ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の公開ゲネプロが9日に東京・日生劇場で行われ、浦井健治、朝夏まなと、夢咲ねね、衛藤美彩が取材に応じた。同作は『レ・ミゼラブル』で知られるヴィクトル・ユゴーが手がけた原作をもとに2018年に世界初演を迎えたミュージカルで、今回が日本初演となる。子供の頃にさらわれ、見世物として口を裂かれ、醜悪な笑みを貼り付けられたグウィンブレン(浦井)の運命と、貴族と貧乏人の世界の対比を交え描いていく。3月いっぱいで乃木坂46を卒業したばかりの衛藤は、朝夏とは「まぁ姉」「みさたん」と呼び合うなど、カンパニーとも和気藹々とした様子を見せる。「稽古中はまだ(乃木坂46に)在籍してたんですけど、4月で卒業して。特に卒業したから大きく変わったとかはないんですけど、気持ちとしては卒業後の1作目で、(『笑う男』が)日本で初ということと重なって、新しいスタートで頑張るぞという気持ちでいっぱいです」と心境を明かした。宝塚歌劇団からの"卒業"を経験している夢咲は、「次の違う世界に飛び立とうとしてる美彩ちゃんを見て、すごく懐かしいというか、『自分もこうだったのかな』とか、あの時の感覚が蘇ったりして、刺激をもらってます」と笑顔に。朝夏も「私も2年ほど前に卒業したんですけど、新しい世界に1歩踏み出す時って、すごくわくわくしてた思い出がある。美彩ちゃんを見ていると、『輝かしい未来へ突き進むぞ』みたいなエネルギーが出てて、私も刺激を受けてます」と語った。衛藤は、「ねねさんが同じデア役ということで、稽古の時から『卒業して自分自身になったら自由だし、今までグループの色とか考えてたかもしれないけど、自分の色をどんどん出してって大丈夫だよ』とアドバイスをいただいて」と振り返る。「朝夏さんもおっしゃってくださったので、エールを受けて、初日は明日になるんですけど、今日初日という気持ちで頑張りたいと思います」と意気込んだ。
2019年04月09日ミュージカル『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』の公開ゲネプロが9日に東京・日生劇場で行われ、浦井健治、朝夏まなと、夢咲ねね、衛藤美彩が取材に応じた。同作は『レ・ミゼラブル』で知られるヴィクトル・ユゴーが手がけた原作をもとに2018年に世界初演を迎えたミュージカルで、今回が日本初演となる。子供の頃にさらわれ、見世物として口を裂かれ、醜悪な笑みを貼り付けられたグウィンプレン(浦井)の運命を、貴族と貧乏人の世界の対比を交え描いていく。カンパニーについて、浦井は「和気藹々としております」と仲の良さを明かし、「本当にこのカンパニーはみんなが団結していて、『笑う男』日本版のミュージカルを作ろうとしている」と自信を見せる。稽古の時は"のぶ兄"こと宮原浩暢をいじっているというが、さらに「山口祐一郎さん、石川禅さんという先輩方が『あ〜大丈夫だよ〜』『いいんだよ〜』って言ってくださって、幸せだなと思いました」と、感謝していた。また、作中では朝夏が浦井を誘惑する場面も話題に。朝夏が「2回ほど、誘惑させていただくんですけど、どうですか?」と尋ねると、浦井は「案外、ピュアなんですよ! 男役を卒業されまして、これだけの誘惑の役というのはなかなかのハードルかな? まぁちゃんのファンの方はびっくりする」とニヤリ。浦井は「たまに(『エリザベート』の)トート様に見える。誘われようかなって」と危ない願望も芽生えている様子で、朝夏は「自分はSなのかな? 新たな自分を発見しながらやってるんですけど、健ちゃんが子犬のような目で見てくださるので、余計にグイグイ。お楽しみに」と期待を煽った。さらに浦井は「従順にいきます」と意欲を見せ、夢咲も「むちゃくちゃ色っぽいです。『男役さんだったんですか?』って、何回も聞くくらいに女性の色気をそなえてらっしゃて、本当に素敵だなと思います」と称賛していた。フランク・ワイルドホーンによる楽曲についてきかれると、浦井は「めちゃめちゃ大変です。最後全部ロングトーンみたいなところあります」と苦笑しつつ、「楽曲が粒揃いなので、曲に感情を乗せれば、感情もついてきて役が作られていくみたいな感じはあると思います。デア(夢咲、衛藤)と一緒に歌っていても、互いに感情の揺れる部分はあると思うので、楽しみつつ、千秋楽まで駆け抜けたいなという気持ちでいっぱいです」と意気込みを表した。
2019年04月09日性転換手術を受けたものの股間に“アングリーインチ(怒りのインチ)”が残ってしまった、男でもあり女でもあり同時にそのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグが、愛を求め叫ぶ『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』。日本でも何度も上演されてきた人気のブロードウェイミュージカルが、浦井健治と女王蜂のボーカル・アヴちゃんによって届けられる。演出も福山桜子の手で新しくなる今回。今度はどんな熱狂を生み出すことになるのか。ふたりが意欲を語った。【チケット情報はこちら】日本では7年ぶりとなる公演で、これまで、三上博史、山本耕史、森山未來が演じてきたヘドウィグを担う浦井健治。「去年の『メタルマクベス』では黒だった爪が今度は赤くなるんです。“浦井、どこへ行こうとしてる!?”と思われるかもしれませんが(笑)、この孤高な役を演じられること、そして、人生を素敵なものにするためのバイブルのような作品に出演できることを、本当に光栄に思っています」と出演の喜びを語る。一方、自分を裏切ってトップスターに上り詰めた男のコンサートを追うように巡業しているヘドウィグのバンドメンバーであり、彼に寄り添うイツァークを演じるアヴちゃん。単独でのミュージカル出演はこれが初となる。「普段はもう命を燃やすように歌っているんですけど、この『ヘドウィグ』はそこまでやっていいもののひとつのような気がしています。浦井さんのヘドウィグに私が加わることで、鬼に金棒ならぬ、“王子にチェーンソー”くらいの(笑)、力になれたらなと思っています」浦井にとってもアヴちゃんの存在は心強いようで、「ヘドウィグの内面を浮き彫りにしてくれるのが、本当のヘドウィグのように切れ味のあるアヴちゃんっていうのが、今回のいちばんの武器」と言い切る。アヴちゃんもまた「ギャルパワーでやってきた自分が演じるからには(笑)、若い子たちにどんどん来てもらって、今の時代に私たちが演じる意味を感じてほしい」と意気込んだ。それに対して「アヴちゃんのパワーが、ミュージカルというカテゴリーも何もかも突破してくれると思うので、一緒に、作品の持つ力そのままを皆さまに届けられたらと思います」と応える浦井。作品の楽曲について、「全然武装してなくてセンシティブだから刺さる」とアヴちゃんは評したが、だからこそ、ふたりもまた剥き身になるしかないのだろう。その心の叫びは、まさしく“刺さる”ものになるはずだ。8月31日(土)から始まるEX THEATER ROPPONGIでの東京公演を皮切りに、福岡、名古屋、大阪と各地をめぐり、9月26日(木)からは東京に戻り、Zepp Tokyoにて公演を行う。チケットは各地ともに現在、チケットぴあにて抽選先行プレリザーブを実施中。3月18日(月)午前11時まで。取材・文:大内弓子
2019年03月15日トニー賞受賞ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)」が、新作として2019年にEXシアター六本木ほか福岡、名古屋、大阪で上演される。傑作ロック・ミュージカル「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」1997年にオフ・ブロードウェイで初上演されロングランを記録、世界各地で数多く上演された「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」。2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞、舞台・映画共に世界中で一大ブームを巻き起こした傑作ロック・ミュージカルだ。主人公は、愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(=怒りの1インチ)」が残ってしまった、男でもあり女でもある、あるいはそのどちらでもないロックシンガー、ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験する中で、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿が描かれる。日本では、2004年、2005年に三上博史主演で初演を果たし全日ソールドアウト、2007年、2008年、2009年には、全編英語詞の歌唱で話題を呼んだ山本耕史主演版、そして、2012年には映画監督・大根仁の演出による新たなヘドウィグ・ワールドが誕生した森山未來主演版、2015年のオリジナルキャスト版と、様々なバージョンが上演されている。浦井健治&アヴちゃん(女王蜂)が出演7年ぶりとなる待望の日本公演で新ヘドウィグを演じるのは、ミュージカル「王家の紋章」「メタルマクベス」など、多くの大作舞台の出演を果たす浦井健治だ。そしてイヴァーク役を、年齢・国籍・性別非公表の4人組バンド女王蜂のボーカルとして活躍するほか、ファッションモデルやミュージカル役者とマルチに才能を発揮しているアヴちゃんが務める。翻訳・演出は、デヴィット・ルヴォー、三谷幸喜らの元でも数多くの作品に参加し、東京とニューヨークで脚本家・演出家として活躍、近年は舞台『Fate/ Grand Order THE STAGE』シリーズの脚本・演出・作詞なども手掛ける福山桜子が担当する。あらすじ少年ハンセルは、自由の国アメリカに渡りロックスターになるのが夢だった。彼は幼少時に母親からプラトンの魅惑的な「愛の起源」の物語を聞かされる。以来、彼は自分の“カタワレ”を見つけようと心に決める。ある日、彼は偶然一人の男と出逢う。その男に見初められ、彼との結婚の道を選んだハンセルに待ち構えていたのは、アメリカへ渡るための“性転換手術”だった。しかし、手術を受けたハンセルの股間には手術ミスで「怒りの1インチ(アングリーインチ)」が残ってしまう。その後、ヘドウィグを名乗り渡米を果すも離婚、ベビーシッターなどをして日々の糧を得つつロックバンドを組むも、なかなか成功への道が見えず生活に追われていた毎日だった。やがて17歳の少年トミーに出逢い、愛情を注ぐようになるヘドウィグだったが、トミーはヘドウィグの曲を盗んでビルボードNo.1のロックスターに上り詰める。