クエンティン・タランティーノが、10作目にして最後の映画になるはずだった『The Movie Critic』のプロジェクトを中止した。Deadline.comが伝えるところによると、タランティーノは撮影開始を遅らせてまで脚本の書き直しをしたが、最後の映画にするのはこれではないと判断したようだ。主演にはブラッド・ピットが決まっており、過去のタランティーノ映画の出演者も加わるはずだったという。タランティーノは、10本作ったら映画の制作をやめると以前から宣言してきた。ただし、その後も別の形でクリエイティブな仕事を続ける可能性があることは示唆している。文=猿渡由紀
2024年04月18日4月2日(火)、歌舞伎座4月公演「四月大歌舞伎」が開幕した。豪華顔合わせにも注目の昼夜二部制でおくる本公演より、オフィシャルレポートが到着した。昼の部の幕開きは、『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』より「引窓(ひきまど)」の名場面。歌舞伎三大名作『菅原伝授手習鑑』『義経千本桜』『仮名手本忠臣蔵』を手掛けた竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作による義太夫狂言の名作で、「引窓」の場面の舞台は中秋の名月を翌日に控えた、京都郊外。南与兵衛(中村梅玉)の家では、亡き父の後妻であるお幸(中村東蔵)と女房お早(中村扇雀)が、放生会(ほうじょうえ/捕らえられた生き物を解き放つ行事)の支度をしている。そこへ相撲取りの濡髪長五郎(尾上松緑)がやってくる。長五郎は訳あって人を殺めてしまい、この世の名残に母であるお幸に会いに来た。久しぶりに実子である長五郎に会ったお幸の無邪気な喜び、そして死ぬ覚悟を打ち明けられない長五郎の苦しみの対照が胸に響く。郷代官に任ぜられ、長五郎を捕らえる命を受けた与兵衛が手水鉢に写るその姿を見て気色ばむところから舞台は一気に緊迫、やがてお幸の気持ちを察して与兵衛は長五郎を見逃すために奔走する。昼の部『双蝶々曲輪日記 引窓』左より)南与兵衛後に南方十次兵衛:中村梅玉、濡髪長五郎:尾上松緑©松竹昼の部『双蝶々曲輪日記 引窓』左より)女房お早:中村扇雀、濡髪長五郎:尾上松緑、母お幸:中村東蔵©松竹昼の部『双蝶々曲輪日記 引窓』左より)濡髪長五郎:尾上松緑、南与兵衛後に南方十次兵衛:中村梅玉©松竹南与兵衛後に南方十次兵衛という役が大好きだという梅玉は「今回は12年ぶりですし、親しいあらし君(松緑)が濡髪役。活きの良い後輩に負けないよう勤めたい」と公演に向けて語る。梅玉は義理の母を思う与兵衛の優しさを丁寧に演じ観客の心を掴み、実子と継子の間に入って苦悩するお幸、夫を愛しながら母の心情を思うお早、そして与兵衛の情けを感じ縄に付こうとする長五郎というそれぞれの想いが繊細に描かれた胸に沁みる一幕となった。続いては、舞踊『七福神(しちふくじん)』。室町時代末期ごろから始まったとされる七福神信仰を素材として作られた数多の作品から、平成30年に歌舞伎座で新たな台本と音楽、振付で上演された本作。この度は、中村歌昇、坂東新悟、中村隼人、中村鷹之資、中村虎之介、尾上右近、中村萬太郎という花形七人がいずれも初役で七福神勤める話題の舞台だ。富士山を背景に、宝船が七福神を乗せてやってくると、天下泰平を喜び、いつまでも平安な世が続くようにと願いながら、神々が酒を楽しんだり、恋の手習いの艶っぽい踊りを見せたりと、賑やかで愛嬌溢れる空気に包まれた。春の陽気に相応しく、花形たちが心躍る舞踊を魅せた。昼の部『七福神』左より)福禄寿:中村虎之介、大黒天:尾上右近、毘沙門:中村隼人、弁財天:坂東新悟、恵比寿:中村歌昇、布袋:中村鷹之資、寿老人:中村萬太郎©松竹昼の部『七福神』左より)大黒天:尾上右近、福禄寿:中村虎之介、布袋:中村鷹之資、毘沙門:中村隼人、恵比寿:中村歌昇、弁財天:坂東新悟、寿老人:中村萬太郎©松竹昼の部『七福神』手前左より)布袋:中村鷹之資、大黒天:尾上右近中左より)福禄寿:中村虎之介、恵比寿:中村歌昇、寿老人:中村萬太郎奥左より)毘沙門:中村隼人、弁財天:坂東新悟©松竹そして、上方狂言の人気作『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』。片岡愛之助が団七九郎兵衛と徳兵衛女房お辰を、尾上菊之助が一寸徳兵衛を勤める。ふたりの競演は昨年6月博多座から引き続き、今年2月に芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した愛之助の受賞理由に『夏祭浪花鑑』の演技も挙げられた。公演に向けた取材会では、団七について「俠気(おとこぎ)に溢れ、一本気な上方の兄ちゃんですね」と話し、「今回も徳兵衛は、博多座でもご一緒させていただいた菊之助さん」と愛之助は喜び、菊之助も「こんなにも早く歌舞伎座で、またご一緒できてとても嬉しいです。徳兵衛は、俠気を見せる団七に惚れて、義兄弟の契りを結ぶ男なので、かっこいい愛之助さんの団七に食らいついて行きます」と話している。息の合ったふたりの競演に期待が膨らむ。昼の部『夏祭浪花鑑』左より)団七九郎兵衛:片岡愛之助、一寸徳兵衛:尾上菊之助©松竹罪人となっていた団七(片岡愛之助)の出牢の日。団七の女房のお梶(中村米吉)と伜の市松(中村秀乃介)は釣船三婦(中村歌六)と住吉社へやって来る。髪や髭が伸び放題の団七が、身なりを整えて浴衣姿で現れると、その爽やかな佇まいが場内を魅了する。団七は、大恩人の息子である玉島磯之丞(中村種之助)とその恋人琴浦(中村莟玉)の危難を救うため、一寸徳兵衛(尾上菊之助)とその女房お辰(片岡愛之助/二役)、釣船三婦らと奔走。立札を用いた団七と徳兵衛の息の合った立廻り、勢いある団七の花道の引っ込み、愛之助が一本気な団七と気風がよく筋の通ったお辰の二役を勤めるなど、みどころ満載。団七が泥にまみれながらの舅義平次(嵐橘三郎)殺しの場は、歌舞伎ならではの様式美で客席を魅了し、息を呑む展開が続くと幕切れには「大当り!」の大向うが掛かる盛り上がりとなった。昼の部『夏祭浪花鑑』左より)団七九郎兵衛:片岡愛之助、伜市松:中村秀乃介、団七女房お梶:中村米吉、一寸徳兵衛:尾上菊之助©松竹昼の部『夏祭浪花鑑』左より)団七九郎兵衛:片岡愛之助、おつぎ:中村歌女之丞、釣船三婦:中村歌六、一寸徳兵衛:尾上菊之助©松竹昼の部『夏祭浪花鑑』より団七九郎兵衛:片岡愛之助©松竹仁左衛門・玉三郎の競演に沸いた夜の部人間国宝・片岡仁左衛門と坂東玉三郎の競演が話題の夜の部。幕開きは、四世鶴屋南北の『於染久松色読販(おせめひさまつうきなのよみうり)』より、土手のお六と鬼門の喜兵衛に焦点を当てた人気作。惚れた男のために悪事を働く“悪婆”と呼ばれる役柄の土手のお六を玉三郎、色気ある悪に満ちた喜兵衛を仁左衛門。昭和46(1971)年に初めてふたりで勤めて以来、上演を重ねてきた当り役で、「玉三郎さんとのコンビがこのときからスタートしたようなもので、思い出深いお芝居です」と仁左衛門は話し、「玉三郎さんのお六との呼吸は、自然に合います。強請りの場では、ちょっと間の抜けているところも見せます。そこが南北さんの芝居作りの巧さでしょう」と語る。夜の部『於染久松色読販』左より)鬼門の喜兵衛:片岡仁左衛門、土手のお六:坂東玉三郎©松竹凄味を見せながらも、ふたりの息の合った強請りの場は観客の心を引き込み、山家屋清兵衛(中村錦之助)に見破られ目論見が外れる件はユーモアある幕切れとなり、観客からは笑いと共に大きな拍手が起こった。夜の部『於染久松色読販』前列左より)鬼門の喜兵衛:片岡仁左衛門、土手のお六:坂東玉三郎後列左より)油屋太郎七:坂東彦三郎、山家屋清兵衛:中村錦之助©松竹続いては、仁左衛門・玉三郎が魅せる舞踊『神田祭(かんだまつり)』。江戸の二大祭のひとつ「神田祭」を題材として、粋でいなせな鳶頭を仁左衛門、艶やかな芸者を玉三郎が勤め、華やかな江戸風情が場内を包んだ。賑やかな祭囃子で幕が開くと、そこは祭り気分に浮き立つ江戸の町。仁左衛門演じるほろ酔い気分の鳶頭が登場し、江戸前のすっきりとした踊りを見せて祭りを盛り上げる。続いて、玉三郎演じる芸者が自らの思いの丈をくどきで表現する場面、そしてふたりが揃って踊る場面では、その美しさに客席も華やぐ。鳶頭が大勢を相手にした立廻りでは、割れんばかりの拍手が送られた。夜の部『神田祭』鳶頭:片岡仁左衛門©松竹夜の部『神田祭』左より)芸者:坂東玉三郎、鳶頭:片岡仁左衛門©松竹夜の部の打ち出しは、舞踊『四季(しき)』。明治・大正時代に活躍した女流歌人の九條武子による本作は、日本の四季折々の風情を美しく描き出し、「春 紙雛」「夏 魂まつり」「秋 砧」「冬 木枯」を通した上演、また歌舞伎座での上演は実に43年ぶりとなる。夜の部『四季<春紙雛>』前列左より)五人囃子:上村吉太朗、尾上菊史郎、中村萬太郎、中村種之助、尾上菊市郎後列左より)女雛:尾上菊之助、男雛:片岡愛之助©松竹夜の部『四季<夏魂まつり>』左より)仲居:中村梅花、若衆:中村橋之助、舞妓:中村児太郎、亭主:中村芝翫、太鼓持:中村歌之助©松竹夜の部『四季<秋砧>』より若き妻:片岡孝太郎©松竹夜の部『四季<冬木枯>』左より)木の葉:中村玉太郎、中村鷹之資、中村莟玉、尾上眞秀、尾上左近、みみずく:尾上松緑、坂東亀蔵、木の葉:坂東亀三郎、大谷廣松、市川男寅、中村福之助©松竹「春 紙雛」では桃の節句に飾られた尾上菊之助の女雛、片岡愛之助の男雛の紙雛の仲睦まじい恋模様が描かれ、「夏 魂まつり」は夏の風物詩である大文字の送り火を舞台に、中村芝翫の若旦那を中心に芝翫の長男・中村橋之助が若衆、三男・中村歌之助が太鼓持、甥・中村児太郎が舞妓を勤めるなど成駒屋一門が情緒豊かに舞う。「秋 砧」は筝の音に乗せて、夫を想う片岡孝太郎勤める若妻の心をしっとりと描き出し、「冬 木枯」では尾上松緑と坂東亀蔵のみみずくが見つめる先で、木枯らしに吹かれ舞う木の葉の動きを群舞で鮮やかに表現。木の葉女を勤める尾上左近を中心に木の葉男の坂東亀三郎・尾上眞秀が軽やかに踊る姿、とんぼやアクロバティックな動きが盛り込まれた振付に拍手が起きた。情緒豊かな日本の四季の変化を描く優美な舞踊に、酔いしれるひとときとなった。見どころ満載の歌舞伎座4月公演「四月大歌舞伎」は4月26日(金)まで、東京・歌舞伎座で上演中。<公演情報>歌舞伎座「四月大歌舞伎」【昼の部】11:00~一、双蝶々曲輪日記二、七福神三、夏祭浪花鑑【夜の部】16:30~一、於染久松色読販二、神田祭三、四季2024年4月2日(火)~26日(金)※休演10日(水)、18日(木)会場:東京・歌舞伎座チケット情報:()公式サイト:(無断転載禁止)
2024年04月08日“タキマキ”ことモデルの滝沢眞規子(45)が、3月29日までにInstagramのストーリーズを更新。次女の写真を公開したが、一部SNSでは“撮影場所”に反響が寄せられている。ストーリーズではポニーテールの髪型に、ロックバンド「Pink Floyd」のバンドTシャツとベージュのパンツを着用した次女の姿を投稿。滝沢は《帰ってきて早々にオシャレ大好き次女さんは私の服でファッションショータイム》《ってか私に似てる》と、コメントを添えていた。いっぽう撮影された場所は、グレーを基調とした広大な空間。溝蓋のグレーチングが写り込んでおり、駐車場のような場所だった。自宅で撮影されたものかどうかは明らかではないが、SNSには驚く声が続々。《これは、、お家のどの部分なんだ?》《タキマキ…これ家なのか…東京メトロ渋谷駅の通路か何かかと思った…さすが俺たちのタキマキ…格が違うぜ……》《私も地下鉄の通路だと思ったえっ!?これ家なの!?広っ!!!》《家‥?グレーチング‥‥‥駐車場とか?庭とか?え?室内じゃないよね‥‥》《来世ではタキマキになりたい》’01年にデザイナーの滝沢伸介氏(57)と結婚し、’03年に長女、’07年に長男を出産した滝沢。翌’08年には次女が誕生し、InstagramやYouTubeでは家族との日常も公開している。「滝沢さんは昨年4月、長男に続いて長女と次女も留学することを報告。子供たちが巣立っていくいっぽうで、昨年は家族と過ごした自宅が築20年を迎えたそうです。滝沢さんは『VERY NaVY』の連載で、《当時若かった私たちにはとても高いお買い物で、ずいぶんなことをしてしまったな……と思ったものです(笑)》と振り返っていました。YouTubeではクローゼットやキッチンだけでなく、リフォームをしたバスルーム、ベッドルームなどスタイリッシュな自宅を公開しています。昨年4月にはInstagramで駐車場も公開しており、今回ストーリーズに投稿した次女のショットとよく似た風景です。もしかすると、駐車場で撮影したのかもしれませんね」(ファッション誌ライター)SNSで反響を呼ぶ豪邸は、家族との思い出が詰まった大切な場所のようだ。
2024年03月30日「シネマ歌舞伎」の3~8月配信ラインアップが決定し、3月11日(月)より歌舞伎版「風の谷のナウシカ」が配信されることが分かった。映画のように気軽に歌舞伎を楽しめる「シネマ歌舞伎」。松竹公式動画配信サービス〈歌舞伎オンデマンド〉にて月に1本ずつ、話題の公演や月イチ歌舞伎(映画館上映)と一緒に楽しめる関連作品の配信を行っている。新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」©松竹株式会社この度2024年度前半のラインアップが発表され、最初の作品は、歌舞伎化で大きな話題になった「風の谷のナウシカ」。2019年、尾上菊之助がナウシカ、中村七之助がクシャナを演じた初演版の映像を、今年公開40周年を迎えるアニメ映画版『風の谷のナウシカ』の公開日にちなんで、3月11日(月)より配信する。「野田版 桜の森の満開の下」©松竹株式会社5月はコクーン歌舞伎第15弾の舞台を撮影した「四谷怪談」、6月は片岡仁左衛門が当たり役・河内屋与兵衛を一世一代で勤めた「女殺油地獄」、7月は中村勘三郎、坂東玉三郎、片岡仁左衛門の豪華共演による「籠釣瓶花街酔醒」、8月は野田秀樹による伝説的な舞台の歌舞伎化作品「野田版 桜の森の満開の下」と、多彩な演目が揃った。「女殺油地獄」(C)篠山紀信2024年3~8月 シネマ歌舞伎配信ラインアップ■期間・作品・3/11(月)~4/30(火)「風の谷のナウシカ」前編・後編(出演:尾上菊之助、中村七之助ほか)・5/1(水)~31(金)「四谷怪談(よつやかいだん)」(出演:中村獅童、中村扇雀ほか)・6/1(土)~30(日)「女殺油地獄(おんなごろしあぶらのじごく)」(出演:片岡仁左衛門ほか)・7/1(月)~31(水)「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」(出演:中村勘三郎、坂東玉三郎ほか)・8/1(木)~31(土)「野田版 桜の森の満開の下」(出演:中村勘九郎ほか)■配信サイト歌舞伎オンデマンド■料金(税込)各1900円(レンタル配信・購入時から7日間何度でも視聴可能)(シネマカフェ編集部)
