ホームの声援の力を得て、負けるわけにはいかない。浦和レッズが8月25日(木)・『AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022』ノックアウトステージ準決勝に臨む。声出し応援エリアが設置された埼玉スタジアム2002で全北現代モータース(韓国)を迎え撃つのだ。ホームの追い風だけではない。チーム状況も上回っている。浦和は8月19日『ACL』ラウンド16でジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)を粉砕。8分FW松尾佑介が得たPKをCBアレクサンダー・ショルツがきっちり決めて先制すると、19分ゴール正面からのFKを右ウイングのダヴィド・モーベルグがゴール右上隅ヘズバリ。39分には松尾のクロスをトップ下・小泉佳穂が折り返してモーベルグがダイレクトでゴールネットを揺らした。浦和は後半に入っても攻め手を緩めず。途中出場のキャスパー・ユンカーが試合終盤の84・90+1分と立て続けにゴールを決めて5-0の大勝劇で締め括った。中2日で迎えた8月22日・BGパトゥム・ユナイテッド(タイ)との準々決勝でも浦和は一切の隙を見せなかった。開始50秒電光石火の松尾のシュート、25分左ウイング関根貴大のボックス手前で相手をかわしてのシュートがVAR判定でノーゴールとなるも慌てず騒がず。32分関根が左サイドから中へ切り込んでのドリブルからパスを放ると松尾はスルー、ボックス手前で受けたモーベルグがトラップでコースを作り左足を振り抜き三度目の正直で先制。42分にはボランチ岩尾憲の左CKをニアのCB岩波拓也がヘッドでスラし、前半の内に2-0とした。浦和は後半もゴールへの積極性を失わない。60分関根が中へ切り込んでからのミドルシュートは相手GKに阻まれたが、65分ボランチ伊藤敦樹のパスカットから自ら持ち上がりボックス手前で横パス、ボールを受けた小泉が左足でのコントロールショットを決めれば、72分伊藤の横パスから途中出場の江坂任がダイレクトで縦へ、同じく途中出場の明本考浩が力強い左をひと振り。83分にも江坂のスルーパスにユンカーが抜け出しながら、ラストパスを選択し得点に結びつかなかったが、高い技術を披露。浦和が4-0の快勝で4強入りを決めたのだった。一方の全北現代は8月18日に同じ韓国勢の大邱FCとラウンド16で対戦。試合は全北ペースで進み、後半早々にFWソン・ミンキュが右ボレーでGKの股下を射抜き先制すると、10分後ロングパスをクリアしようとした全北DFが空振り、FWゼッカに股下シュートを決め返された。大邱の3倍近いシュートを放ちながら2点目が遠い全北、延長後半もアディショナルタイムをを迎えPK戦が頭をよぎる中、ゴール前でのこぼれ球をFWキム・ジンギュが押し込んで劇的勝利。中3日の8月22日準々決勝・ヴィッセル神戸戦では64分に先制点を献上するも、2分後に左アタッカーのマドウ・バロウが一本のパスで抜け出しすぐさま同点。後半アディショナルタイムにはキム・ジンスのクロスをキム・ジンギュがヘディングシュートを放つもGK前川黛也が好セーブ、続くキム・ムンファンのミドルシュートも前川に阻まれ、2試合連続の延長戦へ突入した。104分バロウの長いクロスにグスタボが打点の高いヘッドを合わせると、120+2分神戸が左CKにGKも上がる総攻撃を仕掛けるも、全北がボールを確保。ムン・ソンミンが無人のゴールに流し込んで3-1とした。全北は2試合連続で勝負強さを見せた一方、大邱戦は決めるべきところで決め切れずに延長戦に突入、神戸戦も互いにリスクをおかさずロングボールを蹴り合う重い展開が続き90分では決着が付かなかった印象がある。相手が異なるとはいえ、180分間にわたり文句なしの強さを見せ付けた浦和に比べると、全北は迫力不足が否めない。フィジカル面の不利があっても、メンタル面では引かない。8月24日の前日公式会見に出席したキム・サンシク監督とホン・ジョンホは勝利を誓った。キム・サンシク監督「この場所にくることができて非常に誇らしい気持ち。選手のフィジカル面では非常に難しい状況だが、この準決勝はある意味で決勝のようなものだと思っている。『Kリーグ』、そして韓国を代表してベストを尽くしたい」ホン・ジョンホ「すべての選手やスタッフがこの状況に対して喜びを感じている。明日の試合にしっかりと焦点を当てて臨みたい。埼玉でいい試合をし、勝利して韓国へ帰りたい」指揮官は浦和の力を認めつつ、熱戦を勝ち上がってきた自負を覗かせた。「浦和はJリーグの中でも強豪で、非常に組織されたチームで素晴らしい選手たちが所属している。すべてのバランスが非常にいいと思う。ノックアウトステージでも我々は大邱、神戸と対戦していて、浦和よりも難しい状況にあった。しっかりとディフェンスラインを整えて臨みたいし、浦和の弱みを突き、ピッチ上でのミスを減らしていきたい」全北は『Kリーグ』5連覇中で今季も2位に付け、浦和と同じく『ACL』を2度制している強豪だ。両クラブの直接対決は全北現代が3勝1分2敗と勝ち越し、浦和が準優勝した2019年大会でもグルーブステージで全北現代が2連勝している。油断は大敵である。いい流れで勝ち上がってきた浦和は自信を持っているが、慢心はない。