5人組ガールズグループ・ITZYの日本公式YouTubeチャンネルが不正アクセスによるハッキング被害に遭ったと、グループの公式サイトで24日、発表された。23日に被害に遭い、24日午後8時50現在もサイトが見られない状態が続いている。公式サイトでは「昨日2022年5月23日(月)にITZY JAPAN Official YouTube Channelが不正アクセスによるハッキング被害にあい、本日2022年5月24日(火)時点でチャンネルが閲覧できない事象が発生いたしました」と説明。「皆様に大変ご迷惑をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪している。「ハッキング後、未確認の動画がチャンネルにアップロードされたため、被害状況や原因の確認を進め、チャンネル及びパスワード変更やセキュリティ強化を含めた復旧作業を行いましたが、現時点でチャンネルが確認できず動画も閲覧できない状況になっております」と伝えている。このハッキングについて関係各所に問い合わせており、「被害状況について引き続き調査を進めております」としている。最後に「いつも応援してくださるファンの皆さまには、ご不便とご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げますとともに、今後も更なるセキュリティ対策を講じ、このような事態を未然に防いでまいります」とコメントした。
2022年05月24日このお話は作者Aiさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。■前回のあらすじさとみに浮気のことを問い詰められたマキは「誘ってきたのはあっち」と嘘をつき、さらには「別れられてよかったね」と開き直ったのでした。■これ以上マキの被害者を出さないために…■さとみの新たな提案は…マキの嘘を暴く事実を、友人に向けて発信!! 周りの反応は…?次回に続く「結婚式直前!ドタキャン騒動」(全19話)は21時更新!
2022年04月06日大人気マンガシリーズ、今回は永遠の厄年2人組(@eiennoyakudosi)さんの投稿をご紹介!「SNSの罠で不登校になった話」第11話です。ライブ配信をしながら自宅に突撃されたお兄さん。このことは学校に報告しましたが口頭注意で済まされてしまいました…。停学期間が終わり…出典:instagramクラス中に…出典:instagramお兄さんに説教…出典:instagram停学期間が終わり学校に行くとクラス中、誰一人としてお兄さんの味方はいませんでした。別室登校で頑張って学校に行きましたが毎回教師に説教をされ、学校に行けなくなってしまいました…!次回の配信もお楽しみに!(lamire編集部)(イラスト/@eiennoyakudosi)本文中の画像は投稿主様より掲載許諾をいただいています。"
2022年03月14日こんにちは。子育てアドバイザーの河西ケイトです。先日、オンラインでの研修で参加していたお母さん方から「子どもが性犯罪に合わないためには、どうしたらいいですか?」と相談を受けました。子どもを守るために私達大人ができることはどのようなことでしょうか。今回は「性教育」についてお話したいと思います。スキンシップ前の声掛けで「自分の身体は大切」という感覚を養う皆さんはお子さんとスキンシップを図っていますか? スキンシップは子どもの不安な気持ちを安心に変えるために、とても必要なことです。しかし、不用意に予告なく行うスキンシップは子どもの心を傷つけることになることを知っていますか? 私達大人もいきなり抱きしめられたり抱っこをされたら、びっくりしますよね。それは子どもも同じです。私は保育士時代に、子どもの人権を常に考えながら仕事をしていました。例えば、0歳児だろうが1歳児だろうがおむつを交換するとき、着替えをさせるとき、どんなに忙しくても子どもに一言「先生がおむつ変えてもいいかな?」と聞くようにしていました。周りの先生からは「忙しんだからさっさと脱がせて変えればいい!」と言われていましたが、「私達大人がいきなりパンツを脱がされたらどうか? 子どもだから許されるわけではない!」と先輩たちと常に戦ってきました。もちろん、やり取りの中で子どもからの返事はありませんが、実はこうした会話を子どもとすることで、子ども自身が自分と他人の境界線を学ぶきっかけにもなるのです。また、オムツ替えでは便が出た際も「いいうんちが出たね」「すっきりしたね」など肯定的な声がけをして、排泄を取り替えることがマイナスではなくプラスになるような配慮をしています。そうすると、パンツに移行する際のトイトレでも、恥ずかしがらず排泄があったことを教えてくれるようになります。「プライベートゾーン」を教える「プライベートゾーン」を教えることも、自分の身体を大切にすることにつながります。プライベートゾーンとは、水着で隠れる部分と、口のことを指します。私は3歳の担任をした時、必ず子どもたちに対して、このプライベートゾーンのことを教えていました。紙に裸の人間の絵を描いてクラスの子どもみんなに「人の前に出るとき、どこを隠せば良いのか」を質問し、実際に子どもたちが隠す部分に好きな色を塗るという活動を行い、塗り終えたあとに、どうしてそこを隠そうと思ったのか、子どもたち一人ひとりに答えてもらいました。子どもの意見を聞きつつ正しい知識を伝えていくと、今までおままごとコーナに裸で置かれていた人形に対して「これは恥ずかしい姿だ!」と子どもたち自ら洋服を着せるようになったり、プールの着替えではしっかり大切な部分を隠して着替えられるようになったりなどの姿が見られるようになりました。「3歳に性教育は早い!」と思われるかもしれませんが、自分の身体が大切だということを教えるのに、早いも遅いもありません。こうした関わりが、子どもを性犯罪から守ることにもつながるのです。身体の部位をしっかり教えていく子どもが身体の部位に関心を持ち始めたら、性器などの名称とそれらがどのような働きをするのかをしっかり教えましょう。私達大人は、目・口・鼻などの身体の部位に関してはしっかり教えるのに、性に関する部位はなぜか隠そうとします。隠すから余計知りたくなり、自分で触ってみたり、友達のものを触ってみようとするのです。部位の話をしっかりし、子どもが身体を一人で洗えるようになったら、自分の性器は自分でしっかり洗うように声をかけていきましょう。性器をしっかり洗い清潔に保つことは、健康上とても大切なことです。また、性器を親に洗ってもらうことが「他人に触られても気にしない」と繋がる恐れもあります。自分で洗うようにすることで、「ここは簡単に触らせてはいけないんだ」と学ぶきっかけにもなります。そして、性器に触られそうになったら「いやだ!」と大声を出して逃げることを繰り返し伝え続けてください。今回は、性教育についてお話させていただきました。子どもが性犯罪に巻き込まれ無いために、普段からしっかりと正しい知識を伝え続けていく。また、親自身が「自分がされたらどうか」と子どもの立場に立ち、人権を守っていくことも大切かもしれませんね。
2022年02月17日令和3年5月17日に下されたいわゆる建設アスベスト健康被害集団訴訟最高裁判決を受け、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(所在地:愛知県名古屋市中区、代表:弁護士 渥美 玲子)は、下記日時にて、愛知、岐阜、三重の弁護士(石綿)健康被害についての緊急電話相談会を11月20日(土)に実施いたします。広く報道いただきますようお願いいたします。記受付日時 :令和3年11月20日(土)午前10時~午後4時電話相談番号:052-331-9054(金山総合法律事務所の電話番号です)実施場所 :金山総合法律事務所〒460-0022 名古屋市中区金山1丁目9番17号 金山スズキビル8階主催 :アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団(代表者弁護士渥美玲子)概要 :愛知、岐阜、三重の弁護士が無料でアスベスト・じん肺被害の救済制度・救済方法等に関する電話相談に応じます。アスベスト疾患やじん肺に詳しい医師も相談に応じます。秘密厳守。相談は無料です。以下、アスベスト健康被害についての緊急電話相談会の開催趣旨と、電話相談で確認可能な内容等をお伝えいたします。1. 実施の趣旨(1) 令和3年5月17日、最高裁判所は、全国4か所(横浜、東京、京都、大阪)の原告団による建設アスベスト健康被害集団訴訟について統一的な判決を言い渡し、国の責任を認めました。また、最高裁は、民法719条後段の類推適用により、建材の市場占有率(シェア)の大きい建設材料のメーカーの賠償責任についても幅広く認めつつ、高裁でメーカーごとの責任の範囲や賠償額を審理し直すよう命じ、高裁での審理が継続することとなりました。最高裁は、昭和50年10月1日(特定化学物質障害予防規則改正時)から平成16年10月1日(改正労働安全衛生法施行令施行時)の間、国により呼吸用保護具の使用義務付け等に関する適切な規制がなされていなかったとして、同期間内に屋内の建設現場で働いてアスベストにさらされたことにより健康被害に遭われた方に対し、国の責任を認めています。なお、個人事業主として建設業に携わるいわゆる一人親方も救済の対象となっています。また、判決を受け、国が原告に最大1300万円の和解金を支払うとの提案が国から行われ、原告団が了承したほか、訴訟外での被害者救済のための基金制度創設も検討されているとの報道もなされています。(2) そして、上記最高裁判決を受けて、令和3年6月9日に「特定石綿被害建設業務労働者等に対する給付金等の支給に関する法律」が成立し、同月16日に公布されました。同法律においては、いわゆる「建設アスベスト給付金制度」の内容が定められています。その概要は、建設業務に従事していた方のうち、昭和47年10月1日から昭和50年9月30日までの間に石綿の吹付け作業を行っていた方及び昭和50年10月日から平成16年9月30日までの間に一定の屋内作業場で行われた作業(詳細は未定)を行っていた方で、アスベストを原因とする一定の健康被害を受けた方を対象に、国から最大で1300万円が支給されるというものです。給付を受けるための手続きの詳細は未定ですが、希望者から厚生労働大臣に対して給付金の請求を行い、請求に基づく審査によって給付を行うかどうかが判断されることになっています。請求の受付けを開始する日は未定ですが、令和3年6月16日から1年以内とされています。(3) 上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、多くの被害者が救済の対象となりうる大きな意義のあるものです。令和3年6月25日に厚生労働省が公表した「令和2年度 石綿による疾病に関する労災保険給付などの請求・決定状況まとめ(速報値)」図3-1によると、アスベスト疾患による労災認定者のうち建設業の占める割合が54.6%と最も多く(参考URL: )、建設業に従事した方のアスベスト健康被害は多数にのぼっています。これは、建材にアスベストが大量に使われていたこと、国の住宅政策等による建設需要により多くの建設作業従事者が建設作業中にアスベストにさらされたためです。当然、東海3県においても建設アスベストによる被害者が多くおられますが、国や建材メーカーへの損害賠償請求ができることについての周知は不十分な状況です。上記最高裁判決及び建設アスベスト給付金制度は、建設アスベストによる健康被害が広く救済される端緒となるものです。(4) アスベスト健康被害についての国や企業への損害賠償請求については、情報提供が不十分な状況であり、弁護士による支援が不可欠です。また、現在症状がない方でも健康診断を定期的に受けられる制度があり、その時々で適切な救済手段を検討する必要があります。そこで、アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団は、東海3県にお住まいの方を対象に緊急の電話相談会を開催することといたしました。当日は、弁護士だけでなくアスベスト疾患に詳しい専門医も電話相談に応じます。2. アスベスト被害救済等についての説明アスベストは戦後の高度経済成長期に大量輸入・大量使用され、建材等のみならず、思いもかけない場面で使用されてきました。誰もがどこかでアスベストにばく露された可能性があり、アスベストにばく露された人は膨大な数にのぼります。また、石綿関連疾患の中皮腫は、潜伏期間が30年あるともいわれ、今後も重篤な被害を受けて救済を必要とされる方の数は増加していきます。救済手段としては、国や建材メーカーへの訴訟提起の他、雇用主への訴訟提起、労災申請(労働者や、特別加入の一人親方)、石綿救済法に基づく救済(アスベスト工場の近隣住民等の労働者以外の方)、健康管理手帳の取得(労働者で健康被害がまだ出ていない方)等があります。アスベストによる健康被害は、(1)肺がん(石綿肺所見等のあるもの)、(2)中皮腫、(3)びまん性胸膜肥厚、(4)良性石綿胸水、(5)石綿肺です。救済を受けるには、アスベストによる健康被害である事を立証する必要があります。病態は様々なためにアスベスト関連疾患の専門医でなければ判断がつかない微妙なケースもありえ、アスベスト疾患の専門医による支援も不可欠です。当弁護団は専門医の協力をえながら、適切な救済を受けられるよう支援を行います。3. 報道機関の皆様へのお願いアスベストの被害を受けているにもかかわらず、補償を受けることができていない労働者の方々が沢山いるはずです。本年6月にも今回と同様の110番を実施しましたが、報道をご覧になった方々から80件もの相談がありました。健康被害を受けた方が適切な救済を受けるきっかけになりえますので、ぜひ、電話相談会(110番)を広く報道してください。事前の告知記事を掲載いただき、電話相談会当日も、是非、金山総合法律事務所に取材にお越しのうえ報道していただければと思います。4. アスベスト・じん肺被害救済東海弁護団アスベスト・じん肺による健康被害の法的救済を図ることを目的に東海3県を中心とする弁護士によって組織された団体です。2005年の弁護団結成以来,毎年春と秋に110番(電話相談)活動を実施し、年間20件から50件ほどの相談実績があります。弁護団員が関与した国への国家賠償請求訴訟(泉南型・石綿工場等の労働者による訴訟)は現在44件の和解が成立し、ご遺族が賠償金を受け取るお手伝いをしてきました。また、国家賠償請求だけでなく、企業に対する損害賠償訴訟、労災申請、石綿救済法に基づく申請、健康管理手帳の取得支援などの弁護団活動をしています。公表可能なものに限定されますが、直近では、令和3年5月に日本インシュレーション株式会社に対する請求認容判決を獲得し、同年10月に株式会社エム・エム・ケイとの間で、同年10月に富士パーライト株式会社との間で和解をしました。その他、アスベスト・じん肺被害救済を目指す他の団体と共同した取り組みを行い、岐阜県羽島市でニチアス羽島工場の従業員・周辺住民を対象とする相談会を開くなど、ニチアス羽島工場のアスベスト被害問題にも取り組んでいます。弁護団HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月09日2021年10月7日の夜、最大震度5強を観測する、首都圏直下型の強い地震が発生。家具が転倒したり、飾っていたコレクションが落下したりといった、自宅での被害報告を多くの人がネットに投稿しています。たなかわいてぃー(@TanakaYT_)さんも、強い揺れによって被害を受けた1人。その詳細をTwitterに投稿したところ、なぜか笑ってしまう人が続出しました。地震による被害であるにもかかわらず、笑顔になる人が相次いだ理由は…実際の現場をご覧ください。地震のせいでバナナ全部落ちたw pic.twitter.com/cog8wy8yga — たなかわいてぃー (@TanakaYT_) October 7, 2021 投稿者さんが受けた被害。それは、吊るしていたバナナが全部落下してしまったのです…。吊るされているのは、抜け殻のようにぶらりと垂れ下がるバナナの皮と果軸(かへい)のみ。強い揺れによって、食べる部分は独りでにすべて落ちていたのだとか。ある意味『大惨事』といえる被害報告は拡散され、多くの人から反響が上がりました。・甚大な被害ですね…。っていや、こんなん笑うわ。・そもそも、バナナの保管の仕方がシュールで噴き出した。・笑ったし、なんかホッとした!まさに「そんなバナナ」。食べようとしていた投稿者さんからすると、甚大な被害といえる…のかもしれない今回の事故。しかし、この投稿を見て、地震で不安になった心を落ち着かせることができた人も多いようです![文・構成/grape編集部]
