奈緒が“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーを演じる実話を描く「ファーストペンギン!」の2話が10月12日オンエア。農林水産省の溝口を演じる松本若菜に「ポーカーフェイスな松本若菜」「まじめな役の松本若菜もいい」などの声が続々と寄せられている。多くの敵が潜む海に最初に飛び込む勇気ある1羽のペンギンのように、縁もゆかりもない“漁業の世界”に飛び込んだシングルマザーと、彼女と共に改革の荒波に漕ぎだした漁師たちの実話を「JIN-仁-」「義母と娘のブルース」などで知られる森下佳子がオリジナル脚本を手がけ描いていくもの。自分に手のひらを返した片岡に怒りを露わにし、杉浦に反旗を翻した岩崎和佳を奈緒さんが演じるほか、和佳に浜を立て直すようと頼み込んだものの、杉浦の圧力に怯える片岡洋に堤真一。都会から移住し、片岡が社長を務める漁船団「さんし船団丸」で漁師をしている永沢一希に鈴木伸之。片岡を慕う漁船団「さんし船団丸」の漁師・山中篤に梶原善。片岡の右腕的な存在でもある「さんし船団丸」漁師の磯田高志に吹越満。和佳から先生と呼ばれる東京在住の琴平祐介に渡辺大知。和佳のママ友の山藤そよに志田未来。密かに和佳を応援する農林水産省の溝口静に松本若菜。汐ヶ崎漁港で仲買人をする重森梨花にファーストサマーウイカ。杉浦の腰巾着である安野茂に遠山俊也。汐ヶ崎漁業協同組合の組合長・杉浦久光に梅沢富美男といったキャスト。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。孤立する和佳。杉浦の圧力は和佳の勤めるホテルにまでおよび、和佳は仲居の仕事を辞めざるを得ない状況に。従業員寮も出て行かなければならなくなる。杉浦たちは「お魚ボックス」を潰すため、統括さん(伊沢弘)を脅し「和佳から脅迫され判をつかされた」と言わせ、認定取り消しに向けて動く。認定取り消しの動きを聞いた和佳は溝口に“ある提案”をする。そして永沢を使って、農林水産大臣が国会答弁で和佳の事業を「バックアップしていきたい」と答弁する様子を杉浦らに見せる…というのが今回のストーリー。農林水産省の溝口を演じる松本さんに「松本若菜さんめっちゃクールな役」「松本若菜さん声までいい」「ポーカーフェイスな松本若菜さんもよい」「まじめな役の松本若菜もいいなぁ」などの声が殺到。また溝口をはじめ、こっそり魚を分けてくれる重森、和佳のため息子の進(石塚陸翔)を預かったり、新たな家探しを手伝ったりする山藤ら女性陣の活躍にも「女性陣がみんな味方なのが救われる」「女性はみんな応援してくれててホッとする」「このドラマ本当に出てくる女性たちが強くて優しいよね」といった反応が寄せられている。【第3話あらすじ】「お魚ボックス」の注文を増やすため和佳は東京の飲食店に営業をしに行くが、漁港では杉浦が吹聴した、和佳は詐欺師であるという噂が広まっていた。そんななか、片岡が和佳に預けていた船団の口座から、大金が引き出されていたことが発覚する…。「ファーストペンギン!」は毎週水曜22時~日本テレビにて放送中。(笠緒)
2022年10月13日日本テレビ、読売テレビでドラマが放送され、舞台化もされた芸人青春群像劇『あいつが上手で下手が僕で』(通称『カミシモ』)の舞台第2弾に、溝口琢矢と大平峻也の出演が決定した。2人が演じるコンビ「ノノクラゲ」は、荒牧慶彦と和田雅成が演じる「エクソダス」と同期のコンビ。東雲嵩紀と狭間くらげの2人で構成されている。くらげがピンで人気を集め、コンビ内の人気格差が問題になっているという設定だ。溝口は「この作品は自分にとってまさに未知なる領域への挑戦なので、今はとてもわくわくしています。もちろんいろいろとプレッシャーを感じる瞬間はあると思いますが、相方の大平峻也くんと共に全力で楽しませて頂きたいと思います!よろしくお願い致します!」とコメント。大平は「この度この作品に参加させていただけるということで、とても光栄に思っております。琢矢くんとは初対面が兄弟役、今回はコンビ役でなんかご縁を感じつつ、ワクワクしています。皆様今回の『カミシモ』、そして『ノノクラゲ』もぜひ楽しみにしていてください」と話している。東京公演(日本青年館ホール)は、11月18日~24日。大阪公演(COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)は、12月2日~4日。
