特別支援学校高等部卒業は、中卒扱い?「特別支援学校高等部卒業だと、就職するとき中卒扱いとなってしまうから不利になると聞いたよ」と知人から言われたことがあります。本当にそうであれば、「(高卒扱いとなる)高校へ行かせたい」と悩んでしまう保護者の方がいるのも無理からぬことだと思います。ですが、特別支援学校高等部を卒業すると、履歴書に書く学歴としては「特別支援学校高等部卒」になります。果たして本当に企業就労するときに不利になるのでしょうか。企業に求められる人材とは以前、障害がある子どもの就職についてのセミナーに参加したとき、企業が求める人材について聞きました。人事の採用者がご自身の考えをこのように述べられていました。「”○○ができる/できない”ということではなく、仕事をする上で知ったかぶりをしないで、素直に『分かりません』、『助けてください』と言える人、そう言う人が結果として長く勤めています。質問することを恥ずかしいと思ったり、注意を受けるとふてくされてしままったり、素直に聞けない場合、対応がなかなか難しいです」ということでした。そのためには、劣等感を感じず、自信を持てる学生生活を送ることができる環境に進級することが大切なのではないかと感じました。特別支援学校高等部での進路指導息子は高等部卒業後の進路希望先は就労移行支援事業所を希望していました。そのため、学校での個人面談前にこの用紙を提出しました。Upload By 立石美津子希望した就労移行支援事業所は、住んでいる行政区から少し離れた行政区にありました。面談日に進路担当の先生と担任から「私どもは(学校のある)〇〇区外の事業所について詳しくなかったので、午前中にお母さまが書かれたご希望の就労移行支援事業所を見学に行ってきました。見学をしないで、本日の面談で話ができないと思ったので…」と言われました。私「え、見に行って下さったんですか、先生、お忙しい中、わざわざ息子のために足を運んで下さりありがとうございます!」先生「進級希望先は保護者の方が直接交渉するよりも、学校長の名前でまず実習希望を依頼した方が先方の心象もいいことが多いです。仮に実習できたとしても、実習後、内定が出なかったら次の策として、区内の実習先で○○と○○がありますので、そちらに行って…」こんな風にドンドン決めてくれます。最後に担任と進路の先生から「お母さま、今日は寒い中、お忙しい中、お越し下さってありがとうございました」と言われました。(おい、おい、それはこっちのセリフ、先生方、息子のためにいろいろと考えて下さり、本当に感謝しています!)と私は心で叫び、頭を下げました。このやりとりを普通科高校に障害のある子どもを通わせている知人に話をすると「過保護すぎる学校!」と言われてしまいました。でも、私は(過保護でもありがたい。親の力ではできないことを、学校側が交渉してくれているのだから…)と心の中で思いました。情報が入らない地元の公立中学の特別支援学級で同じクラスだったお子さんが普通科高校へ進級しました。道でばったり会ったとき、お母さまが卒業後のことを悩んでいました。私が“就労移行支援事業所”の説明をすると、「それなあに?」との返答。「障害がある生徒が少ない学校に在籍していると、保護者にも情報が入らないのだな。就職指導でも障害がある人向けの就労先の案内などはなさそうだ」と感じ、改めて”特別支援教育を受けられる恵まれた環境”に感謝したことを思い出します。スペシャルスクール私の知人のお子さんで、特別支援学校高等部を卒業して、企業就労して8年目の人がいます。自分の苦手を知り、できないことについては、周りの人に頼ったり質問したりできます。言われた仕事をきちんとこなせ、注意や指摘されても素直に受け取り働き続けています。「普通科高校や商業科高校などに行った方が伸びるのではないか」と漠然と考えるのではなく、わが子の特性や障害の程度を見極めて進路を選ぶことが大切だと思います。学校生活の中でコミュニケーションや生活力を高める教育を受け、就労についても手厚い支援を受け、職業訓練や適性を見極めえ指導してもらえる特別支援学校高等部の利点にも目を向けていただけたらと思います。障害者雇用枠であっても卒業すれば否応なしに、すざまじい競争社会に放りだされるでしょう。そのとき、母校での安心安全を確保されていた経験がそれを乗り越えるエネルギーになるのではないでしょうか。学生生活最後の3年間を過ごす高等部、無理をさせることなく、わが子が自信を持って楽しく通える場所を探してほしいと思います。執筆:立石美津子(監修・鈴木先生より)息子さんの目標の中にあった「指示を最後までしっかり聞いて作業する」ことは、ADHDのある人にとっては困難なことなので、ADHDがあれば早めに治すことも必要になりますね。私の診ている患者さんのケースの中にも、保護者の思いから、特別支援学校高等部へ進学するのをためらうケースが毎年みられます。そういう保護者の方には、特別支援学校に所属している特別支援教育巡回相談員が地域の小学校に訪問して相談にのってくれるという都道府県の事業を紹介しています。神経発達症(発達障害)に理解の乏しい高校へ進学して情報が入らないよりも、理解があり地域の企業や事業所などともつながりのある特別支援学校で、社会性を身につけさせ、さらには就労支援までしてもらうという手もあるのです。実際に特別支援学校へ進学された方は、最終的な就職率はいいとされています。大切なのは「教育&就労環境」です。お子さんが今どのような状態でどのようなことができるのか、そして何がお子さんのためになるのかという基準で進路を考え、導いてあげてください。(「発達障がいに困っている人びと」鈴木直光著幻冬舎ルネッサンス新書より一部抜粋)最近はまだ少ないですが、神経発達症(発達障害)に理解のある私立高校や通信制の高校があり、集団が苦手なお子さんは「少人数または一人でも学習のできる環境」のある高校を選ぶ傾向にあります。知的なレベルにもよりますが、中学時代に不登校だったお子さんもそうした高校へ通うと、皆勤となっているケースも多くあります。学校も社会も「障害に理解のある環境」が重要ですね。
2022年02月03日子どもの小学校・中学校入学に向けて発達障害のある子の小学校、中学校への入学。子どもに合うのは通常学級?特別支援学級?特別支援学校?中学やその先の高校、就労など、将来に向けてもどんな選択をしたらいいのか悩んでしまいますよね。今回は入学、就学関連のコラムをまとめてお届けします。参考になるエピソードばかりなので、気になるコラムはぜひリンクをクリックして読んでみてください。通常学級?特別支援学級?クラスを決めるまでの1年間ADHDと自閉スペクトラム症の診断を持つむっくん。一見困難さを抱えているようには見えないのですが、見えない困難さもあり…。前半は進学相談スケジュールや面談の様子、後半は見学や進路決定など詳しく描かれています。小学校見学に学童に…説明会が盛りだくさん!自閉スペクトラム症のあるミミくん。説明会に行き、学校公開日に3校を訪問し…。それぞれの学校の特色や毎月のスケジュールの流れなど参考になりそうですね。ASD息子が授業に慣れるために行った「授業ごっこ」とは?自身にもASDがあり、小学校入学時、突然始まった「授業と勉強」に戸惑った経験のある母の丸山さとこさん。その経験から、息子のコウくんに「勉強ごっこ」を提案します。一体その内容とは…?進路を迷うことすらできないの?「特別支援学校」を受け入れるまでの母の葛藤自閉スペクトラム症と知的障害のあるぽぺろうくん。母のぼさ子さんは早い段階から特別支援学校への進学を想定していましたが、その結論を受け止めるまでにはさまざまな思いもあり…。発達凸凹長男くんの全7話の中学校受験物語!小6を迎えた自閉スペクトラム症のある長男くんが私立中学を受験!受験校選びから始まり、受験勉強、親子ゲンカ、志望校の変更などさまざまな出来事をどう乗り越える…?!全7話の読み応えのあるコラムになっています。発達障害のある小6息子が心配で中学校に相談したけれど…発達障害のある小6のリュウ太くん。母のかなしろにゃんこ。さんは中学生活が心配で進学先に配慮をお願いに行くのですが、校長先生から言われた言葉にがっかりしてしまい…。でもいざ入学してみると…?4月からの新学期に向けてさまざまな入学・就学関連のコラムをお届けしました。新学期まであとわずか!お子さんにとってより良い環境で新学期が迎えられることを願っております。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2022年01月04日八洲学園大学国際高等学校(広域通信制課程普通科、本校:沖縄県)は、株式会社才流(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:栗原 康太)が運営する通信制高校サポート校「サイルビジネス学院高等部」と学習提携し、高校卒業単位を修得しながらビジネスを学べる学校の設立に参加します。サイルビジネス学院高等部は、ビジネスを学びたい学生の意思を支援する学校です。高校生にもわかりやすいビジネスメソッド、さまざまな業界の起業家・事業家との出会い、実践的なプロジェクト型学習などを提供。全国からオンライン通学が可能で、学生同士は共通の課題に取り組みながら学び合います。高校卒業に必要な単位修得は、通信制高校である八洲学園大学国際高等学校がサポート。自分のペースで必修科目を学び、残りの時間をビジネスの学習に充てられます。2022年4月の開校に向け、2021年11月より1期生の出願受付を開始します。サイルビジネス学院高等部1■サイルビジネス学院高等部の特長●偏差値、学歴、所属などは一切不問偏差値、学歴、性別、課外活動歴、国籍、人種などで合否を判定することはありません。●高卒資格を取りながらビジネスを学び放題自分のペースで高校卒業に必要な勉強を進めながら、実践的なビジネス課題に挑戦。全国の学生と初心者でもわかる教科書で、いつでもどこでも学べます。●受験料0円。受験勉強なしで入学できる受験勉強を必要としない入学試験を採用しています。資料請求した方は受験料0円。オンラインで受験できるので交通費も0円です。サイルビジネス学院高等部2■開校の想い:サイルビジネス学院高等部 学院長「松下 雅征」サイルビジネス学院高等部 松下 雅征学院長●「誰かに必要な学歴や資格は、あなたには必要ないかもしれません」1日6時間、年間240日高校に行くと、3年間で4,320時間。多くの高校生が“いい”学歴か資格を取るために、膨大な時間を使っています。“いい”学歴や資格は、ないよりはあったほうがいいかもしれません。でも、自分にとって必要かどうかは、自分が何をしたいかによって変わるものです。私は、1人ひとりにあった学びを届ける機会を作りたいと考え、サイルビジネス学院高等部を作りました。自由自律、仕事に直結、多様な生き方、熱中する学び。ビジネスに興味がある学生のための、有意義な学びの場を創ってまいります。【プロフィール】株式会社才流 学習支援部門責任者 兼 コーポレートグロース 松下 雅征東京都内の公立中学校から早稲田実業学校高等部へ推薦入学。同校を主席卒業後、2011年に早稲田大学政治経済学部経済学科へ進学。在学中に大学受験相談サービスをつくり、累計3万人以上の高校生に大学生との相談機会を提供。2016年、社会人教育や組織変革の支援をする東証一部上場企業に入社。新規事業のマーケティング部門立ち上げを担当。2020年、企業のビジネスを支援する株式会社才流に入社。同社の経営強化や新規事業の開発に従事。■いつでもすぐにネットで出願できる!2022年1期生の出願受付を開始サイルビジネス学院高等部3サイルビジネス学院高等部はインターネットで出願できる「Web出願」を導入しています。入学を希望される方は、募集要項と入学までの流れ( )を確認の上、Web出願フォーム( )にご入力ください。■サイルビジネス学院高等部運営会社株式会社才流代表取締役社長: 栗原 康太所在地 : 東京都千代田区平河町2丁目5-3 Nagatacho GRiDURL : メソッドに基づくコンサルティング、研修を行っており、上場企業から有名スタートアップまで多数の支援実績があります。■提携校学校法人八洲(やしま)学園 八洲学園大学国際高等学校学校長: 中村 成希所在地: 沖縄県国頭郡本部町備瀬 1249開校 : 2000年4月URL : 短期集中スクーリング方式のために開校した、「日本初」の通信制高校。本校は沖縄県にあり、全国から入学が可能。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月22日一般社団法人D-beyond(以下 D-beyond、所在地:埼玉県戸田市、代表理事:三阪 洋行)は、2021年10月~2022年2月にかけて、茨城県内の特別支援学校に対し、スポーツを通した教育活動である特別支援学校キャラバンを開催することが決定しました。元車いすラグビー日本代表のパラリンピアンである三阪 洋行や庄子 健(D-beyond理事)によるスポーツの体験会や対話を通し、子どもたちにスポーツの楽しさやチャレンジすることの大切さを伝えます。D-beyondではこれまでイベント会場でのラグビーキャラバンや教育機関での講演会等を行ってきましたが、特別支援学校キャラバンの開催は初めてとなります。【茨城県 特別支援学校キャラバン 概要】<開催日程>2021年10月12日 茨城県立つくば特別支援学校 ※同日2回開催2021年12月7日 茨城県立下妻特別支援学校2022年1月13日 同上2022年1月20日 茨城県立水戸特別支援学校2022年1月27日 同上<実施内容>■車いすラグビーや普段学校で触れる機会の無いスポーツ体験※プログラムは参加者の状況を考慮の上決定するため、各回で異なります。■パラリンピアンとの対話特別支援学校キャラバンは全国を継続的に周ることで、開催した地域に少しずつ種を撒いていくことを目指しています。関心のある方はぜひご連絡ください。【D-beyondについて】<設立>2020年4月8日<代表理事>三阪 洋行<団体概要>代表理事の三阪 洋行や理事の庄子 健といった元車いすラグビー日本代表パラリンピアン(パラリンピック出場アスリート)を中心に、パラアスリートの経験とパラスポーツの魅力を伝える事業を行う団体です。活動を通して、障がい者に限らず、たくさんの人が新たな可能性に気づき、その可能性にチャレンジするきっかけを作りたいと考えています。<主な事業>■ラグビーキャラバン子ども向けの車いすラグビー&タグラグビー体験会と保護者を含めた全世代向けのトークショーをセットで行います。元15人制ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬 俊朗氏と行っています。■特別支援学校キャラバン特別支援学校の子どもたちに対してオーダーメードで様々なパラスポーツの体験会等を行います。■動画配信YouTubeチャンネル「D-beyond」を開設し、元パラアスリートならではの用具解説や体験レポート、トークショーを配信しています。■アライアンス多様な団体とアライアンスを組み、知見やノウハウを提供することで新規事業開発やサービス改善等に繋げます。■企業研修プログラム刻々と変化する状況下でのプロジェクト推進思考、多様性あるチームのマネジメントやチームワーク、共生社会といったテーマごとにビジネス成果を導く企業研修プログラムを用意しています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月05日専門学校向け広報支援事業を展開しているeTROVE株式会社(代表取締役:山内 裕次)は、専門学校広報DX化サービスの提供に伴い、オンライン無料相談の受付を開始しましたことをお知らせいたします。専門学校広報DX: 公式キャラクター【でじとら君】■サービス開始の経緯私たちeTROVE株式会社は、教育事業の「人」を育てる素晴らしさに感動・共感し、高校生にとっての最適な進学先選択と専門学校様の学生募集をサポートしてまいりました。昨今、多くの専門学校様が、入学者減少により厳しい経営状況に置かれています。しかしながら、大半の専門学校様が「学校案内パンフレットの資料請求」や「業者によるガイダンス」など、従来の広報施策に依存され、競合校に遅れを取っているという現状があります。そのような専門学校様のお力になるべく、私たちeTROVE株式会社が10年以上の経験で培い、直接ご支援している専門学校様のみに提供していた専門学校広報DXのノウハウを、広く一般の専門学校様へもご提供を開始することにいたしました。■サービスの特長1. 徹底したヒアリング・分析70項目に及ぶ独自のヒアリングシートを用い、クライアント様、ターゲットとなる高校生、競合校の分析を徹底的に行います。2. 最先端のWebマーケティングのご提案教育業界だけでなく、様々な業界におけるWebマーケティングの成功ノウハウを専門学校広報に導入。SEOなど海外の最先端施策もいち早く提供し、競合校との競争を勝ち抜きます。3. 年間広報スケジュールのプランニング広報には緻密な計画が必要です。高校生の進路選択スケジュールに合わせた施策を立案し、最適なタイミングで実施します。4. 広報活動の課題を数字で可視化「感覚値」ではなく「数字」による分析・判断を徹底。さらにその数字を因数分解することで、各フェーズの目標数字や課題を明確にし、具体的な対策を実行していきます。5. 広報戦略会議情報やノウハウを共有し、広報戦略の質とスピードを高めることを目的に、関連企業を集めた会議を最低でも毎月1回開催します。6. お客様の「期待」を超えるサービスお客様が求めているものを常に先回りして考え、依頼される前に行動する。サービスにご満足いただくのは当然として、「この人が担当で良かった」と思っていただけるよう人間力を高める。スタッフ全員が、常に意識して実践しています。■オンライン無料相談について入学者を増やしたいとお考えの専門学校様を対象に、オンライン無料相談を受け付けております。目標数字や課題をヒアリングの上、最適な広報DXを無料でご提案いたします。ご希望の専門学校様は、下記よりお気軽にお問い合わせください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月30日ID学園高等学校では、不登校支援を実践されている教育コンサルタントの平栗将裕氏をお招きし、「夢を叶えるための進路づくり」の講演会を開催致します。不登校の生徒への支援についてご興味がある保護者様や教育関係者様のご参加をお待ちしております。講演会詳細■日時:11月13日(土)14:00~15:00※当日は13時よりオープンキャンパスを行っております。併せてご参加ください。■場所:ID学園高等学校東京本部校(〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町3-2-14 ) ■講師:平栗将裕氏教育コンサルタント、 社団法人 日本産業カウンセラー協会 産業カウンセラーAllight Educational Consulting代表(株式会社Allight 代表)、NPO法人リアル 代表理事■内容:不登校支援の実践家による講演~夢を叶えるための進路づくり~不登校を経験すると、周囲とは違う進路を選ばざるを得ないことがあります。しかし、その生徒にあった環境を選び、今の時代に必要な力を身につけていけば、素晴らしい進路がひらけます。通信制高校という環境を上手く活用し夢を叶えるためのポイントをご紹介します。教育コンサルタント平栗将裕氏お申し込みWebからのお申し込み、もしくはお電話にて承ります。 TEL:0120-426-966講師紹介平栗 将裕 氏1985年福島県生まれ。早稲田大学第一文学部総合人文学科フランス文学専修卒。大学在学中に有志らと、不登校専門の家庭教師「東京家学」を創業し、以来10年間代表として経験を積む。