2021年10月08日「性犯罪では、被害に遭った人は『一生苦しむ』と言われたり、ときには『魂の殺人』という表現で語られたりします。それは一部事実だけど、本当ではありません。人には、戻る力もあります。私も一時は“先生”や“札幌”という言葉を聞くのもひどく苦痛でしたが、変われました。周囲の支えや法律に守られることによって立ち直れる事実を、私の体験を通じて知ってもらいたいのです」フォトグラファーの石田郁子さん(43)が、信頼する教師から「性暴力」を受け始めたのは、札幌市の中学に通っていた15歳のとき。ずっと「恋愛」だと思い込まされてきて、それが「犯罪」であったと気付いたときは37歳になっていた。児童・生徒への教師による性暴力が後を絶たない現状がある。文部科学省によると、’19年度に性暴力やセクハラで処分された公立小中高などの教職員は273人で、過去最多だった前年度とほぼ変わらぬ多い数だった。このうち121人が、性暴力によって懲戒免職となっている。そんななか、21年5月に、教師らによる児童・生徒へのわいせつ行為や性暴力を防止する、いわゆる「教員性暴力対策法」が成立。この新法により、懲戒免職となった教職員が処分歴を隠して再び教壇に立つことなどが極めて困難となった。石田さんが、彼女の尊厳をかけて「実名・顔出し」で取り組んだ教師らを訴えた裁判は、この新法成立に大きく寄与したとされる。自らのPTSD(心的外傷後ストレス障害)や時効の壁との闘いを経て、現在は性暴力に関する講演や執筆も精力的に行っている。「15歳までは、どこの学校にもいる、絵の好きな普通の女の子でした」魂の回復までの、四半世紀に及ぶ長い道のりを語り始めた。■「実は好きだったんだ」教師に無理やりキスをされ、頭が真っ白になって……「77年、札幌市の生まれです。両親はいわゆる団塊の世代で、父は公務員、母は専業主婦でした。加害者の教員は、私が中3のときに、通っていた公立中学に赴任してきました。担当は美術で、当時28歳で独身でした。中3の卒業式の前日に、その教員から突然、『チケットがあるんだ』と、美術館に誘われました。私は美術科のある高校を目指していて、絵の指導を受けていました。お世話になった先生の誘いを断れずに美術館へ行き、そこで私は急におなかが痛くなるんです」その教師Aは、体を休ませるためと言って石田さんを一人暮らしの自宅に車で連れ帰った。やがて体調が戻った彼女が画集などを見ていると、「実は好きだったんだ」いったんは拒絶したものの、無理やりキスをされた。「私は頭が真っ白になり、過呼吸のような状態になって、泣きだしてしまいました。その後、春休み中に、言われるがまま3回ほど会いました。同じころ、私の異変を察した母に、『先生にキスされた』と初めて打ち明けました」すると母親(73)は、「15歳なのに早すぎる。そういうことは、好きな人とするもの」娘の気持ちや事情を聞くことはなく、叱りつけてきた。「もともと世間体を何より気にする母でした。その叱責を聞いて、私は子供なのにいやらしいことをしてしまったんだと思うと同時に、親に知られると頭ごなしに怒られるんだと思って、その後、教員とのことは言わなくなるんです。当時の私にとって、性的な犯罪というのは、夜道で怖い人が襲うというイメージでした。でも教員は、『好きだ』と言いながら性的なことをしてくる。彼は私の絵を褒めてくれる人であって、イコール恋愛ではけっしてない。ただ、自分が生徒として好感を持つ先生が好きと言うのなら、私も喜ばなきゃいけないかな、というのが正直な気持ちでした」その特異な関係性に気付くのは、もっとあとになってからだった。「教師と生徒。その絶対的な支配関係があって、一緒にいる間は、私は人形のようになっていたと思います」高校は、進学校として知られる地元の公立校へ。「その後も、海に車で連れていかれて車内で上半身裸にされることがあったりして、私は罪悪感を持って家に帰るんです。誰にも話せず、自分の中に不安がたまっていくだけ。その分、必死で勉強しましたね。性的な被害を受けて精神が揺らいでいたので、確実に結果の出る勉強という安心にすがっていたのだと思います」卒業後には地元の一流大学へ合格でき、美術史を専攻することとなった。しかしそのころ、教師Aとの関係性に一つの大きな変化が。「私が大学生になると、教員から直接の性行為を求められるようになるんです。私自身はずっと感情をなくしている状態ですから、怖くもないし、楽しくもない。ただ、性交がうまくいかないんです。私が受け入れる状態になれない。不感症というものじゃないかと疑ったこともありました。ただ痛いばかりで、『痛い、無理です』となっていました。のちに取材などで、『彼が痛くなくなるような工夫は?』と問われて、初めて気付くんです。向こうには、相手に対する気遣いなど一切なかったということに。その後、別の男性とは互いに思いやる感情も持てましたし、普通にそうした行為もできましたから」別れもまた、一方的だった。「大学2年の夏でした。教員に新しい恋人ができたようで、私とは会わなくなりました。彼の相手は、新任でやってきた女性教師だったようです。私が出した手紙も、開封されずに送り返されてきたりして。これで縁が切れた、と思いました。と同時に、ひどく憂鬱な気分にもなってしまうんです。支配する、されるという異常な環境があまりに長く続いたから、それが激変するのはまた怖いという……。DVの構造に似ているのかもしれません」その後月日がたち、ほかの性被害の事例を知り、裁判傍聴などにいくにつれ、石田さんは「自分のされたことは裁判になるようなことなのだ」と自覚した。そのとき、涙が止まらなかったという。それがきっかけとなり、石田さんは札幌に戻り、教師Aを呼び出す。教育委員会への申し立てに先立ち、証拠となる音声データを集めるためだった。「うまく言えませんが、私自身、このまま黙って生き続けることはできないという思いです。今もあの教師が中学校で普通に生徒と接していて、教育委員会も黙認している。その教室の情景を想像して、黙っていられなくなったのが、私が提訴に至ったいちばんの理由です」長い長い戦いの始まりだった。そして石田さんの勇気は、冒頭に述べた通り教師Aを懲戒免職へと追いやり、多くの被害者を救う教師等の性暴力から児童・生徒を守る新法設立への大きな後押しへとなったのだ。■実名で顔もさらして戦った石田さんは、被害者の立場で発信を続けている「狭いうえに散らかっていて、ごめんなさい。これでも必死に片づけたんですが(笑)。4年前から、ずっとこの6畳一間で、ご飯も仕事の写真処理も行ってます。さあ、まずは冷たい麦茶でも」都内にある石田さんの自宅兼仕事場を訪れたのは8月の猛暑の日だった。カメラ機材や性暴力に関する書籍などがぎっしり置かれているなかから、記事で使用するアルバムや写真などを探し出してくれる。「中学の卒業アルバムは、ずっと見られなかった。ようやく最近です、見ても平気になったのは。ああ、この人が、その教員です。おかしいと思いませんか、私の写真はいろんなところに出ているのに、加害者であるAの顔は誰にも知られていないというのは」それまでにこやかに対応してくれていた石田さんの表情が一瞬、翳る。教師Aは懲戒免職となった直後、「処分は不当」としてその取り消しを求めている。彼女は言う。「『加害者にならないための教育』が大事だと思うんです。泥棒や殺人がやってはいけないことと同じように、教師の性暴力も犯罪なのだと社会全体で認識すること。また親御さんに対しては、もしお子さんが被害を受けていても、子供を責めることはしないでほしい。被害の当事者はけっして悪くないと伝えたいです」同様に、加害者へのケアが必要と語るのは、石田さんの裁判を担当した小竹広子弁護士。「私は加害者の弁護もしますが、過去に自身も性被害を受けていた男性が意外に多い。暴力の連鎖ですね。また時効の問題も、それを理由に罪に問われないとしたら、加害者が自分の罪に向き合う機会を奪うことになり、社会全体の不幸につながると思います」フォトグラファーとして、最近は中高生のスポーツ大会の撮影の仕事が増えたという石田さん。「サッカーとバスケを撮りました。ふと気付くと、自分が被害に遭ったときと同じ年代の子たちなんですよね。でも写真を撮っていて、純粋に若い子たちのひたむきな姿と出合えてうれしかったんです。今後は、信頼できる友人や、もちろん恋人も欲しい。あと、いずれ絵にも戻りたい。あんなことがあって、遠ざけてしまったから」美術科担当でありながら、絵が好きな少女の夢まで奪ったことを教師Aは自覚しているだろうか。石田さんが、再び絵筆を手にする日が近く訪れることを切に願う。
2021年09月13日著者プロフィール 清永 奈穂さんNPO法人体験型安全教育支援機構代表理事株式会社ステップ総合研究所所長2000年にステップ総合研究所を設立。犯罪、いじめ、災害などから命を守るための研究に取り組み、大学などの研究員や政府、自治体等の委員会委員なども務める。各地の自治体、幼稚園、保育園、小学校などで独自の体験型安全教育を行っている。著書に『犯罪から園を守る・子どもを守る』(メイト)、『犯罪からの子どもの安全を科学する』(共著ミネルヴァ書房)、『危険から身を守る学校・通学路・遊び場・家』(監修/一部岩崎書店)など。<<『「いやです、だめです、いきません」 親が教える 子どもを守る安全教育』をすべて読む>>【問題】どっちの接し方がいい?2つの絵があります。親はどちらのたいどで接したらいいと思いますか?きびしく言ったほうが、子どもが二度とやらないとも思えますが......。【答え】子どもの勇気を認める【解説】「子どもも勇気をだして話している」ことを認め、そして、「話してくれて、ありがとう」という気持ちで接しましょう。ふだんから話しやすいふんいきにもし、子どもが「あぶない人に会った」ということがあったとき、家にかえって、親にちゃんと話せるかどうかはとても大切なことです。それには日常の良好な親子関係が大事です。ふだん、なにを言っても親から「あなたがダメだから」とか「ちゃんと気をつけてなかったんでしょ」と言われている子は、「言ってもしょうがない」とあきらめたり、あるいは「私がわるかったから......」「親が心配するから......」と話さなかったりすることがあります。それでは、また、次の被害にあってしまうかもしれません。日頃から「なにがあっても、あなたが大事。なんでも話してね」と伝え、親子で、家族で話しやすいふんいきをつくっておきましょう。もし、子どもが話してくれたら、子どもの話を、ゆっくり聞いてあげ、「あなたがわるかったから被害にあったのよ」とは決して言わず、「話してくれて、ありがとう。あなたが無事でよかった」と言いましょう。親子で知りたい子どもの防犯について、連載形式でお届けしました。この連載で紹介したほかにも、書籍では安全マップの作り方、あぶない子のタイプ、あぶないときの対処法など、知っておきたい防犯対策がより詳しく紹介されています。ぜひ手に取ってみてください。<<『「いやです、だめです、いきません」 親が教える 子どもを守る安全教育』をすべて読む>>書籍『「いやです、だめです、いきません」 親が教える 子どもを守る安全教育』について小学校に入学すると、子どもが1人で外を歩く機会も出てきます。犯罪から子どもを守るにはどうすればいいのでしょうか。やはり「子どもに自分自身を守る力を身につけさせること」=家庭での安全教育が必要でしょう。この書籍の著者は元犯罪者や警官などからその手口や心理などを聴取し、膨大なデータから子どもを守る方法を開発。千葉県警察本部の女性警察官とともに作った「いやです、だめです、いきません」をタイトルに、家庭でできる安全教育の実践方を紹介しています。「走る」、「さけぶ」、「いやと言う」など、いざというときの対処を家庭で練習する方法、危ない人や危ないことが起きる場所の特徴、ねらわれやすい子どもの様子を丁寧に解説。「通学マップ」を作成しながら、危ない場所を喚起する方法も紹介されています。どの章も子ども自身も興味を持って親子で読めるよう、わかりやすいイラストが満載です。小学校入学前の安全点検におすすめの頼れる一冊です。(文:清永奈穂、イラスト:石塚ワカメ『「いやです、だめです、いきません」親が教える子どもを守る安全教育』(岩崎書店)より一部抜粋/マイナビ子育て編集部)
2021年08月06日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が1日、東京・千代田区の法務省で催された「第71回社会を明るくする運動~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~キックオフイベント『コント芸人が法務省とコント作りに挑む!』」に出席。犯罪更生の仕組みを知り、松尾は「僕が何か犯罪してもすぐ更生できる」などと語った。同運動は、法務省と吉本が、犯罪や非行のない社会を築くための運動の広報啓発活動として行う取り組み。チョコレートプラネット、ジャルジャル(後藤淳平、福徳秀介)、シソンヌ(じろう、長谷川忍)、3時のヒロイン(ゆめっち、福田麻貴、かなで)の4組は、「更生保護ボランティア」を題材としたコント動画を、1日より各種YouTubeチャンネルで順次公開する。チョコレートプラネットの2人は、犯罪再犯を防止する「協力雇用主」、左官業の三上工業に取材を敢行。長田は「犯罪を犯してしまっても、もう一度世の中に復帰できる、すばらしい世の中になればいいなとコントを通じて伝えたい」と真面目にコメント。「もし相方が犯罪を犯してしまっても、そういうのがあるのは助かる」と述べた。松尾も同調し、「僕が犯罪を犯しても三上工業さんがある。三上工業さん、実は僕の実家の近く。だから僕が何か犯罪してもすぐ更生できる」と安堵。「(協力雇用主という)そういう方がいると分かった。僕は安心して間違いを犯せる」と言い、笑いを誘った。ジャルジャルは、犯罪や非行に走った人を更生する民間ボランティア「保護司(ほごし)」を取材。保護司をテーマにコントを考えることに。後藤は同テーマについて「難しいと言えば難しい。でも難しいほうが逆に、面白いコントは生まれやすいのでは」と語るも、福徳は「本当は、一回撮ったんです。お笑いに走りすぎてボツになった。『笑かすことばっかり考えてるじゃん!』となった」と暴露。後藤も「『こんな動画出せない』となった」と心境を明かした。
