今年6月、50歳という若さでこの世を去ったスーパースター、マイケル・ジャクソンの幻と化した最後のステージ舞台裏に密着したドキュメンタリー『マイケル・ジャクソンTHIS IS IT』。4週間という短い上映期間で記録的ヒットとなった本作が早くもブルーレイとDVDとなって2010年1月27日(水)に発売される。このDVDと約130分の映像特典に日本未発売の特製Tシャツとブックレットがセットになった1万セット限定生産のメモリアルDVDボックス「マイケル・ジャクソンTHIS IS IT DVD BOX」が何と、11月30日(月)の告知解禁後1日で予約完売となった。11月27日(金)までの全国320館での公開では、わずか4週間という期間で累計興行収入44億円を突破、数ある話題作を押しのけて、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』、『レッドクリフ PartII ―未来への最終決戦―』に続き、本年度日本国内興行成績(海外作品)で堂々の3位(11月26日時点)を獲得した本作。コンサート・フィルム/ドキュメンタリーというジャンルで洋画年間TOP3入りを果たすのは、日本の映画史上初となった。世界的に見ても、日米を含む世界25か国で初登場No.1を獲得、北米ではマドンナ、ローリング・ストーンズ、プリンスなどのコンサート・フィルムの成績を抜いて、コンサート・フィルムとして歴代1位(11月24日時点)を獲得し、改めて失った存在の大きさを世界中に知らしめる結果となった。ファン垂涎のDVD映像特典には、マイケルの「カムバックに賭ける想い」(2種)や「スタッフが語るマイケル・ジャクソン」など、劇場では観られなかった映像が満載。これに加え、ブルーレイには代表作「スリラー」や「スムーズ・クリミナル」のショートフィルムも付いてくる。今回の完売記録は、洋画はもちろん、ドキュメンタリー映画史上でも快挙であり、Amazon.co.jpDVDストア、楽天ブックスのランキングでは、第1位に「マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション(DVD・2枚組)」がランクインしたほか、2位、4位にも同時発売されるブルーレイとDVD(コレクターズ・エディション)が並んだ。このたびシネマカフェに、こちらのDVD発売の予告編映像も到着。まだ劇場で観ていないという人もまずはこちらをチェック!※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY「マイケル・ジャクソン THIS IS IT コレクターズ・エディション」(DVD・1枚組)価格:2,980円(税込)「マイケル・ジャクソン THIS IS IT デラックス・コレクターズ・エディション」(DVD・2枚組)価格:3,990円(税込)「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」(Blu- ray)価格:4,980円(税込)「マイケル・ジャクソン THIS IS IT メモリアル DVD BOX」(完全限定10,000 セット)価格:9,975円(税込)※11月30日(月)完売「マイケル・ジャクソン IN ソウル・トレイン」(DVD)価格:3,990円(税込)発売日:2010年1月27日(水)発売/販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント■関連作品:マイケル・ジャクソン THIS IS IT 2009年10月28日より丸の内ピカデリーほか全国にて2週間限定公開■関連記事:報知映画賞『沈まぬ太陽』に栄冠!渡辺謙、瑛太、松たか子、岡田将生ら受賞“地球滅亡”予告、やっぱり気になる?『2012』北米初登場1位!【ハリウッドより愛をこめて】ジャクソン家には映画収益入らず?その真相は…『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』4日間で6億超の大ヒットで上映延長ライオネル・リッチーが甦ったマイケル(?)にサイン!マイケル映画全世界公開