8月24日の会見でリカルド・ロドリゲス監督と関根がこのように抱負を語った。リカルド監督「我々にとって最後のもう一歩、やるべきことは来年行われる『ACL』決勝のキップを掴むこと。これまでも言ってきたが、戦う姿勢、攻撃と守備の質がいいので、この素晴らしい対戦相手に繰り出すことが大事。自信を持ってプレーすること、ファン・サポーターの後押しがあるので、浦和ファミリーとしてしっかり戦い、決勝へ行くこと。それはクラブにとっても浦和ファミリーにとっても大切なこと」関根「まだ何も成し遂げていないので、今までやってきたことすべてを出し切って、日本を代表していいサッカーをして勝ちたい。ホーム・埼玉スタジアムでやるアドバンテージを生かして、選手全員がキックオフから死に物狂いで戦いたい」 韓国勢との準決勝を戦う難しさを問われたふたりはこのように答えた。リカルド監督「相手のモチベーションは高いだろうが、我々もモチベーションは高い。日本を代表するクラブとして強度高く戦うことが大事。最後の舞台がかかった試合、しっかりモチベーションを高め、しっかり戦えるよう準備したい」関根「僕は韓国勢とやるのは楽しみにしている。激しいプレーをしてくると思うし、日本に対していろんな思いがあると思うが、こっちはやられる前にやるだけ。90分か120分かはわからないが楽しみたい。負ける気はさらさらないので、全力でぶつかりたい」2試合続けて延長戦を戦った相手よりも優位になっているか、質問されると指揮官はこう返答した。 「我々にアドバンテージはあるかもしれない。プレータイムは我々の方が少ない。フィジカルは韓国のチームの方が強いかもしれないが、3試合目でフィジカルの状態はひとつのキーポイントになるかもしれない」優勝した2017年大会は途中で移籍し、準優勝に終わった2019年大会は途中参加と『ACL』への思いを聞かれた関根は次のようにコメントした。「自分は『ACL』のタイトルを取ったことがないし、とくに2019年の悔しさは残っている。その悔しさを晴らすのはこの舞台しかない。まず明日勝って決勝の舞台に立てるようにがんばりたい」さらに関根は会見が終わろうとする中、「すみません、ひとつついいでしょうか」と断った上で、ファン・サポーターへメッセージを発した。「明日の試合は大一番になりますし、ひとりでも多くのファン・サポーターの方に埼玉スタジアムに足を運んでもらう必要があると思っています。この思いをファン・サポーターの方々に届けてほしいですし、ひとりの力が本当に選手の後押しになりますので、『サポートをよろしくお願いします』と伝えたいです」果たして、来年2月にホーム&アウェイで実施される『ACL』決勝へ駒を進めるのは浦和か、全北か。『ACL』準決勝・全北現代×浦和は8月25日(木)・埼玉スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。試合の模様はDAZNにて生中継。取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)【声出し応援適用試合】AFCチャンピオンズリーグ2022ノックアウトステージ準決勝のチケット情報
2022年08月25日アイドルグループ・モーニング娘。’21の横山玲奈が、三菱重工浦和レッズレディース2021-2022シーズンの応援アンバサダーに就任したことが13日、明らかになった。レッズレディースの活動拠点である埼玉県出身で、日頃から浦和レッズを応援している横山。持ち前の元気と笑顔で、WEリーグ初代チャンピオンを目指すレッズレディースを盛り上げる。横山は「日頃から浦和レッズを応援している身として、今回のアンバサダー就任をとてもうれしく思っています」と喜びをあらわにし、「女子プロサッカー、そしてWEリーグをどんどん盛り上げていきたいです。WEリーグ初代チャンピオン目指して、一緒に応援していきましょう!」と呼びかけた。メインビジュアルは、クリエイティブディレクター岡田喜則氏、ファッションカメラマンの田中丸善治氏が手がけた。応援アンバサダーとしての活動期間は、2021年10月から2022年5月末まで。
2021年10月13日Jリーガー槙野智章選手がオススメするホームタウンの旨い店厳選3軒!選手・スタッフ御用達の本格手打ち蕎麦第2の家族!? あたたかくフレンドリーな町の洋食屋試合後のサッカー談義で盛り上がるならココ!!1.【手打ち蕎麦 寺田家】与野手軽に本格手打ち蕎麦を堪能!遠方からの来店も多い隠れた名店与野駅東口から徒歩13分の【手打ち蕎麦 寺田屋】は、本格的な手打ち蕎麦がリーズナブルに食べられる地元の名店。厳選したそば粉を使用し、季節によって水の量を変化させることで、きめ細やかでこしのあるお蕎麦を一年中食べることが出来ます。テーブル席のほかに座敷も完備。サッカーに関する飾りものが目を惹くクラブハウスに常備された出前表。選手やスタッフだけでなく取材に訪れた記者も利用することがある埼玉で日本代表戦が行われた際にハリルホジッチ元代表監督もスタッフと来店。中央は二代目店主の寺島利男さん槙野選手がオススメする一皿揚げたての天ぷらとざる蕎麦を一緒に味わえる『天ざる』1,430円(税込)寺田家【エリア】さいたま新都心/与野【ジャンル】そば【ランチ平均予算】2000円 ~ 2999円【ディナー平均予算】1000円 ~ 1999円2.