最愛の人に裏切られたヘドウィグは自らのバンド「アングリーインチ」を率いて、ストーカーのようにトミーの全米コンサート会場を追い、スタジアム脇の冴えない会場で巡業する。果たして、自分の魂である歌を取り戻し、捜し求めていた“カタワレ(=愛)”を見つけることができるのか…?開催概要「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(HEDWIG AND THE ANGRY INCH)」開催日程:2019年8月31日(土)~9月29日(日)会場:EXシアター六本木ほか福岡、名古屋、大阪作:ジョン・キャメロン・ミッチェル作詞・作曲:スティーヴン・トラスク翻訳・演出:福山桜子出演:ヘドウィグ/浦井健治、イツァーク/アヴちゃん(女王蜂)バンド(THE ANGRY INCH):Guitar DURAN、Bass YUTARO、Drums 楠瀬タクヤ、Guitar 大橋英之、Keyboard 大塚茜■チケット一般発売日:2019年4月20日(土) 10:00~ ※全日程・〈東京〉EXシアター六本木 2019年8月31日(土)~9月8日(日)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)・〈福岡〉Zepp Fukuoka 2019年9月11日(水)~9月12日(木)価格:全席指定 8,800円(税込)、U-25 4,000円(税込) (前売販売のみ・当日座席指定・要身分証) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:キョードー西日本 0570-09-2424・〈名古屋〉Zepp Nagoya 2019年9月14日(土)~9月16日(月祝)価格:全席指定 8,800円(税込) / U-25 4,000円(税込)(前売販売のみ・当日引換・要身分証) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)・〈大阪〉Zepp Namba(OSAKA) 2019年9月20日(金)~23日(月)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:キョードーインフォメーション 0570-200-888(全日10:00~18:00)・〈東京ファイナル〉Zepp Tokyo 2019年9月26日(木)~29日(日)価格:全席指定 8,800円(税込) ※別途1ドリンク代 500円必要問い合わせ先TEL:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00~18:00)
2018年11月12日11月9日(金)、豊洲のIHIステージアラウンド東京にて新感線☆RS『メタルマクベス』disc3が開幕した。『メタルマクベス』は2006年初演。シェイクスピアの『マクベス』をもとに、200年後の荒廃した近未来と1980年代の日本とを交錯させて描いた、宮藤官九郎脚本の物語だ。タイトルの通り、全編をメタルの音楽が彩る。7月からキャストを変えてdisc1、disc2と『メタルマクベス』を上演してきた新感線。今年の再演にあたり、宮藤は脚本に手を入れ、いのうえひでのりは演出もアレンジ。新たな『メタルマクベス』が豊洲で回転をはじめているのだ。今回主役のランダムスターを演じるのは浦井健治。ランダムスター夫人には長澤まさみが扮する。浦井は5年ぶり3度目、長澤は新感線初参加。ミュージカル界の貴公子・浦井と、『キャバレー』でミュージカルを経験した長澤、ふたりがメタルでどんなシャウトを響かせるか、そしてどんな夫婦を演じるのかがやはり最大の見どころだろう。ほかにも高杉真宙、柳下大、峯村リエ、ラサール石井ら、魅力的なキャストが並ぶ。IHIステージアラウンド東京のこけら落としから1年3か月にわたって『髑髏城の七人』を上演してきた劇団☆新感線。さらに立て続けに『メタルマクベス』を演出するいのうえは、おそらく日本でもっとも、いや唯一“360度回転劇場”の扱いに慣れた演出家であることは間違いない。今作ではバイクがステージを疾走し、過去と未来が自在に行き来する。回転劇場ならではの楽しみがめいっぱい詰まったエンターテインメント作品、『メタルマクベス』の掉尾を飾るdisc3を見逃す手はない。公演は、12月31日(月)まで。文: 釣木文恵
2018年11月10日ミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』が、2019年8月より浦井健治の主演で上演される事が決定した。【チケット情報はこちら】『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』は、愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に「アングリーインチ(怒りの1インチ)」が残ってしまった、男でもあり女でもあると同時にそのどちらでもないロックシンガー、ヘドウィグが主人公。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描く。同作は1997年よりオフ・ブロードウェイで初上演され、ロングランを記録し、その後世界各地で上演。2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞した。日本語版公演では、2004年と2005年にPARCO劇場他で三上博史主演で初演を果たし、全日ソールドアウトの大盛況。2007年、2008年、2009年には山本耕史主演で全編英語詞の歌唱で話題を呼んだ。2012年は森山未來を主演に、映画監督・大根仁演出のもと、日本を舞台としたオリジナル解釈のもと新たなヘドウィグ・ワールドを誕生させた。今回、7年ぶりとなる日本語版公演では、ヘドウィグ役を浦井健治が務めるほか、ヘドウィグの恋人、イツァーク役を年齢・国籍・性別非公表の4人組バンド女王蜂のボーカル、アヴちゃんが務める。翻訳・演出は福山桜子が担当する。
2018年11月09日女優の長澤まさみと俳優の浦井健治が8日、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で公演される舞台『メタルマクベス』の公開稽古を行った。2006年に初演した『メタルマクベス』は、劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組み、シェイクスピア作品『マクベス』を独自に脚色したロックスペクタクル。そんな同舞台の再演を、今年7月からキャストを変えて3作連続で上映している。第3弾となる今回は、浦井健治、長澤まさみら豪華キャストを迎え、圧倒的なスケールで物語が進行していく。同舞台の初演を翌日に控えたこの日は、報道陣の取材に応じた浦井健治と長澤まさみ。浦井が「我々のdisc3は色んな意味で集大成だと思います。(演出家の)いのうえひでのりさんを筆頭に作ってきたつもりですので、お客様に届けられるように語尾までしっかりと届けたいと思っています」と気合十分。一方の長澤は大晦日まで59公演を行う同舞台に「初めての経験なので、何とか無事に最後まで走り切りたいという思いと、今は不安と戦っている感じです」と心境を明かしつつ、「きっとお客さんが来てくださって、たくさん入ったら自分の気持ちも変わってくるのかな。本当に広い劇場なので、お客さんと一体になって舞台が無事始まるといいなと今は願っているところですね」と力を込めた。長澤は同舞台で歌も披露することに。「私は人前で歌うのは2回目。本当に歌の意味もストーリーの中で大事になってくるので、ちゃんと歌もお客様に届くように伝えたいと思っています」と意欲。その長澤は浦井扮するランダムスターの夫人を演じるが、「今回は恐妻、悪女という役柄なので、浦井さんにはビシバシ言わせていただいております(笑)」と浦井に対してはスパルタで接しているそうで、それを受けた浦井は「厳しいですよ(笑)」と苦笑いだった。『メタルマクベス』は、11月9日~12月31日の期間(11月10日・13日・20日・27日・12月4日・11日・18日・25日は休演)に東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京で公演
2018年11月09日ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSのスペシャルトークイベントが6日、ららぽーと豊洲で行われ、浦井健治、高杉真宙、柳下大が登場した。同作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品。舞台を2218年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。2017年3月30日に豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で、disc1は橋本さとし&濵田めぐみ、disc2は尾上松也&大原櫻子、disc3は浦井&長澤まさみのペアが、原典ではマクベス夫妻に当たるランダムスター夫妻を演じる。歌や生バンドもたっぷりの同作について、ミュージカル界のプリンスと名高い浦井は「本当にこのメンバーで歌っていけるのは、かなりキラキラしている感じがある。尊敬するdisc1のさとしさんがやり切り、今、松也がやってますから。タスキを引き継いで、3チームを完走させるのが目標です」と意気込む。さらに、MCのリクエストに答え生歌を披露……と思いきや、高杉演じるレスポールJr.の「明けない夜はSO LONG」を一節だけ歌い、会場からは「ええ〜〜!?」とブーイングが起こる。浦井は「こんだけ否定されるランダムスターある!? 右近(健一)さん! 右近さんの言うとおりやったよ!?」と苦笑。急遽もう1回イントロが流れ、浦井は実際に同曲を歌う高杉とともにもう1度一節を熱唱した。高杉が「めっちゃ緊張しました。いやでも、かっこよかった」と浦井について語ると、浦井は「膵臓、食べちゃった?」と、高杉が声優を務めたアニメ映画『君の膵臓をたべたい』にかけ、会場を笑わせていた。また、ちょうどdisc2昼公演の幕間を過ごす尾上と中継でトークも。尾上は「こんな1幕と2幕の間に中継なんて。健ちゃん! 休ませてくれ〜!!」とぼやきつつ、「柳下君お久しぶりです。ドラマでご一緒して。高杉さんは会ったことないです。初めまして」と次々と挨拶。「みんなもどんどん乗ってきてまして、熱も上がってるので、もっともっと盛り上げていきたいと思いますよ」と自身の公演についても語った。トークでは、「舞台裏自撮りPHOTO」も披露された。高杉はレスポールJr.の扮装をした自分の写真を映し出し、柳下は粟根まことから借りているというベースを持った写真を披露。柳下は、「前回グレコをやった北村(有起哉)さんが、粟根さんから借りて、10年間保存してたらしいです。10年ぶりに粟根さんに返しに来る前に、僕に来ました」と、意外な又貸し事情を明かした。浦井は、夫人役の長澤とのツーショット写真を見せる。「そんなにまだ会話してないんでね。いきなりカメラを渡されて、こんな距離感のあるツーショットない」と苦笑。初共演の長澤について「本当にすごいんですよ。お芝居もそうですし、鬼嫁っぷりもすごい。『尻に敷かれる』とはこういうことなんだな、という稽古場です。疲れて頭がぼーっとしてきた時に、クッキーをくれて、『糖分とりなさい』『いくらでも食べなさい』って」と、長澤に頼っている様子。さらに長澤と3回目の共演という高杉について、浦井は「生徒の役だったんだって」と説明し、「生徒を見守る感覚だって(長澤が)言ってました」と明かす。その他、トークでは「俺の験担ぎ方法」として、「お味噌汁」(浦井)、「生姜チップス」(高杉)、「5円玉」(柳下)と、それぞれの必須アイテムを紹介していた。ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc3 Produced by TBSは、11月9日〜12月31日まで、IHI ステージアラウンド東京にて上演される。
