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東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設費は、1,490億円といわれています。東京スカイツリーの建設費は650億円だったので、その2倍以上です。すごい金額ですよね。でも、世の中には、もっと巨額のコストが投じられた建物が存在するのです!そこで今回は、アメリカの情報サイト『Gazette Review』が発表した「世界で最も建設費が高い建物のトップ10」を見ていきましょう。■10位:シティー・オブ・ドリームス(マカオ)・・・24億ドル(約2,476億円)カジノで有名なマカオ。2010年にオープンしたシティー・オブ・ドリームスは、巨大なリゾート複合施設です。カジノには、450のギャンブル台、1,500以上のスロットマシンが並んでいます。ほかにも施設内には、レストランやショップ、劇場があり、世界最大の水のショーも上演されています。■10位:ザ・ベネチアン・マカオ(マカオ)・・・24億ドル(約2,476億円)続いても、マカオの建物がランクイン!ザ・ベネチアン・マカオは、世界最大級のカジノリゾートです。550,000平方フィートの広さを持つカジノフロアには、3400台のスロットマシン、800ものギャンブル台が並びます。またホテルは全室スイートで、客室数は2,905室もあるそうです。■8位:ウィン ラスベガス(ラスベガス)・・・27億ドル(約2,785億円)エンターテイメント都市として知られるラスベガスにも、巨額の費用がかけられた建物があります。ウィン ラスベガスは、5つ星を獲得する高級ホテルで、施設内には、全4750の客室、111,000平方フィートのカジノフロア、ナイトクラブ、レストラン、さまざまなストアが入っています。さらなる拡大を計画しており、あと1,000室を増やす予定だそうです。■7位:エミレーツ・パレス(アブダビ)・・・30億ドル(約3,095億円)エミレーツ・パレスは、アラブ首長国連邦にある最高級ホテルのひとつ。公式では5つ星ホテルとなっていますが、ホテル側はそれ以上に値すると主張しています。394室の客室があり、どの部屋も金のゴージャスな内装となっています。■6位:ワン・ワールドトレードセンター(ニューヨーク)・・・38億ドル(約3,920億円)アメリカ同時多発テロ事件の後、2006年からワールドトレードセンター跡地に新しいビルの建設がはじまり、2014年にワン・ワールドトレードセンターが営業を開始。ニューヨークの新しいシンボルとなっています。1,776フィート(約541m)の高さは、世界で6番目に高い超高層ビルになるそうです。この高さは、アメリカ独立宣言の年(1776年)を象徴しています。■5位:ザ コスモポリタン(ラスベガス)・・・39億ドル(約4,023億円)2010年に開業したザ コスモポリタンは、客室数およそ3,000室を誇るカジノホテル。111,000平方フィートのカジノ、レストラン、クラブ、スパ、フィットネスセンターなど多様な施設を備えています。また施設内にあるマーキーナイトクラブ&デイクラブは、アメリカでもっとも収益を上げているクラブだといいます。また、ラスベガスのシンボルともいえるベラージオホテルは、建設費だけなら16億ドル(約1,652億円)と、ランキング外です。■4位:リゾート・ワールド・セントーサ(シンガポール)・・・49億ドル(約5,055億円)日本からも多くの観光客が訪れるシンガポール。リゾート・ワールド・セントーサは、セントーサ島にある大型複合リゾートです。大規模な施設にも関わらず34か月というスピードですべてを完成させたといいます。こちらには、世界最大の水族館、ユニバーサル・スタジオ・シンガポール、カジノ、レストラン、ホテルまでが集結しています。■3位:マリーナベイ・サンズ(シンガポール)・・・55億ドル(約5,674億円)マリーナベイ・サンズは、3つの高層タワーからなる総合リゾートホテル。2,561の客室に、ミュージアム、2つの劇場、7つの高級レストラン、世界最大級のカジノ、300以上ものショップが集まります。また屋上にあるインフィニティプールは、宿泊者限定で利用できます。■2位:アブラージュ・アル・ベイト・タワーズ(メッカ)・・・150億ドル(約1.5兆円)サウジアラビアにあるイスラム教の聖地、メッカに位置するアブラージュ・アル・ベイト・タワーズは、7つの超高層ビル群です。ビル内には、ホテルやレストラン、ショッピングモール、エンターテイメントの会場があります。なかでも601メートルの高さを誇るホテル棟には、世界最大の巨大時計が設置されています。■1位:マスジド・ハラーム(メッカ)・・・1,000億ドル以上(約10兆円)ダントツの1位は、ブラージュ・アル・ベイトです。世界最大のモスクであり、アブラージュ・アル・ベイト・タワーズの向かい側に位置します。すでに10兆円以上も費用が使われていますが、拡張工事のため、さらに増える見込みだそうです。*このトップ10のほとんどが、世界中から観光客が訪れるホテルやリゾート施設ばかりでした。世界には、新国立競技場よりお金のかかっている建物がこんなにあるのです。どれだけ豪華なのか、ちょっと気になりますよね。一度きりの人生です。死ぬまでに一度はこういった建物を訪れてみてはいかがでしょうか?(文/椎名恵麻) 【参考】※Top 10 Most Expensive Buildings In The World-Gazette Review
2016年09月03日フィンランドの妊婦さんに無償で配られるベビーグッズがぎっしり詰まった「マタニティボックス」のことが日本でも話題となり、その子育て事情のすばらしさに感動した人も多いのでは。そんなフィンランドだからこそ、子連れ旅行も楽々!みんな大好きムーミン村や、子ども向けトリートメントも取りそろえたフィンランドいち大きなスパリゾートなど、子どもにも興味津々のアクティビティも数多く、家族みんなで楽しめることはうけあい。子どもがいるから海外旅行はあきらめる、のではなくて、子どもがいるからこそ出かけたい旅先です。完璧なバリアフリー!ベビーカーの人は交通費が無料!子どもと一緒の旅はとても楽しいもの。かけがえのない一生の思い出になることは間違いありません。おすすめの旅先は数あれど、近年イチオシの子連れ旅の行き先はなんといってもフィンランド!同国の、国を挙げての子育てサポートが日本でもよく話題になりますが、その恩恵を旅行者でも享受することができるのです。今回訪れたのは、フィンランドの首都ヘルシンキと、そこから電車で2時間ほどの街ナーンタリ。ヘルシンキまではフィンエアーが日本各地から直行便が飛んでいて、乗り継ぎの必要がないのは子連れにとってはストレスが少なくうれしいところ。ちなみに、フライト時間は10時間20分と、日本から直行便で行けるヨーロッパの主要都市としては“日本に最も近い”というのも注目です。街を歩いてみると、お店や駅の入り口に段差がなく、ほとんど完璧なバリアフリーであることに気づきます。