【洋風厨房 ソーシエ】与野地元民がこよなく愛す、和のテイストを取り入れた町の洋食屋さん与野駅西口から徒歩5分にある【洋風厨房 ソーシエ】はアットホームで地元密着型の洋食屋です。オーナーシェフの藤木進さんは和食や中華も学ばれた経験があり『オムライスソーシエ風』や『とろける♪ビーフシチュー』など、この店ならではの創作メニューも多く並びます。ランチ、ディナー問わず地元民の憩いの場として愛されています。マンションの1階に位置し、チャーミングな手書きボードが目印。月曜日以外は毎日営業店内はテーブル席とカウンター席がある。14人から貸し切り可能オーナーシェフの藤木進さんと妻の佐和子さん槙野選手がオススメする一皿岩手産阿部鶏を使い秘伝のソースで味付けをした名物『あべどりのジャポソース』1,000円(税込)。外はパリっと中身は柔らかくジューシー洋風厨房 ソーシエ【エリア】さいたま新都心/与野【ジャンル】洋食【ランチ平均予算】1000円 ~ 1999円【ディナー平均予算】1000円 ~ 1999円3.【牛タン焼き専門店 司 分店鷹】大宮大宮で牛タンといえばココ!客足が途絶えることのない人気店大宮駅東口から徒歩5分の牛たん焼き専門店。事前に味付けした熟成牛たん(オーストラリア産の最高級ブランド)をこだわりの炭で焼くことで、美味しさが逃げずにふっくらとした味わいを堪能できます。仙台にある有名牛たん焼店の分店として2009年に開業。近くには離れも完備店内は25席あるが、平日でも満席になることが多い牛たんを知り尽くし、絶妙の焼き加減と最適なタイミングで調理する店長の中川仁志さん槙野選手がオススメする一皿テールスープと麦飯がついた『熟成牛タン定食』1.5人前 2,950円と、卵黄入りの『とろろ』350円(すべて税込)牛タン焼専門店司分店鷹【エリア】大宮駅周辺【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】3,001円~3,500円【アクセス】大宮駅インタビュールームに入ってくるなり、「昨日、嫁とも『どこを紹介しようか』と話してきたんですよ」と、笑顔を見せてくれた槙野選手。サービス精神旺盛の彼だから、行きつけのお店で、ファン・サポーターとの交流を楽しんでいる様子が目に浮かんでくる。槙野選手が厳選したオススメの店に、みなさんも足を運んで料理を楽しんでもらいたい。プロフィール©URAWA REDS槙野智章(まきのともあき)1987年5月11日生まれ、広島県広島市西区出身。Jリーグで活躍する元日本代表ディフェンダー。サンフレッチェ広島ジュニアユース,サンフレッチェ広島ユースを経て、2006年サンフレッチェ広島に入団。サンフレッチェ広島のトップチームで5年間プレー、11年ドイツの1FCケルンへ移籍する。12年に浦和レッズへ移籍し、今年で9シーズン目を迎える。
2020年07月23日2015シーズンをもって現役を引退した元浦和レッドダイヤモンズの鈴木啓太さんの引退試合が、17日に埼玉スタジアムにて開催される。対戦カードは、浦和レッズOB主体のチームの「REDS LEGENDS」と、鈴木選手と同じ時代に日の丸を背負った仲間たち主体のチーム「BLUE FRIENDS」となっている。鈴木啓太さんは、静岡県清水市(現在は静岡市)出身で、現在は36歳。東海大学翔洋高校を卒業し、2000年に浦和レッドダイヤモンズへ加入した。ボジションはMFで、Jリーグでは379試合に出場、日本代表としても28試合に出場している。鈴木啓太さんは、「浦和レッズに加入して16年間、偉大なクラブでプレーできたことを本当に誇りに思っています。プロサッカー選手として成功することを夢に、小さな頃から送ってきた私のサッカー人生は、たくさんの方に支えられ、また素晴らしい選手たちと一緒にサッカーをすることができ、本当に恵まれたものでした(一部抜粋)」とコメントしている。「鈴木啓太引退試合」は、7月17日17:00にキックオフ予定。開催場所は「埼玉スタジアム2002」で、チケットは販売中。現在参加が予定されているメンバーは下記の通り(敬称略)。岡田武史 / 反町康治 / 小倉勉 / 土橋正樹 / 安藤智安 / ネネ / 宮沢克行 / 山口智 / 田畑昭宏 / 山岸範宏 / 永井雄一郎 / 平川忠亮 / 坪井慶介 / 村井慎二 / 羽生直剛 / 石川直宏 / 阿部勇樹 / 佐藤勇人 / 太田吉彰 / 南祐三 / 小池純輝 / 西澤代志也 / 岩舘直 / 小島秀仁 / 福島春樹 / 福田正博 / 岡野雅行 / マリッチ / 内舘秀樹 / 室井市衛 / 阿部敏之 / ワシントン / 福西崇史 / ロブソン ポンテ / 三都主アレサンドロ / 明神智和 / 中村俊輔 / 都築龍太 / 橋本英郎 / 酒井友之 / 小野伸二 / 堀之内聖 / 巻誠一郎 / 田中 マルクス闘莉王 / 千島徹 / 松井大輔 / 駒野友一 / 山瀬功治 / 相馬崇人 / 岩政大樹 / 矢野貴章 / 細貝萌 / エスクデロ 競飛王 / ギド ブッフバルト / ゲルト エンゲルス / 池田太 / 土田尚史 / 大槻毅
