2011年1月、ロンドンに留学中の阿佐ヶ谷スパイダース主宰・長塚圭史が手にし、号泣しながら読んだという三好十郎作の戯曲『浮標(ぶい)』。「万葉の時代から続く日本人の思想が全体に表現され、それでいて古臭くなくてセリフがモダン。そして知的。これを是非上演したいと強く思った」と語る長塚。帰国後、自身のソロプロジェクト葛河思潮社の第1回公演として2011年に上演。その後に起こった東日本大震災で日本が大きく揺らぐ中、翌2012年に東京、仙台で上演。こちらも大きな反響を呼んだ。3度めとなる今年は、神奈川を皮切りに西日本を中心に回り、三好十郎の出身地・佐賀での公演も実現。葛河思潮社『浮標』チケット情報「上演したら4時間になるらしいと聞いてたので、まずは自分が本読みで“久我五郎”をやったんですが、そこでも大泣きして(笑)。どれだけ好きなんだって話ですけど。それで自分の中でイメージが一番近かった田中哲司に台本を送りつけて。そしたら『これ、もし演るのだったらギャラなんていらない』と言われて。俺は何ていい人に声をかけたんだと(笑)。でも実際にやりだしたら、彼がみるみる痩せていったんですよ。初演は特に地獄だったみたいですね」日中戦争の影が忍び寄る時代を舞台に、自己の芸術を信じる洋画家・久我五郎(田中哲司)が、肺を病む妻の美緒(原田夏希)を看護しながら貧困と闘う姿を描く本作。 セットは木枠に敷き詰められた砂のみ。そのシンプルな舞台で繰り広げられるのは「生と死」だ。「生きる事とは?というテーマを徹底的に解剖する約4時間(1幕75分、2幕55分、3幕90分)。一瞬に人が死んでいく戦争というものを背景にしながら、美しい言葉を感じながら生と死に対する思考ができる。こんな豊かな時間はないと思います。久我夫妻と対峙する、市井の人々の生き方やセリフも素晴らしくて。4時間というと長く感じられるかもしれませんが、実際観てくださった方からは『あっという間だった』という感想を多く頂き、戯曲の力、そして役者の力も実感しましたね。こんな劇があるんだ、という事を知ってもらえたら嬉しいです」。劇作家としても、この三好十郎作品との出会いを大きかったと語る。「これまでの自分の作品に対する愛はもちろんありますが、劇作に対する考え方が大きく変わったかもしれないですね。これからまた、阿佐ヶ谷スパイダースの以前の作品を上演したりするのですが、そこにも影響があるかも。こんな風に後世に残せる作品を書きたい気持ちが強くなったと思います」今回で田中哲司の出演は最後になるらしく、長塚本人が寂しくて仕方ない、と嘆く。「ああ、あと何回だなあと終わる度に切なくなってます(笑)。今回3回めにして、よりよく熟成されたというか、言葉の輪郭みたいなものがより深く出せるようになりました。是非、新たな感動を味わって欲しいですね」公演は今後、三重、福岡、佐賀、東京で上演。チケットは発売中。
2016年08月17日長塚圭史のソロプロジェクト葛河思潮社の第五回公演『浮標(ぶい)』が、8月4日に神奈川で開幕した。本作は、1940年に初演された三好十郎の戯曲で、葛河思潮社の公演全5回のうち3回上演している作品。日中戦争の影が忍び寄る時代を舞台に、洋画家・久我五郎(田中哲司)が、自己の芸術を信じ、肺を病む妻の美緒(原田夏希)を看護しながら貧困と闘う姿を描く。舞台セットは、黒い木枠の中に白い砂が敷き詰められた、砂場のような造り。両側に椅子が並べられ、出演者は出番以外もその椅子に座り、砂の上で繰り広げられる芝居を見つめる。死にゆく妻を必死で看病する男・五郎を演じるのは、田中哲司。葛河思潮社の本作初演から3度目の出演で、最愛の妻が生き延びられるならどんなことでもする、というギリギリの精神状態で、約4時間(1幕75分、2幕55分、3幕90分)を演じ切る。そして、病床の妻・美緒を演じるのは原田夏希。長塚演出作品は2作目で、本作は初めての出演。最初から最後まで寝たきりの状態、つまりほぼ上半身だけで、死を目前にした人間の揺れ動く感情を豊かに演じていた。夫婦のそばには、耳は遠いがおしゃべりで明るい“小母さん”がいて、五郎と共に美緒の看病をしている。そこに訪ねてくるのが、美緒の親兄弟や、金貸しの友人、大家、腕利きの医者、兵隊の友人らだ。彼らは、五郎に画壇の話をして圧力をかけたり、美緒の財産を譲るように画策したり、出征が決まって挨拶に来たりする。しかしだからといって、単純なヒールやヒーローにはならない。夫婦を困らせるために存在しているのではなく、彼らは彼らで生きていくために今この場面に登場していると感じさせるのだ。生きることはきれいごとでは済まされない。しかし、きれいなこともちゃんとある。さまざまな想いが幾重にも重なった芝居で、生きることと切り離せない“生々しさ”を際立たせる。命が終わりつつある美緒にねだられ五郎が詠むのは『万葉集』だ。言わずと知れた、日本に現存する最古の和歌集。約1300年前の歌が今も詠み継がれていることに、美緒に残された「生」を見つつも、やはり「生きる」ことの絶対的な価値を突きつけられた。公演は、8月7日(日)までの神奈川・KAAT神奈川芸術劇場を皮切りに、愛知、兵庫、三重、福岡、佐賀、東京にて上演。取材・文:中川實穗
2016年08月10日福山雅治が主演の月9ドラマ「ラヴソング」が6月13日(月)今夜、最終回を迎える。これまで「ひとつ屋根の下」をはじめ「いつかまた逢える」「パーフェクトラブ!」「ガリレオ」と数々の“月9”ドラマで主演を務めてきた福山さん。「ガリレオ」シリーズ以来3年ぶりとなった本作では、ミュージシャンとしても数々の記録を打ち立ててきた福山さんが“一発屋”の元音楽アーティストを演じることも話題となった。またヒロインの佐野さくら役にはオーディションで選ばれた藤原さくらが抜擢。藤原さんは音楽アーティストとしての活動経験はあるものの本作が演技初経験ということもあり、月9ヒロインで女優デビューという“シンデレラストーリー”にも注目が集まった。福山さん演じる主人公の神代広平は、唯一のヒット曲はあるものの、その後はヒットに恵まれず、音楽業界を離れて20年が経つ元プロミュージシャン。いまだ音楽への情熱を完全に断ち切ることができないまま退屈な毎日を過ごしていたところに、“人とのコミュニケーションが苦手”というコンプレックスを抱え孤独に生きてきた藤原さん演じるさくらが現れるところから物語は始まった。さくらの“歌声”という才能に魅了され「もう一度自分を試したい、認められたい」と考えるようになる神代。その後さくらはレコード会社のスカウトを受け、神代もレコード会社からラヴソングを作るよう求められることに。2人はラヴソングを作りさくらはレコーディング。神代もトップアーティスト・シェリル(Leola)に楽曲提供することになる。そんな中、さくらの喉に悪性の肉腫が発見される。手術が必要で、手術後に声が残る可能性がきわめて低い病状だということが分かる。さくらから話しを聞いた幼なじみの天野空一(菅田将暉)は「いまのうちにやりたいことをやろう」と提案。さくらの本当にやりたいことは…というのが前回までの物語。最終回となる第10話では、さくらの手術を知った中村真美(夏帆)が野村健太(駿河太郎)との結婚式を前倒しし、披露宴でさくらに頼んでいたスピーチをしてもらおうとする。手術でさくらが声を失ってしまった場合、その願いは叶わなくなるからだ。スピーチ前に神代にいままで言えなかったことを伝えようとするさくらだが、空一が迎えに来てしまう。手術前日、神代は増村泰造(田中哲司)から、さくらが手術の同意書にサインすることを拒んでいると相談される。さくらの病室へ行く神代だがさくらは真美や空一、神代の言葉にも反応しない状態。空一は神代に手術を延期できないかと問うが、神代はさくらは手術を延ばせば延ばすほど声を失ってしまう可能性が高いと告げる。病室でさくらと2人きりになった神代はさくらが持って来ていたギターで、初めてさくらの歌を聴いた時の曲を奏でる。ともに歌ううち表情が戻って来たさくらは「もう一度歌いたい」と泣きじゃくる。神代は歌うためにも手術をしようとさくらに伝える。手術を受けることになったさくらは再び神代と歌うことができるのか――。福山さんと藤原さんの歌声が織りなす美しいハーモニーも今夜がファイナル。感動の結末をその目にしっかり焼き付けて。「ラヴソング」は6月13日(月)21時~フジテレビ系で放送。(笠緒)
2016年06月13日4月、新年度がスタートして早10日。新しい環境、新しい仲間、新しい仕事にそろそろ慣れてきたころ…では?加えてお花見や送別会に歓迎会なども立て続き、ちょっぴりお疲れモードという方に、最新CM考から処方箋!CMの中のイイ男たちに癒してもらおう!■誰か代わりに家事をして!そんなやる気の出ないあなたにまずは、先の月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」で好演を見せた高良健吾。波瑠、香椎由宇、山本美月と共演する「GU」、大河ドラマ以来のサムライ姿「キリン 淡麗 極上<生>」など、CM界でも注目度上昇中だが、おすすめは「いつ恋」の“練”くんさながらの優しさで、落ち込むガールフレンド・早見あかりに手料理を振る舞う「創味シャンタン2016カップル篇」だ。「だから、もう泣くなって。とっておきの作ってやるから」という高良さんの“キュン死”セリフには、早見さんでなくとも、涙はあっという間に乾くはず。しかし、CMでは早見さんが自身のハマリ役「ラーメン大好き小泉さん」ばりに隠し味・創味シャンタンに気づき、「男はみ~んな新しいものを選ぶの」と詰め寄られてしまう高良さん。若干涙目になりながらタジタジになってしまうのだ…。そんな高良さんの姿もひっくるめて、癒しの効果は抜群。また、朝ドラ「あさが来た」で“五代ロス”、深田恭子主演ドラマ「ダメな私に恋してください」で“主任ロス”なる言葉を生み出したディーン・フジオカのダスキン「家事シェルジュ・登場」も、癒やしの効果大。初主演ドラマ「喧騒の街、静かな海」や綾瀬はるか主演の「精霊の守り人」などに続々出演が決まっているディーンさんは、いま飛ぶ鳥を落とす勢い。メガネに蝶ネクタイのコンシェルジュ姿で、「すべて私にお任せください」と微笑まれたら、「はい、よろしくお願いします」と答えずにはいられない!?さらに、朝ドラといえば、始まったばかりの「とと姉ちゃん」でヒロインの父・竹蔵を演じ、朝から女性たちの心を癒したのが西島秀俊。丸メガネに着物、物静かで決して怒らず、自らを「とと」と呼び、娘にも丁寧語で接する姿には“とと萌え”する人が続出。残念ながら、西島さんの登場は第1週のみとなっており(いまのところ)、早くも“ととロス”“竹蔵ロス”の声が聞こえてきそうだが、ライオン「香りとデオドラントのソフラン」のCMでは、子煩悩な主夫の西島さんに出会える。新しいCMでは、子どもの家庭訪問をすっかり忘れ、「今日だっけ?」と慌てて部屋干しの洗濯物を取り込む“とと”の姿に、パワーをもらえそうだ。■“キリッ”とカッコイイ姿にうっとり!刺激が必要なあなたにやはりスーツをキリリと着こなすイケメン男子は、目と心の保養にオススメ。カッコイイといえば、朝ドラの“ブレイクトリオ”ともいえる福士蒼汰、鈴木亮平、玉山鉄二が、同じ会社の同じ部署にいるという「みずほフィナンシャルグループ」のCMは見逃せない。