と呼ぶ風間千景(北村健人)の振り切れた愛情表現など、彩り豊かな恋愛シチュエーションが次々と訪れながら、物語は進んでいく。そんな登場人物の中では奥手なキャラクターの斎藤一だが、だからこそ、千鶴に恋をするが故の“思わず”な行動、些細なことに動揺する姿は愛らしさ抜群。ふたりきりで過ごす時間のドキドキは客席にまで伝染しそうで、真っ直ぐで純粋な気持ちが新鮮に伝わる。舞台にはダンスやアクションも取り入れられ、千鶴を想う気持ちが感じられるダンスシーンや、実際に竹刀を使った剣道部のシーンも印象的。特に剣道シーンでは宮城、中尾、樋口の迫力ある刀さばきにも注目したい。かわいらしい恋愛シチュエーションがたっぷり詰まった本作。けれどその奥にもうひとつ大切なものも描かれていたように思う。それをぜひ劇場で感じてほしい。舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGEROUTE 斎藤一」は4月30日(日)まで、東京・シアターサンモールにて。取材・文:中川實穗
2017年04月27日舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」が4月21日に開幕した。原作は、女性に大人気の恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」のスピンオフ作品で、舞台が現代の高校になった「薄桜鬼SSL ~sweet school life~」。2015年にTVドラマ・舞台、2016年に劇場版が公開され、今作からキャストが新世代に。真面目な風紀委員・斎藤一とヒロイン・雪村千鶴の恋を描く『ROUTE 斎藤一』を完全新作ストーリーで上演する。斎藤一役の宮城紘大、土方歳三役の山田ジェームス武、沖田総司役の中尾拳也に話を聞いた。舞台「薄桜鬼SSL ~sweet school life~ THE STAGE ROUTE 斎藤一」チケット情報各キャラクターに想いを寄せられるヒロインが、そのうちのひとりとの恋を進める(=ルート)原作ゲーム。今回上演される斎藤一ルートの魅力は「真面目な斎藤一と純粋でピュアな雪村千鶴の初々しい恋愛。お客さんは“なんでそこでいかないの!”ってなると思う」(宮城)という、中尾曰く“ムズキュン”の恋。その恋を舞台でみせるには「自分がちゃんとドキドキして、お客さんに伝染させることが大事」と宮城は話す。ふたりの恋を横恋慕などで盛り上げるのが山田演じる土方や中尾演じる沖田。山田は「僕ら周りは雪村千鶴のいろんな表情を引き出す役回り。それにこの作品は、葛藤してすれ違ってっていう弊害が多いほど楽しくなると思うので、今回の千鶴はもしかしてこっちいっちゃうんじゃないかってくらい見せつけながら、最後は斎藤一にバトンを回せれば」と語る。トキメキを引き出す芝居には奮闘中だそうで、中尾は「(恋愛シーンも)ちゃんと素直にその場にいられるようにしなきゃって思うのですが、まだ難しいですね。沖田だったら照れずにいく部分でも僕はつい照れてしまったりして。でもまず僕たちが青春しないとお客さんも青春できないので。みんなで青春してつくっていけたらいい作品になると思います」。新撰組が現代の高校生になって恋をするのが本作の面白さ。「演じるにあたって、現代の恋愛だけども“幕末の新撰組の人間が持つ意志”が映し出されるような部分は作りたいなと思っています。そういう熱さが見え隠れする作品にしたいですね」(山田)。本作は、宮城にとって初座長作品。宮城は「みんなより絶対一番がんばらなきゃとは思ってるんですけど、まだ自分のことで精いっぱいで全然気がまわってなくて…」と言うが、中尾は「久しぶりの共演ですけど、すごくやりやすいです。賑やかですよ、稽古場も」、山田は「座長が笑ってくれてるから、みんなが陽気でいられる部分はあるんじゃないかな」と様子を語る。そんな明るい稽古場から生まれるトキメキシーンの数々に期待したい。公演は4月30日(日)まで、東京・シアターサンモールにて。取材・文:中川實穗