2017年07月16日消化試合ではない。前節、ステージ優勝を決めた浦和レッズが『明治安田生命J1リーグ』1stステージ最終節・アルビレックス新潟戦で無敗優勝に挑む。浦和レッズ ホームゲーム チケット情報浦和はまだ『2015 Jリーグ チャンピオンシップ(CS)』の出場権を獲得したに過ぎない。『CS』でシードされるのは年間勝点1位である。ペトロヴィッチ監督が「34節を終えて一番上にいるのが我々の大きな目標」と言えば、選手たちも「まだ何も手に入れていない」(阿部勇樹)、「自分たちはあくまで年間チャンピオンを目指している」(槙野智章)とキッパリ。11勝5分・勝点38、ホーム8戦全勝の文句なしの成績を収める浦和は今季も攻撃的サッカーを実践している。だが、昨季までのポゼッション至上主義から見事に脱却した。前線から最終ラインまでコンパクトなラインを形成し、ボールを保持するのが基本である。だが、相手や局面、時間帯によって、引いて守る意識も高まった。守るだけではない。ロングボール一閃、カウンターの精度も高めている。武藤雄樹、梅崎司が6ゴール、興梠慎三、ズラタンが5得点と前線のメンバーはどこからでも点が取れる。4得点の右サイド・関根貴大、左サイド・宇賀神友弥(次節は出場停止)からのクロスもチャンスにつながっている。開幕から一度も首位を譲らず、無敗のままステージ優勝まで駆け上がったのも納得の内容である。最終節で対峙する新潟は対照的に3勝5分8敗・勝点14で17位に甘んじている。ラファエル・シルバ、平松宗、鈴木武蔵らアタッカー陣に故障者が相次ぎ、中盤の要であるレオ・シルバも第12節以降戦線離脱した。前線からのタイトな守備をかいくぐられ、得意のカウンターも決まらない中、ショートパスをつなぐサッカーを模索しているのである。ペトロヴィッチ監督の新潟評は異なる。第12節・FC東京戦後、浦和の指揮官は「どんな試合でもサッカーをする(守備重視ではなく、主導権を握って攻める)チームが勝利することが私自身うれしい。例えば新潟は素晴らしいサッカーをしているが、結果が伴っていない。それは残念なことだ」と語った。オーソドックスな4-4-2から浦和と同じ3-4-2-1にシステム変更し、試行錯誤する新潟に好感を持っているのだ。浦和が対新潟17試合負けなし(13勝4分)、ホーム無敗(9勝2分)の相性の良さそのままに無敗ステージ優勝を達成するのか、好材料揃いの中落とし穴にハマるのか。6月27日(土)・浦和×新潟・埼玉スタジアムのチケットは発売中。『明治安田J1』2ndステージ・浦和ホームゲーム・7月19日(日)・広島戦、7月29日(水)・甲府戦、8月16日(日)・湘南戦、8月22日(土)・仙台戦のチケットは、6月28日(日)午前10時より一般発売。
2015年06月26日6月20日(土)、優勝に王手をかけた浦和レッズがノエビアスタジアム神戸へ乗り込む。『明治安田生命J1リーグ』1stステージ第16節でヴィッセル神戸と対峙するのだ。神戸に勝つか引き分ければ、浦和の1stステージVが決定する。もし敗れても、暫定2位のガンバ大阪が7位・べカルタ仙台に勝たない限り、優勝が転がり込む。浦和は11勝4分・勝点37、J1開幕15試合無敗の記録を更新中である。対する神戸は4勝5分6敗・勝点17の暫定12位。直近5試合も1勝1分3敗と波に乗り切れていない。だからと言って、「神戸で浦和が歓喜の瞬間を迎える!」と決め付けるのは早計だ。通算の対戦成績では浦和が15勝4分11敗とリードするが、過去5シーズンを振り返ると神戸が6勝1分1敗と圧倒する。しかも、ノエスタでのリーグ戦に限ると、神戸が5連勝中である。神戸はCB・ブエノが戦線復帰してから3試合で1失点と堅守を取り戻しつつある。J1通算150ゴールのマルキーニョスも前節にピッチへ戻ってきた。昨季マルキーニョスに次ぐ13ゴールを挙げたFWペトロ・ジュニオールも、復帰3試合を経て持ち前の爆発的なスピードを発揮している。G大阪との前節では、智将・ネルシーニョ監督が5バック気味のシステムを敷き、堅守速攻を徹底した。浦和サポーターにはトラウマもある。浦和は2年連続でシーズン終盤に大失速し、覇権を取り逃した。リーグ優勝とステージ優勝では重みが異なるが、「もしや……」と懐疑な気持ちを捨て切れないサポーターも決して少なくないだろう。ただ、今季の浦和は昨季までとは違う。第11節では3連敗中だったユアテックスタジアムで仙台相手にド派手な打ち合いを演じ4-4のドローに持ち込んだ。第14節は1分2敗のベストアメニティスタジアムで鳥栖を向こうに回し6-1と今までのうっぷんを晴らした。鬼門と言われたスタジアムで結果を残してきたのだ。前節は日程の不利を跳ね返した。未消化だった第10節から中3日で試合に臨んだ浦和に対し、17位・清水は中7日のアドバンテージがあった。CB・森脇良太を負傷で欠き、ボランチ・柏木陽介や左サイド・宇賀神友弥も疲労が溜まりギリギリの状況だったが、FW・興梠慎三が落ち着きと技術を結集した決勝ゴールを守り切った。チームも第9節以来となる完封を果たした。試合後、ペトロヴィッチ監督は「いい内容ながら勝てなかった昨年の経験を生かしている。今日はいい内容ではなかったが、その中で勝ち切った。今季は負けなしでここまで来ている。我々は強いチームである証だと思う」と胸を張ったのだった。6月20日(土)・ノエスタで浦和が1stステージVを決めるのか、相性の良さを証明し神戸が待ったをかけるのか。チケット発売中。
