俳優の瀬戸康史が25日放送のテレビ東京系「おはスタ」に約8年ぶりに出演。“恩師”の山ちゃんこと声優の山寺宏一と再会を果たし、感謝の気持ちをブログにつづった。現在放送中のNHK連続テレビ小説「あさが来た」に成澤泉役として出演するなど、俳優として大活躍の瀬戸さん。「おはスタ」にはデビューしてまだ間もない2006年9月から約2年半にわたってレギュラー出演していた。山寺さんが同番組を4月1日(金)をもって卒業することが決まったことから、今回、瀬戸さんはメモリアルゲストとして、当時共演していたお笑いコンビ・南海キャンディーズの2人と共にゲスト出演。当時と同じく、英語交じりのセリフとともに「ミラクルメガネ」も披露した。放送後にブログを更新し、「約8年ぶりのOHA~!当時同じレギュラーだった南海キャンディーズの山ちゃん、しずちゃんとも久しぶりに会ったな。山寺さんを囲んで昔話で盛り上がる。カメラリハーサルが終わり、7時からの本番10分前はこうして出演者たちが最近の近況などを報告し合う。当時と変わらない風景…そこでなぜか泣きそうになった(笑)」と感慨深げにふり返った。当時まだ18歳だった瀬戸さんは、上京したばかりで東京にも芸能の仕事にも慣れず、さらに「最強に人見知り」だったという。そんな瀬戸さんを励ましてくれたのが山寺さんで、「いつも1人で口数も少ない少年をあたたかく迎えてくれ、本番で何かあってもすぐにフォローしてくれ、プライベートではサシでご飯に誘ってくれ悩みを聞いてくれた。僕が番組を卒業してからも、出演する作品を見てくれたり、舞台に足を運んでくれたり、山寺さんのラジオに呼んでくださったり、何かと気にかけてくださる。僕も『おはスタ』を見て育った世代なので、あの山寺さんとこういう関係でいられてることが幸せだ」と、しみじみとつづった。この日の放送でも山寺さんとガッチリ握手した瀬戸さん。「もう山寺さんには感謝の言葉しかない。いつも、本当にありがとうございます」と感謝するとともに、「これからも役者の先輩として、そして友達として、仲良くしてください。恩師、山寺宏一さん。本当にお疲れさまでした」と労った。(花)
2016年03月25日神木隆之介&門脇麦で実写映画化される『太陽』の原作舞台を生み出した、劇団イキウメの主宰・前川知大が、柳田国男の傑作逸話集「遠野物語」を劇化する舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」の上演が決定。出演に仲村トオル、瀬戸康史ら豪華俳優陣が顔を揃えることが分かった。緻密な構成と筆致で、身近な生活と隣り合わせに現れる異界を描きだし、多くの演劇ファンを唸らせてきた前川氏。これまでに、鶴屋南北戯曲賞、読売演劇大賞の大賞、優秀作品賞、最優秀演出家賞など名だたる演劇賞を獲得。2016年は、自身が主宰する劇団イキウメの代表作であり、蜷川幸雄による演出も話題となった「太陽」の舞台版と、神木さんと門脇さんを迎えて実写化される映画版の同時期公開を控えるなど、より一層の注目を集めている。そんな前川氏脚本・演出による「奇ッ怪」シリーズを、世田谷パブリックシアターでは2009年より継続して上演。第3弾となる今回の「奇ッ怪」では、民俗学者・柳田国男が遠野盆地から遠野街道にまつわる民話を集録した「遠野物語」が原作。河童や天狗といった妖怪たちから、死者、神に至るまで様々な異界のものたちと生きてきた人々の共生を綴った物語を、前川氏の解釈で舞台に表現する。出演は、「チーム・バチスタ」シリーズや「あぶない刑事」シリーズをはじめ数多くのドラマや映画・舞台で幅広く活躍する俳優・仲村さん。シリーズ前2作にも出演した仲村さんは「奇ッ怪」の世界観に欠かすことのできない存在だ。「前川君の作品にかかわっているときは“これは偶然というには確率が随分と低い”と思う出来事がよくあります」「おそらく前川君のもっている此の世とあの世の中間辺りでとんでいる波のようなものをつかまえるアンテナに、僕の中にある、ふだんは只の鉄の棒のようなものが共鳴して何かを受信しやすい状態になるのだと思います」と、その独特の世界観を表現。また、「昔の遠野のことを話しながら、たったいまの真ん中のことを語ってしまう。そんな奇跡をまたやらかす!その力のひとつになり、その場に立ち会いたい」と、意気込みを力強く語った。そして、世田谷パブリックシアター主催「マーキュリー・ファー」で脆さと内に秘めた強さを持ち合わせる難役を繊細な表現力で演じ切った瀬戸さんが、前川作品に初参戦!実はイキウメ作品はほぼ欠かさず観劇するほど、前川作品ファンだという瀬戸さんは「毎日刺激的で精一杯生きているつもりなのに、なんとなく1日が終わっていっている気がする。前川さんの作品はそんな僕の日常に問いかけてくる。『これでいいのか』『自分に見えているものだけが真実なのか』と僕に、そして世の中に対し揺さぶりをかける」と、前川作品の魅力を語り、「今作で初めてお芝居でご一緒でき、喜びはもちろん、妖怪や神が住む森に迷い込んだ遠野の村人のように凄いところに足を踏み入れたようなワクワク感、そして少しの不安や恐怖…いまはそんな心境です」と明かした。また共演者には山内圭哉、池谷のぶえ、銀粉蝶といった日本の演劇界を支える実力派キャストが集結。瀬戸さんは「仲村トオルさんをはじめ素晴らしい演者の皆さんの中でお芝居できることを幸せに思いますし、何が何でも食らいついていきます」と熱いコメントを寄せた。舞台「遠野物語・奇ッ怪 其ノ参」は10月31日(月)~11月20日(日)まで、世田谷パブリックシアターにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年03月23日若手女優の筆頭・吉高由里子が、自身2作目の舞台にして翻訳劇に初挑戦することが決定。英劇作家フィリップ・リドリー作を、白井晃演出で本邦初演する「レディエント・バーミン Radiant Vermin」に、高橋一生、キムラ緑子らと共演し刺激的な3人芝居を繰り広げる。オリー(高橋一生)とジル(吉高由里子)は20代後半の夫婦。彼らは自分たちの「家」の話を始める。1年半前、彼らはまだボロ家に住んでいたが、ある日突然、ミス・ディー(キムラ緑子)と名乗る家の仲介者から「夢の家を差し上げます」という手紙が舞い込む。浮浪者がうろつく荒れ野原にポツンと立つ一軒家。2人は、偶然にもその夢の家の残酷な秘密を知った。瞬く間にその秘密の虜になった2人は次々と家を不思議な“光”とともに豪華にし、荒れ野原をリッチなお洒落タウンへと変貌させる。人々はささやく。「あんなにいた浮浪者(=ゴミ)はどこへ行ったの?」と…。「レディエント・バーミン」、直訳すると“ 光るゴミ ”とは、いったい何を意味するのか――?本作は、イギリスの劇作家フィリップ・リドリーによる「レディエント・バーミン Radiant Vermin」を、日本でリドリー戯曲を手掛ける唯一の演出家・白井さんが演出を務め、心強い出演陣を得て日本初演させる舞台。これまでも、リドリーの作品を世田谷パブリックシアター/シアタートラムにて5作品に渡り上演してきた白井さんだが、いずれも斬新な劇場空間と、衝撃的な演出で高い評価と話題を呼んでいる。待望の最新作には、連続テレビ小説「花子とアン」や『僕等がいた』などテレビやドラマ、CMなどで活躍しながらも、本作でまだ舞台2作目、翻訳劇に初挑戦となる吉高さんがキャスティング。白井さんの演出を受けるのも初めてだというが、前作「マーキュリー・ファー」は観劇していたそうで、「自分の身体の中が異常に興奮したことをいまも覚えています。そのときは、まさか自分がフィリップ・リドリー作品に出るなんてことは思いもしていなかったので、生きていると何が起こるか分からないなぁと改めて感じています」と喜びを表した。また、前作「マーキュリー・ファー」で瀬戸康史と兄弟役を熱演し、白井さんからの信頼も厚い高橋さんが、吉高さんとの夫婦役で出演。月9ドラマ「信長協奏曲」「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」と立て続けに話題作に出演する実力派の高橋さんだが、「僕は白井さんとお仕事をさせていただくことをライフワークにしていきたいと思っていますので、また白井さんの所に戻って来られる嬉しさがいま、何よりもまず先行しています」と、白井さんへの信頼を明かし「今回もきっと面白いものができると僕は確信しています」と力強くコメントした。そして、ベテラン女優のキムラさんも“白井作品”に初出演。「白井晃さん、高橋一生さん、吉高由里子さん、私にとって初めての方ばかりです。そして同時代の劇作家が書いた翻訳劇への出演、またシアタートラムの舞台に立つことも久しぶりですので、とても新鮮な気持ちで挑ませていただくことができそうです」と感想を述べ、「一筋縄ではいかない戯曲の中で、高橋さん吉高さん演じる夫婦と相対する一筋縄ではいかない役を演じますので、白井さんや皆さんと沢山対話をし、稽古を積み重ねながら、濃密な芝居を皆さんにお届けできたら」と思いを語った。客席数約200席という、俳優の息遣いまでもダイレクトに伝わる劇場・シアタートラムで、刺激的な3人が繰り広げる、不思議でブラックなコメディーに、いまから期待が膨らむ。「レディエント・バーミン Radiant Vermin」は、7月12日(火)よりシアタートラムにて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年02月24日一生に一度は絶対行くべき瀬戸内海の島々。島によって魅力も特徴もそれぞれ。なじみのない方のためにポイントを押さえて紹介します。有給を取って国内旅行、ぜひ予定を立ててみてはいかがでしょうか?■絶対はずせないアートの島・直島へアートの島と言えば、直島。雑誌やテレビの特集でも度々紹介され、アメリカの情報誌「Traveler」でも「死ぬまでに行きたい場所」として掲載されました。国内外問わず世界中から観光客が訪れている島です。アート作品が島のあちこちに点在し、美術館やホテルなど美しい施設があります。島内を散策するにはバスを利用しますが、天気がよければレンタサイクルも気分は最高。ホテルは洗練された「ベネッセハウス」が有名です。アートの存在意義を再認識させられる直島は、日本が誇れる場所と言えるでしょう。■喧騒から離れて、散策メインの島・男木島へ男木島は小規模な離島。現在、住民約180人程が暮らしています。島内はレンタサイクルか徒歩で周遊でき、古民家風の食事処や、散策の途中で出会うアート作品など、街並みをじっくり楽しむことができます。ちなみに男木島は猫の楽園としても名高く、猫と出会う確率100%の猫好きにはたまらない島。民宿に宿泊して、ゆっくり自分のペースで落ち着いた時間を過ごす旅が楽しめます。■猫好きの聖地・青島へ青島は東西1.5km、南北0.35km、住民は15名程度の小規模離島。男木島と同様、猫がたくさん住んでいます。その数なんと推定100匹以上! 青島は観光地化されておらず、もちろんコンビニや商店などは一切ありません。フェリーの本数も少ないため、一日に島へ行ける人数も限られています。本島と島を行ききするフェリーは、島民の大切な足。いくら猫好きとはいえど、行く際には島のことを十分理解したうえで上陸することが大切です。じっくり瀬戸内海の島を楽しみたい人は、少し長めの休みを取って出かけるのがベスト。美しい海とおとぼけ顔のにゃんこが、あなたを迎えてくれますよ。