ベビーカーを押している人も多く、出歩きやすいことは一目瞭然。でも、フィンランドの実力はそんなものではありません。なんと、ベビーカーを押している人はトラム(路面電車)やバスの乗車賃が無料に。それは「ベビーカーを押しながらいちいちお財布を取り出すのは大変」だからなのだそう。特別な無料パスなどを取得する必要もなく、ただベビーカーを押している、それだけが優遇される理由。男性も女性も関係ありません。また、ほかの都市へ向かうフィンランド鉄道VRの長距離線では、ファミリーコンパートメントや小さなプレイエリアつきの車両があるものがあり、乗車賃は一般と同じです。かわいらしい内装の“キッズ車両”には小さな滑り台などの遊具が設置されているほか、絵本もあり、自由にのびのびと遊ぶことが可能。列車内ではWiFiが利用できるのでちょっと大きな子は動画を見たりして過ごしていました。ほかの子連れファミリーもキッズ車両を利用することが多いので、お友だちができちゃったりもするかもしれません。ちなみに、キッズ車両は外側にイラストが描かれていますが、そのうちのひとつはアメリカの絵本作家リチャード・スカーリーのものでした。電車に乗る前からうれしくなってしまいますね。キッズ車両はカラフル。狭い座席に座らせるより、子どもたちがリラックスしている。これなら移動も楽々!イケメンすぎるスナフキン!? “生”ムーミンたちに会える!というわけで、国内の移動自体も楽しいフィンランド。向かった先のナーンタリには「ムーミンワールド」があり、日本人観光客にも大人気のスポットです。いわば“アンパンマンワールド”といった風情で、フィンランドでは未就学児くらいの小さな子どもに特に人気があるもよう。ベビーカーを押したファミリーが多いのもさることながら、手で引っ張るタイプのワゴンのレンタルがあり、子どもはその中に入って運ばれたり、荷物を入れたワゴンを自分で引っ張って楽しんだりすることができます。これには子ども心もくすぐられまくるようで、歩き始めたばかりとおぼしき赤ちゃんもよちよちとワゴンを押しながら楽しそうに歩く様子も見られました。世界で唯一、ムーミンのお家があるムーミンテーマパーク。室内にも当然入って見ることができる園内にはムーミンの家やボート小屋などがあり、物語の世界を忠実に再現。意外と広く、丘の上の方にのぼっていけばちょっとしたハイキングもできます。木々や花々を眺めつつ、そこここにニョロニョロの棲家があったり、魔女の家があったりして、冒険気分に。大人はのんびりと、子どもたちは生き生きと動き回ります。そして園内でのハイライトはなんといっても“生”ムーミンたちに会えること。ミニシアターでは頻繁にキャラクターたちが寸劇を披露しているほか、もちろんエンカウンタータイムも設けられています。残念ながらすべてフィンランド語(大きいほうのシアターでは英語の字幕がつきます)ですが、ミーやスナフキンとお話をすることもでき、なによりスナフキンのイケメンぶりに、子どものために一緒についてきただけのつもりのママも思わず鼻の穴が膨らみそう。アニメのスナフキンに比べるとやさしく甘い顔つきなところがほんのり気になりますが、子どもそっちのけで「一緒に写真を…」なんて言っちゃうかも。生身のフィンランド人男性ですから、背が高いためそこもまぁ違和感といえば違和感ですが、ここはかなりの興奮ポイントではないでしょうか。あまりにも元気でマシンガントークのミーも、アニメに比べかなりスリムなムーミンも、日本のアニメを見て抱いていたイメージとだいぶ異なります。それでも長蛇の列に並んで写真を1枚撮ってもらっておしまい、というのではないので、メインアクティビティとしてかなり楽しめるでしょう。イケメンすぎるスナフキンが…。エンカウンターの時間が長めなので、並んだりせずともすぐにお目当てのキャラクターに出会える生まれたばかりの赤ちゃんから大人までスパ、プール、サウナも楽しめる!ムーミンワールドで1日中遊んで疲れたら、すぐ近くにあるナーンタリホテル&スパへ。車で5分ほどの距離ですが、ムーミンワールドの目の前から小さな汽車ポッポがホテル前まで連れて行ってくれるので、子連れファミリーはぜひこちらへ。有料ですが、最後のひとはしゃぎとなることは間違いなし!そしてホテルに着いたらスパへGO!という理想的な動線を描くことができます。このホテル、特にファミリー向けリゾートとしてオープンしたわけではないそうですが、夏のバケーションシーズンには子連れのゲストでいっぱいになるほどファミリー人気が高く、生まれたばかりと思しき赤ちゃん連れからティーンのちょっと大きめの子ども連れまで、幅広く利用されています。大会議室が本格的な遊具がそろうキッズルームに変身し、常時スタッフが一緒に遊んでくれる“保育園”に。小さな子どもも親がトリートメントを受けている間もここに預かってもらえば安心です。子ども向けのマッサージもありますので、一緒にトリートメントを受ける、なんていう珍しい体験もできそう。付近の海の底の泥を使ったラップ、ホットストーンセラピー、アロマセラピーなどのトリートメントがそろっています。もちろん、トリートメントを受けずにひたすらプールとサウナを行ったり来たりするのもフィンランドらしいアクティビティ。家族でサウナ!というのはフィンランド人の多くが幼少時代の思い出として持っているもので、それは日本人の私たちにとってもほっこり素敵な思い出になることはうけあい。大人も子どもも同じように、そして気兼ねなく楽しめるホテルなのです。ナーンタリホテル&スパリゾートのプールは屋内のほうが広い。サウナも同じプールエリアにあり、中で男女分かれている北欧ファッションをお土産にムーミンワールドやホテル、町なかでもたくさんの子どもたちを見ることになりますが、フィンランドの子たちはみんな独特でカラフルな服装をしていることに気づきます。ビビッドな色合い、雲や雨、木々など自然のものをモチーフにした絵柄が特徴的で、とにかくかわいい!の一言しかありません。しかし、こうした北欧ファッションの子ども服はどのお店でも6~7歳くらいまでのサイズしかなく、実は小さいころにしかできないスタイル。買わずに帰ったら後悔必至なので、1日でもショッピングの日を設けるのがおすすめです。デザイン・ディストリクトにはおしゃれなお店が集中。子ども服やさんもたくさんあるので要チェックショッピングに向いているのはやっぱりヘルシンキ。要領よく北欧デザインハンティングをするには「デザイン・ディストリクト」がいいでしょう。25の通りに北欧デザインの雑貨や洋服、ジュエリーなどのクリエイティブなお店が集中して点在しています。マップがあるのでそれを頼りに歩けば行きたいお店もすぐに見つけられます。子ども服はフィンランドを代表するブランド、マリメッコでも取り扱っていますが、セレクトショップでもスウェーデンなど近隣諸国のブランドのものも見つけることができるので、何軒もはしごするのもよさそう。ディストリクト内にはおしゃれなレストランやカフェも多く、どこでもベビーカー、子連れ大歓迎のムードで気軽に入ることができます。今回入った「TheCock」もデザイン・ディストリクトにあり、ビーガンから肉食まで誰でも満足のカジュアルなフュージョン料理のお店。たくさんの赤ちゃん連れママが楽しくランチをしていました。さらにうれしいのは、ここには「Tokyo Bowl」なる丼もののメニューがあり、洋食に飽きてしまってちょっと食欲が落ちてきた子どもには(ひょっとしたら大人にも)最高のごちそうです。近年の世界的な和食ブームはわざわざ日本からインスタント味噌汁などの緊急食を持っていく必要をなくしてくれ、子連れ旅行の際には特にありがたく感じます。おしゃれエリアにもどんぶり飯が登場!焼き鮭とサラダのてんこ盛りだがなかなかヘルシーとかく子連れ、特に子どもが小さいうちの海外旅行は大変だから、と敬遠しがちですが、フィンランドは「もっと子どもが小さいときに来ればよかったな」とすら思ってしまうかも?福祉のよい国は誰にでも平等にやさしいのでした。取材協力:フィンランド政府観光局、フィンエアー<文:岩佐史絵、写真:松永光希>