2021年07月01日子供が成長していくと、学校だけでなく塾やおけいこへの行き帰り、友達との待ち合わせ時など子供が一人になる時間が増えていきます。犯罪に巻き込まれないために、子供にはどのように防犯を教えれば良いのでしょうか。今回は、子供への防犯の教え方についてご紹介します。子供への防犯の教え方は?子供を狙った痴漢、公然わいせつ、つきまとい、盗撮、また登下校中の誘拐、わいせつ目的の誘拐などの犯罪があとを断ちません。学校の登下校時だけでなく習い事や友達との約束など、子供の行動範囲が広がる前に、以下を参考に防犯について子供にしっかり教えましょう。子供への防犯の教え方は「いかのおすし」知らない人にはついて「いか」ない声をかけられても車に「の」らない知らない人に連れて行かれそうになったら「お」お声を出す声をかけられたり、追いかけられたりしたら「す」ぐ逃げる怖いことにあったり見たりしたら、すぐに大人に「し」らせる子供の防犯の5つのお約束を、親子で一緒に確認しましょう。それでは、子供の防犯の教え方について細かく確認しましょう。どんな人に気をつけるのか?不審者から身を守るよう子供に伝える時、「変な人に気をつけてね!」と言っても子供にはその「変な人」がどのような人なのかわかりません。また「知らない人」と言うのも危険です。子供を狙うのは、知らない人だけとは限らないからです。そこで、子供に防犯を教える際は具体例を示しながら教えます。自分についてくる人じろじろ見てくる人体や持ち物を触ろうとする人こんな人がいたら逃げようね、と子供に防犯対策を教えましょう。また、道路、屋外での被害が多く発生していることも教えておきましょう。どんなことが危ないのか?車に乗せられそうになる追いかけられるつきまとわれる待ち伏せされるなどは危険なことです。子供に「こんなことはとても危ないことだよ」としっかり具体例を示しながら、防犯について教えましょう。子供が一人、あるいは子供だけでいるときは犯罪に巻き込まれやすくなります。いちばん犯罪発生が多い時間帯は、習い事に行く、友達と遊びに出かけるなど子供が一人になることがが多い午後4時前後です。防犯対策のために、子供が一人にならないためにはどうすれば良いか、子供がどの道を通ればいいのかなども確認しながら教えましょう。自分の守り方は?腕を掴まれて連れて行かれそうになってしまったら、大きな声で「助けて」と言う。しかし、このことがわかっていたとしても、大人でもいざ自分が緊急の事態になると声が出ないものです。そんな時のために「いやだ」「やめて」という自分の意思も大きな声で言えるように練習を重ねておくことも大切です。また、どうしても怖くて声を出せない時のために、子供に防犯ブザーの使い方を教えましょう。子供が防犯ブザーを使ったことがない場合は、防犯ブザーの引っ張り方を教え、鳴らす練習もしておきましょう。逃げる場所は?逃げる際は、交番、コンビニ、スーパー、こども110番の家など、助けてくれる大人のところへすぐに行くよう伝えます。すぐに声を出すことが難しい子供もいます。危険なことに遭遇した時のために、最初は小さな声しか出なくても励ましながら練習を繰り返し、無意識にできるようにしておきましょう。子供が自分で身を守れるように教えていこう子供を犯罪から守るには、子供自身が自分で身を守れるようにしておくことが非常に大切です。「いかのおすし」を繰り返し確認し、犯罪に巻き込まれる前に察知できる防犯力を教えることで、親が離れていても子供が自分で自分を守れるよう教え育てていきましょう。
2021年05月06日※画像はイメージです 繰り返し起きる“性犯罪”。そういった犯罪の原因は「性的欲求不満」と捉えられがちだが、一概にそうとも言いきれないという。凶悪事件も含め、200件以上の殺人事件などの「加害者家族」を支援してきたNPO法人World Open Heartの理事長・阿部恭子さんが、性犯罪を起こした加害者家族、そして加害者本人から「本音」を聞いた。■ある日、夫が性犯罪者に「子育てと仕事に追われて美容院に行く暇さえなくて。夫婦生活もありませんでしたから……すべて私のせいです」成美(仮名・40代)の夫はある日、未成年者にわいせつ行為を行ったとして条例違反で逮捕された。女性にとって、家族が性犯罪で逮捕されるほど屈辱的なことはない。事件による精神的ダメージは大きく、妻たちはとくに、自分に女性としての魅力が欠けていたからだと自分を責める傾向が強い。結婚生活も続けば倦怠期もあるだろうし、生活に追われてそれどころではない時期もあるであろう。本当のところはどうなのか。成美の夫・晃(仮名・40代)に真相を聞いてみた。「妻のせいではありません。仕事が上手くいっていたら、こんなことにはならなかったんです」問題は「性」ではなく、「仕事」だというのだ。晃は、都内で飲食店を経営しておりかつて売り上げは順調だった。ところが、事業拡大を進めていた最中にコロナに見舞われ、突如、経営は悪化を辿った。3人の子育てに追われ専業主婦をしていた成美も、従業員削減によって店を手伝わなければならなくなっていた。接客に慣れていない成美にとっては苦労の連続だった。仕事のことで夫婦喧嘩も多くなり、夫婦仲は冷めきっていった。「成美は仕事場でも家でもため息ばかりつくようになっていました。苦労させてばっかりで申し訳なくて。身体に触れるどころか、目を合わせることさえできなくなりました」コロナの収束が見えないなかで店の客足は戻らず、店は倒産寸前だった。「妻に苦労させたにもかかわらず状況は悪くなるばかり。妻子を養うことすらできない自分に生きている価値はないと思うようになりました」晃は自殺を考えるようになり、インターネットで情報を集めるようになった。ある時、掲示板を見ていると、自殺願望を訴えるひとりの女性の書き込みが目に留まった。晃が生まれ育った地元の近くから上京してきた女性だった。アルバイトが続かず、生活が苦しいのだという。晃は彼女と会うようになり、彼女が未成年者だと分かった後も関係を続けた。「妻とは景気のいい時期に知り合いましたから、いい店に連れて行ったし、高級品も買いました。今の自分にそんな余裕はありません。それでも彼女はファミレスの食事でも喜んでくれて。こんな俺でも少しは役に立つのかと、一度だけと思いながら関係が続いてしまいました」逮捕され、当然、妻からは愛想をつかされると思い込んでいた。ところが、警察署まで迎えに来た妻が、「ごめんね」と言いながら泣き崩れる姿を目の当たりにし、晃は自分の犯した愚かな罪を心から悔いたという。ふたりは離婚せず、家族で一から生活を立て直す道を選んだ。■「孤立」からSOSを出せず犯罪へ優等生の息子が加害者になることもある。九州地方で暮らす玲子(仮名・50代)の息子・信也(仮名・20代)は、東京の大学に合格し、都内でひとり暮らしをしていた。コロナの影響で連休も年末年始も帰省できず、しばらく息子に会うことができず、不安に感じていたころに事件が起きた。警察から電話があり、信也が未成年者とのわいせつ行為で逮捕されたという。信也の学費や家賃は家族が援助していたが、生活費はアルバイトで稼いでいた。信也は、東京での生活は決して楽ではなかったと話す。「大学では実家暮らしの友達が多くて、自分はお金がなくて、一緒に遊ぶ余裕がなかったんです。デートのときは、男が奢らなくちゃいけないと思い込んでましたから、それを考えると彼女もできなくて」それでも、いろいろな出会いがある飲食店でのアルバイトは、信也にとって居場所となっていた。ところがコロナの影響で閉店。収入だけではなく、心の拠り所まで失ってしまった。大学の授業とアルバイトで多忙な学生生活を送っていた信也だったが、緊急事態宣言によって外出ができなくなり、いつの間にか生活は昼夜逆転し、ネットに依存する生活になっていた。あるとき、出会い系サイトで知り合った女性のひとりから、家族と喧嘩したので家に泊めてほしいというメッセージが送られてきた。信也は、女性が未成年者であると知りながらも自宅に招き入れた。困っているのだから面倒を見るのだと思い、罪悪感はなかったという。「とにかくひとりで寂しかった。何のために東京にいるのかわからなくなり、自暴自棄になっていたと思います」信也は大学を退学し、実家に戻ることに。地元の会社に就職し、真面目に働き始めているが、事件のショックから立ち直れないでいるのはむしろ母親の玲子だった。「あんなに頑張って入った大学だったのに。生活が大変なら、そう言ってくれれば援助したのに……。親としてはとてもショックです」困ったときにSOSを出せない男性が犯罪に手を染めるケースは決して少なくない。家族に心配かけまいと問題をひとりで抱え込んだ挙句、取り返しのつかない事態を招いてしまうのだ。家族に本音は話せているだろうか。先が見えない時代だからこそ、家族間のコミュニケーションを見直してみたい。■性犯罪の原因はセックスレスとは限らない長引くコロナ禍で、お金は貯まらずストレスはたまる一方、という人も少なくはないのではないだろうか。家庭に充満するストレスは、DVや虐待を生み、家出を余儀なくされる女性や子どもたちが被害に遭うケースも報告されている。一方で、被害者だけではなく加害者もまた、経済的、精神的に追いつめられた「弱者」かもしれない。ゆとりが失われた生活の中で、相手を理解するプロセスを省略して性のみを手に入れる性犯罪は増えるであろう。性犯罪の原因は性的欲求不満と捉えられがちだが、さまざまな事件の背景を見ていくと、そう単純なものではなく、セックスフルな生活を送っている人でも犯罪に手を染める場合がある。根底にあるのは、男性としての社会的劣等感であり、経済力の喪失も動機となりうる。男性優位でなければならないという呪縛は、男性をも蝕んでいる。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)など。
2021年04月09日「いつかやらなきゃ…」と頭ではわかっているものの、いざとなると構えてしまう性教育。それを、科学的にポジティブに教えてくれるのが 「サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊)」 の著者で、産婦人科医の高橋幸子先生、通称サッコ先生です。 前編 では、自分らしく生きることが本来の性であり、性教育とは自分の体を大切にすることからはじまると教えていただきました。この後編では、幼少期を過ぎてからの性教育や、我が子が性被害にあわないために親ができること、そして、性被害にあってしまったときにとるべき行動について伺いました。高橋幸子先生 プロフィール埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター/産婦人科医。日本家族計画協会クリニック非常勤医師。彩の国思春期教育会西部支部会長。NHK「あさイチ」「ハートネットTV」「夏休み!ラジオ保健室〜10代の性 悩み相談〜」に出演、AbemaTVドラマ「17.3 about a sex」、ピル情報の総合サイト「ピルにゃん」、家庭でできる性教育サイト 「命育」 を監修するなど、性教育の普及や啓発に尽力する。HP: ■日本の性教育は遅れている?—— 著書のなかで、世界では5歳から性教育がはじまっていると紹介されていました。やはり日本は遅れているのでしょうか?世界の性教育の基準は、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」にありますが、性教育に関しては5歳からはじまると書かれています。日本は、国際水準からはまだまだ遠いのが現状で、現在の小学校の学習指導要領(※1)では、5年生の理科で「人は母体内で成長して生まれる」ということは教えますが、受精に至る過程は取り扱わないという歯止め規定があります。しかし、2021年4月から文部科学省が「生命(いのち)の安全教育」という授業を幼稚園から大学まで段階的に導入する予定で、プライベートゾーンやデートDVについてなどが盛り込まれるそうです。性教育は、熱心な家庭とそうでない家庭で差が大きいので、家庭ですり抜けてしまう子をなくすという意味では学校でおこなうことはすごく意味があるし、期待しています。しかし、性教育は早ければ早いほどいいですし、まだ試験的な導入なので、全国に広がるのは数年かかるはず。これを見た方はぜひ今から家庭でできることをやっていただきたいです。※1:文部科学省「小学校学習指導要領」小学五年生理科「B生命・地球」「(2)動物の誕生について」「内容の取扱い」より2020年12月現在)■性教育をはじめるタイミング—— すでに幼少期を過ぎていても遅くはないでしょうか?早ければ早いほどいいというのは、性教育の入り口であるプライベートゾーンを守る=自分の体を大切にするということができないと、自己肯定感がうまく育たないまま大人になってしまうからです。すると、大人になって体を目的に近寄ってきた人に対して自分が求められていると勘違いし、性犯罪に巻き込まれたり性的なことに依存度が高くなることも。いわば性に関する知識はライフスキル、つまり生きていくために必要な知恵ともいえます。また、思春期になって自分の体に変化が起きたときに、自分の体は自分だけの大切なものという認識があれば、他人と比較して落ち込むことも軽減できます。なので、できれば思春期に入る前のタイミングまでにはじめられるといいですね。著書のなかで登場するキャラクターが小学4年生なのもそのため。ちょうど4年生の保健体育で初潮や精通について習うということもあります。—— 幼少期を過ぎて、性について話しづらくなっていたり、きっかけがない場合はどうすればいいでしょう?私の著書のほか、以下のように様々な本があるので、お子さんがひとりで読めるようにトイレや子ども部屋などの個室にそっと置いてみるといいのではないでしょうか。<おすすめの性教育本>・ サッコ先生と!からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊) ・ 子どもを守る言葉「同意」って何? YES、NOは自分が決める! (集英社刊) ・ おしえて! くもくん(東山書房刊) —— 小学生の子どもがふざけてセックスという言葉を口にしたのですが、どこで知ったのかビックリ! そんなときはどうしたらいいでしょう?どういう経路でその言葉を知ったのかを確認した方がいいですね。というのも、いまはネットでアダルトビデオなどの動画が簡単に見られる時代。歪んだカタチで性の知識を得ている可能性もあるので、責めるのではなく「どこで聞いたの?」と、仕入れ先は探るべきです。きちんと学んで理解していたならそれはそれでいいし、対策が必要なら対策を考えればよし。言葉だけを知っている場合もあるかもしれません。いずれにせよ、性について話すきっかけになります。■プライベートゾーンの知識が性犯罪から守ることにつながる—— SNSやネットをきっかけにした性犯罪が増えていると聞きます。我が子を性被害から守るために親ができることは何でしょう?性被害にあわないための意識を根づかせることが第一。それがまさしく、幼いころからプライベートゾーンを守るという知識をつけること。自分の体は大切だから他人に許可なく見せない、見られたらおかしいという意識があれば、いざというときNOといえます。