2024年03月10日3月3日(日) より開幕する「三月大歌舞伎」にて、ポストカードが販売されることが決定した。ポストカードは、歌舞伎座「三月大歌舞伎」で上演される昼の部『菅原伝授手習鑑「寺子屋」』『傾城道成寺』『御浜御殿綱豊卿』、夜の部『伊勢音頭恋寝刃』『喜撰』。絵柄はいずれも、これまでに公開されて注目を集めていた特別ビジュアルが使用される。3月の公演期間中、各演目1枚ずつ5枚1セット1,000円(税込、枚数限定、セット販売のみ)で販売となる。「三月大歌舞伎」ポストカードセット価格:各演目1枚ずつ5枚1セット 1,000円(税込)販売期間:3月歌舞伎座公演期間中(3月3日~26日)販売場所:歌舞伎座地下2階 お土産処「かおみせ」、1階お土産処「木挽町」、歌舞伎座オンラインストア<公演情報>「三月大歌舞伎」3月3日(日)~26日(火)昼の部:11:00~夜の部:16:15~休演日:11日(月)、18日(月)【演目】■昼の部一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)寺子屋二、四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言傾城道成寺(けいせいどうじょうじ)三、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)■夜の部一、通し狂言伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)二、喜撰(きせん)チケット情報:()
2024年03月01日歌舞伎町に昨年オープンしたTHEATER MILANO-Zaにて今年5月、「歌舞伎町大歌舞伎」と銘打っての歌舞伎公演が開催されることになり1月23日、記者懇親会が開催。中村勘九郎、中村七之助、中村虎之介、中村鶴松が出席し、意気込みを語った。THEATER MILANO-Zaの開場1周年を記念して行われる今回の公演。勘九郎は以前、中村獅童がオフシアター歌舞伎として赤堀雅秋の演出で歌舞伎町で上演された『女殺油地獄』に出演したことに触れ「歌舞伎町という、猥雑というか、人間の欲と野望が渦巻く場所が合っているなと思い、いつか新宿で(歌舞伎公演を)やりたいなと思っていました」と語り、歌舞伎町のど真ん中での歌舞伎公演の実現の喜びを口にする。中村勘九郎今回、上演されるのは、虎之介と鶴松が出演し、親の仇である工藤祐経の元へと向かおうとする曽我五郎と、それを引き留めようとする小林朝比奈の妹・舞鶴の“引き合い”を舞で見せる荒事舞踊『正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)』、勘九郎と勘太郎、長三郎の父子競演で、七夕の夜の雷夫婦のケンカの顛末を軽妙洒脱な舞踊で表現する『流星』。さらに、小佐田定雄の脚本で、落語の「貧乏神」を題材にした世話狂言の新作歌舞伎『福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)』も披露される。以前から行なってきたコクーン歌舞伎(Bunkamura シアターコクーン)では、古典に新たな解釈を加えて現代の観客に発信してきたが、今回の「歌舞伎町大歌舞伎」について、勘九郎は「歌舞伎町という特殊な場所で演じるにあたって、僕らのホームである歌舞伎座と演出を変えずに、歌舞伎の本来持つ魅力、歌舞伎の底力をぶつけてみようじゃないかということで、こういうラインアップになりました」と説明する。『福叶神恋噺』に関しては、まだ台本が完成していないとのことだが、落語版の主人公の貧乏神を女性(貧乏神おびん)に変更して七之助が演じ、彼女がとり憑く飲んだくれの大工の辰五郎を虎之介、おびんの先輩の貧乏神すかんぴんを勘九郎が演じる。中村七之助七之助は新作歌舞伎を上演する点について、普段の歌舞伎座などの客層との違い、初めて歌舞伎を観るという観客が多いであろうという点を意識したと明かす。「長屋の喜劇で落語味があふれた作品で、情というよりもおかしみが多いふたりの掛け合いがほとんどなのですが、それを舞台でやるには落語のテンポ感に負けるところがあるので、そこも考慮して、僕が主演でもあるので貧乏神を女性にしました。どう転んでいくのか? オチもすごく落語的で、舞台的にはそのままだと難しいので、(貧乏神を)女性としたのも、これは推測ですが(辰五郎との間に)恋愛感情が生まれるんじゃないかと」と舞台ならではのアレンジを予測する。中村鶴松中村虎之介話題が歌舞伎町にまつわる思い出になると、鶴松は大学時代に友人と一緒に飲みに行った店で「お会計を見たら『20万』とあって……(苦笑)」とぼったくり被害に遭ったことを告白。服を破られながらも逃げ出して「半分裸でタクシーに乗って、それ以来、(歌舞伎町には)近づかないでいました」と明かし、これには勘九郎から苦笑交じりに「『昔と違って浄化されていると思う』と書いといてください(笑)。安心してお越しください!」と報道陣に要望が……。その勘九郎は、友人がオーナーを務めるホストクラブに遊びに行った経験を明かし「男が相手でも(ホストたちが)命がけでちゃんとコールをしてくれて、『これはハマっちゃうかもしれないな』と思いました(笑)」と述懐。この経験を踏まえつつ(?)、今回の公演の宣伝について、中村亀鶴さんから、歌舞伎町近辺で見かけるホスト広告トラックを活用した広告を打ってみてはどうかと提案があったことを明かし、虎之介も「白いスーツを着て(笑)」と乗り気な様子を見せ、写真撮影でもカメラマンからの「ホスト風のポーズで」との要望に一同応えるなど、笑いを誘っていた。取材・文・撮影:黒豆直樹<公演情報>「歌舞伎町大歌舞伎」昼の部:12:00~夜の部:16:00~【演目・出演者】※昼夜同一狂言一、正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)流星(りゅうせい)「正札附根元草摺」曽我五郎時致:中村虎之介小林妹舞鶴:中村鶴松「流星」流星:中村勘九郎牽牛:中村勘太郎織女:中村長三郎二、福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)落語「貧乏神」より小佐田定雄 脚本今井豊 茂 演出貧乏神おびん:中村七之助大工辰五郎:中村虎之介貧乏神すかんぴん:中村勘九郎2024年5月3日(金・祝)~5月26日(日)会場:東京・THEATER MILANO-Zaチケット情報:()松竹公式サイト:公式サイト:
2024年01月25日歌舞伎界の次代を担う若手花形俳優が顔を揃える『新春浅草歌舞伎』の千穐楽公演の第1部・第2部が、生配信されることが決定した。今年は尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人、中村橋之助、中村莟玉ら若手花形俳優陣と、中村歌女之丞、市村橘太郎、中村吉之丞、そして中村歌六が浅草公会堂の舞台を盛り上げる。2015年に主要な出演者が一新され、フレッシュな「浅草」がスタートしてから今年で10年。尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村米吉、中村隼人の7名は本公演で出演が一区切りとなることが発表されている。第1部・第2部をまとめたお得なセット配信に加え、「歌舞伎オンデマンド」生配信では史上初となる歌舞伎デビューにうってつけのイヤホンガイド解説付き配信も実施。副音声での演目同時解説や幕間で出演者の貴重なコメント放送も聴け、初めて歌舞伎を観覧する人にも分かりやすく歌舞伎の魅力をお届けする。アーカイブ配信ではイヤホンガイドなしの舞台映像も配信されるので、解説なしでじっくり見直すことも可能だ。『新春浅草歌舞伎』イヤホンガイド解説付きビジュアル<配信情報>『新春浅草歌舞伎』生配信第1部:1月26日(金) 11:00 生配信(約196分予定)第2部:1月26日(金) 15:00 生配信(約249分予定)※公演の状況によって開始時間が前後する場合がございます。※公演開始15分前頃より視聴ページを開場。公演開始まで待機画面が配信されます。※〈イヤホンガイド解説付き〉は公演開始12分前頃より開演前の解説が放送されます。【視聴料金】(税込)■舞台映像のみ第1部&第2部セット:7,000円+システム利用料220円第1部:3,600円+システム利用料220円第2部:3,600円+システム利用料220円■イヤホンガイド解説付き第1部&第2部セット:8,000円+システム利用料220円第1部:4,300円+システム利用料220円第2部:4,300円+システム利用料220円アーカイブ配信:1月27日(土) 10:00~2月4日(日) 23:59※一度ご購入いただきますと、アーカイブ配信中は何度でもご視聴可能です。【イヤホンガイド解説付き購入者特典】「舞台映像(イヤホンガイド解説なし)」もアーカイブ配信にてセット配信配信期間:1月29日(月) 10:00~2月4日(日) 23:59配信場所:歌舞伎オンデマンド詳細はこちら:
2024年01月16日「正直全部好きだね」と長男絶賛のおでん滝沢眞規子さんは3人のお子さんがそれぞれイギリスに留学中。この冬、一時帰国していた子どもたちの食べたいものを投票制で夕食にしているそうで、「みんなの食べたいものリストに入っているものをこの冬はちょこちょこ作っていきたい」と、普段から家族の要望を食事メニューに反映していることが伺えます。動画では3日間の夕食メニューを動画で紹介。初日は「おでん」で、リビングでくつろいでいるお子さんたちと話しながら準備をしていきます。「1番人気は大根かな?」と滝沢さんが聞くと、長男が「おん!」と返答。娘さんは「しらたき」と答えます。おでんに手羽中を入れるのが滝沢さん流。滝沢さんのお母さんがそうして作っていたそうで、「鶏のお出汁がでて、お肉もおいしく食べられる」と太鼓判を押します。おでんの具は、大根、手羽中、昆布、たまご、餅入り巾着、がんも、厚揚げ、しらたき、はんぺん。茅乃舎の和風出汁をベースに、まずは大根と手羽中、昆布を入れて、煮込んだらしょうゆとみりんを加え、茹でたまご、他の具材を入れていきます。「(おでんの具では)何食べたい?」と滝沢さんがお子さんたちに聞くと、長男は「大根とか、たまごとか。餅巾着いいね、はんぺんとか、がんもどきとか、正直全部好きだね」と、おでんすべてに好印象。こんなふうに思ってもらえると、作り甲斐がありますね。おでんのときは、長芋をすったとろろを白米のお供に。するのが面倒なのでミキサーにかけて時短しますが、ミキサーだとふわふわに仕上がるため、お好み焼きを作るときも長芋をミキサーにかけて生地に混ぜたらふんわりとできておいしかったのだそうです。ホットプレートはシンクで!?2日目の夕食は「サムギョプサル」。ネギと卵のスープも作ります。まずはホットプレートで豚肉とキムチを焼いていきますが、油が飛ぶのが嫌なので、キッチンシンクの中にホットプレートを入れて作業していました。たしかにこれなら、油が飛んでも洗い流すのがラクチンですね。サムギョプサルで巻いていくものに、韓国の人もがりがり食べると聞いて気になっていたという「チョンガクキムチ」と「マッキムチ」を。また、大根を薄く切って甘酢漬けにしておいたもの、韓国食材店で気になって購入したエゴマ葉のキムチも小皿に用意。さっそく食べた長男からも「ん!おいしい!さっぱりしてる」と好評のようでした。3日目の夕食は「トマトすき焼き」。なんでも次女がトマトを大好きなんだそう。トマトすき焼きに入れる具材はトマトとタマネギとニンニク、お肉のみで、普通のすき焼きよりも簡単にできるといいます。「トマトが安いときに作ります。いいのは、お肉がそんなに高級なものじゃなくてもどうにかなるところ」と滝沢さん。コスパも抜群なんですね。鍋にトマトとタマネギを入れたら、ニンニクをパラパラと散らし、すき焼きのタレを入れて、最後にお肉を入れて火が通るまで待ちます。育ち盛りのお子さんたち。「作り置きしても、息子がいると1回で食べちゃうから作り置きにならない」というほど食欲旺盛な長男は、先日、1人で3合のお米を食べたそう。滝沢さんはInstagramに長男のムキムキマッチョな写真もUPし話題ですが、たくさん食べて体を大きくしているようですね。すき焼きは最後にチーズとバジルを入れて完成。「和風と洋風の中間のような味がしてとてもおいしい」と滝沢さん。長男も好きなメニューだそうで「5杯は絶対(食べる)」と箸が進みます。どれも簡単に作れて、お腹も心も満たされそうなメニューの数々。参考に皆さんも作ってみてはいかがでしょう。
2024年01月14日2024年5月3日(金・祝) から26日(日) に東京・THEATER MILANO-Zaで上演される『歌舞伎町大歌舞伎』の追加出演者と演目が発表された。THEATER MILANO-Zaの開業1周年に彩りを添える本公演。中村勘九郎、中村七之助に加え、新たに中村虎之介、中村勘太郎、中村長三郎、中村鶴松の出演が決定した。公演の幕開きは、曽我兄弟の仇討を題材にした作品で、荒事の豪快な趣向と華やかさを併せ持つ長唄の舞踊『正札附根元草摺』。続いて、七夕の夜、牽牛と織女の前に現れた流星が、雷の夫婦と子ども、婆の4人の騒動の様子を踊り分ける軽妙洒脱な舞踊『流星』。そして落語の『貧乏神』を題材に、どこか憎めない貧乏神をはじめ、個性豊かな登場人物たちが織り成す世話狂言の新作歌舞伎『福叶神恋噺』で打ち出しとなる。<公演情報>『歌舞伎町大歌舞伎』2024年5月3日(金・祝) ~26日(日) 東京・THEATER MILANO-Za■一、正札附根元草摺、流星〈正札附根元草摺〉曽我五郎時致:中村虎之介小林妹舞鶴:中村鶴松〈流星〉流星:中村勘九郎牽牛:中村勘太郎織女:中村長三郎■二、福叶神恋噺落語『貧乏神』より脚本:小佐田定雄演出:今井豊茂貧乏神おびん:中村七之助大工辰五郎:中村虎之介貧乏神すかんぴん:中村勘九郎詳細はこちら:
2023年12月21日12月3日(日)、歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」が開幕した。三部からなる公演は、第一部が『旅噂岡崎猫(たびのうわさおかざきのねこ)』と『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』、第二部が『爪王(つめおう)と『俵星玄蕃(たわらぼしげんば)』、第三部が『猩々(しょうじょう)』と『天守物語(てんしゅものがたり)』と、師走を彩る豪華ラインナップとなっている。そんな、歌舞伎の多彩な魅力が詰まった本公演の初日オフィシャルレポートが到着した。第一部の『旅噂岡崎猫』は、化け猫伝説を題材に趣向が凝らされたひと幕。本作のもととなるのは、三代目市川猿之助(二世猿翁)が昭和56(1981)年、エンターテインメント性を取り入れて154年ぶりに復活上演して以来、人気作として上演を重ねてきた『獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』。当月、おさん実は猫の怪を勤める坂東巳之助は、平成28(2016)年の全国巡業公演にて、猫の怪を初役で勤めている。今回は「岡崎無量寺」の場に新たな趣向を取り入れている。岡崎の無量寺にやって来たのは、由井民部之助(中村橋之助)と幼子を連れたお袖(坂東新悟)夫婦。ふたりは、主君の病平癒祈願のための道中でお袖の母親おさんがこの世を去ったことを知る。そんな中、日も暮れたために一夜の宿を求めてここへ辿り着くが、そこにはなんと死んだはずのお袖の母・おさん(坂東巳之助)の姿。無量寺に向かう道中には、民部之助とお袖が客席通路を練り歩く演出もあり、場内を盛り上げる。いかにも怪しげな雰囲気に包まれる空間で、おさんが放つ只者ならぬ異様な佇まいに観客の視線が釘付けとなり、民部之助とお袖の端正な姿が対比として浮かび上がる。死から蘇ったと語るおさんだが、実はその正体は……。次々現れる猫と戯れるなどおさんが人間ならざる仕草を見せたのち、次第に本性を顕す様子は最大の見どころ。江戸時代から伝わる「日本三大怪猫伝」のひとつである「岡崎の猫」の怪奇譚をもとにした趣向に富んだ演出で歌舞伎ならではのケレン味を存分に堪能できる。続く『今昔饗宴千本桜』では古典歌舞伎とNTTの技術を始めとした最新のテクノロジーが融合した“超歌舞伎”が歌舞伎座に初降臨。歌舞伎の名作『義経千本桜』と、バーチャル・シンガー初音ミクの代表曲である「千本桜」の世界観に着想を得て書き下ろされた本作は、超歌舞伎の初演である「ニコニコ超会議2016」で上演された記念碑的な作品で、この度は獅童の次男・小川夏幹が初お目見得することでも話題の舞台。さらに、中村勘九郎と中村七之助が超歌舞伎に初出演。見どころ満載の一幕だ。冒頭では、獅童に続いて、今回更なる進化を遂げた「獅童ツイン」が姿を現し、バイリンガルに獅童の同時通訳を務めて客席からは驚きの声が上がった。物語の幕が開くと、御神木の千本桜のもとで桜の節会が執り行われている。白狐の尊(中村獅童)、朱雀の尊(中村勘九郎)、舞鶴姫(中村七之助)、初音の前(中村蝶紫)らが居並ぶ華やかさ、満開に咲き誇る桜の美しさに目を奪われる。ここへ千本桜を我が物にしようとする青龍が襲い掛かるが、白狐と初音の前の娘・美玖姫はそれぞれ狐と蝶に姿を変えて落ち延びていくのだった……。物語は、それから千年後へ――。美玖姫と青龍の精(澤村國矢)、白狐の生まれ変わりである佐藤四郎兵衛忠信(獅童)と青龍による立廻りの場面は、客席も巻き込むような大迫力。陽櫻丸(小川陽喜)と夏櫻丸(小川夏幹)のふたりが花道から元気いっぱいに登場する場面では、昨年1月に初お目見得して以来の歌舞伎座出演となる陽喜が、溌剌とした台詞で成長ぶりを見せ、夏幹は力強くも可愛らしい名乗りと見得で観客を魅了した。クライマックスでの獅童とミクによる宙乗りでは、客席にペンライトが光り輝き、場内の盛り上がりも最高潮に。桜の花びらが降り注ぎ、熱気溢れる場内を上がっていく中、本舞台には朱雀の尊の勘九郎、舞鶴姫の七之助、陽櫻丸の小川陽喜と夏櫻丸の小川夏幹らがペンライトを手に並び、超歌舞伎ならではの高揚感に包まれた。最後には鳴りやまぬアンコールの声に応えて花道より獅童が登場。歌舞伎座での上演が実現したことについて、「ミクさんファンの皆様、超歌舞伎ファンの皆様がここに導いてくださいました。伝統を守りつつ、革新を追求する!これが中村獅童の生き方、これが超歌舞伎!!」と声を上げ、割れんばかりの拍手と熱狂に包まれる中、幕を閉じた。勇ましい立廻りが胸に響く、講談から生まれた新作歌舞伎『俵星玄蕃』第二部は、鷹と狐の決闘、ダイナミックな舞踊劇『爪王』で幕開き。動物文学の作家・戸川幸夫の感動作を平岩弓枝が脚色した中村屋所縁の舞踊劇。雪が降り積もる角鷹森。「吹雪」と名付けた鷹(中村七之助)を飼う鷹匠(坂東彦三郎)のもとへ庄屋(中村橋之助)がやって来て、村で悪さをする狐の退治を頼む。やがて鷹匠と吹雪は山へ向かい、鋭く牙を剥き出す狐(中村勘九郎)と対峙。勘九郎の狐と七之助の鷹には、細かい仕草の隅々に生命力と闘志が漲り、幻想的な世界が広がる。緊張感漂う決闘の末、狐に破れてしまった鷹は、谷底へと消えていき……。季節が過ぎた頃、吹雪は再び狐と対峙するため、果敢に大空を舞っていく。そしてついに狐を討ち負かす吹雪は、誇らしげに鷹匠のもとへと戻ってくるのだった。ダイナミックな舞踊で表現される狐と鷹の激しい闘い、鷹と人間の絆が胸に染み入る一幕に、大きな拍手が送られた。続いては、この度が初演となる演目、槍の名手・俵星玄蕃と赤穂義士の心の交流を描いた『俵星玄蕃』。人間国宝の講談師・神田松鯉の脚本協力、昨年好評を博した『荒川十太夫』のスタッフにより、新たな舞台が誕生する。時は元禄15年12月13日、槍の名手・俵星玄蕃(尾上松緑)の道場に、玄蕃が贔屓にする夜鳴きそば屋の十助(坂東亀蔵)が訪ねて来る。ふたりで酒を酌み交わすうち、赤穂義士の討入りが噂される吉良邸に用心棒の仕官を誘われていることを話す玄蕃。実は十助は、そば屋に身をやつして吉良邸の動向を探る赤穂義士のひとり、杉野十平次で……。義士たちが素性を隠し、虎視眈々と吉良邸討入りの準備を進めるなかで登場する槍の名手・俵星玄蕃は、講談や浪曲でも有名な人物。玄蕃を慕うも、正体を明かせぬ杉野との交流を織り交ぜながら、討入り前夜から当日までを情感豊かに描く物語だ。筋書のインタビューで「歌舞伎のセオリーに則して、歌舞伎ならではの『俵星玄蕃』をお見せしたいと思います」と語った松緑。槍の名手としての見せ場を勇ましい立廻りで表し、義に生きる玄蕃の姿が胸に響く。歌舞伎座では、尾上松緑主演による「赤穂義士外伝」を2カ月連続上演する。赤穂義士が討入りを果たした当月には討入り前夜と当日を描く本作を初演、そして新年1月には、討入りの後日譚を描き好評を博した『荒川十太夫』を再演。それぞれ義を貫く男の生き様、赤穂義士との交流が胸を打つ、講談から生まれたふたつの物語に期待が高まる。幻想的で詩情豊かな物語で観客を魅了する歌舞伎座初演『天守物語』酒好きの霊獣が舞う、華やかな舞踊『猩々』で幕を開ける第三部。猩々とは古くから中国に伝わる水中に棲む霊獣で、酒を好み、無邪気に舞い戯れる妖精のような存在。酒に酔った猩々が水上での戯れを見せる猩々舞がみどころで、酒好きの霊獣からはあふれる愛嬌と品格が漂う。今回猩々を勤めるのは、尾上松緑と中村勘九郎。壺から酒を酌む仕草や、盃を傾けて嬉しそうに酒を飲む仕草など随所に施される細かい振付が見どころだ。中国・揚子江のほとり。ふたりの猩々(尾上松緑、中村勘九郎)は酒売り(中村種之助)に勧められるままに大好きな酒を飲むと、酒の徳を謳いながら、上機嫌に舞って見せる。やがて、酒売りに酒壺を与えて猩々は打ち寄せる波間に姿を消すが、その酒壺は……。格調高く朗らかな舞台に客席には自然と笑顔が広がった。続いては、この度が初演となる『天守物語』。今年、生誕150年を迎えた泉鏡花の戯曲のなかでも屈指の名作とされる本作は、姫路城(白鷺城)の天守に隠れ住む姫の伝説を題材に、鏡花ならではの幻想的な世界を織り込んだ至上の恋の物語。歌舞伎では、昭和30(1955)年に六世中村歌右衛門の富姫で初演し、近年では坂東玉三郎が昭和52(1977)年に富姫を初演して以来、自身が演出も勤めながら大切に上演を重ねてきた。今回は、中村七之助が富姫を勤め、演出の玉三郎が富姫の妹分・亀姫を初役で勤めることでも話題の物語だ。播磨国姫路にある白鷺城の天守閣。ここは、人間たちが近づくことのない、美しい異界の者たちが暮らす別世界。この世界の主こそ、美しく気高い富姫(中村七之助)だ。そこへ富姫を姉と慕う亀姫(坂東玉三郎)が訪れると、富姫は久しぶりの再会を喜び、土産として白い鷹を与える。玉三郎の亀姫は可憐で可愛らしく、妹分の亀姫を可愛がる七之助の富姫には貫禄ある美貌が漂う。美しいふたりが生首を手に微笑みあう場面は、鏡花ならではの妖しい魅力に満ち溢れます。亀姫に仕える朱の盤坊(中村獅童)、舌長姥(中村勘九郎)なども奇怪な存在として作品の世界観に深みを持たせる。その夜、行方知れずとなった城主播磨守の白鷹を探しにやって来たのは、播磨守に仕える姫川図書之助(中村虎之介)。そこで富姫と図書之助が運命的な出会いを果たし……。美しい異形の世界の住人と、この世の人間とが織りなす幻想的で詩情豊かな物語で観客を魅了した。歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」は2023年12月26日(火)まで、東京・歌舞伎座で上演中。<公演情報>歌舞伎座新開場十周年「十二月大歌舞伎」【第一部】11:00~一、旅噂岡崎猫二、今昔饗宴千本桜【第二部】14:45~一、爪王二、俵星玄蕃【第三部】17:45~一、猩々二、天守物語2023年12月3日(日)~26日(火)※休演11日(月)、19日(火)※貸切(幕見席は営業)第一部:15日(金)、24日(日)会場:東京・歌舞伎座チケット情報:公式サイト:※公演期間終了のため、舞台写真は取り下げました。
2023年12月04日アニメなどでおなじみの「ルパン三世」が歌舞伎になる。タイトルは、盗賊が活躍する“白浪物”から当て字をした『流白浪燦星』。ルパンを演じるのは片岡愛之助だ。愛之助と脚本・演出の戸部和久との対談で見えてきたのは、この新作歌舞伎で古典歌舞伎の魅力をとことん伝えようとしていること。そして、「ルパン三世」がそれにふさわしい題材であること。両者が引き立つ面白い公演になりそうだ。「恐ろしいことをやっているなという思いでいっぱいです(笑)」──『流白浪燦星』でルパン三世を演じられる愛之助さん。その前後に上演される舞台『西遊記』では孫悟空を演じておられますが、誰もが知るキャラクターに続けて挑まれるのはどんなお気持ちですか。愛之助それはもう役者冥利に尽きます。ルパン三世もずっと観てきたキャラクターですし、孫悟空も堺正章さんが演じられたテレビドラマを観て育った世代ですから、恐れ多くて演じてみたいなんて思ったこともなかっただけに、本当にありがたいです。──脚本・演出を手掛けられる戸部さんもいかがでしょうか。よく知られている作品を歌舞伎にすることについては。戸部恐ろしいことをやっているなという思いでいっぱいです(笑)。ただ、「ルパン三世」の原作者であるモンキー・パンチ先生は歌舞伎がお好きだったようで、歌舞伎を題材にした話も登場しますし。もし江戸時代に「ルパン三世」が描かれていたら、盗賊もののひとつとして歌舞伎になっていてもおかしくないくらい、キャラクターの設定や関係性がそのまま歌舞伎の世界にはまるんです。新作歌舞伎『流白浪燦星』チラシ唯一、歌舞伎に落とし込むのに苦労したのがビジュアルの部分でしたが、それも、スチール撮影時の愛之助さんを拝見したら、カッコよくて愛嬌があって見事にルパンになっていて。石川五エ門(尾上松也)、次元大介(市川笑三郎)、峰不二子(市川笑也)、銭形警部(市川中車)など他のキャラクターもキマっていたので、これはイケるなと安心しました。古典歌舞伎の泥棒と現代の泥棒の“夢の顔合わせ”──演じるにあたって愛之助さんが考えておられることがあれば教えてください。愛之助ルパン三世と言えば、やはり、ダンディーでカッコよく、それでいて、不二子ちゃんに一途であったり、抜けているところがあって、お茶目な部分が愛される所以なんだろうなと思います。そして、盗賊ですからダークヒーローであり、悪を持って悪を制すというようなところも気持ちいい。そういった部分を大切にしながらも、歌舞伎の中のルパンとして、今回の脚本を体現できればと思っています。戸部先生とお決まりのセリフは言いたいよねという話をして、「ふ〜じこちゃ〜ん」といったセリフは入れさせていただいています(笑)。──その歌舞伎のルパンたちが活躍する舞台として用意されたのが、天下の大盗賊・石川五右衛門が実在した安土桃山時代の物語。「卑弥呼の金印」という国宝級の秘宝を巡って、ルパン三世と石川五右衛門が激しい戦いを繰り広げることになります。戸部歌舞伎の世界で泥棒と言えば石川五右衛門ですから。この初代五右衛門がいる世界にルパンたちがいたらどうなるのか、ルパンとの顔合わせを見てみたい、そんな思いからこの物語を書き始めました。愛之助夢の顔合わせです(笑)。戸部歌舞伎らしく華やかに描きたかったので、『楼門五三桐』で五右衛門が、南禅寺の山門の上で語る「絶景かな、絶景かな」という有名なセリフがありますが、そこにルパンがいたら…というのも浮かんできました。愛之助普段歌舞伎をご覧になっている方からすると、「待ってました!」と思っていただけるでしょうし、初めて歌舞伎をご覧になられる方には、「すごいな」と驚いてもらえるシーンになると思います。戸部そうやって、初代五右衛門が現代のルパンたちにつながっているという話にできればなと思っていますし、つながることによって、さらに深い関係が、歌舞伎と「ルパン三世」にできればと思うんです。──そもそも、「ルパン三世」を歌舞伎にしようと思われたのはどういうところからだったのでしょうか。戸部正直申しまして、コロナ禍の中、歌舞伎も大変な時代を迎えました。それで、歌舞伎にすることができて、将来は古典作品に発展するような題材はないだろうかと探していたんです。その中で「ルパン三世」であれば、先程も申しましたように、キャラクターの設定や関係性が歌舞伎に当てはめるにあたっての汎用性が高いなと。そしてだからこそ、今回もそうですが、オリジナルで物語を作らせていただけて、いずれ、歌舞伎座でかかる作品の1本になる可能性もあるのではないかと思い、いろいろな方のご理解とご協力を得て、ここまでこれたというところなんです。──昨今は、「ワンピース」「NARUTO」「風の谷のナウシカ」など、漫画を原作とした新作歌舞伎も多くつくられています。その中で今回の取り組みにはどんな思いがおありですか。戸部基本的には古典歌舞伎をつくるつもりでやっているので、また違ったアプローチになるのかなと僕自身は思っています。これまでの新作歌舞伎で、原作の世界にも寄せていけるんだという歌舞伎の懐の深さは示せたと思うんです。だから今度は逆に、古典歌舞伎という世界や演出の中に今現代に生きているものを飲み込んでいくことができれば、さらに歌舞伎の可能性が広がるのかなと。愛之助漫画を再現するのではなく、あくまでも歌舞伎の世界にルパンたちがいたらこうなるのではないかという夢をお客様に観ていただけたらなと思います。