2022年08月11日KAAT 神奈川芸術劇場の2022年度ラインアップ発表会が2月28日、オンラインで開催され、芸術監督の長塚圭史が出席。溝口健二監督の同名映画を長塚がミュージカル化する『夜の女たち』、赤堀雅秋が黒澤明の名作の舞台化に挑む『蜘蛛巣城』、岡田利規がドイツのミュンヘンの劇場での上演のために書き下ろした戯曲を本谷有希子の演出で上演する『掃除機』など、多彩なクリエイターによる企画が発表された。昨年4月より芸術監督に就任した長塚は、「冒」をテーマに様々な作品を上演した昨年を「非常に充実した1年でした」と述懐。来るべき新年度に向けて「忘(ぼう)」を新たなテーマに掲げる。「僕らは日々、忘れていきます。ものすごい情報量の中で生き、大事なものも忘れていきますし、もはや覚えようともしなくなっている時代なのかもしれません。でも忘れちゃいけないことを思い出す動作は必要だと思います。いま僕らがどこに立ってるのか?なぜこうした社会にいるのか? そこにはいろんな時間が眠っています。忘れることで、強く生きられる部分もあります。『忘れる』という言葉は、非常に人間性を映しだす気がしています。『忘』という言葉は、人間そのものを照らし出すかもしれません」とテーマに込めた想いを語る。メインシーズンの開幕を飾るのは、長塚にとって初のミュージカルとなる『夜の女たち』。溝口健二の映画は敗戦後の大阪に生きる女たちの姿を描いているが、長塚は「占領下で、昨日まで信じたものが全てひっくり返った時代の物語」と人々の価値観が大きく転換した時代を描くことへの意欲を口にし「そこには音楽の力が必ずあったと思うので、ミュージカルにしたいと思いました。暗い時代ですが、ミュージカルの力でひらけた夜の女たちを作りたい」と意気込みを語った。また、今年は沖縄が本土に復帰して50年となるが、11月から12月にかけて、沖縄在住の兼島拓也の脚本で、沖縄出身の田中麻衣子が演出を担当しての新作(タイトル未定)が上演されることも明らかになった。このほか、串田和美が1994年から上演し、ライフワークともなっている『スカパン』、山内ケンジの作・演出による『温暖化の秋- hot autumn -』(仮)、2020年秋に上演された森山開次の作・演出・出演によるノンバーバル作品の再演となる『星の王子さま -サン=テグジュペリからの手紙-』の上演も決定。また、KAAT初登場となる赤堀雅秋は、黒澤明の同名映画を原作に、齋藤雅文の作・演出で2001年に新橋演舞場で上演された『蜘蛛巣城』に挑む。赤堀はビデオメッセージで「泥臭い作品にしたい。(映画を)踏襲するのではなく、もうちょっと若い、若さゆえの何かを視点として作品にできたらと思います。初めての時代劇ですが生々しい人間像を描けたら」と意気込みを語った。22年度ラインアップ演出家・作家(上段左より、鬼頭健吾北村明子松井周/中段左より串田和美山内ケンジ田中麻衣子/下段左より森山開次赤堀雅秋本谷有希子本谷有希子の演出による『掃除機』は、岡田利規の作・演出で2019年12月に『The Vacuum Cleaner』のタイトルでドイツのミュンヘンの劇場で上演された作品で、80代の父親、50代のひきこもりの子どもらの姿を、一家の掃除機の視点で描いた異色作。ビデオでメッセージを寄せた本谷は「(岡田の戯曲を)壊していかなきゃ! ということに頭が行ってたけど、岡田さんと偶然お会いして話をして、壊しながら育み、また壊して構築するという作業にどれだけ持っていけるかだなと思いました。いま、自分の劇団(劇団、本谷有希子)を休止している状態で、私は自分のことを演出家だと思ってない節があるんですが、そんな中で他人のアタマの中を舞台化するというのは未知のことで、興味があります。チャレンジになると思いますが頑張りたいです」と語り、長塚も「いわゆる“8050問題”を描いてますが、掃除機のキャラがチャーミングで、見事に社会を捉えている作品。岡田さんの描く強い世界を、同じく世界を持っている本谷さんが演出したらどうなるか楽しみです」と期待を寄せた。プレシーズンでは現代アーティスト・鬼頭健吾の作品とライブパフォーマンスをコラボレートした『鬼頭健吾展Lines』、キッズ・プログラムとして昨年、舞踊家の北村明子(振付・演出)と現代美術家の大小島真木(美術)のタッグで制作し好評を博した『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』、同じくキッズ・プログラムとしてコロナ禍で延期となっていた松井周の作・演出で白石加代子を迎えて制作する『さいごの1つ前』が上演されることも発表。ジャンルの垣根を超えたアーティストたちによる多彩な演目に期待が集まる。取材・文:黒豆直樹KAAT神奈川芸術劇場 2022年4月~2023年3月主なラインアップ<プレシーズン>■KAAT EXHIBITION 2022『鬼頭健吾 展 Lines 』+関連企画2022年5月1日(日)~2022年6月5日(日)・アトリウム■KAAT キッズ・プログラム2022『ククノチ テクテク マナツノ ボウケン』振付・演出:北村明子美術:大小島真木2022年7月下旬 ・大スタジオ■KAAT キッズ・プログラム2022『さいごの1つ前』作・演出:松井周2022年8月中旬・大スタジオ<メインシーズン『忘』>■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『夜の女たち』原作:久板栄二郎映画脚本:依田義賢上演台本・演出:長塚圭史音楽:荻野清子2022年9月上旬下旬・ホール■『スカパン』原作:モリエール潤色・美術・演出:串田和美2022年10月下旬・大スタジオ■KAAT× 