じつは、性犯罪をおかした小児性愛者に犯行に及んだ理由を聞くと、「相手がイヤだといわなかったから。あのときあの子がNOといってくれたらこんな風にならなかった」と子どものせいにするのだそう。本当に許せない、おかしな話なのですが、子どもにNOといえる力をつけることが何よりなんです。そのために、プライベートゾーンについて早くから知識をもたせることがすべてにつながってきます。—— 我が子が性犯罪の加害者になる可能性もあります。加害者にならないために親が注意すべきことはありますか?これもやはり性教育の原点となる自分の体を大切にすることを幼いうちから伝えること。自分を大切にできれば、相手のことも思いやれるので、加害者となる可能性は圧倒的に軽減できます。また、大人になって性的な逸脱行動をする人の成育歴を見ると、周りから傷つけられてきたという過去がある人が多いそう。親が気づかぬうちに精神的な虐待をするといったことがないよう、子どもに寄り添うことが大事です。それと、地域や社会で性犯罪が起きにくい環境づくりをすることも大切。性犯罪をおかした小児性愛者を多く診察してきた先生によると、小児性愛は生まれつきのものではないそうです。例えば、大人と対等にコミュニケーションを取るのが苦手と感じていたとき、子どもを対象にした性的なビデオを見ることで、自分より力のない子どもなら大丈夫なのだと結びつき、小児性犯罪に走ってしまう。そもそも子どもを性の対象にすること自体がおかしなことで、そういうポルノ商品を世に出すことが犯罪行為。そのビデオに出演させられている子どもたちは完全に被害者です。徹底的に取り締まり、社会全体で許さないという姿勢をみせる必要があります。また、街頭に見守りポスターを1枚貼るだけでも、性犯罪が起きにくい環境づくりができます。地域の大人たちで協力して子どもを守ることが大切。そして、家庭内で性についてなるべくオープンに話せる関係性を築いておけるといいですね。■性被害にあった我が子に一番かけてはいけない言葉—— 万が一、我が子が性被害にあってしまった場合、親としてどのような対応をするのがいいのでしょうか?まず、あなたは何も悪くないと伝えて、寄り添うこと。絶対にいってはいけないのは、「あなたが短いスカートを履いていたから…」など、被害者側にも一因があると諭してしまうことです。いまトラウマインフォームドケアというのが注目されているのですが、子どもの頃のトラウマが後の生きづらさや問題行動に影響するというもの。親が第二の加害者にならないように、とにかく心に寄り添うことが重要です。そして、あなたのせいではないと伝えたあとは、専門家につなぐこと。私がおこなっている思春期外来では性被害にあったかどうかを診察して診断書を書くのですが、心のケアまではなかなか難しい。小児精神科の専門医にみてもらうのがいいのですが、まだ数が少ないのが現状です。専門家につなぐのに時間がかかる場合は、とにかくお子さんにあなたの味方だと伝えて、心に寄り添うようにしてください。 サッコ先生と! からだこころ研究所 小学生と考える『性ってなに?』(リトルモア刊) 小学生が自分で読んで学べる性教育の新しい教科書。サッコ先生がときどき質問を投げかけたりしながら、体のしくみや性について楽しくポイジティブに学べます。ミッションでは、“自分の脈をはかってみよう!”“自分の性器を見て見よう”などチャレンジしながら自分の体を正しく知ることができ、コラムでは“性器の洗い方”など役立つノウハウもわかりやすく解説しています。【お知らせ】サッコ先生と!みんなで学ぼう「性ってなに?」~小学生向け・はじめての性教育ワークショップ~●講師高橋幸子(産婦人科医、『サッコ先生と!からだこころ研究所』著者)●日時2021年5月9日(日) 1回目 11:00~/2回目 13:30~※1回目、2回目は同じ内容です。●会場・お申し込み詳細は リトルモア HP をご覧ください。
2021年04月01日2021年3月5日、タレントの中川翔子さんがYouTubeチャンネルを更新。長年悩まされてきた、『ストーカー被害』について告白しました。2018年、中川さんをつきまとったとして、ある男性がストーカー規制法違反の疑いで逮捕。しかし、この事件以外にもストーカー被害は何度も発生しており、そのたびに引っ越しを余儀なくさせられたといいます。中川翔子「もう、つらくてどうにかなりそうだった」動画によると、中川さんの行きつけの店へ突然来て、「中川翔子を出せ」「中川翔子と約束してる」「中川翔子と結婚してる」と騒いだり、暴れたりする人がいたそうです。しかし通報をしても、警察は被害がないと逮捕ができないため、被害を受けてもほとんどが泣き寝入りになってしまうのだとか。さらに、昔住んでいたマンションでは「エレベーターの中で身体をつかまれ、盗聴・盗撮をされたこともあった」といいます。急いで引っ越しをせざるを得なくなった中川さんですが、猫を飼える物件がすぐに見つからず、愛猫と半年間も離ればなれで暮らしたことも。当時をこう振り返り、このように述べました。どうにかなりそうでした。本当につらくて。生きがいの愛猫とも離ればなれになって。めちゃくちゃ悔しかった。大切な時間やお金は、もう一生取り戻せないんです。そのゆがんだ行動が、どれほど人の人生をゆがませるか…。中川翔子の「ヲ」ーより引用中川さんは「ストーカーは人を精神的に追い込み、大切な時間も奪うもの」だと、つらい経験を思い返しながら明かしました。愛猫との時間を奪われ、数回にわたる引っ越しも余儀なくされた中川さん。しかし、加害者を簡単に逮捕することはできず、泣き寝入りになってしまう現実は、本当に苦しいものだったでしょう。そして動画の後半、中川さんはこのように呼びかけています。みなさん、SNS時代なので、距離感が分からなくなってしまう人が一定数いるみたいなんです。本当に悩んで本当につらかった。だから、こういう思いはたくさんの人にしてほしくないと思うので、くれぐれも気をつけてほしいです。今まで、そういう体験がなかったとしても全然あるんですよ。私もまだすごく怖いです。もう引っ越したくない。みんながお互いを思いやって、安全に幸せに心から笑顔で暮らせたらいいのに。これからも私は静かに暮らしたいです。だからそっとしておいてください。中川翔子の「ヲ」ーより引用「SNSの普及で、人との距離感がうまくつかめなくなってしまう人がいる」と持論を展開した上で、これ以上苦しむ人を増やさないために、注意喚起を行った中川さん。ネット上では、さまざまな声が上がっています。・悪い人は好きなことをして、被害に遭った人が我慢をするなんて、おかしい。中川さんが1日でも早く安心して過ごせる日が来てほしい…。・よく、勇気を出して打ち明けてくれたと思います。多くの人にしょこたんの想いが伝わって、苦しむ人が減ってくれたらいいな。・過去に同じような思いをしたことがあるので、話を聞いていて他人事には感じませんでした。被害者の心の傷はずっと残る。ストーカー被害を防ぐために警察庁によると、2020年のストーカー規制法に基づく警告件数は2146件にのぼり、被害者は女性が80%以上を占めるといいます。少しでも「怪しい」と感じたら、周囲の人に助けを求め、警察へ相談するようにしましょう。また、『防犯ブザー』や『催涙スプレー』などの、撃退グッズの携帯や、個人情報が記載された書類を捨てる時は、シュレッターにかけるなどの自己防衛策を心がけておくといいかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2021年03月06日性犯罪の被害者に、精神的な苦痛を与える『セカンドレイプ』。具体的には、被害者の落ち度を指摘したり、被害時の苦痛を思い出させたりといったものが『セカンドレイプ』にあたります。大島薫(@OshimaKaoru)さんが描いた4コマ漫画は、そうしたセカンドレイプをする人の認識を改めさせてくれる内容のものでした。漫画『抵抗しなかったお前が悪い』をご紹介します。「抵抗しなかったお前が悪い」という四コマ漫画を描きました。 pic.twitter.com/5ML4gsVnCX — 大島薫 (@OshimaKaoru) January 8, 2021 性被害にあった女性に対し、「本気で抵抗すれば、なんとかなったはず」「その服装は乱暴してくれといっているようなもの」などと被害者の落ち度を指摘していた男性。しかし、いざ男性が強盗の被害に遭うと、周囲からは聞き覚えのある言葉が返ってきたのでした。状況こそ違えど、犯罪に遭遇した時の心理は同じはずです。力では勝てなかったり、相手が武器を持っていたりすれば、恐怖で身体が支配され、言葉すら発せなくなってしまいます。また、きらびやかに着飾る人が強盗されることを目的としてそうした服装をしているわけではないのと同じで、容姿は犯罪に遭った落ち度にはなりません。『セカンドレイプ』をなくすには、相手と近しい視点で物事を見る想像力、そして「被害者は悪くない。悪いのは加害者」という意識を持つことなのではないでしょうか。なお、世の中には、セカンドレイプを恐れて、被害を告白できない人も少なくないといいます。もちろん、性犯罪そのものがなくなることに越したことはありません。しかし、セカンドレイプがなくなることで、より被害者が事件を訴えられる環境が整うはずです。[文・構成/grape編集部]
2021年01月09日■前回のあらすじ上手く説明できない生徒を何度も前に立たせる先生。さらにみんなの前での「吊るし上げ行為」はエスカレートし…被害にあった話をみんなの前で発表するよう、強要した先生。するとクラス内に、もう一人被害者が…!勇気を持って告白してくれた女の子に、あつぼね先生はどう返す?次回へ続く※あくまで個人の体験談です。先生にまつわるお話になりますが、「すべての教師がそうだ」と誤解のないようお願いします。※実話をベースとしたフィクションです。登場人物はゆっぺさん含めすべてフェイクです。コミックライター: ゆっぺ 【同じテーマの連載はこちら】 4人の子育て! 愉快なじゃがころ一家 この連載の全話を見る >>
2020年12月30日悲しいことに、性犯罪の被害は絶えません。人の自分勝手な行動によって、多くの被害者が心や身体に傷を負っています。しかし、他者の身体に合意なく触れる痴漢行為や、こっそりとデリケートな部分を撮影する盗撮行為は、直接的な加害ではないため軽く見られがちなのが現状です。また、被害を訴えるにも勇気が必要なため、泣き寝入りせざるを得ない人も少なくないといいます。盗撮犯を警察に突き出そうとしたら…ある日、大阪市の道頓堀橋を歩いていたところ、性犯罪の加害者が捕らえられる瞬間を目撃したという、はらぐろめんえす(@haraguromenesu)さん。その際のエピソードを漫画で描き、Twitterに投稿しました。(2/2) pic.twitter.com/nNEXL2TNEt — はらぐろめんえす@漫画 (@haraguromenesu) December 23, 2020 被害者や目撃者の話によると、男性は店内で買い物中の被害者に近付き、スカートの中をこっそりスマホで盗撮していたとのこと。買物中の人を狙った盗撮行為は珍しくありません。卑劣な行為を目撃した2人の協力の元、なんとか犯人を捕まえることができたといいます。しかし犯人は、撮影に使用したであろう隠し持っていたスマホを川に投げ捨て、証拠隠滅を図ったのです。提出したスマホはダミーだったのでしょう。捕まった場合に備えて、撮影用の安い機種を別に持ち歩いていたと思われます。警察官は川にスマホを投げ捨てたことに気付かなかったのか、もしくは見ないふりをしたのか、まともに取り合ってくれなかったのだとか。きっと犯人が撮影した写真のデータはクラウドサービスに転送され、手元に残っているはず。明らかに常習犯の手口です。【ネットの声】・どう考えても常習犯。警察官はちゃんと川を調べるべきでしょ。・以前、テレビで見た盗撮犯もスマホのダミーを持ち歩いていました。・犯罪者に甘い世界。警察官も「それくらいで…」って思ってスルーした可能性がある。性犯罪を繰り返す人は、依存症の可能性もあるとされています。捕まらなかった場合、きっと同じことを繰り返すでしょう。被害者や目撃者が勇気ある行動をとっても、今回のようになっては意味がありません。傷付く人を1人でも減らすべく、社会全体が犯罪に対する意識をしっかりと持つべきです。[文・構成/grape編集部]
2020年12月25日※今回の内容は、具体的な描写が含まれます。トラウマやフラッシュバックの可能性がある方、不快に思われる方は閲覧をお控えください。ザワッとするような性犯罪のニュースを見かけます。小さな女の子が公衆トイレに連れ込まれたとか、歯の治療中に胸を触られたりとか、ニュースを目にするたびに犯人への憎悪が沸くとともに、被害に遭った女の子はさぞかし怖かっただろうな…と同情せずにはいられません。ただその一方で、「明るみに出ているだけ凄いな」と思う気持ちも。。表面化しているのはほんの氷山の一角で、多くの事件は被害者の胸の内に秘められているのではないかと思います。何故かというと、私もかつてそうだったからです。■小学生の時、知らないお兄さんに話しかけられて…当時、小学校低学年でした。あの日は下校後、お友達と遊ぶ約束をしていて、自転車に乗って出かけているときでした。細い坂道の下に差し掛かった時、向かいの細道から男の人が自転車でこっちに向かってきたのです。低学年の私から見たら大人の男の人の年齢は正確には分からないけれど、おじさんではありませんでした。20代ぐらいのお兄さんのように見えました。てっきりすれ違うものかと思っていたら、お兄さんが私に声をかけていました。「ねぇ」「虫がついてるよ」と言ってきたのです。…虫?? どこに??自転車を停めて洋服を確認しましたが見当たりません。そして男は言いました。「取ってあげるよ。こっちへおいで」自転車を停めて死角になっている建物の影へ連れていかれました。どうしてこっちまで行かないといけないのかな?7歳の頭でも違和感は覚えました。でも、「こういう所に行かないと取れないものなのかな?」と判断がつかなかったんです。言われるままに建物の影に移動すると、今度は優しい声で、「ほら、ここについてるよ。取ってあげる。じっとしてて」と言いました。そして、スカートの中に手を入れてきました。ここでもやはりおかしいと思いました。でも、判断がつかないんです。大人になった今なら明らかにおかしいって分かるのですが、7歳の経験値では「そういうこともあるのかな?」って思うしか出来なくて、じっとしてるしかありませんでした。そして手はさらに下着の中に伸びました。痛い!痛いし怖いし、気持ち悪いし、どうしていいかわかりません。学校や幼稚園や、そして親からも、「怪しい人にはついて行かない」とか「危ない目に遭ったら大きな声を出しましょう」とか「キケンから身を守る方法」は聞いてきましたし、頭には入っていました。でもこのお兄さんは全然怖そうな人じゃないし、優しそうだし、虫を取ってくれるって言うし、でも感覚的に怖いし逃げたいしどうしたらいいかわかりません。とうとう怖くなった私は泣きだしてしまいました。すると男は「ごめんごめん!!」と言ってそそくさと立ち去っていきました。1人建物の影に残された私。しばらくは男が戻ってくるのかもしれないと思ってそこから動けませんでした。怖くて…何が起こったのかわからなくて、その場でしばらく泣いて、状況を頭の中で少し整理すると、今度は不安が襲ってきました。「どうしよう、お母さんにバレたら怒られる…」そう思うようになったんです。 