そもそも歌舞伎は、主役の人がパッと手を広げたら10人くらいの人が倒されるという、あり得ないことを観て楽しんでいただく夢の世界なので。──では、今回は古典の要素が盛りだくさんなんですね。愛之助全体的にそうなっていると思います。本水(本物の水)を使う場面や、だんまり(暗闇の中で黙ったままお互いを探り合う演出)、義太夫(三味線を伴奏に物語を語る)を使うところもありますから、歌舞伎要素は強いです。それでいて言葉は難しくないので、初めての方でも入りやすく、よくご覧になっている方には、「ここはあの作品のパロディじゃない?」とわかるところが何箇所もあるので、それも楽しんでいただけるのではないかなと思います。戸部音楽で言えば、おっしゃったように古典の演奏も入りますし、アニメの大野雄二先生の音楽を使わせていただけることになり、それを和楽器でアレンジして見せ場で使っていくので。音楽でも楽しんでいただければなと思っています。愛之助僕もちょっと聴かせてもらいましたけど、ワクワクしました。歌舞伎俳優が「なりたい職業ベスト5」に入るように──戸部さんから愛之助さんのルパンにはどんな期待をされていますか。戸部僕としては、「こんな愛之助さんが観たいな」「こんな愛之助さんのルパンが観たいな」と思いついたものを並べていった感じなので、愛之助さんにルパンで楽しく遊んでいただければなと思っています。あとは、新作をおつくりになるときもいつも、時間のことなどいろんな現実的な問題も踏まえ、一座の皆さんのことも気にかけながら、ちゃんとこだわりを持って、お客様のことを一番に考えてゴールに向かっていかれる方なので。心強く思いながら、胸を借りるつもりでいます。愛之助僕は書かれていることをやるだけですから(笑)。本当に、戸部先生はいろんなものをご覧になられていますし、なんと申しましても、戸部銀作さん(演劇評論家、歌舞伎脚本・演出家)の息子さんでいらっしゃいますから、いろいろ教えてもらいながら、相談しながらやっていけたらと思っています。やっぱり芝居はひとりの力ではできませんから、みんなでそれぞれいろんな角度から見て意見を出し合ってつくったほうがいいと思うんです。若い頃は、「あの芝居がしたい」「この役がやりたい」と思うものもありましたが、今はまったくないんです。このメンバーで面白いものができて、お客様に楽しんでいただいて、もう1回観たいな、友だちや家族にも観せたいなと思ってもらえるような作品をつくりたいです。戸部そういう意味では、役者さんたちに楽しんでいただいて、それぞれのいいところが出ることが、お客様に楽しんでいただけることにつながると思うので、演出としては、そこを目指していきたいと思います。──ちなみに今回のメンバーは、どんな方々が揃っていると言えるでしょうか。愛之助狭い歌舞伎界ですが、家によって違いがあって、今回は違う畑で育った人たちが集まっているので、面白いと思います。戸部同じ演目でも家によって扮装が違ったりするので、今回は、スタッフさん同士が情報を交換し合ったりしています。愛之助それでお互いにいいところを取り入れれば、新たなものが生まれるでしょうし、そうやってみんなが提案できる場を僕はつくりたいです。──先程愛之助さんはやりたいものはなくなったとおっしゃっていましたが、歌舞伎をもっとこうしたいというような目標はありますか。戸部さんにもお伺いしたいです。愛之助日本はもちろん、世界にももっと広めたいです。そして、広めることによって、歌舞伎や歌舞伎俳優に憧れてほしい。それこそ、なりたい職業のベスト5に入ってほしいんです。難しいでしょうけど、歌舞伎を、とりわけ古典歌舞伎を残していくには、それくらいにならないと。戸部外国でその国の言葉で歌舞伎がやられるくらい裾野が広がってほしいですよね。外国のミュージカルを日本語でやっているのと同じように。そうして世界中から憧れを持って歌舞伎座に来てもらえるようになったらいいなというのは、ずっと思っているんです。そのためにもまず、日本で裾野を広げ、自力を高めていかなければと。愛之助この『流白浪燦星』がその足がかりとなって、「これが歌舞伎なんだ。じゃあ古典も観てみたいよね」と思っていただけたら、こんな幸せなことはないですね。取材・文:大内弓子撮影:源賀津己<公演情報>新作歌舞伎『流白浪燦星』モンキー・パンチ 原作「ルパン三世」より脚本・演出:戸部和久出演:ルパン三世:片岡愛之助石川五ェ門:尾上松也次元大介:市川笑三郎峰不二子:市川笑也銭形警部:市川中車傾城糸星/伊都之大王:尾上右近長須登美衛門:中村鷹之資牢名主九十三郎:市川寿猿唐句麗屋銀座衛門:市川猿弥真柴久吉:坂東彌十郎2023年12月5日(火)~12月25日(月)会場:東京・新橋演舞場チケット情報:公式サイト:
2023年11月22日映画『窓ぎわのトットちゃん』(12月8日公開)の完成披露舞台挨拶が18日に都内で行われ、黒柳徹子、大野りりあな、滝沢カレン、八鍬新之介監督が登場した。同作は黒柳の自伝的小説で、1981年に出版されると日本累計発行部数800万部を突破、20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2,500万部を突破した世界的ベストセラーのアニメ映画化作。何事にも好奇心旺盛でお話好きな小学1年生のトットちゃん(=黒柳)は、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまい、東京の自由が丘に実在したトモエ学園に転校する。子どもの自主性を重んじる教育を掲げたトモエ学園でのトットちゃんの日々を描いていく。○■滝沢カレン、映画『窓ぎわのトットちゃん』に出演トットちゃんの担任の大石先生を演じた滝沢は「自分がずっと家族で見ていた徹子さんだったので、その人生の中に飛び込ませていただくチャンスをもらえたのが嬉しかったことと、自分の声ひとつによって、徹子さんの流れてきた小学校時代を汚したくないし、自分のせいで何かあったらいやだと思ったので、本当に気をつけようと色々思いました」と、喜びとプレッシャーを振り返る。黒柳については「憧れですし、妖精のような方なので、どうやって自分みたいな人間がこの世界に入れるかなというのは、困ったところでした」と語った。一方黒柳は「滝沢さんは普段からお知り合いですけど、純粋で、それからとっても……何と言ったらいいのかしら、普通あんまりいない女の子のように思います」と表す。黒柳が「ちょっと形容し難いんですけど、こういう純粋でかわいい女の子は少ないと思います。そういう中の一人が滝沢さんです」と言葉を探しながら答えると、滝沢は「うれしいです。お返しします、すべて」と、黒柳自身にもあてはまる内容だと示していた。
2023年11月18日サマースクールで3ヶ国を体験滝沢眞規子さんは20歳長女、16歳長男、15歳次女の三児の母。現在は3人ともイギリスに留学中ですが、このたび次女が一時帰国するため羽田空港まで車を走らせながら、以前から質問が多かったという留学について語った動画をYouTubeチャンネルにUPしました。お子さんたちがしばしば一時帰国することに「なんでそんなによく帰ってこれるの?」と質問されることが多いそうですが、「海外の学校はお休みが多い」と滝沢さん。「夏休み、冬休みだけじゃなくて秋休み、春休み。長めのお休みがちょこちょこあって、夏休みはすごく長いんですけど秋休みも2週間ちょっとあったりして。秋休みの間に、もちろん向こうにいられたら一番いいんですけど、寮を出なくちゃいけないので、基本的にはみんな国に帰る」のだと事情を明かしました。しかし今年の秋休みに帰国したのは次女だけ。長女はアルバイトで忙しく、長男は留学生活も丸2年になり向こうの生活に慣れているため今回は帰国しませんでした。滝沢さんは「留学に行って冬休みまで本人がいたければいいんですけど、(それによって)嫌なイメージを持つのももったいないかなと思って。お友達も結構自分の家に帰る子が多いみたいで、そろそろお家のご飯も食べたいと言ったりするもので、そこは無理せず帰ってきてもいいんじゃないかな」と言い、本人の意志に任せているそうです。留学先をイギリスにした理由が気になる人も多いようですが、滝沢家ではコロナ禍になる前、3年ほどかけてオーストラリアとカナダとイギリスの3ヶ国に行って夏休みを過ごしてみたそう。「その中で息子が1番気に入った国がイギリスだった」と明かしました。それに加えて、イギリスには夫の友達がいたことも重要だったそうです。「コロナ禍での留学だったこともあり、1人も知らない場所よりは、気心知れた人がいて困ったときに助けてくれるような人がいるのが良くて、それでイギリスにしたっていうのもあります」と、滝沢さん。また、サマースクールを体験した結果、お子さんはホームステイより寮のほうが好きそうだと感じたこともあり、ボーディングスクール(全寮制の学校)が盛んなイギリスが良かった……と、複数の条件が重なって、最終的にイギリス留学を決めたのだといいます。滝沢さんは、今となっては3人とも同じ国にして良かったと感じているといい、「向こう(イギリス)で長女が息子に会いに行ってくれたり、下の娘に会いに行ってくれたり。3人で仲良く連絡を取り合ってくれていること自体が親としてはうれしいし、同じ国にいるだけでも寂しさが減っているんじゃないかな」と、留学先で深まる子どもたちの絆に安心感を覚えているよう。「困ったときに次女がお兄ちゃんに連絡して、お兄ちゃんが学校に連絡したこともあった」なんてエピソードも飛び出し、いつの間にか長男が頼りがいのあるお兄ちゃんになっていたり、子どもたちだけでしっかりやっていることも、うれしく感じているそうです。空港で合流した次女に滝沢さんが「帰ってきたかった?」と尋ねると、「うん、ごはん食べたいって感じ。肉じゃがとか」と、お子さんはやはり日本食が恋しかった様子。「うーちゃん(愛犬)も喜ぶよね。尻尾(振り過ぎて)とれるんじゃない(笑)」と久々の会話を弾ませながら家に到着すると案の定、愛犬のうーちゃんは大興奮!尻尾をふりふりしながらお姉ちゃんにまとわりついていました。愛犬と母のごはんでエネルギーもたっぷり充電できそうですね。
2023年11月02日Vaundy(バウンディ)が新曲「ZERO」を配信リリース。Vaundyの新曲「ZERO」Spotifyの新テレビCMソングに2023年10月17日(火)より放送がスタートしたSpotifyの新テレビCM曲として起用されている「ZERO」。本楽曲は11月15日(水)に発売が予定されている新アルバム「replica」にも収録されている楽曲で、一足先にアルバムの世界観が楽しめる。過去には「不可幸力」がCMソングに起用されるなど、SpotifyとゆかりのあるVaundy。今回の新CMでは、「ZERO」がCMソングとして起用されているだけではなく、Vaundy本人がナレーションも務めている。作品情報Vaundy 新曲「ZERO」(Spotify 新テレビCMタイアップソング)配信リリース日:2023年9月29日(金)
2023年10月21日こんにちは、はたらくmuseのりんです。9月4日から砂糖ゼロ・糖類ゼロ(※1)のお菓子・アイスブランド「ZERO」シリーズから新商品が発売されました。その中からパフェアイスの「ZEROパフェ」を購入したので、早速レポートします!■大満足クオリティの「ZEROパフェ」で間食の罪悪感もZEROに夏がようやく終わり、食欲の秋がやってきました。忘年会&年末のイベントも見据えて、間食には気をつけたい今日この頃です。そんな時の救世主、砂糖ゼロ・糖類ゼロのお菓子・アイスブランド「ZERO」シリーズにパフェアイスが登場しました。ダイエット向けのお菓子はたくさんありますが、この「ZERO」シリーズは、「本当に砂糖ゼロ・糖類ゼロなの?」と疑うほど通常のお菓子に引けを取らず、とてもおいしくて気に入っています。以前から、出勤した日はだいたい「ゼロ シュガーフリーチョコレート」を仕事のお供にしています。体型を気にしているとはいえ、仕事中のチョコは我慢できない私にとって、罪悪感がないうえに、普通のチョコと変わらない大満足クオリティのこのチョコは、大変ありがたい存在です(笑)。新発売のパフェアイス「ZEROパフェ」は、バニラとチョコレートの2種を楽しめます。さらにアイスの上にはパリパリ食感のチョコもあり贅沢です!一番下の層には全粒粉入りのビスケットも敷かれていました。気になるカロリーは172㎉!ボリューム感もあり「ZERO」シリーズファンの期待を裏切らない、大満足のアイスパフェでした。体型を気にしている方や、健康を意識している方でも罪悪感なく甘い物が楽しめるのでおすすめです。アイスパフェの他にも、アイスケーキやキャンディ、ケーキ等バリエーションも豊富に展開されています。皆さんもぜひ、カロリーをセーブしたい日に上手く活用してみてください。(※1)糖類は糖質の一部です。本品は糖質を含みます。■商品概要「ZEROパフェ」価格:226円