城山羊の会『温暖化の秋 hot autumn』(仮)作・演出:山内ケンジ2022年11月・大スタジオ■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『タイトル未定(新作)』作:兼島拓也演出:田中麻衣子2022年11月下旬~12月上旬予定・中スタジオ■KAAT DANCE SERIES『星の王子さま サン=テグジュペリからの手紙』演出・振付・出演:森山開次美術:日比野克彦衣裳:ひびのこづえ音楽:阿部海太郎2023年1月下旬・ホール■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『蜘蛛巣城』原脚本:黒澤明小国英雄橋本忍菊島隆三脚本:齋藤雅文演出:赤堀雅秋2023年2月中旬3月上旬・ホール■KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース『掃除機』作:岡田利規演出:本谷有希子2023年3月上旬・中スタジオ■YPAM 横浜国際舞台芸術ミーティング 20222022年12月上旬・ホール / 大スタジオ / 中スタジオ(予定)【提携公演】ROTH BART BARON5月・大スタジオ小㞍健太+森永泰弘5 月・中スタジオ横浜夢座5月・大スタジオケダゴロ5月・大スタジオモメラス6月・大スタジオCATプロデュース『テーバスランド』6~7月・大スタジオ快快(FAIFAI)8~9月・大スタジオ劇団た組9~10月・大スタジオCo.山田うん10月・大スタジオ地点12月・ホール 、2月・大スタジオオペラシアターこんにゃく座3月・ホール※各公演の最新情報は、劇場公式サイト にてご確認ください。
2022年03月01日福岡県筑後市にある筑後船小屋 公園の宿を運営する株式会社AJ・コーポレーションは、同市内にある溝口竈門神社と共同で、遠隔参拝可能なプロジェクトを立ち上げました。福岡 溝口竈門神社某人気アニメの聖地の一つでは!?と口コミが広がり、全国各地から参拝客が訪れるようになり、YouTubeやSNS等で多数取り上げられるようになりましたが、ここ数年の移動制限により、「行ってみたいけどいけない」「このままご縁が薄くなってしまうのは寂しい!」という声が多数寄せられ、今回「遠隔で楽しむアニメ聖地巡礼の旅」を実現しました。遠隔参拝動画で溝口竈門神社をご体験ください。 ■溝口竈門神社とは良縁の神様である玉依姫が祀られていることもあり、恋愛成就女性の参拝や某人気アニメの聖地としてファミリー層の参拝など、老若男女問わず人気の神社です。【所在地】福岡県筑後市溝口1553■「愛の絆セット」溝口竈門神社を身近に感じていただける「愛の絆セット」。穏やかで愛に満ちた溝口竈門神社を遠隔にてご体験いただけますと幸いです。【商品名】 「愛の絆セット」【価格】 6,500円(税込)+送料【セット内容】 (1)溝口竈門ジンジャーエール2本(2)溝口竈門神社 特製絵馬(返信用スマートレター付き)(3)遠隔参拝記念ハートに波の模様をあしらった運命の「愛の絆」モチーフ(4)絵馬に願いごとを書いて返送された方に代理絵馬掛け奉納動画を作成(5)溝口竈門神社参拝記念カード愛の絆セット【購入サイト】 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月08日俳優の植田圭輔と溝口琢矢が、舞台『ワールドトリガー the Stage』でW主演を務めることが4日、明らかになった。同作は葦原大介による人気同名コミック待望の舞台化で、近界民(ネイバー)と呼ばれる異世界からの侵略者と戦う組織を描いたSFアクションとなる。原作は2013年から『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて連載開始、2018年からは『ジャンプSQ.』(集英社刊)へと発表の場を移し、2014年にはアニメ化され、1stシーズンから“4年半”の時を経て2ndシーズンが2021年1月より放送中である。脚本・演出は、小劇場から2.5次元ミュージカルまで幅広い演劇作品を手掛ける、中屋敷法仁。音楽にGIRA MUNDO、振付に梅棒を迎える。空閑遊真役の植田圭輔と三雲修役の溝口琢矢がW主演を務めるほか、雨取千佳役に其原有沙、迅悠一役に高橋健介が決定。本作の為に考案された新たな演劇表現“フィジカライブ”(Physical×Live performance)で『ワールドトリガー』の世界を体現する。東京・大阪にて2021年11月~12月の上演を予定している。○脚本・演出:中屋敷法仁 コメント魅力あふれるワールドトリガーの世界を劇場でお届けします!今作では、壮大な物語の序章である三雲修と空閑遊真の出会いから、近界民との激しいバトル、そして界境防衛機関「ボーダー」内部の人間模様を描きます!幻想的かつ刺激的なトリガーの表現や俳優たちの躍動感に満ちた生のパフォーマンスにご期待ください!