2016年02月11日「俺は何者にもならない」大和の大王の長男・海里(瀬戸康史)は、親友で舎人の出雲(荒井敦史)に言い切る。長男として王となる定めに逆らい、自由を求め、ゆえに差し出された、幼なじみの陽向(小芝風花)の手を取らなかった……それが、崩壊の始まりとは知らずに。【チケット情報はこちら】10月22日(木)に幕を開けたのは、2007年から続くDステこと俳優集団D-BOYSによる演劇ユニットの第17回公演『夕陽伝』だ。今年、デビュー10周年の瀬戸康史を主演に、Dステ12th『TRUMP』を手がけた末満健一が脚本を書きおろし、つかこうへい作品を始めD-BOYSの出演作も手がける岡本俊一が演出する本作。そこで描かれたのは切なくも狂おしい、己の想いに翻弄される兄弟の愛憎劇だった。最愛の妻が異形の子を産み落とし、世を去ってから大和の豪族の長・凪大王(山本亨)は病んでいた。やがて摂政の猿美弥(遠藤雄弥)は周辺諸国の脅威から大和王権を守るため、蛮族として悪名高い熊曾の第14王子・真多羅(鈴木裕樹)と愛娘・陽向との政略結婚を企てる。父を思い、一度は受け入れた陽向だが、ついに心のまま叫ぶ。「わたしを連れて逃げてくれる?」しかし、その手は虚しく空を舞う。実は誰よりもその手を取りたかったのは、海里の弟・都月(宮崎秋人)だった。願いむなしく婚礼は血濡れて終わり、憤る弟に「誰かの手を取るということは、その人にとっての誰かになるということだ」とうそぶく兄。やがて暗い思いを抱く弟。不義の子として父に顧みられることなく育った真多羅もまた、兄たちを憎み王の座に執着する。その真多羅を傀儡とする卑流古(池岡亮介)は異形ゆえに捨てられた己を呪い、国滅ぼしに執着する。農民の生まれで貧しい富士丸(前山剛久)と陸奥(高橋龍輝)の兄弟は愚直にただ生きることに執着する──。真多羅の破綻っぷり、卑流古の壊れっぷりはまさに怪演。座長としてその真ん中に立つ海里は凛としてまぶしい。その海里に「逃げるな!」と、揺らがない出雲。陽向を思い狂気に囚われていく都月……改めてD-BOYSの層の厚さと、まさに俳優集団だという事実に心奮える。苛烈なだけでなく笑いも盛り込まれ、真多羅とその手下によるガチの日替わり懺悔コーナーや底抜けにお馬鹿な陸奥のキレッキレなダンス、富士丸と陸奥兄弟による愉快な前説も必見だ。陽向の名前の先にあるのは明日──彼らが紡ぐ、大和国の物語は11月1日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月21日(土)・22日(日)大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。取材・文:おーちようこ
2015年10月23日俳優集団D‐BOYSが演劇作品に挑戦するDステ。イケメン集団ゆえ、つい“アイドル芝居”と括ってしまいそうだけど、これがどうして、かなり本気度の高い舞台を作り続けている。第2回公演で好評を博した『ラストゲーム』は、ドラマ『マッサン』などを手がけている羽原大介さんが脚本を担当。戦中に野球に青春を燃やした高校球児を描いた作品で、映画にもなった秀作だ。その一方で、シェイクスピアの『ヴェニスの商人』や『十二夜』、スコットランドの人気劇作家の戯曲『淋しいマグネット』など、若い俳優にはハードルの高い翻訳劇にも次々挑戦。かと思えば、THE SHAMPOO HATや演劇集団キャラメルボックスといった人気劇団の作品もあり。その多彩さに、真っ向から演劇に取り組もうとする姿勢が見て取れる。そんなDステの第17回公演は、日本の神話『古事記』を下敷きにした書き下ろし作品『夕陽伝』。王の息子としての運命を背負った兄弟と、ふたりの幼馴染みの娘を軸に若者たちの成長を描いた物語だ。脚本は、第12回公演『TRUMP』を手がけた、関西演劇界の旗手・末満健一さん。ファンタジーの要素の中に人間のリアルを浮かび上がらせる作品で、近年、注目を集めている作家。演出の岡村俊一さんは、多くの若手俳優を舞台の上で輝かせてきたベテランだ。久々のDステ参加となる瀬戸康史さんをはじめ、彼らの本気を楽しみにしたい。◇information 大和朝廷の時代。王の息子に生まれた兄・海里(瀬戸康史)と弟・都月(宮崎秋人)。ある日、彼らが淡い恋心を抱いていた幼馴染みで摂政の娘・陽向(小芝風花)の政略結婚が決まるが、婚礼の日に刺客が現れ…。10月22日(木)~11月1日(日) 池袋・サンシャイン劇場 脚本/末満健一 演出/岡村俊一 出演/瀬戸康史、宮﨑秋人、小芝風花、鈴木裕樹、荒井敦史、池岡亮介、前山剛久、高橋龍輝、中山義紘、三好大貴、遠藤雄弥、山本亨 全席指定7800円(税込み) ワタナベエンターテインメント TEL:03・5410・1885(月~金曜11:00~18:00) 11月21日(土)・22日(日)に大阪公演あり。※『anan』2015年10月21日号より。文・望月リサ
2015年10月20日シネマカフェがおすすめするサウンドトラック入門。6回目となる今回は、バラエティ豊かな楽曲が並ぶ豪華な2枚と異色の1枚をご紹介。■『ピッチ・パーフェクト2』全世界で大ヒットを記録し“ピッチ旋風”を巻き起こしたシリーズ2作目『ピッチ・パーフェクト2』のサウンドトラック。1作目のサウンドトラックも大ヒットを記録したが、2作目のサントラは、1作目のファンへのサービスはもちろん、新規ファンも楽しめる豪華な楽曲満載の一枚に仕上がっている。登場人物がアカペラカバーする楽曲群が本シリーズのサントラのなによりの魅力であることはもちろんだが、グラミー賞受賞アーティストや、アメリカンアイドルに代表されるようなオーディション番組からデビューを果たしたシンガーや、最新のR&BシンガーやDJによるヒットチューンも数多く収録されており、アメリカを中心としたポップソングのトレンドを感じることができる点でも、サントラの枠を越えて楽しめる作品に仕上がっている。映画冒頭から“ベラーズ”によって披露されるマイリー・サイラスやJessie Jといった、前作おなじみのアーティストの楽曲はもちろん、ライバルチームとして本作に登場する「Das Sound Machine」が歌う、ベラーズとはまた異なる「MUSE」や「FALL OUT BOY」といったロックバンドのアカペラカバーも聞きごたえ十分。ほかにも、本作のテーマとなる“オリジナリティ”を体現した楽曲として披露される、 『007 スペクター』の主題歌を手がけるサム・スミスが作曲に参加したJesse Jの「Flashlight」や、一大ブームとなった“CUPS”の別バージョンが披露されるのもファンとしては嬉しいところだ。さらに、“CUPS”で話題となった「When I’m Gone」が、もとは「カーター・ファミリー」による30年代のカントリーソングであったこともそうだが、本作の面白いところは、アメリカンポップスの歴史の中でクラシックやオールディーズとして数えられるナンバーが、現代的にカバーされているところだ。ベラーズの合宿シーンでは、1940年代から60年代、90年代、そして2000年代と、年代別にヒットソングが披露される。中でも74年にヒットしたコーラスグループ「Labelle」による「Lady Marmalade」が、ラストのパフォーマンスシーンでは2007年にクリスティーナ・アギレラによってカバーされたバージョンで披露されている。最新のヒットソングからクラシックな名曲まで、アメリカのポップソングの深い鉱脈を感じることができる一枚としても、ぜひおすすめしたい作品だ。■『EDEN/エデン』フランスの新鋭ミア・ハンセン=ラブ監督が、DJとして活動していた実の兄をモデルにフランスのダンスミュージックシーンの興隆を描いた『EDEN/エデン』。1992年から2013年の11年にも渡る物語では、時代とともに移ろいゆくクラブシーンを彩った41もの楽曲が使用されている。主人公ポールが結成するDJユニット「Cheers」が志向していた“ガラージ” というジャンルは、あまり日本においては馴染みのあるものとは言えないが、本作で数多くの楽曲が使用されている「ダフト・パンク」は、日本でもファンの多いアーティストだろう。CMでも使用された「One More Time」はもちろん、『her/世界でひとつの彼女』のスパイク・ジョーンズが監督したMVでも話題を呼んだ「Da Funk」、2013年のグラミー賞を総ナメした傑作「ランダム・アクセス・メモリーズ」収録の「Within」などの楽曲が、本編では実に印象的に使用されている。中でもやはり「ダフト・パンク」のトマとギィが、はじめて「Da Funk」を披露するシーンでは、BPMがぐっと抑えられた圧倒的にシンプルで強度をもつそのサウンドに人々が熱狂する姿が映し出されるのも、本作の見どころのひとつだろう。また、ミアの兄スヴェンが監修していると思われるトラックリストは、当時フロアを確かに賑わせていた楽曲ばかりが続くので必聴!映画のタイトルバックを飾る「Seno Latino(Illusion First Mix)」をはじめ、合唱が沸き起こるシーンが印象的な「Aly-Us」の「Follow Me」、シカゴハウスの創始者フランキー・ナックルズの「The Whistle Song」、おそらくミア自身の体験と思われる、ポールが妹にピアノで弾かせようとする「Liquid」の「Sweet Harmony」など、素晴らしい楽曲が並んでいる。