2018年10月06日オードリー・ヘプバーン主演の映画でも知られるフレデリック・ノットの名サスペンス劇『暗くなるまで待って』が、深作健太演出で上演される。盲目の主婦スージーの家に、ひょんなことから麻薬の隠された人形が持ち込まれ、これを奪おうとする男達を相手にスージーが孤軍奮闘する物語だ。【チケット情報はこちら】スージーが相手にする悪党のひとり、ロートを演じる加藤和樹は「2007年に日本で上演された舞台を観て、“なんだこの芝居は!”と衝撃を受けたんです。ロート役は浦井健治さんがやっていらして、“この人、すごいな!”と思って。いつかこのお芝居をやりたいという願いが叶って、嬉しいです」と目を輝かせる。加藤にとって、2010年、2017年の『罠』でもタッグを組んだ深作が演出を手がけることも大きいという。「健太さんはいつも、役者に寄り添い、一緒に考えてくださる。同じペースで歩んでいける演出家なんです。健太さんが初めて舞台の演出を手がけた『罠』では、稽古が“よーい、スタート!”で始まり、演技が終わったら“カット!”とおっしゃったのが、今でも忘れられません(笑)。その後、僕はミュージカルにも出演し、健太さんはオペラの演出もなさり…と、お互い経験を重ねて再会するたび“健太さんはこんなカードを出してくるんだ!じゃあ自分はあのカードを出してみよう”というふうに、良い関係性が築けています」『暗くなるまで待って』は、その『罠』と同じワン・シチュエーション・プレイのサスペンス。「決め事が多くなり、1個でもボタンをかけ違ったらおしまい。大変ですが、良い緊張感にもなるはずです。視覚的なものに加えて、サスペンスの醍醐味なのが、会話。膨大な情報を、台詞でお客様に与えていかなければなりません。この台詞は立てなければならないとか、でも立て過ぎるとわざとらしくなる、とか、そういったところに難しさもやり甲斐もありますが、相手役に言葉をきちんと届けることができれば、お客様にも伝わると思っています」加藤がロートのような悪人を演じるのは珍しい。「ここまでの極悪人は初めてかもしれません。役者が役の1番の理解者でないといけないので、彼がどんな人間で、どういう私生活を送っているのかを考えていく必要がある。見た目だけでなく中身も彼として舞台上で立っていられることが目標ですね」台詞をどう届けるか、役をどうとらえるかを語るその口ぶりからは、役者としての充実がうかがえる。「20代後半くらいの頃、演出家の白井晃さんとの出会いもあって、“自分と役を別物に考えるのではなく、自分のベースに自分の言葉として出てくるものが役になるんだ、役者って難しいことをやってるんだな”と気づいて。そこから面白くなってきました。来年は僕も34歳。これまでやってきたことを生かして、若さだけではないものを表現したいです」公演は2019年1月25日(金)から2月3日(日)まで東京・サンシャイン劇場で上演。その後、大阪、愛知を周る。ぴあでは10月9日(火)午前11時まで東京公演のプレイガイド最速先行受付中。取材・文:高橋彩子
2018年10月02日ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBSの公開ゲネプロが9日にIHIステージアラウンド東京で行われ、尾上松也と大原櫻子が登場、取材に応じた。同作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品。舞台を200年後の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。2017年3月30日に豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で、disc1は橋本さとし&濵田めぐみ、disc2は尾上&大原、disc3は浦井健治&長澤まさみのペアが、原典ではマクベス夫妻に当たるランダムスター夫妻を演じる。劇場に入って4日目という松也は「稽古場では理解できなかったことが体で実感できるようになって、劇場のスペシャルさを肌で感じています」としみじみ。また大原は「先日、disc1のご挨拶に行って、めぐみさんとさとしさんからエネルギーをいただいた」と語る。濱田からは「『死ぬ気で頑張ってね、死ぬ気で応援するから』というメールをいただきました」と内容を明かした。回転する舞台について、松也は「予想以上にハード、裏の方が一番動いてました。ほとんどダッシュですね」と苦笑。また10歳年下となる大原とのコンビについて「私が忘れることが多うございまして。その都度奥様がご指導を、ポンポン、って。『ここセリフ言うところだぞ』と、どんどん引っ張っていただいて、牽引力というか引っ張られている感じ」と語る。「稽古場で作っていく中で、年が上なんだけどグイグイ引っ張られる感じが自然と出てきているので、僕にとっては、心地よくさせていただいています」と感謝した。一方、作中ではかなり弾けた姿を見せている大原は、松也について「優しい方なので。わざと優しくされてるのかな? と思うときあります。それくらい、年上の先輩な俳優さんだから、私がわがままにいろいろやらせていただいている」と互いに感じるところがある様子だった。実はまだ「1幕が全部終わったところくらい」までしか劇場で通すことができていないというが、松也は「あと6日で2幕を仕上げて。必死に今やってます。今日なんとか1幕通すことできますので、舞台機構が特殊なものですから、初日までにはきっちりやります」と意気込む。最後に、先日恋人と報道された"菜々緒似の美女"が観に来るのか聞かれると、松也は「あ、出た!! わかりません!」と苦笑しながらきっぱり語った。公演はIHI ステージアラウンド東京にて9月15日〜10月25日。また10月4日には全国の映画館でライブビューイングを予定している。
2018年09月09日1990年に公開された不朽の名作映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のミュージカル版が日本初上陸。8月5日、東京・シアタークリエで開幕した。映画版の脚本を手掛け一躍人気脚本家となったブルース・ジョエル・ルービン自身が脚本・歌詞を手掛け、ウェストエンドやブロードウェイでも大ヒットとなった作品だ。主人公であるサムは浦井健治、ヒロイン・モリーはWキャストで咲妃みゆと秋元才加が演じる。【チケット情報はコチラ】銀行員のサムは、芸術家である恋人のモリーと平穏な日々を暮していたが、ある日暴漢に襲われてしまう。乱闘の末、気付くと自分が死んでゴーストになってしまったことを知るサム。彼はその事件には裏があったこと、さらにモリーにも危険が迫っていることを知り、モリーに伝えようと試みるが、自分の声は彼女には届かない。そこで霊媒師オダ・メイを強引に協力させるのだが、モリーはなかなか信用してくれない……。映像なども使用しサムが起こす超常現象を作り上げていくが、最新技術を多用するというよりは、俳優の肉体や観客の想像力で作る舞台ならではの演出で、嫌味がない。サムとモリーのラブストーリーでありつつ、サムが自分を殺した相手を追い詰めていく活劇の面も強調され、テンポ感のある舞台だ。もちろんモリーがろくろを回すシーンなど、映画でも印象的だった場面の再現もある。オダ・メイの霊媒シーンなどはミュージカルらしい華やかさもあり、全体的にとてもバランスのよい、見応えのあるミュージカルになった。初日前には浦井、咲妃、秋元、サムの友人・カール役の平間壮一、オダ・メイ役の森公美子が囲み取材に登場。「日本版のミュージカル『ゴースト』をみんなでイチから作っていきました。セットも大掛かりで豪華。でもハートウォームで、人間愛が詰まっています。映画『ゴースト』ファンの方も含め、たくさんの方が愛してくれるミュージカルを目指したので、ぜひ楽しみにしてください」と浦井。東京公演は8月31日(金)まで同劇場にて。9月には大阪、福岡、愛知公演も実施する。チケットは発売中。
2018年08月08日公演初日を迎えたミュージカル『ゴースト』の初日前会見が5日、東京・日比谷シアタークリエで行われ、浦井健治、咲妃みゆ、秋元才加、平間壮一、森公美子が出席した。同舞台は、1990年に公開されて世界中を感動の渦に巻き込んだ映画『ゴースト/ニューヨークの幻』のミュージカル版。浦井健治、咲妃みゆ、秋元才加、平間壮一、森公美子らをメインキャストに配し、『ミス・サイゴン』など数々の大作を手掛けた名匠ダレン・ヤップがブロードウェイ・ウエスト・エンド版とは一線を画した日本オリジナル演出で愛の物語を描き出す。主演の浦井は「このカンパニーは本当に仲が良くて、みんなで和気あいあいブロードウェイとは違った日本版のミュージカルをイチから作ってきました。大変でしたが、たくさんの方に愛されるミュージカルを目指したので頑張りたいと思います」と意気込み、「ハートウォーミングで人間愛が詰まっているところが見どころだと思います」とアピールした。宝塚歌劇団退団後、初めてのミュージカル出演となる咲妃みゆは「稽古が始まる前は初めてのことが沢山あって緊張もしましたし不安も大きかったんですが、男性キャストや女性キャストの皆さんに助けてもらいながら今日を迎えることが出来ました、苦労を振り返るというより、ここまであっという間の充実した稽古期間だったと思います」と前向き。その咲妃とヒロインのモリー役をダブルキャストで務める秋元は「ミュージカルの芝居として不慣れな部分もあって苦労しましたが、だんだん歌うことの楽しさとか上手く歌って皆さんにお届けできる楽しみでいっぱいです」と公演が待ちきれない様子だった。タイトルにちなみ、「自身の心霊体験は?」という質問に「テレビでもこれだけは言わないというお話を」と切り出した森は「私が車を運転した時に、左折をしたらロックしていたドアが4つ開いたの。これは人に話すとうつるので墓場まで持っていきます」と明かすと、隣にい浦井から「今言ったじゃないですか!」と指摘された森は「内容話すと皆さんにうつるから概要のみ(笑)」とそれ以上の詳細は口を閉ざして笑いを誘った。そんな森の心霊体験に驚いた表情の秋元。だが、自身の心霊体験は「信じてはいますけど、実際には思いつかないですよね」と明かしていた。ミュージカル『ゴースト』は、8月6~31日(13・20・27日は休演)に東京・日比谷シアタークリエ、9月8~10日に大阪・サンケイホールブリーゼ、9月15・16日に福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、9月22・23日に愛知・刈谷市総合文化センター アイリスでそれぞれ公演される。