2021年03月04日俳優・溝口琢矢のカレンダー『溝口琢矢 2021-2022カレンダー“みぞたび”~群馬ひとりキャンプ編~』(アミューズ 3,000円)が、3月に発売されることが決定した。昨年はテレビ朝日系ドラマ『アリバイ崩し承ります』や舞台『かがみの孤城』などの話題作に出演。今年はアミューズ所属俳優によるユニット「チーム・ハンサム!」のメンバーとして活動しているほか、主演舞台『Being at home with Claude~クロードと一緒に~』も控えている。自身2度目となるカレンダーでは、「旅」をテーマに群馬県でのロケを敢行。「ひとりキャンプ編」というサブタイトルの通り、キャンプ場で1人テントを張り、ハンモックで読書をし、焚き火で温めた珈琲を飲むなど、存分にソロキャンプを満喫する溝口を収めた。昨年の外出自粛期間中にソロキャンプについて調べ、いつか行きたいと思う場所をマークしていたという溝口。「今回のカレンダー制作でまさかのOKが出た時には僕が一番驚きましたが、憧れていた場所に行くことができて最高に幸せな撮影でした」と念願叶ったことを語る。また、特典のオンラインイベントについて「本当にありがたいことに誕生日にオンラインのおしゃべりイベントを開催させて頂けることになりましたので、ぜひ25歳最後の溝口と26歳最初の溝口に会いに来てください! お待ちしております」と呼びかけた。「A! SMART(アスマート)」では、26日までに注文した全てが本人の直筆サイン入りとなり、「HMV&BOOKS online」では、3月14日までに注文したローソンWEB会員限定で、5月8日の「25歳のみぞたくとおしゃべり会」、5月9日の「26歳のみぞたくとおしゃべり会」に参加できるシリアルコードが特典となる。どちらも予定数量に達した場合は、期間内であっても受付を終了する可能性がある。
2021年02月15日俳優の溝口琢矢が14日、同日に東京・EXシアター六本木で初日を迎えた主演舞台『ジョン万次郎』(6月14日~24日)の公開ゲネプロ前に取材に応じた。本シリーズは、教科書には詳しく載らないような歴史上の人物や出来事を、エンターテインメント舞台として表現する企画。『ジョン万次郎』は、14歳の時に海で遭難した土佐の漁師・万次郎がアメリカの捕鯨船に助けられ、そのままアメリカ東部に暮らす中で、いじめや差別にくじけることなく強く生き抜いていく姿を描く。溝口が演じるジョン万次郎といえば、NHK大河ドラマ『西郷どん』でお笑い芸人・劇団ひとりが演じたことでも話題になったばかり。それに関連して記者から「何か意識されたことは?」と聞かれると、溝口は「全く意識していません!」と即答して笑いを誘い、「劇団ひとりさんと自分の年齢が結構離れているというのもありますし、ジョン万次郎の生涯はすごく長いのでどこを切り取るのか。僕は僕なりの少年期と青年期を演じたいと思って、あまり外の情報を入れないようにしていました」と役柄との向き合い方を明かした。また、役に入り込みすぎたのか、稽古期間の終盤では付け毛を自毛と勘違いしてしまったのだそう。周囲に「こんなに髪伸びたんだよ」「影だけなら、福山(雅治)さんの龍馬を彷彿とさせる」と自慢していたことを振り返ると、共演者から「かわいいって話?」「かわいいー!」「すごい喜んでたよね」とイジられ「バカだなって話」と照れていた。囲み取材には溝口のほか、荒木宏文、石原壮馬、正木郁、山下聖菜、細貝圭が出席した
2018年06月14日VOL.1に引き続き、今回Be inspired!はアメリカで育った“日本人”*1の若者に「アメリカで“日本人”として生きることとは」について話を伺った。日本では義務教育で英語を勉強するし、映画や音楽、食などの文化面でも多大な影響を受けていると言えるだろう。しかし、アメリカは日本をどう見ているのか?アメリカで“日本人”として生きるとはどういうことなのか?今記事は4人のインタビューを受けてくれた人のうちの残りの二人のストーリー。(*1)彼らのアイデンティティが日本人でも、アメリカ人でも今回は容姿的観点からアメリカ社会で「日本人」として見られたことがあるのを考慮してインタビューを行った。そのため、本人のアイデンティティとは関係なく、文章内では“日本人”と表記する。溝口香純【25歳】ーどれくらいアメリカに住んでいましたか?アメリカのどこですか?ニューヨークに1〜5歳、カリフォルニアに10〜15歳で合計10年弱いました。ーアメリカの好きなところはどこですか?人、多様性、音楽と芸術カルチャー。ーアメリカの嫌いなところはどこですか?人種・政治周りの緊張、たまに行き過ぎる個人主義。ーアメリカで“日本人”でいていいことは?外国人として見られないこと、言葉が通じる限り「日本人」を意識することがないこと。ーアメリカで“日本人”でいるのが嫌なときは?(個人的に経験することはほとんどありませんでしたが)アジア人差別。