全収録時間は270分にも渡るので、“『EDEN/エデン』ナイト”を企画して一晩中音楽を楽しむのもいいかもしれない。■『合葬』柳楽優弥と瀬戸康史がW主演をつとめ、本年度映画化作品として『百日紅~Miss HOKUSAI~』も公開された杉浦日向子原作の映画化『合葬』。「Asachang & 巡礼」が手がけるサウンドトラックは、今年発売されたサウンドトラックの中でも一際異彩を放っている一枚とも言える。「Asachang & 巡礼」は、最近ではアニメ「惡の華」のエンディングを飾る楽曲「花」でも知られ、映画との関わりとしては、同曲が永瀬正敏主演映画『けものがれ、俺らの猿と』の主題歌に使用されている。ギタリストでありプログラマーの浦山秀彦と、現在数多くのアーティストの作品に参加しているタブラ奏者のU-Zhaanの脱退を経て約6年ぶりのアルバムリリースとなる本作は、新メンバーとしてバイオリン奏者の須原杏とサックス奏者である後関好宏を迎え入れてからはじめての作品となる。ストリングスや太鼓、笛、はたまたエレクトリックギターやロックドラムスなど、さまざまな楽器によって鳴らされた楽曲は、物語全体にただよう“喪”の情景をミステリアスに、そして叙情的に彩っている。ナレーションのカヒミカリィをはじめ、ミュージシャン陣の参加も注目したい本作だが、中でも「Curly Giraffe」による英語詞で披露される楽曲「朝日さす」は、本編でも独自の存在感を放っており、アルバム中でも白眉の一曲。そしてなにより本作は、「Asachang & 巡礼」の他のアルバムでも感じられる、類をみない圧倒的なオリジナリティを十分に感じることができる作品に仕上がっている。これまでにも、時代劇の現代的な解釈によるサウンドトラックが制作されてきてはいるが、本作もそのひとつとして名を連ねられるであろう作品であり、小林監督が「新しい時代劇の、新しい映画音楽をどうぞ」と語るとおり、時代劇と音楽の新しい出会いを感じることができる一枚として、ぜひおすすめしたい。(Text:Toshihiro Horiai)
2015年10月19日選ばれることを望まぬ者、選ばれないことを憎む者が辿る先は──?舞台『TRUMP』の末満健一が脚本を書きおろし、先日、舞台『AZUMI』を盛況の内に終えた岡村俊一が演出、瀬戸康史の10周年記念作品となるDステ17th『夕陽伝』の公開稽古と取材が行われた。描かれるのは海里(瀬戸)と都月(宮崎秋人)の物語。長男の道から逃れようとする兄と、その道を正そうとする弟がぶつかり周囲を巻き込んでいく。【チケット情報はこちら】この日は名乗りとともに登場する各俳優の個性光るオープニング、続けてクライマックスのワンシーンを披露。Dステ初という200手にも及ぶ殺陣はすさまじい、の一言だ。古事記を題材にしながらも台詞には遊びがあり、ド派手な衣裳の鈴木裕樹に小芝風花が「ギョロ目のパンク野郎!」と一喝、取材陣から思わず笑いが起きる場面も。鬼気迫る公開稽古の後は一転、和やかな囲み取材へ。瀬戸康史、宮崎秋人、小芝風花、遠藤雄弥、山本亨、岡村俊一が登壇し意気込みを語った。なかでも先日、D-BOYS加入が発表され、初参加となる宮崎は「入るからにはカンフル剤になりたい。プレッシャーはあるけれど板の上では同じなので、目の前の大きな壁を乗り越えたい」と抱負を語り。一方、瀬戸は「今、すごいハードルを上げられました!(笑)」と受けて立ち「毎日、稽古場に入ると全員で身体を動かし僕と秋人はプロティンを飲む!という所までがルーティンです」と仲の良さを明かす。山本は「みんな、演劇が好きで焼いた鉄板みたいな熱さがあって俳優として末恐ろしい。とくに瀬戸くんは包容力があって輪を保つ心遣いがあり、昨日は私がご飯に連れて行ってもらいました!付いていきます」と大真面目に語り、「瀬戸くんとは初めて組みますが神経質で硬いかと思っていたら、実に色っぽくて柔らかい俳優なのでその魅力を存分に伝えます」と岡村も絶賛。「まさか今日、こんなに褒められるとは思わなかった……後が怖いです(笑)」と瀬戸。先日、第1子が誕生した遠藤は「風花ちゃんの父親役ですが、うちも娘なので、風花ちゃんが瀬戸に心惹かれる姿に胸がざわつきます!でも、瀬戸康史ならいいかな」と親心をちらり。紅一点の小芝からは「大先輩ばかりで緊張していましたが皆さん優しくて、男子が毎日、くだらないことで盛り上がるのを見るのが楽しいです」と堂に入った発言が飛び出し、瀬戸に突っ込まれる一幕も。彼らが集う、Dステ17th「夕陽伝」は10月22日(木)から11月1日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月21日(土)・22日(日)大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。取材・文:おーちようこ※宮崎秋人の「崎」は正式には旧字。「大」が「立」になります。
2015年10月15日故杉浦日向子さんの伝説的な同名コミックを映像化した時代劇映画『合葬』の初日舞台あいさつが9月26日に、東京・新宿ピカデリーで行われ、ダブル主演を果たした柳楽優弥と瀬戸康史をはじめ、岡山天音、オダギリジョー、小林達夫監督が登壇した。『合葬』舞台あいさつ/その他の写真将軍の警護と江戸の治安のため結成された“彰義隊”の若者たちが、幕府解体に反対し、負け戦に身を投じる姿を描いた本作。「カリスマ性を意識した」と振り返る柳楽が、「僕にとって、カリスマといえばオダギリさんだった。現場では刺激を受けながら、しっかり憧れさせていただきました」と敬意を表すと、当のオダギリは「ウソでしょ? 目が泳いでいるよ」と照れ笑いを浮かべた。また、第39回モントリオール映画祭での公式上映に立ち会った瀬戸が、共演者へのお土産としてオダギリに名産のメイプルシロップを渡すと、「甘いもの、苦手なんだよね…」とマイペースを貫き、客席の笑いを誘う場面も。柳楽には絵柄がユニークなエプロン、岡山にはアライグマをモチーフにした帽子がプレゼントされ、こちらは本人たちに好評だった。劇中では彰義隊のリーダー的存在を演じたオダギリだが、「自分にはリーダー的な部分は、かけらもない」と語り、「風邪をひいてしまい、現場で声が出なくなってしまった。その姿から、ここにいる若い皆さんに『役者の仕事は体調管理』と教えることができたかも」とおどけながら猛省。作品については「台本が素晴らしかったが、出来上がった映画は台本以上。時代劇の枠に留まらない、小林監督の挑戦を感じる」と太鼓判を押した。「素晴らしい原作で、初めての時代劇に挑戦させてもらった。皆さんの心に残る印象的なシーンがあれば」(柳楽)、「柳楽くんはボケたがり。かわいらしい一面にキュンとした」(瀬戸)、「殺陣のシーンで、いくつかセットを壊してしまい、現場で“破壊神”とあだ名がついてしまった」(岡山)と彰義隊の若者を演じるキャスト陣も、本作への思いやエピソードを披露した。『合葬』公開中取材・文・写真:内田 涼
2015年09月26日映画『合葬』が9月26日(土)に公開を迎え、主演の柳楽優弥に瀬戸康史、岡山天音、オダギリジョー、小林達夫監督が舞台挨拶に登壇した。没後10年を迎える杉浦日向子の漫画を原作に、慶応から明治へと元号が変わった激動の時期に、江戸の街と最後の将軍・慶喜を守るために結成された彰義隊の面々の姿を描く。監督からカリスマ性を求められたという柳楽さんは「カリスマ性って意識して持てないので…」と困惑。映画を見終わったばかりの観客に「カリスマ性、出てましたか?」と問うと拍手がわき起こり「良かったです」とホッとした表情を見せる。「カリスマ性を持っている人の検索をしたんですが(笑)、そこで出てくる誰一人として意識してカリスマ性を出そうとしている人はいなくて、にじみ出ている感じで…。そこで、僕が高校生の時にカリスマだったのがオダギリジョーさんだったことを思い出しまして、実はすごく近くにいました(笑)!現場でも刺激を受けました」と振り返った。オダギリさんは「知らなかったです」と驚いた様子。映画の中ではリーダー的な立場だったが「僕はリーダー的な部分はかけらも持ち合わせてなくて…。撮影は3~4日だったけど、にもかかわらず風邪をひいてしまい、声が出なくて叫ぶところは全部アフレコになってしまいました。そういう姿から学んでほしいですね。体調管理が役者の仕事なんだと身を持って教えられたと思います(苦笑)」と申し訳なさそうに語り、会場は笑いに包まれた。瀬戸さんは監督と共にモントリオール国際映画祭に参加したが、その際のお土産を共演陣にこの場でプレゼント。オダギリさんには名産のメイプルシロップを渡したが、オダギリさんは満面の笑みで「僕、ホントに甘いものが苦手で…すごく嬉しいです」と語り、会場は再び爆笑!最近、料理にハマっているという柳楽さんにはマッチョな肉体が描かれたエプロンを、さらにこれからの寒くなる季節に備えて、岡山さんにはカナダに住むラクーンという動物をモチーフにしたかわいい帽子をプレゼントしていた。『合葬』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月26日映画『合葬』のヒット祈願イベントが15日、東京・上野の寛永寺で行われ、キャストの柳楽優弥、瀬戸康史、岡山天音、門脇麦と小林達夫監督が出席した。26日から全国公開する本作は、杉浦日向子の同名漫画を実写化した青春時代劇。幕末の動乱期、将軍と江戸市中を守るためにに結成された"彰義隊"の若者たちは、急激な時代の変化に呑み込まれていく――というストーリーで、第39回モントリオール世界映画祭に正式招待された。劇中の衣装で登場したキャスト陣は、彰義隊と新政府軍が衝突した上野戦争の舞台、寛永寺でヒット祈願。撮影前に同所を訪れたという柳楽は、「撮影した後では気持ちが違う」と気を引き締め、瀬戸も、「当時の声が聞こえてきそう」とキリッとした表情。柳楽と瀬戸がW主演を務める本作だが、柳楽は、「瀬戸さんとW主演した作品が世界にいけてうれしい」と海外出品を喜び、「時代劇というより、青春の部分が強い。新しいことにチャレンジできた」と胸を張った。本作の撮影は、真夏の京都で行われ、柳楽が、「京都の街を3人で散歩しました」と楽しげに振り返ると、岡山は、「柳楽くんはイメージと違った。『クールなのかな?』と思ってたけど、ホテルで『やったー! 角部屋だ!』と叫んでた」とお茶目な一面を暴露。また、柳楽は許婚役を演じた門脇と、映画『闇金ウシジマくんPart2』で共演しており、「前回はストーカーしてるんですよ。あっ、余計なこと言っちゃいました?」と笑いを誘いつつ、「今回はしっかり濃い関係だった」と笑顔を見せていた。
