エルガー『愛の挨拶』、メンケン『美女と野獣』、パッヘルベル『カノン』などなど、誰が聴いても楽しめる美しいメロディを荘厳なパイプオルガンの響きで楽しむコンサートが開催される(2月11日:すみだトリフォニーホール)。「トリフォニーホールパイプオルガン・バレンタイン・コンサート2021」には、その名の通り“愛にまつわる名曲”が満載。室住素子のオルガンに操美穂子のハープを加えた素敵なアンサンブルが、特別な時間を演出してくれるに違いない。さらには、演奏中の手元や足元を舞台上のスクリーンに映し出し、普段は見ることのできないパイプオルガン演奏の様子を紹介するのも楽しみの一つ。非日常のひとときをエスコートする司会の田添菜穂子のトークにも注目したい。年に一度の素敵な時間を巨大なオルガンの響きの中で過ごしてみるのはいかがだろう。バレンタインデーにはオルガンがよく似合う。
2021年02月07日ナレーターの木村匡也、ホリプロ所属アナウンサーの井上真帆、近藤淳子、田添菜穂子がこのほど、“完全リモート”でのテストナレーション録音にZoomで参加。収録後には、完成した作品のクオリティに、次々と驚きの声が上がった。○■Zoomで共有した映像を見ながら読み上げこれは、音声コンテンツの制作・編集が完全リモートで作業できる新たなパッケージサービス「AIR.」を開発したサウンドデザイナーの清川進也氏が企画したもの。清川氏が、地域振興プロジェクト『湯~園地計画!』で総合プロデュースを務めて縁のある大分・別府市のPR映像に、ナレーションを付けていくという試みだ。まずは、それぞれ自宅にいるメンバーが、ナレーション原稿をパート分け。清川氏が「温泉のけむりの“モクモク”はゆっくり読んで…」といった要領で演出を付け、Zoomで共有した映像を見ながら読み上げて、自分のレコーダーで録音。その音声データを受信した清川氏が編集するという段取りだ。自宅での録音のため、スマートフォンの録音アプリを使用する人がいれば、防音のために布団にくるまって読み上げる人も。ナレーター一人ひとりの環境に応じた機材の使用方法やデータのやり取りを決め、十分な音質であっという間に完成した。○■「WITHコロナ時代のニューノーマル」録音を終えた参加者たちに、Zoomで感想を聞いてみると、すでにテレビ番組のナレーションで積極的にリモート録音を導入している木村は「スタジオでの録音でナレーションブースに入ると、実は監督と背中合わせなんですが、この方式だとZoomで顔を合わせながらできるので、いいですね」と、あらためてメリットを実感。「まさにWITHコロナ時代のニューノーマル。こうやって自宅から録れると全国いろんな場所と仕事ができるようにもなります」と強調した。井上は「過去にも何度か、こういう“宅録”でナレーションを納品させていただいたことはあるのですが、メールでデータを送って、ディレクターさんが確認して返事がくるまでに結構時間がかかるんですね。それで録り直しになったりすると、またゼロからセッティングしたり、話し方を前後のナレーションのレベルに合わせるようにやったり、尺の調整もしたり、やり取りが手間だったのが正直なところでした。なので今回のやり方は、読み手にとってもすごくストレスフリーで、いいなと思いました」と手応え。近藤は「すごい現場に立ち会っているなと思いました」と画期的なシステムに驚き。「離れていてもリアルタイムで演出の指示をいただけるのはありがたいです」といい、木村の使用した高音質のマイクを見て、「これからのアナウンサーは、(アナウンス)技術や人脈だけでなく、IT環境がそろっているからこその専門性も必要になってくるんだろうなと思いました」と感化された様子だ。そして、田添は「こんなに短時間にできてしまったことが素晴らしいなと思いました。また、同じ画面を共有した中でも、それぞれの皆さんが持っている感性が集まって1つの形になるのはすごいなと思って拝見しました」と感心していた。○■“声”が新しいインターフェースに今回のテストナレーション録音は、清川氏が代表を務めるエイティーエイト社とホリプロの映像事業部プロジェクト(S-Lab)との業務提携の取り組みのキックオフという位置づけ。ホリプロの前川謙一プロデューサーは「スタートアップ企業と新しい価値を提供する“S-Lab”というプロジェクトの一環でやっています。ホリプロにはアナウンス室(HAP)を含めいろんな声の持ち主がいるので、今後さまざまな形に広げていければ」と構想を語る。清川氏は「人類の文字伝達におけるコミュニケーションは、筆記からタイピング、フリックへと進化しましたが、今ではスマートスピーカーなどの普及で“声”が新しいインターフェース(=接点)になっています。さらに、コロナで社会が一変する中、声は空気や風のように距離を飛び越え、あらゆる環境にも適応し、コンテンツ制作において新しい切り口を見出してくれる。そんな“声の時代”とも言える現在において、これまでに培ったサウンドデザインの経験を生かし、あらゆる表現のお手伝いができれば思っています」と意欲を示している。
