俳優の浅野忠信と中村獅童が、12日に放送されるテレビ朝日の深夜番組『フリースタイルダンジョン』(毎週火曜深夜1:26~1:56)に初出演し、メインMCのZeebraらと対談する。この番組は、フリースタイルの即興ラップでバトルを繰り広げるもので、今回は、番組の大ファンだという浅野と中村が出演。"フリートークダンジョン"と銘打って、Zeebraと進行・ナレーション担当のUZIとともに、同世代の4人で、番組の魅力について語り合う。Twitterで番組の存在を知ったという浅野は「毎回、出場者たちの"ドラマ"に引き込まれますね!」と熱弁。一方、妻と一緒に見ているという中村は「歌舞伎は音楽劇であり、登場人物の内なる声を代弁する義太夫は、いわばラップ。生まれた国や時代は違っても重なる要素があることで、自分の生きる道をあらためて見つめ直すことができる」と考察を述べる。また、Zeebraから「ゲスト審査員なんて、どうですか?」と提案されると、2人は「ぜひやりたい」「やっぱり生で見てみたい!」と意欲。対談終了後には現場に残り、Zeebraの42歳のバースデーサプライズにも参加した。同番組は、この対談の翌週である19日の放送から、シーズン2に突入。浅野は「もっとヤバいことが起きそうな予感がするので、ますます楽しみにしています!」、中村は「僕自身も"若い人たちを振り向かせたい"という気持ちで歌舞伎役者をやっているので、応援したくなります! 今までHIPHOPを聴かなかった人たちにも、興味を持ってもらえる番組に育っていってほしいですね」と期待を示した。
2016年04月08日島根県出身のシンガーソングライター、山根万理奈のニューアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』が完成。iTunesなどの音楽配信サイトでは4月6日(水)より、CDは5月11日(水)より発売開始される同作のレコーディング現場を取材した。【チケット情報はこちら】レコーディングは神奈川県横浜市にある一軒家で行われた。最寄り駅から15分以上歩き、田畑が広がるエリアで、まさかここで音楽制作が行われているとは思えないロケーション。ここは、1階にボーカルを収録するブースがあり、2階に音源を録音、調整するミキサー卓や機材が並ぶ。訪れたときはアルバムのオケと主要なボーカルは収録を終えていて、コーラスなどの音を重ねる作業中だった。2階に陣取るディレクターとエンジニアと意見交換をしながら、アイデアを練る山根。スマホアプリのピアノで音を手繰ったり、ギターを抱えて譜面とにらめっこしたり。1階のブースで歌い、2階のスタッフと録った音源をプレイバックして確認。さらに2階に上がって打ち合わせするなど、試行錯誤し、たくさんの可能性を試しながら進行していく。まさに作品が誕生する瞬間を垣間見ることができた。山根は、2009年からYouTubeに顔を出さずにギター弾き語りの動画を投稿して話題を集め、2011年7月にメジャー・デビュー。その後活動の場をインディーズに移し、前々作『歌って happy!』、前作『愛と妄想、25歳』に続いて本作も、制作費をクラウドファンディングで募った。今回は目標金額350万円を掲げて募集したのに対し、205人が賛同し、目標を大きく上回る414万円を超える資金が寄せられ、山根への期待の高さを証明してみせた。そんなファンの想いも力にして完成したアルバム。4月3日(日)下北沢lownより同作のリリースを記念したツアー「山根万理奈とマリナッチ楽団リリースツアー~season1~」がスタートする。「~season3~」の10月1日(土)下北沢lown公演まで、チケットは発売中。取材・文・撮影:浅野保志(ぴあ)
2016年04月01日Replicaのボーカル、浜崎なおこと、元ARBで現在甲斐バンドのギタリスト、田中一郎が新ユニット「なおこと一郎。」を結成。3月11日、下北沢のCLUB Queで開催されたイベント「電気がなくても歌は唄える~SHOWエネめちゃスゲエンターテイメント!!~」に出演した。【チケット情報はこちら】ジャンルもキャリアも異色なふたりが組んだ「なおこと一郎。」。ふたりの縁はずいぶん前からあり、昨年くらいから共演の機会が増えてユニット結成に至ったとのこと。この日のイベントでは、まずジャニス・ジョプリンの名曲『Piece Of My Heart(心のカケラ)』のカバーでスタート。その後はReplicaの曲や、1996年の解散後に浜崎が結成した「Naoco & The Infections」のナンバーも織り交ぜて進行。浜崎が「昔から歌いたかったけど、こんなロック・ギターの神様に弾かせるなんてと思いつつ」と前置きしてスタンダード曲『My Foolish Heart』を披露。ブルージーにジャジーに、ジャニスばりに妖艶なボーカルで圧倒する浜崎と、アコースティック・ギター1本で自在に多彩な歌世界を描く田中のパフォーマンスが秀逸だった。MCでは6月11日(土)に同会場で行われることが決定しているワンマンライブで、限定スペシャルCDを配布する事を話し、その後、このユニットのオリジナル曲も初披露した。田中が「今日は特別な日でもありますし…」と前置きして、東日本大震災からまさに5年目のこの日を意識した曲『Twilight Songs』も演奏された。TVアニメ『ヤマトタケル』のエンディング・ソングとしてリリースされた浜崎のソロ・ナンバーだが、癒しのメッセージとして場内に染み渡った。本編はReplicaの『BABY TOGETHER』で熱く激しく締めて、アンコールもReplicaのデビュー曲『SUGAR BABY’S GROWIN’』を、ふたりのみながらバンド演奏に負けないソウルフルなサウンドで魅了し、この日の出演を終えた。6月に行われるワンマンライブにも期待は高まる。チケットは発売中。取材・文:浅野保志(ぴあ)■なおこと一郎。「Breath! Whisper! Shout!」6月11日(土)下北沢CLUB Que(東京)料金:スタンディング-5000円(限定スペシャルCD付、ドリンク代別途必要)
2016年03月17日Replicaのボーカル、浜崎なおこと、元ARBで現在甲斐バンドのギタリスト、田中一郎が新ユニット「なおこと一郎。」を結成。3月11日、下北沢のCLUB Queで開催されたイベント「電気がなくても歌は唄える~SHOWエネめちゃスゲエンターテイメント!!~」に出演した。【チケット情報はこちら】ジャンルもキャリアも異色なふたりが組んだ「なおこと一郎。」。ふたりの縁はずいぶん前からあり、昨年くらいから共演の機会が増えてユニット結成に至ったとのこと。この日のイベントでは、まずジャニス・ジョプリンの名曲『Piece Of My Heart(心のカケラ)』のカバーでスタート。その後はReplicaの曲や、1996年の解散後に浜崎が結成した「Naoco & The Infections」のナンバーも織り交ぜて進行。浜崎が「昔から歌いたかったけど、こんなロック・ギターの神様に弾かせるなんてと思いつつ」と前置きしてスタンダード曲『My Foolish Heart』を披露。ブルージーにジャジーに、ジャニスばりに妖艶なボーカルで圧倒する浜崎と、アコースティック・ギター1本で自在に多彩な歌世界を描く田中のパフォーマンスが秀逸だった。MCでは6月11日(土)に同会場で行われることが決定しているワンマンライブで、限定スペシャルCDを配布する事を話し、その後、このユニットのオリジナル曲も初披露した。田中が「今日は特別な日でもありますし…」と前置きして、東日本大震災からまさに5年目のこの日を意識した曲『Twilight Songs』も演奏された。TVアニメ『ヤマトタケル』のエンディング・ソングとしてリリースされた浜崎のソロ・ナンバーだが、癒しのメッセージとして場内に染み渡った。本編はReplicaの『BABY TOGETHER』で熱く激しく締めて、アンコールもReplicaのデビュー曲『SUGAR BABY’S GROWIN’』を、ふたりのみながらバンド演奏に負けないソウルフルなサウンドで魅了し、この日の出演を終えた。6月に行われるワンマンライブにも期待は高まる。チケットは発売中。取材・文:浅野保志(ぴあ)■なおこと一郎。「Breath! Whisper! Shout!」6月11日(土)下北沢CLUB Que(東京)料金:スタンディング-5000円(限定スペシャルCD付、ドリンク代別途必要)
