5月28日(金)に公開を控える映画『HOKUSAI』から、主演・柳楽優弥演じる葛飾北斎と浦上晟周演じる東洲斎写楽が登場する新たな本編映像が公開された。代表作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が新千円札のデザインやパスポートに採用されるなど、今なお愛され続ける世界的アーティスト・葛飾北斎。ゴッホ、モネなど名だたる印象派アーティストたちに大きな影響を与え、米 LIFE 誌“この 1000 年で偉大な功績を残した100人”に選ばれた唯一の日本人である北斎の知られざる生涯を初めて描いた映画『HOKUSAI』が公開となる。今回公開されたのは、絵の本質を掴めず才能がくすぶっている北斎(柳楽)と、彗星の如く現れた天才絵師の写楽(浦上)が火花を散らす緊迫のシーンを切り取ったもの。希代の版元、蔦屋重三郎(阿部寛)が目をつけた無名の写楽が、舞台役者の「大首絵」で一躍有名になり、闇雲に絵を描き続けるも未だ蔦屋に認めらない北斎もその名を聞きつける。「どんなやつか会ってみたくねえか?」と蔦屋に誘われ宴に向かうも、大ヒット作を生み出したのが自分よりも年下の少年だったという事実と、周囲から才能をもてはやされていることを目の当たりにし、嫉妬や悔しさで打ちひしがれる北斎。これまでの常識を超えた写楽の浮世絵に、納得のいかない北斎は「あれが絵だってのか、あんなものをあんたは欲しがっていたのか?冗談じゃねえ!あんな絵を描くやつは絵師とは呼ばねえ。顔も手も、大きさなんかでたらめじぇねえか!顔だって見ろ、どいつもひょっとこみたいな面してやがる」と蔦屋に声を荒げるのだった。興奮冷めやらぬまま、門下にも属さず、師匠も持たない写楽がどうして絵を描けるのか尋ねると、写楽は「ただ道楽で描いたまでです。いつの間にか筆を持ち、興じているうちに描くようになりました。私はただ、心の赴くままに描くだけです。何かお気に障りましたか?」と北斎を見下すような一言に思わずイライラ。憤りを隠せない北斎と、そんな北斎を哀れむ天才写楽は険悪なムードに包まれるが、「絵に関しては誰にも負けたくない」という気持ちこそが、北斎の成長の源になっていく。年齢やキャリア関係なく、才能を同じ土俵にあげて切磋琢磨させる蔦屋重三郎の厳しさもまた、北斎、歌麿、写楽など錚々たる浮世絵師たちを世に生み出した、名プロデューサーの手腕といえるだろう。写楽との屈辱的な対立シーンを演じて「歌麿は先輩で写楽は後輩。その写楽がみんなから称賛されているのを見て、悔しさを感じ、その勢いで写楽に対してキツく当たったら、さらに大きなしっぺ返しをくらってしまうんです(笑)。写楽から言われたことに対して、北斎自身も合ってるかもしれないと、悟ってしまったんだと思います。台本には言い合いの後に『座る』と書いてありましたが、そういう状況の中で座ってしまったら、気持ちが落ち着いてしまうんじゃないかとおもったんです。あのシーンは、言ってみれば喧嘩です。実際に現場に入ってみると、立った勢いで去っていくくらいの気持ちになりました」と明かす柳楽。才能が開花し、誰もが認める“葛飾北斎”になるまでがむしゃらにもがき続けた北斎を自身に投影し、感情の赴くままに演じ切った柳楽による青年期の北斎に注目してほしい。映画『HOKUSAI』本編映像映画『HOKUSAI』5月28日(金)より公開
2021年05月11日世の中のツールは基本、右利き目線で作られています。最近でこそハサミなどの左利き用ツールが出回るようになりましたが、それでもまだ一部。料理や小さな子ども用となると、やはりまだまだ右利き社会です。そこで今回は、神奈川県相模原市で左利き用ツールを100種以上取り揃えている文房具店〔菊屋〕さんを取材、子育てママにも嬉しい左利き用アイテムを紹介していただきました。左利きは右利きより時間的に不利!?今回取材で訪れたのは、左利き用ツールを100種以上取り揃えている文房具店〔菊屋〕さん。店内にはズラリと左利きさんのためのアイテムが並んでいます。