新たな活動の場としてAllight Educational Consulting (株式会社Allight)とNPO法人リアルを設立し、現在、代表を務める。2014年4月〜2015年3月「ナナメの関係からの不登校支援」(教育新聞社)連載2016年 6月 「GW明けの不登校 早めのケアで対処する」(小学館)寄稿2016年 11月 平成28年度 内閣府アウトリーチ研修 講師「不登校について学ぶ 土曜講座」を毎月開催。不登校に悩む保護者にとってヒントになる読み物を掲載する通信誌「Blueprint」を毎月発行。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2021年09月30日株式会社管理工学研究所(代表取締役社長:金谷 直己、本社:東京都千代田区)は、新高等学校学習指導要領に対応した校務支援システム『HEURiS-2022』および学校の時間割作成・管理業務に最適な時間割ソフト『YELL(エール) for Teacher』を2021年9月28日(火)に発売いたします。HEURiS校務支援システムは、2005年の発売以来私立高校を中心に様々な学校様でご利用いただいている高校、中高一貫校向け校務支援システムです。今回発表する最新バージョン『HEURiS-2022』は観点別学習状況の評価を支援する機能を搭載し、2022年度新入生以降を対象とする新高等学校学習指導要領に対応したものです。観点別学習状況の評価の入力およびそのチェック、生徒指導要録に対する出力などをサポートし、新高等学校学習指導要領の実施を支援します。観点別学習状況の評価入力画面時間割ソフト『YELL(エール)』は、コマ盤型のユーザーインタフェースによる使いやすさ、質のよい時間割をつくりだす柔軟な条件設定と高度な作成機能、年間行事計画や授業の一時変更を支援する管理機能等々の特長をもつ、時間割にかかわる一年間の全業務を支援するソフトウェアです。今回発表する『YELL(エール) for Teacher』は、時間割ソフト『YELL(エール)』を先生お一人からご利用いただけるようにしたシングルユーザー版の商品です。『YELL(エール) for Teacher』では永続ライセンスのほか、一年間の利用料金型ライセンスも設定しており、ソフトウェアのバージョン管理や備品管理の考え方に合わせてお選びいただけるようになっています。コマ盤型のUI時間割登録機能一時変更機能●価格・校務支援システム『HEURiS-2022』当社までお問い合わせください。・時間割ソフト『YELL(エール) for Teacher』永続ライセンス154,000円(税込)※乗り換えキャンペーン価格77,000円(税込)サブスクリプション(1年)44,000円(税込)※乗り換えキャンペーン価格33,000円(税込)※乗り換えキャンペーン価格はYELLシリーズをご利用のお客様および何らかの時間割作成ソフトウェアをお使いの方への特別価格です。お申し込みの際に現在ご利用中の時間割作成ソフトウェアをお知らせください。●製品情報ページ・校務支援システム『HEURiS-2022』 ・時間割ソフト『YELL(エール) for Teacher』(『YELL(エール) for School』製品告知ページURL) ●株式会社管理工学研究所について株式会社管理工学研究所 管理工学研究所は1967年創業の独立系ソフトウェア専業メーカです。本社は東京都千代田区外神田にあり、東京、石川、福井の計4つのオフィスで事業を行っています。教育向けソリューション事業(校務システム、時間割管理システム等)の他、医療・福祉向け情報システム・サービス事業、IoTに関わるソフトウェア開発・販売、ソフトウェアパッケージ開発・販売(「日本語データベースシステム桐」等)、システム開発を主な事業としています。社名 : 株式会社管理工学研究所(かんりこうがくけんきゅうしょ)所在地 : 〒101-0021 東京都千代田区外神田2-2-2 関根ビル代表 : 代表取締役社長 金谷 直己社員 : 78名(2021年1月1日付)事業内容: 自社ソフトウェア製品(教育分野向け、IoT分野向け、医療分野向け、データベース製品)の開発・販売。モバイル・IoTに関わるソフトウェア開発。システムインテグレーション。高度ソフトウェアに関するコンサルテーション・ソフトウェアエンジニアリング。URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月28日発達障害がある子の高校卒業後の進路の選択肢発達障害がある、軽度~中度知的障害のある子どもが特別支援学校高等部を卒業したあとは、大学進学あるいは就職を選ぶことになります。どのような選択肢の幅があるのでしょうか。制度上は特別支援学校高等部卒業で大学入学資格は得られます。しかし、特に知的障害高等特別支援学校、知的障害特別支援学校高等部の場合は自立活動なども多いため、志望する大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があります。したがって、入学時点から大学進学に合わせた教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側と話し合っておく必要があります。卒業後進学を考えている場合は入学前に事前に卒業までに取得できる単位数などの確認をしておく必要があります。平成30年度新特別支援学校高等部学習指導要領等説明会における文部科学省説明資料学習指導要領「生きる力」障害のある人の就職先は、基本的に・一般就労…一般雇用か障害者雇用・福祉的就労…いわゆる業所で働く。就労継続支援A型と就労継続支援B型がある。となります。一般就労と福祉的就労では、収入にも大きな違いがあります。手帳を取得しての一般就労の場合にはどのように給与が変わるのかが企業の判断によるので注意が必要です。特別支援学校卒業が「高卒」にあたるのか「中卒」にあたるのかは企業によって判断が異なっているのが現状です。また、障害の種類によっても違ってくる場合があるので、就労前に確認することが重要です。障害のある人が就職を目指すにあたって受けられる福祉サービスを利用することもできます。働くためのさまざまなスキルを身につけたり就職活動の支援などを行う就労移行支援や、就職後も長く続けるための就労定着支援などの教育訓練機関があります。また、自立訓練(生活訓練)事業と就労移行支援事業を組み合わせた4年制の福祉型カレッジなどもあります。よくわかる!就労移行支援(LITALICOワークス)知的障害の若者に大学教育を。福祉型大学「カレッジ」の挑戦社会福祉施設は、大きくは「障害者支援施設」と「障害福祉サービス事業所及び相談事業所」の2種類に分けられます。共に入浴や排せつ、食事や家事など生活全般にわたることから、自立や就労の支援や助言なども行います。障害者支援施設は生活の場が提供されている、という違いがあります。継続的な自立支援のシステムの構築障害福祉サービスの内容 |厚生労働省進学について特別支援学校高等部や高等特別支援学校を卒業後、多くの生徒は就労福祉施設への通所・入所を選択しますが、大学進学を目指す生徒もいます。2018年(平成30年)の特別支援学校高等部の卒業者は21,657人で、進学するのは427人(2%)と非常に少ない割合になっています。進学先としては、大学(学部)、短期大学(本科)、大学・短期大学の通信教育部及び放送大学(全科履修生)、大学・短期大学(別科)が挙げられます。進学以外の進路として、教育訓練機関等への入学は342人(1.6%)、就職が6,760人(31.2%)、社会福祉施設に入所・通所13,241人(61.1%)、その他887人(4.1%)となっています。※高校卒業に準ずる単位と定められている74単位を取得しないと大学受験資格を得られないので、卒業後進学を考えている場合は入学前にあらかじめ卒業までに取得できる単位数などの確認をしておきましょう。卒業者の進路:文部科学省「周囲の目が気になる」「答えを独り言で言ってしまう」という生徒に別室受験を認める、拡大文字問題冊子の配付、試験時間の延長などの特別措置があります。配慮を受けるには、受験上の「配慮申請書」と、所定の診断書および状況報告・意見書の提出が必要です。受験上の配慮案内「障害学生支援室」を設置している大学や専門学校もあり、さまざまなサポートを受けることができます。履修や事務手続きの配慮、レポートに代わるものの提出、教材やテストのテキスト拡大など、相談次第で発達障害の特性に応じた「合理的配慮」を受けることが可能です。ただし、大学によって異なったり、障害に対する配慮は一切していないという大学もまだまだ多いため、事前の情報収集が大切です。支援ガイド_発達_入試就職について障害のある人が就職をする場合、一般雇用枠および障害者雇用枠のどちらで就職を目指すのか、自身の障害に合わせてどのような職場を選ぶのか、という判断が重要になってきます。卒業後の就職率はどのくらいなのか、どのような就職先や働き方があるのかを解説します。平成30年度のデータでは、特別支援学校高等部卒業者21,657人に対し、就職者は6,760人(31.2%)となっています。就労後の1年定着率で見ていくと、障害者雇用(作業所など)が約7割(70.4%)、一般求人の障害者雇用枠が約5割(49.9%)、一般求人(障害非開示)が約3割(30.8%)。障害をオープンにして就職するほうが、定着率が高くなっています。卒業者の進路:文部科学省障害者雇用の現状【一般就労】一般就労の中には一般雇用枠と障害者雇用枠があります。一般雇用枠収入の平均額は、一般雇用枠の正社員の場合はフルタイム勤務で約32.5万円、契約社員などの非正規社員の場合は約21.1万円となっています。障害者であることを公表せず働く人も多いため、対人関係や仕事管理などで上手く行かないことへの周囲の理解や配慮がないため、定着率が低くなってしまう傾向があります。※特別支援学校卒業という認定が一般の「高卒」にあたるのか「中卒」にあたるのかは企業によって判断が異なっていますので、あらかじめ確認しておくことが重要です。・障害者雇用枠障害者雇用枠の場合、障害をオープンにすることで、障害や苦手・得意などへの理解が得られやすい、通院などに使う時間を確保できるなど働きやすい環境が整っています。就労時間は1日6時間以上が主流となっているため、週20時間未満(1日4~5時間)の場合、一般就労の障害者雇用枠ではなく福祉的就労(就労継続支援A・B型事業所などの作業所)を選択するケースがほとんどです。障害者雇用枠の平均月給は、身体障害者21.5万円、知的障害者11.7万円、精神障害者12.5万円、発達障害者12.7万円となっています。障害者雇用枠に応募するには、障害者手帳(療育手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳のいずれか)の所持が必須となります。障害者手帳を所持していれば、「一般枠」・「障害者雇用枠」どちらにも応募することができます。障害者雇用実態調査|厚生労働省厚生労働省「平成 30 年度障害者雇用実態調査結果」【就労継続支援A型・B型】一般企業や通常の事業所などに就労することが困難な人に、就労の機会を提供するとともに、仕事やそのほかの活動を通じて知識および能力の向上を目指す福祉サービス、いわゆる福祉的就労です。雇用契約を結ぶ「A型」と、雇用契約を結ばない「B型」の2種類があります。就労継続支援A型は、特別支援学校を卒業後あるいは就労移行支援事業所などを利用しながら就職活動を行ったが、雇用に結びつかなかった人などが対象となり、原則18歳以上65歳未満という年齢制限があります。勤務形態は基本的に一般就労と変わりませんが、勤務時間が比較的短い(勤務時間に決まったルールはありませんが、1日4~5時間の事業所が多い)点が特徴です。週5日前後の出勤が基本で、給料(工賃)は時給制で平均すると78,975円/月(887円/時間)程度となっています。就労継続支援B型は年齢制限がなく、企業での就労経験があるが年齢や体力の面で一般企業での雇用が困難となった、就労移行支援を利用する中で就労面の課題が把握されている人などが対象になっています。1日4~8時間程度の開所時間の中で、好きな時間だけ働くことができます。特に決められた勤務日数はなく、通える日数だけ通うことができます。雇用契約を結ばないため、計算方法も出来高制や通った時間など事業所によって異なりますが、平均で16,369円/月(223円/時間)となります。障害者の就労支援対策の状況職種別に見てみると、一般企業の障害者枠で雇用されている人は、サービス・接客の職業、事務的職業、生産工程の職業、運輸・清掃・包装などの職業、専門的・技術的職業の職種に就いていることが多いようです。たとえば、事務的職業は比較的業務内容に融通が利いて自分のペースで仕事を進めることが可能なため、身体障害や精神障害のある人に向いているといえます。また、清掃や梱包作業は単調な作業で対人関係などの精神的負担も少ないため、知的障害や精神障害のある人にむいています。もちろん個人差はありますので、就業先を選ぶ前にどのような仕事が自分に合っているかを知っておくことが大切です。就労継続支援A・B型では、パソコンでのデータ入力作業やレストランのホールスタッフ、商品の梱包作業や清掃など働くために必要な能力を身につける訓練をしたり、利用者の個性や得意分野を引き出す仕事(作業)を提供します。厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査結果」特別支援学校、就労支援施設、地方自治体、医療機関などの方へ就職先の探し方障害のある人が就職先を探す場合、どのような方法や流れで行えばいいのか、どのような機関に相談できるのかを紹介します。障害者雇用促進法において、民間企業は2.3%、国・地方公共団体等は2.6%、都道府県等の教育委員会は2.5%の障害者雇用が義務付けられています(障害者雇用率制度)(※令和3年3月1日改定)。これを満たさない企業からは納付金を徴収し、この納付金をもとに雇用義務数より多く障害者を雇用する企業に対して調整金を支払ったり、障害者を雇用するために必要な施設設備費に助成したりしています(障害者雇用納付金制度)また、障害者本人に対して、職業訓練や職業紹介、職場適応援助等の職業リハビリテーションを実施し、それぞれの障害特性に応じたきめ細かな支援が行われるよう配慮しています。障害者雇用対策 |厚生労働省法定雇用率の引き上げの詳細【一般企業の障害者雇用枠】一般企業への就労の場合には、まず自分の障害や特性と向き合い「何がしたいのか」「働くにあたりなにを優先するのか」を自己分析することが重要です。その後はハローワークやエージェントを通して求人を探し、履歴書を書き、面接を受けます。流れとしては一般枠とほぼ同じです。障害者雇用促進法に基づき、一般企業の障害者枠では6月1日までに入社できる人を採用するため、4~5月が採用活動期間となります。2~3月から計画的に動き出す必要があります。【就労継続支援A・B型】・就労継続支援A型施設(作業所)に直接問い合わせ、面接と見学を行います。A型は雇用契約があるため、最寄のハローワークで求人票の確認と、求職希望があることをハローワーク担当者に伝えます。応募にあたって必要な書類を提出し、面接を行います。通所決定の結果が出たら、受給者証が発行され(すでに持っていれば必要なし)、利用開始となります。・就労継続支援B型施設(作業所)に直接問い合わせ、施設見学、その後1~3日の体験実習を行います。通所決定の結果が出たら、受給者証が発行され(すでに持っていれば必要なし)、利用開始となります。障害のある人が就職先を選んだり決めたりする際、どこに相談すればいいのでしょうか。相談機関や相談窓口を紹介します。・ハローワーク就職を希望する障害者に対して専門の職員・職業相談員が障害の状態や適性、希望する職種に応じ職業の相談や紹介や適応指導などを行います。公共職業訓練のあっせん、トライアル雇用、ジョブコーチ支援等の各種支援策も活用しています。また、事業主に対しての支援や助言、各種助成金の案内なども行っています。・地域障害者職業センターハローワークなど地域の就労支援機関と連携し、障害者に対する専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。障害者一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、職業指導、職業準備や訓練などの各種の職業リハビリテーションを実施しています。・障害者就業・生活支援センター就業およびそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障害のある人に対し、相談を受けたり、職場・家庭訪問等を実施します。就職活動の支援、事業所に対して障害特性を踏まえた雇用管理についての助言などを行っています。また、生活面で不安があり仕事に就くことが難しい人に対して、健康管理やお金の管理などの「生活支援」も実施しています。厚生労働省「相談・支援機関の紹介」就労移行支援やカレッジ、教育訓練機関などに入学就労する前にワンクッション置きたい、就労に向けてさまざまなスキルを身につけたい、という人のために、支援や訓練を受けられる施設や機関もあります。どのような支援が受けられ、どのような特徴があるのか見ていきます。障害のある人が就労に向けたさまざまなトレーニングを行い、働くために必要な知識やスキルを習得し、就職後も職場に定着できるようサポートを行う機関です。一般就労を希望する、65歳までの障害のある人および障害者総合支援法の対象疾病となっている難病のある人が対象になります。原則利用料はかからず、最長24か月利用することができますが、一般就労を目指した訓練という位置づけのため、基本的に工賃は発生しません。支援内容は、身だしなみや時間管理などの生活面、パソコンスキルなどの技術面、グループワークなどのコミュニケーション能力面など、多角的なものになっています。また、就職後も就職先に慣れているか、仕事や人間関係の悩みはないか、生活リズムが崩れていないか、などの相談やサポートも行います。障害のある人のための「大学形式(4年制)の学びの場」です。法制度上では、障害者総合支援法にもとづく自立訓練(生活訓練)事業と就労移行支援事業を組み合わせた多機能型事業所となっていますが、青年期障害者の「学ぶ権利」を保障することを目的として設立されています。カレッジによって学費やカリキュラムは異なりますが、1・2年生が自立訓練事業としての教養課程、3・4年生が就労移行支援事業としての専門課程となっているところが多いようです。基礎学力を養うほか、生活に必要な訓練や就職にむけての支援も組み込まれています。障害のある人を対象に、ハローワークと連携しながら、その状況に配慮したきめ細かい職業訓練を実施する機関です。・国が設置(運営は機構)のリハビリテーションセンター・国が設置(都道府県が運営)の障害者職業能力開発校・府県が設置・運営の障害者職業開発能力学校・都道府県が設置・運営の一般の職業能力開発校・地域で企業、社会福祉法人、民間機関等に委託して実施する障害者職業訓練の5種類があり、受講する場合は地域のハローワークで相談・手続きを行います。学校によって異なりますが、OA実務科、調理・清掃サービス科、オフィスワーク科、ビジネス総合事務科などさまざまな科に分かれ、訓練期間は3か月~1年となっています。障害者の就労支援対策の状況ハロートレーニング(障害者訓練)社会福祉施設に入所・通所障害が重い人の中には、生活上の介護・介助が中心の社会福祉施設に通うケースもあります。どのような施設があるのか、それぞれどのような特徴があるのか解説します。施設の種類は老人福祉や児童福祉など多岐に渡り、利用対象となる人、施設の特徴もさまざまです。障害のある人が利用する施設は、障害者支援施設となります。障害者支援施設とは、日常生活における支援や自立訓練、就労支援や相談援助などを提供している施設のこと。施設の費用は公営の場合その半分を国が負担し、残りを都道府県、社会福祉法人などが負担することになっています社会福祉施設(厚生労働省)自宅から施設に通い、日帰りでサービスや支援を受けるのが通所となります。ほとんどの施設が送迎を行います。自宅で過ごすことが多い障害者にとって、引きこもり防止やストレス発散にも繋がります。施設で生活をしながら支援を受けるのが入所です。24時間スタッフが常駐していて、夜間介助にも対応しています。本人の知的レベルや運動能力に合わせた活動を行ったり、余暇活動に力を入れているところも多く、サークル活動がある施設もあります。障害者支援施設などで、常に介助や介護が必要な人〔障害支援区分が区分3(障害者支援施設に入所の場合は区分4)〕を対象に、以下のような支援を受けられるのが生活介護です。・入浴、排せつ、食事等の介助・調理、洗濯、掃除等の家事・生活等に関する相談、助言・創作的活動、生産活動の機会の提供・身体機能や生活能力の向上のために必要な援助社会福祉施設 - 厚生労働省生活介護(障害福祉サービスについて/厚生労働省)障害の種類にもよりますが、障害者の進路先として大学や専門学校に進学する人は全体の5%にも満たず、就職する人も約30%あまり、過半数が社会福祉的就労あるいは社会福祉サービスを利用しているのが実態です。一般就労と福祉的就労では収入にも配慮にも大きな違いがあります。自立した生活を送るのか、介助や介護を受けながら生活するのか、どこに誰と住むのか、どのような福祉サービスを受けるのか、金銭の遺し方や管理はどうするのか…じっくり時間をかけて我が子の進路を準備していきたいものです。