ーアメリカにいて自分が“日本人”だと強く感じるときはどんなときですか?学校にお弁当やおにぎりを持って行ったとき。家に友達を呼んだとき。(土足禁止、親と日本語での会話、和食や日本のお菓子がある、等)ーあなたにとってアメリカで“日本人”でいるとは、どういうことですか?「日本人」として生きなくて良いということ。アメリカは移民で成り立っている国だから特に意識することはありませんでした。ーあなたにとってアメリカで“日本人女性”でいるとは、どういうことですか?「日本人」を意識することがなかったのと同様、住んでた当時自分が「日本人女性(女子)」であることを意識することはありませんでした。Tumblr:岡田佑亮(ジミー)【25歳, フリーランス】ーどれくらいアメリカに住んでいましたか?アメリカのどこですか?アメリカのイリノイ州、シカゴ郊外のネーパービルという所に9年ほど居ました。ーアメリカの好きなところはどこですか? 選択肢が多いことだと思います。普段の食事から娯楽、進路、どこで誰と何をするかまであらゆるオプションが用意されています。もちろん日本でこのように選ぶことができないわけではないですが、明らかにバラエティが違うと思います。アメリカがこのようになったのも、多民族国家だからだと感じます。ーアメリカの嫌いなところはどこですか?差別や偏見は他の国より多く見受けられると思います。様々な人種が集まるなか、「自分が一番」という国民性によってお互いに対する差別はかなり感じます。ーアメリカで“日本人”でいていいことは?良くも悪くも、日本人は真面目です。アメリカで真面目に仕事や遊びに打ち込むと、一際目立ちます。これこそ偏見かもしれないですが、適当に物事を進める社会で日本人っぽく真面目に仕事をすると、「そこまでやってくれるのか!」と喜ばれる気がします。ーアメリカで“日本人”でいるのが嫌なときは?日本人に対する差別は、小さい頃は少なくとも私が住んでいたところにはありました。白人、黒人、メキシコ人が圧倒的に多い国では、アジア人はマイノリティーです。肌の色でいじめられたり、アジア人だから勉強ができるだろと言われたりもしました。ーアメリカにいて自分が“日本人”だと強く感じるときはどんなときですか?私自身は割と不真面目な方だと思いますが、アメリカ人に比べてしまうとかなりシリアスな人だと思われる気がします。アメリカのテレビ局と仕事をすることがあるのですが、彼らは「まあ、どうにかなるだろ」とかなり適当に仕事をしている気がします。そのなか、私は普段通りに手配や連絡などをするのですが、比較すると仕事に対する意識や態度が180度違うな、と感じます。(それで普通にアメリカでかっこいい番組が作れるのは、もはやセンスの違いなんでしょうね)ーあなたにとってアメリカで“日本人”でいるとは、どういうことですか?日本人としてアメリカにいるということは、他の国や人種の人々と共存しなければいけないということです。力強く、自分を持って生きないと多様な文化や風習に飲み込まれてしまいます。ーあなたにとってアメリカで“日本人男性”でいるとは、どういうことですか?アメリカでは、日本人の男性は他の人種に比べて草食的で控えめなイメージがあると思います。上の設問と同じですが、己を信じてガツガツとしないと、取り残されてしまいます。 今回Be inspired!はVOL.1、VOL.2と2部で、アメリカで育った4人の“日本人”にお話を聞いた。これはあくまでも個人の体験だから、全てのアメリカに住む日本人、日系アメリカ人、アメリカ人に当てはまるわけではない。それどころか、インタビューを受けてくれた4人ですら、とても違う経験と意見を持っているように感じた。性別、セクシュアリティによっても体験は変わってくるのかもしれないし、性格、環境、アメリカのどこか、によっても異なってくるのかもしれない。4人の体験を読んだみなさんのこれまでの経験によっても、共感するところや、新しい発見は違うだろう。それでも日本を今生きるみなさんが彼らのストーリーを通してそれぞれの形で、「日本人でいることは何か」を見つめ直すきっかけとなり、それ以上に何かを考える機会となっていれば幸いだ。 VOL.1へ:入江 嶺、biki Text by Noemi MinamiーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「多様性」と「差別」が混在する矛盾だらけのアメリカで生まれた「有色人種」というプライド。アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.1 アメリカ、と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか。ハリウッド映画やポップミュージックは日本でも大人気だし、アメリカからチェーン店が日本に上陸すれば大行列。リベラルで...