2016年03月17日石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日石橋凌が3月6日に東京・EX THEATER ROPPONGIで全国ツアー「Neo Retro Music 2016」の東京公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは石橋の生誕60周年を記念して始動したプロジェクト「R=60 PROJECT」の一環として実施。オープニング・ナンバーは『RESPECT THE NIGHT』。伊東ミキオのピアノと太田惠資のバイオリンをバックに、情感豊かに全身でふりしぼるようなシャウトで、一気に場内の気持ちを鷲づかみにするさまは圧巻。続いてTHE GROOVERSの藤井一彦(g)を呼び込み、ARB時代の名曲『Just a 16』を披露、イントロが奏でられるだけで歓声が沸きあがった。さらにはTHE ROOSTERSの池畑潤二(ds)、HEATWAVEの渡辺圭一(b)も加わり、バンド時代の曲とソロのナンバーを交互に繰り出していく。1977年に結成され日本のロック・シーンに大きな影響を与えたバンド、ARBの曲も、今の石橋が表現することでまた新たな魅力を帯びて輝いていく。映画や小説のように心の琴線に触れる歌世界が、ロックンロールという衝動と融合していく。メンバー紹介の際に、「1980年代、各地のイベントでRCサクセションと共演して凄い人だなと思ってました」と石橋に言わしめた梅津和時(sax)とホーン・セクションも加わった贅沢な編成が素晴らしいアンサンブルを聴かせる。中盤の『形見のフォト』、『ヨロコビノウタを!』を演奏する際には、観客に「歌、手拍子、そして演奏も一緒に」と呼びかけ、たくさんのエッグシェーカーを投げ入れる演出も。それに応えて盛り上がるファンとのコラボレーションが熱い。アンコールで「自分にとって恩人がふたりいる」と切り出した石橋は、デビューのチャンスをくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均氏、俳優になるきっかけとなった松田優作と故人ふたりの名を挙げ『縁のブルース』を披露。さらに「What’s a wonderful world」、「Route66」と不朽の名曲を腕利きのメンバーと共にベテランならではの演奏で魅了した。「最近、国内がまた、きな臭い匂いが強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います」と宣言して『ピカドンの詩』で2時間40分にわたる熱演を締めたこの日のMCで「自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています」と、石橋の口から直接発表されて場内が大いに盛り上がったが、7月20日(水)に東京・赤坂BLITZでバースデイ・ライブの開催が決定した。チケットの一般発売は4月23日(土)午前10時より。チケットぴあでは独占先行を実施中。受付は3月21日(月・祝)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)■「SOULFUL CARNIVAL 石橋凌BIRTHDAY LIVE」日時:7月20日(水)開場17:30/開演18:30会場:赤坂BLITZ(東京都)【特電番号】0570(02)9947
2016年03月09日結成27年を迎えるthe pillowsが、4月6日(水)に通算20作目となるニューアルバム『STROLL AND ROLL』をリリースする。【チケット情報はこちら】同作は、彼らにとってゆかりのあるベーシストが参加している。初代ベーシストでありリーダーでもあった上田健司が、24年ぶりにthe pillowsのレコーディングに参加しているほか、第二期the pillowsを支えた鹿島達也も久しぶりに制作に加わった。さらに、the pillowsのリーダー・山中さわおとTHE PREDATORSを結成し10年来活動を共にするJIRO(GLAY)も2曲を演奏。ほかにも、the pillowsのトリビュート・アルバムに参加、対バン経験もあり、バンド同士の交流も深い髭の宮川トモユキ。現在、ライブのサポートを務める有江嘉典(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)の5名が作品に名を連ねている。アルバムには、昨年12月に開催された全国ツアー「LOSTMAN GO TO CITY」の各会場で演奏された新曲『カッコーの巣の下で』や、大阪のラジオ局「FM802」で独占オンエアされ、同局の主催イベント「RADIO CRAZY」でも演奏されたthe pillows&佐々木亮介名義のナンバー『レディオテレグラフィー』のthe pillowsバージョンを含む全10曲が収録される予定。全国のセブン-イレブンで3月1日(火)から配布されるフリーペーパー「7ぴあ3月号」では、the pillows山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)の最新インタビューが掲載。気になる方はご確認を。同作を携えて5月6日(金)水戸ライトハウスを皮切りに7月22日(金)東京Zepp Tokyoまで全国27公演を周るツアー「STROLL AND ROLL TOUR」も決定。オフィシャルサイトでは同ツアー5月公演分の先行を実施中。アルバムを聴き込んでツアーに参加しよう。文:浅野保志(ぴあ)
2016年02月19日島根県出身のシンガー・ソングライター、山根万理奈が5月11日(水)にアルバム『山根万理奈とマリナッチ楽団』をリリースする。アルバムは前々作『歌って happy!』、前作『愛と妄想、25歳』に続いて、制作費をクラウドファンディングで募っている。【チケット情報はこちら】山根は、2009年よりYouTubeにて顔を出さずにギター弾き語りの動画を投稿して話題を集め、2011年7月にメジャーデビュー。その後活動の場をインディーズに移し、胸に染み入る切ない歌声と、実直でひたむきで聴く人をハッピーにさせる心豊かな音楽性で、作品ごとにその歌世界を自在に変化させながら、唯一無二の魅力を放っている。音楽活動のほかにも、昨年放送されたTVドラマ『園山俊二と国境の二人』では女優デビューも果たした。同作は山根と同じ島根県松江市出身の漫画家、園山俊二を題材にしたドラマ。山根は園山の妻・宏子役を務めた。昨年末に中国地方でのみオンエアされた同作の全国放送が、NHK総合で2月17日(水)午後3時15分より決定している。山根はアルバムのリリースツアー「山根万理奈とマリナッチ楽団シーズン1」を4月3日(日)東京・下北沢lownより開始。「シーズン3」の10月1日(土)下北沢lown公演まで、チケットは発売中。文:浅野保志(ぴあ)
2016年02月15日渡辺美里が「2016年30thアニバーサリー横浜アリーナオーディナリー・ライフ祭り」を1月9日に神奈川・横浜アリーナで開催。昨年5月、大阪城野外音楽堂から全国47都道府県を制覇する「日本全国ツアー 30thRevolution」をスタートさせ、12月23日に開催された大阪フェスティバルホールで同ツアー全52公演のファイナルを迎えた美里。この日行われた公演は、30周年を無事完走し、新たに31年目のスタートを切る公演となった。【チケット情報はこちら】「10years」で幕を開けたステージは、昨年行われたツアーを支えた鉄壁のミュージシャンに加えて、新作『オーディナリー・ライフ』のプロデュースを務め、美里の30年のキャリアで初期のバンマスも務めた佐橋佳幸(g)、中期のバンマスであり数多くのアルバムのプロデュースも手がけた有賀啓雄(b)、そして現在のバンマスであるスパム春日井が揃うという超豪華な布陣で、『サマータイムブルース』、『恋したっていいじゃない』、『センチメンタルカンガルー』と、往年のヒット・ナンバーが立続けに繰り出され、佐橋に「アンコールみたいなオープニングだったね」と言わしめた豪華セットリストに場内は大熱狂。美里、佐橋、そしてDr.kyOn(key)の3人が「三ツ星団」を再結成して新作から『鼓動』を披露。続いてWEAVERの3人+三ツ星団による『夢ってどんな色してるの』も演奏され、新作で実現したコラボがステージ上でセッションされる。『Glory』では曲を提供したCaravanが登場して見事なハーモニーを聴かせた。代表曲『My Revolution』で会場がひとつになったあと、荘厳な雰囲気の中、『オーディナリー・ライフ』のイントロが響く。曲の途中でステージ上段に正装した4人のシルエットが浮かび上がり、ゴスペラーズが演奏に華を添えて本編は感動のうちに終了。アンコールでは『すき』が披露される際にスクリーンから30年に渡るライブ・シーンが映し出され、ファンの目に涙が浮かぶ。『ジャングル チャイルド』、『恋するパンクス』と激しいビートで魅了し、おごそかなイントロから『JUMP』、2時間半21曲に渡る最高の祭りは、美里の圧倒的な歌唱力が光る『Lovin’ you』でその幕を閉じた。31年目の美里の展開も続々と発表された。まずは3月に1stアルバム『eyes』を完全再現する名盤ライブが東京・Zepp DiverCityと大阪・Zepp Nambaで開催。そして5月から9月にかけて、東京、川崎、大阪、大宮の4か所でフルオーケストラ・コンサートの開催も決定した。ひとつひとつ丁寧に歌の種を植え続ける美里が、2016年も可憐な花を咲かせてくれそうだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2016年01月13日『さらば あぶない刑事』完成披露試写会が1月12日(火)に開催され、歌舞伎町でのレッドカーペットに続き、舘ひろしに柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、ベンガル、伊藤洋三郎、長谷部香苗、菜々緒、夕輝壽太、吉沢亮、入江甚儀に村川透監督が舞台挨拶に登壇した。1986年のTVシリーズ誕生から30年を数え、6本目の劇場版にして完結編となる本作。鷹とユージの横浜港署の破天荒コンビがついに定年退職を迎えるまでの最後の5日間を描く。大歓声に迎えられ、舘さんも柴田さんも感激の面持ち。柴田さんは「みなさんのいっぱいの思いで、この映画を作ることができました」とファンへの感謝を口にする。さらに「本当は70歳を超えてからやろうと思ってたんです。