2017年04月26日「『ルパン三世』の連載を開始した初期のころ、アメリカでコミックのコンベンションに出席したんです。その晩、食事に行ったすし屋さんで、たまたま現地の老夫婦が僕の横に座り、ルパンを描いて見せたら『オリエンタルじゃない』と言われてね(笑)。このとき、“確かに僕の『ルパン三世』には、オリエンタルな部分がないな〜”と。それで帰国してからすぐに五右ェ門を出したんです。だから最初、五右ェ門はいなかった」 そう語るのは、『ルパン三世』の原作者のモンキー・パンチ先生(79)。「とりえず3カ月やってみようか」−−。’67年、創刊された『漫画アクション』(双葉社)の編集長の一言から始まった漫画『ルパン三世』。当時、まだ新人だったモンキー・パンチ先生は、新たな漫画誌の連載企画として『ルパン』を提案するも、「今さらルパンは古いだろ」と、却下されかけたが、「『007』と『怪盗ルパン』をミックスさせた漫画を描きたい!」と再度アタック。編集長から「やってみようか」とGOが出た。 それからはや50年……。今や海外でも大人気の『ルパン三世』。50年にもわたりその人気を支えているのは、個性豊かなキャラたち。その生みの親であるモンキー・パンチ先生が、知られざる石川五右ェ門誕生の秘話を本誌に明かしてくれました! 「五右ェ門のイメージは歌舞伎の五右衛門ではなくて、『忍びの者』という映画の中で市川雷蔵さんが演じた、織田信長の暗殺を企む石川五右衛門という忍者なんです。ものすごくかっこよくてね。五右ェ門をこの忍者の十何代目かに設定して出そう、と」 しかし、悩んだのが五右ェ門のコスチュームだった。 「いわゆる“忍び”の格好だと、なんとなく現代に合わない気がしたので、思い切って絣の着物に袴の格好にしてみた。司馬遼太郎さん原作のドラマ『燃えよ剣』の沖田総司をイメージしました。当時、島田順司さんという役者さんが沖田総司をやっていたんだけど、それがものすごく清潔な感じがしてね、“五右ェ門はこの清潔なイメージで行こう”と決めました」 五右ェ門といえば、鉄をも切る“斬鉄剣”の使い手。 「『斬鉄剣』のアイデア?これは何かの西部劇で見た伝説のナイフがヒントになりました。それはレンガに突き刺さる、隕石でできたナイフ。それをもうちょっと飛躍させて、何でも切れる刀にしちゃえ〜、と(笑)。僕は『流星(りゅうせい)』という名前にしたんだけど、アニメーションでは、いつの間にか『斬鉄剣』になってましたね(笑)。それはそれで構わないけど。だから『斬鉄剣』は僕が付けた名前じゃないんですよ。ただ『流星』という名前も、漫画で使ったのは1回だけ。鉄まで切れちゃうから『斬鉄剣』にしたということでしょう。まぁ、そっちのほうがわかりやすいよね(笑)」
2017年03月26日女優の黒木メイサが17日、都内で行われたNHK BSプレミアムのドラマ『花嵐の剣士~幕末を生きた女剣士・中澤琴~』(2017年1月14日スタート 毎週土曜 21:00~22:29)の取材会に出席した。主演の黒木メイサが本格的剣術アクションに挑んだ同ドラマは、幕末の世を駆け抜けた実在の女剣士・中澤琴をモデルにした物語。激動の幕末から明治、大正、昭和を生き抜いた中澤琴の波乱に満ちた半生を描く。主人公の中澤琴を演じた黒木は「正直、中澤琴さんのことは知らなかったんですが、台本や資料を読んで琴さんの魅力を感じましたので、全力でやらせていただきました」とやり切った様子で「琴さんを調べる資料があまりなくて大変でしたが、やり甲斐のある役でした。もし今後さらに琴さんにフィーチャーして何か(続編など)を作ることがあれば絶対に気になると思うので、頑張ります(笑)」と意欲を見せた。琴の兄・定祇を演じた筒井道隆は「役が男っぽい役だったので、悪い意味ではなく女性らしさがありませんでした」と笑わせるも「仕事に対して真摯という感じを受けました」と賞賛すれば、沖田総司の義兄・林太郎役の宅間も「アクションが沢山あったのに誰が真夏に撮影すると決めたんだと思いましたし、何で真夏に鎧兜を着ているんだとも思いましたね。それはそれはメイサちゃんは大変だったと思いますよ」と賛辞を惜しまなかった。殺陣などのアクションシーンが多い同ドラマだが、黒木扮する琴が芸者となるシーンも。それについて黒木は「琴さんは全編を通して男装が多かったので、芸者のシーンはものすごく恥ずかしくて、男の人が女装しているみたいで恥ずかしかったというのが本音です(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。