2023年10月06日歌舞伎を観るならまずはコレ。尾上右近さんおすすめの古典歌舞伎10演目をご紹介します。【連獅子(れんじし)】歌舞伎といえば毛振り!勇壮な姿に釘付け。文殊菩薩の霊山。獅子頭を手にした狂言師の右近と左近が現れ、親獅子が我が子を谷底に突き落として這い上がってきた子だけを育てるという、獅子の子落とし伝説を厳かに舞い始める。舞い終えたふたりが胡蝶に誘われ場を去ると、現れたのは法華宗の僧と浄土宗の僧。旅の道連れとなるが、互いの宗派を知った途端、言い争いに。そのとき一陣の風が吹き、親子の獅子の精が現れる。毛振りを見ると清々しい気持ちになります。歌舞伎のジャンルのひとつとして、踊りで物語を表現してゆくのが舞踊。「基本的に舞踊は、始まって終わるまでに物語が完結するうえ音楽劇的な要素もあり、誰にでも観やすいジャンルだと思います。その中でも『連獅子』は、多くの人が歌舞伎と聞いてイメージする“毛振り”があり、華やかさや迫力も含め、観て面白い演目だと思います。獅子はもともと能に端を発していますが、それが毛を振るというのは歌舞伎にしかない演出。あの毛を振る間の歌舞伎俳優の心境というのは、ど派手なパフォーマンスを見せてやろうというのではなく、心静かに経を唱えているような感覚。僕は、あれこそ歌舞伎の自己犠牲の美学が一番凝縮した姿だと感じます。そこに子に試練を与える親獅子の厳しさが重なりますし、親獅子に食らいついていく子獅子の姿には、生や芸を受け継ぐことの重みを感じる。でも、そこに不思議な命の高揚感があり、だからこそご覧になる方々は清々しい気持ちになるのではと思っています。また同じ『連獅子』でも演じる方によって全然違うので、見比べるのも面白いと思います」(尾上右近さん)【春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)】踊るうち徐々に興に乗ってゆく娘の変化に注目。江戸城の大広間。正月の祝いの余興にと奥づとめの弥生が殿様に舞を所望された。最初は恥ずかしがって逃げるが、お局らに引き戻されてしまう。ようやく観念すると、さまざまな舞を次々と披露する。徐々に舞が興に乗るなか、弥生が手にしたのは獅子頭。いつしか獅子頭が弥生を翻弄し始め、姿を消した彼女に代わり、獅子の精が姿を現す。僕にとって絶対外せない特別な演目です!右近さんが幼いときに観て、歌舞伎に魅了されるきっかけとなったのがこの演目。「これがあるから自分は歌舞伎をやっていると言っても過言ではないので、これを挙げないと自分としては納得できない」と言うほど特別なもの。「弥生は、最初はお殿様に所望されて仕方なく踊り始めますが、殿様に見られているという高揚感も手伝って、徐々に興に乗って踊りに気持ちが集中していきます。この弥生の見られている高揚感と緊張というのは、演じている役者の心境とぴったりリンクしますし、ひとりで30分の大曲を踊り切るわけで、役者にとって孤独な闘いでもあり、それだけ覚悟のいる演目でもあります。歌舞伎の舞踊の中ではストーリー性が薄いこともありエンターテインメント性より芸術性が強いかもしれませんが、歌舞伎の芸術としての側面を味わうには最適なはず。初めてご覧になるなら、ぜひ僕が挑戦するときに観てほしいです。絶対後悔させませんので」【京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)】美しい女性が釣り鐘を前に大蛇に豹変。恋に狂った清姫が大蛇となり僧を鐘ごと焼き殺した伝説が残る道成寺で、鐘供養が行われることに。そこに鐘を供養させてほしいと訪ねてきたのは美しい白拍子(男装の舞妓)。女人禁制ながら、修行僧たちは舞の披露を条件に寺へ招き入れる。さまざまな舞を披露するが、次第に白拍子の様子が変わり鐘に登ったかと思うと蛇の正体を見せるのだった。細部にまで日本の美が詰まっている総合芸術です。「1時間近くをひとりで踊り通すわけで、役者にとっては『鏡獅子』同様、心境的には自分との闘いのような演目ではあるんです。ただ、華やかで美しい衣装に鬘があって、大道具があって、役者がいて、音楽があって、小道具もすべてキラキラしていて、細部まですべてに日本の美が詰まっていて、それらが互いに引き立て合って、観る者を作品の世界に引き込んでくれる。役者ひとりの力で魅せる芸術ではなく、歌舞伎が総合芸術であることを実感してもらえる演目だと思います」赤の振り袖に烏帽子をかぶっての、能を取り入れた静かで厳かな舞から始まり、引き抜きという手法で一瞬にして浅葱色の衣装に替わったり、小道具も次々と持ち替えて、さまざまな踊りを見せていく。「視覚的にも聴覚的にも起伏がたくさんあって、観る人を飽きさせないようにと考えて作られていますし、この作品の時代背景や設定などを知らなくても楽しめる演目だと思います」【弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ) 白浪五人男(しらなみごにんおとこ)】美しい娘だと油断するなかれ。その正体に驚き。呉服問屋・浜松屋を、従者を連れた美しい娘が訪れる。品物を選ぶ最中に娘が万引。それを番頭が見咎めるが、その品は他で買ったものと判明。無実の罪を着せられたと従者の男が店に法外な金を要求。仕方なく金を渡すが、じつは娘は男で、すべてがゆすりの芝居だった。娘は開き直ると着物を脱ぎ刺青を見せ、盗賊の弁天小僧菊之助と名乗るのだった。女形の楽屋裏での姿を想像してもらえれば(笑)。「ヤンチャ小僧って、周りは手を焼きながらも、かわいいなって思ったりしますよね。弁天小僧は、まさにそのかわいさとかっこよさが共存した存在。しかも女性の格好をしているときは本当に綺麗だから、その後の展開を知らずに観た人は、男がやっているのに女形って本当に綺麗だなと感じると思うんです。それが後で服を脱ぎだし裸になっちゃうのだから、驚きますよね(笑)。弁天小僧が男に戻る場面は、女形の役者が楽屋に戻った状態と同じなわけで、女形の裏で見せる素の顔というかバックステージを見ているような感覚も楽しんでいただけるはず。男が女性を演じる女形という存在をうまく利用した話だと思います」正体がバレた弁天小僧菊之助が、開き直って自分の素性を明かす場面での「知らざぁ言って聞かせやしょう」は、歌舞伎屈指の名ゼリフ。「難しい知識は必要なく、これが名ゼリフといわれているんだ、と思って楽しんでいただければと思います」【夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)】蒸し暑い夏の夜、はずみで起きた哀しい惨劇。武士の玉島兵太夫に大恩のある魚売りの団七は、兵太夫の息子・磯之丞の恋人で遊女の琴浦が男たちに絡まれているのを助ける。老侠客の三婦の家に匿われた琴浦だったが、団七の使いを騙る団七の義父・義平次が彼女を連れ去ってしまう。それを知り義平次を追いかけ琴浦を取り返した団七だったが、揉み合ううちに義平次を斬ってしまう。芝居の随所から夏の暑さを感じる作品です。劇中の主人公・団七のセリフに、「悪い人でも舅は親」というものがあるが、どんなにはずみで犯した過失であっても親殺しは世の大罪。「あってはいけないことではあるけれど、団七の、一度走り出したら止まれない男の性みたいな部分は多くの方に共感していただけるのではないかと思います。義理と忠義を立てようと奔走する団七を邪魔する舅がいなくなり、ほっとする気持ちと同時に、本人が望まない結果となった団七をかわいそうにも思う。いろんな感情が湧き上がる作品です。団七は多少無理でも男を立てることを優先しようとするけれど、義父の義平次は、泥水をすすってでも必死に生きるのが男だという、ふたりの価値観の違いも面白いですよね。また、夏の暑さだとか、遠くから聞こえてくる祭り囃子だとか、季節を感じる描写が芝居の随所にあり、湿度と汗でベタベタするような夏の夜の空気感を体感してもらえるところも面白い作品だと思います」【東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)】みるみるうちに面相が醜く変わり恐ろしい姿に。色男の民谷伊右衛門は、産後の肥立ちが悪く、ことあるごとに主君の仇討ちを迫る妻の岩を疎ましく感じていた。その矢先、隣家の金持ちの伊藤家から孫娘との縁談を持ちかけられ、承諾した伊右衛門の元に伊藤家から毒薬が届く。血の巡りの薬と騙され飲んだ岩の顔はたちまち醜く変わり、非業の死を遂げる。その後、伊右衛門は岩の亡霊に悩まされ…。江戸時代生まれのホラーは怖いけどすごく哀れ。「江戸時代にもホラーというジャンルは存在して、当時から少しでも涼しく感じたいということで、夏に上演され喜ばれてきたジャンル。ゾクッとする怖さを楽しむ人がいるのは、今とまったく同じです。この物語の中心人物であるお岩様は、信じていた夫に騙されて殺されて、本当にかわいそうな女性です。夫の伊右衛門に薬と偽られ毒薬を飲んでしまい、髪をすく間にどんどん髪が抜けていく描写などは、怖いけどすごく哀れ。そのぶん恨みも深いのか、お化けになって登場するお岩様は本当に怖いので、ホラー好きな人なら喜んでいただけるのではないでしょうか」また、伊右衛門はお岩を死に至らせたばかりでなく、内職の手伝いに雇った小仏小平も殺害。そのふたりの幽霊が同時に現れる場面では、一人の役者が二役を一瞬で演じ分ける早替わりの演出も。「舞台の上に幽霊を登場させる演出の面白さもあれば、仇討ちのエピソードなどもあり、見どころの多い作品です」【め組の喧嘩(めぐみのけんか)】火消しと力士の意地の張り合い。喧嘩は迫力満点!品川宿、隣り合わせた座敷で飲んでいた力士たちと鳶の面々が、ひょんなことから小競り合いに。そこに割って入ったのは町火消しの「め組」の鳶頭・辰五郎。場は収まるが、鳶は武士に召し抱えられた力士より格下だと言い放たれる。面子を汚された辰五郎は仕返しを決意。妻と子に別れを告げ、彼を慕う鳶たちを率い、真剣勝負の場に乗り込んでいく。江戸の華といわれる“喧嘩”を堪能できます。「火消しと力士それぞれが自分たちの主張を曲げず、意地の張り合いから、それぞれのプライドをかけての命懸けの喧嘩に発展していきます。火事と喧嘩は江戸の華といいますが、それを嫌というほど堪能できる演目。これぞまさに“江戸っ子”というものが随所に描かれているので、そこを楽しんでもらえると思います」描かれるのは、ひたすら喧嘩の場面だが、「大人が本気で喧嘩している姿って、はたから見ていると面白いんですよね」とも。「力士たちへの意趣返しをしようと決意した鳶たちが勢揃いする場面がありますが、その迫力は本当に圧巻のひと言。鳶頭の辰五郎を筆頭に、手桶の柄杓でおのおの水盃をして威勢よく駆け出していく姿は無条件にかっこよく、観ていて気分が高揚すること間違いなし。出てきすぎじゃないの?と思うくらいたくさんの鳶がそこに登場するのも面白く、お祭り騒ぎ感も満載。わかりやすく見応えのある作品です」【義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館(かわつらほうげんやかた)】親への恋しさゆえ武将に化けた子狐の情愛に涙。兄・源頼朝に謀反を疑われた源義経は川連法眼の屋敷に匿われていた。そこに家来・佐藤忠信が訪ねてくるが、そのすぐ後、静御前を伴い忠信が来たとの知らせが入る。義経の命により忠信の真偽を確かめようとした静の前に正体を現したのは狐。鼓にされた父狐と母狐への恋しさゆえ、鼓を持つ静の供をしていたという。憐れんだ義経は狐に鼓を与える。あっと驚くようなアクロバット的演出も。『義経千本桜』は、兄・源頼朝から謀反を疑われ追われる身となった源義経の物語を背景に、戦によって思わぬ境遇となった人々を主人公にした、複数の物語で構成される壮大な作品。「タイトルロールでありながら、どのお話も主人公は義経ではなくその周りに生きる人々。なかでもこの場面は、狐が主人公で、その狐が人間の姿に化けて言葉をしゃべるというところが面白いです。しかも描かれているのは狐ではあれど親子愛で、どの時代もどの人にも伝わるテーマ。また義太夫という、ナレーションを兼ねた音楽に乗った音楽劇的な要素もあれば、“ケレン”と呼ばれるあっと驚くようなアクロバット的な演出もあり、見どころが多い演目。物語のラストは、狐の視点で大団円を迎えるので観ていて爽快感がありますしね。また、物語の時代背景や前後のエピソードを知らずとも、このお話単体で楽しめるので、初めて歌舞伎をご覧になる方にはぴったりだと思います」【俊寛(しゅんかん)】孤島に残された俊寛の深い悲しみが胸に迫る。平清盛打倒の謀略で孤島に流された俊寛僧都、藤原成経、平康頼。侘しい島暮らしの中、成経は海女・千鳥を妻に迎えた。そんなおり島に赦免船が。喜ぶ彼らだったが、使者の瀬尾は千鳥の乗船を拒む。当惑する中、瀬尾から妻が清盛に殺されたと聞いた俊寛は絶望。瀬尾を討ち、その罪で島に残る代わりに千鳥を船に乗せるよう懇願。俊寛は、ひとり島から涙で船を見送る。徐々に遠ざかっていく船を見送る俊寛に注目です。「舞台の真ん中に大きな岩があって、浜辺があって、海が見えて、そこに突然大きな船がやってくる…。あえてリアルを追求せず、デフォルメされた大胆な構図のセットで歌舞伎をやるということに、驚く人もいるのではないでしょうか。終盤、どんどん潮が満ちていく中、ひとり岩の上に取り残された俊寛が、仲間が乗る船を見送るシーンがあります。このとき船は舞台上に出すことなく、俊寛を演じる役者の目線を通して、徐々に遠ざかっていく船の姿を想像させる演出になっています。セットと役者、そしてそれを観る観客の想像力を借りることで、孤島にひとり残された老人がこれから直面する現実の悲しさを強烈に印象づける、極めて演劇的な作品だと思います」それゆえ、俊寛を演じる俳優によって、作品の印象がガラッと変わってくるのも面白いところ。「この作品に限ったことではないですが、さまざまな俳優で比べて観られるのも歌舞伎の面白さです」【実盛物語(さねもりものがたり)】どんでん返しに次ぐどんでん返しで飽きさせない。平家全盛の世。平家の武将・実盛と瀬尾は源氏方の木曽義賢の妻が産む子の詮議に訪れる。そこに運ばれてきたのは源氏のシンボル・白旗を握る女の片腕。それは源氏方の娘・小万の腕で、元源氏方の実盛が平家に白旗が渡るのを恐れ切り落としたもの。小万の子・太郎吉が母に悪態をつく瀬尾に刃を向けると瀬尾は自らを討たせ、小万はかつて己が捨てた娘だと告白する。「そんなわけあるか!」と心の中でツッコんで(笑)。「物語の舞台が源平合戦の時代であったりするので、フォーマルな堅い演目のように感じるかもしれませんが、描かれているのは登場人物たちの心の話。ここに登場する武士たちは、みんなが庶民と何ら変わらないことを思っていて、我々と何ら変わらない行動を取るので、親近感を持ってカジュアルな気持ちで楽しんでいただける演目だと思います。また、切り落とした片腕を死体に繋いだら、死んだ人が息を吹き返すという馬鹿馬鹿しい展開もあるので、『そんなわけあるか!』と心の中でツッコみながら楽しんでいただければと思います(笑)。そしてもうひとつの見どころは、最後に出てくる馬。中に人が入っているんですが、結構大きく迫力があるので本物かと驚く方もいるはず。しかもちゃんと芝居をする馬で、尻尾を揺らしたりブルッと震えたりする仕草は結構リアル。その馬に実盛が乗りますが、高さも乗り心地もまるで本物みたいなので注目していただければ」おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也イラスト・momo構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日3歳のときに曽祖父で名優の六代目尾上菊五郎の踊る『春興鏡獅子(しゅんきょうかがみじし)』を映像で観て歌舞伎の虜になり、歌舞伎俳優の道を歩み始めた尾上右近さん。その右近さんの考える歌舞伎の魅力とは、「なんでもない所作に拍手が起こる現象があるところ」。結局は、歌舞伎がすごいっていう結論になるんです「手ぬぐいをすっと取る動きだけで、深い感動を呼ぶっていうことが歌舞伎では本当にあるんです。それがなぜできるかといったら、“芸”があるからなんですね。先輩の中には何も動かずそこにいるだけで感動を呼ぶ方もいらっしゃいますけれど、基本的には芸で魅せるものだと思っています」その芸とは、何百年と続く歴史の中で“型”として構築されたもの。「新作歌舞伎と違い、古典は自分以外にも同じ役をやっている人がたくさんいます。もっと言えば、過去にその型を作った人がいて、それがいろんな人の手により継承されてきた歴史がある。だからどんなに僕が褒めていただいても自分の力だと思えなくて、結局、歌舞伎がすごいんだって結論になる。でもそれが古典の面白さだとも言えるんですよね」しかし古典も、昔の型をただ踏襲してきただけではない、とも。