それなら舘さんがセリフを覚えてなくても言い訳できるから(笑)。でもこの歳でやれて、舘さんもセリフ言えたし、僕もなんとか走れて、本当に楽しかったです」と笑顔で振り返った。舘さんも「寒い中、お越しくださってありがとうございます」と詰めかけたファンに優しく微笑む。完成した映画について「10年ぶりの映画ということで、原点回帰しようと、脚本段階から携わらせていただきました。港署のみんなが集まるとすごいエネルギーがありました」と振り返るが、一方で「オンコ(=浅野さん)だけは、(物語の流れと関係なく)ドワッと入ってきて(笑)、予想外でした」と述懐!これを受けて浅野さんは「原点って何?私なりに真面目にやってたのに、私だけブルドーザーのように全部なぎ倒して帰ったように言われて、失礼しちゃうわ!」とおかんむり。変わらぬやり取りに会場からは温かい笑いが起きる。続いてコメントを求められた仲村さんは「最近、この順番でコメントを求められて話しづらい!」と肩をすくめつつ、自身の前に課長のイスに座っていた故・中条静夫さんについて言及。「撮影中は意識しなかったけど、完成した映画を見て、(自身が演じた)町田透から中条さんのニオイを感じた」としみじみ。と、ここでもいい話で終わるかと思いきや“先輩”柴田さんから「おれは感じなかったけど!」と厳しいツッコミが入り、「あ、自分に甘すぎですか…?」と苦笑い。それでもファンに向けて「中条さんもちゃんといらっしゃいます!」と予告。自身、TVシリーズ開始時は20歳だったが「30年後に同じ役を演じている可能性は考えてなかったです。これまでも“ラスト”と言われるのは何度かあったけど(笑)、今度こそ、最後ということで寂しく、切ないです。みなさんの応援で、もしかして奇跡が起こったりするのではないかと期待しています」とさらなる続編への期待と意欲を口にし、会場は熱い拍手に包まれた。長谷部さんは、感激のあまり声を詰まらせながら「30年間、最高のスタッフとキャストと一緒に仕事ができました」と語る。長谷部さんの父は、TVシリーズおよび、劇場版1作目のメガホンを握った故・長谷部安春監督だが「父もちょっと悔しがりながら喜んでるんじゃないかと思います」と語った。最後の挨拶で、柴田さんは「絶対にヒットする自信があります!」と大見得を切りつつ「でも、万が一があるので(笑)」とユージそのままの口調で口コミでの映画のアピールを呼びかけ、最後まで笑いを誘う。退場間際には観客のひとりが大きな花束を持って舞台に駆け寄ると、舘さんは「ありがとう」と笑顔で受け取った。『さらば あぶない刑事』は1月30日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2016年01月12日結成27年を迎えるthe pillowsが昨年12月26日に東京の豊洲PITでレア曲満載のツアー「LOSTMAN GO TO CITY」のファイナルを開催した。ライブは2006年に発表されたインスト・ナンバー『MARCH OF THE GOD』からスタートし、最初のMCで山中さわお(vo、g)は、「本当にわかんねえなって曲もやると思うけど、そこはわかったふりで行こうぜ」とレア曲中心の本ツアーに駆けつけたBUSTERS(=the pillowsファンの名称)のマニア心をくすぐる。4曲演奏して会場がガンガン盛り上がる様子をみて「いいね、いいね。全然余裕でついてくるね」と嬉しそう。「このツアーをやるにあたって曲順を考えました。基本的にはオレが案を出して。歌詞の繋がりとか気分とかあるから。心地好いテンポ感をチェックするために(佐藤)シンイチロウ君(ds)にメールをしたんだ。そしたら“知らない曲がある”って(笑)」と語るとおり、そんなマニアックなセットリストがたまらない。中盤で山中が「とってもいいのが出来たから聴いてくれよ」と前置きして新曲『カッコーの巣の下で』を披露。「ここからはアンハッピーなラブソングを3連発」と『My girl』、『ワカレノウタ』、『FLAG STAR』も聴かせてくれた。アンコールでも「楽しかったかな。オレたちはこのツアーを挟んでレコーディングをしてるんだ。全体的には軽やかなロックンロールが多いから一緒に熱く楽しくなれるのを楽しみにしてるよ。また会いにきてくれ」と笑顔の山中。鳴りやまない歓声に促されてトリプル・アンコールでは代表曲『Funny Bunny』も飛び出した。12月28日にはインテックス大阪にてイベント「FM802 RADIO CRAZY」に出演。新曲『レディオテレグラフィー』を、佐々木亮介(a flood of circle)と共に披露した。さらに恒例の主宰イベント「the pillows presents COUNTDOWN BUMP SHOW2015→2016」をduo MUSIC EXCHANGEで開催。山中が主宰するレーベルDELICIOUS LABEL所属のnoodles、シュリスペイロフ、THE BOHEMIANS、POP CHOCOLAT、そして 兄貴分のバンド怒髪天とそのレーベル所属のBUGY CRAXONEを迎えて見どころてんこ盛りの競演を繰り広げた。the pillowsは3月2日(水)に2曲の新録曲を含む22曲収録のB-side Collection『Across the metropolis』をリリース。そして4月上旬には待望のニューアルバム『STROLL AND ROLL』を発売。同作を携えて5月6日(金)水戸ライトハウスを皮切りに7月22日(金)東京Zepp Tokyoまで全国27公演を回るツアーも決定。この絶好調ぶりはそのまま2016年も続きそうだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)撮影:橋本塁(SOUND SHOOTER)
2016年01月04日シリーズ最終作『さらば あぶない刑事』の公開を控える舘ひろしのブルーノート東京でのライブに、サプライズゲストとして浅野温子が出演。館さんの歌手デビュー40周年を祝福した。1986年のテレビドラマ放映開始から30年、2005年の劇場版最新作から10年を経て、本作で復活を遂げるとともにラストを迎える「あぶデカ」シリーズ。舘さん&柴田恭兵のコンビをはじめ、浅野さんや仲村トオルといったレギュラー陣が総出演し、ゲストに吉川晃司や菜々緒が参加し、シリーズ最終作を彩る。「あぶデカ」シリーズでタカこと鷹山敏樹を務めてきた舘さんは、今年で歌手デビュー40周年のアニバーサリーイヤーを迎え、全レーベルの垣根を越えた自身初のオールタイムベストアルバム「ANTHOLOGY ~40th ANNIVERSARY BEST ALBUM~」を先日リリース。その発売を記念し、JAZZの殿堂・ブルーノート東京にて、「舘ひろし "JUST ONE NIGHT"-デビュー40 周年記念スペシャルライブ- 」と題した1夜限りのスペシャル・ライブが実施された。超満員となった2回の公演では、観客から「舘さ~ん」「かっこいい」「タカー」と呼び声が上がるほどの盛り上がりをみせた。そしてサプライズゲストとして浅野さんが登場すると、会場はさらにヒートアップ。「オンコー」「カオルー」と呼び声が上がり、舘さんは『さらば あぶない刑事』のエンディングテーマ「冷たい太陽」を浅野さんの前で熱唱した。ライブMCでは、浅野さんは「たっちゃんにいつも『うるさい』『いい女をやれ』『いい女の服を着ろ』と言われ、今日は声のトーンを低くして、こんなセクシーなドレスにしてみました。 たっちゃんが、ちゃんと歌詞を間違えないで、格好良くできるのかなと思ったけど、格好良かったね。いつも言いますが、無駄にスタイルいいでしょ。でも本当無駄なんです。いろんな意味で、現役感バリバリで(笑) 」と、「あぶデカ」でのタカと浅野さん演じるカオルさながらの“あぶない”トークが披露されたライブを終えて館さんは「ファンの皆さんの温かさを感じたステージで、幸せ者だなって思いました。もう65歳だし、曲によっては体力的に辛かったけれども楽しかったです。オンコが来てくれると、力強いし心強いね。どんなときでも。オンコは素敵だよ。何十年もやってますけど、恭さまとトオルとオンコと俺の4人が並ぶととすごいパワーを感じるんですよ」と、改めて浅野さんをはじめ「あぶデカ」への愛を述べた。最後に館さんは、「面白いです。手応えを感じてます。後悔はさせません!!」と本作をアピールした。『さらばあぶない刑事』は、2016年1月30日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年12月14日the pillowsが12月8日(火)に東京・CLUB QUATTROでツアーの東京公演を開催した。「LOSTMAN GO TO CITY」と題された今回のツアーは、毎回レアな曲が中心に構成される。【チケット情報はこちら】山中さわお(vo、g)、真鍋吉明(g)、佐藤シンイチロウ(ds)と、今回のサポート・ベースを務める有江嘉典(VOLA & THE ORIENTAL MACHINE)がステージに姿を現すと悲鳴にも近い絶叫で迎えるBUSTERS(=the pillowsファンの名称)たち。山中は最初のMCで「気のせいかTHE PREDATORS(山中がJIRO(GLAY)、高橋宏貴(Scars Borough/ELLEGARDEN)と組んでいるバンド)効果ですごくキャーキャー言われている」と笑いを取り、前日に誕生日を迎えた山中にあちこちから「おめでとう!」と声がかかる。