2017年07月19日アメリカ、と聞いてあなたは何を思い浮かべるだろうか。ハリウッド映画やポップミュージックは日本でも大人気だし、アメリカからチェーン店が日本に上陸すれば大行列。リベラルで自由?オープンで自己主張が激しい?持ってる印象は人それぞれ違うだろうけど、大抵の人がなんらかのイメージを持っているのではないだろうか。アメリカは歴史的、政治的観点から見ても、文化的観点から見ても日本に大きな影響を与えてきた。しかし、アメリカは日本をどう思ってるんだろう?実際アメリカに住んだらどうなのだろう?日本人としてアメリカ社会ではどう受け入れられるのか?そんな疑問をふと感じた。そこで今回Be inspired!では、アメリカで育ったある4人の“日本人”*1に、話を聞いた。「アメリカで“日本人”として生きることとは」を理解するために、彼らがシェアしてくれた個人的なストーリーをVOL.1、VOL.2と2本の記事に分けて編成した。わたしたちが日本を出ることはたとえなくても、アメリカに実際に生きた人々のリアルな声を知ることで、少しでも日本を外から見つめ、日本人とは何か、自分とは、そして世界への理解が深まれば嬉しい。(*1)彼らのアイデンティティが日本人でも、アメリカ人でも今回は容姿的観点からアメリカ社会で「日本人」として見られることがあるのを考慮してインタビューを行った。そのため、本人のアイデンティティとは関係なく、文章内では“日本人”と表記する。入江 嶺【学生】ーどれくらいアメリカに住んでいましたか?アメリカのどこですか?19年間、アメリカ合衆国(カリフォルニア州)。ーアメリカの好きなところはどこですか?年間を通して安定した気候と人 。ーアメリカの嫌いなところはどこですか?車社会であること、日本と比べると美味しい食事が限られること。ーアメリカで“日本人”でいていいことは?日本文化に精通しているからこそ 、お米の魅力を誰よりも知っていること。ーアメリカで“日本人”でいるのが嫌なときは?私はアメリカで産まれ育ったがゆえに、自身のアイデンティティとしては、自分はアメリカ人であると常に考えていました。だが、見た目が日本人だからこそ、学校でも仕事でも日系人としてしか扱われないところが最も嫌でした。ーアメリカにいて自分が“日本人”だと強く感じるときはどんなときですか?アニメやマンガを読んでいて面白いと感じ、日本食(特にお米)を食べている時には自分はやっぱり日本人なんだなと感じます。ーあなたにとってアメリカで“日本人”でいるとは、どういうことですか?お寿司といった日本食の魅力を知っていて、アニメやマンガ文化といった事に他より精通している人はアメリカにおいて日本人っぽいとは感じる。だが、それは別に血であったり外見ということではなく、内面的な部分で日本人であると感じます。だからこそ、アメリカで日本人であるということに対して意味を深く考えたことは正直ありません。ただ1つ挙げるのであれば、文化や生まれ育ち、話す言語になんら関係なくその人は日本人であるとは思います。ーあなたにとってアメリカで“日本人男性”でいるとは、どういうことですか?自分にとってアメリカで日本人男性であることは、アメリカでアメリカ人男性であるということと同じ意味だと思っています。もちろん、見た目は異なりアメリカという場所においては、人から異質に見られることはなくはないが、だからといって自分は「異質な日本人」であると感じた事もなければ、友人関係やコミュニケーションにおいて問題を抱えたことはありません。だからこそ、見た目は異なってもアメリカにおいて自分はただの男であり、そこに「日本人」、「アメリカ人」といった違いはないと思っています。ーもし何か言い残したことがあればぜひ。アメリカにおいて日本人であるということと異なるのですが、産まれ育ちがアメリカである自分が日本の大学へ進学し引っ越して来たときに、言語をつい最近覚えたにも関わらず、住んだ経験もないのに見た目が日本人だから日本の常識を知っていて当たり前という価値観を押し付けられ怒られた時は非常に理不尽に感じました。そして、もし自分がアメリカで引っ越しなどを経験し、人間関係を0から新しく構築しなければならい状況下に置かれていたら、同じことを経験したかもしれないと感じました。biki【20代前半】Photo by Storm Luuーどれくらいアメリカに住んでいましたか?アメリカのどこですか? 幼少時代から3~4年ごとに日本とアメリカを行き来し、アメリカは合計で13年ほど住んでいました。主に東海岸のニューヨークです。ーアメリカの好きなところはどこですか?アメリカの一番好きなところは、政治的にも社会的にも深く屈折し矛盾だらけな分、それに対して必死に戦っている人が多く存在すること。移民大国として「自由の象徴」と見られがちな一方、白人警官の黒人射殺が頻発したり、世界一の囚人数を抱えていてそれが増える一方だったり、不法移民の自宅拘束や取り締まりがますます厳戒になったり、理想と現実の差がものすごく激しい国であるのも事実です。 でも私はアメリカが好きなわけではなく、自分が一員だったニューヨークのクィア(LGBTQ、性的マイノリティ)のコミュニティが好き、と言った方が正確かもしれません。私の周りのクィアの友達の中には、 特に黒人やラテン系の子達には、非常に貧しい環境に育ち、親にも見放され、幼い頃から自らを養ってきた人がいました。アメリカの社会の根底に人種差別がどれほど深く存在しているか、またそのような苦闘を乗り越えなければならないのに、親や通常の社会の支援システムに頼れないなか、どれほどクィアの友達のコミュニティが支えになるかということも、そんな彼・ 彼女らの日々闘う生き様を見て痛感しました。 ーアメリカの嫌いなところはどこですか?