「六代目菊五郎の話ですが、かつては数百人の劇場でやっていたものが1000を超えるキャパに変わってきたとき、それまでの蛍を目で追う振りが後ろの観客には伝わらなくなったそう。どうしたらいいかを考えていたときに、目の不自由な人が、目の代わりに指先で見ると話していたのがヒントになって、蛍を指で追う振りを思いついたんだとか。そうやって時代を超えるために変わるものもあれば、変わってはいけないと意地になっている部分もあって、今の古典歌舞伎があるんですよね」その時代時代に歌舞伎役者がいて、彼らの肉体や精神を通して伝承してきたところに価値がある。「松本白鸚のお兄さんのところに教わりに伺ったとき、お兄さんが僕くらいの頃、年上の先輩に芸を教わりに行かれた思い出話をたくさんしてくださったんですよね。そのとき十七代目中村勘三郎さんの芸がいかにすごかったか話しながら当時を思い出して感動して泣かれるんです。僕はそのお兄さんの姿に感動でした。十七代目の芸を間近で見た感動を伝承する。これこそが継承で、その感動もひっくるめて古典になっていくんだなと思いました」歌舞伎1603年頃に京都・鴨川の四条河原で、出雲の阿国が始めたかぶき踊りが始まり。“かぶき”とは“傾(かぶ)く”が語源といわれ、風変わりな派手な服装で、これまでにない斬新な踊りを踊ったことから付いた名称といわれる。かぶき踊りは庶民の間で一世を風靡したが、風紀の乱れを助長するとして幕府より禁止令が下った。その後、男性による野郎歌舞伎が誕生。元禄時代、人気役者と実力派作家の台頭とともに娯楽として発展した。おのえ・うこん1992年5月28日生まれ、東京都出身。清元節宗家の家に生まれながら、7歳から歌舞伎の舞台に立ち、名子役として評判に。2005年に二代目尾上右近を襲名。現在は、歌舞伎の舞台のほか、ドラマや映画、バラエティ、現代劇やミュージカルなど幅広く活躍。’15年からは自主公演『研の會』を主催し、数々の大役に挑戦。11月には歌舞伎座への出演も決まっている。※『anan』2023年10月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・三島和也(Tatanca)ヘア&メイク・西岡達也構成、取材、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年10月01日「『zero』における櫻井さんの起用には、反対意見が局内で高まっています。“将来は日テレの報道の顔に”とまで言われていたのですが……」(日本テレビ関係者)故・ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害問題をめぐり、逆風にさらされている櫻井翔(41)。9月7日のジャニーズ事務所の会見後、櫻井は『news zero』(日本テレビ系)で有働由美子(54)のインタビューに、「数カ月にわたる自分にとって長い緊張が続く話だった」と答えていた。「有働さんの質問に言葉が詰まる場面もあり、櫻井さんは非常に動揺していました。インタビュー終了後も、有働さんが声をかけられないほどでした」(番組関係者)日テレは櫻井の起用について、14日の会見では「基本的には編成方針の変更の予定はありません」としていた。しかし、その本心はというと……。「性加害のあった事務所に属しているタレントを起用し続けることは、報道番組の姿勢を問われます。ジャニーズの今後の対応次第では、来年3月いっぱいで櫻井さんの『zero』降板も視野に入れています」(前出・日テレ関係者)しかし、’06年の番組開始から出演し続けているのは櫻井ただ一人。「日テレにとって櫻井さんは功労者でもあるのです。そのため“降板”という形はとらず、『zero』の番組名なども一新し、“卒業”として櫻井さんの起用をやめる案も出ています」(前出・日テレ関係者)相葉雅紀(40)もまた、苦境にあえいでいた。芸能関係者は言う。「7日の会見でジャニーズ事務所が喜多川氏の性加害を認めて謝罪をした直後、真っ先にCM契約を“更新せず”と発表したのは相葉さんが出演する保険会社でした」嵐にとって大切な番組も、この秋で打ち切りとなる。「9月28日の放送をもって、相葉さんが出演する『VS魂』(フジテレビ系)が終了します。約13年間続いた嵐の冠番組『VS嵐』の放送枠を引き継いだ番組だったため、“『VS魂』は嵐が帰る場所”と思っていたファンも少なくありません。いわば嵐の“絆の象徴”だったのです。最終回のロケの後には、貸別荘で打ち上げもあったと聞いていますが、大切な番組の終了に、相葉さんは忸怩たる思いを抱いていたのではないでしょうか」(前出・芸能関係者)とはいえ、一筋の光明も残されている。「ジャニーズの起用を見送る企業が相次ぐなか、相葉さんが出演する注文住宅ブランドの新CMは予定どおり放送されることに。また、『VS魂』の後番組は“嵐色”はなくなりますが、引き続き相葉さんがMCを務めます」(前出・芸能関係者)11月にはデビュー25年目に突入するが、これまでにない試練に見舞われる嵐。命運やいかにーー。
2023年09月27日「私寂しいんだけど、どうしよう」三児の母である滝沢眞規子さん。動画では、次女の留学準備のために親子で買い物をする様子をアップ。無印良品やドン・キホーテなどに向かい、シーツやスリッパなどの日用品、留学先で食べる日本食、ルームメイトへのおみやげのサンリオグッズといったさまざまなアイテムを購入していました。道中、次女に「(留学先で)心配なことって何?」と聞いた滝沢さん。「勉強とか」と答える次女に対して、「『ママがいなくて大丈夫かな』とかそういうことじゃなくて?」と問いかけましたが、次女は「それは大丈夫」とあっさり。親の心子知らずとはよく行ったものですよね。それでも滝沢さんは自身の寂しさを共有したいのか、次女に「泣いちゃう?」と聞きます。しかし次女は「全然」「感情的にはならない人なので」といたってクールです。滝沢さんが「泣いていいんだから!」と言っても「すぐ帰ってくるじゃん」と返されてしまいました。その後も滝沢さんは「えーん、(留学まであと)8日しかないの?」「私寂しいんだけど、どうしよう」と寂しさを抑えきれない様子。一方で次女も留学までに、滝沢さんが作った「カレーとかシチューとかオムライス」が食べたいと言っていました。言葉にしないまでも、次女なりに家族と離れる寂しさを感じているのかもしれません。実は滝沢さんの子どもは、3人ともそれぞれ留学中。先日のInstagram投稿 で、息子が留学先に「こっそり写真たてのうしろに手紙を隠して出発」したと明かし、手紙に「親への感謝ともっと逞しくなってきます」といった内容が綴られていたと報告しています。そんな息子の様子に滝沢さんは「寂しいけど行かせてよかったな」と感じたそうです。留学先に向かう次女を家族で見送りに行った際の写真も投稿 していましたが、やはり次女は「#涙も見せずに元気に出発」したそう。次女が留学するにあたり、滝沢さんが寂しさでいっぱいだった一方で、夫の滝沢伸介さんも「一抹の不安をかくせないご様子」で、「抱きしめしつこくて軽くうざがられるw」ほどだったとか。「しばらく2人になってしまうのでうーちゃん(滝沢さんの愛犬)を心の支えとし、子どもに心配をかけぬよう仲良くやっていこうとおもいます」とも綴っており、子どもたちが不在の夫婦+愛犬の生活が始まったようです。
2023年09月10日現代の視点を取り入れ、歌舞伎上演の新たな可能性を発信してきた「木ノ下歌舞伎」の代表作のひとつ『勧進帳』が東京芸術劇場にて上演される。歌舞伎の名作を大胆に再構築した本作について、監修・補綴を務める木ノ下裕一に話を聞いた。木ノ下は自らの創作を「古典をかきわけ、その先で見つけたものに“現代”を感じる瞬間があるんです。かきわけた地面の底に鏡が貼ってあって、そこに自分の顔が映し出されるような感覚です」と説明する。「勧進帳」で言えば、義経に対する弁慶の“忠義”、そして彼らの正体を見破りながら、騙されたふりをして見逃す関守・富樫の“情”を描いた物語として語られがちだが、木ノ下が着目したのはそこではない。原作を掘り起こす中で見出したのは、様々な形で現れる“境界(ボーダー)”の存在だった。「原作の長唄に『今またここに越えかぬる人目の関』という詞章があるんです。かつて、人目を忍んで恋をした弁慶が、いま再び世間の目を避けながら関所を越えようとしているという意味ですけど、確かにこの作品、いろんな“関”が出てくるんですね。義経らが越えようとする“国境”という意味での関所はもちろん、義経と弁慶の主従の間にも絶対に越えられない一線があるし、富樫と義経らの間にも敵味方という境界線がある。これをテーマに“境界(ボーダー)の物語”として新たな『勧進帳』が描けるんじゃないかと思ったんです」この“境界線”の存在もまた現代社会の中で時間と共に変容する。2010年の初演、2016年の再創造を経て、2018年にも再演された『勧進帳』だが、社会の変化と共に常にアップデートされていく。「2016年、18年の頃はまだ“分断”という言葉が新しかったですよね。『分断を生む』という言葉によって分断が顕在化し、認識されるような感じでした。でも2023年のいま、分断が存在することは当たり前で、それをどうすべきか? ということを考えなくてはいけない中で解釈や演出も確実に変わります。例えば入管や移民の問題は、いま『勧進帳』を上演するならば、しっかりと勉強した上で押さえていかなくてはいけない問題だと思っています」演出を務めるのは杉原邦生。「僕が思う杉原さんのうまさは、エンタメ性と批評性のバランスの良さだと思います。相反するものとされがちだけど、本当に素晴らしいエンタテインメントは批評性も高いし、批評性が高い作品はエンタメをまぶしてないと面白くない。せめぎあいの中でその両立ができるのが杉原さんの特徴」と全幅の信頼を寄せる。2023年を生きる我々の心をどのように揺さぶってくれるのか? 完成を楽しみに待ちたい。取材・文:黒豆直樹
2023年08月21日江戸時代から令和にいたるまで、日本の伝統芸能として人気を誇る歌舞伎。演じる歌舞伎俳優たちはその高い演技力や存在感で、歌舞伎だけでなく映画やドラマでも脚光を浴びている。しかし、女性問題などのスキャンダルで注目を集めることも少なくない。最近では、市川猿之助(47)の心中騒動も話題になるなど、風当たりが強くなりつつある。そんな令和の歌舞伎界で、今誰が評価され、嫌われているのかを400人へのアンケートで調査した。今回は「好きな歌舞伎役者」の結果を公表する。まず3位に選ばれたのは、市川團十郎(45)。昨年コロナ禍で延期となっていた團十郎襲名披露興行を東京・歌舞伎座で行い、歌舞伎界屈指の大名跡を継承した。これからの歌舞伎界を背負って立つ存在として、古典はもちろん『プペル歌舞伎』など新たな演目にも積極的に挑戦している。また、’17年6月に妻・小林麻央さん(享年34)が亡くなってからは、男手ひとつで長女・ぼたん(11)と長男・新之助(10)を育て、SNSでは仲睦まじい様子もたびたびアップしている。歌舞伎役者と父親を両立している團十郎の姿に好意的な声が多く寄せられた。《子育てしながら歌舞伎に頑張っているから》《良くない噂もありますが、奥様を亡くされて、二人のお子さんを育てていらっしゃる素晴らしい方だと思います》《芸を演ずるのが、上手く私の好み》2位に選ばれたのは、尾上松也(38)。歌舞伎に加えて、昨年のNHK大河『鎌倉殿の13人』や9月には映画版も上映されるドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)など数々の話題作にも出演し、バラエティ番組にも登場するなどマルチな才能を見せている。そんな多方面での活躍ぶりを評価する声は多く、テレビ番組での明るいキャラクターと歌舞伎に取り組む真剣さに良いギャップを感じるという人も少なくないようだ。《バラエティ番組でユーモアたっぷりな様子を見て親しみを持ち、歌舞伎の芸事にとりくむ真剣な様子とのギャップが魅力に思うため》《俳優さんとして昔何かに出ていて演技も上手だし、バラエティで見てても面白い方だから》《軽そうにみえるけど、仕事に対して真面目に取り組んでいるから》《特に不祥事もなく、ドラマなど多方面で活躍しているから》そんな2人を抑えて、見事1位に選ばれたのは、市川中車こと香川照之(57)。昨年には女性ホステスへの性加害が報じられたことで、CM契約、テレビのレギュラー番組などをほぼ全て失う形となり、俳優としての露出は激減。しかし、歌舞伎役者としては昨年12月の團十郎襲名披露興行で舞台復帰を果たしている。40代後半で歌舞伎界入りしたため、梨園での影響力はあまり大きくなかった中車だが、澤瀉屋のトップである猿之助が心中騒動を起こしたことで、同門再建のキーマンに。七月大歌舞伎では猿之助の代役で宙乗りも披露するなど、奮闘している。自身の騒動前から俳優として絶大な知名度と人気を誇り、現在は歌舞伎役者として奮起する中車の好感度は今も高いようだ。そんな中車へのエールが多く見られた。《演技がダントツで上手く、出てると見入ってしまう魅力があるから》《不遇な子供時代を送ったのに、一生懸命に努力している》《途中から歌舞伎の世界に入っているので頑張って欲しいから》【好きな歌舞伎役者ランキング】1位:香川照之(市川中車)2位:尾上松也3位:十三代目 市川團十郎4位:十代目松本幸四郎5位:二代目中村獅童6位:六代目片岡愛之助7位:六代目中村勘九郎8位:五代目坂東玉三郎9位:二代目松本 白鸚10位:中村隼人調査対象:20代以上の男女400人調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)
2023年08月12日元ジャニーズ事務所副社長の滝沢秀明氏が設立した事務所「TOBE」に所属する7人組グループ・IMP.(アイエムピー)が、8月18日にシングル「CRUISIN’」(クルージン)で世界同時配信デビューすることが11日、発表された。IMP.(アイエムピー)は、佐藤新、基俊介、鈴木大河、影山拓也、松井奏、横原悠毅、椿泰我からなる7人組の男性グループ。5月25日をもってジャニーズ事務所を退所したIMPACTorsの7人で、7月14日にTOBEとともに新しいエンターテイメントの形に挑戦することを発表。同時にファンクラブを開設。7月14日のYouTube生配信では、同時接続45万人越え、Twitter国内トレンド1位、2位独占した。IMP.がTOBEと世界に届ける音楽の第1弾となるデジタルデビューシングル「CRUISIN’」が、8月18日に世界同時配信されることが決定。8月11日19時には「CRUISIN’」のティザー映像を公開される。同楽曲の作詞は岡田マリア、作曲はAvin/Slay/Chase/Rocoberryが担当した。(C)TOBE Co., Ltd.