「存在自体がマニアックなthe pillowsがマニアックな選曲のツアーをやるよって言ったのに、わざわざ集まってきたマニアックな皆様、こんばんは!」とファン心理をくすぐるMCを続ける山中。通常のツアーではやらない”隠れた名曲”が続々と演奏されるセットリストはBUSTERS垂涎だ。中盤ではなんと新曲も披露されて会場のボルテージは最高潮に。12月4日の新潟からスタートした今回のツアーは、仙台、札幌公演では爆弾ジョニーの小堀君(Ba)をサポートに迎えて開催。ファイナルは12月26日(土)東京・チームスマイル・豊洲PIT(ピット)で行われる。また、the pillows は12月28日(月)にインテックス大阪で行われるFM802のイベント「RADIO CRAZY」に6年ぶりに出演。同公演に向けてa flood of circleの佐々木亮介をボーカルに迎えラジオをテーマにした新曲を制作。大晦日は怒髪天、そして山中が主宰を務める「DELICIOUS LABEL」のバンドたちを迎えたカウントダウン・ライブも控えており、BUSTERSには忙しい年末になりそう。山中からすでにニュー・アルバムの制作は佳境を迎え、春にはリリースされる予定と嬉しい情報も届けられた。そして2016年3月にはシングルのカップリング曲に加えて新録曲も収録されるB-side集『Across the metropolis』もリリースされる予定。続々と展開される彼らの活動にこれからも目が離せない。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2015年12月09日THE COLLECTORSが11月22日(日)東京EX THEATER ROPPONGIで、ツアー「SUPER DUPER」のファイナル公演を開催した。【チケット情報はこちら】同ツアーは今年の9月に発売された通算21作目のアルバム『言いたいこと言えないこと言いそびれたこと』のリリースツアー。場内ぎっしりのファンの大歓声に迎えられて登場したメンバーが1曲目に繰り出したのは『TOUGH』。加藤ひさしのボーカルはハイトーンで太く艶っぽい唯一無二の輝きを放ち、古市コータローのギターはロックンロールの醍醐味をこれでもかとグイグイ叩きつける。加藤がMCで「新譜が出てます、新曲たくさんやります」と宣言した通り、その後も新作からの曲と長いキャリアの中でライブで培われた代表曲をうまく織り交ぜながら貫禄のステージを展開する。あまり来馴れない六本木で遭遇したオバちゃんの話など、途中に挟む加藤と古市の軽快なMCのやりとりも楽しい。本編は、初期の名曲『NICK! NICK! NICK!』から新作のリード曲『Tシャツレボリューション』に繋いで幕を閉じた。この日は加藤の55歳の誕生日。アンコールでは演奏中にバースデー・ケーキが運び込まれ、ロウソクを吹き消すセレモニーも。屈指の名曲「世界を止めて」で、ロマンチックな感動に会場中が染まった。そして加藤の口から、来年4月16日(土)に東京・日比谷野外大音楽堂でライブを開催する事が発表された。来年結成30周年を迎えるTHE COLLECTORS。加藤の「野音がすぐ売れたらもっとでっかいとこでもやるよ」との言葉に場内は大盛り上がり。「野音がすぐ売れなかったらQUATTROに戻る」と加藤が語ると、後ろで古市が「JAM(THE COLLECTORSが初期に出演していたライブハウス)に戻る」と継いで笑いを誘し、加藤が「つまり30周年はおまえら次第だよ!」と決め台詞を放った。その後披露された『CHEWING GUM』では客席からチューインガムがステージめがけて演奏中ずっと投げ込まれる、ライブのお約束が行われた。ダブルアンコールはNHKアニメ『おじゃる丸』のエンディングテーマに採用されて低年齢層のファンを開発した『Da!Da!!Da!!!』を披露。キャリアに安住することなく良質な作品とライブを演り続ける彼らからこれからも目が離せない。日比谷野外大音楽堂公演のチケット一般発売は2016年1月31日(日)より。取材・文:浅野保志(ぴあ)■THE COLLECTORS日時:2016年04月16日(土) 開場17:15 / 開演18:00会場:日比谷野外大音楽堂(東京都)料金:全席指定3,000円一般発売:2016年1月31日(日)
2015年11月25日日本の4人組バンド、BUGY CRAXONEが11月11日(水)にニューアルバム『Lesson』をリリース。同作について、バンドのボーカルを務めるすずきゆきこがぴあのインタビューに答えた。【チケット情報はこちら】同作の収録曲について、「昨年の夏、私けっこう頑張って“次の練習までに必ず1曲新しいのを持っていく”と勝手にメンバーに約束して、それを2か月くらい続けたのかな。今回その頃の曲はあまり入っていないんだけど、“あのときみんなで作ったことが今の曲に活きてると思うよ”ってみんなが励ましてくれたから、頑張ってよかった(笑)」と語った。人生、生き方がテーマの曲が多いが、押し付けがましくない自然なメッセージが詰まっていて、聴くとすこぶる元気になれるアルバムだ。「どの仕事においても言えることだと思うけど、乱暴に言ってしまえば中身はさておきとにかく”やる”ことが大事で。長い人生、中身がないものしかできないことがあってもそこで手を止めてしまうより作り続けることが、次に繋がっていくと思う」前作からドラマーが正式加入。今のバンドの状態を聞くと、「今、真剣に取り組んでいるというのをそれぞれが感じている。(1997年に札幌で)結成した当時からお友達バンドじゃないから、このバンドで音楽を演奏するためにいる。いい意味でドライだと思うんですね。自分の実力とか個性とか魅力を出すことが一緒にいる理由な訳だから。そこはすごく健全な気がします」と話した。充実した想いを携え、12月4日(金)大阪・Fandangoよりツアーが始まる。最後にツアーについて、「今、このバンドにおいていい演奏が出来るように、ひとりひとり自分と向き合ってプレイしてる。それが今回のツアーで1本でも多く実現できたらいいなというのが今の目標です」と意気込んだ。取材・文:浅野保志■アルバム『Lesson』11月11日(水)発売2,700円(税込)BNBR-0009Northern Blossom Recordsツアー「BUGY CRAXONE “Lesson2:ワンマンをしよう!”」12月4日(金) Fandango(大阪府)12月18日(金) COLONY(北海道)12月20日(日) 新宿red cloth(東京都)ツアー「BUGY CRAXONE “ Lesson 3:SAY ! SAY ! DO ! DO !? ”」1月29日(金) 名古屋 CLUB ROCK’N’ROLL(愛知県)1月30日(土) CLUB RIVERST(新潟県)2月5日(金) 仙台 enn 3rd(宮城県)2月18日(木) 神戸 太陽と虎(兵庫県)2月20日(土) Queblick(福岡県)2月21日(日) Django(熊本県)※対バンイベント
2015年11月02日淡々とした静かな夫婦のやり取りから2人の凄みがにじみ出ている。深津絵里は3年もの間、失踪していた夫の帰還にひと言「おかえり」と声を掛け、浅野忠信は妻の作った白玉をほおばりながら「おれ、死んだよ」と告げる。そして、向こう岸へ行ってしまった夫と、こちら側で生きる妻、2人一緒の旅が始まる。黒沢清監督が湯本香樹実の小説を原作に作り上げ、今年のカンヌ国際映画祭ある視点部門”監督賞”を受賞した『岸辺の旅』がまもなく公開となる。過去に『ステキな金縛り』(三谷幸喜監督)、そして『寄生獣』(山崎貴監督)と共演作はあったものの、同じシーンでじっくりと向き合ったことはほとんどなかったという2人が夫婦役を演じた。「淡々とした静かなやり取り」と言っても、決して感情がないわけではない。愛情、喜び、不安、怒り、うしろめたさまで、ひしひしと伝わってくる。映画の開始数分で訪れる“スーパーナチュラル”な再会。2人はほとんど役について話し合うこともなく、これらのシーンに臨んだという。原作を読んで受け取った感覚を大切に妻・瑞希を作り上げていったという深津さんは「死んでしまった夫と旅をすることへの違和感は、最初からあまりなかったですね。一度、死んだ落ち武者と芝居(=『ステキな金縛り』)をしたこともありますし(笑)」と冗談めかしつつ冒頭の夫・優介との再会シーンについて振り返る。「原作を読んだ時からすごく印象的で、このシーン次第でこの映画の全てが決まると思って緊張して臨んだのを覚えています。ただ、瑞希にとっては優介は3年もの間、ずっと会いたいと思い続けてきたので、現れても怖い存在であるはずはないんですね。どこかで彼がもうこの世にいないことを受け止めつつ、慌てたり驚いたりすることもなく当たり前のように受け止めました。『あ、おかえり』という感じで」。この作品に参加した時期はちょうど「役者を始めたばかりの何もわかっていなかった頃にそうしていたように、自分がこれまで積み上げてきたことを大切にして、自分の経験を軸にした役作りを大切にするようになっていた時期だった」と語る浅野さん。優介という役に対しても、脚本にある描写を元に自身の想像を膨らませながら作り上げていった。「あの最初のシーンに意味を持たせるなら、優介の立場で言うなら精一杯の照れ隠しがああいう形になったんじゃないかと思います。じゃあ、そこで演じる上でどうしたかというと何も特別なことはしていません。(幽霊として瑞希の前に現れたという)強烈な事実があるからこそ、僕がヘタに意識して何かをしてはいけないと。