「怪しい人にはついていかない」「危ない目に遭ったら大声で助けを呼ぼう」そう教えられてきたのに、自分は何も出来なかった…私がダメなんだ、私がいけないんだ。この頃、性的な知識は一切ありませんでしたが、感覚的にこれは絶対に誰にも言っちゃいけない事だと思いました。そして、服を整えて、何事もなかったかのようにお友達の家に遊びに行き、決して悟られないようにしました。ふぅ…よかった。誰にもバレずに済んだ。怖かったけど、バレたくない。平静を必死で装って次の日学校に行くと、思わぬ事態が起こりました。 ■昨日の出来事が、学校に知られている…?朝一番で担任の先生がみんなに呼び掛けてきたのです。「昨日近隣の住民の方から学校に連絡がありました。昨日の午後、○○町周辺で怪しい男の人に1・2年生ぐらいの女の子が絡まれていたそうです。心当たりのある人いませんか」すぐに私の事だと思いました。とてもじゃないけど名乗り出る勇気はありませんでした。親に絶対に知られたくないんだから、クラスメイトの前で知られるなんてとんでもありません。誰も手があがらなかったので、先生は「危ない目に遭った時の対処法」を伝えて朝の会は終わりました。・誘われてもついていかない・大声で助けを呼ぶ・逃げるあああ…やっぱり私のせいだ。私がちゃんと習った事をできなかったから、いけなかったんだ。 自分の落ち度を責める気持ちと同時に、 異変に気付いていた大人がそばにいたということに驚きました。真っ先に思ったのは「よかった! バレてなくて…」でした。が、一方で、どうして大人の人は助けてくれなかったんだろう、おかしいと思っていたのにどうして追い払ってくれなかったんだろう…という気持ちも芽生えました。結局この事は大きくなるまで誰にも言わず自分の胸にしまっておきました。■わが子が被害に遭う前に、私が子どもに伝えておきたいことそして私も子の親になり、胸が痛む性犯罪のニュースを目にするたびに、表に出ないだけで私と同じような思いをしている女の子は今もきっとどこかにいるはずだと思うんです。昔は低学年でも自転車に乗ってあちこち遊びに行っても何らおかしくない時代だったので、今とは危機管理能力がそもそも違うかもしれませんが、被害に遭った当時の私が教えてほしかったことは「危ない人に出会った時の対処法」ではなく、「危ない目に遭った時に、報告してね」っていうこと。「絶対に怒らない、あなたが悪いわけじゃない、責めたりしないから親や先生に報告してほしい」と今子どもには伝えたいです。被害に遭った女の子たちの心境が私にはどことなくわかります。自分がいけなかったんだと自分のせいにしてしまったり、なぜか「怒られてしまうんじゃないか」という気持ちになったり、また「大事になったらイヤだな」っていう気持ちもあります。ただ、誰にも報告しなかったことを今とても後悔してるんです。何故なら「私が誰かに報告していたら、同じ被害に遭う女の子を1人でも減らせたかもしれないから」。その後、またあのお兄さんに道で会ったんですよ。そしてまた同じように声をかけられました。前回の事があるので顔を見ただけで氷りつきました。そして男が言葉をかけ終わらないうちに大急ぎで逃げましたが、今思うと、かなり高い頻度で小学生が帰る時間帯にうろついて物色していたと思うんです。被害者は絶対私1人じゃないはずです。私が誰かに報告していたら、被害に遭う女の子が1人でも2人でも減っていたかもしれない…。これ以上、犯人の思い通りにさせないという意味でも、私は「おかしいな…と思う事が起きたらママに報告してね」ということ、「悪い大人に絡まれても絶対にあなたは悪くない」ということを子ども達に伝えたいです。そしてあの時「どうして誰も助けてくれないんだろう」と思っていた私と同じ思いをさせないためにも、道端で泣いている子どもを見かけた時には声をかけてあげたいし(普通に素通りする大人いっぱいいます)少しでも「?」と異変を感じたら声をかけたいと思っています。以上私の経験から思う「子どもを性被害から守る術」でした。
2020年12月08日「フェイクポルノ」で検索すると芸能人の画像がいまだに出回っている。リツイートするだけで犯罪です※写真はイメージですSNSに触れずに生活を送るのは不可避と言われる時代。顔写真だけなら大丈夫と思っていませんか?顔写真をアップしたことで悲劇に見舞われた女の子とその家族を取材した。■フェイクポルノに関する逮捕は全国初「フェイクポルノの被害を受けた芸能人らは国内で約200人、公開されている動画は350本以上と言われています」AI(人工知能)の顔認証技術を悪用して出演者の顔を女性芸能人にすり替えたアダルトビデオの偽動画を作成したとして、京都府警は2日、大分県の無職・野間口攻也容疑者(30)を逮捕した。府警によると、ディープフェイクポルノに関する逮捕は全国初。同日、警視庁と千葉県警も兵庫県のシステムエンジニアの男(47)と熊本県の大学生の男(21)を同様の容疑で逮捕したと発表した。これらは「ディープフェイクポルノ」などと呼ばれ、これまで多くの女性芸能人を苦しめてきた。一億総SNS時代となった現在、フェイクポルノは芸能人だけの問題ではない。何の落ち度もない一般女性ユーザーも被害にあっているのだ(※記事中ではアイコラなどの写真加工も「フェイクポルノ」と呼んでいます)。●CASE1●ゆかりさん(18・仮名)友達と遊んでいる写真が加工されて……「私の胸じゃないのに……。証明する方法は脱いで見せるしかありません。つまり、もう証明は不可能だということなんです」ゆかりさんは、そう言うと泣き崩れた。差し出されたケータイ画面には、全裸で悩ましいポーズをとるゆかりさんの姿が1枚。男性の上に馬乗りになり性行為をしていると思わせる画像が1枚。ゆかりさんは、「見るのも見せるのも嫌だけど」と言いながら被害を訴えてくれた。もちろん、これはフェイクポルノ。ゆかりさんの顔だけが合成されたものだ。ゆかりさんは都内の進学校に通う高校3年生。なぜ彼女は被害にあってしまったのだろうか。母・朋美さん(50代・仮名)が経緯を明かす。「この全裸でポーズをとっている笑顔は、娘が2018年12月のインスタグラムに投稿した写真から抜かれました」■自分が被害者だということも気づいていない12月某日のゆかりさんのインスタグラムの投稿を見ると、全裸画像と同じ顔があった。ゆかりさんは色白で目鼻立ちのハッキリした美少女。柔らかく透き通るようなもち肌は写真越しでもわかる。男性の上にまたがり喘いでいるように見える画像は友人数名との集合写真から抜き取られていた。実際はテーマパークに女子高生が数人で変顔をして楽しんでいる健康的なショットが性行為の最中の顔に変換されるなど誰が予想できるだろうか。ゆかりさんはめったに自分の顔写真は投稿しないが、友達とディズニーやUSJに行った特別なお出かけのときだけ自分の顔を公開していた。このときの画像が抜き取られ、合成されてしまったのだ。いつフェイクポルノの存在に気づいたのだろうか。「恥ずかしい話ですが、息子(21)がアダルトサイトで見つけたようで直接、妹である娘に“お前こんなことしているのか!”と詰め寄ったことから発覚しました。娘は何が起きているのかわからない様子でリビングにいた私のもとに息子から見せられた画像片手にかけよってきました」ゆかりさん親子はその日のうちに警察に被害届を出した。サイトをくまなく調べて管理者に削除要請も出した。「アダルトサイトなんて見たことがないので、仕組みも理解できないし、いろんなサイトに飛んでしまって管理者にたどり着くのにも苦労しました。削除要請をしてそのサイトからは消えたけれど、誰が投稿したのかということは管理者もわからないというんです。素人のSNSから勝手に顔写真を抜き取って合成して商売している人がいるっていうんです」(朋美さん)ゆかりさんの当時の年齢は17歳、『児童ポルノ』、『名誉毀損』など多くの犯罪を犯しているが、犯人は捕まっていない。「街を歩いていておじさんたちが私を見ると“この人あれを見たのかな”などと考えてしまい彼らがニヤニヤしているように感じてしまうんです。それで人混みを歩けなくなりました。勝手に保存されたりしていたらどうしよう、クラスメートが知っていたらどうしようって。これから先出会う人がこの画像を見ていたらどうしよう、って」(ゆかりさん)母の朋美さんは、ゆかりさんを心療内科に連れて行き、安定剤をもらうことでパニックはおさまった。コロナ自粛と重なったことで外出しなくてすんだこともゆかりさんの心を落ち着かせたという。「外に出るのが怖かったから自粛は助かりました。自分が見も知らぬ男の人たちから性の対象にされたことが悔しくて怖くてたまりません」それでも、ゆかりさんは前を見ている。「弁護士さんに相談しています。必ず犯人を捕まえたいと思っています。弁護士さんが言うには被害者はかなりの数いるようです。ただ、自分が被害者だということも気づいていない人がほとんどだというのです。だって兄がいなかったら気づかなかったし、もしも友達が見つけたとしても教えてくれるかどうか。陰で言われるだけだったかも。誤解を解くチャンスさえ与えてもらえない。こういう被害があることを多くの女の子に知ってほしいし、お子さんの写真をむやみにアップしているお母さんたちにも注意を促したいです」ゆかりさんは被害にあってからSNSを絶っていたが、今月からまたアカウントを取得。少しずつSNSの世界を広げつつあるが、自分の顔は「絶対にのせない」と力強く答えた。■《最低な母親》っていうコメントが来た●CASE2●美佳さん(47・仮名)娘の写真をアップしたことで人間不信に2人目の被害者は千葉県に住む専業主婦の美佳さん。夫と2人の子どもに恵まれ、幸せな日常をインスタグラムにアップしていた。「正直、(インスタ投稿は)マウンティングのような感覚でした。だから娘の画像を発見したときは誰かにひがまれて嫌がらせされたのかと最初は思って」美佳さんは投稿した長女(当時9)の顔写真を加工され、児童ポルノとして使われてしまった。「そんなこと考えたこともなかったんですが、インスタとかには子どもたちをそういったイヤらしい目的で、見に来ている人たちがいるらしいのです」(美佳さん)発覚はコメント機能からだった。「今年の4月、突然フォロワーが増えたんです。コメントも海外からとか、ハートの絵文字とか。子どもたちが可愛いからだとのんきに思っていたら《最低な母親》っていうコメントが来たんです。どういうこと?と思ってそのユーザーにDMでメッセージを送りました」美佳さんはそのときに送ったメッセージを見せてくれた。《初めまして。先ほどコメントいただいた最低の母親とはどういうことですか?あなたは誰なんですか?》その返信で送られてきたのは、長女のフェイクポルノ画像だった。スクール水着を着た長女がアイスクリームを食べながら下腹部をいじっている。「フリーズしました。頭の中が?だらけで、加工されているという考えにも及びませんでした。娘が誰かに誘拐されて撮影されたのかとかいろいろ頭をよぎりました。でも、思い返してもそんなことは確実にないし、娘の様子も変わったところはありません。娘はコロナ禍で休校していて家にいたのですが、直感で見せないほうがいいと思いました。今でも自分のその判断だけは正しかったと思っています」美佳さんはまず返信をくれたユーザーに画像の出どころを聞いた。「わたしの返信を見て画像がフェイクポルノだと勘づいたようです。丁寧に児童ポルノサイトとフェイクポルノの存在を教えてくれました」その後、サイトに画像の削除要請を出し警察に被害届を提出した。「サイトの画像は一応消えましたが、保存されていたり拡散されているのは抑えられない。警察によると、こういうのを作るのは身近な人というよりランダムに子どもの顔を適当に探して集めているのだそうです。だから恨みやそういったことではないと思いますよ、と言われました。最初はママ友とかからのひがみかと本気で思っていたんです。その発想がもう醜い人間関係ですよね。娘の卑猥な画像が一生さらされると思うと自分を呪いたいです」美佳さんはインスタグラムだけではなく、フェイスブック、LINEなど、すべてのSNSから子どもの顔を消去した。「幸せな時間を汚されたような思いと、自分の見栄のために子どもを使ってしまったことがいちばん許せない。自分のことが許せないです」美佳さんは今も自分を責め続けている。■写真が悪用されていることに気づいたら?インターネット犯罪に詳しいジャーナリストの渋井哲也さんは、「“ディープフェイクポルノ”は2017年、海外の有名女優のポルノ動画がネットに投稿されたことが発端とされています。政治家のイメージを損ねるために動画を加工したり、リベンジポルノとして一般人の偽わいせつ動画がネットに拡散される被害も。日本では嫌がらせ目的でSNSを徘徊している人、可愛い子の画像を加工して金稼ぎをしている人、出会い系サイトなどのアイコンに使うために探している人、などがいます。発覚するのはまれでほとんどの被害者は自分が被害にあっていることに気づいていません」自分や自分の大切な人の写真が悪用されていることに気づいたら、私たちはどうすればいいのか。アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士にポイントを聞いた。「まずは問題の投稿・記事全体、URL全体、投稿年月日時分、印刷日時が表示されるように印刷、スクリーンショット、PDF化をしておく。任意の削除に応じてもらえず裁判所での仮処分命令の申立てを行って削除を行う場合などに重要な証拠となります」削除がされない場合はどうしたらいいの?「サイトの運営者などに対する法的な削除請求が必要です。裁判所に投稿記事削除の仮処分命令の申し立てを行って、裁判所から仮処分命令をもらって、問題の記事の削除を求めていくことになります。通常はここで相手が削除に応じることが多いです」(正木弁護士、以下同)拡散した第三者を罪に問うこともできるという。「性的な画像だった場合、リツイート(転載)だけでも『わいせつ物領布等罪』(刑法175条1項、2年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金)、『18歳未満の場合、児童ポルノ禁止法違反』になる可能性があります。また、名誉毀損に該当する悪質な投稿の場合、投稿をリツイートしただけでも名誉毀損罪に問われたり、損害賠償責任を負う可能性があります」ただ、その画像を私的利用のために保存することを罪に問うのは難しいという。「現状は難しいです。来年1月以降は、違法にアップロードされた写真だと知りながらダウンロードするのは、私的利用目的でも著作権法違反になる可能性がありますが、刑事罰がありません」(正木弁護士)先日も元NHKアナウンサーの神田愛花が11日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)でフェイクポルノ被害を告白。NHK時代に「本物かどうかは別として、これがある限り難しい」と大きな番組に出してもらえなかったという。1度ついたイメージからなかなか脱却できないこの時代、本物か偽物かではなく使われてしまったらもうおしまいなのだ。