飄々としてマイペースな玉山さん、面倒見がよく頭脳派の鈴木さん、素直で元気な若手の福士さんと、それぞれキャラも立っている上、3人組の上司として大人の男・田中哲司も参戦。さらに、新入社員として黒島結菜も加わった「スマホで口座開設。篇」の30秒バージョンでは、3人の“コント”(?)の後、黒島さんの「カッコイイと思います」に「だろっ?」と三者三様で応じる決め顔は必見!誰もが「黒島さんになりたい!」「この部署に入りたい!」と願うことだろう。スーツ姿といえば、「GENERATIONS」&「EXILE」の白濱亜嵐の単独初CMとなるロート製薬「OXY」も、そのクールなカッコよさが評判。そのWEB限定動画は、先立って公開されたティーザー版から話題を呼んでおり、その後解禁された「Mr.OXY THE MOVIE」では、肌トラブルが発生した男性のもとに駆けつけるスキンケア探偵“Mr.OXY”として、白濱さんが颯爽と登場。停車中の車をスマートに飛び越え、華麗なジャンプを見せたかと思えば、“壁ドン”まで披露!今後もさまざまなパターンが用意されていることがメイキング動画からも伺え、この春夏の要注目CMの一つとなっている。一方、フォーマルなスーツ姿の探偵で決めるのが、「ジョージア」CMシリーズの山田孝之だ。「彼の名はプレミアム~」のナレーションに合わせてキレ味あるアクションで次々敵を倒していく「極上探偵活劇 Mr.PREMIUM」は、実は書き下ろしコミックとの連動企画。だが、時にはニセ札をつかまされたり、美女に腕をとられて「今日はダメよ」とお断りされたりと、ちょっぴり情けないところもあり、どこか盟友・小栗旬が演じた“あの怪盗”を彷彿とさせる場面も…。かと思えば、“働く男”シリーズの一つでは、「誰、あのおじさん」と子どもたちに言われてしまう、公園のブランコで怪しい動きをする“施設点検員”として登場。山田さんは実際の点検員からレクチャーを受けたそうで、安全を確認するためとはいえ、あの独特な動きは何だかクセになりそうに。その後、子どもたちの笑顔に囲まれ、充実感を噛みしめる山田さんの姿は、ほっこりした笑いを届けるとともに、「私もがんばろう」という気にさせてくれるから不思議だ。(text:cinemacafe.net)
2016年04月10日昨年10月に福山雅治がMCを務めるスペシャル番組として大反響を呼んだ「ウタフクヤマ」。この度、3月27日(日)に、蒼井優、小室哲哉、奥田民生らを迎え、再び放送されることが分かった。本番組は、リリー・フランキーが店主の「スナック泣かせて」を舞台に展開され、福山さんと豪華常連客たちによる夢のセッションや、福山さん、リリーさんとお客たちによる歌とお酒を交えた大人のトークが繰り広げられ、話題を集めた。そして半年ぶりに3度目の放送となる今回は、“スナックのママ”として蒼井さんを迎えている。「お芝居の現場だけでなく酒場でも信頼がおける」と福山さんからのラブコールを受けて実現した。そんな蒼井さんは、「最初は緊張しました。こんな酔い方をしたのは初めてです」と本番組ならではの世界観を楽しんだ様子。さらにそのスナックを訪れたのは音楽の多方面で活躍する奥田さん、「JUN SKY WALKER(S)」の宮田和弥ら豪華メンバー。前回の放送に引き続き、小室さん、三沢またろうらも集結し、そこに「NMB48」「AKB48」の山本彩も加わり、豪華かつ賑やかな顔ぶれによりさらにパワーアップした形となっている。またMCである福山さんは、今回の一番の見どころについて、「オリジナルソングです」と即答。前回に続き「小室先輩からの激しいフリが来て」と語るように今回も小室さんが収録中に歌詞を書き下ろしその場で福山さんに曲をつけるよう要求。「ドラマ収録中でセリフも覚えなきゃいけないんですけど(笑)」と福山さんが言いながらも数分の間に歌詞に曲をつけるという奇跡のような瞬間を視聴者は目撃することになる。まさにこの瞬間こそが本番組の醍醐味である。さらに今回は二軒目・ライブハウス「S」にも訪れる。ここは4月から福山さんが主演する月9ドラマ「ラヴソング」に登場するライブハウスということで、共演者でありこのライブハウスのオーナーという役どころの宇崎竜童をはじめ田中哲司、渋川清彦、夏帆が待ち受けている。“自分がよく聞くラブソングとは?”という話題から、田中さんが好きなラブソングを演奏。福山さんをはじめ、奥田さん、宮田さん、小室さん、三沢さんといったスナック常連客たちに「ラヴソング」出演者陣も加わったセッションが実現している。さらにほぼ初共演となる宇崎さんと福山さんによる夢のセッションも実現! 「男のギターと男の歌というセッションがとてもセクシーでした」と蒼井さんもうっとりした様子だった。ほかにも名曲の数々を福山さんとゲストたちが奏で、盛り沢山な内容となっている。収録後、リリーさんは「音楽とお酒と人の関わりを用意されたものではなくやってみたらどうなるかというところを楽しんでいただきたい。エモーションを感じていただけたら」と語り、蒼井さんは「仕事にかこつけたプライベートです。お酒を飲みながらぜひ見ていただきたいです」とメッセージを寄せた。また福山さんも「会いたい人、お酒を飲みたい人が皆さん来てくださって。会いたい人、飲みたい人とは仕事をする。そうすれば飲めるんだ! そう思いました(笑)」とコメントを寄せている。豪華共演者との夢のセッション、そしてもちろんここでしか聞けないお酒を交えたトークは必見だ。「ウタフクヤマ」は3月27日(日)23時15分~フジテレビにて放送。(cinemacafe.net)
2016年03月18日突然ですが、芸能界には歳の離れたご夫婦がたくさんいます。演劇部門には、市村正親さん×篠原涼子さんの24歳差婚。最近ですと、田中哲司さん×仲間由紀恵さんの14歳差婚なんかもニュースを賑わせましたよね!いずれもラブラブなビックカップルとして有名です。そこで今日は、ドラマニアな筆者がこの冬改めて注目している“歳の差カップル”の魅力を一挙ご紹介。見ると思わず「年上の恋人が欲しくなる」あの作品をピックアップしてみました。■“古臭さ”が癖になる!?父親だと「ウザイ」けれど、彼氏なら「胸キュン」に今クール、“歳の差カップル”という言葉からまず連想されるのは、火10ドラマ「お義父さんと呼ばせて」でしょう。遠藤憲一さん演じる大道寺保は51歳、独身。「ザ・昭和」な男前精神の持ち主、毎日コツコツと中小企業の営業業務をこなすサラリーマンです。そんな保の恋のお相手となるのが、23歳のお嬢様・花澤美蘭(蓮佛美沙子)。なんと彼女の父親(渡部篤郎)が保と同じ51歳ということで、さあ大変!タイトルの通り、毎週「君にお義父さんと呼ばれる覚えはない!!」という怒号が飛び交っています。渡部さん演じる父・一郎は、保とは正反対=今風のチョイ悪親父タイプ。会社では部下に自分のことを“アントニオ”と呼ばせており、デキる男の代表としてビジネス雑誌に取り上げられるほど。事あるごとに保の古風な考えに突っかかっていくので、彼らの恋愛は前途多難と言えそうです。しかしながら、見ていて「彼ならば、美蘭のことは絶対に幸せにしてくれる」「私も保っちゃんみたいな男性についていきたい」そうホッとさせてくれるのが、スゴイところ。仕事も恋も、とにかく何事にも熱い情熱を持って接する保。本来この年齢であれば、酸いも甘いも経験済みの達観オーラがあってもおかしくありませんが…そこを平気で「美蘭さんの笑顔を守っていきたい」と彼女の親相手に愛の告白をしたり、「格好悪い自分を認めることも大切なんだ」な~んて臭い台詞で兄弟にお説教しちゃうんですから(笑)。もし同じことを、先入観的に反発心を持ってしまう相手(父親や、会社の上司など)に言われた場合、ついついウザイ&重い意見としてフィルタリングしてしまう内容であっても、“尊敬できる年上彼氏”が言うならすんなり聞き入れられちゃうのが乙女心!アントニオのような刷新的な考えが悪いとは決して思いませんが、知らないうちにシャットダウンしてしまっている古き良き考え方を見直すことも時に必要なのかもしれないと学ばされるこの作品。多数派の意見が必ずしも古い意見を淘汰する理由にはならないということを、51歳・渋かっこいいオジ様の背中から教えてもらえます。そんなやり取りを見守る、愛犬・チワワの太郎くんの可愛らしい飽きれ顔にもご注目!癖になる掛け合いをじっくりとお楽しみください。■いくつになっても「心は少年」“おじ様”だって恋に悩む――その背中が愛おしい続いて頭に浮かぶのが、ドラマ24枠にて放送中の「東京センチメンタル」。各世代の女性たちから「東京の色んなデートスポットを知ることができる」「大人の紳士デートを疑似体験できて面白い」と、主演・吉田鋼太郎さんの渋~い魅力が話題を集めています。吉田さんと言えば今年一月、私生活で22歳下の一般女性と4度目の結婚をしたことでもニュースになりましたよね~。まさにそんなプライベートがそのままドラマになったかのような作品とあって、非常に興味深い!本作は、言問橋で和菓子屋を営む55歳・バツ3男性・久留里卓三(吉田さん)の4度目の恋のお相手を探す物語。(…なんだかとってもリアル(笑))マドンナたちとの出会い方は様々ですが、毎話違うお相手と東京の町を歩き、写真を撮り、食事をしてデートを楽しんでいきます。個人的にとても印象に残っているのが、元「AKB48」川栄李奈さんの回。21歳、超年下女子とデートすることになった久留里は「どうしたら“オジさん”に見られず、新鮮に恋してもらえるか」と思案を巡らせます。しかし本当はそんな心配をする必要なく、川栄さん演じるなつみはすでにメロメロ。久留里の頑張りが裏目に出て、逆に「私にはこんな素敵な“オジ様”足元にも及ばない…」と去っていってしまうのです。このことからも分かるように、もしかしたら私たちは“歳の差”など他人の目を気にし過ぎて、直感的に恋をするリスクから逃げているのかも!?吉田さんの背中は公私共に、「恋ってもっと素直でいいんだよ」そう教えてくれている気がしてなりません。本作にはプライベートでも仲良しな小栗旬さんが、恋のアドバイス役として登場。客観的にそうした恋のあるあるをナビゲートしてくれていますので、合わせて要チェック!以上、この冬大注目“歳の差カップル”が登場するドラマまとめでした。仕事の疲れが出てしまいがちな火曜日と金曜日。「オジ様たちの愛ある喝」という極上の癒しに触れてみてはいかがでしょうか。(text:Yuki Watanabe)