そこに描かれていることをただ、やる――その方が衝撃が伝わるんじゃないかと思いました」。互いの芝居、リアクションに関しても「すんなりと入ってきた」と口を揃える2人。初めてここまで深く向き合い、セリフのやり取りをする中で見えてきたのは“似たもの同士”という感覚だった。深津さんは言う。「同世代ということで近しい感覚は持ってましたが、役柄との距離感――入り込み過ぎず、でもきちんと温度を持ってというバランスが自分と似ているなと感じました。『うまくやる』ということを避けようとするところや、目に見えないことがすごく大切だと思っている、そういう部分も同じでした。待ち時間に特別話さなくてもそこにいるだけで安心感がありました。それは夫婦という関係を築く上でとても大事なことですが、浅野さんはそれを“あえて”という風ではなく、体が知っているという感じで自然に理解し、できてしまうんです」。浅野さんは「同世代の俳優さんに対してはどの方にも仲間意識を持っている」と明かすが、特に深津さんとは今回の共演を経て「さらに強い感情を抱いた」とも。「夫婦役でこれだけ強烈な時間を一緒に過ごさせてもらって、もちろん、すぐにでもまたご一緒させていただきたいですが、たとえ共演しなくても常に一緒にいるような感覚がすごく強くあるんですよね。それこそ夫婦じゃないけど(笑)、大変な状況でも『きっと深津さんもなにかやってるだろうな』と思うと心強い。この作品を通じて育めた強い絆が確実にあると思います」。浅野さんにとっては2003年の『アカルイミライ』以来となる黒沢監督作品。先に述べた役作りの話と重なるが、浅野さん自身、このタイミングでの黒沢監督との再会に特別な感慨があるという。「覚えているのは『アカルイミライ』の時、なぜかはわからないけど、それまでの自分のやり方に限界を感じたんです。ありがたいことに周りからは『浅野さんはナチュラルな芝居をしますね』と言っていただけて、自分自身もそれを心掛け、追及していたけど、そこに飽きや限界を感じて、これまでイヤだと思っていた芝居の方向に目を向けたくなったんです。それから12年ほどやってみて、やはりそれも違う、元の自分の芝居の方向性の大切さに気付いて、一方でこの12年はすごく実になった部分もあって、そうした経験を活かしながらこれから…と思った時期にこうして黒沢監督とまたお会いできた。不思議な縁ですね。12年前とはまた違う気持ちで挑みつつ、あの時よりも役を演じることが大変になってるし、まあ自分で大変な方向に行っちゃっているところもあるんですけど(苦笑)、でもそうすることで、その後に返ってくるものがあるんだと気づかせてもらったこの12年だったとも思います」。そんな浅野さんの言葉に深津さんも深くうなずく。深津さんにとっては本作は初めての黒沢作品。また野田秀樹演出の芝居などを通じ互いに面識はありつつも共演したことのなかった蒼井優との初めての、しかも短いながらも強烈な対峙など、40代を迎え、なお作品ごとに“初めて”と積み重ねていくことを楽しんでいる。「20代の時は20代が楽しいと思っていたのと同じように、“いま”が楽しいですね。特にいまの年齢になって、より自分のことがよくわかるし、いろんな感情を知って、役に立つこともありますし、すごく楽しい年代だなと感じています。役柄に関しても、無理をせず、拒否をせず、与えられ、求められているものこそが自分の年相応の役なんだと思っています。求められるままに自然に受け入れているという感じですね」。深津さんは、優介と瑞希の肌の触れ合いを「美しい」と語り、浅野さんはまさに幽霊が少し地上から足を浮かせて、残してきた人間のその後を眺めるかのように「この映画を一番楽しんで見てるのは、間違いなく僕だと思いますよ」と笑う。非日常の設定の中で静かにリアルに紡がれる愛を感じてほしい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:岸辺の旅 2015年10月1日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2015「岸辺の旅」製作委員会/COMME DES CINEMAS
2015年09月30日第68回カンヌ映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞した黒沢清監督の最新作『岸辺の旅』の予告編映像が公開になった。深津絵里と浅野忠信が主演を務め、旅をしながら夫の最期の時を共に過ごそうとする夫婦の姿を描いた感動作だ。その他の画像/予告編公開『岸辺の旅』は、湯本香樹実が2010年に発表した同名小説を、黒沢監督と『私の男』などの脚本も手がけている宇治田隆史の脚本で映画化するもので、3年間失踪した夫が突然帰ってきたことを機に、はなればなれになっていた夫婦が旅に出る姿を描く。このほど公開された予告編はカンヌ映画祭で黒沢監督、深津、浅野らが集まった観客が大歓声を受けている記録映像から始まり、続いて深津演じる瑞希のもとに3年ぶりに浅野演じる夫の優介が戻ってくる場面が続く。しかし、優介は帰宅するなり瑞希に「俺、死んだよ」と告げ、妻を旅に連れ出す。ふたりは旅を続けながら、優介が不在だった時間を少しずつ埋め、お互いの距離は改めて近づいていくが、優介がこの世界にいられる残り時間は少なくなっていく。予告編は抑制の効いた演技とセリフで観る者の想像力を刺激する深津と浅野の演技にまず魅了される。さらに大友良英と江藤直子が手がける美しい音楽、主人公ふたりが訪れる美しい風景にも注目だ。『岸辺の旅』10月1日(木)テアトル新宿ほか公開
2015年08月11日第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門にて、黒澤清監督が日本人初の「監督賞」を受賞した『岸辺の旅』。浅野忠信と深津絵里という、日本映画界を代表する2人の実力派が初の夫婦役を演じ、W主演を務める”究極のラブストーリー”として話題を呼ぶ本作のポスタービジュアルが到着した。夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。ある日、妻の瑞希(深津絵里)の元に突然、夫が帰ってきた。だが、帰宅した優介は「俺、死んだよ」と告げる。そして、優介がこれまでお世話になった人々を訪ね、それまで過ごした時間、知らなかった秘密を知る、夫婦ふたりの旅が始まった…。湯本香樹実が2010年に発表した小説を、世界的名匠・黒沢清監督が映画化した本作。本年度の第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門において、“日本人初の監督賞”に輝き、大きな注目を集めた。W主演という形で初の夫婦役を演じるのは、実力派として知られる深津さんと浅野さん。深津さんが『悪人』で第34回モントリオール世界映画祭「最優秀女優賞」を、浅野さんが『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞しているという、まさに“国際派”の2人。今回解禁されたポスタービジュアルでは、失っていた3年間の時を埋めるように寄り添う2人の姿から、夫婦の互いへの深い愛情が伝わってくる。だが、それと同時に、物憂げな深津さんの表情や、弔いのような淡いピンクの花が、間近に迫った“永遠の別れ”を感じさせる、印象深く切ないポスターとなっている。死んだ夫とその妻の、永遠の別れへと続く旅路を描き、カンヌをも大きな感動に包んだ本作。実力派俳優たちによって紡がれる“究極のラブストーリー”の公開を、楽しみにしていて。『岸辺の旅』は10月1日(木)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月17日渡辺美里が7月12日に、全国ツアー「渡辺美里 日本全国ツアー 30th Revolution」の神奈川・CLUB CITTA’公演を開催。デビュー30周年を記念して行われる同ツアーは、ファイナルの12月23日(水・祝)大阪・フェスティバルホールまで、全国47都道府県を周る。【チケット情報はこちら】ここ数日、雨模様が続いていたがこの日はまさに真夏日。ライブ冒頭、「とっても久しぶりのような、そしてどこか懐かしささえ感じられるCLUB CITTA’ですが、ライブを迎えるに相応しい素晴らしい夏日になりました!」と語り始めた美里は、暑さとスタンディング・ライブという環境でファンの年齢や体調を気遣う。続けて「今日の日を想いながら選曲しました」と語るとおり、このツアーでは、30年のキャリアでお馴染みの名曲と、最新アルバム『オーディナリー・ライフ』収録の新曲を見事に織り交ぜ、会場によって異なるセットリストを披露している。この日のバンドメンバーは、バンマスのスパム春日井(perc)、設楽博臣(g)、澤田浩史(b)、真藤敬利(key)、松永俊弥(ds)という30周年ツアー不動の顔ぶれと、サックスは竹野昌邦に代わり庵原良司が務めた。そしてこの日は美里の誕生日という貴重なステージ。ライブのクライマックスで「ちょうど昨年のこの日に出来た歌を聴いてください」と前置きして、タイトル曲『オーディナリー・ライフ』を情感込めて披露。「ありふれた日々があまりにも愛おしい」というメッセージがファンひとりひとりの心に染み入るようだった。アンコールが数曲演奏され、名残惜しそうな美里はあと1曲できるかどうか悩んでいる様子だったが、バンマスのスパムはなにやらステージの袖に引っ込んだり、真藤と話したり、と慌しい。すると不意にハッピーバースデイのフレーズが流れて、バースデイケーキが登場。サプライズで美里の誕生日を祝う演出で、場内も一体となって盛り上がった。ツアーを終えた年明け1月9日(土)には「2016年渡辺美里30thアニバーサリー オーディナリー・ライフ祭り」を神奈川・横浜アリーナで開催する。取材・文:浅野保志