2020年10月23日日々、発生する事件や事故。そこには当然、被害者と加害者が存在する。そして彼らには当然「家族」がいる。加害者家族といえば、マスコミが集まる自宅前で泣き崩れ、謝罪する姿が思い浮かぶが、報道されるのはそこまで。そのあと、どんな苦しみが待ち受けているのだろうかーー。凶悪事件も含め、200件以上の殺人事件の家族を支援してきたNPO法人World Open Heartの理事長・阿部恭子さんが、レポートする。※画像はイメージです仁美(仮名・30代)は、いつものように慌ただしい朝を迎えていた。小学生のふたりの子どもたちを学校に送り出すと、自宅の前に車が止まっていることに気が付いた。すると、中からふたりの男性が現れた。「警察です。ご主人はいらっしゃいますか?」仁美は、慌てて身支度を整えている夫を呼びに行くと、特別驚いた様子もなく、「ああ、ちょっと仕事でトラブルがあって……。夕飯までには戻るから」そう言うなり、夫は鞄さえ持たずに止まっている車に乗り込んでいった。これが、仁美が夫を見た最後の姿になった。■気が付かなかった夫の裏切り「強制わいせつ3件、住居侵入も……。まだ、余罪はあるとみています。常習犯ですね」翌日、夫が逮捕されたという連絡を受け、仁美は警察署にいた。夫は早朝や夜間に、ひとりで歩いている女性の後をつけ、抱き着いたり、身体を触って逃げるといった痴漢行為を繰り返していたのだった。まさか、あの人が……。伝えられる事実のすべてが、仁美には想像もできないことだった。「セックスレスでしたか?」男性の警察官から唐突に立ち入った質問をされ、仁美は恥ずかしさで顔を上げることができなかった。「子どもが生まれてからはずっと、夫婦生活はありませんでした」仁美と夫は職場で知り合い結婚。仁美は結婚を機に退職し、二人の子どもが生まれた。夫は穏やかで真面目な性格。交際していたころから浮気の心配などしたことがなかった。夫婦生活が途絶えていたからといって、仲が悪かったわけではない。子どもが生まれ、自然と求め合うことがなくなっていた。平凡だが幸せな日々を送ってきたはずなのに、夫はなぜ破廉恥な行為に手を染めてしまったのか……。■義母からは謝罪どころか「すべてあなたのせい!」仁美は、いつものように生活費を下すため銀行に行くと「残高不足」という表示が出て現金を引き出すことができなかった。仁美はまさかと思い、夫の弁護人に相談すると、夫は4人の被害者にそれぞれ100万円以上の示談金を支払う予定で、既に弁護士報酬も発生している。口座にはもうお金がないのだ。夫は実刑判決は免れず、長期の刑に服することも覚悟しなければならない状況だという。ローンが残っている自宅の処分も進めており、弁護人は仁美にすぐ転居先を探すべきだと促した。仁美は万が一、夫がけがや病気で働けなくなった場合に備えて、きちんと保険をかけてきた。しかし、まさか夫が犯罪を犯して生活に困ることなど考えもしなかった。弁護人は、仁美に生活保護を申請することを勧めたが、仁美は現実が受け止められず親族に援助を求めた。仁美の実家の両親はすでに退職しており経済的余裕はないことから、夫の実家に連絡を入れてみると「こうなったのはすべてあなたのせいです!早く離婚してください」夫の母親はヒステリックに仁美を責め立て電話を切った。夫は両親に、事件を起こした原因は仁美から性行為を拒まれ続けたことだと手紙で伝えていた。ふたりの娘も母親にばかりなついて可愛いと思えなくなっていたという。仁美はひどく傷ついた。事情聴取を受けたとき、警察官から同じ話を聞かされていた。しかし、夫がそんなことを言うはずがないと今まで信じていたのだ。数日後、弁護人から仁美のもとに、夫の署名押印が済んだ離婚届が送られてきた。夫は実家の家族とは面会や文通をしているにもかかわらず、仁美に伝えられる連絡はすべて弁護人を通した事務手続きだけで、謝罪のひと言もない。裏切られ、加害者家族として屈辱的な体験まで味合わせた夫を許すことはできない。しかし、刑務所行きになる夫には借金しか残らず、民事裁判を起こしても得られるものは何もないのだ。仁美と二人の子どもはその後、生活保護を受けて暮らしている。■ママ友からハブられ、ついには子どもまで……夫が性犯罪を起こした妻たちは、自分が性的満足感を与えられなかったことが原因で夫が犯罪に走ったのだと自らを責める。しかし、必ずしもセックスレスが原因で事件が起きるわけではなく、夫婦が良好な家庭からも性犯罪は生まれている。元子(仮名・30代)は、会社員の夫との間に男の子が生まれ、夫婦はそろそろ2人目が欲しいと考えていた。ところがある日突然、弁護士を名乗る人物から元子の携帯に連絡があり、夫が痴漢で逮捕され警察署にいるという。冤罪に違いない。とにかくすぐさま警察署に向かうと、申し訳なさそうに項垂れている夫と弁護人が待っていた。「本当にごめん……。つい魔が差して……」夫は、通勤電車の中で、前に立っていた女子高生の身体を触ってしまったのだという。元子は気絶してしまいそうなほどショックだった。夫が痴漢をしたなんて……。元子はこれでもう一巻の終わりだと思ったが、事件は会社に知られることなく解決し、これまでと同じ日常が続いた。夫は気を使って早めに帰宅するようになったが、元子はどうしても夫を受け入れられずにいた。食事が喉を通らず、一気に体重が落ちてしまい、久しぶりに会った「ママ友」に驚かれるほどだった。元子の様子を心配するママ友のひとりに、元子は思わず事件のことを打ち明けてしまった。そして元子の体調が回復し始めたころ、周囲でおかしなことが立て続けに起こるようになった。自宅に無言電話が来るようになり、郵便受けには卑猥な宣伝のチラシが何枚も詰め込まれていることがあった。久しぶりにママ友同士の交流会に参加しようと連絡をしても、誰からも返信が来ない。例年なら、ハロウィンパーティーの連絡があってもいい時期だが全く音沙汰がないのだ。■「性犯罪者の家族とは付き合いたくない」息子の様子がおかしいことにも気が付いた。いつも友達と遊んで帰ってくるはずなのに帰りが早く、最近は友達の話もしない。「○○君たちと遊ばないの?」息子に尋ねると、「僕と遊んじゃダメって言われてるんだって」「どうして?」息子はわからないというように首を横に振った。元子は、事件のことを打ち明けたママ友の自宅を訪ねると、やはり、彼女が事件のことを周囲に漏らしていたのだった。「なんだか、黙っているのが心苦しくなって……。ご主人、犯罪を犯したのに普通の生活をしてるって納得がいかない」夫が起こした事件であって、家族は関係ないのにーー。元子はそう言い返したかったが、自責の念からとても言葉にできなかった。「元子にはわからないと思うけど、私たち女の子を持つ母親として、性犯罪者の家族とは付き合いたくない」元子はもうこの地域で生きていくことはできないと覚悟した。事件後、定期的に精神科に通院していた夫がうつ病と診断され、しばらく休職することになった。事件を起こす前から職場でストレスを抱えており精神的に不安定だったという。一家は都市部に転居し、専業主婦だった元子も仕事を始めた。元子は仕事を始めるようになって、夫がひとりで抱えてきたプレッシャーが理解できるようになったという。夫の回復を信じ、家族で支えていきたいと見守っている。性犯罪の中でも痴漢や盗撮は、重い罪にはならず、事件以前と変わらない生活をしているように見える家族もいる。しかし、身近な男性が性犯罪に手を染めたという事実は、「妻」や「娘」といった加害者家族の女性たちを精神的にも苦しめ、社会的に追い詰めている。性犯罪は再犯するケースも多く、加害者の更生には長期的な治療が求められ、加害者となった家族を支えたいと思う反面、再犯に怯えながら生活をしている家族もいる。被害者のケアが重要であることは言うまでもない。一方で、女性や子どもである加害者家族のケアも忘れてはならない。阿部恭子(あべ・きょうこ)NPO法人World Open Heart理事長。日本で初めて犯罪加害者家族を対象とした支援組織を設立。全国の加害者家族からの相談に対応しながら講演や執筆活動を展開。著書『家族という呪い―加害者と暮らし続けるということ』(幻冬舎新書、2019)、『息子が人を殺しました―加害者家族の真実』(幻冬舎新書、2017)など。
2020年10月10日※写真はイメージです性被害を訴える女性の「告発記事」がSNS上で反響を呼んでいる。福祉団体で活動中、性暴力を受けたにもかかわらず、被害の口外をとがめられ、黙殺され続けてきたのだ。打ちのめされてなお声を上げた「本当の理由」を、女性が週刊女性だけに打ち明けてくれた。■相談相手は心配するどころか……「福祉団体に関わる中で、外部の関係者から性暴力を受けました。スタッフや責任者に相談しても十分に話を聞いてもらえず、警察に届け出ることも止められ、被害をなかったように扱われたのです」そう打ち明けるのは田中慶子さん(30代=仮名)だ。事件は2015年9月、東京・豊島区の『べてぶくろ』と呼ばれる福祉団体で起きた。自治会のイベント準備中、そこへ出入りしていた地域住民の鈴木章氏(仮名)から性暴力被害を受けたのだ。「当時、午後4時まで介護ヘルパーの仕事をしていました。仕事を終えて『べてぶくろ』のある町会の会館へ行くと、スタッフの高橋五郎さん(仮名)に“鈴木がいるから、お酒の相手をして”と言われました。お酒がなくなり、鈴木氏と2人で奥の部屋に酒を取りに行ったら、そこでキスされたんです。両手で押しのけましたが、勝手口のドアに追いやられ、無理やり胸を触られ、下着の中に指を入れられました」事件直後、田中さんは高橋さんに相談の電話をしている。「高橋さんは“明日、話を聞くから”となだめるようなことを笑いながら言い、電話が切れました。翌日にも話をしましたが、性被害に遭ったのに、その場で対応しなかったことの謝罪はなく、心配しているようには見えませんでした。そればかりか(性被害について話すと)“地域で生活しづらくなるけど、覚悟はあるの?”と、強く迫るようにも、とがめるようにも言われました」それ以後、田中さんは5年もの間、『べてぶくろ』の関係者から事件を軽視され、訴えかけても黙殺されてきた。性被害を明らかにした後、周囲の対応や言動でさらに傷つけられる行為を「2次被害(セカンドレイプ)」という。積極的に関わってきた団体から2次被害を受け続けた田中さんは、傷を深め、うつに苦しむようになる。ヘルパーの仕事も続けられなくなり、退職を余儀なくされた。田中さんが『べてぶくろ』と関わり始めたのは大学生だった’11年10月ごろ。もともと、精神障害などで生きづらさを抱える人たちの居場所として知られる、北海道浦河町の社会福祉法人『浦河べてるの家』(以下、『べてる』)に魅力を感じていたという。『べてる』では「当事者研究」という取り組みが行われている。精神疾患や生活上の困りごとを抱える人たちが自ら独自の“病名”をつけ、症状や生きづらさの意味を一緒に考え、解消法を語り合い、病気を抱えながらも豊かに生きる方法を探っていく。画期的な活動としてNHKなど多数のメディアが取り上げ、海外からも注目を集めている。この『べてる』の関連グループで、東京の拠点のひとつが前述した『べてぶくろ』だ。’10年に複数のNPOなどが関わる形で活動が始まり、参加者が自主的に運営している。実質的責任者は向谷地宣明さん。『べてる』の理事、向谷地生良さんの長男だ。「私が『べてぶくろ』とつながったのは、うつでつらい時期でした。元彼がDV男で(DV被害の影響を)引きずっていたんです。そんなときに『べてぶくろ』が東京に設立され、行くことができてうれしかったです」(田中さん)田中さんは『べてぶくろ』の事務所に足を運び、実質的責任者である宣明さんと交流を重ねた。’12年10月から’13年1月まで、グループホームの世話人を務めるなど有給スタッフとして働いている。その後は介護ヘルパーの仕事をしながらブログ更新などの広報業務のほか、ネットショップの管理、商品管理、食事会や映画会などの企画運営を担ってきた。’15年8月には、空室だった『べてぶくろ』の事務所2階へ転居。事実上の中心メンバーだった。■セカンドレイプを「大目に見て」事件は、田中さんが事務所2階へ引っ越して1か月後に起きた。『べてぶくろ』の宣明さんに話したが理解されず、『べてる』の理事・生良さんにも電話で相談している。「生良さんには“(性被害について話すことをとがめたスタッフの)高橋は前途のある若者だから、大目に見てあげて”と言われました」性暴力被害者への支援活動を行う『レイプクライシス・ネットワーク』の岡田実穂代表は「まず被害の訴えがあった時点できちんと話を聞くべきです。被害を初めて打ち明けたときの対応のよしあしは、多くのサバイバー(性暴力被害を生き延びた人々)にとって、その後に大きな影響を及ぼします」と指摘する。2次被害をもたらした高橋さんとの接触を避けるため、田中さんは『べてぶくろ』の事務所2階にあった住まいから引っ越したいと考えた。「宣明さんは、2次被害への賠償金名目で引っ越し代を支払うのを嫌がっていました。私は引っ越しできれば何でもよかったのですが、話し合いをするうち、宣明さんからこの件の連絡は途絶えました」’16年8月ごろ、田中さんは結局、『べてぶくろ』の事務所2階から自費で退去した。「引っ越して半年後、イベントに出向いて問いただすと、宣明さんに“高橋のことは加害者だとは思っていない”“時間がたってしまったのでしかたがない”などと言われました」のちに田中さんは、’16年当時に行われていた『べてぶくろ』の運営ミーティングの記録メモを入手している。それによると、高橋さんが田中さんへの対応に困っていることが議題にあがる一方、事件や2次被害の問題については一切触れていなかった。「性暴力が身近な場所で起きると、周囲は被害を受けた当事者へ対応するよりも、自己保身に走り、何もなかったように振る舞ってしまうことがあります。性被害にどう対応すればいいかスタッフが判断できないなら、団体として話を聞く場を設けるなど“重要な出来事”ととらえ、対応すべきでした」(前出の岡田さん)今年に入ってからも田中さんは自ら弁護士に相談し、警察にも出向いた。現在、性暴力の加害者である鈴木氏、2次被害を及ぼした『べてぶくろ』の双方に向けて、法的対応を検討中だ。『べてぶくろ』での2次被害について、これまでに田中さんは、当事者研究に関心を寄せる研究者や社会活動家らに手紙などで相談してきた。しかし、返事はほとんどなく、問題だと認識した人は少数で、ますます孤立感を深めた。「そんななかで私を支えてくれたのは、知り合った、性暴力被害を受けた人たち。その出会いに助けられました」一連の被害について、田中さんは’20年5月、文章などを投稿できるウェブサービス「note」に告発記事を書いた。トラウマとなった出来事を思い返すのは苦しかったが、うつに陥りながらも、ようやく整理ができたと話す。「精神的な調子にも波があり、時間がかかりました。早く忘れて楽になりたいという気持ちもありましたが、何が起きたのか広めて知ってもらわないと、また繰り返し起きてしまう。私のような被害者を出したくない──、その一心でした」(田中さん)一方、『べてぶくろ』では、田中さんが「どうして怒っているのか」に注目した話し合いが行われてきた。参加者のひとり、土谷隆司さん(30代=仮名)はこう話す。「話し合いに参加していたころは、性暴力被害の重要性に気づけなかったんです。田中さんさえ許せば、『べてぶくろ』がよくなるんだと思っていました」実は土谷さんも、『べてぶくろ』と関連のある団体で働いていたとき、残業代が支払われなかった問題を「note」で告発している。「長時間労働で(べてぶくろ側と)対立したとき、“どうして怒っているの?”と言われ違和感を持ちました。田中さんがされたことと同じだと思っています」(土谷さん)田中さんや土谷さんの告発に対し、当事者研究に関わる研究者、団体らによる『当事者研究ネットワーク』は6月10日、声明を発表した。第三者委員会を設置し《必要性が認められた場合には、組織変革を通じた修復を目指す仕組みの構築》を行うという。