2016年03月06日福山雅治が「ガリレオ」以来3年ぶりに連ドラの主演を務めることで話題のフジテレビ系4月期スタートの月9ドラマ「ラヴソング」。この度、注目のヒロイン役に、オーディションを勝ち抜いたミュージシャンの藤原さくらが決定!そのほか夏帆、田中哲司、宇崎竜童、水野美紀ら豪華共演者も明らかになった。物語の主人公は“元プロミュージシャン”神代広平、44歳。唯一のヒット曲はあるものの、その後、ヒットに恵まれず、鳴かず飛ばずのままレコード会社から契約を打ち切られ、自らの才能に限界を感じ音楽業界を離れた。それから20年。いまだ音楽への情熱を完全には絶ち切ることができないまま、退屈な毎日を過ごしていた。一方、私生活では持ち前のルックスの良さで多くの女性と付き合うものの、真剣に向き合える女性に出会えないまま、独り身で40代に突入。音楽にも、女性にも真剣に向き合うことができず、何ひとつ成し遂げられないまま人生を過ごしてきた男のもとに1人の女性が現れる。彼女はあるコンプレックスを抱え、悩み苦しみ、ひとり孤独を背負って生きていた。神代同様、どこか人生に嫌気が差していた。しかしその女性には、音楽の神様が与えてくれた“歌声”という天賦の才能があった。神代は、彼女との出会いによって“もう一度自分を試したい、認められたい”と考えるようになる。彼女を通して再び音楽と向き合ったとき、モノトーンだった神代の人生が少しずつ色付き始め、2人の奏でるラブソングがはじまるのだった――。本作のヒロインを務めるのは、およそ100名の中からオーディションで選ばれた藤原さん。本業はプロのミュージシャンで、スモーキーで大人っぽい歌声が魅力の彼女は、これまでに演技経験は一切ナシ。今回の大抜擢について「オーディションに合格したと聞いたときは、全く信じられなくて、つい最近まであれは夢だったのではないかと疑っていたんですが、少しずつ実感が湧いてきました。演技のことはまだ右も左も分かりませんが、今回オーディションのときに演じてみて、純粋にすごく楽しいなと感じたのでその気持ちを忘れずに学んでいきたいと思います!」と初々しいコメントを寄せた。藤原さんが演じるのは、“人とコミュニケーションをとるのが苦手な女性”・佐野さくら役。大型車の整備・販売会社の整備部に務め、周囲と馴染めず自分の人生に嫌気が差していた、そんなある日。さくらは社内に勤務する企業カウンセラー・神代広平(福山雅治)と出会う。“歌声”という天賦の才能を持つさくらは、神代と出会い、歌を通じて自己表現することを知る。それは、彼女に生きる希望を与え、少しずつ神代に心を開いていく。その思いは次第に恋心へと変わっていくのだが…。演技に初挑戦することになったシンデレラガールが、その歌声を武器に、体当たりで臨むヒロインっぷりに期待が高まる。また、そのほか豪華共演陣も発表。さくらの姉代わりとも言うべき存在であり、さくらと共に暮らしてきたが、自身の結婚を機に、さくらに自立してほしいと願っている中村真美役には、『海街diary』での好演が記憶に新しい夏帆さん。そして、神代が大学時代に組んでいたバンドのメンバーでベースを担当しており、現在は総合病院の耳鼻科で外科医として働いている増村泰造役には、「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件~」「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」など、舞台・映画・テレビドラマにと、確かな演技力で独特の存在感を誇る田中さん。神代のバンドメンバーの良き相談相手であり兄貴分・ライブハウス「S」を経営する笹裕司役に、宇崎さん。笹とともに神代を陰から支え続け、ひそかに想いを寄せている、昔のバンド仲間の宍戸夏希役には、数多くのドラマ・映画・舞台で活躍を続ける水野さんが決定した。実力派俳優たちの名演技が、恋愛模様をロマンチックに、時にかわいらしく、そして感動的にドラマを彩る本作。福山さんと、シンデレラガール・藤原さんとの歌声にも注目して放送を待ちたい。「ラヴソング」は4月から毎週月曜日21時よりフジテレビ系にて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2016年02月22日小さな町に暮らす市井の人々。そんな普通の人間が内に秘める激情を描いてきた赤堀雅秋さん。その赤堀さんの新作舞台『同じ夢』に、光石研さんが出演する。もともとが映画出身だけに「舞台はいまだアウェイな気持ち」ではあるけれど、「信頼している田中哲司さんが『赤堀さんの作品に合うと思う』と言ってくださったので」と出演を決めたそう。では、何がどう「合う」のだろうか。「市井の人というか、陽の当たらない人たちの話がすごく好きなんです。自分も小学校の近所にキャバレーがあるような九州の小さな繁華街で育っているから、演じる手がかりがいっぱいありますし、もともと僕は、自分の延長線上みたいな役のほうが面白いと思うタチなんです。自分とあまりにかけ離れた役だと、大きく変身することへの快感より、気恥ずかしさを感じてしまうんですよね」その「気恥ずかしさ」こそが、光石さんの魅力。これまで幅広い役を演じながらも、どの作品でも個性を突出させることなく、自身の存在を作品のトーンに溶け込ませる役者だ。「もちろん、かつては変わったことをやって自分をアピールしたいみたいな気持ちもありました。でも、例えばヨーロッパの街を颯爽と歩いていても、ふと目に入った鏡に自分の姿が映って、所詮肉体も精神も東洋人なんだと実感したりするんです。目立ちたいけれど、全校生徒の前では目立ちたくない、そういうところがあるんですよね」光石さんの役は、事故で妻を亡くした肉屋の店主。そこに田中さん扮する文房具屋の店主や、大森南朋さん演じる加害者の男が絡んでいく。「一見何事もないように振る舞っているけれど、ふとした瞬間に本音が出る。そんな人間くさい部分が興味深いし、面白い作品だなと思います」◇みついし・けん高校在学中に映画の主役オーディションに合格しデビュー。近作にドラマ『サイレーン』。映画『森山中教習所』『夏美のホタル』など出演作が待機中。◇information事故で死んだ妻の命日。肉屋を営む昭雄(光石研)の元を、今年も加害者の田所(大森南朋)が訪れる。ケーキを前に当たり障りのない会話を繰り広げる彼らだが…。2月5日(金)~21日(日)三軒茶屋・シア タートラム作・演出・出演/赤堀雅秋出演/光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかり、田中哲司一般6800円(税込み)世田谷パブリックシアターチケットセンター TEL:03・5432・1515(10:00~19:00)http: //setagaya-pt.jp松本、水戸、名古屋、兵庫、 広島、福岡公演あり。※『anan』2016年2月10日号より。写真・土佐麻理子ヘア&メイク・佐伯憂香インタビュー、文・望月リサ
2016年02月09日2月5日、東京・シアタートラムで赤堀雅秋作・演出の新作『同じ夢』が開幕した。舞台『同じ夢』チケット情報喫煙者の肩身が狭くなり続けている昨今。会社や店でも、喫煙可能な場所はどんどん減っている。この作品の中では、タバコを吸わない家主の取り決めで喫煙していいのは台所の換気扇の下だけだ。登場人物たちは代わる代わるここでタバコを吸う。その姿はまるで己の人生に休符を与えているかのようだ。ステージには古びた一軒家の台所と居間のセットが。物語は、印象的な赤い照明のなか、光石研演じる昭雄が黙々と掃除機をかけているシーンから始まる。ここは千葉のパッとしない商店街にある精肉店の自宅部分。二代目の昭雄は真面目に働くが、先代の頃からいる従業員(赤堀)や昭雄の飲み仲間で文房具屋の秀樹(田中哲司)は台所でダラダラとだべっている。今日は昭雄の妻の命日。10年前、交通事故で亡くなったのだ。その時妻と接触したトラックに乗っていた田所(大森南朋)は今年も線香をあげに来る。昭雄や、昭雄の娘の靖子(木下あかり)にはもう、田所を恨んでいる様子は見られない。そこへ寝たきりの昭雄の父を介護しに、ヘルパーの高橋(麻生久美子)がやってくる……。近所に新しいマンションが建ってもさほど活気が戻るわけでもない商店街。そんななか、痴呆の始まった親を抱え、もてあます男たち。何かを諦めたように介護の仕事をこなすシングルマザー……。なんとも言えない閉塞感の漂うなかで、彼らは延々、なんでもない会話を続ける。赤堀の作品に登場する人物たちは、目標に向かって進んでいるわけでも、停滞する日常から脱しようとあがくわけでもない。ただ置かれた現状の中で毎日息をしている。それぞれの鬱屈を抱えながらも、決してそれを明確に見せることもない。『同じ夢』では、観客はそんな人々のある日の日常を覗くだけ、とも言える。だがたった2時間で、この見栄も向上心もない人々が、愛おしくてたまらなくなる。どうしようもない人の粗野とも見えるふるまいが、気持ちを少し救いさえする。赤堀は今作で表現したものが「僕の原点であり、20年前から変わらず目指すべきところ」と語っている。確かにその通りだが、光石や田中をはじめとした手練れの役者たちによってこの作品はさらに研ぎ澄まされ、赤堀の集大成とも言える作品になっているように見える。ちょっとした会話、ほんのわずかな間に静かに心を揺さぶられる、ぜいたくな舞台だ。東京公演は2月21日(日)まで。その後、長野、茨城、愛知、兵庫、広島、福岡を巡演。取材・文:釣木文恵
2016年02月08日画家の田中千智の個展「田中千智展」が、16年1月29日から2月7日まで東京・渋谷にあるBunkamura1階のギャラリーにて開催される。田中千智は、国内外での多数の展覧会を行う他、小説の表紙や挿絵、舞台や映画のイメージビジュアルなどを手掛ける、近年目覚ましい活躍を見せる画家。果てのない夜や燐光の森、淡くゆらぐ雪の丘、置き去りにされた情景など、黒と白の鮮烈なコントラストによって独自の死生観が描き出された作品は、見る者にセンチメンタルな物語を想起させる。Bunkamuraで開催する2回目の個展となる同展では、未発表の新作を中心に多数の油彩原画を展示・販売。今最も注目される画家のうちのひとりである田中が持つ引力をたっぷりと体感出来る個展となっている。【イベント情報】「田中千智展」会場:Bunkamura Box Gallery住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 1F メインロビーフロア会期:16年1月29日~2月7日時間:10:00~19:30(最終日は17:00まで)入場無料