2018年08月05日2009年の『ヘンリー六世』に始まり、『リチャード三世』、『ヘンリー四世』と鵜山仁の演出で、浦井健治、岡本健一らを迎えシェイクスピアの歴史劇を上演してきた新国立劇場。その集大成とも言える『ヘンリー五世』がまもなく幕を開ける。【チケット情報はこちら】前作『ヘンリー四世』(2016年)では、浦井はハル王子として、放蕩三昧の暮らしを送ったかと思えば、あっさり悪い仲間たちと手を切り、戴冠しヘンリー五世に即位した。本作では冒頭から、王子時代の若気など一切感じさせぬ、怜悧かつ威厳に溢れた王の姿を体現。ハル王子時代はヘッドフォンを首から下げ、ハイテンションの芝居が印象的だったが、今回は王冠に王笏、ローブという“王道”スタイルで、目は据わり、セリフ回しにもどっしりと重みが感じられる。仏王の挑発を落ち着いて受け止め、裏切り者の諸侯を苛烈に処断し、戦争となれば、先頭に立って躍動し、勇ましく兵たちを率いていく。『ヘンリー四世』でタイトルロール、つまりハル王子の父親を演じたのは、昨年、急逝した中嶋しゅう。演出の鵜山は「このシリーズはいわば、浦井健治がいろんなものを食べて、成長していくという話。しゅうさんのことも含めて、いろんな“エコー”を背負って、吸収し、変化していくのを感じる」と浦井が背負うドラマに言及する。そんな王が象徴する「国家」と相反する「個」を象徴する存在として描かれるのが、王にとっては王子時代の悪友であるピストル。前作に続き、岡本が演じているが、こちらは子どもがそのまま大きくなったかのような悪童ぶり。言葉遣いは乱暴で酒好き。欲張りで器が小っちゃく、勇ましいことは言いつつも戦には及び腰、しかし仲間の命のために奔走する情の厚さも持つ男を岡本は人間臭く、魅力的に演じている。鵜山はこのピストルを「大義名分よりも個の幸せや欲望。大陸を巻き込んだグローバルに対するローカルを象徴している」と評す。浦井と岡本は過去のシリーズでは、様々な関係性で一騎打ちを見せてきたが、本作では直接やりあうシーンはない。後半、ふたりが顔を合わせるシーンでは、ピストルは目の前の相手が王でかつての悪友であることを認識せぬまま、王に対する評価を口にする。「直接、ぶつからないのが厄介(笑)。このすれ違いを掘り下げていくと何か見えるんじゃないか」(鵜山)。もうひとり、物語…というよりも歴史の歯車を大きく回すことになるのが、中嶋朋子が演じるフランス王女でヘンリー五世に嫁ぐことになるキャサリン。英語の会話もままならぬ状態で、“戦果”として英国に渡ることになるが、彼女の存在が『ヘンリー六世』、そして『リチャード三世』へと繋がっていくことを想像しながら見ていると、英語を必死で練習し、片言で受け答えをするコミカルなやり取りがどこか恐ろしく感じられる。『ヘンリー五世』は5月17日(木)より東京・新国立劇場中劇場で上演。取材・文・撮影:黒豆直樹
2018年05月16日劇団新感線☆RS『メタルマクベス』の製作発表会見が5月10日、都内ライブハウスにて行われた。昨年の3月に豊洲に開場した、観客席が360度回転する物語没入型劇場、IHIステージアラウンド東京と新感線がタッグを組む第2弾。現在上演中の第1弾『髑髏城の七人』では55万人を動員、日本初の仕掛けを持つ話題の劇場に、新感線の人気音楽劇が12年ぶりに降臨する。チケット情報はコチラ初演は2006年、シェイクスピアの四大悲劇『マクベス』を原作に宮藤官九郎が大胆に脚色を施し、ハードロックやヘヴィメタをふんだんに盛り込んで上演された。今回は【disc1】【disc2】【disc3】としてキャストを替え、3シーズンで上演。主役のランダムスター(マクベス)とその夫人を【1】では橋本さとしと濱田めぐみ、【2】では尾上松也と大原櫻子、【3】では浦井健治と長澤まさみが演じる。会見はスペシャルLIVEからスタート。生バンドの演奏に乗せ、メタルな扮装をした橋本、松也、浦井が劇中歌『きれいは汚い、ただしオレ以外』を歌唱。シャウトも飛び出すノリノリのパフォーマンスに、一般参加のファンからも黄色い歓声が上がる。途中からは夫人役の濱田、大原、長澤も合流、ヘッドバンギングにジャンプにと、ノリノリで客席を煽った。なおこの楽曲について、作詞の宮藤は「シェイクスピア先生と私の合作ですが、歌詞のセンスがすごい。「きれいは汚い」まではシェイクスピア先生で「ただしオレ以外」が私。「ただしオレ以外」をつけたところにセンスを感じる」と自画自賛。その後の会見と囲み取材では、キャストが口々に意気込みを語った。新感線出身で、退団後21年ぶりの劇団作品への出演となる橋本は「退団してから毎日、いつか劇団☆新感線の舞台に立つんだと気合いを入れてましたが、声がかかるのに21年かかった、長かった!」と感慨深げ。「劇団も大きくなりましたが、新しいファンにも僕がいた頃の匂いを感じてもらおうかな」と語る。歌舞伎俳優の松也は「生バンドで歌わせてもらう機会なんてなかなかない。今日は楽しかった」と感想を。人前でシャウトしたかったとのことで、会見中もオーディエンスとコール&レスポンスをしたりと、終始ご機嫌の様子。新感線には3度目の出演となる浦井は「前2作は王子役だったのですが、今回は王になるとは…。ちょっと怖いです(笑)」と話すとともに、しんがりを務めることについて「今日の会見で、さとしさんからバトンを受け継ぎ、大晦日までちゃんと持っていけるようにという覚悟が決まった」と気合いを入れていた。「三者三様、3倍じゃなく300倍くらい楽しんでいただけるような舞台にできたら」と浦井。公演はIHIステージアラウンド東京にて。7月23日(月)から8月31日(金)まで【disc1】、9月15日(土)から10月25日(木)まで【disc2】、11月9日(金)から12月31日(月)まで【disc3】が上演される。【disc1】のチケットは発売中。
2018年05月11日女優の長澤まさみが10日、都内で行われたONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc1・disc2・disc3 Produced by TBSの製作発表会見に、橋本さとし、尾上松也、浦井健治、濱田めぐみ、大原櫻子、演出のいのうえでのり、脚本の宮藤官九郎とともに登場した。同作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品。舞台を2206年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。2017年3月30日に豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で、disc1は橋本&濵田、disc2は尾上&大原、disc3は浦井&長澤のペアが、原典ではマクベス夫妻に当たるランダムスター夫妻を演じる。初演では松たか子が演じた役に挑戦する長澤は、松と作品について話したという。「最近会った時に、『実はあの役をやるんですが……』と相談したら『大丈夫、できるから!』と言われました。言っていただいて、勇気をもらいました」と感謝の気持ちを表した。悪女役となるが、「今ちょっと七変化結構やってるんですけど」と、フジテレビ系月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』に触れ、「多分どっかにあります。一応持ってるかなと思います」と自身の"悪女"な部分についても肯定。大原も「悪女って、自覚してないんじゃないかな? 自分で『私悪女なんです』と言えない感じしますけど、女性だったら誰でも持ってそうな内面」と考えを語ると、濱田も「そりゃあね、ちょっとはねあるでしょう。言わないだけで」と頷いた。ミュージカル『キャバレー』以来の歌う舞台に、長澤は「歌を歌う舞台も2度目なので、まだまだわからないことだらけで。『7kg痩せちゃう』っていのうえさんが言ってらっしゃったので、体力を万全に」と目標を掲げる。「みなさんに『どうでしたか?』と感想を教えてもらいながら、心して舞台を踏む日を迎えたいなと思います」と語った。また、作中で披露することになるロックサウンドについては「好きですね、昔から」と告白。「魂は持ってる方だと思います。開放していきたいです」と意気込んだ。