2015年07月14日浅野忠信が6月15日(月)、映画『あん』のヒット御礼イベントに出席。サプライズで本作の出演者である永瀬正敏が駆けつけると「先日メールをくれたばかりなのに…」と恐縮しきり。一方、永瀬さんは浅野さんの丸刈り頭をナデナデし、してやったりの笑顔を見せた。樹木希林演じるハンセン病に人生を翻弄された老女・徳江の魂の旅路を描く本作。犯罪歴をもつ千太郎(永瀬さん)が雇われ店長を務めるどら焼き店は、徳江がつくる粒あんのおいしさが評判になるが、かつて徳江がハンセン病を患ったという噂が客足を遠のかせ、千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなる…。「(本作に)出ていないのに、ずうずうしく来てしまって…」と照れ笑いを浮かべる浅野さん。10代の頃、永瀬さん主演の『ミステリー・トレイン』(ジム・ジャームッシュ監督)を見て「強烈にあこがれていた。日本の俳優でも、こんなカッコイイ海外作品に出れるんだと思った」と言い、“海外進出の先輩”に対する変わらぬ敬意を示した。また、永瀬さんが相米慎二監督の『ションベン・ライダー』(1983)で映画デビューを飾り、浅野さんは同監督の遺作となった『風花』(2001)に出演した“縁”があり、「とんでもないオヤジだったけど、今も悩んだときは相米監督の作品を見る」(永瀬さん)、「強烈な何かを植え付けられた」(浅野さん)と思いをはせた。東京・シネスイッチ銀座で行われたイベントには、メガホンをとる河瀬直美監督も出席。本作がオープニングを飾った第68回カンヌ映画祭ある視点部門で、浅野さんが出演した『岸辺の旅』(黒沢清監督)が監督賞を受賞しており、河瀬監督は「おめでとうございます。自分のことのように嬉しかった」と祝福していた。また、『ELECTRIC DRAGON 80000V』(2001公開)以来となる永瀬さん&浅野さんの“再共演”に期待が寄せられると、「浅野くんがよければ」(河瀬監督)、「今日はそのために来たんですよ!」(浅野さん)と意欲満々。永瀬さんも「浅野、今日は来てくれてありがとう」と感謝を表した。『あん』は現在公開中。(text:cinemacafe.net)
2015年06月16日7月12日(日)宮城・BLUE RESISTANCEよりソロツアーを行うMR.BIGのボーカリスト、エリック・マーティン。プロモーション来日を果たしたエリックにツアーにかける意気込みを訊いた。【チケット情報はこちら】2014年11月にMR.BIGとして日本武道館を含む全国8か所を回る日本ツアーを実施したばかり。こんなに早くソロ・ツアーを行うことに至った経緯について聞くと「(MR.BIGの)世界ツアーはもっと長くやってもよかったかなと思っている。アルバムは僕が主導権を握って、力を注いで作ったんだ。(パット・トーピー(ds)がパーキンソン病と診断されるなど)たいへんなこともいろいろあって苦労したあとのツアーだったから、自分が注いだ力をもっと多くの人に聴いて欲しかった。でもツアーはすごく楽しくてなにより日本ツアーはどの国よりもよかった。日本のファンとの友情は本当に特別だなとまた改めて感じたね。だからまだ“演りたい”気持ちが残っていたんだ。2枚のソロアルバムが再発になって、ふたつとも自分の人生においては大事な時期に出したアルバムだった。それをもう一度皆さんに聴いていただけるチャンスを与えてもらった。リリースしたときも日本でツアーをしてるんだけど、それをもう一度日本のファンと一緒にシェアするチャンスが訪れたからぜひやってみたいと思ったんだ」と語った。ツアーの内容については「今回はアコースティックのツアー。ソロ・アルバムの曲も中心になると思うし、MR.BIG 25周年記念のボックスセット『THE VAULT』が出て、そこにMR.BIGがもうやらないような曲も入っているので、いい機会なので復活させてみてもいいかなって頭の中でいろいろメニューを考えているところだね」と明かした。具体的なメンバー編成を聞くと、「ジョン・マクナマラというオーストラリア人のブルージーな歌声を持ちギター・プレイをする仲間が同行してくれて、基本的にはそのふたりで演奏する予定。すごくアットホームでクールでブルージーな内容になるんじゃないかな」と話した。今回のツアー会場は、ライブハウス中心で行われる。「本国アメリカでもこれくらいのサイズのところで2年ほど周っている。MR.BIGの大きな会場でもなるべくファンの顔を見て歌うようにはしてるけど、やっぱり後ろの方までは見えない。でもこういうところだとすべての人とアイコンタクトもできるし、皆も一緒に参加して歌ったりできるので参加型ということでも楽しい。音響もコントロールできるし親密でアットホームな雰囲気を出してみたいな」と語った。チケットぴあでは、チケットの一般発売に先がけて、東京、福岡、熊本、大阪、愛知公演の先行を実施中。受付は東京公演が6月3日(水)午前11時まで。福岡、熊本、大阪、愛知公演が6月4日(木)午前11時まで。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2015年06月01日「anan」1956号5/27発売は「手相に聞きたい、私の運命」特集。今週の表紙作成ストーリーを紹介します。「おーい!」と呼びかけるメガネっ娘は、漫画家・浅野いにおさんの描き下ろし!!「今回の手相特集はイラストの表紙で」と知らされたときから、私にはある野望があったのでした。それは漫画家のビッグネームに、超かわいいイラストを描いていただくこと。ananは週刊誌ですから、年間50冊ほど発行しています。そしてそのほとんどの号は、表紙に人気の芸能人の方が登場されます。いつも素敵な芸能人が出ている、というのはananの大きな強みであり持ち味なんですよね。というわけですから、イラストが表紙になる号はほんの数号。言ってみれば超レアなわけです。せっかくだから、何か仕掛けたいと思うのが人情じゃありませんか?漫画家さんに描いていただく場合、私の中で、僭越ながらこれはマストと思っていた条件があります。1絵だけで誰が描いたかわかる抜群の知名度。2かわいいのはもちろん、印象的で個性的な女の子を描ける人。3読者の心をつかむおしゃれ感。私が企画書に挙げた名前を見て、「連載抱えてる売れっ子漫画家さんって、たぶんすごく忙しいよね。こういうのやっていただけるのかな?」と上司から問われましたが、「それはわかりません」となぜか堂々と答える私。だって弊社には漫画雑誌がないし、漫画界の常識やスケジュール感もまるでわからないですから。でもダメモトで聞いてみる価値はあるんじゃないでしょうか?実は、私の中には早い時点で「この人」と思う漫画家さんの名前がありました。当然、タッチが今回の表紙のイメージとぴったりだと思ったことが第一。さらに、今年になってから、その人のイラストがアニメーションになったCMが流れたり、文学全集の帯でイメージイラストを描かれているのを目にして、異業種とのコラボに積極的なんじゃないかなと思ったのも後押しになりました。この方が描いてくださったら、間違いなく、すっごくいい感じの表紙になりそうです!とはいえ、まさか本当に実現するとも思っていなかったので、OKをいただけたときは椅子からずり落ちそうになりましたけど。あがった表紙を見て、ニヤニヤしてしまいます。浅野いにおさん、本当に素敵なイラストをありがとうございました!(S)
2015年05月27日3人組オルタナティブロックバンド、シュリスペイロフが5月20日(水)に4年ぶりのフルアルバム『その周辺』をリリース。メンバーの3人に話を聞いた。【チケット情報はこちら】シュリスペイロフは1999年に札幌で結成。高校の同級生だった宮本英一(vo、g)とブチョー(ds)で組んだバンドに、メンバー募集に応募してきた野口寛喜(b)が加わった。当時、ライブハウスに出演する方法がわからず5年間もの間、スタジオで宮本が作るオリジナル曲を合わせ続けたという。「自分たちのクオリティが同世代の中でどれくらいか比べるところがなかった。モチベーションはもっと高いところにあった。ライブをやりたいと思ってライブハウスに出てるバンドを観たら大したことなくて”やれるな”と思った。誰もやってないような曲をやりたいと考えて曲を作ってたけどそこまで辿り着けてはいなくて、5年間、才能あるのかな?ないのかな?って気にしてましたね」(宮本)。『ダイバー』という曲が出来たときに手ごたえをつかんだ彼らはその後も札幌で活動を続け、インディー、メジャーでCDをリリース。次の作品が出せる環境がなくなったときにthe pillowsの山中さわおに、主宰するDELICIOUS LABELに「入れないですか?」と直訴したという。「当時一番わかって下さる方がさわおさんだったので、あそこだったら自由にやらせてくれるかなと思って」(宮本)。晴れて移籍を果たした彼らは札幌から東京に居を移し、2014年4月に5曲入りミニアルバム『turtle』をリリース。「当時33歳。バンドの辞め時と言えば辞め時(笑)。そのタイミングで東京に来たので覚悟みたいなものはあった」(宮本)という。5月20日(水)にリリースするフルアルバム『その周辺』。抜群の演奏力、緻密さと偶然のバランスが絶妙なアレンジ、独創性あふれるオルタナ・サウンドはクセになる中毒性を孕む。「面白いベースを弾きたいというのは常々ある。このアルバムでへんてこな部分も含めていろいろできた」(野口)と仕上がりにはメンバーも自信をのぞかせる。今後の夢を訊くと「東京に来て大きなステージに立たせてもらえるようになったけど、まだ自分たちが主役じゃないので、その規模で自分たちを観に来て一緒に楽しめるような環境になりたいですね」(ブチョー)と意気込んだ。(取材・文/浅野保志)■アルバム『その周辺』5月20日(水)発売2,500円(税込)