2015年09月16日映画『合葬』の舞台となる東京・上野の寛永寺で9月15日(火)、彰義隊の供養およびヒット祈願の祈祷が行われW主演の柳楽優弥と瀬戸康史、岡山天音、門脇麦、小林達夫監督が出席した。杉浦日向子の同名人気漫画の実写化で、慶応から明治へと元号が変わった直後の江戸を舞台に、最後の将軍・慶喜の警護と江戸の町の治安維持のために結成された彰義隊に参加し、寛永寺を中心に展開した上野戦争に身を投じた若者たちの姿を描く。柳楽さん、瀬戸さんらは劇中の衣裳の着物姿で現れ、寛永寺開山堂(両大師)にて行われた彰義隊の鎮魂のための法要、映画のヒット祈願の祈祷に出席した。その後、国の重要文化財にも指定され、上野戦争当時の砲弾による穴がいまでも残ったままの状態の旧本坊表門(黒門)の前で報道陣の取材を受けた。柳楽さんは「僕にとっては初めての時代劇で、いろんなチャレンジができた作品です」と充実した表情。瀬戸さんは、歴史の跡が色濃く黒門を見やり、ここで戦い、力尽きた人々に想いを馳せつつ「“いま”を感じる作品だと思います。僕が演じた役は、志や思いがはっきりせずに迷って、悩み続けます。いまを生きている僕たちに近いと思います」としみじみと語る。門脇さんは、柳楽さんの許嫁という役柄だが、共演シーンはわずか1シーン。全体的にも決して出演シーンが多いとは言えない中で、心情を表現せねばならず、難しさを感じながらの撮影だったよう。「いまを生きている私では、はかり得ない感覚が多すぎて…。それでも同じ人間、16歳を経験した一人の女性として共通する部分は絶対にあるはずと思い、近く感じられる部分を手繰り寄せながら撮影に臨みました」とふり返る。柳楽さんは以前、別の映画で門脇さんのストーカーを演じた“前科”を明かし「今回はしてません!」と語るも、微妙な空気に「余計なこと言っちゃいましたね(苦笑)」と自ら墓穴を掘ってしまったことに後悔した様子で平謝りだった。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月15日柳楽優弥と瀬戸康史をW主演に迎え、杉浦日向子の傑作漫画を実写映画化した『合葬』。激動の時代に翻弄される若者たちの青春を描いた本作は、第39回モントリオール世界映画祭「ワールド・コンペティション部門」にて、9月3日(現地時間)、記者会見とプレミア上映会が行われ、主演の瀬戸さんと小林達夫監督が参加。俳優デビュー10年目に初の海外映画祭となった瀬戸さんは、流暢なフランス語でスピーチを行い、カナダ・モントリオールの観客を沸かせた。幕末、将軍の警護のため有志により結成された「彰義隊」を舞台に、江戸から明治へ、時代に翻弄される若者たちの青春と生きざまを描く全く新しい時代劇として、海外からも熱い注目を集めている本作。モントリオール世界映画祭といえば、過去に、『おくりびと』(’06年/最優秀作品賞)、『わが母の記』(’11年/審査員特別大賞)、昨年は吉永小百合主演『ふしぎな岬の物語』が「審査員特別賞」「エキュメニカル賞」を、呉美保監督・綾野剛主演の『そこのみにて光輝く』が「最優秀監督賞」を受賞するなど、日本作品が高い評価を受けている国際映画祭。公式記者会見には、日本文化に興味を持つ世界各国の報道陣が集まり、小林監督と瀬戸さんが世界各国の記者からの質問に応じた。瀬戸さんは、本作への参加について、「映画での時代劇は初めてでした。『合葬』は日本人から観ても、新しい時代劇作品が出来たなと感じています。一方で、昔からある武士・サムライの精神が、いまを生きる僕たちに伝わる作品だとも思います」とコメント。本作に登場する若い侍については、「柳楽優弥さんが演じた極(きわむ)という人物は、皆が思う“THESAMURAI”で、自分の仕えている人のため、自分の志のために真直ぐに生きている人物。一方、僕が演じた柾之助(まさのすけ)は、現代人に一番近い考えを持っている人物かと思います。自分の居場所を探しながら、日々迷い、悩み…そういうところがいまを生きている僕らとの共通点だと思います」と語った。また、「日本映画の数々の時代劇の名作、なかでも溝口健二や黒沢明監督の作品は、自分が映画を志す上で大変影響を受けました」という小林監督は、「今回描いた、若者たちが知らない間に戦争に巻き込まれるという構図はどの国でもどの時代にも共通するテーマ。現代劇でこのテーマを描くと作家の主義主張やマニフェストとして作品がとらえられがちだが、時代劇で描くことによって世の中に何かを問うというよりも、寓話的、象徴的に見ていただけるのでは…」とその思いを明かした。その日の夜、行われたプレミア上映でも、昨今の日本ブームもあってか本作への注目度は高く、21時半と夜遅い上映時間にもかかわらず、20代の女性グループを含め老若男女たくさんの観客が詰めかけた。上映前、小林監督とともに登壇した瀬戸さんは、美しいグリーン色の着物姿で登場、観客からは大きな歓声がわき起こった。瀬戸さんは、初めて国際映画祭に参加したことへの感謝と、作品に描かれたテーマ“武士道”にからめた熱いメッセージを、完璧なフランス語で「激動の時代に生きた、名もない若い侍達の姿を描いた作品です。映画では侍が世の中から姿を消そうとしている時代に、彼らの日常や、迷い、悩みながらも志のために戦っている姿を描いています」と紹介。「侍は礼儀や作法を大切にし、忠誠心の強い、現代の我々日本の若者にとっても尊敬すべき精神をもっています。侍はいなくなってしまいましたが、現代を生きる僕らにも侍の心、“武士道”が残っています。私に宿っている“武士道”は、役者として、その一瞬一瞬に命をかけるという覚悟です。私にとって『合葬』は1シーン、1シーン、台詞一言、一言に命をかけて作った映画です」と力強く語ると、観客も大いに沸き、その発音は、通訳に「以前、フランス語を勉強していたのですか?」と聞かれるほど素晴らしいものだったという。プレミア上映では、エンドロールに入った途端、観客たちから自然に拍手が湧き起こり、全ての上映が終わった後、再び盛大な拍手に会場が包まれた。観客と一緒に映画を鑑賞していた小林監督と瀬戸さんが客席に向かって一礼し、会場を出ようとすると「素晴らしかった!」と次々に握手を求められ、劇場のロビーでも観客からの感想と質問が殺到。なかなか会場を去れない状態が約40分間続いたという。瀬戸さんは、そんな熱気の中、「映画が終わって拍手をいただけたことがとても嬉しい」と語った。なお、同プレミア上映の前には、瀬戸さんが粋な着物姿でモントリオールの街を散策。街角ではいたるところに、映画祭のバナーがあふれており、街をあげてのお祭りムードに、「昨夜は興奮してなかなか寝付けませんでした」と瀬戸さん。モントリオールを訪れる観光客なら必ず足を運ぶといわれる観光名所・ノートルダム聖堂の前で記念撮影。すると、聖堂の前のプラスダルム広場では、課外授業でモントリオールに訪れていたカナダ人の女子中学生にあっという間に取り囲まれ、写真撮影タイムに。「KIMONOが素敵!」「日本の俳優なの?かっこいい!!」と、瀬戸さんはカナダ人女性にも大人気の様子だったという。第39回モントリオール世界映画祭授賞式は、現地時間9月7日(日本時間8日)に行われる。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:合葬 2015年9月26日より全国にて公開(C) 2015 杉浦日向子・MS.HS / 「合葬」製作委員会
2015年09月07日ワタナベエンターテインメント所属の俳優集団、D-BOYSの舞台“Dステ”の人気作品を映画館で上映する「Dステ映画祭2015」が、8月15日(土)~9月4日(金)に上映が決定しているが、このほど主演俳優の一人である瀬戸康史が魅力を語るスポット映像が届いた。瀬戸さんは2分30ほどある動画の、後半2分すぎに登場。「皆さん、こんにちは。瀬戸康史です。この夏、これまでのDステ16作品の中から、人気作品を映画館で楽しめる『Dステ映画祭2015』が行われます。大きなスクリーンと迫力の音響で新たな感動を味わってください」とコメント。瀬戸主演の「淋しいマグネット」などの作品を厳選して上映する。そして同映像には、4人の若者たちの20年間を痛烈に描いた青春群像劇でスコットランド戯曲を日本初上演した「淋しいマグネット」をはじめ、太平洋戦争下の“最後の早慶戦”を題材に、夢と友情に熱く生きた青年たちの青春ドラマ「ラストゲーム」、シェイクスピアの傑作喜劇「十二夜」、ヴァンパイアの若者たちの愛の物語「TRUMP TRUTH」などの紹介も。また、「Dステ映画祭2015」2日目にあたる16日(日)には、舞台挨拶付き上映を行うことも決定していて、荒木宏文、荒井敦史、池岡亮介、遠藤雄弥がステージに登壇予定だ。大スクリーンと迫力の音響で臨場感いっぱいに楽しめる「Dステ映画祭2015」に注目して。<Dステ映画祭2015 舞台挨拶付きスペシャル上映>日時:2015年8月16日(日)午前10時~午前10時~舞台挨拶/D-BOYS STAGE 10th「淋しいマグネット」上映会場:シネクイント登壇:荒木宏文、荒井敦史、池岡亮介 スペシャルゲスト:遠藤雄弥(※登壇者の予定は変更になることもございますので、予めご了承ください)(C) Watanabe Entertainment(text:cinemacafe.net)