2021年09月15日神奈川県内の精神医療を担う横浜市立大学精神医学教室(所在地:神奈川県横浜市、教授:菱本 明豊、助教:宮崎 秀仁)は、県内の中学校・高等学校の教員を対象に子どもの自殺予防を目的とした「神奈川県学校自殺対策支援プロジェクト(ReSPE-K)」を令和3年9月8日(水)に始めました。事業詳細についてはホームページを参照ください( )。■背景新型コロナウイルス感染症の蔓延によりメンタルヘルスの問題を抱える子どもが増加しています。夏休み明けが子どもの自殺が最も増加する時期と言われますが、一方で学校教員の自殺予防に関する知識と経験は十分とは言えません。子どもの自殺予防の実践のために学校教員の自殺に関する知識定着と偏見解消を狙った教育プログラムを実施することとしました。■展開内容(1) 全体の流れ「精神医療編」「心理支援編」「社会支援編」の自殺に関する3つのテーマを精神科医が情報提供します。いずれもテーマでも精神科医とのディスカッション・事例検討を盛り込んでいます。その他、精神科医が現場での困りごとにも相談に乗ります。また役立つ情報を記載した資料提供も行います。(2) 講義内容「精神医療編」:自殺と関係する脳と心の状態や精神疾患の治療と予後について「心理支援編」:自殺を考える子どもの心理的背景と実際の対応について「社会支援編」:自殺総合対策大綱に基づく学校で出来る自殺予防について(3) 研究活動本プロジェクトによって学校教員の自殺に関する偏見を減らすことへの効果を測定するために、知識提供前後にアンケートを行い調査します。■今後の展開現在、すでに初回講義を開始しておりますが、随時県内の中学校・高等学校で参加校を募集中です。当該学校の責任者より以下の連絡先にお問い合わせ下さい。■組織概要組織 : 横浜市立大学精神医学教室代表者 : 教授 菱本 明豊プロジェクト責任者: 助教 宮崎 秀仁所在地 : 〒236-0004 神奈川県横浜市金沢区福浦3-9課題名 : 2020年度研究活動スタート支援(課題番号:20K22246)による「自殺予防のための学校教員を対象とした精神保健教育の効果に関する研究」研究資金 : 150万円URL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター担当 : 宮崎 秀仁TEL : 045-261-5656E-MAIL: hidem1117pc@yahoo.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月14日地域の子育て支援サークルで役員をしているママ。コロナ禍を機にオンラインで子育て支援サークルを開催することにしたそうです。新しい形での子育て支援活動をするまでの経緯や開催後の感想などを紹介しています。 私は仕事関連や自分の学びのために、Web会議ツールの「Zoom」を使うことがあったのですが、ある日「オンラインによる子育て支援」を発見! 試しに参加してみたらその素晴らしさに心がウキウキしました。このような体験をもっと多くの人にしてもらいたいと思い、私がおこなった新しい生活様式での子育て支援活動をご紹介します。 たまたま見つけた「オンライン児童館」新型コロナウイルスの感染拡大以前からZoomを使うことがあった私。外出自粛期間も友だちとSNSやZoomでつながりを持ち、乗り越えてきました。そんなある日、友だちのインスタグラムから「オンライン児童館」の存在を知りました。 そのころ、外出自粛は解除されたとはいえ、周りの児童館や子育て支援センター等は閉鎖されたり、限定的に解放されたりしている状態。試しに参加してみると、無料で手遊びや読み聞かせ、工作などをやってもらえ、親子共々楽しい時間を過ごすことができました。 広がるオンラインでの子育て支援調べてみると、他にもオンラインでの子育て支援が見つかりました。オンライン子育て広場、オンライン子育て支援センターなど個人でおこなっているものもあれば、自治体主導の子育てサロンもあり、親子ヨガや親子ダンスなどのレッスンもオンラインで受けられるようでした。 田舎に住んでいる私としては家にいながら全国の人とつながれたり、子育て支援を受けられたりして、新たな世界が開けたように感じたのです。 自分だけでなく、みんなにも広めたいこうしてZoomを使うことでコロナ禍もわりと楽しく過ごせていたのですが、ふと、Zoomが使えない人たちのなかには、ただただ孤独な育児に追い込まれている人もいるのではないかと思うようになりました。 ちょうどそのころ、地域の親子サークルの役員の間で「今年の活動は無理」と話していたのですが、「オンラインでの活動を広める良い機会だ!」と思い立ち、急ピッチで準備を進めました。 地域の子育てサークルをオンライン化役場の窓口や乳幼児健診で親子サークルのチラシを配ってもらったり、お試し会をしたりして、何とかオンラインでの活動を始めました。地域の民生委員さんも入ってくださり、初めてZoomを使った方も「意外と簡単だし、マスクもなくみんなの顔が見られてうれしい!」と笑顔になるのを見ると、おこなってよかったと思っています。 また、この活動をきっかけに、今度は自ら気になる講座やイベントを見つけて参加し、育児をより楽しめるようになった人がいてくれたらうれしいです。 専業主婦の中にはZoomになじみがなく不安な方もいたようですが、使ってみると意外に簡単でビデオやマイクをオフにして参加もできることから、かえって参加しやすいという感想ももらいました。今後ほかの地域や自治体でも取り組みが進めばうれしいなと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林まり3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。
2021年09月13日株式会社日本標準(所在地:東京都杉並区南荻窪、代表取締役:河野 晋三)は、学校のICT活用を進めるために重要な役割を持つ「ICT支援員」に関する書籍を発行します。詳細URL: ICT支援員 表紙画像【内容】コロナ禍の中、「学びを止めるな」を合言葉にさらなるICT活用が求められています。このICT活用を進めるにあたり、最も必要とされるのが、ICT活用の専門家、ICT支援員です。GIGAスクール構想により1人1台学習者用コンピュータが整備され、学校のICT活用は新しい段階に入りました。ICT支援員は、その環境を効果的に活用していくために多忙な教師をサポートする役割を担っています。本書は、「ICT支援員能力認定試験」を主宰するNPO法人 情報ネットワーク教育活用研究協議会会長の永野 和男氏監修のもと、GIGAスクール構想以前から学校でのICT活用を支えてきた5人の執筆者による授業や校務支援、環境整備等に関わる現場からの提言です。学校のICT活用を着実に進めるために、学校関係者すべての方々に読んでいただきたい書籍です。【目次】1. 学校とICT2. ICT支援員の役割と現状3. 授業のICT活用を支援する4. 教員の校務を支援する5. ICT環境を整える6. 校内研修の企画を支援する7. ICT支援員のスキルアップ【監修・執筆者】永野 和男(監修):NPO法人情報ネットワーク教育活用研究協議会 会長田中 康平 :九州ICT教育支援協議会理事、経産省「未来の教室」教育コーチ五十嵐 晶子 :ICT支援の専門企業「合同会社かんがえる」代表霍本 仁史 :NPO法人 ICTサポートスクエア理事長中川 斉史 :徳島県公立小学校校長、文科省「ICT活用教育アドバイザー」竹中 章勝 :奈良女子大学非常勤講師、文科省「ICT活用教育アドバイザー」【出版物の概要】出版物名:『学校のICT活用・GIGAスクール構想を支える「ICT支援員」』ISBN :ISBN978-4-8208-0714-8規格 :A5判 160ページ定価 :本体価格 2,000円+税発売月 :2021年9月【注文先】株式会社日本標準 書籍企画事業室担当 : 清水電話番号 : 03-3334-2620お問い合わせ先メールアドレス: shoseki@nipponhyojun.co.jp 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月09日息子に家事手伝いとして役割を与えている「ゴミ捨ての仕事」息子が特別支援学校高等部の学生だったときの話です。血が滲むくらい手足の爪をむしっていたので、「ばい菌が入るから、止めなさい!」と注意しました。この私の言葉でスイッチが入ってしまい、家の中で暴れました。パニックを起こしつつも、自閉症のある子の特性なのか、決まった時刻19時46分になったら、マンション地下にあるゴミ捨て場に、ゴミを捨てに玄関から出て行きました。(うちのマンションはゴミ捨て場にはいつ持って行ってもよいことになっています)いつもなら1分くらいで戻ってくるのに、いつまで経っても帰ってきません。5分くらい経過したでしょうか?管理人室から、「息子さんがパニックを起こしています」と連絡がありました。さらに、共用部でパニックを起こしているときに、マンション他の住人の方が通りがかり、苦情も出てしまったとのことでした。息子には、知的障害のある自閉症があることを管理会社に伝えています。苦情が出たとき、その住人の方には、私の代わりに息子の障害のことを説明してくれたようです。私からも後に謝罪しました。パニックには理由があったでも、こういうことが起こると、しんどいです。精神的に疲れます。「なんで、暴れるの!」と頭にきてしまい、私の方が暴れたくなります。ところが…翌日、学校からの連絡帳を見たら職業訓練のための“身だしなみチェック”の項目があり、そこに「爪は短くする」と書いてありました。これで爪をむしっていたことに気づいたのです。 強迫性障害もある息子は真に受け、必要以上にむしっていました。息子なりの理由があったのです。それなのに私は「むしったら、ばい菌が入る!」とやみくもに叱ってしまいました。そして、矛盾した指示を受け、混乱した息子はパニックを起こしてしまいました。学校に電話をして相談そこで、担任に電話してトラブルの状況を伝えました。更に「学校からの指示をきちんと守って、爪を短くしようとしていますが、手も足の爪も毎日むしっています。先生からも、この状態はやりすぎであることを、うまく伝えてくださいませんか?」とお願いしてみました。担任から「全体注意したことを、自分にも当てはめたんですね。『○○㎜は残す』とか『○○㎜になったら切る』では曖昧でわかりにくい指示だったのかもしれません。なので、学校に爪切りを持ってきてもらい、毎月10日・20日・30日に切る方法ではどうでしょうか」と提案がありました。そして、翌日。帰宅した息子が持ち帰ってきた連絡帳には次のように書いてありました。「昼休みに担任と一緒に爪切りをしました。まだ自分では切らず、担任と一緒に切りました。切る必要のない爪の長さも確認しました。繰り返し確認することで自分で切らなくてもよい長さがわかってくると思います」キメ細かくて、有難いと感じました。人の行動には必ず理由があります。頭ごなしに注意しないで「なぜそれをするのか」を考えなくてはなりません。「私はまだまだ修行が足りないな!」と思った出来事でした。執筆/立石美津子(監修:井上先生より)このエピソードのように、長年子育てをしていても、子どものパニックの原因については分からないこともあると思います。特にその原因となる出来事が、時間的に離れていると気づきにくいものです。爪噛みに関しては、感覚過敏や暇つぶしで続けてしまっているお子さんもいます。それぞれの行動が起こりやすい状況を振り返りながら、個々の原因に応じた支援を考えていくことが大切です。
2021年08月29日個別の教育支援計画ってなに?個別の教育支援計画とは、障害のある子どもに対して関係機関と連携し、切れ目のない教育支援を継続して実施するために学校が中心となり作成される個別の計画です。個別の教育支援計画では、子ども本人や保護者の現在の困りごとや願い、将来に向けた希望、教育上必要な合理的配慮などについて、学校のみでなく、家庭、 医療、福祉などが共通理解を図り、それぞれの場における支援目標や内容と関連づけながら計画に記載をします。「平成15年度から実施された障害者基本計画 においては、教育、医療、福祉、労働等の関係機関が連携・協力を図り、障害のある児童の生涯にわたる継続的な支援体制を整え,それぞれの年代における児童の望ましい成長を促すため、個別の支援計画を作成することが示された。この個別の支援計画のうち、幼児児童生徒に対して、教育機関が中心となって作成するものを、個別の教育支援計画という」(小学校学習指導要領(平成29年告示)開設総則編より引用)個別の教育支援計画の対象者は誰?現在、通級による指導を受けている子ども、特別支援学級や特別支援学校に在籍している子どもについては作成が義務付けられています。通常の学級に在籍している子どもについても、作成することが推奨されています。このことについて、平成29年及び平成30年に改訂された小中学校や高等学校の学習指導要領では、次のように示されています。「今回の改訂では、特別支援学級に在籍する児童や通級による指導を受ける児童に対する二つの計画の作成と活用について、これまでの実績を踏まえ、全員について作成することとした。また、通常の学級においては障害のある児童などが在籍している。このため、通級による指導を受けていない障害のある児童などの指導に当たっては、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成し、活用に努めることとした」(小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編より引用)参考:小学校学習指導要領(平成29年告示)解説総則編 | 文部科学省なぜ個別の教育支援計画が必要なの?障害のある子どもの生活の場は学校のみでなく、家庭や地域があります。例えば放課後等デイサービスなどの福祉施設、さらに、医療による支援を受けている場合もあります。個別の教育支援計画を作成することで、それぞれがバラバラの支援をするのではなく、生活場面全体を視野にいれた包括的かつ一貫した教育支援を実施することが必要です。作成の際には、現在の困りごとや制約のみに焦点を当てるのではなく、例えば3年後どうありたいか、何ができるようになっていたいか、など長期的な視点を持つことで、 子ども本人、ご家庭、 学校、各種関係機関で目指す方向性を共通理解することができます。また、個別の教育支援計画を進学時・進級時に引き継ぐことで、切れ目のない教育支援を実施するために活用していくことが大切です。なお、個別の教育支援計画の作成にあたっては、多くの関係者が関与することから、保護者の同意を事前に得るなど個人情報の適切な取扱いに十分留意した上で、情報共有をすることが必要とされています。個別の指導計画との違いは?通級による指導を受けている子どもや特別支援学級に在籍している子どもについては、個別の教育支援計画と共に、個別の指導計画の作成も義務付けられています。個別の指導計画とは、子ども一人ひとりの実態に応じて、きめ細やかに各教科等でどのような目標に基づきどのような指導をするか、またどのように教えるか、などを記載している計画です。個別の教育支援計画は関係機関と連携を図り、長期的な視点を持ちながら作成しますが、個別の指導計画は、子どもが在籍している学級の教育課程に基づいて、1年ごと、1学期ごとの学校における学びを具体的に記述する計画です。個別の教育支援計画の項目令和3年に文部科学省から「個別の教育支援計画の参考様式について」各自治体に通知が出されました。本通知においては、統合型校務支援システムなどのICTを活用して、学校内外で必要に応じて個別の教育支援計画のデータを蓄積や共有ができる仕組みの必要性を踏まえ、個別の教育支援計画の参考様式を示しました。Upload By 野口あきな参考:参考資料(「障害のある子供の教育支援の手引」関係) p.422 p.424-425個別の教育支援計画作成のポイント1.本人、保護者と共に本人を中心とした計画を作る計画は学校が中心となり作成するものの、計画の主体者は子ども本人と保護者です。そのため、子どもや保護者の願いや困りなどを置いてきぼりにした計画にならないことが大切です。子どものわかる方法でご本人のニーズを聞き、計画に反映しましょう。例えば言葉でのやりとりが難しい場合は、絵や写真、選択肢などを活用することで、子ども本人の希望を聞くことができます。2.関係機関と連携し作成・共有する平成30年に、家庭・教育・福祉の連携を推進する「トライアングルプロジェクト」の報告がなされました。このプロジェクトにおいて、学校と放課後等デイサービスが連携する方法の一つとして、個別の教育支援計画を通して連携をすることが明記されました。Upload By 野口あきな放課後等デイサービスなどの関係機関における支援内容を確認し、学校での支援内容についても共有をすることで、連携や役割分担をしながら、一貫した教育支援をすることができます。前述の通り、情報共有の際はご本人・保護者に希望を尋ねた上で連携をする必要があります。3.合理的配慮について記載する2016年に施行された障害者差別解消法において、合理的配慮を提供することが義務付けられました。教育における合理的配慮とは、学校で過ごしたり学んだりする上での困難さがある場合に必要な個別の配慮や調整することを指します。子ども本人が学校生活を送る上でどのような配慮や調整があったらより過ごしやすく、学びやすくなるかについて子ども及び保護者と話し合い、合意した合理的配慮の内容を個別の教育支援計画に記載しておきましょう。合理的配慮は障害のある人の権利として、学校のみでなく、受験時や就労時にも使える制度です。特に受験の際などは、これまでにどのような配慮を学校で受けてきたか?が根拠となり、そのような根拠がない場合は配慮を受けることが難しい場合もあります。そのため、個別の教育支援計画において、どのような合理的配慮を現在受けているか、を記載し引継ぎをすることが大切です。4.定期的に見直して更新する個別の教育支援計画は1回作って終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。1年に1回は変更点がないか見直すことをお勧めします。例えば子どもの状況が変わったり、支援機関が変わったりすることがあります。その場合は修正を加えることで更新をしましょう。5.進学先に引き継ぐ障害のある子どもや保護者は、学級や学校が変わるとまた0から情報共有をしなければならないことが負担になっていることがあります。過去の支援内容に関する記録がないために、これまで受けてきた支援が継続して受けられない場合もあります。切れ目のない支援のためにも、本人及び保護者の意向を尋ねた上で、進級先・進学先に計画を引き継ぐことが望ましいとされています。おわりに本記事では個別の教育支援計画の定義やどのような内容が含まれていることが望ましいかについて書きました。子どもを中心とした一貫した支援のために、個別の教育支援計画を活用してみてください。執筆/野口あきな