2015年06月19日浦和レッズが『明治安田生命J1リーグ』1stステージ優勝に王手をかけた。6月7日(日)・埼玉スタジアム2002で歓喜の瞬間は訪れるのか。6月7日(日)浦和レッズ対清水エスパルス チケット情報6月3日、第10節・柏レイソル戦で浦和は粘り強さを発揮した。柏に2度勝ち越されながらも、試合終了間際に右・関根貴大のクロスを武藤雄樹がヘディング一閃。3-3とし、開幕14試合無敗のJ1新記録を樹立した。これで浦和は10勝4分・勝点34、1試合消化ゲームが少ない2位・ガンバ大阪は8勝3分2敗・勝点27。次節で浦和が清水エスパルスに勝利し、G大阪がヴィッセル神戸に敗れると、1stステージ優勝が決まるのだ。ベガルタ仙台で過ごした4年間で6得点だった武藤は、浦和へ移籍し3か月で同じゴール数をマークしている。シーズン前は2シャドーのサブ的な位置付けだったが、ここ8試合は先発し、4試合連続得点中だ。タレント揃いの1トップ2シャドーの中にあって、出場時間は最も多い。FC東京の武藤嘉紀の活躍に、「じゃない方の武藤」と自虐ネタにしていた背番号19は、なくてはならない存在になりつつある。柏戦後のペトロヴィッチ監督のコメントもすこぶる良かった。「2013年は優勝してもおかしくないシーズンだったが、最終的に優勝できなかった。2014年は優勝しなければいけないシーズンだったが、ここでも優勝を逃した。非常に辛く悔しい経験をしたチームがその経験をもとに戦っている。我々は打ちひしがれても再び立ち上がり、強くなり、今のチームがある」過去2シーズンの悔しさはサポーターも忘れてはいない。2013年は3連敗でシーズンを終え2位から6位に転落した。昨年も残り7試合で1勝3分3敗と急失速し、G大阪に逆転優勝を許した。昨年までの屈辱は、1stステージ優勝では癒えない。ステージ優勝は『Jリーグチャンピオンシップ(CS)』の出場権を手に入れただけに過ぎない。目標は年間勝点1位であり、『CS』制覇である。だが、指揮官も選手もサポーターも、歓喜の瞬間に飢えているのも確か。ファンならば「ステージ優勝はタイトルではない」なんて、斜に構える必要はないのだ。対する清水は3勝4分7敗・勝点13で17位に低迷するが、決して容易な相手ではない。第13節・湘南ベルマーレに0-4の完敗を喫したかと思えば、前節は5-2と川崎フロンターレを粉砕した。チームトップの6ゴールをマークする大前元紀、前節2ゴールのピーター・ウタカと石毛秀樹らが織り成す攻撃は、ツボにハマれば破壊力満点である。ここ最近は分が悪いが、直接対決でも24勝6分18敗とリードする。6月7日(日)は浦和が1stステージ優勝を決めるか、清水が一矢報いるか。昨年の清水戦は無観客で行われた。浦和としては清水戦の記憶を無観客試合ではなく、1stステージ優勝の対戦カードに塗り替えたいところ。チケット発売中。
2015年06月05日対照的な同級生コンビである。昨季、浦和レッズの左サイドで阿吽のコンビネーションを見せた槙野智章と宇賀神友弥のことだ。ご存知の通り、浦和はリーグ終盤に失速し、ガンバ大阪に逆転優勝を許した。残り3試合で勝点5差を引っ繰り返されるまさかの大逆転を、宇賀神は「結果が付いてこなかったということがすべて。チームを優勝に導く働きができなかったのが情けない」と振り返るのに対し、槙野は「タイトルに届かなかったのは非常に残念だけど、自分たちが積み重ねたサッカーの内容、質そのものには満足のいくシーズンだった」と語った。浦和レッズ チケット情報槙野の言葉をタイトル獲得に淡白だと誤解してはいけない。昨季の経験を「絶対に無駄にはしたくない。始動日から、みんなギラッギラッしている。掴みかけていたものが掴めなかった悔しさは、まだ癒えてない」(槙野)と言う。2014シーズンを振り返った言葉は好対照だが、ふたりはペトロヴィッチ監督が描くサッカーに共鳴している。「とにかくミシャのサッカーで優勝したい。やっていて、こんなに楽しいサッカーはない。ミシャのサッカーでという思いは、槙野や(柏木)陽介の方が強いと思うけど、自分も負けないぐらい『ミシャのサッカーで優勝したい』と思っている」(宇賀神)「まず、2014シーズンのテーマは間違いなく守備だった。その部分に関しては本当に手応えがあった。ただ、その反面、攻撃のところでは2013年よりも物足りなかった。ミシャ監督のサッカーは、やっぱり攻撃サッカーですから。そこがチームとしての成果と課題だと思う」(槙野)目指すタイトルは『2015明治安田生命J1リーグ』だけではない。槙野も宇賀神もすべてのタイトルを渇望する。クラブはズラタンや石原直樹など実績を残すFW陣をはじめ11名を補強した。フロントも指揮官も選手も、昨季の悔しさを何倍にもして返すつもりだ。「『ACL』は2年前に初めて経験したけど、『こんな楽しい戦いがあるのか?』と思った。そういう試合を1試合でも多くやりたいし、『ACL』を獲れるだけのメンバーは確実に揃っている」(宇賀神)「『ACL』も『明治安田J1』も獲れるだけのメンバーは揃っている。『天皇杯』や『ナビスコカップ』も獲りたいし、目の前の試合はすべて勝ちたい。負けるの嫌いじゃけんさ」(槙野)浦和レッズ スペシャルインタビュー 槙野智章×宇賀神友弥の完全版はこちら(。浦和は2月25日(水)の『ACL』に始まり、その3日後にはガンバ大阪との『FUJI XEROX SUPER CUP 2015』、さらにその翌週には『2015明治安田生命J1リーグ』開幕戦に臨む。3月14日(水)のホーム開幕戦となる『明治安田J1』モンテディオ山形戦など6カード、『ACL』3試合のチケットは2月14日(土)一般発売。