2018年05月11日ONWARD presents 新感線☆RS『メタルマクベス』disc1・disc2・disc3 Produced by TBSの製作発表会見が10日に都内で行われ、橋本さとし、尾上松也、浦井健治、濱田めぐみ、大原櫻子、長澤まさみ、演出のいのうえでのり、脚本の宮藤官九郎が登場した。司会はTBS 山本匠晃アナウンサーが務めた。同作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初めてタッグを組んでシェイクスピア作品のアレンジに挑んだ作品。舞台を2206年の廃退した近未来と、空前のバンドブームに沸いた1980年代の日本を二重の構造に置き換え、ロックバンドが劇中で生演奏する。2017年3月30日に豊洲にオープンしたIHIステージアラウンド東京で、disc1は橋本&濵田、disc2は尾上&大原、disc3は浦井&長澤のペアが、原典ではマクベス夫妻に当たるランダムスター夫妻を演じる。冠徹弥によって煽られた会場に、橋本、尾上、浦井が登場すると、客席も歓声で俳優陣を迎え入れる。キャストも普段見せることのないヘッドバンギングやシャウトで盛り上げた。途中からは女優陣も登場し、劇中のナンバー「きれいは汚い、ただしオレ以外」を披露した。劇場のオープン以来『髑髏城の七人』を演出してきたいのうえは、「最初『4年』と言われて、『それは勘弁してください』と言った」と明かす。結局2年間同劇場に関わることになり、2作目に『メタルマクベス』を選んだ経緯を語った。久しぶりの上演に、宮藤は「基本変えないと思います。何しろ、シェイクスピア先生が400年前に書いた本ですから、たかが12年で変えちゃいけないです」と説明。「歌詞のセンスがすごいですね。これはシェイクスピア先生と私の合作ですから」と、自画自賛した。同劇団出身で、21年ぶりの出演となった橋本は「いのうえさんのGOさえあればと思ってたんですけど、21年、ちょっと長かったですね」と苦笑。いのうえは「今は日本のミュージカル界を背負って立つ男になりましたからね。大きくなられて、なかなかはまるところがない」と理由を語る。初演でランダムスターを演じた内野聖陽とは、現在TBS系ドラマ『ブラックペアン』で共演している橋本。「『ランダムスターは大変だよ。痩せなきゃ』と言われてて。ケータリングとかで、お菓子に手が伸びるけど、その度にウッチーの目が光ってる」と現場の様子を明かしたが、いのうえは「出るとみんなだいたい7〜8kg痩せますから。ステージアラウンドダイエット」と太鼓判を押した。同劇団に出たいという念願が叶ったという尾上は、「Say HO!」と観客とC&Rで「めっちゃくちゃ気持ちいいですね」と満足げ。3回目の同劇団作品出演となる浦井は「2回とも同じ役をやらせていただきまして、金髪の王子だったんですけど、3回目で王をやる、ばくばくです」と興奮気味に語り、ミュージカル『エリザベート』のナンバー「闇が広がる」の一節からシャウトするという新たな芸も披露した。製作発表後の囲み取材では、記者から「今までに見たことないくらい楽しそうだった」と指摘を受け、「ちょっと語弊がある!」とつっこんでいた尾上。歌舞伎とロックについては「かなり共通する点があるんじゃないかと思いますね。挑戦的じゃないですか」「精神としては共通項がある」と語る。スタートを切ることになる橋本が「いいバトンを渡していきたい。ただ渡すだけじゃなくて、ハードルを上げまくって、バトン渡して、disc3の時には棒高跳びくらい……」とプレッシャーをかけると、浦井は「マジですか!」と驚きつつ、「長澤さんが夫人なので」と自信を見せた。またこの日公開となった「きれいは汚い、ただしオレ以外」スペシャルMV(β版)でラートを披露する俳優陣に、女優陣はびっくり。「撮ったことすらも知らなくて。突然今日見た」(濱田)、「頭から離れない」(大原)、「最初『かっこいい系なんだ』って思ったら、全然違って」(長澤)と、驚きを表していた。
2018年05月10日浦井健治と城田優がW主演を務めるミュージカル『ブロードウェイと銃弾』が2月7日、東京・日生劇場で開幕した。ウディ・アレンによる同名映画を原作に、ウディ自身が2014年にブロードウェイでミュージカル化した作品の、日本初上陸。演出は映像に舞台にと引っ張りだこの福田雄一が手がける。1920年代のNYを舞台に、自分の作品がやっとブロードウェイで上演されることになった売れない劇作家デビッドが、出資者であるギャングの親玉ニックやその部下チーチ、主演の大女優ヘレンや、ニックの愛人である大根女優オリーブらクセのキャラクターたちに振り回されていく物語。振付は『クレイジー・フォー・ユー』『コンタクト』などで知られる巨匠スーザン・ストローマンが手掛けたブロードウェイ版を、日本版でも踏襲。さらにNYのキラキラしたネオンや夜の街角を彷彿とさせる舞台セット、全編を彩る20~30年代に生まれたジャズ・ソング……どこを切り取ってもゴージャス! ソング&ダンス満載で、旧き良きブロードウェイ・ミュージカルといったテイストだ。そしてここに、現代的なセンスの笑いが鋭く細かく、差し込まれていく。何と言ってもキャストのハマり具合が素晴らしい。“ミュージカル界のプリンス”と呼ばれながらも、最近ではその天然キャラが愛されている浦井は、勃発する事件に翻弄され振り回されていくデビッドを豊かな表情で熱演。気が弱いようでいて、自分の意見は曲げない頑固さなども、どうしようもなくチャーミングでピッタリだ。一方で城田演じるチーチは表情も変えずに銃を人に突きつけるような、コワモテの男。長身にピシッと決めたスーツがよく似合う迫力のギャングっぷりだが、こちらも不条理な状況にイラつきが噴出してしまうシーンなどが、普段が無表情なだけに爆笑モノ。ちなみに城田には圧巻のタップダンスシーンもあるので必見。“キンキン声の大根女優”をさすがのアニメ声で演じた上にお色気も振りまき笑いをさらう平野綾や、大女優感たっぷりの前田美波里など、それぞれが“アテ書き”ではないかと思わせるほどのハマりっぷり。福田はメインキャストのみならず、舞台の隅まで、その人が持つ個性を増幅させ、笑いに変換していく。今回、翻訳台本のセリフには一切アレンジは加えていないとのことで、いわゆる“福田流”の笑いは控えめだが、ちょっとした間合いや、時折挟みこまれる戯画的な周囲の反応などはまぎれもなく福田テイスト。ブロードウェイ×福田流コメディの結婚は、大成功をおさめた。開幕前日には、メインキャストと福田が囲み取材に出席。「自分のキャリアの中でもとても刺激になった。僕の“初・日生劇場”に相応しい作品になった」(福田)、「オシャレでセクシーでムーディ。こういった小粋なミュージカルはなかなか日本では観られないんじゃないかな」(浦井)、「ブロードウェイに来ちゃったような感覚になると思います」(城田)と口々に自信を語った。東京公演は2月28日(水)まで。3月5日(月)から20日(火)には、大阪・梅田芸術劇場メインホールでも上演される。その後福岡公演もあり
2018年02月09日ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の初日前会見が6日、東京・日生劇場で行われ、浦井健治、城田優、平野綾、前田美波里、演出の福田雄一が登場した。同作はウディ・アレンによって1994年公開の映画を2014年にミュージカル化。劇作家のデビッド(浦井)だが、プロデューサーが見つけてきた出演者がマフィアの親玉だったためにハチャメチャな状況に。実は舞台を愛するマフィアの部下・チーチ(城田優)とともに作品を成功させるために苦労する。初日を控えた浦井が、W主演の城田について「ものすごい朝練、居残り練、1人でもやってましたから」と努力の様子を明かすと、城田は「僕一切朝練とかしてないですよ! タップの振付をもらって、オッケー! って本番やるタイプです」と照れ隠し。浦井から「汗ビッショビショだったよ!」、福田から「Tシャツ、ジャバジャバだったよ」と突っ込まれていたが、「苦労とかしてない。見たら分かる通りタップをするために生まれてきた」と"天才キャラ"を通していた。しかし、福田から「真ん中に城田優がいるからこそのタップシーンなんですよ。日本で城田優以外の人間がいるかといったら……」と絶賛されると、「どんどんプレッシャーが上がっていって、心拍数がばくばく」と苦笑し、「最初の8カウントの振りを覚えるのに、2時間くらいかかりましたもん」と、苦労のあとを伺わせた。また、前田は同作の見どころについて「男性のみなさんが大喜びするような、女性ダンサーのかわいいお尻が」と明かす。頭からセクシーな衣装があるという平野も「私史上、一番布が少ないと思うんです」と照れながら、「日生(劇場)史上でもあると思うんですよね。なかなかこんなに露出度の高い、セクシーな舞台は見られないんじゃないかな」と期待を煽った。最後に浦井が「お尻とかあると思うんですけど、一番推したいのは、城田優のタップ! めちゃくちゃかっこいいです」とダメ押しすると、城田は「言わんでええわ!!」とツッコミ。逆に城田が「一番の見どころは、浦井健治さんと前田美波里さんの濃厚なベロチュッチュ」と紹介すると、浦井は爆笑し、前田は「はしたない……」と照れた様子を見せていた。東京公演は日生劇場にて2018年2月7日から28日。また、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて3月5日~20日、福岡公演は博多座にて3月24日~4月1日。
2018年02月06日開場20周年を迎えた世田谷パブリックシアターによる日韓文化交流企画、イプセン作『ペール・ギュント』が12月8日に本公演が開幕した。平昌五輪の開・閉会式の総合演出家として注目される韓国演劇界の鬼才ヤン・ジョンウンの指揮のもとに、日韓20名のキャストが集結。ヤン自身が芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)の代表作のひとつである本作を、日本人スタッフとともに再構築した舞台である。「彼のペールが見てみたい」というヤンの熱望により主人公を担う浦井健治を中心に、磨かれた身体性や言語表現の妙で想像力を刺激するヤン独自の世界観に、さらに熱の加わった豊潤な劇空間が誕生した。舞台『ペール・ギュント』チケット情報母親と恋人を故郷に残し、自分探しの旅に出て世界をさまようペール。その冒険譚の幕開きから、観客を瞬時に現実から解き放し、物語へと強く吸引する神秘的な空気が広がっていた。スローモーションからシャープなムーブメントへ、またリズミカルなステップと、俳優の体が雄弁に駆け回り、日本語と韓国語(字幕あり)の台詞が飛び交うシーン展開は、ある時はクレヨンで塗られた素朴な絵本の挿絵に、ある時はポップなコミックになり、さらに荘厳な宗教画を見たかのような胸打つ瞬間も訪れる。世界中で奔放な体験を繰り返すペールの旅の同伴者となり、トーンの変化する空間を浮遊する興奮が味わえるのだ。また国広和毅と関根真理の演奏による音楽が、より物語の寓話性を引き出す効果をあげている。虚栄心に満ち、非情で、実のところ臆病な男という異質の主人公ペールを、浦井が天真爛漫に欲望をさらけ出し、思い切りの良い表現で魅力的に立ち上げていた。故郷を飛び出した頃の無邪気な顔を、冒険を経て策士の面構えに巧みに変化させていく。それでもペールの根本には無垢な魂があることを信じさせる、稀有なたたずまいを持った俳優である。母オーセを演じるマルシアは、小気味良く爆発させる明るさによって情の深さや空しさを痛切に伝えてくる。ユン ダギョンが扮したペールを誘惑する“緑衣の女”は、昆虫のようなユニークな風貌と独特な動きに目を奪われた。また、イプセンの戯曲では船のところを飛行機に替えたシーンは、ペールがいきなり現在を飛び越えて未来を旅しているようにも感じられて面白い。そこに“見知らぬ乗客”として現れるキム・デジンの、得体の知れない不気味な存在感が光る。長い年月をかけ、さまざまな場所で己の生の爪痕を残してきたはずのペールが、旅の果てに「自分自身だったことなど、ただの一度もない」と指摘され、嘆く。その絶望を最後に受けとめる恋人ソールヴェイを、趣里が好演。神々しさすら感じる力強い声が耳に残った。開幕前は日韓の俳優が表す情緒の違いを楽しみにしていたが、国籍の見分けがつかないほどに呼吸を合わせた、ヤン・ジョンウンの“チーム力”で構築された世界があった。濃厚なワークショップを重ねた所以だろう。俳優のみならず精鋭クリエイター陣によるスタッフワークの渾身をも隅々まで感じ取れる、圧巻の思想劇だ。東京公演は12月24日(日)まで。取材・文:上野紀子