この声明には、当事者研究を専門とする東京大学先端科学技術研究センター准教授・熊谷晋一郎さんのほか、『べてる』の生良さん、『べてぶくろ』の宣明さんも名を連ねている。熊谷さんは、田中さんが被害を相談したときに返信があった関係者のひとりだ。田中さんは『べてぶくろ』での2次被害について《どのように受け止めたらよいかわからず、本当に困っています》などと、フェイスブックで熊谷さんへ意見を求めたが、2次被害への対処や謝罪、検証に結びつかなかった。熊谷さんは、週刊女性の取材にこう回答した。「田中さんの意向を“被害者支援ではなく加害者への再犯防止教育”と解釈し、1年半強にわたり、(協力関係にある)『ダルク女性ハウス』のみなさんのご指導を仰ぎつつ、当事者研究コミュニティーのなかで女性への暴力について、その防止と急性期対応、中長期的支援について共有する取り組みをしてきました。その間、田中さんが不安な気持ちで待っておられたということに認識がいたらなかったのは、私の落ち度です」田中さんが相談をした当時、熊谷さんは、被害の具体的内容を把握しなかった。「被害に遭った時点で(べてぶくろの)スタッフが報告を過小評価せず、被害者側に寄り添って本人の意思決定支援をしつつ、可能な限り迅速に司法手続きを進めるべきだったと私も思います。今から思えば、私も踏み込んで確認すべきでした」(熊谷さん)声明には、当事者である『べてぶくろ』『べてる』の名前があるにもかかわらず、被害者の田中さんに意見を尋ねることなく発表された。こうした経緯についても、熊谷さんは謝罪している。一方、『べてぶくろ』では、実質的責任者の宣明さんが6月21日、ホームページで見解を発表。2次被害を生み出したことを認め、《あらためてお詫びをさせていただく準備をしています》とある。しかし、週刊女性には「現時点で外部の取材に答えることは控えさせていただく」と回答した。前出・岡田さんは「被害者と話ができる状況だったにもかかわらず、意向を確認しないで声明を発表したり、第三者委員会を設置したりするのは、被害者には恐怖です。暴力でしかない」と批判する。7月末時点で、『べてぶくろ』や関連団体から田中さんへの聞き取りはまだない。事件の検証、2次被害に対する謝罪もなされていない。「もし被害を受けたときに、『べてぶくろ』が一緒になって怒ってくれていたら、私はこんなに苦しむことはなかったと思います」(田中さん)その痛切な訴えに、今こそ真摯に向き合うべきだろう。(取材・文/渋井哲也)しぶい・てつや◎フリーライター。栃木県出身。自殺やいじめ、虐待など、生きづらさをめぐる問題を中心に執筆、東日本大震災の被災地でも取材を重ねている。『学校が子どもを殺すとき』(論創社)ほか著書多数
2020年08月08日子供を育てながら、子育てや日常生活についての漫画を描いている、まぼ(@yoitan_diary)さん。1児の母親になったまぼさんは、自身が高校生だった頃に体験した恐ろしい出来事について振り返りました。恐怖を味わった後、かけてほしかった言葉は…?子どもの「怖い思い」と、親の声かけについて(3/3) pic.twitter.com/qbQiwpDNwu — まぼ (@yoitan_diary) July 29, 2020 母親に悪気はなかったということは理解しながらも、あの時かけてほしかった言葉は「怖かったね」というひと言でした。自身の体験を踏まえて、我が子が危険な目に遭った時には寄り添うような言葉をかけてあげようと思ったそうです。【ネットの声】・性被害に遭い、周囲の人に「あなたに非はなかったのか」と問われ、涙が止まりませんでした。でも、この話を読んで救われた気持ちになりました。・私も怖い目にあった時、周囲の人に同じような言葉をかけられショックでした。周囲の人が被害に遭った時には「怖かったね」と声をかけてあげられるようになりたいです。・加害者が100%悪いのにね。どうして被害者にも非があるようないい方をしてしまう人がいるのかな。性被害に遭った時、周囲に責められたことで、その後被害に遭ってもなかなかいい出せなくなってしまったという人もたくさんいました。性被害を受けた人は悪くありません。悪いのは加害者です。そのことを念頭に、まずは被害者の傷ついた心に寄り添ってあげたいものですね。まぼさんはこのほかにも、さまざまな漫画をInstagramにアップしています。気になった人は、ぜひチェックしてみてください。まぼさんのInstagram[文・構成/grape編集部]
2020年07月30日2020年6月から放送開始されたドラマ『MIU404』(TBS系)。第3話のサプライズゲストとして、ミュージシャンである岡崎体育さんが強制わいせつ犯役として出演しました。岡崎さんの演技にネット上では「怖すぎる!」「よくも悪くも気持ち悪くてゾッとする」「演技が上手すぎて鳥肌が立った」などの声がたくさん寄せられました。これまでも、同年1月期のドラマ『僕はどこから』(テレビ東京)で異質なキャラクターを演じ、「恐ろしすぎる」といった声が寄せられていた岡崎さん。演技力の高さから、「岡崎体育は犯罪者顔だ」という声も出ていたようで、その噂を知った岡崎さんの母親がこのようなメッセージを送ってきたといいます。最後の一行でダメージ与えてくる母 pic.twitter.com/6N2xlaOeeC — 岡崎体育 (@okazaki_taiiku) July 11, 2020 SNSで岡崎体育が犯罪者顔って言うてはる人達ほんまに許せない。犯罪者顔ってどういう事やねん。太ってて不細工なだけやんか!@okazaki_taiikuーより引用「太ってて不細工なだけ」という最後の1行が岡崎さんの心にグサリッ!息子をかばおうとしたメッセージも、本音が出てしまったがゆえに、岡崎さんをより一層傷つけてしまったのでした…。【ネットの声】・大丈夫ですよ。それだけお芝居がうまかったということですから!・お母さんの気持ちもよく分かるけど、最後の一撃はでかい!・これは名言ですね!お母さん、最高すぎる。めっちゃ笑った!放送終了後、「犯罪者、ニート、オタクのキャラのキャスティングお待ちしています」とTwitterに投稿した岡崎さん。反響の大きさから、岡崎さんがドラマに出演する機会が増えるかもしれませんね![文・構成/grape編集部]
2020年07月12日イラストレーターの山口カエ(@yamakae)さんが描いた、ある妖怪に大きな反響が上がっています。不思議な力を持っていたり、奇妙な現象を起こしたりする妖怪。一つ目小僧や、ろくろ首など昔から語り継がれており、室町時代の『百鬼夜行絵巻』には数多くの妖怪の姿が描かれています。現代に起きる不思議な現象も、実はまだ語り継がれていないある妖怪の仕業なのかもしれません。朝、目覚まし時計が鳴ると現れるのが…。こういう妖怪もいる pic.twitter.com/xWFmCsJgrw — 山口カエ (@yamakae) June 26, 2020 アラームを消して二度寝へと誘導する悪質な妖怪!寝ぼけて姿を見ていないだけで、実はこの妖怪がアラームを消していたのかもしれません…。どうやらこの妖怪による被害者は多数いるようです。・家に住みついていて困っているんです。・毎日うちに出てます。起きられないのはこの妖怪のせいだったのか…。・お化けは信じないけどこれは信じます!・月曜日はいつもこの妖怪にやられている。大切な試験や、遅刻できない会議などの時は、どうにかこの妖怪が出ないように願いたいですね![文・構成/grape編集部]
2020年06月27日Twitterでは、他国と日本の性犯罪被害件数を比較し「日本は性犯罪が少ない」という声がいくつか投稿され議論を呼んでいます。法務省の調査によると、2016年の強姦件数は989件、強制わいせつ件数は6188件でした。 しかし、これはあくまで警察に届け出があった件数です。法務省では、『警察が認知していない犯罪のうち、どのような犯罪がどれくらい発生しているのか』などを具体的に調査しています。この調査によれば、性的事件の被害にあったものの、警察に届け出なかった人は、全体の74.1%なのだとか。多くの性的被害者が、被害にあったことを通報できていません。性的被害の相談「恥ずかしい」「面倒なやつと思われそう」なぜ、日本では性的被害にあった人のうち、7割もの人が警察に被害届を出せていないのでしょうか。イラストレーターのよねはらうさこ(@yoneharausako)さんは、「日本は性犯罪が少ない」という言葉に対し疑問を持ち、自身の経験を振り返りました。性犯罪を許さない社会をつくりたい pic.twitter.com/HoH9DHikrz — よねはらうさこ (@yoneharausako) June 22, 2020 痴漢の被害にあっても、警察だけでなく、友人や家族に相談することができない人も多いでしょう。被害にあった人の中には、周囲に相談すると「そういう服装をしているから」「夜道を歩くから」など、逆に責められたという声もありました。【ネットの声】・痴漢にあった時、警察と家族に「たかがそんなことで?」「服装がいけなかったんじゃない?」などといわれました。さらに傷付きました。・私も被害にあった時、誰にもいえなかったし、今もいいにくいです。恥ずかしいし、自分は「面倒なやつ」と思われそうと考えてしまうから…。・私は男ですが、満員電車でスラックスの上からお尻を触られました。気持ち悪さに、全身に鳥肌が立ちました。そして、とっさに声を出せないことも分かりました。男でも怖いと思ったのに女性や子供なら、なおさら怖いと思う。「周囲が助けてくれるかどうか分からない」、「相談すること自体が怖い、恥ずかしい」と、被害にあっても相談すること自体に不安を感じてしまうことが、性犯罪の被害にあっても声を上げられない大きな原因なのかもしれません。改めて、一人ひとりが「痴漢は犯罪であり、許されない行為」という意識を持ち、犯罪を看過しない社会にすることが大事なのではないでしょうか。[文・構成/grape編集部]
2020年06月24日皆さんこんにちは。河西です。今回は、「お子さんを性犯罪から守るために大人ができること」をテーマにしました。というのも、小さなお子さんを狙った性の犯罪がここ数年で非常に増えています。犯罪者にとっては、いっときの快楽。でも子どもは一生の傷を負います。保護者の方からの関心も高く「どうしたら守ることができるのか教えてほしい!」と相談をいただくことも多くありテーマとさせていただきました。子どもに「羞恥心」を教えていきましょう皆さんは、羞恥心という言葉を知っていますか?言葉は知っていても、その意味を知らない人は多いのではないでしょうか。羞恥心とは、『自らを恥ずかしいと感じる心』を指します。この羞恥心は、自分と他人の違いがわかる3歳から4歳前後に一番育ちやすいと一般的には言われています。日々の生活の中で、大人が「人前で洋服を脱いで着替えることが恥ずかしいことだ」と指導していくことが大切です。「そんなことで犯罪から守ることができるの?」と思う方もいるかもしれませんが、人前で着替えることに恥ずかしいという気持ちがもてるようになると、見ず知らずの大人に「脱いで」と声をかけられた時、きちんと「いや!」と意思表示が出せるようになります。家だから、身だしなみは気にせず何でもOK!ではなく、家も外も同様に、羞恥心を育てられるような環境と日々の声かけが重要となってきます。また、現代はスマートホンでいつでも写真が撮れる時代になりました。人前に出る時は、身なりをしっかりとしていなければならないという意識をもっていると、幼児を目的とした(下着などを写すような)盗撮などの事件に合う確率が低くなります。子どもの側にいつも親がいるとは限らないですし、周りにいるすべての大人が守ってくれるとは限りません。最低限の身だしなみを整えることを子どもがしっかり学んでいれば、自分の身は自分で守ることができます。そして、大人が「羞恥心」を育てる大切さに気づくことも子どもを性犯罪から救う手立ての1つともなります。慌てて子どもに対して「羞恥心」を育てようとしても、時期を逃せば身につくのに時間がかかってしまいます。この育ちの時期に、大人が子どもに対して人前に出る時には、その場にふさわしい格好があることを教えていけば、子どもは羞恥心を自然と習得します。「たすけて!」と言える訓練をする羞恥心は、犯罪から身を守ることができますが、実際に事件に巻き込まれた時に、どのように声を出してよいのかわからなくなってしまう子は多くいます。大人も同様に、犯罪に直面したとき声の出し方を忘れてしまうとも言われていますね。では、どうしたら良いのか?それは、訓練が必要です。保育園では、月に1度「避難訓練」というものをしています。「火事」や「地震」が主なのですが、中には「不審者が出たときの対応」なども子どもと一緒に学びます。自分に危機が迫った時に、大きな声で「たすけて!」と言えるような練習を日々家庭に中でも練習していくと、いざという時に、「たすけて!」と声をだすことができるようになります。プライベートゾーンの大切さを子どもと一緒に大人も学ぶ「プライベートゾーン」を知っていますか?これは、アメリカで生まれた言葉で「他人に見せても触らせてもいけない、性に関係のある、自分の身体の大切な場所」という意味があります。主にどこを指すかというと「水着を着た時に、肌が隠れている場所」と「口」です。子どもたちに言葉で、性犯罪のを説明しても難しいと思うので、実際に水着を着せ、鏡などを使って、肌の隠れている場所を見ながら話をすると、子どもは「あぁ、ここは見せてはいけないんだ。自分だけの大事な場所なんだ。」とイメージをしやすくなります。幼児期になると、子ども同士で性器の見せあいをして楽しんでしまう光景がよく見られます。これは「その部分に興味がある」という表れでもあります。このような姿が見られたら、プライベートゾーンを教えるいいチャンスです。大人が子どもへプライベートゾーンを教える際に、伝えるべき4つの約束ごと。プライベートゾーンは、大切な場所だと教え、自分以外の人には見せないように伝える他人のプライベートゾーンは、絶対に触らない触られてしまったときは、お家の人にきちんと伝える友達を含めた人や知らない人に触られそうになったら、「いや!」と言えるように練習する(これは先程の話同様に、練習することが大切です)そして、大人が子どもに声を掛ける時、特に気をつけてほしいのは、子どもがふざけて性器を見せてしまった時に「しまいなさい!」「汚い!」「やめなさい!」などの否定的な声掛けをすること。これだけは、絶対にやめましょう。こうした否定的な言葉がけは、子どもがどうしてその行為をしてはいけないのかがわからないままになってしまったり、子ども自身が、否定されてしまったことで、性器=汚いものになってしまい、犯罪にあったときに、「汚いことだから誰にも言っては行けないんだ」と勘違いをしてしまいます。あくまでも、「大切な場所」ということを教えていくことが大切です。プライベートゾーンに興味を持ったタイミングで、大人がきちんと説明していくと、子ども自身も、性器を人前で安易に出してはいけないことを学習し、健やかな身体と心の成長をしていくでしょう。性の犯罪から守れるのは、大人からの教えです。生きていく時に必要となる力を、私達が子どもにしっかり教えて、子どもたちの未来を守っていけるようにしたいですね。