〔菊屋〕代表の浦上裕生さんによると、「左利きの人が右利き用の道具を使うとき、右利き用に作られたものをいったん左利きで使うイメージをしてから使わないといけないんです。それはそれで空間イメージのトレーニングになっているのかもしれませんが、多忙を極めるときやテストなど、1秒も無駄にしたくないときは、右利きに比べて不利になります」とのこと。《定規》などはその典型的な例だそう。「一般的な定規なら、目盛りは左スタート、左が0ですよね。たとえば5cmの線を引くとしたとき、右利きならそのまま0から5cmまでの線を引けば良いですが、左利きの場合、それだと引いている線が手で隠れて見えないので、右から5cmを数えながら線を引きます。左利きとは、日々このような作業の繰り返しなんです」いま、世界中の左利きさんが「そうそう!」と頷いている姿が、目に浮かびます。このストレスは左利きの老若男女共通で、〔菊屋〕で売れている左利き用ツールの人気ナンバーワンも定規なのだとか。左利き用メタクリル直線定規18cm162円 / クツワ「左利き用の定規はあまり売っていないみたいで、遠方から買いに来られるお客様も多くいらっしゃいますよ」(浦上さん)左利きさんの悩みから生まれた《レフティ用おたま》定規に続いていま、キッチンツールも注目されているそうです。「文具の左利き用はずいぶんと種類が増え、販売店も増えてきましたが、キッチンツールはまだまだ数が少ないようで、お客様からの問い合わせも多いです。左利きの方々の声で、よく聞かれたもののひとつが《おたま》でした」そこで浦上さんは製造会社へ直接依頼、左利き用おたまの販売を実現させたそう!写真左から:《ヨコレードル》90cc 1,296円、《ヨコスキンマー》70cc 1,296円、《うどん用おたま》1,296円確かに右手に持ちかえるひと手間がかからず、ちょっとストレス軽減できた気分です。さらに感激したのは、フライ返し。《愛妻専科フライ返し》1,188円 / サンクラフトやはり左右アシンメトリーなツールは、左利きに合わせた向きで作られたものの方が、だんぜん使い勝手が良くなります。実は左手で使える右利き用アイテムもその一方で、左利きでも使えるのに、知らないでわざわざ右手に持ちかえて使われがちな両利き用アイテムがあると、浦上さん。「カッターって、実は両利き用のものも多いんですよ。うちの店でも左利き用を売ってはいますが、市販のカッターでも、じゅうぶん左利き用になりますよ」そう言って見せてくださったのが、左利き用としても使えるカッターと、完全に右利き用のカッターの2本。左:左利きでも使えるカッター右:右利き用カッター「ポイントは、写真左のようにカッター本体の先端がシンメトリーになっていること。この形であれば、内蔵の刃の向きを逆にすれば、左利き用になります。写真右のようなアシンメトリーになっているものは、持ち手も右手にフィットするようにできているものが多いので左利き用にはカスタマイズしにくいですね」当たり前のように右手に持ちかえるものと思っていましたが、よくよく考えれば、カッターって刃先を変えられるんですよね!これはストレス軽減になります。商品によっては、本体の先に「LEFT」「RIGHT」とガイドが書かれているものもあるそうです。左利きの子どもが使う刃物は左利き用が安心大人もそうですが、子どもが左利きの場合もさまざまな不都合が発生します。「子どものうちからいろいろな種類の道具に慣れさせることも大事ですが、ハサミや彫刻刀、包丁などの刃物は、左利き用を準備してあげた方が安心かもしれません」と浦上さん。左利きの子どもに最低限必要な刃物類は、ケガをする前に買っておくと良さそうです。《菊屋》には他にも、ボールペンや彫刻刀などの文具はもちろん、缶切り、箸、急須などのキッチンツールも数多く販売されていました。実際に手に取ってみて感じたのは、触ったからこそわかる、使い勝手の良さ。やっと生涯のパートナーに出会えたような、手先とツールのフィーリング。探せば通販でも買えそう。ですが、ここはあえて実店舗で、見て触って右手用と比べると、その感激もひとしお、とお伝えしておきます。〔菊屋〕
2018年08月24日