2009年12月02日大ヒットコメディ『舞妓Haaaan!!!』(’07)のタッグが再び実現したアットホーム・コメディ『なくもんか』。11月14日(土)から公開13日目で観客動員数60万人を突破という大ヒットを記念して、26日(木)、主演の阿部サダヲが、ハムカツが名物のデリカ店主の主人公“山ちゃん”の姿で都内劇場にサプライズで登場!“揚げる”ならぬ、映画の売上を“上げる”べく、自ら観客をお出迎え、グッズ販売をするというパフォーマンスを見せた。この日も女性客を中心に大勢の観客が劇場に詰めかけたが、突如、店頭でグッズ販売をする阿部さんの姿に場内は熱狂!店の前にはすぐさま長蛇の列ができてしまった。威勢よく「いらっしゃいませ〜!」との掛け声で暖簾を開けた阿部さんは、ファンからの握手の求めに応じては、お気に入りのグッズを薦めていたが、徐々に疲れが出てきたのか、テンションも声のトーンも徐々に控えめに…。続く舞台挨拶で感想を聞くと、「台詞がないから何喋っていいか分からなくて緊張しました。握手しながら売ることもそうないので、『24時間テレビ』みたいな感じでした(笑)」となぜか終始、照れくさそう。舞台挨拶では水田伸生監督も一緒に登場し、阿部さんと揃って2人で満員の客席に大ヒットの感謝。この日来場した観客の中には既に複数回本作を観たというリピーターも多く見られたが、監督は「『舞妓Haaaan!!!』、『なくもんか』に続く3作目のためには、もっともっと観ていただかなくては。ね、阿部さん」と、さらなるお願いを観客に向けた。また明日から水田監督は撮影地としても劇中に登場する沖縄に飛び、舞台挨拶を行うとのことだが、沖縄ならでは本作の見どころを尋ねると劇中のヘアスタイルについて語り出した阿部さん。「映画ではウェーブがかった髪型なんですけど、沖縄のシーンから本格的なパーマになってます。小手で作った擬似パーマから本パーマに(笑)」と念押しし会場を沸かせた。最後に観客への感謝の気持ちを込めて、阿部さんからビッグプレゼントが。抽選で選ばれたラッキーな1名様には、阿部さんのサイン入りエコバッグが直々に手渡され、さらに阿部さんが直筆で1枚ずつサインを入れたポストカードを、会場全員分、なんと400人へ贈られるという太っ腹ぶり。「(ポストカードが)床に落ちているとあれなんで、気がついたら拾ってください(笑)」と最後まで謙虚にアピールし、笑いに満ちた舞台挨拶は終了した。『なくもんか』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:なくもんか 2009年11月14日より全国東宝系にて公開© 2009 「なくもんか」製作委員会■関連記事:報知映画賞『沈まぬ太陽』に栄冠!渡辺謙、瑛太、松たか子、岡田将生ら受賞“地球滅亡”予告、やっぱり気になる?『2012』北米初登場1位!ストレス解消法、阿部サダヲは「波乗り」瑛太「水換え」に、竹内結子は「叫ぶ!」聖なる夜を一緒に過ごしたい俳優は?「MTV」Ituneカードを10組20名様にプレゼント笑って泣けるホームコメディ『なくもんか』試写会に25組50名様をご招待
2009年11月27日山崎豊子の長編小説を映画化した『沈まぬ太陽』が24日(土)に公開初日を迎え、主演の渡辺謙自らの演出による舞台挨拶が行われた。渡辺さんのほか三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、若松節朗監督が登壇、観客と共に3時間22分のこの大作を観終えたばかりの渡辺さんは、感極まって壇上で号泣!込み上げる涙と共に熱い思いを訴えた。「本当にたくさんの方にお集まりいただいてありがとうございます。3時間22分がどういうものなのか、みなさんと体感しようと思いまして…」と途切れ途切れに語る渡辺さんの頬を熱い涙が伝う。「自分の(出演した)映画に感動して泣いてるんじゃないんです。ここまで来るのに、どれだけみんなが大変な思いをしたか、どうかご理解いただければ…」と言葉を搾り出し、さらに劇中に出てくる御巣鷹山での飛行機墜落事故で失われた命とその遺族に思いを馳せ、客席からは温かい拍手がわき起こった。これまでにない悪役を演じ、劇中では渡辺さんをさんざん苦しめた、行天役の三浦さんは「いろいろひどいことして申し訳ございません。どういう顔をして舞台挨拶をすればいいものか…。今日、ここに立っている他のみなさんは、イメージ通りの清く正しい方々でうらやましいです。まあ、こういう屈折した役も楽しいですが」とユーモアたっぷりに語った。石坂さんは「(自身が演じた)国見が感じたであろう挫折感で、今日までモヤモヤしてましたが、これだけ多くのお客さんが来てくださったことは救いになります。この物語は“日本”というものを相手にした物語です」とホッとした表情を見せつつ語ってくれた。女優陣2人も渡辺さんの号泣する姿、そして多くの観客の温かい声援に心打たれた様子。