2016年11月18日トリプル発達障害の沖田×華さんが描く、発達障害と共に生きる日々出典 : 皆さんは「障害者」という3文字からどんなイメージを浮かべますか?かわいそうな人?大変だけど頑張っている人?今回ご紹介する方は、みなさんが抱いているであろう、様々な障害のイメージを覆すかもしれません。アスペルガー症候群(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の「トリプル発達障害」を公言する漫画家の沖田×華(おきたばっか)さん。彼女が描いた漫画『毎日やらかしています。』『ますます毎日やらかしています。』に登場するのは作者の沖田さんの他、発達障害を持つご友人や、その傾向が感じられる皆さんで、彼らの“やらかしエピソード”がいくつも綴られています。元々は、ギャグマンガ雑誌に連載されていたということもあり、その内容は面白おかしく、悲壮感がありません。ASDでADD、計算障害を持つ、やはり「トリプル発達障害」の私が読んでみて、「あるある~!」と共感できたかというと、意外とそうでもなかったのですが(笑)、「そういうふうに考えちゃうのは理解できる」という内容ばかり。特に自動車学校でのADHDらしいエピソードには、大笑いしながらも「ああ、発達障害の人って、こういう考え方からこういう言動になっちゃうんだね」と、1つのパターンを感じられました。発達障害を持つ漫画家、沖田×華(ばっか)さん(1)看護師修業、コミュニケーションや数字で苦労してでも、最初から「障害」を面白おかしく受け止めていた訳ではなかった出典 : さてそのようにして、失敗を笑いに変える作風の沖田さんですが、昔から自らの特性をポジティブに捉えていたのでしょうか?「看護師やっていたときは発達特性が全て欠点になっていた」「何もかもダメで、自分のことを否定し、悔やんでばかりいた」『ますます毎日やらかしています。』に収録されている対談の中で、沖田さんはそのように過去を振り返り、自殺をしようとしたことも明らかにしています。沖田さんは他の作品やテレビ出演した際にも、特性やご自身の過去について語っています。それを見聞きしていると「それだけ失敗してダメな人扱いされたら、そこまで思いつめても仕方ないよな…」と、他人ながらにして思ってしまうほどです。しかし、そういった体験を「面白い」と言ってくれる人と出会い、漫画家になったことで、「あのときは辛かったけど良かったな」と、自分の障害を肯定的に捉えられるようになったのだと語っています。誰しもが障害を笑いに変え、漫画家になれるわけではありませんし、すぐに特性を長所として活かす方法が見つかるとは限りません。でも、沖田さんが命を断ちたいとまで追い詰められた苦しい日々が、他の誰かにとっては面白い漫画のネタになりそう、と感じられるものであったように、自分では嫌でたまらない側面が、実はその人らしい魅力として他の誰かの目には映っているのかもしれません。今でこそ、障害特性について肯定的な内容のコラムを書いている私ですが、これまで失敗やトラブルが少なかった訳ではありません。むしろ落ち込み、自責することもしょっちゅうでした。だからこそ、発達障害の診断が下りたとき「工夫でカバーできる面もあるし、それでも失敗したら他のやり方を考えたらいいや」とポジティブに捉えるというか、ある意味開き直ることができ、今に至るのです。そういった自分自身の経緯もあって、「さんざん悩んだんだし、もう笑い飛ばしちゃっていいんだよね!」と、沖田さんの漫画を読んで励まされたような気持ちになったのでした。「障害」?「障がい」?沖田さんの障害の捉え方とは出典 : もうひとつ漫画の中で、とても印象的なやり取りがありました。こちらは『毎日やらかしています。』のあとがき漫画での、アシスタントさん(障害のある息子さんがいる)と沖田さんの会話です。「障害のことを“障がい”という表記にしたところで差別がなくなるわけではない。