2015年08月12日柳楽優弥&瀬戸康史がW主演を果たす『合葬』が、第39回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門に正式出品されることが、このほど決定した。漫画雑誌「ガロ」に連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子の同名漫画を実写映画化する本作。NHKテレビ小説「まれ」に出演中の柳楽優弥と、今年デビュー10周年を迎えますますの飛躍を見せる瀬戸康史がW主演を果たし、ほかにも若手実力派の岡山天音や、『FOUJITA』の公開を控えるオダギリジョー、柳楽さんと同じく「まれ」出演中の門脇麦、「なぞの転校生」の桜井美南ら個性溢れる共演陣が勢ぞろいし、これまでの“時代劇”とは一線を画すリアルな青春群像を紡ぎ出していく。このほど本作の出品が決定したモントリオール世界映画祭は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの世界三大映画祭に次ぐ北米最大規模の権威ある映画祭であり、近年立て続けに日本映画が受賞。今年すでに中村倫也主演の『星ガ丘ワンダーランド』の正式招待も決定し、“日本好き”として知られる本映画祭は大きな注目を集めている。そして、今回の正式出品を受けて柳楽さん、瀬戸さん、岡山さん、小林監督からコメントが届いている。■柳楽優弥今回このようなお知らせを聞く事が出来てとても光栄です。僕は舞台の稽古中の為、現地へ伺う事が出来ませんが、『合葬』に込められた想いがモントリオールの方々にどう感じて頂けるのか、とても楽しみです。■瀬戸康史小林監督、スタッフ、共演者の方々と共にリハーサルを重ね、短い期間でしたが昨年の暑い夏、妥協せず闘った作品が評価され、個人としては初の海外映画祭コンペの出品となったことを光栄に思います。まるで自身の目で見て、感じた幕末の人間模様や風俗をそのまま描いた、杉浦日向子さん原作の日本の時代劇映画が世界の沢山の方々に観ていただける機会を与えられて嬉しく思いますし、今作は僕ら日本人が観ても、“新しさ”を感じる時代劇で、海外の方々の反応が今からとても楽しみです。この映画から、亡くなった者、遺された者、それぞれの生き様を見届けてほしいと思います。■岡山天音『合葬』が、モントリオール世界映画祭に出品された事、とても嬉しく思います。日本の幕末という時代を生きた人間たちの、ありのままの生き様に国境を越えて寄り添ってもらえたら最高です。■小林達夫監督『合葬』のWorld Competition部門ノミネート、嬉しく思います。若者の置かれている状況に対する不安や、仲間同士の羨望や嫉妬といった感情から生まれるストーリーは、時代劇という枠にとらわれず普遍的な青春映画のテーマとして海外の方にも共感していただけることを願っています。尚、映画祭には、小林監督と瀬戸さんが出席予定。瀬戸さんの海外映画祭への参加は今回が初となり、海外でどのような注目を集めるのか大いに期待がかかる。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月12日ワタナベエンターテインメントの俳優集団D-BOYSの舞台“Dステ”の人気作品を映画館で上映する「Dステ映画祭2015」で、舞台挨拶付きスペシャル上映と登壇ゲストが決定した。「Dステ映画祭2015」とは、2007年の開始以来、過去16作品を上演した俳優集団D-BOYSによる舞台“Dステ”を、映画館で上映する映画祭。瀬戸康史主演の「淋しいマグネット」や「ラストゲーム」(再演)などの厳選作品が、東京・渋谷シネクイントにて、8月15日(土)~9月4日(金)上映。その2日目にあたる16日(日)に舞台挨拶付き上映を行う予定だ。当日は“Dステ”第1作目から多数の舞台に出演した荒木宏文を筆頭に、今回の上演作品「ラストゲーム」「十二夜」に出演した荒井敦史、池岡亮介が登壇予定。そしてスペシャルゲストとして、“Dステ”第1作から出演してきた遠藤雄弥も登場する予定だ。メンバーが総力を挙げて挑戦した“Dステ”の魅力や想い出、最新舞台「夕陽伝」について語るという。映画館の大スクリーンと迫力の音響で、臨場感いっぱいに楽しめる「Dステ映画祭2015」。8月15日(土)~9月4日(金)の期間、ニッポンの男子演劇の真髄を心底堪能してみて。<「Dステ映画祭2015 舞台挨拶付きスペシャル上映」>日時:2015年8月16日(日)午前10時~午前10時~舞台挨拶/D-BOYS STAGE 10th「淋しいマグネット」上映会場:シネクイント登壇:荒木宏文、荒井敦史、池岡亮介 スペシャルゲスト:遠藤雄弥(※登壇者の予定は変更になることもございますので、予めご了承ください)(C) Watanabe Entertainment(text:cinemacafe.net)
2015年07月30日柳楽優弥と瀬戸康史が主演を果たす時代劇『合葬』。原作者・杉浦日向子の命日である本日22日(水)、主演の2人よりコメントが到着した。鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護および江戸市中の治安維持を目的として有志により結成された「彰義隊」。高い志をもって結成され江戸の民衆から慕われながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった彰義隊は、「新撰組」や「白虎隊」に比べると、これまであまり語られることがなかった。将軍に熱い忠誠心を持ち、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽優弥)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸康史)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌二郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命を描く。伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載され日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦氏の同名漫画の実写映画化である本作。杉浦氏は、漫画家や江戸風俗研究家、文筆家、さらにテレビ出演などで活躍し、1984年に「合葬」で日本漫画家協会賞優秀賞、1988年「風流江戸雀」で文藝春秋漫画賞を受賞し、1980年代の「江戸ブーム」を牽引した。また、今年代表作「百日紅」の原恵一監督によるアニメーション映画化『百日紅~Miss HOKUSAI~』が公開され、大きな注目を集めた。7月22日(水)、杉浦さんの没後10年を迎える今日、『合葬』で主演を果たす柳楽さんと瀬戸さんから、杉浦さんの命日にあてたコメントが届いている。<柳楽優弥/極役>初めて杉浦さんの漫画、『合葬』を読んだとき、すごく引き込まれ、切なさや儚さがある中でも親しみやすい作品だと思いました。時代劇であり青春の要素も含まれ、どの世代の方にも共感して頂ける作品になったと思います。僕が演じた極は、悲しいくらいにまっすぐ生きています。その生き方は、とても勇気がいることだと感じました。そんな極にどこまで近づけられるかという事が自分にとっての一つのテーマでした。できることならば、是非杉浦さんに観て頂きたいです。自信をもってお届けできる作品です。<瀬戸康史/柾之助役>杉浦日向子さんの原作を知ったのは、今作の映画『合葬』に関わらさせていただくことになってからで、それから何作か続けて読みました。共通して思うのは、杉浦さんはタイムトラベラーなのではないかということ。そうでなければ、登場人物や風景をあんなに細かく描けないと思う。僕が『合葬』で演じた吉森柾之助もそうです。杉浦さんが自身の目で見て、感じてきたからこそ描けるのではないでしょうか。僕は演じる上で原作の異質な雰囲気は壊したくなかったですし、時代や人を少し違った目線で見ている柾之助を大切に演じました。杉浦さんが今作を見て、最後にはどこか希望を感じられる作品になっていたらと思う。天才漫画家と称され、46歳の若さで惜しまれながらなくなった杉浦日向子。没後10年を迎えて公開される本作で、さらなる注目が集まりそうだ。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月22日7月18日(土)~ 7月20日(月・祝)、京都の元・立誠小学校にて、ビアガーデンと映画イベントが楽しめる「まなびやpresents シネマ DE 乾杯 in KIYAMACHI SUMMER FESTIVAL 2015」が開催される。元・立誠小学校は、森鴎外が「高瀬舟」に描いた高瀬川にかかる石橋を玄関口に昭和3年(1928年)に建設された学校であり、1993年(平成4年)の閉校後、自治会行事やイベントの拠点としても積極的に活用されている。さらに、1895年に発明されたリュミエール兄弟のシネマトグラフが1897年にパリから日本に輸入され、日本最初の試写実験として投影が成功した場所として、「日本映画原点の地」とされている。このほど開催が決定した「まなびやpresents シネマ DE 乾杯 in KIYAMACHI SUMMER FESTIVAL 2015」では、メインイベントとして、ビアガーデンや屋台の出店とオススメ映画紹介イベント「シネマバトル」が開催される。イベントでは柳楽優弥&瀬戸康史主演の『合葬』の監督を務めた、京都出身の小林達夫が登壇し、本イベントのビアガーデンとのコラボにちなみ「お酒の飲みっぷりが印象的な映画」について語るという。映画上映企画として『合葬』の公開を記念した小林監督作品の特集上映とトークイベントが行われる。新進気鋭の映画監督として期待がかかる小林監督の、貴重な裏話が聞けるかもしれない。「まなびやpresents シネマ DE 乾杯 in KIYAMACHI SUMMER FESTIVAL 2015」は、7月18日(土)~ 7月20日(月・祝)京都の元・立誠小学校にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年07月14日NHK朝ドラ「まれ」でも好演を見せる柳楽優弥と、新ドラマ「エイジハラスメント」がまもなくスタートする瀬戸康史がW主演を果たす映画『合葬』。杉浦日向子の同名傑作漫画を実写化した本作から、待望の予告編映像が到着した。伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子による原作が、存在感のある俳優としてますます評価を高める柳楽さん、今年デビュー10周年を迎えた瀬戸さんのW主演で映画化。その2人の幼馴染役に、若手実力派の岡山天音、さらに世界的に活躍する俳優・オダギリジョー、同じく「まれ」などで活躍する最旬女優・門脇麦と、個性豊かな実力派共演陣が集結する。舞台となるのは、幕末、「新撰組」や「白虎隊」に比べ、これまであまり語られることがなかった「彰義隊」。予告映像では、将軍に熱い忠誠心を持ち自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽さん)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸さん)、そして友を止めるため、やむを得ず入隊した幼馴染・悌二郎(岡山さん)の偶然の再会から幕を開ける。