2016年08月30日きょうは、『イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方 “短く働く”のに、“なぜか成果を出せる”人たち』(山嵜一也著、KADOKAWA)という書籍をご紹介したいと思います。著者は、日本の大学院で建築設計を学んだのち、2001年に渡英したという一級建築士。以来10数年にわたり、ロンドンの住宅の改修や、橋、音楽堂などさまざまな建築の設計に携わってきたのだそうです。そんな経験を積み重ねてきた結果として得たのは、「成熟国の先輩」であるイギリスならではの生き方・働き方があるという実感。そして、そこには日本人が学ぶべき(取り入れることのできる)多くの学びがあると感じたのだといいます。それは、「成熟国に暮らす人たちの知恵」。■無理な成長を目指していない一般的にイギリス人は、“肩の力を抜いている”といわれます。それは「無理な成長を目指していない」ということでもあり、そこに私たち日本人にはないポイントがあるということ。ひとつひとつのことを割り切り、できないことを無理してやらない。だからこそ、持続的に、効率よく、淡々と生活できるということなのでしょう。実際のところ、イギリスにおける「総労働時間」は日本より低いにもかかわらず、「労働生産性」は日本より高いというデータもあるのだといいます。■他人のボロい服を気にしないところで著者によれば、イギリスにはボロい服を着ている人が多くいたのだそうです。穴が空いていたり、ほつれていたりしていても、気にすることなく平気で着ているというのです。地下鉄やバスでそういう人をよく見かけただけではなく、会社の同僚たちも、普段着はあまり気にしていない様子。周囲がそんな感じなので、やがて著者もその感覚を身につけてしまったというのは、なかなかおもしろいエピソードではないでしょうか。では、イギリス人はケチだから服を買わないのかといえば、そういうわけではないというのです。つまり彼らはファッションにではなく、たとえばアートなど、自分にとって価値のあるものにお金をかけるということ。事実、「どうしてこんなところにお金をかけるんだろう?」と不思議に思うこともあったといいます。その例として紹介されているのが、世界中から作品を募る公募展「ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ・サマー・エキシビション」での体験。18世紀から240年以上続く歴史ある展覧会だそうですが、そこに「部屋を掃除したら出てきた、ちょっと日に焼けた建築模型」を応募してみたら、入選して展示され、買う人がいたというのです。アートの展覧会に建築模型が出品されること自体が不思議な話ですが、イギリスではアートと建築の距離が非常に近く、絵画、彫刻、写真などの部門と同様に“建築部門”もあるとか。それにしても、「どうせ誰も買わないだろうから」と、かなり高めの金額をつけておいた建築模型が売れたことは、著者にとっても新鮮な出来事だったようです。■アートを所有することに喜ぶたしかに昨今では、アートが投資の対象として見られている側面もあるでしょう。それも事実ではありますが、他方には、純粋にアートを所有することに喜びを感じている人も、イギリスには多くいたといいます。その証拠に、友人たちの家を訪れると、絵画や写真などが額に入れられて壁にかかっていたりするそうで、なんとも素敵な話ではあります。そういう価値観の持ち主に囲まれていたことも影響してか、著者自身も、小さな彫刻を買ったことがあるのだそうです。もちろん投資になるようなものではなく、そもそも投資目的ではなかったわけですが、「世界にひとつしかないもの」を買ってみると、アートを見る目が少し変わったように思えたのだというのです。そんな経験があるからこそ、おしゃれな服を着飾ることで日常に潤いが得られるのと同じように、1枚のアートを部屋の壁に飾ることは気持ちに潤いを与えてくれると著者は述べています。もちろん重要なのは、高い金額の絵画や彫刻を買うことではないでしょう。ただ、自分へのご褒美として手に入れる服やバッグの代わりに、アートを買うという行為も、きっと日常を楽しくしてくれるということ。著者はロンドンでの生活のなかで、日本人の価値観とは異なる新鮮な思いを身につけたということなのかもしれません。*他にも、日本人にとっては新鮮なエピソード満載。視野を広げてみるという意味でも、読んでみて損はない一冊だといえます。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※山嵜一也(2016)『イギリス人の、割り切ってシンプルな働き方 “短く働く”のに、“なぜか成果を出せる”人たち』KADOKAWA
2016年06月19日『「世界」で働く。 アフリカで起業し、50社を経営する僕が大切にしていること』(金城拓真著、日本実業出版社)の著者は、タンザニア・ザンビア・マダガスカル・ベナン・ニジェール・ブルキナファソ・コートジボワール・カメルーン・トーゴと、アフリカ9ヶ国で50社以上の会社を経営しているという起業家。金取引、農場経営、不動産、タクシー、運送業、金鉱山運営、ホテル、中国製品の卸売、土地開発など業種もさまざまだといいますが、「アフリカでビジネスをする際に、一番気をつけなければならないのは、相手の裏切りです」(20ページより)という言葉からも想像できるとおり、そのビジネスは一筋縄ではいかないもののようです。しかも「裏切り」に気をつけなければならないのだとしたら、お金のトラブルも少なくなさそう。そこできょうは同書のなかから、お金についての考え方を引き出してみたいと思います。■日本人はお金に盲目的になりがち日本人のいちばんの欠点は、お金を絶対視していることだと著者はいいます。もちろんお金は重要ですし、なければご飯も食べられないことになります。しかし多くの方は、お金に対して信仰に近い念を抱いているというのです。そして多くの場合、盲目的になりがちでもあるといいます。