2016年01月06日『RED』では20世紀を代表する画家マーク・ロスコ、『オレアナ』では女子大生に追い詰められる大学教師。2015年は緊迫感ある二人芝居に立て続けに挑戦してきた田中哲司。そんな彼が一転「安心感しかない」と語るのが、2016年2月に上演される『同じ夢』だ。THE SHAMPOO HATの赤堀雅秋が作・演出を手がけ、田中以外にも光石研、麻生久美子、大森南朋、木下あかりといったそうそうたるメンバーがシアタートラムで濃密な劇空間をつくりだす。舞台『同じ夢』チケット情報「二人芝居だと、どうしても自分が頑張らなきゃと背負ってしまう部分がある。もちろんそれはいいことでもあるんですけどね。一方、今回は仲のいい共演者がずらりと揃っているから、自分のことだけ考えて、あとはみんなにお任せしておけば大丈夫だと思います」と『同じ夢』について語る田中。なかでも光石とは、かつてある二人芝居を、短い稽古期間で乗り切った仲。「その状況を楽しもうと、ふたりで毎回動きを変えて演じました」と実に楽しそうに語る。「決して変えることをよしとしているわけではないんです。でもどの芝居でも、観てくださる方にわからないくらいの微妙な変化は日々ありますね。たとえばテンポのいいシーンで“今日は速さの限界に挑戦しよう”と試してみることもあります」と舞台ならではのエピソードを教えてくれた。赤堀とは、長塚圭史率いる葛河思潮社の『浮標』で俳優として共演経験があるが、演出を受けるのは初めてのこと。「赤堀くんの無骨な、飾らない演技が好きですね。ただ、THE SHAMPOO HATの芝居を見始めたのはわりと最近なんです。だって劇団名だけみたらSFとか書きそうでしょ(笑)。でも実際に見てみると、独特の場末感があって、不器用な人たちが集まっている。登場人物を愛せる芝居ですよね」と赤堀作品を評する。「演出家としての赤堀くんのことはまだ知らないけれど、きっと面白いものになるだろうと確信しています」。2015年に出演した2本の舞台は、いずれも翻訳劇だった。「翻訳劇って、1行しゃべるだけでもどうしても違和感が生まれる。それをいかに身体に落とすかが大変なんです」。そんな作品を乗り越えて挑む『同じ夢』は田中にしてみれば「ご褒美のようなもの」だとか。「相手役と一緒に稽古をしながら台詞を覚えるのっていちばんの贅沢だし、楽しみで仕方ないです」。公演は2月5日(金)から21日(日)まで東京・シアタートラムにて上演。チケットは12月13日(日)10時より前売り開始。チケットぴあでは一般発売に先がけ、12月9日(水) 11時よりWEB先着先行<プリセール>を実施する。また東京公演の後、松本・名古屋・兵庫・広島・福岡ほかを巡演。取材・文:釣木文恵
2015年12月08日現代アメリカ演劇を代表する劇作家デイヴィッド・マメットのふたり芝居『オレアナ』が11月6日より東京・PARCO劇場で開幕。初日を前に囲み取材が行われ、出演する田中哲司と志田未来が出席した。【チケット情報はこちら】同作が日本で上演されるのは3度目。今回、演出と翻訳を一新、演出に栗山民也、翻訳に小田島恒志を迎えて上演される。物語の舞台は大学の研究室。大学教師のジョンのところに、講義が理解できないと女子大生のキャロルが尋ねてくる。しかしふたりの会話はどこまでも噛み合わず、その不協和音は思わぬ事件へと発展していく・・・。同作が舞台初出演となる志田。「これまでずっと逃げてきたんです(笑)。ただずっと自分は安全なところにいるなという想いがあったので、新しい事に挑戦してみようと思って。でもやはり難しいですね、セリフを覚えるのが大変でした。失敗できないというプレッシャーもありますし」と話した。通常の稽古のほかに、ふたりで自主的に稽古を行った。「稽古前や、稽古が終わってからもやったり。それぐらいしないと追いつけない作品なので。会話劇でふたりなので・・・大変ですね」(田中)舞台初出演の志田に対し、何かアドバイスをしたのかと報道陣に問われると、田中は「むしろ邪魔してました(笑)。もう少しセリフ覚えるスピードを落としてくれる?僕が追いつけないからって(笑)。それくらい最初から完璧でした」と語った。更に「いきなりふたり芝居というのは相当なハードルですよね。栗山さんの演出というのも初舞台としては大きなハードルですが、その全てを未来ちゃんは越えてきている」と絶賛。志田は田中に対し「田中さんの出ている舞台を2度ほど拝見させていただいたのですが、とても輝いて見えて・・・映像ももちろんですが、舞台でもより輝く方なんだなと思いました」と話した。どんな人に同作を観てもらいたいかと言う質問に田中は「男性・女性、年齢によっても捉え方が違う作品だと思ってます。なので、より多くの方に観ていただいて、それぞれの感想を持っていただきたいですね。僕らも観に来た方に感想を聞きたいです」と語った。舞台『オレアナ』は11月29日(日)まで東京・PARCO劇場で上演。その後、愛知、福岡、広島、大阪を周る。
2015年11月12日演劇界の“問題作”と言われるデビッド・マメットの戯曲を田中哲司と志田未来が演じる「オレアナ」の開幕を前に11月5日(木)、ゲネプロの模様が報道陣に公開された。1992年に初演されるや大いに話題を呼んだ2人芝居を栗山民也の演出で上演する。昇進を控え、安定した晩年の設計で頭がいっぱいの大学教師のジョンの研究室に女学生のキャロルが訪れ、授業に付いていけないが何とか単位がほしいと涙を浮かべる。紳士的な態度で応じたはずのジョンだったが、後日、彼女から訴えられることになり…。開幕を前に田中さんは「もう完璧に近いです」と自信をのぞかせる。田中さんの言葉に背中を押され、志田さんも「(完璧に)近いです」とニッコリ。だが、志田さんにとっては本作が初舞台。今回の舞台挑戦について「自分はずっと安全な場所にいたので、新しいことに挑戦したかった。難しいですが日々、勉強です」と語る。田中さんは、初舞台が2人芝居という点に触れ「相当なハードル」とその難しさについて語り「栗山さんの演出をクリアするというのも相当なこと。それを完璧にやっていて心強いです」と志田さんを称える。わずかな齟齬、ディスコミュニケーションが導く結果について描いた本作だが、見る人によって感想や印象が大きく異なるよう。田中さんは「男女、年代によって考え方が違うと思いますし、みなさんの意見を聞きたいです」と語る。自身の役柄についても田中さんが「(ジョンは)普通の人であり、僕は被害者だと思ってる。キャロルはヒドイなと思ってます」と言えば、志田さんも負けじと(?)「私自身もキャロルが被害者だと思ってます」と応戦!一体、どんな結末が導き出されるのか楽しみなところだ。自身のディスコミュニケーションの経験や考えを問われると、志田さんが「SNSやメールではなく、直接会って、目を見て話すのが大事」と語るが、田中さんは「結構軽く、ショートメールやLINEで済ませちゃうので、そういうのがいけないんですね…」と苦笑を浮かべていた。「オレアナ」は11月6日(金)よりパルコ劇場にて開幕。豊橋、北九州、広島、大阪でも上演予定。(text:cinemacafe.net)
2015年11月05日現代アメリカ演劇を代表する劇作家デイヴィッド・マメットのふたり芝居『オレアナ』が11月6日(金)、東京・PARCO劇場にて開幕する。日本での3度目の上演にあたり、演出(栗山民也)と翻訳(小田島恒志)を一新。確かな存在感で高い評価を得ている実力派、田中哲司と、豊かな可能性を秘めて初舞台に挑む志田未来の新鮮な顔合わせが注目されている。物語の舞台は研究室という“密室”だ。大学教師のジョンと女子大生のキャロル、ふたりの会話はどこまでも噛み合わず、その不協和音は思わぬ事件へと発展していく。“セクシャル・ハラスメント”が社会問題として注視される契機となった作品だが、新演出を手掛ける栗山は「この作品においてセクハラは一番の問題ではない。なぜセクハラがマメットの気持ちを動かしたのか、それは言葉の持つ曖昧さにある」と語る。舞台『オレアナ』チケット情報「どこの段階からどこの段階がセクハラなのか、という定義は何もない。そんなつもりはなかったのに…という曖昧で無意識なものが作用して、大きな事件に膨れ上がるんです。ようは、冷戦後の90年代からの世界はある物事が起きてもそこにひとつの解答なんてない、という“不確定性の時代”に入っているんですね。世界のパワーバランスに変化が起きた。むしろセクハラよりも重要なのは、ディスコミュニケーションの問題ですね。ふたりの会話はいつまでたっても成立せず、最後まで組みしない。それまでの劇作家は、愛について、幸せについて語るために、ふたりが何かひとつの物事に向けてまっしぐらに進む様子を描いてきた。でもこのふたりは全然違うベクトルに向かっている。だからもし先輩の劇作家がいたなら“どちらかはっきりさせろ”と言うだろうね(笑)。だけどマメットは“この曖昧さ、不確定性こそ、現代である”という描き方をしたわけです」稽古場を覗くと、わずかに傾斜した舞台面に、不安定に机やソファが置かれたジョンの研究室のセットがあり、その中で田中と志田が対峙していた。田中をじっと凝視したままの志田と、まるでその視線から逃れるように落ち着きなく電話に応対している田中。なにげない幕開きの風景だが、そこかしこに一触即発の空気が張りつめているのがわかる。「志田さんは、演劇のことをまだよく知らないところが、逆にいい。全身で相手をグッと見る、不思議な強い集中力を持っていて、すごく純粋に役と向き合っています。田中さんは、居方が妙に芝居っぽくなく、柔らかい。。俳優の仕事は劇作家の残した言葉を今に具象化することで、その身体から歴史の記憶が見えてこないといけない。田中哲司は、それに近い身体を持っている俳優だなと感じます」緊迫の糸は最後まで緩むことはない。「“演劇は関係性の上で起こる、生きた衝撃の瞬間である”、それが作家のテーマだったんじゃないかな」と栗山。俳優にとっても、また観客にとってもまさしくパワープレイ。劇場でしか味わえない生々しい衝撃を受けとめたい。東京公演は11月6日(金)から29日(日)まで。その後、全国を巡演。取材・文上野紀子
2015年11月04日清純派女優の有村架純が“金髪”“ミニスカ”ギャル役に挑んだことで大きな注目を集めた『ビリギャル』。この度、現在公開中の香港に有村さんが初訪問し、舞台挨拶に登壇。香港のファンへ感謝のメッセージを送った。120万部を突破したベストセラー書籍「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を、『いま、会いにゆきます』『ハナミズキ』など数々のヒット作を生み出している土井裕泰が実写映画化する本作。有村さん扮するさやかと苦楽を共にし、慶應義塾大学現役合格へと導く坪田先生役に伊藤淳史。そのほかキャストに吉田羊、田中哲司、安田顕、野村周平らが顔を揃えた。香港では10月22日(現地時間)より劇場公開がスタートいる本作。これに合わせ、主演の有村さんが香港を初訪問。香港国際空港の到着口に有村さんが現れると、空港に駆けつけた約200人を超える現地のファンから一斉に歓声が起こり、有村さんも驚きの様子。現地メディアのフラッシュを浴びながら、ファンに囲まれた有村さんは、終始笑顔でファンからの握手やサインに応じた。24日(現地時間)には『ビリギャル』にちなみ、現地の予備校「Modern Education’s Centre」を訪問。大学受験を目指す香港の学生たちに激励のメッセージを送った。その後、『ビリギャル』上映中の現地マスコミ向けのトークショーが行われ、「さやかは一生懸命になることによって、知らず知らずのうちに、みんなの心が動かされて味方になってくれているという、まわりにすごく恵まれている女の子です。自分がやりたい、なりたいと思うことに一生懸命になっていれば、まわりのみんなが知らない間に力になってくれるって、そう信じて頑張ってもらえたら嬉しいです」とこれから試験を受ける人たちを応援した。さらに25日(現地時間)の舞台挨拶では、映画上映後に有村さんが登場すると、観客は大興奮!有村さんは「大家好,我系有村架純」(こんにちは、有村架純です)と広東語で挨拶し、温かい拍手に包まれた。また、有村さんは「日本を飛び出して海外でもこの映画が愛されたらいいなと思います。日本ではいよいよ11月にBlu-ray&DVDがリリースされます。これからもっともっとたくさんの方にまだまだ観ていただきたいので、是非ご覧ください」と日本のファンへもメッセージを送った。