2021年08月06日息子の場合私の息子は知的障害を伴う自閉症です。現在20歳、療育手帳(愛の手帳)を所持しています。就労移行支援事業所まで一人で電車を乗り換えながら通所することや、簡単な家事手伝いは行うことができます。一方、こだわりが強く、時にはパニックを起こして暴れることもあります。息子は、小学校入学前、知的障害があること、着替えなどの身辺自立がまだ出来ていなかったこともあり、特別支援学校への進学を選択しました。知的障害があるのに小学校、中学校を通常学級のカリキュラムの中で過ごしてしまうと、出来るようになるであろうことも身につかない恐れがあると考えたからです。息子の障害の程度を考えたとき、教員数と担当児童数の割合にも不安がありました。Upload By 立石美津子※個別の教育支援計画・個別の指導計画については、通級による指導の対象者も策定義務あり※自治体の予算により、担任以外に補助員がつく場合もある※特別支援学校教員免許支持率は全国平均であり、地域によっても異なる特別支援学校に入学してみると息子のクラスは教員2名に対し児童5名でした。すぐに個人面談があり、個別の教育支援計画と個別の指導計画が作成されることになりました。私から「靴ひもを結ぶ練習をさせたいので、蝶結びをマスターさせたい」と伝えると、個別の指導計画の中に“紐結びを習得させる”と記載されました。担任の先生は息子のために教材を作り、毎日個別学習の時間で練習させてくれ、2週間でできるようになりました。Upload By 立石美津子特別支援学級のある小学校へ転校小学2年生のとき、東京都の指導主事の巡回があり「そろそろ特別支援学級に転校させてもいいのではないか」と言われ、近くの公立小学校の特別支援学級に3年時から転校しました。息子のように特別支援学校に入学をしても、発達の様子に合わせて、途中から特別支援学級のある小学校に転校することもあります。我が子の状態や教員数、支援内容の情報を集めて、子どもに合った環境を選択をするのが良いと思います。知的障害がない場合現在の制度では、知的障害を伴わない発達障害児の場合、情緒障害特別支援学級への入級をすすめられることがあります。知的障害がない場合は、知的障害特別支援学級への進級は認められない場合があるので注意が必要です。通常学級に在籍し、通級や特別支援教室(東京都の制度)を利用している場合、“個別の教育支援計画・個別の指導計画”が立てられます。これらを利用していない場合は個別の教育支援計画の作成は学校側に義務化されていませんが、診断があれば作成していただけるよう学校に申し入れることもできます。また、通級制度の利用を検討することもできます。サポートブックを活用学校の先生方は、自閉症についての知識は持っているでしょう。ですが、我が子については0歳から育ててきた親のほうががよく分かっていることも多いと思います。苦手なこと、得意なこと、パニックを起こした時の対処法などを担任に伝えておくとよいと思います。そこで、サポートブックをつくり、連携してみるのはいかがでしょうか。サポートブックに記載するのは下記のような内容です。・成育歴・子ども本人の特性(どんなことが苦手で、どんなことが得意か)・子どもが理解しやすい指示の伝え方・パニックを起こしたときの対処法・絶対に食べられない給食メニュー・絶対に避けてほしいこと(急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々にボリュームを上げる等)・保育園・幼稚園からの細かい申し送り・主治医や療育施設からのアドバイスの共有(発達検査・心理検査の結果を渡す)・クラスメートとの相性(どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子とウマが合うか)書籍やネットの資料をドーンと渡すことは控え、分かりやすくまとめたものを渡しましょう。「知られたくない」と思わずに親は順番的には先に亡くなるので、子どもの人生に伴走し続けることはできません。ですから、子どもの障害を家族の中だけで隠すのではなく担任、ママ友、地域、クラスメートにカミングアウトし、地域や支援者とつながりをつくっておくことが大切だと思います。スペシャルな教育息子が小学校に入学したとき特別支援学校は“養護学校”、特別支援学級は“特殊学級”という名称でした。息子が小2になったとき学校教育法が変わり特別支援学級・学校という名称に変わりました。特殊な子どものための教育という発想ではなく、子ども一人ひとりの状態(教育的ニーズ)に合わせて特別な支援を行うという方針をあらわした名称となったのです。スクールバスに書かれた「○○特別支援学校」の名前を見て「特別に支援されるなんて、嬉しいな…」私はそんな感覚を持ちました。私は成人した知的障害者の移動支援の仕事をしているのですが、特別支援学校の卒業生でもある利用者の方が「僕はスペシャルスクールに通っていたんだ」と言っていました。「なんて素敵な言い方なんだろう」と思いました。執筆/立石美津子(監修:井上雅彦先生より)保護者にとって、お子さんの就学先・進学先は子育ての中で大きな悩みになります。一般的な学校・学級の特徴を知るとともに、お子さんが通う地域の学校を実際に見学したり、いろいろな人の意見を聞いたりすることで情報を集め、最終的にお子さんにとってより良い判断をされることが望ましいです。また、コラムにあるように、学校・学級を決めても、お子さんの発達によって最適な教育環境を選び直すこともできます。サポートブックについては、「~してほしい」という要求の文体より「~していただけると、~できることが多いです」という書き方が望ましいでしょう。家庭と学校でお子さんの様子が違うことがあるので、先生が実際に経験されたことをもとにサポートブックを更新していくと良いですね。
2021年08月06日発達障害がある子の中学卒業後の進路の選択肢わが子の発達状況や特性に合った進学先を選ぶには、まずどのような高校があるのか、それぞれどのような特徴があるのかを知っておく必要があります。ここでは、発達障害グレーゾーン~軽度知的障害があり中学校で特別支援学級を選んだ場合、進学先としてどのような選択肢があるのか、それぞれの高校の特徴などを紹介します。学校選びの際に留意したいのが「大学受験資格」が得られるのかと言うことです。障害者枠での就労の場合は、大学受験資格については考慮する必要はないかもしれませんが、大学進学を検討している場合は考慮する必要があるためです。(また、高等専修学校や特別支援学校卒業後、一般枠での就職を希望する場合、学校卒業時に「高卒」とみなされるのかについては雇用主の判断となりますので、就業の際に確認が必要です)【卒業後高卒認定される学校】高卒認定とは、その名の通り『高校を卒業した』という認定です。・普通科高校(公立・私立)・専門高校(実業高校)・単位制高校・定時制高校・通信制高校・チャレンジスクール(4年制)これらの学校は卒業と同時に高卒認定が与えられます。【卒業後高卒に準ずると認定される学校】卒業時に高卒認定に準ずるとみなされる「大学受験資格」を得ることができる学校もあります。・高等専修学校文部科学大臣が指定する課程を修了した場合、高等学校卒業者と同様に大学入学資格が与えられ、その他の進学についても高等学校卒業者と同等に扱われます。学科により、専修学校の高等課程には1年制~5年制までさまざまなコースがあります。調理学校などは1年制が多く、准看護は2年、理美容学校などは2年以上、そのほかの学校については3年制が多くなっています。高等課程の3年制を卒業すれば専門課程(専門学校)に入学することもできます。大学や短期大学へ進学も大学入学資格付与の指定を受けている学校を卒業すれば可能です。高等専修学校とは?文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(平成30年3月28日現在)・特別支援学校高等専修学校は卒業と同時に大学入学資格が与えられますが、特別支援学校についてはさまざまな学校や科があり、制度上は特別支援学校卒業で大学受験資格は得られますが、大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合もあります。特に知的の特別支援学校については入学前に確認が必要です。【短大卒に準ずる資格を取得できる学校】・高等専門学校卒業後「準学士」の学術称号と、高専の専攻科や大学への編入資格が得られます。大学・短期大学、高等専門学校、専門学校の制度の比較国立高等専門学校の学校制度上の特色Upload By 発達障害のキホン大学入学資格を得るためには以下の条件のいずれかが必要となります。①高等学校又は中等教育学校を卒業②特別支援学校の高等部又は高等専門学校の3年次を修了※特別支援学校については大学入学資格は得られますが、大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので入学前に確認が必要です。③指定された専修学校の高等課程を修了④高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)での合格大学入学資格について文部科学大臣指定専修学校高等課程一覧(平成30年3月28日現在)制度上は特別支援学校卒業で大学入学資格は得られます。しかし、特に知的障害高等特別支援学校、知的障害特別支援学校高等部の場合は自立活動なども多いため、志望する大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があります。したがって、入学時点から大学進学に合わせた教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側と話し合っておく必要があります。卒業後進学を考えている場合は入学前に事前に卒業までに取得できる単位数などの確認をしておく必要があります。学習指導要領「生きる力」知的障害高等特別支援学校とは、知的障害の生徒を対象に、高等部のみ設置している学校です。職業技術科や職業学科、産業科などさまざまな科に分かれ、職業生活に必要な能力や技術を高めるために実践的なカリキュラムを行っており、知的障害特別支援学校高等部よりも就職に特化した学校となります。就職率が高い、就職先とのミスマッチが少ない、学校と企業とのパイプがあるなどのメリットがあります。学費は、公立の場合は公立普通科高校と同じ、私立はその学校のカリキュラムや校舎などの施設によります。卒業と同時に大学入学資格を取得できますが、上記にもある通り、就業にむけた実践的なカリキュラムのため、大学側が定めた科目の単位を取得していない場合があります。大学進学を希望している場合には入学時点から教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側に相談しておきましょう。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので注意が必要)平成30年度新特別支援学校高等部学習指導要領等説明会における文部科学省説明資料(3/3)知的障害特別支援学校高等部とは、小学部から高等部まである、いわゆる小中高一貫特別支援学校の高等部です。知的障害高等特別支援学校と同様に卒業すれば大学入学資格を取得できますが、大学受験を希望している場合には高等部入学時点から大学進学に合わせた教育課程を個別に編成してもらえるかどうかを学校側に相談が必要です。一貫校となっていますが、多くの学校が中学部、高等部からの入学も可能です。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(大学側が定めた科目の単位を取得していないと受験自体ができない場合があるので注意が必要)平成30年度新特別支援学校高等部学習指導要領等説明会における文部科学省説明資料(3/3)病弱特別支援学校高等部とは、慢性疾患などで、義務教育終了後も医療・生活上の規制を必要とする生徒、または高校入学後の発病や病状の悪化により学校生活への制約を余儀なくされた生徒が通える、医療や生活管理体制の整った高校です。適切な学習集団を確保する観点からも、近隣の高校と連携を図りながら、校内外でさまざまな学習を行うのが特徴です。療育手帳が取得できない知的レベルの生徒でも、普通科高校では必要な配慮が受けられず通えない場合の選択肢となる学校といえます。卒業すれば大学入学資格を得ることができます。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇病弱・身体虚弱教育:文部科学省普通科高校(公立・私立)とは、いわゆる全日制あるいは定時制の高等学校のことです。平成30年度から言語障害、自閉症、学習障害、ADHD、弱視や難聴などの障害のある生徒に対し、通級による指導が制度化されました。しかし、47都道府県の中でも実施校に大きなばらつきがあり、東京都立高校は2021年から導入されています。また、支援体制が不十分な場合もあるため、過去の特別支援学級からの入学歴の有無を確認したり、個別相談を受ける、通っている人の話を聞くなど、学校の支援体制がわが子に適したものであるかを事前に調べる必要があります。学費は、公立は卒業までに約50万円、私立の多くは公立の倍以上はかかります。卒業と同時に高校卒業資格が取得できます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策について(報告)概要専門高校・実業高等学校は、農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報、福祉など職業教育を主とする学科を設置する高等学校です。各分野に特化した専門的なスキルが学べるので、普通科高校に比べ就職率が高いのがポイントです。学費などは普通科高校とほぼ同様ですが、実習などで使う専門の道具などは別途購入が必要となってきます。平成30年より高等学校においても通級の制度化が始まり、専門学校も同様となりました。しかし、普通科高校と同様に実施にばらつきがある、専門教科・科目については必修科目となるので学校の支援体制、実習内容などに苦手な項目がないか、苦手な項目により必修単位が取得できないことはないか、などは事前に調べておく必要があります。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇専門高校の現状(専門高校に関する諸データ)専門高校紹介高等学校における通級による指導の導入について単位制高校とは、学年による教育課程の区分を設けず、決められた単位(74単位)を取得し、単位認定試験とスクーリング(ある程度決められた日数学校に通えばいい)で高卒資格が得られる高等学校のことです。昭和63年度から定時制・通信制課程で導入され、平成5年度からは全日制課程でも設置が可能となりました。必修科目にとらわれず、自由に単位を選べるのが特徴です。学費は、公立・私立で大幅に変わってきます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇就労などを理由に全日制高校に通うことができない人の教育の受け皿として始まった高校ですが、不登校や特別な支援を必要とする生徒、睡眠障害など心身に何らかの問題を抱える生徒も多く通っています。毎日登校するという点は全日制高校と同じですが、登校時間帯を・夜間定時制・昼間二部制…昼食を挟み、朝と昼の時間帯に行う・三部制…9時~13時、13時~17時、17時~21時のように三部に分けるの3種類から選べる学校が増えています。学費は、公立は年間およそ20万円弱、私立はその約2~3倍となっています(授業料と学校徴収費〔給食を含む学校が多い〕)。3年制と4年制がありますが、いずれも卒業と同時に高卒資格が得られます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇通信制高校は、自宅学習がメインで、単位取得(74単位+ホームルーム30単位)で高校卒業資格が得られます。空いた時間で好きなことをしたり、登校日を自分で選べるなどのメリットがあります。単位制高校との大きな違いは、必修科目がある、高卒資格を取得するには単位認定試験とスクーリングに加え、レポート提出が必須になります。サポート校は、通信制の高校生の卒業をサポートする「塾」のような存在です。連携している通信制高校に籍があり、連携先の通信制高校卒業で高校卒業資格を取得できます。サポート校のみでは、高卒資格は取得できません。卒業や大学受験、資格取得など自分に合ったサポートを選べますが、通信高校+サポート校費用のダブル負担がかかり、公立と私立では学費に6倍もの差が出てきます。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇※通信制高校の場合高等専門学校(高専)は、5年制で一般科目と専門科目をバランスよく配置した教育課程で、技術者に必要な教養と体系的な専門知識を身につけることができます。5年制ということもあり、卒業までの学費はおおよそ150万~240万円となっています。5年間の本科を卒業後(短大卒と同じ扱い)、さらに2年間専攻科でより高度な技術教育を学ぶことも可能です。専攻科を修了すると学士の学位(大学学部と同じ)を得ることができます。卒業後の進路は多岐にわたりますが、倍率が非常に高いのが難点といえます。【卒業時に取得】・高卒認定:3年修了時に同等の資格を得られる・大学入学資格:卒業時短大卒扱い参照:国立高専機構 豊田高専高等専修学校は、工業・農業・医療・商業など8分野にわたりバラエティーに富む職業教育を行っています。3年制で基本的に高校卒業資格は得られません(何校かは可能)が専門課程(専門学校)への入学が可能です。小学校や中学校の間にすでに「やりたいこと」「就きたい職」が決まっている生徒には向いている学校といえます。また、不登校や高校を中退した生徒を積極的に受け入れる学校もあります。学費は専門的分野によって差があり、平均して150万~200万円程度かかりますが、奨学金制度があります。高校卒業認定は得られませんが、修業年限が3年以上、総授業時数が2,590時間(74 単位)など条件を満たせば文部科学大臣が指定した学科の修了者は、高等学校卒業者と同様に大学入学資格が得られることになっています。【卒業時に取得】・大学入学資格:〇(文部科学大臣が指定した学科の修了者の場合)専修学校高等課程・一般課程と特徴・資格取得チャレンジスクールは、小・中学校時代に不登校経験を持つ生徒や高校を中途退学した生徒が新たに目標を見つけてチャレンジするための都立高校です。三部制・定時制・単位制の総合学科の高校で、現在5校とチャレンジ枠併設の1校があります。卒業と同時に高校卒業資格が取得できます。定時制のため通常は卒業までに4年間必要ですが、単位制でもあるので、授業を多く履修すれば3年間での卒業も可能です。