ところが著者は、「すべての物事は俯瞰的に、客観的に捉えなければいけない」と考えているのだそうです。■海外では「お金で解決できない」また、「お金でなんでも解決できる世界は日本のなかだけ」と思っておいたほうがいいともいいます。外国に出て、お金で物事を解決しようとすると、「私からどんどんボッタくってください」と喧伝しているようなものだというのです。しかしそうなると、よからぬ輩がその人のもとに現れるのは時間の問題だということ。それは、日本人が海外でトラブルにあう原因のひとつではないかとも著者は考えているのだそうです。にもかかわらず、多くの日本人はお金で物事を解決しようとするもの。もし取引において不安な部分があれば「専門家に委託しよう」「この規模の会社なら委託しても間違いないはずだ」「これだけの金額を積んだのだから、大丈夫なはずだ」というように考える企業が多いというのです。しかし当然ながらそれは、著者の目から見ると「詐欺をしてください」といっているようなもの。もちろん、業務を委託すること自体が悪いことだというわけではないでしょう。ただし、相手が誰でもいいというわけではないということ。取引相手を自分の目で見て、自分の感覚に従って取引を決めたり、業務を依頼したりすべきだというわけです。気になってしまいがちな会社の規模や金額は、そのあとに見ればいいという考え方なのです。■お金を出してしまったらおしまい「騙し」や「裏切り」と表裏一体の環境に身を置いているだけに、自分と取引をしている人を見ずに、取引をしている人の外側で判断するなんて理解できないと著者はいいます。ビジネスはある意味においてマネーゲームであり、お金で解決しなければならないことも多くあります。しかし、それと同じくらいの割合で、「お金を出してしまったら間違うビジネス(相手にたかられるような結末を迎えてしまうビジネス)もある」というのです。実際のところ、著者が尊敬しているビジネスパーソンも、お金に関してこのようにシビアな感覚を持っている人ばかりだといいます。そして、実際に大成功されている方も多いのだとか。また、いま成功していなかったとしても、将来的に大成功するのはこのようなタイプだとも感じているそうです。そして著者は、こうもいうのです。この先、日本人が世界で戦っていくためには、こうしたお金の感覚を養うのも大切なことかもしれないと。*たしかに、著者のビジネスフィールドであるアフリカの現状を、そのままのかたちで日本に置き換えるのは現実的ではないかもしれません。著者の目に映っているアフリカのビジネスシーンと日本のそれとの間には、大きな隔たりがあるのも事実だからです。しかし、それはあくまで「現時点においては」の話にすぎません。世界が加速度的にグローバル化している状況下においては、予想よりも早く、彼らの価値観を共有しなければならないときが訪れる可能性もあります。つまり未来に焦点を当てた場合、本書はぜひとも読んでおくべき一冊であるといえるのです。(文/作家、書評家・印南敦史) 【参考】※金城拓真(2016)『「世界」で働く。 アフリカで起業し、50社を経営する僕が大切にしていること』日本実業出版社
2016年05月16日『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由――住んでわかった。子育てと教育から見える日本へのヒント』(浅見実花著、祥伝社)の著者は、タイトルからもわかるとおりイギリス在住。大手広告代理店のマーケティング部門を退職したのち、2010年に移民として、イギリスで起業する夫を含む家族4人で移住したのだそうです。ところが暮らしてみると、日本で慣れ親しんできたものとは違うやり方や考え方に何度も出会うことになったのだとか。そしてそのたびに、「ああ、そういうものか」と思いなおし、適応するように努めてきたのだといいます。イギリスで教わった重要なことは、「あらゆることに期待しない」という人生の教訓。悲観的な意味ではなく、物事を大きすぎもせず、小すぐもせず、ありのままに捉えることなのだそうです。そのうえで実践的に行動すれば、人生が少しだけリラックスしたものになるという考え方。本書でもそこを軸として、子育てや教育の観点から、イギリス社会を個人的に深索しているというわけです。そしてそれは、子育てや教育の観点から、日本社会を深索する作業にもなるはずだといいます。きょうはなにかと気になる「お金」のトピックスのなかから、保育費の問題を引き出してみたいと思います。■保育費が高額なのに復職する母親たちイギリスにおいて、子どもを保育所に預けることは、日本でいわれるほど罪悪感に結びつかないものなのだそうです。むしろそれ以上の問題は、保育所にかかる費用がとんでもなく高額であること。なにしろロンドンで3歳未満の子どもを週5日のフルタイムで保育所に預けた場合、毎月800~1,300ポンド(約15万~24万円)もかかるというのですから驚き。そんなことになるのには理由があって、つまりは3歳未満の公的保育サービスがないから。そのため保育にかかる費用はほぼすべて、各家庭が負担することになるというのです。家庭の経済状況に応じた育児手当や、全員に与えられるわずかな無料保育日など、多少の公的支援があるとはいえ、あまりにも高額な保育費には太刀打ちできないというわけです。いっぽう、保育所への公的資金援助がある日本では、各家庭が保育所に支払う費用はずっと安いものになります。たとえば東京であれば、認証保育所にフルタイムで預ける場合、3歳未満の子どもは上限が8万円。それ以上の子どもは7万7,000円で、認証保育所はさらに低額。もしロンドンの保育所が東京の価格水準で利用できるとしたら、おそらくイギリスの親たちは、国庫に多大な負担をかけるほど保育所を使い倒すだろうと著者は推測しています。■イギリスの保育費は住宅ローン以上!いずれにせよ、いくらフルタイムで働いたとしても、毎月20万円前後の保育費を払うことは決して容易ではないはずです。事実、母親が朝から夕方まで毎日必死で働いたとしても、手取りがほぼ保育費に消えてしまう家庭は決して少なくないというのです。月々に返済する住宅ローンよりも保育費のほうが高くつくという、私たちの感覚では信じられないような話も有名な話。もちろん費用やライフスタイルのバランスをとって、どちらの親がフルタイムからパートタイムに切り替える場合もあるでしょう。しかし不思議なのは、保育費が高くついたとしても、多くの母親たちがなんらかのかたちで復職しているという事実。イギリスで労働可能な年齢の女性のうち、専業主婦は10人に1人にすぎないというのです。■なぜイギリスの母親たちは復職する?でも、母親たちはそんな状況下で、なぜ復職することを選ぶのでしょうか? それは、長い目で見たとき、収入面でプラスになるからというだけではないと著者はいいます。家庭に入るより働くほうが、充実感や満足感を得られるから。働くことによって、自分が健全でいられるから。自分の仕事が好きだから。子どもが成長したあとも、自分のキャリアを続けられるから。働くことで、子どもに手本を示したいから。などなど、復職する母親に関するさまざまな記事に目を通してみると、彼女たちの動機は実にさまざま。つまり母親たちは、復職すること・復職をやめることの、よい点と悪い点とを自分なりに秤にかけ、シビアに判断しているということです。*この話に限らず、イギリスと日本では感覚的に違いすぎることばかり。しかし、だからこそそこを直視すれば、私たちが日本で進むべき方向も見えてくるのではないでしょうか?(文/書評家・印南敦史) 【参考】※浅見実花(2015)『子どもはイギリスで育てたい! 7つの理由――住んでわかった。子育てと教育から見える日本へのヒント』祥伝社