その直後、「江戸という時代と彼らの青春の終わり」というカヒミ カリィの独特で印象的なナレーションから音楽が転調、門脇さんやオダギリさんも登場し、また瀬戸さんの力強い言葉や柳楽さんの慟哭とともに、まだ若い彼らが儚く散る運命を切ない映像美で魅せていく。混乱の幕末に翻弄された若者たちの姿を、現代の若者にも通じるリアルな青春群像として紡ぎ出した本作を、まずは、こちらから確かめてみて。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月08日俳優の柳楽優弥と瀬戸康史が主演を務める映画『合葬』(9月26日公開)の予告編が8日、公開された。将軍の警護と治安維持のために結成されながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」の姿を描く本作。将軍への熱い忠誠心から、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命が描かれる。公開された予告編は、柳楽演じる極が「わが命は上様にささげ奉ると決めている」とりりしく宣言する姿から始まる。前半では極、柾之助、悌次郎らの3人が青春を謳歌する姿が描かれるが、後半に入ると一変、「恋も 友情も 志も 儚く散る」というメッセージが暗示するように、3人の運命が暗転していく様子が切なく映し出されている。映画の原作は、漫画雑誌『月刊漫画ガロ』(青林堂)で連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した人気漫画作品。原作者の杉浦日向子氏は1980年代の「江戸ブーム」をけん引し、数々の名作を残した。映画『天然コケッコー』(2007年)や連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)などを手掛けた脚本家・渡辺あやが、映画脚本としては4年ぶりに担当。その渡辺が「新進気鋭の逸材」と評した小林達夫監督がメガホンを取り、共演にはオダギリジョー、門脇麦らが名を連ねている。(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
2015年07月08日俳優の柳楽優弥と瀬戸康史が主演を務める映画『合葬』(9月26日公開)で、歌手のカヒミ・カリィがナレーション、音楽ユニット・ASA-CHANG&巡礼が劇中曲を手がけることが11日、わかった。ともに映画作品への参加は初となる。将軍の警護と治安維持のために結成されながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」の姿を描く本作。将軍への熱い忠誠心から、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽)と、養子先から追い出され、行くあてもなく赴くままに彰義隊へ入隊した柾之助(瀬戸)、彰義隊の存在に異を唱えながらもそこに加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)の、時代に翻弄された数奇な運命が描かれる。音楽活動以外にも、NHK FMのパーソナリティー、映画の字幕監修としても活躍するカヒミ。「江戸時代がまるで昨日終わったかのように、若者たちの息使いや笑い声が胸を締め付け、現代があの時代からずっとつながっているという事をリアルに感じました。このような作品に参加する事ができ、本当に光栄です」とコメントを寄せた。トライバル、電子音楽など既存のジャンルにとらわれない音楽で、舞台音楽などでも活躍するASA-CHANG&巡礼は、「『弔いの音楽』という小林監督の意をうけて」、楽曲を制作したことを明かし、「ASA-CHANG&巡礼としての渾身のサウンドトラックが仕上がりました」と自信をのぞかせた。映画『合葬』は、2005年に46歳の若さでこの世を去った漫画家・杉浦日向子さんの同名漫画が原作。『月刊漫画ガロ』(青林堂)で連載され、1984年には日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。脚本は、映画『天然コケッコー』(2007年)やNHK朝の連続テレビ小説『カーネーション』を手がけた渡辺あや氏が担当し、『少年と町』(2007年)で京都国際学生映画祭グランプリを受賞した小林達夫監督がメガホンをとる。共演として、オダギリジョー、門脇麦らの出演が発表されている。(C)2015 杉浦日向子・MS.HS/「合葬」製作委員会
2015年06月11日伝説の漫画雑誌「ガロ」に連載された、江戸風俗研究家としても知られる天才漫画家・杉浦日向子の傑作を、柳楽優弥&瀬戸康史のW主演で映画化した『合葬』。このほど、本作にオダギリジョー、門脇麦ほか豪華共演者が新たに発表となった。幕末期、鳥羽・伏見の戦い後、将軍の警護および江戸市中の治安維持を目的として有志により結成された「彰義隊」。高い志をもって結成され江戸の民衆からも慕われながらも、幕府の解体とともに反政府的な立場に追いやられてしまった「彰義隊」は、「新撰組」や「白虎隊」に比べると、これまであまり語られることがなかった。本作は、将軍・慶喜に忠誠心を持ち、自らの意思で彰義隊に加わった青年・極(柳楽優弥)と、養子先から追い出され、行くあてもなく彰義隊へ入ってしまう柾之助(瀬戸康史)、彰義隊の存在に異を唱えながらも加わらざるをえなかった悌次郎(岡山天音)という、若き青年たちの切なく揺れ動く数奇な運命を描き出す。脚本を手がけるのは、映画『天然コケッコー』やNHK連続テレビ小説「カーネーション」などの人気脚本家・渡辺あや。映画脚本を手掛けるのは、4年ぶりとなる。監督には、その渡辺さんが「新進気鋭の逸材」と評する小林達夫。主演を務める柳楽さんは、存在感のある演技で評価が高く、現在、連続テレビ小説「まれ」にも出演中。また、瀬戸さんもデビュー10周年の今年、ドラマ「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」などでますますの飛躍を見せている。そして、若手実力派として注目される岡山天音と、いま最も注目を浴びる20代男優3人に、さらに強力な豪華キャストが加わった。「彰義隊」穏健派の懐刀・森篤之進には、国内外で活躍する実力派のオダギリさん。また、極(柳楽さん)の元・許嫁で、悌二郎(岡山さん)の妹・福原砂世には、「まれ」でも好演を見せる最旬・若手女優、門脇さん。そして、柾之助(瀬戸さん)が想いを募らせ、極が恋心を抱く茶屋の仲居・かなに「なぞの転校生」の桜井美南とフレッシュな演技派を起用。これまでの“時代劇”とは一線を画す、現代の若者にも通じるリアルな青春群像を紡ぎ出していく。『合葬』は9月26日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月26日10月22日(木)東京・サンシャイン劇場より俳優集団D-BOYSによる舞台、Dステ17th『夕陽伝』が上演。同作のヒット祈願が6日に東京・花園神社で行われ、主演の瀬戸康史のほか、宮崎秋人、小芝風花ら出演者が出席した。日本最古の歴史物語『古事記』をベースに、脚本を末満健一、演出を岡村俊一が務める同作。大和朝廷時代を舞台に、王家に生まれた兄の海里(瀬戸康史)、弟の都月(宮崎秋人)、そのふたりと幼馴染で、摂政の娘である陽向(小芝風花)の3人が、王位継承を巡る争いや政略結婚に巻き込まれていくが・・・。Dステへの出演は3年半ぶり、また、今年役者生活10年を迎える瀬戸は「10年間役者を続けられたことをまず幸せに思います。10年目は節目の年ですが、個人的には変化の年だと思っています。今回の作品で演じる海里という役も、型にはまらず生きたいと思っている役なので、僕自身も役者としてもプライベートでも型にはまらない生き方をしたい。たとえば恋とか色々な経験をしたいですね、特にプランは立ててないんですが(笑)。ただ最近は役者仲間やスタッフさんとの交流を増やしているので、恋に限らず出会いの場はあるので、プライベートを充実させたいですね」とコメント。今作がDステ初出演となる宮崎は「弟として、とにかく兄である海里を支えたい。本当はDステ初出演で色々挑戦していく立場なんですが、役柄は支えるということで、ギャップはありますが頑張ります。Dステは以前演出部として、セットを組んだり転換したりしたことがあって、稽古場では隅っこでD-BOYSの皆さんの芝居を見ながら、いつか出たいと思っていました。今回こうして出られたので、今まで培ってきたものを全て出したいと思っています」と意気込んだ。また、同作が舞台初挑戦となる小芝は「何度かお芝居を見学して、いつか舞台に立ちたいなと思っていたんですが、まさかこんなに早く立てる機会を与えていただけると思っていなかったので、凄くびっくりしました。今日も衣装を着ているんですが、ポスター撮影の時にも衣装を着て、その時に剣を持たせてもらったんですが、凄くテンションが上がって剣を振り回してしまいました(笑)」とコメント。殺陣にも挑戦するとのことで「とにかく初めてのことだらけ。みなさんの力をお借りしながら、精いっぱいすべてのことを頑張りたい」と語った。そんな小芝を瀬戸は「目の輝きやパワーがすごい。顔や雰囲気は可愛らしい感じなんですが、芯にあるものはものすごく太いと思います」と称し、「負けないように頑張らないと」と気をひきしめた。小芝にアドバイスを、と問われると「稽古は長くなると思うので、ごはんを持ってきた方がいいです(笑)。信頼している役者さんなので、アドバイスはそれぐらいですね」と話した。Dステ17th『夕陽伝』は10月22日(木)から11月1日(日)まで東京・サンシャイン劇場、11月21日(土)から22日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールで上演。