2023年08月11日夫が「お店できるレベルでやばい」と絶賛!家族のために作ったお弁当をSNSで公開しており、料理上手で知られる滝沢眞規子さん。YouTubeで「お弁当・夜ご飯に便利な作り置きおかず」のレシピを公開しています。この日の夕食は、海外出張から帰宅する夫のために和食中心のメニュー。夕食のおかずと、作り置きを一緒に調理していきます。メニューは「トマトのピクルス」「トマト肉じゃが」「春雨サラダ」「こんにゃくとちくわのきんぴら」「鶏肉の梅干し煮」で、作り置き用として「ひき肉炒め」も作ります。まずは、プチトマト(ピクルス用)と普通のトマト(トマト肉じゃが用)のヘタをとり、切れ目を入れておきます。お湯でさっと湯がいて湯むきしたら、プチトマトをタッパーに入れ、「富士ピクル酢」をかけて冷蔵庫で冷やしておけばトマトのピクルスの完成です。普通のトマトはあとで使うので、湯むきだけしておきましょう。続いて「春雨サラダ」。もやしをレンジで加熱して、冷めたら絞って水気を切っておきます。もやし、ゆがいた春雨、千切りにしたきゅうり、千切りにしたハム、酢大さじ6、醤油お酢より少なめ、ごま油適量、中華だし「味一番」少々で和えて、最後に香菜とごまを散らして完成!「ひき肉炒め」は、玉ねぎとしいたけをみじん切りにし、豚ひき肉と一緒に塩胡椒と酒で炒めるだけ。時間があるときに作っておけば、はんぺんフライの具材にしたり、オムレツの具にしたりして活用できるといいます。「こんにゃくとちくわのきんぴら」は、糸こんにゃくの水分を飛ばすために先に炒め、唐辛子ひとつまみ、砂糖小さじ1.5、醤油適量、みりん適量、千切りにしたちくわ、ごま油を加えてさらに炒め、最後にごまを振ってできあがり。「トマト肉じゃが」は、豚肉を厚手のお鍋で炒め、大きめにカットしたじゃがいもと玉ねぎも追加。ニンニク2片、砂糖適量、醤油適量、お酒適量で味付けし、最後にトマトを入れて、蓋をして煮込んで完成。「鶏肉の梅干し煮」は、手羽元10本を湯通ししてから、水適量、酒適量、砂糖大さじ2、梅干し5個、生姜とニンニク一片ずつ、醤油大さじ2で煮込めばできあがりです。滝沢さんが作った和食メニューを食べた夫は「お店できるレベルでやばい」と絶賛。材料を切って煮込むだけのレシピも多いので、ご家庭でもマネしやすいですね。
2023年08月06日端正な容貌が今改めて話題を呼んでいるマシンガンズの滝沢秀一さんが、本人たっての希望による“びしょびしょ”撮影に挑戦。ツヤめく瞳と唇で、色気&ビジュ大爆発!滝沢秀一さん×びしょびしょメイクお客さんが冷めないように、ずっとイキイキしていたい。今年5月に開催された漫才賞レース『THE SECOND』で準優勝を果たし、シャープなルックスがSNSで大バズり。46歳にして時の人となったマシンガンズの滝沢秀一さんは、本誌でびしょびしょになるのが夢だったという。「山田涼介くんがananでびしょびしょになった写真を新聞で見て、美しさに衝撃を受けたんです。俺もこうなりたいと思って、切り抜いて壁に貼りましたよ。今日は夢が叶って最高。奥さんがBTS好きだから韓国風メイクにも興味があるし、あらゆるメイクを試してみたい。超絶前向きでしょ?」外見への注目をポジティブに楽しんでおり、#自撮りおじさんのタグでセルフィーもマメに投稿。「ある日突然みんながカッコいいって言ってくれるようになったから、じゃあ頑張ろうかなって。みんなのおかげでどんどん綺麗になってる(笑)。でも、オジサン化するのは嫌だなって気持ちは前からあったんですよ。お客さんは若手のネタが見たいだろうから、外見がくたびれてるとそれだけで冷めちゃう気がして。無理に若作りする必要はないけど、ずっとイキイキしていたいとは思いますね」年齢とともに現れるシミや髪のクセ、薄くなる眉に対応すべく、シミ取りやストレートパーマ、眉サロンを導入。美は一夜にしてならず、を自ら証明した滝沢さん。「美容代はそれなりだけど、積み立てつつご褒美的にやってます。次は腹筋。今日の撮影で早急に鍛えねばって思ったよね(笑)」Makeup PointA左下を目頭と目尻のキワに塗り、目尻のみ右下を重ねて深みを出す。ヴァティックアイパレット 09¥6,820(セルヴォーク TEL:03・5774・5565)Bアイホールと下まぶた全体にのせて、濡れたようなツヤを演出。ザ アイシャドウ プリズム Dance in the Air¥2,530 8/4発売(アディクション ビューティ TEL:0120・586・683)C落ち着いたトーンのベージュリップで、熟れた果実のようにマチュアな口元に。カネボウ N‐ルージュ 117¥4,400 8/4発売(カネボウインターナショナルDiv. TEL:0120・518・520)Shuichi’s Beauty Rules1、グルテンフリー&ヨーグルトで腸活を実践。「ゴミ清掃の仕事もしてるので、コロナの時期に抵抗力を高めるために腸活を始めたんですよ。ほぼグルテンフリーな食事にしたら、乾燥肌が改善しましたね。ヨーグルトは1日1Lちかく食ってたんだけど、摂りすぎだったみたいで豆乳ヨーグルトに替えました」2、日焼け止めは浴びるように塗る!「夏場のゴミ清掃は日焼け予防が必須。顔が真っ白になるくらい日焼け止めを塗った上にタオルをかぶって、農家スタイルで作業してますね。日焼け止めはSPF50がいいかな~と思っていて、定番のアリィーと手軽に塗り直せるサンカットのスプレーを愛用中です」3、歯に投資したことでコンプレックスが解消。「銀歯や神経が死んだ歯があった頃は、ホワイトニングしても効果がなくて。本を出して少しお金が入った時に、前歯をラミネートにして銀歯も白いのに替えたんだよね。そのおかげで自信がついたから、借金してでも早くやっておけばよかったって思いますね」たきざわ・しゅういち1976年9月14日生まれ、東京都出身。’98年に相方の西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。ゴミ清掃員でもあり、著書に『このゴミは収集できません』(角川文庫)など。ネックレス、長¥25,300短¥26,400ブレスレット¥27,500(以上マリハ TEL:03・6459・2572)※『anan』2023年8月2日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・鹿野巧真ヘア&メイク・伏屋陽子(ESPER)取材、文・真島絵麻里
2023年08月01日ひとりランチが贅沢な時間に この投稿をInstagramで見る 滝沢眞規子(@makikotakizawa)がシェアした投稿 三児の母であり料理上手で知られる滝沢眞規子さん。YouTubeで、平日にひとりで昼食をとるときに作るという「韓国風ビビン麺」のレシピを公開してくれました。ちなみに普段のひとりランチは、納豆ご飯で済ませることが多いそうです。そんなの親近感が湧いてしまうじゃないですか……!滝沢さん流「韓国風ビビン麺」の材料は、そうめん適量、キムチ適量、卵1個、きゅうり半分、ニンニク2片、ごま大さじ1.5、コチュジャン大さじ1弱、お酢適量、白だし適量、韓国のり適量です。まずはゆで卵を作るためのお湯を沸かし、9分間ゆでます。半熟よりはやや硬めですね。きゅうりは千切りにし、ニンニクは薄切りにしてごま油で素揚げ。このひと手間でおいしさがアップするのだそう!続いてキムチを刻んでボールに入れ、コチュジャン、お酢、白だし、すり鉢で擦ったごまを投入。はじめからすりごまを使ってもOKですが、ごまを擦ると香りがグッと引き立って、より美味しくなります。これもまた、ひとりランチを楽しむポイントかもしれません。キムチと調味料を和えたボールに、ゆでて水でしめたそうめんを入れて混ぜます。お皿に盛り付けたらきゅうり、半分にカットしたゆで卵、素揚げしたニンニク、韓国のりをトッピングして完成です。ひとりでご飯を食べるときはつい簡単なもので済ませたくなりますが、時間に余裕があるときにはひと手間加えたおいしいメニューを作って食べると、お腹だけじゃなく心も満たされますよね。
2023年07月31日歌舞伎座新開場十周年『八月納涼歌舞伎』3部それぞれの特別ポスターが公開された。第一部『裸道中』『大江山酒呑童子』のポスターは、どこか憎めない愛嬌をもつ勝五郎と、喧嘩をしつつも夫への愛情が滲む女房のみきの姿をとらえた『裸道中』と、盃を重ねて心地よく踊る童と本性を現した荒々しい鬼神の姿が印象的な『大江山酒呑童子』の世界が凝縮された1枚。第二部『新門辰五郎』『団子売』は、江戸町火消しのシンボルでもある纏と並ぶ松本幸四郎演じる新門辰五郎と、明るく軽やかな風俗舞踊『団子売』に出演する坂東巳之助演じる杵造、中村児太郎演じるお福が映し出されている。そして第三部『新・水滸伝』には、役人たちの不正による国の乱れに憤り、腐った体制に反旗を翻し縦横無尽に暴れまわる梁山泊に集結した豪傑たちが登場。熱く燃え上がる魂を表すかのような朱色の世界に、個性豊かな登場人物が鮮やかに浮かび上がっている。これらの特別ポスターは、歌舞伎座ほかにて順次掲出予定。なお『八月納涼歌舞伎』は、8月5日(土) から27日(日) まで歌舞伎座で上演される。<公演情報>歌舞伎座新開場十周年『八月納涼歌舞伎』8月5日(土) ~27日(日) 歌舞伎座歌舞伎座新開場十周年『八月納涼歌舞伎』ビジュアル詳細はこちら:
2023年07月27日イタリア製の上質なレザー小物が高い評価を得ている L’arcobaleno(ラルコバレーノ)はファッションモデルの滝沢眞規子と2度目となるコラボレーションアイテムを発売します。Courtesy of L’arcobaleno2022年7月に発売された初コラボレーションアイテムは、即完売を記録。待望の再コラボレーションアイテムはラルコバレーノオンラインショップにて、7月25日より先行販売をスタート、その後ラルコバレーノ清澄白河店及び伊勢丹新宿店 本館 1 階 雑貨/イセタンシードにて 7月26日より展開します。第一弾で販売されたコラボレーションアイテムは、L’arcobaleno の定番コレクションをもとに、滝沢さんのこだわりと高いセンスを活かした配色、素材使いで作成されましたが、第二弾では自身で商品を一からデザインしたいという思いから、今までの L’arcobaleno には展開のない 2 つの新モデルと第一弾で即完売した iPhone ケースの 3 型を展開します。Courtesy of L’arcobaleno「第一弾で販売した iPhone ケース、ミニウォレット、キーケースをご購入いただいた方にもさらに楽しんでいただけるように、おそろいの色で、肩掛けできるお財布付きのスマホケースと、そこに装着できるミニマムなメイク道具も持ち歩けるようなポーチが作りたかったんです。」と滝沢さん。肩掛けで使用するショルダーポシェットは、スマートフォン、紙幣、硬貨、カードすべてが一つにまとめることができ、封筒型の収納ケースを前面に配置。どのようなシーンや服装でも似合うデザインに仕上げることを意識したそう。コンパクトなマルチポーチは、納得がいくまで何度もの試作を行い、ショルダーポシェットに引っ掛けて使用できるアイテムを完成させました。リップなどの小型コスメはもちろん、スマートキーやカード、駐車券など、常に持ち歩きたい小物を収納するにも役立ちます。「今回のコラボレーションでは、販売する 3 つのモデルの統一感と、セット使いしたくなる点にこだわりました。スマホを入れたショルダーポシェットにマルチポーチを装着すれば、ワンマイルだけでなくちょっとしたお出かけもできます。ありそうでなかった、を形にできたのではないかなと思います。」とコメントしています。Courtesy of L’arcobalenoL’arcobaleno の丁寧なモノづくりを語るうえで欠かせない「コバ」部分は、滝沢さんがこだわりぬくホワイトカラーを踏襲。通常はすべてをブラックカラーで仕上げるコバですが、第一弾で柔らかな雰囲気と爽やかさを表現することができたことと、第一弾アイテムとの親和性を持たせたいということから、第二弾も白コバにこだわりました。Courtesy of L’arcobaleno前回のコラボレーション同様、今回のコラボレーションでも、滝沢さんが「好きな色」としてあげているネイビーとグレーの2色を、L’arcobaleno が使用しているレザータンナーの「アルラン社」から別注。第一弾ではアルラン社のエナメルレザーを使用し、L’arcobaleno の定番素材であるゴートレザーとのミックスを展開しましたが、第二弾では「よりシンプルでシックに」という滝沢さんの希望のもと、ゴートレザーのみを使用し、洗練された仕上がりが実現しました。第二弾でも、ネイビーには「MIDNIGHT(ミッドナイト)」、グレーには「ASPHALT(アスファル)」という滝沢さんが自ら命名したカラー名をつけ、販売します。【展開アイテム】バックカバーiPhone ケース(ミッドナイト、アスファルトの2色展開) 各2万900円(税込)ウォレット内蔵ショルダーマルチポシェット(ミッドナイト、アスファルトの2色展開)各3万8,500円(税込)マルチポーチ(ミッドナイト、アスファルトの2色展開)各1万6,500円(税込)【展開スタート日】7/25(火)18:00~ ラルコバレーノオンラインショップ7/26(水)10:00~ 伊勢丹新宿店 本館 1 階 雑貨/イセタンシード※伊勢丹新宿店ではバックカバーiPhone ケース以外のアイテムの販売となります※イベントの内容は、都合により変更または中止となる場合がございます。予めご了承ください。7/26(水)11:00~ ラルコバレーノ清澄白河店【ラルコバレーノ×滝沢眞規子さんコラボレーション商品サイト】【ラルコバレーノオフィシャルインスタグラム】’arcobaleno とはL’arcobaleno は 2008 年に誕生したイタリア製レザー小物ブランド。すべての製品にフランス・アルラン社の上質なゴートレザーを使用。100%オールレザー100%メイドインイタリーにこだわり、イタリア国内の熟練した革職人による高度な技術で丁寧に作り上げています。イタリア語で虹を意味する“L’arcobaleno”という名前は、ブランドを語るうえで欠かせない鮮やかな発色をイメージさせるとともに、「虹の架け橋のようにラルコバレーノのアイテムが世界に届くように」という願いが込められています。
2023年07月22日メイクコーナーの引き出しには大量のデパコス! この投稿をInstagramで見る 滝沢眞規子(@makikotakizawa)がシェアした投稿 滝沢眞規子さんは昨年、築20年となる自宅の配管が壊れたために大規模修繕を決行。リフォームしたばかりでピッカピカの洗面スペースや洗濯スペースの収納のコツや便利グッズを動画で紹介しています。ラグジュアリーホテルのような洗面スペースには、洗面台があるコーナーの他に、三面鏡や拡大鏡が使えるメイクコーナーがあります。引き出しには滝沢さんや娘さんの基礎化粧品がぎっしり。ちなみにスキンケアは「ゲラン」をメインに使っているそうです。下段はストック用で、パックやカラーコンタクトがこれまた大量に入っています。浅めの引き出しには「アンプリチュード」や「ボビーブラウン」、「ルナソル」のアイシャドウなど、パレット型のコスメが。その量の多さは、思わずスタッフが「目、二つですよね……?」と聞いてしまうほど。こちらの引き出しはリフォーム時に「アイシャドウパレットが2〜3個重ねて入るイメージ」で設計したそうです。リフォームや家づくりの際には、収納のサイズだけでなく、中身まで具体的に決めておくと、収納場所に迷うこともなくキレイな状態を保てるのかもしれません。さらにリップ類がメインの引き出しもあります。リップ類は細々としていることもあり、ニトリの仕切りケースを使っているものの、あえて隙間を残すような入れ方に。きちっと入れないことで、引き出しの奥にあるアイテムも取りやすくなるそうです。洗面スペースの置き時計やケースなどの小物類は、シックなデザインと色合いで統一しています。なお、バスマットは床になじむデザインや色を選ぶとまとまりが出るそうです。普段から美顔器や電動歯ブラシなど、充電や電源が必要なアイテムをたくさん使うため、洗面スペースの至るところにUSBタップがついています。スチーマーやヘアアイロンは、引き出し内にあるコードを挿した状態で、そのまま取り出して使えるという便利な仕様です。洗濯スペースは、掃除グッズやシャンプー類のストックなどをすべて同じ大きさの収納ケースに入れることで見た目がスッキリ。基本的には乾燥機を使っているものの、乾燥機を使いたくないものは軽量タイプの折りたたみ式室内物干しを使い、隣接している日当たりの良いスペースで部屋干ししているといいます。滝沢さんに倣って、アイテムの色合いや収納のサイズを統一するだけでもかなりスッキリして見えそうですね。