2016年03月02日ふと手に取った本からインスパイアされて、旅に出たくなることはありませんか? 表紙の色合いや佇まいが気になって、なんとなく手にしただけなのに、パラパラとページを繰り、写真や絵や行間から立ち昇る街の匂いやざわめきに触れた途端、一瞬にして心を奪われてしまうことが…。いわゆるガイドブックとはひと味もふた味も違って、旅そのものへの憧憬をかきたて、心を自在に羽ばたかせてくれる魅力的な本を、3冊ご紹介しましょう。わざわざ休暇をとらなくても大丈夫。今すぐ旅立てますよ。さあ、行ってらっしゃい!「北欧とコーヒー」が連れていってくれるお洒落な北欧巡り表紙のきれいなブルーが目に留まり、書店で思わず手に取ったら、中身が濃くておもしろく手離せなくなりました。著者の萩原健太郎さんは、デンマークに留学経験もあるライター&フォトグラファー。北欧デザインに心惹かれたことが、出合いの発端だそうです。「なぜ、ヨーロッパの辺境から、世界中の人々に愛されるデザインが生まれたのか。何度も北欧を訪れ、現地の人々と会話を重ね、自分なりに見えてきたものがあるが、まだ確信は持てていない。ただ、彼らが自分たちの生き方に誇りを持ち、幸せを感じながら暮らしていることはわかった。そして、彼らのかたわらには、いつもコーヒーがあった」と、素敵な前書きにもあるように、本書はコーヒーで北欧を巡るユニークな切り口の本。カフェ、雑貨、ムーミン…、一杯のコーヒーから見えてくる北欧のライフスタイルが楽しい! 感激したのは「フィンランド映画とコーヒー」という章。アキ・カウリスマキ監督の「街のあかり」やクラウス・ハロ監督の「ヤコブへの手紙」など、映画の中のコーヒーを飲むシーンから、彼らとコーヒーの関係を味わい深く描き、芳しい余韻を残します。「台湾旅ノート」で満喫できるゆったりした時間が愛おしいふんわりと優しい色合いのイラストに惹かれ、読み進むうちに、ああ、これは台湾の穏やかで優しい人々の印象と同じだなあ、と感じてなごみました。旅するイラストレーター・おおのきよみさんが描くイラストは、ナチュラルでたゆたうような時間が流れる台湾の温度や香りまでも活写。彼女の鮮烈で豊かな旅の記憶が、私たちを旅路へと誘います。「旅行中はいつでもスケッチブックと一冊のノートを持ち歩く」というおおのさん。その時思ったことや会話の切れ端、お天気や食べたものをささっとメモ。「スケッチブックとともに生まれるこの旅のノートは私の旅そのものであり、帰国後の自分に贈る最高のお土産でもある」と語る彼女が、2008年から2014年までの7年間、台湾各地を巡って書いた旅ノートとスケッチを再構成し、丁寧に編まれたのが本書です。「行列のできる麺店」「また泊まりたいホテル」「思い出の食堂」「旅のお土産」といったお役立ち情報も満載ですが、大好きなのは「台湾色見本」という、街の壁や植物などのカラーサンプルを分類したページ。「感動した風景を持ち帰りたい」気持ちが色合いに特化されていて嬉しいです。「簡単な絵の描き方」が載ったページも。ぜひお試しを!「インド ラージャスターンのカラフルな街」を読んで来年こそインドに行きたい鮮やかな表紙を目にした瞬間、スパイスと果実が混ざったような香りが漂ってきた気がして、うっとり! 著者の石竹由佳さんは、イタリア留学でジュエリーを学び、帰国後はジュエラーの名店に勤務しますが、世界40カ国以上を旅するうちに、インドの伝統的で繊細なハンドクラフトに魅せられ、2013年、インドのジュエリーやテキスタイルを輸入販売する会社を設立した方。本書は、インドに日常的に通いつめる彼女の美意識の結集です。インド北西部、ラージャスターン州。ピンクの街ジャイプル、青の街ジョードプル、黄金の街ジャイサルメール、白亜の街ウダイプルと、街ごとに色分けして描かれているのが美しく魅惑的。石竹さんお気に入りのホテルやアーユルヴェーダでデトックスするクリニックなども、インドに精通する彼女ならではの親身なチョイスが素敵で、今すぐ訪れたくなります。そんな石竹さんにインドの魅力を伺ってみました。「インドの人は、私が思うに世界で一番、ホスピタリティに溢れてる人々です。たくさん旅をしているとはいえ、ここまで深く海外の人と関わったのは、インドが初めて。1ヵ月滞在した後、またすぐに3週間行き、帰国したばかりなのに、また行きたくなる。ヨーロッパよりも刺激的。インドではすべての神経が刺激されるんです。もちろん良い時も嫌な時もあるけれど、なにより人が魅力。人との結びつきが激しいのが魅力。人とふれあいながら、こんな人がいるのか! こういう人生もあるんだ(笑)! と思う瞬間が好きです。人と違っても批判しない。どんな人も受け容れる包容力がインドの魅力かな」インドに呼ばれた人しかインドには行けない、と聞いたことがあって、自分は呼ばれてないと思ってましたが、この本を読んで、来年こそは…という気持ちが湧いてきました。いかがでしたか? 人生も旅の楽しみ方も人それぞれですが、できるなら味わいつくしたいですよね。この3冊で、新たな旅立ちへと心を向けられますように…。
2015年11月13日「海外に暮らしてみたい……」旅の回数を重ねるごとに、海外で自分らしく暮らしている人を見かける度に、募る想い。海外旅行好きならば、その大小はあれど、心に持ち続けている人が多かったりする。そこで、今回は現在海外で暮らしている2人の移住ストーリーをご紹介。 (さらに…)
2015年05月01日●海外送金を便利にするAndroid/iOS対応アプリセブン銀行は9月25日(木)、海外送金サポートアプリ「SEVEN BANK Money Transfer」を発表した。Android/iOSに対応しており、セブン銀行の海外送金(国際送金)サービスの取引を円滑に行えるようサポートしてくれる。日本在住の外国人の方々を主なターゲットとしており、日本語、英語、タガログ語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語の9言語に対応。世界各国の通貨による送金シミュレーション、操作方法を説明した動画の閲覧、カスタマーセンターへの電話機能、各国のウエスタンユニオン受取り拠点検索機能などを備える。また日本国内から海外に送金する際の為替レートが表示でき、ウエスタンユニオンのレート変更時間に合わせて確認が可能だ。さらに、送金レートがあらかじめ設定した金額に達した際にプッシュ通知を行う「送金レートお知らせ」機能を備えており、レートを意識した海外送金を行えるのがポイント。