その前に、健常と障害は区別であって、差別で使っている人は恐らく少ない。わざわざ字を変えようと思うこと自体が差別的」というような内容でした。実際私も「“障害”という文字のイメージが悪いから、表記もしくは呼び方そのものを変えましょう」という風潮には首を傾げていました。確かにイメージは大切です。でも、文字表記や呼称といった表面的なものを変えたところで、中身が変わるわけではありませんし、差別する人がいたとして、「“障害”という文字だから」という理由ではないでしょうから、あまり意味がないように思えてしまうのです。「大変なのは社会と自分の間にあるズレであって、そのズレが“障害”。それをいかに埋めていくかが大事なのであって、ひらがなにするだの呼び方を変えるだの、はっきり言ってどうでもいいよね(笑)」と、障害当事者の友人たちとよく話しています。私に至っては、どうでもいいどころか「差別されがちな人」として一線を引かれたような気すらしてしまうのです。これは、自分を含めた周囲の障害当事者のほとんどが、“障害”という表記及び呼称に差別的な何かを感じていないからこその感想なのかもしれませんが…。なんてことを思いながら漫画を読み進めていたら、「どうせ変えるんなら“発達障害”の呼び名を“逸脱戦隊”にしちゃうとか!!」と沖田さん。笑いに落とし込もうという姿勢が徹底しています。逸脱戦隊、いいなあ。なんかかっこいいし、楽しい!障害のあるなしに関わらず、みんなが生きやすい方法はきっとある出典 : 『毎日やらかしています。』『ますます毎日やらかしています。』の世界に、「遠い世界にいる、差別されやすい可哀そうな人」はいませんでした。誤解されたり不便さを感じたりもしつつ“自分なりの普通”を生きている方ばかり。沖田さんの意図はわかりませんが、“やらかし”をコメディータッチで描くことで、特性がチャーミングに、そして発達障害当事者の方々が身近な存在に感じられてくるのです。まるで「発達障害者って特別じゃないんだよ!」と微笑みかけられているように。「うちの旦那、こういうところある!」「私は定型発達だけれど何となくわかる…」そんな風に、自分やご家族と照らし合わせて読むのも楽しいかもしれません。また、発達障害専門家のコラムや対談、沖田さんなりのトラブル対処法も載っているので、自分なりの工夫を見つけるヒントにもできますよ。そうそう、ちょくちょく下ネタが出てくるので、苦手な方はご注意ください!毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で沖田×華著
2016年09月26日シリーズ累計90万本を超える、大人気恋愛アドベンチャーゲームを原作としたミュージカル「薄桜鬼」。この度、本編第8弾となる最新作の上演が、2017年の春に決定。主演に俳優・東啓介を迎え、ファン待望の「原田左之助篇」を上演することが分かった。大人気恋愛アドベンチャーゲーム「薄桜鬼」を原作としたミュージカル「薄桜鬼」は、2012年3月にサンシャイン劇場にて第1弾を上演。若手実力派俳優陣の熱い演技と、原作を忠実に再現した熱く切ない物語が多くのファンを魅了し、また、幕末の動乱の時代を生きた新選組とミュージカルという取り合わせでも話題に。特に、「殺陣×ダンス×歌」で新選組を表現するという斬新な演出が好評を博している。これまでに、第1弾「斎藤一篇」をはじめ、第2弾「沖田総司篇」、第3弾「土方歳三篇」、その後ライブコンサート「HAKU-MYU LIVE」を経て第4弾「風間千景篇」、第5弾「藤堂平助篇」、 2015年5月、6月に第6弾となる「黎明録」、2016年1月に「新選組奇譚」を上演。今年の8月には京都・東京にてライブコンサート「HAKU-MYU LIVE2」を開催し、大盛況のうちに幕を閉じたばかりだ。そして、ファン待望の「原田左之助篇」の上演が決定。主人公を演じるのは、2015年上演のミュージカル「薄桜鬼黎明録」から同役を続投する俳優の東さんだ。ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズンで本格的なデビューを飾った東さんは、本舞台のほか、舞台「弱虫ペダル~総北新世代、始動~」葦木場拓斗役や、舞台「刀剣乱舞」燭台切光忠役など、人気舞台作に立て続けて出演する人気2.5次元俳優のひとり。