渡辺さんと夫婦役を演じた鈴木さんは「とにかく、(渡辺さん扮する)恩地元という男が素晴らしい。こういう人の妻なら、ちゃんとしなきゃという思いでした。現場でも謙さんは家族をまとめ、引っ張ってくださって、私は斜め後ろを付いて行けば、自然とりつ子になりきることが出来ました。謙さんと手をつないだりできて、楽しかったです(笑)」と嬉しそう。さらに、「謙さんの目が赤くて…。監督と抱きあって、男同士で称え合っている姿を見て、この映画に参加できてよかったな、と感激もひとしおです」と語った。一方、松雪さんも「謙さんの言葉から、震えるような思いが伝わってきました」と興奮気味に語り、自身の役柄については「私が演じた役も、決して純粋ではなく、行天を支えるポジションにあり、微妙な心情を持って演じました」と明かした。また、この作品は記念の映画では珍しく、途中でインターミッション(休憩)が入るが、そのときに流れるバイオリンの曲「祈り [永遠の記憶]」を演奏しているのは、英国在住のバイオリニスト、ダイアナ湯川。彼女は、生まれる1か月前に御巣鷹山の飛行機事故で父親を亡くしている。この日の舞台挨拶には湯川さんも来場。渡辺さんの紹介を受けて、バイオリンを手に壇上に上がり、「祈り [永遠の記憶]」を演奏。映画を観終えたばかりの観客は美しい音色に耳を傾けた。『沈まぬ太陽』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会■関連記事:渡辺謙はL.A.から中継で登場!激動の“いま”こそ『沈まぬ太陽』と一同アピールファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!渡辺謙が渾身の直球を投げ込んだ『沈まぬ太陽』三浦友和は悪役がお似合い?
2009年10月24日オスカー候補になったあの『バベル』への出演以降、菊地凛子の活躍は世界へ広がっている。ライアン・ジョンソン監督、エイドリアン・ブロディ共演の『The Brothers Bloom』、イザベル・コイシェ監督の『Map of the sounds of Tokyo』、マイケル・ハフストローム監督、渡辺謙共演の『Shanghai』、村上春樹のベストセラーを映画化するトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』──待機作のいずれも海外の監督との仕事だ。そして、国際女優として一歩、また一歩、前進していく彼女が新たに興味を示したのは、第77回アカデミー賞で脚本賞に輝いたアメリカ映画の名作『サイドウェイ』を日本人キャスト、外国人スタッフ、オール海外ロケで作った異色の日本映画である。「タフになるために作品を選んでいきたい」「海外だからという理由で作品を選んでいるわけではないんです。ただ、自分ができないなと思うものや、怖くてイヤだなと思うような演技に挑戦したい時期なんですよね。海外の作品は海外であるだけで大変な思いがあるから…タフになるために国内外問わずそういう作品を選んでいきたい。でも、個人的には日本食が好きなので、撮影が終わって美味しいものが食べられる日本が本当は一番いいんですけどね(笑)」と、穏やかな口調、やわらかな物腰で話すが、その志はかなり高い。今回の『サイドウェイズ』でももちろん挑戦はあった。彼女が演じるミナ・パーカーという役は、生まれも育ちもアメリカという設定。流暢な英語とたどたどしい日本語を会話に混ぜ込む演技は「すっごく大変でしたね」とふり返るが、そんな苦労を微塵も感じさせない演技はさすがだ。さらに、言葉だけでなく細かな動きも研究したのだという。「向こうの人の独特な動きがあるので、撮影現場にいたミナっぽい女性の動きを参考にしたり、ハーフの友達に『このセリフ言ってみて』と微妙なアクセントを聞いたりしました。難しい役柄ではあったけれど、ミナは前向きで明るい女の子。痛みや辛さがない分、楽しかったですね」。「大変だったけれど、楽しかった」と笑顔を見せる背景には、小日向文世、生瀬勝久、鈴木京香という実力ある俳優が共演陣に揃っていたこと、やり甲斐のある環境だったことも挙げられるだろう。「ほんとに。日本映画でこれだけ有名な俳優さんと仕事をするのは久々だったので、最初はちょっと緊張しましたけど、小日向さんが笑うとみんながフワ〜っとして心地いい気分になったり、生瀬さんは役柄通り英語もすぐに覚えて積極的に話していたし、京香さんはマイペースに生きている面倒見のいいお姉さんという感じで、すごくいい現場でした」。