2015年05月19日女優の深津絵里と俳優の浅野忠信が18日(現地時間17日)、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭に出席し、「ある視点」部門に正式招待されている黒沢清監督作品『岸辺の旅』(10月1日公開)の舞台あいさつを行った。背中が大きく開いたブラックドレスに身を包んだ深津と、タキシード姿の浅野がレッドカーペットに登場すると、世界中から集まった観客たちから大喝采が巻き起こった。さらに、100台以上のカメラのフラッシュが一斉にたかれ、世界中のTVクルーからは「クロサワ! フカツ! アサノ!」の熱烈なコールが上げられた。公式上映が終わると、場内では5分以上にわたるスタンディングオベーションが。加えて、会場外でも5分以上の熱いスタンディングオベーションが続けられ、3人もその反響の大きさに感無量の表情を見せた。今回が初のカンヌ入りとなった深津は、「初めてのカンヌ国際映画祭でのレッドカーペットは、とても緊張しました」と感想を語り、「公式上映後には、たくさんの方にとてもあたたかい拍手を頂き、撮影中も夢の中のようでしたが、まさに今日も夢の続きにいるかのような気持ちになりました。作品に描かれている愛が、じわじわとしみこんでいるような、あたたかい拍手でした」とコメントを寄せた。黒沢監督作品では、『アカルイミライ』(2003年)以来のカンヌとなった浅野は、「多くの方々にあたたかく迎えていただき、映画で描かれた、1つのすばらしい愛のかたちが伝わったかと思いました」と感慨深げ。上映後のスタンディングオベーションには、「あんなに多くの拍手をいただき、たくさんの拍手に祝福していただけて、すごくうれしかったです」と、喜びを語った。『トウキョウソナタ』(2008年)では、第61回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」で審査員賞を受けた黒沢監督。ヨーロッパでも絶大な人気を誇る黒沢作品だけに、「なによりうれしかったのは、公式上映後のスタンディングオベーションの後に、会場の外でも多くの方が残っていただいていて、たくさんの拍手で迎えられたことです」と、その好反響ぶりを振り返った。本作の原作は、作家・湯本香樹実の同名小説で、3年間失踪していた夫・優介(浅野)が妻・瑞希(深津)を連れて、失踪中に世話になった人々を訪ねて行く物語。瑞希はその旅で、それまで知らなかった優介の姿を知ることになる。優介はなぜ突然帰ってきたのか、そして優介が伝えたかったこととは。黒沢監督が"究極の夫婦愛"を描く。(C)Kazuko Wakayama(C)2015「岸辺の旅」製作委員会/ COMME DES CINEMAS
2015年05月18日5月13日(現地時間)より開催される第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式招待されている、深津絵里&浅野忠信W主演、名匠・黒沢清監督による『岸辺の旅』。このほど、本作の初日が10月1日(木)の映画の日に決定。さらに小松政夫、蒼井優、柄本明といった豪華キャストの参加が明らかとなった。夫の優介(浅野忠信)が失踪してから3年。妻の瑞希(深津絵里)は喪失感を経て、ようやくピアノを教える仕事を再開し、日々を暮らしていた。そんなある日、突然、夫が帰ってくる。瑞希に「俺、死んだよ」と告げる優介。そして「一緒に来ないか、きれいな場所があるんだ」という夫に誘われるまま、瑞希は夫婦2人で旅に出ることに。それは、夫が3年間でお世話になった人々を訪ねていく旅だった。1つめの町では新聞配達を生業とする孤独な初老の男性を、2つめの町では小さな食堂を営む夫婦を、3つめの町では山奥の農園で暮らす家族を訪ねる2人。旅を続けるうちに、瑞希はそれまで知らなかった優介の姿も知ることになる――。夫との失われた時を巡るように過ごした妻が、言えなかった「さようなら」を伝えるための旅路で気づく深い愛。本作は、そんな愛する人との永遠の別れを描く究極のラブストーリー。湯本香樹実が手がけた同名小説を、国内外に多くのファンを持つ黒沢監督が映画化した。夫婦の旅の中で登場する新聞配達員の島影には、黒沢作品に初出演となる小松政夫。優介の過去の秘密を知り、瑞希と対峙していくことになる松崎朋子に、連続ドラマW「贖罪」で黒沢監督とタッグを組んだ蒼井優。「贖罪」は再編集され、ヴェネチアやトロントといった映画祭などで上映されたものの、蒼井さんの出演は“映画”としては初めて。また、優介を先生と慕う農家を営む星谷には、柄本明。2003年の『ドッペルゲンガー』以来、実に12年ぶりの黒沢組への参加となる。3人ともに「黒沢監督の作品に出演することができて嬉しい」とその喜びを語っており、『悪人』で第34回モントリオール世界映画祭「最優秀女優賞」を受賞した深津さんと、『私の男』で第36回モスクワ国際映画祭「最優秀男優賞」を受賞した浅野さんとの共演も大きな見どころとなっている。なお、本作は、フランス国内でも100~150館規模での公開を今秋に予定しているという。『岸辺の旅』は10月1日(木)よりテアトル新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月11日1989年にデビュー。数々のヒット曲を発表するも、2002年活動にピリオドを打ったバンド、LINDBERG。20周年にあたる2009年に1年間限定で復活し再び休止したが、2014年、25周年を機に「Re:LINDBERG」と題して継続した活動を宣言。結成から解散、そして再活動に至るまで渡瀬マキ(vo)が語ってくれた。【チケット情報はこちら】アイドルだった渡瀬がLINDBERGを結成した経緯について振り返ってもらうと「アイドルのとき、やってる音楽がしっくりこなくて(笑)。憧れていた東京で松田聖子さんみたいな衣装を着て1年やってみたけど自分に嘘つけへんようになってきて。“今やってることが心地良くない”って伝えたら社長が“カラオケやめて生演奏にして、デパートの屋上やめてライブハウスで歌ったら”とバンドを探してくれて、その中に達ちゃん(平川達也・g)がいた。書き溜めてた歌詞をみせたら曲をつけてくれて、生まれて初めて自分の書いた詩がメロディになってそれを歌ってすごい感動して“あー、これや!”って思ったんですよ。達ちゃんが“こういう感じでやりたいならバンド組むのがいいんじゃない?”って、智ちゃん(川添智久・b)とCHERRY(小柳昌法・ds)を連れてきてくれた」。その後彼らは日本武道館が満杯になるほどの人気に。「正直、実感がなかった。『今すぐKiss Me』という曲が一番前を走っていて、その次にLINDBERGというバンド名が走っていて、自分たちは一番後ろの方で追いつくのに一生懸命やった。でもね、それがかえってよかったと思う。大人になればなるほど考えすぎてしまう。だけど歌が好き、ステージが好き、それをみんなが応援してくれる。それだけでいれた時代。貴重な数年間やったなって今は思うんですよ」。その後、渡瀬は平川と結婚。バンドは解散を迎える。「私の全てが子供に向かっていたんですよね、全ての細胞が。息子を産んで2年はバンドやってたんやけど、どうしてもそばにいたくて、それで解散を決めたんです。それから娘を産んで子育てしていく中で子供向けの番組で歌うチャンスがあって、その頃風の噂でLINDBERGが20周年ってきいて(笑)。自分も40歳になるし、あとはメンバーやなと思って電話してみたんですよ。そしたら“いいねえ”って」。2014年の再開は「再始動する可能性は0%でした。2009年のライブの最後に“また会おうね”とは言えへんかった。明日のことは誰にもわからんもんね。でも確実に人生の折り返し地点に来てて、LINDBERGをなくしてしまっていいのかって自問自答があって、単純に楽しくLINDBERGの音楽ができたら最高に幸せやなと思えた。メンバーは運命共同体で、いつもどこかで待っていてくれてOKって快く言ってくれるのがありがたいですね」。春に予定しているライブに向けて「ファンから聴きたい曲を募集してるんですよね。要望に応えて椅子も用意したんですよ。椅子があればじっくり聴いてもらえるし、長く喋っても大丈夫やなと(笑)」と意気込んだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2015年03月05日カミナリグモが、2月19日に東京・渋谷7th FLOORでライブ「『ゴー・トゥ・ザ・フューチャー』リリースイベント~続きのブランクペーパー~」を開催した。【チケット情報はこちら】13年前に結成され、現在、上野啓示(vo、g)と成瀬篤志-ghoma-(key)の2人組で活動中の彼ら。バンド編成でステージをやることもあったが、最近はふたりですべてを演奏するスタイルで精力的なライブを展開している。この日は2年4か月ぶりとなる3月11日(水)発売のCD『続きのブランクペーパー』と、そのプロローグ盤として会場限定でリリースされた『ゴー・トゥ・ザ・フューチャー』のリリースを記念したイベント。セットリストも新曲が中心で、会場に駆け付けた満員のファンもその一曲一曲をじっくり噛み締めながら聴いている。アップテンポの曲では客にスタンディングを促したり、ghomaがグランドピアノを弾き、上野が生ギターを抱えての「アコースティック・コーナー」を設けたりとバリエーションに富んだ内容だった。久しぶりのリリースに「音楽の旅が続けられる」としみじみ語った上野。4月11日(土)新潟Blue Cafeよりリリースワンマンツアーも発表され、彼らの”音楽の旅”は手ごたえと自信に満ちたものになりそうだ。取材・文:浅野保志(ぴあ)■『続きのブランクペーパー』リリースワンマンツアー4月11日(土)新潟Blue Cafe(新潟県)4月12日(日)長野NEONHALL(長野県)4月29日(水)仙台SENDAI KOFFEE(宮城県)5月 9日(土)下北沢CLUB Que(東京都)5月16日(土)福岡HEARTBEAT(福岡県)5月17日(日)広島JIVE(広島県)5月30日(土)名古屋ell.SIZE(愛知県)5月31日(日)大阪knave(大阪府)■アルバム『続きのブランクペーパー』3月11日(水)発売BZCS-1120/1700円