東さんは今回の決定を受けて、自身のブログで「初めて原田左之助篇を僕が演じるという事。自分が真ん中にたつという役割をしっかり考えて、挑みたいと思います。歌、ダンス、殺陣、芝居と盛りだくさんなこの作品、必ず成功させてみせます。どの部分ももっとレベルをアップして、みなさまに何か持って帰っていただきたいとおもっています。来年の春と、まだまだ先の話ではありますが、今から興奮しています。必ず成功させてみせます。歴代の誠を背負って」と、思いを力強く語った。ミュージカル「薄桜鬼」原田左之助篇は、2017年春、上演。(text:cinemacafe.net)
2016年08月19日俳優の賀来賢人が、女優の榮倉奈々と結婚したことを自身のブログとTwitterで発表した。賀来さんはブログにて「ご報告」と題し、「この度、私、賀来賢人は榮倉奈々さんと結婚する運びとなりました」と発表。2人はドラマ「Nのために」で共演したことをきっかけに交際をスタートさせたそうで、「ドラマ『Nのために』で出逢い、約1年の交際期間を経て、彼女となら明るく楽しい人生を過ごせると思い入籍いたしました」と思いの内を明かした。続けて「まだまだ未熟者ではありますが、お世話になっている関係者の皆様にご指導いただきながら、仕事に精進しようと思っております」と今後の活動についてコメント。「応援してくださる皆様には、これからも温かい目で見守って頂けると幸いです」と結んだ。今回の発表をうけてSNS上では、「おめでとうございます!!Nのために好きだったので本当に嬉しいです!!末永くお幸せに…!」「この度はご結婚おめでとうございます!!末長くお二人ともお幸せに…ファンの1人としてこの結婚を嬉しく思います(;_;)」「結婚本当におめでとうございます!!Nのために今からまた見直します!」と2人を祝うコメントが続々と投稿されている。賀来さんは、「Q10」「アスコーマーチ~明日香工業高校物語~」「らんま1/2」をはじめ、連続テレビ小説「花子とアン」でヒロイン花子の兄・安東吉太郎や、2015年放送の大河ドラマ「花燃ゆ」で新撰組・沖田総司を演じるなどして幅広い層から人気を集める若手俳優。現在は野村周平とW主演を果たした『森山中教習所』が公開中だ。榮倉さんはファッション誌「SEVENTEEN」の専属モデルとして活動をはじめ、NHK総合のテレビドラマ「ジイジ~孫といた夏」で女優活動を開始。以降、「ダンドリ。~Dance☆Drill~」「メイちゃんの執事」や映画『僕は妹に恋をする』に出演。2010年には、映画『余命1ヶ月の花嫁』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後も『図書館戦争』シリーズや『64 -ロクヨン-』など話題映画にてその実力を発揮。最近では4月期ドラマ「99.9 -刑事専門弁護士-」での好演も記憶に新しい。(text:cinemacafe.net)
2016年08月08日正直で純真だからこその残酷さ。そんな年下の男性の魅力に思わずキュンとなる文学作品を、イラストレーター&漫画家の菜々子さんが選んでくれました!■『燃えよ剣』司馬遼太郎「沖田総司がツボ。仲間が死んでいくなかでも、どこか明るくひょうひょうとした様が眩しいです。土方歳三と共に浪人と闘って相手を瀕死の状態にさせるのですが、“お前、息はあるのかい?”と気の毒がって応急手当てをする姿にキュン。“道徳!正義!”とか暑苦しい感じではなく自然とやるのがいい。刺し身のツマばかり食べる偏食ぶりも子どもっぽくてかわいくて、無防備ななかにある、自然体の色気を感じます」■『愛と幻想のファシズム』村上 龍「冬二は体が強くて迷いがなく、徹底した弱肉強食主義を、そのまま地でいけちゃう姿に憧れます。一方、ゼロはクリエイティブで頭がよくて、パワーもみなぎっている。でも、どこか弱くて危うい部分があり、そこになんともいえない色気が漂います。2人の相反する魅力がぶつかりあってエネルギーが膨張していく疾走感がたまらない。