『ビリギャル』Blu-ray&DVDは11月18日(水)より発売。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビリギャル 2015年5月1日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年10月27日「カバチタレ!」「極悪がんぼ」などで知られる、田島隆による司法書士漫画の新シリーズを田中圭主演で映画化する『劇場版 びったれ!!!』。このほど、田中さん始め、ライバル弁護士役の山本耕史や黒幕の実父役・竹中直人らも登場する、待望の予告編映像が公開となった。本作は、「お人好しで頼りないシングルファーザー」「切れ者の司法書士」「元・極道」という3つの顔を持つ伊武努(田中圭)が、理不尽な目にあう庶民を助けるべく奮闘する痛快・裏リーガルドラマの劇場版。かつては暴力団組織の金バッヂ、狂犬と恐れられた伊武は、いまでは極道から足を洗い、司法書士となって亡き姉の娘・かりん(岩崎未来)を男手一つで育てている。ドラマ最終話で無事に娘を取り戻し、平和な生活に戻ったかのように思えたが、幼稚園のパパ友はまたも不当解雇に怯え、大事な補助者・杉山(森カンナ)の実家は不正な取引で立ち退きを迫られ、かりんまで人質にとられてしまう…。テレビドラマ放送時にも好評を博し、満を持して映画化となった本作。「カバチタレ!」「極悪がんぼ」などを手がけてきた田島隆による同名漫画が原作となるだけに、1つ1つのエピソードがとにかくリアル。今回の劇場版も、田島さん自身初のオリジナル脚本を共同執筆し、全面監修した。予告編映像では、さまざまな困難に直面する伊武(田中さん) 、それを支える杉山(森さん)が登場。田中さんは、元・極道の姿からメガネ男子のシングルファーザー、そして司法書士と見事に演じ分けている。さらに、法律家でありながら「法は人間を救ってなんかくれない」と宣戦布告をするライバル弁護士・霧浦(山本さん)、そして裏から操る伊武の実の父・制覇 (竹中さん)が、伊武の前に立ちはだかる。かりんや杉山、善良な市井の人々を守るため、義理と人情の“たんかを切る”田中さん演じる伊武の姿を、まずは予告編から確かめてみて。『劇場版 びったれ!!!』は11月7日(土)よりバルト11ほか広島にて先行上映、11月28日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月07日アメリカ演劇界の鬼才デイヴィッド・マメットによるふたり芝居『オレアナ』が11月、東京・渋谷のPARCO劇場で上演される。今回は、栗山民也の演出、小田島恒志の新翻訳で装いを一新。舞台や映像で幅広く活躍する実力派、田中哲司と、満を持して初舞台に挑む志田未来の新鮮な顔合わせが実現した。登場するのは大学教師のジョンと女子学生のキャロル。ふたりだけの研究室で交わされる会話は、両者のパワーバランスを微妙に変化させてゆく。はたしてこれは“セクシャルハラスメント”なのか…!?【チケット情報はこちら】「最初の会話は内容の薄さを思わせて、二幕、三幕と進むうち、ふたりの立場がガラッと変わっていく。この面白さは舞台ならではの醍醐味ですよね」と語る田中は、志田に「台本読んでみて、どうだった?」と問いかける。志田は「ふたりの会話が続くうちに、少しずつ話がこじれていきますよね。自分が何かひとつでも間違えたり、うまく入り込めなかったら作品として成立しないなと。はあ~舞台ってこんなに大変なんだ!ホントにできるかな!?と思いました」と、初舞台への率直な思いを返した。言葉を吐けば吐くほどすれ違い、両者の溝を深めてゆく。そんなディスコミュニケーションの恐ろしさを描いた問題作では、ジョンとキャロル、どちらの心情に寄り添うかで観客の判断も大きく揺さぶられることになりそうだ。「キャロルを“言いがかりをつけるイヤなヤツ”と見る人もいれば、“あれは彼女が可哀想だ”と思う人もいるだろうし。とらえ方によって見方が変わる、不思議で奥深い作品ですよね。僕はキャロルが怖いし、腹の底がみえないと思いました。そんな、ちょっとしたことをセクハラにさせてしまうこの子は何者だと。男目線ですよね」(田中)。「私は完全に女目線で、キャロルに感情移入しながら読みました。伝えたいことが伝わらないもどかしさを感じて、理解してもらいたいのに全然違う答えが返ってきて、モヤモヤして……。彼女がすごく可哀想に思えました」(志田)過去にTVドラマで共演した間柄ゆえ、和やかな会話が続くふたり。「未来ちゃんにポテンシャルがあることは十分知っているので、初舞台でも何の心配もないです。大丈夫、頑張ろう」と田中は気さくに声をかけるが、そのやりとりは劇中のふたりに重なるようで…。「ホントですね。大丈夫だよ、なんて言ってたら足元をすくわれたりして…!」(田中)男と女が繰り広げる緊迫のパワープレイを、はたしてどちらに肩入れして観ることになるのか。ぜひ劇場で確かめてほしい。「今までの自分になかったものを引き出せる作品になるんじゃないかなと思うので、すごく楽しみです」(志田)。「女性のお客さんにはにらまれるような気がするので、男の人には僕の味方になって観ていただきたい(笑)。きっといい作品になると確信しています」(田中)『オレアナ』は東京・PARCO劇場で11月6日(金)から29日(日)まで上演。その後、愛知、福岡、広島、大阪を周る。東京公演のチケット一般発売は9月5日(土)午前10時より開始。取材・文:上野紀子
2015年09月04日舞台『RED』が8月21日(金)より東京・新国立劇場小劇場で開幕。上演に先がけて、出演する小栗旬、田中哲司がコメントを寄せた。【チケット情報はこちら】同作は、映画『ラスト・サムライ』や『007:スカイフォール』などの脚本で知られるジョン・ローガンが2009年に書きおろした戯曲。20世紀を代表する実在の抽象画家マーク・ロスコの創作エピソードを軸に描かれるふたり芝居。2009年にイギリス・ロンドンで初演、好評を得た後、ブロードウェイなど世界中で上演。今回が日本初上演となり、演出・翻訳を小川絵梨子が務める。マーク・ロスコのもとを訪ねてくる画家志望の青年、ケン役を務める小栗は「久々に小さな空間で芝居がしたいとずっと願っていて、それが今回、初めてのふたり芝居で実現しました。「RED」は、どの場面も気が抜けない、非常に集中力を要する戯曲ですが、役者ふたりと演出家だけで向き合った稽古は、とても楽しくて確かな手応えがありました。皆でディスカッションを繰り返し、試行錯誤を重ねながら、充実した環境で役を深めてきました。開幕後も発見はあるはずですが、今回は、きっと初日から、今まで以上に自信をもって舞台に立てる気がしています」とコメント。マーク・ロスコ役を務める田中は「初めて戯曲を読んだとき、その面白さに興奮しました。ただ ふたり芝居なので経験上、面白いとはいえ覚悟はしていました。膨大な台詞量に加え、やらなければならない事の連続で予想以上に大変でした。反面、徹底して演技に集中できて、芝居を楽しめるのがふたり芝居の醍醐味です。そのような充実感の中で、演出の小川さんと小栗君と一緒に濃密な稽古時間を共有できました。あとは本番で、小栗君と息を合わせ、観客を魅了する舞台をお見せしたいと思っています」と意気込んだ。舞台『RED』は10月4日(日)まで東京・新国立劇場小劇場で上演。なお、前売りチケット完売につき、チケットぴあで当日券前日予約受付が決定。受付は希望観劇日の前日昼12時から午後2時まで、チケットぴあ当日券専用ダイヤル0570-02-9998で実施。■舞台『RED』8月21日(金)~10月4日(日) 新国立劇場小劇場(東京都)【当日券情報】全ステージ希望観劇日の前日に、当日券購入のための整理番号を電話にて予約※チケットぴあ当日券専用ダイヤル :0570-02-9998※受付日時:ご希望観劇日の前日昼12:00~14:00(予定枚数終了次第、受付終了)※整理番号をご予約いただいた方は、開演1時間前までに小劇場入口にご集合※整理番号順に販売、集合時間に遅れた場合、整理番号は無効となります※S席:8,000円/バルコニーS席:7,000円/バルコニーA席:5,000円/バルコニーB席:4,000円※昼夜2回公演の場合も、前日昼12時より同時に電話受付
2015年08月21日現代アートを代表する画家のひとり、マーク・ロスコが有名レストランから依頼されて制作した30にものぼる連作『シーグラム壁画』。そこから着想を得た戯曲『RED』は、ロスコと彼が雇った助手・ケンとのふたり芝居。時に師弟、時に親子のように意見を戦わせるふたりに田中哲司さんと小栗旬さんが扮する。この舞台のお話を伺いました。* **小栗:この戯曲を読んだ時、ロスコとケンの両方ともに共感する部分が多くて、素直に「こういう役を演じてみたい」と思ったんですよね。田中:確かに舞台の面白さがいっぱい詰まってる脚本だと思いました。しかもケン役が小栗君、演出が小川絵梨子さんだと聞いて、ぜひやらせてくださいとお願いしました。小栗:哲司さんとは、お互いにお互いの作品も観ていて、その後の酒の席で話したりしていたし、芝居に嘘がない人だなと思っていたんです。だから、ロスコ役を哲司さんにオファーしていると聞いて、もし一緒にやれたら自分もステップアップできる気がしてうれしかったです。田中:ふたり芝居だけに、相性って重要ですからね。小栗君は、お酒の席で話していても、演技を見てても、ガッツリ“演劇人”だなって思うことが多かったから、この作品でもうまくやれそうな気がしたんです。小栗:僕は演劇人に憧れてるところがあるんです。ケンに「自分にはルーツがない」っていうセリフがあるんだけど、僕自身もそう感じることが多くて、なんとか演劇に自分の居場所があると思いたいっていうのが正直なところかもしれない。田中:舞台って辛いことだらけだけど、やっぱり自分が帰るところみたいな感覚はあるんです。結局、好きってことなんだろうな。小栗:ただ、稽古が始まってみたら、なかなか気が抜けない作品で…。田中:しかも、演出の小川さんもすごい熱量で稽古に臨まれているでしょ。だから僕らも自然とあの情熱に応えなくてはと気合が入るんです。小栗:たまに迷うんだけれど、それすらさらけ出して向かってこられるから、逃げちゃいけないなって。田中:しっかり自分のなかにビジョンを持っているから、迷うことがあっても安心して委ねられるんだと思う。ただ、ふたり芝居だけに休む場面がなくて集中力を持続するのが…。小栗:ロスコとケンは、つねにお互いの言葉に影響され合っていて、どの場面も気が抜けないですからね。田中:ロスコはずっと葛藤しているんだけど、ケンが時々ズバッと核心を突いてくる。助手である彼から、ロスコが教わることも多いんです。小栗:ケンにとってもロスコは人生の師ともいえる存在。その関係性に自分がどこまで迫れるか楽しみです。田中:僕は絵描きじゃないけれど、モノ作りに携わるひとりとして、この作品には共感する部分が多いです。小栗:わかります。僕自身、自分がやろうとしていることは本当に観客に伝わっているのか、つねに葛藤しています。だから、この作品に強く惹かれたんじゃないのかな。◇(左)たなか・てつし野田秀樹、いのうえひでのり、長塚圭史など数々の演出家の舞台で評価を得、映像作品でも活躍。11 月6 日より舞台『オレアナ』に出演。(右)おぐり・しゅん数々のドラマや映画、舞台に出演。出演映画『ギャラクシー街道』が10月24日公開予定。2016年には劇場版『信長協奏曲』の公開も控えている。◇マンハッタンの有名レストランから大作の依頼を受けたロスコ(田中)は、画家志望のケン(小栗)を助手に雇う。ふたりは互いの芸術論を戦わせながら創作を進めていく。8月21日(金)~10月4日(日)初台・新国立劇場 小劇場作/ジョン・ローガン翻訳、演出/小川絵梨子出演/小栗旬、田中哲司S席8000円バルコニーS席7000円バルコニーA席5000円バルコニーB席4000円(すべて税込み)シス・カンパニーTEL:03・5423・5906www.siscompany.com/red/※『anan』2015年8月26日号より。写真・内田紘倫インタビュー、文・望月リサ