2015年02月13日今シーズンの全日程が発表されたJリーグ。2年ぶりにJ1に復帰する湘南ベルマーレは、3月7日の開幕戦でホームに浦和レッズを迎える。実は昨年末の段階で、チョウ・キジェ監督は強豪レッズとの対戦を望んでいた。その真意はどこにあるのか。○指揮官の希望が具現化した開幕戦声に出した言葉が現実の事象に対して、何らかの影響を与える。古代日本から「言葉に宿っている」と信じられてきた神秘的な力、いわゆる「言霊」の存在を感じずにはいられなかった。1月中旬に全日程が発表された2015年シーズンのJ1リーグ。大きな注目を集める3月7日の開幕戦について、史上最速でのJ1復帰を果たしたベルマーレのチョウ監督が昨年12月上旬の段階でこんな希望を明かしていたからだ。「ホームでやりたいね。最初に浦和とか。開幕戦がウチのホームで相手が浦和だったら最高だし、向こうは嫌がるだろうね」。話しているうちに、4シーズン目の指揮を執ることがすでに決まっていたチョウ監督は「何だか浦和になりそうな気がする」と笑顔を浮かべながら声を弾ませてもいた。果たして、ベルマーレの開幕戦の相手は昨シーズンの最終節で優勝を逃した悔しさを晴らさんと今オフに大量補強を敢行したレッズに、会場はホームのShonan BMWスタジアム平塚に決まった。○34分の1の確率を手繰り寄せた言霊J2およびJ3を含めたJリーグのすべての日程は、『日程くん』という通称がつけられている専用のアプリケーションソフトウェア「Jリーグマッチスケジューラー」に、下記の主な条件を入力して自動的に作成されている。(1)ホーム、アウェーともに3回連続して行わない(2)開幕戦をホームで戦ったチームは、最終節をアウェーで戦う(3)開幕から5節までのうち、必ず2試合以上をホームで戦う(4)ゴールデンウイークや平日のホームゲーム数を均等にする(5)スタジアムの使用可否などクラブからの要望を配慮する今シーズンから2ステージ制を復活させるJ1だが、18チームがホーム&アウェーで対戦する形態は変わらない。開幕戦でレッズと当たる確率は17分の1で、さらにホームかアウェーのどちらかとなる。実に34分の1のカードを手繰り寄せたのだから「言霊」の存在を信じたくなる。○ベルマーレとレッズを結ぶ浅からぬ縁ベルマーレとレッズには浅からぬ縁がある。チョウ監督のもとでJ1を戦った2013年シーズン。埼玉スタジアムに乗り込んだ4月14日の第6節で、0対2の完敗を喫した。ゴール裏が真っ赤に染まった敵地の雰囲気に飲まれ、J1優勝経験をもつ「浦和レッズ」という名前の前に萎縮した揚げ句に自滅してしまった90分間。試合後のロッカールームで、指揮官は体を震わせながらこう訴えている。「オレは絶対に引かないぞ」。チョウ監督のもとで育まれてきた「湘南スタイル」は、「攻守の切り替えの早さで常に相手を圧倒する」「攻撃でも守備でも相手よりも人数をかける」「リスクを冒して縦パスを入れて攻撃のスイッチを入れる」――などを戦術的な特徴としている。いずれも腰が引けて、チーム全体が自陣に下がり気味になっている状態では実践できない。別の戦い方を模索して後戻りすることも許されない。チョウ監督が発した「引かない」の意味を選手全員が共有し、J1の壁へ真っ向から挑み続けることを誓い合った。○「選手たちの成長に追いついていない」と涙した日それから5カ月半後の9月28日。ホームにレッズを迎えた第27節で、ベルマーレは見違えるような戦いを披露した。前半18分に先制されたものの、持ち前の運動量と前への推進力でレッズを終始圧倒。後半30分と36分の連続ゴールで逆転し、1万3000人を超えた観客を熱狂させた。しかし、逆転直後に退場者を出したことで流れが微妙に変わってしまう。アディショナルタイムに突入する直前に同点ゴールを奪われ、試合もそのまま引き分けた。試合後のロッカールーム。チョウ監督は選手たちに頭を下げ、涙を流した。その理由をこう説明する。「選手たちの成長に僕が追いついていない。もっと(自分の采配で)助けることができたと思うと、本当に申し訳ない」。最終的にはJ1に残留することはかなわなかった。それでも、「湘南スタイル」に秘められた可能性を信じて、妥協することなく突き詰めていく姿勢は、2度のレッズ戦を触媒として不退転の覚悟へと昇華していた。○「湘南の暴れん坊」復活を証明する舞台実際、あと一歩までレッズを追い詰めた一戦の映像を、チョウ監督は何度も見直してきた。リードを守り切ることよりも、追加点を奪ってダメを押すサッカーを追い求めていくためだ。その後の約1年半の間に、どれだけ成長することができたのか。レッズに真っ向から挑んだ先に必ず答えがある。開幕戦の相手にレッズを望んだ理由がここにある。そして、以心伝心というべきか。日々の練習からJ1を想定して取り組み、「攻撃は最大の防御なり」を合言葉にJ2最多の86得点、最少の25失点をマークするなど、記録的な独走劇でJ1復帰を勝ち取った選手たちも「開幕戦の相手がレッズになれ」と念じてきた。