2023年07月19日6月27日、歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者(47)が母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕された。歌舞伎界のスター俳優に関する衝撃的な報道に波紋が広がっている。5月18日発売の「女性セブン」で、弟子や俳優へのハラスメント疑惑が報じられた猿之助容疑者。すると同日、東京・目黒区の自宅で猿之助容疑者と両親が倒れているのをマネージャーが発見。119番通報したものの両親は死亡した。司法解剖の結果、両親の死因は向精神薬を服用したことによる中毒死とみられ、ひとり生き残った猿之助容疑者は警視庁に「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」と説明していた。そして6月27日、猿之助容疑者は逮捕されることとなった。猿之助容疑者は警視庁の調べに対して「両親が自殺する手助けをしたことに間違いありません」と容疑を認めており、さらに動機について「週刊誌報道をきっかけとして家族会議が行われて、みんなでさよならすることにした」という趣旨の供述をしているという。猿之助容疑者は歌舞伎界きってのスター俳優の一人であるだけでなく、ドラマでも大活躍。’20年の『半沢直樹』(TBS系)を筆頭に、’22年には大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK総合)や『最初はパー』(テレビ朝日系)に出演。さらにバラエティ番組にも登場し、そのキャラクターが親しまれていた。「同じく歌舞伎界に縁のある俳優・香川照之さん(57)が’22年8月、性加害報道で大幅に露出が減りました。そのためテレビの視聴者にとって、猿之助さんは最も距離の近い歌舞伎役者でもありました」(芸能関係者)そんな人気者の猿之助容疑者が、両親とともに命を絶とうとした、そしてその母の自殺を猿之助が手助けしたーー。ネット上では、衝撃的な事実に絶句する人々が。《猿之助さん、なんでこんな事しちゃったんだろう。ほんとうに残念でならない》《反省をして出直すことだってできた筈》《死して詫びなきゃいけないなんて…。そんなつまらないプライドが邪魔しちゃったのかな?悪い点を認めて裸一貫でやりなおせばいいのに。本当に残念》
2023年06月28日歌舞伎界のプリンスと呼ばれ、古典歌舞伎はもちろん『ワンピース歌舞伎』、そして今年7月に控える「新作歌舞伎『刀剣乱舞』」などでも主要な役を任され、ドラマ、映画、ミュージカルと多彩に活躍している尾上右近。彼が2015年から続けている自主公演『研の會』が今年も上演される。右近が未経験の名作に積極的に挑戦する場だが、第七回である今回は、任侠に生きる浪花の男たちの濃厚な人間ドラマが見どころの『夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)』と、女形舞踊の最高峰『京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)』。「自主公演でなければこんな大変なことはできない充実した内容。自分で決めておいて途方に暮れている」というほどの大作2作に挑む右近に話を聞いた。歌舞伎を通じて愛を学ぼうとしている――自主公演『研の會』も七回目。もともとどんな思いで始めたものなのでしょう。10代、20代の頃はなかなか主役をやらせてもらうことなどなく、自分からその機会を作らねばという思いがありました。それを叶えるには自分で公演をプロデュースするしかない、と始めたのがこの『研の會』。「僕を見て!」という思いがスタートですね。今は『刀剣乱舞』といった新作や、歌舞伎座などでも中心的な存在で舞台に立たせてもらうことが増えてきたので、体感的には少しずつ、振り向いてもらってきている感覚がありまして……。――「僕を見て」というのはお客さまにではなく“歌舞伎という憧れの存在”に僕に気付いてほしいという意味なんですね!そうです、そうです。歌舞伎に振り向いてもらいたくて始めました。もちろん歌舞伎を愛する皆さまにも僕を見てもらいたい、こんなに歌舞伎を好きなんだと知ってほしいという思いもありますが、何よりも僕は10代の頃からずっと歌舞伎に片思いしているんです。――では歌舞伎から振り向いてもらっている今は、何か別の目標が?いや、例えば恋愛にたとえると、ずっと恋していた相手が僕に気付いてくれて「もしかしたら向こうも僕のことを思ってくれているのかも……?」と思ったところで、相手へのアピールを止める男なんて嫌でしょ(笑)? あなたの愛情はそれまでのものね、って相手を失望させちゃう。なので引き続きアピールは続けていきたい。言ってみれば、恋から愛に移行している段階。僕は歌舞伎を通じて愛を学ぼうとしている……(笑)。――(笑)。今のフレーズ、見出しにしていいですか。してください、してください(笑)。もうね、愛って本当に海と同じで、広くて深く澄んでいるものだから、溺れないようにしないと……。――止まりませんね(笑)。右近さん、言語センスとサービス精神が素晴らしいですよね。僕ね、退屈が一番嫌いだし「面白くない」が一番の罪だと思っているフシがあるんですよ。喋ることも表現のひとつだと思いますから。――インタビュアーとしては助かる限りです!歩けなくなるまで“出し切る”のが理想――右近さんの近年のご活躍ぶりから、長年の歌舞伎ファン以外にも、歌舞伎を観始めたばかりのお客さまもご覧になるかと思います。改めて今回の演目である二作について教えてください。まず『夏祭浪花鑑』は。『夏祭』は市井の話ですが、ある意味武家社会にも似た、義理や人情といった“自分の命よりも大切なもの”がある社会の中に生きる団七という懸命な男が主人公。そこに義理のお父さんが悪役として絡み、物語が生まれる。「舅殺し」と呼ばれますが、ふとした過ちから親を殺める、単純に言えば「事故が事件になっちゃう」話。でも実は上演しない場面も含めるととても長くスケールの大きなお芝居で、お家騒動なども絡み、忠義など昔の日本人の美学がふんだんにつめこまれています。様式美、決め台詞、立ち回りの絵面としての美しさが堪能できる。何よりも人殺しをし、夏祭りの喧騒の中に消えていく男に拍手喝采が起こるというのは「そんなことあるかい」と思いつつ、歌舞伎ならではの臨場感を楽しんでいただけると思います。現代美術家・横尾忠則氏に直談判したという特別版ポスター――『道成寺』はいわゆる道成寺伝説を基にした歌舞伎舞踊。こちらも話の筋は単純で、男に逃げられた女の執念の物語、とひと言で説明できます。男への恨みで、女が蛇になる。その蛇の怨霊が踊り子に化け、道成寺という寺に現れてお坊さんの前で踊りを披露するのを、お客さまが目撃しているという形で見せる舞踊演目。女形の美しさの要素がふんだんに織り込まれ、ひとりの女性がずっと踊っている中で初恋のような初々しさから強い恋心、それが恨みに変わるまでを表現していきます。様々な要素が入るし、衣裳も変わるし曲もテーマもどんどん変わるので、退屈しない作りですし、筋がなくても楽しめる、古典としての強みが伝わる作品です。――この大作2本を、1日2回ずつやるのは大変そうです。そうですね。でもやっぱりコロナ禍以降、ひと月のうちに何役も大役をできるというのは、特に若手にとっては難しくなっていますので、この大変さは自主公演でしかできない。またスケジュール的な大変さなどははある種の限界はあると思いますが、僕、歌舞伎において自分の中で限界を設定したくないんですよ。2日間で4回公演するのも1回でも多く僕がやりたいから。本当はもっとやりたいくらい。理想は2日目、最後の『道成寺』が終わったら、舞台から楽屋まで歩けなくって台車に乗せられて移動するくらい“出し切る”ことです! あとは女形という生き物は演劇の中でも稀有ですし、僕は男を演じる立役と女形、両方やらせていただく立場で、これだけ振れ幅のある役をひとりの役者が演じるというのはなかなかないことです。そこを観ていただきたいというのはアピールポイントです。受け継がれていく技術と思い――『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛とお辰、『京鹿子娘道成寺』の白拍子花子、いずれも初役ですが、右近さんの中で印象深い先輩の姿は。団七とお辰と言えば17代目の勘三郎のおじさまがまず思い浮かびます。僕は直接舞台を拝見できた世代ではありませんが、とても憧れており、家で歌舞伎の映像を観る時は“17代目勘三郎率”が高い。もちろん18代目勘三郎のおじさま、勘九郎のお兄様、團十郎のお兄様もなさっており、各先輩それぞれの魅力を見させていただいてます。今回、団七は幸四郎のお兄様に教えていただき、最終的には白鸚のおじさまにも教えをいただく予定です。お辰は中村京蔵さんが先代の雀右衛門のおじさまのお辰の型を覚えていらっしゃるので直接伺って勉強させていただきます。『道成寺』は、曾祖父の6代目菊五郎がこの作品を今の形にブラッシュアップしたということもあり、やはり曾祖父の印象が強いです。そこから師匠である当代の菊五郎のおじさまといった自分のルーツの中にある音羽屋系の方々、あるいは18代目の勘三郎のおじさま、今の勘九郎さんといった中村屋の方々のお顔も浮かびます。そして女形の修行という面で言うと、やはり10代のうちからずいぶんと色々なことを教えていただいた玉三郎のお兄様の存在が大きいです。その玉三郎のお兄様が菊之助のお兄様とふたりで踊られた『京鹿子娘二人道成寺』という人気作があったのですが、「歌舞伎座でしっかりした道成寺の形で踊ることはこれが最後だろう」とおっしゃった時のその舞台はとても印象に残っています。色々なお話を伺い、千穐楽の日も、出番を待たれている場所までついて行かせていただきました。生で観た『道成寺』はあの舞台の記憶がとても強いです。――先輩方から技術とともに思いも受け継がれていくものなのですね。今回は舞踊家であり振付家である尾上菊之丞さんのご子息、羽鳥嘉人さんが初舞台を踏まれるとのこと。右近さんも子役の頃から舞台に立たれています。実は僕が初めて舞台に立ったのは、嘉人くんのお父様である菊之丞先生のお姉様、尾上紫さんが『京鹿子娘道成寺』を舞踊公演で演じられた時なんです。歌舞伎の初舞台は7歳なのですがそれ以前、4つか5つの時でした。その僕が『道成寺』の白拍子花子を初役で挑戦するこの公演で、嘉人くんが初舞台を踏む。嘉人くんは『夏祭浪花鑑』の方での出演ですが、循環しているな……と感慨深い思いがあります。自分の中で、歴史の1ページがめくられる思いです。歌舞伎の世界は大きな家族だなと思うし、自分だけでやっているのではなく、歴史の中に自分がいて、お互いに関わり合っているんだなと改めてかみしめています。ミュージカルの経験で得たもの――さて話は変わりますが、昨年右近さんは『ジャージー・ボーイズ』で、ブロードウェイミュージカルに初挑戦されました。その経験は、歌舞伎に戻った時、あるいは清元の太夫としてのお仕事に、何か影響を及ぼしていますか。これは時差があって、やっている時は無我夢中だったし、歌舞伎から離れていることの不安も伴うし、共演者の皆さんは百戦錬磨で、若手と呼ばれる方ですら全員がミュージカルの舞台を経験している中にひとりで入って、プレッシャーも戸惑いも大きかった。ひとつの技術を習得するにも時間がかかる自分に対してノッキングが起こり、苛立ちすら感じていました。でもやっぱり今思えば確実に良い経験になっています。ミュージカルは歌の中に心があり、そこに気持ちを吹き込むことが大事だし、音楽と音楽の間にお芝居が入り、芝居の流れで歌になり、またお芝居になり……と行ったり来たりする。その作業は新鮮で、勉強になることだらけでした。歌舞伎は、ミュージカルで言うところの歌とお芝居を複数人で分担してやっている形ですので、それをひとりでやるというのはやはり芝居面でも音楽面でもどちらの勉強にもなりますよね。――具体的には、たとえば。まず台詞に対する慎重さが増しました。そして声を使って音を捉えるという作業に対しての感度が上がった。「この音の間にこの台詞をしゃべったら綺麗に収まるんだな」ということを普段あまり考えていなかったのですが、演奏家の方に伺ったら「役者さんはご自分のお芝居のテンポでやられるので、この寸法で終わるかなと塩梅を見計らっています」と言われた。合っているもんだと勝手に思っていたのですが、合わせてくださっていたんです。でも本当はどう思っているのかとお聞きしたら、もちろん「役者さんとそういう話をわざわざする機会もないし、こちらが見計らえば成立しますのでご自分のテンポでどうぞ」とおっしゃってくれるのですが、やはり長唄だったら長唄のそのワンフレーズをその形のまま、お芝居にはまれば音楽家としては気持ちがいい、という話がお聞きできまして。微妙な違いではありますが、一度その音の中で芝居をしてみたらすっぽりハマったし、お客さまの反応も心地よさそうでした。やはり音をちゃんと聞いて合わせるのがいいんだ、という気付きは、ミュージカルを経験したから得たものです。また役者とは別の、家業である清元の太夫としては、音程に対して慎重になりました。清元はすごい高音で節を展開させることが多く、それは繊細な音程を突くのですが、そういう音を攻める時はつい音が下がりがちになるんです。下がるとやはり気持ち良くない。そこは自分としてもシビアになりましたし、三味線を弾いてもらって音をとっても下がらない感じになってきたなと感じています。――ちなみに西洋音楽であるミュージカルの発声と、邦楽である清元の発声はまったく違うものですか。全ッ然違います! 例えば、高音を出す原理をホースの水でたとえると、水勢を強くすると高音が出るのですが、西洋の音楽は水の量を単純に増やして水勢を増す。古典声楽である清元は、同じ水分量の中でホースの口をキュッと絞る感じ。感覚としては日本とブラジルくらい違います(笑)。――興味深いお話をありがとうございました。最後に、歌舞伎の新しいファンが増えていますが、例えば『FFX歌舞伎』で初めて歌舞伎に触れた方が次に何を見ればいいのか迷っていることもあるかもしれません。そういった方々にこの『研の會』のアピールをするとしたら。歌舞伎座の興行などは、色々な役者さんが主役を勤め、それぞれの思いが詰まっていますが、この『研の會』は“僕の思い”しか詰まっていません! もちろん出演してくださる皆さんの思いのおかげでやらせていただいている公演ではありますが、僕の「これをやりたい、これを観て欲しい」という強い思いは、観てくださったら必ず伝わるはず。惰性や義務といった言葉とはもっとも遠い場所にある公演です。また、新作歌舞伎の時……例えば『刀剣乱舞』でいえば、もともとあるコンテンツへの真剣な気持ち、歌舞伎に対する真剣な気持ち、キャラクターに対する真剣な気持ち等々、真剣さが四方に分散していますが、『研の會』は歌舞伎に対しての真剣な気持ちのみ、純度100%の僕の歌舞伎愛だけで出来ています。僕が歌舞伎を好きな気持ちをストレートに詰め込みましたし、誰かが何かを好きな気持ちって伝播していくと思うんですよね。これで伝わらなかったらちょっと役者稼業考えます……という思いで挑みますので、ぜひいらしてください!取材・文:平野祥恵撮影:興梠真穂ぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント★尾上右近さんのサイン入りポラを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!<公演情報>尾上右近自主公演 第七回『研の會』一、 夏祭浪花鑑二、 京鹿子娘道成寺出演:尾上右近、坂東巳之助、中村米吉、羽鳥嘉人、尾上菊三呂、中村莟玉、中村種之助、中村鴈治郎ほか2023年8月2日(水)・3日(木)昼の部11:00開演/夜の部16:30開演場所:東京・浅草公会堂尾上右近自主公演 第七回『研の會』のチケット一般発売に先がけて、ぴあアプリ先行が決定!6月17日(土) 12:00(正午)より受付開始! この機会にぜひ、ぴあアプリをDLのうえ、お申込みください!詳細は こちら() から
2023年06月16日