歌舞伎伴奏音楽のひとつである「清元節」の物語を想像できる体感型イヤーコンテンツ『IMAGINE OF KIYOMOTO』の配信が、音声版サブスクリプションサービス「NUMA」でスタートした。200年以上の歴史を誇る日本の伝統芸能である『清元』は浄瑠璃の一種で、1814年に日本で創設された歌舞伎伴奏音楽のひとつ。聴く人に三味線で情景を想像させ、浄瑠璃(唄)で物語を語っていた。本作では「助六」「吉野山」「三社祭」「かさね」という『清元』の4つの演目を、それぞれダイジェスト版で演奏し、曲中で物語の解説も同時に行うという新しい試みに挑戦。歌詞を聴き取れなくても、解説で物語を補足しながら清元の世界を想像できるコンテンツとなっている。浄瑠璃方(およびナレーション)は、歌舞伎俳優でありながら清元の唄方も務める尾上右近こと清元栄寿太夫(きよもとえいじゅだゆう)、三味線方は、清元宗家七世家元 清元延寿太夫の長男・清元斎寿が務める。なお本作で演奏される4つの演目は、彼ら自身がダイジェスト版として編曲し、演奏した。併せて、本作の予告映像が公開された。■清元栄寿太夫(尾上右近)コメント今回のこの企画は清元としても新たな試みとなりました。『IMAGINE OF KIYOMOTO』を聴いていただき、清元の魅力を、そして歌舞伎の魅力を少しでも感じていただければ幸いです!皆様、是非NUMAってください!■清元斎寿 コメントこの度、清元として初めての試みとなる『IMAGINE OF KIYOMOTO』を聴いていただき、清元の三味線ならではの音色や三味線と唄だけで情景を表現する清元の世界観をお楽しみいただければと思います!少しでも多くの方々に聴いていただけると幸いです!『IMAGINE OF KIYOMOTO』予告映像<配信情報>『IMAGINE OF KIYOMOTO』(全4本)音声版サブスクリプションサービス「NUMA」で配信中『IMAGINE OF KIYOMOTO』サムネイル画像【キャスト】清元栄寿太夫(尾上右近):唄およびナレーション清元斎寿:三味線【スタッフ】企画・脚本・サムネイルデザイン:萩森之一(株式会社クレイ・アンド・カンパニー)ディレクター:原田昂(株式会社シャ・ラ・ラ・カンパニー)スタジオエンジニア:浅川了允プロデューサー:関谷楽子(FMG)大橋修一配信リンク:
2023年01月25日ファッションやカルチャー雑誌に連載を持ち、ラジオパーソナリティーも勤める次世代の歌舞伎俳優、尾上右近。名優六代目尾上菊五郎を曾祖父、往年の映画スター鶴田浩二を祖父に持ち、父親は清元節の宗家・清元延寿太夫。昨年、自身も七代目清元栄寿太夫を襲名。現在、歌舞伎俳優にして清元の太夫でもある、初の“二刀流”を貫くパワフルな開拓者だ。「第五回 研の會」チケット情報「20代は特に限界を超えることで伸びしろが出てくる時期。無理と分かっていることも存分にチャレンジしたい」と右近。実践の場として、2015年より毎年上演するのが自主公演『研の會』だ。今年は第5回の節目とあって、四代目市川猿之助が芸術監督を勤める京都芸術劇場春秋座を会場に、シリーズ初となる東京・京都、2都市での開催を実現する。演目は、右近が弁天小僧を演じる『弁天娘女男白浪』と、猿翁十種より舞踊『酔奴』。『弁天娘~』は高祖父の五代目菊五郎が19歳で初演後、代々の菊五郎に受け継がれる音羽屋のお家芸だ。右近が10代前半で今の菊五郎の元へ勉強に入り、舞台袖から初めて観たのもこの芝居だった。「これから自分は尾上右近としてやっていくのだと、子供心にも意識した憧れの根本にあるようなお芝居です」。物語は痛快な義賊もの。5人の盗賊が七五調で名乗りをあげる演出は、秘密戦隊ゴレンジャーなど後のヒーロー番組にも影響を与える。片や『酔奴』は、雪の中で酔っぱらった男がいろんな人間に扮する様を踊りで表現する。右近の義太夫の師匠、鶴澤藤蔵ら文楽座の特別出演で贈る。「猿之助のお兄さんに澤瀉屋のお家芸をご提案いただき、春秋座でやらせていただけることに。ご縁として繋がりがあってありがたいなと。技術としては難しいですが、踊りは見る人の解釈に委ねられるのが最大の魅力。散々おどけていた男が最後はふと正気に戻ったような顔になる。流れる胡弓の音色も絶妙で。僕は田舎育ちの男の寂しさがほんのり香って切なくなるけど、どう感じていただけるのか楽しみです」。共演に中村梅丸ら後輩が出演するのも今回が初めて。20代後半となり、いずれは後輩を引っ張る立場になることも「ほんのり意識し始めた」と笑う。自身の生まれる以前と以後の2つのルーツに由来する演目を得て、さらなる高みを目指す。「『弁天娘~』は何百年も続く歌舞伎の古典が、現代の漫画にもありそうな面白さだったり、衣裳や舞台に見る色彩の美しさなど、歌舞伎を初めてご覧になる方にも楽しめる要素がいっぱい。チラシは『弁天娘~』が東映の任侠映画、洒落の踊り『酔奴』が三枚目なのに色気がある藤山寛美さんのイメージです。まったく違う面白さがあるので、存分に楽しんでもらえたらと思います」。公演は8月28日(水)・29日(木)京都芸術劇場春秋座、9月1日(日)・2日(月)東京・国立劇場小劇場にて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2019年08月23日歌舞伎俳優の中村勘九郎と中村七之助のふたりが、3月17日、東京・浅草寺で奉納舞踊『清元三社祭』を披露した。この奉納舞踊は、今年「三社祭斎行700年祭」を記念して53年ぶりに『舟渡御』を再現・斎行することから行われたもの。「平成中村座」チケット情報浅草寺の五重塔前に設けられた特設舞台前には、雨にもかかわらず約2000人のファンが駆けつけた。「中村屋!」「待ってました!」「六代目!」などの声がかかり、勘九郎、七之助が素踊りにて「清元三社祭」を奉納。奉納舞踊の後には、父・中村勘三郎も登場し、勘九郎、七之助とともに挨拶を行った。勘三郎は「あいにくの雨で中止になるかもしれませんでしたが、53年振りに『舟渡御』が行われるということで、この機会を逃すと次は100何歳になってしまいますので(笑)」と笑わせ、同じ浅草の地で「平成中村座」を上演していることから「昨年11月から今年の5月まで(平成中村座を)ロングラン公演をさせていただいている同じ時に、三社祭斎行700年祭ということにご縁を感じます」と挨拶。また、今月、平成中村座で六代目勘九郎の襲名披露興行を行っている勘九郎は「三社祭といえば雨がつきものですので、この雨は恵みの雨です。本堂を指差す振付では、普段は右を指差すところで、今日は左に本堂があったので左を指差しました」と特別な振付をしたと明かした。弟の七之助は「三社祭が5月18日で、実は私もその日が誕生日です。今日は奉納舞踊をさせていただき、とても思い出に残る舞台となりました」と感慨深げに語っていた。三社祭は5月18日(金)から20日(日)まで行われる。なお、「平成中村座」は東京・隅田公園内仮設劇場にて、5月27日(日)まで開催。チケットは発売中。
2012年03月19日