私のタイプはゼロですが、あくまで冬二あってのゼロで、その逆もまたしかりだなと」■『グレート・ギャツビー』フィッツジェラルド、野崎 孝 訳「最初、ギャツビーは好きじゃなかったんです。“バカな男”と感じていて(笑)。それが、自分が大人になってみて、初恋のために命をかけて成り上がる彼のエネルギーに切なさと愛しさを覚えるようになりました。好きな人に気づいてもらうために豪華なパーティを開いて、その噂が届くように願うなんて奥ゆかしくて泣ける。その図々しさと奥ゆかしさのギャップがいいし、こんなに一途に愛されたいと思います」「透明感や清潔感がある若い男性を見ていると、自分も一緒に若返る感じがします。もちろん、お世辞を言ったりできないところや気が使えないなど、正直ゆえに残酷なところもあると思うのですが、そこもまた、おいしい魅力のひとつだと感じますね。いろいろと察してくれる疲れたおじさんと“ほっこり”過ごすのもいいけど、ときには未完成な男子との純情な恋愛気分を楽しめれば最高です」◇ななこイラストレーター&漫画家。女性誌を中心に活躍中。著書に『センスがいいと思われる 贈りもの美人の作法』(KADOKAWA)など。◇幕末の動乱期を新撰組副長として剣に生き、剣に死んだ男・土方歳三。その華麗な生涯と、激動の時代を共にした新撰組の生きざまを描いた幕末もの長編小説。新潮文庫上・下各¥790◇カナダで狩猟を生活の一部としていた鈴原冬二は、ゼロに誘われて政治結社「狩猟社」の独裁者に。そこに学者やテロリストが結集するようになっていく。講談社文庫上¥820下¥800◇絢爛たる栄華を生きる謎の男・ギャツビー。その胸のなかには、一途に愛を捧げ、そして失った恋人・デイズィを取り戻そうとする異常な執念が育っていた。新潮文庫¥520※『anan』2016年8月10日号より。写真・中島慶子文・重信 綾
2016年08月04日堺正章、森星、「平成ノブシコブシ」吉村崇の3人とゲストが料理に挑むバラエティ「新チューボーですよ!」に俳優の賀来賢人が出演。大阪名物“モダン焼き”を作りながら、トークでは意外な素顔を明かしてくれる。ドラマ「クローバー」の主演や連続テレビ小説「花子とアン」への出演、大河ドラマ「花燃ゆ」での沖田総司役など、着実に俳優としてのキャリアを重ねてきた賀来さん。芸能界入りのきっかけはスカウトだったそうで、その当時の意外な将来の夢について語ってくれるほか、学生時代に学んだフランス語を披露するもなぜかレギュラー陣一同に爆笑される一幕も。休日は友達とカラオケに行くという賀来さん。十八番はなんと堺さんの“あの歌”ということで本人の目の前で熱唱。その美声にも注目だ。また「ある動物の写真を見る」のが最近のマイブームだそうで、その動物への憧れを語るその熱量に思わずスタジオじゅうが引き込まれる。果たしてその動物とは?そして普段はあまり料理はしないという賀来さんだが朝食は“超ヘビー”。MC陣驚愕のヘビー朝食は必見。そんな賀来さんが吉村さんにサポートを受けつつ“モダン焼き”に挑戦する姿をお見逃しなく。今回ゲストで登場した賀来さんだが、野村周平とのW主演作となる映画『森山中教習所』が7月9日(土)から公開される。高校の同級生であるマイペースでテキトーな大学生・清高(野村さん)と、ポーカーフェイスでクールなヤクザの組員・轟木(賀来さん)がある日再会し、一風変わった教習所に通うことになる。境遇も性格も全く違う2人が、森山中教習所で過ごすひと夏。清高は教官・サキ(麻生久美子)に恋心を抱き始め、楽しくて甘酸っぱい夏休みが平穏にすぎていくと思っていたのだが。子どものようにフリーダムな清高と、諸事情から高校を中退し、ヤクザの道へ足を踏み入れた轟木。たった一度の短い夏休みは2人の人生を変えるのか――。ますます意欲的な動きを見せる賀来さんの新たな一面が見られる「新チューボーですよ!」は7月2日(土)23時30分~TBS系で放送。(笠緒)