撮影は約1か月間カリフォルニアで行われ、「時間があるときはみんなでご飯を食べに行ったりしました」と、キャラクター同様に密な関係を築けたと語る。「毎日美味しいワインが飲めて、いい現場!」特に共演が多かった生瀬さんについては、彼のアドリブ力に「新鮮な気持ちになれた」と驚きを隠さない。「生瀬さんのアドリブはすごいんです。セリフは一緒なのに毎回動きとかちょっとしたことを変えてくる。『この人、すごいなぁ』って思っていました」。中でも笑えるのは、大介とミナの喧嘩シーンだ。「生瀬さんがお兄ちゃん的な優しい方だったので、遠慮なくブッていこうと思ってブッたら赤くなっちゃって。あっ、でも(打つ瞬間は)本当のフライパンじゃないですよ。あのシーンを本物のフライパンを使っていたら殺しかねないですからね(笑)」と、撮影時のエピソードを語ってくれた。「洋酒全般は何でも飲みますね」という菊地さん。今回の撮影を通してカリフォルニア・ワインの美味しさを知り「毎日美味しいワインが飲めて、いい現場でした!」と幸せな笑顔を見せる。そして、“菊地凛子”流の映画『サイドウェイズ』の見方をこう提案する。「この映画を観るとワインを飲みたくなると思うんです。だから、ワイン好きな人は夕方頃に映画を観て、その後に1本のワインを誰かと開ける…そういうのもひとつの見方かなって思います。あと、ナパ・バレーはワイナリー以外何もないところですけど、観たらナパに行きたくなる人、多いと思いますよ」。(text:Rie Shintani/photo:Hirarock/stylist:Yuta Kaji/hair & makeup:Yasushi Miyata)■関連作品:サイドウェイズ 2009年10月31日より全国にて公開© 2009 Twentieth Century Fox Film Corporation and Fuji Television Network, Inc.■関連記事:菊地凛子&鈴木京香、仲良くぶどう柄でペアルック?『サイドウェイズ』舞台挨拶菊地凛子、流暢な英語で「ワイン大好き」『サイドウェイズ』、本場ナパで大盛況舞台挨拶&生演奏付き!『サイドウェイズ』プレミア試写会に25組50名様ご招待ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!
2009年10月14日渡辺謙とレオナルド・ディカプリオが『ダークナイト』のクリストファー・ノーラン監督の下で共演を果たした話題作『Inception』(原題)の謎に包まれた予告編が解禁され、シネマカフェサイト内にて公開されている。アメリカ国内で歴代2位の興行成績を記録した『ダークナイト』に続くノーラン監督の新作とあって、世界中の注目を集める本作。監督のオリジナル脚本で人間の心理構造に切り込んだSFアクションとされているが、その詳細については謎に包まれており、配給会社のワーナーブラザース映画さえもほとんど知らされてないとか。日本、イギリス、フランス、アルジェリア、カナダ、アメリカを含む4つの大陸を渡りながら撮影、制作を進められており、今回お披露目となった予告編の冒頭の映像では、東京・赤坂の街並みが映し出されている。今年6月に撮影のために極秘来日したディカプリオは、共演の渡辺さんについて「俳優としての表現力が素晴らしい。ナショナル・トレジャー(国の宝)との共演は誇らしい」と語り、さらに、渡辺さんが『ラストサムライ』で見せた鬼気迫る演技とのギャップに「役の上ではプロフェッショナルに徹する真の俳優」と絶賛していたという。渡辺さんもディカプリオについて「演技力とスター性を兼ね備え、ハリウッドで一番脂がのっている俳優」と印象を語り、「撮影で何が起きるか非常に楽しみ」と期待を寄せていた。渡辺さんにとって、ハリウッド作品は7作目、ノーラン監督の作品は『バッドマン・ビギンズ」以来2度目となるが「同じ監督にもう一度呼ばれることほど名誉なことはない。自分の力を全てこの映画にぶつけたい」と意気込みを語っていた。“Inception=発端”とは何を指すのか?そして予告編中に出てくる「犯罪現場はお前の頭の中」の意味するところは――?渡辺さんとディカプリオに加え、エレン・ペイジ、マリオン・コティヤール、キリアン・マーフィなど実力派の俳優陣が顔を揃え、完成が楽しみな『Inception』。2010年夏、日米で同時公開の予定。『Inception』予告編はシネマカフェの『Inception』作品情報ページ内、予告編欄にて公開中。■関連作品:Inception (原題)■関連記事:レオ、渡辺謙にエレン・ペイジがL.A.に勢揃いし、新作撮影中!