くだんのレッズ戦で一時は逆転となるゴールを決めた21歳のDF遠藤航も、3月7日の大一番へ向けて武者震いを覚えている一人だ。「自分たちの力を証明するには一番いい相手だと思う」。注目の開幕戦のキックオフは午後7時。NHKのBS1で生中継されることも決まった。チーム名が湘南ベルマーレに改称された2000年シーズン以降、レッズにはリーグ戦で1分け9敗と一度も勝っていない。世紀をまたいだ負の歴史に終止符を打ち、かつてのニックネーム「湘南の暴れん坊」の復活を全国のサッカーファンに告げるための舞台は整った。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2015年01月31日8年ぶりのJ1制覇へ王手をかけた浦和レッズ。堅守でチームに安心感を与え、「神の領域」に達したと形容してもいいパントキックで状況を一変させる日本代表GK西川周作は、サンフレッチェ広島時代から数えて3年連続のリーグ優勝へ静かに闘志を昂(たか)ぶらせる。○J1個人記録を塗り替えるシーズン16完封敵地・横浜の夜空へ両手を大きく突き上げた次の瞬間に、浦和レッズの西川は味方の元へ笑顔で駆け寄っていった。那須大亮、槙野智章、森脇良太のDF陣との間で形成された歓喜の輪に、キャプテンの阿部勇樹、青木拓矢のボランチ陣が加わる。19歳のルーキー、MF関根貴大が後半34分にたたき込んだ値千金の先制ゴールを守りきっての完封勝利。8年ぶり2度目のJ1制覇へ王手をかける4試合ぶりの白星は同時に、J1新記録となるシーズン16度目の無失点試合となった。1993年の菊池新吉(ヴェルディ川崎)、2009年の権田修一(FC東京)、そしてサンフレッチェ広島でプレーした2013年の自分自身を超える大記録。だがそれよりも、DF陣を含めたチーム全員が体を張り続け、横浜F・マリノスの攻撃を封じ込めた90分間を西川は喜び、思いを分かち合った。「3試合続けて勝てていなかったけど、チームの方向性は全然ネガティブなものになっていなかった。失点しないことが勝利に近づくとみんなで確認していたので、本当にシビれる、楽しい試合でした」。○胸中に秘めてきた「17」と「2」の意味新天地レッズに移籍した今シーズン。西川は「17」と「2」という2つの数字を、常に意識してきた。前者はシーズン無失点試合のチーム記録であり、2008年の大分トリニータが22歳の西川とベテラン下川誠吾(現ヴィッセル神戸アカデミーコーチ)の2人を擁して樹立している。「あのときは僕が途中でけがをして、下川さんと2人で達成した。今年はその数字を目指しながら、チームメイトとの共通意識を高めてきた」。後者は「『連敗』だけはしない」という誓いだ。昨年のレッズは最後の3試合をすべて落として優勝争いから6位にまで転落した。泥沼の3連敗で献上した失点は12。守備の再建役を託された自負もある。今シーズンはここまで6敗を喫しているが、敗戦直後の試合で西川は5度完封している。守護神が零封すれば負けない。実際に黒星後の6試合で5勝1分けを刻んだ軌跡が、優勝へのマジック1を手繰り寄せた。「負けても大きく崩れないことが大事だった。すべての試合を生かしてこられたと思う」。○独自の哲学が育むチームメイトとの固い絆胸中には守護神の矜持とも言える、ある哲学を秘めている。「GKは味方のミスを帳消しにできるポジションだと思っている」。マリノス戦の前半28分。左タッチライン際で槙野からボールを奪ったMF佐藤優平が、フリーでペナルティーエリア内に侵入してきた。絶体絶命のピンチにも西川は冷静沈着だった。「角度はなかったので。いいポジションを取ることで、余裕を持って構えることができた」。佐藤の一撃をセーブした西川のプレーに救われた槙野は、持ち前の闘志をさらに増幅させる。後半25分にドリブルで侵入してきたMF齋藤学を、必死の形相で追走したシーンはその象徴だ。体を張ってシュートコースを限定させ、西川のビッグセーブを導いた。もちろん、人間である以上は西川もミスを犯す。バックパスのトラップ際を狙われ、まさかの決勝点を献上した試合もあったが、育まれてきた味方との信頼関係が28歳の守護神を強気にさせた。「逆に自身がミスをしても、変わらないプレーをしようと思えるんです」。○「炎」の川口、「氷」の楢崎との比較日本がワールドカップ初出場を果たしたフランス大会から、GKには川口能活(FC岐阜)と楢崎正剛(名古屋グランパス)が長く君臨してきた。もっとも、歴代の日本代表監督は常に物足りなさを覚えていたという。いわく「常に冷静沈着な楢崎は、味方にいい意味での刺激を与えない。川口は時にアグレッシブさの度がすぎて、味方に安心感を与えない」と。楢崎の「氷」と川口の「炎」の両方を共存させたいと望むのが川島永嗣(スタンダール・リエージュ)だとすれば、西川はどのように位置づけられるのか。「GKがどっしりと構えていれば味方も安心して、ポジティブになると思う。そういう存在感は、これからも出していきたい」。こう語る西川のスタンスは「氷」に近い部分があるが、一方でその左足には状況を「守」から「攻」へと瞬時に転換させる「炎」をも宿している。封印が解かれたのはマリノス戦の後半41分だった。