2016年07月02日「演劇界の風雲児」と言われ、戦後の演劇界に一時代を築いた劇作家・つかこうへいの、七回忌特別公演『新・幕末純情伝』が、6月23日、東京・天王洲銀河劇場にて開幕。そして、命日である7月10日(日)の追加公演が発表された。舞台『新・幕末純情伝』チケット情報幕末の京都を舞台に、「新選組の沖田総司が実は女だった」というユニークな着想で作られた本作。1989年の初演以来、『熱海殺人事件』『飛龍伝』と並ぶ代表作として愛され、繰り返し上演されてきた。これまで、広末涼子、石原さとみら錚々たる顔ぶれが主役を務め、魅力を開花させてきた本作。今回は九代目の沖田総司に、松井玲奈が抜擢され、坂本竜馬役・石田明(NON STYLE)との濃厚なラブシーンにも注目が集まっている。舞台は、徳川260年の泰平の世が、今まさに崩壊せんとしている文久3年。近藤勇率いる新選組の中にひとり、女がいた。その名は沖田総司。小さい頃から男として育てられ、ただひたすら剣の修行を強いられてきた孤独な女だった。勤皇、佐幕が入り乱れる動乱の京の街で、総司は愛する土方歳三のため、次々に勤皇の志士たちを斬り続ける。そんな総司の前に立ちふさがったのが、日本に新しい時代をもたらす男・坂本竜馬。裏切りと憎悪渦巻く暗黒の時代、総司と土方、そして竜馬の胸を焦がす熱い恋の行方とは…。そして新しい時代の夜明けとは…。公演は7月3日(日)まで、天王洲銀河劇場にて上演された後、7月6日(水)~17日(日)には、つかこうへいとの縁が深い紀伊國屋ホールへと劇場を移して行われる。さらに、7月22日(金)~24日(日)は大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。追加公演となる7月10日(日)のチケットは、6月25日(土)午前10時より販売スタートする。銀河劇場公演や大阪公演も絶賛発売中だ。つかの真髄を受け継いだ者たちが七回忌の年に魅せる舞台。日本を見据えるつかの熱い想いは、俳優たちの沸々と湧き上がるエネルギーのぶつかり合いにより、観客にも受け継がれていくはず。
2016年06月24日元SKE48・松井玲奈が23日、主演舞台『新・幕末純情伝』の公開稽古及び囲み取材が行われ、共演の石田明(NON STYLE)、細貝圭、早乙女友貴、味方良介、荒井敦史、演出の岡村俊一が出席した。同作は、劇作家・演出家のつかこうへい作で、幕末の京都を舞台に、新選組の沖田総司が実は女だったという設定で、1989年より繰り返し上演されている。これまでに広末涼子、石原さとみ、鈴木杏などが主役・沖田総司役を務め、松井は9代目となる。石田とのキスシーンや、味方から胸をわしづかみにされるシーン、過激な言葉を叫ぶシーン、激しい殺陣のシーンなど、アイドル・松井玲奈からは考えられなかった体当たりの演技で客席を魅了した。岡村は「傑作です。松井がここまでやるとは。松井玲奈以外でもうやりたくない」と松井の演技に太鼓判。キスシーンについて、松井は「やっている時は、坂本龍馬(石田)のことを愛するという気持ちでなので、照れたりはないです。作品の中に入り込むほど、素敵なシーンに移るんじゃないかなと。心に残るシーンにしたい」と意気込みを語った。また、相手役の石田は、キスシーンの稽古時に松井の身体に手を回したが、岡村から「それ大丈夫」と言われたことを明かし、「一人の男としてというより、人間としていいなと思うシーンですね」と大人なコメントを返した。18日に行われたAKB総選挙で、3位となった松井珠理奈に対して聞かれると、松井は「私もお芝居で上の方を目指したいなと思う」と自身の目標を語り、「みんな頑張って欲しいなと思ってます」とエールを送った。
2016年06月23日現在放送中のドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」では、竹野内豊、松雪泰子、山崎育三郎ら個性豊かな面々の中で“新人弁護士”を好演する賀来賢人。この夏、2年ぶりの映画出演にして、2度目の主演映画となった『森山中教習所』で見せる、“俳優10年目の姿”に迫った。マイペースでテキトーな大学生・清高(野村周平)と、ポーカーフェイスでクールなヤクザの組員・轟木(賀来さん)は高校の同級生。ある日とんでもない再会をし、一風変わった教習所に通うことになる。境遇も性格も全く違う2人が、へんてこな教習所・森山中教習所で過ごすひと夏。清高は教官・サキ(麻生久美子)に恋心を抱き始め、楽しくて甘酸っぱい夏休みが平穏にすぎていくと思っていたが…。