今回は、この「SEVEN BANK Money Transfer」を開発した意図について、セブン銀行・リテール営業部の山田敦子さんにお話をうかがった。アプリの特徴や在日外国人の方の利便性を考えたセブン銀行ならではのこだわりを垣間見ることができたので、詳しくお伝えしよう。○「SEVEN BANK Money Transfer」が誕生した経緯とは──はじめに、海外送金(国際送金)サービスの特徴を教えてください山田さん:当社の海外送金サービスは2011年3月に開始され、同年7月にはATMからの送金が可能となりました。日本在住の外国人の方が母国に送金をする際、手続きにとても手間がかかっていました。銀行の海外送金窓口は営業日時に制限があるので、日本で働いていらっしゃる外国の方が利用するのは大変でした。山田さん:当社はATMサービスを主とする銀行で、セブン-イレブンをはじめとする商業施設、空港、駅など全国に20,000台以上のATMを展開しています。このATMを生かして新たなサービスを行えないかと考えた時、こういった海外送金の受け入れ窓口にしようというアイデアが出てきたのです。もちろん送金の都度、書類を記入する必要はありません。これは事前に送り先を登録していただき、チェックを行っているからです。この海外送金サービスにより、原則24時間365日好きな時間に入金していただき、最短数分で母国に送金していただくことが可能となりました。──「SEVEN BANK Money Transfer」が開発された経緯はどのようなものでしょうか山田さん:サービスを開始してみて色々な問題点が見えてきたのですが、もっとも大きいのは言葉の問題でした。現在、日本で生活する外国人は全国に200万人くらいといわれています。当社の海外のお客さまの中心となっているのが、東南アジアの方々です。まだ日本語に慣れておらず、かといって英語もそれほど得意ではない方が多くいらっしゃいます。海外送金サービスの使い方や困ったときの対応策を、お客様にわかりやすく伝えるためにどういった方法が一番よいかと考えた時に、常に手元にあるスマートフォンを利用するのが一番分かりやすいだろうと考え、このアプリを制作しました。このアプリがなくても当社の海外送金サービスを利用できますが、スマートフォンにインストールしておくことで、より便利に海外送金サービスをご利用いただけると思います。●外国人の視点を考えた「SEVEN BANK Money Transfer」の特徴──「SEVEN BANK Money Transfer」の特徴について教えてください山田氏:1つは、送金サービスを利用しやすくする簡単電話機能です。お客さまのサポートをするために、当社では海外送金のカスタマーセンターを用意しています。現在、お客様からの問い合わせに9言語で対応しています。しかしWebページだけでの案内表示ですと、9言語に対応しているといっても「自分が電話をかけてもいいのか」と迷われる外国人の方が多いことがわかりました。そこで9言語に対応している本アプリから簡単にカスタマーセンター(テレフォンセンター)に電話をかけられるボタンを作りました。お客様の大切なお金に関わることですから、なにか分からないことがあったらなんでも聞いていただいて、安心してお取引いただければと思い、この機能を作りました。山田さん:またATMの操作方法やWebでのお取引方法を知るにあたり一番分かりやすいのは動画であるという回答をいただきまして、Youtubeに9言語で動画マニュアルを公開しています。しかしいざ困ったときに動画マニュアルにたどり着くのは容易ではないと感じました。そこで本アプリから直接動作の再生を行えるようにしております。本アプリでは初めに言語設定を行いますので、自分の言語にあった動画をいつでもどこでもお客様の知りたいときに確認できます。山田さん:さらに、より便利に当社のサービスを利用していただきたいと考え、お客様が最も気にされる送金レートをトップ画面に常に大きく表示し、簡単に送金シミュレーションを行えるようにしました。お客様は自分のお金がいくらで受け取れるのかをとても気にされていますので、お客様の“知りたい”に応えられるようにしています。この3つが大きな特徴ですね。山田さん:さて一番上にある送金レートですが、表示を見て不自然に感じることはありませんか?──言われてみると、普段目にしている為替レートの金額と違うように感じます山田さん:そうなんです! 我々がニュースなどで目にしている「1ドルが何円」という形は日本人には当たり前の感覚ですが、外国の方からすると分かりにくく、外国の方は日本人とは逆に「1円が何ドル」という感覚で捉えることがわかったのです。私どものほうでも途中までこの事実に気づかず「1ドルが何円」という表記で開発していました。しかし当社の多言語メンバー(日本語/英語以外の言語を話すことができるスタッフ)に聞いたところ全員が逆だと答えました。非常に驚きでした。日本の方が本アプリを使用すると「ちょっと表記がおかしいじゃないのかな?」と違和感を覚えるかもしれません。しかし、お金を海外に送る外国の方の目線を考えたときにはこちらの表記のほうが分かりやすいということで、本アプリでは逆の表記を採用しました。ここがこだわりのポイントですね。○送金レートが設定した金額になったら教えてくれる「送金レートお知らせ」機能──送金レート表示はどれくらいの頻度で変更されるのでしょうか?山田氏:ウエスタンユニオンのレート変更にあわせて、1日3回変更が行われます。午前4時と8時半、そして午後9時ですね。変更のタイミングが早朝だったり夜だったりしますので、逐一レートを確認するのが難しいお客様もいるかと思います。また先ほど述べたとおり、送金ペースが一カ月に2回弱で、日頃はそれほどレートを気にされていないお客様もいらっしゃるかと思います。そこで本アプリでは「送金レートお知らせ」機能を付けました。設定した時間に、あらかじめ設定しておいたレートを超えたり、レート未満になったりした際にプッシュ通知が届くようにしています。お客様の大切なお金を少しでも有利なレートで送れるようにサポートしてあげたいという思いで、この機能を導入しました。──「友達に紹介する」という機能はどのような想定で作られたものでしょうか山田さん:日本にはさまざまな国の方が住んでいらっしゃいますが、その中でも特定の国の方にとってセブン銀行はよく知られた銀行になりつつあります。例えば在日フィリピン人の方ですと約5人に1人の方がセブン銀行の口座を利用されています。このような方が家族や友人、お知り合いの方に「SEVEN BANK Money Transfer」というアプリの存在を伝える方法として、「友達に紹介する」を用意しました。SNSやメールなどを利用して、簡単にアプリを紹介できます。──AR機能はどのような役割を備えているのでしょうか山田さん:見つけてしまいましたね(笑)。現在は特定のリーフレットを映し出すと動画が流れるという機能を持っていますが、今後は追加情報などが表示されるようにし、プロモーションに生かしていきたいと考えています。