学費は都立高校に準じています。【卒業時に取得】・高卒認定:〇・大学受験資格:〇フリースクールは、不登校の生徒が学校以外で学んだり友達と過ごしたりできる居場所ですが、公的な機関ではなく個人や民間企業、NPO法人などによって運営されています。入学資格を設けていない、異なる年齢の子どもが集まっているので学校のような決まったカリキュラムがないという特徴があります。高校卒業資格を得るには、高卒認定試験(旧 大検)に合格する必要があります。フリースクールの形式や規模によって学費(授業料)は変わってきますが、ひと月3万円前後のところが多いようです。高卒資格は取得できないため、大学へ進学をする場合には高卒認定試験を受ける必要があります。【卒業時に取得】・高卒認定:×・大学入学資格:×過去10年での進学率の変化10年前の2010年は特別支援学級に在籍する子どもが(特別支援学校以外の)高校に進む割合は約2割でしたが、2019年には約5割と2倍以上に増え、特別支援学校に進む子どもと高校に進む子どもが約5割ずつと半々になりました。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」平成22年度版文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版中学校の特別支援学級から高校進学者が増えた背景には、情緒障害特別支援学級の在籍児童生徒数が近年大幅に増加していることが影響していると考えられます。そしてこれに伴って受け入れる高校側も必要に応じて別室での受験や、試験時間の延長、問題用紙の文字の拡大や読み上げ機能の使用など、受験の際に障害や特性に合わせた配慮を実施したり、通級教室を設置したりする学校も増えてきていることも理由に挙げられます。特別支援学級と一言で言っても特性や障害種別により複数のクラスがあります。それぞれのクラスによって進学率などは変わってきます。すべてのクラスにおいて高校への進学率が増えたという訳でもないので注意が必要です。特別支援学校高等部やフリースクールに進む場合は内申は必要ありませんが、そのほかの学校の多くは内申が必要となってきます。普通科高校の中でも、都立(市立・県立)高校のほとんどは内申が必要です。私立や専修、専門学校の中には内申は関係なく入学試験の点数や書類のみで合否を決める学校もあります。なお、入学試験にあたって内申が必要な場合について、通常学級の生徒と同様の中間・期末テストを受けていない場合は通常学級の生徒とは異なる評価の内申になる場合があります。進路選びのポイント高校で「支援体制がしっかりしている」「障害や特性に合わせた個別カリキュラムが組まれている」というような学校はまだ少ないのが現状です。その中でも、・子どもが学校に合わせるのではなく、子どもを理解し、配慮できる「子どもに寄り添った学校」か・特性や障害からできないことやゆっくりな部分にはじっくりと見守り、今できていることを伸ばしてくれる環境か・教職員が保護者の話を聞いてくれる姿勢があるか・必修科目や実習の内容に苦手なものはないかを見極めることが大切です。学校見学や説明会に足を運ぶ、資料を取り寄せるなどして、なるべくたくさん情報を収集しましょう。実習内容が必修科目になっている場合が多いのでオープンキャンパスなどであらかじめ聞いておくことも重要です。診断がある場合、入学試験でどのような合理的配慮をしてもらえるかなど、事前に話をしておくことも大切です。単位制でない場合、1科目でも欠席日数が既定の日数を超えてしまうと原級留置となりますが、学校によっては、診断があれば配慮がある場合もあります。学校に質問をするほか、通っている子どもや保護者の生の声を聞くことで、困りごとなどへの実際の対応や配慮・支援の様子なども知ることができます。子どもの将来のQOLを上げるためにも、できるだけ「失敗体験」をさせない進路先を選ぶ方がベターです。特性を抱える子どもは、「失敗体験」を重ね続けることで挫折感が強くなり、つまずいてしまうケースも多く見られるからです。就職できても、就職先とのミスマッチがあったり定着率が悪く職を転々としてしまう、というケースも出てきます。科が細かく分かれているか、実践的なカリキュラムが多いか、子どもの特性に合った職業選択を考えてくれるか、職業への連動性が高い指導をしているか、企業とのパイプはあるか、ということも大きなポイントになってきます。グレーゾーンや軽度知的障害の場合、家族や周囲の大人たちが「特別支援学級の生徒は特別支援学校へ」という流れが普通だと思ってしまうことが多く、内情をよくわからないまま特別支援学校に入学してしまうケースも少なくありません。特別支援学校に進んでみて、物足りなさや周囲とのギャップを感じて不登校につながることもあります。子どもとよく話し合い、子どもの意思を尊重しながら進路を選択することが大切です。進路先でつまずいてしまったらせっかく悩み考えて結論を出した進学先でも、子どもの性格や特性に合わず、不登校や二次障害などにつながってしまうこともあります。もしも進路先でつまずいてしまった場合どう対応したらいいのか、そのために保護者が準備できることを解説します。高校の通常級に在籍している発達障害が疑われる児童のうち、平成22年~26年度の間に平均7~10%の児童が不登校になるというデータが出ています。高校で不登校になる理由としては、・学習や実習についていけない・友人との人間関係がうまくいかない・「なぜできないの?なぜ行けないの?」という親からのプレッシャー・発達障害に対する理解がないなどが挙げられます。不登校になってしまった場合、「無理に学校に行かせない」「先生と相談・連携して学びやすく生きやすい環境を作る」ことも選択肢としてありますが、「その学校にこだわり続けない」「環境を選び直す」ことも必要です。なお、単位制の高校でない場合は、欠席日数が既定の日数を越えてしまうと原級留置(留年)となることも認識しておく必要があるでしょう。発達障害者支援に関する行政評価・監視結果報告書「不登校になってしまったけど、この学校は手厚いからもう少し頑張ろう」「せっかく好きなことができる科に入れたから、もう少し様子を見よう」などと進学先にこだわり続けることで、親子で苦しくなる場合もあります。中学生活の様子を担任の先生に聞いたり、わが子の特性や障害の程度を改めて見直したうえで、なるべく多くの高校の情報を収集して複数の選択肢を持っておき、子どもに提示できるようにしておくことも大切です。中学卒業後の進路決め、それはその後の子どもの「長きにわたる将来」につながる重要な選択になってきます。子どもの将来につながる教育や指導をしてくれるかどうか、支援体制はあるのか、入学の選考方法はどうなっているのかなど、事前の情報収集がとても大事になってきます。そして、「発達障害や特性のことをすべて伝えたら受からないかも」と不安になる方が多いようですが、障害があることを理由に落とされることはありません。充実した高校生活を送るためにも、卒業後の将来を考えるうえでも、子どもの障害や特性を包み隠さず学校側に伝えることがとても重要になってきます。また、親子で進路を相談すると衝突して考えがまとまらない、というケースもあります。その場合は保護者だけで抱え込まず、第三者や専門家に相談してもいいかもしれません。「この先子どもがどういうふうに生きていきたいのか」という将来像から逆算して、子どもにとってベストな環境を考えていきたいですね。執筆/田崎美穂子
2021年08月05日視野に入れていた特別支援学校。でも希望が捨てきれず…自閉症と知的障害のある息子ほぺろうは、いまだ発語もない保育園年長さん。ただ今、来年度入学に向けて『特別支援学校』の就学準備中です。実のところ私は、ほぺろうが保育園に入園する前から特別支援学校を視野に入れていて、ほぺろうが年中さんになったころからは「進路は特別支援学校一択」と周りに言っていました。早い段階で進路を考えられたのには、ある出会いがあったからでした。ほぺろうが3歳でまだ入園先も決まっていなかったころ、癇癪の強いほぺろうの育児がつらくて『悩みを共有できる人とお話ししたい』と地域の児童発達支援センターの先生に泣きついたところ、O(オー)さんという先輩ママさんを紹介していただきました。Upload By ぼさ子Oさんのお話は『お子さんとほぺろうの発達程度が似ている』『お子さんがほぺろうより少し歳上』『同じ地域に住んでいる」という基準で紹介していただけただけあり、とても参考になるものでした。ちょうどその当時Oさんは地域の学校をいろいろ見学した上でお子さんの就学先を決定したということだったので、就学事情についても教えてもらうことができました。ただそのとき、Oさんの「ウチの子の進路は特別支援学校に決めました」という言葉にドキリ!それまで『通常学級』『特別支援学級』といったことすら考えたこともなかった当時の私にとっては重い言葉でした。でもお子さんと発達程度が似ているほぺろうのことを考えたら受け止めるしかありません。Upload By ぼさ子とは言え、ほぺろうはまだ小さかったので周りから「成長して急激に伸びる子もいるから…」と言われることが多く、私もそれを鵜呑みにして「そうだよね!ほぺろうだって成長して、あわよくば通常学級に行けるかも?」と淡く思っていました。ところがほぺろう、保育園入園後も大荒れの癇癪将軍。発語や知的部分の成長も、期待どおりとはいきませんでした。現実を思い知らされた各関係者の表情ほぺろうが年中さんに進級したころから、保育園・地域の児童発達支援センター・児童相談所などから「お子さんの進路はどうお考えですか?」と聞かれるようになりました。まだ年中さんだし分からないよ…という気持ちを抱えつつ「いやぁ~、ウチの子の様子だと特別支援学校一択ですかね~…アハハ」と答えていたのですが、皆さん一様に「そうですか~」とホッとした表情なのが印象的でした。『そりゃそうだよね、私が通常学級とかを希望したら説得するの大変だもんね…』などと考えながら、皆さんの表情を見て余計に『ほぺろうはやっぱり特別支援学校しか選択肢がないんだな。特別支援学級と迷うことすらできないんだ…』と沈んでしまいました。Upload By ぼさ子特別支援学校は『最初からほぺろうを理解してくれている』『ほぺろうにとって適切な支援をしてくれる』と頭では分かっているのですが、進路に悩むこともできないわが子の状況をわびしく感じてしまいました。目を覚ましてくれたのは“厳しい現実”それでもまだ私は「年長になるまでにほぺろうも成長するかも?」「Oさんのお話を聞いた数年前から受け入れ体制が変わってたりするかも??」と期待を捨てきれずにいました。年中さんになったほぺろうは情緒が落ち着いて接しやすくなっていたので、余計そんなことを考えるようになっていました。私は地域の児童発達支援センターの担当の先生に思い切って相談してみました。「ほぺろうも成長してきてますし、特別支援学級に行けそうですかね?」すると先生はこう教えてくれました。「特別支援学級は授業中座っていられる子が対象なんです(*私が住んでいる地域の場合です。受け入れ体制は各学校によって異なります)」と。Upload By ぼさ子特別支援学級のあまりのハードルの高さに目が覚めました。ほぺろうは例え情緒が安定していようと、授業中座り続けるなんて絶~~っ対ムリ!!急に現実に引き戻された感覚でした。でも私にとっては「この先成長するかも」と曖昧に慰められるよりも、ガツンとハッキリ言ってもらえて本当に良かったなと思っています。おかげさまで今では迷いなく、スッキリとした気持ちで就学準備に臨めています。Upload By ぼさ子他人を羨む気持ちもあったけど、子どもを思う気持ちはみんな一緒『通常学級と特別支援学級どっち?』『特別支援学級と特別支援学校どっち?』と悩む人を見て「悩めるなんていいなぁ…」と羨ましく思ったこともあります。迷う余地すらないほぺろうを見て、わびしいと思ったこともあります。でも どの境遇の方にもそれぞれの立場での困りごとがあり、お子さんのために一生懸命なことにみんな変わりありません。そして、親の希望や見栄のようなものを理由に学校を選んで、もしも子どもに合わなかったらかわいそうです。そう思うと、自分は自分にできることを頑張ろうと思えました。私が親としてほぺろうにしてあげたいのは、ほぺろうに合った『居場所をつくる』こと。わが子に寄り添ってくれる特別支援学校のありがたさに感謝しつつ、ほぺろうが日々楽しく過ごせることを今は一番に願っています。Upload By ぼさ子LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年07月09日個別の教育支援計画とは?「個別の教育支援計画」は、特別な支援を必要とする幼児や児童・生徒について、本人・保護者や学校・関係機関も含めた関係者で情報共有するためのツールです。作成する目的は、児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことです。幼稚園などで作成された個別の教育支援計画を活用して、その後の小学校や中学校など就学先に支援の情報などを引継ぎ、断続的な支援や指導に生かしていきます。教育・医療・福祉・労働等が連携協力することが望ましいとされます。長期に渡り多くの人が関与するものなので、個人情報などの保護も十分に留意した取り扱いとなっています。対象となる障害の範囲には、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱、言語障害、情緒障害、LD、ADHD、高機能自閉症などが含まれます。通常学級に在籍している児童・生徒や、発達障害の診断が出ていない児童・生徒でも、特別な教育的支援を必要とする場合は対象となります。関連するものに「個別の指導計画」がありますが、こちらは子どもの実態に応じて適切な指導を行えるよう、指導目標や指導内容及び指導方法を明確にしたものです。「個別の教育支援計画」が長期的な支援計画であるのに対し、「個別の指導計画」は学期ごと・単元ごとなど、短期的かつ具体的な計画であるといえます。「個別の指導計画」の作成にあたり、「個別の教育支援計画」も参考にされます。今回の記事では、個別の教育支援計画について詳しく説明します。(3)個別の教育支援計画と個別の指導計画(文部科学省)特別支援学校教育要領・学習指導要領解説総則編(文部科学省)個別の教育支援計画について(文部科学省)個別の教育支援計画の具体的な内容は?個別の教育支援計画に盛り込まれる情報は、以下のようなものがあります。・本人や保護者の願い・障害による困難な状況・学校での支援・指導の内容・合理的配慮の提供の状況・生育歴・相談歴・通院・福祉サービスの利用状況・関係機関における支援の内容Upload By 発達障害のキホン具体的な項目やフォーマットは、各自治体や学校ごとに異なります。一例として、東京都教育委員会が公開している「小・中学校用支援シート」をご紹介します。Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自分の学校や自治体における個別の教育支援計画の内容については、各教育委員会のHPや、学校の特別支援教育コーディネーターへ問い合わせてみてください。これからの個別の教育支援計画(東京都教育委員会)小・中学校用支援シート(東京都教育委員会)個別の教育支援計画は、誰がどのように作成するの?個別の教育支援計画は、児童・生徒の状況や活用の必要がある場合に作成されます。例:・就学時や卒業後への移行期・学校外の関係機関との連携した支援が必要な場合・保護者から作成の要望があった場合など作成プロセスは、以下のとおりです。1. 障害のある児童・生徒の実態把握2. 実態に即した指導目標の設定3. 具体的な教育的支援内容の明確化4. 評価個別の教育支援計画は、1度作成して完了するものではありません。子どもの状況にあわせて適宜見直しを行い、PDCAサイクルを回しながら作成していきます。また、進級・進学などのタイミングで関係者間で引き継ぎを行い、その内容を踏まえた計画を作成することで、長期的な視点に立った支援を行うことができます。就学段階においては、盲・聾・養護学校又は小・中学校、もしくは高等学校が中心となって作成します。なかでも学級担任や、学校内や他機関との連絡調整役となる特別支援教育コーディネーターが中心となって、具体的な内容を確定します。保護者や関係機関との連携協力により、校内委員会(※)や支援会議で検討していきます。※校内委員会:児童・生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの個別の教育支援計画について(文部科学省)「個別の教育支援計画」作成の手引き(千葉県教育委員会)個別の教育支援計画を作成したあとの、活用方法は?個別の教育支援計画は、学級担任や特別支援教育コーディネーターが中心となり、校内委員会や校外の関係機関と連携しながら作成されます。作成後は計画をもとに、それぞれの機関・立場からできる支援を実施します。学校内の指導や、放課後等デイサービスなどの支援機関においては個別の教育支援計画をもとに「個別の指導計画」を作成し、単元ごとや学期ごとの具体的かつ短期的な指導内容を定めたうえで支援を進めることもあります。また、定期的に実施内容とその結果を共有し、計画の評価を行なったうえで、より状況に即した計画を定めます。進級・進学時には計画の引き継ぎを行うことで、継続した支援へとつなげていきます。学校や支援機関、家庭など、さまざまな場所における支援と評価を行い、児童・生徒の様子を多角的に観察して計画に盛り込むことが、個々に合う支援のために大切です。本人や保護者の要望は、どのように反映されるの?保護者には計画の作成・実施・評価の場面それぞれで常に共通理解を図ることになっており、積極的な参加を求めるとされています。多くの場合、学級担任や特別支援教育コーディネーターが、保護者の直接の窓口になるため、保護者が個別の教育支援計画の作成を希望する場合やその内容の修正を求める場合は、相談してみてください。また、計画には、児童・生徒本人の願いや要望も盛り込まれます。学級担任や特別支援教育コーディネーターを中心に本人へのヒアリングを行うのか、保護者が間に入るのか、お子さんがコミュニケーションをとりやすい方法を一緒に検討していけると良いでしょう。まとめ出典 : 個別の教育支援計画を作成する目的は、特別な支援を必要とする児童・生徒の一人ひとりのニーズを正確に把握し、長期的な視点で、一貫して的確な教育的支援を行うことです。そのため、作成にあたって保護者や学校の関係者・校外の支援機関などさまざまな立場からの情報共有と目標のすりあわせが行われます。一貫した支援が必要だと感じたら、個別の教育支援計画の作成や活用を検討してみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月30日2、3年生のときの担任の先生は、親子共々相性ピッタリ!広汎性発達障害の娘は、小学5年生。小学2年生から特別支援学級に在籍し、娘を見てくれた担任の先生は、今年で3人目です。Upload By SAKURA特に小学2、3年生を担当してくれた先生は、1年生のとき、次年度(2年生)からの特別支援学級在籍が決まってからの慣らし時間も含めて、長い時間を娘と過ごしてくれました。私も娘も、この先生が大好きでした。娘のことをいつも褒めてくれ、私のことをいつも労ってくれる優しい先生で、「不安なことや心配なことはいつでも連絡ください」とメールアドレスも教えてくれ、私の個人的な相談にもたくさん乗ってくれました。Upload By SAKURA細かいことによく気がつく先生で、特別支援学級専用の連絡帳もつくってくれ、「今日は○○をしました」「○○を頑張りました」「○○の話をしました」という話を、先生は毎日びっしりと、書き込んでくれました。