2015年02月23日浅野忠信と岡田准一(V6)が“ゴールデンコンビ”としてCMキャラクターを務めるサッポロの新ジャンル「麦とホップ The gold」の新CM発表会が1月29日(木)に都内で開催された。この1年、2人でゴールデンコンビとしてCMに出演してきたが、その間「麦とホップ The gold」は好調な売り上げを見せ、2014年2月の発売以来、1,155万ケースを売り上げた。今回の新CMではこのゴールデンコンビが続投。2人が軽快なステップを踏みながら揃ってパーティ会場に入場するさまがセリフなしで描かれる。浅野さんは「また岡田くんとゴールデンコンビを組めるというのが嬉しかった。テンション高く頑張りました。ステップは不器用だから大変でしたが…(苦笑)」と述懐。CMの見どころについては「岡田くんが最後に飲んで『あぁっ!』と言うところは輝いてます(笑)」と語った。岡田さんは「コクがダダ漏れの浅野さんを目指してこの1年、コクを出せるように頑張りたいです」とニッコリ。CM中のステップシーンについて「オンエアでは1秒もないけど、回数を重ねました。浅野さんの呼吸を感じられて嬉しかったです」と笑顔でふり返った。1,155万ケースという途方もない数をこの1年で売り上げたことについて、浅野さんは「数字は苦手なんですがすごいというのは分かります。このCMに出て良かったです」と語り、岡田さんは「数字で表れると嬉しいですね。少しでも力になれたと仰っていただけるならよかったと心から思います」と喜びを口にする。また、あるアンケートでは消費者の70%以上が、同商品について「コクがある」と感想を漏らしており、さらに約90%「おいしい」と回答している。浅野さんは「すごいですね。コクがあるのは僕らも感じていることで、言い続けてきたけど、飲んだ人が感じて宣伝してくれるってすごいこと。本当においしいですからね。周りにも『おいしい』と言われます」と嬉しそう。岡田さんは「消費者のコメントというのは的を射ていて深いので、良さが伝わっているなら嬉しい。普通においしいですからね。現場に差し入れしてスタッフさんにも喜んでもらってます」と明かした。最後に岡田さんは「仕事終わりにグイッと飲んで『プハァー!』って言っていただくのが一番おいしい。声を出してほしいです」とアピール。さらに「今年は『ゆっくりと味わって生きる』ということをテーマにしてます。みなさんにもコクをじっくりと味わっていただき、ゴールドに日本中が輝いてほしい」と呼びかけた。「麦とホップ The gold」新CMは2月2日(月)よりオンエア。(text:cinemacafe.net)
2015年01月29日女性3人組バンド、noodlesがオリジナルアルバムとしては2年ぶりの新作『Loafers on the Japantown』を12月10日(水)に発売。ソングライティングを手がけるYOKO(vo、g)に話を聞いた。noodlesは1991年の結成以来、独自のスタンスを貫き日本のみならず海外でも高い評価を受けているバンド。オリジナルアルバムとしては2年ぶりとなる同作について、「いつもは全体の流れとか、アルバムならではの曲を入れようとか、計算して曲順も決めるし、制作するときも意図的に狙ったりするんですけど、今回は全曲リード曲でいけるくらいの曲を作りたいな、1曲1曲主役になるようなアルバムを作りたいなと思って。だから曲同士がぶつかり合ってるというか、ジャンルとかも全部ぶつかってるから、メンバーの中では”ごった煮”って呼んでて(笑)」と話す。アルバムは、確かにいつもの作品と比べて曲の個性が際立ってる印象。その理由を聞くと「3年前、20周年のライブが終わった後にちょっとのことでは興奮しないことが多くなって。あのライブ以上の緊張感がなくなって寂しくもありつまらなくもあり。次のアルバムは自分を追い込んで、ハードルを何段も上げて作ってみたいなと思いました」と語った。また、同作はサウンド面でもnoodlesならではの個性はそのままに、アレンジでは細部に新たなチャレンジも感じられる。「それは前作のカバーアルバム『MAKE UP TO BREAK UP』がすごく勉強になりました。一回完璧に仕上がったものを崩して、アレンジし直すということでアレンジの面白さとか大切さがわかって、それを今回は詰め込みたかったんです」と話した。バンドを23年という長い時間続けられた秘訣について聞くと「音楽のルーツはメンバー(IKUNO(b)、AYUMI(ds))それぞれ違うんだけど、“noodlesならこうだね”という色は一貫している。”長く続ける秘訣は何ですか”ってすごく言われるんだけど、多分”奇跡”としか言いようがない。自分たちでもわからない。続けようって頑張ってきたつもりもないから、”これは奇跡なんですよ”っていつも思う。多分、仲良くしてるからかもしれないな。”また明日も遊ぼうよ”みたいな気持ちの延長線なのかな(笑)」と照れくさそうに明かしてくれた。取材・文/浅野保志(ぴあ)■アルバム『Loafers on the Japantown』12月10日(水)発売DELICIOUS LABEL/BUMP-0432,500円
2014年12月09日the pillowsが11月30日茨城・水戸ライトハウスより、新作を携えた全国ツアー「moondust tour」をスタートさせた。【チケット情報はこちら】今年結成25周年を迎えたthe pillowsが新作『ムーンダスト』をリリースしたのが10月22日。前作リリースとツアー後に活動休止、山中さわおのソロアルバムのリリースとツアーがあったため、新作を携えたツアーは約2年半ぶりだ。「久しぶりじゃないか、みんな元気かい?」。お決まりのMCに怒号にも近い歓声が起こると「声でっけえな」と嬉しそうな山中。「ツアー初日、初々しい僕たちを、仕上がっていない俺たちをまんまと観に来たな(笑)」と続け、新作からのナンバーを中心に熱いロックンロールを繰り出す。ライブ初披露の新曲もCDよりさらにエモーショナルに歌い上げ、場内のボルテージを一気に上げていく。MCで山中は「今年は俺たち25周年って言ってやってきたけど、ここ水戸ライトハウスも25周年だそうです。(当日収録に入っていた)スペースシャワーTVも25周年ですよね」と縁を感じる初日に触れ、「25年やっても”まだまだだな”と思うのは昨日、新宿の服屋さんに入ったとき、大学生くらいの男の子ふたりとすれ違ったら”あっ、今のthe pillowsのボーカルだ、まじか”みたいな(笑)。そっか、まださわおさんって定着しないんだ」と自虐的なエピソードを披露。演奏されるセットリストも新作からの曲を核に、これまでのキャリアの中からフィットするナンバーを織り交ぜて、躍動感と感動が湧き上がる構成。積み重ねてきた年輪と、25年を経て未だロックに魅せられた少年のような瑞々しさが同居するステージは実に希少だ。また、メンバー紹介の時、茨城出身の佐藤シンイチロウ(ds)が20年ほど前に共演したバンドが、関西出身なのに岩手で”岩手のみんな、帰ってきました。岩手は第二の故郷です”と言ったことにびっくりしたと語り「残念ながらthe pillowsは大衆に媚びないのでそういうことを今まで言ってこなかったけど、今日は言ってみようかな。茨城は僕の第二の...、あれっ、第一の...」と言いかけ、山中に「ややこしいわ、唯一の、でしょう」とツッコまれ、会場の笑いを誘った。アンコールに2度応え、満足そうな笑顔を浮かべた山中は、「今日はね、初日だし、初日はいつもフワフワしてるところを見せてる。だけど”今日の俺は違う!”と思ったら違わなかった(笑)。ここから俺たち元気に、仲良く(笑)、ツアー回ってくるよ。ツアー中、また新曲作るよ。ありがとう、楽しかった」と締めくくった。ツアーは来年3月28日(土)東京・Zepp Tokyoまで続く。また同ツアーでは、アルバム『ムーンダスト』を購入か、来年1月21日(水)に発売される結成25周年記念ライブの模様を収めたDVD・Blu-ray作品を予約すると、その場で「オリジナルクリアファイル」が貰えるキャンペーンを実施。参加予定の方はご確認を。取材・文:浅野保志(ぴあ)
2014年12月01日