「将来できたらいいな」と思っているのは、カメラで紙幣を写した時にその紙幣が日本円でいくらになるのかを表示する機能など、ほかにもいろいろ考えています。お客様が思わず笑って喜んでくれるような機能にできたら最高ですね!──今後、ほかの機能を加えていく予定はありますか?山田氏:口座をお持ちの方に情報をプッシュ発信する「お知らせ」機能で情報発信を強化していきたいと考えております。各地域で生活する外国人の方は増加傾向にあります。しかし行政がそういった外国人の方に地域のいろいろな情報を分かりやすく伝えるのは難しいですし、ネットワークを作るのも容易ではありません。ですので、今後は行政とも協力しつつ、本アプリを介して情報を広げていけたらいいですね。「日本にいるならセブン銀行!」が目標です。──お忙しいところ取材に応じて頂き、ありがとうございました○外国人の方が直感的に利用できる海外送金サポートアプリ「SEVEN BANK Money Transfer」についてのお話からわかったのは、外国人の視点がしっかりと考察されていることだ。日本人が日頃当たり前に感じていたレート表示の変更などはその代表例だろう。また利用者に合わせた言語設定を行ったアプリから直接カスタマーセンターに連絡できるようにすれば、安心して電話ができるというのも納得。セブン&アイグループの顧客のニーズに即したものづくりのポリシーは、外国人向けのアプリにもしっかりと生かされていた。より便利な海外送金手段を探している外国人の方はもちろん、外国に行く機会や外国人の知り合いがいる日本の方も、ぜひ一度「SEVEN BANK Money Transfer」を試してみてほしい。
2014年12月01日セブン銀行は25日より、「海外送金サービス」の利用をサポートするアプリ(以下「海外送金サポートアプリ」)の提供を開始した。「海外送金サポートアプリ」は、「海外送金サービス」の外国為替レート通知、動画による送金手順の説明、世界各国の受取拠点検索など、様々な機能で海外への送金をサポートする。アプリの画面表示や説明動画は9言語に対応しており、日本で生活する外国人の人々にも安心して利用してもらうことができるという。セブン銀行は、これからも顧客の視点に立ってニーズを把握し、ATMサービスを中心とした金融サービスを「より便利に、より身近に」していくため、努力していくとしている。○「海外送金サポートアプリ」の概要主な機能外国為替レート通知:現在の外国為替レートを確認できるほか、あらかじめ設定した外国為替レートになった時に知らせを受取ることができる動画による送金手順などの確認:海外送金や受取人追加登録の方法を9言語(日本語、英語、タガログ語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、インドネシア語、タイ語)の動画で確認できる世界各国の受取拠点検索:ウエスタンユニオンのウェブページへリンクしており世界約200カ国、51万カ所以上ある受取拠点を検索できるアプリ利用料無料推奨環境Android端末:AndroidOS4.1.1~最新(カメラ搭載端末)iOS端末:iPhone4S以降、iPad2以降、iPodTouch5世代以降のiOS6.0以降搭載端末ダウンロード方法セブン銀行のウェブページから、スマートフォンのGooglePlay/AppStoreへ接続することでダウンロードできる(ダウンロード時に必要となる通信料等は顧客負担となる)
2014年09月29日旅行のクチコミサイト「 フォートラベル 」では、会員を対象に「2013年夏休みの過ごし方」に関するアンケート調査を行った。概要は以下の通り。【TOPIC1】夏の連続休暇日数の平均は「7.5日」。最も回答の多かった休暇日数は「9日」(27.3%)、続いて「5日」(18.4%)、「10日」(11.2%)の順となった。昨年同時期の調査結果と比較すると、9日以上の長期休暇取得者が増え、平均休暇日数が微増している(昨年:7.2日)。【TOPIC2】夏休みの過ごし方が決まっている人は76.2%、まだ過ごし方を決めていない人は23.8%だった。予定が決まっている人の具体的な過ごし方は、1位が「海外旅行」(41.2%)、2位「国内旅行」(28.0%)、3位「自宅中心で過ごす」(12.5%)。昨年調査結果と比較するとほぼ昨年並みだが、海外旅行者が微減し、国内旅行者が増加。GWに引き続き、国内旅行の人気が高まっている。【TOPIC3】国内旅行の旅行期間は平均「4.6日」。行き先は「北海道」「沖縄県」「長野県」の順に人気。「沖縄県」は特に石垣島へ訪れる予定の人が多いことが伺える。出発日のピークは「8月9日(金)」、帰着日のピークは「8月15日(木)」だった。【TOPIC4】海外旅行の旅行期間は平均「8.4日」。行き先は「アジア」が最も多く40.0%、続いて「ヨーロッパ」(32.5%)、「北米」(15.0%)となった。人気の旅行先を国別にみると、「ハワイ」「フランス」「タイ」。昨年最も人気の高かった「韓国」は6位と大幅に順位を落とした。出発日のピークは「8月9日(金)」で、帰着日は「8月18日(日)」が多かった。【TOPIC5】海外旅行・国内旅行の手配状況を聞いたところ、「すでに予約が完了している」(51.5%)、「手続き・調整中」(17.1%)、「予約を始めていない」(30.3%)という結果に。過ごし方別に手配状況をみると、海外旅行を予定している人のうち77.0%が旅行予約の手配を開始・完了している。国内旅行を予定している人は56.0%が予約に着手している。■調査概要調査目的:旅行好きのフォートラベルユーザーが2013年の夏の休暇をどう過ごす予定か、旅行消費・動向にどういった影響があるのか、実態を把握する。調査期間:2013年6月12日 - 2013年6月18日 の7日間調査対象:フォートラベル会員(有効回答数:891件)調査/旅行のクチコミサイト「 フォートラベル 」記事引用元: PRTIMES
2013年07月04日思いもよらない体験が待つ海外楽しいばかりが海外旅行ではありません。言葉が通じないだけに心配なこともありますよね。果たして海外では、どのような危険がひそんでいるのでしょうか。514名のマイナビ会員の女性に「実際にありそうな、あるいは経験した海外旅行での危ない出来事」を聞いてみました。>>男性編も見るQ.実際にありそうな、あるいは経験した海外旅行での危ない出来事を下記より選んでください(複数回答)1位クレジットカードでの買い物で、値札と請求額が違っていた16.3%2位タクシー運転手から紹介されたクルーズで、法外な料金を請求された15.0%3位荷物を置引された10.9%4位船の代金を払ったのだが、後からほかの人に聞いてみたらその払った金額の4分の1が正規の値段でぼったくられた10.1%5位警察官を名乗る男に財布や身分証の提示を求められ、検査後に中を見てみると、お札が抜かれている8.8%■クレジットカードでの買い物で、値札と請求額が違っていた・「クレジットカードだと、値段を確認しないで買いそうなので」(27歳/金融・証券/専門職)・「友達でクレジットを悪用された人がいたから」(31歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)・「ドイツのホテルで一泊多くチャージされた。