私からは、家であったことやパニックを起こしたときはその詳しい内容も書き、先生はそれを参考にしながら娘に接してくれていたそうです。密に連絡を取り合っていたおかげか、娘は日々とても安定していて、先生のことを、とても信頼していました。すっかり慣れた先生が代わる!?新しい先生に望んだことは…そんな先生が、担任ではなくなったのは、小学4年生のとき。私は、卒業まで見てほしいと思っていたので、正直とても残念でした。小学4年生、新しく担任になったのは、男の先生。娘は、学校内でその男の先生と何度も話したことがあるようで、問題なさそうでしたが、私はまったく面識のない先生でした。見た感じちょっと怖そうで、今までのように気軽にやり取りができるような雰囲気の先生ではありませんでした。Upload By SAKURAそこで私は、前任の先生と、新しい先生と、私の三人での面談をお願いしました。前任の先生から娘の特性を聞いていたようでしたが、私からも、もう一度、娘の特性や、こだわり、パターン、落ち着く方法などを話しました。Upload By SAKURAそして私は、前任の先生と2年間続いていた連絡帳を、新しい先生にも引き続きやってほしいと頼みました。気軽に言える雰囲気ではないからこそ、連絡帳なら書けると思ったのです。面談のおかげか、新しい先生は娘の特徴をよく理解して、対応してくれました。異性の先生というのもあって、電話での話はいつもぎこちないものになっていましたが、連絡帳はいつも丁寧に書いてくれていて、どんな会話で盛り上がったかなども書かれていました。前任の先生よりは、直接のコミュニケーションが少なめではありましたが、娘がパニックを起こしたときや、不安なときの情報の共有は、連絡帳でしっかりできていました。Upload By SAKURA新しい5年生の担任の先生とも、密に情報共有。そして今年度、小学5年生になり、また担任の先生が代わりました。今度は、新しく小学校に赴任してきた女の先生。感染症予防対策などピリピリした時期だったので、面談をお願いするべきか迷っていたのですが、4年生のときの先生が新しい先生と私を、新学期が始まる前に会わせるため、3人での面談をセッティングしてくれました。さらに、娘の情報も共有してくれ、連絡帳の継続も決めてくれ、とてもスムーズに話が進みました。Upload By SAKURA新年度が始まって、2ヶ月経ちましたが、情報の共有と連絡帳のおかげで先生とはとても密にやり取りができています。娘の特性上必要なフォローも、こちらが言う前にしてくれますし、娘も新しい先生にすっかり慣れました。私の経験上、新年度が始まる前の(前任、新任の両先生を含めた)面談と、密にやり取りができる連絡帳というのは、必要不可欠だったと感じています。特に連絡帳は、親としての不安も解消され、言いにくいことも気軽に書けます。来年の担任の先生がどうなるかわかりませんが、引き続きこの二つは続けたいと思っています。皆さんも、定期面談の機会を、是非活かしてみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年06月09日特別支援教育コーディネーターとは?特別支援教育は、発達障害を含めた障害のある幼児・児童・生徒の自立や社会参加に向けて、校内外の関係機関のネットワークやチームワークによって一人ひとりのニーズに合わせた支援を実現するという教育の考え方です。改正学校教育法の施行に伴い、平成19年4月1日より全国の学校・園で特別支援教育が本格的に実施・推進されています。特別支援教育コーディネーターは各学校や園に配置され、特別支援教育の推進のため、主に以下の役割を担っています。・校内委員会の企画・運営・関係諸機関・学校内関係者との連絡・調整・保護者からの相談窓口特別支援教育コーディネーターは、教諭が兼ねています。小学校・中学校の場合は担任をしている先生、養護教諭の先生、特別支援学級の先生が、こども園・幼稚園の場合、役職上の主任である教諭が特別支援教育コーディネーターを担当することが多いようです。自分の学校や園における特別支援教育コーディーネーターがわからない場合、学校や園に問い合わせてみてください。特別支援教育の推進について(文部科学省)特別支援教育コーディーネーターの具体的な仕事内容は?出典 : 特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担う者として位置付けられます。(1)学校内の関係者との連絡調整・校内委員会の推進特別支援教育コーディネーターは校内委員会(※)の企画・運営を担い、協議を円滑にできるようにしていきます。また、支援を必要とする児童・生徒の情報を収集し、必要に応じて特別支援教育支援員 、スクールカウンセラー等、学校内の専門スタッフとつなげる連絡調整役を担います。保護者や担任の先生とともに具体的な支援内容や方針の確認等を行うケース会議を実施したり、児童・生徒の個別指導計画を作成し、実施、評価、改善を行う役割も担います。※校内委員会:児童生徒の担任の先生のほか、校長、教頭、学年主任等、養護教諭などで組織され、効果的な指導や対応に向けて情報を共有し、全校的な支援体制をとるもの(2)外部の関係機関との連絡調整特別支援教育コーディネーターは、外部の専門家チームや、医療・福祉の関係機関等との連絡調整が必要になった場合の窓口となります。地域の医療・福祉の関係機関等やそれらが提供している支援内容について情報を収集・整理し、必要に応じて教員や保護者へ情報を伝えます。(3)保護者に対する相談窓口保護者に対する学校の相談窓口となり、保護者を支援します。併せて、通常学級の中で教育上特別の支援を必要とする児童・生徒に効果的な教育的支援を行うために、対象児童の保護者だけでなく全ての保護者に対して特別支援教育の重要性についての理解の推進を図っていきます。(4)担任への支援・進級時の引き継ぎ調整担任の先生に対して相談に応じたり、助言したりするなどの支援を行います。また、児童・生徒の進級時には、新旧の各学級担任間で教育上特別支援を必要とする児童などに対する指導方針が異なることのないよう、校長の指示のもと、その調整を行います。(5)巡回相談員や専門家チームとの連携巡回相談員及び専門家チームとの連携を図り、支援内容の改善につなげていきます。特別支援学校においても特別支援教育コーディネーターは、保護者や関係機関に対する学校の窓口、また、学校内の関係者や福祉、医療等の関係機関との連絡調整の役割を担います。加えて、各学校の教員の専門性や施設・設備を活かし、地域における特別教育に関する相談を受けるセンター的役割があります。地域の小・中学校への支援や、地域内の特別支援教育の核としての関係機関との連絡調整を行い、ネットワークの構築や協力関係を推進するための情報収集・情報共有を行います。特別支援教育コーディネーター実践ガイド(独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 )発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン(文部科学省)保護者から相談してもいいの?合理的配慮を受けたいときは?出典 : 特別支援教育コーディーネーターには、保護者からの相談窓口を担う役割があります。子どもの学校の様子が気になるときや支援内容を相談したいとき、担任の先生以外にも、特別支援教育コーディーネーターに直接相談するという方法があります。通常学級に通っていても、発達の気になる子どもへの配慮や支援、特別支援学級への移籍についての内容等も特別支援教育コーディーネーターに相談することができます。また「発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン」(文部科学省)には、以下のような記載があります。特別支援教育コーディネーターは、各学級担任とともに、児童本人や保護者等から、現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明を受けるなど、合理的配慮の提供に当たっての相談窓口としての役割も果たします。特別支援教育コーディーネーターは保護者から合理的配慮についての相談を受けると、その内容を担任の先生へと共有し、配慮を受けられる環境づくりを助言することになります。合理的配慮を受けたいが担任の先生に相談しづらい、どのように伝えるべきかわからない、などあれば、特別支援教育コーディネーターに最初に相談してみると良いでしょう。まとめ出典 : 特別支援教育コーディーネーターは保護者や関係機関に対する学校の窓口として、また、学校内の関係者や福祉・医療等の関係機関との連絡調整の役割を担い、子どもたちのニーズに合わせた支援をサポートします。発達の気になる子に対する支援や合理的配慮について、保護者から相談を受ける窓口でもあるため、必要に応じて相談してみてください。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年05月30日「卒業生入場!」ハラハラしながら見守る母の前で卒業式当日は親子で学校へ向かい、長男を教室へと連れていき、そこで別れて私や他の保護者たちは体育館で待機していました。大丈夫だろうか…長男は無事卒業証書を受け取れるだろうか…いやそもそもちゃんと歩けるだろうか…不安な気持ちがよぎります。けれどそれでもいい。卒業する長男の姿をしっかり目に焼き付けておこう、そう心に決めました。「卒業生入場!」先生の声と共に、体育館の扉から子どもたちが姿を現しました。入学式のときは小さかった子も立派に成長しています。赤いじゅうたんの上を次々に歩いていく子どもたち。成長障害がある為、ひときわ小さな体をした長男が入って来ました。驚いたことにてくてくとまっすぐに歩いています。Upload By シュウママ立ち止まらず、しゃがみこまず、泣き出しもせず。もうその姿を見ただけでこみあげてくるものがありました。いよいよ卒業証書授与。この日のために何度も練習した長男。いざ本番次はいよいよ卒業証書授与。長男にとって最大の難関といえるでしょう。学校からの連絡帳では何度も何度も予行練習したと書かれていました。特に名前を呼ばれるとき、はい!とどうしても手を挙げてしまうので「手を挙げないでね」と何度も伝えたそうです。でもどうしても癖で挙げちゃうんですよねというお話でした。階段を登っていく長男の姿が見えました。前のお子さんが卒業証書を授与される間、きちんと待機しています。長男の名前が呼ばれました。小さな声で「はい」と返事をしました。Upload By シュウママ手は挙がっていません。練習の成果です。長男は誰の力も借りずに歩き、両手で卒業証書を受け取りペコリとお辞儀しました。Upload By シュウママしっかりと卒業証書を手に持ち階段を降りて行きます。長時間の緊張で顔がこわばっています。定型発達の子どもなら簡単にできることかもしれません。けれどこの一連の流れが発達障害のある長男にはどれほど大変なことか。そしてここに至らせるまで先生方がどれほど努力されたことか。涙をこらえることができませんでした。そして同じように泣いておられる保護者も大勢いらっしゃいました。その道のりの大変さを知っているからこそ、思いはみな同じだったんだと思います。走馬灯のように駆け巡る幼いころの記憶入学式の日はまっすぐ歩くことはできませんでした。運動会では帰る!と言って泣き出したこともありました。学校のイベントのときには、私の顔を見つけると走って駆け寄ってきました。でも今は私の姿を見ていても、そばに寄ろうとせず、きちんと椅子に座っています。ここは大事な式典の場なんだと認識しているのです。大きな大きな成長です。私は卒業式当日にはじめて、長男が6年間の間にどれほどいろんなことを獲得してきたのかを知ることができました。Upload By シュウママ最後の写真撮影。どれほどの人が長男の成長に力を貸してくれていたのか改めて知りました卒業証書授与式が終わると、最後の写真撮影でした。クラスのみんなと。保護者と。先生と。支援学校の6年生は1クラス6人の3クラス。全体で20人でも満たない子どもたちを保護者はみんな覚えています。そしてすべての先生方が長男のことをよく知っています。「シュウちゃん、卒業おめでとう!」たくさんの先生から言葉をかけられました。Upload By シュウママその言葉は本当に芯から温かいものでした。私はどれほどの人たちが長男に力を貸してくれていたのかを改めて知ったのです。もっともっとそのことに感謝すべきだった。長男が一人で勝手に成長したわけじゃないんだと気づかされました。そのことにまた涙がこぼれました。花束を胸に抱き、花道を通り抜けて学校を後にするとき嬉しいような寂しいような複雑な気持ちでした。卒業は子どもが成長していくときの大事な通過点。でもそこを通過するときには、決して喜びだけではないのだと、せつなさも伴うんだと知りました。ただ思うのです。私はこの心づくしの卒業式を一生忘れないだろうと。
2021年04月19日外国にルーツを持つ子どもの人口変移日本に暮らす外国人は、年々増え続けています。2020年12月に法務省が公開した統計によると、2012年12月時点で約203万人だった在留外国人の総数は2019年12月時点では約293万人となり、7年間で約90万人増えていることが分かっています。そして、在留外国人の人数は今後も更に増える見込みだと言われています。そんな中で、外国にルーツを持つ子どもたちの、特別支援級・特別支援学校への在籍率の高さについて指摘されることが増えてきました。ある調査では、全児童生徒のうち特別支援学級に在籍する日本人児童は2.25%程度であるのに対し、外国人の子どものみで見た場合は5.01%と、日本人児童生徒の約2倍の割合で外国人児童生徒が特別支援学級に在籍しているというデータが示されています。私は、人口の8人に1人(総数およそ4400万人)が移民であるアメリカに、私自身も移民として長年住んでいました。アメリカの国家資格である Speech-Language Pathologist (CCC-SLP)という資格を取得し、言語病理学の専門家として発達障害、先天性の疾患、後天性の脳障害によるコミュニケーション障害や嚥下障害を抱える子どもや成人の検査・評価を行い、訓練や指導も実施していました。また、言語心理学も専門としており、アメリカの大学で外国語としての日本語教育にも携わっていた経験があります。現在は、LITALICOジュニアでシニアスーパーバイザーとして、支援のスーパーバイズや研修を行っています。そしてまた、外国にルーツを持つ子どもたちの支援に特化したプログラムの開発なども行っています。このコラムでは、言語的・文化的に多様なバックグラウンドを持ち、発達障害の可能性も疑われる子どもの支援について検討していきます。外国にルーツを持つ子ども達の抱える困難さ現在日本に住んでいる在留外国人のうち、20歳未満の子どもは約35万人ということが分かっています。2018年に実施された文科省の調査では、今現在日本に住む外国にルーツを持つ子ども達のうち、約5万人が日本語での日常会話が十分にできなかったり、日常会話ができても学年相当の学習言語が不足していることで学習活動への参加に困難さが生じており、特別な日本語指導が必要な児童生徒とされています。言葉の分からない異国の地で学校に通い、現地で生まれ育った同級生と一緒にさまざまな活動に参加することの困難さは想像に難くないでしょう。また、外国にルーツを持つ親御さんにとっても、自分自身が受けた母国の教育システムとは異なる日本の学校に自分の子どもを通わせるとなると、日々の学校生活の中でどんな活動が行われ、お子さまがどのように毎日を過ごしているのか想像しにくく、大きな不安を抱えている人が多いのではないでしょうか。そして、外国にルーツを持つ児童生徒を取り巻く環境として顕著なのが、冒頭でも触れた特別支援学級・特別支援学校の在籍率の高さです。これは移民の多い諸外国でも見られている傾向で、米国でも、英語を第二言語として話す児童生徒の中で特別支援を受けている児童生徒の割合は、ネイティブスピーカーで特別支援を受けている児童生徒の割合よりも高くなる傾向が知られています。なぜこういったことが起こるのか。それは、バイリンガルの児童の言語スキルや知能を正確に測ることの難しさにあります。ある研究では、発達心理検査の一つであるWISC-IVを外国にルーツがある子どもに対して施行したところ、対象児童の第二言語(日本語)で施行した場合は、母語(ポルトガル語)で施行した場合に比べて低いスコアが算出されたという結果が出ています。このように、第二言語で発達心理検査を受けた結果、誤って発達障害の診断を受けてしまう「過大診断」と言われるケースが多く存在します。一方で、発達心理検査の結果子どもが抱える困難さは認められたものの、検査の結果が振るわなかったのは第二言語で検査を受けたことの影響だと考えられ、適切な診断に繋がらないという「過少診断」のケースもあると言われています。こういった背景もあってか、外国にルーツを持つ子どもの支援に関わる際に、ほとんどのご家庭が直面する問題に「家庭内で何語を使うべきか」という疑問があります。子どもに発達障害の診断が下っている場合はもちろん、診断がない場合でも、子どもの発達に不安を抱えている家庭において、「子どもの言語発達を促し、スキルを育むためには、一つの言語に絞った方が良いのではないか」という疑問を持つことは、ごく自然なことだと言えるでしょう。また、ご家族が今後長きに渡って日本に住むことを予定している場合は特に、今後の居住地となる日本で話されている言語である日本語が一番重要だという想定のもと、日本語力を最優先で伸ばすべきなのではないかと考える方も多いようです。しかし、現地語である日本語の獲得を優先させるあまり母語を蔑ろにすることは、長期的な目で見ると、外国にルーツを持つ子ども達と親の間の絆である母語をなくすこと(母語喪失)につながります。母語喪失により、親子間のコミュニケーションが難しくなり、親子の関係構築にネガティブな影響があることも指摘されています。世界規模でみると、人口の約半数が複数の言語を話す「マルチリンガル」であると言われており、複数言語環境下で育つことが子どもの言語発達にどういう影響があるのかは、世界各国のさまざまな言語の組み合わせで研究がされてきています。ここでは、そういった研究で分かっていることを紹介していきます。参考:外国にルーツをもつ児童の発達アセスメントと言語の問題について | 松田真希子・中川郷子(著),(2017)複数の言語を聞いて育つことで子どもが「混乱」することはない複数の言語を聞きながら育つと、今何語を話されているのか理解できず複数の言語を切り分けて理解することができないのではないかという説がよく聞かれますが、複数言語下で育つ子どもがさまざまな言語を聞いているときの行動や脳波を分析した研究では、新生児や幼児であっても、複数の言語を聞き分けており、異なる反応を示していることが分かっています。また、バイリンガルの子どもや大人が二つの言語を混ぜて使う「コードスイッチング」という現象がありますが、これも、どちらの言語を使ったらよいか分からないから混同しているというわけではなく、一方の言語では伝わりにくい概念などを他方の言語で的確に伝えるために、複数の言語をうまく使い分けているという解釈が実情に近いとされています。参考:Evidence of Early Language Discrimination Abilities in Infants From Bilingual Environments | Infancy, 2(1), 29-49. | Bosch, L.&Sebastián-Gallés, N. (2001)発達障害のある子どもの言語発達においても、複数言語環境の悪影響はないASD(自閉症スペクトラム)、発達性言語障害、知的障害のあるモノリンガルの子どもとバイリンガルの子どもの言語発達を比較した複数の研究で、バイリンガル環境自体が発達障害を持つ子どもの言語発達に悪影響を及ぼすことはないという結果が出ています。