2009年10月05日山崎豊子の長編小説を映画化した『沈まぬ太陽』の完成披露試写会が17日(木)に都内で開催された。上映前には舞台挨拶が行われたが、主演の渡辺謙はアメリカで新作ハリウッド映画を撮影中とあって、現地からの生中継で大画面を通して参加、共演の三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二、そして若松節朗監督も出席し、会場は大きな盛り上がりを見せた。冒頭、場内が暗転し、渡辺さんの低い声が響き渡る。「ようこそいらっしゃいました。お忙しい中、新内閣発足のさなか、そして騒がしいスケジュールの中、足を運んでいただきありがとうございます」との挨拶に続いて、渡辺さん自らがひとりひとりのキャストを呼び込んだ。渡辺さんの紹介に合わせて、三浦さんらが客席の中を歩いて登場すると、会場は歓声に包まれた。そして、スクリーンにはロサンゼルスにいる渡辺さんの姿が!渡辺さんは、撮影で初めてアフリカのサバンナに立ったときの心境を尋ねられ「深い海に、ボンベもマスクもつけずに降り立ったような気持ちでした。『もしかしたら僕らが立ってはいけない場所なのかも?』という思いと共に、一個の“動物”として動物たちと同じ目線でサバンナに立ったことは、役を作り上げていく上ですごく大きなインパクトがありました」と感慨深げにふり返った。三浦さんは本作で、主人公・恩地(渡辺さん)とは対照的な道を歩む“悪役”的な存在・行天を演じているが「行天は、日本の礎を築いた世代の功罪の“罪”の部分の象徴的存在。でもいま冷静に考えたとき、間違っているけど、当時はそういう風にしか生きられなかったのではないかと思っています」と語った。監督曰く「行天はまさしく三浦さん!ピッタリの悪役でした」とのこと。松雪さんは、恩地を尊敬しつつ、行天と愛人関係になる美樹を演じた。2人との共演について「全体で4か月半の撮影の中で、私はひと月に1回のペースで現場に行っていました。すると、2人が身にまとっている空気や雰囲気が、時間と共に濃密になっていくのを身近に感じることができました」とふり返った。石坂さんは、ここ数年、日本を襲った激動をふり返りつつ「“沈まぬ太陽”とは日本のことではないか?いま西に傾きかけ沈もうとしているではないか?」と憂いの表情を見せ「それを沈めないために努力するのか?それとも、たとえ沈んでもまた明日の朝、新たな太陽が東に昇ることを期待するのか?時代がいま問うているのではないかということを鳩山さんに代わって申し上げたい」と力強く語った。恩地の妻・りつ子を演じた京香さんは「とにかく、りつ子として謙さんが演じる元(はじめ)を見つめていればいいか、という思いでした。意志を貫く素晴らしい男性として、尊敬して見つめていました」と撮影時の気持ちを明かした。渡辺さんは「男たちには会社があって、役職や場所で変化を表現することができるけど、りつ子がそれを表現できるのは、子供の成長くらい」とりつ子という役の難しさを説明し「一緒に年をとった感じです」と“夫”として妻への感謝と労いの気持ちを口にした。若松監督は完成披露を迎え感無量といった面持ち。「1年前のいまごろは“進まぬ太陽”なんて言われていましたが…」と自嘲気味にふり返りながらも「男の矜持を描きました」と誇らしげ。さらに「最近の芸能界は、男が逃げたり、責任を取らなかったり。そんな若い人たちにこそ観てほしい」と踏み込んだ言葉で作品を送り出した。渡辺さんは最後に、遠くロサンゼルスから「もしこの映画が明日への希望になればありがたいです」と作品をアピール!『沈まぬ太陽』は10月24日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会■関連記事:ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!渡辺謙が渾身の直球を投げ込んだ『沈まぬ太陽』三浦友和は悪役がお似合い?