2015年08月19日ドラマや映画で活躍する演技派女優・志田未来が、アメリカ演劇界の鬼才、デビッド・マメットの問題作「オレアナ」で初舞台を踏むことが明らかになった。昇進を目前に控え新居の購入も決まり、前途洋々、順風満帆の若き大学教授・ジョン。彼の研究室を一人の女子学生・キャロルが訪れる。教授の授業についていけない彼女は、パニックに陥り、どうか単位を取らせて欲しい、と涙を浮かべて懇願する。教授は、彼女の肩を抱いて慰め、紳士的な態度で相談に応じた。しかし後日、彼女が教授を“セクシャルハラスメント”を理由に大学当局に訴えたことにより、2人の立場は全く逆転する…。1992年に発表した本作は、クライマックス・シーンで思わず「ブラボー」と拍手する者、ブーイングして席を立つ者など観客を騒然とさせてきた。新聞の社会面を始め、マスコミがこぞって取り上げる程の話題となり、その年、海を越えて飛び火し、世界中で上演。ロンドンではマメットの朋友ハロルド・ピンターが演出、パリではキャロル役をフランスを代表する女優シャルロット・ゲ―ンズブールが演ずるなど、世界中で注目のキャスト&スタッフにより、現在も上演され続けている。日本ではパルコ劇場にて、1994年酒井洋子訳、西川信廣演出、長塚京三×若村真由美の出演で上演し、その年の「読売演劇大賞・優秀作品賞」を受賞、1999年には、長塚京三×永作博美の出演で再演されている。今回は、演出に栗山民也を迎え、小田島恒志の新翻訳で装いも新たに16年ぶりに上演。大学教授役には、『ビリギャル』や「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」(TBS)で存在感を発揮する田中哲司。そして女子大生役に、ジョージ・クルーニー主演のディズニー映画『トゥモローランド』で吹き替えを担当するなど、活躍の場を広げ続ける志田未来が本作で初舞台に挑戦する。田中さんは、「『オレアナ』の上演にあたっては、楽しみな気持ちと不安が入り混じった複雑な心境です。11月はまだ先のようで、実は時間がないですから。志田未来ちゃんとは映像で何度か一緒に仕事をしていて、とても信頼を寄せています。稽古場でも舞台上でも助けてくれそうです(笑)」とコメントを寄せた。志田さんは「舞台は、いつかやりたい、やらなくてはと思っていました。このお話を頂いたいまが“その時”なんだと思います。舞台のことは、正直、何も分かりませんが、楽しみたい気持ちでいっぱいです」と喜びを語った。田中さんとの共演についても「ドラマでご一緒させていただきましたが、不思議なオーラのある方だと思います。そんな素晴らしい大先輩から一緒にいいものを創ろうと言っていただいたので、一生懸命頑張ります」と意気込みを語った。舞台「オレアナ」は11月6日(金)よりPARCO劇場ほか全国にて順次上演。(text:cinemacafe.net)
2015年06月11日映画『ビリギャル』が5月1日(金)に公開を迎え、舞台挨拶に有村架純を始め、伊藤淳史、吉田羊、田中哲司、野村周平、安田顕、松井愛莉、土井裕泰監督が登壇。有村さんにはサプライズで登壇陣から寄せ書きがプレゼントされた。90万部突破のベストセラーとなった「学年ビリのギャルが偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を実写化。小4並みの学力の高校生がある塾講師と出会い、周囲の愛に支えられ、慶應大学合格を果たすまでを描き出す。有村さんが映画を観終わったばかりの観客に「楽しかったですか?」と尋ねると客席からは大きな拍手が沸き起こり、有村さんは「よかったです」とホッとした表情。自身が演じたギャルのさやかという役柄について「まさか金髪ギャルになると思わなくて、どうして私?とも思いましたが、台本を読んですぐに演じたいって思いました」と明かす。さやかが、坪田先生との出会いをきっかけに学力を上げていくという部分だけでなく、家族、特に吉田さん演じる母親のああちゃんとのシーンは大きな感動を呼んでいるが、有村さんも自身の母親に思いをはせたよう。「うちの母は怒るときは怒ってくれる人で、私が女優になりたいと言ったときも、背中を押してくれたし、オーディションに落ちてばかりでやる気をなくしたときも『あんたがそんなんでどうするの?』と怒ってくれました」と母親とのかけがえのない思い出を明かした。真っ白いドレスで登場した吉田さんは、登壇の際に靴が脱げてしまい「慣れないドレスなので…」と苦笑い。さやかの母親を演じる上で、実際に名古屋に暮らすさやかさんの母親を訪ねたという。「お会いして話をする中で、心を見透かされているようで『お芝居でうそをついてはいけない』と真っ白な気持ちでお芝居に臨みました」と語る。また不器用な父を演じた田中さんは、自身で作品を観て何度も泣いてしまったそう。特に最後の最後でさやかと父が触れ合う感動シーンに至っては「気持ち悪いんですけど、そのシーンの前から先取りして泣いちゃうんです」と世の父親の思いを代弁するかのように語った。安田さんは、さやかをクズ呼ばわりする教師役で、逆にさやかから汚い言葉を浴びせらえるシーンもあるが「普段はひどい言葉を浴びせられる方が好きなので、役とはいえ有村架純ちゃんにひどい言葉を浴びせかけられるのは役得でした」とニンマリ。さらに、さやかの髪をわしづかみにするシーンについて司会者からそのときの思いなどを尋ねられると「これは謝罪会見ですか?『ごめんなさい』と謝ればいいんですか?」といら立ちを露わにしつつ語り、場内は笑いに包まれた。そして舞台挨拶の最後に、有村さんにはサプライズで、登壇陣の寄せ書きをプレゼント。ひとりずつその内容を読み上げた。特に吉田さんは、有村さんの母親を演じることへの不安、それが撮影初日で杞憂に終わったことなどを愛情こもった言葉で伝え、これには有村さんのみならず、会場全体が感激!有村さんは「みんなが愛してくれていることを実感できて幸せです」と語り、改めてこの作品で「自分の中で大きな一歩を踏めました」と特別な思いを口にした。『ビリギャル』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビリギャル 2015年5月1日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年05月01日学年ビリの金髪ギャルが慶応大学に現役合格した実話を映画化した『ビリギャル』で共演を果たした有村架純と吉田羊。現在ノリにノッている二人にも、ビリギャルさながらの「逆境に耐えた過去」があった。どのように壁を乗り越え、いまの地位を手にしたのか?原作は塾講師・坪田信貴のベストセラー「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。東西南北もわからず、地球が丸いことさえも知らない成績学年ビリのギャル・さやか(有村さん)が、ある塾講師と出会い、さやかが“ああちゃん”と呼ぶ母親(吉田さん)ら家族に支えられながら、わずか1年で難関である慶応大学への現役入学を目指す青春サクセスストーリーだ。まず、話題を集めているのは普段のイメージとは180度違う、有村さんのギャルっぷり。金髪&ヘソ出しの派手な衣装に加えて、「超ヤバくない?」「マジ、意味わかんねえんだけど」と言ったギャル口調も、女優として新境地だったはずだ。「確かに撮影が始まる前は不安でした。衣装合わせで鏡に映った自分を見ても『えっ、これ誰?』って思ったほど」と有村さん。ただし、ギャル役という点はあまり意識せず、あくまで「慶応合格を目指す主人公のさやか」を演じることに集中したそうだ。「台本を読んで、さやかさんご本人にものすごい魅力を感じ、絶対に演じたいと思いました。実際にお会いするとその気持ちはさらに大きくなり、さやかさんを愛されるキャラクターとして表現することを意識しました」(有村さん)一方、吉田さんが演じる母・ああちゃんは常にさやかの味方で居続ける頼もしい存在だ。家庭内では、妻や娘たちを顧みず、長男をプロ野球選手に育てる夢を追う夫とギクシャクした関係。塾の授業料を稼ぐため配送業のバイトにも勤しむ。「私も架純ちゃんと一緒で、やはりご本人とお会いすることで、ああちゃん像を作り上げた側面が強いんですよ。とにかくピュアで、まっすぐな女性。だから『この人にはウソをつけないな』と思ったし、女優としての作為的な演技では演じきれないとわかりました。現場にはゼロの状態で入って、架純ちゃんや夫役の田中哲司さんのお芝居を受け止め、それに応えることを心がけました。私にとって、ああちゃんという役はものすごく挑戦しがいがありましたね」(吉田さん)インタビューに応じる二人の姿は、スクリーンからそのまま飛び出してきたような、まさに愛すべき母娘そのものだ。「意識したのは家族ならではの、いい意味での遠慮の無さですね。さやかとああちゃんの心の距離感をお芝居で表現したかったから、架純ちゃんにもどんどん話しかけて。きっと台本に集中したいだろうなとわかっていても、あえて『何やってるの?』って茶々を入れたり(笑)。あのときは、すみませんでした」(吉田さん)。「いえいえ。おかげで、すてきな母娘の空気が生まれましたから。羊さんはとても不思議で、一緒にいるとすごく落ち着くんですよ。抱っこちゃん人形みたいに、いつもそばにいたいくらい」(有村さん)そんな二人が女優として順風満帆のキャリアを歩んでいるのは、ご承知の通りだが、その道のりは決して平たんなものではなかった。全国模試でE判定の洗礼を受け、落ち込むビリギャル・さやか同様、壁にぶち当たり、夢を諦めそうになった瞬間は一度や二度ではないそうだ。「なかなかオーディションに受からず、さやかみたいにやる気が無くなってしまって。そんな気持ちだと写真でいい表情も撮れないし、母親からも『そんなんで、どうするの?』って心配されて。『これでダメなら、大学に進学しよう』と思っていた時期、オーディションに受かったのが、いまの事務所に入るきっかけでした。最終的に自分を支えたのは、小さな頃から抱いていた『お芝居をしたい』という気持ちを信じることだったんです」(有村さん)「私は女優の仕事を始めてからですね。