これは音声言語だけでなく、社会的コミュニケーションの点においてもバイリンガル環境自体が不利に働くことはないとされています。例えば日本語と中国語を使用する環境で育った子どもと日本語だけを使用する環境で育った子どもを比べたとき、語彙数などには差が見られることも多いです。しかしこれは、多くの場合一時的な差と言われています。また、比較している語彙数に関しても、バイリンガル環境で育った子どもの日本語語彙数とモノリンガル環境で育った子どもの日本語語彙数を単純に比べると前者の方が少ない傾向があっても、バイリンガルの子どもが第一言語と第二言語のそれぞれで知っている語彙数を合計した場合、バイリンガルの子どもの方が語彙数が多いという結果が見られています。このことから見ても、言語発達をさまざまな観点から包括的に分析すると、バイリンガル環境で育つことが悪影響を及ぼすことはないというのが、多くの研究で立証されている結果です。参考:Comparative language development in bilingual and monolingual children with autism spectrum disorder: A systematic review | Journal of Early Intervention, 39(2), 106-124. | Lund, E. M., Kohlmeier, T. L., & Durán, L. K. (2017)参考:Bilingual children with primary language impairment: Issues, evidence and implications for clinical actions. | Journal of communication disorders, 43(6), 456-473. | Kohnert, K. (2010)参考:The language abilities of bilingual children with Down syndrome. | American journal of speech-language pathology. | Bird, E. K. R., Cleave, P., Trudeau, N., Thordardottir, E., Sutton, A., & Thorpe, A. (2005).親の第一言語で子どもに話しかけることが、子どもの言語発達に良い効果をもたらす子どもの将来を考えると居住国の言語を習得することが最優先なのではないかという認識のもと、家庭内での使用言語を日本語に絞るようアドバイスされるケースが少なくありません。しかし、親が得意としない第二言語のみを家庭内で使うことは、期待されている第二言語の上達には繋がりにくいとされています。第二言語で話すとなると、親から子に語りかける自然な発話の量が減り、使う語彙や文型も限られてしまい、子どもが触れる言語のモデルが量・質ともに下がってしまうからです。一方で、親の第一言語を家庭内で育んでいた場合、親から得る言語のインプットがより豊かになり、言語発達だけでなく、認知的能力にも良い効果が見られています。また、家庭内で親の第一言語を使ったコミュニケーションを促すことで、親子関係の向上にも繋がり、情緒面のサポートにも繋がるとされています。更には、家庭内で第一言語を使って第一言語の土台を強くすることで、読み書きのスキルが上がり、学齢期以降に学習面で必要となる複雑な概念などの理解もしやすくなり、学習によって得た知識は第二言語へも汎化されるという研究結果が出ています。このように、親の第一言語を家庭内で使用し外国にルーツを持つ子どもの母語支援をすることがさまざまな良い影響を及ぼすということが分かっており、居住国の言語のみに絞る減算型支援ではなく、加算型支援が諸外国でも進められているバイリンガル児童の支援の方向性と言えます。外国にルーツを持つ子ども達の持つ背景や成育歴は非常に多種多様です。何語をどのぐらいの割合で、どんな場面で使っているのか、周りにいる大人の言語習得度はどれぐらいなのか、生まれたときから二言語に触れていた「同時バイリンガル」なのか、それとも後から第二言語に触れるようになった「後続性バイリンガル」なのか…というように、一口に「バイリンガル」と言っても、さまざまな状況が複雑に絡み合って子どもの発達に影響を与えています。外国にルーツを持つ子どもや家族のルーツはアイデンティティそのものです。彼らのアイデンティティを否定することなく、育みサポートしていく方法を、それぞれの家庭の環境に合わせて考えていけると良いでしょう。このシリーズでは、今後複数回にわたって、外国にルーツを持ち発達障害の疑いがある子ども達やその家族の支援について、異文化理解、言語発達理論、第二言語習得論といった観点から検討していきます。参考:What clinicians need to know about bilingual development. | Seminars in speech and language (Vol. 36, No. 2, p. 89), NIH Public Access. | Hoff, E., & Core, C. (2015)参考:在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表| 総務省参考:「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(平成 28 年度)」の結果について | 文部科学省参考:外国にルーツをもつ特別支援学級在籍児童の複言語能力に関する調査研究|松田真希子(金沢大学 国際機構 准教授)
2021年02月19日4年生に進級。またしても、変化した教室の様子。娘が4年生に進級し、下級生も増えた特別支援学級の教室。担任の先生も替わり、たくさんの環境の変化がありました。3年生でも環境の変化はあったものの、娘は、私が予想していなかった成長を見せてくれたため、あまり心配はしていなかったのですが…4年生に進級してしばらくしたころ、娘が再び、家で特別支援学級内の不満を言うようになりました。Upload By SAKURA娘の思いと、学校の事情。話をよく聞いてみると、クラスの人数が増えたことで先生の対応が追いつかず、娘の授業が中断されることも多くあるそうです。さらに騒ぐ声も大きくなり、娘は不快に感じているようでした。Upload By SAKURA娘がストレスを感じていることはわかります。しかし、学校に対応をお願いしても、おそらく人員の関係などで対応はなかなか難しいでしょう。先生たちも、最大限やってくれているはず。Upload By SAKURA通常学級へ戻るとき?どうしたものかと考えましたが、まったくいいアイディアが浮かばなかった私は、夫に相談しました。Upload By SAKURA夫は、「今が通常学級に戻るタイミング」と言いました。確かに娘の学習は順調に進んでいます。私の目から見てもよく理解していると思うし、成績も悪くありません。しかし、大勢の中に入って先生の話を聞くことができるか…わからないときに自分から聞くことができるか…不安はいくつかありました。担任の先生に相談。通常学級でもいける?そこで特別支援学級の先生に、娘が通常学級で授業を受けられそうか、聞いてみることにしました。Upload By SAKURAパニックの回数は、徐々に減ってきているものの、涙を流してしまうことはまだまだあるようでした。「支援員さえつけば…」と私も思いますが、特別支援学級の事情は、私も理解しています。私たちが望んでも、学校の事情でどうしようもないこともあるのです。それから先生は、「そういう状況ではありますが、あーさんとお母さんが望めば、今すぐ通常学級で授業を受けることはできますよ」と言いました。Upload By SAKURAこのまま特別支援学級で、いいのだろうか…。しかし通常学級に移ると、学習が遅れたり、教室でパニックを起こしたりして、他の子に迷惑をかけるかもしれない…。進学や進級のときなど、選択に迷った経験はこれまでにもありましたが、もう一度その選択のときがやってきました。娘の気持ちと、私の考え。しかし今回違うのは、娘が4年生という学年になっているということ。もう自分の意見だって言えます。先生や夫と話し合った結果、娘の希望を聞いてみることにしました。Upload By SAKURA私は、このまま特別支援学級で受けるか、通常学級で受けてみるかを、それぞれのメリット・デメリットを話してから、娘に選ばせることにしました。Upload By SAKURA娘は少し考えてから、「特別支援学級がいい」と答えました。それから私は、いい機会だと思い、娘に今後の見通しとして私が考えていることを話しました。Upload By SAKURA気持ちは、頻繁に確認。1年生のとき、「2年生になったら通常学級にするか、特別支援学級にするか」の選択ですごく悩みました。それは、娘が本当はどうしたいか、わからなかったからでした。しかし今回は、娘がどうしたいか、不安や心配があるか、しっかりと聞くことができ、娘の大きな成長を感じました。娘に気持ちを聞いてからも、学校での様子は頻繁に聞くようにしています。今回、特別支援学級を選んだ娘ですが、いつ考えが変わるかわかりません。4月からは、5年生。特別支援学級、通常学級、それぞれの状況も今のままではなく、変わっていくでしょう。こまめに様子を確認し、そのタイミングは逃さないようにしていきたいと思います。発達ナビライターによる小学校生活での困りごとエピソードをあつめたまとめコラムはこちらです。LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年02月03日特別支援学級在籍で、学習に集中できるように!広汎性発達障害の娘は、小学4年生。2年生から特別支援学級に在籍し、国語と算数のみ特別支援学級で受け、それ以外の授業や活動は、すべて交流学級で受けています。娘が2年生のころは、特別支援学級在籍の児童は全部で3人しかおらず、娘以外の2人は6年生でした。Upload By SAKURA教室内は静かで、娘は常に落ち着いて過ごしていました。6年生は交流学級に行くことも多く、先生と娘が2人だけで授業をするという時間が多くありました。3年生になると、教室内は一変してにぎやかに...しかし次年度(3年生)になると、6年生が卒業し、新しく1年生と2年生の児童が入っていきました。教室は一気ににぎやかになり、特別支援学級の先生も、1年生、2年生、3年生の授業をしなければならないことから、常に慌ただしい状態になりました。Upload By SAKURA暴走する下級生も制止しなければならず、先生は大忙し。特別支援学級内で最上級生の娘は、我慢することが多くなりました。今まで静かだった空間は騒がしくなり、先生と2人っきりの授業も、少なくなってしまいました。極端に変わってしまった状況に、私は娘のことが心配でした。すっかり変わってしまった教室の雰囲気に、娘は・・・この状況の中、娘はやはりイライラしているようでした。しかし、支援員も限られており、先生が必死にやっている状況も理解できるため、なかなか「娘優先に!」とは言えません。Upload By SAKURAこのころ、娘は騒がしい状況に不調を訴えるようになり、イヤーマフを購入しました。どうしようもない状況。イヤーマフである程度は音を遮断することはできましたが、イヤーマフをしたままでは授業を受けることはできません。先生の声を聞くために外すと周りの騒がしさも耳に入ってくるため、静かに授業を受けるということは、とても難しいことでした。Upload By SAKURAどうしようもない状況の中、私にできることは、娘に状況を確認しつつ気持ちを聞くということだけ・・・。私自身もモヤモヤした日々が続きました。新学期が始まり、しばらくすると・・・自分の子どものことなら解決策も考えやすいですが、ほかの子が関わってくるとなかなか難しい・・・。娘のことが気になりつつも、解決はできません。しかし、しばらくすると娘は教室の不満を訴えてこないようになりました。Upload By SAKURA私が聞いてみても、「普通」と答えるだけ。教室が落ち着いたのか…それとも娘が慣れたのか…。私はあまりしつこく聞くことはやめて、娘の様子を見守ることにしました。予想外だった娘の成長。気になった私は、たまたまあった保護者面談で、娘の教室内の様子を聞くことにしました。Upload By SAKURA今まで、周りを見るということがとても苦手だった娘。ほかの子の様子を見て、その頑張りを褒めるという話を聞いて、私はとても驚きました。娘の心地いい環境にしたくて、そればかり気になっていた私でしたが、娘はこの環境の変化の中、とても大きく成長してくれていました。4年生進級時は、さらに大きな変化が!新しいクラスでの1年はあっという間に過ぎ、娘は4年生に進級しました。4年生も在籍は引き続き、特別支援学級。しかし、4年生では大きな変化がありました。2、3年生と娘を見てくれた担任の先生が替わったのです。Upload By SAKURAこの変化に動揺したのは、娘ではなく、私。2年間担任をしてくれた先生とは密に連絡をとっていて、とても信頼していたので、新しい先生になることは私にとっては大きな変化でした。娘はというと・・・新しい先生とは、学校内のイベントでこれまでにも関わりがあったので、まったく気にしていないという感じでした。Upload By SAKURA娘は引き続き、特別支援学級内では最上級生。新しい先生は男の先生で、下の学年の子の人数も増え、さらににぎやかになりました。Upload By SAKURAそうして始まった、新しい学校生活。前年も乗り越えてくれた娘だったので、私は今回それほど心配していなかったのですが…そう簡単にはいきませんでした。続く...LITALICO発達ナビ無料会員は発達障害コラムが読み放題!
2021年01月27日長男のタケルは通常学級に通うも...Upload By 寺島ヒロうちのでこぼこ兄妹は6歳違い。お兄ちゃんのタケルが小学生になった2007年は、まだ学校での発達障害支援は始まったばかり、当時の保護者はもちろん、小学校の先生の中にも「発達障害って何?単にサボってるだけじゃないの?」という感覚の方も正直いらっしゃったのではないかと思います。また、当時の地域での判定基準がIQに偏っていたこともあり、タケルは就学時健康診断でも特に問題とされることなく、ベテランの先生方にも「ちょっと変わっているかもしれないけど、こういう子っているものよ。」「これからたくましくなるんだよな。」と優しく言っていただき、多少のずれを感じながらも通常学級に通うことになりました。しかし、問題続出…!!Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロしかし、「ほらあ!」というわけにもいきません。結局、2年後に地元の発達相談をきっかけに、療育センターで「アスペルガー症候群(当時)に近い症例」と診断され、通級に通うことになりました。しかし、その2年間の間に市内の小学校の間で発達障害への理解が深まっていたことも大きく、幸運にも当時県内で唯一の心理士が在籍する小学校に転校でき、スムーズに通級での指導に切り替えることができました。本人が環境の変化についていけるかは心配でしたが、最初から障害がありますといって登場したことで、それまでより快適になり、意外とすんなり新しい2つの教室に馴染めたようです。授業に飽きたり、教室がうるさくて逃げだしたくなったりしたときにも、休むところができたので、「帰りたい」ということもなくなりました。一方、妹のいっちゃんは…妹のいっちゃんは2007年生まれ。小学校に入る前から、県内の療育センターで療育を受けていました。Upload By 寺島ヒロ療育センターでのリハビリテーションのおかげか、いっちゃんも就学時健康診断では「通常学級相当」とされ、地元の小学校の通常学級に通うことになりました。しかし実は、その前に療育センターからは、「学校生活がやりやすいかどうかは学校の対応次第だが、それはそれとして通常学級に行くとここでの支援は難しくなる。他の県内のデイサービスでも支援に当たらないとされる可能性がある。」と言われていたので、むしろ特別支援学級の方がいいんじゃないかと思っていました。Upload By 寺島ヒロですが、仕方ありません。センターの先生からは、眠りが一定しないことで十分な登校ができない可能性があることや、動きがぎこちないことがあるが、ふざけているわけでも病気でもないことなどを書面で書いていただき、小学校で特別支援学級の子どもたちと同じように支援ファイルをつくっていただきました。そして、今…特別支援学級の先生の一言から気づいたこと現在は中学生となったいっちゃんですが、睡眠リズムがずれ込むのが止められず、中学から通級になりました。学校に行くのはたまにですが、それなりに親しい人もでき、楽しくやっているようです。今、気になるのは卒業してからのこと…。本人はテレビやアニメの主人公たちのようになんとなく高校に行くものと思っているようですが…。Upload By 寺島ヒロ出席日数が少ないので、高校からは「通う意思なし」とみなされ入学できない可能性が高いのです…。そこで、帰り際に支援担当の先生を呼びとめて、このようにお願いしました。「娘はああ言っていましたが、あの子がほかの同じ年頃の子と同じくらい進学や将来について理解しているかは微妙です。私は芸術系の学校などに進学して手に職系の仕事につき、自立できれば有難いと考えています。本人が高校を目指すのは良いと思いますが、何が何でも15歳でと考えなくてもいいと思っていて、本人がどの程度高校のことについて理解しているのか、行きたいという意思が固いかが分かるような言動があったら、教えていただけませんか?」すると、「お母さんは自分の希望と、いっちゃんの考えを分けてお話してくれるので助かります。分かりました、気をつけて覚えておきます。」と、言われました。自分の希望と本人の希望は別なんだから当たり前じゃないか?と思ったのですが、お兄ちゃんのタケルが通級に通い始めたときのこともあわせて後々考えると、これは自分の希望を「ウチからの要望」としてカタマリのまま支援者に投げる保護者の方が意外と多くいらっしゃるからなのかなと、ふと思いました。Upload By 寺島ヒロまた逆に、すごく勉強もされてプランを練り「私はこう育てたいので、学校でもこうしてください。」と言われる方もいらっしゃるようです。家庭が主体性をもって決めるのは良いことだと思いますが、あまりに度が過ぎると学校を自分の下請けにするようで、これもまたよろしくないなあと思います。「なんでも言ってください」という支援者の言葉に甘えて、子どものための要望という形で自分の不安をぶつけてはいないか?何か頼み事をするとき、自分の勝手なプランのお手伝いをさせようとしていないか?時にはちょっと立ち止まって考えてみるといいかもしれません。Upload By 寺島ヒロ目の前にいる学校の先生や支援スタッフが、支援に対する十分な知識や能力がないことも、まあ実際あります。ですが、元々彼らは子どもを一緒に育ててくれる「外の目」「外の手」。親のやりたいことを代わりにやってくれるわけではなく、むしろ親ができないことをやってくれるプロのはずです。なので、まずはプロが用意した支援を有難く受け取り、任せるべきところは任せ、そしてその分の余力で、自分がやるべきところを頑張るというやり方をしてみると案外上手くいくんじゃないかなと思います。とか言いつつ、今日も学校から「いっちゃん、今日は学校に体操服を忘れていきました。明日も体育ありますよね。洗って学習室に干してありますので朝持っていくようにお願いします。」と電話がかかってきた私です。それ先生(プロ)の仕事じゃないですよね!!すみませえぇんん!!