2017年12月12日今年は『ビッグ・フィッシュ』や『デスノート THE MUSICAL』などが好評だった俳優の浦井健治(36)。日韓文化交流企画『ペール・ギュント』の製作発表の席では、「アンニョンハセヨ!」と挨拶し、会場の緊張をほぐした。 「僕の役、ペールならこういう挨拶しそうだなって(笑)」(浦井・以下同) ノルウェーの劇作家イプセンの劇詩を原作に、韓国の演出家ヤン・ジョンウンが演出する壮大な“自分探し”の物語。自由奔放なペールが現実と精神世界で出会いを重ねながら、数奇な一生をたどる。 「ヤンさんが『浦井はペールみたい。ぜひ演じてほしい』とこの演目を選んでくれて。ところが、ペールって女たらしで逃げ腰で、とんでもなく自分勝手。えっ、これが僕!?って(笑)。でも確かにペールと僕は似ているかもしれない。普通であることに満足していなかったり、尊敬しているのに親に歯向かってしまったり。逃げ腰なところも(笑)。それに人生でいちばん大切なものが何かわかっているけれど、とりあえず旅してみたいなと思っている。きっと今の自分を認めたくないんです」 デビューから16年。次々に大舞台に立ち“ミュージカル界の王子”とも呼ばれるが。 「『順調ですね』って言われますけど、作品ごとにいったんゼロの状態になると、次に飛び込むのが怖くなる。そういうときは恐怖心を受け入れます。そしてたまに逃げる。漫画やゲーム、買い物、筋トレに励んでみたり。けれど結局、逃げ場はなく、稽古場や板の上でみんなで答えを導き出して乗り越えていく連続です」 去年の『ヘンリー四世』では限界や危機をも感じたそう。 「それは僕にとってまさに“事件”でした。思うように演じられず、プレッシャーに押しつぶされそうで。先日、劇場近くの喫茶店でマスターが、『浦井は今回のハル王子をしっかり演じきったら高評価を得るだろう』としゅうさんが話してたよ、って。共演した中嶋しゅうさんは常にアドバイスをいただくなどお世話になってきた憧れの先輩。夏に突然亡くなられてしまいましたが……。いつも陰で見守っていてくださったんですよね」 先輩の予言どおり、今年文化庁芸術選奨の演劇部門新人賞を受賞。彼もまた、人との出会いに支えられながら人生を紡いでいる。
2017年11月27日浦井健治と城田優が、来年2月から上演される『ブロードウェイと銃弾』で6年ぶりの共演を果たす。ふたりが口を揃えて「すごく楽しみ」という作品の魅力、久々の共演への喜びを語った。チケット情報はこちら作品の舞台は1920年代のNY。売れない劇作家のデビッド(浦井)が、ギャングの親玉という出資者を得てやっとの思いでこぎつけた自作のブロードウェイ上演。ギャングの子分であるチーチ(城田)の監視のもと、クセのある俳優たちに翻弄されながら作品を作っていくも、さらにチーチまでも作品に口出しをしてきて……。アカデミー賞7部門にノミネートされたウディ・アレンによる同名映画を原作にブロードウェイでミュージカル化されたコメディの、日本初上演だ。浦井は「エンタテインメントを作り上げる素晴らしさを体感し、男同士の絆が生まれていく。デビッドとチーチの友情物語でもあるので、優とだったら自然体で出来るんじゃないかな」と城田との久々の共演への期待を語る。演じるデビッドについては「完全に巻き込まれ系ですね」と話し、「突飛なキャラクターたちに、いかに僕が振り回されるか。「どうしよー!」って、オドオドしていればいいかな(笑)」。対する城田は「僕は逆に周りで遊びを入れていく側。だから健ちゃんの方が大変だよね、(観客の)共感軸だからブレずにいないといけないから。でも、健ちゃんとは前回共演した2011年の『ロミオ&ジュリエット』の時に“目で芝居が出来る”関係性が築けた。今回は浦井健治を信頼して、後ろについて行こうと思っています(笑)」と浦井への絶大なる信頼を明かしつつ、「脚本がめちゃめちゃ面白いんです。「こんなんで舞台が作れるの!?」というほどクセの強いキャラクターが揃っている。最終的にそれまでの伏線が全部繋がっていくところとかもエンタメ要素が強い」と作品の魅力を熱弁する。ブロードウェイのバックステージを描いている物語ゆえ、華やかさもみどころ。全編を彩るのは20~30年代の軽快なジャズやポップスだ。「2014年に作られた割にはオールドテイストで、日本で言う昭和の匂いがします。“旧き良き”、ですね。“ジャズミュージカル”といった雰囲気のものも、僕も健ちゃんもあまりやっていませんので、僕らの新しい一面もお見せできると思いますよ」(城田)。演出はコメディを作り上げる手腕に定評のある福田雄一が手がける。映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田は映像作品の印象が強いが、演劇からキャリアをスタートさせ、ミュージカル好きを公言していることでも有名だ。「脚本家でもあり演出家でもある福田さんは、デビッドと重なるところもある。そんな福田さんだから、舞台芸術の持つ力や、舞台作りへのオマージュも込めていかれるんじゃないかなと思います」(浦井)。共演は平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里ら。公演は2月7日(水)から28日(水)まで、東京・日生劇場にて。チケットは11月25日(土)に一般発売開始。その後大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・博多座でも上演される。
2017年11月24日浦井健治と城田優がW主演するミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の製作発表会見が11月10日に行われた。ウディ・アレンによる同名映画を原作に、ウディ自身がブロードウェイでミュージカル化した作品の、日本初上演。演出は映画『銀魂』やドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズで知られる福田雄一が手がける。ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』チケット情報映画版はアカデミー賞7部門にノミネートされた、傑作との呼び声の高い作品。1920年代のNYを舞台に、自分の作品がやっとブロードウェイで上演されることになった売れない劇作家が、出資者であるギャングの親玉や、監視役のその部下、ギャングの愛人である大根女優、クセのある俳優たちに振り回されながらも舞台を作り上げていく様を描くコメディだ。「日生劇場(という大きな劇場)でやるということで身の引き締まる思いなのですが、真ん中のふたりがふざける気満々のようで、ちゃんと言うこときいてくれるか……」という福田のボヤきから始まったこの日の会見は、終始爆笑に包まれたものとなった。劇作家のデビッド役である浦井は「僕は福田さんの作品が大好き。福田作品の、みんなで楽しみながら楽しいものを作っていく現場も大好きです。城田優とコメディを一緒に作るのも初めてなので、そこも楽しみたい」と意気込みを真面目に語るも、会見終盤には城田に煽られ、なぜか美輪明宏氏のモノマネを披露する展開に。会場の爆笑を誘っていたが、「僕、この個性豊かな面々のなかで今も右往左往していますが、それがそのままデビッドというキャラクターになっていくんじゃないかな」。城田はギャングのボスから現場に監視役として送り込まれてきた部下、チーチ役。「みなさんに笑顔や勇気や元気を届けらるような、ハッピーなものを作りたい。チーチはクールで怖い感じなのですが、芝居作りにものすごくのめり込んでいく。そのギャップが面白いです。僕も演出家に(意見を)言ったりする面倒臭いタイプなのでそのあたりはチーチと似ているかな」と、自分と役柄の接点を語った。浦井と城田は6年ぶりの共演だが「友だちでもあり親友でもあり同志でもあり戦友でもある」(浦井)とのことで、掛け合いのようなやり取りが続いたが、コメディセンスについては「優の方がある」(浦井)、「狙って笑わせるのは僕だよね。でも天然で面白いのは健ちゃん」(城田)。ふたりがどんなコンビを生み出していくのかにも注目だ。ほかに平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里といった顔ぶれが脇を固める。“キンキン声で才能がないにも関らず芝居の主演を狙う”という役柄の平野が甲高いアニメ声で挨拶をしたり、“プライドの高い主演女優”役の前田が「浦井さんとキスシーンがあります!」と高らかに宣言したりと、それぞれの個性が噴出した楽しい会見に、本番の舞台への期待度が高まった。公演は2月7日(水)から28日(水)まで、東京・日生劇場にて。チケットは11月25日(土)に一般発売開始。その後大阪・梅田芸術劇場 メインホール、福岡・博多座でも上演される。
2017年11月14日ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』の制作発表が10日、都内で行われ、浦井健治、城田優、平野綾、保坂知寿、愛加あゆ、ブラザートム、鈴木壮麻、前田美波里、演出の福田雄一が登場した。同作はウディ・アレンによって1994年公開の映画を2014年にミュージカル化。劇作家のデビッド(浦井)だが、プロデューサーが見つけてきた出演者がマフィアの親玉だったためにハチャメチャな状況に。実は舞台を愛するマフィアの部下・チーチ(城田優)とともに作品を成功させるために苦労する。ジョークを飛ばすことの多いメンバーに、福田が「2人がちゃんとやってくれるかなという不安が……」と心境を明かすと、城田は「日本語ガワカリマセン……」と返し、波乱を感じさせるスタートに。それぞれが意気込みを語る中、前田が「どうも浦井さんとキス・シーンがございます! どうぞよろしくお願いします」と主張すると会場からは拍手が起こったが、前田は「言ったら赤くなっちゃった」と照れた様子を見せた。キンキン声のマフィアの愛人を演じる平野は福田から「『レディ・ベス』は大変だけどこれはそのまま出来るね」と言われたことを暴露すると、福田は「あんまりそういうこと言わないで!! ダメ!!」と大慌て。また、デビッドの恋人を演じる愛加は「前回『王家の紋章』で(浦井と)共演させて頂いた時に片思いして全く報われず、お姉さんに燃やされてしまう役で」と恋人役となったことに喜ぶと、福田が「ずっと黒焦げでしたよね!?」つっこみ、会場も笑いに包まれていた。作中のナンバーから、浦井による「I’m Sitting on Top oh the World」、城田による「Up a Lazy River」の披露も行われ、大盛況の制作発表だったが、最後に浦井が一発芸をやる流れに。『もののけ姫』に声で出演していた美輪明宏のモノマネを披露すると、共演者陣も「すごい似てるね!!」と驚いていた。製作発表終了後の取材では、互いの歌声を褒めあった浦井と城田。浦井は城田について「喉が違う。高音の最後シのフラットまで出て」と専門的に語り、城田は「安定している。健ちゃんは必ず決めてくる」と称賛した。さらにコメディセンスがある方は? と聞かれると、浦井は「優です」と即答。城田が「狙って笑わせるのは僕です。でも天然で面白いのはこっちです」と浦井を指すと、浦井は「意図的にできません」と苦笑した。しかし、先ほどのモノマネを褒められた浦井は「もう一つやります」とやる気に。『ハウルの動く城』の美輪明宏の「その呪いは解けないよ」というセリフを披露し、城田は「これは本編に入れましょう」と絶賛した。取材終わりには、城田がレポーターに「大丈夫ですか? もっとやばい質問とか。最近恋愛はどうですか? とか」と尋ね、周囲が慌てる一幕もあったが、浦井が強引に「ありがとうございました!」と頭を下げ、場を終わらせた。東京公演は日生劇場にて2018年2月7日から28にち。また、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて3月5日~20日、福岡公演は博多座にて3月24日~4月1日。