自分の思い通りの芝居ができず、役者として結果を残せずにいたので、本当に辞めようとさえ考えたことも…。そんな私にとって、ファンの皆さんの声が、大きな原動力でしたね。『とても良かったです』『次の作品も楽しみです』という言葉をもらうと、女優としての私を信じてくださる皆さんの期待を裏切りたくないし、芝居を通して絶対に喜んでもらおうと言う気持ちになれるんです」(吉田さん)映画『ビリギャル』は単なる夢物語ではなく、人間誰もが内に秘めた可能性の物語だ。「何かに一生懸命だと、周りの人たちも知らず知らずに気持ちが動かされる。その大切さを、目標をまっすぐ見つめるさやかさんから学んだし、私も女優として自分の芝居で、監督さんやスタッフさん、共演者の方々の心を動かせるような存在になれればと改めて感じました」(有村さん)「私が夫への怒りを爆発させて、思わずバットを握るシーンでは、架純ちゃんがそっと寄り添い、抱きしめてくれるんですが、あれは架純ちゃんのアドリブなんですよ。本当に驚いたし、感動しました。本当の親子になれたなって。奇跡のようなお話ではあるけど、その奇跡にはちゃんと理由がある。その理由を劇場で確認してほしいですね」(吉田さん)(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:ビリギャル 2015年5月1日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年04月30日累計65万部を突破したベストセラーを原作に、学年ビリのギャルが慶應大学に現役合格するまでを描いた『ビリギャル』。この度、主演を務める有村架純が、本作の劇中歌でメジャーデビューを果たす、現役タワーレコードスタッフのSakuと一緒に、タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」ポスター広告に登場することが決定!そのビジュアルが公開された。主演の有村さんをはじめ、伊藤淳史、吉田羊、田中哲司、安田顕、野村周平ら実力派俳優陣が集結し、有村さんが金髪ギャル&ミニスカに挑戦したことで話題の本作。さらに、本作で注目を集めるのは、予告編解禁時に「このきれい歌声は誰?」を話題になったほど印象的な劇中歌。担当するのは、現役のタワーレコード渋谷店スタッフとして働く22歳のミュージシャン、Saku(サク)。劇中歌「START ME UP」で4月29日(水)にメジャーデビューを果たし、自身のミュージシャンデビューの夢を叶えることとなった。そんな『ビリギャル』コンビの有村さん&Sakuが、タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE!」ポスターで共演。この最新版ポスターは、4月23日(木)よりタワーレコードおよびTOWERmini全店にて順次掲出される予定だ。また、本ポスター撮影時のメイキングレポートやインタビュー映像が、タワーレコードフリーマガジン「bounce」最新号(4月25日発行)にて掲載、加えて「ストリーミングメディアTOWER REVOLVE PROJECT(通称タワレボ)」では5月1日(金)より動画配信されることが決定。本ポスターと、SakuのリリースCDとの連動企画も実施され、Sakuのファースト・シングル「START ME UP」またはファースト・アルバム「FIGHT LIKE A GIRL」を購入すると、本ポスターのプレゼント抽選に応募できる応募はがきが先着がもらえるとのこと。さらに、新曲「START ME UP」のミュージック・ビデオ(以下MV)が公開され、こちらでも有村さん&Sakuとの共演が実現!MVの中では、“Sakuの1週間を切り取る!”というコンセプトのもと、日曜日から土曜日までのSakuの行動が映し出され、この1週間の中で有村さんとSakuの偶然の出会いから、お互いの友情が芽生える=STARTの日までを描くストーリーとなっている。22歳同士の新世代女性アイコンとして今後も大注目の二人の共演を、ポスターとMVでぜひチェックしてほしい。ファーストシングル「START ME UP」、ファーストアルバム「FIGHT LIKE A GIRL」は同日4月29日よりリリース。『ビリギャル』は5月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビリギャル 2015年5月1日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年04月22日TBSの木曜ドラマ劇場「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」の特別試写会が4月11日(土)に開催され、連ドラ初主演の大島優子をはじめ、北村一輝、勝地涼、本田翼、田中哲司、山口紗弥加、遠藤憲一、堤幸彦監督、脚本家の櫻井武晴が出席した。「ケイゾク」「SPEC」などの人気作品を世に送り出してきた堤監督と「相棒」「ARTARU」など刑事ドラマに定評のある櫻井さんがタッグを組んで製作された異色の刑事ドラマ。任侠の世界から“足抜け”しようとするヤクザを支援する部署、通称・足抜けコールで奔走する刑事たちの姿を描く。登壇陣は、役柄の衣裳、ヘアスタイルで登壇。“喪服”の衣裳と顔半分に前髪が掛かった状態で登場した、主人公・麦秋役の大島さんは、第1話を見終えたばかりの観客を前に「ものすごく緊張してます…」とおそるおそる挨拶。強力な共演陣と堤監督を見やり「みなさんにおんぶにだっこでやってます。自分らしさを持ちつつ、もっともっと好いていただき、病みつきになっていただけるように麦を演じていきたいと思います!」と意気込みを口にした。リーゼントで登場した、麦秋の相棒の刑事・少を演じる北村さんは「見ていただけましたでしょうか…僕を(笑)!」といきなり自分アピール。さらに「第2話、3話とどんどん、この“恋愛ドラマ”が…」となぜか本作をラブストーリーと定義して、大島さんとの恋の物語を期待…?すかさず大島さんや他の登壇陣から「違います(笑)」とツッコまれていた。本田さんは、麦秋の妹役を演じており、看護師ということでキュートな白衣で登場!「みなさん、キャラが濃いですが私は意外と普通ですので」と強調。トーク中たびたび、当初の質問の意図から脱線する周囲に惑わされて「質問なんですっけ…?」と困惑する様子を見せ、さらに“姉”大島さんから「寝てたでしょ?」とツッコまれて、期せずして笑いを誘っていた。勝地さんは、「兄と家で『ケイゾク』ごっこをしてました」と明かすなど以前から堤作品の大ファンだったと語り、堤作品への参加に万感の思い。一方、ヤクザ役の遠藤さんは、以前にも堤監督の「池袋ウエストゲートパーク」でヤクザを演じている。TVドラマでヤクザを演じるのは久々とのことだが「周りから『役作りしなくていいでしょ?』と言われるんですが(苦笑)、実はヤクザの役作りが一番大変なんです!顔が恐いだけで心は真逆なので」と訴える。そんな遠藤さんは大島さんとは3度目の共演となるが「前から本当に良い子です。これが代表作になると思う。よかったね」と優しく語りかけるも、大島さんからは「怖いっていうか“ホンモノ”!登場シーンを見て、みなさん鳥肌が立ったと思う」と遠藤さんをほとんどヤクザ扱いしていた。現場で、堤監督が思いついたアイディアをすぐに取り入れていくため、脚本にない設定やキャラクターが加えられることもたびたびあるよう。田中さんが演じる“足抜けコール”の室長役について、司会者からは「子煩悩」という説明があったが、当の田中さんが「そうなんですか?」とここで初めて知ったようで、困惑の表情!それ以外でも、勝地さんの役が脚本上にはない“オネエ”になっていたりなど、大小様々なネタに関して変更が加えられている。脚本家の櫻井さんの口からはたびたび「初耳です」という言葉が発せられ「結構、現場で変えられてる。ある程度、脚本家に知らせてほしい(笑)」と舞台挨拶の場で堤監督に苦情を申し立て、会場は再び笑いに包まれた。「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」は4月16日(木)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年04月12日大島優子の連続ドラマ初主演作品で、「ケイゾク」、「SPEC」の堤幸彦監督が演出を務めるTBSドラマ「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」の特別試写会が開催され、大島さんは左目に髪が掛かったヘアスタイルと喪服という役柄のままの姿で舞台挨拶に登壇した。堤監督と「相棒」「ATARU」などの人気刑事ドラマを手掛けてきた脚本家・櫻井武晴のタッグによる本作。警視庁組織犯罪対策部(通称“マル暴”)の中でも、“足抜けコール”と呼ばれるヤクザをやめようとする者たちの相談に乗り、足抜けの支援を行う部署に勤める女性刑事の活躍を描き出す。大島さん演じる麦秋(ばくしゅう)は、前髪が左目に掛かった状態で“ゲゲゲの鬼太郎”のような状態だが、これは以前、大島さんが自身のブログでアップした、風呂上がりの写真をプロデューサーが見て、生まれたものだそう。さらに上下、さらには中のシャツまで黒の衣裳は、堤監督が「思いついて」、喪服をイメージ!さらにスカートの中にも“仕掛け”があり、第1話のアクションから「これが堤監督だな(笑)!」(大島さん)という演出が見られる。堤監督は、ずばり「あれはズロースです!」と秘密を解禁!もはや若い世代にとっては死語とも言える“ズロース”だが、大島さんは「年配の女性が履かれているやつですよね?履き心地はすごく良いです」と語り、堤監督の「流行らせてください」という言葉に「旋風を巻き起こしましょう!」とを誓っていた。この日は、共演の北村一輝、勝地涼、本田翼、田中哲司、山口紗弥加、遠藤憲一も出席したが、大島さんの鬼太郎ヘア以上に目を引くのが、麦秋の“相棒”であり、不本意ながら足抜けコールの部署に異動となった、元マル暴担当刑事で強面の三ヶ島翔を演じる北村さんの巨大リーゼントヘア!山口さんから「中に何が入っているのか気になる(笑)」とイジられていたが、北村さんは「地毛です…嘘です(笑)。いろいろ入ってて、第6話くらいで開きます。リーゼントって生き物ですから」とノリノリで会場をわかせていた。「ヤメゴク~ヤクザやめて頂きます~」は4月16日(木)より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年04月11日WOWOWのドラマ「闇の伴走者」の完成披露試写会が4月7日(火)、都内で開催され、W主演を務める松下奈緒、古田新太をはじめ、田中哲司、平田満、三木孝浩監督が舞台挨拶に登壇した。「MASTER キートン」(浦沢直樹)の原作・脚本協力、ドラマ化もされた漫画「クロコーチ」(コウノコウジ)へのリチャード・ウー名義での原作協力などで知られる長崎尚志の小説を『アオハライド』『ソラニン』など恋愛映画の名手である三木監督がドラマ化。ある巨匠漫画家の謎めいた遺稿に描かれた、35年前の迷宮入りの女性失踪事件の真相を、元警察官の女性と漫画変種者の男の異色コンビが追いかけていくさまを描く。