2020年11月28日週1回、特別支援教室で指導を受けているミミASDのミミは週に1回、特別支援教室で2コマ指導を受けています。特別支援教室の先生からの「連携ノート」には、授業の内容が毎回びっしり書き込まれていて、熱心な先生でありがたいです。帰宅したミミにどんなことをしたのか聞くと、「折り紙をした」「楽しかった」と言うので、楽しめているんだと思っていました。Upload By taeko3回目の日の夕方、特別支援教室の先生から電話がきました。ミミがかたくなに特別支援教室へ行くのを嫌がり、通常学級の自分のイスから離れようとせず、先生に「来ないで!!」と言ったそう…。Upload By taeko先生がなんとかなだめて「少しだけ特別支援教室へ行き、2コマ目は通常学級に戻ろう」という約束で移動できたそうです。先生が「なぜ行きたくないの?」とミミに理由を聞くと、「(通常学級の)お友達と離れるのがイヤ。どうして行かないといけないの?」と答えたそう。電話で先生と話しているうちに、事前の説明が十分ではなかったと気付きました。確かに、「○曜日に2時間ここで勉強するんだよ」ぐらいにしか伝えていませんでした。ミミは普段「学校が楽しい」と言っていたので、すっかり安心してしまっていました。ミミにとって、慣れてきた通常学級の教室から1人だけ別室へ行くのは嫌なことだし、理由もよく分かっていなかったのでしょう。もっとしっかり説明してあげればよかったと後悔。特別支援教室の説明が子ども向けに書いてあるプリントを見せながら、自分の気持ちやお友達との関わり方、学校や世の中のきまりごとを特別に教えてくれる場所であることをミミに話しました。「ミミは〜が苦手だから行く」といったマイナスに感じる言葉は避けました。Upload By taeko後日、校長先生や特別支援教室の先生などが方針を相談してくださり、ミミが嫌がったら無理に特別支援教室へ行かせずに通常学級で見守ることなどが決まりました。そして翌週も、特別支援教室の先生が電話でミミの様子を教えてくれました。ミミは特別支援教室に行けたけれど、やる気はなし。先生が用意したおもちゃにも興味を示さなかったそう…。帰宅したミミに「今日は、どんなことをしたの?」と聞くと、「折り紙」と少しだけ話してくれました。「そっか、がんばったね。でも、行きたくなかったら行かなくてもいいんだよ」と伝えました。さらに翌週の朝も、「行きたくなかったら行かなくていいよ」と伝えました。夕方ミミに楽しかったか聞くと、「うん」。どんな勉強したのかは「忘れちゃった」とのこと。私は行けたことを褒めて、深くは追及しませんでした。Upload By taeko後日、特別支援教室の先生と初めての面談。ミミの様子を詳しく教えてもらいました。前回はミミが自分から特別支援教室に向かい、ノックして名前と勉強をしに来たことを元気な声で言えたと聞き、びっくり!「人が変わったようです!」と先生も驚いていました。ほっとしたのも束の間…順調に行けるようになって3回目の夕方、担任の先生から電話が。その日は、ミミが楽しみにしていた日直当番。特別支援教室の日と重なってしまったため日直を翌日にずらすことを聞いたミミはやる気が下がってしまい、特別支援教室に行くのをまた嫌がったそう。急な予定変更は、これからもたくさんあるでしょう。ミミにとって、よい経験なのだと思います。これからも波があると思いますが、優しい先生方に助けてもらいながら見守っていきたいと思います。Upload By taeko
2020年11月21日特別支援学級、実際はどんなところ?「特別支援学級」とは、障害のある子ども一人ひとりに応じた教育を行うために小・中学校に設置されているクラスです。最大8名の少人数クラスで、子どもの発達や障害の程度に応じた指導を受けることができます。(呼び名は特別支援学級やなかよし学級など、さまざまです)■特別支援学級のメリット・手厚い指導を受けられる可能性が高い・発達や障害に応じたカリキュラムが受けられる可能性が高い■特別支援学級のデメリット・集団行動を学びにくい・通常学級と学習カリキュラムが異なるため、学習の差が出やすい学級の選択は、お子さまの発達や特性に合わせて考えることが大切です。しかし、特別支援学級は全ての小学校・中学校に設置されているわけではなく、なかには遠くの学区に通学しなくてはならないケースもあります。指導内容や体制についても、学校ごとにばらつきがあるのが現状です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方は下記のようなことで悩まれることが多いようです。【子どもが特別支援学級に在籍している、検討している方の悩みごと】・学区をまたいででも在籍するべき?・指導・学習内容を具体的に知りたい・サポートや要望(合理的配慮)はどこまで求めていいの?・友だちづくりや、人間関係を学ぶことはできる?・内申がつかないと聞いたけど、卒業後の進路はどうなる?実際のところ、どうなのでしょうか。特に中学校卒業後の進路は、義務教育が中学校までのため、自ら選んでいく必要があります。特別支援学校と高等学校の進学率、半々にUpload By LITALICOライフ小学校に入るとき、「手厚い学級が良い」と思い特別支援学級を選択。そのまま中学校も特別支援学級…と進んでいくと、高校進学を考える時期に、内申がなく高校受験が難しくなる…という話があります。すべてがそうではありませんが、実際にそういった経験をした方もいるようです。実際のところ、特別支援学級に在籍した子どもの中学卒業後の進路は、どうなのでしょうか?上の図は文部科学省の「学校基本調査」より、中学校が特別支援学級だった子どもの卒業後の進路をまとめたものです。ここから、この10年間で卒業後の進路が大きく変化したことがわかります。10年前の2010年は、7割の子どもが特別支援学校に進んでいました。高等学校に進む子どもは約2割と、少数派でした。しかし2019年になると、特別支援学校に進む子どもと高等学校に進む子どもは、約5割ずつと半々になりました。高等学校に進学する特別支援学級の子どもは、この10年間で約2倍になりました。中学卒業後の選択肢は広がってきています。高卒の資格をとれる通信制高校も増えてきています。10年前と比べて選択肢が増えてきているからこそ、お子さまの将来の可能性も視野に入れながら、最新の情報をもとに学級選択をすることが大切です。文部科学省「学校基本調査 /卒業後の状況調査 中学校」令和元年度版、平成22年度版とはいえ、うちの子の場合は?最新の情報が得られる勉強会も活用してここまで、特別支援学級にまつわるよく耳にするお悩みや、実際の数字データをご紹介しました。しかし、特別支援学級の体制や選択できる進路は、住んでいる自治体やご家庭によってさまざまです。お子さまの特性や好み・考え方もそれぞれです。進学予定校の特別支援学級の現状や、お子さまとの相性など、実際の見聞も参考にしながら考えていきたいところです。将来の可能性もふまえた総合的な判断について、相談しながら整理するのも一つの方法です。そこで、LITALICOライフでは、特別支援学級についての情報や、卒業後の進路の選択肢まで、最新の情報がわかる勉強会を開催します。また、勉強会参加後に希望を出すと、後日、個別相談をすることもできるので、「わが子の場合は?」についての疑問や不安もご家族だけで抱え込まずにすみます。就学時の学級選択、進路相談、お子さまの将来の自立まで、相談経験豊富なスタッフがおりますので、ぜひ勉強会後にお申し込みを検討してみてください。特別支援学級卒業後の情報や、いま準備しておきたいことが勉強会でわかる!Upload By LITALICOライフLITALICOライフの保護者さま向け勉強会「支援級卒業後の進路(全国版)」は、特別支援学級に在籍する方の卒業後の進路の選択肢について、広く知ることができる勉強会です。子どもが特別支援学級に在籍している、または在籍を検討している方にとって、今知りたい情報から将来に繋がる情報まで、ギュっとまとめてお話ししています。【特別支援学級 卒業後のこんな情報がわかる!】・高校進学に内申点が必要か・公立高校での特別支援教育の取組み・通信制高校/サポート校とは・高等専修学校とは・特別支援学校 高等部とは・進路選択するときに手帳が必要か・高校卒業後の生活に関して(仕事やお金)【通級】が気になる方は…⇒無料勉強会『「通級」の活用と進路の選択肢』LITALICOライフは、お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。ぜひ皆さまにご活用いただきたいと思っています。
2020年11月13日新スタイルで従業員を応援パソナグループ子会社のプロフェリエでは10月28日から、法人向けの特別会員プラン『じぶん磨き支援サービス』をスタートしました。プロフェリエは個人向けマンツーマン・プロフェッショナル・マッチングサービスです。法人向けプランではプロフェリエに登録する各分野のプロフェッショナルによるマンツーマンサービスや、自分磨きを支援する様々なセミナーを利用してもらうことで、従業員一人一人の自己開発や自分磨きを応援する企業を支援します。約1,200種類のプログラムを用意同プログラムは自宅にいながらチャットで専属コンシェルジュが「なりたい自分像」の実現や個人の悩み解決に向けて、各分野のプロフェッショナルを紹介、オンラインでマンツーマンのクラスやセミナーを受けられるというものです。約1,200種類と多彩なプログラムがあり、例としては、パーソナルカラー診断・骨格分析やダイエットを目指すオンライン食事指導など多角的に自分磨きをサポートします。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社プロフェリエ公式サイト
2020年11月03日幼稚園時代は、毎日の送迎で先生と話したり、1日の様子が書かれた連絡帳などで、離れていても子どもの様子がうかがい知れました。しかし小学校になると一転、プリントと子どもの話、たまにある授業参観だけが様子を知ることができる最大の機会になります。子どもがトラブルを抱えたとしても、「モンスターペアレンツ」と思われてしまうのではないかと、先生にすぐに相談するハードルは正直とても高く感じています。しかし、息子が学校で怪我をしたことで、私たちも対応を考えざるをえませんでした。文房具を振り回したりするぐらいは、子どもだったらするだろうな…という思いと、それでもこれ以上怪我しないように注意してもらった方がいいのか…。と、モヤモヤしながらも、この時は学校には何も連絡せずにいました。しかし、私はこのことを後悔することになるのです。ある日、学校でもっと大きなトラブルが起こってしまったのです。息子は元気なタイプでこれまでも転んだり、すりむいたりして帰ってくることはしょっちゅうありました。学校には病院に連れていくことに承諾し、取るものもとりあえず私も駆け付けました。そこで衝撃的なことを聞かされたのです…!次回に続く!※この漫画は実話をべースにしたフィクションです【監修弁護士】小澤 亜季子(おざわ・あきこ)弁護士事業再生・倒産を主力業務とする法律事務所に入所。実弟の突然死や自身の出産・育児などを経て、2018年退職代行サービスを開始。労使双方の立場から、労働トラブルを取り扱っている。育休プチMBA認定ファシリテーターとして、育休取得者の支援も行う。原案: 文房具振り回す「危ないお友達」からのケガ 「謝罪じゃ気が済まない」親ができること (弁護士ドットコム)脚本:ウーマンエキサイト編集部/イラスト: 小夏ゆり
2020年10月22日地域の子育て支援サークルで役員をしているママ。コロナ禍を機にオンラインで子育て支援サークルを開催することにしたそうです。新しい形での子育て支援活動をするまでの経緯や開催後の感想などを紹介しています。 私は仕事関連や自分の学びのために、Web会議ツールの「Zoom」を使うことがあったのですが、ある日「オンラインによる子育て支援」を発見! 試しに参加してみたらその素晴らしさに心がウキウキしました。このような体験をもっと多くの人にしてもらいたいと思い、私がおこなった新しい生活様式での子育て支援活動をご紹介します。 たまたま見つけた「オンライン児童館」新型コロナウイルスの感染拡大以前からZoomを使うことがあった私。外出自粛期間も友だちとSNSやZoomでつながりを持ち、乗り越えてきました。そんなある日、友だちのインスタグラムから「オンライン児童館」の存在を知りました。 そのころ、外出自粛は解除されたとはいえ、周りの児童館や子育て支援センター等は閉鎖されたり、限定的に解放されたりしている状態。試しに参加してみると、無料で手遊びや読み聞かせ、工作などをやってもらえ、親子共々楽しい時間を過ごすことができました。 広がるオンラインでの子育て支援調べてみると、他にもオンラインでの子育て支援が見つかりました。オンライン子育て広場、オンライン子育て支援センターなど個人でおこなっているものもあれば、自治体主導の子育てサロンもあり、親子ヨガや親子ダンスなどのレッスンもオンラインで受けられるようでした。 田舎に住んでいる私としては家にいながら全国の人とつながれたり、子育て支援を受けられたりして、新たな世界が開けたように感じたのです。 自分だけでなく、みんなにも広めたいこうしてZoomを使うことでコロナ禍もわりと楽しく過ごせていたのですが、ふと、Zoomが使えない人たちのなかには、ただただ孤独な育児に追い込まれている人もいるのではないかと思うようになりました。 ちょうどそのころ、地域の親子サークルの役員の間で「今年の活動は無理」と話していたのですが、「オンラインでの活動を広める良い機会だ!」と思い立ち、急ピッチで準備を進めました。 地域の子育てサークルをオンライン化役場の窓口や乳幼児健診で親子サークルのチラシを配ってもらったり、お試し会をしたりして、何とかオンラインでの活動を始めました。地域の民生委員さんも入ってくださり、初めてZoomを使った方も「意外と簡単だし、マスクもなくみんなの顔が見られてうれしい!」と笑顔になるのを見ると、おこなってよかったと思っています。 また、この活動をきっかけに、今度は自ら気になる講座やイベントを見つけて参加し、育児をより楽しめるようになった人がいてくれたらうれしいです。 専業主婦の中にはZoomになじみがなく不安な方もいたようですが、使ってみると意外に簡単でビデオやマイクをオフにして参加もできることから、かえって参加しやすいという感想ももらいました。今後ほかの地域や自治体でも取り組みが進めばうれしいなと思っています。 イラスト/sawawa監修/助産師REIKO著者:小林まり3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。
2020年10月01日むっくんの小学校生活Upload By ウチノコ一人で行かせるかどうか、悩ましい登下校問題。我が家は、むっくんの交通ルールに対する理解と友達へのかかわり方への不安が拭えず、当分の間登下校に付き添うことに決めました。父、母、祖母で協力して送迎しているものの少し大変です。ただ、思わぬメリットもありました。送迎することで先生に毎日会え、諸々相談がしやすいことや、登下校中に親子並んで歩くおかげで、むっくんと良いコミュニケーションが取れているように感じています。学校に慣れる段階にいる今は、送迎の大変さよりもメリットの方が大きいように感じています。また、登下校中に親がいることで友達付き合いに影響がでるかも?と心配していましたが、家に迎えに来てくれる子や、登下校中に会ってそのまま一緒に登校する友達もいて、問題なさそうです。むっくんの小学校には同じ保育園出身の子が多く、私たち親とも顔見知り。そのためか、お友達は親がいても気に留めず過ごしてくれています。だけど、友達が気にかけてくれても、むっくんは日によって友達を受け入れられる時とそうでない時があります。特に調子の悪い日はトラブルも起こしがちなので、今は親が近くで様子を見極めて、友達とのかかわり方をフォローをすることが必要だと感じています。Upload By ウチノコむっくんは現在、特別支援学級で給食を食べています。苦手な食べものが多い子ども達が集まっているので、「給食はどうしているのだろう?」と思っていたのですが、どうやら「クラス全員の力を合わせて完食を目指す」というシステムとのこと。むっくんが苦手なシイタケは、代わりにシイタケが食べられる友達が食べてくれる。そして友達が嫌いなピーマンはむっくんが食べてあげる。むっくんは嫌いな食べ物のことよりも「友達の役に立っている!」と給食をポジティブに受け止めており、このシステムは素敵だなぁと感動しました。Upload By ウチノコ休憩時間にむっくんは、外で遊んだり、教室で過ごしたり好きなことをして自由に楽しんでいるようです。グラウンドで交流学級の友達と遊ぶ日もあるようで、上級生にからかわれて怒って帰ってくることもあります。また、むっくんの特別支援学級の教室は図書が充実しているので、疲れている時は静かに本を読んで過ごしているそう。疲れやすいむっくんにとって、自分の調子を見極めて休憩時間をどこでどう過ごすか考えるのも、大切なことだと感じています。Upload By ウチノコ「少しでも濡れたら着替える」というこだわりがあり、水濡れが我慢できないむっくん。保育園と違い、小学校では着替えの常備は難しいかなと不安だったのですが、学校に相談すると「着替えるだけで安心できるのなら、置いてもらえる方が助かります!」ということで、上下、下着、靴下を常備させてもらいました。週に1、2回は着替えて帰ってきますが安心です。更にじっと座ることが苦手なむっくんをサポートする、座った姿勢を補助するグッズも二つ返事で許可がおり、家庭から持参したものを椅子に設置してもらっています。このあたりの受け入れ態勢は、私が小学生のころとはずいぶん変わったなぁと感動するばかりです。Upload By ウチノコ私の場合、保護者としての所属は交流学級ではなく特別支援学級になっています。特別支援学級全体からも何名か役員を選出するのですが、むっくんの小学校では特別支援学級では高学年の親御さんが役員を担当することに決まっていました。「低学年の親御さんは何かと大変だから…」という理由のようで、先輩方の温かい計らいに涙・・・。私もむっくんが高学年になったときは、潔く引き受けたいものです。Upload By ウチノコゆっくり、でも確実に成長中前後編でお届けした、むっくんの小学校生活。学校によって様子やシステムには違いがあるので、全ての小学校に当てはまるわけではないと思いますが、少しでも特別支援学級での生活をイメージする参考になると嬉しいです。入学前は通常学級と特別支援学級どちらにするか悩み、自分の選択に不安もありましたが、むっくんを理解し大切にしようと思ってくださることが伝わってきて、今では特別支援学級にしてよかったと心から思っています。むっくんも「学校行きたくない!」と大騒ぎする朝もありますが、基本的には学校楽しい、先生もクラスメイトも大好きという感じです。最近では今まで以上の成長を感じることもあり、これからもむっくんの成長をゆっくり見守っていきたいと思っています。Upload By ウチノコ
2020年09月27日