2015年05月07日高橋一生、瀬戸康史が出演する舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』が2月1日、東京・シアタートラムで開幕した。英国の劇作家フィリップ・リドリーの作品を本邦初演。2005年のイギリス初演時には、その荒廃した世界観と挑発的で過激な描写が客席を騒然とさせたという話題作だ。舞台『マーキュリー・ファー Mercury Fur』チケット情報暴力と略奪がはびこる街を舞台に、過酷な状況下で、生きること、愛することを渇望するふたりの兄弟の姿を描く本作。高橋と瀬戸はその兄弟役を演じる。初日の公演を終えて、主演のふたりは次のようなコメントを寄せている。■高橋一生(兄・エリオット役)2005年に発表されたこの作品を預言書のようだと感じていますが、そのような過酷な世界になったとしても何を守り、大切にし、信じていくか。最後の牙城は人間の愛だと思いました。また改めて舞台に立って感じたのは、これは希望の物語だということです。俳優として、希望の物語にしなくてはいけないのだという使命を感じました。お客様に少しでも伝わればと思います。■瀬戸康史(弟・ダレン役)この作品はタイムリーで、世界で起こっていることと重なっているようでもあります。自分が出演していることは運命的で、意味がある。そして責任があると感じられる作品です。全27公演をひとつひとつ大切にしていきたいですし、その時のダレンがどう生きているかということを演じていきたいと思います。さらに演出を手がける白井晃からもメッセージが寄せられた。リドリー作品を演出するのは今回で4作目。白井は日本でリドリー作品を手がける唯一の演出家だ。■白井晃(演出)初日が終わってこのように震える思いになったのは初めてです。この作品が持っている意味、演劇が持っている意味というものを改めて感じることができました。俳優たちが必死にこの時間を生きようとしているのを見て、演出家として非常に嬉しく思いましたし、一緒に舞台上で息をしているような気持ちになりました。凄い作品だと改めて思いましたし、多くの観客にこの空間を感じて色んな感想を持ってもらいたい、そのように思いました。舞台は2月22日(日)まで。チケット発売中。
2015年02月04日今秋、俳優集団D-BOYSによる舞台、Dステ17th公演『夕陽伝』が東京・サンシャイン劇場、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される事が決定。同作の脚本は末満健一、演出は岡村俊一が務める。今回上演決定にあたり、主演の瀬戸康史は次のようなコメントを寄せている。「役者として10年。この節目となる年に今作に出会い、自分達が主体となってつくるDステに3年ぶりに出演する事に何か意味があるように感じますし、同時に責任も感じています。脚本の末満健一さん、演出の岡村俊一さんとは初めてご一緒しますし、役者陣も芝居に熱い、曲者揃いなので楽しみです。そして今作は、今、この時代を生きる僕ら、そして観客の皆さまの心に響くメッセージがつまった作品になると確信しています。是非、作品や登場人物から溢れでる想いを感じに来て下さい」(瀬戸康史)■Dステ17th「夕陽伝」日程:2015年 秋【東京公演】サンシャイン劇場【大阪公演】森ノ宮ピロティホール出演:瀬戸康史 / 遠藤雄弥 / 鈴木裕樹 / 高橋龍輝 / 荒井敦史 / 池岡亮介 / 前山剛久 / 宮崎秋人 …and more!※宮崎秋人の「崎」は正式には旧字。「大」が「立」になります。
2015年02月02日榮倉奈々を始め高梨臨、加瀬亮、瀬戸康史と豪華俳優陣が約1か月半にわたって実際にハワイに滞在し撮影された映画『わたしのハワイの歩きかた』。先日、本作のBD&DVD発売されたが、これに先駆け、メガホンを握った前田弘二監督に作品の魅力、さらに日本とは違ったハワイならではのロケの思い出を語ってもらった。本作の主人公は、残業も厭わず毎日夜中まで働く女性編集者・みのり(榮倉奈々)。なかなか報われない自分の努力に虚しさを覚える日々、息抜きの女子会につき合ってみても華やかな女子トークにはついていけず…。ある日、なりゆきで友人のハワイ挙式の二次会セッティングを引き受けたみのりは、現地取材を口実にして一路、ハワイへ!そこで出会った破天荒な女・茜(高梨臨)と意気投合したみのりは、彼女に取材のコーディネイターを依頼。やがて、パーティ三昧の毎日の中で、夢を追いかける事業家・勉(瀬戸康史)、自然を愛する謎の青年・知哉(加瀬亮)と出会い、新しい恋の予感がやってくるのだが――。企画の始まりは、「ハワイで映画を撮りませんか?って言われて」というざっくりとしたオファーから始まったと笑う前田監督。しかし、そこからの苦労は大きかったようだ。――「何を撮るんだろう?」って、思いますよね?そうですね(笑)。昔、美容師として仕事で一回だけ19歳のときに行ったっきりで、いまのハワイの現状をまったく知らなかったんです。ただ、“スローライフ”とか“自分探し”とかそういうのとは違う映画を作りましょう、というところから、わりと弾けた元気な映画を作ろうというところからスタートしました。――本作には魅力的なレストランや地元の方しか知らないような素敵なお店や場所がたくさん登場しますが、ロケハンは大変だったのでは?現地の情報やストーリーラインは一度脚本家の高田さんと話して、日本でまとめて行ったんです。現地に着いてからは、それを確かめに行く作業という感じでした。さらに、いい題材とかいい話があるとまた取り入れてという形で、最初はネットやいろんなもので一回調べてベースを作って、で現地に行って、膨らませて。こういう設定だから、こう変えようか?と進めていきましたね。ロケハン自体は最初に1週間くらい滞在して、その後に撮影込みで1か月ちょっとくらいハワイで過ごしました。――日本の撮影部隊が海外とのカルチャーギャップに苦しむという話はよく聞きますが、『わたしのハワイの歩きかた』チームが経験した最も大変だったことは?海外なのでもちろんですが、都合上、限られた撮影時間内に撮りきらなきゃいけなくて、それが一番大変でした。日本での映画の撮影だと、夜遅くまで撮ったり、徹夜とかあったりするんですが、時間がほんとに限られてるので、毎日が時間に縛られて撮りきれるか心配でした。その分集中することも多かったですが。エキストラの方の立ち居地も複雑で、セリフがないにしても役者さんの近くに配置してしまうと、そのエキストラは“役者”に変わる、という。その線引きがどれくらいなら大丈夫なのか、という部分がかなり難しかったですね。あと、僕が英語をまったく話せないっていう(苦笑)。でも、現地の人でどちらも話せる方が結構いらっしゃいまして、そういう意味でも現地スタッフの助けは大きかったですね。――榮倉さんや加瀬さんたちキャスト陣は撮影が終わると、現地の人に聞いて毎夜楽しい食事会があったと伺ったのですが、前田監督も参加されたのですか?役者さん同士が本当に仲良くて。僕もたまに参加させていただき楽しい時間を過ごすことができました。ですが、日々撮影の時間に追われてるので、ほとんど夜は助監督と次の日の作戦会議してました(笑)。――そんな苦労を経て完成した本作。ハワイののんびりとした雰囲気が存分に収められている一方で、榮倉さんが演じる主人公・みのりと高梨さん演じる茜を中心に展開される、毒舌入り混じる軽快な“女子会トーク”も本作の見どころだ。前田監督と脚本を担当した高田亮は共に男性だが、会話劇のシーンはどのように作っていったのだろうか?あんまり女性だから、男性だからというのは意識せず作りました(笑)。女性だからこうする、男性だからこうする、なんて答えは存在はしません。結局は人によります。登場人物それぞれの価値観がぶつかり合って、その中でいろんな感情を見せていけたらなと脚本の高田さんとよく話しました。――そんなとりとめのない掛け合いが生み出すコメディの中、時折感じさせられるものが本作にはある。本作は、主人公・みのりが見失ってしまった己の人生を、ハワイで生きる3人の人生を通して顧みるという物語でもある。コメディとリアルをどんな風にミックスしていったのだろうか?この映画は、主人公・みのりがやけっぱちでハワイに飛び出すという、目的のないところから物語が始まります。会社のお金を使って遊び倒そうと行動を起こしながらも、現地で様々な人と出会い、体験していくなかで、やがてみのりは自分が抱えている問題に直面していきます。現実から脱出してハワイに来たはずが、結局は現実からは逃れらない。少しずつこれからの生き方を見つけていくというのを描きたいなって思ったんです。――最後に、ハワイの魅力と併せて、『わたしのハワイの歩きかた』の見どころをお願いします。なんかむしゃくしゃした時にでも是非、ハワイの空気とみのりの気分にのっかって、スカーッ!と楽しんでもらえたら嬉しいです。(text:cinemacafe.net)■関連作品:わたしのハワイの歩きかた 2014年6月14日より全国にて公開(C) 2014「わたしのハワイの歩きかた」製作委員会
2014年12月19日2005年に46歳の若さでこの世を去った漫画家・杉浦日向子さんの『合葬』が、主演に柳楽優弥と瀬戸康史を迎えて初めて実写映画化されることが10日、明らかになった。映画は来年秋の公開を予定している。『合葬』は『月刊漫画ガロ』(青林堂)で連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した人気漫画。杉浦さんは1980年代の「江戸ブーム」を牽引し、数々の名作を残した。中でも、同作は評価が高く、幕府の解体に反対し、最後まで戦った「彰義隊」をテーマに、そこに参加した3人の若者の数奇な運命を描いている。映画『天然コケッコー』(2007年)や連続テレビ小説『カーネーション』(2011年)などを手掛けた脚本家・渡辺あやが、映画脚本としては4年ぶりに担当。その渡辺が「新進気鋭の逸材」と評した小林達夫監督がメガホンを取る。柳楽演じる秋津極は、悌二郎(岡山天音)の妹との婚約を破談にし、彰義隊へ入隊。クールな物腰の反面、主君・徳川慶喜に対して熱い忠誠心を抱いている。柳楽は本作について「日本の伝統、日本らしさというのは忘れてはいけないんだと作品を通して思いました」と実感。「粋な人生を生き抜いた『極』という役を演じることができて幸せでした」と俳優としての喜びを語った。一方、瀬戸演じる吉森柾之助は、極、悌二郎の幼なじみで、養子先の笠井家を追い出され、行くあてもないまま彰義隊へ入る役どころ。原作の魅力を「杉浦日向子さんの作品は、"萌え"と"燃え"が共存した不思議な世界へ僕達を連れて行ってくれる」と説明し、「作品を知っていくうちに、僕が思い描いていた武士は薄っぺらく、当時の人も現代の若者と同じような悩みを持ち、柾之助はある意味時代にあらがった人物なんだという、僕なりの答えが見つかった」とこちらも歴史の重みを再認識していた。