子どものようにフリーダムな清高と、諸事情から高校を中退し、ヤクザの道へ足を踏み入れた轟木。たった一度の短い夏休みは2人の人生を変えるのか!?変えないのか!?本作で、野村さん演じる清高とはまるで真逆の、銀髪&メガネ男子のクールなインテリヤクザ・轟木を演じた賀来さん。今回届いた最新場面写真では、銃を構え、狙いを定めた凛々しい姿、哀愁すら感じられそうな優しい眼差しを向ける姿と、まったく別の表情を捉えているのも印象的だ。2007年に俳優デビューし、そのキャリアはまもなく10年。女優の賀来千香子の甥っ子としても知られ、映画はもちろん、テレビドラマや演劇など幅広いフィールドで活躍を続けており、NHK連続テレビ小説「花子とアン」の“兄やん”役や、大河ドラマ「花燃ゆ」での沖田総司役などを通してファン層も確実に広がってきている。映画出演は『オー! ファーザー』(’14)以来、2年ぶりとなり、主演作としては初主演作『銀色の雨』(’09)以来2度目。本作の豊島圭介監督とは、『ソフトボーイ』(’10)以来のタッグとなる。「年を重ねるほどに良くなると思っていた」と言わしめた豊島監督との息の合った仕事ぶりは、本作の見どころとなるはずだ。7月からはケラリーノ・サンドロヴィッチ作・演出の舞台「ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、なにもない~」への出演も控え、ますます活躍の場を広げる賀来さん。本作での変貌ぶりにも、ぜひ注目していて。『森山中教習所』は7月9日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月04日松井玲奈が沖田総司を演じる舞台『新・幕末純情伝』の制作発表会が5月18日、都内で開かれ、松井玲奈、石田明(NON STYLE)、細貝圭、早乙女友貴、味方良介、荒井敦史、伊達暁、永田彬、演出の岡村俊一が登壇した。舞台『新・幕末純情伝』チケット情報本作は劇作家・つかこうへいの代表作のひとつで、新撰組の沖田総司が実は女だったというユニークな着想のもと1989年に上演された。その後も、「この作品は代々、次代のヒロインと言われる方々が(沖田を)演じて、もう30年近くなります」(岡村)というように、広末涼子や石原さとみ、桐谷美玲らが演じ、松井は9代目。沖田の相手役・坂本龍馬は石田明が演じる。松井は本格的な舞台は初挑戦。すでにひとりで殺陣の稽古を始めているそうで「初心者なので。出演者の方々はアクションがすごくできるって聞いて、足を引っ張らないように、いいものを観ていただけるように殺陣の練習はしております」と気合を見せた。石田も「歴史のある舞台。今までやってきた方々に恥じぬよう、なんやったら今までの演者に勝てるように、一心不乱にがんばりたい」と話した。メインのふたり以外はまだ役が決まっていない、という話から岡村は「(石田が4月に)骨折したので、石田くんの役も今考え直してる」と発言。石田が「僕今必死ですよ。骨折を直すために松井秀喜とかベッカムがやっている治療法全部やってるんですから!」と慌てると、共演者は大爆笑だった。岡村は「力のあるものが勝つ、というのはつかさんの遺言」「これは殺し合いの物語なので、誰より誰が強いか、というのが重要」と配役について説明した。会見後、松井、石田、岡村の囲み取材では、岡村は「松井さんは頭がいいんですよ。台本を読んでの印象を聞いても非常に解析力がある」と絶賛。会見中に話題になった石田の骨折については「でも、右手がダメながら左手があるし、左手がダメなら(刀を)口でくわえてもいいし。そういういろんなことが起きても立ってる姿を見せるのが演劇だと思っている」と話した。松井も「(本作の出演が決まり)周りの方からすごいね、楽しみにしてるよって言われて、初めてことの重大さに気付いて。みなさんの期待以上のものにできるように頑張らないといけない」と決意を述べた。つかこうへい七回忌特別公演舞台『新・幕末純情伝』は、6 月23 日(木)に東京・天王洲 銀河劇場で開幕。命日でもある7月10日を挟みつかこうへい縁の東京・紀伊國屋ホール含む3会場で上演。取材・文:中川實穗
2016年05月20日