マリノスのFKをキャッチした西川が、体を右に傾かせながらボールを前方に浮かせる。左足から放たれたパントキックは50m以上も前方、敵陣の右タッチライン際にいた関根の胸にワンバウンドで到達。勝利へのカウントダウンを叫んでいたレッズサポーターも、この瞬間だけは芸術的な軌道に酔った。○芸術の域に達した左足からのパントキックトリニータのユースからトップに昇格する過程で、必死に磨き上げたオリジナルの武器。利き足は右だが、猛練習の賜物(たまもの)で左足に正確無比なコントロールを搭載した。相手がジャンプしてもギリギリで届かない低空を駆け抜ける軌道は、川口も楢崎も、そして川島もまねできない。11人目のフィールドプレーヤーとなり得る左右両足の正確なキック技術と合わせて、西川自身も絶対の自信を寄せている。「低いボールのほうが相手は前に出てこられないので、獲物をとらえるように蹴っていきたい。守るだけじゃなくて、キャッチした後の攻撃が自分のよさだと思っているので」。22日にホームで行われる次節は、まるで用意されたように2位のガンバ大阪との直接対決。勝つしかないガンバは猛攻を仕掛けてくるはずで、それだけ西川のパントキックが状況を逆転させる確率も高まる。「規律を守りながらしっかりと守備から入れば、必ずチャンスが訪れて味方が決めてくれる。いろいろな条件が出そろったけれども、足をすくわれないように地に足をつけてプレーしたい」。完封すれば勝利に近づくだけでなく、心中に秘めてきた無失点試合数の目標にも到達する。個人としては3年連続の美酒となる大団円へ。真っ赤に染まる埼玉スタジアムを思い浮かべながら、西川は「炎」と「氷」を同居させるように気持ちを引き締めた。写真と本文は関係ありません○筆者プロフィール: 藤江直人(ふじえ なおと)日本代表やJリーグなどのサッカーをメインとして、各種スポーツを鋭意取材中のフリーランスのノンフィクションライター。1964年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。スポーツ新聞記者時代は日本リーグ時代からカバーしたサッカーをはじめ、バルセロナ、アトランタの両夏季五輪、米ニューヨーク駐在員としてMLBを中心とするアメリカスポーツを幅広く取材。スポーツ雑誌編集などを経て2007年に独立し、現在に至る。Twitterのアカウントは「@GammoGooGoo」。
2014年11月05日浦和レッズが8年ぶり2度目となるJ1リーグ優勝に向けて、首位を快走している。リーグ戦残り7試合で17勝5分5敗・勝点56と、2位・ガンバ大阪に勝点7差をつけているのだ。中断明け以降11勝1分1敗、現在6連勝中のG大阪が残り7試合で全勝しても、浦和は5勝2敗で乗り切ればタイトルを手繰り寄せることができる。勝点7差は確固たるアドバンテージと言える。浦和サポーターにとって忘れられない苦い思い出がある。2007年残り5試合というところで、首位・浦和は3位・鹿島アントラーズに勝点10差をつけていた。連覇は間違いなしと思われたが、3分2敗とまさかの急失速。ラスト9節を全勝で駆け抜けた鹿島が、大逆転でリーグ戦優勝を手繰り寄せた。昨季も第30節終了時、浦和は首位・横浜F・マリノスを勝点2差で追う2位につけていた。しかし、『ナビスコカップ』決勝で敗れると、リーグ戦でも1分3敗……。結局、6位まで後退した。2007年はリーグ戦とともに『ACL』のハードスケジュールに悩まされた。昨季はリーグ最多の66得点をマークしながら、56失点も喫していた。今年は違う。GK・西川周作が加入し、リーグ最小の22失点の堅守を誇る。得点は倍以上の46得点と、バランスも非常に優れている。西川と那須大亮、森脇良太、槙野智章の最終ラインが中心になり、第10節から7試合連続無失点というJ1新記録を樹立すれば、第21節から興梠慎三、柏木陽介、李忠成、梅崎司らアタッカー陣が活躍し4試合で15ゴールを量産した。幸か不幸か、『天皇杯』3回戦で姿を消し、『ナビスコ杯』準々決勝で敗退したため、リーグ戦一本に集中できる環境にある(ちなみにG大阪は『ナビスコ杯』決勝進出を果たし、本日10月15日(水)に『天皇杯』準々決勝を戦う)。浦和は2007年、そして2013年と同じ轍を踏まない。もちろん、フットボールに絶対はない。ケガ人や出場停止など、不確定要素もある。だからこそ、残り7試合、1試合1試合が重要になるのだ。優勝へのカウントダウンの中、埼玉スタジアム2002で迎える第32節・11月22日(土)・G大阪戦、第34節・12月6日(土)・名古屋グランパス戦のチケットが10月25日(土)一般発売となる。ただ、ホームでの残り2試合は激しいチケット争奪戦となるため、即日完売となる可能性が高い。そこで、朗報だ。G大阪戦、名古屋戦は現在、先行抽選「プレリザーブ」を受付中だ。10月19日(日)23:00まで、プレミアチケットを入手できるチャンスがある。しかも、G大阪戦では来場者全員にオリジナルトートバッグもプレゼントされる。また、G大阪戦では「いい夫婦の日」にちなんで、メッセージ入りのチケットをプレゼントできる「オリジナルギフトチケット」が10月16日(木)10:00より浦和レッズ特設サイトで販売される。兎にも角にも、レッズサポーターは優勝を信じ、いざ埼スタへ!
2014年10月15日