2009年09月19日6月に東京でクランクインした後、パリやロンドンでもロケが敢行されたクリストファー・ノーラン監督(『ダークナイト』)の最新作『Inception』(原題)。現在ロサンゼルスで撮影中の現場の様子が届いた。写真が撮られた12日に現場にいたのは、主演のレオナルド・ディカプリオと敵役らしい渡辺謙、そして『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジ。ストーリーの詳細は極秘扱いで、心の中の構造をも描くSFアクションとしか発表されていないが、8月のパリ撮影時にインターネット上に流出したコール・シート(撮影現場の俳優のスケジュール表)に主要キャストの役名が書かれてる。それによれば、レオが演じるコッブはCEOのような立場の人間で、渡辺は彼を脅迫するサイトウ、エレン・ペイジはコッブの助手になる大学院生役らしい。キャストは他に、ジョゼフ・ゴードン・レヴィット、マリオン・コティヤール、トム・ハーディ、トム・ベレンジャー、ノーラン版の『バットマン』シリーズ常連のキリアン・マーフィとマイケル・ケイン、レオの親友としても知られるルーカス・ハースなど多彩な顔ぶれ。監督自ら脚本も手がけ、独特のノーラン・ワールドの展開が楽しみな本作は、2010年公開を予定している。(text:Yuki Tominaga)© Photo by Splash/AFLO■関連作品:Inception (原題)
2009年09月15日人間の本質を問う壮大なスケールの小説を数多く手がけてきた山崎豊子。「白い巨塔」、「大地の子」、「華麗なる一族」など、多くの作品がこれまでにTVドラマ化、映画化されてきたが、いまだ映像化されぬまま、山崎作品の中でも“最高傑作”と称されるのが「沈まぬ太陽」である。このたび満を持して、本作が映画化されることが決定、7月8日(水)に製作報告記者会見が開かれ、製作総指揮の角川歴彦をはじめ監督の若松節朗、主演の渡辺謙、三浦友和、石坂浩二が出席した。日本が高度経済成長を遂げた昭和40年代から昭和の終わりにかけての時代を舞台に、巨大な組織に翻弄されつつも自らの信念を貫き通す男の姿を描いた本作。国民航空の労働組合委員長を務める主人公・恩地元を演じた渡辺さんは、この作品を「例えるなら直球。コーナーなど狙わずに、結果を厭わずど真ん中に投げ込んでいます。(球速)160キロを狙える年齢ではありませんが、いまの自分に投げ込める最高の球を目指しました」と真剣な眼差しで語った。さらに、いまの時代にこの小説が映画化される意義について「『仕事って何?』、『会社とは?』、『生きるという意味は?』という問いかけが毎日のようにささやかれるようになったいまの時代、このタイミングをこの作品は待っていたように思います。僕自身、この映画を通じてそういったことを深く考えさせられました」と語った。そして「ひとつひとつのシークエンスに集中し、あまり先のことを考え過ぎずに臨みました!」と充実した表情で撮影をふり返った。国民航空の会長に就任する、会社の“良心”とも言うべき存在である国見を演じる石坂さんは「この役はモデルとなった方がいらっしゃるのですが、とにかく素晴らしい方で、繊維関係の会社におられたこともあってすごくおしゃれなんですね。外見的にもプレッシャーがありました」と語った。さらに、タイの空港をかつての羽田空港に模して行われたロケについてこんなエピソードを披露。「正月のシーンなのに、現地は34〜35℃、湿度70%ほどありました…。何としてでもオーバーを着てやろう!と思いまして(笑)。私と謙さんで真冬を演じているそのシーンも見どころです」と力を込めた。三浦さんが演じた行天は、出世と引き換えに労働組合の分裂を画策し、恩地らと袂を分かつ“悪役”である。自身が演じた役柄を三浦さんは「この時代の悪しき象徴」と言いつつも「撮影の5か月を通じて、だんだんこの男がかわいそうになってきた」とも。「自分の父親の世代を否定するような気持ちになりました。いまでこそ“仕事人間”、“家庭を顧みないお父さん”というのは、『本当の幸せは何か?』などと問いかけるドラマのテーマなどにもなりますが、この時代は仕事をしているのがお父さんで、家庭を守るのはお母さん。子供を顧みる時間もなく、生きることに必死な時代だったんだと思います。不況と言われながらも豊かな経済大国になったいま、その時代の方々を否定してはいけないという思いが強くなりました」と胸の内を明かした。ちなみに、あまり悪役のイメージのない三浦さんの起用について若松監督は「友和さんは柔らかい方で、本人も自身を善良だと思っているようですが、実は悪いやつのような気がしました(笑)」とコメント。果たしてその悪役ぶりは――?この日は、原作者の山崎さんからもメッセージが届けられた。若松監督と会った際に「この作品が映像化されるまで死ねない」と語っていたという山崎さん。「(映画化に)勇気を持って挑戦してくださり、本当に嬉しく、完成がいまから待たれます。索漠とした希望の見えない現代において、『沈まぬ太陽』が荘厳な光として輝き、明日を約束してくれることを切に、切に願います」と思いを寄せた。『沈まぬ太陽』は10月24日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:沈まぬ太陽 2009年10月24日より全国東宝系にて公開© 2009 「沈まぬ太陽」製作委員会
2009年07月10日