元警察官で、現在は調査会社の調査員として依頼を受けて事件を追う優希を演じた松下さんは「久しぶりに笑顔のない役を楽しんでやらせてもらいました」と振り返る。一方、漫画のうんちくを語らせたら右に出る者はいない漫画編集者・醍醐を演じた古田さんは、知り合いの漫画編集者を参考にしたそうで「そいつは、どうでもいいことをダラダラ喋るヤツなんです。お前の知識なんてどうでもいい(笑)!苦しい役でした(苦笑)」と松下さんとは対照的につらい撮影だったよう…?いや、撮影自体は「サスペンスだけど明るくて、楽しかったんです。悲惨なシーンもみんなヘラヘラしてた」と楽しかったようだが「セリフが多い!こんなに長々としゃべらないでしょ、ひとりで。食いしん坊でポテトチップスを食べたりしてるんだけど、(古田さん自身は)お菓子大っキライなんです!」と撮影中の恨みつらみを吐きだし、笑いを誘っていた。2人のコンビネーション(?)が見どころの本作だが、古田さんは松下さんを「キレイでチャーミングでおっさんみたい(笑)」と評価し「初対面の時からゲラゲラ笑ってた」と明かす。松下さんは恥ずかしそうに「古田さんの前だと素でいちゃうんですよ(苦笑)」と釈明していた。田中さんは、二十年来の友人である古田さんとの共演について「ドキドキしました。細い目の奥で全て見透かされているようで…。でもよく見ると、目の奥はセリフでいっぱいいっぱいだったみたいですけど(笑)」と楽しそうに振り返る。その田中さんだが、撮影中は花粉症に加え、食あたりにも苦しめられたそうで、古田さんは「セリフが多い日で、フラフラで『早く帰りたい…』って言ってた(笑)」と暴露。田中さんは「カキにあたりました…。みなさん、気をつけて!火を通してもあたる時はあたります」と語り、会場は笑いに包まれた。『アオハライド』、『ホットロード』などの少女漫画原作作品をはじめ、青春映画で高い評価を得てきた三木監督だが「甘いものが好きで、スイートな作品が多かったですが、ずっと甘いものを食べ続けているとスパイシーなものが食べたくなる」とサスペンス・ミステリーへの挑戦の経緯を明かし「キャストもピリ辛ぞろいで楽しい現場でした」と自信をのぞかせる。過去の恋愛映画との最大の違いを問われると「天気が悪くても撮れるってすごく楽!画が暗くてもいいって楽しいです」とミステリーならではの撮影での利点を明かし、会場は再び笑いに包まれていた。また、漫画を扱った作品にちなんで、登壇陣に子どもの頃に愛読していた漫画や、ドラマ化してほしい漫画を尋ねると、松下さんは「ベルサイユのばら」と回答。「大好きで、オスカルになりたかった」と明かした。古田さんは永井豪の「バイオレンスジャック」、田中さんは「がんばれ元気」(小山ゆう)、平田さんは「天才バカボン」(赤塚不二夫)と、それぞれの世代や嗜好がうかがえる回答が並び、会場をわかせていた。WOWOW連続ドラマW「闇の伴走者」は4月11日より放送開始(全5話/第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2015年04月07日有村架純が金髪ギャル女子高生に扮する『ビリギャル』の完成披露試写会が4月6日(月)に開催され、有村さんをはじめ、共演の伊藤淳史、吉田羊、田中哲司、野村周平、安田顕、松井愛莉、土井裕泰監督が舞台挨拶に登壇した。高2の時点で小4レベルの学力しかなく、学年最下位だったギャルが、ある塾講師との出会いをきっかけに学力を伸ばし、慶應大学に現役で合格したという実話を映画化。今年の1月から2月にかけて撮影され、先週末に完成したばかりの本作を有村さんは昨日、鑑賞したが「感動して泣きました」と明かす。以前から映画の元になった原作の本の存在を知っていたそうで、オファーが届いたときは「まさか自分がやることになるとは…」と驚いたという。「“金髪ギャル”という言葉が頭にこびりついてて、イメージでガサツで男っぽい(口調の)ギャルかと思ってたんですが、脚本を読んで、そう思ってた自分が恥ずかしくなるくらい、こんな魅力的な女の子がいるのか!演じたい!と思いました」と明かす。ビジュアル面ではすっかり金髪ギャルになりきっているが「鏡で初めて(自分の姿を)見て『誰、あなた?』と思いました(笑)」と告白。「『超ヤバくねー?』とか『まじイミわかんねーんだけど』というギャル口調はなじみがなくて(慣れるのに)時間はかかりましたが楽しかったです」と振り返る。会場に用意された、等身大の自身のギャル姿のボードを見ながら、超ミニの制服のスカートについてあまりの短さに「履いている感覚がなかった」と述懐。「布を巻いたような感じで、スースーしちゃって、見えそうで撮影中もヒヤヒヤしました。まあ、見えてもいいんですけど(笑)」とあけすけに語り、周囲を慌てさせていた。松井さんも、有村さんの親友役でギャルに扮したが「(自身が通っていた)学校にはギャルはいなかったので、新鮮でした!違う自分になれた気がして楽しかったです。深夜の繁華街を走ったのが、印象に残ってます。寒かったのを忘れるくらいみんな、ハシャいでました」とニッコリ。有村さん、松井さんは撮影初日にカラオケのシーンやクラブで踊るシーンの撮影が行われたそう。有村さんは「クラブに行ったことがないから、どうやったらいいんだろう?という感じで、飛び跳ねてました(笑)。あれが初日でよかったなと思います」と和気あいあいとした撮影現場の雰囲気をうかがわせた。『ビリギャル』は5月1日(金)より公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ビリギャル 2015年5月1日より全国東宝系にて公開(C) 2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年04月06日女優・有村架純が金髪ギャルに変身することで話題を集めている『ビリギャル』が5月1日(金)より公開される。この度、本作の劇中歌を、現役のタワーレコード渋谷店スタッフとして働く22歳のミュージシャン、Saku(サク)が担当することが明らかになった。60万部を突破したベストセラー書籍「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」を、『いま、会いにゆきます』『ハナミズキ』など数々のヒット作を生み出している土井裕泰が実写映画化する本作。キャストには、主演を務める有村さんを始め、さやかと苦楽を共にし、慶應義塾大学現役合格へと導く坪田先生役に伊藤淳史。さやかの受験を応援する母親役に吉田羊。娘であるさやかと対立する頑固な父親役に田中哲司。学年ビリのさやかへと冷たくあたる高校の担任役に安田顕。同じ進学塾に通い、さやかのよき理解者であり、さやかに思いを寄せる森玲司役に野村周平と実力派俳優陣が集結している。今回発表された劇中歌は、現役タワーレコード店スタッフの顔を併せ持つSakuさんの新曲「START ME UP」。有村さん扮するさやかの力強く夢に立ち向かう姿勢を後押しする様に、「新しいあたしすきですか?」とエモーショナルに歌い上げる高揚感抜群なギターロックが印象的。すでに公開されている本作の予告編にも劇中歌が使用されており、予告編解禁時には「このきれい歌声は誰?」を話題になったほど。Sakuさんは、「この度、映画『ビリギャル』の劇中歌を担当させて頂き本当に光栄です。映画を観て共感するところが沢山あり、タワレコバイトをしながらミュージシャンデビューを夢見た日々を思い出して5回も泣いてしまいました」と喜びを語った。主演の有村さんは「今回Sakuさんに劇中歌を歌ってもらえて、私自身よりこの映画に親近感を覚えました。私とSakuさんは偶然にも年が同じで、お互い道は違えども、頑張りたいと思う気持ちにすごく似ているものを感じました。そんなSakuさんとお仕事が出来て、本当に嬉しく思っております」と語り、「この曲はきっと皆さんの耳に残る曲で、そして聴いた方の背中を押してくれる作品だと思います。Sakuさんの人柄も表れている優しい歌なので、劇中でも注目して聞いてみて下さい」とメッセージを送った。『ビリギャル』は、5月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月31日女優の有村架純が主演を務める映画『ビリギャル』(5月1日公開)の予告編が14日、公開された。原作は、65万部を突破した話題の実話本『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』。有村演じる成績ビリの金髪ギャル・さやかが、進学塾の教師・坪田との出会いによって、「慶應義塾大学現役合格」を目指して奮闘する姿を描いている。今回の予告編では、冒頭から金髪、ヘソ出し、ホットパンツ姿の有村が登場し、伊藤淳史演じる坪田先生に「ガン見しすぎじゃね?」と強烈な一言を浴びせる。また、「聖徳太子」を「せいとくたこ」と読み、「太った女の子だからこんなに名前つけられたんでしょ?」と珍回答を披露する場面も。挫折と共に周囲の励ましや反発を受けながら、最後はクラスメイトの前で「慶應大学に合格します!」と力強く宣言する。また、受験を応援する母親役・吉田羊、頑固な父親役・田中哲司、さやかに冷たくあたる高校の担任役・安田顕などの姿も。受験会場で本番に臨むシーンでロックバンド・サンボマスターの主題歌「可能性」が流れ、さやかの「不可能への挑戦」を盛り上げる。(C)2015映画「ビリギャル」製作委員会
2015年03月14日有村架純が“金髪ギャル”に変身することで注目を集めている映画『ビリギャル』。そんな本作から、金髪のみならず、へそ出し&ホットパンツ姿の有村さんを収めた予告編映像が解禁された。原作は、破竹の勢いで65万部を突破した、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。「聖徳太子」を「せいとくたこ」と読み、東西南北も知らず、地球が丸いことも知らない…そんな成績学年ビリのギャル・工藤さやか。高校2年生にしてその学力は小学4年生レベルの女子高生が、ひとりの教師との出会いから「慶應大学合格」という無謀とも言える目標に挑戦する姿を描く。今回届いた予告編は、金髪・へそ出し・ホットパンツ姿の有村さん扮するビリギャル・さやかが「ガン見しすぎじゃね?」という強烈なシーンから始まる。塾に通い始めたものの、最初のテストで「ここまで謎に満ちた答案は初めてだよ」と塾講師に言わせるほどの珍解答を連発。さらに、聖徳太子を“せいとくたこ”と何故読んでしまったのか…その摩訶不思議な脳内ロジックも明らかにされる。有村さんのほかにも、さやかと苦楽を共にし、慶應義塾大学現役合格へと導く坪田先生役の伊藤淳史を始め、さやかの両親を演じる吉田羊、田中哲司に、担任役の安田顕、さやかと同じ塾に通う高校生・森玲司役の野村周平など個性派のキャスト陣が、さやかを心配し、応援し、ほのかな恋心を寄せる姿も収められている。朝ドラの清純派から一転ーー“ビリギャル”有村架純の奮闘に注目してみて。『ビリギャル』は5月1日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月14日