その場でチェックしてすぐ直してもらった」(23歳/金融・証券/営業職)■タクシー運転手から紹介されたクルーズで、法外な料金を請求された・「地理に不案内な人が多いと思うので一番ありえそうです」(30歳/医療・福祉/その他)・「韓国でタクシーに乗ったときに、普通の料金の倍の額を取られた」(28歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)・「タクシーに乗ったら、遠回りされて高い金額を要求されたことがあったので」(23歳/自動車関連/事務系専門職)■荷物を置引された・「日本人は警戒心が薄く、荷物をポンと下に置いてほかのことに夢中、というのはよくありそう」(31歳/学校・教育関連/販売職・サービス系)・「イタリアは置引や窃盗が多いと聞いたので常にバッグを抱えて行動してました」(28歳/金属・鉄鋼・化学/秘書・アシスタント職)・「ビーチに行ってたら荷物をあとかたもなくごっそりとられた」(28歳/情報・IT/秘書・アシスタント職)■船の代金を払ったのだが、後からほかの人に聞いてみたらその払った金額の4分の1が正規の値段でぼったくられたこと・「言葉が通じないから余分にお金をとられそう」(26歳/運輸・倉庫/販売職・サービス系)・「旅行ガイド誌によく書いてあるエピソード」(29歳/生保・損保/事務系専門職)・「安い船もあったのに、高いほうに乗せられた」(27歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)■警察官を名乗る男に財布や身分証の提示を求められ、検査後に中を見てみると、お札が抜かれている・「警官のふりをされたら従ってしまいそう」(29歳/マスコミ・広告/クリエイティブ職)・「友達がこの手口にあいそうになっていた」(27歳/運輸・倉庫/事務系専門職)・「そういうことがあるって大使館のHPに載っていたから」(26歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)■番外編:こんな危険もありそう/経験しました・「カラオケに連れ込まれて拉致されそうになった」(23歳/食品・飲料/販売職・サービス系)・「ジプシーに追われた。ツアーだったからガイドについて逃げた」(22歳/学生/その他)・「友人が痴漢撃退スプレーを手荷物の中に入れたままセキュリティで引っかかってしまい、危うく逮捕されるところだった」(26歳/団体・公益法人・官公庁/専門職)総評1位になったのは「クレジットカードでの買い物で、値札と請求額が違っていた」でした。海外での買い物は現金のみにした方が無難かもしれませんね。2位は「タクシー運転手から紹介されたクルーズで、法外な料金を請求された」。楽しいクルーズもトラブルになってしまったら台無しです。そして、3位は「荷物を置引された」。日本と同じような感覚で荷物を置きっぱなしにするのは危険ですね。注意したいものです。そして、4位は「船の代金を払ったのだが、後からほかの人に聞いてみたらその払った金額の4分の1が正規の値段でぼったくられた」。日本人はお金をたくさん持ってそうというイメージで、狙われることも多いようです。5位は「警察官を名乗る男に財布や身分証の提示を求められ、検査後に中を見てみると、お札が抜かれている」。確かに警察官っぽい格好をしていたら、誰でも信じてしまいますよね。事前にその国の警官の制服を調べるなどして、だまされないように気をつけましょう。(文・OFFICE-SANGA鈴木亮介)調査時期:2012年11月12日~2012年11月19日調査対象:マイナビニュース会員調査数:女性514名調査方法:インターネットログイン式アンケート■関連リンク【女性編】日本人が世界に誇れることランキング【女性編】もともと海外料理だけど日本の方がおいしいと思う料理ランキング【女性編】外国人男性に比べると日本人男性の残念なところランキング完全版(画像などあり)を見る
2012年12月11日ベネッセコーポレーションは10月7日、日本の高校から海外の大学への進学を検討している高校生を対象に「海外進学カレッジフェア」を開催する。「カレッジ」は、日本の短大または専門学校に相当し、日本から海外大学へ進学するには、カレッジからの編入を目指すコースが一般的だという。このフェアは、日本からの進学者が多いアメリカ、カナダ、オーストラリアのカレッジより入試担当者を招き、各カレッジの内容を直接質問できる場を設けることで、日本の高校生の海外大学進学を支援するというもの。開催時間は、11時~16時。会場は東京都新宿区のBenesse海外進学サポートセンター。10時30分より随時受付、出入り自由だが、参加には事前予約が必要となる。フェアの詳細、参加予約は「海外進学カレッジフェアのページ」へ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月16日ネットワークが広がり、海外旅行中でも自分のスマートフォンを使えるようになってきた。「でも海外で使うと高いんでしょう~? ここは利用を控えておこう」と気をつけたにも関わらず、請求書を見れば利用料金が12万円!? 全然使っていないのに、そんなバカな!!スマートフォンはその賢さゆえ、常に自分の居場所やアプリの最新情報を定期的かつ自動的にアップデートしている。日本国内では定額のパケット契約をしているため、どんなに使っても定められた上限額を超えて請求されることはないが、海外で「パケット対象外」のエリアを旅行した場合は、使えば使った分が課金されることに。スマホが自動的にインターネットにアクセスし、情報を取得するその接続料金ももちろん課金対象だ。アプリの数が多ければ多いほど取得情報が多くなるため、通話やメールなどを使用しなくてもそれだけで十万円を超える高額請求ということもままある。これはあらかじめ携帯電話の設定で「データローミング」をOFFにしておくことで課金されずに済む。この場合、SMSはオンタイムで取得できるが、MMSやメールは見ることができなくなる。また、ウェブにもつなげられないので、ツイッターやフェイスブックなどをオンタイムで行うことはちょっと困難に。とはいえ、昨今フリーのWi-Fiが飛び交う都市も多く、意外と問題なく使えちゃったりするので、それほど支障はないはずだ。ちなみに、パケット料金対象の国(地域)であれば、1日の利用料金の上限が定められているので、普通に利用してもそこまで高くならないので安心だ。現地でスマホを利用する場合は、行き先がパケット料金対象内かどうかを事前にチェックしていくといいだろう。ただしその場合も、該当業者以外に接続してしまうとビックリするような請求額となるので注意したい。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月24日