2020年06月06日前回は小1のときに受けた「性被害」について書きましたが、今回は、被害を友達に打ち明けたのに信じてもらえなかった話です。私は、保育園年長と小学1年に受けた被害を、誰にも言えないまま小学3年生になりました。加害者の男子3人も、ずっと同じクラスでした。話せないけど、誰かに話したい。話してこの胸の黒いモヤモヤを軽くしたい、そんな気持ちでした。私は当時場面緘黙症(ばめんかんもくしょう)という不安障害で学校でしゃべることができませんでした。なので、小学校で初めてできたいちばん仲の良い友人に、筆談で過去2回のできごとを打ち明けました。すると…友人は信じてくれませんでした…加害者が知り合いだったり、教師や親、親戚の人などが相手だったりすると被害者が嘘つきだと思われることも多いと思います。そして、私の話は、加害者が子どもだったことで、打ち明けられた友人も「子どもがそんなことするわけない」と本当に思ったのでしょう。友人も当時小学3年生だったので《そんな恐ろしいことが起きるわけがない!》という恐怖心もあって《被害者が嘘をついている》と思ってしまったのかもしれません。大人でも信じがたい話を、子どもが信じられないのも無理ないことだったのかもしれませんが、信頼していた友人に勇気を出して打ち明けたのに、嘘つきだと思われてしまった私はショックでショックで、大人になる今まで、誰にも話せなくなっていました。性被害者に対して、第三者がさらなる苦痛を与えるセカンドレイプと呼ばれる現象は、今でも多くみられます。最初の被害だけでもツラいできごとなのに、信じてもらえないということで、さらに心の傷を受けてしまう可能性があるのです。もし子どもが誰かから受けた嫌なことを話してくれた時は、受け流さず、ちゃんと話を聞いてあげてほしいです。次回は、もし子どもが被害にあってしまったときにどう対応するのがいいのか、被害経験者の立場で、私なりの考えをお話ししたいと思います。
2020年02月19日前回は私が年長のときに経験した「性被害」のお話でしたが、今回は子どもを被害者にも加害者にもしないために、親ができることを考えたいと思います。私がこの話をブログで書いたときにいただいたDMやコメントの一部をご紹介したいと思います。ママのトイレ中に子どもが入ってくることはよくあることだと思いますので、その延長で善悪の区別がつかず興味のままに他の子どものトイレをのぞいている子もいるのかもしれません。また、驚いたのは…驚いたことに女の子が性的な嫌がらせを起こしてしまうパターンも少なくありませんでした。男子だからとか、3歳だから大丈夫とは言えないと思います。いただいたDMやコメントはここでは内容をぼかして書きましたが、ここに書けないような悲しく重い被害体験もたくさんあることが分かりました。私自身も子どものころ3人の同級生から性的な嫌がらせをされたので、明るみに出ない被害者はきっと多いのではと思っていましたが、思った以上に反響があり、子どもの間でもここまでのことが起きてしまうのか…と驚いた事例もあります。小さい子だと3歳から、男女関係なく、被害者にも加害者にもなりえます。みんな他人事ではないことをわかってもらえたらと思います。子どもが性的な映像を見て善悪の判断がつかないまま、興味本位で問題行動を起こしてしまうこともあります。子どもが性に興味を持つこと自体は自然なことだと思いますが、善悪の判断がつかないうちは親が配慮する責任があると思います。小さいうちは、被害も加害も関係なくみんなが被害者だそうです。善悪の判断がつかないまま興味のままに性的な問題行動を起こしてしまう子どもも、ある意味「被害者」です。子どもが小さいうちからの性教育と大人の心構えでこういった被害者は減らせると思います。私が2人の男子を育てる上で気をつけているのは下記のことです。・性的で過激な映像が子どもの目につかないように配慮する・他人のプライベートゾーンを見たり触ったりしてはいけないことを教える・自分が触られたり見られたりしたら逃げる。もしされたら必ず大人に話すこのことを3歳の次男と6歳の長男にしっかり教えているおかげで、なにかあったときはすぐに報告してくれています。起きて欲しくない「なにか」は息子たちの周りでも実際に起きています。その度に、ちゃんと身を守る術を教えておいてよかったと思います。次回は、私が小学校入学したばかりのころ、下校中に起きた性被害についてお話しします。
2020年01月22日オーストラリアの山火事により、ニューサウスウェールズ州のラッセル・クロウの自宅が被害を受けたことが明らかになった。ラッセルが「私はオーストラリアにはいない。家族は友人たちと避難していて無事だ。昨日の日中遅くに家が火事に遭った。被害エリアのみなさんのことを思うと胸が痛む」と森林が燃えている写真や、家に火が迫ってきている様子が分かる写真を添えてツイート。ファンたちは「気の毒に。でもあなたや家族が無事でよかった」と深い同情を示した。しかし、ラッセルのご近所さんは違う感情を持っている模様。近所に住むデビー・ウォルドンさんは、ラッセルに対する消防局のVIP待遇に不満をあらわにしている。地元のニュース番組「Seven News」に、「私はものすごく怒っています。だって、友達の家が燃えているというのに、すべての消防車がラッセル・クロウの家に向かって行ってしまったのですから。普通の、一般の人たちはどうなるの?」と語った。このクレームを受け、同州の消防局は「消防隊員は最も必要とされる場所に優先的に送り出されており、だれが持ち主であるかということは意識していません」と“セレブ優遇”を否定している。(Hiromi Kaku)
2019年11月13日ウーマンエキサイトをご覧の皆さま、こんにちは。男子の園に身を置いているせいか(?)家庭内の放送コードが崩壊しているtomekkoです。そんなワタシが今、とても関心を持っているテーマ、それは「性教育」です。実は最近、連載している雑誌でも取り上げたのですが、本を読んだり取材したりしてみて、時代に合った性教育って本当に大切だとつくづく実感しました。インターネットの世界が当たり前の現代。ワタシたちの幼少期とは比べものにならないほど「性商業」との出会いのきっかけは身近なんですよね。最近では音声検索もできるため、文字の読み書きができない3歳ぐらいでも、簡単にアダルト動画などに行き着いてしまうことができるのだとか。それも最初に出会うものが、残酷なことをされて女性が喜んでいるかのような間違ったファンタジーだとどうなるか…考えるだに恐ろしいですよね。そんな情報が溢れかえる時代において、性の話をひた隠しにして子どもたちに出会わせないようにコントロールする、なんて無理な話。小鳥の目の前でお米ぶちまけちゃったけど一粒も食べさせるなって言われてるぐらいの絶望感ですよ…と、そんな無力感に苛まれてても仕方がない!発想を変えてみよう!今、まだ真っ白な、なんでも吸収できる子どもたちの心のキャンバスに正しい知識を伝えていけるのは、やっぱり親。男女の体の特徴や「自分と他人の体を大切にすること」自分たちが生まれてくるために「女性には男性と違う変化が起こること」女性の痛みや苦しみを代わってあげられない分「男性には労わる優しさを持っておいてほしいこと」そういう話って、話が通じない赤ちゃんのころから繰り返し言って聞かせる交通ルールと同じで自分の生命を守る大切なお約束なんですよね。ぜんぜんいやらしいことでも、恥ずかしいことでもない!わが子を加害者にも被害者にもしないために、母さん今日からちゃんと伝えていく!と決意しまして。まずは生理のことを隠すのをやめてみました。しかし…ん…?なんか思ってたんと違う。ちょっと面白がられとる…よく聞くのは、お母さんが生理の時に痛くて辛いことをちゃんと伝えると、子どもが優しく寝かしつけてくれたり、お母さんを看病しようとしてくれたり…なんてほっこりエピソードだったんですけど…?長男は、最初に聞いた時にはびっくり、次にちょっと怖がり、今はどんなふうに痛いの? など詳しく聞きたがるようになりました。次男、大丈夫? 優しさ…育ってる?不安を隠せない母ですが、こういうことは繰り返し伝えることが必要だと思うのでめげずに伝えていこうと思います。そしてもう一つ、家庭内では明るくオープンに性のことを話せるように、(もちろんTPOがあることは定期的に伝えながら)男女の体の違いや人に見せてはいけない、触ってはいけない場所などをクイズ形式で教えることも実践してみています。するとある日のこと、影響を受けたのか?長男から珍しく出題してきました。正解はもちろん「のどち○こ」(この伏せ字いる…?)なのですが…ふとすっごい視線を感じて見ると、すさまじく動揺した様子の次男が食べたものを次々に体に取り込んでいくという神秘的な勘違いをする3歳児に…母さん完敗でした。ちなみに次男は、食べたものの色のウンコが出るというカタツムリ信仰も持っており、牛乳を飲んだら白いのが出るはず!! と嬉々として毎朝トイレに向かってますがいまだに成功できていません(でも考えは曲げない…)。そんなわけで、後半伏せ字多めでお送りしたわが家の性教育事情ですが、真面目な話、何より大切なのは親自身の意識改革だと思っていて。男の子の親なので父親の方が適任だと思っていたこともあるのですが、現状ワタシたち(アラサーアラフォー)までの世代って、男性は女性よりもずっと性教育をきちんと受けていないので余計に隠すものという意識が強く、なかなか積極的には子どもに教えられないものなんだそう。わが家も子育てにはかなり協力的な夫ですが、たしかに赤ちゃんの頃の剥くor剥かない問題でさえ、相談しても話自体にあまり乗り気でなく困った記憶があります。それぞれの家庭に合ったやり方があると思いますが、わが家はまず母親から家庭内の話せる環境づくりをしてみようかな、と思っています。もちろん今後、思春期に入ってまでオープンに…ということではありません。(こっちだって聞きたくない話もある…!!)むしろ親との距離が広がる前の幼児から小学生までの間に、正しい性の知識を伝えておけたら、その先でいろいろな場面や情報に出会っても正しい判断ができるのではないかな、と思います。まだまだわが家も発展途上(そして前途多難…)ではありますが、それぞれの家庭で考えるきっかけになったらと、今後も記事や日々の投稿で伝えていきたいと思います!<2019年9月30日 修正>記事内の文言を一部修正いたしました
2019年09月29日毎日のように流れてくる性犯罪のニュース。「わが子が性犯罪に巻き込まれたらどうしよう」「将来、性犯罪者になってしまったらどうしよう」と、小さい子どもを持つ親としては不安や悩みは尽きません。そんななか今、注目され、見直されているのが子どもへの性教育。ユネコスが2009年に発表した「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」では、なんと5歳からの性教育を推奨しています。とはいえ、”性教育後進国”の日本ではまだまだ認知度は低く、「何を、どうやって、どこまで」教えればいいのか、まったくわからない大人が大多数。そこで、性教育アドバイザーで「とにかくあかるい性教育【パンツの教室】協会」代表理事・のじまなみさんに今日から始められる性教育についてお伺いしました。世界中のポルノの6割が生産されている日本では、コンビニにいけば成人雑誌が子どもの目の高さにあり、タブレットを使えば誰でも簡単にYouTubeにアクセス時代。性教育アドバイザーとして、年間5000人以上のママたちに家庭でできる”楽しい性教育”を伝えているのじまなみさんは、「ユネスコの推奨している5歳では遅い!3歳からの性教育が必要」だといいます。「3歳なら、やっていいこと、悪いこと、やられてダメなことはしっかり理解できるんですよ。女性の社会進出がこれだけ活発になると、子どもをベビーシッターさんや保育園に預けるのは当たり前。子どもたちはいろんなところに身を置きながら、生活していく中で、いつ被害に合うかわかりません」小さい子ほど性の被害者になりやすく、年少・年中になると、男の子が女の子のスカートの中に手を入れたり、先生の胸を揉んだり…と、目に見えるトラブルも増えてきます。子どもたちが出会う大多数の大人は、愛情を持って子どもたちに接してくれますが、残念ながら、その中に性犯罪者が混ざっている可能性があります。数ヶ月前には、大阪のある保育園の副園長がずっと子どもにいたずらしていたというショッキングな事件がありました。「ご自身が性犯罪の被害にあったママたちにもたくさんお会いしてきましたが、皆さん、口を揃えて言うのは『私の周りに悪い人がいることを誰も教えてくれなかった』ということ。小さな子ほど素直なので、安心しきってしまう。でも、していいこと、ダメなこと、されたらダメなことがわかっていれば、『これはおかしなことだな』と判断がつき、誰かに報告することができます。性教育の一番のメリットは、性犯罪から身を守ることができること。もし同級生の男の子にされて『友だちだからOK』と思ってしまっていたら、たとえば10歳上のお兄ちゃんにされても、『これはお友だちにされたから、別にいいものではないか?いいんだよね?』という認識になってしまします。その基準を教えてあげられるのは親や先生だけ。それは赤信号を渡っちゃダメ!というのとなんら変わらないのです」もう1つ、性犯罪の被害者たちの多くが口にするのが、「親にこれを言っていいとは思えなかった」という言葉。「これを言ったら嫌われてしまうかも」とか、「信じてもらえないかも」と思い、言い出せないのだといいます。「子どもたちは、親のことが大好きだから言い出せないんです。でも恋人ができたり、結婚したり、子どもができてわが子が当時の自分と同じくらいの年になって…と、人生の節目節目でフラッシュバックが起こる…。それで、子どもには同じ目にあわせたくないという一心で、私の話を聞きにいらっしゃる方がとてもたくさんいます」のじまさん曰く、3歳と言わず、0歳からでも性教育はできるといいます。「性教育に年齢は関係なく、教えてあげられることはたくさんあります。まずは、自分の体を好きになること。あなたは愛されて、生まれてきたんだよと伝えることも立派な性教育。自分は特別な存在なんだって子どもが思うこと。そして、自分の体を好きになり、異性との違いを理解していきます。次に命を生み出すものとして性交があり、性犯罪を防ぐ話がある。この3つの軸があれば、どこからでも性教育の話をすることはできます」〜性教育の3つの柱〜(1)異性との違いを理解する(2)命を生み出す性交(3)性犯罪を防ぐちなみに、性教育のスタートは3歳からとお伝えしましたが、適齢期としては3〜10歳がいいそう。10歳を過ぎると、親から”性”に関する話を聞くことすら嫌悪感を抱くのでもはや聞く耳を持ってくれなくなります。「うんち、ちんちん、おっぱい」が大好きな未就学児は、性教育に一番向いているときというから、善は急げ!どうやって性教育の具体的な話をすればいいか、第2回以降のお話に続きます!のじまなみ性教育アドバイザー。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会代表理事。性教育にオープンな父のもと、長崎県で生まれ育つ。防衛医科大学校高等看護学院卒業後、看護師として泌尿器科に勤務。子どもたちが危険な性の情報に簡単にアクセスできることに危機感を抱き、2016年、同協会を設立。年間5000人以上のママたちに性教育の大事さを伝える。著書『お母さん!学校では防犯もSEXも避妊も教えてくれませんよ!』(辰巳出版)はベストセラーに。中1、小4、4歳の三姉妹の母。とにかく明るい性教育【パンツの教室】協会撮影土佐麻理子取材・構成吉田理栄子
2019年08月06日