2017年11月10日米アカデミー賞7部門にノミネートされたウディ・アレンの名作映画を監督自ら脚本化、2014年にブロードウェイで初演されたミュージカル『ブロードウェイと銃弾』が、福田雄一演出で来春上演される。1920年代のNYを舞台に、マフィアとショウビズ界のアンタッチャブルな関係をコミカルに描いた物語だ。出資者であるマフィアの親玉ニック(ブラザートム)から「愛人のオリーブ(平野綾)を主役に!」との絶対条件付きで、ブロードウェイデビューの夢を掴んだ劇作家のデビッド(浦井健治)。早速稽古に入るが、主人公が大根役者な上、突然オリーブの監視役でマフィアのチーチ(城田優)が脚本にダメ出しを始めて…。混迷を極めていくデビッド役について、浦井健治はこう語る。ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」チケット情報「演出の福田さんがある現場で言っていたのは、『真ん中にいる人はなるべく余計なことはしないで』と。主役のデビッドまでいろんなことを仕掛けると作品の軸がブレてしまうので、僕は周囲に揉みくちゃにされながらも耐える役です。でも、先日のビジュアル撮影では、役になりきる僕を見てスタッフさんたちが爆笑していました。『一番個性のない役のはずなのに…』って(笑)」。無個性な彼でさえこの反応とは、個性際立つ共演者らの爆笑度合いは推して知るべし。とりわけ、城田優が演じるチーチとの“迷コンビ”ぶりは、物語を躍動させる鍵となる。「デビッドはチーチのダメ出しによって気づくんですよね、『こいつ、俺より才能あるな』と(笑)。彼としては劣等感を抱きつつも互いに認めあうことで、それぞれの道が拓けていく。人生何が起こるか分からない。この作品はデビッドの成長の物語でもあるのかな」。チーチとの「友情にも似た関係」を演じる上で相手役には、城田優がぴったりだとも。共演した『ロミオ&ジュリエット』では目で対話ができるまでに信頼感を深め、キスシーンも盛り込まれた『エリザベート』ではデュエット曲『闇が広がる』で万雷の拍手を獲得した。「『芝居を止めてまで拍手が止むのを待ったのは、後にも先にもあの瞬間だけだ』と後に優が言ってくれました。板の上で様々な経験を共有してきた彼とだからこそ、描ける関係がある。ただ、今回は福田組なので、逆に優とふたりで『ここで、拍手ください!』とか言っちゃってるかもしれないですね(笑)」ドラマ『勇者ヨシヒコシリーズ』や『ニーチェ先生』、映画『銀魂』など、映像でも活躍する福田雄一が手掛ける舞台は、普段演劇を観ない人や男性にも「絶対に後悔させない」と太鼓判を押す。「福田さんは現代に通じる笑いを日々追求されていると思うので、初観劇にもお勧め。逆に会社や学校で、観たことを自慢できるような舞台になると思います。きっと華やかなセットになるだろうしダンスシーンも満載で、演劇界の裏側を覗き見するような趣向にゲラゲラ笑って、すっきり爽やかにエナジーチャージができる。素敵な作品になります!」2018年2月7日(水)から28日(水)までの東京・日生劇場公演を経て、大阪・梅田芸術劇場メインホール、福岡・博多座でも上演。取材・文:石橋法子
2017年11月06日演劇、ミュージカル、伝統芸能など、舞台に関する最新情報やインタビューをお届けするフリーマガジン「ステージぴあ関西版」。11月1日発行の最新号で表紙を飾るのは、舞台『黒蜥蜴』で主演を務める中谷美紀。インタビューでは、『黒蜥蜴』の魅力や公演にかける思いを聞いた。「ステージぴあ関西版」発刊情報はこちらほかにも、年末恒例の極上落語会『夢の三競演2017~三枚看板・大看板・金看板~』に挑む桂文珍、桂南光、笑福亭鶴瓶に落語への思いを聞いたり、宝塚歌劇花組トップスター・明日海りおの『ポーの一族』にかける意気込みを聞くなど、今号もミュージカルから伝統芸能まで多彩なインタビューを掲載。さらに、板谷由夏が初舞台で初主演を務める舞台『PHOTOGRAPH 51(フォトグラフ51)』や、映画『銀魂』や『斉木楠雄のΨ難』などを手がける鬼才・福田雄一が演出し、浦井健治、城田優が主演するミュージカル『ブロードウェイと銃弾』など、注目公演の読者先行予約も実施!この機会にぜひチケット入手を。「ステージぴあ関西版」11+12月号はチケットぴあカウンター、劇場などで配布中。WEB上でも全ページ無料でご覧いただけます。
2017年11月02日10月24日、日韓文化交流企画の舞台『ペール・ギュント』の制作発表会が都内で開かれ、浦井健治ら日韓の俳優6名と上演台本・演出を担当するヤン ジョンウンが登壇、作品の見所などを語った。公演には日本から15名、韓国から5名の俳優が出演する。原作はイプセンによって150年前に書かれたもの。夢見がちな青年ペール・ギュント(浦井健治)は母オーセ(マルシア)の心配をよそに、ある日、「遠回りをしろ」という闇からの声に導かれるように恋人ソールヴェイ(趣里)をひとり残し旅に出る。海を渡り世界を股にかけ、謎めいた緑衣の女(ユン ダギョン)らと愛を交わし、財産を築いては無一文になるのを繰り返す。妖精の一種トロールやその王様、猿までもが飛び出す、様々な出会いと別れに彩られた破天荒で壮大な“自分探し”の物語だ。「ペール・ギュント」チケット情報平昌冬季オリンピック開・閉会式の総合演出も務める演出家ヤン ジョンウンは、言葉によるイメージと美術や照明といった目の前のビジュアルとがない交ぜになるような幻想世界を体感して欲しいと話す。「私はこのプロジェクトで人生という物語の中で生きること、そして死ぬことに対する問いかけを提示したい。観客にとって自分の人生をオーバーラップさせられる出合いの場になれば」。また、舞台上では常に演奏家による生音楽が流れるといい、祝祭感溢れるステージとなりそうだ。浦井も東京公演はクリスマス、兵庫公演は大みそかに重なることもあり、「お酒でもひっかけつつ、観に来て頂ければ」と冗談混じりに笑う。稽古は始まって1週間程度だというこの日。「1週間が一か月にも感じる」「みんな古くからの友人みたい」と語る出演者らの口ぶりから、1日8時間という稽古の充実ぶりが伝わってくる。会見でも終始笑いが絶えず、チームワークはすでに万全な様子だ。「毎日筋肉痛になるぐらい想像を超えた世界です」(マルシア)、「お客さんもこのワクワク感を共に作り上げる物語の一員になるはず」(趣里)、「稽古開始1週間にしてもう自分が客席で観たい!と思える公演はあまりない」(浅野雅博)、「先日、稽古終わりに韓国の男優たちと松屋へ行きました。心から肉を欲するほど毎日ヘトヘトです(笑)」(キム デジン)、「互いの人生を祝福し、みんなが“今のままの自分でいい”と思える公演になることを心から願っています」(ユン ダギョン)。最後に浦井が言う。「宗教、政治、国境、男女の差、あらゆるボーダーを越えて、イプセンが描いた人間とは何か、人生における一番大切なものは何かなど、様々なテーマが浮かび上がってくる作品です。観る人それぞれに違ったメッセージが届き十人十色の気持ちを持ち帰って頂ける、もしくは10年後にそういうことだったのかと思い返して頂けるような作品になると思います」東京公演は2017年12月6日(水)から24日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、兵庫公演は12月30日(土)・31日(日)に兵庫県立芸術文化センターにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子撮影:宮川舞子
2017年10月25日9月2日に東京公演が開幕した『デスノート THE MUSICAL』。初日に先駆け1日には最終舞台稽古が公開されると同時に、夜神月役の浦井健治と柿澤勇人(ダブルキャスト)、L役の小池徹平の囲み取材が行われた。ミュージカル『デスノート』チケット情報名前を書かれた人間は40秒以内に死ぬという“死神のノート”を手に入れた青年が、正義の名の下社会の悪を粛清していく……という衝撃的な内容で世界的に大ヒットしたマンガ『DEATH NOTE』。このコミックを原作に2015年に日本で世界初演、その後2015年と2017年には韓国で現地キャストでも上演されたミュージカルの待望の再演である。今回のツアーは6月に富山で開幕し、7月に台湾、8月には大阪で上演。場数を踏んだカンパニーはすでにフルスロットル状態、公開舞台稽古も熱く研ぎ澄まされた演技と、大迫力の歌唱で、約3時間の上演時間を駆け抜けた。東京公演に向け、キャストは「いよいよ東京。成熟した状態でカンパニーが一丸となっている」(浦井)、「(舞台作品は東京が公演スタートの場合が多く)ツアーの最後が東京というのは初。初日なのに落ち着いた感じで、みんながドシンと構えている。積み重ねてきたいいものを東京公演にぶつけたい」(小池)と自信の表情。大阪公演では死神・リューク役の石井一孝が体調不良で休演したが、東京公演初日から復帰した。柿澤も「そういうアクシデントも経て、より団結した最高のカンパニーになりました」と話した。ちなみに公開舞台稽古での石井リュークは、石井らしい迫力のバズーカボイスとお茶目な芝居の中にも、背筋の凍るような冷たさも潜ませ、絶品の死神像。小池も「カズさんはどっしりしたお芝居されていたので、本当に安心。お客さまも(心配せず)楽しむことしか考えなくて大丈夫です」。日本発のオリジナルミュージカルとして大きく羽ばたきつつあるこの『デスノート THE MUSICAL』、囲み取材の場では早くも再々演の可能性についての話題も飛び出した。具体的な話は「まだ何も…」とのことだが、「自分たちが出演するかどうかは別として、多分ずっと続けていく、続いていく作品。再々演が必ずあると思う」(柿澤)、「(主催である)ホリプロの社長さんは、“ドーバー海峡を越えるという夢がある”と仰っていた。台湾でもあれだけの熱狂で迎え入れてもらったので、やっぱり日本オリジナルのミュージカルを(世界に)持って行って、認められたい。自分たちはその“橋渡し”。次の世代へ、どんどん進んでいって欲しい。そのために一公演一公演を大切に演じたい」(浦井)とそれぞれ話した。そんなカンパニーの熱い思いもこもった2017年版『デスノート THE MUSICAL』、お見逃しなく。公演は新国立劇場 中劇場にて、9月24日(日)まで上演。チケットは発売中。