自己表現、つまり自分の強い芯を見つけ、それを社会に表現することが肯定される一方、いわゆるマイノリティの人々がそれを実行しようとすると社会構造によって踏みにじられ、差別され、どん底にまた突き落とされる、というループが存在するのも、アメリカという国の矛盾の大部分を占めていると思います。例えば、今アメリカではトランスジェンダーの女性への関心が高まり、Janet Mock(ジャネット・モック)*2やLaverne Cox(ラバーン・コックス)*3などの国民的人気を誇るスターも出てきている。どのようにしたら彼女らの生き様をリスペクトできるか、という議論が多く交わされています。その反面、トランスジェンダーの人の殺害件数は去年が過去最高を記録。 これはたったの一例で、星の数ほどこのような極端な矛盾がアメリカには混在しています。(*2)トランスジェンダー・アクティビスト、ベストセラー作家。(*3)トランスジェンダー女優。Netflixテレビシリーズの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で一躍有名に。ーアメリカで“日本人”でいていいことは?アメリカで日本人として生きることで一番メリットを感じること…というのは難しいけれど、私がアメリカに長く住んでて一番大事だと思うことは「solidarity」。あまり日本語でぴっ たりする言葉はありませんが、強いていうなら「連帯感」でしょうか。日本にいると、中国人や韓国人、在日外国人の方への差別的な言及が絶えないことに、心からうんざりしてきます。アメリカの、特にニューヨークや他の都市部に行くと、日本人という枠組みがどれだけ狭苦しくて制限のあるものかが実感できるようになったからです。そして、チャイナタウンで必死に生き抜いている中国人に親近感を感じたり、アジア系アメリカ人の友達とアイデンティティーについての会話を重ねるうちに、日本人ではなくアジア人、もしくはアジア系アメリカ人 (Asian-American) としての連帯感が深まるのです。また、有色人種(People of Color)の一員として他のアジア人やラテン系、そしてアフリカ系などの人々と共に人種差別を体験し、日本人という概念が薄まり、他の国の人々との横のつながりへの意識が高まりました。それは同じアジア人への差別も絶えない今の日本に住んでいるだけでは、なかなか身につかない考え方だと思っています。ーアメリカで“日本人”でいるのが嫌なときは?ニューヨークにいると、やはり移民だらけの多種多様な大都市なので、日本人という意識は薄れていく気がしますが、少しでも田舎へドライブしたり、都市を出て、アジア系が少なく白人が多い地域にいくとガラッと雰囲気は変わります。スーパーのレジやレストランなどで「あなたはどこからきたの?」や「まあ、英語が上手ね!」などとアメリカ出身である可能性を最初から否定するような質問をされる機会が一気に増えます。つまりアジア系アメリカ人であるかもしれないのに、出身国を聞かれたり、英語が上手などと言われるのは他国者扱いされるということ。私は国籍は日本人ですが、人生の半分以上をアメリカで過ごし、アジア系アメリカ人と日本人の中間あたりに存在している感覚なので、そういう扱いをされるといつも複雑な気分になります。ーあなたにとってアメリカで“日本人のクィア”でいるとは、どういうことですか?先ほどの質問と重なりますが、アメリカに住むことによって、私が日本人のクィアであること、というよりも、アジア系のクィアであること、及び有色人種のクィアであること(これを Queer Trans People of Colorと指し、略してQTPOCと言います)の連帯・同胞意識が強まりました。私が肌で感じたアメリカのクィアの特徴は、ジェンダーやセクシュアリティだけのアイデンティティーというよりは、生き方全体を示唆するものです。その考え方においては、クィアとして生きるには自分のジェンダーやセクシュアリティの問題だけでなく、人種、階級、障害、 経済システムなどの色々な差別に対して抵抗して生きるという思いが込められています。ですので国籍などの枠組みを超えて、根本的に、人類における差別、という一番醜いものをどうすれば少しでも改善できるのか。そのような大きな課題にコミュニティが一丸となって取り組む姿勢があります。例えばQTPOCの人への暴力が日々絶えないのが現状で、ニューヨークのコミュニティのトランスジェンダーの人が帰り道に何者かに襲われ大怪我などをした場合、SNSを通じてそのニュースがたちまち拡散され、クラウドファンディングで治療費や生活費が何千ドルと集まり、知り合いのつながりで病院から送り迎えをするなどのサポートチームが完全なボランティアで結成されたりします。もちろんこのようなひどい現状が存在するからこそ、なくてはならないコミュニティの支援システムなのですが、私は実際にニューヨークでこのQTPOCコミュニティの自立し徹底したサポートを見受け、「日本人」という枠組みではなくコミュニティベースの連帯感の中で生きていくことの重要性を感じました。bandcamp:へ:溝口香純、岡田佑亮(ジミー) Cover photo by Storm LuuText by Noemi Minami ーBe inspired! この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「日本人男性は生真面目で草食」。自分の性格に関係なく、アメリカで決めつけられてしまう日本人の姿。アメリカで“日本人“として生きることとは。VOL.2 VOL.1に引き続き、今回Be inspired!はアメリカで育った“日本人”*1の若者に「アメリカで“日本人”として生きることとは」について話を伺った。日本では義務教...