2014年12月10日「月刊漫画ガロ」に連載されていた、天才漫画家・杉浦日向子の「合葬」を柳楽優弥、瀬戸康史を主演に迎え実写映画化することが明らかになった。慶応4年。300年にわたる徳川幕府の支配が終わった。極(柳楽優弥)は、悌二郎(岡山天音)の妹との婚約を突然破談にする。それを聞いた悌二郎は憤慨し、極を追い詰めている最中、幼馴染である柾之助(瀬戸康史)と再会。柾之助が家を追い出されたと聞いた極は、柾之助に彰義隊への入隊を勧める。この3人の再会が、其々の人生を狂わせてゆく…。伝説の漫画雑誌「月刊漫画ガロ」に連載され日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子の傑作漫画を原作に、映画『天然コケッコー』や連続テレビ小説「カーネーション」などを手掛けた人気脚本家・渡辺あやと、新進気鋭の逸材と評した小林達夫がタッグを組み実写化した本作。秋津極役に『許されざる者』『闇金ウシジマくん Part2』など存在感のある俳優として評価が高い柳楽優弥、極の幼なじみ吉森柾之助役に来年デビュー10周年を迎え、『わたしのハワイの歩きかた』や2015年1月からスタートする大河ドラマ「花燃ゆ」などますます飛躍を見せる瀬戸康史がW主演を務める。そして2人の幼馴染役で柾之助、極と関わり翻弄されていく福原悌二郎役に『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『チョコリエッタ』に出演する岡山天音が好演。幕末という時代の転換期に生き、戦いに巻き込まれていく若者たちの青春を濃密で哀切な空気と共に描いていく。以下、出演者コメント<柳楽優弥/秋津極役>「日本の伝統、日本らしさというのは忘れてはいけないんだと作品を通して思いました。粋な人生を生き抜いた「極」という役を演じることができて幸せでした」<瀬戸康史/吉森柾之助役>「僕が演じた柾之助はあっけらかんとした性格で、僕が思い描いていた“武士”とは全く違っていた。ものすごく純粋で不器用だ。作品を知っていくうちに、僕が思い描いていた武士は薄っぺらく、当時の人も現代の若者と同じような悩みを持ち、柾之助はある意味時代に抗った人物なんだという、僕なりの答えが見つかった。杉浦日向子さんの作品は、“萌え”と“燃え”が共存した不思議な世界へ僕達を連れて行ってくれる」<岡山天音/福原悌二郎役>「幕末を生きた若者達が、今の僕らと同じ等身大の想いを抱いて、確かに生きていたんだとゆう事を、この作品に参加して身を持って感じました。この映画を通して当時を生きた人達の体温に少しでも触れて頂きたいです」『合葬』は2015年秋全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月10日杉浦日向子の傑作漫画『合葬』が柳楽優弥と瀬戸康史の主演で実写映画化されることが発表された。『ジョゼと虎と魚たち』やドラマ『カーネーション』の渡辺あやが脚本を手がけ、新鋭・小林達夫がメガホンをとる。その他の情報本作の原作は、伝説の漫画雑誌、月刊漫画ガロに連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した杉浦日向子の傑作漫画。江戸幕府が終わった慶応4年を舞台に、婚約を破棄して彰義隊へ入隊した秋津極と、極の婚約者の兄・福原悌二郎(岡山天音)、極の幼なじみで養子先を追い出されて彰義隊に入った吉森柾之助の運命を描く。彰義隊は江戸の治安維持を受けていた舞台で、最終的には新政府に敗れて解散した。極を演じる柳楽は「日本の伝統、日本らしさというのは忘れてはいけないんだと作品を通して思いました。粋な人生を生き抜いた“極”という役を演じることができて幸せでした」と言い、瀬戸は「僕が演じた柾之助はあっけらかんとした性格で、僕が思い描いていた“武士”とは全く違っていた。ものすごく純粋で不器用だ。作品を知っていくうちに、僕が思い描いていた武士は薄っぺらく、当時の人も現代の若者と同じような悩みを持ち、柾之助はある意味時代に抗った人物なんだという、僕なりの答えが見つかった。杉浦日向子さんの作品は、“萌え”と“燃え”が共存した不思議な世界へ僕達を連れて行ってくれる」とコメント。瀬戸麻理子プロデューサーは「『合葬』に描かれているのは、時代に翻弄された、今と変わらぬ普通の若者の青春そのものです。時代劇という形を取ってはいますが、青春映画として観ていただければ嬉しく思います」と語っている。『合葬』2015年秋、全国ロードショー
2014年12月10日●言いたいことをすぐにパッと言えたら……WOWOWで10月19日からスタートする連続ドラマW『株価暴落』は、池井戸潤の小説が原作の金融サスペンス。爆破テロのターゲットにされた経営再建中の巨大スーパーを巡り、銀行員をはじめ、経営陣、警察などさまざまな人たちの思惑が激しくぶつかり合う。主人公である銀行マン・板東洋史を演じた織田裕二に話を聞いた。――まずは今回演じられたキャラクターについての感想をお聞かせ下さい。目的や信念に向かって真っすぐに進む主人公・板東の姿は、私たちが思い浮かべる織田さんのイメージとオーバーラップする部分が多々あるように感じられました。「台本に書かれた文字だけで見ると、確かにハッキリとした物言いは似てるかもしれないけど、板東の場合は『我慢』が先について来るんですよね。我慢して我慢して、これだけは相手に伝えないといけないから言っているのであって、自分とは全然違っているから…疲れるんです(笑)。そりゃ、言いたいことをすぐにパッと言えたら楽じゃないですか」――ということは、必然的に"耐える"演技が多かったということでしょうか。「僕が演じる板東は審査部の審査役という重要なポジションにいますが、高嶋政伸さん演じる企画部の副部長・二戸は板東の意見とは真っ向から対立している。相手の都合も分かり、自分の都合も考え、でも、ここだけは伝えないといけない、というところに来ていた板東はようやく発言するわけです。しかも、ストーリーは二つの部署の単なる意見の相違かと思っていたら、実はそうではなかったというところが面白いと思います」●描かれてるテーマは決して遠い世界の話ではない――縦に横にと、複雑に絡み合う登場人物の思惑と人間関係が、この作品の見どころの一つということですね。「組織ではよくあることですけど、板東は銀行のトップである頭取から、自分のしていることに対して『ダメだ』と言われるんです。『気持ちは分かるが、逆のことをしろ』と。当然、頭取命令ですから従わざるを得ないんですけど、頭取もはっきり『ダメ』とは言わないんですよ。『柔軟な対応を取れ』というように、言葉に含みがある。それは『もっといいアイデアがあるなら使わなくはない』とも受け取れる。ぶつかり合いつつも、相手の気分を害さずに、うまく事を進める…難しいですよね。そんな簡単にできるのならどうぞやって下さいと。でも、そういう上からの無茶ぶりって、よくありますよね(笑)」――ストーリー全体を見渡すと、単なる企業モノではないスケールの大きさと深さを感じました。「ひとつの会社が潰れれば、そこで働く人たちだけでなく、その家族にも大きな影響を及ぼすじゃないですか。ならば、間違っているんだけど会社を潰さないよう延命処置しよう、ガンの病巣を取り除く手術はせずに薬でごまかそう、とする。ちょっとそれはある意味、今の日本のやり方に似ているのかもしれない。良く言えばソフトランディングかもしれないけど、悪く言うと負の遺産をずるずると後輩たちに押しつけているのではないかと」――金融サスペンスの形をとりながら、現代日本の問題を浮き彫りにしているということでしょうか。「このドラマで描かれていることは、決して遠い世界の話ではないと思うんです。今の時代を生きる自分たちにも関係している、みんなが考えなければいけないことですよね。国民一人あたりの借金が約800万円と言われてますけど、実感がないじゃないですか。どんどん与党が変わって『ムダを排除した』といっても、結局どうなんだろう…? と。でも、他人事ではないんですよね」●「一人、ネクタイをゆるめている」という描写――自分のことだけでなく、他の人や身の回りの出来事について考えるきっかけになればいいと。「過去に作ってきた法律やルールが違うんじゃないかと、今、疑問に思い始めていますけど、実は僕らも同じことをしてしまっているのではないか、とも思うんです。そして後々、孫の代になって『おじいちゃん、おばあちゃんの世代はなんであんな法律を許したの?』と聞かれるかもしれない。その時、ただ『ごめんなさい』と謝るのか、それとも…。僕たちの身の回りには、ホントはもっと議論しなければいけない問題がたくさんあるように思うんです」――そういった状況を踏まえ、ドラマの中で板東という存在をどう見せていきたいと思いますか?「最近では会社員の方もあまり社員バッジをしないそうですが、板東はあえてバッジをしている。これは組織の中の歯車の息苦しさを象徴していますよね。あと、台本には『一人、ネクタイをゆるめている』という描写が多いんですが、それを見て、あ、彼は息苦しいんだなと。上司や融資先相手の外行きの顔が多く、息が詰まりそうな中、部下たちの前でネクタイをちょっとゆるめたりする。そんな彼がふっと気持ちを抜いた時、人間らしさというか素顔を少しでも見せることができれば。あとはひたすら我慢です(笑)」――余談ですが、ドラマファンとしては石橋凌さん、石黒賢さん、鶴田真由さんといった、かつて織田さんが共演された役者さんたちとの顔合わせには感慨深いものがあります。「気がつくと石橋さんとは20年くらい、石黒さん、鶴田さんとも長いお付き合いになりますよね。中でも、竜雷太さんに関しては、やっぱり『太陽にほえろ!』のゴリさんを見て育った世代ですから、僕も非常に感慨深かったです。それだけでなく、竜さんの芝居に対する姿勢にとても驚きました。あれだけの先輩にもかかわらず、あれほどのモチベーションや熱意で芝居に臨んでいるなんて。竜さんだけでしたからね、本番OK後、監督に『もう1回やらせて下さい』と申し出たのは。自分もああいうふうにいたいな、と思いました」出演はほかに高嶋政伸、瀬戸康史、川島海荷、平山浩行、竜雷太、鶴田真由、板尾創路、石黒賢、石橋凌。連続ドラマW『株価暴落』は10月19日(22:00~)WOWOWプライムにてスタート。全5回(初回無料放送)。
2014年10月18日