2017年09月04日世田谷パブリックシアターが開場20周年を記念して、日韓文化交流企画となる舞台、イプセン作『ペール・ギュント』を12月に上演する。舞台『ペール・ギュント』チケット情報本作は、平昌オリンピック開・閉会式の総合演出を手掛ける韓国演劇界のトップクリエイター、ヤン・ジョンウンが芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)にて上演を重ねてきた代表作のひとつ。日本では第20回BeSeTo演劇祭(13年)の招聘公演として新国立劇場にて上演され、際立つ身体性と言語表現によって色鮮やかに劇場空間を埋め尽くす、ヤン独自の世界観が大きな反響を呼んだ。今回は主人公ペール・ギュント役を浦井健治が担い、ワークショップで選ばれた日本人キャスト、ヤンの信頼厚い韓国人キャスト、そしてヤンの希望によりすべて日本人スタッフで固めた布陣で新演出版を誕生させる。海を越えた注目のタッグ、浦井とヤンに話を聞いた。「異なる文化で育った者同士が良いところを持ち寄り、一緒に冒険ができることはとても贅沢で幸せなこと。僕は参加できなかったのですが、今回共演する趣里ちゃんやほかの役者仲間から、すごい熱量でワークショップの報告が来たんですよ(笑)。『面白かった!ここまで自分をさらけ出すことができるのかと思った』と。そこまで思えるのは素敵ですよね」(浦井)「サイモン・マクバーニーが日本の俳優と作った『春琴』を世田谷パブリックシアターで観て、この空間にとても演劇的魅力を感じ、いつかこんな交流の舞台をやれたらと夢見ていました。浦井さんとの出会い、スタッフとのやり取りなど、すべての過程が今楽しくて仕方ありません。韓国人俳優に比べて日本人俳優はひかえめだという話をよく耳にしますが、ワークショップで出会った日本の俳優たちは全然違いましたね(笑)。すごく自由で、エネルギッシュで、挑戦を楽しんでいた。僕のほうがインスピレーションをもらいました」(ヤン)ワークショップについて浦井が「参加できず残念だったけど、僕は臆病なので」と冗談めかして言うと、ヤンはひときわ大きな笑い声をあげた。「先ほど浦井さんが口にした“冒険”という言葉が胸に刺さり、今また“臆病”という言葉にさらに深く揺さぶられました。私は、ペールも完璧な臆病者だと考えています。なぜなら、彼を信じる母親と恋人を故郷に残して自分探しの旅に出るペールは、あらゆる選択の局面でいつも無意識的に逃げ出すからです。すべての人間の怖れ、不安を集約したものがペール・ギュントで、浦井さんはそれを直感的に探り出したスマートな俳優だなと。期待が高まります」(ヤン)趣里、マルシアなど日本人15名と韓国人5名、総勢20名の出演陣で立ち上げる壮大な冒険譚。両国の情緒の差異を楽しみ、共感を探る、刺激的な旅路の始まりだ。「本当に大切にしたいものは身近にあることを伝えてくれる物語です。この作品を経験することで、僕も人生が豊かになるんじゃないかなと予感しています」(浦井)東京・世田谷パブリックシアターにて12月6日(水)に開幕。9月24日(日) より一般発売。取材・文:上野紀子
2017年09月01日2015年に日本で世界初演の幕をあけ話題となった『デスノート THE MUSICAL』の待望の再演が、まもなく富山公演からスタートする。ブロードウェイで活躍するフランク・ワイルドホーンが音楽を手がけるなど世界トップレベルのクリエイターたちが制作、日本のほか韓国版も上演され、ワールドワイドな展開を見せているミュージカルだ。再演でも、主役の夜神月をWキャストで務める浦井健治と柿澤勇人、月を追い詰める探偵L役の小池徹平ら、当たり役だと好評を博したキャストたちが続投。初演を超える熱演に期待が高まる。6月中旬、その稽古場を取材した。『デスノート THE MUSICAL』チケット情報はこちら原作は言わずと知れた大ヒット漫画『DEATH NOTE』。名前を書かれた人間は40秒以内に死ぬ“死神のノート”を手に入れた高校生・夜神月が、正義の名の下、犯罪者たちを粛清していくという物語だ。この日は初の“通し稽古”(本番同様、冒頭から最後まで通して行う稽古)とのことで、稽古場にはピリッとした空気が流れている……かと思いきや、意外に和やかな雰囲気。些細な会話で俳優たちが笑い転げている。だが「はじめます」の声がかかるととたんに静かになり、熱を帯びたような空気になった。オープニングは、40秒からカウントダウンしていく時計の音と映像。この段階で映像が使われている稽古場というのも珍しいが、減っていく数字が不穏さを煽っていく。続いてシーンは月が通う高校の教室へ。現代日本の、ありふれた光景だ。月ら生徒たちと教師が、正義について議論している。ここで歌われる「正義はどこに」は作品を貫くテーマだ。「正義は社会の基準」という教師に対し、月は「正義は権力の道具でしかない」と反論する。のちに自らを正義と信じ暴走していく月の危うい信念が伝わると同時に、議論を尻目に携帯をいじっている同級生たちの姿なども興味深い。この日の月は浦井健治。落ち着いた声のトーンと余裕のある表情で月の頭脳明晰さが伝わってくるが、一方ですでに少し狂気をも感じる。そして物語が進むにつれ迫力は増していき、カッとした表情や焦り、怒りを隠した笑顔など、その細かい表現から目が離せない。L役の小池徹平も熱演だ。物を指先でつまむ独特の動作や前屈みの姿勢などが印象的な特異なキャラクターだが、こちらは抑えた演技の中で、確実にこの役柄を体現。死神レム役の濱田めぐみの情感のこもった歌、弥海砂を演じる唯月ふうかのアイドルっぷりなども相変わらずの安定感。そしてこの日の稽古場で何よりインパクトがあったのは、今回初参加で死神リュークを演じる石井一孝。うっすら死神メイクをしているとはいえ、その眼ヂカラ、大きな口、動きまで原作のイメージ通り! まるでCGのようだ。さらに迫力の歌声にも度肝を抜かれること間違いナシ。石井本人も楽しそうで、その姿がそのまま、月ら人間たちの行動を面白がるリュークそのものだった。カンパニー全体のまとまりやハーモニーもよく、総じて初演よりぐっと迫力が増している印象。公演は6月24日(土)に富山オーバード・ホールで開幕。台湾、大坂公演を経て、9月には東京・新国立劇場 中劇場で上演される。
2017年06月22日現在、テレビ東京系にて放送中の「釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助」。この度、6月16日(金)放送の最終回に、2002年から放送されたアニメ版「釣りバカ日誌」で主人公・浜崎伝助を演じた声優・山寺宏一が出演することが決定。アニメ版とドラマ版の“ハマちゃん”の夢の共演が実現する。“ハマちゃん”こと浜崎伝助役を濱田岳、“スーさん”こと鈴木一之助役を西田敏行が演じる本作。今回出演が決定した山寺さんが演じるのは、ある日、ハマちゃんが訪れる釣り具店の店長。一体2人はどんなやりとりを繰り広げるのか?コミカルな掛け合いに注目だ。ドラマ版の「釣りバカ日誌」には第1シーズンから注目していたと言う山寺さんは、「その頃、僕はまだ『おはスタ』に出演していて、そこで番組のことをご紹介させていただいたりしました。でもまさか自分が出演することになるとは思っていませんでした(笑)」と心境を語り、「映画も大好きでしたけど、ドラマになって濱田さんがハマちゃん、西田さんがスーさんを演じるという素晴らしいキャスティング。そこに出演できることを嬉しく思っています」とコメント。また濱田さんとの共演については、「彼が『金八先生』に出ているときに、武田鉄矢さんとの絡みを見て『彼は天才だ!』『すごい子がいるよ!』って周りに話していたんです。その後、プライベートで一緒にご飯に行く機会があって、そこで彼に思いのたけを伝えたことがありました(笑)。今回2人の絡みだったので、台本を読んだときに『うわぁ~やりたい!』って思って。濱田くんと共演できて本当に嬉しかったです」と喜び、濱田さん演じるハマちゃんについては、「これはみんなが思っていることだと思いますが、はまり役だと思います。これ以上ピッタリな人は絶対いないだろう」と絶賛。最終回については、「非常に大切な最終回です。僕の出番は少しですが重要なシーンだと思うので、ぜひ楽しみにしていて頂きたいです!」とメッセージを寄せた。さらに最終回では、ハマちゃんとスーさんはイワナ釣りに出かける。そこで、地元に住む美女・滝沢鮎子役と出会いスーさんは心奪われるのだが、その鮎子役を、壇蜜が演じることも決定した。そして6月9日(金)今夜放送の第7話では、アジ釣りに出かけた浜崎伝助と鈴木一之助は、“釣りバカ女子”の 祐実と出会い、意気投合。祐実がゼネコン志望で就職活動中だと知った伝助は、後日意気揚々と社内を案内するが、なぜか祐実は社長の話ばかりを聞きたがる。一方、一之助は釣り具店で祐実と再会した際、釣りに誘われ上機嫌に。だが一之助が伝助にうそをつき、祐実との釣りを優先させようとしたため2人は大喧嘩!互いに「師弟関係を解消する」と言い出す。約束の日、一之助が新師匠の祐実との釣りを楽しむ中、伝助はみち子と久しぶりのデートへ。みち子のリクエストで人気クレープ屋へ行くと、そこで意外な人物と再会し…。そんな中、パリの大学に誘われていた藤岡祐一郎(浦井健治)は、みち子へ想いを募らせ、ある決意を固める…というストーリー。ハマちゃんとスーさんの師弟関係が崩壊の危機に陥るきっかけとなる“釣りバカ女子”祐実役には、元ハロー!プロジェクトメンバーで、『覆面系ノイズ』『坂道のアポロン』への出演も決定している真野恵里菜。また第7話には、「おはスタ」のおはガール、さな、さーちゃん、ゆうなの3人が出演。彼女たちがどんなシーンに登場するのかは観てからのお楽しみ。金曜8時のドラマ「釣りバカ日誌 Season2 新米社員 浜崎伝助」は毎週金曜日20時~テレビ東京系にて放送。(cinemacafe.net)
2017年06月09日