2017年07月19日『沈黙-サイレンス-』のマーティン・スコセッシ監督も心酔する“MIZOGUCHI”こと溝口健二、そして溝口監督の弟子である増村保造という、2人の日本を代表する巨匠監督の作品42本を一挙に上映する映画祭「溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち」が、12月23日(祝・金)より開幕。田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子ら日本を代表する女優たちがレトロモダンな衣装で魅せる“女性映画”特集となっている。溝口監督没後60年、増村監督没後30年にあたる2016年を締めくくる記念企画として開催される本映画祭。「変貌する女たち」のサブタイトルのとおり、女性が主人公の作品に特化した上映ラインナップ。文字どおり、伝説の豪華女優たちの主演作が42本も勢ぞろいし、映画祭ポスタービジュアルでも、田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子という日本映画史に名を残す女優たちが競演、華やかで鮮やかな色合いに仕上がっている。世界中の監督たちに“MIZOGUCHI”として敬愛され、スコセッシ監督が4K復元を主導した『雨月物語』の溝口監督は“女性映画の巨匠”とも呼ばれるほど、女性たちの姿を描き続けていた。選ばれた14本の作品では、“世界の溝口”に演出された女優たちがまとう、美しい衣装にも注目だ。京都・祇園を舞台にした『祇園の姉妹』や『祇園囃子』では、若かりし山田五十鈴や若尾文子が華やかな芸者の衣装に身を包み、『お遊さま』では上品な着物姿の田中絹代が谷崎文学の世界観を優雅に体現。今回は、溝口監督による歴史絵巻ともいえる多くの作品も上映され、『近松物語』の香川京子、第28回アカデミー賞衣裳デザイン賞ノミネートを果たした『雨月物語』の京マチ子の妖しく美しい着物姿の「日本の美」にはうっとりとさせられそう。また、世紀の美女を描いた『楊貴妃』ではエキゾチックで絢爛豪華な衣装が楽しめ、遺作となった『赤線地帯』では京マチ子、若尾文子ら名女優たちの美の競演も必見。抜群のスタイルを活かす大胆で派手な娼婦の衣装や、木暮実千代の眼鏡美女が着こなす大胆柄の和装など、艶っぽいレトロモダンな魅力にあふれる。かたや、溝口監督の弟子にしてイタリアに留学経験もある増村監督は、谷崎潤一郎原作の『痴人の愛』など、よりエロティックでアクティブな現代女性もたくさん描き出している。『足にさわった女』の大きな女優帽とプリントミニワンピース、江戸川乱歩の世界を具現化した『盲獣』の真紅のニットワンピースとニットハイソックス、『くちづけ』の清楚なノースリーブワンピース、そして増村監督のミューズであり、いまなお「あやや」と呼ばれ、女子たちにも人気の若尾文子の健康的な魅力が炸裂する『青空娘』では、インディゴ染めのデニム風生地をカットしたノースリーブシャツなど、女優たちが着こなすファッションは必見。まさに年の瀬、正月にもふさわしい贅沢な作品群で、名画の中の女優たちのそれぞれの魅力を堪能しながら、時代性も映し出すファッションも楽しむことができそうだ。「溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち」(計42作品)は12月23日(祝・金)より角川シネマ新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月18日日本映画史にその名を刻む巨匠、溝口健二と増村保造の作品42本を上映する“溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち”が12月23日(金)から東京の角川シネマ新宿などで開催されることが決定した。“溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち”溝口健二は1920年に映画界に入り、1923年に監督デビュー。妥協を許さない徹底した演出、画面構成は日本だけでなく世界の映画作家、批評家、ファンから高い評価を集め、『雨月物語』『祇園の姉妹』『西鶴一代女』など多くの作品が“映画史に残る名作”として語り継がれている。そんな溝口の下で助監督として学び、溝口が遺作を発表した翌年に監督デビューを果たしたのが増村保造だ。増村は、若い頃にイタリアに留学し、そこで得た経験を活かして独自の語り口を確立。若尾文子を主演に迎えた『妻は告白する』『赤い天使』『刺青』など多くの名作を発表したほか、1970年代にはテレビの世界でも活躍した。両監督はそれぞれが独自の美学、演出、思想の下で女性の生き様を描き出しており、今回の映画祭では“変貌する女たち”と銘打って14本の溝口作品、28本の増村作品をスクリーンで上映。田中絹代、京マチ子、若尾文子、香川京子、岸田今日子、安田道代ら銀幕で輝く名女優たちの姿も大きな見どころだ。なお、本映画祭は3作品(『浪華悲歌』『武蔵野夫人』『西鶴一代女』)を除いて、デジタル素材で上映され、『雨月物語』は4K復元版の上映になる。映画祭は、12月23日(金)から東京の角川シネマ新宿で幕をあけ、順次、全国で開催される予定。溝口健二&増村保造映画祭変貌する女たち12月23日(金) 角川シネマ新宿ほか全国順次公開上映作品『浪華悲歌』『祇園の姉妹』『残菊物語』『お遊さま』『武蔵野夫人』『西鶴一代女』『雨月物語』『祇園囃子』『山椒大夫』『噂の女』『近松物語』『楊貴妃』『新・平家物語』『赤線地帯』『くちづけ』『青空娘』『暖流』『巨人と玩具』『最高殊勲夫人』『からっ風野郎』『足にさわった女』『妻は告白する』『爛』『女の一生』『「女の小箱」より夫が見た』『卍』『清作の妻』『刺青』『赤い天使』『妻二人』『痴人の愛』『華岡青洲の妻』『セックス・チェック 第二の性』『積木の箱』『濡れた二人』『盲獣』『千羽鶴』『女体』『でんきくらげ』『しびれくらげ』『遊び』『大地の子守歌』
2016年10月22日