2020年06月04日「精霊の守り人」シリーズの作家・上橋菜穂子による、2015年本屋大賞受賞小説『鹿の王』がアニメ映画化。『君の名は。』の作画監督を務めた安藤雅司が初監督、「ハイキュー!!」シリーズでも知られる岸本卓が脚本を務め、映画『鹿の王 ユナと約束の旅』が2021年9月10日(金)に全国公開となる。2015年本屋大賞受賞作、ファンタジー小説「鹿の王」がアニメ映画化「小さなノーベル賞」と言われる「国際アンデルセン賞<作家賞>」を2014年に受賞した「精霊の守り人」シリーズをはじめ、数多くの作品を手掛けてきた作家、上橋菜穂子。そんな彼女の新たな代表作であり、2015年の本屋大賞に輝いた作品が、今回映画化される小説「鹿の王」だ。同作は、シリーズ累計190万部を突破した人気作で映像化が望まれていながら、壮大かつ複雑な世界観がゆえに映像化は不可能とも言われていた。「鹿の王」では、強大な帝国が支配する世界を舞台に、謎の病から生き延び、過酷な運命に立ち向かいながら旅を続ける血の繋がらない父と娘、そしてその病から多くの命を救おうとする医術師の“絆”と“出会い”の物語が描かれる。緻密な医療サスペンスと感動のストーリーを組み込んだ、唯一無二の冒険ファンタジーは、これまでも多くの人の心を掴んできた。Production I.G制作、日本を代表する3人のアニメーターが集結この壮大な世界をアニメ映画[『鹿の王 ユナと約束の旅』で実現するため、立ち上がったのは「PSYCHO-PASS サイコパス」や「黒子のバスケ」、「ハイキュー!!」といった人気テレビアニメ、『蒼穹のファフナー THE BEYOND』などの人気アニメ映画を世に送り出してきた制作スタジオ「Production I.G」。原作者である上橋も「Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵しました。I.Gさんなら原作に囚われ過ぎず、アニメとして面白い映画を創ってくださるでしょう。」と期待のコメントを寄せている。また、安藤雅司をはじめ日本を代表する3人のアニメーターが、今回の映画化に向けて動き出した。『もののけ姫』『君の名は。』の作画監督、安藤雅司が初監督監督を務める安藤雅司は、25歳の若さでスタジオジブリ制作の映画『もののけ姫』で作画監督を担当し、その後『千と千尋の神隠し』、新海誠監督作品『君の名は。』でも作画監督を務めた。邦画の歴代興行収入上位4作品のうち3作が、安藤の携わった作品だ。映画『鹿の王 ユナと約束の旅』は、初監督を務めるだけでなく、キャラクターデザイン、作画監督も同時に担当する。「ハイキュー!!」シリーズの岸本卓が脚本共同監督として共に映画を作り上げていくのは、『千と千尋の神隠し』では監督助手を、『伏 鉄砲娘の捕物帳』で映画初監督を務めた宮地昌幸。脚本は「ハイキュー!!」シリーズや「僕だけがいない街」など、話題作を数多く手がける脚本家・岸本卓が担当する。声優キャストに堤真一、竹内涼真、杏また、声優として豪華キャストが集結。物語の主人公・生き残った孤独な戦士ヴァンは、意外にも声優初挑戦となる堤真一が演じる。もう1人の主人公・謎の病の治療法を探す天才医師ホッサルには、竹内涼真。竹内涼真もアニメーションの声優は初となる。さらにヴァンを追う謎の女戦士サエは、杏が声を担当する。〈登場人物〉ヴァン(堤真一):物語の主人公。かつて<独角(どっかく)>の頭として、巨大帝国・東乎瑠(ツオル)を相手に戦ったが敗れ、岩塩鉱で奴隷となっている。山犬が岩塩鉱を襲撃した時に生き残り脱走した。ホッサル(竹内涼真):物語のもう一人の主人公。東乎瑠(ツオル)帝国の支配階層に名を轟かせる天才的な医術師。謎の病・黒狼熱(ミツツァル)の治療法を探す。サエ(杏):<跡追い(あとおい)>と呼ばれる狩人の中でも凄腕の女性。ヴァンの行方を追う。ストーリー飛鹿(ピュイカ)に跨り戦った最強の戦士団<独角(どっかく)>。その最後の頭であったヴァンは、強大な帝国・東乎瑠(ツオル)を相手に戦ったが敗れ、奴隷となり岩塩鉱に囚われていた。ある夜、ひと群れの不思議な山犬たちが岩塩鉱を襲い、死に至る謎の病<黒狼熱(ミツツァル)>が発生する。山犬に噛まれながらも生き残ったヴァンは、一人の幼い少女ユナを拾う。伝染する死に至る病―。東乎瑠(ツオル)の民だけが病にかかると噂が広がる王幡領では、天才医師ホッサルが、懸命にその治療法を探していた。孤高の戦士と抗体を求める天才医師、出会うはずのなかった二人は旅に出る。誰のために生きるのか。何のために生きるのか―。しかし、世界に広がる謎の病の背後には、想像を絶する思惑と、過酷で雄大な自然、そして巨大な陰謀が渦巻いていた―。【詳細】鹿の王 ユナと約束の旅公開日:2021年9月10日(金) 全国公開制作スタジオ:Production I.G監督:安藤雅司、宮地昌幸脚本:岸本卓キャラクターデザイン・作画監督:安藤雅司原作:上橋菜穂子『鹿の王』(角川文庫・角川つばさ文庫/KADOKAWA刊)出演:堤真一、竹内涼真、杏配給:東宝製作:「鹿の王」製作委員会
2019年12月13日